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1969/12/01 第62回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第062回国会 法務委員会 第1号
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1969/12/01 第62回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第062回国会 法務委員会 第1号

#1
第062回国会 法務委員会 第1号
本国会召集日(昭和四十四年十一月二十九日)(
土曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
   委員長 高橋 英吉君
   理事 大村 襄治君 理事 鍛冶 良作君
   理事 進藤 一馬君 理事 田中伊三次君
   理事 永田 亮一君 理事 畑   和君
   理事 佐々木良作君
      植木庚子郎君    大竹 太郎君
      木野 晴夫君    千葉 三郎君
      中馬 辰猪君    中垣 國男君
      中村 梅吉君    濱野 清吾君
      松野 幸泰君    村上  勇君
      山手 滿男君    猪俣 浩三君
      神近 市子君    栗林 三郎君
      黒田 寿男君    河野  密君
      柳田 秀一君    西村 榮一君
      山田 太郎君    松本 善明君
―――――――――――――――――――――
昭和四十四年十二月一日(月曜日)
    午後零時二十五分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 大村 襄治君 理事 鍛冶 良作君
   理事 進藤 一馬君 理事 田中伊三次君
   理事 畑   和君
      大石 八治君    大竹 太郎君
      亀山 孝一君    木野 晴夫君
      塩川正十郎君    竹下  登君
      濱野 清吾君    細田 吉藏君
      松野 幸泰君    猪俣 浩三君
      中谷 鉄也君    岡沢 完治君
      山田 太郎君    松本 善明君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 西郷吉之助君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 辻 辰三郎君
 委員外の出席者
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 影山  勇君
        最高裁判所事務
        総長      岸  盛一君
        最高裁判所事務
        総局人事局長  矢崎 憲正君
        専  門  員 福山 忠義君
    ―――――――――――――
十二月一日
 委員千葉三郎君、中馬辰猪君、中垣國男君、中
 村梅吉君、山手滿男君、栗林三郎君及び西村榮
 一君辞任につき、その補欠として亀山孝一君、
 竹下登君、大石八治君、塩川正十郎君、細田吉
 藏君、中谷鉄也君及び岡沢完治君が議長の指名
 で委員に選任された。
同日
 委員大石八治君、亀山孝一君、塩川正十郎君、
 竹下登君、細田吉藏君、中谷鉄也君及び岡沢完
 治君辞任につき、その補欠として中垣國男君、
 千葉三郎君、中村梅吉君、中馬辰猪君、山手満
 男君、栗林三郎君及び西村榮一君が議長の指名
 で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月一日
 裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一三号)
 検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一三号)
 検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一四号)
     ――――◇―――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 おはかりいたします。
 国会法第七十二条第二項の規定により、最高裁判所長官の指定代理者から、出席説明の要求がありました。これを承認するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○高橋委員長 本日付託になりました内閣提出の裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。
#5
○高橋委員長 まず、両案について政府に提案理由の説明を求めます。西郷法務大臣。
#6
○西郷国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。
 政府は、人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を提出いたしましたことは、御承知のとおりであります。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、以下簡単に改正の内容を御説明いたします。
 最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給につきましては、これに対応する特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じ、その他の裁判官の報酬及び検察官の俸給につきましては、おおむね、その額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。
 なお、今回の改定に伴い、昭和四十二年の改正法においてとられた暫定手当の報酬または俸給の月額への繰り入れの措置を引き続き行なうため、昨年の改正法の場合と同様に所要の改正を加えることとしております。
 これらの改正は、一般の政府職員の場合と同様、いずれも昭和四十四年六月一日にさかのぼって適用することとしております。
 以上が、裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決賜わらんことをお願い申し上げます。
#7
○高橋委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#8
○高橋委員長 これより両案について質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。
 この際、申し上げますが、先ほどの理事会の申し合わせにより、質疑は一人五分程度にお願いいたします。田中伊三次君。
#9
○田中(伊)委員 法務省並びに最高裁の両当局に御決意を伺っておきたいと思います。
 それは、およそ人事院の給与に関する勧告なるものは完全実施をすべきものと考える。しかるところ、今回のこの法案についても完全実施には至っていない。今回並びに将来は完全実施に関してどういう見解をお持ちになるか。両当局の御見解を承っておきたいと思います。
#10
○西郷国務大臣 ただいま田中委員より仰せのとおり、人事院の勧告は尊重しなければなりませんが、今回のは完全実施になっておりません。次回等からはすみやかに完全実施にいたしたいという強い熱意を持っております。
#11
○矢崎最高裁判所長官代理者 人事院勧告の完全実施につきましては、従来担当の各方面にお願いしてまいったところでございますが、ただいま田中委員からありがたい御発言がございました。ぜひとも完全実施が実現されますよう、この席であらためてお願い申し上げたいと思います。
#12
○田中(伊)委員 終わります。
#13
○高橋委員長 中谷鉄也君。
#14
○中谷委員 次のような点について質疑をいたしたいと思います。
 従来、本法案については特に詳細な審議が常々行なわれてまいりました。さらに最高裁については事務総長の出席がありまして、事務総長のほうから本法案についての質疑に答える、こういうことが委員会においてすでに行なわれておったと思いまするが、最も大事なこの法案の審議にあたって御出席がない。これは一体どういうことなんだろうか。これらについてまず第一点、私はお聞きをいたしたい。
 次に、特に私は最高裁判所にお尋ねをいたしたいと思います。
 いわゆる裁判所の職員に対してリボンをつけるのはいけないとか、あるいは庁舎管理規程を制定するとか、そのような組合活動に対するはなはだ好ましくない強圧が行なわれておる。しかも、本委員会において野党委員が特に委員会の開催を求めて、司法権の独立のためにぜひともこの問題は国民の前に明らかにいたしたい、こういうふうに考えたいわゆる平賀書簡問題等については、ついに委員会の開催を見るに至らなかった。これらの問題について、司法権の独立というものを守っていくことについての最高裁の見解を、私は最後にひとつあらためて承りたいということ。
 それから、例年すでに繰り返して指摘されているところでありますけれども、この法案の給与に関する考え方は、相変わらず上厚下薄であること、さらにまた多数職種をかかえておる――いわゆる下積みのボイラー等の職種、こういうような人たちに対する給与が頭打ちになっているという事実、これらの問題について、先ほど与党の田中委員のほうから質問がありましたが、特に私は最高裁にお尋ねをいたしたい。完全実施をすべきである、それが好ましいんだという与党委員である田中委員の質問に対して、ありがたい御質問をいただいたなどというふうな答弁を、もしされるならば、特に最高裁においては二重予算請求権の行使、こういうことが可能なんだから、なぜ二重予算請求権の行使をしなかったのか。これらの問題について、例年繰り返し主張している点でありますけれども、あらためて見解を承らなければなりません。これらの問題について、ありがたい御質問をいただいたというふうなことで、結局このような完全実施をされない状態の中でこの法案を通す、こういうふうな考え方についてはきわめて遺憾であるし、納得ができません。これらの点についてお尋ねをいたしたい。
 法務大臣に最後に一言御答弁をいただきたいと思いますけれども、この法案を通じて私は法務大臣の口からも、司法権の独立というものについて現在はなはだ憂慮すべき状態にあると思うけれども、一体どういうふうに大臣お考えになるか、これらの点についてお答えをいただきたい。
 以上であります。
#15
○矢崎最高裁判所長官代理者 事務総長約束がございましたが、ただいま済みまして、急遽こちらのほうへ参っている最中でございます。
 そこで庁舎管理規程、リボン闘争についての御発言でございますが、これにつきましては、裁判官会議でも十分に検討された上でのことでございまして、さよう御了承いただきたいと存じます。
 なお、人事院勧告の完全実施について、二重予算をしないのは不届きではないかという御発言でございます。あるいはそういう御意見もあろうかと存じますけれども、裁判官あるいは裁判所職員の俸給はすべて全体の国家公務員の給与と互いに相並んでおるわけでございまして、裁判所職員ないし裁判官についてだけ、これを国会で二重予算の線を持ち出して強く主張するということはいかがかと思われまして、二重予算の線は控えておるわけでございます。
#16
○西郷国務大臣 お尋ねの司法権の独立ということは、言うまでもなくきわめて大事なことでございますので、今後とも私どもといたしましても、司法権の独立のために全力をあげてまいりたいと考えます。
#17
○高橋委員長 岡沢完治君。
#18
○岡沢委員 本法律案の提案理由の説明に、「人事院勧告の趣旨にかんがみ」というのがございましたし、すでにもうこの法案の性質等については、質問する側もまた受けていただく側も十分承知の上でございますが、本日、与党の田中委員からも完全実施についての指摘がございましたし、また第六十国会におきましても本委員会の決議として完全実施を超党派で要望しているわけでございます。また人事院勧告の趣旨ということになれば、完全実施がむしろ当然であろうと思いますし、また本法律案の趣旨が、一般政府職員の給与を改善するのに準じてとありますけれども、一般政府職員の地位と裁判官あるいは検察官の職責とは、憲法上もあるいは関係法律上もずいぶん違うわけでございますし、特に裁判官、検察官につきましては、そういう行為はもとより、組合の結成が禁止せられておるという趣旨からいきました場合に、給与関係必ずしも一般職員に準ずる必要はなしに、もう少し強い態度で、ことにこの裁判官、検察官については、完全実施を関係大臣あるいは最高裁判所としては要求される義務がむしろあろうと思うわけでございますけれども、大臣はそういう努力をなさったのかどうか、あるいは最高裁判所もそういう努力をなさったのかどうかという点をお尋ねいたします。
#19
○西郷国務大臣 仰せのとおり、人事院勧告の完全実施が理想の形態でございまして、私どもももちろん今日までの経緯も承知しておりますので、努力をいたしましたが、今回六月以降ということになりましたが、すみやかに完全実施が行なわれますよう今後とも最善の努力をいたしてまいりたいと考えます。
#20
○矢崎最高裁判所長官代理者 ただいまの仰せのとおりでございまして、私どもも十分努力いたしておりますが、なお一そう十分に努力をいたしまして、完全実施の実をあげさせていただきたいと思います。
#21
○岡沢委員 最後に、委員長に一点要望して私の質問を終わりたいと思います。
 この種の法案は、先ほど中谷委員の指摘もございましたように、従来は十分な時間をとって論議を尽くされてきたわけであります。今国会の特殊事情もあることは重々承知いたしておりますが、給与は金の問題ではありますけれども、また逆にいえば、金の問題が一番大切だという見方も、政府職員あるいは本件の裁判官、検察官の職務の重要性とも結びつく課題だというふうに私は考えておりまして、十分な論議を尽くすことが前提である。ただし、本委員会の特殊事情でこういうふうになったということで、これを前例とされないということを委員長として確認していただいた上で私の質問を終わりたいと思います。
#22
○高橋委員長 御要望了承いたしました。事情が事情ですから、ひとつ御了解いただきたいと思います。今後は前例としないことにしたいと思います。
#23
○岡沢委員 終わります。
#24
○高橋委員長 山田太郎君。
#25
○山田(太)委員 法務省並びに最高裁当局にお伺いいたします。同僚の議員からも質問があったことではありますが、わが党といたしましても、この種の法案は慎重に審議すべきであることは、これは言うまでもないことです。しかし、今回の特殊の事柄を例としないということにおいて二点質問をいたします。
 当然、人事院勧告は完全実施すべきである、それに対しての法務大臣の先ほどの御答弁の中に、来年は完全実施を目ざして努力する、そういうお話がありました。これに対して、当然のことではありますが、大臣としていかに努力するか、できれば具体的な点を一つ、二つあげていただければけっこうだと思います。
 もう一点は、前回の場合も、この改正に際しまして、本委員会において裁判官、検察官についての独自の給与体系を樹立すべきであるという趣旨の附帯決議がつけられております。これについていかがな努力をしたのか、あわせてお伺いしておきたいと思います。
#26
○西郷国務大臣 人事院勧告の完全実施につきましては、今回完全実施のできなかった原因はいろいろあると思いますけれども、最大の原因はやはり財源にあると思います。しかし、人事院勧告の完全実施はきわめて大事なことでございますから、私も今後とも最善の努力をいたしてまいりたいと考えます。
 なお、第二点のお尋ねの検察官、裁判官等の給与体系の確立ということは、前々から御要望いただいておりますが、今後懸命の努力をいたしまして、すみやかな実現をはかってまいりたいと考えます。
#27
○矢崎最高裁判所長官代理者 ただいま法務大臣からお話のありましたとおりでございます。
#28
○高橋委員長 松本善明君。
#29
○松本(善)委員 この人事院勧告、公務員給与の問題といいますのは、国民の生活水準にも直接影響していくという重大な問題であります。それが質疑を五分というようなことで、こういう国会で審議をするというようなことは、これは議会をほんとうに形だけのものにしているものだということで根本的に反対であります。そういう制約の中でも質問をしたいと思います。
 まず、大臣とそれから裁判所にお聞きしたいが、いま十八歳の独身で、人事院勧告でさえも期末手当を除いて月二万一千七百四円です。それから三十歳で家族三人で四万六百四十七円です。東京では部屋代がどんなに安くても七千円ぐらいかかる。二万一千円で七千円の住居費を払って一体憲法でいう健康で文化的な生活ができると考えているかどうか。この点について大臣と裁判所の見解を聞きたいと思います。
#30
○西郷国務大臣 御指摘のとおりに、職員の給与が十分でないということは私もよくわかっておりますので、今後とも完全実施の線に向かいまして最善の努力をいたしたいと考えます。
#31
○松本(善)委員 憲法でいう健康で文化的な生活ができると考えているかどうかという質問であります。人事院勧告の完全実施の問題については、すでに前に答えられたのを知っております。この人事院勧告でさえいま私が言った数字であります。健康で文化的な生活がそれでできると考えているのかどうかという点にお答えをいただきたい。
#32
○西郷国務大臣 お尋ねの点につきましては、いろいろ見方もあるかと思います。現在の経済状況等から見まして、十分とは考えておりません。
#33
○松本(善)委員 健康で文化的な生活はできないということですか。はっきり答えてもらいたいと思います。
#34
○西郷国務大臣 お尋ねでございますが、給与についてはいろいろ考え方もあると思います。いまお尋ねのごとく、どうかという点は、現在の状況では十分目的を達し得ないだろうというふうに考えております。
#35
○松本(善)委員 裁判所、いまの点について明確に答えてもらいたいと思います。
#36
○矢崎最高裁判所長官代理者 裁判所職員の給与の改正については、鋭意努力するつもりでございまして、松本委員のいまの御発言は、要するにあまり低過ぎるじゃないか、こういうことについてだと思うわけでございます。これらも鋭意努力いたしまして、改善に極力つとめたいと思います。
#37
○松本(善)委員 両方とも正確に答えてないですよ。やはり正確に答えるべきだと思うのです。憲法でいう健康で文化的な生活がこれでできると考えているかどうか。それには答えられないなら答えられないとはっきりおっしゃったらどうですか。明確にもう一度その点について、答えられないなら答えられないと答えてもらいたい。大臣と裁判所にもう一回聞きます。
#38
○西郷国務大臣 三回の繰り返しの御質問でございます。文化的、健康的という二点からの重ねての御質問でございますが、その目的を達するにはそれで十分とは考えておりません。
#39
○矢崎最高裁判所長官代理者 松本委員も御承知と存じますけれども、憲法解釈についてこの席上で最高裁判所の一員がお答えすることは、法律解釈としての発言はむずかしいと思います。
#40
○松本(善)委員 そういうお答えならもう一度お聞きしますが、プレートの禁止通達を裁判所はお出しになった。それは国公法に違反をするという法律解釈を含んでいる。それは最高裁の裁判官会議を経ているということになれば、司法の判断を含むということになる、そういうことになりませんか。それと同じ憲法判断をあなたはここで言えない。それなら最高裁がプレートの禁止通達を出したということは、最高裁がそういう司法判断を事前にしたということにならぬかどうか、それについてお答えを願いたい。
#41
○矢崎最高裁判所長官代理者 ただいまの問題は、裁判所の職員の服務規律の問題でございます。裁判所の職員の服務規律につきましては、最高裁判所も裁判官会議で当然なし得ることでございまして、憲法解釈とかそういうこととはまた別問題だと思います。
#42
○松本(善)委員 それでは下級裁判所を拘束しませんか。この判断は下級裁判所を拘束しないかどうか、その点について聞きたい。
#43
○矢崎最高裁判所長官代理者 現実の服務の面で、もちろんその通達は管理者に指針を与えるということは間違いないと存じます。
#44
○松本(善)委員 私の言うのは、下級裁判所の司法判断を拘束しないかということです。
#45
○矢崎最高裁判所長官代理者 先ほどから申し上げておりますように、裁判所の職員の服務の面でこれは当然拘束するということは間違いないと存じます。
#46
○高橋委員長 松本君ちょっと……。そういういまのような質問は、最高の非常にむずかしい深刻な問題だから、今度お互いに当選してきてから、次の国会であらためてやることにして、きょうは直接給与に関することだけで五分ということになっておるのが七分くらいになったし、予鈴がなっているからひとつ……。
#47
○松本(善)委員 きわめて不満であるけれども、きょうはやめます。
#48
○高橋委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#49
○高橋委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。鍛冶良作君。
#50
○鍛冶委員 先ほど来議論がありましたとおり、人事院勧告のとおり実施せられることは理想ではございまするが、財政当局のふところ勘定でございますから、やっぱりこれを無視するわけにはいきません。
 そこで、財政当局としてはできるだけのことをせられたもの、また法務当局及び最高裁においても、できるだけやられたが、そのぎりぎりのところでこれだけのことができたものと考えまするので、この点をもって本日は満足せざるを得ないと考えます。
 ことに、年末を控えて、本日これが決定せられることは、これを受ける人にとってはまことにけっこうなことだと考えまするので、本件に対して絶対の賛成をいたします。(拍手)
#51
○高橋委員長 畑和君。
#52
○畑委員 社会党は反対。
 その理由は、まず、先ほど言われた人事院勧告に反している。実施時期、それがいままでずいぶん毎年毎年そのとおりにやられていない。だんだん狭まってはきているけれども、もういいところじゃないか。日本も経済成長が世界で二位になったそうだから、もうこの辺で完全実施をすべきだ。われわれは、人事院勧告の額自体にも不満である。いわんやそれを完全実施していない。しかも、こういった高度経済成長を続けておる日本で、民間をも含めてそういった給与の一番もとになるんだから、そういう点でもっと給与をふやすべきだという観点から反対します。
 そしてまた、厚薄の点につきましても、上のほうをもう少し少なくしても下のほうをもっとふやすべきだということの考え、それと、裁判官、検察官等の特殊な事情がある。したがって、これから特に最高裁も大いに主張して給与体系を少し変えるべきだ。裁判官は最後まで、定年で終わるまで裁判稼業をしなければならぬ。そういったほかの役所とだいぶ違う関係もあるので、その辺をもっともっと考えて、もっと胸を張って大いに大蔵方面にも、また法務省のほうもこれを代弁してやらなくちゃいかぬ、かように考えます。さらに検察官についても同様のことが言えると思います。
 そういう意味で反対であります。(拍手)
#53
○高橋委員長 岡沢君。
#54
○岡沢委員 民社党は、本法律案に反対をいたします。
 それは、裁判官、検察官の職責の特殊性、あるいはまた人事院勧告の制度の趣旨からいいまして、少くとも人事院勧告どおりこの改正は昭和四十四年五月一日にさかのぼって適用されるのが当然でありまして、その意味で、本法律案が六月一日にしかさかのぼっておらない点を含めまして、反対の趣旨を明らかにいたしたいと思います。
 ことに、最近の検察官、裁判官志望者が非常に少ない。司法修習生でその職に対する希望者が少ないということの理由の一つに、やはり給与の問題があるということはいなめないと思います。私は、こういった裁判が乱れるときは国が滅びるということを発言したことがございますけれども、優秀な裁判官、検察官を得るということは国家的な見地からもきわめて枢要な課題だと思います。
 そういう意味からも、この給与の問題につきましては、他のこと以上に特別の配慮がなされてしかるべきだという趣旨から、人事院勧告すら完全に守らない本法律案については反対をいたします。
 以上であります。
#55
○高橋委員長 山田君。
#56
○山田(太)委員 公明党は、本法案に対して反対であります。
 その理由は、人事院勧告の完全実施がなされてない。次には上厚下薄であるという点。第三番目には、前回の附帯決議である裁判官、検察官の給与体系を独自にする、司法権の独立の立場からもこれを十分考慮した具体的措置が講ぜらるべきである。それがなされてない。
 以上三つの点等から反対であります。
 以上で終わります。
#57
○高橋委員長 松本君。
#58
○松本(善)委員 日本共産党を代表いたしまして、反対の討論をいたします。
 第一は、このような重要な法案審議がこういう形でそそくさとやられるということは、議会制民主主義の根本的な否定であります。第六十一国会において、この点については各党ともこのようなやり方はいけないということをはっきり言ったにもかかわらず、再びこの国会においてこのような事態が起こったということについて、私どもは絶対に反対であります。国会を否定するやり方であるということを強調したいと思います。
 第二に、この公務員給与の実態は、先ほども大臣自身が健康で文化的な生活はできないという趣旨の答えをしたように、また裁判所はこれについて答えをしなかったようにきわめて低いもので、公務員の要求にももちろん応じてないもの、しかもこの要求に応じてない人事院勧告すら完全実施をしない、このようなやり方には絶対に反対であります。
 第三に、この給与の体系が上厚下薄である。上に厚く下に薄い。これはもう極端なものである。下では魚を食うことすらめったにできないという状態になっておる、そういう事態をわれわれは絶対に許すわけにいかない。
 第四は、特に裁判所がこの問題について労働組合の運動を押えておる。プレートをつけることすら禁止しておるという態度をとりながら、一方では二重予算の権利も行使しない。こういうことで労働者の団給権、諸権利を圧迫し、そうしてみずからのなすべきこともやっていない。こういうような態度で公務員の給与がきめられることには私どもは絶対に反対であります。
 以上四点をあげまして、反対の理由といたします。
#59
○高橋委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 右両案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#60
○高橋委員長 起立多数。よって、両案はいずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#62
○高橋委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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