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1970/03/11 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 文教委員会 第5号
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1970/03/11 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 文教委員会 第5号

#1
第063回国会 文教委員会 第5号
昭和四十五年三月十一日(水曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 八木 徹雄君
   理事 久野 忠治君 理事 久保田円次君
   理事 河野 洋平君 理事 櫻内 義雄君
   理事 谷川 和穗君 理事 小林 信一君
   理事 正木 良明君 理事 伊藤卯四郎君
      有田 喜一君    稻葉  修君
      小沢 一郎君    塩崎  潤君
      高見 三郎君    野中 英二君
      松永  光君    森  喜朗君
      渡部 恒三君    川村 継義君
      木島喜兵衞君    辻原 弘市君
      原   茂君    山中 吾郎君
      新井 彬之君    有島 重武君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 坂田 道太君
 出席政府委員
        文部政務次官  西岡 武夫君
        文部大臣官房長 安嶋  彌君
        文部大臣官房会
        計課長     安養寺重夫君
        文部省大学学術
        局長      村山 松雄君
        文化庁長官   今 日出海君
        文化庁次長   安達 健二君
 委員外の出席者
        厚生省医務局医
        事課長     竹内 嘉巳君
        文教委員会調査
        室長      田中  彰君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十日
 辞任         補欠選任
  麻生 良方君     西村 榮一君
同日
 辞任         補欠選任
  西村 榮一君     麻生 良方君
同月十一日
 辞任         補欠選任
  麻生 良方君     西村 榮一君
同日
 辞任         補欠選任
  西村 榮一君     今澄  勇君
同日
 理事麻生良方君同月十日委員辞任につき、その
 補欠として伊藤卯四郎君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月九日
 昭和四十四年度における私立学校教職員共済組
 合法の規定による年金の額の改定に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第六〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一一号)
 著作権法案(内閣提出第三九号)
     ――――◇―――――
#2
○八木委員長 これより会議を開きます。
 理事補欠選任についておはかりいたします。
 理事麻生良方君が昨十日委員を辞任されました結果、理事が一名欠員となっております。この補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○八木委員長 御異議なしと認めます。それでは、伊藤卯四郎君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○八木委員長 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。新井彬之君。
#5
○新井委員 私は、国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、質問をいたしたいと思います。この件につきましては、河野委員並びに他の委員からの御質疑もありましたので、なるたけそれに重複しないようには質問するつもりでおりますけれども、こまかい点にわたるかもわかりませんが、ひとつ丁寧なる答弁をお願いいたしたいと思います。
 そこで、秋田大学に医学部ができるようになった経過といいますか、いつごろにそういうお話が出て、どういうような準備をしてこういう法案になったのか、簡単にひとつお聞かせ願いたいと思います。
#6
○村山(松)政府委員 秋田大学に医学部をつくってほしいという一般的な御要請は、ずいぶん前から地元方面からございましたけれども、今回の問題としては、一昨年来地元を中心として、秋田県の医師不足等の実情から、地元としてはぜひ医学部をつくってほしいというお話がございました。そこで、昨年度諸種の事情を勘案いたしまして、予算に準備費を計上いたしました。この準備費は、国立大学をつくる場合に、準備費あるいは調査費を計上するということは従来ともあったわけでありますが、秋田大学医学部の準備費は、従来ついておりましたような調査費、準備費よりも一そう具体性の強いものでございます。と申しますのは、学部長といいますか、病院長といいますか、そういう中心的な人を予定するような人件を含めまして、入学試験の経費まで含めた準備を計上いたしわけでございます。そういうことでございますので、秋田大学医学部につきましては、四十四年度にかなり具体的な準備費を計上して準備を進めて、準備が整えば四十五年度には具体的に学生募集を含む開設にまで持っていくというような含みで準備費が計上された次第でありまして、四十五年度の問題としましては、四十四年度の準備費で準備調査会をつくるなどして、地元の事情、大学側の準備、それから先輩大学等の協力も得まして、教官、組織の構成など鋭意準備を進めて、大体やれるという見通しを立てまして、具体的な設置にかかる経費の要求をいたしまして、それが現在御審議願っております予算案に計上されましたので、これと並行的に医学部増設のための国立学校設置法の改正案を提案した、こういう経過になっております。
#7
○新井委員 ただいま経過についてのお話がございましたけれども、この法律というのが四十五年の四月一日から実施をする、こういうわけで、現在もう三月の十一日でございまして、法案が通る場合ももちろんあるし、否決される場合もあるわけでありますけれども、やはりこういう法案というのは、準備に時間がかかる、いろいろなことがあればあるほど、やはりもっと早く提出しなければいけないのじゃないか。そしてまた、その内容においても、検討するものは検討して、そして直せるものはその場で直すというようなことが必要ではないかと思うわけです。そういう点について、いまの報告で大体わかったわけでありますけれども、こういう法律についてはなるたけ早く出すことが望ましいのか、望ましくないのか、そのことだけ一応聞いておきたいと思います。
#8
○坂田国務大臣 このことはもう当然なことでございまして、なるたけ早く御審議をわずらわさなければならぬわけでありますが、今回の場合は、選挙もございましたし、国会開会その他がございまして、そういう関係でおくれたことは遺憾であります。したがいまして、できるだけ慎重に御審議をわずらわして、すみやかに創設できるようにお願いを申し上げたいと思います。
#9
○新井委員 この法律が実施されまして、入学試験とか入学式というようなものはもうきまっておるのでしょうか。
#10
○村山(松)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、この秋田大学医学部につきましては、準備費でかなり具体的な準備措置が進められるように予算措置がしてございますので、いま予算並びに法律が成立すれば、直ちに学生募集の措置を進めるように準備をいたしております。と申しましても、おそらく法律が通りましてから具体的に学生を入れるまでには、一カ月以上はかかろうかと思います。と申しますのは、入学試験問題などは実はその準備費によりましてすでに印刷準備しておりますけれども、法律が成立いたしまして、直ちに学生募集を開始し、それを締め切って、試験場の準備を整え、試験を行ない、選考し、合格者をきめるということにつきましては、少なくとも約一カ月はかかると思います。その具体的な日取りは、まだ法案が成立するのが確定いたしませんものですから、法案成立後直ちに着手し、一カ月以内に完了するという含みで大体のスケジュールは立てておりますけれども、具体的にはきまっておりません。
#11
○新井委員 いま四月一日から実施されるということでありまして、これが実施されることになれば、すみやかに試験も行ない、それからまた教育課程等もおくれがないように、これは万全の体制を組んでやっていかなければいけない、こういうぐあいに思うわけでありますが、現在の進行状況は予定どおりに進んでいる、そしてそういうことについては心配がない、こういうぐあいに言い切れるかどうか、この点をお伺いいたします。
#12
○村山(松)政府委員 いま御説明申し上げましたように、法案成立次第一カ月程度を目標として学生を入れるという準備を進めております。したがいまして、法案成立がおくれない限りは新年度の授業に支障がないと考えております。
#13
○新井委員 今回秋田大学に医学部が増設されるわけでありますが、医学部増設ということで、前の答弁にもあったと思いますけれども、非常に希望が多い。そういうわけで、これはもう非常な要請があるとは思いますけれども、文部省として、こういう医学部の増設計画といいますか、今後そういう何らかの計画を立てて増設していく気があるかどうか、その点についてお伺いいたします。
#14
○坂田国務大臣 率直のところを申し上げますと、日本列島全体を考えまして地域的にどういうふうにやるかということについての計画をわれわれ持っておりません。持っておりませんが、しかし、これから新しい構想の大学等をも考えました場合に、あるいは特に医師が非常に不足しておる、あるいは地域的な偏在があるというようなことを考え合わせました場合におきましては、やはりある程度の長期的な計画ということが策定されなければならないというふうにわれわれは考えるわけでございます。いま直ちにそういうわけにはまいりませんけれども、今後文部省あるいは厚生省と緊密な連絡のもとに、おおよそのそういうような計画も考えたいというふうに思うわけでございます。秋田大学以外の大学につきましても、医学部の創設が地元から非常に要望をされておるというところがございます。しかし、実際問題として医学部を一つつくるにいたしましても、先般も概算申し上げましたように、五十億程度はかかるというようなことでございまして、そう簡単にできがたい。あるいは教官、あるいは病院、看護婦、その他いろいろの定員関係も実はございます。そういうようなことでございまして、なかなか地元から要望があるから直ちにそこへというわけには実はまいりません。そういうわけでございまして、この点につきましては、十分地域的な配置関係あるいは要望、そして国全体としてどういうようなことでこれからいくのかということをいろいろ検討いたしました上に設置すべきではないか、かように考えておる次第でございます。
#15
○新井委員 そうしますと、要するに、文部省としてはこれからそういう計画を立てていくつもりである、こういうようなことに了解してよろしゅうございますか。
#16
○坂田国務大臣 そういうような気持ちでおるということでございます。と申しますのは、たとえば、いま中央教育審議会等におきまして、大学全体についての構想が練られつつあるわけでございます。それにつきましても、現在大学の構想の試案の中にも、これからの長期的な教育計画ということも指摘をされておるところでございまして、そういう点を十分踏まえた上で考えていかなければいかぬじゃないかというふうに思っておるわけでございます。
#17
○新井委員 現在、非常にいろいろなことが行なわれておるわけでありますけれども、計画をしてもなかなか一つのことが実現できない。それを実現していこうと思いますと、非常な努力が要る。それがどこにおいてもなされていかなければできない。まして、その計画がないということであれば、これは何もやる気はないのだ、要するにそれはできないのだ、そういうようなとり方になるのです。
 そこで、前回に、何か政務次官がお答えになっておったと思うのですけれども、三十六年から四十四年にかけて、非常に――千二百名ですか、医学部の増設に伴って医学生が増加したというようなお話がありましたけれども、この中で国立として何名の増加があるのか、お伺いしたいと思います。
#18
○村山(松)政府委員 国立大学で医学部が二十四ございます。それの昭和三十六年度現在の入学定員は千六百二十名でございましたが、昭和四十四年度には二千二百八十名にいたしております。したがいまして、その差でありますところの六百六十名を国立で増加いたしております。なお四十五年度は、秋田大学が認められますと、さらに八十名増加になるわけであります。
#19
○新井委員 現在、三十六年から四十四年度まで非常に充実をしたということであったのですけれども、国立としては六百六十名。今回国立の第一期の試験が終わったと思うのですけれども、受験者数から見て医学部の競争率というのは何倍くらいになっておるのでしょうか。
#20
○村山(松)政府委員 医学部の入学志願者数は、一期校の場合、昨年の実例で申し上げますと、医学部の志願者数は二万八千三百九十二人、一期校が一万三千六百六人、二期校が一万四千七百八十六名ということになっておりまして、倍率から申し上げますと、大体十二倍程度の倍率になっております。なお本年度につきましては、医学部の第一期校の場合、医学、歯学含めまして、志願者数は一万五千二百四十五名ございまして、倍率にいたしまして七・八倍ということになっております。
#21
○新井委員 いまデータが発表されましたけれども、少なくとも、工学部等においては比較的競争率もあるわけですけれども、その他の学部から見ますと、非常に競争率というのが激しい。そのうちには浪人をして、一浪、二浪とあるわけでありますけれども、受験した者も非常に含まれている。こういうように、多くの方が医学部で勉強をしたいということで希望をされてくる。なぜそうなるかということはこの前いろいろと論議がされたわけでありますけれども、こういうふうに医学の勉強をしたいんだけれども、実際は大学が少なくて入学ができない、これではほんとうに気の毒だと思うわけです。現在の小学校の子供さんを見ておりますと、小学校のときから一生懸命勉強しまして、それも学校の勉強だけではなくて、何かはかのほうで家庭教師であるとかいろいろ勉強して、高等学校まで一生懸命くる。そうして医学部については、私立、国立あるわけでありますけれども、たまたま入学ができても、私立の場合は非常に金額が高くて行けない。そのダブリでもって非常にたいへんな状態になっているわけです。もう一つは、これは話が別になると思いますけれども、現在の教育制度においては、ほんとうに人間性豊かな医者としてのモラルといいますか、そういうものを学んで身につけるというときがない。そういうわけで、一律にただがむしゃらに勉強してくる、こういうような状態になっているわけでありますけれども、こういうことについて、文部大臣はどのようにお考えになっているか、そのことをお伺いいたしたいと思います。
#22
○坂田国務大臣 医学部に対して非常に入学者が殺到するということは、先般の委員会におきまして川村委員からも御指摘になりました。そのことは、医学を修めた者が、何と申しましても社会的に認められ、その地位も安定するということもございましょうし、もともと日本の医学というものは明治維新以後におきましてかなり高度の水準を保っておったというようなこともございまして、世界的に見てもかなりいい水準をいっておる、質もいいという事柄もあろうかと思うわけでございますが、それに対して、それを受けとめておるところの国立あるいは公立、私立の大学における医学部が少し少な過ぎるということについては、先ほども申し上げましたように、もう少し長期的な計画のもとに、その需要に応ずるような体制を整えなければならないということは申すまでもないところだというふうに考えておるわけでございます。しかし、私立におきましては、入学金とかあるいは授業料とかその他の納付金等を合わせますと、かなりのお金を出さなければならないということは事実でございまして、私どもといたしましては、なるたけそういうようなことがなくても入れるようなことにしなければいけないというふうに心がけてはおりますけれども、その需給の問題もございまして、なかなか困難なわけでございます。そういうようなことも考えまして、今度私学に対しましても、特に医学部、歯学部という点に留意をいたしまして、私学助成の道を開く予算をつけたようなことでございます。今日、国公私立を問わず、一人の医学生を教育、研究させるために、費用というものは相当かかるわけでございまして、国立の場合は国がまるまる見るといたしましても、私学の場合その経費を一体どうやって捻出するかというと、私学の持っております基金とかあるいはまた寄付金とかいうことではもう全然追っつかない。結局それを国が何ら助成をしないということであるならば、入学金やあるいはその他の納付金にたよらざるを得ない。そうでなければ、私学に学ぶ医学生の教育、研究の質的向上は望みがたいのだ、こういう切実なところに追い込まれて、さらにこれ以上授業料を上げたりあるいは納付金を上げたりするようなことは、社会的にも実は問題になる。それからもう一つは、国と私立と今日社会に果たしておる役割りということを考えた場合には、当然私立に対しても助成をしなければいけないんだということで、戦前戦後を問わず、画期的なつもりで実は今度の私学助成ということに踏み切ったわけでございます。このお金をもととして、医学生を含めまして、その他の学部学生におきまする教育、研究というものの向上というものが望めるならば、われわれのやりましたことは意味があるのではなかろうかというふうに思う次第でございます。
#23
○新井委員 いま文部大臣から御説明がございましたけれども、この医学部の問題につきましては、当然お金もかかります。これをどのようにするかということは非常な問題ではございますけれども、医学部においては量も質もともに向上していかなければならない、そういうようなところに非常な努力が要るとは思うのでありますけれども、やはりその点を解決をしてまいらなければ、ますますこれからの医療事情であるとか、いろいろな問題によって大きな問題になってくる、このようにも考えるわけであります。そういう意味において、今後ともその件については鋭意努力をしていただきたい、このように思います。
 これに関連しまして、厚生省の方にお聞かせ願いたいのでありますけれども、現在医者の数というのは足りておるんでしょうか、どうでしょうか。
#24
○竹内説明員 お答えいたします。医師の過不足という問題になりますと、いろいろな要素がございますので、一がいにどれで足りるという線が出せるわけではございませんが、諸外国等との相対的な比較等を勘案いたしましたときに、現在わが国で人口十万当たり一一二というのがおよその数でございます。私どものほうで医師の需給に関する研究を行ないました限りでは、これが人口十万対約一四〇くらいがおよそ望ましい数ではなかろうかということで、昭和五十年に人口十万対一四〇という医師数を一つのめどとして考えておるところでございます。
#25
○新井委員 現在十万に対して百四十人の目標を持っているということでございますけれども、これには何か増員の計画というものがありますか。
#26
○竹内説明員 お答えいたします。医師の需給ということになりますと、事柄の性格上、どういたしましても文部省当局にお願いをいたしまして、国立、公立、私立の医学部の定員増ということがある程度基本になりますし、またさらにそれに対応いたしまして、医療全体という立場からまいりますと、いわゆる僻地問題等を勘案いたしましたときに、単純に人口数というだけでなく、たとえば機動力あるいは道路の問題、そういったようなものの整備等によりまして、医療に対する充足率ということを増すことがやはり一つの問題になるわけでございます。ただ医師の数というだけでなく、医療の機会の均等化、そういったものの充実とあわせまして、医師の需給というものを厚生省としては考えてまいりたいと思っております。ただ、重ねて申しますが、やはり基本になりますのはどうしても医師の数でございますので、この点は昭和三十六年の、いわゆる皆保険というもののめどを達成した段階におきましても、また昭和四十二年におきましても、厚生省といたしましては文部省と十分連絡をとりながら、これからの定員増ということについてお願いをしてまいったところでございますし、また十分それにおこたえをいただいて、御協力をいただいておるというふうに私どもは理解をいたしております。
#27
○新井委員 いま厚生省のほうから、文部省とよく打ち合わせをしていままでやってきたということでありますけれども、そのように了解しておりますでしょうか。
#28
○村山(松)政府委員 医師の需要数につきましては、ただいま厚生省のほうから御説明がございました。私どものほうの経過を申し上げますと、わが国では戦時中には医専など増設した関係がありまして、年間一万人以上の医師を出しておったこともございますが、終戦後、医師の資格の向上というような観点から、医専は廃止いたしまして、これを、向上の見込みのあるものは大学に昇格させ、見込みのないものは廃止するという措置をとり、同時に医師の養成数も人口十万当たり百人をめどにするということで、二千八百名程度に圧縮いたしまして、そのような状態が十数年続いたわけでございます。昭和三十六、七年ごろから、人口十万人当たり百人ということでは足らない、もう少しふやすべきだという議が出てまいりました。そういうことを厚生省のほうから承って、そのころから漸次増加の方向に持ってきておるわけでございますが、しからばどの程度を目標にすべきかということにつきましては、なかなか明確な目標が立たずにまいったわけでありまして、医師全般としてふやすべきだという趨勢については承っておりますけれども、増加のための具体的目標あるいはそれに持っていく措置というような点につきましては、まだ十分話し合いをいたしておらないのが現状でございます。
#29
○新井委員 さきの問題に戻すつもりはないのですけれども、ふやすことは当然必要である、ところが目標がはっきりしていないというお話なんですけれども、何をやるにしても、やはりめどであるとか、目標であるとか、そういうものがはっきりしていないことをやるというようなことはできないんじゃないか、このように思うのですけれども、いかがでしょうか。
#30
○村山(松)政府委員 全くそういうことだと思いますので、私どもとしてはなるべく明確な養成目標というものを立てたいということで連絡をしてまいったわけでありますけれども、まだ具体的にそれが煮詰まっておらない。できるだけ早くそれを立てた上でその実現に向かって努力をいたしたい、かように考えております。
#31
○新井委員 これもまたちょっと厚生省の方にお伺いしたいのですけれども、現在無医地区というのはどの程度あるのでしょうか。
#32
○竹内説明員 お答えいたします。無医地区というものの概念をきめることについていろいろ問題があるわけでありますけれども、厚生省でいわゆる無医地区対策として調査をいたしました結果掌握しておりますものは、全国で二千九百二十地区というふうに理解をいたしております。
#33
○新井委員 この地方に対して、何か診療班を回すとか、そういうようないろいろなことをやっておると思いますけれども、現在厚生省としてはどのようなことをやっておるのでしょうか。
#34
○竹内説明員 お答えいたします。厚生省といたしまして行なっておりますことは、一つはいわゆる僻地診療所というようなものを設置してそれに対応いたしまして、いわゆる親元病院というものを整備する。それを基地といたしまして、僻地診療所を数カ所、あるいは多いところは十カ所余り持つところもありますけれども、それで親元病院から常時あるいは一定時期に医師を派遣するというような形で対応策を講ずる。あるいはまた、先ほどもちらっと申しましたけれども、いわゆる機動力という問題を頭に置きまして、患者の診療車であるとか、あるいは離島等におきましては診療船というようなものを配置する計画、そういったものを一応頭に置きまして、人の問題、それから診療所の増設、あわせて機動力というような形でこれをカバーするというような方向で僻地対策というものに取り組んでおるわけであります。
#35
○新井委員 それでいま十分間に合っているのでしょうか。
#36
○竹内説明員 お答えいたします。決して十分に間に合っているとは思っておりませんし、さらに予算措置等におきましても、今後この僻地対策とふうものの充実強化をはかってまいりたいというふうに考えております。
#37
○新井委員 私はなぜこのようなことを話すかといいますと、要するに、私たちもいなかのほうにずっと住んでおりまして、ほんとうにお医者さんがいらっしゃらないので困るわけですね。いつもいわれることは、病気になったら都会まで出ていかなければいけないし、特に現在の病気というのは、ガンの場合なんかでも早期発見をしなければいけない。それからまた交通大戦争といわれておるわけでありますけれども、そういうときの救急病院であるとか、そういうものは非常に遠いというわけですね。したがいまして、いままでみたいに比較的普通の病気で普通にかかっているというのではなくて、近ごろは、これは公害でちょっと悪いのじゃないかとか、それからまた交通災害ですぐ病院へ入らなければいけないとか、いろいろのことで非常にみんなが心配をしておるわけです。これは私がちょっと調べたことなんですけれども、青森県の国民健康保険の直営所というのがあるそうでありますけれども、これは村であるとか市であるとか、地方自治体、そういうところで三十九年には九十三カ所のそういう直営所があった。ところが、現在は医者がいなくて十三カ所に減って、そのうちになお六名は台湾からわざわざ来ていただいた。この前も、これも日赤病院なんですけれども、いなかのほうで――これは兵庫県のほうでありますけれども、日赤病院がございまして、そこに内科の先生がだれもいらっしゃいません。ところが、病院というのは日赤であればみんな信頼をしますので、どんどん来る。いままでいらっしゃらなかったのですけれども、何か給料も二十五万円ですか、非常に奮発をいたしまして、ようやく、それも非常に経験も新しい方でありますけれども、来ていただいて、みんなが喜んでいる、こういうような話があります。実際問題としても、やはり医師の数というものを考えずに、現在非常にベッド数がふえている。たとえていいますと、十年前にお医者さんが一人で一八・四ベッドを持っていたのが、現在では二七。二ベッドですか、それからまた患者数も、お医者さん一人当たり十年前には二八・八人であった。それが現在では五〇・九。交通事故であるとかそういうようなことのために、夜もそれだけの配置をしなければいけない。そういうようなことがいろいろございまして、お医者さんといってもやはり交代で休まなければいけませんし、そういうところで非常に医師の数が不足している。都会ではそう感じませんけれども、いなかへ行けば、ほとんどの方がそういうことを訴えている。こういうふうな現状にあるわけであります。そういう意味で、厚生省側から見て足らない、そして文部省と話し合う、こういうことでありますけれども、やはり文部省は文部省の立場として、お金がかかってできない。厚生省のほうは厚生省のほうとして、お医者さんの養成というものはどうしても大学の医学部を卒業しなければならない、こういうことで責任のなすり合いをやっておってはまずいと思うわけでありますから、その点厚生省ともっとかっちりと話し合って、こういうことの実態もよくわかって、そうしてなお一そうの努力をしていく気が文部大臣にあるかどうか、お伺いをいたします。
#38
○坂田国務大臣 私のほうでは、十分協力をしていかなければいかぬというふうに思っておる次第でございます。私もかつて厚生大臣をいたした者でございますので、私といたしましては、厚生、文部両省でよくこういう長期計画を立てて、そしてその対策というものを今後考えていかなければならないというふうに考えております。
#39
○新井委員 そこで、文部大臣はいま非常に前向きな姿勢で鋭意努力をされるということでありまして、これはほんとうに私も希望を持つわけでありすまけれども、この秋田大学いうのは、東北でございまして、東北地方というのを見てまいりますと、国立弘前大学が青森県にございます。東北大学が宮城県、それから福島県立医大、これは福島県、それから岩手医科大学、これは岩手県、こういうぐあいに比較的各県にありますけれども、山形県なんか抜けておるわけであります。この前も一つは議論になりまして、文部大臣も全体的なところから考えていかなければいけないというような答弁をなさっておるわけでありますけれども、これは私立にしろ――岩手医大なんというのは私立でありますけれども、私立であれ国立であれ、公立であれ、そういう一つ一つのところをチェックして、そして日本国じゅうある程度のブロックにはそういう大学があって、そして研究もできるし、また教育もできるし、なおかつその地域に安心感も与える、こういうことは総合的に考えてまいらなければなりませんが、そういうことの考えについて、前にも少し出ておるようでありますけれども、もう一歩前進した具体的なお話がないか、お伺いいたします。
#40
○坂田国務大臣 具体的な話とおっしゃると、私もなかなかお答えしにくいわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、私も先生のおっしゃるとおりに考えておるわけでございまして、全体の医者が不足しておるから、その需要というものに応ずるような医師の養成をはからなければならぬという一つのわれわれの課題があるかと思います。同時にまた、この二十年間を考えてみますと、どうも都市にお医者さんが集中をしてきておる。そして結局いまは、東北とかあるいは北海道とかあるいはその他の地域においては医者が得られないということがありますし、秋田大学に医学部を設けますのも、十万の人口に対しまして、全国平均では一一二・幾つかでありまするが、秋田付近におきましては八〇幾つという、とにかく百人に満たないような状況。しかし、単に秋田県がそうだということじゃなくて、いま仰せになりましたように、東北全体の需給というものを一応にらみ合わせて、一体国公私立で医学部や医科大学というものをどういうふうに、どこにやっていくかということが、やはり考究されなければいけない。そのことは、先ほども触れましたように、単に医学の教育、医師の養成ということでなくて、たとえば教員養成の問題にしましても、あるいはその他の学部にいたしましても、もう少し地域の一般的要請に国立大学といえどもこれにこたえるというようなことがあってしかるべきじゃないだろうか。あるいはそういうような観点から、日本列島全体についての長期的な教育計画あるいは高等教育機関の設置について考えなければならぬのじゃないか。この二十年間を考えてみますと、私立を認可します場合におきましては、大学設置基準の要件が整うと自動的に許可せざるを得なくなった、そのことが、六割までの学生を六大都市周辺に集中いたした。それがまた一面の大学紛争の原因にもなっておるのじゃなかろうかというような反省もあるわけでございまして、やはりこれからの大学の役割りというものは、国立、私立、公立を問わず、そういう一般的な社会的の要請あるいは地域的の要請にも研究の成果を還元していくということが、非常に重要なポイントである。そのために大学というものは門戸を開かれなければならない、国民のために開かれなければならないのだ、こういうことを私はずっと言い続けておるわけでございます。
#41
○新井委員 いまの問題につきましては、文部大臣もそういうことでいろいろと検討されているということでございまして、ひとつお願いしたいと思います。
 厚生省の方にもう一つお伺いしたいのですけれども、現在医師の一番多いのは、データから言いますとソ連ですね。二一〇・幾らになっておると思いますが、多い理由というのは何かあるのでしょうか。
#42
○竹内説明員 お答えいたします。ソ連が人口十万対二一〇・四というのは、各国に比しましてきわめて高い率を持っているわけでございますが、どういう理由かということにつきまして、私ども正確にそのための調査、研究を行なっているわけではございませんが、私どもが伺っておりますのは、一つはああいう国柄でございますので、いわばその需給というものについての一つの計画的なものがあったのではないかという点は、私どもとしても学ぶべきではないかというふうに理解しております。それと同時にもう一つは、医師の養成課程というものが、わが国とは若干違っておるのではなかろうか。ちょうど一つの例をあげて申しますと、たとえば看護婦から医師へのアドバンストコースというようなものがソ連では認められておるようでございますし、そのような点につきましても、学校教育の仕組み、あるいはこういったプロフェッショナルなスペシャリストというものの養成課程というものについての体制の差というものも、ここにあるわけでございます。したがって、この人口十万対の比がソ連は二一〇であるということが、イコール医学水準なり医療水準なりというものを端的に示すかどうかということについてまで、私どもはっきりしたお答えはいたしかねるのではないかというふうに思っております。
#43
○新井委員 この前のライフ誌か何かに載っておりましたけれども、ソビエトにおいては補助医制度というものをとっている。これはまあ日本とはちょっとお国柄が違うわけでありますので、そのままこっち側に当てはめるということはできないと思いますけれども、要するに、町であるとか、市であるとか、公立の親元病院からそういう医者を補助する補助医というのが派遣をされておりまして、そしてある程度の診察をして、これはどうも自分でわからない、これはちょっと重そうだというときには、その親元病院へどんどん患者を送ってくる。こういうようなことになっておるようでありまして、いまあげたこのデータの中には、補助医というのが五十万人ぐらい入っておるようであります。これは現在アメリカでも検討を始めたようでありまして、これは一つはもちろん研究とか教育とか、そういうことが大学としては根本問題になるわけでありますけれども、その補助的な機関として、要するにそういう養成学校をつくって、そして社会にも貢献をしていく。その人もまたそれなりの使命を感じてがんばる、こういうようなことであるそうでありますけれども、こういうようなことも、やはり研究するぐらいは研究なさったらいかがかと思うのですけれども、その点文部省のほうはどうでしょうか。
#44
○村山(松)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、戦時中までは、わが国の医師養成は大学と専門学校の二本立てであったわけであります。戦後の教育改革で、高等教育一般が専門学校を廃しまして大学一本にしたわけでございますが、医学の場合にはそれが一般の場合よりもさらに強調されまして、およそ医学教育は学部だけでも十分でない。学部の上に大学院、それから臨床医学を志す者はインターン、インターンを終えて医師資格をとった後さらに事実上数年は大学病院その他教育的な病院で修練を積まなければ、ほんとうの意味の一本立ちでない。そのように、人間の生命を預かる医師の養成というのは、質においても期間においても慎重に考えるべきだということでやってまいったわけであります。
 そういうことから、現在の医師の不足から若干簡易な養成の方法という御提案でございますが、この点につきましては、文部省としては慎重に対処いたしたいと思いますし、また、医療行政あるいは医師の資格、医師の業務を所管されております厚生省の御意見をまずもって十分承った上で対処いたしたいと思います。
#45
○新井委員 今回の医学部の設置につきまして、私もこまかいことはあんまりわからないのでありますけれども、学園紛争は東大の医学部から起こった。医学部というのが一番問題が多くて、非常に封建的なんだというようなことをいわれて、いままでいろいろ本にも出ておりますけれども、文部大臣として――これをあんまり説明されると時間もありませんし、簡単に一音でいいのですけれども、原因というものを個条書きにして二つ三ついえばこういうことじゃないか。それでは説明できないといえばまた問題はあとでもいろいろ話ができると思いますけれども、原因は何であったか。現在おさまっているような形にはなっておりますけれども、それが、解決をして現在おさまっているのか、問題はそそまま潜在したままで一応隠れているのか、そういうところはどのようにお考えでしょうか。
#46
○坂田国務大臣 今度の大学紛争の原因は非常に多種多様多岐にわたっておりまして、簡単に申せとおっしゃってもなかなか実はわからないわけでございますが、端的に申し上げますと、どうも昨年の発端になりましたのは、事実といたしましては、確かに東大の医学部臨床研修医等の問題が発端にはなっております。しかし、どうも去年の動きから見ますると、それに政治的な運動と申しますか、過激な学生が自分の政治的主張を貫くために、暴力を手段として、大学を拠点として、そして一般学生を巻き込んだ。その原因となるものは、たとえば学寮の問題、あるいは学費の問題、あるいは学生生活に関する問題、あるいはカリキュラム等の問題がある。あるいは大学の管理運営に問題がある。こういうようなことで燃え上がったと思うわけでございます。しかしながら、御案内のとおりに、一応ゲバ生が去年のような状況にことしはなっておらないということは、私は幸いなことだと思います。しかし、これでもって大学紛争のきっかけとなる問題がすべて解決したとは言い切れないのでございまして、やはり大学の管理運営、あるいは教育、研究のやり方、あるいは学生の意思をもう少しくみ上げた大学当局の姿勢、あるいは国民のために開かれた管理運営等々、やらなければならぬことはたくさんあるのではないかというふうに思いますし、昨年の臨床研修医の問題につきましても、たとえばわずかに一万五千円の謝礼金であった。それを昨年二万七千五百円に上げましたけれども、東大の場合は実はそれはもらわなかったというようなこと。しかしながら、今度の予算ではまたさらに三万一千五百円というふうに臨床研修医の月額を上げております。さらに無給医局員といわれたものを本年度におきましては非常勤医師というふうにはっきりいたしまして、この手当にいたしましても、月額四万二千五百円。昨年は三万五千円で、この昨年の三万五千円の千八百人の人員に対しましては、かなり消化をしたように思います。そういうことで、それが有力なすべての紛争の原因だとは思いませんけれども、しかし、学生たちから問いかけられた問題について、それはそのとおりである、われわれのほうにも考えるべきところがあるというような点については、どんな小さい問題であってもその原因を除去していくという努力が私は必要であると考えまして、この一、二年来できるだけ努力をしてまいったところでございます。
#47
○新井委員 この問題についてはまたあとでゆっくりお伺いするといたしまして、一言お聞きしましたのは、今回の秋田大学の医学部については、何か非常に新しいやり方で、それこそいままでの大学紛争、特に医学部にその紛争の根本があったといわれているわけでありますけれども、講座制の問題にしても、研修医の問題にしても、非常に前向きで検討していこうというようにこの前もお話がありましたので、その点がどのような認識でやられているのかということをお聞きしたわけでございます。
 今回も、その中の一つとして、教授がもういまきまっておりますね。その教授について、どのような募集方法をやったかということについて一言お伺いいたしたいと思います。
#48
○村山(松)政府委員 秋田大学の医学部を創設する場合に文部省として苦慮いたしました点は、一つは、これだけ医学教育あるいは大学病院の改革が叫ばれておるのに、従来のままの学部なり病院をつくっていいのかどうかという点でございます。しかし、この点につきましては、改革意見がどれほどありましょうとも、それが熟しまして制度改革をしない限りは、現在学部をつくるとすれば現行の大学設置基準というものがあるわけでございますので、この基準に準拠しなければならない。そのワク内でどれだけ新しい行き方を出していけるかというのが、一番苦慮した点でございます。
 御指摘の人事につきましては、先ほど御説明申し上げました秋田大学医学部創設の準備調査会におきまして、秋田大学、秋田県の地元、それから文部省側のほかに、医学の専門家としまして慈恵医大の樋口学長、それから東京医科歯科大学の落合学部長、それから千葉大学の前学長でありました谷川教授、それらの方々の御協力を得まして、教官については広く人材を公募しようということでいろいろさがしました結果、学部長予定者といたしましては、東北大学の九嶋教授を東北大学からも御推薦を受けまして、準備調査会におきましても適任出と認められまして、今度はこの方を交えまして、さらに一般の教官を全国、と申しましても主として東日本一帯の医学部を持つ大学に推薦を求めまして、準備調査会で選考いたしました。結果的には、やはり地元の関係で東北大学出身の方が五九%程度になっておりますが、そのほかに新潟大学、千葉大学、東京医科歯科大学、その他相当数の大学から参加を得ることができて、教員組織の一応の予定者の構成ができたわけであります。
 それからカリキュラムにつきましても、これも大学設置基準があるわけでございますが、医進課程、専門課程六年間を新しい臨床教育に重点を置くというような行き方を最大限に実現し得るように、現在くふうを進めております。
#49
○新井委員 じゃ、あまり時間もないようでありますので、あとは簡単に、ちょっと飛ばしまして二つだけお聞かせいただいて終わりたいと思います。
 一つは、この前も河野委員から質問がありましてお答えがあったようでありますけれども、私立大学についての寄付金の問題でございます。これは今回の新聞によりますと、合格見込みの人に寄付を頼む、こういうような電報が来たということでありまして、断われば入学が取り消しにされてしまう。したがいまして、その父兄の方が何とか自分の子供を大学に行かすためにお金を払い込む、こういうようなことが載っております。それも段階的に分かれておりまして、成績の悪い順に四十万、六十万、八十万というぐあいに高くなっていく、こういうようなことでございますけれども、こういうことは好ましいことか好ましくないことか、まずお伺いいたしたいと思います。
#50
○坂田国務大臣 好ましいことではございませんで、なるたけそういうようなことがないように努力をしなければならないというように考えます。しかし、現実問題としますと、事実上実は存在をしておるわけでございますが、それが非常に法外な額ということになるならば、これはもうそういうことはやらせないような指導をやるべきである。しかし、これがある程度の額であったならばやむを得ない、こういうような考え方でございます。
#51
○新井委員 この場合は、要するにただ寄付を頼むというのではなくて、それができなければ合格はさせない。まして点数が悪かったら、それに対して金額が多ければ入学を許すというような形になっておるわけでございますけれども、こういう点について、それはちょっと一般的じゃないとは思うのですけれども、まあほかのことだって好ましいとは思いませんが、いま言った具体問題について、好ましいか好ましくないかということです。
#52
○村山(松)政府委員 お尋ねの件は、福岡のある私立大学の件だと思いますが、こういうぐあいに強制的に全員から金を徴収するということを募集要項に書かずにやるということは、望ましくないと考えております。文部省といたしましては、入学時に学生から徴収する入学金、それから最近私学では施設拡充費といったようなものも徴収しておりますが、その金額につきましては、これが法外のものでない限り、募集要項において入学時そういうものを徴収するということを明示して納付させる場合にはやむを得ないものと考えておりますけれども、明示せざるものを入学の条件にすることは望ましくないと考えております。
#53
○新井委員 じゃ、文部省はそういうようなことを指示はしておりますけれども、そういう実態を的確につかんでいるのでしょうか。
#54
○村山(松)政府委員 実態につきましては、たいへん遺憾なことでありますけれども、文部省で事前につかむということはなかなか困難でありまして、本件のように報道機関によって報道されて実態を知り、事柄を調べて必要な注意をするというのが実情でございます。
#55
○新井委員 その注意をするというととが前提にあるなら、やはりある程度実態というものは的確につかまなければならないと思います。あくまでもこの福岡の私立大の場合は、こういうことがほかにもあるかもわかりませんが、寄付行為と合格か不合格か、そういう判定のけじめというのは、やはり明確にしておかなければいけない、寄付の要るとか要らないとかは別にいたしまして、そこまでやってしまったのでは、試験をする必要がないと思うんですね。やはりお金がある人を先から選んで入れればいいというようなことになると思うのでありますけれども、そういう点について、ひとつもう一ぺんはっきり見解を承っておきたいと思います。
#56
○坂田国務大臣 合格の当否まで関係するということは、やるべきではないというふうに私は思います。
#57
○新井委員 これに関連しまして、文部大臣もいつもお話しなさっていますように、私学の人件費補助、そういうようなことで、行く行くは人件費の半分くらいは補助しよう、これもこういう一つの一環の形になっていくと思うのですけれども、こういうことがなくなるために、今回私大に多額の援助をするということでありますけれども、やはりそういうことを目標にしているのかどうか。
#58
○坂田国務大臣 私といたしましては、私学援助という意味は、やはり一人当たりの学生経費というものが今日の状況においては非常にかさんでくる、だから学生の教育、研究というものの質的向上をはかるために、私学といえどもやはり国が援助すべきである。そのためには将来にわたって相当増額していかなければいかぬという気持ちでおります。
#59
○新井委員 ちょっと私の言い方が悪かったと思うのですけれども、こういうようなことがあるということは、非常に費用が足らない、要するに予算がないからこういうことになるということですね。したがって、こういうものをひっくるめてもちろん私学の助成もしていく、こういうことをなくすために助成をしていくということも入っておるわけですね。そういうつもりですか。
#60
○坂田国務大臣 私学の経費を援助をいたしますのも、一面におきましてはそういうようなことも含まれるわけでございまして、私学は健全な形において、でき得べくんばそういうような法外な寄付等を取ることなくしてやっていけるような状況にならなければならないと思っておる次第であります。
#61
○新井委員 私は、私学のそういうことに対する助成ということは、大いに必要だと思います。やはりこういう一面があるから、こういうことのないように、いまの非常に費用がかかる部門について、こういうことをひとつ考えなければいかぬのではないかということだと思いますので、念を押してお聞かせ願っておいたわけです。
 それからもう一つは、これも新聞に載っておったということですけれども、和歌山県立医大の病院でございます。これは県立でございますが、何か手術室が細菌とかちり、工場並みの非常にたいへんな場所で手術が行なわれていたというようなことが載っております。こういう件について、こういうことがあってはならないのですけれども、こういうことについてのチェックといいますか、そういうものは、どのように行なわれておるのでしょうか。
#62
○村山(松)政府委員 医科大学の手術室は、従来は外科の教室あたりが管理しておったわけでありますけれども、最返の傾向といたしましては、手術というようなものは中央がいたしまして、中央手術部というものを設け、教授相当の責任者を置いて管理をするという傾向が強くなっております。そういう管理体制が明確になっておりますと、事故も総体的に少なくなろうかと思います。和歌山県立医科大学の場合は、関係外科の教授による運営委員会というもので運営、管理されておったようであります。それが十分であったかどうかについては必ずしも明確でないわけでありますが、一つ付随的な原因としては、和歌山県立医科大学におきましても、かなり熾烈な紛争がありましたような関係もあって、管理が十全を欠いたのではなかろうかというようなことも察せられるわけであります。直接の原因といたしましては、エアコンディショナー用のフィルターがぐあいが悪くて、そこへほこりが入っておったというようなことがわかりましたので、そういう直接の原因につきましては、改良工事を行ないまして除去し、殺菌灯を増設するというような処置をとりまして、手術室に細菌が多いというような直接の事態の改善をはかられたようでございます。管理体制全般につきましては、手術室のあり方をより十分に発揮できるように検討中ということでございます。
#63
○新井委員 このときの状態は、「調査結果がはっきりしたあとも手術室の環境はほとんど改善されておらず、」「手術後、空気中の細菌で感染、化のうするおそれがある」ことも指摘しておる、こういうことが出ておるわけでありますけれども、少なくとも国公立の病院、そういうところで手術した場合において、これはやはり人命にもかかわる問題でありますから、手術室等においてこういうことがあったということについて、これは大きな問題だと思います。私の聞いておるのは、こういうことがあったけれどもどういう結果だったということを聞くのではなくて、どういうチェックのしかたをこれからするのだということを聞いておるわけであります。
#64
○村山(松)政府委員 その点につきましては、先ほど来御説明申し上げましたように、手術を外科の教室に依存するとか、あるいは関連の教室が集まって共同管理するというようなことでありますと、とかく責任の所在が不明確になるおそれがありますので、最近の方向としては、教授級の手術部長といったようなものを置いて、そのもとに集中管理するという方式がだんだんとられております。そういう方向を推進することが、事故のチェックにも役立つと考えております。
#65
○新井委員 いまお話がありまして、まだいろいろお話ししたいことがありますが、時間ももう十二時でありますので、この辺で終わりたいと思いますけれども、どうかこういう問題については、あとでわかってもやはり一人か二人の犠牲者が出ている場合があると思います。これはたいへんな問題だと思いますので、やはり先に先にチェックをして、そしてそういう事故がないように、当然なことだと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#66
○八木委員長 山中吾郎君。
  〔委員長退席、久保田委員長代理着席〕
#67
○山中(吾)委員 いま議題になっております国立学校設置法の一部を改正する法律案について、承認するかいなかのめどを立てたいために御質問をいたします。
 まず、秋田大学医学部の点について三点、政府の御意見をお聞きをいたしたいと思うが、第一は、この医学部を創設するについての予算計画、第二には、医学部の定員増に伴って必然的に必要な看護婦の養成計画とその関係、第三は、公的医療に勤務する医師の充実にどれだけの影響があるか、三点をお聞きいたします。この三つの点をしっかりと政府が見通しを持ってくれなければ、ただ思いつきの医学部の設置は、国会は賛成できない。
 第一点、この医学部創設についての予算はどれだけあるのか、あなた方の私らに配付になったこの重点事項の三四ページに、国立大学の学校整備の費用として二億三千万程度の予算がここに明示されておりますが、その中で、秋田大学の医学部設置についての費用は幾ら計上しておるのか。
#68
○村山(松)政府委員 昭和四十五年度予算におきましては、秋田大学の医学部創設の初年度分といたしまして、八千百九十八万二千円を計上いたしております。この内容は、四十二名分の人件費、並びに学生八十名分の学生経費、初度設備費、それから教育を開始するための設備費等でございます。全体計画といたしましては、年々学年進行により予算措置をしてまいります。
#69
○山中(吾)委員 付属病院の予算その他もあるかないか、いま説明なかったが、それはそれとして、大蔵省の主計官おられますか。――文教委員会にいつも大蔵省の主計官が来ているのじゃかかったのですか。いつも来ていることになっているんじゃないですか。ことに予算関係の法案ですから、いなければ審議にならないですよ。委員長、調べてください。こういう予算関係の法案ですね、一々質問者が呼ばなくても、文教関係の主計官が来てなければならぬので、呼ぶことにしてください。
 そこで、日本の場合の医学部、医科大学を設置するのに必要なる施設整備その他を完成するのに、大体何億要るのです。
#70
○村山(松)政府委員 医学部につきましては、実は戦後ずっと新規創設の経験がないわけでございまして、したがいまして、予算措置等も具体的に明確に前例等によるお答えはしがたいわけでございますが、大学設置基準によりまして、入学定員が八十名であれば、それに相応する教員組織の講座数、それから敷地、学部並びに病院の建物、坪数などもおおむねきまっております。それによりまして、それを全部新規につくるといたしまして、概算いたしますと、大体施設費に約四十億、それから設備費等に約十億、それからできました場合の運営費約二十億というのが、一応推算されます。
#71
○山中(吾)委員 そうすると計七十億ですね。何か私は百億と聞いておるのですが、まあ七十億と仮定いたします。一つの医学部を創設するのに、医学教育を完成するに必要なものは、すでに局長の答弁によって七十億最低限必要なことが明らかになった。したがって、創設することの責任は、完成することであると思うのです。政府がこれをわれわれに提案する限りにおいては、その医学部を完成する予算計画、年次計画で――防衛費なら、三次防衛計画なんといって、本年度予算を通せばずっと義務支出になるような計画が出る。医学部を創設するときに七十億、百億という金が必要なら、国民の税金が必要ならば、それに応じて五カ年計画、十カ年計画でこれだけの予算を支出する、国が責任を持って出すべきである。そこで私は大蔵省の主計官をいま呼べと言っているわけです。創設したのに、あとは知らない、来年度の予算については出し渋るというようなことでは、月足らずの医学部ができて、ますます日本の医学行政にしわ寄せをするのであるから、それが明示されるべきでしょう、年次計画が。いかがですか。大臣にお聞きします。
#72
○坂田国務大臣 率直に申しまして、そこまでは行ってないと思います。むしろ、いま局長から御説明申し上げましたとおりに、大体五年で完成をするということでございますから、そのことについては、これを創設準備費として昨年度予算をつけ、そして本年度はもう創設をするのだということできまりました以上は、おおよそ、それぞれの国立大学のその積算基礎がばらばらにあるわけじゃなくて、はっきりきまっておるわけでございますから、そのことは大蔵省としても十分頭の中に置いて本年度踏み切ったということかと思います。その年次計画については、われわれのほうでこれからひとつ努力をしていかなければならないというふうに思っております。
#73
○山中(吾)委員 もう少し論議を長くしなければ問題の重要な点が明らかにならないと思いますから、この法案を通すまでに、政府においてこの医学部完成の予算計画、何カ年計画か、それを出さるべきである。出してください。予算というものは狂うことは私は認めますから。しかし、大体このめどでこの医学部を創設するのである――主計官がいまいないから、主計官のおるところでと思いましたけれども、やはりそれだけを腰だめとして、これを創設するについて、大体向こう五カ年で完成するのであるから、来年、再来年こういうもので、これくらいの見込みで実はこの法案を出しているんだ、それを出すように委員長お取りはからい願いたいです。それは出せるんでしょう。また出さなければ、そういう習慣をつけなければいかぬのだ。
#74
○村山(松)政府委員 先ほど防衛費のお話がございましたけれども、防衛費のことはよく存じませんけれども、一般会計あるいは文部省所管の国立学校特別会計におきましては、年次計画をもってやるべき分につきましても、初年度以外の分は大まかの見通しにとどまりまして、予算の年次計画というようなものはつくらないのが従来の前例でございますし、秋田大学の医学部につきましても、学生の入学定員八十名で医学部をつくるということがきまりますると、おのずから経験的に、設置基準に照らしまして、どの程度の規模の用意が要るかということは、大体のことはわかっておりますが、これを予算化した年次計画にしてお示しすることは、前例その他から申しまして私どもとしてできかねる課題でございますので、御了承いただきたいと思います。
#75
○山中(吾)委員 了承できません。そういう習慣をなくすために、私は質疑をしているんです。いまのように内容のないたくさんの大学ができたことが、この混乱の大きいきっかけをつくっているのです。その背景は別にして、きっかけを。したがって、責任を持って秋田大学に――これはどこの大学でもそうですよ。医学部を創設するについては、少なくともわれわれ文教委員会に対しては、めどとしての、これくらいのものは、こういう計画でこの設置法案を出しているんだ。それは当然じゃないですか。できませんといって、それは経験主義で、そんな悪い、いままでそうであったからこのままでというようなことであるから、文部行政は少しも進歩しない。委員長、これは出さしてください。私は、そのとおり実施ができなくても、責任を追及することは一つもいたしません。それくらいの行政的責任を持って医学部の設置を出すべきである、これは明らかにしたいと思うのです。委員長よろしいですか。答弁は要りません。私は委員長に要望いたします。
#76
○坂田国務大臣 われわれが年次計画を立てますならば、それに対しては相当の責任を持ってやらなければならぬわけです、もちろん。そうでございますから、率直に申し上げて、それはできかねるということでございます。
#77
○山中(吾)委員 そんな無責任な答弁を私らは聞きのがすわけにいかないので、理事会でこの問題を――百億の金が要るのです。いまの説明で七十億と言うが、私は百億と見ておる。その医学部の創設の法案なんですから、少なくとも文教委員会に対しては――計画という名前があまり強過ぎるなら、見込みでもいいでしょう。それは理事会ではかっていただきたい。
#78
○久保田委員長代理 理事懇でやることにしましょう。
#79
○山中(吾)委員 次に移ります。秋田大学に医学部ができても、秋田地域、東北地域の医者がふえるという保障は一つもない。これは公正に試験をすれば、高等学校以下の教育水準の進んだ地域、先進地域の者がみな有利で、医学部に入ってくる、難関を突破してくるので、小中学校、高等学校の教育水準の低い未開発地域の子弟は非常に不利ですから、おそらく入学者の出身地の統計を出せば、秋田であろうが、岩手医大であろうが、その地域の者の入学率は必ずしも多いという表は出ないと思うのであります。重要なことは、その地域の社会における医学的な地域課題の研究でそこにおる教授、学生諸君の知能というものがその地域に大きな便益を与えるということくらいが、私はその所在する地域に対する医科大学の機能であると思うのです。実態はそうだと思うのです。それで、これは局長に、所在の大学の入学者の出身地は、その地域の教育の機会均等を増大しておろかどうかということを知りたいので、その医科大学の入学者のその県の出身地子弟、そうでない子弟の統計を出してください。これは出せるでしょう。こんなものを出せなければ、問題にならない。大蔵省に気がねする必要はないんだから。いいですね。出せるんでしょう。要求しますよ。いまなければ、時間がかかるというならそれでもいい。
#80
○村山(松)政府委員 大学の入学者につきまして、一般的に出身地別の調査を過去においてやったことがございますが、医学部に焦点を当てたものは、私いま記憶がございませんので、よく調べまして、完全なものをお出しすることはできないかと思いますが、何か曲がりなりにもつくりますように努力いたしたいと思います。
#81
○山中(吾)委員 岩手医大の場合などは、岩手の高等学校の卒業生は、素質は優秀であっても、教育水準が低いために、なかなか入学はむずかしい。そういう意味において、地域に特典を与えるという入学方法――裏口入学というと、またその地域は貧乏で金がないのでなかなか入りにくいというので、大学のそういう医師の供給と所在地の関係の矛盾は、私たちは実態をしっかりつかんでいかなければならないと思うので、その資料を出してもらいたい。
 第二点、秋田大の医学部において八十名の医師がこれから卒業するということになると、その八十名の医師がどこかの公的医療機関に勤務をするか、開業医になる。それに伴う看護婦というものは当然に多く必要であるということは、医学部創設の中で当然予想されることであるから、医学部を創設する場合には、それに見合う看護婦養成計画というものを当然考えなければならない。これは厚生省の関係ですが、そこで文部省と厚生省において、医学部を創設すれば増加を予想される看護婦養成機関の設置計画というようなものは、当然お話しになったりお尋ねになって、しておるかどうか、お聞きしたいと思うのです。
#82
○村山(松)政府委員 現在国立大学の医学部におきましては、すべて看護婦養成の施設を持っております。秋田大学の医学部につきましては、現在全体的な細部の計画につきましては、これから創設された上で大学の人の考え方もあります関係で、まだ具体化しておりませんけれども、ほかの大学の例に徴すれば、秋田大学においても、看護婦養成を将来においては計画するものと思われます。
 なお、地域における看護婦養成につきましては、現在看護婦不足等の現況にかんがみまして、厚生省、文部省ともそれぞれ所管の養成施設の拡充につとめておりますので、その点につきましては、できるだけ需要にこたえるように努力するつもりでございます。
#83
○山中(吾)委員 そうすると、医学部創設の計画の中に、必要な看護婦養成が入っておるのですね。
#84
○村山(松)政府委員 医学部創設に必要な看護婦ということになりますと、直接には付属病院に勤務する看護婦がまず必要になります。それからまた、そこで養成された医師と協働する看護婦ということになりますと、だいぶ先の問題になりますので、そのあとのほうにつきまして、現在具体的な計画は実はないけれども、創設の暁に、他の大学の例に徴すれば、秋田大学においても当然看護婦養成を考えるであろうということを申し上げたわけでございます。大学病院ができた際に必要な看護婦というのは、この秋田大学の医学部の付属病院には、さしあたり現在秋田の県立中央病院を秋田県と協定しまして付属病院代用として活用するつもりでございますので、そこには現に相当規模の病院として看護婦も勤務しておりますので、その点につきましては、直ちに支障は起こらないと考えております。
#85
○山中(吾)委員 秋田大学の医学部の創設が認められれば、秋田の医学部において看護婦養成を考えることを期待しておりますというような、そんな答弁のしかたはないでしょう。私は、医学部創設の中に、当然必要な看護婦養成計画が含まれて、予算計上がされていくべきではないかと思うのです。看護婦養成は、厚生省の所管であるのか。あるいは文部省が学校として認める場合は、文教政策であり、短期大学の看護婦養成であるとか、高等学校の看護科がありますね、それから単独に病院付設の看護婦養成、これは各種学校のはずですね。そういうものを含んで、この医学部の創設に必要なる看護婦養成計画を同時に準備すべきである、期待するのでなくて。この点についても、この法案にわれわれは賛成するために、お医者さんをつくって、ますます看護婦が少なくなって人権問題が出ておるときでありますから、その養成計画も同時にお出しになることを含んでこの審議をいたしたいと思うので、これに必要なる看護婦養成計画を出してください。よろしゅうございますか。これは第二の提案です。
#86
○村山(松)政府委員 先ほども申し上げましたように、大学の創設の時点には、設置者である文部省が、地元学識経験者等の協力を得て種々大まかな計画は立てますけれども、細部、また運営等につきましては、やはりできました大学の学部長以下管理組織の意向というものが発動して、それとの協力のもとにまた文部省としても計画を詰めていくという過程を経なければならぬと思います。そういう意味合いにおきまして、現時点では看護婦養成のことまで計画しておらないわけであります。これをすべて細部まで緻密な計画を立てて、文部省の思うがままに大学を動かすということは、大学運営の慣行、法規等からいいましても、なかなか至難なことでございますので、その点は御了承願いたいと思います。
#87
○山中(吾)委員 了承いたしません。医科大学の創設の計画の中に、地元から計画が出て、妥当と認めて承認されるはずですから、定員八十名増に伴う必要なる看護婦養成計画を出せというくらいのことは、文部省が当然大学学長に向かって言えるはずであります。言わないというだけの話で、言えるのじゃないですか。言いなさいよ。あたりまえじゃないですか。だから、あなたの答弁は承服できません。要求されたらいいでしょう。
#88
○坂田国務大臣 今度早くこの法案を通していただきますと、医学部長もできるわけです。ですから、教授会等も開かれる。そしてその人たちの意見というものもやはり十分踏まえた上で、われわれはやっていかなければならない。それこそがやはり大学自治を尊重することだし、そうしていまおっしゃったことも、われわれのほうではそういうことを期待しておりますということばが、あるいはお気にさわったかもしれませんけれども、われわれは当然そういうことをやらなければならないとは思っておるわけなんです。それにはものには順序があるということを申し上げておるわけでございまして、やはり問題は、理想論と現実論というものをわれわれはよく踏まえて進んでいかなければならぬのじゃないか。したがいまして、山中さんの御提案は十分私は尊重いたしまして、その方向で進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#89
○山中(吾)委員 看護婦養成というのは医学部の中で必要な計画として出す習慣をおつくりになったらどうですかと言っておるのであって、そのときに看護婦養成を持ってこなければ医学部の創設は認められないぞということが、なぜ大学の干渉になるのですか。できた大学の学問の自由とかそういうことについて問題があるのであって、月足らずの子供を生む前に、十分の計画を吟味して指導されるのは、これは大学への干渉でも何でもないと思うのです。文部省が原案を出すのじゃなくて、向こうが原案を出すについての助言、指導でしょう。私は、それが出なければ法案に賛成しないと言っているのじゃないですよ。そういう計画を出すということを、この法案が通ったあとにしても何にしても、そういう計画を要求する行政指導習慣というものを新しくつくらるべきじゃないか。だから、いま局長が、それはいままでの習慣で――昔の習慣は永遠に習慣として残さなければならないような答弁をするから、承認できないと言っているのです。私の言っているのがあたりまえじゃないですか。そうではないですか。ぼくはあたりまえだと思う。最も常識的な、そしてよい大学ができる出発点を与えるための当然のことだと思う。そしていま看護婦問題が、いつも医科大学ができて看護婦がだんだん少なくなってくるというような状況ですから、それくらいの指導はされていい。そういう指導はすると言われたって、一向差しつかえない。いかがですか。
#90
○坂田国務大臣 私は、私が申し上げましたことが常識であって、やはり医学部長なりなんなりできまして、そしてその人たちとわれわれが懇談をする、あるいは指導、助言をするというような形においてそういうものが設けられていくということで一向差しつかえないのじゃないかというように考えておる次第であります。かといって、そういうものは絶対にいけないのだ、関係はないのだというのじゃないので、われわれとしては山中さんのおっしゃるようなことも十分考えておるわけです。そこのところは、現実処理としてやはりお考えをいただきたいというふうに思います。おっしゃること、よくわかっているわけです。
#91
○山中(吾)委員 よくわかっておる。――だから、少なくともこの法案が成立した暁には、看護婦養成所について万全の措置をとるように責任を持って助言をすると言えば、またそれでいいと思いますよ。
#92
○坂田国務大臣 そういうことを、私は先ほどから申し上げておるわけでございます。
#93
○山中(吾)委員 了解。
 第三に、これも法案の核心の問題として聞かなければならぬような気がするのですが、秋田の医学部ができたことによって、僻地にあるところの診療所の公的医療機関に勤務する医師がどれだけ充実する見込みがあるだろうか。これも一応見通しとしては論議をすべきであって、医科大学は幾らつくっても、大都市の開業医がふえるだけであって、公的医療機関に勤務する医師が少しも増員にならないということでは、国費をもっての新しい医学部の創設については、非常に無責任、とは言わないですけれども、有効な税金の使い方にはならない。したがって、秋田の医学部を創設する一つの理由の中には、公的医療機関の多い、僻地の多い東北地域を想定して、また政府においてもこれを創設することに協力をする体制をとったと思うのですから、その意味において  医者のない診療所は、岩手の場合はたくさんあるわけです。そういうものについての大学医学部の創設との関係は、どういうふうに見ておられるのか。特に岩手の場合を考えますと、民間の費用で経営しておる私立医大の者がいなかの公的医療機関の勤務の医師となり、国立の医学部の卒業生はほとんど行かない、大都市で勤務をするという傾向が現在遺憾ながらあるわけですから、これもこの法案に関連をして見通しをお聞きしておきたい。
#94
○村山(松)政府委員 秋田大学の医学部創設によって、そこで教育された卒業生が秋田県内の公的医療機関にどう分布していくであろうかという数字的な連係を持った見通しは持ち合わしておりませんけれども、私どもとしては、これはそういう方面にも役立ち得るものと考えております。と申しますのは、医学部なり歯学部を創設する場合、場所によっては地元の医師会などと摩擦を起こす場合もございますが、秋田県の場合は、県当局はもちろん、地元医師会におかれましても、医学部ができることは秋田県内の医師を確保する意味合いにおいても有効であるから推進してほしいという意味の申し出をされております。そういうことからいたしまして、秋田県においては、医学部が創設されれば、秋田県内における県の指導行政あるいは厚生省の医療行政と相まちまして、公的医療機関の医師確保にも役立ち得るものと考えております。
#95
○山中(吾)委員 抽象論としての見通しなので不満足でありますが、こういう医学部ができた場合の追跡調査ですか、そういうものをしてもらって、この機会ですから、新しい医学部ができたあと、その地域にどれだけ医師の供給が行なわれてきておるかということを、いま資料がないだろうと思うので、局長、調査をしてください。そして一定の期間に報告してほしいと思う。この法案には関係ないですが、法案に関係なくてもよろしい。
#96
○村山(松)政府委員 実は戦後医学部の創設というのがございませんものですから、医学部ができたことと地域の医師の充足との関係ということは、新しい資料を求めることはとうてい困難でございますが、既設の医学部と地元の医師との関係を見ますと、現在人口十万人当たりの医師が、一番多いのが京都府でございます。一番少ないのが埼玉県で、下のほうには埼玉、茨城、秋田、山形、宮崎、岩手、栃木、静岡、山梨というぐあいに、医学部のない県がずらっと並んでおります。医学部のある県は、医師の多いほうの上位に並んでおります。そういうことから、抽象的一般論としては、地元に医学部があれば、地元の医師の歩どまりは医学部のないところに比べては多くなるということは言えようかと思います。具体的な数字につきましては、なかなか求めにくいと思います。
#97
○山中(吾)委員 まあそれはいいです。京都府を持ってきたって、ちょっと意味はないと思うのです。
 次に、大学院の創設についてですが、この計画を見ますと、五大学に大学院創設という説明がありますね、皆さんの報告によりますと。これは皆さんからもらったのですけれども、大学院研究科の設置五大学、五つ出ていますが、ぼくは見たところわからないのですが、一つは佐賀ですね。そうすると、あとの四大学はどうなりますか。
#98
○村山(松)政府委員 現在大学院の設置は、大学院が全然ない場合に新たに置く場合は法律事項になっておりまして、ある大学ですでに大学院ができておる場合、別種の研究科を増設するというような場合は、政令で措置しております。今回五大学に研究科が増設されるわけでございますが、全く新規にできますのは佐賀大学だけでございますので、佐賀大学につきましてはこの設置法改正の措置をとり、他の四件は政令改正で措置をいたしております。
#99
○山中(吾)委員 非常に矛盾を感ずるのですがね。どういう法理論か知らないけれども、また次の機会にいろいろと深めて聞きたいと思いますが、ちょっと矛盾を感じますね。大体こういう設備が充実すると大学院はあとへ逐次つくっていくが、一体各府県所在地の国立大学の終着駅はどこに考えているか。全部大学院にしてもいいというのか。そのつもりで設備の条件さえ合えば大学院を設けていく、いわゆる大学院大学にするのか。この調子なら全部になりますね。したがって、中教審との関係も含んで、時間をかけてこの大学院の問題について論議しなければならぬものがたくさんあるのではないか。あとでさあというときには矛盾だらけになってしまうのではないかという心配が私はしているのですが、いわゆる大学院計画というものなしで認可をずっとしておると思うのですよ。したがって、一体終着駅というのはどうなるか。矛盾はないか。
#100
○村山(松)政府委員 大学の整備というような複雑多岐な問題につきまして、終着目標というのはなかなか立てがたいわけでありますが、大学院につきましての大体の考え方を申し上げますと、戦後新設大学をつくりました際に、国立大学につきましては、旧制の大学、高等学校、専門学校を、それぞれ同一府県にあるものはなるべくまとめまして一大学に編成したわけでございます。そこで、大学院につきましては、大学院というものは、きわめて高度な研究者の養成あるいは世界的水準におけるわが国の学問水準の維持向上というような観点から、きわめて厳選すべきだという考え方に立ちまして、旧制大学を基礎にした学部以外には新たに大学院は置かないという方針をとりまして、数年経過いたしました。ところが昭和三十年代の後半に至りまして、旧制の専門学校あるいは高等学校を基盤とした国立大学につきましても、漸次教員組織、施設設備が充実してまいりました。それからまた一方、社会的な要請の面からいたしましても、主として理工系の分野では、学部レベルだけでは、研究者とまでいかなくても、職業人としても必ずしも十分でない。職業教育の観点からしても、修士課程程度の大学院はもっと増設すべきであるというような意見が出てまいりました。また、当時大学制度の改善問題を論議しました中央教育審議会におきましても、博士課程の大学院は依然として高度の学問研究という観点を中心として厳選すべきであるが、修士課程程度の大学院については、学部だけではなしに、もっと勉強したい、あるいは職業教育としてももう少し高度のものをほしいという要請にこたえるべきだという議論が起こってまいりました。そういう傾向を受けまして、文部省としては昭和三十八年以来、戦後新たに創設した学部につきましても、修士課程までの大学院は、学部の充実と社会的要請などをにらみ合わせまして、漸次設置してまいったわけであります。そこで理学、工学、薬学、農学といったような分野につきましては、これは充実度に応じて、できれば全部修士課程の大学院までは置きたいと考えております。人文社会系統につきましては、理工系ほどのそういう要請に乏しいので、これらにつきましては、一部経済学でありますとかあるいは教員養成とかにつきまして、何と申しますか、ことばはちょっと悪うございますが、試験的に修士課程までの大学院を置いたのはございますけれども、これは必ずしも漸次全部に及ぼすという考え方は持っておりません。また博士課程につきましては、現段階ではなお厳選してまいりたい、新たにつくることは控えてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
#101
○山中(吾)委員 非常に複雑な御答弁なのでちょっと整理しにくいのですが、大体各大学の学問水準を修士課程に持っていくのだ、現在の大学は修士大学という構想を予定しているというなら、矛盾は始末できますね。ただ文学部と何だけはやらないということになると、そこのところはまた矛盾が出ると思うのだが、その辺はもう少し、一応の終着駅というものについてはある程度のめどを持って――毎年逐次出されるのであるから、その点だけは大体のめどを持っていなければならない。だから、大体修士課程程度の大学院を終着として考えている、そうですか。これは大臣にお聞きしておきます。――局長はいいんですよ。これは事務的に聞くんでなくて、その辺は大臣の答弁が必要だ。
#102
○坂田国務大臣 一応中央教育審議会で一種から六種まで考えておるわけでございますが、これは私の個人的な考え方とむしろ断わったほうがいいかもしれませんけれども、やはり世界の学問水準を維持し、むしろ発展し、あるいは総合性を与えるという意味における基礎的な研究機関として、大学院を中心とした場合の大学というものは、私は博士課程を主体とした大学というふうに考えておりますし、これに対しては相当の研究教育投資をやるべきであると思っております。それから一般的な高等職業教育というものも、単にいままでの学部だけではやはり研究の面が若干不足するのではなかろうかという意味において、修士課程までは、一般的な高等職業教育の大学に種類分けをしました場合においても必要である。ということは、教育と研究というものは、その濃淡の差はあれ、不可欠のものであるという基本的な考え方を実は私は持っております。
#103
○山中(吾)委員 大体そういう考えならば、あとへあとへ大学院修士課程を設置しても始末はつくと思うので、一応わかりました。
 そこで、これで終わりますが、事務当局に資料だけ出してほしいのです。現在博士コースが何名か、それから修士コースの定員と実員が何名か、その内訳の国立が何名、私立が何名か、これはあると思いますから、これを資料で提出をしてください。
 終わります。
#104
○久保田委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時四十分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時五十五分開議
#105
○八木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案について、質疑を続行いたします。山原健二郎君。
#106
○山原委員 私は、提案されております国立学校設置法の一部を改正する法律案について、特に秋田大学に医学部を設置する問題を中心にしまして、大臣おられませんが、関係者、政務次官に対して若干の質問を申し上げたいと思います。
 医学部の設置ですが、これは戦後初めてと聞いておるわけです。したがって、今回秋田大学への設置は将来への一つの指標、また試金石ともなりかねないと思いますので、私の持っております疑問あるいは疑念を解明しておきたいという意味で質問をするわけです。特に私は地方議会に長くおりました関係から、地方財政を圧迫をさせないということについて、第二点は医療行政を医学部設置によって後退させないという点、さらに付属病院におりますところの医師、看護婦その他従業員の皆さん、これについてしわ寄せを起こさせないという、ほぼ三つの点から質問したい、こういうふうに考えております。
 まず第一番に、先日の河野委員であったと思いますが質問に対しまして、学部設置の要求は二十二大学で三十七学部の要求があったということを局長のほうから答弁されたと思うのです。この点について、相当数の大学や各県から学部設置の要請があるわけですが、特に医学部の問題について要請なりあるいは陳情なりありましたところの大学または県の名前をここで披瀝していただきたいのです。
#107
○村山(松)政府委員 医学部につきまして具体的に御要求がございましたのは秋田大学でございますが、それ以外にも、大学なりあるいは地元のほうから、希望として、できれば将来医学部設置のことを考えてほしいというような意向表明のあったものは、若干ございます。正確に記憶しておりませんが、たとえば静岡県でありますとか、大分県、愛媛県でありますとか、それから富山県、こういうところにつきましては、それぞれ濃淡の差はございますけれども、将来医学部をできればつくりたいというような意向の表明が、何らかの形でなされたように記憶しております。
#108
○山原委員 私が文部省のほうで調べましたところ、具体的に出ておるのが秋田県、愛媛県であった。そうして陳情あるいは県からの要請としてあったのが、北海道では医科大学を別につくってもらいたい。それから県では山形県、静岡県、富山県、愛媛県、高知県、こういうふうに昨日お聞きしたわけですが、これは間違いですか。
#109
○村山(松)政府委員 ただいま申し上げたほかに、何らかの形で希望表明がございましたものが、北海道、それから山形、高知があるようでございます。それから三重県につきましては、新設ではございませんが、現に県立大学で医学部がございますが、これを将来国立にしてほしいという御希望があったようでございます。
#110
○山原委員 そのような要請の中で特に今回秋田大学に設置するに至った理由でありますが、これにつきましては再三質問も出ておりますので再質問のような形になりますけれども、先日の政務次官の御答弁によりますと、要求の度合いによるというお話があったわけです。それからさらに大臣のほうからは、秋田県の医師数が対人口比で最低であるということ、また四十四年度の中で準備費が組まれておったということ、また知事をはじめとする要請も強かった、こういうととが川村委員に対する答弁の中で出てきたわけでありますが、私はこれでは少し納得しがたい面もありますので、なおこの上に加えて説明することがあれば、もう少し明確にしていただきたいと思うのですが、大体そういうことですか。
#111
○村山(松)政府委員 ほぼ御指摘になりましたような理由で秋田大学の医学部の設置に踏み切ったわけでありますが、具体的に直接の動機を申し上げれば、すでに前年に人件費、入学試験経費まで含めた準備費がついておるということは、準備整えば当然設備すべき筋合いのものと考えまして、四十五年度について事務的には予算を計上し、法案を提出いたしたわけであります。
#112
○山原委員 要するに、地元の県における熱意というものが秋田大学に医学部を設置する要因になっておるというふうに理解するわけです。そうしますと、その熱意の表明とは一体何かということになりますと、結局いまお話にありましたように、人件費とか、準備費、あるいは入学試験の費用とか、そういういわゆる財政面、たとえば物とか敷地であるとかというものにおける措置が県でなされておるために、ここへ設置をするのだということが強く出ておるように思うのですが、その点、そういうふうに理解してよろしいですか。
#113
○村山(松)政府委員 人件費あるいは入学試験経費等は、国費の予算でもって用意をいたしております。県が用意されておりますのは、さしあたり県立中央病院を使うわけでありますが、将来は新しく敷地を求めて病院もつくる考えでありますので、そのための敷地の用意について県が協力されておるわけであります。
#114
○山原委員 そこで一つは、先日も問題になりました敷地の問題ですが、秋田県議会における小畑知事の答弁によりますと、敷地は適当な個所を文部省とも協議をしてきめましたならば、整地をいたし、提供したい、こういうように申しておるのでありますが、これは地財法との関係は一体どうなるのか。知事の考え方はそのような状態ですので、文部省はそういうふうに理解しておるのですか。
#115
○村山(松)政府委員 秋田県が考えておられます病院敷地につきましては、準備調査会におきましても調べまして、病院敷地として適当であろうと判断をいたしております。その用意された敷地の取得方法につきましては、前回の委員会でも御説明申し上げましたように、県側と文部省とでさらに協議をして、具体的に話を詰めることといたしております。
#116
○山原委員 さらに知事は、地財法との関係も承知しておりますので、当面は県において敷地を取得いたすのでありますが、将来におきましては適当な国の財産との交換方式でまいりたいということを答弁しております。これはいわゆる十六万平米、五億円という金額のものでありますけれども、このように知事は言っておるわけですが、国の財産との交換方式というものをとるのかという点ですね。その点はどうなっているのですか。
#117
○村山(松)政府委員 国立学校施設を整備する場合、県に事実上立てかえ整備を願って国が取得する場合の一つの方法として、既存の国有財産との交換というやり方がございます。そういうことも含めまして、将来どういう方法で取得するか、さらによく県と話し合うつもりにしております。
#118
○山原委員 それでは、この敷地の問題については結局話し合いということですが、県側としては国の保証を求めておると私は思うのですよ。この敷地五億円、十六万平米については、取得はするのだけれども、それに対する保証は国のほうで行なっていただくのだということを申しておるのが、昨年二月の県議会での答弁なんですよ。そうすると、二月からすでに一年一カ月というものが経過しておるわけですが、その間何ら話し合いが進展をしていないというのが現状なのかどうか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#119
○村山(松)政府委員 秋田大学医学部創設に関する諸般の準備というのは、医学部が現実に設置されるまではあくまでも事前の準備でございますので、その間具体的にどれをどうするという話は、まだ詰まっておりません。設置された暁には、さらにだんだんと具体的に話を進めてまいるつもりでございます。
#120
○山原委員 この敷地問題、これは確かに交換方式というものがあることはいま言われたわけですけれども、この点について、少なくとも県側においてはかなりの不安を持っておるのじゃないかと私は思うのです。しかも一年一カ月経過してなおかつその方針すら決定をしていないということになりますと、医学部はできたが、一体これからこの出費に対してどう保証されるのかということが、やはり県内においては大きな問題になると思うのです。その点大体いつごろこの方針が決定されるのか、お聞きしておきたいと思います。
#121
○村山(松)政府委員 話し合いでありますし、またかなりむずかしい問題でもございますので、いつと明確な時点を私として現段階で申し上げる基礎がないわけでありますが、大学の設置は、医学部でありますれば大体五カ年計画でありますし、それから現在、医学部の場合、二年間の医学進学課程は秋田大学の現在の校舎でやる考えでございますので、医学進学課程が終わって専門の課程に入るころまでには話を詰めることが望ましいわけで、そういう目標で努力いたしたいと思います。
#122
○山原委員 敷地の問題につきましては、あとでもう少し総括的に申し上げたいと思うのです。
 二番目に医学部建設の問題、これは秋田県知事小畑さんの議会における答弁によりますと、財団法人をつくって、その財団法人は寄付金と県の拠出金でまかなっていく、そうして建設ができ上がったならば、これまたしかるべき国の財産と交換方式で処置したい、こういう答弁をいたしております。そして、それにつきまして文部省としかるべき機会に御協議を申し上げたいというのが、答弁なんですね。金額につきましても非常に大きなものでありますから、これについても、ただいま敷地の問題で御答弁になったような状態なのかどうか、いささか話し合いが進んでおるのかどうか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
#123
○村山(松)政府委員 秋田大学医学部につきまして、敷地のほかに、医学部の基礎の校舎につきましても、急を要する関係もございまして、一部秋田県において立てかえて建設を進められるという申し出がありまして、そういうことで了承いたしております。この校舎の取得方法につきましても、敷地と同様、交換方式も含めまして、いついかなる方法でやるかにつきましては、設置後すみやかに話し合いを進める予定にいたしております。
#124
○山原委員 いまの答弁で交換方式というのが出ておるわけですが、やはり交換方式というのを文部省は考えておるわけですか。
#125
○村山(松)政府委員 交換方式も、取得方法の一つとして考えの中に入れております。山原委員 それではもう一つ、県立病院の問題ですが、やはり昨年二月の県議会における小畑知事の答弁によりますと、県立病院はしばらくの間付属病院として使われる、付属病院として県から移管したい、こういうことを述べておるのです。この県立病院の移管問題ですが、小畑知事は、要するにこの秋田大学医学部の設置については、移管と交換方式というのを一貫して考えておるというふうに私は読み取ったわけです。ところが、いま大学局長の答弁によりますと、当面付属病院として使って、あとでは新たに敷地を求めて付属病院を別個につくるのだというふうなお話でしたが、これは知事のお話とかなり食い違っておると思うのです。知事は、現在付属病院をしばらく維持してこれを移管したいという考えですが、その辺はどうなっておるのですか。
#126
○村山(松)政府委員 医学部をつくります際には、付属病院が必須の条件になっております。ただ、付属病院のように大きなものを学部創設時に直ちにつくるということは、実際問題として困難でございますので、これも前回の委員会で御説明申し上げましたように、大学設置基準そのものの一修正が行なわれまして、さしあたりは実際に教育、研究に活用し得る病院を何らかの契約その他によって使い得る状態にすればよろしいということでございますので、秋田大学の場合は、国と秋田県におきまして、県立中央病院を秋田大学付属病院に一時代用する、それからでき得れば移管を受ける、そしてしばらく使う、こういう話し合いをいたしております。
#127
○山原委員 そうしますと、県立病院については、当面付属病院として使い、そのあとで移管を受け、その次に今度は新しく付属病院をつくる、こういう考えですか。
#128
○村山(松)政府委員 付属病院といたしましては、さしあたりはいま御説明申したとおりでございます。最終的にはもっと最新式の整備された病院をつくりたいという希望を持っておりますが、具体的な話し合いにつきましては、設置後すみやかに県側といたしたいと思っております。
#129
○山原委員 いまのお話でもう一回確認をしておきたいのですが、県立病院は付属病院として使い、そしてその次には移管をする、そしてその次には新しくりっぱな付属病院をつくる。そうすると、その移管の時期というのはいつになるわけですか。これは五年の間というふうな形に考えておるわけですか。
#130
○村山(松)政府委員 県の御希望としては、そういう話であるから、県立病院の移管もなるべく早くしてほしいという御希望の表明がございました。ただ、病院の移管を受けるにはかなり大きな予算措置が伴いまして、これは予算の問題としてその時点で結論を出さなければなりませんので、いつにするというお約束はいたしておりませんが、県側が早急にということでございますので、文部省としてもなるべく早く案を立てまして、予算を要求いたしたいと思っております。
#131
○山原委員 この問題では、移管をすることの是非は別といたしまして、国のほうでなるべく移管を引き延ばして、その間付属病院に借用した形でやっていくということで、これについても秋田県においてはかなりの不満があるということを聞いておりますので、そのことを申し上げておきたいと思います。
 以上、敷地にいたしまして約五億円、医療機械七億円、基礎校舎として九億五千万ないし十億円といわれているわけですが、合計しまして二十二億という多額にのぼるものの移管と交換の問題でありますから、これは国として当然保証しなければならない問題だと思うのですが、これについて、文部省として自治省との間に何らかの話し合いをしておるのかという点と、その保証についての見通しを持っておるのかという点ですね。これはできれば文部大臣にお伺いしておきたいのです。
#132
○村山(松)政府委員 地方公共団体でありますので、一部の問題につきまして自治省が関与する部面もあろうかと思いますけれども、現段階では文部省と秋田県との間でいろいろな場合を想定しまして話し合いをいたしておる段階でありまして、自治省との折衝はいたしておりません。将来の課題といたしましては、なかなかむずかしい問題ではございますけれども、もちろん法律に違反するような措置をとることなく、何とか秋田大学の医学部が最も効率的に整備されるように話し合いをつけ、その措置をとりたい。かように考えております。
#133
○山原委員 私の要求しておるのも、秋田大学の医学部が非常に正常な、りっぱな姿で発展をするということ、これを期待すると同時に、地方財政に対して負担をかけないということを肝に銘じて考えておいていただきたいという意味で私は申し上げておるわけです。自治省のほうで聞きますと、実はこのようなことは前例がないというふうに話しておる人もおるわけでございまして、しかも戦後初めて医学部を設置するという重大な試金石でございますから、そういう意味ではかなり腰を据えた態度をとらなければならないということを申し上げておきます。
 そこで、先ほど質問をいたしましたように、いま各県から医学部設置の要請があるわけです。私の県などもそうですが、その実態を文部大臣にちょっと聞いていただきまして、その中から切実に――医学部の設置要請は、もちろん私の県だけでなくして他の府県からも出ておるわけです。しかし、ためらっておる。それはやはり率直に申しまして、地方財政の負担の問題があるわけでもね。だから、秋田大学に医学部をつくるということについて、非常に大きな関心を各県が持っておるということなんです。たとえば私の県におきましては、現在医師不足というのが非常に切実な問題になっておりまして、一例をあげますと、最近では、過疎現象の中で医師が山間部には来ないという状態なんです。だから、相当数の年寄りが、隣近所の方々に迷惑をかけるということで、高血圧その他の病気にかかりました場合には自殺をする件数がふえているわけです。たとえば、高知県香美郡別役というところでありますけれども、これは厚生省に聞いてもらわなければならない話ですが、ここへ行きますと、もう異口同音に皆さんが言いますことは、医者がほしいということなんです。しかも、死亡者が出ましても、死体を運んで検死を受けることができない。戸板でかついで運ぶ若い人がいない。こういう状態の中で、県に対してヘリコプターを購入してもらいたい。急病人が出たときには、ヘリコプターで医者を運んでもらいたいというような、これは全く奇想天外な話でありますけれども、こういう切実な状態が起こっているわけです。そこで、県は医師不足をどう解消するかということで、医師養成機関、いわゆる学校の問題が出てくるわけです。たとえば、現在では各大学の医学部に対しまして、たとえば四国であれば徳島医大、岡山医大、長崎医大というところで県の厚生労働部長が平身低頭して医者をもらうための努力をしなければならないという、全くたいへんな状態が生まれているわけです。私、昨日いなかから来ました新聞を読みますと、たとえば県立宿毛病院というのがありますけれども、ここでは医師が四名で、四名全員が引き揚げるという問題が起こっているわけです。これに対してどう対処するかというような問題もありますし、また県立病院の実態を見ましても、たとえば必要医師数というのが百八十八名に対しまして、現在実際に確保されている医師は百四十六名、不足医師の数が四十二名というふうな状態で、県立病院でも眼科とかそういったものがいないという、こういう状態が出ておるわけです。そこで、どうして医師を確保するかという問題で頭をひねった結果、たとえば高知県から出ておりますところの、高知県の高等学校を卒業して全国の医学部へ入学しておる生徒を調べて、その生徒に対して貸し付け金を行なうわけです。これはいま私は条例を持ってきておりますけれども、月二万円の修学資金というのを渡していく。渡しますと、それに対して義務を生じさすわけです。そしてそれをもらった者はある年限の間県の保健所でつとめる、こういう約束をさせる。しかし、これとても、その借りた金を卒業して払ってしまえば、何も確保する保証はないわけです。そういう状態の中で、何とか医師を確保しなければならぬというのが、現在の地方自治体の実態なんです。だから、そういう中で医学部を設置してもらいたい、こういう要求というのは、たいへん強いわけですね。ところが、さて文部省に対して医学部設置を要請しようとすると、お金の問題になってくる。そこで皆さんが思い出すのは、例の国立高専をつくるときの苦しみなんです。国立高専だから国が出してくれるかと思っておりますと、あにはからんや、そうではなくして、たとえば私の県の一例で恐縮でございますけれども、国立高専誘致のための県の負担が二億百五十二万円、この内訳は期成同盟会で千九百九十二万円、建設費といたしまして一億八千百六十万円という金を国立高専の建設のために支出をしておる。これは大学局長に当たるかどうかわかりませんけれども、こういう県の持ち出し金というのは、一体どうなっておるのかということなんです。おわかりでしたら、御答弁をお願いしておきたいと思います。
#134
○村山(松)政府委員 高知の工業高等専門学校の事例は、私詳細に存じませんが、たしかあれは、設立のときは私立でできたやに承知いたしておりますので、かりに設立当初の負担があるとすれば、それは県対国ではなくて、県とその学校法人ということではなかったろうかと思います。しかし、一般的に申しまして、国立の工業高等専門学校を創設する際に、工業高等専門学校をつくるにはまずもって敷地が要るわけでありますが、敷地の取得というのは、これは出先機関などを持っておらない文部省といたしましては、きわめて困難なことでございますので、地元公共団体の協力を願ってやってまいっておるわけでございます。それが、地方公共団体との間の地方財政法等の問題もございましたので、工業高等専門学校の敷地取得につきましては、近在の国有財産との交換で処理をするという方式をきめまして、以後それによって処理をいたしております。しかし、そういう意味合いにおきまして、何らかの意味で地元の御協力を願うということは、国立学校をつくる際に、その基盤をつくる意味合いにおきまして若干はやむを得ないことだと思いますが、それが法律違反のようなことにはならないように十分戒めてまいりたいと思っております。
#135
○山原委員 若干の地元における援助といいますか、そういうものを期待するわけでありますけれども、文部省の考え方が、こういう気持ちにおいて今日まで来たのではないかという心配があるわけですね。たとえば国立高専をつくるというなら、それだけの財政措置を講じてつくっていくということ、そのためには、何しろ教育の問題ですから、各県の援助、それを各県の圧力といいますか、そういう運動、教育を起こしていく運動、それを背景にしてその予算を獲得していくという態度でなくして、初めから地元の負担というものを見越した上でやっていくという考え方が、文部省の中に一貫してあるのではないか。前日も川村さんが指摘をしておりましたけれども、そういうことが、今度の秋田大学の医学部の設置の問題でも、ほとんど地元負担の問題についてこれを解決しようとする努力が、私はどのようになされてきたかわかりませんけれども、まだ話し合い中だということでずっと期間が延びていくという感じを持っておるわけです。だから、私がわざわざ秋田県の小畑知事の昨年二月の当初県議会における答弁を引っぱり出してきたのは、そこなんです。いま話し合い中だ、協議をしておるのだといって、一年一カ月経過をして、なおかつ文部省のお答えは、話し合い中だ、こういうわけです。その辺全くいまのところ見通しのないような、そんな形で大学医学部を設置していいのか。しかも、これが戦後初めての試金石だということを考えますと、あまりにもその辺の地方財政との関係における考え方というものが甘いのじゃないかということを思うわけです。その点について、これからの問題もありますので、文部省は弱腰であると戦前、戦後を通じていわれてきたわけでありますけれども、文部大臣のその辺の決意をひとつお聞きしたい。
#136
○坂田国務大臣 秋田大学の医学部創設につきましては、昨年度創設準備費の費用を認めた際も、われわれといたしましては、相当慎重に検討したつもりでございます。したがいまして、地元の要望が非常に強いから、それだけで直ちに将来五十億、七十億あるいは百億というようなお金を支出しなければならない、こういうような問題については、実はなかなかふん切りがつかなかったのが実情なんでございます。本年度の予算を要求いたしますときにも、もう一年ぐらいはあるいは延ばしたほうが双方にいいのではないかというような気持ちを一時持ったことも実はございました。しかしながら、私どもといたしましては、全般を考えました場合に、やはりこの医師不足というものを解消する、つまり絶対数のお医者さんを獲得するということも、今日の非常に大きい課題であるし、それからまた地元の要望というものも、かなり相当の協力を惜しまないというような熱意も感ぜられましたので、われわれといたしましてはこれに踏み切る。そして今度の予算折衝におきましても皆さん方の前で一応御説明できるような程度には予算を獲得したつもりでございます。しかし、お説のとおりに、今後地方の財政を不当に圧迫したりあるいは地財法の法令違反を招くようなことがあっては申しわけないことでございますので、この点につきましては、十分地元と話し合いますと同時に、私ども自身といたしましても将来のこの学部の充実あるいは年次計画の遂行等にあたりましては、大蔵省に対しまして主張すべきはちゃんと主張して、ただいま申しましたようなことがないようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#137
○山原委員 重ねて申し上げますけれども、現在地方財政が非常に困難なときなんです。ことに超過負担の問題が各自治体とも問題になっておるときでございますから、その点十分お考えをいただかなければならないと思うのです。
 そして、文部省としまして、現在の医師不足という一例を私申し上げたわけでありますが、これに対してどういうふうに対処していくかということで、たとえば厚生省との間に、医師養成あるいは看護婦養成につきましての文部省としての見解を披瀝しまして、話し合いをしたことがあるかどうかという問題です。
#138
○村山(松)政府委員 医学、それから歯学、看護等につきましては、厚生省と文部省は常時話し合いをしております。たとえば、医学教育を指導、助言、援助する措置といたしまして、医学視学委員というような機構もございますが、これにも厚生省の担当官もお願いいたしておりますし、会議等もしばしば持っております。そういうことで、厚生省と文部省との間で連絡が不十分だということは、事実上は御指摘のような点があるかもしれませんけれども、気持ちとしては十分緊密な連絡をとりながらやっておるつもりでございます。
#139
○山原委員 もう一つお聞きしておきたいのですが、たとえば秋田大学の医学部を完成するまでに五年間といいますか、そういう年限を要するわけですが、その間に秋田大学医学部をりっぱに充実をしていく過程において、たとえば現在要請が出ておりますところの各県の要請に対してこたえることがあるのかどうか。たとえば、秋田大学医学部を発展さす中でさらにもう一つ医学部をつくっていくんだという、先ほど年次計画というお話が出ましたけれども、そういう用意といいますか、心がまえはあるんですか。
#140
○村山(松)政府委員 先ほど来大臣からもお答え申し上げましたように、医学教育は拡充しなければならない。しかし、いまつくるとすれば、従来の設置基準に準拠してつくらなければならない。医学教育のあり方がこれだけ問題にされておるときに、幾ら必要であるからといっても、従来の基準そのままでつくることはどうであろうかという問題がございました。さればといって、医学部をつくらないで時日をいたずらに経過させることも問題があります。私といたしましては、やはり医学関係者等に十分お願いいたしまして、医学教育のあり方についてまずもって十分討議して、新しい医学教育のあり方を確立していただきたい。それによって制度を改めるべき点は改め、新しい望ましい方向に向かって医学部の創設をやってまいりたい、かように考えておるわけであります。そういうことから、なかなかむずかしい課題でありますので、あるいは今後においても従来の基準で医学部をつくるということがあろうかとも思いますが、気持ちとしては、まずもって医学教育の改善案を確立、改善されるべき方向に向かって拡充をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
#141
○山原委員 次に、付属病院のことについて、これは初めてのケースでもあると思いますし、県立病院を付属病院の代用病院として使用するという問題ですね。国立学校設置法施行細則十四条で、付属病院を置かなければならない、こうなっておりますから、結局県立病院を代用病院として当面使用するというお話でありますが、県立病院には県立病院の任務と性格というものがあるわけですね。しかも秋田県の場合、この県立病院、知事の発言によりますと、県立病院は最終責任病院である、こういうふうに言っているわけです。だから、秋田県における中小の病院がありますけれども、秋田県立病院というのは、秋田における秋田県民の疾病を治癒するところの最終責任病院ですね。その最終責任病院を付属病院とするということになりますと、付属病院は教育、研究の機関としての付属病院ですね。医学部設置審査基準によりましても、「付属病院は、教育研究ならびに学生の臨床実修のため、」病院を設置する、こうなっているわけですね。だから、全く県立病院ということで設置したものを付属病院として代用して使うということは、県民の立場からするならば全く異質の――全くとは申しませんけれども、異質のものができる、こうなるのですが、この点で秋田県における医療行政の低下というものが起こるのではないかという心配をしておる向きもあるわけであります。私どもも、たとえば高知県に医学大学ができて、大学付属病院に県立病院をとられますと、そうすると、性格の違ったものになりますからね。現在、秋田病院はちょっとお聞きしますと、一日外来患者一千名おるわけですね。だから、三分間の治療、診察を受けるために何でも半日とか一日待たなければならないくらい、県民の最終責任病院として押しかけているわけです。これが付属病院となると教育、研究の機関になりますから、その点で県民に与える影響というのがあるのではないかという点を考えておりますが、これについてちょっとお答えを願いたい。
#142
○村山(松)政府委員 御指摘のように、確かに県立病院その他の公共病院と大学付属病院とは、その目的、使命は異にいたしております。しかしながら、現実の事態はむしろ、妙な言い方でありますが、大学病院が教育研究病院として必ずしも十分特色ある運営がなされておらず、一般病院的に運営されている面が非常に多いというのが実情でございます。そういうところから申しますと、県立病院を大学病院といたしましても、現実に患者の診療等につきましてにわかに全く違った事態になるということはないのではなかろうかと思いますし、また将来確立すべき大学病院は、単に教育、研究にもっぱら努力するだけではなしに、むしろ地域医療機構の一つの指導的な役割りも果たし、市中病院との関連も保ち、お互いに、たとえば市中病院の中の指導力のある人を客員教授とする、それから大学病院における研修についても、一部は市中病院のほうと連係を保ってそちらのほうで一応やらせる、指導者としてはお互いに交流をするというような、新しい行き方も望ましいのではないかというようなことも言われております。そういう将来の動向ともにらみ合わせまして、大学病院ができることは、これは当事者が十分努力をすれば、地域医療についてもマイナスにならず、むしろプラスになる面も出てくるのではなかろうかと思います。そういう望ましい方向に進むように努力いたしたいと思います。
#143
○山原委員 一例だけあげますと、たとえば教育研究機関としての付属病院の場合は、生活保護を受けておる患者あるいは医療保護を受けておる患者を診察し治療することはできないというふうに私は聞いておるわけでありますけれども、その点はどうですか。
#144
○村山(松)政府委員 現在、種々の社会保険関係、その関係の患者の診療は、それを引き受ける病院との間で指定とか契約とか、そういう関係を結んでやることになっております。大学病院につきまして、社会保険あるいは生活保護等をやってはならないということは決してございませんけれども、現実の課題としてはこれを引き受けていない大学病院もあるやに聞いております。まあそういう点の問題であろうかと思いますが、秋田県の場合、そういう必要があるといたしますれば、そういう細部につきましても設置後地元と十分話し合いをして解決をはかるべき問題だと思います。
#145
○山原委員 この問題は、だから私が申し上げたのですが、県立病院の場合は、生活保護患者あるいは医療保護を受けておる患者も安心して行けるわけなんですよ。ところが、実際には付属病院の場合は、それを引き受けていないという例もあるわけで、法律上の観点は私はよくわかりませんけれども、それはお聞きしたいわけですけれども、そういう問題が起こってくるわけです。だから、付属病院になるということは、決して――決してとまでは言わないが、秋田県民にとってはたしてそういう面でのほんとうに――県立病院というのはかけ込み病院ですからね、一番困ったときに県がつくっている病院に対してかけ込んでいくという庶民の感覚があるわけでしょう。それが大学付属病院、教育研究機関としてがちっとかまえた場合に、そこへはたとえば一番貧しい下積みの層がかけ込むことができない。しかも特別な措置をとらなければ行けない、またいろいろなそういう手続上のややこしいことが起こってくるということになりましたならば、これは県立病院を付属病院に代用するということは、県民にとって必ずしもプラスじゃないんじゃないかという論理がわいてくるのは当然のことなんです。だから、その点については、かりにこの法案が通ったとしました場合に、はっきりとして庶民がかけ込んでいける県立病院のほんとうに変わらない中身を持った病院として存続をさせていく側面というものを持たなければならないんじゃないかと思うのです。文部省もおそらく初めての経験でございましょうから、その辺の秋田県民に対するサービス機関としての部門を明確にしておく必要があると思うのですが、これは大学教育研究との関連である程度の制約を受けるかもしれませんけれども、その辺のことぐらいは、この法案を出すにあたって大学局長としてはやはり研究をしていただいて、ここではっきりした答弁のできるような態勢をとっていただきたかったと私は思うのでありますが、この点について大臣の見解をお聞きしておきたいのです。
#146
○坂田国務大臣 いま御指摘になりましたのは非常に大事なことで、これからの地方大学を拡充整備していく場合において念頭に置かなければならないことだと思います。従来、ともしますと、国立大学というものは学問研究の場であって、地域社会とは別個のものであってしかるべきであるというような考え方があったように思うわけでございますが、そうではなくて、今日の国立大学というものは、やはりその研究の成果が直接一般社会はもちろんのこと、その地域社会にも還元をされる、あるいは地域社会の要請にもある程度こたえていくということがなければならない。その地域社会の要請にこたえるということと同時に、学問研究を進めていくという大学の本来の使命、こういうものをどう調和していくかということが、私が申しております国民のために開かれた大学の姿なんだ、こういうふうに私は考えるわけでございまして、そういう理念から申しますならば、いまお説のように、たとえばほかにいろいろ県立病院もあればあるいはほかの庁の機関の病院もあるというところはまた別な国立大学の病院のあり方もございましょうが、いまわれわれが課題としております秋田のような場合において、県立の病院がなくなって、そうして付属病院だけしかないというような、こういう病院につきましては、その辺のところを十分くみ取って、そうして一般の庶民の方々の要請にもこたえるように、適切にあるいは柔軟に対処しなければならぬというふうに私は考える次第でございます。
#147
○山原委員 いまの答弁の趣旨はよくわかりますが、この問題などは気持ちだけではもちろん解決できないわけで、制度上あるいはそういう措置がとられなければならないわけですから、そういった点は十分配慮すべき問題だと思います。
 時間も十分ありませんから、あと続けて二、三質問をしておきたいのですが、それと関連をしまして、たとえば現在秋田県立病院にはベッド数は九百あるわけですね。今度付属病院に代用されました場合には、ベッド数が六百ですか、七百ですか、七百以上となっておりますが、数字がよくわかりませんので、これもちょっとお答えいただきたいのですけれども、たとえば九百のベッドが七百、あるいは六百というふうに減ることも、これは県民の医療行政からいえばマイナスではないかという感じがするわけですが、その点どうですか。
#148
○村山(松)政府委員 秋田県立の中央病院の現況につきまして、県側の御連絡では、現在病床数八百程度と聞いております。計画しております病床数は約七百程度でございますので、約百床の差がございます。ただ、現在の県立病院では、八百のうちが精神病のベッドが百をこしておりまして、これが大学病院としてその分だけが著しく多いものですから、標準規模に引き直しますと七百ということに相なるわけでありまして、その差額は確かに収容力という点からすれば端的にマイナスになるわけでございますが、総合的な医療サービスという面からすれば、先ほど来御説明申し上げておるように、大学病院なるがゆえのプラスの面もあるわけでありますし、またそれが一そう多くなるように努力してまいりたいと思います。
#149
○山原委員 そうすると、精神病床というものを付属病院にすることによって減らすという考え方ですか。
#150
○村山(松)政府委員 ただいま申し上げました七百床程度というのは、文部省自体の腹づもりでありまして、現実には予算折衝によってきまるわけでありますし、またその内訳につきましても、当事者あるいは大蔵省との予算の折衝などによってきまります。したがいまして、端的に精神病床を減らすようなことになるのか、あるいは話し合いによっては若干ベッドが上回るのか、その辺につきましては、現在の腹づもりが必ずしも最終的なものではございませんし、今後の折衝によってできるだけ摩擦、支障のないように措置いたしたいと思っております。
#151
○山原委員 何となくたよりない気持ちでお聞きしておるわけですが、結局、付属病院になることによって県立病院から体質がかなり変化するということを考えられるわけですね。たとえば精神病の場合は、これは一般の開業医の場合に、精神病を非常に求めておるわけですね。特に精神病科を公立としてつくることに一番抵抗のあるのは、この問題です。だから、精神病は開業医がやれば一番もうかるわけです、相手は判断力のない人々ですから。最近新聞にも出ましたように、たいへんな待遇、虐待、そして食糧費のピンはね、こういうことが精神病院において至るところで行なわれているという状態の中で、少なくとも精神病だけは公立でやらなければならないというのは一般の常識なんですよ。それを減していくというようなことになってきますと、私はたいへんな問題だと思うのです。そういう点では、いま局長のお話を聞きましても、今度の付属病院に県立病院が代用として使われる場合の病院の性格、内容というものは、非常にはかない感じでしか聞くことができない。もう少しはっきりした態度をとって、県立病院の体質が変化しない、先ほど申しましたように、県民に対するサービス機関としての重要な役割りを果たしていけるという、この姿勢をとっていただかないと、たとえば今後の大蔵省との関係におきましても、ベッド数は減るのだ、精神科はなくなるのだ、あるいは結核病棟は少なくするのだ、こういうことになってくると、たいへんな問題だと思いますので、この点については、十分関心を持っていただいて処置をしていただくように、私としては要請をしておきたいと思うのです。
 次に、この移管にあたりまして、お医者さん、職員の方々の中にいろいろな不安が起こっておるということを聞くわけです。たとえば、私の数字が正確でないかもしれませんが、精神病のお医者さん、現在四名おられるわけですけれども、三名がおやめになりたい、こう言っているのだそうです。心臓外科二名のお医者さんがやめたい、脳外科二名の方がやめたい、こういうお話を聞くわけでありますけれども、局長にお伺いしておきたいのですが、この現在おられる県立病院の職員、看護婦の移管にあたっての取り扱いはどうなっておるのかという問題と、いま私が申しました精神科の中に、はっきりと出てきているわけでしょう、精神科のお医者さんが四名のうち三名までやめるということ、これはいままでの県立病院から付属病院に移行することによって、この病院の性格が全く一変しようとしておることをここで示していると思うのです。しかも脳外科はどうですか。心臓外科はどうですか。脳外科は、現在交通事故の中で一番重大な部門になっているわけですね。しかも県民が交通事故を起こした場合には、県立病院にかけ込んでいく、そしてそこで脳外科のお医者さんの手当てを受ける。その脳外科という一番今日的な、交通事故が続発している状態の中で一番大事なお医者さんが、付属病院になることによっておやめになりたいということを聞きますと、私は病院そのものの内容の変質が行なわれようとしておるのじゃないかと思うのですが、この点について、どういう取り扱いをされようとしておるのか、どういう措置をとられようとしておるのか、お伺いしておきたい。
#152
○村山(松)政府委員 県立病院の移管の際の定員、それから現在員の扱いでありますけれども、これは県立病院そのものを移管した前例はございませんが、従来県立大学の付属病院、これは職員としては県職員でありますが、これを移管した実例はいろいろとございます。一般的に申しまして、教官につきましては、秋田大学の教官審査によりまして、資格審査に適合した者を秋田大学側に移すという措置がとられます。教官以外の看護婦、それからその他の従業員につきましては、おそらく大学付属病院としての定員措置は、現在の実員を上回る定員措置が可能であると考えております。したがって、地方公務員と国家公務員でありますので、若干任用基準あるいは給与の扱い等の調整は要するかと思いますけれども、原則として現在従業されておられる方を国の職員として移しかえることは可能であると考えております。
#153
○山原委員 いま私が申し上げました、精神病のお医者さん四名のうち三名までがおやめになるというこの事態は、私はたいへんな問題だと思いますが、しかし、ここだけで結論を出せる問題でもありませんので、この点大臣におかれましても十分な検討をしていただきたいと思うのです。
 それから、付属病院の病院長は教授でなければならないとなっておりますね。現在の県立病院の院長さんがどういうふうになられるのか、ちょっと伺っておきたい。
 それから引き続いてもう一、二点、一緒に聞いておきますが、付属病院に代用されます場合の病院の所有権はどこになるのですか。県ですか、国ですか。まずそこまで伺っておきます。
#154
○村山(松)政府委員 現在秋田大学の創設準備費によりまして、人権費三人分ございます。それによって大体医学部長予定者、それから病院長予定者を内定しておりますが、病院長予定者といたしましては、現在の中央病院の院長を充てることといたしておりまして、この方を秋田大学の教授にお願いし、代用する間、県との話し合いによりまして県職員を併任し、県立病院の病院長を兼ねるということで話し合いをいたしております。
 それから、付属病院として代用する間は、所有権は県側にございまして、これを協定によりまして事実上秋田大学が使う、こういう話し合いにいたしております。
#155
○山原委員 所有権が県にあれば、地方財政法の二十四条によりまして、県に対する使用料を国が払わなくてはならないわけですが、その使用料というのは、今度の予算の中に幾ら、どこへ出ておるか、ちょっと御説明いただきたい。
#156
○村山(松)政府委員 秋田大学の付属病院、まあ大学の代用病院として使うと申しましても、実際問題として初年度は医進課程の教育が始まるだけで、病院として国が使う実態は事実上ないわけでございます。したがって、実際に使うような段階にどのような使い方をするかということは、さらに具体的に詰めることといたしまして、初年度は国として使い得るのだという原則を打ち立てるだけにいたしておるわけであります。
#157
○山原委員 その答弁の、本年度かりに設立されたとしましても、国として実質的に使う時期は本年度はないかもしれません。しかし、病院そのものの体質は変わるわけですね。県立病院の院長さんが付属病院の病院長になられる、しかも地方公務員から国家公務員に切りかえて教授になられるというふうな事態からするならば、病院の実質使用の度合いは私はわかりませんけれども、先ほど申しましたように、ベッド数から、あるいは病院の各科の問題からしましても、体制的にもまた内容的にも変質するわけですから、全く変わらぬわけじゃない。国立秋田大学の医学部の付属病院となるわけでしょう。それに対しては、地財法の二十四条によってはっきりと使用料を出していくというたてまえをとらなければ、もう全く秋田県としては、敷地もつくる、建物をつくる、しかも付属病院は提供する、それで使用料ももらえないというような事態、そこのあたりの皆さんの感覚の問題なんですよ。だから、私はそういう点で、最初に申しましたように、地方財政に対してしわ寄せをさせないということを強調しておきたいと思いますし、こういう先例をつくることは、日本の医療制度と医師、看護婦養成の制度からいって、決してプラスにはならないというふうに考えるわけです。
 時間もきておりますので、私は時間を守りたいと思いますが、私の申し上げましたことをもう一度繰り返しますと、地方財政に負担をかけないということ、またせっかく医学部ができましたら、その県における、特にこの場合、秋田県における医療行政を低下させないということ、そして県立病院の従業員の皆さんの身分を保全をするということ、それからもう一つは、現在の全国的な医師不足の中でこの養成制度の計画を総合的に立てていくということ、これはもうはっきりと要請をしたいと思いますし、心にとめておいていただきたいと思うわけでございます。
 最後に、佐賀大学の大学院の問題ですけれども、これもせっかく大学院が設立をされるといたしましても、教授、教官は一人もふえないということですね。これなども、せっかくつくる場合に一体それでいいのか。たとえば、大学院ができたことによって、現在の教授、助教授、助手等が持っておる時間数にどれだけ時間数がふえるのか。また、人数がふえないわけですから、その点で非常にオーバーワークになるのではないかということ、現在時間数をどれだけ持っておられるのかわかりませんけれども、その辺はどういうように考えておりますか。
#158
○村山(松)政府委員 従来、大学院の設置の方式といたしましては、その基礎となる学部が充実いたしまして、教員組織におきましても、それから施設設備にいたしましても、大学院の教育、研究を担当し得る能力がつくに至ったという段階で大学設置委員会の審査の上これを設置するというたてまえをとっておりますので、御指摘のように、大学院の設立と直結いたしまして教員組織の拡充というようなことは行なっておりませんが、大学院を担当することによりまして、もちろん大学院担当手当という給与面の改善措置を講じますし、また教官当たり積算校費につきましては、大学院を負担する分といたしまして、学部だけの場合に比べまして約三割増額いたします。学生経費等は当然つくわけでございます。それから授業の負担につきましても、大学院の教育は、学部と違いまして、講堂で講義をするという形が一般的なわけでなくて、むしろ個々の指導という形になるわけでありまして、従来も大学は専攻科というような形で学部を出た者の指導はやっておるわけであります。大学院を設置いたしますと、専攻科をやめますので、教官の負担時間がこれによって急にふえるということはないと思います。一般論として教官はどのくらい負担しておるか、これは個々の大学や学部によりまして違いがございますが、平均いたしますと、おそらく一週十時間ないしそれ以下ではなかろうかと思います。これは農学部の場合で申し上げましたが、そういうことで授業の負担の増加ということも、大学院設置によって急にふえるということはないと思います。
 また、最初の問題に戻りまして、大学院の教員の定員につきましても、大学院の設置されるような段階になりますと、講座、学科目の整備にあたりましても、そういう大学は重点的に考慮されることになろうかと思いますので、将来にわたって、大学院を持つことによって整備上のプラスになるということは十分あり得るわけでございます。
#159
○山原委員 私が本日申し上げましたことは、私どもも地方の自治体の議員としておって感じたことを率直に申し上げたわけです。しかし、これはおそらく全国の人々の気持ちではないかと思いますし、ことに秋田県の人々の気持ちではないかと思いますので、何点か私としては指摘をしたわけでありますので、この点については十分配慮されますように最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
     ――――◇―――――
#160
○八木委員長 著作権法案を議題といたします。
#161
○八木委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。坂田文部大臣。
#162
○坂田国務大臣 今回政府から提出いたしました著作権法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法案は、明治三十二年に制定された著作権法の全部を改正するものであります。現行法は、制定以来数回の改正を経て現在に至っておりますが、その基本的な体系は、制定当時のままであり、今日の複写、録音等の複製手段並びに出版、放送等の伝達手段の目ざましい発達、普及に照らし、著作者の権利の保護に欠け、あるいは著作権の制限規定が実情に適しないなど、不備な点が種々指摘されるに至っております。
 一方、著作権の国際的保護条約であるベルヌ条約は、第二次大戦後昭和二十三年にブラッセルで、また昭和四十二年七月にストックホルムで改正されており、また、昭和三十六年には、実演家、レコード製作者及び放送事業者の国際的保護を目的としたいわゆる隣接権条約が成立いたしました。このような国際的事情を背景に、欧州諸国においては戦後次々に国内法の全面改正を行ない、近代的な著作権制度が整備されるに至っております。しかるに、わが国の現行制度は、昭和三年にローマで改正されたベルヌ条約の基準にとどまり、国際的にも立ちおくれたものといわざるを得ないのであります。
 このような事情にかんがみ、政府は、現行制度を抜本的に改善する方針のもとに、昭和三十七年文部省に著作権制度審議会を設け、制度改正についての諮問をいたしましたが、同審議会は、四年間にわたる慎重審議の結果、昭和四十一年四月に答申を行なったのであります。政府は、この答申に基づきこのたびの成案を得たのでありますが、この間試案を公表して権利者、使用者その他関係者の意見の聴取を行なう等慎重を期してまいりました。
 なお、昭和三十七年以降の改正作業中に保護期間の経過により、その権利が消滅する著作権者を救済するため、四回にわたり保護期間の暫定延長の措置が講ぜられましたことは、御承知のとおりであります。
 以上の経過によって明らかでありますように、この法案の趣旨とするところは、最近における著作権保護の国際的水準にのっとり、著作者等の権利の保護を厚くするとともに、著作物等の公正な利用に留意して著作権等について妥当な制限規定を整備し、もって文化の発展に寄与することであります。
 すなわち、著作者の権利の保護を厚くするため、その権利を著作者人格権と著作権に大別してそれぞれの内容を明定いたしました。特に、従来からの懸案であったレコードを用いた音楽等の放送、有線放送及び演奏について著作権を認めることといたしましたが、レコードによる演奏については、わが国におけるレコード使用の実情にかんがみ、当分の間、政令で定める営利事業において行なわれるものに限って、権利を認めるよう経過措置を講じております。また、著作権の原則的保護期間について、現行の著作者の死後三十八年までを国際的水準である死後五十年までに延長することといたしました。
 次に、著作権の制限規定につきましては、今日の複写、録音等の複製手段の発達普及を考慮して、私的使用、図書館等における複製、教育目的のための使用、その他特に必要と認められる場合について著作権を制限し、著作物の公正な利用が確保されるよう措置いたしました反面、利用の要件を厳密にし、また、教科用図書に利用する場合等には公正な補償金を支払うべきものとするなど、著作権の権利を害しないように配意をいたしました。
 さらに、俳優、歌手等の実演家、レコード製作者および放送事業者を保護するため、著作隣接権制度を創設することといたしました。すなわち、これらの者には、著作物の伝達を行なうものとして、著作権に準じた権利を認めることが必要かつ適切と考えられますので、昭和三十六年の隣接権条約の定めるところを参考としつつ、わが国の実情に適した保護を行なうこととするものであります。
 その他、裁定による著作物利用の制度、著作物の登録制度、著作権に関する紛争処理のためのあっせんの制度等について定め、また著作権等の侵害に対する罰則を整備する等、現行制度の全面的改善をはかっているのであります。
 なお、若干の関係法律について、この法律の施施に伴い必要となる整理等の措置を講ずることといたしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いいたします。
#163
○八木委員長 この際、提案理由の補足説明を聴取いたします。安達文化庁次長。
#164
○安達政府委員 ただいまの文部大臣の説明を補足して、法律案の内容について御説明申し上げたいと存じます。
 第一は、この法律の目的、用語の定義及び適用範囲を定めることについてであります。
 この法律は、著作物並びに実演、レコード及び放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護をはかり、もって文化の発展に寄与することを目的とすると規定し、この法律の目的が著作者等の権利の保護に重点を置き、あわせて著作物等の公正な利用を確保するための方途を講ずることにあることを明らかにしたのであります。
 用語の定義におきましては、「複製」とは、印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により著作物を再製することをいうこと、「美術の著作物」には、美術工芸品を含むこと、「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的または視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとして、固定されたテレビ著作物は映画とみなして取り扱うことなどを規定いたしました。また、「上演、演奏、口述」には、これらが録音物、録画物を再生して行なわれる場合を含むこととして、従来出所の明示を条件として自由利用が認められていたレコードを用いてする音楽等の演奏に著作権が及ぶことを明らかにしたのであります。
 この法律の適用範囲につきましては、著作物に関しては、日本国民の著作物のほか最初に国内において発行された著作物等が、実演に関しては、国内において行なわれる実演等が、レコードに関しては、最初に国内において音の固定が行なわれたレコード等が、また、放送に関しては、国内にある放送設備から行なわれる放送等が、それぞれこの法律の保護を受けるものと定めました。なお、実演に関しましては、当分の間外国人の実演家には、原則としてこの法律を適用しないことといたしております。
 第二は、著作者の権利を定めることについてであります。
 その一は、著作物についてその例示を類別して詳細に掲げるとともに、憲法その他の法令等その性質上この法律で定める権利の目的とすることが適当でないものを明定いたしました。
 その二は、著作物について、著作者の推定に関する規定を設けるとともに、法人等の従業者が職務上作成する著作物で法人等の著作名義で公表されるものの著作者は、特約がない限り、その法人自体であるとして、法人等が著作者となり得る場合を明らかにし、また、従来その取扱いが明らかでなかった映画の著作者について、制作、監督等を担当して映画の全体的形成に創作的に寄与した者を著作者とする旨を定めたのであります。
 その三は、著作者の権利の内容について、著作者は、何らの方式の履行を要せずして、著作物を創作した時から、著作者の人格的利益にかかわる著作者人格権と、著作物の経済的利用にかかわる著作権を享有するとして、著作者の権利が著作者人格権と著作権に大別されることを明らかにいたしました。
 著作者の人格的利益の保護について、現行法は、他人の著作物の著作者名を隠匿し、その題号、内容に改ざん変更を加えてはならないと規定しているにとどまるのに対し、この法律案では、私法上の権利として積極的に著作者人格権を規定いたしました。その内容といたしましては、未公表著作物の公表を決定する権利、著作者名の表示のいかんを決定する権利及び著作物の改変を禁止して著作物の同一性を保持する権利を定め、さらに著作者の名誉、声望を害するような方法で著作物を利用することもまた著作者人格権を侵害することとなるものとするなど、著作者の人格的利益の保護に十全を期したのであります。
 著作権については、複製権、上演・演奏権、放送・有線放送権、口述権、展示権、映画の著作物等の上映・頒布権、翻訳・翻案権等を含むものとしてそれらの内容を明らかにするとともに、翻訳物、翻案物等の利用について原作となった著作物の著作権が及ぶことを規定いたしました。
 その四は、映画の著作物の著作権の帰属等について特例を設けました。映画の著作物の著作権につきましては、映画の著作者の多様性、映画の製作における映画製作者の寄与の大きいこと、映画の利用を容易ならしめるため、権利を集中させる必要があることなどの理由により、この法律案におきましては、ベルヌ条約や諸外国における立法例をも勘案し、かつわが国の映画製作の実態をも考慮して、通常の映画の著作物の著作権は、映画製作者に帰属するものといたしました。さらに、映画の著作物の著作権が映画製作者に帰属した場合には、著作者は、その公表に同意したものと推定する規定を設けて、著作者人格権の面でも、映画の著作物の特性に着目した措置を講じております。
 なお、従来、嘱託による肖像写真の著作権は、嘱託者に属することとされていましたが、このような規定は設けないことといたしております。
 その五は、著作物の公正な利用をはかるため、今日における複写、録音手段等の発達普及及び公共の利益との関係を考慮して、著作権の制限の規定を整備いたしました。
 従来の私的使用、引用、教科用図書等への掲載、時事問題に関する論説の転載、政治上の演説等の利用、営利を目的としない上演等及び裁判手続等における複製に関する規定を整備するとともに、新たに、図書館等における複製、学校教育番組の放送、学校その他の教育機関における複製、試験問題としての複製、点字による複製等、時事の事件の報道のための利用、放送事業者による一時的固定、美術の著作物等の原作品の所有者による展示、公開の美術の著作物等の利用及び美術の著作物等の展示に伴うカタログ等による複製についての規定を設けることといたしました。さらに、著作物を利用する場合にそれを翻訳しても利用することができる場合等について明定し、その他出所の明示、著作権の制限の規定によって作成された複製物の目的外使用について規定いたしております。これらを規定するにあたっては、著作権の制限による著作物の利用の要件を厳密にし、また、教科用図書等に掲載する場合には所定の補償金を支払うべきものとするなど、著作者の権利を書しないよう配意いたしました。
 なお、従来問題となっております適法に作成された録音物を用いてする著作物の興行及び放送については、さきにも申し述べましたように、著作権が制限されるたてまえを廃止することとし、また、文芸学術の著作物の楽譜への充用等の規定は、設けないことといたしました。
 その六は、保護期間について、著作権の原則的保護期間を著作者の生存間及びその死後三十八年間から著作者の生存間及びその死後五十年間に延長することといたしました。これに伴って、無名、変名の著作物及び団体名義の著作物の保護期間は、公表後五十年間とし、映画の著作物については、公表後五十年間保護することといたしました。また、写真の著作物については、現在発行後十三年間であるのを公表後五十年間と大幅に延長することといたしました。なお、遺著の保護期間に関する現行の特例規定は存置しないこととし、さらに無名、変名の著作物に関し、その著作者の死後五十年を経過していると認められるものは保護しない旨を定めました。
 その七は、著作者人格権及び著作権についてそれぞれの性質を考慮して規定を整備し、著作者人格権の一身専属性、著作権の譲渡性その他について定めました。
 その八は、裁定による著作物の利用について著作権者不明等の場合の著作物の利用及び当事者間で協議がととのわない場合における著作物の放送にかかる裁定に関する現行規定を整備いたしました。また、新たに、音楽の著作物を商業用レコードに録音することについて裁定の規定を設けました。これは、音楽の著作物についての録音権が長期間にわたり独占されることのないようにし、音楽の著作物の利用を容易にするためのものであります。さらに、これらの裁定の手続、補償金の供託手続等に関し、規定を整備いたしております。
 その九は、著作物にかかる登録について、従来の規定を整備するとともに、著作物の著作年月日登録の制度を廃止して、新たに著作物の第一公表年月日登録の制度を設けました。
 第三は、出版権についてであります。
 出版権に関しては、その存続期間の起算点について「出版権の設定後」を「最初の発行後」と改めたこと等若干の改善を行ないましたが、おおむね現行の出版権に関する規定を踏襲し、これを整備するにとどめました。
 第四は、著作隣接権制度の創設についてであります。
 わが国では、現在演奏歌唱及び録音物については、著作物として保護することをたてまえといたしておりますが、これらはその性質上著作物としての保護になじまない点もあり、また、一九六一年に実演家、レコード製作者及び放送事業者の保護に関する条約が成立したことをも考慮して、著作物の利用に関連を有する実演家、レコード製作者及び放送事業者を保護するための著作隣接権制度を創設することといたした次第であります。
 実演家とは、演奏歌唱者のみならず、俳優、舞踊家等著作物を演じる者及び著作物を演じないがこれに類する芸能的な性質を有する行為、たとえば曲芸などを行なう者をいい、さらに演劇等の演出家及び音楽の指揮者を含むものとすることを明記いたしました。実演家は、実演の録音・録画、その録音物・録画物の増製及び実演の放送に関し、これらを許諾する等の権利を有し、また、商業用レコードが放送または音楽有線放送において使用される場合に二次使用料を請求する権利を有することとなります。この二次使用料の請求権は、国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体で特に指定するものがあるときは、その団体によってのみ行使できるものといたしました。
 レコード製作者は、レコードを増製する権利を有し、及び商業用レコードが放送または音楽有線放送において使用される場合に二次使用料を請求する権利を有することとなります。二次使用料の請求権は、実演家の場合と同様に、国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体で特に指定するものがあるときは、その団体によってのみ行使できるものといたしました。なお、実演家及びレコード製作者のレコードの二次使用料を請求できる範囲につきましては、これを広範に認める立法例もありますが、わが国の実態に照らし、放送及び音楽有線放送に限定することといたしております。
 放送事業者は、放送を録音・録画し、その録音物録画物を増製する権利、放送を受信して再放送する権利及びテレビジョン放送を拡大装置を用いて公に伝達する権利を有することとなります。
 これら実演、レコード及び放送にかかる権利の保護期間については、それぞれ実演が行なわれたとき、レコードが作成されたときまたは放送が行なわれたときから二十年間これらを保護することといたしました。その他、著作隣接権の制限、譲渡、消滅、行使、登録等に関しては、著作権に準じて取り扱う旨の規定を設けております。
 第五は、著作権等に関する紛争処理のための制度を設けることについてであります。
 著作権等に関する紛争について実情に即した簡易な解決をはかるため、あっせんの制度を設けることとし、著作権紛争解決あっせん委員を置くこととしました。
 第六は、権利の侵害について定めることについてであります。
 この点につきましては、特許法等の例にならい、著作権等の侵害の停止、予防のために必要な措置の請求権について規定し、あるいは著作権等の侵害にかかる損害額の推定規定を設ける等、この法律が認める権利の侵害に対する救済が有効に行なわれるようにいたしました。また、著作者の死後におけるその人格的利益を保全するため、著作者の遺族または著作者が遺言で指定した者が、死亡した著作者の人格的利益を害するような行為に対し、適切な措置を講ずることができるよう定めました。
 第七は、罰則についてであります。
 著作権の侵害につきましては、現行の二年以下の懲役または五万円以下の罰金を三年以下の懲役または三十万円以下の罰金に引き上げるとともに、著作者人格権の侵害についても著作権侵害の場合と同一の刑罰を科することとするなど、罰則を整備いたしました。また、新たに、いわゆる商業用レコードの海賊版を防止するため、不正競争防止的な観点に立ってこの法律によって著作隣接権を認められないレコードの原盤の提供を受けて国内の業者が製作した商業用レコードを商業用レコードとして無断で複製した者は、一年以下の懲役または十万円以下の罰金に処するものといたしました。このほか、罰則を実効あらしめるため、法人等の従業者の行為についての両罰規定を設けております。
 次に、この法律の施行に伴う経過措置のおもなものについて御説明申し上げます。
 この法律は、従来の保護期間の暫定延長の措置をも考慮し、昭和四十六年一月一日から施行するものといたしております。この法律は、著作物に関しては旧法による著作権が消滅しているもの以外のすべての著作物に適用され、また、実演、レコードおよび放送に関してはこの法律の施行後に行なわれた実演等に適用されますが、従前の演奏歌唱及び録音物につきましては、旧法によるこれらの著作権の存続期間のうちこの法律の施行の日において残存する期間か、この法律の施行の日から二十年間かのいずれか短い期間、この法律の著作隣接権の制度が適用されるものといたしました。
 次に、翻訳権につきましては、現行法におけるいわゆる翻訳権十年留保の制度は、世界の大勢や著作権保護の精神などから、これを廃止すべき段階に来ているものと判断し、今般廃止することといたしました。ただし、急激な変動を避けるため、すでに翻訳権が消滅している著作物について遡及適用しないこととするとともに、この法律の施行前に発行されている著作物についてはこの制度の適用があるものとし、実質上この制度をなお十年間維持する等の経過措置を講ずることといたしております。
 また、適法に作成された録音物を用いてする音楽の著作物の演奏につきましては、さきに申し述べましたように現行法のたてまえを改めることといたしておりますが、わが国におけるレコード使用の実情を考慮して、当分の間、音楽喫茶等政令で定める営利事業において行なわれるものに限って、権利を認めるよう経過措置を講ずることといたしました。
 最後に、この法律の施行に伴う関係法律の整理等の内容を御説明申し上げます。
 まず第一に、この法律において新たに実演家、レコード製作者及び放送事業者の権利として著作隣接権を定めることに伴い、文部省設置法、破産法、関税定率法、相続税法及び放送法中の著作権に関する規定に著作隣接権に関することを加えてこれを整備するとともに、この法律において著作隣接権に関する登録の制度を設けることに伴い、登録免許税法において著作隣接権の登録にかかる税率を定めております。
 第二に、日本国との平和条約第十五条(c)の規定に基づき、保護期間に関し旧著作権法の特例を定めている連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律、及び万国著作権条約の実施に伴い、保護期間の相互主義、翻訳権の特例等を定めている万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律について、これらの特例をこの法律の特例とする必要がありますので、所要の改正を行なっております。
 その他、著作権に関する仲介業務に関する法律、学校教育法、教科書の発行に関する臨時措置法、文部省著作教科書の出版権等に関する法律及び登録免許税法等の規定において、この法律の規定に照らし、用語の変更等所要の整備を行なっております。
 以上、この法律案の内容について補足説明をいたした次第でございます。
#165
○八木委員長 次回は、明後十三日金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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