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1970/05/07 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第24号
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1970/05/07 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第24号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第24号
昭和四十五年五月七日(木曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 小沢 辰男君
   理事 仮谷 忠男君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 芳賀  貢君
   理事 山田 太郎君 理事 小平  忠君
      鹿野 彦吉君    熊谷 義雄君
      小山 長規君    坂村 吉正君
      瀬戸山三男君    田中 正巳君
      高見 三郎君    中尾 栄一君
      松野 幸泰君    角屋堅次郎君
      田中 恒利君    中澤 茂一君
      長谷部七郎君    相沢 武彦君
      瀬野栄次郎君    鶴岡  洋君
      合沢  栄君    小宮 武喜君
      津川 武一君
 出席政府委員
        農林政務次官  渡辺美智雄君
        農林省農林経済
        局長      小暮 光美君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
五月六日
 農業者年金の創設に関する請願(小川平二君紹
 介)(第六七〇三号)
 同外四件(小坂善太郎君紹介)(第六七〇四号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第六七〇五号)
 同(有馬元治君紹介)(第六八三九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林物資規格法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八四号)
 卸売市場法案(内閣提出第一〇六号)
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 農林物資規格法の一部を改正する法律案及び卸売市場法案の両案を議題とし、順次政府から趣旨の説明を聴取いたします。渡辺農林政務次官。
#3
○渡辺政府委員 農林物資規格法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 近年、食品工業等の発展と相まって、食料消費の高度化、多様化は著しいものがあり、特に加工食品等についてその品質の向上と表示の適正化に対する要請はますます強まっております。このような状況に対処し、加工食品等につきまして適正な規格を制定し、その普及につとめるとともに、その品質表示の適正化をはかることは、消費者保護基本法の趣旨に沿って消費者保護対策を強化するという見地から現下の急務であるばかりでなく、食品工業等の健全な発展を期するためにも重要な課題であります。政府といたしましては、このような見地から、農林物資規格制度に必要な改正を加えることとし、この法律案を提出する次第であります。
 なお、この法律案は、第六十一回国会に提出し、審議未了となったものと同一のものでありまして、消費者保護対策の強化が急務となっていることにかんがみ、本国会に再度提出したものであります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その第一は、今回の改正が単なる制度の手直しにとどまらず、消費者保護の強化という新たな観点からするものであることを明らかにするため、題名を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律と改めるとともに、目的に農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資する旨を明定いたしたことであります。
 その第二は、最近における加工食品等の輸入の増加の傾向に対処し、この法律の対象となる農林物資の範囲を拡大し、輸入品をも対象に含めることとしたことであります。
 その第三は、日本農林規格の運用に関する諸制度を整備改善することであります。すなわち、日本農林規格の普及をはかるため、加工食品等の工場生産の実情に即した格づけ方式として、いわゆる認定工場制を法律に明記することといたしますほか、登録格づけ機関の公共的性格にかんがみ、登録格づけ機関の格付けの義務、登録の要件等についての所要の規定を整備することとしております。
 その第四は、品質表示の適正化に関する措置を定めたことであります。
 日本農林規格におきましては、品質の基準のほか表示の基準をも定めているのでありますが、これによる格づけを受けるかどうかは、あくまで事業者の自主的選択にまかせることとなっておりますので、日本農林規格の制定のみをもってしては、表示の完全を期することはできないのであります。他方、一般消費者が商品を選択する際、品質を識別するために必要な表示を事業者に行なわせることは、社会的な強い要請となっているのであります。
 このような状況に対処するため、この法案におきましては、新たに、日本農林規格が制定されているか、または制定されると見込まれる農林物資のうち必要があるものについて、事業者が守るべき表示の基準を定めるものとし、また、これを順守させるため、農林大臣が、表示の基準を守らない事業者に対してこれを守るべき旨の指示をし、この指示に従わない者があるときはその旨を公表することができることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 続いて、卸売市場法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 生鮮食料品等を取り扱う卸売り市場は、多数の農林漁業者に対し安定的な販路を提供するとともに、都市の消費者にとっての日常食料品の配給機構の中核となるという重要な役割りを果たしておりますが、近年、卸売り市場をめぐる諸事情は、都市化の進展、消費の高度化、産地の大型化、小売り業の近代化等急激に変化しつつあります。このような動向に対応して生鮮食料品等の生産及び流通の円滑化をはかるため、中央卸売り市場に関する制度を改善するとともに、中央卸売り市場以外の卸売り市場についても統一的な法制を整備すべきであるとの要請が、生産者、消費者その他各方面から高まってきているのであります。
 こうした情勢にかんがみ、卸売り市場制度改正の方向につき、中央卸売市場審議会において調査審議するなど広く各界の意見を求めつつ慎重な検討を重ねた結果、この際、中央卸売り市場法を廃止し、新たに、中央卸売り市場のみならず、その他の卸売り市場をも含めて、その整備を計画的に促進するための措置、その適正かつ健全な運営を確保するための措置等を定めることが必要であると考え、この法律案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一は、卸売り市場の整備改善を長期の見通しに立って計画的に推進するための措置であります。
 すなわち、農林大臣は、卸売り市場整備基本方針及び中央卸売り市場整備計画を定めるものとし、また、都道府県知事は、これらに即して、都道府県卸売り市場整備計画を定めるものとしております。
 第二は、中央卸売り市場に関する規定であります。
 中央卸売り市場につきましては、基本的には現行の中央卸売り市場法に基づく制度を引き継ぐこととしておりますが、その開設及び運営のあり方等につき所要の改正を行なうこととしております。
 まず、広域的な市場行政を展開する等の見地から、市場の開設資格、市場の開設認可の基準、中央卸売り市場開設運営協議会の設置等に関する諸規定を整備することとしております。
 次に、卸売り業者について他の法人に対する支配関係の届け出その他業務運営の適正健全化をはかるための措置を定めるとともに、仲卸業者及び売買参加者に関する規定を整備することとしております。
 また、中央卸売り市場における売買取引について、適正な価格形成と取引能率の向上をはかり、かつ、流通秩序を保持する等の見地から、せり売りまたは入札の原則及び委託販売の原則とその例外措置について所要の規定を設けるほか、卸売りの相手方の制限、せり人の登録、仲卸業者の業務の規制等について定めることとしております。
 第三は、地方卸売り市場に関する規定であります。
 まず、中央卸売り市場以外の卸売り市場でその施設が一定規模以上のものを地方卸売り市場として、その開設及び卸売りの業務は、条例で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならないものとしております。
 また、地方卸売り市場における売買取引について、買い受け人等に対する不当な差別的取り扱いの禁止、せり売りまたは入札の原則等を定めるとともに、開設者及び卸売り業者に対する都道府県知事の監督処分等に関する規定を設けることとしております。
 以上のほか、中央卸売り市場の施設整備についての国の補助等について定めることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○草野委員長 以上で趣旨説明は終わりました。
 引き続き、両案について補足説明を聴取いたします。小暮農林経済局長。
#5
○小暮政府委員 まず、農林物資規格法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容の概略を御説明申し上げます。
 第一は、法律の題名及び目的の規定について所要の改正を加えることであります。すなわち、本法律案におきまして、後に御説明いたしますように、一定の農林物資について品質に関する適正な表示を行なわせる措置を定めることといたしましたのに伴い、法律の題名を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に改めますとともに、法律の目的にも農林物資の品質に関し適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資する旨の規定を加えることとしております。
 第二は、農林物資等の定義についての規定の整備であります。すなわち、農林物資の範囲につきまして、輸入品を含めることとするとともに、農林物資を従来個別に政令で指定することとしておりましたのを改め、飲食料品等は包括的に農林物資に含めることといたしております。また、日本農林規格により品質表示の適正化をはかるという趣旨から規格の定義につきましても、品質の基準とともに表示の基準がこれに含まれることを明確にすることといたしました。
 第三は、日本農林規格に関する規定について、表示の適正化と格づけの効率化をはかるため、所要の改正を加えることであります。
 その第一点は、一般消費者が品質を識別することが容易でない加工食品等にかかる日本農林規格は、必ず表示の基準を含めて制定しなければならないことを明確にしたことであります。
 第二点は、都道府県が日本農林規格による格づけを行なう場合における格づけの方法は、従来都道府県が各個に条例で定めておりましたのを改め、農林大臣が統一的に定めるものとしていることであります。
 第三点は、いわゆる認定工場制に関する規定を置くこととしていることであります。加工食品等工場制生産によって生産される品目につきましては、一次産品たる農林水産物とは異なる特殊性があり、その格づけについて特例を設けることが日本農林規格の普及をはかる上で必須となるのであります。このため、従来から認定工場制を採用し、運用してまいったのでありますが、これが法律上の制度でありませんために種々の問題が生じていたのであります。このような事情にかんがみ、今回の改正案におきましては、この認定工場制を法に明記することといたしました。すなわち、格づけを円滑に行なうため特に必要があるときは、登録格づけ機関は、農林大臣の承認を受けて格づけの業務の一部及び格づけの表示を製造業者に行なわせることができることとし、このような製造業者のうち農林大臣の認定を受けた者は、その容器、包装等にあらかじめ格づけの表示を付しておくことができることといたしたのであります。
 第四点は、登録格づけ機関につきまして、その公共的性格が強くなっている状況にかんがみまして、その登録の要件を整備するとともに、格づけを求められた場合における格づけの義務を規定していることであります。
 第四は、表示に関する制度を整備することであります。日本農林規格制度は、何ぶんにも業者の自主性を基調とした制度でありますので、その普及に徹底を欠く場合もなしとせず、これのみをもって表示の適正化に完全を期することはできないのであります。また、この制度は、規格の制定、格づけ体制の整備等の準備に時日を要しますので、消費者の要望にこたえて、適時適切に表示の適正化をはかっていくには、不十分な点があることも否定できないのであります。このような状況にかんがみまして、今回の改正案におきましては、新たに一定の農林物資について、適正な表示を一般に行なわせるための制度を設けることとしたのであります。すなわち、日本農林規格が制定されているか、または相当の期間内に制定されると見込まれる農林物資で、品質に関する表示の適正化をはかる必要があるものとして政令で指定するものについて、農林大臣は、製造業者または販売業者が守るべき表示の基準を定めるものとしております。こうして表示の基準を定めた場合には、これが一般に守られるようにするため、農林大臣は、表示の基準を守らない製造業者等に対して、これを守るべき旨の指示をし、この指示に従わない者があるときはその旨を公表することができるものとする旨の規定を設けております。
 第五に、以上のほか、農林物資規格調査会に関する規定、表示が適正でないと認める者の農林大臣への申し出及びこの申し出に関し農林大臣のとるべき措置に関する規定、認定工場にかかる製造業者及び表示の基準の定められた農林物資の製造業者等に対する報告の徴収及び立ち入り検査に関する規定を整備いたしますほか、不当景品類及び不当表示防止法との関係その他所要の規定を整備いたしております。
 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明といたします。
 引き続き、卸売市場法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき補足させていただきます。
 第一章は、この法律の目的、定義等について定めた総則的な規定であります。
 定義につきましては、「生鮮食料品等」とは、野菜、魚類、肉類等のいわゆる生鮮食料品のほか、一般消費者の日常生活に必要な加工食品及び政令で定める農畜水産物をいうものとし、「卸売市場」とは、生鮮食料品等の卸売りのための市場で、卸売り場その他の取引及び荷さばきに必要な施設を設けて継続して開場されるものとしております。また、「中央卸売市場」とは、生鮮食料品等の流通及び消費の面から見て特に重要な都市及びその周辺の地域における卸売りの中核的拠点として、農林大臣の認可を受けて開設される公設の卸売り市場とし、「地方卸売市場」とは、中央卸売り市場以外の卸売り市場で、その施設が政令で定める規模以上のものとすることとしております。
 第二章は、卸売り市場整備基本方針等に関する規定であります。
 まず、農林大臣は、卸売り市場の適正な配置の目標、近代的な卸売り市場の立地及び施設に関する基本的指標、卸売り市場における取引及び物品の荷さばき、保管等の合理化に関する基本的な事項、卸売り業者の経営の近代化の目標等を内容とする卸売り市場整備基本方針を定めなければならないものとしております。
 さらに、農林大臣は、卸売り市場整備基本方針に即し、生鮮食料品等の流通及び消費の面から見て特に重要な都市で中央卸売り市場を開設することが必要と認められるものの名称、取り扱い品目の適正化または施設の改善をはかることが必要と認められる中央卸売り市場の名称、その取り扱い品目の設定、施設の改善等を内容とする中央卸売り市場整備計画を定めなければならないものとしております。
 また、都道府県知事は、卸売り市場整備基本方針及び中央卸売り市場整備計画に即し、当該都道府県における卸売り市場の適正な配置の方針、近代的な卸売り市場の立地及び施設に関する指標等を内容とする都道府県卸売り市場整備計画を定めることができるものとしております。
 第三章は、中央卸売り市場に関する規定であります。
 中央卸売り市場の開設につきましては、第三章第一節に規定しております。
 農林大臣は、中央卸売り市場整備計画において定められた中央卸売り市場を開設することが必要と認められる都市及びその周辺の地域であって、その区域を一体として生鮮食料品等の流通の円滑化をはかる必要があると認められるものを、中央卸売り市場開設区域として指定することができるものとしております。
 この開設区域において、都道府県もしくは政令で定める数以上の人口を有する市は、農林大臣の認可を受けて、中央卸売り市場を開設することができるものとしております。この場合、これらの都道府県、市等が共同して設立する一部事務組合も、中央卸売り市場を開設することができるものとしております。
 認可の基準については、当該市場の開設が中央卸売り市場整備計画に適合するものであること、当該市場が適切な場所に開設され、かつ、相当の規模を有するものであること、業務規程の内容が法令に違反しないこと等を定めております。
 また、農林大臣は、中央卸売り市場整備計画の適正かつ円滑な実施をはかるため、関係地方公共団体に対し、開設の促進等について勧告をすることができるものとするとともに、中央卸売り市場の開設者等は、中央卸売り市場の開設運営に関し必要な事項を調査審議させるため、他の地方公共団体の代表等の参加を得て、中央卸売り市場開設運営協議会を設置することができるものとしております。
 中央卸売り市場の卸売り業者等につきましては、第三章第二節に規定しております。
 卸売り業者の業務については農林大臣の許可を受けなければならないものとすること、一定の要件をそなえる卸売り業者の合併等を私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外とすること等の諸点につきましては、おおむね現行の中央卸売り市場法に基づく制度を引き継ぐこととしておりますが、卸売り業者の業務運営の適正化と財務の健全化を一そう推進する観点から、卸売り業者が営業の譲り渡し、合併等をする場合において譲り受け人等が卸売り業者の地位を承継するには、農林大臣の認可を受けなければならないものとすること、卸売り業者が他の法人の株式の二分の一以上を所有する等他の法人に対する支配関係を持つに至ったときは農林大臣に届け出なければならないものとすること、卸売り業者の事業年度を統一すること等に関する規定を設けることとしております。
 また、中央卸売り市場内の店舗において当該中央卸売り市場の卸売り業者から卸売りを受けた生鮮食料品等を仕分けしまたは調製して販売する仲卸の業務は、開設者の許可を受けた者でなければ行なってはならないものとするとともに、開設者は、市場の業務の規模、取り扱い品目の性質、取引の状況等に照らし、仲卸業者を置く必要がないと認めるときは、業務規程でその旨を定めることができるものとしております。
 中央卸売り市場における売買取引につきましては、第三章第二節に規定しております。
 中央卸売り市場において卸売り業者が行なう卸売りにつきましては、せり売りまたは入札の方法によらなければならないものとし、また、自己の計算による卸売りをしてはならないものとしておりますが、一定の規格もしくは貯蔵性を有し、かつ、供給事情が比較的安定している物品または品質等が特殊であるため需要が一般的でない物品のうち業務規程で定めるものの卸売りをするとき等においてはこの限りでないものとして、価格の平準化と取引の能率化に資することとしております。
 次に、売買参加者について、中央卸売り市場において卸売り業者から卸売りを受けることにつき開設者の承認を受けた者をいうものと規定するとともに、卸売り業者は原則として仲卸業者及び売買参加者以外の者に対して卸売りをしてはならないものとしております。
 また、中央卸売り市場のせり人は、開設者の行なう登録を受けている者でなければならないものとし、せり人の資質の向上等をはかることとしております。
 仲卸業者の業務につきましては、その中央卸売り市場の開設区域内においては、販売の委託の引き受けをすること及び当該中央卸売り市場の卸売り業者以外の者から物品を買い入れて販売することを原則として禁止することとしております。
 また、開設者は、毎日の入荷数量等を各市場の見やすい場所に掲示するとともに、毎日の卸売りの数量及び価格についても、すみやかに公表しなければならないものとしております。
 中央卸売り市場における監督につきましては、第三章第四節に規定しております。
 農林大臣は開設者及び卸売り業者に対し、開設者は卸売り業者及び仲卸業者に対し、それぞれ、必要な報告を求め、または立ち入り検査を行なうことができるものとしております。
 このほか、農林大臣及び開設者による監督処分、監督命令等に関し所要の規定を設けております。
 第四章は、地方卸売り市場に関する規定であります。
 地方卸売り市場の開設等についての許可につきましては、第四章第一節に規定しております。
 まず、地方卸売り市場を開設しようとする者は、都道府県の条例で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならないものとしております。その許可の基準について、都道府県知事は、申請者が資力信用を有しない者であるとき、業務規程の内容が法令に違反するとき、事業計画が適切でないとき等においては、許可をしてはならないものとし、また、市場の位置が都道府県卸売り市場整備計画に照らし配置の適正を欠くと認めるとき、市場の位置または施設の種類等が業務の円滑な運営を確保する上で不適当であると認めるとき等においては、許可をしないことができるものとしております。
 次に、地方卸売り市場において卸売りの業務を行なおうとする者は、都道府県の条例で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならないものとしております。その許可の基準について、都道府県知事は、申請者がその卸売りの業務を公正かつ適確に遂行するのに必要な知識経験または資力信用を有しないと認めるとき等においては、許可をしてはならないものとしております。
 地方卸売り市場の業務についての規制及び監督等につきましては、第四章第二節及び第三節に規定しております。
 まず、地方卸売り市場における売買取引につきましては、開設者及び卸売り業者は、出荷者、買い受け人その他地方卸売り市場の利用者に対して、不当に差別的な取り扱いをしてはならないものとすること、卸売り業者はその卸売りについて、原則として、せり売りまたは入札の方法によらなければならないものとすること、開設者は毎日の入荷数量並びに卸売りの数量及び価格を公表しなければならないものとすること等を定めております。
 次に、都道府県知事は、開設者または卸売り業者に対し、必要な報告を求め、または立ち入り検査を行なうことができるものとするとともに、法令違反等の場合における許可の取り消し等の監督処分について定めております。
 また、中央卸売り市場開設区域内の地方卸売り市場につきましては、都道府県知事は、その開設の許可の申請があつた場合には、農林大臣に報告し、その意見を求めなければならないものとしております。
 なお、第四章に規定するもののほか、地方卸売り市場の開設及び地方卸売り市場における業務に関し必要な事項は、都道府県の条例で定めるものとし、各都道府県の流通実態に応じたきめ細かい規制監督が行なわれ得るように配慮しております。
 第五章は、卸売市場審議会及び都道府県卸売市場審議会に関する規定であります。
 卸売り市場に関する重要事項を調査審議するため、農林省に卸売市場審議会を置くものとするほか、都道府県は、条例で、都道府県卸売市場審議会を置くことができるものとしております。
 第六章は、助成その他に関する規定であります。
 国は、地方公共団体が中央卸売り市場整備計画に基づき中央卸売り市場の施設の改良、造成または取得をする場合においては、予算の範囲内において、当該施設のうち重要な施設の改良、造成または取得に要する費用の十分の四以内を補助することができるものとしております。
 また、税制上の特別措置として、地方卸売り市場の開設者等が農林大臣の認定を受けたところに従って合併した等の場合には、租税特別措置法で定めるところにより、法人税及び登録免許税を軽減するものとしております。
 附則におきましては、所要の経過措置等に関する規定を設けております。
 以上をもちまして、卸売市場法案についての補足説明を終わります。
#6
○草野委員長 以上で補足説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#7
○草野委員長 引き続き、農林物資規格法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷部七郎君。
#8
○長谷部委員 ただいま議題になりました農林物資規格法の一部を改正する法律案に対しまして、若干質問をいたしたいと思います。
 第一点は、今度の法律改正によりまして、従来の五十四品目、それから三百四規格が大幅にふえる、こういう内容になっておるようでありますが、特に輸入食品、こういうものも対象にする、こういう改正案でありますが、改正後考えておる対象品目はどの程度になるものか、まず明らかにしていただきたいと思います。
#9
○小暮政府委員 今後約四年間ぐらいをかけまして、さらに四、五十品目について規格を確定いたしたいというふうに予定いたしております。
#10
○長谷部委員 従来の規格でございますけれども、現行法でも規格がきめられており、あるいは表示規制が行なわれておるわけでございますけれども、それがどうも確実に実行に移されておらない。いわば農林省がせっかく法律をつくって規制を加えておるわけでございますけれども、それを完全に実施をする体制がない、こういうことがいろいろ各方面から指摘をされ、批判を受けておるわけであります。たとえて申し上げますと、規格表示の問題でありますけれども、パンの問題を一つ取り上げてみましても、このパンの包装紙の上には、量目であるとかあるいは水分であるとかあるいは焼きぐあいであるとか、さらには小麦粉、イースト等の混入割合がきちんときめられておるわけであります。表示をしなければならないことになっておるわけであります。ところが、実際の市場を見ますると、市販の状況を見ますると、それを実施しておる業者、メーカーというものはごくわずかにすぎない、大部分がそれを実行に移しておらない、こういう現状なるがゆえに、一体農林省は消費者を守るという立場に立って真剣にやっておるのかどうか、その姿勢を疑わざるを得ないという声がいろいろ消費者団体はじめ各方面から出ておるわけであります。まず、私はこの法改正をやる前に、農林省自体の姿勢そのものを考えてみる必要があるのではないか、こういうぐあいに考えるわけでありますが、この点についての当局の御見解を承りたい。
#11
○小暮政府委員 政務次官からお答えいただきます前に、ただいまの御指摘の生パンの問題について事務的な説明を先に申し上げたいと思います。
 パンの問題につきましては、食糧庁並びに関係業界におきましてここ数年来、その規格化あるいは販売面での規格の表示という問題につきまして鋭意検討を続けておりました。ただ、御承知のように、この焼きぐあいあるいは水分等につきましては、パンの製造法そのものから見ましてこれを画一的にすることはまだ必ずしも技術的にできておりませんし、また、店舗に置きましてからの経過時間等によりましてもかなり動くものでございますので、まだこれを確たる法令に基づく規格にするところまでは来てないわけでございます。パンの業界が自主的にJSBという表示をいたしておるというような実情でございます。
 なお、全体に農林省といたしましては、JASの問題を、特に食品の面では加工食品、特に包装等がございまして消費者がこれを開封しないことには中を確認しにくいようなものであって保存性のあるもの、こういうものに当面力点を置いてJAS規格の整備をはかっております。なお、今後検査の方法あるいはさかのぼって製造の方法が進歩いたしまして、もっと生鮮食料品に近いものについても格づけが可能になりますれば、これを取り上げたいと念願をいたしておりますが、そういうものにつきましては、現在のところまだ技術的にそこまで行ないがたいというような要素がございます。
#12
○渡辺政府委員 御指摘のように、いままで農林省は消費者保護という点でひとつ欠けるんじゃないか、熱の入れ方が足らぬじゃないかというような御批判のあったことは、率直に私は認めなければならない、かように思います。農林省は優良な食料品の安定的な供給をはかるというのが大きな使命でありますが、それと同時に、やはり消費者の保護ということを考えていかなければなりません。したがって、いま例が引かれたのでありますけれども、非常に高度な食品が消費者から要求され、また品目が多様化をしておるというような状態において、一体どの品物がほんとうに安くていい食品であるのか、どんなような材料によってつくられているのか、いつごろつくられたのかというようなこと等が一々消費者はわからない。だから今回規格法の一部改正を行なって、いままでよりも一そうきびしく表示の基準については指定した品目について全部これを行なわせる。いままでは格づけは任意であります。しかも格づけの登録をした人だけがその表示の基準に従わなければならぬ、それ以外のアウトサイダーはどうでもいいというようなことでありますから、そういうような点で底が抜けているという点もあったわけでありますが、これからは、格づけは確かに任意ではありますけれども、しかし、指定した加工品等については表示の基準だけは全部守らせるのだ、これは指定した全品目について、登録しようがしまいが全部やらせる、もしこれを守らない者は公表するというような、商店、工場にとっては非常にショッキングな法律だと私は思っておるわけです。こういうふうな点でいままでの御批判にこたえてこの法案を提出したのだ。層一そう消費者保護についても農林省はこれからきめこまかい政策をやっていくつもりでありますから、御了承いただきたいと存じます。
#13
○長谷部委員 政務次官は、これからは姿勢を正して消費者保護のために一そう行政を強化していくのだ、こういう御発言でございますけれども、私この改正案の目的を見まして、この法案の中に書いてありますが、「農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資」する、こういう表現でございます。ところが、通産省所管にかかわる家庭用品の品質表示法という法律がございますが、この法律の目的にははっきりとこう書いてあるのです。「家庭用品の品質に関する表示の適正化を図り、一般消費者の利益を保護することを目的とする。」こういうぐあいに書いてある。したがって、この農林物資規格法の改正が、表示させることによって一般消費者の選択に資する、こういうぐあいにとどまっていますけれども、ただいまのような御決意がございましたならば、なぜ家庭用品品質表示法のように一般消費者の利益を保護することを目的とするというぐあいに明文化できなかったのか、この点をまず承っておきたいと思います。
#14
○渡辺政府委員 ただいま家庭用品品質表示法の例があげられて、消費者保護というならばもう少し法案でも消費者の選択に資するというのではなくて利益の保護というふうに書いたらどうかというお話でありますが、私は同じことだと思うのであります。利益の保護という抽象的なことよりも、やはりその利益の保護の内容というものは、同じ値段ならばどっちの品物がいいものであるか、どっちの品物が新しいものであるか、どっちの品物がどういうふうな材料を使われているかというようなことをやはり消費者にわかりやすくしてやるということですから、それによって同じく二つ並んでおっても古いほうを買っていくよりも新しいほうを買うだろうとか、あるいは同じマヨーネーズがあっても、片方は安い、片方は高い、安いほうだけが必ずしもいいのか、高くても品物が別な材料が入っているのか、そういうようなことは消費者が判断をするわけでありまして、黄身だけのやつよりも白身の入ったほうがいいという人はそのほうを買うだろうし、黄身だけのほうがともかく高くてもいいんだという人はそのほうを買うだろうし、消費者保護であることは間違いないのであって、ただ抽象的なことでなくして、結果は消費者保護だけれども、それをともかく選択しやすくするようにするんですというように表示をする、そういうふうな法案であって、内容は私は同じであると思います。
#15
○長谷部委員 それから、食品行政については農林省が所管をする、こういうたてまえに立つとするならば、この法案の第二条の第二項を拝見いたしますと、「品質に関する表示」というところに「栄養成分の表示を除く。」と書いてあるわけです。したがってこれからまいりますと、栄養の問題はこの表示のことからはずれるわけでございます。したがって栄養の問題については厚生省の所管、こういうことになるわけなんですね。これではやはりばらばらになってしまうのではないか、こういう感もいたすわけでありますが、これに対する御見解も承っておきたいと思うわけです。
#16
○渡辺政府委員 これはまあ御承知のとおり栄養に関するといいますか、同じ成分でありましても、いやビタミンが幾ら入っているとか、やれ何が幾ら入っているとかいうような、こまかい薬の分析みたいなことは農林省がやるべき筋合いのものじゃありませんから、そういうふうな点はこの表示法からは除く。しかしながら、材料を表示されてあるわけですから、その材料の中にはおのずから栄養素というものは入っておるわけであります。ですからそういうことは、消費者の人が見ればこの材料にはどういうものが入っておるかということはおおよその見当はつくわけであって、こまかい栄養分析表をくっつけるわけではございません。ございませんけれども、やはり品質、材料、そういうものを表示をするということになればおのずから栄養の表示と同じじゃないか。ただ単に、栄養の表示ばかりでなくて品質の表示をするということになれば、これは風味とかあるいは色とか、そういうようなものも合わして表示をされるというようなことになるのであって、栄養だけで表示するのがいいのか、食料品というものはそういうような材料を表示をするほうがいいのかということになれば、やはり材料を表示をする。その材料によっておのずからどういう栄養がどのように含まれておるかということはきまるわけでありますから、何ら差しつかえない、私はかように思います。
#17
○長谷部委員 それから、いわゆる農林省の登録格づけの機関でございますが、これはいわゆる農林省の出先機関であるとかあるいは都道府県であるとかというぐあいに、第三者機関がこれをやることによって初めて公正を期することができるのじゃないか、私はこういうぐあいに考えるものでございます。ところがこの法律を見てまいりますと、もちろん農林省の出先機関もあるし、地方公共団体の分担する分野もございますけれども、加工食品等については大部分が、その食品を製造、販売をするいわゆるメーカーの代表が、この登録格づけ機関になるわけでございます。そういうぐあいになった場合に、はたしてこれらのメーカーが第三者機関としての公正な格づけというものができるのかどうか。ここいら辺に消費者団体の批判の中心があるのではないか。いわゆる農林省は、産業を育成する、食品工業を育成する主管庁である官庁が、しかも登録づけの機関として製造メーカーを任命をする、こういうことでは消費者の期待にはたしてこたえることができるのかどうか、ここら辺に問題点があるのではないか、私はこういうぐあいに考えますが、この点についての御見解を承っておきたいと思うわけです。
#18
○渡辺政府委員 これは登録格づけの機関と申しましても、法人をつくりまして農林大臣が定めるいろいろな分析方法というものをきめますから、そのきめたものに従って商品の格づけをするわけであって、それは恣意にできるものでは絶対にございません。それは農林大臣がその分析方法等について、どういうふうな方法でそれを検査をし、格づけをするかという方法をきちんときめます。
 したがって、これはそういうような機関がかってに格づけをするというふうなことはできないし、もし万一そんなことをやれば、これはもう自分みずから信用を失墜するということになるわけでありますし、農林省としてはそういうことをさせないというような指導、監督もいたします。したがってその心配は少しもないとわれわれは考えております。
 委細については局長から答弁をいたさせます。
#19
○小暮政府委員 政務次官が申し上げたとおりでございます。業界に格づけをさせるというような御指摘があったようでございますが、それぞれ財団法人等公益法人を組織させまして、これに専門の技術者を設けまして、ただいま申しました国の定める検査の基準に基づいて格づけ行為をやるということにいたしております。
 なお、これらのものを別途国の責任で市中から品物を抜き出してまいりまして、国の機関でこれをチェックするというようなこともあわせて行なっております。
#20
○長谷部委員 やはり品物をつくる側と、それを買う側との間に私はそれぞれの考えというものが違うと思うわけであります。ただいま局長の御答弁によりますと、それぞれ業界が独自の機関をつくっておる。財団法人でも社団法人でも独自の機関をつくって独自の人間を置いて、そうして格づけに当たらせておる、こういうことをおっしゃいますけれども、やはりその法人組織というものは、その業界の出資に基づいてつくられた団体であることはもう明らかであります。したがって格づけでも、試験研究でも技術開発も、やはり業界の利益を守るためにお働きになる、これは当然なことだと思うのであります。したがって、そういういわゆる法人に格づけをやらせるということは、品物を購入する消費者の側から見れば、やはり公正を欠くのではないかという疑念を持つのは、これは当然だろうと思うのであります。
 したがって私はこの登録格づけの機関というものは、やはりどなたが見ても公正だと思われる第三者機関をつくる、あるいは全部国の機関がやる、あるいは地方公共団体の職員にやらせる、こういうような形で格づけをやらしていくことが、消費者にとっても納得をさせることになるのではないか、また公正な格づけができるのではないか、こういうぐあいに考えるわけでありますが、この点はいまの御答弁ではいささか私も納得いたしかねますので、もう少し御答弁いただきたい、こう思うわけであります。
#21
○渡辺政府委員 これはまあ国や公共団体にやらせるという方法もあるでしょうが、私どもとしては、何も役所だからよくできて民間だからよくできないということはないと思います。ことにこの格づけのいろいろな分析の規定その他というものは農林大臣がきめまして、それでそれに沿って機械的に判断させるというようなことになっておるわけであって、先ほど申し上げたように、かってなことはできない仕組みになっておるわけであります。まあそういうふうなうるさいものでなくとも、一般のたとえばイチゴのようなものでも、果実のようなものでも、民間団体がもっと簡易な自主検査というようなことをやっております。民間団体が自主検査をやっておるから、それではそれはでたらめで、役人がミカンやイチゴの検査まで全部やったほうがいいのかというと、私は必ずしもそうではなくて、民間団体が何ら国の検査を受けなくても、消費者は王様であるというような考えから、やはりりっぱな検査をやって自分たちの声価というものを高めようという努力をしておる例はもう世間にたくさんあるのであります。まして今回は国が基準を示してその基準に従って格づけを行なわせることであるし、業界自体もこの法律等については、やはりこの法律にのっとって自分たちの世間の信用、消費者の信用というものもかちとるように努力しよう、こういうような機運の盛り上がっておるときでもございますから、私はそういうような御心配はなかろう、こう思っておるのであります。ことに心配があるということになりますと、先ほど局長が言ったように、農林省としてはその格づけ機関に対する立ち入り検査というようなものもできるようにいたしたわけでありますし、いろいろな相当積極的な介入もあるわけでありますから、私は国の機関で機構をふやしていくよりも、やはりそういうような指導をして、民間の公平な格づけ機関にやらせるということで、何ら業界の方がかってなことをやるというようには思っておらないのであります。
#22
○長谷部委員 それからいま一つの問題点は、農林省が食品行政を担当するということについて、いろいろ各方面で疑問の声が出ています。特に農林省はいわゆる産業を育成する、特に食品業界を育成助長するところの主管庁でございます。そういう官庁がいわゆる食品行政を担当していくということについては、公正を欠くのではないか。各外国の例等を見ましても、衛生担当の主管庁がそれぞれこの食品行政を担当しておる。こういう例などからいって、厚生省がこの任に当たるべきではないか、こういう意見も相当強いものがございます。したがって、やはりこういう世間の疑念についてはこの法律を改正する以上は納得させる責任があろうかと思うのであります。したがって、農林当局の明快な御答弁を願いたい、こう思うわけです。
#23
○渡辺政府委員 これは、農林省が食品行政について監督するのはどうも生産者のほうに片寄り過ぎるというふうに私はお聞きをしたのですが、そういうふうな議論がもし成立すれば、厚生省が薬の監督をするのは薬メーカーに片寄り過ぎるという議論になってしまうわけであります。お米の問題にしても、農林省は生産者の味方でもありますし、それと同時に消費者の味方でもあるわけであります。いままでややもすると、生産者団体等の強い陳情等があって米価問題等を通して消費者のほうよりも農林省は生産者のほうに片寄ったではないかという世間の御批判のあったことも、これは私は率直に認めなければならないと思うのでありますが、われわれとしては、やはり一つの加工食品というようなものがどんどん発展をしていくというためには、純良な食品として消費者からかわいがられるというか、消費者からいつまでも好まれるという形でなければ永続するものではありません。もちろん、生産者というものに対して農林省は全然かまわぬというのでなくして、生産者の監督指導もいたします。それと同時に、やはりりっぱな商品をたくさんつくらせて消費者の保護というものをはかっていかなければならぬ。ですから農林省は生産から消費に至るまで責任を持つものでありまして、外国の例はいろいろあるようでありますけれども、しかしながら現段階においては、農林省が加工食品について生産から消費まで責任を持っていくということが私は一番当を得たものである、かように考える次第であります。
#24
○長谷部委員 ただいまの件については、いわゆる食品産業の発展のためには消費者の要求を取り入れて、産業業界の育成をやらなければならない、こういう意味で、それは私は理解できますけれども、いろいろやはり、特に消費者団体等においては農林省よりも厚生省が主管庁になったほうがより適切なのではないかという声が非常に強いわけでありますから、これはやはり政府としても統一した見解というものをきめましてPRする必要があるのではないか、こういうぐあいに考えます。
 それから表示の規制に従わなかった場合には農林大臣としては指示をする、それを聞かない場合はいわゆる公表する、こういう指示、公表という仕組みになっておるようでございます。私どもの立場から考えれば、いま少しいわゆる法律によって必ず表示をしなければならないという義務づけを明確にすべきではないか、そしてその義務を履行しない者については罰則を適用すべきものではなかろうかというぐあいに考えますけれども、農林省のいまの改正案を見ますと、単に、法律に従わない者については農林大臣が指示をする、その指示を聞かない場合は天下に公表して制裁を加える、こういう組み立てになっておるようでありますが、少しく弱い態度ではないか、こういう感じもいたします。と同時に、罰則の規定を拝見いたしましても、一年以下の懲役、五万円の罰金、こういうことになっておるわけであります。いまごろ大メーカーにとって五万円以下の罰金などという罰則はあまりにも低過ぎるものではないか。
 こういうことなどを考えてみますと、どうもこの義務を履行しない者、法律に従わない者に対する農林省、政府の態度というものは少し弱腰ではないか。もっと厳正なる態度で臨む必要があるのではないか。こういう感じもするわけでありますが、これらにつきましての御見解を承りたいわけです。
#25
○渡辺政府委員 格付け機関が指示に従わなかった場合に五万円くらいの罰金というようなことはちょっと軽過ぎるじゃないかというお話でありますが、そういうふうな罰則を置くこと自体がもうすでに信用の失墜だと私は思うのです。業界としては何のために営業をやっているかというと、やはりいい商品を消費者に提供するということと同時に、利潤を追求することが大きな目的であることは間違いない。したがって、これに鉄槌を加えるのは、おまえの会社のこういうようなびん詰め、かん詰めについては、ともかく農林省の表示の基準によっておりませんよということをいまのマスコミ時代に公表されることのほうが、場合によっては何千万、何億の罰金を受けたと同じくらいの打撃を私は受けると思うのであります。したがって、なまじっかの刑事罰をつくって法律論争を呼ぶよりも、もっと手っとり早く金もうけのためにインチキをやるということになれば、それができませんように消費者にそれを公表しますということのほうが、少しばかりの罰金や刑事罰を置くよりもメーカーにとっては一大打撃になるから、私は刑事罰を置くよりもその不正な表示ということについてはこれは公表するということが、何といいますか、実施のための担保のほうがよっぽど重みがつく、かように考えて公表ということを農林省としては採用することにしたわけであります。
#26
○長谷部委員 確かにいまのお話の罰則、刑事罰を付するよりもメーカーにとっては天下に公表するということが一番大きな制裁であることはよくわかりますよ。しかし、いまの時代にこの程度の罰則規定というものは少し弱腰ではないかという感が率直にいたします。ですから、これはあとで御検討願えればありがたいことだと思うのですが、それに続きまして、もう一つは、厚生省所管の食品衛生法その他いろいろ食品行政の一本化、一体化という考え方に、消費者保護基本法の趣旨にのっとっていろいろ関係法律の整備をはかる段階にきていると思うのです。しかるに、その関連する法律改正の作業が進まないうちに農林物資規格法だけが独走するということは、あとあと他の法律改正の障害になるのではないか、混乱を来たすのではないか、こういう指摘もあるわけでありますが、これについてはどういうぐあいにお考えになっておられるか。
#27
○渡辺政府委員 ただいま現在の食品の規格及び表示に関する制度について食品衛生法があり、あるいは不当景品類及び不当表示防止法があり、農林物資規格法がある。各省でいろいろ法律があって非常にわかりずらい。だから統一的な食品の規制法といいますか、表示法といいますか、そういうふうな統一した食品体系というものを法制化すべきではないか、これは一つの御議論であろうかと思うのであります。しかしながら、先般来の消費者保護基本法ができたときにおきましても、すぐにそれを一体化しろというふうな附帯決議でなくして、当時の附帯決議を見ますと、たとえばこういうことが書いてあるのであります。一方においては「農林物資規格については、輸入物資を含めて対象品目を拡大するとともに、日本農林規格の品質基準の拡大ないし等級別基準の設定、表示制度の充実、表示方法の明確化をはかること。」というようなことを消費者保護基本法ができるときに国会の附帯決議として昭和四十三年四月二十五日に衆議院の物価問題等に関する特別委員会が附帯決議をつけておる、こういうふうな趣旨も反映をいたしまして、われわれとしては今回のこの法律を出したわけであります。いますぐにこれらの三つの食品に対するいろいろな規制の法律を全部撤廃して一本の規制法をこしらえるということは、言うは簡単でありますが、現実の問題としては、ともかくそう簡単にできるものではない。相当年月を要する問題であります。しかしながら、一方それにも増して、農林物資についての表示というものを早くしてくれ、加工品が数多くつくられ、非常に高度化し多様化している現段階において、消費者のほうからは、早くわかりやすい、ちょっとレッテルを見ただけでどういうふうな原材料でつくられておるかわかりやすいものをこしらえてくれという要望のほうが差し迫っておるわけであります。したがって、われわれとしては、将来それらの各官庁間の話をきちんとつけて統一した食品法というものをつくることについて決して反対をするものでも何でもありません。むしろ農林省が中心になってそういうものを進めていくべきだと思っております。しかしながら、差し迫った消費者に対する緊急な要望にこたえて今回この農林物資規格法の一部改正というものを出したのであって、これは言うならば、統一食品制度への一里塚といっても過言ではない。それを妨害する気は絶対にございません。これをやっていきながら徐々に農林省がむしろ中心になって統一的な食品の整備に関する法律というものをこしらえていくということのほうが現実的であり、望ましいのではないか、かように考える次第であります。
#28
○長谷部委員 いま政務次官は、昭和四十三年四月二十五日の物価問題等に関する特別委員会の附帯決議、「消費者保護の強化に関する件」の第二項の第二号を特に強調されたわけです。ところが、第三号には、「食品衛生法、栄養改善法、農林物資規格法、不当景品類及び不当表示防止法を通じて食品の表示制度が海外諸国に比しても立ち遅れており、かつ、最近の消費生活の実態にも適合しなくなっていることにかんがみ、統一的な観点から食品の表示に関する制度のあり方とその運用について根本的な再検討を早急に行なうこと。」というぐあいに強調されておるわけです。したがって、これは当然食品衛生法、栄養改善法、農林物資規格法その他の関係法律の改正と足並みをそろえて統一的に表示等の制度を改善するということでなければならぬと思うわけです。国権の最高機関である議会の意思に沿うためには、統一的な観点から食品の表示に関する制度のあり方を検討していかなければならないはずなんです。しかるに、農林省だけがこういうぐあいに独走するということによって、その後これらの関係法律の改正案にも障害となり、あるいは混乱を生ずるということがいわれておるわけなんです。したがって、農林省がこういうぐあいに進める場合に、なぜ他の関係各省にも働きかけて統一的な観点から表示等の制度を改正する方向をとらなかったのか、この点を私は承っておきたいわけなんです。
    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
#29
○渡辺政府委員 私が先ほど言ったことをいま先生のおっしゃったことと並べて附帯決議には書いてある。そのとおりであります。しかし、ここで言っていることは、「最近の消費生活の実態にも適合しなくなっていることにかんがみ、統一的な観点から食品の表示に関する制度のあり方とその運用について根本的な再検討を早急に行なうこと。」ということをいっております。しかし、その前段においては、農林物資規格法においてやはりこうこうこういうふうにしなさい、今後、ただいまわれわれが法案として御審議を願っておるように、農林物資規格法も改正をいたしなさいということを指示をされておるわけでありますから、これは今度の改正案で国会の意思を尊重して半分はこれは実現をした。一ぺんに全部といわれましても、なかなかそれはむずかしいのですよ。ですから、とりあえず半分これを実行したということであります。
 それからもう一つは、各省との連絡をしないで農林省だけが先ばしってやっているのじゃないかというようなことでありますが、決してそんなことではないのであります。先ほども申しましたように、現在の食品制度の整備のためには、関係がある諸制度を統合して統一的な食品制度を設けるということは、私は理想的な姿であろうかと思います。これがいわゆる食品行政の一元化ということでございますけれども先ほど言ったとおり、言うは簡単であるけれども現実の問題としては、なかなかその実現には相当長期の時間を要するというのが、遺憾ながらわが国の現状であります。他面、食品表示の適正化は、国会の決議においても、附帯決議でとにかくすみやかにこれを明確にしなさいといわれておるわけでありますから、とりあえずできるものからまずやって、そうして時間をかけて統一的食品制度というものをこしらえていこうじゃないかという考えに立っておるわけであります。だから農林省としてはこの法案を提出をしたわけでありますが、法文の上でも表示義務制を適用する品目というものを政令で定めることといたしまして、政令で定めるのですから、農林省だけではこれはきめられない。閣議決定をしなければならぬ。そこで、関係各省庁と、これはもう意見の調整ということをもちろんするわけでありますし、また運用にあたりましても関係各省庁と十分に連絡をするということであります。
 なお、食品行政のあり方につきまして、経済企画庁が主催をいたしまして、関係各省庁の担当官から構成をされておる食品行政検討会、こういうふうなのが設けられておるわけであります。農林省もこれに積極的に実は参加をしておりまして、今後の食品行政の推進については、その食品行政検討会、こういうものの結論に従うことはもちろん当然でございますし、本法の運用にあたりましても、関係各省とよく連絡を密にとって、ともかく現実的に統一食品制度が実施されたと同じ――まるきり同じとまではいかないが、それにほど近いような効果をあげるように、今後行政的にこれをやってまいりたいつもりでありますから、どうぞそういう点を御了解をいただきたいと思います。
#30
○長谷部委員 特に食品衛生法など関係の他の制度の改正が進まないうちに、JAS法改正が先行するのは農林省の独走ではないか。したがって、これが混乱を起こす、こういうぐあいに反対論が出ているわけですよ。やはりそれを納得せしめる見解がなければ私はうそだと思うわけですよ。ですから、いまの渡辺次官の説明はわからないわけじゃないけれども、単に決意を表明しているだけで、私はそういった反論に対して、これを納得させるだけの、説得できるだけの見解表明がなければいけないのじゃないか、こういうぐあいに思うのです。ですから、もしあなたのあれでできないとすれば、あす倉石大臣にお尋ねしてもけっこうでございますが……。
#31
○渡辺政府委員 大臣にお尋ねになっても同じような結論であろうと思いますけれども、現実の問題として――それは理想論として決して悪いということで私は言っておるのじゃない、そういうふうに将来一本化をすることはけっこうなことであります。ありますけれども、それには日本の現状から見て半年や一年でそういうものができるというふうには実務的に考えられない。政治は現実でありますから、理屈ばかりここで言ってみてもしかたがない。ですから、一方現実には、消費者から、早く農林物資規格法というものを改正して、もう少し表示の基準等については、アウトサイダーまで及ぶようにしてください、そうしてそういうふうなものについては、もし違反をしておって指示をしても直らぬものは公表をして、これは悪い業者でありますと言わぬばかりに表に出してくださいというような要求も、他方非常に強く差し迫ってあるわけでありますから、政治というものは、じんぜんここで議論をして日を送るというよりも、まず当面できるものからやって、十のうち十とまではいかないが、五なり六なり七なり、ともかくこれで手を打って消費者の要望にこたえていくというのが政治じゃないかというような点から、私どもは今回の法律を出したのであって、決して混乱をさせるというふうなことではございません。そういうふうな現実的な要請に基づいてやったのだということで、これは十分に御納得をいただけるものと考えておる次第でございます。
#32
○長谷部委員 ただいまの問題についてはあとで厚生省、公取、それから農林省の見解等も聞きたいと思っておる。農林省だけが幾ら混乱をさせない、他の行政を後退させない、こういうぐあいに力説されましても、公取でもあるいは厚生省でも、いまの農林物資規格法の改正は独走であって、他の省庁の行政を後退させるあるいは混乱させる、こう指摘しておるのですから、これはひとつ機会を得まして、保留をいたしましてあとの機会でそれぞれただしたい、こう思っております。
 それから、この前の消費者保護基本法案の審議の過程におきましても、統一食品制度、いわゆる統一的な食品法の制定の問題が急務である、こういうぐあいに言われているわけです。と同時に、もしそういう方向に向かっておる場合に、いまのJAS法の改正をやるのは統一食品法の制定の支障になる、妨げとなる、こういうようなことも言われておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
  〔「経済局長はいないのか、どうしたのだ」と呼ぶ者あり〕
#33
○渡辺政府委員 まあ経済局長もおりますが、そのいまおっしゃいました附帯決議の問題については、これは「統一的な観点から食品の表示に関する制度のあり方とその運用について根本的な再検討を」ということも言っておりますが、それよりも先に、私が先ほど申し上げたとおり、農林物資規格法の問題についても、輸入物資を含める等品目の拡大をはかっておる云々ということで、同じ順列以上に、それよりも前の順序で、この農林物資規格法のことを国会の附帯決議はうたっておるわけであって、だから先ほどから言っておるように、これをやったことは決して国会の意思に反するものでも何でもなくして、現実的な要請にこたえてきたものだ。
 それから農林省だけが先ばしっておると各省でおっしゃっておると申しますけれども、この法案を出す以上は、これは閣議決定をしておるわけであって、各省の大臣の了解なしにこれは決定をしたものではありません。閣議は多数決できめるわけでもございませんから、これはみんな満場一致でちゃんと納得をした上において、閣内の思想統一をはかって今回の法案は提出されたもので、これに対してほかの省がクレームをつけておるという段階では現在ないのでありますから、その点も御了解いただきたいと思います。
#34
○長谷部委員 いま渡辺次官の御答弁を聞いておりますと、私のただしたことに対して率直にお答えをいただけなかったわけでございます。したがって、これらの点につきましては、あとで委員長からお願いをいたしまして、やはり大臣に二、三の問題についてはお尋ねをいたしたい、こう思いますので、機会をつくっていただくようにお願いをいたしたい、こう思います。
 なお、このJAS法の改正がかりに通過をいたしましても、これを裏づける農林省の予算というものが、拝見したところ非常に乏しいようでございます。はたしてこれが実効をあげることが期待できるのかどうか。特に消費者団体その他世間では、冒頭に申し上げましたように、現行でも法律があるのにそれを完全に農林省は実行してない、消費者から見るならばきわめて不満足であるという批判が出ておるわけであります。したがって、その原因を考えてみまするに、裏づけになる予算がやはり乏しかったということがあげられると思うわけであります。今回の予算を拝見いたしましても、きわめて不十分でございます。したがって、この程度のことではたして法律改正の実効をあげることが期待できるのかどうか、承わっておきたいと思うわけです。
#35
○小暮政府委員 農林物資規格制度の運営に要します経費につきましては、四十五年度におきましても約二千二百万円を計上いたしております。そのほかに、農林省の設置法改正案の中にも改正をお願いしておりますが、現在農林省が持っております輸出品検査所の機構、これは全国十カ所で約三百名の定員で、農林水産物の輸出の検査を行なっているわけです。これらの機構は十分な分析その他の機械を持ち、そういう農産物の規格の検査確認等についての知識、経験を持つ組織がございます。これらのものをJAS法の運用面に動員するということも、法律上これを明らかにしていただいて、指導の完ぺきを期したいということで、逐次施策の、予算並びに人的な裏づけについても拡充をはかっておるところでございます。
#36
○長谷部委員 農林物資規格表示制度の運営の充実ということで二千二百三十二万一千円、四十五年度予算に計上になっています。これの内容を見ますと、JAS規格の設定普及等七百十三万円、それからモニターの設置が六百二万六千円、それから輸出品検査所における市販品の買い取り検査九百十六万五千円、この程度でございます。したがいまして、私は、これだけのぼう大な食品の格づけの指導、監督あるいは試験研究、こういったものを満足にやっていくためにはきわめて不十分だといわざるを得ないと思います。それから、全国六カ所における輸出検査所の施設設備の内容等から見ましても、これは完ぺきなる食品行政の期待にこたえ得るにはあまりにもお粗末な内容ではないか、こういうぐあいに考えるわけであります。したがって、いかに法律が改正されたといたしましても、その法律の効果を十分あげて消費者の期待にこたえるということはなかなか至難ではないか、こういうぐあいに考えるわけでありますが、いま一回、これからの取り組みについての考え方を承っておきたいと思うわけであります。
#37
○小暮政府委員 予算並びに人員の配置の適正化につきましては、先ほども申し上げたように、今後逐次これを増強してまいる考えでございますが、なおそのほかに、農林省といたしましては、食糧研究所あるいは水研その他各般の試験研究機関を持っておりまして、これらの試験研究機関におきましては、育種あるいは栽培法の研究のほかに、それぞれ農産食品あるいは水産食品についての加工の問題についても、専門にこれを研究する部局を持っております。これらのものが逐次――先ほど申し上げましたように、たとえば検査あるいは格づけという場合に希望だけが先ばしってもできないわけでございまして、どのようにしてこれをきわめて経済的なチェックで確認できるか。一々大型の試験研究機関まで持ちまして徹底的な分析をすれば何でもわかりましょうけれども、全国に流通しておりますものをそれぞれ簡素な仕組みで的確にその中身を検査する等の問題につきましては、先ほど申しました二千二百万という経費の中でこれを考えるのではなしに、農林省が持っておりますいま申しましたような試験研究機関等も十分動員いたしまして、それらのものの研究を深めてまいるということ、これまでも心がけておりますが、今後もそういった面について特段の注意をいたしたいというふうに考えております。
#38
○長谷部委員 それから、これは全国の六カ所の輸出検査所が中心になっていろいろ検査をやるということになっておるわけでありますが、これは必ずしも全国的にバランスのとれた配置にはなっておらぬと思います。したがって、これらの効果をあげていくためには、いわゆる食品の表示監視員とでもいいましょうか、これは仮称でございますが、食品衛生の場合は監視員が都道府県に配置になっているわけであります。食品表示の徹底をはかりその効果をあげていくために、私は各都道府県に食品表示監視員というようなものを配置することによって、その不足面を補っていくことができるのじゃないか、こういうぐあいにも考えるわけでございますが、そういう具体的なお考えはないものかどうか、承っておきたいと思います。
#39
○小暮政府委員 農林規格の問題は、先ほど来しばしば御説明しております中に出ておりますが、主として加工食品につきまして、製造過程等十分チェックいたしながら、これに一定の格づけを第三者機関である格付協会が行なうという形でいたしておりますので、これについての指導並びに検査という問題につきましては、これを随時適当なサンプルを抜き取って検査する、あるいは一般のモニターから資料の提出を求めるというような形で、これを間接的にチェックする仕組みで十分その目的を達し得るのではないかと考えております。
 食品衛生法の施行という仕事との対比を考えますと、食品衛生法の場合には、御承知のように、人体に有害なような形のものが末端で流通したかしないかということを、いわば事後的にチェックする仕組みでありまして、これにはなまものも全部含まるわけでございます。いま申しました農林物資規格制度の運用を的確に行なうために必要とする人的な配置と、食品衛生法的な角度からの行政の的確性を担保するための人的配置と、必ずしも同様に考える必要はないんじゃないかというように考えます。ただ、それにいたしましても、今後の農政の進展等十分見きわめまして、私どもが現に農林省という組織の中に持っておりますいろいろな陣容というものの中から次第に、こういった面に活用できる部分があれば、業務の実態等十分考えながらその方向に誘導していくことを十分努力する必要があるのじゃないかというふうに、将来の問題としては考えております。
#40
○長谷部委員 いま、特に加工食品の検査ですから、モニター制度を採用する。いま一つは市販の食品を買い取って検査をする、それである程度の効果をあげていくことができるのじゃないか、こういう御説明でございましたが、大体全国的にこのモニターというのはどの程度配置されておるのか、承っておきたいと思うわけです。
#41
○小暮政府委員 今後逐次拡充したいと思いますが、現状では二十都市、千二百名ということに相なっております。
#42
○長谷部委員 それからいま一つ、この市販品の買い取り検査でございますが、これに九百十六万という予算が措置されておるようでありますけれども、これでどの程度の範囲のものが検査対象になりますか。
#43
○小暮政府委員 検査としては二千五百件の検査を予定いたしております。
#44
○長谷部委員 膨大な市販食品の中にわずかに二千五百点の抜き取り検査、まことに不十分なような感がするわけでございますが、これは市場に出回っているものから見ますと大体何%ぐらいに匹敵するものでございましょうか。
#45
○小暮政府委員 %というような形には相ならないと思います。
#46
○長谷部委員 %にはならないというお話ですが、結局食品ごとにいろいろ種類があると思うのです。そして今日市販に出回っておる量があるわけでありますから、その中から選定して二千五百点を検査する、こういうわけですから、大体全出回り量から見るとどの程度に匹敵するかくらいは出るんじゃないでしょうか。
#47
○小暮政府委員 二千五百件の検査を予算上予定しておると申し上げましたが、一件一点というわけではございませんで、それぞれの品目につきましてサンプル理論に従って適切なサンプルを抜き出すことに相なると思いますが、ただ全出回り量の何%かというお尋ねでございますが、実は全出回り量は膨大なものでございまして、それの一%とか二%とかいうような、そういう基準でものを考えておりません。そういう率からいえばまことにネグリジブルなものであろうというふうに考えております。
#48
○長谷部委員 それから私は最後に、ジュースと牛乳の問題について、規格に関連してお尋ねしたいと思うわけであります。
 いま市販に出回っておるものを見ますと、ジュースの天然果汁の率でございますが、五%とかあるいは二〇%とか、きめわて低いわけですね。少なくとも今日のジュースといわれるものは天然果汁が大体一〇〇%のものであって初めて私はジュースといえるのじゃないかと思うのであります。したがって、このような規格は非常に不十分な規格ではないか、こういうぐあいに思いますし、また牛乳等を見ましても、特に加工乳の場合、脱脂粉乳を水に溶かして無塩バターを添加して、そして市販に供しておるわけでありますが、こういうものも今日牛乳が供給過剰ぎみになっておるという現在の情勢などから考えまして、ほんとうに完全生牛乳でなければ国民に飲ませない、こういうような考え方を私とっていくとするならば、今日のこの規格というものはきわめて不十分なものとしか思えないわけでありますが、こういうものを改正する意思はないのかどうか。特にこれから農畜産物の貿易の自由化が迫られておる現状のもとでは、もっと政府はしっかりした規格をこの際採用するということが国民の消費生活を守る上から大切ではなかろうか、こう思うわけでありますが、これに対する御見解を承っておきたいと思います。
#49
○小暮政府委員 ジュースの問題につきましては、農林物資規格という角度からの問題の解決と、別途独禁法の体系の中で公正競争規約という仕組みがございます。この二つを使いまして、本年中に最も望ましいと思われる指導の形を確立する見込みが現在立っておりまして、関係の業界の意見も十分徴しまして公正競争規約につきましては公正取引委員会のほうでただいま指導をいたしておりまして、近く結論を得ると思います。その公正取引のほうの考え方としては、ただいま御指摘のようなジュースということばは本来は外来語でございまして、本国においてはジュースというのはくだものをしぼった汁そのものということでございますが、日本では御承知のように長いこと、それが別のいわば日本的な意味と申しますか、日本語としてのジュースという意味を持ってきたということは事実でございます。その事実がございますが、これを今回さらに関係業界が話し合いまして、公正競争規約というものをつくりまして、くだものをしぼった汁以外のものはジュースと呼称しないことにしようという方向でまず話を進めておるわけであります。これは独禁法体系での指導でございます。
 それからJASのほうでは従来果汁含有量四五%を境目にいたしまして指導いたしておりましたが、いま申しましたような全体の動きと歩調をそろえまして、全部果汁そのものであるものにつきましては天然果汁という独立の規格を設けます。
 それから天然果汁でございません果汁入り清涼飲料と称されますものにつきましては、一〇、二〇、三〇、四〇というふうにそれぞれ表示の字の大きさまで表示の基準の中で定めまして、かん等に明らかに果汁分の含有量を明示できるような規格をただいま用意いたしておりまして、これはできるだけ早い機会に農林物資の規格審議会にこれをはかりまして規格の改正を行ないたいというふうに考えております。
 なお牛乳につきましては、加工原料乳についてはJAS規格がございますが、市乳についてはまだJAS規格がございません。今後の検討課題といたしておる次第でございます。
#50
○長谷部委員 それでは時間が参りましたので、大臣に対する質問だけは保留いたしまして以上で終わらしていただきます。
#51
○三ツ林委員長代理 相沢武彦君。
#52
○相沢委員 今回提出されました農林物資規格法の一部を改正する法律案につきまして若干の質問をいたしたいと思います。
 農林省が第六十一国会で加工食品に表示の義務づけをするなどの内容の農林物資規格法の改正案を提出いたしましたときに、この提案をめぐって、食品の表示制度に関係する公取委員会また厚生省は反対の態度を示しておったようですが、その理由のおもなものは、どうも従来こういう問題に対して業界側に立ったような姿勢の農林省が食品の規格や表示について優先権を握るということは、消費者保護に反する結果になるのじゃないかというおそれからであったように思われます。これに対しまして農林省では、四十三年五月に成立しました消費者保護基本法の附帯決議の要求しているところの統一的な食品法はとうてい短時日でできるものではないし、実現するまでの期間はJAS法の強化で消費者保護の強化をはかりたい、こういう議論で、言うなれば一歩前進という形ということで提案に持ち込んだようでございますね。これに対しまして消費者団体の多くは一せいにこの改正案反対、また食品法の早期制定の要求を打ち出しまして、関係方面に活発な運動を行なったことは周知のとおりでございます。六十一国会のこの当委員会におきましても、審議にはわざわざ参考人を呼びまして意見を聴取したのでございますし、政府は今回あらためてこの改正案の提出にあたりまして、そういった各方面の意見をどれだけくみ入れた案に直したのか、具体的に例がありましたら今回提出の案から御説明を願いたいと思うのですが……。
#53
○小暮政府委員 JAS規格の問題につきましては、各方面からさまざまな御意見が寄せられておりまして、主婦の代表の方もJASの審議会の委員にお願いしておるような次第もございまして、審議会の審議等を通じてさまざまの御意見をいただいておるところでございます。これらの点につきましては、具体的なJAS規格の改正の問題を通じまして、御要望を逐次実現しつつあるところでございます。
 なお、法律の問題につきましては、今回あらためてこれを提案するにあたりまして、関係各省と新たにもう一度相談をいたしてございます。その後、検討の結果、表示の問題等につきましては、それぞれの関係法律に基づいた表示の必要事項があるわけでございますが、それらのものを各省連絡を緊密にして、見やすい場所に一緒にこれを表示するといったような、具体的な協調のしかた等についても話し合いながら今回の法案の提出に至った次第でございます。
#54
○相沢委員 今国会に再度提出した理由としましては、当局のほうは、国民の強い要望もあるのでという言い方をされているわけでございますけれども、国民というのはすなわち大多数が消費者でございますが、消費者のJAS法の改正に反対する最大の理由は、いま述べたようにこれまで食品類等の不当表示の事案が公取等で問題にされた際に、どうしても農林省は常に業者サイドに立った立場をとって、消費者の利益あるいは擁護の片鱗すらも見せないというとあまり言い過ぎかもしれませんが、どうもそういった態度が強い。例の馬肉の、にせ牛かん摘発のときもそうだったのですが、いわゆる精肉野菜煮とかあるいはニューコンビーフという言い方をしたらどうかというお話があって、公取のほうから表示違反になるのではないか、こういう意見が強く出されて、それでは精という字をとって肉野菜煮とすれば法律違反にならない、問題はないのだ、こういったようなことで、どうしてもにせものの食品から消費者を守ろうという意気込みは農林省にはあまり見られぬ。現行法制の着実な実施という熱意はあまり見られない、そういうことがよくいわれるわけです。ですから取り締まる側に見解の相違があれば、その中から一番都合のよいところに業者は賛成してしまうのは当然なことなのですから、表示の義務づけの制度化ということは、農林省はこれを行なうことによって逆に業者保護的な運用がされるのじゃないかというおそれもありますし、公取等による景表法の運用が農林物資については事実上らち外に出されるのじゃないか、こういうことも考えられるわけでして、農林関係側の業界はこの改正案を歓迎しているようでございますが、他の業界は、厚生省あるいは公取、農林等、取り締まりの窓口がふえることはどうも反対だ、そういう意見なんですが、業界と消費者側の利害が鋭く対立する、この表示の問題につきましては、産業官庁の所管ではどうしても消費者保護の効果は疑わしい、むしろ消費者保護という美名のかくれみのになるおそれがあるのじゃないか、こういう声もあるのですが、この点についてどのようにそういう疑いを晴らしていこうという具体的見解を持っておられるのか、お伺いいたします。
#55
○小暮政府委員 JAS規格に対する主婦の皆さま方の御批判と申しますか、いろいろな御意見を承っておりますと、やはり一つは、確かにただいま御指摘のように農林省というのは産業官庁である。したがって、農民あるいは農産物加工業者の保護ということに傾きがちだという不安から出発する御議論が多いことは、私どももかねがね接触して十分感じております。この点につきましては私どもは農産物を安定的に供給するというのが農林行政のきわめて大事な問題でございまして、特にかりに農民あるいは加工業者の立場に立ってものを考えるといたしましても、その生産し加工したものが気持ちよく喜んで需要され、消費されることがそれらのものの福祉につながるはずでございますから、そういう角度から、生産助長行政と消費者保護ということは矛盾しないはずだと思いまして、それらの点については最善の努力を傾けてまいるという考えでおります。ただ具体的には、たとえばJAS規格に対する期待と申しますか、これがときにいわば非常にふくれ上がりまして、せっかくJAS規格というものがあるのだから、そこであらゆる問題を解決したいというような御要望になる場合がままあるわけです。しかしその場合にはJAS規格というものの本質から見まして、これをたとえばどこまでチェックできるか、きわめて具体的な例を申しますと、畜肉ハム、ソーセージの中にたとえば豚が二五%、ウサギが何%、鯨が何%というようにパーセントで表示してほしいという御要望が非常に強くあったことがございます。これらはやはり食品に対する主婦のきわめて率直な疑問がそこに出ているのだと思います。これをたとえばJAS規格で受けて立て、こういうふうに言われましても、ただいまのところの科学技術では、血清反応等で何が入っているかということについては確認できます。たとえばウサギと豚と鯨が入っているというようなことは確認できますが、それがそれぞれ何%入っているかというところまでは、ただいまの技術では確認できないという問題がございます。また製造のしかたの点でも、果汁入り清涼飲料のように液体が完全にホモジニアスになるものと違いまして、固型物を練り合わせるという製法でございますために、必ずしも一つ一つの製品の中の原料比率が均質にならないといったような現段階での製造過程の問題もございまして、それらの御要望に直接現段階ではおこたえできない。しかし私どもとしては今後製造方法なりあるいは検査の技術なりというものが高まるにつれて、できますことはできるだけ主婦の御要望を入れて、主婦が安心して利用できるような規格に逐次内容を高めていきたい。一度きめたらそれで当分据え置くということでなしに、時々刻々に進歩いたします技術というものを取り入れて内容を強化していくという形でその要望にこたえたいというふうに考えております。なおJASの調査会におきまして従来消費者代表の数がやや少なきに失したのではないかというふうに判断いたしまして、ごく最近でございますが、これをかなりふやしまして、現在主婦連、消費科学連合会、生協、関西主婦連、地婦連という、五つの消費者代表と考えられる方をJASの調査会の中に参加していただいております。
#56
○相沢委員 農林省がこれから取り組もうとしている前向きの姿勢はわかるのですが、先ほども話がありましたように、諸外国の例を見てみると、食品の表示等に関する規制は食品法に基づいて行なわれているのがほとんどでございます。イギリスやカナダにおいては不衛生食品や不良食品の排除を行なっているのですが、これは当初から保健局で主管しているようでございますし、いずれにしても、この食品が人間の健康の保持、増進に最も重要な一つであるという観点から見まして、また食品を摂取するところの国民の側から見て、その安全と健康を守るために必要な措置をとるということから、どうしても食品に関する規制は国民の保健衛生を担当している部門にまかせるべきではないか、これが大かたの意見でございますが、どうしてわが国だけ農林省がそういう話のように先ばしってというか、そこまで足を踏み込んでやろうとするのか、その辺の意図をお伺いしたいと思います。
#57
○小暮政府委員 食品の制度につきまして、しばしば諸外国の例が言われるわけでございますが、アメリカあるいは欧州の各国の食品制度につきまして、いろいろ資料等取り寄せて調べておりますが、すべて一つの食品制度に統一されておるというふうによく言われますアメリカの場合でも、実は食品薬品及び化粧品法というものによりましてかなりの部分のものが一つの規制のもとに保健福祉教育省の所管になっておりますことは事実でございますが、そのほかに食肉、家禽肉及びその製品につきましては別の法律がございまして、農務省がこれを行なう。またどういう事情でございますか、魚につきましては内務省が所管をするというようなこともあるようでございます。またそのほかに、品質についての一つのギャランティーとしてUSグレードという仕組みがございますが、これは農務省の所管になっておるということで、別にそういうふうになっておることがいいと申し上げているのではなくて、やはりそれぞれの行政の沿革なりあるいはいろいろな具体的な事柄の進展の中でさまざまなくふうがなされてきておるというふうに見ております。
 また、イギリスなどの場合を見ますと、食品及び薬品法というもので食品の規格、定義、添加物等に関する規則の制定が農漁業食糧省の所管ということになっておりますが、その場合に農漁業食糧省で具体的な規則をつくります場合には保健省に合い議するというルールが確立しております。逆に伝染病、細菌等の問題に関しては農漁業食糧省でなくて、保健省がこれを所管するということになっておりますが、これは常に農漁業食糧省に合い議する。いわばそれぞれ主たる管轄は分けておりますが、両省共管というような形で規則をつくりまして、その具体的な取り締まりの実行は地方自治体があわせて行なうというような形もございます。その他さまざまな例がございます。
 私ども、先ほど政務次官からもお述べになりましたように、統一食品法的な考え方に何ら反対するものでございません。経済企画庁の主宰します会議には今後も積極的に参加して、よりよい制度を見出すことについて、政府部内として一緒の努力をいたしたいと考えておりますが、それぞれの食品の生産、流通の態様は肉と魚と牛乳等でかなり実態が違うという面もございましょうし、それらの面を十分考えながらできるだけ有効な制度ができるように研究してまいりたいというふうに考えております。なお、農林省だけが独走するというふうに言われますが、私どもとしては、たとえば製造年月日というきわめて簡単なものにつきましても、これを食品衛生法上これ以上置いたら危険だという日を確認するための製造年月日、それから、この程度の期間であればまだ味がよろしいというようなことを確認するための製造年月日、一口に製造年月日と言っても目的によって違うというような点もございまして、これらのものをどのように統一的に考えるかという点もあわせて研究してまいりたいと考えております。
#58
○相沢委員 次に、加工食品の問題について若干お尋ねしますが、JAS規格においては、一般にA適用の範囲、B定義、C規格で、測定の方法などを定めております。このうちのCの規格については、物資によって品質上の要求の度合いが勘案されて具体的に定められておるわけでありまして、一般にはその品位、状態、量目、表示などの事項について規定されているわけですね。特に加工食品については、Cの規格の中で品質そのものの基準を定めることはもとより、表示の基準としてその品名、原材料名、量目、製造年月日、製造者などを表示することがきめられているわけです。すなわち、加工食品については、JASの規格は品質の規格であると同時に表示の規格であるという性格を持っている、こういう御説明でもあるのですが、この品質というのは何をさしているのか、明言していただきたいと思います。
#59
○小暮政府委員 これは商品としての品位の問題ですから、たとえば具体的にタケノコのかん詰めという場合に、内容量が固形物が何グラムあるということは計量的な問題でございますが、かま傷等のついたものが入っていないとか、先の折れましたものが入っていないとか、そういうようなきわめて具体的な品質の表示にかかわる部分がただいま御指摘の点でございます。
#60
○相沢委員 普通私どもが品質ということを考えますと、栄養度、それから安全度、嗜好などがその内容に含まれると思うのですが、食品の表示について消費者の多くが関心を持つのは、いわゆる衛生、また栄養的見地の問題だと思うのですが、農林省ではこういった点は触れられないということなんですが、当然この分野は厚生省でやらなければならない分野だと思いますが、この辺の立て分け、今後の協力体制はどういう話し合いがついているのでしょうか。
#61
○小暮政府委員 食品衛生の見地からは、特に現在深刻な関心事でございます添加物等の表示については、食品衛生法に基づく義務づけがございます。これは、先ほど申しましたように、JAS法に基づく表示とあわせて見やすい場所に表示するというふうに指導いたす考えでございます。
#62
○相沢委員 たびたび言われているのですが、食品の統一表示法については、現在の食品衛生の目的を保健にまで拡大して必要な改正をすれば実現は可能だろう、こう言われておりますし、さらに関係諸法の運用によって解決されると思うのですが、どうして食品の表示制度について厚生省など食品表示に関係ある各省がもっともっと協議の上でこういう提案をされてこないのかということを疑問に思うわけです。とにかく、この問題は慎重に消費者保護を中心に再検討をしてほしいということが強く望まれているわけでありまして、四十四年三月ですか、国民生活審議会消費者保護部会から提出された「食品表示制度についての意見」としても、「現状においてはこれらの諸制度を所管する関係省庁が相互に協力して食品表示の適正化を推進すべきである。」と述べられているわけでございますが、その後どういうような具体的な協議が行なわれ、ここに提出されてきたのか、その経過のあらましを簡単にお伺いいたしたい。
#63
○小暮政府委員 経済企画庁が中心となりまして食品行政についての研究会をこれまで数回開催して、ただいまのところ、それぞれの食品関係の制度の内容をお互いに十分理解し合って、これから次の議論に入ろうという段階でございます。
#64
○相沢委員 時間があれですので、どんどん飛ばします。
 本改正案に伴う農林省の組織的機構、異動、あるいは設備の増大についてお伺いしたいのですが、第一に、人的問題ですが、表示制度に伴ってどこの部分から何名ほどの人員を配置転換する考えをお持ちでしょうか。
#65
○小暮政府委員 現にございます輸出品検査所、これが定員三百名でございますが、この職員をこの制度の運営に使えるという設置法の改正をお願いしておるわけでございます。
#66
○相沢委員 一般に、食品に関する現在までの事故は、監視体制の不備、弱体性から世論の突き上げを受けてきまして、何度となくこの監視体制の強化ということが要請されてきたわけでありますが、専門分野における技術的向上をもっともっとはかって、監視して、業者に対しても適正な教化指導を行なってほしい。また今後もさらにその密度を高めるように努力していくべきだと思うわけなんですが、そうすることによりまして、一般消費者に対する行政責任を貫く農林省の姿勢というものが評価されると思うわけであります。本法の成立以来二十年になるわけでありますが、現在までの法律内容での成果、実績をもっと示すことによって、消費者保護ということを守ることができると思うのですが、現在の輸出面の関係の職員三百人を動員してというお話でありますけれども、やはりそれだけでは手不足になるんではないかということが考えられます。新しい行政分野にそういった不備な体制のまま手を出すということは、世間でよく言われる二兎を追う者一兎をも得ずというようなたとえになるんじゃないかというおそれもありますし、あるいはまた逆に、農林省は過剰な職員をかかえておられるので、そういった事情から新しい分野に進出をするような魂胆もあるというようなうわさもあるわけですけれども、その辺のところを、事情等ありましたならば簡明に御答弁願いたいと思うのです。
#67
○小暮政府委員 輸出品検査所を活用するという考え方は、もともとかん詰め等についての検査というのは、輸出品検査という形で育ってきたという経緯がございます。びんかん詰め等として検査をいたします物的な施設並びに技術は、ただいまのJAS法に基づく加工食品の検査の技術と全く同じでございます。そこでこれらのものを活用したい。しかも農産物でございますので、輸出の仕事にも季節的な繁閑がございますので、そのピーク時を避けて、比較的時期的に、輸出品が集中しない時期に有効適切にこれを使おうという考え方でございます。それ以外の将来の問題につきましては、むしろ技術の進歩に伴いまして、今後ますます規格の内容なりあるいはその検査の可能性なりというものが豊富になっていくと思います。そういった事態の進展に見合って、必要な陣容を逐次確保していくというふうに考えてまいりたいと思います。
#68
○相沢委員 この問題は、これまで厚生省所管の食品衛生法あるいは公取委員会の不当表示防止法、こういった三者の行政パワーの均衡を農林省がリードをとるという形になると思うのですが、従来のその権限の支配の及ばない範囲に対して、農林省が食品業界を手中におさめるという意図があるんじゃないか、こういうような見方をする面もありまして、厚生省は短い国会で法体制強化による食品法を制定することを目ざしておるようでございますけれども、農林省はいまの時点で無理に出てくるということは、高級官僚の天下りポスト増設ということになるんじゃないか、こういう話もいわれておるわけですが、この点どうでしょうか。農林省は業界に対して、法改正後に次官クラスの者をキャップとする格づけ機関に統合する方針を示しているということですが、このことはそれを裏づけておるのではないかと思うのですが、その点はどうでしょう。
#69
○小暮政府委員 ただいま御指摘のような事実はございません。
#70
○相沢委員 この問題は、またあとから事実があれば御質問をしたいと思います。
 次に、格づけ機関の問題ですが、一品種一格づけ機関としてのたてまえのもとで、それぞれの業界団体または業界団体に付随するところの格づけ機関に専属的に格づけ業務を行なわせるというような改正がなされるわけですが、業界団体が検査業務を行なうということは、これまでのJAS信頼度を低下させることにならないか。また人的、施設的にも充実した機関の実現は非常に可能性がなくなるのではないか、こういう憂えが出ますが、この点についてはどうですか。
#71
○小暮政府委員 JAS制度は、どこまでも業界がみずからの信用をみずからの努力で高めるというのが、制度の発足以来の一つの考え方でございます。したがいまして、これに公益的な見地から業界が金と力を出し合って格づけの機関を強化して仕事をやっていくということは、業界として当然の責務ではないかというふうに考えております。
#72
○相沢委員 表示制度について、国民生活審議会消費者保護部会で商品の表示の基本原則を三点あげておりまして、この食品表示の基本原則を確保するためには監視体制の強化充実が必要である、業界自体による相互監視、地方公共団体の機能の活用、消費者教育の推進、商品分析等に関する専門機関の強化等について、もっともっと積極的に配慮すべきだと思うのですが、この点についての計画はどうなっておりましょうか。
#73
○小暮政府委員 先ほど申しましたような輸検の組織を活用するということも、その一つの具体的な方法でございます。さらに今後モニター制度あるいはサンプルの買い上げの予算の拡充等、逐次手を打ってまいりたいというふうに考えております。
#74
○相沢委員 先ほども予算のことで御議論がございましたけれども、現在農林省で考えておりますような大幅なこういった業務を担当すれば、今年度一応盛りました予算がもし不足した場合は、大蔵省と折衝して予備費等から予算をさらに入れてまでその仕事の完ぺきをはかろう、こういう御決心はございますか。
#75
○小暮政府委員 予備費の問題について、あらかじめこれを意思を表明するというわけにまいりません。現在ございます経費と人員を可能な限り有効に使うように努力いたしましての上で、必要があればその段階において考えたいというように思います。
#76
○相沢委員 今回の法改正案には、輸入品についてもJASを適用するということになっておりますが、輸入品のうち原料または材料として国内で加工されるものについては、その加工工場等によって製品になるときにJAS製品の表示をすることはこれは可能でございますが、輸入品がそのまま市販されるものについてはJASの格づけをどのように行なうかということが、問題であろう、このように思いますが、この点についてはどういう配慮をされようとしますか。
#77
○小暮政府委員 輸入原料で加工されますものは、いまの考え方では国産というように思っておりますので、従来の考え方と同じでございますが、完成された加工食品の形で輸入されましたものを市販いたします場合に、これが日本国内におけるJAS規格にかなう内容であるかどうかということを港の倉庫において抜き取り格づけをいたしまして、その上でこれを問屋におろす、こういう形が想定されるわけでございます。
#78
○相沢委員 現在、輸入食品の衛生監視状況というものは、全国でわずか二十人で行なっておりまして、非常に不備でございます。調べた結果によりますと、四十三年度について見ますと、十三万余件のうち実際に検査した件数が七千四百三十五件で、わずか五%にすぎない。
  〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
その検査件数のうち不合格件数が九百二十八件もございまして、農産物類は四百四十五、水産物類は三十七、畜産物類は三百三十三、かん、びん詰め類等二十六、添加物類は五、飲料類は八十、その他器具、包装おもちゃ類二、合計九百二十八件、こういうかなり大きな数字になっております。今後、輸入品のJASの格づけというものは非常にむずかしいと思うわけですが、それについてはどのような見通しを持っていらっしゃいますか。
#79
○小暮政府委員 輸入食品の衛生検査の問題は厚生省の仕事でございます。ただ、御指摘のような問題が輸入量の増加につれてあるということで、厚生省でも逐次体制の強化につとめておるというように承知をいたしております。
 なお、輸入加工食品の国内での格づけにつきましては、これは先ほど申しましたように、港頭倉庫に大量にまとまって入荷いたしましたものにつき、適切なサンプル理論に基づいて検査、格づけするということでございますので、これは業界において十分対処し得ると考えております。
#80
○相沢委員 日本農林規格を制定する対象の品目につきましては、最近では加工食品や加工林産物といった工場生産によって生産される品目が中心になっておりまして、JASというのは加工品の規格であるといった印象を与えておるわけでありますが、今後の問題として、その加工品と並んで果実等の生鮮食料品や蔬菜等の原料農林水産物についてもその規格を進めるという必要は感じておるのですか。そこまでやるのでしょうか。
#81
○小暮政府委員 主要な原料農産物につきましては、なまものであってもできるだけ規格をつくってまいりたいと考えます。ただ、一般に直接消費されます生鮮食料品につきましては、格づけということは希望してもなかなか行ないがたい問題でございまして、これはかなり長い検討を要するのじゃないかと考えております。
#82
○相沢委員 これは将来の問題になるかと思いますが、また厚生省とのいろんな協議等によりまして農林省もかなり協力しなければならない問題じゃないかと思いますが、最近鮮魚やエビ類等生鮮食料品が東南アジア、オーストラリアから相当数入っておるわけでありまして、航空便等で送られるケースが多いわけであります。その鮮度が要求されるわけですから航空便の活用ということは当然だと思いますが、受け入れ側の空港における衛生監視体制が非常に不備であるということで、それについては厚生省も非常に困惑しているような状態だと思うわけです。特に夜間に空輸される場合が多いので、どうしてもフリーパスになるという例が多いそうでありますが、こういった点についてもっともっと農林省も、今回法改正してそこまで仕事を広げるならば、こういった港あるいは空港における食品衛生の監視体制についても協力体制をとるべきじゃないかと思いますが、この点についての御所見はいかがでしょう。
#83
○小暮政府委員 今後輸入食品につきまして格づけ機関が完備いたしました暁に、食品衛生の仕事にどこまでお手伝いできるかというような問題は大いに研究してみたいと考えます。
#84
○相沢委員 以上で終わります。
#85
○草野委員長 次回は、明八日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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