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1970/08/10 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第32号
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1970/08/10 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第32号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第32号
昭和四十五年八月十日(月曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 芳賀  貢君
   理事 山田 太郎君 理事 小平  忠君
      坂村 吉正君    瀬戸山三男君
      高見 三郎君    中垣 國男君
      松野 幸泰君    森下 元晴君
      山崎平八郎君    角屋堅次郎君
      田中 恒利君    千葉 七郎君
      中澤 茂一君    長谷部七郎君
      瀬野栄次郎君    鶴岡  洋君
      二見 伸明君    合沢  栄君
      小宮 武喜君    津川 武一君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
 委員外の出席者
        農林大臣官房長 亀長 友義君
        農林大臣官房技
        術審議官    加賀山國雄君
        農林省農林経済
        局長      小暮 光美君
        農林省農政局長 池田 俊也君
        農林省農政局参
        事官      岡安  誠君
        農林省農地局長 中野 和仁君
        農林省蚕糸園芸
        局長      荒勝  巖君
        食糧庁長官   森本  修君
        林野庁業務部長 福田 省一君
        水産庁長官   大和田啓気君
        通商産業省通商
        局次長     楠岡  豪君
        日本専売公社総
        務理事     黒田  実君
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月十日
 辞任         補欠選任
  渡辺  肇君     山崎平八郎君
  丸山  勇君     二見 伸明君
同日
 辞任         補欠選任
  山崎平八郎君     渡辺  肇君
  二見 伸明君     丸山  勇君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
#3
○芳賀委員 きょうは閉会中の委員会審査でありますので、問題は多岐にわたるわけでありますが、大臣の出席までの間、各担当局長に質問をいたしたいと思います。
 第一の点は、米の生産調整の問題でありますが、すでに各都道府県ごとに生産調整計画の実績確認を進めておりますので、現時点における調整の状態というものはどういうふうになっておるかという点について、これは資料に基づいてでよろしいですから説明を願います。
#4
○池田説明員 生産調整の実施状況でございますが、五月末現在で実施計画数量の取りまとめをいたしまして、これが全体の数量は百四十六万トン程度でございまして、その後確認が行なわれているわけでございます。早いところは七月一日現在、大部分は八月一日現在でございますが、確認が行なわれているわけでございまして、まだ私のところには全部の数字が出そろっておりませんので全体のことを申し上げるわけにはいかないのでございますが、大体のところを申し上げますと、実施計画数量より若干低めに実施が行なわれているというのが非常に多いようでございます。しかし、私どもは計画数量を非常に大幅に割るということではなかろうと思っているわけでございます。その中で、七月一日現在で実施を行ないました北海道、東北等の県につきましては、すでに七月末で申請の締め切りをいたしまして、地方農政局を通じまして私どものほうにきておるわけでございますが、その数字を私どものほうで十分審査した上で、早いものにつきましては八月の中旬には農家のほうに金が渡るというふうにいたしたいと考えております。
#5
○芳賀委員 そうしますと、生産者の協力による生産調整の関係については当初の百万トンの期待を大幅にこえる結果になるわけですが、一方政府の責任で進めることになっておる水田の転用の実現の問題はどうなっているか。いわゆる十一万八千ヘクタールの優良な水田を政府の責任において転用を進めて、これによって五十万トンの米の生産の縮減をはかる、この点はどうなっていますか。
#6
○亀長説明員 計画をいたしておりました五十万トンの転用による米作の縮減という問題につきましては、関係各省等でいろいろ調査をいたし、また自治省におきましても起債ワク等を大幅に認めるという各種の措置をとってこの進捗をはかっている次第でございますが、御承知のように、これは資金の量あるいは持っておる方の意向等非常に複雑な問題がございまして、私どもの現在の判断では、当初目的をそのとおり達成するには今後かなりの困難があるのじゃないかというふうに考えております。
#7
○芳賀委員 農地転用が進展しておらぬということはわれわれ承知していますが、現在どの程度までそれが行なわれておるか、内訳について説明してください。
#8
○亀長説明員 農地転用の実績につきましては、各県から農林省に報告をして集計をいたすたてまえになっておりますが、今年度まだ途中でございますので、十分な集計をいたしかねておるような実情でございます。
#9
○芳賀委員 それはおかしいじゃないですか。農地転用の場合は、面積によってあるいは都道府県の知事の転用許可あるいは農林大臣の許可事項になっておるわけですからして、転用を実際的に取り上げた場合は、たとえば七月末現在においてはどういう状態になっておるということはもう当然掌握しておるところだと思うのですよ。
#10
○中野説明員 農地転用の面からの許可実績でございますが、例年でありますと、年度末に一度県から報告をとり、農政局の分をとりまして集計をするわけでございます。去年からこういう実態になっておりますので、それを急いで今度の生産調整との関連での調査をいま進めておりまして、まだ農地局の手元で全部集計が終わっておりません。まだ途中でございますので、もう少し時間がたちますれば全部集計が終わるというふうに思っております。
#11
○芳賀委員 それでは次回の委員会までに取りまとめて委員会に報告できますか。
#12
○亀長説明員 次回の委員会までにできるだけの方法をもってできるだけの御説明ができるように準備をいたしたいと思います。
#13
○芳賀委員 次に、現在実施中の休耕田、いわゆる休耕しておる水田の維持管理等に対して、当然これは政府としても適切な指導を進める必要があると思うわけです。これが全然放置されておる場合には、来年耕作する場合にも荒廃して地力が減退するとか雑草が繁茂して生産が減退するとか、そういう思わしくない事態が生ずるわけですからして、何でもかんでも休耕等によって米の生産が減退すればあとはどうなってもかまわぬというようなことでは相ならぬと思うのです。ですからこういう点に対しては、農林省としてどういう具体的な方針を立てて、それに基づいて都道府県あるいは市町村等に対して実施を進めておるか。
#14
○池田説明員 休耕田の維持管理の場合の問題、これは実は私ども生産調整をやりますことを考えましたとき一番問題になった事項の一つであります。それで当初の指導方針といたしましては、やはりばらばらという休耕ではなしに、なるべく集団的な休耕が好ましい。そういうふうになりますとあとの維持管理が適切に行なわれる、こういうことでそういう指導を進めてまいったわけでございますが、現実には必ずしもそうばかりまいっておりませんので、やはり個々の農家が維持管理をせざるを得ない、こういう事態がかなり広範にあるわけでございます。
 その場合の適切な管理方法ということにつきましては、実はいろいろなかなりこまかい技術的な留意事項というようなものを私どもで取りまとめまして、そういうものを農協の組織等を通じて指導をやっていただく、こういうふうにやっているわけでございまして、私ども従来いろいろ現地等を見ておりますが、農家のほうも草をそのままはやすということではなしに、必要な防除をするとかあるいはできればやはり水を張るとか、そういうふうなことをいろいろくふうをしておられるわけでございますが、なおこの点については今後が特に問題でございますので、私どももさらにもう一度徹底するような指導をいたしたいと考えております。
#15
○芳賀委員 これに関連して、ことしは道営、県営事業あるいは団体営等によって休耕地を対象にした圃場整備事業等については、計画分については夏季施行を全国的に進めておることは御承知のとおりであります。これはわれわれとしても休耕田に対するその期間の土地改良事業等を積極的に国の責任で進めて、将来これが農地として十分活用できる土地条件の整備を行なうべきであるということはしばしば委員会等においても指摘したところであります。そこで圃場整備事業等の夏季施行がどういう状態で進んでおるか。あるいはまた今年度に入りましてから米の生産調整ということに問題が発展したわけですからして、今年度の休耕田を対象にして農家が積極的に――これはあるいは補助対象にはならぬ場合もあるわけですが、自力によって圃場整備あるいは暗渠排水等の土地改良事業を実施するというケースも相当多いわけであります。これらについては、補助対象にならぬ分等については当然農林省として非補助土地改良事業に対する公庫融資の道あるいはまた近代化資金の融資等については積極的に取り上げて行なう必要があると思うわけです。この点についてもことしの予算委員会の分科会等で私が指摘した点でありますが、農林省としては、この非補助の休耕田に対する土地改良事業については、特に融資問題等についてはどういう方針でこれが積極的に流れるようにしておるか、その現況について説明をしてもらいたいと思います。
#16
○中野説明員 土地改良事業の通年施行の問題でございますが、御指摘のように、農地局といたしましては生産調整の一環としまして積極的にこれに取り組むことにいたしまして、当初われわれといたしましては約三万八千ヘクタールの通年施行を実施するということにいたしました。そのうちで休耕いたします面積は、夏やる分が二万八千六百ヘクタールというふうに見込んでおります。そしてその休耕いたしました中では、内地では東北、北陸を中心に約二万二千ヘクタールになっております。北海道では秋をやりませんで、全部夏をやるということにしまして六千六百ヘクタール。なお北海道の場合は道営の客土事業で通年施行を約二千三百ヘクタールやるということになっております。ただその後そういうことで一応地元と相談をしまして、割り当てといいましょうか、そういうことを指示したわけでございますが、秋やる分を夏に繰り上げてやるということになっておる事情が若干の地域に出ておりますので、通年施行によります休耕面積というのは、先ほど申し上げました面積よりはもう少しふえるのではないかと見ております。
 それからなお構造改善事業のほうでも約二千ヘクタール程度の休耕が出ております。
 それから最後に御指摘の非補助融資、土地改良資金の公庫融資につきましては、われわれといたしましては、ことしの資金割り当ての中で区画整理事業として約五十億見込んでおりまして、積極的に夏季施行をやるという方針をとっております。まだその面積を具体的に把握はいたしておりませんけれども、これも二千ヘクタール程度になるのではないかというふうに見ておるわけでございます。
 近代化資金につきましてはワクが十分ありますので、それを活用して夏季施行をやっておるというふうに考えておりますけれども、具体的な面積はまだ把握しておりません。
#17
○芳賀委員 融資の点ですが、非補助事業に対する土地改良の公庫資金を五十億という説明でしたが、これは全国的に都道府県ごとに配分が終わっておるわけですか。たとえば北海道何十億とか何県何十億というように……。
 それから近代化資金についても、ことしも総ワクは三千億と思いましたが、これがほんとうに米の生産調整に伴う休耕水田の土地改良事業等について、積極的にこれを導入して活用しろというような指導をほんとうにやっているのですか。むしろ逆にそういう部面については、新規開田はことしは全面ストップですが、それとあわせて休耕水田に対する非補助土地改良等についても近代化資金は使用させないことが望ましいというような指導を実際はしておるのじゃないですか。ですからこの点について中野局長の説明だけではなかなか信用できないので、もう少し詳しく説明してもらいたいと思います。
#18
○中野説明員 公庫資金の土地改良の非補助融資の問題でございますが、先ほど申し上げましたように一応四十五年度の業種別の資金計画では約五十億と申し上げましたが、正確には四十八億二千四百万円というふうに考えております。ただ、これをたとえば区画整理あるいは農道、かんがい排水事業というふうな業種別の割り当てはいたしておりません。全体くるめまして農林省といたしましては、北海道それから各農政局別に資金の割り振りをいたしております。たとえば北海道では需要が約七億七千万あったわけでありますが、第一次の割り当てといたしまして七億三百万円の割り当てをいたしておりますので、地元の要望には大体応じておりますし、なお若干の保留がございますので、必要があれば再割り当てをするというふうに進めておるわけでございます。
#19
○小暮説明員 近代化資金のワクは御指摘のように三千億ございまして、現在までのところ各県からの要望はおおむね二千億台でございます。なお資金ワクにゆとりがございますので、県におきまして具体的な要望がございます場合には、十分資金ワクが配付できるというように考えております。
 なお、休耕田についての事業を抑制するという指導は一切いたしておりません。
#20
○芳賀委員 それでは近代化資金は、休耕田の特に非補助の土地改良事業等について、まあ休耕期間というのは一年ですから、来年はどうなるかわからぬということを政府は言っておるわけですから来年回しには当然いかぬわけです。それでは需要があればそれに十分にこたえるだけの供給力があるわけですね。三千億に対してまだ二千億しか全国から要求がないということになるので……。ただ、都道府県によっては違うかもしれぬが、とにかく米の増産につながる事業等について近代化資金を使うことは好ましくないということを農林省が指導しているのじゃないですか。新規開田はストップだが、休耕中の水田であっても基盤整備等の土地改良事業を施行しておけば来年また生産再開ということになれば、もちろん将来にわたって土地生産性の向上が期待できるわけですから、この点を明確にしてもらわぬと、農林省がそう言っているから近代化資金は使えぬのだ、そういう説が流れておるこの機会に、これを明確にしておいてもらいたいと思います。
#21
○小暮説明員 米の需給等の問題をめぐりまして、それぞれの地域におきまして今後の農業のあり方について議論が行なわれ、あるいは指導が行なわれることは当然あろうかと思います。近代化資金の制度としての運営上、特定の事業について抑制するという指導を農林省がいたしておる事実はございません。
#22
○芳賀委員 それではそういう点について間違った県があれば、是正するように農林省として適切な指導をしておいてもらいたいと思います。
 次に、四十五年度の政府買い入れに関する予約の状態はいまどうなっていますか。これとあわせて、予約の受付をする場合に従来にないような制限が加えられておるというようなことも各地で問題になっておるようでありますが、これもあわせて答弁をしてもらいたいと思います。
 それからもう一つは、カドミウム等の問題が非常に配給米の中においても論議されておるわけです。もちろんこれは生産者の責任によってカドミウム含有の米が生産されるわけではないが、しかし、たまたまそういう地域においてことし生産が期待される産米については、当然これは予約の中で拒否するというわけにはいかないと思うのです。そして一方においては、農林省としては一・〇PPM以下のものであっても米が余っておるので配給には全然回さないということをすでに言明されておるわけですから、そうなりますと、当然ことしの予約された米あるいは政府に売り渡される米の中にもやはりカドミウム含有の疑いを持たれるものも出荷されることは予見できるわけです。そういうような点についてもいまから明快に食糧庁としての取り扱い方針というものを立てて、生産農家に対してはいささかも不安を与えないということをきっちり方針として打ち出す必要があると思いますので、それらの点についてもあわせて答弁をしてもらいたいと思います。
#23
○森本説明員 本年産米の買い入れなり予約についてのことでございますが、現在の予約の状況は、七月の八日から予約を受け付けまして、八月の八日現在では七百九十四万四千トンという予約になっております。
 ことし特に予約の受付に対してこと新しいことをやっておるかということでございますが、本年の予約の集荷の要領というものを――これは毎年出しておりますが、従来のものに比べまして私どもとして配慮をいたしましたのは、最近御案内のように若干米の集荷をめぐりまして末端の集荷の取り扱い業者等において不幸な事件が発生をいたしております。そういう関係から集荷なりあるいは予約の面におきましても、従来よりももう少し手続関係を適正にやっていくということが必要ではないかということを痛感をさせられておりますので、集荷要領におきまして、担当の検査官が生産者の予約申し込み数量がその生産者の生産の見込み数量等からいたしまして妥当性を欠くものではないかどうかを確認した上で受理をしろというふうにいたしております。そういう関係から、本年として特に問題となりますのは、一方において生産調整というのが進行しておるわけでありますから、当然生産数量の中にそういった生産調整の進行状況が織り込まれてしかるべきであるということで、さような観点から見ても予約数量が著しく妥当性を欠くということはやはり適当ではないだろうというので、そういう点を十分確認をして予約を取り進めるようにということを末端の食糧事務所長に指示をいたしておるわけであります。ただこのことは、お断わりをいたしておきますけれども、別段予約を制限するとかあるいは最終的に本年産米について買い入れを制限するとかさような趣旨は毛頭含んでおるわけではございません。いま申し上げましたようなことで、従来のいろいろな体験にかんがみまして、あるいはまた本年の生産調整が進行しておるという具体的な事情のもとに、予約が適正に行なわれることを期待をしておるということにすぎないのであります。
 それからカドミウム米につきましては、先般配給面の取り扱いをきめまして食糧事務所に指示をし、また一般にも公表いたしたわけでありますが、予約なりあるいは買い入れ面につきましてどういうふうにするか、最終的には私どもとしては厚生省が食品衛生上の見地からいかような行政的な整理をなさるかということを見ましてきめざるを得ない性格のものであるというふうに理解をいたしておりまして、従来からも厚生省と打ち合わせを急いでおりますが、まだ最終的な詰めが残っております。かような時期でありますから、できるだけそういう打ち合わせを急ぎまして、生産者にも御迷惑をかけないように処理すべきであるということは十分承知をいたしておりまして、近々のうちにさようなものについても最終的な打ち合わせを了し、関係者にも周知するようにいたしたいというふうに思っておるのであります。
#24
○草野委員長 大臣が見えましたから……。
#25
○芳賀委員 それでは大臣にお尋ねいたしますが、いま食糧庁長官から答弁のありましたカドミウム含有の米の取り扱いの問題であります。もうすでに政府が買い入れ、保管しておる分の配給については全面的に配給から除外するということが方針として決定されておるわけですが、いまお尋ねしておるのは、現在四十五年産米に対して予約契約が進行中であります。おそらくその予約契約の中においても、地域的には含有の不安が顧慮される生産地帯というものが当然あるわけですから、これらに対しては予約の手続を進める場合においても、また実際の買い上げを行なう場合においても、生産者の責任でカドミウムの含有があるということにはならぬわけですからして、その点を政府として明確にしておく必要があると思います。生産された米、予約された米については政府として買い上げをする、この原則はいささかも変更はされないと思うのです。その後においてもしもカドミウムが含有されておるというような、健康上不安な買い入れ米についてこれをどうするかということは、その次の時点において政府の責任で処理すべき問題であるというふうに考えるわけです。だからこの際は、現在まで政府が保管しておる米については、カドミウムを含有したものについては一・〇PPM以下のものであってもこれは配給しないということがもう決定されておるわけですから、これは問題がないわけです。そうすると、四十五年産米の中においてもカドミウム含有の米については決定した方針どおり今後も配給しないということになると思うわけです。しかし農民の生産した米は、これは予約契約に基づいて全量買い上げをするということに当然なるわけですから、これは問題が交錯すると生産者あるいは生産地域に大きな不安を与えることになるし、社会不安を与えることになるわけですから、この点の取り扱いをこの際農林大臣から明確にしておいてもらいたいと思います。
#26
○倉石国務大臣 予約申し入れのありました米を買うことはもう御指摘のとおりきまったことでありますが、その中にいわゆるカドミウム米がいまいろいろ問題になっておるようでありますが、私どもといたしましては、いま政府部内、ことに厚生省で食品衛生関係を取り扱っておりますので、そのほうと事務的にそういう限界についていろいろ相談をいたさなければならぬと思い、また相談を進めております。その上でそういうものは一体どのようにして取り扱ったらいいかということの検討をやっておる最中であります。
#27
○芳賀委員 だから、このカドミウム含有米の基本的な取り扱いは、私どもの考えとしては、当然原因者というものを追及する必要があるわけですね。そうなれば当然その地域における企業がカドミウムを発生させる原因者ということになるわけですからして、やはり責任追及ということになれば、その原因を醸成しておる企業に対してあくまでも責任を追及するというのがやはり基本的な姿勢でなければならぬと思うわけなんですよ。いままでの政府のやり方を見ると、原因者に対する責任追及を徹底的に行なわない。そうしてある場合には政府がむしろそれをカバーするような行政上のやり方も見受けられるわけであります。こういう点については予約した米は当然全量買い上げることはもちろんでありますが、カドミウム含有の米が発見された場合はもう全然配給に回さないということに今後もなるわけです。そうすると、政府が一方的に損害を負担して企業に対しての責任を追及しないということになれば、これは国民からも非難が高まると思うわけなんですよ。ですから、こういう原則的な問題についても、この際明快にしておいてもらいたいと思います。
#28
○倉石国務大臣 農林省が予約申し入れのあった米を買うことはもう先ほど来申し上げております。そこで、買い入れても使いものにならぬというような米についてはどうするか。そういうものの負担を国家が負うべき筋合いではないと思います。したがって、そういうことについてはその責任の所在を明らかにいたしてまいらなければなりません。そういうことについて行政がまちまちであってはいけませんし、合理的に行なえますように政府部内に公害対策本部を設けまして、各省それぞれ専門家を集めて、そこで政府としてのしっかりした態度を迅速にとるようにいたしたいということで、ああいうものは設けられておるわけでありますから、政府はそういうことについて十分な内部連絡をいたしながら対処してまいりたい、こう思っております。
#29
○芳賀委員 次に大臣にお尋ねしたい点は、新都市計画法または農業地域振興法と関係のある問題ですが、新都市計画法に基づく市街化区域の線引き作業というのが相当進んでおるわけです。順調に進んでおるということにはなっておりませんが、進んでおります。これと関連して、市街化区域として認定された農地等について、これに対して農地の固定資産税の賦課方法というものをいままでと全く改変して、宅地としての取り扱いの課税をするという方針が政府の方針として決定されたように伝えられておるわけでありますが、これは重大な問題であります。したがって、この際農林大臣から政府としての市街化区域に認定された農地に対する課税問題等について明快にしておいてもらいたいと思います。
#30
○倉石国務大臣 新都市計画法決定の当時の国会におけるいろいろな御論議もあります。そういうことは私ども念頭にあるわけでありますが、いまお話しのような意見も新聞等に出ておりますが、私ども正式に御相談を受けてはおりません。そこで私ども、つまり将来市街化していくことになっておる地域について、もちろんその市街化に対する下水道の整備であるとかいろいろなことをどうせ始めるんでありましょうから、そういうようなことについてそういう場合どうするかといったようなことを事務的にも検討しなければならない問題であり、当然そういうことが出てくるわけであります。現在世の中に伝えられておりますような意見が政府部内にまとまったということではないのでありまして、私どもとしてもそういう点について十分に慎重に対処してまいりたい、こう思っております。
#31
○芳賀委員 それは個人の倉石さんじゃないですよ、政府の一員である農林大臣として、いまの答弁によりますとまだそこまで問題は具体的になっておらぬというような趣旨の答弁ですが、しかし、政府としてこれが具体的に問題を取り上げてどう処理するかという時点になった場合、あなたとしてはどういうふうにこれに対応されるのですか。税金の関係は大蔵省、あるいは地方税関係は自治省だから農林省はタッチする必要がない、わしに相談がないのはやむを得ぬというような、そういう傍観的な態度でこれを見のがす考えであるのか。これは当然農地、土地に関する問題ですからして、農林省としても重大な責任と関心をもって取り組んでいかなければならぬと思うのですよ。もう少し具体的に答えてもらいたい。
#32
○倉石国務大臣 具体的に問題になってくるときには当然農林大臣もそれに参加いたしてきめなければなりません。いま具体化しておるわけでありませんのでお答えがしようがないのでありますが、新聞等によりますと、先ほどお話しのようなことが書いてあります。私どもとしてはそういうことについて相談にあずかっておりません。私どもの態度は、先ほど申し上げましたように、この法律制定の当時のいきさつもございますので、そういうことを念頭に置いて対処してまいりたい、こういうふうに思っておるわけです。
#33
○芳賀委員 きょうの委員会開会前に、この種の問題について委員会として関係団体から陳情を聞いておるわけですが、大臣の答弁からいうと、そういう問題はまだ具体的な課題として政府部内で全然取り上げていないということになると、全く切迫した事態でないのに心配しておるというふうにも見受けられるわけですが、それでは少なくとも今年度中一ぱいくらいはそういう問題は政府部内において起きてこないというふうに判断しておるのですか。
#34
○倉石国務大臣 新都市計画法制定の当時から、すでに、地方にだんだんとああいうふうな計画で都市ができていく、それに対応するようにしなければならぬ、こういうことでわれわれは国会においてああいう法律を制定いたしたわけでありますが、その後の推移によりまして、ただいま御指摘のように編入されておる農地についてはいままでのような税制では不合理であるという意見は、もうすでに政党その他からしばしば出ておる意見であります。しかし私ども正式にそういうことについて政府としての態度をきめるときには当然私どもも参画をいたしまして、そこで制定をしなければなりません。そういうことでありますので、相談のある前にもわれわれの考え方をきめなければならぬかもしれませんし、相談があれば当然私どもとしてはわれわれの立場から御相談に応じてまいりたい、こう思っておるわけであります。
#35
○芳賀委員 大臣も御承知と思いますが、新都市法が成立した過程においても、当該委員会等においては市街化区域に編入された農地の場合であっても、その土地が農地として経営されておる限り、あくまでもこれは税制面においては農地としての取り扱いをすべきである、こういうような趣旨の国会の決議等も行なわれておるわけです。あるいはまた、当委員会において農業地域振興法の審議をしました際にも、当然新都市計画法との重大な関連がありますので、取り扱い上の問題としては、農地に対する課税の問題等についてもこの点は厳重に政府の方針というものを、これをただしておることは記録においても明らかであります。ですから、いま流布されておるようなこの市街化地域における農地に対する課税方針を根本的に変える、宅地並みにするというようなことになれば、いまの農地の固定資産税の百倍以上の課税ということに当然これはなるわけですね。これはたいへんな問題だと思うわけです。ですから、そういうことは将来においても絶対に行なわれないように、これは農林省としても十分な警戒をする必要があると思うわけです。したがって、まだ全然そういう問題が政府部内において論議されておらないということであればよろしいですが、とにかく全国的にこれは伝わっておる問題であります。この際農林大臣からあらためてこれに対する言明をしておいてもらいたいと思うわけです。
#36
○倉石国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、われわれの態度は変わっておらないのでありますが、具体的にいろいろな意見が出てまいることであろうと思います。そういうことに対処いたしまして、十分私どもの考え方も取り入れて決定ができるように努力をしたいと思っております。
#37
○芳賀委員 この機会ですから大臣に、来年度の、昭和四十六年度の予算編成作業をすでに各省において進めておるわけでありますが、八月中に各省の概算要求を取りまとめて大蔵省に概算要求を行なうということになるわけでありますので、この際、農林省としての四十六年度のいわゆる農林予算の編成にあたって編成の方針といいますか、主要な点について大臣から説明を願いたいと思います。
#38
○倉石国務大臣 まだ私ども部内におきまして精力的にみんな勉強いたしておる最中であります。しかし概算要求をぽつぽつ取りまとめてまいらなければなりませんので、いままで農林省として声明いたしてまいりましたこの方向について、これを予算化してまいるわけでありますが、近年経済の高度成長いたしましたことは、農業の発展に対しましてもいろいろな大きな影響を及ぼしてまいっております。最近では、わが国農業は米の需給、農業構造、農産物価格、それから輸入政策などの面におきまして困難な問題に直面いたしておるわけであります。今日の農政に課せられました重要な課題は、農業の生産性の向上を進めつつこれらの諸問題に適切に対処をいたしまして、農政の基本目標であります国民に対する食糧の安定的供給を確保する、これがわれわれの眼目でありますが、そういう眼目について種々、具体的に申せば各局所管別にそういう方向に従ってわれわれの政策を予算化してまいるということのためにただいま努力をいたしておる、こういうところでございます。
#39
○芳賀委員 その中で特に問題になる点は、ことし行ないました米の生産調整を来年度においてこれを引き続き継続することになるのではないかというふうに予測もされるわけでありますが、一体この米の生産調整問題というものは来年度において農政上の重要な課題としてどう取り組むか。当然これには予算が伴うということになるわけですね。
 それからもう一つは、いわゆる過剰米処理の対策でありますが、当委員会においても政府米の輸出に関する法律等を成立さしたわけですが、四十二年、四十三年、四十四年と、四十四年は、これは当該年度ですが、相当量の過剰な政府米に対して明確な処理方針というものがまだ定められておらないわけです。ですから、これらも当然来年度の食管の予算あるいは農林省の予算を策定する場合においては、具体的にあるいは計画的に過剰米の処理をどうするか、これに伴う処理対策費というものをどうするかというようなことも当然これは明らかにしなければならぬと思うわけです。他にも幾多総合農政を展開する際の政策予算の問題もあると思いますが、この際、米の来年度における生産調整に対する方針と在庫する過剰米に対する処理方針というものを、農林省の予算編成とあわせてどう考えておるかという点について大臣から説明してもらいたい。
#40
○倉石国務大臣 過剰米はなるべく早くできるだけ処理いたしたいと思っておりますけれども、御存じのように、政府買い入れ価格に比べますと非常な損失を生ずるわけでございますので、われわれも頭を痛めておるわけであります。輸出にいたしましてもそれから飼料に使用させるような場合においてはなおさらそういうことであります。それからまた、いやしくも横流し等の不正な行為をなからしめるためにはどういう措置を講じなければならないかといったような、なかなか難問題があるわけでありますが、お話しのように、来年度予算の編成にあたりまして、私どもも過剰米の処理についてはなるべくひとつ多量に具体的にできるように計画を立ててみたいと思っております。
 それから生産調整につきましては、これは本年をもって終わりということにはなかなかならぬのではないか。したがって、ただいま鋭意全国各地の状況を集約中でありますが、この集約の最終的に決定いたしました段階において、政府部内においても十分に相談をいたしまして来年度どのように対処したらいいかという政府の態度をきめてまいらなければならぬ、このように思っております。
#41
○芳賀委員 ここで一例をあげると、私の農協においては四十二年の政府米を七千四百俵倉庫に保管しているのです。これは農協としては全く迷惑な話なんですが、この聞くにに帰りまして、もう政府は四十二年の米は全然配給に回さぬということを言っておるが、うちの倉庫に保管しておる四十二年の米はどういう状態になっておるかということを係の者に確かめたわけです。ところが四十二年の米は北海道においても非常に良質な米でして、私の農協の倉庫に保管中のものについては全然変化がないわけなんです。変化がないということは、これは配給米として十分国民に供給できる、そういう品位を保っておるわけなんですが、これは全国的にもそういう保管上りっぱな政府米として管理されておる四十二年の古米も多いと思うのですよ。そうであっても、政府はもう四十二年の古米は配給しないということで進めるわけですね。これは善良な管理をしておる農協としてはまことに心外な話なんですよ。これは一例ですが、農林大臣はこういう問題を一体どう考えておるのですか。とにかくいい米であっても何でも古いんだからこれはもう食糧には配給しない、処理をするということであれば、それなりにこの際明らかにしてもらいたいと思う。
#42
○倉石国務大臣 私はあまり知識を持っていないのでありますが、私の出生地などのいなかでは、古米のほうが味がいいというので、金持ちは倉へ古米を積んでおいて、それを出して食べる。あまり裕福でない者は新しい米を食うといったような、これは子供のころそういうことをよく聞いておりました。いまはだいぶ事情も違うようですし、そのための米倉などもいまお話しのような農協のああいう倉庫と昔の土蔵の米倉とはだいぶ違うかもしれませんが、私はどうも農林省が配給いたしますときに古米がだいぶ蓄積されておるといわれておりますが、なるべく新米を差し上げますよと、こういうふうなことを言いましたところが、やはり消費者の評判がたいへんよかったというふうなことを考えてみますと、どうもやはりなるべく新米の配給量を多くしていくということがいいんじゃないかというようなことで、いま食糧庁としてはやっておるわけであります。そういうわけで必ずしも四十二年産米ということを限定しなくてもいいと思うのでありますが、いま申し上げましたように、新米を希望する者が多いようでありますので、そういうことにいたしておる、このように私どもは理解いたしておるわけであります。
#43
○芳賀委員 いま聞いておるのは、政府としては四十二年産米ですね、政府の手持ちしておる四十二年産米、これは全国の農協倉庫にまだ保管されておるわけですが、これは政府の方針としては配給米にはもう回さないということにきめられておるように私は承知しておるわけですが、配給に向けないということになれば、これはもう人間の食糧には向けないということになるわけですからね。その保管しておる農協としても、これは考えなければならぬわけですよ。もう人間の食糧に回さないものを何年も何年も保管しているというのは全く迷惑千万で、またことし新しい米が出れば保管上も倉庫が狭隘でどうしたらいいかという心配さえもあるわけなんです。それはほんとうに私の承知しているように四十二年の政府保管米というものは今後もう一切配給に回さないということが方針として事実であれば、その点明らかにしておいてもらいたいのです。
#44
○森本説明員 こういうふうに非常にたくさんの米を政府が持っておるということでありますから、どういうふうな米から消費者に配給していくかという問題であろうと思います。
 従来はなるべく、何といいますか、均等にといいますか、そういう形で消費者のほうに配給をするということでやってまいりましたけれども、米の需要の拡大といったような観点もございますし、またできるだけ消費者が好む米を選択をして消費者の需要に応ずるように私どもとしても考えなければいかぬというふうな観点から、新米の配給割合をふやす、あるいは四月以降は新米を必要だ、ほしいという消費者に対して全部新米で配給しても差しつかえないというふうな方針をとってきたわけであります。
 で、御指摘がございましたように、四十二産ものとしてはりっぱに主食用に回り得るような状態であることは否定をいたしません。したがいまして、消費者あるいは販売業者のほうでそういって古い米でもおいしいからほしいということであれば、現在でもそういう選択に応じて古米も配給しても差しつかえないということにいたしておるわけであります。しかし、大量の米を一体何から優先をして食べていただくかということになれば、現在のところはできるだけ新しい形で消費者の方にお渡ししたほうがすべて好都合ではないか、そういうことでやっておることを御理解をいただきたいと思います。
#45
○芳賀委員 長官、そういう持って回ったような答弁でなくて、私の聞いておるのは昭和四十二年産米については政府の手持ちの分については政府としては配給に回さないということであれば、それだけの答弁でいいのですよ。
#46
○森本説明員 四十二年産米を絶対に配給に回さないと――先ほど申し上げましたのはさようなことではない。やはり新米なりあるいは古米なりというものを優先的に配給をするという需要者の選択に応じて、そういう方針であるということを申し上げておるのであります。
 したがいまして、大体四十二年産米はかなり残るということは、これはまぎれもない事実でありますから、私どもは特殊な用途に売却をする産米としては四十二年産あたりを優先的にむしろそちらのほうに回していくというふうな取り扱いであるということを申し上げておるわけであります。
#47
○芳賀委員 それではまだ今後数年間農協の倉庫で四十二年の米を保管しておかなければならぬわけですか、食糧米として………。
#48
○森本説明員 先ほど申し上げましたように、過剰米の処理についてできるだけ早急にめどを立てて特別の売却なり、あるいは用途なりに向けていきたいということでございますから、そういった御指摘のような産米についてもなるべく早く処分をして保管上御迷惑をかけないというふうなことにはもちろんつとめてまいるつもりであります。
#49
○芳賀委員 だから、先ほど農林大臣に来年度の予算編成にあたっては米の生産調整の問題とあわせてこの古米の処理対策というものをどうするかということを明確にすべきでないかということを指摘をしておるのですよ。いいですか、一年保管すればトン当たり一万円かかるわけですからね。今後二カ年保管すれば二万円保管経費がかかるわけですよ。現在の判断でも食糧米でなくて、その他に売却するという場合は、大体トン当たり二万円程度というふうに食糧庁は見込んでおるわけでしょう。今後一年間保管すれば、その経費を差し引けば、トン二万円で払い下げても、一万円しか手取りはない。二年間今後保管すれば、二万円で売っても、保管料を二万円払えば、もうゼロ、ただということになるじゃないですか。そのぐらいの見通しが役人の頭の中で計算が立たぬというはずはないのですよ。だから、年次的に古い分から処理をするならするとか、他用途にこれを売却するのであればするとか、もうすでに明確な方針を立てておかなければいかぬじゃないですか。それが結局、回り回って米価の連続据え置きとか、農民に対する犠牲の転嫁ということになるわけでしょう。もう少しまじめな答弁をこの際しておいてもらいたい。これは大臣からでも長官からでもいいですよ。
#50
○森本説明員 先ほど申し上げましたように、過剰米の処理につきましては、種々用途なりあるいは売却、横流し防止といったような観点から、相当複雑な問題がございますので、私どもとしては、五月以来、学識経験者にお集まりをいただいて、大体、いままで事務的に検討してまいりましたことを御披露申し上げまして、そういった方々から、大所高所の、あるいは専門的な用途別の詰めをやっていただいておるという段階であります。できるだけ早急にこれのめどをつけたいということで、ほぼ、現在の見通しでは、九月にはそういったものの全体の整理ができるのではないかというふうに思っております。そういう上に立って、今後、おそらく一年、二年ということではなしに、多少年はかかるかもしれませんが、そういった年次的な、あるいは用途別の大体の処理の計画といいますか、めどを立てたいというふうに思っております。したがって、また来年度予算においても、さような観点から、所要の検討が行なわれてくるということになるわけであります。
 また、過剰米の処理にあたりまして、古いものから処理をしていく、それはもちろん当然でございまして、私どもとしても、できるだけ、現在持っておるもののうちでは、四十二年産が最も古いものでありますから、さようなものから早急に処理をはかっていくという態度は、御指摘のとおりでございます。
#51
○芳賀委員 農林大臣にもう一点だけお尋ねしておきたいと思います。
 農地法、農協法の改正が当委員会の審議を通じて行なわれたわけですが、これとの関係もあるわけですが、実は、石川県において、農地の無断転用の問題が発生いたしまして、すでにこれは農地局においても調査等を進めておると思うわけであります。この点は、農林大臣、直接承知しておられるかどうかわかりませんが、一応、問題だけを示しておきたいと思います。
 これは、石川県の加賀市の新保町で、新保土地改良区が、これは団体営農事業として行なったものだと思いますが、開拓パイロット事業を昭和四十二年から四十四年まで三カ年計画で実施をしたわけであります。その以前に、この地区は、構造改善事業を昭和三十九年から四十一年まで三カ年計画で実施いたしまして、この構造改善事業についての事業費は、一億二千万円ということになっておるわけです。もちろん、これは国の補助は五〇%ですから、金額は省略しておきます。それから、開拓パイロット事業については、対象の面積が一一・一ヘクタール、これに対する事業費が四千九百万円、この補助率は五五%ということになるわけです。したがいまして、開拓パイロット事業についても、四十四年度でこれは完了しておるわけですが、この事業完了した水田農地が直ちにゴルフ場に変形するという、そういう状態が起きておるわけなんですね。パイロット事業を三年やって、造成されたとたんに、今度は、それがゴルフ場に変形するというような仕事が進められておるわけなんです。これはもちろん、石川県ですから、北陸農政局の所管地域なわけですね。地元の新聞等の報道するところによると、これはもう以前からこの問題が取り上げられておるわけです。ところが、なかなか地元農政局においても、この調査とか処理が進展しておらぬ。その後、農地局においても、これは実態を調査することになっておるわけですね。関係の新聞等には、中野農地局長のこれに対する見解とか談話も一部記載されておるわけですが、これは明らかに農地法上から見ても、悪質な違反行為ということになるわけです。農地局長は十分これは承知しておられると思いますが、農林大臣としても、これらの悪質な問題が最近随所に、形は違っても、出ておると思うのですね。それは、米の生産調整に伴う政府の農地の転用を進めるというような方針に基づいた農林事務次官の通達等によっても、もうどういう農地であっても安易に転用ができるというような、そういう誤まった判断を植えつけておるわけです。場合によっては、政府がこれを助長するような行政的な姿勢があるのかもしれません。したがって、この種の問題は、これが発展すると、制度上も重大な問題になりかねぬわけですからして、この委員会を機会に私から提起するわけですが、農林大臣としては、この種の問題をすでに御承知になっておるかどうかということです。まだ聞いておらぬということであれば、これは後刻、農地局長から、いままでのこの問題に対する北陸農政局の取り上げた調査あるいは処理の経過の概要とか、農地局としてこれに対してどういう調査を進めて、これに対してどういうような裁断をするかというような点については、責任のある答弁をしてもらいたいと思うわけですが、この際、農林大臣が――この問題だけでないですよ、これに類似した問題が全国で多発しておると思うのですが、この問題以外でも、御承知の問題があれば、この際、進んで述べてもらいたいと思うのです。
#52
○倉石国務大臣 ただいま御指摘のことは、報告を受けておりませんけれども、私どもば、農地法、農協法その他総合農政を推進してまいりますために必要な法的措置等を講じましたゆえんのものは、しばしば申し上げておりますように、われわれの農業というものをどこまでも維持確保してまいりたいという方針でございますので、ただいま生産調整に伴って農転を緩和いたしました事柄は、そのことのために、ただいまの例でお引きになりましたような、それがもし真実であるといたしますれば、とんでもない間違いでありまして、私どもは実に意外千万だと思いますけれども、そういうことのないように、私どもといたしましては農転を緩和いたしましたゆえんは、そういう一つの目標にあったのでありまして、そのために農政がずぼらになっていいというわけでは断じてないのでありますので、たてまえはくずしておりませんが、具体的なただいまのお話を私まだ報告を受けておりませんので、局長からお答えいたさせます。
#53
○芳賀委員 申し合わせの時間がきましたので、いまの問題等については午後の機会に質疑を続けることにいたします。
#54
○草野委員長 次は二見伸明君。大臣の時間があと四十分から五十分ぐらいしかないので、お二人で分割してもらいたいと思います。
#55
○二見委員 時間がありませんので大臣に簡単にお尋ねしたいと思います。
 最初にちょっと確認いたしますけれども、先ほどの御答弁でちょっとはっきりしなかったので確認したいのですが、いわゆるカドミウムを含有している米について、まず四十五年度産米については、一PPM以下については買い上げるけれども、配給米に回さないということでよろしいのかどうか。それから一PPM以上については、いまだ農林省としては買い上げるかどうか方針がきまっていない、こういうふうに先ほどの御答弁で感じたのですが、それはその点でよろしいでしょうか。
#56
○森本説明員 カドミウム米に関連をいたします買い入れの取り扱いについては、先ほど御答弁を申し上げましたように、目下関係各省、特に厚生省と食品衛生上の取り扱い問題について詰めを急いでおります。そういう政府部内の検討の結果を待ちまして、最終的には私どもは米の買い入れの方針をきめたいというふうに思っております。早急にこういうことは処理をしなければならぬということで、近々にその結論をつけるつもりでございます。
#57
○二見委員 ということは、一PPM以下についても目下検討中ということですか。
#58
○森本説明員 全体を含めまして目下検討しておるというところでございます。
#59
○二見委員 これは当然その検討の中で出てくる問題でありますけれども、かりに一PPM以下については買い上げるけれども、配給米に回さないといった場合、先ほど大臣から、これは国が負担すべき筋合いではないという御答弁がございましたけれども、配給米に回さないことになれば、それについての費用といいますか、それは農林省としては企業に請求いたしますか。
#60
○森本説明員 買い入れにつきまして、どういう根拠で、どういう理由でいかなる処置をするか、配給につきましても同様に、いかなる理由でどういう取り扱いをするかということとお互いに関連をして処理をしなければならぬことでございますから、もちろん私どもとして企業に対する責任の問題を別段安易にするといったような考えはございませんけれども、最終的なそういった負担関係については、ただいま申し上げましたような買い入れについての事柄の整理、売り渡しについての事柄の整理と相関連しながら、最終的な態度をきめるべきだというふうに思っております。
#61
○二見委員 どうもその点の答弁がはっきりしないんですね。最終的には検討するというけれども、もしそういう米を配給米に回さない場合には、農林省としてはその配給米に回さない分については当然企業にその責任をかぶせる、またたとえば一PPM以上は買い上げないとすれば、それについて生ずる農家の損失は企業に負担させる、この方針だけは、安全基準をどうするこうするという問題とは別に、これだけはまずきめておくのがあたりまえだと私は思うのです。それは検討するというよりも、もう方針としてきめておいていいと思うんですがね。あなたの御答弁ですと、最終的には検討するということで、途中までいい線でくるのだけれども、それから先がどうもあいまいになるわけです。
#62
○森本説明員 基本的な考え方としては、ただいま申し上げましたように、企業に対する態度をあいまいにするつもりはございませんけれども、かような問題は、やはり事柄の性質ということを十分見きわめませんと、そういったことの最終的な負担関係というのはなかなかむずかしい問題でございますから、いまどういうものについてどうするということをこの場で明言をする段階にはございません。いずれにいたしましても、最終的な私どもの考えとしては、近々にそういったことを整理をして決定をしたいと思っておりますので、御了承をいただきたいと思います。
#63
○二見委員 はっきりいたしませんけれども、先に進みます。
 話が抽象論になりますとやりにくくなりますので、具体的な問題でお尋ねしますけれども、群馬県の安中に生じた米の問題ですね。現地に私行きましたら、たしか東邦亜鉛の原因によるカドミウム、今年産米の十一ヘクタールについては現地でもって話し合いはついたらしいのです。だけれども問題は来年どうするのか、来年以降はここをどうするのか、こういう問題が非常に深刻になっているわけです。私はこれは必ずしも安中だけの問題じゃなくて、これから起こってくる全国各地方における問題だと思いますけれども、農林省としては、こういう汚染田に対しては来年度以降はこういう方針でいくのだ、こういうきちんとした方針を持っているのかどうか、その点いかがでしょうか。
#64
○森本説明員 汚染田に対しまして御指摘がございましたように、単に本年産の米を買い入れるかどうかということにとどまらず、来年以降にわたってそういった田に対してどのような生産の指導をするかということは、きわめて重要なことだと思います。私どもとしては最終的にいま検討しておるところでございますけれども、政府が万一ある種の米を買い入れることが食品衛生上適当ではないというふうなことになりますれば、もちろんさような田に対しまして必要な生産の対策、転作なりあるいは土地改良なりその他所要の措置があろうと思いますが、さような措置についても早急に私どもの態度をきめていかなければいかぬということで、目下検討しているところであります。
#65
○二見委員 実は大臣に御答弁願いたいのですけれども、たとえばこの群馬県の問題は、現地の県の農政部あたりでは、来年は作付転換しよう、そういう方針でいるわけです。ではどういう方向で作付転換するかというと、食糧は無理だというので、苗木だとか植木だとか、そういう方向に作付転換したらいいんじゃないか、県当局ではそういう考え方を持っているわけです、十一ヘクタールのこの汚染のはなはだしいところについては。問題は、そうした場合、作付転換するといっても、農家にとっては、いままで米をつくっておったのを植木にかえるというのはたいへんな話です。その場合に、ことしの場合は、作付転換すれば反当たり三万五千円の奨励金が出ましたけれども、来年は国としてはそういう助成については、たとえばそういう作付転換をするというような場合については、政府としてはどう考えておるのか。たとえば政府が奨励金を出して作付転換をさせるのか、それは企業が原因者なんだから、その作付転換に対する費用は、たとえば全額企業に負担させるとか、企業と国でもって折半するとか、そういう方向で作付転換の指導をしていくのかどうか、その点はいかがでしょうか。
#66
○加賀山説明員 ただいま大臣にお尋ねでございますけれども、若干技術的な問題が入りますので、私がかわりましてお答え申し上げます。
 いま問題になっておりますのは、確かに米でございますが、米の中にその土壌中のカドミウムがどのように移行するかというのはたいへん技術的にむずかしい問題でございまして、この点につきまして試験研究機関あげましていま検討いたしておりますが、はたしてそのほかの作物にどのようにカドミウムが移行するかという問題は、これはまたさらにむずかしい問題をいろいろ含んでおりまして、確かに安中におきまして現在汚染されました十一ヘクタールぐらいの水田につきまして庭園樹等を植えるという、そういう県の報告を受けておりますが、はたしてそれが十分に生育いたしますものか、われわれのほうといたしましてまだ十分な知見を持っておりませんわけでございます。それからまたそういうふうなことをいたします場合に、いろいろと米をつくった場合とそのような庭園樹をつくった場合とのその収益の差が出てまいりますけれども、こういったものにつきまして、やはり農家に対しまして何らかの処置をしなければならない、そういう問題が残るわけでございますが、これは先ほどからいろいろと議論に出ております要するにそういう問題の費用負担をどのように考えるかという根本的な問題に関連いたしまして、これは先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、政府をあげて関係省が協議をいたしてどのようにいたすかということを現在検討中でございますので、そのようなことと関連いたしまして、早急に方向を明らかにいたしたい、かように考えております。
#67
○倉石国務大臣 安中のことはいま申し上げました。
 一般的には、作付転換を来年も継続するとすれば補償金は出すのか、これは先ほど芳賀さんにもお答えいたしましたように、いま今年度分を集約いたしております。どういう結果が出てまいりますか、それからまた休耕、転換、そういうような比率等も勘案いたしまして、来年度どうすべきかということについて具体的な検討をいたして、その上で態度を決定したい、こう思っております。
#68
○二見委員 来年も作付転換、ことしと同じような方針をとっていけば、こういう地域がたとえば作付転換すれば、それは国のほうから当然奨励金は出る。もしことしと同じやり方を来年継続すれば、あなたの御答弁ですと、来年もそうすれば奨励金は出す。もしことしの生産調整が、奨励金を出すのはことし限りという場合には、そういう地域については費用負担等の問題はあるけれども、これは国と企業者側とが話し合うかどうか、どういう形になるかわかりませんけれども、いずれにしても農家には心配をかけない、こういう基本的な姿勢で農林省は臨むのだと、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#69
○池田説明員 基本的には先ほど大臣からお答えがあったようなことでございまして、来年度の生産調整、生産抑制対策をどうするかというのがまだ検討段階でございますので、まあカドミウム関係の地域につきましてもその際の中の一つの項目になろうかと思うわけでございますが、ただ一般的な考え方といたしまして、たとえば政府の買い入れの対象になりがたいような米の生産地域というようなものにつきまして、これはかりにことしのような生産調整の場合で考えてみますと、そういうものを政府のそういう奨励金の対象にするというのはいささか問題があるのではないか、これは基本的にはやはり企業の責任の問題がございますので、私どもは現在におきましてはそれを生産調整の奨励金の直接対象にするには若干問題があるのではないかという感じを持っておりますけれども、なお来年度の問題として十分検討いたしたいと考えております。
#70
○二見委員 生産調整の対象とするのは問題があるからこれはむしろ企業責任でやらせる、こういうことですね。基本的な考えはそういうわけですね。
#71
○池田説明員 政府の買い入れの対象にならないような米について、一般的な考え方としてはそのようなことではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#72
○二見委員 大臣、ちょっと基本的なことですけれども、たとえば安中で現在起こっているのは、人間のからだについてはイタイイタイ病じゃないかという病気が起こっています。それから農産物については減収という結果が出ているわけです。こういう減収という結果ですね。カドミウムによる減収というか、東邦亜鉛を原因とした汚染、それに伴う減収、こういうようなものについては大臣もやはりこれは公害である、公の害ですね、公害基本法でいう公害であるというふうに認識されておられるでしょうか。それとも、新聞では安中公害とかいう公害を使っているけれども、まだ公害と断定するまでにはいかないという認識でしょうか。その点はいかがでしょうか。
#73
○倉石国務大臣 ただいまそういう問題の出ております地域の県のほうで鋭意調査をいたしまして事情等詳しくわれわれのほうにも連絡があるはずでございます。御存じのように中央で公害対策本部ができましたときに地方でもなるべくつくってもらいたいという、ほとんど各県がそれをつくることにいたしておるようであります。したがって、そういうところで取り上げましてわれわれのほうに詳細な報告があるわけでありますが、そういう報告を中心にいたしまして政府において態度を決定してまいりたい、こう思っております。
#74
○二見委員 まだ公害とまで大臣は認識されておらない、そういうふうにいまの答弁は受け取れるわけですけれども、そういうふうに受け取ってよろしいですか。
#75
○倉石国務大臣 一つ一つの問題で私がここでとやこう御返事を申し上げるということは、まだ実情を把握しておりませんので申し上げかねるわけでありますが、いま申し上げたように地方の自治体からそういう報告が来るはずでありますので、そういうものを基準にいたしまして政府として処置を考えたい、こういうわけであります。
#76
○二見委員 時間がありませんのでまとめてお尋ねをいたしますが、一つは、群馬県の調査によると安中市では米の減収が反当たり、十アール当たり五十二キログラムの減収です。高崎でも二キログラム減っておりますし、麦におきましては十アール当たり百三十二キロの減収になっているわけです。こういう減収に対する損害というのは、損害賠償は地元では個別に会社側と折衝しておるようでありますけれども、会社側の巧妙な作戦によるのかどうかわかりませんけれども、農家二戸当たり千円とか二千円とか、せいぜい高くて一万円とか、驚くべき低い金額でもって現実には話し合いがきまっているわけです。しかも会社側からは、幾らで妥結したかということは他の者に一切口外しないという一札が農家には入れられておりまして、農家のほうではなかなか幾らで妥結したかということは会社側との約束だからというのであまり明らかにしておりませんけれども、わかった範囲内でも千円とか二千円とか、それも坪当たりとか反当たりでなくて農家二戸当たりです。そういうあまりにもちょっとばかにした方法じゃないかと思うような、ばかにした金額じゃないかと思うような金額でもって現地では妥結している。農林省というものがもし農家の味方である、農家の生活を少しでもよくしよう、こういう損害に対しては農林省が積極的に当たっていこう、こう考えるならば、私はこういう減収についても農林省は何らかの態度を示していいんじゃないか。現地では県もタッチしておりませんし、もちろん国のほうは全然タッチしておりませんし、現地の農家たちが個別に六つばかりの団体をつくって交渉しているだけなんです。これは安中ばかりじゃなくて、これからも起こってくる全国各地的な問題だろうと思いますし、農林省としては、こういう減収の被害ですね、これに対して、企業に対してはもう中立でいくのか、企業に対しては厳重に忠告をするのか、農民のバックアップをしていくのか、そこら辺の基本姿勢はいかがなんでしょうか。
#77
○倉石国務大臣 政府が先般公害対策本部というものを設けて首相みずからその本部長に就任をされた。また同時に地方に各県にそれぞれ地方本部を設けてもらいたい、で、国と緊密な連絡をとりながら公害に対処してまいりたい、こういう決意をもっていま動き出しておるわけでありますから、われわれはそういうたてまえをどこまでも貫いてまいるつもりであります。ただしかし、そういう公害対策本部というものができました以上は、これは少しも早くない、当然やるべきことであったと思うのであります。そこで各行政官庁ばらばらにいろいろなことをやって効果があがらないよりも、あそこにすべてを集中して、政府としての統一した方針を打ち出してまいりたい、こういうわけでありますので、地方からそれぞれのことについて申告、連絡がくるはずでありますので、そういうことと相まって対処してまいりたいと思いますが、ただいま御調査の結果の御指摘がございましたので、私どもといたしましても一体どういうことになっているのか、そういうことについても研究してみたいと思っております。
#78
○二見委員 それからこれはやはり厚生省の調査ですけれども、安中の小麦のカドミウムの含有量が最高三・五六PPMと出ているわけです。現在米についてはいろいろな批判はあるけれども、玄米で一PPMという安全基準は示されている。これについてこの数字がいいか悪いかは別ですけれども、一応示されている。麦についてはこういう安全基準はないわけです。現地の人はこの小麦をうどんにして食べている。これについて安全基準をつくるのは厚生省のほうの問題だといえばそれまでかもしれませんけれども、農林省としてはこういう問題について正式に厚生省に申し入れるのかどうか。私、先日農林省の担当の方に聞いたところが、担当者の間ではいろいろな話し合いがあるということは聞いております。しかし農林省として正式に安全基準を設けてくれという要請を厚生省にしたという話は私は聞いてないわけです。その点は今後どういうふうに対処していくのか。
#79
○加賀山説明員 ただいま御質問の麦についてでございます。これまでは米につきまして第一義的に厚生省も食品衛生上の問題として考えておると思いますが、麦その他いろいろの作物もございますが、そういうものにつきましても引き続き厚生省のほうで検討するように現在聞いております。
#80
○二見委員 聞いているのじゃ困るのです。麦ばかりじゃなくてあそこは野菜もありますし、いろいろな作物があるわけです。それは全部厚生省まかせにするのか。食べているのは農家なんです、自分でつくって自分で食べているのだから、そこはだいじょうぶとかだいじょうぶでないとか、その基準くらいははっきりしなければ現地の人だって不安でしょうがないし、そこでできた作物を安心して町にも売りに行けないだろうし、その点がはっきりしなければ消費者からもまたボイコットもされるだろうし、厚生省にまかしておるのじゃなくて、農林省が施設がないといえばそれまでだけれども、むしろ厚生省に厳重に申し入れるなり、早くつくれという要請をするなり、その点は強硬な態度で臨んでいいと思うのです。もちろん厚生省でやっていると思いますが、他人まかせであっては断じてならないと私は思うのです。
#81
○加賀山説明員 ただいまの私のお答えが少しそういうふうな感じでお答えしたかと思いますが、決してそういうことではないのでございまして、カドミウムの人体に対する影響等につきましては厚生省のほうから御答弁いただきたいわけでございますが、技術的に非常にむずかしいいろいろな問題を含んでおります。米以外の麦その他の作物につきましても当然米で行なわれたようなものができることをわれわれ期待いたしております。またわれわれのほうとしてはそういうことを厚生省のほうに促進するように申し入れたい、かように考えております。
#82
○二見委員 時間が来ましたので以上で終わります。
#83
○草野委員長 瀬野栄次郎君。
#84
○瀬野委員 農産物の流通対策に関連して農林大臣にお伺いいたします。
 さきに運輸省においても海運白書で長距離カーフェリー時代の幕あけについて発表しているところでありますが、海のバイパスといわれる日本カーフェリーが宮崎県臨海工業地帯の日向市の細島港と京浜地区の川崎市との間八百八十七キロメートルに昭和四十六年三月一日就航予定で、ターミナル建設にも着手し、着々準備が進められておるわけであります。この日本カーフェリーの計画によりますと、六千総トンの四隻によって上下便とも毎日運航し、積載重量約千八百トン、最大速力時速三十九キロメートルとなっております。このカーフェリーが就航すると、海陸輸送を一体化し、確実、安全かつ迅速な輸送と、コストの低減、運転手不足の解消等、画期的なものであります。農産物特に野菜等の輸送は一日三百トンが可能とされておりまして、現在陸送であると貨車で六日間、トラック輸送で五日間、このように費やしておりますが、このカーフェリーによりますとわずか二十六時間で消費地に着くというものでございます。野菜の鮮度も試験輸送済みでございまして、保持できるとの結果が出ておりますし、また将来における農作物生産地と消費地と直結するものでございまして、農作物の遠距離輸送を中心とした流通機構を革命するものとして期待されるところでございます。
 ところが、宮崎県から東京市場に運ぶ農産物の生産体制というものは、年次計画に沿って主産物であるスイカ、トマト、キュウリ、カボチャ、ピーマンなど生産拡大の方向にあるというものの、同県の四十四年度生産実績は八万七千三百トンでありまして、この程度の生産量では年間平均して一便に三百トンの積み込みが非常にむずかしい状況と言えるのでございます。しかも収穫時には一時に出荷が集中するので、積み出し港では保存と市場への計画的な出荷体制の整備が急務とされており、これら当面する問題に対処するために宮崎県では農家の生産出荷体制の整備、新しい産地の形成策として行なわれる大型畑作の団地づくり、冷凍倉庫の建設など取り組んでおりますが、南九州の食糧基地という観点から、宮崎一県でなく九州全体から日向市まで、輸送道路整備等、計画をしていかなければこれの輸送には事欠くということでありまして、国の援助、指導がなければどうにもならない状態であります。これらの画期的な農産物流通体制について、農林大臣の御見解を一点承りまして、私の質問を終わることにいたします。
#85
○倉石国務大臣 日向市の細島と川崎市を結びますカーフェリーは、来年三月に就航すると聞いておりますが、これに伴いまして農産物等の海上輸送が行なわれるものと考えられます。南九州からの青果物の海上輸送につきましては、物価の安定上、その他の効果も期待できると考えられますが、消費地の需要動向に即しまして青果物の安定的、計画的な供給が継続的に行なわれるように野菜指定産地の生産出荷近代化事業等によりまして産地の生産体制、集荷体制の整備につとめてまいりたいと思っております。
 なお、農林省におきましては、現在農産物の海上輸送の問題点を明らかにするためにいろいろな所要の調査を実施いたしておりますので、そういう調査の結果をも参考にいたしてまいりたいと考えております。
#86
○瀬野委員 以上で、時間の制限がございますので、大臣に対する質問はたくさんありましたが、一点だけにしまして、残った問題は午後質問いたすことにしまして、私の質問を終わります。
#87
○草野委員長 小平忠君。
#88
○小平(忠)委員 私は生鮮食料品、特にバナナを中心としまして、その輸入並びに販売行政について政府の所見をただしたいと思うのでありますが、本日は通産大臣の出席を求めておりますが、通産大臣は所用のためにお見えになれないそうであります。そこで農林大臣に、時間が制限されておりますので、要点をかいつまんでお伺いいたしたいと思うのであります。この生鮮食料品でありますが、特に農産物の輸入行政と国内流通行政で率直に農林大臣の所見を承りたいと思います。
 政府は生鮮食料品の価格安定と流通機構整備、これを当面の重要な課題といたしまして取り組んでおるようでありますが、輸入生鮮食料品が次第に拡大いたしまして、その量もまた増大いたしております。しかしこの増大とともに、私は重要な問題を包蔵いたしておると思うのであります。しかし、率直に申し上げて、このような見地に対しては政府は格別の検討を行なっていないような感じがいたします。
 そこで、その輸入行政と国内流通行政について農林省はどのような構想、どのようなビジョンをお持ちになっているか。政府はさきに割り当て輸入行政において、これに後続する国内販売行政は、戦時には経済統制によって緊密なる関連を持ちまして国民消費層に安価に提供する仕組みとなっておりましたが、戦後統制経済は撤廃され、割り当て輸入統制だけが単独で残存しておるのであります。このために国内販売面が自由に放置され、政府割り当て輸入物資はその輸入業者に私物化されまして、販売方法と価格は業者の自由の状態に放置しているのが実情であります。このために、異常な価格高と輸入利権化等を生ずる結果となり、この割り当て獲得をめぐって醜い争いが絶えないことも周知のとおりであります。戦後も割り当て輸入という統制に後続する物資の国内販売が自由経済主義で放任されたところに重大な誤診があったと判断するのでありますが、現在の割り当て輸入行政についても、すみやかに私は流通機構を整備して割り当て輸入の精神に即応する販売に規制すべきであると思うのであります。このような点について農林大臣の所見を承りたいと思うのであります。
#89
○倉石国務大臣 農産物の輸入につきましては、ただいまもう御存じのように、自由化の傾向に沿って自由化しておるものもあり、いまのお話のように、制約を加えておるものもございますけれども、わが国の農産物の生産と調整いたしながら、できるだけ自由化は維持してまいりたい、こういうことでございます。個々の品目につきましては、御存じのようにそれぞれ割り当て等差異を生じておるわけでありますが、方針としてはいま申し上げましたような態度で政府は臨んでおる、こういうことであります。
#90
○小平(忠)委員 これは非常に重要な問題でありますから、農林省だけでなく、通産省両者にまたがる問題で、具体的な問題は通産省関係は通産大臣、また通商局長にもお伺いしたいと思いますが、そこで私は具体的な問題としまして、バナナの輸入並びに流通販売行政について、特にこれは通産省にウエートが多くかかる問題でありますけれども、しかし農林省所管の事項でもありますので、特にこれは具体的にお伺いしたいと思うのであります。
 生鮮バナナについては、大臣も御承知のように昭和三十八年四月一日から輸入の自由化を実施いたしまして、その年の輸入量は二十五万五千六百四十八トンでございましたが、日本経済の成長に伴いまして逐年一五%前後の増加を示しまして、四十四年には七十三万八千五百五十五トンとなりまして、七年間に二八九%に達した成長物資でございます。しかるにバナナ輸入界も加工界も次第に混乱を増大し、年々の輸入拡大に反比例いたしまして経営不振におちいっているという事実は、これは中小企業安定対策あるいは消費者という見地から見ましても放置できない問題であると私は思うのであります。
 輸入生鮮バナナはそのままでは食品となりません。追熟加工を必要とする原材料でございまして、したがってその輸入業は原材料の輸入業なのでございますから、輸入は政府割り当て輸入が自由輸入に変わっただけで、輸入業界の原材料輸入が割り当て輸入と同様に依然需要者たる加工業界の需要とは取引上の関係がなく、一方的に輸入量を策定実施いたしまして、実需に関係ない見込み輸入、思惑輸入を行なっておる。これが各輸入団体の競合によりまして過大輸入を行ない、これを加工業者に押しつける。加工業界がこれを拒否すれば荷渡しを拒否されて原材料入手が不可能となり、その押し売りを甘受せざるを得ないという立場に置かれているのが現状でございます。
 かかる状態のために、加工界も自然発生的に輸入業務に進出いたしまして、一そうの過大輸入の激化と流通混乱とを発生いたしますし、数量圧迫によって輸入加工業界が赤字経営に転落しているということの最大の原因となっておるのであります。したがいまして、輸入方式の転換にはこれに対応できる輸入と国内流通体制の改革を必要とすることは言うまでもございませんが、輸入面では一億総輸入業者的行政を続け、国内販売は戦後引き続き放任を続けているというのが、皆さんこれが現状であります。
 かかる状態に対しまして、政府は最近産業構造審議会輸入部会内に生鮮バナナ分科会を設けまして、ビジョンの策定と現状改善の対策を求めておりますが、自由化以来八年にしてようやくこの状態でしかないのであります。日本は委員会行政ではないのでございますから、通産、農林両当局が輸入、国内流通についていかなるビジョンと改善対策を持っているのか、非常に重要な問題でありますから、私はまず農林大臣から率直な御意見を伺いたいのであります。
#91
○楠岡説明員 まず事務的な問題でございますが、産業構造審議会の下部機構におきまして輸入についてのいろいろな対策を講じようとしているけれども、それについてのビジョンはどうかという御質問でございます。
 私どもとしましては、輸入は安いものが確実に入ってくる、それが消費者に確実に届くということがいわば輸入政策のねらいかと存じております。ただ具体的なたとえばバナナの輸入秩序ということになりますと、バナナの輸入業界内部の問題もございますし、またバナナのただいま御指摘のような輸入業者と加工業者との関係もございます。したがいまして、政府があるものを押しつけると申しますと語弊がございますけれども、考えてそれでやれというよりも、やはり関係業界の御協力を得て、いわば一致した御意見である方向に持っていくということが望ましいのではないかと思います。したがいまして、ただいま先生の御指摘のように、関係の業界のいろいろな御意見とか、そういうものをできるだけ取り入れまして、いわば一つのコンセンサスを得るというような意味で、民間の業界の方あるいは学識経験者の方の御意見も伺っておるということでございます。
#92
○小平(忠)委員 それでは答弁になりません。実は農林大臣、このバナナの輸入並びに最近の販売行政というものは紊乱のきわみです。したがいまして、私は本日の件については、農林、通産両大臣、それから両省の主管局長に内容も明示してあります。農林大臣は、どこまでこのバナナの輸入並びに販売行政がなっているかということを把握していらっしゃるか。最近の台湾バナナの輸入行政と、それから一般市販の現状というものは、このままに放置できないところまできております。したがいまして、若干これは事務的な問題でありますけれども、実情を説明申し上げながら質問したいと思うのです。
 日本バナナ輸出組合が輸出入取引法に基づいて昭和四十年九月に設立を許可されております。この組合は、輸入業界の上部機構として直接輸入業務に関係せず、公正、中立な立場をとって業界の合理化を果たす法律上の責務を負っております。したがって、このために役員は業者代表ではなく、自然人と規定されている。事務局も参事も包括支配人の資格を与えられておりますから、官吏に準じた職務上の刑事責任を負うことになっています。しかるに、この組合は、あたかも台湾バナナ輸入割り当て業者のような性格を表面に打ち出して、自然人たる理事が業界代表として取引の協議を行なっている。この組合の名においていわゆる貿易協定を行なっておるのであります。したがいまして、この日本バナナ組合は、実質的には台湾バナナ輸入割り当て団体であり、役員は業者代表であると言っても過言でないのであります。この事実は、役員選挙で一票に百万円以上の買収費が収受されているといううわさが飛んでおるということも、こういうところに原因があるのです。この組合の性格上、法が目ざす運営についても支障が出ていますし、他のバナナの輸入団体も、この組合を対立団体と意識して組合の本来の任務を果たし得ない現状になっているのであります。かかる法律違反の運営を認めているのはどういう理由なのか、その見解をまず明らかにしてほしい。なお、この組合が台湾バナナの輸入割り当て団体であることに組合の運営の重大な法律違反があると判断するのでありますが、これを組合業務からはずして組合外に置き、他のバナナ輸入団体と同列に置く考えはないのか、この点についてもお伺いをしたいのであります。
#93
○楠岡説明員 組合の役員についての御質問でございますが、輸出入取引法の十九条の六というのがございまして、それで輸出入取引法の十九条を準用しておりますが、その趣旨は、組合員については、中小企業等協同組合法の第三十五条を準用するという趣旨でございます。中小企業等協同組合法の規定によりますと、組合の役員の理事の定数の三分の二は、組合員または組合員たる法人の役員でなければならない、こういうことでございます。したがいまして、ただいまの輸入組合でございますが、バナナ業者である法人の役員が理事になっておりますこと自体は、法律的には問題はないと存じます。それでは、その役員が仕事をする際適正であるかどうかという問題になるかと存じますけれども、一般的に申しまして、役員は組合の総会できめられました方針に従って仕事をするわけでございますが、業界出身の役員のほか、もちろん員外理事も認めておるのでありますけれども、業界団体ということでございますので、やはり組合の役員に業界の、会社の役員が多数並ぶということはやむを得ないことでございまして、それが総会できめられた方針に忠実であるかどうかということに問題は帰着するのではないかと思います。この点につきまして、もし組合の総会できめられたような事項に違反する、あるいは輸出入取引法に抵触するようなおそれがある場合におきましては、当方としては注意をしていくというのが当然であろうかと思います。
 それから組合の職員でございますが、職員は輸出入取引法の四十一条、これによりますと、いわゆるアウトサイダー規制をしております。組合の役職員は、わいろを収受します場合、普通の公務員等に準じたような扱い、つまり収賄罪に罰せられるということでございます。
 それで御質問のポイントは、まず現在のバナナ輸入組合が台湾バナナ輸入組合ではないかということでございますが、御指摘のように、現在日本バナナ輸入組合の一番大きな仕事は、台湾側との値段の、あるいは取引条件の決定を、毎四半期までに先方と交渉をやることでございますが、なお全般的な問題といたしましても、先生御指摘のようなバナナ全般の取引の協定をどうしたらいいかということも、現在通産省と、あるいは農林省の御援助も得まして、さらに加工業界の御参加も得まして、検討中でございます。
 重ねて申し上げますが、日本バナナ輸入組合の役員としまして、現在やっておりますことが法律違反ではないかということにつきましては、私どもはないと思っておりますけれども、なお今後ともその業務が適正に行なわれますよう十分注意をしていきたいと思います。
#94
○小平(忠)委員 ただいまの件については、時間がございませんので、さらに午後の時間に担当局長に疑問の点をあらためてお伺いしたいと思います。
 それで時間の都合もありますので、農林大臣、このバナナの加工団体の設立目的とその事業について、非常に重要な点でありますから、一、二点お伺いしたいと思うのですが、農林省は、中小企業団体組織法に基づいて、全国を農政局単位に分割して、九地区にバナナ加工商工組合と、東京にその連合会として日本バナナ加工商工組合連合会の設立を指導しているわけです。これを認可しておりますが、加工業近代化についての努力は理解できるのでありますけれども、しかし肝心の輸入、流通の改善についてはいまだその緒についていないのであります。この団体がいかなる方向で、いかにしてこの輸入、流通の改善を行なうべきであるかという、その点について農林省としての立場から、大臣はどのようにお考えか。
#95
○倉石国務大臣 いろいろ過去の歴史等もありまして、なかなかむずかしい問題が多いようでありますが、バナナの国内流通面で大きな役割りを果たしておりますのは、いまのお話のバナナ加工業でございます。零細規模の中小企業者がその大部分を占めておりますので、その取引形態もどうもきわめて非合理的なことが多いように見受けられております。このため政府は、いまお話のございましたような中小企業近代化促進法によりまして、四十四年にバナナ熟成加工業を指定いたしまして、今後原料バナナの共同購入等、取引の合理化及び計画化、それから企業規模の拡大、加工施設それから加工技術の近代化などによりまして、バナナ加工業の近代化と省力化を促進いたしまして、加工、流通の合理化をはかってまいりたい、こういうことで農林省は対処いたしておるのでありますが、先ほど来お話のように、いろいろなお問題もあるようであります。私どもこういう中小企業、しかもすぐ隣国の生産物を取引いたしておるところでありますので、その運営等については合理的にまいるようにわれわれの立場として指導してまいりたい、こう思っております。
#96
○小平(忠)委員 そこで、大臣に重ねてお伺いいたしますが、台湾バナナの再自由化についてお伺いしたいと思うのです。
 政府は、五月末の日華貿易経済会議で、八月末までに台北におきまして台湾バナナ貿易制度改革に関する日華両国政府の担当官会議を開催することになっておるようでありますが、この日華両国政府の担当官会議に臨むいわゆる基本姿勢として、この台湾バナナの再自由化をどのようにしようとお考えになっておるのか、端的にお伺いしたいと思うのであります。
#97
○楠岡説明員 台湾等の……。
#98
○小平(忠)委員 通産省に聞いているのじゃない。
#99
○倉石国務大臣 通産省の方が見えておりますので、この自由化の問題は、申し上げるまでもなく、通産が所管しておることでありますので、御遠慮申し上げて、通産省のほうから先にと思ったのでありますが、それでは私どもの立場のほうから申し上げます。
 台湾産バナナにつきましては、ただいま御指摘のございましたように、日華協力委員会等でこのごろいろいろ会合がございまして、そこで御発表があったようでありますが、この自由化につきましては、輸入実績者割り当て制度をいまとっておる。これは四十年七月から輸入秩序の確立をはかる方途といたしまして、関係方面の意見を調整した上で実施されておるものでありますが、その再自由化につきましては、通産省が主管でございますので、農林省としては、輸入秩序の混乱等から国内産果実に著しい悪影響を及ぼさずに、かつまたバナナ加工業の近代化を阻害することのないような見通しが得られることが必要である、そういう立場でこの再自由化に対処してまいるつもりであります。
#100
○小平(忠)委員 大臣がいまおっしゃったように、確かに自由化の主管は通産省です。しかし、バナナそのものが通産、農林両省のいわゆる所管事項である見地から、大臣がいまおっしゃるような、四十年に割り当て制度に切りかえた。もう五年たっておる。ところが、今日この輸入行政並びにバナナの販売行政が、一体取り扱いの中小企業なり消費者が黙って放置できるような現状にあるのかどうかということについては、それは大臣考えるようななまやさしい現状ではないのであります。したがいまして、この点はもっと事務的に午後の時間にお伺いいたしまして、その点を明らかにしたいと思うのでありますが、しかし、もうすでに今日の段階では、すみやかにこれを改善しなければならぬ段階に来ているのであります。したがいまして、本件は、農林大臣がいま伺った範囲ではあまり精通されておらないようでありますけれども、事務当局から十分に実情を把握されまして、すみやかにこの円滑なる輸入行政、いわゆる販売行政、流通機構については徹底的な改革、そしてもう台湾バナナについての再自由化はそんなゆうちょうな考えではおられないし、すでに今月末日華のいわゆる担当官会議も持つ段階に来ておりますので、私は、農林大臣といたしましても慎重に対処していただきたいと思うのであります。
 約束の時間が参りましたので、残余の問題は農林省の担当局長並びに通産省の局長から午後お伺いすることにいたしまして、私の午前の質問を終わります。
#101
○草野委員長 午後二時再開することとし、これにて休憩いたします。
   午後零時五十八分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十六分開議
#102
○三ツ林委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。芳賀貢君。
#103
○芳賀委員 午前中の質疑で指摘しました石川県の加賀市神保町における農地の転用問題について、農地局長からできる限り詳細な説明を願います。
#104
○中野説明員 午前中お話のありました片山津のゴルフ場の問題について、経緯を御説明申し上げます。
 この春ごろでございますが、地元の神保の土地改良区の理事長から、昨年までつくりました開拓パイロットあるいはその前につくりました、構造改善でやりました農地につきまして、他用途転用にしたいという陳情があったわけでありますが、これは県としては公共投資をやったばかりのところであるので不適当であるという回答をしたわけでございますが、その後地元では、ちょうど本年の米の生産調整との関連から、開田をやめて芝に転作をするということをきめたようであります。そこで米の生産調整の実施計画の対象田として芝転作を認めてもらいたいという陳情が県にありまして、県はその際に、ゴルフ場の対象用地にはしないということと、それから芝の栽培、売買の契約について地元農家が芝の作付を行なうことということ、それからそういうことにすれば、米の生産調整実施計画の対象田として休耕転作を行なう、それからなお土地改良事業を実施した地域でありますので、地区内の道路、水路、畦畔等の形質変更は行なわないことということにして、一応芝転作を認めるということになったようであります。ただその後実際には、いわゆる芝の栽培というような形態で行なわれてはいませんで、農家のほうはこの周辺にゴルフ場を経営しております北陸観光株式会社、そこに芝の栽培を委託をしておる、そういった実態があったものですから、六月に入りまして地元の市のほうで実際の転作の状況を調査をいたしましたら、ゴルフ場に変わっておるということで驚きまして、すぐ県に報告があり、県のほうは六月末に農地の無断壊廃の疑いがあるので、工事は中止するようにということで、文書で地元に命じたわけでございます。そういうことでございますので、石川県庁といたしましては、米の生産調整の対象にならないということで、休耕という面からは実施計画からはずしたということになっております。したがいまして、現在では無断転用のままで、それをどうするかという問題が残っておるわけであります。そこで北陸農政局から本省のほうにも先般報告がございまして、これは午前中にもちょっと芳賀先生、大臣に対してお触れになりましたようなことで、個々そのものについての議論は別にあるかと思いますけれども、一般論といたしましても農地の壊廃が無秩序に進む、こういうことがまかり通れば無秩序に進むということもございますので、やはりこういうような実態につきましては何らかの処置をすべきではないかというふうに考えまして、現在われわれ進めておりますのは、一応無断壊廃の疑いがあるわけでございますから、これを原状に回復するようにということで、北陸農政局に私のほうから指示をしまして、いま地元ではそういう折衝をしておるところでございます。
#105
○芳賀委員 先ほど私が指摘しました当該農地の面積の点ですが、これは若干誤りがありまして、開拓パイロット事業に供された面積の合計が二十一・九ヘクタール、このうちいま問題になっておりますところのゴルフ場転用の事業を進めておる面積が十一・一ヘクタール、こういうことになっておりますので、この点訂正しておきます。
 いま局長の言われた実態を聞きますと、農地局においても相当詳細に事実を掌握しておられるようでありますし、またこの取り扱いについては午前中に大臣が発言されたように、いま国の米の生産調整あるいはまた優良農地の転用の問題等に便乗して、全く無法状態で、法秩序を無視したような状態で、せっかく国が助長した構造改善事業あるいはパイロット事業というものが、完成して農地としての生産効果をあげる前にゴルフ場等に転用されるということは、個々の実情がどうあろうとも、これは絶対に容認してはならない問題であるというふうに考えられますので、きょうはこういう問題をこちらから指摘したわけでありますが、次の委員会までに農地局においても直接現地の実態等の調査を行なわれて、いま北陸農政局が原形に戻すべしという勧告もしておるわけですから、それらが忠実に守られて、造成農地が原形に復しておるかどうかということについても十分確認をして、その結果を次回の当委員会に報告をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#106
○中野説明員 次回の委員会に、その後の経過等を御報告申し上げたいと思います。
#107
○芳賀委員 次に食糧庁長官にお尋ねしますが、四十五年産米に対する予約契約の問題であります。午前中に、ことしは特に正確を期するための確認作業を事前に行なうということの説明がありましたが、局長の説明程度であればこれはあたりまえのことで別に取り上げるまでもないことですが、われわれの承知しておるところにおいては、予約開始に先立って、食糧庁長官の正式通達であるかどうかは明白でありませんが、とにかく食糧庁長官名をもって文書で全国の出先機関に指示をして、ことしの予約の確認事務にあたっては生産調整との関係もあるので、従来の実績から大体八%程度を控除した数量の範囲内で予約数量の確認をせよという指示が流されておるわけです。これが現地において混乱と不安を巻き起こしているわけですから、もう少し具体的に、この正確を期するための確認作業というものは一体どういうものであるかという点について、御説明を願いたいと思います。
#108
○森本説明員 午前中に申し上げたわけですが、毎年米の予約が始まります前に、「事前売渡申込制集荷要領について」というのを文書でそれぞれの食糧事務所に対して、どういう要領で予約の事務を取り進めるかということを出しておりますが、多少前年と変わったところがあります。変わりましたところは、事前売り渡し申し込みの手続を進めるにあたっては、先ほど申し上げましたようなことで、生産者の生産数量等を勘案して、妥当性を欠かないようなものであるかどうかというふうなことをよく確認をして予約の受け付けをするようにというような文章が入っております。
 なお、午前中に申し上げましたように、昨年集荷業者等の手続の関係が適正でないというふうな事例が二、三の県において見受けられるというふうなこともありますから、そういった意味の不正な手続なり手段によって米穀を売り渡すというふうなことについて適正な処置をするというふうなことが、今年の集荷要領において前年と違って書き込まれたところであります。
 御指摘がございましたところは、私どもとしてそういうふうにかなり多くの生産者なり集荷業者を扱うわけでありますから、そういった確認をするにあたりましても、全部が全部まんべんなく見るというのも手続上なかなかやっかいでございますから、何らかのめどを立てて、そういっためどから見まして精査を要するというふうなものを見つけ出すという必要があるわけであります。そこで、そういった判断の基準の一応のめどといたしまして、前年の予約数量から本年の生産調整数量を差し引いた数量というのを一応のめどにいたしまして、そういった数量を上回るような予約の申し込みがございますれば、生産者あるいは集荷業者から十分事情を聴取するということが、事務の手続を進める上においても一つの必要なことではなかろうかという意味で、事務連絡といいますか、具体的なこういう集荷要領を、運営する際の一つの運営の心がまえといいますかそういう意味で、事務所に対しまして、御指摘のような数字をめどとして適正な予約の手順を進めるようにということを連絡をいたしておるというのが事実でございます。
#109
○田中(恒)委員 ちょっと関連して。
 いま長官のほうから、従来と違って、従来の場合は生産面積に平均反収をかけて、保有量を引いてそれを一応予約の目標というような考え方で進められておったと思いますが、ことしの場合は、昨年の予約実績から生産調整の数量を引いたものを予約目標という形で掲げられておりまして、いま長官のお話のように、一つのめどとしてということでありますが、現実には一つのめどというのが画一的に、末端に行けば行くほど非常にかたいものになっておりまして、ある地区では、この地区の総予約数量これまでというふうなものが数字で出ておりまして、その指示が末端の食糧事務所に行っておるから、食糧事務所の担当官はそれから上はだめなんだ、こういうことになっておりまして、私どもの県ではほとんどの農協で農家の出したものを変更するような作業が起きておるわけです。これは私どもの県だけじゃなくて、新聞等で見ると、関東でも九州でも起きているようでありますが、何か農林省にお聞きをいたしますと、あくまでもめどなのでということですが、現地におりますとめどが一つのワクになってしまって、本来の予約制度の根本に触れるような事態が起きておるわけですが、この辺は運用上、ひとつ食糧庁長官としてこの委員会で、それぞれの地方の実情なりあるいは個人個人の農家の実態というものを的確に把握する場合には十分に参酌をしていくんだということについて、ひとつ明快にしていただきたいと思うのですよ。それをしていただきませんと、もうすでにお盆前の概算金の問題等で、ほとんどの地区では食糧事務所が言われるままに書き直して出しているところがたくさん出ておりますけれども、なお二、三のところではいろいろ問題をかかえてこの問題で苦慮しておりますので、この機会に長官のほうからはっきりこの取り扱いについての方針を御明示をいただきたいと思います。
#110
○森本説明員 趣旨は私が申し上げたとおりでございますが、御指摘がございましたように、全国のことでございますから、あるいは私どものほうの出先の扱いがやや画一的、また弾力性を欠くというふうなこともあったかと思います。またさような事例も、私どもは、現地において起こっておるということも現地からの報告がございますから、御指摘のようなことがあったかとも思いますが、その後私どものほうでは、それぞれの出先に対しまして、これは一つのめどであり、したがってそういう数量から上回る予約は絶対に受け付けないといったようなことではない。現にそれぞれの現地における実情をよく勘案をして、そういうめどをこえたといたしましても、たとえば生産調整数量が自家飯米農家に割り当てられておるというのがやられておる、したがって予約数量にはそのままその数字がストレートに反映するものでないとか、あるいはその他の事情によりまして、これ以外の数字が現地の実情から見て決して間違ったものではないというふうな確認が得られれば、受付をしても一向差しつかえないのだということを漸次各地方に連絡をいたしまして、浸透しておるということでありまして、実際に受け付けております状況を見ましても、それぞれのところにおいてはさようなことで弾力的に運営をしておる事例も多数出てきております。なお、そういう事柄について現地で十分わかっていないというところがございますれば、私どものほうからもよく指示するつもりであります。
#111
○芳賀委員 いまの長官の答弁で大体理解できるわけですが、とにかく最近は生産者が政府のやり方に対しては非常な不信感を持っておるわけですから、それだけみんな神経質になっておるわけです。警戒心が高まっておるわけですから、無用な刺激を与えないということも行政を進める上に非常に大切なことだろうと思うので、十分注意してもらいたいと思います。もちろん長官名の電信が発せられたのは、予約開始が七月八日ですから、現在はもう全国各地で生産調整の個別確認が進んでおるわけですから、現地の食糧事務所においても、地元市町村の確認された休耕の面積とか実態を基礎にしての予約の確認をやる場合には、それが一番重要な資料になるわけですから、そういうことで進めておると思いますが、ぜひ末端において不安、混乱のないように責任をもって指導してもらいたいと思いますが、その点、心配ないですか。
#112
○森本説明員 重ねてのお尋ねでございますが、先ほど申しましたような趣旨で十分現地の出先機関に対して指導するつもりでおります。
#113
○芳賀委員 次に農地局長にお尋ねしますが、六十三国会で成立しました農地法、農協法の改正に基づいて十月から改正法が施行されるということになるわけですが、その中で農地法の改正の新しい点としては、草地利用権の問題があるわけです。まだ十月にはなっておりませんが、この草地利用権の運営に関連して、たとえば国営あるいは道営の開拓パイロット事業が調査あるいは実施設計の段階に入っておる地区において一番問題になるのでは、その地区内の民有未墾地等については、これは相対売買を進めて合意に達したものをパイロット事業の対象にするということになるわけですが、今度草地利用権が制度化されるということになれば、この開拓パイロット事業の対象地区内においてどうしても当事者間の協議が進まない、合意に達しないという場合は、当然予測されることは、農業協同組合の共同利用事業というような立場の上に立って、この民有林あるいは民有未墾地の所有者がパイロット事業にその土地を提供しないというような場合には、地元の協同組合がその合意に達しない未墾地を対象にして草地利用権の設定の手続をするということはこれはできるわけですが、そういう場合に、農林省としてこれを積極的に助長して、草地利用権の高度な運用をするつもりかどうか。従来のように、法律だけは改正したが、期待されるその条文というものは眠らされて何ら効果を発しないという実例も多々あるわけですからして、この点について農地局長から見解を示してもらいたい。
#114
○中野説明員 御指摘のように、草地利用権の制度は新しい制度でございます。そこで、われわれといたしましては、現在それに関連します政省令をつくっておる段階でございますが、それに基づきます具体的な指導方針を畜産局とも相談をいたしまして、八月の終わりから九月の初めにかけまして、全国のブロック会議を開き、そうして各都道府県内でも必要なブロック会議を開いてもらいまして、趣旨の徹底をはかりたいと考えております。すでに十月一日から施行を予定しておりますので、草地利用権の制度につきましても、御承知のように法律の中でまず町村なり農協が土地所有者等と協議をいたします。この場合に知事の承認を受けます。それからそのあと必要があれば知事が裁定をするわけでございます。そういうための事務費等も一千百万円計上してありますので、これも配分をいたしまして、積極的に、いま御指摘のように草地利用の場合に権利関係の調整がかなりむずかしいものですから、この制度を積極的に活用する方向で指導をしたいと考えております。
#115
○芳賀委員 その場合、国営開拓パイロット地区についても、これは予定地区ですね、今年度全体設計の段階に入っておる地区もあるわけですね。その地区においても、全体設計を進める場合、やはりその対象の未墾地の譲渡関係等が、作業が進まないとそれを除外したままで来年度着工ということにはなかなかできないじゃないかと思われるわけです。そうしますと、十月から農地法改正による草地利用権設定のこれが制度的に運用されるわけですから、具体的には来年から着工を予定されるパイロットの実施設計地区等については、これは促進的な効果をあげることはできると思うのです。そういう具体的な問題等についても、十月施行と同時にぜひこれは積極的に効果のあがるように、農地局として現地を指導して努力する必要があるんじゃないかと思いますが、その点についてはどう考えていますか。
#116
○中野説明員 開拓パイロット制度の場合は、原則的にはこれは個人が、先ほど御指摘もありましたように相対売買をいたしまして、そして国営なりあるいは県営事業の申請をするわけでございます。したがいまして、その開拓パイロット制度そのもので草地利用権というのはなかなか利用がむずかしいかと思います。しかし実際、北海道におきまして同じような事業が草地改良事業で行なわれておりますが、このほうは公共牧場を中心に事業をやっておりますので、むしろ私たちとしましては、その草地改良事業でこの制度がかなり利用できるのではないかというふうに考えております。そこで、御指摘のように、北海道といわず内地におきましてもでございますが、具体的な国、県営事業につきまして、土地の調達状況がどうなっておるかということも調べつつ、この制度を運用したらどうなるかということを具体的に、いま御指摘もありましたので、やってみたいというふうに考えております。
#117
○芳賀委員 時間の関係がありますので、具体的な事例についてはあとでまた直接お話をすることにいたします。
 次に、同じ農地法の改正によって、農地保有合理化法人、これが都道府県単位あるいは市町村段階で設立ができるということになるわけですが、これも十月から改正法の施行ということになれば、まだ実施には少し早いわけですが、しかし事前の指導として事務的な説明あるいは運用の普遍化の問題等については事務的な努力をされておると思いますが、方針としてはどの程度にこれは進めておるわけですか。
#118
○中野説明員 農地保有合理化法人につきましては、先般の国会でもいろいろこまかく運用等について御質疑があったわけでございますが、そのとき申し上げました基本方針に沿いまして、現在これは政令で定めるということを原則にしております。その政令の中身を練っておるわけでございますが、その基本的な考え方といたしましては、前回の国会でも申し上げましたように、市町村あるいは農協の場合は、原則はこれは農業振興地域整備計画で農地保有合理化促進事業を行なうことときめられておるもの、あるいは市町村ときめる場合、農協ときめる場合、あると思います。そのきめたものがこの事業を実施する、その実施地域につきましては整備計画によります農用地区域に限るということにいたしたいと思っております。それからなお農協につきましては、事業の内容が御承知のようなことでありますので、これは信用事業を行なっております、いわゆる総合農協というふうに考えております。そこでそういう原則を立てておるわけでございますが、まだ地域振興法のほうが全面的に行き渡っておりませんので、その経過措置が必要なわけであります。そこでまた具体的に農業振興地域の指定を受けていない場合には、すでに県のほうで農業振興地域整備基本方針というものを定めております。そこで農業振興地域を予定をしてきめておりますので、その予定地域にいたしたい、予定地域に事業を行なうものについて、この合理化事業を認めたいというふうに考えております。そうなりますと、その場合にはどちらがやるかという問題が整備計画できまってまいりませんので、その場合には町村側と農協との話し合いをしてもらう。そしてその話し合いの結果に基づいて、知事が指定をするというふうに考えております。ただその場合に、村の中でもめました場合には、知事が間に入りましていろいろ調整して、最終的には知事が指定をするというふうにしたいと考えております。
 それが市町村及び農協についての考え方でございますが、もう一つ前回の国会でも申し上げましたように、民法の三十四条によります公益法人、これは社団法人と財団法人とがありますが、これにつきましては県あるいは県と市町村と足しました合計額なり旧財産の額が過半数以上を占めるものを合理化法人といたしたいと考えておりまして、この分につきましては農林大臣と協議をいたしまして知事が指定をするという考え方で取り進めておるわけでございます。
 なお、この県の合理化法人が行ないます事業といたしましては、主としてこの事業を行なうということでありますけれども、それにあわせましてその振興地域内における構造改善に資する事業ならよかろうというふうに、やや幅広くものを考えておるわけでございます。すでに現在県でもこの農地法が通りましたあと、あるいはその前からかなり県の開発公社を予定してつくっておりまして、たしか現在すでに十三か十四でき上がっております。施行と同時に、あるいは本年度牛にもっと数多くできてくるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
#119
○芳賀委員 それでは市町村段階における合理化法人の設立の――これは許可ということになるのですか、承認ということになるのですか。
#120
○中野説明員 ただいま申し上げましたように、原則は許可とか承認ということではございませんで、地元で立てます農業振興地域整備計画の中で、この事業を行なうものは市町村にするか農協にするかきめればよろしいわけでございます。しかし先ほど申し上げましたように、この振興整備計画が現在ございません地域がまだ大部分でございますので、そこでこれは最終的には両者の協議の上で知事が指定をするということで、指定をするという考え方をとっておるわけでございます。
#121
○芳賀委員 それじゃ局長の説明を整理しますと、まず都道府県知事が行なう都道府県の中における農業振興計画予定地域の市町村においては、市町村あるいは農業協同組合が設立をすることができる。ただし農業協同組合の場合には、信用事業を行なっておる協同組合ということになるわけですね。そうして地元の町村と農協が協議をして、協議によっていずれか一法人を設立する。設立に対しては特に認可とか許可ということでなくて、政令に基づいて一定の条件を具備しておればそれでよろしいということですか。
#122
○中野説明員 ちょっと私の説明があるいは誤解を招いたかと思いますけれども、市町村なり農協の場合には現にある市町村、農協でよろしいわけでございます。市町村の場合ならおそらく条例なり市町村の規則でそういう事業をやるということを議会の議決を経るし、農協の場合には、今度農協法が改正になりましたあと、定款を改正しまして、農地の供給事業というのでしょうか、それをやるということをきめるということになってくるわけでございます。したがって、新しくこれによりまして設立をする、そういうものではございません。県の場合は新しく設立することになるわけでございますが、市町村、農協の場合は、いまも申し上げましたように、一定の要件を具備すればこういう事業が行なわれるということになるわけでございます。
#123
○芳賀委員 だから農協の場合には信用事業をやっておる農協という限定があるでしょう。その農協が総会の議決を経て定款変更等を行なって、農地法上の合理化法人としての必要な事業を行なうということを議決すればそれはいいわけですね。市町村の場合には議会において条例を制定して、それによってやれるという意味ですか。
#124
○中野説明員 先ほども申し上げましたように、経過的には現在振興地域の整備計画がきまっていない場合は、そういうそれぞれの村なり農協なりが手続を経まして、知事の指定を受けた上でそういう事業がやれるということになるわけです。
#125
○芳賀委員 次に、これは園芸局長にお尋ねしますが、昭和四十四年度に生産された国内のイモでん粉の消流が意外に進んでいないというふうに認められるわけです。昨年は局長御承知のとおりバレイショでん粉にしてもカンショでん粉にしても減産の年でして、あの程度の生産数量であれば、コーンスターチ等の関係があるとしても、順調に当該イモ年度中にこれは消化できるというふうにわれわれは判断しておったわけです。ところが現在の状態ではなかなかそのようなわけにはまいらぬという情勢のようでありますので、この際局長から諸般の事情等について説明してもらいたいと思います。
#126
○荒勝説明員 四十四イモ年度の需給事情並びに最近の見通し等についてお答え申し上げます。
 御存じのように、四十四イモ年度におきましては、国内産のイモでん粉を数字をもってお答えいたしますと、カンショでん粉が二十六万四千トン、それからバレイショでん粉が二十四万五千トン、それからコーンスターチが五十三万九千トン、小麦でん粉が六万トン、そのほか外でんが二万五千トンで、百十三万三千トンというのがいわゆる生産量でございました。そのほかに前年の四十三イモ年度から引き継ぎましたバレイショでん粉が多少売れ残りまして、全販で凍結いたしておりました三万トンがありまして、それを足しますと全供給量が百十六万三千トンでございます。このようにカンショでん粉、バレイショでん粉とも対前年比それぞれ相当量生産量が下回りました結果、私たちの現在の見通しでは、確かに一時チクロ問題による水あめ、ブドウ糖等の消費の減退等があり、そのほかグルタミン酸ソーダの原料転換ということ等によりまして、でん粉からほかの原料に変わっていったというようなことで消費の一部減退もありましたが、私たちの現在見ている限りにおきましては、大体この九月、十月で、前年持ち越しの全販の持っております三万トンも含めまして消化できるのではなかろうかというふうに見込んでおる次第でございます。かりに消化が万が一うまくいきません場合におきましても、私たちのほうでは、この北海道のバレイショでん粉の三万トンにつきましては、コーンスターチ等の抱き合わせによって搬出強化をはかることによっておおむね消化できるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#127
○芳賀委員 それでは、毎年のイモ年度は八月が終期ですね。では、その八月までに大体消流の見通しはついておるということですか。
#128
○荒勝説明員 でん粉年度はいわゆる十−九というふうになるわけでございます。それで、北海道のバレイショの早いでん粉が十月の初めごろから出回ってまいりますが、われわれとしましては九月末までに大体片づければいいではなかろうか、こういうふうに理解しております。
#129
○芳賀委員 この機会にあわせて伺いたいのですが、最近コーンスターチの原料トウモロコシの輸入価格が相当上昇しておるのですね。原料価格が上がれば、それを原料にしたコーンスターチの価格も自然上昇するということはもう当然なことですが、そういう海外の生産事情あるいは今後の輸入の動向等について、局長の知っておる範囲でいいですから、この機会に説明をしておいてもらいたいと思います。
#130
○荒勝説明員 トウモロコシの海外の状況は、私たちの聞いておる限りにおきましては、それほど生産が悪かったというふうには実は聞いていないわけでございますが、やはり世界じゅう各地で畜産振興等の関係があって、トウモロコシのみならず、ほかのいわゆる飼料作物の系統が多少需給が逼迫しておるというふうに私たち聞いております。それに加えまして、いわゆる国際的なフレートといいますか、運賃が非常に高くなりまして、いわゆる国際価格が高い上にさらに運賃加算ということで、日本に着きます場合のトウモロコシは、この春以来非常に高くなっておる。さらに問題になります南アのいわゆるホワイトミールというものは、さらに需給が逼迫して非常に高いものになっておる、こういうように御理解願いたいと思います。
#131
○芳賀委員 せっかくの機会ですから、イモでん粉に関係して、局長、同じ甘味問題ですから伺いますが、最近の砂糖事情というのはどうなっているのですか。たとえば国際砂糖協定がまた復活して進められておるわけですし、あるいはてん菜糖等の関係については、ことしはヨーロッパ等は、春の寒波の関係とかあるいは六、七月の干ばつの関係等があって、生産事情は必ずしも順調ではないわけです。そういう生産事情、あるいは砂糖協定の復活による国際間の動向というものは、やはり粗糖の輸入価格あるいは需給関係等にも影響があることは言うまでもないわけですから、これからの国内の甘味政策を進める場合にこれは無視できない事情だと思うのですよ。これは事前に予告してない突然の質問ですが、局長はなかなか勉強家ですから、この際、一通りの情勢報告といいますか、説明を願いたいと思います。
#132
○荒勝説明員 砂糖につきましては、昨年、国際砂糖協定というものが成立いたしまして、不当に安い値段でいわゆる買いたたきすることもできなくなった反面、今後非常に高値のときにもやはりある程度安定した価格で輸入されるというふうに条約的には一応成立したわけでありますが、その条約の成立とその進捗の過程で、昨年秋御存じのようにチクロ問題が世界的な形で出てまいりまして、砂糖に対する需要が急速に出てきた。それが日本のみならず世界的な現象でありましたことと相まって、それに加えまして、御存じのようにこの春以来、どうもヨーロッパの方面では砂糖の増産がそれほど思わしくなかったし、キューバが非常に砂糖の大増産運動をいたしまして、それでようやくただいま現在の時点における需給は合わせてはおりますけれども、なお供給よりか需要が強いというのが一般的な世界的な砂糖業界の見方であります。さらに、キューバがことし無理やりに増産した反面、たぶん来年になりますとその増産の反動が出まして、供給が少し不足するのではなかろうかというふうに、国際的な砂糖関係者の間では見通されております関係で、非常に砂糖の国際相場は先高になっておる。そこへもってきまして、日本でも御存じのように需要が非常な堅調で、チクロのあと始末のみならず、やはり国民所得の増大に伴いまして砂糖の需要が強くなって、現在の時点におきましてはこの春以来逐次国内糖価の水準も上がってまいりまして、現在百十八円から九円というふうな段階に参っておる次第でございます。われわれといたしましても、砂糖に対する需要の見通しは来年も非常に強いということで、現在作業をいろいろ進めておりますが、大体においていまの糖価水準を――輸入の糖価水準も上がることと思われますので、今後砂糖の価格水準はそう下がることはなく、また需要量も今後さらに強まるものというふうに理解しておる次第でございます。
#133
○芳賀委員 終わります。
#134
○三ツ林委員長代理 瀬野栄次郎君。
#135
○瀬野委員 自然公園区域内における原生林、天然林等の自然保護についてお尋ねいたします。
 まず、国立公園及び特定公園等自然公園地区内における原生林、天然林等の自然保護並びに森林の施業について、きょうは林野庁長官が所用でおいででございませんので、長官にかわって業務部長から御答弁をいただきたいと思います。
 去る七月十日の当委員会で、私は、森林の持つ公益的機能と経済的機能との調整、森林の国民保健休養機能への要請に基づく国有林野経営の方針並びに国有林野の原生林、天然林等自然保護についての基本方針等について十数点お伺いしたところであります。それぞれその方針が明らかにされたわけでございますが、今回さらに去る七月、九州各県の自然公園区域内における原生林、天然林等の自然保護を目的として、伐採状況等あわせ、現地調査を行なったので、逐次質問をしてまいりたいと思うのでございます。
 最初に、熊本営林局矢部営林署管内の国有林野は、熊本県の一級河川緑川の最上流に位置し、阿蘇南外輪山の丘陵につながる九州の中部山脈の北斜面にあり、この管内の国有林は約一万一千ヘクタールで、このうち内大臣地区の五千二百九十五ヘクタールは県立公園に指定されておるのでございます。阿蘇外輪山に展開する雄大な高原、景観に富み、九州の屋根とも言われ、なかんずく九州の第三の高峰海抜千七百三十九メートルの国見岳を主峰とする山岳美と、その間に深く刻まれた渓谷美は、四季おりおりの景観に富み、内大臣渓谷として国民に親しく親しまれ、国民保健休養の場となっております。
 昭和三十八年十月、林野庁は、熊本営林局とともに一億五千万円を投じて建設しました高さ八十六・二メートル、長さ百九十九・五メートルの日本一の林道橋、内大臣橋、角上から広河原までの約六キロメートルは、その男性的な渓谷美で知られている内大臣渓谷でございますが、この渓谷は国見岳の登山路ともなっておりまして、モミ、ツガ、ブナ、ケヤキ、シオジ、ミズメなどの数多い樹木を中心に、豊富な樹木を擁しております。学術的にも大きな役目を帯びておりまして、動植物の研究、またこん虫の研究、登山者の激増と相まって、時代の脚光を浴びてきておるところでございますが、この内大臣渓谷における森林施業についてどのように考えておられるか、まず最初にお伺いしたいのでございます。
#136
○福田説明員 お答えいたします。
 矢部営林署管内の国有林野は、熊本平野を形づくっております重要な河川である緑川上流の水源地帯を占めておるところから、ほとんどの地域が水源涵養のための保安林あるいはその見込み地となっております。森林施業は、保安林の施業要件の範囲内におきまして、森林資源の維持増進をはかるように、適正に行なわれてきたところでございます。
 また、内大臣地区は全地域が水源涵養のための保安林あるいは見込み地でありますので、内大臣渓谷に沿った風致的にすぐれた林地及び国見岳周辺の山岳林をかかえておりますため、保護林を設定するなど、森林の公益的機能の向上についての特段の考慮を払っておるのでございます。
 今後ともこの地域の森林の立地条件を十分精査するとともに、伐採面積の適正化、それから伐採個所の分散、保護樹帯の設定など自然の保護、それから国土の保全に対する配慮を行ないながら、森林施業を進めてまいりたいと存ずるものでございます。
 なお、内大臣川流域の角上と広河原間の六キロの区間は、渓谷美と秋の紅葉の美しさで知られております。この区間の天然林の四百六十五ヘクタールについては、保護をはかるとともに、歩道あるいは標識等の整備をはかってまいりたいと考えておるものでございます。
 また、国見岳周辺の森林の保護につきましては、その中心となる五十一林班、五十二林班の一部二百三十三ヘクタールにつきましては保護林を設けておりまして、さらに今後の施業を行なうにあたりましても、主要な尾根筋、沢沿い急峻地等に保護樹帯を設定してまいる考えでございます。またここにも歩道、標識等の整備をはかっていく、かように存ずる次第でございます。
#137
○瀬野委員 ただいま答弁いただきましたが、この国見岳の原生林及び天然林の伐採などによる自然破壊が大きな社会問題となっておるわけでございます。この国見岳周辺は、大正五年内大臣事業所を設立して、天然林の伐採に着手して以来五十四年間、着々とその規模を拡大し、直営生産事業において、現在熊本営林局屈指の規模を持つ生産をあげておるわけでございまして、自然保護のために天然林のまま残されるのは内大臣地区全体のわずか二〇%で、四十二年から現在まで約五百三十ヘクタールが伐採されており、さらにこれから三〇%は伐採する計画であるやに聞き及んでおるのでございます。先日も私の質問に対して林野庁長官は、自然的、経済的あるいは社会的条件等から見て、必要な場合は保安林その他の制度によりまして公益的な機能を優先させて、経済的機能を制限することもあると答弁をされておられますが、この地域は水源涵養保安林として国土保全、公共の利益保持上、はたまた建設省による緑川ダムの建設とともに、国有林の公益的使命も重大な位置を占めるに至っております。伐採計画について再検討すべきであると思うが、この国見岳周辺の森林施業方針について今後検討される意思があるか、その点さらにお伺いをしたいのでございます。
#138
○福田説明員 お答えいたします。
 この矢部営林署の総体では、禁伐地域は水源涵養林の中でございますが、約一四%を占めておるものでございます。内大臣の地区につきましては一八%。この内大臣及び国見岳周辺につきましては、署全体よりはやはり禁伐の区域を広げておるのでございます。ただいまの、今後さらにこの点について検討するようなお説でございますけれども、施業計画編成に際しましては十分御趣旨に沿うように検討してまいりたいと思うものでございます。
#139
○瀬野委員 今後の施業計画にあたって十分検討していただくということでありますので、よろしくお願いを申し上げておきます。
 次に、熊本営林局の菊池営林署管内の菊池水源地区についてお尋ねいたします。この地区は阿蘇国立公園の一部で、阿蘇外輪山の西側に位置しまして、菊池川の源流地帯を占める深葉に通ずる国有林でございます。また、この国有林は、すそ野状の雄大な地貌でありまして、熊本県菊池市及び阿蘇郡に所在する国有林野であり、阿蘇国立公園特別地域二百二十三ヘクタール、菊池水源自然休養林千百五十八ヘクタールが指定されておりまして、天然広葉樹林におおわれましたところの渓谷、清流、大小無数の滝は通称菊池渓谷と呼ばれ、現在風致保護林であります広葉樹林と周辺の造林地を含む一帯の水と岩と森とを取り入れたところの自然公園でもございます。これは昭和四十二年十一月、熊本国民の森として設定されているところでございますが、また熊本の奥座敷、九州の奥入瀬として年間十五万人をこす人々が訪れております。この地域は、長く保存育成して国民に健全なレクリエーションの場を提供し、その利用を通じて住民の郷土愛涵養と国土の保全美化に貢献し、あわせて林業知識、愛林思想の普及徹底に資すべきものであると思われますが、この菊池水源地区の森林施業方針についてお伺いいたしたいのであります。
#140
○福田説明員 菊池営林署の水源地帯の国有林は、全地域が水源涵養の保安林に指定されているものでございます。森林は渓谷沿いの天然広葉樹林とそれからその上部平たん地の杉の造林地をもって構成されておりまして、渓流と森林のかもすいわゆる風致的価値は非常に高く、きわめて公益性の強い森林でございます。近年におけるいわゆるレジャーブームを反映しまして、この地域を訪れる人が年々多くなっていることはただいまお話しのとおりでございます。
 このため、昭和四十四年にこの地域を自然休養林と指定しまして、風致保護地区、風致整備地区、施業調整地区、さらに施設地区に地帯区分をしておるのでございます。そして、この地帯区分ごとの施業要件をきめておりまして、木材の生産、水源の涵養、自然の保護等の調整をはかりながら事業を行なっているのでございます。
 ただいま申しました地帯区分のいわゆる風致保護地区と申しますのは、原則として伐採を禁じまして、風致上の支障木については修景のために単木択伐を行なうだけというものでありまして、この地域の面積は約二百二十四ヘクタールでございます。
 次の風致整備地区と申しますのは、景観の造成上重要な地域でございまして、目標の伐期齢を八十年としまして、伐採は択伐の方法あるいは小面積の皆伐としまして、皆伐面積は一ヘクタールを限度としておるのでございます。その面積が約二百三十四ヘクタールでございます。
 その次の施業調整地区と申しますのは、全般的な風致の維持調整をはかりまして、自然休養的利用を考慮して、おおむね私たちが理想と考えております法正林に誘導するように施業するものでございます。年度ごとに伐採できる面積は、この地区の択伐及び禁伐林以外のものの面積合計を平均の伐期齢で割りまして、その面積を越えないものとしておるのでございます。この地帯の面積は約六百八十九ヘクタールでございます。
 最後の施設地区と申しますのは、自然休養上の利用施設を有機的かつ総合的に一定地区において整備しまして、施設の効果的利用をはかるために設けた地区でございまして、面積は約十一ヘクタールとなっておるのでございます。
#141
○瀬野委員 ただいまの問題に関連しまして、菊池水源の天然林と渓谷美を破壊すると注目されまして、地元で最近特に問題となっておるわけでございますが、いわゆる阿蘇スカイラインというものが現在いろいろ計画されておるところでございます。阿蘇の九州横断道路と菊池−山鹿−玉名の城北産業開発道路を結ぶ構想でございますが、熊本営林局は当初計画を変更し新ルートを提案、開設される予定と聞いておりますが、この阿蘇スカイラインの計画及び対処方針についてあわせお伺いいたしたいのであります。
#142
○福田説明員 阿蘇スカイラインは熊本県企業局において計画を立案中のものでございまして、その過程において非公式に協議を受けたのでございますが、計画内容によりますと、菊池市から一の宮町を結ぶ延長一万八千キロの観光有料道路でございます。当初計画におきましては、自然休養林でありますところの菊池水源国有林野の渓谷沿いに現在ありますところの深葉林道、幅員約三・六メートルでございますが、この深葉林道を拡幅しまして、樹齢百数十年に及ぶ天然林を貫通するというものでございましたが、この地域は自然休養林の保護地区でございまして、拡幅工事及び開設後の多数の車両の通行による自然破壊が明らかに予想されましたので、渓谷を避けて尾根筋を通るように計画変更を申し入れたのでございます。現在は熊本県企業局におきまして、その方向で検討中と聞いておるのでございます。新ルートも観光的価値は高く、加えて地域の開拓部落を通るために地元山村の振興に果たす役割りも大きいと考えているのでありますが、国有林野内を通ることになりますので、国有林野経営との調整をはかりながら、できるだけ協力してまいりたいと考えておるのでございます。
 なお、新ルートが開設されましたあとの利用等については、一部自然休養林内を通ることでもございますし、新ルートの主要利用地点等に標識等を設けまして、また、そこからさらに休養林を結ぶ遊歩道をつけ、また駐車場等も設けてまいりたいと考えておるものでございます。お答えいたします。
#143
○瀬野委員 ただいまの説明で一応了といたしますが、ぜひ深葉官山内の従来の道路は自動車道とすることなく、遊歩道として新ルートの方向で営林局も今後進めていかれるように林野庁の御指導をよろしくお願いしたい、かように思っております。
 次は鹿児島県の屋久島の国有林野における自然保護についてお伺いをいたしたいと思うのであります。
 過去に世論の批判を受けまして、ずいぶん問題となりましたが、鹿児島県の屋久島は九州で一番高い、最高峰であります宮之浦岳を中心としまして、昭和三十九年に保護林を含む一万八千二百四十三ヘクタールの国有林が霧島屋久国立公園に指定されまして現在に至っておることは御承知のとおりであります。
 屋久島の総面積は約五万四千ヘクタールといわれ、その九〇%が森林であり、森林面積の八〇%に相当する約三万九千ヘクタールが国有林であるわけでありますが、現在設定されている保護区域は比較的標高の高い稜線部に片寄っており、渓谷部の森林を十分には包含していないのであります。沿海部の亜熱帯性植生、暖帯性植生の繁茂する区域が比較的少ないことが自然保護の観点からも重大な問題となっておるのでございます。
 また、屋久島は学術的に見ましても、その特徴とするところは低地の亜熱帯性植物帯から高地のシャクナゲ、屋久ザサ地帯にわたって、多種多様な動植物が垂直的に分布しておるところでありまして、特に樹齢一千年をこえる屋久杉は約十五万本と推定されておるところでありますが、近年自然保護をめぐる社会的要請が高まり、その内容も多様化していることにかんがみまして、今後どのように森林施業の計画を樹立検討し、対処していく方針であるか、御答弁をお願いしたいのであります。
#144
○福田説明員 お答えいたします。
 屋久島における学術的に貴重な森林植生、これを保護するために、大正十一年でございますが、屋久杉学術参考保護林というものを約四千三百ヘクタール設定したものでございます。その後、この保護林は大正十三年天然記念物に、さらに昭和二十九年に特別天然記念物に指定されておるものでございます。また、昭和三十九年には、昭和九年に指定されている霧島国立公園に屋久島等が追加されることになりまして、約一万八千ヘクタールの国有林が霧島屋久国立公園に指定され、それに伴いまして、保護林を含む約六千七百ヘクタールが国立公園の特別保護地区、第一種特別地域として保護されまして今日に至っているものでございます。近年の経済の高度成長の中で、木材の需要量が増大してきておりますが、特に屋久島においては、これまでの国有林の置かれた立場等から地元住民との関係が非常に深く、最近の水産業の不振ということによりまして国有林の事業は地元の経済の中で比較的高い比重を占めておるのでございます。
 一方、都市化の進展等に伴いまして、自然保護に対する要請がますます強くなってまいりまして、開発と自然保護の調和が問題となっておるのでございますが、屋久島においても屋久杉の保護区域の拡大が各方面から要請されておる現状でございます。
 林野庁としましては、この要請を受けまして、昨年調査団を編成派遣しまして、その報告をもととしまして屋久杉の保護と地元社会経済の発展とを調整しまして、新たに約一千三百ヘクタールを保護林として残存することにしたのでございます。これによりまして屋久杉の保護地帯は約八千ヘクタールに拡大することになったのでございます。
 なお、保護地域以外の森林について伐採個所の分散とかあるいは保護樹帯の設置などを行ないまして、風致の維持と国土の保全等に今後十分配慮してまいりたいと存じておるものでございます。
#145
○瀬野委員 次にもう一点お伺いしますが、祖母傾国定公園に編入されておりますところの宮崎県大崩山、祝子川源流原生林自然保護についてお尋ねをいたしたいのであります。
 この大崩山は、標高千六百二十四メートルでございまして、宮崎県東臼杵郡北川村の約千五百ヘクタールであり、熊本営林局延岡営林署の管内となっておるのでございます。九州でも屈指の自然景観を持ち、花こう岩群からなりまして、三百メートルの坊主岩をはじめ、三里河原など変化に富む渓谷で、自然界のみごとなバランスを保ったところでございます。また、学術研究資料の宝庫ともいわれておるところでございます。大崩山一帯の国有林は、これらの自然をねぐらとする天然記念物のカモシカ、あるいは国チョウオオムラサキ等の動物やこん虫類が生息し、モミ、ツガ、ブナ及びヒメコマツ、ネズ等の稀少樹木の森林美で、アケボノツツジ、ネズミサシ、イワタケ、シャクナゲ等多種多様の群落開花美を誇るところでもございます。
 この大崩山、祝子川源流の原生林の自然保護について最近ここでも世論が高まってまいりまして、地元山岳会等の強い要望がなされておるところでございますが、これらの自然保護の要請に対しまして、いかに検討され対処していく考えであるか、その方針についてお伺いをいたしたいのであります。
#146
○福田説明員 自然保護の要請のございました地域は、延岡営林署管内の祝子川上流部に位しまして、祖母傾国定公園、これは四十年指定のものでございますが、その東南部を占めておりまして、大崩山を主峰に、五葉岳、夏木山等で囲まれた面積約二千百四十五ヘクタールの地域でございます。この地域は全体が国定公園特別地域の指定地でございまして、また保安林整備計画に基づく水源涵養保安林の見込み地でもございます。そこで法令で定められました施業要件の範囲内におきまして、五年度ごとに樹立される地域施業計画において施業の方法をきめまして、これによって適正に事業を行なってきたものでございます。
 この地帯一帯は、渓谷、原生林を景観の特徴とする区域でございますために、三里河原を中心とする区域などの風致維持については、特段の考慮を払ってきております。また、四十五年度におきましては、伐採個所の変更などの措置を講じているところでございますが、基本的には、四十五年度樹立を行なっていますところの地域施業計画におきまして、今後の森林施業のあり方について十分検討を行なってまいりたいと思っているところでございます。
 昭和四十四年度の地域施業計画の樹立におきましては、具体的な対応ができなかったために、次の措置を講ずることにしたのでございます。
 一つは、大崩山登山道で三里河原に至る約四・五キロの両側約百メートルを伐採対象から除外することといたしました。
 第二点は、三里河原を中心とする約二十一ヘクタールについては、伐採対象林分から除外するということにしたのでございます。
 さらに当面の措置といたしまして、昭和四十五年度に伐採を予定しておりました百十四林班についてはこれを一時見合わせまして、百十三林班に伐採個所を移しまして事業規模を縮小しておるのでございます。
#147
○瀬野委員 ただいま答弁いただきまして、私も現地を見まして、百十四林班は一時中止をして現在停止が行なわれておりましたが、百十三林班についてはあと二年ぐらい続くということでございましたが、どうか、いま業務部長からの答弁がございましたように、九州でも数少ない原生林の一つでありますので、今後十分な検討をするという御答弁でございますから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 最後にもう一点お伺いしますが、自然公園法に基づく自然公園地区内における森林の施業等につきまして、昭和三十四年十一月二日、三四林野指第六千四百十七号、林野庁長官より各営林局長あて厚生省発回第四百六十八号移牒によって、さらに昭和三十七年十一月には林野政第二千三百四十九号によって改正をされておるところでございますが、自然公園法に基づく自然公園区域内における森林の施業について――今日このように公害が全国至るところ起きまして、公害列島日本といわれるようなありがたくない異名を受けておりますが、日本の自然保護制度というのを一そう充実させる必要があると私はかねがね思っております。保護すべき原生林、天然林は、その生態学的意義が大きいので、そのために大面積の自然保護地域を設けることが必要であると考えられるわけでございます。いま天然記念物、国立公園などとして保護されている原生林、天然林は、その選択が必ずしも適切でなく、また保護面積が小さく、保護の実をあげていないのでありまして、大面積の原生林、天然林の保護区は豊かな森林生物層を保存する手段として最適でございまして、それ自身が一種の文化財としての価値を持っているが、その意義は単に純学術的なものにとどまらない、かように思っております。よって、この自然公園区域内における森林の施業については、地帯区分は厚生省所管であり、施業方法は林野庁となっておりますが、時代の推移にかんがみまして、林野庁としても地帯区分の再検討と法の改正について、厚生省と協議すべきであると私は思うのであります。また施業方法については、林野庁は今後検討する考えはないか、こういったことについて、この二点につき業務部長の御見解を承りたいと思います。
#148
○福田説明員 自然公園区域内におきます森林の施業につきまして、ただいま先生のおっしゃいましたように、この協議は自然公園法第四十条に基づきまして、自然公園区域内で行なう森林施業等の行為につきまして、その制限事項を取りきめたものでございます。国有林野においては、地域施業計画、それから民有林におきましては地域森林計画、この樹立の際に制限の範囲内において協議を行なっておるものでございます。そこで、自然保護という面からの森林の施業のあり方につきましては、自然保護の最近の重要性にかんがみまして、さらに慎重に厚生省と検討してまいりたいと存じているものでございます。
 次に、森林の自然保護の重要性を十分認識しまして、御説のようにこの施業計画の中におきましては、先ほど来御説明申し上げましたように前向きでこの保護のために配慮してまいりたい、かように存じているものでございます。
#149
○瀬野委員 それでは、制限時間がまいったそうでありますので、これで質問を終わりますが、私はきょうはたくさん質問を準備しておりまして、各関係当局も御出席いただいておりますが、規定の時間でございますので一応これで終わることにいたしまして、あらためてまた次の委員会できょうの残った問題については質問をさしていただくことにいたしまして、終わります。たいへんありがとうございました。
#150
○三ツ林委員長代理 山田太郎君。
#151
○山田(太)委員 まず最初にお断わりしておきたいことは、先ほどの瀬野議員と同じく持ち時間が非常に短時間でございます。そこで農家の災害について、ことにたばこだけの問題、そのたばこの中でも生理的斑点病にしぼって二つ三つ質問を行ないたいと思うのであります。
 きょうは総裁が緊急の用務で出席できなくて、黒田総務理事がお見えになっているそうですが、副総裁に匹敵する方であり、責任ある答弁ができるということでございますので、その点、簡単な質問を申し上げますから、要を得た答弁を願いたいと思います。
 そこで、まず生理的斑点病の中で、ことに専門的なことばを使いますが、タイプIIとタイプIII、これは現在喧伝されている光化学スモッグの一種である一つのオキシダントによる被害である。ことに岡山のたばこ試験場の研究と試験の結果においては結論が推定されているようであります。もちろん、その要因はこれ一つではない。しかし、そのタイプII、タイプIIIが病因の引きがねになっていることは間違いなさそうだということを聞いております。
 そこで、黒田総務理事は前、生産本部長をやっていらしたそうでございますし、その点、私の知れる範囲においては非常な被害を出しております。しかもそれが昭和四十一年からの発生がひどくなっているということは御承知のとおりでございます。したがって、時間の関係上数字は申し上げませんが、現在どのような状況になっておるか。私はこれに対する防除措置あるいは原因究明に対するその体制の強化を目的にして質問しておるわけでございますので、その点の被害額もわかればあわせて被害額も込めて御答弁願いたいと思います。
#152
○黒田説明員 ただいま御質問の斑点性の病害でございますが、御指摘のように昭和四十年ごろから逐次発生いたしまして、最初瀬戸内海沿岸のほうで多く見られたわけでございますが、最近は関東から九州の各地までかなり蔓延しておるというような状態になっております。
 これの原因につきましては、四十二年度から岡山、秦野、こういったたばこ試験場で研究を進めてきたわけでございますが、原因が非常に複雑でありまして、たとえば気象の条件、温度とか降雨の状況、あるいは土壌水分の問題、あるいはたばこの生育状態がどうか、こういうことが複雑にからみ合いまして、発生する状況がいろいろ違ってくる、こういうことがあるわけでございます。
 ただ、実は十年ほど前、同じような症状の病気がアメリカ、カナダでも発生した。その場合、向こうの報告によりますと、オゾンの多い場合にはそういうような病気が出やすいというような報告もございましたので、公社の試験機関におきましても、若干オゾンの多い状態で植物を発育さした実験をやってみた。その結果、やはり類似の白い斑点が出たというような結果も得ております。そういうところへ持ってまいりまして、最近オキシダントの問題等が大きくクローズアップされてきたわけでございますが、ただいま申しましたような状態でございますので、はっきりオキシダントが原因だということを断定するような裏づけとしましてはすこぶる貧弱でございまして、断定はできないわけでございますが、各種の要因が相乗して、そういうものができる。そのうち大気汚染も一つの原因になるのじゃなかろうか、こういう疑念が非常に深くなってきたというのが現在の状態でございます。
 そこで公社といたしましては、先ほど申し上げました二つの試験場でこれまで研究をやってきたわけでございますが、昨年以来さらに病気の範囲が拡大してまいりましたので、新たに宇都宮の試験場を入れまして、現在三試験場で約二十六人のスタッフで研究を続けているわけでございますが、来年はさらにこれを公社の試験研究の最重点項目としまして、もっと力を入れましたプロジェクトを編成しまして、研究に邁進したい。できることならことしのうちに研究成果を取りまとめまして、原因がどこにあるのかという本質的なものの解明を何とかことしのうちにやれないものかということを考えております。できますならば、来年度から防除策につきまして品種の改良なり耕作法の改善を含めまして、そういうほうの開発に進んでいきたい、かように考えております。
 それから被害の額でございますが、実ははっきりした数字はないわけでございますが、私のほうでたばこの災害補償法というものがございまして、法定の災害と申しまして、たとえば風水害とか病害とか特定の災害によりまして耕作者のたばこが被害を受けまして、平年作に対して三割以上の被害がありました場合には、所定の補償金を支払っておるわけでございますが、その額から推定して申し上げますと、昭和四十二年、四十三年、四十四年、この三カ年間のたばこの災害補償金の総額、平均で九億四千万円ほど払っております。このうち病害によりますものが三億七千八百万円ございます。私どもこの三億七千八百万円の病害のうちどの病気に幾らということは、ちょっとそこまで分析できないわけでございますが、これまでの各種の条件から判断いたしますと、大体このうちの五千万円前後というものが主として生理的斑点病によるものではないかというふうに推定いたしております。ただいま申しましたのは三割以上の被害を受けたものに対する補償金でございますので、実際の損害額というものはもちろんこれだけではございません。
#153
○山田(太)委員 そこでことしの四十五年度の生理的斑点病に対する予算あるいは人員、これも承知しております。しかし来年度はもっと増額し、増員して、農家の不安を取り除いてもらいたい。この点が一つ。
 それからもう一つは、いま三割以上の災害補償を受ける人、その人たちの被害からの推定の金額をおっしゃったようでございますが、私が現地で調査したところによりますと、岡山県内のある管区では災害補償の申請を五〇%以上の人が現在しております。そうして生理的斑点病のうち、いまオキシダントの被害であると見られるタイプII、タイプIII、これによっての被害は三割に満たない人が非常に多いということを御承知でしょうか。災害補償の対象にはならないけれども、三〇%以上にならないが、しかし農家の収入は非常に減少しておる。しかもいまの災害補償の法律の施行規則第七条の改正あるいは五条の改正は昭和四十一年三月になされております。したがってそれから後に起こったこのたばこの被害でございます。したがって四十一年三月に改正された災害補償の施行規則は――この生理的斑点病並びにタイプI、タイプIIIのオキシダントによって、防除の方法がまだ発見されてないその病因によって収入が非常に激減しておる。当然農家の生活は困難を来たし、耕作者の数が非常に減ってきておるはずです。私の知る範囲でもどんどん減ってきております。この災害補償の目的は原料確保が第一であるという話であるけれども、その耕作者の生活が守られなくて原料の確保ができるはずがない。いまの三〇%以上でなければ災害補償ができない、この点は、いままでなかった病因によって農家のたばこの収入が減っているわけですから、これに対する改正を早急に検討すべきであると思いますが、その点についての御見解を聞いておきたい。二点です。
#154
○黒田説明員 最初の研究体制なり研究費の増強でございますが、これは過去におきましても、四十二年から四十五年に至ります間に研究費の面におきましても、生理的斑点病の研究費につきましては約八倍ほどもふやしておりまして、来年度におきましても、まだ予算はきまらぬわけでありますが、先ほど申しましたように公社の葉たばこ関係の試験研究のうちの最重点項目の一つに持っていきたいと考えておりますので、極力研究費も増強したい、かように考えております。
 陣容につきましても同様でございます。
 それから災害補償の関係でございますが、災害補償の問題は先ほど先生御指摘のように、公社の災害補償制度というのは農業共済と違いまして、一応専売作物というたてまえで、耕作者の方が不可抗力の災害によって減収になった場合にある程度の損害を補償しておりまして、再生産を可能にする、それによって葉たばこの生産の安定をはかるということが骨子になってきまったものであります。
 昭和四十一年度からこの改正をしたわけでございますが、これは補償の額をよくしたわけでございまして、こまかいことでなくて大ざっぱに申し上げますと、それまで全滅の四割補償をしていたのを五割に引き上げた、こういう程度の補償でございまして、対象の病害等につきましては全然変えていないわけでございます。したがいまして、この場合生理的斑点病はその後においてできた新しい病気ではございますが、病害であることは同じでございますので、病害は昔から対象になっております。したがいまして、四十一年以前からあった病害でもそれ以後に新しくできました病害でも取り扱いは一緒でございますので、特に変わったことはないわけでございます。新しくできた病気だから不利な扱いになっているということではございません。
 それから三割被害をもう少し引き上げて二割以上被害があったら、たとえばそういうふうに改正をすべきではないかというおことばでございますが、現在農災のほうでもやはり三割以上の被害があった場合に補償するというたてまえになっておりまして、公社の災害補償の場合もそれと歩調をそろえて現在やっておるわけでございまして、この辺が現在やはり公式に一般に認められている限界のところじゃなかろうか、かように私ども考えております。
#155
○山田(太)委員 これで終わりますが、私の聞いたポイントではなかったようです。いいですか。いままでこれだけの被害がある。そうするといまおっしゃった五千万円というものが加算されて被害とされておる。しかもそれは三割以上の分だけでいわれるわけです。三割未満の減収、二〇%ならばもう補償の対象にならぬわけです。新しい四十一年以降に起きた病害によって一億とも一億五千万とも言う学者がいますが、それだけの収入が農家のふところから減ってきている。しかも補償の対象になるのは三〇%以上の人だけなんです。したがって、農家の収入から見ればそれだけ減ってきているのだから、耕作意欲を増進させる意味においても、また農家の生活を守るという意味においても、当然両方の意味があっていいはずだ。それについてはパーセントをあげて、一億円なりあるいは一億五千万円なりそういう金額はわからないけれども、そのものの算定を出して、ふやすべきではないかということを聞いておるのです。
 特別の病害の中に入っています、三割以上の分の該当の中に入っています、特別に扱うようにはしていませんというのは、これは当然です。それだけ被害がふえているんだからそれを考えなければいけないのじゃないかということを言っておるのですが、おわかりにならぬでしょうか。これに対して誠意のある御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
#156
○黒田説明員 先生の御質問の要旨はわかったつもりでおります。新しい病気ができて、それによって従来なかった損害ができたのだから、その分を補てんすべきではないかという御趣旨だと思います。
 実は、そういうようなことはこれまでもいろいろあったわけでございまして、たとえば戦後についていいますと、いままでなかったヤサイゾウムシの害とか、ジャガイモガの害とか、こういう新しい害虫の害とかいうものがしばしばあるわけでございまして、あえて今回斑点性病害だけではないわけでございます。
 実態は、確かに、おっしゃいますように、新しい病気ができますと、そういうもののために新しい被害の絶対額がふえるということはあろうかと思います。理屈からいいますと、そういうものも何か考えるべきではないかということもあるわけでございますが、一方、また、耕作技術のほうもいろいろ進みまして、新しい品種なり新しい資材による耕作法なりで、収量、品質面でも従来より上がってくるというようなこともありまして、プラスの要因も出てくるわけでございます。したがいまして、その辺の全体を通観しますと、個々のことは別としまして、耕作者の方の収入という面を考えますと、そういうような新しい病気が出ているにもかかわらず、全体として、以前よりも相対的に悪くなっているという感じではないのじゃないか、かように私は思うわけでございます。
 直接の御答弁にはならないかと思うのでございますが、感じを申し上げますとそのようなことでございます。
#157
○山田(太)委員 約束の時間が過ぎましたので、この点は、私まだ納得しておりません。そこで、またもう一度次の機会に来ていただいて質問を行ないたいと思います。数字的の面も持ってきていただきますから、次の機会に譲りたいと思います。
 では、委員長、質問を終わります。
#158
○三ツ林委員長代理 小平忠君。
#159
○小平(忠)委員 午前中に引き続きまして質問をいたします。時間の関係で一括して質問をいたしますから、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
 最初に通産省にお伺いいたします。台湾バナナの輸入行政についてであります。
 本委員会は、昭和四十年四月に、政府に対しまして、自由輸入である台湾バナナ輸入がはなはだしく混乱しており、オファー獲得競争で一かご一ドル以上二ドル近いプレミアムを出して、外国為替管理法違反が続出し、きわめて不正常なる輸入が継続して行なわれ、業界を混乱におとしいれ、一方、消費者に対してその改善を強く申し入れたのであります。
 これに対して、通産当局は、昭和四十年六月二十四日付輸入注意事項をもって台湾バナナの輸入割り当てを実施したのであります。
 当時、この割り当ては、事態改善のための緊急措置であり、臨時応急対策であるとして、すみやかに輸入体制を整備して短期間に再自由化するとの方針を示したのであります。しかるに、自来五年間も経過した今日、依然として再自由化に対して何ら行政上の努力もせず割り当て輸入を利権化しておるのであります。
 そこで、まず通産当局に、この割り当て制実施について二、三点お伺いしたいのでありますが、一点ずつやっておりますと時間がかかりますから、まとめてやりますから御答弁いただきたいと思うのです。
 第一は、この割り当ての根拠としている輸入注意事項は、法制上疑義があるのでありまして、バナナの自由化政策が、この根拠をもって事務当局が任意に他のバナナにも割り当てを実施し、自由化政策を破壊させる危険が存在していると判断できるのであります。
 通産当局は、かかる根拠をもって何がゆえに五カ年間にも及ぶ長期の割り当てを継続したのであるか、また、この間に再自由化についていかなる行政的努力をしたのか、これを明らかにしていただきたいと思うのであります。
 第二点は、割り当て基準の採用について、行政慣行の通関実績をとらずになぜ異例の発券実績としたのか。これは、申すまでもなく、AIQの発券は書類面整備だけで原則として申請どおりに発券を行ない、このアロケーションは有効期間も一カ月でありますから、キャンセルも、取り直しも自由であります。このため、不当輸入をも割り当て基準として混乱を発生せしめた販売能力を欠く利権業者を割り当て輸入の中で温存凍結し、これが割り当て制での輸入販売に多大の不正常な支障を生じてきたのであります。もし通関実績を採用すれば、輸入販売実務を行なわぬ業者を排除し、業界は現在よりもはるかに正常化したと推測できるのであります。
 世上には、通産当局とバナナ利権業者との結託野合であるとの批判もありますが、通産当局はなぜこの発券実績を基準としたのかを明らかにしてもらいたい。
 第三点は、台湾バナナの現行割り当て輸入は数量制限をしないから自由化と同様であると、自由化要求に反論を続けてきたのであります。自由バナナは、国際貿易慣行に基づいて輸出業者が輸入適格者を選択協議してオファーを提出し、輸入業者はこれを添付して輸入外貨割り当てを申請して発券を得て輸入手続を行なっております。しかるに、台湾バナナの輸入割り当ての実施では、不当輸入を行なった業者を含めての発券を基準として通産省が輸入業者とその輸入量を定め、輸出国政府が再自由化によってこの輸入業者と数量の是正を求めたいとの申し入れに対しては、内政問題としてこれを拒否することによって台湾バナナの輸入を政府特許の利権化にし、その及ぼす弊害である業者の企業努力封鎖、流通販売体系の整備確立を不可能ならしめ、さらには国際競争を押える欠陥をも生じたのであります。通産当局は十分なる輸入量の発券をしているから輸入制限はしていないと述べてきましたが、日バ組合の組合員の遵守規定及び貿易協定において質的輸入制限が実施されているのを放任し弁護してきた事実は明らかであります。
 以上述べました割り当て制実施による弊害に対して、いかなる救済改善の行政措置をとったのか、これを明らかにしていただきたい。
 第四点は、南米バナナなど自由バナナの過大輸入の原因は、消費拡大を基調としていることはもちろんでありますが、販売業者の台湾バナナ輸入割り当てが過少であるために、これら業者は主として輸入体制が確立している南米エクアドル・バナナの輸入に対策を求めたことを主因としており、この南米バナナ輸入がFOB方式でバナナ輸送船を用船する必要があるのであります。しかもこの輸入は、輸入窓口である総合商社と販売業者との提携あるいはその運営方針などによって、自然発生的な事情がからみ合って、九団体もの多数で輸入を行なっているのが現状であります。しかもこの現状は、販売力を持たぬ業者参加の余地があり、ことに重要なことは販売力を持たぬ業者が割り当てを受けている台湾バナナの販売を必要とするために、南米バナナの輸入で両者がからみ合って、性格の異なる業者の呉越同舟となり、この南米バナナの販売を販売業者が引き受けていることが過大輸入を起こし、適正輸入阻害となっていると判断するのであります。したがいまして、現在の台湾バナナの輸入割り当ては、その市場独占時代に起こった自由輸入の弊害をストップさせ、あわせて自由バナナの輸入開発を促進したのですが、台湾バナナの市場独占状態がすでに解消しており、割り当て輸入制度に潜在する反自由主義によって種々の弊害を醸成し、自由バナナの過大輸入を誘発し、新たなる混乱となっておるのであります。このことを不当行政介入化していると判断している通産当局の説明をこの際求めたい。
 最後に、通産省は台湾バナナの自由化についてどう考えておるのか。またこの自由化によって業界混乱、流通体系整備の端緒を得られると思うのか。先ほど農林大臣にその所見を承りましたけれども、あらためて通産当局の所見を承りたいのであります。
#160
○楠岡説明員 五点御質問がございましたので、順次お答え申し上げたいと存じます。
 第一は、台湾バナナを規制しております根拠ということになるかと存じますが、台湾バナナは、御質問中にもございましたように、自由化後台湾側の窓口一本という事態からいろいろ弊害が生じましたので、その弊害を除去するためにやむを得ず規制をしたものでございます。したがいまして、自由化をできるだけ早い事態にしたいということではございますけれども、台湾側の事情が変わりません間は、またいわばもとのもくあみになる公算もございますので、台湾側の状況を見ているというのが実態でございます。中華民国政府も自由化を要望しておりますことは事実でございますが、私ども、中国側が輸出体制をどういうふうに持っていくのか、その点についてはっきりした見通しが立たないままに、まだ台湾産バナナの市場におきますシェアが相当ございます現在、いきなり自由化を進めますことは、必ずしも適当ではないのではないかというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、再自由化のために何をしたかと申しますと、消極的だというおしかりを受けるかと思いますけれども、中華民国政府がどういうような政策をとりつつあるかというのを注視しておるわけでございます。
 ただ輸入業界一般の問題でございますけれども、輸入秩序を維持する、あるいは秩序立った輸出をしていくということは当然のことでございまして、これは自由化するとしないとにかかわらず当然のことと存じますので、私ども、農林省のお力もかりまして、輸入業界が秩序立った輸入をしますよう、これは全地域でございますが、いろいろ指導しておるところでございます。
 それから第二点は、まず、現在のAIQ制度というのが法律上必ずしも適当ではないのではないかという御指摘でございますが、これは輸入貿易管理令の九条というのがございまして、「輸入割当て」というものを認めておるのでございます。輸入割り当ての中にいわゆるインポートクォーター、IQと俗称しておりますものと、自動輸入割り当て、AIQと俗称するものと二つございまして、いずれにしてもこの根拠は、この輸入貿易管理令の第九条に基づくものでございます。
 輸入組合ができました当時の業者の総数は、六百八十三といわれます非常に多数の業者がございましたが、現在では二百五十を割っておる状況でございまして、先生御指摘の実体のない業者がおるじゃないかというようなことでございますが、この点は実質的に非常に改善を見たと申し上げられると存じます。
 それから第三点は、輸入の数量制限を行ないますためにいろいろな弊害が出てくる、こういうお話でございますが、その前におことばを返しますようで非常に恐縮でございますけれども、貿易の実態として、輸出業者が輸入業者を自由に選択するというのは当然でございますけれども、一方また、輸入業者が相手の輸出業者を自由に選択することも必要でございまして、双方とも自由な選択の体制が整うことが適当でございますが、台湾産バナナにつきましては、当方の輸入業者が輸出業者を自由に選択するという機構に欠けておるように存じておるわけでございます。
 なお弊害につきまして、先生の御指摘のような企業努力がなくなるとかいう点は、輸入規制をやっておりますとややもすればそういうことになるのであります。割り当て制をやっておりますと、努力しても輸入数量がふえないという事実は先生御指摘のとおりでございますが、これは輸入規制をするというメリットに伴うデメリットかと思いまして、いずれが大であるか、その点を検討しなければならないと思っております。
 それから流通問題につきましては、私ども必ずしも輸入規制が流通問題に悪影響を及ぼすというふうには考えておらないのでございますが、流通問題につきましては先ほど農林省のほうからも御答弁がございましたように、改善方法につきまして検討中でございます。
 それから台湾バナナの国際競争力が、いわば正当に発揮されないのではないかというような趣旨の御質問がございましたけれども、この点につきましては、先生の御質問中にもございましたように、私どもといたしましては、台湾産バナナの数量を制限するつもりはございません。ただいま九百万かごの割り当てをやっておりますけれども、もし台湾産バナナの供給力がふえれば、追加割り当てはいたす所存でございます。
 それから、日本バナナ輸入組合の規程は実質的に台湾産バナナの輸入を縛るのではないか、これはおかしいのではないかといった御趣旨の御質問がございましたが、バナナ輸入組合の規程は価格、それから数量、船積み時期について規定するものでございまして、実態は先方が出せる数量を当方が引き受けるということでございます。ただ、率直に申しまして、価格につきましては双方の間に対立が間々ございますし、品質につきましても、当方はよりいいものを要求するということで、意見の対立はございますけれども、毎四半期のいわゆるバナナ会議、貿易会議と申しておりますが、これは双方の間で話がついておる状況でございます。
 それから中南米バナナにつきまして間々過剰輸入のありますことは事実でございまして、これはバナナ全般の問題として処理すべき、考えなければならないことだと思います。ただ、過剰の原因がいわば不当な行政介入にあるかどうかにつきましては、私どもは、過去の中南米バナナが入り過ぎました原因は、たまたま同じ時期あるいはその前期におきまして台湾に台風の被害がある、あるいは猛烈な被害があったというように報ぜられまして、その関係で市場を急速に中南米に求めたというケースがあるようでございます。したがいまして、この点につきましては、むしろバナナ業界がバナナの日本の国内におきます需給状況についてもっとよく情報を得る、同時にやはり世界各国の市場の状況についても、もっとよい情報を得ることが必要であると存じます。この点につきましては、通産省としましても、関係業界、これは輸出組合等を通じまして輸入問題に関します懇談会を開いて、過大な見込み違いのないように努力しておる次第でございます。
 それから自由化につきましてどう考えるかということでございますが、この点につきましては冒頭申し上げましたとおりでございまして、自由化をいたします前提としましては、やはり台湾産バナナを自由化した場合その弊害がどうなるか、それにつきまして相当程度のはっきりした見通しがほしいと私ども考えておる次第でございます。
#161
○小平(忠)委員 割り当ての時間がありまして、同僚議員の質問時間もなくなってしまうので、さらに質問をしたいのですけれども、ただいまの答弁は、質問に答えておられる部分もありますけれども、重要な点が答えておりません。したがいまして、後日通産大臣、通商局長の出席を求めましてさらに明らかにいたしたいと思うのであります。本日私の質問はこれで終わります。
#162
○三ツ林委員長代理 小宮武喜君。
#163
○小宮委員 きょうは、質問したいことがたくさんありますけれども、時間の関係で、農薬による公害の問題、それから米の配給機構にかかわる問題、それから先ほど出ました石川県の加賀市における農地のゴルフ場化の問題、以上三点にしぼって質問したいと思います。
 まず農薬の公害問題についてでありますが、最近この公害が非常に増加する傾向にありまして、過去三カ年の農薬による中毒事故を統計的に見ましても、四十二年に一千百四十五件、四十三年に一千百三十七件、四十四年には一千四百三十件と発生をいたしております。また、最近では、御承知のようにさきにBHCによる汚染牛乳の問題が大きな話題となりましたが、今度はこれも御承知のように長野県、東京、大阪、それに神奈川、埼玉県などで有機燐酸系の農薬による学童の農薬眼病が大きな問題となっておるのであります。長崎県下においても、この有機燐酸系を主成分としたところのエルサン乳剤というのがありますが、この農薬を使って畑の消毒作業をしていた三十四歳になる農家の方が急性中毒にかかって死亡するといういわゆる農薬による中毒死事件が六月の二十九日に発生をいたしておるのであります。この遺体を長崎大学で解剖した結果は、肝臓、ひ臓、じん臓をはじめ心筋、骨髄に至るまで有機燐酸系の中毒症状を起こしていたそうです。このエルサン乳剤は、製造中止になっているホリドールに近い毒性を持った農薬だそうですが、特定農薬に指定されていない関係で購入も取り扱いも指導も全く野放しの状態だといわれております。そこで、この農薬眼病とも関連してこの危険な有機燐酸系の農薬の使用を禁止すべきだというような声が高まっておるわけですけれども、なぜこのエルサン乳剤が特定農薬に指定されていないのか、また、この有機燐酸系の農薬の使用を禁止する考えはないのかどうか、まず質問したいと思います。
#164
○岡安説明員 いま御質問の有機燐系の農薬につきましての事故、それから対策についてお答えを申し上げます。
 お話がございましたとおり、最近農薬によります散布中の事故または誤用による事故等を含めまして事故がふえているのでございますが、私どもは一般的に農薬の使用につきまして危害防止につきまして従来とも種々指導をいたしておるのでございますが、重ねてさらにそういうような事態の起こらないように指導の厳格化、徹底ははかってまいりたい、かように考えております。
 御指摘のエルサンでございますが、これによりましていま死亡事故が起こったという御指摘があったのでございますが、私ども実はその件につきましてはまだ詳細に存じておらないのでございますけれども、従来このエルサンによりまして目等に障害が起きるということは私どもも聞いておるのでございます。ただ、これにつきましては、その農薬を使っております各県ごとの実態とか、それから農薬につきましての従来からの研究の成果等を見ますと、この有機燐剤が直接目に障害を与えたということにつきましては否定的な見解を持っている方々も少なくないのでございます。しかし、実際問題といたしましてそういう事故も起こっておりますので、今後厚生省とも十分協議いたしまして検討してまいりたい、かように考えております。
 なお、この扱いにつきまして、毒物に指定していないけれどもどうかという御質問でございますけれども、これにつきましては、登録に際しましていろいろ資料を徴収いたしまして、これは厚生省の所管でございますけれども、毒物及び劇物取締法によりましてこれは劇物というような指定を受けておるのでございます。これはやはり検査の結果、毒物までに至るような性質は持っていない。平均的にいきますと、毒性を見まして、劇物、毒物につきましては平均十倍程度の差があるように言われておりますが、そういうような基準によりますとこれは劇物指定ということになりまして、現在そのような扱いになっておるのでございます。しかしこのエルサンにつきましては、劇物でございますけれども、大量に飲んだり手にそれを浴びたりということになりますと、当然障害が起きるわけでございますので、その使用等につきましては今後さらに十分指導の徹底を期したい、かように考えております。
#165
○小宮委員 このほかにも長崎県では、七月の三十日にも島原市の国有林野内で放牧中の和牛とか馬が十二頭も死亡したという問題も起きておるわけですね。したがって、問題が起きますと、いま言うように農家の方々の取り扱いが悪いとか本人の不注意だとか、今後はひとつ指導を強化しますとか、いろいろなことを言われるわけですけれども、少なくとも害虫を殺す農薬のために人間が殺されたり家畜が殺されたり、あるいは人間に有益な虫を殺して、逆に害虫はふえるような傾向も出ておるわけですね。したがってこの農薬行政について私は根本的にメスを入れるべき時期にきておるのではないかというふうに考えるわけです。特に日本の農薬の使用については欧米諸国に比べて非常に予防農業に走り過ぎておる。したがって農薬についてはもっと数を減らしても十分目的は達し得られるはずだという専門家もいるわけです。したがって現行のこの農薬取締法を見てみますと、農薬の登録申請にあたっては第三条に抵触する場合にのみ登録を保留し品質の改良を指示することができるということになっておるわけですね。私はこの登録申請の段階で、人体に著しく有害だと思われるものについては登録を拒否するというようなことに農薬取締法を強化すべきじゃないかというふうに考えるわけです。したがって、こういった農薬公害が大きな社会問題となっておるおりから、現行の農薬取締法は三十八年に改正されたままでありますから、今日のように科学の技術がどんどん進むおりから、こういった現行の農薬取締法はすでに時代に合っていないのではないか、不備な点がありはせぬかということを考えますので、この現行の農薬取締法をそういうふうな意味で抜本的にまた改正する意思がないのかどうか、必要ありと思うのかどうか、その点を質問いたしたいと思います。
#166
○岡安説明員 お答えいたします。
 いまお話しのとおり、現在の農薬取締法によります登録に際しましては、当然急性のみならず慢性毒性につきましても検査をいたしまして登録をするかしないかということを判断をいたしておるのでございますけれども、それはもっぱら運用にまかされているというような点がございます。それから、おっしゃるとおり、従来急性毒性にややもすれば重点が置かれまして、慢性毒性等につきましては従来必ずしも十分な検査が行なわれて十分な配慮が払われたかどうかという点につきましては私ども反省いたしておるわけでございまして、そういうような扱いも含めまして、現在私どもはこの農薬取締法の改正を検討いたしております。いまおっしゃったような点を含みまして相当大幅な改正を含めまして現在検討中だということをお答えいたしたいと思います。
#167
○小宮委員 ぜひともひとつお願いいたしたいと思います。
 次は米の配給機構の問題でございます。
 具体的な例を申し上げますので、ひとつその上で御答弁をお願いしたいと思います。
 これは長崎県下には四つの米穀の卸売り販売業者があるわけです。ところがこの中の一つのある卸売り業者が七月十日から小売り販売業者に対して売り掛け金について日歩四銭の利息を取ることを実施いたしたわけです。その動機についてはいろいろ私の聞く範囲内では米以外のものを取り扱ったために、その欠損の埋め合わせをするのだということも聞いてはおりますけれども、これは別としまして、この小売り販売業者が非常に困っておるわけです。と申しますのは、小売り販売業者は、一般の米の配給を受ける場合はほとんどが月給取りですから月賦払いのほうが非常に多いわけですね。そうすると現金買いをする人が非常に少ないから、結局そのために売り掛け金がふえていくわけです。だからといって小売り販売業者が卸売り販売業者から日歩四銭の売り掛け金に対しての利息を取られても、小売り販売業者は今度は各消費者に対して日歩四銭の利子を取るわけにいかぬわけです。そうなりますから、結局この小売り業者は全部零細な金を、この売り掛け金に対する利子を全部小売り業者が負担をしておるわけです。非常に困っておるわけです。そこで小売り業者は借金を払ってしまって、いわゆる他の卸売り業者に登録がえをしようと思って登録がえの申請をしたところが、そうしますと、この登録がえをする場合の食管法の施行規則の第十八条の第二項の登録変更に関するただし書きの条項がありますね。この条項には何ら該当するようなことはないにもかかわらず、売り掛け金もない、登録変更してから一年以上たっておる、こういうように何ら該当するような問題がないにもかかわらず、その卸売り業者からほかの三つの卸売り業者に対して手が回って圧力がかかって、ほかの卸売り業者に登録がえの申請をしても道義上どうしてもできないという一点張りで承諾書が得られなかった。事実上そのために登録変更ができないというようなことが現在明るみに出て小売り販売業者は非常に困っておるわけです。したがって結果的には、いまのような状態であれば小売り業者は卸売り業者からどんなことをされようとも、どのように言われようとも泣く泣く現状の卸売り販売業者にくっついていかなければ隷属をしていかなければどうにもならぬという問題が発生しております。これは私は長崎県下の問題だけではなくてほかの県にもこのような問題があるのではなかろうかと考えます。
 したがってお尋ねしたいのは、このような事実に対して食糧庁としてどのような見解を持っておられるのか。また先ほど私が言ったようなそういう日歩四銭の利子を取られるということにおいて登録がえの理由にならないのかどうか。またほかの府県でそういうような売り掛け金に対して日歩四銭のこの種の利息を取っておる県があるのかどうか。そういうような点についてひとつわかっておれば御答弁を願いたいと思うのです。
#168
○森本説明員 日歩四銭というような金利を取っておる例があるかということでございますが、私ども聞いております範囲では一定の支払い期間がございますから、そういった支払い期間をこえて、その代金が残るといったようなものに対しては通常二銭ないし三銭といったような一種の延滞利息というような性質のものだろうと思いますが、そういうものを取っておるということは聞いておりますが、御指摘のような金利を取っておるというふうな例はあまり聞いたことはございません。
 それからなお、小売り業者が卸売り業者の登録を変えたいということにつきましては、御承知のように昨年できるだけ登録がえが容易にできるようにという趣旨で制度を改正をいたしたわけであります。したがいまして、拒む際の理由等につきましても、省令等に明記をいたしておりますし、また正当な理由がなければ拒むことができないということになっておるわけでありますから、御指摘のようなことがもし事実であるといたしますれば、必ずしも適正な運営というわけにはまいらないことであろうかと思います。なお、私どもとしては、実情をよく調査をいたしまして、善処をしてまいりたいというふうに思います。
#169
○小宮委員 いまの私の説明の範囲内では、登録変更を拒否する理由はないということですね。これは現実の問題、各小売り業者が非常に困っておる問題ですから、あとで検討するとかいうことではなしに、食糧庁としても、いまの私が説明した範囲内で、そういった理由であれば拒否する理由はない、これは当然登録がえしてもいいというような理解に立っておるわけですか。
#170
○岡安説明員 私が申し上げましたのは、たとえば登録を変更したいという場合に、それが必ずしも正当な理由がないのに拒むことができないということになっておりまして、正当な理由ということになりますれば、いままで取引をしておる関係のいわば貸し金が滞っておるとか、そういったことであります。そのほか、たとえば離島とか非常に遠距離にある、したがって登録をしたいという申し出であっても物理的にそこにはなかなか取引ができないとか、そういう一定の理由を私どものほうで指導上つくっております。それ以外の事情でありますれば、必ずしも適切な運営であるとはいえないということでございますから、いまどういう理由で当該の卸が断わっておるかということはいまの御説明では必ずしもわかりませんから、私どもが指導上、断わり得る理由以外の事情で断わっておるということであれば適正な運営であるとはいえないということを申し上げたわけであります。
#171
○小宮委員 それでは、ひとつ早急にこの問題は調査をしていただいて、そういったことが、食糧庁の考え方とこの問題が違反しておらなければ、そういった登録がえができるように、またそういった指導をやってもらわぬと小売り業者はいま卸売り業者から非常に泣かされておるわけですから、その点は特に調査をして、よろしく御指導をお願いいたしたいと思います。
 次は、先ほども出ました石川県の加賀市の農地が無断でゴルフ場に転用されておる問題です。これはすでに事実としてお認めになっておるわけですから、それはけっこうですが、この休耕農地は農業構造改善事業として補助金の交付がなされておるわけですか。まずこれを質問します。
#172
○岡安説明員 この地区につきましては、昭和三十九年から四十二年にわたりまして構造改善地区として事業をやっております。
#173
○小宮委員 農業構造改善事業の補助対象になるのは、私の考えでは、今後の日本農業を背負う中核としての優良な農地であるとか、あるいは少なくとも優良な農地になり得るもので、効率的かつ経済的合理性を有する農業経営を営むことができるような農地がその補助対象になるものと考えております。しかるに、この農地は休耕地として米の生産調整奨励金の補助金の対象となっておるようですが、この農地を休耕地としたのは減産対策の措置であろうと思いますが、やはり休耕地にしたのは減産措置としての対策なんですか。
#174
○岡安説明員 おっしゃるとおり、構造改善事業の指定の地区はやはり将来ともその地区におきまして農業を続けていくということがたてまえで運用されておりまして、特に第二次構造改善事業以降につきましては、農業振興地域の整備に関する法律もできましたので、そういう振興地域に限りまして事業を実施するというような指導をいたしております。この地区も当時はそういうことでやっておったのでございますが、その後の事情の変更というふうに私どもは考えております。
 なお、休耕でございますが、これは当初は、地元の主張によりますと、生産調整に協力するという趣旨で、休耕といいますか転用といいますか転作といいますか、そういうふうにはからうというようなことを私どもは聞いていたのでございます。
#175
○小宮委員 米の減産対策として休耕地としたり転作する場合、農業政策として、米づくりについての限界生産力に近い生産性の低い農地あるいは農地よりも他の用途に使用することが土地利用の合理性をより発揮できるような土地について休耕、転作を行なうのが、農業政策としての合理性と一貫性を発揮するものではないかというふうに考えております。少なくとも、構造改善事業の対象として前向きに資金と労働力を投下した農地を休耕にするということは、資源の適正配分上からいっても問題があるのではないかというふうに考えるわけですが、石川県のような例がほかにもあるのではないかと思います。この休耕、転作にあたっての根本的な考え方――必ずしもそうはいかないとは思いますが、この休耕、転作にあたっての根本的な農林当局としての考え方をちょっとお聞きしたいと思います。
#176
○岡安説明員 お答えいたします。
 生産調整をどこでやるかというような問題につきましては、基本的にはおっしゃるとおり、優良な米の生産地はこれを残しまして、むしろ転用なり転作が適当であるような、いわば順位を比べればよりそれらに適したようなところをまず生産調整の対象にするというのが基本であろうというふうに考えておるのでございますが、今年度の生産調整につきましては、そもそもの発足等の事態からいたしまして急にいたした関係もございまして、いろいろそういう調査等が不十分な点もございますので、ある程度一律のような運用をなさざるを得なかったような点もございます。もちろん、私どもがこれを都道府県等に配分いたす場合におきましては、転作の可能性、生産性等を勘案いたしまして、そういう計数を中へ入れまして計数等をはじき出したのでございますけれども、末端へ行きました場合には相当程度、平均的に割り当てられたというふうな結果もございます。
 将来の問題といたしましては、できる限り私どもは地域分担の作業等も急いでおりますので、そういうような作業等をにらみ合わせまして、お説のような考え方を、もし将来とも生産抑制措置を講ずるような場合には考えてまいりたい、かように考えております。
#177
○小宮委員 この農地についてはゴルフ場に転換したということで、米の生産調整奨励金は交付しないということにきめたようですけれども、そうですね。しかし、すでに交付されておる農業構造改善事業補助金については、いまのような結果から見れば、その目的に反しておるわけですが、この種補助金については補助金等に係る予算執行の適正化法がございますが、これによって具体的にどのような措置をとるのか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
#178
○岡安説明員 お答えいたします。
 この問題につきましては、私どもも情報が不足している部分もございますので、なお調査をいたしましてから措置はいたしたいと思っておりますが、いま御質問の適化法関係の点を申し上げれば、この事業は一応補助対象事業といたしましては適切に行なわれた後に転用なら転用その他の措置が行なわれたということになるのでございまして、いわば適化法の問題では必ずしもないんではなかろうか。ただ、私どもは、やはり事業が行なわれた後にせっかく農業を続けるための補助金が、転用によってそのまま補助金に手をつけなくていいかどうかという問題がございます。私どもは、現在事業をいたしましてから八カ年以内に転用をなされるというような場合には、その交付にかかります補助金の全額を返してもらうというような措置をいたしております。この措置をとりましたのは昨年以来でございますので、このケースにつきましてはこれをどういうふうに適用するか、これは実情をさらに調査いたしまして、私どもも措置をきめたい、こういうように考えております。
#179
○小宮委員 新聞報道によりますと、この芝の植えつけについては、石川県では模範的な転換の事例であるというふうにして紹介されたということが出ておるわけですけれども、大体芝の生産は農業政策上代々どのような位置づけになりますか。それで芝の生産を目的とする農業改善事業に補助金をいままで出したことがありますか。
#180
○岡安説明員 あとのほうの御質問で、私ども芝の生産のために補助金等をやった例はないというように承知いたしておりますが、位置づけということになりますとなかなかむずかしい問題でございますけれども、私どもあの生産調整の一環として行なわれました転作につきましては、いわばその農地といいますか、土地利用の一つのケースであるというふうに私どもは理解をいたしているのでございまして、今後どういうふうに考えるかは、ちょっといますぐ即答するわけにはまいらないのでごかんべんを願います。
#181
○小宮委員 時間を急ぎますから先に移ります。
 この農地がゴルフ場に転用された場合、農地法の第四条で転用許可を受けなければならないことははっきりしていますね。無断転用は農地法違反であることは明白ですが、この場合罰則があることは当然ですね。それで、構造改善事業を行なった農地であるとすれば、これはもとに復旧をさせるということも考えられるわけですね。これは先ほど質問に出ておりましたけれども、農林当局としてこの問題についてはまだ具体的な、こういうふうにしたい、こういうふうに対処したいという考え方が出てはおらぬでしょうけれども、ひとつそういった、いま現在時点で考え方があれば、考え方をお教え願いたい。この問題について、いままで特に新聞を見ておりますと、米の減産対策にもなることであり、強制的にもとの農地に戻すこともあるまいということで、結局は既成事実を黙認するということになりはしないかということを私はおそれるものですから、その点については今度のこのゴルフ場の農地法違反の問題について、農林当局としてどう考えておるかということを、現在の時点で、罰則の問題、原形復旧の問題、いろいろありますが、その点総括してひとつお答えを願いたいと思います。
#182
○中野説明員 午後芳賀先生からもその問題御指摘になったわけでございますが、そのときに御答弁申し上げましたように、先ほど答弁いたしましたような経過で現在に至っておる関係上、これをそのまま放置をいたしまして、黙認をしながらずるずるいくということは、米の生産調整の中といえども、やはりどんなところでもどんどんかってにつぶしていいということにはならないというふうに考えておりますので、何らかけじめをつけるような方策を講じたい。その一つといたしまして、本件の場合、すぐ告発するというようなこともあり得ようかと思いますけれども、やはりわれわれ行政指導といたしましては、原状に一応復させる。そしてそのあとどうするかということを考えるということがよろしいのではないかという方向で、現に北陸農政局にそういう指示をいたしまして、いま地元と話をしておる最中でございます。近く結論が出るかと思いますので、この次の委員会等でも報告をしろというお話もございましたので、その節申し上げたいと思います。
#183
○小宮委員 これで私の質問を終わります。
#184
○三ツ林委員長代理 津川武一君。
#185
○津川委員 時間がないので、ことばを飾らないでそのまま答えていただきたいと思います。
 公害から農地や農業や水産業を守るために、これは農林省の公害関係者の人と水産庁に、それから生産調整とからんだ米の買い入れ制限などについて食糧庁長官から、それから三陸漁場の北のほうの不漁について水産庁に、この三項目で質問してみます。
 そこで公害の問題ですが、八月一日から東大の農芸化学の平田煕助手らの調査で、福島県磐梯町で日曹金属会津製錬所付近で、水田の土壌から二一・五PPM、アズキ畑の土壌から二〇・〇PPM、昨年とれた玄米からは一・六一PPM、現在畑からとれた野菜のレタスからは一一・、九PPMのカドミウムが検出され、町当局ではたいへんなことになって、町当局の指示で付近農民は昨年産の保有米は食べないで、配給米を配給してもらっております。水田の汚染では、安中カドミウムの土壌一六・七PPMよりも上回っております。一昨日私たちも調査に行ったときには、付近農民は自分の畑に育った野菜も食べないで、よそより買ってきている状況であります。ちょうど大根や白菜をまく季節になっているのに、農民たちはよごれた土地にまいていいのかどうか迷っております。農民の健康も、指の関節がはれたり、歯ぐきがやられたり、ぜんそくが起きたり、尿にたん白や糖まで出ています。町には公害対策協議会ができました。会社も県庁に出頭し、カドミウムを出さないために、これからは県の指示どおりに従うと言明しております。農業や住民の被害は補償すると会社が、企業が方針を明らかにしております。これに対して農林省は、カドミウム被害調査予定地としてこの地域をあげておりながら、今日まで調査も何にもしてないのが実情であります。
 そこで質問でございます。
 一、政府も責任をもって調査をいたすべきだと思いますが、それに乗り出すのはいつでございますか。
 二、農産物の被害について。昨年産の保有米は、町で食べさせないで配給をとっております。この昨年産の保有米、今年産の畑作物、これも食べておりません。今年産の米について、加害者である日曹製錬所に負担させるべきでありますが、どのように処置するつもりでございますか。
 農地の被害についてであります。安中カドミウムよりも農地がよごれておるので、会社の負担で汚染を取り除くようにさせねばならないと思いますが、この点は農林省はどんな処置をとりますか。
 その次に、よごれた土地を汚染から守るために、土地改良事業で通年施行をやり、その補助を国で出して、被害農民の負担分を工場に負担させるなどということは非常に地域の住民から出ている声でありますが、これをいたす腹があるかどうか、これを明らかにしていただきたいと思うのであります。
 もう一つの問題は、保有米にカドミウムが入っているので、町当局が食べさせない。野菜からカドミウムが出ているので、食べないようにしている。そうすると、悪徳商人が入り込んで、この保有米と野菜を買い集めて、ほかのほうに持っていって、こっそり売っておる現状も見られます。これをどういうふうに処置するか。この点、まず答えていただきます。
#186
○加賀山説明員 お答えをいたします。
 いろいろの問題がたくさん御質問になりましたので、私の答えられます範囲でお答えをいたします。
 福島県の磐梯町の件につきましては、われわれは新聞報道によってはその状態を現在存じておりますが、なお福島県当局から詳細な報告がない現在、その内容につきまして十分に承知をいたしてないわけでございます。聞きますと、八月の十二日から福島県が人の健康調査あるいは農作物の被害等につきまして、東西二キロ、南北一キロでございますか、それに対しまして調査に入る予定と聞いておりますので、その調査の結果を待ちまして各種の対策を検討してまいりたい、かように考えております。
 それから、ただいま御質問の中に製錬所がいろいろと公害関係の費用負担等について前向きに対処するというふうなお話がございましたが、われわれも第一義的にはそのような問題は原因者が明らかな場合には原因者が負担すべきか、かように存じておるわけでございます。
 それから農地汚染についての問題がございましたが、農地汚染に対しましてたとえば通年施行、圃場整備等を通じまして排土あるいは客土等の仕事ができる、そういう場合もございますが、これらにつきましても、なお現地の事情、土壌の状態等が十分にはっきりいたしませんとどのような対策を打ったが一番よろしいか、その結論を得がたいのではないか、かように考えております。
 それから一番最後の御質問のカドミウムが入っている保有米あるいはカドミウムに汚染されている野菜等につきまして、商人が入り込んで買いあさりをする、そういうふうなお話でございましたけれども、これ等につきましてもわれわれ十分な情報を得ておりませんので、もしかそういうことでございますれば、これに対しても適切な措置をとるべきかと考えております。
#187
○津川委員 福島県当局から報告が入ってないと言っているんですが、どこに入ればよろしいんですか。もうとっくに県当局も企業当局も国は覚えているはずだ、こういっています。
#188
○加賀山説明員 公害関係の各種の問題は農林省におきましてはたいへん各局に関係がございまして、どこに入った、片方入り片方入らないということもございます。ただいまでは官房で全体をまとめる、そういうかっこうをいたしておりますので、官房の私のところに簡単に申しますと全体まとめて報告があるのを待っているわけでございます。
#189
○津川委員 住民がこのように心配し、町当局が手を打ち、会社が態度を言明し、公害対策協議会ができているときに、向こうからの報告を待って処置するというのが政府の態度なのかどうかということでございます。この点をひとつ答えてください。
#190
○加賀山説明員 ただいま先生から御指摘のように、国があらかじめそういうような情報をキャッチして直ちに活動するという形がわれわれは最もいいというふうには考えております。しかし公害問題というのは最近急速に全国にわたりまして発生いたしておりますので、われわれのほうですべてのものに対して直ちに対応するというまでにはしばらく時間がかかるのではなかろうか。われわれも決してうしろ向きにやっているわけではございませんので、できる限り前向きに対処いたしたい、そう考えているわけでございます。
#191
○津川委員 現地では昭和十五年ごろから馬が三年よりもたないで死ぬ。山ははげ山になる。木は枯れる。草ははえない。ササは枯れていく。そうして農作物は減収になる。会社はこれに対して見舞い金を出しておる。そういう歴史的な事情から公害だということを会社も認め、県も認めている段階に対して、もう一度農林省は直接出かけていく必要があるかと思いますが、答弁してください。
#192
○加賀山説明員 ただいまのお話でございますが、そういうケースは古くから、たとえば渡良瀬川等ずいぶん昔からそういう問題がございますけれども、われわれのほうは、ただいま申し上げたようにできるだけ前向きに対処いたしたい、そう考えているわけでございまして、こちらのほうで直接調査をする必要があるかどうかにつきましては、福島県の十二日からの調査の結果を待ちまして判断をいたしたい、かように考えております。
#193
○津川委員 もう一つは、住民や関係企業の関係労働者は、会社はいまこういうふうに前向きであるけれども、やがて政府の息がかかって企業責任をのがれたり国に転嫁するようなことになりはしないかと心配しているわけです。したがって、いま問題が出ているうちに早目に行って問題をきめるべきだと思いますが、これはどうでございます。
#194
○加賀山説明員 ただいま津川先生のおっしゃいましたこともごもっともだと思いますけれども、公害問題というのは直ちにその費用負担と申しますか、そういった問題と直接につながってまいりますので、そういった問題等につきまして、農林省だけでなくて各省関係いたしますので、その問題を早急に煮詰める必要がある、そういうふうな現状になっております。ですから、公害問題というのはそういう問題を解決する方法を見出しながら、適切な対処をしていく、そういう方向が正しいのではなかろうかと考えております。
#195
○津川委員 そこで、県庁にカドミウム定性、定量の能力がなくて、どうせ東京へ持ってきて東大の農芸化学の教室で検定しなければならない、おそらくそういうことになるのではないか。その間に種をまくべき時期が来ているので、すみやかなる方針の樹立がますます必要になっているわけです。この点くどいようですが、もう一回念を押しておきます。
#196
○加賀山説明員 ただいまの問題は関係各省と申しますか、厚生省あるいは通産省とも相関連いたしますので、十分に相談いたしまして適切な対策をとりたいと思っております。
#197
○津川委員 同じことに関連しますけれども、最近における水汚濁による漁業の被害について、長良川の公害で大量の魚類が斃死しておりますが、原因がまだ不明だといわれております。狩野川で二十万ないし三十万尾と推定されるアユが死んでおります。この原因もまだ不明だといわれております。栃木県の思川で百万尾にのぼる魚類が死んでおります。これは沿岸のメッキ工場の浄化槽のシアンの流出によるものだと想定されております。十和田湖で三十三トンとれておったヒメマスが十一トンに減っております。この関係で自殺者も出ておりますが、これもまだ原因は不明だといっております。有明海においてカドミウムの汚染でノリがかなりやられております。そしてノリの中に最高で二・八PPMのカドミウムが検出されております。これに対する加害者もまだ明らかではありません。最後にきのう問題になっておる田子の浦のヘドロの問題でございます。これは大昭和製紙など四つの企業が明らかにされておるので住民の運動もできるわけでございます。
 そこで、このようないまあげた六つの状態に対しまして、農林省はすみやかに加害者、公害で魚の死ぬ原因を明らかにしなければ問題がちょっとも進展しない、いつまでも流されていく、これが現状だと思います。この点について、いまあげた六つの魚等の汚染に対して政府の方針を明らかにしてください。
#198
○大和田説明員 いま御指摘になりました六つのケースは、それぞれ原因もあるいは被害の態様も違うものでございまして、たとえば田子の浦のヘドロのように、いわば原因者が明らかな場合もございますし、それから長良川、狩野川、思川等々なかなか原因及び原因者が明らかでない場合があるわけでございます。私どももとよりいわゆる公害による漁業被害がありました場合は、その原因を突きとめることが第一でございまして、そのためには、工場から汚水が一時出て、魚が斃死したような場合に、それでは翌日あるいは翌々日になってそういう事実があるかといいますと、それはそうではございませんで、いわば瞬間的なきわめて短い時間で勝負がきまるわけでございますので、その原因を突きとめる方法としていろいろな毒物に感応する自動観測機の施設を各地方に助成をして備えつけさしておるわけでございます。また被害が出ました場合に、すぐ県の水産課その他あるいは公害関係、衛生関係の人たちが動員されてその原因が究明されるような努力もいたしておるわけでございます。
 被害の態様あるいは原因等いろいろ違うわけでございますけれども、昨年、ことしと漁業に対する公害の程度がだんだん激しくなりまして、このまま推移いたしますときわめておそるべき事態も予想されますので、県その他督励をいたしまして、また私どもできる限りの助成措置を講じて、まず水をきたなくする原因をできるだけ排除することにつとめて、漁業を公害から守ることに努力をいたすつもりでございます。
#199
○津川委員 それにしても長良川が六月二日でございます。私は花樹十七日岐阜に行ってこのことを聞いてもおるし、見てもおる。狩野川が六月七日、こんな状況に対していまだにまだ原因不明というのでは、私は住民は納得しないと思います。そこで、後刻文書でよろしいですから、この六つに対してとった水産庁の態度を具体的に報告していただきたいと思います。それによってまた次の機会に問題にしてみたいと思います。
 その次に米の生産調整と買い入れについてでございます。
 倉石農林大臣は買い入れ制限はしない、食管法と政令の規定もありますので、はっきり明言しておりますが、食糧庁長官はもちろんこの方針で米の買い入れや輸送や販売に当たるつもりでございますか。
#200
○森本説明員 午前中にもお答えを申し上げましたように、買い入れ制限をするといったようなことは考えておりません。
#201
○津川委員 そこで、農林省が出した通達に対して具体的に尋ねます。
 先ほども八%一律に引いている話が出たり、生産調整分を引いて予約を受け付けるようにされている例が出ておりまして、食糧庁長官が一つのめどとして示したと言っておりますが、具体的にはこうなっております。昨年自家保有米として残したもの、これはまあよろしいとして、それから自主流通米に出したものをことし予約に組み入れたら断わられた、こうでございます。作付がよろしいので、少しよけい出したらこれも断わられた。開田した分について一部は認めたが、一部は断わられた、こういうことでございます。あなたが出した通牒によりますと、生産の実情やらいろいろなものを具体的に考えてきめろというのでありますので、この点は食糧事務所に関係者が申し出れば是正させるつもりがあるかどうか、答えていただきます。
#202
○森本説明員 今回米の予約を受けつける際に私どもはどういう考え方でやっておるかということにつきましては、午前中御説明申し上げました。(津川委員「よくわかっております。三つのことに答えてください」と呼ぶ)したがいまして、ああいう考え方でございますから、私どもが示しましたものはもちろんめどであります。したがいましてそういったケースから、上回る場合に受け付けないといったようなことではなしに、適正な理由、適正な事情によってさような数量になるというのであれば、私どもは決して予約を制限するというようなつもりはございません。
#203
○津川委員 私がいまあげた三つは適正な理由と考えますかどうか。
#204
○森本説明員 それぞれ現地に私どもの係官がございまして、先ほど申し上げましたような趣旨によってよく実情を精査してやれというふうに言っておりますから、実情を精査の上適正な予約を受け付けるものというふうに思っております。具体的な例示の問題につきましては、それぞれ現地でよく実情を精査するはずでございますから、さようなことでやっていくものと御理解をいただきたいと思います。
#205
○津川委員 その次に、天候が非常によろしいので増産になりそうな形勢で、出来秋に増産になったときに、さらにいわゆる農民のことばでいうと超過供出を申し込んだときに買い取るといっているわけですが、これはよろしいです。ところが北海道と青森県のかなりの部分と秋田県などの一部には入れる倉庫がない。食糧事務所に聞くと倉庫がないときには検査をするわけにいかない。したがって農民はいつの間にかこれは検査しないで政府に売り渡さないで別なルートになっていく、こういう心配があるわけですが、この倉庫の問題を解決するにどうするか、答えていただきます。
#206
○森本説明員 従来から検査についてはある程度計画的な検査ということで、いっときに米がまいりますから、ある程度順序を立てて検査をするということはやっております。御質問の倉庫がないから買わないというふうなことは、もちろんさようなことでやるつもりはございません。倉庫の調達にはできるだけ私どもも努力をいたしまして、買い入れに御迷惑をかけないというつもりでやります。
#207
○津川委員 米の生産者は、どうやら政府は買い入れ制限に乗り出すのじゃないかという非常に疑念と不安を持っている。そこで農民の間に具体的に出ているいまの不安は、検査基準を厳重にして買い入れを制限するのじゃないかという心配でありますが、ことしの検査基準を特別に厳重にするつもりはないでしょうが、この点明言していただきます。
#208
○森本説明員 故意に検査を厳格にして買い入れを制限するというふうなことは考えておりません。
#209
○三ツ林委員長代理 時間が来ていますので簡単にお願いいたします。
#210
○津川委員 そこで七月三十一日に食糧庁長官が食糧事務所あてに通達を出しております。この通達は「昭和四十五年産の等外、規格外米の取扱いについて」という題目でありまして、当庁として水分過多の甲・乙規格外玄米の買い入れは極力抑制するといっておりますが、ことしはこの点厳重にするつもりでありますか。これも私は食管の政令の規定に従って買うべきものと思いますが、いかがでございます。
#211
○森本説明員 御承知のように、こういった水分の規格以上に高い米につきましては、従来からも保管管理上あるいは米の操作上、私どもとしては極力こういうものが少なくなるように希望をいたしておるわけであります。ただ、本年七月の時期にかようなものを出しましたのは、従来でありますと、出来秋といいますか、調製が終わりました後にさようなことを申しましても、すでにものができ上がっておるというふうなことでありますから、昨年度も、そういうことであればなるべく早くさような方針を示してくれれば農家のほうでもそれに対応した調製はできるのであるというふうな声がかなりあったわけであります。したがいまして、別段私どもとしては方針を本年特に変えたわけではございませんけれども、なるべくそういった米の調製段階以前にかような私どもの気持ちをよくお伝えをいたしまして、今後調製をする際にはさような考え方で農家並びに農業団体が対応していただくということが必要であるというので、かような通牒を発した次第であります。
#212
○津川委員 そうすると水分過多の甲・乙規格外は制限しないと解釈していいのか、そして七月三十一日に通知を出した趣旨は非常に私も賛成です。早く出しておくと乾燥に全力をあげる、このことはよろしいのですが、当庁としての買い入れは極力抑制する、こう言っているので、その点がないということを言明できればよろしいし、言明できるかどうかが一つと、それから第二番目に、水分過多のものは「指定災害または、これに準ずる災害により被害米の発生が相当量あっても政府買入れを行なうかどうかは、そのつど検討することとするが、前年産より慎重に検討する方針である。」こううたっていますが、ここでやっぱり前年度よりきびしくするという疑いを持つわけでありますが、前年度よりきびしくするつもりでございますか、この二点。
#213
○森本説明員 私どもとしてはなるべく脱穀調製といいますか、米の調製段階で水分過多のものが発生しないように、極力さような指導をしていきたいという気持ちには変わりはございません。したがいまして、操作上、取り扱い上きわめて困るような米については、なるべくさようなものが発生しないように未然に防止をしたいという指導方針でいきたいというふうに思っております。
 なお、読み上げられました部分は、水分過多のものではございません。それ以外の規格外米等についての話でありますが、従来からさようなものについては、災害のつど検討して、買い入れの可否を慎重にやってまいったということでありますが、かような需給関係でありますから、やはりこういった米については、食糧管理としてはなるべく持ち込まないほうがよろしいということは、率直にいいまして私どもの気持ちでありますから、買うか買わないかについては、やはり災害の程度その他を慎重に検討するということは当然であろうと思っております。
#214
○津川委員 最後に、三陸沿岸の不漁についてですが、四十二年、四十三年、三陸沿岸特に八戸にイカがかなり大量に出まして、加工者が投資しているわけであります。ところが昨年の秋からことしの六月、夏にかけてさっぱりとれないので、ここで破産が出てきております。ことしの春の魚の予報では、イカは大漁だというふうな予報を漁民が受けております。ことしのおそい春から初夏にかけて東シナ海に発生したイカが北上して、例年どおり東海岸を回らないで西海岸に回ったということが不漁になったといまになってわかっているのです。聞いてみたら、そのときは水産庁は覚えているのじゃないか、こういうことであります。三陸沿岸はかつてイワシの大漁場でありましたが、そのイワシがなくなった。今度はイカが出てきた。今度はまたイカがやられるのじゃないか。そこで漁業家の願い、要求というものは、国が、どこに魚がおってどういう形でいるのか、それからどうやってくるのかなどという、漁場、漁況、そういうものの調査と予報をしてほしいというわけですが、この予報措置、漁場、漁況の調査機構というものはどうなっておりますか。さらに改善するものがありましたら明らかにしていただきたい。
#215
○大和田説明員 海況、漁況の調査及びその広報につきましては、アジ、サバ、サンマ、スルメイカ等の魚種について現在やっておるわけでございますが、現在のやり方を申し上げますと、各水産庁の水産の研究所が主体になりまして、管下の県の水産試験場を動員いたしまして、その調査船あるいは航空機等を使いまして調査を行なって予報をいたしておるわけでございます。この仕事が始まりましたのは御承知のように昭和三十九年でございまして、スルメイカ等について予報が始まりましたのは四十一年からでございまして、相当な費用とまた定線測定といいまして、相当多数の県の試験船あるいは用船がやっておるわけでありますが、なかなか、別に人のことを言って責任をのがれるわけではございませんが、天気予報がむずかしいわけで、生きている魚がどこにいるかということをさがすのもなかなかむずかしいわけでございますけれども、幸いなことに、ことしのスルメイカの予報につきまして六月ないし九月の長期予報で青森県の東海岸が平年並み、それから岩手県の沿岸が平年を下回る、それから西のほうの青森、秋田の西の側では大体漁はいいであろうというそういう予報を立てたわけでありますが、岩手と西海岸のほうはまずまず予報どおりの収穫で推移いたしましたが、青森県で大体平年作であろうという、平年並みの漁獲があるであろうと申し上げたところが、平年の三分の一、大体昨年の二分の一程度に終わりまして、私ども研究者としても、これは大いにさらに精度をますべき必要があるということを十分胸にこたえておるわけでございます。決して始まりましてからまだ数年しかたたないということで弁解はいたすつもりはございませんで、調査あるいは予報その他の機構について十分今後とも研さんを積みまして、できるだけ正確の調査、予報をすることに努力をいたすつもりでございます。
#216
○津川委員 長官がはしなくも言ったから、私ももう少し話してみますが、青森県の水産試験場で魚の検査をする船が二そうあるのです。その二そうがどんなことをしているかというと、県のほうから採算をとらなければいけないというので、独立採算制をしいられて、魚とりをやっているのです。検査も、調査も、予報も何もできないかっこうで、そこでこういうことはどうしても水産庁の応援をもらってそういう漁場、漁況予報などの調査を進めていただかないことには、青森県のあそこから出ていってずっと東シナ海に行くわけにもまいるまい、そういうことなんですが、これに対してもう一回答えていただきたい。
 それからその次に、こういう漁場、漁況になりましたので、漁業家は魚をとる労働者を放すと、次は来ない、かかえておかなければならぬ。加工業者も労働者をつないでおかないと、また来なくなってしまう状況で、そこでどうしてもいま仕事を続けていくとすれば、政府資金、銀行関係資金の元利払いの一時延期、それからこの際なので、政府の持っておる系統資金を貸していただいて、見通しをつけていただく。どうしても魚が来ないならば転業せざるを得ない、こういうことが関係者のほんとうの気持ちでございまして、私も切に切にそれを訴えられたわけであります。この点に対する水産庁の援助と指導のほどをお伺いします。二点です。
#217
○大和田説明員 県の水産試験場の調査船につきましていろいろ問題がある場合もあることは御指摘のとおりであろうと思います。私ども現在本省あるいは水産試験場あるいは県全漁連に対する広報の予算等々六、七千万円の金を用意してやっておるわけでありますけれども、その予算の充実等については今後も努力いたすつもりでございます。
 それから八戸市の水産加工関係でございますが、業者が相当たくさんございます。そうしてスルメイカ等の不漁で困っている人たちも多いわけでございますけれども、またたとえばスケソウダラの水揚げが最近相当ふえておりますし、その冷凍スルメは非常に繁栄をしておるようでございますし、それからいわゆる酒のさかなの珍味等の生産で相当な利益をあげておるところもございまして、加工業全体としてはそんなに悲観的ではないというふうに私は考えております。ただ、業種によりまして、水揚げが非常に少ないことによって困っておる向きも確かにあるようでございますので、一つはすでに融資しておりますものの元利の猶予等につきましては、これは実態に即して私ども金融機関の指導をいたします。また、昨年出発いたしました漁業近代化資金も、八戸においても現に水産加工協同組合を通じて相当な融資をいたしておるわけでございまして、これは融資ワクが去年の百億に比してことし二百五十億というふうに相当ふえておるわけでございますから、必要な向きにつきましては相当な手当てをいたすことができるだろうと思います。非常に困っている人、あるいは相当好況の人、いろいろでございますけれども、私ども現地の実態に合わせて金融の面でも十分めんどうを見ていくつもりでございます。
#218
○三ツ林委員長代理 理事会できめた時間をだいぶ超過しておりますので……。
#219
○津川委員 これで終わります。
 そこで水産庁長官、もう予算の編成時期になっているわけですが、魚の漁場、漁況、気象通報、そういう予報などの予算を増額する腹をきめておるかどうか。きめておるならば、われわれ委員会としても大いに応援できると思いますので、最後の答弁をひとつお願いいたします。
#220
○大和田説明員 私ども、いま予算は省内の調整段階でございますので、いまこれを大いにふやすつもりだとかどうとか申す段階ではございませんけれども、水産業全体として相当予算の増額については努力をいたすつもりでございます。
#221
○三ツ林委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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