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1970/03/13 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 法務委員会 第6号
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1970/03/13 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 法務委員会 第6号

#1
第063回国会 法務委員会 第6号
昭和四十五年三月十三日(金曜日)
    午前十時二十七分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 小澤 太郎君 理事 福永 健司君
   理事 畑   和君 理事 沖本 泰幸君
   理事 佐々木良作君
      石井  桂君    江藤 隆美君
      島村 一郎君    永田 亮一君
      羽田野忠文君    下平 正一君
      中谷 鉄也君    林  孝矩君
      岡沢 完治君    松本 善明君
 出席政府委員
        法務政務次官  大竹 太郎君
        法務大臣官房長 安原 美穂君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総長      岸  盛一君
        最高裁判所事務
        総局総務局長  寺田 治郎君
        最高裁判所事務
        総局経理局長  大内 恒夫君
        法務委員会調査
        室長      福山 忠義君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  柳田 秀一君     中谷 鉄也君
  西村 榮一君     岡沢 完治君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷 鉄也君     柳田 秀一君
  岡沢 完治君     西村 榮一君
    ―――――――――――――
三月十一日
訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第七五号)(予)
 戸籍法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
 六号)(予)
同日
 交通事犯の民事訴訟簡易化等に関する請願(福
 田篤泰君紹介)(第一〇二一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三八号)
     ――――◇―――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。畑和君。
#3
○畑委員 裁判所のほうにお尋ねいたしますが、まず今度の定員の増加、これに関連をいたしまして、予算全部についてちょっと聞きたいのです。
 全体の総予算のうちで裁判所の予算の割合、それと先年度に比べて四十五年度の予算の増加の大体の割合、全体の伸び率は、総予算のほうは一七・九五ですか、ところが裁判所関係のほうの増加の伸び率はどういう率になっておるか、その点をまず伺いたい。
#4
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま畑委員からお尋ねのございました点は、私どものほうとしては、経理局の所管に属することで、経理局長もいますぐ参ると思いますが、私からまず概要を申し上げたいと思います。
 ただいま御審議いただいております裁判所の昭和四十五年度の予算総額は、約四百八十九億でございまして、国の予算全体に対します比率は〇・六一五%、こういうことになっております。昨年度予算に比較いたしましての伸び率は大体一五・四%、こういうことになっておるわけでございます。
#5
○畑委員 いままでそういう割合で大体きたのだけれども、ことしは全体の予算額のうちの割合も、前よりも減っておる。前回〇・六二五だということになっておりますが、今回の場合は〇・六一五ということで、全体の総国家予算の中で占める割合自体が、とにかく大体一%に満たないということなんですね。大体そういういままでの慣例みたいになってずっときておるのだけれども、私は、どうもこの裁判所関係の予算が、全体の国家予算のうちで一%にも満たない、わずかに〇・六%だということ、このこと自体、一体それでやっていけるのかという感じがするのです。今度の伸び率も、総予算が一七・九五%、防衛費などだって一七%の増だ。ところが、おたくのほうは、もっとそれよりも少ない一五・三五%というふうに、私どもの計算はなりますが、総国家予算の中で占める裁判所予算が、いままで大体慣例的にずっと低い。それに加えて、今度の伸び率が、総体の伸び率に比べ、また防衛費等に比べても、もっと低い。こういうことは、裁判所の側では、もっともっとふやしてもらいたいと思うのだろうけれども、予算折衝の過程で裁判所が非常に弱腰というのか、もうそれで足りるのかどうか知らぬけれども、ぼくは足りるとは思っていない。おそらくもっとよけいに概算要求はしていると思うのです。先年度の場合もそうだろうと思う。相当請求したけれども、やはり大蔵との折衝の間で削られた。今度もそうだろうと思います。そういう点で、私はいろいろ疑問を持っているのです。
 裁判所というのは政府ではないが、ひとしく国家の機関であって、しかも少なくとも政府と肩を並べて、国会と肩を並べている存在だ。その権威というものもやはり大きく頭に入れてかからなければならぬと思います。そういう点で、どうも行政官庁のほうが優遇をされている、裁判所は非常に冷遇を予算面においてされている、こういう感じがしてならない。寺田さんはじめ裁判官をやられた方々が、ほとんど事務当局をやっておられる。非常に御苦労で、大体裁判のほうは得意だけれども、予算を獲得したりなんかするのはなかなか不得手なんだろうと思います。それを、法務省も関係をして予算折衝で最後に妥結することだと思うのでありますけれども、そういう特殊な立場、非常に弱い立場じゃないか。しかも、いま言った事務を担当されている方々が、大体裁判官で、きわめて控え目な人たちがそろっていらっしゃる。こういうことも大きに私は影響するのではないかと思うのでありますけれども、その辺は、どうお考えでしょうか。これは事務総長がおると一番いいのですが、寺田さんでけっこうです。
#6
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま事務総長というお話がございましたが、事務総長は間もなく参ると思います。新聞で御承知のとおり、いま民事裁判官会議をやっておりまして、中座いたして参りますが、ちょっとおくれておりますので恐縮でございます。
 なお、いま御指摘の点、これは経理局長の所管でございまして、御質問の途中から経理局長参っておりますので、とりあえず、まず私から御説明申し上げまして、また、だんだんのお尋ねに対しては、経理局長から詳細に御説明を申し上げることにしたいと思います。
 確かに裁判所予算の全体の予算に占める比率が減っておりますことは、御指摘のとおりでございます。そうして私どもとしては、極力裁判所の予算を伸ばすことに努力してまいっておることも、いま御指摘のとおりでございまして、たいへん御理解のあるお話であったわけでございます。ただ何と申しましても、各省の予算の中に相当大きな部分を占めますのが、いわゆる事業費のように伺っておるわけでございます。これはお隣の法務省も、私どもとかなり似通った性格の予算かと思いますが、要するに内部の事務的経費というものが主を占めるわけでございまして、ことに人件費というものが八割を占めているというのが裁判所の予算の中心であるわけでございます。そういうことでございますので、私どものほうで要求いたしますこと自体が、新たな事業ということがございませんために、結局事件の推移ということに伴います人件費あるいは旅費その他を要求する、こういうことになります。したがいまして、これは決して控え目ということではないわけでございますけれども、十分な経費として要求いたしまして、それで妥結いたします比率というものは、結果においてはやはり九七%程度に達しているわけでございます。いま御審議いただいております定員法については、だんだんお尋ねがあると思いますので、その際に詳しく申し上げたいと思いますけれども、これにつきましても、単に予算が計上されないために増員ができないと申しますよりは、いろいろ給源その他のほうにも問題があるわけでございます。そういう関係もございまして、われわれとしては、十分の努力をいたしているつもりでございますけれども、しかしながら、法務委員会でいつも御激励をいただくわけでございまして、そういう意味で、私どもとしては、今後とも出そう努力をしてまいりたい。決して現状で完全に満足しているわけではございませんけれども、それぞれの年度において、その予算であれば十分に運営できるということでもって国会にお願いをいたしている、こういう次第でございます。
 なお、こまかい点につきましては、だんだんの御質問がございますれば、経理局長なりから詳しく御説明を申し上げさせたいと思います。
#7
○畑委員 今度の増額された予算で見ましても、六十五億くらいが増額になっているが、そのらち、その数字をひっくり返した五十六億くらいが人件費の増のようであります。したがって、事務費関係のほうは幾ばくでもないということだと思う。
 そこで最近は、私もあまり裁判のほうに立ち会う機会が少ないのでございまして、ほんとうの最近の実情はよくわからないけれども、むすこの弁護士などの話を聞いたのでありますけれども、事務経費なども、いろいろ物件費関係も相当窮屈なように見受けられます。特に下級裁判所、独立の簡裁あたりですが、どうもその辺は、暖房費なども十分ではないようです。こう全体として予算も大きくなったし、国民の生活も豊かになったのに、裁判所に行って寒い思いをする、こういうようなぐあいに話を聞いている。もう実は、割り当てられた予算が、暖房費がないのです。したがって、どうも灯油を買う金がない、こういうことで弁護士会のほうから出してもらえればやれるのだけれども、というような声を聞いてきたのを、私は間接に聞いたのですが、私がかつて弁護士を盛んにやっている時分は、もう十年以上前でございましたが、その当時は、状況上どうしても寒い思いをずいぶんしました。そのときも東京の裁判所に比べて浦和、さらにもっとへんぴの裁判所は、暖房設備がほんとうになくて、火ばちをかかえてせいぜいやる程度、こういう状態であって、中央、地方の非常な格差について、われわれ弁護士自身が不満を持ったのでありますが、いまやこういう時代になったのだから、末端の裁判所等においても、せめて暖をとるくらいは――普通の家庭でもりっぱにとっているのだから、その辺を、もっとやはり末端のことを考えてやる必要があるのではないか。そしてそういうところは、勇敢にどんどん要求をして、実情を示してやってもらうことによって、やはり地方の下級裁判所等のそうした環境というか、物的な不自由をあまりさせないように――そういうところがどれだけあるかわからぬのですが、実はそういう心配をいたしておるわけです。この辺も十分ひとつ、末端のほうの実情をよく検討されて、そうした不自由をさせないようにひとつしてもらいたい。そのためにはどんどん、もっと勇敢に予算要求をされるということが必要だ、こういうふうに痛切に考えております。ほかの官庁と違って事業費というものが確かにない。おもに事務的なものであって、しかも訴訟の受理件数、扱いの件数、こういうものが大きくそういったものを左右する基礎になる。最近刑事事件がだいぶ減ってくるような傾向にある。逆に民事は相当ふえておるようでありますが、そういう点が一番の指標になることはやむを得ないことではあると思うけれども、しかし、裁判所はほかの官庁とはまた別な、独立した三権分立の機関でもあるのだから、そういう点をある程度権威を保つ――権威を保つというのは何も必ずしも形式的なことを言うのではないが、寒い思いをして権威を保てるはずはないので、やはり十分なそういった環境にして、形式的にそういうことが十分であって初めて実際に国民がたよれる裁判所というような感じも出てくると思う。裁判所に行って、かえって逆に寒いというのはいかぬ。そういう端々をとらえて恐縮だけれども、そういう点がまだあるのじゃないか。また各庁によっては、大体建てかえ等も済んでだいぶよくはなってきておるけれども、その辺まだ未解決の部分が相当あると思う。この辺を定員法の改正の審議にあたってちょっと申し上げたかった。その辺ひとつ十分に配慮をして、勇敢に予算獲得折衝をしてもらいたい、かように希望いたしておきます。
 それから続いて、こまかい点になるわけでありますけれども、今度の定員の改正によって一体どれだけ定員がふえるのか。それを先年度に比較をして、裁判官あるいは一般の職員、そういった方に分けてひとつ説明していただきたい。
 それから、減員があるようでありますが、その点の減員の関係ですね。政府のほうで、行政管理庁のほうから五%を、五年間でしたか三年間でしたか忘れましたが、何年間かにわたって減らすということで、各庁ともそうなっておるようでありますけれども、裁判所はそういった関係はどういうことになっておるのか、その定員削減について裁判所もやはり拘束されるようになっておるのか、あるいはおつき合いでやっておるのか、その辺もあわせてちょっと承りたい。
#8
○寺田最高裁判所長官代理者 畑委員の前段にお話しいただきました点、まことにごもっともなことばかりでございます。ただいま経理局長もこの席に参っておりまして、お話を十分伺っておりますので、今後とも従来に増して、その方針で十分やってまいろうと考えているわけでございます。
 後段でお話のございました定員の問題でございますが、お手元に法務省のほうから参考資料をお届けいたしているわけでございますが、その二ページの第二表にございますように、現在の判事の定員、これは高裁長官を含めまして千二百七十六、これはそのままでございます。それから判事補が五百二十七というのを、二十名増員いたしまして五百四十七となるわけでございます。簡裁判事は七百六十二ということになっておりますが、五人増員いたしまして七百六十七にしていただきたい、こういうことになっているわけでございます。
 それから次に、一般の職員の関係でございますが、それは第三表にございます。第三表をごらんいただきますと、まず書記官でございますが、書記官の定員が六千三百六十八というのを二十五増員いたしまして、六千三百九十三ということにお願いしておるわけでございます。それから家裁調査官、補を含んでおりますが、これは千四百二十四を十人増にして千四百三十四。それから事務官、事務雇が六千七百十二というのを七十増員いたしまして六千七百八十二ということで、その一般の職員の定員増の合計が百五、こういうことになるわけでございます。
 それから定員の削減の問題の御指摘がございました。御承知のとおり、内閣では、昭和四十二年の暮に、今後における定員管理についてという御方針を決定されました。当時は裁判所に対しては一応のお話があった程度でございます。その後昭和四十三年の八月に、重ねて各省庁別の定員削減目標というものを閣議でおきめになりまして、それに基づきまして、最高裁に対しましても一応の協力の御要請があったわけでございます。承るところによりますれば、国会のほうにも同様のお話があったというように聞いておるわけでございます。私どものほうは、国会同様、内閣からは独立した機関でございますから、内閣からそういう点において指示を受ける筋合いのものでは毛頭ないと考えておるわけでございます。ただ、しかしながら、このように現在御審議いただいておりますように、裁判所の職員も国家公務員であって、国会で定員をおきめいただき、予算も国会でおきめいただくということでございますから、それはさかのぼりますれば、国民の税金でまかなわれるものであるということでございますので、内閣のそういう御方針につきましては、われわれはわれわれなりにまたいろいろ考えて、協力できる面にわいて協力をし、協力できない面においては協力をお断わりする、これが当然であろうと考えるわけでございます。そういう点からまいりますと、現在、先ほど来畑委員からも御指摘のございましたように、訴訟遅延の解消ということが当面の急務でございます。また、内閣におかれましても、一律に削減と申しますよりは、やはり比較的不急不要の部分から比較的事務の多い部分に転換するというようなお考えも含んでおるようでございまして、そういう面からまいりますれば、裁判所は定員をふやしこそすれ減らすべき部門には当たらない、かように考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、私どもとしては、裁判部門に関します限りは、これは絶対に御協力申し上げるわけにはいかない。むしろ増員を強く要求するということになるわけでございます。ただ、しかしながら、司法行政部門につきましては、やはりそれは一つの行政であるわけでございますから、裁判ときわめて密接な関連を持つものではございますけれども、やはり一つの行政であり、そうして行政であります限りは、そこに事務の合理化、簡素化、能率化ということもある程度可能であり、また努力をしなければならない。そういう意味におきまして、司法行政部門についてはある程度協力と申しますか、定員についてもやむを得ない面もあろうか、と申しますよりは、むしろ合理化、能率化を進めることによってその人員を裁判部門のほうに回す、こういうことが望ましいのではないか。結局端的に申しますれば、行政部門でできる限り能率化をはかって裁判部門のほうに回していく、こういう考え方でわるわけでございます。その一つのあらわれは、本年度五十人というものを司法行政部門で削減いたしまして、裁判部門のほうに回すということで、裁判部門では百八十人の増、司法行政部門では五十人の減ということで、差し引き百三十人の増ということを定員法の改正としてお願い申し上げておる次第でございます。
#9
○畑委員 法規的には別に拘束はされぬけれども、司法行政という点で、司法行政の部分について歩調を合わせる、こういうことであるということなんですね。その趣旨はわかったのでありますけれども、司法行政といっても、密接に裁判と関係する部分が裁判所こそ多い。したがって、そういう点で政府の施策に協力する必要はあろうけれども、その辺もひとつ裁判所の特殊性というものを十分説明をして、そうしてできるだけ人員を減らさずに済むようにしてもらわぬといかぬ。とにかく裁判所というものは、ほかの各省とはやはりだいぶ趣が違うと思うのです。しかも、すべてをさばく機関である、そういう意味では最高の機関であって、裁判所以外にさばくところはないのでありますから、そういう点で、ほかの官庁と違うという、やはり悪い意味じゃなくていい意味においての独自性というものをうんと主張してもらって、ただ単に右へならえで政府の方針に従うということだけではならぬと私は思うのです。そういう点で、今後とも気をつけてやってもらいたいと思います。
 ちょうど事務総長がおいでになったからお尋ねいたしますが、その点と、先ほど、国家予算の中に占める裁判所関係の予算の割合が非常に少ない。これは事業費がほとんどない。要するに、裁判の事件をさばくことが中心ですから、事業というものを各省と違ってやらないということで、裁判所の建物などが大体でき上がるということになれば、予算の増加の率も少ないと思うのです。そういう点でほかの各省に比べて割合がうんと低いという点はわかっておるけれども、しかし、それを十分考えに入れても、各省のあれに比べて少し少な過ぎるんじゃないかという感じがするわけです。
 そういう点で、実は先ほども、事務総長がおいでになる前に申し上げたのだが、そんなことを言ったって、そうじゃない、十分にやっていますと言われるかもしらぬけれども、どうも各局長はじめ課長さんでも、大体全部といっていいくらいに裁判官をやってこられた方々、したがって、非常に良識家でもあるし、がめつさがない。そういう点で予算折衝その他で遠慮をされがちではなかろうか。あまり遠慮していたんじゃ大蔵のあの官僚にはなかなかかなわない。あれは非常にいばっていてしようがない。各省でも不満がうっせきしている。やはり金元であるから、なかなかあれががんとして、昔は――いまでもとうか知らぬけれども、えらいところがあの辺に行って、日参して頭を下げて歩く、こういうような状況がいまだにあるんじゃないかと思うのだが、そういう点ではひとつ事務総長に陣頭指揮してもらって、それで、おれのほうは裁判所だから違うのだというところで、裁判所として十分に体面を保ち、権威を保つことができるように、三権分立の一つであるということで、ひとつその姿勢で予算折衝もやってもらいたいと思うのです。その点についての所見をひとつ事務総長にお伺いしたい。
#10
○岸最高裁判所長官代理者 裁判所の予算のことにつきまして、いろいろ御心配をいただいて、ありがたく存じております。
 裁判所の予算が、国家全体の予算の中に占める割合が少ない、これは仰せのとおりであります。しかし、これは別に弁解ではございませんが、各国共通の現象でありまして、これは裁判所の性格から、事業費それから政策費というものがない。また経済成長という、裁判所のほうはそういう点からの予算の増額というものは認められないわけであります。
 ただ、私ども常に予算要求にあたりまして念頭に置いておりますことは、御承知のとおり二重予算の請求権であります。二重予算、これは申すまでもなく、独立機関たる裁判所、また国会とかあるいは会計検査院もございますけれども、私ども常にこれを念頭に置いて、決して弱腰で相手と折衝しておるわけではございません。本年度は、時節柄非常にむずかしい増員についても百三十名の純増というものが認められましたし、また営繕費におきましても、昨年よりもはるかに伸びております。さらに重要なことは、これまでに類例のない、いわゆる裁判所の活動資金とも申すべき庁費、旅費等、つまり裁判所がその機能を発揮するに必要な経費も例年にないほど計上されました。これをもって決して十分であると安易に考えておるわけではございません。今後ともますます努力を重ねてやっていきたい、そういう考えでございます。
#11
○畑委員 わかりました。その考えでもっとさらに、私は鞭撻する意味も含んでおるんだから、大いに予算獲得をやってもらいたい。それには特に与党の理事などは大いに協力をすべきだと思うのです。これはしておるかどうかわからないが……。
#12
○高橋委員長 冷暖房のことをさっき言っていたんだから、事務総長に言っておきなさいよ。
#13
○畑委員 いま委員長も言っておったが、こまかい話だが、冷暖房の話、これはどうなのか、十分なのか。私のむすこにこの間聞いたら、こんなことを言っておった。どうも金がない、実は割り当てのあれがないんで、灯油が買えないんだということがあったそうだが、その辺はどうですか、経理局長。
#14
○大内最高裁判所長官代理者 ただいま畑委員から裁判所のこまかい実情につきまして御指摘をいただきまして、たいへん恐縮でございます。
 暖房器具の関係でございますが、裁判所といたしましては、大きい裁判所につきましては温風暖房あるいはスチーム暖房でございます。さらに全国的に、古いところでは昔からの石炭ストーブでございますとか、その他の各種の暖房器がございますが、私どもといたしましてはそれを石油ストーブに切りかえる、更新していく方針で年度計画を立てて現在やっておるわけでございます。現在移行の途中でありまして、まだ完全に実現しておりません。また、その燃料費でございますけれども、燃料費につきましては、予算的には前年度の支出実績を勘案いたしまして、各庁の実情に沿うようにお配りいたしまして、各庁で不足がございますと、不足調書を取りまして、必ずそれを配るというふうに実はいたしております。
 ただ、基本になっております石油ストーブそのものがまだ完全に配置されていないという状況でございますので、私どもといたしましても今後とも――ただいまたいへん御理解のあるお話がございましたので、この機会にさらに検討いたしまして、一刻も早くそうした器具を整備して執務環境に万全を期したい、かように考えております。
#15
○畑委員 いま切りかえの途中だという話も聞いたので、一部了承したわけですが、末端にいろいろそういった不平不満の声があるらしい。それを十分に上のほうに伝えるということもあまりないし、同時にまた、上のほうで下のほうのそういったあれを吸い上げるということについての姿勢が欠けているのじゃないだろうか。特に裁判所というところは、その性格上かどうか知らぬけれども、そういう感じもする。今後とも十分ひとつ、特に下級裁判所の実態などを把握していただいて、いま言った大きな庁舎がちゃんと建っているところは冷暖房もちゃんと完備していると思います。すみずみまで行き渡ることになっておるが、問題は各庁ばらばらになっておる。バラック式の昔の建築そういった独立の簡裁のようなところ、古い建物、そういったところはどうしてもそういう傾向になりやすい。やはり十分そうした末端に配慮をしたような予算の配分をしてやっていただきたい。同時にまた、そういった不満等も十分に吸い上げるようなあたたかい思いやりをひとつしてやっていただきたい、こう思うのです。
 それで、その点は了承しましたが、ところで今度百三十名の増だ。五十名をマイナスして、定員削減をして、その結果さらにそれでも百三十名ということになるのだが、これを見ますと、そのうち百名が法廷警備員。そうすると、その法廷警備員を引けばわずかに三十名ということになるのです。大体この法廷警備員というのはいままでにも百名くらいあるのですが、それが今度百名増して二百名ということになると思うのだが、現在の百名というのはいつの予算でこれはとられたものですか。四十四年度ですか、それともその前からの幾つかの積み上げでそうなっているのですか。
 その辺と、あわせて聞きたいのですけれども、百三十名のうちどうも百名が法廷警備員というのはあまり大きな顔できないのじゃないか。確かに最近、例の東大裁判はじめその他学生騒動で非常に法廷が荒れるということのために法廷警備員を急にまたふやされたと思うが、しかし、あれも一つのはやりものだと思うので、一、二年もしたら、もうこれは大体終息の傾向にあると思う。そうすると、ふやすとそのうちまた要らなくなるということにもなるのじゃないか。それは同じく事務官であるから、その辺を転換することができるのかどうか、そういう予定でいるのかどうか知らぬけれども、もしそういうことでもう要らなくなったときに、ほかの職の事務官のほうに回すつもりなのか、回すことができるのか。そうでないそれに適しない人を使ってもしようがないので、そういう見通し等もやはり考えてみる必要があるのじゃないか、こういうように思うのですが、その辺、百名の警備員の増の問題についてお聞きいたしたい。
#16
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいまお尋ねのございました法廷警備員の問題でございますが、純増百三十から法廷警備員の百を引けば三十という、確かにそういう計算には一応なりますけれども、私ども必ずしもそういうふうには考えておりませんので、先ほど申し上げましたように、減の五十人というのは司法行政部門でございます。そしてそれは、たとえば内部的な報告事項というようなものがございます。こういうものをかなり整理いたしまして、すでに三十数件整理したと考えております。その他機械化、能率化によって事務も減らしまして、そうして定員を減らすということでございます。増のほうはあくまでその減とは別個に増をいたすわけでございまして、たとえば書記官は二十五人、それは純増でございます。また家裁調査官も十人純増でございます。なお、執行関係の会計事務を扱いますために二十人、これも純増でございます。そういうふうに必ずしもいまお話しのような差し引き計算には考えていないわけでございます。
 そこで、法廷警備員自体に関する問題でございますが、現在百人おりますのは御指摘のとおりで、これは大体昭和二十九年ごろから三十年、三十二、三年ごろにかけて逐次定員化されたものでございますが、その後比較的法廷の秩序が順調に保たれておりましたために、その後数年間には特別に増員の措置をいたさなかったわけでございます。ところが、昨年から御承知のような状況になってまいりまして、集団公安事件というものがかなり各地で多発いたしておるわけでございます。あるいはその件数を申し上げてもいいわけでございますが、一々わずらわしいかと思いますけれども、相当の数に達しておるわけでございまして、全国的には四千件というようなことでございます。そういうものにつきましても、現在までできる限り従来の裁判所の職員、むろんその中にはすでに百人おります法廷警備員を含めてでございますが、法廷警備員の百人だけでは全国的にはとうてい不足でございますので、一般の職員を応援させていろいろ警備に当たってまいったわけでございます。今回この定員法なり予算が成立いたしますれば、またさらに百人、つまり倍増することになるわけでございます。なお、これに伴いまして警備関係の旅費もかなり現在御審議いただいております予算に計上されておるわけでございまして、単に百人という数以上に、ある程度機動的にこの警備をすることができるという、こういう関係になるわけでございます。そうなりますれば、自然従来、本来の職務でございます書記官事務あるいは事務官事務に従事しておりました職員が、警備にいわばかり出されるということもなくなるわけで、その限度におきまして法廷警備員の増員ということは、決して法廷警備のためのみではございませんで、一般の職員の本来の事務の遂行を容易ならしめる、かような面を持っておるということも御理解をいただきたいわけでございます。
 なお、法廷警備員の採用につきましては、これは従来からそういう職務に比較的適した、つまりからだもしっかりしており、その他十分警備にたえられるというものを人選して任用してまいったわけでございます。その人たちが将来どういうふうになるかという問題につきましては、現状におきましては百人の法廷警備員、今度のものを加えまして二百人の法廷警備員でもかなり機動的に使わなければならないであろうと考えておる状況でございますので、若干その事件が減りましてもこれで多過ぎると申しますか、そういう状況になることはいまのところちょっと見通しはつかないわけでございまして、遠い将来になりましてどういうことになりますか、これは別でございますが、私どもはむしろ二百人ではある程度人数的には不足な面もあり、これを機動的に使うことによって警備の万全を期したい、かように考えておるような次第でございます。
#17
○畑委員 本来その本務でない書記官だとか一般の事務官などが法廷の整理や何かを手伝わされる、それは非常にかわいそうだと思う。そういう点では法廷警備員をそういう時代の要求に応じてある程度ふやすということは必要かと思うのです。いまの話によると、それだけでもいまの現状では足りない、むしろそれを機動的に動かして、そのために旅費もふやして獲得してやる、こういう話でありますが、一体いままでの法廷警備員の配置はどんなふうになっておるか、それからまた百名増加した場合にはそれをどう配置をする計画であるか、その配置の計画についてひとつお尋ねいたしたい。たとえば浦和の地方裁判所あたりにはそういうのが配当があるのかどうか、二百名になれはそれが配当になるのか、あるいは東京から出張旅費をもらって、そういう当該の事件、荒れる法廷が予想されるときに出張していくのか、おそらくそういう形だと思うけれども、その辺がどうなっているのか聞きたい。
#18
○寺田最高裁判所長官代理者 法廷警備員の配置でございますが、現在大体大都会、特に高等裁判所所在地及びいわゆる六大都市を中心に配置いたしておるわけでございます。東京が三十人、大阪が十五人ということになっておりますが、これに準じまして各地にいるわけでございます。今回、増員になります法廷警備員につきましても、原則的にこのそれぞれ配置になっておりますところの数をふやすということが中心になる、かように考えておるわけでございます。
 いま、浦和のお話がございましたが、たとえば東京の場合でございますと、御承知のように、ほとんど毎日、いわゆる学生の事件が起きているわけでございます。したがいまして、法廷警備員が常時、出務態勢にあるわけでございます。これに対しまして、浦和でございますとか、千葉でございますとか、そういうところも確かにいろいろ事件はございますけれども、これは必ずしも毎日ではない。むしろ、一週間に一回とか半月に一回、そういう事件が回ってくるわけでございます。そういうところへ常駐いたしますことは、いろいろな意味でむだ表面もあるわけでございますので、できる限り東京等に集約的に配置いたしまして、そうしてそれから応援に出す。たとえば、あるときには浦和へ応援にやる、あるときには千葉に応援に行く、こういう形をとることが比較的能率的な運営ではないか、現在のところ、かように考えておりまして、大体そういう方針で配置いたしたいと考えております。もっとも、非常に特殊の地につきましては、あるいは別個な考慮も必要であろう、かように考えておる次第でございます。
#19
○畑委員 あとでひとつ、いまの配当のあれと、それから今度増員になった場合に、どう配当するかということを一覧表にして、私のところだけでもいいですから出してもらいたいと思います。
 そこで、ちょっと話が逆に戻りますけれども、百三十名の実質増で、そのうち百名が法廷警備員だ、実質は法廷警備員を除けば三十名である。その辺は、この前の四十四年の場合はどういうふうになっておったか。この前、ちょっと私も質問の中に加えたつもりだが、返事がなかったと思うので、この前は全体として幾ら増員要求して、幾らで妥結したか。今度の場合は、何名増員を要求して、それで何名で妥結したか。――まあ百三十名でしたね、そういうことになったんでしょう。去年は定員削減はまだなかったんでしょうか。その辺とも考え合わせなければならないと思いますけれども、その辺をひとつ説明していただきたい。
#20
○寺田最高裁判所長官代理者 昭和四十四年度は要求を――いまお話がございましたが、それは当初要求の御趣旨でございましょうか。
#21
○畑委員 はい。
#22
○寺田最高裁判所長官代理者 そういたしますと、当初、八月の時点で要求いたしました人員は約五百七十でございます。そうして、昨年度は純増百六十二ということで定員法をお願いしたわけでございます。その際に、五十人の減員があったわけでございます。
 本年度におきましては、ただいま御審議いただいておりますとおりの結果でございますが、当初要求は七百九十八、約八百でございます。
#23
○畑委員 一つ、法廷警備員の問題でちょっと気になることがあるのですが、最近の荒れる法廷で、訴訟指揮上――なかなかああいう学生たちは裁判官の言うとおりは言うことを聞かぬ。そこで、いろいろ整理をする必要がある。そういうときに、できるだけ警察官の出動の要請をせずにやろうという配慮だと思う。その点はぼくは、警察官の導入に比べれば、裁判所自体で警備をして、裁判官の指図に従ってそういった処置をするということのほうが、よりベターであるとは思うのですが、ただ、そうした法廷警備員というものをふやすことによって、かえって逆に、その法廷がますます荒れるということはないでしょうか。何となれば、それを刺激することによって、最近の学生はそれですぐ刺激されて、逆にますます荒れるという傾向にも在る。また、裁判官のほうも、法廷警備員がおるからということで、少し強引な訴訟指揮をやる可能性もある。やはり結果的に見なければならぬところだけれども、どちらがよろしいかということは、これはいろいろ裁判官によっても違うと思う。強引にやって荒れて、したがって、どうしてもそういう人が要る、警備員を必要とする、またついには、警察官の導入までしなければならぬというようなことにもなることもある。逆にそういうやり方ではなくて、若干時間をかけてもそうでないやり方でやって、かえって功を奏している、こういうこともあろうと思う。その辺を私は相当十分に配慮してやらぬと、法廷警備員をふやすことによって、訴訟指揮を反動化するおそれがないか、そういう心配も一部しておるが、その辺はどういうふうに考えているか、ひとつ承りたい。
#24
○寺田最高裁判所長官代理者 機動隊を導入する問題につきましては、畑委員のお話しのとおり、私どもも、特に法廷内にはそういうことをしないで済むようにということを心から考えておるわけでございます。法廷警備員の増員ということも、その点に非常な配慮を払っておるということのあらわれである、かように御理解いただきたいわけであります。
 そのあとの、法廷警備員の具体的な使用の問題につきましては、これは専門家であられる畑委員がつとに御承知のとおりかと存じますが、法廷内の訴訟指揮、さらには法廷警備の問題も含めまして、これは裁判所では、当該裁判官あるいは裁判長の方針、権限、やり方というものをできる限り尊重する――できる限りと申しますか、むしろもっぱらそれによってその訴訟指揮なり法廷の運営がうまくいくようにバックアップする。法廷内のことは無条件にそうでございますが、法廷外の警備につきましても、裁判長なり裁判官の訴訟指揮、法廷の運営がやりいいようにバックアップする、そういう気持ちでいつもやっておるわけでございます。その結果は、ある意味では、いま畑委員からもちょっと御指摘がありましたように、場合によっては、きびしい訴訟指揮なり法廷の運営がなされ、場合によっては、ゆるやかなやり方がなされるという場合も起こってこようかと思います。これは一つには、当該関係人、被告人、弁護士を含めまして、当該法廷をめぐる人々がどういうふうな心がまえで法廷に臨んでおられ、またどういう行動をおとりになるかという、時々刻々の状況とも関連するわけでございますし、ある程度までは、当該裁判長の一つの考え方というものによる点もあろうと思います。
 しかしながら、これは裁判長なり裁判官の独立の権限、考え方に基づくものではあるといたしましても、また、そこにある程度相互に協議をして、そうして妥当な線で運営をしていくということも、裁判所全体の運営として必要なことでございまして、そういう意味では、各裁判所、特に東京地裁のように大きなところは、たとえば刑事部の裁判官の打ち合わせ会、あるいは全裁判官の打ち合わせ会というようなものもいたしておるようでございますし、最高裁在り高裁がお世話をして、東京と大阪の裁判長の協議をやるというようなこともいろいろいたしておるわけでございます。そういう方法で、いろいろ法廷を円滑に進めるについての研究討議もいたしておりますけれども、最終的には、裁判長、裁判官の独立の判断でおやりになることであり、それによりまして、法廷警備員が動いてまいる。それにつきましては、所長以下、法廷警備員をたとえば法廷内に先に入れておくか、あるいはほかの場所で待機させておくか、あるいはどういうふうに配置をするかということも、十分裁判官、裁判長と連絡をとりながらいたしておるというのが実情でございますし、今後ともそういう方針は変わりなく続けてまいりたいと考えておるわけでございます。
 要するに、法廷警備員を置くことによって、訴訟指揮を強化すると申しますよりは、訴訟指揮、法廷の運営をバックアップしていく、裁判長がやりいいようにしてあげる、こういう考えでおるわけであります。
#25
○畑委員 裁判官によっては、やはり人おのおの別々だから、いろいろな考え方――いまの裁判制度は裁判の独立というふうなことで、大きな意味ではなくとも、一人一人の裁判自体が独立だというたてまえで、これは当然でありますが、それだけに、これだけに限らず裁判官の考えによってだいぶ違うところがある。その辺はやはり独立だとはいっても世間常識というものもある。こちらの部ではどうだ、こちらの部ではどうだといったような比較をあまりされないように一つのレベル――判決についても同じだ、特に刑事の判決などはいわゆる相場というものがある。ところが、ある部にいくと地獄部だという、ある部にいくと極楽部だ、こういったうわさが、われわれが弁護士を盛んにやっている当時もそういう体験をし、弁護士会でそういううわさをして、あそこへ行ったらだめだ、あそこへ行けばいい、こういったようなことで、人によっては事件を、民事でも刑事でも――刑事はそうもいかないだろうが、民事などの場合は特に配分がある、配分があるときに、ここには行かないようにというので、出す順序をおくらす、様子を見て出すといったような、弁護士ともなればやはりいい結果を得たいと思うから、したがって、やはりそういったところのほうの部へなるべく出すように、順番をおくらしたり早めたりするようにして受け付けてもらうというようなことすらあるくらい。これは一つのたとえだけれども、そういうふうに裁判官おのおの別々の判断もするのだからしかたがないとしても、おおむねレベルが同じようにしてもらいたい。そのためには裁判官の会同なども必要だ。そういう意味で、おれは独立なんだから別なんだということで、常識よりも違うような訴訟指揮あるいは判決をなさるというようなことのないようにしていただきたい。刑事裁判なら刑の量定の問題についてはそういうことがずいぶんあるのです。やはりそういうことが裁判所のひいては不信を招くことになる。同じような事件で、片方にいくと片方のほうと違う、両方で非常に違うということがあるから、そういう点もひとつ話が出たついでに老婆心ながら申し上げます。そういうことは一人一人の裁判官に強制するわけにはいかない、強制しないのがいまの制度でありますから。しかし、そういうことをときどき意見交換もしてやる必要があろうと思う。
 ついでに申しますけれども、同時に、いろいろな訴訟指揮その他の関係にも影響してくると思うのだが、裁判官、検察官あるいは弁護士、こういうものが、地方の裁判所あたりは人数が少ないから、意思疎通というかそういうことがうまくやれがちです。ところが、どうも東京あたり多いですから、なかなかそういう機会もないかと思うけれども、大いに三者の法曹あたりが、ときには酒でも飲んで人間的な触れ合いというものをする必要がある。とかく裁判官は神さまのようなもの、これは神さまのかわりみたいに思われておるのだし、また、ある意味ではそうでなくてはならぬけれども、しかし、裁判官といえども人間であるから、そういう点で、そういったほかの法曹との交流もいい意味で大いにやるべきではなかろうか、こう思っております。そうでなくて、しかつめらしい角突き合いの議論ばかりするようではいい結果は得られない。それは悪い意味ではないのです。いい意味の交流もしていただきたいことを、思いつきましたから申し上げましたが、これは希望いたしておきます。
 それから、今度の裁判官や書記官、家裁の調査官、そういったふうな増員のことについても、これは公安事件や労働事件、そういったことにその定員の増加というようなものが、特にそれを重く見て配置するというようなことはないか、それがひいては裁判所の反動化というようなそしりを受けることにもなってはいかぬと思う。その辺はどういう配慮をしておりますか。
#26
○寺田最高裁判所長官代理者 今回の増員につきまして、一応いろいろ公安事件あるいは集団公安事件、あるいは学生集団事件等のいわば表現を用いまして定員計上をいたしておることは、御指摘のとおりでございますが、こまかい数字を一々申し上げますのも煩にたえませんので省略いたしますけれども、たとえば裁判官の問題にいたしましても、先ほど民事事件はかなりふえておるというお話でございまして、確かに昭和四十三年まではそうでございますが、四十四年にはむしろ横ばい程度になっておるわけでございますし、刑事事件はかなり減少いたしておるわけでございます。これはいわゆる反則金制度の施行に伴います略式事件の減少ということはもとよりでございますが、これは別といたしまして、純粋の訴訟事件でも逐年減少いたしておるわけであります。しかしながら、それであれば裁判所の事務がそれだけ減っておるかと申しますと、必ずしもそうではございませんで、質的と申しますか、内容的に非常に複雑になり、むずかしくなってまいっておるということがあるわけでございます。
 ごく端的な表現で申し上げますれば、たとえば刑事事件でも、普通の事件では単独制で十分処理ができる、しかしながら、学生集団事件等はやはり合議体で処理するのが望ましい。そういたしますと、同じ事件というものの、占めるウエートが違ってまいりますし、ひいては定員の上に影響が出てまいるわけでございます。そういう関係で、今回の裁判官の増員も、かなりの面で合議体の増強という趣旨が含まれておるわけでございます。
 したがいまして、一応定員計算としては、集団公安事件の増加というものをもとにいたしておりますけれども、全体としてそういう複雑な事件の合議体を強化するということはやはり背後に含まれておる、かように御理解いただきたいわけでございます。
 そのほかの家庭裁判所調査官等におきましても、多少趣旨は違いますけれども、根本においては大体同様のものでございまして、決して公安事件だけを特別に考えるということではなくて、これを代表とする複雑困難な事件を十分に処理する、こういう観点から増員をはかりたい、こういう趣旨でございます。
#27
○畑委員 定員獲得の手段としてと言っては語弊があるけれども、そういうことで出しておるが、実際にはそういった合議制ということでどうしても人員が要るというような観点からで、特にそういうほうに重点を置いてやっている、こういうことですな。ひとつぜひ、これまた私の懸念でありましょうけれども、そういったことに特に重点を置き過ぎて、反動化の傾向にならないようにお願いしたい。世間全般が反動化しても、裁判所のほうも反動化してくると困るので、やはり日本の裁判所だけは、あくまで憲法あるいはその他の法規に基づいて進むべき道を進んでもらいたい。世間のいわゆる傾向その他に迎合することなく、そうかといってまたその逆を行くことなく、憲法と法律に定められた道をまっしぐらに進んでもらう、こういうことで裁判所の権威を保ってもらいたい、かように思います。
 その次に御質問したいのは、管理職の範囲というものです。これは指定管理職ということになって、どこの地位は、だれは管理職だということで指定になっているようですが、その指定管理職の範囲がどんどん拡大していっておるのではないか。そうすることによって、どうしても管理職にあらざる一般職が少なくなって、実際には、管理職のほうは仕事の面ではそうでない人たちよりも少ないのだ、そういう点で、逆に一般の職員の事務量がふえて、事務の割合がふえて人数が少なくなる、こういうことがあるのではないか、こういうふうに考えておるのですが、そのことは、同時にまた実際の実務をやる人たちの労働強化にもつながってくる。裁判所のほうでは、管理という意味では管理職をよけいにふやせば管理がやりやすい。しかも管理職は労働組合に入れないというようなことで組合の人数も相対的に減ってくる、労働強化にもなる、こういうような傾向があると思う。この辺のあんばいを相当うまくやらなければならぬのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その辺は、たまたま人事局長おられませんね。人事局長に聞こうと思ったが、おられないようだから寺田さんでもけっこうですが、わかっておったらお聞かせ願いたい。
#28
○寺田最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、ただいま畑委員のお話しの事項は相当部分が人事局長の所管に属するわけでございますが、たまたま本日、人事局長は司法修習生の試験をいたしておりまして席がはずせません関係で、こちらに参っておらないような状況でございますので、私が承知いたしております範囲で御説明申し上げたいと思いますが、直接の所管でございませんので、あるいは多少不正確な点が出てまいれば、あとでしかるべき際に人事局長から訂正いたすということにいたしたいと思います。
 御指摘の管理職員の範囲につきましては、裁判所では裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則という最高裁判所規則がございまして、これの別表で詳しくきめておるわけでございます。そして、この規則自身は制定以来改正されていないわけでございます。ただ一度、訟廷事務主任というものが訟廷管理官というふうにいわば名称変更になりまして、それの改正はいたしましたが、それ以外は改正いたしておりませんので、この別表の範囲に関します限りはふえも減りもいたしておらない、こういうことになるわけでございます。ただ、首席書記官の増員ということもあるいはあったように存じますので、そういう意味で首席書記官の数がふえますれば、自然その分がふえてまいるということはあるいはあったかと存ずるわけでございます。
 そういう関係で、いろいろ一般の職員の事務がしわ寄せを食うのではないかというお話でございますけれども、実は私どもといたしましては、裁判官もそうでございますが、特に書記官等につきましては、管理職というのが単なる職務上の監督をする、こういうものとは考えていないわけでございます。所長の場合におきましても、大都会は無理でございますけれども、地方のほうに参りますれば、所長が率先して裁判をやるというのが正しい行き方であろうというふうに考えておるわけでございます。いわんや首席書記官等におきましてはむしろ率先して事務をとる、むろん全然同様な事務量でやるということは困難かと思いますけれども、しかしながら、身をもって範を示す、こういう行き方を常に指導しておるわけでございまして、会同等でも強調しておるわけでございます。また、事実相当の程度に行なわれておると思います。しかし、その辺のところについて、まだ不十分な点は今後とも指導しなければならないと考えておるわけでございますが、そういうように、たとえば管理職の職員がふえたことが下のほうの人たちにしわ寄せがいくというようなことはあってはならないことであって、むしろそういう地位を得た人は率先して職務に当たる、こういうことでもって裁判所の全体の事務を処理してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#29
○畑委員 寺田さんでは無理でしたらあとで人事局長にお尋ねいたしますが、大体現在における指定管理職が全国で何人おるのか。どうしても答弁できなければ、あとで書いたものでも人事局長を通じて出してもらいたいですが、指定管理職が全国で何人おるのか、それと、一般職の職員の定員のうちで指定管理職というのはどのくらいのパーセンテージ、何%管理職が占めておるかということ。それから裁判官を含めた場合、これは普通は含めませんけれども、含めた場合に全定員のうちに何%の割合を占めるか。これは裁判官を管理職として計算した場合、裁判官を含めてのパーセンテージはどんなパーセンテージかということです。それから、ほかの行政官庁は管理職と一般職との割合がどんなパーセンテージになっておるか、それと比較してみたい。たぶん裁判所の関係は、仕事の関係もあるかもわからないけれども、ほかの官庁に比べて管理職の範囲が、非常にパーセンテージが多いというふうに承っておる。もっともほかの官庁では仕事の関係もあってまちまちでありまして、あるいは六、七%のところもあれば一〇%以上のところがある。いろいろパーセンテージが違っておるが、裁判所はその中で相当高位に位しておるのではないか、こういうふうに考えるのですけれども、そのパーセンテージをわかりましたらここで御答弁願うし、わからなければあとで人事局長を通じてでも別の機会にお聞きしてもいい。その辺を説明していただきたいと思います。
#30
○寺田最高裁判所長官代理者 管理職のパーセントは、この制度ができました当時、私どもいろいろな席で人事局長から聞いたところによりますと、一二%台程度というふうに承知いたしておるわけでございまして、私といたしましては、それがそう大きな異動があるようには考えていないわけでございますが、こまかいことはあるいはしかるべき方法でしかるべく御連絡申し上げるということも考えられるかと思います。
 なお、他省庁との比較という問題でございますが、これは他省庁の定数というものをわれわれのほうで正確に把握いたしておりますかどうですか、必ずしもはっきりいたさない面もあるわけでございまして、私ども聞く範囲でも、いま畑委員からお話がありましたように、相当アンバランスがあるというふうに聞いておるわけであります。先ほど来お話しの点につきましては、数字を御報告申し上げるといたしましても、いろいろ準備のできるものと、なかなかそこがむずかしいものもあろうかと思いますが、またしかるべき方法でしかるべく御連絡申し上げるということにいたしたい、かように考えております。
#31
○畑委員 私のほうでちょっと調べさせたものですけれども、裁判所関係のほうだけわかっておらぬのですが、たとえば国会は予算定員が四千二十三人のうち、管理職の指定数が二百四十八というので六・一%、これは割合が非常に少ないと思いますが、会計検査院が一〇%、内閣が一〇%、この中で一番多いのは人事院ですね、これが一三・五%、それで最も多いのは自治省の五百三十二に対して九八、一八・四%という数字が出ておるようでありますが、大体七、八%、まあ一〇%というところのようです。
 いま概略寺田局長からお聞きすると、一二%ということになると一番多いほうだと思います。これは仕事の関係もいろいろあるだろうと思いまして、それだけの理屈があると思うのでありますが、ただ、管理職をいま言ったとおりふやすということは、寺田さんの話によると、たとえば次席書記官でも新しく増員になるということになっても、仕事の面では単に管理ということでなくて第一線で自分自身が働くという点で、少なくとも半分くらいの仕事はできるだろうというようなことですが、やはりそれがわりあい多くなりますとどうしても一般職のほうにしわ寄せをされる。同時に、人事管理の点でだんだんうるさくなるというので、労働組合方面では非常に神経を高ぶらせることにもなりかねない。この辺もほかの官庁に比べてあまり高いようでは私はぐあいが悪いと思います。管理という立場からは便利かもわからぬけれども、管理されるほうの立場も考えたり、あるいは仕事の点での事務量の問題から考えて労働強化につながる点も考えなければならぬのであります。多ければなぜ多いのかということ、ほかの官庁に比べて多い理由が明らかにならなければいかぬ。その辺をひとつ人事局長のほうにも申していただいて、もっと詳しい数字を、はっきりした数字を出してもらいたいのです。いま言った管理職の指定職の数字とパーセント、予算定員全体の数字とパーセント、それをひとつきょうわかりましたらお知らせ願いたい。きょうでなければあとでよろしゅうございます。この数字をひとつお聞きしたいのです。
#32
○寺田最高裁判所長官代理者 ただいまのお話しの中で、労働組合に関係いたします点は、私、直接の所管でございませんし、詳しく申し上げることは差し控えたほうがいいかと存じますけれども、事務量なり職務内容に関連いたします点は、私の所管に相当部分関係するわけでございます。
 そういう点から申し上げますと、御承知のとおり裁判所は一つのピラミッドになっておらないわけでございます。普通の役所でございますと、たとえば局長とか所長とかいうものがおりますれば、それを頂点とするピラミッドになるわけでございますが、裁判所では、たとえば家庭裁判所の例をとりますと、首席書記官、首席家裁調査官、そのほかに事務局長を頂点とする事務局、こういうようにピラミッドがいろいろできるわけでございます。そうしてまた、たとえば事務局長が書記官のほうの部面のめんどうを見るということは、やはりいろいろな面で妥当ではない、やはり書記官を指導しめんどうを見ていくのは首席書記官であるべきである、こういうことになるわけでございます。私、先ほど、首席書記官がたとえば家庭裁判所等に新設されるというような趣旨で申し上げたつもりでございますが、その表現がもし次席となっておりますればそれは間違いでございまして、首席と申し上げたつもりでございますが、家庭裁判所に従来なかった首席書記官を置くということは、やはり家庭裁判所の書記官諸君の書記官事務というものを円滑にし、また率先してやってもらうという意味で必要になってまいるわけでございまして、そのことが決して一般の書記官の負担に響いてくるということは、むしろそういうふうには考えていないわけでございます。同時に、これまた非常に言い方が妥当でないので多少あれかもしれませんけれども、首席書記官という地位につきますれば、地位から申しましてもあるいはいろいろな待遇から申しましても、一そう率先してやる気持ちになる。それがまた、ひいては若い諸君の励みにもなる。こういう面も持つわけでございまして、全体として書記官の諸君を力づけて、そして一致して円滑な事務をやってもらうということのためには、そういういわば管理職員がふえるということが必ずしも事務量の面でしわ寄せを与えるというふうには受け取ってはいないわけでございます。同時にしかし、ただ管理職員というものがふえればいいという考え方でございませんことは、現に書記官二十五人の増員は普通の書記官の増員として要求し計上していただいているわけでございますので、そういう点でわれわれとしてはいろいろな施策を併用しながら、全体の事務が円滑にいくように考えておるわけでございます。一応その程度で御了解いただきたいと存じます。
#33
○畑委員 数字はいまわかりませんね。――それでは次の機会に、どうせほかの委員の方が質問される機会に矢崎局長が出てくるだろうから、そのときに聞きます。それまでに用意してもらうようにお伝え願いたい。そのほかにも矢崎局長に直接聞きたいことがありますので、ほかの方がやられるときに私、関連でお聞きしますから、委員長、それを御了解願いたい。人事局長がおらぬのに人事関係をあまり詰めてもしかたがないので、あとでほかの委員の方が質問されるときに関連して質問することを御了解願いたい。
 その次にお聞きしますが、最近非常に職員の少ない庁が目立っておるんじゃないか、特に独立簡易裁判所の定員の減少が目立っておるように思う。その結果、事務の運営が困難を来たしておるというような話を聞くのでありますけれども、裁判官が一人も配置をされてない庁は一体幾つあるのか。それでさらにそれはどことどこなのかということ。それから職員が二人しかいない庁は現在何庁あるか、それはどことどこか。それから職員が三人しかおらぬというところ、これまた何庁あるか、それはどことどこかということを聞きたい。この前羽田野委員も触れられたかと思いますが、よくはっきり私聞いておりませんでしたので、重ねてお聞きいたすわけであります。若干これに近いようなことをお聞きになったと思うのですが、ここでわかりましたら、具体的などことどこかということを――あまり多ければあとで表にでもして出してもらいたいのであります。わかりましたか。
#34
○寺田最高裁判所長官代理者 たいへんこまかい点の御質問でございますので、私どもが平素用意いたしております資料でお答えできますものと、必ずしも十分お答えできないものと含まれておるように思うわけでございます。
 先般、羽田野委員のお尋ねは、主として支部、特に乙号支部というものに重点を置いてのお尋ねであったようでございます。それで、その際に私が御説明申し上げましたのは、大まかにいって七十庁程度裁判官のいない庁があるのではないかというふうに申し上げたかと記憶いたしておるわけでございます。ただしかしながら、その際にもちょっとお断わりいたしたと存じますけれども、支部の所在地にもむろん簡易裁判所があるわけでございまして、この簡易裁判所には配置されておりますので、そういう意味で支部の所在地に全然裁判官がいないという庁はほとんどないと申し上げていいかと思います。ただ支部の定員としては配置されておりませんので、したがいまして、簡易裁判所にたとえばいわゆる特任裁判官が配置されております場合には、支部の事務はとることができないという関係になりますから、結果において支部としては無配置同様に帰する、こういうことはございますけれども、支部の所在地が簡裁判事も含めまして全然いないというところはほとんどないと申し上げてよかろうと思います。
 一方、簡易裁判所でございますが、簡易裁判所の中で本庁あるいは支部の所在地にあります簡易裁判所につきましては、これは裁判官のいないということはあり得雇いわけでございますが、独立簡裁の問題につきましては、これは非常に事務量の少ない庁がございまして、そういう庁におきましては簡裁判事を配置いたしておりません。ただ、配置していないということも表現としては必ずしも妥当ではないかと思うわけで、つまり総合配置という配置のしかたをしておるわけでございます。たとえば二庁に一人あるいは三庁に二人、つまり事務量を計算いたしまして、その三つの庁で二人が交代でいる、あるいは二つの庁をある一人の人が交互にいる、これは広い意味では巡回裁判的な運用になるわけでございます。そういうような配置のしかたをいたしておりますところは大体百組ぐらいあるわけでございます。こういうところは、外の方からごらんになりますると、裁判官がいない庁というふうにごらんになる、常駐しておりませんということではそういうことになるわけでございます。ただし、われわれのほうとしてはあくまでそれは総合配置であって無配置ではない、かように考えておるわけでございます。
 それから、職員数の点でございますが、これは先国会でも問題になりましたけれども、職員二人ということは私どものほうではいたしていないわけでございます。ただ、先般も問題になりましたように、たまたま退職した者があって、しかもその後任にちょうど適する者がいろいろな関係で数カ月赴任を延期する、あるいは新規採用がおくれるという意味において、経過的に二人になるという場合はございますけれども、常時的に二人にしておくということは全然考えておりません。最小限度三人は配置いたしておるわけでございます。その独立の簡易裁判所で三人配置の庁がどのくらいあるかという点につきましては、大体約九十庁ということになっておるわけでございます。その九十庁のものは、事件数から申し上げましても、たとえば一年に訴訟事件が十件というようなところもあるわけでございまして、そういうような関係からいろいろな振り合いで定員をそういうふうにきめておる、こういう実情でございます。
#35
○畑委員 簡易裁判所の問題もなかなか問題だと思うので、普通はたいして人数がおらぬで、それでいて裁判所という看板をかけている。いろいろ辺陬の地でも裁判を受けることをおいおいにしようということで各地にできておるのだけれども、実際の裁判の量が少ないというようなことから、そういう問題も出てくる。りっぱな裁判官を一人置いてもさっぱり仕事がないということでも困る。そうかといって、どこどこに簡易裁判所を置くことになっている以上、やはりその救済を求めに民衆が来るわけでありますから、その辺がなかなかむずかしいことだと思うのです。その辺はいろいろ根本的に再検討の余地が、あるいは組織的にある場合もあると思うのです。これはまた別な機会に議論するといたしまして、その点はそれで了解しました。
 結局、私の言いたいことは、裁判所がある以上、やはりある程度の一定の限界の職員は配置しておかなければいかぬ、こういうふうに思うので、そうすると、二人しかいないというところは実際ないわけですね。ただ、たまたまそういうことで、一時臨時的に欠員になっているというところはあっても、定員として二人しかいないというところはない。三人のところがいま言った九十庁、こういうことですね。
 もう一つ、職業病の問題で一つ取り上げたいのですが、現在公務災害の認定申請が出されているのは何人ぐらいおるだろうか。これもやはり人事局長ですか。
#36
○寺田最高裁判所長官代理者 人事局長の所管でございますが、数だけでございましたら、私が……。
#37
○畑委員 それじゃ、この次に聞きますからよろしゅうございます。この点は今度ほかの方が質問されるときに人事局長が出てくるだろうから、そのときにひとつお聞きしましょう。
 それでは、以上で質問を終わります。
#38
○高橋委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は、来たる十八日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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