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1970/10/07 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会いも、でん粉等価格対策に関する小委員会 第1号
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1970/10/07 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会いも、でん粉等価格対策に関する小委員会 第1号

#1
第063回国会 農林水産委員会いも、でん粉等価格対策に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十五年九月十日(木曜日)委
員会において、設置することに決した。
九月十七日
 本小委員は委員長の指名で、次の通り選任され
 た。
      小山 長規君    佐々木秀世君
      白濱 仁吉君    瀬戸山三男君
      丹羽 兵助君    角屋堅次郎君
      芳賀  貢君    瀬野栄次郎君
      小平  忠君
九月十七日
 丹羽兵助君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和四十五年十月七日(水曜日)
   午前十時三十八分開議
 出席小委員
   小委員長 丹羽 兵助君
      小山 長規君    瀬戸山三男君
     三ツ林弥太郎君    角屋堅次郎君
      芳賀  貢君    瀬野栄次郎君
      小平  忠君
 小委員外の出席者
        農林省農林経済
        局統計調査部長 中沢 三郎君
        農林省蚕糸園芸
        局長      荒勝  巌君
        農林省蚕糸園芸
        局砂糖類課長  小島 和義君
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
小委員の異動
十月七日
 小委員佐々木秀世君同日小委員辞任につき、そ
 の補欠として三ツ林弥太郎君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
同日
 小委員三ツ林弥太郎君同日小委員辞任につき、
 その補欠として佐々木秀世君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 いも、でん粉等価格対策に関する件(昭和四十
 五年産甘しょ、馬鈴しょの予想収穫量、需給事
 情生産費調査及び政府買入価格等に関する問
 題)
     ――――◇―――――
#2
○丹羽小委員長 これよりいも、でん粉等価格対策に関する小委員会を開会いたします。
 このたび私が小委員長に指名されましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 いも、でん粉等価格対策に関する件について調査を進めます。
 この際、昭和四十五年産カンショ、バレイショの予想収穫量及び需給事情、生産費調査並びに政府買い入れ価格等について、政府から説明を聴取いたします。荒勝蚕糸園芸局長。
#3
○荒勝説明員 それでは昭和四十五年産のカンショ、バレイショ並びにそれぞれのでん粉あるいは切り干し等について、簡単にまず概要を御説明申し上げます。
 お手元に差し上げてあります資料で横書きの資料があると思いますが、「いも類でん粉基準価格関係資料」というのがございますが、それにつきましてまず簡単に御説明いたしたいと思います。
 まず一ページをお開き願いたいと思いますが、このカンショ、バレイショ、北海道のバレイショでございますが、作付面積並びにその収穫量の推移が書いてございます。
 カンショにつきまして、四十五年の大体の見通しが十二万八千七百ヘクタール、十アール当たり収穫量が約二トンちょっとということで、収穫量は二百五十七万八千トンという数字で予想されております。このカンショにつきましても、先生方のほうがよく御存じと思いますが、過去におきましては、相当多い面積、約三十八万前後の面積が三十一年当時はございまして、また収穫量につきましても、多いときには約七百万トンをこえる収穫量がありましたが、その後それぞれの作物への転換とかいろいろな事情で非常に面積も減ってまいりましたし、収穫量もそれに応じて減っておる次第でございます。ただカンショにつきましては、反収がことしは二トンという相当な水準に達しておりまして、これも黄金千貫等の新品種の導入が多少でも貢献してきているのじゃなかろうか、こう思っておりますが、それほど高い生産水準とはこの五年間ほどの間になっていないというかっこうでございます。
 バレイショにつきましては、作付面積につきましても、四十五年の作付面積は六万九千八百ヘクタールで、昨年に比べますと、相当落ち込んだ。これは昨年が少し反収が悪くて、農家としてはあまり期待されなかったのか、あるいはバレイショが非常にことしの春、値が上がりまして、種まで多少内地の方面に売れてしまったというふうな事情もあるかとも思いますが、ことしは面積が多少減ったというようなかっこうでございます。それに反しまして、収穫量が二トン九百という十アール当たり収穫量を出しておりますが、統計調査部のほうで、後日でございますが、いずれまた収穫予想量の発表があるかとも思いますが、いままで事務的に多少連絡を聞いている限りにおきましては、なお反収は、十アール当たり収穫量はまだ相当上回るんではなかろうかというふうに聞いておる次第でございます。古今未曾有の収穫量、記録的な段階になるんではなかろうかというふうに理解しております。収穫量全体といたしましては、このいまの反収でも非常に面積の多かった昨年に比べまして、なお収穫量は、現在ではほぼとんとんということでございますが、収穫量自体も相当の収穫量、あるいは四十三年の収穫量にまで近づくんではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。これはあくまでまだ予想の段階でございますが、相当高いというふうに理解している次第でございます。
 それから二ページのほうをお開き願いますと、カンショにつきましては、九月二十日現在の予想収穫量が十月三日の日に公表されておりまして、これは主産県の十県を取り立てまして、右のほうをごらん願いますと、ここにことしの主産県のそれぞれの面積と収穫予想量が出ておる。それで見ますと、やはり鹿児島、宮崎、それから長崎という九州グループがそれぞれ一万ヘクタールをこえる面積を示しておりまして、いわゆる関東地区あるいは中部の愛知、静岡、三重というところが逐次カンショの生産が落ちてきておるということがここではっきりしておるんではなかろうかということでございます。これがカンショの大体の内訳でございます。
 それから次の三ページをお開き願いますと、これは春植えのバレイショの収穫予想量で都府県と北海道に分けておりまして、先ほど御説明した分の多少詳細な資料でございますが、これが北海道につきましては作付面積が相当減っておるということと、上の欄が四十五年の欄で、そのまん中にありますのが昭和四十四年の昨年欄との対比でございます。面積等につきましてそれぞれ比較が行なわれておりまして、北海道については作付面積では一二・九%減っておるということ等がここに書いてある次第でございます。収穫量は、北海道につきましては、先ほど申し上げましたように、今後さらに追加の発表で相当上回るのではなかろうか、こういうふうに見ている次第でございます。
 それから四ページをお開き願いまして、これはまだ収穫量全部がはっきりしておりませんので、四十五年の収穫量につきましては明快なことはまだ書き入れてないのでございますが、これはでん粉の生産量でございます。
 カンショでん粉も御存じのように最高時には五十万トンをこえる、六十万トン、七十万トンという時代があったのでありますが、最近逐次減退しておりまして、四十四年では二十六万四千トン、一番下の欄でございますが、出ておりまして、四十五年の見込みといたしましては、あるいはまた言い間違いかもわかりませんが、推定では二十三万トン前後ではなかろうかと、いまのところ予想している次第でございます。
 それからバレイショでん粉のほうにつきましては、昨年は二十四万五千トンという大体の結論が出ておりますが、それに対しまして私たちの予想では、日に日にバレイショの作柄がいいように聞いておりますので、実はまだ非常に不確定要因が多いので、少し判断に迷っておりますが、おおむね昨年度水準前後になるのではなかろうか。当初では、作付面積だけからいきますと相当下回るというふうに見ておりましたが、最近の情勢ではバレイショでん粉も昨年とそんなに大差ない、でん粉としてはそうなるのではなかろうか、こういうふうに見ている次第でございます。
 次の小麦粉でん粉につきましては、これは小麦粉から麩をとりまして残りをでん粉に回しているようなもので、最近麩の消費がほぼ横ばいでございまして、したがいまして小麦粉でん粉もおおむね横ばいで、これも六万トン前後ではなかろうかと理解している次第でございます。
 コーンスターチにつきましては、国内産のでん粉と総需要量との関係から、その差額をコーンスターチもしくは輸入のでん粉、タピオカ等でアジャストするというか、需要量だけ供給するような姿勢でいたしておりますが、国産のでん粉が多少減りぎみで、需要もおおむね百二十万トン前後で一定という前提に立ちますと、コーンスターチは昨年四十四年の五十三万九千トンよりは多少上回ることになるのではなかろうか。ただ最近、これはあとで御説明申し上げますが、輸入トウモロコシの値段がえさも含めまして非常に高くなってまいりまして、三年ほど前は国内の輸入のときの値段がおおむねトン六十ドル前後でいろいろ計算したのでありますが、最近の時点では八十一ドルもするやに聞いておりまして、コーンスターチの輸入がユーザーにとって必ずしも有利ではないという問題も多少出かけておりまして、この辺の需給の調整は今後もう少し分析しなければならないのではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。
 それからカンショのなま切り干しにつきましては、大体九州の北部長崎を中心といたしまして、多少離島方面に、水不足の関係でまだでん粉工場のできない地帯に、なま切り干しとして生産されておりまして、三万六千トンぐらいのなま切り干しを生産しておる。これはことし多少下回るかなとも思っておりますけれども、おおむねこの程度ではなかろうか、はっきりしたことはまだわかっておりませんが、この程度というふうに、生産事情はそういうふうに御理解願いたいと思います。
 それから五ページをお開き願いまして、これが四十四年までの各でん粉の総合需給表でございまして、四十三年は非常にバレイショでん粉が飛躍的に多くとれた年でございます。この四十二年とお比べ願いますと、バレイショでん粉が前回、四十二年のほうは出回り量が二十万八千トンだったのが、四十三年には三十二万トンというふうに、十二万トンも供給があったというふうなことで、四十三年にはその結果、一番下の欄から上三行目の政府買い上げ欄というのがございますが、バレイショでん粉を七万トン政府として買い入れざるを得なかった。そのほかに翌期持ち越しという、バレイショでん粉の欄の七万トンの下に書いてありますが、三万トンがございまして、これが全販系統機関に凍結的に持ち越していくというふうな形で、約十万トンの凍結がこの年はあったわけでございます。その結果、無理に相当あちこちにはめ込みましたので、四十三年の供給欄と需要欄でごらん願いますと、供給のほうで百三十二万七千トンという供給があったのに対しまして、その下の需要欄というのをごらん願いますと、下から四行目の辺に需要の計が出ておりますが、百二十二万七千トンで、約十万トンの先ほどのいわゆるたな上げ分と申しますか、凍結分の分の誤差が十万トン減りまして百二十二万七千トンというのが出ている次第であります。それで、四十四年にその凍結分が持ち越されまして、四十四年の馬でんの欄をごらん願いますと、三万トンの前期持ち越しというのがございまして、ここで需給バランスを合わせておるわけでございますが、昨年はバレイショでん粉が二十四万五千トンというかっこうでございますので、それに三万トンを足したのが供給になりまして、計で全部の供給欄が百十六万三千トンというかっこうになっておりまして、カンショでん粉が二十六万四千トン、馬でんが二十七万五千トン、小麦粉でん粉が六万トン、コーンスが五十三万九千トン、そのほかタピオカ等の外でんが二万五千トン、計百十六万三千トンというふうになっている次第でございます。それが需要欄とほぼ見合っておるわけでございますが、ここで、大体四十四年産の国内産のでん粉に関する限り、この八月から九月にかけまして、各方面の御努力によりまして全部はけたというふうに私としては報告を聞いておる次第でございまして、いわゆるキャリーオーバーといいますか、四十五年産のでん粉には持ち越しが出てこない。ただ、政府買い上げでありました、先ほど申し上げました七万トンの北海道のバレイショでん粉だけが政府手持ちとして、食管手持ちとして現在在庫を持っておりまして、これを四十五年産の需給計画の中にどのような形で織り込んでいくかということが一つの課題ではなかろうか、こういうふうにわれわれとしては考えておる次第でございます。
 それから、次の六ページをお開き願いますと、これはもう当委員会で何べんも御議論願いましたのでよく御存じと思いますが、それぞれの価格、当該年度の買い入れ価格の基準でございまして、この右のほうの欄でカンショ、バレイショ、それぞれでん粉の基準価格の設定が明記してあります。
 カンショにつきましては、四十四年が、昨年は三十七・五キログラム、いわゆる一俵でございますが、三百八十円という値段で、歩どまりは二四%という形で計算をしております。それからバレイショにつきましても二百七十八円で、これは一六・五%という歩どまりで計算をいたしております。その結果、でん粉の買い入れ価格は、カンショでん粉で二千五十五円、それからバレイショでん粉の精粉で二千二百二十円というふうに、それぞれ昨年に対比しましてカンショでん粉は四十三年の二千三十円に対して二千五十五円、二十五円の値上げでございますか、それからバレイショでん粉は二千二百十円が二千二百二十円で十円の値上げというふうに御理解願いたい。カンショ切り干しにつきましても千四百三十五円が千四百八十円、歩どまりが三五%という形で、昨年は十月十一日に値段を告示させていただいた、こういうかっこうでございます。
 次、七ページをお開き願いたいと思いますが、でん粉の市場価格の推移で、これを一番右のコーンスターチのほうからごらん願いますと、大体四十三年、四十二年とそう値段は変わらずにおおむね横ばいできておったのが、四十四年の、これはいわゆるイモ年度でございますので、四十四年の一番右のほうの欄は最近の時点でございますが、トウモロコシの値段が上がった関係もございまして二千四百二十一円なんという相場が出まして、最近トウモロコシのほうのでん粉の値段が少し上がりぎみに、上がりぎみというより相当な堅調ぶりを示しておる次第でございます。それに伴いまして、多少カンショでん粉、バレイショでん粉についても、一番下の欄に基準価格というのがございますのでごらん願いますと、カンショでん粉につきましては、ことし大体売れました平均値の値段が――平均というのは下の欄にございますが、四十四年の平均欄をごらん願いますと、二千三百三十一円という平均値が出ております。これは日本経済新聞からとったのでございますが、基準価格は二千五十五円でありましたので、相当いい値段で取引されておるんではなかろうかというふうに理解している次第でございます。
 またバレイショでん粉についても、これは平均値で四十四年のところで二千六百五円というふうに、二千二百二十円に対比いたしますとわりあいにいい価格で取引された。
 このカンショ、バレイショそれぞれのでん粉の取引というか引き取りにあたっては、従来からは相当コーンスターチのほうの協力を得て、いわゆる抱き合わせ販売でユーザーのほうにはめ込んでいったというのが実情でございます。
 次の八ページをお開き願いたいと思います。これはイモでん粉の大事なユーザーの大量取引であります甘味資源のブドウ糖のおもな価格の推移をここに出しておりますが、ブドウ糖につきましては、チクロの関係でどうももう一つ元気が出ないといいますか、むしろブドウ糖の生産は減退ぎみというのがわれわれの感じでございまして、値段等につきましてもどうももう一つぱっとしないというのが実情でございます。この値段、四十四年の結晶あるいは精製の欄をごらん願いましても、おおむね前年とそんなに変わらないようなかっこうで推移しているというのが実情でございます。砂糖のほうが国際価格の騰貴で多少値上がりしているにかかわらず、砂糖との関連においてもう少し消費の伸びあるいは価格の伸びがあってもいいんではなかろうかと思いますが、あまり値段は上がってないというのが同様でございます。
 それから、次の九ページの水あめにつきましてもおおむね同様でございます。
 それから、次の一〇ページでございますが、これは生産費の推移で、連年の四十二、四十三、四十四年のバレイショあるいはカンショのそれぞれの平均値を、カンショにつきましては全国平均値、バレイショにつきましては北海道だけの生産費を取り上げておる次第でございますが、生産費の欄のいわゆる反収との関係で多少変わってまいります。カンショの場合でございますが、四十二、四十三、四十四年と百キログラム当たりの第二次生産費は、当然ながら年々多少上がっておるにもかかわらず、三十七・五キログラムというふうな表現になりますと、一番右の欄でございますが、反収の関係で相当違ってきているというふうにごらん願いたいと思います。
 それから同様にバレイショにつきましても、生産費等の関係でむしろ反当生産費は年々上昇しておるにかかわらず、三十七・五キログラム、いわゆる一俵単位の計算でいたしますと、四十二年の二百二十八円に対しまして、四十三年は二百十七円、あるいは四十四年は二百六十五円というふうに、反収によって、当然でありますが、ばらつきがあるというふうに御理解願いたいと思います。
 それから、一一ページをお開き願いたいと思いますが、農業パリティ指数で四十二、四十三、四十四年のパリティの上昇傾向を一応八月末で仕切って、これは計算の算出の根拠になっておりますが、四十四年につきましても、いわゆるパリティが四月ごろから急速に上がりまして、普通一月に一%も上がるような事態というものは最近ではあまりないのでありますが、〇・何ぼというのが大体普通だったのが、七月、八月だけでも一・二%以上もパリティが上がっておるというふうなことで、この非常に高いパリティを今度の買い入れ価格の算定にあたりましてはとることになっておる次第でございます。
 以上でございます。
#4
○丹羽小委員長 次に中沢統計調査部長。
#5
○中沢説明員 四十五年産カンショ並びにバレイショの予想収穫量を御報告申し上げます。
 カンショにつきましては、九月二十日現在で予想収穫量を把握しておりますが、これは全国の主産県につきまして十月三日発表したものでございます。お手元にお配りしてございます資料の二ページにある分でございますが、これによりまして御報告申し上げます。
 主産県におきますところの九月二十日現在の予想収穫量は二百十万八千トンでございまして、前年より十五万八千トンの減でございます。これは作況指数ほぼ一〇〇ということで平年並みでございますが、作付面積が一万七千三百町歩減少しております関係上、前年より減っておるわけでございます。作柄につきましては、全般的なことを申し上げますと、植えつけは平年並みでございまして、活着も順調でございましたが、一時六月から七月にかけまして、長雨のために所期の生育が抑制された期間がございました。しかし、七月中旬のつゆ明け以降は好天候に恵まれまして、地上部の生育も回復し、順調に進んだわけでございます。イモの個数は平年並みでございますが、イモの肥大は九月中旬以降の秋雨前線の影響を受けまして停滞ぎみでございます。総体的に九月二十日現在の作付状況は平年並みであるということができまして、指数であらわしますと一〇〇ということでございます。
 次に四十五年産春植えバレイショの予想収穫量でございますが、これもただいまお配り申し上げました予想収穫量は八月二十九日発表したものでございます。これによりますと、全国の予想収穫量は三百三十四万五千トンでございまして、主産地であるところの北海道の予想収穫量は二百二万三千トンで、都府県の収穫量、これは予想でなくて収穫量でございますが、百三十二万二千トンでございます。これを前年と比べてみますと、全国計では十二万九千トン、北海道では一万一千トン、都府県では十一万八千トンと、それぞれ減少していることになっております。これはなぜかと申しますと、主産地の北海道の作柄が非常によかったのでございますが、作付面積が全国的に減少したためでございます。作付面積について申し上げますと、全国で十五万六百ヘクタールでございまして、北海道では六万九千八百ヘクタール、都府県では八万八百ヘクタールでございます。これを前年に比べますと、全国計では一万八千五百ヘクタール、北海道では一万二千九百ヘクタール、都府県では五千六百ヘクタールと、それぞれ減少しておるわけでございます。
 作付面積は、先ほども園芸局長から御説明があったわけでございますが、北海道におけるバレイショの作付面積は、昨年の食用が近年にない高値であったことから、種子用の一部が食用として販売されたために、種子が不足し、かなり減少しております。それから都府県の作付面積も、前年に引き続き減少しているわけでございます。
 作柄でございますが、北海道におきましては融雪がおそかったために、植えつけは平年より若干おくれたわけでございますが、萌芽期には高温多照によりまして順調であり、またその後六月中旬の適雨によりまして、茎葉の伸長は進み、開花期も平年に比べ数日早まったような状況でございます。イモの個数は、平年に比べてやや多目でございまして、七月、八月の好天候によりまして、イモの肥大も良好であり、また病虫害の発生も少のうございました。この結果、非常に作付の状況が良好でございまして、作況指数で申しますと一二五という作況指数でございます。
 なお北海道の収穫量は、十月九日に公表する予定でございまして、現在取りまとめ中でございますが、これも先ほど園芸局長がお話し申し上げましたとおりに、なお一二五%をかなり上回る作況になるという現在見込みでございます。
 都府県の作柄でございますが、全般的に申し上げますと、植えつけ期から萌芽期にかけましては低温寡照に経過をしましたために、生育は平年に比べておくれぎみでありました。これを地域的に申しますと、東北、北陸地方では六月中旬以降好天候に恵まれまして、地上部、地下部ともに生育は順調に進みまして、また病害虫の発生も少なく、作柄は良いという状況でございます。指数で申しますと、東北では一〇六、北陸では一一〇という状況でございます。関東及び東海以西の各地方におきましては、六月中旬以降の長雨のために生育は抑制されまして、イモの個数は少な目でございます。またイモの肥大も悪うございまして、そのほか疫病なり腐敗なりというものが多かったために、作柄は平年に比べてやや不良ないし不良となっておりまして、都府県全体では平年並み、指数で申し上げますと一〇一というふうな状況でございます。
 以上、二つの予想収穫量を御説明申し上げました。
 次に生産費の状況を御説明申し上げます。
 先ほど園芸局長から御説明ございましたが、私のほうでは最近四十四年産の原料用カンショ、原料用バレイショの生産費の調査を完了いたしまして、九月二十九日に発表いたしておりますので、先ほどの園芸局長の御説明の一〇ぺ−ジにかかわる分の、特に四十四年度を四十三年度と比較して申し上げます。
 原料用カンショの生産費でございますが、十アール当たり生産費、第二次生産費で申し上げますと、これは二万五千六百十七円となりまして、前年の十アール当たり生産費二万四千六百四十七円に比べますと、九百七十円、三・九%の増加となっております。増加のおもなる原因は、肥料費、農具費が前年より増加しているためでございます。百キロ当たりの生産費を申しますと、千八十二円でございまして、前年の千八円に比べますと七十四円の増加になっておりますが、これは十アール当たりの生産費が増加しているのに対しまして、十アール当たりの収量が前年に比べ三%ほど減少しているためでございます。
 生産費の内容を若干御説明申し上げますと、おもな構成費目は、労働費、肥料費、農具費でございまして、この三つの費目で八六・八%という割合を占めております。先ほど申し上げました労働費でございますが、これは十アール当たり一万一千四百四円でございまして、前年に比べるとわずかに減少しておりますが、これは単価が上昇しておりますにもかかわらず、投下労働時間が一五%、一六%近くも減少しているためでございます。肥料費の増加要因は、主として単価の高い高度化成肥料などの増加によるものだということが明らかにされております。農具費でございますが、これは前年に比べて増加しておりますのは、四輪車だとか耕うん機等の導入によりまして、償却費が増加しているためでございます。
 次に、原料バレイショの生産費でございますが、原料バレイショの十アール当たりの生産費も前年に比べまして増加しておるわけでございます。一万九千二百五十円となりまして、前年より千百五十六円増加しております。これも肥料費、労働費、農具費等が前年より増加したためでございます。百キログラム当たりの生産費は七百七円ということでございますが、これもやはり前年より増加しておりまして、百二十八円の増加でございます。これも十アール当たりの収量が前年に比べて一三%近く減少したためでございます。バレイショの場合も同様でございますが、労働費、肥料費、種苗費、農具費等の四つの費目が七八・四%という主要な構成費目となっております。労働費の状況でございますが、労働費の十アール当たりは四千六百六十七円でございまして、前年に比べますと百十八円増加しております。これは労働時間が八%ほど非常に減少したわけでございますが、労働単価の上昇等の関連もありましてわずかな増加ということになっております。肥料費につきましては、前年に比べてこれも四百四十一円という増加でございますが、これもカンショの場合と同様に単価の高い高度化成肥料の増加と施肥量の増加ということになっております。種苗費は百十八円減少しております。これはイモの価格が値下がりしたためでございます。農具費は二千百三十五円でございまして、前年に比べて三百四十八円増加しております。これもカンショと同様に四輪車、耕うん機、散粉機等の導入によりまして償却費が増加したためでございます。
 以上、簡単でございますが、生産費の変化と主要な項目の状況について御説明申し上げました。
    ―――――――――――――
#6
○丹羽小委員長 以上で説明は終わりました。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。芳賀貢君。
#7
○芳賀小委員 本日は小委員会でありますので、できるだけ掘り下げた論議をしたいと思います。
 第一にお尋ねしたいのは、毎年当委員会におきましては、政府の価格決定前に委員会としての必要な決議等を行なって政府に善処を求めておるわけでありますが、昨年の昭和四十四年におきましても、小委員会において案文を作成いたしまして本委員会の議決事項ということになっておるわけですが、この内容についてはすでに政府においても御承知のとおりであります。毎年委員会において適切な方針を定めて政府に対しまして農安法に基づいて十分な検討の上、適正な価格をきめる必要がある、また畑作振興、あるいは北海道及び南九州地域等の特産物であるバレイショあるいはカンショの作付経営等についても積極的な施策を講ずべきであるというようなことで指摘をしておるわけでありますが、昨年のこの七項目にわたる当委員会の決議に対して政府としてはどのように善処されたか、この際明らかにしておいてもらいたいと思います。
#8
○荒勝説明員 昨年当委員会におきまして決議を七項目ほどいただいております。
 これにつきましての政府の処理につきましては、第一の点でございますが、イモの原料基準価格につきましては、決議の御趣旨に沿って大体処理いたしたのではなかろうか、こう思っております。
 それから次のでん粉及びなま切り干しの基準価格について、運賃、加工に要する経費を実情に即して加算して決定することというのがございましたが、これについてもおおむね決議の御趣旨に沿って決定を行なったのではなかろうかと思います。
 それからイモ作地帯の農家経営の安定のためのいわゆる農業生産関係の諸施策をもっとさらに強化しろという御趣旨でございましたが、これにつきましては、イモ作につきましてはただいまわれわれのほうでも予算上やっていますが、いわゆる地域特産農業の推進事業あるいは畑作経営総合改善事業あるいは畑作振興特別土地改良事業等の推進をいたしまして、積極的にその地域特産の振興をはかってまいっておる次第でございます。なお、北海道の、年々のことではございますが、バレイショの原々種農場等が北海道のバレイショ生産に非常に資しておるのではなかろうかというふうに思います。さらにわれわれといたしましては、目下総合農政の推進ということでただいま農林省をあげて検討中でございますが、農業生産の地域分担ということもからませまして、その地域分担の作業が進む過程で、さらにイモ作についての振興対策を今後検討することになるのではなかろうか、こういうふうに思います。
 それから次は、でん粉工場の合理化計画ということでございますが、ことし、四十五年度予算できまったのでありますが、いわゆるでん粉事業を中小企業近代化促進法に指定業種として載せまして、イモでん粉の対策をここで検討願っておりまして、ことし、四十五年度と四十六年度二カ年にわたり検討いたした上、その間、新しい合理化計画を今後進めてまいりたい、こういうふうに思って、ただいま資料の収集中でございます。
 それから、国内産のイモでん粉とコーンスターチとの関係でございますが、これにつきましては、昨年の末からことしの春にかけましての関税率審議会あるいは関税定率法の改正ということで、従来までトウモロコシにつきましていわゆる二次税率がきめてありましたのですが、それをさらに大幅に引き上げまして、期間を三年延長すること、それから二次税率は実質的に、トウモロコシのCIF価格六十ドルを前提にいたしますと、おおむね五九%、約六〇%近い実質上の税率というようなかっこうにいたしまして、そうして国内産のでん粉とのだき合わせといいますか、販売調整をはかることによって、国産のイモでん粉の優先消化をはかって、その結果、先ほど私から御説明申し上げましたように、四十四年産のイモでん粉に関する限り、カンショについてはおおむね八月ごろ、バレイショについては九月中に全部消化したのではなかろうか、こういうふうに思っています。
 六につきましては、国産イモでん粉の政府買い入れということにつきましては、四十四年産のイモでん粉に関する限り、幸いにしておかげさまで買い入れをしないでも済んだ、値段のほうも、先ほど申し上げましたように基準価格を若干上回る線で価格は推移したというふうに思っておる次第でございます。
 それから七のほうでございますが、この抜本対策を至急講じろというお話でございますが、これにつきましては、イモでんだけでなく、さらに広範な各種農作物の価格対策の一環としてただいま検討中でございますが、まだ十分な結論を得ていないというのが実情でございます。
 以上でございます。
#9
○芳賀小委員 ただいまの局長の説明のうち、一、二に関する昨年の価格問題等についても、はたして生産価格が可能な基準価格あるいは買い入れ価格であったかということは疑問とするところが多いわけです。しかし、もうすでにことしの価格決定段階に入っておりますので、重要な点は、第三項目の「いも作地帯の農家経営の安定に資するため、いも生産の地域別生産目標を明確にするとともに、土地基盤整備事業の実施、農業機械化の促進及び高でん粉質多収穫品種の改良普及等生産対策をさらに強化すること。」この点は毎年当委員会においても強力に指摘しておる点ですが、これは局長の説明にもかかわらず、全然行なわれておらないといっても差しつかえないと思うのです。特にイモでん粉等の生産目標を明確にするということは非常に大切なことです。これが全く無政策に置かれておる関係等もあって、冒頭の説明によっても、カンショでん粉、バレイショでん粉で四十四年イモ年度においては合わせて五十万トンの生産しか行なわれていないわけです。ですから、年間の総需要の約百二十万トンに比べると、国内のでん粉の供給力というものは五〇%を割ってもう四五%そこそこということになっておるわけです。これは大勢がそうなっておるからやむを得ぬというわけにはいかぬと思うのですよ。しかも、ことしから米の生産制限の政策等が強行されておりますし、また来年以降においても相当大幅な米の生産縮小政策というものを政府においても考えておるわけですからして、これとの関係も踏まえて、国内におけるイモ類でん粉の生産対策、あるいはまた長期的に見た場合に、国内のイモ生産並びにでん粉生産というものは、最低の生産目標というものを一体どの程度に確保して、一定の国内の自給度を維持するかということは非常に大切な点になるのです。この点をきょう価格問題の論議の前に明らかにしておいてもらいたいと思います。
#10
○荒勝説明員 ただいま私も申し上げましたように、農林省といたしましても、最近米の生産調整を契機といたしまして総合的に農政、特に私のほうの所管でいえば米以外の農作物への転換ということでただいま検討を続けておる次第でございます。やはりわれわれといたしましては、米が余った過程におきましてその部分を何らかの形で農産物を植えるというのが私たちの気持ちでございまして、その線に沿って現在検討しておる次第でございます。その検討が非常におくれおくれになりまして、当委員会で私から園芸局のはっきりした姿勢がまだ申し上げられないのははなはだ遺憾でございます。その際、検討の中の一つといたしまして、われわれとしましても先ほど申し上げましたように、地域分担ということはやはり農林省の今後よるべき一つの指針として非常に大事なことではなかろうかということで、その地域分担の中に国内産のイモ作並びにそれに伴うイモでん粉というものを当然一つの指標なりガイドポストとして入れてまいりたいということで、今後ともその地域分担の作業がはっきりする中でイモ作に対するわれわれの姿勢もおのずからはっきりさせていくことになると思っております。
#11
○芳賀小委員 特にでん粉原料のバレイショ及びカンショの生産地帯ということになれば、バレイショでん粉については北海道、カンショでん粉については南九州ということにもう限定されておるわけですね。ですから、いま新たに地域分担を唱えなくても、一体国内におけるイモでん粉の生産というものを長期的な見通しの上に立って国民食糧との関係でどうするかということは、これはもうすでに明らかにされていなければならぬ点なわけです。とにかく従来は国産のでん粉で一〇〇%需要を満たしておったのが、これは政府の明らかな施策の誤りから招来した結果ですが、昨年バレイショ、カンショともに作況不良という理由はあるにしても、自給率が五〇%を割っておるということは、たいへんな問題だと思うのですよ。このまま推移すると、むしろ輸入原料によるでん粉が国内消費の大半を占めて、国産のでん粉というものは補完的な役割りを演ずるというような、逆転した結果になるかもはかりがたいわけです。そういうことを政府としては望んでいるわけじゃないと思うのですよ。だからこの際、昨年の委員会においても指摘しました生産目標というものを一体どのように農林省としては考えておるのか。たとえば昭和四十三年十一月に公表された農産物の長期需給見通し、これは昭和五十二年を目標にしておるわけですが、その中におけるカンショあるいはバレイショ、国産でん粉等の見通しについては、もう自由化に押されて結果的にこうなるだろうというような、まことに後退した、消極的な見通ししかついてないのですよ。放任しておけばこうなるから、やはり政策努力でこうしなければならぬという点が全然あらわれていないわけですね。だから、ことしの価格問題を扱う場合においても、毎年毎年カンショ地帯においてもバレイショ地帯においても作付面積も減少しておる。ことしは天候による豊作によってようやく一定の生産量を確保しておるわけですが、これは非常に重要な事態でありますので、もう少し具体的に、来年からは前向きにどうするという考えがあると思うのですよ。その点を率直に明らかにしてもらいたい。
#12
○荒勝説明員 ただいま申し上げましたように、ただいま農林省として作業を非常に急いでおりますので、なかなかここではっきりとした明快な答弁ができないのははなはだ遺憾でございますが、北海道の例を取り上げましてバレイショについて取り上げますと、われわれといたしましても、やはり北海道は北海道なりにそれぞれのローテーション作物等がありまして、均衡ある畑作農業の発展というのが私たちの気持ちでございまして、バレイショだけが突き進むとかあるいはほかの、たとえばてん菜だけが突き進むとかいうのじゃなくて、バレイショあるいはビートあるいは豆類あるいは飼料作物、こういったものが一つのローテーションとして将来性のある姿を一日も早くつくり上げていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。その関係で特にバレイショについて取り上げますと、私たちの日常のデイリーワークでございますが、先ほども申し上げましたように、毎年バレイショ原々種農場でいわゆるでん粉にもっと適した高品種の、高でん粉の、しかも多収穫な安定性の強いバレイショを、一日も早くもっといいのをつくり出すというのが、これは当然の姿勢でございますが、その中にありましてもこの二、三年の動きを見てまいりますと、やはり食用バレイショといわゆるでん粉用バレイショについての姿勢をわれわれとしてはもう少し分析してみたい。食用バレイショにつきましても、最近ポテトチップとかといった形で、あるいは加工されたかっこうでいわゆる蒸されて食卓にのぼるような、家で皮をむかなくてもいいような形の加工バレイショの形態も進んでおりますので、われわれとしましてももっと食用への転換を大いにはかっていきたい。たまたま北海道のほうにおかれましても食用バレイショの姿勢についてはつとにいろいろ検討されておりますので、それについては今後東京の輸送施設等の整備を行なうことによって、そういう面の新しい方向も今後打ち出していきたい、こういうふうに思っております。当然そういった過程で、いわゆるでん粉用バレイショ、でん粉の系統につきましては合理化工場はおおむね進められてまいりましたが、さらにそれを今後でん粉のみならず付加価値も高めるようなことも検討を加えなければなりませんが、それと並行しまして、先ほど申し上げましたようにでん粉以外の販路拡張といいますか、それに即応した生産体制の整備を進めてまいりたい、こういうように考えておる次第でございます。
#13
○芳賀小委員 農林省の昭和五十二年における農産物需給見通しからいうと、五十二年にはでん粉の総需要がおよそ百五十万トンと見通しておるわけです。最近は大体百二十万程度ですか。だから、十年後の将来にはこれが漸増して百五十万トンになるという見込みを立てておるわけですが、現在もそう思っていますか。
#14
○荒勝説明員 これは少し端的な申し上げ方で、あるいは間違っておるかもわかりませんのでその点お許しを願いたいのですが、当初三年ほど前に五十二年の見通しをつくりましたときに比べますと、私の最近の時点だけの受ける感じでございますが、でん粉につきましては少し需要が減退ぎみの傾向がある。
 これは、一つは大きな点でございますが、グルタミン酸ソーダに従来国内産でん粉も相当使っておりましたし輸入でん粉も使っておりましたが、これが糖密に相当原料転換が行なわれると同時に、最近はさらに酢酸法とかいって原料がまさに全然別のほうに転換していった。これは相当の原料転換で、でん粉の世界から見ますと大きな痛手と申しますか、あるいはこれはちょっと予想外の科学技術の革新であったという点が第一点。
 それから第二点、これは長続きする話かどうかわかりませんが、従来ブドウ糖に相当加工されて用途が相当あったわけでありますが、それがたまたま砂糖に比べると若干甘くないというようなことで、ただし安いからということで人工甘味料とある程度抱き合わせで消費者のほうに入っておったのが、人工甘味の禁止という措置によりまして、やはりブドウ糖だけでは甘さが足りないということで、ユーザーのほうから最近どうも消費の減退ぎみといいますか需要が伸びないというふうな点が最近における新しい時点で、いままだ十分作業は完了いたしておりませんが、五十二年見通しの百五十万トンという時点から比べますと、やはりでん粉としましてはあるいはもう少し下回ることになるのではなかろうか、こういうふうに理解しておる次第でございます。
#15
○芳賀小委員 ではどのくらいになるのですか。
#16
○荒勝説明員 先ほど申し上げましたように現在作業中でございますので、どうも明快なことを申し上げにくいのですが、まあ百五十万トンというのは無理で、現在の百二十万トンを少し上回る百三十万トン前後で、来たるべき五年間はその程度ではなかろうか。過去の三年前までは年率五%くらいの、少なくとも国民の所得増に伴う可処分所得部分ぐらいは確実に消費が伸びてきたのでありますが、どうもこの二、三年、統計的には無理な形でいろいろはめ込んでおりますので、百二十万トンをこえる年もこの二、三年ありますけれども、実態的にはキャリーオーバーという形で、われわれの安定的な消費水準は大体百二十万トンというふうに見込んでおりますので、百二十万トンから少しずつ伸びていく。今後また新しい用途開拓といいますか、そういうものが開発されるならば、また多くふえるかとも思いますけれども、あるいは米等との競合部門もございまして、また古々米等がビールのほうへ回るということになれば、わずかばかりでありますがビールに回されておったでん粉等も、あるいはまた消費の減退を来たすか。この食品業界は、食味といいますか好みによっていろいろ消費者の感覚も違いますけれども、経済的には、基本的には多少価格との競合関係というものがやはり長い目では出てくるので、そういう面ででん粉だけで市場をふやしていくというのは、多少無理な点もあるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#17
○芳賀小委員 農産物の長期需給見通しですから、単にイモでん粉だけがどうなるということは的確でないと思うのです。総合的な見通しの上に立たなければならぬということになれば、やはり米の問題にしても、国民の年間一人当たり消費量が百キロを割ったというような発表もあるわけですから、四十三年十一月に立てた長期需給見通しというものは現実性がないという非難もあるわけですから、これは農林省としては速急に再検討の上に改正するという方針ですか。
#18
○荒勝説明員 長期見通しの改定作業の点につきましては、これは全農林省をあげて、特に官房が事務局的に担当されておりますので、私から申し上げるのはどうかと思いますが、ただいまの段階では、多少その後各農作物によって需給の見通しが出入りがあるようでありますが、長期見通しを原則としていま直ちに変えるというふうには聞いておりませんで、米についてはこの際意欲的な、長期的なある程度の修正は必要ではなかろうか。ほかの作物についてはおおむねその長期見通しを踏襲しつつ、直ちにとるというのではなくて、いわゆるガイドポストといいますか、地域分担作業をただいま急いでおる。それで地域分担作業でいろいろ、あらゆる方法論を講じてやっておるようでありますが、その結果によってまた見直すことはあるかもわかりませんが、いま直ちに修正するとか手直し、改定作業をやるというふうには私はまだ聞いていないのでございます。
#19
○芳賀小委員 それではその問題は次回に譲ることにして、そこで生産目標に戻るが、現在は年間百二十万トンのでん粉の需要、長期見通しでは百五十万トンを若干下回るが百三十万トンを上回ると思うという局長のお話ですから、そうなると自給率というものはどう持っていくつもりですか。去年の五〇%を割ったというのは作況による異例な現象としても、これを五〇%を確保するのか。それじゃ少な過ぎると思うのですが、六〇%を確保するように目標としては努力するのか、あるいはそれ以上を考えておるのか、その点はどうですか。
#20
○荒勝説明員 先生御存じのように、農林省といたしまして――これは政府全体の話でございますので、私から言うのは少しどうかとも思いますが、国内産の食糧は大いに振興すべしということがいまいわれながらも、一方ではわれわれの立場とは無関係に相当な形で自由化政策が行なわれざるを得ない。簡単に輸入制限してしまえば、何でもアウタルキーといいますか、自給自足できないものもないと思いますけれども、そういうわけにはいかないというのがわれわれの現状でございまして、やはり貿易の促進というものを一方に踏まえながら、国内の生産体制の合理化と近代化によって何とかして農家に甚大な影響を与えないように策を講じていくのが私の仕事ではなかろうか、こういうふうに思っている次第でございます。
 それで、でん粉につきましては百三十万トン前後が将来さしあたりの目標というふうに私は考えておりますが、いままでのようにタピオカは極力入れないというふうなことも踏んまえて、でん粉自体につきましては、政府といたしましても農林省といたしましてもまだ自由化に踏み切るという姿勢には実はなってないのでありますけれども、自由化には踏み切らないかわりに、やはり何らかの形で多少のでん粉は今後とも入れざるを得ないのではないかというふうに私自身考えている次第でございます。しかも国内産のイモでん粉が、われわれの施策の不十分さも相まってかとも思いますけれども、やはり年々何らかの形で値上げせざるを得ない。値上げする過程で外国産のコーンスターチ等と――ことしはたまたま向こうも高くて、逆にわれわれとしてはどうやって調整販売を進めていくか、いま苦労しているわけでありますが、やはりユーザーの立場からすれば、何でもよろしい、安いでん粉であればそれに越したことはないという姿勢で動いておりますし、経済はそういうものだと思いますが、そこでわれわれといたしましては、国内産のイモでん粉はイモでん粉なりに合理化を進めて、そして一日も早く何とか国際競争力に立ち向かえるように――そんな一年や二年でできるとは思いませんが、やはりコストの切り下げと反収の増というかっこうで今後大いに合理化を進めていってこそ初めて国内産イモでん粉の生き残るといいますか存在する理由があると思いますので、そういうふうにお互いにつらい点も相当あるかとも思いますが、われわれとしましては国内産のイモでん粉は今後まだ大いに振興していきたい、こういうふうに思っております。ただやはりむちゃくちゃ増産といいますか、値段を無視しての増産とか、こういつた面は今後はあるいは許されないのではなかろうかということで、その点は関係者とも十分話し合いを進めながら、でん粉は少しでもこれ以下に減らないようにということで、いろいろな、関税率等にしても、一方のほうからいえば不当とも思われる関税率をつけたり、タピオカのほう等については二、三万トン単位に特殊な用途の分しか認めてないというようなことで、事実上輸入をほとんど制限しながら国内産のでん粉の増産を期待しているのでありますけれども、やはり北海道におかれましても、農家自身のサイトから見ても、ローテーションがありまして、でん粉だけを増産するということも、北海道の立場としても、農家のほうでもいろいろありましょうし、また農林省といたしましても、先ほど申し上げましたように、政策的にイモでん粉だけ値段をつり上げて、ビートとかあるいは牛乳とか、そういったものは知らぬというわけにもいきませんので、その辺は調整をとりながらイモでん粉がなお今後できるだけ伸びる道を開きたい。
 なお、バレイショでん粉等につきましては、私もヨーロッパのことは存じませんが、最近行かれた人々の話を聞きましても、あと一息でバレイショ自身が国際的な水準に近づき、またでん粉ももう少し合理化すれば国際的な水準に落ちつくんじゃないかという、われわれから見れば、北海道のでん粉についてはある程度軌道に乗っておるというふうに理解しておりますので、なお北海道のでん粉産業の育成については今後とも努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
#21
○芳賀小委員 荒勝局長から相当時間をかけた説明がありましたが、何ら核心をついてないのです。私の聞いているのは単純なんですよ。一体、イモでん粉の生産目標というものに対して委員会はたびたび指摘しておるわけだが、これに対する明確な対応がないではないか。これとあわせて、長期需給見通しからいって、でん粉の国内需要というものは現在よりも減退するようなことはないわけだからして、そういう場合には国内の農業生産の中においてイモでん粉の自給率というものをどの程度に目標として確保する方針かということを聞いておるのですよ。方針がないのならないでいいんですよ。貿易振興のためには国内の農業を犠牲にするというのであれば、それも一つの理由になるわけです。しかし、せっかく農林省という役所がまだ現存しておるでしょう。この農林省が国内の農業の施策を担当して進めておるわけです。その中に五年先、十年先の長期見通しも何もないというようなことでは情けないんじゃないですか。だから、五〇%確保していくのか、これを六〇%に回復する考えであるのか、もう成り行き次第で全然そういう考えはないというのか、日ごろの率直な局長の答弁をしてもらいたいと思うのですよ。
#22
○荒勝説明員 端的に申しますと、先ほどから答弁を申し上げているように、ただいま、いわゆる地域分担作業をやる過程でもう少しわれわれのはっきりした見通しを計算してまいりたい、こういうふうに思っておりますが、われわれのでん粉の毎年度の対策といたしましては、国内産イモでん粉の生産を最優先といたしまして、それから総需要量のうちの国内産イモでん粉の供給見込み量を出したあとで大体輸入量をはかるということで、輸入を先にやって国内産イモでん粉がそれのあと始末という姿勢では毛頭ございませんので、これは誤解のないようにひとつ御了解願いたいと思います。
 つきましては、またわれわれとしましては、国内産イモでん粉で国内の需給がまかなえるならばこれにこしたことはないということで、われわれといたしまして、国内産イモでん粉の生産を抑制するようなことは毛頭やってもおりませんし、むしろ今後とも促進してまいりたい。自給率はどの程度がいいかということのまだメルクマールができていないということで、この際一日も早く計算いたしまして御報告申し上げたい、こう思っております。
#23
○芳賀小委員 それでは、九日に農林水産委員会が開かれる予定になっておるし、倉石農林大臣も出席するはずです。その際、このイモでん粉の生産目標あるいは自給率の問題――これは単にイモでん粉だけではなくて、今月末には大豆の政府の基準価格もきめることになっておるし、大豆については政府としても、稲作転換の目標を大豆の生産増加等にも向けるという考えもあるようなんですけれども、これも政府の施策の誤りから全く国内の供給力ゼロというようなことになっておるわけですから、その際に大臣に質問しますので、十分な資料を与えておいてもらいたいと思います。
 次に、決議の四項目の「地域の実情に応じた再編整備等でん粉工場の合理化を促進するとともに、でん粉工場の経営安定のため必要な融資措置を講ずること。」北海道においてはすでにでん粉生産量の八〇%以上が合理化でん粉工場によって整備されておることは御承知のとおりです。しかし、九州地域等におけるでん粉の製造施設というものは、大半が旧態依然としてあるわけでありますので、これらに対しては積極的に政府が誘導政策を講じて、工場の再編整備あるいは合理化が具体的に行なわれるように、財政的な措置あるいは税制上の措置等を十分に配慮して、また合理化に必要な金融措置等についても重厚な施策を講ずる必要があると思うわけですが、これも政府としてはほとんどやってないわけですね。これが完全に行なわれて、地域におけるイモでん粉の生産目標というものが政府の責任で明示されるようなことになれば、特に南九州の畑作地帯等においては、イモでん粉を中心とした振興が一段と期待を持たれるんじゃないかと考えるわけです。これはやる気があるのですか。
#24
○荒勝説明員 先ほど申し上げましたように、四十五年五月だったと思いますが、カンショでん粉につきましても近代化促進法の対象業種に入れまして、業界の方あるいはそのほかの関係者にお集まり願って、いわゆる南九州のイモでん粉産業のあり方をどう持っていくかということで、近促法の対象としてただいま鋭意検討をお願いしている。それがことしと来年と二年かかりますので、そのあれはわかりませんが、近促法の対象になれば、当然税法上の相当な優遇措置もございますし、融資上もまたある程度のことができるというようなこともありますので、一日も早くカンショでん粉についての合理化、近代化方針の図案ができることをわれわれとしては期待している次第でございます。
#25
○芳賀小委員 いまの局長の説明によると、た上えば農協系統のでん粉工場の合理化等についても、中小企業近代化促進法に乗せて同様に扱う、そういうことを言っておるわけですか。
#26
○荒勝説明員 あるいは誤解を招いた点については訂正いたしますが、ただいまの近促法というのは中小企業近代化促進法でありまして、中小企業だけについての取り扱いでございますので、でん粉につきましても当然に、俗にいう業者系のでん粉工場だけを対象に――業者系だけをいたしましても、でん粉はそうはまいりませんので、ビジョンとしましては今後でん粉産業のあり方について検討いたしたいと思いますが、農協系につきましては、農協法あるいはその他いろいろな農林省関係の法律でほぼ中小企業関係と同様の取り扱いもできますし、また融資も今後、その他別の形で融資の促進あるいはその合理化の助成ということができるのではなかろうか、こういうふうに理解している次第でございます。
#27
○芳賀小委員 それではあたりまえのことじゃないですか。せっかく近促法とあなた言っておるけれども、いま中小企業近代化促進法という法律があるでしょう、これには農協系統というものは対象になっていないんだから。しかし、北海道にしても九州にしても、北海道の場合はほとんど、九〇%以上が農協系統による合理化工場の施設が進んでおるわけですね。九州の場合には、端的には農協が弱いといったほうがいいでしょう、強いとは言えないのだから。そういう関係で、業者工場というのは相当あるわけですが、いま問題にしているのは、生産農民がイモの耕作をしておる、その生産農民の組織体である農協が工場施設を維持しておるけれども、近代化、合理化が進まないので、これを急速に抜本的に再編を進める必要があるじゃないかという場合には、やはりこの法律上の保護というものは当然必要になるわけだからして、実例としては近代化促進法と同様かあるいはそれ以上の強力な国の保護というものがこれらの近代化のために活用できるというふうな道を開かないと実行できないのです。そうするというのですか。業者は近促法があるが農協はありませんということなのか、それはどうなのか。
#28
○荒勝説明員 先ほど申し上げましたように、いわゆる業者系統には近促法の対象にのせてこの近代化を促進してまいりたい。それと相並行いたしまして、当然に南九州のでん粉企業のあり方の中で、農協系の工場についても、合併とか近代化の施設整備とかそういったことは当然出てまいりますので、われわれといたしましては、中小企業の近促法のほうではいわゆる構造改善貸し付け資金といたしまして、設備資金等につきまして貸し付け金利七分、十年という資金の貸し付けができるようでありますが、それに対応いたしまして、当然にわれわれのほうとしても何かガイドポストなり指導指針等を出しました上で、この南九州の農協系のでん粉工場には呼びかけてまいりたい。その際にはやはりただいまあります農業近代化資金等を、これも金利は七分で同じでありますが、貸し付け期間等はより長く十五年でございますので、それを適用して誘導といいますか指導してまいりたい。
 それから、そのほか合併とか企業合同、つまり農協系の合併促進を進める過程で、できましたら当該県、市町村とよく相談いたしまして、構造改善事業にのせればある程度の――北海道と同様に五割前後の施設補助がございますので、近促法の場合はそういう補助金がございませんが、構造改善事業にのせて五割くらいの設備補助をしていきたいという気持ちと、それから地域特産農業の推進にのせれば、またこれもある部分の施設につきましては、多少補助率は落ちますが、三分の一程度の補助率も考えられますので、そういった補助金も有効に使いながら、近促法にはないかっこうで、地域地域、鹿児島県のあるグループのでん粉工場のあり方については、構造改善なり地域特産なりというものを適用することによって、近促法にはないさらにプラスの面を個別に審査して指導してまいりたい、こういうふうに思っております。
#29
○芳賀小委員 あわせて今後でん粉工場の合理化施設を進めるということになれば、工場排水の処理というものが必ず伴ってくるわけです。だからこういう点についても、公害問題等の非難を浴びないように事前にでん粉製造施設等についても農林省として適切な指導を行なう、またその施設というものが全部生産者あるいは農協や企業に転嫁されるようなことでは相ならぬと思うのですよ。けさの陳情にもありましたが、たとえばなまかす等については乾燥施設を併置すればこれはりっぱな飼料になる。あるいはまたデカンタによる廃水等については、たん白回収の設備をすれば相当価値のあるたん白が確保できるわけです。ただ、これが企業採算上そのことを進んでやるのが有利か不利かということになるとまだ問題はあるが、どうしても廃水処理施設というものを併置しなければならぬということになれば、そういう副製品というか、資源の活用というものは考えなければならぬわけです。たださえ飼料資源が非常に枯渇しておるわけだし、輸入の濃厚飼料等についても暴騰を示しておるわけですから、こういう点についても積極的に研究を進めて、いま局長の言われたような近代化、合理化の一環として、これらの問題も進めていくという考えであるというように理解していいですか。
#30
○荒勝説明員 端的に申しまして、従来このでん粉工場につきましては、それぞれでん粉工場の所在場所が北海道と南九州であった関係で、汚水の公害問題につきましてもあるいはわれわれの認識が甘かったのかもわかりませんが、過去二、三年前までは多少問題とはなりつつも、当該市町村長あるいは県当局も何となく処理されてきたように聞いておるわけでございますが、ここへまいりまして、特に北海道の場合でん粉工場の大型化ということで、従来のように少しずつ汚水を流すのと違いまして、大量の汚水を流すということで非常に問題になってきた、そこでわれわれといたしましても、北海道のでん粉の健全な発展上、この汚水処理の関係ででん粉生産の発展が今後期待し得ないというようなかっこうになったのではそれこそたいへんな話でございますので、われわれといたしましても今後北海道を中心にこのでん粉企業の汚水処理については相当気を配ってまいりたいと、こういうように思っております。ただ、合理化事業とこの汚水というか、公害問題とは多少問題の発想方法を異にいたしておりますので、多少取り扱いも異にするのではなかろうかと思いますが、われわれといたしましては、北海道の場合は大量の汚水が発生すると同時に、逆に大量の飼料の原料となるであろうでん粉かす並びにたん白質が排出されますので、そのえさとなるべきものを回収すれば、当然廃水は先生十分御存じのように多少でも緩和されるということで、これは農林省内部でも十分相談しながら、また個々の企業のほうから御相談を受けた過程で内部で検討しながら今後措置してまいりたい、こういうふうに思っております。
#31
○芳賀小委員 決議の七項目の、国産イモでん粉等の需給及び価格安定のために抜本的な対策を講ずるようにしなさいという点については、農林省の中にイモでん粉に対する対策の研究会が設置されておって、もうすでにこれは結論が出ておると思うのですよ。いままでは農林省の中の研究会で一生懸命で検討していますということで、抜本対策を逃げておったわけですが、結論が出ておるとすれば、この際これは明らかにしてもらいたいと思うのです。
#32
○荒勝説明員 結論から申し上げますと、現在、一応研究会は昨年の二月初めごろをもって解散したかっこうになっていると思います。と申しますのは、抜本的対策という形で約二年間にわたりましてイモでん粉研究会のメンバーの方々にお集まり願って慎重に検討してまいりました結果、やはりさしあたり輸入トウモロコシの関税二次税率を大幅に引き上げる、かつ長期にわたって、三年間くらいやることによって、抜本的には、恒久的対策にはならぬけれども、当面の措置として三年くらいやればでん粉対策としては相当な姿勢ではないかということで、そういう御答申をいただきまして、それでトウモロコシの関税定率を改正しまして、先ほど申し上げましたように相当な、五九%前後の高率関税を付することによって、国内産のイモでん粉が円滑にこの二、三年の間だけでも流れるように結論を出した次第でございます。
 失礼しました。ことしの二月にイモでん研究会は一応解散したというかつこうでございます。
#33
○芳賀小委員 この研究会にはある程度期待を持っていたわけです。研究会で研究していますからということで農林省が逃げるわけですからね。それじゃ結論が出るまでやむを得ぬかなというふうにわれわれは考えておったわけです。いまの局長の話だと、二月に解散しました、結論は関税制度に対する若干の手直しだけが結論であって、あとは何も収穫がなかったということですか。それじゃ関税問題だけを扱う研究会だったんですか。
#34
○荒勝説明員 一応イモでん研究会で広範囲に、イモの生産段階から含めましていろいろ御検討を願ったかっこうで、その間相当長期の時間を要したわけでありますが、結論的には、いろいろな検討の結果一応トウモロコシの関税二次税率を大幅に引き上げるのがさしあたり一番いいのではないかというふうな趣旨の示唆のある御回答というか御意見をいただいて、それを結局われわれとしては採択して、政府としては相当英断をもって関税定率表の改正に踏み切った、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#35
○芳賀小委員 何も関税定率表の一部改正を研究するためにイモでん研究会なんというものはなくたって、あの程度のことはできたんじゃないですか。最初の発足は、畑作振興というものを大きな基盤にして、イモ類でん粉の生産対策あるいは構造対策、制度的にはいまの農安法というものをどう見るかという問題とか、あるいはまた自由化のもとに不安定になっておる状態の場合に、これらに対応するためには不足払いとか課徴金制度の問題をどうしたらいいかとか、それから長期的には需給見通しの上に立って、国産のイモでん粉というものはどの程度の自給度を確保すべきか、こういう研究課題というものは最初から明らかになっておるのですよ。じゃ、やってみたがどれもこれもむずかしくて、結局は関税の一部手直しだけで解散ということになったわけですか。
#36
○荒勝説明員 ただいま御指摘のように非常に広範囲にわたるいろいろな検討がその研究会の過程で行なわれたことは事実でございますが、やはり実際的な結論といいますか具体的な行政行為という段階での見解となりますと、いま申し上げましたようにトウモロコシの関税定率表を改正することによってこの三年間それでひとつやれというふうに私は御示唆をいただいたものと理解している次第でございます。
#37
○芳賀小委員 それでは制度的にはいまの農安法、これを堅持なんていったって、食管堅持と同じで、空洞化していまさら当てにならぬですけれども、制度的には農産物価格安定法というものは現存しているわけだから、これを忠実に運営する。しかし、これは必ずしも自由化に対する歯どめにはならぬ点があるわけですね。これを補完するためにはいまの関税制度というものを一部手直しをして、そして補完的な役割りを果たさせるというようなことが制度的には最善の方途であるというようなことですか。
#38
○荒勝説明員 御指摘のように農安法というものは当然現在も生きておりまして、その当該農安法によりましてこういうふうにイモでん粉の価格を年々決定さしていただいているというかつこうでございまして、われわれ、あるいは全販を含む業界の方々のあらゆる努力にもかかわらず、イモでん粉の値段が基準価格を割るような事態になれば当然に政府が買い上げざるを得ないということで、先四十三イモ年度でございますか、七万トンの馬でんを買わざるを得なかったことも事実でございます。
 しかし、やはり過剰となるような、いわゆる何らかの形で年々食管買い上げというような事態になるということは、最低価格でありますし、また業界にとっても不幸なことでありますし、また政府自身がその結果赤字の累積を引き起こすというようなこともまた将来にとってあまりよくないことでありますので、われわれといたしましては政府に入らないように、あらゆる努力を払って基準価格以上の値段で経済的にこの業界が、ユーザーも含めて取引できるように、円滑な経済運営ができるようにするというのがわれわれの仕事でありまして、そのために一つの大きな歯どめとしまして実際上――トウモロコシが形式的には自由化であるにかかわらず、実際的には二次税率という禁止税率に近い税率を設けることによって、計画外に入ってくるトウモロコシの輸入をここで阻止することによって国内産価格の安定をはかっているというのが実態で、農安法と関税定率表との二つがいわゆる歯車のごとく二者合わせてやはりでん粉行政の大きな一つの仕事ではないか、こういうふうに思っている次第でございます。
#39
○芳賀小委員 それに関連して、当委員会においてもこの自由化に対する関税上の措置をどうするかということを以前議論したことがありましたが、今度の改正の場合は、それはいわゆる関税割り当て制、タリフクォータによって二次税率を弾力的に運営するということになっているわけですね。六十ドルのCIF価格の場合は、これはトン当たり一万二千八百円ですか、それが八十三ドルになった場合には昨年までと同じように八千六百円ですか、八千六百円に引き下げる。この輸入価格が高くなれば二次関税率は下げるという、こういう弾力措置をことしから講じておるわけですが、だから現在もう八十ドルをこえておるわけですから、おそらく二次関税というものは昨年と同じく八千六百円ぐらいになっておると思うわけですね。それ以上上がっても八千六百円以下にはならぬわけですけれどもね。こういう点にも、やはり見通しの甘さ、いつまでたっても輸入トウモロコシは安いんだという、そういう判断が半年後に狂っちゃってきておるわけだが、これはいままでよりは改善措置だから別に非難するわけじゃないですよ。それとあわして、われわれが問題としたのは、トウモロコシ全体が自由化になっておるが、その中で八〇%を占めるえさ用トウモロコシを除いたいわゆるでん粉原料のトウモロコシ等については、この分だけを輸入割り当て制ですね、いわゆるIQ制に移行させるということは、必ずしもガット上の違反にもならぬわけだからできるんじゃないかということも議論したことがあるのですよ。これはイモでん研究会では検討してみたのですか。――しなければしないでいいですよ。
#40
○荒勝説明員 一応やはりもう一ぺん、でん粉の原料となるものも含めて、いわゆるでん粉の輸入行政、輸入姿勢についてのあり方ということも検討の材料にはなりましたけれども、やはりいまさらでん粉用トウモロコシだけ取り上げて非自由化品目の中に入れるということはいかがかなというふうな意見が出まして、結局その案は取りやめにならず、むしろタリフクォータの二次税率をうんと引き下げるということについて多少は意見がございましたが、やはりそれなら国際的にもまた国内的にも両方御満足できるんじゃないかということで、大幅な引き上げの方向へ、われわれとしてはそういう措置を講じた、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#41
○芳賀小委員 なぜ私がこれを言うかというと、実は六月から七月にかけて、農林委員会の有志の仲間で外国の農業事情を調査して、一回りしたのです。その際、ガットの問題も大事ですから、ジュネーブへ参りました際、ガットの日本からの駐在官が行っておるわけですから、そこでこの問題についても話し合いをしたわけですよ。しかしガットに行っておる日本政府の代表の諸君も、トウモロコシのうちの一部分ですね、でん粉原料用の一部分のものを、この分だけについて輸入割り当て制を採用するということは、これは必ずしも問題はないじゃないかというような話も実はしておったわけです。だから、何でもガットの精神に反するとか逆行するからだめなんだというような敗北感だけの上に立って問題を扱うということは慎んでもらいたいと思うのです。そういうようなこともあるので、今後いまの関税割り当て制だけで十分の成果を維持できるかどうかということは、これは未定の問題ですが、しかし最近の原料トウモロコシの価格の推移を見ても、これは異例な現象であって、また先にいって六十ドル台に戻るということは絶対ないと思うのですよ。これはフランスのパリにOECDの本部がありますけれども、日本の農産物の輸入政策を痛烈に批判しておりまして、日本は世界の、たとえば砂糖類にしてもあるいは麦類の輸入にしてもあるいはまたコーンスターチの原料トウモロコシの輸入にしても、安物だけをさがして集めておるというのですよ。たとえば安い原糖を入れるにしても、国際砂糖協定の水準からはずれたようなダンピングのようなものを拾い集めてくるとか、麦類についても過剰農産物を買い付けるとか、正常な貿易行為ということでなくて、何でもかんでも安物だけをさがすのがいかにも行政手腕があるように考えておるが、これはもう長続きしないというような指摘も実は行なわれておるわけですよ。だからいままでやったことが全部、これは安い農産物をどこからでもさがしてくればいいとか、それによって国内農業が壊滅してもかまわぬというような、そういう考え方というものはもうこれからはとるべきじゃないと思うのですね。そういうことで、トウモロコシの輸入価格の問題にしてもえさ用にしてもあるいはでん粉用にしても、やはり国際的な経済の発展の中で正常な国際価格というものを、特別安いものについては是正される傾向にあるということは、そういう考えも持っていないのですか。
#42
○荒勝説明員 まず砂糖の点からちょっと私から御説明申し上げたいと思いますが、確かに一時国際的な砂糖が大暴落した前後のときに、日米の輸入商社なりメーカーは、世界中至るところから一番安い砂糖を拾い集めてきたといいますか、そういう買い方をしておったことも過去二、三年前はあるのではなかろうかと思います。その結果、やはり生産供給国あるいは消費国の間で多少いろいろな議論が出まして、昨年いわゆる国際砂糖協定というものが成立しまして、加盟国に限って一定のシェアで売買できるというふうに話がきまってまいりまして、現在におきましての日本の砂糖の買い方は、やはり国際的に認められた一つのロンドン相場を基準といたしまして、そして砂糖協定に入っていわゆる上限下限価格を守るということで、そういう一定の条件のもとに、加盟しております国々からのみ砂糖を買っておりまして、非加盟国からは一切砂糖を現在買っていないというのが現状でございまして、おおむね最近の砂糖の買い入れ方は、国際的にはいま需給が多少逼迫しておりますので、むしろロンドン相場よりは多少プレミアムか何かがついた、高値といってはおかしいのですけれども、国際相場よりは少し色がついた値段で買っておるのが事実でございまして、不当な買いたたきのしかたは現在ほとんど、絶対にないというのが現状だと思います。
 なお、そのほかの商品につきましても、これは統制しているもの、統制していないもの、いろいろございますので、われわれ役人の介在すべき問題ではございませんが、一応それぞれ、これだけ大量の取引――貿易の拡大の過程で時と場合によっては少しぐらいひねものといいますか、不当なものが入っているかもしれませんが、これだけ大量なものが入りますと、やはり大量取引の正常な価格というものを基準にしてそれぞれ国内へ輸入されておるのではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。
#43
○丹羽小委員長 暫時休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十七分開議
#44
○丹羽小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。芳賀貢君。
#45
○芳賀小委員 四十五年産のイモ類でん粉の価格算定にあたって必要な事項についてお尋ねいたします。
 午前中に園芸局長から四十四年度のでん粉の需要実績についての説明がありましたが、この実績を基礎にして四十五年のでん粉の総合的な需給見込みというものがあると思いますが、これについて一通り説明願います。
#46
○荒勝説明員 御説明いたします。
 先ほど来、午前中の会議でも申し上げましたが、北海道のことしの馬でんの状況について、私たちまだ十分完全というふうな形で情報を得ておりませんので一部推定のものも含めますが、一応われわれの試算した限りの現状について御報告申し上げたいと思います。
 四十五年度の推定といたしまして、カンショでん粉は大体二十三万トン前後でおさまるのではないか。千トン単位の端数がまだわかりませんが、二十三万トン前後になるのではなかろうか。それから馬でんにつきましては、午前中二十三万トンと申し上げましたが、あるいはバレイショ自身の生産量が今後の統計調査の結果いかんによりましてはこれを上回るのではなかろうかというふうに理解している次第でございます。またイモの量だけでなしに歩どまりにつきましても、ことしのバレイショの生産状況から見るとかなりいいように聞いておりますので、この二十三万トン以上の数字があるいは出されるのではなかろうかというふうに考えております。さらに政府がバレイショでん粉につきましては、午前中御報告申し上げましたように七万トン手持ちを持っておりますので、ことしの馬でんの供給量としては二十三万トンと、政府の手持ちが払い下げがあるかもわからないという前提で、三十万トンを大体計算している次第でございます。
 さらにコーンスターチにつきましては、まだこれも多少未確定要因もございますが、いまのところ多少国産でん粉が昨年を下回るだろうという前提のもとに昨年よりちょっとふやしまして、五十五万四千トンを一応の需給バランスとして用意している次第でございます。
 そのほか、これは直ちに適用するかどうか別といたしまして、多少三万トンばかりの、コーンスターチの国内産でん粉の引き取りに応ずる引き取り促進剤といいますか、最悪に備えまして三万トンくらい予備として留保しておきたい。これは五十五万四千トンのほかでございますが、三万トンばかり留保しておきたい。
 それから小麦でん粉は大体据え置きの六万トンとそれからそのほか外でんにつきましてほぼ過去四十三、四十四年の平均値程度の三万トンくらいを頭からほうり込んでおるというかっこうでございまして、甘でんの二十三万トン、馬でんの二十三万トン、コンスの五十五万四千トン、それから小麦でん粉の六万トン、それから外でんの三万トンということで、合計百十万四千トンが一応の今年産でん粉の出回り量で、それに政府の手持ちの七万トンの馬でんということで、百十七万四千トンを一応需給バランス上、用意しておりまして、そのほか三万トンのコンスを予備ワクとして国内産でん粉の出荷調整用としてリザーブしている、こういうふうに御理解願いたいと思います。
 これが供給の欄でございまして、需要につきましては、われわれといたしまして午前中も御説明いたしましたが、それぞれの用途等につきましてはまだ未確定でございますが、大体この百十七万四千トンを前提にいたしまして、ほぼ昨年並みのそれぞれの部門における需給があるのではなかろうか。グルタミンソーダなんかの部分はあるいは多少減りぎみに出るかもわかりませんが、大体それぞれの需要部門は同様ではなかろうか、こういうふうに理解している次第でございます。
#47
○芳賀小委員 大体わかりましたが、そこで問題はいま局長からも言われましたバレイショでん粉の政府手持ち分が七万トンあるわけですが、これは四十五年の需給推定からいうと、四十五年度中にできるだけ放出したいという考えの上に立っているのですね。
#48
○荒勝説明員 姿勢といたしまして、たてまえとしまして、このでん粉の需給バランス上、ことしの国内産イモでんだけでは供給がまかなえないということになりますれば、計算上はこの七万トンの政府手持ちでん粉をやはり供給量として見込みを立てることになるわけでございますが、しかしわれわれといたしまして本年産の国内産イモでん粉の手回りにじゃまするといいますか、不当な悪影響を及ぼすような形でむりやりに七万トンの払い下げを強行するというふうな姿勢は持っていないわけでございます。
#49
○芳賀小委員 いま言われたような配慮が完全に講ぜられれば、この需要があるのに無理に政府はいつまでも七万トンのでん粉をかかえておく必要はないわけです。
 もう一つは、やはり国内におけるイモでん粉の消費が供給不足によって分野が狭まるということは、それ以降の年度においてもなかなか挽回ができないということは過去の実績が示しておるところですからして、できるだけ消費分野を縮小しないようにするということは一番大事なことであるというふうに考えるわけですが、ただ、ことしのイモでん粉の価格算定上、この七万トンを供給力というような計算の要素の上に立って価格を押えるというような材料に使われたらたいへんなことになるので、そういう点に対して十分の注意を払って、しかる後にできるだけ国産でん粉についても需要の拡大を目標にした販売努力が行なわれる必要があると思うのですが、そういうふうに理解しておいていいですか。
#50
○荒勝説明員 私、先ほど御説明申し上げましたとおり、需給バランスの計算のたてまえ上、政府手持ちの七万トンはいわゆる計算のたてまえとしましてやはり供給量の欄に入れざるを得ませんので、七万トンはたな上げしたような形で別途の需給バランスというわけにもまいりませんので、この辺は、われわれといたしましては七万トンはやはり計算上は払い下げの対象としてコンスが供給不足になる部分だけ外でんを入れるというふうな姿勢でこの一年間を処理してまいりたい、こう思っております。
#51
○芳賀小委員 四十四年の甘でん、馬でんの実績は二十六万四千トンに二十七万五千トンですから、これを合わせると約五十四万トン四十四年度は消化されているわけですから、四十五年度の見込みの甘でん、馬でん合わせて四十六万トン、それに七万トンの手持ちを加えても大体四十四年の需要実績とそう差がないということになるわけですから、需要実績をやはり国産でん粉で十分確保するということになれば、これは単に需給表に載せておくということだけではなくて、政府としても積極的な努力をする。しかしそれが国内のイモでん粉の価格を大きく圧迫する原因にならぬような配慮を講じておけばいいのじゃないかと思うのですよ。
#52
○荒勝説明員 たてまえ上、先ほど申し上げましたように七万トンは計算の対象にいたしますが、不当に国内産のことしのイモでん粉の出回りに悪影響を及ぼすような形で払い下げを強行する気は毛頭ないということは御理解願いたいと思います。
 なお、先ほどちょっと御説明が足りませんでしたが、四十四年の生産バレイショでん粉の供給でございますが、二十四万五千トンの生産がございましたが、そのほかに四十三年産のでん粉のうち、いわゆる農業団体で長期保管といいますか、凍結保管しておりました三万トンが四十四年度中に全部供給が完了いたしましたので、一応二十四万五千トンに三万トンの別途国内産馬でんの供給があって、馬でんとしては二十七万五千トンの供給が四十四年度にはあった、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#53
○芳賀小委員 そのとおり理解しておるのです。だから、供給が、四十三年度からの持ち越しが三万トン、それから四十四年度の出回りが二十四万五千トンでしょう。それが四十五年度に持ち越しなしという午前中の説明でしたから、結局二十七万五千トンが全部消化されておるというふうに理解しておるわけです。
 次にお尋ねしたい点は、農安法の政令によりますと、十月二十日までに原料基準価格並びにでん粉の政府買い入れ価格をきめるということになっておるわけですが、過去三年の経過から見ると毎年十月九日に価格決定が行なわれておるわけですが、ことしの作業予定はどうなっていますか。
#54
○荒勝説明員 御説明いたします。
 従来の、過去数年間のイモでん粉の価格決定の告示の月日で申し上げますと、四十二年が十月の九日、それから四十三年が十月の十一日、四十四年が十月の十一日というふうに最近の時点におきましては十月二十日よりも相当早目に告示が行なわれておりまして、告示よりも一日ぐらい早く政府としては原案を決定というふうな手続になっていると思いますが、ことしも関係農業者の方々あるいは団体の方々の御要望もありまして、北海道はもう相当前からバレイショでん粉のすり込みも始まっておりますし、それから南九州におきましてもカンショの早掘り、カンショの出回りが始まっている関係もございまして、われわれといたしましては、十月の二十日という告示期限を待たずに、できますればやはり例年と同様に十日を基準にしてきめたいと思っておりますし、また、いまの段階の作業の姿勢からいたしますと十月十日よりもむしろ早目にきめさせていただきたい、こういうふうに思っております。
#55
○芳賀小委員 われわれの委員会としてもそういうことを配慮しまして、今明日が小委員会、九日は農林水産委員会ということで対処しておるわけであります。九日決定となら日がないので、そこでお尋ねしますが、従来も問題になった点ですが、農安法の第五条の規定による生産者団体に対して意見を聴取するという点についていままで非常な手ぬかりがあるわけですね。毎年形式的に意見を聞いたということにはなっておるが、法律に明定されておる事項がなかなか尊重されていないと思うのです。これは政府側だけでなくて、農安法で規定しておる生産者団体の側にも問題があるのですよ。法律上の意見を述べる機会とか権利というものを完全に行使しないのです。この法律によれば、堂々と意見を述べられるわけですが、これを用いないと陳情とか懇請ということに終わってしまうわけですね。第五条によりましても「第二条第一項の規定により買い入れる農産物等の政府の買入の価格は、政令の定めるところにより、左の各号に掲げる額(以下「買入基準価格」という。)を基準とし、生産者団体にはかり、その意見を尊重して農林大臣が定める。」局長は食糧庁第二部長以来イモでん粉は十年くらい手がけておるでしょう。だから、わざわざ農安法の条文をここで私が持ち出す必要はないが、生産者団体にはかる場合、一応政府として試算した案を基礎にして生産者団体の意見を徴するというのが正しいやり方か、あるいは作業をする前に、法律にこうなっておるから、皆さんの意見はどうですかという抽象的な問い方をするのが法律の趣旨か、その点はどう考えておりますか。
#56
○荒勝説明員 政府側の解釈といたしましては、その条文の適用にあたりましては政府の原案がきまった段階で具体的に本年のイモでん粉の値段を、基準価格を幾らというふうに金額を提示いたしまして農業者団体の意見を聞くという形式をとっております。なお、当然かと思いますが、農業団体側からは正式に文書をもってお返事をいただいておるというかっこうをとっております。
#57
○芳賀小委員 そうなるとなかなか時間的余裕がないじゃないですか。それでは、価格決定を九日に行なって告示をするということになれば、その案がまとまって、生産者団体にそれを示して、意見を聴取して、その意見を尊重して農林大臣がきめるという時間的余裕は非常に短いわけなんですね。だから、先ほども作業予定は一体どうなっておりますかということを聞いたわけですが、生産者団体に諮問する案の策定作業というのはいつまでにまとめるつもりですか。
#58
○荒勝説明員 ただいま作業を急いでおりますが、具体的に政府の原案の決定、内定というようなところまでまだなかなか至っておりませんで、まだいろいろと手直し作業等が行なわれている段階でございます。われわれといたしましては、できるだけ政府原案が固まり次第農業団体の方の意見をいただくよう努力いたしたいと思います。ただ、これは法律事項ではございませんが、また法律に基づく手続でもございませんが、われわれといたしましては、作業の過程でふだんから――一年に一ぺんぽつんと会うような農業団体の相手方の方々とは違いまして、ふだんからしょっちゅういろいろな形で、たとえば加工費の原価計算の集計とかそういったことを同道で作業している面もございますし、ふだんからのつき合いもございますので、事実上、事務的には相当団体側の意向というものは感触を当たりながら作業いたしておりまして、最後の段階の法律事項による手続は、形式的かとも思いますけれども、その間に十分事前の非公式連絡はあるものと考えておる次第でございます。
#59
○芳賀小委員 生産者団体にはかる案というのは、法律上は必ずしも最終案という意味ではないですね。「左の各号に掲げる額を基準とし、」ということになれば、この基準的なものが出た段階で生産者団体の意見を聞いて、それを尊重して農林大臣がきめるということになるわけでしょう。「左の各号」というのは、これは第五条と第二条第一項の規定によるということになっておって、その中の「甘しょ生切干、甘しょでん粉又は馬鈴しょでん粉については、その原料である甘しょ又は馬鈴しょにつき、政令の定めるところにより、農業パリティ指数に基づき算出した価格を基準とし、」これが第五条でいう一番の基準ですね。それに「生産費及び物価、需給事情その他の経済事情を参酌し、再生産を確保することを旨として農林大臣が定める額」とある。だからこの「農業パリティ指数に基づき算出した価格を基準とし、」いわゆる基準価格の算定はごまかしようがないわけです。ことしはパリティの基準の算出でいくとこうなります、生産費の調査結果とか、物価とか、経済事情の参酌要素というものはこうなっておる、それらを示すということじゃないのですか。でん粉は幾らになります、バレイショやカンショは幾らになりますという案をつくってから聞くのか、この基準となる数字を示して意見を徴するのか、その辺はいままでどうやっていますか。
#60
○荒勝説明員 従来はそういう多少アローアンスがあるような基準の示し方ではありませんで、われわれ事務当局が関係方面と協議の上ほぼこれでいくということで、大体ワンポイントにしぼったような形で整理しました、それぞれの、バレイショについては基準価格あるいはでん粉についても基準価格というものを告示するであろうという数字で農業者団体の意見を聞いた上で、あとは形式的かもわかりませんが、農林大臣の御決裁をいただいて告示の手続をとる、こういうふうな形で、政府の決定ではございませんで、政府原案というものが固まった段階で農業者団体に御相談をしておる、こういうふうなことでございます。
#61
○芳賀小委員 そういう形になると、これは意見を聞いてそれを尊重してきめるというものじゃないですね。いま局長が言った形は事前通告みたいなものじゃないですか。政府が最終案を固めて自民党にも話をしていつ告示をするかという手順ができたところで、生産者団体にことしはこうだぞということを事前通告、そうなれば意見なんか聞く必要はないじゃないですか。いままでそういう点はどうなっているのですか。
#62
○荒勝説明員 形式かとも思いますが、やはり一応意見を聞くという形で団体の方に来てもらいまして、それでまた団体の側から、形式的に属するかもわかりませんが、公式に意見書をいただいておるというかっこうで、その手続によって、きわめて形式的だという御指摘かと思いますけれども、われわれとしては法律上の手続はあくまで守っていく、こういうふうに御理解願いたいと思います。
 なお先ほど申し上げましたように、その決定原案以前に、農業団体側とは相当な議論による行き来等があるということはお含みおき願いたいと思います。
#63
○芳賀小委員 この点はいままで法律上の取り扱いに問題があるということできたわけですからね。局長も十分御承知のとおりです。せっかく法律にあるわけですから、固まってから事前通告をするということでなくて、大体基準価格については農業パリティの変化率を用いればこれはこうなる、それから農林省の行なった生産費調査の結果というものはどうなる、あるいはまた日銀の御売り物価の動向に基づく価格変動はどうなるとか、あるいは当該年度の需給事情というのはどうなるとか、あるいは賃金と物価の動向がどうなるというような、そうした各勘案すべき要素というものを数字で示して、こういうことになるが、これに対して生産者団体としても適正な意見を聞かしてもらいたい、その意見については法律にも書いてあるから、できるだけ尊重して農林大臣がきめるようにしますというぐらいにしないといかぬのじゃないですか。何だか私たちが見ても、生産者団体というのは、ふだんは馬力がいいような動きもあるが、米の生産調整の問題にしても、イモでん粉の価格決定の場合にも、法律上十分な発言をしなさいということを示してあるにもかかわらず、それが有効に使われていないという点があるわけです。だから、最初に私は、これは生産者団体の側にも姿勢の上に問題があるということを実は言ったわけです。相手がそういうふうに力がだんだん弱体化しておるというようなことになれば、むしろ政府側においても誘導して、法律上こういう点が明らかになっておるのだから、もう少し自信を持って、元気を出して、言うべきことは言いなさいぐらいなことは注意してやったらどうですか。
#64
○荒勝説明員 農業者団体のほうからの意見を述べる機会につきましては、われわれとしてもあらかじめ十分聞いておりまして、形式的かもわかりませんが、農業者団体から数次にわたる陳情書もいただいておりますし、またその陳情書以外にも、ことしのでん粉についての市況の見込みとか、あるいは作付状況とかいうことについて、ほとんどお互いに相談ずくでいろいろ議論をしておりまして、ほぼそういう意見を聞きながら、法律に基づく計算上の手続をとって、何とか意見の食い違いを整理するという形で、非公式にはそういう形をとっておりますので、農業者団体との間に従来実態の話として、とんでもない数字で値段がきまったというふうな御批判はあまり受けてないのではなかろうか、そのときそのときの年のでん粉事情を背景にして、やはり常識的な線に落ち着いたのではなかろうかというふうに私は理解しておりまして、十分に農業者団体の意見を述べていただき、またそれをわれわれとしては聞く時間並びに余裕は相当あったのでなかろうか、こういうふうに思っております。
#65
○芳賀小委員 それではこの点はいずれ九日に決定されるわけですから、生産者団体の意見等についてはどのように尊重してことしの価格がきまったかということは、後ほど経過を聞かしてもらいたいと思います。
 次に、四十四年度の原料カンショ、バレイショの生産費の内容については、統計調査部長から説明を聞いたわけですが、この生産費調査の結果と、昨年政府が決定いたしました原料イモの基準価格というものを比較した場合に、やはり問題があると思うわけです。バレイショの場合には、政府の生産費の内容と四十四年の基準価格の決定額については大きな差はありませんが、カンショの場合には、生産費によりますと、三十七・五キロについて四百六円ということになるわけです。ところが昨年政府が決定しましたカンショの基準価格は、三十七・五キロ当たり三百八十円でありますので、三十七・五キロについて二十六円の格差がある。政府の基準価格が生産費から見ると大幅に低過ぎたという結果が出ておるわけです。しかも政府の生産費の内容については問題が幾つかあるわけです。たとえば反収をとる場合においても、それは実収反収ではなくて、調査農家の平均反収ということになっておりますし、また自家労賃については、農業の臨時日雇い労賃という低い賃金評価をしておるわけです。そういう低い評価をしながら、かつ政府が昨年決定したカンショの基準価格というものは非常に低過ぎる。バレイショについては、昨年の基準価格は三十七・五キロで二百七十八円、それから生産費によると、三十七・五キロで二百六十五円ですから、これはまあ若干生産費を上回ったということに結果はなっておるわけです。しかし、それだからいいというのじゃなくて、この反収のとり方とかあるいは自家労賃の評価がえというところに大きな欠陥が政府の生産費にはあるわけですからして、こういうものを比較した場合、特にことしはこれらの生産費の動向というものを十分勘案して適正な原料基準価格がきめられるようにする必要があると思うのですが、そういう点はどのような配慮をしておりますか。
#66
○荒勝説明員 私たちといたしましては、この政府の値段をきめますにあたりまして、極力最近時点におけるあらゆる情報なり統計資料等を集めまして事実とほとんど違わない点に定めるべくいろいろ作業をしておるわけでございますが、そのときそのときの状況によりまして、結果論といたしまして実績と見込み値の間に多少食い違いが出ることについては、これはまことに私自身遺憾なことだと思っております。たとえばカンショにつきましても、このいわゆる統計調査部の十月の十日前後に値段をきめるということになりますと、やはり収穫予想で出さざるを得ない。実績がきまってから出したのでは値段のきめ方が非常におくれるということで、十月十日前後に早くやるとなりますと、カンショはバレイショと違いまして、統計のいわゆるカンショの実際の動きが一カ月以上おくれておりますので、十月も終わりにならないと大体の見込みが出ないというところに、カンショについてはこういう見込み違いが出てくることになるわけでございますが、そのときの時点におきましては、われわれとしては一番事実に近い、これが一番妥当だと思われることを引いて値段をきめているということだけは御理解願いたいと思います。
#67
○芳賀小委員 結局カンショについては、この農林省の生産費によりますれば、一日当たりの家族労働費は八百十二円ということにしかならぬわけですね。それをさらに昨年のカンショの基準価格の三百八十円に対応させれば、まだ家族労働報酬というのは八百十二円よりも下回るというようなことになり、これでは再生産は全く確保できないというようなことになるわけです。法律上別にこの生産費を基礎にしてやりなさいということにはなっていませんが、こういう点については、米はじめ各農産物の生産費の動向というものをわれわれながめますと、毎年毎年相当大幅に生産費が上昇しているということは、これはもう共通の点なわけです。ですから、これはやはり価格決定上重要な要素として生産費の上昇傾向というものがことしの基準価格に正しく反映できるように十分な配慮をすべきであると思います。
 そういうことを前提にして、ことしの原料価格をきめる場合の、つまりこれは政令事項になっていますけれども、政令の附録第一によるところの農業パリティ指数による基準価格というのは、大体どういうことになりますか。
#68
○小島説明員 附録第一式によりますところのいわゆるパリティ価格につきましては、カンショにつきましては、昨年のトン当たり一万百三十円、一貫目当たりにいたしますと三十八円でございます。それに対しまして、パリティ指数の変化が一
〇三・九四%でございますので、これを乗じますと、トン当たり一万五百三十円、一貫目当たりにいたしますと三十九円五十銭ということになります。同様にいたしまして、バレイショにこれを適用いたしますと、昨年の二十七円八十銭というのが、二十八円八十七銭、こういう数字になります。
#69
○芳賀小委員 これは、分母になるパリティは何カ月の各月の平均パリティになるわけですか。
#70
○小島説明員 昨年九月から本年の三月まで七カ月ということをとっております。
#71
○芳賀小委員 分子は昨年と同じように、ことしの八月をとるわけですか。
#72
○小島説明員 昨年同様の考え方を採用いたしております。
#73
○芳賀小委員 そこで、分子のパリティ指数のとり方ですが、これは農安法が改正になったあとで政令が閣議によって決定されるわけですが、どうも附録第一の農業パリティのとり方というものは、農安法を正しく反映しておらぬようなやり方になっておるという点は、これは委員会において毎年指摘をしておるわけです。だから、根本的には政令の附録第一の問題点を改正しなければ解決ができないわけですが、しかし現行の政令の中で最大限度やれるという努力は、やはり政府においてなされる必要があると思うのですよ。本来は政令の改正をすみやかにやらなければ根本的な解決はできないわけですが、それをやらない場合には、やはり政令というものが生きておるわけですからして、できるだけ法律の趣旨に合致したそういうパリティの指数というものを反映させるようにするべきではないかと思うのですが、どうですか。
#74
○小島説明員 これは実は政令の文面上の問題ももちろんございますけれども、同時に、昨年のイモの出回り期間に対応いたしますところのことしのイモの出回り期間のパリティの変化というものを採用するのが常識であろうかと思います。ただし、本年のイモの出回り期間というのはいまようやく始まったばかりでございますので、直近の月をもって置きかえておる。それ以外に新しい数字がございませんので、それに代替さしておるという考え方でございます。分母のほうの、昨年の出回り期間といたしましては、従来は九月から一年間出回っておるという考え方でとっておったわけでございますけれども、事、原料イモということに相なりますと、もう少し短い期間でも対応する期間と見ることができるのではないかということで、九月−三月ということに改定いたしたものでございますが、それ以上に短縮するということになりますと、これは別な考え方を持ってこなければならない。そういう意味におきまして三月というのは、一応いままでの出回り期間対応という考え方からいたしますとほぼ妥当なものではないかというふうに考えておるわけでございます。
#75
○芳賀小委員 原則論からいうと、基準価格を求める場合の算式として第一に四十四年度の政府の基準価格に対して、その四十四年の基準価格に属するパリティの指数というものを分母にして、決定年の最近時の月のパリティを分子にして、つまり一年間の変動係数というものを価格に反映するというのが農業パリティの本旨ですからね。これは原則的な議論として余地のないところです。ただ政令上は「価格決定年の前年の九月から価格決定年の農林大臣の定める月までの各月の農業パリティ指数の平均値」ということになっておるので、政令上からいうとどうしても昨年の九月からのパリティをとらなければならぬという点、これはもう政令が示しておるわけですからね。これははずすわけにはいかないと思うのですよ。月は価格決定年ですから、昭和四十五年の農林大臣の定める月までだから、これは何も三月でなければならぬとか四月まででなければならぬということはないのですよ。とにかくことしに入らなければならぬということはこれは明らかだから、その場合には去年の九月からことしの一月までであってもあるいは二月までであっても、何も三月までで適正である、一月や二月までは適切でないという理論にはならぬと思うのですよ。だからパリティ価格からいえば、やはり分母というものは分子に比較してなるたけ遠い指数のほうが反映の確率が高いということになるわけだから、だからわれわれとしては政令の問題点を改正すればもう何も疑点が残らぬわけですからね。毎年、毎年これは議論しておるところであって、三年前ですか、池田局長の時代にようやく九月−三月ということになったわけでしょう。それ以前は九月−七月の各月の平均パリティ指数ということで、そのために毎年のパリティの上昇率というものは全然カンショ、バレイショの場合には基準価格に反映できないというような問題があったのを、なるたけ月を詰めるような形で最近は計算しておるわけです。その努力のあとはわれわれとしても認めておるわけですが、ことしまた小島課長が言うように三月まででなければ理論的でないというようなことにはたらないと思うのです。何も、一月でもいいじゃないですか、これは。
#76
○小島説明員 先ほど申し上げましたように、政令の文面上だけから申しますと、価格決定年の月でございますので一月でもいいということになるわけでございますけれども、単に過去の月をとれば価格は指数が上がるというだけの理由をもって月を動かすということになりますと、きわめて便宜的な動かし方になるわけでございます。従来の三月というところまでこぎつけました一つの理由といたしましては、そこまでを一応出回り期間と見るということについてそれなりの理由があるということで三月というように刻みが成り立ったわけでございます。これを二月あるいは一月までということに随意に動かすということはちょっとできないかと存じます。
#77
○芳賀小委員 そういう見解が問題があるのですよ。元来はこの一年間のパリティの変動係数というものを正しく反映させなければならぬのを、農安法の先年の改正がこれは議員立法によって行なわれたわけですね。だから法律上はきっちりなっているのですよ。ところが政令ということになれば、これは国会で政令をきめるわけじゃないですからね。そういう関係で、せっかく農安法の改正をわれわれが行なったわけだが、政令をつくるときに、そこで故意に、改正の趣旨というものは、政令のたとえば附録第一等において大きくゆがめられておるのですよ。だから、結局国会の意思というものは政令によってペテンにかかったようなことになってしまった。そうなんですよ、何も局長、首を振る必要はないですよ。そういう経緯があるわけだから毎年毎年、これはけしからぬ、これは国会の意思じゃなくて、閣議で間違った政令を、法律の趣旨に反する政令を早く是正して、正常な形でパリティ価格の基準の算定をやるべきであるということを毎年毎年われわれ繰り返しておるわけでしょう。こういうことでようやく九月―三月というところまで縮まったけれども、これは手一ぱい縮まっても九月−一月までしか現行政令では縮まらないのですよ。だから本来は政令の改正をすべきであるけれども、それを政府が改正しないわけだから、ことしも数日に迫った価格決定の場合に、政令を絶対ことしも改正しないというのであれば、現行政令の中においてどの程度のところまで皆さんの行政努力でやれるかということになれば、それを詰める以外に方法はないでしょう。だから九月−一月にしても、九月−三月が理論的に正しくて、九月−一月あるいは九月−二月の各月の平均パリティというのはこれは理論的でないというようなことにはならぬわけですよ。お互いに経過を知っておって議論しておるわけですからね。しろうとや一年生に向かって先生がものを教えるような議論は通らないのですよ。だからことしは、一体去年と同じようにやるのか、もう一段くふうをこらして前向きで内容の改善という形で努力されるのかということを聞いておるわけです。
#78
○荒勝説明員 ただいま御指摘がありましたように、池田局長のときに、当初の政令案を改定いたしまして九月−三月、それはただいま砂糖類課長から御説明申し上げましたように、いわゆる政府側としては当委員会の御意見も十分参酌しつつ、バレイショの、でん粉の出回り期間というものを前提に置きまして九月−三月というのが一つの筋であるという形で、分母といいますか、九月−三月の平均値をとるというふうに政令を改定したようなかっこうになっておるわけでございます、附録算式の計算方法。したがいまして、われわれとしましても、いまの段階でいろいろ先生方のほうには多少の御意見はあるかとも思いますが、われわれといたしましては、本年の基準価格の制定にあたりましては、一応この計算方式を踏襲して本年のイモでん価格の基準をきめてまいりたい、こういうふうに現在では考えておる次第でございます。
#79
○芳賀小委員 局長、先生方のほうには多少の意見じゃないですよ。こっちは最初から大ありなんですよ。あなたのほうには多少の意見があるかもしれませんが、こっちは大ありですからね。そこを間違わないようにしておいてもらいたいと思うのです。
 そこで、いまの九−三月のパリティの分母による計算からいうと、カンショは三十七・五キロ三百九十五円ですね。そうすると昨年の三百八十円に比べて十五円しか上がらぬでしょう。パリティ計算というのは、もとになる昨年の基準年の価格が低ければこれはどうしようもないですよ。三十九円五十銭では去年の農林省の生産費の四百六円よりもまだ低いじゃありませんか。こういう点は附録第二とか、あと農林大臣のプラスすべき勘案事項というものは政令にもありますからね。是正はされると思うけれども、少なくとも一年前の農林省の生産費を下回るような基準価格というのは、これはあり得ないと思うのですが、その点はどう思っていますか。
#80
○荒勝説明員 政府自身といたしまして、いろいろな算式の数字に基づいて、ただいまいわゆる決定案といいますか、原案を作業中でございますので、具体的に上がるか下がるかというような話はまだ断定的には申し上げにくいのでありますが、少なくともカンショの基準価格につきましては、昨年よりは下回らないという線でもって作業をいたしたい、こういうふうに思っております。
#81
○芳賀小委員 とにかく政令に基づいて計算すれば下回りたくても下回れないですよ。どういう作業をしても去年の基準価格に対してカンショ、バレイショを下げるということはできないですよ。できないが、適正にきめるということになれば、やはり農安法の趣旨に基づいて行なわれなければならぬということになるわけでしょう。去年の農林省の生産費を基礎にして、物価修正をして四十五年度に置きかえればどういうことになるのですか。その場合、単に変動係数だけでなくて、問題の農家の自家労賃についても、米価方式によれば五人規模以上の製造工場の労賃ということになるし、それが加工原料乳の保証価格ということになれば、主要な加工原料乳の生産地における製造業の労賃ということになるわけでしょう。だから現在においては原料イモは北海道と九州に局限されているようなことですから、全国規模の製造業の賃金をそのまま当てはめることにかりに問題があるとすれば、百歩譲って保証乳価のごとく、バレイショについては北海道における他産業労賃あるいはカンショについては主要な生産県における他産業の平均労賃ということで、価格決定をする場合の自家労賃というものはそういう評価をすべきですよ。そういう評価を行なった場合には、一体農林省の四十四年の生産費はどうなるわけですか。これは中沢さんがおられるから、ですから全国規模による他産業賃金の場合と、それからカンショ、バレイショに分けて主要な生産道県における地域労賃というものを当てはめた場合、四十四年度の価格は相当上回る数字になると思います。そういう点もこの機会に資料として示してもらわぬと、園芸局長や砂糖類課長が値段をきめようとしても、いろんな材料がないと適正な価格がきまらぬということになる。それをこの際参考的に示してもらいたいと思います。
#82
○小島説明員 実は四十四年度の実績生産費自体に対しまして、家族労賃を評価がえをするという試算をいたしてみたことはございませんが、四十五年の推定生産費、これはつまり本年度の推定の生産費、推定の反収というものをもとにいたしてはじきましたものに対しまして、かりに家族労賃のみをただいま御指摘のありましたような全国の都市近郊労賃を採用いたしました場合、あるいは保証乳価で採用しております原料乳地帯の都市近郊労賃、このそれぞれを置きかえて試算をいたしてみますと、米の場合は男女込み一時間当たりが三百十六円五銭でございますので、それで評価がえをいたしますと、カンショの場合には、これは三・七五キロ当たりでございますが、五十六円二十八銭、それからバレイショの場合には二十七円六銭、乳価ベースにいたしました場合にはカンショ四十九円三十四銭、バレイショは二十五円二十八銭、かような数字に相なります。
#83
○芳賀小委員 だから生産費の場合も、これは単に家族労賃だけの問題ですから、あとは物財費とか物価の問題とか需給事情とか、いろんな変化率というものが出てくるわけですから、こういう問題を取り上げてみても、付録第一の基準価格を基礎にして、あと付録第二その他の勘案事項を配慮しても、マイナス要素というものは出てこないと思うのです。しいて農林省がいえば、ことしは反収が高いから下がるのがあたりまえだというようなことは、一年一年のその年の収穫量だけを見て極端に下げるとかまた上げるということは、これは慎重を期する必要が当然あると思うわけです。それは直ちにでん粉価格に響くということにもなるわけですから、それらを総合的に勘案した場合、付録第一によって先ほど試算された数字というものは決して妥当なものではないとわれわれは判断するわけですが、問題は、これを基礎にしてどのような勘案を行なって最終的に適正な基準価格をきめるかということになるわけですが、そういう点に対しては園芸局長として何らかの配慮をする考えですか。
#84
○荒勝説明員 いままで政府側から答弁いたしましたように、付録算式第一式によって、パリティによって計算された額を法律的には基準としとなっておりますので、当然この式をスタートラインとして、いろいろ議論の中心としてわれわれは検討していきたい、こう思っております。なお、例をカンショにとりますと、付録第二式あるいは生産費というものは、われわれとしては参酌事項でございますが、この辺を参酌しながら政府側としては、ことしのカンショ並びにカンショでん粉の市況をも十分見きわめながら、最終的にはイモの値段をきめるというふうにいたしたいと思います。ただいまの段階では、先ほど申し上げましたように、基準価格は十分基準価格で――付録第一式で算定されましたパリティによる計算方法で出てまいりますイモの価格は、これを基準としてわれわれは十分に参酌して、少なくともこれを下回らないような値段でイモの基準価格は決定してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#85
○芳賀小委員 特に今年の価格決定にあたって、いま政府が進めておる総合農政の一環として、あるいは米の相当長期的な生産制限の政策を進める場合、一方においては畑作振興あるいは酪農の振興というものを頭に描いて進めなければ、十分な実効をあげることはできないと思うのです。そうなれば、午前中も言いましたが、北海道あるいは九州等における畑作地帯の主幹作物としてのバレイショ、カンショの位置づけというものは、いままでと違った角度でこれを地域農業の発展の上からも評価しなければならぬと思うわけです。そういう場合には、体制的に毎年毎年減反生産の現象を放任しておくわけにいかぬわけですから、それにやはり価格政策上の配慮を加えて、これ以上減反が行なわれないようにするとか、生産意欲をむしろ回復させるというような配慮というものが、価格算定上からも必要であると思うわけです。そういう配慮こそ、政令による農林大臣のいわゆる勘案する事項、つまりrの事項にこれはなっておるわけです。この点は、局長あるいは小島課長においても十分理論的な理由を明らかにして、まず農林大臣に対してもはっきりさせて、ちゃんとした価格がきまるようにしてもらいたいと思うのです。とにかく、いまから四年前ですか、倉石農林大臣は自分のきめるイモ類でん粉の価格がどうきまったかわからなかったわけですよ。東京にいなかったわけだが、長野県だかどっかの温泉場に行っておって、大口食糧庁長官が一人できめちゃって、農林大臣はあとから帰ってきて農林委員会に出席した際に、私どもは、おまえさん知っているかと言ったら、明快な答弁ができなかったようなことがあるわけだから、今度も米問題だけに気をとられて、イモ類でん粉なんかどうでもかまわぬ、君たちにまかせるというようなことじゃ、これは相すまぬと思うのです。幸い九日に農林水産委員会があって、当然農林大臣は出席すると思いますからして、その際われわれからも具体的な指摘は行ないますが、とにかく担当の皆さん方が決定権を持った大臣の責任とか姿勢というものを明確にしてもらわぬと、局長や課長の皆さんが一生懸命で努力しても、大臣の段階でおかしくなった、あるいは大蔵省に押し切られて、がんばってはみたけれども結果的にどうもうまくいかなかったでは相すまぬと思うのですよ。その辺どうですか。
#86
○荒勝説明員 従来から、われわれがこういういろいろな農産物価格の決定に際しまして、十分に事前にも農林大臣に御説明申し上げまして御了承を得ている次第でございます。こういう委員会に出席して私が発言いたしておりますが、私だけで個人の意見として申し上げているのではなくて、事前に農林大臣に御説明申し上げて、御了承得た上でこういう説明をしている次第でございまして、また価格決定に際しても、農林大臣が御多用で東京におられるときあり、おられないときもございますけれども、十分にその点は電話連絡等とりまして、価格決定に際しましては真夜中でありましても事前に御連絡申し上げて決定している次第でございまして、一方的に局長あるいは課長の段階でこういう重要な価格決定に際して値段を専決しているものではないということだけはひとつ御理解願いたいと思います。
#87
○芳賀小委員 いや、あなたが専決してはいけないということを言っているのではないのです。かりそめにも農林大臣でしょう。前にもそういうわれわれが非難した実例があるわけだから、ことしもまた不在時に電話をかけて決裁を仰ぐなんという、そういう不見識なことはやるべきじゃないですよ。農林大臣に、九日なら九日の晩にきめるわけだから、大臣として必ずおりなさいくらいのことは言えるでしょう。九日には委員会があるから、われわれもまた繰り返さぬように注意はしますが、とにかく主管の局長や課長の皆さんがおるわけだから、やっぱり大臣に対しても直言して、これは大事な価格決定だから、やはり役所におって陣頭指揮でがんばらねばいかぬじゃないですかくらいのことは言ってもかまわぬのじゃないですか。何も出先へ電話でお伺いを立てる必要はないでしょう。
#88
○荒勝説明員 従来、私が昨年来局長になりましてからこの値段をきめます際には、いろいろな値段をきめてまいりましたが、このときは例外なく大臣東京に御在京されておりまして、直接大臣に御説明の上決裁をいただいております。私の知る限りでは電話連絡等は実はとったことはないのでございますが、今回の九日の日も、当然委員会もございますししますので、われわれといたしましては、大臣と十分連絡の上、適正な価格決定ができますように努力いたしたいと思っております。
#89
○芳賀小委員 最後になりますが、でん粉の価格の問題です。これはイモ類の原料基準価格を基礎にして、それに原料、運賃並びに加工経費等を加算してきめるということになっておるので、それほど政治的な配慮というものは必要がないと思いますが、問題はできるだけ確実な原料、運賃が加算される、あるいはまた適切な加工経費というものが加算されて政府のでん粉の買い入れ価格が決定するということが至当でありますが、ここ数年間、農林省と生産者団体が特に加工経費等については共同調査を進めておるわけです。これは共通の土俵の上で調査を行ない、その結論というものは必ず出ておるわけですからして、
  〔小委員長退席、三ツ林小委員長代理着席〕
運賃並びに加工経費の計上にあたっては、やはり双方が納得できる、そういう経費というものが合理的に計上されるべきであると思うわけです。どうも最近はこの加工経費等についても不十分であるというような感が強いわけですからして、ことしの加工経費の計上にあたってはどういうような作業を進めておるか、これはできるだけ、資料の提出によってでもいいですけれども、内容的に詳しく説明してもらいたいと思うのです。たとえば今月の末てん菜糖の買い入れ価格をきめるわけですね。これも園芸局長の手元できめるわけです。てん菜糖の加工経費とか製造経費等については、相当詳細な項目に基づいて計算をされておるわけですが、でん粉企業というものは非常に零細で、数も多いわけです。やはり経費計算にあたっては一定の尺度というものを用いて、ガラス張りでこれを行なうのが当然だと思うわけです。この点について、いままで毎年の委員会においても加工経費等の内容の説明等については十分と言いがたい点があるので、この際特にこの点を説明してもらいたいと思うのです。
#90
○荒勝説明員 加工経費の算定につきましては、当委員会でしばしば御議論をいただいておりますし、また政府側からもお約束した関係もありまして、特にこの一年間でん粉生産関係者と共同で、北海道の馬でんなら馬でん工場あるいは南九州なら南九州のカンショでん粉の工場について、共同で立ち合いの上でそれぞれの加工経費の算定に当たってまいりまして、ただいま芳賀先生から御指摘がありましたように、本件につきましてはガラス箱の中で相当検討されてきている結果になっております。まあほとんど工場の現場に当たりまして、経費の伝票を見ながら経費の算定に当たっておりますので、実際に支出された支出金額につきましては、この関係者の間ではほとんど意見の一致を見ておりまして、これについて手直し等をする余地はほとんどございませんが、多少、一般管理費とかあるいは諸経費というふうな部門につきましては、見解の相違のあるものにつきましては、あるいは政府側で一応の査定といいますか整理をさしていただいておりまして、この整理の過程でもそれは関係生産者団体との間に話し合いで大体行なわれておりまして、あとただいまから詳細な御説明は申し上げますが、決して頭からつかみでこの程度の金額というふうな形で加工経費は算定していない。ビート糖の加工経費等と同じように、いわゆる整理のしかたとしては、それぞれ全力を尽くして詳細な点に至るまで検討をいたしておりまして、見込みで適当にはめ込んでおくというふうなことはいたしていないことだけは、御了解を願いたいと思います。
 なお細部につきましては担当の砂糖類課長から、御疑問の点がございましたら御説明申し上げたいと思います。
#91
○小島説明員 でん粉の製造経費につきましては、それぞれの種目にわたりまして原価計算の調査を行ないまして、その調査結果はカンショでん粉につきましては実はおととしの製造経費の実績、バレイショでん粉につきましては昨年の製造経費の実績ということになっておりますので、それを今年のでん粉に当てはめます場合に、その期間の推移による物価修正等を考慮する必要があるわけでございます。したがいまして、まず労務費につきましては、カンショでん粉の場合には五人以上二十九人までの製造業における毎月勤労統計におけるところの賃金のアップ率、これが、調査実績が一昨年でございますから、四十三年十月から十一月までの賃金に対しまして、四十五年七月のアップ率を見ますと、二七・五%のアップになっております。バレイショでん粉は昨年でございますから、昨年の九月――十一月に対しますところの七月のアップ率で一三%のアップというものを見込んでおります。
 それから、その他の経費の中の、いわゆる資材費に相当いたしますもの、これは燃料、電力、包装、そういった経費でございますが、そのものにつきましては、これはもの別にはいろいろな値動きがあり、また値の動かないものもございますが、従来の例によりまして、日銀の卸売り物価指数の変化率、対応期間は労務費の場合と同じ対応期間をとりまして、カンショでん粉の場合には五・四%、バレイショでん粉の場合には二・二%という上昇率を見ております。
 それから、消耗品のようなものにつきましては、これは非常に変動がございまして、年によりまして、単に物価だけの動きではない増減がございますので、一応三年間平均ぐらいの実績を採用してみたらどうかと考えております。
 それから原価計算及び金利につきましては、一種の理論計算をいたして、これを当てはめるということにいたしております。それから一般管理費、それから副産物の控除というものにつきましては実績値を採用する、こういうような考え方をとっております。そこでそのようにいたしまして物価等修正を行ないますと、その数値が出てまいるわけでございますが、問題は本年の各工場操業度をどう見るかということが、非常に大きな問題になるわけでございます。カンショでん粉の場合で申しますと、一昨年の操業度のもとにおける実績、バレイショでん粉の場合であれば昨年の操業度のもとにおける実績でございますので、本年の場合に操業率がどう変わるかという見方が、いま申し上げました諸経費の固定費につきましては、操業率の増減によりましてこれが非常に動いてまいります。その意味におきまして、操業率をどう見るかという問題が現在検討されつつある問題であります。それをどう見るかによりまして、加工費の最後のしりのところが大きく変わってくる、このような段階でございます。
#92
○芳賀小委員 それでは参考までにカンショでん粉の四十三年の調査結果と、四十四年のバレイショでん粉の調査結果の、このトータルだけでいいですけれども、どうなっていますか。
#93
○小島説明員 カンショでん粉の場合には、これはトン当たりで申し上げますと、一万一千五百二十九円、十貫目当たり換算いたしますと、四百三十二円三十四銭というのが、一昨年の製造に関します調査実績でございます。バレイショでん粉の場合につきましては、トン当たり一万一千百六十八円、十貫目当たりにいたしまして四百十八円八十銭というのが調査実績でございます。
#94
○芳賀小委員 次にお尋ねしたいのは、これは別に聞く必要もないわけですが、従来はでん粉の計算にあたっての原料代については、一六・五%の原料イモを基準として原料代の計算をしておるわけです。これは議論する必要もないわけですが、ことしも従来同様原料代の計算については、原料イモ一六・五%のものを基礎にして計算することになりますか。これはイモの基準価格のきめ方についても、歩どまり基準というものを従来同様にすることであれば問題がないわけですけれども、その点も念のために聞いておきます。
#95
○小島説明員 これは実は私どもと財政当局の間では、毎年のように議論が繰り返されておる点でございまして、最近の各年におきますところのでん粉の歩どまりというものを見ますと、政府の価格算定上の織り込み歩どまりに対しましては、かなり実績が上回っておるという経過がございます。そこでこの差、実は大体二%以上、実績が上回っておるわけでございますが、その実績と織り込みとの差をどのように考えるかという問題につきましては、非常に議論の多いところでございまして、できるだけ実態に近づける努力をすべきではないかというふうな考えを持っております。
#96
○芳賀小委員 順序として原料イモの場合の基準歩どまりは、従来一六・五%ですが、ことしもそうするわけでしょう。
#97
○小島説明員 これは原料の基準歩どまりとでん粉の価格をはじきます場合の歩どまりと、大体軌を一にいたして動いておりますので、もし歩どまりについて何らかの改定が行なわれるということになれば、これをパラレルに動かすというのが筋ではないかと考えております。
#98
○芳賀小委員 ですから従来どおり一六・五%ですね。先ほど説明のあった基準価格が算出されるということであれば、それは問題がないわけですが、歩どまりを上げて基準価格は従来同様の適用ということになれば、実質的にこれはイモ価格が下がるということになるわけですからね。そういうことになるわけでしょう。しかも従来は、農林省は価格告示をする場合、一六・五%を上回る分についてはスライドで高く買いなさいということはしていないんですね。一六・五%を上回る一七%あるいは一八%のものについても一六・五%の価格で買い入れて差しつかえない。ただし一六・五%を下回る歩どまりのイモについては一定の格差によって安く買いなさい、こういう一方的な、下限に向かっては価格を下げる、上限に向かってはスライドの必要がないというへんばな措置をしておるわけです。これも最初から問題の点ですからね。高でん粉の優秀な品種改良とか増収をはかるというような改良を一方においては農政局等が進めておるわけでしょう。園芸局のほうは、歩どまりイモは高く買う必要はないというような告示をやっておるわけですから、これは問題なわけですよ。だから従来どおり一六・五%の基準できめるということは、これは差しつかえないわけですが、その場合であっても、それを上回るでん粉含有のイモについては、やはり一定の基準で工場側はスライドして買い入れるべきであるというふうにことしは明快な告示をすべきだと思うのです。この点は局長、どう考えておりますか。
#99
○荒勝説明員 ただいまの芳賀先生の御意見と、あるいは園芸局の意見との間に多少食い違いがあるかとも思いますが、いままでイモの値段の、カンショなりバレイショについての基準価格の告示に際して基準歩どまり以下のものについてはそれぞれスライド制で値をある程度政府が歩どまり率による価格をつけ足したようなかっこうできめておりますが、これにつきましては、芳賀先生は下ばっかりきめて、上を知らぬ顔しているのは、何か高でん粉品質のバレイショの奨励を打ち消しているやの御意見でございますが、われわれからいたしますと、むしろこの農安法の精神に基づきまして、多少歩どまりの悪い品質がそれほどよくないイモにつきまして、いわゆる市況のいかんにかかわらず、不当な買いたたきといったらおかしいのですけれども、不当な取引が行なわれないように、いいものについては当然に妥当な市場価格は形成されるでありましょう。いわゆるいいものはそれだけの価値があって、高い値段で取引されるけれども、安いものについては不当に不良イモだということで買いたたかれるおそれがありますので、その買いたたきを防止、なるべく民間同士の取引に政府が介入するということは避けたいのでありますけれども、やはり悪いイモについては不当な買いたたきは極力防止したいということで、基準歩どまり以下のものにつきましても、政府が多少の行政介入的に価格を段階的にきめたような次第でありまして、決してそれがカンショでん粉の高でん粉のイモの生産を阻害しているのではなくて、われわれとしましては、ますますでん粉価の高いイモをつくるように生産奨励をしているというふうに御理解願いたいと思います。
 それからなおでん粉の歩どまりをどうするかということにつきましても、政府部内におきまして、先ほどからのイモの基準価格あるいは価格のきめ方、それから加工費につきましてもいろいろ資料としてひとつ参考までに当委員会で政府側のいままで手持ちの資料に基づいて意見を、意見というか説明を申し上げた段階でございまして、それと同様に歩どまりについても、このカンショにつきましても、実質平均値といたしましては、四十二年には二六・五、四十三年には二六・五、四十四年には二五・八というふうに織り込み歩どまりよりも相当高い水準で、平均いたしますと二六・二五%前後の高い歩どまり実績を示しておりますし、またバレイショにつきましても過去の平均値でいきますと大体一八・七前後の高い実績歩どまりを示しておりますし、いまの基準価格、加工費それぞれの市価参酌事項、歩どまり等を、もう少し一日、二日の間に検討の上、最終的に政府としては結論を出したい、こういうふうに思っておる次第であります。
#100
○芳賀小委員 局長の言うような説明であれば、歩どまりの高いイモについては一定の歩どまり格差によって規定どおり高く取引をさせるほうがいいのではないですか。歩どまりの悪いのは現実に安く買い入れるような措置を講じて、高いものについてはどうしなさいということを何もうたっていないでしょう。高く買ってはいけないということは告示にないが、親切にやるということになれば、歩どまりの低いものに向かっての格差というものは、高いものに向かってもやはりプラスとして取引しなさいという指導をやるのが当然ではないですか。どうも農林省はこれにこだわって、昔から歩どまりのいいものは別に高く買わなくてもいいという指導をやっておる。これは問題があると思うのですよ。歩どまりのいいイモが改良生産されれば、その原料を使用すれば製造歩どまりも上がってくるということになるわけですね。われわれの心配しておるのは、先ほど小島課長から言われた附録第一による計算でいくとカンショについては三百九十五円である。これをわれわれはすなおに去年同様一六・五%のイモで三十九円五十銭というふうに計算されていると思っておるわけですから、これを万一、一七%に改定するということになれば、これは正常な価格改定ということにはならぬですから、歩どまりを〇・五%上げればその分だけ三十七・五キロで五円ですか、自動的に加算した上にことしの価格算定をするというのであれば、これは基準をどこに置くかということは運営上の問題ですから、歩どまりだけ上げて価格は従来同様の一六・五%で計算して、いわゆるこの基準歩どまりが今度は一七%になるということになれば全くインチキ仕事になりますから、そういうことはやらないと思うのですが、これはどうですか。
#101
○荒勝説明員 先ほど申し上げましたように、まだ政府原案の作業をいま急いでおりますので、本日のここの時点で大体こういう方向で決定という試案が示されないのははなはだ遺憾でございますが、それぞれのアイテムにつきまして、ただいまそれぞれ焦点をしぼりつつ作業を急いでおる次第でございます。その際、ただいま朝から御説明申し上げましたいろいろな係数資料を使いながらも極力現実に合った、あまり不当な現実離れをしない方向で、われわれとしては結論を出すべく努力いたしておりますので、ここでするとかしないとか、あるいは値段をきめるとかきめないとかいうようなことは、はなはだ申しわけございませんが、きょうは言いにくいようなかっこうになっておりますのでお許し願いたいと思います。
#102
○芳賀小委員 いや、この点は局長大事ですよ。われわれは一六・五とか一七にこだわっておるわけではないですよ。歩どまり基準を上げたほうが妥当であるという場合は、上げる分だけを従来のスライド格差を加算してまず上げて、そうしてことしの適正価格を算出するというのであれば話はわかるのですよ。――わからぬですか。たとえば去年のバレイショの場合には一六・五%で二百七十八円ですから、これは一%で十円の格差でしょう。だから〇・五ということになれば五円ですよね。ですから、十六・五を一七にすればどうかということになれば、これに五円加算して二百八十三円に直すということであれば、一七%にしても一六・五%の基準を使っても変わりないわけですからね。歩どまりの低いものに格差をつける分だけ、基準歩どまりを上げる場合には加算して、それを基礎にして運営するというのであれば、それほど問題がないのですよ。そうじやなくて、歩どまりだけ上げて、それより低いものについては安く買えということになれば、基準だけ一七%に上げて、従来の十六・五というのは五円下げるということに当然なるのだ、そういうことになるでしょう。
#103
○小島説明員 いま芳賀先生のおっしゃいました計算は、たとえば現在の基準歩どまり以下のイモをつくっておるという農家を想定いたしました場合には、基準点が上がるわけでありますから、格差額がふえるということによっておっしゃるような結果になろうかと思います。ただ、もし現在すでに、カンショの場合で申し上げまして二六なら二六という歩どまりのイモが生産されておるといたしますと、そのものにつきましても、現在二四しかないものとしての価格で取引がされておるわけであります。それが、もしかりに基準歩どまりが上がりましても、そのものがすでに確保しておる歩どまり以下であれば、そのものの手取り価格は、ただいま申し上げました、先ほど来議論になっております諸事項を勘案いたしまして決定いたします価格、その価格上昇分だけはまるごと手取り増ということになるわけでございまして、現在すでに大部分の産地におきましては、政府のいままで織り込んでおりました基準歩どまり以上のものを得ておるわけでありますから、その意味で実質手取り減ということはほとんどないというふうに考えていいのではないかと思います。
#104
○芳賀小委員 それでは小島さんに聞きますけれども、去年はカンショは二四%で十貫目三百八十円ですね。それを二六%にした場合幾らになりますか。
#105
○小島説明員 現在の政府がきめております価格では、いま申し上げましたように、カンショは二六のものにつきまして三百八十円という値段そのままで取引すればいいというふうに政府の告示はなっておるわけであります。ですから、かりに基準歩どまりが上がりましても、そのものの手取り価格はアップ額だけまるごと上がるというかっこうになるわけでございます。
#106
○芳賀小委員 だからそれがおかしいじゃないですか。それでは、二四%を下回る二二%はいま幾らになるのですか。上のほうはないというのなら下ですね。
#107
○小島説明員 大ざっぱな計算をいたしまして大体一%が十円くらいに匹敵いたしますので、二二ということであれば二十円引きくらいというのが基準になろうかと存じます。
#108
○芳賀小委員 政府の告示によると二四%のものは三百八十円、二二%の場合は二十円引きで三百六十円ということになるわけですね。だから一%十円でしょう。本来であれば二五%のものは十円増しの三百九十円、二六%なら二十円増しの四百円になってしかるべきじゃないですか。これをいままで農林省がやっていないのだから、歩どまりのいいのもその基準歩どまりの値段で買ってもよろしいということを言っておるのですからね。だから、二四を二六に上げるとすれば、昨年の三百八十円は、これは当然二%歩どまり基準を上げるわけだから、まず四百円にして、それを基礎にして四十四年の価格計算をするということでなければ、これはだめなんですよ。おそらくあなた方の考えは、カンショについては十貫目三百九十五円というようにして、そしてこれは歩どまりは二六%ですよということになれば、実質的には昨年同様であれば三十七円五十銭にきめたと同じことになるのです。同じ歩どまりということになれば、去年より五円実際は下がるのですよ。だから、基準だから上げるのも下げるのもいいですよ。しかしそれはやはり上に向かっても下に向かっても、歩どまりによるところの格差というものは正しく加算されるとか控除されるという状態にまずしてから、歩どまり基準をどうするかということにしなければいけないですよ。歩どまりのいいものを高く買ったって何も農林省は困らないでしょう。もし高く取引されたら困るという理由があればここではっきりしておいてもらいたいと思うのです。
#109
○小島説明員 それは先ほど局長が申し上げましたように、基準価格以上で買ってはいけないという趣旨では決してございませんで、高く買うことはもちろんかまわないわけでございます。ただ政府が一定の格差をもって必ずそれだけのものを上積みして買えということになりますと、歩どまりの向上はもちろんイモ生産者の努力に負うところも大きいわけでございますが、同時に工場のでん粉回収技術の向上というものもまた無視できないわけでございます。したがいまして、そこに出てくるメリットをでん粉製造の任に当たります者とイモ生産者がどう分け合うかという相対の問題として御解決いただくことでございまして、政府として一定の格差を常に生産者に払うということは義務づけとしては行なっていないという趣旨でございます。
#110
○芳賀小委員 それは違うのじゃないですか。原料イモの含有率によるところの基準と操業の結果製造されたでん粉のいわゆる工場歩どまりというのは必ず一致するとは限らぬでしょう。これはそうでしょう。歩どまりの高い原料を買えば工場歩どまりも自然よくなるわけですからね。そういうことからいえば、歩どまりの高いイモに格差をつけて高く買うというのは差しつかえないのじゃないですか。政府の買い入れ米にしても、等級のいいのは高く買うし、等級の悪いのは、ことしは大幅に格差をつけて安く買うということにしているわけですから、優秀な原料であればそれは高く購入しても企業上何もマイナスにならぬと思うのですよ。だからこの点を混同しないようにやってもらわぬと、表面だけは値段が上がった、さあ今度は歩どまり基準を上げた、工場で買い入れる場合には歩どまりの認定によって格差をつけて買い入れるということになれば、実質的に今度は手取り減少というような形も生まれるわけですからね。午前中の生産者団体の陳情によっても、従来ややもすれば農林省が告示した基準価格というものを生産者は完全に手取りできないような事例が幾多あるので、これは十分政府としても指導してもらいたい、こういう要請も実はあるわけですから、その辺をよく考えて、基準歩どまりをどうするかということについては明確な方針に基づいてやってもらいたいと思うのです。これは局長から……。
#111
○荒勝説明員 けさからの議論の中で、また先ほどのいろいろな陳情で聞いておりますが、われわれといたしまして、現行農安法で基準価格はイモでん粉に関する限り少なくとも守るということで、勧告権等もございまして、過去二、三年前までは南九州方面では基準価格による取引励行を相当やかましく行政指導したようないきさつがございまして、われわれとしましては基準価格による取引はもう相当励行されておるというふうに理解しておりますし、またわれわれの集めます資料でいきますと、バレイショあるいはカンショにつきましても基準価格を上回るかっこうで大体取引されておるという、全部平均値でございますけれども統計をいただいておるわけでございますが、ただし個別には何か多少基準価格を下回るという場合もあるやに聞き及んでおりますが、特に北海道の場合は、まださらにでん粉の最終整理のあとも委託加工方式なものですから、買い取り計算でございませんので、最終支払い等が計上されないまま中間的な形で、まだ最後のイモの値段をどうも十分もらってないというふうなお話があるんではなかろうかというふうに聞いておりますが、今後基準価格によるイモの取引については各でん粉企業者並びに関係知事を通じて指導監督は十分いたしてまいりたいと思います。
 なお、先ほど砂糖類課長から申し上げましたように、でん粉の歩どまりの向上というのはイモの面にもございますけれども、加工面にもございまして、みんなやはりそれぞれの段階でレベルアップの努力の結果、こういう品種の改良等も含めて歩どまりの向上というものが出てきたということについては、お互いにこれは御同慶の至り、こう思っておりますけれども、またその結果、そのレベルが上がったという段階で、一年一年の歩どまりの向上とかあるいは下落ではわれわれも判断いたしませんが、カンショでん粉あるいはバレイショでん粉、それぞれ過去三年ないし四年の間に実際の歩どまりと基準歩どまりとの間に二%以上の開きが出てきたとなれば、そこでやはりレベルアップがあったとみなして、なるべく現実に近づけて価格決定を行なうのが一つの方法ではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
#112
○芳賀小委員 その点はあとで十分誠意をもって処理してもらいたいと思います。
 局長は砂糖類も担当しておるわけですから、たとえばてん菜の原料ですね、これも元来は原料ですから、含糖率によって原料ビートの買い入れ価格をきめるというのが一番望ましい状態なわけですね。イモ類の関係はビートよりも一歩進んで、でん粉の含有率を測定して、それによって若干の格差をつけて取引をするということになったので、てん菜から見ればその取引方法というものはやや合理的に行なわれておるわけなんですが、ただ難点が基準歩どまりの上を認めない、否定はしていないが。含有率のいいものについても、高く買わなければいい、高く買うなと言ってないといったって、高く買わなくともかまわないということを告示ではっきりうたっているわけですから、そういう指導というものは悪用されるわけだから、ことしから、誠意があるのであれば、告示についても歩どまりの高いものは高いなりに一定の格差をつけて、上に向かっても下に向かってもスライド制でやらせるようにしたらいいと思うのです。このくらいのことはできるでしょう、やる気でやれば。大事な点ですから、もう一回明確にしてもらいたい。
#113
○荒勝説明員 御指摘のように、一つの基準歩どまりを設けて、安いものには値引きの歩どまりを政府が干渉しておる。したがって、反射的に上のいいものについても同様に高歩どまりのものは高価格というふうに、政府で指導あるいは干渉しろという御意見のように承りますが、政府といたしましては、先ほど来申し上げましたように、なるべく売買両当事者間の価格にはタッチしたくない。商業取引にまで関与したくない。それはある程度商業取引の慣行としてきめていただきたいということで、ただ基準歩どまりだけを基準として政府はきめますよという姿勢でございます。
 下のほうに干渉しているということにつきましては、これは先ほど来申し上げましたように、あるいは芳賀先生と私のほうの見解の相違になるかもわかりませんが、やはり悪いものが不当に買いたたかれるというのを何とかして防止したい。特にこのイモでん粉事業が始まりました十数年前から、一時非常にでん粉が過剰であったというような前後のときには、イモを持ち込んでもでん粉業者のほうで買い取らないというようなこともありまして、そういう形で悪いイモはここに置いておけというようなことになったいきさつ等から、こういう下のイモには特に政府として気をつかって、格差を設けるような仕組みを指導奨励いたしておりますけれども、これにつきましては、やはり政府側としては御意見は御意見として承りつつも、でき得れば本年もあるいは適用さしていただくことになるのではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。
#114
○芳賀小委員 これは大事な点だから繰り返して言いますけれども、最近のイモの生産事情は午前中局長が説明したとおりなんですよ。毎年毎年面積が激減しておるわけですからね。やはりこれは不利益性が面積の減少ということを招いておると思うのですよ。これを歯どめをかけて生産性を高めるということになれば、やはり原料イモの場合はその目的がでん粉の原料として生産されるわけですから、一番望ましい状態は高でん粉化の原料イモが生産されるということが企業的にも一番望ましいわけです。だから品種の改良とか種子の高品度化を行なう場合も、でん粉化の高い収穫も確保される優良なイモをつくれば、それが生産者の利益の増大にもつながるということを明確にしなければ、生産意欲は出てこないでしょう。その場合、でん粉化の高いイモについては基準価格よりも一定の格差で高く取引をさせるという指導をすることは何ら差しつかえないじゃないですか。元来、政府が行政権で価格あるいは流通面に対しても介入するという目的で農安法というものはできておるわけですから、たとえば基準価格を基礎にして適正な取引が行なわれない、基準価格よりも下回った価格で、生産者の犠牲で取引をしたというような事実が発見された場合には、農林大臣または都道府県知事が是正の勧告をすることができるわけでしょう。そういう権限が法律上与えられたわけで、また勧告を内緒にしておくのではなくて、勧告を発した場合にはそれを公表できるということに先年の改正からなったわけですね。何県の何々工場は不当に原料をたたいて購入したので、これを是正しろという勧告を農林大臣が行なったとかあるいは知事が行なったということを、これは公表できるわけですからね。そして企業側においても良心的に原料イモの取引をやってもらうというのが法律の趣旨ですから、でん粉化の高いイモの取引を適正にやれという指導だけは介入したくないというのはおかしいじゃないですか。この問題は大事ですよ。昔から言っている問題だけれども、いまの時点ではますますこれは重大な問題になるわけですよ。しかもことしから、場合によっては歩どまり基準を上げるという考えを持っておるわけでしょう。そうなればますますこれは油断のならないところですから、くどいようだけれどもこの点をきちっとしておいてもらいたいと思うのですよ。
#115
○荒勝説明員 先ほども少し申し上げましたが、歩どまりについては多少経緯が農林省側にもあるわけでございますが、一般的にイモの市況が非常によくて、イモでん粉の業者の方が景気がよくて高い値段でイモをお買いになるときには、ほとんど全量が基準価格以上で取引されていきますので、政府としてはそれについて何ら干渉はしない。悪いイモまで高く買い取られていきますので、政府は干渉しないわけでございます。ただ非常にイモの景気が悪くなって、買いたたくと言ったら語弊がありますけれども、多少イモの値段、市価水準がよくないときの話でございますが、そのときに基準価格を守らせるということになりますと、基準価格以上のものについては当然基準価格なり基準価格以上で取引されるのでありますが、下位、悪いものについてはどうしてもそこで格差というものが、生産者と引き取り業者の間でもめるということで、そのもめをこの際政府が中に入って裁定しておこうということで、でん粉市況の非常に悪いときのことを頭に浮かべつつ整備したのが、最低政府が介入すべき手段として措置したのが、この下位について、悪いものについて行政介入的なことをするという示し方でありまして、一般論としては、われわれとしては商業取引の自由慣行にまかせるというのがあくまで政府側の姿勢である、こう考えておる次第でございます。
#116
○芳賀小委員 もっと平明に話をしますと、カンショの場合二四%で三百八十円でしょう。たとえば午前中に話のありました高でん粉の黄金千貫の場合、三〇%程度の歩どまりの品質もあると思うのです。そうすると二四%よりも六%高いでしょう、三〇%というのは。一%十円にすればこれは六十円高く買っても、四百四十円で原料として購入しても、歩どまりがいいわけですからして、これは製造業者としても別にそれが不利益にはならぬわけなのですね。それでは黄金千貫が現実に昨年基準の二四%よりも五十円、六十円高く取引されたかというと、そうではないでしょう。ですから、上に向かってのスライドを適用するということになれば、二八%、三〇%のものは、去年の基準価格であっても四百円以上の取引が当然できるということになるのです。工場側から見ても回収率の高い原料を使ったほうが、操業面から見ても労力から見ても経費から見ても、そのほうがプラスになるわけですからね。工場の企業努力とまた別に、優質な原料イモを原料に用いることは、企業上これは最も望ましい状態なわけですから、工場側から見ればそれが望ましいことであれば基準を上回るイモについての上位スライドというものはやれるじゃないですか。何も抵抗がないじゃないですか。抵抗があればこれは告示できないという理由もあるかもしれぬが、生産者においてもそれを希望しておる、工場側においてもそれに反発する理由は何もないということになれば、これはスムーズにいくんじゃないですか。この点はもうぜひことしから実行してもらわなければならぬですよ。委員会の議論のしっばなしでは済まぬですからね。
#117
○荒勝説明員 再三申し上げますが、基準歩どまりによる取引の励行という解釈の中にあって、政府側としてはやはり最低限の保障というのがこの農安法の精神だと思いますので、あまり質のよくないイモを、たまたま干ばつとか何かでできた場合にも、一定限度の保障を農安法の精神を生かして農家の保護をする、そういうのが政府側としては一つの姿勢ではなかろうか。あとの点につきましては、やはり売買両当事者間でその基準価格の基準イモ以上のイモについては妥当な値段でそれぞれ高品質のものは当然に市価において高価格を実現するという経済原則で取引願うのが妥当ではなかろうかというふうに私は考えておる次第でございます。
#118
○芳賀小委員 それで、これはあすに延ばしましょう。他の委員の質問もあるわけです。あすもう一回反論があれば私を説得できるだけの材料を整えてあすまた論議したいと思います。だからきょうはこれは保留しておきます。
 最後に、最近の工場施設から見て廃水の処理、これが伴わなければ企業はできないという状態に現実はなっておるわけですからして、これらの施設をすでに行なっておる合理化工場もあるし、また行なわないでおるところもあるし、中途にあるところもこれは多量にあるわけです。そういう場合、それらの廃水処理施設等についてはでん粉の価格算定上どういう費目で計上するわけですか。加工経費でやるか、あるいは施設の償却とかそういう点でやるか、いろいろ方法があると思うが、一部は忠実にやっておる、まだ実行しない工場が相当あるということになれば、一袋当たりの価格算定上のそれらの経費ということになれば、総体の生産数量でこれを割るということになるから、幾らにもならぬわけですね。そういう矛盾もあるわけですからして、特にことしからの加工経費等の計算にあたっては、当然企業として行なわなければならぬところのそういう施設については、何らここから利益は生じないわけですからして、どういう経費でどういう項目でこれを是認するかというような点についても、ことしから明確にしていただかなければならないと思います。
#119
○小島説明員 これは原価計算の理論といたしまして、これから投下するであろう費用というものも原価に織り込むということはとうてい不可能なわけでございます。すでに廃水対策のために相当の施設費を投下いたしました企業について見ますならば、原価計算上はそれは当然償却費の増及びそのために借り入れたといたしました場合であれば、設備金利の増という形で、原価計算はふくらんでまいるわけでございます。ただ、お話にもございましたように、すべての企業が同じような割合でその種の費用を投下いたしておるわけではございませんので、全体のでん粉製造経費をとってみますならば、平均した程度の押し上げにしかならないけれども、当該企業にとってみれば他の平均的な企業よりもかなり費用が割高になる、こういう現象はちょっと避けられないわけでございます。現在の原価計算の仕組みからいきますと、そういうことでございます。
#120
○芳賀小委員 だから、そういう矛盾があるのでこれをどうするかということを聞いておるわけです。
#121
○小島説明員 これは現在の価格のきめ方から申しますと、個別の工場ごとにみんな原価が違っておりますものを一本の価格で買い入れる一つのたてまえをとっておるわけでございますので、価格のきめ方としてそのめんどうを見るということはとうてい不可能なことではないかと思います。したがいまして、施設の内容にもよりけりでございますけれども、公害防止事業団というような特別な金融機関もできておりますし、その種の金融あるいはものによりましては若干ひねった形ではございますけれども、間接的な助成のしかたというふうな形をもちまして、解決するのが至当ではないかと思います。
#122
○芳賀小委員 それでは、きょうの質疑を通じまして、まず午前中のイモでん粉の生産目標、それから需給率の問題、それからいま議論しましたスライド制の問題、そういうような幾つかの問題はきょうまだ結論が出ておりませんので、これらは保留してきょうはこの程度に質問をとどめておきます。
#123
○三ツ林小委員長代理 瀬野栄次郎君。
#124
○瀬野小委員 イモでん粉等価格対策に関して質問をいたします。
 南九州、長崎及び北海道など国内産のイモでん粉が安定的に生産され、また販売をされ、適正な価格が形成されるとともに、でん粉工場の近代化を促進する総合対策を樹立すべきであるということが現在最も緊要なことでございます。
 午前中に引き続いて、昨年決議を見ましたところの七項目についてもるる答弁がございまして、一応問題点はほとんど出尽くしておるように思いますが、北海道をはじめ、南九州等イモでん粉の主産地であるところの生産農家は、御承知のように貿易の自由化、資本の自由化、さらには米の生産調整と相まって、最近動揺が著しいのでございまして、このような現状は当局も御承知のことであります。そこで、農家は生産目標を立てて生産計画を立てたいというのが何といっても一番の願いであるのであります。
 午前中にも若干触れられたのでありますが、私はこの機会に、さらにイモ作農家の生産安定に資するために、国内産のイモでん粉の優先的消化を前提としたイモ類の生産目標というものについてさらに明確に御答弁をいただきたい、かように思っておるわけです。どうか農家の方が安心して生産ができますように、さらにひとつ詳しくその方針をお聞きしたいのであります。
#125
○荒勝説明員 朝多少申し上げましたが、農林省でただいま米の生産調整の一環といたしまして、今後の進むべき総合農政の施策をいろいろな形で検討いたしまして、いずれもう少し時間がたてば全貌を明らかにすることになると思いますが、その作業の一つに、一番大事な指針となるべきものかとも思いますが、いわゆる農林省として、ただいま地方各県を動員しまして農産物の地域分担作業というものを実行しているわけでございます。作業が試行錯誤的に県と相談したりいろいろしておりますので、まだ全貌が出ておりませんが、その中にそれぞれたとえば北海道のバレイショあるいは南九州のカンショ、こういうものは当然地域農業として将来にわたって分担して日本農業を守っていただくことになるのではなかろうか。この地域分担の作業はそれぞれの生産目標といいますか、それぞれの地域における生産目標的なものとして、われわれのほうのいまの解釈では一つのガイドポストというふうなものになるのではないか。これが今後における行政の指針というか指標といいますか、そういうものになるのではなかろうか。それに基づいて県なりあるいは市町村長がそのイモについての指針というものを見守りながら、自分の地域における農業生産の計画性を樹立していく、こういうことになるのではなかろうか、こういうふうに理解している次第でございます。
#126
○瀬野小委員 ただいま答弁をいただきましたが、それでは生産目標を示すということは、現在農産物の地域分担作業をやっている。現在試行錯誤しておられて、日本農業を守るために行政の浸透をはかっている、こういうような御答弁がございましたが、大体いつごろまでにはっきりした目標を示すことができますか。再度お伺いします。
#127
○荒勝説明員 実はそれは官房のほうで責任を持って日程をおつくりになって作業をされているやに聞いておりますが、私が内部において聞いた話では、いまのところの作業目標としては、十一月一ばいを作業目標として作業するということでわれわれは作業の分担を行なっている、こういうふうに理解している次第でございます。
#128
○瀬野小委員 御承知のように北海道のことも午前中からずいぶん詳しく質問がございましたが、九州においても熊本県の天草または鹿本郡を中心にし、さらに長崎県、南九州とイモにたよっている農家はたくさんありまして、午前中の園芸局長の説明にもございましたように、その生産が多いことは表でもわかると思うわけですが、実は鹿児島県等、宮崎にしても熊本の天草にしても台風常襲地帯で、しかも鹿児島、宮崎等はシラスの特殊地帯でございます。イモにたよらなければ何もほかに生産のできる作物がないという地帯がたくさんございまして、イモによって畑作地帯の農家が経営を営んでおります。こういった農家に対して農林省はいかなる考えをもって指導していかれるのか。他に転用する作物もないわけでございます。しかもこのようなイモの価格等が低迷しているときでございますので、この農家の方たちが安心して生産に邁進できるような考えをここでひとつ明らかに御答弁いただきたい、かように思います。
#129
○荒勝説明員 イモにつきましては、ただいま御指摘のようにわれわれといたしましてもただいまのところ、南九州の一角と北海道のバレイショにつきましては、今後やはり相当長期にわたってイモ作農家の経営の安定は十分はかっていかなければならない重要な作物だと理解しております。したがいまして農林省といたしましては、やはり重要作物の一つといたしまして、多少まだ十分でない点もあるかとも思いますが、農産物価格安定法でイモ並びにイモでん粉の価格安定を行なうというのは、重要農産物たる姿勢を持っているからできるのではなかろうか、こういうように思っております。
 さらに、この国内産イモでん粉と競合関係にあります輸入トウモロコシによるコーンスターチというものは、自由化してほうっておきますとそれこそ悪影響を国内産イモでん粉に及ぼすという配慮から、多少不当とも思われる約五九%前後の二次税率の関税を課しまして、不当に入ってくるトウモロコシをこの際秩序ある輸入方式によって実施しておるというのが第二点でございます。それは先ほど申し上げましたように、農安法並びに農安法に基づく食糧管理特別会計による、最悪の場合には買い入れの対象を開いておると同時に、輸入トウモロコシについては、十分にその辺を制限しながら国内産のイモでん粉の保護をはかっていく。
 さらに第三点については、現状はそうでありますが、今後とも多少続けたいと思っておりますが、でん粉の自由化という問題についてはなお慎重に、われわれとしてはこれはできるだけ自由化しない方向で今後ともその姿勢は守り続けたいというのがわれわれの姿勢でありまして、ほかの農産物等と違いまして、相当いろいろな形で不十分ながらもそれぞれの行政的な歯どめというものをそれぞれの段階で実行して、イモでん粉の今後の振興を期してまいりたい、こういうように考えております。
#130
○瀬野小委員 時間もおそくなりましたので次に参りますが、たとえば北海道等では、てん菜とかビートなんかのモデルプラントができましていろいろと指導されておりますが、南九州イモ地帯においてもこのような施策ができないものかとかねがね思っているわけであります。小さい工場がたくさん寄り集まっているというような状況でございまして、生産地がほとんど南九州の特定の地域にきまっておるわけでございますので、何とか近代化された、合理化されましたところの、農家の所得を増すようなモデルプラントの工場を設置する、こういうことを考えていただきたいというふうに思うのですが、この点についての御見解を承りたいと思います。
#131
○荒勝説明員 カンショでん粉につきましては、非常に零細な企業者が南九州に相当乱立ぎみに工場を営んでおられることにつきましては御指摘のとおりであります。これにつきましては、やはり大きな原因といたしましては、非常に昔からイモでん粉があったといういきさつもありますが、南九州自身農家の経営規模が非常に小さくて、特にまた畑作における一筆の農家面積も非常に小さくて、いわゆる農家自身の経営規模が零細で、平均的には鹿児島県等は平均五反程度でございまして、日本でも一番平均規模の小さい零細農家群が存在しているような形で、なかなか農業自身も合理化が進みにくいという一つの大きな背景があって、したがって、そのでん粉工場も零細企業なものが相当多数存在しているというのが実情ではなかろうかと思います。これにつきましては、われわれといたしましても、本年四十五年度から近代化促進法に乗せまして、一気に北海道のようなでかい近代的な工場をつくるということも必要かと思いますが、それよりもさしあたりいかにしたらこの零細なでん粉事業の近代化がはかり得るかということのビジョンをひとつつくろうということで――ビジョンといいますか、指針をつくろうということで、この春以来近促法の指定をいたしまして、ことしと来年二年間かかりまして、関係業界の方々とか、こういうことのいわゆる中小企業の専門家の方々にもお願いいたしまして、一日も早くビジョンをつくって、そのビジョンに基づいて、あと所要の税制の優遇なりあるいは融資の促進ということを助成することによって実行いたしたい。それとあわせて農協側の問題につきましても、先ほど来御質問がありましたように、われわれとしては、同時にこういった農協系統も含めて、あわせてでん粉企業の近代化を進めてまいりたい、こういうように考えておる次第でございます。
#132
○瀬野小委員 ただいま答弁いただきましたが、近代化促進法に乗せて専門家にもいまいろいろと諮問してビジョンをつくっておられる、こういうことでございますが、それではことし四十六年度の予算策定時期にあたりまして、これらのことについて予算上どのような要求をされて対策を立てておられるか、あわせてお伺いしたいと思います。
#133
○荒勝説明員 四十五年度に指定されまして、四十六年度中にビジョンをつくるということで、二ヵ年計画で、四十五年は特に現在資料の収集中で、資料に基づいて四十六年度中にビジョンか、指針をつくるというかっこうになっておりまして、それでこのビジョンに基づいて、あといろいろな企業の合併促進とかそういうことがございますが、それにつきましては四十七年度に実行というかっこうで、われわれといたしましてはその考え方のもとにただいま準備を進めておる、こういうように御理解願いたいと思います。
#134
○瀬野小委員 先ほど申しますように、南九州関係は零細農家が多くて、たいへん苦慮いたしているところでありますが、局長から四十七年度実行ということでいろいろ検討しているということでございますが、もうずいぶん毎年毎年同じことが繰り返されて今日に至っております。イモの主産地というのは、ほとんど統計上からもはっきり出ておるわけでありまして、もっと早くから施策をすべきではなかったか、かように思っております。ここで論議してみたところで、来年すぐやるということにもまいらぬかと思いますが、早急にやっていただくと同時に、四十七年度においてはぜひとも実現するように、はっきりひとつ施策を立てていただくようにお願いをする次第でございます。
 これに関連しまして、実はトラクター等の機械に対する補助というのが、現在の補助対象というものはなかなかワクがきびしくございまして、九州関係では五十町歩――二十町歩もやるところはまずございませんが、小型トラクターとか小さい農機具にたよらなければならないところが多いわけでございます。要するに島全体の生産というのは、また鹿児島、宮崎全体の生産というものはかなりあるのでありますが、規模が小さい、こういったことで、現行でやっておられるものは、北海道なんかには適用されても、実際南九州等には適用できないというのが実情でございますので、これら補助対象のワクを下げるというようなことについてぜひとも御検討いただきたい、こう思うのですが、いかなる検討をされておられるか、御意見を承りたいのであります。
#135
○荒勝説明員 われわれの行政対象といいますか、日常の施策面からいきますと、北海道のように非常に広大な農地があり、かつまた一農家当たりの経営規模も非常に大きいということになりますと、施策としては、いろいろな御批判はあるにしても、相当予算上あるいは制度上仕組みやすい。だから地域特産農業の予算をとりましても北海道では簡単に採択しやすく、かつまた、地域特産のような零細な経営関係の予算ではもう間に合わぬ、もっとでかいものをという御要望があれば、広域農業団地の形成というかっこうで、特に大きいものにつきましては、また別に補助事業等も仕組まれるわけでございますが、南九州の場合はこの地域特産に乗せるのが――先ほど瀬野先生から御指摘のように、まさに地域特産に乗せるだけでもやっと精一ぱい、あとは個人の零細農業みたいなかっこうになりまして、それでは補助の対象になりにくい。だから、できますれば、まず集団化といいますか、多少東京におって図上的な話になるかもしれませんが、町村単位にでも何らかの形で集団的なイモ生産事業をやっていただくことができれば、われわれとしては地域特産の対象にでも乗せていけるんではなかろうか。それによってあるいは倉庫なりトラクターなりというものが補助助成事業ができることになる、こう思っておるわけでございます。
#136
○瀬野小委員 町村単位で集団化をやったらどうかということでございますが、従来これらのことについて、町村に対して集団化するような方策についてどのような指導をされてこられたか、この際、お伺いしておきます。
#137
○荒勝説明員 特に南九州のイモ作農家ということで指示はいたしていませんが、いわゆる私たちの園芸局での助成事業の一つとして、過去四年ほど仕組んでまいりました地域特産農業振興事業というものがございまして、これは大体全国数千ヵ所、毎年三、四百ヵ所ぐらいずつ、町村あるいは部落単位ぐらいで事業をやるものについては、相当自由といったらおかしいのですけれども、対象作物としてはある程度地域特産ということで、それぞれ町村の強く希望する、あるいは農協が強く希望する作物について、それはそれなりに御相談に応じて、実行してきたような次第でございます。
 本件につきましては関係県全部十分承知されておりまして、それぞれのかっこうで、市町村と協議しつつ何とかして地域特産農業の補助金がほしいというかっこうで、相当無理して一定面積をまとめ、一定地域を話し合いをつけて助成事業の申請を持ってこられておると思いますので、私としましては、当然各県担当官あるいは一部の市町村長は相当御理解されておるのじゃなかろうか、こういうように理解しておる次第でございます。
#138
○瀬野小委員 先ほど申しますように、南九州はイモにたよらなければどうしようもないという地帯がある程度限定されておりまして、生産地域ももうほとんどきまっております。どうかひとつ、例年のことでございますが、きめのこまかい、もっと具体的な指導をされて、そして安心してできるような方策を立てていくように重ねて要望いたす次第です。
 さらに引き続きまして、いろいろ午前中質問がございましたのでダブる点はカットしまして、もう何点かお尋ねしたいと思いますが、生産向上の施策という面から、バレイショ、イモ等の品種改良ということが各団体からも常に要望され、また品種改良が、高でん粉の歩どまりのよいというようなこともあわせまして、当然必要でございますが、品種改良についてはどのような対策を立てておられるか、この際明らかにしていただきたいと思います。
#139
○荒勝説明員 まずバレイショから申し上げますと、バレイショにつきましては、終戦直後ごろからバレイショ原々種農場というものを全国各地に設置いたしまして、それで相当長い時間かけましてバレイショの品種の改良というよりも、無病バレイショの育成というのが本来の目的でございましたが、その間当然世界じゅうから優良品種の導入をはかり、それぞれまた国内の試験場で育成されましたバレイショについても比較検討を加えた結果、原々種として採択いたしましたものを農林省の直営の農場で相当原々種をつくり、それからさらに原種圃に移し、それから採種圃に回して、北海道並びに内地のバレイショについては相当な成績をあげ、その結果、先ほども申し上げましたように年々バレイショの反収も高まり、かつ歩どまりも年々向上しまして、もう一息でヨーロッパ的水準にまで近づく段階にまできておるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
 それに対しましてカンショのほうは、相当地域性がばらつきもありまして、その地区地区に適したカンショの種類が、地域性、風土性あるいは県民の好みあるいは市場の好み、こういった、非常にバラエティーに富んでおりまして、赤いのが好きな人もおれば白いのが好きな人もおる、甘いのが好きな人もおれば、まずくともでん粉の高いのがいい地帯もあるということで、統一的なことはございませんが、だんだんと生食用のカンショが減る過程で、結局南九州の一部と南関東の一部に大体現在原料カンショの生産地帯が残っておるようなかっこうでございます。それに対しましていろいろと品種改良について、それはそれなりに検討いたしました結果、熊本県の農事試験場で開発されました、俗称黄金千貫といわれるカンショ品種は非常に歩どまりが高い、一説によれば三〇%近い歩どまり率を出すということで、いち早く開発されて、去年、ことしと年々普及が早まってきまして、現在南関東にまでその一部は普及されつつあって、今後、あと二、三年でカンショ地帯にはこの品種が相当普及するのではなかろうか。ただ急速に開発された品種だけに多少欠点等がございまして、種イモとしての貯蔵の間に病害が発生しやすいとかそういう問題がありますので、そういった管理上の問題等も今後さらに検討されなければならぬと思いますが、この黄金千貫によって南九州方面のカンショ生産農家は多少でも潤いが行なわれるのではなかろうか、こういうように考えておる次第でございます。
#140
○瀬野小委員 次に、四十六年度予算の上で、生産を上げるための総合的な施策という点で、これら基盤整備とか高性能機械の導入というようなことについて、各種団体も強い要請をいたしておりますが、どのように反映されたか、どのように予算等を組まれたか、明らかにしていただきたいと思います。
#141
○荒勝説明員 ただいま四十六年度予算を一応出しまして、転換対策等の関連予算につきましては今後さらに多少追加予算を出す予定にいたしておりますが、イモ関係の予算につきましては、地域特産農業で、まず北海道から南九州まで各県から、今後予算の通過後希望をとるということになりますので、県並びに市町村がどういう形でイモ作地帯の地域特産農業の予算を要求されてくるか、これは実行というか実際の実施の過程でないとわからぬわけでありますが、これらは先ほど申し上げましたように、農舎、いわゆるイモを格納する貯蔵庫並びにトラクター等のそういう農作業のための必要な諸設備の助成を含んでおります。
 それからさらに大型化という問題につきましては、北海道で最近食用バレイショの開発が非常に進んできておりまして、でん粉時代のみならず食用時代に備えてのバレイショの育成、こうなりますと、多少規格の統一とかそういったいろいろの問題がございまして、農産物の広域経済圏の開発というかっこうで、さらに大型の要求も一ヵ所私のほうで用意しておりまして、イモの生産指導についてはさらに今後前向きの形で指導してまいりたい、こういうように思っております。
#142
○瀬野小委員 次に、午前中局長から説明がございました中で、北海道のバレイショでん粉が四十三年度の分として七万トンの在庫がある、これを四十五年度の需給に織り込んでいくというような説明がございましたが、これに対してはどのように織り込んでいかれるのか、明らかにしていただきたいと思います。
#143
○荒勝説明員 午前中の説明にも申し上げましたように、一応需給上計数整理としては、この食管の持っております七万トンのでん粉も国内供給量として見込んでおります。しかし何が何でもでん粉の市況状況を無視してまでこれを無理に払い下げを強行する気は、ただいまの段階で持っていないというふうに考えておりまして、よほどでん粉事情がたいへんな逼迫でもしますればまた払い下げも強行するかと思いますが、ただいまの段階では、計算上一応政府手持ちのものを払い下げ対象として計算しておるというだけでございます。
#144
○瀬野小委員 先ほどもこの点については質問がございましたが、廃液処理施設ですけれども、私が聞いているところでは、北海道では廃液処理施設を持っておる工場を含めましてたしか二工場が加工処理経費の中に含められておるように聞いておるのですが、九州でもこういった生産コストの中に廃液処理施設というものを入れていただきたいということが強い要望となっておるわけであります。この点もう一度明快にひとつ御答弁いただきたいと思います。御承知のようにでん粉工場におけるところの廃液処理施設の増大というものが経営上大きな負担となって生産者にしわ寄せになっておるのでございまして、さらにこの廃液処理施設に対して特別の助成措置をしていただきたいということが例年問題になっているのでございますが、これに対してはどのように考えておられるのか、あわせてお伺いしたいのであります。
#145
○荒勝説明員 先ほども公害防止の関係で、その対策について御説明いたしましたが、でん粉のみならず食品加工産業全般の問題としまして公害関係がだんだん、一年一年と大きくなってきております。特にでん粉につきましては、北海道のほうが大型化した関係で廃水処理並びに廃水の関係が非常に目立ってきて、やかましい問題になってきております。南九州のほうも多少いろいろと最近は出ておるようでありますが、先ほど申しましたように、まだ経営規模が小さいという関係からか、大きな公害問題として出てこずに、それぞれ地元で沈でん池等を簡単に設けられて、ある程度解決されているのではなかろうかというふうに聞いておる次第でございます。
 それから、北海道も含めまして、先ほど砂糖類課長が御説明申し上げましたが、こういうでん粉の公害処理のために施設を強化する、何らかの形で公害防止装置を備えつけるということになれば、その部分については償却の対象として、でん粉の原価計算の際の原価計算の一要素として経費の中に織り込まれるということは当然でございます。また大型の場合には、据えつけただけでは採算上なかなかたいへんな問題等がございまして、これにつきましては農林省内部でいろいろ検討の上、その当該施設について、多少迂回的ではありますけれども、いろいろな形で援助することによって少しでも経費の増になることを防止していきたいという形で、現在、そのつど御相談に乗っているようなかっこうになっております。
#146
○瀬野小委員 あと若干お尋ねいたします。
 午前中の蚕糸園芸局長の説明の中で、でん粉の需要は百二十万トン前後で、輸入トウモロコシはトン六十ドルが最近では八十ドル、このようになっている。そこでコーンスターチを、必ずしも有利でないが分析すべきだ、こういうふうに説明をたしか受けたのでありますが、イモでん粉の今後の情勢が、御承知のようにトウモロコシなど輸入原料というものが価格暴騰をいたしてきております。このような情勢下において抱き合わせ販売がむずかしくなってくるということは当然考えられますが、この点、いかなる分析をしておられるか、さらに御見解をこの機会に承っておきたいのであります。
#147
○荒勝説明員 いま御指摘のように、最近の輸入トウモロコシのCIF価格の高騰の結果、従来国内産のイモでん粉と抱き合わせ調整販売を行なうことによって、国内のユーザーである水あめ屋あるいはブドウ糖メーカーに引き取らせておった、もう少し端的に申し上げれば、国内産の高いイモでん粉と安いコーンスターチとを抱き合わせすることによって価格水準を一定水準に保ちながら需給バランスを合わせてきたというのが結果でございます。ところが、輸入トウモロコシによります原価が上がりますと、製品であるコーンスターチの値段も上がってまいりまして、いまの段階では輸入コーンスターチ自身が安いとはいいがたいということになりますと、抱き合わせ調整販売でいままでやってきました行政ルールがどうもなかなか仕組めなくなってきている。高い国産でん粉を引き取ったら安いコーンスターチをはめるというルールが、高い国産でん粉を引き取っても高いコーンスターチしか来ないのでは、どうもユーザーの面から見れば非常に不満があって、なかなか引き取りが困難になってきている事情は認めざるを得ないと思います。しかし、われわれとしましては、やはり国内イモでん粉の優先消化ということを行政の姿勢として一番大事に思っておりますので、そういう形で、従来の形式は踏襲しつつも、なおそのほかに新しい知恵を今後出しまして、国産イモでん粉が売れ残ったりすることのないように、この一年間努力しなければならないのではないか。多少神頼み的になりますけれども、あるいは年を越せばまたトウモロコシの値段も少し下がってきはしないかというふうにも感じておりますし、それは今後なお情勢の推移を見計らいつつ努力してまいりたい、こういうように思っております。
#148
○瀬野小委員 一応了としますが、いずれにしても、国内生産のイモでん粉の優先消化ということを前提として対策を立てられるようにお願いする次第です。
 あと二点だけお伺いします。
 次に、地域特産農業推進事業ということについてでありますけれども、これはたしか昭和四十二年から五ヵ年の時限で来年度終了ということになるんじゃないか、こういうように記憶しておりますが、これをぜひ延長して、イモ作農家が安定して生活できるように、また生産できるようにしていただきたい。これについての延長は、やはり今後安定をしていくためにはかなり長い期間になるんじゃないかと思いますけれども、これらについてどのように考えておられるか、また延長するお考えであるか、その点ひとつ御見解を承りたいのであります。
#149
○荒勝説明員 ただいま御指摘のように、地域特産農業は四十六年度予算でもって一応完了、四十七年度から新しく何か仕組まねばならないということは、十分に私としても心得ている次第でございます。したがいまして、いろいろ内部では検討いたしておりますが、来年六、七月ごろまでにならないと四十七年度予算のおぼろげな概要は出てこないのであります。ただ、考え方の基礎といたしましては、五年間という約束事で事業を一応一ラウンド終えたようなかっこうになりますので、単純延長はむずかしいのではないか。もう少しいろいろ知恵をしぼりまして、この地域特産農業の助成事業よりもさらに農民側にとっては歓迎すべきような予算事項の仕組み方をしてみたらいかがという形で、われわれとしては現在検討中でございます。
#150
○瀬野小委員 局長から確信に満ちたあたたかい答弁がございましたが、現在、五年間もやってきたので、単純延長ではどうかと思う、来年になってさらに検討して、知恵をしぼって、農民にとって歓迎すべき予算の仕組みを検討するということでございますので、ぜひ北海道並びに九州のイモ作農家のためにも今後こういった施策を強力にして、イモにだけたよって生活している農家に対してあたたかい手を伸べていただくようにお願いする次第であります。
 最後に一点だけ要望なり、また御意見を承って終わりにしますが、総合農政を叫びながら、現在農林省の内部では、えさ、特にイモでん粉のかす等を含めまして、それらと米、こういったものを統一したところの今後の飼料対策と申しますか、総合農政の中からえさと米、こういったものを含めまして今後どのように考えて推進していかれるか。われわれが見ていますと、どうしてもセクト主義になりまして、これらがばらばらで、横の連携がかっちりと仕組まれていないように思うのですが、外国のトウモロコシの輸入、また暴騰、さらに国内の飼料生産の需給という面、いろいろいま問題になって、前委員会でも質問をいたしたところでございますけれども、これらの総合農政の上からの対策ということについて、最後に承っておきたいと思います。
#151
○荒勝説明員 私の所管外のことにからんでおりますので、多少答弁も怪しくなるかとも思いますが、農林省といたしましては、総合農政として稲作転換をこの際大いにやりたい。その結果、その方向としましては、蚕糸園芸部門に相当の部分を転換作目の対象として受け持つということとともに、畜産局には飼料作物の今後の推進ということで、園芸と畜産でこの稲作転換で多少余裕の出てまいります水田を引き受けざるを得ない、また引き受けるべきであるということで、ただいまそれぞれ地域分担作業と相並行しながら、転換対策事業の仕組みを検討いたしておりますので、なお若干の時間がかかるかとも思いますが、ある程度の結論が出るのではなかろうか、こういうふうに思っております。
#152
○瀬野小委員 実はいま答弁をいただいたのであえてまた申し上げますが、もちろん農林省の中の飼料関係あるいはまた米の問題とか、いろいろ担当があることはもうよく承知しておりますけれども、所管外となると答弁が云々というようなことでございましたが、そういった面からいま総合的に考えねばならぬ時期に来ておりまして、水田の転作その他についても、当然イモにも関係することが南九州では問題になっておりまして、そういった面の横の連絡を密にとられて、どうかひとつ、いずれ検討されるように聞いておりますけれども、そういった問題が各課よく通じ合うようにぜひやっていただきたい、かように思って、最後にこういうことを申し上げるわけです。一般の団体でも一般の生産農家でも常に末端で言っていることは、そういった横の連携というか総合的なものが一つも打ち出されないでばらばらだということを常に申しておりますので、この機会にさらにひとつ来年の生産調整または今後のイモ作農家の安定のために強力な対策を立てていただくようにお願いするわけです。
 農安法の趣旨に従って、カンショ、バレイショとも昨年に比し基準価格は下回らないということでございましたが、いよいよ価格決定のときになっておりまして、きょうもずいぶんと討議されましたが、十分検討されて価格決定をされるよう強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#153
○三ツ林小委員長代理 次回は明八日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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