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1970/11/11 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第32号
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1970/11/11 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第32号

#1
第063回国会 地方行政委員会 第32号
昭和四十五年十一月十一日(水曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 菅  太郎君
   理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君
   理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君
   理事 山口 鶴男君 理事 斎藤  実君
      中島 茂喜君    中村 弘海君
      山崎平八郎君    豊  永光君
      綿貫 民輔君    井岡 大治君
      阪上安太郎君    山本弥之助君
      桑名 義治君    和田 一郎君
      門司  亮君    林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 委員外の出席者
        内閣官房内閣審
        議官      遠藤 寛二君
        警察庁交通局交
        通規制課長   竹岡 勝美君
        経済企画庁国民
        生活局水質公害
        課長      白井 和徳君
        大蔵省主計局主
        計官      後藤  正君
        大蔵省理財局次
        長       赤羽  桂君
        厚生省環境衛生
        局乳肉衛生課長 神林 三男君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 松田  正君
        農林省畜産局長 増田  久君
        通商産業省公益
        事業局技術長  和田 文夫君
        自治大臣官房長 岸   昌君
        自治省財政局長 長野 士郎君
        公営企業金融公
        庫総裁     荻田  保君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治、地方財政及び警察に関する件
     ――――◇―――――
#2
○菅委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
#3
○砂田委員 自治大臣に伺っておきたいと思いますが、国民の生活環境を整備をして、住みよい地域づくりを行なうことが一九七〇年代の政治の大事な重点だということを、自治大臣もしばしばいろいろな場所でおっしゃっておられるわけです。そのためには上下水道、住宅等々の生活基盤、社会資本を急いで充実して、国民一人一人の生活の場に世界第二の経済大国の豊かさの実感を結びつかせなければならない。そこでこれらの社会資本の充実をさせるために、昭和四十六年度の地方債計画案ではどういうような柱を重点的に立てておられますか。
 さらに、公営企業が果たさなければならない役割りが非常に大きなものがあると思うのですけれども、その公営企業の建設資金確保についてはどのような配慮を四十六年度地方債計画の案で持っておられますか。
 この二点を自治大臣から伺っておきたいと思います。
#4
○秋田国務大臣 四十六年度の地方債計画案の策定にあたりましては、大きな柱として三本立てておりまして、例の公害対策の推進、それから第二番目には都市対策の推進、第三番目には過疎対策の推進、三本の柱を立てて、総額一兆二千四百五億円を計上しております。
 公営企業関係につきましても、住民の生活環境等の整備を促進する見地から積極的に増額をはかることといたしまして、公営企業分及び準公営企業分の、合計七千九百九十五億円を計上いたしておりまして、その建設、改良を推進することといたしております。
 なお、その資金区分といたしましては、地方債計画案のうち、政府資金八千六百七十六億円、公募資金三千七百二十九億円と計上いたしておりますが、公営企業金融公庫の資金は公募資金のうちで千二百九十億円を予定いたしておりまして、その対前年度伸び率は二五・二%でございます。
 地方債計画の大きな概要及び資金面につき概略以上のように考えております。
#5
○砂田委員 ただいま公営企業金融公庫の来年度の地方債計画の中でのポジション等も伺ったわけでありますが、公営企業については、長期低利の資金を確保するために政府資金の増額をはかるほかに、公営企業金融公庫の資金を大幅に増額する必要がある、私はこういうふうに考えますので、きょうは時間も限られておりますから、公営企業金融公庫の問題に限って伺っておきたいと思うのです。
 公庫の総裁にお出ましをいただいておりますので、これはいまさら聞かずもがなのことであるかもしれませんけれども、荻田総裁から公営企業金融公庫の目的というものはどういうところにあるのか、法律にはどう定められているのか、ひとつあらためて伺っておきたいと思うのです。
#6
○荻田説明員 ただいま砂田委員からお尋ねの点でございますが、まず法律を見ますると、「公営企業の健全な運営に資するため、特に低利、かつ、安定した資金を必要とする地方公共団体の公営企業の地方債につき、当該地方公共団体に対し、その資金を融通し、もって地方公共団体の公営企業を推進し、住民の福祉の増進に寄与することを目的とする。」このように書いてございまして、これでよくわかるわけでございますが、少しく御説明をいたしたいと思います。ただ、われわれ公営企業をあずかっておりましても、公営企業金融公庫として独自な政策はできないのでございまして、すべて地方債計画、政府の定められるワクの中において行なわれておりますので、そのほうは政府が定められるわけでございますが、そういう前提のもとに御説明申し上げたいと思います。
 一つは、貸し付けワクでございます。これにつきましては、先ほど読み上げました法律にもございますように、地方団体に対して低利かつ安定した資金の供給をしなければならない、こうございますが、御承知のように低利でかつ安定した資金として最善のものは政府資金でございます。その次がわれわれの公庫の資金でございます。したがいまして、政府資金でカバーできない面はすべてわれわれ公庫債でもってカバーするのが一番いいのじゃないか、こう思いまするが、実は四十五年度におきましても、公営企業関係の起債額五千十九億に対しまして、政府資金が二千二百十四億円でございまして、わが公庫は千三十億しか出しておりません。したがいまして、残りの千七百億程度のものは市場公募と縁故債にしわ寄せされているわけでございます。このことは公庫が本来、公営企業に対しまして低利かつ安定した資金を必要なものは供給するとございますので、それが十分できないために、特にこの中においても縁故資金等について非常に条件の悪いものを地方団体があえて借りなければならないというような状態になっておることは、必ずしも公庫の使命を全部全うしているゆえんでもないのじゃないか、こういう感じがいたします。
 もう一点申し上げますと、その資金源でございますが、資金源は現在政府保証債と共済組合から借りております縁故債とでございまするが、これが実は今年度から地位が逆転いたしまして、政府資金のほうが少なくて縁故債のほうが多くなっております。これは考えようにもよりますけれども、わが公庫といたしましては、先ほど申しましたような使命を達成するのには、地方公共団体ではどうにもならない、外部の資金を借りてきて、そうしてそれを地方団体に貸すということでなければならぬと思うのでございますが、縁故債というのは、御承知のように地方団体関係の共済組合でございまして、いわば内輪の金のようなものでございます。したがって、この内輪の金に大きくすがりまして、本来外部から調達してくるべきものが少なくなっているということは、必ずしも公庫の使命としては十分達成してないんじゃないか。
 こういう以上申し上げました二点をわれわれ自身としては反省しておりまして、これを何とか来年度あたり改善できないものかということで、自治省その他にお願い申しているような次第でございます。
#7
○砂田委員 総裁御自身から、どうも公庫本来の使命を必ずしも達成してないというふうなお答えをいただいたのですけれども、私も現在の公庫が、その資金の質、量両面においてその目的を達しているかどうか疑問だと思うのです。公庫のあり方について、政府はその機能を強化する方向でやはり何らかの措置をなさらなければならない。年度予算編成期を控えて、当然真剣にこの方向での御検討あるべきだ、そういう感じがするのであります。
 まず第一に、資金増額のために政府保証債も大幅な増額がどうしても不可欠だ。公庫の政保債発行額は、四十一年から四十五年まで五年間四百二十億に据え置かれておりますね。これが借りかえ債の発行額がちょうど年々ふえてきているときでありますから、逆に新規発行額というものは、貸し付けに充てられる割合は年々低下してきてしまっている。これはどういうふうに低下をしてきているのか、四百二十億で五年間も毎年同じだけしか政保債は認められない。借りかえ債は逆に毎年この五年間ふえていっている。そうすると、その残った貸し付けに充当できる部分というものは、この五年間どういうふうに減ってきておりますか。総裁からひとつ数字でお答えいただきたいと思います。
#8
○荻田説明員 おっしゃいますとおり、政保債は四十一年度の四百二十億円以来五年間据え置きになっております。ちょっと過去を申し上げますと、三十八年度は二百億、三十九年は二百八十億、四十年が三百九十億、それで四十一年に四百二十億になりまして、それからあと据え置きになっておるわけでございます。
 それで、御指摘ございましたように、われわれの資金といいますのは、七年の期限で借りたものを平均しまして十七年くらい貸しております。したがいまして、どうしてもその間に二回転半くらいしないとつじつまが合わないような状態になっております。したがいまして、毎年度償還期が来まして償還いたします額だけはマイナスの計算になる。したがいまして、もちろんそのほかにいわゆる定期償還と申しますか、一部を抽せんでもって償還しておりますが、これは別にいたしまして、償還期限が来たときに返す金だけのことを考えますと、四十一年度におきましては四百二十億、ただいま申し上げましたように発行いたしますが、償還額は八十億でございますから、差し引き三百四十億円新規に貸し付ける財源があるわけでございます。ところが、これが本年度になりますと、四百二十億の発行額そのものは据え置きになっておりますが、償還額が百四十億にふえております。したがいまして、差し引きいたしますと二百八十億、四十一年度に新しく三百四十億貸したものが現在では二百八十億と非常に低下してきております。
 なお、来年発行額がどう決定されるかわかりませんけれども、償還額を参考のために申し上げておきますと百九十六億、約二百億くらいになりまして、本年に比べてさらに六十億くらい償還額がふえるわけでございます。したがいまして、この辺の対策がございませんと、ますます新規に貸し付ける金額は減るようなことになります。
 以上でございます。
#9
○砂田委員 きょうは大蔵省の理財局次長の赤羽さんもお見えいただいておりますので、いまの公庫総裁が御説明になりました差し引き貸し付け可能額が年々減っていっているということ、これはもう大蔵の理財でもおわかりになっておることだと思うのです。差し引き貸し付け可能額というものが五年間も続けて年々減ってきているというような政府関係の公庫というものはほかにないだろうと思うのです。おおむね任務終了というような性格の公庫があれば別ですけれども、地方公営企業の現状は、御承知のとおりに地域社会住民の生活環境改善事業のために公庫に対する地方団体の依存度というものは年々ふえてきている。これはふえてきて当然であります。こういう傾向に対して政府としてここ五年間それにこたえる措置がなされていない。公営企業金融公庫の資金調達は、他の公庫と違いまして、ただいま総裁からもお話がありましたけれども、資金運用部資金の借り入れという道はございません。これは公庫の出発の性格がそうでありますから、これはこれでいいのですけれども、したがって、もっぱら債券発行に依存しなければならない。その発行される債券は政保債と縁故債の二種類、その縁故債というものは地方公務員の共済、いわば地方みずからの金でこれに参画している。政保債の形で外部の民間資本を地方公共団体にかわって公庫が導入して使う、これが主であって、その補完的な措置として縁故債が採用された。ですから昭和三十七年で見ますと、この両債の比率というものは七、三になっている。ところが四十五年度で見ると、政保債が四三%、縁故債が五七%という数字で逆転してしまっている。民間資金の導入をはかるという公庫設立の趣旨に反した形になってきてしまっている。これは四十六年度で相当大幅な政保債の増額をみなければ公庫本来の使命は達成できない、こういうことじゃないかと思うのですけれども、四十六年度におきます政保債の増額について赤羽次長の御見解を承っておきたいと思います。
#10
○赤羽説明員 ただいま先生より御指摘のございました点でございますが、政保債がここ五年間据え置かれることによりまして、償還額を差し引きしますと減っておるではないか、まずこういう御指摘でございます。五カ年間ずっと減りっぱなしじゃございませんので、実は償還額を引きましても四十三年度までは着実に伸びておるわけでございますが、四十三、四十四年度につきましては、政保債だけの範囲内で貸し付け可能額を見てまいりますと、御指摘のとおり減っておるわけでございます。それに対しまして縁故債を補完的に使っておるといういまのお話でございまして、確かにそのとおりでございますが、全体といたしましては、政保債と縁故債とを合わせまして両方の償還額を差し引いたところにおきましては、これは着実に伸びておるわけでございまして、政保債が四百二十億で据え置かれました四十一年度以後、政保債と縁故債とを合わせまして、たとえば四十一年度は貸し付け可能額は二百二十四億でございましたが、四十二年度は三百二十一億、四十三年度三百九十一億、四十四年度四百十億、四十五年度五百二十億、こういうことになっておるわけでございます。
 次に、この財源構成の本質について先生御指摘があったわけでございますが、そもそも公営企業金融公庫というものは、起債能力のない自治団体にかわりまして民間資金を調達する一元的な機関としてこれが発足した、こういう御指摘でございまして、まことにその点ごもっともでございます。それに、現在、政保債のほかに縁故債、これは、ただいま公営企業金融公庫総裁から、いわば地元というか、内々の資金だ、こういうお話があったわけでございますが、内々の資金であるということのほかに、これは一種の公共資金でございます。民間資金調達という本来の公営企業金融公庫存立の目的とはややずれたものであることは私たちといたしましても十分認識はいたしております。ただ、この政保債の発行額というのは、すでに御存じのとおり、いわゆる政府財政のもとにおきます国の国債発行のワクと同じに考えられてきております。国債発行につきまして、経済状況によってここ四、五年漸減の方針がとられているわけでございまして、それに歩調を合わせたという意味で、公営企業に充てるところの政保債というものも実は減らすべきだったものをそのままの水準に据え置いたという意味のことを別に申し上げておるわけではございませんが、そういうような国全体の財政政策の観点から公営企業の政保債の増額が思うにまかせなかったというのが実情でございまして、その点はおくみ取りをいただきたいと存ずるのでございます。
 来年度の公営企業の御要求、ただいま総裁並びに大臣よりお話があったのでございますが、この御要求につきましては、来年度の経済情勢、財政政策、経済政策との一環といたしまして、十分にこれから検討をしてまいると同時に、公営企業金融公庫の存立の重要性と申しますか、そういったものにつきましては、十分留意をいたしまして編成をしてまいりたいと思います。
#11
○砂田委員 赤羽次長の御答弁を伺いましたが、公営企業金融公庫というものを非常に正確に御認識をいただいて、政保債、縁故債の関係、またそれぞれの性格というものも十分御認識になっておられまして、私がこういうことではないかというお話を一々肯定をしていただいたので、何か先が非常に明るいような感じを受けながら御答弁を伺
 いました。
 確かに政保債の総ワクの問題というものは財政、金融全体の非常に重要な問題で、来年度の景気見通しその他、いままだ的確にどうこう言えるところではないでございましょう。したがって、政保債の総ワクにからんでの公庫の政保債でありますから、いま直ちにどうこうというふうな答えをいただけるとは私も考えておりません。政保債の総ワクをきめることの重要さもまた十分理解しております。ただ、公営企業金融公庫の特殊性が他の公庫と違うこと、政保債をこう削るかわりに資金運用部資金でこういうふうに埋めるということができない。政保債の総ワクの決定を理由にして、公庫の明年度の政保債が、差し引き貸し付けワクというものが一向ふえない、むしろ減少ぎみであるというふうなことで公庫の使命を殺してしまうというわけには断じていかないと思うのです。そこで、政保債の総ワクを決定されるにあたっては、やはり公営企業金融公庫の資金調達の特殊性というものを一方十分考慮に入れながらお考えをいただかなければならない、こういうふうに考えるのですが、公庫の資金源の特殊性というものを十分認識をなさっておられる赤羽次長――大蔵の理財は、局長、次長まことにいい人材を得ているときでございますから、ひとつ先ほどの御答弁のような、公庫というものを十分御認識の上に立って政保債のこの問題を前向きに御検討いただきたい、こういう御要望をしたいと思うのですけれども、取り組んでいただける基本的な御姿勢をいま一度お聞かせいただきたいと思います。
#12
○赤羽説明員 来年度の国債政策並びに政保債を含めまして、それがどうなるという、これは大問題でございますが、一説明員たる私から何らかの方向づけた答弁を行なうという地位には全くないわけでございます。しかしながら、私たち事務屋といたしましては、ただいま先生の御指摘になりましたように、政保債が国の政策の中でこれこれというふうにきまるというような中の配分の問題といたしまして、公営企業金融公庫に対しましては十分検討をいたしてまいりたいと存じます。
 なお、先ほどちょっと申し上げなかったわけでございますが、この実額を見てまいりますと、政保債は四十一年より確かに据え置きでございますが、政保債全体に占めますところの公営企業関係の政保債の割合は、四十一年度九・四%から四十五年度一三・九%くらいまで上がってきておるわけでございます。その点一応申し上げておきます。
#13
○砂田委員 政保債の問題は赤羽次長非常によく認識しておられまして、またいま前向きに検討していただく、公庫の特殊性というものを十分考慮しながらやっていただけるという御答弁をいただきました。
 次に、出資金のことをちょっと伺っておきたいと思うのですが、公営公庫の業務内容は確かに充実をしてきているのです。しかし、そのわりに政府出資があまりにも少な過ぎるのじゃないか。他の公庫とはその性格が違うのですから、他の公庫並みというふうなことを私は言っているのではないのです。しかし、比較的短期の債券で調達をして長期に貸し付けているわけでありますから、経済事情の変動に非常に弱い。そういう特質からして、長期的に公庫の健全な経営を確保するためには、いまの三十七億という出資金はあまりにも少な過ぎる。資金総額に対して政府の出資が〇・七七くらいにしかなってないと思うのですが、これに追加出資をする意向が、自治省としてはそういう気持ちを持っておられるように伺っておりますけれども、大蔵省ではどういうふうにお考えになっておられるか、伺っておきたいと思います。
#14
○後藤説明員 いまの公庫の出資の問題でございますが、先生御指摘のように、他の公庫に比較いたしまして、確かに資金総額に対する出資の割合が少ないのは事実でございますが、いま先生のお話にもございましたように、公庫のは貸し付け先も地方団体でございまして、起債の許可にあたりましても、あるいは債権管理をするにつきましても、相当それぞれ関係機関が目を届かしたような管理をいたしております。ただ、公庫経営の健全化ということで、従来から産投会計からも出資を毎年続けてまいっております。来年度につきましてもそういう自己資本比率ということでなくて、いわば逆ざや補給的な意味の要求が都道府県にございますが、それは目下の段階で慎重に検討してまいっておりまして、いまの段階でちょっとお答え申しかねることでございます。
#15
○砂田委員 慎重、前向きに御検討を続けていただきたいと思います。
 それから利率の問題が公庫にもあるのですが、ことし貸し付け利率の改定をやりましたね。私は来年度はこれにさらに加えて交通と市場、この利率をやはり引き下げるべきだと思うのです。四十五年度、ことし下げた上水、下水、工水、それにいま私が四十六年度で利率を下げるべきだと言いました交通、市場、この五つの事業に関する借りかえ債の利率についても、利子補給によってこれを下げるべきじゃないか、こういうふうに私は考えるのです。
 公営交通の事情はもう十分御承知のとおりでございますし、また物価問題に関連しての中央市場の整備等に非常急ぐことでございますから、やはりこれらの事業については利率について上水道、下水道、工水に続いて検討なさるべきだ、こういうふうに私は考えるわけです。こう私が申し上げますと、後藤主計官は、公営競技の金も入るようになったのだから、そういうようなことでの利率の引き下げという方向のようなことも考えられるのではないかという御答弁がおそらくあるだろうと思うのですが、それはそれ、これはこれでやはり地方自治体の公営競技の金を公庫に入れていくというふうな地方の努力も当然必要だと思う。しかし、国の立場でも利子補給というものを続けていって、やはり拡充されるべきだ。地方公営企業法の第五条の二には、「国の行政機関の長は、地方公営企業の業務に関する処分その他の事務の執行にあたっては、すみやかに適切な措置を講ずる等地方公営企業の健全な運営が図られるように配慮する」べきだということが書いてあるのですが、国の行政機関の長、大蔵大臣もまた国の行政機関の長であります。地方の努力プラス国の援助、こういうものがやはり両方なければ困るので、こういう検討をひとつ前向きにしていただきたい。これは答弁は要らない、要望しておいて終わります。
 赤羽次長にもう一点伺っておきたいのですけれども、市場公募債の発行団体には公庫は貸し付けをしない、こういう原則できたわけですね。ただ、不況のときに、横浜市、京都市、兵庫県、この三団体には例外的に、市場公募債券発行団体ではあるけれども、貸している。そのままの形で今日まできているわけなんです。私はこの市場公募債発行団体というものはみずから資金調達能力があるのだから公庫から貸さない、この原則は間違っていたとは思わない。ただ、こういう原則をきめたときと今日とでは全く様相が変わってしまっている。これらの団体の財政事情が全く変わってしまっている。さらに国民の行政サービスに対する要求も、またその間口も奥行きもすっかり変わってしまっている。政府もこの点はお考えにならなければいかぬと思うのです。私は市場公募債の発行団体すべてに公庫から貸し付けろと言っておるのでもなければ、公庫の貸し付け対象事業すべてについて、こういった団体に貸すべきだとも言っているわけじゃないのです。ただ、少なくとも公庫の借り入れを希望する団体等で、大蔵、自治両省がその団体の財政事情の内面的な実情が十分理解ができる団体である。かつ、市民の足を確保するための交通事業であるとか、公害対策、非常に急がれる上下水道事業、こういう事業については公庫資金をこういった団体にも積極的に振り向けるべきではないか。そういうふうにもう世間の様子が変わってしまっている、こういうふうに考えるのですけれども、赤羽次長の御見解を伺っておきたいと思います。
#16
○赤羽説明員 ただいま御質疑のいわゆる市場公募八団体は原則として公営公庫の貸し付け対象とはしていないわけでございます。その理由というのは、先生いまお述べになったとおりでございますけれども、この市場公募八団体という観念は、何と申しますか、交付税の交付団体とは違いまして、必ずしも財政力の指数といったような現実の数字的な指標に基づきましてきめているものではないわけでございます。何ぶんにも地方公共団体は戦前からのいろいろな伝統、力なりございまして伝統的に債券を発行しておったという実績をつかまえて一応市場公募八団体、こういうことになっておるわけでございます。
 先生のいまの御指摘は、経済情勢、いろいろな変化によりまして、こういった八団体についてもいろいろ財政力の差異がどんどん出てきておるではないか、そういったものはあらためて見直すべきではないか、こういう御指摘かと思います。ただ、ただいま申し上げましたように、この市場公募八団体というのは、財政力指数が落っこった、財政が苦しくなったからすぐに出そうというものではなく、つかまえ方が違うわけで、いわば戦前からの伝統ある信用力と申しますか、そういったものに基づいてこれができ上がってきておるわけでございまして、斜陽になりましてもやはり依然として信用力はあるのだ。これは民間企業でございますと、一たん赤字になって倒産をするというようなことになると信用力はゼロでございますけれども、地方団体というのはやはりそういう毎年毎年の財政力の変動にかかわらない一つの信用というものがかなりあるのではないか、こういう感じがいたしておりまして、何か現実の指標、地方団体の経済力をあらわす指標に基づいてすぐに上げ下げをするのもあるいはいかがかという感じがするわけでございます。しかしながら、じゃ公営企業公庫から借りられないその分だけ不利ではないかという点につきましては、これは政府資金のほうでその間の権衡は十分とっているわけでございます。一々数字をあげることは差し控えたいと存じますけれども、そういうことでわれわれといたしましてもいろいろ配慮をいたすつもりでございますので、その点事情をお含みおき願いたいと存ずるのでございます。
#17
○砂田委員 政府資金で考慮をしておられることは私も承知をいたしております。ただ地方債の政府資金というものが、地方公共団体が希望する、要望する――もちろん市民ニード、住民ニードにこたえてのこれは要望であります。地方公共団体だけが欲を出すわけではない。地域社会住民のニードにこたえなければならないということから希望をする、期待をする。それだけの政府資金というものがまた国のほうでも十分にこたえられない。そういう状態が何年か続いているわけですから、そうなってまいりますと、いま公募八団体の信用力をおっしゃったけれども、信用力だけで考えていけないような財政事情に、もう八団体の中の幾つかの団体はなってきている。何さま借金のことですから、将来その地域社会住民にもこれは負担がかかってくる問題、できるだけやはり経費を安くあげていこうとするのは当然のことであって、これはまず地方公営企業の関連の公共料金にも影響してくることでありますから、やはりいろいろ採算を地方公共団体がはじくわけです。そうしてみると、一方、公募の条件というものもずいぶん変わってきている。また、金融の引き締めの影響も受けてきている。金融引締めの緩和がそう早い時期に末端末端まで効果を及ぼしてくるとは思えない。そういうことから、八団体の中にもやはり公庫のお金を借りたいというところが出てくる。そういう状態にあるものですから、どう申しますか、財政指数だとか交付税の何がどうだとか、そういう数字だけでは理解してあげられないような財政事情がいろいろ出できているわけですね。ですから、やはり私が申し上げたような、何もすべての事業について言っているのでもなければ、八団体みなについて言っているわけでもない、そういう事情が十分わかるところについては公庫から借りるという、そういう道を開いてあげてもいいのではないか。不況のときに八団体のうちの三つの団体に公庫から貸す道を開いたんです。不況だということを理由にして開いたんです。少なくとも同じ程度で同じようなウエートで、八団体の中の三団体以外の団体にはやはり公庫からの貸し出しの道を開いてあげるのがいいのではないか。そういう事情が新たに出てきていると私は申し上げている。すべての事業ではない。いま私が申し上げたような事業について、また幾つかの団体について前向きに検討していただきたいと思うのであります。ひとつこれは私から要望しておきたいと思います。
 公営企業金融公庫の問題は以上で質問を終わりますが、自治大臣にちょうど伺っておきたいと思うことがあるのです。大蔵省、けっこうです。ありがとうございました。
 自治大臣は、去る七月に、僻地における医療を確保するために医学高専構想を提唱なさいましたね。ところが、最近の新聞報道によりますと、自治、文部、厚生の三大臣の間で医科大学の設置について意見の一致を見たということが報ぜられております。この自治、文部、厚生三大臣のその会談の内容についてひとつ自治大臣から御説明をいただきたいと思います。
#18
○秋田国務大臣 御承知のとおり、七月、高知県庁における一日自治省の席上、僻地の医療問題解決のために医学高等専門学校の構想を提唱いたしたのでございます。これに対しまして各方面から賛否こもごもにございました。反対のおもなる理由は、医学高等専門学校では日本の医学水準を低下させる、したがって医療水準を低下させるおそれがある。僻地の医療確保のためには、今日の社会の実情あるいは医療保険制度の現状から申しまして、別途の方法を講ずべきではなかろうかという意見でございました。
 自治省といたしましては、医学高等専門学校の構想が決して日本の医学並びに医療の水準を低下さすものでない、またそういう意図でもない点を事務ベースを通じまして、また私といたしましてはテレビ等を通じまして申し述べてまいりましたけれども、その点に関しまする自治、文部、厚生等関係省内及び関係方面との了解がどうしてもつきません。しかしながら、両省におきましては、できるならばこの僻地医療に対する専門の医学校、医育機関を設立する、その方針には基本的に差異はなかったので、医専構想を撤回をして、医科大学で実現される場合と実現されない場合とを比較検討いたしてみますれば、これがたとえ初めの医専構想はこのまま実行できないといたしましても、医科大学でもこれが専門機関の実現を見た場合のプラスは非常に大きいという判断に立ちましたので、かつ、これに要する経費あるいは現時点から考えてのこれに対する医者の世間に出ますまでの期間を考えてみますと、その間に差異がないので、一日も早く僻地医療に従事する医者の実現というものを期すべきであるという見地に立ちまして、百歩を譲って、非常にユニークな、またいろいろメリットも多いと思われて私ども考えました医専構想は、これを撤回いたしましたが、なきにまさるという見地に立ちまして、医科大学をもって医専構想にかえる。その他の構想は、内容につきましては従前どおりと。ただ、中卒を高卒にかえて現在の医科大学をひとつ都道府県を中心とする学校法人をもって設立するという、こういうことにいたしたいと考えました。これならば三省間の話し合いがつくということであります。
 なお、厚生省のほうでは僻地医療に並びまして、船舶に乗られるお医者さん、船医の確保の問題も問題がございますので、これが確保のために医学振興のための財団法人の創設ということをお考えになっておったので、これと僻地医療に従事されるお医者の養成をも包含して考えて、一つの振興財団をつくることは好ましいと考えまして、この点厚生省の御意見も取り入れて共同でそういう財団をつくったらどうだろう。かつまた、その医科大学に付属する病院につきましては、既設の公的病院等を利用し、専属病院制度を採用してはどうかという厚生省側の御意見にもわれわれ異議はないので、これらの点を取りまとめまして医専構想を大学構想に振りかえまして、この学校法人を設立する財団法人等の創設を中心にこの構想の実現をはかったらどうだろうということに意見の一致を完全に見たわけで、したがって、端的に申し上げますれば、医専構想は大学構想に振りかえるということで大体どうだろうということで、先月の十六日、厚生、文部両大臣と私との間にほぼ意見の一致を見ました。
 以後、事務ベースでその構想に基づき事務折衝を重ねておるところでございますが、大体医科大学でよろしかろうということにほぼ最近意向を固めた次第でございます。
#19
○砂田委員 終わります。
#20
○菅委員長 この際、答弁者に申し上げますが、速記の都合上、答弁なさる方は発言席までお進みを願います。
 山口鶴男君。
#21
○山口(鶴)委員 過般、牛乳のポリエチレン容器の問題につきまして、山中公害担当大臣に若干の質問をいたしました。その続きをお伺いいたしたいと思います。
 まず最初に、過般の地方行政委員会におきまして山中公害担当大臣は、牛乳のポリエチレン容器の問題については、公害対策本部、農林省、厚生省、自治省、この四者で処理の問題も十分念頭に置いて検討するということを約束されたわけであります。閣僚会議の席でも、その後このことが話題になったと聞いておるわけでありますが、自治大臣にお尋ねいたしますけれども、その後この公害対策本部、農林省、厚生省、自治省の四者の検討はどのような形で進んでおりますのか、また閣僚会議の席ではどのような話があり、現在どのような状態になっておりますのか、お伺いをいたしたいと思います。
#22
○秋田国務大臣 公害に関する関係閣僚会議の席上、ポリエチレン容器のことは確かに話題にのぼりました。これの始末に関するいろいろの問題、技術的な問題、財政上の始末に要する経費の問題等出ましたが、十分徹底的に究明し結論を出すというところまではまだ話が進んではおりませんでした。自治省といたしましては、これが廃棄物の処理という点から、この席における御論議等も承り、またかつは、なるべく使用してもらいたくないという私の意見も申し述べておりましたので、その見地から私の意見を申し述べておきましたが、まだこれについての最終的な結論は出ておりません。
#23
○山口(鶴)委員 公害関係閣僚会議の席で話題になった、まだ結論は出ていないということですが、そうしますと、臨時国会も間もなく開かれるわけですけれども、おおよそ見通しとしては、この問題について結論の出るのはいつごろとなりましょうか、もしおわかりであればお答えをいただきたいと思います。
#24
○秋田国務大臣 関係閣僚会議も、いろいろ問題問題にしぼりまして打ち合わせをしておるようでございまして、あるいは私の出ない公害関係の閣僚会議が開かれておるのではないかと存じます。その席上、さらにただいま御提起の問題が論ぜられておるかも存じませんが、私の関係いたしました範囲におきましては、一回ごく一般的な問題が提起されて話し合っただけでございます。したがいまして、どのようなことになっておりますか、まことに残念でございますが十分承知をいたしておりません。
#25
○山口(鶴)委員 公害対策本部の遠藤審議官見えておるようですが、公害対策本部としましては、この点今日までどのような検討を続けてこられましたか。
#26
○遠藤説明員 公害対策本部といたしましては、この問題につきましては、一つは牛乳のポリ容器だけの問題ではございませんで、根本的にはプラスチックその他産業廃棄物全体の問題といたしまして取り扱わなければいけないと思っておりますので、そういったものの処理体制の整備強化をはかるということで、一方におきまして公害対策基本法の中にそういうものの位置づけを強くするということと、厚生省が所管しておられます清掃法の全面的改正を行ないまして、廃棄物処理及び清掃というような法律にいたしまして、それで体制の強化をはかるということを一方で進めておりまして、その両法案を臨時国会に提出できるような準備を進めておるわけでございます。
 一方、まあこの問題につきましては、そもそも牛乳容器のワンウエー化という話で物価問題として出ました問題でございますけれども、こういう事態になってまいりますと、新しく廃棄物の中に加わってくるものとして公害問題としても見なければならないという観点に立ちまして、ただいま関係各省の意見を聞いております。十一月に入りまして五日と十日に、農林省と厚生省からそれぞれ担当官の意見を聞いている状態でございますが、なお今後、長官も申しておりますけれども、本部もこの前お約束いたしましたようなことで、さらに上のほうのレベルでもその話を進めていくということで、私どもは事務的の段階でまず準備を進めてまいりたいと思っております。ただ、何日までにということになりますと、これはいろいろ経済問題と公害問題と両方にからみますので、何日までにということはちょっとまだ申し上げられませんのでございますが、極力そういった問題につきまして早く見解を統一してまいりたいと思っておるわけでございます。
#27
○山口(鶴)委員 厚生省と農林省来ておられますからちょっとお伺いしたいと思うのですが、まず農林省の畜産局長にお尋ねしたいと思います。
 先ほど遠藤審議官からお答えのありましたように、昭和四十二年ごろですが、国民生活審議会が食生活改善の一環としてこの牛乳の問題を取り上げ、さらに経済企画庁が中心となっていろいろな検討を始めた。その際に、ワンウエー容器を使用すれば人件費の上昇等によるコストの上昇をある程度吸収し得るのではないかというようなことから問題になったということを承っております。
 そこでお尋ねしたいと思うのですが、牛乳は相当多くが宅配ですか、各家庭に配達をされておるわけですが、このコストを考えた場合に、びんは二年間使えるそうでありまして、そういたしました場合に、一回当たりのコストが何銭ということは当然出てまいると思います。ただこの場合回収に要する経費もあるでしょうし、またびんを洗うために相当な経費もかかるでしょう。そういったものを加味した場合に、びんの場合で一体コストが何ぼになるのか、さらに紙容器あるいはポリ容器をかりに使用したとすれば、一体コストはどの程度になるのか、ワンウエーのポリ容器を使うことによってコストの減少という面で、はたしてメリットというものが具体的に出てまいるのか、この点は一体どうでしょうか。
#28
○増田説明員 びん容器を使いました場合のコストはおおむね五十六銭というふうにわれわれ計算をいたしております。そういたしまして、紙容器なりポリエチレンの容器を使ったといたしますと、大体一円五、六十銭ということで、容器代そのもののコストとしてはびんのほうが安いということは事実だと思います。しかしながら、先生御存じのとおり、現在毎年物価問題で問題になります点は牛乳の末端における配達コストの問題でございます。びんでございますと、一人当たり三百本ないし四百本というのが大体の配達の限度でございます。そのことが現在の賃金上昇とともに牛乳の宅配価格を上げていく大きな要因になっているわけでございます。紙容器なりポリエチレン容器になりますと、大体一人でその倍なり三倍近いものが配達できるということになりますので、その面におけるコストの低下というものは著しいものがあるというふうにわれわれは理解をしているわけでございます。
#29
○山口(鶴)委員 ところが、この問題が取り上げられましてから廃棄物公害の問題をやはり重視しなければいかぬ。その場合、当然回収義務を課するということにしたらどうだという議論が厚生省の中でも非常に強くなっておるようです。確かに配達の面でメリットがあるということは私も十分理解をいたしますが、回収が義務づけられた場合に、はたしてそのメリットというのは一体どういうことになるのか。それと、そういった点を加味した場合に、ぴんとの比較において消費者に安い牛乳を飲ませるということにおいて十分な効果をあげることが可能なのかどうか、その点はいかがですか。
#30
○増田説明員 ただいま先生御指摘のとおり、ポリエチレンの容器を業者に回収させる、また回収することによって認めてもらいたいということで業者がいっていることは事実でございます。しかしながら、どういう方法で回収するかという点については、いま内部でいろいろの議論をしている段階でございまして、それが直ちにどの程度コストアップにつながるのか、その点まだコスト的には明らかになっていない現状でございますので、しばらく時間をいただきたいと思います。
#31
○山口(鶴)委員 そうしますと、国民に安い牛乳を飲ませるという意味でのメリットというものは、回収を義務づけた場合には必ずしも明らかでないというのが実態ではないかと思います。いわばワンウエーの容器として使い捨てにするという場合はある程度のメリットがあるかもしれません。しかし、もしそういうことにするというならば、いわば業者が本来支払わなければならぬ費用を国民が税金でもって支払う、特に財政力の貧困な自治体の財源、言うならば住民の税金でもってこれを始末をするということは、現在公害問題が起きまして、当然企業が責任を果たす、支払うべき社会費用というものは当然企業が支払うべきだ、こういった思想からいえば全く相反したことではないか、かように私は言わざるを得ないと思います。
 そこでお尋ねしたいと思いますが、農林省では、昭和四十四年の十二月二十六日、この紙パックの奨励のために、機械を導入した場合は特別の償却制度を実施をするということを農林省の方針としておきめになって、大蔵省とも協議の上それがすでに実施されておるというふうに聞いております。さらにこれと同じように、昭和四十五年の七月十日、ポリ容器につきましても同じような特別償却制度の適用の方針を農林省としてきめた、こう伝えられておるのでありますが、これは紙パックと同じようにあくまでも償却制度というものを実行するおつもりでありますか。現在公害のサイド、特に廃棄物公害が問題になっておりますときに、農林省だけ独走するということはいかがかと私は思います。この特別償却について農林省のお考えはどうでしょうか。
#32
○増田説明員 農林省といたしまして、酪農振興の観点からあるいは物価政策の観点からワンウエーを進めたいという立場は変わっておりません。その結果といたしまして、奨励措置として、先生も若干申されましたとおり、私のほうでは、四十四年の十二月にそういう容器の充てん器の関税の免税制度、あるいは四十三年に中小企業についての特別償却制度、それから四十五年に大企業の特別償却制度をとったわけでございます。しかし、これは租税特別措置法の告示によってやっているわけでございますが、この法律によりますと、事業に供した場合ということでございますから、これは実際に事業に供されない場合は免税にはならないという点が第一でございます。
 それから同時に、牛乳の容器につきましては、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」という厚生省令がございます。これは食品衛生法に基づく省令でございますが、牛乳なり乳酸飲料は全部原則としてびんであるけれども、その他の容器を使う場合は厚生大臣の承認を受けなければならない、こういうことになっておりまして、現在の特別措置法に基づく告示にはポリ容器も入っておりますけれども、実情はそこの関係で眠っておる。これは当然厚生大臣の承認がなければ動かないということになっておるわけでございます。
#33
○山口(鶴)委員 そのことは私もよく承知をしております。厚生大臣の承認がない。動いていない。動いていないから関税ないしは特別償却の租税特別措置が動かぬということのようですけれども、しかし、現在四省においてこの問題を検討しておりますときに、何も早々とそういう方針を農林省がおきめになる必要はないのではないか。ある新聞でしたが、農林省はどうも公害に弱いということが書いてありましたが、そういうことではますます農林省は公害に弱いという国民の批判を受けざるを得ないのではありませんか。
#34
○増田説明員 ポリ容器の問題につきまして申し上げますと、実は今度初めて使うわけではない。四十二年に一部の乳酸菌、乳につきましても四十四年の六月に、現に使っているという事実があるわけでございます。そういう意味で、わがほうといたしましては当然ポリ容器は使わしていただけるものという前提でああいう奨励措置をとっておったわけでございます。その後公害問題が指摘をされた、そういうことで、当然この容器の問題につきましても、そういう問題の一環において検討されなければならない問題であるということについでは、農林省としても意見は変わっておらないわけでございます。
#35
○山口(鶴)委員 厚生省にお尋ねしましよう。
 新聞によりますと、厚生省としては回収という条件づきでこの牛乳のポリ容器は承認をしたらどうかという方針を固めた、こう伝えられております。あわせまして、すでに使用が承認されておりますヤクルト等の乳酸菌飲料でしょうが、これの容器につきましても行政指導で回収することを要請しているというふうにいわれておるわけですが、現にそういった行政指導で現実どの程度乳酸菌飲料の容器の回収が進んでおりますか、この点お聞かせをいただきたいと思います。
#36
○神林説明員 現在、先生の御指摘のとおり、私たちの方針といたしましては、衛生上安全であって、しかも当該の業者がみずから回収して処分するということならば、いわゆる特別承認をしていこうという方針でまいっておるわけでございます。それで、現実にどの程度かということは、いま各当該業者を呼びまして折衝中でございまして、どういうふうにするか、これは、たとえば具体的に回収の方法というようなものにつきましては、回収の箱を設置させるとか、あるいはそれを焼却するのか、そのほかどういうふうな利用をするのかということについて、いま私たちのほうでは、それぞれ個々に当該業者と折衝中でございまして、まだ数量をどのくらいというようなことは、私たちのほうではっきり申し上げる段階ではございません。そんな状況でございます。
#37
○山口(鶴)委員 環境整備課長がおられるからお尋ねしたいと思うのですが、乳酸菌飲料を承認したのは昭和四十二年と聞いておるのですが、厚生省とすれば、当然清掃法を所管している省ですね。現実に清掃事業をやっておるのは自治体ですけれども、法律としては厚生省が所管をしておられる。科学的に考えれば、このようなプラスチックのような高分子物質というものが清掃上障害があるということは、これは当時だって当然わかっておったはずだと私は思うのですね。しかるに、回収等を義務づけることなく、いわば野放しで許可したということについては、私ども非常に遺憾に思うのですが、一体そういうことについては当時全く考えがなかったのですか。
#38
○神林説明員 たいへん失礼でございますが、いま整備課長、きょう当然こういう問題が出てくるということで呼んでおりますが、清掃法の改正関係であれしておりますから、私のほうが当時所管して許可した課といたしましてかわってお答えいたします。
 当時、私たちのほうといたしましては、食品衛生上の問題だけを考えまして、食品衛生上安全ならいいだろうということで、昭和四十二年に一応認可を一つ出したわけでございますけれども、当時私たちといたしましては、公害というような問題は食品衛生の担当課としては全然考えておらぬわけで、あくまで食品衛生の立場で安全であるかどうかというふうに考えておったわけです。
 それから、牛乳容器につきましては、その後ずっと承認をしておらなかったのは、やはりもっぱら食品衛生の立場で、特に牛乳は乳幼児の主食であり、病人の主食であるという観点から、いやしくも食品衛生上の危害があってはならないということで、それを、ではどこで衛生上の安全性をものさしにしてはかるかということで、私たち牛乳はずっといままで承認はしておらなかったわけですが、これも約二年間の研究の結果、一応食品衛生上の安全性をはかるものさしが大体できたような段階になったわけです。そういうことでございます。
 なお、整備課長、至急いまあれします。
#39
○山口(鶴)委員 昭和四十二年といえば、もう厚生省の中に公害課ができておったんじゃありませんか。そうですね。そうしますと、行政の縦割りの弊ということがよくいわれるのですけれども、そればかりではなくて、省内にも縦割りの欠陥といいますか弊害があるということでは私は困るだろうと思いますね。大臣がおられますから注文しておきたいと思いますが、そういうところにやはり現在の行政機構の問題点があるのじゃないかということを、ひとつ十分念頭に置いて対処いただきたいと思います。
 さて、そこではたしてポリ容器は食品衛生上無害なのかどうかという点です。添加物は全くないのですか。それから、添加物があるとすれば、一体どのような添加物を考えておられるのですか。結局、これらのポリ容器の添加物というのは、熱や光に対する安定剤として添加物を加えるということですね。そうしますと、一体それらの添加物はどういうものかといいますと、常識的に考えて、タールから取ったフェノール系あるいはアミン系の物質を添加剤として使うのが普通ではないかと思います。このようなフェノール系あるいはアミン系というのは、課長さん御案内のように発ガン性物質ですね。しかもポリ容器につきまして、これは当然消毒その他するんだろうと思いますが、消毒するということになれば、当然熱を加えるということでしょう。熱を加えました場合、これらの安定剤が急速に表面に浮き上がるというのも、これまた科学的な常識だと思います。そうなりますと、私は、現在使われておりますヤクルトの容器につきましても、厳密にいって、やはりこの添加物いかんによっては発ガン性物質が表面に浮き出し、問題があるのではないかということを考えるわけです。
 さらに、可塑剤としてこの添加物を加えるということになれば、これらの可塑剤は重金属のエステルだと思います。鉛とか問題になっておりますカドミウムだとかというもののエステルを使うということになれば、これまた問題があるのではないかというふうに思いますが、はたして食品衛生上絶対無害であるということが自信をもって言えるのかどうか、この点いかがですか。
#40
○神林説明員 お答え申し上げます。
 牛乳以外の容器につきましては、食品衛生法で規格基準ができておるわけでございまして、これは告示に載っておりまして、先ほどの重金属であるとかいろいろの規格が一応きまっておるわけでございます。
 それから、牛乳の容器につきましては、先ほども申し上げましたとおり、特に乳幼児あるいは病人の主食であるという点で、私たちは、その一般的な食品用の容器の規格基準のほかに、特に現在私たち考えておるのは、ポリエチレンで無添加である、添加物を入れないということを一応の原則としておるわけでございます。ところが、無添加であるといってみても、それは私のほうへ個々の工場から申請を持ってくるわけでございますが、はたして無添加であるかどうかということは、書類だけではわかりませんから、それは一応地方の衛生研究所で試験をしまして、無添加であるかどうかという証明をするわけでございます。そのものさしが現在でき上がったというような状況でございます。
 それから、一部成型をするものにつきましては、いまさらに検討を加えておる最中でございます。
#41
○山口(鶴)委員 乳酸菌飲料の容器は無添加なんですか。
#42
○神林説明員 一応あれはポリエステルの傾向でございまして、無添加ではございませんが、先ほど申し上げました食品衛生法の一般の規格基準には少なくとも適合しているものでございます。
#43
○山口(鶴)委員 その規格基準に適合しておれば、いま私が指摘したような心配というものはないのですかね。
#44
○神林説明員 一応食品用の容器につきましては、そういう点を検討いたしまして規格基準を設定してございますから、その心配はありません。
#45
○山口(鶴)委員 あまり心配ないと言い切らぬほうがいいんじゃないですか。厚生省が心配ないとして売り出した薬が、その後ずいぶん問題になるわけですから、あまり断定的におっしゃることは、あとで問題を起こしますから、ひとつ御注意をしたらどうでしょうか。したがって、無添加ならば問題ないと思いますけれども、添加物があるとすれば、当然発ガン性物質あるいは重金属エステルというものが、量の多少はともあれ、入るわけですから、そうなりました場合に、それが食品衛生上無害だということを言い切ることは、私は問題ではないかということだけ指摘しておきましよう。
 さて、そこで私は自治大臣にお尋ねしたいのですが、いままで農林省、それから厚生省といろいろやりとりをいたしました。牛乳の価格を安くするという意味で回収を義務づけた場合に、メリットがあるかどうかはきわめて疑わしい。それからさらに、無添加ならばいざ知らず、添加物がありとするならば、当然食品衛生上にも問題がないと言い切ることは、やはりいえないのではないだろうか。さらに清掃の観点から見るならば、自治体が非常な苦労をして現在清掃事業をやっておる。厚生省から焼却炉については四分の一の補助があるたてまえにはなっているけれども、現実には超過負担が多くて、十分の一程度の補助金しか出ていない。しかも、その焼却炉が、現在四百万トンあるいは五百万トンというような合成樹脂の生産が行なわれておりますけれども、そういったものによって非常に炉がいたむ、修理をするのにばく大な金がかかるという状況の中では、私はやはり自治大臣としては、関係閣僚会議の中で、断固この問題については反対である、将来高分子物質がもっと結合のゆるいものになって、簡単にこれが分解をする、たくさんのカロリーを出さないで簡単に燃えるというものになればけっこうだと思いますけれども、現実のプラスチックの状態では、乳酸菌飲料についても回収をきちっとさしていく、それから牛乳の容器、あるいは将来牛乳の容器を許可するということになれば、他にこれが影響して、さらにそういうものがふえてくるということもあるわけですから、この際牛乳のポリ容器については承認しない、処分の方法がりっぱに開発されるまでは、たとえば京都大学の岩井教室で検討でおるようなりっぱな炉が安く供給できるようになるというような見通しがつくまでは、やはり許可しない、ないしは完全に回収を義務づけるのでなければ許可しないという、断固たる態度をとっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#46
○秋田国務大臣 先ほども申しましたとおり、また前回のこの委員会でも申しましたとおり、現状では、回収に関しまして義務づけをいたしましょうとも、その後のこれが処理の経費負担につきましても合理的な見通し等が十分つかない限り、あるいは食品衛生上の問題は厚生省の所管とするところでございましょうけれども、総じまして現状ではこれを使わないほうが好ましいという見地に立っておるわけでございまして、さらにこの問題は各方面からの検討を要し、また各省において御検討をお願いしたいと存じますが、自治省の立場といたしましては、現状では、ただいまおっしゃられたとおり、これが好ましくないという態度をとってまいりたいと思っております。
#47
○山口(鶴)委員 けっこうです。
 それでは他の問題を一、二自治大臣に聞いて質問を終わっておきたいと思います。
 昭和四十六年度予算も年内編成を目標にいたしまして進められておるようで、そこで問題になりますのは、昨年の地方財政計画を策定いたします際にも、大蔵大臣と自治大臣との間で了解に達した事項、覚え書きはつくらなかったようでありますが、了解に達した項目というものがあったようであります。それを拝見いたしますと、昭和四十六年度までに地方交付税の特別会計直接繰り入れの可否及び年度間調整の制度について引き続き検討するということになっておるようです。地方財政が豊かになったというようなことから、いろいろな形で今日まで予算編成のたびに問題がございました。私どもは、そういった貸し借りなどということは絶対やめるべきだ、さらに交付税、譲与税特別会計に直接国税三税の三二%を入れるべきだということを主張いたしてまいりました。昭和四十六年度の編成にあたって、大臣としては、この特別会計への繰り入れ、この問題についてはどの程度がんばり抜く決意なのか、さらに、年度間調整と称して地方財政から三百億あるいは何百億という形で国に貸すというようなことが行なわれましたが、そういうことについては明年度、一体、あくまでも阻止するおつもりなのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 ついでに、自治省といたしましても、ナショナルミニマムあるいは自治体のシビルミニマムというものを達成する場合には、ばく大な資金が必要である、国民生活の環境整備はいまやきわめて必須の問題だと思います。そういう意味で、あくまでも地方財政を強化していかなければいかぬということは自治省の方針だろうと思います。しかも、やがて沖繩返還ということになれば新しい県がふえるということになるわけでありますから、三二%の交付税を守っておるというような消極的な態度ではやはりいかぬのではないか、当然沖繩返還等を見通した場合には、将来この率自体も引き上げていくという積極的な態度が必要ではないかと思います。当面これは四十六年にどうこうということではないかもしれませんが、将来の方向としては当然そうなるだろうと思います。これらの点につきまして大臣としての決意をひとつ承りたい。
 さらに、本日の新聞に、各県の人口の一応の結果が報告をされておりました。過疎地域におきましては依然として人口の減少が引き続いて行なわれておるようであります。かって自治大臣が東北のほうへ参りまして、過疎の基準になっております例の五年間減少率一〇%、これについても検討しなければならぬだろうという趣旨の御発言をされたそうであります。一応昭和四十五年国調のおおよその傾向が現在明らかになりつつある状況におきまして、この過疎基準につきまして大臣としては一体どのようなお考えを現在持っておられますか、あわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
 さらに、税金の問題でありますけれども、住民税が所得税に比べて依然として課税最低限に三十万円の格差がある、住民税については依然として重いということは国民の声だと思います。所得税の課税最低限の引き上げと同じだけずっと住民税の引き上げをやってきたのでありまして、そういうことではいつまでたっても格差は埋まらぬ。この際これについては三十万の差を解消していく、少なくともこれを少なくしていくという決意が四十六年度の地方税においてはあるのか、これもひとつあわせて、簡単でけっこうでありますからお答えをいただきたいと思います。
#48
○秋田国務大臣 地方財政計画につきましては、いろいろ未確定の要素もぐざいますけれども、総じまして年度間調整の問題なりあるいはいわゆる特別会計に直入する問題なり、貸し借りの問題なりにつきましては、かねて申し上げました基本方針をあくまでも貫きたいと存じております。この点に関する正式の打ち合わせは大蔵省との間にはいたしておりませんが、おりにつけ、問題になる際には、大蔵大臣との間にも、特別会計に国税三税を直入する方針、あるいは地方自治財政をたてまえとする意味における年度間調整の趣旨に沿いまして、これが端的な、具体的な表現となる貸し借りの問題につきましては、本年度万やむを得ずああいう措置をとりましたが、来年度は絶対にこれを避けたいということを機会あるごとに強く申し述べておるところでございます。かつまた事務ベースにおきましても、いろいろの折衝の際に、この趣旨によりまして大蔵当局と話し合っておるようでございます。以上の方針は堅持いたしてまいるつもりでございます。
 しこうしてナショナルミニマムなりシビルミニマムなり社会資本を充実いたしまして、住みよい豊かな、かつ均衡のとれた地域社会の開発並びに生活環境の維持強化につきましては、経費が要ることでございますから、地方財源の充実強化にも十分つとめてまいる所存でございます。
 しこうして過疎地帯として取り上げます基準につきまして、人口の問題は従来からもしばしば財政力の点とあわせまして問題になっておるわけでございまして、過般山形市へ参りましたときにも新聞記者から質問がございまして、先般の国調の結果によりまして、それを見た上、かつまた多少の経験等を経ました上で、これが改定につきましては十分検討してみたい、こういうことを申し述べました。そのつもりでおりますが、いまどうするということは、この場で申し上げかねますが、とにかく国調の結果並びに多少の実施の経験に徴しまして合理的な解決をはかりたい、こう考えております。この点は従来からも申し上げておりますが、その考えに変わりはございません。
 しこうして住民税の課税最低限の引き上げの問題につきましては、これまた要望の強いことでありますが、財源確保の意味から申しますと、地方住民税にはそれなりの理由がございます。しかしながら、課税最低限を引き上げることの御要望は、またそれなりの理由がありますので、私といたしましては、世論に徴しまして、その御要望にこたえたいと考えておりますが、同時に地方の財源措置を十分考えなければならない。しこうして国の場合には収入、支出と大まかなプラス、マイナスの計算ができますが、地方税の減は何をもってその補てんをするか、なかなか処置が、マイナスが出たからこれでプラスというわけにはまいりません。御承知のように三千余の地方団体についてそれぞれ支障のないように考慮をしなければなりませんので、この点関係方面とも十分ひとつ連絡をとり、検討をいたしまして、処置をいたさなければならないと考えておるところでございます。したがって、どうするということをいま具体的に、確定的に申し上げられませんが、大体の気持ちを申し上げまして、御理解をいただきたいと思います。
#49
○山口(鶴)委員 大臣も今回の内閣の自動延長で留任をされました。一年の豊富な経験を生かして四十六年度地方財政計画の編成に立ち向かうわけでありますので、ただいま申し上げました注文につきましては、十分ひとつ留意をいただきまして、内政の年と言われるにふさわしいりっぱな地方財政の確立に向かって勇往邁進されますように心から希望を申し上げまして、質問を終わっておきます。
#50
○菅委員長 桑名義治君。
#51
○桑名委員 私は、きょうは衛星都市の人口急増地域に対する問題点をお聞きしておきたいと思います。
 人口急増地域につきましては、異口同音にいろいろな問題点が提起をされておりますが、その中でも小中学校の用地の確保あるいは建設問題あるいは関連事業が非常に遅滞をしている、こういった問題が言われているわけでございます。特に大都市周辺の衛星都市につきましては、こつこつと積み上げたところの学校用地も一瞬にして取りつぶされてしまう、こういうような状態にあるわけでございますが、それに伴いまして、さらに団地の急増、そのために財政需要が非常に高まってくる、多いところにおきましては、その市の総予算の六〇%が団地対策に食われてしまう、あるいは義務教育の刷新のためにどうしても優先して行なわなければならないので、他の社会投資ができない、こういうふうな問題を惹起しているわけでございます。私も先日から東京都の町田市やあるいはまた船橋市、そういった都市に参りまして、その実情をつぶさに見てきたわけでございますが、たとえば町田市の団地白書の中に、高ケ坂団地というのがございますが、この団地から上がってくる九年間の総収入が一億八千三百五十六万円、それから支出が二億九千七百九十五万円、これはマイナス一億一千四百三十九万円というような実情でございます。しかも、その総収入の中で行政サービス費が一億六千九百三十二万円、そうしますと差し引き一千四百二十四万円がいわゆる投資的経費になる、こういうような実情にあるわけでございます。しかも実際には投資的経費は、ただ単に一千四百二十四万円ばかりではなく、これの約九倍の一億二千八百十六万円の団地対策投資がなされている、いわゆるこれの赤字が出ているという実情でございます。そういったことから考えますと、現在四十四年度の分を例に取り上げますと、歳入から消費的経費を差し引きますと六百六十四万円、しかも地方債の返還の二百四十一万円を差し引きますと四百十九万円というのが年度年度の残額になるわけでございます。そしてこの四百十九万円を、そのままいわゆる赤字の解消に使ったとしても二十八年間はかかる、そういうふうな実情でございます。こういったことを考えますと、人口が急増したから将来は必ず黒字の団体になるという保証は、この一例を見ましても、これは納得ができない論理になってくるわけでございまして、半永久的にこういった衛星都市は赤字をかかえ、そして悩んでいかなければならないという実情でございます。そういったことから考えまして、人口急増地帯の財政措置の現状はどうなっているか、いわゆる起債の特別措置について、あるいは交付税の点について、あるいは補助金はどういうふうになっているか、その点についてつぶさに返答願いたいと思います。
#52
○長野説明員 人口急増地域に対します、急激な人口増加に伴います財政需要に対応いたしますために、交付税上の措置といたしまして、市町村の過密対策といっておりますが、その経常経費、投資的経費等につきましては、四十五年度におきまして、経常経費といたしましては、たとえば清掃でありますとか下水道の管理費、あるいは幼稚園とか保育所その他、それから投資的経費は道路に始まりまして、いわゆる都市河川、下水道、小中学校あるいは人口急増補正等を加えまして、四十五年度には千五百七十四億交付税措置をいたしております。
#53
○桑名委員 いま財政局長が言われましたけれども、現実の問題としてその土地、土地をつぶさに見てみますと、結局国の手当てが十二分でないという実証を明らかに示している、こういうふうに考えざるを得ないわけであります。そこで人口急増補正につきましては、市町村分は百九十億で、これは経常経費、あるいは四十億が投資的経費、あるいは急増の都市対策費として三千七百五十億円のお金が組まれているわけでございますが、現実は先ほど申し上げましたように、ただ単にそういうふうな措置ではたしてこういう衛星都市が救済できるかという問題でございます。そこで自治省につきましては急増市町村財政の特別措置として、人口急増地域の義務教育事業促進緊急措置法というような立法構想を持っておられる、こういうお話を聞いたわけでございますが、その内容が明らかになるならばここで明らかにしていただきたいし、またいつ国会に提出をなさるのか、その時点がわかりましたらお答え願いたいと思います。
#54
○長野説明員 人口急増市町村につきまして、一つは先ほども御指摘のございました義務教育の整備の関係につきまして、毎年毎年いわゆる不足教室というのがふえております。私どもの調べでは、たしか四十四年度でございましたか、七千教室をこえておると思います。そういう状況になりますことは、用地の手当てもできない、財政負担が非常にかかるというようなことを中心にいたしております。また建築費についても問題がございます。そういうことでございますので、この特別措置という点につきましては、義務教育でございますから、役所の話を申して恐縮でございますけれども、所管は文部省になりますが、文部省と私どもといわば共同いたしまして、特別措置としての対応をいたしたいということで、明年度についての予算要求をいたしておるわけでございます。
 そこで、その中で一番の目標にいたしておりますことは、用地に対しまして新しく国庫負担制度を創設したい、つまり二分の一の、小中学校の用地取得に対する経費についての国庫負担制度をつくっていきたい、この関係では文部省が来年度の予算として要求をいたしております。それから現在の小中学校の校舎、屋内運動場の新増設につきましては、御承知のとおり小学校は三分の一、中学校は二分の一の負担割合になっておりますが、これを三分の二に引き上げてほしい、これも文部省を通じまして予算要求をしていただいておるわけでございます。それから、それにいたしましてもなお地方負担が残るわけでございますから、この地方負担に対しましては、私どもは最も良質の資金でありますところの政府資金を、少なくとも全額これに充てるようにいたしてまいりたいということを基本にいたしまして、そういう措置の前進をはかってまいりたいということをいたしております。同時に、過去におきましても、いわゆる急増のために非常に苦しんだ人口急増市町村があるわけでございます。それを、何年度まで考えるかという問題がございますが、一応四十年度から四十五年度までの間に、そういうことで起債をしておりますところにつきましては、やはり用地分につきまして将来二分の一国が負担するということであれば、過去の用地分についても二分の一に相当するものを国が元利補給をして公平を期するように、前のやつは苦労させてほったらかすというわけにはいかぬではないかというようなことで、そういうことを内容にいたしていきたい。それからまた、団地その他の関係におきますところの、小中学校等についてのいわゆる立てかえ施工その他の問題がございます。それにつきましての償還――たとえば住宅公団が建てましたものを地元の市町村が、据え置き期間はありますけれども、たしか三年据え置きで十年内に買い取るということになっておりますけれども、この期間が非常に短い、したがってこういう期間を延ばしていくとか、あるいはそういう対象になる立てかえの施設というものの範囲を拡大させたいということで、その辺におきますところの団地等の宅地開発についての前進、改良を考えていきたい。
 以上申しましたような概略の内容を中心にいたしまして、特別措置法という形で、法律上の保障も得て、人口急増対策の一番捨てておけない小中学校の整備ということに、ぜひ新しい道を開いていきたい、このように考えております。
#55
○桑名委員 そこで、特別措置法の内容の問題ですが、大まかな内容についてはいま御答弁を願ったわけですけれども、まず、こまかくお聞きをしたいことは、一つは人口急増市町村の定義をどういうところに設けるか、これが一つでございます。現在の段階でどういう市町村がこれに該当するか、あるいはその名前がわからなければ、数は大体どのくらいになるのか。三番目としましては、一般的には財政措置というのは一年おくれ、または当該年度の需要を基礎として措置しているのでございますけれども、人口急増の市町村については、五年もしくは三年先の行政需要を押えて、先行的な対策をする必要がある、こういうふうに私たちは思うわけでございますが、今回のそういった特別措置にはそういうことが盛り込まれているかどうか、この三点について最初にお聞きをしておきたいと思います。
#56
○秋田国務大臣 人口急増都市の、小中学校施設に対する財政強化に該当する市町村の資格、それからそのおよその数、その具体的な大体の町村等もわかっております。事務的にこれを報告いたさせます。
 なお、ここにおいでになっておりませんが、文部省とは十分打ち合わせをいたしまして、完全と申していい程度に意見の一致を見ておりまして、主体は文部省に予算措置等、その他の措置をしていただくことになりますが、地方債はもちろん自治省でございますから、協議をしてこれが実現に当たりたいと考えております。
#57
○長野説明員 対象の市町村でございますが、現在その数にいたしまして百九十六団体というふうに一応計算資料等によりまして算定をいたしておりますが、その内容は、一つは児童等の三年度間の増加率、または増加見込み率が一〇%以上であって、そして増加数または増加見込み数が五百人以上であること、それからもう一つは、児童等の三年度間の増加率あるいは増加見込み率が五%以上で、かつ増加数または増加見込み数が千人以上であること、三番目といたしまして、その他上記に準ずるものというのを現在の大体の考え方にいたしております。
 それから、お話ございました、現在の小中学校の新増設という場合には、毎年度五月一日現在の生徒、児童数というものを基準にして新増設についての国の助成の措置といいますか、負担が行なわれ、これが基礎になっております。したがいまして五月現在でとったもので始めますから、これが九月なり年度末近くになって増設ができる、あるいは新設ができるというようなことに、おくれてまいります。したがって、その間に、プレハブ教室をつくらなければならない、いろいろな問題も出てくるわけでございますので、これにつきましては、やはり今後は当該年度の三年度内における生徒の増加数、増加見込み数というものを対象といたしまして、そうして、国の補助なり何なりというものを措置していくというようなことにいたしまして、長期に計画を立てながら整備が計画的に行なわれていく、それと同時に、そういうことをすることによりまして、プレハブ校舎などで不自由を忍んでおるという状態をなるべく解消していきたい、こういうふうなことをぜひ実現をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#58
○桑名委員 いまのお話の中で、五月一日現在の生徒、児童数によって予算が組まれる、こういうふうなお話でございますが、現実に五月一日以後に急増した場合がやはり問題になると思うのです。何となれば、団地ですから、三千戸なら三千戸がさっとふえる。それと同時に、ここで考えなければならないのは、大体一般の、文部省がはじいている、いわゆる一世帯における児童数のパーセンテージは約〇・四五%程度ではじいておるわけですが、こういった団地族というのはいわゆる二十代、三十代が非常に多いわけです。調べてみましたところが、全部そうなんですが、そうすると、一世帯の〇・九九%の児童数を持っておるというのが実情でございます。その後また、非常に若いことで、いわゆる生産可能なといいますか、そういう年齢層でございますので、今後の児童数というのは当分の間伸びていくということが当然考えられるわけです。そういったことに対処できずに、船橋に行ったときにも、町の中に分教場のようなものができまして、それが全部プレハブ校舎でございます。学校の校長先生は校庭をながめて父兄が来ると、毎日何十回どきんと胸騒ぎがする、こういうことで非常に腐心をしているのが実情でございますので、そういったことにも十二分に対処していかなければならないのではないか、こういうふうに思うわけでございますし、補助率につきましても小学校が三分の一、中学校は二分の一、こういうことになっておりますが、実質的には現行、小学校は二九・五、中学校が三五・八、こういうことで、非常にその各市町村の持ち出し分が多くなっているというのが実情でございます。そういった事柄も十二分に勘案されまして、この緊急措置法もさらに手直しすべきところがあるならば、手直ししていただきたいとも思いますし、さらに土地と建物の起債の充当率も現在は八〇%でございますので、これは港湾等の産業振興の一〇〇%の充当率と同等に取り扱うべきではないか、こういうふうに思うわけでございますが、その点についての自治省のお考えをお聞きをしておきたいと思います。
#59
○長野説明員 団地等におきまして五月一日以降にどんどん人口がふえてきて、そして生徒、児童がその年度途中においてふえてくる、これが問題だというお話でありますが、私どももそのように思います。現在でも、団地の規模にもよりますけれども、そういう意味では、現在の措置のしかた、これは文部省がやっております中でも多少そういうものを見込むことは許されておるようでありますけれども、現実には実情に合いません。したがいまして、私どもは今後三年度間を通じまして伸びるであろうという見込みをまず立てて、そしてそれに応じて措置をしていくということになれば、その中で増加するものの予定というものを相当入れていくことができる、こういうふうにぜひ改善をいたしてまいりたいと思っております。
 それからまた、起債の充当の問題のお話がございましたが、先ほど申し上げましたように、国の負担率の引き上げ、あるいは用地に対する新しい負担制度の創設、これは非常に困難でありましょうが、文部省にぜひこれを実現してもらいたいということにいたしております。それに応じまして、地方負担分につきましての地方債の充当ということは、これは私どもも良質な資金、政府資金を全額要求いたしておりますが、それを充当いたしていきたい。それによって急増設に対処し得るようにはいたしてまいりたいと考えております。
#60
○桑名委員 そこで今後の問題としまして、いまはちなみに教育の問題を取り上げたわけでございますが、人口急増都市に対しましては教育施設だけではないと思うわけでございます。市の総合計画に対する、道路その他公共関連事業全体に対して総合的な措置をとらなければならないと思うわけであります。特にこの町田市というのは問題があるわけでございますが、これは産業の誘致、工場の誘致、企業の誘致ということではなくて、いわゆる住宅団地という特殊性を持っておるところに一つの問題点があるとは思いますけれども、しかしながら現在の東京、大阪のような過密都市、こういった都市に対する住宅問題を解消するためには、どうしてもこういった衛星都市に伸びていかなければならない。そうしてそうした観点から考えてきますと、これはただ単に各一市町村の問題だけではなくて、国家的な視野に立ったところの施策が国の力によってなされていかなければ解決ができないのではないか、こういうふうに思うわけでございます。現在までの段階では、この施策はただ手当て的な施策だけで、点と点を結びながらそれぞれに補助を加えていく、こういうふうな姿があるわけでございます。こういった市町村を回ってみますと、もちろん道路は非常に狭いし、あるいはまた下水道は、ほとんど下水道工事はなされていないというのが実情でございます。そしてまた非常に自然が無系統にこわされておる、こういった姿が如実にあらわれておるわけでございますが、市全体といたしましては、こういった問題を総合的な計画のもとに町づくりを実施したいといいましても、権限もなければあるいは財政力もない、こういう実情でございますので、今後成田空港周辺整備法のような対策を立てて、重点的にこういった衛星都市に対する手当てをすべきではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。たとえば五年ぐらいの長期計画を立てて、これに対して国が高率的な補助あるいは起債の完全な充当、あるいは元利償還の国庫補助、あるいは交付税、特別な措置をとる、こういうふうな方向で進んでいかなければ、こういった都市を救済することはできないのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、この点についての自治省の御見解を承っておきたいと思います。
#61
○秋田国務大臣 前々からも申しておりまするとおり、住民の生活環境を整備強化をして、住みよい豊かな地域社会を開発していくことが、今後のわれわれの行政の主目的であります。そこで、道路、住宅、下水道その他公害対策施設あるいは緑地、空地等の整備、これらが必要であることは申すまでもありません。同時に、これが計画的に、そしてあるシビルミニマムの線を確保するように計画されなければなりません。これに対しまして、いろいろ財政上の援助強化措置をそれぞれ講じなければならないことは当然のことでありまして、自治省といたしましては、長期ビジョンを立てまして、先般、総合的な見地からの数字を発表いたしましたのもそのつもりでございます。同時に、具体的なこれらいろいろ財政措置及び計画が総合的見地からやはり統一性のあるものでなければなりません。それらにつきましては、新しい手法をもって、新しい見地からの都市計画なり、都市の再開発の計画なり、こういうものを合理的に科学的に立てたいと考えております。その手初めといたしまして、数百万円、はなはだ少額でございますが、来年度はこれらのいかなるテーマをとりますか、今後具体的に予算決定の段階においてきめたいと思いますが、こういうものを新しい情報処理のシステマチックな手法をもって処理する計画を立てていく、まず端緒を見出すという予算を、概算要求措置も講じておるわけでありまして、こういうような考え方、こういうような手順、手法を通じまして、新しい七〇年代に処する環境づくりをしてみたいと思っております。
 なお、それには、各地域、地域における自主的な努力によりましても、近隣社会と申しますか、新しいモデルコミュニティーをつくっていくというような計画を考え、これらの点についても施策を進めていきたいと考えております。
#62
○桑名委員 私の先ほどから申し上げていることは、最近、自治省では、大都市周辺都市の育成あるいは広域市町村圏構想、こういうものに見られますように、中堅都市に対して計画的な住みよい町づくりに力を入れられているというのが現実ではございますけれども、しかしながら、実際には人口急増市町村のように、行政的にも財政的にも行き詰まっているというのが現状であるわけでございます。こういった実情を見てみますと、自治省の指導と違ったような方向に市町村の形があらわれ、しかも打つ手が後手になっているのではないか、こういうふうに考えざるを得ないのであります。そういった意味から、この大都市周辺のいわゆる中小都市の計画的な整備が、すなわち過密の緩和にも大きく貢献できていくのではないかという、そういう立場からも、この問題はとらえることができるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。現実にそういった中堅都市につきましても、鋭意都市計画を立てて町づくりに専心をしてはおりますけれども、いずれにしましても、過密の段階があまりにも急速なために、これに対応できない、あるいはまたそれぞれの権限を持ち合わせていない。あるいは下水道の問題につきましても、あるいは公営住宅法の問題につきましても、それぞれの権限はばらばらにありますけれども、しかしそれを統合する権限は何もない。それで、各市町村は、そういった都市づくりに非常に大きな隘路を持っているというのが実情ではないかと思うわけであります。
 そこで、自治省といたしましては、現実は町田市あるいは船橋市のように非常に急迫した市町村をかかえているわけでございますが、これらの都市の発展あるいは計画上における隘路になっているもの、これを法律的にあるいは財政的に考えていかなければならないと思うわけでございますが、この点について、自治省としては、こういったいわゆる大都市周辺の中堅都市を今後解決をしていくための法律的な隘路はどこにあるか、あるいは財政的な隘路はどこにあるか、その点についてお考えを聞いておきたいと思います。
#63
○秋田国務大臣 いま直ちに人口急増都市問題に対処する一つの法、人口急増都市に対する措置法をつくるという具体的な構想はまだございません。
  〔菅委員長退席、小澤(太)委員長代理着席〕
しかしながら、できればそういうものをしてみたいという潜在的な意図は持っております。しかしながら、これには十分、いろいろ各般の問題がありますので、各般の問題を少し実際的に処理した上で、ひとつ関係方面とも御相談をして、できればそういうものに進むべきだ、こういう段階を置くべきものではなかろうかと考えております。過疎の問題あるいは地方の広域市町村圏及びこれの中核都市の建設、整備強化ということと並べまして、大都市並びに大都市の周辺の衛星都市、いわゆる人口急増都市に対する対策も、自治省としては決しておろそかにしておるわけではございません。今回これらの都市における義務教育施設の財政強化案を立てましたのも、これはそう言ってはなんでございますが、文部省の領域を相当侵しましてもあえて立案、提案もいたした次第でございます。しかしながら、これは当然文部省がやっていただかなければならないわけでございますから、文部省と十分緊密な連絡をとりまして、御了解のもとに相協力していくようにいたしたわけでございます。この一事をもって見ましても、自治省が人口急増都市に対しましていかに配慮しておるか、ひとつ御了解を願い、なおこのほかに道路の問題、下水道整備並びに上水道整備につきましても十分配慮をいたしておるのでありまして、関係方面と積極的にいろいろ連絡をとり、いたしておりまして、同時に何もかもやっていくというわけにもいきません。やはり重点的に順を追いまして、計画的に、ひとつできればなるべくスピードを上げて、大事な点から重点施策から行なっていきたいと考えておりますので、せっかくまた御支援また御鞭韃を願いたいと思います。
#64
○桑名委員 まあいろいろ申し上げましたが、実際には、こういった衛星都市には交通問題も大きな隘路になっていることは事実でございます。実際に町田市の一つの例を取り上げてみましても、小田急が一本通っておるだけであるというのが実情でございます。団地に住んでいる皆さん方がどこに職を求めて動いているかというその人口動態を調べてみますと、約八〇%は都内に働きに出ている、こういうような実情で、現実には通勤時には、定員の三〇〇%の率を示している。さらに三つ、四つと大きな団地ができるように公団がすでに用地を確保している、このような実情でございます。そうすると、これに対応してどういうふうに交通網を整備していくか、あるいはこれに対応してどういうように道路網を整備していくか、これはもう緊急な課題の一つであるわけであります。その一つのはね返りとして、船橋におきましては公団ができ上がったけれども市が入居を拒否をしておる、こういうような実情でございます。拒否はどういう姿でやるかと聞きましたところが、学校をつくらない、あるいは学校に入れない、手続をとらない、あるいは申し込みの手続を絶対にとらない。こういうような姿で現実にあらわれているわけでございます。こういった実情を一日も早く解消することが、すなわち大きな過密対策の一環になるんではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。
 この問題につきましては非常に今後の重要な問題でございますので、先ほど申し上げましたように、成田空港の周辺の特別措置法というような法律的な処置をとってでもこの問題を解決すべきではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、自治大臣に再度念押しのような形になりますが、この問題についての御決意を伺っておきたいと思います。
#65
○秋田国務大臣 交通の問題も、これが整備強化、安全及び管理の面から積極的な施策を講ずることは、御指摘のとおり緊急の重大事でございます。これらにつきましても、思いつきでなく、私といたしましては警察あるいは建設当局とも十分連絡をとり、計画的な具体的な数字に即したあらゆる情報を収集し、その上に立って合理的な対策を立てて処置をするようにいたしたいという考え方でございます。
 なお、人口急増の、いわゆる衛星都市における義務教育施設と団地との関係等、問題点は承知をいたしております。私も船橋に参りまして、学校施設等を親しく調査いたしました。五月現在で調査をして学校の急増施設をしておるというような不合理性を現地につきましてしみじみと痛感いたしております。これに対する財政の措置につきましてはいろいろ財政当局との話し合いもあります。旧来のこれらの財政措置につきましてもいろいろ問題があるやさきでございますので、今後十分検討をさせていただきまして、処置を誤らないようにいたしたい、前向きにひとつ検討をいたしたいと考えております。
#66
○桑名委員 終わります。
#67
○小澤(太)委員長代理 和田一郎君。
#68
○和田(一)委員 私は二点ばかりお聞きしたいと思います。
 最初に、自治大臣が時間がないそうですから、下水道のことでちょっとお聞きしたいと思います。
 昭和四十五年ですから、ことしの十月に自治省から「必要な国民生活の水準を維持するための地方財政の目標――地方財政の長期ビジョンのために――」というプリントが出ました。これを私読ましていただきまして、公共下水道もがっちりとビジョンを踏まえているわけですね。これを読みますと、昭和六十年までに約二十兆の財源を必要として一〇〇%とすると出ているわけです。最重点に公共下水道をお取り上げになっていることは、非常に私たちとしても喜ばしい限りでございますけれども、実は二、三の内陸工業地帯を私見てまいりました。ほとんどの市町村、特に市ですけれども、中小都市に工場誘致、工業団地というものがはやっているわけですね。その排水が現在どうなっているかといいますと、そばにある小川であるとかまたは側溝、そこへ流すわけです。御承知のとおりまだ下水道は二〇%ぐらいしか現在できていない。工業団地というところは市外地ですから、特に下水道なんかないというところです。その流れを追っていきますと、自然的に全部農業用水に入っちゃう。全部といっていいほど農業用水に入ってしまう。それが現状なんですね。あるところなんかは、まつ黒な水が流れるものですから、追っていきますと、たんぼの中まで黒くなっている。その水を採りまして保健所へ持っていって、はかってもらったんですけれども、あんまり水が黒過ぎてはかれないというのですね。薬を落としても色がわからない。そういった問題で農民の皆さん方との間でいろいろな紛争が起きる。企業のほうは、一時金ですか何か補償金を払って、補償金さえ払ってしまえば農家のほうも静まるというような、そういう形が続いております。そして最近になって、日本のどまん中の東京の三多摩でカドミウムだとか、あちらこちらでカドミウムの事件が起きている。これはもう公共下水道もさることながら、とにかく内陸工業地帯のいわゆる工業排水の処理、これはもう最重点にやっていかなければ日本の国土はすべて毒されてしまうのじゃないか、このように思うわけなんです。この公共下水道のビジョンを読みまして非常に力強く思うのですけれども、さらに一歩を進めて、そういった面の対策等について、ひとつ自治大臣から、またこれはできるかどうかという問題も、ただ絵にかいたもちじゃなくて、とにかくやっていくのだということでもありますので、ひとつ私の申し上げたことと同時に、抱負のほどをお聞かせ願いたい。
#69
○秋田国務大臣 長期ビジョンは、成長率年率何%とか、大体過去の傾向を、実情に即しまして無理のないところで諸条件をきめました上で、その傾向をずっとたどっていきまして、そして過去の資金配分及び多少の考えを加えまして、その程度のものはそういう条件であればできるものである、こういう一応の見通しを立てたわけであります。できるならば、年度を早めまして一〇〇%普及率を、特に下水道においては実現いたしたいと考えております。一応できる数字である、こういう考えに立っておるわけであります。
 しかしながら、下水道整備は生活環境整備の中におきましても、日本の社会及び地方行財政において最もおくれている分野でございますので、これが施設の整備強化をはかりたいと考えております。それにはやはり国庫の補助の範囲あるいは補助率、こういうものが非常に不明確で法定されておりません、予算措置でやっておるというところに私は一つの弱点があろうと思います。この点をひとつ制度上整備することが基本的に必要なことであろうと思っております。これは大蔵省、建設省、関係省といろいろ連絡をいたし、その御賛成も得なければならないところでございますが、この点につきましてひとつ努力を重点的に集中をして、そうして世間の期待に沿いたいと考えております。
#70
○和田(一)委員 ほんとうに下水道のことについて強力にやっていかなければならないということは、これはもう皆さま方も御存じのとおりでございますけれども、補助の問題で、いま自治大臣から御答弁がありました。これはひとつよろしくお願いしたいと思うのです。
 それからもう一つこの下水道のことについてお尋ねしておきますけれども、一般の都市下水路または都市排水路ですか終末処理場、これは大体もう普通の、現在までので間に合うのですけれども、工場地帯から出てくるところの終末処理場は、実際のところをいうと、あれでは間に合わないのです。そういう意味で、ただ市街地だけを対象にするのではなくて、やはり公害面から、住民生活の面から、人命尊重の面からもまた別な角度からの終末処理場等が必要になってくるのではないか。その点についてもひとつ今後御検討願いたいと思います。
 もう一つは、次にお尋ねする国民健康保険の問題なんですけれども、厚生省から松田国民健康保険課長さんがおいでになっておりますので、専門的なことをお聞きしますが、現在の市町村で、あるところによりますと、掃きだめ保険という名前もあるそうです。国民健康保険については非常に悪口でありますけれども。現在ほとんどの市町村で、去年からことしにかけて保険料または保険税の値上げがあったと思うのですね。これについても、選挙等もからむのでしょうけれども、議会等で大紛糾しておるというのがほとんどの例だと思うのです。しかも国民健康保険というのは、市民、町民の方の約四割五分くらいが加入しておる。しかも高年齢層が多いということで、これはもう厚生省とそれから各市町村だけにまかしておくよりも、この辺で自治省が出ていって、何らか抜本対策をとっていかないと、その料率がますます上がってくると思うのです。たとえばこの二、三年間を見ますと、税率アップまたは保険料アップ、それと物価の高騰を比べ合わせますと、保険税が物価の上がりの約三倍なんですね。ものすごく上がっておる。しかもことしになりますと、お医者さんのほうへ市町村から払います保険医療費は、去年の約三割も伸びている。三〇%も去年よりは上がっておる。何だかわからないのだけれども、べらぼうにここのところでどんどん持っていかれてしまう。どの市町村の保険課長さんまたは担当者の方にお聞きいたしましても、みんなねじりはちまきで頭を痛めている。そういう意味で、自治省としても将来の重要な問題です、しかも一般会計からの繰り出しをおそらく十二月の各議会ではやるんじゃないかと思います。そういう面でひとつこの点についても大臣にお答えを願います。
  〔小澤(太)委員長代理退席、塩川委員長代理
   着席〕
#71
○秋田国務大臣 健康保険料につきましては、市町村でいろいろ負担能力に格差があります。その他これが合理的な解決の方向といたしまして、同時に保険制度を確立することが基本的に必要ではなかろうかと思うのです。その点ひとつ厚生省にも御検討願って、われわれもそれを中心にしていろいろ整備をしていきたいと考えております。
#72
○和田(一)委員 それでは今度は松田課長さんにひとつ御質問いたしますが、現在の国民健康保険――課長さんのところは国保だけでなくて全部やっていらっしゃるわけですか、国保だけですか――国民健康保険の大体の概況でございますけれども、ちょっと簡単におっしゃっていただきたいと思います。赤字であるか、黒字であるか、そういうことでけっこうですから……。
#73
○松田説明員 現在の四十四年度の決算、これはまだこまかい数字までできておりませんが、保険者数で申し上げますと、黒字が三千八十二保険者でございます。黒字額が二百九十三億であります。赤字につきましては、二百十六保険者で、赤字額は四十八億、したがいまして、黒字が二百四十五億ほど出ている、こういう状況でございます。
#74
○和田(一)委員 赤のところはパーセントでどのくらいになりますか。
#75
○松田説明員 三千二百九十八が市町村の数でございますので、九%程度でございます。
#76
○和田(一)委員 赤字が九%だけだ、この松田さんのおことばを聞きますと、国民健康保険は非常にうまくいっている、おそらく厚生大臣からもほめられたのじゃないかと思いますけれども、ところがどうして赤字になってこないか。それは一般市民のほうに保険税、保険料を上げる、もう一つは、一般会計から繰り出す、四苦八苦の黒字なんですね。黒字というよりも、とんとんですね。そこに大きな問題があるのです。
 実はこれは非公式ですけれども、厚生省の保険の方ときのういろいろ話したのですけれども、そういう大きな面しかごらんになってないで、実際問題、下はどうなっておるかということを御存じない方が多かった。その点について私は二、三お聞きいたしますけれども、三十六年から四十二年まで物価上昇率は四〇%上がっておる。ところが医療費はその約三倍上昇しておるというのです。また診療行為別に見れば薬剤費の上がりが四〇%を占めておる。それから昭和四十五年度、本年度においては対前年度比で約三〇%の上昇を医療費としては見せておる。それは異常としか考えられない。そういうことで、まず最初にお聞きしたいのは、現在の医療が薬剤利潤を中心としているのではないかどうか。これが一つの質問です。それからもう一つは、出来高払い方式に矛盾があるのではないか。この二つをひとつお答え願いたいと思います。
#77
○松田説明員 医療費の問題につきましては、私の直接の所管ではございませんけれども、薬剤の利潤の追求でありますとか、あるいは出来高払い等につきましては、新しく出しております抜本改正にございますように、一応薬剤につきましてもそういう比率であることは事実でございます。出来高払いがいいかどうか、こういうことは抜本改正の段階で検討して、一応私どもは現行制度を維持するというかっこうで試案を提出しておるわけでございます。
#78
○和田(一)委員 現在の医療費の急増、大体去年よりは三割伸びているということ。その内訳を見ますと、自然増が大体どこでも一割くらいあるのですね。それから被保険者の増が二、三%ある。医療費の改定がありましたからそれが大体九・七%ぐらいある。そういうことで多少の医療費の急増はあるかもしれませんけれども、それ以外に、猛烈にいま払いが間に合わないというのです。これは去年の決算とかおととしの決算を見ているのではなくて、現在がそうだというのですね。そういうところから、医療制度がいま申し上げたところの薬剤利潤の追求を中心にしているのではないか。そういう面を私はお聞きしたわけですけれども、松田さんはこれは違うところだとおっしゃった。ですからこれはしようがありません。あとで総合的に聞きます。
 もう一つは、被保険者証の全国通用という問題があるのですけれども、交通機関の発達で他県へどんどん診療に行けるわけですけれども、現在はその県内でしか使用できないのが被保険者証ですね。これは時代錯誤だと思うのですね。早急に全国通用をはかられたい。
 もう一つは、他県で受けると、いわゆるあと払い方式になっています。そういうことになっていますね。ところが、その場合は国庫負担は四割のところを二割八分しかもらえないのですね。その場合、その点はどうなっているのか。そういうことがあるのかどうか。これはおかしいのではないかというのです。その点についてと、全国通用ができるかどうかという点で、ひとつお答え願いたい。
#79
○松田説明員 全国通用の問題につきましては、おっしゃるとおりでございます。現在の制度では、同一都道府県内におきまして一応被保険者証が通用する、これがたてまえでございます。したがいまして、私どもも、現在交通事情その他いろいろな状況から、法律をつくりました当初とは相当事情は異なっておる。したがいまして、できるだけ医療機関に対しましては全国通用の取り扱いをするように現在指導いたしまして、できるだけ不便のないように、かような考えで指導いたしております。
 それから、いまお話しの国庫負担の問題でございますが、これはおそらく先生のおっしゃる意味は療養費払いのことであろうかと思います。現在では、療養費払いを受けられる条件が幾つかございます。たとえば急を要した場合でありますとか、特定の医療機関でなければ治療が受けられないような場合、この場合には一応現金を支払いまして、あと七割相当分を保険者から還付をしてもらう。その場合の国庫負担につきましては、現行制度上その還付をいたしました保険者負担分の四割ということに制度的にはなっております。と申しますのは、療養費払いをいたしましたのは、これはいわゆる自由診療でございますので、現物給与いたしました場合の点数単位とは非常に異なっております。したがいまして、算定方法といたしましては、現実に還付をされたものの四割、かような国庫負担をつけているわけでございます。
  〔塩川委員長代理退席、委員長着席〕
#80
○和田(一)委員 一日も早く全国通用の実現をお願いしたいと思います。
 もう一つは、標準保険料が審議されているそうでございますけれども、とにかく国民健康保険税または料のアンバランスが激し過ぎる。三万円くらい負担する家庭もあれば、七、八千円だけしか負担しない家庭もあるということですね。これは私も前回質問したことがあるのですけれども、これは現在審議しておるということでありますが、どの程度まで審議されているのかどうか、ちょっとお聞きしたい。
#81
○松田説明員 現在五人の学識経験者にお願いをいたしまして、いろいろ検討していただいております。私どもとしましては、この月の半ば過ぎにはぜひとも結論を出していただきたい、こういうことをお願いをいたしておるところでございます。
#82
○和田(一)委員 こういうことが出ているのですよ。標準保険料で現在答申待ちである。ところが逆に、国庫負担額が減額になるようなのがある。これは「町村週報」という雑誌に出ているのですが、お読みになったと思うのですけれども、保険料でまかなうべき医療費を国保総医療費の三割として、国庫はその分だけを出すということで、それを計算していくと、逆に国保に対する国庫負担が減額になるのではないか、そこに厚生省のねらいがあるともいえそうだと書いてあるのですが、その点についてどうでしょうか。
#83
○松田説明員 標準保険料の最ものねらいといたしますところは、やはり各市町村間相互におきます負担の均衡あるいは被保険者相互におきます負担の均衡、このバランスをとることが最大の目的かと存じます。したがいまして、現在のように定率四割ということにいたしますと、富裕なところは保険料の負担が相対的に軽くなる。したがいまして、国庫負担の合理的な配分もあわせて標準保険料と同時に検討すべきではなかろうかというのが私どもの考え方なのであります。したがいまして、いまお読みの書きもので三〇%云々というお話がございましたけれども、私どもといたしましては、少なくとも現行の四割五分を下らない、国庫負担のワクといたしましてはそれを下らない、こういう考え方でお願いをいたしておるわけであります。したがいまして、現在のような定率方式あ変えますと、そういう意味では減るところも出てまいりましょうし、また逆に保険料の少ないところは四割あるいは四割五分以上国庫負担が行く、こういうところもあるわけでございまして、その辺のバランスを標準保険料というかっこうでとったらいかがか、こういう考え方であります。
#84
○和田(一)委員 きょうは時間もありませんし、ほんとうは厚生大臣にお聞きしたがったのでありますが、現在の医療のあり方、これは一番大きな問題だと思うのですね。特に国民健康保険というのはお年寄りも多いし、生活のほうも、そう言っちゃ失礼でありますけれども、どうも低所得者層が多いというのが一番大きな特徴でありますが、その中でどんどん赤字になる。市町村では、ほんとうは黒字ではなくて赤字なんですよ。ただ、赤字を出すわけにいきませんから何とかしているだけの話であります。ですから、技術評価または報酬体系を根本的に改める必要があるのではないか、こう思うわけです。いわゆる抜本改正です。松田さんは所管が違うかもわからないけれども、そのような国民健康保険の現状をくんでひとつ努力していただきたい。お願いします。
 きょうは自治大臣がお帰りになりましたから、長野局長がいらしゃいますけれども、そういう面で市町村もほんとうに困っているから、お帰りになりましたら、松田課長さんとのきょうの質問のやりとりを自治大臣によくお話ししていただいて、自治省としても標準保険料を検討するというおことばがさっきありましたけれども、そういうものだけではなくで、根本的にひとつ考えてもらいたい、このように思いますので、ひとつお伝え願いたい。それだけをお願いしまして、質問を終わります。
#85
○菅委員長 午後三時に再開することとし、この際暫時休憩いたします。
   午後一時八分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時六分開議
#86
○菅委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。林百郎君。
#87
○林(百)委員 十一月二十四日から臨時国会が開かれることになりまして、この臨時国会では、言うまでもなく、公害問題が中心的な議題になるわけですが、それに先立って公害防止のための権限を地方自治体に委譲するというこの問題について、前にも一度お尋ねしましたが、再びお聞きしたいと思います。
 また、去る八月二十五日の公害問題閣僚会議で確認されました公害対策本部でまとめておる「公害規制に関する国、地方公共団体の関係(試案)」、また経済企画庁の水質汚濁に関する法律の案、またけさの新聞では大気汚染防止法改正案等がそれぞれ発表されまして、地方自治体の権限についても政府の見解が明らかにされておるわけですけれども、これは、日々深刻化している公害を効果的に防止していくためには、まだまだいろいろな問題があるように思いますので、まずその点をお聞きしたいわけです。
 最初に、大気汚染の最大の元凶といわれておる火力発電とガス製造など、電気・ガス事業について地方自治体への権限委譲の問題についてお聞きしたいのですが、現在、この規制権限を持っている通産省の意向では、地方自治体への権限委譲は、企業への立ち入り検査と通産大臣への公害防止対策の要請――きょうの新聞を見ましても、「今回の改正で地方自治体に移されたのは立入り検査権だけに終っている。」という記事もあるわけですが、その他については現行法どおりだということになっております。これでは地方自治体としては地域の大気汚染防止対策を総合的に進めることができないことになりますし、現に東京都などは東京電力などと公害防止協定を結んでおりますけれども、これは紳士協定ですから、非常に不十分な事態があるわけですが、大気汚染がますます深刻化して住民の生命と健康に重大な影響をもたらしているだけに、公害防止対策を地域の実情に即して、しかも実効あるものにしなければならない。そのためには、地域の実情を毎日毎日直接見たり聞いたりして触れておる地方自治体に、現在通産省の持っておる規制権限をすべてあるいは大幅に委譲すべきではないかと思うのですけれども、これについて通産省はどういうようにお考えになっておりますか。
#88
○和田説明員 お答え申し上げます。
 おっしゃるとおり電気及びガス事業に関しましては、現在の大気汚染防止法で一部の規制が適用除外になっております。この理由といたしましては、電気事業あるいはガス事業が、電気及びガスを常時安定的に供給するいわゆる供給責任を負っている。しかも、一都道府県内だけでなく、数都道府県にまたがるような広域的な事業でございまして、ばい煙排出に関する具体的な規制措置と供給責任にかかる規制措置とをあわせて、電気事業法あるいはガス事業法の体系の中で一体的に行なうことが必要である、こういう理由と、もう一つは、電気工作物あるいはガス工作物は、御承知のように、非常に危険を伴うものでございますので、そういう意味で、保安上の監督をしておりますが、この保安上の監督と円滑な供給の確保をはかるという意味で、法律的にいろいろな監督をしております。その保安あるいは運転管理に万全を期することとしておりますので、こういう施設に関する大気汚染につきましても、その一環として統一的に規制することが行政的に見て効率的かつ適切である、こういう理由によっているわけでございます。しかしながら、一方、先生おっしゃいますとおり、都道府県知事は、地域全体の公害防止のために全産業についてのばい煙の排出状況等を常に把握しておく必要がありますし、それから電気及びガスに関する公害対策の前進を期するためにも、中央、地方が一体となって施策を推進することが有益と考えられますので、そのための措置として、今後予定されております改正で、おっしゃいますとおり、事業者から出てきますいろいろな施設の許認可あるいは届け出等の内容を都道府県に通産大臣から通知する。その通知した結果、都道府県知事としていろいろな御要請がありましたら、それに対する要請を通産大臣のほうにしていただく。あるいはそのためにいろいろな報告を徴収するとかあるいは立ち入り検査権限を認める、こういうような改正を考えまして、そういうことが政府の方針として決定されております。
#89
○林(百)委員 そういう行政的なやり方についてはわかっています。規制の権限は何と何とを、はっきりここで言うていただきたいのですが、委譲するつもりですか。
#90
○和田説明員 規制の権限といたしましては、通産大臣に対する要請の権限、施設の改善なりあるいは停止なりの要請の権限――権限といいますか、要請でございます。ですから、先生のおっしゃるような権限といたしましては、報告の徴収権限あるいは立ち入り権限を委譲する。都道府県知事もできる、こういうようなことを考えております。
#91
○林(百)委員 自治省としてはどういうようにお考えになっていますか。いまおっしゃったように、要請の権限と立ち入り権限、それだけだということになるわけですけれども、自治省としても、これが大気汚染の最大の原因になるわけですから、火力発電とガス製造がその程度のことで――通産大臣から、申請があった場合には、それを地方自治体の都道府県知事に通知してその意見を聞く、それから報告あるいは立ち入り検査が限度だということですが、自治省としては、大臣、どうなんでしょうか。それで足りるのですか。
#92
○秋田国務大臣 電気事業あるいはガス事業が、電気及びガスの安定的な供給をはからなければならない点に関連いたしまして、必要な施設の設置等につきまして、通産大臣に基本的な権限があることは当然のことだろうと思います。しかし、これら事業の遂行に関連をいたしまして、大気汚染は防止しなければなりませんので、そことの権限の調整を具体的にはかり、実際上、これが防止に支障のないような措置を、国民の健康保全の見地から、また善良な環境の保全の意味から措置を講じなければならないし、法律の規定を改正しなければならないと考えられるわけであります。
 そこで、去る十月の二十三日であったかと思いますが、関係閣僚間で打ち合わせをいたしまして、大気汚染防止法の改正にあたっては大体次のような改正を織り込むことにしようという基本的な了解点に達したわけであります。
 通産大臣は火力発電所等について、電気事業法またはガス事業法の相当規定による認可の申請または届け出がありましたならば、その内容をすみやかに都道府県知事に通知をする義務がある。それによりましてその内容を都道府県知事は承知することができるわけであります。そこで、都道府県知事は、公害防止上必要があると認めるときは、通産大臣に対しまして、ばい煙発生施設の改善あるいは停止命令の発動等、電気事業法またはガス事業法の相当規定に基づき必要な措置をとるべきことを要請することができることにいたしております。この場合におきまして、それに基づいて適当な有効な措置を通産大臣はもちろんとらなければならないわけでありまして、通産大臣は、その要請に基づいて講じた措置を都道府県知事に対して通知する義務を規定するつもりでございます。そこで、都道府県知事に、火力発電所等について報告徴収、それに関連して立ち入りの権限を認めるわけでございます。
 以上のような改正に関連しまして、電気事業法及びガス事業法につきましては、その目的に公害の防止が含まれる旨を明らかにする等の所要の改正を行なおうと考えております。
 了解に達した点は概略以上のようなものでございまして、これによりまして電気事業あるいはガス事業の施設によるばい煙等の大気汚染防止につきましては、これら一連の措置、制度の活用によりまして適切な有効な措置がとり得るのではなかろうかと考えておる次第でございます。
#93
○林(百)委員 大臣、どうも遠慮してものを言っているようですけれども、実は先日の新聞によりますと、公害対策本部ですら火力発電所の新増設の許可や公害防止施設の改善命令、操業停止命令などの公害規制のための権限を通産大臣の手元から地方自治体に移そうとしたが、財界や通産省が国の経済発展計画のもとであるエネルギー源の火力発電所に対する規制権限は国が持っているべきで、地方に委譲はできないと強硬に主張、この結果、今回の改正で地方自治体に移されたのは立ち入り検査権だけに終わっている。−だから、最初は公害対策本部も、火力発電所の新増設の許可や公害防止施設の改善命令や操業の停止命令などの権限は、直接通産大臣の手から地方自治体に移そうとしたけれども、財界や通産省の反対でそれができなかった、こう書いてありますが、これはどうですか。自治大臣、新聞の記事はこれはこのとおりでないのですか。
#94
○秋田国務大臣 自治省に関しまする限り、さような圧力を感じたことはございません。先ほども申し上げましたとおり、事業の本質上、良質な電気、ガスの安定的な大衆への供給という基本的な責任は通産大臣にあろう、しかしながら、これが事業の遂行にあたりまして、関連いたしまして大気汚染を生じ、大衆に迷惑を及ぼすという場合には、十分これを規制し、これが施設の改善の実効をあげる権限を都道府県知事に留保しておく必要は感ぜられますから、この点を十分確保する意味におきまして、先ほど申し上げましたような法改正の措置をとるということに同意をいたしたわけでありまして、自治省に関する限り財界等の圧力を感じたこともございませんし、そういう事実もございません。したがって、それに屈して所説を曲げるというふうには考えておりません。
#95
○林(百)委員 別に直接あなたのところに圧力があったと私は言っておるわけじゃない。通産省や財界から政府に対してそういう強い要望があったために、直接の規制の権限を地方自治体に委譲することはついになくなって、立ち入り検査権だけになってしまった、こういうことが新聞に出ておるし、また考えられることですから、電力供給という全国的な視野に立たなければならない問題を通産省が持つということはわかりますけれども、しかし、地域住民の健康と生命を守るため、公害を規制する権限を都道府県知事が持っていたって、電力の供給を通産省が持っていることと何も矛盾することじゃないというふうに私は考えるわけですけれども、大臣がそんなにおとなしく、けっこうですなんということを言っているなら、これは何をか言わんやです。
 そこで、公害対策本部にお尋ねしますが、「公害規制に関する国、地方公共団体の関係(試案)」の2の(1)のところですね。「水銀、カドミウム等少量であっても人の健康に著しい悪影響を及ぼす汚染物質については、全国一律の厳しい基準を適用して常時規制を行なうこととする。」その次の備考に、「地形、局地気象、水量その他の条件から必要な場合には、例外的に地方公共団体がより厳しい基準を設定することができる」、こうあるわけですけれども、この「地形、局地気象、水量その他の条件から必要な場合」という判断は、地方自治体がした場合になるわけですか。そして「例外的」というのは、一般的な基準の例外だと思いますけれども、どういう意味か。とにかく問題は、例外的によりきびしい基準を設定することができるということの前提である「地形、局地気象、水量その他の条件から」という判断は地方自治体ができる、こう解釈していいですか。
#96
○遠藤説明員 お答えいたします。
 「例外的」ということばは、大体こういった人体に影響のありますものにつきましては、一般に非常にきびしい、これであれば絶対だいじょうぶという基準があるわけでございますが、特に水量が枯渇して濃いものが出るとか、そういったような特別の条件があるというようなところにつきまして、ここにも書いてございますが、地方公共団体が判断してきめるということになっております。
#97
○林(百)委員 そうすると、地方公共団体が当該地域の自然的、社会的条件に応じて例外的に上のせの基準をきめた場合には、この火力発電なりガス事業なりの一般的な基準は、それにリンクして、その地域ではその基準に従わなければならない、こういうことになると思いますが、通産省、それはどうですか。
#98
○和田説明員 お答えいたします。
 先生のおっしゃるとおり、地方自治体で別な基準をきめました場合は、それに従うような電気事業法の法体系にするつもりでおります。
#99
○林(百)委員 その場合は、この「公害規制に関する国、地方公共団体の関係(試案)」の2の(2)になると思いますが、「地方公共団体が当該地域の自然的社会的条件に応じて一定の範囲内で国の基準より厳しい基準を設けることができることとする。」ということが、これは硫黄酸化物による大気汚染の場合は別に規定されているわけですけれども、この「一定の範囲内で」というのは、国の基準でこの上限、下限をきめるということですか。こういう「一定の範囲内」という制限を加えたのはどういう理由なんでしょうか。これは地方自治体が独自の判断でできるわけですか、あるいは国が一定の範囲というものをきめてしまうわけですか。その点は公害対策本部にお聞きしたいのです。
#100
○遠藤説明員 お答えいたします。
 公害の排出基準につきまして、いま御指摘のありましたように、公害関係閣僚会議におきまして、一定の範囲内ということを申し合わせておるわけでございますが、その「一定の範囲内」ということばでございますが、これは必ずしも数量関係だけをいっているわけではございませんで、ここにもはずしてありますように、硫黄の問題でございますとか、そういった種類の問題もございます。それから技術的な問題といたしましても、実際問題として数量の限界をどこに――上を切ることができるかできないかという問題もございますし、問題が非常に複雑でございます。いろいろな個々の事情によって違うのでございまして、国が全国一律にある条件を切って云々ということではなかなかできないと思いますが、ただ、技術的に不可能なような規定とか、その他非常にできそうもないというような問題もございますので、一定の範囲内できめていただくということにしたいという考えになっております。
#101
○林(百)委員 そうすると、「一定の範囲内」というのは国がきめる範囲ということになるわけですか。
#102
○遠藤説明員 国が大体ある範囲内ということをお示しできるものについてはお示しすることになると思います。
#103
○林(百)委員 お示しできないものはどうなるのですか。
#104
○遠藤説明員 できないものにつきましては、しないことになるだろうと思いますが、一応きめられます範囲で何かきめていくことになると思います。技術的にむずかしいものは、私のほうもできないと存じます。
#105
○林(百)委員 そうすると、地方公共団体が当該地域の自然的、社会的条件に応じて国の基準よりきびしい基準を設けようと思っても、そこに国の「一定の範囲内」というもののワクがきめられておらない場合は、できないということになるわけですか。
#106
○遠藤説明員 考え方といたしまして、基本的にその前のほうに書いてあります条項で、国が環境基準というものを定めるわけでございます。その環境基準を達成する必要な限度内できめるというふうにお考えいただければいいのじゃないか、ですから、それをこえてむずかしいことをきめるというのではなくて、それできめられる範囲内で十分環境保全の目的を達成する、この限度までということで考えているわけでございます。
#107
○林(百)委員 ちょっとあなたの解釈はおかしいと思うのですがね。この2の(2)を見ると、「上記以外の汚染物質については、国としては規制についての所定の基準を設け、これをこれまでの非指定地域にも適用することとするとともに」全国的な基準を設ける、しかし「地方公共団体が当該地域の自然的社会的条件に応じて一定の範囲内で国の基準より厳しい基準を設けることができる」、こう書いてあるわけでしょう。ところが、地方公共団体が国の基準よりきびしい基準を設けなければならないというように考えても、この「一定の範囲内」という国できめたワクの外には出ることはできない。この「一定の範囲内」という中に、地方自治体のきびしい基準を設ける限度というものははめられるということになるわけかどうかということを聞いているのです。
#108
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 国が基準をきめまして、一つの規制基準をつくるわけでございますが、それに対しまして、必要な場合につきましてはより以上の基準を都道府県がきめることができる。そういう考え方をしておりましたわけでございますが、いま各法律につきまして、具体的にそれを数量的なもので切るのか、あるいはことばの表現でこういった考え方ということで切るのか、その辺につきましてまだきまっておらない面が多々ございまして、先生がおっしゃいましたような意味で、数量的にこの限界以上きめてはいけないというようなきめ方になるかどうかということは、法制局で審議中の各法案の審議の過程によりましてきまる面もございますので、まことに申しわけないのですが、具体的にお答えできない段階のものもございますわけでございます。しかし一般論として申し上げますと、数字で幾らという規定ではないかもしれませんが、あるものの考え方の範囲内できめていただくという意味におきましては、確かに府県が無制限に何かをきめるというわけにはいかないという考え方をとっております。
#109
○林(百)委員 きょうの新聞の発表によりますと、大気汚染防止法の改正の内容の中で、地域ごとに基準を設けようとする場合は、知事の意見を聞いて厚生大臣及び通産大臣がきめる。それから生活環境を保全することが十分でないと認める場合には、条例で、厚生大臣及び通産大臣の定めるところによって、都道府県知事は生活環境を保全するために一般的な基準で十分でないという場合は、その範囲内できめる。さらにその範囲というのは、硫黄の含有率について基準を定める、「生活環境を保全する上で汚染を有効に防止するのが困難な場合は、条例で硫黄の含有率についての基準を定めることができる。」要するに地域ごとに厚生大臣と通産大臣で基準をきめて、都道府県知事がその基準では不十分だと思う場合は、厚生大臣と通産大臣が条例できめた範囲でやることにし、そしてその条例というのは硫黄の含有率の基準をきめるだけだ、こういうような意味の法改正内容が新聞に発表になっていますが、そういうことになるわけですか。これは通産省でもけっこうですが、どうですか。あるいは公害対策本部でもけっこうです。ですから、いま言う「一定の範囲内」というのは、あなた答弁ができないと言いますけれども、もう実は改正法案の中に盛られておって、これは厚生大臣と通産大臣がもう条例でその範囲はきめてしまう、都道府県知事はその範囲内で事ができるだけだ、しかもできることというのは、硫黄の含有率について基準をきめることができるのであって、大気汚染の基準を一般的な基準に上のせするという、そういう権限は与えられていないと書いてありますが、その点はどうですか。
#110
○遠藤説明員 けさ新聞に出ておりましたのは私どもが発表したものではございませんで、まだ詰まっていない点も出ておるわけでございますが、先生がいまお読みになりました中で、条例で厚生大臣及び通産大臣がきめるというふうにおっしゃったわけでございますが、「条例で」で切れまして、あと厚生大臣及び通産大臣が、先ほど私が申し上げましたような趣旨で何かをきめる、それにより条例で定めるというので、「条例」が頭に来ておりますのが文章のあれで……。
#111
○林(百)委員 それは同じ意味じゃないですか。
#112
○遠藤説明員 ですから通産大臣や厚生大臣がきめたところに従いまして、条例で都道府県知事がきめることができる。それは必ずしも硫黄の問題だけではございませんで、硫黄酸化物以外のものについてもそういうことになるだろうと思います。そういうふうに硫黄酸化物だけというふうに新聞に出ているとすれば違うのではないかと思います。
#113
○林(百)委員 そこで硫黄の場合は「都道府県知事は硫黄酸化物について、国が定めた排出基準によっては住民の健康を保護し、または生活環境を保全する上で汚染を有効に防止するのが困難な場合は、条例で」−あなたの言うように「条例」で切りましょう。「条例で硫黄の含有率についての基準を定めることができる。」ということであって、汚染の基準を一般基準へ上のせすることができるとはこれには書いてないのですが、その点はどうですか。何なら新聞も言いますけれども、読売新聞の中にありまして、第三条の二項にそういうことが書いてあるのですね、これはどうですか。含有率だけしかきめられない……。
#114
○遠藤説明員 この新聞によりますと、第三というところですか、そういうふうなことが書いてございますが、現在厚生省、通産省で考えております……。
#115
○林(百)委員 第三条の二項ですね、正確に言うと。あなたの持っているのは何ですか。
#116
○遠藤説明員 法律案要綱案です。
#117
○林(百)委員 それはできているのですか、まだできていないといって……。要綱案というと、何条の何項にあるのですか。
#118
○遠藤説明員 私どもがいま持っておりますのは、要綱案の第六というところにあるわけでございます。
#119
○林(百)委員 そうするとこちらのほうは第三条の二項になっているわけですが、いいでしょう。
#120
○遠藤説明員 これがだいぶ食い違っておりまして、……。
#121
○菅委員長 はっきり答弁をしなさい。わからぬところはわからぬとはっきりしてください。
#122
○遠藤説明員 私どものほうで考えております案は、この記事によりますと、硫黄のことだけしか書いてないのでございますが、硫黄以外のものにつきましてもそういうことを定めるようにいたしておるわけでございます。
#123
○林(百)委員 いたしているなら、どういうようにいたそうとしているのですか。だから硫黄についてもいたそうとしているけれども、硫黄酸化物については、硫黄の含有率についての基準をきめるだけであって、一般的な大気汚染の基準をさらに厳格にする、たとえば光化学スモッグが出るから、一般の大気汚染の基準をどうするかということは、都道府県知事には与えられておらない。硫黄の含有率だけの基準をきめる権限だけが与えられているのだ、そういう意味にとれるのですけれども、それはどうですか。そういうことはないのですか。ないならないでけっこうです。
#124
○遠藤説明員 硫黄だけについて与えられているというわけではございませんで、そのほかの大気汚染一般につきまして上のせの基準というものはできるという権限を都道府県知事に与えるということになっております。
#125
○林(百)委員 それはもうわかって質問しているのです。ただ、この新聞を見ますと、硫黄酸化物については――硫黄酸化物というのは、言うまでもなく火力発電と鉄鋼関係で使う重油でしょう。「都道府県知事は硫黄酸化物について、国が定めた排出基準によっては住民の健康を保護し、または生活環境を保全する上で汚染を有効に防止するのが困難な場合は、条例で硫黄の含有率についての基準を定めることができる。」そうすると、これは一般環境基準の上に上のせするという権限を都道府県知事が持っておるけれども、硫黄酸化物については、特に硫黄の含有率についても基準を定める権限を都道府県知事が持っている、こういう解釈ですか。
#126
○遠藤説明員 硫黄以外のものにつきましては、私、先ほど申し上げましたように……。
#127
○林(百)委員 それはわかっております。
#128
○遠藤説明員 硫黄の問題につきましては、まだ多少未調整の問題が残っておりまして、要綱案といっておりますが、まだその点が今後法制局の審議において詰めなければならない点として残っておりますので、その点はどういうきめ方になりますか、御趣旨としては、硫黄につきましては、先生がおっしゃいましたような条項も含めて検討はいたしておりますけれども、まだそこの点は詰まって、結論が出ていない問題です。
#129
○林(百)委員 硫黄酸化物については、どういう点がまだ残っていて煮詰めることができないのですか。硫黄酸化物というのは、いま国民の大きな問題になっている火力発電と鉄鋼関係の重油関係が問題になっているわけです。その最も重要な、ことに大気汚染防止中では中心的な問題になっているもののその部分がまだ煮詰まっておらないというのは、どういう点が煮詰まっておらないのですか。
#130
○遠藤説明員 いま検討いたしておりますものは、問題点といたしましては、それのきめ方の問題でございます。技術的きめ方の問題につきまして文言等につきまして検討いたしておる点があると存じますが、私も法律関係につきましてあまり詳しくございませんので、間違ったことを申し上げるといけませんので、申しわけございませんが、この条項のどこが詰まっていないかという点は、私よく了解していませんものですから……。
#131
○林(百)委員 私はきょう質問の最初に、電気・ガス事業についてその点をはっきりさせたいと思ってお尋ねしたのですが、その点がはっきりしない。やむを得ない。
 時間がありませんから次に進みたいと思いますが、それでは経済企画庁にお尋ねしたいのですけれども、経済企画庁の水質汚濁防止法の案を見ますと、私の手元にあるのですけれども、排水基準について、この文言を見ますと、「水域について、条例で」と書いて点を打って「政令で定めるところにより、水域を限って、同項の排水基準にかえて適用すべき排水基準を設定することができる」、こういうようにあるわけでありまして、政令で定めるところにより特定の水域については排水基準にかえて適用すべき上のせ排水基準もきめることができるとあるのですが、「政令で定めるところ」というのは、どういう内容になるのですか。
#132
○白井説明員 これにつきましては、要綱案をお持ちだろうと思うのですが、水質汚濁につきましては、国が健康項目並びに生活環境項目につきまして一律の基準をきめるということになっております。ただ、これは当該地域の立地している企業の状態なり当該水域の利水目的についてはそれぞれ個別の判断を要するということになるわけでございまして、それにつきましては、条例でもって上のせするということになると思います。
 その場合の政令の内容でございますが、政令の内容につきましては、一つは、手続的な事項となろうかと思います。もう一つは、その条例できめるべきときの範囲というものをどう考えるかという問題になろうかと思います。御承知のように、今年四月に水質汚濁についての環境基準が決定されております。したがいまして、その環境基準の利水目的に対応して当該水域について上のせをしていけば、当該水域の人の健康並びに生活環境については確保できる、さように考えます。
#133
○林(百)委員 ちょっとわからないのですが、そうすると、あれですか、結局、要点を言いますと、特定の水域について条例で排水基準を都道府県がきめようと思っても、それは要するに政令の範囲内でやることになるんだ、こう聞いていいのですね。結論だけ聞きますけれども、そういうことですね。
#134
○白井説明員 その政令の内容は……。
#135
○林(百)委員 内容を聞くのではなくて、政令でワクがはめられるのだということですね。
#136
○白井説明員 大体そういうふうにお考えいただいてけっこうだと思います。ワクというと、ちょっと誤解を招くと思いますが、われわれはやはり公共用水域の利水目的が担保できる範囲内でもって上のせすればいいのであって、必要限度をこえてまできびしい基準とか何かをきめる必要はないと思います。
#137
○林(百)委員 そうおっしゃるなら資料として、もうその政令もできておるような口ぶりですから、取り寄せて当委員会へいただきたいと思いますがどうですか。
#138
○白井説明員 現在、まだ法律の段階におきましても十分詰まっておりませんし、政令については、まだ関係省庁と十分合意に達しておりませんので、いまそれを提出するというわけにまいりません。
#139
○林(百)委員 いままであなたの言ったことは、あなたがそう思うというだけであって、ちっとも客観的な証拠にはならないことになるのではないか。
 もう時間がありませんから次にお尋ねしますが、これは簡単でいいのですが、自治省にお尋ねします。
 地方自治体の公害防止に関する権限を強めるためには、機関委任事務ではなくて、自治体の固有事務、要するに、知事、市町村長だけでなくて、地方議会をも通じて住民の意思が行政に反映されるようにすべきだと思いますが、この点についてはどういうように考えますか。どうも法改正を見ますと、みな首長に権限が与えられている。要するに、機関委任事務のように規定されておるようであって、自治体の固有事務として、議会が参加するような形になっておらないように思いますが、この点については、大臣、どういうように思いますか。
#140
○秋田国務大臣 なかなかむずかしい点だと思います。総じて公害対策の問題は、地方住民と直結した問題でありまして、地方住民の安全、健康及び福祉を保持することは地方自治体の長の責務とするところでございます。その意味において、公害行政は地方公共団体の事務であるともいえますが、同時に、今日の公害問題は社会経済発展の大きなひずみであるところから、国としてもその対策を法律で処理しているというようなたてまえになっております。その場合において、現行法における権限委譲の形式につきまして、地方団体の長に所要の規制を行なわせることとされておりますが、この委譲のあり方につきましては、自治省といたしましては、現行の方式だけに限定する必要はないのではないかとも考えておるのでございますが、この点につきましては、さらに検討をいたしたいと思っておりますが、大体以上のような考え方を持っております。
#141
○林(百)委員 次に自動車交通量の規制に関する問題についてですが、八月十一日の自治大臣の当委員会での答弁では、交通規制を都道府県知事で要請することができるような措置を講じたいということでした。しかし、昨日発表されております大気汚染防止法案を見ますと、自動車交通量の規制についての権限につきましては、都道府県の公安委員会に対し自動車の通行の禁止や制限を要請することができるということだけなんです。この点自治大臣に重ねてお尋ねしたいのですけれども、交通量の規制の権限を知事自体が握る、そうして警察庁に指示をする、こういう方向をとることがむしろ適切なように思うわけなんです。
 これはたしか十日付のある新聞の夕刊ですけれども、都と警察の両方がCO点検をしたところがちぐはぐだ。それで「都職員五人が午前九時半に勢ぞろいしたのに第一交通機動隊の警官が現われたのは同十一時すぎ。」そして排気ガスの一斉点検を行なったけれども、「警視庁は国の基準に従い、排気ガス中のCO濃度五・五パーセント以上、都は五パーセント以上をそれぞれ違反としてドライバーに警告した。」こう写真入りで出ているわけですけれども、これでは全くCOの点検についても混乱を来たしているわけなんです。また東京都の例なんかを見ましても、光化学スモッグが出たということを都知事が知って直ちに処置をしたいといっても、それはただ公案委員会へ要請をするだけということでは、これは警戒警報だけは発令したけれども、処置は自分自身でできないといういろいろな矛盾が出てくるのです。この際、思い切って知事に自動車交通量の規制権限を与えるべきではないかという意見を私は考えるわけなんですけれども、この点について自治大臣と警察庁の両方の意見を参考までに聞かしていただきたいと思うのです。
#142
○秋田国務大臣 地方の都道府県知事に、大気汚染、ことに自動車の交通による排気ガスの大気汚染が一定限度以上になった場合に規制する権限を直接与えてしまうという点は、その限りにおいては非常に有効適切、徹底しているように考えます。しかし、考えてみますと、やはり都内の交通といえどもまたその地域外の交通と関連もありますし、交通一般の安全、規制、管理という点との調整をどうしても考えざるを得ないと思われます。ちょうど先ほどの電気・ガス事業のばい煙と大気汚染防止に関するものと同じような関係でございまして、規制に関するいろいろの交通の制限等を要請し得る権限にとどめ、これによる実際的な有効的切な措置につきましては、その制度の活用に期待をする。そして初めのうちはただいま先生が新聞をお読みになりましたようないろいろな不手ぎわやあるいは迅速適切な措置に欠けるという事態もあろうかと思いますが、急速にそれらの点の改善をはかることによりまして、制度の適切な運用をもって適切な措置を講じ得ると期待できるのではなかろうかと考えておりまして、ぜひそういうふうにいたしたいと思っております。
 確かに先生のおっしゃるように、知事に直接規制、交通制限の権限を与えることは考えられますけれども、交通という点はなかなか簡単にまいりませんので、先刻来いろいろ申し上げております自治省の「公害防止対策の積極的な展開」の文書におきましても、その点を考慮いたしまして要請する権能を知事さんに認めるというにとどめたわけでございます。非常に不徹底であるというお考えはあろうかと思いますが、法規上または現実上、ただいま申し上げたような措置にとどめ、かっこれが実際の運用を迅速適切にいたしたい、こういう考えのもとにやっております。
#143
○林(百)委員 警察庁が答弁する前に、改善をするという点をもう少し具体的に、このままではどうにもならぬと思うのです。この新聞記事の結論を見ましても、「規制基準が都と国で違ったり、都の権限が中途半端だったりの排気ガス追放運動を見せつけたような一幕だった。」とある。都でやっているほうにはドライバーが非常に協力的にやって、違反を注意されるとおわびまでしていた。ところが今度は、都の職員と警察のほうと一緒でやったのは、都の職員が九時半に来ているのに第一交通機動隊は十一時過ぎに来ている。こんなことで、規制基準が都と国で全く違って、都の権限が中途はんぱで非常に迷惑をこうむっているという意味の記事が出ている。あなたは改善されると言うのですが、非常に抽象的なんです。もう少し具体的なこの問題についてのお考えはないのですか。光化学スモッグが出た。警報は発した。警報は発したけれども、さてそれではそれを規制する権限を都知事は持っておらない。そういうような状態のままで置いておくことは、都民の健康や生命にとっては重大な問題なので、あなたも改善しなければならぬ、漸次改善すると言うのですが、どういう手段でどういうように改善するか、具体策がきまってないなら、いまの段階ではないでけっこうですが、あるいは一つの考えをお持ちなら、その考えを説明していただかぬと、ちょっと困った問題だと思うのです。――それじゃ警察庁先に答弁して、あとで大臣から聞きましょう。大臣はその間相談してください。
#144
○竹岡説明員 お答えします。
 交通規制権、特に公害防止に関します交通の通行禁止という交通規制権を知事に委譲したらどうかという御質問でございます。われわれ警察の立場として考えておりますのは、御承知のとおり、現在、交通規制と申しますのは、道路交通法に基づきまして、交通の安全と円滑のために、いわゆる地方自治体の機関である各都道府県の公安委員会が交通規制権を実施しております。御承知のとおり、これが短期間で非常に臨時的なものでしたら、都道府県の公安委員会が署長に委任している場合もあります。また道路の損壊や火災発生など非常に緊急の場合、一時やるという場合は、間に合いませんから、現場の警察官がやるというのが交通規制でございます。
 交通規制と申しましても、単に車両の通行禁止というものだけじゃなく、内容も非常にいろいろございます。たとえて申しますと、昨年末現在、全国の警察がやっております交通規制のうち、たとえば大型車の通行禁止が約六千区間ございます、あるいは一方通行の規制をかけておりますのは一万五千ということで……。
#145
○林(百)委員 ちょっと途中ですが、私は公害の関係から聞いておるのです。
#146
○竹岡説明員 ですから、そういう非常にたくさんの一般の交通安全と円滑のための規制をすでにやっておるのです。またこれに対します標識も現在全国の公安委員会で百万本配置しておるということから、すでに長い間、交通規制に関します限りは、公安委員会がこれだけの実績と経験を持っております。
 なぜ、この交通規制を警察が持ったらいいかということは、従来は交通事故の実態を現場で事故処理をするという、その事故の実態を一番よく知っておるのは警察じゃないか、と同時に、規制というのは、先ほど先生も言われましたとおり、徹底しなければならぬという、これは指導、取り締まりというものはうらはらで担保さるべきだという意味で、警察が持っておるほうがいいのじゃないか、あるいは公安委員会、警察が信号機等を管理しております現在、やはり交通量とか、交通の流れとか、それを一番よく知っておるのは警察だ。従来は交通規制は公安委員会に持たしたほうが最も妥当だ、このように考えられておったわけでありますが、またその事情は変わっておらぬと思うのです。そこで今度は、公害防止のためだけの規制をまかしたらどうだということになりますけれども、この場合、公害防止のための交通規制といっても、内容は変わるわけでも何でもありません。たとえば、考えられますのは、自動車のある区間につきましての通行どめ、あるいは一部の車両につきまして、徐行規制するとか――これは騒盲あるいは振動なんかの場合徐行規制なんかいたします。あるいは一方通行規制、速度規制、従来やっておる規制とその内容、手段は変わらないわけであります。そうしますと、その公害防止のためだけの一方通行なり、あるいは車両通行どめなんかを、それだけを知事にまかせるのは、一般の交通安全と円滑をあわせてやっておる警察の交通規制と、一方に知事がやる規制がある、しかも標識は同じ標識だということで、かえって混乱と複雑を増すのではないか。だからやはり、警察にやらせても何ら支障がないのではないか。しかも公害に関します限りは、公害全般の責任を持っておるのは知事さんでございますから、当然知事の立場も十分に尊重しなければなりませんので、今回の大気汚染防止法並びに騒音規制法に知事が公安委員会に交通規制の措置を要請する、要請がありますと、当然公害の責任者の知事の要請でありますから、警察としましても交通量あるいは交通事情をいろいろ考えまして、その要請に十分にこたえ、その要請に対して即座にやらなければならぬ責務が当然ある、このように考えております。
 と同時に、もう一つお考え願いたいのは公安委員会――都道府県の公安委員会でございます。しかも都道府県公安委員会は都道府県議会の同意を得て、知事が任命する公安委員から成り立っておりますので、警察当局と知事部局が、そう離れるというような問題はない、私は運用によって十分にその間はやっていけるはずだと思います。ただ警察におきましても、われわれの規制が独断におちいってはいかぬという反省は十分いたしております。
 そこで今回道路交通法の改正で、公害防止のための規制が公安委員会でできるように改正いたします。しかもその改正のときに、広域にわたるような交通規制は当然都道府県知事あるいは交通関係機関の要請なり意見を聞かなければならぬというわれわれのほうの義務規定も設けまして、知事部局と十分に調整をとってやっていける自信がございます。
#147
○林(百)委員 それでは大臣の改善方法というのを具体的に説明してください。
#148
○秋田国務大臣 従来は御指摘のように、知事が警報を発するにとどまっておりまして、今回は法律上の権限として公安委員会に要請することができることとなるわけであります。どういう場合に要請することができるかの基準につきましては、一定限度以上になった場合ということでありますが、このルールがまだはっきりきまっていないためにそういうちぐはぐが起こってくると思いますので、今後この関係は、関係者の間において十分連絡をとっていきまして、この一定基準になった場合ということをきめていただこうと考えておりますから、そういうことになりましたならば、いま御指摘のようなちぐはぐというものがなくなるのではなかろうか。しこうして権限につきましては、行政の権限でその実効を期することが、そのときにはできるようになる、こういうふうに考えております。
#149
○林(百)委員 これでやめます。
 最後に希望を兼ねて自治省に質問をしますが、この公害防止に関する地方自治体への権限委譲については、実は前々から財界の強い反対意見があったわけなんですね。これは大気汚染防止法についても新聞の記事によると、地方自治体への権限委譲について火力発電所の新増設の許可や公害防止施設の改善命令、操業停止命令などの規制について財界や通産省が強い反対をしたというようなことも十一日付の新聞にも出ておるわけですけれども、この財界の意見は、公害行政における地方公共団体の権限については、排出基準の設定その他公害の規制、管理上の重要な権限を大幅にゆだねることは、現在の地方制度の性格上不適当と考えるというような意見が非常に強く出ておるわけですね。このために公害基本法をきめる場合、そのほかの公害に関する諸法規をきめる場合も内容が大きく後退したという事例をわれわれも見ておるわけですけれども、このたびもたとえば公害罪は時期が尚早だというような意見が出たり、また無過失責任についても後退的な消極的な意見も財界から強く出ておるわけですが、地方自治体への権限委譲問題でも非常に強い財界からの反対意見があったわけなんです。
 そこで最後に自治大臣に伺いたいのですが、過去のこういう経過を見ますと、財界からの強い発言、圧力で政府の施策が大きく後退しておることから見て、このたびもそれが非常に懸念されるわけなんです。事実政府の姿勢から見ましても、さっき言いましたように、公害罪の問題あるいは無過失責任の問題等もついに立法化をあるいは見ないのではないかということまでいわれておるわけです。そしてまたいままで私が質問、論議してきた点でも、公害に関する諸立法に企業擁護の姿勢が非常に強く出ておるわけですけれども、自治省としては実際その地域住民の健康、生命が目の前で公害で害され、そして苦しみ、そしてそれが訴えられるのは、これは地方自治体なんですから、やはわ私は、直接公害で被害を受けておる被害者を見ておる地方自治体がタイムリーを得た適切な措置をする権限を持つということが非常に重要なことだと思います。今後財界の意見に左右されず、きびしい態度でこの人間優先の基本的な態度を法律にも明記し、そして国民の希望にこたえていくようにすべきだ。したがって、自治大臣としても、権限の地方自治体への委譲については、いやしくもあいまいな態度あるいは甘い態度をとらずにきびしくこの権限委譲の措置をとるべきだと思うのです。また一例を申しますと、たとえば届け出制と許可制についても、全国知事会の意見でも許可制にすべきだという強い要望もあるわけですから、こういう点を考えて、今後権限委譲については、いやしくも譲歩しない、き然たる態度をとる、あなたもどうも留任するようですから、この際初心忘るべからずで、こういう態度をとって、そして地域住民の利益と憲法に規定されておる地方自治体の権限をあくまで守り抜く、こういう姿勢を貫いてもらいたいと思います。この点最後に自治大臣の所信をお聞きして、時間が参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。
#150
○秋田国務大臣 「公害防止対策の積極的な展開」という文書を出しました際には、まだ政府の態度も未知な場合が多かった。自治省といたしましては、公害対策行政は当然地方の行政の責務とするところであるという立場に立ちまして、官庁の文書として、積極的展開なんという表現を使うこと自体が異例であるごとく、住民の健康、良好な自然保全の必要という使命に徹するつもりで、あの文書の作成及び発表を私は事務当局に命じた次第でございます。したがいまして、私は、公害対策として住民の健康の保持のためにいやしくも必要なる処置は、これを地方団体の権限に委譲すべきものであるという信念によりまして、諸般の法律の改正等に対処しておるつもりでございます。ただ、必要なるものは十分これを地方に権限委譲を求めますが、必要以上と申しますか、不必要なもの、あるいは、人の健康をもちろん先にいたしますが、同時にいろいろ電気・ガス事業等あるいは交通規制等、そういう意味におきまして、経済優先思想ではないが、調整を要する点につきましては、所期の目的を達するに不都合なような妥協はいたしませんが、十分その目的を達する範囲におきまして、他の権限との調整というものははかる、こういう態度であります。この点につきまして多少の御批判があるようでございますが、しかし信念といたしましては、ただいま御指摘もありましたとおり、また御激励もありましたとおり、住民の健康保全のために必要なる処置は、いやしくも妥協することなくこれを主張するという信念に徹しまして、今後も処置をいたしたいと考えております。
#151
○菅委員長 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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