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1970/05/12 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第27号
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1970/05/12 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第27号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第27号
昭和四十五年五月十二日(火曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 小沢 辰男君
   理事 仮谷 忠男君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 芳賀  貢君
   理事 山田 太郎君 理事 小平  忠君
      赤城 宗徳君    小沢 一郎君
      鹿野 彦吉君    熊谷 義雄君
      小山 長規君    坂村 吉正君
      澁谷 直藏君    田澤 吉郎君
      田中 正巳君    高見 三郎君
      中尾 栄一君    松野 幸泰君
      森下 元晴君    森田重次郎君
      山崎平八郎君    渡辺  肇君
      角屋堅次郎君    田中 恒利君
      千葉 七郎君    長谷部七郎君
      松沢 俊昭君    相沢 武彦君
      瀬野栄次郎君    鶴岡  洋君
      合沢  栄君    小宮 武喜君
      津川 武一君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        農林政務次官  渡辺美智雄君
        農林省農林経済
        局長      小暮 光美君
        林野庁長官   松本 守雄君
        通商産業省化学
        工業局長    山下 英明君
 委員外の出席者
        議     員 芳賀  貢君
        農林省農政局参
        事官      遠藤 寛二君
        通商産業省化学
        工業局化学肥料
        参事官     中沢 三郎君
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  亀岡 高夫君     小沢 一郎君
  田澤 吉郎君     森田重次郎君
  渡辺  肇君     山崎平八郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 一郎君     亀岡 高夫君
  森田重次郎君     田澤 吉郎君
  山崎平八郎君     渡辺  肇君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第五二号)(参議院送付)
 林業種苗法案(内閣提出第一〇一号)(参議院送
 付)
 国有林野の活用に関する法律案(内閣提出第八
 〇号)
 国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措
 置法案(芳賀貢君外六名提出、衆法第三四号)
 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案起草の件
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案、内閣提出、林業種苗法案、内閣提出、国有林野の活用に関する法律案及び芳賀貢君外六名提出、国が行なら民有林野の分収造林に関する特別措置法案の各案を議題とし、順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺農林政務次官。
#3
○渡辺政府委員 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 肥料価格安定等臨時措置法は、その制定以来、肥料価格の安定、肥料の輸出調整等についておおむね所期の効果をあげてまいりました。
 この法律は、昭和四十四年七月末日までに廃止することとされておりますが、最近におけるわが国農業の実情及び肥料の輸出市場の状況にかんがみ、なおこの法律を存続する必要があると考えられます。
 すなわち、農業の基礎資材としての肥料の重要性はいまさら言うまでもありませんが、特に総合農政を推進し、農産物の価格安定、農業所得の確保等をはかろうとしております現在、肥料価格の安定措置の継続をはかる必要性が従来にも増して高まってきていると考えられるのであります。
 一方、世界的な設備大型化の進展を背景として、肥料の輸出をめぐる国際競争は、ますます激化しており、輸出の一元化と国内需要の安定的確保をはかる措置が引き続き必要と考えられるのであります。このような内外の諸事情に対処して肥料工業の側におきましては、徹底した合理化をはかるため、現在設備の大型化を中心とする構造改善を推進しているところであります。
 以上のような状況にかんがみまして、引き続き国内需要の確保、肥料価格の安定、輸出の一元化などの措置をとるものとし、この法律を廃止すべき期限を五年間延長しようとするものであります。
 なお、この法律案は第六十一回国会に提出いたしました肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案と同一内容のものであります。
 以上が肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案の趣旨でありまして、何とぞ慎重御審議くださいましてすみやかに御可決されるようお願いする次第であります。
 次に、林業種苗法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 林業総生産の増大と林業の安定的発展をはかるためには、優良な林業種苗による造林を進めることが必須の要件でありますが、特に、最近においては国内林業生産の停滞と外材輸入の増大に対処して国内林業生産力の増強をはかることが強く要請されており、この一環、して優良な林業種苗による適正かつ円滑な造林の推進を確保することが急務となっております。
 また、現行法が昭和十四年に制定されましてからすでに三十年余を経過し、その間に林業種苗の生産、流通の状況、造林の実施状況その他林業種苗を取り巻く請事情は、著しい変化を見ているのであります。すなわち、林業種苗は産地の表示のないまま取引されるのが通例でありましたため、最近における造林地の奥地化、種苗流通圏の広域化等に伴い、産地の明らかでない苗木が遠隔の環境不適地に植栽され、あるいは不良な種苗が造林に供される等によって、少なからぬ地域において幼齢結実、樹木の成育不良、凍害の多発等の事態が発生しております。
 そこで、このような事態を防止する措置を緊急に講じ、優良な林業種苗の質量両面の供給を確保する必要がありますので、現行林業種苗法を全面的に改め、林業種苗についての優良な採取源の整備、生産事業者の登録、配布する種苗への産地の表示の義務づけ等の措置を内容とする林業種苗法の制定を行なうこととし、この法神案を提出した次第であります。
 以下この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。
 第一に、配布用の優良な種穂の採取に適する林分を指定採取源として整備し、その適切な保護管理をはかることとしております。
 第二に、種苗の生産事業者について、都道府県知事の登録を受けなければならないこととし、この登録は、都道府県知事による種苗の生産、流通等に関する講習会の受講を要件としております。
 第三に、生産事業者及び配布事業者は、配布する種苗にその産地その他必要な事項を表示しなければならないこととしております。
 第四に、都道府県知事による種穂の採取時期の指定及び不良な種穂の採取禁止、農林大臣による種苗の配布区域の指定並びに種苗の輸出入につき一定の事態が生ずる場合に政府が所要の措置を講ずべきことの規定を設けております。
 以上のほか、優良な種苗の供給の確保及び普及をはかるための国及び都通府県の監督、指導その他の援助について定めております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決いただますようお願いいたします。
 次に、国有林野の活用に関する法律案につきまして、その提案理由及び主要を内容薮御説明申し上げます。
 国有林野は、その面積においてわが国の森林面積の約三分の一、国土面積に対しても二割余を占め、国土の保全、林産物の需給及び価格の安定等に大きな役割りを果たすとともに、従来からも社会経済情勢の推移に即応して、地元住民の要請に応じた貸し付け、売り払い、部分林または共用林の設定等によって地元産業の振興と地元住民の福祉向上に寄与してまいったのであります。
 しかしながら、近年、わが国の目ざましい経済の発展の中で、農山村からの急速な労働力の流出が見られる等わが国の農林業はきわめてきびしい条件のもとに立たされることになり、ここに農林業の零細な経営規模を拡大する等その構造の改善と農山村地域の振興をはかるための施策を一そう強力に推進することが要請されるに至っております。
 このような要請にこたえるため、この際、国有林野の活用を積極的に推進することとし、このため林業基本法の規定の趣旨に従い、積極的に行なうべき国有林野の活用の内容を具体的に示すとともに、これらの活用を行なうに当たっての国の基本的態度を明らかにすること等により、国有林野の活用の適正円滑な実施の確保をはかることとした次第であります。
 以上がこの法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の主要な内容につきまして御説明いたします。
 第一は、農林大臣が国有林野の管理及び経営の事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ積極的に行なうべき国有林野の活用につきまして、その活用の種類等を明らかにしたことであります。すなわち、その一は農業構造の改善等のための国有林野の活用、その二は農業構造の改善等のために譲渡された土地の代替地に供するための国有林野の活用、その三は林業構造の改善のための国有林野の活用、その四は国有林野の所在する住民が共同して行なう造林、家畜の放牧等のための部分林または共用林野の設定のための国有林野の活用、その五は国有林野の所在する地域における公用、公共用または公益事業の用に供するための国有林野の活用、その六は山村振興計画に基づく事業の用に供するための国有林野の活用であります。
 第二は、農林大臣は、国有林野の活用につきまして、その推進のための方針、適地の選定方法その他活用の実施に関する基本的事項を定め、これを公表すべきこととしたことであります。
 第三は、農林大臣は、国有林野の活用の適正な実施をはかるため、活用の事務をすみやかに行なうとともに、活用に当たっては、その用途を指定する等その土地の利用が適正に行なわれるようにするための必要な措置を講ずべきこととし、特に売り払いをする場合には十年をその期間とする買い戻しの特約をつけなければならないこととしたことであります。
 第四は、農林業の構造改善のための国有林野の活用の円滑な実施をはかるため、そのような国有林野の活用として、土地等の売り払いをする場合には、二十五年以内の延納の特約をすることができることとしたことであります。
 第五は、国有林野の売り払い等による収入は予算で定めるところにより、森林経営の用に供することを相当とするものの買い入れ等に要する経費の財源に充てることとしたことであります。
 なお、この法律案は第五十八通常国会に提出し、第六十一通常国会において審議未了になりました国有林野の活用に関する法律案につき、同国会の衆議院農林水産委員会において行なわれた売り払いに際しつけるべき買い戻しの特約及び売り払い等による収入の使途に関する修正どおりの修正を施し、再度提案いたしたものであります。
 この法律案の提案理由及び主要な内容は、おおむね以上のとおりであります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#4
○草野委員長 芳賀貢君。
#5
○芳賀議員 ただいま議題となりました芳賀貢外六名提出にかかる国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を説明申し上げます。
 わが国の森林は、国土保全及び水資源の確保、国民の保健休養などの公益的機能を確保し、木材その他の林産物を持続的に供給する等、国民経済の発展、国民生活の安定をはかる上できわめて重要な使命をになっております。
 しかしながら、わが国の急峻な山岳地形と森林の乱伐から風水害は年々増加の傾向にあり、一方、社会経済の発展に伴い国民の飲料水及び工業用水等の需要の増大に対応して、水資源の確保をはかる森林の公益的機能の充実をはかることがますます必要となってきております。
 また、木材の需要は、いわゆる高度成長のもとで薪炭需要の決定的な没落はありましたが、住宅産業及び紙パルプ産業の異常な拡大発展につれて昭和三十五年の五千七百万立方メートルから四十五年推定一億立方メートルへと飛躍的に増大しております。他方、国内生産はここ十年、五千万立方メートル前後で低迷し続け、昭和四十三年以降五千万立方メートルを大きく割り、停滞から減少への傾向を一段と強めております。このような供給不足から外国からの木材輸入は年々増大し、外材の国内需要に占める比率は昭和三十五年の一四%から四十五年には五二%となり、輸入材の総量は三十五年の七百五十万から四十五年は五千二百万立方メートルと推定されております。わが国は、国土総面積の六八%、二千五百二十万ヘクタールの森林を持つ世界でも有数の森林国でありながら、この日本が今日、世界第一位の木材輸入国に転落したのであります。しかも、四十三年の木材製品の輸出実績四百億円が示すように輸入木材のほとんどが国内消費のためのものであります。昭和四十三年の木材輸入金額四千四百億円が示すように急増する木材輸入は当然の帰結として国際収支の面に重大な影響をもたらすことは必至でありますし、最近の輸出国における丸太輸出制限に伴う製材加工品の輸入増は、中小零細企業の多いわが国木材加工産業に大きな脅威をもたらしておることも見のがすことはできません。
 以上のような国内生産停滞、減少の要因は大山林所有者を中心とする財産保持的な切り惜しみ、林道の未整備、労働力不足もありますが、何といってもわが国森林資源の決定的な不足によるものであります。戦時・戦後から今日にかけての生長量を度外親した乱伐と造林不足が今日の資源不足をもたらしたものであります。人工林率三三%がそのことを端的に示しております。
 森林は、いまさら言うまでもなくことし植えたら来年切れるというものではなく、投下資本の回収まで少なくとも四十年、五十年という長年月を要するものであります。それだけに長期の見通しの上に立った林業政策の展開が必要になるのであります。
 政府が四十一年四月、閣議決定の上発表された「木材需給の長期見通し」が昭和九十年までの五十年間を見通した長期計画を策定したゆえんもここにあったものと思います。この長期計画は、国が本腰を入れた林政を展開し、二千五百万ヘクタールの森林の高度利用をはかるとすれば、今後の木材需要が五〇%近く伸びても十分、国内生産によって充足できることを明らかにされております。
 しかるに、造林面積は、昭和三十六年をピークに年々減少を続け、特に民有林の造林の減少が目立ち、昭和三十六年の三十三万八千ヘクタールをピークに四十三年には二十六万五千ヘクタールへと大幅に落ち込み、計画との対比においても八一%となっているのであります。このような実態を見るとき、「木材需給の長期見通し」の自給率を高める前提となっております人工林面積千三百万ヘクタールの達成は不可能となることは明らかであります。
 このように、造林が進まない最大の原因は、林道の未整備及び労働力不足に加え、資金的余裕がないことであります。確かに、今日の国の造林施策は、補助造林制度、融資制度による助成の措置がとられておりますが、市町村自治体や小面積所有林家は、苗木代にも満たない補助金や資金の融資を受けても利子の支払い及び伐採前償還は資金力の面から自力造林はきわめて困難な実態に置かれておるのであります。
 このようなわが国林業の現状に対処し、森林生産力の増強と地域の振興並びに国土保全等の公益的機能の確保に資するため、国有林野事業の技術、労働力及び資金を活用して民有林野に対する国営分収造林の制度を創設することによって、十五年間に百万ヘクタールを目標として国営分収造林を実施するため、この法律案を提出した次第であります。以下この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一は、国営分収造林計画に関する規定であります。
 民有林野の造林は、林業基本法第十条に規定する森林資源に関する基本計画及び森林法第四条に規定する全国森林計画等によって計画されておりますが、これをさらに強力に推進するため、農林大臣はこの全国森林計画に即して、明年度以降十五年間に実施すべき国営分収造林契約に基づいて行なう国営分収造林計画を立てなければならないことといたしております。
 この計画におきましては、国営分収造林契約に基づいて行なう造林の目標及び造林の事業の量について定め、農林大臣はこの計画を立てようとするとき中央森林審議会の意見を聞かなければならないこととしております。
 第二は、造林実施地域に関する規定であります。
 農林大臣は、関係都道府県知事の申請に基づき、中央森林審議会の意見を聞いて自然的経済的社会的制約によって造林が十分に行なわれておらず、またすみやかに造林を行なうことが必要であると認められる地域を造林実施地域として指定することができ、さらに、知事がこの申請をしようとするとき等はあらかじめ都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聞かなければならないことといたしております。
 第三は、国営分収造林契約の締結についての規定であります。
 まず、農林大臣は、造林実施地域内に存する民有林野であって、一定の理由によりみずから造林を行なうことも、分収造林特別措置法に規定する分収造林契約によって造林を行なうことも困難である一定面積以上のものについて、その所有者から申し出があったときは、当該所有者を相手方として国営分収造林契約を締結することができることとしております。この場合市町村有林等地方公共団体が所有するものにあっては、国営分収造林を推進するため要件を大幅に緩和し、一定面積以上のものについて国営分収造林契約を締結することができるとしております。また、小面積の所有者に対しても国が国営分収造林契約を締結できる道を開くため、共同して申し出をした場合の契約をすることができる要件を定めております。さらに、国営分収造林契約の内容等の規定を設けておりますが、特に収益の分収割合はそれぞれ十分の五を標準とすることにしております。
 第四は、国営分収造林契約にかかる造林事業に関する費用についてであります。
 国有林野率業特別会計の性格及び財務事情を考慮し、政府は、国営分収造林契約にかかる造林事業の業務の執行に要する経費を、毎会計年度、予算で定めるところにより、一般会計から国有林野特別会計の国有林野事業勘定に繰り入れるものとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#6
○草野委員長 引き続き内閣提出、三法律案について補足説明を聴取いたします。遠藤農政局参事官。
#7
○遠藤説明員 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして若干補足して御説明申し上げます。
 肥料価格安定等臨時措置法は、臨時肥料需給安定法及び硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法のいわゆる肥料二法廃止後の措置といたしまして、内需の優先確保、国内価格の安定及び輸出体制の一元化を骨子として定められた法律であります。第一の内需優先確保の措置といたしましては、国内需給上混乱が生じないよう需給見通しに基づき輸出を規制することとし、国内農業者に不安を与えないよういたしているのであります。第二の肥料の国内価格の安定をはかるための措置といたしましては、肥料の生産業者と販売業者との間の自主的な価格取りきめが実施されておりますが、政府はこの取りきめに必要な資料を交付すること等によって価格取りきめが円滑に行なわれるよう措置いたしております。第三に、肥料の輸出体制の一元化をはかる措置といたしましては、日本硫安輸出株式会社に硫安の輸出を一元化に行なわせることとしているのであります。
 肥料価格安定等臨時措置法は、昭和三十九年に制定されて以来、おおむね所期の効果をあげてまいりました。
 この法律に基づき生産業者と販売業者の間で取りきめられた硫安価格につきましては、農業者の強い要望と生産業者の合理化努力が反映して五カ年間に相当の値下げが行なわれたのであります。
 一方、肥料需給につきましては、需給見通しの適切な運用により、需給上何ら問題なく推移し、国内需要への安定的供給と輸出の振興に寄与してきたところであります。
 この法律は、昭和四十四年七月末日までに廃止するものとされておりますが、最近における農業及び肥料工業の実情にかんがみ、なお、存続する必要があるものと考えられます。
 まず、農業側の事情といたしましては、総合農政を推進し、農産物の価格安定、農業所得の確保等をはかろうとしております現在、主要生産資材としての肥料の価格安定措置を継続する必要が従来にも増して高まってきていると考えられるのであります。
 輸出面の事情といたしましては、最近における国際競争の激化があげられます。すなわち、西欧の窒素肥料輸出カルテルの輸出攻勢から国際市場における輸出価格は次第に低下し、わが国もこれに対抗するためやむなく追随しているのでありますが、国際価格は、世界的な設備大型化の進展と相まってしばらくの間変動するものと考えられ、わが国においてもこれに対処して、現在設備大型化を推進しつつあるところであります。このような状況のもとでは国内価格の安定とあわせて輸出体制の一元化をはかる措置の継続が強く望まれるのであります。
 以上のような諸情勢下にあっては、まず国内需要と輸出の摩擦を調整して、肥料の時期的地域的需給の円滑化をはかり、さらに、国内価格の安定をはかることによって農家経済の改善と肥料工業の合理化を円滑に遂行し、また、輸出競争の激化に対応して輸出体制の一元化をはかる等の諸措置が引き続き必要と認められるところであります。したがいまして、昭和四十四年七月末日までに廃止するものとされておりますその期限を五年間延長することとした次第であります。
 なお、本法案は第六十一回国会に提出いたしました肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案と同一内容のものでありますが、肥料価格安定等臨時措置法を廃止すべき期限はすでに経過しており、現在暫定的な運用を行なっているところでありますので、肥料の価格安定、肥料の輸出調整等同法による諸措置の適正かつ円滑な実施を確保するためには、この法案の早期成立が待たれているところであります。
 以上をもちまして、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案についての補足説明を終わります。
#8
○草野委員長 松本林野庁長官。
#9
○松本(守)政府委員 林業種苗法案提案理由の補足説明を申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容について補足して御説明申し上げます。
 まず、第三条から第九条までの規定においては、優良な苗木の供給に不可欠な優良な種穂の採取に適する林分を指定し、その適切な保護管理をはかるため、指定採取源の制度について規定しております。
 すなわち、都通府県知事は、森林計画及び森林現況等を参酌して優良な配布用種穂の採取に適する林分を、育種により育成されたものは育種母樹林として、その他のものは普通母樹林として指定することができることとし、これらの樹木を所有者等が伐採するときは都道府県知事に届け出なければならないこととしております。また、農林大臣は、育種母樹林等の確保または改良に供される特に優良な種穂の採取に適する林分を特別母樹林として指定することができることとし、これらの樹木は原則として伐採を禁止するとともに所要の補償を行なうこととしております。
 次に、第十条から第十七条までの規定におきましては、種苗の生産事業者の登録制度及び配布事業者の届け出について規定しております。
 まず、種苗の生産事業の適切な運営を確保し、あわせて指定採取源制度及び種苗の産地表示制度の実効を期するため、種苗の生産事業者の登録制度を設けることとしております。すなわち、生産事業者は、その事業に関し都道府県知事の登録を受けなければならないこととし、この登録は、都道府県知事が種苗の生産、流通等に関し必要な知識を修得させることを目的として行なう講習会の課程を修了した者またはその者を従業者として置く者について行なうこととしております。なお、生産事業者がこの法律の規定に違反したとき等には、登録を取り消すことができることとしております。
 また、種苗の配布事業者については、その事業に関し必要な事項を都道府県知事に届け出なければならないこととしております。
 次に、第十八条から第二十一条までの規定においては、種苗の産地等の表示及び行政庁による証明制度を規定しております。
 表示の制度としましては、産地の明らかでない種苗の環境不適地への植栽を防止し、種苗が有する環境適応性等にふさわしい造林地への使用を確保するため、生産事業者は種苗を配布するときは、種苗の採取または育成の場所及びそれが指定採取源であるときはその旨その他一定事項を当該種苗に表示しなければならないこととしております。配布事業者が種苗の包装等を変更して配布するとき等にも、同様の表示をしなければならないこととしております。証明制度としましては、農林大臣または都道府県知事は、種穂が指定採取源から採取されたものであることまたは苗木が指定採取源から採取された種穂から育成されたものであることを一定の方法により証明することができることとしております。
 次に、第二十二条から第二十五条までの規定におきましては、種苗の採取、配布等に関する一定の制限等を規定しております。
 第一に、種苗の生産事業者は、指定採取源から種穂を採取するようにつとめなければならないこととしております。
 第二に、都道府県知事は、種穂を採取すべき時期を指定し、または不良な種穂が採取されるおそれのある林分からの採取を禁止することができることとしております。
 第三に、農林大臣は、一定区域において採取、育成される種苗についておおむねその樹木としての生育に適すると認められる区域を配布区域として指定することができることとし、生産事業者等は、原則として配布区域以外を受け取り地として種苗を配布してはならないこととしております。
 第四に、政府は、外国産の劣悪な種苗が輸入されることにより国内における造林の推進に著しい支障が生ずる場合または種苗の供給量がその需要量に比し著しく不足する場合において必要があるときは、種苗の輸入または輸出に関し、相当と認められる措置を講ずるものとすることと規定しております。
 以上のほか、農林大臣または都道府県知事による報告の徴収、立ち入り検査、監督処分等の規定を設けることとしており、あわせて優良な種苗の供給の確保及び普及をはかるため、国及び都道府県が森林所有者、生産事業者及びこれらの者の組織する団体に対し、助言、指導その他の援助を行なうようにつとめるものとすることと規定しております。
 以上をもちまして、本法案についての補足説明を終わります。
 引き続きまして、国有林野の活用に関する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容を御説明申し上げます。
 第一は、この法律の目的で、第一条に規定してあります。先に提案理由でも申し述べましたように、この法律は、林業基本法第四条の規定の趣旨に即し、国有林野の所在する地域における農林業の構造改善その他産業の振興または住民の福祉の向上のための国有林野の活用につきまして、国の基本的態度を明らかにすること等により、その適正かつ円滑な実施の確保をはかることを目的とすることとしております。
 なお、第二条におきましては、この法案において用いる「国有林野の活用」、「農林業の構造改善」等の用語の定義を規定しております。
 第二は、この法律の目的達成のため、農林大臣は国有林野の管理及び経営の事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ、国有林野の活用を積極的に行なうこととし、これを第三条に規定しております。
 まず、積極的に行なうべき活用の種類を次の六つに分けて規定しております。すなわち、
 その一は、農業構造の改善の計画的推進等のための農用地の造成の事業の用に供することを目的とする国有林野の活用であります。
 その二は、この農用地の造成の事業の用に供するために譲渡された土地の代替地として林業経営の用に供することを目的とする国有林野の活用であります。
 その三は、林業構造の改善の計画的推進のための小規模林業経営の規模の拡大その他林業経常の近代化の事業の用に供することを目的とする国有林野の活用であります。
 その四は、国有林野の所在する地域において、その住民等が共同して行なう造林、家畜の放牧等のための部分林または共用林野に供することを目的とする国有林野の活用であります。
 その五は、国有林野の所在する地域において、公用、公共用または公益事業の用に供する施設に関する事業の用に供することを目的とする国有林野の活用であります。
 その六は、これらの活用のほか、山村振興計画に基づく事業の用に供することを目的とする国有林野の活用であります。
 次に、国有林野の活用は、その国有林野の位置その他の自然的経済的諸条件から見て合理的なものであるとともに、その国有林野の所在する地域の経済的または社会的実情を考慮し、かつ、その地域の住民の意向を尊重したものでなければならない旨を規定いたしております。
 第三は、国有林野の活用に関する基本的事項の決定及び公表で第四条の規定であります。すなわち、農林大臣は、国有林野の活用につき、その推進のための方針、適地の選定方法その他活用の実施に関する基本的事項を定め、これを公表しなければならないこととしております。
 第四は、国有林野の活用の適正な実施のための措置で第五条の規定であります。すなわち、農林大臣は、国有林野の活用を受けたい旨の申出があったときは、現地調査を行なって、すみやかに活用の適否を決定するとともに、活用を行なうにあたっては、用途の指定をする等その土地の利用が適正に行なわれるようにするための必要な措置を講じなければならないこととしております。
 また、特に売り払いをする場合には、十年をその期間とする買い戻しの特約をつけなければならないこととし、指定された用途に供されなかったとき等には、その買い戻し権を行使することができることとしております。
 第五は、国有林野の活用を受けた者の義務についての第六条の規定でありまして、国有林野の活用を受けた者は、活用の目的に従って、その土地の利用を適正に行なうとともに、その利用の増進につとめなければならないこととしております。
 第六は、以上による国有林野の活用の円滑な実施をはかるため、農林大臣は、第二に述べました国有林野の活用で農林業の構造改善の用に供することを目的とするものに該当する土地の売り払い、またはその活用に伴う立木竹の売り払いをする場合には、二十五年以内の延納の特約をすることができることとしております。
 第七は、第二に述べました国有林野の活用により行なう国有林野の交換、売り払い、所管がえまたは所属がえによる収入は、予算で定めるところにより、次の四つの経費に充てることとしております。すなわち、
 その一は、森林経営の用に供することが適当な民有林野で国有林野とあわせて経営することを相当とするものの買い入れに要する経費であります。
 その二は、国土の保全上必要な民有林野で国有林野とあわせて経営することを相当とするものの買い入れに要する経費であります。
 その三は、その一またはその二の民有林野を交換することにより取得する場合における交換に要する経費であります。
 その四は、その一からその三までの買い入れ、または交換により取得した森林原野にかかる林道の開設その他林業生産基盤の整備に要する経費であります。
 以上をもちまして、本法案についての補足説明を終わらせていただきます。
#10
○草野委員長 以上で説明は終わりました。
#11
○草野委員長 引き続き、いずれも内閣提出、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案及び林業種苗法案の両案を議題として質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので順次これを許します。角屋堅次郎君。
#12
○角屋委員 私は、ただいま提案になりました肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案並びに林業種苗法案の二法案につきまして一括御質問を申し上げたいと思います。
 まず最初に、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案から質問を申し上げます。
 御承知のとおり、肥料というのはわが国の農政上、特に農業経営上非常に重大な要素を持つものでありまして、関係法律としては、御承知の昭和二十九年に肥料二法が制定をされましたが、これが昭和三十九年の七月末で失効いたしまして、そのあとを受けて、三十九年から現行の肥料価格安定等臨時措置法が生まれたわけであります。これが第六十一国会で、四十四年七月末に廃止さるべき法案の五年間延長が廃案になりまして今次国会に再提案されたことは御承知のとおりであります。
 そこで、まず今回のこの五年の延長問題とからんで、肥料価格安定等臨時措置法の延長のいわばメリットというものをどういうように判断をされておるかという点を、まず簡潔にお答えを願いたいと思います。
#13
○渡辺政府委員 メリットはどうかというようなご質問でありますが、今回、農業面におきましては、ご承知のとおり総合農政の推通ということをやっておるわけであります。したがって、この中で農業者所得の増大をはかっていくためには、もちろん生産性の高い基盤整備その他の事業をやりますが、それと同時に、資材の中で大きな割合を占める肥料の価格安定ということが大切であります。と同時に、また国内の肥料の需要というものをどうしても優先的に確保するということが必要であります。
 そういうような点から、この法律案はさきに提案理由並びに補足説明で申し上げましたように、それらの事業の確保、価格の安定ということのためにいろいろな措置を講ずることになっておるわけであります。現在の肥料の価格は団体交渉によって需給両方できめるわけでありますが、それに対して政府が資料を提出をする等、いままでの実績を見てきましても、きわめてスムーズに適当なところできめられておるという実情であります。一方輸出というものが、過剰生産というような状態からどうしても輸出をしなければならぬ。ところが、この輸出は日本の肥料の六割になんなんとする、こういうような段階で各会社がそれぞれかってに過当競争をやるというようなことになって、その大幅な赤字というものが国内にしわ寄せをされるというようなことになっては困るわけであります。したがって、肥料業界を守っていくためにも、また輸出の出血というものが国内にしわ寄せされないためにも、これらに対して政府は何らかの形でこれを指導していかなければならない。そのために輸出の一元化というようなことをやっておるわけであります。また、いろいろな価格の決定等にあたりましては、政府は低位なコスト、これを実現させるために肥料会社のいろいろな内容について資料提供を求め、あるいは検査をし、いろいろな措置をやっております。今後とも日本の肥料というものが大型化をして、しかも輸出能力も相当つき、国際競争力もいまよりも一段とつくというときまでは、こういうようなことがぜひとも必要である。このめどというものが昭和四十六年度末に一応第二次大型化計画というものが考えられておるわけでございますけれども、しかし、一応計画ができましても、現実にそれが軌道に乗っていくというのにはまだ数年を必要とするのであろう、こういうようなことをあわせ考えますと、おおよそいまから五年程度やはり特別措置法というものを延長していくことが時宜を得たものではなかろうか、こういうようなことで五カ年間延長するというようにしたわけでございます。
#14
○角屋委員 要するにいま渡辺政務次官からお話しの点は、本法制定の当初において、いわば本法制定の柱ともいうべき内需の優先確保、さらに農民に対する国内価格の低位安定、さらにはいま御説明にもありましたように、海外に対する輸出体制の一元化、いわばこの三つを柱として肥料二法のあとを受け継いで本法が制定された現状から見まして、さらにこの三つの点については本法の延長を通じてこの三つの柱の確保をやる必要が内外情勢からある。したがって、五カ年間の延長を要請いたしたいということであろうと思うのであります。われわれも全体的な情勢から見て、本法の五カ年延長ということの必要性については認めておるわけでありまして、その点については基本的には賛成でございます。
 この際、輸出体制の一元化と関連をする海外市況の問題から簡潔にお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。
 農林省、通産省共同の資料をいただいておる点から申しましても、いわゆる海外に対するわが国の肥料輸出の状況を見ますと、昭和四十一肥料年度におきまして硫安、尿素関係で三百九十六万二千トン、塩安、高度化成その他を含めまして、全体として四百四十一万七千トン、四十二肥料年度におきましてはこれが五百万七千トン、さらに四十三肥料年度におきましては、これがインド等の関係で少しく落ちまして四百二十六万三千トン、四十四年度においては、数字は資料としては出ておりませんけれども、要するに国内と輸出の関係においては、大体六対四というふうな比率で海外に輸出が出ていっておる、こういうふうに承知をしておるわけであります。特にこの輸出先を見ますと、資料にもありますようにお隣の中国が大のお得意先でありまして、そのほかにインド、パキスタン、インドネシア等を含む東南アジア地域が大半を占めておるという状況にございます。
    〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
 そこで、この際、大体海外の輸出向けの相手国というところの今後の輸出の増大の傾向というものをどういうふうに判断をしておられるか。言うまでもなく、たとえばお隣の韓国とかあるいは台湾とかいうところでは、プラント等の輸出に伴いまして自国で自給体制を拡大をしょう、まかり間違えば若干輸出にお振り向けられるという情勢が出ておるわけであります。東南アジアにおいてもそういう努力を関係国においてもいたしておるし、またこれからもいたそうという形勢もございます。そういう状態の中で、後ほどお尋ねしますけれども、四十年から第一次の大型化計画、さらに四十三年から第二次の大型化計画ということで、先ほど御説明のように四十六年に大体大型化計画を終わって、これは国内にも海外輸出市場にもひとつ大いに肥料工業界としてはがんばっていこうということでございますが、そういう国内の肥料業界の体制に対して、輸出市場の関係をどういうふうに判断をされておるかという点をひとつお話を願いたいと思います。
#15
○山下政府委員 肥料の輸出先はおっしゃるとおり中国がまず第一でございますが、中国の肥料の需要は、御承知のように潜在的には非常に大きいものと思っております。
 お尋ねの自給能力でございますが、私どもが入手しております情報では、現在中国が使っておる肥料の四割内外は自給力があるものと想定しております。しかしなお残りのものにつきましては諸外国から輸入しておりますので、日本も毎年肥料輸出について交渉いたしまして、ヨーロッパとの競争で日本品の輸出を促進しております。スエズ運河の関係でございますので、地理的には非常に有利でございますが、実際の商談におきましては、その年その年でいろいろな困難かつデリケートな問題もございますが、長期かつ潜在的にはなお中国市場に対する肥料輸出は続くものと思っております。
 残りの東南アジア市場、インド、パキスタンでございますが、これはかつて日本側からの借款によりまして肥料が一時出たこともございますが、かつまた近年は日本から尿素プラントその他の肥料施設の輸出もいたしております。しかしながら、これも潜在需要は相当にございまして、むしろ昨今の問題は、先方が借款で肥料を指定してくれるかどうか、ほかのものより優先買ってくれるかどうか、こういう問題が現実問題でございます。フィリピンその他にも出しておりますが、現在私どもが努力しておりますのは、従来よりも一そう各国の地域開発に協力いたしまして、その国々にあります買い入れ資金、流通機構及び農業技術の問題を同時に解決しながら、じみに、日本肥料になじみかつ買っていってもらう施策が一番大切ではないか、こう考えております。総じまして、私どもは、長期といいますか五年ぐらいの計画では、なお毎年平均して一五%ぐらいずつの輸出増加をしていきたい、こういう目標でおります。
#16
○角屋委員 国際競争の中でわが国が大型化計画を推進することによって、最近では国際競争力を相当に持っておる。資料を見ましても、そういう関係で従来の国内の需要と輸出の関係の比率が逆転をしてまいりました。おそらく、四十六肥料年度の場合においては、これはまあ単なるプランでありますけれども、輸出が七割、そして国内の需要が三割というふうに大きく比重を変えてくるのであろうというふうに見られておるわけであります。
 そこで、国際市場の東南アジアあるいは中国との関係においては、数年前にヨーロッパのニトレックス加盟諸国が中国に非常に安い肥料の値段でもってニトレックス旋風というものを巻き起こすというふうな経緯等もございまして、国際的な競争の点では、内外ともに非常にきびしいものが予測をされるということがいわれておるわけであります。昭和四十六肥料年度の需給見通しとしていわれております内容を見ますというと、いわゆる輸出の関係において七百五十四万トン、国内の関係においては硫安換算で三百八十二万トン、これを締めまして千百三十六万トンになります。さらにアンモニアの工業用の三百六十二万トンを含めますと千四百九十八万トンということになるわけでありますけれども、この工業用のものを除いて考えてまいりますと、とにかく輸出肥料向けというのは約七割、七百五十万トンを想定をしておる。この七百五十万トンの想定というものは、いま着々合理化が進められておる点から見れば、当然需給の関係ではこれを遂行していかなければならぬ。この七百五十万トンの四十六肥料年度の輸出というものがはたして十分こなせるのかどうか。一体どこを予定をしてそういうものをはけると考えるかということが今後の非常に重要な問題であります。特に中国との関係におきましては、先ほどの覚書貿易の経緯あるいは最近の国会の論議というものから見ましても、政治的に非常にシビアな点が予測されておりますし、また肥料業界に対する中共側からの周四原則の強い要請等々も出ておることは御承知のとおりでありますし、東南アジアにおけるところの今後の市場の見通しというものからいたしますと、先ほどもちょっと触れましたけれども、いわゆる政府自身が考えております開発途上国に対する経済援助というふうなものとタイアップをして、肥料に限りませんけれども、こういう方面の輸出の伸展をはかろうという姿勢ではないかと思うのでありますが、従来東南アジアに対する肥料の輸出についての円借款その他、そういうものを含めた手法については、どういうふうに運営をしてきているかという点についてもお話しを願いたいと思います。
#17
○山下政府委員 一つは相手国が外貨不足等によりまして、せっかく日本が借款をいたしましてもリファイナンス等に優先使う、またその田の再建計画のための機械プラント等に優先使う。そのためにインド、インドネシア等の例をとりましても、毎年日本がそれらの国に供与いたします借款の中で消費財を購入するワクは、近年きわめて窮屈になっております。その上でさらに肥料を買ってほしいという要望が、先方の国としてなかなか言いにくい事情でございます。私どもとしては、御指摘のとおりに肥料輸出に重点を置く観点から、今後とも農業生産に役立つ肥料を借款に加えたい、こう思っております。
 第二には、しかしながら借款に限らず、普通のコマーシャルな輸出金融、保険等はもちろん政府が助成いたしますが、そういう輸出で少しずつでも伸ばせないか、そのためには各国の、しかも国というよりも国の中の地域地域の農業事情、風土等に合わせて総合的に協力しまして、その地域の作物、風土、配給機構、また金融、そういうものを含めて協力をしながらコマーシャルで肥料を売っていくようにしたい。これが現在の東南アジア諸国に対する私どもの重点施策だ、こう考えております。
#18
○角屋委員 先ほどの質問のすべてについてお答えがあったと思いませんけれども、時間の関係で進めていかなければなりませんので、話を進めますが、いずれにしても肥料の合理化に伴いまして相当な生産力を持つ、またこれから持つわけでありますけれども、たとえば国内需要の関係を見ましても、最近の米の生産調整というふうなことが一ありまして、従来伸びてきておる大体年率三%の伸びというものが、ここ数年はたしてどうなるのかということになれば、これはやはり場合によっては国内においては需要減、若干の減ということも必ずしもきびしい観測とは蓄えなかろうと思いますし、また国際的な面においては、中国の関係が、政治的なことが、非常にこれからのいわゆる政府の対中国政策というものがからんでまいりまして、現実に海外輸出の約半分を中国が占めておるという現状から見て、これもやはり一つの問題点でありますし、同時に東南アジアについても、相手側としてはいわゆる輸入のための外貨というものを豊富に持っていない、そういうものを考えながら、どういう輸出を進めるか、また国際的な競争もあるということでありますし、先ほど言いましたニトレックスの加入諸国のニトレックス旋風に限らず、韓国、台湾あるいはフィリピンその他各国ともに開発途上国といえども、自国の需要についてはできるだけ自国でまかなおうという体制等もあって、なかなかこれもきびしい情勢が予想される。一つ需要の関係では、工業用アンモニアが今日大体年率一五%以上の伸びを示しておると思うのですが、この点については今後の需要をどういうふうに判断しておるか、簡潔にお答えを願いたいと思うのです。
#19
○山下政府委員 第二次合理化設備で大型化いたしましたのけ、御指摘のとおり工業用アンモニアの今後の増加を主眼といたしております。私どももいまの御指摘の一五%程度の年率の伸びを予想しております。
 この機を利用してちょっと訂正させていただきますが、私先ほど肥料輸出の年率の伸びを将来五年にわたって一五%と申し上げましたが、八%に訂正させていただきます。いまのアンモニアの数字と混同いたしました。
#20
○角屋委員 この際、昭和四十年から始凍りました第一次アンモニア大型化計画、これを四十二年で終わりまして、さらに四十三年から第二次アンモニア合理化計画というのを千トンプラントということで推進をしておるわけでありますが、この合理化計画あるいは大型化計画に関連をいたしまして、政府としてのいわゆる融資の面あるいはまた税制上の面で合理化計画に対してどういう手を打ってこられたか、簡潔に御説明を願いたいと思います。
#21
○山下政府委員 一つは融資でございますが、開発銀行から合理化計画に沿った大型化の施設には七・五%の特利で融資をいたしております。融資比率がございますが……。それからもう一つ、北東公庫、この資金も割愛して肥料工場に融資しております。
 第二点は税制でございますが、税制は、新設備をつくられるかたわら旧設備をスクラップしてもらっておりますが、そのスクラップいたします際に、そのスクラップの、廃棄する施設の一定額を所得税から控除して差しつかえないという制度をつくっております。これはことしの税制で一応原則廃止となりましたが、なお経過期間二年アンモニア工業には適用する方針でございます。
 もう一つ税制上でございますが、新しくつくりました設備の償却を促進して、四分の一初年度償却を実施しております。
#22
○角屋委員 いま第一次アンモニア大型化計画なりあるいは第二次の計画についての融資あるいは税制上の問題について触れられましたが、ここでは農政サイドから見て問題になるのは、この大型化計画の工場というのは、おおむね太平洋沿岸地帯にほとんど集中をしておるというふうなことから、いわゆる北海道なり東北なりあるいは北陸、信越なりという、いわば農政上から見ると、肥料関係では相当大きな需要を持っておる地帯というふうなところとの関連において、適期適切に、必要な時期に肥料が配布をされていくかどうかということが従来から指摘をされておるわけであります。いまから合理化計画でやられたものを変えるというわけにいきませんけれども、その辺のところについての農政上の手当てというもの、ことに海外に半数以上のものが出るということになりますと、国内需要の優先確保という問題が今後一そうやはりからまる可能性も私は考えられると思うのですけれども、そういう問題も含めて、農政上具体的にはどういう手を打って支障のないようにしていくのかという点をひとつ御説明願いたいと思います。
#23
○渡辺政府委員 非常に大型化することによって、工場の数が少なくなるということは当然でございますけれども、少なくなっても、それによってコストがさらにダウンされる、合理化が進んでコストがダウンされる、そのメリットのほうが運賃の増高ということよりもふえるだろう、こういうように考えておるものですから、工場が整理されることによって特に肥料が高くなるというようには考えておりません。
#24
○角屋委員 私が言ったのを政務次官は問題を的確にとらえていないのです。私は価格の点で言っているのじゃないのです。要するにスケールメリットによってコストダウンするあるいは肥料にそれがプラスになってはね返る、したがって本法の施行以降においてもある程度の値下げが双方の間でなされてきておるという経緯は知っておるわけであります。問題はそういうことじゃなしに、適期適切に必要なものが、それぞれの肥料の必要の地域に配布されていくかどうかという問題を触れておるのであります。従来から積雪地帯とかいろいろな地帯では、地帯的に滞貨その他があったりして問題になった経緯もあるわけです。そういう問題について農政上どういうふうに配慮していくつもりであるかということを聞いているのであります。
#25
○遠藤説明員 お答えいたします。
 大型化によりまして、先生の御心配は、工場が太平洋岸側にアンモニアの大きな設備が集まってしまうではないかというお話であろうかと思いますが、一つは、現在化学肥料中におきまして、現在の三十一工場が二十五工場というふうに集まってしまいますけれども、それはアンモニアの製造でございますが、現在の肥料の消費の大きな部分はだんだん複合肥料になっておりまして、原料を買いまして複合肥料にいたします工場というのは依然としてかなり分散したままであるということが一つございます。
 それから肥料工業というものは、再編成されますので、先ほど政務次官からもちょっと御説明申し上げましたけれども、諸経費というものはかなり節減されるであろう、そういったメリットはあるであろう。そういったような点はありますが、御心配のとおり、かつてもそういうことがございましたが、時期的、地域的な過不足の問題等につきましては、いろいろ倉庫事情その他勘案をいたしまして、また輸送等も勘案いたしまして、私どもとしては、従前以上の指導をいたしますことによってそれほどの影響を与えないでといいますか、むしろ影響はなくて済むのではないかというふうに思っております。
#26
○角屋委員 いま日本の国内にはア系肥料の滞貨がある程度ふえておる。大体これを三カ月と見るか四カ月と見るかという在庫の問題もありますが、少なくとも三、四カ月の滞貨状態が出ておる。先ほど来の御質問の中でも若干申し上げましたように、いわゆる国内の需要というものが、最近の米の生産調整その他をめぐって大きく伸びを必ずしも期待できない。国際的な面では一番のお得意である中共との関係は今後ともにきびしい政治情勢というものがからまってくる。東南アジアについても、潜在需要はなるほど強いと中国も含めて考えてよかろうと思いますけれども、しかし肝心の外貨事情というものが開発途上国においては非常に劣悪であるというふうなことで、今後フル回転の状況になりますと、操業短縮ということがここ一、二年のうちに予想されるのではないかということも一部にいわれておるわけであります。現実に昭和四十六年の稼動率そのものについても、昭和四十三年のアンモニア工場の九五%が四十六年には八七%程度にスローダウンするというふうなこと等もいわれておりますが、滞貨あるいは今後の操業短縮等の問題についてはどういう判断をしておられるか、これをお伺いしておきたいと思います。
#27
○山下政府委員 肥料の滞貨は私どもも非常に関心を持っておりまして、現在のように輸出市場が、言うなれば不安定な要素が多うございますので、私どもは、この事情を可能な限り情報によって見通しを確実にしまして、いたずらに輸出市場を過大に考えて浦賀をつくるということは避けるように指導していきたい、こう考えております。
 御指摘第二点の操業度でございますが、これは千トンという大型アンモニアになりますと、従来のものと違いまして定期検査がございまして、一定期間工場をとめなければなりませんので、そういう技術的な点からくる操業度でございまして、私は需給のために特に八五%というような操業度低下を考えたわけではございませんので、この計画で進めていきたい。御指摘の設備が完成したときかつ輸出市場の見通しが悪いときにどうする気かということでございますが、これは私どもも十分注意をして、合理化によるコスト低減をしながら、しかも需給安定に力を尽くしていきたい、こう思っております。
#28
○角屋委員 さらにお尋ねをしたい一点は、御承知の三十七年十二月の時点で、当時の肥料工業の輸出にからむ情勢の悪化等もございまして、二百十五億円という赤字を生んだのでありますが、この赤字の問題の最近時における償却状況がどういうふうになっておるのか。私どもこの赤字の処理の点についてはすでに十九社のうちの十二社がすでに完了いたしまして、あといわゆる肥料にウエートを置いたそういう会社関係でなおかつある程度のものを残しておる、これはおそらく十年程度の償却期間々見てこれから取りくずしていくのではないかと思いますが、その間の最近の経緯について御説明願いたいと思う。
#29
○山下政府委員 三十七年末御指摘のように二百十五億円の赤字残高がございましたのが、その後年々償却いたしまして、現在本年初めの段階で次期繰り越し残高は、御指摘のとおり二十七億六千万円でございます。会社単位に申し上げますと、過半数は完済したわけでございますが、主として肥料専業の会社がなお未払い残として残っております。
#30
○角屋委員 今度の法律が成立をするということになりますと、特定肥料の中に新しく尿素を含める、こういう考えのように承知をしておるわけでありますが、新しく尿素を含めるということになりますと、従来の硫安の場合もそうでありますけれども、いわゆる法第二条第一項によるところの価格カルテル、こういう問題がひとつ関係してございますし、同時に政府の関係では、いわゆる肥料工業界とこの場合は全購連の取り扱いが非常に多いということで相手になりますけれども、この話し合いの中で、政府が勧奨、助言あるいは調停というふうなことを三条、四条に基づいてやる経緯になっておりますが、その場合に政府から資料提示をする。そこで尿素の場合は、尿素プロパーの産業というよりも、これは全体的にやっておる中で尿素ができてくるという問題もありまして、政府は提出するコスト関係の資料の作成にあたって、尿素の新しい資料を提示するというその方法論については、これからどういうふうにやろうとしておるのか、この点ひとつ御説明願いたいと思います。
#31
○遠藤説明員 尿素のコスト調査でございますが、コスト調査は現在硫安について行なっております。先生御指摘の条項でございますが、それに基づいてやっておりますが、硫安の生産業者に対して継続的に会計年度における実績、原価報告書を出させております。それに基づきまして農林、通産両省の係官が工場検査を行なうという方式をとっておりまして、またこの報告様式というものは、企業会計原則に準じました原価計算基準、それに基づきます硫安原価報告書作成規程というのでやっておるわけでございますが、尿素の場合につきましても、政令は、もし通過いたしますことになりますと、同様の方法をとりまして、尿素の生産者からの報告を求めまして、農林、通産両省の係官が工場立ち入り検査をやりまして、実態を確かめまして調査をいたすということになると思っております。
#32
○角屋委員 これは硫安の場合でも、農林、通産両省の協力で原価調査をする場合に、合成硫安というふうな場合と回収硫安なり、あるいは副生硫安という場合では、価格の把握について難易があるわけですね。これは尿素の場合も同様だと思う。具体的に原価調査をする場合に、どういうやり方をやられるわけですか、もう少し御説明を願いたい。
#33
○中沢説明員 先ほど、遠藤参事官が御説明申し上げました中にございますように、農林、通産両省といたしまして、企業会計原則に準拠いたしまして定めたところの硫安原価報告書作成規程に基づきまして、報告書を作成していただいておりますし、また、これに基づきまして、検査の場合、チェックしているわけでございます。
 その内容を具体的に申し上げますと、アンモニア、硫酸等につきまして、その製造部門が、個別に消費されまして、明確につかみ得ますところの費用につきましては、部門別に個々に発生額を把握しているわけでございます。それから、アンモニア、硫酸等と同様に、把握し得ない部分がございます。たとえば、発電部門だとか用水部門というような部門がございまして、こういう部門は御承知のように、工場全体で消費されるわけでございますが、これらの消費量が他の部門と区別して把握されます分につきましては、それぞれ個別の基準に従いまして消費量を配賦するわけでございますが、このほか、共通建物償却費とかあるいは賃借料、修繕料等のいわゆる部門の共通費でございますが、これは受益の程度に応じまして、面積比なり工場等によって配分しているわけでございます。しかし、なおかつ、こういった方法によりましては把握し得ない、たとえば一般管理費等の配賦の問題があるわけでございますが、これらは、ほかに適当な基準がございませんので、売り上げ高比率によって配分する、こういうふうにいたしておるわけでございます。
 こういうふうな方法で配賦なり把握しているわけでございますが、御指摘のように、その製造工程が、各ほかの部門と関連いたしまして、多角化しておる関係上、こういう基準は持つものの、できるだけ正確に把握するために、過去との関連を正確に追うことによって、その辺の正確さをできるだけはかっていきたい、こういうふうにしているわけでございます。
#34
○角屋委員 これからのいわば輸出主導型の肥料工事 そういう性格を持った中で、これから五年間、本法を延長する。農政は非常に低迷の状況にある。また、国際市場の関係は、輸出主導型と申しましても、なかなかそう甘い情勢にはない。そこで、そういう情勢の中で、国内の価格の低位安定という問題について、現実に進められておる合理化メリットの還元が適確になされるかどうかということがやはり一つの問題点であります。同時に、従来から、これは肥料問題になりますと常に出てくるのは、国内価格と輸出価格との関係において、輸出の情勢がきびしくなる、国際市場の競争のために輸出価格を相当下げなければならぬ、その赤字を、日本の国内の農民に転嫁するのじゃないかという問題等もいろいろ言われるわけでありまして、これは現実に進められておるスケールメリットの恩典というものを国内価格の低位安定というところに具体的にどういう方針でどう持っていこうというのか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。
#35
○遠藤説明員 輸出価格と国内価格につきまして問題がございまして、輸出価格が国内に転嫁されないか、大型化のメリットがいかように国内に反映されるかという点でございますが、それがこの法律延長をお願いいたしておりますゆえんでもあるわけでございますが、一つは、大型化のメリットというようなものが国内の価格に反映いたしますように、それでやりましたものにつきまして、やはり従来の方法によりまして、生産業者、販売業者両者閥の価格の取りきめというものをやりますし、それからまた、一方におきましては、内需というものの確保、国内価格の安定措置というものを依然として続けますので、そういった大型化のメリットというものが、私どもの指導によりまして、国内価格にはね返ってくるということを期待しておるわけでございまして、この法律の延長によりましてそれが確保できるものと思っておるわけでございます。
#36
○角屋委員 いまの説明では必ずしも満足をいたしませんが、先ほど触れましたいわゆる大型化計画というものの推進過程においては、当然やはりスクラップ・アンド・ビルドの計画の推進に伴って廃止されていく工場あるいは改変されていく工場の中で、労働問題に対する配慮というものが出てくるわけですね。これは従来、その処理をどういうふうにやり、現実に合理化計画の進められておるこれらの問題について、行政官庁としてどういう手を打たれていこうとするのか、この辺についても簡潔にひとつ御説明を願いたいと思います。
#37
○山下政府委員 第二次合理化計画で通産省が設備調整を引き受けましたが、その当初から、大型化いたします諸条件の一つといたしまして、旧設備をスクラップすることによって起こります人員の配置転換については、これを円滑に実施してほしい、それでなければ大型化設備の新設はできないと、こういう方針でまいっております。その後の実際を見ますと、現実にそういう問題が起きておりますが、私どもとしては、必要に応じ、会社側とも話し合いまして、余剰人員が旧設備から出ました場合には、新設備あるいは同じ会社の中の他部門への配置転換、これを当該組合とも十分話し合って進めてもらうということで、できる限りの指導をいたしております。
#38
○角屋委員 これはお隣の東北の長谷部君からも声が出ておりましたけれども、東北関係も関係会社があるわけですが、やはり合理化計画を推進する過程での非常に地域における深刻な問題として、これは参議院の審議の中でも具体的問題を取り上げての議論がなされましたけれども、きょうは私、次の林業種苗法案の問題もある程度議論しなければなりませんので、これに十分触れることはできませんけれども、やはり真剣にこの問題は念頭に置いて対処してもらいたいということを強く要請をいたしておきます。
 委員長にちょっとお伺いしたいのでありますが、私の質問の半ばで必ず農林大臣は来るというふうに言われまして、心待ちしておるのでありますが、一向に姿が見えませんけれども、これではちょっと困るのでありまして、その辺のところをちょっと御説明願いたいと思います。
#39
○三ツ林委員長代理 角屋さんに申し上げますが、いま農林大臣は参議院のほうの審議に加わっておりまして、いま連絡をとっておるそうで、後ほど確たる返事をいたしますから……。
#40
○角屋委員 ちょっと林業種苗法案の議論を残しているのですけれどもね。大臣が来てあらためて時間をとるということになると、これは理事会の話の関係もあって、私が相当時間をとり過ぎてもどうかと思います。大臣出席の関係もありますので、私、大臣出席の際にまた質問を続行いたしますが、暫時、質問を保留いたします。
    〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
#41
○草野委員長 瀬野栄次郎君。
#42
○瀬野委員 林業種苗法案について質問をいたします。関係当局並びに農林大臣からの御答弁を承りたいと思います。時間の制約がございますので、簡潔に申し上げますので、よろしくお願いする次第でございます。
 今回の種苗法案の改正は、まず三本の柱があるわけでございます。まず一つは、優良な採取源の指定、二つには、生産の事業を行なう者の登録、三番目には、配布の際の表示の適正化等に関する措置を定めることにより、優良な林業の種苗の供給を確保するということでございます。
 そこで、逐次質問をしてまいりたいと思いますが、政府が計画いたしております国有林並びに民有林の造林計画、今後の造林の見通し等について、まずお伺いをいたしたいと思います。
#43
○松本(守)政府委員 今後の造林計画は、一応昭和六十年を目標に、民有林で一千万ヘクタール、国有林で三百四十二万ヘクタールに人工造林地を持っていこう、このように計画をしております。
#44
○瀬野委員 今後の木材需給の関係から、造林地も御承知のようにだんだん奥地化をしてまいりました。また労働力の不足等から、造林が遅々として進まないという傾向をたどっておりますが、この原因に造林補助金の単価を上げるという問題が大きなウエートを占めていることは御承知のとおりであります。現在の造林の補助単価は、場所によってもちろん違いますが、ヘクタール当たり平均十一万から約十二万、このように私は承知いたしておりますが、少なくとも人夫賃の高騰、政府で査定をされておるのは千百十円ぐらいと見ておりますが、さらには苗木の単価等についても、七円余りを平均見ておられるようでございますが、今後の造林を推進する上においては、補助金の単価を上げるということが大きな問題である、このように考えるわけです。この点について、林野庁長官はどのようにお考えであるか、現状と将来の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
#45
○松本(守)政府委員 賃金のアップを一応四十五年度は一二%、それから苗木代のアップを二二%見ております。こういうことで興業費全体のアップが一四%ぐらいになるかと思います。今後ともこの造林事業費の補助単価のさらに充実をすることにつきましては努力をいたしたい、このように考えて、おります。
#46
○瀬野委員 次に、指定採種源の整備についてお伺いいたします。
 現在、母樹林として旧法による指定が二千ヘクタール、長官通達でたしか四万ヘクタールだと思いましたが、これを洗い直す考えはないかということでございます。造林計画によると四万五千から四万六千ヘクタール必要である、こういうふうに私は承知しておりますが、今後のこれら指定採取源の整備についてどのようにお考えであるか、御意見を承りたいと思います。
#47
○松本(守)政府委員 掛声採取源は四十五年度から三カ年計画、これは農林大臣が指定をする特別母樹林でございますが、それは三カ年計画で千二百ヘクタールを指定する予定をしております。それから普通母樹林、これは四万二千ヘクタールを四カ年計画で指定をするつもりでございます。従来ありました母樹林は二千ヘクタールぐらいしかございません。ただ昭和三十二年から発足をしております育種事業としての育種上必要な採取林というものを指定をしておりまして、これは種苗法でいう母樹林ではございませんが、そういうこともありますので、各県別に個所別におおむねの見当はついておるつもりでございます。
#48
○瀬野委員 関連して、公営種穂採取というものは県営で種子を取るということになるわけでございますが、業者などかってに取らない習慣にするのか、県でのみ取るのか。この点、公営種子採取について御見解を承りたいと思います。
#49
○松本(守)政府委員 公営種子の採取は、現在では毎年の予算によりまして各県に対して国が補助をいたしております。それは毎年度必要とする種子のおおむね八割ぐらいを採取できるように助成をしております。あとの二割は民間の自家用なり事業用の種がとられております。この採取源の整備が終わりまして種を取るのに適当なところが手近に整備をされますと、公営採取とあわせて民間の採取卒業も、確実に適正な採取が行なわれるであろう、このように考えております。
#50
○瀬野委員 今回の法案で種苗の配布業者というもの、すなわちブローカーということになりますが、採取業者は何人ぐらいいて――実際にこの法案の成立によって不良業者というものがいろいろ制約を受けることにもなってまいりますが、零細的な業者のウエートというものがかなりたくさんございます。しかもこの法案によって、零細的な業者を強く取り締まるとまではいかなくても、圧迫を受けるというような懸念も若干出てくるわけでございますが、この点と、いままでいわゆる不良苗を納めておった業者等に対して今後この法案成立によってどういうようになっていくか、この点御見解を承っておきたいと思います。
#51
○松本(守)政府委員 現在生産業者が二万四千人おります。ほかに配布事業だけやっております業者が千七百人おります。あとこの二万四千人の生産業君はほとんどが配布事業までやっておるわけであります。この千七百人の配布だけやっておる業者の内訳を見ますと、大部分が森林組合なり県の種苗組合というものがこの配布をやっておる実情でございます。
 そこで、ブローカーの取り締まりをどうするかというお話でございますが 今後そういった生産業君の登録、配布業者の届け出制というものを強化することによりまして、そういった悪質なブローカー的なものを排除をしていく。この登録された生産業者からつくられる苗木は、品質、規格その他優良であるという表示制度が確実に行なわれることによって、そういった不良のものは逐次排除をされるということになる仕組みになっております。
#52
○瀬野委員 種苗業者の苗生産についてでございますが、どうしてチェックしていくかということでございます。従来から見てまいりますと、業者は苗が不足しますと結局納入苗をそろえるためにいろいろ無理をすることになっておりますが、苗不足の際、不良苗を求めて業者が表示をして出す心配はないか、これらのことについてどうチェックをしていくか、こういった問題について御見解を承りたいと思うのです。
#53
○松本(守)政府委員 近年は杉、ヒノキが若干不足ぎみでございます。それからアカマツ、カラマツが過剰ぎみでございます。苗不足のときに規格外の苗、不良苗が使われる心配はないかということでございますが、これは林野庁の指導下におきまして各県で樹種ごとの規格の基準をきめております。そこで、規格以下の苗木は出回らないように、一応取り締まりその他自主的なチェックもいたしておるようでありますが、どうしても苗木が不足だということになりますと、規格外と規格内の苗木と申しましてもそこには画然たる差があるわけではございません。非常に寄木が不足する場合には、厳格な規格があるいは県の指導下において若干緩和をされて、それで間に合わせるということもまれにはあるようでございますが、今後は、この種苗法の改正によりまして、毎年必要とするところの数量、品質ともに適正な苗木が出回るように、種苗需給調整協議会その他を通じまして万全を期してまいりたい、このように考えております。
#54
○瀬野委員 いまの林野庁長官の答弁に関連して、もう一点ちょっと補足してお伺いしたいことは、種以上の苗ということになるとこれは他から買ってきた苗ということにもなるわけでございますが、そういった面でもチェックができるのではないかと思います。参考までにお伺いしたいのですが、杉、ヒ等で一キロ当たり毛苗が大体何本ぐらい生産されるという基準を定めていかれるのか、その点杉、ヒに限ってお伺いをしておきたいと思います。
#55
○松本(守)政府委員 種が、一キログラム当たり山出し苗になるのがおよそ一万木、これは気象条件その他によって違いますが、おおよそ一万本、このように考えております。
#56
○瀬野委員 そうすると、要するに一万本の苗以上に生産があった場合は他から購入した、こういうふうにチェックするというふうな意味に解していくのであるかどうか、その点もう一点お伺いしておきます。
#57
○松本(守)政府委員 いまの苗畑の養苗技術からいきまして、その年、年の降雨量、気温、そういうことによって得苗率に非常に差がございます。そこで得苗率が非常によろしい年にはしばしば残苗が出る。それから乾燥の続いた年でありますと、枯れる本数が多くなりまして得苗率が少なくなる。したがってその年に由来する山出し苗木が不足をするということでありまして、その得苗率をはじく場合に、物理的な苗の大きさとか幹の根元径の太さとか、それから苗長、そういうもので苗木の規格を一応きめておりますが、その苗木の規格が各県ごとにも一定をしておりません。したがって、その規格の均斉のとれたものがよろしいということになっておるわけですが、豊作の年にはその規格のいいものが出回る、凶作の年には規格が若干低下するものまで出回るということによって調整がとられておるかと思います。
#58
○瀬野委員 次に、林木の幼齢結実についてお伺いしておきたいと思います。
 従来は二十年、三十年で結実するということが多かったのでありますが、最近は、不良苗木の配布また生産等が多くなってまいりました関係から、十年くらいで幼齢結実をするという林分がかなり多くなってまいったわけであります。国の貴重な補助金で造林をいたしましてこのような結果を生んだのでは、米やまたはほかの作物と違いまして一年で勝負がきまるのでありませんし、少なくとも二十五年、三十年とかかる、林伐期が長いわけでございまするので、そういった意味からもこういったことがあってはたいへんであります。かかる意味からも今回の種苗法案の提案になったわけで、むしろこれは提案が時期的にもずいぶんおくれておる。ずいぶん前からこれは叫ばれておりながらおくれておる、このように本員は思うわけであります。そこで最近問題になっておりますこの幼齢結実についてその実態はどうなっているか、また国有林、民有林について面積等がわかっておればこの席でお示し願いたい、かように思うわけでございます。
#59
○松本(守)政府委員 昨年四十四年に林野庁で調査をいたしております。その調査は全国で三十九県、それから調査面積が約三万ヘクタールを抽出をいたしまして調査をいたしました。その結果年齢別、樹種別の結実の状況の調査結果が出ております。それを概略申し上げますと、もうすでに一齢級――一齢級と申しますのは一年生から五年まででございます。一齢級でも一〇%をこす結実が出ておる。これは杉、ヒノキ各樹種ともでございます。それから二齢級ではすでに半分、過半のものが結実を見ておるということで、この結実の結果林木の生長に悪い影響が当然出てくるわけであります。今後はこういうことのないように、種苗法の改正充実によりまして日本の林業発展のために努力をしなければいけない、このように考える次第でございます。
#60
○瀬野委員 林野庁長官からいま答弁いただきましたが、一齢級でも一〇%、二齢級で4過半が出ている。まことにこれはゆゆしき題でございます。現地では十年たってもう生長がとまって結実したということでもうあきらめて、補助金単価も少ないし、さらに改植する意欲がないというのが現状でありまして、中には熱心にこれを改植してさらにいい林分を形成していこうという人もあるわけでございますが……。もちろんこのほか自然災害によるもの、雪害、冷害、凍害、風害というようにいろいろ災害もあるわけでございますが、これらの幼齢結実についての林分に対して貴重な補助金を出してやるわけでありますが、再度改植するというようなことについて将来補助金を出してやらせるとか、どういうように考えていくか。今後は本種苗法案によって優良苗を生産していい林分をつくっていく、クローネのそろった林分ができていくということになろうかと思いますが、従来の既設の造林についてはたいへん心配をいたしております。国土の保安、また森林資源の造成の面からも問題でありますが、長官はこれについてどのような見解をお持ちか、お伺いしたいのであります。
#61
○松本(守)政府委員 幼齢結実をするということが林学、林業上好ましくない現象であるということは通説としていわれておるわけであります。その場合に、その苗木の遺伝質が悪いために結実をするという場合と、それから苗木そのものの品質は別に悪くないのであるけれども、植える場所が適当でなかったという二つの場合があるわけであります。この結実の程度にもよりますが、少しぐらいの結実はこれはあたりまえでありますけれども、極端なことになれば、それが生長量に非常に大きな影響が出てくるわけであります。特に結実のひどいところを植え直すということにつきましては、現行取り扱いではその植え直す場合の助成はいま基準の中に入れておりません。ただ、伐期近くなってもう見込みがないから少し早く切るという場合には、そのあとは再造林の補助金が出るということでありまして、今後そういうものを植え直す必要があるかどうかあるいは間伐とか除伐の過程におきましてそういう不良なものを除去していくということによって、この一代限りはもたせるということがいいのか、技術的にも十分検討してまいりたい、このように考えております。
#62
○瀬野委員 時間の関係もございますので、いまの件については一点要望しておきます。幼齢結実の国有林、民有林の面積実態とサンプル調査等の程度で――今後調査をしていかれると思いますが、ぜひこういったもの本実態を明らかにして、次の林業白書にきちっとうたうなり、また調査ができ次第いずれ近い委員会等でお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いしておきます。と同時に、これらの問題についても検討をしていただいて、やはり改植すべきものはどうするかという問題を今後慎重に検討していただきたい、このことを要望申し上げておきます。
 次は採穂または林業種子の種子代というものは今後法案の成立によってどういうふうになっていくか、どのような指導をなさっていくのか、その点明確にこの機会に御答弁をいただきたいと思います。
#63
○松本(守)政府委員 従来と現在では穂をとるということにつきまして制度としてはその代金について考えておりません。ただ民間の例といたしまして、優良な種子なりさし木の種穂、これを相当有利な採算で売っておるという実例も聞くわけであります。そういった特別に優良な品種につきましては相当有利な代金で売れる場合があるようであります。今後林野庁といたしましては、逐次採種園、採穂園から生産される苗木をふやすことを考えておりまして、将来昭和六十年ごろまでには育種により仕立てられた採種園、採穂園からおおむね日本で必要とするところの苗木が得られるであろう。これらはいずれも国営なり県営なりの苗木でございまして、採種園でございまして、そういうところでその代金をどうするかということが今後の検討問題である、このように考えます。
#64
○瀬野委員 よろしくお願いいたします。
 次に精英樹等の採種園、採穂園の造成事業についてどうなっておるかということについて一点お伺いしておきたいのです。
 御承知のように、精英樹については昭和二十九年でしたかコンクールが開始されて、正式に予算化されたのは、三十一年に指針が出され三十二年から実施をされたやに記憶しておりますが、この精英樹等の採種園、採穂園の造成事業は四十五年度から抵抗性の個体運搬を新規に実施するといわれておりますけれども、その実施計画についてお伺いをしておきます。
#65
○松本(守)政府委員 精英樹が全国で七千木余り、それから採種園、採穂園合わせまして四十四年までに一応設定をされたのは四千五百ヘクタールでございます。四十五年度からは新たに抵抗性品種の選抜という課題に取り組む、この予算を八百万円ばかりとっておりますが、一応従来の採種園、採穂園の設定は四十四年度で終わりまして、四十五年度からはこういった抵抗性品種の関連をしますことについて育種事業を進めてまいりたい、このように考えます。
#66
○瀬野委員 大臣はおいでになりますか。――私も二、三点あるのですが、もう終わりたいと思ってピッチをあげておるのですが、大臣が見えぬと――早く呼んでください。
 それでは、次にこの際お伺いをしておきたいのでありますが、団地造林の問題についてお伺いをしておきます。
 御承知のように現行法では二十ヘクタール取り扱いができる、こういうことで当初、法ができた当時は杉だけというようになっていたように私は記憶しておるわけです。すなわち、杉で同一種類ならば取り扱う、いわゆる単一林を意図されておられたように記憶しておるのでありますが、今回のように農地法、農協法の改正、また農地の転用ということが進められてまいりますと、どうしても農政の三本の柱である畜産事業等も推進がされてくる。そうなればクヌギなんかを植えていくという混牧林をやりたいという希望が強いわけです。こういったことから、従来の拡大造林をはかっていくという意味で単一林ということになっていったんじゃないかと思いますが、今後このような混牧林をしていくことについてどうお考えであるか。言うまでもなく、木材不足を満たすためには用材をつくるということからよく意味はわかるのですけれども、今後の農政を推進する上にぜひ団地造林を、二十ヘクタールをたとえば十五ヘクタールくらいに面積を減らして、進めていくとか、あるいは混牧林をどの程度までは認めるとか、こういったことをやっていただいて、農外所得をふやし、総合的に取り入れていただきたい、かように実は思っておるわけでございますけれども、この点についてこの機会に林野庁長官の御見解を承っておきたいと思うのであります。
#67
○松本(守)政府委員 団地造林の採択基準を引き下げられないかという第一点の問題でございますが、現在二十ヘクタールで実施をしております。四十二年から着手をしておりまして、まだ全体計画の幾ばくも済ましておりません。各地から非常な申し込みがきて、しかも団地造林は補助率を高めております。したがって非常に申し込みが多いわけであります。この採択基準につきましては今後、今年度団地造林の成績調査、実態調査をやることにしておりますので、その調査の結果を見まして基準の引き下げなりその他検討をしていきたい。
 それから混牧林についてでございますが、いまこの混牧林の技術体系がまだ確立をされていないのではないかと思います。民間で間々そういった例もあるようでありますが、そこで林野庁としましては、国有林を使いまして全国で十カ所肉用牛の実験牧場、これは林業と肉川牛の放牧飼育が両立するかどうかという実験を三年ばかり前から実施をしております。そういった実施の過税を見ながら、その成績を見ながら、林地に4場合によりましてはどんどん牛を入れていくということにつきまして、関係方面とも協議をしながら今後の方向を見定めてまいりたいと思います。
#68
○瀬野委員 大臣がお見えになりませんし、あと十分したらおいでになるということですが、林野庁長官に大臣の問題もお聞きして片づけたいと思いますので、よろしくお願いします。
 簡潔に申し上げますが、今回の法案の提案によって優良種苗確保事業の政府の予算を見てみましたが、予算は一億四千二百三十六万五千円と実に予算規模が少ない。これは農林大臣にもぜひ強く申し上げたいと思っておったのですが、御承知のように、わが国の森林面積というものは全国土の六八%にも及んでおる。また国土保全、治山治水の面から国民のレクリエーション的な施設、またあらゆる面でこの恩恵を受けておる国民に深いつながりを持っておりますし、ますますこの関係が深くなってまいったわけであります。これにしては予算が少ないと思う。もっと予算を計画して要求すべきであるし、政府も考えるべきだと思いますが、長官のほうはどういうように要求されて将来どのような考えであるか、決意のほどを伺いたいと思います。
#69
○松本(守)政府委員 林業種帯関係予算、四十五年度は一億四千万円でございます。四十四年度も大体同額でございます。ただその内容を見ますと、四十四年度で先ほどの採種穂園の設定が完了をいたしております。その分だけの県に対する助成金が当然減になっております。そういうものを含めますと、それ以外の新しい種苗法の実施とその他準備をいろいろいたしますが、その他のものにつきましては拡充をされておるはずでございます。今後四十六年以降につきましても前向きで種前事業の強化拡充という方向で十分に検討してまいりたいと思います。
#70
○瀬野委員 次に国際的な管理制度、すなわちOECDへの加盟について、早期加入をするということがいわれております。将来種苗の態勢が整って整備されると、おそらく三年後ぐらいにはこの時期がくるのじゃないかと思っていますが、この時期またお考えについて長官の御意見を承っておきたいと思います。
#71
○松本(守)政府委員 昭和四十一年にOECDの種苗に関する会議がございました。当時林野庁からは指導部長が出席をしております。その会議では、OECDの苗木の管理機構に合うように日本の国内法を改正してから加入いたしましょうということで帰ってきておるわけであります。今回の種苗法の改正でそのOECDの国際管理機構に加入をする条件が一応整えられるわけでありますから、いずれそういった国際機構に加入する問題につきましても早急に検討をしてまいりたい、このように思う次第でございます。
#72
○瀬野委員 では最後に、農林大臣がおいでになりませんので要望だけ申し上げておきますが、森林計画に基づく今後の木材需給、外材輸入のことについて触れてみたいと思っておったわけでありますが、この件については昨日の本会議でも一応総理大臣からも答弁があっていますので省略いたしまして、次回に譲ることにいたします。
 最後に一点お伺いしておきたいのでありますが、今回の林業関係の審議がなかなか機会がございませんでしたので、木材引取税のことについて一点長官にお伺いしておきたいと思います。各団体からも、また長年この木材引取税の全廃について要望が強いわけでございますが、一部の町村等の主要財源になっている点があったりして、なかなか延び延びになってきています。これに対する今後の考え、見通し、決意のほどを承っておきたいと思います。
#73
○松本(守)政府委員 木材引取税につきましては、ここ数年来林野庁としては、国内林業擁護のためにいろいろ関係方面とも協議を重ねながら検討いたしております。この税制度は、現在外国材が相当入ってまいっておる、こういう事態を踏まえまして、重要な物資に流通税を課するという考え方の適当でないということを踏まえまして、今後この撤廃、廃止に林野庁としての検討を続けまして、関係方面と亀協議をしながらその実現に努力をいたしたい、このように考えます。
#74
○瀬野委員 では最後に渡辺政務次官にお伺いしておきます。
 いま林野庁長官からいろいろお話がございましたが、農林大臣もおいでございませんので、どうかひとつ次の点について決意をお伺いしたいのでございます。
 先ほど申しました林業関係の、特に優良種苗生産事業の予算が少ない。今後予算の確保については格段の努力をして、林業の発展に力を尽くしていただきたい。政府の施策を講じていただきたい。従来から林業はどうしてもおくれがちになっておりますので、その点のお考えと、木材引取税についての問題、この二点について政務次官から御答弁を承って、私の質問を終わりたいと思います。
#75
○渡辺政府委員 林業の振興の問題につきましてはいろいろと貴重な御意見の開陳があったわけでありますが、御趣旨に沿って努力をするつもりであります。
 なお木材引収税の問題でありますが、これは数年間、長い間、業界をはじめいろいろな方面からその廃止が叫ばれてきております。しかしながら木材引取税で恩恵を受けるところは、えてして過疎地方の町村が多いというようなことで、自治省のほうとの話し合いがなかなかつかないというのが現況でありますから、これに対するかわり財源が見つかれば至急廃止していただきたいというのが、われわれの基本的な考え方であります。
#76
○瀬野委員 以上で質問を終わります。
#77
○草野委員長 相沢武彦君。
#78
○相沢委員 私は、肥料価格安定の改正法案につきまして若干御質問いたします。時間があまりありませんので御答弁のほうも簡潔かつスピーディーにお願いをしたいと思います。
 この法律案の提案理由の一つになっています内需の確保の問題なんですが、法律ができましてからすでに五年経過しておりまして、法案の立案当時の状況と現在を比較しますと非常に事情の変化がございまして、生産能力も非常に大きくなっておりますし、内需のウエートは減る一方でございますし、内需プラス輸出の状況等を、資料に基づきまして三十八年以降の統計を見ても、輸出は三十八年と四十三年とを比べると倍近く伸びております。しかも尿素の統計で見ますと、三十八年から四十三年度までの生産――内需、輸出を合計しますと百七十二万トンも余る計算になっておりますが、肥料というのは生産時期との関係もありまして、内需の主として要る時期と輸出する時期と競合して行なわれることも当然考慮に入れなければならないとは思いますけれども、現在の段階ではすでにこの法律がなくても内需の確保はできる、そういう諸情勢にあるのではないか、このように考えるのですが、この点についての見解を簡単にお願いします。
#79
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、確かに肥料はむしろ生産過剰ぎみの状態にございます。しかしながらやはり先生もいまおっしゃいましたように、肥料の需要時期というものが非常に重なってまいります関係もございます。それから海外輸出というものが非常に大きなウエートを占めてまいりました関係で、その価格いかんによりまして内需がそちらへ持っていってしまわれるというようなおそれがないでもないわけでございます。そのような点を勘案いたしますと、やはり現在のような措置をとり存して内需優先、価格安定、輸出の一元化というようなことをやっていかなければならぬ、そのように考えております。
#80
○相沢委員 次に、米の生産調整と肥料の需要関係についての見通しでございますが、政府の御答弁によりますと、米の生産調整によってもあまり肥料のほうは影響を受けない、こういう見解に立っておられますようです。肥料の生産にもあまり影響しないということはけっこうなことなんですが、ここで派生した問題として、東北、北海道のように休耕、転作に協力した農協、農家の方たち、この場合に問題が出てきております。というのは、農協の場合はお米の取り扱い手数料とか、あるいは肥料あるいは薬品等の取り扱い手数料というものがかなりの財源になっているわけでございますが、そこで生産調整も転作の多いところではまだよいのでしょうが、ほとんど休耕してしまったような、しかも小規模な農協、こういうところは収入が非常に減っておりまして、そういったところから各地の農協が休耕奨励金の何%かを農協の維持費に納入してほしい、こういう話があちらこちらで聞こえております。私の聞いたところなんかでは、休耕奨励金の五%を納入してほしいということが要望されまして、農民大会等でかなり紛糾しているというようなことがありますし、また肥料、農薬の取り扱い手数料、これを値上げするということも起きておるようでございまして、そうしますと、この肥料の手数料の値上げということは、結局事実上肥料の価格が値上がりしてしまうということになると思うのですが、こういった生産調整の問題から農民自体に負担が大きくなっておる、この現状に対して、今後政府としてはどういうような対策を考えられるか。特に部分的な問題でありますけれども、そういった実態に対してやはりあたたかい保護政策が必要じゃないか、このように考えますが、この点について政務次官から御返答願います。
#81
○渡辺政府委員 休耕等によって大体どれぐらい肥料の取り扱いが減るだろうか。これは実際のところ推計にしかすぎないのでありますが、大体大まかに見て、内需四百万トン、そのうち米に使うものが約四〇%、百六十万トン、それの一〇%減と見て十六万トン。十六万トンのうち、あるいは全部が休耕でありませんから、転作にいくものを引くと、十万トンないし十二万トンぐらいの減少になるのではなかろうか、こういうように想定をしておるわけであります。これは全体の内需に対する二・五%、あるいはそれよりもちょっと上の程度、こういうようなことであります。ここの部分の肥料取り扱いの手数料というものが農協から減ることは間違いないと思いますが、全体の数量として、そう経営を左右するほどの問題でないのじゃないか、また地域によって、一村全部が休耕するというようなところがあれば、それは非常に重大な問題でありますが、こういうもの等については農協の合併というようなものも引き続いてやっていくということでありますし、聞くところによると、委員会等においてもそういうような法律の継続をはかっていかれるというように拝聴いたしておりますものですから、そういうことは農協の合併等を通してでこぼこがなくなるような指導をしていきたい、また生産調整の補助金等も農協を通じて農民に大部分がいくものと考えておるわけであります。
#82
○相沢委員 次に価格の問題ですが、肥料は農業生産では最も基礎になる資材でありますし、特に今後農産物価格が急速に上昇することは期待できない状況にありますので、価格の低位安定、これが非常に重要な課題になっておりますことは当然のことでありまして、そこで従来までも需要者である農家の方たちの中には、どうも肥料法の運用がメーカー中心主義のようなきらいがあるという疑念を持っておるものもありますし、また価格構成上の単価の問題については、調査監督権限を持っておる農林大臣がさらに積極的な法の施行をしなければならない、このように考えるわけでございまして、最近心配していることなんですが、各方面から、新肥料年度になったならば、肥料の価格は値上がりをするのじゃないか、こういうような声もあるし、また動きもあるようでございます。最近通運料金が一九・八%アップしたばかりですし、倉庫料等の値上げの声も聞かれております。そういったことの影響を受けて、もし内需価格が値上がりになると、また大きな影響をもたらすのではなかろうか、こういうように考えます。今度の法律案の提案理由の一つに国内価格の低位安定ということがうたわれておるのに、法案が通過すると、たちまち国内価格が上がってしまうというのでは、この法律を延長した何の意味もなくなるのじゃないか、需要着たちから、これじゃ価格不安定法じゃないか、こういうそしりも受けかねないと思うのですが、この際、国内価格についても値上げはしないのだ、そういう方向で進むのだということを明言していただきたいと思うのですが、この点いかがでしょう。
#83
○渡辺政府委員 いままでもそういうことがよくいわれたのでありますが、実績を見ていただけばわかるように、合理化の促進をはかってまいりまして、最近の例を見ますと、たとえば三十九肥料年度で四十キロ当たり八円とか、四十年度で六円とか、四十一年度で六円、四十三年度で十八円四十四銭、四十四年度で十円というように、毎年合理化のメリットというものを国内価格に反映をさせてきておるわけであります。こういう実績があるわけであります。したがって、今後もこの大型化等を極力進めることによってそれらの不利な条件をカバーしていくように、政府としては極力努力をしていくつもりであります。
#84
○相沢委員 最後に輸出価格の面でお尋ねしておきたいのですが、世界的にいま肥料工業は設備増強あるいは大型化等によりまして、豪州なんかでは大型の窒素肥料工場が二つも完成したそうですし、さらに輸出競争の最大の相手であるニトレックス加盟諸国等の生産体制や輸出動向から見まして、今後輸出価格の一そうの値下がり等が予想せられております。そうなりますと、貿易上の競争に勝つ手段として日本の輸出肥料もやむなく生産費を割って安い価格で過激な競争に耐えようとする方向にいくと思うわけです。現在わが国の国内価格は外国に比べて安くなっていますけれども、従来からメーカーは、できれば欧米式にしたいという気待ちは持っているわけですから、競争が激しくなるにつれて出血輸出を内需に転嫁しよう、こういう衝動はどうしても起きてくるだろう、このように思います。
 そこで政府として、第二次大型計画に基づくア系の肥料コスト、堆積等と合わせて、この辺、どういう見解に立っているのか。特に、もし将来、赤字輸出の欠損を内需に転嫁せざるを得ないような状態に追い込まれたときに、政府としてはイギリスや西ドイツで行なっているといわれる農民に対する肥料買い入れ等の補助あるいは内需出荷についてのメーカーへの補償制度、これを実施する決断があるかどうか、これをお伺いして質問を終わりたいと思います。
#85
○渡辺政府委員 相沢さんのおっしゃるように、日本の国内の肥料価格は諸外国に比べて非常に割り安になっております。それで将来日本が過当な輸出をやるために非常な輸出赤字が生じてそれを国内に転嫁するのじゃないか、こういう御心配でありますが、そういうことをさせないためにこの法律の期限を延長して輸出のカルテルを行ない、政府が干渉をして無謀なダンピングをさせないようにしておるのでありますから、そういうことがないようにはかっていくつもりであります。したがって、それができると思っておりますので、ただいまのところ、肥料の補助や、また肥料会社に、対する補償ということは考えておりません。
#86
○角屋委員 大臣がお見えになりましたので、時間の限定されておる点もありますから、ただいま提案になっております肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案並びに林業種苗法案の両案について、関連をして簡潔に御質問を申し上げたいと思います。
 午前来、肥料関係の法案について私質問申し上げておったのでありますが、大臣にお伺いしたい第一点は、申し上げるまでもなく、今回五カ年間の延長をやろうとするこの趣旨は、本法が制定された当時にも柱にされましたように、内需の優先確保、国内価格の低位安定、輸出体制の一元化、こういうことで独禁法の適用除外に基づく価格カルテルあるいは輸出カルテルというものを、法第二条第一項並びに法第十一条第一項によって認められて、今日までいわば肥料業界と農民諸君との可能な範囲内における平和共存体制ということで運営されてきたと承知をしておるわけであります。最近の肥料の大型化に伴います生産能力あるいは国内における米の生産調整等を含む国内需要の低迷という今後の予測、さらには、国際的な面においては、大手であります中共についてはやはり非常に政治的な面が関係を持ってくる、あるいは東南アジア市場についてもそれぞれがプラント輸出その他によって自給力をつけてくる、こういうようなことで肥料業界の今後の体制というのは、内外ともに相当シビアなものがあるというふうに判断をされるわけであります。現にア系肥料においては、最近の滞貨も約三、四カ月分にのぼっておるという状況もあるわけであります。
 そこで第一点お伺いしたいのは、海外市場の関係で、大手でありますお隣の中国の問題で、これは輸出の約半数近い比重を占めておるわけでありますが、過般覚書貿易の相談に老齢の松村さんやあるいは古井さんが行かれまして、いろいろ苦労されて覚書貿易のパイプをようやくつなぎとめて帰られてまいりました。農林大臣としては、これは隣国でもあり、また単に肥料の輸出問題のみならず、農政関係でも直接、間接関係の深い中国との貿易問題について、最近この問題をめぐって国会における政府の見解その他いろいろなものが表明されてきておるわけでありますけれども、特に肥料の今後の輸出問題については、中国との正常関係というものが確保される中で、今日までの実績をやはり確保していかなければならぬ必須の条件があろうと思うのであります。大臣として対中国との貿易問題、これは政治的な背景を持っておりますけれども、どういうお考えでいかれようとするのか、これをまずお伺いをしておきたいと思います。
#87
○倉石国務大臣 肥料の面から考えます海外輸出につきましては、中共マーケットというものはかなり有力なものであることは御指摘のとおりであります。そういう面で、私どもといたしましては、民間の関係において、この中共との関係で肥料が継続して輸出されることは好ましいことだと思っております。したがっていまやっていられるそういう貿易の拡大につきましては、私どもといたしましてはけっこうなことだ、こう思っております。
#88
○角屋委員 東南アジアに今日まで肥料の輸出をはかってまいりましたが、今後とも輸出を増大していくためには、東南アジアの外貨ポジションの状況から見ましても、やはり開発途上国に対する経済援助とのタイアップというようなことも十分強化しながら、肥料輸出についてもこれを拡大をするという方向で考えていかなければならぬかと思うわけでありますが、今後の東南アジアとのいわば貿易関係、経済協力という問題について、農政サイドからということでなしに、国務大臣としてどうお考えでございましょう。
#89
○倉石国務大臣 わが国はアジアの一部に存在いたしておりますし、また地域の接近しております開発途上国は、いずれもいろいろな意味でわが国に大きな期待を持っておることは御存じのとおりであります。そこでただいまいわゆる東南アジア諸地域から、わが国に向かっていまお話のありましたように、経済開発、技術協力等についていろいろ要望があります。そういうことに対して政府はできるだけの努力を続けておる次第でありますが、農林省におきましても技術的な面で先方の協力要請に従ってお手伝いはいたしておるわけでありますが、私どもといたしましては、やはりこれらの諸地域がそれぞれ経済が発展いたしまして生活水準が向上して平和になることを一番期待いたしておるわけであります。したがって、そういうことで彼らみずからが立ち上がれる、生活水準が向上してまいるということになれば、私どものほうとも有無相通ずる関係がだんだん緊密になるわけでありますから、そういう意味で政府は東南アジア諸地域に対して経済協力、技術協力は積極的に継続をしてまいりたい、こう思っておるわけであります。
#90
○角屋委員 先ほども少しく事前に触れておりましたが、いわゆる肥料関係におきましては、四十年からの第一次アンモニア大型化計画あるいは四十三年からの第二次アンモニア大型化計画最近では千トンプラントということで合理化が推進をされてきておるわけでありますが、この生産力というものがフル回転をしてくるという状況と関連をして、たとえば昭和四十六肥料年度の需給見通しとして当面いわれておりますような千四百九十八万トン、その中で輸出肥料の関係は七百五十万トンあるいは硫安換算で国内の分が四百八十二万トン、そのほかにアンモニアの工業用が三百六十二万トン、こういうふうに見込まれてこれから予定がされていくわけでありますけれども、その場合に、大臣にお伺いしたい第一点は、いわゆるスケールメリットの農民への還元問題、これは価格に還元をしていく。今日まで本法が施行以降においてもある程度硫安その他について価格がいわゆる話し合いによって下げられてまいりましたけれども、今後の肥料業界の情勢というのは、私は決して楽観を許さない条件が出てまいるというふうに判断をしておるわけですが、農政サイドから見れば、農民に対する国内価格の低位安定という本法の重要な柱に照らして、しかも法第二条第一項との関連において価格カルテルというものが独禁法の点からも適用除外としてこれが認められておるという点から、政府として第三条、第四条によって従来の肥料二法と違いまして、勧奨あるいは助言あるいは調停と、そのためのいわゆる政府として資料提出というようなこともやってまいるわけでありますけれども、いわゆる合理化メリットの還元という指導の基本方針をどう持っていかれるのか、これをひとつお伺いしておきたいと思うのであります。
#91
○倉石国務大臣 国内価格は、御存じのように生産者と消費者が自主的な価格取りきめによってきまるわけでありますが、いまお話しのように、合理化等についてのメリットは価格に反映せしめられるかというお話でありますが、これは従来の経過を見ましてもそういうことについて成果をあげております。したがって、そういうことについて政府も従来とも同じような方向で指導をいたしてまいりたい、このように思っております。
#92
○角屋委員 非常に重要な二法について本会議開会までに処置をしたいという皆さんの強い要望もございまして、私どもこの二法は賛成でございますから、それに了承を与えておりまして、時間がきわめて少ない中で先ほど質問を残しました林業種苗法案について数点お伺いをいたしたいと思います。
 これは法案の中身にまで私深く触れることができなかったのはまことに残念でありますが、先ほど公明党の委員からも若干触れられましたのでありまして、この際やはり、きのうも本会議で議論をされましたけれども、林業の基本論ということについて一、二点お伺いをいたしておきたいと思います。
 きのうも本会議で川俣君からも出ておりましたが、林業白書でも明らかなように、最近の林業の現状を見ますと、外材の輸入が非常に増大をしてくる一方、国内においては過疎問題の進行とも関連をして林業労働力はどんどん質量ともに後退の傾向にある。さらには造林その他の点もそれとからみ合って後退をしていくという状況で、はたして政府がすでに林業基本法第十条第一項の規定によって策定された昭和四十一年四月一日閣議決定の森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期見通しなり、あるいはまた、森林法に基づくところの全国森林計画と関連をして今日の状況からいたしますと、根本的な再検討をしなければならぬ段階に来ておるのじゃないか、こういうふうにも考えられるわけでありまして、たとえば森林法に基づく全国森林計画あるいは地域森林計画というふうな問題もございますし、あるいはいわゆる長期見通しの問題もございますが、最近の情勢からしますと、こまかい数字に触れませんけれども、根本的にこの際、林業政策全体として再検討をこの計画について4する必要があるのじゃないか、こう考えるわけでありますが、今後のこの問題のこれらの処理について大臣としてどう対処されるかお伺いをいたしたいと思います。
#93
○倉石国務大臣 林業の問題はただいまお話のございましたように、これはわが国にとりましてもきわめて大きな問題でありまして、現在のような状況をこのまま推移せしめることは私どもといたしましてはよくないことである。これは何とかして積極的に方向づけていかなければならない、こう思っておるわけでありますが、御存じのように、経済の著しい変化に伴いまして、一方においては木材の需要の増大、またその反面においては林業労働者の不足と同時に、またお話しのありましたような一部の農山村の過疎化等、そういう相矛盾した現象が進行している中でこれらに対処いたしまして、私どもとしては林業政策をどのようにして強化していくか、私は非常に大きな問題、しかも難問題をかかえておる問題の一つだと思っておりますが、御存じのように、林業基本法の趣旨に沿いましてわれわれは林業総生産の増大を期しますとともに、林業従事者の所得を増大していくことを考えなければならない、そのようにいたしまして、労働力の充実もはかってまいらなければならないと思っております。
 労働力をつなぎとめますにはその経済的、社会的な地位の向上、安定に資するようにしなければならないわけでありますが、同時にまた林業生産基盤の整備、林業構造の改善、そういうようなことについてしっかりした予算的措置また行政的措置をいたすことによって、わが国の林業をさらに国民の期待し得るようなものに力をつけていかなければならない。こういうことが私どもの努力目標でございます。
#94
○角屋委員 外材の輸入の増大は、いままでの資料にも明らかなように、四十二年度の三八・六%、四十三年度の四六・七%、四十四年度は推定になりますが四九・八%、おそらく本年の四十五年度は五一・七%と半数をこえるだろう、こういうふうに推定が本年度の場合もされるわけであります。一体この傾向を、今後外材の輸入が全体の需要量の中で減少していくというめどは、ここ当分の間に何年ごろからになると判断されますか。
#95
○松本(守)政府委員 四十一年に策定をされました「森林資源に関する基本計画」及び「長期の見通し」それによりますと、外材がだんだん減ってまいりますのが、一番ピークが昭和六十年になっております。それ以降はだんだん国産材が主役を占めていくだろう。昭和九十年度にはおおむね九〇%の自給率が得られるであろう。ただし、これは造林、林道その他の施策が計画どおり行なわれた場合という条件がついております。
#96
○角屋委員 長期見通しで昭和九十年度に九〇%の自給達成ということは、私ども計画としては承知しておりますけれども、最近の傾向からすると、林業政策によほど本腰を入れませんと、なかなか外材の輸入増大傾向を歯どめをし、これを減少させることは困難ではないか。深く触れることはできませんけれども、その点についてはやはり本腰を入れてもらわなければならぬ時点に来ておるというふうに考えます。
 法案の中身について、やはり党の責任は私一人ですから、立場上二、三点お尋ねをしておきたいと思います。
 「生産事業者の登録」というのを今回新しく取り上げられ、配布事業者については届け出制をとる。しかも生産事業者についての登録というのは、一日六時間程度の講習会を受ければ、それでもって登録の一つの条件を与える。こういうことで登録の条件を講習会の付与ということにしておるわけでありますが、生産事業者と配布事業者を登録と届け出に分けられた理由あるいはまたもう一つついでに時間の関係もありますからお伺いをしておきたいのでありますが、御承知の、今回新しく農林大臣の指定によりますところの特別母樹あるいは特別母樹林を指定できることになっておるわけでありますが、特別母樹林については伐採の制限ということが加えられておりまして、したがってこれについては損失補償をやることが法律上明定をされておるわけであります。半面、都道府県知事が農林省令の基準に基づいて指定をすることになります育種母樹、育種母樹林あるいは普通母樹、普通母樹林につきましては、これはとにかく伐採については届け出をすればよろしいというふうな形で、いわゆる農林大臣指定のものと都道府県知事の指定のものについては、それぞれの内容について差をつけられておるわけでありますが、登録問題にいたしましてもあるいは伐採制限等含む問題にいたしましても、こういう段階を設けられた前提に立って、なおかつこれから不良苗種を排除しながら優良苗種によって造林の実績をあげていくということに万遺憾のない体制が確立できるのかどうか。こういう点について、ひとつ御見解を承っておきたいと思います。
#97
○松本(守)政府委員 お答えいたします。
 特別母樹林を禁伐の原則にいたしております。これは原々種的な、しかも各県を超越したところの優良な種樹を得るねらいからそういうふうにいたして、これは農林大臣指定にいたしております。これに対しましては、立木価格を根拠にいたしまして、通常生じ得べき損失を補償するというたてまえ。
 それからもう一つの普通母樹林のほうは禁伐にもしておりませんし、補償の制度も設けておりません。といいますのは、わが国にいま一応母樹林として種のとれるような林分は各所にあるわけであります。これは森林計画によりまして計画的な伐採をしながら、その伐採をしないでとってあるものについての母樹林指定をしまして、伐採が行なわれるとそのあとそれを追加補充をしていくというたてまえから、禁伐にもしておりませんし、補償もしないことになっております。
 それからもう一つの、生産者の登録と配布業者の届け出制の差別でございますが、生産者の登録をいたしまして厳重な規制をすることによって、配布業者のほうは登録をするまでもなくて、一応届け出制で十分な指導監督ができるのではないかというこういう観点に立ちまして、その差別をつけた次第でございます。
#98
○角屋委員 最後に二点だけ、大臣にお伺いをして質問を終わりたいと思います。
 一つは、本法の制定に伴います関連の予算の問題でありますが、先ほども若干触れられておりましたけれども、すべり出しとしてはきわめて僅少であります。これはやはり今後林業種苗法に基づいて、造林の前提としての優良な種苗の確保という点から全国的な体制を整備するためには、一億四千五百万円、本年度当初予算の程度ではきわめて不十分であって、今後これを積極的に増額されなければならぬという問題が一つございます。
 それから、先ほどもちょっと触れられておりましたし、参議院の段階でも真剣な議論が行なわれましたが、造林の補助の問題については、これは実単価との間に相当な格差がある。こまかい数字は申し上げませんが、格差があって、これは関係者から本非常に強く、実勢にそのまま合致させるということがいわれているわけですが、最近の拡大造林はまあまあといたしましても、再造林の非常に低迷状況、造林をどんどん積極的にやっていかなければならぬという状況からみて、これらの問題についても、やはり予算の増額その他について積極的な努力が必要だと思うのです。こういう問題について、大臣の御見解を承りたいと思います。
#99
○倉石国務大臣 四十五年度予算の編成にあたりましても、私どもは造林、林道に特段の力を入れましたが、お話しのとおりございまして、私どもは将来ともこの関係の予算の獲得には全力をあげて尽くさなければいけないと思っております。
#100
○角屋委員 同僚の時間の関係もございますので、協力いたしまして、これで質問を終わります。
#101
○草野委員長 他に質疑の申し出もありませんので、両案に対する質疑はこれにて終局いたしました。
#102
○草野委員長 これより両案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 まず、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#103
○草野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 次に、林業種苗法案について採決いたします。
 本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#104
○草野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
#105
○草野委員長 この際、本案に対し、芳賀貢君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨説明を求めます。芳賀貢君。
#106
○芳賀委員 私は、ただいま議決されました林業種苗法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表して、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。
 まず案文を朗読いたします。
    林業種苗法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、特に左記事項に留意して運用の万全を期すべきである。
      記
 一、最近の苗畑面積の減少傾向にかんがみ、苗畑経営の安定を図るようこれが育成助長の方途を講ずること。
 二、林業種苗の需給の安定を図るため、需給調整の体制を強化するとともに苗木価格の安定に努めること。
 三、木材需要増大の動向にかんがみ、当面外材輸入の適正円滑化に努めるとともに、国産材供給の施策を一層強化するため、林道その他林業の生産基盤の整備を促進し、特に民有林造林事業を推進するため造林体制の整備充実につき検討すること。
 四、農山村における優秀な林業労働力の維持確保をはかるため、各種社会保障制度の適用等がうけられるよう雇用の安定、労働条件の改善等について必要な措置を講ずること。
 五、林木の幼令結実及び凍害の対策について、検討すること。
  右決議する。
以上であります。
 その趣旨につきましては、本日の質疑の過程においてすでに明らかにされておりますので、省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜わりますようお願い申し上げます。(拍手)
#107
○草野委員長 以上で趣旨説明は終わりました。
 木動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。
 芳賀貢君外三名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#108
○草野委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。
#109
○倉石国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
#110
○草野委員長 なお、ただいま議決いたしました両案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#112
○草野委員長 この際、農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、昨日来、理事会におきまして御協議願っていたのでありますが、先刻の理事会におきまして協議がととのい、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を作成した次第でございます。
  農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案
   農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 農業協同組合合併助成法(昭和三十六年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
 附則第二項中「三十一日まで」の下に「及び農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律(昭和四十五年法律第   号)の施行の日から昭和四十七年三月三十一日まで」を加える。
   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。
#113
○草野委員長 その内容につきまして便宜委員長から御説明申し上げます。
 御承知のように、農業協同組合合併助成法に基づく合併経営計画の提出期限は、昭和四十四年三月三十一日までとなっておりますが、今後合併によってその体制を強化する必要のあるものがなお相当数見込まれるのであります。このような事情にかんがみ、適正かつ能率的な事業経営を行なうことができる農業協同組合を広範に育成して、農民の協同組合の健全な発展に資するため、農業協同組合の合併を促進する必要性はなお存続しているので、今後とも農業協同組合の合併を促進するため、農業協同組合合併助成法の規定の例により、昭和四十七年三月三十一日までに合併経営計画を都道府県知事に提出し、その計画が適当である旨の認定を受けることができることとしようとするものであります。
 以上でありますが、なお詳細な内容等につきましては、お手元の案文により御承知願いたいと存じます。
 本起草案について、別に御発言もないようでありますので、この際、本案について、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣に対し、意見を述べる機会を与えます。倉石農林大臣。
#114
○倉石国務大臣 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案につきましては、政府としてはやむを得ないものと考えます。
#115
○草野委員長 おはかりいたします。
 お手元に配付いたしております農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案の草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#116
○草野委員長 起立多数。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決定いたしました。
 なお、ただいま決定いたしました本案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、明十三日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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