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1970/03/25 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第11号
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1970/03/25 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第11号

#1
第063回国会 商工委員会 第11号
昭和四十五年三月二十五日(水曜日)
   午前十一時開議
 出席委員
   委員長 八田 貞義君
   理事 鴨田 宗一君 理事 橋口  隆君
   理事 前田 正男君 理事 武藤 嘉文君
   理事 中村 重光君 理事 岡本 富夫君
   理事 塚本 三郎君
      石井  一君    宇野 宗佑君
      小川 平二君    大久保武雄君
      大橋 武夫君    海部 俊樹君
      神田  博君    北澤 直吉君
      小峯 柳多君    左藤  恵君
      坂本三十次君    進藤 一馬君
      田中 六助君    藤尾 正行君
      増岡 博之君    山田 久就君
      石川 次夫君    中井徳次郎君
      中谷 鉄也君    横山 利秋君
      近江已記夫君    多田 時子君
      松尾 信人君    川端 文夫君
      吉田 泰造君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官      小宮山重四郎君
        通商産業省重工
        業局長     赤澤 璋一君
        中小企業庁長官 吉光  久君
 委員外の出席者
        大蔵大臣官房審
        議官      吉田太郎一君
        大蔵省銀行局中
        小金融課長   結城  茂君
        通商産業省重工
        業局機械保険課
        長       海老原武邦君
        商工委員会調査
        室長      椎野 幸雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第四四号)
     ――――◇―――――
#2
○八田委員長 これより会議を開きます。
 機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。横山利秋君。
#3
○横山委員 昨日、この法案に関連をいたしまして信用保証の保証料のあり方、貸し出し金利のあり方について質問をいたしまして、政府に検討をお願いしたわけでありますが、あらためて要約して私の趣旨を申し上げたいと思います。
 信用保証つき貸し出し金利は、一般貸し出し金利から最低保証料に相応する分を差し引くよう、かねて本委員会をはじめ各委員会で要望したところでありますが、金融の実態はこれが実行が不十分でありますから、政府は具体的に一定の基準を設けて金融機関を指導し、また信用保証協会を通じて中小企業者に趣旨徹底するよう格段の努力をしていただきたいというのが、私のきのうお願いをした趣旨であります。政府側の御答弁をあらためて伺いたいと思います。
#4
○吉田説明員 昨日の横山先生の御質問の件につきましては、直ちに中小企業庁とも十分協議いたしました結果、今後次のように考えてまいりたいと存じておりますので、御報告をさしていただきます。
 保証つき貸し出し金利につきましては、今後ともさらにその引き下げに努力してまいりますが、その指導にあたりましては、何らかの基準を設けることにつきまして鋭意検討いたしまして、御趣旨に沿うよう努力してまいる所存でございます。
 以上でございます。
#5
○横山委員 以下数点にわたりまして、いまのお答えについて確認をしたいと思います。
 第一は、きょう過去の議事録を検討する余裕がなかったのでありますから、政府側としても、本委員会をはじめ、本問題に関する政府、大臣の答弁がどういうようであったかをお調べを願いまして、その政府の約束が履行される、こういうふうにまずお伺いしてよろしいか。
#6
○吉田説明員 今後さらに議事録を念査いたしまして、よく検討さしていただきたいと存じます。
#7
○横山委員 先ほど何らかの基準とおっしゃいました。この何らかの基準というのは、もちろん基準をおつくりになるわけでありますが、大体どういうことを構想をしてお見えになりますか。
#8
○吉田説明員 一定の基準をつくるということにつきましては、実際的にもあるいは技術的にも、いろいろむずかしい問題がございます。しかし、先生の昨日の御質問の趣旨を体しまして、債務者あるいは保証協会、金融機関ともが、よく事態がわかって、こういう考え方のもとに貸し出し金利をきめておるということが明らかにし得るような、そういう基準を今後とも検討してまいりたいと思います。
#9
○横山委員 お答えの趣旨はこういうふうに理解してよろしゅうございますか。
 保証つきの場合には、貸し出し金利プラス保証料ということはないのであって、保証がされるならば通常受けらるべき貸し出し金利よりは下がる、こういうふうに、何人もそうなると確認してよろしゅうございますか。
#10
○吉田説明員 お話のとおり、保証つき貸し出しは、金融機関のいわばリスクが皆無でございますので、保証つき貸し出し金利につきましては、これを引き下げるように従来から指導してきております。したがいまして、今後ともその引き下げにつとめるということは当然でございまして、先生のお話のこともやはりそういうことだと考えます。私どももそういう方向でいま検討したいと考えております。
#11
○横山委員 私の申し上げるのは、一般的には〇・三五%下がっている。けれども私が不安に思っておりますのは、意思の強い中小企業者あるいはしっかりした中小企業者は下げてもらっておるけれども、そういうことについて念査をしない中小企業者、あるいは金融機関が知らぬ顔をしているところでは、下がっていないということを私は考えておるわけです。ですから確認をいたしたいのは、保証がされるならば、通常受くべかりし貸し出し金利よりも何人も下がることが保障されるのだ、政府の行政指導はそれを保障しているのだ、こういうふうに理解してよろしいかと聞いておるわけです。
#12
○吉田説明員 そのとおりだと考えております。
#13
○横山委員 次の問題は、きのう承れば、信用保証協会のこの種の調査は抽出調査であるように承りました。この機会に信用保証協会は、保証をした金融について金利がどう定められたか、また、私どもの要望することが念査ができるような仕組み、手続をしてこの実行を担保すべきであると考えますが、いかがでございましょう。
#14
○吉田説明員 協会をして悉皆調査をさせるようなことをこれから考えてまいりたいと考えております。
#15
○横山委員 最後の確認は、保証を受けた中小企業者が金融機関へ行って金融を受けるのでありますが、その段階において保証協会から中小企業者に出されます文書なんかの方法で、具体的に活字の中で、この保証を持っていけば金利のことについて金融機関と相談ができますとか、そういうような、具体的に中小企業の目に触れるような仕組みをつくったらどうか。また、金融機関におきましてもこの趣旨が徹底をされて、中小企業者に対して、金利について国会なり政府の行政指導がこういうふうでございますから、通常このくらいでありますが、これをこの辺まで引き下げますというような説明がされるとか、そういう方法を行政指導としてお考えをなさったらどうかと思いますが、いかがでありますか。
#16
○吉田説明員 お話のような趣旨のもとに、保証協会、金融機関とこれから相談してまいる所存でございます。
#17
○横山委員 以上です。
#18
○八田委員長 中村重光君。
#19
○中村(重)委員 私、別に新しい問題ではないわけですが、同僚議員の質疑に対して御答弁が局長、からあっているわけですけれども、不徹底な点もありますので、それらの点についてさらにお尋ねをしてみたいと思います。
 この機械貸与公社が二十三カ所で、四十五年には二十八カ所になるということですが、非常にテンポがのろいわけですね。これは三木通産大臣のときに実はこの制度ができたわけですが、その際に、新しい中小企業政策というので、工場アパートその他いろんな制度がつくられたわけです。この工場アパートは、あなたのほうの担当になっていないのだろうと思いますが、長官見えておりますから、工場アパートはどの程度普及をしているのか。それから、いま申し上げたように、貸与公社が二十三カ所というのはテンポがおそいのだが、どこに隘路かあるのか、それらの運用の問題はどうなのか、伺ってみたいと思います。
#20
○吉光政府委員 機械貸与公社につきまして、現在二十三機関あるわけでございますが、大体、これをつくりましてから、一応目標といたしまして一年度に五都道府県くらいずつの単位で増加していく、こういうふうな見込みでやってまいっておったわけでございまして、現在二十三機関。来年度、いま御審議いただいております予算の中でさらに五機関ふやしまして、来年度で二十八機関。こういうふうな予定で準備いたしておるわけでございます。
 どういう点が隘路かという御指摘でございますが、この貸与機関が貸与をいたします場合に、これは、国と都道府県がその貸与機関のほうに補助金を同等額で出しまして、無利子の金を同等額で出しておるわけでございますけれども、やはりこの制度が、都道府県と国とが一緒になって仕事をしてまいる、こういう仕組みでございまして、都道府県のほうの積極的な御熱意も前提になるわけでございます。私どもといたしましても、都道府県に積極的にやってもらうよういたしておるわけでございます。したがいまして、どうしても一挙に全部というわけにまいらなくて、都道府県の御要望のあるものから逐次取り上げていく、こういう状況でございますので、大体いま申し上げましたようなテンポで進んでおるわけでございます。
 それからもう一つ、御質問ございました工場アパートの件でございます。これは、実は現在の仕組みにおきましては、中小企業振興事業団の事業といたしましてやっておるわけでございまして、このほうは非常に優遇されておりまして、金利関係でまいりますと、八割まで無利子で貸し付けまして工場アパートをつくっておるわけでございますけれども、何ぶんにもこういう工場アパートの運営になりますと、各アパート群、特に零細事業者、小規模事業者のほうを中心にいたしてやっておる事業でございますが、それらの相互の協調関係というものを確立するに至りますまでに、相当の経過を要する事項が多いようでございます。四十三年度までにこの工場アパートをつくりましたのが五十九件、予想よりも少し少ない数字が出てまいっております。
#21
○中村(重)委員 工場アパートの問題その他、中小企業の全般的な問題については、いずれあらためてお尋ねをいたしてみたいと思うのですが、いまの機械貸与公社が二十三、それから熱意のない県がこの制度を活用していない、こういうことですが、大体県の規模ですが、私どもが、このような制度をつくりましたときに、これは一つの杞憂になるのではないか、なればまあけっこうだということだったのですが、地域のアンバランスが出てくるのではないか。弱小県というのはどうしてもこのような制度を活用できないということになってくると、どうしてもアンバランスが出てくるということで、もう少し国の助成措置を強めていく必要があるのではなかろうかというので、附帯決議等についてもそれらの点を加味してつけておったと思うわけですが、いまこの二十三というのは、弱小県というものがどうしてもこの制度を活用していないという形になっておりましょうか。
#22
○吉光政府委員 この機械貸与制度のねらいがやはり小規模事業者層に中心を置いておるわけでございます。したがいまして、そういう小規模事業者層の多いところは大体早くから設立を希望してまいっておるという状況でございまして、現在の、初年度以降でき上がっております県を、ちょっと御参考までに申し上げてみたいと思うわけでございますけれども、初年度は山形県、宮城県、福岡県、石川県、滋賀県、京都府、兵庫県、長崎県、この八府県でございます。そうして次年度、四十二年度に岩手県、三重県、徳島県、愛媛県、佐賀県が入っております。そうして四十三年度に秋田県、茨城県、山口県、高知県、宮崎県、四十四年度に青森県、岡山県、広島県、香川県、鹿堤島県というふうな四十四年度までの二十三府県の内訳でございますけれども、いま御指摘ございましたような弱小県と申しますか、要するに、県の財政規模その他についての比較のしかたがあろうかと思いますけれども、いま申し上げましたように、小規模事業者層がわりあいに多い、そういう地域のほうからやはり優先的にあるいは先に貸与協会ができておるというのが現状ではないかと思うわけでございます。
#23
○中村(重)委員 私どもは、この中小企業政策というのが、大臣がかわったり長官がかわったりしますと、どうしても何か新しい制度をつくっていきたいというような気持ちに追いやられてくるということは、それなりに理解できるわけですけれども、そのことから、世界に類例のないような中小企業関係の立法があり、いろいろな制度がつくられておる。だけれども中身は残念ながら、ヨーロッパ諸国と比較をしてみましても、中小企業の零細性というのは比較にならないような零細性を持っている。どうして、このような無数の法律をつくったり、いろいろな制度があるにかかわらず、中小企業の振興というものがうまく進まないのであろうかという点は、せっかくつくった法律、それらの運用というようなものがいつの間にか忘れられてしまって、そうして新しいもの、新しいものと、アイデアマンみたいな形に中小企業政策を進めて、地べたにしっかり足を踏み締めてやらないといったような点も、私は問題点として指摘できると思うのです。ですから、せっかくこのような制度をつくったらば、それを十分に推進をはかっていくという努力を中小企業庁自体がおやりにならなければいけないと思いますが、その点はひとつ強く要望いたしておきたいと思います。
 重工業局長にお尋ねしますが、きのうの質疑応答をずっと伺ってみまして、割賦販売による契約の地域が東京、大阪、名古屋に限られている。これはメーカーが主としてこの三地域に限られているという点で、ある程度は理解できるわけですけれども、保険の契約は通産本省でやるのだ、窓口もすべての通産局ごとにないといったようなこと等々、やはり問題点もあるようですが、しかし、まあできるだけ受付等は各通産局でやりたいという御意向の表明がありました。契約については本省でやらなければならぬというような、いろんな事務的な関係等もあろうと思うのですが、できるだけサービスをうまくやって利用しやすいように、その点はひとつ御留意願いたいというようにお願いをいたしておきます。
 なお、メーカーはわかりますけれども、今度はユーザーの分布状態はどうなっていますか。
#24
○赤澤政府委員 実はまだ、ユーザーの全国的な都道府県別の分布については、しっかりした調査をしておりません。いずれ調査いたしまして、適当な機会に御報告申し上げます。
#25
○中村(重)委員 私どもがやはり関心を持つのは、メーカーはそれらの地域に限られているからわかるのですよ。しかし要は、ただいま各府県のアンバランスというものをなくしていかなければならぬというようなことともつながってまいりますが、結局契約地域がその三地域に限られているということですね。そのことがどうしても、ユーザーの立場から見ますとこの利用から縁遠いものになっているのではないか。だからあなたのほうは、やはりユーザーの地域分布はどうなっておるかということに関心を持っていただかなければならぬと思います。まあ調査をするということですから、調査だけではなくて、私が申し上げたような意味においてこの後努力をされるであろうという点を期待をいたしますから、次の点をお尋ねいたします。
 この機種の選定の問題ですが、割賦が広く行なわれているとか、中小企業近代化に効果があるとか、機械工業の振興面から重要である。裏返してみると、これに適当でないものは契約の対象にはなり得ないということになっておるようですが、きわめて抽象的ですし、これを運用の面でどこに基本を置いて――この基準のまた基準みたいなことになりましょうが、どういうことで判断をしているのですか、機械工業の振興に役立つとか、中小企業の近代化に役立つというのは。
#26
○赤澤政府委員 この対象機種の選定につきましては、先般お答え申し上げましたように、三つの基準でこれを判定いたしております。ただ実際問題、ではどういうふうにやるかということでございますが、やはり割賦販売というものに対する保険でございますから、その機種か通常商慣習と申しますか、相当部分が割賦で売られておる、こういうこと、かまず必要になってまいります。これは機械メーカー、ユーザー両方から、ぜひこれは割賦のほうで販売を広げていきたい、ユーザーのほうもぜひ割賦でやってもらいたい、こういう声が出てまいるわけでありまして、そういったことにつきまして、私ども機械行政も担当いたしておりますので、むしろ中小企業者の利便になるように、当該業界もできるだけ割賦販売を進めていくような指導もいたしております。
 なお二十五機種の中身につきましては、お手元に資料等も差し上げてあるかと思いまするが、金属工作機械以下、ごらんいただきますと、大体中小企業が主として使うような機械であり、また機械の内容につきましても、やはり私ども今後、その合理化、近代化、あるいは精度の向上、こういったものについて、たとえば近促法でございますとか、あるいは私どものほうの機振法でございますとか、そういった機種に指定しているものも相当ございます。そういったような、法律上これを振興していこうということで推進しているものをまず念頭に置きながら、そのうちでも特に中小企業者が多く使うようなもの、こういったことで個々のケースにあたりまして選定を行なっております。
#27
○中村(重)委員 考え方としてわかるのですけれども、各同僚委員から指摘しておりましたように、ひとり立ちできないということになってくる――これは語弊がありましょうけれども、非常に力の弱い中小企業、それが力が弱いがゆえにこのような制度からどうしてもはみ出されてくる。そうするといつまでも零細性である。生業から企業へと、こういう形になってまいりますが、いわゆる生業の面から出ることができない。ですから、中小企業近代化に効果があるということが、まあいまこの機種は二十八区分ですか、この機種は、小規模企業でこれを使っている企業もありますけれども、中小企業の中の相当力がある企業ですね。そういう企業に片寄っていくということになってはいけないのだから、この機械工業の振興というような面と、中小企業近代化に役立つというような面が、必ずしも一致しないような点があるかもしれません。ですから、いずれにウエートを置くかということによって、私はこの機種が拡大されたり狭められたりする形になっていくだろうと思います。ですから、この割賦が広く行なわれている――これは、当然補完的の立場からこれを見るのだろうと思うのですが、これは受動的、あとを追っていくという形になってまいります。それはそれなりの意味がありましょうから、それはいいといたしましても、この近代化と機械工業の振興とのいずれにウエートを置くかという点は、私は重要であろうと思います。そのことが、小規模企業を対象にするのかしないのかという形にも、私はなっていこうと思いますから、いずれにウエートを置くのか、その点をひとつお考えをお示し願いたいと思います。
#28
○赤澤政府委員 いまの機種の選定にあたりましてそういう要件をきめるといいますか、基準をきめておりますが、もちろん重要なことはやはり中小企業の近代化でございますので、私どもとしては、両方いずれに重点を置くかと言われますと、両方に重点を置かざるを得ないと思いますが、ただお示しのような点がございますので、私どもやはり、中小企業の設備近代化のために必要な機種ということであれば、もちろんそういった点にできるだけ考え方の重点を置いていきたいと思います。
 なお、いまお話もございましたが、私どもとしては、財政上の理由その他の面から機種をできるだけ制限しようというつもりは、初めから持っておりません。むしろ、そういった適当なものがあればできるだけこれを広げていきたい。そしてこの制度を活用いたしまして、中小企業者あるいは小規模企業者、こういったものの設備の近代化を一日も早く進めるというような考え方で、その点、いま先生のお考えと全く同じような考え方を持っております。
#29
○中村(重)委員 二者択一ということではないでしょうけれども、いずれにも重点を置くのだとおっしゃっても、小規模企業というものが機械を購入する。非常に能率があがってくる。だがしかし、機械工業の振興という面からは、これはたいして新しい機械ではなくて、むしろ旧式の機械がというようなこと、それはやはり機械工業の振興にはたいして役立たないというような考え方が出てくるのではないか。しかし、どうしても小規模企業は高い機械を購入することができない。これは他の大きい企業でどんどん使っているけれども、これでもいいからということで、小規模企業の人たちがこれを買いたいということが、私は起こってくると思います。ですから、いずれにも重点を置くとは言いながら、小規模企業というものに相当ウエートを置いた運営をこれからやっていきたいとするならば、やはり中小企業近代化という考え方にまず重点を置くのだということでなければ、私はいけないのではないかという感じがいたしますが、いかがでしょうか。
#30
○赤澤政府委員 私ども考え方としては、先生のお示しのとおりの考え方であろうと思います。全体の購入者の規模別件数を見ましても、この二十五機種につきましては、総件数のうちの九七%が中小企業に向けられておりまするし、またその中でも特に、従業員で申しますと百人未満というような、中小企業の中でもさらに小規模のもの、こういったところが約八割でございますから、まあ現在の機種の運用につきましては、大体中小企業、その中でも、さらに中小の中のさらに低いほう、小さいほう、こういった面に重点が置かれておる。また実際、そういうような運用がなされておるというように考えております。もちろん今後の機種の選定につきましては、いまのお話の趣旨を十分尊重いたしまして、私どもその線に沿って機種の追加を考えていきたい、かように考えます。
#31
○中村(重)委員 従業員二十人以下の企業でどの程度の利用率になっていますか。
#32
○赤澤政府委員 まことに申しわけありませんが、二十人規模ということでは実はまだ調査が行き届いておりません。これから調査いたしましてお答えいたしますが、先ほども御質問ございました府県の貸与公社、これが御承知のように二十人以下の規模のものをやっております。これは、全体で申しますと約四百億円の契約金額、割賦販売金額の中で、きのう申し上げました約二十二億程度でございますが、もちろんそれ以外のものにつきましても、相当程度が二十人以下という小規模事業者のほうに向かっておると思います。この点は別の機会に調査をいたしまして、判明次第御報告申し上げたいと思います。
#33
○中村(重)委員 従業員二十人規模というのが、これは中小企業庁の中小企業政策としての一つの基準があるのですよ。だから、百人以下とこられたのでは困るのですよ。百人以下がどうなるのか、まず二十人以下がどの程度これを利用しているか、どこへ焦点を置いたらいいかというような点は、あなたのほうは重工業局ということで、どうしても感じとして、大きい企業に重点が置かれるのだということにとられることは、あなたも心外でしょうから、中小企業庁とも十分連係を密にしながら、せっかくならばそういう小規模企業の振興をはかっていくというような点から御留意を願っておきたいと思います。
 それからこの機械工業の振興ですが、この競輪益金、これもあなたのほうの所管ですから、自分の子供がかわいいというわけでもないでしょうけれども、この機械工業振興の立場から競輪益金というものを相当つぎ込んでいるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#34
○赤澤政府委員 その点はお話しのとおりでございます。毎年、競輪益金の中から、一部のものは機械工業振興資金、一部のものは民生福祉の向上、こういった両面にこれを使用いたしております。
#35
○中村(重)委員 どの程度競輪益金の中から機械工業振興のために金を補助していますか。
#36
○赤澤政府委員 いま手元に詳細な資料を持っておりませんので、正確な数字はちょっとわかりませんが、四十五年度、つまり四十四年度の収益の中から来年度分を出すわけでございますが、機械工業振興資金として競輪関係で約百億円程度であろうかと思います。
#37
○中村(重)委員 それが機械工業の振興に大きく役立っておりましょうと、私はそのこと自体を問題にしようとはいたしませんけれども、かつて、この競輪益金の使用という問題で、割賦販売の業者の人たちがヨーロッパ旅行に行くために、益金から旅費という形で渡したが、実際は旅費に使われていなかったという問題で、これを償還を求めるというような事態が起こってまいりました。だからこの競輪益金というものがほんとうにその目的自体に使われていないというようなきらいがあります。ですからあなたは、いまの金額の百億というのは相当大きい金額ですから、この競輪益金の利用というのは追跡調査等をやって、これはきびしくしていかなければいけないと思います。この機会に、競輪益金はあなたの所管ですから、どういう形でこれから運用していこうとお考えになっていらっしゃるのか、ひとつお聞かせを願っておきたいと思います。
#38
○赤澤政府委員 いまのお話のとおりでございまして、昨年でございましたか、一昨年でございましたか、自転車振興会の中に特別な監査班を設けまして、いまお話しのような追跡調査と申しますか、当該資金が実際合理的に使われているかどうか、こういったことの調査をする仕組みもつくっております。お話のように、私どもも十分そういった点に留意をいたしまして、今後これが有効に活用されるようにつとめてまいりたいと考えます。
#39
○中村(重)委員 適当な機会に、競輪益金の助成先ですね、その資料をひとつお願いをいたしておきたいと思います。
 次に、いまの保険制度ですがね。これは同僚委員からも御質疑があったわけですが、赤字が出てないということですね。これは黒字であるということですが、これは黒字であることにこしたことはないでしょうけれども、私はこの独立採算制を強めていこうとする考え方というのは、どうしても小規模企業というものを保険の対象からはずしていくという形にならざるを得ないだろうと思います。ですから方針としてはどうなんですか。独立採算制はもちろん赤字を出さないということが基本になってまいりましょうが、むしろ社会政策的見地からいえば、赤字はある程度出してもいいのだ、そしてこの制度というものをひとつ有効に活用していかなければならないというような考え方にならなければいけないと思うのですが、これは絶対に赤字を出さないのだという考え方で押しているわけですか。ある程度は出てもよろしいという考え方の上に立っていますか。
#40
○赤澤政府委員 この保険制度につきましては、法律の規定によりまして、収支のバランスがとれるということが一つの前提になっております。ただ、これは各年度ごとのいわゆる収支均衡ということをいっているわけではございませんで、ある程度長期的に見て保険制度というものがバランスのとれた収支であればいい、こういうことになっておるわけでございます。実際問題としましても、景気の後退を見ておりました昭和三十九年から四十一年度あたりまでは、毎年事業収支の面で一億数千万円というような赤字が出ておるわけであります。これはやはり景気の悪いときにはそういう事故が多いわけでありますので、赤字が出ることはやむを得ない。その場合でもなおかつ、保険料率を上げるとかてん補率を下げるとかいたしまして、収支の均衡を保つというようなことはいたしておりません。そういったようなことから、まあ景気のいいとき悪いとき、そういった状況に応じて収支が赤字になったり黒字になったりする。これは当然のことであり、また赤字になるという事態が起きることは、景気の悪いときに、その分だけこの保険制度によりまして、いわば大部分が中小企業者がユーザーでございますから、そういった面にも相当なささえになっていると申しますか、効果が出ている、こういう判断をしてよろしいのではないかと考えております。
#41
○中村(重)委員 大蔵省にお尋ねをいたしますが、いま重工業局長からお答えがございましたように、年度別に見ますと赤字が出たり黒字になったりする、しかし長期的に見ると現在は黒字である、こういうことです。景気、不景気ということだけです。ところが大蔵省は、この制度は赤字を出してはいけないのだというので、相当きびしく運用を求めているのではないかという感じがしてならないのです。ということは、この制度だけではなくて、保証協会の信用補完制度の中にも問題があるわけです。後日この点についてはお尋ねするわけですけれども、いま非常に規制をきびしくして、せっかくのこの制度が、いわゆる経済ベースという形になって、社会政策的面が全く無視されてしまっているということなんです。特に機械賦払い保険制度におきましては、経済ベースということにウエートを大蔵省は置いているのではないか。そういうことで相当締めつけをやっておられるのではないかと感じられますが、御方針としてはどういうことなんですか。やはり社会政策的な面を相当加味しなければならないというような考え方の上に立ってやっておられるのでしょうか。
#42
○赤澤政府委員 いまお話しの点でございますが、主計局の関係者が参っておりませんので、私はこの保険の面からだけお答えをしたいと思います。
 保険制度は、先ほども申し上げましたように、全体としてある程度長期的に見て収支のバランスがとれればいい。ただ、景気の悪いときには非常に事故が多うございまして、たとえば昭和四十一年度におきましては、保険金の支払い額が六億七千九百万円にものぼっております。こういったことから、当該年度は一億円以上の事業収支の赤が出る、こういったことでありますが、そういった場合に、これは実際問題といたしましては、資本金に食い込んでまいりますので、したがって増資という問題が起こってまいります。従来からこの資本金につきましては、そのつど増資の要求を出しておりまして、それに応じて追加をされてきております。たとえば三十九年度も相当な赤字を出した年でありまするが、この年におきましては一億五千万円の増資をやり、また四十年度は、御承知の構造不況と称せられた非常に大きな不況があった年でありまするが、この年には二億円、さらに四十一年度に五千万円、四十二年度に七千万円、四十三年度に一億円こういったように、逐次全体のバランスを見ながら資本金を増加いたしてまいりまして、現状では、御承知のように十億七千万円の資本金になっているということでございます。こういった状況でございまするので、私ども大蔵当局とそのつど、毎年、景気の様子、また保険金支払いの状態等を勘案をいたしまして、必要な金額は資本金の増加という形でまかなってきておりますし、これからも実はそういたしたいと考えております。その面で特に、こういった機種を一部廃止したらどうかとか、あるいはてん補率を下げる、こういったような要請が大蔵当局から出たことはいままでございません。これからもこういったことで、長い目で見て保険収支を均衡にしていけばいい。一時赤になったときには、むしろ資本金が足らなければ増資をもって進んでいく、こういう考え方でやってまいる所存でございます。
#43
○中村(重)委員 保険料と資本の運用益によって運営をしているようですが、初年度の財源、資本金は幾らだったのですか。
#44
○赤澤政府委員 三十六年度でございまするが、発足当時の資本金は二億円でございます。
#45
○中村(重)委員 先日、この制度を小規模企業に拡大をするという点について、あなたも同感の意を表されたわけです。ところが、それではてん補率を上げるのかということについては、てん補率を上げるということは考えないということですね。てん補率は上げない、保険料率も下げない、そこでできるだけ社会政策的面を加味したい――あなたはそういうおことばをお使いにならなかったのだけれども、小規模企業にこれを拡大していくということになってまいりますと、結局、社会政策的な面を加味しなければならないということに結果的に私はなるであろうと思うのです。そうすると、そうお答えにはなったけれども、実際問題としてそれが可能であるというようにお考えになりますか、この制度そのものに手を加えないで。もっと具体的に申し上げますならば、てん補率五〇%ということですね。これをそのままにして、各委員から強い希望があり、また指摘された、小規模、零細企業等にこれを活用させるということが、あなたは可能であるというふうにお考えになりますか。
#46
○赤澤政府委員 この保険制度と申しますのは、もともと、機械のメーカーが、主として割賦で購入することを必要としておる中小企業者向けに割賦販売がやりやすいようにする。中小企業のほうからいえば、割賦で機械が買いやすいようにする。そのための保険制度でございます。この中小企業者の中でも、特に小規模事業者というものにまでできるだけ割賦販売を広げていこう、こういう政策をとるといたしますと、いまお話がございましたように、たとえばてん補率を相当程度引き上げるということをいたしますれば、機械メーカーのほうは、あるいは信用力が非常に不十分であるとか、企業としても今後問題があるとかいったようなところにも、割賦で機械を売っていくということが、ある程度促進をされるということはもちろんあろうかと私は思います。ただその場合、問題になりますのは、法律で申しますと第六条でございますが、第六条にございますのは、要するに収支均衡の原則を法律がうたっておるわけでございます。したがって、現状のままで申しますならば、てん補率をふやすことによって、かりにそういった信用力の薄弱な小規模事業に割賦販売が促進される、その結果としてかりに事故が多くなってくる、こういうことになりますと、勢い保険料率を上げざるを得ない、こういう結果になってくるわけでございます。いろいろな点から調査もいたし、研究もいたしました結果が、いまのような五〇%てん補、また料率も比較的安い料率という形になっておりまして、ある意味では、てん補率を上げることによって得る結果と、それから料率が上がることによってこの普及がある程度妨げられるというデメリットと、両方勘案していく必要があると私は思います。いまの小規模事業者等の点につきましては、別途いわゆる貸与公社の問題でございますとか、あるいはまた中小企業全体の他の施策、たとえばけさも御議論がありましたような信用保証協会の拡充の問題等々、いろいろな施策を総合的に進めていくということが必要ではないかと考えておりまして、にわかにてん補率、保険料率をこの制度の中だけで動かして、それによっていまお示しのような小規模事業者にインセンティブを与えていくということが適当であるかどうか、この点は今後の研究課題として研究させていただきたいと考えております。
#47
○中村(重)委員 いまあなたは、実際問題として1私が答弁を伺っておって感じたことを申し上げたのですが、それに対していまのお答えは、正直な答えであろうと私は思うのです。どうしても五〇%のてん補率、それから現在の保険料率を動かさないという形になってまいりますと、長期的に見て収支のバランスがとれていけばいいのだ、好、不況という形になって、あるときは赤字が出ることもある、またそのために増資をしていかなければならないこともあるであろう。そのことは実績としてあらわれている、こうおっしゃっておられる。そのとおりだと思うのです。
 ところが、長期的に見てバランスをとっていくということになってまいりますと、どうしても独立採算制を守っていかなければならぬということになってまいります。したがって、どうしても小規模零細企業までこの割賦制度を活用していこうということになってまいりますと、事故がふえてくることは避けられない。現に信用補完制度の中で、普通保険、無担保保険、無担保無保証保険と、まあいろいろな制度があるわけですが、やはり無担保無保証保険が一番事故率は高いわけです。そう見ると、やはり資本力の弱い企業というものはどうしても事故率が高くなってくるということになってまいろう。しかし、せっかくこの制度というものは、経済ベースという面からだけ考えないで、やはりこの制度自体も社会政策的面を加味して運営をしていくことが必要ではなかろうか。いままでやっておいでになったわけだから、相当な経験もお積みになったんだから、まあ、その他いろいろなことによってやってもらおうというのではなくて、そのままずばりやはりこの制度を二段階的にやっていくことが必要ではなかろうか。それは技術的にはどうするのか。やはり中小企業の規模というようなもので考えていかざるを得ないんだろうと私は思いますが、それを検討する余裕はありませんか。
#48
○赤澤政府委員 いまもお答え申し上げたように、なかなかこれはむずかしい問題でございますが、約十年近くやってきました実績から見ておりますと、大体十年間ぐらいの実績のもとでは、いまのてん補率、保険料率、これでもってほぼ収支が均衡しておる。十年ぐらいの実績をとってみると、大体そんな感じであります。おそらくこれから先、景気の問題あるいは機種の追加問題等にもよりますが、あるいは相当黒字が定着化するということも、これは考えられないことではないと思います。こういったような黒字の定着化傾向が見えてまいりますれば、私どもとしては、ある程度先を見越しまして、いまのてん補率なり保険料率の問題なりを取り上げてみたい、こういう気持ちは私どもとしても十分持っております。
 そこでいまお話しの、二十人未満の小規模事業者というものを対象に、それだけ特別な制度、二段階の制度を研究してみたらどうか、こういうことでございますが、このあたりは、実は県の貸与公社を今後どういうふうに育てていくのか。また、貸与公社自身もこの保険に入っておりますから、それとのからみで保険自身を動かしていったほうがいいのか。あるいは貸与公社をもっと促進をし、国の金を入れてこれをどんどん育てていって、それに保険をかけていくという形がいいのか。そういったいろいろな問題点が出てまいると思います。しかし、考え方といたしましては、私は先生のお考えに全く同感でございまして、こういった制度が、中小企業の中でも特に小規模のほうにうまく運用されていくように、今後とも、その検討をするにあたりましては、十分配慮してまいりたいと思います。
#49
○中村(重)委員 この質疑を通じて私どもが感じ取ってまいりましたものは、この焦点を中規模企業以上という――特に意識してではないんでしょうけれども、どうしてもそこに焦点が置かれているような感じがしてなりません。ですけれども、各委員の指摘しているのは、力の弱い企業にこそこういう制度を活用してもらいたいということなんです。したがって、例外的ではなくて、やはり各委員の意向、委員会の考え方というものを尊重するという立場からも、社会政策的な面を加味していこう、こういう考え方の上に立って調査もし、そしてまたこれを実行もしていくという形を進めていただきたい、こう思います。
 なお、この保険事故というものが起こってまいりますが、その保険事故を多く出しているメーカー、販売業者に対しては契約の制限ということをやっているわけですか。
#50
○赤澤政府委員 保険事故を起こしたから今後の契約を何らかの形で制限するというようなことはやっておりません。
    〔委員長退席、鴨田委員長代理着席〕
#51
○中村(重)委員 それから、昨日のあなたのお答えの中で、事故が起こった、そうして機械を引き揚げた、その引き揚げた機械が売れないという場合どうするのか。売れないというのか、売っていないという場合ですね。これは調査をどうしているのかということを、まず私は質疑を通じて感じたのです。まあこれは、人を悪くばかり見てはいけないかもしれません。売っているのか、売っていないのかという捕捉をやっているのかどうか。
 それから、あなたは、五〇%を払っているだけだと、こうおっしゃった。なるほど五〇%のてん補によってそれだけは補償してもらったわけですね。国はそれでは済まないと思うのです。契約者は、被保険者はまあそれでいいでしょう。しかしそのことは、この機械を売ればいいものを売らないでいるわけですから、売ったならば、その二分の一、経費を差し引いて二分の一というものは国に返ってくるですね。売らないでいるから返らないということになるんじゃありませんか。そうすると国が損害を受けることになってまいりましょう。だから売るように国はどのような行政指導をしているのか。売っているのか、売っていないのかという捕捉は、どうしてやっていらっしゃるのか。事故が起こっても別に契約の制限をしているわけではないと、こういうことでございますから、すべて関連してまいります。ルーズになってくる傾向なしとしません。その点はいかがお考えになっていらっしゃいますか。
#52
○赤澤政府委員 事故が発生をいたしまして保険金を支払うということになりますと、もちろん私ども、その実際の事故の実情について十分調査の上で保険金を支払っております。と同時に、あと回収金の問題がございますので、その機械がほんとうに売れてあるのか、売れてないのか、あるいはどういう理由で売れないのか、こういったことにつきましては、保険金事故が起こりますと、その後定期的にその会社に参りまして、帳簿等を調査をいたしまして、実態がどうなっているかということの追跡をいたしております。そういったことから、いまお話がありましたような、あとは売れるか売れぬかわかりません、ほったらかしというようなことは、全くいたしておりません。もちろんこれは、企業者のほうも五〇%はてん補してもらえるわけですが、残りの五割というのは企業者のリスクで損失になるわけでございます。そういった意味からも、もちろん当該企業者も、機械を売りますれば、売った代金の半額はまた益金として自分の手元に入ってまいりますから、できるだけこれは売るような努力もしておりまするし、私どものほうも、あまり長期にわたってそれが売れないということであれば、一体どういう理由であるかといったようなことも質問しております。
 で、間々ある例でございますが、たとえばトラクターのようなものが、土建業者などで非常に山奥で工事をしておりまして、そこにある。なかなか引き取りその他の面からいって転売先が見つからない、その関係の地域に見つからない、こういったような例もあるようでございますが、いまのところ、私どもとして、あとの回収金が入ってきておらない、全然売れずじまいで残っているといったようなケースはほとんどないわけでございます。
#53
○中村(重)委員 売れないケースはないということですから――まあそれは私は、悪意に考えて人を悪者だときめつけて言ったわけじゃないのですけどね。まあ役所は、調査すると言いながらなかなか調査をしない。立ち入り検査をやると言いながらなかなかやらないんですよ。いままでそういう制度がありながら。ルーズになっているんですよ。だから極端にいえば、この制度を悪用しようという者は、売っておりながら知らぬ顔の半兵衛で、売ってないということにしている業者もなしとしない。事故が起こったからといって、少しも制約があるわけじゃないんだからね。役所というものが、ことさら意識的にルーズにしているわけじゃないでしょうけれども、やはり旅費も制約があるでしょうし、事務費もそうでしょうし、人件費も足りないということで、思うようにいかないのだろうと思います。しかし、えてしてこれはルーズになってまいりますから、それらの点は、いまあなたがお答えになったような形であるように、私は願うわけですけれども、おっしゃるように、引き揚げた機械が転売されないということで、そのままその山にほったらかされているなんということは、メーカーも販売業者も損をしますよ。ですけれども、そのとおりばかりでもないというようなこともあり得るということで、注意を促したわけですが、引き揚げた機械を転売します場合は、全く保険はつきませんか。これは中古になるわけですか。
#54
○赤澤政府委員 実際問題として、転売される機械は保険をつけておりません。私ども、この対象になっております機械は、原則として新品の機械ということにしております。と申しますのは、やはり中小企業者の設備の近代化に役立てるということが根本の原則でございますから、やはりそれは新しい機械というのが基本原則だろうと思います。ただ、中古機械の一般的な考え方から申しますと、全く中古機械ではだめだというふうに言い切れない面もございますので、その点は通産省の承認を得て、中古機械も一部は、私どもがそれをほんとうに設備近代化に役立つと認めれば、それは範囲に入れていきましょう、こういう制度になっております。現在までのところ、いまの転売の機械が、通産大臣の承認という形でもって保険にかけられておるという例はございません。
#55
○中村(重)委員 中古機械と、こうおっしゃるのだけれども、事故はどうして起こるかわからないのですよ。購入をして、支払いの条件はいろいろありましょうけれども、一回か二回支払いがあった。ところが、ほかの案件で手形の不渡り等を出してついに倒産をするとか、あるいは縮小しなければならないという事態だって起こるだろう。しかし、その機械は新品ではなくなったわけですから、中古という名はつきましよう。しかし、ほかに転売したのが中小企業の近代化に役立たないというきめつけ方は、私は当たらないと思う。機械工業振興という面からは、たいしたウエートはかかってこないと思います。しかし、非常にそれが安くなってきた、そうなってまいりますと、力の弱いいわゆる小規模の企業は、この引き揚げたものを購入することにおいて、中小企業の近代化に大きく役立ってくるということだって、私はあり得ると思う。ですから、一度保険にかけて事故が起こって、これは引き揚げた機械なんだからだめなんだということでなくて、私はある程度これは考えてもよろしいのではないかという気がいたします。いまあなたがお答えになりましたように、全く引き揚げた機械が中古品で、もうその機械を据えても中小企業の近代化に役立たないということだってあると思うんですよ。ところが、私が申し上げておるように、事故の種類もいろいろあるんだから、中小企業の近代化に役立つことだってあり得る。だから力の弱い企業に、安くなったのは買いやすくなってまいりますから、したがって、この制度を活用していくということも検討してよろしいのではないかという感じがいたしますが、いかがでしょう。
#56
○赤澤政府委員 原則論は先ほど申し上げたとおりでございまして、一応中古機械というものは、本法の対象に原則としては考えておりません。ただ、いまお話のようなことも十分ございますので、私どもは通達を出しておりまして、中古機械については、通産省の承認を得ればもちろん保険契約はできる、こういうことにしております。でございますから、いまお話しのように、中古機械と申しましても千差万別でございましょうから、私どもが、中古機械の承認申請があれば、その機械の購入者がはたしてそれによって近代化が可能であるかどうか、こういった点を一件ずつ個別に調査もし、それでいいという認定ができますれば、承認を与えて保険の対象にするつもりでございます。ただ、いまのところまだ例が出ておりませんが、今後例か出てまいりますれば、そういったふうに処理してまいりたいと思います。
#57
○中村(重)委員 それでは、時間の関係もありますから今度はローンについてお尋ねをしますが、あなたのほうからいただいた資料によりますと、ローンによるところの買い手にとっての利点、売り手にとっての利点、それから普及状況等、いろいろ出していらっしゃるのですが、私は、このローンによるところの保険制度というものは、売り手にとって利点であるということについては、もうそのまますなおに認めます。それから金融機関にとってこの制度は非常に利点である、利益をもたらすものであるというように考えます。ですけれども、ユーザーにとっては、いまあなたがここでお示しになっているように、1から4までございますが、私は必ずしもこういう利点ばかりあるとは考えないんですよ。これはデメリットというものが相当出てくるのではないかというふうに感じますが、この点ひとつお答えを願います。また、メーカー、販売業者は保証することになってまいりますが、保証料を取ることはないか。これに対しての行政指導はどうなさるのか。
#58
○赤澤政府委員 現在行なわれておりますビジネスローンでございますが、あるいはお話のような、何か保証料をとっているケースはないかということで、二十数社について実は調査をいたしました。私ども調べた限りでは、一社、保証料をとっておるという会社があったようでありますが、ほとんど全部のものは保証料というものはとっておりません。これはやはりビジネスローンというものでもって銀行と保証契約をいたしますが、保証料を積み増しますと、結局割賦の代金が高くなってまいりますので、逆にユーザーのほうがそういう高い金利では買えないということから、自然と保証料というものを取らないというのが全体の仕組みであろうと思います。おそらく今後、この保険をかけてまいりますと、ますますそういったことで保証料は取らないということになってまいると思いますが、先生の御議論にもございますように、私どもとしては、もちろん保証料などは絶対取らないような指導をしてまいりたいと思っております。
#59
○中村(重)委員 私は、金融機関が信用調査をやることがないとは言えないと思います。ユーザーに対してですよ。もちろん売り手に対する信用調査は、金融機関ですからやるでしょう。ユーザーに対しても信用調査をやらないという保証はないと私は思う。そのことで、金融機関自体がこの制度を左右するというようなことが起こってくる危険性はないかどうかということ。金融機関の意向を聞いて、ローンによるところの保険制度を活用するかしないか、そういうことに金融機関の発言権がここで出てくるということになってまいりますと、私は適当ではないと思います。そういう危険性があるとはお考えになりませんか。
#60
○赤澤政府委員 この点につきましても、現在行なわれておりますローン取引の実態がどうかということで、この改正をお願いいたします前に、昨年あたりいろいろな形で調査をいたしてみました。私どもが調査をいたしました感じから申しますと、元来ローンによるこういった販売というものは、やはり銀行とメーカーとの間でまず基本的なローン契約が結ばれる。こういった契約が結ばれますと、一定金額の範囲内でありますと、機械メーカーの融資の依頼によりまして、ほとんど自動的に融資が行なわれるというような仕組みになっておると、私どもは調査の結果判断をいたしております。そういったことで、実際問題として、銀行などにも聞き合わせをいたしましたが、銀行としては、一定の金額の範囲内ということでまずメーカーと契約を結ぶわけでございますから、その範囲内についてメーカーが保証いたしておりますので、メーカーの信用力ということを主として考えておりまして、その金額の範囲内でメーカーがどういうふうにやるかは、これはメーカー自身のいわば営業政策、あるいは逆に言えば、不良なところに割賦で機械を売りますれば、メーカーが今度は保証に立っておりますので自分の損になる、こういうことにもなりますので、その辺のところは、どうも私ども調べたところでは、銀行とメーカーの間で取り結びました一定の金額の範囲内ではほとんど自動的に融資が行なわれておる、こういうふうな結果でございました。
#61
○中村(重)委員 現在はこの保険制度の対象になっておりませんから、そうであるわけですね。ところが、保険制度の対象になってまいりますと――これもお尋ねをしようと私考えておったのですが、私はこれが中心になっていくような感じがするわけです。ここに弊害が出てくることを私はおそれているわけです、これが中心になってまいりますと。ローンによるところの保険制度を利用するということは、どちらかといいますとローンは都市銀行にウエートがあるわけです。都市銀行が中心になっている。メーカーも販売業者も、どちらかといいますと、比較的大きいメーカーであり、販売業者であるということになってまいります。そのことは、どうしても小規模企業等には縁遠いもあに、このローンによる保険制度というものはなる可能性があります。同時に、事故が起こってくるということになってまいりますと、あなたは、メーカーが保証しているんだからメーカーは損だとおっしゃるんだけれども、メーカーと金融機関というものは、ある意味においては癒着をいたしております。ですから、相互に信用調査等を依頼したり、いろいろやるわけです。だから、ユーザーの信用というようなものがどうも少し弱いということになってまいりますと、これは取引はやらないほうがよろしいというようなことで、金融機関の発言権というものが、この制度の運用にあたって相当影響力を与えてくるのではないかという感じがしてまいります。だからあなたがおっしゃることは、たてまえとしてはそうですけれども、実際問題としては、私が申し上げておることが起こり得ると私は考える。だから、このような制度をお考えになる場合は、いいことばかりあるということをお考えにならないで、どういうデメリットがあるのかというようなことをやはりお考えになって、このような制度を実施するようにならなければいけないと私は思うのです。いかがでしょうか。
#62
○赤澤政府委員 いまの御指摘の点は、確かに実際の商取引と申しますか、社会の現状としてあるいはそういうこともあるかという気がいたします。
 ただ私ども、こういったローン保険というものを実施いたします場合、やはりそれなりにいろいろなサンプル調査等もいたしております。現在行なわれておりますローンの融資先、特に機械の場合でございますが、これを調べてみたのであります。これはもちろんサンプル調査でございますから、全部がそれでそうだとは申し上げかねますが、いずれにしても、そういったサンプル調査の結果では、ローン販売であってもやはり九七%ぐらいは中小企業に売られておる。私どもの保険の対象になっておりますものの割賦販売の中小比率と、ほぼ同じであるといったようなことも、サンプル調査の結果出てきております。
 そういったことも考えられますし、またこれはメーカーのほうからの聞き取りでございますが、銀行とのビジネスローンの基本契約の中で、いまのようにメーカーがその売り先を選択いたします。その選択について銀行が一件ずつ審査をするというようなことは、全くやっておりません。ただ事実問題として、銀行とメーカーの関係でございますから、そのメーカーの信用力といいますか、経営がかりにだんだん悪くなってまいりますと、あれはどうだ、これはどうだというようなくちばしが、あるいは入ってくるというケースはもちろん考えられると思います。ただ、いまのところはそういったような例はないし、また今後も、おそらくまずメーカーを信用してローン基本契約を銀行が結ぶわけでございますから、その点はメーカー自身の営業成績にも関係いたすことでございますから、まずそういった一件ずつのものについて云々するということは出てこないのじゃなかろうかと思っております。
 それから、都市銀行あるいは地方銀行、どんな感じであるかということでございますが、ビジネスローンの全体の様子からいたしますと、都市銀行が全体の四一%、それから地方銀行が二四%、相互銀行が二九%ということで、必ずしも都市銀行中心という形ではないように思います。ただ、私どもの現在保険の対象になっておりますような機械設備についてのローンの提携状況、こういったことで調べてまいりますと、八割弱が都市銀行でございます。こういったことは、機械設備の場合には一件当たりの金額も大きいわけでございますし、また機械設備を対象といたしましたローン販売といったものがごく初期の段階にもございますので、まずは都市銀行から始めていったということではないかと思っております。
 こういったことを逆に考えてまいりますと、今回の法改正によりましてローン保険ができるということになれば、おそらくは、こういったものを使い得る銀行あるいはメーカーの数がふえてまいりまして、そういったことから、漸次地銀あるいは相互銀行といったところに、機械を対象にいたしましたビジネスローンが普及していくのではないだろうか。しかも先ほど申し上げましたように、現在の機械のローンの制度を利用する購入者の九七%余りが中小企業ということでございますので、こういったことから本法の目的に沿った動きが行なわれるのではないか、このように私ども、あるいは楽観的とおしかりを受けるかもしれませんが、考えておりますし、また今後いままでいろいろ御指摘をいただきました線に沿って、私どもといたしましても鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
#63
○中村(重)委員 金融機関が代金の取り立てをやるということになるのですが、ユーザーから前もってずっと手形を切るわけですか。今度ローンによるところの代金取り立てば、そういうことになるわけですか。
#64
○赤澤政府委員 ローン販売の仕組みでございますが、これは御承知のように、メーカーと銀行の間で一定の金額のワクをまず設定をいたしまして、メーカーが依頼をする融資先に銀行から自動的に融資をしてもらいたいという基本契約を結ぶわけであります。そこで、メーカーが今度ユーザーのほうに機械を売りますと、こういった先に機械を売った、したがってその代金をそのユーザーのほうに銀行から融資をしてくれという融資依頼をいたします。と同時に、もちろんその融資につきましてはメーカーが保証に立つ、こういう仕組みでございます。したがって手形というものは、いまの場合には介入してこないということになるわけでございます。
#65
○中村(重)委員 私はそうは考えないのです。おっしゃるようなことになりますけれども、代金取り立てば金融機関がやるわけです。ですから、ユーザーに十回払いなら十枚の手形を切らせる、そうして毎月落としていく、そういうやり方があるのです。手形が介在してくるのです。
 私が心配しますのは、ローンによります場合は、きわめて限られたものになりましょうけれども、金融機関がすべてタッチしてまいりますから、したがって一般のユーザーの一般金融に影響がないのかどうか。手形割引に影響が出てくるということがないかどうか。割賦販売である場合にはそれはわからないのです。しかし、ローンの場合はそれがわかるわけです。ですから、どうしても一般金融に影響を来たす。手形割引にも影響を及ぼしてくるであろう。しかし、それはその銀行との取引先だけですから、限られてまいります。さらにまた、私がいま指摘いたしましたように、十回払いなら十枚の手形を切りますから、一回これが不渡りになりましても事故になる。そうなってくると、割賦販売の場合は問題が起こらなかったものが、ローンによるためにそういうことが起こってくるということがあるわけです。だから、それらの点は十分ひとつ配慮した運用をしてもらわなければ、ローンという制度はいいのだ――あなたのほうの資料によるような、いいことずくめのことばかりではないのだということです。ですから、せっかくのこういう制度を御採用になるのであるならば、きめこまかい研究をし、行政指導をしていく、そしてこれらの制度を有効に活用していくということでなければならないと私は考えますから、あなたの見解を実は伺っているわけです。だから、御指摘がございますように、手形の問題が介在してこないというようなことはあり得ないと私は思う。起こってくるのです。しかし、かといって、手形を切らしてはいけないのだ、そういうことをさせないのだという行政指導はできないと思います。だから、へたをやりますと、運用よろしきを得なければ、事故が起こらなかったものが事故が起こり得ることにおいて、むしろこの割賦販売の保険制度というものを殺すということになりかねないということですから、老婆心までに申し上げているわけです。
 それから、あなたは、ビジネスローンというものは、都市銀行、それから相互銀行二九%、地方銀行二四%、こうおっしゃったわけですが、だから必ずしも都市銀行ではない。地方銀行、その名のとおり、すべて一般の、地方の、全国至るところのユーザーがこれを利用しているか、していないかということ。それから、中小企業とはいうけれども、どの程度の規模の中小企業が利用しているのかということについては、あなたも私の質問に対してお答えができなかったわけです。中小企業という名前はあるけれども、実際は私どもが言っている、私どもの概念の中に中小企業――中小企業というのは、どうしても力の弱い企業をいうわけですから、力の弱い企業というものは、いまおっしゃった地方銀行とか相互銀行の対象になっていないかもしれません。ところが、ローンになってまいりますと、どうしても金融機関はこれが便利だ。全体的にいうと、割賦販売よりもローンのほうが事故が少なくなる。事故が少なくなるけれども、それは対象となる企業がどうしても大きいから、中小企業が大きいから事故が少ないのだということになってまいります。ところが、十億七千万円というものは、このローンの制度を採用いたしましたが、別に資本を新たにふやしているわけではないわけです。ですから、こういう制度を活用されるならば、この資本金というものを大幅にふやしていく、そうして割賦販売制度の圧力にならないようにこの制度もどんどん伸ばしていくのだという考え方が出てこなければ、私は、せっかくのこの制度というものを、無条件にいいことだという形でいただきかねる。ですから、私がいま指摘いたしましたような点に対してのあなたの基本的な考え方、そしてこれから先の具体的な運用の点についてどうするかというようなことを伺って、そこで納得いきますれば私の質問を終わります。
#66
○赤澤政府委員 先生の御意見十分拝聴いたしました。ローンの実態につきましては、この制度を始めます前に、私どもとしては可能な限り調査もいたしまして踏み切ったわけでございますが、いま御指摘のような点もございますので、この制度が始まりますまでになお時間もございますから、一そうこの点につきましても、調査もし検討も加えてまいりたいと思います。
 それから今後、ローンの保険が成立いたしまして、ローン保険が始まりますとどうなるだろうかということでございますが、これは私ども割賦保険のいまの付保金額が二百億と考えておりますが、おそらく初年度は五十億くらいがこのローン保険になるのではないか、こういうふうに思っております。初年度でございますので、予算的に申しますと、まず初年度から事故が起こるということもございませんが、あるいはそういうことも考えられるのではないかと思いまして、予算上はごくわずかでございますが、事故が起きても支払い得るような予算計画を立てております。
 ただ、来年度以降、こういったものが漸次普及してまいりますれば、この五十億の金額もふえてまいると思います。こういったものが漸次地方にも普及し、またメーカーの間でもふえていくというようなことになってまいりますれば、もちろんいまお話のいろいろな点を私ども十分念頭に置きまして、特に小規模の事業者がこれによってどういうふうな恩恵を受け、またその面が特にどういうふうに今後活用されていくか、こういう点は十分重点を置きまして、今後調査もし、検討もし、そしてなお、この制度が効率的に運用されますように、あらゆる努力を払ってまいる所存でございます。
#67
○中村(重)委員 最後に、中小企業庁長官、あなたは中小企業の最高責任者だから、私が指摘いたしましたようなこと、行なわれました質疑応答に対して、長官という立場からこれをどう対処していこうとお考えになるのか。
#68
○吉光政府委員 中小企業、特に小規模零細層等を含めまして設備の近代化が非常に急がれておる時期でございます。そのために、いろいろの種類の近代化のための応援措置と申しましょうか、援助措置と申しましょうか、準備されておるわけでございます。この賦払い保険の関係におきましても、これもその中の一つの体系でございます。したがいまして、この賦払い保険が円滑に運営されまして中小企業者の設備の近代化に役立っていただくことを、われわれは念願いたしておるわけでございます。したがいまして、御指摘いただきました種々の観点から、私どもといたしましても、この保険担当部局でございます重工業局に十分緊密な連絡をとりながら、将来の運営に当たってまいりたいと考えます。
#69
○鴨田委員長代理 岡本富夫君。
#70
○岡本委員 私は、主として賦払信用保険法について若干質問したいと思います。
 現行保険制度が中小企業の設備近代化にどういう貢献をしておるか、これについてお聞かせ願いたいのです。
#71
○赤澤政府委員 この法律が施行されまして約十年近くになるわけでございますが、その間、毎年毎年こういった制度によりまして、契約金額、また契約件数もふえてまいっております。現在この制度の利用といたしまして、四十四年度あたりで申しますと、一万三千件余りのものがこの制度の利用でございます。そのうちの九七%に相当するものが中小企業に利用されておると申しますか、中小企業のユーザーが恩恵を受けておるということになっております。こういった金額も毎年毎年ふえてまいっておりますので、私どもといたしましては、さらにこういった傾向を十分踏まえまして、今後、中小企業向けにこういった制度がなお一そう促進されますように、あらゆる努力をしてまいりたいと考えております。
#72
○岡本委員 これは、中小企業の近代化と機械工業の振興、こうなっておりますから、この機械工業の振興のほうにはどう貢献をしておりますか。
#73
○赤澤政府委員 機械工業の振興の面で申しますと、ただいま指定をいたしております二十五機種、いずれも機械工業の分野におきましては、いわゆる近代化のための重要な機械であると私どもは判断をいたしております。こういった機械が、保険制度の実施によりまして、割賦販売という形で売り出していく。したがって、販売の拡大、販売の拡大に伴いますところの量産化、こういったことから、機械工業自身にとりましても、コストの引き下げその他が可能になるわけでございまして、こういった制度によって、先ほども御説明いたしましたように、逐年契約件数がふえてきておりますし、また、いわゆる保険契約者でありますメーカーの数も逐年これがふえてきております。こういった実情からいたしましても、機械工業者にとって本制度が有効に活用され、またこの制度の活用によりまして、機械工業の重要な部面が振興されておると、私どもはさように判断をいたしております。
#74
○岡本委員 現行の割賦保険の利用状況、それから割賦保険の機種別利用、これをちょっとお聞きしたいのですが。
#75
○赤澤政府委員 当保険契約の利用状況でございますが、先ほどもちょっと触れましたように、この包括保険を契約いたしております企業数は、発足当時の三十六年度におきましては百二十二企業でございましたものが、その後逐年増加をいたしまして、昭和四十一年度には二百五十八、約倍増いたしております。さらに本年四十四年度におきましては三百七十八企業ということで、大体発足当時の三倍といった企業数になってきております。また契約件数の面におきましても、発足当時は百二十九件でございましたものが、四十一年度には二百八十一件、約倍増いたしておりますが、その後四十二、三、四と非常にふえてまいりまして、四十四年度の包括保険契約件数は八百五十九件ということで、発足当時の約七倍程度になっておるわけでございます。
 こういったふうに、この利用が非常に進んでおりますが、第二点として御質問のございました、機種別は一体どういうふうな利用状況であるか、こういうことでございます。
 金属工作機械以下二十五機種ございますが、全体の生産額と加入者の販売額、これをとってみますと、二十五機種の全体の生産額に対しまして、包括保険に加入をいたしておりますものの販売額の比率は二七・六%、約三割のものがこの全体の生産額の中でこの制度を利用しておるということが言えるかと思います。特にその中でも、金属工作機械の加入率は五九%、六割という非常に高い数字でございますし、また鋳造装置もやはり五九%でございます。それ以外に一、二拾って申しますと、たとえばプラスチックの製品製造機械あたりは四一%、また鉱山機械が三七%、製本機械が三五%といったように、相当程度この制度を利用いたしまして、そして割賦販売が行なわれておるという状況であろうかと思います。
#76
○岡本委員 現行割賦保険におけるところの保険事故の発生状況をお聞かせ願いたいのです。これはあなたのほうの資料をいただいたのを見ますと、三十八年、三十九年、四十年、それから四十三年までの間に相当な事故が起きておりますけれども、これについて状況を知らせてもらいたいと思います。
#77
○赤澤政府委員 保険事故によりますところの支払いの件数でございますが、これは御承知のように、景気の好不況によって非常な変動があることは申すまでもございません。そういったことで、いままで保険金を支払いました件数を年度別で申し上げてみますと、三十七年度が百二十三件でございましたものが、三十八年度五百十六件。三十九年度が六百三十三件。四十年度が、一番不況のどん底でございました関係もございまして七百九十四件、これがピークでございます。その後漸次これが下がってまいりまして、本年度はまだ統計が出ておりませんが、四十三年度におきましては百六十七件、大体三十七年度くらいの感じに下がってきております。また、保険金の支払い額の面で見てまいりますと、一番多く支払いましたのがやはり四十一年度でございまして、六億七千九百万円の保険金支払いをしております。
#78
○岡本委員 現行の割賦保険の収支状況はどういうようになっておりますか。
#79
○赤澤政府委員 この点も、さきの御質問で御指摘いただきました、保険金の支払い額と密接に関係があるわけでございます。現在までの収支状況をかいつまんで申しますと、やはり景気の悪かった昭和三十八年度から四十一年度まで、それぞれ赤字を記録しております。最高の赤字を記録いたしましたのがやはり四十年度でございまして、一億七千九百万円の赤字ということになっております。累積の収支で申しますと、四十三年度末までに一億一千二百万円の累積赤字を持っておったのでございますが、四十四年度、本年度におきましては、事業収支の面が好転をしておりまして、大体本年度は数百万円の黒字ということに累積収支の面ではなろうかと考えております。
#80
○岡本委員 こうした割賦保険を国でやる理由についてお聞かせ願いたいのです。一般の保険会社でやってもいいのではないか、こういうふうに思われるわけですが。
#81
○赤澤政府委員 民間にもややこれに似た保険があることは御承知のとおりでございます。ただ、機械類の割賦販売ということになってまいりますと、やはり一件当たりの金額が相当かさんでまいります。こういったことが一つの点。第二点といたしましては、やはり先ほど来申し上げておりますように、好不況によりまして非常に大きく差が出てまいりますが、特に保険という制度でございますと、あまり高い保険料率というものは、これを定めますと、利用者が非常に減ってまいります。そういったことから、利用を広範にするということと利用条件というものが相関関係にあるわけでございまして、そういった面からいたしますと、民間では、不況の場合に一時に大きな赤字が出る、こういうことでありますと、なかなかその赤字にたえきれないという面が出てくるわけでございます。こういった面から、やはり政府がこういった保険制度を行いまして、不況の場合における保険事故にもたえていく、国がそのしりを見ていく、こういうことが必要になってくるわけでございます。こういった面からこの制度が政府の保険といたしまして有効に活用されておるものと考えております。
#82
○岡本委員 それは考え方ですけれども、再保険とかいうことをしておきましたら、火災保険でもやっておるわけでありますから、民間でやっても決してさしつかえないのではないか。なぜ国でこれをやらなければならないか、もう一つ納得いかないのですが、いかがですか。
#83
○赤澤政府委員 先ほども申し上げましたように、民間では現在十数社の保険会社がこれと似たようなことを行なっております。ただ実際問題といたしましては、保険会社としては、これは私ども聞いておりますところでは、あまり採算のいい保険ではない。保険会社から見ますと、まあお得意さまに対するサービスという意味は感じておるようでございますが、積極的にこれを伸ばしていって保険会社としての営業成績をあげるには少しも役立たない、こういった意見を保険会社のほうは述べております。こういった面からいたしましても、いわゆるサービス的な保険として実施はいたしておりますが、保険会社自身も、これを積極的に伸ばす意図は持っておりません。特にそういった面からいたしましても、私どもがねらっておりますような中小企業、また先刻来御指摘がございましたような小規模企業者というものを中心に考えていくということになれば、ますますそういった面が出ておりますので、私どもとしては、こういった制度をつくりまして、中小企業の設備の近代化に資していくという一つの目的的な保険をつくるということは、十分意味のあることではないかと考えております。
#84
○岡本委員 現在の資本金はどのくらいか。またそれで十分なのか。また現行割賦保険の収支の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。
#85
○赤澤政府委員 現在の資本金は十億七千万円でございます。それで、発足当初はこれは二億円でございましたが、逐年保険の業務の拡大に応じまして、また特に、先ほど来御指摘がございましたような、三十九年、四十年、四十一年あたりの不況に対処するというようなこともありまして、逐年これが二億円から増資をいたしまして、現在の十億七千万円になっておるのでございます。
 先ほども御質問にお答え申し上げましたように、四十四年度におきまして、ほぼとんとんと申しますか、黒字になってきております。こういったことから考えてみまして、まずいまのところ、本年度四十四年度はもちろんでございまするが、四十五年度におきましては、日本経済が不況になるという感じも持っておりませんので、したがって、当面この金額をふやさなければならないというふうには考えておりません。ただ将来、こういった保険制度でございまするので、過去十年の実績をとりましても、そのうち四年間は赤字でございますが、こういったようなことが景気変動とともにないとは申せませんが、まずまずいまのところ――四十四年度と申しましても、もう何日もございませんが、四十五年度は、少なくともこういった事故の続発によって赤字になることはないのじゃないか、こう考えておりますので、当面これの増額は考えておりません。
#86
○岡本委員 長期的にこの黒字がずっと続いた場合は、保険料の引き下げをする考えはございますか。
#87
○赤澤政府委員 保険制度でございますので、ある程度長期にそういった収支バランスを見ていく必要があるわけでございます。そういった観点から、いま御質問のように、ある程度の期間黒字が続く、そして先々もある程度これが定着化をしていくのじゃないかというような見込みが立ちますれば、私たちも積極的に、保険料の引き上げあるいはてん補率の引き上げ等につきまして、検討してまいりたいと考えております。
#88
○岡本委員 昭和四十五年度の予算措置、それから現在の定員及び事務の処理体制についてお答え願いたいと思います。
#89
○赤澤政府委員 四十五年度の予算措置でございまするが、まず保険契約の限度額は五百億円、うちローンの保険分を五十億円と定めております。
 それから第二点といたしまして、保険の支出額、いわゆる事故の支払い額でございますが、これにつきましては、全体が三億六千万円のうち、ローン保険分を六百五万円と算定をいたしております。それから事務の取り扱い経費でございますが、これは五千二百七十四万四千円でございます。全体の定員は三十名でございますが、昨年、電算機を導入をいたしまして、保険契約の事務の簡素化と迅速化をはかっております。
#90
○岡本委員 きのうちょっと聞きましたら、四国あるいは中国、広島のほうでしたか、あれもこっちの通産省のほうでやるんだ。これは向こうから見ますと非常に便利が悪い。だから大阪の通産局の窓口でやればいいんじゃないか、こういうような意見もありましたけれども、この点いかがですか。
#91
○赤澤政府委員 従来この地域は、保険契約件数なりあるいは対象企業が少のうございましたので、いまお話しのようなふうになっておるわけでございますが、今後経済の伸展につれまして、四国あるいは中国方面にもそういった希望が出てまいると思います。そういう実情に応じまして、四国の通産局、中国の通産局にも、これを受け付けます窓口事務を、できるだけ早い機会に通産局とも連絡、相談をいたしまして、設置するようにしてまいりたいと考えます。
#92
○岡本委員 こうした保険がありましても、非常にPRが不足ではないか。機種がふえてない。先ほど局長は何か件数がふえているという話ですが、金額にするとだいぶふえてない。これはこの前、私どもの松尾議員が指摘したところでありますけれども、もっとPRをしていく必要があると思うのですが、いま考えておるところのPRの方法、これをお聞かせ願いたいと思うのです。
#93
○赤澤政府委員 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、私どもとしても、できるだけこの保険制度が十分活用されることが望ましいことは申すまでもないことでございます。そういった観点から、実は簡単なパンフレット等もつくりまして、過去一、二年の間に、機械関係メーカー約二千社あたりにこの宣伝パンフレットも送り、それから、当該関係の業界の集まりの席に、私どもの課長ほか係官が参りまして説明会もやっております。こういったことから、漸次この保険というものが認識をされてきたのだと思いますが、なお今後、中小企業庁とも十分連絡をとりまして、中小企業の集まりの際、あるいは当該関係業界団体等の席上におきまして、私どもなお一そう、これを普及いたしますように努力をいたしてまいりたいと思います。
#94
○岡本委員 これは中小企業庁の長官にお答え願いたいと思うのですが、中小企業のメーカーのほうにはPRしましても、今度はその機械を利用するところの小企業ですか、零細企業ではそういう便法があるということがわからないわけです。したがって中小企業庁のほうで、こうした便法があるんだ、だから、もしもあなたのほうで新しく機械を入れて合理化しようとする、近代化しようとするときには、こういうようにメーカーにも言ったらどうですか、こういうようなPRの方法をひとつやっていただきたいと思うのですが、その点どうでしようか。
#95
○吉光政府委員 お話のとおりでございまして、私どものほうもいろいろのPR機関を持っております。ラジオでありますとか、テレビでありますとか、あるいはまた、地方のそれぞれの経営指導、技術指導の団体等、いろいろの指導機関があるわけでございます。したがいまして、中小企業庁プロパーでやっておりますような諸施策に加えまして、この割賦販売制度による機械の近代化制度につきましても、一そうの普及徹底をはかってまいるようにいたしたいと存じます。
#96
○岡本委員 いままで大体現行制度の運用状況をお聞きしたわけですが、今度は制度の内容について。
 本法におけるところの中小企業の定義というものは、どういうものを定義としておるわけですか。
#97
○赤澤政府委員 特別にこの法律の中で、中小企業とは何かという定義的な条文は置いておりません。したがいまして、私どもとしては、中小企業基本法にいわれる中小企業というものが頭にあるわけでありますが、ただ、包括保険といったような実際の制度の運用上から申しますと、中小企業基本法にいわれる中小企業とほぼ同じということではございますが、厳密な意味で中小企業基本法の中小企業者のみに限るというようなことはいたしておりません。ただ考え方としては、中小企業基本法にいわれる中小企業というものがその大部分であり、また実際問題としてもそれが全体の九七、八%に及んで利用されているという実績でございます。
#98
○岡本委員 大企業はこれは必要ないわけですから、中小企業だけでよいのじゃないか、私どもこういう感じがするわけです。それが一点。
 それから、包括保険制度にしたその理由は、どういうわけでそうしたのか。契約した分だけがこの保険にかかる、あるいはまた保険料をかけないところの機械を売ってもよい、こういうようになぜならないのか。これをひとつお聞きしたいのです。
#99
○赤澤政府委員 先ほど中小企業の定義のところでお答え申し上げましたように、全体のユーザーの中では、九七%ないし八%がいわゆる中小企業基本法にいわれる中小企業者でございます。ただ、残りの三%ぐらいはそれじゃ大企業か、こう申しますと、必ずしも私ども通例言っておる大企業ではないわけでございまして、従業員数で申しますと千人未満の、いわば中堅企業といったものがその大部分でございます。割賦販売でございますので、大きなメーカーは、割賦で機械を買うよりも、資金繰りの余裕があれば当然現金買いのほうが安いわけでございますから、当然銀行等の融資を受けて、そして現金で買うということになりますので、勢いいわゆる通念上の大企業というものは、あまりこの制度にひっかかってこないわけでございます。またそういったことからも、私どもは運用上、中小企業にあらゆる面から重点を置いてまいりたいと考えておるわけでございます。
 第二点の御質問でございますが、包括保険制度としたのはどういうわけか、こういうことでございます。これは大きく分けますと二点くらい理由があろうかと思います。
 その第一点は、個別の保険制度でございますと、年間に一万数千件の個別割賦販売につきまして、個々に、これを付保する必要があるかないか、あるいは契約の可能性、こういったことにつきまして、審査をしたり調べてまいらなければなりません。そういたしますと、保険者である国、あるいは保険契約者であるメーカー双方にとりまして、非常に煩雑な制度になってまいるわけであります。私ども、先ほど申し上げましたように、約三十名の人員でこの制度を運用いたしておりますが、もし個別保険ということになりますと、相当膨大な人員を擁しませんと、とても一万数千件の保険契約の審査をすることができなくなるわけであります。
 それからもう一つ考えられますことは、こういった制度をいたしますと、保険契約者が保険リスクの高いものだけをこちらに持ち込んでまいりまして、リスクの低いものは保険にかけない、こういったことになりますと、この制度自身が非常に乱用されると申すと語弊があるかもしれませんが、そういう結果になりまして、したがってまた、保険という基本的な考え方からいたしまして、保険料も大幅に上げていかなければならない、こういった結果を招来することになるわけであります。
 まあ二点ばかり申し上げましたが、そういったような点から、包括保険制度というものは実際の運用上便利でもあり、また制度の運用上も適当であろうか、こういうことから包括保険制度の実施をいたしておるわけであります。
#100
○岡本委員 それでは、この保険契約ができるものは、だれでもできるのか、どういう資格が限定されておるのか。それからもう一つ、先ほど二十五機種について現在きめておるのだというお話ですが、これをさらに追加する必要があると思うのですけれども、どういうものを考えておるのか、これをお聞きしたいのです。
#101
○赤澤政府委員 保険契約者になり得るものの資格でございますが、まずメーカーの面で申しますと、対象機械の製造業者はすべて保険契約の相手方となり得るわけでございます。販売業者につきましては一種の制限を加えておるわけでございますが、これは法律及び政令におきまして次の四つのものが対象となっております。第一は製造業者の総代理店、これは法律の第三条にございます。これが第一のグループ。第二は製造業者の地域総代理店。第三は製造業者の機種別の総代理店でございます。第四のグループは中小企業の貸与機関、これは府県の公社等でございます。こういったように、販売業者についてある程度の資格を限定いたしておりますが、その理由といたしましては、いわば逆選択と申しますか、そういったことから、保険収支を悪化させ、そして保険料率を引き上げざるを得ないというような事態に追い込まれることを防ぐというのが、その趣旨でございます。
#102
○岡本委員 もう一つ、どんな機種がこれから予想されるか。それから、それについて、この施行令の第一条の四に、「プラスチック製品製造機械」、こういうことがありますけれども、これはどういうものなのか。これに対して自動乾燥機、こういうものも含まれておるのか、これをちょっとお聞きしたいのです。
#103
○赤澤政府委員 対象機械を今後ふやす考えはないかということでございますが、私どもといたしましては、先ほど他の委員のほうからの御質問にもお答えいたしておりますように、三つの基準を持ってできるだけこの機種をふやすようにしていきたいと思っております。特にこれを制限をしたいという考えは持っておりません。
 今後の問題でございますが、現状におきましては、割賦販売あるいはローン販売が行なわれております設備機械のほとんどを網羅していると思いますが、なお今後経済の変化に応じて追加を考えていきたいと考えております。
 では、どういったものがいま検討の対象になっておるかということでございますが、最近、割賦販売が非常に増加をしておると見られますところのトラッククレーン、それから生産設備ではございませんが、中小企業の事務管理の近代化に資しておられますような小型の電子計算機、さらには公害防止機器、こういったものにつきまして、漸次割賦販売の趨勢等ともにらみ合わせながら、これは追加の検討をしていきたい、こう考えております。
 それからいまのプラスチック製造機械でございますが、この点につきましては担当課長から御説明いたさせます。
#104
○海老原説明員 お答えいたします。
 現在対象機種になっておりますプラスチック製造機械でございますが、この内容をやや詳しく申し上げますと、圧縮成型機、射出成型機、押し出し成型機、中空成型機、要するにプラスチック製品を製造するための成型機械、これが内容でございます。御質問のございました乾燥機につきましては、現在対象になっておりませんが、これは割賦販売がどの程度行なわれているか至急調査いたしまして、必要がございましたらなるべく早い機会に対象に加えたい、こういうふうに考えます。
#105
○岡本委員 すでに割賦販売が行なわれておるものに対しての保険をつける考え、それではなかなかこの業務が進まないと思うのです。ですから範囲を広くして――審査はするのですから、もう少し範囲を広げるために積極的にやらなければならぬのじゃないか。なぜかといいますと、先ほどお聞きしましたように、現在四十五年度は五百億円の予算をとっているわけです。いまのままいきますと、とても五百億は消化できないのじゃないか、こういうふうに思うわけでありますので、特に申し上げたわけです。
 時間があれですから次に参りますけれども、割賦期間の最長限について限定しているのはどういうわけか。これは中小企業では長いほど購入しやすい。またあるメーカーでは、これを三十六回というような非常にわかりにくい数よりも、四十回にしてもらったほうがいいのじゃないか、こういうふうな意見も出ておるわけですが、これについてお聞かせ願いたい。
#106
○赤澤政府委員 割賦期間の問題につきましては、いろいろな点から検討していかなければならぬと思っております。あまりこれを長くいたしますと、製造業者にとりましてはこれが過当競争の原因となるわけでございまして、したがって割賦販売の健全な発展を妨げることにもなるのではないか、こういう点が一つございます。
 それからもう一つは、やはり業界の実情と申しますか、三十六カ月と申しますと三年でございますから、それ以上あまり長くすることがはたして適当かどうか。これをあまり長くいたしまして、競争的に一番最長のところまで各メーカーが割賦期間を伸ばしていくということになりますと、今度は逆に中小の機械メーカーはなかなか割賦販売に追いついていけない。したがって割賦という面から申しますと脱落していく、こういうことにもなりかねないわけでございます。そういったことから、一方では業界の実情を調べながら――あまり割賦期間の面で過当競争をもたらし、したがって中小の機械メーカー等がたえ切れないようになるということは、一つ問題があろうかと思うわけでございます。
 いま、ある面から、これは四十カ月くらいに延ばしたらどうかという御意見があるようなお話がございましたが、実際の機械の販売状況あるいはその業界の実情といったものをひとつ十分検討さしていただきまして、四十カ月に延長した場合におきましても、いま私が申し上げましたような点から見まして、はたして適当であるかどうか、こういった点を十分検討させていただきたいと思います。
#107
○岡本委員 検討してもらいたいと思います。なぜかといいますと、中小機械メーカー、これは印刷機械屋さんですけれども、資本金五千万ですか、こんな小さな会社が、四十回にしてもらったらいまの倍は売れるのだ、こういうようなことも言っているわけですから、そのメーカーにも合わす。今度は、中小企業の特に零細企業の設備の近代化のためには長いほうが利用しやすいわけです。ですから、このあたりで少し考えなければならぬ時代になったんじゃないかと私は思うのです。最初これが施行されたときは、非常にかたいといいますか、それは国民の税金ですからあまり放漫にするわけにはいきませんけれども、保険事業ですから非常にかたくできておる。先ほどだれか言っていましたけれども、このあたりで少しは社会保障的な要素も加味しなければならぬのじゃないか。これについて政務次官にひとつ今後の決意をお伺いしたいと思います。
#108
○小宮山政府委員 いま岡本先生のおっしゃったことも十分勘案して、今後とも大いに検討させていただきたいと思っております。
#109
○岡本委員 次に、輸入機械は割賦保険の対象になるか。それから、外資系の企業はこれからどんどん資本の自由化で合併企業ができてくると思うのですが、これは割賦保険の対象になるかどうか、これもお聞きしておきたいと思います。
#110
○赤澤政府委員 輸入機械につきましては、この保険制度が法律の上でわが国の機械工業の振興をはかるということになっておりますので、したがいまして輸入機械の販売はこの目的に合致をいたしませんので、当然保険の対象からはずしております。
 また、外資系企業ということでございますが、外資系企業と申しましても、いずれも日本法人でございます。したがいまして、機械保険の保険契約者あるいは被保険者の資格を持っております。ただ実情から申しますと、現在まで外資系企業による本保険の利用者、こういったものは非常に少ないのでございまして、大きなものが数社あるという状況でございまして、ほとんどのものが外資系企業としては入っておりません。
#111
○岡本委員 そうありませんと言いますけれども、私は今後資本の自由化でどんどんできてくると思うのですよ。中小企業として、あるいは零細企業として、その機械を買うと非常に能率があがって商売ができる。あれを買いたい、こういうようなものに対しては今後やっていく考えはあるのかどうか、これを聞きたいのです。
#112
○赤澤政府委員 外資系企業でありましても、本法の運用上特別に制限を設ける考えはございません。
#113
○岡本委員 次に、先ほどの割賦期間の問題について関連してお聞きしたいのですが、中小メーカーは割賦で物を売るときにはそれだけの手形をとるわけです。こまかく割りまして、ちょうど自動車の販売みたいになりますから、その手形を全部消化をして換金することができない。そのために企業がこの保険を利用することが少なくなってくる。要するにそれだけ品物ができないわけですから、したがってそうした手形を――それには保険がついているわけですから、相当長期なものでも銀行で割れるような特典を与えたらどうか。これについて、これは大蔵省銀行局の結城さん来ていますね。
#114
○赤澤政府委員 大蔵当局からあとから続いて答弁があると思いますが、先に一言。
 割賦販売の場合には大体二年ないし三年、こういうことでございますので、その間、機械メーカーがこういったものについての資金負担をしなければならぬわけでございまして、その負担は相当大きなものになっておると思います。一方、割賦手形といった面から申しますと、振り出し人であるユーザーは、こういった場合大体中小企業が大部分でございますので、信用力の面、また貸し出し期間も、いま申しましたように、二年ないし三年ということで相当長期でございますので、金融機関ではなかなか手形割引の対象ということにはなっておりません。一部手形担保といったようなことで資金化されている面もあるように聞いておりますが、実際問題としてはなかなかこれが割引の対象になっていない、こういうのが実情であろうかと思います。でございますので、いまお話しの点は、この保険云々よりもそれ以前の問題として、一体割賦金融というものをどう考えていくのか、こういった点が中心の御質問かと思います。
 この問題は、割賦制度、この保険制度が始まりましたときから現在まで、いろいろな形で実は懸案になっておりまして、まことにむずかしい問題でございます。現在まで、いろいろな面からの意見等も、あるいは要望等もいただいておりますが、こういった対策につきましては、十分できておるとは残念ながら私も申し上げ切れないのが実情であろうかと思います。しかし、この割賦金融問題につきましては、やはり今後こういった制度を拡充していく、この保険自身も活用されていくためには、非常に重要なポイントの問題であろうかと思いますので、今後とも、財政当局あるいは金融当局とも十分相談しながら、何かいい方法があればその面について積極的に方策を進めていくということで努力をしてまいりたいと考ております。
#115
○結城説明員 ただいま重工業局長から申し上げましたように、銀行では、割賦手形の割引については、ただいまのように期間、信用力等の観点から、現実問題として割り引いていない。メーカー振り出しの単名手形が割り引かれているというような状況のように承っております。
 割賦金融制度全般の問題については、ただいま重工業局長からお話がございましたように、双方でよく検討してまいりたいというふうに考えております。
#116
○岡本委員 ではこの問題は、ひとつ銀行局で銀行に指導する上において、よく検討して指導していただきたい。これは万一の事故があった場合は保険金が入るわけです。全部が全部ではありませんけれども、保険金が入る。これは国が保証しているわけです。したがって、そこまではかたい。あとは、やはりこの保険を伸ばす意味においても、中小企業を育成する、近代化を促進する意味においても、また機械メーカーを擁護する上においても、要するに経済の発展の大きなもとになるわけですから、ひとつ銀行に特に指導していただきたい、もう一度検討していただきたい、こういうように私は要求しておきます。
 最後に、中古機械について、通産大臣の承認があれば、こういう話でありましたが、いままでは一ぺんもない。私は、先ほども中村委員から話があったですが、要するに転売される機械、これについては、もう十分いままでの調査ができておるわけですから、もう一度ほかに転売するときには保険をつけてもらいたいのではないか、こういうように思うわけですが、その見解についてお聞きしたいのです。
#117
○赤澤政府委員 中古機械につきましては、通達によりまして、まあ言ってみれば、その中古機械の購入が中小企業にとって設備の近代化に役立つというものであれば、私どもはどんどん承認をしてまいりたいと思っております。特に転売の場合の中古機械でございますが、これは機械により、その態様、使用の状態によりまして、いろいろと差別があろうかと思います。しかし、先ほどもちょっと議論が出ておりましたように、わずかな期間使用されてすぐ転売されるというようなものであれば、これは中古機械と申しましても、十分新しい機械同様な性能を持っておるものと思われまするので、こういったものが出てまいりますれば、もちろん私どもといたしましては承認をいたしまして、転売関係についてこの保険の対象になり得るというふうにしてまいりたいと思います。
#118
○岡本委員 最後に、中小企業庁長官、先ほども決意を伺ったわけですが、本法の対象機種について、この機種をふやすために、この拡大の方向に常時検討することというような意見も先ほどありましたが、やはり中小企業庁長官のほうで一番よくこの点はおわかりになっておると思うのでありますので、絶えずこの対象機種をふやしていくように力を入れていただきたい。この決意を伺って終わります。
#119
○吉光政府委員 この機械類の割賦販売制度も、中小企業の設備の近代化にきわめて重要な意味を持っておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、よく中小企業者の意見を拝聴いたしまして、その声が十分にこの制度の中に反映されるよう、担当の重工業局とも緊密な連携を保ってまいりたいと存じます。
#120
○岡本委員 終わります。
    〔鴨田委員長代理退席、委員長着席〕
#121
○八田委員長 多田時子君。
#122
○多田委員 私は、主としてローン販売関係についてお尋ねしてみたいと思います。
 最初に、「中小企業施策のあらまし」という、中小企業のとらの巻ともいうべき一冊がございまして、その冒頭に、中小企業庁の吉光長官の一文が載せられております。ここに、「中小企業の振興を図ることは、わが国経済の発展にとって極めて重要であり、中小企業の健全な発展なくして日本経済の均衡ある発展を期することができないことは申すまでもありません。このため政府は中小企業対策を最重点項目の一つとして取り上げ、高度化事業融資の画期的拡充、構造改善対策の推進強化、小規模対策の充実、技術対策の拡充強化等を中心に施策を展開することにしております。」この一文はほんとうに私も同感でございます。この一つ一つが、ほんとうにこの目的に立った一つの政策なり事業なりが、そのままいわゆる中企業、小企業等の個々の企業に対して、なるほどこの目的に向かった一つの仕事が自分の企業にもそっくりそのままあてはまって、政府の一つの政策がまことに感謝にたえないというような一つの実現の姿といいますか、そうしたことが一日も早く実施されなければならないというふうに痛感いたします。そういう意味から、今度のこの一つの法案もその趣旨にのっとって考えられた点だと思われますが、このローン販売を保険の対象に加えるというこの政策によって、中小企業にとって一体どんな効果が得られるのだろうか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
#123
○赤澤政府委員 ローンによる販売方式でございますが、購入者の面からいたしますと、いわゆる割賦で機械を買うことができる。また、製造業者の側からいたしましても、いわゆる割賦に要しますところの資金負担というものを、銀行がいわば肩がわりをしてくれる。こういった面で、双方とも、こういった割賦による機械の販売あるいは購入ということが、容易になってくるのではないかと思います。結局ローンという制度をとってまいりますと、一つには買うほうの中小企業者の面から申しますと、従来取引のなかった銀行から、メーカーの保証によって金を借りられるというようなことにもなりますので、案外、この制度面は別といたしましても、実態面で思わぬ取引銀行との関係ができる、こういったことが今後の中小企業者にも利便を与えていくのではないだろうか、こういう気がいたします。現在のローンといったものは大体耐久消費財を中心に行なわれておりますが、ただ、これから機械設備という相当金額のはるものにまでこれを拡げていこうといたしますると、やはりローン契約を銀行と結びますメーカーの信用力等が問題になってまいりますので、こういった保険制度を実施することによりまして、言ってみれば、どちらかといえば大メーカーでないほうの機械メーカーが、このビジネスローンを使うようになる。結果としては、その販売先である中小企業者が購入しやすくなるということになってくるのではないかと考えております。
#124
○多田委員 いまの信用の問題ですが、いわゆるユーザーにしても、メーカーにしても、ともに銀行との取引がつかみやすいという利点があるということでございますけれども、これが現実になりますとなかなかむずかしくて、特にユーザーの場合などは、先日もある小企業の人にお会いしましたけれども、その方はいわゆる割賦販売利用者でございます。それで十五年間の実績があって借りられたということで、この割賦販売の仲間に加えてもらったということでございますけれども、その人が言うことには、信用が大事だ、こう申します。それはもちろんそうなんですが、そこに十五年の実績というものがあって初めて言えることばであって、その信用度に、自分に自信のない場合は、これはメーカーとも、また銀行とも、取引をしようという積極的な姿勢にどうしても欠けてしまう、こうした姿をよく見かけるわけでございます。もちろん、すぐこれは危険だとよくわかるような相手との取引は、これはどうかと思いますのは、当然ですけれども、その信用度をもって銀行と取引ができるというその段階になるのはなかなかたいへんではないか、こんなふうに考えるわけでございます。そういう意味から、メーカーにしましても、販売網の拡大という利点ははたしてどうだろうか。慎重な審査の結果ということになりますと、むしろ販売網が逆にきびしくなっていくのではないかというふうに考えられる面もありますが、その辺はいかがでございましょう。
#125
○赤澤政府委員 ローン販売の制度は、先生御承知のように、機械メーカーが銀行と一定の融資ワクを設定いたしまして、そうして、自分が機械を売りました相手先に対しまして、銀行に融資を依頼いたしますと同時に、その融資につきましては、その機械メーカーが債務保証に立ちます、こういうことになっておるわけであります。そこで、そういうことになりますと、要するに銀行が自動的と申しますか、半分自動的にそのメーカーの売り先である中小企業業者、ユーザーに当該機械を買うに必要な資金を融資をする、こういう仕組みがローンという仕組みであろうかと思います。そういった面からいたしますと、メーカーがやはり自己の営業責任におきましてユーザーを選択するということになってまいるわけでございます。そういった面から、ユーザー自身につきましては、銀行のほうでこれは適当であるとかないとかいうような選別をするということは、私は実情から申しましても、ないように承知をいたしております。ただ、いろいろなケースがあると思いますので、銀行といたしましても、そういったローン基本契約を結んでおります相手方である機械メーカー自身が、景気の悪いときでありますとか、その他の事情によって適当でないと思えば、ある程度の口ばしを入れるかもしれませんが、そういった場合には、おそらくローン基本契約を銀行のほうから破棄するというような形が出てくるのではなかろうか。そういったケースでない場合には、一々銀行のほうでユーザーを選別するということは、実情においてないように承知をいたしております。もちろん、ユーザーである中小企業自身が、割賦で買うだけの信用力をメーカーに対して植えつけるということは、これはたいへんなことだと思いますが、こういった点は、中小企業政策全体のワクの中で中小企業者の信用力を高めるように、私どもも、また中小企業庁はもちろんでございますが、今後努力をしていく考えでございます。
#126
○多田委員 そういたしますと、いまのお話ですと、いわゆる銀行の直接ユーザーに対する信用調査というものは、全然ないということでございましょうか。現在、金融引き締めで、いまお話しがありましたような選別融資がむしろ強化されておるような段階に立っておるように思われますが、そのメーカーと銀行とのいわゆる信用保証であって、ユーザーは、そこでメーカーの保証さえあれば、信用さえあれば、そのローンの仕組みの中に入って機械を購入することができる、こういうことでございましょうか。
#127
○赤澤政府委員 現在行なわれておりますビジネスローンの仕組みは、そういうように承知しております。したがいまして、今度の保険制度をつくるということによりまして、メーカーがむしろ銀行に対してそういったローンの基本契約を結びやすくなる、こういうのが今度の制度の一番のメリットであろうと思っております。
#128
○多田委員 次に移りますが、ちょっと重複する面もあるかと思いますが、今度の法案の第二条に「この法律において「機械類」とは中小企業の設備の近代化に資し、かつ、機械工業の振興上特に生産の合理化を促進する必要があると認められる機械類であって、政令で定めるものをいう。」これが二十五種の機械でございますけれども、そうしますと、これを逆に読みますと、生産の合理化を促進する必要があると認められるのは二十五種であって、それ以外は認められないかというふうにもなってくるかと思いますが、この「生産の合理化」の解釈のしかたですね。「生産の合理化を促進する」という、その「生産の合理化」に値する機械――この「生産の合理化」ということばの解釈ですけれども、その解釈をどの程度したらいいのかという問題、またこれをある程度広げられるということが考えられるかどうか、この二点についてお伺いいたします。
#129
○赤澤政府委員 この法律の第一条に目的が書いてございますが、目的の後段にございますように、「中小企業の設備の近代化」と「機械工業の振興に資する」という二つがこの法律の目的でございます。ここに定義として、いま御指摘の「機械工業の振興上特に生産の合理化を促進する必要があると認められる機械類」こういうことでございますが、私ども、機械工業全般につきましては、御承知のように、機械工業振興臨時措置法でございますとか、また、いわゆる近促法、中小企業近代化促進法といった面で機械工業の振興をはかっております。そういった面等々も考えまして、いわゆる機械工業の中で生産の合理化が要るということは、考え方といたしましては、できるだけ量産化をし技術の向上をはかって、質のいいものをつくる、それによってコストを下げていく、こういうことが、一口に申せば「生産の合理化を促進する必要がある」、こういう面だろうと思います。もちろんこのことだけでこの法律の運用をいたしておるわけではございませんで、この法律に書いておる機械類ということの定義でございますが、こういった面を一方ではこの目的に照らして考えていく、こういうことであろうかと思っております。
#130
○多田委員 いまのは私の質問の要旨にちょっとどうかと思いますが、「いわゆる生産の合理化を促進する必要があると認められる機械類」が二十五機種であるということで、ではその二十五機種以外は「生産の合理化」に適当かどうか、こういうふうな意味の質問でございましたけれども……。
#131
○赤澤政府委員 若干御質問の趣旨を取り違えて御答弁したかと思いますが、いまのお話のようなことではないと思います。と申しますのは、この法律によります政令で指定をいたしております二十五機種は、いま申し上げましたような機械類を指定することによりまして機械工業の振興にも寄与しようということでございますが、同時にまた、中小企業の設備の近代化ということに必要なといいますか、その面からもやはり十分有効な機械であるということが必要でございます。また保険でございますから、もともと当該機械類の販売に割賦という販売形式がとられておりませんと、これは保険にかけるわけにはまいりません。こういったことから、実際の取引上、割賦販売ということが大体商習慣と申しますか、あるいは機械の販売方法としてなじんでおるといったような機械であることも必要であるわけでございます。したがって、いまの御質問に返りますが、この二十五機種以外のものは特に生産の合理化を促進する必要がないのかという御質問に対しては、そうではない、そういうお答えをするわけでございます。
#132
○多田委員 そうしますと、それ以外に考えられる機種はというふうになってまいりますけれども、その辺いかがでしょうか。
#133
○赤澤政府委員 それ以外の機種でございましても、まあ、いろいろ程度があると思いますが、非常に抽象的な規定でございますから、どんぴしゃり、何かものさしではかるというわけにはまいらないと思います。そういったことがやはり必要であることはもちろんでございまして、これと全く関係のない機械、機種をこの対象機種として指定するわけにはまいらないと思います。ただ、いま申し上げましたように、これは一つの考え方の問題あるいは政策の問題でございますので、こういった政策の運用上、私どもとしては、特にこれを狭く解釈いたしまして、今後機種の追加をしないというふうには考えておりません。
#134
○多田委員 機種のワクを広げていくといういまの御答弁だったように思いますが、その場合にどういうものが考えられるかというふうに伺ったわけでございます。
#135
○赤澤政府委員 機種の追加あるいは選定追加をいたします場合の考え方でございますが、やはり割賦販売に対する保険でございますから、まず割賦が行なわれておるということが重要でございます。行なわれておるという点は、やや消極的に聞こえるかもしれませんが、できるだけ中小企業者の便宜等をはかるために、私どもとしても、割賦販売になじむようなものは、できるだけ割賦販売を進めていくように努力したいと思います。しかし、いずれにしても、割賦販売がその機械の販売形式として現に行なわれておるということがまず大事でございます。それを前提にいたしまして、いま申し上げましたような機械工業の振興の面、中小企業の近代化の面、こういった面を勘案いたしまして機種をきめるわけでございますが、ただいまのところ、私ども検討の対象にしたいと思っておりますのは、トラッククレーンでございますとか、あるいは、中小企業が対象でございますので小型の電子計算機といったものを、今後の対象として検討してまいりたいと思っております。
#136
○多田委員 次の問題に移りたいと思います。
 時代の急速な流れに沿って、各中小企業ともそれぞれ前進をしていきたい、発展をしていきたいとだれしも願うところでございますけれども、もう一つ労働力の不足という現在の状況から、いわゆる省力機械というようなものが望まれまして、そうなりますと機械もお安くはない、高くなるわけで、結局そうした高い機械を購入するには、いまのローン制度、いわゆる割賦販売等が大いに歓迎されるわけでございますし、皆さんの求めるところだと思います。そうした機械設備に関するローン販売の実績といいますか、現在の状況といいますか、もう一つ、設備財ローンの今後の見通し、それをいわゆる景気の推移というようなことも含めましてお答えいただければと思います。
#137
○赤澤政府委員 全体の機械の生産額の中で割賦販売がどのくらい行なわれておるかという資料は、実はいま手元に持っておりません。そこで私どものは、いま指定をいたしております二十五機種がどんなふうになっておるかということをちょっと申し上げてみたいと思います。
 現在、二十五機種の生産額は、四十三年度の統計で見ますと、七千九百九十六億、約八千億円でございます。これに対しまして、本保険加入者の販売額は二千二百億円、このうち割賦販売額が四百七億でございますので、この二十五機種の全体の生産に対しまして、割賦で売られておるものが一八・五%、約二割弱である、こういうふうに承知をいたしております。
 この割賦販売というものが景気によってどうなるかということでございますが、これは比較的常識的な、私どもの感じと同じであろうかと思いますが、景気のよろしいときには、やはり現金で即座に機械を購入するという形をとりますし、やや景気が後退するとか不況に近い状態である場合には、それほど手元余裕金がございませんので割賦で買うということでございまして、まあどちらかといえば、景気がいいときには割賦販売の比率が落ちてくる、こういうのが実情であろうかと思います。
#138
○多田委員 もう一つ、民間の保険会社のローン保険というような政策がなされていると思いますが、そうした現況といいますか、実態といいますか、それについて若干伺いたいと思います。
 そのローンの場合、政府保険と民間の保険会社と機種の競合ということなどはあるかどうか。もし競合するとすれば、今後のそれに対する対策といいますか、見通しといいますか、それについてお尋ねしたいと思います。
#139
○赤澤政府委員 現在、民間の保険会社では、分割払い売買代金保険制度ということで昭和三十三年から実施いたしておりまして、現在は実施保険会社が十七社になっております。ただ、その保険規模から申しますと、各社平均をいたしまして政府保険の二十分の一くらいで、非常に小さな額でございます。今回私どもが実施をしたいと思っておりますローン保険につきましては、いまのところ、どの保険会社もこれを実施する意向を持っておりません。したがいまして、こういった制度は政府でやる以外ないんだなというふうに、私どもも考えております。
#140
○多田委員 前からてん補率の問題について質疑されておりましたけれども、いままでの民間等は七五%で開始してきたというわけですが、それを五〇%に下げたその経緯といいますか、それについて、またその五〇%にしたその算定基準といいますか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#141
○赤澤政府委員 同種の割賦信用に対する保険について民間が行なっておりますものは、いまお話しのように、かっては七五%ということでございましたが、五〇%に引き下げております。これは、ここ数年前あたり非常に景気の悪いときに、この保険制度で事故が続出をいたしまして、保険会社としては、収益上問題があるということからこのてん補率を引き下げたというふうに、私どもは承知いたしております。
 それから、この対象機種でございますが、これは民間の場合には品目は限定をされておりませんで、大体耐久消費財、こういったものが相当程度多いように聞いております。したがって、特に設備と申しましても、私どもが考えておりますような機械設備だけではなくて、耐久消費財も入っておる、こういうふうに了解いたしております。
#142
○多田委員 そのてん補率の問題ですが、先ほどちょっと論議されていたようでしたけれども、今後そのてん補率を上げる意思というものがあるかないかということでございますが……。
#143
○赤澤政府委員 御承知のように法律の第六条では、いわば収支均衡ということが、これは保険制度の一つの特色でもあろうかと思いますが、きめられております。こういった点からいたしまして、やや長期的に見て収支が余裕が出るというふうな状況でございますれば、私どもも積極的に、てん補を上げるか、あるいは保険料率を下げるか、いずれかの方法を選びたいと思いますが、現在の状態では、まだそういうふうな保険収支の状態であると断定をするところまで至っていないと思いまするので、いまのところ、てん補率を上げるということは非常に困難であろうと思っております。
#144
○多田委員 時間もありませんので二、三にとどめたいと思いますが、ローン保険の実施に伴って四十五年度の予算措置でございますが、どのようにはかられておりましょうか。
#145
○赤澤政府委員 これは御承知のように、特別会計でこの制度を運用いたしておるわけでございます。そこで予算でございますが、保険契約の限度額をローン保険の場合には一応五十億円というふうに考えております。四十五年度でございます。それから保険金でございますが、これは実施初年度でございまするので、まずあまり支出額はなかろうかと思いますが、万一そういう事態があるかもしれませんので、わずかでございますが、六百五万円の保険金支払い予算を計上いたしております。
 それから、事務の取り扱いでございますが、これは全体の人間をふやすわけでもございませんし、いわば契約の審査等に要する費用でございますので、ローン関係につきましては、わずかでございますが、三十六万円の経費を計上いたしております。
#146
○多田委員 もう一つ、ローン保険の実施に伴って、いわゆる増資という必要があるかないかということでございます。
#147
○赤澤政府委員 この特別会計におきましては、御承知のように十億七千万円の資本金がございます。これは、過去におきます赤字の最も多い時期にこういう資本金を計上いたしておりますので、最近御承知のように、大体収支がとんとんあるいは若干の黒字ということになっておるわけでございますので、当面このローン保険を実施をするということに伴いまして増資をする必要があるとは考えておりません。
#148
○多田委員 こまかいことですが、ローン保険の契約者がディーラーであった場合、販売業者である場合には、その資格制限というようなことはどういうふうになっておりましょうか。
 最後にもう一つ、ローン保険の今後の見通しといいますかこれからの方針といいますか、そういう点について……。
#149
○赤澤政府委員 ローン保険の場合におきましても、販売業者の資格は、いままでの割賦販売の場合の資格と同じものにいたす考えでございます。すなわち、法律及び政令におきまして、製造業者などの総代理店、製造業者の地域総代理店、製造業者の機種別総代理店並びに中小企業の貸与機関でございまして、これを広げるつもりはいまのところございません。
 それから、今後のローン保険の運用についての考え方でございますが、私どもは、やはりこのローン制度と申しますか、こういったものによる機械の割賦販売と申しますのは、一種の従来からの割賦販売の信用販売と申しますか、本質的には同じものだと思っております。ただ、同じものではございますけれども、先ほど来御説明申し上げておりますように、ユーザーにとりましても、メーカーにとりましても、銀行が入ることによりましていろいろな面でプラスになる面がございます。特に事務的な面では、銀行がユーザー等に対しましては相当な肩がわりをすることにもなりますので、今後このローン制度というものは相当程度普及をしてまいるのではないかと思います。こういった面ともからめまして、私どもは、特に従来の割賦保険というものをローン保険に切りかえていくというような積極的な指導をするつもりはございませんが、実際問題としてはローン保険というものが今後は相当伸びていくんだろう、こういうふうに考えて、むしろ従来の割賦制度にプラスアルファして伸びていく、こういうような感じをいま持っております。そういったような伸展の見通しに応じまして、私どもも、さらに一そうこの保険が有効に活用されますように、事務の面その他の面で努力をしてまいる所存でございます。
#150
○多田委員 最後にもう一つお願いしたいのですが、いわゆる中小企業あるいはメーカー等は、もちろんそうした割賦販売、ローン制度というものを、それこそ積極的に希望している向きがたくさんあると思います。ですが、比較的何にでも言えますことは、そういう問題にわりあいに中小企業者それ自体も消極的だといいましょうか、願いは積極的なんですけれども、現実にぶつかるとたいへん消極的であるという面も言えるかと思います。そういう点ではどうしても、これを拡充強化するというたてまえからいけば、もう一歩それをPRする、あるいはこういう制度があるということを行政指導といいますか、御決意といいますか、方針といいますか、その辺について最後にお尋ねして終わりたいと思います。
#151
○赤澤政府委員 今回法律の改正をお願いするにあたりまして、昨年来私ども、銀行協会あるいは地銀協会、その他関係の銀行機関にも、いろいろな角度でこの制度をつくるにつきましての御相談をいたしました。それから、関係の機械メーカーにも御相談をし、また中小企業庁にお願いいたしまして、中小企業関係の意見も取り寄せております。こういったことから、私どもとしては、先ほど申し上げましたような、今後のローン制度というものの進展というものを見越しまして、今回法改正をお願いいたしておるわけでございます。
 いまお話しのように、こういった制度が始まりますと、やはりこの制度をできるだけうまく、かつ広く活用していただく必要があることは申すまでもございませんので、今後、銀行関係につきましては大蔵省当局とも十分連絡をとりながら、また、機械関係につきましては私ども自身が担当いたしておりまするし、中小企業関係につきましては、省内の中小企業庁の広いPR網と申しますか、そういったものにも乗せまして、できるだけこの制度が有効にかつ広く利用されるようにあらゆる努力を払ってまいる所存でございます。
#152
○多田委員 終わります。
#153
○八田委員長 吉田泰三君。
#154
○吉田(泰)委員 具体的な御質問を申し上げます前に、まず現在まで割賦販売が行なわれております上に、ローンの伸びがだんだん自然発生的といいますか起こってきた。いま同僚委員に対する局長の御答弁の中に、割賦販売とローン販売とは性格的に同じであるというような御説明が再三にわたって行なわれておりますが、やはり発生的な状況から考えますと、メーカー並びにユーザー、そういうものの性格がニュアンスが少し違うのではないか。したがって、賦払信用保険法という保険のついた現行制度があるにかかわらずローン販売が行なわれてきたという、まずその背景を御説明願いたいと思います。
#155
○赤澤政府委員 確かに先生が御指摘のように、ローン販売と割賦販売とは、いわゆる信用販売という性格においては全く同じでございますが、発生の原因なり背景はそれぞれ違っておると思います。ローン販売というものがだんだんと出てまいりましたのは、一つには、メーカーがだんだんとこの割賦をいたします場合に、いろいろな意味から資金負担というものが相当程度出てまいりますので、こういった問題をある程度解決をしていかなければならない、そういう必要性に迫られてきつつある、そういったことが一つの背景だろうと思います。
 それから、もう一つの面は、やはり従来からビジネスローンと申しますか、こういったものが出てまいります背景には、一つは耐久消費財の普及、まあ自動車でありますとか、住宅でありますとか、こういったものが非常に大きく出てまいりまして、耐久消費財の自動車、住宅、こういったものに銀行が積極的にひとつローン制度というものを活用していこうというかまえを示してまいりました。これは、銀行の融資制度としても新しい分野を開拓していこうという意欲を銀行が持ってきた、こういったような両面から、いまお話のありましたような、ローン販売、ビジネスローンというものが生まれてきたように私は考えております。
#156
○吉田(泰)委員 具体的な質問に移らしていただきますが、機械保険課長から「機種別 ローン比率・割賦比率表」というのをいただきましたですね。これによりますと、調査のローンの予定額、売り上げ予想、これが百四十四億ですか。それから、四十五年度の割賦販売の予定額が千三百億、全機械類の販売予定額が四千七百二十五億七千四百万。そうしますと、最後に比率が出されてありますが、現在行なわれております四十五年度の予想が、ローン販売の比率というのは全販売量に対して三・一%、それから割賦比率が二七・七%。ここで見ますと、私はこの三・一%のローンの四十五年度の予想、こういうものに対して、信用販売という同じような形態であるという、そういう形から保険をつける、そのことのメリットがはたしてどこへいくかということですね。ということは、いまローン販売における販売量というのはたいしてない。いま自然発生的と言いましたが、ビジネスローンは銀行の要請によって起こったのか、あるいはメーカー側の要請によって起こったのか、これも一つ問題だと思うのです。そうすると、中小企業者、ユーザーも買いやすくなるじゃないか、中小メーカーも信用力が保険ということでつくから売りやすくなるじゃないかということは、私は、三・一%に言われておることであって、全般的な問題では、たいして問題ないじゃないか。中小企業育成といいますか、近代化という大義名分を掲げて、銀行にリスクをなくし、大メーカーにリスクをなくする、それだけではないですかという、やや疑問を持つわけです。これに対していま局長の答弁では、たいへんローンが伸びていくだろうという御答弁でしたけれども、これはあとで別項で質問を申し上げますが、割賦販売は、保険のついたやつはだんだん現に減っていっておるわけです。そういうときに、全販売量の三・一%、これには、大メーカーも、中小メーカーも、中小企業者もある。もちろんユーザーも千差万別であるが、実際全販売量の三・一%なんだ。そのことに焦点を合わせて、どのような効果を期待しようとしておるのか。大メーカーと銀行のリスクをなくするだけのメリットに終わらないかということに対して、局長どう考えておられますか。
#157
○赤澤政府委員 ローン販売の面で、特に従来からビジネスローンというものは、耐久消費財等を中心にだんだんと行なわれてくるようになってきたわけでございますが、設備機械をこのローン販売でやろう、こういうことになりますと、ユーザーにとりましても機械が買いやすくなる。もちろん、割賦の場合と比較いたしましてどちらがいいかということは、ユーザー自身のオプションになりますけれども、しかしユーザーにとっても、これは歓迎すべき一つの割賦の購入形態であるというふうにいわれておると思います。この点は、昨年こういったことを実施したいということで私どもが行なってまいりましたヒアリングにおきましても、やはりユーザー側から、いままでの割賦販売形式のほかにこういった形のローン販売が行なわれるということは、われわれとしては、いわば購入方法の多様化と申しますか、どっちでもやれるという意味から非常にありがたいことだ、こういうような意見が述べられております。こういった面から言いましても、やはりローン販売というものが今後行なわれてくるとすれば、相当な効果をユーザー側にも与えると、私どもは確信をいたしております。
 もちろん、昨年行ないました調査、これも全体調査じゃございませんが、相当程度のメーカーを対象にいたしました調査の数字は、いまお読み上げになったとおりでございまして、まだこのローン販売というものが始まったばかりと申しますか、ほんとうにまだ初期の段階でございますので、いろいろなメーカーが銀行に対して、このローン販売をやってみようかという申し入れをするには、若干まだ時間がかかってまいろうかと思います。ただ私どもは、むしろ逆に、こういった保険制度をつけることによって、中小メーカー、つまり銀行との間でこういったビジネスローンの基本契約を結びたくても、従来はなかなか申し出しにくかったようなメーカーが、今度は保険がつくということから、銀行に対してそういう申し出をし、また実際問題としては五〇%のリスクが保証されますので、銀行側も受けやすくなる、こういったことから、現時点でと申しますより昨年の調査では、いまお話のありましたような数字でございますけれども、漸次この制度が拡大をしていくのではないだろうか。しかも、いま申し上げましたようないろんな利点を持っておるということから、ユーザーも歓迎をいたしますので、たとえばユーザーが機械を買いますときに、ある会社は割賦販売しかしない、ある会社は割賦販売もするしローン販売もするといったような場合には、ローン販売を好むユーザーが相当あると思いますから、そういった面からメーカーの側も、できるだけローン販売という販売の方法を今後研究もし、また積極的に進めていくのではないか、こういったような考えを持っております。
#158
○吉田(泰)委員 いまのお話の中で、私は一つだけ、この前からもおたくの機械保険課長といろいろ話をしておるのですが、どうも釈然としない点があるのです。ということは、二つ、三つぐらいに分けて考えてみたいと思うのです。
 その一つは、まず機械工業振興というメーカー側のサイドからものを見てみたいと思うのです。おたくの計画で、ローンが全販売量に対して三・一%の伸びを予想していますね。わずか三・一%なんですね。メーカーはユーザーから月賦手形をもらって、その手形を消化できたら、むしろローンはなくてもいいわけなんです。資金繰りに困るからローンをやるわけですね。そうすると、半分のリスクはこの保険によって逃げることができても、銀行側としてはやはり半分残っていますからね。やりやすくなるということは、これは原則論としては理解できますよ。できますが、私は現在の銀行というのはそんなに甘いものじゃないと思うんです。半分のリスクがあって、なおローン契約を弱小のところには結ばぬであろう。これは当然ですよ、半分リスクを銀行がかつぐんだから。したがって、伸びにはなるけれども、基本的な中小企業対策にはなり得ないということが一点。
 もう一つは、これを消費者サイド、ユーザーサイドからながめてみます。ローンができることによって買いやすくなる。これは割賦販売も現にあるんですから、買う道は閉ざされていたわけではないんだ。やはり買えたわけです。長期の賦払いで買えた。ただ買いやすくなった。そしていま保険の趣旨からいうと、できるだけ独算制で収支とんとんでいこう。大体、政府のやる保険なんてものは、リスクぎりぎりまで、事故の起こるところまで売らなければ、私は意味がないと思うんですね、法の趣旨からいうと。危険がないなら保険をつくらなくてもいいわけです。というのは、危険のぎりぎりまで――限界がどこであるかということを言うのは私は非常にむずかしいと思いますが、事故の起こる限度までは、多少信用力がなくてもローン販売し割賦販売すべきだろう。ということは無理して売るわけですね。したがって、無理して買えるというわけです。ですから、これは局長さん、あと中小企業庁長官にもお伺いしたいのですが、これは中小企業の政策の基本的な問題にまで及んでくると私は思うのです。現在のままのローン、割賦販売、それでいけておる。それ以上いくことによってユーザー、消費者が買いやすい――買いやすいことは、逆に事故が起こって、いわゆる近代化貧乏の原因をつくったり――あるいは過小過多で、日本の中小企業というのは体質的に非常に問題があると思うのです。現在の通産省の中小企業対策は、私はいわゆるアイデア対策のような感じがするのです。委員会で中小企業問題を論議し尽くすということは非常にむずかしいと思うのですが、ほんとうは、その機械は売りやすく、あるいは買いやすくしたけれども、当然つぶれてもいいようなところ、近代化しなくていいようなところに、いわゆる過多業種をつくるような原因になりやしないか。おそらくいまのままの割賦販売でも、信用力がある業者は金がなくても現に買う道があるんではないか。その範囲を売りやすくするという、売らんかな政策の犠牲にユーザーはなりはせぬか。土木機械とかいろいろな例がたくさんありますが、そういう意味では、特にあとで述べますけれども、このメーカーの中に中小企業の中堅企業、中小企業者も多いと思いますが、取り扱い金額はごく知れているのです。あとで言います。これは、中小企業もメーカーの中に入っているわけじゃないか、中小企業対策になっているんじゃないかという議論も出てくると思うのです。ほんとうは、業者の数というものは多いけれども、取り扱い金額というものは大メーカーに比べてごくわずかなんです。したがって、そういう点局長、中小企業問題を含めて、中小企業政策のほんとうの親切な行政になっておるかどうか。意味合いはわかりますが、私たちはその付近にやはり少し問題点が残っているんじゃないかと思うのですが、どうですか。
#159
○赤澤政府委員 御指摘の点は非常にむずかしい点でございまして、形式的には私どもいろいろ御答弁できると思います。思いますが、実際の問題として、いわば制度があったほうがいいとは、私そう思いまするし、制度が効果があったということは、私どもも、いままでの実績なり、特に今日のように好況の時代におきましても、やはりこれだけの保険契約が行なわれているということは、やはり割賦制度というものがある程度、機械類、特にこの二十五機種の機械類の販売方法として、まあ言ってみれば定着化してきている。それをよりうまく持っていく一つの制度、こういうふうに考えておるわけでございまして、こういったものがあるほうがいいということは、これはお認めいただけるんだろうと思います。
 しからば、これがほんとうにキーポイントといいますか、これがなければもうどうにもならぬほど重要な役割りを果たしているかどうか、こういう御質問になってまいりますと、その点はやはり、全体のカバレージからいたしましても、あるいはその他の点からいたしましても、これが一つのきめ手であるというぐあいには、私もなかなか即断はできないと思います。こういった点で、先生のおっしゃっている点非常にむずかしい御質問でございますので、私もおっしゃっている意味は十分了解できますが、ここで私としても、いやそうであるとか、全くそうでないとかいうお答えは、ちょっとしにくいのではないだろうかと思います。
 それから、中小企業の問題につきましては、あとから中小企業庁長官から御答弁があると思いますが、先般来この委員会でも問題になっておりまするし、いま先生も御指摘になりましたように、この保険制度をできるだけ小規模事業者のほうにも使いやすいように運用していったらどうか、こういう御意見がございまするし、反面、またいまお話しのように、中小企業政策全体にとって小規模事業者の地位いかん、こういうような問題も、今後の国際化の進展、労働力不足等々の困難な情勢からいたしまして、中小企業政策としては非常にむずかしいものになると思います。ただ私どもは、やはり割賦を利用してでもというと語弊があるかもしれませんが、割賦制度によってとにかく当該企業の設備の合理化をできるだけ早くやるということ。同時に、そういったことはある意味で売買でございますから、したがって売るほうの機械メーカーからいいましても、あまり劣悪でとても信用が置けないというユーザーには、元来割賦で機械を売るというようなことはいたしておりません。そういう意味では、ある程度の自然的な選択がそこで行なわれるんじゃないか。そういったメーカーサイドからの選択のもとに割賦販売が行なわれ、それが保険をつけることによってよりやりやすくなっておる、こういう感じではないかというふうに思います。
 なお、全体のことにつきましては、長官がお答えいたすと思います。
#160
○吉光政府委員 中小企業が設備の近代化を早急に行なわなければならない、そういう事情の中にあるということにつきましては、もう申し上げるまでもないと思うわけでございます。中小企業と一口に申しましても、先生御存じのとおり、やはり業種、業態によりましていろいろと違ったものがございますし、したがいまして、業種、業態に応じたきめこまかな施策を準備するということが、他面において必要になってくるのではないかと思うわけでございます。したがいまして、一般的に設備近代化の金融機関として政府三機関が非常に大きな役割りを果たしておるわけでございますけれども、それだけでは実は十分ではございませんので、あるいは百人以下を対象といたしますような設備近代化資金補助制度でございますとか、あるいは二十人以下を原則として対象といたしておりますような設備貸与制度でございますとか、あるいはまた、事業の協同化その他集団化と申しましょうか、そういうことをやって初めて近代化効果をあげることのできる、そういうふうな業界もあるわけでございます。そういうものに対しまして、中小企業振興事業団を通ずる融資というふうな制度も設けておるわけでございます。同時に、他方こういう機械類の購入に伴いまして割賦販売制度があるということも、これから中小企業の設備近代化に役立つものであろうかと思うわけでございます。そういういろいろなそれぞれの受け入れやすい制度を準備いたしまして、それぞれ御活用いただくのが私どものつとめではないかと思うわけでございます。
 ただ、いま御指摘ございましたように、いわゆる合理化貧乏と申しましょうか、近代化貧乏と申しましょうか、これは非常に残念なことではございますけれども、そういう事態が間々起こっておるわけでございます。基本的に自分の能力をオーバーしたそういう設備を設けるというふうな事例があるわけでございます。中小企業の中にもりっぱな企業の方がございますけれども、一般的に申しますと、やはり情報の不足と申しましょうか、そういう意味で、ややもすればそういうふうなものにおちいりやすい傾向もあろうかと思うわけでございます。したがいまして、むしろ近代化を進めていく過程の中におきまして、いま御心配のような事態が起こらないような積極的な情報の提供、あるいはまた、経営なり技術についての地についた指導業務というものを、もっともっと強く推し進めてまいる必要があろうかと思い、また同時に、そういう方向で私どもも全力をあげてまいりたいと考えます。
#161
○吉田(泰)委員 お説は一々ごもっともで、よく理解できるわけですが、基本的な私の考え方は、やはり中小企業者が内蔵したいろいろな問題点、どうしても近代化ができないから近代化を促進しようとする――ほんとうは、この逆の見方をすると、現代の中小企業者が全部近代化できたら、私はやはり倒産するところが多いと思うのですね。この間、大阪の鋳物業者が、政府は金を貸してくれ、金を貸してくれたらいまの生産性の効率を三倍くらいに確実に上げられる、ところがその設備は相当要ります。私はその幹部に言うのです。全部生産性向上できたらはたして需要があるのかどうか。半分くらいはつぶれにゃいかぬだろう。いま中小企業政策は、逆の言い方をすれば、近代化ができないから近代化を促進しようとしておるのであって、全部できると仮定したら、いわゆる転廃業を進めなければいけないという問題をかかえておると私は思うのです。
 そこで、現行のいわゆる割賦保険、ローン保険、この現在のユーザーの分布状況をちょっと見てみますと、割賦保険は五十人以下が二七・七%に対してローン保険、現に行なわれているローン保険の場合は三十人以下が四六・八%、五十人以下が二二・六%です。片や五十人から百人までが現行の割賦保険が五三・四%。半分ですね。それに比べてローンは一六・五%ということです。これを見て私、理解できるのは、現在果たしていろローンの役目、これは、いわゆる零細企業者に対して、保険がなくとも十分いわゆる近代化の効能を果たしていると思うんです。割賦というのは、自分が力がないと買えませんからね、信用力がないと。売り手に資金がない、手形を割れない、そういう場合に、ローンというのは銀行がかわって貸してくれる。そのことによって、すでに零細企業、五十人以下の中小企業に対しては、もう七〇%くらいローンが現に機能を果たしているのじゃないか。しかしそれは、保険をつけることによって原則的には――いま局長が言うように、この保険ができるということは、ベストじゃないかもしれません。ベストは何であるかわかりませんが、ベターであることは事実なんです。したがってわれわれは、これは賛成だと言わざるを得ないのですが、ほんとうに局長が言われるように、中小企業の近代化をただ一本の大義名分の旗みたいに振り回して、はたして通産行政というものはいいのだろうか。
 現に機能を果たしている割賦の場合なんかは、わりと少のうございますね。二七・七%ということは、信用力がないから買えないということ。そのこと自身が、すでに私は企業の淘汰ができておると思うのです。中小企業の五十人以下の経営者はほんとうにしっかりしておると思う。事業計画を立て、生産性を上げるということに、ほんとうに真剣に勝負していると思うのです。ところが、これはあとで大メーカーがどのくらいの比率を示しているかということは御質問したいと思うのですが、ほんとうは大メーカーの売らんかな政策の犠牲になってしまうのではないか。通産の予想されておるのが、全般でも三・一%じゃないか。たいした額じゃないじゃないか。それが一〇%、二〇%であれば、これはたいへんな問題だと思うのです。保険がついてこれからローンの伸びる予想額が全販売量の三・一%。それを扱うのはもっとふえるだろう。その中のほとんどは大メーカーの設備なんです。大メーカーは資金繰りはうんと楽になります、ローンがつくということで銀行の金を使えますから。そういう意味からすると、結論からすると、ユーザーサイドから見ても、あるいはメーカーサイドから見ても、中小企業の近代化、機械振興という、それはなるほどそのとおりでしょう。ないよりはベターです。しかしそれがはたして、ほんとうの意味のいわゆる目的を果している形になるであろうかどうか、私は非常に疑念を持つのです。いい法律には違いない。だからしたがって皆さんは通す。ただし、やはり大メーカー中心の金融がしやすくなったということだけで終わってしまう。零細企業は買いやすくなったといってその機械を買ってつぶれていくというようなことが――この表から見ると私は非常に疑問を持つのです。だから、これはあとで言いますけれども、ローンをすることによって銀行と大メーカーサイドのメリットだけが残ってきた。だから、中小企業者のユーザーのためにもなるじゃないかと言ったら、ならぬとは言えませんけれども、そこに全然焦点が合っていないということですね。たとえば割賦資金を得られない中小メーカーなどは、メーカー振興ということに焦点を合わせるならば、できることなら手形を割りやすくしてやったらいいと思うのです。だから焦点が合っていないと思うのですが、どうでしょうかね。
#162
○赤澤政府委員 これも非常にむずかしい御質問でございまして、一がいにこうだという御答弁は非常にしにくいかと思います。ただ私ども考えてみまするに、ローン保険についてただいまお示しになりました数字は、ごくサンプルで調査したものでございます。つまり現状のメーカのサイドから、現在保険がなくともローン販売を実施しておる。これは御承知のように相当大きなメーカーだけでございます。それから中小のメーカーはそうたくさんはございません。全体の七割くらいがいわば大メーカーのローンであり、三割程度のものが中小メーカー、こういう感じでございますので、調べておりますのは、大メーカーのいわばローン販売というものが調査の対象になっております。そういったような調査から見てみまして、いま御指摘のように、大体売り先を見ると、約七割ぐらいが五十人以下ぐらいのところ、三十人以下ぐらいのところが五割弱、こういったような形で保険がないまま現在行なわれておる、こういう形でございます。
 そこで一つの問題は、この保険ができることによりまして、現在保険がなくてもやっておる大メーカーと違って、中小の機械メーカーが、いま先生御指摘のような、ローン販売というものがやりやすくなることは事実であろうと思います。ただ、どの程度それをやるかという問題だろうと思うのです。この辺は、実はこの間、別のほうの調査でございますが、もしこういう保険ができれば自分のほうとしてはやりたいというのが約百五十社余りあるわけでございまして、この百五十社余りの中にはもちろん相当数の中小機械メーカーが入っております。こういったことでありますから、これがますます今後拡大していくとは思いますが、初年度のことでございますので、まずは百五十社ぐらいがローン保険を実施していくことになろうと思っております。この面が逆に、また大メーカーを中心にした売らんかな政策で、ローンができたので買いやすくなったぞ、さあお買いなさい、お買いなさいと押し込み販売にならないか。この点も、これは実際の商売のやり方でございますから、そういうこともあるいはあろうかと私、思います。ないとはいえないと思います。ただこの点は、もちろん中小企業の設備の近代化、合理化につきましては、いろいろな形で中小企業庁のほうの制度がございます。指導員でございますとか、診断員でございますとか、いろいろなものがございます。やはりこういったような制度を十分活用していただいて、メーカーのほうの単なる販売政策の口車に乗って、いまお話のような近代化倒産をするというようなことのないように、別の面から十分な指導を加えていく。と同時に、やはりこういったローン保険の制度で買いやすくしてやる。両面の制度が相まって中小企業の近代化の促進になるのではないか、私はかように考えております。
#163
○吉田(泰)委員 いまのローン保険ですが、中小メーカー、中小企業者も百五十件ですか、そのぐらい申し込みが出ているというお話ですけれども、金額別に見ますと、規模別の状況で件数は、中小企業者が五三%、大企業、中堅企業を含めて四七%。しかし金額を見ますと、ローンの販売予定額は大企業八三%、中小企業が一七%です。したがって、私がいま局長さんとここで話しても、中小企業問題のほんとうの基本的な問題ですので、こういう論議になると思います。ですからそれはやめます。
 ただ、私がここで特に申し上げたいのは、中小企業政策のほかの点、指導員とか企業診断員とか、そういう別の中小企業政策で指導していくとおっしゃいますけれども、そんなことはなかなかできないと思うのです。希望は、こういう法律ができるときに、その背景があるのだということをよく承知した上で、国がローン契約ならローン契約をする場合に、大企業優先の考え方でなくて、中小企業に特にスポットを当てた契約をしてやってほしい。精一ぱい中小企業者のためにやっても、いまの希望は一七%にしかすぎないのです。大企業の売らんかな政策じゃないか。信用力とかいろいろな意味で言われても、私はやはり言いわけはできないと思うのです。いつの場合でも、法律をつくってベターであれば、大企業によりベターである。中小企業者にはそうではない。だんだん格差が開いていく。しかし反対はできません。そういうことから、金額的に考えてみても、一七%しかローンが中小企業者にないのですから、希望がある場合、そういう意味で何らか行政上のほかのことをわずらわして――企業診断員とか指導員とか、そういうもので指導しますということで指導できたためしがないのです。こういう法律ができるときに、私は、はっきりといわゆる行政上の指導を契約時において具体的に行なってほしいという考え方があるから、いままでのいろいろな質問を申し上げたわけです。
 もう一つ、ついでに質問をしておきますけれども、さきのデータも金属工作機械の例でございます。今度の場合も、四十年ぐらいから割賦販売の利用者が、保険があるにかかわらず、三二・五%から四十二年一〇・四%というふうに、だんだん下がっていっていますね。これは工作機械の場合ですが、ほかのものもおおむねそうだろうと思います。一業種をもって私は質問をしたいのですが、だんだん割賦が下がっていっているという背景は、これはローンに置きかわったということではないのです。ローンはごくわずかですからね。四十四年度のおたくの予想でも三・一%。そうすると下がった原因は何か。そういうときにローンに保険をつける。提案理由では、業者、ユーザーみんな望んでいるということだが、その根拠は一体どこにあるのか。あわせてお伺いいたします。
#164
○赤澤政府委員 第一の点につきましては、私どもも全く御趣旨のとおりと思いますので、今後、そういった私どもが契約いたします面、また同時に、機械の各種の団体あるいは組合等に対しましても、御趣旨の線に沿ってできるだけの努力をしてまいりまして、今後、中小企業関係のものが、この制度を新しくつくりますに際しましても、一そうその面が厚く行なわれますように、できるだけの努力をしてまいりたいと思います。
 それから第二点の、割賦の比率が漸次最近落ちてきているのではないか、こういうときに一体ローン保険制度を新たに設けるのはどういう意味があるのか、こういう御質問でございますが、この割賦比率の問題は、やはり一番敏感なのは景気問題だと思います。景気の動向によりまして、簡単に申しますと、非常に好景気のときには割賦の利用者が減ってまいります。それから、やや好況でないというときには、割賦の利用率はふえてくる。こういったことで、やはり割賦という制度がございましても、利用者の面から見れば、景気、不景気によっていろいろと差異があることは、これは当然であろうかと思います。そこで、四十一年、二年、特に四十二年あたりから非常な好況が三カ年以上続きまして、増収八期連続というような、史上最大の好況期を迎えておりますので、そういったことから、やはり割賦の比率が落ちてきているのはやむを得ないと思います。ただ、ローン保険制度ということになってまいりますと、これは一つの制度でございますから、したがいまして、いまのように、ビジネスローンというものが漸次機械設備につきましても行なわれるようになってきた、そうしてまた、そういった制度があることが制度として望ましい、こういう声がユーザー側からも起こっておりますので、私は、割賦比率の問題にかかわらず、そういった声が一般の業界から出ておりますのにつきまして、制度としてそれをほっておく、もう少し割賦の比率が上がるまで待っているというのはいかがかと思っております。こういったことから、やはり制度としてこの際、実情に合った制度を設けていただきまして、これはもちろん、今後、景気の動向なり、あるいはメーカーの動向なり、ユーザーの動向なり、いろいろなものと関連をいたしますが、こういったことで、ローン販売というものが漸次機械というものに及んでまいりまして、それをぜひやってほしいということが強くなってまいりましたので、今回ぜひ制度としてこの制度を設けていただきたい、こういう考え方でございます。
#165
○吉田(泰)委員 どうも政府委員の方々は昼も抜いてやっておられるので、質問しにくいのですが、あまりやると人権侵害になりますので、もう一、二点だけ聞かしていただきます。
 おたくの出されました「機械類賦払信用保険法の一部改正について」という説明書があります。その中の八ページの「買手にとっての利点」というところに「金利負担が軽減されること」と書いてあります。この具体的な、おたくでいまお考えになっておられます銀行ローンの金利――もちろん銀行によってもいろいろ違うと思いますが、どういう形で軽減されるというふうにお考えになっておるのかということ。
 もう一つは、ついででございますので、売り手のメリットですね。ローン自身の長期信用供与が可能になって販売が拡大できる。その中のローン販売と割賦販売との販売期限。大体、通産省に申請を出されてローン保険を希望されております業者の平均の期限、割賦とローンとの違い、金利の違い、それを具体的な例でひとつお答え願いたいと思います。
#166
○赤澤政府委員 ローンの金利でございますが、まあ、ものにより、あるいは契約者によりまして、若干ずつ違っておりますが、私ども調査いたしてみますと、大体日歩二銭三厘ないし四厘、年利にいたしますと八・四%ないし八・七六%程度が一般に行なわれておりますローン金利のようでございます。したがいまして、これで見ますと、通常の機械の割賦の場合の金利でございますが、これも大体二銭四厘ないし三銭、高いのは一〇%をこえておるのもございます。そういったものと比べますと、特に安いとは思いませんが、ローン金利のほうがやや安いのではないか、こういったような感じも持っております。特に今回こういったローン保険というものをつけますので、その面においては、さらにこの金利が若干でも低下されることを私どもも期待をいたしております。(吉田(泰)委員「ちょっといまの金利はおかしいのじゃないか。ローンのほうが高い。」と呼ぶ)ローンのほうが八・四%から八・七六%、通常の機械の割賦販売の場合には八・七六%ないし一一%、一〇%強でございますが、そのくらいでございますので、下のほうはあまり変わりませんが、さらに高いものもありますから、ややこちらのほうが有利ではないか、こういう感じを持っておるわけでございます。特にそういった点で、今度保険制度が実施をされますと、こういったローン制度による金利のほうがさらに引き下げられていいものと私ども思いまするし、そういうことを強く期待をいたしております。
 それから第二点でございますが、この期間でございます。この点につきましては、いままでどうなっておるかということで調べてみますると、通常はやはり二十四カ月とかあるいは三十六カ月とかいうようなことでございますが、工作機械等の例をとってみますると、どうもローンのほうが、ほぼ同じかあるいは一カ月ぐらい長いというような例がございます。これも全部悉皆調査をしておりませんのでわかりませんが、私ども工作機械について調べてみたところですと、ややローンのほうが一カ月ぐらい長い例が相当程度あるようでございます。こういったことから、そう長期ではございませんが、やはりローンのほうがやや有利ではないだろうか、こういう総合的な感じを持っております。
#167
○吉田(泰)委員 それでは、もう時間がありませんので最後の質問をいたします。
 特に先ほど来私が、中小企業政策ということでいろいろ反対的な意見を述べて質疑をしてまいりましたけれども、いまかりに中小企業メーカーが非常にいい製品をつくっておるという場合に、ローンの保険を政府と契約をする意思を持っておる、ところが銀行側があまり乗り気じゃない、そういう場合がこれから将来相当起こってくると思うのです。私の想像ですが……。そういう場合に、希望もある、製品もいい。ただし担保力は、大メーカーに比べてむろん少のうございますね。それに対して救済措置は通産省は何か考えておられるか。もし考えてなかったら、この立法のほんとうの趣旨というものは、やはり大メーカーの売らんかな政策の犠牲になってしまうじゃないかという気がいたします。具体的にどういう行政指導の方針を持っておられるか。必ず銀行がローンにこたえていくということはないと思います。昨今の銀行のことですので。それについての通産省の考え方をお伺いしたいと思います。
#168
○小宮山政府委員 お答えいたします。
 いま、中小企業がいい製品を出す、これがユーザーのほうにその機械によって非常にメリットがあるということならば、ただし中小企業が担保力その他で弱いということの問題でございますので、私は、通産省としては、それを積極的に銀行にも話をつけ、条件としては非常に弱い条件でございますので、そのような指導をしなければいけない。個々の問題でございますので、そういうケースが出たときにはそういう指導をしていきたいと思っております。
#169
○川端委員 関連質問。これに関連して、通産省の通産行政に横のつながりのないために犠牲が行なわれている実例を一つ申し上げて、これの運営に対してひとつ十分な関心を持っていただきたい。
 さきに、たとえば地方の産業都市の開発の問題なり団地造成等で、近代化を適用して、クリスマス電球等のためにかなり近代化を進められたことが、七、八年前にあるわけです。しかし、輸出の額は総ワクでそう大きく伸びる条件がないのに、国内というか、品川でおもに行なわれているこの輸出電球に対して、一方においては、近代化という意味において増産計画を政府が奨励された。そういう結果生産過剰になって、いわゆる過当競争によってえらいダンピングが行なわれて、三年か四年の間苦しい思いをしておる事実があるわけです。加えて最近また、特恵関税問題で後進国からの追い上げが加わってきている。しかし業界自体は、こういう政府の力によって長期資金を借りて増産計画を立てたものに、生産をやめろという内部的な調整ができないという苦悩の中にいま落ち込んでいるわけです。これは企業庁長官がずいぶん御心配いただいたので、実情は御存じだと思うから、答弁はいただいてもいいし、いただかなくてもどうでもいいが、こういう売らんかなの政策の中に、ものによっては生産過剰の一面が出てきて、そのために業界の大きな混乱を招いている事実が現にあるということを、どう御理解なさるかということに十分戒心を願いたい。このことと関連して一言意見なり質問を申し上げておきたいと思うのです。
#170
○吉光政府委員 ただいま御指摘いただきましたようなクリスマス電球のように、特に発展途上国の追い上げが激しくて、しかも先進国に輸出いたしておりますような、輸出シェアの非常に高い品物につきまして、ただいま御指摘いただいたような事態が起こったということ、まことに遺憾でございます。先ほども一般論としてお答え申し上げたわけでございますけれども、そういう設備近代化計画を業界ぐるみで組みます際に、私どもといたしましても、また生産原局といたしましても、よくそこらの全体の事情を把握して慎重な判断のもとにやる必要があるというお示しだと思うわけでございます。よく肝に銘じて、生産原局とも密接な連絡をとりながら進めさせていただきたいと存じます。
#171
○川端委員 一言だけつけ加えておきます。
 言うならば、一生懸命業界ぐるみの構造改善対策を立てろ、自主的な案をつくれと言っても、政府がやらしておれらにこういう目にあわして、きょう食えないではないか、高利貸しの追い回しにあって非常な苦悩をいたしておる姿を見て、われわれは涙なくして見れない実情のある一面も、行政上の横のつながりなしに行なわれていることから出ている犠牲の一面のあることを、ひとつ警告を、御答弁いりませんから申し上げておきたいと存じます。
#172
○吉田(泰)委員 終わります。
#173
○八田委員長 これにて法案に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#174
○八田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 商業に関する件、すなわち、商品取引所の問題について、来たる四月三日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、参考人の人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、明後二十七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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