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1970/03/11 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第5号
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1970/03/11 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第5号

#1
第063回国会 商工委員会 第5号
昭和四十五年三月十一日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 八田 貞義君
   理事 浦野 幸男君 理事 鴨田 宗一君
   理事 橋口  隆君 理事 前田 正男君
   理事 武藤 嘉文君 理事 岡本 富夫君
   理事 塚本 三郎君
      石井  一君    稲村 利幸君
      宇野 宗佑君    小川 平二君
      大久保武雄君    大橋 武夫君
      海部 俊樹君    神田  博君
      北澤 直吉君    小峯 柳多君
      左藤  恵君    坂本三十次君
      始関 伊平君    田中 六助君
      藤尾 正行君    山田 久就君
      石川 次夫君    岡田 利春君
      中井徳次郎君    横山 利秋君
      多田 時子君    樋上 新一君
      松尾 信人君    川端 文夫君
      米原  昶君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  宮澤 喜一君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官      小宮山重四郎君
        通商産業省化学
        工業局長    山下 英明君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    本田 早苗君
        通商産業省公益
        事業局長    馬場 一也君
 委員外の出席者
        議     員 海部 俊樹君
        建設省計画局建
        設業課長    檜垣 五郎君
        商工委員会調査
        室長      椎野 幸雄君
    ―――――――――――――
三月十日
 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第七三号)(予)
同月十一日
 情報処理振興事業協会等に関する法律案(内閣
 提出第七四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第九号)
 電気工事業の業務の適正化に関する法律案(海
 部俊樹君外七名提出、衆法第二号)
 通商産業の基本施策に関する件(日本万国博覧
 会の開催準備概況)
     ――――◇―――――
#2
○八田委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、日本万国博覧会の開催準備の概況について通商産業大臣から説明を聴取いたします。宮澤通商産業大臣。
#3
○宮澤国務大臣 日本万国博覧会につきまして、簡単に現況を御説明申し上げます。
 本博覧会の開催準備は、関係各位の御尽力により順調に進捗し、今月十四日の開会式を迎えるばかりになっております。
 この機会に、皆様方のこれまでの御支援と御協力に対し厚くお礼を申し述べます。
 すでに御案内のとおり、来たる十三日には日本館、日本庭園の開館開園式を行ない、翌十四日には天皇、皇后両陛下並に皇太子殿下及び同妃殿下の御台臨を仰ぎ、日本万国博覧会開会式を行なう運びとなっております。
 昭和四十年、アジアで初めての万国博覧会を大阪において開催することを決定して以来、政府としては、「人類の進歩と調和」のテーマのもとに、博覧会を人種、国境、地域を越えた人類の交歓の場とするとともに、東西文明の交流を通じて新しい世界文明の創造への一つの契機としたいと考え、全面的な準備体制をとってきたところでございます。
 幸い、世界各国の理解と協力を得て、多数の発展途上国を含む七十六カ国が参加することとなり、史上最大の規模で開催することになりました。参加各国のナショナルデーに訪れる政府賓客等外国要人も多数にのぼり、わが国の国際的理解を深めるまたとない機会であると考えております。
 申すまでもなく、博覧会が真に成功するためには、できる限り多数の人々の参加が不可欠の要件であります。この意味で、入場者数も当初予想を大幅に上回り、五千万人程度になることが期待されておりますが、この場合、心配されておりました観客輸送問題、宿泊問題等につきましても、地元及び関係者の御努力によりほぼ対策が整い、ピーク時の入場者、宿泊者に対しても大きな御迷惑をかけずに済むものと考えております。
 しかし、政府としては、なお万全を期する意味におきまして、関係者の御協力を得て、交通対策、宿泊対策等の一そうの充実を期する所存でございます。
 日本万国博覧会が順調に運営され、所期の目的を達成し得ますよう、皆様方の一そうの御支援をお願いする次第でございます。
     ――――◇―――――
#4
○八田委員長 ガス事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。多田時子君。
#5
○多田委員 最初に、昨日この会議を運んでおります最中に、日本橋の浜町で事故がございました。真剣な、崇高な論議をよそにこうした事故が相次いでいるという現実をよく見きわめまして、きょう二、三消費者という立場から申し上げてみたいと思いますし、また当局のほうから明確な御回答をいただきたいと思う次第でございます。
 まず最初に、きのうの事故のことからでございますけれども、きのうの事故の現場は高速六号線の工事現場のわきの区道だそうでございます。あの辺は隅田川に近い下町の工場や住宅が密集しているところで、地盤沈下や、ウエートの重い車の通行によって地盤沈下して、その圧力でガス管にひびが入ったというような経過のようでございますけれども、密集地帯でございますから、大事故に至らなくてよかったわけなんですが、一昨年の暮れごろにもあの辺の浜町で事故がありまして、あのときは爆発事故でして、近くの家が一軒焼けております。同じ浜町の事故でございます。概略、新聞等で知りましたけれども、まず当局のほうから昨日の模様について一言お話をいただきたいと思います。
#6
○宮澤国務大臣 人命に差しさわりのなかったことは不幸中の幸いでございましたが、詳細につきまして、ただいま政府委員から御説明申し上げます。
#7
○馬場(一)政府委員 先生ただいま仰せになりました、昨日の浜町付近における事故につきましては、ただいままでにわかっている状況を申し上げますと、これは工事現場そのものではございませんで、高速六号線の工事をやっておる現場が近所にあるのでございますが、工事に直接関連して起こった事故ではないようでございます。ただ、工事をやっております建設関係の人が、その付近でガス漏れがあるということを見つけたということでございますが、これは原因がどういうことによるものかは、目下調査をいたしております。ただ、事故のあと始末といたしまして、ガス漏れがございましたので、とりあえずそのガス圧を下げまして、掘り起こしまして、本十一日の三時半に復旧完了いたしました。したがいまして、供給業務そのものには支障はなかったわけでございます。もちろん人命の事故ももございませんでした。原因をよく調査いたします。
#8
○多田委員 新聞等でまた詳細御報告いただけると思いますが、さらに検討を加えていただきたいし、調査を十分にしていただきたいと思います。
 そうした事故続発のたびに、いろいろ政府当局等では、常にそれを反省し、改善に努力をしというふうで、この前の国会での附帯決議にもそうしたことが明確にうたわれているわけでございますけれども、そう言っているそばから事故が起きる。そういうことで、施行規則とか技術の面とか、そうした面に重大な欠陥があるのではないか、こんなふうに疑われてもしかたがないというような状態ではないかと思いますが、この辺についてはいかがでございましょうか。
#9
○馬場(一)政府委員 この事故につきましての原因は、ただいま申し上げましたように、すぐ調査をいたしまして御報告申し上げたいと思いますが、一般論といたしまして、先生お話しになりますように、こういう大都市のガス管が縦横にはりめぐらされている都会で事故あるいはガス漏れ等がございますと、これは人命に損傷のある場合以外でも非常に多くの方々に不安を与えますので、われわれ、ふだんからガス事業者に対しましては、特に冬季のようなガスの使用の多い時期におきましては、保安面に特に注意をするように指導をいたしておるわけでございますが、今後とも一そう、そういう事故がなくなりますように、あるいは少なくなりますように、指導してまいりたいと存じております。
#10
○多田委員 そのガス管の埋設の場所が、きのうの新聞によりますと、一メートル、一説には五十センチ、こういうふうにいっておりましたが、その埋設個所というものが規則どおりであったかどうか。もし規則どおりであったとすれば重大な問題ですし、その辺のいわゆる施行規則といった点について、もう一歩詳しく御説明いただきたいと思います。
#11
○馬場(一)政府委員 ただいまのガス事業法におきましては、導管が埋設されておりまして、その上をいろいろ人馬が通り、あるいは拭きな車両等が通りますので、そういう上からの加重に堪えられるように技術基準を定めておるわけでございまして、この当該ガス管につきましても、そういう技術基準に適合しておることは間違いないものと思われます。
 なお、ガス事業法が将来この法律によって改正になりました場合には、この法律によりまして、その工事方法あるいは技術基準等を定めました保安規程につきましても、現行法よりは一そう厳重な規制、監督をいたすようになっておりますので、今後ともわれわれとしても、この法律に準拠いたしまして十分に指導してまいりたいと思っております。
#12
○多田委員 最近、交通量が激しくなりまして、そうした地域が各所にあると思います。そういう圧力に耐えかねたガス管などがあちらこちらにあるとすればたいへん心配なわけでございますけれども、その辺に対しては特別な配慮がなされておりますかどうか、その辺についてはいかがなものでございましょうか。
#13
○馬場(一)政府委員 おっしゃるとおり、最近は道路の交通条件が、特にこういう都会におきましては昔と非常に違ってきておりますので、昨日もお答え申し上げましたが、新しい法律に基づきまして保安基準を検討いたします際には、昨年議論されましたガス導管防護対策会議の御答申の趣旨をも十分に尊重いたしまして、そこでいろいろ技術的に検討なされておりますので、それを織り込みまして、ひとつ現行の基準にふさわしいような保安規程をつくるようにいたしたいと思っております。
#14
○多田委員 昨日の事故は十一時二十分ごろということでございますけれども、通報を受けて現場にかけつける間に四十分の時間がかかったということで、パトカーとかポンプ車等よりもこちらの係員の現場急行がおくれたという点、その点の指導、対策、そうした点についてもう一歩深く御説明いただきたいと思います。
#15
○馬場(一)政府委員 私ども受けておる報告によりますと、十一時十五分に事故の通報がございまして、それからガス会社の係員が直ちに現場にかけつけまして、そして先ほど御説明いたしましたように、ガスを遮断いたしまして、一応低圧に切り変えたわけでございますが、その作業が完了いたしましたのが十二時ごろでございます。でございますから、現場にはむろんそれより早く到着をいたしまして必要な措置をとっておりますので、十一時十五分から十二時に措置が完了した、こういう実情のように把握をいたしております。
#16
○多田委員 先ほども一通産大臣おっしゃいましたように、人命に損害がなかったことはたいへん不幸中の幸いであったわけでございますけれども、もしここで火災でも発生したならば、これは大問題ですし、また、バルブを締めても、締めたあと管内に充満したガスにもし引火すれば、そこに火災騒ぎが起こらないとも限らないわけで、こうした人命の尊重という立場から、先ほども一対策についてはお話しいただきましたけれども、もう一つ明快な御回答をいただきたいと思います。そうした問題に対する対策といいますか、先ほど概略御説明になりましたが、もう一歩現段階における対策についてよろしくお願いしたいと思います。
#17
○馬場(一)政府委員 最近の道路事情にかんがみまして、導管の埋設についての技術基準につきましては、先ほど、導管防護対策会議というものをもって、その趣旨に沿って申し上げましたが、さらにもう少し詳細に申し上げますと、業界の中に技術基準委員会というものをつくりまして、この導管防護対策会議の趣旨を具体的に反映いたしました技術基準、保安規程というのをつくるように、目下真剣に検討しておるところでございます。
 それから昨日の事故につきましては、事故現場に到着し、必要な処置をやりましたことにつきましては、先ほど申し上げましたが、その間消防庁にも連絡をいたしまして、消防車が参りまして、付近に対しまして、とりあえず処置の済むまで火気を使わないようにというPRは並行していたしておったことを御報告申し上げます。
#18
○多田委員 最後に検査方法でございますけれども、私も専門家ではありませんので、よくわからないわけなんですが、いまでも何か長い棒のようなものを筒の中にさしまして、そしてそれでにおいをかいで、ガス漏れがないかどうかを検査しているというような実情のようでございますけれども、何かやはり原始的な感じがいたしますし、ここまで科学技術の進歩した現在でございますので、そうした検査方法等についてもう一歩――いわゆる原始的な行き方でいまでもやっておられるのか、あるいはまた新しい方法を講じて検査方法をやっておられるのか、その辺についてよろしくお願いいたします。
#19
○馬場(一)政府委員 現在ガスの漏洩検査につきましては、ガス事業法の施行規則によりまして、漏洩の検査方法の基準等について規則がございますが、漏洩検査をやる方法は、ただいま先生の仰せになりましたようなことからもう少し改善すべき点があるかどうかということもあわせまして、現在、先ほど申し上げました基準委員会において検討しておるところでございます。
 なお、漏洩検査は、一応規則上は、高圧のものにあっては三年に一度、それ以外は五年に一度ということになっておりますが、実際にはそれよりもっと頻度を多く、二年に一度ずつ漏洩検査を実施しておる、こういう現状でございます。
 なお、検査方法につきましては、諸外国におきましても、現在やっております検査方法が一応どこでも用いられておりまして、この方法が一番ベストであるというふうになっておるようでございますけれども、なお一そうよりよい検査方法がないかどうかということもあわせまして、この委員会において検討いたしております。
#20
○多田委員 きのうの事故の問題は以上にいたしまして、次に、私も消費者の一人でございますので、消費者の立場から、きのうもここに出席させていただきまして、いろいろずっと伺っておりました。結局、宿命的なこととして、LPガス業者、その次に簡易ガス業者、そして都市ガス業者と、この三段階になっておるように思われます。都市化の発展するにつれまして、当然一本売りのLPガス業者等はだんだん締め出されていくわけで、昨日は、簡易ガス事業の人々の補償の問題、保護の問題等について明瞭な御回答をいただきまして、政府当局もこれを保護するという立場をとっていらしたようでございます。私は、もう一歩消費者という立場でいろいろ申し上げたいし、伺いたいと思いますが、プロパンガスを使用している家庭はたいへん不安が多いということでございます。それで、どうしても都市ガスにかわりたいというのは、みんな一様に持っている気持ちでございます。
 何が一番不安かといいますと、まず一つは、ガスに対する知識が浅いために、いつ爆発するかもわからないというような危惧、これが一つの大きな危惧でございます。それからもう一つは、どうしても料金という点で不安定であるということです。メーターのついておりますところはいいんですけれども、これもまた原始的な話で、バネばかりで中の液体の量をはかりまして、お金をやったり取ったりしているわけで、山間僻地になると、そういったこともいたし方ないと思いますが、東京都内でも、周辺区域になりますと、そういう問題がまだ残っております。一番心配なのは、いわゆる知識が浅いということで危惧の念を抱く。こういう点で、簡易ガス事業者のみでなくて、いわゆる一本買いをしているような消費者も安心してプロパンガスを使っていけるという、そういうこちらの配慮がほしい、このように思います。何といっても一まだ都市ガスに比較しますと、全体の六〇%はいわゆるLPガスにたよっているわけでございますから、そういった人たちが、まず都市ガス普及までの間でも安心してそれが使えるような、そうした配慮を何とかしてほしいと思うわけでございますが、その点の消費者に対する指導といいますか、また業者に対する指導といいますか、そういった点についてお伺いしたいと思います。
#21
○山下政府委員 LPGの保安につきましては、高圧ガス保安協会が事故防止のために種々な事業を行なっておりまして、これは昭和三十八年に高圧ガス取締法に基づいて設立された特殊法人でございますが、技術的な事項について調査するとともに指導に当たっております。また業務主任者を講習いたしまして、これを全国に派遣しております。また容器の検査をいたしております。
#22
○多田委員 いまの御答弁によりますと、いわゆる業務主任等に指導をして、各家庭の使用者それ自体に浸透するような方法をはかっておられるのでしょうか。
#23
○山下政府委員 高圧ガスの取り扱い、LPGの取り扱いに関しまして、その保安についての教育、啓蒙事業もいたしておりますが、それは法律の施行規則に規定がございまして、先ほど申し上げました業務主任者あるいはその代理者、それから各家庭の消費設備の調査に当たる調査員というのがおります。また一定規模以上の設備をいたしますときには、配管設備工事の監督者というものがきめられてございまして、それの講習を実施して、各家庭に設備しますときに保安上異常のないようにはかっております。
#24
○多田委員 私、多くの方に当たってみますと、だいぶ御存じないわけなんですね。知らないがゆえによけいな心配をする、こういうことでございまして、この法案の対象は簡易ガス事業者ということでございますが、その簡易ガス事業者というのは、ほんとうに一部分ですし、むしろそれ以下の業者、ほんの一本売りの業者等がたいへん多いわけで、その人たちにもいまの指導が徹底されておりますでしょうか、どうでしょうか。
#25
○山下政府委員 その点につきましては、高圧ガス保安協会が、御承知のように、法律施行とともに最近できました協会だけに、できるだけ新しい方法を使いまして、家庭の皆さまに浸透するようにはかっております。その一例を申し上げますと、テレビ、雑誌等を通じまして、消費者への啓蒙運動も行なっております。その一例を申し上げますと、昭和四十四年度の予算では、そのための費用等千八百万円以上を計上して、努力しておる次第でございます。
#26
○多田委員 先ほど申しました料金の問題でございますけれども、前回の国会での附帯決議にメーター計量方式の普及促進をはかるというふうにございます。確かにメーターがついておりますと、料金の支払いも比較的納得をした支払いができるわけなんですけれども、いわゆるはかりではかって、幾らぐらい使ったから幾らというような、ほんとうの目分量式な計算のしかたで料金の集金にあいますと、どうしても納得してお金が払えない。払うことは払うのですけれども、何となくそこに一つの胸の中に残るものがあるようでございます。メーターですと、これだけ使ったのだからというはっきりした表示がされておりますが、前回の附帯決議にありますメーター計量方式の推進の程度はどの程度進んでおりますでしょうか。
#27
○本田政府委員 お答えいたします。
 さきの国会におきまして、このガス事業法の改正法案の審議の際に、決議といたしまして、メーター設置について促進するようにという御意見をいただいておりまして、従来から、メーター設置によるメーター販売のほうが消費者の利益にかなうということで、メーター設置を推進しておるわけでございます。
 当省といたしましては、LPガスの団体に対しまして、LPG普及促進委員会を設けまして、メーター制を積極的に推進すると同時に、四十四年度におきましても、流通改善講習会というものを十六カ所行ないまして、これは各府県の持ち回りでございますが、これによりまして、LPG販売業者にメーター販売を推進するようにということでいろいろ指導してまいったわけでございます。
 LPGのメーターの購入資金に対する助成の方法といたしましても、協業化によりまして協業組合を組織する場合には、中小企業振興事業団から低利の融資をいたすことにいたしております。それから協業化によらない場合でも、LPG販売業者に対しましては、中小企業金融公庫等の政府関係金融機関に対しまして、特別の配慮を求めるように要請をいたしております。本年度からは、LPガスメーターのリース制度に対し、国民生活関連機器リース金融措置というものを新たに設けることにいたしまして、メーターの設置を促進するように配慮いたしておる次第でございます。
#28
○多田委員 やはり附帯決議の中にプロパンガスの適正価格の維持ということがございますけれども、現行体制でそれが十分であるかどうかという適正価格の問題についてお尋ねしたいと思います。
#29
○本田政府委員 お答えいたします。LPGの価格の問題でございますが、需給の不均衡に基づきまして、前にかなり変動したことがございますので、これに対して需給の均衡をはかるということを基本的な考え方といたしておりますが、石油業法に基づいて石油の供給計画というのを作成することにいたしておりますが、この供給計画作成にあたりまして、LPGの生産数量等を計画化するということを考えております。
 それから、御承知のように、五〇%が家庭、業務用でございまして、夏場と冬場で需要の季節差が非常に大きゅうございまして、夏場の供給力を備蓄するという必要がございますので、この備蓄のための貯蔵タンクの増強というものを考えておりまして、四十四年三月末には八十六万トンでございましたが、ことしの六月には百十三万トンに増強することにいたしまして、これで六十六日分程度が備蓄できることになっております。これによりまして需給の季節差を緩和することにいたしたい。もし、それでも足らない場合にはスポット輸入をするということで、四十四年は二十五万トンの輸入を行ないまして需給の調節をはかっております。なお、今後の問題といたしましては、タンカーの建造等によりまして輸入力を増加するように取り計らうつもりでおります。
#30
○多田委員 その需給の調節といいますか、それによって適正価格が維持されるということでございましょうか。
#31
○本田政府委員 お答えいたします。
 需給の調節によりまして、たしか四十三年度以降は卸の価格としてはそれほど動いておりません。この趨勢を維持してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#32
○多田委員 現在のプロパンガスの料金の算定基準なんですが、都市ガスですとはっきりしております。たとえば七立方メートルまでは二百六十六円五十六銭、それから八立方から七十二立方までは一立方メートル増すごとに二十二円八十五銭の増。この先はわかりませんけれども、こういうふうに、一応私たちが理解できる範囲で算定基準というものが明瞭になっております。その場合、プロパンガスと比較しますと、どうもプロパンガスの算定基準というものが私たちに明瞭でない。その辺をひとつお願いしたいと思います。
#33
○本田政府委員 お答えいたします。
 LPGの価格につきましては、特に料金についての許可制度を設けておるわけでございませんで、需給を反映して自由に価格をきめるという形になっておるわけでございますので、地域的に、LPGの入手に経費がかかる、あるいはその他の諸施設について条件の異なるために、ある程度価格の差があることはやむを得ないと思っておるわけでございますが、原則としては、基本的な需給の均衡をはかることによりまして、卸価格の変動を押えていくことにより、価格の平均化と一定した価格の水準を維持するということに指導いたしておる次第でございます。
#34
○多田委員 消費者保護の立場から、その価格の算定基準というものも、いろいろむずかしい問題もあろうと思いますけれども、なお一そう、皆さんが安心して払えるように、メーターと同時に料金の適正化という問題をさらに今後推進していただきたいと思います。
 もう一つ、別の問題に移りますけれども、このガス事業法の改正法案の第十六条に「一般ガス事業者は、正当な事由がなければ、何人に対しても、その供給区域又は供給地点におけるガスの供給を拒んではならない。」また、以前の附帯決議の中にもございますけれども、サービスをもって本位とする、そういった一項もあるわけです。供給規程は、本法の趣旨にのっとりサービス本位のものとする、こういう附帯決議もございますし、前回の附帯決議の中にも、いわゆる消費者保護という問題でいろいろ明確に明示されておりますけれども、いま具体的な例を二つばかりあげまして伺いたいと思います。
 これは一つは、世田谷の粕谷町三十番地、この辺は、その前の道までガスが来ておりまして、うしろにもガスが来ておりまして、その辺の中間地帯の三十軒ばかりにガスが引かれていない。これは都市ガスでございますけれども、当然そこに何世帯かかたまりまして、家屋がふえますと、LPガスの使用をどうしても都市ガスに切りかえたいというのが人情でございまして、それが昨年の三月ですか、都市ガスを引いてもらうように申し込みをしまして、それから約一年近くたったことしの初めに、ようやくガス会社の方が見えられて、本管の負担金というようなお話があったそうでございますが、それが値段の折り合いがどういうふうについたのかわかりませんけれども、とにかく私が話を聞いた本人の話によりますと、二月四日に何軒かの分を集めて、二十七万二千八百七十四円と金額まではっきりと教えてくれたわけですけれども、それを営業所に支払った。その際に、いつごろから工事が始まるでしょうか、当然そういうふうに伺ったと思うのですが、二十五日ごろにはということでしたそうですが、いまもって返事がない、こういうことでございます。
 それで、これはいろいろな手数もかかることですし、若干の遅延はやむを得ないと思いますけれども、そうした人たちに対して、では二十五日と思ったけれどももう少し延びるとか、その後こういうふうに計画を進めているとか、何らかのそうした消費者サービス本位ということを考えますと、その辺にもう一つ親切の手が足りないのではないか、こういうふうに考えるのでございますが、その辺に対する指導体制といいますか、そういう点について一言お願いしたいと思います。
#35
○馬場(一)政府委員 ただいま先生からお話のございました世田谷の粕谷地区と申しますか、その地区におきます工事の申し込み、その処理状況というのを私ども一応調べてみたわけでございますが、ただいま先生お話になりましたように、昨年の四月でございますか、その地区からお申し込みがございまして、いろいろ、工事負担金の打ち合わせでございますとか、設計でございますとかいうようなお話し合いをいたしまして、昨年の十二月に、いわゆる各戸で支払っていただく工事負担金について案がまとまりまして、東京瓦斯のほうからその地区の方に負担金の提示を申し上げました。それに対しまして、ことしの一月にその三十一戸のほうから、それを了承したというお返事があったそうでございます。それで一月に話がまとまりまして、ことしの二月にいわゆる各戸の内管工事につきましては、これは各戸でそれぞれ異なるわけでございますが、それにつきましては、三十一戸からそれぞれ入金をいただき、あとは各戸で負担していただく。いわゆる工事負担金といいますか、本支管を引きますので、その負担金につきまして目下まだ全部入金をしておりませんので、それの入金を待ちまして、全部入金のあり次第工事に着工いたしまして、始まりますれば大体二カ月足らずで工事が完成をする、こういう状況のように聞いております。
 したがいまして、現在、内管工事費を先に入金をいたしまして、工事負担金の入金を待っておる、こういう状況のようでございますが、三十一戸でございますから、それぞれ一部の支払いが終わって、工事がまだ着手されていないというその間の事情につきまして、東京瓦斯のほうからも、あるいは各戸に対しまして工事の事情等を中間的に御報告しておるのではないかと思いますけれども、なお、そういう点につきまして連絡不十分なところが拠りますれば、調べまして東京瓦斯のほうに十分RRをするように指導いたしたい、かように考えております。
#36
○多田委員 事情があると思いますので、いま局長のおっしゃいましたように、各戸が納得のできるPRといいますか、そうしたものを進めていただきたいと思います。
 もう一つは、これはちょっと足かけ三年越しになりますが、桜上水の二丁目付近で、その辺は建て売り住宅が密集しているところだそうでございますが、一昨年の八月にその話がその付近の人々の間で持ち上がりまして、総数八十八軒、十月ごろに何か署名を集めたようでございます。それで、その署名を集めましたときには百三十軒になっておりまして、その辺でたしか申し込んだと思います。いまは二百軒をこえているそうでございますけれども。その間、まるまるにすると一年半ばかり、足かけにすると三年くらいになりますが、その間、都市ガスが早く引ければいいと思いつつ、お金のないということもあるかもしれませんけれども、まず二百戸の家庭が集まっているのでございますから、もう少し何とか皆さんとの話し合い、そうしたことが進められてもいいのではないか。また途中で、話が長くなりますので、十人ばかり中心者をきめて、その都市ガスを引くための推進委員などというものがつくられて推進してきているそうでございます。何回も話し合いはするのですけれども、一向にその先へ進まないということで、ガス会社に対する批判の声というものがその辺にたくさんあるわけでございます。消費者にしてみれば、自分たちの都合本位で、ガス会社の都合のほうはいろいろ考えないと思いますので、そうした批判の声が結集されてきているようでございますが、この付近の事故に対してはどのようになっておりますか伺いたいと思います。
#37
○馬場(一)政府委員 ただいまの世田谷の桜上水地区の事情に関しまして、これまた事情を調べてみましたところ、こちらのほうは、確かに先生御指摘のように、当初のお話し合いからいたしますと非常に長引いております。
 それで、一応経過的に申しますと、昨年の七月にその地区についての設計がまとまりまして、会社側のほうから負担金の提示をいたし、これに対して先方、その上水地区の代表の方々から工事負担金を了承していただいたと、こういうことでございますが、その後、実はこの工事をいたしますにつきまして、これは当該地区を都道補助五十四号線というのが工事計画がございまして、この道路計画があるということで、その道路計画に伴って施行、こういう予定だったようでございますけれども、その後、この都のほうの都道の計画がずいぶん先になる、五年ばかり先になるというようなことが明らかになりましたために、その支管の引き方を考え直しまして、そしてあらためて工事にかかる、こういう状況になりまして、その間都道との調整が少し時間がかかりましたために、非常に負担金の話し合いがついてから工事が長引いておる、こういう事情のようでございます。
 ただし、これはその都道との関係があったにいたしましても、その間そういう事情があっていろいろおくれておるのだというその間の事情を、非常に長きにわたって、負担金の話がきまりましてから、その地区の期待されておる住民の方々に、十分PRしておらなかったようでございまして、その辺のところは、ただいま先生御指摘のように、非常に消費者のほうは期待をしておられるわけでございますから、このPRが不足であった事情は確かにあると思っております。このことにつきましては、十分東京瓦斯のほうに、非常にPRが不足をしておりますので十分御事情を御説明するように指導をいたしました。
#38
○多田委員 最後に、ガス業者同士の調整をはかるという点で、きのうはたいへん論議が展開されまして、地方ガス事業調整協議会というものができてその間の調整をはかるということでございます。それは業者間の問題でございまして、今度は、消費者の苦情あるいは問題、そうした問題はどこへ行ったらいいのかもわからずにもんもんとしているという家庭もたくさんあるわけでございます。そのことに関しましては、本法の五十一条に「ガス事業者のガスの供給に関し苦情のある者は、通商産業大臣又は通商産業局長に対し、理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる。」こううたってございます。これはよくわかることなんですけれども、直接消費者がここへ苦情を申し出るといっても、ちょっとはるかかなたの雲の上の存在でございまして、手が届きません。ほんとうに消費者それ自体の声を、苦情を、どういうふうなシステムでそれを受けていくか、その点について伺いたいと思います。
#39
○馬場(一)政府委員 ガスのいろんな問題についての苦情は、現行法におきましても、改正法におきましても同じでございますけれども、通産大臣または通産局長にお申し出をいただきまして処理することにいたしております。雲の上という仰せがございましたが、各通産局にそれぞれ公益事業部というのがございまして、現在公益事業課でガス課のある局もございますけれども、現在は東京、仙台以外の局におきましては、公益事業課の中でガスの仕事を処理しておりますが、すべて各通産局の公益事業課に電気ガスに関する苦情の相談所といいますか、相談室というのがつくってございますので、そこへ何かございましたらば御遠慮なくお申し出いただきますれば、私のほうでお話を伺いまして適切な処理をすることにいたしたいという体制にいたしておるわけでございます。
#40
○多田委員 概略終わったわけでございますが、最後に先ほどの話に戻りまして、一番最末端の一本売りのLP業者、そうした人たちに対する問題が一番問題ではないかというふうに思います。都市ガス、これは問題ありません。簡易ガス事業者、これも今回のこれによってはっきりといたしました。それ以下の非常に零細な業者が多いわけでございますが、それに対する今後の対策といいますか、指導といいますか、そういう点について最後にお伺いしたいと思います。
#41
○本田政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、LPGの販売業者は、ほとんどのものが月間販売量三トン以下というきわめて零細な業者でございまして、これの経営の合理化等を行ないますためには、容器の大型化であるとか、先ほどお話の出ましたメーターの取りつけ等を行ないまして、経営の合理化をはかる必要があるわけでございます。
 基本的な方向としては、協業化によりまして、協業組合等を組織してやることが望ましいわけでございます。そこで、この協業化に対しましては、先ほども申し上げましたように、中小企業振興事業団の低利の融資が行なわれるということにいたしております。それから事業協同組合組織によって行ないます場合には、共同施設とみなしまして、容器の大型化あるいはメーター等に要する資金につきましては、やはり中小企業振興事業団の融資の対象にいたしております。それから、協業化によらない場合も、先ほど申し上げましたように、中小企業金融公庫等の政府関係機関から特に融資をしていただくように、中小企業庁長官の名前で各機関に要請をいたしておる次第でございます。
 先ほど申し上げましたように、四十五年度からはさらにメーターリースについての金融も考慮するということにいたしておるわけでございますが、御指摘のように、きわめて零細なLPG販売業者でございますので、これの経営合理化については基本的なその協業化、共同化の方向ではございますが、そのほかにも各種中小企業対策の中でその体質の強化をはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#42
○八田委員長 米原昶君。
#43
○米原委員 いまも話がありましたが、いろいろな場合に住民に対して十分PRがされてないために、いろいろな摩擦が起こっておる問題が幾つかあると私は思うのです。そういう点についてひとつお聞きしたいのです。
 実はこれは通産省のほうもよく御存じだと思いますが、板橋区の新河岸二丁目です。そこの約二万平方メートルの敷地のところに東京瓦斯がガスホールダーを――非常に大きなものです。高さが四十三メートル。私、一昨日現地に行ってみたんですが、それを設置する問題について、住民が非常な不安感を持って反対運動が起こっておるわけです。その経過を聞きに行ったわけです。そういう場合に、住民に対するPRが非常に不足していたんじゃないかということを私、痛感したわけです。現在のところ、通産省のほうも積極的に説得するという態度を持っておられるようで、これは円満に解決されることを望むわけです。
 初めにつくられたときには、あのあたりは荒川のそばで、工場が幾つかあって、そう密集地帯じゃないと考えておられたらしい。しかし行ってみますと、すぐそばに都営住宅をどんどん建設しておるところなんですね。一番高いのは十二階建ての住宅がつくられる。それから小さい小川がありまして、それを一つ越えた南のほうは、ガスホールダーができるところから幾らもない。おそらく五十メートル、百メートルくらいのところかと思いますが、そのあたりのところにニュータウンをつくるという計画で、赤羽台団地よりももっと大きなニュータウンがそこにできるらしい。そうすると住宅街のどまん中になるわけですよ。そういうところにガスホールダーを建てられるというので、実はいままであった都営住宅に申請した人も、あそこの場所に来て、これは何だかあぶないのじゃないか、それで都営住宅の申し込み者も激減しているということを聞きました。あいているところもある。この住宅不足のときにそういう不安感を与えているんですね。これに単なる不安感かもしれないんです。これはしろうとが考えたので、実際はそんなに心配は要らないのかもしれない。しかし、そのあたりが十分にPRされてないと、そのために逆に建設がおくれてしまって、最初の一基はもうつくられておるわけですが、そこでストップしているわけです。通産省のほうも非常に慎重な態度で、十分に住民に説得してからということを考えておられるようで、それはいいと思いますが、無益な摩擦を起こさないで仕事を進められたほうがいいと思うのですけれども、どうもそのあたりのやり方に、いままでのところまずい点が東京瓦斯のほうにあったと思うのです。
 今度の法案でも、いままでの法案でもそうですが、こういうガス施設、ガス工作物を設置する場合、そういう地理的な条件、住宅街のどまん中に建てるというようなことですね。そういうようなことは、この法案ではどこで規制することになるのかよくわからないですが、いままでの法律でもそうです。これはどういうふうになっておりますか。
#44
○宮澤国務大臣 政府委員からお答えいたします。
#45
○馬場(一)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生仰せになりました板橋のガスホールダーにつきましては、お話のように、一号のガスホールダーはすでに許可になってできておりまして、今回問題になっておりますのは、さらに板橋地区の需要の増高にかんがみまして、板橋地区にもう一つガスホールダーが要るというので、いわば二号基のガスホールダーの申請が現在出ておるという状況にある、そのものであると存じます。ガスホールダーの設置、これは新設の場合でも増設の場合でも同じでございますけれども、現行法におきましても、それにつきましては許可が要るわけでございます。
 許可の条件といいますか、許可をいたします際の基準といたしましては、その付近のガスの需要に応ずるためにこれは必要かつ十分なものであるかどうか、あるいはそういうものは過剰になるのじゃないかという、いわゆる設備それ自身についての検討、それからそれを実際にやる経営的能力、それからガスホールダーの設置がいわゆる公益上も必要であって、かつ安全面も含めましてその場所につくることが適切であるかどうかというようなことについていろいろ審査を行ないまして許可をいたす、こういうことに法律上なっておるわけでございます。この許可をいたすにあたりましては、安全性について十分注意をいたすことは当然でございますけれども、同時に、地元住民の方々に、いま先生仰せになりましたような御心配等がございますれば、十分そういう点につきましてはPRをいたしまして、御納得をいただいた上で建てるということが望ましいわけでございますから、現在許可の申請を受け付けておりますが、同時に、そういう御心配があるということも伺っておりますので、十分地元住民の方に御理解をいただくように指導しておる最中でございます。
 ただし、このガスホールダーそのものの設置につきましては、いろいろ住民の方にそういう御心配はあろうかと思いますけれども、ガスホールダーの設置に関しましては、安全面に関しまして非常に十分ないろいろな審査の基準、技術上の基準がございます。特に住宅地等から、そのガスのホールダーの容量に応じましてどのくらい離して建てるべきかということも基準できまっておりまして、大体ただいま問題になっておりますようなホールダーの場合でございますと、ホールダーの場所からその付近の住家まで大体十メートルあければよろしい、こういう基準がございますので、現在の位置的な関係から見ますと、御指摘の集団住宅からは約百メートルくらいの距離であろうかと思いますので、安全性は客観的には十分あると私どもは思っておりますけれども、先生御指摘のように、いろいろ地元住民の方にそういう点についてもっと御理解を深めていただくように東京瓦斯としてはやるように指導いたしておるところでございます。
#46
○米原委員 それから、私さっきちょっと聞きたかったのは、そういう地点の設置を許可する場合に、この法律でいうと第何条のところが適用されるわけですか。どうも法文では明確でないような感じがする。
#47
○馬場(一)政府委員 現行法で申しますと、ガス事業法の第八条「ガス事業者は、第六条第二項第三号又は第四号の事項を変更しようとするときは、通商産業大臣の許可を受けなければならない。」それで第六条は、いわゆる新設をいたします際にいろいろ当初の設備を許可いたしますが、その許可証に、おもなるガス工作物、ただいまのガスホールダーにつきましては設置の場所、種類、それから能力別の数というものをきめて許可証を出すわけでございます。今回の場合はそれをさらにふやそうということでございますから、それの変更になりますので、その場合は八条によりまして許可をあらためてとるということになるわけでございます。
#48
○米原委員 これは、一般のしろうとでそういう知識がないために、ということもあると思うのですが、何しろ四十三メートルの高さですから非常にでっかいものです。何か異様な威圧感を感ずるのだろうと思うのです。しかし実際にはガスホールダーというものはいままでも事故が起こったということがほとんどないということも私は聞いているのですが、ガスホールダーについて、いままでに何かそれが原因になって災害が起こったというような事例は比較的少ないのですが、私、聞いたのでは、たとえば戦争中にアメリカの飛行機からガスホルダーが爆撃を食ったところも幾らかあるらしい。たとえばそういう場合でも災害には至らなかったというようなことも聞いているのですが、そういうような点で何か統計でもありますか。
#49
○馬場(一)政府委員 球型のガスホルダーの事故につきましては、現在、終戦後そういう事故があったものはございません。ただ先生いまお話しになりましたように、戦時中に円筒型の有水ガスホルダーというホルダーに砲弾が当たった事例がございますけれども、この場合でも、ガスが上空に出まして着火をいたしましたのみで、いわゆる内部に火がついて爆発をしたということにはなっていないわけでございます。戦争後そういう事例はございません。
#50
○米原委員 ガス漏れというようなこともほとんどないわけですね。
#51
○馬場(一)政府委員 そういう事例はございません。
#52
○米原委員 そういうことだとしますと、これは何よりPRが足りなかったんじゃないかということをよけいに痛感するわけなんですよ。行って聞いてみますと、地元の住民は全然知らなかった。私は東京瓦斯の会社の部長さんともあすこで会いましたが、東京瓦斯のほうでは、板橋の区議会に行って説明しているし、それから町内会の幹部には話した。それで伝えてくれということだったらしいけれども、町内会の幹部は全然やっていないのですね。それでにょこにょこっと大きなものができてきたのでびっくりしたというような事情だったことはわかりますが、そういうことのために、よけい、知らないうちに住宅街のまん中にこんなでかいものを建てられたのでは、という気持ちになったんだと思うのです。そのPRのやり方ですね。町内会とかいろいろな組織がありますが、これは必ずそう伝えなくちゃならぬ義務を持っている組織でもありませんし、幹部がそういう態度をとっているときはいろいろ問題を起こすんだと思うのです。ここの場合は、町内会の幹部の不信任案が出て全部入れかわって、ガスホルダー反対の立場に立つ人が結局いま幹部になっているらしいのですが、そういうようなことを引き起こしているわけです。こういう問題については、PRという点でよほど今後考えなくちゃいかぬと思うのですが、こういう問題をやるときには大体どういうやり方でやるか。これは法案には書いてありませんが、どういうふうなやり方をやることになっていますか。
#53
○馬場(一)政府委員 このガスホルダーを新しく増設することにつきましては、板橋の区議会にもお話をし、かつまた、その地区の町内会の代表の方々にもそういうお話を、東京瓦斯としてはいたしておったようでございます。ただし、いま先生仰せになりましたように、町内会の役員の方が交代されたというような事情もその間にあったようでございますが、一応その周囲の方々に、そういうガスホルダーの増設のことについて御連絡する方法、あるいはPRする方法といたしましては、チャンネルとしては、そういう町内会の役員の方々にお話をして、それを各員にお伝えいただくというような方法をとっておったように私どもは聞いておりますが、なおその辺の事情は東京瓦斯にもよく聞いてみたいと思いますし、さらにもっといい方法等が一般にあるのではないかということにつきましても、これはここだけの話でもないかと思いますので、よく研究してまいりたいと思います。また先生のほうから何かお話しいただくことでもございましたら、どうぞいい方法について御意見を承りたいと思います。
#54
○米原委員 それともう一つの問題は、通産省の方も、あそこは工場地帯だというふうに考えておられたらしいけれども、あそこは都市計画では住宅地帯なんですね。そうすると、こういうものを設置する場合に都市計画と無関係につくっていくというやり方に、ちょっと疑問を感ずる。こういうものを設置する場合に全然考慮に入れないことになっているのか。こういうことは規定にもありませんが、都市計画とか都市の景観上の点ですね。こういうものを町のどまん中につくられたのじゃたまらぬという、これは実際には危険でなくとも、そういう問題もあると思うのですが、そういう問題は、ああいうものを設置する場合に考慮に入れないのかどうか。
#55
○馬場(一)政府委員 そのガスホルダーのあります地域は、私ども調べますと、周辺は全部いわゆる都市計画法上の工業地域になっております。ただ団地のございますところは、もともと東京瓦斯がホルダー用に持っておりました用地を、その後都営住宅が建つということで東京瓦斯が譲渡いたしまして、その後その地域に住宅が建ちましたので、現在では都市計画法上は準工業地区と申しますか、そういう計画法上の地域になっているように聞いております。むろん専用住宅地域というような位置づけが都市計画法上なされておりますような地域には、ガスホルダーのようなものは都市計画法上建たないわけでございますけれども、現在ではいわゆる準工業地域というふうになっておるように承知いたしております。
#56
○米原委員 それでは、おそらく東京都の計画のことをよく御存じないのじゃないかと思うのですが、東京都は、あそこからすぐ百メートルのところがら始めて、赤羽台の団地以上のニュータウンをつくる。全くの住宅街のまん中になってくるわけです。実際に行ってみまして、その場で一つ発見したことがあるのです。というのは、お隣に工場があるわけです。三和シャッター新河岸工場というのですか、そのこちらにガスホルダーの大きなのができていまして、これはそれから百メートル離れてない。五十メートルぐらいだと思うのですが、その工場にドラムかんがずらっと五十ほど積んであるのです。この工場は以前にも火事が起こってまる焼けになった。そこにドラムかんが置いてあるのです。ガスホルダーそのものは、いまの御説明でも大体危険性がないと思うのですけれども、しかし隣で大きな火事が起こったり――そんなドラムかんが五十も置いてあるところで事故が起きないとは限らぬような感じなんです。これは問題だというので、東京瓦斯の部長に私、話して、あれはどうなんだと言ったら、びっくりして、何とかあれは撤去してもらわぬと困るから処置しますとは言っていましたが、こういうようなことを許されるのかどうかという問題です。
#57
○馬場(一)政府委員 そのガスホルダーに近接しました工場にドラムかんが置いてあるという事情につきましては、私どもなお十分に調査をいたします。そういう点も含めまして、ガスホルダー自身は、先ほども申しましたように、漏洩あるいは爆発、火災等の危険がないように、その技術上の基準を満足してつくられることは間違いございませんが、ただそういう住宅が近傍にございますような場合、隣の工場のドラムかんでございますとか、ガスホルダーの形状でありますとか、そういうものを含めて、一般の方に御心配をかけることが多かろうと思いますので、客観的な技術的なことを離れまして、たとえばガスホルダーの周辺に樹木等を植えましてあまり目立たないようにいたしますとか、景観に注意をいたしますとか、あるいは先ほどの問題に返りますけれども、ガスホルダー自身の安全性につきましてなお一そう住民の方々によく御納得いただくように、いろいろな方法によりまして今後東京瓦斯に努力させていきたいと思っております。
    〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
#58
○米原委員 もう一つ、住民が納得をなかなかしないといういろいろないきさつがあるのです。たとえば、このガスホルダーの工事の建設の許可が五月七日におりているのです。これは私、東京通産局に聞きました。ところが、実際の工事は、許可がおりるより先にやっておるわけですよ。去年の二月からやっている。これは付近の住民はみんな知っています。そのようにほとんど周知徹底もさせない。しかも工事のほうは、実際は認可を受けていないのに始めていたという事実があるわけですね。そういうところが非常に感情的な問題にさせているわけですが、こういう問題の処理をどうされるつもりかということです。
#59
○馬場(一)政府委員 今度のホルダーは二号基でございますが、先生ただいま仰せのその問題は、第一号基のホルダーについてであろうかと思いますが、これは昨年の五月七日に事業法上の許可をいたしまして、十二月三十日に工事を完了いたしております。この五月七日に正式に許可をいたします前に、会社といたしましては、いろいろ工事が始まりましたときに備えまして、工事用の資材等の般入を、その以前にやっておったことが、あるいはあったのではなかろうかと思っておりますけれども、工事自身は、たとえ資材を山のように積みましても、事業法上の許可がございません限りは始めてはならないことになっておるわけでございまして、それに備えて以前にいろいろ資材の般入等をやっておったということが御指摘の点であろうかと思います。工事そのものは、繰り返して申し上げますように、資材を入れましても、許可がない限りは絶対に始めてはならないわけでございます。
#60
○米原委員 そうじゃないかと思っていろいろ聞いてみたのですが、そうではないと言っています。つまり、五月七日の認可がおりたときには、下のほうはもうできていた。その付近の住民はみんなそう言っていますがね。
#61
○馬場(一)政府委員 なおよく実態を調べてみますけれども、法律上はそういうことになっておりますので、もしそれに不適合なことをやっておりますれば、十分東京瓦斯に対しまして注意をいたします。
#62
○米原委員 もう一点心配していたのは、これは、この問題が起こって、工事が始まってからですが、たしか社会党の都議会議員の方だと思うのですが、現地に行って、工事をやっている人に聞いたところが、大きな地震でもあったら、ここから――これは伸縮継ぎ手というところですが、そういうことで、何か工事をやっている現場の人が、非常に不安を抱かせるようなことをしゃべっているわけですね。責任者じゃないかもしれませんが。そういう点を、おそらくもう御存じだと思いますが、十分調べて、そのあたりを、住民が不安を持たないように説得されないといけないんじゃないかということを、一つ痛感いたしました。これを言っておきます。
 では、次の問題を若干質問します。
 もう一つの問題は、今度の法案の中での、都市ガス事業者、簡易ガス事業者との競合する地域の問題です。そこで、それを解決していく問題ですが、この問題の、総合エネルギー調査会ガス部会の小委員会報告を見ますと、「供給の相手方の数が一千世帯以上のLPガス小規模導管供給は都市ガス事業として行なうよう指導することが適当である。」こういうことが、この答申書では出ているわけです。答申書のその他の例の五十世帯以上のものを簡易ガス事業とするという点も、これもこの法案の原案では五十世帯と出ておったのが、この前の国会で七十世帯と修正されているわけです。これはよくわかるわけですが、もう一つの千世帯以上、これに対しては都市ガス事業としてやる、この点は法律案の中には盛り込まれてないわけですが、これはどういうわけですか。そのあたりを説明してもらいたい。
#63
○馬場(一)政府委員 この改正法案の当該部分は、たびたび申し上げておりますように、総合エネルギー調査会のガス部会の答申の線に沿いまして立案をいたしておるわけでございまして、五十が七十に変わりました事情は、ただいま先生御指摘のとおりでございます。
 答申には、大体五十戸以上千戸くらいまでを簡易ガス事業の領域というふうに御答申をいただいておりますが、それに沿って法律を立案いたします段階では、いわゆる簡易ガス事業の下限と申しますか、何戸以上から公益事業規制をするかということは、これは法律上きめておきませんと、法律案そのものが成り立ちませんので、下限につきましては、当初五十尺今回七十戸というふうに法定いたしておりますが、上限につきましては、必ずしも法律上きめる必要がございませんし、かつ簡易ガス事業その他、いろいろ技術上の進歩、変化等もございますので、必ずしも法律上明定をいたすことにしておらないわけでございます。
 ただし、ガス部会で千戸というふうに一応御答申をいただきました趣旨は、先日来るる申し上げておりますように、簡易ガス事業と都市ガス事業とは、その性格上は、公益事業としては同様でございましても、いわゆる実態が違いまして、都市ガス事業のようなものは、かなり広い供給区域を持ち、その中で広がっていく将来の需要に対応いたしまして、かなり大規模な発生設備を持ち、大規模な供給設備を持ってガスを供給していくという実態になじむ事業形態であるというふうに考えておりますし、簡易ガス事業は、一応七十戸以上、ある一定の限られた団地。そこでは、将来の伸びというようなことではなくて、具体的にそこに百戸なり百五十戸なり、そういう現に目に見えております需要に対して、簡易なるガス設備をもってそれに応ずるだけの供給配管をする、こういう実態のガス事業である、こういうぐあいに観念いたしております。
 そこで、千戸以上ということになりますと、実態的には、むしろ都市ガス方式をもって供給したほうが適当なものに相なるのではなかろうかというような認識がガス部会にございまして、それでそういう御答申をいただいたものだろうと思います。そういうふうに、両方のどちらの形態がよりふさわしいだろうかという問題は、なお今後研究すべき問題があろうと思いますけれども、法律上明定はいたしておりませんが、そういう趣旨に沿いまして、われわれといたしましても、一千戸以上の大きな供給区域に対しまして、簡易ガス方式をもって対応するというようなケースが出ました場合には、ただいまのような趣旨にかんがみまして、簡易ガス方式よりはむしろ都市ガス方式のほうがなじむのではなかろうかという認識に立ちまして、実際の運用をはかってまいりたい、かように考えております。
#64
○米原委員 ところが、実際の問題を調べてみますと、千戸以上のところに現に供給している簡易ガス事業があります。今度の法律案では、そういうものを強制的に都市ガスにするということは書いてないわけです。それで、いまもいろいろお話にあったように、これが今後技術的に進歩する可能性もあってきめられない問題だと思いますし、現実が干戸以上のところがかなりあるということを聞いておりますが、そうだとすると、もう千戸以上を制限するというようなことは、たてまえとしてはしない。実際の処置としては、現実にいままでやってきたところは認めるということでいくわけですか。
#65
○馬場(一)政府委員 このガス事業法が改正になって施行されます日までに、すでに簡易ガス事業としての実態がもうあって、現に事業が始まっているというものにつきましては、これは八十戸でございましょうが、千戸でございましょうが、すでに実態のあるものにつきましては、一定の経過規定を置きまして、六十日以内に所定の届け出をすれば、そのまま簡易ガス事業として認めるということになっていることは、御指摘のとおりでございます。現に千戸以上の実態を有するものは、全国にどのくらいあるかということでございますが、私どもの把握しておりますところでは、数例ございますけれども、そんなにたくさんはないわけでございます。
#66
○米原委員 問題がいろいろ起こるのは数例かもしれないけれども、そういうところが現にある。そういうところはもともとは都市ガスの供給区域になっておる。しかし実際は都市ガスが供給してくれない。いろいろ運動をやっても供給してくれなかった。二、三年の問題じゃないのです。もう十年近くも運動をやっても供給してくれないというようなところで、実際は簡易ガスが千戸以上のところもやっている、こういうような事例があると思うのです。そういう場合に、今度の法案の方針では、そこに都市ガスの導管を布設するということになると競合する地域になるわけですが、そこで一番問題になるのは、結局いままで長い間実績を持ってきた業者が次々と倒産するという問題が起こってくると思うのです。まあこれは例の協議会にかけて決定されることになるでしょうけれども、かけましても住民は、都市ガスがついたら、それはけっこうだという感情が実際問題として強いと思うのです。消費者のことを第一に考えなくちゃならぬのはもちろんですけれども、しかし、いままで何年間も実績を持って、そうして都市ガスが供給されない時期にそういう役割りを果たしてきているのですね。そういうものがつぶされていくわけです。そういう場合にどういうふうな処置をとれば――まあ補償の問題はこの法律には書いてないわけですけれども、実際的にはどういう方針で臨まれるつもりかということです。
#67
○馬場(一)政府委員 すでにこれは経過的に認めるものにいたしましても、あるいはこの法律施行後に正式に簡易ガス事業として認めた場合、どちらでも同じかと思いますけれども、法律上認められました簡易ガス事業は、その供給地点につきましては、当然供給義務を持っておりますけれども、同時に、その地点につきましては供給の責任といいますか、いわゆる地点の供給の独占権といいますか、そういう位置づけをしておるわけでございます。この辺のところは、都市ガスが与えられました供給区域についての供給責任あるいは供給独占するのと、全く同じ関係でございます。
 そこで、ある地点にすでに法律上認められました簡易ガスがございます場合に、その地区で供給区域内にそれがございました場合に、そこへ一般ガスが導管を延ばしていくというときに、その導管を延ばすについて競合する場合があろうかと思いますけれども、このときに両者が事実的に競合いたしまして、需要者の選択によって、簡易ガスが廃業するとか、倒産をするというようなことが競合関係の結果起こる場合には、当然簡易ガスがその地点においてはそれだけの法律上の地位を持っておりますから、むしろ消費者といたしましても、それにかえて都市ガスをしいたほうがよろしい、こういう実態でございました場合には、都市ガスのその計画を認めます場合に、両者話し合いをいたしまして、簡易ガスの果たしておりました地位に対して十分話し合いの結果、両者の間でしかるべき補償その他の話し合いの結果を待ちまして、しかる後に都市ガスを延ばしていくということになろうかと思うわけでございます。かつ、その話し合いについて、もし紛争等がございます場合には、必要があれば地方ガス事業調整協議会にはかりまして、円滑な解決をはかってまいりたい、かように存じております。
#68
○米原委員 それじゃひとつ具体的な問題で聞きます。
 一つ問題が起こっておるのは、立川市のずっと端のほうですが、西砂川都営団地というのが今度できるわけですね。七月ころには完成するわけですよ。そこに千三百戸の住宅ができる。問題は、これはずっと端のほうですが、それよりもつと立川の市街地に近いところに七、八年前に大山団地という――ここも都営団地です。ここも千三百戸ほどのところですね。この団地ができたときに都市ガスをしいてもらいたいという要求が非常に強かったわけです。しかしこれをどうしてもできなかった。結局全部プロパンガスが現に入っておるわけですね。その後、立川に例のけやき台団地、これは一番大きな団地ですが、たしか四千戸から五千戸あるのじゃないかと思います。この団地ができたときに、非常に大きな団地なものだから、そこに導管をしいた、そういういきさつがありますが、今度問題が起こったのは、西砂川団地、それより市街地のほうに近い大山団地でも、いままでプロパンでやっておる。そこで立川のプロパンガス事業協同組合から、ここもプロパンガスをやらしてもらいたいという申請が去年出ておるのですね。そうしていままでの事情もあるものですから、立川市の議会は満場一致で、これはプロパンガスを入れるべきだということを去年の十月初旬にきめた。ところが、そのあとだと思いますが、東京瓦斯を持っていくのだという申請もまた出ておる。東京都の都議会ではこれは困っておるわけです、どういうふうにすべきか。いままでの経過から言いますと、つまり確かに東京瓦斯の配給区域にはなっておるけれども、実際には全然配給しなかったわけですね。ですから、能力がないわけじゃないと思うのだけれども、実際はできなかったという経過ですね。それでやむなくプロパンガスをやってきたということはいいのです。それで助かっておるわけですね。その際、今度大きなのができるとなると、これをつけるという問題が起こってくる。そうしますと、プロパン業者にとっては、これはずっと聞いてみたのでありますが、その区域全体――立川市の場合、まだ半分がプロパンガスでやっておるのだそうです。そのあたり七、八千戸プロパンをやっておるわけですね。そうして新しく千三百戸というものができてくる。という中で都市ガスが来ますと、消費者としては、将来的には都市ガスを望んでおる者が実際問題として多いかもしれません。しかしそうなりますと、一万戸近いいままでプロパンでやっていたところが全部都市ガスにかわるとなりますと、中小企業、零細企業の受ける打撃というのは相当深刻なものだ。こういう問題が起こっておりますが、これはどういうふうに措置されるかということを聞きたい。
#69
○馬場(一)政府委員 この立川市に計画されております先生仰せのいろいろな団地計画、その団地にいかなるガスを供給するかということについて、いろいろ都市ガス業者とプロパン業者の組合の方々との間にそういう話し合いがあるということは、私どもも承知をいたしております。ただし、ただいまの例でこれを一般論として考えてみますと、ただいま都が計画されておりますこの団地自身は、まだこれから計画され、団地ができ、そこにそれぞれ入居される方がきまりまして、そこの需要と申しますのは、これから団地ができるに従って逐次発生してまいる需要でございまして、これから発生してまいる需要に対してどちらのガスが適当であろうか、こういう問題であろうと思いますので、先ほど来先生から御質問のございました、すでに団地があり、そこに供給をしておる簡易ガス事業者と、そして延びていく都市ガスとの間の紛争あるいは相互の関係をどう考えるかということとは、若干違った問題であろうかと思っておるわけでございます。したがいまして、この新しくできます団地につきまして、都市ガス業者も――ここは具体的に申しますと東京瓦斯でございますが、それが立川市にすでに太い導管を延ばしておりますので、新しく発生する需要に対しては都市ガス方式をもって措置をしてまいりたいと東京瓦斯のほうは考えておりますし、また、すでに立川市にある簡易ガス事業と申しますよりも、協同組合に入っておられる個々のプロパン業者の方々が、ここで簡易ガス方式で供給をしていきたい。これもそういう期待をしておられる。いわばこれから発生する需要に対してどちらのガスを適当と考えるか、どちらを認めていくかという問題であろうかと存ずるのでございます。
 この問題につきましては、具体的に両者の計画が、もしそこの地点についてやりたいという計画が出そろいますれば、まさに東京瓦斯の供給区域内に簡易ガス事業を認めるか認めないかという法律上の問題になるわけでございますので、いわゆる今度の新法の三十七条の四でございますか、簡易ガス事業供給区域内に認めるときの考え方に従いまして、どちらが適当であるかということをきめてまいりたい、こういうことになるわけでございます。
#70
○米原委員 この法律が実際に施行されるのは、きのうの説明でもおそらくことしの九月以降じゃないかというふうにおっしゃいましたが、この団地ができるのは七月ですね。そうすると、どうしてもいまのうちにきめなければならぬわけですね。そういう点からいうといろいろ問題があると思うのです。つまり実績の点から見ますと、大山団地というのは実績があるのです。それで八年間も都市ガスには見捨てられてきたのです。これはいままでの法律の欠点ですが、きのうの説明では、実際に配給区域なのに供給しないというような実態の場合は、もう供給区域を削減することもあるのだ。今度の場合はそうなっておると思うのです。そういうことがいままでやられていたら、まさにこれは削減されたはずの場所なんです。そういうふうに見られるのです。そこにこういう問題が起こっているわけです。問題は非常にデリケートなんです。もちろん消費者の利益を考えなければいかぬが、同時に、いままでの実績  これは営業権を奪うことになりますから、新しいのだといわれるけれども、その区域は全部プロパンでやっているわけですね。それだけで七千戸か八千戸のプロパンガスを供給しているわけですね。それにも全部かかってくる問題なんです。まだ家は建っていないですから、そこのところは確定しないけれども、その地域全体に及んで、プロパン業者はほとんどつぶれてしまうだろうと思うのです。そういう問題なんです。だから、方針としてそういうほうでいくと言われても、現実には七月にはもうできてしまいますから、これは方針を出して指導しなければいけないのじゃないか、こう思うのです。
#71
○馬場(一)政府委員 その地域の状況あるいは今後の団地計画等を見てみますと、先生仰せられました大山団地というのは、ただいま計画されております砂川団地の南側のほうにすでにできておりまして、ここはいわゆるボンベ入りの一本売りの業者の方が、この団地についてはそういう形態で供給しておるようでございます。それから、ただいま仰せの都営の砂川団地と申しますのは、あるいはことしの夏ごろに団地計画が都の事業として本ぎまりになるのではないかと思いますけれども、実際に団地が造成され、そこに住宅が建ちまして、そこに入居いたします人がきまりますのは、まだこれからおそらく数年かかるのではないか。したがって、まだここに具体的に実績を持つ需要者もおりませんし、かつその需要者にだれが供給したかという実績も、この地点についてはないわけです。したがいまして、新しい地域に対して、いままで既存の立川市におられるプロパンの組合の方も、この団地に簡易ガス方式をもって供給をしたいという希望を持っておられますし、同時に東京ガスにおきましても、これは供給区域内でございますので、一般ガス供給方式によって供給をいたしたいという、これまた希望を持っておるわけであります。したがいまして、これから新たに発生をする地域に対しまして、どちらの方式がなじむか、どちらをとるべきか。これは基本的には、その地区にこれから住まわれる住民の方々の消費者の利益から見て、どちらが適するかということを考えることが第一でございますが、同時に関連して申し上げますと、都営砂川団地の東側でございますか、この東京瓦斯の導管のある地域から申しますと、さらに砂川団地に至るまでの間におきまして、これはやはり二カ所ばかり住宅公団の相当大きな団地計画が同じように並行して進められておるようでございます。したがいまして、法律にもございますように、この地点の供給方式として簡易ガスあるいは都市ガスのどちらをとるかという問題のほかに、そこに簡易ガスを認めることによりまして、今度は、その周辺の将来生ずるであろう需要者にとってどういう影響が生ずるかということもあわせて判断をいたしますというのが、三十七条の調整の規定の考え方でございますので、これらの点を十分総合的に勘案いたしまして、一番いい結論を出してまいりたい、かように存ずるわけでございます。
#72
○米原委員 いまのお話だと、今後総合的にいろいろな事情を勘案してきめてもらいたいということですが、一つ問題になるのは、局長の前任者の方だと思うのですが、東京都の住宅局長から通産省の公益事業局長あてにこの問題で問い合わせが出ておる。去年の十月二十四日です。いま言いました「都市ガスとプロパンガス小規模導管供給との競合につき、公正かつ合理的な取扱をしたい」、そういう点で東京都のほうから、どういうふうな考え方で指導していったらいいかという問い合わせが出ておるわけです。これに対して公益事業局長の回答が出ております。それを見ますと、いまガス事業法の新しいのがつくられておる、間もなくこれは新しいガス事業法ができるだろうということを予定しながら、同時に、例の総合エネルギー調査会ガス部会の答申案、これに基づいてやられるのだということで、先ほど聞きました一千世帯以上のところに供給する場合には都市ガスのほうが適当なんだ。これはさきの答弁では、それを必ずやらなければならぬということにはなっていないわけですけれども、そういう方針で指導しようという回答が出ているのですが、そうだとしますと、いまの、これからそういう問題もいろいろ状況を勘案して決定しろというのではなくて、一方的にもう都市ガスにしてしまえという通達が出ておるのですが、これは矛盾しておるのではないですか。
#73
○馬場(一)政府委員 昨年、都が砂川に都営住宅団地をつくるにつきまして、ここにどういうガスを供給するか、それについて通産省としての考え方のようなものを聞かせてほしい、こういう東京都住宅局からの御照会がございましたので、これに対しまして通産省としての考え方というのを、ただいま先生御指摘のように、昨年の十一月に御回答申し上げておるわけでございます。
 御回答申し上げております趣旨は、大体現在まだガス事業法は改正になっておりませんし、かりに改正になりましても、施行はことしの秋くらいになろうかと思いますので、それまでの間はあくまでどういう方針で行政指導をするかという考え方を申し上げておるわけでございます。
 回答しております内容は、ただいま申しましたように、この団地はいわゆる千戸をこえるような大規模の集団地点でございますので、こういうような大規模の集団地点に対する供給方式としては、先ほど来申し上げましたような考え方から、法律上、千戸に限るとか、干戸以上あってはならないというようなことではなくて、都市ガスがそこに供給計画を現実的に持っており、その計画がございます場合には、むしろ都市ガス方式になじむのではなかろうかという、先ほど申しました総合エネルギー調査会の答申の線に沿いました考え方で行政指導をやっておるということを御回答申し上げておるわけでございます。
 ただし、これはあくまで、都市ガスがその地点に供給できる意思を持っており、現にそれに供給するための導管の計画等を持っておる場合でございまして、都市ガス供給区域内でありましても、それに対して具体的な供給計画を持っていないというような場合におきましては、これは、千戸ございましょうが、何百戸ございましょうが、それを都市ガス方式が来るまで待っておるというわけにはまいりませんので、あくまで都市ガスとしての具体的供給計画があるという前提に立ちましての話を御返事を申し上げたわけであります。
#74
○米原委員 その点が一番重大だと思うのですがね。つまり供給区域の問題です。供給区域に対して供給する意思と能力があるかということが問題になっているわけですが、実際にはおそらくやろうと思えばできないことじゃなかったのかもしれないけれども、長い間、二、三年の問題じゃなくて、実際は供給しなかったという実態があるために、かなり大きな、干戸以上のところにそういうプロパンガスが供給されている。その付近一帯そうなっているわけですね。そういう実態があるものですから、そういう計画があるというだけでは、やはりどちらのほうが実際に現実の問題としていいのかという判断はなかなかつきにくいと思うのです。東京ガスがやるからといったって、実際には何年間もやらなかったわけですから。その場合に一方的に、もうここは千戸以上だから、都市ガスが来るからというのでは、事実そこでそごが起こったらどうなるかという問題もあります。これは、非常にこの指導のしかたは問題があると思うのですがね。
 一般的な考え方としてはわかります。この調査会の答申案の考え方というのはわかりますが、しかし現実の問題としては、ここではいままで長い間そういう問題があったわけです。その場合に、これができる――ただ上のほうから言いましても、実際にできるかどうかまだわからない。このあたりが、今度の法案ではその実施を監督されるわけですから、そうして実際に計画を出しても、これが実行されなければ削減ということもとられるというのですから、その点は非常にいいと思うのですが、いまの問題です。大体そういう方向で厳重にこれは見てもらわないと、そうして同時に、それはその付近一帯の六千戸、七千戸に供給しているプロパンガス業者の倒産という問題になってきますよ、おそらく現実の問題として。だから非常にこれは慎重にきめないと、上のほうでそう――一般的な考え方としてはけっこうだと思うのですけれども、これは現実にいままでの実績からきている問題ですから、慎重に扱ってもらいたい、こういうわけです。
#75
○馬場(一)政府委員 この地域は東京ガスの供給区域内でございますが、いままで東京ガスはその地域に対して供給してないじゃないかという実態があろうかと思います。ただ、この大規模な団地というのは、この砂川地区におきましては、おそらく既成の市街地がずっと伸びていったということで需要がふえたということではなくて、いままでいわゆる需要が全くなかったところに大規模な千何百戸というような団地の計画ができまして、新規にいわばいままでゼロであったところににわかに大きな需要が発生をする、こういう問題でございます。したがいまして、いままで東京ガスが十分な供給計画を持っておりませんでしたのは、いままでの時点で考えてみますと、その地区にはまだあまり大きな需要がなかったということがおそらく一つの原因でございまして、しかし、全然なかったところにかなり大きな団地の計画が、この砂川団地を含めて今後続々と発生をする、こういう状況にどう対応するか、こういう状況であると存じております。
 なお、先ほどの私の答弁をもう少し補足させていただきたいと思いますが、その干戸をこえるような大規模の需要に対しましては、エネルギー調査会ガス部会の答申によりまして、簡易ガス方式というよりは、むしろその大規模性から見て都市ガス方式のほうがなじむのではないかという考え方があるわけでございます。その場合に、当該団地は、これは千戸以上の団地でございますが、千戸以上だから、東京瓦斯の供給区域内だから、必ず東京瓦斯にやらせるということの前に実はもう一つあろうかと思いまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、東京瓦斯が、現に近き将来に予想されるそういう大きな需要に対して、もしそれに対する真剣な確実性のある供給計画がないという場合には、今度のガス事業法の考え方からいたしますれば、むしろそういう地域内でも、現実に需要が予想されるにもかかわらず供給計画を持たないというような場合でございましたらば、むしろその場合には供給区域を削減をいたしまして、この千何百戸という地区を白紙に返した上で、今度はその需要に対して都市ガス方式、つまり別の都市ガス方式をとるべきであろうという考え方に、考え方としてはなるのではないかと存じます。ただ、現実には東京瓦斯は、先ほど来申しておりますように、この地域の新しく発生する大きな需要に対しまして供給計画を現に持っておるわけでございますから、これとその簡易ガスとの申請の調整を、今度のガス事業法の精神、かつその大規模な需要に対してどう考えていくかという判断を総合的にいたしてまいりたい、こういうことでございます。
#76
○米原委員 最後です。問題は、公益事業だということになっておりながら、そして意思と能力がないわけではないにもかかわらず、実際は供給しなかった。これで公益事業か。結局、相当大きな団地ができて、もうだいじょうぶ、ここは収益性があるということになると始めるのですね。しかし公益事業というのは、ある場合には――もちろん全然採算を無視してやれと言っているのじゃありませんけれども、当然ある場合は採算を無視してもやらなくちゃならぬというのが公益事業だと思うのです。採算をとることばかり考えていて、そうして、ちゃんと配給区域になっているのに配給しなかったということから、こういう現象が起こっているのだろうと思うのです。今度の改正案では、そういう点かなり公益性のほうが強調されていると思うので、それはけっこうだと思うのですがね。その点を、まだこの法案は実施されなくても、例の協議会のやり方なんか十分に実際問題の解決にも採用されて、そうして実際に実施することがあるかどうかを厳密に確かめて、そうして同時に、いままでの中小業者の既得権益というものも十分尊重するという形で解決してもらいたい、こういうことを申しまして私の質問を終わります。
#77
○宮澤国務大臣 ただいままでのお話、よく承りました。事情に即しました解決を慎重に考えてまいりたいと思います。
#78
○浦野委員長代理 午後二時から再開することとし、この際休憩をいたします。
    午後零時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十五分開議
#79
○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 電気工事業の業務の適正化に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出があります。順次これを許します。石川次夫君。
#80
○石川委員 電気工事業の業務の適正化に関する法案について若干疑問の点を質問したいと思うのですけれども、まず第一に、これは議員立法でありますので、委員長にひとつお伺いをしたいと思うのです。
 それはどういうことかというと、今度の国会には、社会党では独自の議員立法の提案はしておりませんけれども、毎回、たとえば中小企業省の問題あるいはまた生産分野の確定の問題等、きわめて今日の中小企業対策として緊急欠くべからざる基本問題という信念を持って出しておる法案は、ほとんど日の目を見ることもなし、審議をされたこともないわけであります。ところが、今度の電気工事業法の問題に関してだけは、とりわけ緊急に提案をされ、そして熱心に審議を進めるという形になっているのでありますけれども、これは議員立法というものが、立法府の性格からして非常に尊重されるということで、喜ぶべき現象だと思うのであります。思うのでありますけれども、なぜこの電気工事業法だけが特に審議が進められて、われわれの側から、あるいはほかの野党の側から特に出されたものにつきましては、ほとんど審議が進められた経緯がいままでかつてなかったということで、非常にわれわれは不満に思っておるのであります。しかし、この電気工事業法を進めること自体にわれわれは異議をはさむのではなくて、議員立法というものが尊重されるということは、われわれは賛意を表するにやぶさかではないのでありますけれども、それならば同時に、議員の中から出されたもろもろの提案について、積極的に審議を進めるという習慣をこの機会にぜひ打ち立ててもらいたい、この点をお願いしたいと思うのであります。
#81
○八田委員長 石川委員の御質問に対してお答えいたします。
 石川委員のお申し出のとおり、本委員会におきましては、議員の審議権、立法権というものを尊重いたしまして、そこに甲乙をつけないように、十分に立法権を尊重して今後の法案審議に対処してまいりたいと思います。
 この電気工事業の業務の適正化に関する法律案につきましては、提案の順序に従いまして、御承知のとおり、前国会あるいは前々国会等において審議を十分に施しております。またさらに今国会に提案されたわけでございますので、順序に従いましてこの審議に入ったわけでございます。御了承のほどお願い申し上げます。
#82
○石川委員 委員長の答弁は一応了解をするわけですけれども、現実の問題として、この前は、中小企業省設置法案、あるいは中小企業と大企業との関係の生産分野の確定に関する法案、あるいは小規模企業振興法案、あるいは低硫黄鉱山振興法案等いろいろ出されたのですけれども、ほとんど日の目を見ることがないということでは、立法府の権威いずこにありやということにもならざるを得ない。ぜひとも、いま委員長の答弁された趣旨のとおり、議員立法というものはもっと尊重して、立法府の権威を高からしめ、機能を十分に発揮せしめるということについて慎重にこれらに対処をしてもらいたいということを、まず最初にお願いをしておきたいと思うのです。
 それで、この法案が政府提案にならなくてこのような議員立法になった。私も、建設委員会におきまして相当長いことこれは審議をされて、五年間、五回ぐらい出されておると思うのです。そのつど審議未了ということになったわけでありますけれども、これは議員立法として出されて政府提案にならなかったということの理由、それからいままで審議未了になってきたということの理由について、海部提案者のほうから一応ひとつ御説明を願いたいと思うのです。
#83
○海部議員 法律の名前が初めのころやや違っておりましたが、過去四回提案いたしまして、四回とも審議未了になったわけであります。なぜ議員立法になったかという最初の点について申し上げますと、当初通産省と建設省の間でいろいろと意見の相違した点などがありまして、それをめぐって政府部内ではどうしても意見が一致しにくい点がある。そこで、これは政府提案よりも議員立法のほうに向く内容の法案であるという判断に立ちまして、議員立法として提案をした次第であります。
 なぜきょうまで四回流れたかということについて簡単に申し上げますと、当初出しました原案の中には、電気工事士の数が複数存在しなければ業として営むことができない、こういう内容でありました。この点に関して野党の皆さん方から、複数の工事士を置かなければならぬということは、これは憲法違反の疑いもある。言うなれば、一人親方というものの存在を頭から否定する考え方はよくない。国民の電気保安の確保も大切であるが、業を保護することも大切であるという有力な反論がありまして、そのために成立をしないで審議未了になってきた、このように私は理解をいたしております。
#84
○石川委員 建設省のほうと通産省のほうで意見の一致がなかったという点、その点は一体どういう点ですか。今度は一致したとおっしゃるのですけれども、いままでその点で調整がなかなかつきにくかったという点は、いまの複数制の問題ではないと思うのですね。あるいは、経験年数を短縮るとか何とかいう、この問題とはまた別な点で意見の不一致があったのではないか、こう思っおるのですけれども、この点御説明願いたいと思うの
です。
#85
○海部議員 一番基本的な問題は、建設省のほうといたしましては、建設業法というものがあって、建設業法の中で電気配線工事というものは一応規制、監督しておるので、二重の規制、監督の必要はないというようなおおよその立論であったと私は判断しております。
 ところが、この建設業法というものができましたときのいきさつがそもそもありまして、やや古い話で恐縮ですが、昭和二十四年の三月二十九日に建設省と当時の商工省が覚え書きを交換いたしまして、「電気配線工事を専門に請負う者については、商工省において新たに法令を制定し監督を行なう場合は、その法律で建設業法を改正し、これを建設業法の適用から除外すること。」という覚え書きが、建設業法施行のときに交換されておるわけであります。と同時に、通産省では、たとえば電気工事士であるとか、あるいは電気用品とか、それらのものはそれぞれの取り締まりの規程を持っておりましたけれども、業として営んでおる店に対する取り締まりの規程がなかったわけでありますので、保安確保の意味で今度新たにやろうとして提案をしたのでありますが、なかなか話し合いがつきません。そこで議員立法にしておるわけでありますが、昨年自民党の中で、この問題が建設部会と商工部会で問題になりまして、それぞれ通産省、建設省両省に話し合いをいたしまして、法案の内容も建設業法に抵触しないような内容に改正をいたしまして、昭和四十四年三月二十七日に、建設省の計画局長と通産省の企業局長、公益事業局長、三者の覚え書きが交換されまして、その中で、反対をしないで成立に協力をする、問題点については今後いろいろと相談をしてきめていくというようなことで解決をいたしました。
 ただ、きょうまでのいきさつがございましたし、当時から野党の皆さんと内容点の修正等に努力しておりまして、複数工事士を一人に切りかえるとか、あるいは消費者保護の規定を織り込むとか、いろいろ与野党間ですでに内容等を修正してきておりましたため、引き続き議員立法とした次第でございます。
#86
○石川委員 建設省見えていますか。
#87
○檜垣説明員 来ております。
#88
○石川委員 建設省のほうで、その点についての御見解をひとつ示してもらいたいと思います。
#89
○檜垣説明員 従来の古いいきさつは、詳細は存じませんけれども、従来の残っております書類等によりますと、当初の電気工事士、電気業法に関する法律は、電気業の登録に関する法律というふうなタイトルであったように覚えております。そういたしまして、その内容とするところがほとんど現在の建設業法と重複する、こういう状態では二重行政ということにもなるし、また各業者及び国民にも迷惑を及ぼすことになるのではないか、こういった理屈で従来この話がつかなかったものというふうに私伺っております。しかしながら、今回は電気工事の保安に関する事項ということがこの主たる内容となりまして、いま海部先生が御説明になりましたようないきさつを経まして、われわれといたしましても、建設業法との調整をとりまして、登録その他建設業法と重複するような制度ははずす、電気工事の保安に関する必要な法律規定のみを適用する、こういったことで二重行政にもならないのではないかということで話し合いがついている次第でございます。
#90
○石川委員 実は、建設業法の中でいわゆる建設業が分類されておりますけれども、一が大工さんで二が左官、六番目に電気配線工事というのが入っております。いま改正になっておるかどうか知りませんが、最後が二十四で、ブロック工事というものが二十四番目ということになっておるわけです。したがって、電気工事というものは建設工事にはなくてはならない付帯工事でありまして、これは建設工事の一部、建設業法の当然対象となるべき業種の一つであるということは議論の余地がないと思うのでありますけれども、この建設業の一つ一つ、たとえば大工さんなり左官さんなりブロック工事というものの分類の一つ一つについて全般的に建設業法の適用があるということなんですけれども、今度工事別にこの登録法をやるということになると、ほかの業種でも勢いそういうふうにやらなければいけないのではないか、しいて考えればどれもこれも必要性がないわけではないということにもなるわけでありまして、こういうふうな二重登録、それからこういうふうな建設業法の全体を乱すような形というのは、どう考えてもどうも好ましくないのではないかという疑問が出てくるわけでありまして、これらについて提案者と建設省の御意見をひとつ伺いたいと思うのであります。
#91
○海部議員 建設業法に規定されておりますほかの業種のことについては言及いたしませんが、電気工事業というものが、特に一般の家庭の電気配線工事について非常にゆるやかなところがあるのではなかろうか。もっとことばを変えて言いますと、建設業法が規定しておりますのは五十万円以上の工事についてであります。ところが一般庶民の家庭である木造二階建て五部屋ないし六部屋の配線工事というものは、二万五千円か三万円ぐらいで終わってしまう工事であると聞いております。電気に対してしろうとである一般人が、電気工事士をみずから監督したり、あるいは専門知識もないのに工事を規制することは不可能でありますので、やはり電気工事業を営むものを規制しなければいけない。そこにいろいろな規制をして保安の確保をはからなければならない。これは建設業法の規定で五十万円以上はだいじょうぶでありますが、それ以下が業として何らの規制の対象になっていないという点を救済しなければならない、こう判断をいたしております。
#92
○檜垣説明員 原則といたしましては、石川先生おっしゃったとおりにわれわれも考えております。
 ただ、ただいま海部先生もおっしゃいましたように、電気工事につきましては特段の事情があるということによりまして、種々協議の末こういったかっこうで出すことにわれわれも同意いたしたわけでございます。
#93
○石川委員 いまもっぱら言われておることは、電気工事が、特に保安関係の対策としてこのような法律を必要とするということのようでありますけれども、これは考えようによっては、保安対策というのは、いままでの法案でできなかったものかどうかという疑問がないわけではないわけであります。それはたとえば電気事業法というものがあって、一般用の電気工作物の調査義務というものは電気事業者がこれを負っておるというたてまえになっておりますし、電気工事士法というものでいままでも資格及び義務が規定されておったわけであります。それからさらに、電気用品取締法というもので粗悪品の製造販売、使用規制をするというようなことになっておったわけでございまして、それならば電気工事士法の中身を一部改正をすることで間に合うのではないか、建設業法の改正でこれをやればこれで事足りるのではないかという意見が当然出てこざるを得ないのではないかと思いまして、いままでのこういう電気関係諸法令、規則で保安確保というものが一応されることになっておるものが、なぜされておらなかったかという点、いまの法案を改正することでなぜそれができないのかという点についての御説明を願いたいと思うのです。
#94
○海部議員 その御議論は過去何回かあったわけでありまして、私どもも、たとえば建設業法を改正していただいて、工事金額のアッパーリミットを、極端なことを申しますが、五千円なり三千円なりにお下げいただくことができれば、それはわれわれの意図しておりますこの法律よりも、もっときびしい、もっと保安確保のためになる法律になる、こう思うわけであります。
 ところが実際上としてはそれは全く不可能であるということが、過去数年前の建設省との話し合いや検討でわかったわけでありますし、電気工事士法によって確保されるのではなかろうか、こういう御意見でありますが、工事士法は電気工事に従事する者の資格、義務等を規定したものでありまして、業として行なう者をここに含ませることは不可能でございますので、やはり新たな角度からこの業法の必要性があろう、こう判断をいたしております。
#95
○石川委員 これは議論の分かれるところでありますけれども、いままでは家庭における配線工事というのは電力会社が責任を持っておった。これはそのうち保安協会というものに移譲されたということになっておるのでありますけれども、五十万円以下のものについては登録を要しない、主任技術者も置く必要がないというようなことが保安対策上非常に粗漏の点ではないかというようなことで今度の改正になったことは理解はするわけでありますけれども、逆に言うとこういう懸念も持たれるわけであります。いままでは五十万円以下のものは登録業者でないものが自由にやれたのが、今度は既存の登録業者がさらに五十万円以下の中に入り込んでくるのではないかというような――これは私必ずしもそうだとばかりは言い切れないのでありますけれども、そういう既存業者のための法案である、保安対策ではなくて既存業者がそういうところまで入り込んでいけるという道をひとつ開いてやろうということと、それから過当競争で業者が乱立をしておる、しかも労働力が不足であるというおりから、三年間という経験年数をきめることによって労働力というものを一応足どめをする。もちろんこの三年間の経験年数の中では、一つの業者にばかり勤務する必要はなくて、どこへでも転々としたって経験年数に変わりはないというけれども、一応三年という歯どめをかませることによって、何か労働力が一応安定する。こういう労働力を確保するため、あるいはまた五十万円以下の仕事にも既存業者というものが入っていけるというふうな道をつくるための業者対策である、こういうふうな批判もされておるわけであります。その点についてどうお考えになっておるか、ひとつ御説明を願いたいと思うのです。
#96
○海部議員 御指摘のような点につきまして、私どもあくまで保安の確保ということを目的として掲げておるわけでありまして、複数的にいろいろな目的がありますが、先生がおっしゃるように、たとえば若年労働者をくぎづけにして、労働力不足のときにこれを補うためにやるのではなかろうか、こういう御懸念がございますが、それは絶対にございません。それは同一店において経験を積まなければならないのではなくて、どこの店で経験を積んでもその三年間というのは有効でありますから、若年の足どめにはなりません。
 それからもう一つは、五十万円以下の工事へ既存の業者がなだれ込む道をつくるのではなかろうか、こんなような御意思のようでありますけれども、そういうことの心配も私どもは実はしておらぬわけでありまして、むしろいままで野放しになっておったというと言い過ぎかもしれませんが、規制がなくて、保安の確保のための台帳や元締めが明確にされておらなかった五十万円以下の工事、それはいうならば一般国民の家庭が対象になっているわけでありますし、いま保安協会ができたというお話がありましたが、その保安協会の検査というものも二年に一ぺんでありますし、欠点を見つけた場合に代執行をする権限もありませんし、きわめて不安定なものでありますので、この際、工事そのものを規制をして、そこにおいて保安の確保を明確にしていきたい、これがあくまでも一つの目的であります。
#97
○石川委員 これはいろいろな見方の相違で、水かけ論になるのではないかと思うのであります。しかし、この問題につきましては既存業者が非常に熱心な方が多いわけで、なぜ既存業者がそれほど熱心になるのだということを考えると、良心的に、あくまでも保安対策を自分たちの責任においてやらなければならぬのだということから出たとばかりは、どうも受け取りかねる面がたくさんあるわけです。そういう面から見て、どうも既存業者の権益保全といいますか、そういうにおいがきわめて濃いというこの批判は、幾らいま海部さんが、そういうふうに保安対策なんだとおっしゃり、あるいはまた労務者不足のための対策ではないのだということを強調されましても、その疑問は依然として残るということだけは私ははっきり申し上げておきたいと思うのです。
 というのは、特にこの問題についての反対は、そういうことに携わる労働者の側から非常な不満が出ておって、業者のほうは非常にこれに対して積極的だという、きわめて対照的な形の中からそういう点もくみ取ることができるのではないかとわれわれは考えておるわけでありまして、この点は水かけ論になりますので、あえてこれ以上追及はいたしませんけれども、この疑問はどうしても消えないということだけははっきり申し上げておきたいと思うのです。
 それで、電気工事士に対する実務経験年数、これは最初五年というのでありますが、五年は非常に長過ぎるのだということで、三年に短くされたわけであります。この実務経験年数というのは、特に電気工事というのは、漏電などの結果による火災などの危険もあるというようなことで大事をとったのではないかと思います。しかしそのほかに、たとえば消防法の危険物取扱主任者だとか、それから消防設備士などにおきましても、あるいはまた工事の基本になる建築士の免状を取る場合でも、経験年数を必要とするということはないわけなんですね。免許をとれば直ちにそこで業務を開始できるということになっておるのに、電気工事士だけは特に経験年数を必要とする。その気持ちはわからぬことはございませんけれども、ほかの危険物取り締まりの関係や何かのほうとのバランスを考えますと、これだけが特に三年間の経験年数が必要だとされる論拠は、保安対策ということだけでは何か説明できないような、論拠薄弱じゃないかという感じがしてならぬわけであります。この点の三年とされた理由、根拠というものについて御説明願いたいと思うのです。
#98
○海部議員 当初五年もしくは七年というのをお願いしようと思って議論をしたこともあるくらいでありまして、なぜ三年になったかという根拠を申し上げますと、日本のいろいろな法律の中でいわゆるさむらい法といいまして、何々士とつく法律の中で一番ゆるやかな規定になっておりますのがこの電気工事士法だと思います。現在、最短距離を申し上げますと、中学を卒業して一年間職業訓練を受けられると、十六歳の方が電気工事士の資格を持ち得るわけでありまして、現に持っていらっしゃる方がたくさんあるわけであります。
 そこで、それらの人々が直ちにこういった電気配線工事を業として営む人としてはたして適格かどうか、これはまたいろいろな角度から議論はございましょうが、たとえば、諸外国のの立法例なんかを調べてみましても、大体未成年者にこういった資格を与えているところはございませんし、また、極端な例かもしれませんが、アメリカのマサチューセッツの州法なんかを見てみますと、電気工事士の受験資格として、同一市町村に五年以上住んでおること、専門の高等学校を卒業してから三年以上実務についた者が初めて受験の資格がある。しかも、ライセンスは毎年一回ごとに更新が必要である。非常に諸外国はきびしい制限をしいてこの電気工事士というものを扱っておりますし、国内のほかの何々士というさむらい法を見てみましても、大体未成年者ではこれらの資格を得ることができないようになっておるわけであります。それから、ほかの業態等を調べましても、たとえば運送会社は、自動車の台数が五台以上になりますと管理者を置かなければならぬ、管理者の経験年数は三年以上、こうなっておりますし、たびたび引き合いに出されております建設業法におきましても、現場ごとにおります主任技術者は、やはり資格を取ってから三年以上の経験が必要である。いろいろ出ておりますので、私どもは、内外のこういったものすべてを勘案いたしまして、経験年数三年ぐらいがやはり必要にして十分なる最小限度の要求ではなかろうか、こう判断して三年ときめたわけであります。
#99
○石川委員 これはまた水かけ論になりそうでありますけれども、いわゆる経験年数がなければ主任技術者になれないという業種も多いと思いますけれども、しかし、逆に、資格をとっただけですぐに業務が開始できるという業種もたくさんあるわけでございます。したがって、これは考え方の違いで、電気工事士だけが特にそうだということの論拠は、ちょっと私はいまの説明では不十分だと思うわけです。いわば、いままでの既得権益を剥奪しておるのに近いわけでありまして、そういう点からいいましても、こういう仕事に携わっている人たちが非常に反対をするという論拠も理由もわからないことはないと思うのです。海部さんのおっしゃるそういう保安対策ということの面では、私は理解できないことはないですけれども、なぜこの電気工事士だけがそういうきつい経験年数というものを必要とするに至ったかという理由の説明としては、それだけではなかなか納得性はないんではないかと私は思うわけなんです。たとえば消防設備士とか危険物取扱主任者なんというのは、これはたいへん危険な仕事で、保安上相当経験が必要だと思うのですけれども、これは、資格をとればすぐに業務を開始できるというようなことになっておるわけでございます。そういう点で、働くそういう担当の人々の中に非常な不満があるということもゆえなしとしない、私はこう考えておるわけであります。
 したがって、結論的に言いますと、この法案は、業務の適正化だとか保安を確保するんだということに名をかりた営業の制限だ。まあ、やかましく、憲法上規定された職業の自由の制限とか、そこまで申し上げるつもりはないのですけれども、既得権益は少なくとも相当制限をされておるし、一つの営業制限の法律になっておるんではないかという点で、非常に私どもは不安に思っておるのと、先ほど申し上げましたように、これは建設業法の中で処理できないということで、建設業の中のいろんな業種についていろいろ規制法あるいは二重登録ということが出てきますと、建設業法それ自体が相当混乱したものになってくる危険性というものも、これをきっかけとして出てくるんではないかという考え方が一つあります。
 それから、先ほど申し上げたように、どうも、そういう制限を強化することを通じて、保安対策ということではなくて、労務者不足の場合に、一つの営業所でなくて、ほかを転々としても三年の経験は三年の経験として生きるとおっしゃるかもしれませんけれども、三年なければ電気工事士にはなれないんだというようなことが法律的に確立されれば、これはどうしても一つの足どめになるということは免れないと思うのです。そういう点で、労務対策、それから既存業者の権益を守る、こういうにおいがきわめて濃くて、一方ではこういう就業の自由、営業制限というものに関連をしてくるのではないかという点で、われわれはなかなかこの法案については釈然としないものをたくさん持っておるわけであります。
 ほかにもこまかい点でいろいろあるのですけれども、また質問される方もございますから、きょうはこの程度にとどめておきます。私の質問を終わります。
#100
○八田委員長 樋上新一君。
#101
○樋上委員 この法案については、前回もいろいろな角度から質問されておりますので、なるべく重複を避けましてお伺いしたいと思います。多少重複のところがあるかと思いますが、よろしくお願いいたしたいと思います。いま聞いておりまして、いろいろなことがございますので、簡単に申し上げたいと思います。
 この法案の条文をずっと読ましていただきまして感じましたことは、制限的な要素が多分にあると思われることでございます。まず、十九条について少しく説明をお伺いいたしたいと思うのです。
#102
○海部議員 おっしゃるように、主任工事士を置いて、その経験が三年以上なければならぬということは、制限といえば確かに制限、規制になります。ところが、憲法にも書いてありますように、職業選択の自由は、これは無制限に自由でなくて、公共の福祉に反しない限りという制約があるはずでありまして、一般国民大衆の福祉、利益、それを守るためにこういった制限が付されることは、憲法違反にはならないという考え方をいたしております。
 同時に、いま具体的に十九条を説明せよということでございますが、十九条は、お手元にありますように、「電気工事業者は、その営業所ごとに、その業務に係る電気工事の作業を管理させるため、電気工事士法による電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する電気工事士であって第六条第一項第一号から第四号までに該当しないものを、主任電気工事士として、置かなければならない。」まあこれがこのポイントでございますが、ここに問題点が二つあると思います。
 一つは、「その営業所ごとに、」と書いてある点であります。これは野党の皆さんとも、実は昨年ずいぶん議論をいたしまして、営業所ごとに置くのはきびし過ぎるんじゃないか、一つの店に一人おればいいじゃないか、こういう御意見が強力に出てまいりました。しかし、あくまでこの法律は保安の確保ということを目的といたしておりますので、営業所を置いて、材料を購入したり、契約を結んだり、あるいは人を送ったりするような場所には、やはりおってもらったほうが保安の確保になる。保安確保という目的からこの「ごとに、」というのをきめたのでありますし、建設業法のほうはもっときびしく、作業の現場ごとに主任者を置かなければならない、こういうことになっておりますので、保安確保のためには必要だと思うわけであります。
 なお、三年以上の実務経験を要求しましたのは、先ほど石川委員に対して申し上げましたように、いろいろ内外の事情を勘案して、これでなければいけないという判断に立ったからでございます。
#103
○樋上委員 その点はわかりました。
 それでは、この法案の目的であります、いまおっしゃいました一般用電気工作物の保安の確保についてお伺いするのですが、電気による事故はどのくらい起こっておるのでしょうか。電気に関係する事故です。
#104
○海部議員 事務的な問題ですので、政府当局から答弁してもらいます。
#105
○馬場(一)政府委員 一般用電気工作物による事故といたしましては、感電事故と火災事故、この二つの範疇になるかと思いますけれども、最近三年間の事故統計を見ますと、まず感電事故につきましては、大体年間八十人前後の被害者を出しておりまして、このうち死者は大体六十人前後でございます。これを原因別に見ますと、被害者の過失とか、あるいは電気工作物の不良とか、それから被害者が自殺しました場合というような順番になっております。
 それから電気火災事故につきましては、最近三年間の火災年報で見てまいりますと、年間大体四千件程度発生をいたしております。このうち、発火源が電灯、電話等の配線、それから配線器具あるいは漏電により発熱しやすい部分の三つを一応電気工事に関連があるものといたしまして、その件数を見ますと、大体八百件前後の数字に相なっております。ただし、この八百件という件数の中には、いわゆる一般用電気工作物以外の自家用設備等が含まれておりますので、一般用電気工作物はそのうちで何件であるかということはつまびらかでございません。大体そういう状況になっております。
#106
○樋上委員 私の調べたところによりますと、電気工作物の不良による感電事故は、感電による事故の中で四十一年は一三%であった。四十二年は二三%、四十三年は四三%と、年々増加しております。それで、電気工作物の不良による感電事故をもう少し詳しく内容を知りたいのですが、たとえていえば、設備が老朽化して起きたとか、電気部品の不良によるとか、配線不備による等々いろいろあると思いますが、これらの具体的な内容がありましたらお伺いしたいと思います。
#107
○馬場(一)政府委員 感電事故の年間八十件のうちで、原因別に見まして、先ほど順番だけを申し上げましたが、電気工作物の不良に基づくものというふうに類別されますのは、四十一年十件、四十二年十九件、四十三年二十六件でございまして、全体が七十六、八十二、六十というふうに推移をいたしておりますので、この割合は、先生が仰せになりましたように、割合としては少しずつふえてきておるかと思います。
 この工作物の不良というものの中に、原因別にそれがさらにどうなっておるかというのはつまびらかにいたしておりません。
#108
○樋上委員 建造物の電気火災について事故の発生状況は握っていらっしゃいますか。
#109
○馬場(一)政府委員 建造物の電気火災といたしましては、先ほど申しましたように、これは一般用、自家用含めまして、たとえば電灯、電話線等の配線が悪くて火災に至ったとか、あるいは配線器具の不良によって火災に至ったとか、あるいは漏電によりまして火災が起こったというようなものを概括いたしますと、出入りがございますけれども、年間大体八百件前後というふうになっております。
#110
○樋上委員 私が調べたところによりますと、電灯、電話等の配線の不備により起きたもの、配線器具より起きたもの、漏電により発熱しやすい部分から起きたもの、これらがこういった電気工事業者関係よりの事故と見ますと、電気火災事故は全体の一八%くらいしかない。あとは使用者の不注意によるものとか、電気器具、製品の不備による等がほとんどでして、行為者による責任はわずかなのでありますが、これはこの電気工事業者の登録及びその業務の規制を行なうことにより、業務の適正な実施を確保することによって、一般用電気工作物の保安の確保に資するという法案の目的があまり意味を持っていないのではないか、こう思うのですが、この点いかがでしょう。
#111
○海部議員 お答え申し上げます。
 この法案を見ていただきますと、ただ工事するのみならず、工事士が所属する事業所が主任電気工事士のもとで仕事を行なうといたしましても、たとえば第二十二条は工事者でない者に請け負わせることの禁止、二十三条は、電気用品取締法に基づいて表示が付されている優良電気用品でなければ使ってはいけないという規定、二十四条は、営業所ごとにいろいろな安全確保のための器具を備え付けておかなければならないという問題、それからたとえば二十六条は、帳簿の備え付け、これらのことをいろいろと規制しておるわけでありまして、部品の不良とか、配線のミスとか、いろいろな問題等もあわせて総合的に救われるようになっております。
 なお、もう一つ申し上げますと、きょうまでいろいろなところで火災が起こっておりますが、たとえば新潟の火災であるとか、いろいろ判例等を調べますと、どうも原因が不明の場合によく漏電、漏電といって片づけられるようなケースが起こりがちであります。そういったときに反論をする有力な証拠も何もなく、工事をやった店の規制もできないというのではいろいろな面で不安であるというような点等もございまして、今後はどこで起こった火災の場合には、たとえばその帳簿があって、どの人がどういった理由でどういう配線系統でやったかということも証拠としてずっと残しておこう、こういうこと等も義務づけておりますので、いろいろな意味で総合的に保安の確保に役立つようになっておる、こう判断しております。
#112
○樋上委員 この電気火災事故をずっとながめてみますと、一般住民の電気に対する正しい知識をPRしなければならない、電気製品の部品を厳格に検査することによって電気火災事故は大幅に減少するものではないかと私は考えますのですが、電気工事業者のみにその責任を全部負わすということは問題でございまして、それではいままで工事をやっていたものは、いっそういうところで火災が起こるかわからない。これは一般住民に不安を与えることになる。言うならば電気業者に信用がないといえばないのですが、そういうところを今度のこの法案で見ますと、全部電気工事業者ということになっておるのですが、私はこういう点において、もっともっと部品の厳格なる検査、そういうようなところを考えたならば、保安の確保も十分できると思うのですが、この点どうでしょうか。
#113
○海部議員 むしろ私どもの判断の中には、逆のような方向にメリットが上がるのでなかろうかと判断いたしておる点もございます。すなわち、部品その他は一つ一つきびしく適正に検査をして表示を付した部品を使わなければならぬということが明示されておるわけでありますし、火災になった場合に、この法律で初めて全部が電気工事業者の責任というのではなくて、むしろ訴訟技術的に申しますと、挙証的責任の転換と申しますか、これこれの部品を使い、善良な管理者の注意義務を怠らずに工事をしましたということを立証しますと、その出火の責任を追及するのが被告から原告の側に移っていくという、そういったメリットも含まれておるわけでございますから、この法律の規制しておる方向は、何が何でも全部業者におっかぶせようということではなくて、それぞれ主張すべき正当な立場は保護する、そのかわり部品も帳簿のやり方もきびしく規制していこう、こういう考え方であります。
#114
○樋上委員 前回もこの委員会で練りに練られたという、あの営業所ごとに資格者を置かなければならないということでございますが、営業所に主任電気工事士を置かねばならない最も重要な理由はどこにあるのですか。
#115
○海部議員 最も重要な理由はやはり保安の確保でございます。そうして、その営業所というものも、やはり名目だけにとらわれずに、たしかこの前は山の中にある取り次ぎ所まで営業所にするのかというおしかりがございましたが、単なる取り次ぎ機関には置かなくてもいいという、これは常識の判断でございますが、やはり営業所ごとに置くほうが保安の確保のためになる、こういう判断でございます。
#116
○樋上委員 いまちょっと触れられましたが、私もそれを言いたかったのです。山間僻地のものにまでそれを置くということになると、非常に私は問題があるんじゃないかと思うんですよ。ラジオ店等が一種のサービスとして軽易な電気工事をやっておる、そういうところに、この法律の制定により、これらの便益を享受しておった住民の利益を阻害しないためにも、またこういうところで十分立っておるのに、そこへまた一人置かなければならないというところに私は不満を持っておるのですが、その点を重ねてひとつ………。
#117
○海部議員 御指摘のとおりでございますけれども、それらの便益を決して阻害しないように考慮いたしまして、たとえば一般の御家庭でも、電気工事士法に基づく電気工事士でなくてもできる軽微な電気作業というものはございます。同時にこの法律では、第二条の中のただし書きで、「家庭用電気機械器具の販売に附随して行なう工事及び電気工事士法の第二条第二項ただし書の政令で定める軽微な工事を除く。」こうなっていますが、山間僻地の場合に、家庭にいろいろな電気製品を売る、それに必要な配線工事、そういったものはこの法律の適用除外になっているわけでございますから、その御心配は毛頭ないと思いますし、山間僻地には、大きな電気工事店を常時置いておいたり、営業所を常設して置いておく必要性もあまりないというので、ラジオ、テレビ鷹さん程度が山間僻地にあるのが実情でございますので、これらは、この法律で制限されないように第二条で明確に書いておりますので、御心配には及ばないのではないか、こう判断いたします。
#118
○樋上委員 では、第三十条で、通商産業大臣又は都道府県知事は、登録の取り消しをしようとするときは、「当該処分に係る者に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による聴聞を行なわなければならない。」こうありますが、「相当な期間」とはどのくらいのことをいうのだか、お聞かせ願いたい。
#119
○馬場(一)政府委員 お答え申し上げます。
 「相当な期間」というのは、特に何カ月というふうに法定はしておりませんが、大体一カ月以内というぐらいの運用であると思います。
#120
○樋上委員 「相当な期間」というのですから相当長い間かと思っておりましたら、それについて一カ月以内ですか。私はこうお尋ねしようと思ったんですよ。「相当な期間」というのですから、相当な期間に、虚偽の届け出をしていたものを変更の届け出をして正常なものと直した場合、本来であれば「一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金」に処するという第三十六条の罰則規定になるわけですが、これらがわからないままに行なわれるのではないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。
#121
○馬場(一)政府委員 これは、二十八条の登録取り消しの該当事由がそこにいろいろ列記されておりますが、こういうケースによりまして、必ず何はどうという画一的にはきめられぬかと思いますが、相当の期間をおいて聴聞を行ないますという意味は、これは業者にとりましては、登録を取り消されるという非常に重要な処分でございますので、いろいろ準備期間等もございましょうし、そういう意味で期間を置く、こういう規定になっているわけでございます。
#122
○樋上委員 別にこれについて罰則規定はつくらなくてもいいのですね。
#123
○馬場(一)政府委員 ちょっと私、御質問の趣旨がよくわかりませんが、罰則を置かないというのは何に対してですか。
#124
○樋上委員 こういうような不正なことが行なわれたときに、罰則をこしらえておかなくてもいいのですか。虚偽の申請をされた場合ですね。
#125
○馬場(一)政府委員 これは登録をするという制度になっておりますので、その登録をするのに該当しない者、たとえば虚偽のなにをして登録を受けた者というのは、その登録を取り消されますと、電気工事業というものを営むわけにまいりませんので、これが実質的には一番重い制裁であろうかと存じております。
#126
○樋上委員 次に、建設業法とこの法案との関係はどういうふうになっておるのですかお聞きしたいのですが、この法案は建設業法との関係が深いが、通商産業省の所管とした理由はどこにあるのですか、お伺いしたい。
#127
○海部議員 お答えいたします。
 通商産業省が公益事業局で、電気事業者とかあるいは電気工事士とか一連のものを所管いたしております。それから、最初申し上げましたように、建設業法ができましたときには、電気工事店を業として監督し保安の確保をするための法体系が、当時の通産省に整備されておりませんでしたので、建設業法の中へこれを組み込んだ。だから、通産省が業としてこれを規制するような法体系をつくったときにはこれは返すのだという覚え書きが、建設業法制定当時に建設、通産両省においてかわされておるという事実もございますし、公益事業局の中でやっていきますほうが、たとえば事業をする者の資格、電気工事士が使う電気部品の規格、電気用品取締法、それから供給者といいますか、電気事業法によって、電力会社、これを毒具して監督しております通産省の公益事業局に所管を与えるのが、縦割りとして一番スムーズではなかろうか、こう判断いたしたからでございますし、建設省とも十分その話をいたしまして合意に達している問題であります。
#128
○樋上委員 またくどいようでありまするが、「一般用電気工作物」とは具体的に何をさしているのでございますか。
#129
○馬場(一)政府委員 この法律でいっております「一般用電気工作物」と申しますのは、これは電気事業法に電気工作物の区分がございますが、それにいう一般用電気工作物でございます。これは概括的に申しますと、大体、一般家庭とかあるいは商店等に設けられました屋内外配線ということでございまして、電気事業法の定義でまいりますと、原則として、電気事業者から大体六百ボルト以下の低圧で受電をいたしまして、そしてその受電の場所と同じ構内でそれを使用するための設備、工作物というものを一般電気用工作物と称しておるわけでございます。
#130
○樋上委員 この法案によって、現在電気工事業者が行なっているいわゆる零細業者の営業が制限されるのではなかろうか、こういうことを心配するのですがどうでしょう。
#131
○海部議員 確かに当初出しておりました原案ですと、工事士の数が複数になっておりましたから、複数になりますと、現在一人でやっておる方が営業の制限を受けるのではなかろうかと御心配があったかと思いますが、昨年改正をいたしております。今度提案いたしておりますのは一人でありますから、制限することにはならないと思いますし、三年の経験を有する者が初めて営業主になれる、こういう法案でありますけれども、現在電気工事店を一人で営んでいる方は、極端なことをいいますと、きのう工事士の資格を取って、きょう開店をされてきょう初日である方も、経過規定によって三年の経験者とみなすことになっておりますので、既得権をそこなうということは一人もない、こういうことになっております。
#132
○樋上委員 本法案では、「通商産業大臣又は都道府県知事は、電気工事に関して生じた苦情の処理のあっせん等に努めなければならない。」とあるが、具体的にどのようなことを行なわれるのですか、お伺いしたい。
#133
○海部議員 苦情処理のあっせんは、これは消費者の利益を考えての規定でありますが、これは昨年の国会で一条追加をいたしまして、モデルといたしましたのは、やはり建設業法の中にあります苦情処理のあっせんが一番いいと思ったのでありますが、何しろ大がかりでありましたので、消費者保護基本法の中にあります苦情処理のあっせん方式というものが一番妥当だと思いまして、こういった規定を設けたのであります。
 具体的にどういうことになるかと申しますと、やはり発注者とそれから工事業者との間に意思の疎通を欠くことがございます。たとえば発注者のほうがここは気に入らないと思いましても、みずから工事士の免許を持っておりませんと工事をやり直すこともできない点もございます。そういうときにほうっておきますと、もう仕事は済んでおるのだということで修理に来ない場合、通産大臣または都道府県知事が中に入って苦情を聞いて、その訂正を促進させるとか、工事のやり直しを命ずるとか、いろいろな仲介あっせんの労をとる、そういう意味でこの条を設けてございます。
#134
○樋上委員 私もいろいろと勉強不足でございますが、この法案の目的である保安の確保という点を考えますならば、現在ある電気工事士法、電気事業法、電気用品取締法等を厳重に実施していけば、十分安全の確保は保てると思うのです。もしそれがだめなら、電気工事業者を規制するのでなくして、いわゆる検査、チェックの機関を別に設けたらいいんではないか。先ほど来から、立ち入りできないとかいろいろな問題がいわれておりますけれども、この電気工事業者を規制するのではなくして、そういうところへ立ち入りして、安全にいけるような別の機関をこさえたならば、この立法をやらなくても、従来までのものでやっていけるんじゃなかろうか、こういうぐあいに思うのでございますし、一般零細と言いますといけませんけれども、中小の電気業者はこの立法に対して反対をしておる。あまり喜んでおらないというような点も多々聞くのでございまするが、この法案は大電気業者は喜ぶであろうけれども、中小零細業者としては、この法案が通ることによって自分らの生活にも大いな影響があるという心配もいたしておる点がございます。先ほど来から、いろいろとお伺いしておるのですけれども、こういうチェックの問題、また厳重なる検査、立ち入りもできるような別な一つのものをこしらえていく点について、いかがお考えになっておりますか。
#135
○海部議員 樋上先生の御意見、この前も出たわけでございますが、立ち入り検査をあまり極端に認めますと、今度は憲法上の問題等も出てまいりますし、検査を厳重にするということは、いくら厳重な検査をいたしましても、やはりアフターケア的な性格を帯びてくると思います。私どもは、そういうふうなことじゃなくて、状況を先取りするといいますか、初めからそういう心配のないように出発点において規制をしておいたほうが、機構的にも簡素であるし、別な検査機関をつくらなくてもよろしいし、憲法違反の疑いのあるような強制立ち入りや代執行のような規定を置かなくてもいいことになりますので、どちらがいいかということを判断した結果、やはり検査機関できびしく検査していくというあとの問題よりも、先取りして初めから規制していったほうが、機構も簡素で済むし、より安全が確保される、こう判断いたしましたので、事後のきびしい検査機関を置くということを考えとしてはとらないことにしたわけであります。
#136
○樋上委員 そうしますと、登録業者はそれで資格を受ければ、自分のやった工事ですから、絶対安全だということを自分がやって自分が認めているんでしょう。そういうときに、もし事故が起きたときには、先ほど、だれが工事をしてこうしたんだということはありますけれども、業者というものは、やはり自分の工事をやったものには、いろいろな問題で多少手を抜く場合がなきにしもあらず。こういうチェックの問題はどこでやるのですか。
#137
○海部議員 もちろん、おっしゃるとおりでありますけれども、それは不十分ながら、ただいまあります保安協会が竣工検査をいたしまして、工事ができ上がって送電開始前に検査をいたしておりますし、それから業者自身が手を抜いたりなんかすることがないように、こういう規制をしていこうという考えでありますので、業者の皆さんにはあくまでも自覚と責任を持ってやってもらわなければならぬ、こう思っております。
#138
○樋上委員 電気工事業者に納得させてこの法案ができることによって、火災も起こらないし安全の確保もできるんだということを、もっともっとあらゆる点でわれわれ政治家としては納得させなければならぬ。このままでは、この法案の反対などの陳情が来ておりますときに、いま申し上げましたいろいろな点がまだまだ十分納得されてない、こう私たちは思うのです。その点において、これは余談ですけれども、これも議員立法でしたが、管理理・美容師の問題が社労でありまして、業者から、非常に衛生管理上こういうことは望ましいことだから立法をやれというぐあいにいわれてきた。それでできた。そうしたらそれがごう然と反対になってきておる。屋上屋を重ねる、そういう立法をやる必要はないという全国的に反対が起きたことは御承知かと思うのですけれども、私は老婆心ながら、今度の問題もそういうことが起こってきはしないか、そういう点について最後にもう一言お伺いしたいと思います。
#139
○海部議員 もちろん私どもは業界の要請によって、賛成だからやる、反対だからやらない、こういう角度のものじゃないのでありまして、率直に申し上げると、ただいまの案というものは業界の方には不満だろうと思います。それは、要請どおり複数にもなっておらないし、いろいろな面で業界の要望というものは消えておりますので、そういった点では不満だろうと思います。
 それからもう一つは、そういったことを重々感じましたからこそ、全国的唯一の組織である全日本電気工事業協同組合に何回もこの点は念を押しまして、そうしてかりそめにもそういった反論やうちゲバがあっては困る、ほんとうの意見を聞きたいと、いろいろ聞いてみたのであります。
 実態といたしますと、ただいま電気工事士の免許を持っておる方は、全国に二十万人あるわけです。ところが、この電気工事士の免許たるや、更新の制度というものは全然ないのでありますから、現に国会議員の現職の先生で電気工事士の免状を持っていらっしゃる方も数名あるようでありますし、電気工事士の資格を持って全然業に参加していない方もあるようでありまして、実際参加して働いていらっしゃるのは、その半数の十万くらいだろうといわれております。加盟店全部を調査しましたところ、これに対して先生の御心配になるように、大型電気工事店のためにやるのであって、零細工事店を弾圧するためにやるというような感触は、いまのところ絶対にないようでございまして、先生のところへ零細店から反対がどんどん来ておると、こうおっしゃるわけでありますが、当初私どものところへ来ておりましたのは、一人親方のところで反対をしておったのでありますが、今度は一人に変えたわけでありますから、一人親方のところからの反対は来なくなりましたし、ラジオ、テレビのほうのところでも、第二条ただし書きでこれは電気工事業の対象からはずすということを明確にいたしましたので、一人親方のラジオ、テレビ業の皆さんからも反対はいまは来なくなっておる、私はこう理解しておりますので、よろしくお願いいたします。
#140
○樋上委員 以上で終わります。
#141
○八田委員長 川端文夫君。
#142
○川端委員 この法案に対してはかなり詳しい質疑が行なわれているので、角度を変えて一言お尋ねしてみたいと思うのですが、この法案を提案されておる海部さんをはじめ賛成者は、全員私は自民党の所属の人々であるように見受けておるのだが、それに違いありませんか。
#143
○海部議員 そのとおりであります。
#144
○川端委員 目下の日本の政治は政党政治下であって、口を開けば自民党の人々は、われわれは責任政党である、こういう意味において、政府と一体感を訴えて今日までこられておるはずです。にもかかわらず、政府提案を行なわないで、自民党だけでの法案提出ということに対して、どういう理由があったか、その内容を少しお聞かせ願いたいと思うのです。
#145
○海部議員 先ほど来申し上げておりますように、政府提案にならなかった根本的な原因は、通産省と建設省の間で当初出しておりました複数工事士を含むという原案に対して、いろいろ意見が食い違った点がございました。それから、さかのぼって昭和二十四年の覚え書き等のものの考え方も、その後いろいろな変遷がありまして、必ずしも政府提案に踏み切ることができないという理由がありましたので、議員立法で提案をしたわけであります。
 内容は、昨年の修正によりまして大幅に変更いたしておりますけれども、議員立法としてきょうまでやってきたといういきさつもあり、野党の皆さんとお話し合いの結果、内容があのように変わったという経緯もございますので、議員立法として出させてもらったわけであります。
#146
○川端委員 私は経緯を知らないのだから、初歩的な質問になって恐縮な面もあるかもしれませんけれども、私が調べたところによれば、昭和四十年に麻生良方君が提出者になって賛成されたその案と比較しながらいろいろ検討してみたわけですが、たいして違わないのですね。その点は自民党単独提案という議員立法の出方というものと、それらの経緯の中で野党と十分話し合ったというその中に、何となく割り切れない、初めて聞く者としては合点のいかぬ面があるのですが、この点もう少しわかりやすく教えていただきたい。質問というより教えていただきたいと思うのです。
#147
○海部議員 申し上げます。
 確かに、あれは昭和四十年でございましたか、麻生さん外から案も出ました。私どもの案と食い違いが相当ございましたので、別々に提案いたしました。たしかその翌々年は民社党の皆さんに御理解いただきまして、私どもと民社党さんで共同提案をすることができました。そのときは民社党が賛成だとおっしゃったからであります。前回の国会で、私どもは野党の皆さん方の御意見を十分聞いて判断をして提案したのでありますが、残念ながら民社党さんのほうが反対の立場を表明されましたので、反対の方と共同提案できないことは御承知のとおりだと思います。
 今回提出しております法案は、前回ここで御審議をいただき、野党各党の皆さん方は一応反対の意見を表明された内容そのままの法案を出したのでございますから、私は、できればこれは各党一致の法案にして、委員長提案の形で御審議をいただきたいと念願をしておったわけでありますけれども、残念ながら御賛成がいただけなかったので、自民党単独提案というやむにやまれぬ形になったことを御理解いただきたいと思います。
#148
○川端委員 議会政治は多数決、これはやむを得ない最後の必要悪であることは、私どもも認めたいと思うのです。しかしながら、そうであっても、やはり、少数党の意見にも正しい意見があれば多数党もこれに協力するという姿があってこそ、議会制民主主義というものが、国会の権威が高められると思うのだが、何となくそこら辺が私は十分理解しにくい。こういう点は、まだ国会開会されて私どもが参加した日が浅うございますから、十分先例等はわかりませんけれども、いま私どもの手元に入っている議員立法の中に、一党で出している――宣伝の場合は別として、通すという立場に立って、しかも与党から出ているものはないように思われるのだが、この点どうも割り切れない気持ちがあることだけは1答弁はできるかできぬか知らぬけれども、前にはこうだったと言われても、前と違うものも入っているのだから、この点は割り切れない。この気持ちを持ってこの法案を見ていることをひとつ御理解おきを願いたいと思うわけです。
 そこで、先ほどからも話がありましたが、いま一つ、先ほどの管理美容師の問題等で問題になっているのだが、何回か役所にものを聞いても、何かはっきりものをよう言わぬ。議員立法の場合においては、やがて法律となって、施行する場合に変わりがないはずだが、どうもなわ張り根性というほどではないかもしれぬけれども、まま子扱いにする例があるのではないか、こういう疑問を特に管理美容師の問題の陳情を両方の人を呼んで聞いておる立場の中から、どうしても感ずるのです。この点は、通産省としては議員立法であるが必要である、こういうことを言い切れる根拠をひとつお話を承りたいと思うのです。
#149
○馬場(一)政府委員 先ほど来からいろいろな話の出ておりますように、一般用の電気工作物の規制につきましては、電気事業法、あるいは電気用品取締法、あるいは電気工事士法と三つの法体系がございます。しかしながら、先ほど海部先生のお話にもございましたように、電気事業法による一般用電気工作物の、できましてからの保安の確保という点は、いわゆるアフターケアでございます。むしろ一番大事なことは、一般用電気工作物が新たに家庭に設置をせられますときに、その工事が責任をもって安全に行なわれるということであろうかと思うのでございます。
 その面に関しましては、それに使われます電気用品が一定の基準以上のものでなければいかぬという法体系はすでにございます。しかし電気用品を一般家庭に設置いたしますのには、どうしてもある人によって電気工事というものは必要でございますから、この電気工事に従事する人の資格をきめた電気工事士法もございますけれども、同時にそれは、一つの営業として発注者から頼まれて工事が行なわれるわけでございますから、その工事を行なう業そのもの、電気工事業そのものにつきまして、一定の要件を備えた、登録された業者がそれをやってもらうという法体系が非常に望ましいということは、かねてから通産省としても考えておったところでございます。
 ただ、いろいろ先ほど来からお話の出ておりましたように、建設業法との法域の関係等でどうしても役所同士では話のつかないところがございますので、議員立法の形をとっていただいておるわけでございます。この法律が成立をいたしますれば、これは所管である通産省といたしまして、政府提案である、議員提案であるということにかかわりなく、この法律の目的とするところを果たしますように、われわれとしても全力を尽くしていきたいと思っております。
#150
○川端委員 先ほど、電気による被害というか、災害等の問題は質問があったから重複を避けますけれども、問題は、いまお話しになった、規格に合った部品なり用品を使う、こういうことをこの法律にきめるという、このきめ方をなさるわけですが、これは局じゃないが、事務的なところに入るから局から御返事いただきたいと思いますけれども、いわゆる用品なり部品の適格と思われないものを現在使われている現況を、何か具体的なものをおつかみであるのかどうか、この点をお聞かせ願いたいと思う。
#151
○馬場(一)政府委員 電気用品取締法によりまして、その法律の対象になっております電気用品については、一定の基準というものがなければ電気用品として製造、販売することはできません。したがいまして、いわゆるそういう基準に合わない電気用品が使われておるという状態は、これは違法の状態でございますから、たてまえから申しますと、基準に合わない電気用品が使われておるということはないはずでございます。この法律で、電気工事業を営む者が工事をやります際には、電気用品取締法に定められた電気用品を使わなければいかぬと書いてあるのは、そういう意味からいうと、これは電気用品取締法によるたてまえどおりの工事をやれという規定とわれわれとしては解釈をいたしております。
#152
○川端委員 そうなると、提案者のほうに承りたいのですが、言うならば、現在、電気事業法なりその他の法律によってそういう不適格なものは使われていない、こう断定されておるとすれば、この法案の内容に書かれているこの条文は、必要がないにもかかわらず、一応法体系をつくるための文章であるのかどうか、この点をひとつ承っておきたい。
#153
○馬場(一)政府委員 電気用品取締法におきましては、対象になった電気用品について一定の基準を要求しておりまして、その基準に合わない電気用品を製造、販売することを電気用品取締法によってとめておるわけでございます。それをもし違反をいたしまして製造、販売いたしました者は、電気用品取締法によりまして罰則を受けます。しかし、この法律でいっておりますことは、出回っております電気用品、定められた規格の電気用品でなければ工事に使ってはならない。電気用品取締法のほうは、いわゆる規格に合わない電気用品の製造、販売を規制する法律でございまして、この法律はこの電気用品を一定の電気工事に使ってはいけないという使用面の規制を、実際に電気工事を行ないます電気事業者に課しておる規定でございます。この規定に違反いたしますと、この電気工事事業者に対してそういうことに対する罰則がある、こういう関係でございます。
#154
○川端委員 あまり愚論になるから聞きませんけれども、そういう不正なもの、不適格なものをつくらせない、つくっていないのに、これから使う危険を防ぐのだ、こういう形はどうも必要ないようには思うけれども、それはそれとして、新しい法律をつくる以上は一応体制を整えておくという意味と理解して納得はいたします。
 そこで、この法案をもう一ぺんさかのぼってひとつお尋ねしておきたいのでありますが、この法案の審議の過程の中で、もし各党の意見の中で、具体的な問題でなおよりよいものになるというならば、共同修正に応ずる用意があるかどうか。これが絶対のものだからこれで通してほしいというお気持ちかどうかということを、もう一ぺん確かめておきたいと思います。
#155
○海部議員 おっしゃるとおり、各党共同でこれよりもよいと判断される内容等がございましたら、修正には応ずるつもりでございます。
#156
○川端委員 前に、類似の法案を出した――この法案をつくるときには私はまだ議員でなかったけれども、参画した一人として、基本的には賛成したいという気持ちで質問いたしておるわけですから、私どもも今後研究いたしまして、なるべく早い機会に相談する機会を得たいと思っておりますので、御理解おきを願いたい。
 最後に、委員長に御理解願いたい一つがあるわけです。先ほどから建設業法との関係、これがいろいろ問題になっているようでありますが、どうぞ勇気を持ってやってもらいたい。建設業法があるために、当然分離して受注できる中小企業の方々も、建設業法の元請から下請の形でかなりきびしい条件に苦しんでおる人のほうがより多い。こういう点をひとつ御理解願って、私は、電気工事業だけでなく、たとえば建設業の中の鉄筋業者のためにも何らかの処置をしてあげたいものだ、こういうことも考えているものであることをつけ加えて、委員長に今後の対処方をお願いしておきたいと存じます。
 質問を終わります。
#157
○八田委員長 次回は明十二日、午前十時理事会、午前十時三十分、委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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