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1970/04/03 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 法務委員会 第14号
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1970/04/03 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 法務委員会 第14号

#1
第063回国会 法務委員会 第14号
昭和四十五年四月三日(金曜日)
    午前十時二十三分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 小澤 太郎君 理事 鍛冶 良作君
   理事 小島 徹三君 理事 瀬戸山三男君
   理事 細田 吉藏君 理事 畑   和君
   理事 沖本 泰幸君
      石井  桂君    江藤 隆美君
      河本 敏夫君    羽田野忠文君
      村上  勇君    黒田 寿男君
      下平 正一君    中谷 鉄也君
      大野  潔君    林  孝矩君
      岡沢 完治君    松本 善明君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 小林 武治君
 出席政府委員
        総理府特別地域
        連絡局参事官  加藤 泰守君
        法務大臣官房長 安原 美穂君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 影山  勇君
 委員外の出席者
        法務委員会調査
        室長      福山 忠義君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二日
 辞任         補欠選任
  中谷 鉄也君     柳田 秀一君
同月三日
 辞任         補欠選任
  柳田 秀一君     中谷 鉄也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資
 格等の付与に関する特別措置法案(内閣提出第
 七七号)
     ――――◇―――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。畑和君。
#3
○畑委員 この法案につきまして、二、三点にわたりまして簡単に質問をいたします。
 一つの問題は、実務経験三年以上の者については選考してきめる、こういうことになっておりますね。ところで、いま沖繩で判検事をしておる人で三年以上という人は何人おるか。あるいは逆に三年未満という人、試験をしたら受けなくちゃいかぬという人が何人おるかと言ったほうがいいかもしらぬ。答えていただきたい。非常に少ない、あるいはゼロかもしらぬという話も聞いておるんだが、選考でなくて試験を受けなければならぬ人が判検事で何人おるかということをお聞きしたい。
#4
○影山政府委員 実務経験三年以上あるいは未満の判検事でございますが、これは復帰までにまだ日がございまして、その時点によって多少違ってくる、こういうことでございますが、いま手元の資料によりますと、ことしの五月三十一日現在で裁判官はゼロ、検察官は二、弁護士が十四ということになっております。それで、かりに来年の十月三十一日をとりますと、裁判官、検察官はいずれも一ゼロということになります。弁護士が五名。これは昨年の十月三十一日心夢現在でできるだけ正確を期したつもりの表でございます。それから残りが以上ということになるわけであります。総数はお手元の資料にございます。
#5
○畑委員 そうすると、「政令で定める日」というのは、大体予想されている日は少なくとも来年の十月末より前になることはないであろうということですか、どうでしょう。
#6
○影山政府委員 これは御承知のように選考を二回行ないまして、最初は四十五年度内に行ないます。それから二回目は明年度ということになりますが、なるべく復帰の日に接着した日に選考を行ないたいということでございます。ですから、先ほど申しました四十六年十月というのは、かりに十月三十一日とした場合ということでございます。
#7
○畑委員 弁護士について聞きたいのですが、五月三十一日現在で十四名、それから来年の十月末を想定した場合に五人という数の人が試験を受けなければならぬということになる。それで総体として現に弁護士をやっている人が何人おるでしょうか。
#8
○影山政府委員 これも昨年の十月三十一日現在で百二十五名弁護士をやっておられるということになっております。
#9
○畑委員 結局五月三十一日現在なら十四人の弁護士が試験を受けなければならぬ。それから来年の十月末であるとすれば五人が試験を受けなければならぬ、こういうことになる。あと判事、検事は、いまでも一判事はゼロ、検事は二名だけれども、来年の十月になればゼロになる、こういうことで判検事については問題がない。弁護士については、百二十五名のうち、潜在はまだあるかもしれぬが、顕在の場合が十四名と五名、問題はそういう人たちのことなんです。判検事は問題ないが、弁護士には触れる人が出てくる、そういうことで、弁護士の人たちにも心配がある。しかもいま弁護士をやっている人で、聞くところによると、法曹の経験は相当ある人で最近弁護士になっている人がいるらしい。すなわち裁判所の書記官など長くやっていて、実務経験は、裁判官としてはないけれども、そうした方面に相当長くやっている人たちが判事になろうとしても、なかなか判事が上が詰まっておって判事になれなかった。検事のほうは案外詰まっていなくて、さっさとなったらしいようなことを聞いている。判事がなかなかなれない。ずっとそれでやっておったけれども、あきらめをつけて沖繩の弁護士になった。ところが、なってからまだ一年ぐらいしかたっていないというような人が、おそらくその数字の中に相当いるんじゃないか、そういう人たちがいるようであります。実際は相当経験がある。いま言ったような事情で、あきらめをつけて弁護士になったけれども、弁護士になってまだほんとうに短いということで――ほんとうはほかのさっさとなった検事なんかの場合よりも一実務のあれは多い、法律家としての実務ですから裁判官とは違いますけれども、そういうことで、いま試験を受けなければならぬということで、権衡上たまたまこういう立場に立たせられた人がいるという話を聞いております。その辺についてはあなた方も大体の事情を承知しておられますか。
#10
○影山政府委員 昨年の十月三十一日の調査の際に、そういう方がどのくらいおるかということを特に把握しておるわけではございませんけれども、先ほど申しましたように、明年の十月三十一日になりますと、三年未満の方は弁護士さんも百二十五名中の五名ということになるわけでございます。数としてはかなり少ないということで、もう一つはこの法律のたてまえといたしまして、やはりこの顕在の判検事、弁護士という職務と責任の地位にあって、そうして実務経験を重ねられたという方を直接選考の対象とするということにいたしておりますので、そういうふうに書記官あるいは検察事務官として長くおやりになった方は、やはり経験年数、判検事、弁護士としての顕在者としての職務責任における経験が少ないということで、やはり試験を受けていただくことになるわけでございますけれども、そういう方はおそらく長年の書記官あるいは検察事務官としてでございますけれども、長年携わっておられますので、試験には相当の実力を示されるということになるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#11
○畑委員 そういう事情にある弁護士さんがおるということをひとつ承知をしておいていただきたいと思います。
 それともう一つお聞きしたいのは、この法律によりますと、日本で委託修習生でおられる人たち、こういう人たちについてもやはり三年以上の経験を有する者と同じに扱われている。もっとも経験といっても、ほんとうの裁判官や何かとしての経験はないけれども、しかし、沖繩で相当の競争を経て司法試験を受けて受かった。最近ではやはり二十人に一人くらいの競争率になっておるようです。相当の競争率と関門をくぐってきた人たちであります。しかも日本で日本の修習生と同じ教育を受けて、同じ試験を受けて、それで二回試験を通ったというような人について、これは私はそれを終わったとすれば堂々たる、日本とすればりっぱな法曹になっておると思うのですが、それを同じように扱うというのはどういうことなんですか。生徒が終わったばかりだということで、実際は経験が三年以上も何にもないということなんだろうけれども、修習生だって二年やっておりますからね。そういう点でそれを一緒に扱わないのはどういうわけか。そういう人たちからも私は陳情を受けたので、それでなるほどな、こう思ったのでありますけれども、それはどういうことなんでしょうか。
#12
○影山政府委員 要するに、今度の法律の考え方と申しますのは、資格取得の要件というものは沖繩の弁護士の有資格者に対して本土の資格を与えるということでございます。そういたしますと、なるほど本土の修習は経ておりますけれども、資格の最初の関門である司法試験をやはり通っておられないということもございまして、そこでたとえば十年以上経験をした人でも一方において選考をやります。それとの権衡上からもそういう人もそのかわり試験はなしに選考を受けていただく。ついでに申し上げますと、終戦後朝鮮から引き揚げてこられた朝鮮の弁護士さんにつきましても、これは朝鮮弁護士令というのが御承知のとおりございまして、これによってかなり内地と同じような試験がございました。そうしてそれによる有資格者になったわけですが、この場合でもやはり一応選考はいたしております。
 要するに、本土の研修を受けたことは、確かに非常に実力を高める上に有利だと思いますけれども、その基礎としてこれを全く本土と同一というふうにいきなり見るのはいかがかということで、試験を経ないで選考を受ける、こういうたてまえになっております。
#13
○畑委員 それは当局のほうの考え方もわかるのだけれども、ただ日本の司法試験を受けなかったのだけれども、向こうでは試験がある。しかも同じ課程の修習を経て、しかも二回試験も通ったということだとすれば、これをそれと同じように扱うのもどうかと思うが、まあこれはいいです。その点についてはそれだけにします。
 次に、一つ御質問したいのは、選考というのは、前にもだれかお聞きになったか知らぬけれども、一体どういう内容の選考をやるのですか。選考の内容、やり方、そういうものについてちょっとお聞きいたします。
#14
○影山政府委員 この法律案といたしましては、選考の方法その他は、選考を実際に行ないます司法試験管理委員会でおきめになることでございますが、現地に選考委員なり何なりを派遣いたしまして、そうして口述が主となると考えられます。その他必ずしも筆記をしないということではございませんで、実務的な裁判、検察、弁護にわたる問題について口述を主体とすることになろうかと思われますが、そういう方法をとるということでございます。この決定は司法試験管理委員会の三者構成の機関できめるということになっております。
#15
○畑委員 その選考ですが、選考というと、試験と違って、その性格上相当自由裁量の余地があるのが普通でしょう。そこでいろいろ心配をしている向きもあるのです。その選考のやり方によっていろいろ思想、信条等の問題についてまで立ち至って選考をされることはないか、こういった心配をしている向きもある。実は沖繩関係につきましてはああいう立場におった方々でありまするから、当然考え方等につきましては、思想、信条等につきましては、いろいろ進歩的な考え方の持ち主が相当多いと思う。そういう際に、日本の基準に照らしていろいろな思想、信条のような点も加味して選考されるのではないかといったような心配があるようでありますが、これはそうあるべきはずではないのだけれども、そういう心配をしておる沖繩法曹がおるようであります。そういうことでないと思うけれども、試験委員会がやるのだけれども、あなた方が直接やるわけじゃないでしょうけれども、しかし、あなた方の考えがはっきりしていないといかぬと思いまして、その点についてはっきりひとつ確認をとっておきたいと思う。その点、いかがですか。
#16
○影山政府委員 この選考の目的でございますが、これはこの法律の二条にございますように、「本邦の裁判官、検察官又は弁護士として必要な学識及びその応用能力があるかどうかを判定するために行なう」と法律で目的をきめておりますので、いまお尋ねのような思想、信条によって左右されるということはない。要するに、本土の弁護士として通用し得る能力を有するかどうかということにあるかと思います。選考は選考委員会で行なうことでございますけれども、法律にそういうふうにワクがきめてあるわけでございます。
#17
○畑委員 当然そうあるべきだと思う。法律にもそう書いてあるし、また思想、信条等について差別をするべきではない、あくまで法律的な素養、それをまたさらに運用する能力があるかどうかという観点にしぼって選考すべきであると思うのでありますが、その点はひとつ間違いないようにやっていただきたいと思う。そういう意味もあって、むしろ講習を相当みっちりやって、講習が終わったらもう無条件に三年以上の人は通したほうがいいじゃないかというような考えの――日弁連などもそういう考えを一時持っていたことはないですか、そういう考え方の人も多いようでありますが、いまの答弁を聞いて、その懸念がないようであります。その法律の精神に従って、条文に従ってひとつ厳正な、そういう意味での厳正な選考をしてもらいたい、かように思うのです。かっこうだけ非常にゆるやかな選考という形であって、実際に内容において奪うというような形ではぐあいが悪い。それでは法文の趣旨にも合わないことでもありますし、そういうことのないようにこの法文の趣旨にのっとって、そういった思想、信条等の点は全然加味することなしにやっていただきたいということを重ねて要望いたしておきます。
 私の質問は以上だけであります。どうもありがとうございました。
#18
○高橋委員長 中谷鉄也君。
#19
○中谷委員 大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 前回、私が資料要求の形で政府の御答弁をお願いをいたしたいと言ったのは、琉球政府の裁判所法の第一条をまず引用いたしました。第一条には「すべて司法権は、この立法に定めるところにより設置する裁判所に属する。」「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ない、法にのみ拘束される。」という日本国憲法第七十六条と同趣旨の規定があることを指摘いたしました。そうしてそのあとで、したがって琉球法規総覧等に規定をされている、好ましくない早急に整備をさるべきであると思われるところの法令規定等についてどのようにお考えになるか、布令、布告についてはどのようにお考えになるか。七十二年復帰を前にして早急にそれらの問題を整備すべきであるということでありました。布令、布告の問題点の指摘と、琉球法規総覧に所収されておりますところの法律等についての問題点というのは、別の委員会、すなわち沖特等においてこれを論議するのが適当と思われますので、本日はその点の質問はいたしません。
 ただ、問題になりますのは、そういうふうなお尋ねを私がいたしまして資料要求をいたしました問題意識と同じようなことが、昨日入手をいたしました「法律時報」の四月号の中に、沖繩大学の佐久川という人が「沖繩の司法制度」というレポートを書いております。ちょっと引用いたしてみたいと思います。
 問題は、米国民政府ないし民政府裁判所が、民裁判所に対し、直接間接の介入が可能であるということにある。すなわち、(一)大統領行政命令に定めある場合には、琉球政府裁判所の裁判権が排除され得る(裁判所法三条)。(二)高等弁務官に対して、民裁判所の判決確定前、いつでも民政府裁判所に移送できる権限を付与している(行政命令第一〇節)。(三)民政府上訴審裁判所に、一定の場合、琉球政府高等裁判所の裁判を再審理する権限を与えている(同命令第一〇節(d)(2))。(四)さらに、判決確定後は、高等弁務官に刑の執行を延期し、減刑しおよび赦免をなす権限を与えている(同命令第一一節)。(五)高等弁務官は、安全保障のために欠くべからざる必要があるとき、琉球列島におけるすべての権限を、全面的または部分的に自ら行なうことができる(同命令第一一節(a)。)最後に、(六)高等弁務官は、いかなる公務員をもその職から罷免することができる(同命令第二節(a))
というふうな問題点が指摘されております。そうしてこの佐久川レポートというのは、司法権独立を規定した裁判所法というのもこういう法文の観点から見るならば、施政権という壁の前には空文にひとしい状態にあるといわざるを得ないではないかと指摘をしているわけであります。
 そこで、これらのこまかい問題について御答弁を求めようとしているのではありません。お尋ねをいたしたいのは次の点であります。
 前回も申し上げましたけれども、現在われわれが努力をいたしておりますところの国政参加については、本日の新聞報道によりますると、国政参加はまさに当然のことでありまするけれども、与党内においても憲法違反ではないということで、国政参加が実現をする見通しがついたというふうに私は考えます。しかし、前回申し上げましたのは、立法の面において百万沖繩県民の国政参加が実現する、だとするならば司法権の面においてもまた一歩進めたものがなければならない、ではその一歩進めたものというのは何か。すでにいろいろな点を指摘いたしましたけれども、前回は次のような形でお尋ねをしたわけであります。
 政府の答弁を求めたい、大臣の御答弁をいただきたいと申し上げましたのは、アメリカの布告、布令の審査権が沖繩の裁判所にはないのだという、米民政府法務局長がいわゆる移送裁判、サンマ事件シムズ裁判長の判決についての論評を加えている。これでは全く先ほど指摘をされておりますように、沖繩における施政権下における司法権の独立というのは施政権の厚い壁の前に一たまりもないかっこうではばまれている。そこで政府の御答弁をいただきたいというのは、布告、布令の審査権は沖繩の裁判所にはすでにあるのだ。これは私は論理的にも当然そのような論理構成ができると思いますけれども、国政参加との関連においてひとつ一歩進めた形において政府の御答弁をいただきたい、政府の御見解を承りたい。これが私の最初に大臣に対してお尋ねいたしたい要点であります。
#20
○小林国務大臣 いまの布令あるいは命令ですね、そういうものに対する審査権がある、こういうことを沖繩米国民裁判所ですか、そういうところで判決があった、こういうことでありますが、この判決については学者とか研究者とかはいろいろな論評があろうと思いますが、日本政府として、これは注目すべき判決であると思う、こういう程度にしか申し上げられないのであります。
 また、沖繩のいまの米国民政府の法務局長が何か言うた、こういうことでございますが、これらにつきましても、それはいろいろの批評はあるが、政府当局としてこれがどうこうというふうなことを申し上げるのはどうか、こういうふうに思うのでございまして、いま申すように、沖繩が施政権下にある現在において、日本政府がこれについて批判あるいは判断をすべき筋のものではない、こういうふうに私は思っております。
#21
○中谷委員 大臣にお尋ねいたしますけれども、国政参加をまさに実現しようとしているわけでございますね。だから立法の面における施政権の壁というのはあるけれども、これはもう数歩前進、まさにわれわれとしては国政参加の態様、形態その他について問題あるにしても、私たちはそれを高く評価しているわけです。また、そういうふうな沖繩百万県民に高く評価されるような国政参加というものを実現をいたしたいというのがわれわれの願いであります。そうすると、立法の次にくるのは、というより同時に布石を打たなければならないのは、司法の問題。
 では、具体的にお尋ねをいたしまするけれども、シムズ判決がある。これは日弁連の沖繩報告等の主査であるところの寺嶋君なども、この問題についてはかなり取り組んでおりましたけれども、要するに、シムズ判決というのは審査権を認めたんだというふうに読める部分がある。これに対して、どういうふうな意思、意図を持っているのかわかりませんけれども、アイゼンスタイン局長の談話というのは、全く審査権がないということを明言をしている。ですから、政府としては、シムズ判決は支持するのか、それとも、当時の法務局長の談話などというのは、単なる個人的な見解として受け取るべきなのかどうか、この一点に私はかかってくるだろうと思うんです。法務局長の言うこともそういうふうに受け取る、シムズ判決もその判決を文理上読むということではなしに、日本国政府としてはどちらを支持するのか、こういう問題であろうと思います。この二つの、談話と判決とは内容が違うわけですから、布令、布告の審査権について内容が違うわけですから、いずれをとるのかということは、これはもう私は、言うまでもなしにシムズ判決の立場なんだということを政府としては御答弁になる。そうして布令、布告の審査権があるんだということを一歩進めていただく方向でなければ、私はおかしいと思いますが、いかがでございましょう。
#22
○小林国務大臣 これはもう私ども日本政府が、これについてその責任ある判断などをすべき立場にない、これはやはり沖繩の側においてきめられるべき問題であろう、私ども日本政府として、どっちがいいとかいうふうな立場にない、こういうふうに思うのであります。また、これらの問題は、いま法の解釈等は、やはり結局において、沖繩においても裁判所できめられることである、こういうふうに思っております。
 重ねて申し上げますが、私どもが、いまの審査権がある、そういう判決があったということを承知しておって、これが非常に注目すべきものであるというふうなことを考えておりますが、その後の、いまの当局者の発言等についてのことも、お聞きはいたしまするが、どっちが正しいんだなどということを私どもが政府として言うべきことではない、こういうふうに考えております。
#23
○中谷委員 そうすると、やはり少し問題に入っていかなければいかぬわけですね。こういうことでございますね。要するに、本土並みに法律を整備をして、不適当な布令、布告については廃止を求める、改正を求めていく、こういうふうな考え方は、一体化の一つの考え方でございますね。
 そういたしますと、調査部長にお尋ねいたしますけれども、先ほど私が引用いたしました諸問題点、裁判所法の第三条、行政命令の十節、十一節、これらについては、日米共同声明の前後にわたって、特にその以後ですね、これらの布令、布告について改廃等についての交渉はどの程度行なわれているのですか。これはやはり一点、聞いておかなければいけませんですね。
#24
○小林国務大臣 これは、いま施政権下にあって、米国民政府がどういう処置を決定をするかということは、向こうさんのおやりになることで、日本の政府としては、一体化のこともあるから、できるだけ日本の法律に合うような立法をしてもらいたいという要請はできる、しかし、それ以上のものではないということでございまして、従来もこちらの要請と申しまするか、希望によって、裁判所法とか検察庁法とか、こういうものがすでにできておることは御承知のとおりでありまして、返還を前提として、できるだけすみやかに日本の法律と同じようなものをひとつやってほしいということは、いろいろな面において沖繩の米政府側に要望しておる、こういうことでございます。
#25
○中谷委員 要請しておられると言うけれども、人権問題が日米琉諮問委員会の協議事項にあるのか、日米協議委員会の中において人権問題を協議事項にするのかということは、繰り返し繰り返しここ数年来、論議されてきたことでございますね。そういたしますと、先ほど私が指摘をした布令、布告の問題については、日米協議委員会等で協議の対象にされた事実があるのか、あるとすればいつか。やはりこれらの点については大臣、簡単に要請していますとおっしゃいますけれども。もしそうだとすれば、要請といいますか、協議された事項があるのかどうか、事実があるのかどうか。協議した事実があるとなれば、これはかなり話は重大でありますし、協議した事項があるのか。日米協議委員会なのか、それは外交ルートなのか、それとも、日米琉諮問委員会ではそういうことができないという説もあるようだけれども、当時の日米琉諮問委員会なのか、それとも、現在の委員会なのか、そういう点はどうなんですか。
#26
○小林国務大臣 お尋ねの件は、担当である特連局のほうからお答えいたします。
#27
○中谷委員 特連担当ではございませんで、日米協議委員会なら外務省の御担当でございましょう。それで、私は、御担当がくるくる変わっちゃいかぬ。協議した事項があるのかないのかということも、一つの政府として、大臣が御出席いただくというのは、お答えを法務大臣のお口からお聞きいたしますよということなんです。きのうすでに外務省のほうから詳細な資料が届いたので、その点について沖特でやるのが本筋だろうから、きょうはあまりこまかいことはお聞きしませんということで話をしたのですけれども、どうもやはり私は、冒頭の質問で、これはもう日本国政府としては、シムズ判決を歓迎するのは当然だ、法務局長の談話なんていうのは、それは談話としては受け取るというぐらいの御答弁が出るだろう、それで私はきょうの質問は、この点についてはその程度にしておこうと思ったけれども、論評の限りではない、相手さんのやることだということじゃ、国政参加でこれだけ鋭意議院運営委員会を中心にして努力している。与党のほうも、いろいろな疑義はあったようでありますけれども、何とかまとめようとしている。国政参加は、だからそういうかっこうで実現する。司法の問題、もう一つ大事な三権の一つが法構造上おくれたままになっている。これはやはり沖繩県民にとって耐えられないものがあります。これは私は、大臣の口を通じて、施政権を全部壁をとってしまうんだということまでお話を伺おうとしているんじゃない。布令、布告の審査権はあるというシムズ判決を支持されるのか、この点をお尋ねしているのですから、これはもう私は、お答えをいただくのは当然だと思います。しかし、日米協議の、これは特連参事官がおいでになっておるが、これは特連の御所管じゃなくて外務省だろうと思います。私は、前回お願いしたのは、法務大臣のひとつ御答弁をいただきたいということで、政府内部で意思を統一していただきたいということであったわけなんです。
#28
○加藤(泰)政府委員 お答えいたします。
 日米協議委員会は総理府と外務省の所管でございます。ただ、従来の日米協議委員会は、その討議すべき内容が限定されておりましたので、従来、日米協議委員会で協議した事実はないと私は承知しております。ただ、歴代の総理府長官が沖繩を訪問した際には、高等弁務官に対して、沖繩の自治権の拡大という見地から、布令、布告の民立法への切りかえということを話し合っております。その結果といっていいかと思いますが、三十九年の八月の高等弁務官の就任当時は百四十五件の布令、布告がありましたが、現在は七十件まで減少しております。司法関係では裁判制度の基本法令である琉球民裁判所制が廃止されまして、昭和四十三年一月一日から琉球民立法である裁判所法、検察庁法及び弁護士法が施行される、そういうような形になっております。
#29
○中谷委員 資料として法務省のほうから民政府裁判所についての機構と裁判権についての資料をお配りいただきました。これは非常に努力をされたことだと思います。それから沖繩の軍法会議についての資料をいただきました。
 そこで、四十四年の四月七日、前総務長官とランパート高等弁務官の会談後の共同新聞発表の中に、高等弁務官は、犯罪の発生は過去二年間に顕著な減少を見せていることを指摘し、犯罪の発生をさらに減少せしめるためにとられた種々の措置について説明をしたという談話があるわけであります。前総務長官には裁判権の問題については何べんかわれわれも質問させていただきましたけれども、御努力をいただいたことを私は認めるわけでありますけれども、ただ特連にお尋ねしますが、民政府裁判所の年間新しく受けた事件数については、一九六七年までの資料しか入手できませんか。と申しますのは、四十四年四月七日のランパートと前総務長官両者の共同新聞発表にいう、年々過去二年間に減少してきたという指摘は、必ずしも間違いではないし、そのとおりだと思うのですけれども、ベトナム紛争の終結といいますか、に伴って、沖繩の現地の新聞の報ずるところによりますと、四十三年、四十四年、かなり事件が激増してきている。米軍人、軍属による事件がふえてきているということが報じられているわけなんです。ですから、六七年までの資料を提示されまして、事件数がだんだん減ってきておるという御指摘があっても、知りたいのは六八年と六九年なんですけれども、この点いかがでしょうか。
#30
○加藤(泰)政府委員 お答えいたします。
 民政府裁判所のほうの事件数は、六八年も六九年もほとんどゼロに近いような数字になっております。ただ先生の御指摘の点は、むしろ軍法会議の件数ではないかと思います。それで軍法会議の件数につきましては、一九六七年は発生件数が千七十九件でありますが、一九六八年になりますと九百五件、それから一九六九年は六百七十八件という状態でございます。ただこれには交通事故が入っておりません。
#31
○中谷委員 そうですね。私が指摘いたしましたのは軍法会議のほうと若干混乱をいたしておりましたから、いまのお答えでけっこうだと思います。
 そこで、これはやはりきょうはひとつ明確にお答えをいただけるのでございましょうね。というのは、前々回から私は人権擁護と裁判の公開ということについて何回か当委員会、それから沖特においてもお尋ねをいたしましたが、軍法会議は軍の諜報上必要と認める場合以外は公開の法廷で審理をされる、沖繩住民は被害者である事件については、被害者に対し軍法会議を行なう期日が通知されているということであります。そうだとしますと、この軍法会議が公開の法廷で審理されるというのは、一体根拠法令は何になるのでしょうか。
 そのことと、いま一つは、沖繩住民が被害者である事件については通知されるということですけれども、これはどういう事実関係、事実的な経過をたどって通知をされているのか、これはやはりひとつ明確にしていただきたいと思うのです。これは私自身の調査が不十分かもしれませんけれども、若干認識と違う点があるので、この点をひとつお答えいただきたい。
#32
○加藤(泰)政府委員 お答えいたします。
 公開の原則は、統一軍法典に書かれております。
 それから通知でございますが、これは軍法会議のほうから警察に通知がされるという手続をとっているはずでございます。
#33
○中谷委員 そこで、警察に通知をされるということになっていると言われるのですけれども、私が四十二年十二月に沖繩に参りましたときに、ライトホールさんだったと思いますが、法務局長に会ったけれども、日本の刑事訴訟法にそういう通知をする規定はないでしょうということでありました。それが一つと、一つはその後私の記憶では、四十三年に参りましたときにも、その点は私、確認できずじまいで帰ってきておりますけれども、その事実は間違いございませんか。通知されていることは警察局か何かで確認をせられたかどうか。
#34
○加藤(泰)政府委員 正式には警察を窓口として通知されますが、それ以外に報道関係者に対して報道を流しておりまして、昨年の四月二十八日午前九時、瑞慶覧地区内建物四百二十一号の法廷において軍法会議が招集される旨の報道を流しております。
#35
○中谷委員 一点だけ確認をしておきますが、私自身の調査が不十分かもしれませんが、それは特連としては警察局のほうに対して確認をしていただいているわけですね。そういうこととして承知をしていいわけですね。――そこで法案について畑委員のほうからお尋ねがありましたので、私は一点だけお尋ねをいたしておきます。
 講習でございますけれども、講習は当然現地で行なわれるわけでございますが、これは全く老婆心的な質問になりますけれども、講習をとにかくやると、だれもかも講習に行ったら、訴訟の迅速なんということを言うのですが、裁判所がからっぽになってしまうじゃないかという話もあるわけなんです。この点についてはどういう配慮をされるのですか。
#36
○影山政府委員 講習につきましては、この法律でまず講習は選考の要件とはしておりませんけれども、しかし、できるだけ多数の方が講習を受けて日本法の実務等を知っていただく。そのために期間も大体三カ月くらいを予定しておりますものですから、時間その他の関係でなるべくそういう事務に支障を来たさないようにする。あるいは二組に分けるとかなんとかいたしまして、その点のくふうをこらしまして、実務に差しつかえないような方法をとりたい、こういうふうに考えております。
#37
○中谷委員 実務に差しつかえないといっても三カ月間半分に分けてやれば、たいへん実務に差しつかえてくると思うのですね。それはそれとして、そういう方法について実務に差しつかえのないような方法というのを考えていただきたいと思います。
 聞くところによると、夜するのじゃないかというような説もありますが、そういうことで、はたしていいのかどうか、これも二つの考え方としてそういう考え方もあるというふうに承っております。そういうやり方がいいのかどうかについては、ひとつ十分に御検討いただきたいと思います。
 そこで、講習の内容は、選考の方法、内容、程度というようなものとこれは結びついていくというふうにお伺いしてよろしいのでしょうか。
#38
○影山政府委員 この講習の目的は、選考を受ければすぐ合格したときから本土弁護士となられるので、そういう方に沖繩と本土法との主として違う点、特に実務的なやり方の違うような点を修得しておいていただく、こういうのが講習の趣旨でございます。一方選考のほうは、本土弁護士としての学識、応用能力の有無を判定するというので、その科目と申しますかその範囲は、たとえば裁判、弁護というふうになる点では同じでございますが、その内容は異なるということでございます。
#39
○中谷委員 それで、一点先ばしったことをお尋ねしておきますけれども、こういう点については調査部長さんどのようにお考えになるでしょうか。沖繩法曹、特に沖繩の弁護士さんの数というのは、まあ選考の結果、本土の弁護士の資格を取得されたという前提に立ちまして、とにかく類似県に比べて多いのだろうか少ないのだろうかという一つの議論があると思うのです。しかし問題は、政府がかねてから沖繩の開発について、方針として繰り返し繰り返し言明されていることは、沖繩を過疎県にはしないんだということ、現に住んでおられる沖繩県民が豊かな生活ができるような沖繩県づくりをするということ、これが政府の方針であります。そういう状態の中で、しかし、そのことと別に、法曹人口についてどういうふうに見通しとしてお持ちになるか、またどういうふうにしたいと思うか。要するに、沖繩県開発にやはり弁護士もまたこれ協力すべき一つの任務を持っていると私は思う。こういう点については見通しを立てたことはないというならないというふうにお答えいただいてけっこうですから、ひとつ御答弁をいただきたい。
#40
○影山政府委員 たいへんむずかしい問題でございまして、現在の沖繩と本土の各県とを比較いたしますと、法曹の数は人口に比較しまして非常に多いように思われますけれども、これはまた沖繩のいろいろな司法事情が本土と変わっておりますので、そういうことにもなっているかと思われます。いまの中谷委員のお話しのような状態は沖繩の司法需要の問題で、将来経済発展その他で一体どういうふうになるか、ちょっといまからにわかに申し上げられないのではないかと思っております。
#41
○中谷委員 最後に一点だけ、私のほうから法務省ですでに御準備をいただきました資料に基づいて確認だけをいたしておきますが、公証人の職務、権限等は本土法と同様、現在那覇市に公証人の方が一名任命され、執務されておる。その方の資格については、復帰時において公証人法第十三条ノ二によって公証人審査会の意見を徴した上、善処する考えというふうにお伺いしておいてよろしいですね。
#42
○影山政府委員 そのとおりでございます。
#43
○中谷委員 じゃ終わります。
#44
○高橋委員長 岡沢完治君。
#45
○岡沢委員 政府がこの法案をお出しになるまでにいろいろないきさつがあっただろうと思います。
 かつては昭和二十一年の法律第十一号によって問題が取り上げられましたように、戦争に負けた結果、朝鮮弁護士令によって弁護士の資格をお持ちであった方の資格をどうするかという措置、あるいは近いところでは奄美群島復帰のときの措置等もありますし、また、本法案に対するいろいろな質問でも出ましたように、沖繩法曹界の希望とかいう問題あるいはまた日弁連の意向、いろいろ利害錯綜する点もありますし、一方で、資格を取得された以後は本土におけると同じ判検事、弁護士の資格をおとりになるということで、水準の問題等、諸般のむずかしい要件のかね合いというような要望があるわけでございまして、その辺のいきさつにつきまして、時間の制約がありますけれども、簡単にお答えいただきたいと思います。
#46
○小林国務大臣 これはもう御案内のように、沖繩の法曹資格と日本の法曹資格というものは区別されておったのでありますが、沖繩が日本に返還される、こういうことになりますれば、どうしても法曹資格の一元化というものが必要と相なるのでありまして、いろいろな資格の一元化、こういう問題については先般一応の法律が出たのでありますが、何といたしましても法曹資格は重要な問題でありますので、その際には間に合わなかった、こういうことでありますが、事柄の性質上やはり急ぐ、こういうことから、実は各般の本土との一体化の法律は別に今後提出されるのでありますが、それを待っておったのではおそきに失する、こういうことでございまして、これらの一体化のためには早くに措置すべきである、こういうことで沖繩の方々の御意見も聞き、いろいろの向きとの相談の結果、返還までにはこれらの一元化というものはぜひ実現させたい。それにいたしましても、このことについてはあるいは選考とか試験とかいろいろの段階があるということになりますから、この際ぜひこれらの問題を解決しておきたいということで、とにかく一体化の前にもうすでに本土の資格を与えるというようなことはほかにはあまりないのでありますが、事柄の重要性からも早くにやりたいということで、この際提案をしたということでございます。
#47
○岡沢委員 それで、この法曹資格について日弁連は意見書を出しているわけですね。選考基準を厳格にせいというのが趣旨だと思いますけれども、沖繩法曹界からは全員に資格を与えてほしい。お互いにそれぞれの立場があろうと思いますけれども、この二つの要望についてそのかね合いがこの法案だとおっしゃられればそれまでですけれども、政府のお考えを聞きたいと思います。
#48
○小林国務大臣 これはお話しのように、沖繩側は緩和した措置を、また、日本の弁護士会ではそう簡単には困る、こういう御主張があったのでありますから、この法案そのものについては日本弁護士会のほうはまだ多少御不満がありはせぬかと思いますけれども、この程度のところでひとつ話し合いを実現しようということでこの案に落ちついたということでございます。
#49
○岡沢委員 この法案で三年以上法曹としての実務経験のある者及び本土で司法修習を受けた者は試験を受けなくても選考を受けることができる。問題は、布告第十二号の七条二項の沖繩の弁護士資格の中のいわゆるC号に該当して弁護士の資格をとった人が、やはり三年以上の実務経験者ということで試験を免除されているわけですね。非常に問題があろうかと思いますが、これも含めた、いま指摘いたしましたような方々を試験を免除されたという理由をお尋ねいたします。
#50
○影山政府委員 法案の技術的な点でありますから私からお答えいたします。
 これは結局三年というのは、現実に弁護士、判検事をやられたという、そういう職務と責任の上に立って、積み重ねられた経験を尊重したわけでございます。それ以下の方については、たとえばそういう意味の経験年数が全然ない人というのも相当数にのぼっておりますので、そういう方々についてはこの選考を受けるにふさわしい実務的な基礎的素養があるかどうか、弁護士としてあるいは判検事としての実際の経験のない方もいられるという点を考慮いたしまして、試験を受けた上でこの選考に加われるということにいたしたわけでございます。
#51
○岡沢委員 問題は、この選考なり試験の基準といいますか水準に関連してくるむずかしいところだと思いますが、たとえば沖繩の弁護士資格の場合、いま申しました布告十二号によっても五年以上琉球諸島で判検事の職務をやった者、今度の法案では、判検事の場合三年以上の実務経験者で当然この試験を免除されて選考の対象になる。むしろ沖繩の弁護士資格よりも逆に二年間実務経験が緩和されているわけですね。その辺のいきさつをお尋ねいたします。
#52
○影山政府委員 この布告十二号のBの判検事実務経験五年と申しますのは、この前の提案理由の補足説明にも申し上げましたように、終戦の直後に法曹有資格者がおりませんでしたときに、判検事を任命しなければならぬということで、軍政長官等が全然法曹資格のない人の中から判事としてあるいは検察官として適当だということで任命した、そういう方でございますので、昭和二十七年にこの布告ができますときに、五年ということを要求したのだと思います。私どもの考えておりますのは、こういう方でも今度の経験年数というものはその五年間を経過したあとの、つまり資格をそれによって取得したあとの実務経験三年ということに考えているわけでございます。
#53
○岡沢委員 いま部長さんの御答弁にありました、終戦直後の特別任用で判検事に軍政長官等から任命された方々、しかも現在今度の法案の対象になる方々の数、それからその方々の前職はどういうものか、わかりましたらお答えいただきたいと思います。
#54
○影山政府委員 お手元にお配りいたしました表の中に、いまのBに該当するものが二十六名ございまして、大体この数だろうと思われます。
 前歴については、実は資料的な調査の材料がございませんで、いろいろ聞くところによりますと、たとえば司法書士をしてきた人もあり、裁判所事務官の経験者もありというふうに、非常に多様なようでございます。
#55
○岡沢委員 講習のことをちょっとお聞きしたいのですけれども、講習はこの法案によりますと義務づけられていないですね。強制されなかった理由です。
#56
○影山政府委員 今度の講習の目的でございますが、先ほども申し上げましたように、沖繩法曹のレベルアップという――必ずしもレベルアップでなくて、沖繩と本土との法令の違いとか、あるいは実務のやり方の差を修得していただくという趣旨でございます。ところが、先ほど申しましたように、本土で講習を受けた人とかその他研修等を受けた方もおられますし、あるいは弁護士の方でも一訴訟事件の関係で本土と非常に関係が深くて、本土の法令や実務に習熟されている方もいられるというふうに思われますので、先ほど申しました講習の目的等も考えまして、必ずしもこれがどうしても受けなければ選考を受けられないということにはしなかったわけでございます。
#57
○岡沢委員 先ほど法務大臣の御答弁にもありましたのですけれども、選考に合格した者は、沖繩の本土への復帰前にも本土の法曹資格を与えるその理由、どこにこの二条四項の特別に弁護士の場合だけあるいは法曹資格だけ復帰前に本土と同等の資格を与える必要性があるか、理由があるか、お尋ねいたします。
#58
○影山政府委員 これは先ほども大臣からお答えがございましたように、復帰前になるべくこういう資格免許を一体化しておくという方針がございまして、すでに昨年他の公認会計士、税理士、その他いろいろ資格免許について一体化が行なわれまして、復帰前から実務を行なえるようにするという方法がとられたのでございますが、昨年の法案にのりませんでしたのは、法曹資格の問題はなかなかむずかしい点がございましたので、これを検討しておりました関係上、今回これだけについての単行法を出すということになったわけでございます。
#59
○岡沢委員 この法案の四条によりますと、復帰後は試験を行なわない。再試験、再選考の道は閉ざされることになっております。また試験は二回行なわれるというのは先ほどの御答弁にもございました。しかし、試験を受けられなかった人、選考を受けられなかった人、不合格の人、必ずあとに問題が残ると思いますが、ほんとうに復帰後は一切試験をされないおつもりかどうか、その辺のところをお聞きいたします。
#60
○影山政府委員 この一体化と申しますのは、先ほど来申し上げておりますように、資格取得要件の非常に異なる弁護士資格層を、こういう全く特例的な方法で解決していこうということでございますので、こういう事務的措置は今回限りにいたしたい、こういうことでございます。
#61
○畑委員 先ほどちょっと聞き漏らしたので、関連して簡単に質問いたします。
 その問題なんですが、二回しか試験しないというのは動かせないのですか。私は要するにできるだけそうした弁護士の人などを救済してあげたいという考え方なんですが、できるだけ接着した機会にやる、できるだけ接着してすれば、時間的に三年ということで免れる人もあると思いますが、そういう配慮をひとつ。まず一番復帰に接着した時期を選んで、それを含めて三回するわけにはいかないか、条文にはなかろうと思いますので、その辺をちょっと聞きたいのです。
#62
○影山政府委員 これはただいま申し上げましたように、沖繩復帰という未曽有のことについての特別な措置でございますので、この回数を何回も重ねて、畑委員なども御承知のように、たとえば五十二号試験のような形になっても非常に問題でございますので、これは今回限りにいたしたい。ただ、いまの選考の時点を復帰になるべく接着させて、なるべく受ける人が多くなるようにという配慮は政令で基準日をきめますときにいたしたい、こういうふうに考えております。
#63
○畑委員 もう一つ。日本の場合などはあくまで試験を受けなければだめだけれども、向こうの場合などは、とにかくいままで弁護士をずっとやっているのですからね。そして向こうの都合で弁護士をやっていたのが、今度日本に復帰するということになるので、その点同じには考えられない。それだけの能力があればできるだけ救ってやることが必要だと思う。そういう意味で、時間をまず接着したときに選ぶということが一つと、でき得ればひとつもう一回――何人でもないからもう一回試験を受けて、受かれば通してやる。試験というのはなかなかフロックが出るものだから失敗することもあると思いますから、そういう点の配慮をお願いしたいと思いますが、それはどうですか、三回は。別に法律にきめたわけではないでしょう。
#64
○影山政府委員 これは政令できめることになっておりますけれども、しかし、三回ということは考えておりません。ただ、先ほどの御質問にもございましたように、現在弁護士をしていて試験を受けるという方の人数は非常に少のうございますし、それからそういうふうに現在弁護士をしておられますと、三年未満ということになりますが、そういう方でもおそらく試験はそれだけの実力をお持ちだろうと思われますので……(岡沢委員「通るだろう」と呼ぶ)はい、そういうことであります。
#65
○岡沢委員 人情からいえば、全員通してあげたい。しかし、法曹の能力とか資格とか、あるいは使命、責任ということを考えましたら、簡単に通せない。むずかしいところだと思います。そういうことで試験の水準、選考の基準、これは一般に考えられますのは、選考の場合は二回ということですが、試験の場合は司法試験に準ずるものと考えて、それよりもレベルは下がるのか。先ほどの中谷委員の質問とも関連しますが、試験の資格者は沖繩で五百人いる。沖繩の人口百万人といたしました場合、日本の内地の場合は一億人で約一万人の弁護士、一万分の一なんですが、そういう比率からいえば、百万人の人口なら百人くらいが日本の水準であるわけですけれども、現実には有資格者といいますか、試験の対象者というのは五百人、ちょっと幅が広過ぎるという感じがするのですが、その辺、試験と選考の基準、水準、どの程度を考えておられるか。
#66
○影山政府委員 それはなかなかむずかしいお尋ねでございまして、選考の基準は、結局法曹三者からなる選考委員会、あるいは司法試験管理委員会でおきめになることなので、直ちにこの程度だということは申し上げにくいわけでございます。ただ、試験でございますが、これは司法試験と異なっておりまして、主として実務的な素養を見たい、こういうことでございます。
#67
○岡沢委員 まあお答えしにくいところだとは思いますが、その辺の基準が非常に大事な問題ではないかと思います。一方、沖繩に関係のない人は、しかも司法試験に何回も失敗したという人が、この法律に便乗してというか、利用して、抜け道的といえば語弊があると思いますけれども、日本の法曹資格を取得しようという考えを起こすことなしとしないと思うのですよ。医者とか弁護士の場合、親が法曹だったり、医者だったりした場合、どうしても資格をとりたいという執念的なものがございます。もちろんその歯どめとして、第二条の二項の一年間という沖繩居住の条件を与えておられるのだと思いますが、この辺の抜け道対策といいますか、配慮というものをお尋ねしたいと思います。
#68
○影山政府委員 この法律は沖繩の法曹資格者についての全くの臨時の特別法でございますので、いま岡沢委員のおっしゃったような方たちが受けることは、もちろんこの法律の趣旨とするところではございませんで、いま仰せにありました一年の住居制限がございまして、沖繩人でこの法律施行のときに一年間住んでいるという制限を加えれば足りるのではないか、一応そういうふうに考えております。
#69
○岡沢委員 最後に、こまかい質問になって恐縮でございますけれども、布告十二号の七条二項の弁護士資格のC号に該当する方々の沖繩における解釈をちょっと聞いておきたいのですけれでも、「公認の法律学校の卒業証明」この「公認の法律学校」これは補足説明では、「本土及び沖繩の大学の法学部等」という御説明があったわけでありますが、アメリカの大学の場合にはどうなるのか。あるいは「等」というのは、その他何を含むのか。
 もう一点、「日本若しくは琉球の法律的訓練を要する職務」ということをおあげになりましたが、「本土又は沖繩の裁判所書記官、検察事務官、弁護士事務所事務員等」とありますが、たとえば警察で司法事務を扱った人は、沖繩ではこの解釈に含まれているのか、その辺をお尋ねします。
#70
○影山政府委員 「公認の法律学校」の解釈でございますが、これは若干の変遷はあったようでございますけれども、かなり広く解釈されておりまして、具体的な例で、たとえばアメリカの大学がどうだということはわかりかねますけれども、かなり広く解釈されております。しかし、だんだんにこれがしぼられまして、それから同じ大学でも法律を主として、法律専門部でもよろしゅうございますけれども、政治だけというようなものははずすという形で運用されてきたようでございます。
 「法律的訓練を要する職務」でございますが、これについては、やはりだんだん厳密な解釈が行なわれておりまして、裁判所、検察庁、弁護士事務所というようなところで訓練をするというところに限られておるようでございます。したがって、警察その他は入らないという解釈で行なわれてきたようでございます。
#71
○岡沢委員 終わります。
#72
○高橋委員長 松本善明君。
#73
○松本(善)委員 先ほど三年未満の当たらない人は、弁護士では五人ということをちょっと言われた。それはいつの時点でいってそうなるのですか。
#74
○影山政府委員 五人と申しましたのは、四十六年の十月三十一日を一応とった場合の数でございます。
#75
○松本(善)委員 そして判検事の場合はゼロになっているわけですね。五人の人を救済するといいますか、それが選考を受けられるようにするには、いつに時点をきめればいいことになりますか。
#76
○影山政府委員 これは、いまの計算によりますと、四十七年の九月三十日になりますと、みんな三年の選考資格を取得する、こういうことでございます。
#77
○松本(善)委員 法務大臣にお伺いしたいと思いますが、この沖繩で、米軍の軍政下で二十年もいろいろ苦労して、人権擁護その他法曹の仕事に携わってきた人たち、これは可能な限り、やはり少なくも選考を受けられる状態にするということが必要なのではないかというふうに考えるわけですけれども、そういう点について、いまの政令で定める日の定め方によって選考を受けられるかどうかということになるわけです。可能な限りたくさんの人が選考を受けられるような状態にするのが本来のあるべきやり方ではないかと思いますが、その辺の御意見を伺いたいと思います。
#78
○小林国務大臣 お話しのようにしたいと思います。
#79
○松本(善)委員 それから、この法律案を生かすも殺すも運用にかかっている点が非常に多いかと思いますが、いま申しましたように、沖繩での法曹が、二十年間同じ国民として非常な苦労をしてきたことを考えに入れて、可能な限り落としていくというよりは、可能な限り資格を与えていくという方向を考えなければならない。同時にその際に、法曹の質が下がっていいというわけでもありませんので、この点を解決していくのには、これはやはり選考の中の講習に重点を置いて、十分に講習を受けていただく、そして本土の法律につきましても知っていただいて、そうして原則として資格が与えられるという方向に運用されるならば、日弁連の言っておることにも応じられるし、それから現地法曹の要求にも応じられることになるかと思います。そういう方向で運用すべきものと思いますが、それについての政府のお考えをお聞きしたいと思います。
#80
○影山政府委員 先ほど来申しましたように、この講習は任意といたしておりますけれども、しかし、なるべく多数の方に受けていただいて、この講習の目的、この法律の目的とするところを貫くようにいたしたい、こういうふうに考えております。
#81
○松本(善)委員 私は、その点は先ほど言ってわかったのですけれども、もう一点、この選考のやり方です。選考について、これはたくさんの人が受けてもらうというだけではなくて、その選考は講習に重点を置いて、そうして落とすというのが目的じゃなくて、できるだけ講習を受けてもらって、資格を与えられるようになるまで講習をして、そうして原則として与える方向で運用をしていく、こういう方向の運用が望ましいのではないだろうか、こういうことなんです。
#82
○小林国務大臣 いまの御意見を尊重してまいりたいと思います。
#83
○松本(善)委員 それから、当然のことでありますが、先ほど同僚委員も質問いたしましたけれども、まずこの選考試験にあたりまして思想や信条による差別というようなことが行なわれることがあってはならないし、あり得ないことだと思いますが、その点について一応確認的に法務大臣の御意見を伺いたいと思います。
#84
○小林国務大臣 それも御意見のとおりと思います。
#85
○松本(善)委員 それから、もう一つこの際お聞きしておきたいのでありますが、判検事、弁護士の資格を持っていないが、法曹としての仕事の一部を担当してきた裁判所の書記官でありますとかあるいは検察事務官、こういう人たちの資格は復帰に伴ってどういうことになりましょうか。
#86
○影山政府委員 これは最高裁、法務省ともだ経過的な措置として考えなければならない問題で、一般の公務員すべてにもつながる問題でございます。復帰までに適当な措置をとる準備をしたいというふうに考えておるところでございます。
#87
○松本(善)委員 いま現在ではどういう内容になっているか。それは大体引き続いて採用していくというか、職員にしていくという方向で考えられておるのでありますか。
#88
○小林国務大臣 これは、やがて一体化に伴う法律が、全体的なものが出されるはずでありますが、その中へ一般公務員等と同様に想定されるということで、そのまま引き継いでいく、こういうふうな方針がとられることと思います。
#89
○松本(善)委員 終わります。
#90
○瀬戸山委員 ちょっと関連。いま法務大臣のお答えで、こういう問題は一般的に私は他の機会にただしておきたいと思ったのですが、きょうも二回出ましたけれども、思想、信条等によって差別しない、それは間違いないですか。
#91
○小林国務大臣 差別はあり得ないと思います。
#92
○瀬戸山委員 一般的にいいますと、憲法の規定によって、そういう思想、信条等で差別はしてはならぬことになっておりますが、どうも日本の政府の法律運用に私は誤りがあると従来から考えております。それは、きょうは裁判所関係、検察庁のほうだけ、裁判所は法務省の所管ではないと思いますが、法の運用としてはそれは一般公務員全部――国家公務員、地方公務員、教職員、判検事、これは日本国憲法あるいはその憲法のもとに成立しておる政府を暴力をもって破壊するというようなことを目的とする団体あるいはそういう団体に加入した者、そういう者は試験を受けさせられない、あるいはそれを採用してはならない、こういうふうな法律があるのですが、いままでそういう法律を運用されたことが全然ないと言われるのですか。
#93
○小林国務大臣 これはいろいろの公務員等についても適任であるかどうか、適当であるかどうか、こういうふうな考え方は持たれる、こういうふうに思います。したがって、一般的にこれだからして初めからもう条件をきめておくということではなくて、具体的の選考の際に適当であるかどうか、こういうようなことが考えられると思います。
#94
○瀬戸山委員 思想、信条等によって差別するということは全然ないという御答弁でありますから、そうするといまのわが国の政府は――公務員はたくさんあります、いろいろな種類がありますが、そういうものは試験の資格がないと、欠格条項はきまっておる、あるいは任用もできない。任用の欠格条項を法律で定めておる。それならばやはりそういう事態にあるのかどうか、それはやはり調査するといいますか、認定するということがなければ、この法条の運用はできないことになるんじゃないかと私は思う。私は率直にいって、従来そういう点においてわが国の政府は怠慢であった、こう思うのですが、全然それは無関心でおられるということなのかどうか。それを確かめておきたい。
#95
○小林国務大臣 立法の問題はいろいろ御意見がございますが、要するに選考する場合にいろいろの事項を考えて、そしてその任に適するかどうか、こういうふうなことになるというふうに思います。
#96
○瀬戸山委員 裁判官、検察官ならば、法律その他検察事務、裁判官の事務を処理する能力があっても、もともと司法試験を受けさせる資格があるかどうかという前提に、そういういま申し上げたようなことを調べるといいますか判定する前提があるわけです。そういうふうに法律に定められておる。それで思想、信条等によって全然差別しないというお答えであると私は間違いであると思うから特に念を押しておるのですが、いかがですか。立法問題でなくて、御承知のとおりたくさんの法律にそういうことが定められておる。それが今日まで不問に付されておるのではないかという疑いを私は持っておる。調査部長でもけっこうです。一体そういうことに全然関心がなくて法律を運用されておるのかどうか。
#97
○影山政府委員 今度の選考は採用の試験と異なりまして、そういう資格を付与するという試験でございまして、司法試験法等とその点では全く変わらないことになるわけでございます。
#98
○瀬戸山委員 沖繩の弁護士問題弁護士はかまいませんよ。裁判官、検察官――沖繩に関して言うのではありませんが、先ほどの御答弁を聞いておりますと、そういうものは全然関係ないのだというような印象を与えるような御答弁がありましたから、特に私は念を押しておる。これは裁判官、検察官ばかりではありません。教育公務員、地方公務員、国家公務員全部そういう法律の規定が定められておる。ただ観念的に思想、信条等によっては差別しないのだというようなことでは間違いが起こる。また現在間違っておる、率直にいって。そういうことでいいのかどうかという前提で聞いておる。
#99
○高橋委員長 ちょっと、重大問題だから次の機会にして、よく研究して政府の統一見解をまとめてから次回に答弁する……(発言する者あり)
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#100
○高橋委員長 速記を始めて。
 鍛冶君
#101
○鍛冶委員 第一に私のお聞きしたいのは、講習は大事な問題だ、これはだれも文句はないと思う次第のものだが、いかなることを講習されるのですか。どういうことをしようと思って講習をやっておられるのか。講習の眼目は何なのか、これをひとつ。
#102
○影山政府委員 これは法律の三条にございますように、「本邦の法令並びに裁判、検察及び弁護士事務の実務に関する講習」ということになっております。
#103
○鍛冶委員 そうすれば、どんな人間でも法律を知っておったら、手続さえ知っておればいいのですか。講習というものは裁判官なり弁護士としての適任者である者をつくることが講習じゃないのですか。問題はそこにある。その点をお聞きしたい。知識はもちろん要りますよ。根本は、裁判官としての適性を持っておる、弁護士としての人格を備えておる、その点が一番の眼目と思うが、その点はあなた方はどう思いますか。
#104
○影山政府委員 ただいまの点は、選考において裁判官、検察官としての必要な学識及び応用能力を有するかということを判断いたすわけでございまして、講習自身は本土法の理論並びに実務を知っていただくという趣旨の講習でございます。
#105
○鍛冶委員 国内の研修でも同じですか。法律知識を与えることだけが目的ですか、人間をつくることが目的ですか、裁判官としての適任者をつくることが目的ですか、弁護士としての適任者をつくることが目的ですか、どちらですか。
#106
○影山政府委員 今回の講習と申しますのは、要するに、沖繩と本土との弁護士資格の取得要件が異なっております。しかし、今度の講習を受けられる方は全部沖繩の法曹としての資格を持っておられるわけでございます。したがって、そういう前提に立って今度の臨時的な措置を行なう。そういたしますと、この講習も本土法と沖繩法との差異、特に実務の差異というようなことが中心になるということじゃないかと思っております。
#107
○高橋委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#108
○高橋委員長 速記を始めて。
 畑君。
#109
○畑委員 先ほどの瀬戸山さんの質問に対しての大臣の答弁が、最初の人たちに対する答弁といささか食い違っているようですが、これは重大だと思う。
 瀬戸山さんのほうは、一般公務員云々ということで、憲法云々というところから出発されての公務員の資格とかそういった問題のほうを中心としての発想で質問されたと思うのです。ところが、それは別の問題であって、この法曹資格の問題とは違う。そして沖繩のこの法曹資格の問題は、日本の司法試験の制度と同じような考え方から、したがってこれは一つの資格試験であります。採用の問題、任用の問題とはあくまで違うと思う。したがって、この選考にあたってはあくまでも思想、信条等のことを加味せずに技術的にやりますという最初の答弁だったが、次の答弁が瀬戸山さんの質問につられて、それと逆な意味を持つような答弁をされたと思う。したがって、そういうことではならぬと思いますので、その点明確に答弁をもう一度し直していただきます。これが最終的のものである。その点を私が申しました趣旨でひとつ区分けしてもらって、それで答弁してもらいたいと思います。
#110
○小林国務大臣 御承知のように、この案は現に沖繩で資格を持っておる者に日本の資格を付与する、それだけの問題でございますから、それの選考とかそういうものについていろいろの条件あるいは思想、信条等についての差別等はつけるべきでない、こういうことを申し上げているのでありまして、一般の採用問題になりますとこれまた別個の問題でありますから、あと私がここで適任者を採用する、こう申し上げたのは、一般の公務員の採用についてのことでありまして、この法案に関しての答弁ではない、こういうふうに御承知願います。
#111
○高橋委員長 これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#112
○高橋委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 沖繩の弁護士資格者等に対する本邦の弁護士資格等の付与に関する特別措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#113
○高橋委員長 起立総員。よって、本案は、原案のとおり可決いたしました。
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  〔報告書は附録に掲載〕
#115
○高橋委員長 この際、暫時休憩いたします。
   午前零時一分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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