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1970/03/17 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 本会議 第10号
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1970/03/17 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 本会議 第10号

#1
第063回国会 本会議 第10号
昭和四十五年三月十七日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第八号
  昭和四十五年三月十七日
   午後二時開議
 第一 総理府設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第二 柔道整復師法案(社会労働委員長提出)
 第三 建築物における衛生的環境の確保に関す
  る法律案(社会労働委員長提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 総理府設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第二 柔道整復師法案(社会労働委員長提
  出)
 日程第三 建築物における衛生的環境の確保に
  関する法律案(社会労働委員長提出)
 秋田自治大臣の昭和四十五年度地方財政計画に
  ついての発言及び地方交付税法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)及び地方税法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及
  び質疑
   午後二時五分開議
#2
○副議長(荒舩清十郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○副議長(荒舩清十郎君) おはかりいたします。
 議員藤山愛一郎君及び同川崎秀二君から、海外旅行のため、三月二十日から四月二日まで十四日間請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(荒舩清十郎君) 御異議なしと認めます、よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 総理府設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
#5
○副議長(荒舩清十郎君) 日程第一、総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#6
○副議長(荒舩清十郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長天野公義君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔天野公義君登壇〕
#7
○天野公義君 ただいま議題となりました総理府設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、総理府の附属機関中、輸出会議を貿易会議に名称を変更し、輸入等についても調査審議の対象とすることとし、同和対策協議会の設置期限を昭和四十九年三月三十一日まで四年間延長するほか、所要の規定の整理を行なおうとするものであります。
 本案は、三月四日本委員会に付託、三月五日政府より提案理由の説明を聴取し、直ちに質疑に入り、慎重審議を行ない、三月十二日質疑を終了、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○副議長(荒舩清十郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○副議長(荒舩清十郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 柔道整復師法案(社会労働委員長
  提出)
 日程第三 建築物における衛生的環境の確保
  に関する法律案(社会労働委員長提出)
#10
○副議長(荒舩清十郎君) 日程第二及び第三は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○副議長(荒舩清十郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第二、柔道整復師法案、日程第三、建築物における衛生的環境の確保に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
#12
○副議長(荒舩清十郎君) 委員長の趣旨弁明を許します。社会労働委員長倉成正君。
  〔倉成正君登壇〕
#13
○倉成正君 ただいま議題となりました二法案の趣旨弁明を申し上げます。
 まず、柔道整復師法案について申し上げます。
 柔道整復技術は、その沿革等においてあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等とは異なる独自の存在を有しており、また、その施術の対象ももっぱら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など、新鮮なる負傷に限られているのであります。
 しかし、現状におきましては、柔道整復師も同じ医業類似行為の範疇にあるということで、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律によって規制されているのであります。
 このような柔道整復術の実態にかんがみ、本案は、柔道整復師についての単独法を制定し、柔道整復業の発展をはかろうとするものであります。
 なお、この際、柔道整復の業務並びにあん摩、マッサージ、指圧、はり、きゆう等の業務がより一そう適正に行なわれるようにするため、罰則の強化整備を行なうとともに、従来、政令及び省令で定められておりました一部の規定を法律の規定といたす等、所要の改正を行なおうとするものであります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、建築物における衛生的環境の確保に関する法律案について申し上げます。
 本案は、多数の者が使用し、または利用する建築物における衛生的な環境の確保をはかるため、その維持管理に関し、環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置についての基準を定めるとともに、建築物環境衛生管理技術者制度を設けること等であります。
 そのおもな内容は、
 第一に、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の特定建築物の所有者等は、政令で定める建築物環境衛生管理基準に従って、その建築物を維持管理しなければならないこと。
 第二、特定建築物の所有者等は、その建築物の維持管理を監督させるため、建築物環境衛生管理技術者免状を有する者のうちから、建築物環境衛生管理技術者を選任しなければならないこと。
 第三に、建築物環境衛生管理技術者免状は、厚生大臣が指定した講習会の課程を修了した者、または厚生大臣が行なう建築物環境衛生管理技術者試験に合格した者に与えること。
 第四に、都道府県知事は、特定建築物の維持管理が建築物環境衛生管理基準に従って行なわれておらず、かつ、その建築物内における人の健康をそこない、またはそこなうおそれがあり、その他環境衛生上著しく不適当な事態が存すると認めるときは、その維持管理の方法の改善、関係設備の使用停止等を命ずることができること。等であります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○副議長(荒舩清十郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○副議長(荒舩清十郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも可決いたしました。
     ――――◇―――――
 秋田自治大臣の昭和四十五年度地方財政計画についての発言並びに地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#16
○副議長(荒舩清十郎君) この際、昭和四十五年度地方財政計画についての自治大臣の発言を許し、あわせて、内閣提出、地方交付税法の一部を改正する法律案、及び地方税法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣秋田大助君。
  〔国務大臣秋田大助君登壇〕
#17
○国務大臣(秋田大助君) 昭和四十五年度の地方財政計画の概要、並びに地方交付税法の一部を改正する法律案、及び地方税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十五年度の地方財政につきましては、最近の経済情勢の推移及び地方財政の現状にかんがみ、国と同一の基調により、行政経費の効率化と重点化に徹し、節度ある行財政運営を行なう必要があります。
 昭和四十五年度の地方財政計画は、このような考え方を基本とし、次の方針に基づいて策定することといたしました。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、事業税等についてその軽減合理化をはかることであります。
 第二は、行政の広域化への要請にこたえて広域市町村圏の振興のための体制を整備することであります。
 第三は、都市化の著しい進展に対応し、都市財源を強化して都市行政の充実をはかることであります。
 第四は、過疎地域の振興をはかるため、総合的に過疎対策を推進することであります。
 第五は、住民の日常生活に直結する各種の公共施設の計画的な整備を推進して、住みよい生活の場を整備することであります。
 第六は、地方公営企業の経営の基盤を強化して、その健全化をはかることであります。
 第七は、地方財政の健全化を推進するとともに、財政秩序を確立することであります。
 以上の方針のもとに、昭和四十五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、七兆八千九百七十九億円となり、前年度に対する増加は一兆二千五百八十二億円、一八・九%となるのであります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 地方交付税の算定については、市町村道その他各種公共施設の計画的な整備に要する経費その他給与改定の平年度化、各種の制度改正等に伴い増加する経費を基準財政需要額に算入するため、関係費目の単位費用の改定等を行なうとともに、最近における社会経済の進展に対処し、それぞれの地域の特性に即応した財源措置の強化をはかってまいりたい所存であります。
 次に、昭和四十五年度分の地方交付税の総額については、三百億円の減額措置を講ずるとともに、昭和四十五年度までの繰り延べ額の総額九百十億円は、昭和四十六年度分から昭和四十八年度分までの地方交付税の総額に加算することといたしております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨と内容の概略を御説明いたします。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、住民負担及び地方財政の現状にかんがみ、第一に、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減、合理化をはかり、第二に、土地の評価がえに伴う固定資産税及び都市計画税の税負担の激変を緩和するため、調整措置を講ずることとし、第三に、道府県民税及び市町村民税の法人税割りの税率の調整を行なうことをその重点といたしております。
 以下、順を追ってその概要について御説明を申し上げます。
 まず、個人の住民税につきましては、課税最低限を夫婦子三人の給与所得者について約十万五千円引き上げることなどにより、負担の軽減をはかることにいたしました。
 また、市町村税源の充実に資するため、道府県民税の法人税割りの標準税率を百分の五・六に引き下げ、市町村民税の法人税割りの標準税率を百分の九・一に引き上げることといたしました。
 次に、個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減をはかるため、事業主控除を三十二万円に引き上げることといたしました。
 また、固定資産税及び都市計画税につきましては、土地の評価がえに伴う税負担の激変を緩和しつつその均衡化をはかるため、宅地等に対する課税について、所要の負担調整措置を講ずることといたしました。
 このほか、電気ガス税の免税点の引き上げ、不動産取得税の非課税範囲の拡大等の措置を講ずるとともに、軽油引取税等についても所要の改正を行なうことといたしております。
 以上の改正によりまして、昭和四十五年度においては、個人の住民税について六百五十四億円、個人の事業税その他について八十四億円、合計七百三十八億円の減税を行なうことになりますが、一方、国税の改正等に伴い九十五億円の増収、また都市計画税の負担調整により二百三十五億円の減収が見込まれますので、地方税の減収総額は差し引き八百七十八億円となります。
 以上が昭和四十五年度の地方財政計画の概要、並びに地方交付税法の一部を改正する法律案、及び地方税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 昭和四十五年度地方財政計画についての発言並びに地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#18
○副議長(荒舩清十郎君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。山本弥之助君。
  〔山本弥之助君登壇〕
#19
○山本弥之助君 私は、日本社会党を代表し、ただいま趣旨説明のありました昭和四十五年度地方財政計画、地方交付税法の一部を改正する法律案、及び地方税法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、若干の質問をいたしたいと思います。
 まず、佐藤総理にお伺いいたします。
 総理が施政方針演説で述べられたごとく、わが国の経済力は、六〇年代において西欧先進諸国の水準に到達するという願望が達せられました。総理はさらに、わが国の国民総生産を、十年後には三倍程度に増大することも不可能ではありませんと自負せられております。
 しかし、住宅や生活環境など、社会資本の整備や社会保障の充実は著しい立ちおくれの現状であります。道路舗装率一つとってみましても、イギリスの一〇〇%、西欧の七六%に対し、わが国は一一%であり、対国民所得費に対する社会保障給付費は、イギリスが二二・八%、西独二〇%に対し、わが国は五・六%であります。自治省の試算によりましても、十年後においても西欧先進諸国の水準に到達することはおぼつかないようでございます。
 しかも、産業公害や交通事故も逐年激増しておるのであります。これら、われわれ日常生活に密着しているあらゆる行政施設や施策が、西欧先進国の水準に到達することこそがさらに大きな願望であり、内政の年といわれる七〇年代に解決すべき重要な課題であることは総理もお認めになり、「長期的展望に立った構想のもとに推進しなければなりません。」と言われておられます。そしてこの課題解決は、その実施について、今日ほとんど大部分をゆだねられている地方公共団体の努力にまたなければならないのでございます。この意味において、七〇年代における地方公共団体が、それぞれの地域住民に対する責務はきわめて重大でございます。
 総理は、従来ややもすれば国庫財政優先の傾向を改め、地方財政の強化、充実に最大の努力を払うべきであると思いますが、御所見を承りたいと思います。
 次に、地方公共団体が財政の裏づけのもとにその行政水準を向上する上に大きな支障を来たしているものは、いわゆる過密、過疎といわれる人口の激しい流動化であり、また、地方公共団体の広域行政処理のための行政機構の問題もありますが、それよりもさらに重要なことは、行政監理委員会の答申もあり、総理も一時熱意を示された中央政府の縦割り行政の弊害でございます。昨年も御所見を承りましたが、重ねて総理の長期展望の構想の中でこの点をどうお考えか、承りたいと存じます。
 さらに、過去十数年にわたり、そのときの情勢に応じ議員立法化された地域開発立法が百幾つあり、最近過疎地帯の対策について議員立法の協議が進められておりますが、法律相互間においても矛盾があり、総合的に改定すべき時期に至っていると思いますが、この点についても総理並びに経済企画庁長官の御所見を承りたいと存じます。
 次に、関係各大臣にお尋ねいたします。
 その第一は、地方交付税の減額措置であります。
 私は、昨年第六十一国会の本会議におきまして、地方交付税の性格、国の景気調整政策及び地方財政の現状認識につきまして、政府部内の意見の不統一は地方財政に大きな禍根を残すものと存じ、この問題につき質問をいたしたのでありますが、自治、大蔵両大臣の覚え書きは、行政事務及び財源の再配分などの基本的問題の解決されるまでは、相互に地方交付税の率の変更を求めることはしないこと、及び昭和四十三年度、四十四年度においてとられた特別措置を今後はしない、地方交付税の年度間調整の措置は地方公共団体の立場に立って検討する、という総理及び自治、大蔵両大臣の御確答を得たのでございます。
 しかるに今回、昭和四十四年度の地方交付税の減額繰り延べ分のうち、三百八十億を昭和四十四年度の地方交付税に加算する。昭和四十五年度における地方交付税の特別会計への繰り入れ額は、既定額から三百億を減額した額とする。ただし、昭和四十六年度までに地方交付税の特別会計直接繰り入れの可否、及び年度間調整制度について引き続き検討すること、ということになり、さらに、昭和四十五年度及び四十六年度においては、市町村民税臨時減税補てん債及び特別事業債の償還に要する経費は地方交付税で措置する、ということになったのでございます。
 大蔵大臣は、国会において確答したことに違反する措置をとられ、その言責を重んずべき立場をみずから放棄せられたことは、承服できないところであります。(拍手)
 ことに、地方交付税は、その年度間調整の問題は、地方財政の健全化の立場に立つ限り、早急に決定を見ていなければならないのであります。それを国庫財政の立場から、国の予算編成上の財源確保が優先して、一千億近い財源の確保を、地方交付税の本質を無視して、地方公共団体を圧迫して措置せられたことは、理不尽というべきであります。かかる措置の撤回を強く要求いたします。自治、大蔵、特に大蔵大臣の責任ある御答弁を求めたいと存じます。
 昭和四十六年度までに地方交付税の特別会計繰り入れの可否をも検討することになったことは当然でありまして、早急に直接繰り入れを決定するということがこの問題解決の道と存じますが、あわせて御答弁をお願いいたします。
 第二に、地方交付税の性格と役割りについてでありますが、昭和四十四年度の交付税法の改正により、地方財政を動態的に把握するということで、基準財政需要額算定にあたり、経常経費と投資的経費の区分を明確にし、後者について事業費補正を拡充し、同時に各省の諸長期計画の事業費の地方負担額を事業費補正の算定基礎にすることに改められた。このことによって、交付税は、補助金的な性格が強く加味されることになったのでございます。そして予算編成の過程におきましては、市町村民税臨時減税補てん債や特別事業債の償還に要する経費が地方交付税で簡単に処理されることになったり、国保給付費補助金や教科書無償給付費の一部を、府県負担として地方交付税で財源を補てんしようとするような、制度の基本に関する問題を軽視し、あるいは国の重要な責任を回避する結果を引き起こしかねなかったのであります。
 昨年の土地開発基金のひもつき交付の際、地方交付税法第三条に規定する「国は、交付税の交付に当っては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」ということを指摘したのでありますが、自治大臣が同条第一項により、各地方団体の財政状況の的確な把握につとめ、財政需要額が財政収入額をこえる地方団体に対し、公平にその超過額を補てんするにあたり、地方交付税を補助金、負担金と同一視する傾向は避けるべきと存じますが、自治大臣の御所見を承りたいと存じます。
 この際、国民健康保険事業について厚生大臣にお尋ねいたします。
 本事業は、他の医療保険と異なり、比較的低所得者層を対象とし、医療費の増高に伴い法的に認められる限度の保険税の徴収には無理があり、さらに市町村は、国保経営の診療所の医師、看護婦、保健婦の確保に難渋し、しかも農村地域においては一家の主柱まで出かせぎ等により、留守家族の労働過重による乳児、老人の医療について、県と協力して十割給付に踏み切らざるを得ない市町村が出ているのでございます。これらの現実に即し、何らかの意味の地方交付税による財源配分は必要であります。ことに政府公約の医療保障制度の抜本改正を促進し、これらの問題の早期解決をはかるべきであります。と同時に、早急に地域住民の予防体制の確立のための保健婦の待遇改善、無医地区の解消等配慮すべきであると思いますが、厚生大臣の御所見を承りたいと存じます。
 第三に、広域市町村圏の振興についてお伺いいたします。
 従来の市町村の公共施設の共同処理方式を強化して、広域生活圏域にある市町村が相協議して地域住民の要望にこたえて、単独では実施することの容易でない事業を総合的に共同で処理することによって高度の行政水準を維持して、それぞれの市町村の伸展を期するという広域市町村構想は、基本方針、実施計画並びに実施方式ともにあくまで関係市町村の自主的協議にゆだねるべきであります。そして、市町村圏の事業の遂行により個々の市町村の自主的行政に支障を来たすことのないように財源の配分を考慮すべきであると思います。なお、要望のある市町村については、でき得る限り調査を全般的に早期に進めることにより、各圏相互に格差を来たさない配慮が必要だと思われますが、自治大臣の御所見をお伺いいたします。
 第四に、地方税法の改正については、わが日本社会党としても、当面大衆課税の軽減、合理化と都市財源充実の見地から、地方税法の一部改正法案を提案いたしたいと存じておりまするが、おもだった点につき自治大臣にお尋ねいたします。
 第六十一回国会において、昭和四十四年度の地方税法改正の際に本院で行なった、住民税の課税最低限を所得税の課税最低限に近づけるよう引き上げるべき旨の附帯決議を尊重いたしまして、住民税の課税最低限を昭和四十五年度より順次引き上げることとし、昭和四十五年度には政府案の約七十三万円を八十万円近くにすべきであります。
 現行の道府県民税所得割りの税率は、二段階の比例的税率でありますが、低所得者との負担の均衡を考え、税率を五段階の超過累進税率制度に改正することが必要と存じます。
 事業税については、本来二重課税的性格を持つものであって、特に零細な個人事業者については全廃すべきでありまするが、当面所得税の控除欠格者につき課税しないように、事業主控除を五十万円程度に引き上げるべきであります。
 市町村、ことに都市財源の確保のためには、住民税の法人税割りの税率を大幅に引き上げること、昭和四十六年度より観光都市の消防施設その他の行政負担の急増に応ずるために、料理飲食等の消費税を、県税の減収は別途考えることとして、市町村税へ移譲すること、都市計画税の課税客体に償却資産を加えること、市町村の道路整備のために目的財源の確保等考慮すべきであると考えますが、自治大臣の御所見いかがでございましょうか。
 最後に、昭和四十五年度地方財政計画は、総額において、前年度に比し一八・九%の増加率であり、地方税、地方交付税はともに二〇%以上の増加率であり、一方歳出において、投資的経費が二三・九%、ことに住民の日常生活に密着した事業である特別事業費は三八・一%の増加率で、形式的には余裕ができたようでありますが、実質的にはとうてい複雑多岐にわたる住民の要望にこたえ得るものではございません。
 政府の長期展望に立っての地方財政の計画的な充実強化を要望いたしまして、質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山本君にお答えをいたします。
 まず、国庫優先を改めて、地方公共団体の財政を重要視せよとの御意見でありましたが、従来から地方公共団体の財政を軽視しているようなことは決してございません。住民の日常生活に密着した地方行政を充実することは、内政充実のためきわめて必要であり、四十五年度の地方財政計画におきましても、地方財政の充実について十分配慮しているところであります。御了承をお願いいたします。
 次に、地方行政のあり方についてでありますが、要は地方公共団体が地域住民のための行政をやりやすいようにする必要があるとの山本君の御意見には、全く同感であります。中央と地方行政とのつながりにつきましても、内閣の総合調整機能を十分に発揮し、縦割り行政の欠陥を補正すべくつとめておりますが、今後とも国と地方の行政が総合的に一体となって、内政充実の実効があがるように、この上とも配慮する考えであります。
 次に、各種地域開発法令についてでありますが、これらはそれぞれの時代的地域的要請に応じて制定され、相当の役割りを果たしてきたものでありますが、今日の時点で顧みるとき、相互の統一性が失われ、複雑多岐となっていることは御指摘のとおりでありまして、私も否定はするものではありません。政府といたしましても、現在、地域開発制度調査会議を設置して、鋭意検討を進めており、できるだけ早く成案を得るよう努力したいと考えております。
 以上、お答えをいたします。(拍手)
  〔国務大臣秋田大助君登壇〕
#21
○国務大臣(秋田大助君) 地方交付税の年度間調整につきましては、地方財政の立場に立ち、自主的に調整をすべきものと心得ておりますが、その前提条件といたしまして、国税三税を特別会計に直入すべきである、いわゆる特会直入の制度が好ましいのでございまして、この点は今後大蔵大臣と折衝、検討してまいりたいと考えております。
 地方交付税と申します毛のは、地方財政のもちろん均衡化と、財政保障をはかることを目的とするものでありまして、一般財源として無条件に交付されているものでありまして、補助金的な性格を持つものではございません。いささかもさような誤解を受けるような運用を地方交付税についていたすことのないよう、十分配意することはもちろんでございます。
 広域市町村圏の施策を進めるにあたりまして、事前の調査をすべき指定区域をふやしたらいいではないかという御意見でありますが、私どももさように考えておりまして、予算の許す限り、先行的な調査に資するような措置を講じてまいりたいと思います。
 なお、広域市町村圏の振興整備に関する事業計画は、関係市町村の協議によりまして策定、かつ実施されてまいるものでございまするから、その間、決して単独事業を犠牲にするようなことは考えられないのでございます。むしろ、各種の事業を広域的に、総合的に処理される結果、事業の効率があがり、それぞれの地方団体には余力が生ずるものであると考えられるのでありまして、自治省といたしましては、補助金の交付あるいは地方交付税上の措置、地方債の優先的配分等を積極的にいたしまして、地方財政にてこ入れをすることにより単独事業を圧迫するようなことにならないよう十分配慮をしていく所存でございます。
 住民税の課税最低限を所得税に近づけるべきであるということにつきましては、なるべくそうしたいと考え、われわれも努力をしており、また先ほども御説明申し上げましたとおり、夫婦と子供三人の給与所得者について十万五千円ばかりの引き上げを課税最低限について行ないまして、低所得者階級の税負担軽減に資しておることは御承知のとおりでございます。しかし、これを完全に一致せしめる必要は、その税の性格上、必要はないのではなかろうかと考えております。
 なお、個人事業税につきましては、これはその地域で事業をしている関係上、幾ばくかの負担を課税上していただくわけでございまして、これは全廃をさせるとか、あるいは小額所得者であるからやらなくてもいいんだというものではないのでございますが、これまたやはり低額所得ないしは事業の小規模な方々につきましては、事業主控除額を引き上げることによりまして負担の軽減をはかるべきでございまして、明年度におきましては、二十七万円より五万円引き上げる措置をとっておるのでございまして、一挙に五十万円ということはいささか早急に過ぎると思っております。
 なお、都市財源強化のために法人税割りをもっと引き上げるべきであるという御説でございますが、四十三年には自動車取得税の創設、また四十四年には地方道路譲与税の譲与基準の改正を行ない、また本年度、四十五年度におきましては、御承知のとおり、道府県民税法人割りの増収分を市町村に移譲するような措置をとりまして、政府といたしましては都市財源の充実につとめてまいりました。なお、この点につきましては、国と地方との税源の配分等にもいろいろ関連しますので、今後さらに検討をしてまいりたいと思っております。
 都市計画税に償却資産を加えるべきではなかろうかというお話でございますが、償却資産は移動するものが多く、その受益関係も必ずしも明瞭でないために、これを課税対象とすることは困難であると考えております。
 なお、料理飲食税等消費税を市町村に移譲すべきではなかろうかというお話でございましたが、道府県と市町村を通ずる行政事務及び財源の配分のあり方等にも関係する問題でありますので、今後慎重に検討する必要があると考えております。
 なお、道路財源としてガソリン税を市町村へ移譲すべきではないかというお話でございますが、揮発油税等燃料課税のあり方、新道路整備五カ年計画の財源措置とも関連するものでございまして、この点、今後、慎重に検討してまいりたいと考えております。(拍手)
  〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#22
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一は、四十五年度で三百億円の減額措置をとったことについてであります。
 御指摘のように、昨年一月に、私と自治大臣は覚え書きを交換いたしまして、その第一点は、交付税率三二%は当分の間これを据え置く、それから、今後はいわゆる貸借方式はこれを避ける、第三点は、交付税交付金については年度間調整の制度を確立する、こういうことだったのです。私は、これをぜひ昭和四十五年度にはやりたいという考えを持っておったわけであります。ところが、交付税交付金の年度間調整措置、これがなかなかむずかしい。ついに予算編成時まで自治省との間に話がつかない、こういうことに相なった次第でございますが、この三つの点が相互にひっからまっておる。そのからまりのある年度間調整措置ができないというので、他に年度間調整措置はどうかということを検討したのですが、妙案もなく、やむを得ず、引き続いて貸借方式を採用せざるを得ないということになったのです。私は、非常にこのことは残念に思っております。ここにつつしんで遺憾の意を表さしていただきます。
 第二は、所得税、法人税、酒税三二%、これを交付税特別会計に直接繰り入れにしたらどうかというお話でございます。
 本件につきましては、秋田自治大臣よりも執拗にそのようにせられたいという要請を受けておりますけれども、この制度創設の理由に考えまして、これには私はなかなか承知はいたしません。今後も賛同はいたしかねる、かように考えておることを御了承願いたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣内田常雄君登壇〕
#23
○国務大臣(内田常雄君) 山本さんから御意見がありました国民健康保険の諸問題につきましては、目下関係の審議会において審議中の医療保険制度の抜本改正の中において、その合理的改善を期しておるところでございまして、私といたしましてもこれが実施の促進をはかってまいる所存でございます。
 また、御指摘の老人医療の問題につきましても、その一環として対応してまいることにいたしております。
 国保の保健婦の確保、充実、またそのための処遇の改善につきましては、その保健婦の方々の役割りにかんがみまして、今後とも努力をいたしてまいる所存でございます。
 無医地域ないしは僻地医療対策の問題につきましては、これまでやってまいりました僻地診療所の整備のほか、巡回診療車あるいは患者輸送車の整備を特に助成をいたしますほか、明年度におきましては、親元病院に医師、看護婦等をできる限り充実して、これらの医療従事者を無医地域に派遣するような構想をもって、できる限り善処してまいる所存でございます。(拍手)
  〔国務大臣佐藤一郎君登壇〕
#24
○国務大臣(佐藤一郎君) 数ありますところの地域開発関係の法律を整理、統合すべき段階ではないか、こういう御趣旨でございまして、われわれも全く御趣旨に賛成でございます。さらに最近におきましては、御存じの新全国総合開発計画、ここにおきましても、広域的な地域開発制度をサゼスチョンしております。こういうこともございまして、私たちもただいま各省とも連絡をとりまして調整をいたしております。これについては、御存じのようにいろいろと問題もございますが、特に、たとえば今後ブロックにおきます計画の作成機関をどういう性質のものにするか、あるいはまた、さらには実施機関をどうするか、それと府県制度との関係をどういうふうにするか、それとまた、新全総における広域生活圏の問題とどう取り組むか、特に、御存じの大規模プロジェクトをこれから推進していかなければなりませんが、現在の国土開発調整費の運用等どういうふうにするか、いろいろと問題がございます。これらを逐次検討いたしまして、そうして内容を固めてまいりたい、こういうふうに考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○副議長(荒舩清十郎君) 桑名義治君。
  〔桑名義治君登壇〕
#26
○桑名義治君 私は、公明党を代表して、ただいま説明がありました地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十五年度地方財政計画の趣旨説明に対し、質問をいたします。
 まず、今後の地方財政のあり方についてお伺いいたします。
 総理が今国会冒頭の施政方針演説に述べられたとおり、七〇年代は内政充実の年といわれておりますが、従来の生産第一主義の政府施策は、急速な経済成長を促し、その反面、社会環境の整備の立ちおくれがますます顕著になっております。したがいまして、社会資本の投下充実こそ政策の最重点でなければなりません。したがって、あらゆる住民生活に最も直結している地方財政のあり方について種々論議がかわされるようになったことは当然の帰着であります。現在、国においては、その成果はともあれ、経済五カ年計画等の長期的ビジョンの上に立って施策が推進されているにもかかわらず、一方、地方行政においては長期的な展望もなく、年度ごとの地方財政計画のみで終始し、そのため、資本投下の効率は十分な効果をあげることは不可能であるといわなければなりません。そこで、今後地域開発、国民生活水準向上の長期計画を立案し、それに対して予算的裏づけを明確化することによって、計画性のある地方財政計画を打ち立てるべきであると考えますが、所信を伺いたいと思います。
 次に、住民税の減税についてであります。
 昭和四十五年度の住民税改正案は、給与所得者の標準世帯における課税最低限を約十万五千円引き上げ、七十二万九千円とすることになっております。しかしながら、その内容から見るならば、独身者については二十七万六千円以上の給与所得者に課税されることになり、このことは、中学新卒業者も課税対象になるのであります。
 一方、四十五年度の地方税の自然増収は約六千六百二十八億円と見込まれておりますが、これに対して、住民税の減税は、わずか自然増の一割にも満たない六百五十四億円にすぎないのであります。これでは、大型減税と政府がいかに宣伝しても、その努力は認められないどころか、従来からの重税感をぬぐい去ることはとうていできないのであります。
 わが党は、従来より、住民税の課税最低限は標準世帯において百万円にすべきであると主張しております。政府は、住民税の課税最低限百万円に対してどうお考えになっているか、前向きの姿勢でお答え願いたいと思います。
 また、住民税の均等割り制度については、かねてからその存廃が論ぜられておりますが、現行の地方税制においての納税人口は二千六百万人になっております。この現状から見るならば、納税本来の応益の原則から見ても、所得割りにおいてその原則は十分果たしていると考えるものであります。したがって、均等割り廃止についての御見解もあわせてお伺いいたしたいと思います。
 次に、縁故債についてでございますが、地方団体は、地方債を事業推進の重要な財源として発行しております。現在の政府資金による地方債のワクはあまりにも小さく、緊急を要する重要事業のためには、やむを得ず市中銀行等の融資による縁故債にたよらざるを得ない実情であります。縁故債は、政府資金による地方債に比べて金利が高く、しかも短期返済であります。したがって、政府は、縁故債に対する利子補給等が論理的に不可能であるため、利子補給のため起債を認め、その起債に対する利子補給を実施しているのが実情でありますが、それならば、なぜ最初から政府資金による起債のワクを広げないのか、全く不可解であります。このような財政運用の方法は、地方自治体にとって、また国家財政上からも、大きな損失になります。このような実情を勘案し、政府資金による地方債のワクを十二分に確保し、地方自治体の健全なる発展と国家財政の効率的な運用をはかるべきだと思うが、この点についての所見を伺いたいと思います。
 次に、固定資産税でございますが、固定資産の評価がえの年度を迎え、固定資産税の大幅な引き上げが予想されるのであります。しかし、固定資産税の免税点については、固定資産の評価の変更に伴い当然引き上げるべきと思われますが、従来どおり、土地については八万円、家屋については五万円という、きわめて低い状態であります。特に住宅とそれに伴う土地は、国民生活の本拠であります。したがって、生活の本拠として居住する家屋、それに伴う土地に対しては、当然免税点の引き上げとともに、小規模住宅については控除の制度を新設されることが、国民生活安定の上において最も望ましい措置であると思いますが、この点についての見解もお願いをいたします。
 次に、電気ガス税についてでございますが、御承知のように電気、ガスは一般家庭における生活必需品であり、これに課せられる電気ガス税は、典型的な大衆課税であり、かねてからその廃止が強く要望されてまいりました。また一面、一部の産業に対しては、産業育成という立場から、免税あるいは減免の措置が講ぜられております。このような意味から論ずるならば、国の施策である産業育成のために、地方住民がその負担を負わされていることになります。しかも、これらの産業は、公害等により地方団体及び地域住民に多大の迷惑を及ぼしているのが実情であります。総理もかつて、電気ガス税については、これを悪税と明言しておられます。以上のことから、一般家庭の電気ガス税は早急に廃止することが妥当であると考えますが、これに対する見解をお伺いしたいのであります。
 次に、地方交付税についてでございますが、地方制度調査会の答申によれば、地方交付税は地方公共団体固有の財源であると、その性格が明確にされております。さらにまた、昨年、自治大臣と大蔵大臣との間に、交付税の国と地方との貸借は今後行なわないという覚え書きをかわしておられるにもかかわらず、四十五年度においても、昨年、一昨年と同様に、今回は三百億円を国に貸し付けようとしているのでありますが、これに対してわが党は反対するものであります。また、このことは交付税の性格をますます不明確にするものであり、このため地方公共団体では長期計画的財政運用が阻害される原因となっているといっても過言ではありません。そこで、交付税の性格を明確にするため、また地方財政の長期的運用のためにも、地方交付税は、現在のように一般会計を通さず、直接交付税譲与税配付特別会計を設置し、それに繰り入れる措置をとるべきであると思います。その上で国と地方との財政調整をする必要があるならば、特別会計の中から国との財源調整をすべきであると考えますが、これらについての御所見もあわせてお願いをいたします。
 最後に、地方財政の確立についてであります。現在の国と地方の財政は、収入面においては国が七割、地方が三割、支出面においては国が三割、地方が七割というように、収入、支出において国と地方との比率が全く逆転するという不合理な制度であります。そのため、地方団体のほとんどが国のひもつき財源によって事業を推進し、また国庫補助事業により、地方は関連継ぎ足し事業のばく大な負担を負わされております。
 さらに、地方公共団体の行政事務の半分以上が、本来国で行なうべきものであり、反面それに見合う財源は保障されておりません。このような措置により地方財政はますます圧迫され、同時に地方自治は自主性をも喪失する危機にあると言えましょう。
 また、六〇年代以降の高度経済成長政策は、都市の過密化をもたらし、そのため、都市及びその周辺の市町村においては、財政需要が急増の一途をたどり、その反面、市町村の税源配分はむしろ国、府県と比較して大幅に減少しており、そのため、本来税収の多い都市においてすら交付税の交付団体であるという不合理が生じております。衆議院の地方行政委員会でも、再三にわたり、大都市財政の充実強化を決議しておりますが、一向に解決の方向に向かう機運が感じられないのであります。都市、特に大都市の財政需要の増高にかんがみ、財源の充実強化のため、法人税等の引き上げによる税額の増加分の配分を再考し、さらに、料飲税及び不動産取得税等を市町村へ移譲し、財政の強化をはかり、時代の推移に対応する措置をとるべきと思うが、御所見を伺いたいのであります。
 以上、質問を終わりますが、佐藤総理をはじめ関係各大臣の明快なる御答弁をお願いいたすものであります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#27
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 桑名君にお答えいたします。
 まず、地方財政計画を樹立せよという御提言でございましたが、私は、その前提として検討すべき多くの問題が残されている段階であると現在は考えます。私が申し上げるまでもなく、地方行政区域のあり方、県と市町村との間の事務配分や財源配分のあり方等の基本的な問題の詰めを行なうことが、今後長期にわたる地方団体のあるべき姿を描くためには何よりも大切なことであり、当面この検討につとめてまいる所存であります。
 次に、いろいろ税の問題についてお尋ねがございましたが、その詳細は、それぞれの大臣に譲るといたしまして、特に私ども関心の深い電気ガス税について、私の所見を御披露したいと思います。
 この電気ガス税につきまして、これらを一挙に廃止しろ、かように言われましたが、私は、地方財政の現状からそれは困難ではないか、やはり逐次その負担軽減をはかってまいることが実情に沿った措置であると、かように考えております。今回の改正も、まことに微々たるものではありますが、そのような趣旨に沿ったものであります。
 また、産業育成のための政策的な減税はやっておるじゃないか、こういう御指摘でありますが、国の負担において行なえ、国だけでやれというわけにもいかないと私は思います。これらは地方と国とが一体となりまして、こういう問題、地方への産業の誘致等にも積極的に努力すべきではないだろうか、かように私は考えております。次に、地方交付税の交付方式についてでありますが、これを地方固有の財源と解するかどうかの問題は別として、国の財政規模から見ても、大きなウエートを占めるに至りました交付税を国の一般会計からはずしてしまうことは、国の予算制度としても問題が多いと考えます。問題は、形式のいかんではなく、国と地方が互いに協力して、国民福祉の向上につとめていくことにあるのではないだろうか、私はかように考えます。
 その他の問題につきましては、それぞれ関係大臣からお答えをいたさせます。(拍手)
  〔国務大臣秋田大助君登壇〕
#28
○国務大臣(秋田大助君) まず第一に、住民税の課税最低限の引き上げにつきましては、先ほどお答えを申し上げましたので、これを省略させていただきます。
 百万円まで最低限を直ちに引き上げることは、妥当でないと思いますが、その目標に向かい、すみやかに上げていきたいということは、申すまでもないことでございます。
 それから、住民税の均等割りを廃止する考えはないか、これは地域社会の費用についての負担分任を求める性格を持つ税でございますので、これを廃止することは妥当でないと考えております。
 固定資産税の免税点につきましてお話がありましたが、家屋及び償却資産につきましては、評価額は、最近上昇しておりません。また、土地につきましても、四十年、大幅に免税点が引き上げられました結果、納税義務者の約四〇%が免税点未満となっておるのでございまして、八万円免税点に対応する税額もかなり大きいので、したがいまして、この際は引き上げる必要を考えておらないのでございます。
 地方債をなるべく多く政府資金をもって充当することは、理想ではございますが、財源にも制限があるので、事業をやらないわけにはまいりませんので、ある程度の縁故債を認めておるわけでございまして、事情は御了承願いたいと思います。
 地方交付税に関連し、国税三税を特別会計に直入すべしということにつきましては、私の見解は、先ほど申したとおりでございまして、大蔵大臣とも十分なおよく話し合ってみたいと考えております。
 五番目に、大都市に対する財源の強化の問題、あるいは料飲税の市町村移譲、あるいは不動産取得税の市町村への移譲につきましては、これまた先ほど申し上げましたとおり、いろいろの関係がございまして、道府県、市町村間の財源の合理的な配分等に関連いたしますので、十分検討さしていただきたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#29
○国務大臣(福田赳夫君) 総理大臣並びに自治大臣からほとんどお答えがありまして、私からつけ加えることはありませんが、ただ、三百億円減額措置について重ねてのおしかりでございます。両大臣覚え書きに違反いたしました点につきましては、私も非常に残念に存じております。重ねてここで心から遺憾の意を表明さしていただきたいと思います。(拍手)
#30
○副議長(荒舩清十郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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#31
○副議長(荒舩清十郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十一分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        厚 生 大 臣 内田 常雄君
        自 治 大 臣 秋田 大助君
        国 務 大 臣 佐藤 一郎君
        国 務 大 臣 山中 貞則君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      荒井  勇君
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ソース: 国立国会図書館
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