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1970/04/17 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第27号
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1970/04/17 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第27号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第27号
昭和四十五年四月十七日(金曜日)
    午前十一時三十八分開議
 出席委員
   委員長 毛利 松平君
   理事 上村千一郎君 理事 藤井 勝志君
   理事 村上信二郎君 理事 山下 元利君
   理事 広瀬 秀吉君 理事 松尾 正吉君
   理事 竹本 孫一君
      奥田 敬和君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村武千代君
      佐伯 宗義君    坂元 親男君
      田村  元君    高橋清一郎君
      地崎宇三郎君    登坂重次郎君
      中島源太郎君    丹羽 久章君
      原田  憲君    坊  秀男君
      松本 十郎君    森  美秀君
      吉田 重延君    吉田  実君
      平林  剛君    堀  昌雄君
      貝沼 次郎君    伏木 和雄君
      二見 伸明君    春日 一幸君
      永末 英一君    小林 政子君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中川 一郎君
        大蔵省主税局長 細見  卓君
        運輸政務次官  山村新治郎君
 委員外の出席者
        議     員 春日 一幸君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  金子 一平君      宇野 宗佑君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 清酒製造業の安定に関する特別措置法案(内閣
 提出第六五号)
 昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十
 四年度における旧令による共済組合等からの年
 金受給者のための特別措置法等の規定による年
 金の額の改定に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出第六六号)
 昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十
 四年度における公共企業体職員等共済組合法に
 規定する共済組合が支給する年金の額の改定に
 関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の
 一部を改正する法律案(内閣提出第一〇四号)
 金融機関が中小企業者に対して金銭の貸付け等
 を行なう場合における拘束性預金等の防止に関
 する法律案(春日一幸君外二名提出、衆法第一
 六号)
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二一号)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 三四号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五七号)
     ――――◇―――――
#2
○毛利委員長 これより会議を開きます。
 清酒製造業の安定に関する特別措置法案、昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#3
○毛利委員長 政府より順次提案理由の説明を求めます。中川大蔵政務次官。
#4
○中川政府委員 ただいま議題となりました清酒製造業の安定に関する特別措置法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 御承知のように、清酒製造業界におきましては、過去三十年近く、食糧管理制度のもとにおいて原料米の割り当て制度が続けられ、実質的な生産調整が行なわれてまいりましたが、昨年五月、自主流通米制度の発足に伴い、この永年にわたる業界秩序の基盤が大きく変化いたしました。この結果、従来、一種の財産価値を有しておりました基準指数は、その資金調達の際の担保的機能や転廃業の際の譲渡価値を失うこととなり、清酒製造業者の金融力等にも著しい変化が生じ、ひいては酒税の確保に影響を与えることも懸念される事態に立ち至ったわけでございます。
 このような清酒製造業を取り巻く環境の激変に伴う種々の混乱を避けるため、清酒製造業界では当面の過度的措置として、五年間を目途とする自主的な生産数量規制を昨年九月から実施いたしますとともに、この期間内に清酒製造業の構造改善をはかるため、中小企業近代化促進法に基づく構造改善計画を策定し、企業体質の強化に努力いたしております。
 政府といたしましても、このような業界の努力が、同時に酒税の保全に資する面が大きいことを考慮してこれを側面的に援助することとし、この際業界が酒造資金の融通の円滑化と清酒製造業の整備合理化のための事業を実施するために必要な法的措置を整備することを目的として、ここに、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 第一に、日本酒造組合中央会は、現在行なっている酒税の保全措置に対する協力、生産数量調整等の事業のほか、清酒製造業者や酒造組合等が金融機関から清酒製造資金を借り入れる際の債務の保証に関する事業並びに清酒製造業を廃止する者に対する給付金の給付及びこれに要する納付金の徴収に関する事業を行なうこととしております。
 第二に、これらの事業のうち、債務保証に関する事業につきましては、中央会に酒造組合等から拠出された金額と国から交付された金額をもって信用保証基金を設けることとしております。このため、国は、昭和四十五年度予算において七億円を計上し、また、業界は、同額の七億円を拠出することとしており、これらを基本財産として債務保証が行なわれることとなっております。
 第三に、給付金に関する事業につきましては、中央会は、昭和四十八年十一月三十日までの間に清酒製造業を廃止する者に対して、一定の基準により給付金を給付することとし、このため清酒製造業者に対し、納付金を賦課することができることとなっております。また、これに関連して、一定の要件のもとで、大蔵大臣が納付命令を発する等、清酒製造業者からの納付金の微収を確実に行なうことができるよう所要の規定を設けております。そのほか、この法律に基づき中央会が行なう事業の経理をその他の事業と区分して行なわせる等、財務及び会計に関する事項を規定するとともに、監督上必要な措置等を講ずることとしております。
 次に、昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、昭和三十三年改正前の旧国家公務員共済組合法及び現行の国家公務員共済組合法の規定により現に支給されている退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げることとするほか、琉球政府職員についての退職年金等の基礎俸給の引き上げ、国際電気通信株式会社に勤務した期間の組合員期間への通算等、所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、年金額の引き上げについてであります。
 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法に基づく退職年金等につきましては、昭和四十四年度におきまして、年金額改定の基礎となる仮定俸給の増額率を四四・八%に改めることにより、年金額を引き上げたところでありますが、今回さらに、恩給における措置にならい、この増額率を五七・四七%に改め、昭和四十五年十月分以後、年金額を引き上げることといたしております。
 第二は、長期在職老齢者の退職年金等の年金額の特例についてであります。
 共済年金の基礎となる実在職した組合員期間の年数が退職年金についての最短所要年数以上である七十歳以上の退職年金受給者、七十歳以上の遺族年金受給者及び七十歳未満の妻、子または孫である遺族年金受給者並びに七十歳以上の廃疾年金受給者に対する年金額につきましては、第一により改定した額が、退職年金及び廃疾年金については十二万円、遺族年金については六万円に満たないときは、それぞれ十二万円または六万円をもって当該年金額とすることといたしております。
 第三は、琉球政府職員にかかる退職年金等の基礎俸給の引き上げについてであります。
 琉球政府職員を退職したことにより退職年金を受けている者等の年金額の計算の基礎となる仮定俸給につきましては、恩給における措置にならい、三号俸引き上げることといたしております。
 第四は、教育職員から文官等に転じたことのある組合員の勤続加給の条件の緩和についてであります。
 教育職員が教育事務に従事する文官等に転じ、さらに引き続いて教育職員となった場合には、恩給における措置にならい、前後の教育職員としての在職は勤続するものとみなし、勤続加給を行なうことといたしております。
 第五は、旧日本医療団職員期間の組合員期間への通算の条件の緩和についてであります。
 旧日本医療団の職員であった者で同医療団の業務の政府への引き継ぎに伴い公務員となったものの組合員期間を計算する場合には、退職年金を受ける最短年金年限に達するまでを限度として同医療団職員期間を通算することといたしておりますが、恩給における措置にならい、この制限を廃止することといたしております。
 第六は、旧国際電気通信株式会社の社員期間の組合員期間への通算についてであります。
 旧南洋庁の公務員であった者で、同庁の電気通信業務の旧国際電気通信株式会社への引き継ぎに伴い同社の社員となったものにつきましては、恩給における措置にならい、その社員期間を組合員期間に通算することといたしております。
 このほか、増加恩給の額が引き上げられること等に伴いまして、公務による廃疾年金及び公務にかかる遺族年金の最低保障額を引き上げることとするなど、恩給制度の改正に伴う所要の措置を講ずることといたしております。
 なお、昭和四十二年度以後共済年金の額の改定を行なってまいりました法律の題名を昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律に改めることといたしております。
 以上が清酒製造業の安定に関する特別措置法案外一法律案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○毛利委員長 山村運輸政務次官。
#6
○山村政府委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度、昭和四十三年度及び昭和四十四年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております旧国家公務員共済組合法及び現行公共企業体職員等共済組合法に基づく既裁定年金の額につきまして、このたび、別途国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じまして、所要の改正を行なおうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず、年金額の改定内容でありますが、公共企業体の共済組合が支給しております既裁定年金の額につきましては、昭和四十四年度におきまして年金額算定の基礎となる俸給を、昭和四十年度改定後の額に対し四四・八%増額いたしましたが、さらに今回、その増額率を五七・四七%に改めることとし、昭和四十五年十月分以後、年金額を増額することといたしております。
 次に、最低保障額の改正でありますが、旧法年金につきましては、退職年金及び廃疾年金の受給者のうち、七十歳以上の者の最低保障額九万六千円を十二万円に、遺族年金の受給者のうち、七十歳以上の者及び七十歳未満の妻、子及び孫の最低保障額四万八千円を六万円に、それぞれ引き上げることといたしております。
 以上のほか、今回の恩給法等の一部を改正する法律の改正に伴い、所要の改正措置を講ずることといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお額い申し上げます。
     ――――◇―――――
#7
○毛利委員長 次に、春日一幸君外二名提出の、金融機関が中小企業者に対して金銭の貸付け等を行なう場合における拘束性預金等の防止に関する法律案を議題といたします。
#8
○毛利委員長 提出者より提案理由の説明を求めます。春日一幸君。
#9
○春日議員 私は、ただいま提出いたしました金融機関が中小企業者に対して金銭の貸付け等を行なう場合における拘束性預金等の防止に関する法律案の提案理由を説明いたします。
 いわゆる金融機関の歩積み・両建て問題は、古くて新しい重要な問題であります。わが国経済、なかんずく、中小企業問題を論ずる場合、金融の占める位置はまことに大きいものがあります。特に、中小企業における自己資本比率が一四%と著しく低い現状においては、金融のあり方が中小企業の死活を握っていると申しても過言ではありません。にもかかわらず、このような重要な任務を帯びる金融機関が、中小企業に対して現在種々の不当な措置を講じていることはすでに周知のとおりであります。その一つが歩積み・両建て預金の問題であります。
 この問題については、私どもは、事あるごとに国会の各委員会において、その不当性を主張するとともに、禁止措置をとることを政府に強く要求してきたのであります。この結果、大蔵省は自粛通達を出し、また、公正取引委員会も拘束預金調査を続けておられることはよく承知しているのでありますが、その実効はほとんどあがっていないと申さざるを得ません。
 たとえば、公正取引委員会の最も新しい第十一回調査結果報告を見ましても、狭義の拘束預金率は一〇・二%でありますが、前回調査と比較してわずか〇・四%とはいえ増加の傾向を示しているのであります。また、調査にはあらわれない暗黙の拘束預金が横行し、その手口はますます巧妙になっているのであります。
 かくのごとく、行政指導による歩積み・両建ての防止は明らかにその限界を示しているのであります。よって、私は、次のような要旨の禁止立法を制定することが緊急の必要事であると確信いたすのであります。
 以下、法案の内容につき、逐次御説明申し上げます。
 第一に、この法律の目的は、金融機関が歩積み・両建てなど拘束預金を中小企業に対して行なうことを防止し、取引を公正ならしめるとともに、中小企業者の利益を保護し、もって国民経済の健全な発達に寄与せんとするものであります。
 第二に、金融機関の順守すべき事項として、金銭の貸し付けまたは相互掛け金契約に基づく給付に関連して、当該中小企業者に質権の設定、その他の方法により当該金融機関によって払い戻しが拘束される預金を新たにさせ、または質権の設定その他の方法により、当該中小企業者が当該金融機関に対してすでに有する預金等に関する請求権を拘束することをしてはならないと規定いたしました。その他六つの禁止事項を掲げているのでありますが、その内容につきましては本法第三条を御参照いただきたいと思います。
 第三に、中小企業庁長官は、金融機関が前述の事項につき違反行為をしているかどうかを調査し、その事実がありと認めるときは、公正取引委員会に対して、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができるようにしていることであります。
 第四は、公正取引委員会は、前述の事項につき金融機関に違反行為が認められるとき、違反行為を排除するよう勧告することができ、その勧告に従わざる場合公表することができるようにしたことであります。
 第五に、公正取引委員会は、金融機関または中小企業者に対して報告をさせ、また帳簿書類等の検査をすることができるようにしたことであります。
 第六は、前述の禁止事項の除外例として六点掲げたのでありますが、その内容は第三条を御参照いただくといたしまして、これら除外例の場合には、書面をもって当該中小企業者に交付しなければならないと規定するとともに、この規定に違反した場合には、三万円以下の罰金を課することとしたのであります。
 以上が本法の要旨でありますが、詳しくは本法を御熟読願いたいと存じます。
 何とぞ、拘束預金を一刻も早く絶滅し、中小企業のより一そうの発展をはかるため、本法案に御賛同あらんことを要望いたしまして、私の提案理由の説明を終わります。
    ―――――――――――――
#10
○毛利委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 各案に対する質疑は、後日に譲ります。
 速記をちょっととめてください。
  〔速記中止〕
#11
○毛利委員長 速記を始めて。
     ――――◇―――――
#12
○毛利委員長 次に、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 各案につきましては、すでに質疑は終了いたしております。
    ―――――――――――――
#13
○毛利委員長 この際、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案が広瀬秀吉君外六名より提出されております。
#14
○毛利委員長 提出者より趣旨の説明を求めます。堀君。
#15
○堀委員 ただいま議題となりました修正案について、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 修正案の案文はお手元にお配りいたしてありますので、朗読は省略させていただきます。
 修正部分は、大きく分けますと、利子・配当課税等の特例に関する部分と法人税率の特例に関する部分の二つであります。
 まず第一に、利子・配当課税等の特例に関する部分でありますが、政府案では、これらの所得に対する現行の特別措置を総合課税の原則に復帰させることを基本的な方向としつつも、配当控除率については四十六年以降二年間、その他のものについては同じく五年間、なお経過的な特別措置を講ずることといたしております。しかし、あらためて申し上げるまでもなく、欧米諸国の例を見てもこれらの所得を総合課税の対象から除外している国はほとんどないこと、従来講じられてきた優遇措置でさえも、貯蓄の奨励というこの特別措置の政策目的の有効性を十分に立証することができなかったこと、最近特に給与所得者を中心として、税制の不公平に対する社会的批判が高まってきていること等から考えて、かりに制度の急激な変動を避けるために経過的な措置を講ずる必要があるとしても、五年という期間はあまりにも長きに失すると思われますので、これを三年に改めるとともに、税率等についても所要の調整をはかることといたしております。
 すなわち、利子・配当所得の源泉分離選択制度は、政府原案では昭和五十年までの特例とし、源泉選択税率は、当初二年間は二〇%、その後三年間は二五%といたしておりますが、これを四十八年までの特例とするとともに、その間の税率は二五%に改めることといたしております。
 また、利子・配当所得の源泉徴収税率の軽減措置、確定申告を要しない利子・配当所得の特例及び少額国債の利子の非課税措置については、政府原案ではいずれもその適用期限を昭和五十年までといたしておりますが、これを四十八年までに改めることといたしております。
 なお、証券投資信託の収益の分配金については、利子課税の特例の場合に準じて、所要の修正を行なうことといたしております。
 さらに、割引債の償還差益に対する分離課税の特例につきましては、政府原案では、これを昭和五十年までの特例とし、源泉徴収税率は、当初二年間は八%、その後三年間は一〇%といたしておりますが、これを四十八年までの特例とするとともに、その間の税率は一〇%に改めることといたしております。
 次に、配当控除率につきましては、政府原案では二年間の経過措置を講ずることといたしておりますが、これに関する改正規定を全面的に削除することといたしております。したがいまして、四十六年分以降の配当控除率は、別途、所得税法の一部を改正する法律案で予定いたしておりますところにより、課税所得金額一千万円以下の部分については一〇%、同金額をこえる部分については五%とすることといたしております。
 第二に、法人税率の特例に関する部分について申し上げます。
 御承知のとおり、今回政府は法人税について、三五%の税率が適用される部分の負担を現行の五%増しに改める、つまり端的にいえば、その部分の法人税率を一・七五%引き上げることといたしておりますが、昭和四十年及び四十一年に、不況対策の一環として合計三%にわたる法人税率の引き下げが行なわれたこと、しかして、現在では法人所得が近来の持続的好況のもとで着実な増加を示していること、また諸外国に比べても、わが国の法人税率は低目にあること等々を考えれば、少なくともこの際、過去の引き下げ幅の取り戻しははかるべきであると思われるのであります。
 したがいまして、本修正案におきましては、税負担の増加割合を一〇%、言いかえれば、現行税率を三・五%引き上げて三八・五%とすることといたしております。
 以上、本修正案の趣旨及びその内容を御説明申し上げました。
 何とぞ、御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#16
○毛利委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#17
○毛利委員長 これより所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案並びに広瀬秀吉君外六名提出にかかる租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案を一括して討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
#18
○広瀬(秀)委員 私は、ただいま議題となりました所得税法、法人税法、租税特別措置法、各法の一部を改正する法律案について、政府原案反対、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する社会党修正案について賛成の討論を行なうものであります。
 まず所得税法でありますが、今回の減税額初年度二千四百六十一億ということでありますが、物価調整減税分を差し引くと大体千七百億程度になるわけでありまして、自然増収から見まして非常に減税額が少ない。物価高騰、生活難に悩む勤労所得者に減税のありがたみをしみじみと味わうようなものになってはいない。こういうことが反対の第一の理由であります。
 さらに、課税最低限の問題でありますが、この課税最低限の問題も、今日ようやく税調の長期答申の線が実現したということになっておりまするけれども、今日の物価の状態、一般的な消費生活態様の急激な変化というようなことを考えますと、これも、実際的に、いわゆる消費支出、生計費、生活費に課税しないという原則からいって低きに失しておる、こう言わなければなりません。
 さらに、未成年者の場合、特に独身勤労者、こういうものについての課税最低限は、いろいろな意味においてこれも低きに失して、同世代の大学生諸君と比べても、片方は国費の支出がたんまりある、片方は、日本経済発展、産業発展のために勤労の汗を流している立場にある人たちが仮借なしに課税対象になるというような不公平があるわけでありまして、この点が第二の反対理由であります。
 さらに、給与所得控除等の問題につきましても、特に低所得者に有利に働く定額部分の引き上げというものは据え置かれているというようなことからいいまして、しかも税調答申を上回って、一部与党の圧力に屈服して四百万円まで五%の定率部分を伸ばした、こういうようなことが、部課長減税から今度は部局長減税というような、国民からの酷評を浴びるゆえんであります。
 さらに、昨年来、総理大臣はじめ大蔵大臣も、妻の税制上における優遇措置を講じますと言いながら、今日、内職、パートタイムなどが二十二万五千円以上稼得するならば配偶者控除を受けられないというようなことについて何らの手を触れていないということは、これは政治的食言であろうと思うわけであります。
 次に、法人税の問題であります。
 現行法人税率は、ただいま社会党の修正案提案者が申し上げましたように、本来これは不況対策として三%の引き下げが四十年、四十一年にわたってとられたわけでありますが、今日不況対策から完全に脱却して、いまや日本経済は、景気の行き過ぎ、総需要の抑制、物価騰貴、インフレ、こういうようなものを抑制しなければならぬ、社会資本が絶対的に立ちおくれておる、こういうようなものを克服しなければならないというような、新しい、発展した時代になっておるわけであります。こういう時代に、法人税本法を修正をして、前の税率三八%以上に復すべき改正が当然行なわれるべきであったのでありますが、これを行なわないで、大企業、大資本、財界の強訴に屈服して、一・七五というような、まことに情けない税率引き上げになった。まことに勇断のない措置であるといわなければならぬわけであります。若干、同族法人等について改善が見られるにしても、このことのゆえに法人税改正に賛成するわけにはまいりません。
 租税特別措置につきましては、この租税特別措置が課税公平の原則を踏みにじっていることは、もはやだれ人も疑わないところであり、しかも政策効果をねらう減税だといいながら、政策効果を証明されないままにおいて、今日まで長期間既得権化し、慢性化してきておるわけであります。ことしだけでも、地方税を合わせまして五千百二十二億という巨額に達するわけであります。これは一種の隠れた補助金であることに間違いありません。
 こういうようなものについて大なたをふるうべきが、税の立場からいって当然でありますが、今日利子・配当の優遇特例の問題につきましても、きわめて微温的な、しかも三年、二年の経過措置を設けたり、あるいは五年というような長い期間を設けたりというようなことで温存をはかっておることは、まことにけしからぬ話でございます。
 さらに、租税特別措置につきましては、本委員会においても十分審議しましたが、輸出振興税制の優遇措置というのは、もはや時代が変わってまいりました。外貨蓄積も順調に推移して、いまやこの外貨をどうして使うかということが問題になっているときに、そして四十五年度の見通しにおいても四十億ドルも貿易収支において黒字が出るという経済見通し、そして総合収支でも十億七千五百万ドルも外貨積み増しがあるだろうというようなところにきておる。円切り上げの外圧を押えねばならぬというような意味からも、また非関税障壁などを諸外国から非難をされ、かえって報復措置を受けるようなことにもなりかねない。このような問題については、廃止を含めて大なたをふるうべき段階と思うわけであります。
 その他、医療保険診療報酬に対する特例をはじめ、減耗引き当て制度、あるいは金融機関等の貸し倒れ引き当て金、特にこの矛盾も私ども指摘をいたしました。四百億ぐらいの貸し倒れ額に対して六千五百三十億もの引き当て金が企業に積み立てられているというような、驚くべき優遇措置であると思うわけであります。
 交際費課税の問題等につきましても、損金算入否認額はわずかに、七千七百億からの交際費支出に対して千六百億、否認率二一・一%というような状態でございます。
 こういう問題点を私は指摘をいたしまして、政府はこれらの問題点に率直に活眼を開き、税は担税力に応じ公平に、そして生計費には課税しないとの大原則を踏まえて、矛盾と不公平に満ちた今日の税制に対し抜本改正を行ない、いま申し上げました理想実現に向かって大きく前進することを強く要求して、政府原案反対、社会党提案の租税特別措置法の一部改正の法律案に対する修正案に対する賛成の討論を終わる次第であります。(拍手)
#19
○毛利委員長 貝沼次郎君。
#20
○貝沼委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行なうものであります。
 まず、所得税につきましては、今国会にて終始主張してまいりましたように、このたびの改正案は、昭和四十三年七月の税調長期答申の完全実施であり、史上最大の減税であるとうたっておりますが、その中身は、最近の平均世帯構成が夫婦子二人であることと、税調答申より二年間の実施のズレから見て、その間の物価高騰を考えますと、大幅減税とはいうものの、実質的には何ら中身のないものとなるのであります。
 それは、減税総額の面から見ても明らかであります。つまり、一兆三千七百七十億円もの自然増収がありながら、初年度でわずか千七百六十八億円の減税であって、減税とはいっても一種の取り過ぎの調整なのであります。
 これでは、国民の重税感を少しも緩和したことにはならず、ますます騰勢を強めてきている物価高の中で、かえって重税感を高めることになることは明らかであります。
 次に、法人税率について見ますと、法人税率が四十年、四十一年で合計三%の引き下げをした経過からも、また立ちおくれた社会資本充実のためにも、さらに法人税負担が戦後最低であり、諸外国に比べてなお低い水準にあることからも、二%の引き上げは当然のことであります。それが一・七五%にとどまり、さらに二年間の暫定的なものになってしまったことは、はなはだ残念であるといわざるを得ません。
 さらに、その課税対象が留保所得分に限られたことは、配当性向の高い企業を優遇することになり、七〇年代財政の支柱である高福祉高負担路線より法人税法のみがはずされてしまった感を強く受けるわけであります。
 次に、租税特別措置法についてでありますが、わが党は、年来この大幅整理をすべきであることを主張してまいりました。租税特別措置法は負担公平の原則を犠牲にするものでありますが、それゆえに、それによって失われる犠牲が最小であることが望ましいことは当然のことであります。さらに、租税特別措置は必要最小限にとどめるべきであり、その政策目的が達成したと判断されるものについては、すみやかに改廃を進めるべきであります。
 ところが、わが国の租税特別措置法は、その発足の当初とは大きく性格が異なり、きわめて大企業擁護のものとなり、しかも、それが既得権化してしまっているのであります。
 しかるに、今回の改正案を見ましても、若干の統合整理が行なわれたとはいうものの、利子・配当軽課措置、交際費に対する特例などが依然として温存されているのであります。しかも、政府は今回、引き当て金、準備金、特別償却等の新設及び拡充を通して、国民に不可視的な分野で免税措置を整備拡充しようとしていることは、とうてい納得できることではありません。
 以上の理由によりまして、わが党はこれら三法案に対して反対するものであります。
 なお、社会党より提出された修正案には賛成するものであります。(拍手)
#21
○毛利委員長 竹本孫一君。
#22
○竹本委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました三法律案並びに租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、前者に対しては反対の、後者に対しては賛成の意向を表明するものであります。
 四十五年度の税制改正に盛られた所得税の減税規模は、初年度約二千四百六十億円、平年度約三千五十億円で、政府・与党は、これをわが国史上最高の減税であると言っておられますけれども、八兆円近い予算規模で一兆三千億円をこえる自然増収がありながら、この程度の減税では、史上最高を誇るに足る実質的大幅減税であるとは申せません。しかも、当委員会における政府側の説明によれば、このうち約五百三十億円は物価調整減税に匹敵するとされておりますので、実質減税は初年度において二千億円程度でありまして、自然増収の六分の一という勘定になります。しかもこの数字は、四十五年度における消費者物価の上昇率を四・八%と見込んだ場合の数字でありまして、物価上昇率がこの程度でおさまらないことはいまや明白であります。同じく政府側の説明によれば、上昇率を六%と見込んだ場合に必要な調整額は七百二十億円とされておりますので、その場合には実質減税規模は僅々千七百億円程度となるのであります。
 また、今回の所得税改正の結果、夫婦子供三人のサラリーマン世帯の課税最低限は約百三万円となり、年収百万円までは所得税をかけないという税調のいわゆる長期答申が完全に実施されるということになるのでありますが、長期答申をまとめた時点からすでに数年を経過しており、その間における所得永準や物価の上昇が急激に行なわれたことを考えますと、この程度ではサラリーマンの重税感を払拭することはとうていできません。政府は、外国との比較において、この辺で一応目標を達成し得たと考えておられるようでありますが、わが国民の蓄積の少ないこと、物価の上昇の趨勢がきわめて激しいこと等を考えますと、そうした形式的な比較論だけでははなはだ現実的でないと思うのであります。
 また、政府は、従来から五人家族を基準にして課税最低限の目標を立てておりますけれども、御承知のように、最近における家族構成の実績からすれば、夫婦子供二人の四人家族を基準にして考えるべきことは当然であります。
 さらに、今回の減税案の中身を見てまいりますと、給与所得控除の拡大にしろ、税率の緩和にしろ、その恩恵は主として中以上の所得者層に厚く及ぶことになっており、低所得者、なかんずく独身サラリーマンなどは、減税のワク外に置かれているということを考えなければなりません。
 特に、政府案がきまる大詰めの段階で、自民党がサラリーマン減税に名をかりて、給与所得控除のうち、五%定率控除の適用範囲を、一挙に当初案の年収三百十万円から四百十万円に引き上げたことなどは、全く高額所得者への優遇を拡大したものであります。もしそのような財源があるのならば、われわれの主張するごとく、むしろ独身サラリーマンに恩恵の及ぶ定額控除部分の引き上げにこれを回し、まだ選挙権も与えられていない中学、高等学校卒業のサラリーマンが、就職の年もしくはその翌年から所得税を天引きされておるという問題の解決に寄与すべきではなかったかと思うのであります。
 申し上げるまでもなく、わが国の一人当たりの国民所得や蓄積水準は、先ほども申しましたように、まだ国際水準に比較してはなはだ低く、また所得階層分布が著しく下寄りであり、なお多くの中小所得者階層にかなりの所得税負担を課しているという実態、さらには、物価上野に伴う負担累増の傾向が特に中小所得者層に著しいという現実等を考えますならば、少なくとも国税の課税最低限は、夫婦子供二人のサラリーマンで百三十万円程度にすべきであり、また地方税の課税最低限についても、これに準じて大幅な引き上げを行なうべきであろうかと思います。
 また、中小零細企業主の報酬についても、その勤労性所得の特質にかんがみ、われわれの主張するごとく事業主完全給与制の実現を目途に、この際思い切った再検討を行なうべきであろうと思います。
 次に法人税の改正でありますが、戦後におけるわが国の法人税率は、昭和二十七年に四二%に引き上げられた後は、漸次引き下げの方向をたどっておりますが、特に四十年度から四十一年度にかけましては、不況対策の一環として合計三%の引き下げが行なわれているのであります。しかして、最近の法人企業の状況は、近来にない好況を持続しており、一方またわが国の法人税率は、西欧諸国に比べても低い税率となっておるのであります。したがいまして、この際、法人所得の増大傾向と法人実在の現実に即して、行き過ぎ、走り過ぎの景気調整の意味も含めて、少なくとも過去の引き下げ分は取り戻すべきであろうと思うのであります。
 次に、利子・配当課税の改正についてでありますが、改正案では、資産性の強い利子所得については、現行の一五%分離課税制度を源泉選択制度に移行させ、総合課税に近づけることを考えておりますが、源泉課税を選択した場合の税率は、初めの二年分については二〇%、あとの三年分については二五%とされております。しかしこの程度では、この適用を受けるであろうと思われる高額所得者にとっては、現行の分離課税の税率が若干高められるというのにすぎません。源泉選択制度の導入によって真に税制の公平化をはかろうというのであれば、源泉税率を思い切って高めなくてはその効果はあがらないだろうと思います。あるいは、改正案が五年としている経過措置をもっと短縮して、すみやかに総合課税に切りかえる努力を行なうべきではなかったかと思うのであります。
 また、配当所得については、源泉選択制度と少額配当の申告不要制度をともに延長することといたしておりますが、これらの制度はいずれも四十年に証券界に対する不況対策として創設されたものであり、ダウ平均が二千円あるいは二千五百円をこえる現時点においては、もはやその存在意義は全く失われているといわなければなりません。また、配当控除率の圧縮についても、その幅が当初案より大幅に後退いたしました。その結果、配当所得者の課税最低限と給与所得者の課税最低限との格差は依然として大きく開いており、資産所得と勤労所得間における負担の公平化は少しも改善されていないといってよいのであります。
 政府は、四十五年度の税制改正は、六〇年代の税制の総決算であるとともに、新しい七〇年代税制の幕あけであると言っておられます。当然そうでなければならないのであります。議会政治が租税の民主化要請に沿って発達したものであることは御承知のとおりでありますが、その原点に立ち返って考えれば、いまこそ七〇年代の初頭にあたり、主税の抜本的改革を断行し、新しい民主税制のビジョンを力強く打ち出すべきであります。
 しかるに、以上述べてまいりましたとおり、所得税の課税最低限はいまだに不十分であり、依然として大衆課税の域を脱しておらず、特に低所得サラリーマンに対する配慮が微温的であり、また、大資本や高額所得者の既得権益の排除に勇断がふるわれていないことはまことに遺憾であります。したがいまして、三つの政府原案に対しては遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。
 なお、修正案につきましては、以上申し上げました趣旨にかんがみ、賛成の意向を表明するものであります。
 以上をもって私の討論を終わります。
#23
○毛利委員長 小林政子君。
#24
○小林(政)委員 私は、日本共産党を代表して、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対して、反対をいたします。
 以下、順次反対の理由を申し述べます。
 所得税法の改正法案は、所得税負担の軽減をはかるため、所得税の減税を行なうものとされておりますが、その内容は、自然増収という名の大増税をはかってのことであり、しかもそれは部課長減税、高額所得者と大資本家への減税であるということについてであります。
 その第一は、所得税減税額は初年度二千四百六十一億円でありますが、これは国税の自然増収一兆三千七百七十億円の一八%、所得税の自然増収六千五百億円の三八%にすぎないもので、しかもその内容は、高額所得者、部課長減税であって、中小企業、一般サラリーマンにとっては、物価上昇、名目所得増加による税負担増を考えると、実質的な家計への税負担は軽減されないものといわなければなりません。具体的な減税額は、独身者の場合、年収五十万円の給与所得者の減税額はわずか年間千円にすぎないものであり、政府の所得税減税、サラリーマン減税は上に厚く下に薄いものであります。
 第二の問題は、課税最低限がきわめて低いという点であります。委員会の審議過程で明らかなごとく、生活費に食い込む重税であることは明らかであります。わが党は、勤労者が普通の生活ができるよう、最低限度必要な生活費に税金をかけないという立場からも、人的控除に重点を置き、課税最低限を独身者六十万円、四人世帯百三十万円、五人世帯百五十万円にすることが必要であると考えます。
 次に、給与所得控除についてであります。政府は、この三年来サラリーマン減税を一枚看板にしてきましたが、給与所得控除の定額十万円は、この三年来物価が高騰しているにもかかわらず据え置きのままとされ、定率控除の対象金額は三カ年に三百万円も引き上げられたのであります。そして、給与所得のうち約八〇%を占める収入九十万円までの給与所得者の控除は一円も上げずに、わずか一、二%にすぎない年収三百万円から四百万円の部課長クラス、高額所得者を減税の対象にしたものであります。これではサラリーマン減税ではなく、二〇%の重役減税であると断ぜざるを得ません。
 わが党は、低額所得者の負担軽減を人的控除の引き上げを基本としながらも、給与所得の控除の定額を引き上げるべきだということを主張するものでございます。
 以上、今回の所得税法の改正案は、高額所得者のための減税であって、中堅以下の層に重くのしかかる負担増を調整するというもので、実質上の減税というものではないのであります。わが党は、勤労者の大幅減税を行なうことを強く要求いたします。
 次に、法人税法並びに租税特別措置法の一部を改正する法律案についてであります。
 法人税や利子・配当課税ではわずかな手直しをしているにすぎず、法人税では六百十億円、利子・配当課税三十億にすぎません。また企業体質の強化、基礎資源の開発、情報化の促進などを理由に、租税特別措置を広げ、大企業、大資本の利益をはかっています。税制の不公平は解消されないどころか、かえって拡大され、勤労者には依然として重税が強められているといわなければなりません。法人税率の引き上げは本則をそのままにし、加重税の方式を取り入れ、景気調整と称して、財界、政府の都合によって、基本税率を恣意的に変えるということに道を開くものだという疑義を深めるものでございます。
 さらにまた、大資本に対し特別に減免している一切の特別措置を廃止して、正当に課税するために、利子・配当所得の分離課税の方式をやめて総合課税とし、高度累進税率を適用することを要求いたします。
 以上、反対の理由を明らかにして、改正法案三法について反対をするものでございます。
 最後に、社会党の修正案につきまして、法人税率の問題についても、本則をそのままにして一定の税率をかけるという方式をおとりになっておりますが、このようなやり方に対しては賛成することができないのでございます。むしろ本則を直ちに直すべきであるという考え方を私どもは主張いたしております。
 以上をもって討論を終わります。
#25
○毛利委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより順次採決いたします。
 まず、所得税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#26
○毛利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 次に、法人税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#27
○毛利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、広瀬秀吉君外六名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#28
○毛利委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#29
○毛利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#30
○毛利委員長 この際、所得税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して藤井勝志君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。高橋清一郎君。
#31
○高橋(清)委員 ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を簡単に御説明申し上げます。
 案文はそれぞれ印刷してお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。
 一、まず附帯決議の第一項は、今後とも引き続き所得税負担の軽減をはかるべきであるとの趣旨に発するものであります。
 本日議題とされております税法関係改正法案のうち、特に所得税法の改正案は、昭和四十三年七月の税制調査会の答申を完全に実施しようとするものであり、平年度三千億円を上回る減税により、納税者の負掛は実質的にかなり大幅に軽減されるものと期待されております。しかしながら、この大型減税に満足し、これをもって所得税減税に終止符を打つということは許されません。今後とも所得水準の上昇が期待され、また、物価もある程度の上昇が見込まれるのでありますから、引き続き所得税負掛の軽減につとめることは、四十六年度以降においても税制改正の中心課題の一つとなるべきであると考えます。
 今国会における所得税法、法人税法及び租税特別措置法の一部改正案の審議におきましてもこの問題は繰り返し討議され、なかんずく給与所得控除の定額控除の引き上げ、給与所得者のその他所得についての確定申告不要限度の引き上げ、内職収入を有する配偶者に対する配偶者控除の適用限度の引き上げ、老年者控除の適用年齢と所得制限額の引き下げ、未成年勤労者の控除の創設、独身者の負担の軽減、寡婦の長子にかかる扶養控除の引き上げ、住宅控除及び教育費控除の創設、さらには個人事業所得について勤労所得控除を設け、勤労性所得と事業性所得について明確な取り扱いをしてはどうかというような各種の論議が展開されました。
 今後においても、所得、物価水準の推移等に即応して、所得税の負担の軽減合理化、特に給与所得者のその他所得の確定申告不要限度の引き上げ等に努力すべきであるとするのが第一項の趣旨であります。
 二、第二に租税特別措置につきましては、特定の政策目的を達成する手段として重要な役割りを果たすものとされておりますが、同時に税負担の公平をそこなうという問題も否定できません。したがって、常にその既得権化ないしは慢性化を排除し、政策効果いかんなどについて適切な見直しを行なって、その整備合理化に努力することを政府に要請するのが第二項の趣旨であります。
 三、最後に第三項について申し上げます。国民にとっては、国税も地方税も同じ税金であります。したがって、国税、地方税を通じた税負担の軽減合理化は国民のひとしく望むところであります。また、国税、地方税を通じて納税手続と徴税機構が簡素化されることは、納税者にとって便宜、簡明な制度となり、徴税コストも最小となるという点できわめて望ましいことであると考えられます。
 地方自治の問題、国と地方間の行財政の配分などの基本的な検討の一環として、政府が納税者の立場を尊重するという基本的姿勢で、この問題に真剣に取り組んで検討を行なうことを強く希望するものであります。
 以上が附帯決議案の提案の趣旨であります。
 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
   所得税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
一、政府は、今後においても、所得、物価水準の推移等に即応して、所得税の負担の軽減合理化(給与所得者のその他の所得の確定申告不要限度の引上げ等)に努力すべきである。
一、政府は、今後とも租税特別措置の整備合理化に努力すべきである。
一、政府は、国及び地方を通じた税制のあり方につき、総合的な観点から検討を行なうべきである。
    ―――――――――――――

#32
○毛利委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 おはかりいたします。
 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本附帯決議に対し、政府の所信を求めます。福田大蔵大臣。
#34
○福田国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、今後とも税負担の適正化に努力いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#35
○毛利委員長 次に、おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#37
○毛利委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時散会
ソース: 国立国会図書館
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