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1970/03/25 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第6号
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1970/03/25 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第6号

#1
第063回国会 逓信委員会 第6号
昭和四十五年三月二十五日(水曜日)
   午前九時五十三分開議
 出席委員
   委員長 金子 岩三君
   理事 内海 英男君 理事 加藤常太郎君
   理事 本名  武君 理事 水野  清君
   理事 古川 喜一君 理事 中野  明君
   理事 栗山 礼行君
      加藤 六月君    上林山榮吉君
      佐藤 守良君    園田  直君
      坪川 信三君    羽田  孜君
      浜田 幸一君    林  義郎君
      三池  信君    森  喜朗君
      安宅 常彦君    阿部未喜男君
      佐々木更三君    武部  文君
      八百板 正君    土橋 一吉君
      中村 拓道君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 井出一太郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  小渕 恵三君
        郵政大臣官房長 野田誠二郎君
        郵政省郵務局長 竹下 一記君
        郵政省貯金局長 山本  博君
        郵政省簡易保険
        局長      上原 一郎君
        郵政省人事局長 中田 正一君
        郵政省経理局長 溝呂木 繁君
 委員外の出席者
        郵政大臣官房首
        席監察官    中根 敬一君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
  伊藤惣助丸君     鈴切 康雄君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  小川 半次君     上林山榮吉君
  羽田  孜君     小坂善太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小坂善太郎君     羽田  孜君
    ―――――――――――――
三月十九日
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第五六号)
     ――――◇―――――
#2
○金子委員長 これより会議を開きます。
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。
    ―――――――――――――
#3
○金子委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。井出郵政大臣。
#4
○井出国務大臣 簡易郵便局法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 現行の簡易郵便局法は、昭和二十四年に成立いたしまして今日に至ったものでありますが、この簡易郵便局制度は、御承知のとおり郵政窓口サービスを提供する必要がある場合において、その事務の量が著しく少ないとき、国の直轄による郵便局を設置しないで、契約によって地方公共団体や協同組合に委託することによりまして、より少ない経費で一局でも多くの窓口機関を普及させることを主眼とした制度であります。
 本制度創設以来すでに二十年を経過し、その数も三千をこえるまでになり、地方における郵政窓口サービスの普及に大いに寄与しているのでありますが、いまなお簡易郵便局の設置を必要とする地区が全国に約二千カ所もございます。
 これらの地区の大半につきましては、地方公共団体や協同組合の施設が存在しないのでありまして、これらの地区にも郵政窓口サービスをあまねく公平に提供するため、受託者の範囲を広げて窓口機関増置を促進するほか、委託事務の範囲も一部拡大しましてサービスの改善をはかろうとするものであります。
 改正の内容は第一に、現在の地方公共団体や農業協同組合等の受託者の範囲に、十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人を加えることであります。
 なお、委託に応じようとする地方公共団体、協同組合があります場合は、地方公共団体、協同組合の順位でこれを優先し、個人は第三順位といたしております。
 第二に、簡易郵便局に委託すべき事務は、現在、郵便、郵便貯金、郵便為替、郵便振替、簡易生命保険及び郵便年金に関する事務に限られておりますが、これに福祉年金の支払いに関する事務を追加することとし、受給者の利便を増進しようとするものであります。
 そのほか、契約解除条件を法定する等、所要の規定の整備をはかることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#5
○金子委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前九時五十七分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時四十三分開議
#6
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野清君。
#7
○水野委員 簡易郵便局法の一部を改正する法律案が、本日、大臣の説明がございまして当委員会に付託されたわけでありますけれども、自由民主党を代表いたしまして、二、三の疑義について郵政省当局から伺いたいと思います。私は郵便業務はあまり詳しくございませんので、愚問を出すかもしれませんが、その点はお許しを願いたいと思います。
 まず、第一に伺いたいのは、今度の簡易郵便局というのは、すでに全国に特定局の郵便局網がめぐらされておって、特定局の中でまた段階があるように思うのです。集配局と無集配局と分かれておる。この無集配局と簡易局というのが私には非常にまぎらわしいのであります。郵政省でおっしゃる小規模の窓口機関でありますが、無集配特定局と簡易郵便局とをどういうふうに区分けをして郵務当局は考えておられるか、その位置づけとか概念から、まずお聞かせ願いたいと思うのです。
#8
○竹下政府委員 簡易郵便局と比較されますのは無集配特定局でありまして、その中でも事務量の少ない二名局、三名局の無集配特定局であろうと思います。この二つはいずれも事務量が比較的少ないのでありますけれども、簡易郵便局はその中でも特に取り扱い量が微少でありまして、具体的に申し上げますならば、一人で十分の仕事、あるいは一人未満、と申しますことは、何か兼業という形でやってもやっていけるような仕事の量に見合う場合には簡易郵便局で十分ではなかろうか。つまり事務量の多い、少ないでもって、非常に少ない場合には簡易局で運営する、二人以上になりました場合には特定局でやっていく、こういうラインを引いてよろしいんではないかと思います。
#9
○水野委員 そこで伺いたいのですが、いまおっしゃることでわかるようでもありわからない面があるのですが、たとえば農村地帯なんかで、これから特定局、無集配特定局と簡易局ができるわけなんですが、大体人口の面からいって、現在特定局の認可の基準があるようでありますが、簡易局のほうはどれくらいの人口に対して一局というように考えておられるか。
 それから、すでに特定局、まあ無集配特定局の網ができております。その局間の距離の問題はどのくらいの距離ということを考えておられるのか。実はこういうことを言っておかしいのですが、私の郷里の千葉県の特定局長さん方の集まりに出たところ、こういう意見が出たのです。要するに、われわれは現在保険とか貯金のノルマを課せられて一生懸命やっております、ここにまた簡易局が入ってきて仲間で奪い合いをやるのでははなはだ迷惑だというような意見が一、二散見されたのでありますが、そういうことについてちょっとお答えを願いたいと思います。
#10
○竹下政府委員 無集配特定局につきましても、また簡易郵便局につきましても設置基準がきめられておりまして、無集配特定局の場合は、もよりの郵便局から二キロメートルで六百戸あれば設置ができる。また簡易郵便局の場合でありますと、もよりの窓口から八百メートルで二百戸、また距離が延びるに従いまして戸数が減じていきまして、最も薄いところで、局間五・五キロメートルに対して百戸、こういう基準が一応設けられております。
 したがいまして、ただいまお尋ねがございましたように、すでに無集配特定局がある、そこに片や簡易郵便局が設置基準に達するところにつくられていくわけでございますから、従来無集配特定局がやっておりました事務量の幾らかは簡易郵便局のほうにいくということは、これは避けられないことだと思います。しかしながら、地域住民の方々に対してサービスをよくしていくというねらいが簡易郵便局の設置にあるわけでございまして、要は、いまある無集配特定局の事務量に急激な変化を来たすということであれば考慮しなければなりませんけれども、ある程度は、地域住民のサービスという面から考えまして、仕事を分散するということはやむを得ないことかと存じます。
#11
○水野委員 いま郵務局長が、八百メートルだったら大体二百戸単位というような一つの基準を言われた。そういう何か距離と戸数の縦、横の表というものは郵政省にあるんですか。あれば、あとでけっこうなんですが、これの資料を出してもらいたい。
 それから、私のいま質問をしたのは農村地帯における無集配特定局と簡易局との関連ですけれども、逆に、少し都市化して今度は人口が稠密なところ、私の県で申し上げると、東葛飾郡あるいは市川、船橋、こういう稠密地帯になりますと、昔特定局があったところへどんどん団地や何か入って人口がふえてきている。それじゃ、とても特定局じゃ収拾がつかぬ、むしろ直轄の郵便局ですか、それに格上げをしてもらって大きくするほうがいいのか、あるいは簡易局をその周辺に、特定局のまわりに、距離と人口との比例があるでしょうけれども、幾つかつくって、もっと窓口サービスを円滑にするほうがいいのか、この二つの問題がある。先ほどは人口が過疎地帯、今度は過密地帯には逆の問題が出てくる。その関連について、どういうふうに郵務当局は考えておられるか、伺いたいと思います。
#12
○竹下政府委員 都市に近いところは、いずれ近い将来において都市の中に入ってしまうということが考えられるわけでございまして、その場合には事務量も相当多くなることが予想されますので、将来は無集配特定局を設置するのが当然だと思います。当然と申しますか、そのほうがベターであると考えます。したがいまして、それまでちょっと待っていただくか、ということは、あまり長く待つわけにもまいりますまいから、一年くらい待っていただいて、無集配特定局をつくるか、あるいは簡易郵便局をつくりまして、数年後に特定局に切りかえるということも、これはその地況によりましては考えてもよかろうかと思います。
 簡易郵便局はへんぴなところに置くということを原則といたしておりますから、いまお話がございましたような都市性の非常に強いところにつきましては、原則として無集配特定局でいくと、こういう方針でおるわけでございます。
#13
○水野委員 前の質問でもちょっと触れたんですが、いまちょっとお答えが足りないと思うのです。これは簡易局の問題じゃないけれども、特定局がすでにある。これは集配をやる特定局でけっこうなんです、無集配じゃなくて。これ自身が事務量が非常にふえてまいっておるわけです。特定局で局長以下十何人なんというところもありますけれども、それでもすでに郵便物はうまく行かない。私の知っている範囲では、たとえば千葉県の印旛郡に四街道というところがある。最近いろいろ団地がふえてきた。ところが、局長以下大体定員がきまっておりまして、郵便物はじゃんじゃんふえるわけです。特定局を一般局にはなかなか引き上げてもらえない。郵便局には事務職の方と配達の方がいますね。事務職のほうは、これは何か職種が違うのか、配達を少し手伝えと言っても手伝わない。しょうがないから局長が一生懸命やっているというような嘆きも私は聞いているわけです。こういうことが首都圏なんかの、人口が最近非常にふえてきたところには多いのであります。
 そこでこの特定局、いわゆる集配特定局を含めて、これをどう格上げしていくかというような基本方針を、もう少し追加して伺いたいわけです。
#14
○竹下政府委員 四街道のお話が出ましたが……(水野委員「たとえばですよ」と呼ぶ)たとえばでございますが、発展が著しくて、特定局という形において運営がなかなかいきかねるような局につきましては、これは普通局へ切りかえるということ、これは当然やるべきでございまして、一応の切りかえの基準も用意してございます。集配特定局につきましてはそのように考えております。
#15
○水野委員 次に問題を移しますが、この簡易局を設置することの一つの利点として、先ほど大臣の提案理由の説明にもございましたが、地方における郵政窓口サービスの普及ということを主としておられるということですが、外国の郵政の窓口機関というものは、日本と比べてどういうふうにやっているのか。たとえば日本の、今度範囲を拡張しようとする簡易局以下のような仕事もやっているのか。私の聞くところでは、たとえばたばこ屋でいま切手を売っていますが、切手の売りさばき所みたいなところで、すでに窓口機関のような簡単な仕事をしているという話も聞いております。その点について御説明をいただきたい。
#16
○竹下政府委員 外国の郵便局は、日本と違いましてほとんど郵便の仕事でございます、日本ですと貯金やら保険やらの仕事が入りますけれども。したがいまして、おっしゃいましたように、日本で申します売りさばき所にちょっと毛がはえたような形において郵便局があるという姿が非常に多いのでございます。
 いま、その数を申し上げますと、アメリカにおきましては、請負分室分局ということで五千五百局ばかしそういう小局がございますし、イギリスにおきましても、比例報酬制副郵便局というのがございまして二万三千ばかしあるそうです。フランスにおきましても、郵便取扱所と称しますものが五千五百ばかしあるように聞いております。
#17
○水野委員 次に、先ほど来私が伺ってきましたが、無集配特定局と簡易郵便局というもの、この経営上の比較、経営比較ですね、というものを御説明いただきたいと思います。今度簡易郵便局の受託者の範囲を広げるわけですが、一体、最低どのくらいの収入が保障されているのか。それに、郵便物を取り扱って、どういうふうに――歩合制になっているんでしょうが、収入が積み重ねられていくのか。それから、いままでの無集配特定局はどういうふうになっていくのか、この二つを比較して御説明をいただきたいと思います。
#18
○溝呂木政府委員 ただいまの御質問のうち、簡易郵便局と無集配特定局の経営比較という点につきまして御説明さしていただきたいと思います。
 実は、この経営比較の方法はいろいろ問題点がございますが、一応私のほうで試算した数字を申し上げます。と申しますのは、簡易局が相当ありますが、四十三年度の決算で百九十五局ばかり抽出調査をしたのと、それから無集配特定局につきましては、それに比較するのに適当と思われる一番小さい二人局の無集配特定局を約四十八局ばかり抽出いたしまして、そのそれぞれの一局の平均収支というものを推算してみましたところ、簡易局のほうは六千円の赤字、それから二人局のほうは百二十七万一千円の赤字というふうに出ております。そして、その赤字がそれぞれ出たもとになる収入と費用の考え方ですが、実は収入というのは、たとえばただ書留を引き受ければ六十円をそのまま収入とするという方法でなしに、その六十円の収入があっても必ずだれかがまたそれを配達しなければならないという意味で、いわゆる収入配付という方法を私どもはとっておりますが、六十円の書留を引き受けても、その窓口で引き受けた分は、たとえば十六円なら十六円という収入の配付をしております。そういう形でやりました結果、ただいま申し上げましたように、簡易局については一局平均六千円、二人局につきましては百二十七万一千円というふうになります。
 それから支出のほうは、これは後ほど郵務局長から答弁があるかと思いますが、簡易局手数料の算出方法で、基本料、それに郵便、貯金、為替あるいは保険等、それぞれの取り扱い件数に単金をかけたものを取り扱い手数料として支出しておりますが、それを支出として見込んでおります。
#19
○水野委員 簡易局を、いままで市町村自治体の役場なんかに置いたり、あるいは農協、漁協などの協同組合に併置をしてやってきたわけですけれども、今度これを個人受託の道を開くというのがこの法律の精神だと思うのですが、さっきの話の前の質問でも触れましたけれども、簡易局をふやすと、無集配特定局の局長さん方は、おれたちはどうも要らなくなるんじゃないかという心配をしているわけです。無集配特定局は縮小していって、安上がりな簡易局に切りかえていくのじゃなかろうかという疑心暗鬼を持っているわけなんです。この点について郵務局長から明確なお話を承って、全国の無集配特定局の局長さん方が安心するようにしてほしいと思うのです。
#20
○竹下政府委員 御懸念があるそうでございますが、無集配特定局ができるにつきましてはそれぞれの経緯があって、地元の要望、地況というものを見まして慎重に設置を決定し、今日まで仕事をやってきてもらっておるわけでございます。したがいまして、この法案の成立を機会といたしまして、従来の郵便局の設置基準を変える予定はございません。したがいまして、御懸念のような御心配は皆無でございます。
#21
○水野委員 次に、いまの問題に続きまして、受託者の範囲を広げて個人受託の道を開いてくださるということですが、郵便局をやりたいという、私もだいぶ多くの人からそういう希望を聞いておりますけれども、これは少し逆な質問なんですが、これまで農協や自治体で簡易局を受けてやっておったわけです。農協には農協の本所だけのような農協もありますけれども、支所というものもある。大体大きな市なら、農協の中央の事務所があって、それに三つや四つ、あるいは多いところは五つも六つも農協の支所が現にある。それから地方自治体も町村合併で、市があって、市の周辺に町村合併をする前の村役場がそのまま出張所という形で残っているところも非常にあるわけなんです。こういうところへもっと努力をなすったらいいのじゃないか。この法案について、野党の方々からもだいぶ反対だというお話も聞いておりますけれども、そういう道をもっと努力して拡張していかれても、現在まだ二千カ所ぐらいあるとさつき大臣の提案理由の説明にございましたけれども、その二千を埋めることができるのじゃないかという、私の素朴な疑問なんですが持っているわけです。そこへまた個人受託の道を開くということは、何か競合させるような気がしてならないのですけれども、どんなものでしょうか。
#22
○竹下政府委員 お話しのように、市町村の役場あるいは協同組合の施設が何らかの形であります場合にはそこに委託をお願いする、その努力は今後とも続けたいと思います。私どもがいままで調査いたしましたところでは、実は要設置数大体二千百ばかりの中で七割というものは、そういう施設が全然ない、したがって委託する方法もないというところである。ここはもうやむを得ませんから個人の受託でいくより手がない、こういう実情でございます。
#23
○水野委員 先ほどの私の質問でも触れたのですが、外国でもやはりこの郵便業務の個人委託ということを現にやっているのですか。その基準とか、個人委託をする場合、犯罪の経歴のある人に委託することはないでしょうけれども、そういったことも含めて、どういう資格の人に委託をさしているのかというようなことを伺いたい。
#24
○竹下政府委員 先ほど私、外国における小局運営の実態を数字でもってお話し申し上げましたが、あれは実は全部個人委託という姿において運営されている小局でございます。身分は、公務員ではございませんけれども、その地域社会においてしっかりした信用を持っておる人を選んでやっておるようでございます。
 また、運営の形態は、手数料あるいは請負費という形で経費が流されておりますし、作業場はその人の提供に依頼する、こういう形で運営されているようでございます。
#25
○水野委員 新しく個人で委託を受ける場合ですが、設備とかそういったものについて、書留のような現金を扱う場合もあるわけですが、大体どういう基準をつくっておられるか、これが一つであります。
 それから簡易郵便局について、これまでも郵務局で監督をしておられると思いますが、個人に対して受託範囲を広げるわけで、監督をさらに強化しなくちゃいけないのじゃないかという気もするわけですけれども、これについてはどうなのか、この二つについて伺いたいと思います。
#26
○竹下政府委員 簡易局の運営に必要なる物品の中で、日付印でありますとか、はかりでありますとか、こういう大事なものは郵政省のほうから支給するということでございます。そのほかの備品類、それから局舎、これは委託を受ける人に提供していただく。それに対しましては、手数料の中の基本額というところで見る、こういう仕組みになっております。
 それから、個人委託の場合の監督の強化でございますが、これは個人委託の趣旨が、地元に信用を博し得ており、かつ、経済的にも十分の力を持っておる人、いわゆる人格者、こういったりっぱな人物を選考いたしまして委託をするということでございますから、個人委託にしまして特に監督権を強化しなければならないという必要性は、いまのところ考えておりません。
#27
○水野委員 もう一つ伺いたいのですが、個人委託をした場合、これは兼業ができるのだが、たとえば荒物屋さんをやっていて、店舗のわきをちょっと改造して簡易郵便局をつくる、私がさっき伺ったのはそういうことを伺ったのですが、荒物屋さんなら荒物屋さんをやっている、そのわきをちょっと一間ばかり改造して簡易郵便局をつくる、その局舎の大体の面積とか、一応書留にしても現金を預かるわけですから、その現金の保管についてどうするか。たとえば一人ですと、局長が荒物屋の店に行っている間に預かっている書留を盗まれたらどうするかというような、非常にプリミティブな疑問を感ずるのですけれども、そういうことについてどうなのか。
#28
○竹下政府委員 事務量がきわめて少ないということもございまして、いまお話がございましたように、荒物屋の一角にそういう事務室をこさえましてそこで簡易郵便局の仕事をする、そういう場合、たばこを売りつつ、たばこ屋の店の一角に簡易郵便局の看板を掲げてやる場合、あるいは農家でございますと、農家のお座敷の一部を改造いたしましてそこで簡易郵便局の仕事をやる、これはいろんなケースがございます。と申しますことは、簡易郵便局の取り扱い者は同時に別の仕事もやっておる、兼業という形でやっておるという場合が非常に多いわけでございまして、これは簡易郵便局の趣旨といいますか、性格から見ましても、むしろ当然のことであろうと思います。
#29
○水野委員 私の質問に対してちょっと――たとえば現金を預かる場合ですね。現金を預かったりするのですから、簡易局であろうと、郵便局の中にフリーの第三者、フリーでなくても第三者が入ってきて、かってに郵便物をあけてみて、だれの郵便物を預かっているのかというようなことはできないことになっておると思うのですよ。そういうことに対して、一人局であるだけに非常に問題が起こりやすいような気がする。これは幾ら資産があって、その町村における門閥の方がやっても、物理的に、こっちに行っている間にこっちがあいていれば、お客さんが来て郵便物を頼みますと言ったときに、裏で鶏にえさをやっていたなんというケースが出てくるだろうと思います。そういうことについてどういう監督をしていかれるか、こういうことを伺っているわけです。
#30
○竹下政府委員 私の説明がだいぶ不十分でございましたが、大事なお金を扱うことが多いし、信書を扱うことが多いわけでございますので、扱いにつきましては、十分注意をするように通達はしてございますし、また、金庫を必ず備えつけておかなくてはいけないということもいっております。
 それから、簡易郵便局の実態といたしまして、事務量はもとより少ないのでございますけれども、局舎の管理、物品の監視、管理等につきましては、その人がその場所を離れる場合には、たとえば奥さんであるとかあるいはその店の従業員であるとか、いわば一つの家族ぐるみのと申しますか、店ぐるみといいますか、そういう大ぜいの人たちで、全部が注意を払ってやっていくんだというような一つのことを私どもは予定しておりますし、実際もまたそういうような形で運営されておりまして、今日まで事故らしいものは起きていないという実情でございます。
#31
○水野委員 そうすると、また私、次の疑問が生まれてくるのですが、奥さんは一人しかいないからいいでしょう。子供さんもいいでしょう。しかし、従業員とか何とかいうことになると、郵便業務を扱う人たちの範囲がかなりあいまいになってくる。たとえば私が局長になりますと、私がどこかへ出張なりほかの仕事で一日あける際は家内が管理する、夫婦で結婚式や葬式へ行った際は第三者がやるというような順位をきめて、どの範囲の人たちでこの簡易局を守っていくのだというようなことは、あらかじめ郵政局に届け出るとか何とかして責任を明確にしておられるのか。そうしていただかなければ私は困ると思うのですが……。
#32
○竹下政府委員 本人が病気をするとか、やむを得ないことで旅行をするとか、やむを得ない事由のためにその局舎を離れることはございますので、その場合には、かわりの人二人まできめまして郵政局のほうに届けておく、こういう仕組みにいたしております。
#33
○水野委員 もう一つ疑問があるのですが、個人受託の道が開かれますと、現在の農協とか自治体の団体契約の大部分が、簡易局がそんなにいいんなら、ひとつ農協でやらなくても――農協でも便利だといわれているところもありますけれども、めんどうくさいといわれているところもあるわけです。農協のものをやめてしまって、今度横へ、個人受託に流れていくのではないかというおそれがある、その辺についてどういう見通しを持っておられるか伺いたい。
#34
○竹下政府委員 大部分の公共団体あるいは農業協同組合等は、従来どおりの形で委託、受託の関係を継続していただけるものと思います。また、私どもはそれを期待いたしております。
 しかし、市町村あるいは農業協同組合等におきましては、いろいろ内部の御事情もございましょうから、そういう場合には個人に切りかえられていく、そういうケースも、これは正確に予想はつきかねますけれども、かなりあるのではないかと思います。
#35
○水野委員 次に、簡易郵便局の取り扱い手数料について伺いたいと思います。最近の全国の簡易郵便局で、最高大体どのくらいの収入があったか、あるいは最低の場合、全国平均、それぞれ月額でどのくらいの収入を得ておられるかということを伺いたい。これが第一点です。
 それから、その取り扱い手数料の算出基準というのはどうなっているか、参考までに伺いたい。
#36
○竹下政府委員 昭和四十三年度の実情を申し上げます。
 最高の手数料額、月額でございますが、九万八千九百九十六円ということになっております。最低は、これは郵便貯金を扱う局とそうでない局によって違いますが、郵便貯金を扱う局におきましては月額一万三千五百三十三円、郵便貯金を扱わない局におきましては九千八百五十八円ということになっております。平均いたしまして、貯金を扱う局は月額二万四千九百四十九円、郵便貯金を扱わない局は一万一千三百二円ということでございまして、一口に簡易郵便局と申しましても、事務量が多いところと少ないところと相当大きい幅があるわけでございます。
 次に、取り扱い手数料の算出基準でございますが、取り扱い手数料の中には、一定の基本額と、取り扱い件数に応じて支払いますところの取り扱い料と、現金出納手当、募集手当相当分による加算額と、この三本立てになっております。
 そのことを若干説明申し上げますならば、基本額と申しますものの中には、建物の借料、什器類、備品類の費用、つまり物件費でございますが、その償却費と、毎日使用しておりますところの光熱水道料等の維持費相当部分、それと人件費が含まれております。その人件費は、郵政省職員給与ベースに基づく手間賃でございます。第二番目の取り扱い料でございますが、これは一件当たりの定額単価をきめておりまして、取り扱い数量に応じて支払うものでございまして、たとえば郵便の場合ですと、一件の取り扱い料が十三円、郵便貯金の場合ですと、一件につきまして二十一円の単価がきめられておりまして、取り扱いの件数に応じて支払うということでございます。それから第三の加算額は、取り扱い金額高に応じて支払いますところの現金出納手当相当分、それと貯金、保険の契約をとりました場合の募集手当の相当分でございます。
#37
○水野委員 事務的にいろいろな問題を伺いましたけれども、最後にひとつ政務次官からお答えをいただきたいのです。
 先ほど来私がいろんな角度から伺いましたように、いまのような御説明は、おそらく全国の特定局長さん方は十分わかっておられると思うのです。わかっておられながら、やはり先ほど申し上げたように、無集配特定局の局長さんあたりは、この簡易局の個人受託の出現を、内心ややおそれをなしているという傾向は見のがせないと思うのです。ですから、これについては今後設置の際に非常に慎重に、既設の特定局の利害関係を参酌してやっていただきたい。もともと過疎地帯になって人口は減っておるわけでありますから、保険とか貯金の業務というものはどうしても伸びない、伸び悩んでおるような事態からいっても、慎重にやっていただきたいわけですけれども、こういうことについて、政務次官の大所高所からのお考えを承らせていただきたいと思います。
#38
○小渕政府委員 この問題につきましては、たしかこの法案が前国会におきまして衆議院を通過いたします段階におきましても、附帯決議が付された経緯もございますので、ただいまの水野委員の御指摘もあわせ考えまして、特定局がいままで果たしてきた役割りを十二分に考え、簡易局の個人受託が許されることになりましても、お互いの職分を侵略するようなことのないように、十分配慮してこの法律を運用していきたい、こう考えております。
#39
○水野委員 以上で、私の質問を終わらせていただきます。
#40
○金子委員長 阿部未喜男君。
#41
○阿部(未)委員 大臣があとで出席されるそうですし、人事局長もまだお見えになっていません。したがって私、さしむき事務的な問題について、経理局長にちょっとお伺いしたいのです。
 先ほど御説明の中で、一局当たり簡易局の場合には月額六千円とかの欠損だというお話がございましたが、ずばり言って、五千局の簡易局を置いた場合に、郵政予算での収支は年間どういう赤字の累計になりますか、ちょっとお知らせ願いたい。
#42
○溝呂木政府委員 先ほど答弁いたしました中で、簡易局が一局平均六千円の赤字と申し上げましたが、そのときにも若干御説明いたしましたように、一応郵便局収支という場合には、これは擬制的な収入――先ほど申しましたように、取り扱いの手数に応じた収入の配付という形をいたしておりますし、それから支出のほうも、郵便については先ほど言いましたような手数料ですが、たとえば貯金などになりますと、先ほどは申しませんでしたが、その局の推定現在高を出しまして、それに利率をかけて、それを収入と見込むというような形をとった上での六千円でございますので、今度は、郵政事業特別会計のいわゆるずばりといった収入支出というほうに当てはめるのには、ちょっと不適当なのではないかという感じがいたします。
 そういう不適当な面がございますが、一局六千円というものは、これは私どもの推定の年間の赤字でありますので、その六千円に五千局ですと、五千局をかけた数字が、そういった意味の赤字ということになりますが、しかし、それはあくまでも擬制的な数字でありますので、そのまま郵政事業特別会計の赤字になるかということになりますと、ちょっと違うのではないかという感じがいたします。
#43
○阿部(未)委員 そこで、実は経理局長の計算のしかたについてもう一つお伺いしたいのですが、この月額手数料の予算の額は、昭和四十五年度においては、大体月額一局当たり二万八千三百五十七円、こういう手数料が支払われるという予算になっておるようであります。郵便事業とか貯金、為替というような事業は、そこに簡易局がない場合には、一体どういう状況を呈していくでしょうか。たとえば書留郵便物は、そこに簡易局がなければ特定局に持っていく。そうなれば、郵政事業全体の収支の面から見た場合に、簡易局がないからといって郵便事業収入はそれほど減らないのではないか、そういう気もするわけですが、その点はどういう計算の仕組みになっておるわけですか。
#44
○溝呂木政府委員 簡易局関係についての郵政事業特別会計面での支出の面は、結局、先ほど郵務局長から答弁いたしましたように、簡易郵便局手数料というものだけが支出になっております。
 そこでいまお尋ねの、簡易局がなくとも郵政事業のうちの郵便の収入に影響がないのではないかというお尋ねだと思いますが、なるほど簡易局の扱っておりますうちの郵便だけを見ますと、私どもの調査によれば、結局書留とか速達、それから小包というものが簡易局に持ち込まれて、あとは切手売りさばきの手数料という形でその窓口の機能を営んでいるということになろうかと思います。したがいまして、その切手の売りさばき分については、切手売りさばき所と同等の機能が別にあればよろしいかと思いますが、他の書留、速達――まあ速達はちょっと問題があるかと思いますが、書留、小包、そういうものにつきましては、やはり簡易局がありませんと、その地域住民の方はそのものを出せない。しかし、いかなる事由によっても出さないかということになれば、遠いところを不便であっても、必ず別の郵便局にそれだけの書留なり小包を差し出しにいくという面に立てば、おっしゃいますように、収入面においては簡易局がなくともイコールであって、取り扱い手数料分だけ増。もっとも、これも郵便局で扱えばそれだけのコストがかかりますので、そのコスト面からいうと、非常に採算の合うような郵便局で扱う場合は、能率の向上という形で吸収されてしまいますから、限界的な原価がどうなるかわかりませんが、まあそう大きな差はないと思いますが、一応その支出はなくて済むということになろうかと思います。
#45
○阿部(未)委員 これは答弁は要りませんが、やはり私が申し上げましたように、郵便事業あるいは為替、貯金等にしましても、そこに簡易局があるから郵政の収入がふえるのではなく、簡易局がなくても、大体それを利用する方々は幾らか不便を忍んでもやはり利用される。とすれば、簡易局の収支というものについてはもう少し変わった方法の計算が用いられなければならぬのではないか、私はそういう気がしますが、これは参考までに聞いておいてもらいたいと思います。
 この簡易局法の一部を改正するその理由といたしまして、郵政事業の役務をへんぴな地方にまで広めて利用者の利便を増進する、こういう骨子になっておりますし、郵政省が利用者にあまねくサービスを提供しようとするその努力には、私は心から敬意を表します。しかし、今日簡易郵便局を増設することだけが、利用者に対するサービスの向上なり提供のゆえんであろうかと考えますと、そうも思えないのでございます。
 先般の一般質問の際にも申し上げましたが、いま郵便物の滞留、遅配という問題が全国的に起こっております。この郵便物の遅配や滞留を解消していわゆる迅速、正確にお届けをする、そのことのほうが、私は簡易局の増設よりも先に解決をしなければならない郵政事業の国民へのサービスではないかという気がいたしますが、それらの郵便の滞留ないしは遅配等の問題について、いま一体具体的にどういう措置をおとりになっておるのか、これは郵務局長のほうにひとつお伺いしたいと思います。
#46
○竹下政府委員 簡易郵便局をへんぴなところに設ける問題と遅配の解消策というのは、全く異質のものであろうと思います。簡易郵便局のほうはいわば過疎対策でありまして、窓口をへんぴなところにいかにして広めていくかということでございます。
 一方、郵便業務の運行の問題でございますが、今日問題になっておりますのは、いわゆる都会、過密地帯における郵便の遅配問題でございまして、これにつきましては、御指摘のようにきわめて大事な問題でございますので、毎日努力を傾けておるわけでございますが、実態を申し上げますと、二月、三月の今日までは、業務運行は全体としてはわりかた順調にまいってきております。これは物数が比較的少ない時期であるし、三六協定も結ばれたということでございまして、送達の実情をながめますとそう悪くない。もっとも、本日から三六協定が切れまして、それに付随していろいろなことが起きてきますれば、郵便の流れが乱れるということになりますけれども、今日までのところはまずまずであります。
 ただ、全体的にはまずまずの成績でございますけれども、一部の地域あるいは一部の局舎をながめて見ました場合には、それぞれの理由があるわけでございますけれども、遅配、滞留という現象は残念ながら、また申しわけないことながらあるわけでございまして、これにつきましては、私ども、郵政局あるいはその郵便局の責任者が、正常運行に引き戻すべく懸命に努力をいたしておる実情であります。
#47
○阿部(未)委員 実は、先般の質問の際にも大臣が、この所管事項の説明の中で、若干の郵便局で、一部の者の扇動による職場秩序の混乱等によって郵便の滞留が生じておる、こういった大臣の御説明がありましたので、私、質問いたしましたところ、大臣の真意は、郵便物の滞留や遅配は、労働力の不足やあるいは過密現象に対する十分な定員の配置等の関係もあって、それらもまた原因であるというふうに大臣もお答えになりました。
 そしてその結果、この滞留郵便物ないしは遅配を解消するためには、実はこれまた所管事項の説明の中で、人事管理、労務管理を最重点とするというふうに述べられましたけれども、これも私の質問に対して、これはあくまでも具体的には職員の協力を得て、話し合いによって解決していきたいのだ、こう大臣もお話しになったわけでございます。
 ところが、聞くところによると、全逓という労働組合のほうからも、そうした郵便の遅配や滞留の解消、あるいは今後の郵政事業の展望等について十分話し合いを進めて、国民の信頼を得る郵政事業にしていきたいということで、再三にわたって申し入れをいたして話し合いをやっておりますけれども、どうも郵政本省のほうにそれだけのお気持ちがないのか、または必ずしも下部のほうでそういう気持ちがないのか、なかなか話が進展しないために、いま郵務局長のお話のように、本日から時間外労働協約が時間切れになって、また前のような郵便の滞留が生ずるおそれがあるやに聞き及んでおります。
 何でも地方の下部といいますか、管理者の方々の中では、郵政省が何と言おうと、おれも男だ、おれがやるなどと言って、郵政省の方針に従わないのか、従う意思がないのか、その辺は明らかでありませんが、そういうことを公言してはばからない下部の管理者がおるやに聞いておりますが、そういうことでは大臣の意図するところともそごしてきますし、そういう点で一体この事実があるかどうか。またそういうことがあるとすれば、どういう措置をおとりになって、職員の協力を得て、話し合いによってこの事態を切り抜けていきたいというお気持ちとどういうふうにマッチさせていくのか、お考えを承りたいと思います。
#48
○中田政府委員 郵政事業の運営に、労使関係の安定が大きな要素をなしておるということは、もう申し上げるまでもないわけでございます。そういう点から、郵政省といたしましては、労使関係の円満な維持ということに大きな配意をして対処しておるということでございまして、これは中央、地方を問わずそういうことで進めていくということで処理しておるつもりでございます。
 ただいま御指摘のように、地方においてあるいは中央においてそういう面に欠くる点があるのかないのかということでございますが、中央においては常に意思の疎通を重ね、話し合い団交を重ねて、これを全逓本部も十分認めておるところでございまして、格別問題はないというふうに思います。
 いろいろ地方のほうで問題があるのではないかというふうな御指摘、あるいは労働組合もそのようなことを提示することがあります。しかし、先ほど御指摘のように、地方の管理者が地方は地方で行なう、中央のきめたことにとらわれないというようなことを公言しておるというようなことは、私ども承知しておらないのでございます。また、万一そういうことがございますれば、これは中央の方針に従って行動するように、十分指導を重ねたいというふうに思うのでございます。
#49
○阿部(未)委員 いまお話しのように、郵政本省関係と組合の中央本部の間では、かなりパイプが通じておるといいますか、そういうふうに私も承っております。ただ、郵政本省と組合の中央本部ですか、その話し合いをしたことが、下部の管理者という方々の間にまで十分浸透をして、全くお互いに意思の疎通をはかって、そごのないような話し合いが進められておるかというと、必ずしもそうではなくて、最近では、何かいまの局長のお話とはうらはらに、最近に至って団体交渉等を拒否する、そのためにかえって混乱が生じておるというようなことも聞いております。たとえば、名古屋の郵政局管内あたりではそういう問題が顕著に起こっておるやに聞き及んでおりますが、どういうふうに把握しておられましょうか。
#50
○中田政府委員 関係の労働組合のほうで申しますのは、最近組合無視、団交権否認の傾向が地方にあらわれておるということでございますけれども、それでは一体組合無視あるいは団交権否認というような中身は何であるのか、それを提示してもらいたい、抽象的に団交権否認、組合無視というようなことで論議しても事が進まないから、具体的に提示してもらいたい、そういう具体的事実に即して、もし問題があるとすれば、そういう事柄を是正していこうではないかというふうにしておるのでございます。
 ところで、名古屋の場合には、これはもう少し意思疎通を、具体的に事例を示してもらわないとわれわれのほうもはっきりといたさない面があるのでありますが、ごく大ざっぱに申しますと、名古屋地方では、従来非常に幅広く話し合いが持たれておった、最近はその幅が若干狭くなった、そこを組合のほうでは団交権の否認というふうに見ておるようでありますが、当局側とすれば、これは団交のルールに従って団交事項、話し合い事項、そういう事項別に整理して一つのルールに従ってやっていこう、他の地方並み、他の郵政局並みの方法で処理をしていこうということを当局側が目ざしておる。それに対して組合側のほうで、従来と比べるとそういった面が狭まってきたというようなことでトラブルがあるやに聞くわけでありますが、そういった事柄につきましても、中央において事の本質に照らしてどうであろうかということを議論しながら改善をはかっていくべきではなかろうかというようなことで、われわれといたしましては関係の組合に、いろいろわれわれの見解を示しておるところでございます。
#51
○阿部(未)委員 ほんとうに郵政当局が利用者へのサービスを考えて、どのようなことがあろうとも、この郵便の遅配や滞留等について解消していかなければならないという誠意があるのならば、実は、本日から全国的に組合側のほうで時間外労働を拒否して、郵便の遅配、滞留を生むような事態には立ち至らなかったのではないか。あまりにも形式にこだわり過ぎて、そのためにかえって国民の皆さんに迷惑を及ぼしているというのが今日の実情ではないかという気が、私はするわけでございます。
 いま局長は、具体的にどういうふうなことを、個々の問題をというようなお話がありましたので、私ひとつ参考までにいまから、こういう実態だということを申し上げますので、お聞き取り願いたいと思います。
 私がいま住んでおります杉並の郵便局の関係でございますけれども、ここの局に小禄さんという五十歳をこえた婦人の方が保険の事業の外勤に携わっておられます。この方は昭和二十三年に郵政部内に入られて、昭和三十一年に杉並の局のほうに転勤をしてこられたのですけれども、昭和三十八年以降、募集が非常にじょうずでございまして、それで募集成績が非常に高いので、募集をする専門家といいますか、募集専務という仕事を保険の外勤でおやりになっておったそうでございます。
 この方が、職員の間の組合が二つに分かれたときに、第二組合の全郵政というほうに加入をされたのだそうでございますが、その間はずっと募集のほうの専務でお働きになった。不幸なことにこの方はかねて足が非常に弱くて悪かったわけでございますが、まず募集の専務ならば、自分で計画を立てて自分で思うように動ける、そういう仕事があったので、実は自転車にも乗れないのだそうですけれども、一生懸命専務の仕事をやって、少なくともことしの一月までは杉並の郵便局の保険の中で、一番最高の募集の成績をおあげになっておるようでございます。
 その方が、私の聞くところでは、今年の一月二十四日に全郵政という第二組合を脱退して、全逓という第一組合のほうに復帰をいたしましたところ、二月一日付をもってその募集の専門をはずして、集金のほうの仕事をしなさいということになったんだそうでございます。だれが見てもこれは少し差別扱いではなかろうか、こう感ずるのは、これはひがみかもわかりませんが、第一組合にしてみればそう感ずると思います。
 さてそこで、からだが悪くて自転車にも乗れないのに、集金のほうの専門になって非常に広い範囲を回らなければならないので、足が非常に痛んできたそうでございます。それで足が痛んできましたので、付近の病院に行って見てもらいましたところが、これはなかなかむずかしい名前ですが、要するに足が非常に弱っておる、しかも軟骨ができかかっておるような病状にあるから、注意をしなければいけないという診断書をくれたのだそうです。
 そこで、上司に相談をして担務の変更を何かしてもらえぬだろうかということをお願いしたそうでございます。しかし、それだけでは安心がなりませんので、さらに部内の医務機関である逓信病院のほうにもおいでになりまして診察をしてもらいましたところ、逓信病院のほうの医師も全くその地方病院の先生と同じ見立てをいたしまして、確かにこれは足が非常に弱って遠道を歩くのは困難なような状況だ、できることならば担務がえでもしてもらったらいいのじゃないでしょうか、したがっておたくの上司の方と一緒にもう一ぺんお見えになりませんか、こういうことを逓信病院の先生が親切におっしゃってくださったそうでございます。小禄さんはそれを聞いて上司の、課長さんでしょうが、課長さんに、逓信病院でこういうお話がありましたので一緒に行っていただけませんかということをお願いしたところが、何でおれ病院に行かねばならぬか、いままでおれが一緒に病院に行ったこと一ぺんもないのだというけんもほろろのあいさつだったそうでございます。
 ところが、その夜になりまして電話がかかってきまして、事情が変わったので私が一緒に逓信病院に行くことにしますと、これは課長代理だそうでございますけれども、課長代理から電話があって、そういうことになりまして、その翌日一緒に逓信病院にまたお伺いしたところが、前に見ていただいたお医者さんとは違う医師が診察をして、そしてこの足のレントゲン写真を見ながら、あなたの足はこれはりっぱな足だ、まさに若い者の足と一緒だと言うわけです。からだはどこも悪くない、ここが悪いのでしょうと言って腰の辺を押えるのだそうです。いやここは痛くない。いやここが痛いはずだ、あなたは早く入院をして手術をしなければいけません、足はりっぱです、向こう一カ月間はまず入院して手術しなければいけません、こういう診察が下されたそうでございます。
 それでおかしなことに、前に地方の病院でかかったときの診断書を、何とかいうむずかしい名前ですが、要するに足が非常にいたんでおるという診断書を、杉並の局の課長さんがまたその地方病院へ行って診断書を取りかえて帰っておる。坐骨神経痛という診断書に、前に一ぺん診断を受けて出した診断書が取りかえられておるという事実が起こっている。逓信病院のほうでも、前の医師の診断とあとの医師の診断は全然変わっておる。まさに奇々怪々といわなければなりません。そのいずれにも、管理者である課長であるとか課長代理が介在をしておるという点については、間違いのない事実でございます。そこで、最高権威といわれる東大病院のほうに診察を求めたそうでございます。その診断書の結果を見ますと、これまた当初地方病院の医師が診断したように、当初逓信病院の先生が診断をされたと同じように、足に軟骨ができるような症状になっておる、しかし、それは入院をして手術しなければならぬようなものではない、これは勤務を軽減してもらえばやっていけるような症状です、こういうように言われたというのが結末でございます。
 さて、私どもが考えて、権力が医務機関にまで出ていって、診察をやり直させてみたり、診断書を取りかえさせてみたり、そういうことまでやっておったのでは、職員と管理者の心が、組合との話し合いが前進ができよう道理がないと思うのでございます。おそらく人事局長はこういう事実についてお知りと思いますけれども、これは一つの例でございます。
 そのほか、杉並のほうで申し上げますならば、もっとほかにまだたくさんいろいろあるようでございます。新聞にも出ておったようですが、たとえば昨年の十一月の十三日には、加藤君という職員が組合の大会に出てメモをとっておったところが、庶務課長からそのメモを取り上げられてぶんなぐられて、右肩のほうを打撲傷を負って一週間の加療をしなければならないような状態も起こっておるやに聞いております。
 また安本君というのが、一月十三日ですけれども、どうにも頭痛がして困るのでちょっと休ませてもらえませんかと申し出たところが、いや休息は認められないというので休息を認めてもらえない。時間外になって医者に行って見てもらったところ、これはかっけ神経症だというふうな診断が下されております。そこで休んだところが、その家まで押しかけてきて、管理者が出勤しなければ処分をするぞという業務命令を出す、そういう事実もあるようでございます。
 さらにまた柳田君、これはちょっと問題があとに大きくなりますが、社労の委員会でも問題になったそうですが、団結の象徴である腕章を巻いておったところが、その左手をねじ上げられて管理者が一緒になって腕章をもぎ取った。これは非常に問題になる点かと思います。
 そういうようなことが職場で起こっておって、どうして信頼関係が確立をするのか、どうして話し合いが進むのか。そういう実態を本省は一体どういうふうに把握され、どう対処されて、今日国民から失われつつある郵政事業の信頼を取り返そうとされておるのか。とりわけ大臣の言われる、あくまでも話し合いで、職員の協力を求めて郵政事業の運行をはかりたいというお気持ちとはまことにうらはらのものであるといわなければなりませんが、その辺についてひとつお聞かせを願いたいと思います。
#52
○中田政府委員 ただいま数項目について事実をお示しいただいたわけでございますが、最初の事柄につきましては、私、初めて伺うわけでございますので、十分調査して対処したいと思います。この事柄は、労使関係とかそういう事柄以前の問題でありまして、はたしてそういうことであるかどうか、十分調査したいと存ずるのでございます。
 第二、第三、第四、いろいろお示しになりましたけれども、これは私ども報告を受けておりますのは、ただいまお示しのようなことと少しずつ食い違いがございます。たとえば腕章を取ったというような事柄につきまして、腕をねじ上げて取ったというようなお示しがありましたけれども、私どもの受けた報告では、そういうことではなしに、腕章を取るようにと再三命じて、その後静かに――静かというと何ですが、格別のトラブルもなく腕章を管理者の手で取ったという事実はあったというふうに承知しております。
 それから、病気の場合の処理でございますが、これはその時点においていろいろトラブルがあったのかわかりませんが、当局側といたしますと、それまでの職員のいろいろの勤務態様から、どうも病気ではないのではないかというようなことで、病気でないのであればひとつ働いてくれるようにというような立場から、いろいろ当局側の考えを述べるというようなことは、これは間々あることであるわけでございます。最後の時点だけをつかまえますと、いかにも非情のように聞こえる場合がございますが、ずっと毎日毎日職場でその職員の仕事ぶりを監督しておる者の目から見ると、大体これはほんとうに病気なのか病気でないのか、およそ見当がつくというような考え方から、注意する、意見を述べるというようなことがあるということでございますが、もちろんその場合でも、ほんとうに病気というような場合には、そういったことに基づいて処理しなければならぬことは当然でございます。
 そういうことで、これはもちろん大臣の言明のとおり、職員に対するあたたかい心の思いやりということが大前提であるわけでありますが、同時に監督者といたしましては、一日の仕事を運営するために、職員にも守るべき規律は守ってもらわなければならぬというようなことで、職員から見れば、場合によって強く見えるような言動もあるかと思いますが、そういった面は、やはり具体的事実に即して是正をすべきものは是正をしていくということでなければならぬというふうに思うのでございます。
    〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕
#53
○阿部(未)委員 個々の事例については、それぞれ調査の段階でのいろいろな問題もあろうかと思います。しかし、先般の一般質問でも私、大臣に申し上げましたように、いま郵政事業の中に流れておる職員と管理者の間の異和感と申しましょうか、不信感と申しましょうか、そういうものは局長、おおうべくもない事実でございます。ほんとうに郵政事業の将来をお考えになるのならば、もう少し職員の立場を理解をし、職員との話し合いを真剣に進めるという態度がない限り――いま下部の管理者は、業務能力はなくてもいいのです。労務管理といいましょうか、組合を押えつけ切る、組合とけんかをし切る、そういう管理者ならばばかでも何でも栄転する。ほんとうに職員の協力を得て業務をうまく回していこうとする管理者は、常に左遷をされていく。そういう実態が、人事の面で管理者の中の差別人事となり、またそれがひいては職員の中にその人事が及んでおりますが、こういうお話を局長はお聞きでしょうか。
 大阪のある普通郵便局で、何か年が明けると局長には慰労金ですか手当ですか金一封が出るのだそうでございますけれども、その手当が、同じような局幅で同じような取り扱いをなさっておる二つの郵便局で、甲の郵便局の局長は年賀郵便の排送も万全に行なった、貯金、保険等の成績もきわめて優秀であった、乙のほうの郵便局の局長は年賀郵便の排送も九〇%程度であったし、貯金、保険の成績も必ずしも好ましくない、郵政局に行って金一封の慰労金ですか何かを受け取った、たぶん成績のいい局長のほうが多いだろうと思ってあけてみたところが、成績のいいほうの局長のもらう慰労金は、成績の悪いほうの局長の慰労金よりも五万円少なかった。なぜこういうことになるのですかというので、成績のいい局長のほうが郵政局に伺ったところが、残念ながら、成績のいい局には第二組合がないではないか、成績の悪い局には第二組合があるので、その労をねぎらって慰労金が多いのだ、こういうことを郵政局が言ったということを私は聞いておるのですが、これはうわさですから真偽のほどは明らかでございません。しかし、そういう風潮が支配しておるという現実については、真剣に考えてもらわなければならないと思います。
 まだいろいろそのほか小さい問題がございますが、私が念願するところは、一日も早く大臣の意図するところの話し合いによる職員の協力を求めて、真に信頼をされる郵政事業に立ち直ってもらいたい、それが私の念願であることをぜひひとつお聞きとどめ願いたいと思います。
 次に、簡易郵便局の関係にからみましてお伺いしたいのですけれども、簡易郵便局法の十条によりますと、この委託事務の取り扱いにあたっては、当然のことですが、郵便法、郵便貯金法、郵便為替法や郵便振替法等、こういう関係の事業法が適用される、こういうふうに定められております。したがって、これは郵政省の機関による取り扱いとみなすのだ、こうきめられて、十一条では、個人たる受託者を含めて法令により公務に従事する者とみなすのだ、こういうようにきめられております。ところが、同じ十一条の二項では、国家公務員法の規定は適用されませんぞ、こうなっておるようでございますが、これは間違いないですね。
 そこで、ひとつお伺いをしたいのですけれども、まず郵便法には、御承知のように法第七十九条の二項、法第八十条二項、第八十三条の二項等の郵便事業の取り扱いにかかる刑事罰というものが定められておるように思われます。したがって、まず第一点は、この十条並びに十一条の関連と郵便法の刑事罰との、特にそれに携わる職員が行なった場合の刑事罰との関連について、同じようなものが適用されるのか、郵便法上の刑事罰は個人たる職員にはないと見るのか、この辺についてまずお伺いしたいわけです。
#54
○竹下政府委員 簡易郵便局におきまして委託事務に従事する者は、簡易郵便局法第十一条によりまして、この公務の執行にあたりましては「公務に従事する者とみなす。」という表現でございまして、いわゆる法令公務員というわけでございます。ただし、これは仕事をする場合において公務員と見るというわけでありまして、二六時中公務員である、こういう意味合いではございません。
 また、御指摘の郵便法七十九条等に規定してありますところのいろいろな案件は、この郵便を取り扱う者についての規制でございまして、これは簡易郵便局の場合、事務を取り扱う当務者は当然、郵便法の七十九条そのほかいろいろな規定があると思いますが、それの適用を受ける、こういうふうに考えます。
#55
○阿部(未)委員 それでは、引き続いてお伺いをしたいのでございますけれども、公務に携わっておる間は当然この適用を受けるのだというように伺いましたが、郵政省では当然国家公務員法が職員に適用されまして、そして郵政省職員懲戒処分規程ですかが、さらにそれをふえんと申しましょうか、何と申しましょうか、標準が定められておるようでございます。その標準によりますと、たとえば郵便物を成規に取り扱わなかった者は、一年以下の減給または戒告にすることができる、これは一例ですが、こういうふうにいわゆる行政罰が、行政上の処分が定められておるわけでございます。この行政上の処分を、簡易郵便局の受託者は受けるものか免れるものか、この辺をちょっとお伺いしたいと思います。
#56
○竹下政府委員 行政罰といいますか、そういう、ものの適用を簡易郵便局の受託者について適用するかというお尋ねでございますが、そこまでは考えておりません。そういうことがないように平素から注意をいたしますのと、もしそういう事例がどうしても直らないということがありました場合には契約を解除する、こういう方法でいくべきではなかろうか、かように考えております。
#57
○阿部(未)委員 局長にさっきお答えいただいたのですが、それは私は少し機械的なお答えではないかという気がするのでございます。たとえば、同じように郵便物を取り扱い、その取り扱いが公務によるものだとみなされた取り扱いをしておるのに、しかも悪質なものでない過失が起こった。たとえば、さっき私が申し上げました七十九条の二項にしましょうか。――どこか簡単なものがありましたね。非常に簡単な、郵便の取り扱いを怠ったというような場合の手続上の行き違い、これについて標準が定められて、この者は戒告にするとか、この者はこうするというようなことが定められておる。同じように郵便物を取り扱い、公務によって行なった、かように見られておりながら、片方については郵政職員なるがゆえに行政罰を受ける、片方はそれを免れるとすると、憲法十四条にいうところの法の前に平等であるという規定は、一体どういうふうに理解をされるのでございましょうか。
#58
○竹下政府委員 たとえば、郵便法八十条には「信書の秘密を侵す罪」という条文がございますが、簡易郵便局の事務取り扱い者も当然この規定を受ける、信書の秘密を侵してはいけないという規制を受けるわけでございまして、もしこの信書の秘密を侵したという事例がありました場合には、同条第二項でもって罰則の適用を受ける、処罰を受ける、こういうふうに考えます。したがいまして、郵便法の前では、郵便局の職員も簡易局の事務取り扱い者も平等であるというわけでありまして、これは先ほど申しましたように、公務の執行については公務員とみなすという条項の精神、趣旨でございます。
 ただし、先ほど申し述べましたような行政処分の対象にするかどうかにつきましては、この方々は身分は公務員ではございませんから、つまり郵政職員ではございませんから、郵政大臣が身分上の監督者として行ないますところの行政処分というものはその対象にならない。これは、簡易郵便局制度のたてまえからしてやむを得ないことだと存じます。
#59
○阿部(未)委員 もう一度お伺いしますが、この法第十条は、あくまでも郵政省の機関による取り扱いだとみなしておるわけでございましょう。そして法第十一条のほうでは、法令により公務に従事する者とみなすのだ。したがって、いまおっしゃるように刑法上では同じ処罰を受けるのに、さらに片方は同じ仕事をしておりながら加えて行政処分を受ける、同じ仕事をしておりながら片方は行政処分を免れるとするならば、私は法制上非常に問題があると思うのです。憲法の十四条にいうところの法のもとに平等であるという精神がここでこわされてくるような気がします。なぜ同じ取り扱いをしておりながら、しかも公務とみなす仕事をしておりながら、同じ取り扱いの中で片方は二つの処分を受け、片方は一つだけの処分で済まされるのか。これは私は法制上非常に問題があるような気がしますが、どうお考えですか。
#60
○竹下政府委員 繰り返しになりますが、郵便法八十条あるいは七十九条等の規定に明らかでございますように、法の前に平等でございます。簡易郵便局の受託者といえども郵便局の職員と同じような適用を、この郵便法においては受けるわけでございますので平等でございます。
 ただ、片方の行政処分ということになりますと、これはたてまえが事務委託ということで簡易郵便局の運営をやっていこうというところを出発点としております。したがって、取り扱い者の身分は郵便局の職員とは違うものであるというたてまえになっておるわけでありまして、御承知のように、行政処分は郵政大臣が統率し監督するところの職員に対する一つの身分権といいますか、身分についての処分権というわけでありまして、その対象はあくまでも自分が管理するところの職員に限る、それ以外の者に行政処分権を広げることは適当でない、かように存じます。
#61
○阿部(未)委員 たいへん苦しい答弁のようですが、実はこれはしたくても現行法上できないということでしょう。委託者は大臣の任命するあれでないから、公務員という身分がないからできない。しかし、それは国家公務員法上局長のおっしゃるような問題はあるとしても、原則的にそれが勤務時間中は公務によるものとみなしておるのですから、同じ公務による仕事をしておりながら、片方は行政処分と刑事罰を受ける、片方は刑事罰だけで行政処分は受けないとするならば、これは非常に片寄った取り扱いだという気がしますが、これは論争になりますからこの辺でやめておきたいと思います。
 大臣お見えでございますから、次の問題についてお伺いいたします。実は大臣もお聞きになったと思いますが、先般の一般質問の際に大臣から、今日の郵政事業を国民のための郵政事業にするためには、あくまでも職員の協力を得、話し合いによって打開していきたい、こういうお気持ちの披瀝がありましたことを基本に置きまして、先ほど来事務当局のほうにもいろいろお願いをした経緯もございますので、その点につきましては、これからもぜひひとつ大臣のほうで十分な御指導を願いたいと思います。その節に、大臣何かこういうことをちょっと漏らされました。一部われわれの関係といいますか、全逓の出身の国会議員等とも話し合って、そこら辺に糸口もというようなお話もちらっと私は承ったので、非常に意を強くしているわけでございますが、なるべく早い時期にそういう方法を講じていただくことをお願いしたいと思います。
 さて、簡易局法案に若干関連があるわけですが、冒頭申し上げたように、膨大な赤字を出して簡易郵便局を増設するだけがサービスではないじゃないかということを私、申し上げたわけですけれども、特に郵便料金の問題等はこれを値上げしない、いまのまま据え置くということは、これまた利用者への非常に大きなサービスの一つだというふうに私は考えるわけでございますし、その点については、各党からもそういう御意見がすでに述べられたところでございまして、去る三月十八日の当委員会におきます質問に対して、大臣は、郵政予算は百三十二億余りの赤字予算である、これを解消するためには三つの方法がある、一つは借り入れだ、しかしこれはあとで返さなければならぬ、二つ目が料金の改定だ、三つ目が一般会計からの繰り入れだ、そのいずれをとるかについては、いろいろアクセントの関係はあるけれども、検討中であると大臣はおっしゃったと思いますが、間違いございませんね。
 ところが、奇怪なことに三月の十七日、私どもがこの委員会で御質問申し上げた前の日ですけれども、三月の十七日に、事務次官が全逓との交渉におきまして、来年度は郵便料金の値上げをせざるを得ない、来年度は郵便料金の値上げをせざるを得ないので、その前に、現在遅配等のある局の問題を片づけておかねばならぬのだ、こういうようにおっしゃっておられるんですけれども、事務次官は郵便料金の値上げをせざるを得ないとおっしゃるし、大臣は検討されているとおっしゃいますが、これは大臣のお気持ちとも違うようでございます。結局、郵政省は少し国会軽視という問題にもつながるのではないかと私は思いますので、この点についてぜひ大臣のお考えをただしたいと思います。
#62
○井出国務大臣 いま料金問題について三つの方法云々ということは、私この席で申し上げたとおりでございまして、何としてもその前提となりますものは企業努力で、職場で働く各位もまた管理者もそれに全力を傾倒しなければならぬと思います。そうしてなおかついたしかたない場合というようなことで三つ例示をいたしたわけでございますが、これはあくまで検討中でございます。
 したがいまして、私の信頼する事務次官が、そう勇み足のようなことは言うはずはないだろうと思うのでございますが、あるいは受け取られる方のほうで少しアクセントを強くおとりになったのかどうか知りませんが、方向は、私の考えているとおりで省内は統一されている、かようにひとつ御了解を願いとうございます。
#63
○阿部(未)委員 大臣のそういうお答えでございますから、そういうふうに受け取っておきたいと思います。
 次に、実はこの前時間がなかったので、この簡易郵便局の問題について、郵務局長の御答弁をいただいたままで私の意見まで申し上げる時間がなかったのでありますが、その節、特に私は、郵政事業特別会計が赤字であるのに、なお住民サービスという点で広く簡易局の増設をはからなければならないだろうかということについて、国鉄等の例を申し上げたように記憶しております。たとえば国鉄も、これは公益事業であるけれども、赤字解消のために赤字路線を廃止するとか、中間駅の廃止ということを具体的に打ち出されておりますし、また、窓口事業としては住民に密接な関係のある地方自治体、農業団体等においてさえ、統合ないしは窓口の廃止というものが行なわれているということを申し上げましたところ、郵務局長のほうから、いわゆる公益性と企業性といいますか、財政的なものの兼ね合わせではなかろうかというような御答弁があったのですけれども、問題はその兼ね合わせの点、調和点と申しましょうか、それをどこに求めるかというのが基本でなければならぬと思うのです。
 その意味で、いま申し上げました他の公益事業なり地方自治体等の窓口サービス機関等が、今日まで縮小され廃止されていかざるを得ないという予算の状況にある、そういうときに、郵政事業は大きい赤字をかかえながら公益性だけが先行して、そうしてなお赤字をかかえて、そのためにかえって他の郵政事業全般に大きい影響を及ぼす、たとえば郵便料金値上げ等の問題が出てまいりますけれども、そういう影響を及ぼすとするならば、むしろこの際もう少し調和点について基本的にお考えになってはどうかという気がするわけですけれども、その調和点をどうお考えでしょうか、お伺いしたいわけです。
#64
○竹下政府委員 まず郵政窓口の公益性の問題ですが、これは先ほど数字でお話し申しましたように、わが国の窓口の実情は、対人口で五千名とちょっとばかりの人数を一つの窓口が受け持っておる。これはやはり分担率といたしましては若干高うございまして、世界で第十七番目になっているという点もございます。また地元の要望もありますので、日本の郵政窓口はこれが限度ではなくて、やはりもう少し置いてあげなくては、公益性を満たすことにはならないのではないかという考え方を持っておるわけでございます。
 それから、もう一つ経済性の問題ですが、いかにへんぴなところにサービスを拡充すると申しましても、非常に財政的な痛手をこうむる形でやっていくということでは問題があろうかと存じますが、先ほど経理局長が申しましたように、簡易局方式でいきました場合にはたいへん少ない赤字で済む。年間一局当たり六千円程度の赤字で済む。これが従来の無集配特定局を置くという方針でいきますると、年間一局平均百二十七万円の赤でございまして、従来の方式に比べますと、簡易郵便局でやります場合には、赤は赤ですけれどもきわめて軽微で済むということでございますので、この方式でもう少し窓口をふやすということがあっていいではなかろうか。しかし、やたらにふやすということはもちろん考えておりません。
#65
○阿部(未)委員 そうしますと、また一つ疑問が起こってくるのですが、そういう地域には、いまの計算によるとあと二千局程度はぜひ必要だ、そういうお考えのようで、それだけ国民に対するサービスについてお取り組みになるのならば、その地域には、たとえ赤字が出てもぜひ置かなければならぬということになると思うのです。ところが、いまのこのシステムでいきますと、希望者がおればやらせるが、希望者がなければこれはやはりそのままほうっておくということになると思うのです。そういう意味では、公益を享受する、利益を享受するという意味では、必ずしも平等でないような気がいたします。先ほどの質問でも触れましたように、また逆に、そういう形であるから競合してくる場合も起こってくる。それならばむしろもう少し策を進めて、そういう置くべきであると計算をされる地域には、全部置けるような方法が考えられないのかどうか、これが一点です。
 それから二点目に、先般ちょっと質問が出ましたが、郵政事業の根幹にもかかわる郵政事業公社化の問題は、私の記憶が間違っていれば御指摘願いたいのですが、大臣のお話では、夏の終わりごろまでには何とかめどをつけたい、いずれになるかは別として何とかめどをつけたい、そういうお話だったと思いますが、そうであるとするならば、いま個人受託という、これまた郵政事業にとっては一つの画期的な問題だと思うのですけれども、個人にも郵政事業を委託するというこの大きい問題を、機構上の問題である限りにおいてしばらく見合わせて、郵政公社化の問題の結論を待って実施しても、私はそう時期を失するものではないという気がするわけでございますので、公社化問題と簡易局とのかね合いの問題、それと利便の平等性について他に方法がないのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
#66
○竹下政府委員 まず第一点ですが、御懸念のことはわからないではないのでありますけれども、今日では窓口ももう相当普及しておりまして、へんぴなところにおきましてはどこを窓口としてほしい、ここは十分である、ここの辺はもう一つあっていいじゃなかろうかという場所は、もう大体限られてきておる。全国では二千数百ございますけれども、その地域地域を見ますると郵政局でもわかっておりますし、地元でも大体見当はついておるということでございますので、希望すれば簡易局を置く、希望しなければほったらかしにしておくという御懸念は、実際問題としては起きてこないんじゃないかと私は考えます。
 それから、公社化の関連でございますが、公社になりましても、公共性と経済性の二つを踏まえつつこの郵政事業の経営をやっていくという実態は、本質は変わらない、かように存じます。したがいまして、簡易局問題の扱いは、現在におきましても、またかりに公社になりましても、全く問題は変わらないことでございますので、公社になってからやってもいいじゃないかというようなお気持ち、御意見のようにもとれたわけでございますけれども、公社になる前にやったってちっともおかしくはないし、また、今日ただいま必要な措置でございますので、これを手がけておる次第でございます。
#67
○阿部(未)委員 大体了解をいたしましたが、郵務局長、最後のくだりで、公社になってもこれはまだやるのだという点は、あまり勇み足にならぬように、公社になってみてもしそうならなかったときには郵務局でたいへんですから、あまり勇み足にならぬようにお願いしたいのです。
 最後にお伺いしたいのですけれども、郵政省は、先ほど申し上げました郵政省職員懲戒処分規程並びにその標準等について、郵政職員に非違があった場合に行政上の処分を行なう、その行政上の処分は、事故が発生をしてから処分を発令するまでにどういう手続を踏んでおるものか、これはおそらく人事局長と思うのですが、お伺いしたいと思います。
#68
○中田政府委員 職員に非違がございました場合に、そういう事実が発見された以降、その職員の上司に当たる者がよくその事実を取り調べる、また本人の疎明も聞いてその事実を確認して、それから量定をし、おのおの大臣の懲戒権の委任を受けておる者がその区分に従いまして処理をするということでございます。
#69
○阿部(未)委員 実は非常にりっぱな手続で、私も感心をいたしておりますが、局長のおっしゃるように、非違行為があったという場合には必ず事実を取り調べ、本人からも事情を聴取して処分をなさっておられましょうか。
#70
○中田政府委員 一般的にはさようでございます。ただ、例外的に必ずしもそうでない場合がございます。
 と申しますのは、本人が初めから疎明する意思がない、そういう事実を否認しておるというような場合には、これは本人の疎明を聞くまでもないということでございます。もともと本人の疎明を聞くと申しますのは、これはより事実を明らかにするというためのことでございまして、本人の疎明を聞かずとも多数の者がその事実を現認しておるということでありますれば、これはもう疎明を聞く必要はないわけでありますが、ただ、ある事実があるというようなことが、申告とかあるいはその他の仕組みによりまして明らかになりました場合には、これはやはりそれをより明確にするという意味で、本人の弁明、疎明を聞くということでありますので、それを待たずに明らかな場合には、そういった手続を省略することもございます。
#71
○阿部(未)委員 いま局長は、例外としてはとおっしゃいましたけれども、私が承知をする限りでは、本人の疎明を聞かずに、あるいはその事実について十分な調査も行なわずに行政処分を受けておる者のほうが多いのではないかという気がします。その中でも、いま局長がおっしゃったように、たとえば事実が非常に明らかなもの、極端に言いますが、時間内に職場大会をやったとか、ストライキをやったとか、それに参加しておったとかいう場合は、おっしゃるように明らかでございますから、それは必ずしも疎明を聞く必要はないかもわかりません。しかし、最近の処分の中で、疎明をする意思がないのだというふうにいまおっしゃっておるけれども、疎明をする意思が本人に十分ありながら、疎明の機会を与えずに一方的に行なっておる処分が非常に多いのです。たとえば、課長の前に立ちふさがったとか、大きな声をあげたとか、そういうことだけでもって処分をしておる事例は非常に多うございます。これらについて、私は少なくとも本人に疎明の機会を与えて、そして処分権者はもっと周到な調査を行なって、その上でもって処分を発令すべきであって、何々課長がそう言った、横に副課長がおってそう言った、それだけでもって処分をするのは、これは人権にも影響する大きい問題だと思いますので、当初局長のお話しになりましたように、原則としてはあくまでも取り調べ、事実を調査して、そして本人の疎明、そういう手続を踏んで、これは明らかというさっきのような場合は別でございましょうけれども、そういう手続を踏んでいないから、一ぺん処分を行ないまして、後日第三者機関等で、処分が誤っておったというような問題が起こってきております。
 こうなってきますと、この処分というのは一ぺん行ないますと、本人にとっては精神的にも非常に大きい苦痛を与えるわけでありますから、個々の事例と申しましょうか、さっき申し上げたストライキのような場合は別として、事実が明らかに確認できる場合は別として、一人一人の個人が労働運動ないしはそういう問題に関連をして処分をされるというようなときには、少なくとも本人に疎明をさせる機会を与える。それでもなお本人が疎明をしないというならまた別ですよ。しかしながら、現状は疎明をする機会さえ与えられていない。これが実態だと私は思いますので、そういう点について、何かいい方法があるのかどうかお聞かせを願いたいと思います。
#72
○中田政府委員 たとえて申しますれば、ストライキ参加というふうな場合におきましても、本人の疎明を聞き、万一間違いがあると困りますので、ストライキで職場にいなかったのか、あるいはほかの事由に基づいてその職場にいなかったのか、そういうふうなことは確認する手続を進めております。本人が何らの疎明をしないというふうな場合には、ストライキに参加したであろうということで処分するというふうなことで、そういった場合には、いま申したような手続をとっておるわけでございます。
 ただ、いろいろ暴行行為、反抗的行為というような場合には、その行為自体がすでにもうそういう性格のものでございますので、なかなか疎明というようなことでは、いたずらに時日を遷延するというようなことで、職場の規律が維持されないというようなことがございますので、これは複数以上の確認者の現認によりまして、十分事実を明らかにして処分をしておるということでございます。
 いままで公の場におきまして、公式のと申しますか、権威ある郵政当局の調査の結果、事実に誤りがあるというふうな判定を下されたことは、これはもう最近ほとんどないというふうに承知しております。いろいろその量定について、法律的な判断というふうなことは、これは間々なきにしもあらずでありますが、事実の認定については、最近の郵政省の取り扱いについて、ほぼ正当性が認められておるというふうに思います。
#73
○阿部(未)委員 最後に、いまの問題について大臣にお伺いしたいのでございますけれども、いま人事局長が言っておりましたように、複数以上のその複数が、処分をされる側の意見も含めての複数ならば、私は、これはある程度信憑性があると思います。しかし、いま郵政省の職場における労使関係の全く対立した感情の中で、その複数が管理職のみの複数であっては、処分をされる者はたまったものではないということになります。そこで今後、明らかにストライキに参加したという立証のできる者は別として、たとえば課長に大きい声を出した、横に副課長がおった、その副課長が、そう、出しましたというふうに言えばそれで処分をされる、こういうシステムになっておるわけでございますけれども、これは本人が大きい声を出したのかどうか、少なくとも管理者以外の、いわば弁護というとおかしいが、正当なその場に居合わせた第三者等の意見も十分に聞いて、この行政処分についても慎重に行なってもらうように、ひとつぜひ大臣のほうからも御指示をお願いしたいと思います。
 私は、最後に繰り返してお願いしたいのは、何とかこの郵政の労使関係を正常なものにして、ほんとうに国民の信頼を得る郵政事業にもう一ぺん立ち返ってもらうために、大臣の格段の御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#74
○井出国務大臣 郵政事業発展のために労使関係の正常化をはかりたい、このことは、私も阿部さんと思いを一にするものでございます。
 まあ役所でございますから、規則、手続等はいろいろあると思いますが、きょうの御発言も当局側で十分に耳にいたしまして、慎重を期するように配慮いたしたいと思います。
#75
○武部委員 関連して一点だけ質問をしておきたいと思います。
 阿部君から、先ほど質問の中に小禄さんという婦人の問題がありまして、私これはたいへん重要な問題だと思うのです。人事局長の答弁によりますと、この問題は労使関係以前の問題だ、こういう話がございました。診断書が書きかえられるということは、これはたいへんなことなんです。それも公的な機関の逓信病院の医師が、この診断書を書きかえておったということはたいへんなことなんです。人事局長はいま申し上げたようなことをおっしゃったわけですが、事実を知らぬので調査をしたい、こういうことでございましたから、調査をした結果をぜひひとつ回答していただきたい。この点だけです。
#76
○中田政府委員 ただいまの件、調査の結果、回答申し上げたいと思います。
#77
○内海(英)委員長代理 栗山礼行君。
#78
○栗山委員 大臣が十二時五十分までということでございますので、そのワク内でお尋ね申し上げて、あとは事務当局に若干のお尋ねを申し上げたい、かように考えております。
 大臣にお聞きを申し上げたいのでございますが、昨年の国会でこの問題がいろいろ論議をされまして、附帯決議等もつきまして、あのような状態で廃案ということになってまいったのがこの法案であろうかと承知をいたしておりますが、いろいろ資料等も若干私なりにこれを拝見させていただきまして、そうして多くの議論も尽きたものでございますから、重複する問題等も必ずしもなきとせないと、こういうふうな内容であろうかと思うのでありますが、大臣がおかわりになりましたし、そのまた考え方の相違点もあろうかと存じますので、若干お尋ねをいたしてまいりたいと思うのであります。
 この法案の提出説明に述べておられます点を私から要約いたしますと、従来、公共団体及び関係組合に受託者を限定されておったのでありますけれども、いまなおそういう組合が存置しないところに、窓口の拡大をはかっていこうというところの二千幾余の問題が残っておる、これについて窓口の拡大の方向をもってサービスを進めてまいりたい、こういうことが簡易局に個人を受託者として加えるという内容のものであろうかと、こう理解をいたすのでありますが、一つは、郵政事業の財政事情にかんがみて、簡易郵便局の拡大の傾向をはかってまいろうということの本旨があるのではないか。いま一つは、本来の郵便窓口の拡大を通じて、国民への奉仕性をより方向づけをいたしていこうという、こういう二点が主眼になって、今度の法改正の問題を再度お出しになったと、こういうふうに理解ができるのでありますが、若干大臣に所見のほどを伺ってまいりたい。
#79
○井出国務大臣 けさほど提案の御説明を申し上げましたが、その骨格をなす点は、ただいま栗山さん御指摘のような、およそ二つあげられましたが、それは大きな柱であろうと、かように考えます。
#80
○栗山委員 結論づけて、さような二つの性格を持って簡易郵便局の受託者の個人への範囲を拡大する、こういうふうに御答弁をいただいたやに承知をいたすわけでございますが、私は率直に申し上げまして、特定郵便局の性格、位置というものは厳ときまっておると思うのでありますが、簡易郵便局の性格づけというものについて、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#81
○井出国務大臣 制度というものは、一つの歴史が積み重なる上においておのずからでき上がる面もあろうと思いますが、当面、公共団体や農協等に委託をいたしまして発足をしました仕組みが、だんだん定着はしてきておると思いますが、それに若干の機動性を持たせるとでも言いましょうか、個人に範囲を拡大をいたしまして、比較的手軽に、簡便にと言っては言い過ぎるかもしれませんが、山間の部落に至るまでこういう仕組みをもって設置をいたしたならば、確かに国民の皆さまからの共感も得られるでありましょうし、郵政の窓口サービスをさらに拡充することができる、このように考えるわけであります。
#82
○栗山委員 私は端的に申し上げまして、こういう疑問がいろいろ各委員によって行なわれておるのであろうかと思うのでありますけれども、この簡易郵便局の性格を明確にしておかないと、二、三人の特定郵便局が簡易郵便局化の方向に進んでまいるのではないか、こういう論理の飛躍と申しますか、あるいはそういう考え方もあり得るのだ、こういう点が御質問の要点にあるように思うのでありますが、この点はどのようにお考えになっておりますか。特定郵便局が簡易郵便局化せないという厳たる性格的な規制、こういうものをお持ちであるかどうか。
#83
○井出国務大臣 私も、従来の経緯をただいま勉強中でございまして、明確な定義というものをどういうふうに位置づけるかという点では、いまここで御満足のいく答弁というわけにいかないかもしれませんが、おそらく御心配になるところは、従来二人なら二人でやっておる特定局というものが一人の簡易局化するおそれがあるのではないか、こういうことに集約されるかと思います。
 その点は、いままでも数次にわたって郵政側から御答弁を申し上げておりますように、そういうことはしないという態度で臨むつもりでございます。
#84
○栗山委員 昭和三十三年一月に出されたという特定郵便局制度調査会の答申では、簡易郵便局の問題についてどういう触れ方をいたしておりますか、一ぺん御参考までにお聞きをいたしたいのです。
#85
○竹下政府委員 詳細なことを私ちょっといま思い出しませんが、簡易郵便局は個人委託の方式で今後やっていったらどうか、そうして窓口をその方式によってもう少しふやしたらどうかという御意思が出ておるように聞いております。
#86
○栗山委員 大体そのような答申の内容だということを理解いたしておるのでありますが、今度の法改正の内容を見ますと、受託者の範囲に、第一番にはやはり公共団体、二位に各協同組合、第三位に個人、こういう順位的制度の内容に運んでいらっしゃると思うのですが、これは答申等との関連を含めて、どういう考え方に基づいて順位制の問題が理解をされておるか。
#87
○竹下政府委員 昭和二十四年以来とってまいりました簡易郵便局方式では、受託は公共団体、農業協同組合等の組合に限られておるわけでございます。
    〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕
今度個人が入るわけでございますが、私どもの気持ちといたしましては、公共団体、農業協同組合それから個人という順位がつきましたことは、そう強い意味があるわけではございませんで、従来の経緯等を考えまして、まず公共団体である、次は組合である、その次個人というふうに配列をしてある。その間、委託をしていただく面につきましての信用の度合いが、画然と段階があるというふうには受け取っていないわけでございます。
 また、個人委託をやります場合にも厳重なる選考基準を設けまして、法律が求めておりますように社会的な信用、事務能力、そういうものを備えたりっぱな人を選んでいくわけでございますので、個人の委託の場合におきましても、運営について全然心配はないと確信いたしております。
#88
○栗山委員 順位の問題は、いま局長のお述べになったような平易的な御説明であったかと思うのですが、そうなりますと、二つの問題があると思うのです。一つは、現在の公共団体が行なっておるものを個人にかえる場合の問題、あるいは各農業及び漁業その他の団体が行なっておるものを実務的に個人に移行する問題をどうとらえて評価するか、こういう問題があろうかと思います。
 それから、順位を定めておりますと、公共団体が好ましいんだ、あるいは公共団体が最優位なんだ、そういう諸団体がないからこれを個人の受託という範囲に進めていくんだ、こういうことになりますと、これの価値、信用というものについて国民がどのように受けとめるか、これはたいへん問題点を含んでまいろうかと思いますが、この点について、団体のあるところは原則として団体、公共団体にお願いするんだ、その団体がないところでなおかつ必要とするところについては、それらの資格条件を具備する個人に受託してもらうんだ、こういう考え方で持ってまいると、個人の順位制というものについての受けとめ方が非常に変わってくるのではないか。国民に与える信用評価の問題について、どうも割り切りのできがたいとらえ方が一面観としてできるのではないか。この点について簡明に御意見を承りたいと思います。
#89
○竹下政府委員 簡易郵便局は、これまで公共団体あるいは協同組合に委託するという形において、きわめて円滑に運営ができております。したがいまして、公共団体、組合、そういったところが存在する場合には、これにまずお願いするというのが、過去の経緯、沿革、歴史等の実績に徴しましても当然の措置かと存じます。
 したがいまして、個人の場合は、そういう団体か得られない場合、あるいは何らかの事情によりまして公共団体なり組合が受託できかねる場合に、それではひとつ個人の委託にしましょう、こういう順序になろうかと存じます。
#90
○栗山委員 ちょっとわかりにくいですね。これは窓口を拡大する方向として、そういう団体の存置しないところに向かって個人に委託をするという方向が窓口の拡大である、こういうような御説明をされておるのですが、いまの郵務局長の御説明によると、ちょっと大臣の趣旨説明と異なった受けとめ方ができるのですが、どうですか。
#91
○竹下政府委員 地方公共団体あるいは組合の施設がございませんところは、これはもう個人でやるという以外に方法はございませんし、りっぱな人を選定して個人に委託するということでございまして、これは大臣が申し上げたとおりでございます。
 過去、まず公共団体あるいは組合があるところは、そういう団体に委託しましてやってきた実績がありますし、そういうところで受託の御意思があるならばそこにお願いしてみるというのが、これまでの簡易郵便局の運営の経験に徴しまして、まず第一着手としてそうしたほうが適当な措置ではなかろうか。それで団体なり組合ができかねるという場合には、それではひとつ個人にやっていただきましょう、こういう順序でやることが一番適切なやり方ではなかろうか、かように存ずる次第でございます。
#92
○栗山委員 たいへんくどいようですけれども、私のお尋ね申し上げておるのは、新たに設置をする場所について、順位的にいろいろ運んでまいる、これはそういう一つの順位的な要素としてのとらえ方ができる。既存の公共団体や各組合で、経済上及び運営上の問題点として、適正な個人にかわることが望ましいという場合もあり得るのじゃないか。この場合について、過去は団体に委託をしておったが、そういう状況に基づいて個人にかわることを認めるという内容のものであるかどうか、こういう点なんですよ。
#93
○竹下政府委員 これまでにできました簡易局についてのお尋ねであることはわかりましたが、これは現在の受託者である公共団体あるいは協同組合等に委託をいたしまして、円滑なる運営を今日までやってきておるわけでございまして、私はこの姿は、郵政事業の運営、それから簡易郵便局のあり方から見ましてたいへんけっこうなことでございますので、この姿を今後とも継続していただきたいというふうに考えますし、それが今度の法律改正の趣旨であろうと思います。
 ただ、地方によりましてはいろいろな内部事情がございまして、その事情のために公共団体あるいは協同組合等におきましては、みずからが受託をしてやりますよりも、むしろ個人の受託に切りかえたほうが実際的である、ベターである、こういう御判断が地方においてなされました場合には、個人に切りかえていく件数が、これは正確な数はつかめませんけれども、相当の数あるのではなかろうか、こういうふうに予測いたしております。
#94
○栗山委員 重ねてお聞きをいたしますが、いまの考え方で大体わかりましたが、現在委託をしておる公共団体及び各種団体についてきわめてスムーズにいっておる、この限りにおいては、受託者を個人に拡大しても既存のものについては存続をしてくれるだろう、こういう予測的な内容なんですが、たまたま法改正をいたしまして個人の受託の範囲が拡大されたということを契機に、経済的な面、あるいは利用の便、あるいは運用の便ということで考えられる場合があり得るという一つの想定に立ちたい、こういう考え方でお尋ねを申し上げておるわけなんです。その限りにおいては、向こうがお断わりをして個人にかえてくれという場合については、これをかえることにやぶさかでない、こういうような御答弁の要旨かと思うのですが、これはやはり問題点はあるのですね。現行の制度運用の面について、公共団体は一般的な、総体的な財政の面から見ればたいしたことはない、こういうとらえ方もありましょうが、組合の場合には必ずしもそういうわけにはまいらぬ。やらなくちゃならないことであるけれども、経済ベース、運営の人的身分の問題等々を考えれば、これを真摯に運用していくことが非常に至難だ、幸いにこの機会にかえていこうか、こういうような状況の判断に立つところも、この法改正によって将来起きてくるのではないか、こういうような観点から私はお尋ねを申し上げておるわけです。
 結論的には、そういう場合についてはそれを認めるにやぶさかでございません、こういう御答弁のようでございますが、そういたしますと、この制度運営の問題について、やはり問題点が考慮されて、そういう転換をされるというようなとらえ方をしなくちゃならないのでありまして、現状のままでうまくまいっておりますから、これが存置、継続されるものだ、こういう御説については少し飛躍の内容を持とうか、こう思われるのでありますが、御意見あれば伺っておきたいと思います。
#95
○竹下政府委員 公共団体あるいは組合の委託の実態は、さまざまであるように見受けられるわけでございまして、私どもの拝見するところ、きわめて熱意を込めてやっていただいているところもございますけれども、場所によりましては少し荷が重い。責任も持たされるし、経済的にも問題だ、職員もそのためにさかなければならないといったようなことで、荷が重く感じておられるところもあるわけでございまして、そういう中からいまお話がございましたように、この法改正を機会に、それではひとつ個人に切りかえようかという気持ちがわいてまいりまして、その方向に動くということも十分予想されるわけでございます。
 その場合には、私どもはしゃにむに従来どおりの委託にこだわるというのではありませんで、その場合には快くお受けすることでいくべきではなかろうか、かように存じております。
#96
○栗山委員 平行線ですから、この問題はこの程度にとどめておきます。
 これは監察の方にお伺いをいたさなくちゃならぬと思うのですが、今日までの簡易局の事故、犯罪と申しますか、いわゆる事故の状況を、最近のものでようございますから、年度別に、ここ二、三年の犯罪状況、それからそれのとらえ方、こういうことでちょっと一ぺんお聞きをいたしたい。
#97
○中根説明員 お答え申し上げます。
 簡易郵便局の取り扱い者による犯罪の関係についての御質疑でございますが、最近五カ年間の状況について申し上げますと、五十三件、犯罪金額が千六百二十八万二千八百二十円になっております。すなわち、一件当たりの犯罪金額にいたしまして三十万七千二百二十三円、かような状況でございます。年度別には、詳細資料もございますが、大体横ばいの状況でございまして、犯罪金額については、そのときの状況によりまして若干のでこぼこがございますが、おおむね件数におきましては横ばいである、こういうことが申し上げられると思うわけでございます。
 事業別の内訳等はよろしゅうございますか。――事業別の関係につきましては、貯金の関係が主として多いわけでございますが……。
#98
○栗山委員 主たる犯罪内容は……。
#99
○中根説明員 主たる犯罪内容につきましては、いま申し上げましたように、貯金の犯罪がほとんど九四%占めております関係上、貯金の横領の関係、それから資金関係の横領の関係、こういった関係が多いわけでございます。
#100
○栗山委員 大まかに伺ってけっこうでございますが、やはり公共団体及び各団体の受託内容においても、必ずしも犯罪というものが皆無の状態でない。主としてそういう横領内容的な犯罪行為というものが九四%である、こういうようなお話を承りました。どうなんでしょうか、郵務局のほうとしては、個人の受託者を拡大することによって、その種の犯罪行為というものがどのように将来推移するか、こういう想定の問題でありますけれども、常識的にどうとらえておられるか。監察のほうとしては、そういう特殊な団体の中においてもこの種の犯罪行為というもの、いわゆる破廉恥罪的な要素を持つ犯罪行為というものを指摘せざるを得ない。こういうふうな金額及び件数別といたしましてあるわけでございますが、なかんずく、いろいろ個人に受託されるという場合においての監察のあり方、あるいはまた従来の団体に対する監察の方式と個人に対する監察の方式とをどのように対処されるべきであるか、そうして個人の受託者が増加するということについて、犯罪的内容はどのようにとらえて将来の監察行政の方向としてお進めになるかということを、ひとつお聞かせ願いたい。
#101
○竹下政府委員 従来、地方公共団体あるいは組合等に委託をしてやります場合には、簡易郵便局の仕事ぶりは複数の人の目で見られるということが期待できますから、そういう安心感が一つある。個人委託になりますると、全く個人ということでございますから、おっしゃるように事故、犯罪の発生ということを十分気をつけなければならないと思うのでございます。
 したがいまして、受託する個人の選定にあたりましては、厳重なる選考をしなければいけない、かように思います。そうしませんければ、事故、犯罪の暴発ということにつながりますから、受託者の選考ということに慎重を期さなければならないことは当然のことかと思います。そうしまして、そういう慎重な手続でもって選考いたしますならば、これは個人にしたからというので、特別に厳格なる監督、監察、そういったものをいまさら予定するのはおかしいのでありまして、従来どおりの監査方針あるいは考査方針――と申しますことは、受け持ちの集配郵便局長が随時これを指導し監督するという方式、同時に受け持ちの監察官が適宜参りましてこれを考査するという方式で十分ではなかろうか。りっぱな人物に依頼するわけですから、それで十分ではなかろうか、かように現在は考えております。
 しかし、このことはたいへん大事なことでありますので、実施に移しました後々、実情をよく見まして、そしてこれは対処していかなければならない問題かと思います。
#102
○中根説明員 ただいまの郵務局長の答弁と重複する点もあるかと思いますが、御参考までに申し上げますと、過去五年間における部内者犯罪の発生状況についてでございますが、百局当たりの発生件数で見ますと、特定局との対比が参考になろうかと思うわけでありますが、特定局のほうは〇・六九件でございます。それに対しまして簡易郵便局のほうは〇・三九件でございますので、国の直轄しております機関等に比べまして、そう心配する状況には総計数字の上ではないわけでございます。
 なお、先ほどの答弁にもありましたように、受託者の選考につきましては、真に社会的な信用のある、それから十分事務能力のある者を選定していくわけでございますので、その面における心配もなかろうと思うわけでございますが、おっしゃるとおり、事故、犯罪の防遏という点については、重要な点でございますので、従来もそうやっておったわけでございますが、ますますその点については配意してまいりたいと思うわけでございます。従来は、方法といたしまして、監察官の考査の関係、これは定例の総合考査のほかに、必要に応じて防犯特別考査をやりますので、その意味におきましてはその分だけ密になってくるわけでございます。なお集配特定局長の指導、それから受託団体の場合には当該受託団体の上司の指導という点も期待しておるわけでございます。
 なお、業務取り扱いの方法に関しまして、これは簡易局だけではございませんが、元利金の通知制度というような方法もとっているわけでございますが、それらを総合いたしまして、今後におきましても、私どもの立場におきましては、事故、犯罪の防止ということにつきましては重要な点でございますので、なお一そう配意してまいりたいと思うわけでありますが、実況につきましては、冒頭に申し上げましたとおりの状況でございます。
#103
○栗山委員 いま政務次官も参加をいただいておるわけでございますから、大臣にお伺いをしなくてはならない点であろうかと思うのでありますが、政務次官にひとつかわってお答えをいただきたいと思います。
 この趣旨の説明の中に、「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人を加える」こういう非常に抽象的な、まことにけっこうな――これをこなしていけるだけの社会的信用、これは一つの要素でありますが、同時にまた、受託者としてのこれの消化能力を有する識見、能力を持たなくちゃたらぬ、こういうような抽象的な説明をされておるのでありますが、新たに加えられんとする受託者というものは、具体的にどういうものをさすのか。私は、前の国会においての附帯決議等の中身を見ましても、私どものとらえ方で理解のできるような附帯決議がついておったのでありますけれども、これはもう率直に、これらの具備する条件とは具体的にどういうものをさすのだというお考えを持っていらっしゃるのかということを、次官にお尋ねを申し上げたい。
#104
○小渕政府委員 具体的にという御質問でございますが、具体的にはいろいろの方がおられるかと思いますけれども、一応想定いたしておりますのは、たとえていえば、その地域社会の中で民生委員、保護司、あるいはまたがって公務員であり、現在恩給受給者となっている者等で、過去に大きな実績やまた信用、能力、そういった点に間違いのない人をもって充てる、こういうことを考えております。
#105
○栗山委員 どうもあまり公式で、ぴんとこういう要素の者を受託者として選定するんだ、こういう事柄にはあまり理解のできにくい次官の御説明であったのでありますが、単にその地域社会の知名度の高いということによって、簡易郵便局の郵政業務が窓口サービスとして適正なりやどうかということには、これは一面観の評価でありまして、私はやはり一面は社会的な信頼度という問題も、この身分や条件上の問題とからみ合わなければ、必ずしもその社会的奉仕オンリーという人材を得がたいということになると思うのですね。いま一つは、こういう公共施設の問題で、しかも厳正な事務を行なってまいらなくちゃならぬ、こういうことが重要視して考えられれば、いまのお説のような民生委員であるとか、地方のいわゆるボス的な者にこれを委託されるということは、好ましからざる結果を招来する、機能的にその役割を推進することに不十分だ、こういうとらえ方をいたすのであります。
 もっと私がお尋ねいたしたいことは、社会的な知名度ということも、もとよりこれは肯定いたしてまいりたいと思いますけれども、たとえば郵政に実務的な経験と能力を有した人が、定年とかその他の条件によっておやめになりました者を、主としてそれが選考基準の重点としてとらえておられるのかどうか、こういうことを率直に伺ってまいりたい、こういうことであります。重ねて次官の御答弁をひとつお願いしたいと思います。
#106
○小渕政府委員 最優先ということではありませんが、過去郵政事業におきまして実務にたんのうされたという方におかれましては、その選定にあたりましては、十分考慮いたしていきたいと思います。
#107
○栗山委員 両面の条件を満たすということは、非常に困難な内容でございますけれども、いわゆる適格な人材の選考ということに、ひとつ熱意をもって推進をいたしていただきたい、もとよりであろうと思いますけれども、その問題については特に適性人材を求めるべし、その努力をすべきである、こういう結論づけを申し上げて、この点は終わってまいりたいと思うのであります。
 少し勉強が足らないのでありますが、現在の手数料の算出基準の概略と、それから簡易郵便局の手数料の実績といいますか、これは非常に事務的になりますけれども、年度別にどの程度の手数料か、上と下でいいですけれども、お聞かせを願いたいと思います。
#108
○竹下政府委員 簡易郵便局の手数料の中身は三本立てになっておりまして、一つは基本額、あるいは固定額とでも申しますか、取り扱い量のいかんにかかわらず局の運営に必要なる最低保障の額、こういう意味合いの基本額がございます。これには局舎、物件費等の費用及び人件費、そういうものを見ております。それともう一つは、取り扱いの件数に応じて多かったり少なかったりする取り扱い手数料という部分があります。これは一件当たりの単価がきまっておりまして、その単価に取り扱い件数を乗ずるという方式で出てまいります部分がございます。それともう一つは、貯金、保険を扱います場合の募集手当、あるいは現金を扱う場合の現金出納手当、これに相当する部分として加算額という三つの部分があります。
 そういったものを合わせまして、一局当たり平均、これは総平均でございますが、どのくらいの手数料になるかと申しますと、これはお手持ちの法律案の冊子の一番末尾に書いてありますように、月額二万八千三百五十七円。これは予算額でございますから、実際は多少これと違ってまいりますけれども、予算額といたしまして二万八千三百五十七円でございます。これを先ほど申しました内訳で申しますと、二万八千三百五十七円のうちで、基本額に相当する部分が一万四千九百七十円でありまして、取り扱い手数料に相当するものが一万六十四円、加算額に相当するものは三千三百二十三円、こういうことに相なっております。
#109
○栗山委員 私もこの年度別の問題を少しながめたのでありますが、最低と最高というものについて実に大きなアンバランスがあるのです。それはもう作業量ということの問題に落ちつくわけなんですが、どうなんでしょう、いわゆる経済成長下における物価高の問題ということもありますし、それから真摯にこの種の業務をやっていただくということについての基本的身分保障への方向をとっていかなければ、なかなか効率的活用ができるものじゃないということについては、これは常識ですが、将来そういう客観的な経済の情勢に対応する一つの基準や手数料というものに、柔軟なかまえで取り組むという姿勢があるのかないのか、この点についてお伺いいたしたい。
#110
○竹下政府委員 地方の公共のためにせっかく設けました窓口でありますから、これが有効に活用していくようなことを基本線といたしまして、手数料につきましては今後十分に考えてまいりたいと思います。
 ただ、今日ただいまのことを申し上げますと、基本額にいたしましても、取り扱い手数料にいたしましても、加算額にいたしましても、ただいまの経済情勢に見合う十分のものを私のほうでは算出しておるつもりでございます。したがいまして、取り扱い件数の多いところでは月額十万円近くなるというところもございます、これは手数料の総額ですけれども。ところが、扱いの少ないところは、貯金などを扱わないところは、一万円そこそこであるというところもございます。これは扱い件数が非常に少ないという実態が一つございますのと、簡易郵便局の運営は、これに取り扱い者が一日専念するというたてまえでもございません。何か別の仕事を持っていて、これと兼業するという形においても行なわれる。そういう形で行なわれるというのは非常に多いケースでもございますので、これはそういった簡易局の実態を十分見ながら手数料というものの算出を考えていくということが、実際問題としては出てくると思います。
 しかし、基本線といたしましては、当初申し上げましたように、せっかく開いた窓口ですから、有効にこれがいいサービスを提供していただけるような手数料を考えてまいりたい、かように存じます。
#111
○栗山委員 いま御答弁の中にありました、いわゆる兼業的要素を踏まえておる現在の団体につきましてはそういうことも言えると思うのですね。地方自治体の職務の兼務的要素でやっていくとか、あるいは農協、漁業協同組合のそういう兼業的な中で消化していくという作業量の問題もあると思うのですね。ところが、個人に委託をする、そしてみずからその作業を行なっていく場合について、兼業的要素そのものを中心としてとらえていくか、あるいは消化量とか作業量の問題もございますけれども、できるだけ本旨である国民へのサービス機関として、能率化とサービスを提供する、こういう考え方から考えていくのと、便宜二つあると思うのですが、いまの手数料にいたしましても、その基準によって非常に変わってくると思うのですね。
 私は、やはり受託者の個人への移行度というもの――これは二十四年に制定されたのでありますが、いろいろな面から見てまだ半分に達せぬというようなことでありまして、これから個人を含みまして約半数のものを消化するという前提に立つ場合について、かなり個人の受託者の増加する傾向というものを考えてみなくちゃならないのでないか。そういう点からいきますと、基本的には身分保障、それから安んじてその作業に奉仕できるという基礎なくして、いわゆるこの種のサービス上の問題を取り扱おうとすることは、最も不適確なとらえ方である、私個人としてはそういう考え方を持っておるのですが、現状を踏まえつつ将来のそういうサービスの向上の分野から考えて、経済情勢も踏まえつつ、適正にやはりもっと身分を高めていくという考え方のもとにこれは取り組んでいかなくちゃならないと思うのです。この点は、ちょっと私とあなたとのかみ合いがあるように思うのですが、私の愚見について郵務局長はどういう考え方をお持ちになりますか。
#112
○竹下政府委員 簡易郵便局の取り扱いの内容が、今日ただいまのような実情でありますならば、簡易郵便局の運営のやり方あるいは手数料の支給のしかたは、まあいまの状態でよろしいのではなかろうかと思うわけでございます。
 ところが、地元の要望等がございまして事務量をもう少しふやさなければいけないというようなこと、今度の法改正でも老齢福祉年金の事務をつけ加えておるのですが、簡易郵便局の事務、仕事の取り扱い内容では地元の人たちにとりまして不十分である、もっとこういったこともやってほしいとか、あれもやってほしいこれもやってほしいということで取り扱い内容を増加させていきますと、これはたっぷり一人でもって専務してもらわなければならないという事態になってこようかと思います。場合によりましては、簡易郵便局ではやっていけませんで特定局に切りかえなければならない。将来は地元の人たちの御意向あるいは国民全体の方々の郵便に対する需要のいかんによりましては、そういったことにもあるいは発展してくるかと思いますが、今日ただいまの時点におきましては、一局当たり平均的なことを申し上げるわけですが、事務量はきわめて少ない事務量でありますししますので、ただいまのこのやり方、手数料の支給のしかたで現実にはマッチしておるのではなかろうか、かように存じます。
#113
○栗山委員 この点はちょっと前回も質疑が行なわれたやに了承するわけでありますが、いわゆる簡易局の委託事務に従事する者は法令公務員とみなされる。そうなりますと、法律的効果というものは一体どういうことなのかということですね。
 二番目に、いまの基準率及び手数料の問題じゃなくて、受託者の身分保障といいますか、そういう公的な意味における身分保障というものの位置づけをどのように理解をしたらいいか、こういう問題があろうかと思うのでありまして、重複するかと思いますけれども、重ねてひとつお答えを願っておきたい。
#114
○竹下政府委員 公務の執行について公務員であるわけでございますが、これは具体的に申せば、受託者が公務を執行する場合に加えられました妨害等はいわゆる公務執行妨害の罪に相当する、こういったケースが多かろうかと思います。
 それから身分保障の問題ですが、これは、従来市町村あるいは組合に委託をするというたてまえでございましたので、個々の取り扱い者はつまりその団体の職員、従業員、こういうたてまえでございましたので、郵政省が直接にこの身分保障をするというようなことは考えていなかったわけでございますが、個人委託ということになればこれは様子が変わってくるので、別のことを考えなければならないのではなかろうかということで、目下いろいろと検討中でございます。
#115
○栗山委員 義務的には非常にきびしい制約がされるということですね。そして本人の受益的要素というものはないのだ、こういうとらえ方もできるのではないか、こういうふうに考えているのでありまして、やはり法律実施に見合って身分の保障問題について、十分な責任を持つ体制を樹立されることが望ましいという意見をつけ加えましてお願いを申し上げておきたいと思うわけであります。
 それから、公務災害補償の問題はどうなります。
#116
○竹下政府委員 これも、従来でございますと省が直接公務災害の場合に補償するという道がなかったわけでございますが、個人委託になりますと様子が変わってきますので、新しいやり方を考究していかなければならないのではなかろうか、目下そういう方向で検討いたしております。
#117
○栗山委員 同様にこの問題を具体的に検討を進めていただいて、位置づけをお考えを願いたいという要望だけ申し上げてまいりたいと思います。
 いろいろ時間上の問題もございますので、最後に私は政務次官にちょっとお願いといいますか、意見を伺ってまいりたいと思うのでありますが、今回再度この問題が提案されまして新しい法改正のもとに制度化される、こういうことでございます。私は、やっぱり非常に郵政事業それ自体の役割りとしての問題をとらえていらっしゃいますことと、それから経済的効率化の要素が多分に含まれて今度の簡易郵便局法の一部改正の法律案、こういうふうに出てまいったときわめて素朴にとらえておるのでございますが、ただ残念ながら、法改正や制度上の問題は、おつくりになることはきわめてお役人の方々は好きなんでございます。私はやはり問題は、制度も重要でありますけれども、その制度を活用するという行政面に欠けるやに、郵政だけではございませんけれども、一般論としては考えられておる。国民の多くも、いろいろな法律やいろいろな制度上の問題については、まことに有名メーカーとしての実を示しておるけれども、しかし中身の問題については、相伴わない内容を持つのじゃないかということが、行政面に対する国民の疑惑と不信の大きな要素となっておる。こういうことでございますので、私は非常に敬愛いたします大臣及び政務次官でございますが、やはり姿勢を新たにして、サービス部門についての実をあげる行政の効率化ということについて十分なる御配慮をいただきたい。この限りにおいてひとつ次官の御答弁をいただいて、私の質問を終わってまいりたいと考えております。
#118
○小渕政府委員 御指摘の点につきましては、大臣にも先生の御趣旨をお伝え申し上げ、あわせて私自身も御指摘の線に沿うて、法律が真に法律の意義を果たし得るように、行政面で全力を賭していきたいと思っております。
#119
○金子委員長 次回は明二十六日午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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