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1970/03/18 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第7号
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1970/03/18 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第7号

#1
第063回国会 商工委員会 第7号
昭和四十五年三月十八日(水曜日)
   午前十時五十八分開議
 出席委員
  委員長 八田 貞義君
   理事 浦野 幸男君 理事 鴨田 宗一君
   理事 橋口  隆君 理事 前田 正男君
   理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君
   理事 岡本 富夫君 理事 塚本 三郎君
      石井  一君    稲村 利幸君
      宇野 宗佑君    小川 平二君
      大橋 武夫君    海部 俊樹君
      小峯 柳多君    左藤  恵君
      坂本三十次君    始関 伊平君
      進藤 一馬君    田中 六助君
      藤尾 正行君    丹羽 久章君
      石川 次夫君    岡田 利春君
      中井徳次郎君    横山 利秋君
      近江巳記夫君    多田 時子君
      松尾 信人君    川端 文夫君
      吉田 泰造君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  宮澤 喜一君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官      小宮山重四郎君
        通商産業省公益
        事務局長    馬場 一也君
 委員外の出席者
        議     員 海部 俊樹君
        商工委員会調査
        室長      椎野 幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  中谷 鉄也君     柳田 秀一君
同日
 辞任         補欠選任
  柳田 秀一君     中谷 鉄也君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  遠藤 三郎君     丹羽 久章君
  中谷 鉄也君     柳田 秀一君
  樋上 新一君     近江巳記夫君
同日
 辞任         補欠選任
  丹羽 久章君     遠藤 三郎君
  柳田 秀一君     中谷 鉄也君
    ―――――――――――――
三月十六日
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 八五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 電気工事業の業務の適正化に関する法律案(海
 部俊樹君外七名提出、衆法第二号)
 ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第九号)
     ――――◇―――――
#2
○八田委員長 これより会議を開きます。
 電気工事業の業務の適正化に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。岡本富夫君。
#3
○岡本委員 ただいま議題となりました電気工事業の業務の適正化に関する法律案につきまして、ほとんど審議が尽くされておりますが、最後に二、三点お聞きしたいと思います。
 その一つは、こういう陳情がきておるわけであります。これは建築業界からでありますけれども、電気工事は建設工事の一部である。電気工事は建設工事の付帯工事、すなわち建設工事の一部と考えられます。したがって、建設業について全般的に建設業法の適用があるのでありますから、このような工事別登録法は必要はないと考えられる。さらに目下建設業法の改正案が提出され、国会で審議されようとしておる状況の中で、このような一工事部門の登録法の立法は建設業全体の秩序を乱すものと言えると思う。それが二重登録を避け、建築業法による登録免除または改正案による許可免除となる者に対して登録を強制するものである。したがってこういう法律は必要ない、こういうように考えるということを言ってきておられるのでありますが、これに対する御見解を局長さんからお答えいただきましょう。
#4
○馬場(一)政府委員 この法案と建設業法との関連につきましてお答え申し上げます。
 建設業法におきましても、この法律と同様に電気配線工事につきまして登録制度がございます。しかし建設業法におきましては、五十万円以下の一般用電気工作物の工事を請け負う業者は、事実上法律では規制を受けておりません。
 それから第二点といたしまして、建設業法では、建設工事につきまして、請け負い関係の適正化等、建設工事としての総合的な観点から規制をしておりますので、その内容は電気保安の確保をはかる点から見ますと、必ずしも十分ではないというような関連であるかと思います。
 そこで、ただいまの二重の登録云々というお話でございますが、本法案におきましては、建設業法の登録を受けました建設業者は、実際上本法案による登録要件を満足するというふうに考えられますので、二重規制を排除します意味から、向こうの法律の登録を受けました業者につきましては、この法律による登録を受けることは必要がないというふうにいたしております。それから、電気工事に関する保安確保の観点から、この法案の登録を受けました電気工事業者と同様に、建設業法による登録を受けました業者に対しましても、営業所ごとの主任電気工事士の設置あるいは必要な器具の備えつけ、帳簿の備えつけ等、保安上必要な規制を本法案によっていたす。つまり登録は、この法案では二重に必要ではございませんが、保安上本法案で要求していることは、この法案で同じようにやるという趣旨にいたしております。
 なお、建設業法に基づく登録をいたしました業者が、電気工事業を開始しまたは廃止いたしましたときには、所管庁に対し届け出の義務を課するというふうにいたしまして、この法案と建設業法との連携をはかりたい、かように措置をいたしておるわけでございます。
#5
○岡本委員 そこで、この小さな零細の企業において帳簿をつけるということは非常にたいへんだと思うのでありますけれども、帳簿を備えつけてだれがそれを点検するのか、これをちょっとお聞きしたいのですが、いかがですか。
#6
○馬場(一)政府委員 この帳簿の点検等の監督はそれぞれ所管庁がいたします。すなわち、一府県にわたるものにつきましては都道府県知事に届け出ることになっておりますから、都道府県知事がいたしますし、また二府県以上にまたがるものにつきましては、通産局長になるかと思います。
#7
○岡本委員 次に「電気工事の保安確保については、電気関係諸法令規則で担保されている」、こういうような表題で、「電気工事の保安は、すでに、電気関係の諸法令規則あるいは技術基準、都道府県条例、労働安全衛生規則、建築関係法令、消防関係法令などで手当されています。したがって、施工に当たる技術者が、これらの法令規則を守れば事故は未然に防げるものでありましょう。このような法律を制定しなければ、保安の確保ができないとするならば、むしろ、今までの工事施工はすべて保安が確保されていなかったのだという不安を、国民に与える結果となります。まして、電気工事法においては、電気工事士でなければ、工事に当たれない(例外を除き)ことになっています。一方、電気工事の設計、工事監理を含めて、建築の設計、工事監理は、建築士法による建築士によらなければならない」ということになっておるから、これは必要じゃないんじゃないか、こういうようなことを言ってきておられるのですが、これに対する見解を聞きたいのです。
#8
○馬場(一)政府委員 先生仰せになりましたように、電気の工事につきましては各種の法律がございますが、建設業法におきましては、先ほど申し上げましたように、電気配線工事というのも建設業法の一部にはなっておるわけでありますが、これは先ほど申しましたように、一件五十万円以上の工事ということになっておりますので、実際上家庭等で使う一般用電気工作物の工事はそれ以下のものが多うございますので、この法律ではそれは規制はできないという関係がございまして、この法案はその部分を補おうということでございます。
 それから、労働安全規則というのがございますけれども、これは労働者の安全を確保いたしますために、労働者を雇用しております人に対しまして必要な義務を課しておるということでございますから、これは、いわゆる家庭等で使います一般用電気工作物の保安をはかるという法益とは、全く違った領域のものでございます。
 それから、電気の保安に関する条例等が現在各府県で制定されておるという例は、私どもいままで承知はしておりません。そのような条例はないのじゃないかと思っております。
 それから、電気事業法、電気工事士法あるいは電気用品取締法というような法律があるわけでございますが、電気事業法によりましては、これは電気事業者にその需要家の一般用電気工作物の調査義務を課しておるということでございますが、これは、すでに設置をされました電気工作物について電気事業者に調査義務を課しておるということでございまして、その電気工作物が設置されますときの保安の問題については、この電気事業法ではカバーできないわけでございます。
 それから、電気用品取締法によりまして、電気工事に使われます電気用品につきましては、一定の基準による登録、検定制度等がございますけれども、これはむしろ電気工事に使われる物についての規制でございますから、工事そのものというところとはカバレージが違うわけでございます。
 それから、電気工事士法におきましては、電気工事に従事する人間は電気工事士の資格を持っていなければいかぬということを定めておるのでございますが、その電気工事士を雇用して事業としてこれをやるという事業者に対する規制は、この工事士法ではカバーされておりませんので、今回の法案によりまして、その電気工事上等を使って電気工事をやる業者を規制しよう、こういうのがこの法案のねらいでございます。
 したがいまして、幾つかの法律の目ざします法益その他すべて、この法案のカバーするところと異なっておりますので、この法案が必要である、こういうことでございます。
#9
○岡本委員 次に「電気工事士に対する実務経験年数要求は不当である。」こういうような表題のもとに、「工事の基本となるべき設計・工事監理については、建築士の免許を受けたときから有効であり、実務経験を必要としていない。にもかかわらず、工事施行に当たって、電気工事士の免状を得て、さらに五年の実務経験を強要することは、全く不当であり、憲法の精神に反するといえると思います。また、関連する消防設備士においても、免許交付と同時に業務開始ができ、消防法による危険物取扱主任者も免許交付とともに業務ができるなどの制度になっています。建設業法においては、技術者に対する国家認定試験制度がないため、経験年数によって技術水準を保つことにしてあるものであります。国家試験等の制度がある限り、さらに実務経験を求めることは全く不当であります。」こういうようなことを言ってきておられるわけでありますが、これに対する見解をお聞きしたいのです。
#10
○海部議員 相当に議論した問題でありますので、提案者のほうからお答えさしていただきます。
 いま岡本先生、五年とおっしゃいましたが、三年のミスプリントではなかろうかと思いますが、実は法案には、三年間の経験を持った人に一人おってもらわなければならない、こういうことを明記いたしてございます。
 国家試験に通った者がその上三年は不当ではないかという御質問でありますが、実はいま日本のいろいろな法律の中で、何々士と名前のつきますいわゆるさむらい法というものの中で、この電気工事士法だけが、いかなるかげんか、非常にゆるやかな規定でできておりまして、新制中学を卒業されて一年間職業訓練を受けますと、十六歳の人が電気工事士の資格を持つことができる。しかも電気工事士の資格をとりますと、免許の更新がありませんから、一度とったら何十年でもその免許証は有効である、こういうことになっております。
 ひるがえって諸外国の実例等を調べてみますと、これは人命に関する問題でありますから、非常にきびしく規制をしておりまして、極端な例を申し上げますと、アメリカのマサチューセッツの州法によりますれば、電気工事士の試験を受ける資格そのものが、同一市町村に五年以上居住しておるということ。電気工事に関する専門の学校を卒業して、さらに五年間実務経験を経た者が初めて受験資格ができるというようなきびしいことになっておりますし、また日本でも、いろいろ試験を受けて資格をとりましても、たとえば陸上運送業では、五台以上の自動車があれば運行管理者を置かなければならぬ。あるいは再三御指摘になっております建設業法の中でも、建設業者はその工事現場ごとに経験三年以上の主任技術者を置かなければならぬとかいろいろ書いてありますので、そういったものと関連いたしまして、三年ぐらいの経験を持つことが国民の電気保安の確保の上からいって最小限度必要だろう、こう判断したわけであります。
#11
○岡本委員 これは確かに五年は三年のミスプリントですね。
 最後にお聞きしたいことは、この法案の三十条、「聴聞」というところで、「通商産業大臣又は都道府県知事は、第二十八条第一項の規定による処分をしようとするときは、当該処分に係る者に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による聴聞を行なわなければならない。」、この「相当な期間」というものはどれくらいの期間であるのか、これをひとつお聞きしたいのです。
#12
○馬場(一)政府委員 ここで「相当な期間」と申しておりますのは、実際上大体一カ月以内の期間というふうにお含み願いたいと思います。
#13
○岡本委員 それであればなぜ一カ月と明記をしなかったのか。何か含みがあるのか。この法律案を見ますと、「相当な期間」ですから、六カ月あるいは一年ということにもなるし、いま聞きますと一カ月と言われる。なぜこれを一カ月というようにしたらぐあいが悪いのか。その点についてちょっとお聞きしたいのです。
#14
○馬場(一)政府委員 こういう処分をいたしますときの聴聞の規定というのは、各種の法律に例文があるわけでございまして、これも大体例文にならって書いてあるかと思いますが、おそらく、この処分をいたします当事者の住所その他連絡等、みなケース・バイ・ケースに違っておりますので、画一的に、一カ月以内とか、あるいは一カ月とか、あるいは半月という期間を法律上明定する必要はない、あるいはケース・バイ・ケースにやったほうがいいということで、こういう例文になっておるかと存じております。
#15
○岡本委員 ちょっと一カ月では期間が短いように思いますが、これはいま局長さんからお聞きすると、相手の人がその土地以外、あるいはどこかに行っているその期間があるから、「相当な期間」として、本人がこのことを知ってから一カ月か、あるいはまた知らなくても一カ月になるのか、この点について最後にちょっと……。
#16
○馬場(一)政府委員 これは当然御本人が知ってからということでございます。
 それから、先ほど一カ月以内という運用でまいりたいということを申し上げましたが、これは一カ月以内というふうにスティックしているわけではございません。ケース・バイ・ケースでございますから、一カ月以上の場合もあり得るかと思いますけれども、大体各種の法令の運用等を見ますと、一カ月以内というケースが多かろうというふうに申し上げたわけでございます。
#17
○岡本委員 大体わかりました。電気のほうの質疑は終わります。
#18
○八田委員長 中村重光君。
#19
○中村(重)委員 提案者に質問しますが、この法律によって需要者はどのようなメリットがあるとお考えですか。
#20
○海部議員 この法律の目的が電気保安の確保というところにあるわけでありますから、再出的な電気知識に乏しい一般需要者は安心して工事店に工事をまかし得るという保安確保のメリットが一つと、それからもう一つは、この目的には明確には書いてございませんが、第三十三条に苦情の処理のあっせんというのを設けたわけでありますが、この苦情の処理のあっせんは、消費者保護基本法の苦情処理あっせんというものを大体頭に描いて、それと同じ形のものがつくってありますから、粗悪工事や、あるいは電気工事に伴う苦情の処理その他のときに、この三十三条によって苦情の処理のあっせんがしてもらえる。大きく分ければこの二つがメリットではなかろうか、こう判断いたします。
#21
○中村(重)委員 第一の、保安の確保がこの法律において確保できるのだとおっしゃる根拠は、どの条文によってこの法律で保安の確保が可能になるのだ、強化されてくるのだというようにお考えですか。
#22
○海部議員 大ざっぱな議論をいたしますと、この法律全体で確保される、こうお答えしたいわけでありますが、こまかく申し上げますと、手落ちがあるかもしれませんが、たとえば第十九条の主任電気工事士というものが営業所ごとに設置されるわけでありますから、これがこの人の経験を生かすことができるという一点と、さらに第二十二条では、電気工事業者でない者に電気工事業を請け負わせることの禁止、二十三条では、電気用品の使用の制限、二十四条では器具の備えつけ、それから二十六条では帳簿の備えつけ等でありますが、これら一連の規制によりまして、器具とか作業その他がより保安確保の方面に向いていく、こう思います。しいて言えば、この法律全体の精神が保安確保に役に立つ、こう判断いたしております。
#23
○中村(重)委員 いまのお答えは、電気工事士法、電気用品取締法、先ほど言った労働安全に関する法律、そういったことで、大体十分であるのか不十分であるかは別として、これに規制されておるわけですね。ですから、電気工事士でなければ電気工事はできないことははっきりしておる。したがって、この法律によって保安が確保されるのだという、積極的な条文というものが見当たらなくて実は苦しんでおるわけでありますが、もう少しそこらあたり、何かこうだとどんぴしゃり説得力のあるお答えができませんか。
#24
○海部議員 どんぴしゃりという目玉条文がございませんので恐縮ですけれども、保安の確保のために電気工事士というものは確かに現在二十万人からおりますが、免許の更新を一々受けておるわけではありませんし、どこでどうなっておるかという実情が正確に把握されておらない。これですと、現実に業として営んでおる現役の人々を網羅し確保することができるわけですから、そういったことで、工事店そのものが、この法律に規定したいろいろな規制や指示や監督を受けていくという法律全体の上からいって、保安の確保に役立つ、こう御判断願いたいと思います。
#25
○中村(重)委員 この法律案は、電気工事業者の保護立法的な役割りを果たすことにもなりますか。
#26
○海部議員 前回の国会で御審議願ったときも――この法律はあくまで国民の電気保安の確保のためにつくった法律であって、業界を保護育成するためには、たとえば中小企業の業種別振興その他の問題は他の方面に譲るべきであって、この法律の中で保護育成を具体的に考えていこうとは思っておりませんし、またそのような条文も出てきてはおらない、こう判断しております。
#27
○中村(重)委員 電気工事業者に保安責任を要求していく、それはそれでよろしいと思う。しかし、ただ義務を負わせるだけではだめだ。やはりそれだけ業者というものを保護していくという考え方もなければいけない。正すだけであっては私は適当でないと思うのです。ですから、いまおっしゃるように、この法律案というものは、あくまで保安の確保で需要者を保護していくんだということにおいて貫かれておる、こうおっしゃるわけです。それならば、この法律案によって、消費者というものが、いわゆる需要者がどの程度保護されるか。メリットというものがそこにあるのかどうか。なるほどおっしゃるように、苦情処理といったようなことは、これは一つの道がこれで開かれたということは言えると思います。しかし、この法律にそれがなかったとしても、実際問題として問題が生じてきた、その場合は需要者というものは、自分を守るための措置というものは、いろいろな法律においてこれを行なうことができるということになる。ただ苦情処理の問題で申し出をすることができるのだということがあるだけであって、そのこと自体、これによってまたどんぴしゃり需要者を保護するという形のものではない。だから、いまあなたのおっしゃる、この法律案というものは電気工事業者を保護するという一うな考え方ではないのだ、あくまでこれは国民の立場の上に立って需要者を守っていくということなのだということならば、この法律案の中において、需要者をこうして守るという、この条文によって初めて需要者というものは守られるのだ。火災が発生した場合どうなのか、あるいは配線工事というものがよくなかったという場合はこの法律によってこれを守るというようなことができるのだ、従来の欠陥というものがこれによって補なわれていくのだというように、説得力のある説明というものがなされなければ、いまあなたが柱とされた需要者の保護といり形にも、この法律案というものは大きな効果を発揮することにはならないのではないかという感じがしてなりません。
#28
○海部議員 これはこの前の委員会の審議でも、中村先生の御意見等もあって、消費者保護基本法を精神に苦情処理を取り入れて、需要者に対するメリットが一つふえた、こうわれわれも理解しておりますが、さらに先生おっしゃいますように、需要者のメリットは何であるかということは、やはり安心して家庭で生活できるということが最大のメリットだと考えます。
 新電気事業法ができますまでは、電力会社が一応その火災の責任を負ったわけでありますが、新電気事業法によって占有者が最終的な責任者になってきますと、電気知識に乏しい国民大衆はきわめて不安であるといっても言い過ぎではないと思うのです。そこで、建設業法のほうで規制がされておるじゃないか、こういう御意見が先ほどの岡本委員からもございましたが、あれはあくまで五十万円以上の工事に対する規制でありまして、五十万円の工事には主任工事士とかいろいろな規制が置かれるが、五十万円以下の工事はそういった規制もない、主任者もいない、店としてもとらえられていない、それではやはり需要家としては不安であろう、こういう観点からこの法律を立案したわけでありますし、なお具体的な個々の問題につきましては、法案の第二十七条に「危険等防止命令」というものがいろいろ羅列してございますが、こういったことによって、国民のほうでは、少なくとも電気の保安だけは確保されておるという安心感が生まれるのではないか。それが最大のメリットだ、こう判断いたします。
#29
○中村(重)委員 あとの答えはあまり的確ではありますまいが、最初のお答え、確かに五十万以下の工事に対するよりどころ、いわゆるよるべき法律がないということは、私もやはり問題だと思っておるのです。しかし、だからといって、この法律案の中身を見ると、五十万以下の工事というものの保安の強化に大きく役立つという形になっていないということに、その不十分さ、中身に何か保安の強化がほんとうに確保されるという形のものが出ていないのを非常に残念に思っているのですが、あとでまた提案者にはお尋ねをすることにいたします。
 政府側にお尋ねをしますが、電気事業法で電気事業者の電気工作物に対する保安責任というものが解除されたわけです。どういうことで電気事業者の電気工作物に対する保安責任を解除することにしたのですか。
#30
○馬場(一)政府委員 お答えいたします。
 電気事業法が改正になりましたことに伴いまして、いわゆる一般用電気工作物と申しますか、われわれの一般家庭で使っております電気工作物につきましては、その所有者は需要者、使用者になることになりまして、電気事業者からははずれたわけでございます。したがって、所有者であります一般需要者がそれの責任を持つわけでございますが、ただ、一般の家庭等は、いわゆる電気工作物につきましてはしろうとでございますので、これの保安につきましては、専門家であります電気事業者にいわゆる調査義務を課しまして、その保安を確保する、こういう体系にいたしておるわけでございます。
#31
○中村(重)委員 私がお尋ねしたのは、従来、いわゆる屋内の配線工事というものは電気工作物だから、電気工作物に対する保安責任というものは電気事業者にあったわけです。ところが今度は新電気事業法でなくなったのです。どうしてそれをなくしたのか。保安の強化ということを考えるならば、それはなくすべきではなかったのではないか。なくさなければならないとする積極的な理由というものはどこにあったのか。
 それから、いまあなたは、いわゆる電気工作物というものは所有者のものなのだ、こうおっしゃる。土地とか建物というようなものとは電気工作物は違う。漏電によるところの火災発生なんということがある。だからあなたは、調査義務というものがあるのだとおっしゃる。調査義務はあくまで調査なんです。保安責任ということにはならない。かつて電気工事業者が工作物に対する保安責任を持っておった当時は、いまのような不安というものが需要者にはなかった。しかし、あの新電気事業法ができ上がってから、そうした大きな不安というものが起こってきて、問題になってくるから、いま提案者がお答えになったような、いま提案しておるようなこの法律案というものを出してこなければならないということ。そうすると、保安責任というようなものを、電気事業者から解除するということにしたならば、どうして需要者というものを守るのかということを政府はお考えになることが当然ではなかったのか。みずから、なぜに、これを補うための法律案の提案という、積極的な態度をお示しにならないか。いまあなたがお答えになったように、いわゆる調査義務があるのだからとおっしゃるが、調査義務であなたは完全であるとお考えになることができますか。
#32
○馬場(一)政府委員 先生仰せになりましたように、かつては屋内の配線というのはいわゆる電力会社の所有でありましたのを、新しい電気事業法になりましてから、それがいわゆる所有者といいますか、家庭の需要者の所有になりましたということで、関係が変わってまいりました。ただ一般の家庭は、先ほど申しましたように、電気についてはしろうとでございますので、電力会社は所有者ではございませんけれども、それの保安につきましては、いわゆる一般家庭に対しまして調査義務というものをくろうとである電力会社に課しておる、こういう関係であるわけでございます。
 ただし、それだけで十分かどうかということでございますが、調査義務を課しておりますほかに、実際に一般用の家庭の電気工作物の工事をいたしますことにつきまして、その工事に当たる従事者につきましては、それは一定の資格を持った電気工事士でなければならないということを担保する意味から、電気工事士法というのがその後できております。また、そういう電気工作物等に使われますいわゆる電気用品につきましては、一定の基準を備えた電気用品でなければ製造、販売してはならないということを担保する意味で、電気用品取締法というものも生まれておるわけでございます。
 このようなことで、一応、家庭の一般用電気工作物の保安につきまして、電気事業法による調査義務、それから電気用品取締法、電気工事士法という三つの体系があるわけでございますが、先ほど来申し上げましたように、この電気工事を実際に業といたします事業者そのものに対する規制というのは、今日までこの三つの法体系ではカバーされておらないわけでございますので、これをカバーするのが今回提出になっております電気工事業法というふうにわれわれのほうは承知をいたしております。
 しからば、なぜその電気工事業法というものを政府が立法しなかったかということでございますけれども、これにつきましては、先生も御承知のように、建設業法との関係等で、いろいろ建設省と役所同士の話し合いがどうしてもまとまらないという事情がございまして、議員立法という提出の形になっておるわけでございます。
#33
○中村(重)委員 いまあなたがおあげになりましたような、現行の法律では不十分であるということからいわゆる議員立法という形でこの法律案が提案されておるのです。あなたもその必要を認めておる。しかも、その必要を認めることになったのは、新電気事業法によって一般電気工作物というものがいわゆる個人の所有になった、だがしかしこれはしろうとである、そこでくろうとであるところの電気事業者に調査義務を負わせたのだ、こうおっしゃる。しかし、それは私がいま指摘いたしましたように、調査はあくまで調査なんでかつての電気事業者のいわゆる一般家庭、一般の電気工作物に対する責任体制ということとは変わってきたのです。いいですか。そうすると、それを補うものとして現行の法律は不十分であるということをあなたがお認めになっておる。あなたと言うと気の毒なんだけれども、これはしようがない、あなたがいまの局長なんだから。そうして、いま提案されておる法律案というものが、これは補うものであるとおっしゃるなら、新電気事業法ができてから今日まで確か五、六年になるでしょう。もっとなるかもしれません。その間いわゆる漏電等による火災の発生なんというものが非常に多かった。だから、これではいけないのだということをあなた方はお考えになって、これをどうして補完していくかというようなことを思いめぐらせていく、それによって適切な措置を講じていくということが、政府としての責任でなければならなかった。これはきわめて職務怠慢であるというふうに私は考えます。
 それだけではありません。一般電気工作物というものをなぜ個人の所有にしなければならなかったか。電気事業者というものが、屋内等における電気工作物は、いわゆる買い取り工事という形でできるだけ個人の所有にしていこうという態度をずっととってきた。それが、ずっと進んできた。そのほとんどがいわゆる買い取り工事によって個人の所有物という形になってきた。やはりこれは問題なんです。それをあなたのほうは問題点とはしないで、既成事実として、あくまでこれは個人のものだから、その保安責任というものは個人が持つべきものである、所有者が持つべきものであるというようなことにきめつけてしまって、新電気事業法によって、屋内の一般的工作物に対する保安責任を電気事業者から解除したということは、これは電気事業者、大企業を守る、その利益のみを考えて消費者を犠牲にしたといわれても、私は答弁の余地はないと思う。この電気事業者が、一般電気工作物の改修工事等を行なう必要がなくなったために受けている利益がどのくらいだと、あなたのほうでは試算をしていらっしゃいますか。新電気事業法によっていわゆる九つの電力会社が受けておるところの利益、それは言いかえると、消費者の負担という形になってあらわれておるわけです。それをどのくらいと試算していらっしゃいますか。
#34
○馬場(一)政府委員 電気事業法が改正になりますときには、この問題のみならず、改正点数点、どういう点を改正すべきかということにつきまして、御承知のように電気事業審議会におきまして種々御議論があったところに基づきまして、電気事業法の改正が行なわれたわけでありまして、ただいま先生の仰せられました点につきましても、電気事業審議会で十分審議されましたところに基づきまして、現在のような立法をいたしておるわけでございます。
 なお、そういうふうに制度が変わったことによりまして、電力会社のほうがどの程度数字的にメリットを受けておるかどうかという点につきましては、どういうふうにそのメリットというものを考えるかということも問題であろうと思いますけれども、現在的確なお答えをする用意をいたしておりません。
#35
○中村(重)委員 提案者にお尋ねしますが、いまあなたもお聞きになって、やはり一つの問題点だというふうにお考えになるだろう。
 保安協会がやっておる保安調査、これもあなたにお尋ねをするのか、政府側にお尋ねをするのか、それもひとつお答えを願いたいのですが、電気事業者は屋内工事に対するところの調査義務はあるんですよ。しかし、調査が十分でなくて、そして漏電等による火災がかりに発生をいたしましても、調査をした電気事業者の損害にはならないのですよ。そういうことで十分な調査が行なわれるのかといえば、行なわれません。あなたの提案されておる法律案によっても、それを補うことにはなりません。それをどうして補っていくかということをお考えにならなければいけない、あなたにしても政府にしても。そのためには、電気事業者の行なっておる調査義務というものをもう少し強化していく。もし調査が粗漏であったり、それによる火災発生等が起こったならば、その責任を追及するという何らかの措置も必要ではないのか。保安協会が行なっておる保安調査、きわめてこれは形式的です。私をして言わしむれば、保安協会というものは金取り機関にすぎない。搾取機関にすぎない。ほとんどその効果というものはありますまい。その保安協会が行なうところの保安調査というものを、もっと中身のある、そうして責任を持つ保安調査というものが行なわれるように改めていく必要があるのではないか。せっかく御提案になるならば、そこらまでひとつ思いめぐらせてそれを補っていくという御提案があってしかるべきである、そう思いますが、提案者はどのようにお考えであるか。
#36
○海部議員 お説ごもっともだと思います。保安協会のやっております調査は、それは確かに竣工検査をやって、検査に合格しませんと送電しないことになっておるようですが、二年に一回の調査。結局、強制権もありませんし、立ち入り権もないし、ここが著しくいたんでおると思っても、勧告はいたしますが、危険であるからといって、いわゆる強制的に代位執行する権限もないし、確かにおっしゃるように、これによっては不十分ではなかろうかという気分は私はいたします。別個の問題といたしまして考慮いたしますが、これはいうならばアフターケア的なものでありまして、できれば、そういう粗漏な工事や危険が発生しないように、状況の先取りをしておくことも必要ではなかろうか、こう判断してこの法案を提案して一おるわけでありますので、よろしくお願いいたします。
#37
○中村(重)委員 どうも、これでだいじょうぶだ一とおっしゃらないのだから、あなたにあまり文句を言うわけにもいかないのですが、しかし非常に重要な問題ですよ。政府はどう思いますか。
#38
○馬場(一)政府委員 ただいま海部先生のお答えで大体尽きておるかと思いますが、電気施設保安協会は、一般用電気工作物に対しまし――できましたときには、これは保安協会ではなくて電気事業者、電力会社が竣工検査は直接いたすことにいたしております。その後二年に一ぺんずっという割合で、いわゆる電力会社の負っております調査義務を、電力会社の委託によりまして保安協会が各家庭等を見回りをいたしまして、いわゆるアフターケアをやるわけでございます。このアフターケアをやる費用は、むろん電力会社に調査義務がございますので、電力会社の委託費によって保安協会が行なっておりまして、需要者からはそのための代金というものは徴収しておらないという実情でございます。
#39
○中村(重)委員 電気事業者にしても、保安協会にしても、あくまで調査ですよ。いいですか。その調査が不十分であった。そのために火災等が発生をしても、その責任は追及されない。いいですか。個人は泣き寝入りをしなければいけないのです。
 もう一つ、こういうことをお考えになりませんか。この建物は半分は古い建物である。ここに電気工作物がある。増設分がある。その増設分に対しての電気工作物に対するところの調査はやる。しかし一方はやらない。非常に粗悪である、そう考えても、その責任はないのですよ。かつて浴場で漏電をやって、たしか親子三人が生命の危険に陥ったということがある。そういう場合の責任はだれが持つのか。これはあくまで個人の所有なんだから個人が責任を負えということ。電気事業者に言わせれば、それは保安協会の責任だと言うでしょう。保安協会はそこまでやる義務はないという形になるでしょう。どうすればこういった人たちが救われるのかということになってくるのですよ。守られていくのかということになってくるのですよ。法律の条文をいろいろいじくり回すのではなくて、現実にこういう問題があるのだから、
 これをどうするのか、そこをお考えになることが政府としての責任ではないのか。それを補うような制度をつくる法律を制定していくというような態度こそ、あなた方のほうでおやりにならなければならない。提案者にもそこまで考えて提案してもらいたかったのだけれども、技術的にもいろいろ問題点もあったであろうということで、その点はある程度理解をしなければならないと思いますが、しかし、せっかくこうした御提案をなさるならば、やはり問題点を押えていくということです。それをなくしていく、具体的に。抽象的にではなくて。いまあなたがお考えになったように、事業所があるのだから、五十万以下というようなものは――それは五十万以上になればもっときびしいです、あなたの提案されておるものよりは。五十万以下はもっとゆるやかな形になってこう出てきています。そのことだけは、やはりいまあなたの御答弁の中で一応説得力を持つ。耳を傾ける余地があるけれども、中身は残念ながらこれでは不十分なんですよ。問題の解決には役立っていたい。政府のいまのお答えをお聞きになっても、これではいけないと提案者もお考えになるのではなかろうか。どうしてこれを解決するようにつとめますか、いま私が指摘しましたような問題点に対してはこれから。提案者のほうは先ほどお答えがございましたから、まあ、現行の法律を改めさせるとか、いろんな省令を改めていくとかいうことをやらせなければならないという提案者のお考えはわかりましたから、それはそれなりとして伺っておきますが、政府はいかがでしょうか。
#40
○馬場(一)政府委員 先ほどの調査義務ということでございますが、調査義務に基づきまして、先ほど来申し上げましたように、でき上がりますときには電力会社がじかにやり、その後の調査は電力会社が保安協会に委託をしてやっております。ただし、これはあくまで電力会社の委託に基づくものでございますから、先ほど海部先生からお答えがございましたように、個人の家庭にいわゆる相対で入るということ以外に、強制的にこれの立ち入り調査をするということは、現行の法制上はできないことでございます。それから、もし調査をいたしました結果、ある家庭の電気工作物にふぐあいがございましたときには、その結果を家庭に通知をいたしまして、これを改善してはどうかという勧告をいたすことになっておりますし、かつどうしても家庭がその勧告どおり改善をしないというときには、通産大臣からその消費者に対しまして、そこを直せといういわゆる改善命令ができることに法制上はなっております。その辺の運用をさらに一そう厳重にやりまして、ただいま先生仰せになりました、制度はあるけれども実際の運営は不十分ではないかという点につきましては、なお一そう十分に努力してまいりたい、かように存じております。
#41
○中村(重)委員 たてまえはこうなっています――それでは、現実に保安協会はとういつたことをしておるのか、どのような効果というものをあげておるのか、あなたのほうでこれを把握していますか。また、やっておることはこれで適当であるというふうにお考えになりますか。いま保安協会のやっておるような、どっか漏電しておらぬかとじじっと機械を当ててやってみるだけですよ。それも何回やっておると思いますか。ほとんどやっていないと言ってもいいくらいです。形式的ですよ。保安協会という特殊法人をつくって、お役人の天下りをやって、そういう方面は解決したかもしれない。しかし、肝心ないわゆる漏電等によるところの火災の発生を防止するための役割りを果たしておるとは私は考えない。
 たてまえがこうなっておる、こうなっておるとあなたはおっしゃる。それから、個人のところに承諾をしないと入れないと言う。危険があるので見ましょうと言うのに、だれが入るなと言いましょうか。火災を望んでおる者はだれもいませんよ。やる気があれば、だれでも望んで調査をやってもらいますよ。個人はわからない、しろうとだから。漏電のおそれがあるのかどうか、そんなことはわからないですよ。だからそういう場合は、もっと積極的に調査ができるようにしなければならないのですが、その調査も単なる調査であってはならない。もう少し保安責任というものがなされ、そのことが確実に行なわれて、適正に行なわれなかった場合にはその責任が追及されていくというような、何かそういう意味の保安責任、いわゆる保安の強化、そういうものが確保されるような道を見出していかなければならないと私は考えておる。
 同時に、これはそれによってお答えを一つ受けなければなりませんが、現実に私が申し上げましたように、漏電等による火災の発生なんというものが起こった場合、その補償というものはしてくれるものはいないのです。しかし何とかしなければならない。そこで業者の人たちは、自分たちで相互保険制度というものを考えている。まあ三百万かそこらまでは、もし工事に伴って火災が発生し、損害を賠償しなければならぬという場合は、その場合に困らないように、この電気工事業者がそういう保険制度というものを考えているようですが、どこまで徹底しているのか知りません。政府がいわゆる国庫負担、補助という形をもって、そういう保険制度というものをもっと義務的にやっていくということも考えてみる必要があるのではないか。ともかくも、電気によるところのいわゆる漏電等というようなものは、公害、交通事故といったようなことと変わらないくらいの関心を持ってやっていかなければ、これは個人の所有物だから所有者の責任だというような考え方は持つべきではないと私は思う。先ほども申し上げたように、一般の土地だとか建物というような不動産と、水道とか電気とかいうような、本人の意思いかんにかかわらず、これを供給してもらわなければ電気もつかない、水道も出ないというようなものは、公共的なものでありますから、これは別な考え方を持たなければならぬと私は思う。これは個人の所有だからという簡単なことで問題を処理すべきではないと私は思う。そういう意味において、新電気事業法において、個人の所有だからその保安責任はあくまで個人なんだと簡単に片づけたところに、問題があったと私は思う。だから、それを補っていくというようなことが、ほんとうに行なわれなければならないのだと私は言うのです。そうお思いになりませんか。
#42
○海部議員 御説そのとおりでありまして、この法律に網羅できないいろいろな他の波及問題は、これは前向きの姿勢で検討しなければなりませんし、また保安確保の問題は、新電気事業法をこの委員会で議論しましたときに、私も、保安の確保という面からいって、保安協会に譲ってしまうのがはたして必要にして十分な措置かどうかということに、強い疑問を持った者の一人であります。
 そういう意味から考えまして、そういう状況が起こらないように少しでも役に立とうという気持ちが、この法案の中にもあるわけでありますし、さらにこれを突き詰めていけば、それ以外のいろいろの問題は別の法律、別の分野の問題になってきますが、国民がほんとうに安心して生活のできる保安確保のためにやらなければならぬことは、この法律を乗り越えてでもいろいろの部面で前向きに取り組んでいかなければならぬ、私はこういう気持ちでおります。
#43
○中村(重)委員 この法案の、三年間の経験を経た者でなければいわゆる業者となれないということですね。私はこれはいいと思うのですよ。極端に言えば、実際は五年であってもかまわないと思う。いいですか。それは工業学校の生徒が試験を受けますれば、簡単に通りますよ。それからその講習所というのか、何か電気工事士の試験をとるための講習機関がある。若い連中は、非常にのみ込みがよく、頭がいいからすぐ暗記してしまう。十六か十七ぐらいですぐ通りますよ。それに五十万以下の工事というものを、野方図に、何らのよるべき法律がなくてやらしているということは、事業者を守ることにならない。そういう意味においては、いわゆる国家試験を通っているのだから憲法上云々という問題もあるだろう。しかし、公共的の立場でそのことを考えてみると、いわゆる公益性ということを考えてみると、必ずしも憲法によってその個人の権利を抑圧するという形にはならないという私なりの判断を実はいたしております。したがって、それだけの熟練を経た者でなければいけないのだというあなたの発想、そうして三年の経験を経た者ということについては、その面は私は反対ではありませんが、中身全体はこれじゃだめだと言っているのだから、これでまたお茶を濁されては困るから、この内容については簡単に賛成はできない。
 そこで、私はもう一つ提案者に申し上げておきますが、電気工事士の免状の問題、これは政府もお答えになっている。昭和三十七年でしたね、電気工事士の免状を交付されたのは。三十五年にたしか法律を制定したでしょう。そのときに免状を渡しますね。いま昭和四十五年。渡したきりですよ。書きかえなし。これに対してもう全然再度の、何というのですか、自動車の運転手みたいに、再教育なんていうようなことをやろうとしない。やっていない。これを絶えず携行する、そしてこれを提示しなければならぬ、これも単に形式だけ。あなたは免状を持っていますかなんて、個人は何も尋ねやしません。持っていない者がやっているかもしれない。だからやはり、二年に一回というのか、三年に一回というのか、再教育をやるくらいのかまえがなければいけないと私は思う。それらの点は、提案者はどういうふうにお考えになっているのか。これは電気工事士のほうの問題になるわけですが、これでは不十分だとして業法を御提案になる以上は、それらの点も当然あなたは何かお考えになっただろうと思う。また政府は、私の指摘について反論があるだろうから、どうか政府のお考えもお聞かせ願いたい。
#44
○海部議員 御指摘のように、電気工事士の資格をとることがきわめてゆるやかな条件になっているのは、世界各国の例を見ても明らかでありますし、一年のボケーショナルトレーニングで資格を持ってしまうということは少し早過ぎるのではなかろうかという考え方もありまして、五年にしようか、七年にしようかと、立案段階でいろいろ議論があったのでありますが、中村先生の非公式の御意見等も十分参照いたしまして、三年間ということに決定したわけであります。
 ただ、ひるがえって考えてみますと、電気工事士法ができて免許の更新がないということは、私は明らかに片手落ちではないかという判断をいたします。それから年齢制限が全然ないというのも、これは一考に値する問題だと思います。ほかのさむらい法のように、いやしくも人の命に関するような災害と関連のある仕事に携わる工事士でありますから、せめて電気工事士法の中で、たとえば十六歳で一応とれるというようなことがいいのか悪いのかをもう一回再検討してみる必要がある、私はこう判断しております。
 したがいまして、いま全国に二十万人から電気工事士がおるわけでありますが、免許をもらったきりで一度も電気工事に携わらないで国会議員をつとめていらっしゃる先生も中にはあるわけでありますから、そういう実態をきちんと把握いたしませんと、どうしても電気工事そのものがうまくいかない。店として規制する以上は、電気工事士のほうにもライセンスの書きかえは二年に一ぺんぐらいは行なうようにしなければならぬのではなかろうか。もう一つ業界を私のほうから自主的に指導しまして、免許を持っているか、持っておらないかわからぬわけでありますから、自主的にバッチをつくりまして、免許証を持っている者は必ずバッチをつけて、バッチをつけておらない者が電気工事に携わるのは、一目でこれは工事士ではないということがわかるように、自主的な規則等も業界内部ではきめて行なっているようでありますので、こういったこと等をあわせて検討すべき問題である、こう判断しております。
#45
○小宮山政府委員 中村先生の御説もっともでございます。いま提案者からの発言もございました。電気工事士の免許が出たきりでその後更新その他を一切やらない、あるいは講習その他もやっておらないということに対しては、政府といたしまして、検討事項として今後いろいろ考えなければいけないと思っております。現在、われわれ政府自身も、交付の年齢の制限とかインターン制度とかという問題を鋭意研究しようということでいま研究中でございますので、その点で御了承いただきたいと思います。
#46
○中村(重)委員 まだいろいろありますけれども、ちょうど予定の時間ですからこれでやめますが、電気事業法というのは私ども賛成で通しました。だから、みずから賛成したものをいたずらに非難するということも適当ではないということになるでしょう。何しろあれは非常に部厚いたいへんな条文であったわけです。そして広域供給なんというものが実は柱になっておった。完全ないまの一般電気工作物等によるところの保安責任を解除したというような点に対して、もう少し私は検討すべきであったと思う。
 しかし、もうこれは成立をいたしております。だがしかし、改むべきことはやはり改めなければいけません。いまの保安協会の問題しかり。ほんとうに保安協会らしい保安協会、その責任を果たす、効果を発揮する、保安協会としての役割りを要求していかなければなりません。それがそのとおり行なわれていないとするならば、その責任を追及する方法も考えていかなければならない。それから電気事業者の調査義務というものも単なる形式であってはならない。やはり調査の義務に対しては、その義務が完全に履行されていなかった、そのために事故が発生をしたという場合における責任の追及というものも、私は何らかの形でこれは考えていかなければならないと思う。と同時に電気工事業者、これに対する保安責任というものを持たせることの可否、これはいたずらに電気工事者に保安責任を要求するということだけであっては問題がある。やはり保護するという立場が一方において出てこなければ、これはあまりに無理を強制するということにもなりましょう。ともかく、せっかく法律を制定しようとするならば、中身のある、ほんとうに効果を発揮する、業者を保護するところは保護していく、同時に業者に強く要求する、責任を持たせるところはあくまで責任を追及し得る制度を考えていく。そして消費者保護法であるならば、そうした消費者の保護をほんとうになすための効果ある法律の制定というものがなければならない。
 きわめてこれは残念です。御提案になっておるものは、私のただいま指摘いたして、いろいろいま問題としてありますものを解決することに役立っていないという点で残念ですが、だがしかし、全くこれは無用なものではない。やはりこの法律案が通過をし、制定をされた場合に、五十万以下の工事による、いわゆるそのよりどころというか、そういうものに道が開かれるということだけは否定できませんけれども、問題点の解決にはならない。したがって、これが制定をされた結果どうなるのか。事足れりというような形になってしまってはこれはどうにもなりませんから、この中身について、いましばらく検討してみたいと私は考えます。提案者のほうにおいても、ただいま私が申し上げたことに、なるほど確かにそうだとうなずかれる点があるとするならば、進んでもっと強化するようなことについても、私は検討される用意があってしかるべきであると思います。
 一応お答えを伺い、もう一度政務次官からでも、局長からでもけっこうですが、私が指摘いたしました問題について、総括的に、どのような態度をもっていまの制度を効果あらしめるようにするのか、また不十分な点について法律を改めなければならぬとするならば、改める用意ありやいなや、それらの点を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#47
○海部議員 御指摘の点は私も同感の点が多々ございますので、話がつきましたならば、この原案にこだわることなく、よりよいものになるなれば修正をし、考え直していこうという気持ちはございますけれども、先生のまた御協力をお願いいたします。
#48
○小宮山政府委員 中村先生のおっしゃいましたこと、たいへんごもっともだと思っております。保安協会については、今後通産省も大いに指導し、またその内容的な問題についても、今後直すべきものは直していこうという考え方でございます。また工事費の問題については、先ほど申し上げたとおり、年齢制限あるいはインターン制度というようなものも考えていかなければいけないと思っております。
     ――――◇―――――
#49
○八田委員長 次に、ガス事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。岡本富夫君。
#50
○岡本委員 この法案も先国会で相当論議をいたしまして、あと若干まだ残っておりますので質問し、ただしてまいりたいと思います。
    〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
 そこで、三月十日午前十一時二十分ごろ、東京の高速六号線の架設工事現場付近で、ガスが地下から砂とともに吹き上げられておるところを発見して一一〇番に連絡した、こういうような記事がありまして、このことについては先日多田議員から質問をしたわけでありますけれども、ここの付近は昨年もこういうことがあったらしいということを聞いていますが、幸い三月十日には被害者は出ておらないわけでありますけれども、ガス漏れによって去年も相当な事故が起こっておる。こうした事故に対しまして、このガス会社の供給規程、この中に「保安」というのがありますが、三十六の「供給施設・器具及び機械の保安 (1)当社は、供給施設について保安の責に任じます。ただし、不可抗力または使用者の故意もしくは過失によって、ガス漏れその他の事故によって損害を受けられても、当社は責任を負いません。」こういうようなことでありますが、この「不可抗力」、これについてどういうことなのか、お聞かせ願いたいのです。
#51
○馬場(一)政府委員 ただいま先生お読みになりました東京瓦斯の供給規程の読み方でございますが、不可抗力と申しますのは、いわゆる天災地変等の場合というふうに御解釈願いたいと思います。
#52
○岡本委員 それから民法の七百十七条「土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」、この中に「土地ノ工作物ノ設置又ハ保存ニ瑕疵アルニ因リテ他人ニ損害ヲ生シタルトキハ其工作物ノ占有者ハ被害者ニ対シテ損害賠償ノ責ニ任ス」、こういうふうにありますが、これはおそらく無過失責任を問われておると思うのです。したがって、この不可抗力――一般のガスを消費しておる消費者は、この供給規程というのがあっても、もう一つわからないわけですね。ただぽんと判を押せと言われて押してガスを引いてもらう、こういうことでありますから、もう少し明確に不可抗力のところを、民法七百十七条とあわせてどういうことなのかということを、ひとつここでお聞きしておきたいと思うのですが、どうですか。
#53
○馬場(一)政府委員 このガス供給規程の三十六でございますか、ここにこういう規程が置いてございますのは、いわば供給規程を、需要者が一々専門的に検討して契約をするというかっこうに実態的にはなっておりませんので、いわゆる民法七百十七条にございます一般原則でございますが、この規定と同じことを供給規程に書いたというふうに考えております。
 ただ、ここで「供給施設」といっておりますのは二種類ございまして、一つは、いわゆる道路等にガス事業者が所有し占有しておるものとしての本支管でございますが、そういう導管等の施設と、それからいわゆる一般家庭の敷地内にございます、つまり一般家庭の所有物であるガスの供給施設と、二種類あるわけでございます。民法七百十七条のいっておりますのは、ガス事業者が所有し、あるいは占有しておるものについての原則をいっておるわけでございますが、一般家庭の中にあります供給施設につきましては、これはむろんガス会社の所有でもございませんので、これは七山百十七条の問題とは別個になろうかと思いますが、そのものにつきましても、この三十六によりまして、ガス会社が所有者でも占有者でもございませんが、保安の責めに任じます、ただし、使用者が不注意があった場合あるいは天災の場合にはその責めを負いません、こういうことをただし書きで書いておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#54
○岡本委員 不可抗力、要するにいまおっしゃったように天変地妖、こういうものによってガス管が割れて、そこからガスが漏れた、そしてたくさん事故が起きた、こういう場合は責任は持たない。そうすると、七百十七条の無過失責任と相反するように思われるわけですが、その点について。
#55
○馬場(一)政府委員 民法七百十七条第一項によりますと、土地の工作物の設置または保存に瑕疵がございまして、他人に損害を生じましたときには、その占有者は損害賠償の責めに任じます。ただし、その占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしておりましたときには、今度はその損害は所有者にいく、こういうふうに書いてございます。この「瑕疵」という読み方でございますが、これはいわゆる占有者ないし所有者の瑕疵ということでございますから、いわゆる天災地変等の不可抗力によって生じた問題につきましては、民法七百十七条は、その場合まで所有者または占有者に損害賠償の責めを負わしておるというふうには考えておらないわけでございます。
#56
○岡本委員 それで、非常にむずかしい問題ですけれども、たとえば導管が傷があったかなかったか、こういうことはちょっと判定がつかないのじゃないでしょうか。たとえば地震があった、そしてここの本管が割れた、そういう場合の材質的問題、そういうこともうまく判定がつくのかどうか。そういうことを考えると、いまあなたがおっしゃったように、瑕疵ですか、傷がある場合は責任を持つ、それがない場合は責任を持てない、こういうように聞いたわけでありますけれども、これは非常にデリケートな問題でありまして、その導管に傷があるかないか、あるいは内面にあるかわからない、あるいは材質的にどうかということになりますと、これは非常に問題があるのではないか、こういうふうに私は考えるのですが、いかがですか。
#57
○馬場(一)政府委員 ガスの導管等に漏洩によって事故が生じましたときに、それにいわゆる瑕疵があったかどうか、あるいはその瑕疵について、占用者あるいは所有者でありますところのガス会社に故意、過失があったかどうか、あるいは十分な注意をしておったかどうかということの挙証責任は、この供給規程によりむろんガス会社にございます。その挙証をいたしますれば、ガス会社は責任を免れるわけでございますが、挙証責任はガス会社が負うわけでございます。
 なお、天災地変等がございましたときには、ガス工作物に何らの瑕疵がなく、あるいはガス会社がふだん十分な注意をしておりましても、天災地変というものが不可抗力の場合には、事故が不可抗力的に起きるわけでございますから、この場合には責任を負うものではないというふうに考えております。
#58
○岡本委員 ちょっとわかりにくいようなところがずいぶんあるのですけれども、もう少し論議を詰めて、たとえば今度の新聞記事を見ますと、この埋まっていた本管の道路の上を車が何べんも通った、トラックの振動なんかでガス管の接続部分がゆるんでガスが出た、こういうような場合は、これはガス会社の責任なのか、不可抗力なのか、これもひとつお聞きしたいのです。
#59
○馬場(一)政府委員 今回の事故のような場合は、漏洩しましたことによりましてもし被害者等が出ますれば、これは事故になるわけでございますが、今回のような場合に、もし不幸にして被害者が出ましたとき、その事故はいわゆる天災地変等ではございませんので、不可抗力ではない。ですから、その場合におきましては、不可抗力ということではなくて、ガス事業者のほうがその導管の保守、保安について十分な注意をしておったかどうかということが問題になろうかと思っております。
#60
○岡本委員 この供給規程の「不可抗力」、ただこれだけの文字で一般の所有者に押しつけておるのではなくて、やっぱり天変地妖によるところの事故、こういうようにやはり明確にすべきではないか。そうでないと、導管はうまく入れてあったけれども、上をトラックが通って、ゆるんでガスが漏れた、そういう場合は、いまおっしゃったように、これはガス会社の責任だということでありますから、それならば、天変地妖によるところの不可抗力、こういうふうに明確に供給規程に入れるべきではないか、こういうふうに思うのですが、どうですか。
#61
○馬場(一)政府委員 「不可抗力」という字句は、これはこの供給規程のみならず、一般に保険の約款等にも例文的に使われておりますが、「不可抗力」と申しますのは、常識的に申しまして、人力の及ばない大地震でございますとか天変地異というようなものを意味することは、大体通例の解釈であろうかと思っております。
 なお、本件の場合には、先ほども申しましたように、いわゆる本件によってもし被害が生じましたときには、本件はそういう天変地異によるものではございませんから、これは不可抗力ということには当たらないということでありまして、この場合に、それではその事故に対してガス会社が責任を持つかどうかということにつきましては、その工事そのものに十分な注意なり、故意、過失があったかどうかということを、あらためてガス会社が挙証し、それに対して、もしこれが裁判等になりました場合には、それが判断をされまして、もしガス会社のほうにミスがあったという場合には、ガス会社の責任になるということでございます。
#62
○岡本委員 この問題でいつまでもやっておっても時間がたちますから……。
 そこで、この当日の事故の新聞報道によると、直径約四十センチの本管が地下五十センチのところに埋められている。その本管の埋設深度は大体どのくらいになっておるのですか。
#63
○馬場(一)政府委員 これは内径五百ミリメートルの中圧ガス導管でございますが、地中におきましては大体一メートル五十の深さまで埋設することになっております。ただ、漏洩のありましたところは、架橋しておりまして、それが地中一メートル五十のところまでもぐりますまでの間、六十センチぐらいのところで漏洩があった、こういう実情でございます。
#64
○岡本委員 これは、ガス管がこう入って立ち上がりということですから、非常に道路から浅いのだ、こういうことだと了解します。
 そこで、一つは、この付近は先ほどお話ししたように、去年でしたか、やっぱり事故があったところでありますから、ガス管の接触部分がゆるまないように当然これは点検すべきじゃなかったか、こういうふうに思うのです。この日は事故が起こっておりませんからですけれども、去年もちょうどそこで事故があったのですから、なぜ点検しなかったのか。こういう点について、ガス会社に対してあなたのほうから厳重に指示したことがあるかどうか、これをひとつお聞きしたいのです。
#65
○馬場(一)政府委員 ガス事業者は一般に、その埋設されております導管につきまして一定の漏洩検査をやることになっておりまして、本部分につきましては昭和四十四年、昨年でございますが、漏洩の点検をいたしております。
#66
○岡本委員 これは一年ぐらいで接触部分がゆるんでしまう、こういう結果になるわけですけれども、それではこのガスの本管の供給は非常に心もとないのじゃないかと考えるわけですが、局長の考えはどうですか。
#67
○馬場(一)政府委員 この部分につきましては、ただいま申しましたように、昨年点検をやっておるわけでございますが、ちょうど近くで工事をやっておりますので、たまたま非常に重い車両の交通が一時的にふえたような事情もあったかと思います。また工事をやっておりますので、江東地区でございますので、それに伴って地下水の水位等が若干下がったというような点も影響しておったかと思うわけでございます。それらの点を含めまして、なおこの導管の防護につきましては、先日も申し上げましたが、昨年通産省につくりましたガス導管防護対策会議で、最近の都市事情等にかんがみまして、導管による事故を防ぎますために、他工事による場合におきましても、あるいは導管の工事そのものにつきましても、いろいろ貴重な御示唆が盛られております。これらを十分検討いたしまして、ガス事業者の導管の保安の問題につきましては、この改正ガス事業法を契機にいたしまして、今後十分注意をしていきたい、実情に合うようにしていきたい、かように考えておるところでございます。
#68
○岡本委員 私なぜこれをやかましく言うかと申しますと、去年もこういうところで事故を起こしているし、これが昼だからよかったものの、夜だったらほんとうにどんな事故が起こっているかわからない。とうとい人命を失ったあの轍を再び踏んではならない、こういうわけできびしく話をしているわけでございます。
 そこで次に共同溝ですが、私、あっちこっちの道路を歩いていますと、よく一つの道路が掘り返されている。何をやっているかと思うと水道だ、これがきれいにされたら今度は電気、しばらくしたら今度はガスと、初めきれいな道路が何べんも何べんも掘り返されている間に、ほんとうに継ぎはぎだらけの道になってしまう。
 こういうことを考えますと、一つは、たとえばガスの工事をするときには、横の連絡をとって、電気あるいはまた電話線などは一緒に何らかの手を打ったらどうか。もう一つは共共同溝。この提案をするわけですが、これに対して局長の考えはいかがですか。
#69
○馬場(一)政府委員 共同溝は、わが国のように道路交通が非常に激しい、あるいは道路の下に数数の水道管、ガス管あるいは電線等が埋設されておって掘り返しの激しいような国におきましては、できるだけこれに積極的に取り組んでいくということは、ただいま先生の仰せのとおりであろうかと思っております。
 ただ、ガス導管を共同溝に一緒に入れるということには、ただいま申しましたようなメリットもございますけれども、同時にガス管自身の保安の問題に注意をいたしませんと、ほかに一緒に入っております管に、たとえば爆発その他によりまして危害を及ぼすこともございますので、共同溝の問題は前向きではございますけれども、そのときにはそこに一緒に併設されますガス導管の保安につきまして十分な注意を払ってやらなければいけない、こういう問題が片一方にあるわけでございまして、これも先ほど申し上げましたガス導管防護対策会議において両面十分御検討いただきましたので、これらの点をあわせ考慮いたしながら、共同溝の問題には前向きに取り組んでいきたい、かように存じております。
#70
○岡本委員 小宮山政務次官に特にお願いしたいことは、あなたもよくおわかりだと思いますが、一つの道路を絶えず掘り起こしております。私は九段議員宿舎におるのですが、あの前は一年間、きれいになったらまた次をやっている。こういうようなことでは国家の資材あるいは財政的にも非常に損だと思うのです。したがって、これは役所のそれぞれの計画が違うでしょうけれども、何とかひとつお互いに調整をとって一緒にやっていけるようにすれば一ぺんに済むのではないか、またその道路を利用する人たちにも迷惑をかけずに済むのではないか、こういうように思うのですが、どうでございましょうか。
#71
○小宮山政府委員 先生のおっしゃるとおりで、共同溝を今後とも大いに利用するような形にしなければいけない。昨年ガス導管防護対策会議というものをつくりまして、各国の実情その他を調査してまいりました。その結果、各国では鉄道踏切とか高速道路とか横断歩道とかいうところだけに設置されているようでありますけれども、共同溝の問題についてはいろいろ技術的な面がございます。また爆発のようなときにどうするんだということがございますけれども、ぜひこれを早く通産省としては積極的に解決したいと考えております。
#72
○岡本委員 共同溝の前に、これはまだ相当問題があろうかと思うのですが、同じ道路で現在お互いに各省がばらばらにやっている。この点……。
#73
○小宮山政府委員 この点については、建設省あるいは東京都、そういう各関係のところと、今後とも密接な連絡をとらせるように――いままでこの問題については再三指摘されております。いま岡本先生のおっしゃったように、九段宿舎のところは一年間そういう工事を行なわれておるというようなことでございまして、いまだ十分でないようでございますので、通産省としては、建設省あるいは東京都等地方自治体と積極的に連絡して、そういうような形が二度と行なわれないような、一回で仕事ができるように、積極的指導、また協力をさせていきたいと思っております。
#74
○岡本委員 次にガスの料金についてでございますけれども、この供給規程の中に供給停止、こういうふうに出ております。ガスの料金を払わなかったそのときには、ガスをとめるというわけです。先に入っていた人がガス代をためて、そして出ていった。あとの人は、そのガスを使用するためには先の人の分を払わなきゃならぬ、こういうようなケースが、以前だったと思うのですが、あったのです。電気もそういうようなことがありましたが、現在ではどのようになっておりますか。要するに使用する人が変わったわけです。
#75
○馬場(一)政府委員 現在ではそういうことにはなっておりませんで、いわゆる前の人の名義をそのまま引き継いでいる場合は、これはむろん前の人の未払いがございましたときには、それを払ってからということになろうかと思いますけれども、名義が全然別でございますときには、新たに入居いたした人は、自分の入居いたしましてからの分のガス料金を払えば、ガスの供給は当然行なうべきである、こういうことでやっております。
#76
○岡本委員 そうしますと、現在のガス会社は、先に入った人が料金を払わずに出て行っちゃった、そのあとでやはり同じガスの器具といいますか、あるいはメーター、こういうものを使うときに、前の料金を払わなくても名義変更できると、こう解してよろしいですね。
#77
○馬場(一)政府委員 前の人の名義とかかわりなく、新たな申し込みがありました後におきましては、ただいま申し上げましたように、新たな人の料金は新たな人の入居後の料金に当然なるわけでございます。そういうことでございます。
#78
○岡本委員 私がいま言っているのは、先の人が使っていた、そこへあとの人が入った、そうすると、この前の人の使っていたのを、あとの人が申請して名義変更する。そうしますと、新しいゼロから出発するわけですが、この名義の変更ができるのかどうか。以前たしか前のやつを払わないと名義変更はできないようなことを私は聞いたわけですが、現在ではどのようになっているか、これをちょっとお聞きしたいのです。
#79
○馬場(一)政府委員 屋内のものにつきましては、所有権は全部その各家庭にございます。前の人とあとの人との名義の変更の問題というのは、これは法律上の問題と申しますよりは、むしろ前に入居しておりました人と新たに入りました人の間で、名義変更が行なわれるかどうかという問題であろうかと思います。
#80
○岡本委員 私、言うておるのは、器具とか家の中のものはそうでしょうけれども、ガス会社に申し込むときに、そこは前の人がだいぶたくさん、何十万とガス代をためておるから、それを払ってくれなければ名義変更できぬ、こういうようなケースを前に聞いたことがあるのですが、現在はこれはどのようになっておるかということを聞いておるのです。前に払わなくて逃げた人のものは、もう払わなくてよいのか。
#81
○馬場(一)政府委員 前の人の名義の間に起こりました料金の未払いにつきましては、これは当然ガス会社とその未払いの前居住者との間で、その料金の問題は解決されなければならないと思います。
#82
○岡本委員 ちょっと話がすれ違うのですがね。前の人がこれを使っていて、そしてガスの料金をためてどこかに行った。そのメーター、その器具、その名義には何十万というガスの不払いが残っておる。そこの同じところで今度新しく申し込むときに、前の支払いをしなければ申し込みを受け付けぬ、こういうことを前に聞いたことがあるのだけれども、現在はそれはどのようになっておるかと聞いておるのです。
#83
○馬場(一)政府委員 これは法律上の問題と申しますよりは、具体的な問題であろうかと思いますので、ひとつその具体的な先生お聞き及びのケースの実情を伺いまして、それが妥当であるかどうかということを申し上げたいと思うわけでございます。原則論はただいま私が申し上げましたとおりかと思いますけれども、具体的なケースでどうなっておりますか、ひとつ後ほどでもけっこうでございますから、実情を伺わせていただきまして、それが正しいことかどうかということを申し上げたいのであります。そういうことでよろしゅうございましょうか。
#84
○岡本委員 それではもう一度、あとでこういうケースについてお聞きします。
 次に、この間、ガスぶろからガスが流れ出て、そして御夫婦でなくなった、そういうことが出ておりましたけれども、こういうものに対するところの責任はどこにあるのか。ガス会社にあるのか、個人にあるのか。わざわざつけっぱなしで自分でほっておいたとか、心中は別としまして、ガスぶろでそういう事故が起こっておる。これについてひとつお聞きしたいのです。
#85
○馬場(一)政府委員 ガスぶろその他いわゆるガス器具の事故の問題でございますが、これにつきましては、現在のガス事業法におきましては明文の規定はございませんが、通産省といたしましては、これは昭和三十二年の局長名の通達によりまして、ガス中毒防止の観点から、たとえば密閉された部屋等には換気窓をつけるように、あるいはバーナーを点火いたします際には、全部に点火したかいなかを確かめてからするように、あるいは古いゴム管は使わないというような、使用上の注意につきまして、各ガス事業者から消費者のほうに、いろいろな方法によりまして周知徹底させるように行政指導をいたしております。今度このガス事業法が改正をいたされますと、明文によりましてガス事業者は消費者に対していわゆる周知の義務を負いますので、ただいま申しましたような事項は、今度は法律上ガス事業者がやらなければいけないことになるわけでございます。ただいまは行政指導でそのような周知のことをさせておりまして、そのとおりやっておるはずでございます。かりに消費者のほうでそのとおりおやりになりませんで、不幸にして事故が発生いたしましたときの責任は、これは、器具のほうに欠陥がなければ、むろん消費者の方々の問題ということになろうかと思います。それから、かりに器具に欠陥がございまして、そういう不幸な事故が起きたというときには、それは、その器具のメーカーあるいは器具の販売者と消費者とのいわゆる民法上の問題になろうか、こういうふうに思っております。
#86
○岡本委員 そこで、器具の検査、こういうことが、今度の法案でも出ておるように、非常にやかましくいわれるわけでありますけれども、この検査協会の地位あるいはまた権威、こういうものは、ただ協会ということになりますと非常に心配なわけでありますけれども、これについてどういうふうに考えていらっしゃるか、お聞きしたいのです。
#87
○馬場(一)政府委員 ただいま先生協会と言われましたのは、ガス器具につきましては日本ガス機器検査協会のことであろうかと思うのでございますが、現行法におきましては、御承知のように、ガス用品につきましては国の規制というものはございません。したがいまして、現在の協会が行なっております検査では、いわゆるガス用品の製造業者が検査機関に頼みまして、いろいろ自主的に検査を頼んだということに伴う検査業務をやっておるわけでございます。改正ガス事業法が成立をいたしますと、一定のガス用品につきましては規制の対象にいたしまして、そのものにつきましては一定の技術基準適合義務を果し、それに満ちたものでなければ製造、販売してはならない、こういうことになりまして、それを担保いたしますために検定制度あるいは登録制度を置くわけでございますが、こういう事務を現在の日本ガス機器検査協会に行なわしめたい、こういうふうに考えております。その場合におきましては、日本ガス機器検査協会は単なる民法上の法人ではなくて、このガス事業法に基づくいわゆる指定検査機関ということになりますので、そういうふうになりましてからあとの協会のいろいろな業務のやり方でありますとか、あるいは役員の任免の問題等につきましては、法律に基づきまして通産大臣が十分な監督をする、こういうことに相なろうかと思っております。
#88
○岡本委員 最後に、ガス器具の検査協会というものは、相当やはり権威があり、また綿密な検査がてきなければ――先ほどのふろのガスのような状態が起こってはならない。それでこの新しい法案ができたと思いますけれども、これについては、通産省として十分な手を打って検査ができるように、少なくとも新しくできた品物に対しては――どんどんガス器具が出てくると思うのです。それに対するところの検査の規定、こういうものがなかった、だから適当にやっておいた、そしてあとで事故が起こった、こういうことのないように、ひとつ強力に先手先手を打ってやっていただきたい。これを最後に大臣に要求いたしまして終わります。
#89
○宮澤国務大臣 御指摘のように、十分努力いたすつもりでございます。
#90
○浦野委員長代理 川端文夫君。
#91
○川端委員 大臣がせっかくお見えになったから、ひとつ大臣に先に承っておきたい。
 ガス事業法のこの法文を見ておりますと、業者を規制するという立場に立っていろいろな条文が書かれておるわけですが、その中において、公共性というものと私企業、いわゆる株式会社との関係の問題でかなり問題があるのではないか。そこで、政府の責任というものが、こういう公共性の問題に対して、ただ監督しておればいいのか、この点に一つ疑問があるわけです。
 その一つは、たとえば最近大都市に起こっておるガス事故の原因の中に、都市の交通問題の結果から出てきておる問題がかなりある。従来、このような大型の自動車があまり走らない時代に、一メートル五十センチまでの地下に埋設するという規程をきめてガス指導をされてまいっておるようでありますが、いろいろな技術者から聞きますと、大体現在の力関係からいうと、いまのガス導管を一メートルくらい下げれば全部事故がなくなるのではないかと言っておる人もあるわけです。しかしながら、このことは株式会社であるガス会社だけにその責任を負わせてはたしてできるのかどうか。事故が起きるたびに、ただ事故の原因を調べて警告を発しておるだけで問題の処置ができるのかどうか、この点が心配の一面であるが、大臣はこの問題に対して、先ほどから聞いておりますと、導管防護対策委員会をつくって何か検討をされておるようでありますが、私は、その中からいろいろな技術的な問題も出てきょうと思うのです。しかしながら、その結果ガス会社にそれをやらせるというだけでいいのかどうか、政府がどこまでこれに協力する用意があるのかという問題、この点をひとつ承っておきたいわけです。
#92
○宮澤国務大臣 どのくらいの深さに導管を置くべきかということについては、道路の上からの圧力に耐えるところにというのが保安規程だそうでございますが、研究の結果は一メートル五十センチくらいが一番適当である。と申しますのは、それ以上深ければまた逆に土圧がかかるということだそうであります。そうして、そういう工事はガス会社の責任において行なう。政府はガス会社に対して、公益事業でありますから、一般的な監督等々の規定はございますが、ガス会社の責任において行なう、漏洩についてはまた検査をする、こういう仕組みになっておるようでございます。
#93
○川端委員 政府はそれで一応の責任をのがれるかもしれぬけれども、実際上、事故が起きれば被害を受けるのは国民であり、住民であるわけですね。
 そこで、そういう場合に、聞くところによると、これを全部規程どおり受けるということになると膨大な資金が要ると聞いておるのですが、この資金の目当てがないのにやれというだけで、やりますといってだんだんと日をおくらしていく危険が感ぜられるわけです。
 たとえば、もう一つの面から言いますと、供給区域を一応指定を受けておりましても、実際上ペイしない、利益がないと思えば、受益者負担を出すならば導管を引いてやろうというわけで、かなり方々でガス会社にお百度を踏んで頭を下げてもなかなかやってもらえていない事実があるわけです。
 こういう問題等を考えて、法律と実際上の運営の中で、私的企業、いわゆる株式会社であるガス会社に対して、どの程度の権限をもって言い得る力があるのか、この点をもう一ぺんお尋ねしたいと思います。
#94
○馬場(一)政府委員 先生お尋ねの、第一点の導管工事の保安の問題でございますが、現行法におきましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、指導は道路の加重に十分耐え得ることということでやっておりまして、現在研究の結果では、大体一メートル二十センチから一メートル五十センチというのが、土圧の関係あるいは道路加重の関係から見て一番適当である、大体こういうことになっておるわけでございます。
 ただし、これは工事そのものは、現在の法律によりましては、すべてガス事業者の自主工事であり、あるいはその後の検査もガス会社の自主検査、漏洩検査もガス会社が自分でやる、こういうことになっておるわけでございますが、ガス事業法が改正になりますと、主要な導管につきましては、工事前にその工事計画を提出いたさせまして、その後その工事が終わりますと、もう一ぺん使う前に使用前の検査というのをやり、その後にも定期検査をやるということを国の手でやることになるわけでございます。
 それから第二点の、ガスを引きますときのいわゆる工事負担金の問題であろうかと思いますけれども、これは現在の制度におきましては、需要家の負担の均衡化、安定化をはかります意味から、ガスの導管を引っぱります工事に要する分のうち、一定部分だけを会社負担ということで料金の中に入れて計上することにいたしておりまして、もし個々のケースによりまして、これが会社負担分以内の工事費で済みます場合には、むろん個人の負担金はございませんが、それ以上に遠いところに引っぱります場合には、その分に応じまして各需要者に一定の工事負担金を自分で負担をしていただく、こういう制度でやっておるわけでございます。
    〔浦野委員長代理退席、橋口委員長代理着席〕
#95
○川端委員 話はそのまま聞いておれば、そのようにも納得できるような一面もありますが、実際問題としてできない。言うなら、いまの標準の地下に下げるということは、東京でいうならば、東京全体を一メートル五十センチなら五十センチに下げるということは、容易ならざる資金の要ることだと聞いておるわけでありまして、できたところを検査したり、それを国が監督するということは、できるところからやるということで、今後の事故に対しての抜本対策ではないように思う。新規につくるところはそれでいいかもしれぬけれども、従来から長い間使ってきたガス管全体の埋設を引き下げするということは容易でないということを聞いておるわけであります。したがって、このことを単にそういう作文的なお答えではなくて、実際上の問題としてできない面が多いということを聞いておるわけでありまして、この点に対してはもう一つ勘案があっていいのではないか、こういう考えをいたすわけです。
 そこで、時間の関係上あまりくどくどしく申しませんけれども、もう一つは、先ほど新規引き込みの場合の導管の問題に対してのいわゆる一部負担、受益者負担の問題ですが、どこら辺がリミットなのか。どの程度以上になれば自己負担が必要であって、これ以上は払わぬでもいいという何か基準がなければ、やはりいかぬのじゃないか。なるほど道中一キロもあるところを、一つの部落にガスがほしいからということで引こうという場合には容易ではないと思うけれども、東京のような大都市の周辺に、順次そこらにあき地があったところが広がっていく。この場合における先行投資という問題と、会社のいわゆる利益の分岐点というか、支出できる分岐点というものをどこに基準を基くのか。たとえば東京のような場合は、現在はなるほどまだ戸数が少ないように見えるけれども、一つ家が建ち出せば、三年もたてば大体ガス会社が喜んで引けるような条件になる地域が多いと思います。したがって先行投資の関係を、単に一部負担だけでものを見るという見方が正しい見方なのかどうなのか。三年もたてば会社自体が十分採算ベースに乗るにもかかわらず、まだ戸数が少ないということで自己負担を要求するということはどうなのか。これを監督する場合に、どこら辺にリミットを置いて監督されるのかということを承ってみたいと思うのです。
#96
○馬場(一)政府委員 非常に広範なご質問でございますが、まず現状をたまたま東京瓦斯について見ますと、一体具体的に会社が負担しておる額というのはどのくらいであろうかと申し上げますと、大体一般需要家の大半を占めるぐらいの消費量の家庭でございますと、一万六千円ぐらいの分が会社負担といいますか、料金の中に織り込まれておる負担金といいますか、会社負担額になっているわけでございます。したがいまして、実際の工事がその範囲以内の工事でありますれば、今度特に需要者個々に持つ負担金というものはなくて済むわけでございますが、それ以上にかかる工事につきまして、それをこえる分を需要者からとるということになっておりまして、現在、会社負担金の範囲内でおさまっておる工事は、東京瓦斯の範囲内で申しますと、全体の約三分の一というのは、需要家の負担を伴わないで会社負担金の範囲内でやれる工事ということになっております。逆に申しますと、残りの三分の二は何がしかの需要者負担を伴うということになっております。その需要者負担をいたします負担金の平均というのは、東京瓦斯の管内について申しますと、平均約一万三千円ということでございますが、むろんこれより高いものも安いものもあるわけでございます。実情はそういうことになっております。
 それから、ただいま先生仰せになりましたように、時価も上がりますし、いろんな工事の実費もかさんでまいりますので、ガス事業者のほうが大きな導管なり本管なりというものをできるだけ計画的、先行的に配置いたしますれば、個々の需要家が引かれるときの工事負担金はそれだけ減るわけでございますから、仰せになりましたように、今後このガス事業法が改正をされますと、年々各ガス会社から向こう数年間の供給計画をとりましてその実施を推進することにいたしておりますが、その中におきまして、特に導管の計画的な配置――結局、将来の需要者の負担を軽くいたしますための計画的な配置につきましては、供給計画に基づきまして十分推進してまいりたいと思っておりますし、また、そのことによって、ガス会社のほうにいろんな先行投資の資金需要が出てまいるかと思いますが、これらの点につきましても、
 できる限り資金面あるいは税制の面等で手当てを講じてまいりたいと思っております。特に昨年からは、非常に大きな先行的な導管につきましては数年もかかりますので、特別償却制度というのができ上がったわけでございますが、四十五年度からは、さらにその工事期間中に、いわゆる償却準備金制度というのも実施されることになっておりまして、できるだけガス会社が自己資金を豊富にいたしまして、そういう大きな先行投資のできるように配慮いたしておるところでございます。
#97
○川端委員 私、実例は持っているのですが、皆さんに腹すかせて長い時間御迷惑かけてはいかぬから申しません。言うならば、問題は先ほどから言っている先行投資と利益分岐点の問題、この辺がどうもガス会社の思うままにされているのではないか。監督官庁も、現行の申し込みが五十戸に足りないと、何百メートルだから幾ら足りないという数字を出されるのであるが、今日のような土地不足のときに、三年もたてば会社側が自己負担を出さなくても済む条件のある土地柄に対してもそれができなかった。言うことを聞いてもらえなかった。そのために、いわゆる改良下水工事をやって、せっかくそのことをお願いしてもできなかったために、意見の一致を見ないでついに舗装工事をやってしまった。区役所としては、先ほどからの話のある掘り起こしの問題等を繰り返している中にも、先行投資的な話し合いを会社ともう少し進めてもらえればできた問題もあるのじゃないか。私はその実例も持っておりますが、ここでみみっちくそういうことを暴露しようとは思いません。しかしながら、少なくとも大都市周辺においてはそういう問題がこれから続発するのではないか。そこで、やはりある程度それらを調整できる機関が必要ではないか。たとえばガス会社に行って言うことを聞いてもらえない場合において、どこかに行けばそういう問題を調停なり調整していただける機関が必要ではないかと思うのだが、そういう用意がありますかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
#98
○馬場(一)政府委員 今度法律が改正になりますと、ただいま申しましたガス事業者が年々の供給計画を届け出ることになっておりますし、また、その供給計画のうちで、特に各需要者のほうに知っておいていただかなければならない事項につきましては、いわゆる公表義務も課することになっておりまして、各需要家の方々が、自分のところに対するガスの供給のぐあいというのはどうなるであろうかということが、できるだけわかっていただくようにしたいと思っております。また、それらのことに基づきまして、各需要家のほうからいろいろ工事がおそいというような苦情がございますれば、各通産局ごとに、中央にもございますけれども、苦情相談というものもございますので、そういうところにお申し出をいただきまして、実情に沿った処理をできるだけ役所のほうとしても推進をしてまいりたい、かように思っております。
 その苦情をお申し出いただくときの材料と申しますか、事情を知っていただくために、ただいま申しましたように、供給計画のうちで、特に関係の多い部分につきましては公表義務を課しまして、十分いまよりも事情をよく知っていただくようなことも、改正事業法と同時に推進してまいりたい、かように思っております。
#99
○川端委員 最後に申し上げておきたいと思うことは、先ほどから言っておりまするように、公共事業、公益性というものをある程度法律によって規制し、これを要求しておるわけであるけれども、今日のような変化の多い都市開発、改造の時代に、必ずしも私企業だけではその問題が消化できないという面がかなり多い。この面を、やっているんだからという逃げ口上にしないで、具体的にできるという条件――それの被害がもし起きれば、だれが受けるかといえば、国民であり、住民である。起きたことをここで暴露してみたって、それは結果論であって意味がないじゃないか。私は、できればそれを未然に防ぐことこそ必要ではないかと思って、大臣にもその点を充分ご考慮願いたいことを申し上げて、私の質問を終りたいと思います。
 中村さんが何か関連質問があるそうですから、中村さんに譲ります。
#100
○橋口委員長代理 中村重光君。
#101
○中村(重)委員 関連質問じゃありませんが、この法律案について一言だけ大臣にお尋ねを、関連してしておきたいと思います。
 このガス事業法の改正の柱としては、簡易がガス事業というのを新たに考えたということがこの改正案の中心、いわゆる柱になっている。そこで、LP業者の導管供給というものを、七十以下は小規模として現行の液化石油ガス法によってやるわけですが、七十以上についてガス事業法の対象になる。そこで、この簡易ガス事業、いわゆる中規模以上の導管供給というものをLP業者にやらせることを中心として、大臣はこの法律の運用をしていこうとお考えになっているのか。そうではなくて、都市ガス事業者に、いわゆるガス供給計画、五カ年計画というのがあるわけですから、その都市ガス事業者に簡易ガス事業というものをやらせる、その道を開こうとするところにウエートを置いてこの法律を運用していこうとお考えになっていらっしゃるのか。これはポイントですから、まずその点をひとつ伺っておきたいと思います。
#102
○宮澤国務大臣 中心になるべきものは、公益事業でございますから、結局消費者の利益ということになると思います。多くの消費者が都市ガスによる広域の一般供給を最も望んでいることは、いろんな面から明らかであると思いますけれども、なかなか都市ガス事業がそこまで一挙に仕事ができないのが実情でございますから、そこで簡易ガス事業というものを認めていこう。したがって本来からいえば、都市ガス事業がやるということになりますれば、これは都市ガス本来の体制で入っていくべきものだろうと思います。
#103
○中村(重)委員 わかりました。そこで資料を要求しておきますが、先ほど理事会でもちょっと申し上げたんですけれども、私が資料にして提出すべきだと言ったのは、先般の東京瓦斯の事故の資料を出せと言ったのではない。もちろんそれも出していただこうと思います。しかし、ガス事業法の改正というものは、いま一つの柱はやはり保安の確保にあるわけです。そこで、今日までLPガスによるところの事故がどの程度発生をしているか、都市ガスにおいてどうなのか、それから導管供給とボンベによる供給との事故の比率がどうなのか、それは重要な問題なんだから、当然こういった法律案を提案される場合にはそういう資料をお出しになる必要がある。私は通産当局は非常にそういう点誠意がないと思う。
 保安の確保ということがこの法律案の大きな柱なんだ。導管供給というものは、いわゆる経営の合理化もあるけれども、保安の確保、それから料金の適正化ということにある。それならばやはり、導管供給にしたために事故がこの程度減ってきた、都市ガスとLPガスの事故の比率というものはこうなっている、そういったことは、やはり重要な参考資料として御提出になるという誠意をお示しにならないと、これは適当でありません。ですから御承知のとおりに、これは前回も提案をして、参議院がああいうことで廃案になったわけですから、その後十分の時間的ゆとりもあったわけです。ですから、むしろ要求されなくても進んでそうした資料を提出するというくらいに、保安に対する関心というものをもっとお持ちにならなければ、私は、いけないと思います。ですからその資料を要求をいたしておきます。これで終わります。
#104
○橋口委員長代理 次回は明十九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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