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1970/03/31 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 法務委員会 第12号
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1970/03/31 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 法務委員会 第12号

#1
第063回国会 法務委員会 第12号
昭和四十五年三月三十一日(火曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 小澤 太郎君 理事 鍛冶 良作君
   理事 小島 徹三君 理事 瀬戸山三男君
   理事 畑   和君 理事 沖本 泰幸君
      石井  桂君    永田 亮一君
      羽田野忠文君    黒田 寿男君
      阪上安太郎君    下平 正一君
      中谷 鉄也君    大野  潔君
      林  孝矩君    岡沢 完治君
      松本 善明君
 出席政府委員
        総理府特別地域
        連絡局参事官  加藤 泰守君
        警察庁長官官房
        長       富田 朝彦君
        法務政務次官  大竹 太郎君
        法務大臣官房長 安原 美穂君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 影山  勇君
 委員外の出席者
        法務委員会調査
        室長      福山 忠義君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三十一日
 辞任         補欠選任
  安井 吉典君     阪上安太郎君
  柳田 秀一君     下平 正一君
  西村 榮一君     岡沢 完治君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上安太郎君     安井 吉典君
  中谷 鉄也君     柳田 秀一君
  岡沢 完治君     西村 榮一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資
 格等の付与に関する特別措置法案(内閣提出第
 七七号)
 検察行政及び人権擁護に関する件(日航機乗っ
 取りに関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○瀬戸山委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため不在でありますので、指名により私が委員長の職務を行ないます。
 内閣提出、沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。林孝矩君。
#3
○林(孝)委員 先日の法務委員会の質問の羽田野委員の質問と少し重複するかもしれませんけれども、沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法案について質問さしていただきます。
 最初に、ここにある沖繩の弁護士資格を有する者とは、どういう要件を具備するのかということについてお伺いします。
#4
○影山政府委員 沖繩の法曹の事情でございますが、沖繩におきましては、四十三年の一月一日から裁判所法、検察庁法及び弁護士法、こういうものが新たに施行されまして、現行の司法制度となったわけであります。ところが、現在在職する裁判官、検察官、弁護士のほとんど全部は、こういう新制度になる前の基本法令であります琉球民裁判所制と申します昭和二十七年に出ました布告によりまして、弁護士資格を付与されたという者でございます。
 その布告による弁護士資格の内容でございますが、これは先日も申しましたように、四種類のものがございます。布告十二号、これはお手元の資料の中にございますが、この七条二項できめております資格でございます。
 まず、A号と申しますのは、本土の弁護士資格を持っている人でございます。これは沖繩で当然弁護士事務ができるわけになっておりまして、この点は今度の一体化については対象外ということになるわけでございます。
 その次はB号でございます。「少くとも五年間琉球列島に於て判検事の職務に在ったこと。」こういう要件のもとに弁護士資格を付与されている。これは終戦直後に沖繩に法曹資格者がございませんので、特別任用によって判検事を任用したわけでございますが、この職に五年間あるということで資格を付与する。これに該当する者といたしましては、主として、沖繩に法曹資格者がいま申し上げましたようにおりませんでしたので、軍政長官などから、判検事に適当な者として任命された、正式な資格はなくても適当な者として軍政長官等によって任命されたものであります。
 それからC号という取得要件がございます。この要件は、「公認の法律学校の卒業の証明及び日本若しくは琉球の法律的訓練を要する職務に少くとも二年間の実際的経験を有すること。」これが満たされますと弁護士資格を取得するということになっておりますが、このここにいう「公認の法律学校」と申しますのは、大学の法学部あるいは専門部の法科、それから法政学部の法律のほうをやったというようなこととされております。これは沖繩の大学でも本土の大学でもよろしいということでございます。
 それから、それと二年間の法律的訓練を要する職務に従事する、その法律的訓練を要する職務と申しますのは、裁判所書記官とか、検察事務官とか、弁護士事務所の事務員、そういったような仕事を二年間いたしますと、弁護士資格を取得することになるわけでございます。
 最後のもう一つのD号と申しますのは、これは「琉球法曹会試験局の試験に依る証明」つまり沖繩の司法試験を合格した者ということになっております。ここに申します沖繩法曹会というのは、これは布令に基づく公的な機関でございまして、現在は廃止されておりますが、この沖繩法曹会の試験局で沖繩が司法試験を行なった、それの合格者というものでございます。この試験の科目、試験問題というのは本土の司法試験の二次試験と類似しておりますけれども、受験資格が高等学校卒業程度でよろしいという点で、大きく本土の場合と異なっております。で、これを統計的に見ますと、最初は大学卒でない合格者が多かったのでありますが、最近におきましてはこの試験の合格者は大体大学卒業者が占めるようになっております。これまでの沖繩法曹試験の合格者は五十名でございますが、そのうちの三十一名が本土に委託されて司法修習を受けておる。こういう四つの種類。
 それから、いま申しましたのは、布告によるいまの現行制度の前のもので、先ほど申しましたように、現在の在職する判検事、弁護士はほとんどこの布告による弁護士資格を持っている。ところが、新弁護士法になりまして、今度は大学教授等の職にあった者を、三年以上あれば弁護士資格を与えるということに、新弁護士法がこのほかにできましたものですから、それによる資格者が三名ほどいるという事情でございます。
#5
○林(孝)委員 わかりました。
 それらの四種類の人たち、その人たちが、今度沖繩の本土復帰にあたっての問題でありますけれども、本土の弁護士資格を有する者として遇することは非常に無理かもしれませんけれども、何がネックになっているかという点です。本土における弁護士資格を有する者と同じく待遇していくという面において、それが無理だという、ネックになった問題は何かという、その点をお伺いします。
#6
○影山政府委員 おそらく林委員のお尋ねは、そのまま向こうの弁護士資格を認めるということについてのネックということのように伺うわけでございますが、これはいま申しましたように、本土では非常な競争率の高い司法試験を受けて、そうして二年間司法研修所の修習を受ける、これがもう必須の要件になっております。いま申しましたように、こういう四種類も取得要件がございますと、取得要件自身が非常に異なっておる。したがって、そのままこれを日本の弁護士として何ら措置を講じないで認めるということはやはり問題ではないか。たとえば終戦後朝鮮から引き揚げてまいりました弁護士につきましても、朝鮮弁護士令による弁護士につきましても、これは向こうも弁護士令による資格がございまして本土と同じような方法だったのでございますが、それでもそれらの場合においてもやはり選考ということをいたしまして、弁護士資格を付与しておるわけでございます。
#7
○林(孝)委員 わかりました。本土の資格を与えるために、今度は選考、試験、試験プラス選考としているのですけれども、こういう二本立てにした理由、選考一本にできなかったのか、その点お願いします。
#8
○影山政府委員 いまのお尋ねの点でございますが、いまのように資格要件が著しく違うものですから、この場合に何を一応のめどとして選考を行なうかということになりますと、やはり全体の数から申しますと三百何名という数でございますし、それからいま弁護士資格を取得する過程にある者を入れますと四百八十四名というような大量の数でございまして、中には資格を取得していながら全然弁護士、判検事の実務をやっていない方もある、それが相当数にのぼるという点を考えますと、やはり実務経験という点を尊重いたしまして、三年以上――一応三年間の実務経験というものをめどにいたしまして、この三年間の実務経験を積んだ方はまずいきなり選考をやる、それ以下の方、三年未満の方、あるいは資格はあるけれども仕事は全然したことがないという方については、これらの選考を受けるのに先立って実務的な基礎的な素養というものを試験するというふうに考えたわけでございます。
#9
○林(孝)委員 今度はその選考を受けようとする者のために司法試験管理委員会が講習を行なうことになっておりますが、この講習の内容、科目ですね、どのようなものか、本土の司法試験科目とはたして同じ内容なのかどうかということです。それより多いか。あと回数と手数料についてお願いしたいと思います。
#10
○影山政府委員 講習について申し上げます。
 これは選考を受けようとする者のために、この沖繩と本土ではかなり法制も一致させていただいておりますけれども、まだ若干の本土との違いがございます。それから実務のやり方なども違っているのではないかと考えられます。そこで、選考して合格したときから本土の弁護士として通用することになりますので、若干本土法についてあるいは本土の実務について知っておいていただくという趣旨から、こういう講習制度を設けたわけでございます。
 その内容でございますが、約三カ月間くらいを予定しておりまして、これを沖繩において行なう。講師をこちらから派遣いたしますが、その講師は裁判官、検察官、弁護士という本土の実務家をお願いしようということでございます。
 その科目といたしましては、民事裁判を二つに分けまして民事裁判の一と民事裁判の二というふうに、民事は範囲が広範なものでございましてこういうふうに分けまして、刑事裁判、それから民事弁護、刑事弁護、それから検察、こういうふうに司法試験とは中身が異なっておりまして、もっぱら実務的な問題だけを扱うということにいたしております。
 それから最後の手数料の点でございますが、これは無料で国が行なうということにいたしております。
#11
○林(孝)委員 回数は……。
#12
○影山政府委員 回数は、この選考の期間に接着いたしましてその前にやりますものですから、大体選考を復帰前二回と予定しておりますので、この講習の回数も二回ということになろうかと思っております。
#13
○林(孝)委員 さらにこまかい点になりますが、選考の具体的内容として筆記で行なう、また口述、その両方なのかという点、その点をお願いいたします。
#14
○影山政府委員 この点は選考を管理いたします司法試験委員会の決定するところでございまして、一応口述を予定しておる――全然筆記を課さないというふうに、いますぐに私どもとして申し上げるわけにまいりませんで、これは選考委員会でおきめになるものと思いますが、まあ口述を主体とすることになろうかと思います。
#15
○林(孝)委員 まだきまってないということですか。
#16
○影山政府委員 口述を主体で行ないたいということでございます。
#17
○林(孝)委員 いまの口述を主体とする場合の内容は、先ほど申された内容と同じですか。
#18
○影山政府委員 大体同じものと考えております。
#19
○林(孝)委員 次に、この選考でございますけれども、沖繩が本土に復帰するまでしか行なわないのか、本土へ復帰後もなお第五条を改正してでもこれを一定期間行なう、そのように考えていいものか、その点についてお願いいたします。
#20
○影山政府委員 これは本土への沖繩の復帰に備えまして、事前にこういう特別な措置をとろうというものでございますから、この選考は復帰前に行なうだけというふうに考えております。
#21
○林(孝)委員 次に、選考による合格者の数でありますけれども、そちらで予定されているのは大体何人ぐらい予定されているか、それとも予定人数はなくて一定の実力さえとれば何人でも合格者とする予定なのか、あるいは沖繩における民事、刑事の事件数または人口を考慮して合格者数をきめるのか、その点についてお願いします。
#22
○影山政府委員 この点は、あらかじめ何人というふうに本土側として予定しているわけではございません。要するに選考委員会で日本の弁護士として適当というふうに選考の結果認めた数ということになろうかと思います。
#23
○林(孝)委員 次の点は、選考に合格した人に対してでありますけれども、「その選考に合格したときに、司法修習生の修習を終えたものとみなす。」そのようになっております。この意味はどういうことを意味するか。たとえば選考に合格したときに、現在国内で行なわれている司法修習生の修習が終わった者と全く同一条件に立つ、そういう意味なのかどうか。
#24
○影山政府委員 いま仰せのとおりでございまして、御承知のように、裁判所法、弁護士法等で司法修習を終わった者ということを弁護士あるいは判事補の資格あるいは二級検察官の資格といたしておりますが、合格したときにその資格を取得する、こういうことでございます。
  〔瀬戸山委員長代理退席、委員長着席〕
#25
○林(孝)委員 もしそういう意味であれば、選考に合格した人たちが本土の裁判官また検察官になる、そういうことを希望するときは、あらためて裁判官、検察官としての任命行為が必要と思われるわけでありますけれども、その点はいかがでしょうか。
#26
○影山政府委員 仰せのとおりでございます。採用の措置が必要ということになるわけであります。
#27
○林(孝)委員 そうだとすれば、現在沖繩で裁判官、検察官をしている人で選考に合格した人が、それぞれ本土の今度は裁判官、検察官を希望したとき、全員にその希望をかなえてあげる考え方を持っているかどうか、定員の余裕があるのかどうか、その点お伺いします。
#28
○影山政府委員 これは沖繩の復帰時についての問題でございまして、裁判所にも裁判官の問題もございまして、最高裁判所が採用いたしますので、いま直ちに私どものほうから確定的なことを申し上げられませんけれども、まあできる限り任用されるのではないかと、判検事についてそういうふうに考えられます。その場合に、今度の選考に受かっておりますと、判事補と二級検事――判事、検事の一番初任のランクでございますので、そこで現実の問題として、いままでの在職年数を任用にあたって考慮して、どの程度通算するかということを、あるいは経過法の中で必要な規定を設ける、向こうの在職年数をどのくらいに評価いたしまして年数通算するかということを経過法の中できめたい。その点、目下内容については検討中でございます。
#29
○林(孝)委員 いま申し上げました点等は、今度は受験する沖繩の人たちにとっては非常に重大な問題であります。検討中のその案件について、やはり早急に試験を実施するということでありますから、明らかにしてあげなければならない、そういうように思うのであります。さらに沖繩で現在裁判官をしている人、その人が選考に合格した、そして復帰後本土の裁判官に任命されたとして、その人の給与、これは司法修習生の修習を終えた者の初任給である判事補十二号俸からあるがことになる。その面なんですけれども、非常に心配な点がありますので、この点を、検察官についても同じ意味でありますけれども、はっきりとしておいていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#30
○影山政府委員 いままでの在職年限を給与面あるいはその他の法制の面でいかに扱うかということは、最高裁並びに法務省におきまして検討しておるところでございます。ですから、まずいきなり一年生の判事補にあるいは検察官に、何年もつとめた人がなるというような点については、不合理な点もあろうかと思われますので、これは他の公務員にも関係いたします、特に給与の問題などはむずかしい問題でございますが、慎重に検討して合理的な線に到達したい、こういうように考えます。
#31
○林(孝)委員 そうしますと、その最初のランクからいくのではないと考えていいわけでしょうか。
#32
○影山政府委員 この点については、在職年数を相当考慮していくべきものではないかと現段階においては考えております。
#33
○林(孝)委員 いまの答弁を聞いておりまして感じることは、大体、試験が行なわれる、これは入社試験でも入学試験でも同じことでありますけれども、その後のことがはっきりしておるわけです、一般世間においては。たとえばこの会社に就職するために試験を受けるという場合、その合格した場合は初任給がどれだけで、そして何年かつとめたらどうなるか、退職金まではっきりしている会社が多いわけですね。ところが、今回のこの試験の場合に、そういう選考に合格したとした場合に、考えても非常に不明確な点が多いわけです。そうしますと、実際選考されるほうの立場にとってみれば、たとえば二十年間判事なら判事、裁判官として生活しておった人が選考されて合格したけれども、以前に処遇されておったそれだけの生活が、今度本土に復帰したがゆえにダウンする、生活が苦しくなる、そういう場合が考えられるのではないか。いまの答弁を聞いておりますと、そういう点を非常に心配するわけですけれども、はたして保証されるものなのかどうか、明確に答弁していただきたいと思います。
#34
○影山政府委員 いまの問題は、単に判検事だけでなく他の公務員にも一般に通じる問題だろうと思います。そういう観点で、いま林委員の仰せのような事態のないように、おそらく配慮しなければならないものだろうと思います。そういう意味で、先ほど来申し上げました在職年数の通算ということを考えておるわけでございます。
#35
○林(孝)委員 こういうことを考えられないかと思うのですけれども、選考に合格して、そのときに司法修習を終えたとみなされる者だけが上位号俸を受けることができる法律上の根拠ですね、他の講習を終えた者との不平等がそこに生まれてくるのではないか、そういうアンバランスな点をどのように是正されるか。
#36
○影山政府委員 この法律では判検事、弁護士の資格という点だけを扱っておるわけでございます。したがって、判検事について申しますと、一応判事補と二級検事の資格をとにかくこれによって付与し、あとの林委員の仰せの問題は、いま申しました年数の通算というようなことで考慮していきたい、その点を経過措置に盛りたいというふうに考えておるわけでございます。
#37
○林(孝)委員 そうしますと、上位にランクされる人も出てくるわけですけれども、そうした場合に法的措置が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#38
○影山政府委員 この年数の通算というのは、裁判所法にもございますし、ほかの司法関係の法律にもあるわけでございます。いずれも法律できめておることでございますので、経過措置に関する法令にこの点を取り入れて立法化していただくということになろうかと思います。
#39
○林(孝)委員 最後に一点、お願いします。
 現在、弁護士、裁判官等についての論議が行なわれているわけでありますけれども、現在沖繩で裁判所の書記官、裁判所事務官または検察事務官等している人の場合ですが、そういう沖繩における弁護士資格を有していない人たちに対する復帰時の処遇、これをどのように考えられておるのか。
#40
○影山政府委員 この点は今回の法律には、直接もちろん関係ございませんが、この処遇の問題については最高裁人事局あるいは総務局等で十分考慮して不都合のないようにしたい。現段階でどういうふうに措置をするかということは、私の所管外のことでもございますので、慎重に検討していきたいということだけお答えさせていただきます。
#41
○林(孝)委員 政務次官にお願いしておきたいと思います。いま論議しました点は、非常に不明確な点が多いということがはっきりしたと思うのです。やはりこれだけの選考をやって準備を進める以上は、そういう書記官の方々に至るまでのいろいろな処遇の問題もちろん選考に漏れた人たちの処遇の問題、また選考に合格して本土と同じ資格を有すると認められた人の場合における、これまでの収入と今後の生活の問題、そういう面に対してもいま検討段階であって、非常に流動的だと思いますけれども、やはり政府としてそういう現地の人が一番心配している点についてはっきりとさせてあげなければならない、私はそういうふうに思うわけです。いつの時点でそういうことについてまでもはっきりさせるということが、わかっておりますれば、そのことについてお答え願いたいと思います。
#42
○大竹政府委員 本土の判検事に任用された場合の処遇、また裁判所、検察庁の関係の書記官その他の職員等の本土復帰後の待遇の問題につきましては、御承知のようにまだ二年あるわけでございますので、まず一番大事な資格の問題を法律でおきめを願うという段階でございまして、詳細な点までまだ確定していないのは非常に遺憾な点でございます。御心配の点、ごもっともだと思いますので、できるだけ早くこれらの問題を明確にいたしまして、何かの機会にお答えさせていただきたいと思います。
#43
○林(孝)委員 以上でもって質問を終わらせていただきます。
#44
○松本(善)委員 関連して。いま選考のことで詳しく答えられたので、その点ちょっと確かめておきたい点があります。
 選考を二回やるということですけれども、これは一回の選考で落ちた人はもう一度受けられる、こういう趣旨ですか。
#45
○影山政府委員 一回の選考に落ちた方も受けられるというふうに考えております。
#46
○松本(善)委員 結局、沖繩で弁護士の資格を持っていた人が、引き続き本土の資格も得られるようにできるだけ配慮をしたい、こういう趣旨で選考全体は行なわれる、こういうふうに考えていいわけですか。
#47
○影山政府委員 先ほどの御質問にも申し上げましたように、こういう臨時の措置でございますので、復帰前にそれを終わっておきたい。復帰後までこういうような方向をとっていくことは適当でございませんので、こういう措置は復帰前に終わる、そのために二回やるというふうに考えたわけでございます。
#48
○松本(善)委員 その選考は大体いつごろ予定――もちろんわかりませんでしょうが、予定としてはどのくらいにやるのでしょうか。
#49
○影山政府委員 まだほんとうの予定でございますが、第一回の選考が来年の三月ごろになるのではないかと思います。その前に、これは選考の必須要件でございませんけれども、講習を行ないますし、その前にさらに今度は試験も課することになるものですから、あるいは三月ごろになろうか、まだ全く確定したわけではございません。
#50
○松本(善)委員 それから、いま御質問したことについてちょっとお答えがなかったのですが、沖繩で資格のあった人にできるだけ資格を与えるような方向で考えるというふうに考えていいでしょうか。そうとも言えませんか。
#51
○影山政府委員 それは、やはりこの法律にも書いてございますように、本土の弁護士として学識及び応用能力ということがあるかどうかという点が選考の基準になろうと思います。ただ、司法試験等と違いまして、一律の筆記試験でなく、閲歴、経験年数というようなものも当然考慮される、こういうことでございます。
#52
○松本(善)委員 それから、その選考に関してですが、三年未満の人ですね。二条の一項一号の三年になる人はいいけれども、三年未満の人、この人について救済措置といいますか、三年近く実務をやっておるという人が、このままでは救済が非常に弱いように思うのですけれども、この点では何かの配慮があるわけですか。
#53
○影山政府委員 この点は、一応三年という線を引いておりますものですから、三年未満の方、それから特に経験年数の全然ない、資格だけ持っておられる方と同じ試験を受けていただくということで、いま仰せのような点がございますけれども、まあ三年近くやっておられる方はそれだけの実力も当然おありだろうと思いますので、試験に合格することも多いのではないかというふうに考えているわけであります。
#54
○松本(善)委員 二回の選考のあとのほうにその三年未満の人が、年数的にいえばあとになればまた経験年数がふえるわけですから、その辺の配慮はないわけですか。
#55
○影山政府委員 それはなるべく最後の選考を復帰前に接着させるようにいたしまして、近接して行なうようにいたしますればそういう人の数が減ってくる、いきなり選考にいける人の数がふえてくるということになる、そういうふうに思います。
#56
○松本(善)委員 そうすると、結局二回の選考を予定している。二回の選考によって、いわゆる三年未満の人の数というのはその選考のたびに多少違う、こういうふうに考えていいわけですか。
#57
○影山政府委員 そのとおりでございます。
#58
○松本(善)委員 終わります。
     ――――◇―――――
#59
○高橋委員長 検察行政に関する件及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。警察庁富田官房長。
#60
○富田政府委員 御報告を申し上げます。
 赤軍派と自称する者たちによりまする日航機脅迫事件の発生につきまして、御報告をいたしたいと思います。
 今朝七時十分羽田発板付行き日航機三五一便において発生をいたしたものでありますが、板付到着の予定時刻は八時四十五分でございます。
 同機に搭乗いたしておりまする者は、搭乗員といたしまして石田機長外六名、乗客は百二十九名、うち子供二名であります。
 同機が羽田を定時離陸後しばらくいたしましてから、機長室に赤軍派と名のる青年たち十四、五名が乱入をいたしまして、日本刀ようのものを所持して、この飛行機を北鮮にやれとおどかし、機長以下を脅迫をいたした模様でございます。
 警察といたしましては、さっそく自衛隊に自衛隊機の警戒方を要請をいたしまして、自衛隊では自衛隊の判断といたしましての結果、八時十四分に入間基地からF86F一機が発進、それから若干おくれまして福岡の築城基地から同機種二機発進、警戒に当たったのであります。
 福岡県警といたしましては、板付基地に機動隊二個中隊並びに私服小隊一個小隊を配備をいたしまして厳重警戒に当たったのでありますが、機長の判断によりまして、油切れというような理由のようであったと聞いておりますが、八時五十八分同機は板付空港に到着をいたしまして、第二番スポットに着いております。
 なお、犯人らは給油をしなければ乗客をおろさないとかあるいは危険なものを持っているとかいうようなことで、現在まだ同機は第二番スポットに着いたままでございますが、警察といたしましても、運輸省並びに関係官庁とただいま十分な連絡のもとに万全の体制でこれに臨もうということで体制をとっております。しかしながら、乗客の安全に関係することでもございますので、機長並びに空港長等の判断によりまして、あるいは再離陸ということもあり得るかとも考えられますので、国内のいわゆるジェット機の離着陸可能な空港等につきましても、十分な警戒体制をただいまとっておるところでございます。
 以上、現在までに判明をいたしておりまする状況について御報告申し上げます。
 なお、乗客につきましては、ただいままでは負傷その他の状況はございません。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#61
○高橋委員長 ただいまの件について、質疑の申し出がありますので、これを許します。畑和君。
#62
○畑委員 ともかく非常に緊急な事態でありまするから、なおその報告以外の詳細な点はまだ判明しないようでありますが、非常に国際的にも飛行機の乗っ取り事件というのがだいぶ最近はやりだした。したがって、いつの日にか日本においてもそういうことがあり得るかもしらぬというふうに懸念をしておったところであります。
 今般、いま言った赤軍派ですか、そう称する連中がこうした不祥事をやってのけたわけでありますけれども、何と申しましても人命の尊重ということが第一に配慮されなければならない。これはもう国際的な乗っ取り事件関係でもやはり同様であります。それを十分に配慮をしてひとつ万全の処置を講ずべきであると考えます。まあその辺は警察当局その他の万全な処置に期待をいたすわけでありますが、その点だけを、ひとつこういう際でございますので、万々遺漏なきようにひとつやっていただきたいということをお願いをいたします。
#63
○高橋委員長 林孝矩君。
#64
○林(孝)委員 この百二十九名の乗客の方の名前、住所等ははっきりしておりますでしょうか。
#65
○富田政府委員 日航本社が受け付けておりまする名簿は明確になっておりますけれども、これが全員そのとおりであるかどうかは私どもちょっと確認のしようがございませんが、その意味におきましては名前並びに住所等は明確になっております。ただいま私ちょっと資料を持ち合わせておりませんが……。
#66
○畑委員 ちょっと一つ。その彼らの持っている武器というようなものはどういうものであるかということは大体想像がついていますか。それとも、かいもくわからぬですか。その点をちょっと一つ……。
#67
○富田政府委員 運輸省からの報告並びに現地警察からの報告によりますると、日本刀ようのものを持っておるということは明確でございます。それからなお、機内に爆弾ようのものを持っているような言辞をほのめかしておりまするが、ちょっとその点は詳細不明でございます。
#68
○林(孝)委員 まあ日航のほうで搭乗されている人たちははっきりわかっているということでありますけれども、警察当局として事前にそういう問題を、そういう人が日本刀等を持って乗り込むということに対しての予防措置というものははたして今回の場合、また平常の場合とられておるのかどうかということがわかりましたら……。
#69
○富田政府委員 赤軍派等の過激な学生、ことに過激学生の中でも過激な集団でございまするので、十分な注意を払っておったところでございますが、どうも搭乗の際の手続等につきましては必ずしも名簿に当該本人の名前を明らかにするというようなことをしないのじゃなかろうかと推察をいたしております。そういう点でそういう者が本朝の飛行機に搭乗したということは、事前には察知されなかったのでございます。
#70
○高橋委員長 岡沢完治君。
#71
○岡沢委員 石田機長との連絡はどの程度に現在とれているのか。最初に連絡がとれたのは板付へつく前かどうか、その辺のところをちょっとお伺いいたします。
#72
○富田政府委員 これは運輸省の関係でないとあるいは正確に申し上げられないかとも存じますが、名古屋上空に差しかかる以前において機長と考えられる人からの連絡が、板付並びに関係方面に無線電話が傍受されておる、こういうふうに聞いております。
#73
○岡沢委員 現在も機内と外部とが十分な連絡がとれているのか、これは一番大事なことですから……。
#74
○富田政府委員 現在は空港長並びに空港の係官が、いわば退去してくれというような要請等を機内と機外でやっておるという報告を受けております。
#75
○岡沢委員 乗客及び操縦士あるいはスチュワーデス以外の外部の者が機内に入っているのですか、入れないのですか。
#76
○富田政府委員 これは一切入っておらないと思います、空港関係者のみがやっておりますから。ただ遠巻きに警察並びに報道関係者も相当詰めかけておりますが、これは一時そばまで寄っておりましたけれども、空港の要請である地点まで一応下がって警戒をいたしております。なお、整備員等はいわば給油作業等のこともございますので、きわめて近間に配置されておるようであります。
#77
○岡沢委員 時間の関係があると思いますので、最後に一点だけ、法務省からお答えいただいてもけっこうなんですけれども、この事件の犯罪としての適用法令と申しますか、それは刑法上の脅迫罪とか監禁罪あるいは航空法違反とかいろいろあると思いますけれども、当然これは現行犯逮捕ができれば一番いいと思いますけれども、できない場合でも逮捕状の問題か出てくると思いますので、どういう違反が考えられるか、お尋ねいたします。
#78
○影山政府委員 まず考えられますことは、不法監禁しているということ、あるいは強要罪というようなことが考えられる、あるいはそのほかに航空法違反といったようなことが出てくるかと思います。
#79
○高橋委員長 ラジオで聞くと給油中だというのですが、給油するということは北鮮へ行くということが前提となるのですが、行きそうですが、どうですか。
#80
○富田政府委員 実は私どもはっきりわからないのでありますけれども、機長なかなかしっかりしておるようでありまして、最初は給油をしたといってしていないという状態の報告が第一報で入っておりました。しかし、ごく近間に入りました第二報では、半分か三分の一くらい給油をしたらしい、こういうことでございます。したがいまして、板付以外の空港等につきましても、十分私どもとしてはいま警戒体制をとっております。
#81
○高橋委員長 阪上安太郎君。
#82
○阪上委員 きわめて簡単に質問いたしますが、警察ではわかるかどうか、あるいは的を得た質問にもならぬかもしれないけれども、こういった場合に、もしこれが飛行中であるならばおそらく機長の判断にまかせらるべき性質のものだと思う。いま飛行場におりているという段階で、しかも外へ出ることができないような状態のもとで、依然として航行その他については機長が一切の責任を持つということになるのであろうかどうか、こういうことはわかりますか。
#83
○富田政府委員 これは運輸省と見解を調整した上でございませんのであれでございますが、運航そのものにつきましては空港長なり機長なりが、まだ運航過程と考えられますので、権限を持っておるものと考えられます。ただし、も現場に参っておりますので、十分その辺の意思の疎通は、乗客の安全のためにまた不法行為防止のために極力やっておるものと信じております。
#84
○阪上委員 これはラジオの報ずるばかりでありますけれども、機長は給油してほしいという要求をしたということ、いま一つは、北鮮への航路のマップを持っていないので、その地図を渡せということを要請しておる。そこで考えられることは、この地図を渡すということになれば、中から何らかの形でもって連絡をとらなければどうにもしようがない。外から渡さなければ、内から受け取れないということが一つある。何かここに機長の判断の一つのポイントがあるのじゃないかというふうに考えられる。
 もう一つは、警察の機動隊二個中隊が周辺を監視しておるという状態です。これについてあまり大げさな態度を示すということは、乗客に対する非常な危険を増すのではないか。まあ私なんか考えて、これはしろうとでありますが、過去にこの例が諸外国であるのでありますから、まず第一番に乗客の生命の安全ということを考えなければいけないので、その観点からそれがもう絶対的なものである。ほかの点については、あまり妙な考え方を起こさないほうがいいんじゃないかという考え方があるわけなんです。思い切ってこの際、生命の安全ということに徹することがきわめて必要である。警察の任務もそこにあるんじゃないかと私は思うのですが、こういったことに対するき然たる態度を持っておるかどうかということが非常に疑問だと思うのです。こうしてじんぜんとして時間をおいておるということは、たいへん大きな危険をだんだんと醸成していくということになるんじゃないかと思うのです。
 あなたにこういうことを聞いていいかどうかわからぬけれども、そういうき然たる態度で生命の安全という一義に徹するという考え方でこの問題を処理していくというようなことについて、やはり思い切って警察庁としての立場というか態度というものを表明する必要があるのじゃないか。世間に表明するのじゃなくして当時者に表明する必要があるのじゃなかろうかと思いますが、どうですか。
#85
○富田政府委員 先ほど御報告の中でちょっと申し上げましたように、乗客の生命の安全ということがやはり第一義かと考えております。その考え方に基づいて十分関係官庁とも連絡をとり、また現地警察に対しても指示をいたしておるところでございます。
#86
○阪上委員 警察の権威がどうであるとかこうであるとかいう問題でないと私は思うから、ぜひひとつそういう態度を、しかも可及的すみやかにとっていただきたい、こういうことが必要だと思います。
 これで質問を終わります。
#87
○高橋委員長 私からちょっと。
 そうすると、最悪の場合には、人命尊重のために北鮮へ行くというふうな可能性も考えておられるのですか。まだそこまで討議してない……。
#88
○富田政府委員 最悪の場合と申しますか、いまの給油の空港側がとっておるような状況等から判断いたしますと、やはり最悪の場合でも日本国内の他の基地、あるいは海を渡りましてもまだ韓国という地域がございますので、そういうところについては十分考えております。
#89
○畑委員 いまガソリンのことを言ったが、ガソリンは大体板付ぐらいまでのガソリンが詰めてあったのかどうか。それからまた、さらにガソリンをいま詰めろと言っておるらしいが、その辺はどんなことにやっておるのか。ちょっと聞きたい。
#90
○富田政府委員 これは平素の航空機の運用形態をつまびらかにいたしませんのであれでございますが、少なくとも、何か不時に回り道しなければならぬというような若干の余裕を持っておるものと推察をいたします。しかしながら、相当遠くまで、国内機でありますので海を渡っていくようなガソリンは持っていない、かように考えております。
#91
○畑委員 それから、いまのガソリンの給油の問題はどうしておるのだろう。ごまかしておるのかね、それともほんとうに……。
#92
○富田政府委員 先ほど申し上げましたように、最初は給油しつつあるというようなふりをしながらしてなかったという報告を受けておりますが、先ほどは若干給油をした、こういう報告を受けております。
#93
○高橋委員長 次回は、明四月一日午前十時理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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