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1970/04/17 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第19号
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1970/04/17 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第19号

#1
第063回国会 地方行政委員会 第19号
昭和四十五年四月十七日(金曜日)
    午前九時三十五分開議
 出席委員
   委員長 菅  太郎君
   理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君
   理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君
   理事 古屋  亨君 理事 山本弥之助君
   理事 斎藤  実君 理事 岡沢 完治君
      岡崎 英城君    亀山 孝一君
      高鳥  修君    中島 茂喜君
      中村 弘海君    中山 正暉君
      永山 忠則君    野呂 恭一君
      安田 貴六君    山崎平八郎君
      豊  永光君    綿貫 民輔君
      井岡 大治君    土井たか子君
      細谷 治嘉君    桑名 義治君
      和田 一郎君    青柳 盛雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 出席政府委員
        警察庁長官   後藤田正晴君
        警察庁長官官房
        長       富田 朝彦君
        警察庁交通局長 久保 卓也君
        自治政務次官  大石 八治君
        自治省財政局長 長野 士郎君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局家庭局長  外山 四郎君
        地方行政委員会
        調査室長    川合  武君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会に関する件
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第七二号)
 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第八三号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○菅委員長 これより会議を開きます。
 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、すでに昨日終局いたしておりますので、これより討論を行ないます。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。安田貴六君。
#3
○安田委員 私は、自由民主党を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律案に対し賛成するものであります。
 今回の法案の内容について主として議論となったところを検討いたしますと、第一には、昭和四十五年度分の地方交付税の総額について減額繰り延べすることとされておる点でありますが、このことは、一方、昭和四十四年度補正予算による地方交付税の一部を昭和四十五年度に繰り越す措置がとられておりますので、本年度の地方財政の運営にはさしたる支障がないものと思われるのであります。したがって、今回の措置はやむを得ないものと考えるのであります。
 第二に、地方行政水準の向上についてでありますが、本年度においては、過疎・過密対策を含め、住みよい生活の場を整備し、住民生活の向上をはかるための事業の実施に対する財源措置を積極的に講じようとしておるものであり、地方財政の立場から見て、適切なる措置であると考えるものであります。
 さらに、公営企業の経営基盤を強化するため、一般会計からの所要の繰り入れを増強していることもまた妥当な措置であると思うのであります。
 しかしながら、最近における社会経済の発展に対応し、積極的に住民生活の向上をはかり、地域開発を推進するため、各般の事業を計画的に実施するためには、今後とも一そう所要の財源措置を充実していくことがきわめて緊要であると思われますので、政府においては今後さらに一そう強力な措置を講ずるよう強く希望するものであります。
 以上をもって、本案に対し賛成の意を表するものであります。(拍手)
#4
○菅委員長 山本弥之助君。
#5
○山本(弥)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、内閣提出、地方交付税法の一部を改正する法律案に反対いたすものであります。以下その理由を申し述べます。
 まず第一は、地方交付税の総額についての特別措置でございます。昭和四十三年度以来、地方財政の健全化を推進するという名目のもとで、地方交付税の総額の中から四十三年度四百五十億円、四十四年度六百九十億円を国の予算編成上の一方的都合から国庫へ貸し付ける措置をとってきたのでありますが、第六十一国会の本会議及び本地方行政委員会において、自治、大蔵両大臣は、かかる措置は本年度限りで今後は絶対にしないと言明したにもかかわらず、昭和四十五年度においても三百億円を交付税総額から減額したことはまことに不当であります。地方交付税は地方自治体の固有の財源であり、地域住民の税負担の軽減の必要と行政水準の向上のため、地方公共団体がその財源確保に苦悩しておるときに、国庫の一方的都合により、不当な措置を繰り返すこは断じて容認できないところでございます。
 第二は、地方交付税の配分が補助金的性格を強めたということであります。昭和四十五年度の予算の編成の際、国民健康保険や義務教育教科書の国庫負担の一部を府県の交付税の配分の中で処理しようとする議論がなされたことは、端的にこのことを明らかにしております。昭和四十四年度から実施せられている土地開発基金のごとき、地方公共団体が公共用地の先行取得を行なうことの必要性は十分認めるにしても、特定団体に配分することは特定財源の配分であって、交付税の性格に反するものであります。今回の改正において一挙に千二百の市町村に配分することに改正したことは一歩前進でありますが、行政運営上、公有地をある程度所有することは、各市町村を通じて経済社会の激動している今日、必要なことであります。
 また、自治省は、各市町村が住民の行政需要にこたえるために、広域市町村圏として広域行政処理に配慮することを指導することは必要であるとしても、交付税の配分を行なうことには十分くふうをこらすべきであります。
 第三は、地方財政計画において、府県、市町村を通じその特性を生かした地域住民の要望にこたえる単独事業を推進することに配慮のあとが見られますが、各地方公共団体が、国庫補助負担事業にかかる地方公共団体の超過負担解消の措置が不十分のため、その所期の目的を達成することができないと存ずるのであります。
 第四に、今日地方公営企業が地方行政に占める役割りはきわめて高いのであります。しかるに、地方公営企業の主柱をなす交通事業、上水道事業、病院事業は、企業外要因のため、その公益性と独立採算制のワクの中でその運営に苦慮し、赤字を累増しているのであります。本年度から地下鉄に対する妥当な補助金の充実、公営企業金融公庫の金利の引き下げ等の措置がとられましたが、その従業員の待遇改善を含め、経営の健全化を期するためには、一般会計との負担区分につきさらに十分な配慮が必要であります。
 第五は、経済社会の激動の中で地方公共団体は、いわゆる過密・過疎の進行に伴い、その対応に腐心をしているのであります。交付税の適正な配分にはさらに配慮をする必要があります。
 また、行政の効率化についても、地方公共団体はあらゆる観点から苦心をいたしているのでありますが、地方住民へのサービスの万全を期することはより重視すべきことであります。警察官の大幅な増員が天下り的に措置される一方、福祉行政を含めて複雑多岐にわたる行政処理要因には、国と同一立場に立っての措置をすることは決して適当とは言い得ないのであります。
 以上、数点につき反対の理由を申し述べたのでありますが、今回の改正が、地方自治体の要望に十分こたえる改正でないことを指摘して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#6
○菅委員長 和田一郎君。
#7
○和田(一)委員 私は、公明党を代表して、ただいま審議されております地方交付税法の一部を改正する法律案に対して、反対討論を行ないます。
 反対理由の第一は、地方交付税制度についてであります。地方交付税は、国と地方との間における行政事務とこれに伴う財源配分に基づいて設けられているもので、その性格は、地方団体固有の財源であります。ところが、今回国へ三百億円貸し付けを行なっております。これは昨年大蔵、自治大臣間において、国と地方との貸し借りは行なわないという覚え書きをかわしているにもかかわらず、四十三、四十四年度と同様な措置をとり、覚え書きを無視したものであります。こうした措置は、地方交付税が地方団体固有財源であるという地方交付税の性格を、ますます不明瞭にしております。地方団体にとっては、内政充実と銘打った七〇年代を迎え、ますます生活基盤の充実等の重要性を増しているわけでありますが、地方財政の現実を直視したときに、その内容があまりにも脆弱で、住民の生活向上、社会資本の充実ということに関して財政的裏づけが期待されないのが現状であります。
 また、地方財政に景気調整機能の役割りを課す問題についてでありますが、地方行政は、三千以上の団体が個々に住民生活に密着した土木、教育、衛生等の住民サービスの業務を行なっております。各地方団体を見たときに、財政規模はきわめて小さく、しかも住民サービスは景気の変動のいかんにかかわらず、地方団体が行なわなければならないものであります。したがって、地方財政に景気調整の役割りを課すことは、おのずから限度があり、大きな期待は望めないのであります。このような点から考えて、今後の地方財政は、地方の行政施設水準の計画的な向上をはかるために、長期的計画的な地方財政計画の樹立が要求されるのであります。したがって、地方交付税においてはその性格を明瞭化し、地方交付税本来の使命を十二分に発揮するため、国の一般会計を通さず、国税収納金整理資金から直接交付税及び譲与税配付特別会計に繰り入れること等の措置を講じ、地方団体の自主的な運用による年度間調整の方途を講じなければならないと考えるのであります。
 第二は、特別事業債及び市町村民税臨時減税補てん債償還に要する経費は、地方交付税により措置することに関してであります。こうした措置をとることは、地方財政にゆとりが出たという論議がそのおもな要因であります。しかし、現状の地方財政は、以前に比べて決算の赤字団体が減少していることは事実でありますが、その決算じりをとらえて、地方財政がゆとりが出たということは当たらないのであります。大都市及びその周辺市町村においては人口の急増に対処するため、さまざまな行政施設の整備を行なわなければなりません。そのための財源の捻出に苦慮しているのが現状であります。この点からしても、地方財政がゆとりが出たということは大きな誤りであります。
 以上の理由で、今回審議されております地方交付税法の一部を改正する法律案について反対するものであります。(拍手)
#8
○菅委員長 岡沢完治君。
#9
○岡沢委員 私は、民社党を代表して、本法律案に反対の意見を申し述べたいと思います。
 佐藤総理は、一九七〇年代は内政の時代だと強調されております。そして本年度はその一九七〇年代の幕明けの年であることは言うまでもございません。内政の充実を考えますときに、国民生活に直接密接した関係にございます生活環境の整備が、その出発点であることも異論のないところだと思います。わが国が、このような経済成長、経済発展にかかわらず、いわゆる社会資本の蓄積が欧米先進諸国に比して著しく立ちおくれていることも、しばしば指摘したところであります。生活環境の整備と社会資本の充実が不可分の関係にあることも、論ずるまでもございません。また内政充実の中身が、結局は国民生活に最も密接した教育、土木、民生、衛生等の諸施策であることも、言うまでもありません。そしてこれらの諸施策を直接に第一線で担当するのが地方自治体であることも、また論ずるまでもございません。
 しかりといたしますならば、内政充実という総理のあるいはまた佐藤政府の国民への公約をほんとうに実行されるのであれば、その具体的な数字的な裏づけとして、地方行財政の充実がまず第一に取り上げらるべきであることも、論ずるまでもないところだと思います。
 ところが、本法律案に見られますように、三百十億円の減額措置は、全くことばと中身が食い違うという大きな政治上の不信を国民に招き、実際に内政充実と逆行する政策を進められている政府の実体を、これで示されていると言っても過言ではないと思います。過密・過疎問題その他地方自治体のかかえている大きな行財政需要の必要性、緊急性を考えますときに、あえてことばとうらはらに三百十億という大きな固有の財源ともいうべき資金を逆に国に貸すというような態度は、どうしても納得のできないところでありまして、これがわが党の本法案に反対する最大の理由でございます。
 以上で討論を終わります。
#10
○菅委員長 青柳盛雄君。
#11
○青柳委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論をいたします。
 第一に、国が四十三年度、四十四年度に引き続き、本年度においても三百億円を借り受け、合計九百十億円を四十八年度までに分割返済するという点についてであります。これは地方団体固有の財源である地方交付税を国の都合で減額の措置をとるというもので、地方交付税制度の原則を破るものであります。本年一月二十日付地方財政審議会の地方交付税についての意見でも「国の一般会計を通すことなく、」「特別会計に直接繰り入れる措置をすみやかに実現すべきである。」と述べています。地方交付税法の第一条「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、」に始まり、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」とあり、明らかにこの目的に反する改正であります。地方交付税制度を変質させ、国の財政に全く従属させる改正であります。
 第二に、昭和四十五年、四十六年度は、特別事業債償還交付金、市町村民税臨時減税補てん債元利補給金合計四百二十四億円(四十五年度分二百十八億円)を交付税でまかなうということは、地方交付税制度を補助金制度に切りかえることにほかなりません。
 第三に、基準財政需要額の算定が、国の施策に合わせ、重点的に算定されています。自由な使途であってよい一般財源である地方交付税について財政運営の指標を定め、行政指導等の強化と相まって、国のひもつきの役割りを高めています。警察費、土木費、河川費、土地開発基金費等は特にそのはなはだしいものであり、投資的経費の重点指向と相伴って、国の施策の補完の役割りをつとめるよう仕組みが強化されています。地域住民の日常生活に密着した部分に、住民の要求にこたえて地方団体が独自に施策、事業を行なうことがほとんどできなくなってきています。これもまた地方交付税制度を国庫支出金制度にその性格を変質させるものであります。
 第四に、単位費用の算定基礎となっている統一単価の問題であります。たとえば東京都の保健所一カ所の事業費は年間七百四万円を要します。ところが、これが国の基準単価では年間九十七万円で、その差は六百七万円、これでは全く実情を無視したものであります。消防費、教育費、土木費、港湾費、下水道費、生活保護費などの厚生労働費、産業経済費等々、そのほとんどが実情に合わない、不当に低い単価で計算されております。ひもつき干渉の上にこのような重い超過負担を強制されておることは、自治省の統計も示しておるところであります。単価を実情に即したものにするならば、地方交付税の不交付団体はなくなるでしょう。また政府が減額調整といって借り上げることもなくなると思います。
 結局政府は、地方交付税制度を国庫支出金的性質に変えようとしているもので、わが党は本改正案に賛成することはとうていできません。
 最後に、地方団体の自主性を拡大し、その財政自主権を確立し、地方団体固有の財源が増額され、民主的な配分を行なわれるとともに、地域住民の要求に即応した行政需要にこたえ得るような地方交付税制度の民主化を要求いたします。
 私の反対討論を終わります。
#12
○菅委員長 これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#13
○菅委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#14
○菅委員長 山崎平八郎君、山本弥之助君、斎藤実君及び岡沢完治君から、四派共同をもって、ただいま議決いたしました法律案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。山崎平八郎君。
#15
○山崎委員 私はこの際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
   地方交付税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方財政の現状にかんがみ、左の諸点に留意すべきである。
 (一) 地方の行政施設水準の向上を図るため、長期的、計画的な財政計画の樹立について検討するとともに、地方の単独事業を推進するための財源措置を強化すること。なお、国庫補助負担事業にかかる地方団体の超過負担については、引き続きその解消を図ること。
 (二) 地方交付税については、国の一般会計を通すことなく、直接、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる措置の実現に努力するとともに、年度間調整については、地方団体の自主的な運営がそこなわれないよう配慮すること。
 (三) 過疎地域対策緊急措置法の対象とならない過疎地域に対しては、地方交付税の配分等を通じてその財源措置を一層強化するとともに、過密地域における交通、公害対策等に対する財源措置をさらに充実すること。
 (四) 明年度以降においても、公共用地の先行取得に要する財源措置を強化するとともに、義務教育の学校用地取得に対する国庫補助制度について検討すること。
 (五) 地方債については、政府資金の充実を図ることとし、また、地方公営企業については、引き続き経営基盤の強化に努めるとともに、一般会計との負担区分の合理化等についてもさらに検討を加え、その経営の健全化をすすめること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆さま方の御賛同をお願いいたします。
#16
○菅委員長 本動議を採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#17
○菅委員長 起立多数。よって、山崎平八郎君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。秋田自治大臣。
#18
○秋田国務大臣 地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の上すみやかに御可決賜わりまして、まことにありがたく、御礼を申し上げます。
 つきましては、今後本法の施行に際しましては、ただいまちょうだいをいたしました附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#19
○菅委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#21
○菅委員長 参議院から送付されました、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、おはかりいたします。
 本案の審査中、必要に応じまして、国会法第七十二条第二項の規定により、最高裁判所長官の指定する代理者から出席説明の要求がありました場合、その承認に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、ただいまの出席説明は、委員の質疑に対して答弁していただく方法で行なうことといたします。
    ―――――――――――――
#23
○菅委員長 本案に対しまして質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高鳥修君。
#24
○高鳥委員 私は、昨日提案理由の説明のありました道路交通法の一部を改正する法律案について、若干御質問を申し上げたいと存じます。
 昨日、国家公安委員会からの資料として、本改正案に付随をいたしまして詳細な各種の資料の御添付をちょうだいいたしておりますので、この資料を参考にいたしながら、若干道路交通法に関する総括的な問題についてまず御質問を申し上げたいと思うわけであります。
 まず第一は、昭和四十四年度における交通事故件数は七十二万件をこえ、また死者数は一万六千二百五十七人、負傷者数は九十六万七千人ということであって、かつてない最悪の記録である。死傷者数は香川県の全人口を上回っておる、このような悲惨な状態にあるわけであります。しかも四十五年四月七日、警察庁が集計されました昭和四十五年の交通事故の状態でありますが、春の全国交通安全運動が開幕した六日、全国で四十四人が交通事故のため死亡した。ことし初めから同日までの交通事故死者は四千二十六人となって、昨年四千人をこしたのは四月十二日で、これより六日早く、すでに昨年が史上最悪の記録であるといわれているそれを突破したというような状況にあるわけであります。まことに遺憾と言わざるを得ないわけであります。そこで、原因別にいろいろ追及をされました資料をちょうだいいたしておるわけでありますが、まず、非常に急速に進んでおるモータリゼーションというものが一つの大きな理由であるというふうにも考えられますし、また最近は、道路の舗装率が非常に高まっておる。毎年二〇%以上舗装率が伸びておるようでありますが、今日起こっておるところの交通事故の大半は、この舗装道路において起こっておるということからいたしまして、舗装道路における交通マナーあるいは交通規制、そうしたものについて両面から対策を確立すべきであるというふうに考えられるわけであります。
 そこで、まず第一にお伺いいたしたいと思いますことは、今回の法改正の趣旨といたしまして、いただきました資料の二三ページに「最近における道路交通の実情にかんがみ、交通事故の防止を図り、」ということを、この法律改正の趣旨としてまず冒頭におあげになっておるわけであります。ところが、交通事故の原因別のところを拝見いたしますと、これは一二七ページでありますが、原因別に調べまして、酒酔い運転に起因するものが八・七%、最高速度違反七・五%、追い越し違反六・六%、わき見運転が一二%、その他酒酔い運転以外の原因に起因するものが相当にあるように見受けられるのであります。今回の改正の趣旨を見ますと、酒酔い運転については相当の取り締まりを考えられておるようでありますが、原因別に見ますと、その他のさらに相当多数の部分を占めているものについては、適当な改正ないし規制というものが考えられていないような感がするのであります。
 そこでこの際お伺いをいたしたいことは、ただいま申し上げましたような史上最悪のコースをたどっておる現況にかんがみ、警察庁として、ただいま申し上げたような諸般の交通事故の原因というものを追及した場合に、その対策というものをどのようにお考えになっているかということであります。
    〔委員長退席、砂田委員長代理着席〕
#25
○久保政府委員 交通事故の対策は広範なものでありまして、先ほどおあげになりましたように、この違反の原因の順序に応じて取り締まりができるというものではございません。たとえば、先ほど申されましたように、わき見運転というのが非常に多いわけであります。あるいは追い越し違反でありますとか、あるいはこの表で申しますと「その他」というのが三六%に及んでおりますが、これは大部分が安全運転の義務違反というもので、いわゆる取り締まりになじまない項目であります。要するに、これを見てもわかりますように、取り締まりには限度があるということで、事故防止対策には、当然取り締まりも一つの大きな柱ではありまするけれども、他の安全教育でありますとか、あるいは歩行者、運転者のマナーを向上させることでありますとか、あるいは特に安全施設を、道路にしましてもそれから公安委員会関係のものにいたしましても、十分に設置するとか、そういうように総合的に考えねばならないのでありまして、こういった事故原因からして取り締まりをやらねばならないものはこういうものである、しかしながら、取り締まりになじまないから他の安全教育その他の措置を講じなければならないというようなことを、この事故原因からくみ取ることができようかと考えます。
#26
○高鳥委員 ただいまお話のございましたような、取り締まりになじまない部分について、これを違反ないし事故に結びつけないような指導あるいは教育、そうしたものについてもっと徹底した配慮というものをなされることが、この交通禍、交通戦争に対する一つの大きな――この法律の改正においては一つの穴になっている問題ではないか、こういう感じがするのであります。ただそれを取り締まりになじまないからというだけでもって、言いのがれあるいは対策に穴をあけたままにしておくということであっては、はなはだ心もとないと思うのでありますが、その点についてもう一歩突っ込んだ御見解を承りたいと思います。
#27
○久保政府委員 法律の中でもいろいろな改正を今回お願いしているところでありますが、たとえば、指定自動車教習所の指導監督の強化をはかれるようになっております。これは安全教育の一環といたしまして、特に初歩の教育である指定自動車教習所における教育体制を強化しようというようなことであります。しかしながら、全般的に申しますと、たとえば、歩行者に対する安全教育といったようなものは、法律の中で書かれるべきものではないというふうに考えるわけであります。それから運転者の教育の中でも、たとえば、更新時にどういうふうな更新をやりあるいは講習のしかたをするかといったような問題、あるいは免許の関係で、これをどういうふうにするかといったような問題、これらの運転者にかかわる多くの問題につきましては、私どもといたしましては、第二次の改正といたしましてこの次の検討の中に考えさせていただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。現在のこの法律改正の中でも、単に取り締まりの強化というだけでなくて、たとえば、酒を飲めば運転をしてはならないといったような趣旨の、罰則はついてございませんけれども、あるいは酒をすすめてはならない、そういった趣旨も織り込んでおるのでありまして、必ずしもこの法律の取り締まりになじまない分がはずされておるというふうには考えておりません。
#28
○高鳥委員 ただいまの御答弁の中で、さらに第二次的な全面的な改正を考えておるという御説明があったわけであります。この全面的な改正というのは、それでは具体的には、どのような内容のものを、いつごろまでに準備をして実行されるおつもりであるか。承りますと、今回提案されたものは、とりあえず緊急に措置を要するものについて改正を提案したというふうに承っておりますので、そうした準備の状況あるいは時期、さらにまた、国際的な交通安全に対する条約というようなものについて、これを批准、承認するといいますか、そうした手続もお考えになっておるようでありますが、その性格等について、ごく概略承ることができればたいへん好都合でございます。
#29
○久保政府委員 もともとこの道交法の改正は、最近の非常なモータリゼーションの進展に応じまして、従来の法律ではまかない切れなくなったというところに問題が一つあり、もう一点は、ただいまお話しの国際道路交通に関する条約の締結が一昨年になされまして、各国の批准が逐次行なわれつつあるわけでございますが、わが国も、これに加入することに関連をいたしまして、道交法の改正が必然視されておったわけでございます。そういう背景のもとに今回の一部の提案となったわけでございますが、総合的にはいろいろなむずかしい問題もございまして、あとに回されておりますが、今後考えられますものは、一昨年の秋につくられました道路交通に関する国際条約の中身に応じましたものを取り入れるということ、これはわが国のルールに大体似たものでありまするけれども、さらに具体的に詳細に書かれたものでございまして、そういったものを取り入れる。それから、標識令などにつきましても、国際の一定の基準に従ったものを取り入れるというふうにしてまいりたい、これが一つの問題でございます。
 それから、ただいま申し上げましたように、免許関係の問題につきましては、いろいろむずかしい問題がございます。特によい運転者を生み出す、あるいは運転者を再教育するといったようなことに関連をいたしまして、法的にも、また実務的にもむずかしい問題がありますので、これはいま検討中で、逐次結論を出しつつあるわけでございますが、そういったような問題を取り上げたい。
 さらに、これは昨年の九月に私どもが交通局の試案としまして出しました中に入っておりまして、今回の法改正の中には出ておりませんけれども、それは現在の道交法といいますものは、交通の安全と円滑にかかわるものを取り上げてあります。しかしながら、そういった目的以外に、今日のモータリゼーションのもとにおきましては、車の交通におけるところの社会的な公害といいますか、社会生活あるいは市民生活が侵害されるといったような分野が相当出てまいっております。そこで、そういうような分野をこの交通の安全と円滑以外に取り入れる必要があるのではなかろうかという発想のもとに、一応の試案を発表したわけでありますが、私どものほうの準備が十分に整いませんし、中身でまた非常にいろいろとむずかしい問題もありましたので、それがこの次の改正に残されておりますが、その中身といたしましては、たとえば車両の都市への流入を禁止、制限するといったような問題、あるいは公害の規制の問題、そういうような問題を含めておるわけでございます。そこで、現在進行中でございますが、この秋ごろまでには一応の結論を出して、やはり同じように試案として発表し、いろいろの御批判を受けた上で、この次の通常国会に提出したい、かように考えております。
#30
○高鳥委員 ただいまもお触れになりましたが、昨年の九月二十五日、第一次試案というものを発表された。その中で大部分が今回の法改正に実現をされておるようでありますが、特に車の公害の防止という点については、おそらく各省との間の意見調整が十分に熟さなかったということで、実現を見るに至らなかったんだろうと思うのですが、たいへん残念なことだと思いますので、今後さらに積極的に検討をされ、促進されることを要望いたしておきたいと思うわけであります。
 そこで、次に、道路交通法という法律そのものについて、これを守らせるにはどうしたらいいのかということを、私としては少し突き詰めてお尋ねをしてみたい、あるいは考えてみたい、このように思うわけであります。
 まず、御配付のありました資料の一二八ページ、「昭和四十四年中における道路交通法違反取締状況」という中で、車両等について、それぞれ違反の種別によりまして、成人、少年あるいは総数というふうに区分をして分類してございます。この中で最高速度違反というのが総数において三二・八%であります。それから駐停車の違反というのが一八%でありまして、その他これに次ぐものは無免許運転で八・三%ということでありますが、最高速度違反と駐停車違反を合計いたしますと、全体の五割以上になるという状況であります。道路交通法に対する違反は、したがって半数以上が最高速度と駐停車の違反である、このように、この内容を分析してみますと、拝見できるわけであります。そこで、私が御指摘を申し上げたいと思いますことは、ここに掲げられた違反は氷山の一角である、むしろこれよりはるかに多くの違反が現実に行なわれておるということであります。
 それからもう一つは、特にスピード違反などについては、免れて恥じず、取り締まりを受けなければそのままということでありまして、罪の意識というものが非常に希薄な感じがする。あるいはスピード違反そのものをやっておる瞬間においては、確かにおれはスピード違反をやっておるのだなという意識はある。しかし、自動車を離れたとたん、あるいは普通の規制された速度に戻ったとたんには、自分は違反をしたという意識はどこかへ飛んでしまっておるということであります。いわば道路交通法ぐらい守られない法律はない。逆に申しますと、道交法違反で、特にスピード違反でつかまったのは運が悪いのだという状況が、非常に多く現実の中にあるわけであります。
 私自身も、過去十八年ほど自動車を運転いたしております。現在大型第二種免許を持っておりまして、いまだに違反では一ぺんも摘発をされたことはありません。しかし、私がいま六十キロのスピードで一般の道路を走っておる。たまたまそのうしろから七十キロで追い越した自動車が走っていく、さらにそのうしろから百キロで追い越した車が走っていく。ところが、この道路における制限速度は六十キロでありまして、うしろから白バイがやってきて、七十キロで追い越した者をつかまえた。しかし、百キロで追い越した者はつかまらずに、そのまま行ってしまったというケースが非常に多いのであります。
 また、夜、道路を走行しておりまして、深夜寝静まったほとんど人けのないところでは、たとえば三十キロのスピード制限のところ、四十キロのスピード制限のところが市街地に非常に多いのでございますけれども、そうしたところでまじめに三十キロ、四十キロで走行しておる車はまずないと言って差しつかえない。つまり道路交通法は、逆に言えば、違反されるために存在する法律であるという極言をすらすることができると思います。
 そうした点について、まず道路交通法は守られない法律であるということについての、私はそういう所見を持っておるのでありますが、警察庁長官はその点についてどのようにお考えになりますか。
#31
○後藤田政府委員 今日順法精神の欠除、こういった現象が各方面にあることは、私はまことに遺憾に思っております。ことに、御説のように、道路交通法は守られない場合が非常に多い、それがまた事故につながっておる、こういうように考えております。
 そこで、こういう問題は、社会全般の順法精神の涵養、教育、こういう面を徹底する以外に方法がなかろう、基本的にはそう思いますが、私ども自身で反省すべき点は、道路交通法くらい読んでわからぬ法律はありません。これはまことに反省をいたしております。これはなぜかと申しますと、非常に技術的な法律であるということであります。と同時に、罰則がかかっております関係上、構成要件をはっきりいたしませんと、人権上の問題が起こる、こういうような観点から、きわめてわかりにくくなっております。この点を私はでき得る限り平易に直したい。これが、先ほど交通局長が申しました、先行きの改正の基本問題の一つと考えております。かりに構成要件等でできなければ、一部外国にございますように、ハイウエーコードといったような思想を取り入れることの可否についても、あわせて検討したい。だれが見てもわかる、今日これは国民すべてに一番知ってもらわなければならぬ法律になっておりますので、そういう点をまず考える。
 いま一つは、やはり法規を守らせる以上、守り得るような法規でなければならぬ。その点私は、道交法自身には問題はないと考えておりますけれども、道交法を受けた各県公安委員会あるいは警察官なりによって行なわれる規制、そういったものに無理があるのではないか。この点については、従来ともでき得る限り指導をやっておるつもりでございますけれども、なお将来ともそういう点については十分配意をしていきたい。
 いま一つは、実は取り締まりが目的ではないので、やはり交通事故の防止と円滑な交通の確保が主眼でございますので、そういう意味合いからも、法を守ってもらう必要がある。そういう意味合いで、街頭にでき得る限り警察官の配置をやらせたい。こういうようなことをすることによって、漸次こういった法律を守ってもらう。それによって事故の防止をはかっていきたい、こう考えております。
#32
○高鳥委員 ただいま警察庁長官からお述べいただきましたような御趣旨でお考えになっておるとすれば、私も同感であり、まことにけっこうであると思うのであります。現実はどうもいまお述べになったところとは相当違っておるようであります。そしてまた、ここに衆議院の地方行政委員会の調査室でつくっていただいた資料がたくさんありますが、その中の各新聞の社説などを見ますと、この法律を守らせるためには、あるいは交通事故を防止するためには、厳罰以外には道はないのだというような趣旨の社説も幾つか参考に掲げられておるわけであります。私は、道路交通法をいたずらにきびしくする、罰則を強化する、あるいは規制を厳重にするということだけでは、交通事故が減ったり違反が少なくなったりするものではないと思います。法三章ではありませんが、法は三章書いてあればたくさんだということでありますが、交通事故ないし交通違反についても、本来ならば――この法律の中にはたくさん、何々するようなおそれのあることをしてはならぬという表現を使われておりますけれども、交通事故を起こすようなおそれのある運転をしてはならない、こう書いてあれば、それでたくさんなはずであります。その辺について、現実におやりになっていることと、長官のいまお述べになったところとには若干違いがある、このように私は感じております。たとえば運転免許試験などについても、いたずらに落とし穴めいた試験問題が非常に多い。すなおに書いてあれば、だれでもできるものを、わざわざひねくった問題をつくって、そして受験者を迷わすというような種類の問題が非常にたくさんいままでありました。これはだいぶ是正されてきたようでありますけれども、現にそのようなことはあるのであります。
 それから、守り得る法律ということであります。たとえば深夜市街地において、先ほど申し上げましたように、四十キロにスピード制限がされておって、実際には六十キロで走っても七十キロで走っても、交通事故を起こす可能性は全く考えられないというような場所もあるわけであります。そのような際に、四十キロ、三十キロで制限をしておいて、これをスピード違反であるといって取り締まる。守らないことがきわめて一般的であって、罪の意識を誘わないというような法律であるならば、これはまさに取り締まることによって違反者を出すだけであるという感を私は深くしておるのであります。したがって、法については、きめたものは必ず厳格にこれを守らせる。そのかわり、守れる規制をするということについて、なお一そう御関心を持っていただきたい、このように考えるわけであります。それが事故防止ないし違反防止につながる、私はこのように考えておるのであります。
 そこで、以下今回の改正の具体的な問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一に、今回の改正の第一は、悪質事犯の排除の徹底ということでありまして、酒気帯び運転について規制を強化されておるようであります。そのうち、酒酔い運転の罰則について懲役刑の長期を一年から二年に引き上げるという改正を提案しておられるわけであります。この懲役刑の長期を一年から二年に引き上げることが必要である事由について、若干御説明をいただきたいと思います。
#33
○久保政府委員 御承知のように、二、三年前に刑法の業務上過失は三年から五年に引き上げられました。これは当然自動車の事故に関連をして引き上げられたわけでありますが、こういった背景がありまして、この点は従来から懸案になっておったことの一つであるのです。それから今回の改正の中で、酒気帯び運転、これは従来は〇・二五以上ありましても、すぐには罰せられなかったわけでありますが、今回はそれが罰せられることになりました。それとの均衡の問題が一つ。それから裁判所の実態の問題でありますけれども、現在酒酔い運転をいたしましても、事故が起こっておりませんと、大体罰金で済んでおるようであります。これは外国の事例でも、懲役刑、体刑をすぐに科しておる国も幾つかあるわけでありまして、長期を延ばすことによって裁判所における判決そのものを重くし得る。これは現在どの程度になっておるかということは、実は法務省に確かめましたけれども、数字的にはわかっておりませんが、一般的にはそういうことが言える。それから、酒酔いというのは、ある程度故意犯的な性格もある。したがって、そういったものについては厳罰に処すべきである、少なくとも酒酔い運転については厳罰に処すべきであるといったような、世上の空気が非常に強いというような世論をも背景にして一年を二年に引き上げた、こういうことであります。
#34
○高鳥委員 実はこの酒酔い運転の罰則の強化につきましては、わが党内に相当強硬な異論といいますか、反対意見をお持ちの方が一部にあったわけであります。そうした中でいろいろ検討を加えられた結果、この提案について了承しておるわけでありますけれども、私は一つここで疑問に思いますことは、いままでの裁判の具体的な事例の中で、懲役刑の長期が一年であるということからいたしまして、その判決の大多数は六カ月以下である、三カ月前後程度のものが非常に多いというふうに承っておるわけであります。そこで本来、量刑の度合いといいますか、懲役一年にするとか、六カ月にするとか、三カ月にするとかいう量刑の度合いについては、それをきめるものは裁判官であって、裁判官に専属すべきものである。もちろんこれは刑法等の考え方からいたしまして、もっと重くしなければならぬということで、たとえば無期懲役にするとかあるいはまた死刑にするとかというような、いろいろな量刑の改定というものはあるでありましょうけれども、現行法律の一年というものについて著しく不適当でないという限りは、ある程度裁判官は、現在下されておる量刑がその程度であるならば、無理をしてまでといいますか、ここで改定してまで二年にしなくてもいいんではないかというような考え方が基本的になされると思うのであります。そこをあえて二年にしなければならないということについて、一年と二年というのはいわば倍でありますから、刑を倍にしなければならぬということについて、長官からひとつ御意見を承りたいと思います。
#35
○後藤田政府委員 仰せのように、法の範囲内での量刑については、裁判官の考えによるわけでございますが、今回引き上げましたのは、先ほど交通局長からお答えをしたとおりでございます。それで、現在の一年というのは、要するに、最高限度をきめてある、こういうことでございます。したがって、その最高限度の範囲内において裁判官が量刑をする、こういうことでございますので、最近の世論の状況なりあるいは酒飲み運転の危険性、こういうようなことから見て、法定の刑としては、それを引き上げて最高限度を二年にする、その範囲内で裁判官に量刑をやってもらう、これが適当であろう、こういうことで最高限を引き上げたわけでございます。
#36
○高鳥委員 先ほど局長からの御答弁もありましたが、いままでこの法律を単独に適用されたものはほとんどない。他の業務上過失とか、いろいろなものと重加をして実際にはこの刑を適用されているようでありますけれども、単独にこの法律を適用されて、そうして受刑をして、終わって出てきた人であって、また免許を取って、しかも同じような交通違反をしたというか、そのような事例がありますか。それとも、このような刑の執行を受けた結果として、もう完全に改心をしておる、もう自動車を運転するのはこりごりである、もうやめましたというようなケースが非常に多いというふうに承っておる向きもあるんですが、その辺についてはいかがですか。
#37
○久保政府委員 いまお話しの件は、おそらく業務上過失と一緒になりました者が刑務所に入りまして、それで刑務所の刑期を経た後に、再犯のおそれが非常に少ないという事例であろうかと思います。
    〔砂田委員長代理退席、委員長着席〕
これは、比較的事例のいい者が千葉その他の刑務所に入っておるようでありますが、私どものほうで、単に酒酔い運転だけの者につきましては、これは累犯者も相当ございます。いまちょっと手元に持ってございませんが、そういった者は相当あると思います。
#38
○高鳥委員 さらに、法律案要綱の三番目に「警察官は、酒気帯び運転の禁止に違反して運転をするおそれがあると認められる者について呼気検査をすることができる」という項が新設されるのでありますが、この「酒気帯び運転の禁止に違反して運転をするおそれがあると認められる者」という表現が非常にあいまいなような感じがいたしますので、この点をもう少し明確に御説明をいただきたいと思うわけであります。これをこの字句どおりに読みますと、酒気帯び運転をするおそれがあるということは、運転をしなくても呼気検査をすることができるというふうにとられる可能性もあると思うので、法律の条項としては非常にあいまいなものを含んでおるような感じがするのでありますが、その点をお伺いしたいと思います。
#39
○久保政府委員 若干そういう懸念があるかもしれない表現でありますが、ただ、ここで考えておりますることは、運転をする可能性があるということでありますから、可能性のなくなった者、たとえば、自分の車庫に車を持ってきた者、あるいは事故を起こしてけがをして運転をしそうにないということ、つまり運転をすることが明らかに継続されないといったような場合は、この中に入らない。しかし、その可能性が残されておるといったような事態の場合には、この中に含められるというように解釈をいたしております。
#40
○高鳥委員 そういたしますと、この法律を字句どおりに実行するといたしますと、たとえば自家用車があって、そこへオーナードライバーが行って、自動車のドアのかぎをあけて荷物を取り出そうとしていた。ところが、そのドライバーは、たまたま少し顔の色が赤いように見受けられる。そうすると、自動車の運転をしてもしなくても、おまえは呼気検査の必要があるぞということで、呼気検査をすることは可能であるというふうな読み方ができると思うのでありますが、その辺についてはどうですか。
#41
○久保政府委員 法律はどのような場合にもあいまいな状況はあるわけでありまして、二、二が四と割り切るわけにはまいらないケースがあるわけであります。ただ、いまのお話のように、荷物をとることが明らかである場合には、当然これは入りません。それから、運転着席にすわって、キーを回してエンジンをふかし始めたら、これは運転をしそうであるということになって、呼気検査をすることができるわけであります。ただ、通常、警察の取り締まりは、そういった場合はあまりありませんで、車が通行しておるものを押えて、いわゆる検問でありますが、その際に、運転者の顔が赤いとかあるいは呼気がくさいといったような場合に、検査をするというのが通常でございます。
#42
○高鳥委員 それから、この呼気検査の正確さでありますが、かつて私も県警で、これの実験をお願いしてやってみたことがあるのです。私自身が酒を飲みまして、あの風船を吹いてみたのですが、人によってこれは非常にまちまちに出る、あるいは吹き方によってもだいぶ差があるような感じがするのであります。事実、運転者仲間でいろいろ話をいたしておりますと、あれは吹きようによって出ないんだとか、いろいろな説をなす者があるわけであります。そこで、この正確さ、あるいは最近、こうした呼気検査をするのに、より一そう適切な適当な器材というものが開発されているのだろうか、あるいはそれの全国的な配置状況、そうしたものについて承りたいと思います。
#43
○久保政府委員 現在の検知器は、完全無欠というわけではございませんし、そうしてまた、人によって差異のあることも当然であります。そこで、現在私どもがやっておりまする北川式検知管によりますと、〇・二五の場合に、事実上は〇・三くらいの許容範囲を見てやっております。いまの法律では、〇・二五ありましてもすぐには罰則がございませんで、ほかの違反がありましたときに、その違反が追及されるわけであります。現状におきましても、検知管自身に〇・三までの許容範囲を認めておりますので、その点においては間違いはございませんけれども、しかし、やや見にくいといったような問題もあります。そこで、この秋には、別の新しいものに切りかえる予定であります。さらに、それ以外に若干、電子式にこれを検査する器材を開発しておりまして、もうすぐできますので、来年度あたりから逐次それを普及してまいりたい、かように考えております。
 なお、この検知器自身につきましては、私どもの科学警察研究所におきまして一応の確認は得ておるものでございます。
#44
○高鳥委員 酒気帯び運転に関して、最後にひとつ長官に御要望申し上げておきたいと思いますが、それは、取り締まりに当たる警察官に酒気帯び運転が絶えないということであります。これは、警察官といえども、酒を飲んではいかぬということはないのでありまして、またバーやキャバレーへ行ってはいかぬということではもちろんないわけであります。しかし、たまたま新聞等を拝見いたしておりますと、警察官も人でありますから、酒を飲んで、そのあげくにホステスなどと一緒になって、深夜酒酔い運転をして交通事故を起こして、免職になったという事例も、ときどき拝見をするわけであります。さらにまた、きのうの夕刊からけさの朝刊にかけまして、都内某警察署において、酒気帯び運転取り締まりを事由にして、婦人の自動車のキーを取り上げ、さらにはまた人気のないところへ連れていって暴行を加えたという事件が新聞に出ておるのであります。これは私はまことに遺憾なことであるというふうに考えるのであります。そうしたことの絶滅を期していただきたいと思うのでありますが、長官の御決意を承りたいと思います。
#45
○後藤田政府委員 仰せのように、最近まことに申し開きの相立たない事件が警察の職員によって引き起こされておりますことは、まことに申しわけのない次第でございます。私どもは、警察官の酒気帯び運転はもちろんのこと、警察官の車の運転による事故の防止ということについては、数年来、特に最近若い警察官が多くなっておりますような関係もあり、また部内における運転免許を持っておる職員が七〇%くらいに達しておるといったような実情にもかんがみまして、末端にまで警察官の各種の交通違反の絶滅を期するように十分に徹底をいたしておりますが、さらに、仰せのように、今後ともこういう点については絶無を期するという観点から、十分指導を徹底してまいりたいと考えております。
#46
○高鳥委員 ぜひその御所信を貫いて実現をしていただきたいと思います。酒酔い運転については以上で終わります。
 次に、運転免許の取り消し等を受けた後の免許の欠格期間は、悪質な運転者については、現行一年を三年以下の範囲内で延長することができるという改正を行なわれようとするわけであります。この悪質な運転者というものは、どのような者をいわれるのか、政令等でいろいろおきめになっておると思うのでありますが、その内容を承りたいと思うわけであります。というのは、ただ単に悪質なというだけで、包括的にそれを政令等に委任するというのは、法律のたてまえとして少しおかしいような感じもいたしますので、その辺の内容について若干承りたいと思います。
#47
○久保政府委員 現在の免許の取り消し、停止は、御承知のように、点数制度でやっております。そこで最初の処分を受ける者、これは現在十五点の点数になりますと取り消しを受けます。ところが、十五点のものでありましても、二十点、三十点のものでありましても、現在の法律では一年の欠格期間であります。これを三年まで引き上げようというわけでありますが、点数制度を採用しておりますので、その延長線で考えまして、政令の上では二十五点に達したものが二年、三十五点に達したものが三年というふうにいたしたい。そこで、どんなものが三年になるかと申しますと、たとえて申しますと、酒酔いによる責任の重い――責任の重いというのは、大部分の責任が本人にあるという意味でありますが、酒酔いによる責任の重い死亡事故でひき逃げをした者、これが三年であります。それから酒酔いによる責任の重い死亡事故を起こした者、これはひき逃げでありませんが、二十五点で二年、そういうふうに点数に応じまして区分をつけたい、こういった者が悪質な者であるというふうに、政令の上で考えようと考えております。
#48
○高鳥委員 ただいまの欠格期間の問題に関連をいたしまして、私どもがいろいろ交通運輸機関などの調査を承っておりますと、たとえば、タクシー会社などにおいてもあるいはその他のバス会社などにおいても、違反をしあるいは事故を起こし、車を故障させる運転手というのは、非常に特定されておるということであります。たとえば、タクシー会社において、三割程度の運転手が非常に事故が多いということで、その運転手をやめさせたところが、事故が三割減ったのではなくて、八割減ったというようなことがあるわけであります。そこで、やはりこれは人間の性格等もいろいろあると思うのでありまして、一時は免許の要件として、精神病医の鑑定を要するとかいろいろなことをいわれたのでありますが、結局実効はあまりあがらなかったということであります。そこで、本来なら、ほんとうに悪質な者であるならば、欠格期間ではなくて、これはもう完全に免許をやらないのだというようなところまで、むしろこういう点については徹底をさすべきである。何回言っても改まらないという者については、永久欠格にすべきであるというふうに私は考えるのですが、その点どうですか。
#49
○久保政府委員 悪質な者については免許証を永久に取り消すべきであるという意見は、一般の世論の中でも相当多いのであります。ただ、従来はこの一年というのが非常に短い。そこで、これを延ばすべきであるということで、今回三年に踏み切ったわけでありますが、延ばすこと自身についても同様にまた反論もございまして、そこで、永久取り消しということも考えられますけれども、さしあたって、従来は一年しかなかったものであるので、三年程度というのがまずまずこの際は適当なのではなかろうか、絶対的に三年がよろしいというほどの自信はございませんけれども、いまの状況では三年がよろしいのではないか。かたがた、私どもの電子計算機で運転者の管理をいたしておりますのも、過去三年間の履歴でありますので、それに合わせてみたということであります。
#50
○高鳥委員 それでは次に、交通反則通告制度適用対象者の範囲の拡大の問題についてお伺いをしたいと思います。
 この改正は、少年である反則者についても交通反則通告制度を適用しようとするものであるようであります。そこで、この方式を適用した場合に、一番私が危惧することは、従来なら家庭裁判所に回されて、したがって、当然家庭に通知が行って、少なくとも保護者と申しますか父兄と申しますか、そういった人たちは、少年が違反をして罰金を納付させられるということについて、承知をするチャンスが非常に多かったと思うのです。ところが、この反則金制度になりますと、少年がその場で交通違反の切符を渡される。そしてその納付をするのは少年である。そういうことからいたしまして、父兄ないし保護者、そういった人たちが少年が反則金を納める必要性があるという状態に追い込まれていることを知らないケースが非常に多い。そうしたことからいたしまして、最も危惧するところは、これが別個の犯罪につながらないか。たとえばおどしでありますとか盗みでありますとか、そういった別個の犯罪につながらないかということを、実は一番危惧するわけであります。そういう点についてどのようにお考えになりますか。
#51
○久保政府委員 現在の少年について反則制度を適用しました場合に、本人が反則金を支払う、その反則金の金がないために、何かの他の犯罪を誘発しないかということでありますが、これは私どもまだ実績を持っておりませんが、成人の場合については、そういった報告は全然出ておりません。少年の場合に、そういう虞犯性があるのではないかという懸念があるかもしれませんけれども、それはもう少し様子を見てみないとわかりませんが、私どもとしましては、それは一応別個の問題でありますし、また少年の親に対する警察側からの注意というものも、この法制度と別個に考えられてしかるべきではなかろうかというふうに考えております。
#52
○高鳥委員 時間がだんだん迫ってまいりましたので、いろいろ深くお尋ねしたい点もあるのでありますが、一応問題となります点を次々に提起いたしまして、御所見を承りたいと思います。
 第三番目に、都市交通規制等のための措置をいろいろ提案されておるわけでありますが、この御提案になりました御趣旨のものについては、たいへんけっこうなことであると私は思いますけれども、最近こうした規制が次々に行なわれることによって、メーンストリートの混雑はある程度車の流れをスムーズにすることができる。しかし、その半面、今度は裏通りが非常に交通混雑を来たし、あるいはまた、子供たちの飛び出し事故なども、裏通りにおいて非常にたくさん起こってくるというようなことが現実であります。そういうようなことからして、メーンストリートの交通規制の強化ということばかりを考えておると、大きな落とし穴が出てくるんじゃないかという感じがするわけでありますが、その点についてどのような配慮をお考えであるかということ。
 それからもう一つは、最近の住民の間の一つの主張といたしまして、本来道路というものはわれわれが歩いてきたんだ、人類の誕生以来われわれの道路である、それを何の断わりもなしに自動車が占拠をして、歩行者を追い出すのはたいへんけしからぬということからいたしまして、たとえば横断陸橋ですね、ああいう歩道橋については反対であるという意見も出ておる地区があるということであります。そうした問題について、警察庁はどのようにお考えであるかということを承りたいと思います。
#53
○久保政府委員 ここ数年来表通りにおける規制が強化され続けておりますので、お話しのように、車が漸次裏通りに入りまして、裏通りでまた事故がふえてまいるという傾向にあるわけであります。そこで、そういう傾向を受けまして、昨年夏以来裏通り作戦というものを実施いたしております。また、先般も新たに通達したところでありますが、考え方といたしましては、裏通りにおいて、たとえば六・五メートルの道幅以下のものについては、少なくともまず歩道をつくってもらう。歩道ができない場合には、ガードレールあるいはそこに白線で車道外側線をつくって人の歩く道路を確保する。その上で、道路が狭くなって相互交通ができなくなる場合には、一方交通にする、あるいは駐車禁止をする。さらに三・五メートル以下の道路については、原則として車を入れないというような考え方でまいっております。もちろん学校の周辺でありますとか、あるいは子供の非常に行きかう場所もしくは買いもののよく行なわれる場所などにつきまして、大型車の通行制限あるいは時間を限っての一般車両の通行制限、そういったこともあわせてやりつつあるところでありまして、これにつきましては、規制を行なうわけでありますので、標識を設置しなければなりませんので、予算を伴います。しかも特に問題になるのは、裏通りの交差点でありますが、そういったところでの対処というものが重要でありまして、標識その他を逐次予算の獲得とともに準備しつつあるところであります。
 なお、ただいまの車道について、人をどの程度尊重すべきかという問題でありますが、私どもとしましては、人の生活権といいますか、あるいは人の歩行する権利と申しますか、そういったものをやはり優先的に考えるべきである。さればこそ、歩道をまず準備するのが適当であるし、また人を保護するための信号機その他の安全施設を設置すべきであるというふうに考えております。ただ、そうは言いますものの、人に全部優先させて車は通さないというわけにもまいりませんので、人と車の相互の調節あるいは調整ということは肝要でありますが、今度こそは何とか人を優先的にした道路交通というものを考えてまいりたいという基本観念を持っております。
#54
○高鳥委員 次に第四番目として、交通巡視員制度の新設をお考えになっておるようでありますが、交通巡視員制度の内容を拝見いたしますと、これは本来警察官がやるべき仕事である。交通の取り締まりについては、警察官の職務として警察法に規定されているところであります。それを、この巡視員というのは警察官でない者である、警察署に配属はされているけれども、警察官でない職員、それが警察官の職務を行なうということについては、私は、趣旨として便宜的な趣旨ではあるかもしらぬけれども、少しおかしいんじゃないか、本来なら警察官を増員するということのほうが筋ではないかという感じを持っておるのでありますが、その点についてはいかがですか。
#55
○久保政府委員 警察官は警察権限の全部を持っておるわけでありますが、この巡視員は、ここに書いてあるような一部の権限しか持っておりません。そこで、警察官をこれに充当いたしますのには、少しもったいないという感じがいたします。もちろんこの職務をやるのに、大きな権限を持っておりまする警察官で当然よろしいわけでありますけれども、ただ、私どもの交通警察の立場からいたしますると、警察官はいま申し上げるように、いろんな権限を持っておりますので、どうしてもほかのほうに使われる可能性もある。むしろ交通の安全のための交通整理をやったり指導をしたり、あるいは駐車規制をしたりということを専門にやってもらえば、その面の効果がもっとあがるのではなかろうかという、言うならば、専門職というふうに考えております。しかしながら、これは運用であって、警察官をそれだけにやらせるということも運用上可能は可能だと思いますけれども、ただ、こういった任務を与えるためには、やはりこの巡視員制度のほうが安上がりで済むという考え方であると思います。この点は、外国でも相当多くの制度があるわけでありますが、やはり同じ思想ではなかろうかと考えます。もう一つは、庶民に直接接触するわけでありますので、いかにもいかめしい警察官というよりも、一般の市民的な巡視員という形のほうが、やわらかな感じも与えるんではなかろうかということもあわせ考えております。
#56
○高鳥委員 かりに交通巡視員であっても、警察官権限の一部を行使することは事実であります。警察官権限の行使ということは、国家権力の行使であります。そういうことからいたしますと、表現がかりにいかにやわらかであっても、それを行使する者については相当純粋性を保つべきである、あるいは明確にすべきものであると私は思うのであります。ところが、この法律の改正案全体を通じてそうでありますが、「警察官等」という表現が非常にたくさん使われておりまして、警察権限というものについて少し認識があいまいじゃないかというような感じを私は総体として持ったわけであります。これは御答弁はいまの御説明で了承いたしておきますけれども、さらにお考えいただきたい点であろうかと思うのであります。
 しかし、この制度が実現をされるといたしまして、これの各都道府県警察における具体的な配置等について、計画がありましたら、承りたいと思います。
#57
○久保政府委員 現在のところ四十五年度では二千五百人であります。そうして人口十万人以上の都市について配置をする予定であります。そこで、大体百万以上の都市につきましては非常に多い目に、それから五十万以下のものについてはやや少な目にというような配分で考えております。警視庁の場合にたしか五、六百人くらいになったかと思いますが、いま数字を持っておりませんけれども、小さな県で約十人前後といった数字になろうかと考えます。
#58
○高鳥委員 それでは第五番目に、歩行者の保護等で、特にスクールバスあるいは幼稚園バスについての徐行、安全確認義務というものを規定されておるわけでありますが、私は、現在表示をされ七おるところのスクールバスあるいは幼児の幼稚園バスというあの標示は、何か三角の形のものを車両の後部、前部につけているようでありますけれども、あれだけでは案外目につかないという感じがするのであります。もう少し、たとえばパトカーが来たとか、消防自動車が来たとか、ああいうような、車両全体が一つの規格の色合いになって、これは交通法というよりは、その他の法律で規定されておると思うのでありますけれども、全体として一目瞭然にわかるというふうなものにする必要があると思うのであります。というのは、あのマークの車のうしろに車がとまっているといたしまして、さらにそのうしろから来て追い越しをしていく、そういうようなケースがある場合に、あのマークだけでは陰で隠れて見えないというようなケースも、実際運転上見受けられる。その辺について御配慮が望ましいと思います。
 時間が大体来ましたので、最後に結びといたしまして、若干交通安全全般についてさらに重ねて長官の御所信を承っておきたいと思うわけであります。それは、道路の建設については、五カ年計画その他長期計画、さらにまた全国を結ぶところの高速道路計画、いろいろ計画が次から次へと発表されておるわけであります。それで、冒頭申し上げましたように、舗装道路における事故率というものは非常に大きい。道路がよくなれば事故が増加をするという状況が、現実に見受けられるわけであります。そこで、安全施設ないしは安全対策というものについても、長期的な展望のもとに計画を立てるべきである。いまのままで行くと、昭和五十年になれば一年間に何人死ぬとか、事故は何件起きるとか、そのほうの推計だけはなされているけれども、長期的な先の展望というものについてはあまり承っておらないようでありますが、その点についての御計画等を承りたいと思うわけであります。
 それからもう一点、交通の管制、混雑、渋滞の緩和、そうしたことについては、信号機、信号方法の改善等をはじめといたしまして、いろいろなくふうがなされているようであります。そうした点についての警察庁における御計画等がありますれば、この機会に承りたいと思うわけであります。
#59
○後藤田政府委員 常識的に、最近道路がよくなるのに交通事故がどんどんふえるのは一体いかなることだ、こういうことを私しばしば耳にいたします。なるほど道路はよくなっておりますけれども、今日の道路がよくなることはまことにけっこうですが、安全施設という観点から見まするならば、私は日本の道路ははなはだ立ちおくれておると考えております。したがって、道路建設についての長期計画で何兆円といったような計画ができる以上は、やはり道路の安全施設、交通管制、こういうような点についても長期の計画を同時に私どもとしては立ててやっていくべきである、こういうふうに考えております。今日まで、御承知のように、安全施設につきましては、緊急措置法の御制定があって、第一次で百七十七億円ばかり、第二次で二百七十七億円ばかりの経費を投入いたしておりますが、とりあえずそういうことでやってまいっておりますけれども、先ほど申しましたような趣旨で、私どもとしては、五年程度の先までを一応目安にして、いま一度道路の安全施設について洗い直しをして、そして財政当局等とも十分折衝をし、でき得る限りそういった長期計画のもとにさらに一そう充実してまいりたい。こういうつもりで本年度の作業の一つの目標にいたしております。
#60
○高鳥委員 せっかくなお一そう交通戦争にうちかつための警察御当局の御努力を期待いたしまして、私の質問を終わります。
#61
○菅委員長 山本弥之助君。
#62
○山本(弥)委員 昨年は、新聞紙上でもいわれておりますように、史上最高の交通事故件数あるいは死傷者の発生というような、国民にとりまして寒心すべき事態になりまして、将来が非常に心配されておるわけであります。毎年春の交通安全運動というのが行なわれているようであります。そういう意味におきまして、私は、ことしの交通安全運動は年中行事に終わらせることなく、今後の交通事故を減少させるという意気込みを持ってかかるべき重要な運動期間であったと思います。これらの点につきましてどういう新しい試みをし、また国民とともに、こういう交通戦争といわれておるような事故の減少ということに警察は取り組まれたか、またその成果についてどういうふうに見られたか、その点お聞かせ願います。
#63
○久保政府委員 春秋の安全運動につきましては、従来いろいろな批判があったわけでございまして、おおむねはマンネリ化という御批判であります。そこで、昨年の春から一日一重点ということから、飲酒運転の取り締まりでありますとか、踏切における指導、取り締まりでありますとか、そういった項目をあげまして、関係各機関がこぞって運動を展開したわけであります。ことしの春までは三回同じ方式をとりまして、さらに地域住民ごとの集会を持たせるということを今回もまたやっているわけであります。さらに、オーナードライバーの事故が非常に多いということで、各企業、組織についてあらかじめいろいろな指導なり協力を警察側からいたしまして、運動期間中はそういった組織なり企業が、自主的に自分の所属のオーナードライバーに対して教育をやっていただくというような運動を展開したわけであります。その成果そのもの、つまりどの程度やったかということは、今日まだ報告が参っておりませんので、そのところはわかりません。
 ただ、私、思いますのは、三回ほぼ同じことをやったわけでありますが、一日一重点と申しましても、まだやはり重点のしぼり方が足らないのではなかろうか、いまの安全運動につきましては、歩行者の保護、特に老人と子供の保護ということに焦点を置いているわけでありますから、この次はこの歩行者の保護及び私どもの長期計画の重点事項にいたしております自転車事故の漸減ということもあわせて、ここに焦点をしぼっていろいろの施策をすべきではなかろうかというふうに考えておりますので、秋の場合には、この運動の中心である総理府にそういうことで申し入れをしてみたい、そのように思うわけであります。
 そうして成果そのものにつきましては、新聞にも出ておりましたが、この安全運動中の死者は三百七十二名、一日平均で言いますと三十七・二名の死者であります。昨年同期が四十一・八人、本年の安全運動実施以前の一日平均が四十一・九人でありましたから、若干減っております。それから安全運動の実施以前十日間の一日平均の死者は四十五・七人でありますから、これに比べて相当数減っております。
 ただ私どものねらいは、十日間は減らすということも重要でありますけれども、この十日における啓蒙運動があとあとまでも継続するようにやってまいりたい、またその成果を見たい、かように考えている次第であります。
#64
○山本(弥)委員 この期間の前後を比較いたしますと、確かにただいまお話しの三十七名という数字は、ある程度減少しているということは言えると思います。ただ、その前の四十五・七人という数字は昨年の平均の四十四人を上回っている。また四十三年の一日平均は三十九人ですが、それに比べましても、警察官多数を動員して、また各省協力いたしましてやっている、努力している運動の期間ですら、私は今後の趨勢は非常に心配な状態である、こういうふうな感じがするわけでありまして、この期間を契機として、各都道府県におきまして、この仕事に全力を尽くしてもらいたい、かように考えるものであります。
 そこで、先ほど高鳥さんからお話がありました、運動期間中の警察官の交通事故、私は、これは運動期間中ということではなくて絶滅を期していただきたいわけでありますけれども、そういう期間中に警察官自体が交通違反、しかも中には相当悪質な交通違反を犯しておる。この事態は、警察自体が交通取り締まりというものについて重点を置いておると言いながら、私はその重点が、表面的と言うと語弊がありますけれども、そういう感じを持つわけであります。
 本来、警察の仕事は、長官も御承知のとおり、いまの警察は民主的運営、交通取り締まりや悪質な犯罪に対しましては、厳重に取り締まる。悪質犯の絶滅を期するという意味におきましては、交通取り締まり警察官といえども強くならなければいかぬ。しかし、こういうものは、国民総ぐるみで事故の絶滅を期するという意味におきましては、国民の理解を受け、あるいは根強い指導によりまして絶滅を期さなければいけない。これは運転者のみならず、一般歩行者の問題もございましょうし、また、こういう経済成長の中でその業態の発展を願うというあまりの経営者の態度――いま自動車がなければ、営業も何もできないわけでありまして、バス、タクシーといったような当然車を営業の基礎としておるものはもとよりのこと、その他の営業におきましても、いわゆる零細企業におきましても車を使う。それらをいかに能率よく運営するかということに、私は、いまのこういった激動しておる時代におきましては全力を尽くしておると思う。そこに何らかの無理がある。それをどう指導していくかということは、真剣にやらなければならぬ問題だ。昨年一年間の学生運動を中心とする治安対策、これは長官をはじめ皆さん、国家公安委員会を中心として非常に御心痛になった問題で、非常に苦労なさった問題だということにつきましては、私は十分理解ができると思います。しかし、それに重点を置いて――私は昨年も質問を申し上げたのでありますが、本来、こういった交通戦争といわれるように、過去の戦争におけるよりも死傷者が多いというような事態の交通問題には、やはり真剣に取り組まなければならない。いわば機動隊で出動する警察官の心がまえと交通警察官の心がまえというものは、ある程度相当違わなければならない。そういう意味におきましては、重点が機動隊に置かれたということによる警察官――民衆処遇の問題あるいは交通取り締まりの問題、これらにつきましては、やはり警察官といえども世相を反映しておる一つの社会であるわけであります。常に指導につきまして、警察各般にわたる警察官の指導が重点に置かれざるを得ない。従来、管区警察あるいは府県の警察学校におきましては、こういうものにつきましては、主要犯罪と同様、交通取り締まりにつきましては、私は十分な教養、訓練ということが行なわれたと思うのです。管区警察が機動隊の訓練ということに重点が移され、また管区学校におきましても、そういう対象の少ない警察におきましても、問題がある程度まで機動隊の訓練というふうになっていますと、勢いそういった方面に欠陥を生ずるおそれがある。そういうことが重要な交通安全運動のさなかに、警察官それ自体が悪質な交通違反を犯すという事態。本来は、多数の警察官の中にたまたま起きた事犯であるというふうに私は了承はいたします。いたしますが、基本的な問題のあり方、あるいは警察が、警察の各般にわたる取り扱いの問題、教養の問題ということに常に関心を持ち、御指導を願わぬと、重要な時期の警察官の交通事故という問題は、今後の取り締まりに大きな支障を来たす、私はかように考えるわけでありまして、この点、長官から御所見を承りたいと存じます。
#65
○後藤田政府委員 私は、警察が国民から負託をせられておる責務を完全に果たすことができるかどうかということは、これはやはり警察官の個人個人が職業人としても、また社会人としても、国民の目から見て、信頼し得るに足るだけの人間に育っておるかどうか、これが一点、いま一つは、警察全体の仕事の姿勢というものが、国民多数の望んでおるところに向かって仕事をやっておるかどうか。こういう二つにかかると思います。そういう意味合いから、警察官の個人個人の素質の向上の問題については、やはり採用の問題、教育の問題、処遇の問題、こういうような点について、十分私どもが配慮し、手当てをしなければならぬ。同時にまた、警察全体の仕事の姿勢につきましても、昨年のような騒ぎがあれば、やはりそれには敢然として立ち向かわなければならぬと私は思います。しかし、同時に、警察というものは、国民全体の方々が事故なり犯罪から脅かされておる、この脅威を防ぐ。平たく言えば、国民の日常生活を保護する活動、つまり市民警察活動、この重要性を忘れるならば、いかに警察が言ってみても、とうてい国民の信頼を得ることはできない。結局は、警察の仕事がうまくいかないことになるのではないか、こういう意味合いから、昨年来、ああいう忙しいさなかでも、いわゆる市民警察活動については間隙を生じさせるなということを十分指導いたしております。ただ、先ほど来御指摘がありましたように、交通安全運動期間中であるにかかわらず申し開きの相立たぬような事故を起こすということは、これは何とおわびを申し上げていいかわからないというぐらい私は反省をいたしております。今後とも、いま申し上げましたような意味合いから、十分ひとつ配慮をいたしてまいりたい、かように考えます。
#66
○山本(弥)委員 本年度警察官五千名の増員があるわけであります。昨年も五千名の増員があったわけでありますが、これは機動隊を中心とする増員その他である。管区における機動隊の訓練の強化の際に――私は前の長官だったと思いますが、そのことによる管区における幹部教育、いわゆる治安活動以外の警察幹部教養について、府県警察において欠陥が生ずることにはならないかという御質問を申し上げたわけでありますが、それらに対しましては万全を期するという御答弁をいただいておるわけです。今回さらに五千名の増員ということは、おそらくそれらの穴埋めの増員ではなかろうか、かように考えるわけであります。過去におきましては、治安以外の警察官というのは、これは五千名増員するにしても、三カ年計画だというような計画だったと思うのでありますが、地方公共団体が何となしに国のほうから、ことに大蔵省側からゆとりがあるというような宣伝といいますか、PRがなされることによりまして、最近は、たやすく警察官の増員ということも、いわゆる交付税の対象として処理されるということになっておるわけでありますが、おそらくこの五千名の増員はあれでございますか、交通、司法、その他の警察に充当されるわけでございましょうか。そのうちに特に交通警察としてはどのくらいの人員をおさきになる予定になっておるか、その点をお聞かせを願いたいと思います。
#67
○後藤田政府委員 本年度お願いをいたしております五千名の増員は、外勤の警察官の増員と交通警察官の増員に充てる。その割り振りは、各県の実情に応じて各県の本部長の裁量でやらせる、こういうことにいたしております。
#68
○山本(弥)委員 今度の道交法の改正は数点あるわけでありますが、そのうち中心になるものは、酒酔い運転の罰則の強化であるわけです。罰則の強化ということの必要性は、悪質事案に対しましては、私、これを認めるものであります。やむを得ないのではないか。しかし、罰則の強化だけで十分その効果をあげ得るものではないと思うのであります。
 交通局長にお聞きしたいのでありますけれども、交通量の増大に伴う交通施設あるいは安全施設の整備につきましては、国の予算におきましても、あるいは地方公共団体の予算におきましても、整備を何カ年計画でやっており、今後もしなければならない、かように、私、考えるわけであります。今日、自動車が非常にふえておるわけですね。毎年たいへんなふえ方であるわけでありまして、おそらく欧米先進国と肩を並べる程度の所有台数になっておると思うのであります。これに関連して、日本の道路というものは、これに対応する道路であるのかどうなのか、自動車というのはどんどんふえていいものかどうなのか。これらの基本的といいますか、取り締まりを強化し、道路の整備をやる、しかし、道路の整備が完備する、あるいは整備されつつあるにいたしましても、自動車をのむだけの道路、日本の道路というものが、交通事故を減少する方向に対応していけるものかどうか。極端な言い方をしますと、ある程度まで自動車が日常生活に結びついておる今日、これを制限するということは困難なことでありますけれども、その通る道路が対応し得ないというような場合には、あるいは何らかの方法で自動車の台数の制限をする、自動車が道路にあふれる、それには制限というものを考えなければいかぬ。すでに大都市では、幹線道路の一方通行の規制までやらざるを得ないという事態に追い込まれておるわけですね。それらの見通しといいますか、そういうものを一応目安に置いて、交通取り締まりと並行的に道路の整備を急ぐべきか、あるいは道路を通る台数の制限、何らかの方法で規制することを考えなければいかぬのか、その辺の見通しについて、専門家であられる局長からお聞かせ願いたい。
#69
○久保政府委員 車の台数は今日千六百万台、昭和五十年には、運輸省の推算によりますると、これが三千四百万台になるであろう、その後はほぼ需要を満たして横ばいになるであろうというのが運輸省の見方であります。ところで、今日までは車の台数はほぼ二割ずつふえております。今後はその増加率は減少しましょうけれども、いまのような台数になる見込みであります。
 ところで、道路の面積の増加率は、私、はっきりわかっておりませんが、東京でもたしか五年たって数%程度以内というふうに聞いておりますが、そういうことで道路が広くなりましても、車の量がそれをオーバーしてしまうということが言えます。なるほど道路の長さ当たりの車が占有する長さは、欧米に比べましてやや多いわけでありますけれども、御承知のように、わが国の道路は非常に狭いということでありますので、道路面積の数字はございませんが、非常に苦しい。
 そこで、これに対処する方法は幾つかございますが、一つには、何と申しましても道路面積を広くせよということ、もう一つは、大都市への車の流入を制限するという問題がございます。外国でいま実施いたしておりますのは、昼間のトラックの流入を制限するというのが一部行なわれております。しかしながら、大規模に行なわれておるところはまだございません。これは世界各国の共通の課題であろうと思います。そこで、そういった問題が私どものこの次の道交法の改正の中の一つの主要な課題になりまするし、その際には、多くの方の御意見を伺わなければなるまいと思います。
 もう一つの方法は、さしあたっての道路を前提といたしまして、信号機とコンピューターを連結いたしまして、交通量に最も適合した信号機の秒時及び信号機を系統化するという方法がございます。これによっておそらく交通量は二、三割の増加はできようかと思います。
 そこで、以上のような方法を総合的に実施していくというのが、今後政府に課せられた課題であろうと私は確信いたしております。
#70
○山本(弥)委員 いろいろな施策を考えていただいているようで、今後一そうその点につきましての御努力を願いたいと思うのであります。
 自動車の販売制限というようなことはなかなか容易ならぬ問題でありますけれども、道路上が駐車であふれる、あるいは大都市の円滑な交通の機能が麻痺するという問題等に対処しまして、いまの技術的な施策とともに、大局から相当御検討願いまして、いわば自動車の通行、自動車の台数と、道路が自動車をどうのむかという関連につきましては、関係方面と十分御検討願いまして、自動車の伸びもある時期に来れば減少あるいは横ばいということになりましても、その辺のところを十分御指導願いたい。都市によりましては、今後中都市等はやはり路上駐車というような問題に関連して、都心地にパーキングを持つという計画があるわけであります。大都市の例にならいますと、高層パーキングというものを都心地につくりまして、そこに車を誘導するようなあり方がはたして正しいのかどうか。今後大都市から中都市、小都市へ移っていくのではないか。そういう問題を早く御検討願い、交通の安全と運行が確保されるということについてどういうふうなことがいいのか、今後ともそういう方面も引き続き、取り締まりのみならず、十分御配慮願いたい、かように考えておるわけであります。
 なお、指導等とか、そういうようなことにつきましても、昔の警察というのは、比較的民間との接触が多かったわけであります。必要以上に多くて、ある意味においては、大きな弊害があったということを私自身も感じておるわけであります。最近は、昔ほどの接触が、本部長もないということのようであります。しかし、幸い民主的運営として公安委員もおられるわけでありますので、いわゆる庶民の声を、定例的に公安委員会が開かれまして、あるいは風俗営業の処罰、交通違反の運転免許の取り消しというような法令的なことのみならず、広く各層、直接運転する運転手、これもいろいろな層があろうかと思います、あるいは経営者の問題、あるいは町の主婦の声を聞くというふうな、そういった方法が一番いいと思うのです。いま公安委員会が、いわゆる民衆との接触という意味におきまして一番大事なことは、防犯もありましょう、しかし、交通事故を絶滅するということについての接触ということが、非常に重要な問題ではなかろうかというふうに考えられますので、公安委員がいわば庶民層との接触を深めていく、交通取り締まりあるいは交通違反等に関連いたしまして接触を強めていくというようなことについて、適切なる御指導といいますか、そういう御配慮を願いたいと思うわけであります。ちょっと御意見を……。
#71
○後藤田政府委員 仰せのように、今日の交通の問題は、生産行政あるいは都市計画の問題、こういった広範な面にわたって施策を講ぜられなければ、所期の効果はあげがたいと思います。ただ、私どもは、そういった積極的行政の面でなくて、いわば受け身の、消極の行政の立場にあります。そういうような意味合いから、今日の状況では、お説のように、漸次――表現はまことにまずうございますけれども、車いじめのやり方になっていかざるを得ないのではないか、こういうふうにも考えております。しかし、何ぶんにも消極行政というのは、積極行政に立ち入ってまでやるということは差し控えるべきだと思いますが、基本的には、やはりどうも車いじめのやり方をやらないことには、人命の確保ができないんじゃないか、こういった状況にまで立ち至っているように考えております。
 なおまた、警察全般の仕事のやり方につきましては、お説のように、これまた、今日の警察の仕事の分野が、司法警察ということで非常に範囲が狭まっておりますが、それだけに警察官、ことに幹部は、公安委員制度もあることでありますし、いわゆる市民の声を聞くという努力、これを一そうやらなければならない、こういうふうに考えておりまするので、将来ともそういう線に沿ってやってまいりたい、こう考えております。
#72
○山本(弥)委員 道交法の改正の内容につきまして二、三お尋ねいたしたいと思います。
 この第一の「悪質事犯の排除の徹底」の中の酒気帯び運転に関する規制及び罰則の強化、私は、この方向は大体やむを得ないというふうに考えるわけでありまして、あとは運営の適正を期する。善良な運転者の取り締まり強化にならない、ほんとうに悪質者に対処をするということによりまして、罰則の強化もある意味においては効果があるんではないか、かように考えておるわけであります。ただ、この中で、先ほどちょっと話題にもなったと思うのでありますが、酒気帯び運転の禁止に違反して運転をするおそれがあると認められる者についての呼気検査の問題でありますが、これを強制的にするということにつきましては、私ども異議はないと思うのであります。これは、まあ、いろいろな例からいいますと、確かに人権じゅうりんにわたるようなことはないと思います。思いますが、やり方いかんによっては、私ども、いろいろなことばのやりとりその他によりまして、酒気帯び運転を事前に予防するということに熱心なあまり、あるいは行き過ぎということもあり得ると思います。これに対して罰則の規定があると思うのでありますが、これは必要ないんではないか、こう思うのですが、いかがなものでございましょうか。
 それから、悪質な運転者に対処するために、従来の免許の欠格期間を一年から三年に延長する、これも私どもやむを得ないと思います。まあ、三年ぐらいが妥当ではないか、かように考えるわけであります。ただ、あとで少年の問題にも触れたいと思いますけれども、今日、少年の雇用関係におきましては、やはり営業上運転ができるということが一つの雇用の要件になっておる場合が多いと思うのであります。そういう場合に、たまたま悪質なのに該当し、運転免許を取り消されたあと――私は、そういう、まだまだ未熟といいますか、若い少年は、将来社会人としてりっぱに更生する可能性を多分に持っておるというふうに考えられるわけでありますが、それらは、かりに三年間欠格期間を置くということになると、やはり雇用関係におきましても、まずい関係が出てくる。改俊の情が顕著であり、あるいは更生の見込みがあるという信用のある証明その他によりまして、これを事後にさらに短縮するというような制度が必要ではないのかというふうにもちょっと考えるわけでありますが、これはちょっと画一的に行なわざるを得ないという場合には問題が残る。むしろ、そういうことによっての、あるいは情実にからまる短縮というようなことも起こり得て、結局、全体の秩序を乱すようなことにもなるかと思うのであります。しかし、今後家庭裁判所のほうが多少ひまになるというようなことになるわけでありますが、そういうところの指導その他によりまして、いわば純然たる第三者の指導あるいは証明によりまして、そういうことが明らかになった場合の事後処置ですね。そういうことが可能なものかどうか、お伺いしたいと思います。
 それからもう一点は、無免許運転等の下命、容認をした安全運転管理者に対する罰則を、運転者と同程度に引き上げるということにつきましても、適切な改正であると存じます。ただ、この場合に、はたして従来、罰則の適用その他的確に措置をなさっておられたのかどうか、それらの事情をお聞きしたいと思うのであります。それと同時に、今後、これらを思い切って、運転者と同様に的確に御処断願うことになるのかどうか。
 まずこの三点につきましてお伺いいたします。
#73
○久保政府委員 まず第一点の、呼気検査の場合の罰則の必要性の問題でありますが、御承知のように、現在は規定そのものはございませんで、任意にやっておるわけであります。したがいまして、いろいろとやりにくいあるいはトラブルが起こりやすい原因になっておりますので、さしあたってまず規定を置きたい。その上で罰則をつける必要があるかどうかという問題になりますが、この呼気検査の理由といいますのが、飲酒運転をしておった場合に、その後に本人を、たとえば再び運転をさせないとか、あるいはかわりの運転者を呼んでくるとか、あるいはしばらくそのまま休ませるとか、そういった安全のための事後措置の必要のためにやっておりますが、そのための呼気検査というのは、物をたとえば提供させるとか、あるいは留置するとかいった物理的な強制ができません。したがいまして、それはまあ、軽微なものでありましても罰金でございますぞという間接強制をやらざるを得ない。これも、その程度で罰金を取るのかということについて問題はあるかもしれませんが、やはり本人の安全のためではあるし、かたがた、またそれが社会の人に影響なり障害を与えるかもしれない、そういった可能性を未然に防止するということでやらざるを得ないのではなかろうか。そういった間接強制のための手段であるというふうに、御了知をいただきたいと思います。
 次に、少年の、三年になった場合に、事後措置として何らかのことが考えられないかという問題でありますが、三年になりますような場合、二年でも同じでありますが、先ほど申し上げましたように、軽微な違反でそうなるわけではありませんで、当然業務上過失になるわけであります。これは裁判所に送られあるいは刑務所に送られて、そこで少年にふさわしい措置が講じられるのではなかろうか。ただ、その場合に、非常に改俊の情が顕著であった場合に、三年の欠格期間をもう一度二年に引き直してみてはどうかという問題はあるかもしれませんが、ちょっとそこまでの連結が事実上もなかなか困難ではなかろうかというふうに考えます。
 なお、私どもでざっと試算したところによりますと、取り消し件数は大体年間二万件でありますが、そのうち二年以上に該当するものはおそらく二千九百件余りです。したがいまして、このうちの少年の数はわかりませんが、数としては非常に少ないのではなかろうか。したがって、いまの問題としては、それほど大きな社会的な問題があるというわけではなくて、むしろ、言うならば、ことばは悪いのですけれども、一罰百戒的な措置でもって少年にも注意をしていただくということが望ましいのではなかろうかというのが、私どもの立場であります。
 それから下命、容認の問題でありますが、これはたしかこの関係で罰則を適用いたしましたのが、いままでで二千三百件ばかりあると思います。この点につきましては、現在の交通情勢からいたしますと、運転者が悪いというよりも、むしろ運行管理者、そういった責任者の命令なり、あるいは暗示、黙認のもとに行なわれるというケースが非常に多いので、むしろ私どもの一つの重点は、そちらに向けるべきではなかろうかということで、今後もそういった点は十分に処置してまいりたいと考えます。
#74
○山本(弥)委員 第一点の、呼気検査を拒んだという場合、あと運転のおそれがあるということで、本人のためあるいは社会のために、呼気検査を拒むということに対して罰則の適用はあるけれども、さらに呼気検査を強要することはできないわけですね。ですから、私は、効果的には多少威嚇するにとどまるという感じがするわけですが、ケースによりましては、これは確かに問題が出てきて、乱用になる心配があるので、でき得ればそれは指導で、従来の同意による検査ではなくて、今回は検査が強要できるわけでありますから、拒むことはできないのだということによって、できるだけ従来と同じように、説得によりまして検査を受けさす、あるいは運転をやめさせるという指導が望ましいので、拒んだから直ちに罰則の適用をやるということは、やはりこの規定は除外してしばらく――詳しいことは時間の関係でお聞きいたしませんが、どうせ来年あたりさらに大きな改正も考えておられるというので、しばらく様子を見る必要があるのではないかという感じが私はするのでありますが、でき得れば、これは罰則の適用から除外すべきではないか。そして将来その必要がある場合は、さらにまた強化してもいいのではないかというふうに私は考えるので、御配慮願いたいと思います。
 それからあとの、安全運転管理者の今後の取り締まりの強化という方針につきましては、まことに同感であります。その点は十分徹底いたしまして、ことに過労運転、あるいは積載の超過といいますか、一々積載の超過を取り締まるということも繁雑であり、常識的にある程度の問題は見のがしてもいいような事案も多少あったのではないかと思いますが、悪質な超過を慫慂する管理者に対しましては、十分取り締まりをする。そして運転者の事故を発生しないよう取り締まりを強化してまいらなければならぬと思いますので、この点は今後の運用で十分配慮してもらいたいと考えます。
 それから、先ほどの三年の欠格期間の問題でありますが、少年の事案で、悪質であれば当然送検になり、あるいは少年院に送られるという事例もあるわけだと思います。そういう場合に、おそらく少年院その他におきまして、本人の更生あるいは運転者としての適格というようなことについての配慮が、十分なされぬのではないかという感じがいたしますので、そういった責任のある少年院長あるいは家庭裁判所の担当調査官の方とかの何らかの証明によって、将来の更生の道を促進してやるという措置が好ましいのではないだろうか、かように考えるわけであります。最高裁の家庭局長おいでを願っておると思うのでありますが、その点の御所見はいかがでございましょうか。
#75
○外山最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のありました点は、私どもとしても今後十分検討すべき問題であろうかと思います。外国の例などを見ましても、少年の交通事件につきまして、少年裁判所が運転の免許の取り消しとか変更とかいうようなことをする権限を持っておる例がある。たとえば西ドイツとかフランスとか、イギリスもそうだったかと思いますが、このような例がございます。やはり少年の特性に応じてその処遇なりあとの措置を考えていくということは、私どもも必要なことだと考えております。制度のあり方としても、今後警察庁その他とさらに十分研究してまいりたいと思います。
#76
○久保政府委員 外国の幾つかの国では、少年に限らず、免許の取り消しといった行政処分そのものを裁判所で扱っている国がございます。そういうことでありますので、少年もその一環として行なわれているものであろうと思います。一応私どもの立場といたしましては、少年と成人とこの際は同じに扱っておるわけでありますが、少年問題についていろいろ御要望も各般にございますので、これは将来最高裁とも御相談して、どういうようなあり方が望ましいものであるか、私どもまだ十分の自信がございませんので、今後の研究課題として勉強してみたいと考えます。
#77
○山本(弥)委員 いまの二点につきましては、いずれ私どもも審議の終わるごろまでには十分検討してみたいと思うのでありますが、その辺の修正が可能であるかどうか、交通局におきましても十分検討願いたい、かように存じております。それと、この欠格期間の問題と呼気検査を拒絶した場合の罰則の適用の問題ですね。
 それから次に、少年の反則者につきまして反則通告制度を適用する問題でありますが、少年の交通事故が全体の中のどのくらいの比率を占めておるか、あるいは少年の交通事故者の趨勢といいますか、増加しておるのか減少しておるのか、その辺のことをお聞かせ願いたいと思います。
#78
○久保政府委員 違反と事故と両方ございますけれども、違反の場合には、警察がどういう態度で取り締まりをするかということによって増減がありまして、必ずしも潜在的な違反の趨勢を示すものではございません。したがいまして、違反そのものから見ますと、非常にでこぼこがございますが、しかし、大体最近の状況では年間六十万件ぐらいというふうにお考えいただけばけっこうかと思います。全体の四百万件のうちで六十万件ぐらいという感じでございます。少ないときで五十四、五万件ぐらい、そんなところであります。
 それから事故件数は大体九万件ぐらいでありまして、全体の一三、四%ぐらいというふうにお考えいただけばけっこうかと思いますが、これは全般の事故が増加しておりますので、少年もその例外でないというかっこうになっております。特に少年の場合には、二輪車の無免許の違反でありますとか、それからスピード違反、この両方で大半であるというふうに言えると思います。
#79
○山本(弥)委員 少年は多少減少しているのじゃないでしょうか。違反なり事故なり、両方とも……。
#80
○久保政府委員 四十三年の七月から四十四年の六月までで五十四、五万件、それから四十四年一年間は五十八万件くらいありました。これは違反の関係であります。それから事故の関係は、ちょっと年次別の数字をここにいま持ち合わせございませんけれども、全体の事故が、昨年の場合は七十二万件で、一四%くらいという感じであります。
#81
○山本(弥)委員 他の犯罪と同じように、少年の反則者に対しましては、この制度から適用除外をして、それが家庭裁判所送りになっておるわけですが、家庭裁判所におきまして、これらの処遇につきましては、おそらく過去十数年にわたりまして施設の整備その他につきまして、ことに最高裁関係の予算というのはなかなか通らないような印象を私は受けるわけでありますが、そういう中で非常に御努力なさっていただいておると思うのでありますが、いま警察のほうで少年の反則者等についての数字もお聞きしたわけでありますが、これらの数字に対応いたしまして、家庭裁判所で従来どおりこの問題を処理し得る機能といいますか、そういった点、あるいは従来どういうふうに御苦心をなさって、これに対応することについて御努力をしてこられましたか、その辺のことにつきまして、概要をお聞かせ願いたい。
#82
○外山最高裁判所長官代理者 大量の少年の交通違反事件につきましては、従来から家庭裁判所でいろいろその取り扱いにくふうをこらしてまいりました。これらの事件の処分の結果を見ますと、八〇%ないし八五%は不開始、不処分という結果になっておりますが、そういう結果になりますのは、現在の少年法におきます保護処分の種類というものが非常に少のうございまして、交通事件に対応するような保護処分ないしは保護的措置というものが法的に非常に乏しいわけであります。したがいまして、結果的には不開始、不処分というような形で統計上出ておりますが、家庭裁判所といたしましては、それらの事件につきまして、事実上教育的な措置を加えるように極力努力してまいりました。全体の違反事件の約八〇%につきまして、これらの措置をとっております。たとえば軽度なものにつきましては、保護者でありますとか、雇い主とともに少年を家庭裁判所に呼び出しまして、必要な注意を与えるというようなことをいたしております。さらに必要がある場合には、試験観察制度等を利用いたしまして、補導委託をして少年に交通教育を受けさせる、あるいは家庭裁判所の中で講習を行なうというような措置をとってまいりました。近年その方向に向かって非常な努力をしておりますし、その体制も家庭裁判所において整備しつつあるところでございます。
#83
○山本(弥)委員 もしいままでどおり法改正を行なわないで進んだといたしまする場合に、これは警察の送致能力ということにも関連するかもわかりませんが、裁判所としては、ある程度まで迅速な、あるいはほんとうに少年の更生に必要な措置ということを、現在の機能で行ない得るという体制にありましょうか、どうでしょうか。
#84
○外山最高裁判所長官代理者 その点につきましては、ただいま申しましたように、近年家庭裁判所の整備をそちらの方面に重点を置いてまいりまして、家庭裁判所調査官の増員等にもつとめてまいりました。ただ、何ぶんにもきわめて大量な事件でございますし、中には相当軽微なものもございますので、先ほど申しましたように、全体の中の二〇%くらいにつきましては書面審理で済ませるというようなものもございます。しかし、それは家庭裁判所の手が足りないというだけの理由ではございませんで、事案の内容にもよるわけでございます。少年の交通違反につきましては、教育的な措置を加え、それによって健全なドライバーに仕立て上げるという必要があると私どもは常に考えておりますので、そちらの方向に向かって、さらに家庭裁判所の整備充実をはかっていきたいと思っております。
#85
○山本(弥)委員 家庭裁判所のほうは、そういうふうに従来から逐次少年の交通事犯に対しまして教育的な処遇によってこれに対処するという体制を整備してこられたわけでありますが、今回、反則金制度を適用するということについて、教育的に処遇を行なってきた家庭裁判所との関連において、これを改正されたということについての大きな原因といいますか、そういう点を御説明願いたい。
#86
○久保政府委員 基本的に申しますと、現在の少年法のたてまえが、先ほど家庭局長からも申されましたように、保護措置としての内容が、まだ今日の情勢に適するように十分に措置されておらないというところに問題があるわけでありまして、したがいまして、それの補完といたしまして、試験観察ということで、いろいろな講習でありますとか、訓練でありますとか、そういうことが行なわれておるわけでありますが、ただ、今日のように、年間六十万件に及ぶ、いわば大量化の時代になりますと、大量化に応ずるような措置が必要なのではなかろうか。したがって、軽微なあるいは定型的な事案に対しましては、いわゆる反則金という措置で一応カバーをして、そして残ったものについては、従来以上の十分な教育なりあるいは訓練なりというものを講じていただく。言うならば、警察側で行ないまする反則金、あるいは裁判所の裁判官が指示いたしまする反則金とあわせて、裁判所の行なう保護的な措置というものとかみ合わせて、全体の少年事件に対する措置というものは十分になるのではなかろうかという考え方であります。
#87
○山本(弥)委員 そういたしますと、従来反則者に対する問題は、すべて家庭裁判所において処理したわけですが、今度は、反則金を納めれば、家庭裁判所への送致とか、あるいは関連というものは一応切れるわけですね。そうして悪質な者だけが家庭裁判所に送致されてくる。そこで更生その他教育的な処置を行なうわけですね。いわば悪質的な者に対する処遇、この更生については、従来の機能を発揮して、十分な完全に近い体制がとれる。ただ、反則者が反則金を納めればいいというふうなことの少年に対する影響力、それがいわばメリットの影響力があればいいわけですが、詳しく御質問する時間がないのが残念ですけれども、悪いメリットの問題と、警察のいろいろそういったものを反則金で迅速に処理するという、その限界の問題があろうかと思います。いわゆる行政措置としてのそういう処置、しかし、教育的にある程度まで見ていくということは、私は依然として必要性が残っている。それらの関係はどういうふうに、これは相当御議論もなされ、検討もされたことだと思うのでありますけれども、いわゆる割り切り方ですね、その辺のところをもう一度承りたいと思います。
#88
○久保政府委員 反則金の対象になりますのは、きわめて定型的、軽微なものでありまして、私どもの立場から申しますと、いわゆる犯罪性というものになじむかどうか、この辺に議論があるところであります。したがいまして、たとえば駐車違反をやったというような軽微な事犯につきましては、反則金を支払うことによって本人の反省を求めることにはなりまするし、同時にまた、社会に対する責任をそういった形で果たすということになります。どうしても一般的な世間の批判というものは、少年だから何か甘やかされているのではないかという意見があるわけでありますが、これは裁判所側でも御説明がありますように、必ずしも放置されているわけではありませんけれども、どうもその辺が、同じ車を運転しておきながら、それに伴う社会的責任を果たしていないのではなかろうかという問題が残っておるということが、問題ではないだろうかと思うのであります。なお、反則金と申しましても、親が払う、雇用者が払うということではありましても、その間には訓戒その他が行なわれますし、反省の機会が、われわれの立場から申しますと、考えられるのではないか。ただし、将来の問題といたしましては、たとえば行政処分を行なう場合に、講習をやるわけでありますが、少年の場合には、少年だけに適したことも教えるということも考えるべきではなかろうかということで、これは今後の研究課題になっております。
#89
○山本(弥)委員 それから、反則金によりまして処理をするということについての悪い影響、あるいはそういうものにつきましては、今後この法の運用と並行いたしまして、どう措置するかということについては、十分御検討願いたいと思います。
 それから家庭局長さんにお伺いいたしますが、そういうことによりまして、家庭裁判所の担当する部分につきましては、今後さらに十全を期していただきたいというふうに考えるわけでありますが、これらを契機といたしまして、少年犯に対する刑法上の問題がいろいろ論議されておると思うのでありますが、それらとの関連で、これは行政的な処置だというふうに割り切る必要があるのではないか。そういう一般少年犯の取り扱い、少年犯罪としての基本的な問題との関連を一応ここで断ち切っておかなければ、いわば外堀を埋めてだんだんそういう世論が出てくるということになっても困ると思うのであります。それらにつきまして局長の御意見を聞きたいと思います。
#90
○外山最高裁判所長官代理者 この交通反則通告制度につきましては、私どもも、警察庁の御当局といろいろ意見を交換し、問題点も指摘いたしまして、十分協議をいたしたところでございまして、私どもが一番考えました点は、これらの反則行為のうちで、少年がとかくおちいりやすくて、かつ事故に結びつきやすいような違反行為、あるいは違反を反復繰り返すような少年につきまして、おとなと全く同じように反則制度を適用することはどうであろうかということで、いろいろ代案を検討したわけでありますが、なかなか適用の段階で累犯者の区別ということなどが困難であることがわかりまして、同じような思想で、累犯者のうちの特に重いような者、すなわち一年以内に行政処分を受けているような者につきましては、道交法百十九条に規定する危険な行為をした場合には、反則者としないように、警察のほうで原案をお改めになった点がございますし、家庭裁判所に少年が送られてまいりました場合に、少年に適応した措置もひとつ考えるということを実現することになりました。また先ほど警察庁でお話がありましたように、行政庁における少年に対する講習というものも、今後いろいろ御研究になって充実していらっしゃるという点もございます。それからまた、違反少年につきましては、反則金を納めた場合においても、家庭裁判所に通知だけは一応するというような措置を事実上考えてくださることになりました。そのような点、それから昭和四十二年にこの制度をこの委員会で御検討になりましたときに、少年にも適用するように検討せよという附帯決議がございますことなど、また今日の交通事情等を考えまして、大局的な見地から、この法案提出にはあえて反対しない、こういう結果になったわけでございます。
 いま申しましたように、この反則行為と申しますのは、交通事犯の中で比較的軽微なものであり、かつ類型的、定型的なものでございます。かつ非常に大量な事件でございますので、定型的な処遇をするということにあながち親しまないわけではございません。それから、反則金を納めるということが、少年に反省の機会を与えることも否定できないと思います。
 それらの点を考えまして、少年法の体系全体から見ますと、一種の例外的な措置が認められることになるのかと思いますけれども、こういうような措置が認められますのは、交通違反事件という特殊な事件の性格から来るものでございまして、ここに盛られたような考え方を一般の少年非行の取り扱いにまで押し及ぼすということは、私どもとしては賛成できないわけでございます。したがいまして、こういうような制度ができましたから、少年法において、たとえば年齢を引き下げるとか、検察官先議が適当だとかいうような考え方が出てくるということでありますならば、私どもは、その考え方には強く反対せざるを得ない、こう考えております。
#91
○山本(弥)委員 交通巡視制度につきまして、私もいろいろ意見があるわけでありますが、時間の関係で一点だけお尋ねしておきます。
 本来ならば、警察官で交通取り締まりをやるというのが本来かと思いますけれども、ただ、こういう民衆処遇に関連の深い問題を、いわゆる警察官でない中間の方で交通の指導に当たらせるという制度は、やってみなければその効果もわかりませんので、あえて反対はしないわけでありますが、ただ、これらの教養等につきましては、警察務の執行に当たっているということから、事後の教養等につきましては十分おやりになって、交通の指導という本来の職務から逸脱しないような点につきましては、十分当分の間は監視をする必要があるのではなかろうか。警察官にまぎらわしい行為ということが行なわれるということになりますと、弊害が出てくるのではないか、その辺につきまして十分配慮をする必要がある。
 それから服装等も、貸与されるときには、交通と非常に関連するというふうなことから、十分考えていただくということと、警察官にまぎらわしい服装ということを一応避けるべきではなかろうか、交通巡視員であるということをはっきりさせる服装にすべきではなかろうか、こういうふうに私は考えるわけでありますが、今後どういうふうにこれを活用していかれるかという点を御答弁願いまして、私の質問を終わります。
#92
○久保政府委員 巡視員の問題点は、ただいま御質問の御意見の中にありましたとおりであります。
 そこで、私どもといたしましては、巡視員については三カ月の教養を経、かつ巡視員に対する指導官もつけて、この点の間違い、紛清を起こさないようにしてまいりたいと思います。
 なお、制服につきましては、私どもの意欲といたしまして、特に市民に親しみやすいようなもの、そしてまた、一見巡視員であるということがわかりますようなもの、したがいまして、これを警察官と違った服装を考えてまいりたい。主としては女性になると思いますけれども、男性も中に含めてまいりたい、かようなつもりであります。
#93
○菅委員長 桑名義治君。
#94
○桑名委員 提案理由の説明の中で、「最近における道路交通の実情にかんがみ、交通事故の防止を図り、その他交通の安全と円滑を図るため」云々とありますけれども、過去のいわゆる実績から考えまして、改正すればどの程度の効果があるのか、これは予想でございますので、なかなかわかりにくいとは思いますが、警察庁の見解を伺っておきたいと思います。
#95
○久保政府委員 この点はマスコミその他からもいろいろ聞かれるわけでありますが、ただ、たとえば安全施設のように、特定の場所におけるものの効果ということになりますと、測定が可能でありますが、この法律は当然のことといたしまして、全国に施行され、しかも事故対策といたしましては、いろんな対策が同時にスタートするものでありますから、これによってどの程度の効果があるか、つまり数字的にどういうふうになるかということを申し上げることは、きわめて困難であろうかと考えますので、御容赦願いたいと思います。
#96
○桑名委員 今回の改正案の作成にあたりまして、その審議の過程でいろいろと論議が尽くされたことと思います。資料によりますと、昨年の第一試案の中で、車の排気ガスあるいは騒音あるいは自動車利用犯罪者の免許取り消し等多くの論議があったと、このように思うわけでございますが、そのような重要な課題が法制化が見られない。この点について、どういう理由でこういう問題が今回あがらなかったか、あるいはどういう論議が戦わされたのか、その点についてお伺いをしておきたいと思います。
#97
○久保政府委員 昨年の九月に交通局試案として出しました案の中には、いわゆる社会生活に対する侵害を防止するというような観点での項目が幾つかあがっておったわけでありますが、それが今回の法案からは削除されております。その一つは、公害防止つまり騒音あるいは排気ガスに伴って、車の規制をすることができるようにという問題でありましたが、この点は、公害が発生しました場合に、どの程度までそれを押えるようにすればよろしいか、どういうような車の規制時間を考えればよろしいか、あるいは一カ所における公害の発生は、車の規制によって他にどのような影響を及ぼすのであるか、そういったような具体的な問題について、私ども厚生省と一緒に研究を始めましたが、まだ成案を得るに至らなかったということであります。したがいまして、厚生省のほうでも、大気汚染防止法の改正には今回の国会では進んでおりませんけれども、しかし、先般の閣議決定でもって、一応大気汚染に関する一般の基準というものが出て、これに伴って規制に関する検討を行なえということが対策の一つとなっております。この点は、この次の改正までに間に合うように、私ども厚生省と一緒に勉強してまいりたい、かようなことであります。
 それから、暴力事犯その他がありました場合に、免許証を取り上げるという問題がございます。これにつきましては、心情的にはなるほどそのとおりであるけれども、そもそも免許証というものは、運転者の技能の有無に着目して与えられるものである、ところが、暴力を行なったかどうかということは、それは人格に関することである、したがって、この道交法になじまないのではなかろうか、これは法技術的な問題でありますが、そういった異論が出された。それともう一つは、この点についてはアメリカの幾つかの州でも立法化がされておりますけれども、実はわりと広い範囲でこの犯罪をとらえておりまするけれども、事実上それが実施されておりまするのは、自動車の盗難にあった場合だけ、自動車を窃盗した場合だけ適用されているのが実態であって、どうもこの条文の意図するところが必ずしもアメリカの場合では生かされておらない。その原因がどこにあるかよくわかりませんけれども、そういったところで少し私どもも消極的になった。しかし、今回の運輸省から出されておりまする運転者の近代化センターに伴う法律案の中では、一部そういった問題が取り上げられた。しかし、私どもといたしましては、まだこの改正については執着しておるのでありまして、何らかの形でこの次の改正には実現してまいりたい、かように考えております。
 もう一点重要な問題は、先ほどもちょっと申し上げました、車種別あるいは用途別に車の都心部への乗り入れを規制するという問題があります。この点についても、内部的にいろいろ検討いたしましたが、現行法の第七条以外にどういうような分野ができるものであるか、やる場合には、どういうような問題があるかということを煮詰めるのに、相当時間がかかりまして、まだ結論を得ておらなかったという状況でございます。この点につきましても、いろいろ各方面の御意見を伺いながら、次の改正案には取り入れてまいりたい、かように考えております。
#98
○桑名委員 車を使用しての犯罪の件でございますが、この種犯罪の件は、社会的にも非常に大きなひんしゅくを買っておりますし、今後こういった類似した犯罪の多発するおそれも十二分に含んでおりますので、後手にならないように、前向きに、全面的に強力な姿勢をもって臨んでいただきたい、これは要望でございます。
 それから公害の問題でございますが、現在の車による公害の中で、いま申し上げましたように、排気ガスの問題あるいは騒音の問題あるいは交通事故も、いまは近代公害といわれていいんじゃないか、このように思うわけでございますが、こういった問題は年々増加の一途をたどっておるわけでございます。
 まず排気ガスについて申しますと、交通の渋滞する道路では特に高い汚染度を示しております。たとえば、一酸化炭素の許容限度は一〇PPM、こういうふうにいわれておるわけでございますが、東京都庁の前で昭和四十二年に、一時間一〇PPM以上になった時間が、年間の総時間に直しますと、二七%あるいは東京の大原交差点付近の四十三年十月の調査によりますと、平均値は一一・六PPM、昭和四十一年の十月の調査の約二倍に上がっているのが実情でございます。これは単なる一例にすぎませんが、こういったことによるいわゆる大原ぜんそくとかいう患者が、非常に多くなっているという事例もございます。こういった問題を考えますと、これは放置しては重大な問題になるのではないか、このように考えるわけでございます。それなのに一酸化炭素の環境基準ができてもおりませんし、あるいは排出基準にしても規制が甘い、このようにもいわれておるのが現状でございますが、警察当局といたしましても、各省とも連携を密にして、排気ガス排出規制あるいは環境基準の強化あるいは自動車ニンジンの改良、こういった事柄を急いで――いまも世論は相当この問題に対して敏感な反応を示しているわけでございますが、さらに多くの批判やあるいは被害者の出ぬうちに、対策を急ぐ必要がある、このように思うわけでございますし、あるいは騒音につきましても、特に都心部におきましては、子供の教育上大きな障害を与えているのが事実でございます。また安眠妨害によってそれに伴ういわゆる交通事故というものも、これは考えられないわけではございません。そういった意味で、いま局長のほうからお話がございましたが、次の法改正のときには出したいという御意向でございますが、あらためてその点を確認しておきたいと思いますので、その点について長官からお伺いをいたしたいと思います。
#99
○後藤田政府委員 ただいま局長からお答え申しましたように、自動車交通に伴う社会公害を排除するという点につきましては、技術上あるいは立法上、いろいろ問題がありますけれども、私どもとしては、前向きで考えて、できるだけ早く結論を出して必要な改正を行ないたい、こう考えております。
#100
○桑名委員 交通の事故を防ぐという面におきましては、当然交通条件の整備等が考えられるわけでございますし、あるいは今回行なわれておりますように、法改正による規制あるいは罰則による心理的な抑制を与える、こういったことは当然であると思います。しかしながら、現在の文化人の欠点といたしまして、また文化人のいわゆる傾向といたしまして、車やスピードに対する感覚が麻痺状態になっている、こういうことが一応あげられるのではないかと思います。あるいは交通道徳の低下という問題も、これは大きな問題ではございますが、そういったドライバーのいわゆる適正な体質改善ということにも今後大きな比重を置いていかなければならない問題ではないかと思います。そういった意味で、交通安全期間中の法令講習会の現在の自由参加を、これを義務づける、あるいは免許証の書きかえのときには必ず講習会をする、こういうようないわゆる道徳教育やあるいはまた技術的な教育を行なっていくことが、さらに重要なことになるのじゃないか、このように思うわけでございます。あるいはまた、こういうのもございますが、皆さんも御存じのように、交通事故のカラー映画を見せております。これは非常に大きな効果をあげているようでございます。交通事故のカラー映画を見た人に私は聞いたわけでございますが、あの悲惨な姿を見たときには、三カ月ぐらいはスピードが出せません、こう言っています。もちろん、この問題については反価値もあるかもしれませんが、これは価値的な面が非常に多いのではないか、こういうように思います。あるいは福岡県警の中でも、この映画が非常に実効をおさめているという結果も出ておるわけでございますが、こういったものも講習会のときにあわせて施行する、あるいは大きな会社を単位にドライバーを集めて、そこでこういう映画を見せるというような事柄も、大きな結果を出していくのではないか、このように思うわけでございますが、また免許証の授与のときに、本人のいわゆる運転に対する適性検査を実行する必要があるのではないか。どんなに学校へ行って学んでも、練習をしても、適性のない者というのは必ず世の中にはいるものなんです。そういった人々に対するいわゆる方策なり、あるいはこういった人々に対する適正な処置をどのように考えているか、伺ってみたいと思います。
#101
○久保政府委員 各種の講習の義務づけという問題も、従来から意見が出されておるわけでありますが、ただ、安全運動期間中の講習は、期間が短く、かつ、御承知のように、免許証の所持者は二千五百万ございますので、これはなかなか困難である。そこで、問題になりますのは、御質問にもありましたように、免許証の更新時に何らかの講習を義務づけられないかということであります。この点について、私どもも真剣に検討をしておる際で、いましばらくすれば、結論が出ようかと思いますが、講習の形がよろしいかあるいは何らかのチェックをする検査的なものを考えてはどうだろう、あるいはそれのコンビネーションも考えられるというようなことを、いま検討しておるところであります。いずれ近いうちに結論は出ようかと考えられます。
 それから映画なりスライドなりを見せるということは、これは各県で多くやっているところでありますが、私どもはさらに進んで、ティーチングマシンといいますか、映画なりを見ながら、本人が何らかの判断をする、外国によくあるような制度がありますが、そういった器材を使って、本人の判断能力を養成していくあるいはチェックするというようなものが必要であろう。これは現在ありませんので、開発を会社に依頼しているところでありますが、できますれば、そういったようなものを将来の講習の中に取り入れてまいりたい。これはできれば、指定自動車教習所あたりでもそれを使うのが適当であろうというように思います。
 それから適正検査の問題も、従来から出ておる問題でありますが、現在ありますペーパーによる適正検査及び器材によります適正検査、これをかね合わせましての信頼度が七〇数%、大体七五%か八〇%というふうに学者ではいわれております。一人の人について長時間かけて適正検査をやれば、非常に精度が上がるかもしれませんけれども、何さま年間数百万の受験者、特に受験者の場合は八百万であったと思いますが、八百万からの受験者がありますし、講習にいたしましても、免許証の更新の場合にいたしましても、二千五百万の三分の一が行なうわけでありますので、この適正検査については、短時間に大量処理できねばならないということで、私どもの持っている程度のものでしか今日はない。そうすると、七〇何%の信頼性しかない。そこで、これに免許の有無をかかわらしめることは困難であるというのが現状でありまして、私どもはその必要性を十分に感じておりますので、いま科学警察研究所あるいは学者方に依頼をして、より精密度の高いものをこしらえる、少なくとも、たとえば営業免許についてはそういったものを併用するということで、将来の方向として考えてまいりたいというふうに思っております。
#102
○桑名委員 局長も鋭意そういう方向で進められるということでありますから、次に進みます。
 私、ある外国のニュースを見たわけでございますが、そのときにアメリカの交通警察官が違反者を摘発いたしまして、そうしてその違反者を小学校に連れていったわけであります。そのときに、行く途上で警察官が言いますには、おまえは学校の教室に行って、黒板に今後絶対に違反をしませんと十回書いたら許してやろう、こういうことなんです。それを了解しまして、学校に警察官が交渉をして、そしてその教室で十回書かせたわけです。それで一応放免をされたわけでございますが、それが一つの生徒児童に対する交通教育にもなるし、あるいは本人にとりましては、多数の児童の前で黒板へ十回も、今後交通違反を起こしませんと書いたわけですから、相当大きないわゆる心理的な負担を感じたわけでございます。こういったことで、非常に大きな結果を出している、こういうニュースを見たわけでございます。一面から見ますと、子供っぽい考え方かもしれませんが、一面から見ると、警察官といえば非常にいかめしい感じのする、あるいはまた交通警察といえば必ず罰金か罰則だ、こういうふうにかた苦しい思いをしているわけでございますが、こういったユーモア的な一面もあっていいのではないか、こういうふうに、私、考えたわけでございますが、こういった問題についてどのようにお考えになるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#103
○久保政府委員 御承知のように、アメリカでは、社会生活を規制する法律に、州法が広範にわたって規定をしてありますが、その中に、よく新聞雑誌に書いてありますように、われわれの感覚からしますと、非常におもしろい規定というものがずいぶん残されておるわけでありますが、ただ、日本の法制では、なかなかこういったあり方が法律としてはなじまないということであります。したがいまして、われわれがいまお話しのようなユーモアのある、あるいはウイットに富んだ取り締まりをやるということは、ただに少年のみならず、成人についてもやはり私どもの心がけなければならないことでありますが、人権侵害ということについては、警察はきわめて憶病でありますので、そういったことのないような範囲内においてのユーモアのある、あるいは少なくとも本人のためになるような、これは取り締まりではありませんで、指導という分野に入ろうと思いますけれども、そういったことをやるべきであると思いますし、私どもの多くの関係者は、そういう方向で指導はしておるつもりであります。
#104
○桑名委員 もう時間がありませんので、どんどん進んでいきたいと思います。
 次に、交通事故の規制につきましては、自動車のいわゆる構造上の問題も出てくるのじゃないかと思います。昨年でございましたか、欠陥車の問題が出てまいりました。こういった自動車の構造上の問題で交通事故を起こし得るということも十分に考えられるわけでございます。そういった自動車の構造上の問題から申し上げますと、ドイツの車というのは、ワーゲンあたりになりますと、車の衝突に対する対応策というものを十二分に考えて、それを構造の上に生かしているというのが実情でございます。こういった問題になりますと、警察庁とは関係がずいぶんと薄れてまいりますが、こういった問題に対して、警察庁としての考え方はあろうと思いますし、あるいはまた、各省との関係の中で、こういった問題を取り上げていくこともできるのじゃないかと思いますので、その点についての所見を伺っておきたいと思います。
#105
○久保政府委員 交通事故対策としては、大きく関係省庁で分けますと、建設省の道路構造の関係、それから私どもの信号機その他の安全施設の問題、それから文部省の学校教育の問題、それから運輸省のいまの自動車構造の問題があります。そこで、その四本の柱を相当達成すれば、私は将来事故が減るであろうというふうに考えております。そこで、そういった前提のもとに、いま自動車の保安基準を高めるため、あるいは安全な自動車をつくるために、どういうことが考え得るのかということを、私ども技術屋さんにいま勉強してもらっております。そこで、若干のデータを集めて、運輸省と話をしてみたい。そうしてそれを保安基準の中に入れて、安全な自動車にするということを進めてみたいと思っております。アメリカの場合には、どうもわが国より若干進んでおるように思われますので、向こうでやることは、わが国でもやるべきであろうという考え方のもとに、研究をしておるところであります。
#106
○桑名委員 次に、少年の問題でございますが、今回の改正の中で、少年についても反則金制度が適用されるということになったわけでございますが、この点については、先ほども山本先生が詳しくお聞きになりましたので、簡単に一言だけお聞きをしておきたいと思いますが、現行のいわゆる家裁での講習会ですね、こういったものが不適当であったために、こういうふうに今回の改正案の中に入れたのかどうか、その点の関係と、また現行の少年法との関連の中において問題点はないのか、この点について伺っておきたいと思います。
#107
○久保政府委員 現在裁判所のほうで行なっておられまする教育とか保護とか、こういった原則がきわめて重要であることは、私どもも否定したことはございません。少年について教育的措置あるいは保護的措置というものを十分に行なっていただきたいと考えるわけであります。ところで、家庭裁判所で行なっておりまする講習とかあるいは各種の訓練とかいうものが、全部ではございません。したがって、いまやっておられる講習なり訓練なり、そういった教育的なあるいは保護的措置が不適当であるということを、私どもは考えているわけではありませんが、ただ、毎年度六十万件に及ぶ大量化時代に、それに応じたものを全部やることはなかなか困難である。したがって、それぞれの事犯に応じて、重い者については十分な教育を行ない、軽い者についてはいまの反則金という程度のもので措置をするということが適当であろうという、言うならば、今日の大量化時代に即した方途をとりたい、そういう考え方で改正を企図したわけであります。
#108
○外山最高裁判所長官代理者 先ほど山本委員の御質問にお答えいたしましたとおりでございますが、家庭裁判所としては、従来交通違反少年に対する教育の充実ということを推し進めてまいりました。先ほどお話のありました、たとえば交通事故に関するスライドを見せるというようなことも、少年によっては生かしておりまして、あとで少年の書いた感想文なんかを見ますと、それが非常に効果があったように聞いております。原則といたしましては、交通違反少年に対しまして教育を加えることが、健全なドライバー育成のために必要であることは、いま警察庁もおっしゃいましたとおり、私どもの基本的な考え方でございますから、先ほど申し上げましたように、この反則行為はきわめて大量であって、比較的軽微なもの、またいわば類型的な行為であって、その処遇については反則制度によっていくということも考えられる。また、この反則金を納付する場合、少年に対する反省の機会を与えるという抑制力を持つということも考えられるわけでございます。
 ただ、これと一般少年法の基本原則との問題でございますが、これはあくまで、いま申しましたような特色を持つ反則行為についてのみ適用されるべきことであって、ここにとられた考え方が少年法の基本的な構造に影響を及ぼすものであるとは私は考えませんし、また、もしそういう考えがありますならば、それは反対せざるを得ない。一般的に申しますならば、現在の少年法の基本的な構造というものは、あくまで維持されるべきものである。刑罰優先ということではなくて、教育中心に少年の処遇を考えていくべきものである、こう思っております。
#109
○桑名委員 先ほどからも質問が出ておりましたが、大都市の表通りを走れなくなった自動車が、狭い裏通りを利用して、そこで交通事故が激増している、こういう事例が出ておりますし、あるいは駐車禁止をしていない場所に、駐車の車があまりにも多くなり過ぎまして、そういったところで事故が起きておるという事例も、最近は非常に多いわけであります。こういった問題につきまして、規制をするなり、あるいは事故を防ぐ方法はないものか。非常に技術的にはむずかしい問題かもしれませんが、その点について、どのようにお考えになっておるか、御所見を伺っておきたいと思います。
#110
○久保政府委員 いわゆる裏通り対策でありますが、まず第一になすべきことは、歩行者の歩行を確保するための歩道を十二分に設置することであろうと考えます。ただ、これは全国的に同時にやることはなかなか困難でありましょうけれども、なるべく道路関係の経費のうちで安全施設、特に歩道を設置することを最優先にしていただきたいというのが、私どもの願望であり、また山中総務長官から建設省のほうにもお話しになっておる筋であります。おそらくそういう方向で取り入れていただけようかと考えます。
 そこで、その次の問題は、私どもの安全施設関係でありますが、裏を通りますと道幅が狭いために、交通信号機を設置するというわけにはなかなかまいらない。そういたしますと、裏通りで一番問題になりますのは、交差点でありますが、交差点での出会いがしらの車対車あるいは車対人の事故というものは非常に多いわけで、この交差点を明示するための何らかの標識、標示というものはきわめて重要であります。したがいまして、まず、たとえば一番権威あるものは、一時停止の線を設けるということ、それから交差点に、警視庁で試験的に実施いたしましたところ、非常に効果がありましたが、ポイントブロックとでもいいますか、反射鏡のついたとめ金のようなものを交差点のまん中に置く、あるいはとんがり帽子のようなものをその上にくっつけるということで、非常に事故が減っておる実験例がございますので、これを逐次全国に及ぼしてまいりたい。しかも、これはいまのところ標識令に入っておりませんので、標識令に取り入れていただくよう、これは建設省と相談をしてまいりたい。この点が一番の問題でありまして、あとは子供と老人に対する地域住民の安全教育の問題であります。これはいろいろな機会に大蔵当局と連携しながら進めてまいるということで、裏通り対策を進めてまいりたいと考えるわけです。
#111
○桑名委員 次の問題に移りますが、交通法による規制も大切でありますが、現在のように、事故の増大していく都市におきましては、車の流れをどういうふうに促進をしていくかという、この事柄が非常に大事になると思います。先ほどからの局長の答弁の中にもございましたように、信号機といわゆるコンピューターをつなげて流れを促進していく、こういうお話がございました。聞くところによれば、これは不正確であるかもしれませんが、神奈川県下においてはそのような施設、いわゆる総合交通センターのようなものができ上がって、これが非常に大きな効果をあらわしているというようなお話も聞いたわけでございますが、もしこれに対するデータが少しでもありましたら、お話しを願いたいと思いますし、また、このような車の流れを有効的にするという意味におきましても、こういった総合センターのようなものを日本各地、いわゆる交通の渋滞をしている大都市のどことどこに大体取りつけをしたいという予定があるか、あればそのところまでお教え願いたいと思います。
#112
○久保政府委員 まず信号機とコンピューターを連結する機能でありますが、いまのところ二種類ございます。一つは、信号機のところで交通量を測定して、それをいわゆる情報センターに集めます。その集めたものを広報する。ラジオ、テレビあるいは街頭における標示板などによって自動的もしくは人動的に表示をする。そういうことによって間接的にこの交通の流れをコントロールするというのが現状でありまして、神奈川県のものもそうでありますし、大阪の場合はちょっとまだそこまでは至っておりませんけれども、そういった思想であります。
 ところで、私どもがいま考えようとしておりますのは、電子計算機の中に交通量を入れて、その交通量に応じてもう一度信号機にフィードバックいたします。そして信号機の流れあるいは秒時というものをそこでコントロールするということで、自動的に交通の流れに応じた信号機の点滅がコントロールされてくる、そこで最も適切な交通の流れが確保されていくということであります。これを私どもは交通管制組織といっておりますが、こういったものができておりますのは、現在部分的でありますけれども、警視庁の一部と、それから熊本県、これはでき上がっております。それから進行中のものが埼玉県であります。この計画のもとに本年度実施の予定でありますのが福岡県であります。それからそこまで行きませんで、情報センターという形にとまる、つまり情報センターのコンピューターに交通量の流れが行って、あとは人動的あるいは自動的に情報を流すだけというものが愛知県と、京都はまだ京都府の予算がきまっておりませんが、おそらく京都府。これは国の補助金がそれぞれの県に参っておりますけれども、本年度はそういった計画であります。しかしながら、将来の都市交通につきましては、先ほども御説明いたしましたように、車の増加に対して道路容量というものは追いつきません。そこで、さしあたっての都市交通における対策としましては、信号機とコンピューターを連結して、さらに信号機をコントロールすることによって交通容量をふやしていく、交通の流れを円滑にしていくということしか、まず適切な方策はないと考えておりますので、規模をどの程度にするか、今後の検討問題でありますけれども、中都市以上、せめて二十万の都市くらいのところまではそういった組織を実施してまいりたいというのは、これはまだ交通局の原案でありまして、警察庁としてきまったわけではありませんけれども、そういった方向で私どもは進めてまいりたいと思っております。
#113
○桑名委員 こういった施設を通しまして、交通問題に対して全面的に対処していっていただきたいと思います。
 それから次に、死亡事故の分析表をながめてみますと、第一原因者別で見ますと、自家用乗用車それから自家用貨物の事故が非常に多く、それぞれ三〇・五%、三四・二%という比率があがっているわけでございます。こういった統計の表から見ますと、自家用車あるいは自家用貨物の事故を絶滅することが、すなわち交通事故の大幅な減少を示すことになるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、こういった人々は、運転技術が未熟であるということも当然あろうとは思いますが、またそのほかにどこに原因があるのか、あるいはまた、こういった自家用車、自家用貨物の運転者、ドライバーに対して特別な何か訓練なり措置をする意思があるかどうか、その点について伺っておきたいと思います。
#114
○久保政府委員 第一原因音別に自家用貨物その他の車種別の数字が出ておりますが、さらにこの内訳といたしましての原因別というものは、私どもは実は整理いたしておりません。これは膨大な統計になろうと思いますので、ただいまのところお手元には――手元といいますよりも、警察庁でとっておりませんが、問題は、この自家用貨物というものそれから自家用乗用というものは非常に数が多い。しかも、事故率が特に自家用乗用、自家用貨物について高いということから、この二点に重点を置くべきである。営業用のものは、わりに最近は横ばいないし漸減しておりますので、これは従来の方針でよろしかろうと考えております。
 そこで、自家用貨物については、私どもで把握いたしておりますのが、一つの企業体で五台以上持っているものについては安全運転管理者というものを置くようになっております。これの教育を各県で相当にやっておりますし、そういうものを通じての運転の監督と安全の教育をやっておるわけであります。それから、これはこの点をさらに充実していくことによって可能でありますが、いまの五台以上というのが三台以上ということになりますれば、底辺がもっと広くなるであろうということも考えられますので、この点はこの次の法改正のときの検討問題であろうというふうに思うわけであります。
 一番の難点は、自家用乗用車の問題で、いわゆるオーナードライバーであります。これはなかなか把握が従来困難でありました。そこで、私ども考えますのは、いかにオーナードライバーであろうとも、その人は会社につとめあるいはどこかの組織なり団体なりに入っているはずでありますので、あるいはまた個々の商店で一台とか二台しか持っていないところもございますが、それらといえども、商店街なり組合なりに入っておりましょうから、そういった組織なり団体を通じてオーナードライバーを把握する、あるいは安全運転管理者を置かない小さな企業を把握するということに進めてまいりたいということで、私ども昨年来指示いたしておりますが、各県警では、相当にそういう方向で進めてまいっておるようでありますので、時間はかかるかと思いますけれども、相当の成果を期待したいと私は考えております。
#115
○桑名委員 次に、交通巡視員制度がこのたび新設されるように立案されているわけでございますが、この採用条件はどのようになっておるか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#116
○久保政府委員 条件といたしましては、男女を問わず、高等学校卒業者で十八歳以上ということで、この点は警察官と同じでありますが、実際の給源から申しますと、やはり女性のほうが適当なのではなかろうかというふうに考えております。イギリスのロンドンに、このモデルになりましたトラフィック・ウォードンというのがありますが、これも初めは男性のほうが多かったようでありますが、現在では六、七割は女性になっておるというふうに聞いております。わりと女性の場合には、社会的に奉仕をしたいという若い人たちも多いようでありますので、いい人材が得られるのではないかと期待しております。
#117
○桑名委員 これはちょっとまずいかとも思いますが、この前老人会の人といろいろお話をしたわけでございますが、五十五歳で大体定年退職になった人が、五十五歳から六十歳まではわれわれはまだ働く能力は十二分に持っているというわけです。そういう人たちが言うのには、ここにもあがっておりますように、交通巡視員制度のようなものができ上がれば、それに採用してもらうと今後の生きる望みにもあるいは老人対策の一環にもなるんだがと、非常な意欲を燃やしている意見があった。このたびの法改正を見てみますと、これがちょうど載っておったものですから、こういった問題に対して、そういうふうに五十五歳から六十歳までの間の人で、しかも、健康な人をこういった制度で救済をする方法はないものだろうか、あるいはまた年齢的に不適当であろうか、こういうことをちょっと考えたものですから、御意見を伺っておきたいと思います。
#118
○久保政府委員 この制度は、男性を排除するものではありませんし、五十五歳以上の者を排除する趣旨もございません。むしろ私どもは、教養の面からいって、退職警察官を採用してもよろしいというふうに考えておるわけでありますけれども、ただ、公務員の場合には、年金の関係がありまして、なかなかむずかしい面もございます。したがいまして、適当な人があれば、五十五歳以上の男性であれ女性であれ採用することをいとうものではございません。ただ、最初の出発にあたっては、市民へのアピールということを考えたいものですから、女性を多くしたいという気持ちではあります。
#119
○桑名委員 前向きのお答えで、非常に安心しました。
 次に、先ほどから交通安全運動期間中の問題が出ておりました。もちろん交通安全運動の期間中におきましては、一般の日よりも事故は少し少な目になっております。しかしながら、交通安全期間だけをとらえて年次的にずっと調べてみますと、死亡事故やあるいは負傷事故というものがあまり減っていないわけです。だから、この運動方法を抜本的に改正する必要がここらであるのではないか、このように思うわけです。先ほどからこの問題に対して論議が重ねられておりましたが、私も思いますことは、この運動が非常に形式的にあるいは惰性に流れているのではないか、このようにも考えるわけです。そういった意味で、運動方法をここらで一まず抜本的な方法に改善する必要があるのではないか、このように思うのですが、この点についての所見を伺っておきたいと思います。
#120
○久保政府委員 抜本的に改正する必要が以前からございました。ただ、なかなか名案が出ないのでありまして、私どももマスコミその他から知恵はいろいろ拝借しようとしているのですが、幾らかずつの改善のあとは見受けられると思います。しかし、今回やってみましたところでの私の感想は、先ほども申しましたように、私どもは長期的な目標といたしまして、歩行者と自転車による死亡事故を半減したいというふうに考えております。そうであるならば、やはりそういったところに焦点を置いて、あらゆる施策をそこへ向けるという施策であるべきではなかろうかというふうに考えます。これはただに警察庁だけの考えではありませんで、総理府でも山中長官が特にそういうことでやろうということを非常に強く決意しておられますので、したがって、それに応ずる安全運動というものがあっていいのではないか、先ほど申しましたように、重点項目は七つありますが、七つでもやはり多いのであって、関係各省がありますので、一応それぞれの立場を尊重しながら、重点項目はふえるきらいはありますけれども、歩行者なり自転車事故、つまり全体の半分近くを占める、こういった死亡事故の主たるものを押えていくというためにも、そこに焦点を置いて取り締まりなり指導なり、あるいは安全運動というものを考えてみたい、そういう方向で、この次の秋のときにひとつ総理府と相談をしてみたい、私はいまのところそう考えております。
#121
○桑名委員 次に、ハイウエーにおける事故の問題についてでございますが、東京に入ってくるこういった高速道路上における事故の場合には、非常に交通渋帯が激しくなってくるわけであります。そのためにどうしても車の排除を早くしなければなりませんが、これは現場に到着するにしましても非常に困難な問題、あるいは処理にしましても非常に困難な問題があるわけであります。このために三時間、四時間の交通渋帯は当然なことのように行なわれておるわけでございますが、こういったものに対する対策、あるいは事故の原因の要素を除くためにも、科学的なあるいは専門的な事故処理、あるいは事故の原因究明という、そういう組織をつくる必要があるのではないかと思いますが、こういったハイウエー上におけるいわゆる事故の問題に対して、どのように処置しようとされているのか、その方針を伺っておきたいと思います。
#122
○久保政府委員 故障処理といいますか、故障車の高速道路上の排除という問題が一つあるわけでありますが、これは今回の法改正でもって、高速道路とは限りませんが、一般の道路について故障車がありました場合に、これは料金を取って排除することができるというふうに改正しようとしておるわけでありますが、これに関連いたしまして、この作業を実際には日本自動車連盟という、いわばオーナードライバーの組織がございますけれども、そこに委託をする。そこで、このオーナードライバーの組織をJAFと申しておりますが、このJAFの組織を拡大いたしまして、いまの故障車両の排除をなるべく迅速にやらせるという方向で進んでまいりたいという考え方でおります。
 それから一般的な事故の原因の調査などにつきましては、現在のところ、一応のことは私どもがやっておりますし、また道路公団も勉強しておるところでありますが、この問題だけでなくて、事故調査、特に事故の原因について、警察の立場だけでなくて、あらゆる方面から役に立つような事故分析をやってみる。これはすべての事故分析ができなければ、サンプル調査でもよろしいからということで、私どもは、最近のうちにそういう体制整備はできませんが、そういう方向に進んでまいりたい、かように考えております。
#123
○桑名委員 結論的に申し上げますと、都市の交通体系をどうするかということは、これは大きな問題であると思いますし、あるいは道路交通量の激増に対して、道路の整備あるいは量的にも質的にも道路の整備がおくれているというところが、私は一番問題があるのではないか、こういうように思うわけでございますが、今後ともこの問題に対しては、警察庁としても各省に、いわゆる推進要請を強力に行なうとともに、密なる連携をとりまして、交通事故絶滅のために最大の努力を払われんことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
     ――――◇―――――
#124
○菅委員長 連合審査会開会に関する件についておはかりいたします。
 本案につきまして、運輸委員会及び交通安全対策特別委員会から、連合審査会開会の申し入れがありました。つきましては、これを受諾して連合審査会を開会するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、各委員長と協議の上、決定いたしますので、さよう御了承願います。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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