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1970/04/02 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 内閣委員会 第9号
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1970/04/02 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 内閣委員会 第9号

#1
第063回国会 内閣委員会 第9号
昭和四十五年四月二日(木曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
  委員長 天野 公義君
   理事 伊能繁次郎君 理事 熊谷 義雄君
   理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君
   理事 塩谷 一夫君 理事 伊藤惣助丸君
   理事 和田 耕作君
      阿部 文男君    伊藤宗一郎君
      加藤 陽三君    菊池 義郎君
      中山 利生君    葉梨 信行君
      堀田 政孝君    石橋 政嗣君
      高田 富之君    横路 孝弘君
      鬼木 勝利君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      荒木萬壽夫君
 出席政府委員
        総理府人事局長 栗山 廉平君
        行政管理政務次
        官       黒木 利克君
        行政管理庁行政
        管理局長    河合 三良君
        行政管理庁行政
        監察局長    岡内  豊君
        運輸省自動車局
        長       黒住 忠行君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        管理局統計主幹 杉浦  滋君
        食糧庁総務部長 松元 威雄君
        運輸大臣官房人
        事課長     後藤 茂也君
        内閣委員会調査
        室長      茨木 純一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  笠岡  喬君     丹羽喬四郎君
  葉梨 信行君     木村 武雄君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 武雄君     葉梨 信行君
  丹羽喬四郎君     笠岡  喬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一〇号)
 許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提出
 第一〇二号)
     ――――◇―――――
#2
○天野委員長 これより会議を開きます。
 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案及び許可、認可等の整理に関する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鬼木勝利君。
#3
○鬼木委員 荒木長官もそのうち見えると思いますが、私は便宜上運輸省のほうにお尋ねをしたいと思うのです。これは大臣も御苦労ですからね、韓国においでとかで。どなたでもいいですが、私が大体御答弁をお願いしたいのは自動車局長です。
 許認可の問題について最初に行政管理庁の意見も十分聞きたいのですが、この許認可の法案が今度出ておりますが、どういうねらいでこういう法案を出しておられるか。その点をひとつ。
#4
○岡内政府委員 許認可の整理法を提案いたしました理由でございますが、これは行政改革三カ年計画できまっておりまして、政府といたしましては、現行の許認可の数が大体一万一千件ございます、それから報告事項が七千五百件ぐらいございますが、許認可の項目につきましては大体一割を整理しよう、それから報告事項については二割を整理しよう、こういう方針が大体きまりまして、各省庁にお願いいたしまして整理案を出させた次第でございます。その結果、大体三年間で許認可事項につきましては一割五分の整理をする、それから報告事項につきましては二割二分の整理をしようということで、閣議の方針を上回った整理案というものが各省から出されておりまして、これを四十四年度、四十五年度、四十六年度と三カ年間で整理をしよう、こういうことになっておるわけでございます。その意味は、要するに国民の負担を軽減するということと、もう一つは官庁の事務の簡素化、合理化をはかる、そういう二つの目的があるわけでございます。そういう理由でもって提案をいたした次第でございます。
#5
○鬼木委員 それはこの提案理由の説明にも載っておりますし、許認可等の整理に関する法律案の資料にも載っておる。それは私も読ましていただきましたが、そうしますると、「現下の行財政の硬直化を打開し、行政需要に即応する簡素にして能率的な行政の態勢を整え、」そしてその次に「真に国民のための行政を確保するため」、こうあるのですね。なおまた、こまかく「許認可および報告等の整理」あるいは「行政機構の簡素化および定員の再配分」とか、たくさん載っておりますが、あとでゆっくりまたこれは一々申し上げるが、いまあなたのおっしゃったところによりますと、三カ年間においてこの許認可の整理をするのだ。四十四年度が初年度で、四十五年度、四十六年度と三カ年でやる。行政事務の簡素化、定員の問題、三カ年間五%減、こういうことでやるんだ、そういうふうに承知いたしております。そうしますと、あなた方が各省庁の行政機構の実態を十分に把握しておられるかどうか。これはじょうずの手から水が漏るということがあるから、見落としがありはせぬか、その点をちょっと。
#6
○岡内政府委員 見落としがあるかどうかという御質問でございますが、絶対にないというふうには言い切れないと思いますけれども、私どもとしては十分気をつけて見ておるつもりでございます。
#7
○鬼木委員 そこでぼつぼつ本題に入りたいのですが、地方に陸運局というのがあるのですね。陸運局の行政機構、そういう点においてあるいは能率的にどういうふうにあなた方はごらんになっておるか。それを前もってちょっとあなたにお尋ねいたしたい。そして運輸省の皆さん方にしばらくおつき合いを願いたい。
#8
○岡内政府委員 陸運局、陸運事務所の実態でございますが、私どもといたしましてはしばしば監察をいたしておりまして、内容は承知いたしておるつもりでございます。特に車検の問題につきましては、最近の自動車の増加数に追いつけないというような事情もございまして、私どもといたしましては、国が直接検査をするということよりも、むしろ民間の優秀な整備工場を指定いたしまして、これは普通俗に民間車検、こういうふうにいっておりますが、その民間車検のほうをふやすようにということを勧告いたしておるわけでございまして、最近のあれでいたしますと、昭和三十九年度でございますか、たしか一〇%でございましたけれども、四十三年度は一五%ぐらい民間車検というものがふえてきておる、そういう実情でございます。
#9
○鬼木委員 それは陸運事務行政に対するほんの一部のことをあなたはお話しになったのであって、そういう御説明では実態は把握しておられないように私は受け取る。今日陸運局は、かりに私の九州で申しますと、九州に陸運局は一カ所です。出願しまして許可がおりるのに二年半から三年かかる。そうして、やれ行政の簡素化、合理化だとか、しかもいまおっしゃっている真に国民のための行政を確保する、こんなふざけたことを言っても、実態は全然そういうことになっていないのですよ。その点について運輸省の自動車局長さんでもいいから、どのようにお考えになっておるのか、それでいいというお考えであるか、それをひとつはっきりお答えを願いたい。
#10
○黒住政府委員 自動車行政は、自動車数が年々約二割ふえております。量的にもまた質的にもいろいろ問題を持っておりまして、これを時代の要請に即応しまして、仕事の体制も能率化、合理化しなければならないというように考えております。
 われわれの仕事は、一つは保安行政でございまして、保安関係につきましては、自動車の検査それから登録、それから輸送業者に対する監督という二つに分かれるわけでございまして、前段の登録につきましてはコンピューターシステムを導入いたしまして、すでにこの三月から習志野に実施いたしておりますが、本年度中に大阪、名古屋、東京の陸運局管内を全部コンピューター化する予定にいたしております。
 それから車検につきましては、先ほどお話がありましたように、民間車検の導入、現在継続車検の場合に約二〇%を民間にやらしておりますけれども、四十八年度の目標といたしましては、これを七〇%にいたしたい。それから機械も導入して極力人員の節減をはかりたいというふうにいたしております。
 それから輸送関係につきましては、法律改正を要するものと政省令の改正を要するもの、それから運用で可能なものと三つあるわけでありますが、法律改正の点につきましては、この次の計画で法律案として御審議を願う予定にいたしております。政省令につきましては、なるべくすみやかにこれを実施いたしたいということで目下検討をいたしております。それから運用の問題等につきましても、タクシーであるとか、トラックであるとか、いろいろございますから、具体的にその内容を検討し、また各陸運局におきまして運用を能率的にやるという指示をいたしております。
 要するに、御指摘のように自動車関係の仕事は非常にふえておりますので、これに即応して、中央におきましては制度の合理化を考え、地方におきましては運用を合理化するという方針で対処していきたいと思っております。
#11
○鬼木委員 あなたの説明は非常な観念論であって、こういうふうに考えております、こういうふうにやろうと思っております、実際は何にもできていないじゃないですか。私がお尋ねしておりますことに、あなたは問題をすりかえてはいけません。的確にひとつ御返事願いたい。
 個人営業であろうがあるいは運送業であろうが、出願をしまして許可がおりるのが二年も三年もかかっておる、そういう実態を御承知であるか、そういうことで国民のための行政を確保するなんというようなことを言ってもおかしいじゃないか、自動車局長はどのようにお考えであるか、そういう実態を私はあなたにお尋ねしている。わからぬとおっしゃれば私は資料を出して申し上げます。
#12
○黒住政府委員 私ただいま申し上げましたのは、自動車行政につきまして、全般的にいろいろ仕事があります、それに対する改善の方向につきまして申し上げたわけでございます。いま先生の御指摘の点は、タクシーとかトラックでありますとか、新規の申請に対する処理がスピードがおくれているのじゃないかということだと思います。われわれといたしましても、それらの申請に対する処理に時間を費やし過ぎておるということは十分認識いたしておりますので、それの改善のためには、中央におきます制度、法律、政令、省令あるいは通達等の制度を改正する必要があるということで取り組んでおるわけでございますし、そうして地方におきましては、この運用につきまして能率アップしなければならぬということで、先生のおっしゃるように問題を意識してこれに対処しようということでございまして、今後すみやかにこれらについて改善をいたしていきたいというふうに考えております。
#13
○鬼木委員 お尋ねをすると、まことにごもっともで、これからこうしましょう、ああやろうと思っておりますというような答弁ばかりで、これからやらぬというよりもいいけれども、そういう答弁では、あなた方いままで何をしておったか。そういう許認可の事務は、三カ月以内なら三カ月以内、二カ月以内なら二カ月以内に処理しろというような的確な指導、助言がなされておるかどうか、指示がなされておるかどうか、もう少し突っ込んでひとつ的確にお答え願いたい。
#14
○黒住政府委員 免許の申請に対します処理の方法としましては、たとえば、ある都市にタクシー申請がありますと、一定の期間のものをまとめまして処理をいたしておる。そうしますと、一定の期間でございますから、当初申請したものと最後に審議に当たるものとにおきまして、相当その期間のズレがあるということがございます。いままでは一定地域でまとめまして処理をする、その場合におきましては、一定地域においては輸送の需要と供給の関係がどうなっているかということで、供給が不足しておる地域を優先的にまとめて処理をするというふうな方法をやっておりますのが一般でございますけれども、そうしますと、ただいま申し上げましたように、当初申請したものの処理につきまして相当時間を要するということでございます。それで、たとえば東京におきます個人タクシー等の処理につきましては、期間をまとめてすることでなくて、申請の順序に常に仕事をやるというふうに、流れ作業的に許認可の仕事もやるというふうにやっているわけでございまして、地方におきましては、いろいろ事情は違いますけれども、大都市におきますこの処理に準じまして今後処理をするというふうに改善をするように指示をいたしております。仕事の膨大なものを処理いたしますためには、やはり流れ作業的に処理したほうがいいのじゃないかというようなことで具体的に指示いたしております。各局のやり方もそのような方向で現在改善をしておる次第でございます。
#15
○鬼木委員 その内容については私もよく存じております。この問題に対してはたびたび私取り組んでおりますし、また陸運局にもたびたび私は出かけていったこともある。しかし誤解のないようにしていただきたいのは、地方の陸運局の局長とかあるいは職員諸君を追及しておるのじゃない。今日の陸運局の機構、組織が、国民の利益を優先したものでなくて、非常に事務の渋滞、むしろ大衆は迷惑しておる。これははなはだ言いにくいことですけれども、運輸省といたしまして最も今日大衆の怨嗟の的になっておるのは陸運局です。たいへんな問題ですよ。出願をして聴聞をする。その聴聞までに相当の日数がかかっておる。出願したなら半年か過ぎて聴聞、こうなる。しかも、かりに申しますと、九州では福岡に一つしかない。聴聞があって、そして許可までにまた一年ないし一年半かかる。これはまことにでたらめですね。そういうことをあなた方はおわかりになっておって、そうして国民にそういう迷惑をかけておりながら、大臣もここにお見えになっておりますけれども、私は一番に陸運局の問題を入れてもらいたい。この組織を機構改革してもらわぬとたいへんなものですよ。それほど痛切な悲痛な大衆の叫びだということをおわかりですか。単にそういう事務的な答弁では私は承知できませんよ、こういうことは。あなたを責めておるわけじゃないけれども、あなたのお気持ちをもう一度承りたい。
#16
○黒住政府委員 たとえば福岡陸運局におきましては、タクシー関係の処理を約六名でやっております。これは免許の仕事、それから監査の仕事等をやっているわけでございます。そのほか認可の仕事もございます。それらの人員でもって当たっておるわけでございますので時間がかかっている。したがいまして、われわれとしましては、まず中央におきまして制度を簡素化する、免許の仕事のみならず許認可の仕事の制度を簡素化するということが第一点だと思っております。それから第二点は仕事のやり方、たとえば先ほど申し上げましたような流れ作業的にやっていくというふうに仕事のやり方を改善するという二つであると思いますので、先生がおっしゃるように私といたしましてもこの問題については痛切に感じておる次第でございます。いま具体的にこの仕事はこういうふうに整理をして能率化していくということでやっておるわけでございまして、その内容については詳しくは御説明してないわけでございますけれども、私も御指摘のように問題を意識いたしまして、ただいま申し上げますように制度の改善と運用の改善を具体的に検討し、できるものから指示をいたしておる次第でございます。
#17
○鬼木委員 行政改革ということは根本の精神がスクラップ・アンド・ビルドですからね。ただ全部スクラップ・アンド・スクラップじゃなくして、ビルドがなければならない。あなたがいまおっしゃるように、そんな膨大な仕事を、九州全般にわたる仕事をたった六人でやっているということは、いまさらわかっているのじゃないでしょう。陸運局は、きょうあすにわかったことじゃないでしょう。だったらなぜビルドをやらないか。そういうことをあなた方は十分おわかりになり過ぎておって、それに対する対策を講じない。それで大衆には迷惑をかけっぱなしだ。
 しかも陸運局の許認可の問題に対して私は非常に不満にたえないのは、根本的に考え方が間違っておると思うのです。というのは、善良なる市民を悪人扱いにしている。今日、日本の経済は、御承知のとおり高度経済成長で世界第二位という驚異的な発展を遂げた。それは全部営々として国民が築いたもの、国民の努力によるものである。そうした善良なる市民を悪人扱いにしておる。言うならば誓約書みたようなものをとっている。とんでもない話だ。そういうむずかしいことをして、しかも許認可がおくれてしまう。そういう考え方自体が非常に非民主的で、封建的で、行政の民主化なんていうことは望むべくもない。もともと善良なる市民を悪人扱いにしている。これはとんでもない考えである。性善説に立って大衆を信頼し大衆の事務を能率的に迅速に処理すべきである、これが私は善政だと思う。荒木大臣これはどうでしょうか、ちょっとお考えをお伺いしたい。
#18
○荒木国務大臣 途中から承りまして十分にお答えできるかどうかわかりませんが、要するに事務量がふえた、それを敏速に処理する、それについて量の変化に伴う適応性が十分でないという面もあろうかと思います。制度の根本を洗わねばならぬ問題も含んでおると思いますが、要は敏速に簡素に民主化する方向へ手だてをとっていくべき問題かと心得ます。
#19
○鬼木委員 長官はそのようにおっしゃらなければならぬと思いますが、実態は、陸運局のやり方に対しては、私自体もたびたびそういうことに出っくわしましたし、大衆の声を聞きますと、非常に不満を持っております。事務がまことに官僚的で、いささかも大衆の奉仕者というような考えはない。それで大衆は、ほんとうに今日の陸運局に対して希望と将来の見通しということについて不安を持っております、そういうことは局長は御存じかと思いますけれども。だから、私はそういう事実があるとかないとか、そういうことを言っているのじゃありません。けれども、痛くもない腹を探られる――そういう事実は私は絶対ないと思います、私は信じますけれども、陸運局に対しては何らかのことをやらなければ許可はおりないのじゃないかという疑惑の眼さえ大衆は持っている。これは先ほどから申しましたように、誤解をされちゃ困るのですけれども、単に陸運局長が悪いとか陸運局の職員諸君が悪いと言っているのじゃありません。いまあなたのおっしゃるように、わずか六名か七名でそういう膨大な事務処理をやっているのですから、非常な努力をなさっておると思います。そういう方々に対して私はどうこう言うわけじゃない、そういうことを言っているのじゃない。陸運局の機構、組織が非常に非能率的でしかも封建的でいささかも民主的でない。およそ今日の民主行政という行政の姿勢からいけば大いに相反したものがある、いま少し大衆に直結した運輸行政であってほしい、こういうことを私は申し上げているのですね。私の言っていることがわかっていただけばいいのですが、しかしわかっていただいただけでは困る。それに対する対策を早急に講じてもらわなければ困る。局長どうですか。
#20
○黒住政府委員 自動車行政の機構は、中央、本省に対しまして地方は全国九局の陸運局を持っております。五十二陸運事務所を各都道府県に持っております。北海道はさらに複数の陸運事務所がございますが、要するに五十二の陸運事務所をもって仕事をやっておるわけでございまして、いま御指摘の仕事のスピードアップにつきましては、もう私も全く同じように問題を認識いたしましてこれに取り組んでおるわけでございます。少数の職員が一生懸命に仕事をやっているということはお認めをお願い申し上げたいと思っております。
 具体的に仕事のやり方につきまして、先ほどから申し上げますように、制度の問題、それから運用の問題について取り組んでおるわけでございますし、また機構そのものの改正につきましても取り組んでおるわけでございまして、いま先生御指摘のように、問題を意識しつつ前進していきたい、さように決意しておる次第でございます。
#21
○鬼木委員 あなたのはみんなお気持ち、たいへんいい考えで、いいなんですけれども、私が知っておる範囲はいま申し上げる九州です。九州には陸運局は一つしかない。言いかえれば福岡の陸運局。けれども、全国の陸運局の実態を私は不肖にしてまだ知りませんので、出願から聴聞、それから許可に至るまでの期間、それから件数、この資料を出してください。それによってまた私は運輸省の問題に対してお話を申し上げたいと思います。その全国の資料の提出ができますか。
#22
○黒住政府委員 やっております仕事は、免許から許可、認可、運賃問題、多岐にわたりますけれども、御希望の資料を極力整えまして御提出申し上げたいと思います。
#23
○鬼木委員 これはあなた方は簡単にお考えかと思いますけれども――いやこれは失礼、簡単じゃない、慎重にお考えであろうと思うが、結果論からいえば、そういうふうに言わざるを得ない。出願をしまして聴聞までに半年も十カ月もかかる。許可までに二年ないし二年半あるいはおそいのは三年。そうしますと、出願した時点から許可になった時点、その間に二年も三年も経過している。社会の情勢は今日はとどまるところを知らず進んでおります。社会情勢というものは、すべて文化、経済、一切変動しております。出願をした時点と全部周囲は変貌しております。その人の目的を十分達成することができない、大衆にそういう大きな迷惑をかける、これはたいへんな問題です。じゃその間の出願をした人の生活は一体だれが見てやるのだ。陸運局は保障しますか。またそれに要する経費、たとえば書庫をつくれ、新車を買いなさい、定期預金はこれだけなければならない、そして二年も三年も待って、幸いにして許可になれば、まあ幾らか情勢は変わってもみずから慰めるところもなきにしもあらずだけれども、もし不幸にして不許可になったとしたならば一体どうなるのですかね。これは社会問題でしょうね。大問題です。今日自動車が多うございますし、台数が多くなりましたから簡単にいきません。人数は六人でやっております。九州はあなたのおっしゃるとおり、一県一県をまとめて処理し、全部まとまったところで聴聞する。その次隣の県に移る。要領は知っております。だからなかなかうまくいきません。うまくいきませんでこの問題は解決すべき問題じゃないと私は思う。しかも誓約書をとって、言語道断ですよ。その間の個人の生活は一体だれが保障するか。多年の念願の個人タクシーをひとつ許可してもらおう、あるいは運送業を許可してもらおう、非常な大きな望みと将来の計画をもってお願いして、結果はそういうことになってしまう。そういうところはもう少し民主的にできないか。また預金もこれだけだ、そんな金がたくさんあるのだったら自動車の個人タクシーなんか願わぬでも、社長になってやらせればいい。無理のことをしいて、そして結果は非常にまずい結果になったという場合に、本人は泣くにも泣けない。一体どうなるのか。年は何歳まであるいは十年間無事故でなければならぬ、そういうことはけっこうだと思います。それは私は悪いと言っているのじゃない。そういうところはまことにけっこうだと思いますけれども、けっこうでない部分が多い。そういう点をどのようにお考えになりますかね。私は真剣にお尋ねしているのですから、ひとつその点はっきりお答え願いたい。
#24
○黒住政府委員 個人タクシーの免許に対しましては前に裁判等がございまして、なるべく基準的なものを明白に表示しろということがございました。現在道路運送法におきまして免許の基準ということは規定をいたしておりますけれども、さらにそれをこまかく表示をして申請者に便利にしたほうがいいのじゃないかということになっております。たとえば三年間無事故で無違反というふうな点がございますけれども、これにつきましては、申請者に自分は三年間そのような違反をやってないという自認書を提出していただいておるわけでございまして、将来に向かっての誓約書の提出はさせておりません。その自認書と申しますのは、三年間事故をやってないからこの基準に合うということを本人が申し立てるという意味におきますところの自認書でございます。さらにそのほかの点につきましては公示をもって処理をしておる次第でございます。免許事業でございますので、ただ申請者に対してそのまま免許するわけにもいかない次第でございます。個人タクシーの評判はいいのでございまして、このいい評判を維持しつつ多数の人に個人タクシーをやってもらおうという考え方でございます。たとえば東京におきましては現在合格率は約八割でございまして、二割が却下になっておりますけれども、その二割の却下になっておりますのは、たとえば年齢制限に当てはまるとかあるいは実際問題といたしまして自動車が収容できないような車庫を持っておるというふうな、いわば形式的なわかりやすい点におきまして却下をされておるようなことでございます。
 それからもう一つ、申請後におきましての生活保障云々ということがございましたけれども、現在の道路運送法におきましては、申請に対しては事業の計画が適当であるかどうかということが免許基準に規定をされております。したがいまして、このような計画でもってやるんだ、その計画が正しければ免許をする。その計画どおりに事業が開始できるかどうかにつきましては、事業確認という方法がございまして、申請どおりに準備ができたかどうかということは確認という作業でやっている次第でございます。個人タクシーの場合におきまして、車庫の問題について、申請のときにこのような計画でここに車庫を置くということがそのまま聴聞会から審議のときに継続してまいりますので、事前に車庫を確保しておくということになっているわけでございます。今後におきましては、すでに東京都においてやっておりますけれども、聴聞時におきましてその計画を変更することも許したい。計画でございますから、自分としては自宅の庭を車庫にするという計画を出すことも可能でございますし、その計画を今度変えまして、聴聞時におきまして他人の車庫を借りるというふうな変更も許したい。
 それから預金の問題でございますけれども、現在におきましては、自動車は、頭金を二割なら二割払いまして、あとは一年半ないし二十カ月の月賦で買えるわけでございますので、自動車の購入自体にはほとんど金がかかりません。ただ車庫を確保するという点につきましては、本人が都会におきまして家屋敷を持っておる場合は非常に便利でございますけれども、そうでない場合には相当の金がかかる、その点が問題でございます。しかしながら、預金を申請時からずっとそのまま持っておらなければならぬというふうなやり方ではなくて、聴聞時におきまして車庫を確保するだけの力があったかどうかということは、免許の審議上調べておるわけでありまして、その際に、たとえば聴聞の日の前日に預金するいわゆる直前預金というふうなものがたまにございます。これは直前預金であるということは、一日預けたらその次の日に引き出せるということでございますので、そういう場合におきましては、それだけの金額を実際に確保できるかどうか、たとえばその人が不動産等持っておりまして、それの証明をすればこれでもって車庫は確保できるというふうな挙証を求めるような場合がございます。そういうふうなやり方でやっておるわけでございますが、しかし、これらのタクシーの免許は陸運局権限にいたしておりますから、局によりまして仕事のやり方が若干違いますので、ただいま申し上げましたような点が不徹底な向きがございます。われわれといたしましては、各局統一いたしますやり方につきまして指示をしてまいりたい。申請者に対して不便をかけないようにということは先生御指摘のとおりでございます。私もそのつもりで対処していきたい。局長の会議とか部長の会議におきましては私も具体的に指示をしておるわけでございまして、今後さらにこの改善については一段の努力をいたしたいと思っております。
#25
○鬼木委員 いまあなたの御説明なさったことをもう一ぺん言えといえば私は全部言います、知っておりますから。けれども、いまあなたが最後に言われたことでやや私の質問に沿った点が出てきた。前のほうのお話は全部蛇足である。
 全国の陸運局が統一しておらない、私らの指導不徹底のためにまちまちであるということを認められた。まさに実態はあなたのおっしゃるとおりなんです。車庫なんかもちゃんとつくって、新車も買って、そしてなおかつ経済的な裏づけがなければならぬというので、定期預金は何ぼあるか、定期預金が少なかったらペイだ、そういう事例もある。私はいろいろあなた方にそういうことのきめのこまかい行政指導をしていただくということと、いまお話もあっておりますように、きょう私が質問を申し上げております焦点は期間の問題なんです。先ほど私が申し上げたけれども、あなたはそれに対する何の答弁もなかったが、出願して、自分の将来の生活の設計を大きな希望を持ってこういうふうにやろう、車庫も持ちましょう、新車も買いましょう、経済的裏づけもこういたします、過去において違反を起こしたこともございません、じゃどうぞお願いしますと、全部そろった書類を出して聴聞までに半年もかかる。だったら聴聞のときにその書類を出させたっていいわけなんです。そして聴聞が済んで許可になるのにまた一年、一年半かかる。だったらその間の精神的な非常な不安、それからその人の生活、いわゆる物心両面においてどうして償いをするか。ようございますか。私の言っていることをよく理解してもらわぬと困る。ここに書いてある。昭和四十三年二月二日、「今後における行政改革の推進について」閣議決定「真に国民のための行政を確保する」、その点を私はお尋ねしているのですよ。局長、いかがでございます。
#26
○黒住政府委員 いまの御指摘は期間の問題であると思います。これにつきましては、先ほど申し上げましたように事務を簡素化いたしまして、全体として許認可事項全部の処理期間を短縮していくということを考えておるわけでございまして、その中では、たとえば普通の認可、既存業者が営業所を新しく持つとか増車をするとか、いろいろ認可事項がございます。これらにつきましての処理と、それから新しい免許申請の処理があるわけでございまして、新しい免許申請の処理につきまして一年半とか二年を要しておるものが現実にございます。これは長過ぎるので期間を短縮したい。われわれといたしましては少なくとも半年――急に半年で全部やるということはたいへんでございますので、一年半のものを一年に短縮し、そして半年に短縮するという方向でもって考えておるわけでございまして、現に私のほうでは各局ごとにそのスピード状況を観測いたしまして、特におくれているような局は早くやるということでございます。陸運局の権限の仕事、陸運事務所で処理できる仕事、あるいは本省まで参る仕事、いろいろ仕事の内容がございますので、全部一律に期間を何カ月というわけにもいきませんけれども、われわれといたしましては具体的な仕事の内容に応じまして処理をするというふうにやらせておる次第でございます。認可等の仕事につきましては、少なくとも申請から一カ月以内において処理をするという目標でやっております。それから免許の仕事につきましては、現在御指摘のように期間がかかっておりますので、これを極力短縮していく。その目標といたしましては、まず一年に短縮して、それから六カ月に短縮するというふうなことでやっておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように事務量が非常に膨大でございますので、そのためには制度自体を本省において改正をしてやる。その制度自体につきましては、いまの免許のみならず一般的にわれわれの許認可の仕事を改善することによりまして、全体として能率があがるようにしたいという方向で検討し、できるものから実行に移しておる次第でございます。
#27
○鬼木委員 どうもあなたの答弁では何にも具体性がつかめないのです。ああやりたい、こうやりたいということで、私どうもまだ満足しません。たとえばこういう事例がある。現在許可を持って運送業をやっている。ところが区域外の再申請をやった。きめられた範囲内の運送業の許可はとっているから営業はやっている。ところが区域外に出た。そこで自動車を押えられた。営業停止ということになった。そこで区域外まで再申請をやった。それにまた聴聞をやっている。その聴聞が半年。一応適格者として許可をしているんですよ。ただ、問題なのは区域外と区域内という問題だけなんです。簡単に聴聞はできるはずなんです。それを半年もかかってまだやってない、そういう事例もある。そういう千編一律的な、画一的な――特殊な事情のあるもの、すでにもう許可をしておるもの、それにいわば追加なんですから、それを全部一律に、初めて新しく申請するものと同じような処置をしている。そういうところが私大衆に対して非常に親切でないと思う。非常に封建的だ。そういう事例も実際にあるのですよ。本人は非常に迷惑しておる。私らの感情としては、陸運局のおっしゃるとおり書類もきちっとそろえました、車庫もつくりました、ようございますか、預金も持っております、まことに唯々諾々、おっしゃるとおり、鞠躬如としてどうぞお願いいたします。これほど善良な市民に対して、一年半も二年も三年も許可をせぬ。そんなものを相手にするな、許可なんかなくたってどんどんやれやれ――そんなこと言いやしませんけれども、言いたいような感じになるのですよ。陸運局の言うことを聞かないならば、これは話にならぬけれども、はい、そういたしましょう、こういたしましょう、ああいたしましょうとおっしゃるままにやっておるのに対して、あまりに――これはくどいようでございますけれども、この点よくわかってもらわぬと困るのですよ。そういう善良な市民に対して、性悪説による誓約書までとっている。これは運輸省のある方から、どなたということは言いませんが、私はこれは非常に遺憾だとお話ししましたところが、運輸省としましては三カ月以内に処理せよということを言うておりますがね、こういうことを言われました。それを局長が御存じないということになれば、それは責任のあることばじゃないと私は解釈します。三カ月以内で処理せよとは、それはまことにけっこうだ、それなら上等だというようなことを話したことを私記憶しておる。どなたかということは差し控えます。どうですか、局長さん。
#28
○黒住政府委員 先ほど申し上げましたように、この一定地域をまとめて処理をいたすという場合におきましては、再申請のものと前から申請したものとの差が非常に期間的にあるわけでございますので、これを受け付け順に、いわゆる流し作業的に処理をすることによりまして短縮できる。しかも、その受け付け順に処理いたします場合に、一年とか一年半でなくしてこの期間を短縮する、六カ月ぐらいでいくようにしたい。三カ月ぐらいということは理想ではございますけれども、いろいろの許認可がございますので、許認可の中におきましては三カ月あるいは一カ月で可能なものもございますし、それらをやっておるわけでございますけれども、免許申請に対しましては、三カ月で全部処理することは、いまの人員等の力では不可能でございます。目標といたしましては半年です。それでまた、さらに処理がしやすいように、全体として制度を改正して能率化したいというふうに考えておるわけでございまして、これらにつきまして具体的にひとつ実績をもって示していきたいということで努力をしておるわけでございます。
#29
○鬼木委員 先ほど私があなたの心境をお尋ねしたことに対するところの答弁がない。二年ないし三年というような長い間、本人がどれほど物心両面において困っておるか。そういうことをあなた方はお考えになったことがあるか。真に公益優先ということを考えておられるならば、みんな困っているだろうというよう主点をお考えになったことがありますかということを、私先ほどから何回もお尋ねしておるけれども、それを巧みにあなたは答弁を避けられるが、その点をお尋ねいたします。
#30
○黒住政府委員 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、聴聞時におきまして申請時のものに対する計画の変更ということを認めたい。それをやっておる局もあるしやってない局もあるから、この点を統一してやりたいということでございます。
 で、申請自体は計画でございますから、具体的に車両を自分で持っていなくても、たとえば日産の何を買いたい、トヨタの何を買いたいということで書類上申請することは可能でございまして、それは計画でございます。その計画を、聴聞時まで時間がある場合がたくさんあるわけでございますから、計画をさらに変更をする。たとえば土地につきましては、申請のときには自分のどういう土地を使うとかあるいは何とかいう車庫を使うという計画で申請をしておきまして、聴聞のときにおきまして具体的にこれを変更する場合には、今度はこう変更するということでございます。したがいまして、この申請時には必ずしも確保してなくても、具体的にそのものがなくても計画として申請が可能であるというわけでございまして、さらにその申請を、聴聞のときにこの計画を変更することも許すような方向でいきたい。これも具体的にやっておりますけれども、地域によりまして必ずしもそうでなくて、初めから確保しているものを免許していることは当然でございまして、先ほど先生御指摘のような場合はおそらく免許をすべきでありまして、そのほかの理由であるいはそうなったかもしれませんけれども、御指摘の範囲内においては私は必ずこれは免許になるべきものだと思っております。
 やり方としましては、この申請時の計画と聴聞時のものと変更を認めることによりまして、その間に車庫を確保して次に権利金等を払うあるいは自動車を買って置いておくというような負担等をなくするようにいたしたい。それから預金の問題につきましても、申請時からそのまま持っておられるというふうなことを要求しておるわけではございませんで、聴聞時におきましてそれだけの事業をやれるという挙証ができれば可能でございます。現在におきましては車は月賦販売で買えるわけでございますから、そういう点につきましては実態に即するように処理をすべきである。ときに却下に在るような場合におきまして、これが行政不服審査法によりまして運輸大臣あてに不服審査ができる場合がございます。また行政訴訟になる場合がございます。それらの内容につきましては、見ておりますけれども、道路運送法の実行上、出先の職員が熱心にやっておりますけれども、ときにシビアな処理というものもあるわけでございまして、実態に即して内容的にも能率的にやっていく。それからスピードを上げるということにつきましては、先生と同じように私も問題を意識しておるわけでございますので、今後絶えず改善、努力をいたしたいという覚悟でございます。
#31
○鬼木委員 私はまだあとで行管の問題もお尋ねしなければならぬし、時間もなかなかとられるので困っておるのですが、運輸省の設置法案がかかっておりますから、これはその場合にまたお尋ねするとします。
 いずれにいたしましても、陸運局の今日の事務の渋滞ということはもういなめない事実でございまして、そのために運輸省全体が非常に評判を悪くしておる。先ほどから申しますように、あなたの答弁もありましたように、こういう点、こういう点というようなことはあなた方はおわかりになっておるのだから、それを一日も早く行政改革をしていただいて、公益優先、ほんとうに大衆を大事にしていただくという根本精神に立って陸運行政をやってもらいたいと思う。そうしなければ今日の陸運局はもうほんとうに怨嗟の的になっております。それははっきり申し上げておきます。
 もうちょっとお尋ねしたいのですが、今回陸運局に附属機関として地方陸上交通審議会というのができることになっております。地方陸上交通審議会というのは内容も聞きました、よくお話は聞きましたが、これは国家行政組織法第八条に「特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、審議会又は協議会」云々、こうある。今日急にどういうわけで特に必要があるのか。この点はまた運輸省設置法案がかかりますから、その場合にもまたとくと承りたいと思いますが、これは局長さんに関係があると思うので、それをひとつ。
#32
○黒住政府委員 運輸行政を民主化する必要があるので、審議会という制度を導入することによりまして、利用者あるいは第三者等の意見を聞くということで、現在道路運送法におきましては自動車運送協議会という制度がございます。これは三者構成をもちまして、九人の委員をもって利用者、事業者それから第三者、第三者には行政機関であるとかいうふうなものが入っておりますけれども、その三者構成の自動車運送協議会というものがございます。ところが現在地方におきまして問題になっておりますのは、たとえば過疎地域における交通をどのようにして確保するかという場合におきましては、自動車だけでなくして鉄道輸送、私鉄の輸送等につきましては運輸省で、あるいは陸運局で監督いたしておりますので、それらも一緒にいたしまして、単に自動車輸送のみならず、陸上交通輸送全体としての陸運局長の行政につきまして審議をしていただく。これは個々の議案を審議していただくものではございませんで、方針的なものを審議していただくわけでございます。その場合におきまして委員の構成といたしましては、学識経験者、利用者それから関係の事業者を委員にし、また関係行政機関、これは関係の都道府県であるとか市町村であるとかいうふうなところから出ていただきまして、当該地域におきます交通、陸上交通行政を的確にやっていこうということでございまして、自動車運送協議会に対しまして、プラスいたしまして私鉄、鉄道関係等を加えたというのが実態でございます。この制度をやることによりまして、過疎地域における交通問題、それから大都市を控えておる場合におきましては、都市におきます交通の計画の問題あるいは交通施設の整備の問題等につきまして、行政を的確にやるためにこれらの人たちに入っていただきまして運用しようとするものでございまして、従来の自動車運送協議会を発展的にこれに吸収していきたいという趣旨でございます。
#33
○鬼木委員 その内容は先日聞きました。過疎地の陸上交通輸送を完ぺきにするためにこういう審議会に発展させるのだというお話は聞きましたが、国家行政組織法第八条にある「特に必要がある場合」でございますから、この審議会というものは、法の精神が特に必要な場合だから、必要がなくなったらもう解消していいわけなんです。スクラップするわけなんだ。ところが特に必要のある場合――いままでは必要はなかった。ところが四十五年度において特に必要になったという点はどういう点か。過疎地がいまできたわけではない。四十五年度から過疎地ができるわけじゃないわけですからね。特に必要というその法の精神はどこにあなた方はお考えになっておるのか。今日審議会なんというようなものは整理すべきなんですよ。これも資料としてひとつお願いするが、運輸省にはどういう審議会が幾つあるか、その内容、そして本年度に整理、縮小する審議会がほかにあるかないか、従来からの経緯。これはここに行管長官もお見えになっておるけれども、ただ審議会、審議会といって、いかがわしい審議会がたくさんあるんですよ。その点をひとつ御説明いただきたい。
#34
○黒住政府委員 審議会は、運輸省にも自動車関係のみならずございます。この審議会はなるべく整理統合したいという趣旨で現在考えておりまして、具体的には設置法の改正等におきましてやっておるわけでございます。現在ありますその他につきましての資料は御提出申し上げます。
 この自動車運送協議会は自動車だけのことでございまして、すでにあるわけでございますが、最近におきましては自動車だけでなくして、鉄道輸送との総合、それから交通全体としての問題というふうなことが非常に緊急性を帯びてまいっておりますし、先ほどから御指摘のように、陸運局の仕事がとかく許認可の仕事に追われている。それよりも当該地域におきますところの輸送の状況を計画的にやらなければならない。そのためには、役人だけの計画でなくして、学識経験者であるとかあるいは利用者に入っていただいた審議会でもってやってもらう。特にその場合に必要なことは、大都市におきますところの交通をどのようにして確保していくかということ、それから過疎地域におきます交通をどのように確保していくか。特に後段につきましては、ここ一両年の間におきまして、全体として事業を維持できないような状況になっている地域がございます。バス会社というものはもう非常にあぶなくなってきておるというような地域がございます。それにつきましては、運輸行政と地方の行政というものが密着いたしまして処理をしなければならないというような緊急性を持ってきておりますしいたしますので、自動車運送協議会を発展的にこの地方陸上交通審議会にしたいというわけでございます。
 運輸省の審議会の整理につきましては、現在あります種々のものを極力整理をいたしたい。廃止すべきものは廃止し、統合すべきものは統合するというようなことで、現在四十五年度以降におきましてこれを実施するという計画でございます。この具体的なものにつきましては資料として提出いたします。
#35
○鬼木委員 運輸省に幾つ審議会があるか、その内容、またこれを整理しようとするものがどのくらいあるかというような点は資料として……。何回も申し上げるように、運輸省設置法がかかりますと、その場合にまたあらためてよくお尋ねいたします。
 しかしながら、審議会というものは永久に存続すべきものではなくして、特に必要な場合につくるんです。だからあなたのいまの答弁は、特に必要だという的確なる回答にはなっていないのです。私がお尋ねしておるのは、四十四年度、四十三年度はよかったが、四十五年度から特に必要だという的確なる動かすことのできないところの事情があるか、こういうことなんですよ。なぜそういうことをお尋ねするかといいますと、いまあなたのおっしゃるように、審議会というものは整理すべき段階にあるのに、またふやしておる。しかも陸運局は許認可問題で手一ぱい、手一ぱいどころか、もう全然仕事ができていないのです。それにまた屋上屋を重ねるように審議会というものを持ち込んでおる。むろんそれは現在あるところの協議会を発展させるんだという御説明でございますけれども、いずれにいたしましても陸運局の本質の行政ができていない、陸運局の本来の使命を完ぺきに――完ぺきどころか全然なっていない。それなのにただ広げることを、ビルドのみを考えておる。一体どうしていくんだ、こういうことを私はお尋ねしているのです。審議会の組織内容なんか聞かなくったってわかっていますよ。これは、業者の代表とか各界の代表者とか学識経験者が入っているなんということはだれでも知っている。審議会を存置するというもう少し的確な理由がなければ――現在陸運局が十分やっておればそれはまた考えられますけれども、今日陸運局の仕事すらできていないんだから。その点局長いかがでございますか。
#36
○黒住政府委員 運輸省といたしましては現在審議会が約三十ございまして、四十五年度以降におきましてはこれを整理して十七審議会にしようということでございます。その内容につきましては後刻資料として御提出申し上げます。その場合に、自動車運送協議会というものは、戦後道路運送審議会というものがございまして、これを事務の簡素化等から整理いたしまして、方針問題を処理してまいるということで自動車運送協議会というものをつくったわけでございます。陸運局の仕事というものは、先ほどもいろいろお話に出ておりましたように、許可認可の仕事がたくさんあるわけでございます。しかしそれと同時に行政の方針を確立していかなければならないということが非常に重要でございまして、昨今のように自動車輸送というものがふくそうしてまいりますと、その必要性はさらに増しておるわけでございますので、自動車運送協議会自体は必要である、しかしながらそれにプラスいたしまして鉄道関係等を入れた総合的な陸上交通に関する計画的な行政というものが必要であるということで、地方陸上交通審議会というふうにしようとするものでございまして、その必要性につきましてはもうつとにあるわけでございますが、これを総合する意味におきまして、今回それの改正をお願いしておるような次第でございます。したがいまして、われわれといたしましては、この制度は、陸運局の仕事というもののやり方につきまして、ただいま御指摘の点等につきましても、こういう審議会からいろいろ忠告、答申等を得られれば改善をしていくということでございます。決して現在の仕事が不十分な上にということではなくして、現在の仕事をやる場合におきまして、こういう組織の審議会というものがぜひ必要であるというふうに認識しておる次第でございまして、そういう意味におきまして、われわれとしては行政対象から見ても緊急性があるし、総合的な施策が必要であるというふうに考えておる次第でございます。
#37
○鬼木委員 時間がございませんので、一応許認可の運輸省に対する問題はおいておきます。しかし質問はなおまた運輸省設置法がかかった場合に続行したいと思っておりますから、その点御承知を願いたいと思います。
 そこで今度は行管のほうに移りまして、長官に御質問を申し上げたいのでございますが、特殊法人の整理についてであります。
 これは御承知のとおり、三十六年に臨調が設置されて、三十九年に改革案が答申されております。行政機構の改革が叫ばれてずいぶん久しいのでありますが、中でも政府出資の特殊法人の整理は世間で非常に騒がれております。高級官僚の天下りとからんでしばしば国会の論議の焦点となってきたことは、もう長官もよく御承知のとおりです。ところが政府は、四十五年度の予算編成にあたりまして、四国連絡橋の公団、農業者年金基金、心身障害者福祉協会、こういう三特殊法人の新設をきめながら、これに見合うところの不必要不急の特殊法人の整理を断行していない、いわゆる行政改革のスクラップなければビルドなしという政府の方針は、ここにもろくも破れ去った、こういう感じが私はいたすのでありますが、これはあとでお話しします。四国連絡橋公団とか農業者年金基金、心身障害者福祉協会というのをよくないと言っているのじゃありません。スクラップなければビルドなしと言った、ところがビルド・アンド・ビルドであって、スクラップがないじゃないか、これに見合うところの特殊法人の整理を断行されなかった、そのことについてまず長官の御見解をお伺いいたしたいと思うのでございます。
#38
○荒木国務大臣 政府は昭和四十二年に特殊法人百八についてその実態を調査して、調査の結果に基づいて九法人について整理を行なうことを決定し、そのうち五法人についてはすでにその整理を完了しました。四法人については逐次措置することとしております。昭和四十五年度においても特殊法人の新設は厳に抑制する方針のもとに審査し、二法人については、既存の法人を廃止したその振りかえとして認め、三法人については、新しい行政需要に対応するため真にやむを得ないものとして、その新設を認めたのであります。今後とも特殊法人の新設は厳に抑制する方針を堅持するとともに、既存の法人についても、行政の変化に即し、行政簡素化の見地から検討を引き続き行なう所存であります。
 新法人三つを認めたことにつきましてスクラップ・アンド・ビルド方式でどうしていけなかったかという御質問が主眼点であるように思いますが、本州四国の架橋に関連した事業団、それから総合農政に関連した年金の基金の問題は、これは照応するスクラップすべきものがないわけでありまして、独自の新しい行政需要のために必要とするということで、これはやむを得ないものと考えましたが、スクラップしようにもスクラップすべきこれに見合うものがなかったということでございまして、そういう意味において、従来のスクラップ・アンド・ビルドの方式により得なかったということを御了承願いたいと思います。
#39
○鬼木委員 いま長官のお話はよくわかりましたが、これは相当皆さんのほうでも問題になっておったと思いますが、三月四日でしたか、行政監理委員会の安西委員長代理が、つまり民間委員六委員が、食糧事務所、それから統計調査事務所、生糸検査所、アルコール事業部、こういうものの整理縮小、廃止をはじめとして、日本専売公社の塩の専売部門ですね、それから海外移住事業団、日本蚕糸事業団、糖価安定事業団、電源開発会社、日本鉄道建設公団、こういうものの廃止または条件つき廃止等の意見書を荒木長官に提出をされた。ところが、これを委員長抜きというので黙殺をされた。つまり委員長抜きの意見書は公的なものではないと、こういうことを行管庁のほうから言われたというのでございますが、こういう六委員から出ましたことは、当然長官も同じお気持ちで、六人は一体となってこういう行政改革に対しては日ごろから御研究をなさっておるものだと私は解釈いたしますが、民間の六委員と委員長はいつも離れておるものだと私は考えない、不離一体だ、こういうふうに考えておりますが、長官抜きだからこれを黙殺するという御見解を、これは長官が御発表になったのか、行政管理庁からどなたが発表されたのか、どなたでもようございますが、長官からまずそれに対して……。
#40
○荒木国務大臣 行政監理委員会の委員六名が提出しました意見書につきましては、これを黙殺すると申したことはございません。それと同時に、行政監理委員会の名称をもっていいます限りにおいては、委員長が一緒にならなければ正式のものでないことは、また同時にそのとおりでありまして、これは事実行為として、民間有識者六人が意見を出されたのでありまして、それを、その形式はどうあろうとも、意見そのものは尊重しなければならないということで受けとめまして、その具体案につきましては目下鋭意検討を急いでいるところであります。まだ結論が出ておりませんが、経過的に要すれば政府委員から説明をいたさせます。
#41
○河合政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの行政監理委員会六委員の意見につきまして、私どもこの意見をちょうだいいたしまして、総理大臣にこれを進達いたしますとともに、各省にも連絡いたしまして、各省庁においてもこれを検討していただくようにお願いいたしております。現在の段階におきましては、私ども自体におきましても調査いたしますとともに、また各省庁からの御意見も伺って現在検討中でございます。検討中でございますので、もちろん結論的なことを申し上げるべき段階ではないと思いますが、中間的な状況を申し上げますと、たとえば御指摘の点のうち、塩の専売のごとき問題は、従前より政府において専売廃止の方向において検討中でございましたし、またその他御指摘の点のうち幾つかの問題につきましては、これは現在の制度が続きます限りは、これは組織として大幅な変更がむずかしいものもあるいはあるかと思っております。また、政府としての政策の変更がありません限りは、これにつきましても大幅な変更はむずかしいという意見も出てきておるものもございます。また組織の変更につきましては、これは当然それに伴う、その職に従事しております人員の問題が出てまいるわけでございますが、それにつきましての処理が相伴って初めて実のある行政改革になるかと思っておりますので、そういう点につきましても十分検討をいたすべきものというふうに存じております。
#42
○鬼木委員 いま長官のお話では、三法人の新設に対して今度はスクラップするのが見当たらないというようなお話でございましたけれども、それは一応それで承ります。ところがいま委員長は、六委員の言ったことに対しては大いに自分と意見は一緒だ。そうしますと、民間六委員はこれこれこれを条件つきの廃止または整理をしよう、ところが委員長は、見当たらない、そうするとやはりその委員長抜きの答申は認めない、こういうふうに世間に伝えられておるようなことになったんじゃないか。これは行政監理委員会設置法の第十条ですかに、「委員会は、委員長が招集する。」こうなっております。またその二項に、「委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ、」議決はできない。なおまた第四項には、「委員長に事故がある場合における第二項の規定の適用については、」云々と、つまり代理が安西さんですか、これを委員長とみなすことができる、こういうふうに法にはっきり規定があるようでございます。「委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。」これは第六条の第三項に載っております。また第六条に、「委員長は、長官をもって充てる。」こうありますので、委員会の答申、意見というものは、常に影の形に添うごとく委員長と一体のものだと私は解釈する。だから委員長抜きなんというようなことばはあり得ない。大体委員長抜きの答申だなんということはあり得ない。どうして存在するのだ、法的に。これは長官もいつでしたか、先日、委員長抜きの云々というようなことをおっしゃっておりましたが、私はそんなことは絶対あり得ないと思う。公的であろうが私的であろうが、行政監理委員会の意見というものは、それは統一するまでの間はいろいろあると思います。甲論乙論あると思いますけれども、こうして答申を少なくとも長官に、つまり長官が委員長でございますから、長官に出されたということは、これはあくまで委員長抜きだなどということは、そういう法的解釈はできないと私は思う。その点長官いかがでございましょう。
#43
○荒木国務大臣 そのとおりでございます。そこで先刻申し上げたように、事実行為としてそういうことが起きたという受けとめ方をしております。委員長を抜きにした意見が出されたということは、これも想像を出ませんが、想像しますのに、委員長は行政管理庁長官である。いわば執行部である。執行部であるとすれば、もっと検討を要する。直観的にそこにそういう課題があることは一応常識的に考え得るけれども、執行部たる行政監理委員会の委員長、行政管理庁長官をもって充てる委員長を入れた正式の意見とならば、即座に実行し得るのでなければだめである。さりとて直観的にそういう問題の所在を指摘することは必要であると考えられた結果が、委員長を抜きにした意見としてあらわれたものと推察をいたします。それで事実行為でありますけれども、制度上は御指摘のようにあり得ざることが起きた。起きたのだが、現実に意見が出された以上、事実上の取り扱いとして総理にもこれを伝え、関係省庁にも連絡して検討を開始するということだけは必要であろうということで処理しておる状況であります。
#44
○鬼木委員 長官のおっしゃったことは私がお尋ねしようとすることと大体一致するわけでございますが、いま申しますように、委員会はかりに委員長がいなくても成立するわけです。法の第十条によって委員会は招集ができるわけです。また委員長がいないときには代理をもってやることができるという法の措置があるわけです。でございますから、いま長官もおっしゃったように、それは自分が長官で委員長をしているから、六人がそのようにおもんぱかって出したんだろう、しかしそれは自分も意見は同じで、そういうふうに考えておる。そういたしますと、先ほどおっしゃったように、ビルドに見合わすべきスクラップがないとおっしゃったのは、あるのであって、いま盛んにそれを検討中だということに理解してようございますか。
#45
○荒木国務大臣 私はスクラップ・アンド・ビルドの問題とは関連はないものと思いますが、提起されました課題は一応検討すべき課題であるということは、直観的に私らもそう思うのでありますが、正式の意見とならば、関係省庁にあらかじめ連絡をして、その意見も取りまとめて、おおよそ実現可能な状態に到達した後に委員会の正式の意見として出すというのが常識かと心得ますが、そうするについては時期がおそいと見られたのか、問題点の指摘をすることを急ぐのあまり委員長を抜きにした六人の委員の個人的な名前を連ねた意見書を出されたことと思うのでありまして、スクラップ・アンド・ビルドの問題とはちょっと別問題かと思います。
#46
○鬼木委員 いや、そこを私はお尋ねしているんですがね。いま長官がおっしゃっておることはわかりますけれども、少なくとも行政監理委員会の委員長である長官ですから、委員長でございますから民間の六委員の気持ちはあなたにいつも通じておるものだ、表裏一体のものである。委員長と六委員の意見がいつもそごして、いつも相反しておるのではない。そこで、いま申し上げましたように法の上からも私はそういう点がいわれると思うのです。各関係省庁に、一応こうこうこういうことでどうだと正式に出てきたものならばそのようにしなければならぬ、こういういまの長官のお話でございますが、もしそうであったとするならば、なるほど、六委員から出てきていることはおれも賛成だ、この点とこの点とこの点は賛成だ。これは関係ないとおっしゃるけれども、あなたたちが言っておるようにこれはスクラップすべきだ、だったら、これは正式に筋を通してやろうじゃないか、そういう主導権をあなたが持たれて、積極的にこれに取り組まれるのがほんとうじゃないか、こういうふうに私は考えるわけなんですよね。意欲的に勇断を持って長官がおやりくだされば、何といったって行政改革の大目付でございますから、長官の言われることにはみな耳をかすと私は思うのです。そこを、これは六委員がおれを抜きにしてやったんだから、しかも時期的にもおくれておるし、スクラップがビルドに見合うものは何もないぞ、こういうことでは、直観的に長官と、つまり委員長と六委員の間が相離反しておるような――私はそんなことはないと思うのです。手腕力量においても私らが尊敬している荒木長官だから、人格円満なお方であるから、私はこの委員会はスムーズにいっておるものだと解釈するのですね。その点はいかがでしょう。
#47
○荒木国務大臣 委員会は終始うまくいっております。本件については、先ほど来申し上げるような経緯を経ております。経緯を経るにつきましても、内々は連絡があってのことであります。問題は、先ほど来申し上げるようにもうちょっと熟した内容でもって委員会の意見として取りまとめ得ればいいけれども、問題点の指摘として事実上これを取り上げるというお気持ちであろうかと察するのであります。そこで、もちろんこれをいい幸いにともいえますが、取り上げて、各省庁にも連絡し、これが実現をはかるべく意図を持って取り組んでおるというわけでございますから、その間事実上は何ら支障はないと思います。
#48
○鬼木委員 いや、そうであろうと思うのですがね。だから私は長官に申し上げたいのですが、これは極論をすれば、かりに委員会を開かなくても、私的でも、委員長どうしよう、こういう点とこういう点をひとつこういうふうにやりたいと思いますが、適当なときに委員会でも開いて、どうでしょうか、それはなるほどそうだなというようなお話し合いはこの委員会は常に私はできているんじゃないかと思うのですね。ところが、たまたま委員長抜きだからこれを黙殺したというようなことだから刺激したわけなんですよ。いま長官は黙殺はした覚えはない、こうおっしゃいますけれども、現時点においてはビルドに見合うものがない。いやそうじゃなくして、六委員の意見を尊重して、そしていまこれを研究しておる、研究の段階である。しかもこの特殊法人の整理統合についてはかって臨調も答申しておりますね。でございますから、これはもう国民の世論でございますから、臨調も答申しているんですから、だから何もこれはいまさら六人委員会が初めて出したことでもなければ、しかもまた長官抜きで、委員長抜きで六委員がそんな思いつき的なことを言ったというようなことでもない。はっきり臨調からも答申が出ておる。そういう事実の上に立って六人が合意の上で委員長に提出した。――これは委員長に提出したのではなくて長官に提出したのだと思いますが、そういう点において、私は何もくどいことを申し上げているんじゃありませんけれども、そういう経緯からいたしまして、これは十分ひとつ巷間に伝えられておるような黙殺でなくして、これをいい幸いにしてといま長官がおっしゃったが、私はこれを幸いなことにしてやれ、こう言っているんじゃありません。臨調でも答申しておるんですから、ぜひひとつこの点は意欲的に長官の勇断をもって手をつけてもらいたいと思うのですがね。そうしないというと、世間ではこれは天下りの温床だ、こういうことで騒がれておるわけでございますから。いかがでしょうか、ここでひとつ一大決意をされて、大いに期待いたしておりますから、手をつけていただくわけにいきませんか。
#49
○荒木国務大臣 手をつけておりますことは再三お答え申したとおりであります。これを黙殺するとだれが言ったのか知らぬけれども、新聞に出ていることは事実です。この意見書が発表されました直後から直ちに検討に着手しまして、各省庁とも連絡し始めておるという段階でございます。
#50
○鬼木委員 それで直ちにそれに取っ組んでおるという長官のお話がありましたので、私了解いたします。黙殺ということは、私もそれが事実であるかどうかわかりませんのでお尋ねしたわけでございます。
 次に、先ほどから申し上げておりますこの特殊法人の問題でありますが、事業団の整理で、これは条件づき廃止でもけっこうだと思うのですがね、いわゆる行政改革の問題ですから。所管庁の各省庁の高度な政策問題であるから行管庁が政策内容にまで立ち入ることは行政管理庁設置法上権限外である、このように御説明があっておったかと思いますが、この点に対して私もちょっと理解しかねるのですよ。各省庁の高度な政策問題であるから事業団の整理なんというようなことは権限外である、これは長官、どういう意味でございましょう。
#51
○荒木国務大臣 事業団等特殊法人がすでに設置されておる。それをスクラップするということは、その置かれるに至るまでの必要性は政策であるから、行管庁としては直接タッチすべきじゃないという立場であろうと思います。ところが、その使命がすでに終わったあるいは必要としなくなったかいなかは事実問題の認識でありまして、政策の存否の問題じゃない。そこでスクラップするような課題は論外でございますけれども、本来それが置かれておる必要性について主管庁の上に立ってその要否そのものまでも論議の対象として判断すべきではないという意味合いで申し上げたと思います。
#52
○鬼木委員 これは長官がそういうことを発表されたのか、行管庁の上級官吏が発表されたのか、その辺のところはどなたでもようございますが、その点においても私は法の精神からいった場合にどうも納得がいかない。行政管理庁設置法の第二条に「行政管理庁の所掌事務の範囲は、左の通りとし、その権限の行使は、その範囲内で法律に従ってなされなければならない。」そこに「(法律に基く命令を含む。)」と載っておるのです。なおまた第二条の第四号の二に「法律により直接に設立される法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人の新設、目的の変更その他当該法律の定める制度の改正及び廃止」――「廃止」と書いてありますね――「廃止に関する審査を行なうこと。」。でございますから、当然あれを廃止すべきじゃないかということで行管のほうでそれに対して手をつけられるということは、法の精神からいけば、私は決して権限外じゃないと思う。むろん長官のおっしゃるように、それは担当各省庁に御連絡をおとりになって、十分密接な、有機的な関係をつけた上でのことは申すまでもないと思いますけれども、警察権を発動するように突如としてそういうのをどうする、そんなことはできないと思いますけれども、それは長官のおっしゃるとおりと思いますけれども、権限外という意味は、私はこの法の精神からいけばそんなことはないと思うのです。
 なおまた、第四条の三項には「長官は、所掌事務に関し、随時、内閣総理大臣又は関係各行政機関の長に対し、意見を述べることができる。」こうありますので、どこどこの何は廃止すべきじゃないかという意見を述べることができると、ここにあるのですから、決して私は権限外じゃないと思うのです。これはおそらく長官の御意思ではなかった、長官の御発表じゃなかったろうと思う。だからといって高級官吏がつまらぬということを申し上げているのではありません。不用意にこういうことをおっしゃったのじゃないかと思う。そういうところの見解をお答え願いたいと思います。
#53
○荒木国務大臣 行政管理庁の所掌する仕事は行政管理局、行政監察局等を通じて行ないますが、行政管理という機能は機構、定員等に関して発動するのでありまして、その政策のよってきたるそのものの事柄を管理するという概念ではないと心得えます。すでに行政目的をもって法定されておる事柄が運用されておる状態を監察して、その監察の結果に基づいて意見を述べるということ以上に、本来の行政目的そのものを価値判断を加えて意見を述べる立場にはないと心得ております。
#54
○鬼木委員 だから、いま長官のおっしゃるように、設立当初の目的は今日ほとんどもうその目的が達成されて、社会情勢も変わって、時の推移によって設立当初の目的にははずれた今日の状態であるというような場合に、それに対するところの問題に対して――それはここに載っているのだと私は思うのです。いま長官のおっしゃるようなそういう内容に立ち入ることじゃなく、現時点のその状態を監察した場合にかように思われるという――だから「目的の変更その他当該法律の定める制度の改正及び廃止に関する審査を行なうこと。」でございますからね。ここにはっきり書いてある。それから「長官は、所掌事務に関し、随時、内閣総理大臣又は関係各行政機関の長に対し、意見を述べることができる。」とあるのですから、直接これをくずせとか、これをこわせとかということは、いま行管長官のおっしゃるようにあるいはできないかもしれない。けれども現時点におけるところの姿、姿勢というものに意見を具申することはできるとここに載っておるのですね。それを権限外とおっしゃることに対して私はどこに――長官のおっしゃることはよくわかりました。事務当局でもいいです。権限外というその法的根拠があるかどうか。その法的根拠を示してください。
#55
○河合政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの御質問の点は、行政管理庁が政策の存否についての判断をするかどうかという御質問かと思いますが、現在の内閣制度のもとにおきましては、それぞれ各省を国務大臣が分担管理いたしておりまして、その分担管理の所掌の範囲内において、それぞれの各省大臣がその政策決定にあたりまして責任を持っているわけでございまして、行政管理庁は、政策が立てられまして、その政策を実施する際にいかなる組織が適当であり、いかなる機構が適当であるかということにつきまして審査をするという立場でございます。そういう意味でございますので、もちろん事実上の判断といたしましていろいろな判断はいたしますけれども、法規上は、これは政策につきましては各省大臣が第一義的にそれについての判断を下す、さらにそれに変更があります場合には、一段高次の内閣の段階においてさらに政府全体の決定があるということだと理解いたしております。
#56
○鬼木委員 これはいよいよおかしいですよ。あなたたちの言うことは、行管庁が政策内容にまで立ち入ることは、行管庁設置法上権限外である。何をこんなばかなことを言っているのですか。問題はこういうことじゃないでしょう。六委員が特殊法人を、これをスクラップしなさいという意見書を出した。ようございますか。政策面でこうしろ、ああしろということの意見を出しているのではありませんよ。スクラップ・アンド・ビルドの問題で、こうこういう特殊法人は何とか手をつけなければならぬ問題じゃないかということを長官に対して意見書を出したわけなんですよ。子供でもわかっていますよ。各省の政策を行政監理委員会あるいは行政管理庁が、おまえのところの政策はこうしろ、おまえのところの政策はああしろなんて、そんなことができるかできないかということぐらいは、これは三歳の童児でもわかっていますよ。これは長官抜きの意見書だから、特殊法人にどうこうするというようなことは権限外だ、政策内容にまで立ち入ることは、われわれの権限外だなんというようなことを発表されたのは、これは全然的はずれだ。そんなことはあなた、話が全然間違っていやせぬか。だから私は善意に解釈して、整理統合するというような意見を出すことはわれわれの権限外だということを言い誤ったんだなと、私は善意に解釈している。あなたがそんなわかり切った、政策というものは各省庁の長がやるもので、行管のほうで一々各省の政策はこうしろああしろ、そんなことはできませんなんという答弁は、それは子供にしてくださいよ。どうですか。そんなばかなことがあるわけはないじゃないですか。行政管理庁が、そういうスクラップ・アンド・ビルドの問題に対して意見を述べることもできない、そこは権限外だ、そういう法的根拠がどこにあるかと言っているのですよ。だったら行政改革はできぬじゃないですか、行政監理委員会も行政管理庁長官も何もそういう発言ができないということになると。だからこれはどなたが答弁されたか知らないけれども、全然的はずれのことを言っている。何も各省の政策を変えろとか、なぜ行管庁は変えないのだとかいうことを言っているのではない。私の言っているそこのところはおわかりでしょうかね。
#57
○河合政府委員 ただいま私が申し上げましたことは、まさに一般論でございまして、この行政監理委員会の六委員の御意見は、まさに六委員の日ごろの見識、学識経験に基づかれまして、非常に広い立場から御意見を言っておられると思います。そういうことでございまして、スクラップするということにつきましては、行政組織をできるだけ簡素合理化、能率的なものにするという趣旨から申しまして、また国民の税負担を軽減するという趣旨から申しまして、できるだけこれは行政機構を抑圧するという必要があると思いますので、そういう点からは、もちろん私どもといたしましても慎重に取り上げて、これをその趣旨に沿って検討すべきものだと思っております。ただこのスクラップに際しましては、やはり各省の政策の問題とも関連してくるという意味において申し上げているわけでございます。
#58
○鬼木委員 ますます詭弁ですね。(「議論じゃなくて質問を……」と呼ぶ者あり)いや大事な質問ですよ、これが行政改革の根幹でございますから。だから、あなたたちが行政改革に手がつけられない、どこにそういう法的根拠があるのか。設置法の第二条には明確に述べてある。しかも、四の二にも書いてある。総理が命令を出すこともできるのですね。でございますから、権限外だと言われて、これは長官がおっしゃったことかどうかわかりませんけれども、黙殺なんということも、長官はおっしゃったことはない。だれが言ったか知らぬ。これもだれが答弁したのか知りませんけれども、しかも念入りに、高度の政策問題などと書いてある。これは的はずれですよ。六人委員会は政策の問題で意見書を出したのじゃないのです。だから、高度な政策面というのなら低い政策面というのはどういうことだ、これをお聞きしたいのですが。
#59
○河合政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまお話しのように、黙殺ということは私どもも一言も申したことはございません。それはひとつ御了承いただきたいと思います。
 また、政策問題につきましても、高度のとかそういうことについても、私もちろん申し上げたことはございませんで、ただ一般論といたしまして、政策の設定は各省の第一次的な問題ということは従来からもしばしば申しておるところでございます。ただ、行政機構の簡素、合理化という面からのこういう特殊法人のスクラップの問題につきましては、まさに私どもの受けとめるべき課題でございまして、ただ、その際に各省と密接な関連が非常に出てまいりますので、慎重に検討を加えながらこの目的を達成すべきだというふうに考えております。
#60
○鬼木委員 あなたたちが言っておらぬ、言っておらぬとおっしゃれば、それはけっこうだ。もうしかたがない。こんな矛盾したことが発表されて、私らがそういうことを耳にしましたからお尋ねしたのであって、そういうことは言った覚えはないとおっしゃるならば、それはそのとおりだ。こんなことが言われるわけはない。どこにもそういう法的根拠はない。それを私が言っている。質問ではないとおっしゃるけれども、これは根本なんですから、そこで私は申し上げておるのです。だから、これははっきり法によって長官の意見は具申できますし、あるいは閣議によって決定することもできるでしょう。あるいはまた、長官の意見によって各省庁の長の考えもあるでしょうし、また総理が命令を出されることもあるわけなんです。これは法にいま読み上げたとおり載っておるのだから、権限外だなんということは言っておらぬとおっしゃれば、それで終わりだ。そんなことはあるわけがない。そこで私は荒木長官に申し上げたいことは、この法の精神にのっとって、また将来もこの六人委員会の性格、成立の意義からいたしましても、一大決意をもって行政改革に取り組んでいただきたい、そういうふうに私は申し上げたいのであります。
 非常に時間をせかれておりますので先に進めたいと思いますが、特殊法人の整理については、これは私先ほど申しましたように、遠く臨調でも指摘されておるのでありますが、四十五年度から四国の連絡橋公団など三特殊法人が新設される。これは私は否定するものではありません。けっこうだと思います。そうしますならば、いま御研究なさっている点を、どういうところを御研究なさっているか、承ることができるならば漏らしていただきたいのでございますが、ビルド・アンド・ビルドで、ただふえるばかりでは、私はあまりに行管の態度としては弱い態度だと思う。もう少し国民の世論をになっていただいて、国民がどういうことを望んでいるかというところをよく把握していただいて、ぜひ特殊法人に対して何とか改革の道をとっていただきたい。整理縮小あるいは廃止、その点どうですか、長官お約束できますか。
#61
○荒木国務大臣 それはもちろんいたします。ただ時間がかかります。それだけは御容赦願いたいと思いますが、四国と本州との架橋の問題について、スクラップがないじゃないかとおっしゃられればそうですけれども、スクラップしますときには、それに類似したものをスクラップして、そしてアンド・ビルドといくというのがたてまえと申しますか、常識でございますために、その意味においては、それに見合うものがなかったので、やむを得ず今度は新設をするという形になったということでございます。六人委員会の意見に出ておりますようなスクラップが間に合えば、それに間に合わせてスクラップ・アンド・ビルド、スクラップとビルドとが一緒にできましたけれども、それは証文の出しおくれと申しますか、取り運びが順調にいきませんためにスクラップとビルドが同時にできなかったという点は遺憾に思っております。しかし、基本的な姿勢として、使命を果たしたものはどしどしスクラップするということについては、これこそ勇断をもってやらなければならぬと思っております。
#62
○鬼木委員 長官のいまの御答弁で非常に私うれしく思いましたが、御承知のとおり、特殊法人も百十幾つあるようでございます。この中には、もう存在目的が非常に希薄だ、全然ないということになるとおしかりをこうむるかもしれませんが、非常に当初の目的からはずれて、もうほとんど希薄であるというような特殊法人も相当多いように私は思う。そういうのをいつまでも残すから、世間の大きな批判を受けて、これは天下りのための政府の処置だ、こういうことになる。必ずしも天下りのためにつくっているのではないでしょうけれども、そういうふうな批判を受けても私はしかたないのだと思う。いま長官のお話を承りまして、非常に私は意を強ういたしますので、いわゆる勇断をもってやっていただくことを大いに長官に期待をいたします。お願いを申し上げたいと思うのであります。
 時間は一時までという制限を受けましたので、なお続行いたします。
 先ほど申しておりますように、行政監理委員会の意見書の中で、行政機構と特殊法人の整理統合は、これは先ほどから申し上げたとおりでございますが、このたびの意見書では、出先機関のみを対象としておるが、同じことは、農林省あるいは食糧庁というような中央省庁にも同じ次元のことが起きておるんじゃないか。出先機関のみを整理、統合、縮小するということは、片手落ちではないか、こういうふうに私は考えますが、この点についてお考えを承りたい。
#63
○河合政府委員 出先機関だけの整理は片手落ちではないかという御質問でございまして、その点は確かに御指摘のとおりの点もあるかと思います。ただ、現在の国の公務員の大部分が出先機関におることでもございますし、そういう点から、もちろん本省機構につきましても、各省庁と十分連絡、折衝の上、今後行政機構の簡素、合理化につとめるべきこととは思いますが、やはり出先機関が人員その他非常に多いというような点から、その点の問題点についても、できれば早い時期に手をつけていくということは妥当かと存じております。
#64
○鬼木委員 四十四年度の調査でございますけれども、国家公務員が百十八万人、地方公務員は百八十三万人、給与総額もばく大なものでございます、読み上げてもようございますけれども。これが今日、先ほども申し上げておりますように、非常にお役所仕事というような悪評をこうむっておるのですが、この際、行政改革を私は断行する必要があると思うのですね、出先機関のみでなくして、オール行政機関に対して。ただ、前もって申し上げたいことは、単に人員整理を行政改革というんじゃなくして、機構改革であり、人員を整理することは行政整理じゃない。行政整理というのは、最も能率のあがるように機構を合理的にする。そういう点はお考えになったことはございますんですか。なるほど、三カ年間五%ですか、三年間これはとどめ置くというようなことは承っておりますが、もう少し抜本的にこれの改革をなさるお考えがあるかないかをお尋ねしたいと思います。
#65
○荒木国務大臣 それはあると申し上げてよろしいかと思うのですけれども、実際の問題といたしますと、臨時行政調査会設置法が衆参両院を通過します際に、超党派でもって附帯決議が付せられております。これは、出血整理をなすべからず、配置転換によってなすべしという趣旨のものであります。それから、総定員法通過の際も、同じような趣旨の附帯決議が付せられております。その附帯決議を尊重します限りにおいては、行政機構の改革と申しましても、どうしても出血整理を伴ってはやれないということになります。そこで、総定員法を的確に運用しまして、毎年一万数千人ふえ続けておりました定員を抑制するということから、徐々にではありますが、各省庁ごとに冗員を省いて、それを必要なところに置きかえる、新規の増員は原則として認めないというやり方でいくほかには方法がないということによりまして総定員法の通過を見たわけでありますが、その結果として、なるほど行政機構としては目に見えた改革はあらわれませんけれども、実質的には少数精鋭の方向に向かって邁進しておるという結果が、四十四年度、四十五年度の予算を通じまして出てきたわけでありまして、これすなわち、超党派の附帯決議の趣旨を生かす意味において実現し得る行政改革が、徐々に、地道ではありますけれども行なわれ始めておるということかと心得ております。この附帯決議をはずしていただけば、バラリズンとやる手もありますけれども、それができませんことは残念ではありますけれども、しかし、実質的には、まさに期待される方向に歩いておるものと思います。
#66
○鬼木委員 超党派でそういう附帯決議がついておることもよく承知いたしております。それで私は、先ほど申しましたように、行政改革ということは人員整理を意味しておるものではない、こういうことを特に申し添えたわけでございます。でありますから、最も合理的に事務の簡素化をはかるという適材適所の上から、配置転換を巧妙にやっていただいて、そして最も効果的な、能率のあがるように機構改革をしていただきたい、こういうことを私は切にお願いをするわけでございます。特に七〇年代は内政の年と総理がお示しなさっておるのでございますから、ここらからひとつ佐藤首相の方針に沿って長官もこれと取り組んでいただきたい、このようにお願いを申し上げたいわけでございます。
 まだ、私はたくさん質問したいのでございますけれども、どうも時間に制約されまして、私が一人でかってなことをするということも皆さんに御迷惑をおかけいたしますので、実は大事なことがまだここにもあるのでございまして、大事な赤筋を引いてぜひお尋ねしなければならぬことがあるのでございますけれども、これできょうはお許しをこうむります。
 たいへんありがとうございました。終わります。
#67
○天野委員長 和田耕作君。
#68
○和田(耕)委員 アジア統計研修所の新しい必要な職員の数は何名ですか、日本人の職員は。
#69
○杉浦説明員 今度設置されますアジア統計研修所の要員でございますが、国連の側から所長以下約十名、わが日本政府からは行政管理庁の職員として約十二名がこれに参加する予定でございます。
#70
○和田(耕)委員 十名ですか。
#71
○杉浦説明員 十二名でございます。
#72
○和田(耕)委員 これには講師その他を含めて二十名くらいの数字が載っているのだけれども、これは間違いですか。
#73
○杉浦説明員 先生のお手元の御資料は全部で二十名ということでございますか。
#74
○和田(耕)委員 これは聞かぬでもよかったのだけれども、このアジア統計研修所には、事務職員十一名日本政府をもってこれに充てる。そのほかに講師六、七名、計画官一名、次長一名、あわせて十九名くらいになりますか。これはそういう規模じゃないのですか。
#75
○杉浦説明員 日本側から十二名、先方から十名でございます。
#76
○和田(耕)委員 この講師六、七名というのは……。
#77
○杉浦説明員 講師六、七名と申しまするのは、国連から派遣されまする講師が六、七名ということでございます。
#78
○和田(耕)委員 その数はたいしたことはないのですが、日本側の職員をどういうふうにして補充なさるのですか。
#79
○杉浦説明員 日本側から出まする職員の役割りでございまするが、これは先生も御高承のように、この研修所は国連側と私のほうで協力いたしまして設置運営するわけでございまして、この十二名は、行管の職員が実質上この研修所の次長として入りまして、それで、十一名の職員を研修所の運営に協力するという仕事の中で統率し、行管職員としてわが国の国家公務員法の規定によりまして行動するわけでございます。
#80
○和田(耕)委員 そんなことを言っているのではなくて、簡単なお答えでけっこうですけれども、この人は新しく雇いますか、あるいは従来からおる人を配置転換とか、そういう方法で充足するかということを申し上げたのでございます。
#81
○杉浦説明員 十二名のうち六名が新規増員で、六名が従来の職員の振りかえでございます。
#82
○和田(耕)委員 仕事の内容もありますからあれですけれども、行政管理庁としては、新設のものに対しては、できるだけ新しい職員でなくて、配置転換という原則をみずから守っていただくということが、他の省に対するいい示しになると思うのですけれども、そういう問題は御考慮に在ったのですか。
#83
○杉浦説明員 これはお示しのように、新規増員をいたします場合は、当然行管の一構成といたしまして、私のほうも極力新規増員は押えるということで計画いたしたわけでございます。
#84
○和田(耕)委員 この内容を一々聞いてみたいのですけれども、特にこれは行政管理庁が中心になって指導なさっておる役人の数はあまりふやさない、そして仕事のひまになったところから忙しいところへ回すべきだという基本的な御主張があるわけですね。この原則はできるだけ守っていただきたいということを要望したいと思うのですが、そこでそれと関連して、農林省の方見えていますか。
#85
○天野委員長 見えています。
#86
○和田(耕)委員 最近天下の大問題になったお米の作付を百万トン減らすということですが、その後の実績あるいは見通しについてお伺いしたい。
#87
○松元説明員 御承知のとおり生産調整等によりまして百五十万トン以上の減産を目下やっておるわけでございまして、そのうち五十万トンは農地転用でございます。百万トン以上につきましては生産調整ということで減反をするということでやっておりまして、現段階におきましては、県に目標数量が示され、県から市町村に目標数量が示され、市町村が今度は農家に対して目標数量を示して調整いたしておるというのがいまの段階でございますから、これはまだ最終的な取りまとめがございませんが、県によって多少違いますが、目標数量をかなり上回ると見込まれる県もございますが、一部には下回る県もございまして、最終的にはほぼ順調にいくのではないかと思っておるのであります。なお未確定の県につきましても極力当初目標を達成するようにということで、いわば最後の馬力をかけているというような状況でございます。
#88
○和田(耕)委員 これは来年以降の見通し、たとえば今年休んで来年始めるというような問題もあるかと思うのですが、その来年以降の見通しはどういうことですか。
#89
○松元説明員 来年以降の問題、これは非常に重要な問題でございますし、私直接の所管でございませんから、私からお答えするのはいかがかと存じますが、基本的には本年の状況を見ながら、もちろん減産の必要性は本年だけではございませんで、来年以降も引き続き生産量を減らさなければ需給調整は保てないわけでございますから、本年の状況を見ながらまたあらためて考えるということになろうと存じます。
#90
○和田(耕)委員 かりに百五十万トンの減産ができたということになります、来年はもっと加わるかもわかりませんけれども、その場合に、その関係の職員、要員はどれくらい減ることになりますか。
#91
○松元説明員 御質問の趣旨の担当員と申しますのは、米の管理業務に携わっておりまする食糧事務所のいわば職員と申しますか、そちらのことかと存じますが、さようでございましょうか。
#92
○和田(耕)委員 それを含めてです。
#93
○松元説明員 生産調整の直接の業務は特別の人員を新しくふやしてやっておるわけではございませんで、現在の生産担当部局の機構を使いまして、それから県、市町村という組織でやっておるわけでございますから、直接人員の増減には関係ないわけでございます。ただ食糧事務所につきましては――あるいは御指摘の御質問の趣旨と違うかも存じませんが、目標どおり百五十万トン以上の減産が行なわれれば、その限りにおいては食糧事務所の業務量は減るのではないかという御指摘かとも存ずるわけでございますが、それにつきましては、食糧事務所の業務量は、なるほどその面から考えますれば百五十万トンの買い入れが減りますから、減る要素はかりにございますが、ただし食糧事務所の業務量と申しますものは、むしろいままでが異常でございまして、需給が均衡いたしましたとき、大体四十一年ごろでございますが、そのころから見ますと約二百万トンぐらい政府の買い入れがふえておるという実態にあるわけでございます。しかしながら、人員のほうは三十八年の二万八千強というのをピークにいたしまして、その後むしろ減少いたしております。約二千人以上減少いたしております。いわばその間、四十二、三年の大豊作の間に生産量がふえ買い入れ量がふえましたものにつきましては、多少人員の減少の中で、いろいろ検査でございますとかあるいは買い入れ、保管、そういった管理面で、いろいろくふうをこらしながら対処していく、こういう実態にあるわけでございますから、百五十万トンの生産調整が行なわれましたからと申しまして、いわば余剰人員が直ちに浮くという実態ではないというように基本的には考えております。
#94
○和田(耕)委員 これはおかしいことで、百五十万トンの作付が減るということは、しかも今後長期にわたってそういう政策が維持される場合に、食糧事務所関係の人が減らぬでもいいということは、ちょっと私もその内容はよくわからぬけれども、常識的に受け取れないのです。そうですか。
#95
○松元説明員 御指摘のとおり昨年を基準にしますれば、おっしゃるとおり百五十万トン以上減るわけでございますが、ただ私申し上げましたのは、現在の食糧事務所の人員と申しますものは、それに対応した人員ではございませんで、むしろ三十八年以降業務量はふえておりますが人員は節減をいたしてまいったわけでございます。したがいまして、もちろんくふうはいたしましたが、その間いろいろ、いささかことばは適当でないかも存じませんが、かなりいろいろなかっこうで対応しながらいわばやってまいった。それがいわばもとの姿に戻るという基本的な姿であるということを申し上げたわけでございます。
#96
○和田(耕)委員 それでは、いままで買い付けがふえたけれども人が減ってきた、いろいろくめんをしてつくったんだ、それがそのくめんをしないで今度はもとに戻っていくのだという基本的な態度ですか。
#97
○松元説明員 ちょっとあるいは答弁が舌足らずだったかも存じませんが、いま申しましたとおり、たとえば三十八年がピークと申しましたが、そのころの買い入れ量は約七百万トンでございます。それから四十一年が大体需給が均衡をした年でございますが、そのころが約八百万トン、それから現在一千万トン、こうなっておるわけでございます。その間の業務量の増大に対応しまして、検査におきましては計画検査ということをいろいろ励行いたしまして、たとえば農産物検査は、包装の検査でございますとか、量目検査でございますとか、品位検査、いろいろございますが、たとえば包装等につきましては、原則として事前に検査をして最盛期は検査しないというようなくふうをいろいろこらしましたり、また農家のほうのいろいろ協力をしていただきまして、出荷のほうの時期を調整するというような、計画検査をするということで対応してまいったわけでございます。それで、多少まあ検査の運用面で非常勤職員を使うというようなこともあったわけでございます。そういう点の態様がいわばもとに戻るということが基本でございます。と同時に、いま直接やる買い入れ以外にいろいろ業務量がふえている面がございます。たとえば過剰米が非常にふえておりまして、それに伴ういわば在庫の保管でございますとか管理、そういう仕事もいろいろふえている。そういうような事情がございますものですから、百五十万トンの減産が直ちに業務量の減少にはつながらぬということを申し上げたわけでございます。
#98
○和田(耕)委員 行政管理庁長官、いままで行政管理庁からのいろんな提案、提言があったと思いますけれども、食糧事務所の問題等にも触れた問題があったと記憶するのですけれども、いまのような御答弁、管理庁としてはどういうふうに御理解になるわけですか。
#99
○荒木国務大臣 食糧事務所については、すでに農林省において農産物の流通改善等行政需要の増大しつつある他部門への定員の振りかえ、出張所の整理統合等の措置を現在実施しているところであります。今後も農林省とも十分協議しつつこのような方向を推進してまいりたいというのが基本的な態度でありまして、現行食管制度が維持される限り当然それだけの事務量はあるという見当でございます。しかし、実情は何ぶんどうなるかわかりませんけれども、直感的に考えれば、もっと少なくて済むはずであるという考えもありますが、制度論からいいますと、なかなかそう簡単にまいらないというのが実情でありまして、農林省とも協議しつつあります。
#100
○和田(耕)委員 いまの百五十万トンあるいはそれ以上の生産が減るという問題をお考えになって、それでもいままでたくさん買っておったのだから、それを手不足でやっておったのだから、もとに戻ることもあるので、人員の問題についてはその点からは過剰は出てこないというような趣旨の御答弁だったと思うのですけれども、この問題、長官どういうようにお考えになりますか。現に減っている。
#101
○荒木国務大臣 それも形式論を申し上げますが、制度が変更されればその機会にこうすべきであるということが当然出てきますけれども、現在の実情を行管庁で把握しているわけじゃないものですから、その取捨選択、農林省と協議しつつ進めていくというやり方以外にはないと思います。ただ実際問題としましては、食糧事務所の要員についても、徐々にではありますが、内部で配置転換をされつつあるようでありまして、漸次漸減しつつある傾向をたどっております。
#102
○和田(耕)委員 重ねて農林省にお聞きしますけれども、この配置転換等は現に行なわれているわけでしょう。その配置転換を今後もやらないでもっとふやしていくという気持ちを持ちかえてきたのですか。
#103
○松元説明員 いや、さようではございませんで、先ほども申し上げたとおり、三十八年度をピークにしまして現に四十四年までに約千五百人減少いたしております。さらに四十五年も六百人減少する、こういうことをいたしておりまして、私たちも基本的には、極力業務を少しでも合理化いたしまして余剰人員を避ける、そうしていわば他用途に充当するという基本ラインは、そのとおりと思っております。ただ、先ほど百五十万トンそのままということで、それは必ずしもそうでは雇いということを申し上げたのでございまして、基本線について違う意図があるわけではございません。
#104
○和田(耕)委員 あなたのおっしゃることは、つまり買い付け量がふえたけれども業務内容の合理化によって少しは減らしてきたのだという御主張ですね。私がいま質問したいのは、今後百五十万トンあるいはそれ以上の作付が減ってくると当然ふえるというようなことは常識からは出てきませんね。三十九年に比べてだいぶふえているけれども、いままでしんぼうしてきたのだということはわかりますよ。わかるけれども、これから百五十万トン減るというのに、なおこれを人員を減らさぬどころかかえってふえていくというふうな感じの、そういう態度でいまの日本の国内の最大の問題の一つである行政合理化というのですか、あるいは総定員法を去年もあんな大騒ぎをしてつくった、あのような趣旨を農林省はどう考えているかということですね。
#105
○松元説明員 ちょっと私の説明が不十分だったので誤解を招いたかと存じますが、私申し上げましたことは、三十八年以降の業務量の増大の実態、人員の状況を申し上げたわけでございまして、その間いろいろ合理化の努力をしていかなければならぬということは十分理解いたしておるのであります。御指摘のとおり百五十万トン減産すれば、その限りは確かに業務量は減るわけでございます。ただ、その減りますのが、いわばいままでかなりの期間いろんなかっこうで対応したという事実を御了解いただきたいということと、それからいわば新しい面としまして、特に過剰米に伴う仕事もいろいろふえてくる面もあるわけでございます。したがいまして、私増員するということを申し上げたつもりは毫もなかったわけでございます。そういう実態を踏まえながら極力業務の合理化を進めていくという基本姿勢を申し上げたつもりであったわけでございます。
#106
○和田(耕)委員 それでは今後努力をされれば少し減るというふうに理解していいですか。
#107
○松元説明員 昨年ことしと現に人員を減らしてまいっているわけでございますし、それに即応して進めてまいりたいと存じております。
#108
○和田(耕)委員 最初に私は、アジア統計研修所の問題、わずか十四、五人の問題だと思いますけれども、これについて、行政官理庁に対して相当きびしく、現在おる、しかも仕事がだんだんと少なくなってきた、しかも能力を持っている人、こういう少ない場合でも気を使って、そして整理の模範を示すべきだということを申し上げたのですけれども、たとえば今度国民生活センターというのができます。これは現在の約三十六名の国民生活研究所から三年間で百六十人ぐらいにふえます。この場合にも、いまも物価対策委員会でこの問題を取り上げてきたわけですけれども、こういうこまかい問題を含めて、行政管理庁としては、管理庁のいままで出しておる提案等の趣旨にかんがみてもっと神経を使ってやる必要がある。そうしないと、この行政改革の問題は実現できないんだというふうに私は思うのですけれども、長官どうですか。
#109
○荒木国務大臣 もちろんお説のとおりの考慮を払ってまいらねばならぬと思います。
#110
○和田(耕)委員 そういう問題、特に配置転換等の問題についてはいろいろ付帯条項がついております。総定員法にもその前のあれにもついておりますけれども、しかしそういう条項はできるだけ守るとしても、いろいろやる気持ちになればやり方があるわけです。特に今度のお米の減産の問題等になれば、これはまあ農林省としても私はこういうことならわかるのですよ。お米は減るが、しかし野菜のほうが大事だ、野菜のほうにこういうふうな形で人をふやしてお米のほうは減らすんだというふうなこととか、そういうことならわかるけれども、何かいままで持っていた定員を何が何でも減らさないぞというような最初の答弁、そういう態度が自分の本心だと思うけれども、これじゃぐあいが悪いという感じですね。だからどうでしょうか。
#111
○松元説明員 どうも一番最初の私の答弁がいささか不十分だったので誤解があったと思いますが、本心はごうも最初といまも変わっておりません。ただ百五十万という計数が出ましたものですからそういう答弁の調子になったわけでございまして、基本的な考え方は少しも変わっているわけではございません。
#112
○和田(耕)委員 私の質問はこれで終わりますけれども、長官、この問題はあなたの最大の課題の一つですから、公安委員長の仕事もありますし、朝鮮の仕事もたいへんでしょうけれども、この問題は大所高所というよりも、こういうこまかい問題から人員の再点検の問題は検討していかなければ実効があがらないというふうに感じますので、特に要望しておきたいと思います。
 終わります。
#113
○天野委員長 東中光雄君。
#114
○東中委員 アジア統計研修所について、事業の実施計画はまだできていないわけですか。
#115
○杉浦説明員 先生のお示しのものは協定に基づきます事業計画のことだと存じますが、その内容はもう策定しておりまして、あと国連との協定の御承認を得まして、これを署名するという段階でございます。
#116
○東中委員 実行計画文書ができたら一ついただきたいと思うのですが、その上で、これは外務委員会などでお聞きしたい、こう思うわけです。
 それで、行政管理に関しまして長官にお伺いしたいのですが、行政機関は、申し上げるまでもなく国が採用した職員によって構成され、運営されていく性質のものだと思うのですが、いま職員でない、公務員でない人が各省庁で公務員と一緒に同じように行政事務を担当しておられる、そういう制度があるようですけれども、長官御承知かどうか。
#117
○荒木国務大臣 ちょっとその話を聞いて承知しております。
#118
○東中委員 各省庁では調査員という名前でそういう人がおるようでございますが、公務員でない人が公務員と同じように、同じ部屋で同じように机を並べて行政事務に従事しておる。その勤務状況といいますか、出勤時間等々も、外部から見ておれば全く公務員と同じであって、区別がつかない。対外的にもそれぞれの省庁の職員として採用されておるというふうな制度、これについてどうお考えになっているか。長官の御所見をお聞かせ願いたい。
#119
○河合政府委員 お答え申し上げます。
 私どもが伺いました範囲では、主として研修という目的のために民間からそういう省庁に勤務をしておられる方があるというふうに伺っております。これにつきましては、その職員の業務の管理の問題でございまして、その管理がよろしきを得れば研修の目的を達するというような点もあるかと思います。その点につきましては各省庁の管理をされる方のお立場の御判断によると思います。
#120
○東中委員 研修の目的だとおっしゃったのですけれども、実態は私先ほど申し上げたように、行政事務そのものを担当し、たとえば政策立案あるいは監督業務などを担当されておるようであって、たとえば運輸省におきましては調査員といわれる人が二十五名、補佐官クラスの人ですから、一般公務員というよりは相当国家機関の意思決定に直接参画されていく、そういう立場の人がおられるようなんですが、たいがい大企業あるいは企業体から見えているわけですが、運輸省における調査員の実態について運輸省のほうから明らかにしていただきたい、こう思います。
#121
○後藤説明員 御説明いたします。
 ただいま先生がおっしゃいましたように、運輸省では、今日の時点におきまして二十四名の調査員という名目の人が省内で働いております。これらの人々は、国有鉄道、日本開発銀行、興業銀行、長期信用銀行その他の機関から、それらの機関とその人が現に働いておりますわが省の中の部局との相談に基づきましてわが省に派遣されているものでございまして、これらの人々の大部分は、大臣官房統計調査部の資料の調査、解析をいたしますような仕事、あるいは海陸空それぞれの監督部門から離れまして、総合的な長期的な交通問題の資料を整備、解析する部門、こういったようなところに働いております。たとえば長期的な輸送需要の予測あるいは各種輸送資料の解析手法の開発といったようなことにつきまして、わが省の固有の公務員の人たちと共同して働いているというのが実情でございます。
 ただいま申し上げましたように、これらの人々がそれぞれの部局に派遣されるに至りましたにつきましては個々のいきさつがありまして、個々の部局とただいま申し上げましたような個々の各機関との間の話し合いによりまして、開発銀行なら開発銀行、長期信用銀行なら長期信用銀行の適当な職員の人にわが省に来てもらっているわけでございます。派遣されている側のそれらの機関のお立場からすれば、わが省は、たとえば運輸、輸送の問題につきましての総合的な資料の収集、解析、分析あるいはそれの利用手法の開発といったようなことにつきましてはいろいろと多年研究、勉強を重ねてもおりますし、わが省の人数といたしましても相当の人数をかかえております。他部門から見れば、そういったところに人を派遣いたしまして一緒に輸送問題の解析、調査を担当することによりまして、派遣された人が、派遣された団体、機関の側から見まして非常に能力があがってくる、こういったようなことを期待するわけでございます。一方、それを受けます運輸省の側から申しますと、ただいま申しましたように、運輸省自体といたしましては、総合的な輸送、運輸問題についての資料の解析については相当な勉強はいたしておりますけれども、何せ非常に広範、複雑な問題でございますので、たとえば鉄道の問題あるいは輸送会社の財務の問題そういったことの一つ一つにつきまして、その専門の分野で勉強いたした人の知恵を借りられるとまた非常に都合のよろしいという部面があるわけでございます。そういった両方の都合というものを、お互いに足らざるを補いつつ、かつ、それぞれの人々が研修してその成果をあげ、人々の質の向上にもなり、あるいは半分の知識を持った人々が別々に似たような調査研究をするというようなことが、机を並べて一緒に仕事をするということで総合的な効率のいい成果を早くあげられるというふうな効果が認められるものでございます。先生のお話の中にございましたことは、ただいま申し上げましたように、わが省の場合で申しますとこの調査員の大部分の人たちがそのような資料の調査、解析の分野について働いておるのでございます。先ほど申し上げましたような企業の直接の監督、認可、許可といったような仕事にタッチさせておるものではございません。
#122
○東中委員 いま国鉄その他若干の調査員を派遣しているところの名前をあげられましたが、全日空、それから日航、日通、鉄建公団、こういったところも派遣しておるわけですね。その点はどうですか。
#123
○後藤説明員 先生御指摘のように、日航及び全日空からただいま航空局に来ておりまして、その人たちは、ただいま臨時の仕事といたしまして、長期的な日本の旅客輸送需要の予測作業というものを特別にやっております。
 大ざっぱに御説明いたしますと、飛行機のお客さんが今後の経済発展に即応してどのようにふえていくか、それとの関連で鉄道の旅客がどのように変わっていくかということの予測作業でございます。その作業のお手伝いをやるにつきまして、共同作業の要員といたしまして日本航空と全日空から参っております。それから日通総合研究所、これは日通が設立しております流通問題についての研究所でございますが、そこの研究員の人が一人、わが省の統計調査部の調査解析課に参って一緒に勉強しております。
#124
○東中委員 いまそれぞれの調査員が何をやっておるかということについて聞いてもおりませんけれども、いろいろと説明されたわけですが、このやっておる内容じゃなくて、やっておる仕事の性格です。たとえば官房の政策計画官室で計画官付として九名の調査員がそれぞれの民間企業体、あるいは公共企業体から入ってきておる。そして運輸省の公務員と一緒に、それぞれの企業体の職員の資格のままで、立案、計画、調査、分析、これをやっているという関係になっておるのであって、そうしますと、立案のための調査、研究ということを運輸省でやっておるのは、これは行政事務としてやっておる文字どおり公務ですね。これをやっている公務員の立場というのは、憲法十五条でいっているように、全体の奉仕者の立場でやらなければいけない。公務員としてのいろいろな規制制限がつけられているわけですね。たとえば機密保持の義務とか、あるいは政治的活動についての規制の問題とか、その他いろいろあります。ところが民間から来ている人、ほかの企業体から来ている人は、これは公務員でないわけですから、その人たちが拘束されるのは、それぞれの企業体の就業規則なり労働協約なりに拘束されていく。その就業規則なり労働協約というのは、それぞれの企業体あるいは民間会社の利益を追求するという職務を持っているわけです。その人たちは明らかに就業規則なり労働協約なりに従って、その企業体に労務を提供し、一部の利益のためにやることになっているわけです。公務員は全体の奉仕者だということ、これは憲法上明確に書かれておるわけですが、その公務員と同じ仕事を一部の立場で来ている人がやっている。あるいは機密にわたる事項が出た場合に、その人たちに何も機密保持の義務はないわけですし、立案作業の中に入っているわけですから、これはたいへんなことになるのではないか。来ているのは、先ほどあげられました例でいいましても大きな企業体ばかりでありますけれども、この大きな企業体と、そして運輸省の行政事務とが全く癒着しておるわけです。天下りはぐあいが悪いということを非常にやかましくいわれているのも、その癒着に結びついているということで問題になっているわけですけれども、これはまさに、ほんとうの第一線の補佐官クラスの活動家と一緒にやっているという点について、行管長官どういうふうにお考えになるか、御所見を聞かしていただきたい。
#125
○荒木国務大臣 これは、お話しのごとくんば不届きだと思います。
#126
○東中委員 調査員制度そのものの法的根拠というのはあるのか、ないのか、その点を明らかにしていただきたい。運輸省どうですか。
#127
○後藤説明員 私どもが承知しております限り、調査員という仕事の一つの類型というものは、かつての規則の類にはございましたけれども、現在はないと承知しております。
#128
○東中委員 法的な根拠はない。しかし民間企業体も含めて、そこの職員の人たちと一緒にやっておる。これは研修が目的だといいますけれども、業務に参画すれば、それは一つの経験になりますから研修になることは間違いないでしょう。しかし、それが実際に癒着して一緒にやっておるというところに問題があるので、将来こういう問題、これは運輸省だけではないわけで、ほかの省庁にもありますので、行管のほうとしてこれを調査され、この処置についてどうするか、そういう点についてのお考えを明らかにしていただきたい。
#129
○荒木国務大臣 これは戦前からの習慣が生き残っておる課題の一つかとも思います。御指摘のとおり、制度論からいえば不届きしごくな、やみの存在であるというふうにも言えぬことはない。調査して適当の処置を講じなければならぬじゃないかと思います。
#130
○東中委員 適当の処置をとらなければいかぬくらいだ、こうおっしゃったのですけれども、調査していただいて、こういう制度を廃止する方向で進められるのか、その点、はっきりした方向を示していただきたい。
#131
○荒木国務大臣 調べてみませんとはっきりしたことは申し上げかねますが、調査をすべき課題であると思います。その結果として、廃すべきか、何か制度づけをして温存できるものかどうか、そこら辺も検討課題だと思います。
#132
○東中委員 行政官庁はもちろん監督する立場にあるわけですが、鉄建公団の場合、鉄建公団監理官付に鉄建公団からその身分を持った公務員でない職員が辞令をもらってついている、こういう事態もあるのですね。これはもう研修のためというようなことにならぬですよ。管理する側と管理される側で、管理される側の職員がその身分を持ったままで公務員でないのについておる。こういうのもあるのですが、運輸省、そういう事実があるかどうか、お伺いいたします。
#133
○後藤説明員 ただいま御指摘のように、鉄道監督局の鉄道建設公団監理官室というところに鉄建公団から一人の人が派遣されてきておることは事実でございます。
#134
○東中委員 長官に要請をしておきたいのですが、そういうふうな公務員の立場と民間人の立場との違いを持ちながら、一緒に行政事務を進めていくことが法制のたてまえからいってぐあいが悪いことは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、実際上管理する側と管理される側、指導する側と指導される側、こういう関係にあって、指導される側の身分のままで入っていくということ、これは行政のあり方として非常に重大な問題だと思いますので、早急に調査検討していただいて、なくするための処置を行管としてとられるかどうか、その点あらためて最後にお聞きしておきたいわけです。
#135
○荒木国務大臣 検討を加えます。
#136
○東中委員 あなたは検討を加えると言われるが、検討は加えるのはわかっているのですけれども、どういう方向でどういうふうに検討を加えるのですか。
#137
○荒木国務大臣 どういうふうにということは検討を加えてみなければわかりませんから、大事をとって申し上げております。
#138
○東中委員 それなら、いま私が申し上げた、あるいは運輸省のほうから事実について説明された、この事実の範囲内で見て、法的根拠はない、誘導される側と誘導する側、指導する側と指導される側、監督する側と監督される側、しかも私的な立場で公務に従事している。一般の末端の公務員でさえ秘密義務や生活上の制限やらいろいろ受けているのに、この補佐官クラスの人たちが受けてない。これは事実としていま私が申し上げたことと運輸省の答弁でも明らかになっておると思うのです。それがどの程度、どの規模にどの省庁まであるかということはいま時間がありませんから一々言えないだけで、その点については検討してもらうとしても、そういう制度自体、検討してみなければ存続するかしないかわからないということではないと思うのですよ、長官。
#139
○荒木国務大臣 実は総理府の人事局の主管の事柄かと思いますから、独断で最終的なことを申し上げかねたので、検討しますと申し上げております。総理府とも連絡の上善処いたします。
#140
○東中委員 それからもう一つ、時間がございませんので長官に一言だけお聞きしておきたいのですが、定員外職員で常勤職員の存在が前年度の国会でも明らかになって、総理大臣も厳重に調査するように命ずるということを言われ、行管長官も言われたわけですが、その調査結果はどうなっておるかお伺いいたします。
#141
○荒木国務大臣 関係の省庁で調査してもらった資料を提出してもらっておる状況であります。それを分類してどう処理するかを検討しつつあるところであります。
#142
○東中委員 私、いま持っておりますある定員外職員の経歴書を見ますと、この人は最初は八月に入ったわけですけれども、事務補佐員に採用する、任期は一日、ただし任命権者が別段の措置をしない限り、昭和四十四年三月三十日まで任用を日々更新し、以後更新しない、こういうことで採用になる。そして三月三十日になると退職する。そして四月一日に、事務補佐員に採用する、任期は一日とする、さきと同じようになって、昭和四十五年三月三十日まで任用を日々更新し、以後更新しない、そしてまたことしに在ると、四月一日に同じような条件で採用していく。こういうのがあるわけですね。これはもう明らかに、仕事の内容もそうでありますけれども、恒常的な事務に携わる常勤職員であって、ただ法律的な構成のしかたは、閣議決定もあって、いわば脱法的なといいますか、非常に差別的な扱いを受けておるということになるわけですけれども、こういう人たちが相当数いるのではないかというふうに思うわけです。それについて、こういういわゆる定員外の常勤職員の人たちをどうするかという方向について、長官の御意見をお聞きしたい。
#143
○荒木国務大臣 お話のような事例があるかとは思いますが、本来定員外職員という制度もあるわけでありまして、それが常勤職員であらねばならぬと断定する根拠も、確たるところはなかなか押えかねるという悩みがあります。しかし、それも含めて最終的な検討を加えるための資料をとっておりますから、その結果に基づいて判断したいと思います。
#144
○東中委員 定員外の常勤職員、これについては前の三十六年、三十七年の閣議決定でとにかく全部入れるべきだという方向でやられて、もうないものになったのだ、こういわれているわけです。だから常勤職員というのは定員内の一般公務員にすべきなんだ、しかももうないのだということになっておるのですけれども、実際にある。あったらそれについてどうされるのか。今度は三十六年、三十七年の閣議決定のときの考え方とは違って、いま行管長官が言われたみたいに制度上必ず入れなければいかぬことでもないのだということで、そういう者をそのまま置いておくというお考えのようにもいまちょっとお聞きしたのですけれども、そうなのかどうか、なくしていく方向ではないのかという点をお伺いしたいのです。
#145
○荒木国務大臣 たてまえ論として申せば、一人でもそういう人はいないはずであります。はずでありますが、実際はあるのだと主張されるお説が出てまいります。真相がどうだということを確かめなければわかりませんので、調査の結果に基づいて処理したいと思います。原則的に定員外職員で定員内であるべしという現象だけでそういうふうに処理する考えはありません。
#146
○東中委員 総理府の人事局が昨年七月一日現在として出されておる「一般職国家公務員在職状況統計表」を見ますと、結局六カ月以上常勤的職員として仕事をやっている人たちが一万人をこしておりますし、六カ月未満であっても一万六千人という数字が出ているわけですが、この六カ月未満というのは、七月一日ですから、四月に採用された人は六カ月未満に入っておるだけで、今日ではもう六カ月をこしていることだと思いますけれども、この一万人ないし一万六千三百二十八名という内容で出ておる人事局が整理されているこの分類の人たちは、定員外の常勤職員なのかどうか、その点について人事局長明らかにしておいていただきたいと思います。
#147
○栗山政府委員 いまお話のございました統計でございますが、これは国家公務員法二十条に基づきまして、一般職職員の統計を毎年とるということでいたしておるわけでございます。そのうちの非常勤職員の数の中にいま先生のおっしゃった数が出ておるわけでございますが、この非常勤職員は、先ほどのような事務補助あるいは技能、労務、医療、教育いろいろございますが、その中で、調査が七月一日でございまして、それまで一カ月大体二十二日と考えまして、六カ月以上つとめたという実績のある方が一万ちょっとあるわけでございます。それから六カ月未満というのは、これは必ずしも実態を私どもはっきりつかんではおりませんが、臨時的な色彩が非常に強いものというふうにわれわれ考えております。先ほどおっしゃいました一万六千三百何名という数、六カ月未満のほうは、臨時的な、あるいは期限のある仕事に従事されている方が多いというふうにわれわれは考えております。
#148
○東中委員 いわゆるパートタイマーとか季節的な労務者とかいうのではなくて、先ほど申し上げた二つの分類は、人事局が出されている文書によっても、「日々雇い入れられる職員、すなわち、一日につき八時間をこえない範囲内において勤務する職員」で、「常勤職員に準じた勤務態様で勤務」しておる者で、六カ月以上、六カ月以下ですから、七月一日現在でなく、今日、四月一日というか、あるいは三月現在だったらこれはみんな六カ月以上になっている。これは結局常勤職員、一般の職員と変わりのない仕事をやっている定員外職員の数だというふうに見ていいのではないかと思うのですが、その点どうなんですか。
#149
○栗山政府委員 態様が中にいろいろありまして、たとえばわれわれのところでも、ちょっと統計をやるために一カ月ぐらいの間いわば手伝い的に来てもらう方もあるわけでございます。したがいまして、七月一日に六カ月以上というのと六カ月未満というのは、たとえばさつきお話がありましたように、四月に入りまして六カ月以上続く方も中にはある。それが六カ月未満になっているかもしれません。あるいは六カ月以上つとめている方でも九カ月で実は仕事が終わってしまうという性質の者もあるわけでございます。したがいまして、これがいまおっしゃいました定員外で常勤的な者というふうに断言することはなかなかむずかしい点がございます。いまの統計の中でこまかい点を先生ごらんになったと思いますが、たとえば文部省などには、国立大学に相当たくさん、六千名ほど数がございます。それがどんなものか一々は存じませんが、たとえば一年限りの研究というもののために、ある教室にどうしても試験管を扱ったりする者が必要だということで入ってくる方も中にはあるわけでございます。したがいまして、これを全部定員外のいわゆる常勤だと断言することはとてもできないと思います。
#150
○東中委員 全部が定員外の常勤職員だとは断言はできない、しかし大部分は――全部とまでは断言できぬけれども、相当数、大部分の人が常勤的職務についておるということは、特に文部省、大学関係ではもちろん言えるのじゃないかと思うのですが、この点どうでしょうか。
#151
○栗山政府委員 一々詳しく調べておりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、中にはさっき申し上げましたように一年限りの研究といったようなことがございますから、相当数臨時的な方々があるということは少なくともはっきり言えると思いますが、大部分とか半分とかいう点は、私ちょっとはっきり内容を点検しておりませんので、確言的には申し上げられません。
#152
○東中委員 いずれにしましても定員外の常勤職員がいるということ、これが前提になっていま議論をしているわけです。だからこの人たちは、職務内容が一緒であってしかも定員外だということで、給与の面、諸手当の面、有給休暇もない、いろいろな面で差別を受けていることになるわけです。これは前回の国会でも論議されたことでありますけれども、常勤的職員の定員外の人をなくしていく、そして差別待遇をなくするということで早急に調査結果を明らかにしていただきたい。そういう調査結果を早急に明らかにしてもらうということと差別待遇をなくしていくという方向でひとつ行管長官の御努力を要請したいわけですが、最後に、今後の方向について長官から承りたい。
#153
○荒木国務大臣 調査結果の分析検討を加えた上で善処いたしたいと思います。
#154
○東中委員 時間がございませんので、質問を終わります。
#155
○天野委員長 次回は、明三日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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