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1969/12/02 第62回国会 参議院 参議院会議録情報 第062回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
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1969/12/02 第62回国会 参議院

参議院会議録情報 第062回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号

#1
第062回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
昭和四十四年十二月二日(火曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本茂一郎君
    理 事
                伊藤 五郎君
                源田  実君
                鶴園 哲夫君
                渋谷 邦彦君
                松下 正寿君
    委 員
                河口 陽一君
                中村喜四郎君
                長谷川 仁君
                増原 恵吉君
                山本 利壽君
                川村 清一君
                小林  武君
                沢田 政治君
                春日 正一君
   国務大臣
       国 務 大 臣  床次 徳二君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        鯨岡 兵輔君
       食糧庁長官    森本  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瓜生 復男君
   説明員
       総理府特別地域
       連絡局参事官   加藤 泰守君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○継続調査要求に関する件
○沖繩における産業の振興開発等に資するための
 琉球政府に対する米穀の売渡しについての特別
 措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本茂一郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 この際、継続調査要求についておはかりいたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査につきましては、閉会の場合においてもなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山本茂一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出の時期等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本茂一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#5
○委員長(山本茂一郎君) 次に、
 沖繩における産業の振興開発等に資するための琉球政府に対する米穀の売渡しについての特別措置に関する法律案
 を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
 鯨岡総務副長官。
#6
○政府委員(鯨岡兵輔君) ただいま議題となりました、沖繩における産業の振興開発等に資するための琉球政府に対する米穀の売渡しについての特別措置に関する法律案につきまして、提案理由及びその概要を御説明いたします。
 この法律案は、沖繩が復帰するまでの間における沖繩に対する経済援助の一環として、沖繩における産業の振興開発等に要する資金の財源の確保に資するため、政府が琉球政府に対し、政府の所有する米穀を特別の条件により売り渡すことができるようにするための所要の事項を定めようとするものであります。
 以下、この法律案の概要について申し上げます。
 沖繩の経済は、ここ数年来、米軍需要の増加、砂糖製造業等輸出産業の振興、日米両国政府の財政援助の増額等により、著しい成長を遂げつつあるのでありますが、その産業の基盤は必ずしも強固なものとは言えない状況にあります。
 特に農業生産の基盤である農地につきましては、圃場が狭小かつ分散し、その整備が立ちおくれている実態にあります。また、沖繩の代表的な産業である砂糖製造業及びパインアップルかん詰め製造業について申し上げますと、狭隘な地域に多数の体質の弱い企業が乱立しているため、製造コストも著しく高い状況にあります。したがいまして、沖繩の本土復帰に備えて、このような沖繩の産業の脆弱な構造を改善し、さらに沖繩に適する産業の開発を促し、もって沖繩経済の自主的発展を促進するためには、低利かつ長期の資金を供給する必要があると考えられるのであります。
 他方、沖繩における米穀の需給状況を見ますと、島内で生産される米穀は需要量の一割程度であり、残りの九割は輸入に依存している実情にあります。
 以上申し述べた実情にかんがみまして、この際、この法律案において、沖繩に対する経済援助の一環として政府が所有している米穀を、沖繩における米穀の消費者価格を参酌して定める価格により、担保の提供を免除し、無利子で、かつ、三年以内の据え置き期間を含む二十年以内の年賦払いとする条件で琉球政府に売り渡し、同政府が、その米穀の売り渡し代金を積み立てて、沖繩の産業の基盤の整備等のために使用することといたしております。
 なお、この法律案に基づき琉球政府に米穀を売り渡すことにより、食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんするため、同会計の国内米管理勘定に、一般会計から繰り入れ金を行なうことができることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(山本茂一郎君) 以上で政府からの説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#8
○鶴園哲夫君 琉球政府が、できるなら沖繩で輸入している米に相当するだけのものを希望しておったというふうに聞いているわけなんですが、実際はそれよりも非常に少ないもののようでありますが、これは附帯決議にもありますけれども、その希望に沿うように前進していくものかどうか、あるいはそれについて何か障害があるのかどうか、そういう点についてお尋ねいたします。
#9
○政府委員(鯨岡兵輔君) 申し上げましたように、約九万トンくらい琉球では消費いたします。一万トンだけが琉球でできるものであります。したがいまして、八万トンくらいが足らなくなるということであります。先生御指摘のように、できるだけ多くというふうにわれわれも実は考えております。しかしながら、いままで行ったことがないのです。ずっとカリフォルニア米その他豪州等から輸入をいたしておりますので、その商社等の仕事が全然なくなってしまうという関係もあるらしく、琉球政府のほうでも、多くは望むのだけれどもそれらのことを勘案してというような向きもありまして、かたがた、二万トンないし三万トンということでありましたが、われわれは三万トンの線を堅持してことしは実施いたしたいというふうに考えているわけでありますが、おっしゃられる意味は全くわれわれも同感でありますので、その線でこれから進んでいきたい、こう考えている次第であります。
#10
○鶴園哲夫君 けっこうです。
#11
○渋谷邦彦君 まず、基本的な問題として総理府にお尋ねするのですが、いまの趣旨説明にございましたように、政府としても従来経済援助の一環として農業振興のために努力をしてこられたようでありますけれども、現状としては必ずしも前進的な方向に向いていない。しかも、いろいろな客観条件のこともございましょう。必ずしも米作に適しているかどうか、いろいろなそういうような問題もからんでいると思うのでありますが、今後返還された暁において、政府当局としてはどのような基本的な方針を持ち、沖繩全域にわたる振興のための計画あるいはビジョンなりをお持ちになっていらっしゃるか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
#12
○政府委員(鯨岡兵輔君) ただいまの御指摘は、われわれの最も苦慮しているところであり、さらにこれからわれわれがやらなければならない重大な課題であることは申すまでもないことであります。提案理由の概要説明でもお話し申し上げましたように、沖繩のもともとからある産業は、パイナップルのかん詰め業並びにお砂糖であることは御承知のとおりでありますが、これがいずれも生産性がきわめて低いために、かん詰めば税金の面で、お砂糖は全部買い上げるというようなことで先生方の御協力もいただき、これを援助していることは御承知のとおりでありますが、将来にわたって沖繩の経済全体を考えたときに、やはりこの二つの基幹産業はこれからも伸ばしていかなければならぬというふうに考えて、それには提案理由の説明にもありましたように、たとえばお砂糖に例をとれば、小さな工場がそこらじゅうに分散しているという状態、そういうものをひとつやはり統合するというような面で進んでいかなければならないのではないか。あるいはサトウキビなんかでも、もう少し農地がしっかりすればもっと増産ができるのではないか。パイナップルなんかでも、もっと大きなパイナップルができるのではないかというようなことを先般来鋭意検討を進めてまいりまして、そういう線でこれからやっていきたい。特に沖繩を分けて、本島でない先島あるいは宮古、そういうようなところはその線で進んでいきたい。漁業の問題ももちろんありますが、ただいまの御質問は主として農業についての御質問だと思いますので、われわれは、さきに決定をいたしました基本構想におきましても、そういう構想でやっているわけでございます。そのためには、何といたしましても、農地の整備、そういうことに力を尽くしていかなければならないのではないか、そういうことのために多くの資金を要するのであれば、それに対して全面的な援助をすることがこの目的を完遂するゆえんではないか、こんなふうに考えておるわけであります。もちろん、今度のお米のことを決定していただいて、この三万トンで約二十億と概算されますけれども、それでできるものではございません。あらゆる努力を払って、その他にも先生方の御協力をいただいて、そういう方針で今後進んでいきたい、こう考えておる次第であります。
#13
○渋谷邦彦君 いまの問題は、返還後具体的な施策がとられるであろうと思いますけれども、少なくとも国内における農業政策はたいへんな失態を来たしておりますね、少なくとも米の問題につきましては。そういうことを考えてみますと、今後沖繩の農業振興につきましても、非常に憂慮される一面がないとは言えない。いまも御説明がありましたように、当然砂糖あるいはパイナップル、これを基幹産業としてこれからも振興さしていきたい。そのほかに米とか麦とか、そういう問題が必然的に起こってくるわけでありますが、どだい土質が非常に悪い。いろいろなそういう悪条件が重なっておりますので、そうしたことも十分考慮されての今後の方針という、その方針の一端を述べられたんだろうと私は思うのでありますけれども、そうした場合に、確かに砂糖あるいはパイナップルは、われわれが考えても、どんどんこれからも育ててもらいたい。しかし、その反面に、やはりその土地に適さないというものがかなり出てくると思うのでありますが、そういった場合の本土との流通というものをどういうふうに考えていらっしゃるのか、その辺をちょっとだけ。また、こまかいことについては次の国会ということもございますので、その点あたりをもう一度御説明いただければと思います。
#14
○政府委員(鯨岡兵輔君) ただいまお砂糖並びにパイナップルについてのみ考えていることをお答え申し上げたのですが、ただそれだけでいいというのではないわけであります。基本構想をさきに発表いたしましたところに明らかなごとく、沖繩に適するところの何か農業はないか。たとえば基本構想で明らかにしたところでは、経済が高度化してくれば、南方特有の植物――観葉植物といいますか、そういうものを愛好する人が本土の中にも相当できてくるでしょう。そういうことの需要を満たすための供給地にしようというようなことも考えておるわけであります。何にいたしましても、一番いまわれわれの頭を悩ましていることで、どなたに聞いてもまだ決定的なお答えのいただけないものは、しこうしてそれしかないと思いますので、それに全力をあげようとしていることは、このパイナップルをもう少し育成してもっと大きな実をつくって、そして国際市場で競争のできるようなパイナップルかん詰め工業にしていこうということ、それからサトウキビなんかも、いま御指摘のように、土地が非常に悪うございますから、その土地を耕地整理その他、水がうまくいくようにして、そしてサトウキビの増産をはかっていこう。それから工場等を整備することは先ほど申し上げたとおりであります。
 それからもう一つ、非常に希望が持てるのではないかと思って、われわれがいまも手をつけて、沖繩の主として先島、宮古方面の方々に御協力をいただいて意欲的にやっている仕事に畜産があります。この畜産はお乳をしぼる牛ではなしに、食肉の畜産でありますが、経済が高度化してまいりますと、やはり豚肉、鳥肉よりは牛の肉を食べることが非常に多くなってまいりますので、本土における需要を満たす供給地として畜産を大いに振興させてみよう。それには牧草の問題があります。この牧草を、もっといい牧草を育てなきゃなりません。それにはやっぱり土地を直していかなければなりません。そういう大きな問題がありますので、それら一切ひっくるめて、これから計画的に実行していこう、こう考えているわけであります。
#15
○渋谷邦彦君 次に、今度沖繩に供給される米の種類――と申し上げたほうがいいのかどうか、いま本土でも古米、古古米が相当量残っているわけでありますが、新米を出されるのか、古米を出されるのか、古古米を出されるのか、そこらあたりどうなんですか。
#16
○政府委員(森本修君) 沖繩に売り渡します米の品質はまだ具体的にはきめておりませんけれども、沖繩と本土とのこういった関係、また、初めての沖繩に対する米の積み出しであるといったようなことを考えまして、少なくとも私どもとしましては、本土の消費者が現在配給によって受けております品質と同等のものは十分確保いたしたいという考えでございます。具体的にいま新・古米の比率についてのお尋ねがございましたが、現在内地におきましては新・古米の比率は五〇%・五〇%というような形で配給をいたしております。将来は多少新米の比率を引き上げていく、そういう計画になっておりますから、さような本土における配給米の比率を十分確保するような形で沖繩に供給していきたいというふうに考えております。
#17
○渋谷邦彦君 それも本土並みということになるございますから 完全にはずして どうぞお使いくださいというわけにはまいりません。そこで一応御指摘のようなところに向けて、これも琉球政府と十分折衝を重ねた結果そういうようにいたしたものでございます。それから、そういうワク内で琉球政府がこれからいろいろ考えることについては、これは十分考えていくつもりでおります。どれもこれもワクをはめて、これ以上はいけないとか、そういうことでないということを御了承いただきたいと思います。
#18
○春日正一君 もう一つ簡単なことですが、この法律はこの前六十一国会で通すということでお出しになって、ああいう経過で通らなくて今になったのですが、今年度分の三万トンですか、これの向こうへの引き渡しというようなことについてはスムーズにいくようになっておりますか。その点心配ありませんか。
#19
○説明員(加藤泰守君) その点につきましては、現在琉球政府が二月までの米は確保しておりますので、その後、すなわち三月以降のものとして、いつどうしたらいいかということは、琉球政府とも具体的に検討した結果、まあ、一月になって大体具体的な案をつくれば三月までには十分間に合うということでございますので、この法案を通していただければ、直ちにその作業に入るということになるわけでございます。それで目的は達するわけでございます。
#20
○委員長(山本茂一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(山本茂一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(山本茂一郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 沖繩における産業の振興開発等に資するための琉球政府に対する米穀の売渡しについての特別措置に関する法律案
 を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#23
○委員長(山本茂一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#24
○鶴園哲夫君 私は、ただいま可決すべきものと決定されました、沖繩における産業の振興開発等に資するための琉球政府に対する米穀の売渡しについての特別措置に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四派共同の附帯決議案を提出いたします。
 趣旨説明は省略させていただき、案文を朗読いたします。
 以上であります。何とぞ御賛成くださるようお願いいたします。
#25
○委員長(山本茂一郎君) ただいま鶴園君から提出されました附帯決議案を議題にいたします。
 鶴園君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#26
○委員長(山本茂一郎君) 全会一致と認めます。よって、鶴園君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し床次総理府総務長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
 床次総務長官。
#27
○国務大臣(床次徳二君) 政府といたしましては、ただいまの附帯決議の趣旨を十分尊重の上、本件に対処していく所存でございます。
#28
○委員長(山本茂一郎君) なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(山本茂一郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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