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1970/02/19 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第2号
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1970/02/19 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第2号
昭和四十五年二月十九日(木曜日)
   午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 小沢 辰男君
   理事 仮谷 忠男君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 芳賀  貢君
   理事 山田 太郎君 理事 小平  忠君
      亀岡 高夫君    熊谷 義雄君
      佐々木秀世君    齋藤 邦吉君
      坂村 吉正君    澁谷 直藏君
      瀬戸山三男君    田澤 吉郎君
      高見 三郎君    中尾 栄一君
      中垣 國男君    松野 幸泰君
      森下 元晴君    渡辺  肇君
      角屋堅次郎君    田中 恒利君
      千葉 七郎君    中澤 茂一君
      長谷部七郎君    松沢 俊昭君
      鶴岡  洋君    合沢  栄君
      小宮 武喜君    津川 武一君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        農林政務次官  渡辺美智雄君
        農林大臣官房長 亀長 友義君
        農林大臣官房予
        算課長     大場 敏彦君
        農林省農林経済
        局長      小暮 光美君
        農林省農政局長 池田 俊也君
        農林省農地局長 中野 和仁君
        農林省畜産局長 太田 康二君
        農林省蚕糸園芸
        局長      荒勝  巖君
        農林水産技術会
        議事務局長   横尾 正之君
        食糧庁長官   森本  修君
        林野庁長官   松本 守雄君
        水産庁長官   大和田啓気君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、農林水産業の基本施策について、倉石農林大臣から説明を聴取いたします。倉石農林大臣。
#3
○倉石国務大臣 私は、農林大臣に就任いたしましてから約一カ月を経過いたしましたが、農林水産業及びこれをめぐる内外の諸情勢がまことに容易でない時期でもあり、その職責のきわめて重大であることを痛感いたしている次第でございます。全力をあげてこの重責を果たしてまいる所存でございますので、委員各位の御理解ある御協力をお願い申し上げます。
 最近の農業をめぐる諸情勢の変化は著しく、米の過剰をはじめ種々困難な問題に直面しております。このような情勢に対処し、政府としては総合農政の展開をはかることとし、その具体化につきまして昨年九月の農政審議会の答申の線に沿い鋭意検討を続けてきております。
 本日はこの機会をかりまして、農林水産業に対する施策についての私の所信を申し述べ、今国会に提出いたします農林省関係の予算案及び法律案について、委員各位の御審議の御参考に供したいと存じます。
 第一に、今後の総合農政の推進にあたって最も重要なことは、規模が大きく高能率の近代的農業を育成していくことであると考えております。自立経営農家の育成により、その生産が、農業生産のかなりの部分を占めるように努力するとともに、あわせて今後とも兼業農家がなお相当の割合を占めるものと考えられるので、兼業農家をも含めた各種の集団的生産組織を育成助長することにも努力してまいりたいと考えております。さらに、基幹施設を有機的に結合して、生産から加工、流通まで一貫して組織化される広域営農集団の形成を進めてまいりたいと考えております。
 このような近代的農業を育成するためには、何よりも構造政策の一そうの推進をはかっていかなければならないと思います。このため、本特別国会においては、農地法の改正法案等の構造政策関連法案の提出を予定しておりますので、よろしく御審議賜わりますようお願い申し上げます。
 また、中高年齢層を多数かかえた就業構造の改善をはかることが重要であることは申すまでもありません。そこで農業者が希望に応じて他産業へ円滑に転職できるよう離農の援助促進のための施策を進めていく考えであります。特に農地の利用との調整をはかりながら農村地域への工場誘致を積極的に進めることとし、関係各省と協力して所要の措置を講じていくこととしてまいる考えであります。
 また、来年度から農業者年金制度を創設し、農業者が農業から引退しても老後の不安が残らないようにするとともに、これが経営規模の拡大に資するようにしてまいりたいと考え、これがため本国会におきまして所要の法案を提案する所存であります。
 このように、農業構造の改善を進めるにあたっての大きな前提となるのは、土地基盤の整備であります。このため、大規模農道等農道網の整備、圃場条件の整備、草地の造成改良など農業生産基盤の整備開発などに力を入れていきたいと考えております。
 第二は、近年、食料の自給率が低下する傾向にありますが、私は人口が一億をこえるわが国において国民が必要とする食料を大幅に海外に依存するのは適当でないと考えており、今後の農業生産は従前にも増して需要の動向に即して進めることが特に必要であると考えます。
 最近の米の需給の動向を見ますと、国民の食生活の変化により消費は減退しているのに対し、生産は増加しているため、相当な供給過剰の状態になっており、今後ともこの基調に変化はないものと思われます。
 このような米の需給事情にかんがみ、政府の米管理の面におきましても、生産者米価及び消費者米価の水準を据え置く方針をとることとするとともに、米の需要の増進に努力いたす考えであります。
 さらに、新規開田、干拓は極力抑制するとともに、米の生産調整を緊急の課題として実施することといたしました。すなわち、政府としては、米生産調整目標数量を百万トン以上とし、これに見合う水田の作付転換等を奨励するとともに、五十万トンに見合う水田の他用途への転用を見込むことにより米の減産を期することにしております。農地の転用については、私は、農業生産の基礎である農地について、その無秩序な壊廃の防止に十分留意しながらその転用の許可基準の緩和を早急にはかるようにいたしたいと考えております。
 畜産物、園芸作物などについては、需要の伸長が見込まれますので、生産性の向上を基本として生産の振興につとめる考えであります。畜産物については、飼料基盤の整備を中心に対策を進め、また養蚕、野菜、果実などの園芸作物については、主産地を中心に安定した供給を確保するよう対策を講じてまいる所存であります。
 また、地域の特性を生かして、米ばかりでなく畜産物、野菜、果実などを農業者が安心して生産できるように将来の望ましい農業生産の姿を明らかにしたいと考えております。
 第三に、農産物価格政策については、価格変動の著しい生鮮食料品のうち、新たに肉用牛、野菜などについて価格の安定のための対策に意を用いるつもりであります。さらに、農産物の流通、加工の問題も重要でありますので、その近代化を促進してまいりたいと考えております。
 第四に、都市に比べて立ちおくれている農村生活環境の整備と農村の整備、開発を推進することが重要であると考えております。
 このため、農村における道路、通信網、医療施設などの整備を進めることがぜひとも必要であると考えております。
 次に林業についてであります。近年、木材需要は引き続き増大傾向にありますが、国産材供給が十分これに対応できないため、外材輸入の著しい増大を招いております。このような情勢に対処するため生産性の向上を基本として林業総生産の増大をはかることが必要であります。このため、林道網の整備など林業生産基盤の整備拡充をはかるとともに、里山の再開発により森林資源の有効利用につとめるほか、資本装備の高度化、森林施業の計画化、林業従事者の就労の安定等をはかることにより林業経営の近代化を促進してまいりたいと考えております。
 また、近年国土保全等森林の持つ公益的機能の発揮に対する要請が強まってきておりますので、これに応じ治山事業等の拡充をはかってまいる考えであります。
 水産業につきましては、近年、漁業労働力の逼迫、公害の増大、国際的規制の強化等に見られるように、漁業をめぐる環境はきびしくなっております。このため、漁業生産は、中高級魚介類を中心に堅調に増加している需要に十分こたえることができず、水産物価格の上昇を見ております。
 このような情勢に対処するため、生産流通の拠点となる漁港につきまして第四次漁港整備計画に基づいて重点的整備につとめるとともに、海洋開発の立場から新漁場の開発、試験研究の推進、新技術の企業化の促進につとめる所存であります。
 また、沿岸漁業の振興をはかるため、沿岸漁業構造改善事業の推進の強化をはかるとともに、資本装備の高度化等による経営の近代化を進め、あわせて水産物の流通改善を促進する諸施策を推進してまいる所存であります。
 以上申し述べました農林水産業に対する施策の推進をはかるため、昭和四十五年度予算の編成にあたりましては、所要の財源の確保につとめ、主要な施策を推進するために必要な経費につきましては、重点的にこれを計上いたしたつもりであります。
 また、これらの施策の実施に必要な法制の整備につきましても、鋭意法案の作成を取り進めているところであります。
 以上、所信の一端を申し述べましたが、農林水産行政推進のために今後とも、本委員会及び委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
 何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
#4
○草野委員長 以上で倉石農林大臣の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#5
○草野委員長 次に、昭和四十五年度農林省関係予算について説明を聴取いたします。渡辺農林政務次官。
#6
○渡辺政府委員 このたび農林政務次官を拝命いたしました渡辺美智雄でございます。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどお願い申し上げます。(拍手)
 昭和四十五年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十五年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計は八千五百三十億円で、これに総理府、厚生省及び建設省の他省所管の農林関係予算を加えた農林関係予算の総額は九千百七十七億円となり、これを昭和四十年度の当初予算と比較をいたしますと、一千五百十二億円の増加となります。
 以下、この農林関係予算の重点事項について御説明を申し上げます。
 第一に、農業生産基盤の整備について申し上げます。
 農業の生産性の向上、農業構造の改善等農業の近代化をはかるためには、農業生産の基盤となる土地及び水の条件の整備開発が基本となるものであります。この観点から、総合農政の方向に即して圃場条件の整備、基幹かんがい排水施設の体系的整備、農用地の開発等各般の事業を計画的に推進することといたしておりますが、特に通年施行を含む圃場整備事業の強力な推進、広域営農団地農道の新規整備等農道整備事業の大幅な拡充、畑作及び畜産の振興に必要な事業の伸長を重点としております。
 なお、米需給の最近の動向及び今後の見通しにかんがみ、新規開田につきましては厳にこれを抑制する方針をとることといたしております。
 以上に要する経費として一千八百九十億二千五百万円を計上しております。
 第二に、米対策に関する予算について申し上げます。
 米は、消費が減退する一方、生産が増大しているため、恒常的な過剰状態にあります。このような事態に対処して緊急に米の需給の均衡をはかりますことは、当面する農政の緊急かつ重大な課題でありますので、農業者及び関係団体等の協力を得て、米の生産調整を本格的に実施することといたしております。すなわち、百五十万トン以上を減産することを目途として、このうち百万トン以上については稲から他作物への転作等を通して生産の調整をはかることとし、そのため米生産調整奨励補助金を交付することとし、総額八百十四億七百万円を計上いたしております。
 なお、米の生産改善対策につきましては、米の主産地域を中心として生産性の高い稲作経営の確立を期するとともに、米の品質改善に重点を置いて所要の施策を推進することとしております。
 第三に、農業生産の選択的拡大に関する予算について申し上げます。
 まず、畜産の振興対策であります。その生産対策としましては、飼料自給度の向上をはかるため、草地開発事業等を推進する一方、既耕地における飼料作物の積極的導入のための飼料作物増産対策を引き続き推進をすることといたしております。
 次に、酪農経営の安定と肉牛資源の維持増大をはかるため、新たに市乳地域への乳用牛の輸送事業、流通粗飼料生産実験事業、肉用牛種畜生産基地育成事業等につき助成をするほか、引き続き家畜導入事業、大規模牧場創設事業等を実施することといたしております。
 また、中小家畜につきましても、優良純粋種豚の確保対策、国産種鶏増殖センターの設置助成等の新規事業を行なうほか、さらに、畜産全体について、家畜改良増殖対策、家畜衛生対策等の諸施策を推進することとし、畜産生産対策として、合わせて百四十一億六千三百万円を計上しております。
 また、畜産物の価格安定及び流通改善対策といたしましては、引き続き加工原料乳に対する不足払い制度の円滑な実施をはかるとともに、学校給食用牛乳供給事業につき画期的な内容の充実をはかることとし、前年に対し六十万石増の二百七十万石の供給を確保することとともに、一人当たり供給単位、補助単価の改善を行なうこととしております。
 さらに、肉用牛について、肉用子牛及び乳用雄肥育牛の価格の異常な下落の場合に生産者に対し、生産者補給金を交付する事業を行なうとともに、牛肉の流通機構の合理化をはかるため、肉用牛の主産地において牛肉の処理加工施設の設置につき助成することとしております。
 以上のほか、生乳流通改善施設、食肉センターの設置等を推進することとし、畜産物の価格安定及び流通改善対策として合わせて二百六十二億八千万円を計上しております。
 次に、蚕糸園芸振興対策であります。
 まず、養蚕生産対策といたしましては、繭生産改善推進施設設置事業を引き続き実施するほか、新たに養蚕の経営規模の拡大に対応して多回育養蚕技術指導パイロット事業を実施することといたしております。
 野菜生産対策としましては、指定野菜の拡大、指定産地の増加等野菜指定産地の計画的育成をはかることとし、果実生産対策といたしましては、近代的な生産出荷の基盤となる濃密生産団地の形成を進めるため、果樹広域主産地形成事業、果樹栽培省力化促進事業を拡充実施するほか、新たに最近の果実の生産、消費の動向にかんがみ、産地の体質改善と果実の品質向上をはかるため、優良品種への更新、ナツカン園等の再開発を内容とする果実品質改善緊急対策事業を実施することといたしております。
 特産農産物及び甘味資源作物の生産対策としましても、それぞれ引き続き地域特産農業推進対策及び甘味資源生産合理化推進地区の設置等の事業を推進することとし、蚕糸園芸生産対策として以上合わせて四十三億九千六百万円を計上しております。
 また、野菜の価格安定及び青果物の流通改善対策としましては、野菜生産出荷安定資金協会の行なう野菜の価格補てん事業について、その対象品目の拡大、交付予約数量の追加を行なうほか、野菜価格の異常低落時の補てん事業を実験的に実施する等本制度の拡充をはかるとともに、うんしゅうみかんの越年出荷を調整する産地貯蔵施設、優良品種のリンゴの品質保持と出荷調整をはかるための産地冷蔵施設、果実の加工需要の拡大に資するための近代的な果汁工場の設置に対する新規助成等を行なうこととし、合わせて十三億九千七百万円を計上しております。
 次に、麦の生産改善対策でありますが、機械化の推進と品質の改善により生産性を向上しつつ主産地の育成を推進することとし、麦作団地育成対策事業等を引き続き拡充実施することとし、六億五千四百万円を計上しております。
 第四に、農業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。
 まず、農地保有合理化法人による農地移動の方向づけ等農地制度を改善して農地の流動化を促進するため所要の措置をとることとし、二億三千七百万円を計上しております。
 次に、昭和四十四年度から発足した第二次農業構造改善事業については、四十五年度からその事業実施に着手するとともに、従前の農業構造改善事業についてその計画的達成を目途として、合わせて二百二十二億二千三百万円を計上しております。
 また、農業振興地域の整備に関する法律に基づき、土地の農業上の有効利用、農地保有の合理化、農業経営の近代化及び生産基盤の整備に関する措置を総合的計画的に推進をするため、引き続き農業振興地域の指定及び農業振興地域整備計画の樹立を進めることとし、二億八千四百万円を計上しております。
 また、農業者の老後の生活の安定をはかるとともに、農業経営の移譲の促進等を通じて農業構造の改善に資するため、農業者年金の給付、離農給付金の支給、農地等の買い入れ等を行なう農業者年金制度の創設をはかることといたしまして、三十六億五千七百万円を計上しております。
 以上のほか、広域の農業地域において生産から出荷販売に至る一貫した体制の組織化をはかるため、広域営農団地育成対策を新たに実施するとともに、農業者の転職対策を含め、農業就業構造改善対策の充実等をはかることとしております。
 第五に、生鮮食料品等の流通機構の整備、消費者保護対策、農林関連企業対策に関する予算について申し上げます。
 さきに御説明しました畜産物、青果物の流通の合理化対策等のほか、生鮮食料品等の流通機構の整備をはかることとし、中央卸売り市場及び地方卸売り市場の施設整備の充実をはかるとともに、小売り業対策等の強化をはかることとして、合わせて三十四億八千八百万円を計上しております。
 また、農林物資の規格及び表示に関する制度に抜本的改善を加えること等消費者保護対策の強化に一億四千百万円、中小企業の近代化促進、食品関係企業対策の強化等農林関連企業対策に一億二千九百万円を計上しております。
 なお、以上の措置に加えて、農林漁業金融公庫に設けられた卸売市場近代化資金及び国民金融公庫に設けられた生鮮食料品等小売業近代化貸付制度の拡充をはかることとしております。
 第六に、林業の振興に関する予算について申し上げます。
 林業生産基盤の整備につきましては、林道事業、造林事業を計画的に推進することとして、合わせて二百三十二億五千七百万円を計上しております。
 林業生産対策については、森林計画制度、森林病害虫等防除事業等を継続実施するほか、優良種苗確保事業を充実し、また、里山地帯を中心とする低位利用の広葉樹林の合理的利用の促進等による資源の高度利用をはかるために、里山再開発事業について、昭和四十四年度のパイロット事業に引き続き事業の本格的実施に入ることとしております。また、林業構造改善対策につきましては、引き続き林業構造改善事業につき、五十二億三千万円を計上し、計画的にこれを推進するほか、入り会い林野の整備を促進するとともに、新たに通年就労促進対策を実施する等、林業労働力対策の拡充強化等をはかることとしております。
 さらに、国土の保全等をはかるため、治山事業につき三百三億四千万円を計上してその計画的推進をはかるとともに、保安林整備管理事業を強化することとしております。
 第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。
 漁業生産基盤の整備につきましては、漁港整備事業、大型魚礁設置事業、浅海漁場開発事業等の拡充実施をはかることとし、合わせて二百三十六億五千九百万円を計上しております。
 漁業資源の維持増大につきましては、遠洋の未開発漁場について大規模な開発調査を拡充実施するとともに、引き続き沿岸漁場等における水産資源の保護培養対策の強化、内水面における地域振興対策の拡充等のほか、新たに資源事情、国際規制等により生産の増加が期待できないサケ、マグロ類、カニ類を大規模にふ化養殖する技術を開発するための実験事業を実施することとし、これらに要する経費二十八億一千六百万円を計上いたしております。
 また、沿岸漁業構造改善事業を引き続き計画的に推進する等沿岸漁業の経営の近代化等に七十三億一千百万円、水産物の流通加工の改善対策として三億八千三百万円を計上いたしております。
 なお、第二次沿岸漁業構造改善対策事業につきましては、全国対象地域百八地域、総事業費はおおむね、補助事業八百五十四億円、融資事業五百六十億円で四十五年度以降九年間に計画を樹立して実施することとし、四十五年度においては二十四地域につき計画調査を行なうこととしております。
 また、漁船損害補償制度の実施費として十五億八千七百万円、漁業災害補償制度の実施費として二十三億八百万円を計上しております。
 第八に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林漁業金融の拡充について申し上げます。
 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸し付け計画額を二千三百億円に拡大し、農林漁業経営構造改善、基盤整備及び卸売り市場近代化等に必要な資金の拡充をはかるとともに、新たに畜産公害に対処するための貸し付け対象事業の拡大等融資内容の整備をはかることとしております。
 この原資といたしまして財政投融資一千五百十九億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し補給金百三十四億一千二百万円を交付することといたしております。
 次に、農業近代化資金融通制度につきましては、貸し付け資金ワクを三千億円とすることとし、所要の利子補給補助等を行なうとともに、同資金にかかる債務保証制度を充実強化するため、農業信用基金協会に対する都道府県の出資について引き続き助成する等の経費八十億七千八百万円を計上いたしております。
 また、農業改良資金制度につきましては、農業後継者育成資金について貸し付けワクの大幅な拡大と、一人当たりの貸し付け限度額の引き上げをはかる等により貸し付けワクを百四十億円に拡大してこれに要する経費四十三億二千百万円を計上いたしております。
 さらに漁業近代化資金融通制度につきましては、貸し付け資金ワクを二百五十億円に拡大することとし、これに要する経費一億九千九百万円を計上しております。
 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算について申し上げます。
 まず、農山漁村の環境整備につきましては、農林漁業用道路の整備拡充、生活改善特別事業、僻地農山漁村電気導入事業、振興山村農林漁業特別開発事業等の継続実施のほか、新たに農村食生活改善推進事業、山村開発センターの設置助成、農村住宅団地建設計画の推進等を実施することとし、これらに要する経費二百十億七千九百万円を計上いたしております。
 次に、農林水産業の試験研究につきましては、試験研究費の増額、試験研究体制の整備、都道府県に対する助成の充実等により試験研究の拡充強化をはかるとともに、新たに浅海域における増養殖漁場の開発及び施設農業における光質利用の技術化に関する総合研究等を行なうことといたしております。
 また、畜産振興の基礎をなす技術開発、特に草地を中心とする試験研究の飛躍的向上をはかるため、その効率的な推進体制を整備するものとし、新たに農林省の付属機関として草地試験場を設置するとともに、熱帯特に、東南アジア地域の農業協力とわが国の農業研究の発展に資するため、農林省の付属機関として熱帯農業研究センターを設置することとしております。
 これらに要する経費として百六十三億八千三百万円を計上しております。
 次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、農業改良普及事業に八十六億六百万円、生活改善普及事業に十七億五千七百万円、畜産経営技術指導事業に四億三千万円、蚕業技術の普及指導に十二億二千二百万円、林業普及指導事業に十五億五千万円、水産業改良指導事業に二億七千七百万円を計上しております。
 以上のほか、農業災害補償制度の実施につきましては、所要の掛け金国庫負担のほか、事業運営基盤の強化をはかるため共済団体の広域合併の推進等を行なうこととし、これらの経費として四百十億二千万円を計上するとともに、農林統計調査の充実整備に四十三億七千五百万円、農業団体の整備強化に四十三億一千九百万円、農業資材の価格流通対策として二十五億三千四百万円、農産物の輸出振興対策として十四億二百万円、農林漁業関係災害対策公共事業として二百五十四億九千八・百万円を計上しております。
 次に、昭和四十五年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。
 第一に、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧の管理について、前年度に発足しました自主流通米制度及びさきに御説明をいたしました米の生産調整対策を勘案しつつ、食糧管理制度の適切な運営をはかることとしております。このため所要の予算を計上するとともに、一般会計から調整勘定へ三千十六億円を繰り入れることとしております。
 また、国内産イモでん粉及び輸入飼料の買い入れ等の実施のため所要の予算を計上し、一般会計から農産物等安定勘定に八億円、輸入飼料勘定に二十億円をそれぞれ繰り入れることとしております。
 第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、農業災害補償制度の運営のため、必要な予算を計上しており、一般会計から総額二百七十五億六千百万円を繰り入れることとしております。
 第三に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業勘定において、国有林野事業の一そうの合理的な実施運営をはかるとともに、治山勘定において民有林治山事業及び国有林野内臨時治山事業を実施することとし、必要な予算を計上しております。
 第四に、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計につきましては、漁船再保険事業及び漁業共済保険事業の実施のため必要な予算を計上しており、一般会計から三十三億五千百万円を繰り入れることといたしております。
 以上のほか、自作農創設特別措置、開拓者資金融通、特定土地改良工事、森林保険及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、昭和四十五年度の農林関係財政投融資計画について御説明いたします。
 財政投融資の計画額としましては、農林漁業金融公庫ほか三機関及び一特別会計を合わせて総額一千七百十四億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。
 これをもちまして、昭和四十五年度農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。(拍手)
#7
○草野委員長 以上で渡辺農林政務次官の説明は終わりました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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