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1970/04/09 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第23号
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1970/04/09 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第23号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第23号
昭和四十五年四月九日(木曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 毛利 松平君
   理事 上村千一郎君 理事 藤井 勝志君
   理事 広瀬 秀吉君 理事 竹本 孫一君
      木村武千代君    佐伯 宗義君
      坂元 親男君    田村  元君
      高橋清一郎君    登坂重次郎君
      丹羽 久章君    原田  憲君
      福田 繁芳君    松本 十郎君
      森  美秀君    吉田 重延君
      吉田  実君    平林  剛君
      堀  昌雄君    貝沼 次郎君
      二見 伸明君    小林 政子君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中川 一郎君
        大蔵省主税局長 細見  卓君
        大蔵省関税局長 上林 英男君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   安井  誠君
        国税庁長官官房
        会計課長    元山 哲太君
        自治省税務局府
        県税課長    近藤 隆之君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
四月八日
 減税に関する請願(安宅常彦君紹介)(第二七二
 六号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第二七二七号)
 同(阿部助哉君紹介)(第二七二八号)
 同(阿部未喜男君紹介)(第二七二九号)
 同(赤松勇君紹介)(第二七三〇号)
 同(大出俊君紹介)(第二七三一号)
 同(大原亨君紹介)(第二七三二号)
 同(岡田利春君紹介)(第二七三三号)
 同(卜部政巳君紹介)(第二七三四号)
 同(江田三郎君紹介)(第二七三五号)
 貴石、貴金属製品等第一種物品税撤廃に関する
 請願(川崎秀二君紹介)(第二七三六号)
 貴石、貴金属製品等第一種物品税の課税方式改
 正に関する請願(大久保武雄君紹介)(第二七三
 七号)
 同(進藤一馬君紹介)(第二七三八号)
 同(田村良平君紹介)(第二七三九号)
 同(西岡武夫君紹介)(第二七四〇号)
 同(吉田之久君紹介)(第二七四一号)
 同(川崎秀二君紹介)(第二七四二号)
 同(赤城宗徳君紹介)(第二八三六号)
 同(奧田敬和君紹介)(第二八三七号)
 同(關谷勝利君紹介)(第二八三八号)
 同(中野四郎君紹介)(第二八三九号)
 同(中山利生君紹介)(第二八四〇号)
 同(保利茂君紹介)(第二八四一号)
 同(松本十郎君紹介)(第二八四二号)
 同(八木徹雄君紹介)(第二八四三号)
 中小商工業者に対する課税減免等に関する請願
 (細谷治嘉君紹介)(第二八四四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二一号)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 三四号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五七号)
 物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正
 する法律案(内閣提出第三五号)
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四八号)
     ――――◇―――――
#2
○毛利委員長 これより会議を開きます。
 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、各案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、これを許します。平林剛君。
#3
○平林委員 それではきょうは、これから本格的に税三法の審議をやるはしりとして、序幕的な意味で質問を始めることにいたします。
 まず最初に私は、きょうは徴税コスト、徴税費、これについて少し私の見解を申し上げながら政府の考え方を聞いてまいりたいと思っておるわけです。そこで、国税庁のほうから初めに数字の関係について明らかにしてもらいたいと思います。最近の経過でけっこうでありまするから、徴税をするために要した経費、ここ二、三年どのくらいをかけておるかという点を、数字ですから、ちょっと最初に明らかにしていただきたいと思います。
#4
○細見政府委員 四十二年、四十三年、四十四年の順に申し上げてみたいと思います。四十二年が、三兆七千六百四十三億円の税を徴収いたしますのに六百四十三億四千八百万円の経費をかけております。それから四十三年は、四兆五千七百七十一億円の税を徴収いたしますのに七百二十五億八千二百万円の徴税費をかけております。四十四年は五兆五千二百四十四億円の税を徴収いたしますのに八百九億八千万円の徴税費をかけております。したがいまして、これを百円当たりの徴税費で見てまいりますと、四十二年が一円七十一銭、それから四十三年が一円五十九銭、四十四年が一円四十七銭、こういうふうになっております。
#5
○平林委員 そこで、この徴税費の経費内訳はどういうようなものとしておられますか。
#6
○細見政府委員 この配分につきましては、かなり技術的には問題があろうかと思いますが、一応内部的に検討いたしておるものといたしまして、四十四年で申し上げてみますと、全体としては百円当たり一円四十七銭であるわけでありますが、これを各税目に割り振ってみますと、申告所得税で四円五十六銭、それから源泉所得税で三十八銭、法人税が一円四十九銭、相続税が八円二十銭、酒税一円二十銭、消費税が六十四銭、こういうふうに担当人員、収納税額というようなもので配分いたしてみますと――かりにそういうふうなのを内部検討のために一応試算をいたしておるわけでございます。
#7
○平林委員 私がいまちょっとお伺いいたしましたのは、いまの税目別の徴税費はけっこうなのです、わかりましたけれども、四十四年度で例をとりますと八百九億八千万円、その内訳はどういうものですかということなのですが、それはどうですか。
#8
○元山説明員 四十四年度の徴税費総額八百九億八千万円、これの内訳を申しますと、大体八割の人件費と、その他は旅費、一般の物件費等になっておるわけでございます。こまかい数字が御必要でしたら、また後刻報告さしていただきたいと思います。
#9
○平林委員 そこで、国税庁のほうでは毎年徴税コストを調査いたしまして、昭和四十二年で一円七十一銭、四十三年で一円五十九銭、四十四年で一円四十七銭というふうに徴税コストを資料としてまとめておるわけでありますけれども、私が検討してみましたところ、昭和四十年には百円当たり一円八十七銭でありましたのが、四十四年では一円四十七銭というぐあいに非常に下がってきていることは事実です。これは一面租税の収入額がふえてきたというようなことから、相対的に低下する部面もあるでしょう。また同時に、逆な面から見ると、人件費もかなり――八〇%を占めておりますけれども、これも毎年ベースアップがあるわけでありますから、漸次ふえておるにかかわらず、徴税コストが下がっておるという傾向を示しておるということは事実であります。しかし、私がこの機会にお尋ねをいたしたいのは、国税庁なりがこういう徴税コストを取りまとめる、またこれを大蔵省としても検討されるだろうと思うのでありますけれども、こういう資料でどういうことを学び、どういうことを反省し、またこれによっていろいろな措置を講ずるというふうな資料にしているのかどうか。どういうことにこれを活用しておるのか。ただ調べっぱなしなのか、それともこうした徴税コストの資料に基づいてそこから何か学び取り、措置するというふうなことがあるのかないのか、こういうことをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#10
○細見政府委員 行政段階の問題といたしましては、徴税費がなるべく安く、しかも能率をあげるということを考えなければならぬわけであります。したがいまして国税庁といたしましては、いまお話がございましたように、人件費等はこれはいわばやむを得ず年々増加するわけでありますので、そういうものをまかなって、そういう人たちの、行政事務でありますから能率向上ということに限度があるといたしましても、機械を導入するとかあるいは事務の方式を簡素化するとかというような形で、できるだけ能率のよい徴税を行なって、コストがかからないようにするというのが国税庁における反省でございます。
 同時に、私ども税制を考えております立場といたしますれば、こういう徴税費が大きくかかる税制というのは望ましくないということは、徴税費最低の原則というのは、いまでも生きておる税制の一つの大きな原則でございますから、そういう意味で考えまして、私どもはこの徴税費がなるべく安くなるような税制というもの、もちろん負担の公平とかあるいは応能原則というようなことは重要でございますが、あわせて徴税費が安い税制を組み立てるということは考えなければならないことであります。古いことになりますが、かつて池田総理がおられましたころは、徴税費は二円を上回っておったわけであります。そのときにアメリカはたしか一円そこそこであって、おまえたちはいかにも能率の悪い税務職員だということを口をすっぱくしていつもしかられておりまして、何とかして一円台になりたいと思っておって、今日ではやっと一円台の徴税費になっておる、こういうことでございます。
#11
○平林委員 そこで、各税日ごとの徴税費などにつきましても、先ほど問わないうちからお答えがあったわけでありますけれども、これは別にいたしまして、この機会にちょっと地方税のほうのコストと比較対照をする必要がございますから、地方税におきましては徴税経費を大体どのくらいかけ、そしてそれは税収百円当たりについてどのくらいになっておるかということを、この機会にひとつ説明をしてほしいと思います。
#12
○近藤説明員 地方団体の場合は四十四年度がまだ出ておりませんので、四十一、四十二、四十三年度について申し上げます。
 四十一年度は、税収一兆七千六百八十五億に対しまして八百四十八億、百円当たりのコストが四角八十銭でございます。四十二年度は、税収二兆二千三百九十四億に対し徴税費が九百四十一億で、百円当たりのコストが四円二十一銭であります。それから四十三年度は、税収二兆五千七百三十九億に対しまして徴税資が一千四十八億、百円当たりのコストが四円八銭でございます。これを府県と市町村に分けますと、四十三年度は府県が三円四十八銭、それから市町村が四円九十三銭というような形になっております。
#13
○平林委員 そこで私は考えるのでありますけれども、国税におきましては、四十四年度におきまして百円当たり一円四十七銭である。ところが地方税におきましては、これは四十三年度までの御説明がありましたが、百円当たり四円八銭である。これも昭和四十年当時から比べますと次第に下がっていることが傾向的には見られるわけでありますけれども、どうも国税に比較して徴税コストが高いということは事実であります。この理由をどういうふうに考えておられますか。
#14
○近藤説明員 御案内のように、国税と地方税は税制が異なりまして、地方税のほうは国税に比しまして、大ざっぱに言いましてもこまかい税金がたくさんあるわけでございます。額が大きくても小さくても徴税コストそのものは変わらないという性質のものもあるわけでございます。そういった関係で、この開きが出ておるのだと思います。
#15
○平林委員 それと地方税の税収の大きさ、それからいま言ったようにこまかい金額が多い。それは同じように人手を要しますから、そういう意味ではおそらくこれも人件費が相当部分を占めるという点から考えてみても、割合としては高く出るということは考えられると思うのであります。そこで、いま国税、地方税は非常に複雑であるし、国民にとっては国税をとられるのも地方税をとられるのも、税金に変わりはないのでありまして、そういう意味では、あっちからもこっちからも税金をとられるというような形でございます。かねがね私ども議論しておりますことは、安上がりの徴税経費にするためには、こういう複雑な機構といいますか、国、地方についてそれぞれ特性があることは認めるけれども、しかし、もっと国税、地方税を通じて総合的に合理的に調整をして、むだをなくしていくというやり方はできるのじゃないだろうか、こういうことについて政府当局はどういうお考えを持たれているか、また、きまっていないにしても、あり得べき姿としてこういうものはどうかというお考えがあるかどうか、これをひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。
#16
○近藤説明員 地方税のほうといたしましては、国税で決定されました所得で、使えるものはそのまま使うというようなことを現在やっておりまして、二重調査というようなことは極力避けております。ただ地方税独自の税目もたくさんあるわけでございまして、そういったものについては、当然のことながら、地方団体がみずから所得を決定していかなければならないという形になるわけでございます。ただ最近の傾向を見ておりますと、税務職員の数そのものは、ここ数年来約八万人、ずっとその線で推移しておりまして、あまりふえておりません。極力人件費を節約し、そのかわりコンピューター化できるものはできるだけコンピューター化するというような傾向が見られております。特にことし、明年の問題といたしましては、現在地方税のうちで、特に府県税のうちで最も問題になっております自動車税の関係につきましては、運輸省のほうが全部コンピューター化、東京で一元化するという形になっておりますので、それに即応いたしまして、われわれのほうも東京で全部その資料をとって地方団体へ配分するというような構想も持っておりまして、今後ともできるだけ徴税費は少なくて済むように努力してまいりたいと考えております。
#17
○平林委員 地方税関係の努力ももちろん必要ですが、私は国と地方との間において総合的に合理的にやる方法はまだほかにもあるのじゃないかと思うのですが、細見さんいかがですか。
#18
○細見政府委員 国税と地方税の行政事務あるいは税目の間に一貫性を持たして、国民の側とすれば同じさいふから税を払うわけでありますから、できるだけ簡便な方法にすべきであるというのは、先般の衆議院の予算委員会におきましてもお話がございまして、そこで内閣総理大臣から、私どもすら予期してないほど大胆な御発言があって、一元化に積極的に取り組むというようなお話がございました。私どもはその旨を受けて検討いたさなければならないと思っておるわけでありますが、長い間の伝統と申しますか、徴税のないところに地方自治はないというような考え方が一方ではかなり根強く残っておりますので、その辺の調整と、あるいは観念の変革といいますか、そういうようなものにはかなりの時間が要ろうと思います。しかし、たとえば交際費と遊興飲食税の問題でありますとか、あるいは法人税と法人事業税の問題でありますとか、あるいは事業税と所得税の問題でありますとか、国民の側に立って考えてみれば、まだまだ考えなければならない税目がかなりあるのではないか。ただ、いま申し上げました地方団体の皆さんが考えておられます徴税自主権が即自治であるというお考え、その他との調整もかなりむずかしい問題でございますので、前向きに取り組んで、徐々にほぐしながら、より合理的な税制あるいは徴税機構というものに進んでいかなければならない。今後の私どもに残された税制の数少ない大きな問題の一つじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#19
○平林委員 この問題につきましては、かなり長い間議論されておることですから、やはり一区切りをつける必要があるのじゃないか。そこで、一元化に努力をするといいましても抽象的でありますから、具体的にこうした面はこうすればできる、たとえばいまお話をしたほかにも、評価の問題についてはむしろ地方でやってもらうとか、あるいは徴収についても地方でやるとかいうような形で、同じ取り方、一緒に処理できるというようなものについてはこれを整理していくとか、具体的な方策を、どうでしょうか、ひとつまず事務的なレベルの中で期間を限ってそれを措置していく、そしてその構想をまとめるという約束をきょうはしていただくということはいかがでしょうか。せっかくきょうは貴重な時間を使っての質問でございますから、それをひとつ約束してもらいたい。
#20
○細見政府委員 先ほども申し上げましたように、かなり根の深い非常にむずかしい問題、しかも真正面から衝突する面もございますので、一主税局長がここでどうこう申し上げましても、なかなか世の中はそのとおりに動かないと思いますし、そういうこともございますので、税制調査会にはかりまして、かなり息の長い、腰を据えた検討をいたしてみて、その中でいま平林委員から御指摘がありましたように、できるものからやって、いわば一種のアレルギー的なものを徐々に解除していくというような努力を続けなければならないと思っております。ことしの税制調査会にはかるべき大きな問題の一つではないか、かように考えております。
#21
○平林委員 一主税局長と卑下する必要はないので、昭和四十五年度の税制において、われわれ不満足であるけれども、金利の問題、それから配当の問題に立ち向かった勇気は私は多としておるわけでありまして、この勢いをもってやれば、こうした問題について解決できないはずはないわけです。しかし、あなたがお話しになったように、今度の税制調査会に対する主要な柱として考えるということは、一年以内には何らかの結論を出してもらえる、こういうふうに私は理解できるわけでありますが、ここで政務次官ひとつ再確認をしておいていただきたい。
#22
○中川政府委員 卑下する必要のないりっぱな主税局長が、主要な項目として税制調査会にはかって何らかの結論を得るようにやりたいと言っておることでありますから、間違いがなかろうと思いますし、私どもも微力ながら、これは大事なことでありますので、全力を尽くしたいと存じます。
#23
○平林委員 それじゃこれは一年後にお目にかかるということにいたしまして、具体的実践を私はきょうは確認をいたしまして、次の機会を楽しみにいたしておきます。
 同時に私はこの際伺いたいことがあります。それは地方の徴税コストの高い理由、直接影響するかどうかは別にいたしまして、たとえば納税貯蓄組合というのがありまして、そしてこの徴税につきまして円滑化をはかるという意味でお金を出しておるわけですね。この間私ちょっと調べてみましたところが、国のほうでももちろんいろいろな意味でお金を使うておりますけれども、国のほうではそういうことにつきまして一体どのくらい使っておりますか。
#24
○元山説明員 約六千九百万円ほど使っております。
#25
○平林委員 大体私が得た資料でもそのくらい使っておる。これに対して地方におきましては、たとえて言いますと、東京都だけで六千二百万円ぐらい使うておる。神奈川県を申し上げますと、神奈川県で大体五千六百万円使うておる。各府県、全国的に見ますとかなり膨大な額に達するのではないかと思われますが、全国的に見た場合にどのくらいの支出をいたしておりますか。
#26
○近藤説明員 四十三年度の実績を申し上げますと、都道府県全体で六億一千五百万となっております。神奈川県とか東京とかは税のウエートが非常に大きゅうございますので、あるいはその程度出しておるかと思います。
#27
○平林委員 お聞きのように、国税の場合は六千九百万、地方におきましては六億一千五百万円。これの支出が非常に多いということは、一体どういう役割りを果たしておるか、そしてまた、こうした支出について反省すべきものはないかという点については、あなた方はどういうふうに考えておりますか。
#28
○近藤説明員 都道府県分の徴税費全体で五百二十六億中の六億でございまして、納税貯蓄組合の果たす役割りから申してそれほど多いとは実は思っておらないのでございます。
#29
○平林委員 五百二十六億の中の六億だから少ないと言うけれども、じゃ国税の場合はどうなりますか。内国税の収入額に比較しても、六千九百万円というのはどういうことになりますか。いまの五百二十六億のうちの六億であるからそれほどではないということばだけでは、私は納得できません。
#30
○近藤説明員 ここに出ております六億は、法に基づきますところの納税貯蓄組合でございまして、法に基づきましてその事務費を交付しておるわけでございますので、その意味からいきましても適正なものであろう、このように考えております。
#31
○平林委員 法律があるからそれでいいのだということだけでは、どうも私は満足するわけにいかない。一たんきめた法律でも、時代の経過あるいはまたその運用のいかんによりまして、改むべきことは改めていかなければならぬ。私が承知している中では、この金額が必ずしも納税推進のために役立っているというだけではないという感じを持っておるわけであります。具体的例をあげろというなら幾らでもあります。あるいはまた、そこに与えられた金の使い道等の行くえを検討してみましても、はなはだ理解に苦しむ運用がされておる。そうした問題について、あなた方は検討したことがあるのですかないのですか。法律で支給されているからそれでいいのだということだけで済む問題ではない。国をあげて地方をあげて徴税コストをできるだけあれするという気持ちがあるならば、なるべくむだな金は出さぬ、そしてまた、それが真に役立っているかどうかということの検討が絶えず行なわれるということが態度として必要なんじゃないですか。
#32
○近藤説明員 まさにお説のとおりだと思います。われわれといたしましては、この金が納税貯蓄の推進に役立っておるものと思っておるわけでございますが、なお御指摘のような事例がもしありますれば、厳重に注意いたしたいと思っております。
#33
○平林委員 各府県別の経費内訳と、それからこうした組合の数、おも立った非常に金額の多いところ、こうしたものについての資料をちょうだいいたしたいと思います。そしてその資料を整える中で、きょう私は具体的な例はあげません、あげませんけれども、そういうことについての分析を要求したいと思っているわけなんです。いかがですか。
#34
○近藤説明員 四十三年度決算につきまして、府県別の交付いたしました納税貯蓄組合の数は至急提出いたします。
#35
○平林委員 具体的資料が整ったところで、私は具体的な問題についてまたお尋ねします。きょうは少しこまかくなりますからそこまで言いませんけれども、私が指摘した点について反省してもらいたい点があるのです。ですからこの点は、その資料を整える中におきましてあなた方自身も検討してもらいたいということを要求しておきます。
 次の問題に移ります。交際費の問題につきまして、きょうは少し聞いておきたいと思うのであります。
 まず交際費の支出額の推移をちょっとお話ししてくれませんか。昭和四十年ぐらいからでけっこうです。
#36
○細見政府委員 四十一年からでよろしゅうございますか。
#37
○平林委員 けっこうです。
#38
○細見政府委員 四十一年が五千九百二十六億円、四十二年が六千九百三十三億円、四十三年が七千七百三十四億円、四十四年はまだ出ておりませんが、この趨勢はおそらく続いているのじゃないかと考えております。
#39
○平林委員 四十三年は七千七百三十三億六千二百万円、売り上げ千円当たりにして五円三十八銭の交際費が使われておるわけでありますけれども、皆さん御検討なさった中で、業種別に調べてみた場合に、どういう業種に交際費が多いかということについてひとつお示し願いたい。
#40
○細見政府委員 売り上げ千円当たりで見てまいりますと、一番多いのがその他となっております。実はその他はいろいろな業種を含んでおるのでちょっと不明で――間違いました。サービス業が千円当たり十四円七十一銭、これが一番多くなっております。その次が建設業で十円十五銭、不動産業が九円八十七銭、料飲業が八円四十五銭、あとは大体六円ないし五円、少ないのは三円台という形になっておりまして、多い業種はいま申し上げましたような順位になっております。
#41
○平林委員 私は念のため昭和四十一年、四十二年、四十三年を調べてみたのでありますけれども、昭和四十一年に一番多く交際費を支出したのはその他という業種。その他にはいろいろあると思うのでありますが、その他業種というのが第一位。第二位が運輸通信公益事業、第三位が建設業、第四位が金融保険業、第五位がサービス業。昭和四十二年を調べてみますと、第一位はその他業種、第二位が運輸通信公益事業、第三位が建設業、第四位が金融保険業、第五位がサービス業、四十一年、四十二年の順位争いは大体こういう結果になっている。四十三年に相なりますと少し順位が変わりまして第一位はその他、第二位は建設業が躍進いたしまして、千円当たりにして十円十五銭に上がってまいりました。第三位が運輸通信公益事業、第四位は同じく金融保険業、第五位がサービス業、こういうことになりまして、大体この歴年を見ますと、この五つの業種が一位から五位を占めて優先いたしておる。非常にこの業種に交際費が集中しておるということがわかるわけであります。
 そこで、ちょっとお尋ねしたいのですが、例年トップをとっているその他とは何ぞやでありますけれども、その他業種とはどういう業種になっておりますか。
#42
○細見政府委員 その他が一番大きくなっておりますのは、私どもが印刷したものをごらん願ったのかと思いますが、実は一行、行がずれております。はなはだ申しわけないことなんですが、やはり私が申し上げましたように、サービス業、その他となっておる、サービス業が一番多いようでございます。その他の事業といえばもちろん企業組合とかあるいは相互会社とかいうようなものがございますが、交際費の多いのはやはりサービス業が一番多いのではないかと思います。私どもの御提出した資料が間違っておったといたしますれば、たいへんおわびしなければならぬことであります。
#43
○平林委員 わかりました。どうも私もその点疑問だった。その他業種というのは企業組合、相互会社、医療法人。医療法人や企業組合、相互会社が例年トップというのはどういうわけかと思いまして、資料の中から私はどうも解明できなかったわけであります。サービス業がトップである、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますね。
#44
○細見政府委員 私どもの調製しました資料のできが悪くて御迷惑かけたのでありますが、サービス業が第一位でございます。
#45
○平林委員 そこで、大体業種別の交際費の支出額の多い業種はサービス業、建設業、運輸通信公益事業、金融保険業、こういう四つの業種に集中しているということがわかるわけであります。
 そこで、この機会にちょっとお尋ねいたしますけれども、私は、交際費につきましては漸次その制限をもう少し強化すべきであるという議論を持っておるわけでありまして、そういう意味で先般、国税庁にお願いをいたしまして資料を整えてもらったものがあります。これによりますと、まず総体的に見まして、交際費の支出というものと、それからその業種において支払い配当がどういうぐあいに展開をしておるかということを注目してみたわけでございます。それによりますと、建設業という業種、これは昭和四十一年、交際費は七百二十六億円を使っておる。これに対して支払い配当は三百四十七億円。四十二年が交際費八百三十億円に対して支払い配当は三百七十六億円。四十三年が交際費八百八十六億円に対して支払い配当は四百五十億円。すなわち、この関係を見ますと、交際費の支出額に比較をいたしまして、支払い配当はその五〇%を割っておるか、あるいはやや五〇%、こういう状態になっておるわけであります。もう一つ、各業種を検討してみますと、卸売り業というのがあります。この卸売り業も同じような状態があるわけであります つまり四十一年の交際費の支出額千四百四十八億円に対し、支払い配当は七百八十二億円、四十二年は千六百九十三億円に対して九百七十六億円の配当、四十三年は千八百五十八億円の交際費に対して一千十五億円の配当。近年この関係は支払い配当の率がやや高まってはおりますけれども、同じように交際費支出額に比較をいたしまして支払い配当は約五〇%程度の状態に置かれております。これが各業種の中で交際費支出額と支払い配当とを比較した場合に、特徴的に言える現象ではないか。私は、交際費が真にその業務のために必要である――全く必要ないという議論は成り立たないかもしれませんけれども、少なくとも交際費の支出額と支払い配当との比較においてこんな大きな差があるというのは、ちょっと問題があるのじゃないか、こう考えておるわけなのでありますけれども、こうした考えにつきまして、交際費の問題を検討されております主税局、大蔵省、政府としてはどういうお考えをお持ちでございましょうか。
#46
○細見政府委員 交際費の支出額が建設業あるいはサービス業というものに主として顕著な支出でありますことは、これらの業況からやむを得ない点もあろうかと思います。たとえば製薬業のようなものは広告によって大いに販路を拡張できるわけでありますが、建設業となりますと、やはり建設業に伴いますやむを得ない交際費、あるいはサービス業におきましても接客業の関係上いろいろやむを得ない交際があるというような業態に伴う交際費の必要度というようなものについて、なかなか一がいに、一律に律しにくい面があることは事実でございます。それともう一つは、これらの業種におきましては比較的中小企業の多い業態でございまして、これら中小企業は交際費のほうは支出いたしますが、中小企業の常といたしまして比較的配当というのは少なくなる、大会社は配当がございますが中小企業は配当が少ないということで、もし交際費と配当との間を比較いたしますと、どうしてもこれらの比較的中小企業の多い業態におきましては交際費のほうが多くなり支払い配当のほうが少なくなるというのは、全くやむを得ない事情であろうと思います。しかし、いずれにいたしましても交際費はいろんな意味で社会の批判を受けており、中小企業に関する交際費の問題は、先日広瀬委員から御指摘がございましたクロヨン論議というようなものにおきましても、中小企業の幹部の役員の皆さんが交際費でいろいろなことを比較的行なっておられるので、それがあたかも税のかからない所得があるというふうな誤解を世間に与えている一面も否定できないわけでございまして、赤字の会社が交際費をどんどん使えるというようなことも、納税道義とかあるいは税制のあり方としてはいかがかというような疑問もございます。また、この交際費はどちらかといえば大会社にきつい制度になっておるわけであります。そういうところから、大会社等が資本金一億円未満の小さな子会社をつくりまして、そこで交際費を代替させるというようなことも行なわれております。したがいまして、中小企業の交際費というのは、これはまさに伸びていくために必要な一面もございますが、そういうことも含めまして、現在の基準と比較して、中小企業が四百万まではどんな会社であっても、いわゆる交際費として認められるというような点もございますし、資本金の千分の二・五との差というような議論もございまして、これらを含めて、交際費の検討をいたすときには考えなければならないところへきておるのではないか。たとえば、この表を見てそういうことも考えておるわけでございます。
#47
○平林委員 私は、これは交際費の支出と支払い配当との比較の面で申し上げたわけでありますけれども、こうした面も、私はいろいろ内部の事情ありましょうけれども、さればといって、建設業、卸売り業だけに中小企業のウエートが高いというふうには見受けないわけであります。これは、こまかくなりますから申し上げませんけれども、各業種とも中小企業のウエートというものは、建設業や卸売り業に負けないくらい高いわけであります。それにもかかわらず、交際費支出額、支払い配当とのバランスの面においては、この二つの業種にしわ寄せがある。この点は、私はその業種の経営なりに一つの問題点がありはしないかという感じがするわけでありまして、ひとつ注目をしてもらいたいという点を申し上げておきたいと思うのであります。
 そこで、今度はもう一つの角度からしますというと、昭和四十三年度、先ほどお話がありましたように、七千七百三十三億六千二百万円の交際費でありますが、これを大きな法人と小さな法人で分けますと、支出交際額の割合はどういう形になっておりますか。
#48
○細見政府委員 四十三年、七千七百三十三億、全体を一〇〇といたしますと、一億円未満のいわゆる中小法人といわれるものが五千三百十七億で、割合は六八・八、それから一億円以上の法人の支出額は二千四百十六億で、全体を一〇〇といたしました割合は三一・二%と、一億円以下のほうにウエートがかかっておるわけであります。
#49
○平林委員 ただいまのお話だけ聞くと、交際費の七千七百三十三億の約七〇%が中小企業の支出にありというふうに誤解を生むおそれが私はあると思うのでありまして、これは資本金階級別の交際費の状況から見ました場合に、一社当たりの平均支出というのが、私はもっと重要だと考えておるわけでありますが、中小企業とそれから大きな企業との比較の上におきまして、一社当たりの交際費支出の状況はどういうふうに把握しておりますか。
#50
○細見政府委員 手元にございます資料は国税庁調べの会社標本調査結果で、標本調査でございますので全体をカバーしておるとも申し上げかねますが、傾向はあらわしておると思います。これで見ますと、資本金の小さいほうから申し上げていきますと、百万円未満が二十六万八千円、百万円以上が五十四万四千円、五百万円以上が百二十七万九千円、一千万円以上は二百八十六万四千円、五千万円以上が七百十五万一千円ということになって、一億円未満を平均いたしますと七十二万一千円。それから一億円以上で申し上げますと、一億円以上の法人が、一億以上十億未満になりますが、一億以上が一千七百六十三万円、十億以上が七千八百七十二万三千円、五十億以上が一億七千八百九十一万五千円、百億以上が四億四千三十六万七千円、合計いたしまして一億以上の平均が三千八百三十八万九千円というような数字が、これはすでに公表されておる数字でありますが、手元にそういう数字がございます。
#51
○平林委員 そこで、私は現在の交際費の一つの規制をしておる数字ですね、四百万円というのがありますね。いまお話を聞きますと、少なくとも資本階級別でいえば、一千万円以下の法人会社、これはおよそ六十五万社くらいで、圧倒的多数であります。これらの中小企業の法人におきましては、一社当たりの平均で一千万円のところで二百八十六万円、それ以下では百二十七万とか、五十四万とか、二十六万とかという交際費の支出状況になっておるわけであります。五千万円以上になりまして初めて七百十五万円の平均の交際費支出が見られるということは、逆にいえば、四百万円という天井は高いのじゃないか、甘過ぎるのじゃないかということも言えると思うのであります。つまり交際費の額を私はむしろ、必要ならこれはやむを得ませんけれども、しかしどうも四百万円、あとこまかい資本金について何分の幾らというようなことをプラスした形で交際費の規制をする措置がとられておりますけれども、この四百万円という数字がちょっと甘いのじゃないか、むしろこの金額を引き下げる必要がある、そうしてもう少し交際費の否認という形を強化する必要があるのじゃないか、こう考えるのでありますけれども、いまお話しになりました資料、結果から見て、そういう考え方は皆さんのほうではどうお考えになっておりますか。
#52
○細見政府委員 いま交際費の支出額を資本金で割り振ってみますと、一億円未満が七割であり、一億円以上の法人が三割であったわけでありますが、損金不算入、つまり否認されておる金額で見ますと、一億円以上の会社の否認されておる額が、全体を一〇〇といたしまして七割であり、一億円未満が三割ということになっております。したがいまして、いまお話しのように、四百万の基準が生きております結果、二百万とか百万とかという金額の支出に対しましては、いまの現行制度の交際費規制がほとんど働いておらないというのも、そういう面がございまして、その意味で否認の対象になっておる法人は、一億円未満におきましてはわずか三%であり、一億円以上の法人におきましては、七割の法人が交際費の規制といいますか、交際費損金不算入の扱いを受けておる。わずか三%しか中小企業のほうには響いておらないというのが事実でございます。もちろん中小企業にはそれなりのいろいろ困難な事情がありまして、これだけをもってすべてを律するというのはむずかしい問題もあろうと思いますが、交際費の否認という面でどちらにきつく響いておるかということになれば、大法人にきつく響き、中小法人に響かないのは、いま御指摘のあった四百万という基準がほとんどの中小企業にとって、かなり自由に交際費がいまなお支出できる状態になっておるというわけであります。したがいまして、交際費規制をさらに強化する段階におきましては、これらの点も含めて総合的に検討せざるを得ない、かように考えております。
#53
○平林委員 私は、いまお話の分析の中でちょっと合点がいかない点もあるんです。なぜかといいますと、大きな企業においての否認割合は、確かに高いことは事実です。お話しのように七〇%になっておる。しかし、それでは、大きな企業に否認の割合が多いということは、非常にきつくなっておるという解釈をするのが妥当であるか、それとも、これら大きな企業におきましては、交際費として認めてほしいという動きが旺盛であるか、そういうことの反映と見ることもできるわけであります。つまり、交際費否認が大きな企業にきつく当たっているという見方というよりは、大きな企業におきましては、交際費の支出について、あれも認めてくれ、これも認めてくれ、いや、それはまかりならぬというような折衝が多いということをあらわしていると見る分析のしかたも私はできると思うのであります。ですから、必ずしもその点の分析につきましては、直ちに同意しかねます。しかしながら、中小企業の中におきまして、四百万円というのが甘きに失し、いわば、四百万円までは使えますよということで、こいこい、ここまでは自由でございますというような形になるために、あるいは中小企業が交際費の問題について自由にできる幅があり過ぎるということは、私は御指摘のとおりだと思うのであります。したがって、この四百万円という金額は、現状から見て規制の役割りを果たしていない。そこで、むしろ、私は、この金額については、これを引き下げる形において、交際費の規制の強化をはかるべきであろう。そういう点にくふうをすべきだと考えておるわけでありますけれども、政府としての考え、来年四十六年からまたこの問題につきましては検討をしていただかなければならぬ問題でございますから、どういうくふうをするかというお考えをお示しいただきたい。
#54
○細見政府委員 具体的には、税制調査会にもおはかりして検討をいたしてまいらなければならないと思います。いま表面だけを見てまいりますと、確かに中小企業のほうが比較的交際費規制を受けておらないわけでありますが、しかし、中小企業は、そんな交際費を使うほどの余裕のない経営の苦しさがあるんだという御議論もまたもっともでありまして、中小企業で交際費を使わなければならないときは、大企業に伍して非常に苦しい商売をやるのだという御議論も一方ではあるわけであります。そういう点を総合的に勘案いたしまして、世の中の世論として、交際費に対してもっと厳格な態度で税制は臨むべきだという御意見がありますときには、これらの点がこういう否認の状況になっておるという客観的な事実をお示しして、税制調査会におはかりしなければならぬと思っております。しかし、基本的には、やはり交際費の問題は、税制以前の経営者のモラルと申しますか、必要な交際費はこれはお使いにならざるを得ないのでありましょう、そういうことでありますから、税制でどうこうするという以前に、いまの税制におきましても、交際費を前年度に比べて減らしたときは全額損金にする、そういう形で努力していただいた方には、十分税制上はお報いしますということまでやっておるわけでありますから、全体的にそういう問題を含めて検討いたしたいと考えております。
#55
○平林委員 私は、少なくとも、交際費規制をはかる具体的な考え方としては、この四百万円を少なくとも三百万円にするとかいうような形で規制を強化するというくふうをこらすべきであるということを申し上げておきたいと思います。同時に、私は、さきの国会で法人税法の改正がありまして、交際費を規制するために、去年交際費を使ったより交際費の額が少なければそれだけ法人税をまけてやるよという考え方は、どうもいただけない考え方なんです。少なくとも、収入に対する費用という、収益費用対応の原則ということを基本にいたしますと、どうもこの考え方は、原則的な考え方から見てもおかしいと思うのですね。むしろ、ただいま申し上げましたような点にウエートをかけてやるべきだと思うのでありますけれども、皆さんのほうは、交際費を少なくすれば法人税をまけてやるよというような形で実効があがったというふうに御判断でしょうか。まあ、これはおそらくなかなか調べることもむずかしいと思うのでありますから、そこまで要求はしませんけれども、どうも昨年より交際費が少なかったらそれだけ法人税をまけてやるという式で交際費の規制をはかっていくというやり方は、原則からもおかしい。むしろ、四百万円を三百万円なり、あるいはそれをもっと下げるなりというような形にするとか、あるいは諸外国で行なわれているように、ゴルフとかマージャンとか、何でもかんでも交際費として認めるというような形でやるそういうやり方を改めるとか、そういうところにウエートをかけて交際費の問題については考えるべきではないか、こう思うのですけれども、いかがでしょうか。
#56
○細見政府委員 交際費の議論、なかなかむずかしい、いろいろな角度からの議論もできますので、ここで、来年はこういうふうに考えておりますと申し上げるにはあまりにも多方面の検討を必要とすると思っております。
 ただ、交際費を減らしたときにまけてやるというと少し制度からは離れておるわけでありまして、現在の交際費は税制のたてまえからすれば本来経費になるべきものでありますが、交際費に対する世論の批判もきびしいし、その中には若干、社用的であり、個人の利益になっておる要素もあるというようなことで、交際費否認を行なっておるわけでありまして、いまの交際費が前年度の額よりも減ったときには交際費としての損金性を認めるということで、いわばペナルティーをはずすというわけで、まあ、その辺につきましてもいろいろ御議論があろうと思います。したがいまして、明年度は期限がまいるわけでありますから、そのときまでに、どのような形で交際費規制の問題を税制で取り組んでいくかということについてしっかり、むずかしい問題で、各方面の世論もありますので、そういうものをよくお聞きしながら検討してまいらなければならぬと思っております。
#57
○平林委員 交際費の問題はその程度にいたしまして、そろそろ大臣もお見えになるという話でありますから、きょうは本格的な議論にいき得ない、利子・配当その他の問題については次回に譲ることにいたしまして、法人税の中で、今回の改正案で新しく頭をもたげました、建設業を営む法人に対し完成工事補償引当金という制度を創設するというのは、今回初めて顔を出したわけであります。これにつきまして少し私は疑問点がございますから、これをお尋ねしてまいりたいと思うのであります。
 まず、大体建設業の法人会社数は、私の調査では、四十二年度が六万八千一、四十三年度が、約五千ばかりふえまして七万三千二百六十三ということになっておりますけれども、このうち利益会社はどのくらいあって、欠損会社はどのくらいあるか。また、できれば利益会社の所得金額は幾らになって、欠損会社の欠損金額は幾らになるかというお調べがありましたならばお答えいただきたい。四十二年の分は私持っています。四十三年はいかがなっておるかという点をお示しいただきたい。
#58
○細見政府委員 所得については後ほど調べてお答えいたしますが、四十三年で利益会社が四万八千八十、欠損会社が二万五千百八十三ということになっております。
#59
○平林委員 私の得ておる資料によりますと、昭和四十二年度利益会社は四万三千八百九、その所得金額は二千百億七千二百万円、欠損会社は二万四千百九十二、欠損金額は四百七十七億七千万円。いま四十三年の御説明がありましたけれども、利益会社は約五千件ふえまして四万八千八十、同時に欠損のほうも約千件程度多くなりまして、二万五千百八十三という形になっております。所得金額、欠損金額は昨年に比較をしておそらくある程度それぞれ上昇しておるものとみなしまして、それを前提にお尋ねをしてまいりたいと思います。
 今回、完成工事補償引当金として引き当てられる金額はどのくらいになると見ておりますか。つまり政府の御説明によりますと、客観的経験値等に基づいてというお話でございますから、この総体の金額はどのくらいになるかということがおわかりになっておると思うのでありますが、その数字はどうなっておりますか。
#60
○細見政府委員 初年度は一億七千万ばかりで、これは平年度になりますと大きくなりまして、二十億前後になろうと思っております。
#61
○平林委員 そこで、私が利益会社、欠損会社をお尋ねいたしましたのは実は理由があるわけです。今度はその利益会社を所得階級別に調べてみますと、これは四十二年度の例でございますけれども、四十二年度が利益会社四万三千八百九社、これを所得階級別に分けてみますと、年間の利益額が三十万円未満が一万五千八百社なんです。三十万円未満です。それから三十万円から五十万円程度の利益をあげておる法人が四千五百十二社、五十万円から百万円程度のものが六千七百七社、百万円から二百万円程度が六千九百四社、二百万円から五百万円程度が五千七百三十一社、つまり利益をあげておる会社のうち六〇%程度が年間二百万円から五百万円以内であるということに相なるわけであります。完成工事補償引当金という制度、これはどういう理由であれするかお聞きするのがほんとうなんでしょうけれども、大体御説明を受けているから承知しておりますけれども、こういう制度を設けることによって、初年度一億七千万円、平年度二十億円に達するという金額が引き当てられるということに相なりますと、欠損会社がやたらふえるのじゃないか、私はそういう心配を実はしておるわけなんでありますが、その点についての考え方、また積極的には、これはどういうわけでこれを設けるのかということになると思うのであります。私は理由を聞かないうちに、いきなりこういう話にいってしまうのはどうかと思うのでありますが、欠損会社が非常にふえるのじゃないか、こういうふうに思うのでありますけれども、この点はどう考えておりますか。
#62
○細見政府委員 建設会社が工事を完成いたしましたときには、民法によりますと、木造建物は五年、石造、土造、コンクリート造の建物でありますと十年間の瑕疵担保責任の規定があるわけでありますが、実際上は契約約款によりまして、これが木造であると一年、コンクリート等でありますと二年というような契約にいたしまして、その後に発生した瑕疵について、無償で補償に当たっておるわけであります。いまの平林委員のお話もわかりますが、今回のこの制度は、そういうふうに建物を引き受けたときには、経験率によりまして当然そういう補償をしなければならない。それを過大利益として計上させずに、その段階で引き当てをさせるというわけでありまして、そういう意味で欠損会社がふえるとか減るとかいうのは、ある一面においてはそういう現象が起ころうかと思いますが、翌年以降におきましては、同様な事業のやり方をしておる限り、別に欠損会社がふえるとか減るとかいうことでなく、むしろこういう制度を設けますれば、いま平林委員の御指摘にありましたように、世の中にかなり赤字すれすれの会社がある。そういう会社が利益が減ってしまうということで、完成後に無償でいろいろ補償をすることを渋ることをむしろ押えることになって、税法上もそういう引き当て金を認められておるのだから、当然に道義的にもやりなさいと言えるし、また契約者のほうもそれについて物的な補償が得られる、建設会社のほうへそういう金が引き当てられておるわけでありますから、そういう意味で私は建設工事のいい慣習ができる方向にこれが役立つのではないか、かように考えておるわけであります。
#63
○平林委員 さてそれではもっと具体的に聞きますけれども、十億円以上の建設業者というものは、私の調べでは二十五社、最近はもっと大がかりなものがふえまして、百億円程度の建設業も二、三社あるように承知いたしておるわけでありますけれども、かりに十億円以上というふうに分類をいたしまして、その建設業では、客観的な経験値等に基づいてどの程度の完成工事補償引当金を積み立てることができるか。
#64
○安井説明員 事務的なことでございますのでかわってお答え申し上げます。
 いまのお示しのございました利益が十億円以上の会社でどれだけ引き当てられるかというお話でございますが、手元に資料は持っておりません。ただ私どもこの制度を創設いたしますときに検討いたしました資料では、建設総合工事の事業を営んでおります上場会社が六十一社ございます。その六十一社のうち三十一社がすでに完成工事補償引当金というものを計上いたしております。ただ、この計上いたしております金額を税法上そのまま認めるという考え方ではないわけでございまして、過去の経験率から見まして、先ほど局長が申し上げましたように、その当期の売り上げの中から引き当て分だけを落としておかなければ課税所得としては正確に反映していないではないかという部分に限ってこの繰り入れ額を認めたいということで、現在検討いたしております。繰り入れ率そのものは政令で定めるという形になっておりますので、この政令でそれを規定してまいりたい、かように考えているわけでございます。
#65
○平林委員 だから、その政令に入れることは、大体経験値に応じて今度こういうことを、いままではなかったからやるというのが今度の改正趣旨なんでしょう。その経験値、経験によってどのくらいになっておるかということを聞かしてもらいたいわけなんです。
#66
○安井説明員 現在までの、いま申し上げました三十一社につきまして申し上げますと、引き当て率が千分の〇・五から二・〇の間に散らばっておるわけでございますが、千分の一・五という率で引き当てておりますものが多いようでございます。
#67
○平林委員 率はあれですけれども、大体どの程度の金額になっていますか。
#68
○安井説明員 手元に現在その会社が積み立て、引き当てております引き当て金の総額の資料がございませんので、後刻お届け申し上げたいと思います。
#69
○平林委員 私は初年度一億七千万円、平年度二十億円の引き当て金の大多数が、つまり利益会社のこうしたかなり十億円とか五億円とか二億円、私資料を手元に持っておりますけれども、そうしたところにウエートが置かれているんじゃないかという疑問を持っておるから実は質問しているんだ。細見さん言うように、たかだが年間三十万円未満、五十万というようなところが非常に多いということを言、まして、それだからというふうにあなたは逆用されたけれども、私に言わせるとあべこべなんで、利益が相当あるようなところに対してこういう引き当てがかなり大きく働くんじゃありませんか。どうもあまり、完成工事補償引当金というと、何か全般の建設業に対してあたたかい思いやりのあるような感じをさせるような言い回しをしておるけれども、私はそうじゃなくなりゃせぬかということを申し上げておるので、しつこいくらいにその金額を聞いておるわけであります。あとでなんて言っても、大体の感じは、あなた、これはそういういままでのやつ、ここに書いてあるじゃないですか。ここのあなたの提案理由の説明をしたときに、いままでこういうようなことがあったものだから実績に基づいて、企業慣行も習熟し経験値もはっきりしてきたので上述のような制度を認めることにされたと、こう書いてあるのだから、ちょっともう少しあなた、大体のところは答えてくださいよ。二十億のうち、おそらく私の観測では大体大きな企業にずっといくんじゃないだろうかというふうになって、どうもあまり思いやりのある措置というふうに解釈できない。思いやりあり過ぎるというふうに見るのですけれども、いかがなんでしょうかね。
#70
○細見政府委員 それは確かに事業量が大きい会社によけい引き当てができるという現象は出てまいりましょうが、いま申し上げましたように、建設会社は好むと好まざるとにかかわらず一年ないし二年の間にこの補償工事をいたすわけでありますから、そういう意味で、引き当て金を立てた一期だけは確かに利益が若干変動いたしますが、二年でこれは解消するわけでありますから、そういう意味で大会社に有利、小会社に不利というよりも、むしろ契約者と建設会社との間の相互のいい取引慣行が確立していく助けになるんじゃないか、かように考えております。二年間の引き当てでございますから、そんなに留保ができるとか積み立てが残るとか、大会社に有利であるとか小会社に不利であるとかいうような観点のものではない、かように考えております。
#71
○平林委員 どうも私、すっきりしない説明だものだからぴんとこないんだ、実をいうと。二年度からは確かにそうなるけれども、平年度二十億円からの減収を覚悟してやるほどの必要性があるかどうかという点で私は疑問を非常に持ちますということなんです。どうもすっきりしないね。細見さんの鋭敏なる頭のわりあいにしては、どうもすっきりしない。どうも私は疑問がございます。
 もう一つ疑問がある点をついでに、こまかいことで、ふだんあとでもって落としてしまうおそれがあるから申し上げますけれども、今度租税特別措置に、企業体質の強化ということで、合併をした場合には何か特別の措置を講ずることになっていますけれども、これは八幡とか富士なんかの合併のときにもさっそく適用されるあれなんですか。
#72
○細見政府委員 現在の合併したときの税額控除と申しますか税額を還付する方式は、この三月三十一日まで生きておったわけでしありまして、八幡・富士はその三月三十一日、生きておった従来の合併助成の税額控除が適用になることになっております。
#73
○平林委員 そうすると、この企業体質の強化ということで本年五月一日から四十七年三月三十一日までの間に特定合併を行なった場合は、合併後三年間、その法人の有する減価償却資産について一定の割り増し償却を認める制度を創設するということになっておるわけなんでありますけれども、八幡・富士がこれに含まれる……。
#74
○細見政府委員 含まれていないわけでございます。これはむしろ資本の自由化あるいは国際経済の自由化を迎えまして、中小企業その他の、体質的に合併によって競争力を強化していかなければならないそういう業種を対象にいたしまして、これから新たに設けるわけでありまして、八幡・富士はこの関係には、この法律の適用は受けないわけであります。
#75
○平林委員 わかりました。
 大蔵大臣がお見えになりましたから、きょうは私の質問は大体終わりますが、さっきちょっと議論したことで、一つだけ大蔵大臣にお答えをしてもらいたい問題があります。それで私は質問をやめますけれども……。きょうのところはですよ。
 交際費の問題をさっき議論しておった。昭和四十三年に交際費の支出額はおおよそ七千七百三十三億六千二百万円、おそらく四十四年度になりますと、八千五百億円近くなっているのではないだろうか。数字はわかりませんけれども。その支出額のうち、大体今日までの割合は、大きな法人と小さな法人とに分けますと、大きな法人のほうに三〇%程度、中小法人のほうに七〇%、つまり支出の割合は中小法人に多いという傾向になっていることは事実であります。しかしながら、一社当たり平均支出はどのくらいかということを検討してまいりますと、百万円未満の資本金の会社では二十六万円交際費に使うておる。それから百万円から五百万円のところでは、交際費の平均支出額は五十四万円、それから五百万円から一千万円のところでは百二十七万円、一千万円から五千万円程度の会社において二百八十六万円、五千万円から一億になりまして初めて七百十五万円という平均支出額になっておるわけです。交際費支出額の総体から見ますと、七〇%は中小法人によっておるように見受けられるわけでありますけれども、一社当たりで見ますと、少なくとも相当大多数は平均支出額が低い。そこで交際費の規制を強化すべきであるという議論が何回か行なわれてまいりましたけれども、四百万円を基礎にして一定の比率をかけて交際費の限度額というものを設けている現行の制度は、少なくとも中小法人の大多数には当てはまらない。むしろ四百万円というのは天井が高くて、ここまでこいよ、ここまではできるよ、こういう自由奔放のことを許しておるにすぎないのであって、実際の規制の効果というものは果たしていないのじゃないか。でありますから、私は交際費の規制として現在使われております四百万円というのは甘過ぎる。そこで来年度の税制改正を税制調査会に諮問をする場合には、このあたりの問題をひとつ大蔵大臣もしっかり頭に入れて、この面の改正をはかる必要があるのではないか。同時に私は、それだけではなくて、交際費のいろいろな使い方があると思うのでありますけれども、きょうも新聞で、専売公社あたりはゴルフなんかのやつはやめようなんていって、非難に対して積極的にこたえている。電電公社はまだこたえていないようでありますけれども、国鉄のほうも少しは減らすなんということを言うておる。私はそういうことから考えてみまして、ともかく社会的に批判のあるような種目を選んでメスをふるうということとあわせて、交際費の規制を考えるべきではないか、こう思うのでありますけれども、やや具体的になりましたけれども、大蔵大臣のお考えをひとつ聞かしてもらいたいと思います。
#76
○福田国務大臣 まことにごもっともな御注意と思うのです。私も、どうも四百万円というのが一体中小のところで規制力があるのかどうか、多少疑問に思っておったところなんでございます。四十六年度税制の問題として十分検討してみたい、かように存じます。
#77
○平林委員 もう一つ、 ついででありますから……。徴税コストのことをちょっと議論しておったのですが、徴税費用というものは、大体国税庁も最近は大いに努力されまして、徴税コストは最近は百円当たり一円四十七銭、昭和四十年当時の一円八十七銭から比較をいたしますとかなり低下をしておる。もっとも手放しでほめているわけじゃありません。税収がふえたことなどもございますし、それから国税庁の職員も数が少なくてたくさんの業務をやっておるという一つの犠牲があってのことでございますから、手放しでほめているわけではありませんけれども、漸次低下していることは事実であります。しかしこれに反しまして地方税におきましては、昭和四十三年の例を見ますと、百円当たりで四円八銭もかかっておる。これも別に、まことにけしからぬという意味で言うておるわけではありません。地方税収入の額が国税に比較して少ないこと、それから比較的住民税がこまかい対象を相手にしておることから高くなってくるという理由は認めますが、それにいたしましても、合わせますとおよそ五円五十銭の徴税費がかかっていることになっておるわけであります。人件費を削るわけにいきません。したがってその他の方法でくふうせねばなるまい、こういうところで議論をいろいろしてまいったわけなんであります。
 そこで私は、やはりこの際考えるべきことは、地方税と国税の徴収の方法について総合的に合理的に調整をする可能性がありやなしや、賢明なる細見局長は、この問題については重要なる柱として税制調査会にひとつ相談をしてやりたい、少なくとも一年以内には具体的進展があるという非常に心強いお話もあったのでありますけれども、政務次官もこの点は非常に情勢を見るに賢明なる御判断をしまして、積極的にやるというお話でございます。私は、取り上げた問題が直ちに反応を起こして具体的にこれが進展するということは非常によいことであると思いますが、非常に政治的な問題があるという、さすがの主税局長も音をあげているような問題、ここはひとつ政治的に大蔵大臣あたりが積極的に乗り出さない限りは具体的進展を一歩進めるわけにはいくまい、こう考えまして、大蔵大臣に、ぜひこの問題を一年以内に積極的に取り上げて具体的な解決策を、長年論じられてきておることでありますからやってもらいたい、こう思います。大蔵大臣の御所感を承りまして質問を終わります。
#78
○福田国務大臣 これまた私はごもっともな御所見と思います。私も常々そういうことを感じておりまして、何とか中央、地方の協力によりまして徴税費を下げるということに努力しなければならぬと思っております。これは現行税制の面でも多少のことはできますが、実際は税制に非常に関係があるかと思うのです。つまりいま自治団体だ、自主性を尊重しなければならぬというので、地方税の形態が国税から離れたような形になっておりますが、これを付加税方式にしますとか、そういうようなことになりますと、地方の徴税は非常に簡素になるというふうに思います。
 それから、戦前は国税を地方自治団体に徴収をお願いいたしておったのであります。徴収面の一本化、こういうことがあったわけですが、これが今日はばらばらになっておる。徴収の任に当たる公務員の数が、戦前に比べますと重複するようなことになってきておる。これはいろいろ問題があるのです。この間総理大臣も、この点は着目しなければならぬじゃないかという発言を衆議院の予算委員会におきましてしておりますが、私も今後検討すべき重要問題であるというふうに考えております。お話しのように、これからの検討項目の一つといたしましてこれはひとつ取り組んでみたい、そういう考えであります。
#79
○平林委員 それじゃきょうは比較的事務的な問題で、あと焦点となる問題は次回にゆっくりひとつやらしてもらうということにいたしまして、質問はこの辺で中断いたしておきます。自後の点については保留をいたすことにいたしまして、とりあえずきょうは終わります。
     ――――◇―――――
#80
○毛利委員長 この際、物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましてはすでに質疑は終了いたしております。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
#81
○広瀬(秀)委員 私はただいま議題となりました物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、野党各党を代表して反対の討論を行ないます。
 そもそも物品税は、昭和十二年北支事変特別税法による宝石、貴金属、写真機等の奢侈的消費抑制を目的とする奢侈的物品に対する課税に始まり、昭和十五年、大東亜戦争前年の戦時色の横溢する時代を背景として物品税として独立し、時代の変遷と経済社会の進展、生活消費の態様の変化を若干ずつ反映しつつ幾たびかの改正を重ねて今日に至っているものであります。
 しかしながら、一九六〇年代におけるわが国経済は異常ともいうべき高度成長をなし遂げ、それとともに国民の所得水準も高まり、奢侈的消費抑制ではなく、消費は美徳なりという風潮の高まりとともに、消費物資の豊富な供給、消費の高度化が見られ、従来奢侈的物品と見られたものも一般的、平準的消費と考えられるように、生活様式、消費の態様に変化が生じております。すなわち消費者の消費選択はまさに広範なものがある時代なのであります。かかるときにおいて、その選択する物品の消費の背後にある担税力に着目し、これに照応した税負担を課するところに今日の物品税の意義があるということができましょう。もちろん一般的生活様式の変化に照応して、生活必需品となっているような物品について、かつては便益的、奢侈的な物品であっても、これに課税することは、それが人頭税的意味を持ち、所得と担税力を無視した逆進的悪課税のそしりを免れ得ないことには十分留意しておかなくてはならないでございましょう。
 このような立場に立って、以下数点について反対の理由を申し述べます。
 その第一は、税制調査会が差し示した物品税についての問題指摘とその改善検討が、今回の改正案にはほとんど見られない点であります。
 すなわち、一部の高級消費財について非課税とされていることについて、物品間の負担の不均衡、不公平感があることに配慮して、課税廃止物品及び新規物品を課税対象に取り入れることについて再検討が求められておったにもかかわらず、今回の改正案にはこの点何らの積極的な努力が行なわれていない点であります。
 第二の点は、物品税率構造について、同一税率の適用される課税物品相互の間において、消費者の常識に照らし多くのアンバランスがそのまま放置されている点であります。たとえばダイヤモンドが二〇%であるのに対して扇風機が一五%というがごときであります。扇風機のごときは、もはや便益品というよりはまさに生活必需品であり、大衆消費物資であり、少なくとも非課税か税率半減が必要であることは常識であります。
 第三は免税点の問題についてでありますが、今日的消費状況において奢侈的消費水準と思われる程度のものに過当な免税効果を及ぼしているものがあり、たとえばハンドバッグについて八千円の免税点は、消費の実態にかんがみ、まことに不当であります。一方、時計の免税点が三千円に据え置かれているのは低きに失しております。かくのごとく、税調答申の免税点の適正水準のあり方、免税点を設ける場合の物品間の権衡について、各物品を通ずる総合的観点から適宜再検討の必要があるとの指摘について何らかの措置が行なわれていないことはきわめて遺憾であります。
 第四は、非課税物品についても本委員会における審議を通じて明らかにされたごとく、今日希少価値とさえいわれるウルシ塗り家具等の非課税、神仏用というだけで時価数十万の仏壇が非課税とされるなど、著しく購買者の担税力を無視した非課税物品が多く、これらは当然その高級性、奢侈性に着目し、これを購入する者の担税力から見て課税対象物品に取り入れるべきであります。
 第五は、今次改正案についても、カラーテレビ受像機などについて非課税から二年ないし三年の段階措置を行ない、本則税率に戻すにあたって、過当に電機メーカー保護の色彩が強いことを指摘せざるを得ないのであります。物品税の本質がこのことによってゆがめられているといわねばなりません。
 第六の反対理由は、第一種物品すなわち貴石、貴金属などの小売り段階課税の方式などについてでありますが、これは徴税当局の事務的技術的都合のみを優先させ、小売り業者に著しい負担をしいるものであり、輸入卸段階、製造段階課税方式に戻して当然であろうと思うわけであります。
 以上、本法案について反対理由を申し述べたのでありますが、政府は、本委員会の審議過程において明らかにされた現行物品税法のもろもろの矛盾を率直に認識され、明年度においては消費者物価への深甚な配慮、逆進性による課税公平をそこなわないように十分留意しながら、全国民の納得と理解が得られるよう、新しい時代に即応した物品税法の全面的改正案を国会に提出されることを強く要求をいたしまして、私の討論を終わりといたします。(拍手)
#82
○毛利委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#83
○毛利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#84
○毛利委員長 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに質疑は終了いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#85
○毛利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#86
○毛利委員長 次におはかりいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#88
○毛利委員長 次回は、明十日金曜日、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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