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1970/05/13 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 本会議 第28号
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1970/05/13 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 本会議 第28号

#1
第063回国会 本会議 第28号
昭和四十五年五月十三日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十六号
  昭和四十五年五月十三日
   午後二時開議
 第一 建築基準法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、参議院送付)
    …………………………………
  〔請願日程は本号(一)末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国立国会図書館の館長の任命承認の件
 山中国務大臣の観光基本法に基づく昭和四十四
  年度年次報告及び昭和四十五年度観光政策に
  ついての発言及び質疑
 日程第一 建築基準法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、参議院送付)
 優生保護法の一部を改正する法律案(参議院提
  出)
 請願日程 地方財政の確立に関する請願外千四
  百五請願
 横浜市千若町のノースドック早期返還に関する
  請願外千六百七十六請願
 十六常任委員会中懲罰委員会を除く内閣委員会
  外十四常任委員会並びに災害対策特別委員会
  外七特別委員会において、各委員会から申出
  のあつた案件について閉会中審査するの件(
  議長発議)
   午後四時四十五分開議
#2
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国立国会図書館の館長の任命承認の件
#3
○議長(船田中君) おはかりいたします。
 国立国会図書館の館長に久保田義麿君を両議院の議長において任命いたしたいと存じます。久保田義麿君の任命を承認するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 山中国務大臣の観光基本法に基づく昭和四十四年度年次報告及び昭和四十五年度観光政策についての発言
#5
○議長(船田中君) 山中国務大臣から、観光基本法に基づく昭和四十四年度年次報告及び昭和四十五年度観光政策について発言を求められております。これを許します。国務大臣山中貞則君。
  〔国務大臣山中貞則君登壇〕
#6
○国務大臣(山中貞則君) 昭和四十四年度観光の状況に関する年次報告及び昭和四十五年度において講じようとする観光政策について御説明いたします。
 この報告及び政策は、観光基本法第五条の規定に基づき、政府が毎年国会に提出することになっており、今回は第七回目のものであります。
 初めに、昭和四十四年度観光の状況に関する年次報告について御説明いたします。
 まず、国民観光について述べますと、最近の高度の経済成長に伴い、国民の生活水準の向上とその中に占める消費支出の拡大、余暇時間の増大、都市化の激しい進展による人間疎外の進行に対する反動作用等によりまして、生活に変化を与え、活力を回復するための観光についての欲求は、いよいよ切実なものとなることが考えられるのであります。このことは、最近のいわゆる観光ブームに顕著にあらわれているところであります。
 このような観光の状況は、健全な観光を推進するために解決しなければならない各種の問題、たとえば観光レクリエーション需要の激増と、これに対応する観光施設の地域的偏在にいかに対処するか、各種開発に伴う破壊から、いかにして自然、文化財を保護するかといった問題を表面化させ、そのため、それに対する適切な施策を講ずることが必要となっております。
 これらの問題に対し、昭和四十四年度においては、観光資源の保護、観光関係施設の整備、観光企業の指導監督等について種々の施策を講じてまいりました。
 第二に、国際観光に関しては、近年におけるわが国の経済発展に伴う国際交流の増加を反映して、来訪外客は、このところ毎年増大し、昭和四十四年には六十一万人と前年比一七%の増加となり、特に観光目的の入国者は二四%増を示しました。他面、わが国の海外旅行者の伸びはそれをかなり上回って、四十四年には前年比三一%増の七十一万人に達しており、最近、わが国において外貨持ち出し可能額の制限が逐次緩和されていることと相まって、わが国の国際旅行収支は九千三百万ドルの赤字となっております。
 今後は、わが国の国際経済社会における地位の一そうの向上に伴い、国際旅行収支の赤字改善とともに、国際交流、国際親善に対する一そうの貢献が必要であり、そのため、来訪外客の誘致活動の強化、受け入れ体制の拡充等の施策を引き続き推進する必要があると思われます。
 次に、昭和四十五年度において講じようとする観光政策について御説明申し上げます。
 これは、ただいま申し述べました観光の状況を考慮し、観光政策審議会の意見を聞いて作成したものであります。
 政府は、昭和四十五年度においても、観光基本法の趣旨に従い、国際親善の増進、国民経済の発展及び国民生活の安定向上等に寄与し、あわせて地域格差の是正に資することを目標に、国民の健全な観光旅行の育成、観光資源の保護及び開発、観光に関する施設の整備、外客の来訪の促進等に関し、次のような施策を行なうこととしております。
 まず、国民観光については、自然公園の整備及び保護管理の強化、東海自然歩道の建設、海中公園の指定、史跡保存のための史跡の買い上げ、自然休養林の整備、都市公園の充実、ホテル、旅館の整備等観光客受け入れ体制の充実をはかるとともに、観光企業に対する指導監督や観光旅行の安全をはかることとしております。
 第二に、国際観光に関しましては、海外における広報宣伝活動及び国際会議・行事の誘致活動の強化、出入国手続の迅速化、簡素化等を促進するとともに、国内における外客向け宿泊施設等の外客受け入れ体制を一そう充実させることとしております。
 以上をもちまして、昭和四十四年度観光の状況に関する年次報告及び昭和四十五年度において講じようとする観光政策についての説明を終わります。(拍手)
     ――――◇―――――
 観光基本法に基づく昭和四十四年度年次報告及び昭和四十五年度観光政策についての発言に対する質疑
#7
○議長(船田中君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。これを許します。井野正揮君。
  〔井野正揮君登壇〕
#8
○井野正揮君 私は、日本社会党を代表して、ただいま説明のありました昭和四十四年度観光年次報告並びに昭和四十五年度において実施しようとする観光政策について、佐藤総理及び関係各大臣に質問をいたします。
 世界で日本ほど自然に恵まれた国はないと思います。南は沖繩から北は千島に至るまで、これ自然公園ならざるはございません。
 また、われわれの同胞は、世界にまれなる働き者であります。東南アジア諸国、東欧の諸国、ソ連、中国などを見聞して、私は、日本人である誇りと喜びをしみじみ味わったものの一人であります。(拍手)平和憲法を守って、人権尊重と世界平和の維持につとめる日本人の努力に対し、世界の多くの人々が好感と信頼を持っておる事実を知ることができました。同時に、目ざましい工業の発展に驚異の目をみはっておることも知りました。私は、いまここで、わが国の経済がだれの努力によって発展をし、だれの犠牲で成長したかなどの議論をしようとしておるのではありません。わが国の美しい自然とすばらしい国民性、それ自体だけでもりっぱな観光資源であると言いたいのであります。
 総理は、さきに施政方針で、急速な社会、経済の進展に伴って、自然の破壊が進行する一方、野外レクリエーションの需要が増大をしている今日、自然保護は最も緊急な課題であると述べておられますが、この認識は、私も同感であります。そこで、総理が単なる思いつきだけでなく、心からそう思っておられるのであれば、あなたの最も信頼しておられるアメリカのニクソン大統領は、その教書において、公園とレクリエーションのために国有地の合理的利用をはかるべきことを提案をしておられます。佐藤総理は、この際、ニクソン大統領の教書にならって、重要な景観を国が買い上げ、保全をはかるべきだと考えますが、御所見を承りたいと存じます。
 この際、断わっておきますが、本年度厚生省所管予算の中に五千万円の経費の計上のあることは、先刻承知しておりますので、この意味での御答弁は差し控えを願って、将来にわたる問題としてのお考えを承りたいのであります。
 なお、ニクソン教書は、定期的に支出される使用可能な資金を補足するには、譲渡、売却、あるいは一そうよりよい用途への転換によって、現在所有しておる連邦政府の不動産を転用する以上に適切な方途はあり得ないと、すなわち、大都市中心部に所有する数千エーカーの国の財産の処分によって公園敷地等の取得を提案していることは注目すべきだと思います。
 この際、大蔵大臣は、国有財産の処分によって公園敷地の取得を検討すべきだと思いますが、そのお考えはありませんか、お伺いをいたします。
 私は、このことに関して、西ドイツのウイナワの緑の憲章を思うのであります。国民が自然を求めながら、反面、むぞうさに緑を破壊する、失われに社会公共に対する公徳心をいかにして回復するか、大切な課題だと考えます。すさみがちな世相に大切なものは、国民の国家概念への統一だと考えます。愛する祖国、理想の国家像ではないでしょうか。世界一自然に恵まれたよい国土、働き者の一億のきょうだい、人権尊重の平和憲法、三つのよい条件を備えたよい国に、さらによい政治が確立することができれば、世界平和へのきずな、東西緊張緩和のかけ橋たる使命にもたえ得ると思うのであります。(拍手)一億国民がようやく美しい国土の価値に目ざめ、緑を守る運動が起ころうとしておりますとき、佐藤総理のみずからの提唱で緑の憲章をつくるお考えはないか、お伺いをしたいのであります。
 すばらしい観光の条件を傷つけるものに、貧困、公害、交通混雑等の体制矛盾の露呈、犯罪の増加が目立ちます。社会不安から生まれる老人の自殺があります。もう一つ、太平洋側と日本海側との、日本を縦断する地域格差の現象を見落としてはなりません。また、交通事故は、避けることのできない社会現象ではありません。交通事故は犯罪であるという概念を確立すべきであります。加害者は言うまでもありませんが、被害者もまた罪なしとしない場合が多いのであります。
 それにも増して、国や地方公共団体の責任が重大であります。東京を含む関東地方の交通事故の統計は、埼玉県がその第一位を占めております。きょうは建設大臣がおられませんが、建設大臣はおそらく、埼玉は通過経路となっているからだと説明されると思いますが、それは皮相な観察であり、政治の責任を回避するものと言えましょう。
 政府は、本年度東海自然歩道を取り上げたが、国民は、これに非常に期待をいたしております。埼玉を通り抜ける国道、県道は、歩道がほとんどといってよいほどありません。田んぼの水を見て歩くにも、人の歩く道がないのであります。舗装された道路は、人のおらない国の道路となっております。この際、東海自然歩道の考えを全国的に広げる考えがあるかどうか。
 さらに、道路の拡幅及び建設にあたっては歩道を欠いてはならないと規定すべきだと考えます。埼玉県を通り抜けるバイパス道路、あるいはいわゆる美智子さま道路すら、歩道の考慮に欠けた国民不在の道路となっていることは、殺人、傷害の元凶こそこの道路行政といわなくてはなりません。総理はじめ関係各大臣の御答弁を求めます。
 また、最近の世相は、簡単に人の命を奪います。政治家、経営者、行政官、労働者等の職業の区別なく、また、老若男女、あるいは教養にも関係なく、公徳心が失われております。何事か悪事が起こりますと、国民は一口に、政治が悪い、こう言うのであります。世界の自然公園国、日本人の心に、美しいヒューマニズムの泉が失われつつありますことは、まことに、きわめて残念なことだと思います。
 わが国では、なぜ人々が貯財、物欲に執着するのでしょう。一口でいえば、一生を通じての生活の保障がない。自然動物的種族保存の親族意識への執着といえると思うのであります。今日、わが国経済の構造は、国民の貯財を、土地、建物、宝石を除いては、ことごとく取り上げてしまいました。保険、年金、恩給、共済、債券の貯財は、十年たてば、半額はおろか、三分の一の価値を失います。インフレ政策は、紙幣の増発、信用取引手形の手品で、人の心を紙のごとく薄く、冷たいものにしてしまいました。
 この社会構造の中から、よい因果循環を起こさせる努力を払うことは、政治の要諦であります。今日、私は、そのために年寄りを大切にすることが一番大切なことだと思います。すべての国民が所得と比例して納める老後保障税の創設を提案します。いますぐ若い人は扶養の責任から解放され、老人は豊かな老後生活が楽しめ、中老年は憂いなく、社会公共に力を尽くすことができるでありましよう。
 観光白書とあわせて、犯罪白書をも検討願いたいのであります。閣僚会議が、犯罪発生の根源に触れないで、検事や裁判官の増員を考え、警察署や監獄の増設を相談するのは、十八世紀の政治といわなければなりません。(拍手)
 佐藤総理にぜひお見せしたいものに、北京やモスクワの監獄があります。私は、おそらく総理の政治哲学に大きな影響を与えることを信じて疑いません。この二つの国は、総理の生命は十分保障されますので、百聞は一見にしかずの体験をされることをおすすめしたいと存じます。
 わが日本では、宰相や実力政治家がこの世を去られますと、その遺産がマスコミをにぎわします。みずからの政治を信じないで、財をなし、一族の繁栄と幸福を願うからであります。佐藤総理が世を去られたときに、遺産もなく、井戸べい宰相佐藤榮作としての不朽の名を歴史にとどめていただきたいものだと思うのであります。
 総理、今日の社会不安の解消のために、国民の心にヒューマニズムの泉を掘り起こす政治のために、年金や共済、恩給等の制度を改めて、老後保障税の創設を検討する約束はできませんか。総理はじめ関係大臣のお考えを承りたいのであります。(拍手)
 次に、万国博覧会と札幌オリンピックについてお伺いをいたします。
 ただいま開会中の万博、また、札幌オリンピックは鋭意その準備が進められております。その労を多とすることにやぶさかでございません。だが、これらの努力も、単なるお祭り騒ぎに終わったのでは意味がございません。私はここに二つのことを考えます。
 その一つは、万博の残す幾多の教訓を今後の政治、経済の道しるべとするために、憶するところなく、記録し、公開をし、経験に学べということであります。
 その二つは、東京オリンピックの遺産の大きなものに、首都の道路改革がありました。雪の祭典札幌オリンピック大会を機会に、雪害克服の諸問題に画期的対策を樹立して、雪害克服に挑戦すべきだと思うのであります。このことは地域格差是正にも大きな足がかりとなることは間違いのないところであります。御所見を伺います。
 最後に、小さなことではございますが、医道の高揚についてお伺いをいたします。
 外国観光客に法外な診療費を請求し、領収した悪質な医師の行為が、朝日新聞の読者欄に、ある大学助教授が身分と氏名を明らかにして公開されました。この医師の行為は、国際的に見てまことに恥ずかしいことだと思います。タクシー運転手の外国人からの法外料金は聞いたが、お医者さんまでが、これが一般国民の医師に対する考え方であります。紳士の仮面も安くなったものだとすましてはおられません。一千万円で修学を保証、高い医学生の授業料という記事など、ある私立医大が論評されております。医道の高揚、今日ほど切なるときはないのであります。悪質医師の営利に過ぎる経営が、善良な医師、紳士諸君をも傷つけております。政府が招いた国際会議の中で、医学、薬学、診療技術に関する会議が大半を占めております現状からも、すぐれた医学と退廃した医道では自慢になりません。国際信用を失墜しないためにも、佐藤総理、厚生大臣は、医道の高揚のためにいかなる方策をお持ちか、お伺いをいたしたいのであります。
 ただいま御説明になりました山中総理府総務長官のお話を聞いておりますと、インフレ政策によって現出した虚構の繁栄の中で、すなわち国民大衆はアヘンに酔った中毒患者のごとくせつな的享楽に殺到し、息詰まる生活環境からの一時的脱出をはかるこれらの現象を表面的にとらえて、あすのあらしも知らぬげに歌う春の野のヒバリやウグイスの歌声のごとく考えておられるようであります。(拍手)余暇活動は、まさしくそのための活動であり、その中でも変化欲求を最も満足させるものが観光であると述べられておりますが、虚構経済の上に咲いた華麗なあだ花でなく、地についた健全な、安定した、充実した国民生活の秩序、土壌に咲く人間社会の花こそ、私どもの望んでやまない文化国家日本において初めて見ることのできる観光であります。
#9
○議長(船田中君) 井野君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#10
○井野正揮君(続) 老人の行楽、休暇を楽しむ主婦、家族行楽、また国際親善友好の道を切り開き、その実をあげ得るものと考えます。
 政府は、観光基本法の精神を再度かみしめる必要があることを強調して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 井野君にお答えいたします。
 近年、わが国の貴重な自然が無秩序に破壊され、良好な生活環境とレクリエーションの場が失われつつあることはたいへん残念なことであります。さきに策定をした新全国総合開発計画におきましても、国民的資産である自然及び歴史的環境を長期にわたり保護、保存するための具体的方向を明らかにしたのでありますが、その実現については、今後一そう努力してまいる決意であります。
 御提案の、公園敷地内の必要区域の確保につきましても、つとに助成措置を講じていることであり、また、交換方式による用地取得も可能であります。井野君のお尋ねの趣旨に沿って、自然景観が民間施設によって害されることのないよう、十分配慮してまいりたいと考えております。
 ただいま、その意味で問題になりますのが、奈良県の明日香村、そこの景観の保持の問題が国民的な課題になっております。まだ具体的対策は立てておりませんが、近く私も現地を見まして、そうしてこれの対策を立てたいと、かように考えております。何とぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
 次に、自然保護憲章を制定しようとする動きが、民間におきましても高まっているようでありますが、自然保護思想を国民全体に普及するために、時宜を得たものと考えます。井野君の御指摘になりましたことにつきましては、私も賛意を表する次第でありまして、国民の総意として適切な自然保護の憲章が生まれることは望ましいことであり、政府としても可能な協力は惜しまないつもりであります。
 次に、東海自然歩道は、人間性回復の施策の一つとして、国民多数の共感を得て発足したものであり、いずれ将来は他の適当な地域に拡充されることは十分考慮されますが、当面は、本年度から着手した東海自然歩道の完成にまず力を注ぎたい、かように考えております。
 次に、歩行者安全の見地から、歩道の全面設置についての御提案がありましたが、政府としても近く道路構造令を改正し、市街地のみならず、地方部に新設される道路につきましても、必要に応じ、歩道の設置を規定する考えであります。
 なお、既設の道路につきましても、歩道の設置策、歩行者保護のための施設は、重点的にこれを整備し、進めているところでありますし、また、さらに注意してまいるつもりでございます。
 次に、観光問題からだんだん飛躍いたしまして、老人……。たいへん失礼いたしました。まじめにお答えいたしますので、お聞き取りをいただきたいと思います。
 観光問題より老人年金問題に波及されましたが、わが国の老齢年金は、さきの改正により、給付水準の面で、制度的には欧米諸国に比しほぼ遜色のないところまで改善されております。従来から社会保障方式の上に老齢年金の充実は十分可能であり、そのような方向で考えてまいりたいと存じます。これは特別な目的税を設置する、こういう国もございますが、私は、日本の場合は目的税を設置しないでただいまの制度を充実していく、その方向がいいのではないか、かように考えております。
 次に、万博、あるいはさきに開かれました東京オリンピック等の例をあげられまして、今度開かれる札幌オリンピックについて、いろいろの希望が述べられました。特にこの地域の雪害対策と地域格差の是正方についての御要望がありました。私もこれにつきましては共感を覚えるものがございますので、今後一そう努力してまいる決意でございます。(拍手)
 最後に、外国からの来客に対し、いわゆる国際観光の立場から、法外な医療費を取った例があるとの御指摘でありましたが、事実とすればまことに残念なことのように私は考えます。単に医師諸君だけの問題でなく、内外を問わず、外国人と接する国民一人一人が国の親善使節である、この自覚の上に立って、互いに世界から敬愛される日本、そのためにわれわれは努力したいものだと考えます。
 以上、お尋ねに対しましてお答えをいたします。(拍手)
  〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#12
○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げたいと存じますが、ただいま総理からきわめて詳細にお答えいたしてありまして、私がつけ加える余地がないくらいでございます。
 ただ一つ、公園造成のために国有地を売却する考えはないか、したらどうかというお話でございますが、公園造成の必要がある場合におきましては、一般財源もこれを充当することを考えます。しかし、必要に応じまして、また不用の国有地がありますれば、これを売却してこれに充当するということも考えてまいりたい、かように存じます。(拍手)
  〔国務大臣山中貞則君登壇〕
#13
○国務大臣(山中貞則君) 特別に私に対する御質問とおぼしきものはなかったのでありますが、ただいまの総理、大蔵大臣の御答弁なさいました以外の問題といたしまして、欠席いたしております建設大臣に対する御質問の中で――建設大臣、出席をしておられますので、建設省が考えておられまする道路新五カ年計画の中に、新しく人命を保護するための安全施設というものを計画しておられますことに対応いたしまして、私のほうでも交通対策の担当といたしまして、警察庁の安全施設の五カ年計画というものを、道路五カ年計画に対応させまして、累増する道路交通事情に対応するための、人命尊重に対する国の財源的な年次計画を樹立いたしたいと考えておる次第でございます。(拍手)
#14
○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#15
○議長(船田中君) 日程第一、建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#16
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。建設委員長金丸信君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(一)末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔金丸信君登壇〕
#17
○金丸信君 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、都市における土地の合理的な高度利用をはかり、秩序ある発展に資するため、建築物の容積及び用途の規制に関する基準を整備するとともに、建築物の防災対策を推進するため、内装等に関する制限を強化し、あわせて建築基準行政の適正な執行の確保をはかろうとするもので、その内容は次のとおりであります。
 第一に、人口二十五万以上の市に建築基準法の執行を義務づけることとし、その他の市町村については、法の全部または一部の執行ができることとするほか、違反建築物に対し敏速かつ効果的な是正措置を講ずるため、建築監視員、違反建築物等の公示、違反建築物等の所有者等に対する質問の制度を設けることとしたこと。
 第二に、建築物の高層化、大規模化、技術の進歩等に対処するため、特殊建築物の防火、排煙、避難、内装制限等に関する基準を整備するほか、特殊建築物、高層建築物等に換気及び非常用昇降機の設置を義務づける等、建築物の防災対策を整備することとしたこと。
 第三に、従前の四種類の用途地域を八種類の用途地域に改めることとし、用途地域内の純化をはかることとしたこと。
 第四に、建築物の容積制を採用することとし、容積率は各用途地域の種類に応じて定められた数値を都市計画で定めることとするほか、建蔽率については、各用途地域とも若干の緩和を行なうこととしたこと。
 第五に、建築物の各部分の高さは現行の制限のほか、第一種及び第二種住居専用地域に限り北側敷地境界線からの高さの斜線制限を行なうこととしたこと。であります。
 本案は、参議院先議のため、去る二月二十五日本委員会に予備付託され、四月十七日本委員会に正式に付託されたもので、翌十八日建設大臣より提案理由の説明を聴取し、以来、慎重に審議いたしたのでありますが、その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 かくて、五月十二日、本案に対する質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決の結果、賛成多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対して、違反建築物に対する強力な是正措置など六項目の附帯決議が付されました。
 右、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#19
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 優生保護法の一部を改正する法律案(参議院提出)
#20
○加藤六月君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、参議院提出、優生保護法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#21
○議長(船田中君) 加藤六月君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 優生保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#23
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長倉成正君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(一)末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔倉成正君登壇〕
#24
○倉成正君 ただいま議題となりました優生保護法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行なう者が受胎調節のため必要な医薬品を販売することができる期間を五年間延長することであります。
 本案は、昨日本委員会に付託となり、本日の委員会において採決の結果、本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 請願日程 地方財政の確立に関する請願外千四百五請願
 横浜市千若町のノースドック早期返還に関する請願外千六百七十六請願
#27
○加藤六月君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、請願日程千四百六件とともに、本日委員会の審査を終了した横浜市千若町のノースドック早期返還に関する請願外千六百七十六請願を追加して一括議題となし、その審議を進められんことを望みます。
#28
○議長(船田中君) 加藤六月君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 地方財政の確立に関する請願外三千八十二請願を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
#30
○議長(船田中君) 各請願は委員長の報告を省略して採択するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
     ――――◇―――――
 委員会の閉会中審査に関する件
#32
○議長(船田中君) おはかりいたします。
 十六常任委員会中、懲罰委員会を除く内閣委員会外十四常任委員会並びに災害対策特別委員会外七特別委員会から、閉会中審査いたしたいとの申し出があります。
#33
○議長(船田中君) 各委員会において申し出のとおり閉会中審査するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#35
○議長(船田中君) この際、暫時休憩いたします。
   午後五時二十六分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        建 設 大 臣 根本龍太郎君
        国 務 大 臣 山中 貞則君
 出席政府委員
        厚生政務次官  橋本龍太郎君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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