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1970/03/31 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 内閣委員会 第8号
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1970/03/31 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 内閣委員会 第8号

#1
第063回国会 内閣委員会 第8号
昭和四十五年三月三十一日(火曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 天野 公義君
   理事 伊能繁次郎君 理事 熊谷 義雄君
   理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君
   理事 塩谷 一夫君 理事 大出  俊君
   理事 伊藤惣助丸君 理事 和田 耕作君
      阿部 文男君    伊藤宗一郎君
      加藤 陽三君    辻  寛一君
      中山 利生君    葉梨 信行君
      堀田 政孝君    佐藤 観樹君
      高田 富之君    鬼木 勝利君
      渡部 一郎君    東中 光雄君
 出席政府委員
        農林水産技術会
        議事務局長   横尾 正之君
 委員外の出席者
        農林大臣官房
        参事官    大河原太一郎君
        内閣委員会調査
        室長      茨木 純一君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     野呂 恭一君
  木原  実君     楯 兼次郎君
  東中 光雄君     米原  昶君
同日
 辞任         補欠選任
  野呂 恭一君     山口 敏夫君
  楯 兼次郎君     木原  実君
  米原  昶君     東中 光雄君
    ―――――――――――――
三月二十六日
 防衛庁設置法等の一部を改定する法律案(内閣
 提出第二三号)
同日
 山形市外二市の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外十九件(池田正之輔君紹介)(第一七五八号)
 兵庫県村岡町、美方町の寒冷地手当引上げ等に
 関する請願外三件(佐々木良作君紹介)(第一七
 五九号)
 兵庫県養父町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外一件(佐々木良作君紹介)(第一七六〇号)
 同(田中武夫君紹介)(第一七六一号)
 滋賀県永源寺町の寒冷地手当引上げ等に関する
 請願外二件(後藤俊男君紹介)(第一七六二号)
 滋賀県五個荘町の寒冷地手当引上げ等に関する
 請願(後藤俊男君紹介)(第一七六三号)
 長浜市の寒冷地手当引上げ等に関する請願外二
 件(西田八郎君紹介)(第一七六四号)
 滋賀県山東町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(西田八郎君紹介)(第一七六五号)
 靖国神社国家護持の早期実現に関する請願外十
 二件(菅野和太郎君紹介)(第一七六六号)
 同外七十九件(木野晴夫君紹介)(第一七六七号)
 同外九十四件(塩川正十郎君紹介)(第一七六八
 号)
 同(進藤一馬君紹介)(第一七六九号)
 同外五十四件(中山正暉君紹介)(第一七七〇号)
 同外三件(原田憲君紹介)(第一七七一号)
 同外三十九件(古川丈吉君紹介)(第一七七二号)
 同外一件(増田甲子七君紹介)(第一七七三号)
 同外九十件(松田竹千代君紹介)(第一七七四号)
 同(山下元利君紹介)(第一七七五号)
 同外三十九件(原田憲君紹介)(第一八二九号)
 同(藤波孝生君紹介)(第一八七三号)
 同外六十四件(古川丈吉君紹介)(第一八七四号)
 元満鉄職員の恩給等通算に関する請願(岡沢完
 治君紹介)(第一七七六号)
 同(羽田野忠文君紹介)(第一八三〇号)
 同外三件(山下元利君紹介)(第一八九二号)
 同(岡沢完治君紹介)(第一九一八号)
 同(佐々木良作君紹介)(第一九一九号)
 一世一元制の法制化に関する請願外二件(佐藤
 恵君紹介)(第一七七七号)
 同(田村良平君紹介)(第一八七〇号)
 同(小山省二君紹介)(第一八八九号)
 同外五件(中山正暉君紹介)(第一八九〇号)
 同外十四件(奥野誠亮君紹介)(第一九二〇号)
 豊岡市の寒冷地手当引上げ等に関する請願外八
 件(佐々木良作君紹介)(第一八二八号)
 人事行政の厳正化に関する請願外三件(永田亮
 一君紹介)(第一八三一号)
 同外一件(中垣國男君紹介)(第一八七二号)
 国防省設置に関する請願外三件(永田亮一君紹
 介)(第一八三二号)
 靖国神社の国家管理反対に関する請願外十件
 (中村重光君紹介)(第一八三三号)
 同外五件(戸叶里子君紹介)(第一八九一号)
 元満州拓植公社員の恩給等通算に関する請願
 (中垣國男君紹介)(第一八七一号)
 宮古市の寒冷地手当引上げ等に関する請願(小
 沢一郎君紹介)(第一八九三号)
 岩手県衣川村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(小沢一郎君紹介)(第一八九四号)
 同(山本弥之助君紹介)(第一九二三号)
 岩手県田老町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(小沢一郎君紹介)(第一八九五号)
 同(北山愛郎君紹介)(第一八九六号)
 同(山本弥之助君紹介)(第一九二四号)
 一関市厳美町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(小沢一郎君紹介)(第一八九七号)
 同(北山愛郎君紹介)(第一八九八号)
 岩手県前沢町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外四件(小沢一郎君紹介)(第一八九九号)
 同外一件(北山愛郎君紹介)(第一九〇〇号)
 同外一件(山本弥之助君紹介)(第一九二五号)
 岩手県新里村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(小沢一郎君紹介)(第一九〇一号)
 同(山本弥之助君紹介)(第一九二六号)
 彦根市の寒冷地手当引上げ等に関する請願外一
 件(西田八郎君紹介)(第一九二一号)
 滋賀県愛東村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(西田八郎君紹介)(第一九二二号)
同月三十日
 靖国神社の国家管理反対に関する請願(青柳盛
 雄君紹介)(第一九五八号)
 同(浦井洋君紹介)(第一九五九号)
 同(小林政子君紹介)(第一九六〇号)
 同(田代文久君紹介)(第一九六一号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第一九六二号)
 同(津川武一君紹介)(第一九六三号)
 同(寺前巖君紹介)(第一九六四号)
 同(土橋一吉君紹介)(第一九六五号)
 同(林百郎君紹介)(第一九六六号)
 同(東中光雄君紹介)(第一九六七号)
 同(不破哲三君紹介)(第一九六八号)
 同(松本善明君紹介)(第一九六九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一九七〇号)
 同(米原昶君紹介)(第一九七一号)
 同(青柳盛雄君紹介)(第二〇八二号)
 同(浦井洋君紹介)(第二〇八三号)
 同(小林政子君紹介)(第二〇八四号)
 同(田代文久君紹介)(第二〇八五号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第二〇八六号)
 同(津川武一君紹介)(第二〇八七号)
 同(寺前巖君紹介)(第二〇八八号)
 同(土橋一吉君紹介)(第二〇八九号)
 同(林百郎君紹介)(第二〇九〇号)
 同(東中光雄君紹介)(第二〇九一号)
 同(不破哲三君紹介)(第二〇九二号)
 同(松本善明君紹介)(第二〇九三号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二〇九四号)
 同(米原昶君紹介)(第二〇九五号)
 同(青柳盛雄君紹介)(第二〇九六号)
 同(浦井洋君紹介)(第二〇九七号)
 同(小林政子君紹介)(第二〇九八号)
 同(田代文久君紹介)(第二〇九九号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第二一〇〇号)
 同(津川武一君紹介)(第二一〇一号)
 同(寺前巖君紹介)(第二一〇二号)
 同(土橋一吉君紹介)(第二一〇三号)
 同(林百郎君紹介)(第二一〇四号)
 同(東中光雄君紹介)(第二一〇五号)
 同(不破哲三君紹介)(第二一〇六号)
 同(松本善明君紹介)(第二一〇七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二一〇八号)
 同(米原昶君紹介)(第二一〇九号)
 長野県の寒冷地手当引上げ等に関する請願(井
 出一太郎君紹介)(第一九七二号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第一九七三号)
 同(松平忠久君紹介)(第一九七四号)
 同(向山一人君紹介)(第一九七五号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第二一一〇号)
 同(下平正一君紹介)(第二一一一号)
 同(羽田孜君紹介)(第二一一二号)
 岩手県住田町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外二件(千葉七郎君紹介)(第一九七六号)
 同外一件(山本弥之助君紹介)(第一九七七号)
 宮古市の寒冷地手当引上げ等に関する請願外二
 件(千葉七郎君紹介)(第一九七八号)
 同外一件(山本弥之助君紹介)(第一九七九号)
 岩手県衣川村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外二件(千葉七郎君紹介)(第一九八〇号)
 同(山本弥之助君紹介)(第一九八一号)
 岩手県田老町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外一件(千葉七郎君紹介)(第一九八二号)
 同(山本弥之助君紹介)(第一九八三号)
 一関市厳美町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外一件(千葉七郎君紹介)(第一九八四号)
 同外一件(山本弥之助君紹介)(第一九八五号)
 同(山中吾郎君紹介)(第二一一三号)
 岩手県前沢町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外三件(千葉七郎君紹介)(第一九八六号)
 同(山本弥之助君紹介)(第一九八七号)
 同(山中吾郎君紹介)(第二一一四号)
 岩手県新里村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外三件(千葉七郎君紹介)(第一九八八号)
 同(山本弥之助君紹介)(第一九八九号)
 一世一元制の法制化に関する請願(小峯柳多君
 紹介)(第一九九〇号)
 元満鉄職員の恩給等通算に関する請願外二件
 (阪上安太郎君紹介)(第一九九一号)
 同外五件(八田貞義君紹介)(第二〇二八号)
 同(堀昌雄君紹介)(第二〇二九号)
 人事行政の厳正化に関する請願(三池信君紹介)
 (第一九九二号)
 同(八田貞義君紹介)(第二〇三〇号)
 国防省設置に関する請願外一件(三池信君紹介)
 (第一九九三号)
 同(八田貞義君紹介)(第二〇三一号)
 靖国神社国家護持の早期実現に関する請願(武
 藤嘉文君紹介)(第一九九四号)
 同外三件(加藤陽三君紹介)(第二〇二七号)
 同外一件(大橋武夫君紹介)(第二一五二号)
 山形市外二市の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願外十九件(木村武雄君紹介)(第二〇三二号)
 島根県仁摩町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(卜部政巳君紹介)(第二一一五号)
 大田市の寒冷地手当引上げ等に関する請願(ト
 部政巳君紹介)(第二一一六号)
 島根県多伎町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(卜部政巳君紹介)(第二一一七号)
 島根県温泉津町の寒冷地手当引上げ等に関する
 請願(卜部政巳君紹介)(第二一一八号)
 島根県日原町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一一九号)
 島根県桜江町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(卜部政巳君紹介)(第二一二〇号)
 島根県広瀬町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(卜部政巳君紹介)(第二一二一号)
 島根県伯太町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一二二号)
 島根県五箇村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一二三号)
 島根県美都町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一二四号)
 島根県匹見町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一二五号)
 島根県川本町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一二六号)
 島根県頓原町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一二七号)
 島根県羽須美村の寒冷地手当引上げ等に関する
 請願(ト部政巳君紹介)(第二一二八号)
 島根県邑智町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一二九号)
 島根県仁多町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(ト部政巳君紹介)(第二一三〇号)
 浜田市の寒冷地手当支給等に関する請願(ト部
 政巳君紹介)(第二一三一号)
 益田市の寒冷地手当支給等に関する請願(大橋
 武夫君紹介)(第二一三二号)
 島根県佐田町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一三三号)
 安来市の寒冷地手当引上げ等に関する請願(大
 橋武夫君紹介)(第二一三四号)
 島根県大社町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一三五号)
 島根県鹿島町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一三六号)
 島根県西郷町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一三七号)
 島根県海士町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一三八号)
 島根県大東町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一三九号)
 島根県加茂町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四〇号)
 島根県斐川町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四一号)
 島根県津和野町の寒冷地手当引上げ等に関する
 請願(大橋武夫君紹介)(第二一四二号)
 島根県八束村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四三号)
 島根県八雲村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四四号)
 島根県布施村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四五号)
 島根県柿木村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四六号)
 島根県横田町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四七号)
 島根県吉田村の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四八号)
 島根県瑞穂町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一四九号)
 島根県三刀屋町の寒冷地手当引上げ等に関する
 請願(大橋武夫君紹介)(第二一五〇号)
 島根県掛合町の寒冷地手当引上げ等に関する請
 願(大橋武夫君紹介)(第二一五一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三号)
     ――――◇―――――
#2
○伊能委員長代理 これより会議を開きます。
 ただいま委員長は、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明のため、参議院大蔵委員会へ出席されておりますので、委員長の指名により、暫時私が委員長の職務を行ないます。
 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。中山利生君。
#3
○中山(利)委員 農林省設置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、きわめて素朴な質問をしたいと思います。
 現在農業が直面している問題は非常に深刻なものがございます。しかし、幸いにして最近総合農政というようなことがおくればせながら言われ出したということでございます。きょうは大臣、次官、局長さんたちがお見えになりませんのでたいへん残念でございますけれども、まあ幸か不幸かと申しますか、事務当局としての率直な御意見をお聞かせいただけたらと考えております。
 私どもが農村を回っておりましても、現在の農政――農林省の指導を含めたそういう農政というものに対する不信感というようなものが非常に強いわけでございまして、いろいろな御指導がありましても、農林省の指導の逆をやればもうかるんだというような極端な言い方をする人がかなり多いわけでございます。今後総合農政を実施し、これからほんとうに真剣になって近代農業というものを仕上げていくというのには、やはり第一に信頼性の回復というようなことが必要ではないかと考えております。
 そこで一番初めに、農林省当局が、自民党の農政とかそういうことにとらわれずに、事務当局としてこうしたらいいのじゃないかというようなお考え、それから、現在までこういう総合農政の施策をやってきた、今後どういうことをやっていくのかというようなことで、率直なお考えをお聞かせいただけたら幸いだと思います。
#4
○大河原説明員 お答えいたします。
 先生の御質問は、農業は内外ともにきびしい環境のもとにあり、その末端の農家も行く方向についていろいろ模索しておる、したがって確固たる農政の方針を示して進むべきである、農林省事務当局もこれについて鋭意検討し進むべきであるというようなお話であるかと思いますけれども、本件につきましては、御案内のように、昨年農政審議会の答申を得まして、それに基づきまして本年の二月に「総合農政の推進について」、これは閣議の決定をいたしたわけでございます。それに基づきまして今後の施策を推し進めるという基本方針を樹立したわけでございます。
 柱といたしましてはおよそ六点に分かれておりまして、農業の近代化を実現するためには、必須条件として、規模が大きく生産性の高い農業を確立する、産業としての農業を確立するということが第一点。
 第二点は、御案内のような米の需給でございますので、緊急に米の生産調整を行ないまして、またそれと並行して地域の特性に応じた需要に見合った農業生産を推進し、需要の強い農産物につきまして効率的な生産を行ない、農業の責任でございます国民に対して良質な食料を豊富に提供いたすという点が、第二点でございます。
 第三点といたしましては、言うまでもなくこの過程において農産物の価格の安定をはかり、さらに今日問題になっております流通加工の面においても近代化をはかる。
 第四点は、農業によって自立しようとするような農家に対しては、農業所得により、それからそれ以外の農家については、農外所得の安定的増大ということによりまして、他産業に従事している方々と均衡のとれた所得や生活水準を確保するように進んでいくということでございます。
 第五点は、就業構造の改善という視点から、離農を希望する方々に対して円滑に離農できるような条件を整備する、援助をいたすという点でございます。
 もう一つは、農村地域の生産基盤とおくれた生活環境とを総合的に一体的に整備いたしていくという視点を取り入れて、新しい農村の建設というようなことについて鋭意努力いたす。
 この点がただいま申し上げました総合農政の中心の六つの柱になっておるわけでございます。
#5
○中山(利)委員 ただいま基本的な方針をお伺いしたわけでございますが、たいへんけっこうだと思いますが、大体いまいろいろな方面から聞かされていた程度にとどまったようでございますので、後ほどいろいろな質問の中で、ひとつ事務当局の方の本音というようなものをちらりと聞かせていただければ幸いでございます。
 ただいまお話の中で、現在昭和四十四年度まで、多少でもどういう施策を進めてこられ、また昭和四十五年度はどのようなことをやっていかれるのか、その点を御説明願いたい。
#6
○大河原説明員 施策万般にわたりましては詳しくなりますので、その大筋について先生の御質問に答えさせていただきます。
  〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕
 ただいま申し上げましたような総合農政の推進について、四十五年からいよいよ具体的に可能なものから早急に手をつけて進むことは当然でございます。
 ただいま申し上げました基本方針に即した施策の重点というものについて御説明申し上げますと、まず御案内のように、農地法、農業協同組合法の構造改善にかかわる法制の整備、それから農業生産基盤あるいは第二次構造改善事業の本格的な実施と農業者年金制度の創設というような構造対策と申しますか、構造政策関係の整備を何よりもまず取り上げるという点が、第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、農産物需給の点、特に米の需給ギャップという点から、緊急にその均衡を回復するという視点から、米の需要の拡大という一方の施策と並行いたしまして、百五十万トン以上の米についての生産調整の措置を講じるという点が第二点。
 さらに成長部門でございます畜産、園芸等の生産の振興については、各般の施策を――こまかくは申し上げませんが、各般の施策を一そう充実して農業生産を推進いたすという点が第三点でございます。
 それから第四点は、農産物価格の安定については、各種施策は先生の御案内のとおりでございますが、特に四十五年度においては、肉用牛なり野菜等について一そうその施策を強化して、農産物価格政策の整備充実をはかるという点を意図しておるわけでございます。
 それから以上のほか、先ほど農村環境の整備なり、基盤整備と一体になった農村環境の整備等を申し上げましたが、新たに農村道路など、都市に比べて立ちおくれています道路の整備予算を本格的に計上いたし、生活環境の整備をいたすというような点で、特に基本方針に即しまして予算としても重点を置いたところでございます。
 しさいに申し上げるべきかと思いますけれども、おもな点についてだけ御説明さしていただきました。
#7
○中山(利)委員 先ほどのお話、またただいまのお話を含めた、将来の農家はこうあるべきだ、農業はこうあるべきだというようなことをはっきりと農業者によく理解のできるような、納得のできるような形で、方針といいますか、ビジョンといいますか、そういうものをお示しになる御用意はあるわけでございますか。
#8
○大河原説明員 この点につきましては、まず長期の見通しに立ちました農産物の需給の見通し、地域農民がいかなる農産物を選び、それによってその経営を発展さしていくかという点では、やはり農産物の長期の見通しに立った誘導の指針というものが必要であろうかと思います。これにつきましては、後刻またいろいろ御意見があるかと思いますけれども、非常にむずかしい問題ではございますが、今回の米の生産調整等を契機といたしまして、長期にわたってその地域の特性を生かした農業生産を誘導するという、まあわれわれはこれを農業生産の地域的分担と申しておりますが、その作業を現在われわれのほうとしては開始しておるところでございます。
 それからまた、農業によって自立しようとする農業経営の類型につきましては、現在その地域と作目に応じました作業を行なっておるわけでございます。そのほか農業生産集団と申しますか、それらの類型につきましても検討を行なって、できるだけ早い機会にその結論を得たいということを考えておるわけでございます。
#9
○中山(利)委員 ただいまの地域分担の作成、それから農産物の、これはもちろん需要と供給の計画、流通機構、そういうものを含めた計画だと思いますが、現在作業はどの程度進んでおるか、いつごろまでに大体の成案ができるかということを……。
#10
○大河原説明員 ただいまお答え申し上げましたように、農業生産の地域的分担については、ただいま作業中でございますが、御案内のように、大体その結論としては、都道府県単位あるいは地方農政局単位に農業生産の地域分担を明らかにいたしまして、今後の町村段階の計画等の樹立に資するまでのものをぜひつくりたいということになっておるわけでございます。そのためには、実は現在地方農政局段階におきまして、各県の協力を得まして、主要な作物につきまして、膨大な各種の生産条件、経営条件に関するデータを収集中でございます。これらのものを早急に地方農政局単位でまとめていただきまして、本省段階にかけて、理論的な計数等を駆使いたしまして、一つの理論的な形のものを出して、それを現実の条件、もろもろの角度から行政判断をいたし、政策判断をいたすというような取り進め方になると考えられるわけでございます。ただいま申し上げましたようなことで御推測かと思いますが、相当な作業でございまして、何月何日までというようなことは申し上げかねる段階でございますが、各方面の強い要請もございますので、事務当局といたしましては、全力をあげて進めたいという考えでございます。
#11
○中山(利)委員 その計画の作成にあたっては、地域の生産者あるいは農業協同組合、そういうものとの打ち合わせといいますか、そういうことはやっておられるのですか。
#12
○大河原説明員 先生御指摘のとおり、これは単に国の一方的な作業なり方針ではなくて、最後は地域の農民なり、あるいは農業団体、あるいは地方公共団体というものの皆さん方みずからの、生産に当たられる方あるいは生産を指導される方の指針になるかと思います。したがいまして、ある程度の作業段階で一つの理論的な形がまとまった段階で、十分農業団体なり地方公共団体とお話し合を進めた上で、現実的な実行可能性のあるものにすべきことは当然だと思いますし、御指摘のような配慮はいたしたいと思います。
#13
○中山(利)委員 ただいまの作業は、今度の総合農政の一つの基本になろうかと思いますので、拙速ということではなくて、早いほうがいいことはいいのですが、慎重にひとつりっぱな成案をつくっていただきたい。
 それからもとへ戻りますけれども、昭和六十年には、日本の人口が一億二千万ぐらいに達するのじゃないかといわれております。そうして人口の都市への集中化というのはますます激しくなってくる。過疎と過密地帯というものがますます激しくなってくるわけです。そういう時代において、日本の国民の食糧の自給ということは、将来非常に大きな問題になってくると思いますけれども、政府としては、将来の食糧自給率といいますか、自給の問題についてはどういうお考えでしょうか。
#14
○大河原説明員 ただいまの御質問の点につきましては、農林大臣以下農林省としてあらゆる機会に考えを申し上げておるところでございますが、何といっても、消費人口が一億をこえるような膨大な消費需要を持っておりますわが国におきましては、国民の必要といたします食糧を大幅に海外に依存するということは適当ではないというふうな基本的な認識でございます。したがいまして、国内の農業資源を最大限に活用して、なるべく国内でまかなうという基本方針は、農林省のあらゆる施策の基調になっておるわけでございます。ただ、これも申すまでもないことでございますけれども、各種の作目の生産条件とか、あるいは今日では、国内だけではなくて、国際的な需給事情も考えたものでなければならないという点も一つの側面でございますので、月並みのことばでございますけれども、すべての農産物を機械的に増産をしていくということではなくて、効率的な生産という立場に立って取り進めたいということでございまして、相当程度の自給率を維持するという点をただいま農政の一つの基調として進めていっておるわけでございます。
#15
○中山(利)委員 これは総合農政の完成と大きな関係があると思いますが、農産物の自由化の問題というのも非常に大きな当面の問題になっておりますが、それと関連した食料品の自給、それについて御説明いただきたい。
#16
○大河原説明員 今日わが国経済の一つの課題であります国際化の問題は、貿易の側面あるいは資本の側面、資本、貿易の自由化という点は、これは一連の国是でございますので、これについては最大限の努力を政府としては払っておる。農林省としてもこれらについて努力しておることは御案内のとおりでございますが、先生御指摘のような総合農政の展開という重要な段階に農業は当面しておるわけでございます。したがって、今後のわが国農業の発展の死命を制せられるような部門についての自由化の問題については最大限の慎重な配慮を払う。これは単に自由化を延ばすということだけではなくて、関税なりあるいは課徴金制度とか、いろいろな一種の調整措置というものについても進んだ施策を展開いたしまして、それらとの関係で一方の課題である自由化というものについてわが国農業に悪影響を及ぼさないような措置を講じていくというような点を配慮しておるわけでございまして、自由化を推し進めるということが即自給率の維持の後退ということにはわれわれ考えておらないわけでございます。
#17
○中山(利)委員 現在日本の農家が当面しております米の生産調整の問題でございますが、現在の全国的な進行状況はどのようになっておりますか。
#18
○大河原説明員 米の生産調整につきましては、ただいま御案内のように、農林省はもちろんでございますが、地方公共団体、県、市町村、農家をあげてこれについての御理解を願い、推し進めておるわけでございますが、大体全体の現在の進行状況といたしましては、生産目標数量の数字が市町村から個々の農家の方にほぼ届きまして、実施計画を農家の皆さんにおつくりになっていただくという段階かと大勢としては判断しておりますが、ただこれについては、いよいよ時期も相当進みましたので、ただいま地方農政局を通じまして、末端の実施状況について詳細に報告を求めておるという段階でございます。
#19
○中山(利)委員 私などが入手した情報によりますと、かなり順調に進んでいて、あるいは百万トンをオーバーするような可能性も出てくるんじゃないかというようなおそれもあるわけでありますが、この場合には、奨励金の支払いその他をそれ以上のものに対しても支払うとすれば、その財政措置、そういうものをどうお考えになっておるか。
#20
○大河原説明員 ただいま御質問の点につきましては、予算審議の過程等において、大蔵大臣なり農林大臣が御答弁申し上げておるところでございますが、本生産調整の趣旨にかんがみまして、百万トンをこえた場合においても当然奨励金の交付はいたす、そのための所要の財源措置を講ずるということに政府の方針がきまっておるということをお伝え申し上げたいと思います。
#21
○中山(利)委員 この生産調整が本年度一年で終わってしまうのか、また来年度、再来年度まで、米がたくさんできそうな場合には続けていくのかどうかというようなことも、農業者の非常な関、心事だと思うのですが、その点について御説明願いたい。
#22
○大河原説明員 ただいま御質問の点についても、各方面からしばしば御指摘なり御疑問が出されておるところでございますが、これは農林、大蔵含めまして政府としての考え方といたしましては、もう米の需給の困難な事態というものはなかなかそう簡単にはないであろうけれども、今回の生産調整措置というのは実に緊急な、かつて例のない措置でございますので、明年度以降の問題につきましては、本年度の生産調整の措置等の効果なり実施状況を見きわめまして、その辺の措置を講じていくということだけ申し上げ得るかと思います。
#23
○中山(利)委員 現在のそういう調整の状態を見ますと、理想的に言えば、水田を米でなくてほかの作物に転換をすることが一番いい形だと思うのですが、現在の場合は休耕あるいは休耕と称してほかの目的に使用してしまう、農地をつぶしてしまうというような状況がほとんどだと思うわけです。これについての指導といいますか、そういうことはどのようになされておりますか。
#24
○大河原説明員 百万トン分の米の生産調整を行ないます場合においては、農産物の需給事情とか土地条件を見まして、他作物へ転換して生産調整に協力していただくという点が、やはり本来の筋であるかと思うわけでございまして、その点については御意見のとおりでございます。したがって、土地条件その他やむを得ざる事情の場合の休耕もまた米の減産に通ずるということで、今回奨励の措置をとったわけでございますが、われわれとしては、転作と申しますか、他作物への転換に重点を置くという姿勢で、先般御審議を願いました四十四年度の補正予算におきましても、生産調整対策特別事業費二十億円を計上いたしまして、転作に必要な小規模の土地改良なり種苗、種子等の購入あるいは転換作物に必要な機械施設というようなものについて助成をいたすということの緊急措置をとったわけでございまして、お話のように転作を中心にして進めていくというのが基本的な考え方でございます。
#25
○中山(利)委員 これにつきましては、従来の増産型のいろいろな補助なり施設なりが依然として続けられ、片一方では減反、米の産出を少なくしようという矛盾した施策が並行して行なわれておるような感じがいたしますが、それはどういうことですか。
#26
○大河原説明員 先生御案内のように、今日の米に関する施策につきましては、土地改良を重点とした基盤整備事業あるいはその他の生産対策と両面があるわけでございますが、基盤整備事業におきましても、開田、干拓等、この点についての思い切った抑制措置を四十五年度から講じておるわけでございますし、重点は圃場整備その他、要するに労働力の不足に対応して農業生産を維持する大型機械の導入というような点の圃場条件の整備なり、あるいは先ほども申し上げました農道の整備という点に逐次重点を移行しておりますし、またそのほかの生産対策につきましても、米生産の能率化、機械化というようなことの生産対策という点に重点を置きまして、過去におきます単なる増産主義というようなことについては予算としてはとっておらないつもりでございます。
#27
○中山(利)委員 その問題につきましては、先ほどの地域分担というようなものは一日も早く明確にして、これを強力に指導していただくということが必要だと思います。それと同時に農産物の価格対策、流通機構の整備等も必要だと思いますが、私の茨城県などでは、東京都心からわずか一時間くらいなところで、野菜、大根その他のものを畑で腐らせてしまっておるような状況でございます。片一方では消費者には非常に高い野菜が出回っておる。その価格の差があるということは、農業者にとっては考えようによっては有望なことではないかと思いますけれども、この差をなるべく少なくして生産者の価格をもっと安定させるということが、今度の減反というような緊急措置をとらなくても需給のバランスがとれるような方法になるんじゃないかと思いますが、農産物の価格安定対策ということにつきましては現在どのような……。
#28
○大河原説明員 米のように直接管理をしているものと違いまして、お話しのような生鮮食料品等につきましては、その需給なり価格に対する非常な敏感な変動が多いわけでございまして、そのために生産者なり消費者等におきましてそれぞれ大きな影響があるという点は御指摘のとおりでございます。特に成長部門の作目を伸ばしていくというたてまえからいたしますと、価格安定についての対策を一そう整備いたすという点が必要かと思いますが、生鮮食料品の価格安定は基本的にはやはり需給の安定ということで、主産地を中心といたしました計画生産、計画出荷と申しますか、生産、流通の組織化ということにつきまして国も努力をいたし、あるいは生産者団体も努力をして体制を整備していく。またそれに必要な情報の提供、需要情報の提供等につきましてはあとうる限りの施策を整備いたすという点が一つかと思いますが、そのほか各段階におきます物的流通なり取引の合理化という点もやはり価格安定に通ずる施策かと思うわけでございます。その点については、市場の施設そのものの整備なりあるいは取引制度の整備ということで、今回も市場法の改正等を御審議願うことになっておりますし、またその安定対策自体につきましても、先ほどちょっと触れましたが、肉用牛及び野菜等につきまして、今回肉用牛等については子牛価格の安定基金制度を設ける、野菜等につきましても、その対象野菜の作目をさらに増加するなり、あるいはその内容を充実するということで、価格対策については十二分とはいかないまでも、逐次可能な側面から整備していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#29
○中山(利)委員 ただいままでのお話の総合農政の推進あるいはその中で農業の経営規模の拡大、大型農業の実現というようなことを考えてまいりますと、一番ネックになろうと思われるのは農地の問題だと思います。この農地の取得ですか、この問題についてはどのような方針でこれから取り組んでいかれますか。
#30
○大河原説明員 お答えいたします。
 ただいま先生の御質問につきましては、基本的には今回の農地法の改正等の考え方に制度の面としては尽きておるわけでございまして、従来ややもすれば農地の流動化について硬直的であったということが規模拡大に対する阻害要因になったという点につきまして検討を加えまして、制度としての農地の規模拡大への筋道を開くという点が第一点でございます。
 第二点といたしましては、先生御案内のように、農林漁業金融公庫におきます長期低利の農地取得資金、これを大幅にワクを拡大いたしまして、これらについて農業者の規模拡大の援助を全からしめるというような施策を講じまして、制度面あるいは財政援助面、両面にわたりましてその努力を続けていきたいというふうに考えておるわけであります。
#31
○中山(利)委員 制度面といまの財政面だけの施策でこの土地問題が解決するというふうにお考えですか。
#32
○大河原説明員 なかなかむずかしい問題でございまして、今日の農地の流動化を阻害している要因は高い経済成長、これは一方では非常にいい影響をもたらしておりますけれども、逆に地価水準の上昇というようなことももたらしている面もございまして、農地としての移動をなかなか困難にしている面があるというような基本問題もあるわけでございます。したがってわれわれは、先生御指摘のように、農地法の改正あるいは金融制度だけをもって、完全に直ちに所期の規模拡大を達成するのはなかなか困難であり、相当の時日を要するという点は考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、農業政策面で可能なものについては逐次これに手をつけまして、やはり農業らしい農業と申しますか、農家らしい農家が中核となったわが国農業の確立という点について努力しなければならないというふうに考えておるわけであります。
#33
○中山(利)委員 そうなってまいりますと、農地の取得による規模の拡大、大型農業の展開ということになりますと、いろいろ機械力その他の導入というようなものが必要だと思いますが、現在農業者にそれだけの資力とか、そういうものが少ないわけで、これも長期低利資金とか有利な融資というようなことで解決をしていくということでございますが、それだけでは解決できないような問題がある。というのは、農業者の土地に対する異常な愛着といいますか、それから現在の農家が、ただいまお話しのような土地価格の高騰によって、農業者というよりも地主というか、土地ブローカーみたいな性格がかなり強くなっているということで、この土地の取得ということが適正に行なわれない場合には、今度の総合農政というのも必ずしも円滑にいかないのじゃないかというふうに考えますが、この農地の取得というものがうまくいかなかった場合には、さらに何らかの手段をお考えになっているかどうか。
#34
○大河原説明員 先生の御質問のとおりなかなかむずかしい問題を含んでおるわけでございまして、今度の農地法の改正をごらんになっておわかりのように、単に自作地の形態の移動というようなものだけではなくて、むしろ貸し借りと申しますか、賃貸借関係、借地による規模拡大という点についてもそれを円滑にするような最大限の配慮を払うということで、農民の土地保有的性向というものを踏んまえた流動化の措置も考えておるわけでございます。また農地法の中に、農地保有合理化法人というような地方公共団体段階における規模拡大を専一にいたします組織も予定いたしまして、これをもって規模拡大を推し進めるというようなことも考えておるわけでございまして、とにかく、とりあえずできるこれらの施策について全力をあげて進めてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
#35
○中山(利)委員 この総合農政の展開の中で、また一つ問題になるのは離農者の問題だと思うのですが、それに対する対策はどのようにお考えか。
#36
○大河原説明員 強制的に農業からリタイアしていただくというわけではなくて、高い経済成長の中で生まれた雇用機会というようなものについて、農業よりも他の部門で所得を得て、それに依存されることを希望なさる方々については、あとうる限りの条件を整備するということが農業政策としても無視できないわけでございまして、またそれが農業そのものの就業構造の拡大にも資するということはお話のとおりでございます。したがいまして、これにつきましては、中高年齢層の皆さんの安心した農業からのリタイアを可能にする制度、あるいは転職を希望する方々の農外就業のための訓練制度とかあっせん制度とかいうような点については、まさに今回の総合農政の施策の一つの重点――単に農林省の所管にとどまらず政府あげての施策という意味で労働省とも御協力を願っておるところでございまして、農林省プロパーの制度といたしましては農業者年金制度の創設ということで、必要な法案の提出をいたしまして、その足がかりとしたいと考えているわけでございます。
#37
○中山(利)委員 政府の新経済社会発展計画によりますと、農林漁業の社会資本の政府の投資額については三兆二千五百億というようなあれが出ておりますが、先ほどからお話しの総合農政がある程度軌道に乗るというところまで持っていくには、総合的にどのくらい、三兆二千億ぐらいで足りるのかどうかというようなことを、もしおわかりになりましたらひとつ……。
#38
○大河原説明員 ただいま先生からお示しになりました三兆二千五百億という数字は、経済社会発展計画を検討しております経済審議会の投資配分の関係の委員会におきまして、何と申しますか、委員会としての内定した数字だというふうに承知しておりますが、この数字は、御案内のように単に農業だけではなくて林業、水産業も入っておりますし、しかもいわゆる公共事業費の一部でございます。したがいまして、総合農政の展開ということで、かりに財政計画と申しますか、その一つの投融資の裏づけを考えます場合には、単なるその基盤整備と申しますか、公共事業関係だけではなく、先ほど先生の御指摘のございました規模拡大なりあるいは資本装備の高度化には巨額の投融資を要する。そういうものがあるわけでございまして、われわれといたしましては、総合農家の本格的な推進については、これらの資金の裏付けについても早急に検討いたしたいというわけでございまして、三兆二千五百億という審議会内部の委員会の数字が即総合農政の関係の数字ではない、その関係はそうだということを申し述べさしていただきます。
#39
○中山(利)委員 非常に大ざっぱな質問でたいへん申しわけなかったのですが、ただいまの農業者は、先ほど申し上げたような農政に対する不信というようなものを非常に強く持っていながら、なおかつ政府の強力な指導というものを真剣に考えているわけでございます。新しい農業というものに真剣に考えて取り組んでいこうとする農民がいま大ぜいいるわけでございます。その人たちに対して失望をさせないような強力な計画と指導というものを今後お願いしたいと思います。
 それから、現在の農業がこういうふうに行き詰まってしまったのには、政治家のほうにも多少の責任があるのではないかと私は考えますが、一年生議員でもございますので、事務当局から見た政治家の反省すべき点というようなものがありましたら、ひとつ率直にお話をいただきたいと思います。
#40
○大河原説明員 われわれは行政事務を担当いたしまして、農業の現実の実態についてもろもろのデータのもとに施策を用意し、政策判断を願っておるわけでございまして、そういう点についてはこれ以上申し上げることは差し控えたいと思います。
#41
○中山(利)委員 ぜひ遠慮なしにやっていただきたいと思ったのですが、この場で御回答いただくのは無理かと思いますので、後ほど内緒でお話を願いたいと思います。
 以上をもって質問を終わります。
#42
○天野委員長 伊能繁次郎君。
#43
○伊能委員 実はいま中山君の質問をずっと一時間あまり伺っておったのですが、農林省設置法については前回一応審議は尽くしましたが、農林関係については、一年といわず情勢が非常に変転をして、皆さんに御苦労を願っておると思うのですが、さっきの米の問題、蔬菜、畜産の需給の問題、価格の問題、農地の問題等についても、中山君は遠慮されて、あなたの答弁にさらに突っ込んだ質問をしなかった。いずれ大臣、関係局長が見えると、もっと突っ込んだ質問がいろいろあるだろうと思います。一方において中山君は、最後にわれわれ側に対する反省、われわれ側の考え方の誤謬等についても遠慮なく指摘してほしいという端的な意見の開陳があったのですが、きょうの御回答では、失礼なお話ですが上っつらをなでただけで、次回に大臣、関係責任者の来たときにはもう少し明快な御答弁を願わないとちょっとぐあいが悪いんじゃないか、これは私の老婆心ですけれども、実は私も聞きたいとは思ったのですが、大臣その他が見えた際に、場合によれば関連質問で聞きたいと思いますが、いずれもいま主として取り上げた三つの問題、これは当面の総合農政の中においても重要な問題ですが、当面いまどうするかということについても非常に重要な問題を含んでいると思います。ことに米の転作、休耕の問題は一体どうするんだということはお答えにくいと思います。お答えにくいと思いますが、来年の問題を考えずにいまだけをやっているというのでは、私は農業政策ではないと思う。したがって、その辺のところをもう少しはっきりされないと、どうも米の問題自体も解決しないように思いますので、次回は大河原さんだけでなく責任者も見えるだろうと思いますが、もう少し総合農政だけでなく、現実の当面の措置についても明確にしていただきたい。たとえば、実はわが党において市場法の改正――私自身も相当いろいろ突っ込んで聞きましたが、あの市場法の改正要綱の中には、生産者をどうして保護するかということ、これは農産物だけでなく水産物についてもですが、一方消費者に対して適正な価格で売るのにどうしたらいいかという、この二つが抜けて、市場法の整備だけ――私、率直に言います。市場法の整備に重点が置かれ過ぎているということがわが党内においても論議になったわけです。そしてあの冊子には、生産者の保護の問題、消費者への適正価格での配分の問題は、その法律の内容に書いてない。これは欠けているのではないかということを経済局長にも私は申し上げたのですが、その辺のところがどうも非常に苦しい。当面一番重大な内容を含んだ日本の農業について、もうちょっと消費者並びに生産者がどうやらこれならがまんができる。たとえば私の選挙区の銚子では先般来サンマは八円だ。東京へ来ると百二十円。そんなばかな話はない。こういうような問題の解明というものが十分に尽くされていない。こういう点がもう少し市場の問題等において解明さるべきだと思うのですが、残念ながら蔬菜についても、いま中山君が指摘されたように、中山君と私は隣合った選挙区で、農業特に行商――あの付近、中山君の選挙区と私の選挙区は行商の産地というとおかしいけれども、主たる出かせぎの地域です。そういう連中が、かつてと違って非常に値幅が少なくなっている。自分で生産してそのまま東京へ持ってきて売る連中はいいのですが、中間であるものを買って東京へ持っていくということになると、一番大きな問題は国鉄運賃がパッパパッパ上がる。そうすると、かつてはしょっていったものはただだったのだが、いまは月に千円ずつ行商が荷物賃を取られるようになる。そういうような問題。一方消費者のアパートや団地へ直接持っていくのが値幅が非常に少ない。この辺の問題についても生産者の保護と消費者の適正な価格――これは生鮮食料品というものはロスが出る。これは日がたてば必然的に品が悪くなる。ここにフェータルな問題もあろうと思うのですが、銚子で八円のサンマが東京にきて百二十円というのはどうしたって理解できないのです。市場法の改正はいいのですが、市場の中の手数料だの市場の連中の特権だけを保護する形になる市場法については、私は考え直していただきたいということを申し上げたいのです。
 いずれ各党から、この辺のところをもっと突っ込んだ質問があるだろうと思いますので、一番大事な農業問題について、ぜひ明快な御答弁を次回に私は期待して、希望だけを申し述べておきます。
#44
○天野委員長 次回は、来たる四月二日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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