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1970/05/07 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第18号
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1970/05/07 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第18号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第18号
昭和四十五年五月七日(木曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 倉成  正君
   理事 伊東 正義君 理事 佐々木義武君
   理事 粟山 ひで君 理事 田邊  誠君
   理事 大橋 敏雄君 理事 田畑 金光君
     小此木彦三郎君    梶山 静六君
      唐沢俊二郎君    小金 義照君
      斉藤滋与史君    田川 誠一君
      中島源太郎君    別川悠紀夫君
      松澤 雄藏君    松山千惠子君
      箕輪  登君    向山 一人君
      山下 徳夫君    渡部 恒三君
      大原  亨君    川俣健二郎君
      小林  進君    後藤 俊男君
      島本 虎三君    藤田 高敏君
      山本 政弘君    古寺  宏君
      古川 雅司君    渡部 通子君
      寒川 喜一君    西田 八郎君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 内田 常雄君
        労 働 大 臣 野原 正勝君
 出席政府委員
        人事院事務総局
        給与局長    尾崎 朝夷君
        人事院事務総局
        職員局長    島 四男雄君
        厚生政務次官  橋本龍太郎君
        厚生大臣官房長 戸澤 政方君
        厚生省医務局長 松尾 正雄君
        厚生省社会局長 伊部 英男君
        厚生省児童家庭
        局長      坂元貞一郎君
        労働省職業安定
        局長      住  榮作君
 委員外の出席者
        厚生省医務局看
        護課長     永野  貞君
        労働省労働基準
        局監督課長   大坪健一郎君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月七日
 辞任         補欠選任
  藤田 高敏君     大原  亨君
    ―――――――――――――
五月六日
 ソ連長期抑留者の補償に関する請願外二件(小
 坂善太郎君紹介)(第六六四八号)
 同外三件(坂元親男君紹介)(第六六四九号)
 同(福永健司君紹介)(第六六五〇号)
 同外六件(松澤雄藏君紹介)(第六六五一号)
 同外六件(渡辺美智雄君紹介)(第六六五二
 号)
 同外二件(小沢辰男君紹介)(第六八一五号)
 同外一件(小此木彦三郎君紹介)(第六八一六
 号)
 同外八件(鯨岡兵輔君紹介)(第六八一七号)
 同外九件(松浦周太郎君紹介)(第六八一八
 号)
 同(森喜朗君紹介)(第六八一九号)
 同外十二件(赤澤正道君紹介)(第七〇〇二
 号)
 同外二件(河本敏夫君紹介)(第七〇〇三号)
 同外三件(村山達雄君紹介)(第七〇〇四号)
 結核対策の拡充等に関する請願(青柳盛雄君紹
 介)(第六六五三号)
 同(浦井洋君紹介)(第六六五四号)
 同(小林政子君紹介)(第六六五五号)
 同(田代文久君紹介)(第六六五六号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第六六五七号)
 同(津川武一君紹介)(第六六五八号)
 同(寺前巖君紹介)(第六六五九号)
 同(土橋一吉君紹介)(第六六六〇号)
 同(林百郎君紹介)(第六六六一号)
 同(東中光雄君紹介)(第六六六二号)
 同(不破哲三君紹介)(第六六六三号)
 同(松本善明君紹介)(第六六六四号)
 同(山原健二郎君紹介)(第六六六五号)
 同(米原昶君紹介)(第六六六六号)
 政府関係特殊法人の自主交渉権回復等に関する
 請願(寺前巖君紹介)(第六六六七号)
 同外二件(阿部昭吾君紹介)(第六七九八号)
 同外二件(石川次夫君紹介)(第六七九九号)
 同外二件(小林信一君紹介)(第六八〇〇号)
 同外二件(小林進君紹介)(第六八〇一号)
 同外二件(田中武夫君紹介)(第六八〇二号)
 同外二件(田邊誠君紹介)(第六八〇三号)
 同外二件(戸叶里子君紹介)(第六八〇四号)
 同外二件(中嶋英夫君紹介)(第六八〇五号)
 同外二件(芳賀貢君紹介)(第六八〇六号)
 同外三件(山本政弘君紹介)(第六八〇七号)
 同外二件(横山利秋君紹介)(第六八〇八号)
 同外一件(下平正一君紹介)(第六九九三号)
 看護婦不足対策等に関する請願(浦井洋君紹
 介)(第六六六八号)
 同(近江巳記夫君紹介)(第六六六九号)
 同(鬼木勝利君紹介)(第六六七〇号)
 同(小林進君紹介)(第六六七一号)
 同外六件(田中昭二君紹介)(第六六七二号)
 同(松尾信人君紹介)(第六六七三号)
 同(美濃政市君紹介)(第六六七四号)
 同(横路孝弘君紹介)(第六六七五号)
 同外二件(伊藤卯四郎君紹介)(第六八三二
 号)
 同外一件(川崎寛治君紹介)(第六八三三号)
 同外二件(堂森芳夫君紹介)(第六八三四号)
 同(美濃政市君紹介)(第六八三五号)
 同(山口鶴男君紹介)(第六八三六号)
 同外一件(井上普方君紹介)(第六九六一号)
 同外三件(卜部政巳君紹介)(第六九六二号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第六九六三号)
 同(岡沢完治君紹介)(第六九六四号)
 同外四件(川村継義君紹介)(第六九六五号)
 同(寺前巖君紹介)(第六九六六号)
 同外十五件(中川嘉美君紹介)(第六九六七
 号)
 同(西中清君紹介)(第六九六八号)
 同外四件(広瀬秀吉君紹介)(第六九六九号)
 同(古川雅司君紹介)(第六九七〇号)
 同外一件(柳田秀一君紹介)(第六九七一号)
 同外四件(渡部通子君紹介)(第六九七二号)
 労働者災害補償保険法改正に関する請願(寺前
 巖君紹介)(第六六七六号)
 同外十三件(鳥居一雄君紹介)(第六六七七
 号)
 同(松浦利尚君紹介)(第六八三〇号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第六九八〇号)
 同(岡本富夫君紹介)(第六九八一号)
 同外十件(塚本三郎君紹介)(第六九八二号)
 同(中川嘉美君紹介)(第六九八三号)
 日雇労働者健康保険の改悪反対等に関する請願
 外五件(鳥居一雄君紹介)(第六六七八号)
 同外十三件(川崎寛治君紹介)(第六八二八
 号)
 同外十一件(佐々木良作君紹介)(第六八二九
 号)
 同外二件(大野潔君紹介)(第六九八七号)
 同外一件(大橋敏雄君紹介)(第六九八八号)
 同(岡本富夫君紹介)(第六九八九号)
 同外二十七件(塚本三郎君紹介)(第六九九〇
 号)
 同外五件(中川嘉美君紹介)(第六九九一号)
 同(林孝矩君紹介)(第六九九二号)
 山村僻地の医療保健対策強化に関する請願外五
 件(秋田大助君紹介)(第六六七九号)
 同(植木庚子郎君紹介)(第六六八〇号)
 同(浦野幸男君紹介)(第六六八一号)
 同(大橋武夫君紹介)(第六六八二号)
 同(田澤吉郎君紹介)(第六六八三号)
 同外一件(高見三郎君紹介)(第六六八四号)
 同(益谷秀次君紹介)(第六六八五号)
 同(湊徹郎君紹介)(第六六八六号)
 同(向山一人君紹介)(第六六八七号)
 同(山下元利君紹介)(第六六八八号)
 同外二件(小沢辰男君紹介)(第六八二〇号)
 同(正示啓次郎君紹介)(第六八二一号)
 同(古井喜實君紹介)(第六八二二号)
 同外二件(松浦周太郎君紹介)(第六八二三
 号)
 同外一件(毛利松平君紹介)(第六八二四号)
 同(吉田実君紹介)(第六八二五号)
 同外二件(赤澤正道君紹介)(第六九九五号)
 同外三件(秋田大助君紹介)(第六九九六号)
 同外二件(金丸信君紹介)(第六九九七号)
 同外一件(田中龍夫君紹介)(第六九九八号)
 同外一件(田中正巳君紹介)(第六九九九号)
 同外一件(早川崇君紹介)(第七〇〇〇号)
 同(三池信君紹介)(第七〇〇一号)
 ネフローゼ患者の保護に関する請願外二件(有
 田喜一君紹介)(第六六八九号)
 同外二件(石井一君紹介)(第六六九〇号)
 同外二件(砂田重民君紹介)(第六六九一号)
 同外二件(原健三郎君紹介)(第六六九二号)
 同外三件(松本十郎君紹介)(第六六九三号)
 同外二件(小島徹三君紹介)(第七〇〇五号)
 心臓病児者の医療等に関する請願(井岡大治君
 紹介)(第六六九四号)
 同(有馬元治君紹介)(第六八二六号)
 同(小此木彦三郎君紹介)(第六八二七号)
 同(大野潔君紹介)(第六九八四号)
 同(中川嘉美君紹介)(第六九八五号)
 同(鶴岡洋君紹介)(第六九八六号)
 医療保険制度の改革に関する請願(山原健二郎
 君紹介)(第六六九五号)
 同(井上普方君紹介)(第六八〇九号)
 同(池田禎治君紹介)(第六八一〇号)
 同(川崎寛治君紹介)(第六八一一号)
 同(田中恒利君紹介)(第六八一二号)
 同(畑和君紹介)(第六八一三号)
 同(松本七郎君紹介)(第六八一四号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第六九七三号)
 同(川村継義君紹介)(第六九七四号)
 同(田中昭二君紹介)(第六九七五号)
 同(中野明君紹介)(第六九七六号)
 同外六件(華山親義君紹介)(第六九七七号)
 同外二件(細谷治嘉君紹介)(第六九七八号)
 同(松浦利尚君紹介)(第六九七九号)
 クリーニング業法の一部改正に関する請願(中
 山正暉君紹介)(第六六九六号)
 同(中山正暉君紹介)(第七〇〇六号)
 優生保護法の一部改正に関する請願外五十九件
 (足立篤郎君紹介)(第六六九七号)
 同外四十五件(大野市郎君紹介)(第六六九八
 号)
 同外二十九件(佐伯宗義君紹介)(第六六九九
 号)
 同外十七件(山手滿男君紹介)(第六七〇〇
 号)
 同外三十件(大野市郎君紹介)(第六八三一
 号)
 同外二十五件(田中龍夫君紹介)(第六九九四
 号)
 全国全産業一律最低賃金制の法制化に関する請
 願外一件(木原実君紹介)(第六七〇一号)
 通勤途上の交通災害に労働者災害補償保険法適
 用に関する請願外一件(木原実君紹介)(第六
 七〇二号)
 駐留軍労働者の雇用安定法制定に関する請願(
 川崎寛治君紹介)(第六八三七号)
 職業訓練法施行規則の職種に吹付仕上工追加に
 関する請願外二件(石井桂君紹介)(第六八三
 八号)
 理学療法士及び作業療法士受験資格の特例延長
 に関する請願(広沢直樹君紹介)(第七〇〇七
 号)
 むちうち症患者の医療等に関する請願(東中光
 雄君紹介)(第七〇〇八号)
 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案
 反対に関する請願(柳田秀一君紹介)(第七〇
 〇九号)
 家内労働法の制定に関する請願(渡部通子君紹
 介)(第七〇一〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第九二号)
 衛生検査技師法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第九五号)
 心身障害者対策基本法案起草の件
     ――――◇―――――
#2
○倉成委員長 これより会議を開きます。
 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案及び衛生検査技師法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。箕輪登君。
#3
○箕輪委員 まず厚生大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、看護婦さんがたいへん足りなくて大きな社会問題になっていることは御承知のとおりであります。大体、国民に十分な医療を確保するということは憲法第二十五条にも明らかなように、国の責任であると私は考えます。看護婦さんを養成する責任はどこにあるのか、まず厚生大臣にお尋ねしたいと思います。
#4
○内田国務大臣 医療というものは患者対医師との関係でございましょうけれども、しかしいま箕輪先生から御発言がございましたように、国民の健康を保持するということは今日の場合、国の大きな行政の目標であり、また政治の課題であると考えるものであります。したがって、この医療の遂行のために欠くことのできない看護婦さんの養成ということにつきましては、直接その養成に当たる機関が国立であるかあるいは民営であるかということは別といたしまして、養成の責任というものは私は国が負って円満なる実施をはかってまいるべきものだと考えて、そのように行政を進める所存でございます。
#5
○箕輪委員 それじゃもう一つお尋ねいたしますが、国及び地方自治体あるいはまた民間それぞれ看護婦養成をやっておりますが、その看護婦養成の国、地方自治体そして民間の比重はどのようになっているかお尋ねしたいと思います。これは局長でいいです。
#6
○松尾政府委員 看護婦の三年課程について見ますと、全体で二百二十六校ございます。その中で国が八十九、地方公共団体五十八、民間が七十九でございます。いわゆる進学課程と称します二年課程につきましては全体で百五十二校の中で国が十七、地方公共団体五十九、民間七十六校でございます。准看護婦につきましては、全体で七百六十校の中で国が五十七、地方公共団体は百六十七、民間が五百三十六校でございまして、看護婦については国や地方公共団体の比重が高い、准看につきましては医師会等の民間の比重が高い、こういう実態になっております。
#7
○箕輪委員 看護婦の需給対策で昨年、潜在看護婦の開発をやるということ、それから二部教育制によって養成の数を増加しよう、こういう方策をとったようでありますが、その効果はあがったかどうか、あがったとすればどの程度あがったか、お知らせいただきたいと思います。
#8
○松尾政府委員 二部教育と申しますか、既存の施設において二回教育を行なうということにつきましては、一応そういう考え方をもって御提案をしてみたのでございますけれども、学校のそれぞれの事情あるいは学生がちょうどたまたま年度中間に相当するような時期でございまして、ほとんどこの点については進展を見るべきものはなかったと申し上げていいと思います。
 それから潜在看護力につきましては、国自体としましても講習会を実施いたしましてその再就職の促進につとめておりますけれども、特に昨年来は各地方公共団体におきましてもそれに呼応いたしましてみずから積極的に講習会を盛んに行なうようになってまいりました。昨年中に全体で約七十の個所で潜在看護婦の講習会が行なわれまして、受講者が約二千六百名に到達をしているというような状態でございます。これらの方々の就職状況というものは必ずしもまだ的確には各県の状態がつかまれておりませんけれども、おおむねのことを申し上げますと、大体受講された人のうちで約半数が就職を希望する、こういう実態になっておりますので、講習会を実施いたしましてもその結果といたしましては、ほんとうに就職を希望する者の数は約その半数程度であるというふうに見ておるわけでございます。
#9
○箕輪委員 今回看護婦あるいは准看護婦を急速に増加させたいということで五年計画で新しい法改正を行なったと思いますが、この法改正によって看護婦、准看護婦の供給にどの程度効果があがることを期待して考えているのか、お尋ねしたいと思います。
#10
○松尾政府委員 この法改正に伴いまして、いわゆる高等学校卒業一年の准看制度ということを御提案申し上げておるわけでございます。この趣旨は、いわゆる准看というものの実態、それが大きな看護力として働いております実態にも着目いたしまして、その資質を高めたいということで考慮したものでございます。
 これにあわせまして、先ほど来お話がございましたように、今日の看護婦不足問題をできるだけ早急に解決をしていきたい、こういうことを考えておりまして、いわばそのために、より多くのよりよい看護職員をより早くという方向で、何とか解決をしたいと考えたわけでございます。終局の目標といたしましては五十年末における就業看護婦の数を約四十八万人台に持ってまいりたいと考えております。今日の就業看護婦が約二十八万人台と考えられます。それを五十年末までに約二十万人ふやしてまいりたい、こういう計画でございます。概略を申し上げれば、既存の現在まで持っておりますところの養成所というものが、そのまま五十年まで継続して卒業生を出していただくということにいたしますと、十八万人ほどが出てまいりますが、同時に五十年末までの間にも約七万人ほどのリタイアがあるものというふうに予想しまして、約十一万人程度が純増として出てくるものと考えます。そのほか潜在看護婦、先ほど申し上げました潜在看護婦の活用ということを約二万人程度織り込みたいと思います。残り約七万人を今後の養成施設の拡充ということによりまして、看護婦、准看を含めまして、五十年末までに就業人口として確保したい、こういうことでございます。
#11
○箕輪委員 私はこの看護婦さんの需給の問題はたいへんむずかしい問題だと思います。だからこそ苦労して皆さんがこういう法改正を考えられたのだと考えますが、今度法改正によって養成を新たに行なおうとしているのは、高卒一年の准看であります。准看だけを新しい計画で養成しようと考えておるようですが、いわゆる看護婦の養成に対しては何にも法律改正では考えていないようですが、これはこのままでよろしいのですか。
#12
○松尾政府委員 看護婦につきましては、現在の制度というものでまず問題はないというふうに考えておりますが、看護制度自体については、そのままを維持してまいりたい、こう考えているわけでございます。ただし制度改正といたしましては、准看の制度についてお願いを申し上げておるわけでございますが、先ほど申し上げましたような五十年までの需給計画の中におきましては、これは当然看護婦についても十分配慮すべき問題でございます。したがいまして、私どもの計画といたしましては、現在看護婦の養成につきましては、一学年の定員が約一万二千名でございますけれども、この目標達成までの間には約倍増いたしまして、ほぼ同数の一万二千人というものを、看護婦の入学定員として増加させたい、こう考えております。准看につきましては、三万一千人ほどの総定員でございますが、その約四割程度ふやしまして、一万四千程度を増加させたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、これらの計画によりまして、先ほど申し上げましたような四十八万人台の就業人口の確保をはかりたいと考えておるわけでございます。いま申し上げましたように、看護婦につきましても十分考慮いたしまして、いまの定数の倍を養成定員として確保したいと考えているわけでございます。
#13
○箕輪委員 先ほどちょっと聞こえなかったのですが、現在就業している看護婦さんの数が大体二十八万人、そして昭和五十年までにはこれを四十八万人に持っていきたい。こういう計画だと聞いたわけですが、そうすると、五年間に二十八万人ふやさなければならないということになります。看護婦養成所一つつくるのに、大体私どもの常識で一億円くらいかかるように思う。それから考えてみますと、養成施設をつくる整備費だけでもたいへんな金になると思います。かりに一校の定員が百人として計算してみましても――二十万人も養成するということになると、大体一年間に四万人養成しなければなりません。現在養成している看護婦さんの数は四万二千人か四万三千人くらいだと私は記憶しておりますが、新たに年間四万人養成するということになりますと、一校の定員が百名としても四百校必要であります。そうして一校につき建設費が一億円程度かかるでしょう。予算からまいりますと、少なくとも四百億円の金がなければ、この養成の計画はむずかしいのではないか。
 さらに、運営費が非常にかかっております。聞きますと、国立病院の養成所では生徒一人について十五万円程度であがっているそうでありますが、先ほどのあなたの御説明の七百六十ある准看養成所の中で、国立の養成所はわずかに五十七校であります。五百三十六校が民間の、ほとんど医師会立の養成所であります。
 そこでお尋ねしたいことは、冒頭に厚生大臣に私がお尋ねいたしたように、看護婦の養成の責任はどこにあるのだ。まずそれを聞いたのは、これを聞きたいからなのであります。厚生大臣は先ほど国、民間その区別はあるけれども、養成する責任は国にある、そうおっしゃった。そうすると、あなた方は計画はつくられたけれども、ほとんどが民間にそれをおまかせするということになってしまうのだから、かりに民間で看護婦養成をやっている方々が、今度の新しい制度で高卒一年の養成施設をつくろうとするときに、運営費が民間でやりますと、毎年二十五万円くらい一人当たりかかるのです。しかも建設資金でもって一億円かかる、運営費は一人当たりが二十五万ですから、定員百人にいたしますと、毎年二千五百万円かかる。そうすると、国の責任で養成をやらなければならないという厚生大臣の御答弁なんですから、これはどうすのですか、民間にやらせて。これは相当問題だと思うのです。そこで民間の人たちは金融公庫から金を借りる。いま三千万円じゃありませんか、建設資金は。限度が三千万円です。一億かかるのに三千万円しか国の資金が借りられないということになると、先ほども申したように、この養成が非常にむずかしい。何か補助をしてやるとか、あるいは運営費の補助、今度は若干ついたようでありますが、これを伸ばしてやるとか、この計画を完全に実施するために、国の責任において、こういうことも将来やっていきたいんだというようなお考えがあるならば、お聞かせいただきたいと思います。
#14
○松尾政府委員 御説のように、養成施設を新設するにあたりましては、一人に建設費として百万円見当の金が要るということは、今日の建築事情から見て当然だと思います。先ほど来お話がございました民間の施設に対しましては、直接の国の補助金という方式がいまだにとられていないわけでございます。しかしながら、医療金融公庫におきましては、昨年から、従来は病院に付属しておる養成所、これについては、病院の付属機関といたしましてその病院に融資をするということであったのを、独立いたしました養成所というものを持ちました場合でも融資ができるようにいたしました。その額がただいま申されましたような三千万円でございますけれども、私どももやはりこれをさらに増額をする必要があると考えておりまして、四十五年、ことしからはこれを五千万円に引き上げまして、さらに充実をはかりたいと考えておるわけでございます。もちろんこれは、ほかの病院の融資の問題とのバランスもございます。また医療金融公庫自体のワクの問題もございますので、逐次この資金ワクの拡大とともに、お説のような方向で、できるだけ御援助申し上げるような措置を講じてまいりたいと考えておるわけでございます。
 なお運営費につきましては、いまもお話がいろいろございましたけれども、実際は、建てるよりもそれを運営していくことに、養成所としては非常に御苦心があるように聞いておるわけでございます。先ほど来大臣もお答え申し上げましたように、こういう問題の公共性ということにかんがみまして、ことし初めて、従来になかった運営費の助成をはかりましたことも、一つはそういうことによりまして公的な性格を一そう強めるとともに、また運営についての非常な困難性を幾らかでもカバーしたいということから考えたものでございます。もちろんこれらにつきましては、さらに経営の実態等も十分調査した上で、将来よりよき運営ができますようにその内容の拡充をはかりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#15
○箕輪委員 時間がありませんから、いろいろ聞きたいのですけれどもその程度で、私はいまの問題はもっと質問したいけれども、留保したいと思います。
 そこで、早くやはり五千万円あるいは全額貸りられるようにしなければ、あなた方のほうの計画が、そういう計画をつくってみても、民間が乗ってこなければこれはもうできないのです。民間が乗るように、また乗れるようにひとつすみやかにやっていただきたいと思うのであります。
 看護婦さんが非常に足りないものだから、この前も私は選挙区に帰って――御承知のとおり北海道でありますが、新聞を見てびっくりしたのです。それは、茨城県がやはり非常に看護婦が足りないので、どうしても看護婦を他の県から引っぱってこなければだめだ、こういう新聞記事が出ておりまして、ねらいとしては東北と北海道だ、こういうことが書かれておった。これじゃせっかく北海道あるいは東北その他過疎のところで働いている人方が引っぱられてしまう。東京へまさに至近の距離にある、したがって厚生面でもこういうことでもってお迎えしたいから来てくれ。何か班をつくって東北、北海道を回らせるというようなことが新聞に出ていましたよ。局長さん御承知ですか。
#16
○松尾政府委員 新しい看護婦を獲得しますために、いろいろな地区に部員が出向いておるという事情は、私どもも聞いております。
#17
○箕輪委員 ちょっとわかりませんでしたので……。
#18
○松尾政府委員 看護婦さんを求めまして、何も茨城県だけではございませんが、各県のいろいろな医療機関が方々にいろいろスカウトに行っているという話は、私もしばしば耳にいたしております。
#19
○箕輪委員 私はこれは困った問題だと思うのです。七百六十校のうちほとんど、五百三十六校、これが民間でしょう。せっかく民間が自分の地域のために看護婦さんを養成した。野放しでスカウトさせることがいいかどうか、私は大きな疑問があると思うのです。地域の医療、保健のために自分たちの力でもって養成した人がじゃんじゃんスカウトされる、無制限にそういうことが繰り返されていていいものかどうかということが心配なんです。厚生省医務局としてはこの問題にどう対処するつもりなのか、お尋ねしたいと思います。
#20
○松尾政府委員 看護婦たちがそれぞれの希望するところへ就職をいたしますことを強制的にとめるというようなことは不可能だと存じます。しかしながら、それぞれの地方におきましていろいろな苦心をいたしまして養成した、そのことはやはり御指摘のように、その地方における必要性からいろいろ苦心を重ねてやっておられるわけでございまして、できるならばそういう地域において定着をしていただくということは、皆さんの希望するところだと存じます。したがいまして、従来から就学資金の貸与制度を設けておりますけれども、これを県が助成しておるわけでございまして、これに対する補助を行なっておりますけれども、これを活用いたしまして県がそれぞれ貸与いたしました就学資金を一定期間、たとえば三年なら三年自分の県内に勤務してくれるならばその返還を免除するというようなことで、定着をはかる方法をやっておるわけでございます。私どもはやはりこういうことで、一つのやはり現実においては具体的な、修学をさせながら同時に、これは強制的な義務はございませんけれども、そういうようなことでその地方に定着する、この方法を拡大すべきではないかと考えておるわけでございます。
#21
○箕輪委員 どうかそういう心がけで定着するように行政的な御指導をお願いしたいと思います。
 看護団体からしばしば私ども陳情を受けます。その中の一つに、現在の看護婦の養成所が、あるいは准看養成所が、各種学校という徒弟教育的色彩の強い形を持った養成所になっておりますが、これを学校教育法にはっきりした位置づけを与えるようにしていただきたい、こういう陳情を受けておるのですが、看護婦の需給対策と合わせて、この看護婦さん方の養成の法的位置を与える意思があるのかどうか、これをひとつお答えいただきたいと思います。
#22
○松尾政府委員 現在の大部分が各種学校であります養成課程を、いわゆる短大あるいは大学あるいは高等学校という正規の形にしてほしいという要望は従来から強くあるところでございます。基本的にはそういう方向をたどっていくということは、私どもも異論はございません。しかし現実の問題といたしましては、この学校にいたしますためにいろいろ敷地の問題、校舎の問題あるいは教員の問題等々、相当解決しなければならない問題がたくさんございます。したがいまして、そういう方向をたどりますためにはやはりそれに相当するいろんな準備を整えて段階的に運ぶのが順序ではないかというふうに考えておるわけであります。
 なお需給等の問題もございますので、そういう学校体系というものにすべてがなった場合、どの程度の希望者がおるのか、あるいはそういう方々が学校教育という形で教育されました場合、従来の教育とは多少ニュアンスの違う点も出てくるかとも思いますけれども、そういう結果といたしまして、定着性なりあるいはそういう医療の志向する方向なりというものがどういうように動くであろうかということも十分見きわめた上で、そういう方向をたどるべきではなかろうかというように考えております。
#23
○箕輪委員 これはやはり、この陳情は無理がないと思うのです。ずいぶん陳情を受けますが、やはりちゃんとした法的な地位の与えられるように、学校教育法で認められるように、そういう養成施設にしてあげたいと思う。そうしてやはり先ほど冒頭に厚生大臣がおっしゃったように、国の責任で看護婦の養成をやるんだという考えがあるならば、その程度のことはやはり国の責任においてすみやかに配慮してあげたほうがよろしいのではないか、かように考えるわけでございます。
 そこでもう一つお尋ねいたしますが、今度、新しい法律改正によって准看の数をふやしていこう、こういうことであります。また先ほどの御答弁にもございましたように、准看のみならず看護婦の数もふやしていくのだ、こういうお考えを聞きまして、何か明るい気持ちが若干いたしたのでありますが、ただ私どものような僻地に参りますと、その准看養成施設もない。いなかの診療所で資格のない看護婦さん方がたくさん――これは看護婦さんじゃないでしょう、われわれは看護婦さんといっているけれども、全然資格のない方々がやはりやっているのです。これは個人の病院に行くとたくさんいます、あるいは村立の診療所にもたくさんおります。(小林(進)委員「副看護婦と言っているんだ」と呼ぶ)非常に困り果てたあげくでしょうか、通信教育のようなものをやっている県が十五ほどあるやに聞いております。それでも教育を全然行なわないよりは――副看護婦という声がありましたが、私はよし悪しは別として、何も教育を行なわないよりは、人命を取り扱う看護職をやっているのですから、それよりは大きな効果があると思う。これはこのまま続けておいたほうがいいのか、通信教育というものは全然認めないのか、私はその点についてどうせいということじゃないのです。厚生省のこの通信教育に対する考え方、きょうは文部省来ておりませんけれども、ひとつ厚生省だけでもけっこうですから、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#24
○松尾政府委員 先ほど来お話しの中で、いわゆる正規の学校体系というものを非常に希望するというようなお話がございました。そういう一方の要請なりというものを踏まえながらも、こういう問題は同時に考えなければならぬ問題を含んでおると存ずるわけでございます。基本的にはただいま御指摘のような事態、要するにいわゆる補助者というものを何らかの手で訓練をしていくということは、これは資格の問題あるなしにかかわらず、それぞれの必要性があってそういうことが行なわれ得ると私どもは考えております。ただ一般論といたしまして、通信教育というものを公式に認めながら、いわば御指摘の点はそれで一定の身分を獲得するというふうな前提にお立ちであろうかと存じますけれども、そういう場合におきましてはやはり、この通信教育自体がはたして看護教育というものにどの程度なじむものであるのかという点を十分考慮する必要があるかと思います。特に技術教育といわれておりますところの看護教育でございますので、その中に通信教育というものがどの程度教育効果として取り入れられるのかどうかということは、十分ひとつ看護教育のあり方の一環として検討しなければならぬと思います。ただ、おそらく今後いろいろな通信機関の発達でございますとか、あるいはいろいろなテレビによりますところの教育でありますとか、その他のいろいろな教育手段というものがそういう通信教育系統を通じまして発達してくるであろうということは私どもも予想いたしておるところでございます。したがいまして、これはいわば専門家の手にもゆだねて検討しなければならぬ問題かと存じますけれども、そういう看護教育といたしましてどういうふうに通信教育というものが生かされるのかという点について十分配慮した上でいろいろ踏み込みたいと考えておりますので、そういう観点から検討さしていただきたいと思います。
#25
○箕輪委員 三十分しか時間がございませんからあまり聞かれないのですが、看護婦の問題をもう一つだけ聞いて、そのあとで衛生検査技師の問題を一、二点聞いて質問を終わりたいと思います。
 国会議員の一部の方に、准看六年の経験があれば看護婦の試験を受けさせよう、こういう考え方があるやに聞いております。私はこれはちょっと疑問があります。いろいろな角度から考えてみて疑問があるのでありますが、厚生省はこの問題についてどのようにお考えですか、医務局長さんからお答えをいただきたい。
#26
○松尾政府委員 実務経験を一定年数経られた人に特定の講習等を行ないまして受験資格を与えるという案がありますことは、これは承知いたしております。問題はやはり看護婦の資格というものをどういうふうにきめるのか、またそういうふうになってくるための教育課程というものがどういうように評価をされるのか、むしろこれは私は、先ほどの学校教育体系に属すべき養成課程というような問題を含めまして、看護教育における最も基本的な一つの問題ではないかというふうに考えておりますので、先ほど来の学校教育体系等々の問題も含めまして、こういう問題をやはり今後の問題として検討すべきではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
#27
○箕輪委員 われわれが一番心配するのは、看護婦さんをたくさんつくってもらうことはいいのですが、それによって粗製乱造になって、その資質が落ちてしまうということを心配しなければならないと思います。そこでいまの問題も含めてレベルダウンにならないような方法を考えていただきたいと思いますし、今度の法改正によって実施を計画しております高卒一年の制度も、やはりレベルダウンにつながるのではないかという心配が国民の一部の中にありますので、どうかレベルダウンにならないように、カリキュラムその他の組み方を十分検討されて国民の期待にこたえるような制度にしていただきたいと思います。
 以上をもちまして看護婦の問題については終わりたいと思いますが、衛生検査技師の問題について二点だけお尋ねして私の三十分の質問時間を終わりたいと思います。
 登録衛生検査所は申請があったものについてのみその名称制限を認めるということになっておりますが、本来人命尊重の見地から行政として姿勢を正すべき――いわゆる町の検査屋とまあいっているのでございますが、この町の検査室について野放しのままで置くことはどうかと思います。この点、厚生省はこの町の検査屋さんに対してどのように対処するつもりか、これも局長さんから御答弁をいただきたいと思います。
#28
○松尾政府委員 従来衛生検査を行ないますいわゆる、ただいま町の検査屋と申されました施設については、何ら法的な規制というものがなかったわけでございます。したがいまして最近、衛生検査というものの重要性が高まってまいりましたので、外部からここに委託をして検査をしてもらう、その結果を見ながらいろいろ診断あるいは治療に当たるということが多くなってまいりますと、勢い、そういうものの検査結果が非常に悪いということは、御指摘のとおり非常に大事な医療上の問題でございます。したがいまして、今回は一定の設備基準等々を持った、基準に合格しますものが申請をすれば、いわゆる登録衛生検査所といたしましてそれを表示することができるようにいたしているわけでございます。その他のものにつきましてはいまのような、何ら規制が及ばないままで実は過ごしていくわけでございます。しかしその問題については全部を許可制にするとか、あるいは届け出制にするとかいう考え方があり得るわけでございますけれども、一方ではこの衛生検査というものは、そういうところへ委託する場合でも、大部分は医者が検体をとってそこへ委託をし、その結果についてまた医者が判断をするということでございます。またその他、学校や事業所等が健康診断等のために検体を出すこともあり得るかと思いますが、比較的限られた範囲の人がこういう施設を使うということでございますので、今回の登録制度というものによりまして登録されたところは、いわば合格をいたしました非常に基準のいいところである。そういうところがはっきりいたしましたならば、そこを使うということによりましていい検査の結果が得られますように期待できるのではないか、こういうふうに考えたわけでございまして、この点についてはさらに一歩進めて、すべてを許可制なり届け出制度なりにすべきであるという問題もございますけれども、これはいわば法制上にもいろいろ問題がございまして、今回はそういういいところだけが登録をするということによってそれを奨励し、かつそこを使うということを周知徹底する方法でもってこの目的を達成したいというふうに考えたわけでございます。
#29
○箕輪委員 はい、わかりました。
 もう一つお尋ねいたしますが、臨床検査技師が今度法律の改正によって採血ができるようになったわけでありますが、現在の看護婦の不足なおりから、この採血業務というものをもう看護婦さんがやらなくなって、全部臨床検査技師のほうに回してしまうのではなかろうかという心配がございます。看護婦さんのほうは手が足りないのだから、採血業務はもう検査技師でたくさんだから、法律でも認めたんだからということで回すようなことが起きますというと、やはり病院の一つのシステムの中で人間関係で思わしくないことが起きてくるというように思います。これについてやはりそういうトラブルや人間関係の悪化の起きないような行政指導をやっていただきたいと思うのですが、これに対して厚生省はどのように考えているか、ひとつお尋ねしたいと思います。
#30
○松尾政府委員 新しく臨床検査技師にきわめて特定の場合の採血というものを認めることにいたしました。たとえば耳から血液をとって検査をいたします、あるいは手や足の指の先あるいは表在静脈からとる、こういう場合に、ある一定量だけに限って認めるつもりでございますけれども、これはやはりあくまで検査のために行なう採血でございまして、治療その他のために行なう採血はこれに含まれないというふうに考えております。同時にまた、医師の具体的な指示によってこの採血を行なうということにいたしておりますので、そこの点は医療機関内において医者の指示とそれから検査の目的のためにだけ行なう採血であるという点を十分知っていただきますならば、みだりにすべての採血が検査技師にくるということはなかろうと存じます。ただ、現実に採血を必要といたしますような臨床検査というものが相当ふえていることは事実でございます。従来看護婦しかやらなかったものが一部こういう方々にくることはいなめないと思いますが、ただいま申しましたような線から、これがみだりにすべて検査技師にかかるということはないと存じます。また法の趣旨もそうではございませんので、その点については十分ひとつ誤解がないように、この法の施行に際しましては十分注意をするつもりでございます。
#31
○箕輪委員 最後に締めくくりとして厚生大臣にお尋ねしたいと思いますが、先ほど来何回か申し上げましたように、看護婦の需給五カ年計画というものは相当金がかかるものであります。五年間で二十万人養成しようとすれば、単純計算ですけれども、一年間に四万人という養成をやらなければ五年間に二十万人にならないのです。おそらく四万三千人くらいずつの養成をやっておりますから――一年間の減耗率を何%に見ているかわかりませんけれども、私は一〇%くらいは結婚してしまうとかやめるとかいうのがあるのだろうと思います。ただ去年の例を見ますと、七%ということを聞いております。しかしながら、四万三千人ずついまのとおり養成していっても少しずつは残っているのですから、単純計算のように二十を五で割って四万人ずつふやすという計算にはならぬのだろうけれども、いまの単純計算でやると、一校百名の定員でも四百校から必要になってくるということになってしまうのであります。四百億かかるのです、建設資金は。相当金がかかるのです。これは計画をおつくりになったのはけっこうでありますが、この計画が実現しないというと国民の医療が死んでしまうのです。そういうことを考えますと、どうか厚生大臣、長くやっていていただきたいのだけれども、この秋あたりどうなるかわかりませんが、ひとつ申し送りでこの計画だけはどうしても実行できるように大蔵省ともしっかりと根締めをしてやっていただきたいと思います。厚生大臣の御決意を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#32
○内田国務大臣 看護婦不足の対策、またその質の向上というようなことを考えますときに、これは五カ年計画を設定をいたしましたけれども、たいへんな仕事でありますと同時に、そのために国がなすべき財政上の措置などにつきましても今後十分の対策とその充実をしていかなければならないことを私も覚悟をしております。いつやめるかわからぬということでなく、私はこの計画が達成されるまで五年くらいは厚生大臣として居すわって、看護婦さんの量、質ともの充実ができるまでは皆さま方の御協力を得る覚悟、そのくらいのつもりでおりますので、この上とも私どもの決意が実行できますように、私も一生懸命でやりますが、委員の各位からもよろしく御鞭撻、御協力をお願いをいたす次第であります。
#33
○箕輪委員 ただいま厚生大臣にたいへん御無礼なことを申しましたが、その決意を聞いて私は安心をいたしました。どうかその決意をもって必ずこの計画が達成できますように御努力いただきたいと思います。
 以上申し上げまして、質問を終わります。
#34
○倉成委員長 山本政弘君。
#35
○山本(政)委員 政府のほうで看護婦の不足に対する対策の案が出ておりますが、この中でどうも私どもとしては納得のいかない点がございます。と申しますのは、どうも政府の考え方は単に人間をふやせばいい、看護婦をふやせばいいという考え方にとらわれておるのではないだろうか。私は、看護婦の現状改善のためには、一つは看護婦がなぜやめていくのだろうか、そういうやめていかなければならないような労働条件というものを改善をすることが一つ必要である。もう一つは、現に志願者が殺到している、五倍から六倍という志願者があるにもかかわらず、そういうことに対する受け入れ対策というものが一つもできておらない。これが実施されるならば、看護婦の不足の実態というものは大きく改善されるのではないだろうか。同時に、就業看護婦が退職をしないような条件というものをつくり上げていく、そういう措置というものが必要である、こう思うのです。そのことによって看護婦の不足は本来ならばかなり改善をされておるはずだし、またかほどに深刻ではなくなってきているはずだと私は思うのですが、それが現実になされておらない。しかもなすについては厚生省のほうでは、私どもの考えではテンポラリーな考え方でこれを充足しようとしておるというふうに実は考えられてならないわけであります。その点についてまず第一番に、大臣のお答えをひとつお願いしたいと存じます。
#36
○内田国務大臣 国民医療が非常に高度化し、また内容が複雑になってまいってきておりますことは、健康保険の状況などを見ましてもだれもが承知のところでございますが、これに対しまして肝心の医療職員が不足していることもまた事実でございます。医師も不足している、あるいは偏在しておりますが、看護婦さん等の補助職員につきましては絶対的に不足をいたしておるということで、これも相当の決意をもって充足をはかっていかなければ、医療体制というものはそういう面から崩壊をせざるを得ないという出発点にまず私は立つものでございますので、今回昭和五十年を目標として看護婦の充足対策というものを立てましたが、それはいま山本委員から御指摘がありましたおことばの中にあるような、ただ数さえそろえればいいというつもりも厚生省といたしてはございません。看護婦さんというものは医者の補助機関として十分専門的な知識、技能をも高めてまいらなければ今日の医療についてまいれませんし、また多くの患者に接触する意味からいたしましても、一般的な素養も高めてまいらなければなかなかむずかしい、そういう職種でありますので、この質、量両面を考えての対策ということになりますので、ここにむずかしさもあるわけでございます。
 厚生省といたしましては、私が厚生省へ参りまして聞くところによりましても、この問題につきましてはすでに数年前からいろいろの各方面の御意向を聞いたり、あるいはまた現在看護婦問題研究会というようなものをつくって検討をも進めておるそうでありますけれども、正直に申して、なかなか各方面の意向が一致するところもないままに今日に至っておる。そこで今回予算上あるいは法律上講じようとする制度が、私は決して完ぺきなものとは思われません。これがたとえば昭和五十年度ぐらいにおいて、この看護婦制度というものにつきましては根本的の検討の要るような時期が必ず来るということも一方の頭に置きながら、とにもかくにも今回のような法律、予算の制度を出発させまして、これを出発点として完全なものにしていこう、こういう考え方に立っておりますので、悪いところはひとつどしどし御叱正もいただきながら、私のほうでも皆さま方の御教導を得ながら、私どもの考え方を充実させてまいりたいと考えております。
#37
○山本(政)委員 いま大臣のおことばがありましたけれども、看護婦さんの養成数というのは年々拡大してきているのですよ。そして問題は、養成はしたけれども就業看護婦が増加しないところに原因があるわけです。だから、養成数を拡大しても根本的な解決にはならないわけです。私どもが心配することは、これは私はあとで触れようと思いますけれども、高卒一年の准看護婦を養成する、しかしそれはむしろ大量養成そして大量消耗ということになるのではないか、そしてそれは質の低下ということをもたらさざるを得ない、そういうトレンドがあるんだということを私は実は申し上げたいのです。念のためにもう一度お答えを願います。
#38
○内田国務大臣 私は途中でことばを切りましたが、ただいまの課題につきましても、これは山本さんの仰せられるとおりの面が多々あるようでございます。毎年無理に養成をいたしましても、看護婦さんの資格を持った方々の職場環境なりあるいはその勤労の条件というようなものが十分でない場合は、職場に魅力を失ってやめていくということも今日まで見られているところでありますが、これは幸い近年この問題が世間からも、また看護婦さんの団体などからも取り上げられておりまして、国家公務員でありますところの看護婦さんなどにつきましては、御承知のように人事院の判定などもございましたので、厚生省みずからが、国家公務員でありますところの国立病院あるいは国立療養所勤務の看護婦さんなどにつきましては、いわゆるニッパチ体制に近づけるような努力もいたしてまいっております。なお昭和四十五年度、本年度から三カ年計画をもちまして処遇の改善もさらに進めてまいりまして、せっかく養成をし、資格を持たれた看護婦さん方がその職場を去られてしまうことが少しでも少なくなるような、そういう体制を同時にとってまいりたい、かように考えております。
 それから先ほど触れませんでしたけれども、かつて看護婦さんであって、結婚と同時に退職されて、いわゆる潜在看護力になってしまっておられるような方々に対しましても、あるいは住宅の問題でありますとか、あるいは職場内の保育所といいますか託児所といいますか、そういう施設についての考慮等々をも払いまして、そしてこの潜在看護力の起用というようなこともぜひあわせて考えなければならない、こういうふうに思う次第でございます。
#39
○山本(政)委員 大臣、給与の改善もたくさんあなたのほうでおっしゃいました。これはあとで話を進める段階で私は反論を申し上げたいと思うのですけれども、一つだけ申し上げますよ。四十四年に国家公務員給与の改定に際して、看護婦の給与について、国家公務員全体の引き上げ率の一〇・二%を上回る約一二%の引き上げを行なった、これを大臣はさしておられると思う。それでは私は反証をあげましょう。公務員賃金における看護婦と女子の教員の比較をしてみますよ。看護婦の短大の三年卒、この人は二十二歳の時点では、新制大学卒業の女性の教員、これと比べて二十二歳のときにすでに二千六百二十円の差があるのですよ。それだけ安いのです。そしてそれが三十歳になれば、四千五百四十円違うのです。それだけの差があるのです。どこがあなたのおっしゃるように高いのです、給与が改善されているのです。給与が改善されるということは、少なくとも同じ大学の三年を卒業したら、職業は違っておっても同じ給与が与えられるべきがほんとうじゃありませんか。あなたは改善をされたと言われておる。改善をされない以前だったらもっと悪いということでしょう。改善をされてもなおこれだけの給与の格差があるということは、いかに看護婦の人たちの給与が劣悪かということの証明になるじゃありませんか。給与一つとってもそうなんです。その他ニッパチをとったって、あとで私は申し上げようと思いますが、そんなに改善されておりませんよ。
#40
○内田国務大臣 お説のとおりだと思います。でありますから、近年そういうことにも私どものほうも十分留意をいたしまして、四十四年度あたりからこのことについては努力をいたしてまいっておるが、本年度以降さらに三カ年計画をもって努力をする、こういうことを申し上げておるわけであります。またこれは、国家公務員であります限りにおきましては、人事院の給与勧告というものが前提になりますので、私はこれはお約束してもいいのですが、人事院に事前に私自身が出頭をいたしまして実態を申し述べて、これらの事態については人事院が積極的の勧告をなさるように、私は要請をもいたそうと思っておる次第でございます。これはいまお話がございましたように、一般の公務員の平均が一〇・二%の上昇でございましたが、看護婦さん並びに医師につきましてはある程度それを上回った勧告を昨年もいただいておるわけでありますが、ことしも来年も、またその次の年もというぐあいに、一ぺんにまいらぬ点は何年かけてでも、これらの学力なりあるいは素養なりの実態が他の職種に劣っておらない限り、それとバランスを得た処遇が得られるような努力を続けてまいる所存であります。
#41
○山本(政)委員 あとでなお、給与の問題についてはお尋ねをしたいと思います。
 局長にお伺いしたいのですけれども、一番新しい就業看護婦数はどれくらいありますか。
#42
○松尾政府委員 一番新しい正確な統計が出ておりますのは四十三年末でありますが、総数で二十六万六千五百七十五、内訳は看護婦が……
#43
○山本(政)委員 けっこうです。それでは再度お尋ねいたしますが、厚生省の統計調査部の衛生行政業務報告によると、二十三万九千三十六人となっておりますね。これは何で数字が違うのです、どうして違うのです。
#44
○松尾政府委員 私どもは就業看護婦をつかまえますために、同じ統計調査部の行なっております医療施設調査で毎年年末現在で各医療機関に働いている人たちの数をつかまえておりまして、この数をもとにして出したのがただいまの数字でございます。
#45
○山本(政)委員 そうすると、厚生省統計調査部の衛生行政業務報告のほうの二十三万九千三十六人というのは一体どうなんですか。私が申し上げたのはなぜ違うのか、つまりこういう数字の違いがあるじゃありませんか。あなた方のやり方というのはいつも問題が起こってからそれに対して何かパッチを当てよう、応急措置をしよう、こういう考え方なんですよ。なぜ違うんです。
#46
○松尾政府委員 統計調査部の統計の中にただいま申し上げましたように、医療施設調査として医療機関からその従業員人口を毎年年末に出す数字と、それからもう一つは、いつもそうでございますけれども、十二月三十一日現在でみずから届け出るというものがございます。そのみずから届け出たものがただいま申されました二十三万の数字であると見るべきだと存じます。要するに届け出漏れがあるというような点もございますので、そういうことになっております。
#47
○山本(政)委員 わかりました。そうするとどっちが正しいのですか。それだけでけっこうです。
#48
○松尾政府委員 二十六万六千の医療施設調査のほうが正確度が高いと思います。
#49
○山本(政)委員 二十六万六千五百七十五人というのが正しいということだとすれば、医療法二十一条の配置規定から見て約二万七千人の人が不足しているわけですね。そうすると、こういう不足状態というものは、いまここ一年とか前年とか前前年とかいう問題じゃないでしょう。そうじゃありませんか。私はそういう行政上の責任というものをあなた方は負わなければならぬと思うのですよ。この点は一体どうなんです。
#50
○松尾政府委員 ただいま御指摘のように、医療法の基準で病院についてはじきますれば、二万七千程度がなお不足ということに相なります。この状態を早く改善したいというのが前々から厚生省の一つの計画であったわけでございまして、それ相応に養成施設の増加等に努力をしてまいったわけでございますけれども、一方、病床の増加というものがきわめて顕著でございます。約一年に四万数千ベッドというのが年々ふえてきております。そういう関係がありまして、一方ではなかなか新規需要に追いつかなかったというのが、率直に申し上げて一つの実態であろうと存じます。
 そのほかに先ほど来御指摘のように、やはり離職をしていく方も相当あるということも、これは当然の一つの理由でございます。したがいまして、そういう実態に応じ切れなかったという点についていえば、いま御指摘のとおり、私どもはやはり責任を十分痛感をするべきであると存じます。したがいまして、私どもといたしましては今後の需要の伸びとその他の条件というものも十分織り込んだ上で、思い切って先を見た施策をやるべきではなかろうか。特に人の養成でございますので、相当時間のかかる問題でございますので、できるだけそういう過去の轍を踏まないようなつもりで計画を進めたい、こう思っておるわけでございます。
#51
○山本(政)委員 こういうことでしょう。いま年年病床が急増してきている。大体毎年四万ぐらいふえておると思うのですよ。そういう病床の急増というものがあるのだったら、それに応じて看護婦の対策というものをやるべきでしょう。ベッドばかりふやして、看護婦対策というものについてはずっと長年の間何もやっていない。病床がふえるのだったら、当然看護婦をふやすということは、あらためて言うまでもない正しい考え方でしょう。論理的にも、病床だけふやして看護婦をふやさぬというほうがおかしいので、病床がふえるんだったら当然看護婦はふえなければならぬはずなんです。しかしそれに対する、ふえる対策というものは何ら講じなくて、世論がやかましくなったら、私たちをして言わしむるならば、あなた方は応急処置を講じておるということにしかならない。だから明らかにこの責任というものは厚生省自身にあるじゃありませんか。大臣どうお考えです。
#52
○内田国務大臣 お説のとおりだと存じます。でありますから、先ほど他の委員の方のお尋ねにも、看護婦養成の機関というものは、国立あるいは公立、民間等の別はあっても、看護婦養成の責任というものは、国が行政目標として遂行すべきだと私は考えておるものでございますので、従来この医療施設あるいはベッド数と看護婦のバランスというものがアンバランスになっておる実態にも相対応いたしまして、でき得る限りこのアンバランスを是正していく措置を私どもは講じてまいりたいと思います。
 ただ、これはそうは申しましても、施設の建築と違いまして、一定の技術や素養を身に持った人の養成でございますので、また日本の経済がここまで進んでまいりまして、他の方面におきましてもいろいろ人手が不足しているような現状がありますので、なかなかむずかしい問題であるということを私どもも頭に入れて取りかかりますが、その辺のことにつきましては、委員の皆さま方におきましてもある程度ひとつ寛容の気持ちを持って激励をぜひしていただきたいと思います。
#53
○山本(政)委員 大臣のおことばですけれども、大臣が寛容の気持ちで激励をということをおっしゃるんだったら、私は二年前にもこの質問をしております。そして先ほどの給与の問題でありますけれども、給与の問題だって、あなた御自身が行ってもよろしいというのではなくて、思い切って行きなさいよ。なぜ人事院にお行きにならないのです。そしてその実態をお話をして了解を得ることが私は必要だと思う。そういうことをおやりにならないで、寛容の気持ちで激励しろといっても、私は激励するわけにまいりません。
 そこでお伺いいたしたいのですけれども、厚生省の資料で看護婦等の免許所有者、それから就業者、看護婦数、それから看護婦と卒業者数というデータがあると思います。そのデータによりますと、昭和三十年に免許保有者の就業率は四六・二%だったのが、四十三年には四一・二%と低下をしているのです。そこにも一つ問題があるように私は思うのです。いまさきの大臣のお話ではございませんけれども、十分なすべき手当てをしないところにそういう問題があると思うのです。
 少し小さい問題になるかもわかりませんけれどもお伺いしたいのですが、三十七年から四十三年までのここに資料がありますけれども、三十七年から三十八年には免許者数がふえております。ずっとふえております。四十年までは漸増しておるけれども、四十一年にはマイナスになっております。激減して三万六千六百六十一人も減っているわけです。そうして四十二年、四十三年はまたふえているのだけれども、この激減した理由というのはどこにあるのでしょうか。四十一年を除いては三十七年からずっと漸増しているのだけれども、四十一年だけはマイナスになっているのです。
#54
○松尾政府委員 当時断層がございますのは、統計の集め方を変えたために起こったもののようでございまして、いわゆる届け出制度を中心とするものから、先ほど来申し上げましたように、より正確な形のものに切りかえたときに、要するに前の数字に少し重複があったのではないかと推察をいたしておりますけれども、事実はそういうことによって減ったようでございます。
#55
○山本(政)委員 それではちょっと予算の問題で確認をいたしたいと思います。
 四十五年度の厚生省所管の「予算案の概要」ですけれども、そこに看護婦の確保対策の中で、現在の看護婦不足問題を解決するため、おおむね昭和五十年末にその需給の不均衡を是正することを目途に従前の看護婦等養成施設の整備、看護婦等に対する修学資金の貸与、潜在看護力の活用、専任教員の養成等必要な施策の充実強化をはかるほか、新たに民間養成施設の運営費の助成措置を講ずる、こうあります。これは確認いたしたいのですが、この文言に間違いありませんね。
#56
○内田国務大臣 活字のミス等の問題はわかりませんが、私は、たてまえとして間違いはないものをつくってあると存じます。
#57
○山本(政)委員 それでは五年間に四十八万人にするというその構想、これは就業看護婦数をさすのですか。
#58
○松尾政府委員 就業看護婦をそういうふうにしたいと思います。
#59
○山本(政)委員 それでは、看護婦数と准看護婦数との占める割合というものはどのくらいになりましょうか。
#60
○松尾政府委員 五十年末の段階で、私どものマクロ計算が予定どおり参りましたとしたらば、大体看護婦四に対して准看護婦六程度の比率になると思います。
#61
○山本(政)委員 看護婦四に対して准看護婦六ですね。そうすると、今度の看護婦不足に対して昨年の十一月ですか、厚生省案として政府・与党に回されたのがありますね。その計画とほぼ一致するわけでしょうか。
#62
○松尾政府委員 ほぼ一致いたします。
#63
○山本(政)委員 そうすると、たいへん妙なことをお伺いするようですけれども、その作業はいつごろからお始めになったのでしょうか。
#64
○松尾政府委員 具体的な数字の詰めに入ったのがいつでございましたかは、私も正確には覚えておりませんけれども、少なくとも看護婦の需給問題を新しい角度で検討しなければならぬということで、私どもが作業を開始いたしましたのは四十三年の夏からでございました。それ以来、いろいろな角度から追求しながら、そういう計算の方式なり、ものの考え方なり、そういったものを重ねて作業に入ってきたわけでございます。
#65
○山本(政)委員 これはどなたでもいいです。看護課長でもいいし、大臣でもいいし、局長でもいいし、次長でもけっこうでございます。夏から作業に入ったわけですね、確認いたしますよ、四十三年の夏からですね。
#66
○松尾政府委員 この需給問題についての基本的な問題から私がみずから検討をやったのが八月以降という意味でございます。
#67
○山本(政)委員 四対六という数字は、あなた方の既成概念としてもうその前からあるのですよ。申し上げましょう。これは四十三年三月の看護課の資料じゃありませんか。昭和三十五年に正看が六〇・二%、準看が三九・八%。それがすでに三十八年には四〇・五%と五九・五%になっているのです。これはあなた方の数字でしょう。看護婦不足だからそうするというのではなくて、すでにあなた方の概念の中には、とにかく質の低下――私に言わしたら質の低下ですよ。准看を正看よりも多くしようということは早くからきまっておることですよ。看護婦不足を口実に、准看をいまの比率にしようということは、既定路線として歩いているのじゃありませんか。看護婦制度に関する資料ですよ。これは第二回の研究会の資料です。だから私は冒頭に言ったが、あなた方は、どんなことをしても、質の低下ではないと言うけれども、質の低下はもう前からあなた方はお考えになっているのじゃありませんか。その点どうなんです。
#68
○内田国務大臣 私は、御承知のとおり、昨今厚生大臣になったわけでありまして、この看護婦の不足対策には身をもって取り組むつもりでございます。でありますから、私は前々からこの勉強にかかっておったわけではございませんが、私が医務局当局に、この五カ年計画の結果、一体看護婦と准看護婦との割合はどういうことになるかということを尋ねましたときに、いま言うように四対六になるというような説明を私も受けました。実数で言いますとおそらく正看が十八万から二十万くらいの間、残りの三十万近くが准看ということになる。そこで私が、それでは准看とのバランスを失するじゃないかということを、しろうとの大臣としてしろうと論を述べましたところが、こういうわけでございます。御承知のとおりに、正看は養成期間が三年でございます。この正看養成機関は年々一万二千人くらいを入校させておるそうでありますが、これを倍増して二万四千人くらいまでふやすのだ、それから准看のほうにつきましては、いままで中学校卒業後二年というのを、今度は高等学校卒業後一年、こういう道を開くわけでございまして、中学校と高等学校とは、高等学校のほうが三年基礎教育が多いわけでございますから、上に乗せられる従来の二年が一年になる。しかし、差し引きそれでも一年の増加ということになりますので、これは、事の取り上げようでありますが、かえって資質が充実するともいえるし、あるいは専門の指導期間が一年短くなることをどうするかという問題もあるわけでありますが、ともかく准看のほうは高等学校卒業後一年で仕上がる道ができるわけであります。そこで、私はしろうとでありますので、正看の採用人員を一万二千人から二万四千人に上げればすなわち倍増ではないか、したがって、でき上がり四十八年の実態において四と六ということではなしに、五対五になるのではないかということをさらにただしましたところが、これは三年の制度であるために、その三年の制度を一万二千から二万四千に倍増してみても、でき上がりが三年であるから、五年の期間内における三年であるから、その三年の卒業生というのは四十八年度では仕上がらないのだ、先にいってそれだけずれるわけだから、したがって、四十八年度の現状というものでとれば六対四ということになるのだということで、厚生省が意図的に准看のみを今後ふやす方向をもって、そして看護婦要員の充実をはかろうという根性でやっておるわけでは決してないということを、私は、よしわかったということで実は了解しておりますので、山本先生にもそのように御了解をいただきたいと思います。
#69
○山本(政)委員 大臣がしろうとのお考えで、正看と准看が比率が逆であるというお考えのほうが私は正しいと思うのですよ。つまり私をして言わしむるならば、くろうとであるがゆえに正看と准看との比率が逆転をしつつある、そして将来は逆転をされるということなのです。大臣のお考えのほうが正しいと思う。それを大臣の権威にかけてなぜ御推進なさらないのか。
#70
○内田国務大臣 それで、いま言うように、正看の養成期間は高等学校卒業後三年というのをくずさない限り、この採用人員を倍増いたしましても、四十八年ででき上がる正看の数は、その時点においては、いま申すような四対六になるということでありまして、私の意図にもかかわらず、医務当局が正看の人数を減らしているということではございません。言いかえると、私の考え方に医務当局の考え方も合っているということでございます。したがって、そういう線で私は医務当局を鞭撻をしてまいるつもりでおります。
#71
○山本(政)委員 どうも都合の悪いときにはしろうとで逃げられるので困るのですけれども、四十四年十一月十一日の朝日新聞に「自民・厚生省が大綱、看護婦確保に長期計画」というのが出ております。これによりますと、四十五年度は五十三億四千万円というものを予算として組むということを実は報道として明らかにしておるわけです。一体それがなぜ三十六億七千万円に減らされたのか。私がお伺いいたしたいのは、いまの四十八万人にするためには、少なくともそれだけのものが、二十四万人ふやすのですから五十三億要る、そういうことで私はこの大綱がつくられたんだと思うのですよ。それが予算案になったときには、大蔵省が削ったのかもしれませんけれども、三十六億七千万円になった。そうすると、当初の五十三億から三十六億に減ったんですから、初年度から、数字的にいえば、計画というものは狂ってきつつあるのではないかという気がするわけです。しかし、それで初年度として十分やれるのだ、こうあるいはお考えになっておるかもわからぬですけれども、それじゃ三十六億七千万円についての内訳を知らしてほしいのです。
#72
○松尾政府委員 一般の看護科関係のもので申しますと、看護婦等養成所施設整備費の補助金が五億百万円、それから教室実習強化設備費の補助金が二千七十万円、それから貸費学生の将学資金が一億二千八百万円、運営費の補助、新しく入りましたのが二億五千九百万円、潜在看護力が七百九十八万円、教員養成関係が七百二十万六千円、その他講習会等がございまして九百七十七万九千円、それから、らい療養所の看護婦養成所等の費用九千万円、それから病院特会のほうの費用では合計が二十六億四千八百万でございまして、そのうち病院勘定が十三億三千七百万、療養所勘定が十三億一千百万、こういう中身でございます。
#73
○山本(政)委員 そうすると、そのものずばり入っていきたいと思いますけれども、国立病院、療養所の経費が「予算案の概要」によれば、整備費を除いて養成費として国立病院が二十二億九千五百万円で、らい療養所が九千万円、合計二十三億八千五百万円ということになりますね。つまり看護婦等養成所運営費として二十六億四千四百万円のうち新設の看護婦等養成所運営費補助二億五千九百万円を差し引くと二十三億八千五百万円ということになるわけですね。それを一ぺん確認したいと思います。
#74
○松尾政府委員 整備費関係が二億五千四百万円と一億でございますから、それを引けば大体そういうことになります。
#75
○山本(政)委員 そうしますと、これは、一般会計歳出予算各目明細書、特別会計歳入歳出予定額各目明細書ですけれども、その中に国立病院勘定の看護婦等養成費として六億三千七百八十八万円一般会計から受け入れている。それから国立療養所勘定の看護婦養成費として五億一千三百十三万円を繰り入れている。これはおそらく国立病院の場合は、国立病院特別会計法第十七条によってやっていると私は思うのですけれども、そのほかにらい療養所看護婦養成費が九千万円ありますね。これは予算書の中には入っておりませんけれども「予算案の概要」に入っておりますね。そうすると、その合計が十二億四千百一万円、さっき私が申し上げた養成費は二十三億八千五百万円ですから、国立病院勘定の看護婦等養成費と、国立療養所勘定の看護婦養成費と、らい療養所看護婦養成費と合計すると十二億四千百一万円で、引けば十一億四千四百万円残るわけです。その残っているのは一体この勘定の中のどこにありますか。残ったのはどういう看護婦の養成に使われているか、それを示してもらいたい。そしてこの会計の中のどこにこれが入っているのか教えていただきたいと思うのです。これが出ておらなければ水増しですよ。十一億円の費用というものがどこへ行っているのかわからないということになります。
#76
○松尾政府委員 残りの部分は看護婦確保対策に関連をいたします人件費等に入っております。
#77
○山本(政)委員 それじゃ人件費のどこに入っているのかちょっと教えていただきたいのです。
#78
○松尾政府委員 この養成費等というところに含めてあるわけでございます。
#79
○山本(政)委員 これの何ページですか。これに入っているはずでしょう。これに入っておらなければおかしいですよ。
#80
○松尾政府委員 こまかい点で正確にお答えできなくて申しわけございませんでしたが、各目明細のほうでは病院経費のほうに入っているそうでございます。
#81
○山本(政)委員 何ページですか、ちょっと教えてください。庁費とそれから職員の基本給、こういうものが入っているというのですが、間違いな無いですか、それは。
#82
○松尾政府委員 そこに間違いなく入っております。
#83
○山本(政)委員 そうすると、看護婦さんはこの医療職の俸給表(一)、(二)、(三)のうちの何番になりますかね。医療職の(一)ですか、(二)ですか、(三)ですか。
#84
○松尾政府委員 (三)です。
#85
○山本(政)委員 (三)ですね。そうすると、それではお伺いしますよ。初年度にふやすべき看護婦さんは何名なんですか、国立病院関係。
#86
○松尾政府委員 初年度にと仰せられましたのは、おそらく勤務条件改善という趣旨かと存じますけれども、病院、療養所合わせまして四百八十四名分でございます。
#87
○山本(政)委員 つまり、四百八十四名の人が十一億円の費用になるのかという私はお伺いをしているんですよ。あなた方は看護婦さんを養成すると言うけれども、養成じゃないでしょう。すでにおる看護婦さんの費用までも含めて、そうして養成費と称しているんですよ。そうして、実際にふやす数は四百八十四名で、それに十一億円かかるんですか、現実に。そこにあなた方の数字のごまかしがあるんでしょう。四百八十四名に十一億円かけるのですか、庁費も含めて。いままでつとめておる看護婦さんの給与も全部一切ひっくるめての十一億円なら看護婦養成費になりませんよ、これは。
#88
○松尾政府委員 いま私が申し上げましたのは、その前提条件といたしまして、第一年度というおことばがございましたので、勤務条件の改善という項目だけを申し上げたわけでございますけれども、看護婦確保対策という大きなくくりといたしましては、その他のいろいろな新しい増員という問題がそれぞれ勤務条件の改善につながるわけでございますので、その分も含めてございますし、また、先ほど大臣からお答えがございましたような保育施設というものの整備でございますとか、そういうこともこの中に含めて確保対策というふうにしているわけでございます。
#89
○山本(政)委員 だから私は、冒頭に、看護婦の需給対策というこの項目に間違いはございませんかとあなた方にただしたでしょう。その中には看護婦の待遇改善なんということはありませんよ、この項目には。はっきり答弁を統一してくださいよ。委員長、休憩してください、休憩。――現在おる人たちの待遇改善も含めて看護婦の養成対策と、一般的にだれが考えますか。あなた方がふやすのは四百八十四名しかおらぬ。それに対して幾らだというなら話がわかりますよ。だけれど、いま働いておる看護婦さんの待遇改善も含めてそれが看護婦養成という拡大解釈の話は別だ。だけども、ここに掲げてあるような文言をもってするあれにはならぬでしょう。そうしたら、あなた方は、数字の上で大きなごまかしをやっていることになるじゃありませんか。十一億円は実質的には看護婦の養成費ではないということになるんですよ。いわば水増しでしょう。
#90
○松尾政府委員 いま申し上げましたように、いわゆる看護婦確保対策、そういう意味でくくったというふうにお考えいただきたいのでございまして、それを需給対策だけとして表現したとすれば、それは表現の誤りもございましょうけれども、いわゆる勤務条件その他の改善をはかるということが看護婦確保につながる問題、そういったものについてはまとめてある、こういうことでございますので、特に需給問題として水増しをしてごまかすというような意思は毛頭なかったわけでございますので、御了解いただきたいと存じます。
#91
○山本(政)委員 それなら、あなたが先ほど読み上げた看護婦需給対策の(1)のアイ、それから(2)、(3)、新設のアも含めてア、イ、ウ、それから(4)、これだけのものの中に限らるべきでしょう。だけども、それが内容的に入って見ると、かなりいいかげんなところがあるじゃありませんか。なぜはっきりと看護婦需給対策なら需給対策としてきちんとした数字を出さないのですか。需給対策と確保対策とは違いますよ。そして三十六億円、倍額ですね。前年度に比して倍額だということは、それは金額だけを誇示して、実質的な政策的な面としては現実にそういうものが行なわれてないということでしょう。初年度四百八十四人ですよ。二万四千人くらいの人が毎年足らぬといわれているのに、国立の関係で四百八十四人で一体どれだけのことができるのです。「ニッパチ」すら解決できないじゃありませんか。
#92
○松尾政府委員 先ほど申し上げましたように、四百八十四というのは、いわゆる「ニッパチ」問題としての夜勤勤務条件の改善という意味の初年度でございまして、そのほかに新生児の看護の問題でございますとか、あるいは療養所におきましては重症心身児あるいは筋萎縮症の内容を十分改善をいたしますとか、そういったものを含めまして増員はいたしているわけでございまして、決して四百八十四だけではないわけでございます。ただいま申しましたのは、あくまでいわゆる「ニッパチ」問題といわれる夜勤勤務体制を年次計画でやっていく上の初年度でございます。
#93
○山本(政)委員 それでは一歩譲って、人件費や労働条件の改善と、こういうふうな広義の意味での費用というのだったら、具体的数字をひとつ明らかにしてください。具体的数字、要するに直接養成に対してその人件費の中から幾らあるんだという十一億の中身をきちんと整理をしてください。
#94
○松尾政府委員 看護体制の強化増員分といたしまして二億一千百三十二万七千円、それから新生児看護婦分が四千百三十万九千円、重症心身障害児の看護婦関係が二億四千八百三十二万円、進行性筋萎縮症児看護婦関係五千百五万四千円、看護婦の代替賃金問題が四千万五千円、それから同じく新生児に関する賃金分が二千二百五万円、産休代替の賃金が一億五百二十一万七千円、パートタイムの賃金が七百八十七万五千円、ガンの診療関係の看護婦の賃金が三千五百五十九万五千円、夜間看護手当が二億八千九百二十八万六千円、施設内保育所の整備費が二百九十七万六千円でございます。
#95
○山本(政)委員 ですから、金額の小さいのは別といたしまして、金額の大きい、たとえば重症心身児とか新生児とか、あるいは筋萎縮の増員とか、そういうものは厚生省の業務拡大に伴うものじゃありませんか。需給対策じゃありませんよ、正確にいえば。業務拡大に伴った人件費であって、看護婦の需給対策として含めること自体がおかしいじゃありませんか。その点どうなんです。新生児にしろ、重症心身障害児にしろ、筋萎縮症児にしろ、そういうものは明らかに業務拡大じゃありませんか。
#96
○松尾政府委員 需給対策というもので、特にこの養成というものがいわゆる供給対策であるというふうに限定して考えますならば、仰せのようにこれはそういうためのものではないというふうになるかと存じます。
 先ほど来何度も繰り返して恐縮でございますけれども、いわば確保という観点から、そういう厚いシフトをするような人員の増というものを確保対策の一環としてあげておるということでございます。
#97
○山本(政)委員 大臣、それで納得いたしますか。あなたがお考えになって納得いたしますか。
#98
○内田国務大臣 私は、実はこういうふうに考えておるものでございます。国立療養所、国立病院では、一般の診療もいたしますが、重症心身障害児とか、あるいは新生児とか、筋ジストロフィー患者のお預かりをいたしまして、そのほうに看護力もなければならないわけであります。そこで、それをほうっておきますと、一般の看護力がそちらに食われる。したがって、名目は萎縮性筋ジストロとかあるいは重症心身障害児とかいうことでふやしました分も、国立病院、国立療養所全体としましては、それだけとにかく看護力が増強するんだから、看護力増強と私は実は考えておりましたが、いかがでしょうか。
#99
○山本(政)委員 いいですか。看護婦さんがいまとにかく二十二万足らぬ。初年度でどれだけ要る。だからその初年度に対応するにはこれだけのものが要る。そして業務拡大というものがある。これは当然病床もふえるでしょう。そういうことについて重症心身障害児とか筋萎縮症児とか新生児とかいうものがある。それはそれとして、また別にその対策を考えるのがあたりまえじゃありませんか。これは業務拡大に伴うあれでしょう。こっちは本来からいう看護婦の需給対策というものになるのでしょう。それが私は論理的に正しいと思うのですよ。
#100
○内田国務大臣 議論を申し上げるつもりはないのですが、いまの心身障害児とか、あるいは筋ジストロの患者のめんどうを見る看護婦さんをほうっておきますと、足らぬものですから、一般の看護力を食われてしまうものですから、したがってそっちを充実するということは、看護力全体として増強する、こういうふうに私は考えておりました。
#101
○山本(政)委員 では、お伺いいたします。
 看護婦の養成の中になぜ衛生検査技師の養成の経費を一千九十七万円入れているのです。衛生検査技師は看護婦さんですか。看護婦さんでないですか。それを聞かしてください。
#102
○内田国務大臣 看護婦じゃありません。
#103
○山本(政)委員 看護婦でなければ、なぜ看護婦の養成の中にそれを入れているのですか。
#104
○内田国務大臣 医務局長をして説明をいたさせます。
#105
○松尾政府委員 私どもの整理では、そういう衛生検査技師に関しますものは入れてないと存じております。
#106
○山本(政)委員 ここに事項としては、看護婦養成所に必要な経費とあるのですよ。そして項の中には看護婦等養成費となっているのです。そしてその中に事項といたしまして、一つは看護婦養成所に必要な経費になっている。これが先ほど申し上げた六億四百万という金であります。そのほかに国立病院の看護婦再教育に必要な経費、それから看護教員等の養成に必要な経費、そして助産婦養成所に必要な経費とあって、最後に衛生検査技師養成所に必要な経費というものが看護婦等養成費の中に入っているじゃありませんか。これを見てごらんなさいよ。間違いかどうか見てごらんなさいよ。
#107
○松尾政府委員 各目のくくりのときにはそういうくくりをいたすそうでございますけれども、いわゆる看護婦確保対策として私どもが集計した段階ではそれははずしてございます。
#108
○山本(政)委員 そうすると、これは間違いですか。
  〔山本(政)委員、書類を示す〕
#109
○松尾政府委員 ここにございますように、看護婦等養成費というくくりで、私も予算のこういうこまかい分類のしかたは存じませんけれども、いわゆる看護婦等養成費という形でここにくくっている中に、それぞれこまかい看護婦養成の問題、それから再教育でございますとか教員養成とか入って、その最後に御指摘のように検査技師が入っている、こういうまとめ方の問題のようでございまして、先ほど来申し上げましたように、確保対策としてまとめましたときには、その衛生検査技師は除いてあります。
#110
○山本(政)委員 そうすると、私が冒頭に六億四百万円が看護婦の養成費ですねと言ったときには、あなた方はそれを御承認なさいましたね。承認なさったあとで、私が、それじゃ衛生検査技師についてはどうだと言った場合には、これは等ということでくくる場合もあるということであれば、看護婦養成費は六億四百万円より下ることになりますよ。そうしたら、あなたがさっきおっしゃった二億何千万円とか何百万円とかいういろいろな数字がありますが、その合計がこれで合いますか。あとで私は試算してみますよ。
#111
○松尾政府委員 それを除いた数字で合うはずだと私は存じます。
#112
○山本(政)委員 それじゃ休憩してください、私も試算してみますから。休憩をお願いいたします。
#113
○倉成委員長 ちょっと速記をやめてください。
  〔速記中止〕
#114
○倉成委員長 速記を始めて。
 暫時休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ――――◇―――――
   午後零時三十分開議
#115
○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、答弁は、大臣及び政府委員より責任ある答弁をするよう、特に委員長から御注意申し上げます。
 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
#116
○内田国務大臣 先刻来お尋ねがございます看護婦対策関係の予算の細目につきまして、私が十分のお答えをできません場合には、政府委員をして答弁をせしむることにいたし、また、特に質問者あるいは委員長から御承認がありました場合には、細目につきましては関係の職員をして答弁させることとして御了承をいただきたいと存じます。
#117
○倉成委員長 質疑を続けます。山本政弘君。
#118
○山本(政)委員 いまの試算はちゃんとしていますか、それをもう一ぺん確認したいと思います。
#119
○松尾政府委員 先ほど施設内保育整備費まで申し上げたわけであります。看護用備品一億二千三百八十九万四千円、これは私読み忘れておりましたので、これに追加をいたしまして、それまでの合計が十一億七千八百九十万八千円、こういうふうになります。
#120
○山本(政)委員 何を落とされたのですか。そうして金額をもう一ぺんはっきり言ってください。
#121
○松尾政府委員 看護用備品でございます。これが一億二千三百八十九万四千円でございます。
#122
○山本(政)委員 それではもう一ぺんだけいまの点でお尋ねいたしますが、四十五年度厚生省所管予算案の概要では三十六億七千三百万円になっておりますね。この中には、それではいまの衛生検査技師養成所経費は入っておりますか、入っておりませんか、どちらです。
#123
○松尾政府委員 入っておりません。
#124
○山本(政)委員 それではこれからひとつお願いだけしておきます。この概要と、それから先ほど私がお話しした国立病院、国立療養所の関係はきちんとしていただきたいと思うのですよ。「等」がということで、あいまいなことばでそういう処理をするというのは私はやはり間違いだと思うのです。
 そうしますと、四十八万人の構想というのは、本年度予算で大幅に削られているわけでしょう。そうすると、その実現性というものは保証できないと思うのですけれども、これは手直しをするという必要はないのですか。この点はいかがでしょう。
#125
○松尾政府委員 いまのところ、特に施設整備費という関係、養成所の施設整備費というものが、今後の養成所に一番つながるわけでございますけれども、これは、御承知のように、地方公共団体あるいは公的団体、機関に対する補助金になっておるわけでございまして、施設整備費といたしましての一番中核をなしますものがこれでございます。問題の補助金でございますので、執行にあたりましては、各地方からのいろいろな要請というものを受けながら、その計画に従ってこれを施行するという段階になるわけでございますが、ただいまのところ、私どものところへ地方から参っておりますところの予定では、ほぼ私どもの予定したような定員は確保できるような計画が出そうでございますので、多少その補助金の上において少ないきらいはございますけれども、今後この分を十分見ながら、第二年度以降におきましてはそれを補正するような努力をしてまいりたいと思いますが、第一年度といたしましては何とかすべり出せるんじゃないかという観測をいまいたしておるところでございます。
#126
○山本(政)委員 五十三億円の構想だったものが三十六億円になって、いま局長のお話では遂行できそうだ、こういうお話でございますけれども、それじゃちょっとお伺いしますよ。
 当初の構想では、公私立養成所に対し、国が学生一人につき運営費の半分を補助する費用を約七億円と見たわけですね。そうすると、この予算概要ではちょっと四億くらいにしかなりませんね。あなたのおっしゃるように、市町村のほうも、そういうことで補助することで計画どおりほぼできそうだというけれども、市町村についても当初の構想は七億円だったのが、ここでは、全部合計しても、たとえば看護婦さんの養成所の施設整備、それから設備整備、それから貸費生の貸与経費まで入れて四億円あるかなしかのような金ですね。それでもやはり計画を変更しなくてできるのですか。そういう見通しですか。
#127
○松尾政府委員 看護婦の整備費は一般会計の部分については五億百万円でございます。看護婦養成の設備のほうは二千百万円でございます。四億ということはございませんで、約七億近い金になっております。
#128
○山本(政)委員 それでは四十八万人にするというそういう実施計画があるならば、五カ年間の実施計画をひとつ年次別にお示しをいただきたいと思います。たとえば年次別の看護婦さんの養成数の中で、看護婦の三年課程、二年課程、准看の中卒二年課程、高卒一年課程、教員あるいは実習指導員というものがありますね。あるいは年次別の退職者がどのくらいあるか、看護婦さんについてはどのくらい、准看さんについてはどのくらい。それから年次別の潜在看護婦さんの活用計画はどのくらい。年次別の就業看護婦数は、看護婦さんはどのくらい、准看さんはどのくらい。そして、昭和五十年度における病院、診療所の収容者数。入院、外来者数。右に必要な医師、看護婦数を年次別にお示し願いたい。
#129
○松尾政府委員 最終目標として――順序が逆になりますけれども、昭和五十年度末における需要の一番基礎になります病院の病床数、これを大体百三十一万ベットと考えております。現在百万三千程度でございます。
 これに対応しまして養成施設の増員計画でございますけれども、三年課程について申し上げますと、四十五年度で千百四十九、四十六年度で千三百十、四十七年度で千二百、これで合計で三千六百五十九というのが三年課程でございます。
 それから二年課程につきましては、四十五年度に千二百二十五、四十六年度千四百四十、四十七年度千三百五十六、四十八年度三千九百五十七、合計七千九百七十八でございます。
 それから高卒一年につきましては、四十六年からこれは切りかわるという考え方でございますので、四十六年に一万四千五百六十二というものが高卒一年としてスタートをする予定にいたしております。四十七年に一万四千四百八十八、四十八年度はこれは減を立てておりますけれども、八十名程度、これは施設の都合等を考慮したものでございます。それから四十九年度に二百四十の減、合計いたしまして二万八千七百三十ということになります。これに対しまして中卒二年の計画は、四十五年度に千九十五名というものが増員になります。四十六年からは逆に切りかわってまいりますので、一万二千五百三十七マイナスになります。それから四十七年度に千九百三十六、四十八年に千六百七十二、合計いたしまして一万五千五十というものが減になる、こういう計画にいたしております。看護高校のほうといたしましては、四十五年は約二百八十、四十六年二百、四十七年二百というように見込みまして、合計六百八十でございます。合計いたしますと一学年定員は一万四千三百六十程度がこの間に増員する、こういう計画のもとに積み上げて新卒業生を出しておるわけでございます。これに対しまして、各年次ごとに、従来の施設の積み上げ数というものから就業の状況、就業の率というものがございます。それらの実績等をみな入れまして、そして新規就業がどのくらいになるかということを各年積み上げて計算をいたします。それから退職率につきましては、現在総就業人口に対して約六%程度の率になるわけでございますけれども、これはいろいろな努力も重ねるということを見込みまして、昭和五十年末には三・五%程度まで下げたい、こういう希望を入れて計算をいたしております。それから潜在看護力につきましては、最初はなかなかスムーズにいかないかと存じますけれども、五十年までの間に合わせまして約二万四、五千人程度の潜在看護力を活用したい。これらを含めまして大体四十八万人台ということになるであろう。これはあくまで私どものマクロの計算でございますけれども、そういう段取りをつけて推計をいたしておるわけでございます。
#130
○山本(政)委員 そうすると、看護婦の退職数というものがございますね。これを一体どれくらいに見込んでおるのでしょう。
#131
○松尾政府委員 五十年までの退職絶対数は累積いたしまして約七万程度と見ております。
#132
○山本(政)委員 ちょっと心配なのは、退職率というものは現在はもっと高いのじゃないだろうか。私の記憶に間違いがなければ、昭和三十七年から昭和四十三年までの間にたしか十五万五千人看護婦さんがふえているけれども、一方やめておる人があって、同じ年間の純増というのは三万幾らかというふうに考えておったのです。これは私の記憶に間違いがあるかもしれません。しかし、そういうふうになると、あなたのおっしゃるように七万や八万では済まないのではないだろうか。つまり二十二万ふやすと言うけれども、約半数の十万以上の人たちがやめていくということになればそういうことになりはしないだろうか。その辺を一体どうお考えになっているのだろうか。
#133
○松尾政府委員 たとえば三十七年の就業人口が十九万三千でございました。四十三年末が先ほど来申し上げましたように二十六万六千ということでございますので、この間に約七万程度の増加が就業増としてございました。その率といたしましては、年によって多少の変動がございますけれども、大体年に一万五千ないし一万三千就業人口としてふえてきております。それと新規卒業生約三万人から最近は三万五千人というものが新しく陣営に投入されておりますので、それの差額がいわば看護婦陣営の実働部隊からの退職者、こういうふうに考えまして、その率をもとの就業人口と対比してみる、こういう考え方で、先ほど来申し上げました五%ないし六%というような数を申し上げたわけであります。
#134
○山本(政)委員 そうすると、四十八万人にすることによって、人事院判定の「ニッパチ」体制を、百床以上の病院については一般病床で完全に実施する、精神、結核病床では七〇%実施する、百床未満の病院では五十%実施するというふうに昨年の十一月十一日の朝日新聞に書かれておりますけれども、これはほんとうでしょうかどうでしょうか。
#135
○松尾政府委員 当時の案と少し違っておりますのは、百床以上の一般病院の二人夜勤というものを最終的には八〇%というふうに私どもは考えております。それから、結核、精神については六〇%、百床未満については四〇%というふうに置いておるわけであります。
#136
○山本(政)委員 そうすると、当初の構想からいえば若干後退したわけですね。そうでもないですか。
#137
○松尾政府委員 後退という印象を与えたかもしれませんが、私どもその後いろいろと検討いたしまして、やはり一般病院といえども、少なくとも二人夜勤体制をとる必要があるのじゃないか。これはマクロの問題でございますので、そういう形から八日という線を立てたわけでございます。
#138
○山本(政)委員 それでは、大臣が最高の責任者でありますから大臣にお伺いいたしますが、いまの四十八万人というものについて、その実施を保証いたしますか。これはただ単なる計算上、積算上の問題、こうお考えになっておるか、あるいはこれを実施するというふうにお約束をしていただけるかどうか、この点どうです。
#139
○内田国務大臣 これは、私が算術計算でまいるわけにもいかぬと思いますが、私どもとしてこういう計画をせっかく立てさせていただいておるのでありますから、いろいろな環境の変化はございましょうけれども、この目標達成にあらゆる努力を集中してまいりたい、こういう気持ちでやっております。
#140
○山本(政)委員 そうすると、実施を保証していただけるということになれば、法規改正を行なってそれを保証していく以外にはないと思うのですけれども、それを一体いつごろ行なっていただけるか。
#141
○松尾政府委員 法規改正というのは、おそらく看護婦の標準の配置数をきめた医療法の施行規則をおさしになっておると存じますが、これは私どもも、ただいまは一般病院については四対一であるというのを据え置いたままでは、こういう体制は確立できませんので、供給力の得られ方を十分見きわめながら、これは一つの標準値でございますから、きめますとそれを病院は守らなければならぬという問題になりますので、そういう状態を見ながらぜひこれを改正したい、こう考えております。
#142
○山本(政)委員 大臣、重ねて御質問いたしますけれども、これをひとつお約束していただけますか。
#143
○内田国務大臣 昭和五十年を目標として、現在人員を四十八万人にふやすという努力を私どもはやるつもりでおります。しかし、それは私が申し述べましたように、単なる算術上の問題ではなしに、生きた方々、また、環境の変化にも応じながらやっていくことでございますから、数字上の保証というようなものではなしに、とにかくその政策を貫くべく努力をいたしますが、それの達成の状況と見合わせながら、この医療法における看護婦比率のあり方というようなものを実態に沿うように、つまり、いまの四対一というものをさらに稠密にやるような方向でいくことは当然のことであると私は思いますので、保証するというようなことばは使いませんけれども、その方向に進む所存であるということを申し上げたいと思います。
#144
○山本(政)委員 だれでもいい方向に進みたいのですよ。進む所存なんですよ。だから私は、大臣に先ほどから申し上げておるように、単なる積算上の数字なのか、あるいは保証をしていただけるのかという話をしたのです。大臣は、保証をいたします、こう言う。そして局長は、法規の改正の努力をいたします、こういうお話をしたわけでしょう。大臣ならば、もっと明確に御答弁をいただけると思うのです。積算上の数字ですか。あるいは保証をすべきとお考えですか。保証するならば、法改正というものは当然起こり得る問題だと思うのだけれども、その辺は大臣、きちんとお答えをいただきたいと思います。
#145
○内田国務大臣 これは全く、私どもがそういう計画を立てておるのでありますから、それの実現のためにあらゆる施策を積み重ねてまいるということをたびたび申し述べているような次第でございます。保証ということばを私がここで使ったほうがよければ、この計画が保証できるように進んでまいる。ただこれが物の生産計画のような、鉄の生産計画のようなわけのものと違う点がありますので、私は、うそをつき、その場のがれをすることがいやでございますので、これから五年先の目標達成に向かって財政上、法制上その他のあらゆる努力をいたし、そしてそれの達成の状況と見合いながら、医療法上の看護婦定数等につきましても当然改正すべきものは改正をいたします、こういうことを申し上げている次第でございます。
#146
○山本(政)委員 つまり、物と違うと言うけれども、絶対的に看護婦さんが不足だから、あなた方は五カ年計画をお立てになったわけでしょう。そして、四十八万という達成目標をお立てになったならば、それを遂行するように当然保証しなければならぬはずじゃございませんか。そうしなければ、四十八万というのは単なる積算数字でしかないということになりますよ。それが理の当然じゃございませんか。だとするならば、あなた方がお立てになった計画に対してあなた方が責任をお持ちになる、同時に、そのことによって必要であるならば法改正をするということは当然じゃありませんか。大臣の責任ある答弁をもう一ぺん聞かしていただきたい。
#147
○内田国務大臣 これは委員の皆さまがお聞きでございますので、そういう場合に保証ということばを使うものならば、せっかく私が立てた計画がうその計画のつもりでございませんので、その目標の努力の結果をあえて保証ということばを使わしていただきましょう。そして、それに相応じて医療法上の措置もしてまいる、こういうことに御理解いただきたいと思います。
#148
○山本(政)委員 どうもことばとして……
#149
○内田国務大臣 あなたはおとなだからわかる……
#150
○山本(政)委員 いやいや、私は大臣に比べますとたいへん子供なんです。約束していただけますか。約束です。
#151
○内田国務大臣 約束を守るために絶大なる努力をいたします。
#152
○山本(政)委員 四十四年六月十日に参議院の社労委で決議をいたしました。これは人事院判定の実施を含めて「両三年を目途」にして改善するようにというお約束をしていただいているはずであります。そうすると、改正案というのはこれを保証していただけるのでしょうか。
#153
○内田国務大臣 おそらく参議院の社労の御決議に対しましては、当時の大臣から、御決議の趣旨に従って全面的に努力いたしますということばがあったことと存じます。それを受けまして、私が大臣に就任いたしまして、看護婦問題に取りかかった際にも、あの件はどうなっているかということを事務当局にただしましたところが、四十四年度におきましても、その線に向かってある程度の緩和の線をたどっております、しかし、それはいま直ちに達成はされていないけれども、今後その線を努力するように当局としても諸般の施策を立てている、こういう答えでありましたので、私は、大臣といたしましても、その人事院判定の線ができ得る限り早く実現するように努力をいたすつもりでございます。
#154
○山本(政)委員 そうすると、たいへんありがたい御答弁をいただきまして感謝いたすのですけれども、それを実施するとすれば、当然、医療経営上、人件費増となりますね。そうすると、その負担にかわる収入増というのは一体何によって得られるのでしょうか。この辺はひとつはっきりしていただきたいと思うのです。
#155
○松尾政府委員 一般的な問題といたしまして、それだけの増員問題が起こり、養成ができて医療機関につとめるということになれば、そういう費用をどうするかという御質問だと存じます。要するにその問題は、医療費をそれだけ見合うように改善をしなければならぬということになると思います。
#156
○山本(政)委員 つまり、局長のおことばをそのまま受ければ、基本診察料とかあるいは特掲診察料を引き上げる、そういうものも含めてそういう措置をとる、こういうことに理解していいでしょうか。
#157
○松尾政府委員 診療報酬の問題でございますので、本来保険局で具体的にはセットすべき問題でありますが、私どもこういう計画に対応して常々お話し合いをいたしております。特定診療料でやるか、あるいは今回の改正にございましたような基準看護料というものを大幅にふやすのか、あるいは基本的入院料をふやすかは、これは中医協のいろいろな御議論の中におまかせしておくべきだと存じますが、いずれにしても、それだけの人件費の増に対応する医療費というものを、最も適正な項目をもって対応していただくということが必要かと存じます。
#158
○山本(政)委員 そうしますと、やはり健保の抜本改正に織り込まれて考慮されていくと私どもは理解していいのかどうか、その辺をひとつお聞かせ願いたい。
#159
○松尾政府委員 この問題については、中央医療協議会で診料報酬のいろいろな適正化をやるというスケジュールになっておりまして、その中でも、こういう問題を議論をしよう、検討しようということになっております。したがいまして、御指摘のように、直ちにこの問題を抜本改正という問題とからませる必要があるかどうか、私もそういう方々の御意見はまだ聞いておりませんけれども、私自身の考えといたしましては、特にそれをからませる必要はないというふうに考えておるわけでございます。
#160
○山本(政)委員 中医協にはかられる必要もある、そういうお話でございますが、そうすると、基本診察料にするのか、基準看護料にするのか、特掲診察料にするのか、これは別としても、そういうことになれば中医協にはかるか、あるいは、私はよくわかりませんが、これは社会保障制度に非常に関係のあることだと思うのですよ。その点はどうでしょうか。
#161
○松尾政府委員 御指摘のとおり、こういう問題でございますので、関係は十分あるわけでございます。
#162
○山本(政)委員 そうすると、さきに述べました看護婦さんの増員問題は、当然事の順序として、中医協もしくは社会保障制度審議会というのですか、そういう関連審議会に先にかけて、そしてやるのがほんとうじゃないだろうかという感じがする。私は皆さん方のなさっていることがどうも逆なような感じがする。看護婦さんの増員計画は、質の問題は別として、ともかく量だけをふやしていく。そこで問題が出てくる。増員に対する費用が出てくる。それは医療費でまかなわなければならぬ、それは結局中医協なり社会保障制度審議会なりにかけなければならぬというのだったら、なぜ社会保障制度審議会あるいは中医協にかけて、事の順序としてそれからずっとやっていかないのか。私はあなた方のやっている筋道が逆であるという感じがします。その点は、大臣どうでしょうか。
#163
○内田国務大臣 一方において医療保険制度の抜本改正が大きな課題になりまして、二つの審議会に諮問をいたしておりますことは御承知のとおりであります。しかしそれと並行しながらも、たとえば僻地医療の問題をどうするかとか、あるいは看護職員の問題をどうするかとかいうことは、保険制度の改正そのものではございませんけれども、それに関連ある医療体制の問題として社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会にも、その問題は関連の問題として、現在まで、議案ではございませんけれども説明を申し上げているところでありまして、むしろ社会保障制度審議会におきましては、私どもの諮問の本体でありますところの医療保険の抜本改正に入るに先立って、こうした問題、かなり御熱心に御説明を求められて今日に至っておるというような状況でございますので、そういうことも関係の審議会においては当然踏まえて、そうして医療保険制度の抜本改正に入る、こういうふうに御理解をいただいていいのではないかと思います。私はそう理解しております。
     ――――◇―――――
#164
○倉成委員長 この際、心身障害者対策基本法案起草の件について議事を進めます。
 本件について、障害者対策小委員長より報告いたしたい旨の申し出がありますので、これを許します。小委員長粟山ひで君。
#165
○粟山委員 本件につきましては、小委員会設置以来、小委員各位と慎重に協議検討を重ねてまいったのでありますが、本日小委員会におきまして、お手元に配付いたしてあります案を小委員会の案と決定した次第であります。
 簡単にその趣旨、内容について御説明申し上げます。
 心身障害者の福祉については、ますますその重要性を加え、社会的関心の高まりを見ておりますが、心身障害者に対して社会連帯、人間尊重の理念から、そのハンディキャップをできるだけ軽減し、個人の尊厳にふさわしい生活を保障していくことは、高度の福祉社会の建設を進めているわが国にとって当然の責務と考えられるのであります。
 申すまでもなく、心身障害者に対する福祉施策は、医療、訓練、教育、雇用の促進、年金の支給等きわめて広範多岐にわたり、しかもこれらの施策は有機的連携のもとに総合的に推進されなければなりません。
 近年、これらの個々の施策については、徐々に改善、充実がはかられてまいりましたが、これらの施策は、関係各省または省内各部局に所管が分かれて実施され、各施策間の連携調整が不十分のため心身障害者対策の推進に障害となっているのが実情であります。したがって、現在、心身障害者福祉対策としては一貫した体系、有機的連携のもとに、障害の種別、程度等に応じたきめこまかい施策を強力に推進していくことが最も強く要請されているところであります。
 次に、本草案のおもな内容について申し上げます。
 第一に、この法律は、心身障害者対策に関する国及び地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、心身障害の発生予防に関する施策及び医療、保護、教育、雇用の促進、年金の支給等の心身障害者の福祉に関する基本的事項を定め、心身障害者対策の総合的推進をはかることを目的とするものであります。
 第二に、この法律において「心身障害者」とは、身体障害者「又は精神薄弱等の精神的欠陥があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」ものとしてあります。
 なお、これら心身障害者の福祉に関する施策は、心身障害者の年齢及び心身障害の種別や程度に応じて、かつ、有機的連携のもとに総合的に策定され、実施されなければならないものとしてあります。
 第三に、心身障害者に対する基本的施策として、国及び地方公共団体は、次のような施策を講じなければならないものとしてあります。
 すなわち、心身障害の発生予防対策としては、必要な調査研究、母子保健対策、原因傷病の早期発見及び早期治療等の推進を、心身障害者福祉対策としては、更生医療及び補装具の給付並びに適切な保護、医療、訓練及び授産等の実施、心身障害者の教育の改善充実、心身障害者に適した職業訓練及び雇用の促進、その他年金の支給、資金の貸し付け、住宅の確保等の必要な施策を講じなければならないものとしてあります。
 第四に、総理府に中央心身障害者対策協議会を設置することとしております。同協議会は、心身障害者に関する基本的、総合的施策の樹立について必要な事項の調査審議を行なうとともに、心身障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要するものに関する基本的事項について調査審議を行ない、あわせて内閣総理大臣または関係各大臣に対して意見を述べることができるものとしております。
 なお、都道府県及び指定都市に心身障害者対策を推進するために必要な関係行政機関相互の連絡調整を行なう地方心身障害者対策協議会を設置するものといたしてあります。
 以上が本草案のおもな内容であります。
 この際、お手元に配付の案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決定されるようお願いをいたす次第であります。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#166
○倉成委員長 本件について発言の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。
#167
○田邊委員 私は、それぞれの党の立場を代表する意味で、ただいまの心身障害者対策基本法に関連をして、政府の所信を二、三点ただしたいと思います。
 心身障害者対策はまさに現代の要請であります。先国会から各党を通じてこの基本的な考え方をまとむべきであるという熱意が燃え上がりまして今国会に引き継がれ、ここに基本法案の成案ができたわけでございまして、皆さんとともに喜ぶものでありまするが、特に私は、この基本法案の中で重要な点は、何といいましても心身障害者の個人の尊厳を認めておる点であります。そして、そのことからいいまして、当然それにふさわしい処遇を保障される権利を有していることを明確にしている点だろうと思うのであります。したがって、この基本法案が通過をいたしまするならば、いま申し上げた観点から、国及び地方公共団体は、これに対して対策を講ずる責任が当然生じてくるものと考えざるを得ないのであります。この際、この考え方の上に立って、政府は、心身障害者対策に対していかなる決意をお持ちであるか、いかなる心がまえをお持ちであるか、厚生大臣から、政府を代表する立場で所信をお伺いしたいと思うのであります。
#168
○内田国務大臣 当委員会の各位が、共同されまてこうした法律案を提案されましたことにつきまして、私は敬意を表するものでございます。
 この法律案が成立をいたしました場合には、この趣旨を十分尊重をいたしまして、関係の各方面、各機関とも協力しつつ、心身障害者対策の一そうの推進に私はつとめてまいる所存でございます。そのためには、いろいろの施策もございますが、それらの具体的施策につきましても、これが十分な充実の措置を講じてまいることはもちろんでございます。
#169
○田邊委員 いま大臣からお答えのありましたように、この基本法案は、いわば対策を樹立するための基盤をつくるものである、よりどころをつくるものである、こういうふうにわれわれは考えておるところであります。したがって、これが具体的な実現のためには、政府のたいへんな努力と、それに基づく総合的な計画が必要であると思います。当然要するところの予算も計上いたさなければならないと思うわけでございまして、これらの具体的な計画、総合対策に対して政府は今後早急な樹立を迫られておると私は思うわけでございますけれども、その計画を樹立される御用意がおありであるかどうか、大臣から再びお答えをいただきたいと思います。
#170
○内田国務大臣 このことにつきましては、別の角度から幸いにも経済社会発展計画の新しい勧告が政府に出されまして、先般閣議でもこれを決定いたしました。それの中には、広く社会保障あるいは心身障害者に対する社会福祉の施策の充実につきましても触れております。この経済社会発展計画は政府が採択いたしておるものでございますので、それとこの法律案の趣旨とを相対応せしめながら、御主張の点につきましては、十分な計画的な施策を進めてまいりたい所存でございます。
#171
○田邊委員 いろいろ中身はございますけれども、この際二点だけその中心についてお伺いしておきたいと思います。
 その第一は、心身障害者対策については、いま小委員長からの御報告のとおり、医療、訓練、雇用の促進等それぞれの分野で実施されなければならない点が非常に多いのでございます。特に重度障害者の施設、在宅障害者対策のいままでの政府の施策はきわめて不十分なんでございます。したがって、この法律が成立した場合には、これらの重点的な施策について政府は積極的な努力をする必要があると思いますけれども、ひとつ大臣の所信を承っておきたいと思います。
#172
○内田国務大臣 心身障害者対策は、大きく分けますと、施設に入所あるいは通わせながらそれの保護、指導をいたしておくべき方と、また、そういう施設に入ることができない対象者の方々の在宅の対策を十分に進めるということの必要がありますことは、御意見のとおりでございます。これらにつきましての施策がこれまで必ずしも十分ではなかったと私は思います。たとえば、幸いにもこのたび当委員会、また国会におきましても御可決をいただきました心身障害者福祉協会というような国立の施設の出発もここに見ることになっておりますし、その他の施設につきましても、今後これまでの施策に加えていろいろの施策を当然進めるべきだと私は考えます。
 在宅者対策といたしましては、ホームヘルパーでありますとか、あるいは相談員とか、あるいは若干の貸しベッドでありますとか、あるいは義手、義足などの交付というようなことなどもやってまいってきておるわけでありますけれども、それらの面におきましても、足らざる面を十分配慮してまいりたいと考えるものでございます。
#173
○田邊委員 第二点は、心身障害者対策のうちで特にわが国でおくれておるのは、心身障害者の発生の予防、リハビリテーションの研究開発、さらには専門職員の養成などが諸外国に比べて非常におくれている点であります。したがって、総合的な対策の中で、特にこれらわが国においていまだ立ちおくれをしているところの部面について積極的な施策を講ずる必要がある、このように考えておるわけでございますけれども、これに対するところの大臣の考え方をひとつ披瀝しておいていただきたいと思います。
#174
○内田国務大臣 御意見の点、まことにごもっともと存じます。心身障害者が発生しないように、そのもとの対策を樹立するということのために、私ども政府におきましても、母子保健対策というようなものにつきまして力を入れてまいったり、あるいはまた、最近は交通災害等に対処します施策をも充実をいたしてまいってきておりますが、これらの方面の心身障害者発生の予防の対策には今後さらに力を入れますとともに、また不幸にして心身障害の境地にありましても社会復帰ができますような施策を講ずること、これまた大切なこと御意見のとおりと存じます。今日わが国にも約千近い心身障害者の施設がございますが、私の記憶ではその中のリハビリテーション、社会復帰のための訓練施設というようなものは二百にも足りないように記憶をいたしておりますので、御指摘のありましたリハビリテーションの施策につきましては、私はさらにこれを充実する必要があると考え、努力をいたします。
#175
○田邊委員 そこで、最後に労働大臣にお伺いをしたいのは、いま厚生大臣にお伺いをしてまいりましたいろいろな諸施策の実施は、最終的には心身障害者が社会復帰をして、社会的な役割りを果たすということが対策の最終目標であろうと思うわけであります。このためには、国と地方公共団体が当然その雇用について積極的な受け入れ対策を講じなければならない、このように思っておるわけであります。本基本法案は、必ずしも雇用の義務づけをいたしておりませんけれども、しかし民間企業においても、すでに、この心身障害者雇用促進協議会等も設立が見られるということも聞いておる次第でございまして、民間においてもこれが促進をはかりつつあるという現状に照らしてみれば、国と地方公共団体が当然その責任において心身障害者をみずからの手でもって受け入れ、そして社会的な役割りを果たさせる、こういう責務があると私は考えるわけでありまして、これが率先完全実行をはかるべきであると私は思いまするけれども、労働大臣はその立場からひとつ政府を代表して、雇用促進に関して政府の決意のほどをぜひ聞かしていただきたい、このように思うわけであります。
#176
○野原国務大臣 心身障害者対策基本法がここに御提案になりました。衷心から敬意を表するものであります。
 かねてから労働省では心身障害者に対する就業指導、就業訓練あるいは職業紹介の仕事をやってまいったわけであります。この法律にも、第十四条にはっきりとこの施策を講じなければならぬということが書いてありますし、同時に第十五条には「心身障害者の優先雇用の施策を講じ、及び心身障害者が雇用されるのに伴い必要となる施設又は設備の整備等の助成その他必要な施策を講じなければならない。」というふうにうたっておるわけでございますが、現在心身障害者に対しましては、そうした職業上の訓練やあるいは指導、紹介等を積極的にやっておりまするし、同時にまた、雇用につきましては、雇用率というものを設定いたしまして、各官庁その他各方面におきまして御理解を得ましてほぼ雇用率は達成しておるわけでございますが、この十五条にございますような「優先雇用の施策を講じ」というこの立法の精神を考えますると、今後はなお一そう心身障害者の雇用につきましては積極的にこれを推進する必要があると考えております。この法律の制定を機会に、従来にも増しまして積極的な労働対策を講じて御協力申し上げたいと考えております。
#177
○田邊委員 ぜひひとつ労働大臣、政府を代表する立場で、本法案が持つ意味を十分おくみ取りをいただきまして、いままでややもすれば消極的で不十分な政府の施策を、この際ひとつ一転をいたしまして、積極的な施策の上に立って時代の要請、社会、国家の要請にこたえた計画の樹立を心から要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#178
○倉成委員長 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見があればお述べ願いたいと存じます。内田厚生大臣。
#179
○内田国務大臣 当委員会によりましてこの法律案が可決をせられました場合におきましては、政府といたしましてもこれに協力をいたしてまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
#180
○倉成委員長 おはかりいたします。
 心身障害者対策基本法案起草の件につきましては、お手元に配付の案を本委員会の成案とし、これを本委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#181
○倉成委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#183
○倉成委員長 次に、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案及び衛生検査技師法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。山本政弘君。
#184
○山本(政)委員 先ほど医務局長から昭和五十年には正看と准看との比率は四対六になるだろう、こういうお話がございましたね。それでお伺いしたいのは、基準看護というのは五・三・二の割合で看護婦、准看護婦、助手の割合をきめておる、これは原則だと思うのです。現在行なわれていることは、看護婦不足ということを理由に通牒によって当分の間やむを得ない場合に四・四・二でよい、こうしていると思うのです。
  〔委員長退席、佐々木(義)委員長代理着席〕
そこでお伺いしたいことは、四十八万人構想でこれをどのように変更していくのか。局長は四対六だ、こうおっしゃっておるのだけれども、四対六であるならば、五・三・二という比率は、いつまでたっても実施をされないということになって、当分の間というものがずっとまかり通るのではないだろうか、こう思うわけであります。
 そこで、五・三・二の五に当たる看護婦養成が五十年に一体間に合うのかどうなのか。私は、先ほどの局長の御答弁からすれば、間に合いかねる、もっと端的に言えば、間に合わせる意思がないというふうに理解をするわけでありますけれども、一体間に合うとすれば当分の間という例外措置の四・四・二というものをいつ取りやめにするおつもりなのか、このことをお伺いいたしたいと思います。
#185
○松尾政府委員 基準看護の構成の問題でございますので、本来保険のサイドの問題ではございますけれども、原則として五・三・二であったものが四・四・二として当分の間ということは、実際は開始以来四・四・二の原則で来ているわけでございます。この基準看護、いま私が申し上げました四対六というような数字は、要するにマクロにおける日本じゅう全体の看護婦と准看の比率でございます。したがいまして、基準看護というものの実態は、病院に適用されている問題でございますので、本来は病院における実態がどうあるべきかということを一応考えながらこの問題は操作しなければならぬと存じますけれども、少なくとも、先ほどの診療報酬の問題と、同時に、保険局サイドにおきましてもこういう実態というものをよく見ながらそれにあわせてまいりたい。中医協におきましてもそういう御意思のように聞いておりますので、そういう実態に応じて変わってくるだろう、私はこういうふうに考えております。
#186
○山本(政)委員 中卒者の准看試験は当分の間実施するといっているわけですね。そうすると、この当分の間というのは比較的短期間ではないだろうかという感じもするわけであります。しかし、基準看護については、同じ当分の間でも、保険局というお答えもありましたけれども、ある場合には長期化というよりか永久化されることを実は私はたいへん心配するわけです。したがって、その当分の間という解釈ですけれども、これは一体どういうふうに解釈すればいいのですか。大臣のほうがいいと思うのですけれども……。
#187
○内田国務大臣 政府委員からお答えを申し上げます。
#188
○松尾政府委員 ただいまの四・四・二のような問題は、やはり保険の診療報酬といたしまして、医療機関におけるいろいろな看護の実態というものに対応して適正な支払いをしたい、こういう制度でございますので、やはり一つの理念というものがありながらも、実態というものを踏まえて診療報酬というものはきめていただくべきであろう、こういうふうに考えております。したがいまして、この当分の間も、いまいつということはお答えできないわけでありますけれども、先ほど来お答え申し上げましたように、やはり四・四・二におけるその後の需給問題、あるいは過去の比率の問題、その実態というものをよく見きわめながら処分をすべき問題であるというように考えております。
  〔佐々木(義)委員長代理退席、伊東委員長代理着席〕
#189
○山本(政)委員 最低五十年にはあなた方の充足計画は完了するわけですよ。完了するということは、先ほどから私が気にしているのは、質の低下はございませんということを大臣もおっしゃったし医務局長もおっしゃっておるわけです。それならば、五十年を目途に充足をすると一緒に、いまの四・四・二を五・三・二にするところまできちっとやるのがほんとうだと思う、それこそ質量ともに。つまり厚生省からパンフレットが出ておりますね、それの趣旨に合致するものだと私は思いますけれども、ここにちゃんと書いてあるじゃないか。「なにぶんにも看護婦必要数の増加は予想をはるかに上まわるものがあるため、さらに思いきった手を打つ必要に迫られています。」思い切った手が准看一年ということでは私は賛成をいたしかねます。「つぎに、数の不足の問題に劣らず重要視されなければならないのは、看護婦の質の問題です。」とここにありますよ。それなら四十五年には、あなた方は質量ともに解決をなさるということがここで言明をされていいと私は思うのですけれども、なぜそのことがここではっきりと言えないのか。そのことが私は疑問なんです。ぜひ私ははっきりとした答弁をいただきたいと思うのです。
#190
○松尾政府委員 私どもも、こういう需給状態の調整ということによりまして、ねらいとしましてはやはり看護の実態というものが、患者にとっても非常にいい条件になり、また働く方々にとってもいい条件になるようにつくりたいということからこういう計画をいろいろ考えたわけでございます。したがいまして、あくまで看護の実態というものがどうあるべきかということは、常に患者のサイドに立ちながら検討しなければならぬ問題だと存じます。したがって、過去におきまして五・三・二という比率が厚生省から出されたわけでありますけれども、必ずしも五・三・二だけにこだわることが本来の看護としていいのかどうか。いまの四・四・二というような形、あるいはもっと補助者を導入することが看護全体として看護の仕事をする上に非常に能率を上げるんだというような専門的な見解が出てくれば、私どもはそういう方向も十分組み入れなければならぬと存ずるわけでございます。したがいまして、必ず五・三・二ということを実現するということは、むしろ申し上げにくい状況かと存じますけれども、少なくとも私どもが考えております、五十年末という需給計画においてこれに到達できるという見通しがつき次第、これをいかにすべきかということに着手すべきだと考えております。
#191
○山本(政)委員 看護制度全般に関する基本的なあり方をどうするかということは、そうすると五十年以降に考えられるわけですか。それともいまあわせて考えているわけですか。
#192
○松尾政府委員 看護問題にもいろんな基本的な問題が残されております。したがいまして、それらについては常に検討しなければならぬとは存じますけれども、一応現状の段階では需給問題ということが一番切迫した状況にございますので、私どもは、やはり五十年末の状況を見ながらという検討が一番妥当ではないかと考えておるわけでございます。
#193
○山本(政)委員 そうすると、需給対策を五十年末までにやって、さらにあらためて看護制度の基本に関するあり方というものをもう一ぺんつくって、そうして、それじゃもう一ぺん手直しをすることになりますね、あなたのおっしゃるとおりにすると。
#194
○松尾政府委員 基本的な問題としていろいろ検討いたしますことは、そのためにいろんな事前的な勉強も必要でございましょうし、調査も必要かと存じますけれども、一応現体制のもとで、とにかく五十年末の需給の見通しをつけるということが先決である。しかし、その段階までの間にいろいろ検討もいたし、なおその需給状況を見ながら次のステップを考える場合に、これがどういう姿になってくるかということは、初めから予見を申し上げることは、ちょっとできないのではないか、こう思うわけでございます。したがって五十年になったあとにおいてもう一度何かやり直すべきだ、いわば制度的な意味でやり直しを必ず予定しているというようにはまいらないのではなかろうかと存じます。
#195
○山本(政)委員 これは局長でも大臣でもけっこうなんですけれども、はっきりしていただきたいのは、いま当面――これは箕輪委員も言われたと思うのですけれども、質の低下ということが世間で一般的に懸念されている、こう言っているわけです。しかし、それと同時に、あわせてそういう問題と関連をして、五・三・二、四・四・二という問題はやはり検討されなければならない問題だ、こう思うのですよ。しかし、それは要するに、まず充足が問題だとするならば、四・四・二というものは――つまりいま働いている看護婦さんたちは、現在のままで、五十年までは黙ってひとつ従え、従順に従いなさい、こういうことを意味しているのではないかと思います。そうでないというなら、はっきりそうでないと、そして五十年なら五十年をめどとして、それ以前にでも、つまりいまの四・四・二というものを直すのだ、これをなぜはっきり言えないのか。あるいは局長が先ほどおっしゃったように、五・三・二というものが、必ずしも自分はノーマルであるとは考えないというのだったら、かりに三・六・一でということでもあり得るということを言明してもけっこうだと思うのですよ。そういうことをお考えなしに、ただ人だけふやせということになれば、私どもは、やはりこれは安あがりの看護婦養成でしかない、そう考えてもやむを得ないじゃありませんか。その辺をはっきりしてくださいよ。
#196
○松尾政府委員 四・四・二を五・三・二にしなければという、そういう懸念というものが解けないという御主張でございますけれども、先ほど来申し上げましたように、四・六という形のものが、全体のマクロとしての姿になってまいりますので、基準看護自体の姿というものについては、これはやはりそれまでを待たずして私は改正すべきものは改正すべきだと存じます。そういう意味で、この四・四・二というものは検討してまいりたい、こう申し上げておるわけでございます。
#197
○山本(政)委員 要するに、端的でいいのですよ。つまり五・三・二というものを、将来変えるというのですか。五・三・二が原則なんですよ、いまは。そして四・四・二というものは、当分の間、これはやむを得ないからやるというのでしょう。そうすると、この原則というものも、将来は変えることがあるというのですか。それだけを聞かしてください。あるいは五・三・二には戻さないのだと……。
#198
○松尾政府委員 五・三・二に戻さないということを私は申し上げているわけではございません。ただ、これからの医療のいろいろな動き――過去にきめたものが、そのままとらえられていくだけではいけないと存じておりますので、たとえば先ほど来申し上げておりますように、補助者の導入等についても、もう少し検討を加える、そしてその実態をよく見きわめながら、これは改めるべきである、こういうふうに考えておるわけでございます。
#199
○山本(政)委員 そうすると、つまり看護制度全般に関する基本的なあり方ということについて、いまあなたのおっしゃった五・三・二、四・四・二と、こういうことも含めて、基本的なあり方として再考慮するというのですか。
#200
○松尾政府委員 当然そういうことは再考慮すべきだと存じます。
#201
○山本(政)委員 四十一年から四十三年にかけて、看護婦の志望者が、入学定員の五倍から六倍近くまでありますね。なぜこの志願者に門戸をもう少し広げて受け入れようとしないのか。私が疑問に思うことは、看護婦さんが不足だから、高校卒一年の准看を養成するのだ、しかし、そういうことをやる前に、志願者がそれだけ多いなら、准看養成所に高校卒業者をたくさん入れるように門戸を開くべきだと思うのですけれども、それをなぜやらないのか。高校卒業者が入ってきている、それは正看の道も、基盤が開かれるのだと思うのですけれども、それをやらないのはわからない。端的に言えば、そういう方法は費用がかかり過ぎるから、准看一年ということにやるのか。どうも理解がつかないんですよ。たくさん希望者がいるんですからね。それをなぜおやりにならないのか。
#202
○松尾政府委員 先ほど申し上げましたように、看護婦の三年課程あるいは二年課程という、看護婦になる養成施設を閉ざして狭くしておいて、准看だけをやろうということを決して言っているのではございません。いま二千名程度の一学年の入学定員を、看護婦については、その倍に近い一万二千人をさらにふやしたい、こういう計画でございます。したがいまして、私ども看護婦のほうを狭くして准看だけをふやす、決してそういう気持ちはございません。ただ、もう一方においては、需給問題というものをなるべく早く解決しなければならぬ、こういう要請がございます。それらの両者をよく見きわめた上で検討してまいりたいということでございます。
#203
○山本(政)委員 昭和四十一年に志願者は四万六百七十九名、定員は六千四百五十一人、だから、もしも定員を倍にしたら、一万二千人をこすわけでしょう。その翌年に志願者は四万一千二百五十七名、定員は六千七百二十八名、これも倍にすれば一万三千名をこしますよ。それを逐年やっていけば、かえってイージーという言い方は、ことばとして不適当かもわかりませんけれども、いまの看護婦不足を充足するのには一番手早い方法じゃありませんか。そして質としても、そんなに低下をしないということが言えるのじゃありませんか。なぜおやりにならないのですか。
#204
○松尾政府委員 御指摘のように、競争率も相当高い状態でございます。したがって、先ほど来申し上げたように、これに対応するような増設をはかりたい、こういうふうな計画でございます。ただ、その段階で、数字の上で直ちに倍にすれば、全部がいいではないかというのは、必ずしも現実にはそぐわない面もあるように考えております。もちろん、入学に関しましては、いろいろな試験をいたしております。また現実の姿でも、それだけの競争率がありながら、しかも人のとり方のまずさも影響しているのかもしれませんが、定員に満たないような確保しかできないという養成所も出てくるような実情でございますので、それらを含みながら、私どもは、やはり現実に照らして、先ほど来のように一万二千人程度のものをこれから伸ばしてまいりたい、こう考えているわけでございます。
#205
○山本(政)委員 いま私が申し上げたのは、三年課程の看護婦さんですよ。そこで四十四年を例にとってみましょう。志願者が四万四千五百十二名、一学年の定員が七千四百二十六名です。そうすると、これは五・四倍です。あなたは、暗に質の問題を云々されていると思うのですけれども、質の問題を云々されるならば――准看護婦の人で四十四年に四万七千七百名の志願者で、定員は三万六百八十五名ですよ。ほとんどが入っているんじゃないですか。私は、正看と准看の質の問題を必ずしも云々したくありません。しかし教育を受けたということになれば、三年課程の看護婦さんのほうがよりよくそういう教育を受けていると思うのですよ。だから、あなた方がそういうおつもりになれば、四万四千五百十二名の志願者の中から、定員が七千四百二十六名あるのを、かりに倍にしても、三年間の教育をやるわけでしょう。准看のほうは、それに反してあなた方は、四万七千七百名おるうちから三万人以上の者をとっておって、そしてこれは教育としては看護婦の三年課程よりかやはり私は劣っておるだろうと思うのです。そうすると、あなたのおっしゃることは何かちぐはぐな感じがするのですよ。そうなりませんか。
#206
○松尾政府委員 看護婦だけを増してくればいいではないかというような御主張のようでございますけれども、私どもが今回考えましたのは、准看という制度、現在あります制度というものを前提にいたしまして、また准看というものが現在の看護婦制度に非常に大きな貢献をしておるという実態にも着目いたしまして、そして五十年における先ほど来申し上げましたような相当大きな需要に対応しなければならぬ、同時にその質的な改善をどうしてもはからなければならぬという、こういう観点の両点から詰めた問題でありまして、決して質の問題を私どもは忘れているわけではございません。また同時に、養成力の問題もございますし、教員の問題もございますし、いろいろな問題もございますので、そういうものもにらんでいかなければ現実性のない養成計画になるのではなかろうか、そういう点も十分考慮の上、あらゆる角度からねらったつもりでございます。
#207
○山本(政)委員 どうもわからないのです。四十年から四十四年までの間に、かりにこれを倍にすれば三万人の看護婦さんがぶえるわけですよ。なぜ門戸を志願者に広げることができないのか、どうも私にはわからぬわけです。准看さんが貢献していないなんてだれも言っていませんよ。正看さんだって貢献していますよ。だから、准看が貢献しているとか、あるいは正看が貢献しているとかいう問題ではないと私は思う。数の不足と一緒に質の低下ということもあるわけでしょう。あなた方はそれを肯定されるならば――准看ばかりにウエートを置いておる、しかも今度は高卒一年ですよ、どうも私にはそれが納得いかないのです。
#208
○松尾政府委員 私どもも、先ほど来繰り返しておりますように、看護婦というものの養成力のほうに、むしろ比率で申し上げればウエートの高い養成力の拡充をはかろうとしているわけでございます。ただ三カ年課程というようなものになれば、それはふやせばいいという数字の問題は私どもわかっておりますが、やはり設置主体の問題もございますし、それから教員の問題もございますし、それらのことも考えて押えなければならぬという、そういう観点から一方は計算いたしまして、また同時に、先ほど来お答え申し上げましたような、いろいろな勤務条件の改善ということも早急にやらなければならぬという問題が一つございます。したがって、現行の准看というものを生かしながらも、なおかつ質の下がらないような形で確保したいのだ、こういうことで高卒一年というものを考えて御提案申し上げているわけでございます。その辺は一つだけをとって、こっちだけ考えればいいという事情がすべてを律するという段階ではないと私は思っております。
#209
○山本(政)委員 私は何も一つだけとって、一つがすべてだ、こう言っているわけではない。問題は、ふやそうとしていないということです。門戸を閉ざしっぱなしにしておくということはいけない。要するに、たとい年に五百名なり千名ふやしてもいいように思うのです、もっと大幅に。そういうことさえしていないということを申し上げたいのです。これは平行線で、極端なことを申し上げるようですけれども、私は、局長はさっきからの基準看護の話からしても、どうも質の低下を目ざしておるような気がしてならぬのです。私と全く反対なんですよ。
 時間がありませんので、次のほうに移りたいと思います。
 労働省にお伺いしたいのですけれども、労働基準監督署が病院などを監督することがありますね。それは私どもよく知りませんけれども、基準法の百一条か何かによるのだと思うのですけれども、病院の監督結果表というのが私の手元にあります。これは昭和四十四年四月から九月までの間に労働省が実施したものであります。その中で公立病院三百八、私立の法人が六百六十二、個人病院が三百三十九、計千三百九の監督した中で、違反率が九三%あるというのですね。そうでしょう。検査したうちほとんど九割以上が違反をしておるという事実について、一体労働省はどうお考えになっておりますか。
#210
○大坪説明員 御承知のように、労働基準法はたいへん広範な労働条件の範囲について最低労働条件をきめておりまして、手続的なことを含めまして非常にきびしい規制が行なわれておるわけでございます。病院について監督いたしました結果、おそらく先生のお手元にお持ちのと同じ資料だと思いますが、「主要条項別違反状況」というものをごらんくださればわかると思います。労働時間問題、休憩時間問題、休日問題、割増賃金、電離則関係、健康診断、就業規則、寄宿舎規則、こういう種類のものすべてについて見ました結果、そのどれか一つに当該病院が違反事項があれば、たとえば労働基準法の三十六条によりまして、従業員と超過勤務の協定を結ばなければいけないことになっておりますが、その手続をとっておらないとか、あるいは割増賃金の算定のしかたが基準法に規定したような形になっておらないとか、そういうものもすべて一つの違反に数えられて九三%という違反率になっておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、病院が女子労働者の使用をいたしております工場等の労務管理のしかたとずいぶん違う状態にあるということを前提にいたしまして、そういう状態にありながら、なおかつ労働基準法を十分守っていただけるような指導をこの際病院に対して十分申し上げていかなければならないと考えております。
#211
○山本(政)委員 病院が違う状態にあるのは何のためにあるのですか、それを聞かしていただきたい。
#212
○大坪説明員 私が申し上げましたのは、御承知のように、労働基準法というものは歴史的に工場労働者の労働条件の規制から始まっております。したがいまして、基本的に労働時間の規制のしかたであるとか賃金規制のしかたというものは、工場労働者の規制のしかたを原則としてきめておるわけであります。したがいまして、そういう点から申しますと、たとえば病院の場合は、昼も夜も看護婦さんが仕事に従事しなければならないというような特殊事情がありまして、工場とは全く違う職場環境もあるという意味で申し上げたわけでございます。
#213
○山本(政)委員 だから、昼も夜も仕事があるということは、それだけ仕事がきびしいということを言っているわけじゃございませんか。きびしいならば、基準監督のほうも、やはりそれに対してはきびしくなるべきがほんとうでしょう。そうでしょう。だからあなた方が、違う条件にあるとおっしゃっておるのを私は善意に解釈したい。それなら、たとえ条項がたくさんあろうがあるまいが、九三%という数字はたいへんな数字だと私は思います。あなたは働いている人たちの味方をなすっているのか、病院側のための弁解をなすっているのか、あなたのいまの態度は私にはわからぬ。どちらの味方か。働いている人たちの保護のために労働基準監督というものはあるのじゃありませんか。
#214
○大坪説明員 労働基準法というものは労働条件の最低基準をきめた法律でございます。したがいまして、当然、労働基準の最低基準に違反する状態について私どもは違反状態を問題にしておるということでございます。
#215
○山本(政)委員 なおさらのこと、私はこの違反率というのはたいへんだと思うのです。大臣、病院の監督の結果が、労働基準法違反が九三%という事実をあなたはどうお考えになりますか。九割をこしているわけです。
#216
○内田国務大臣 病院関係だけ労働基準法のワク外であるとは私は思いませんので、はなはだ遺憾のことだと考えます。
#217
○山本(政)委員 遺憾であるで済まないでしょう。「ニッパチ」の問題もあるだろうし、夜勤の問題もあるだろうし、割増賃金の問題もあるでしょう。個々の法人の病院の問題について、割増賃金は二百五十違反があるのですよ。実施事業場数六百六十二に対して三分の二じゃありませんか。労働時間は、公立の病院三百八に対して、男子に対して違反が二百四あるのですよ。女子に対して二百十九。こういう事実をあなた方は何と考えているのです。人間の不足ばかりじゃありませんよ、これは。
#218
○松尾政府委員 この違反の率は、御指摘のとおり私たちも非常に残念な事態だと存じまして、いま労働省からのお話のように、この計数の中には手続上の問題というようなものも含まれているやに聞いておるわけでございますけれども、少なくともそれすらもやれないというような実態ということは、やはり病院自体の姿勢にも関係する問題でございますので、この状況について十分病院を指導いたしますように、各都道府県にも私のほうから注意をしたところでございます。
#219
○山本(政)委員 いいですか、手続上の問題と言うけれども、ここに書いてあるのは、主要条項別違反状況の中には、労働時間の問題があります。休憩の問題がある。休日の問題があります。割増賃金の問題がある。健康診断、就業規則、そして寄宿舎の規則があるじゃありませんか。労働条件、労働環境というものがすべてこの中に含まれているのですよ。しかも含まれている中に九三%という違反率があるということは、あなた方がどれだけ労働環境を考え、労働条件を考えておるか、たいへん疑問なことをこの数字が証明しておるじゃありませんか。大臣、再度答弁をお願いします。
#220
○内田国務大臣 これは幾らお尋ねがございましても、私はそういう遺憾な状態が正しい姿と思いませんので、私は、大臣といたしましてはそれを逐次改善の方向に努力いたす以外にないと考えるものでございます。患者さんをシャットアウトするわけにいかない以上は、これは患者さんの診療行為は続けながら、その他の違反の要素を形づくる分野をでき得る限り是正をしていくことにつとめてまいりたいと思います。
#221
○山本(政)委員 私が申し上げたいのは、労働時間にしたって、割増賃金にしたって、休憩にしたって、休日にしたって、寄宿舎にしても、全部そういうものがきちんと、働いている看護婦さんたちの要するに満足するような環境を与えてやる、労働条件にしてやれば、やめていく人はおらぬということなんですよ。厚生省は七万人から八万人、私は推定十万人をこすと思うのですけれども、そういう人たちをやめさせない方策を講じないで、つまりあなた方は、入れることは入れるけれども、出て流れていく出口を押えないでやっている政策というものが、現実に看護婦さんの不足を招いているのですよ。
 人事院の人がおるから、時間がございませんが、私は最後にお伺いしたいのですけれども、いいですか。先ほどから申し上げましたけれども、賃金の問題一つにしたって、私は、少なくとも大学卒三年で、教員であろうと看護婦さんであろうと、賃金に変わりはないはずだと思うのです。それが一年目からもう二千六百二十円違いが出てくるのですよ。そして、五年たったら四千五百四十円の差が出てくる。そして、十五年たったら七千八百八十円の差が出てくるのですよ。そういうものに対して、看護婦さんが不足だと言いながら、そういう条件を満たさないで、一体だれが来る。少なくともこの賃金というものは上げてやるべきでしょう。そういうことについてひとつ最後に人事院の方にお伺いしたいと思います。一体、看護婦さんの賃金というものを大幅に上げる意思があるのかないのか。四十八万人という計画というものは、賃金の面とかあるいは労働環境の面を考えないと充足はできませんよ。かりに入ってきても職場から出ていくというようなことは、これは防止することはできませんよ。きょう大蔵省の方が見えないからたいへん残念なんですけれども、一体人事院の方はどうお考えになっておるのか。
#222
○尾崎政府委員 看護婦さんの給与につきましては、労働条件の問題もあわせましていろいろ問題になっております。私どもとしましてもできるだけ改善の方向に努力しておるわけでございます。
 それで、民間の実態を申し上げたいのでございますけれども、民間の看護婦さんの給与――私どものほうとしましては、一つには官民の均衡の問題、もう一つは内部の職員間の均衡の問題、この二つの原則をもって給与の策定をしておるわけでございますけれども、第一の民間のほうの看護婦さんの給与は、まず初任給から、昨年の調査ですと約三万円弱でございますけれども、それが二十一歳くらいで入りまして三十歳くらいで四万円になりまして、三十二歳になると四万五千円になる。四万五千円でほとんどストップでございます。三十二歳から四十四歳までの間四万五千円。四十四歳以上になりますと四万三千円という形で下がっておるという実情でございます。そういう関係でございますけれども、私どもとしましては、そういう官民の給与の比較をとりますと、たとえば昨年の場合にも、やはり公務員のほうが、ベースアップをしなくても七、八%高いという状況になっているわけでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、そういう民間の状況をそのまま公務員に当てはめるというわけにもまいりませんので、公務員内部の均衡という問題を考慮しまして、初任給につきましてはそれ相当のほかの大卒に近い給与とのバランスをとり、そして、いま申しました三十二、三歳程度まで民間としては昇給をしていくわけでございますけれども、公務員としましてはそれから先さらにずっと昇給するようにほかの職員とのバランスをとってやっております。今後さらにそういう点を改善するように考えていきたいと思います。
#223
○山本(政)委員 ひとつ、人事院のほうでもそういう意味では思い切って――よく私知りませんけれども、勧告なり何なりをひとつ出していただきたいと思うのです。
 最後に一つだけ例を申し上げて私は締めくくりとしたいと思うのです。国立の病院、療養所で保育所のある施設があります。保育所をつくっただけでどれだけ退職者が減っているかという事実が明瞭に出ているのですよ。四十二年に大分県の別府病院で保育所をつくりました。そのつくった当時の退職率は一一・八%であります。しかし四十四年にはそれが六・三%に減っているのですよ、退職者が。大村病院、四十二年にできたときには一〇・二%の退職者、それが四十四年には三・九%に減っております。平均の退職者は一二・二%、それが保育所をつくったところでは、国立の旭川病院では八%、村山療養所で九・八%。非常に少ないところでは浜田病院、これは早くからできているのですけれども、二・二%ですよ。そういうふうに国立病院あるいは療養所で保育所あたりの対策を立てたところは、明瞭に数字として出てきているのです。それが、今度の保育所をつくる予算は、たしか私の記憶に間違いなければ二百万円ぐらいでしかない。そういう方向が、看護婦さんを大量に充当しても、それから先逃げていくということになるのです。あなた方に私はぜひお願いしたいのです。もっと看護婦さんの環境を考え、働きやすいようにぜひ考えていただきたい。このことをお願いして、最後に大臣の御答弁をお願いいたします。
#224
○内田国務大臣 看護婦さんの増強問題につきましては、量質両面にわたりまして、私どもはそれの充実につとめてまいりたいためにこういう計画を立てたり、また、この法律案を御審議をいただいておるわけでございますが、そういうことを一方においてやりましても、ただいま御指摘がございますように、現在職場にある看護婦さんが、労働条件なりあるいは職場環境が十分でないためにやめていくということでは、これは全くお説のとおりしり抜けになりますので、そのほうのことにつきましても、できる限りの措置を講じていくべきであると考えまして、努力をいたしていく所存でございます。
#225
○伊東委員長代理 本会議休憩後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後二時二分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時五十一分開議
#226
○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案審査のため、明八日、参考人に御出席願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#227
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
 なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#229
○倉成委員長 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案及び衛生検査技師法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を続けます。川俣健二郎君。
#230
○川俣委員 ただいまの委員会には衛生検査技師法と保助看法の二つが同時に提案されておりますので、私はあえてこの際二つの法案を、内容を検討するなりあるいは関係団体の意見を伺うなり当局の考え方をただすなりしてまいりましたが、衛生検査技師法に対しては、私は賛成の意を表しながら、むしろいま時分おそきに失したではないかという感じを持ちながら、ある程度の質問をしてみたいと思うのでございます。
 と申し上げますのは、衛生検査技師法の法改正の趣旨にはるる提案理由の説明が書かれておりますが、この種のような仕事が、決してことし去年に急にこういう問題が起きたのではなくて、かなり前からこういうような仕事が医療の高度化に伴い、拡大に伴い、膨張に伴ってあったではないか、それをある程度、能力あるなしにかかわらず行なわれてきたのではないかというようなことを考えますと、これは衛生検査技師法で身分保障をするという法律のたてまえよりは、むしろ一般国民の、患者の立場、検査を受ける立場からいいましても、若干おそきに失したではないか、こういう意味において伺いたいのでございます。
 局長に伺いたいと思いますが、いつごろこういったものを検討されてきたのか、そしていままではどのようにやっておられたのか。衛生検査技師は一切手を触れていなかったのか。看護婦さんなりお医者さんなりがやってきたのか、こういった面を率直に承りたいと思います。その場合に、決して法律なんというのは刻々変わる社会に即応してできるものでもないし、国会もあれば総選挙もあることでもあろうから、その問題を追及しようとしておるのではございませんで、ただどういう実態であったかということをまず伺いたいと思います。
#231
○松尾政府委員 今回お願い申し上げておりますいわゆる臨床検査技師が実施しております仕事というものを、そうでない人がやっていたのではないか、こういう御趣旨の御質問かと存じますけれども、つまびらかにその実態を私ども知っておるわけではございませんが、今回の新しい病理学的検査のようなものについて、病院の中で、相当いわば経験を積んだような人たちが操作をしているということはあったであろうと想像いたしておるわけでございます。しかしながらこの問題については、そういう実態のあるなしにかかわらず、医療の趨勢から見てこういう仕事を分担させる必要があるということがいわれ始めてまいりまして、私どもが正式に研究会をつくりまして検討を始めたのが四十三年の十月からでございます。これには検査関係の学者でございますとかあるいは養成施設の人でございますとかそういう方々をメンバーといたしまして、いろいろな角度でこれを検討してまいったのでございます。しかしながら途中でも、関係するいろいろな団体がございますので、そういうところの意向もよく聞きながら調整をはかって、ことしになりましてようやく完全な一致した意見になったということで、今回御提案申し上げたような次第でございます。
#232
○川俣委員 そういう実態をさらに追及しようとは思いませんが、早急にこういった法律は成案を見て、そうして身分を保障して機能を確立させるべきだと思います。その内容としては、採血業務というのが非常に大きく出ておりますけれども、そのものだけをあまりにも取り上げて、衛生検査技師の中に採血という仕事があまりにもボリュームがふえて、単なる採血屋さんということになりはせぬか、これは私はしろうとだからこういう案じ方をすると思います。
 それからもう一つは、従来は看護婦さんなんかの手をわずらわしておったとすれば、その辺との悪く言って競合、よく言って看護婦不足というものがある程度こういったもので微々たりとはいうものの看護婦の労働強化が省かれると見ておるのか、その辺を伺いたい。
#233
○松尾政府委員 今回臨床検査技師については一定の採血行為を認めるということにいたしたわけでございます。この方々がいわゆる採血屋的に使われやしないかという問題はございますけれども、今回の採血というのは、あくまで臨床検査技師が検査に必要な採血を行なう、こういうものでございまして、しかも耳からとります採血でございます。あるいは手の指、足等のいわゆる毛細管からとります場合、あるいはひじの静脈といったような表在する静脈からとる、これも検査に必要な程度でございまして、大体一定の量に限りたいと存じますけれども、そういういわば必要小量の血をとることを認めるというふうにきめておるわけでございます。したがいまして、そういう目的のために、しかも医者の指示のもとに採血をするということでございますので、何でもかんでもいわゆる採血屋的に使われるということは、これはあり得ないであろうと考えます。
 しかしながら、従来看護婦等が行なっておりました検査のために必要な採血というものが、今回はこういう方々によって行ない得るようになりますので、その点では御指摘のように、一部看護婦が行なっておりました検査用の採血がこの人方の手にゆだねられて、看護婦さんの仕事も多少軽くなるであろうということは予想されるところでございます。
#234
○川俣委員 それではこれは行政指導の問題になると思うのですが、今度新たに世に出る臨床検査技師というのが単なる採血屋ではないのだということには、やはり強い行政指導が必要だろうと思うので、その点を強くこの際要望しておきます。
 それから、こういった従来やっておった者に新しく免許を与えるということになると、一番問題というかいざこざというか、移行措置の問題だと思います。今回、従来のそういった人方に講習を受けさせて国家試験を受けさせる、こういう場合に、その機関というか、どういった方法でやるのか。そして、これを全国的にやるとすれば、山間村落、僻地等を含めて一切国家試験という波に押されるわけなんですが、そういった場合に、その講習を受けられなかったために試験を受けることができなかったというような不都合が出てくるのではないかということを、衛生検査技師は一様に感ずると思います。特に私のように遠くみちのくの山奥のほうの人間としては、当然ながら感ずるわけです。その点をひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。
#235
○松尾政府委員 既存の方たが一定の講習を受けまして受験資格を得るための講習のやり方でございますけれども、これは御指摘のとおり、現実にいろいろな仕事を持って働いておられる方々でございます。したがって、そういう方々が受講できるような機会をつくってあげるということが何よりも大事だと存じます。これにつきましては、前にちょうどエックス線技師から診療放射線技師になりますためのさような講習会が持たれた経験がございますけれども、これらの経験等も参考にいたしまして、ただいま御指摘のような不便が起こらないように配慮したいと考えておるわけでございます。具体的には、やはりこまかく地域的に、少なくとも都道府県単位では講習を持つというようなことが、数によりましては必要であろうかと存じます。また学会等の御協力を得まして、それに必要ないろいろなテキストその他の準備をしておくということも必要でございます。なお、開催につきましてはウィークデーを避けまして、たとえば土曜日の午後でございますとかあるいは日曜日という、比較的遠隔の方々も集まれるような時間を考えて所定の講習を経るということで、不便な土地の方々にも十分受講できるように配慮してまいりたいと思います。
#236
○川俣委員 その移行措置の範疇でありましょうから、この機会にあえて確認しておきたいのですが、沖繩の問題です。これは非常に喜ばしいことで、悲願の沖繩復帰が間もなくなるわけですが、沖繩における衛生検査技師というのは、これも私はしろうとですから教えていただく意味で質問をいたしますが、本土におけると同等の資格を持つ者、これは本土で勉強した者と、それから現地での資格者と、この二通りがあるのだろうと思うのです。そこで、沖繩の有資格者に対して、改正法が施行されたあとどうするのか、その辺までやはり考えていかないと、せっかく沖繩復帰――というのはあらゆる法律の問題に波及すると思うのですが、今回特に移行措置ということで伺いたいと思います。特に現地資格者についてどうするのか、この辺局長の確認を得ておきたいと思います。こういうような質問をいたすのは、現地で働いている者を救済する方法をどうしても引き出してほしいということを要望する意味で確認したいと思いますので、当然ながらお願いいたします。
#237
○松尾政府委員 沖繩におきます衛生検査技師につきましては、ちょうどその内容が本土と全く同じ内容でございますので、これを復帰当時の経過措置といたしまして、医師等の場合と同じように一元的に取り扱い得ると存じます。なお、そういう方々がまた一定の講習等によって新しい臨床検査技師になりたい、こういう問題については、復帰の段階におきましていろいろな特別措置を講じて十分に対応できるようにはかりたいと存じます。
#238
○川俣委員 まあ法案というのは、どうしてこう、スムーズにいく法案とぎくしゃくする悪法、たたかれる法案が世の中に出るのだろうと思うのですが、きょうのこの同じ委員会に同時に出された一つのほうは、むしろおそきに失したというほどの法律であり、私たちは早く実現の日を見るべきだということで賛成すべきだと思うし、さて、これから始まろうとする看護婦法案というのは、これも第三者的な言い方で恐縮ですけれども、看護婦さん並びにそれにまつわるいろいろな関係者方があげて反対しておるというさなかにおいて提案された。こういったところは衛生検査技師法と比べて、法案を検討中の審議の状態がやはり違ったのじゃないか。衛生検査技師法というのは、衛生検査技師の意向を聞いたりあるいは世の訴えを伺ったりしたものが法案になった。ところが、これから伺いたいと思う看護婦法案というのは、そういったようないろいろの意見があったが、一切そういう意見が盛られないでしまったという不幸な案であると思うのです。
 そこで局長に、しょっぱな、話がついでになりましたから伺いますけれども、衛生検査技師法なんかに比べて看護婦法案というのは、関係者のいろいろな意見があったけれども、どうしても当局と考え方が合わなかったためにこの国会に出さざるを得なかったということなのか、それともいろいろとそういう意見もいれて、ある程度妥協的な産物になったが御審議願いたいという態度であるのか、その辺を承りたいと思います。
#239
○松尾政府委員 この保助看の制度の問題につきましては、関係するところは、一方では医療関係の団体もございます。それからまた専門団体と称しております看護協会もあるわけでございまして、私どもはやはりそれぞれの御意見もぶっつけまして聞いてまいったつもりでございます。結論としましては、たとえば医師会方面におきましては、こういうことについてきわめて積極的に賛成をしていただいております。それから協会におきましてもいろいろと御議論があったようでございますけれども、これもいろいろな機会にるる御説明をいたしまして、大部分の方の御賛同をいただいておるというふうに私たちは承知しておるわけでございます。ただそれに関しましては、これを実行するにあたっていろいろな角度で配慮してもらいたいという御希望の条件がありますことも承知しておりまして、そういったことを十分織り込みながら進めてまいりたい、こういうことでございまして、その限りにおいては専門の団体との間には私自身そんなに大きな差はなかったというふうに判断をいたしておるわけでございます。
#240
○川俣委員 内容に入ろうかと思いましたけれども、そういうことを言われますと、二十四、五万の働く看護婦の問題を、これから審議しようという保助看婦の問題を医師会が積極的に賛成したということであって、はたして二十数万になる一番大事な看護婦の集まりである看護協会、そして働く組合の人方、こういう働いている人方の反対というか、むしろ絶対反対、あえて私は、これは私に対する別にラブレターでもなければ激励のはがきでもない。一切看護婦さん方の絶対反対だという――それは看護婦の中にイデオロギー的に反対なのか、それとも内容的に反対なのか。イデオロギー的に反対であれば、私は社会党ですから、これは私に来るのは当然でしょうが、そうではないのです。看護婦さんの労働条件の問題よりもむしろ、これから看護婦を生み出そうという、ゼロのものを、卵を生み出そうという制度をつくるのになぜいまの看護婦さん方が反対するんだろうか、こういうところに、私はまず質問の内容に入る前にしろうととして疑問を抱くわけです。その辺をどういうふうに理解したらいいのですか。
#241
○松尾政府委員 どういう立場で反対をしておられるのか、反対の根拠というものは一々私ども存じませんけれども、一つにはやはり今回の高等学校卒業一年という制度が、准看教育といたしましても、質の低下を招くのではないかという憂慮からの反対をしているという問題があろうかと存じます。
  〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕
この問題についてはやはり私ども自身、率直に申し上げれば全国のいろいろな方々に非常にくまなくPRをしてわかっていただくという時間的余裕がなかったということも一つかと存じますけれども、少なくとも私どもは、そういう団体を通じましては十分なお話し合いをいたしました。特にこういう内容について、カリキュラム等についても専門家の検討をわずらわしまして、これで十分やっていけるんだというそういう検討の上で私どももこういうことを御提案申し上げたわけでございます。決して私ども自身が独走と申しますか、人の意見も聞かない、専門家の検討も経ないでというプロセスをとったわけではないつもりでございます。
#242
○川俣委員 それでは、先ほど山本委員からいろいろと意見を述べられておりましたが、ダブらない範囲内で私もある程度やはり内容に入らなければならぬので、少し時間をいただきたいと思います。
 改正の趣旨は医療の高度化、これはまあ質の問題だと思います。それから需要の増大、これは量の問題だと思います。この二本の柱のように私は見受けますが、そのように受け取ってよろしいのでしょうか。
#243
○松尾政府委員 一方ではそのように高度化もいたしておりますし、また需要もふえておる、この両面に対して手当てをしなければならぬ、こういうことでございます。
#244
○川俣委員 それでは最初に質の問題に入りますが、一番いいのはうんと質が向上して、うんと量的に多ければこれは一番理想なわけですが、しかしこれもやはり日本の世帯の中で養成し教育することですから、予算も伴うだろうし、こうおっしゃるのは当然でしょうが、それでは局長、現実ではなくて、看護業務にこたえるのに何年ぐらいの基礎教育が必要でしょうか、専門教育ではなくて学校教育で。それから何年ぐらいの専門教育が必要でしょうか。したがって何歳ぐらいが看護業務としてスタートするのに一番理想的なものだろうか。これはいまの法案とか現実を離れて、長年携わってこられた、しかもその方面の権威である局長に聞きたいわけです。
#245
○松尾政府委員 基礎教育といたしましては、ほぼ高等学校程度のレベル、これは看護婦としてのいろいろな技術、先ほど来申し上げました医療の高度化というような内容にも対応する、これを理解していくというような意味でも私は必要であると存じます。
 それからもう一つ、何歳というお話がございましたが、やはり人間と人間との触れ合いの仕事でございまして、その関係におきましては、これは幾つがいいかということは私どもよくわかりませんけれども、少なくともある程度成人をしているという年齢のほうが、対患者の関係から見まして好都合であろうというふうに判断いたしております。
 その上に立つ専門教育でございますけれども、これはいろいろな程度によりまして、どの程度であればもう完全であるということはなかなか言いにくいかと存じますけれども、やはり諸外国の例を見ましても、看護婦という姿それからそれと一緒になって働くいわゆる日本でいう准看的な存在というものとが一体となって看護の仕事をやっていくという必要性がございますので、それぞれそういうものに応じて教育をされればよろしいのではなかろうか。その一環といたしましての准看というものを、今度は高卒というベースに立った上で考慮して一年間、あるいは定時制の場合には二年間ということで教育をしてまいれば、ほぼ目的は達し得るというふうに考えておるわけでございます。
#246
○川俣委員 そうしますと、基礎教育、高校というのは無理のない言い方だと思います。日本の場合はある程度基礎教育というのは高校くらい、それから問題はプラス何年かというところでどうやら世が騒然となって、看護婦騒動がいま起きている。そうしますと、プラス一年というのは決して理想ではないんだが、いまはやむを得ないんだ、こうおっしゃるのですね。
#247
○松尾政府委員 一年というものを考える根拠にいたしました点には、ただいまやはり准看という制度がございまして、中学卒業というレベルで二年間、こういう教育を行なっている実態があるわけでございます。したがって、そういう既成に立っておる中卒二年という経過、養成計画、教育内容、こういうものと比較をいたしました上で高卒一年――高卒というレベルの人々がどの程度の内容のものが一年でこなせるのか、それは中卒二年という時間をかけてきたその教育に比較いたしまして、これは准看として劣るのかどうか、そういうところにもやはり私どもは詰めをいたしまして、それで専門家の検討も経た上でこまかいカリキュラムもつくり、これで大体いままでに劣らない准看ができ上がる、こういうふうにいたしたわけでございます。
#248
○川俣委員 そうしますと、高校進学率が非常に高くなったために中卒ではとても確保できないということから出たのではなくて、やはり基礎教育は高校くらい必要なんだという主体制が局長にはあるわけですね。その辺を確認したいのです。
#249
○松尾政府委員 現実の問題として、高校進学率が非常に高まったという背景はございます。ございますけれども、少なくとも看護職という形に携わる者は、看護婦であれ、准看であれ、少なくとも高等学校の卒業者というレベルに合わすことがいいのではないか。私どもがかりに今後いろいろな基本的な問題を考えるにいたしましても、すべてが高卒という線にそろったということで、次の線にも非常にやりやすくなるのではないか、いわばそういう質的、内容的にも将来の検討にまたがる足がかりをここでもつくっておきたい、そういう配慮もいたしたことでございます。
#250
○川俣委員 局長、率直に伺いたいのですが、中学を出たきりで四年間みっちり専門に携わった看護婦とそれから高校、これは普通高校ですから、それにプラス一年といういま局長の提案された法案と比べた場合に、看護婦としては同じ年代になるわけです。中学プラス四年の看護教育、それから高校プラス一年の看護婦さん、どちらが医療に対して歓迎されるのですか。
#251
○松尾政府委員 中卒四年という制度がございませんので、ちょっと現実の比較ができないのでございますが……。
#252
○川俣委員 どうも質問が悪うございました。中学を出てから四年間看護婦の教育を受けても、高校プラス一年といういまの提案でも、年代としては同じでしょう。そうですな。だから、普通高校を出て一年の看護教育を受けた人と、中学を出たきりの人に四年間みっちり看護婦の仕事をさせてきた、養成してきた人とあったとすれば、どちらが医療に対して歓迎されるのでしょうかというのです。
#253
○松尾政府委員 中学を卒業して四年間の訓練というのが、実は仮定の問題になりますので非常にお答えにくいのでございますけれども、これはおそらく二通りの答えが出るのじゃなかろうかと存じます。一つは、四年もかけたといたしましたならば、技術的にはかなり熟練をしておる、そういうことから、いわば受け取りましたときにすぐに使いやすい、こういう歓迎はあるのではなかろうかと予想いたしております。しかしまた同時に、看護に携わっております方々がよく言っておりますように、いろいろな手先の技術でない、いわば判断あるいは患者関係というような問題が必要だ。こうなりますと、高等学校における基礎的ないろいろな教養というものは非常に有効にその後働いてくるのではないか。おそらくこの二つの問題として受け取られるのではなかろうかと思います。
#254
○川俣委員 海外の二つ三つの例をお知らせ願いたいと思うのですが……。
#255
○松尾政府委員 今度のものに非常に近いものといたしましては、アメリカがいわゆる免許を持った実務看護という制度を打ち出して、いま盛んにやっております。これが大体高等学校を出まして一年――九カ月のところもあるやに聞いておりますけれども、大体一年ということであります。それからイギリスでは、中学を卒業して二年という程度の、いわゆる地方の登録看護婦という名称で呼ばれておるものがあるようでございます。それからニュージーランドでは、地方看護婦という形で、いわゆる高卒一年の課程を踏んで、六カ月の実習というような条件を付して認めておるものがあるようでございます。
 大体こういうわが国に似たような制度を持っております、いわゆる高等学校以上の三年課程というような看護婦以外に持っておる制度としては、以上のようなものでございます。
#256
○川俣委員 それでは質の問題で、一般患者に看護婦さんというのはどういうようなことをやれるのだろうかということは、私自身も当然ながら深くはわかりません。ただこういった場合、ちょっとある看護婦さんの日誌を読んでみます。お医者さんいわく、「僕は、いまから外出するから留守中静脈注射をやっておいてくれ」こうお医者さんが言う。「だめです、先生、ちゃんとやってから外出して下さいね」こう看護婦さんが言う。お医者さん、「なんだ、看護婦のくせに静注もできないのか、それじゃ君らは一体何をするんだ」こうしかられている。この非常に短時間の、屋外でもない一つの雰囲気における看護婦さんと医者との対話がある。それは断わったほうが間違いなのか、命令したほうが間違いなのか。
#257
○松尾政府委員 外出するというときに、その医師が注射をできるということであれば、私はやはり注射をしていくべきだと思います。特に静脈注射のような場合でございますと、これは従来から看護婦にやらせることが好ましくない問題とされておるわけでございます。ただ、事例によりましては、医者がそばについておって観察ができるという場合に行なわれるということまでは否定できないと存じますけれども、いまのような例であれば、やはり医者がしておくというのが常識であろうと思います。
#258
○川俣委員 そこで、看護とはといういろいろと論文もあるようですが、看護の独立性ということを考えた場合に、一般は保健婦とか助産婦というのは、これは何となく仕事が独立しているやに思える。ただ看護婦さんというのは医者の付属物というか、労使関係というか、看護という仕事をそういうように私が理解しておるとすれば正しいでしょうか、局長どうでしょうか。
#259
○松尾政府委員 極端なことばを使いますれば、過去におきましては看護婦というものが一種の医者のサーバントのような感じを持って見られた時代があったと存じます。しかし、看護の業務そのものはやはり患者の看護という非常に大事な仕事をしているわけでございまして、これは医者の指示あるいは医者の診断、治療方針に密接にタイアップいたさなければならない問題でございますけれども、看護の仕事自体については、それ相応の独立性が保たるべき問題でございます。
#260
○川俣委員 そうでしょう。それほどよくわかっておられるとすれば、高校プラス一年でどうして独立性が確立できるかということです。私も会社づとめを二十年やりましたから、女の子も使ってきましたけれども、普通の仕事でも高校を出て三年から四年くらいにならなければ一つの仕事を独立さしてやらせませんよ。まして生き物、しかも普通の生き物じゃなくて患者をなおす仕事に、高校プラス一年で世に羽ばたかせるということはどういうところから出たのか。ただ数が少ないから即席ラーメンでもつくろうかという考え方ならこれはわかるとして、しかし、これは厚生省の医務局が考えるとすれば、私のようなしろうとはきわめて理解できない。文部省あたりが厚生省に対して、そんなに足りないなら早く出してやろう、高校出も仕事がなくて弱っているから、一年くらいの看護教育をさせて看護婦に出してやるから厚生省のほうで使いなさい、こういうならまだ話はわかる。問題は、医療行政の中心になっている医務局が、高校プラス一年というもので世に出す、そして人体に当たらせる、患者にさわらせるということがどういうことなんだろうかという意味で、看護婦がこういう反対をするよりも、むしろ一般の人たちが不安になるのは当然じゃないでしょうか、どうでしょうか。
#261
○松尾政府委員 高等学校を出て一年程度で教育されるから非常に不安であるという御疑問でございますが、現在御承知のとおり、けさのお話にもございましたいわゆる学校教育の体系でということの一つの制度といたしまして、いわゆる職業課程の看護高校というものがございます。これは高等学校三年という課程の職業課程でございますので、その中に一般的な教養科目をやりますと同時に、准看に必要な勉強もいたし、実習もして、そしてこの看護高校を卒業した人はいわゆる高等学校三年という段階で准看の免状を受けているわけでございます。それと御比較になっていただけましたならば、まる三年間高等学校の基礎知識を積んだ方が、さらにみっちりその基礎の上に立って専門的な一年の教育を受けるということは、学校教育体系における看護高校の卒業生というものを全く否定されるならいざ知らず、そういうものがやはり高等教育体系の中で望ましいということであるならば、私どもは、それと比較いたしましても決してこれはひけをとらないのではないか。これは専門家の間にも、そういう基礎のレベルというものを置きまして決してこれに対しては劣らないのだという意見を私たちも聞いて踏み切ったわけでございます。
#262
○川俣委員 同じ看護婦でも准看だというところに何か安堵感を持っているようですが、それじゃ局長、准看と正看と根本的に違うものですか、どうでしょうか。
#263
○松尾政府委員 率直に申し上げまして、そこのところがたいへんむずかしい問題だと思います。と申しますのは、看護業務というものの中に非常に大きな幅がございまして、その幅のいろいろな程度に応じまして、いろいろな人々が、これに対応していけばいいという考え方がございます。したがって、この仕事は准看は全くやらないのだ、この仕事は絶対正看だということで区分をつける、そういう意味では、これは非常に現実にはむずかしい問題でございます。ただ、いろいろな最近における看護のあり方として、御承知のとおり病院等におきましても、いわゆる一つのチームをつくって、そこでいろいろと共同で作業していくわけでございます。その中において、これも教育だけですべてが――先ほど来お話がございましたけれども、教育だけですべてができあがるわけではございませんで、その後の実務経験その他の問題が必要でございますけれども、やはりそういういろいろな経験を積んだような人々が、そのチームの中でいろいろとリーダーシップをとってリードしていってあげる、そういう立場にいわば看護婦というものはなじんでおるというふうには言えるとは思いますけれども、基本的なものについては、これは看護婦である、これは准看であるというふうに区別することは、非常に不可能であると思います。
#264
○川俣委員 そういうことだと思います。それで、医務局長は単なる右顧左べんする行政官でないというふうに私たちも期待するだけに、こういう質問をしたのですが……。というのは、昨年の会議録によると、局長の考え方を、こういうように述べておるのです。「看護業務の中身につきまして、特に看護婦と准看との業務の内容でございます。法律上からいって、看護業務というもの自体、この二つのものに差はないわけであります。ただ准看が看護婦または医師、歯科医師の指示を受けて看護業務を行なうというところに差があるわけでございますが、実質的な看護業務自体については、その範囲において差はない、こういうふうに考えなければならないと思います。」こうあなたが見解を述べておられるが、それをずっと貫いていくべきだと思います。そうでしょう。そうしますと、准看というのがなぜ必要なんだろうかということになるわけです。いかがですか。
#265
○松尾政府委員 はっきり申し上げれば、非常に高いレベルの人たちだけであらゆる看護にかかわります業務をすべてこなす、これも一つの考え方でございます。しかし実態といたしましては、いろいろな看護の業務の中にも非常に大きな差がございます。非常にむずかしい仕事もございますし、むずかしい判断を要する患者さんもおられます。そういうものから、きわめて単純な軽快な仕事をいろいろとやっていけばいいという仕事まで含まれておりまして、そのすべてがうまく処理されなければ、少なくとも患者として入院しているときのことを考えますれば、患者にとっては満足のいく看護がされているという感じはしないだろうと思います。そういう意味から、いろいろな形、たとえば極端に申し上げますれば、午前中にもお答え申し上げましたように、こういう二つのもの以外に補助者というもののグループをお使いになるということも非常に必要じゃないかということを申し上げたわけでありますが、それらも、いろいろな仕事の始末のしかた、あるいは進め方というものについては、やはりそれに対応するような職種の方々がおられていいのだ。そこに判然とした範囲において差をつけにくいという問題はございますけれども、そこいらは、やはりチームとしてやっていけば、十分看護業務としては成り立つのではないか。非常に高いレベルの人が、低い仕事にばかりつくということは、これまた逆の現象が生じてくるわけでございます。たとえばアメリカあたりでも、そういうことが一時あって、いろいろそういうことが指摘されたようでございます。そういったようなことも十分考慮いたしまして、やはり准看というものは必要ではないかというふうに考えたわけでございます。
#266
○川俣委員 そうしますと、補助者、別にそういう制度があるとすれば、あえて准看というのは要らないわけですか。
#267
○松尾政府委員 アメリカで、実は看護婦と補助者グループだけによる看護というものを実施したそうでございますが、その結果が患者側にとりましても、あるいは看護婦さん側にとりましても、いろいろ不満を生んできたということで、たしか一九五〇年でございましたけれども、それから今日まで、先ほど来申し上げました高卒一年のライセンスを持つ実務看護婦というものの養成に踏み切って、非常に努力しているわけでございます。そういったようなことを、私どもはやはり一つの前例として、判断の材料に使っておいてよろしいのではないかと思ったわけでございます。
#268
○川俣委員 そういたしますと、看護業務の補助者がイコール准看であるというふうに単純に考えてよろしいですか。
#269
○松尾政府委員 私は、そうは考えられないと存じます。看護業務の補助者が准看ではございません。准看にもさらに別の補助者が要るはずでございます。
#270
○川俣委員 どうも、その辺が……。さっきは看護の独立性というのを教えてもらいましたが、私は看護婦というのは医者の付属物くらいに考えておったが、局長のほうは、いや、そうではない、独立性というのは必要なんだということから、それじゃ高卒一年でどうして独立性ということが言えるかということでぼくは言った。そして、だんだんに言っていったら、准看と看護というのは違うので――むしろ、いま局長は紆余曲折して言ったようだが、前の会議録によれば、准看と看護婦というのは、実質的には全然業務内容が違ったものではない、こうおっしゃつている。そうでしょう。
 それでは、角度を変えてみますと、保健婦さんとか助産婦さんというのは准がないわけでしょう。ところが、いま看護の総合性ということがよく言われている。前におやりになった金子先生とかが、いろいろと総合性というものを理論づけられておられるようですが、これは保健婦、助産婦、全部看護の一つなんだ、その看護の一つに仲間入りできるのは正看であって、准看は仲間入りできないのかというようにぼくは理解せざるを得ないんですよ。しかし、そうではない。保健婦、助産婦、看護婦というのは、全部同じ能力、機能を持つものだ、看護というのは、おそらくそうだと思いますから、そういうところから見ると、看護婦だけなぜ准看というものをつくるかというのです。歴史的な発生由来が、日本の場合は、医者の羽ばたきの中で、医者に育てられて、女中がわりに使われたものが、だんだんエプロンを着て准看護婦が生まれてきたというのなら話はわかりますが、医務局の立場が、准看が必要なんだということをなぜ言わなければならないかということが理解できないんですよ。その辺、もう少し説明してもらいたいと思います。
#271
○松尾政府委員 先ほど来から申し上げているつもりではございますけれども、看護業務というものが、一人の仕事ではございませんで、いわゆる大ぜいのチームをつくって――よくチーム・ナーシングということが言われておりますけれども、そういうチームをつくって、その人たちが全部一体となって、受け持ちの患者さん方のお世話をする、こういう業務として集団的には理解ができるわけでございます。したがいまして、そういう仕事の実態に着目いたしましたならば、それは准看という存在があって、その中で一体となってやっていっても、チーム全体としての仕事の調和と申しますか、関連性というものは保ち得るであろう、こういう意味で、准看というものが今日必要であるというようにわれわれは考えているわけでございます。
 ただ、先ほど来の保健婦と助産婦という問題に入りますと、これは、また現在の看護婦の上に、さらに特別な教育を受けている、こういういわばもう一つ教育を積み重ねた人々、しかも助産婦の場合、最近はわりに少なくなってまいりましたけれども、いわば独立してすべての業務をなさなければならぬ、こういう仕事も担当する人でございまして、全く独立して助産というものをやるという能力を付与しなければならぬ、こういう点で、さらに看護教育の上に積み重ねた、特殊教育を受けた人でなければやれないのだという認識になっている、その点は、チームとしての業務のあり方と多少違う性質を持っているのではないかと存じます。
#272
○川俣委員 どうも局長のおことばは、非常に御丁寧ですけれども、常々めぐりだと思うんですよ。准看婦は必要なんだ、ただし准看護婦にも補助者が要るのだということをさっきおっしゃったのでしょう。それだったら、問題は患者をなおすことが業務なんだから、医者からレントゲン技師から補助者から全部チームワークが必要ですよ。ただ看護婦とのチームワークが必要だから補助的な業務の准看が必要だというのは、どうも理解できないのですよ。そうでしょう。それだったら看護婦一本でどうして悪いかということをひとつ反論してみてください。
#273
○松尾政府委員 先ほど申し上げましたように、絶対に看護婦だけで構成をしたらいけないのだと私は申し上げたつもりはございません。看護婦全体ですべてをまかなうということであれば、それも一つの考え方でございますと申し上げたはずでございますが、ただ非常に高度の訓練を受けた人たちだけですべて看護業務をやってくれ、それがはたして効率的な看護といえるだろうかということに着目をいたしまして、その構成を考える必要があるのではないかという観点でございます。
#274
○川俣委員 そうしますとどうでしょう、大臣。いま二十数万看護婦さんがいる。それが医務局の看護課でやっておられる。普通だったら文部省あたりで、看護婦の試験を受けるまでは文部省管轄で、それからできあがった看護婦の行政は看護課でやるというなら話はわかる。ところが看護婦に仕立てるのも看護課でやらにゃならぬ、医務局でやらにゃならぬ。ここにかなりの行政上の無理があるような気がするのですよ。しかも看護課が一課、二課、三課、四課とこのくらいあればいいのですが、そういったものもあまりない。ところが看護婦になってもらうところまで心配しなければならないというのは、これはどうも行政上何か欠陥があるのだろうと思うのですが、どうでしょう、大臣。
#275
○内田国務大臣 先ほど来の厚生省医務局長と川俣さんの問答をつぶさに聞いておりました。看護婦のほか准看護婦という制度が必要かどうかというのは、確かに一つの御議論であると思います。しかし川俣さんもいまお触れになりましたように、現状においてわが国の看護婦制度というのは、二十六、七万おられる中で大体その半々が正看、准看、こういう割合を占ておるのでありますが、二十六、七万の看護婦、准看護婦さんの仕組みだけでは、今日の医療の高度化、広範化にとうてい対応できない。どうしたってこれから先のさらに医療の向上というようなことを考えてまいれば、五年先には五十万近い看護婦さんというようなものが――これは准看護婦をも含めての話でありますが、要るというような状況に厚生省は立たされているわけであります。そういう際に現実論として、准看護婦の制度というものもやめてしまって、そしてこれらの方々にさらに特別の修業機関をつくって、そして高度の看護婦に編成し直すということは、これはそのほうがいいかもしれませんが、現実論としては医療体制にマッチし得ないものであると私どもは考えたわけであります。そこで看護婦、准看護婦という二つの制度が必要かどうかということはしばらくおきまして、現在ある准看護婦さんの制度にいたしましても、できるだけ一般の素養も高いほうがよろしいし、またその高い素養、その上に立った専門教育というようなもののほうが吸収力もいい。現在御承知のように中学卒業後二年の養成期間で准看護婦の試験が受けられるのを、もしこれをかりに中学卒業後一年で准看護婦の試験が受けられるようなことを厚生省がしたとしますならば、これは准看護婦の質の低下をあえてしてまでも人間をふやすのかといって攻撃をされてもやむを得ませんが、そうでは全くないのでありまして、今度は基礎学力は高等学校にいたしまして、高等学校の上に一年間の看護婦としての実習の教育も受けていただいて、初めて国家試験が受けられるということにしようとしているわけであります。そうしますと高等学校は中学より三年長い、その上に一年でありますから、四年積み上げることになります。現在の制度は中学卒業後わずかに二年しか実習教育をしないわけでありますから、差し引きいたしますと、准看護婦の試験を受けられるのに二年長い期間を必要とする。ただし実務教育のほうは、現在の中学卒業後二年が高等学校卒業後一年になりますから、実務教育の期間がそれでは短過ぎるじゃないかという御議論もあろうと思います。しかしこれは世の中の実際を見まして、高等学校卒業生の場合と中学卒業生の場合を比較いたしますと、実務修業の吸収力という点を考えますと、高等学校卒業後一年の実務教育というようなことで、いまの中学卒業後二年に決して劣らない実務教育のカリキュラムを編成し得る、私どもはこういう結論に至ったわけでございますので、そこで今度の新制度をつくる、こういうことにいたしております点をまず御理解をいただきたいと思います。
  〔伊東委員長代理退席、佐々木(義)委員長代理着席〕
 そこで、当面そういうことをいたしますが、しかし今後の長い問題として、保健婦さんや助産婦さんには准保健婦、准助産婦というものはない、こういういまのお話でありまして、そのとおりでありますので、看護婦制度の中においてのみそういう二つに区分した制度が必要かどうかということになりますと、川俣さんのおっしゃることにも御無理がない、これはひとつみなで寄ってたかって研究をして、一本にしたほうがいいということであれば、さっき私が申しました、現段階でそれを直ちにやるのがいいか、さらに十分な検討を経た上でそういう根本的な論議に入るがいいかということは、ひとつそれだけの時間的余裕はぜひ与えていただいて、そうして検討をいたしたい、そうすべきじゃなかろうか、こういうふうに私は考えております。川俣さんのおっしゃるような御議論が、ひとり川俣さんばかりでなしに、大臣である私の耳にも入ってきておりますので、そのことに一切耳をかさぬということでなしに、それはそれといたしまして十分考慮に置きながら、いまの看護婦さんの質的向上をもはかりながら、またこの際量的の増高もはかっていこうというところに、今回の苦心の策がございます。でありますから、これはどう申しましても百点満点の策とは私自身も思っておりませんので、百点満点の策といたしましては今後またいろいろな段階を経てそこに到達をいたしたい、かように考えます次第でございます。
#276
○川俣委員 そうなんです医務局長、いま大臣がおっしゃったように、これは何もいまになって始まったのではなくて、前の議事録、資料等によれば、この社労委員会の先輩各位が長年うたわれてきたことがなぜ確立されないかということを考えた場合に、これは医務局長にもない知恵をしぼっておかしするようですが、厚生省でそういう学校教育というようなものをやろうとするところに無理があるのじゃないかというんです、私が言うのは。そうでしょう。お医者さんの羽ばたきの中で、医療の中で看護婦を養成するなんという考え方はぼつぼつやめるべきでないか。これは抜本改正だと思います。なぜ学校教育にできないのかというんです、看護婦さんを。でき上がったものは医務局がしごきましょうという態度にぼつぼつ出なさいというんです。そうでしょう。どうせ日本の看護婦さんなんというのは、いまのわれわれ子孫がどんなえらいことを言ったって、お医者さんの女中がわりから始まったんだ。だけれどもいまはそういう時代じゃないというんだ。基礎教育はりっぱな高等学校教育を受けなければならないのだ。それを自他ともに認めると同じように、看護婦業務も質並びに量ともに高度化し、そうして増大化してきた今日であるから、厚生省の医務局で看護婦をつくり上げようというところに無理があるのじゃないかというんです。私の言うのはそうなんです。その辺、局長どうです。
#277
○内田国務大臣 私が川俣さんのお尋ねにお答え漏れいたした点をさらにお尋ねでございますが、川俣さんの理想は私もたいへんよくわかります。たいへんよくわかりますので、いつの日かそういう時代を私どもは目ざしつつ、現実に即応した施策ということも医療体制の中で考えていかなければならぬということも、ぜひひとつ川俣先生にも御了察をいただきたいと思うわけであります。
 ところで厚生省は決して養成主義、養成所による看護婦さんの養成だけをいつまでもやろうというわけじゃございませんので、いまの医者の養成と同じように、それは正規の看護高等学校なりあるいは看護短大なり看護大学という、学校教育法第一条にのっとる学校制度の中でやるのがいいのだという考えも決して捨てていないのでありますが、しかし、それは理想論でありまして、いまそういうことをやりましても、養成のための看護教師というようなものがとうていにわかに得られません。さらにまた、現実に即して考えますと、看護婦さんあるいは准看護婦さんを志望される方々の中にも、やはり働きながら准看から看護婦になっていきたいという方々もおられますし、また看護婦にもなりたいけれども、その前にやはり一日も早く、一年も早く准看護婦になり、そして働きながらやがてはまた看護婦になってもいい、こういう考え方、進み方の方も現実におりますことは事実でございます。したがって、ここで一挙にすべてを学校教育法第一条に基づく正規の学校制度による看護高校、看護短大、看護大学というものをつくりましても、これは制度がりっぱになったからと申しましても、それで必ずしもそれへの看護婦さんの志望者が殺到してふえるという状況でもない点も実はあるのでございます。その辺は医務局長も苦労人でありまして、百も承知でありますが、百も承知しながら、今回のような、いま私があえて申した百点ではない、そういう政策も打ち出しながら、医療の現体制、また看護制度の現体制というものを少しずつ改善をしていこう、中学卒業で二年間で准看護婦というようなものも、当分の間、比較的短期な当分の間は認めますけれども、そういうものもやがてはなくなるわけでありまして、基礎が高等学校、こういうことになるわけであります。
 しかし、それらも状況を見ながら、また昭和五十年というものを目標としながら、私どもは一応の看護婦の需給対策というものも達成しようといたしておりますので、そのころを目標としながら、いまお話しのようなことも私どもは捨てていませんので、しっかり腰を落ちつけながら検討さしていただく、こういうつもりでございますので、そこのところを重ねて御了承いただきたくお願いをいたします。
#278
○川俣委員 ですから大臣、まあ苦労人でありますし、権威者でもあるから、局長を取り巻く回りの人方は、二十四、五万の現在の看護婦のいろいろな問題と取り組まなければならない行政と、それから、これから看護婦不足だということで看護婦をつくりあげる教育機関を考えようとしているのでしょう、いまの法案は。だから、そこに、どうも厚生省が医務局の中でやろうとするところに無理があるのじゃないかと思うのですよ。
 そこで、局長、今度の提案をされるとかえって多様化になってしまって、どの道を進んで看護婦になろうか、早道はどれだろうかということで、そういうことばかり考えられますよ。そうすると、今度は患者のほうは、あなたはどの道を歩いてきた看護婦かということにもなる。そうですよ。だから、日本の看護婦というものは、こういう教育過程を経てでき上がったら、もう医務局の行政指導の中に入るというような抜本的な改正の時期ではなかろうかというのですよ。ぼくは何回もそれを言いたいのですが、まだその時期ではないとおっしゃるのか。
#279
○松尾政府委員 いま大臣が申されたことで条件が大体尽きているかと存ずるのでございますけれども、私どもも決して私ども自身が看護婦の養成関係を自分の手に握らなければならぬという気持ちは毛頭ございません。むしろ文部省等におきましても看護高校等はどんどんつくってほしい、あるいは学校になりますものもどんどんふやしてもらいたいということをわれわれは言っておるところでございますので、そういう方向につきましては、私どもはまったく先生の御主張の線と方向は一致していると存じております。ただ、今日の段階で直ちにこれを抜本的に切ってしまってやれ、こう言われましても、いまもお話しがございましたように、いまの私どもは教育サイド、養成サイドというものからもものを考えなければなりませんと同時に、日本の医療あるいは看護婦さんたちの現実の増大する医療需要の中での勤務条件の改善でございますとかいろいろなことで、もっといい看護の仕事をやりたいという熱望、これにもこたえていかなければならないという状態でございましたので、したがってこの際、すべてを学校教育一本にしてしまう、あるいは准看教育も一切廃してしまう、これによって相当量的な養成というものは足踏みをするだろうと存じますけれども、しかしそれでもあえて踏み切るということは、いま申しましたような諸条件からしまして、私どもにはまだとうていできなかった次第でございます。
#280
○川俣委員 看護婦さんの世界というか労働というのは、私はもちろんしろうとですけれども、大臣だってわからないと思います。看護婦さんの世界とか労働条件なんというのは、これは看護婦さんでなければわからないと思いますよ。ところが、看護婦さんの集まりの協会というのがある。看護協会というものが一つの案を持っておるようで、皆さんも見せてもらったのでしょう。そういったところの話し合いがなぜ行なわれなかったかというところが、この看護婦騒動の不幸なところなんです。話し合ったけれども妥協点がなかった、こういうことならまだ話がわかるけれども、あまり話し合いもしないで、おれらにまかせろ、まかせなければ何もかも、予算も何もやらないぞというような言い方で行政指導をやっておるのじゃないかと思うくらいなんです。これは勘ぐりかもしれぬけれども。そうでしょう。
 そういう意味において、この問題は、社労委員会なんという、われわれ男性議員が、看護婦をやったことのない人方がやったところで――むしろそういった人方が、看護婦の皆さん方が医務局長を通じてあげて提案されたものを、われわれ社労委員が国会議員の立場で、それはいまの世の中ではまだ無理だ、予算が足りない、こういうなら話がわかる。私自身が看護婦をうしろにして、反対陳情をバックにして医務局長に言わなければならないというところに――これは賃上げとかボーナス闘争ならまだ話はわかるのですけれども、そうじゃないのだ、そこに何かがあるのだとぼくは思うのだ。医務局長、どう思いますか。
#281
○松尾政府委員 話し合いの回数も少なくて過ぎたのじゃないかというお話でございますけれども、私どもはやはり専門の団体である看護協会に対しましてかなりの回数お会いいたしまして、十分話し合いをいたしました。また私どもの課長方も、一人のみならず、向こうの幹部とも、ずいぶん夜おそくまでもいろいろ話し合いをいたしました。いろいろなお話し合いも詰めたわけであります。したがって、結論的には、いろいろな御希望がございます、条件もございます、そういったものも、これを実行する上においてこういうことは考えてほしいというところまで向こうが具体的にお出しくださった、そこまでも私どもは詰めたつもりでおるわけでございますので、決して話し合いなしにこういう問題を押し切ったというつもりは少なくとも持ってないのでございます。
#282
○佐々木(義)委員長代理 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。
   午後三時五十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後七時十分開議
#283
○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続けます。川俣健二郎君。
#284
○川俣委員 お待せいたしました。というように、やっぱり看護婦養成というか、教育機関を、医療制度、保険制度の中でやろうというところに無理があるのだということが大臣のお話の中にあり、私も十分に意見を述べましたが、そうして局長もおっしゃった。やっぱりそこをひもといて抜本改正と言うべきではなかったかと思うのです。高校プラス一年で量がふえるのだというなら、これは政治なんというものじゃない。算術というか、そんなんだったら、高校プラス半年じゃ悪いかということ、そこだと思うのですよ。ですから、准看護婦という制度がなぜ必要か――局長はああいうことをずっと遠回しにおっしゃった。結論は、准看護婦制度はあえてなくてもよろしいというような判断になると思います。ですけれども、いまの段階では、やはり歴史的なもの等々があって、そして、いまの制度を、三つか四つくらい看護婦になる道があるのだが、それを一ぺんにここでなくするということはなかなか至難だと思います。
 それからもう一つは、いままではお医者さんの羽ばたきの中で育てられてきた看護婦、ナイチンゲール精神で情熱を持って看護婦さんになられた人方を対象にしてきた。ところが、今後は学校教育でやるということになると、厚生省から大きく文部省に移管するという、日本の国ではやはりこれが抜本改正だと思うのですよ。ですからいまは移行措置でやむを得ないんだというような考え方を述べるのか、そうではなくて、准看制度なんというのはこれでいいんだ、高校プラス一年くらいがいいんだということでは納得しかねるという考え方で、私は次に進みます。
 今回は看護婦が不足であるという世の訴えに対する答申だと思います。そうしますと、局長、看護婦というのはなり手が少ないんだろうか、いわゆるなり手が少ないということは、志願者が少ないのか、それとも、せっかく勉強して試験を受けて看護婦になって白衣を着た、ところが、入ってみたら、だんだん結婚という問題も出てくる、家庭に入ると、青春時代にあこがれた単なるナイチンゲールの姿じゃ通らなくなった、現実はそういったもので、だんだんにやめていくという状態が非常に多いわけです。したがって、局長はどちらを取り上げていくのか。高校プラス一年ということをもし出せば、ばっと看護婦が出てやめる看護婦もいない。間もなく四十八万人になるだろう、これは五年後になるとおっしゃるのですが、局長どう思われますか。局長は苦労されているとさっき大臣も言っておられましたし、この業務に携わってきた権威のある局長ですから、高校プラス一年、その制度だけつくればいまの二十四、五万が四十八万になるんだ、やめる人もいなくなるんだ、こういうようなことを考えておられますか。
#285
○松尾政府委員 私どもは、四十八万人台に到達いたしますためには、高卒一年だけを制度化すればそれが達成できるとは考えておりません。これも一つの有力なるささえになるわけでございますけれども、同時に、従来の看護婦さんや准看の人たち、またこれから出てくる方々にも、退職していく人をできるだけ食いとめる措置をしなければならない。それも含めまして達成できるというように考えておるわけでございます。決してこの制度だけですべてが解決するとは私どもは考えておりません。そのためには、やはりけさほど来もいろいろ御指摘もございましたような、定着性を高めるような苦労というものは、いろいろなところでそれぞれやっていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#286
○川俣委員 そういうことからだんだん量の問題をかけ足で終わりたいと思いますが、数の問題です。いまの医療法というものは昭和二十三年ですか、二昔くらい前の医療法でしょうが。患者対看護婦の数はどのくらいを理想として、そして海外ではどのくらいなのか、そういったところをちょっとお聞かせ願いたいのです。
#287
○松尾政府委員 医療法できめられておりますところの標準と称しておりますけれども、その標準として病院に置くべき看護婦の数は、患者の数四人に対して一人というのが看護婦並びに准看護婦の標準として定めております。もちろん、結核でございますとか、精神でございますとかいうものにつきましては、これの例外を認めておりまして、現在約六対一という基準にしてあるわけでございます。
 海外におきますデータは、こまかく患者との対比は私ここに持っておりませんけれども、一般にアメリカ等におきましては、わが国よりもさらに看護婦の濃度は非常に高いというふうにいわれておるわけでございます。
#288
○川俣委員 そうしますと、いまは患者が非常に多くなって、それに即応して看護婦がふえないというように理解していいですか。
#289
○松尾政府委員 病床も実は非常にふえております。したがって、入院患者もふえておるわけでございますけれども、実は看護婦もふえてはきておるわけでございます。ふえてはきておりますけれども、病床の数のふえ方も、一年に四万数千ベッドあるというような勢いであります。いろいろ新規の卒業生も、新しいそういう病床の需要に対応してそちらに吸収されていくということになりますと、従来不足しておるものがなかなか埋めきれない、こういう事情はございますが、しかし看護婦のほうの伸び方と病床の伸び方を比較すると、最近はやや看護婦の伸び率のほうが上回ってきておるということで、徐々に回復しつつあるような状況であります。
#290
○川俣委員 この辺で数字で少し戦いたいのですが、時間もあれですから……。
 かつて局長、人事院の判定で、例の「ニッパチ」闘争ですか、あれがありましたが、判定を実施されておるとはいま見受けられないと思うのですけれども、いかがですか。
#291
○松尾政府委員 人事院の判定が国立の医療機関を主として対象にいたしまして四十年の五月に出されたわけでございます。その中で、その後とりました措置といたしましては、あの判定のこまかい文章の中にもございますように、やはり勤務するためのいろいろな環境の整備をまずはかるべきである。そういう悪い条件の中で直ちに増員ということは悪条件を積み重ねるようなものだというような御指摘もございましたので、その後三カ年にわたりまして合計約五千五百万程度の予算を特別に計上いたしまして、国立病院、療養所の看護婦の仮眠室を整備いたしましたし、あるいは夜間の暖房設備を整えましたし、あるいは連絡のためのインターホンその他の施設を整備いたしまして、勤務するための、特に夜勤のための勤務環境の整備をはかりました。それから、四十四年に至りまして大体それが終わりましたあとで増員というふうに計画をいたしまして、四十四年では二百四十一人がこのために増員になったわけでございます。しかし、四十五年からは、午前中大臣のお答えにもございましたように、三カ年計画をもって一応の目標を達成したい、こういうことで第一年度をことし増員をいたしたわけでございます。
#292
○川俣委員 かなりそつのない、けっこうずくめの御返答ですけれども、それだったら、看護婦さん方がこんなに騒ぐことはないんだ。また、高校卒プラス一年ということは考えないほうがいい。人事院の判定をやりたくても実施できないわけでしょう、そのとおりやりたいんだが。これは厚生大臣がやらせるべきか、人事院の総裁が強制力があるのか、総理大臣がやらせるのかわかりませんが、人事院の判定は非常にいいものだったのです。ところが、それが実施できないわけですよ、数が少ないから。それが実態なんだ。だけれども、曲がりなりにもやっておりますというような答弁があると、私らが審議に入ったって、何のためにこの問題を審議しているのかわからないような気がするのです、そういう考え方であれば。
 そこで、ラウンド数字なんだが、毎年三万人くらいの白衣を着る新しい看護婦さんが生まれる。ところが、一万五千人くらいはやめるというように、私らはラウンド数字をつかんでおりますが、この数字はよろしいですか。
#293
○松尾政府委員 約三万人ないしそれ以上の人が最近におきましては新しく就業いたしております。そのとおりでございます。それから約一万三千ないし一万五千程度の者がやめていく。しかし、これは三万人の中からやめているという数字ではございませんで、四十三年でいえば、二十六万七千人という就業人口、その二十六万七千の中から、ことしの間に一万五千程度やめていく、こういうような実態でございます。
#294
○川俣委員 そこまでは御説明いただかなくとも、三万人入って一万五千人出ていくというのは――普通の仕事だったら、ある程度のそういう年限になってやめる、退職金ももらってやめる、年齢的にもう業務に耐えられないという状態でやめる、こういったことが普通の仕事です。ところが、看護婦さんの場合はそうじゃないでしょう。局長、そこを聞きたいわけです。
#295
○松尾政府委員 早いおそいの程度はいろいろありますけれども、看護婦の場合でも、やはり一定期間勤務をいたしまして、そのあとで、いろいろ家庭の事情等がございましてやめていくという方がもっぱら多いケースでございます。新しく入った人がすぐやめていくというケースは比較的少ないのでございます。
#296
○川俣委員 やめる年齢層をあとで数字で――この会議の場でなくてよいから、はっきり資料として出していただきたいと思います。私は、その資料が、局長のほうから出た資料かどうか判明しませんけれども、高等学校を出て、一緒に看護婦になった人方が五人に三人くらいはやめるやに聞いておる。だけれども、それははっきりした数字じゃないから、それは比較的三十前後、むしろ若いほうの層に多いと見る。それは、ほかのほうの仕事に魅力を感ずるのか、あるいは条件がいいのかは別として、そういう層が厚いと私は聞いておるのですけれども、これは的確な資料をいただいて、また別の機会にお伺いしたいと思います。
 そこで問題は、毎年やめていく一万三千ないし一万五千人の潜在看護婦というものは免許を持っています。これを引き出すということが行政じゃございませんか。これを考えておりますか。何か具体策はありますか。
#297
○松尾政府委員 いわゆる免許を持って、主として家庭に入っている方、いわゆる潜在看護力と称しておりますけれども、この方々にもやはり再就職をしていただきたい、私どもはこう考えているわけでございます。したがいまして、やはりしばらく仕事から離れておりますと、医療機関の中に帰るということについてかなり不安を覚えるようでございます。そういう意味で、四十二年から実は講習会等を厚生省でも行ないまして再教育をやったわけでございますけれども、四十五年度からは、それを四十六カ所、一県に一つ程度ということで、厚生省の手で講習会がやれるように予算化をいたしました。そういうことによりまして、きめこまかく講習会の分布を考えまして、そこで最近の看護の問題あるいは医療上の問題について新しい知識をもう一度与えまして、勇気をもって再就職してもらいたい、こういう措置を講じているつもりでございます。
#298
○川俣委員 そういう講習会とか、あるいはお願いしますとかいうPRなんというものは、いまどき通じない政治だと私は思います。私はやっぱり労働条件だと思いますよ。いろいろと仕事があるのですが、いまどき世の中でわりかた堂々と労働基準法違反が黙認というか、あたりまえのように思われておるチャンピオンは看護婦だというのです。医務局長は聞いておりませんか。
#299
○松尾政府委員 医療機関におきます労働基準法上の違反がきわめて高いということは、午前中山本先生からも御指摘のあったところでございまして、私どももまことに残念だと存じております。その内容が、大部分が看護婦だというようには私どもは承知いたしておりません。もちろん、数の多い職員でもございますので、その中にはそういう違反の事実があろうかと思いますけれども、それだけが一番多いかどうかということはつまびらかにいたしておりません。
#300
○川俣委員 そういうとらえ方をされるのでしたらあれですけれども、私はパーセントで言っておるのですよ。基準法違反をやっておる職業というのは、看護婦の割りが非常に多いんだということです。
 それから、労働条件の中でやっぱり賃金だと思うのです。賃金というものは相対的な問題です。片方は、同じ短大を出て学校の先生に就職をする。同級生というか、昔から高校が一緒だった人が短大を出て看護婦さんになる。この賃金の開きがあるものなのかないものなのか、ずっとある程度一緒のものなんだろうか、その辺を伺いたいのです。
#301
○尾崎政府委員 看護婦さんと学校の先生の給与につきましては、仕事の性質がもちろん違いますし、給与表が立てられているいきさつもいろいろ違っておりますので、直接の比較はなかなか困難でございます。
 第一に、教員の場合には、昭和二十三年に当時の俸給表の切りかえがございまして、このときにいわゆる超過勤務手当的な色彩のものを俸給表に繰り込むという話がございまして、それが現在問題になっているところでございますけれども、そういうことで有利な切りかえがなされてきておるわけであります。看護婦さんの場合には、そういう関係はございませんで、一方において、超過勤務手当、夜勤手当、その他の手当が出ておる。そういう関係で、直接の比較はなかなか困難でございます。しかし、一般的に申しますと、看護婦さんの場合は、短大卒を基礎とした給与表が立てられておる。教員の場合には、現在大学卒がたてまえでございますから、大学卒を中心とした俸給表が立てられておるという関係になっております。
 それから、民間の関係を申し上げますと、民間の給与としましては、教員の場合には昇給が年を経るごとにずっとだんだん上がっていくという形になっておりますのに対しまして、看護婦さんの場合には、午前中ちょっと御披露いたしましたとおり、初任給は約二万九千円でございます。それから三十歳ぐらいで四万円くらいになりまして、三十二歳で四万五千円くらいになります。三十二歳以上になりますと、四万五千円から上がらないというのが民間の実態でございます。むしろ四十四歳くらいになりますと四万三千円くらいに下がるという関係でございまして、三十二歳以上になりますと昇給がほとんどないというのが民間における実態でございます。公務員の給与は、一つには一般に民間の業態とのつり合いというものを考え、一つには公務員相互間における職種間のバランスという両面を考えてやっておるわけでございますけれども、いま申しました民間の三十二歳以上昇給がほとんどないという状況をそのままというわけにいきませんので、約六万三千円程度まで引き上げるというバランスをとっているわけでございます。そういう関係で直接の比較はなかなか困難でございますけれども、また、いわゆる超勤的な問題も中に含まれておるという関係で、直接の比較はなかなかむずかしいということを申し上げたいと思います。
#302
○川俣委員 人が少ないから夜勤が多い、夜勤が多いから人が少なくなる、まあうらはらだろうと思うんですがね。やっぱり私は労働条件だと思いますよ、やめていくというのは。お年だからおやめになるやに聞こえた医務局長の答弁でしたが、これは、さっき約束したとおり、的確な数字でいつか披露していただきたい。夜勤が多いから、賃金が安いから、そしてからだがもたないから、したがって魅力がないからですよ。これが現世の労働条件というものだと思います。やっぱりやめる原因はこの辺にあるだろうと思うのですよ。ですから、高校プラス一年で早いところつくるなんということを医務局長考えないで、むしろ、そのくらいの大ごとをやるのなら、お金を使うのなら、やめていかない方法を考えたらどうかと思いますよ。年齢になったらやめていくというのはいいですよ。ですけれども、三万人つくって一万五千人やめていくというのは、これは行政としては失敗だと思うのです、大臣どうでしょう。
#303
○内田国務大臣 おことばを返すつもりはございませんが、先ほども局長から申し述べましたように、現在の看護婦総数が二十六、七万の中で年々やめられる方が六%ないし七%、一万何千人、こういうことでございまして、年々卒業する三万余人の中から一万数千人がやめてしまうということではない。この点はひとつ御理解いただきとうございます。
 しかし、それにいたしましても、先ほどから私申し述べましたが、人さえつくればいい――看護婦さんなり准看護婦さんなりつくっても、せっかくでき上がったそれらの有能なる職業を持った婦人の方々がやめていくというようなことでは、これは全く意味がありませんので、私は両々相まって、新しい養成もして、これらのりっぱな職業人もつくるし、また現在その職業に携わっておられる方々がやめないで済むような給与の改善、あるいはまた、職業環境の改善もぜひやりまして、そして、私どもの行政の効果があがるようにいたしていきたいと考えております。
#304
○川俣委員 結局、局長、高校プラス一年というところで大騒ぎになっているわけだから、いま准看から正看になる窓口が非常に狭いのでしょう。ところが、厚生省のお役人さんの中である人はこうおっしゃった。准看で満足している人がたくさんいるよ、こうおっしゃった。そうだろうか。看護婦さんになった以上は、やはり正看になるのが理想じゃないだろうか。どうでしょう、医務局長。
#305
○松尾政府委員 それで満足しているという、だれが申し上げたか存じませんけれども、少なくとも私どもは、そういう意識では受けとめておりません。ただし、それで満足しているからという意味じゃなくて、自分が進学を特に希望しないという方もおられるだろうということは事実かもわかりません。しかし、私どもは、やはりそういう経験をされた方が一定のコースを持って上の看護婦になる道、これはぜひひとつ拡大をしたいと考えております。今後とも特にそういう方向に重点を置いてやりたいと思います。なお、働きながらそういう学べる進学コースというものに重点を置いて今後は整備をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#306
○川俣委員 質問者も控えておられますからぼつぼつ終わりますけれども、高校プラス一年というのは、これは看護婦さんその他の組織が反対するとかなんとかいうことよりも、むしろこんなのは国民の一人から反対ですよ、そう言っては悪いけれども。こういう人方は、即席の頭数をそろえればいいというのだったら、何も一年なんて要らないです。そういう意味でどう考えたって今回の改正というのはできが悪いと思います。だから、さっき言ったように、医務局長がなぜ看護協会なら看護協会という二十何万の代表でわれわれに当たってこないかというのだ。それを相手にして、われわれのうしろに看護協会がいるような状態だからだめだと思うのですよ、こんなのは。そうでしょう。そういうところは、これはあくまでもできの悪い法案だと思います。そういう意味で私は、これはどう見たって反対、賛成の意はとうてい述べられないことを申し上げて私の質問を終わります。
#307
○倉成委員長 島本虎三君。
#308
○島本委員 きょうは提案されております衛生検査技師法の一部改正法案並びにもう一つ、保健婦助産婦看護法の一部を改正する法律案、この二つが同時に提案されたわけであります。また審議も同時審議であります。そういうような状態からして私どもは、先ほどからいろいろな質疑を通じまして、この中でやはり大臣に聞いてみなければならないと痛感した点があるわけであります。
 大臣は、この二つの法律案を一人でお読みになったわけです。提案理由の説明もはっきりなされたわけであります。そこで私が感じたのは、片や衛生検査技師法の一部を改正する法律案、この中には従前のいわゆる高卒二年の検査技師、こういうようなものは知事免許であった。今度の場合は、本法によって高卒三年にして大臣免許にする。これが衛生検査技師法の一部を改正する法律案のいわばお経でいえばありがたい点なのであります。片や、一方の看護婦法案のほうを見ます場合には、これまた全然逆になっているのであります。看護婦は一年にしてこれをやるということになっておる。こういうようにしてみますと、片や、これはもう一年延ばして、そして医療制度の変に応じて完ぺきを期さなければならない、こういうようなことではっきりうたっておるのであります。片や、これまた、いままでちゃんと二年なり三年なり、こういうふうなのを、今度は急に一年にしてこれをやり遂げる。同じ医療行政の中で、こういうふうにはっきり違う。こういうような仕組みは、何のためにこれがあらわれたものであるか。私は両案が一括して審議されることに相なりまして、この点はなはだふに落ちないのであります。最近の情勢あたりから見ましても、大臣のほうでは、私ども以上に十分これは知っておられるとおりなのであります。ことに、こういうような問題につきましては、私どもは常々感じておりましたが、医学の進歩発展に即応するために、医学教育はすべて従前の養成よりもさらに延長するのが現状である。そしてエックス光線技師が放射線技師になって、二年制が三年制に変わった。そして衛生検査技師も、二年制を今度はまた三年制にしておる。こういうふうな一貫した姿勢の中で、今度は保健婦助産婦看護婦法の一部改正法案の中では、今度完全にこれを一年にしてやろうとしている。これはまさに考えの逆行か、ふくそうか。これは支離滅裂な点があるのじゃないかと思われますが、どうして同じ提案が、同じような医療行政の中で、こういうふうな違った過程を歩んで出されたのであるのか。私はなはだ理解に苦しみますので、大臣の高邁なる御答弁を承りたいと思う。どうです。
  〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕
#309
○内田国務大臣 島本さんからお尋ねでございますが、今回の准看の国家試験を受ける資格は、文字どおりから見ますると、二年を一年にしたように見えますが、いままでの二年というのは、中学卒業後二年間の養成を経て准看の国家試験を受けられるということになっておりましたのを、今度は高等学校ということで、三年間基礎教育の分を上げまして、高等学校卒業後一年間の養成期間、こういうことにいたしましたので、差し引きいたしますと、これは准看の資格を得るための養成期間が二年間延びた、こういうことに相なるわけでございますので、看護婦さんあるいは准看護婦さんが足りないからといって、程度を低くしてここで急増しようということでは決してございませんので、そのことを御了解いただきたいと思います。
#310
○島本委員 これは理解してくださいということでありますけれども、この点が十分理解ができないのでいろいろ質疑が展開することに相なろうかと思うのであります。
 また、この衛生検査技師法の一部を改正する法律案、これから少し入ってまいりたいと思うわけでありまするけれども、先ほどから山本委員の質問で、いろいろ名称上の問題だとか、または予算措置上の問題でだいぶ問題が惹起されたのであります。それは、大臣もこの点明快なる答弁に欠けましたけれども、国立病院勘定の看護婦生徒養成費六億三千七百八十八万円の内訳、この内訳でありまして、いろいろ看護婦養成に必要なる経費であるとか、国立病院の看護婦再教育の経費だとかいろいろあった。その最後のほうに衛生検査技師養成所経費一千九十七万円がある。これは「等」であるとかなんとかということでだいぶ問題になったようであります。それで衛生検査技師の養成費、こういうようなものもこの中に入れておいたということがもしあったとすると、この点まぎらわしいものの一つなんです。まぎらわしいのはそれだけではないのであります。この中で、先ほどからいろいろ問題になり、箕輪委員並びに山本委員等からもこの点の質問があったわけでありまするけれども、今度は採血行為をするということに相なるわけであります。そうなりますと、これは看護婦の仕事としてあるわけであります。看護婦の肩がわりをさせられることになるのじゃないか、したがって予算もその中に組んであるのじゃないか、こういうふうにして一貫して考えられるような道しるべを皆さんのほうがおつくりになっているわけであります。残念ながら山本委員はその辺までお言いになりませんでした。その前に理解してくださいました。しかし、予算のこの配列を見、また採血行為をする。それも看護婦の仕事としてあるのに、今度はあらためて衛生検査技師なるものがこれをやるようにする、こういうようなことになるのであります。そうなりますと、いかに抗弁しようとも、やはり看護婦の肩がわりにするためにこういうようなことも考えておるのじゃないか、こういうようにいわざるを得ないのじゃないかと思うのであります。偶然にも一致したものであるか、初めから恣意によってこれをやって、見破られたものであるか、これはなかなか問題のあるところであろうと思うのであります。この点ひとつ、ざっくばらんに大臣からはっきり釈明しておいてもらわないと、これは困るのであります。
#311
○内田国務大臣 今回の看護婦制度の質量ともの増強の施策と、それから衛生検査技師のほかに臨床検査技師というものをつくりますことは、時期を同じくして、また私が一緒に御説明をいたしましたけれども、全く関係はございません。予算につきましても、これは山本さんも最後には御了解をいただきましたが、看護婦関係の養成の経費というものは、その中に衛生検査技師あるいは臨床検査技師の経費を突っ込んで、看護婦養成のために国立病院等がいかにも大きな金を出しておるように中身をふくらまして入れたということでは全くございませんので、この検査技師関係の予算を引き出しました准看護婦関係の予算というものは、先ほど述べましたとおり数字にあらわれておることも御理解いただいた次第でございます。また、採血関係につきましては、臨床検査技師の方が今度新しくおやりになる採血というものは、その検査のためにする採血をいたすということがたてまえでございますので、看護婦さんの仕事を押しのけて臨床検査技師が肩がわりをする、こういう趣旨のものではございません。しかし、採血はいたしますから、その限りにおきまして看護婦さんの仕事と競合する面はございますけれども、これはしわ寄せとか肩がわりとかということではなしに、検査技師本来の仕事の前提としての分野に関する限り採血の仕事をやる。それも医者の指導のもとにやることでございますので、その辺につきましては紛糾のないようにいたしておるものでございます。
#312
○島本委員 もうこれは肩がわりにならないという規制、これをはっきりさしておいてください。これは事務当局に……。
#313
○松尾政府委員 いま大臣からお答え申し上げましたように、この臨床検査技師の認められる採血は、あくまでも検査のためのものでございます。しかも、そういう場合におきましても、耳朶採血でございますとか、あるいは手の指等から採血をいたします場合、あるいはひじの静脈等からの表在静脈から採血をする、それも一定の限度内というような、まさに検査のためだけに必要なものということに限定するつもりでございます。なお、そういうことについては、この法が施行されます際においては、私どものほうからも十分そういう点について誤解のないように徹底をさせるつもりでございます。
#314
○島本委員 そういうことを言うから、次から次へと言われるのだよ。規制するのに、こういうようにするという三つの条件があるじゃないか。二十ccに限定するとか、具体的に医師の指示によるとか、検査のための限定をはっきりさせる、こう事務当局ははっきりしておるのだから、まぎらわしいことばを言わないで、いま言ったのはあなたのほうから言う答弁だよ。答弁を私が聞かせなければならないようなそういう答弁をするのじゃだめですよ。そんなことではだめだ。ことに今回の場合には、従前の衛生検査、それに今度生理学的検査もあるでしょう。それに今度病院や診療所の血液の採血行為までやる。こういうようなことです。からだと直接関係のないものに以前は限定されてあった。それが今度はからだから分離したものにまで前回まで拡大した。今度の場合は、人間のからだに直接触れての検査まで認めるようになったのです。したがって、看護婦の肩がわり行為をするようなことにも相なるのじゃないかという疑念も当然ある。したがってこれを規制する。肩がわりでない。その規制はかくかくのものである、こういうようなことをはっきりしなければ、いつどんなことをされてもわからぬことになる。こういうようなことをはっきりしない以上、だめです。ぼくが先に答弁してしまったから、あなたもうできるだろうけれども、これはひとつそのほかの技術者のほうからはっきり念のため答弁してください。
#315
○松尾政府委員 まさに検査の目的のためだけの採血である、そのとおりでございます。それから、医師の具体的指示に基づいて行なうわけでございます。
 それから、二十ccというお話がございました。それは、やがてこの法ができましたあげくにおいて、省令等できめるときにその辺を検討するつもりでございますので、それが二十ときめればそういうことで限度をつけるわけでございます。その辺については、先ほど来も一定の限度、量を限定する、こういうふうに申し上げたわけでございます。
#316
○島本委員 従前は名称独占であったものですが、今度は業務のそういうような点まで拡大していっているんです。なぜ業務独占にしなかったのか、この点についてひとつお聞かせ願いたいと思う。
#317
○松尾政府委員 検査の仕事というものは、いま申し上げましたような採血等の行為については、これはその部分を限って業務独占としておるわけでございます。その他の衛生検査等につきましては、これは名称独占だけでございます。衛生検査というものの中には、こういう衛生検査技師という名称を用いなければ絶対やれないというものだけではございませんで、たとえばこの中に無試験免許の問題もございますけれども、薬剤師さんが薬剤師という資格で検査に従事することも可能でございます。また、今後物理学者でございますとか生化学者でございますとかという方も、それぞれその技能に応じて検査というものに従事し得るであろう。そういった点から考えれば、この名称独占だけに限るべきであって、むしろそこに業務独占をやるということが、この衛生検査業務全体の今後の発展の上から見ても必ずしも好ましくないのではなかろうか、こういう点から名称独占だけにとどめておるわけでございます。
#318
○島本委員 では、これはいまのことばのあやからして、将来は業務独占も考えるということなんですか。これはいまあなたは反対のことを言ったよ。
#319
○松尾政府委員 いわゆる生理学的検査とか、それから採血の問題は業務独占でございます。その他の検査については、と申しますのは、この人たちが行ない得る衛生検査でございますけれども、そういうものについては、独占をする考えはいまのところ持っておりません。
#320
○島本委員 それでちょっとお伺いしておかなければならない点は、この衛生検査技師法の改正法案に対して各界の反響はどうでございます。賛成、反対に分けてひとつ御発表願いたい。
#321
○松尾政府委員 結論から申し上げますれば、関係団体はみな賛意を表していただいております。
#322
○島本委員 三派系全学連の精神科の一部並びに青医連の一部は反対しておるんですが、あなた、これもはっきりさせなければだめだよ。
#323
○松尾政府委員 私が申し上げました関係団体と申しますのは、まず第一には、この衛生検査の技師の方々の団体、それから薬剤師の団体、獣医師会の方々並びに日本医師会等の医療関係の団体、こういうところのつもりでございまして、その他につきましては、特に私どもも反対であるとか賛成であるとか接触はいたしておりません。
#324
○島本委員 衛生検査所の問題ですけれども、これは単に登録しておるのみである場合には、これは往々にしてざる法になるおそれもあろうかと思います。許可、届け出制にすると憲法二十二条に触れるおそれもある、こういうようなことのようであります。そうなりますと、ざる法にしない、そうして憲法違反にはしない、この行政措置というものは今後十分考えなければならないはずであります。これはもうはっきりした考えを持ってこれに臨まなければとんでもないことになろうかと思います。これはそうでしょう。大臣どうです。
#325
○内田国務大臣 島本さん、たいへんいいところに気がついていただきましたので、私どもも実はそのことについては心を使ってまいってきております。そこで、これは知事登録の場合には一定の基準を設けまして、その基準に合致するような施設を整備したものを登録を認める、こういうことになりますし、また検査所にいろんな検査の依頼をしてまいりますのは、とどのつまりはやはりお医者さんでありますとか、あるいは一部には、学校その他の公の機関の専門的方面からの依頼があるということがもっぱらでございますので、登録をされていないような、施設の整備ができていないようなところは、いわゆる検査屋というようなことをいっておりましても、これらは利用価値が全くなくなる、こういう両面から考えまして、また憲法の定むるところ等も避けまして、これで十分目的を達し得る、かように考えましてそのように規定をいたしておるものでございます。
#326
○島本委員 いまのように質問した諸点は、あわせて今後の運営上にも十分留意しなければならない点であります。いろいろ私の質問等によってお気づきの点等もあろうかと思いますが、今後この実施等については、ひとつ万全の配慮をして実施をしてもらいたい、こういうように心から要望しておきます。
 次に、先ほどから皆さんがやっておりました保助看法の一部を改正する法律案、この本題に入る前に、大臣に聞いておかなければなりませんのは、これは医療制度抜本改正との関係はどうなんですか。全然なしにこれはやるのですか。これは関係をちゃんとつけた上でやるのがいいのですか。またはこれは関係がつけられないものなんですか。この医療制度の抜本改正との関係についてはどのようにお考えでしょう。
#327
○内田国務大臣 これも全然関係のないことではございません。医療の抜本改正ともっぱらいわれておりますのは、直接的には医療保険制度、現在保険制度が七つも八つもあるようでございますが、それらを統合して財政力の調整等をはかるということを目的といたすものでございますが、しかしそれに関連いたしまして、僻地医療の問題でありますとか、あるいはまた、医薬分業の問題でありますとか、あるいはパラメディカルといわれておりますところの看護婦さん等を含む医療関係の職業人の整備の問題とか、こういうことは当然頭に置きまして、そして保険制度の抜本改正をするということにいたしておりまして、これらの制度を含めまして関係の審議会のほうにもいろいろ御説明もいたしておるところでございます。
#328
○島本委員 いつ改正するのですか。
#329
○内田国務大臣 この保険制度の抜本改正につきましては、これはもうたびたび申し上げておりますけれども、抜本改正というものはなかなかむずかしいわけでありますので、抜本改正に入りやすいような当面実施できることと、その上に築き上げる抜本改正と二つに分けておりまして、あとのような本格的抜本改正は、当面実施するレールができ上がった上に乗せるということにいたしております。したがって、当面敷きますところのレールにつきましては、明年度にその改正ができるようにお計らいを願いたいということで関係の審議会のほうにもお願いをいたしておるのでございます。
#330
○島本委員 そのときに、医療機関だとか医療財政だとか看護婦養成のあり方だとか、こういうようなすべての問題等について十分考えてやって、制度の一元化、また運営の一元化というのは言い過ぎですけれども、いわば十全を期したほうがいいのじゃないかと思うのです。
 それで前に私は聞いてみたのです。しかしそれは、本格的にやるか、当面のレールの上を走らせるか、いろいろあるでしょう。当面やるにしても、来年やる、来年やるときになったら、当然これは医療財政的な点にも触れるのじゃないかと思うわけです。保険財政の中でやるからいろいろ問題があるということがたびたび指摘をされているんです。したがって今後は、その抜本改正の面とあわせてこれをはっきり位置づけるのが、ほんとうの意味の改正じゃありませんか。こういうようなのは、もう場当たり的にばちりとやってみて、そうして平地に乱を起こす、こういうふうなやり方は、労あって効なしとするものであります。せっかくそこまで考えておったら、大臣、どうですか、保険財政の中でやるからいろいろと問題があるんですから、いま出されているのは、そういうふうなところに原因するのです。したがってこれは、もう抜本改正をやる際に、本格的な改正の前に、当面のレールの上に列車を走らせるそうでありますから、その際に、これを財政問題として取り上げて、そのときにおやりになったらいかがですか。
#331
○内田国務大臣 保険制度の改正をいたしますその究極の目標につきましては、いろいろあるわけでありますが、とりあえず実施するということにつきましては、たとえば最近問題になっておりますところの国民健康保険、三千の市町村が実施をいたしておりますこの国民健康保険等につきまして、標準保険料というようなものを設定すべきかどうかという課題でありますとか、あるいは、これもいつも委員会の皆さま方から御激励をいただいておりますが、老齢者の医療対策というものをどうするか。公費医療の制度でいくか、あるいは老齢者のみを対象とする老齢者医療保険制度というものを設けるか、こういうようなことを当面、取り上げることにいたしておりますことは御承知のとおりであります。しかし、医療というものにはやはり医者と看護婦、あるいはそのパラメディカル、検査技師というようなものがないことには、どういう医療保険制度を設定いたしましても医療が動きませんので、やはりそれに先立って、看護婦の充足というものにつきましては、これはやはり目標計画を立ててまいることがより大切だ、こういうことで、今回、御審議を先立っていただいているものでございます。
#332
○島本委員 それで、この次には局長にお伺いしますが、多分、去年の五月じゃありませんでしたか、何か基準の改正をする、こういうふうに言ってあなたは参議院で答弁されていた。そして、きょうの先ほどまでの答弁を聞いていたら、それをやらないうちに、需給状態を考えて、対策も行ないたいという答弁もあったようであります。去年のうちにできていなければならないはずの答弁が、本年になって、これからなお需給状態を考えてこれを行なうということになると、もうすでに参議院で答弁してから一年間、あなたは国会を瞞着し、侮辱したことに相なろうかと思うのであります。あなたの答弁は、その当時どのようなことを言ったのか、これをひとつ思い出してはっきりさしてください。今後、国会を瞞着することは許されませんから……。
#333
○松尾政府委員 昨年、参議院で、多分、医療法の施行規則による看護婦さんの配置の基準、そういう意味であろうと記憶いたしておりますけれども、これはいつまでも据え置くのかというような御質問であったかと思うのです。私は、そういうつもりはございません――これはやはり、そのときも同じことをお答え申し上げたと記憶いたしておりますけれども、やはりその需給の状態というものに合わせてこの基準も改正をするつもりでございます。そういうふうに申し上げたと私は記憶いたしておりますので、本日、申し上げたような趣旨と私みずからは変わっているつもりはないということでございます。
#334
○島本委員 昭和四十四年六月十日、第六十一国会、参議院社会労働委員会での附帯決議、この中にはっきりあなたは、両三年で看護婦の人事院判定を実施するというこれに対して、賛意を表し、これを必ず行ないます、こういうふうに言っているわけであります。そうして、本年になってから出されたのが、高卒一年制度をつくる構想であります。そうなりますと、これは人はふえても裏づけになる財政措置ということを当然考えておられるのじゃないか、こう思うわけなんですが、一体その点は、先ほどから答弁で知っているんですけれども、もう一回、私にはっきり教えてください。前からのいきさつで私は一貫性がこれに対して持てない。あなたは六月十日の参議院社会労働委員会で、両三年間で看護婦の人事院判定を実施するという決議に対しまして、賛意を表してきている。それに対してまた答弁も行なっておる。こういうふうな中で、今度はもう、人をふやすためのいわゆる高卒一年制度、いまの原案を出してきなすった。しかしながら、これは幾ら金がかかるのか、先ほどからいろいろ言われても、この点どうもはっきりしないのであります。これは、そうすると、人はふえても裏づけになるのが財政措置だということになる。そうすると、三年間であなたはふやすとこういうふうに言っておりましたし、また、同時に、人事院判定を実施するということになっておりますけれども、その金額というものはどれほどかかるのか。まず、これをはっきりしないでやると、ことばで幾ら言っても、これは実施しないということになってしまうので、初めわれわれが衆議院でも法律をつくってやる場合は、最後に、予算は幾らかかります、これは当てずっぽうでも何でも、一応これはすぱっと出さないと、法制局は通らないのです。これもあんた、いろいろ答弁されている。この中で、財政措置という点でどうもわれわれは納得できないところなんですが、あなたはどういうふうに考えて答弁なすったんですか。もう一回考えながら御答弁を賜わりたい。
#335
○松尾政府委員 参議院のその附帯決議をちょうだいいたしました中では、看護職員の確保のために養成機関の整備拡充をはかるということが第一項にございます。この点につきましては、先ほど来いろいろ御議論もございましたけれども、本年度の予算等におきましても、従来以上に養成施設の整備の補助金を拡大をいたしてまいっておるわけでございます。それから、第二にございます看護職員の夜間勤務について必要な改善を行なうこと、これにつきましても、国立については、先ほどお話し申し上げましたように、四十五年から新たに三カ年計画というものを出しまして、この間に実現をはかりたいということで、これは人員に伴いますところのいろいろな費用は予算に計上されることになるわけであります。
 それからまた、人事院判定のすみやかな実行ということは、いま申し上げたとおりの問題でございます。
 それで、こういったようなことが中心のこのときの決議でございまして、両三年を目途にするということでございます。特に、この段につきましては、何も国立の医療機関だけを対象にというような趣旨ではなかったはずでございまして、わが国におけるいろいろな全体の状態というものを御考慮になった上での決議でございました。
 それにこたえる意味におきましても、私どもは、新しい看護婦の需給の計画というものを鋭意努力いたしまして、そうして、それによって少なくともこの中に、両三年のうちにめどをつけられるものと、両三年のうちにいろいろ整備をはかることによって五十年末までにいろいろな成果を得るというような施策というものをそれぞれ取りまぜましてお願をしてまいってきておるわけでございます。
#336
○島本委員 したがって、両三年で看護婦の――この決議案に対していろいろあんたも答弁をなすっております。その議事録もございますけれども、しかし、その中ではっきりやると言ったなら、金がどれほどかかるのか、これもわからないでただやると言うところにやはりあいまいさがあるということを言っているのです。したがって、これは金はどれほどかかるのか、その金額を示してもらいたいということなんです。どうですか。それでないと、金もわからないで、ただやるやるじゃ、これは少し国会をばかにしたことになりますよ。
#337
○松尾政府委員 国立関係につきましては、人件費でございますから、人の増員の問題でございますので、その人件費を幾らに見込みますか、これは毎年毎年の実績によって計算をいたしますが、ことし、たとえば午前中にもいろいろ御議論のありましたような人数については、けさ来申し上げましたように、約十億近いその人員の増に対する予算が入っておるわけでございます。それで逐年、次第にこの人件費はさらに増大してくるはずでございますし、また私どもも、増員率というものも、一般の養成の情勢を見ながらしり上がりに持っていきたい、こう考えておりますので、やはり本年度の数倍に相当する金額は少なくとも必要になってくることは当然でございます。
 それから、日本全体といたしましての養成機関が整備され、特に五十年までの間にいろいろな計画があるわけでございますが、これも建築のいろいろな希望なりその他によって違うと存じますけれども、非常にまるい数字で申し上げますと、私どもが五十年までに達成しようとするために養成施設の整備拡充に要する経費は、都道府県等の費用も含めまして約百九十億ないし二百億ぐらいであろう、こういうふうに予想しております。
#338
○島本委員 先ほど前の委員の質問がいろいろありました。なかなかいい質問がございました。その中で、やはり学校をつくり、それで看護婦を養成していく、養成していくといっても、ただできるものじゃない、運営費もかかる、一人二十五万円もかかる、先ほどこういうような質問がございました。百名をやると二千五百万円、一校で一億かかるのだ、一億かかるのに、現在三千万円ぐらいしか融資ができない。しかしながら、看護婦の養成は国が責任を持ってやらなければならないのだということをあなたは答弁なさった。四十五年度から五千万円に融資のワクが広がったそうであります。それでも一億かかるとすれば半分であります。国が責任を持ってやるとするならば、あとの残りの五千万円はどうして捻出するものであるか、その具体的方法をお知らせ願いたい。
#339
○松尾政府委員 それを設置いたします主体によっていろいろで、地方公共団体及び国がみずからやります場合には、これは当然公の費用でそれらの整備をいたします。
 先ほど来お話がございましたのはその融資の問題でありますので、まだ足らないというおしかりはございますけれども、その部分は融資でいく、残りは自己責任でいまのところはお願いしておる、こういうわけでございます。
 なお、運営費につきましては、ことしから始めまして、そういう公共的な養成をやっているところでございますので、初めてその一般的な運営費についての芽を出したわけでございます。この問題は、今後私ども一そうこの運営の内容についても立ち入って調査をしまして、よりよい運営費の助成ができますように、今後引き続き努力をするつもりでございます。
#340
○島本委員 まことに官僚的な答弁で、ほんとうに答弁だけならいいのです。だからそれで満足するのです。ただし、満足してさて何が残るかといったら、残らぬのです。完全過ぎて全部不完全なんです。あなたのはそういうのです。国の責任でやると言う。しかし、結局は計画をつくって民間にやらしてしまう、それは融資やなんかあっせんしましょう、そうしてそのほかに、また今度は、公共団体がやるならばそちらのほうのめんどうを見ましょう、医師会なんかでやれば、そのほうもめんどう見ましょう、国が責任を持ってやるというならば、その辺だってはっきりさせておいてこそ責任じゃありませんか。やるならめんどうを見てやる、しかし、計画は立てなければならぬ、その計画を立てるのもあなたまかせである、だから現在のようなこういうような情勢を招来するのですよ。ことばはあっても残るものは一つもない。大臣、そばで聞いていて、あまりいい答弁をする場合は気をつけないとだめですよ。
 そういうような意味で、ほんとうに先ほど――そこを国が責任を持ってやるのだといいながら、五千万円で箕輪君が満足してなぜ引き下がったか疑問だった。しかし、いま聞いてみたら、依然として同じような答弁なわけです。これだったら、計画に対して何か画竜点睛を欠くものがある、こういうふうに思うわけです。大臣、ひとつこういうような運営の点も交えて、今後養成機関に対する融資並びに計画の万全を期さなければならない、こういう趣旨で聞いているわけです。どうかよろしく御答弁を賜わりたい。
#341
○内田国務大臣 私は、御承知のとおりその方面はしろうとでございますから、足りないところはまた島本先生の専門的知識で補っていただくことにいたします。
 私がこれまで国会議員として感じておりましたところは、いままでの看護婦の養成ということは、いわば医療機関の私的養成といいますか、企業内養成といいますか、それぞれ病院に看護婦さんの養成はまかせておるというようなことであったと思います。そこで私どもは、何も看護婦さん、准看護婦さんの養成を国立国営でやるということではございませんけれども、昔のように、看護婦さんはお医者さんがかってにつくれということじゃなしに、国が医療保険をやっている以上は、医者の確保でありますとか看護婦その他のパラメディカルの確保ということにつきましては、国が一つの政治的な大きな課題として、国の政治責任をもってやるべきだ、こういう立場に立ちまして、医者まかせ、医師会まかせでなしに、国も養成する、公共団体にも片棒をかつがせる、また、その他の法人がやる場合には国も助成の道を考え、一定の目標も与え、かつまた、今回の法律に盛られましたように運営費も出しまして、国家的な一つの目標、責任体制をもって養成していこう、こういうわけでございまして、国有国営で全部その金を出そう、こういうわけのものではございません。ございませんが、繰り返しますように、国が一つの目標を持ち、指導原理を持って、いろいろな力を合わせてパラメディカルの養成確保ということをやろう、こういうことを申し上げているわけでございます。
 三千万円で足りないわけでありますから、これからことし五千万円に拡大をするわけであります。また、医療金融公庫の資金充実等とあわせて、今後さらにその五千万円につきましては拡張することも私は当然考えていくべきであろうと思います。運営費などにつきましても、今回の予算ははなはだ私としても不満足で、たいへん少ないので、今度の文部省の私立学校ほどにはいかなくても、だんだんそれに近いくらいの運営費補助を今後の予算には計上するように、皆さま方の御協力と御鞭撻を得ながら、また島本先生の御指導を得ながら、ぜひやってまいりたい、私は大臣としては、こういう政治家としての考えでやるものでございます。
#342
○島本委員 まあ、やればやるほどよく鳴る太鼓もあるわけでありますから、あなたも、言そのものと同時に、必ずこの実を結ばせるようにやってもらいたい。これだけはお願いしておきます。
 それとあわせて、ほんの初歩の質問をします。大臣、しろうとだと言うけれども、私のほうがなおしろうとですから。看護という意味はどういう意味なんですか。
#343
○内田国務大臣 それは、これこそ私が間違った答弁をいたしますと、私は一生恥をかきますので、医務局長なり看護課長なりから答弁をさせたいと思います。
#344
○島本委員 はっきり定義を言ってください。
#345
○松尾政府委員 看護といいますのは、病人またはけがをした方々、こういう方々の療養の世話その他その療養に必要な世話をするということが一つございます。
 それからもう一つ、その業務といたしましては、そのほかに診療の介助ということが業務としてはございます。
#346
○島本委員 そのほかの各当局者の人、いまの答弁でいいですか。そのほかに思い当たるところがあったら答弁してみてください。
#347
○内田国務大臣 看護課長に、政府委員じゃありませんけれども、説明員として答弁をいたさせます。
#348
○永野説明員 看護ということは、そもそもの語源ははぐくみ育てるというところから出てきているというふうに私どもは考えております。母親が子供をはぐくみ育てるというところから看護というものは出発した。ですから、人類の歴史の長さと同じくらいの長い存在のものであるというふうに考えております。いまの局長のおことばのように、療養の介護と、そうして診療の補助と、二つの機能を持ったものであるというふうに考えております。
#349
○島本委員 なぜこれを聞くかというと、この看護をよくわからないでこれをいろいろやることにおいて、考え方からも違ってきては困るのです。私の調べたところによると「基礎看護学新書」、これは金芳堂で出しているものでありますけれども、「看護とは健康を守り、それを増進させ、病人に対しては、疾病よりの回復を計り、疾病による苦痛を除き、回復したならば一日も早く正常生活へ復帰できるよう指導、助力し、またたとえ回復の見込みがない場合でも病人の病気に対する不安、不満を除き、心身の安静を得るよう努力することにある。」こういうふうになっているわけであります。
 皆さんは専門家なんです。専門家でありながら、言っていることはこの一部分だけじゃありませんか。こういうように総体的に一人も言わないなんというのはだめですよ。大臣、不勉強だ、こういうようなことからして、看護業務の一つとしてあるのが病気による患者の苦痛を除くことなんです。これは業務の一つなんです。これがすべてではないんだ。そういうようなことからしてまたこれは大切な仕事なんです。それと、特に入院当初、院内の事情に暗くてとほうにくれているような患者に対する相談相手となったりすることもある。それと同時に、手術に当たっては、不安を感じている患者の説得から始まって、回復不能の重症患者に対する精神指導に至るまで、医師の手が及ばない面を受け持ち、さらに患者と医師との間に立って診察を円滑に進めていくための潤滑油になると同時に、医師の立ち入ることがむずかしい患者の心理面に接触して、病気や手術に対する不安をやわらげ、診療の万全を期することが要望されているわけです。
  〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕
また、この入院患者に対しての症状の観察、記録は治療に欠くことのできない要素である、これは具体的な事実であります。これはそのとおりでしょう。これなんです。看護婦という人はこういうような面にまで携わらなければならないいわゆる重大な任務を背負った人なんです。したがって、今度大臣もいろいろ言われているようでありまするけれども、この判断を誤ると、今後は人命にも及ぶ重大な影響を与えることもあり得るわけですから、速成で養成されるような准看護婦がこの判断が完全にできるかどうか、これがまず重要になってくるではありませんか。判断ができない、また事故が起きたとすると、これはだれが責任を持つことになりましょうか。いまのような重大な任務があるのです。したがって、これは慎重を期さなければならないのです。いまも万全を尽くしてやってきたといえども、まだ万全ではなかった。いままでの質疑で明らかになったように、今度は速成もいいところ、一年コースをやって、粗製乱造とは申しませんが、ここに大量増産をしようとしているわけです。私、こういうようにして見ますと、これは速成で養成される准看護婦が、いま言ったような判断が完全にできるのか、かつ、事故が起きた場合、だれが責任を持つのか、これは重大な問題になるのじゃないかと思うのです。これは大臣がやめても済まない問題になるわけです。これはどうですか。
#350
○内田国務大臣 全くお説のとおりでございまして、ことに最近の医療は非常に進歩いたしておりますので、したがって、それに携わる准看護婦さん、あるいは看護婦さんの一般的素養というものも、いままでよりも高かるべきであると私は思います。でございますので、いままでは中学校を卒業と申しますと十六歳くらいでございましょうか、十六歳卒業で二年間の養成期間で十八歳で准看護婦になれる。そういうたてまえを、今回は右のようなことに相対応して高等学校を卒業する、つまり高等学校は十九歳くらいでございますか、そうして一年間勉強して二十歳ということで初めて准看護婦の試験が受けられる。こういうふうに基礎知識、またその医療に関する専門知識の吸収力が十分であるならば――そういう体制を実は整えた次第でございまして、このことは私が先刻も申し上げたとおりでございまして、単に二年を一年にするということではございませんので、その点をよろしくお願いをいたします。
#351
○島本委員 よろしくお願いしますと言ったって、はいそうですかと言ってよろしくお願いされない。それは、いまこの問題に対して具体的にお伺いしなければなりません。そうすると、それは決して粗製乱造ではないとおっしゃる。それならばひとつ松尾医務局長が、去年の五月六日、参議院の社会労働委員会で、これは「看護業務というものの範囲といたしましては、看護婦と准看とが法律上差がある、業務自体からいえばあるとは言えない、これはもう間違いないと存じます。」こういうふうに答弁しておるわけです。これは間違いない、あなたの言ったとおりです。看護業務自体に差がないと厚生省は主張する。そうすると、速成の准看護婦を大量に養成して、准看護婦中心の看護体制を推進していくということは、人命無視につながるのではないか。これを私は一番おそれるわけです。そうじゃないというならはっきりしてもらいたい。こういうふうな体制を推進していくことは人命無視につながる、こういうようなことは人道上許されない、こういうふうに思うからであります。それとあわせて、将来の医療体制の中に、看護婦の看護の一つの展望、こういうふうなものについてもあわせてはっきりした態度を表明してもらいたい。
#352
○松尾政府委員 この高卒一年がきわめて速成で、しかも人命軽視につながるおそれがあるという御心配でありますが、先ほど来、一番大事な基本的な基礎知識については高等学校卒業というレベルに上げる、この点は御異論のないところだろうと存じます。
 問題は、そのあとの専門教育の一年間というものが、いわゆる准看護婦というものといたしまして十分なのかどうかというところに問題があるかと存じます。それで、もちろん准看というものが要らないということに立てばこれは別でありますけれども、現在ございますところの准看というものを従来のものと比較をして検討をして、そういう際に、結論で申し上げますれば、具体的ないろいろ専門的なカリキュラムを組んでみまして、十分にその内容がこなせるという結論に私どもは到達をいたしたわけでございます。
 私どもがいま考えております高卒一年のいわゆるカリキュラムと申しますのは、千二百四十時間の時間数を予定をいたしておるわけでございます。これは中学校卒業二年とう現行の場合の――失礼いたしました、千四百十時間という時間を当てておるわけでございまして、そのうちに看護関係のいわゆる純粋のものが千二百四十時間、いままでの中卒二年の場合には千七百七十五時間というものが二年間であります。この中には約二百八十時間程度の理科でありますとか社会、そういうふうなものが組み込まれる、こういう課程になっておりますので、いわゆる専門課程と称する課程におきましてはほとんど差がない時間数を獲得しております。
 第二の点は、先ほど来申し上げましたけれども、現在看護高校というものが学校教育の体系の中にございまして、職業課程として三年の高等課程の中で行なわれておるわけでございます。そのカリキュラムの時間数と比較いたしましても決して少なくない時間数でございまして、そのような観点からも一年ということで十分養成できる、准看としては十分こなし得るというふうに考えた次第であります。
 しかしながら、なおこの実施にあたりましては、内容というものがいろいろ問題になるかと存じます。特に高等学校を卒業した基準を持っておる人に対して教えるのでございますので、教授の内容その他についても、それにふさわしい中身のものにしてこの時間数を十分消化したい、このような観点から、これが准看制度といたしましては決して退歩するものではないという信念に私どもも立っておるわけでございます。
#353
○島本委員 それでやりますと人命無視ではない、こうおっしゃる。これも私のほうでは看護婦の質の低下につながるおそれがあるのではないか。そうじゃないといって具体的にあらわれたのは、千四百十時間という初めてカリキュラムに当たる時間数が出たわけであります。そうなりますと、治療と看護、こういうふうなものが高度化されてまいっておりますし、この複雑になった看護者の症状観察や記録や高度の判断が要求されておるというような事態であることは、いま局長も大臣も御存じのとおりなんであります。そうなりますと、いままで准看の養成を二年でやっておったころでも、基礎医学と臨床実習を二年でやっておったころでも、一年間に五十二週、臨床実習は病棟実習と合わせて五十四週以上もこれに当たっておった。そのほか外来実習が十三週以上も必要とされ、これに当たっておった。しかし、今後は一年間で五十二週しか臨床実習がない。これでもうすでにいままでの五十四週以上、並びに外来実習十三週やったころより以上の能率をあげることができるんだと言うけれども、どうもわからないにもほどがある。あなた、どこか間違っていないですか。
#354
○松尾政府委員 先ほど来申し上げましたように、その理解力でございますとか、そういった点も考慮していただかなければならね問題ではないかと存じます。しかしながら、この問題を、ただいまのカリキュラム等は、私どもだけがこの問題についてこれでいいとか悪いとかいう議論は差し控えたいと存じます。相当の教育に携わっておられる専門家の方々にも全部これは検討していただいたわけでございます。それには非常に御熱心にいろいろと手直しをちょうだいした経過もございますので、そのようなプロセスをとった上で、そういう教育に従事しておられる方々のお考えを十分聞いた上で私どもはカリキュラムをきめたつもりでございます。決して私の独断とか、私ども内部だけでこれでいいというふうに即断をしたものでないということだけは御理解願いたいと思います。
#355
○島本委員 神さまがきめたのだから信じなさいということでしょう。あなたのほうでいま言ったようにして、一年でやってもこれは決して質の低下にはならない、それだけカリキュラムを十分組んでおりますと言うから、いままで言っていたその時間数を見ると、臨床実習五十四週以上やっておるし、外来実習十三週以上必要としておる。それなのに、今度の場合は一年間五十二週、臨床実習だけである。こういうようなことだったら、だれが見てもこれは程度が下がることになってしまうじゃないか。実習の時間なんか見てもそうなるじゃないか。この点わからない。いままでもそれは五十四週、十三週以上必要とされておったのに、今度は一年間五十二週だけでいいんだ、これはもう臨床実習も全部含むんだ、これはえらい人がきめるのだからあなたは信じなさい、こう言ったって、はいそうですかと信ずることはできないじゃありませんか。えらい人がつくるのだから、しろうとの島虎なんか、おまえ黙っていろという意味でしょう。そういうようなことで、はいそうですかと言ったら、何にも国会審議は要らぬですよ。じゃ、もしそれだったら、これははっきりどういうわけで質の低下にはならないのだ、どういうえらい人がどういうふうにえらいものをつくったのだということを、もう少し説明してもらわないとわかりません。いま私が言っただけでは、完全に質が下がるのですから、下がるのをあなたが下がらないと言うのです。えらい人がつくったのだ、信じなさいと言うのだが、私は信じられないと言うのだから、これをはっきりさせてください。
#356
○松尾政府委員 こういう教育のカリキュラムでございますとか、そのやり方というものは、私どもはやはりそれぞれの経験のある専門の方、教育に従事しておられる方々に判断をゆだねて、これでいいということであれば、それを私たちも聞かざるを得ない、こういう態度でございます。決してそれが神さまであるかどうか存じませんけれども、私どもは相当権威ある、勉強をしている、御熱心にそういうものを担当しておられる方々にも御検討いただいて、最後には、医療関係者の審議会の中の保健婦助産婦看護婦の審議部会がございますが、この部会におきましても、過去のものと比較をしていただきまして、そこでこれでよかろうという御承認もいただいたのでございまして、こういう問題を私どもが申し上げるとむしろかえって危険性があると存じますので、こういう問題こそむしろそういう専門家の判断に私どもはゆだねてまいっておるわけでございます。
#357
○島本委員 それは信じないとだめですか。えらい人がやるのだからわれわれは口を出すことはできないなんということでは、これは少し困るじゃないか。
 じゃ、それを具体的に資料として要求いたします。いままでのカリキュラム並びに一年間でやるカリキュラム、それと同時に、これが前回よりもまさるものであるというはっきりした例証をつけて資料として出してください。これを要求しておきます。
#358
○松尾政府委員 カリキュラムの比較につきましては提出をいたします。
#359
○島本委員 そのときまで法案は上がらないことになりますから、早く資料を出されないとだめですよ。
 今度は、これもやはり昨年の五月六日だったと思いましたが、どうもあなたの昔のことばかり言って申しわけないのですが、偶然調べたときにそれが出てきたのですから、これをひとつ追及さしてもらいます。
 これは、参議院社会労働委員会においてあなたがはっきり言っておるわけです。需給計画を非常に急ぐ部分と長期的部分とあわせ対策を考え、できれば今月中に大綱は全部きめてしまいたい、こういうふうに答弁されておったようですね。去年の五月六日です。そうすると、あれからもう一年たっているのですが、これはどうなんでしょうか。出してきたのがいまのような案だということは、先ほど言ったとおりなんですが、これだけだったらどうも十分じゃないんじゃないか。需給計画がこういうようなもので全部満たされる――それも、カリキュラムの点一つとっても、資料としてあとからちょうだいしなければわかないようなものでやってしまっている。これで信じなさいと言っても私は信じられないということを言ったばかりなんですが、それにしてみても、この中で潜在看護婦を十分に活用するためのいろいろな制限、これは夜間勤務の回数の制限だとか、二十四時間保育の保育所の設置だとか、夜勤出退勤の送迎の問題だとか、採用時における年齢の制限だとか、賃金だとか、また労働環境の改善だとか、こういうようなものの必要性、同時に、民間医療機関では現行の低医療費のワク内で看護婦を大量に雇用する財政的条件はないこととあわせ、昨年六月十日の参議院の社会労働委員会における看護婦不足対策に関する三カ年計画だとか、こういうようなことは全部約束してあるわけなんです。それでなおかついまのような状態で出たのが一年後なわけであります。ですから私は、そういうようにして見る場合にどうも理解することができないのは、少し頭が悪いせいかもしれないのであります。三カ年で改善するための一つの方法が速成准看護婦の養成だ、こういうようなことは、まず根本的に私はわからないということを前提にして、これを納得することができない。そのときに三カ年でやると言ったんだから、三カ年の計画は局長のほうにあったはずなんです。私はそういうような点からもどうもわからないわけであります。こういうような点については、わからないわからないではあなたもわからないだろうけれども、どうして、このときにはっきり言っておきながらこういうようなものを出してきたのか、これをもう一回、少しくどいようですが、私に教えてくれませんか。そのあとで次の質問の準備があります。
#360
○松尾政府委員 五月のときに、需給計画の看護婦不足についての御質問がいろいろございました。その際に、需給計画というものを立てなければならない、その大綱というものはできるだけ早く立ててみたいと思いますと申し上げました。その後、いつだったか記憶はございませんが、それに関連いたしまして、こういう需給計画を考える上での基本となりますような柱については、たしか私も申し上げたはずでございます。そういうような柱を中心にいたしまして、たとえば需給計画を考えるにあたりましても、単純に病床を四で割る、四人に一人であれば看護婦はいいのだ、そういうような機械的な計算で需給計画を考えるのではなしに、もっと勤務条件でございますとか、そういうものの改善も織り込んだ上での必要度の計算をしていくという種類のだいぶ大きな柱は、その後の機会にも、比較的早い機会に、抽象的ではございましたが、私も申し上げたと存じます。そういうものに基づきまして、具体的にいろいろと算定をしてまいりました。先ほど来お話にもいろいろございますように、五十年末において四十八万人台の看護婦が必要ではないか、こういう推定をいたしたわけであります。それに対応いたしまして、その中には、ただいま申し上げましたように、単に病床四人に一人であればいいというような機械的な計算を入れているつもりではございません。やはり、しばしば御指摘がございましたように、勤務条件が改善される条件を織り込みたい、そういう上に立って必要度を計算し、また、それに合わせるべくいろいろな養成計画等を練ってセットしたのが今回の需給計画でございます。そういう趣旨のことをその当時申し上げたと存じます。
#361
○島本委員 だいぶ時間も迫ってまいりましたので、この問題は私は納得できないんですが、ひとつ他の人に譲って、先のほうへ進ましてもらいます。
 これは最近の精神病院の問題になっている点であります。それは、精神科の看護、これは一般の病棟の看護とは別に、患者の心理状態の観察や把握、こういうようなものが必要であるということは、皆さんのほうが専門家だからよくおわかりなんですが、患者一人一人に対する生活の指導をはじめ、高度な判断と危険を伴うわけでありますから、多くの必要人員を配置しなければならない。これは当然なんです。この点大臣もおわかりのとおりなんです。ところが、基準看護になると、どうも必ずしもそうじゃないようです。これは医療法施行令第四条の六によると、都道府県知事の承認を得れば、医療法施行規則十九条による患者四人に看護婦一人という規則に従わなくともよい、こういうようなことになっているようでありますが、これはどういうことなんでしょうか。そうすると、これは医療法上、また基準看護の制度上からして、看護の実態を無視したようなことになりはせぬか。患者の人権無視ではないか。どうしてこれは規則の改善をはからなかったのか。これはまさに松尾局長の怠慢じゃないか、こういうように思うのですが、これは怠慢じゃありませんか。
#362
○松尾政府委員 基準看護の問題になりますと、これは保険の診療報酬の問題になりますが、その根っこに一つ、御指摘になりましたような医療法上の算定がございます。これはその当時、ただいまお読みのように、四人に一人でなくてもいいということになっておりまして、その標準を六人に一人と置いているわけでございます。その点では、いま御指摘のような点で看護婦の実際に必要とする実態に対応いたしまして非常に基準がゆるいではないかということであろうかと存じますが、医療法上だけから申し上げれば、これはやや弁解になりますけれども、一応の標準として置いておりますけれども、それだけをもって打ち切りだというような考え方では、あれはないわけでございまして、そういう意味では、必要な度合いに応じて看護婦を配置するということが最も表現上は正しい表現ではなかろうか、こう考えます。しかしながら、六人に一人ということでございまして、その点自身が、まだ実態になかなか追いついてないと思いますけれども、そういうような内容につきましては、先ほど来、今後の需給問題ともあわせましていろいろ検討すると申し上げておりますように、必ず私の手で検討させていただきたいと思います。
#363
○島本委員 これは検討するんですね。それをはっきりしておかないと、これは精神病患者は人間じゃないという考えで、これは少し手を抜くような結果を予想されるから追及するんですが、やはり規則の改善については十分検討しなければならないはずなんですが、それを検討するということですね。
#364
○松尾政府委員 看護婦の配置の考え方につきましては、いまの現行のようなそういう画一的な表現がはたしていいのかどうかというような問題も含んでおります。また、結核、精神等につきましては、過去においてそのような数字でもほぼよかったというような実績もあったかと存じますけれども、ただいま申しましたような点も含めまして私は検討したいと考えております。
#365
○島本委員 それはもう、ほんとに改善を前提にして十分検討しておいてもらいたいと思います。これは大臣、いいですね。
#366
○内田国務大臣 ごもっともな御意見でございますので、検討をいたさせたいと思います。
#367
○島本委員 この精神科の場合には、看護婦、看護者の悩み、これはもう、私どものほうへ来た一つの通知によりますと、いろいろ悩みが深いようであります。その一つとして、生活保護における日用品代が、精神科の患者と結核患者とを別々にして、これは差別待遇をしている、こういうようなことがいわれているんですが、はたしてこういうようなことがあり得るんですか。なぜ精神科と結核患者と差別つけられるのですか。それも生活保護における日用品代ですよ。これはもう精神病の患者は人間じゃないのですか。どうなっているんですか。
#368
○松尾政府委員 残念でございますけれども、生活保護の日用品の価格までは、私存じておりませんので、お答えできかねるわけでございます。
#369
○島本委員 生活保護の日用品の関係では、これははっきり、精神科のほうでは三千四百三十五円、それから今度結核のほうは四千二百九十五円、これはさっぱり人間として差をつけられていますよ。国家的な保障である生活保護患者の場合に、なぜ結核患者と精神病患者が差別されなければならないのですか。これは許されないことでしょう。人道上の問題でしょう。この事態をやはり明らかにして、改善すべきは即時改善すべきであろうと思うのです。これはもう事務官僚はいい。大臣、これをひとつ……。
#370
○内田国務大臣 私はその事態をよく存じませんけれども、そういうことがありますれば、それは私のほうも検討いたしまして、不合理であります限り訂正をいたすようにつとめてまいりたいと存じます。
#371
○島本委員 これは、大臣は知らないようですが、この場で調べたやつで、間違いのないデータです。しかし、事務当局も知らないなんというのは、これは少し不勉強じゃないか。これはだめですよ。皆さんの扱っている、こういうような中で差別待遇をされて、そのままにやっているのを知らないなんて、こういうようなことで予算を組むから追及されるんですよ。これはいけません。もう、改善すべきは改善するなんということ――これは完全に差別待遇ですから、改善しなければならない。ひとつこの点は、もうはっきりさせておいてください。
#372
○内田国務大臣 ただいま島本さんのお尋ねは、生活保護患者、すなわち医療扶助の患者につきまして、それが結核患者と精神衛生の患者におきまして日常品費の金額が違うのはおかしいんじゃないか、こういうお尋ねだと思います。私はまことにそのとおりおかしいと思いますが、これには何かの理由もあるのではないかとも考えますけれども、ただいまここに生活扶助の関係の資料も、またその関係の者もおりません。これは看護婦の問題でございますので、私は大臣の責任をもって、このことは、お尋ねがあります限りは私も不合理だと思いますので、私がこれを調べまして、そして理由があれば、適当な機会にそのことを申し述べさせていただきますし、理由がなければ、これは私の責任において必ずその妥当な是正をはかってまいりたいと思いますので、それで御了解をいただきたいと思います。
#373
○島本委員 大臣の責任でこれを是正しますね。もう一回はっきり、すると言ってください。
#374
○内田国務大臣 その格差があるのも相当な理由があると私が考えました場合にはそのことを申し上げます。しかし、私がこれは間違いである、島本さんの御指摘のとおりであると考えますならば、私の責任において是正をはかるようにいたしたいと思います。
#375
○島本委員 私の調べたところではたいがいうそはいままで言わなかったはずですよ。知らないのは皆さんが知らないのだ。しかし、あなたも世間並みの答弁だけされてはちょっと困ります。他の官僚がわからなくて、何ならあなたがしかっておいてもいい。ところが、ここにこういう差がありますよ。これは人道上の問題でありますと言っているのだから、これから調べて、妥当な理由が発見されたならば責任をもって善処する、そういうようななまぬるいことじゃないのです。また、看護婦の問題じゃないと言うが、看護婦の悩みとしてこれを訴えられているのです。これは看護婦の問題ですよ。こういうような差別待遇をすることは許されないんだという苦悩なんです。
#376
○内田国務大臣 その差額があることは、島本さんのおっしゃるとおり間違いがないでございましょう。しかし、それには何らかの事情があってのことだと思いますので、その事情を私が大臣としてもっともの事情であると考えます場合には、他の適当な機会に御説明さしていただきますし、それが適当でない場合には私の責任において是正の措置を講じさしていただきたいと思います。こういうことを申し上げておきます。
#377
○倉成委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#378
○倉成委員長 速記を始めて。
#379
○島本委員 どうも皆さんの不勉強には私もがく然としたわけであります。しかし、これはケリをつけておかなければならないと思いますので、この点は事務当局に聞いておきたいと思います。精神科勤務の中に作業療法士という人がおりますが、その作業療法士というものの資格と仕事はどういうようなことですか。
#380
○松尾政府委員 作業療法士という資格の方がおるわけでございまして、精神病院の中にそういう方がおられる場合があると存じます。これは高等学校卒業後三年の専門の課程を踏んで国家試験を受けた方がこれになり得るわけでございます。仕事の中身といたしましては、特にリハビリ関係、そういう社会復帰に必要ないろいろな職能訓練なり作業上の指導なり、そういうことを専門的な立場で、もちろん心理的な問題も含んでおりますけれども、そういうような専門的な立場から患者の指導訓練に当たる人を作業療法士といっておるわけであります。
#381
○島本委員 その作業療法士に対する経過措置については、皆さんのほうで法の施行当時、五年以上の実務経験者は経過措置によってこれらの人を救済するという約束を一たんなさったはずですが、その後何らそれがなされておらないのは困ったことです。それはもう高等学校卒業以上であるけれども、長い間精神病院に勤務して作業療法の指導、経験をしてきた者の中には、旧高等小学校の卒業者もおったわけですから、当然この経過措置で救済することを約束されておったはずですが、その後この事情を全然無視されたのかどうか。経過措置でも当初の約束の救済がほとんどなされておらない。全部で一五、六%ぐらいしか行なわれていないということのようであります。やがて五年の経過措置が切れて有資格者が不足になれば、またしてもそのしわ寄せが看護婦のほうにくるのではないかというように思われるわけですけれども、この国会の意思を尊重して、法制定当時の話し合いを順守して経過措置によって善処するということに対しては、どういう措置をとっておったのか。はっきり約束したことを守らないということになると、局長、あなた自身がいま幾らいいことを言っても、今後また守らないことがあり得るわけであります。これも、いままでの具体的な例によって示したのですが、こういうようなことは許されないことじゃありませんか。
#382
○松尾政府委員 PT、OTといわれておる理学療法士、作業療法士制度ができましたときに、法律でそういう期限がきめられまして、四十六年三日までであったと存じますが、それまでの間に経過的にいろいろ試験を受けることができるという道が開かれておるわけであります。これにつきましては、いろいろ講習会等も行ない、また毎年試験も行なって、できるだけ通るようにということを願って、その機会を設けているわけでありまして、決して放置しておるわけではないのであります。
#383
○島本委員 それを救済するためにと言っても、五年がきても一五、六%しかまだ救済をされておらない。こうなったら、幾らいいことを言っても、やらないということになってしまって、そのしわ寄せがどこにいくかというと看護婦のほうにいくということになるのですから、そういう点も考えて善処すべきである。そうでなければ、救済期間延長の法的措置を当然考えてもいいのではないかということを言っておるのです。あなたのことばは、あまりきれい過ぎてどうも実がないようだ。私は親切にさとしておるのだ。そういうような措置が妥当な救済措置なんだから、そうしないとまた看護婦のほうにしわがいくのですが、これはどうですか。
#384
○松尾政府委員 実際はそういう経過中の期間に先ほど申しましたような措置は講じてきておるわけでございます。国会でつけられましたその経過期間の期限が間もなくくるわけでございますけれども、これにつきましては、理学療法士、作業療法士に関する審議会で私どもは早急にこれから議論を始めてもらうという予定にいたしております。そういうものの取り扱い方について、審議会の意見を聞いた上で私どもは措置したい、こういうスケジュールを組んでおるわけでございます。
#385
○島本委員 もうそろそろ私も疲れてまいりました。しかしながら、言わなければならない点が山ほどありますので、ひとつこの辺で私も勇を鼓して次の質問を展開してまいりたいと思います。
 看護婦不足の問題で、先ほどから川俣委員の質問に対していろいろ答弁がありました。私は納得できません、それは詭弁ですから。なぜならば、有資格者が看護婦として就職していないことに問題があるということです。やめるのも自由だ、やめる数が多いから現在不足なんだ、だから今後一年制の准看を養うんだ、こういうようなことばかり繰り返したって、さいの川原になってしまう。これじゃだめなんだ。したがって、看護学校卒業後看護婦以外の就職、これにいっている人が正看の場合一・二、准看の場合〇・四、ほとんどの人は一たん看護婦になってやめてしまうんだ、看護婦不足の解消、これがいま最も重要だ、こういうようなことがいわれておるわけなんです。私もそのとおりに思う。要は、看護婦が絶対不足なのではないということ、有資格者が看護婦として就業していないということ、したがって看護婦の有資格者の就業率をどのようにして高めるかということが今後の大きい問題なんだということ。たとえば夜勤の回数一カ月に十日以上である。それから労働時間も家庭生活と両立がむずかしいような時間帯になってしまう。また、既婚者の就労を拒む最大の障害になるような点が何ら解決されておらない。それから、夜勤の回数の軽減や夜勤時間の改善や、看護婦業務の分析、こういうようなものもさっぱりしておらないということ。したがって、今後は黙っていてもやめていく人がふえるのはあたりまえなんです。あたりまえなことをやっておきながら、今度は看護婦が不足なんだということは、どうも科学性が足りないんじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。看護婦の離職阻止のための方策、そしてまた、その復職促進のための方策、こういうようなものはもうすでに具体的に考えられなければならない段階でなければならない。これに対するはっきりした考えがありましたならばお示し願いたい。
#386
○松尾政府委員 御指摘のとおりの問題がやはりあるわけでございまして、先ほど来すでに御指摘がございましたような定着率を高めるようないろいろな施策というものは、今後はやはり継続的に努力をしてまいらなければならぬと存じます。そういうものの中には、いま御指摘になりましたように勤務時間等の問題もございます。夜勤回数等の問題もございます。そういうような勤務時間、夜勤回数の問題ということを改善をしていくというためにも、看護職員の増加というものが一方では必要であるということはおわかりいただいておると存ずるわけでございます。それが両々相まちまして、悪い条件の悪循環が重なっていかないようにしたいと私ども念願いたしておるわけでございます。
 なお、そのほかに既婚者に対しますところのいろいろな保育所の問題でございますとか、あるいは時間上の問題をできますならば考えてあげるというようなことが、それぞれ考慮されてしかるべき問題ではなかろうかと存じます。もちろん、看護職員の処遇の改善、こういうものが根本にあることは、私どもよく承知しておるわけでございまして、大臣もけさほどからみずから努力をされると申されておるところでございます。
 なお、そういう資格を持った方々にもう一度職場にできるだけ戻っていただきたい、こう念願をしておるわけでございまして、潜在看護婦にもう一度職場に戻りますような講習会その他の機会も、従来にも増してふやすということを考えておるわけでございます。
 なお、先ほど川俣先生から、そういうようなPR的な講習会のようなことだけでは、とても人は集まってこないんじゃないかというおしかりもいただいたわけでございます。その点も確かにあろうかと存じます。しかしながら、同時に、そういう講習会等も非常に再就職のために役に立つわけでございます。これも一つのこまといたしまして活用して、いま申し上げたような定着率を高めること、それからなお、再び職場に戻っていただくという努力は、私ども続けさしていただきたいと考えております。
#387
○島本委員 やはりそういうような点をまっ先に考えてやっていかなければならないはずだったんじゃないかと思う。家庭持ちの看護婦も安心できるような勤務体制を考えてやる、それから託児所なんかもちゃんと設置してやる、それから賃金制度も改善して待遇の改善もはかってやる、こういうようなことが必要であります。
 それから、看護婦の現在の養成費、こういうようなものは診療報酬による看護婦の養成費用というものを、今度は診療報酬から切り離さなければ、これはどうもうまくいかないんじゃないか、これは皆さんのほうも考えられておられるんじゃないかと思うんです。そして、最近のように医療の社会化が進んでまいりまして、社会保険によって医療が行なわれる比重が増大してまいりますと、看護婦の賃金はますます国の政策によって左右されるようになってくるわけでございます。この点はひとつ皆さんの責任によって打開しなければならないはずなんです。それをよそごとのようにしておくから、現在のような情勢になってしまうんじゃありませんか。それだって看護婦不足だ、もう要員の補充困難である、したがって労働過重になるんだ、したがって離職者が増大してくるし、志望者が激減してくるんだ、そうなってくると、まただんだん看護婦も不足してくるんだ、こういうような悪循環になってくるんです。これをどこかで切らなければならない。これは国の責任なんです。この国の責任を、いままで口ではいいことを言いながら、さっぱり果たしておらないのが現在のような看護婦不足を来たした根本原因である、こういうようなことをはっきりさせなければならない。それに対して出されたのが、いまのような高校卒の一年案の准看なんです。いろいろ前からの人の問題もあります。やめる人はかってである、しかしながら、これは賃金でもなさそうなことを皆さんのほうで言っておられる。しかしながら、これはやめるのを阻止するための一つの案を――私は、潜在看護力についての一つの提案を行なってそれをやったんです。それだけではないんです。准看の人のつどい、そのグループの調査によっても、現行の正看、准看の二本立ての制度について、これはよくないと回答しておるのが九八%だ、まして准看をいつまでも続けたいと思うか、思わないというのが九七%だ。その理由には、将来性がないというのが四五%、労働条件が悪いというのが二〇%を占めておる、こういうようなデータも出ておるわけです。それで正看昇格の道が開けたらいまの仕事を続けたいか、続けたいと答えたのが九四%になっているということなんです。そうすると、現在いる准看でも、あのようにして離職率が高いといいながら、やはり続けたいという人が九四%もいるという以上、この道を開いてやったならばこれはもう安定するということに当然なってしまうんじゃないか、これをやらない現在の制度の中にまた問題があるんじゃないか、こういうように思うわけなんです。それで、いまいわゆる高校卒業生に対して一年の新しい制度を出した、それでも進学コースなんというのもまたあるわけなんです。おそらくいまいるこの准看の人を早く希望によって全部正看にしてやる、そして現在のこの聖職に滞留しておってもらう、こういうような措置をまずすべきじゃありませんか。私どもこのデータを見て、やはり仕事をしたいという、しかしながら准看では、このままでは困るんだという、正看になりたい、なったならばいたいという人が九四%もいるというこの現状からして、やはり現在のこの制度そのものに問題がある、このことを考えなければならないと思うんです。一般の准看のために、これを正看にするための細い、狭い道を広げてやらなければならないんじゃないか。これをやらないと、いつでも不足がつきまとう、こういうように思うわけなんです。これは大臣、こういうようなところも一つの隘路になっているということ、また、そっちのほうに答弁させると、りっぱな日本語で答弁するから、これは大臣のほうから、こういうような点が隘路になっておるから、打開がここにも一つあるということを十分考えられたろうと思うのです。大臣
 の高邁なる決意を聞かせてもらいたい。
#388
○内田国務大臣 御意見の点も考えておる次第でございまして、准看護婦というものをいつまでも准看護婦の身分で縛りつけておくよりも、やはり一定のコースを経て正看護婦の道を開いておくということはきわめて大切なことであると考えておりますので、今回の改正においては触れておりませんけれども、その道は二年なり三年なりの養成期間というようなものを経まして、その道を設けてありますことは御承知のとおりでございます。今後さらにそういう面につきましても十分その均衡のある配意をいたしてまいりたいと思います。
#389
○島本委員 先ほどからのいろいろな御答弁でもはっきりしてきたとおりに、いまそういうようになっていても、この道が狭いのです。そしてなかなかいけないんです。差別待遇が職場であるんです。したがってやめちまう。こういうような事態が現在の看護婦不足ですよ。ですから、開放してやれとは言えませんけれど、大量の人が入れるようにしてやればいいんです。それをやらないのが松尾さん、あなたじゃありませんか。あなたが責任者じゃありませんか。ほんとうに看護婦もいたいいたいというのに、出ていけ出ていけと言ってるのはあなたじゃありませんか。それでいて、今度またこういう制度を持ってくる。これじゃ、さいの川原に石を積むような、何ぼ積んでも切りがない。そういうようなものをむだな行政だというのです。私、そういうような意味で、これはなかなか今後の問題として大臣、考えないとならない問題だし、そうして、いま高校に入って、そうして一つの養成所にもし入った、それも三年コースに入って、それでもこれはもう十五年。これでも正看になるのに十五年もかかるわけでしょう。そうですね。六、三、三、三ですからそうです。そうなるわけです。今度のやつ、准看でやっても、これは十五年になるわけです。しかしながら、いままでいた一般の准看のための道は開けていないわけですから、これはやはり狭い門、これを大臣の力によってみしみしとあけて、そうして開放に近いようにしてでもこの道を開いてやらぬとだめだ、こういうように思います。ひとつ大臣、こういうような点は、特に看護婦自身が滞留をしない一つの原因に対する対策として、この問題も十分考えておいてほしい、このことを申し上げておきたいと思うのですが、これはよろしゅうございますか。
#390
○内田国務大臣 先ほどお答えをいたしたとおりでございますが、重ねてお尋ねの点は、おそらく現在中学校を卒業して二年の養成期間を経て准看護婦になられた方につきましては、何か一定の期間の実務期間をつけられていると思います。そのことであろうかと思いますが、これはいま正看になるための年数などにつきまして、島本さんみずからお示しがございました等の関係もございますので、私が均衡をもって考えたいと申し上げましたのはそのことでございます。
 それから、これは私の言い過ぎかもしれませんが、私が必ずそうするという、お約束ではありませんが、いつかのときのビジョンとしては、私は准看護婦あるいは正看護婦という区別を置くべきか置かざるべきかという根本の問題にも触れるべき時期があるのではないか。さらにまた、看護婦あるいは保健婦、助産婦というのが、これはみな資格も養成期間も試験も違うようでありますが、これらにつきましても、私は何らかの一つの統一制度というようなものについても検討すべき時期があってもいいのではないかとも思うものでございまして、必ずそうするということではございませんが、私の自由な気持ちで、そうなるかどうか、その辺のことにつきましても、先の問題としてあわせて私は検討する点に触れてみたいと思うものでございます。
#391
○島本委員 いろいろございますけれども、やはり看護婦不足の要因の一つは夜勤と賃金である、こういうことはもうおわかりのとおりなんですけれども、賃金の安いことによってやめていく人が多い。一体この現在の制度、日本と外国の制度を比べてみたならば、日本の制度はこれでいいところにいっているのでしょうか。アメリカの割り増し率、イギリス、フランス、ソビエト、こういうようなところと比べてみて、日本の現行制度は他のこれらの国々よりもまさっているのでしょうか。これよりまさっていて離職率が高いというのならば何をかいわんやです。それより低いのであるならば、これはやはり改善すべきじゃなかろうかと思います。事務当局のほうにお伺いいたしますが、これは他の国との比較においてどういうようなことになっておりますか。
#392
○松尾政府委員 制度といたしましては、アメリカのいま行なっておりますものと非常に似ているような気がいたしております。というのは、一方で看護婦という制度がございまして、高校卒業後三年あるいは学校教育の課程による看護婦、こういうものがございまして、そこへ一九五〇年代に入りましてから急速につくり始めてまいりましたところの免許を持った実務看護婦の制度、これは州によって多少違うようでございますけれども、高等学校卒業一年、州によっては九カ月程度の養成期間、こういうことで一定のライセンスを与えまして働いておる。この姿はどうも日本の看護婦、准看護婦の姿と比較的似ているような気がいたします。このほかには、英国に看護婦のほかに地方登録看護婦、これもたしか中卒二年でございます。これは二年の制度がございます。そのような点から見ますと、やはり日本の事情も国際的に見ますれば、わりあいに似ているように感ぜられるわけでございます。
 ただ、ほとんど世界じゅうに見当たらない制度が一つございますのは、先ほど来御指摘がございました准看護婦から一定の経験年数等を経まして上の進学課程に入っていく、この進学課程は、どうも私どもの知る限りにおきましては世界じゅうに例がないようでございます。
#393
○島本委員 したがって、そういうような制度を改めなければならないし、それに手をつけるのが先決である。同時に、深夜業に対しましての割り増し賃金、こういうようなものも日本の場合は諸外国に比べてうんと低いじゃありませんか。アメリカの場合には割り増し率は深夜の場合五〇%である。イギリスの場合は週二時間までの残業については二五%、それをこえたものは五〇%である。フランスの場合には法定の週四十時間をこえると二五%、週四十八時間をこえた場合には五〇%である。ソビエトの場合は残業週二時間までは五〇%、それをこえるものは一〇〇%である。こういうようにいわれておるわけであります。そしてILO条約の八十九号、一九四八年成立したものでありますけれども、これで看護婦の深夜業のいわば国際的に認められている状況は、異常な疲労な伴うので特に二五%から五〇%までの割り増し賃金、こういうようなことにきまっているようであります。日本の場合には、労働基準法で二五%となっておっても、現在はこれを上回るものが少ない状態でしょう。そうすると、法定の深夜というようなのは一体何時から何時までを深夜というのか、これさえももう諸外国と違っておる。まさにこれは、奴隷とは申しませんが、あまりにもこれは看護婦に対して過酷な勤務時間であり、低率な賃金である、こういうようにいわざるを得ないんじゃないかと思うんです。
 いまちょっと私の調べた点の外国の割り増しパーセンテージを申し上げました。もし私の言うのに間違いがあるならば指摘してもらいたい。それと同時に、今度は日本における深夜勤務の時間は何時から何時までであるのか、これをひとつ説明してもらいたいと思います。
#394
○松尾政府委員 午後十時から翌朝の五時までというのが、深夜勤務の時間になっております。
#395
○島本委員 それは、いま言ったとおり、日本では午後十時から朝の五時までのようであります。イギリスでは午後七時から朝の七時まで。そうして、ILOでは、午後十時より午前五時に至る七時間を含む十一時間を深夜業務と規定する。日本の場合には、十時から五時まで、こういうようになっておるようであります。これは、世界の情勢からして、日本の保護規定が少し立ちおくれていませんか。やはりこういうようなところにも一つの原因があるのだ、こういうようなことを考えられますので、今後は、こういうような点の国際的な一つの規定の立ちおくれ、この問題に対しましては十分配慮し、メスを入れてもらいたい、こういうように思いますが、局長、この問題はどう思います。
#396
○松尾政府委員 そういう労働条件、いろいろな規約、取りきめについては、私もあまり詳しく存じませんけれども、少なくとも看護婦のいろいろな勤務に関しましては、いま御指摘のような世界のいろいろな事情というものも、十分私たちも調査をして、比較検討したいと考えておりますので、今後さらに勉強さしていただきます。
#397
○島本委員 やはりそういうような点で、私どものほうできわめて具体的に質問したわけですが、案外医務当局のほうではこういうような他の国の情勢なんかには通暁しておらないようであります。しかし、日本ではやはり看護婦が、それだけ過酷な労働条件のもとに働かざるを得ないような情勢に追い込まれているということなんです。したがって、賃金が安ければみんなやめていって、これは政府の責任だということになってしまうじゃありませんか。私は、そういうような点から、いま、この日本の保護規定が立ちおくれていることも看護婦がやめる一つの原因なんだ、滞留しない原因の一つなんだ、このことを言っておるわけなんです。こういうような点をもっともっと深くメスを入れて考えてもらわないとだめなんです。ほんの小手先のことばかりを考えて、それによってどうにでもできる、こういうように考えるのはもう古うございます。大臣も、この点は十分考えておいてもらいたい、こう思うのです。
 現に、看護婦の勤務年数は以外に低いじゃありませんか。一般の病院で四・三年だそうです。精神病院で三・八年だそうであります。結核病院では三・七年だそうであります。そして、今度はこれを種類別にすると、国立病院では四・五年、公立病院は四年、個人病院は四年、公益法人による病院は三・六年、こういうようなことになっているそうです。これだけ早くやめるのであるから、やめるだけの理由は、やはり勤務がそれだけつらい、それと同時に、夜勤並びに賃金が低い、こういうようなところに原因があるわけであります。こういうような点も今後十分考えておいていただかなければ、抜本的な改正にもならないのじゃないか、こういうように思うわけなんです。この点ひとつ、大臣においても、事務当局においても、今後十分考えておいてほしい、こういうように思います。これはよろしゅうございますか。
#398
○松尾政府委員 御指摘のように、その処遇、特に報酬が低いということは、私たちも改善をしなければならないと考えております。先ほど来お話がございましたけれども、常に私たちも、看護婦さんの待遇改善ということについては、最も重点を置いていままでも努力してまいりました。今後とも私たちも大いにその改善につきましては、間もなく人事院の勧告等が行なわれる時期にも遭遇いたしますので、また全力をあげてその方向に努力いたしたいと考えております。
#399
○島本委員 いままでずっとやってまいりました。答弁としては不満ばかりであります。これで私は納得してやめるのではありません。まだ夕御飯も食べておりません。これ以上やるのは、やはり基準法に違反するばかりでなく、人道上の問題にもなり、深夜勤務にも属しますので、きょうはこの程度で私はやめておきます。やめたからといって、全部納得してやめたのでは断じてない。いままでのいろいろな答弁はそのまま保留しておいて、資料が上がってくるまで本法案は上がらないであろう、こういうふうに思いますので、早くその資料等についても善処するようにお願いしておきたい、こういうふうに思うわけです。
 これで質問を終わります。
#400
○内田国務大臣 先ほど保留をいたしておきました、精神衛生の患者と結核患者との間の、生活保護の場合における日用品費の差額につきまして、細目は後日に譲らせていただきますが、一応わかりましたことだけを御答弁をさせていただきます。
 生活保護における入院患者の日用品費は、患者が実際に必要とする経費を積み上げて計算をすることになっておりまして、たとえば精神病患者につきましては、新聞を購読しないというような、一般の患者と異なる面がありますので、こういう部分についての費用が減額されているというようなこと、まだ他に細目の点があるかもしれませんが、そういう面から出てきておる金額の相違である、こういうことを一応答弁をさせていただきまして、なお細目につきましては後日詳細に機会を得て御説明を申し上げさせていただきたいと思います。
#401
○島本委員 その資料は出してくださいね。
#402
○内田国務大臣 資料といいますか、何か説明資料をひとつ……。
#403
○倉成委員長 古川雅司君。
#404
○古川(雅)委員 夜もだいぶおそくなりましたので、お疲れだと思いますが、ひとつよろしくお願いいたします。
 議題になっております保助看婦法の改正案につきましては、明日また渡部通子委員のほうから十分にお伺いをさせていただきますが、私も一点だけ質問をさせていただきたいと思います。
 ここに去る三月十二日の社会労働委員会の会議録を持ってきております。実はこのとき私、高校卒一年制の准看護婦養成制度についてお伺いをいたしました。現場の感情から、看護婦さんの関係団体で非常に批判の声が強い、この点はすでは当局でも御存じのはずだということをお伺いしました。こうした政府の見解と異なる点について今後どのように調整をしていくか、説得をしていくかという点についてお伺いをいたしました。そのとき局長は、こういう関係方面について十分な説明をしていないという点、その点お認めになりました。なおかつ、この制度については、さまざまな懸念が残っているということをお認めになっております。
 今朝来特にこの制度について論議が集中しているわけでございます。いまこの会議録を持ち出すまでもなく、どうも関係諸団体に対して説得をなさらなかったのじゃないか、全然調整する努力をなさらなかったのか、その辺が非常に疑問として残っているわけです。私お伺いしたのは、いま三月と申し上げました。それ以後どのような折衝をなさったのか、その点、まずお伺いしたいと思います。
#405
○松尾政府委員 全国の非常に末端に至りますまで、この制度のこまかい点まで十分にPRをしていくということについては、当時の段階ではまだ十分ではないと私も認めたわけでございます。しかしながら、それぞれの都道府県を通じまして、私どもの考え等も逐次こまかくお送りいたしまして御理解を願えるようにお願いをいたしてまいっております。特に私どもが一番中心にいたします団体といたしましては、看護婦の団体でありますところの看護協会でございまして、この団体につきましては、私どももしばしばお会いをいたしましたし、また、私どもの課長たちも参りまして、この団体とずいぶんよく話を繰り返してきておるわけでございまして、その点で私たちは、看護協会という団体に対しましては、その後は、少なくともかなりの時間をかけまして中身について議論をいたしました。また、それによっていろいろと向こう側のお考えなり、また将来に対する御希望なりもその中で承知をしてきたつもりでございます。そういう経過をたどったつもりでございますので、ここに御報告を申し上げておきます。
#406
○古川(雅)委員 少なくともそういう努力を払われたということをおっしゃるわけでございますが、しかし現実の問題として、私がお伺いした時点以後、准看一年制度についての反対運動がますます激しくなってきております。その点が私問題ではないかと思います。そうしますと、この法案を今度提案なさったということは、これは時期尚早じゃないか、十分な説得をしない上に出したということは誤りだったのじゃないかというように考えるのでございますが、いかがでございましょう。
#407
○松尾政府委員 かなり突っ込んだ御見解でございますけれども、いま申し上げましたように、専門団体といたしましても、この問題については幾つかの条件というものを、将来にわたり、またこの実施にあたっていろいろつけておりますことは御承知のとおりだと思います。最近の協会の総会等におきまして配られておりますものにも、その中身は具体的にあがっておるわけでございまして、私どもはそういう意見というものは、実現できることは十分尊重してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
 ただ、今回そういうような段階で出したことはきわめて早いではないかという御批判もあろうかと存じますけれども、要は、先ほど来いろいろ御議論もございますように、より早くより多くの看護人員を確保するということが、ただいまも御指摘がございましたようないろいろな悪循環を断つ上においても非常に大事なことではなかろうか、そういう意味で私どもはいろいろ努力をするかたわら、そういう日本全体の看護体制というものを改善したいという念願からお願いをしたわけでございます。そういう私どもが十分の説得力の不足であったという御批判はあろうかと存じますけれども、その提案いたしました趣旨は御了解を賜わりたいと思うわけでございます。
#408
○古川(雅)委員 実際に看護婦さんの多くがこの制度についてはますます反対の声を強めているわけでありまして、たとえこの法律がいま通ったとしても、今後これを実施するにあたってどれほどの効果が期待できるか、むしろ看護婦さんの間で感情的な問題、看護婦さん同士の人間関係の問題でいろんなトラブルが予想されるのじゃないか。そういった問題が起こってきた場合、当局としてどのように責任をおとりになるのか、この点についてはいかがでございますか。
#409
○松尾政府委員 私どもは、この制度自体のいろいろな中身についてまだ十分御理解を賜わらない点もあろうかと思います。しかし、これが実施に移される段階におきましては、ただこの法律が通れば済むというような段階でございませんで、さらにいろいろな教育の内容あるいは教員の再教育の問題等につきましても、この実施の段階までの間に相当の努力を払わなければならぬと思います。そういうことを全力をあげて私たちもやっていく所存でございますので、そういう過程におきまして、私はいろいろな誤解がございましても、次第に御理解いただけるんじゃないか、また、そういうふうな努力も当然払わなければならぬ問題であると考えておりますので、ひたむきにそういう努力を払ってまいりたいと思っておるだけでございます。
#410
○古川(雅)委員 大臣、いまお聞きいただいたと思いますが、そういった非常に重大な問題が残っているわけでございます。今後いろいろな問題が起こってくると思いますが、その辺のことについて一応所感をお伺いしておきたいと思います。
#411
○内田国務大臣 これは二十何万人かあられる看護婦また准看護婦さんの方々でありまして、一本の方向というものは、私は正直のところ、必ずしも打ち出されているものではないと思います。いろいろの御意見もあろうと思いますので、この二十数万人の方々が全部一本の意見になるまで法律案も出せないということになりますと、私は今日の医療がここまで広範かつ高度化してきておる際の看護体制というものを整備をして、そしてその需給を適正にすることが一そうむずかしい状態になりますことを心配をいたしまして、皆さん方の意見で聞くべきものはできるだけ取り入れまして、また今後、これっきりということではございません、今後また聞くべき意見につきましては、さらにまたそれに対応するような柔軟性のある考え方を持ちつつ今回この法律案を出させていただいた次第でございます。
#412
○古川(雅)委員 この問題につきましては、冒頭に申し上げましたとおり、あす渡部通子委員のほうからまた詳細にお伺いしたいと思います。
 私は次に、衛生検査技師法の一部を改正する法律案についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 厚生省からいただいておりますこの参考資料に基づきまして質問させていだきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、この改正案が出てくるまでに、関係団体、日本衛生検査技師会等との検討会あるいは折衝がかなり繰り返されているようであります。その経過は、私も参考資料によって拝見をしたわけでありますが、まだ幾つか問題点が残っているようでありまして、その点一つ一つ確認をさしていただきたいと思います。
 まず、いただいたこの法律案の要綱の第一番目で、「臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律」、この法案の名前を一本化しなかったということについてさまざま御意見があったようでございますが、この点について今後問題は残らないか。すなわち二つの名称をつくることによって医療機関と公衆衛生を分けることになるという不安があるわけですね。その点について明確に確認さしていただける御答弁を賜わりたいと思います。
#413
○松尾政府委員 御指摘のように、この法律の名前等はできるならば一本にしてほしいという要望がございまして、最終段階まで私どもは調整をいたしたところでございます。何とかそのほうで法制的にも表現できるならば、そういう御期待に沿いたいということで努力してきたのでございます。それはあくまで法律の題名の問題でございましたけれども、最終的に、やはり法制的にもこのほうが内容的に正しいんだということになりまして、そういう御主張、御希望を抱かれた技師会等につきましても、私どもから御説明申し上げ、了解をいただきました。それでけっこうだということになりましたので、その限りについてはその後の問題はないと存じます。
#414
○古川(雅)委員 次に移ります。第二番目の定義の規定についてでありますが、新たに設けられます臨床検査技師について、ここに「医師の指導監督の下に、」ということで、その項目があげられております。この指導監督ということと指示という語句の用法についてかなり議論があったと承っております。その点についても指導監督ということに決定をされ、今後に問題を残さないか、その点が一つ。
 もう一つ「政令で定める生理学的検査」を行なうということが付加されるわけでありますが、この「政令で定める生理学的検査」ということの内容について、明確にお示しをいただきたいと思うのであります。
#415
○松尾政府委員 指導監督ということと指示という二つの表現がございますけれども、この際私どもは、指示というもののほうがより具体的なニュアンスを持っておるということでございまして、指導監督のほうがより包括的である、こういう形でございましたので、指導監督ということばをとったわけでございます。
 それから、政令で定めますところの生理学的検査、いま予定しておりますのは脳波の検査でございます。それから第二に心電図の検査、それからベクトル心電図という特別な心電図がございます。それから心音図の検査、筋電計、それから呼吸機能の検査、これは呼気のガス分析とか血液中のガス分析等を含んでおります。それから基礎代謝の測定、超音波の検査、こういうことを一応予定をいたしておるわけでございます。
#416
○古川(雅)委員 だいぶ飛びますけれども、参考資料の最後のほうをごらんいただきたいと思いますが、この参考資料の中に「衛生検査技師学校・養成所数及び入学定員」というのがございます。それから「衛生検査技師免許取得者数」というのが次のページにございます。この資料を通してお伺いをしたいのでございますが、衛生検査技師、また今度新たに設けられました臨床検査技師は、日本の現状で大体どのくらいいれば十分といえるのか、その辺いかがでございましょう。
#417
○松尾政府委員 この数は、正確に必要度を出すということはなかなかむずかしいのでございますけれども、少なくともこの資料にございますように四万三千というような免許を持った方々がすべてこの業務に従事しておると考えますならば、かなりの部分充足できる状態であろうと思います。しかしながら、御承知のとおり免許は持っておりますけれども衛生検査業務に従事しないでいるという方がいるわけでございまして、病院における従事者数が一万一千七百五十名という数字がその資料にも出ているわけでございます。従事者の場所として病院の従事者が一万一千七百、保健所が千三百ということになっておりますけれども、保健所でいいますと、全国で約八百幾つかの保健所に対して千三百という形であれば、従事者数としてはなるほど足らないというふうに思います。それから、病院につきましても、全体として七千幾つかの病院があるわけでございますが、それと比較しますと、これに従事している数はまだ足らない、こういうふうに申し上げなければならないだろうと思います。
#418
○古川(雅)委員 第二番目の資料を拝見いたしますと、免許の取得者の総数が最近ことに激増いたしております。その増加をしている内容を見ますと、無試験免許のほうで医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、この辺が非常にふえているわけでございまして、そのほか養成所、検査技師学校等で技術を習得して免許を取得した方の数が非常に少ない。これは私のほうにも資料をいただいておりますが、厚生省関係の衛生検査技師学校の入所の定員そのものも非常に少ない。千五百名である。文部省関係を加えましても二千五百六十名。こういった点から見ますと、非常に養成機関の数が少ない、不備だという点があげられるんじゃないかと思いますが、この点いかがでございましょう。
#419
○松尾政府委員 御指摘のとおり、この養成機関のほうはまだ不足している状態でございまして、昨年五十八であったものがことし六十一というまでにだんだんにふえてまいりましたけれども、なお私どもはこの衛生検査について学校が不足していると考えております。
#420
○古川(雅)委員 特に経過措置といたしまして講習及び試験の制度がございますけれども、都会地はいいとして、山間僻地、また非常に交通の不便な地方の人たちに対しての対策が今後問題になっていくと思います。特に、いま局長の御答弁にありましたとおり、こうした技師学校、養成所の絶対数が少ない、こういう点が問題になるわけでございますが、午前中の局長の御答弁の中で、経過措置としての講習会の内容について、そういう機会をつくることは大事であり、不便が起こらないように今後府県単位でそうした養成機関をつくっていきたいというふうにおっしゃっておりました。ところが、私、先ほど厚生省からいただきました資料によりますと、県によってこの技師学校、養成所が全くないところがたくさんございます。岩手、秋田、山形、茨城、千葉、富山、福井、山梨、岐阜、静岡、三重、滋賀、和歌山、島根、佐賀、宮崎、鹿児島、この県には全くございません。こういった現状からいたしますと、午前中の局長の御答弁で府県単位にと簡単に御答弁なさっていたわけでございますが、これはたいへんな問題じゃないかというふうに考えるのでございますが、いかがでございますか。今後の対策、方針等についてお伺いしたいと思います。
#421
○松尾政府委員 この特例として、経過措置といたしまして試験を受けられる方の講習会でございますが、講習会でございますので、必ずしもその学校がなくても十分実習できるわけでございます。なお、そういう形でいろいろの講師その他につきましては、関係の学会なりそれぞれの技師の団体なりの方とも十分打ち合わせをいたした上で、いい内容のものにしたいと考えております。
 なお、そのチャンスをつくる場所をつくることにつきましては、そういう働きながらやっていく方の講習でございますから、少なくとも各県単位にということで考えていきたい。なお、それについても、時間的には土曜、日曜というようなことを割り当てながら、一方勤務を続けながらでも所定の講習が終えられるような配慮をしたい、こう考えておるわけでございます。決して学校だけにたよるつもりはございません。
#422
○古川(雅)委員 特に私は、学校が中心になって、こうした技術者の養成、そしてまた、不足している人員を補っていくために、どうしても近い将来にこうした施設をどんどんつくっていくべきじゃないかという観点からお伺いしたわけであります。
 なお、現在免許を取得している方の数でございますが、これは実際に病院あるいは保健所において従事している方々の数字とはまた別でありますが、いわゆる単純に免許を取得している方々の数だけで考えてまいりますと、私の試算でありますが、大体人口に比しまして千六百五十数人に一人というような答えが出てまいりました。これを各府県別に見てまいりますと、非常にアンバランスがございます。これは非常に単純な言い方で申しわけないのでございますが、しかしこれは一つの問題になるのじゃないか。それを一々あげるまでもございませんが、いまの平均千六百五十数人に一人ということに比べまして、大体三千人前後に一人というようなところを見てまいりましても、青森とか、岩手、秋田、山形、福島、栃木、福井、山梨あるいは三重、ずっと下ってまいりまして愛媛、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、こういったところをあげることができます。多少計算の誤差はあるかもしれませんが、いずれにしても、こういうところは免許を取得している人が非常に少ないということで、いずれもこれは山間僻地をかかえた非常に不便な場所が多くあがっております。ちなみに、東京都におきましては九百六十人に一人と、きわめて恵まれております。そういった点で、この経過措置としての講習につきましては、通信教育等によるもので試験を受けさせるというような措置を講ずることができないかという点が考えられるわけでございますが、この点いかがでございましょう。
#423
○松尾政府委員 この講習につきましては、単にテキストを読むというだけではなくて、やはり技術教育の問題でございまして、いろいろのデモンストレーションその他の問題もございますので、いまのところ私どもは通信教育は非常になじみにくいと考えておるわけであります。ちょうど前にエックス線技師から放射線技師になりますときにも、議員立法によります制度ができ上がりまして、このときも、テキストを相当りっぱなものをつくりましたけれども、やはり講習会場においでいただいて、そこで講師と一緒に議論をし勉強していただく、また、いろいろな実習にも参加していただくということをとりましたので、おそらくこの場合もそういう形をとるのが一番妥当ではなかろうかと考えております。なお、しかし、非常にまれなケースとして、これは実施の内容を詰める段階におきまして、そういう可能性があるかどうか、もう一度検討してみたいと思います。
#424
○古川(雅)委員 それをお伺いしましたのは、この法律案要綱の第四になりますが、その二番目の(1)に「高等学校卒業者で、」云々ということがございまして、その最後に「必要な知識及び技能を修得したもの」ということがございます。全く通信教育だけということでは非常に無理があることは了解できますが、先ほどあげましたような交通の非常に不便な山間僻地をかかえた地帯においては、実際に実務に携わりながらりっぱに知識も持ち、そしてまた技能も修得している。たまたまそうしたたいへんな勤務条件の中にあるために、講習を受けに出ることもできないという人がかなり残されているのではないか。そういう点からお伺いしたわけでございますが、その点いかがでございますか。
#425
○松尾政府委員 そういう事情もあろうかと存じますけれども、原則としてはやはり通信教育だけということは避けまして、そのかわり正規の講習を受けやすい条件を整備するということで行ないたいと考えております。
#426
○古川(雅)委員 通信教育だけで免許を与えるということであれば問題がありますけれども、しかし試験を受けるという一つの関門があるわけでございますから、そこでチェックされるということを考えれば、通信教育でこうした便宜をはかってあげるということに問題はないんじゃないか。もっと進んで考えれば、テレビによる講習というものも、時代の流れからして当然考えられる。その第一の段階として通信教育は十分可能であると思いますが、それでも問題ありますか。
#427
○松尾政府委員 確かに、そういう点も、ものによりましてはなじむものもあろうかと存じます。むしろ私は、逆に、こういう技術教育の世界でございましたならば、単純な通信教育よりも、いま先生が例にあげられましたようなテレビによるようなもの、こういうものであれば相当これは技術的な教育として、理科的な教育としてなじむのではなかろうか。ただ、やはりこの特例の試験につきましても、実際にそれだけの、人体に装着するとかいろいろな問題があります。装置の扱い方等については実際にやらなければならぬという問題もございますので、原則としてはそうやりたいと思います。しかしながら、中身の問題でございますので、どれがなじむかなじまないかという問題になりますと、これは具体的な講習内容を決定する際に十分検討させていただきたいと思います。
#428
○古川(雅)委員 これは、先ほど申し上げましたとおり、東京では考えられないことでございますが、いなかのほうでは、実際さっき申し上げたような条件のもとで働いている人がたくさんいるわけです。こうした検査業務だけではなくて、それこそ受付からこうした検査業務からお医者さんの身の回りの手伝いから、何からかにまでさせられて、しかも一日もひまがとれないというような条件のもとで働いている。しかも技術的にはかなり高度な技術を修得しているのに、こうした時間的な余裕がないばかりに免許の取得ができないという方がたくさんいるわけです。そのことで、私くどくど申し上げているわけでございまして、これは速急に御検討いただいて、実施できるようにお計らいをいただきたいと思うのでございます。
 大臣、先ほどからお伺いしておりますとおり、まず技師学校、養成所の数、こういった点も県の中に全然ないところさえある。そしてまた、経過措置中の講習及び試験について伺ったわけでございますが、各県によって免許を取得している衛生検査技師の数がかなりアンバランスである。しかもそれは、そうした地域性に基づいているのではないかということが十分考えられるわけでございますが、いままでの局長と私とのやりとりを通して、これは早急に手を打っていただきたいと思うのでございますが、大臣いかがでございましょうか。
#429
○内田国務大臣 まことに仰せのとおりと私も考えますので、これが整備について今後十全を期してまいりたいと存じます。
#430
○古川(雅)委員 では次に移らせていただきます。
 これは午前中からだいぶ御質問が出ておりましたが、あらためて確認をさせていただきます。いわゆる採血のことでございますが、結論を申し上げますと、いわゆる行政指導をはっきりしていただきたいという点であります。そうしないと、看護婦さんとのトラブルが起こるかもしれないという点でございます。午前中の局長の御答弁では一応納得がいくようでございますが、まだまだ不安が残されているんじゃないか。この点については責任を持って今後措置していかれるか、行政指導を徹底されるか、その点あらためてお伺いしたいと思います。
#431
○松尾政府委員 臨床検査技師に認められますところの採血行為、これが看護婦との業務の調整につきましては、この法律のいろいろな制限もあるわけでございますけれども、その運用にあたっては、その制限ないし立法の精神並びにこの趣旨が設けられた内容等につきましても、相当具体的にこまかく注意をいたしまして、無用な混乱が起こらないように努力いたしたいと存じます。
#432
○古川(雅)委員 時間がおそいので非常に急いでお伺いをいたしまして失礼をいたしましたが、最後に、この改正案が出るまでにかなり検討が進められたということは冒頭に申し上げましたが、関係団体の中でもかなりまだ賛否両論が残っているようでございます。そうした点で、この改正後さらに関係諸団体の意見をよく聞いて、そして今後そうした反対意見を持っている方々についてもよく説得をして、この法律の有効な運用ができるように努力をしていただきたいと思うのでございますが、改正前の折衝にとどまらず、今後とも関係諸団体の意見をよく聴取していただき、尊重していただくという点について確認をさしていただいて、質問を終わりたいと思います。局長並びに大臣からよろしくお願いいたします。
#433
○松尾政府委員 先ほど来のように、この法律をつくりますにあたっては、大かたの御意見は全部調整をしたつもりでございます。しかしながら、なお実行段階でこまかい点について、それは実行段階に譲るというような問題もございます。また、法律にはあらわしませんが、施行規則を書きます段階でございますとか、あるいは通知にはっきりさせる、こういう約束になっている事項もございますので、そういったことも十分生かして御趣旨に沿うように努力をしたいと思います。
#434
○内田国務大臣 古川委員から御注意並びに御意見のありました点につきましては、私どももできる限りその御趣旨に沿って今後の万全を期してまいる所存でございます。
#435
○古川(雅)委員 以上をもって終わります。
#436
○倉成委員長 次回は、明八日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後十時散会
ソース: 国立国会図書館
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