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#1
第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第3号
昭和四十四年四月四日(金曜日)
   午後一時二十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     矢追 秀彦君     塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                平島 敏夫君
                横山 フク君
                森 元治郎君
                塩出 啓典君
    委 員
                岩動 道行君
                鹿島 敏雄君
                金丸 冨夫君
                永野 鎮雄君
                船田  譲君
                矢野  登君
                鈴木  力君
   国務大臣
       国 務 大 臣  木内 四郎君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        平泉  渉君
       科学技術庁長官
       官房長      馬場 一也君
       科学技術庁計画
       局長       鈴木 春夫君
       科学技術庁研究
       調整局長     石川 晃夫君
       科学技術庁振興
       局長       佐々木 学君
       科学技術庁原子
       力局長      梅澤 邦臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       外務省条約局外
       務参事官     高島 益郎君
       通商産業大臣官
       房審議官     成田 寿治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○宇宙開発事業団法案(内閣送付、予備審査)
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (原子力施設の安全管理に関する件)
 (宇宙開発に関する件)
 (海洋開発に関する件)
 (ウラン濃縮問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮崎正義君) 竹田現照君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(宮崎正義君) この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 本委員会は、委員の異動及び理事の辞任に伴い、理事が二名欠員となっております。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に、森元治郎君及び塩出啓典君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(宮崎正義君) 去る二日、予備審査のため本委員会に付託されました、宇宙開発事業団法案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。木内国務大臣。
#8
○国務大臣(木内四郎君) 宇宙開発事業団法案につきまして、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げたいと思います。
 宇宙開発は、通信、気象、航行、測地等の各分野におきまして国民生活に画期的な利益をもたらすとともに、関連する諸分野の科学技術の水準を向上させ、新技術の開発を推進する原動力となるものであります。
 先進諸国におきましては、この宇宙開発の重要性に着目いたしまして、開発体制を整備し、具体的な開発目標を定め、国家的事業としてその積極的な推進をはかっておりまして、その成果には刮目すべきものがあります。
 このような情勢にかんがみまして、わが国におきましても、宇宙開発の本格的な推進と、そのための体制の整備が各方面から強く要請されるに至りました。その体制整備の一環として、まず、昨年五月、国の宇宙開発を計画的かつ総合的に推進するため、その重要事項について企画、審議、決定する宇宙開発委員会が設置されました。
 現在、わが国の宇宙開発は、宇宙開発委員会の昨年十一月の決定に沿いまして、昭和四十六年に電離層観測衛星を、昭和四十八年度に実験用静止通信衛星を打ち上げることを目標に進められておりますが、この目標を達成するためには、多岐にわたるきわめて高度な技術を駆使するとともに、短期間に多額の資金を投入することが必要でありまして、これは国の総力を結集して行なうべき大事業であります。
 これを成功させるためには、政府はもちろん、学界、産業界から広くすぐれた人材を結集するとともに、弾力的な事業運営を行なうことが必要でありまして、このために、中核的な開発実施機関として、新たに特殊法人宇宙開発事業団を設立し、宇宙開発を総合的、計画的かつ効率的に実施しようとするものであります。
 この事業団は、現在の科学技術庁宇宙開発推進本部を発展的に解消いたしまして、その業務と組織を引き継ぎ、これに加えて、従来郵政省電波研究所で行なっておりました電離層観測衛星の開発関係部門を移管させることとし、また、将来開発実施体制の一元化をさらに推進し得るような仕組みといたしております。次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず第一に、この事業団は、人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケットの開発、打上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行ない、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるものであります。
 第二に、事業団の資本金は、設立に際しまして政府が出資する五億円、科学技術庁宇宙開発推進本部及び郵政省電波研究所から承継する特定の財産の価額並びに民間からの出資額の合計額でありまして、このほか、将来必要に応じて資本金を増加することができることといたしております。第三に、事業団の機構につきましては、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置くほか、非常勤理事及び顧問の制度を設けまして、関係各界の参加を得て、その協力体制の確立をはかることとしております。
 第四に、事業団の業務といたしましては、みずから、または委託に応じ、人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケットの開発、打上げ及び追跡を行なうことといたしております。
 なお、事業団がその業務を行なうにあたりましては、主務大臣の認可を受けて定める基準に従いましてその業務の一部を民間機関等に委託することができることといたしております。
 また、事業団の業務の運営につきましては、宇宙開発委員会の議決を経て内閣総理大臣が定める宇宙開発に関する基本計画に従ってその業務を行なうことといたしております。
 第五に、事業団の監督は主務大臣がこれを行なうこととしておりますが、主務大臣は、内閣総理大臣及び郵政大臣のほか、将来政令でこれを追加し得るようにいたして、一元化の進展に応ずることといたしております。
 第六に、事業団は、その設立の際に、科学技術庁宇宙開発推進本部の廃止及び郵政省電波研究所の業務の一部の移行に伴う権利義務の承継を行なうことといたしております。
 その他、財務及び会計等につきましては、他の特殊法人とほぼ同様の規定を設けております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
#9
○委員長(宮崎正義君) 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(宮崎正義君) では、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。森君。
#11
○森元治郎君 ここ二、三年、引き続いて茨城東海で放射能を浴びる事件が起きて、大きく新聞に報道されているわけですが、この二つの事故の経過を、まず長官から御報告をいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(木内四郎君) 詳細な点がありますので、経過は政府委員から説明させていただきます。
#13
○政府委員(梅澤邦臣君) 初めの問題は、二月の二十五日でございます。そのときに、廃棄物を入れておきます槽がございます。その槽の池の水を抜きまして塗装しておるわけでございますが、その塗装の際、塗装の終わりに、足場がございますが、その足場の撤去というときに、入りました者の一名が一ミリレム程度の被爆を受けたわけでございます。これは、作業衣を着ておりまして、作業衣を脱ぐときに、多分接触してセーターについたのではないかということで、そのセーターをさっそくこちらにとりまして、実は、あとからそのセーターを戻して差し上げるというときに、セーターが悪いので、新しいものを清水建設から届けたといういきさつがございました。そういう関係で実は一つ問題がございました。
 それから本日毎日新聞に出ましたが、実は三名ほどが、やはり放射能を受けたことがございます。これにつきましては、先月の三十一日でございますが、そのときに、原研のJPDRで機器の保守作業を行ないました。そのときに、終わりましてモニタリングをしましたところ、そで口のところで一人ひっかかりまして、それで調べましたところでは、原研におきましては絶対そういうことがあるところで作業をいたしておりません。それで、いままでの作業したところはどこであるかということを、さかのぼりましたところ、三日前の二十七日に、原電で、先ほどの池の塗装関係、そこの電気工事関係をやっていたものが六名ございましたが、そのうちの三名がそこに働きに来ていたということです。それで、その三名のうち、一人はセーター、それからあと二人はズボン、くつ等でございました。それで、その受けました量につきましては、まさに幸いなことに、私たちのほうで計算しますと、〇・〇一ミリレム・パー・アワーということで、たいしたことはなく、しあわせでございましたが、実は二十七日から三十一日まで、これが外に出ていたということがございます。外に出ていましても、これから相手方にうつすというところはそれよりも微量で、いわば安全係数からいきますと、まだ下のところでございます。その点では幸いでございましたが、そういうことがございました。
 それで、ちょうど私たちが、この前の、先ほど申しました二月二十五日の問題がございましたが、四月二日の日でございました。向こうの常務に来ていただきまして、できるだけ十分安全管理のしかたを考慮して総点検するようにという趣旨の指示をしたわけでございます。それにまた、もう一つは、いままでにこういうことがないようにできるだけ調査を進めることというところで、ちょうどその時期と相まってこの問題が出てまいりました。ただし、この問題は、原電で見つけまして、原研に移ったという関係で、しかも外に少し出ました関係から、慎重に調査をいたしまして、いまも調査を進めておりますが、現在のところは、外へ持ち出しましても安全である。なお、そのとき一緒に働いておりました者の家庭も全部調べた、こういうふうに聞いております。
 以上、簡単ではございますが、事件の内容でございます。
#14
○森元治郎君 これは管理が、新聞の見出しでいくと、たいへん大きい記事ですが、「出入り野放し、ズサンな管理」、こう書いてありますが、局長はそういうふうにごらんになりますか。
#15
○政府委員(梅澤邦臣君) ただいま厳格な調査中でございますが、いまのところでは、管理規則、管理基準、管理規程、全部そろえて認可してございます。それで、保安管理については十分な措置はしてございますが、実は、その下請の会社がこれを受けます場合には、下請の会社にこういう管理規程でやるようにということを通知いたします。それでそれを見て入ってやるわけでございますが、いま厳密な調査しておりますが、もしかしますと、この中の二名は、その管理規程に違反しまして、入るべきでないところにちょっと物を取るのに入ったというような形跡があるということで、いま調査中でございます。それからもう一名のほうは、脱ぐときに中のセーターにくっつけたのではないか、それで、その作業を終わりまして出ますときに、実は必ずチェックして出るわけでございますが、チェックして出るときに、非常に馴れまして、自分で簡単にこうチェックをしたのではないか、そういう点、こまかい作業に伴う管理のしかた、そういう点においては、もう少し正確を期さなければいけないのじゃないか、そういう点を感じました。それから、十分見張りがちゃんとされていたかという点にも問題がございます。それからもう一つ、下請けで入ってくる人たちに、来ましたときに必ず説明してやるわけでございますが、それを守るということの徹底、それから、入ってきた人たちが、実を言いますと、非常に馴れたと申しますか、そういう関係から、まあいいやということで、ぽっと自信を持ってやってしまったという個人の問題現在のところは、その個人の動きのところに相当悪い点があったのではないか、そういう点が現在うかがわれております。
#16
○森元治郎君 どうも、新聞の記事で見る、この記者が書いた気分から想像すると、当局側のほうでは、業者の作業員のチェックが悪いのだ、作業員自身の注意も足りなければ、下請業者も指示された安全管理を十分にやっていないからだというふうに説明をした感じを、この記事から受けるのですが、下請業者とか作業員というものは、そんなたいへんな専門家ではない。ペンキ塗りをする人もあるだろうし、簡単な作業をやる、あまり月給をたくさんとらない連中ですから、こういう連中にこまかく言わなくてもわかるように、原電なり原研のほうで、危険防止、保安の、ついてリードするような管理というか、そういうことが当然行なわれてしかるべきだと思うのですね。私は、参観に行くときには、専門家がついているから、一々お話もあり、安心していけるけれども、作業しているときは、原電のほうでも原研のほうでも、与えっぱなしで、だれも立ち会っているわけじゃないと思うのですよね。そばにいて、あぶないときには危険信号の色を幾つもつけたり、その危険の度合いはどのくらいということも、幾らでも、目で、あるいはからだでさわってわかる保安のやり方があると思うのですがね。こういうことだから、皆さんが、政府のほうで一生懸命やろうとしている再処理工場の建設についても、いよいよもって危険であるということを実証されていくわけですね。これは当局側の責任も十分あると思うのだが、局長は、監督する立場のほうの責任ということを、どういうふうに考えておられますか。
#17
○政府委員(梅澤邦臣君) まことに申しわけございません。ことに、先般、先ほど説明した前者の問題もございまして、さっそく、その前にも一つございましたので、常務を呼んで十分指導体制を整えるようにと、それで、総点検しまして、どういう対策をとるか私たちのほうに出してもらいたいという指示をしたばかりのところに、またこれが出ております。その点、原電におきましても、十分申しわけないということで、これにつきましては、厳格なるやり方として徹底することを考えたい、特に下請業者に対する安全教育というものをやはり徹底しなきゃいけないことと、それから下請業者の監督、それから自分たちのほうの原電の監督、これの強化と徹底、それから安全管理規程その他の見直しということを早急にやるという返事でございますが、私のほうは、やはりこれから書類をもって十分そういう点についての体制を確立するように早急にはかっていきたいと思っております。もちろん、こういう、幸いに安全圏内における問題でございましたが、これが大きくなるということはたいへんな問題でございます。そういう関係から、こういう問題については私たちの監督の立場からいっても、十分注意しなければいけない。申しわけないことだと、こう思っております。
#18
○森元治郎君 どこで汚染したかということですが、これまた新聞記事の感じでは、どうもわれわれのほうじゃなくて、どこか別のところだろうといったようなことがにじみ出た記事があるのですが、原研以外の場所ではないかといったって、私たちのうちでは何も汚染するわけじゃないですからね。原研のあの大きなワクの中ですよ。こんな逃げ口上みたいなことを言っているんでは、これはほんとうにますます信用ならない。あなた方、安全審査会で、専門部会で何を出そうと、執行体制がこのくらいたるんでいたんでは、とても信用ならないと、残念ながら思わざるを得ないのですが、そこで、いま原電のほうにお願いしたという、調べさしているというが、結果はやはり委員会のほうにもすみやかに出してもらって、御説明をもらいたいと思うのですが、それが一つ。
#19
○国務大臣(木内四郎君) 先ほど来、森委員から安全管理についておっしゃっていること、まことにごもっともだと思います。
 ところで、安全管理につきましては、もうすでに御案内のとおり、あるいは原子力局長から御説明申し上げましたように、放射能及び放射性物質の管理に関しまして、原子力委員会におきましても厳重な基準をきめて、それを織り込んだ管理規程、あるいは管理規則その他のものがあるわけでございます。ところで、やっぱりこれは規則があるだけじゃいけないんで、これを十分に守っていってもらわなきゃ困る。そこで、それを守るにつきましては、管理者だけでなく、やはり仕事に従事する人もよく了解して、そしてこれを守ってもらわなけりゃ、どんないい規則がありましても、これは効果をおさめることができない。今回の事件を見ますと、初めの事件はプールの中で、多少危険のあるところだから、そこへ入る者は十分注意さして、ポケットチェンバーと申しますか、ポケットへ計測器を入れて入っておって、そして異常があればその計測器に出る。また、外へ出るときに出口で検査をして、これに対して処置をするということで、出口で検査をしましたら多少汚染をしているということで、すぐに上着を脱がしたわけですね。セーターその他を脱がして洗濯した。洗濯してぼろぼろになって、返す期間がおくれたので、これが問題を起こした。これは安全管理の面においては相当厳重にやっていた。
 ところで、二番目の問題は、まだいろいろのことを調査しておりますけれども、原研のほうでその放射性物質について調べましたところ、それは自分のほうではそういう場所に放射性物質はなかったのだということから、いろいろ調べましたら、それは原電のほう、電力会社のほうで仕事している間に汚染したのだと。しかも、それから三日間もそのまま外へ出ていたというようなことは、これは私は非常に大きな問題だと思いますので、これは原子力局長のほうにも厳重指示をしておるようなわけですが、幸いに汚染の度は非常に低かった。これは問題にならないような非常に低いものであったということは不幸中の幸いだったと思うわけですが、いずれにしましても、リアルに計測して、それで汚染しているから脱いで洗濯していかなければならぬものを、そのまま、セーターも、下着も、くつもそのままでよそへ行って、三日間も歩き回っていたというようなことは、これは幸いに今度は少なかったけれども、汚染の度の高いものでこんなことがあったら、これは重大なことになりますから、そこで私は局長のほうにも命令しまして、そうして今後は、管理者がその保安規則、管理規則を守るだけでなく、従業員に対しても徹底するようにしなきゃいけない、しかも、そう言っちゃ悪いけれども、そういうことに対して、危険物を扱うということに対する認識の低い人、無知と言っちゃ悪いかもしらぬが、認識の低い人は低いなりにそれを頭に置いて十分に指導するといいますか、よく注意をして、そういう間違いのないようにしなければ、どんなりっぱな規定をつくっても私はいかぬと思いまして、そういう点は、管理者、また管理者からその下の者に徹底するようなふうにして、十分にいま注意をしているところでございます。
#20
○森元治郎君 数年前に、原子燃料公社の柿島民堂という人が、その本の中で、再処理工場があぶないかどうか、原研があぶないかどうかという問題について、あぶなくないんだと、ただし、従事者に不注意があったらばあぶないんだということを特に大きく書いてあるんですよね。まさしくそれにぶつかったと思うんです。そこで、局長は、汚染度、浴びたのが低かったというお話でしたね。二十五日とその前の幾日ですか、この二回の度合いを教えてください。もう一ぺん。
#21
○政府委員(梅澤邦臣君) 先般のセーターにつきました点につきましては、そのときすぐわかりましたので、一日いて、計算いたしまして一ミリレム・パー・デーでございます。それから今度の場合は、少し時間をかけて、外へ出ていますので、〇・〇一ミリレム・パー・アワー、時間でございます。したがいまして、三日間となりますと〇・七ミリレムになるわけでございます。ただし、今度の場合につきましては、飛散性の汚染でございませんので、ただくっついただけで、それが飛び散るということはないものでございます。
#22
○森元治郎君 どのくらいを高いと言うのですか。人体に影響がありそうなのは。
#23
○政府委員(梅澤邦臣君) 許容量、なかなかこれは言い方がむずかしいのでございますが、年間五〇〇ミリレムというのが一般人に対するレムでございます。年間で計算いたしまして五〇〇ミリレムをこえないことということで、それに合わせていくわけでございます。
#24
○森元治郎君 この新聞記事によると、動力試験炉で作業した男が出ていこうと思ったらベルが鳴った、警報機ですか、放射能検査、「放射能区域を出るさい、」「放射能検査を行なったところ、警報が鳴り」と……。警報はどのくらいの度合いから鳴るんですか。
#25
○政府委員(梅澤邦臣君) 警報と申しますのは、ちょうど出ますところに、そでを、そのまま手を入れるわけでございまして、入れてそれで鳴る。これは非常に低い――私もちょっと数字を調べておりませんが、いまちょっと量を調べますが、非常に低いところでひっかかるようにしてございますが、それに入れましたら出たわけでございます。これは、実をいいますと、原電でやるときもやったはずでございますが、そのときは、上っ張りを着てたものですから、それを脱いで、それで手がまくれていて、そこについていました色がそこに入らずに、出ちゃったらしゅうございます。ところが、原研に行きました場合には、原研がちゃんとした上っ張りを渡すわけでございます。自分の着ている上に上っ張りを着ていましたので、それを脱いでかけましたときに前の洋服が入っていて、この洋服のそでのところにひっかかって出たということでございます。
#26
○森元治郎君 いや、私が言うのは、そのベルが鳴るというのは、もうゼロくらいに近ければ鳴らないわけですね。それが、どのくらいからベルが鳴るんですかということです。
#27
○政府委員(梅澤邦臣君) いま至急調べますが、もちろん、先ほど申し上げました基準よりもずっと低いところで注意信号として出るような形で機械ができております。その機械の精度は、これから調べさせていただきたいと思います。
#28
○森元治郎君 初めのほうは一ミリレム・パー・デーですか、それから次のほうのやつは〇・〇一ミリレム・パー・アワーで、三日間で〇・七と、こういうことでしたね。これは、危険性からいってどのくらい……。五〇〇ミリレム・年間で比較しているわけですか。
#29
○政府委員(梅澤邦臣君) たとえばで申し上げますと、今度のは幸いに、いまの〇・〇一ミリレム・パー・アワーは、ちょうど私たちが精巧な時計をつけておりますと、時計の裏側がこれの十倍あるいは五倍程度出ていることになると思います。比較して、まあそのくらいの皮膚――全身にあたってはそういう程度だと思います。それから、いまの五〇〇ミリレムとの関係につきましては、年間でなり三カ月という形で、それを受けまして、その間にそれをこえちゃいけないという形になりますので、その間の計算としてその人が年間――まあ、いまの計算でいきますと、一日にそのくらい受けましても、三百六十五日でございますから、関係はないということになると思います。
#30
○森元治郎君 こういう作業場で、一般のしろうとが接触できる範囲で相当大きな汚染を受ける場所までも行けるんですか。いろんなところで作業しますね。一体どのくらいのところまで作業させるんですか。
#31
○政府委員(梅澤邦臣君) 大体許容量の、安全基準の十分の一程度のところを基準にいたしまして、それ以上のところにつきましては、さくが張ってございます。それから、そこには見張りも立ちます。それから「入るべからず」という立札を一番見やすいところへ立てる、こういう基準ができております。それで、はいれないようにいたしております。それから、その中で作業する場合には、あらためて、許容量以下であるか、そういう計画的な被曝と申しますか、計画線量というものを計算いたしまして、この中で五時間作業しても十分であるという基準のもとに入れるわけでございます。そのときには、作業衣、くつ、全部こちらから支給いたしまして、からだが被曝しないような態勢をとって中へ入れるということになっております。
#32
○森元治郎君 もちろん、専門家がおやりになるんだから、間違いないと思うが、その十分の一の安全係数で働くが、働く時間にもよりますわね。連続八時間とか、一日置きとか、いろいろあるんでしょう、五時間とか三時間とか。それは厳重に守られておるわけですね。
#33
○政府委員(梅澤邦臣君) 先ほど申し上げましたように、それは厳重に規則としては守られておるのでございますが、先ほど申しましたように、中に入る人間、人そのものが、そういう点について気軽になりまして、それで、入っちゃいけないところにぽっと入ったという形跡がございまして、それをいま調べているところでございますが、そういう点が、今度の中にはミスがあったと思います。
#34
○森元治郎君 こういうことがあるというと、勘ぐれば、少ないものをかぶって、だんだん蓄積濃縮されている人間もあるのじゃないかと心配するが、一人もいままでそういうことはありませんか。
#35
○政府委員(梅澤邦臣君) まだ、こういうことで、放射能を受けまして、からだに異常を来たしてどうということはございません。
#36
○森元治郎君 それでは、再処理工場の話、工場の建設についての問題に触れますが、初めに、この間、昨年八月ごろから作業をしておった原子力委員会の安全審査専門部会、再処理のですね、これの報告が出た。これからの取り扱いはどうなるのですか。報告が出る、原子力委員会でこれをどう受けるか、受けた原子力委員会はどうするか、それから動燃事業団はどういうふうな順序で工事をしようとするのか、その手続をひとつ。
#37
○政府委員(梅澤邦臣君) 再処理につきましての安全審査会は、八月十三日から開きまして、約三十八回開きました。それで、三月の二十五日でございますかに報告が出されました。そして、その次の約一週間たちましたところの原子力委員会にこの報告がなされております。その委員会におきましては、報告の内容を十分聴取したというところでございます。
 それで、委員会におきましては、今後この安全審査の問題につきましては、当然この審査会の報告を尊重いたしますが、そのほかに、やはりこの委員会におきましては、科学的に安全であるということで報告がなされておりますので、したがいまして、場所の問題、あるいは諸般の問題等につきましての御意見を委員会でおまとめになって、それで総理に答申になります。それからわれわれ政府のほうに戻るという形になりますが、現在のところでは、やはり茨城県の問題がございますので、そういう関係から、十分原子力委員会でそういう点について検討してみたいという段階でございます。
#38
○森元治郎君 聞きそこなったけれども、審査部会の報告が出た。原子力委員会は、二十七日ですか、開いて、この報告を承認したのですか、しないのですか。
#39
○政府委員(梅澤邦臣君) この報告そのものを受け取ることは了承いたしました。したがいまして、科学的に審査しました内容そのものについては、当然この内容を原子力委員会としては受けたということでございます。
#40
○森元治郎君 原子力委員会としては。
#41
○政府委員(梅澤邦臣君) はい。受けたということでございます。
#42
○森元治郎君 そうすると、これから原子力委員会として、また、敷地だ、科学調査だ、気象だ何だということ、それから現地の賛成、反対など、その他の全体を調べて、また結論を出すのですか。
#43
○政府委員(梅澤邦臣君) 委員会におきましては、中の科学的な数字、安全性の数字、こういうものについてはこれをそのまま受けると思います。ただし、その中には、やはり中央機関まあ権威ある中央機関を設置する、あるいはモニタリングを十分にする、調査研究を十分にする等のことがございます。そういう点については原子力委員会のほうで検討する分野がまだございます。それからもう一つは、普通の場合、地元の了解が得られましてから、それで十分だということになりましてから安全審査にかけるというのが現在までの通例でございました。われわれのほうも、その予測で実は八月にこれやったのでございますが、まあその点、うまく地元の御了解がまだ得られていないわけでございます。その点は前例と少し変わった状態になっております。そういう関係の分野からも原子力委員会としてはまだ考えなければいけない点が残っております。その点を十分これから原子力委員会は検討するという段階になると思います。
#44
○森元治郎君 そうすると、いわゆる射爆場とか、現地の反対が何もない、けっこうです、どうぞといった場合、もし一〇〇%成果があると思うような条件であった場合は、原子力委員会は、いまおっしゃったような作業をしたあとに、事業団に向かって、総理大臣ですか、建設をしてよろしい、こういう順序なんですか。
#45
○政府委員(梅澤邦臣君) 地元の問題点、そういうところがございませんで、大体もう科学的な問題ということになりますと、それを安全審査部会にかけまして答えが出ますと、それを了承いたしまして、早急に総理にこれを提出いたします。また、総理のほうから、今度は、動燃でございますから、動燃の監督という立場から、指示事項として、指示事項の範囲内でこれを実施してけっこうであるという許可をするわけであります。
#46
○森元治郎君 いろいろ、御説明するまでもなく、この東海村に再処理の工場をつくることに、地元の反対、県議会、県当局、いろいろ反対が多い。そういう中で、どうしてその安全審査を早くしようとしたのですか。地元の了解も取りつけないで、むやみにただあせっているようなところがあるのだが、その事情はどうなんですか。
#47
○政府委員(梅澤邦臣君) 再処理の問題につきましては、三十六年ごろから具体的な問題になっておりました。それで、できるだけ早く再処理工場をつくって、少なくとも四十七年には運転さしたいということが私たちの観測でございました。そこからまいりまして、昨年の五、六月ごろの傾向といたしまして、昨年のうちには、できれば私たちのほうから十分動きまして、地元の御了解を得られるのではないかという昨年の予測が甘かったといえば確かに甘うございますが、そういう考え方でございました。したがいまして、安全審査はたぶん半年以上かかるのではないかということで、それでは安全審査も八月ごろ始めて、ちょうど三月ごろに出る。それでちょうどぴたりとするのではないかという予測のもとにこれをやりましたところが、前者の地元の問題というのが引き続いて起こっておりまして、こういう結果になったという次第でございます。
#48
○森元治郎君 大臣、あせって結局おそくなられるような傾向にあるのですね。早く四十七年かにやりたいというので、地元の了解も取りつけないうちに総理大臣に安全審査をしたいというようなことの手続をとってしまった。結局、地元が、何も御連絡もないから、何をやるんだ、かってにやれ、反対だ、こういうことになって、四十七年に操業したいというんですが、あせるばかりあせったって、手続というものはちゃんと重ねていかないとかえっておそくなるのですが、どう思いますか。
#49
○国務大臣(木内四郎君) ただいま原子力局長から御説明申し上げたとおりでありますが、この再処理工場をつくりたいという、こういう意見がありました。それに対しまして、去年の八月十三日ですか、この事業団から、再処理施設の安全性に関する書類が、事業団としてこういうふうで安全ですという書類が出されてきたわけであります。これは総理大臣の命令によって出してきた、指示によって出してきた。そこで、八月の二十日ですか、八月の二十一日に、原子力委員会に総理大臣から、安全性はどうだろうか、こういうことで諮問があったわけです。そこで、原子力委員会におきましては、八月二十九日に、再処理施設安全審査専門部会、これに対して、安全かどうかということをひとつ審査をしてくれというので審査を求めた。そこで、それを受けて、再処理施設安全審査専門部会は、さっきもお話し申しましたように、三十八回も会合しまして慎重に審議をしまして、そうして三月の二十五日になって、これは施設としては安全だ、それから周辺環境に対する点から見てもこれは安全だという報告を出してきたわけでございますね。ところが、これに対して、茨城県議会では、御案内のとおり、安全の点はよくわかった、それは問題ないということはよくわかった、ただし射爆場の併存は困る、住民も非常にに不安だから併存には自分たちは賛成しかねるという決議があった。従来、県議会におきましては、再処理工場の設置というのは反対だという決議をしておられるようでありますが、この安全審査専門部会の報告が出まして、それを読まれ、よく研究された県議会の専門の部会があったらしいのですが、小委員会があったらしいのですが、そこにおいて慎重審査した結果、安全性の点はよくわかった、ただし、住民の不安があるから水戸射爆場との併存は困る、こういう決議が出ていることを私たちは聞いております。
#50
○森元治郎君 まことにけっこうですとは書いてないですよ、大臣。まことに安全でたまらないくらい安全だということは書いてない。やはり、それじゃ研究者の意見は尊重して聞かなければならぬといったようなニュアンスのある文章です。いま私持ってきていませんが、いずれにせよ、これからはどういうふうに段取りを持っていくか。地元は反対。しかし、ことしの十月ぐらいに始めていきたい、四十七年度の秋ぐらいには操業したい、早くやりたい。地元は反対。これは大きな政治問題になってきているわけだが、どういうふうにして問題を進めますか。
#51
○国務大臣(木内四郎君) いま、いろいろ御意見、御心配の点、まことに恐縮に存じているのですが、私どもは、いままで、この地元の了解を得るためにできるだけのことはしておったのですが、やや消極的たらざるを得なかったのは、この施設の安全性に対する結論がまだ出ておりませんでしたからあれでしたが、今度は、安全性に対する結論は一応安全審査部会から出た。県議会におきましては、いま申し上げましたようなふうな決議をされた、こうなってきますというと、安全性に対しては私どもは相当自信を深めてまいったと言って差しつかえないと思います。そういう立場に立ってこれから地元の方の御協力を求めるように努力をいたしたいと思うのですが、地元の方の御意見にしましてもいろいろあるのですね。県知事、県議会、市町村、あるいは各種団体、いろいろあるわけです。そこで、すべての人の同意を得るということはなかなか私は困難だと思うのですけれども、まあ大体、県知事、県議会の御意向というものはやはり代表的なものとして私どもは尊重すべきものだと思うのですが、それかといって、他の各種団体の意見を全然無視するというわけじゃありませんが、いま申しましたように、こういう安全に対する基準、見解が表明されたことは非常に私どもは力強いと思いますので、これを基礎にいたしまして今後各方面の御理解と御協力を得るように努力いたしまして、そうして、なるべく早く再処理工場の建設に着手することができますようにいたしたい、かように思っておる次第でございます。
#52
○森元治郎君 無条件で賛成というのは一人もないのですよ。無条件で賛成、積極的な賛成というものはない。これだけは覚えていてください。
 それから、あとでまたこの問題に触れますが、安全審査部会の結論について一項目だけ伺いたいのですが、非常に幅広いから、きりがありませんから、地元の非常に反対の強い、生活からくる反対の強いのは、何といっても漁民関係、したがって漁連、加工業者、あの辺ですね。したがって、この海洋調査、海生物へ濃縮するのか、そういうようなことについても安全審査が十分なされているのか。なさるべきだと思うのですが、報告書をざっと拝見をいたしました。しかし、どうも通り一ぺんのような感じがするのですが、やはり国際的な一つの基準といいますか、こういう場合の、こんなものから見てどうなんですか。
#53
○政府委員(梅澤邦臣君) 海域の調査につきましては、原研ができましたときから、あの辺の海域調査、気象調査、海流調査をしております。なお、動燃事業団も、燃料公社当時からそのデータを持っております。そういうデータを集めまして、そのデータは安全審査のもとにすべて出しております。その関係から、実際に申し上げますと、一番問題はやはり魚の問題になろうと思います。魚の中では、あそこで一番動くものとして、流れに乗っていくものにシラスという魚があります。そのシラスをどういうふうな状態で考えるかということで、一日二百グラムずつ三百六十五日食べたとして許容量がどうなるかという計算がこの中でされております。そういう関係ではこれは十分である。非常に安全率をかけたとり方をしております。
 それから、じゃ、廃液をどの辺に捨てるかということからいきますと、八百メートル程度のところに少し海底の違ったところがございまして、そこ以内でございますと、水が逆に砂浜のほうに押し寄せてくるという現象があり得るというデータがございますので、約千メートルのところで、海底一メートルのところに埋めて置いて、底から三メートルのところで出す。そうすれば、出たものはすべて海洋のほうに出て拡散が早くいくという形をとっております。
 それから、そのときに出ます量は、一応マキシマム一日一キュリーとされておりますが、これは三カ月平均でいきますと大体〇・七キュリーでございます。これは出得る可能性という計算で、ここまで出るという計算でございます。これは、放射線審議会の答申で、ICRPの十分の一のところで押えよというものにもこれは入っております。ただ、しかも平均〇・七キュリーは、これは非常に安全率をかけて、われわれから見ますとマキシマムのところで押えておりまして、動燃事業団が始まりましたときには、これより以下のところで出てくるというところで、安全審査会としては非常に安全率をかけて、非常に厳格な調査をしていただいたと、こう思っております。
#54
○森元治郎君 この安全審査部会の中に、魚関係の学者さんはどなた、何人くらいおられますか。
#55
○政府委員(梅澤邦臣君) これは、安全審査いたします場合に、安全審査会の中にAグループとBグループとつくりまして、Aグループのほうは、これらの施設その他でございます。それから、Bグループのほうは環境グループと申しまして、おもに海関係と大気関係、そういう環境の分を審査しますのはBグループでございます。そのBグループの中に放医研の佐伯先生という方がいますが、佐伯先生が直接当たっております。
#56
○森元治郎君 海洋だけについて伺います。話が具体的ですからね、地元の。場所は一体どこの海岸でやられたのか。南北何キロくらいにわたり、東西――東西といっても、あそこの那珂湊の海岸から沖合いどのくらい、福島県の境までやったのか。日立の久慈浜の沖合いか、あるいは鹿島などの、いま臨海工業地帯ができているあたりまでの海域をやったのか。
#57
○政府委員(梅澤邦臣君) 動燃事業団とそれから日本原子力研究所が共同いたしまして、東海村の沖合い五百メートルから二キロメートルの海域につきましては、流向、流速、水深、水温等を具体的に調査しております。そのほかに、やはりここは潮の流れ等がございます。それにつきましては、関係各省のデータ等を全部集めまして、そのデータを参考に全部いたしております。
#58
○森元治郎君 こういうことを読んだと思うのだがね、昔何年か前に。いまから、五、六年前ですか、左合という教授が団長で、再処理問題で海外を視察旅行したことありますね。五、六年前でしょう。あのときの調べだったと。うろ覚えで失礼ですが、例のウインズケールでは、あの海岸を東西百キロ、南北五十キロくらいにわたって環境のモニタリングをやっている。しかも、相当大がかりな、大規模の海洋調査、しかも時間的には数年もかけてやっておるし、いまもやっているらしいですね。それを、いまお話し承れば、五百メートルの南北二キロでは、これはもう沿岸もいいところですな。一マイルちょっと。スケールが小さい。こんなふうだから、地元の連中とおそらく議論やっても負けるのじゃないですか。先ほどのシラスの二百グラムといったって、私もシラスは大好きだが、二百グラム毎日、三百六十五日食ったらどんなになりますか。これは実験にならぬですよ。たとえば、シラスを食わしてみて、シラスというのは低レベル放射能をうまく吸い込んでくれるものかどうかしりませんが、ほかにもっと、みんなが一般に食べるものならばわかるが、シラスを毎日一年食べても安全だというのは、これは例にならぬ。だから、これは科学的判断と言うが、どうも少し非科学的だと思うのですが、どうですか。
#59
○政府委員(梅澤邦臣君) 初めの問題でございますが、いま先生おっしゃいました左合先生が、実は今度もBグループのほうのリーダーとしてこの件を取り扱っていただいております。それで、確かにいま具体的に調べましたところは非常に狭うございますが、実は、気象庁、水産庁その他のデータというものは取っております。ただ、先生御存じでございますが、われわれのほうも向こうと同じようにできるだけ早く、定期的にちゃんとしたデータのバックグラウンドをとって、しかも作業としても同じように進めていくという考え方がございます。その点において早くそれをやりたくて、知事のほうへその調査研究をやらしていただきたいということを申し上げましたが、まだ許可をいただいておりません。しかし、それが、今度の安全審査会のほうにデータがなければできないということではございませんで、それまでのデータは十分ございました。それでできたわけでございます。
 それからいまのシラスをとりました件でございますが、あのシラスというのは、たとえばこちらから吹き出ます、下から廃水が出てまいりますが、それが流れを起こしますが、流れを起こしたものの中に一番入っていくという形の魚である、ほかの魚はそこを横切ってしまいまして、そういういわば放射能が出てくるところにいやすい魚としては、一番シラスがいるわけでございます。それから、ほかの魚よりもシラスのほうが、からだに吸着するというか、吸収というしかたもしやすいのではないか。その点は、放医研その他の研究データから、シラスをとるのが一番悪い条件が出るという解釈で、実はシラスをとったわけであります。したがいまして、ほかの魚では、これよりずっと以下であるという考え方でこれはやられております。
#60
○森元治郎君 シラスだけれども、なるほど一番吸収率がいい魚だからとったというけれども、一年食ってもだいじょうぶだというのは、これは例にならぬですよ、よほどすっとんきょうな学者でもなければ一年間食えませんから。こんなものは例にはなるだろうけれども、これはおかしい。
 そこで、梅澤さん、地元に調査協力を求めたが断わられたというのは、いつですか。
#61
○政府委員(梅澤邦臣君) 四十二年のたしか夏と思います。そのときに、原研もございますし、全般の調査研究も進めていきたいということで、調査研究も、海洋の調査研究をやらしていただきたいということをお願いをしてございます。
#62
○森元治郎君 これは、協力を得られないというより、いま地元の漁連が返事しない、知事から言われても返事しないというようなことだと思うんです。ところで、最初の問題というのは、もういまから十年近く前から問題があったと思うのです。四十二年ごろになってからその調査なんて、いまから一年半くらい前になって調査なんていうから、問題はもうホットになったときに反対だという、みんなが乗り込んで調べましょうと言ったら、だれだって言うことをきかない。だから、科学技術庁というのだから非常に科学的にものを考えるかと思うと、案外非合理的な官庁なんですね。反対まっ盛りというところへ行って、おまえら海の中をさがさせろ――させませんよこれは。早くつくろうといって前から考えておったのなら、何をしておったというのです。
#63
○政府委員(梅澤邦臣君) 動燃が燃料公社のとき、原研その他で当然バックグランドの調査はしておりました。ただ、再処理工場をつくるにあたりましては、今度は事業が進んだときと同じような定期調査をしなければいけません。そうなりますと、なるべく近い時期のバックグランドというものを、なるべく十分押えておかなければなりません。それを本格的にやるということが一つで、しかも、あそこに原研、原電等がございますので、全体の海のバックグランドを十分押えて、それで考えていこうということで、具体的な考え方として進めたのが実は去年でございます。それまでは、当然、バックグランドの調査等、安全審査会で使いましたデータというものは、逐次それぞれのところでとっておったわけでございます。その点、先生のおっしゃるとおりでございますが、本格的にやる場合として考えましたので、あらためて知事にお願いしたということでございます。
 それから再処理工場につきましては、現在私たちのほうで、いま一番早くいってどのくらいになるかということでございますが、これは、先ほど先生おっしゃいましたように、この十月ごろかからしていただいたとしましても、四十八年の四月に運転開始というところまでが精一ぱいでございます。その点から考えますと、燃料のサイクルの問題、サイクル的な供給の問題、そういうところからいきますと、できれば早くやらしていただきたいと思います。
 それで、地元でございますが、先ほどの知事のお話で、県会のほうを何とかしていただくのが一つ。それからもう一つは、もちろん、ある一部の村では絶対反対、ある一部の村では、安全審査がうまくいけばそのとき考えるということでございまして、その点からも、安全審査が出ましたこの暁で、安全審査と地帯整備を、これはおおむね何とかいっているという段階で、あとは射爆場の問題として十分われわれのほうも何とか考えていくということで、先般は井上理事長が、安全審査が終わりましたときに、知事のほうにお願いにあがって、これから先、大臣のところで今後の対策というものを御検討いただきまして、われわれのほうから直接知事等にお願いにあがるという段階になると、こう思っております。
#64
○森元治郎君 安全審査の海洋関係だけの質問にしぼりますが、沖合い一キロくらいに低レベルの廃液を流す、こういう、直径何センチだか忘れましたが、管を出すわけですね。ああいう長さを一キロときめた理由と、それで、それを設置した個所をどうやって選んだかということ、海の流れが北からいくのが強くて、南が弱いとか、南西が弱いとかいろいろ書いてありますね、これに。低レベルの廃液が出るやつが稀釈される、拡散される、そういうものの調査を、外国の場合は相当に、先ほど申したように、大規模にやっておって、どの辺に放出点を定め、どのくらいの沖合いという結論が出てくると思うのだが、地図をいま持っていないし、いま言われてもわからないが、横に引っぱってありますよ、あなたのほうから出す地図に。そういう点、どうしてあそこを選んだのか、なぜ一キロとしたのか。なぜ長くしないのか。あそこはもう少し行けば黒潮の流れもまっすぐ北へ行くやつがあると思うのですがね。何か安直な感じがするのだが、どういうことですか。
#65
○政府委員(梅澤邦臣君) 再処理施設が置かれまして、それから出ますところの……。海底の地形図がございますが、それから判断いたしますと、先ほど申し上げましたが、沖合い七百から八百のところに盛り上がりがございまして、そのために海水が、排水した場合に、もしそれより手前でございますと、中の砂のほうに戻ってくる可能性というのがあり得るということがございます。したがいまして、八百メートルよりも先に行くということが一つ。それから深さとしまして、海底のやはりパイプの安全性を考慮しなければいけません。したがいまして、海底から約一メートルのところにパイプを埋めまして、それから上向きに海底から約三メートルのところでノズルで吹き出すという形で、一番拡散のしやすいところを選定いたしまして、今度の場所をきめたわけでございます。
#66
○森元治郎君 私は力学的なことはわからぬけれども、何か安直な感じがするのだが、ふろ屋の煙突みたいな感じで、ちょっと出せば空気が抜けていくよというような調子。そうでなくて、安全係数をかけて……。むずかしいでしょう、海底を引っぱるのは。それにしても、ずっと向こうの五キロも六キロもと、いうことであれば、またよほど違う。そこらのところは安直に――万事日本の科学行政は安直ですからな。いま、何かつくったら、すぐまねしようということばかり考えている。安直な感じがするが、大臣どう思いますか。これほど危険危険と騒がれているときに。
#67
○国務大臣(木内四郎君) 御意見ごもっともな点もあるのですけれども、先ほど来局長から御説明申し上げているように、八百メートルくらいのところだと、海岸のほうに海流が流れてくる、海流といっていいかどうかしらぬけれども、流れてくる。それから砂も海岸のほうに流れてくる。それを越せば安全である。そこで、こう二百メートルばかり安全性を見て、そして千メートル、こういうところに持っていったものだと思います。もちろん、これは遠ければ遠いほどいいことはいまお説のとおりだと思いますが、この八百メートルでも、そういうことを考慮に入れると、拡散はされるからまあ安全だと、海岸のほうにも来ない、こういうことで千メートルを選んだ。特別そういう安直ということじゃありません。もちろん、長ければ長いほどいいが、その程度なら安全を確保し得る、こういうことでありますので、その点は専門部会のほうでもよくこれを認めておるところだと思うのです。
#68
○森元治郎君 八百メートルだから、あと二百メートル足せばいいだろうという、そういう調子がうかがえるのだが、八百メートルでちょうどいいあんばいのところだ、それでいいのだけれども、ちょっと安全を見て、あと二百メートルくっつければ安全だ、そこらの感じを受けるところが非常におもしろくない。科学のことは知りませんけれども。
 それからもう一つ、放出点はどうしてあそこにきめたか。横に出すところ、おかから出す起点。
#69
○政府委員(梅澤邦臣君) 海底の地形図と、それから岩盤等を勘案しまして、真横のところに出ているわけでございます。
 それから、いま先生おっしゃいました二百メートル先でございますが、これはやはり、深さと、それから海の広さとございます。その関係から、十メートルのところ、深さがあそこはたしか十数メートルでございます。そのところで廃棄したほうが拡散しやすいという条件をとりまして、二百メートルの場所をとったわけでございます。その関係からいきますと、海洋関係のほうの左合先生の委員会では、こういう点をやはりいろいろなデータをとりまして十分に検討していただいて、約十三回この会が開かれておりますが、その点では先生方も納得できるデータでやっていただいたと、こう思っております。
#70
○森元治郎君 私は、これは水府流の家元だから、あの辺の海は相当知っているつもりだ。ここから行けばだいじょうぶだと知りつつも、下からのぞいてぽっかぽっかやっているのではちょっとおっかない。これは漁民だって、素朴な感情からいけば、魚はだいじょうぶだよ、シラスを一年食ったってだいじょうぶだよなんて説得をしたって、ちょっとこれはこわがる感じもあることも覚えておかなければならぬ。大臣、漁民はこの程度の準備、資料では、なかなか納得しませんぞ、これ。
#71
○政府委員(梅澤邦臣君) ただいま海水浴のお話も出ました。考えました場合に、先ほどシラスの魚のことを申し上げましたが、そのほかに、砂がよごれた場合、それから魚を取りに出ますので、船がよごれた場合、それから海水浴をした場合、その辺のときにどうなるかということは、十分ここで検討していただきました。それで、そのそばにいらっしゃる方が、そこで少しでもそこの砂をいじる等、何かがあった場合ということは、今度の検討の中でも十分していただいたわけであります。ただ、今度の報告書は、そのほかに、動燃からこういうデータでございますというデータその他がつかないで、総括の報告でございますが、それにまたこまかいデータというのが、そういう関係としては全部計算されて出されております。
#72
○森元治郎君 これ以外に……。
#73
○政府委員(梅澤邦臣君) 報告書としては全くそれでございますが、その報告をつくる場合の内容として先生方が審査した場合には、そのこまかいデータが全部使われております。
#74
○森元治郎君 そこで本論に入りますが、大臣、現地は、この射爆場がある限りは絶対もうお断わりというのが全部でしょう。大臣、御苦労されておると思うんだが、対地射爆場を移転しなくてもやるつもりですか。やりたいんですか。
#75
○国務大臣(木内四郎君) 県議会におきましては、この併存は困るというような御意見も出ておりますし、なるべく併存しないで、射爆場は移転してもらって、こちらのほうが稼働するまでにはやっぱり移転してもらうようなふうにいたしたい、かように思って、せっかく、この射爆場の移転について、いま推進をはかっておるわけです。
#76
○森元治郎君 大臣は、その射爆場をどいてもらうについては、どんなふうに御努力をされているんですか。御苦心のあるところを、ひとつ、ほんとうのところを教えてもらいたい。
#77
○国務大臣(木内四郎君) いまちょっと、私が聞き落とした点があるかもしれませんが、あるいは多少食い違ったことをお答えするかもしれませんけれども、この射爆場の移転の問題につきましては、もうかねてから、科学技術庁といたしましても非常に関心を持っているわけでありまして、私だけではございません。佐藤総理が科学技術庁長官当時、すでにこのことをとくと防衛庁のほうに申し入れをしておりまして、そうして歴代の科学技術庁長官は、何とか早くひとつやってもらいたいということを常々考えまして、推進をはかっております。
 そこで、私も就任以来、去年の十二月末に米軍の基地約五十カ所、これを撤去することになって、技術的にいろいろな点があるが、ひとつこれから交渉しようと、こういうことで、最近までに約十カ所、まあ一部、部分的のものもありますから、これを九カ所と考えまして、いまは約十カ所近いものがやめになっておる、こういうような事情がありますものですから、その際に、それに関連して、私からも水戸射爆場は特に原研との関係もいろいろあるから、なるべくひとつすみやかにやってもらいたい、こういうことを防衛庁長官にも申し入れましたし、また、一月二十八日の閣議におきましても、私から特に発言をいたしまして、この射爆場の移転を促進してもらいたいということを申し入れておったようなわけであります。それからあとも、機会あるごとに防衛庁長官に対しては、この問題はすみやかにひとつ解決してもらいたいということを申し入れて、側面からこの推進をはかっている、こんなような状況であります。
#78
○森元治郎君 推進をはかっているけれども、できればこの十月ごろから動燃が建設工事を始めたい、日が六カ月後に迫っているんですね、六カ月後に。大臣のその促進に努力した結果の見通しは、明るいですか、暗いですか。
#79
○国務大臣(木内四郎君) まあ、実はそれを担当しておられるのは防衛庁長官でありますので、私がその見込みをはっきり申し上げるわけにはいきませんけれども、防衛庁長官も、きょうもその問題を話したのですが、まあ大いに促進するというような希望のありそうな態度で私に返事をしておりました。
#80
○森元治郎君 同じ閣僚で、同等ですからな。同じ閣僚で陳情なんかしていたんじゃだめなんですよね、陳情なんか。国務大臣ですから、それで、防衛庁長官はその商売のほうの方なんで、みんな国務大臣なんだから、「木内国務大臣科学技術庁長官を命ず」という辞令だと想像するのですがね。だから、どんどんやらなければこれはだめですよ。ただ同じ閣僚が陳情なんかしていたのじゃ、とてもだめ。
 そこで、こんなこと記憶にあるのですが、違いますか。佐藤総理が、参議院の予算委員会だったかと思うのですが、基地などというものはこれは地元の協力がないとうまくいないのだ、協力や理解がないと、こういうことを何回も強く強調して、水戸対地射爆場の問題も、ワシントンに行ったときに話が出たら話しするつもりだ、こんなことが出ていたと思うのです。それが、その表現が、これは文法上でいくと、だれが言い出すのか、向こうが言い出すのか、こっちが言うのか、主格がはっきりしない表現を新聞で見たのですがね。アメリカまで持ち込みますか。そういうことに、議題に入りそうですが。
#81
○国務大臣(木内四郎君) 総理大臣が確かに議会で答弁したうち、その問題、水戸射爆場ということばが入っておったことは私も承知いたしております。そこで、総理大臣の意図は、基地問題全体というものは非常に大事な問題だと、そこでその例をあげて、たとえばこれの問題については当然話が出るだろう、こういうような答弁をしておったように、説明をしておったように私は承知しておるのですが、したがいまして、総理も深い関心をこれに示しておると、このことは私は言い得ると思うのです。それで、どちらが切り出してどうするかということは、これは最高のところの、トップレベルのところの話でありますから、私からいまここでどうということは申し上げる段階ではないと思うのです。
#82
○森元治郎君 そう、確かにそんな意味なことを言ったので、基地の問題も、どうせ沖繩の返還の問題にからめて、内地と沖繩との基地の問題も出るでしょう。その中で取り上げていこうかなという感じが、総理の思いつきか、用意した答弁か知りませんがね、ぽっと出たんだと思うのです。防衛庁長官があるいはそういうふうに頼んだのかどうか知りませんが、問題の水戸射爆場という名前をメンションして、一つの、両方の話し合いの中に浮かび上がってくる問題点であると御想像されるかどうか。
#83
○国務大臣(木内四郎君) 佐藤総理は、もう頭に非常にこの問題があるということは、私どもたびたび閣議が発言しておりますし、また、総理自身が科学技術庁長官当時からすでに問題になっておったので、よく頭の中に入っておると思うのです。そこで、佐藤総理は、水戸射爆場、板付の基地、その他数地点をあげて述べておられるということは、相当総理の頭にも深く入っておる証拠だと思うのです。したがいまして、この問題について総理もできるだけの努力をされるものと私は考えておる次第であります。
#84
○森元治郎君 渡米にあたってやられるかどうか、もう一ぺん……。内地で努力するのか、向こうで問題をあげて、ワシントンのホワイトハウスか国務省か知らぬが、会談の場に持ち出すこともあり得るとお考えですか。
#85
○国務大臣(木内四郎君) まあ、ああいうトップレベルの会談でありまするし、今度は沖繩返還という重大な問題を控えておりまするので、やっぱりこの問題が中心になって大きな問題が出てくると、それをこちらから切り出すということはあるいはあるかないか、これはわかりませんけれども、頭の中にありますから、私は機会があればそういう問題に触れられることもあるのではないかと、かように考えております。
#86
○森元治郎君 一つは大臣これに期待されている、十一月以降適当な日に渡米される、こう言うのですね。動燃のほうでは待っていられないで十月からやりたい。さあ総理が行った、話に出るかと思ったが出なかった、出したが消えちゃった、ああまたもとへ戻った、これじゃ事業として成り立たないんでね。一体いつまで待てるんですか、この建設工事開始の時期を。それは、十月一日が、二日とか三日とか十日ぐらいならいいでしょう。一体どこまで待てますか。
#87
○政府委員(梅澤邦臣君) どこまで待てるかというのは非常にむずかしい問題でございます。実は、廃棄物が出ましたときに、これは入れものに入れて埋めて保管するという方法がございます。そういう方法でいくわけでございますが、その保管量があまり多くなりますと、今度は、再処理工場は一応〇・七トンという基準でございます。したがいまして、それに合わせてスムーズに運転しようという形でいきますと、四十八年ごろが私たちのねらいでございます。しかし、しばらく保管を長引かすということを考えれば、もうしばらくは置いておけるといえば置いておける考え方でございます。その点、余裕がないといいますか、あるといいますか、その点は別の方法ということで置かざるを得ないという現状だと、こう思っております。
#88
○森元治郎君 保管というのは、たとえば東海は東海で、あるいは、これからできるところでは敦賀とか美浜とかあります。そこで、ためておくわけですね。そういうものは一体、今度は、ためるところの容積の問題もあるだろうし、たいへんなことだろうと思うし、どのくらい置いておけるものなんですか。しっかりした入れもの、容器があれば、しかも大きいものがあれば、何年でも置けるのですか。
#89
○政府委員(梅澤邦臣君) いま東海村でやっております原電の発電所のものは置けます。約二年くらい置けると思います。しかし、これは今年から向こうへ送還の形になっておりまして、今年は七十トンほど向こうへ送り返します。送り返すことにしていきますれば、原電の燃料はある程度持っていけます。それ以外の敦賀、関電等のものにつきましては燃料が少し違いまして、これらの保管の可能性はございます。しかし、いま先生おっしゃいましたように、それはそれぞれのところで保管という形になります。それは、燃料対策、経済性から申しますと、保管しておきますということは、それだけコストが上がりますので、その点、できるだけ早く処理いたしませんと、電力料にも響いてくるという見解になると思います。
#90
○森元治郎君 それを東海の例に限れば、おかで持って行って、日立港から船に積んで外国に持って行って、再処理をやってまた持ち返すということは、とても高くて、むしろタンクの中にしまっておいたほうがずっと安いんでしょう。
#91
○政府委員(梅澤邦臣君) 東海村の発電所につきましては、最初の二年間分は向こうへ必ず送り返すという契約になっております。その次については、その状態によって送り返しても受ける用意はあるという程度のことでございまして、そのときの考え方は、できるだけ日本で、ちょうど再処理工場ができて、それに間に合うようという考え方でございますが、少しここでおくれましたので、その点がひっかかりますが、送り返すということよりも、やはり再処理という費用がございます。その関係から、やはり向こうに送って再処理をする費用と、日本国内で再処理をする費用と、この点におきましては、今度のは〇・七トンの設備でございますから、それほど経済性は、向こうに送り返すより高くはならないようにいたしますが、経済性は計算どおりにはなかなかいかないのじゃないかと、こう思っております。
#92
○森元治郎君 問題は、大臣、射爆場をどうするかというようなのが、何といったってポイントですね。射爆場、これがある限り、総括的に見て何ともできないと思うのです。一切手が出ない。この点については、反対の意見は全部一本だと思うのです、茨城県の場合は。そこで、もしできないなら、どっかに移転せざるを得ないということも当然お考えにもなり、物色もし、研究もし、経費の問題、研究者の居住の問題あるいはえらい先生が東大から、あるいは北大から、名古屋大学から再処理場まで一々飛行機、汽車で行ったんじゃ、これは能率からも、費用の上からもたいへんだとお考えになっておられると思うのです。いつまで待って、どうしてもだめだという場合には、よそに変えざるを得ないという御決心ですか。
#93
○国務大臣(木内四郎君) そういう場合も想定されないこともないのですけれども、私どもは、さっきから申し上げておりまするように、やはり動燃事業団は自分の区域内にもあるし、それからあすこにある原研その他の施設を使っていろいろ研究などするにも役立つし、また、そこで働く要員の点からいって、あるいは要員だけでなく、研究員その他の関係からいっても、あすこは最も適当だというので、あそこに置きたいという切なる希望を持っておるわけです。そこで、私どもは射爆場の問題を解決して――もう解決についてもいろいろ方法はあるだろうと思うのですが、解決して、あすこにできるだけひとつ置きたいと、こういう希望を持っていま努力いたしておる次第でございます。
#94
○委員長(宮崎正義君) 塩出君。
#95
○塩出啓典君 まず最初に、先ほどの東海村の原子力発電所の業者の事故の問題でございますが、まだはっきり原因がわからないというお話と承ったのですが、大体いつごろはっきりするわけですか。
#96
○政府委員(梅澤邦臣君) この問題につきましては、早急に原因がわかることと存じます。と申しますのは、先ほど申し上げましたように、受けた場所ということはわかっております。したがいまして、それがどういう形でその人に伝わったかというところの経過でございますが、その分野につきましては目下調査中でございます。その点は、もう間もなくわかる、こういうふうに思います。
#97
○塩出啓典君 いま私が一番心配するのは、非常に原子力関係のそういう事故に対しては、専門家が見ればたいしたことはないようかもしれませんが、新聞の報道、また一般の受ける感じというものは、非常に影響が大きいと思うわけですが、こういうようなことが起こると、今後そういう原子力の設備を設置する点に関して、住民の反対もますます高まってくる。そういうわけで、こういう問題に対しても、そういう原子力設備に携わっている人も、もちろんまたそれを監督する科学技術庁も、もっともっとやはり真剣にやらなきゃいけないんじゃないかと思うのですね。そういう点で、こういう事故の問題にしても、一刻も早く、もうすみやかに原因というものを明らかにして、そしてまた次の対策を立てて、また国民の皆さんにその内容を明らかにする、そういうことが非常に私は大事じゃないかと思うのですよね。そういう点で、科学技術庁の考え方も何となく消極的である。もっとそういう点を真剣にやってもらいたい、そのように要望するわけですが、長官のお考えを聞きたいと思います。
#98
○国務大臣(木内四郎君) 塩出委員の御質問、御意見、まことにごもっともでございます。私は、常々、これから原子力発電その他が非常に多くなってくる、また、そのほかにも利用がだんだん多くなってくる、こういう状態のもとにおいて安全性というのは一番大事だ、こう思っているわけです。ところが、安全性は科学的に安全というだけではなく、社会的に不安を与えるようなことじゃいかぬ、周辺の人々に不安を与えるようなことがあっちゃいかぬ、その不安の解消については最大の努力をしなくちゃならぬ、かように思っております。そこで、今回の事件などの場合におきましても、できるだけ早急に原因を究明いたしまして、そして国民の不安、周囲の人々の不安を解消するように努力しなくちゃならぬと思いまするので、そういう意味で、私は局長のほうにも強く指示いたしまして、この問題について早急に原因をはっきりさせて、そして国民の不安の解消につとめるようにするようにということを言っているわけで、今後におきましてもそのつもりでやってまいりたいと思います。
#99
○塩出啓典君 それで次に、これは前々から原子力設備の安全性については何回も問題になり、私もこの委員会で要望したことでございますが、原子力発電所にいたしましても、建設されてしまえば、その安全度というものを監督するのは国である。何らそういう地方自治体との間の連絡というものはない。そういう点で、そういう原子力設備が地方自治体に対しても報告する義務を負うように、ちゃんと法律で定めてもらいたい、そういう要望が非常に強かったわけです。けれども、今日まで科学技術庁としては、そういう問題に対しては何ら手を打ってなかった。ところが、今回たまたま、私は新聞で見たわけでございますが、先般、原子力発電の安全協定について東京電力と福島県とが共同で放射能監視の協定を結んだ、そういうようなことがやはり現実に行なわれてきているわけですね。これは、当然やはり国が率先してやるべき問題を、国がぼんやりしておる間に、良心的な電力会社のほうでやってしまった、そのように考えているわけなんですが、この問題に対して科学技術庁としてはどういう考えを持っているのか、また、今後どういう方針で指導していくのか、その点を聞きたいと思うのです。
#100
○国務大臣(木内四郎君) 御案内だと思うのですが、原子炉をつくる場合には総理大臣の許可が要るわけですね。そこで、総理大臣は、これを許可する場合には、原子炉の安全専門審査会に厳重な審査を命じまして、厳重な審査を経た上で、これは安全だ、安全設計についても安全対策に対しても安全だということを認めて初めてこれを許可する、これを許可した場合においても、さらに設計とか、工事の方法に対する認可、設計や工事の方法をきめた場合には、それに対し科学技術庁の認可を必要とする、あるいはまた、つくってでき上がった場合、いよいよ稼働する場合に、その前に事前検査をする、それからさらにまた、保安規定などについても認可をする、こういうことになって、安全に万全を期しております。また、放射線または放射性物資の管理につきましては、これも全国的に詳細な基準を設けて、それによって行なわせることになっている。そういう意味から言いますというと、許可を受け、そしてその認可を受け、そしてその法令あるいは原子力委員会できめた基準に従って管理を設置者が厳重にやっていかなくちゃならない、こういうことになっておりまして、国のほうで別に手をこまねいているわけじゃないのですけれども、そこで、私がさっき申し上げましたように、科学的にいかにそれが安全であっても、安全対策が十分であっても、安全設計が十分であっても、それだけじゃいけない。やはり周辺の住民の方々がそれに対して安心しなくちゃならない。そこで、科学技術庁はどうしていますかと申しますと、そういう意味で、設置者、すなわち発電業者とその地方の公共団体とが協定を結んで、そして設置者が、発電業者が、審査をいろいろする資料を集めて、自分たちはこれでいいと思っていただけじゃ住民を納得させるわけにいかぬから、地方公共団体の代表者なども加えて、そして発電会社でやっているこれは確かだということを地方公共団体の人にも認めさせることがいいというので、そういう方法をとるように、従来から私どもこれを推奨しているわけなんです。奨励しているわけなんです。そこで、今度たまたま東京電力と福島県との間に協定ができましたけれども、その前にすでに私どもの勧告と言いますか、そういうすすめに従って、福井県と関西電力、あるいは日本原子力発電会社があすこでまた発電所を設けるのですが、これとの間にすでにあるわけなんです。そういうわれわれのほうの推奨に従って福井県はすでにやっている、今度は福島県でもそういうことをやったということで、別に新しいことじゃないのです。私どものほうでは、科学的な安全性だけではない、社会的にもそういうような不安のないようにしなければならぬというので、そういう方法をとっております。そこで、さらに今回も、先ほど森委員からもいろいろ御引用になった専門部会の報告におきましてもそういう点も考慮いたしまして、海域における影響のところでこういうことを言っているのです。周辺環境に関するところの監視の結果を公正に評価するための権威ある中央機構の整備について考えなければならぬということを言っている。このことは、私がさっきから申し上げているように、科学的なことはもちろんだが、それだけじゃ住民を納得させることができぬ、住民を十分納得させるような仕組みにしたほうがいいのではないかということを、この専門部会がすでに提言している。私は、この提言はわれわれの従来の主張にも合っていますし、非常にけっこうなことだと思っておりますので、今後におきましてそういう点についてももちろん考慮しますし、私のほうで別にぼやぼやしている間に福島県とあすこがやったというのじゃなくて、私どものほうの従来からの勧告に従って、そういう方針に従って福島県もこれをやった、こういうことなわけですから、その点を御了承願いたいと思います。
#101
○塩出啓典君 それじゃ、そういう地方自治体とまた地方の住民との設備についての話し合いというのは、これはもう随時地元の電力会社にまかしていく、そういう点で、国としては、法律的に規制するというか、そういうことはやらない、そういう考えですね。
#102
○国務大臣(木内四郎君) そこはたいへん違うのでして、国はもう法律的に、制度の上において十分規制をしているわけです。さっき申しましたように、総理大臣の許認可、そのあとにおいても、工事その他の設計方法の認可、あるいは事前の検査、あるいは安全規定の認可、こういうこともやっていますし、さらに放射線及び放射性物質の管理につきましては厳重な検査の基準を設けて、これに従わなくちゃいけない、これに従わしているのですから、国はそういう制度の上において十分に――それを施設者が守らないということになれば別ですけれども、守らせるように十分やっておりますし、必ず私は守っていくべきだと思っております。また、その守る状態につきましては、原子力局におきまして十分検査をして、必要があれば立ち入り検査もする、そういうようなことで十分に安全対策については意を用いておるし、また、これでなければ今後わが国の原子力産業の発展というものは十分に期することはできない、かように思っておりますので、その点については安全第一主義でまいるということでございます。
#103
○塩出啓典君 長官は、法律があるから、法律どおりつくったのだから安全だと、そういうように言いますけれども、法律をみな信じて安心するほど、いまの国民というのはすなおじゃないと思うのですよ。法律があるからだいじょうぶだ、法律どおりやっていれば心配ないじゃないか、そんなことを言うのだったら、今回の東海村の発電所のこういう問題が起こるはずはないわけですよ。やはりそこに住民の不安があるのですからね。だから私は、安全という問題は住民に納得をいかせ、そうして住民に安心させるような、そういうものでなければならぬと思うのですね。そういう点で、やはりその工場のいろいろな測定のデータとか、そういう状況もやはり地方公共団体に知らせることは当然じゃないかと思うのですね。そういうことは国の責任のもとに法律をきめてちゃんとやっていくぐらいの熱意がなければ、あまりにも私は――もちろん各電力会社の人たちがそれはみんな善意の人であればいいですけれども、必ずしもそうとは言えないと思うのですよ。実際に人間の善意を信ずるのだったら、法律なんかなんぼも要らないわけです。そういう点から、やはりそういう問題に対しも私はもっと科学技術庁としても検討すべき問題じゃないかと、そのように思うのですけれども、その点はどうですか。
#104
○国務大臣(木内四郎君) お説の点、まことにごもっともでありまして、そういう趣旨から私どものほうは、科学的に正しいということを、われわれの基準に従っているから正しいということで自己満足だけではいかぬ、地方の住民、公共団体の人々にも十分それを見て理解してもらって納得してもらわなければならぬというので、それには発電所を監視をしているわけです。それで、福井県もできた。福島もできた。これは非常にけっこうなことでありまして、その基準はすでに法律その他できまっているのですから、法律を設けなくてもいいと思うのですけれども、そういう点についてももちろん考慮すべき点があると思います。あまり法律でぎゅうぎゅう、法律だからどうと言わなくても、実際上そういうふうに福島県あるいは福井県のようにやってもらっておれば私はそれでいいのじゃないかと思うのですが、先生の御意見もありますので、そういう点についても十分考えるべき問題だと思います。
#105
○塩出啓典君 それでは、長官が統一的な監視をするために新監視機関をつくる、そういうことを新聞で読んだわけですが、このいわゆる新監視機関というのは、これは具体的に、どういうメンバーが入るとか、その大綱をひとつ聞かせていただきたいのです。
#106
○国務大臣(木内四郎君) ちょっとおことばを返すようでたいへん恐縮ですけれども、私がさっき申しました発想というものは、専門部会の報告に、海域に対する影響の項のもとに、周辺環境に関する監視の結果――モニタリングの結果ですね、それを公正に評価するための権威ある中央機構を整備する必要がある、こういうことを書いてある。それを、監視の機関を別に設けるというところまでははっきり言っていない。権威ある中央機構というものを設けるべきだというのがこの部会の報告なんです。そこで、それをどうするかということは、これから原子力委員会などにはかって最も適当なものを設けたいと、整備したいと、かように考えておるわけですが、私のその意見がちょっと誤報されたような感じがあるので、新聞には、監視機関は別に原子力委員会のほかに設けるというような記事があったのですけれども、私はそういう趣旨で言っておるわけじゃないのです。この報告にある発想というものは私たちの従来の主張にも合っておるし、非常にいい点もある、こういうことで、私これは前向きにこの問題は検討すべき問題だ、こういう意味で申しておるわけでありますから、これはさっき先生がおっしゃった趣旨に全く合っている一つの考え方だと、かように思っておるわけであります。
#107
○塩出啓典君 原子力委員会と別に新監視機関というものをつくるわけではない、ただ測定データというものを公式に、正しく評価する、そういうものを原子力委員会のもとにつくる、そういうふうに考えていいわけですか。
#108
○国務大臣(木内四郎君) いまの報告書にありました発想というものは、私は別にはっきり原子力委員会の外に設けるとかなんとかということを書いてあるわけではないと了解しておるわけですけれども、これにつきましては、こういう発想があった、それよりこうしたほうがいいじゃないかという意見もあり得るわけですね。そういう点は今度原子力委員会のほうではかってみて、その機構としては、いろいろ資料を集めて公正に評価する、その資料というものは今後いろいろな面において利用されるというような面も一面あるわけですね。そのほかに、さっきお話にあったように、周辺住民の人々の納得、了解を得る一つの機関にもなる、そういうようなこと、いろいろなことを考えて、どういう形にしたら最も効果的であるかということは今後において検討される問題である、かように考えております。
#109
○塩出啓典君 私が特に要望したいことは、やはり先ほども話しましたように、あくまでも原子力基本法の公開の原則に基づいて、やはり測定値というものが正しく住民にも知らされる、反映されていかなければならない、そういう点で、幾らそういう機関をつくっても、それが秘密主義であってはならないと思いますし、常に住民の声が反映されて、また住民にもその結果というものがいくような、そういう監視機関をつくらなければ意味がないじゃないか、そのように私は要望したいわけですが、その点、お考えを聞きたいのですが。
#110
○国務大臣(木内四郎君) 確かに塩出委員の御意見のとおりでありまして、それが効果をあげないようなものであってはいけない。やはりその資料を今後いろいろな研究に対して役立てられるようにするとともに、地方住民がその資料を見て納得し得るような、地方住民の納得を得るに足るような中央機構であることが私は必要であると思いますから、そういう見地で前向きにこの問題を今後検討してまいりたい、かように考えております。
#111
○塩出啓典君 それから次に、放射線審議会から二月の初めに、放射性の廃棄物に新しい基準を設定すべきである、そういうようなことが審議会の答申として出ておりますが、これは二月の六日ですね。放射線審議会会長は木村健二郎東大名誉教授になっておりますが、この新基準の問題に対して科学技術庁としてはどういう考えを持っていらっしゃるのか、それを聞きたいと思うのですが。
#112
○政府委員(梅澤邦臣君) 先生のおっしゃいました放射性廃液の問題でございます。これは、二月六日に答申が出ております。それで、二月六日に出まして、すべきであるといたしまして、この答申の中で、再処理廃液、放射性廃液についてはICRPの基準がございますが、それの十分の一に置いていくことが妥当であるということが、この中できめられた形で出ております。したがいまして、国際的なICRPでございますが、それは国際放射線防護委員会でございますが、これでそういうきめが決定として出ましたので、これを先ほどの再処理のほうで利用いたしまして、海洋調査のほうの問題についてこれを利用したわけでございます。したがいまして、この委員会におきましては、そういうICRPの十分の一で再処理の場合には十分果たせるから、それをまず使いなさいということをきめたわけでございます。
#113
○塩出啓典君 それで、現在、いわゆる放射性の廃棄物の処理の場合ですね。それを水中、海中に放出する場合の放射性物質の濃度というものを規定しているのは、現在は法律はどの法律で、そしてその限界量はどうなっておるのか、その点をちょっとお聞きしたいんですが。
#114
○政府委員(梅澤邦臣君) 先ほど申し上げましたICRPの基準が最初海外にできました。それを参考にいたしまして、われわれのほうで、原子炉の場合におきますと、原子炉の告示を出しております。それで規定いたしておりますが、先生おっしゃいましたどれと申しますと、廃棄物の中に含んでおります元素の種類で全部違っております。その種類に基づきまして、どれは幾らまで、どれは幾らまでと、それによってきめております。したがいまして、あとでお届けいたすと思いますが、核種によりまして全部基準が違っております。
#115
○塩出啓典君 この審議会の答申で、私どもこれを読んだわけでございますが、これまでの原子力施設から排出される放射性廃棄物は、その出口で、飲料水に含まれる天然放射性物質の濃度の十分の一ということが義務づけられておったと。ところが、そういう濃度という問題から言いますと、結局、水で薄めれば幾らでも多量の廃棄物を流せると、そういう抜け道がある、そういうわけで、そういう放射性物質の放射能の限界というものは、そういう一つ一つの濃度というよりも、これは全体が国民に及ぼす影響はどうかと、そういう点から検討しなければならない、そういうように読んだわけなんですけれどもね。この点はどうなんでしょうか。
#116
○政府委員(梅澤邦臣君) 基準でいろんな数値がございますが、それを総合的に判断しますと、われわれ人間が飲料水として飲む場合にはどのくらいときめてございます。それを、ここでは十分の一にしております。しかし、いま先生がおっしゃいました水で薄めれば薄めるほど捨てやすい、それは確かにそうでございます。ただ、ICRPの基準でまいりました場合に、飲料水として飲んだ場合に安全であるという基準がございますが、それをさらに十分の一のところで規定しまして、その十分の一のところで、それ以下でなきゃ捨ててはならない、したがいまして、それ以下にする場合としては、当然薄めて少しずつ出すということがございます。その点は一人間がもしこれを飲料水として飲んだ場合の基準より低いところでやっておりますので、その点については安全であるという解釈でございます。ただ、将来科学技術がどんどん伸びてまいりまして、そういう関係から、できるだけこれをほかのもので集約してしまう、外に捨ないで済むという方法ができれば、できるだけこれによって減らすようにやれという考え方がこれについております。
#117
○塩出啓典君 それでは、ICRPの許容量の十分の一以下に規制すべきであると、そういう答申が出されたわけでございますが、その答申は、科学技術庁としてはそのまま採用して、すでにそういうようになっているわけですね、いま。
#118
○政府委員(梅澤邦臣君) 特にここで書いてございますのは、今度つくります再処理設備に対してのあれでございます。したがいまして、今度できる再処理設備としてはこれを当然使っていくということで、今度の安全審査会もこれをうたっております。なお、これに比較いたしまして、福井県等に発電所がございまして、そこで流しておる分がございます。これは当然現在でもこれより低いところで放出されております。
#119
○塩出啓典君 それから、これもやはり放射性物質の安全管理の問題でございますが、これはきょうの新聞に、原子力発電所の使用済み核燃料を再処理工場へ運搬する方法については、日本原子力産業会議が検討した結果、運搬器材や輸送についての基準、規格、法規が穴だらけであることがわかった、そういうように報道されておるわけでございますが、私どもも、そういうこまかい法律というものを全然わからないのですが、これを聞いて非常に驚いたわけなんですけれども、この点は真相はどうなんですか。新聞に書いてあるとおりなんですか。
#120
○政府委員(梅澤邦臣君) 実は、放射性廃棄物の運搬につきましては、運輸省のほうに放射性物質車両運搬規則というものが現在ございます。これは、少量の基準のところまでは運んでよろしいというその条件がついておりますが、多量のものになりますと、運輸大臣の特別の許可を受けてやるという形になります。特別の許可を受ける場合には、科学技術庁のほうで、入れものの容器、これは海外でもいろいろ基準がございますし、それから原子力委員会でつくりました基準もございます。その容器の認定をいたしまして、その容器で運搬するという形で現在できております。ただ、この懇談会で出しました報告では、将来のことを考えまして、だんだん廃棄物が、燃料として考えますと、非常に長尺物になってまいります。長尺物になってまいりますと、その燃料を運ぶ場合、そういう点についてはもっと検討して十分な法的規制を考えたらどうかということが含まれております。私たちのほうも、現在運輸省と、そういう、たとえば今度東海村の原電から送り返します、日立港まで持ってくる短い距離でございますが、この問題につきまして検討をさしていただいておりますが、それについて検討いたしまして、できれば将来省令の改正等を考えなければならない点があるのではないか。ただ、現在のところでは、まだ送るものが初めてでございまして、そういうものをわれわれ運輸省と一緒になりまして、協力して、実際許可をする場合に緻密な許可をいたしまして、それで運んでやらせていただいておる。それで十分わかるところで、法律改正がもし必要なればその点をしなければならぬ、こう考えております。
#121
○委員長(宮崎正義君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#122
○委員長(宮崎正義君) 速記を起こして。
#123
○塩出啓典君 それで、国務大臣にお聞きしたいと思うのでございますが、海洋開発の問題で、最近、日本近海の石油資源というものに対して、シェル石油等が合弁会社をつくって盛んに日本の近海の石油調査をやっておるのですが、私どもが一番心配するのは、日本の国はほとんど九九%以上石油資源を海外にたよっておる。ところが、実際には日本の近海に海底で石油資源があると言われながら、そういう点でどんどん外国の資本に鉱区の申請をやられて、それでもうどんどん飛行機なんかで石油資源の調査をやっている。そういう点で、一体資源の少ない日本の国がよそまで行ってやらにゃいかぬのが、自分のところの縁の下を荒らされておる、私はそういうような気がするわけですが、そういう点で、日本近海の資源の調査、そういう問題に対しても日本の国は熱意が足りないんじゃないか、そういう点を心配しているわけなんですが、そういう問題についての科学技術庁としての今後の考え方、方針というものをお聞きしたいと思うのですが、その点はどうでしょうか。
#124
○国務大臣(木内四郎君) 御案内のように、わが国はいろいろの資源が不足しております。ひとり石油だけじゃありません。いろいろな資源が不足しております。で、わが国としては、いろいろな資源を豊富に包蔵しておるところの海洋の開発ということが非常に重要な問題であることはお説のとおりなのでございます。ところで、これまでわが国におきましては、鉱物資源あるいは水産資源その他につきまして、各所管省においていろいろの施策を講じてきておるわけなのであります。たとえば、石油資源については通産省、水産資源については農林省、これはいろいろなことでやっておりますが、最近の科学技術の進歩、非常な長足な、急速な進歩によりまして、海洋開発というものが非常に面目を一新してまいりまして、従来のような伝統的な技術だけでは、もうこれはひとり鉱物資源だけじゃありません、すべていけなくなってきている。最近の進んだ先端の技術を集めた海洋工学を駆使して大規模にやらなければならぬという時代になってきておる。そこで、わが国においては、遺憾ながらそういう面においてはだいぶ立ちおくれておる。たとえば、簡単な例を一つとって申しますというと、去年の夏、国連の海底平和利用のアドホックという委員会ですね、この報告で何を言っているかというと、今日いまの時点において――すなわち去年の六月の時点においては、海底の掘さくは二百メートルだ、しかしいまは非常に進んでおるから、ことしの末には――去年の末には、これは四百メートルになるだろう、あるいはことしの終わりになったらこれは五百メートルになるだろうという報告を国連でしておるような状態なんです。ところが、しからばわが国の今日の技術はどうか。今日の段階ではどうかと申しますと、秋田沖で石油とか天然ガスをやっております。これはなんと三十メートルです。それだけの違いが技術の面で今日あるわけです。それはそれとして、そういうわけでありますから、同列において、さあやるとなると、わが国はその面において非常な立ちおくれを示しておると言わなければならぬと思う。しかし、この海洋資源につきましては、ことに大陸だなにおきましては、水産資源は別といたしまして、鉱物資源については、われわれは大陸だな条約を批准しておりませんけれども、外務省のこの間からの予算委員会その他の答弁にもありまするように、鉱物資源については、大陸だな条約を批准しておらなくても、国際慣行としてその沿岸国の権利である、しかもこれは国際慣行だけでない、ヘーグの裁判所においても最近そういうことが認められた、こういうことでありまするので、わが国周辺の大陸だなにおけるところの鉱物資源については、わが国の会社でなければこれは許可されない。鉱区の設定ということは、いかに彼らが調べましても鉱区は設定されない。そこで、外国の連中は技術があるし、資金もあります。そこで腕が鳴っておるわけですね。そこで、わが国の会社と合弁で、シェルあるいはカルテックスあたりは、すでに九州方面の海洋その他についていろいろなことを計画しておるようであります。このわが国の鉱物資源の保護の問題については通産大臣もたいへん心を砕いておりまして、私は、法制の面においては遺憾な点はいまのところない、かように考えておりますけれども、いま御心配の点はまことにごもっともでありまして、われわれとしても大いにその点に意を用いなければなりませんが、ことに大事なことは、海洋開発の技術を身につけるということが大事なことだろうと、かように考えております。
#125
○塩出啓典君 あとの詳しい、こまかい問題は、あと担当の人にお聞きしたいと思いますが、長官への質問は私は終わりたいと思います。
#126
○委員長(宮崎正義君) 船田君。
#127
○船田譲君 大臣の御都合があると思いますので、大臣に関する質問だけを先にまとめてやりまして、あとのは塩出委員がまた再質問されましたあとで政府委員にお願いしたいと思います。
 で、大臣は二月二十七日の本委員会におきまして所信の御表明をなされておりますが、その所信の御表明の一番最初に、科学技術振興の基盤の強化ということを強く訴えられておられます。その中に、これら施策の基本となるべき法律の早期実現につとめる所存でありますと述べておられます。で、科学技術の施策の基本となるべき法律というのは、われわれも、例の科学技術基本法が多年にわたりまして非常な紆余曲折を経て現在も微妙な段階にあるということは十分知っております。また、衆議院のほうにおかれましても、議員提出で振興基本法みたいなものと考えておられるやに承っておりますが、いずれにいたしましても、大臣の言われましたこれら施策の基本となるべき法律として頭に描いていらっしゃいます法律は、この目的とするところ、あるいはその対象とするところは、どういうところに置かれたらいいとお考えであるか、まずお聞きしたいと思います。
#128
○国務大臣(木内四郎君) お説の問題は、私ども非常に心を痛めている問題なんですが、科学技術基本法は、すでに数回前の国会に提出いたしました。ところが、遺憾ながら、この前の臨時国会においてこれが廃案になりました。そこで、いま衆議院のほうにおきまして、おそらくこちらのほうにも御相談があると思うのですが、それをどういうように取り扱うべきかということを超党派的にいろいろ相談願っておるわけなんです。そこで、しからば私どもは何にもやらないで、それを待っているのかというと、そうではありません。私どものほうは、すでに基本法案というものを一つ案を持っているわけなんです。そこで、そういう関係もありまして、私どものほうでは、その法案を衆議院で超党派的に御相談になる、それに対し積極的に御協力を申し上げるという基本的な態度をとってこの問題を進めておりまして、そうしてこの法案が国の科学技術の振興の基本になるような、そういうものが一日もすみやかに制定される、こういうことを心から期待しておるような次第でございます。
 そこで、そうなりますと、しからばその際にどういうことを織り込まなければならないかというと、たとえば、科学技術のいろいろな問題がありますけれども、政策の目的といたしましては、科学技術は常に国民経済の発展及び国民福祉の向上の要請にこたえ、あわせて国際社会の発展に寄与することができるよう、その水準の向上をはからなければならない。こんなようなことが、これから先の法律では、いずれにしてもそういうことが目的の一つとして掲げられますから、これはすでにこの前の法律案にもそういう趣旨が盛られておりますし、私どものほうにおいて今日研究しているところにも、そういうことが盛られているわけであります。
 それからさらに、この対象といたしましては、まあここが非常に問題になってくるところなんですが、この前に廃案になったのはどういうところに理由があるかというと、自然科学だけでなくて人文科学もこれに入れなければならないのじゃないか、これが一つの大きな争点になっているのですけれども、しかし、国会において計画を立て、その開発の計画を立てていくというようなことは、やはり自然科学のほうに最もふさわしい。人文科学において計画を立てなんというと、とかく研究者が、たとえば大学などでやる場合、自由を束縛する、研究の自由を束縛するというような問題が出てまいりますので、それよりも、主として自然科学の技術を中心にしてやったほうがいいんじゃないか、こういうことが私どもの考え方であったのですが、そこが争点にもなっておりますので、今後そういう点は、しからばどういうように取り扱うか、こういうようなことが大きな問題となってくると思うのです。この問題につきましては、われわれは、いま申しましたように対象外に置いておるのですが、大学の研究につきましても国の計画の一環として、そしてそれに対して自主的な参加を求めるというようなふうにしたらいいのじゃないか。これはまあ私どもの考えであります。それはあくまでも、いまの超党派的に今後御相談になる一つの資料なのですけれども、それが私どもの思っているようなふうにまとまれば、これは非常にけっこうだと思いますが、これは御相談願いたいと思っております。その研究開発の基本的方向といたしましては、政府としても目標を設定いたしまして、推進すべき研究の促進に関する長期的の計画及び重要な分野における研究の育成に関する長期的計画を中心といたしまして、科学技術振興のために総合的かつ計画的に講ずべき政府の施策全般にわたってその大綱を定めていかなければならないのではないか、こんなふうに考えておるわけであります。
 そこで、将来国として特に推進すべき重点分野といたしましては、科学技術が社会経済の要請にこたえるとともに、常にこれにこたえられるようにその水準を向上させることが重要である点にかんがみまして、あるいは国民福祉の向上、社会経済基盤の強化、あるいは産業の発展、大規模研究開発の推進、これはたとえば原子力の平和利用とか宇宙開発、海洋開発、こんなふうな問題が当然入ってくると思いますが、そのほかにも、基盤的な科学技術の育成、まあこの五点をおもに中心といたしまして、その観点に立ちまして、国として特に推進しなくちゃならぬようなこの重点分野について現在細目にわたりまして検討いたしておるわけでございます。
 なお、この際特に申し上げておきたいのは、最近は、科学技術情報の流通という問題が非常に大きな問題になってきておりまするので、そういう機構あるいは技術の研究、そういう問題についても特に考えていかなくちゃならない、かように考えております。
 それから、私どもの考えておりますのは、この計画遂行にあたりましては、大学、民間の協力を得なければならぬ。大学につきましては自主的参加を期待したい。また民間については、研究委託あるいは共同研究等によりまして、政府の計画を遂行するにあたりまして、その協力を特に強くひとつ求めてまいりたい、かようにまあ考えております。
#129
○船田譲君 所信の第三に、大臣は宇宙開発の推進を述べていらっしゃいます。まあ、宇宙開発事業団法がそれで提出されたことであると思いますけれども、先ほど委員長が言われましたように、法そのものの審議につきましては後日ということでございますので、ただ根本的な二、三のことについてお伺いしたいと思うのです。
 一つは、宇宙開発事業団法をつくる前に、宇宙開発基本法を制定をして、いわゆる平和、自主、民主、公開、国際協力という五原則をはっきりうたっておくべきじゃないかという御議論が与野党ともにあったと思うのです。しかし、先に宇宙開発事業団法が出てきたわけでありますから、われわれはその審議に協力をするわけでございますけれども、その場合に、この五原則の保証をどこに求められるかということを、まずお伺いしたいと思います。
#130
○国務大臣(木内四郎君) ごもっともな御質問でありまして、これは非常に大事な問題だと思うのでありますが、実は、この宇宙開発の基本問題につきましては、これは非常にいろいろな問題があると思います。宇宙開発委員会を設ける際にも、衆議院あるいは参議院の両方の委員会においていろいろな御希望があった。そこで、そういう事項をどういうふうに盛り込んでいくべきか。あるいはまた、わが国の施策をどういうふうにしていくか、重要施策ですね。また、どこまでこれを進めていくか。あるいは定義をどうするか。こういうような問題がある。ところが、今日、御案内のように、まだ宇宙空間という字は、宇宙条約などにおいては使われておりますけれども、国際的に宇宙空間という定義はまだきまっておらないのですね。そこで、国連でも、宇宙利用の委員会におきまして、宇宙開発、宇宙空間という定義を言ってみろと言っても、なかなかきまらないのです。そこで、せっかくいま審議してもらっているようなわけです。基本法を設けたが定義がきまらないというようなことでは困るのです。そこで、今日宇宙開発というのは非常に急速に発展をしております。無限の発展の可能性があるとまで言われておるのに、その対象をきめるのに、あるところまで法律できめて縛ってしまって、無限の発展性を封じ込めるというのもいかがかと思います。
 そういうようないろいろな問題がありまして、なかなか基本法をきめるということはむずかしい。それにかんがみまして、衆議院の委員会におきましても、今度宇宙開発の特別の小委員会を設けて研究される。これは、私の了解するところでは、やはり宇宙開発の基本法についてもきめるべきかどうか、また、どういうことを入れるか、いまお話しになった五原則をどう盛り込んでいくべきか、いろいろな問題がありまするので、衆議院のほうにおいて超党派的に御相談になっておる。これに対して私どもも全面的に御協力を申し上げておる、こういうわけでございますが、そこでしからば、法律できめない場合に、いまの基本的の態度はどうか、姿勢はどうか、原則はどうか、特に五原則についてはどうかという、いまお話がありましたが、これは三十七年だったと思うのですが、いまの宇宙開発委員会のできる前に宇宙開発審議会というのがあったのです。そのときの一号答申、総理大臣に対する一号答申において何と言っているかと申しますと、そこにおきましては、わが国の宇宙開発の基本原則としては、わが国の宇宙開発は平和目的に限ることとし、その遂行にあたっては、自主性の尊重、公開の原則、国際協力の重視を基本原則とすべきである、こういうことがこの一号答申にも盛られておる。そこで、以来、総理大臣あるいは科学技術庁長官、歴代の科学技術庁の長官は、いずれも、宇宙開発はこの原則によっていくということを明言しております。それから、ことに最近におきましては、この間、宇宙開発事業団法案について衆議院で私が趣旨説明をいたしました際の質問に対して、総理大臣は、あくまでこの原則を守っていくのだと、こういうことを確言しておられます。
 そこで、またさらに他の面から見ましても、この宇宙開発委員会を設ける際にいろいろ御意見がありまして、その趣旨をやはりこれに生かしていく。そして宇宙開発委員会というものは、これは国会の承認を得る重要な会議でございます。その人たちの審議によって基本原則をきめるということは、これはやはり民主的の原則に合っているのだ、かように思いまするし、今度宇宙開発事業団が仕事をする場合におきましても、この宇宙開発事業団の仕事というものは、宇宙開発委員会の審議決定したところに従って、総理大臣が認可する方針に従ってやっていくのですから、いまの五原則の外に逸脱して仕事をやるというようなことはあり得ない、かように考えまして、あれこれ考えまして、私は、法律できめなくても、この原則というものは十分に守っていかれるものだ、かように考えております。
#131
○船田譲君 それから、所信の第四番目に、海洋科学技術の推進を述べられております。先ほど塩出委員からも御質問があったようでございますが、私のお聞きしたいのは、この中で大臣は、「海洋科学技術審議会の議を経て海洋科学技術の研究開発に関する長期計画を策定する」と、こう言っておられますが、これは大体いつごろ策定される見通しであるかということが第一点でございます。
 ついでに続けてお聞きいたしますが、昭和四十四年度の科学技術振興予算を大幅に増額するために非常に大臣が御奮闘なさったことは多とするのでございますが、ただ一つ残念なことは、この海洋開発予算につきまして、科学技術庁のいわゆる総合調整官庁としての機能が必ずしも十分に発揮せられなかったのではないかということを私は心配するのです。と申しますのは、一つの具体的な理由は、たいへん内輪話で恐縮でございますが、あの二千トンの大型の海洋調査船の予算をとります際に、元来これは運輸省海上保安庁の予算として請求をせられておったものでございますけれども、予算の査定の最後の段階になりますと、本来の海上保安庁の巡視艇の予算のほうに重点が置かれて、この大型海洋調査船は落ちてしまったというようないきさつもございますので、どうかひとつ、これは要望も含めてでございますけれども、もう少し、海洋開発についての体制を整えるために、科学技術庁が総合調整官庁としての機能を果たしていただきたい。また、この具体的な例については、来年度の予算においては、むしろ科学技術庁プロパーの予算として出されるようなお気持ちはないかというようなことを、まとめてお伺いいたしたいと思います。
#132
○国務大臣(木内四郎君) 非常に御心配になっていただき、かつ御鞭撻を賜わって、非常に感謝いたしておりますが、海洋のこの科学技術の問題さっき申しましたように、どうも、このわが国の、近代と申しますか、ごく進歩した海洋工学を駆使する大規模な開発という点について、遺憾ながら非常におくれているわけですね。さっき私が申し上げたことについても御了解願えると思う。そこで、海洋開発の予算を大いにふやして積極的にやらなければならぬと、かように思いまして、そこで本年は、微力でありますけれども、私ども、みな諸先生方の御支援によって海洋開発の予算をとったのですが、これはいろいろな点がありまして、おかげをもちまして、八七%、約八八%ぐらいのところ、まあふえた。これは、一般の予算の一五・八%に比べると非常なふえ方だと思っている。もちろん、予算は多々ますます弁ずるのでありますけれども、私は予算に従来から関係している関係もありまして、準備体制などを整えてないうちに金だけよけい入れるということは、どうも日本の今日のような財政上の需要がたくさんある際に、資金を効率的に使うゆえんでない。やっぱりそれには順序がある。いきなり五倍にしたところで、そこにむだが出てきちゃいけない。やはり大体倍額に近いところまでいったということは、私は一つの進歩じゃないか。ことに科学技術庁におきましては、従来予算の項目がないわけです。全然海洋開発という項目がない。そして、特別研究促進調整費というようなもののうちから金を出してやっているというようなことであったのですが、今回、事務当局におきまして非常に熱心にやりまして、海洋のこの調査研究費という項を一つ立ててもらう、これはやはり一つの進歩であろうと私は思っておるわけであります。そこで、そんなようなことで、できるだけ努力をしておるのですけれども、今後におきましてはできるだけこれを増していかなければならぬ。
 そこで、いまお話がありましたように、いろいろな問題があったのですが、海洋の開発審議会におきまして何をしているかといいますと、いま鉱物資源部会あるいは生物資源部会、それから環境の部会というのがあります。鉱物資源ばかりでない。海洋環境の部会、それから共通技術施設部会というものがあります。非常に限られた予算で、アメリカのように深いところまでいま行っているものに対抗してやっていかなければならぬということになると、やはりこれは能率的に使わなければならない。そこで、一つのものを一つの官庁で使っているよりも、共用の施設を設けてやっていくということがいいのじゃないか。そういう部会を設けて、いまもっぱらこの長期計画に対してその部会で検討してもらっている。それは四月の終わりか五月ぐらいに出てくるのじゃないか。次回の予算の要求までに間に合うようにこれが出てくるのじゃないか。そこで、ことしはどうかというと、それは間に合わぬから、当面措置すべき事項について意見書が出まして、それに基づいて各官庁とも、私どもなら私どものほう、その他みなやっております。私のほうでは、私のほうの研究促進調整費のうちから金を出しまして、「しんかい」ですね、「しんかい」という船があるのです。これは潜水調査船です。これはやはり六百メートルぐらいまでは行ける。これは海上保安庁のほうに持っている。しかし、海上保安庁に持っているが、海上保安庁だけが使うのじゃない。これは各省で深海の調査をする際に使う。そこで、ことしはどういうことになっているかというと、ことしは、さらに、海中の作業基地というものの建設に着手する。こんなようなわけです。
 そこで、いまお話がありましたように、そんなことをやっていたっていかぬじゃないか、科学技術庁でみんなやったらいいじゃないかとおっしゃるけれども、これはなかなかそうはいかない。これは、宇宙開発とか原子力と違いまして、非常に広範多岐にわたっているのです。そこへ持ってきて、そのほかのいろいろな問題がある。各省所管の問題があって、既存の政策と非常な連係がありまするので、いますぐにそれを海洋を科学技術庁がとってやるということは、この宇宙開発と違いまして、ちょっと実際問題として……。そこでしからば、それをほっておいていいのかというと、そうはいきませんので、私のほうでは、総合の調整の機能を発揮しまして、そうして海洋開発の審議会におきましてよく審議をして、そうして政府全般の計画を立てて、そのうち、どこは何をやる、どこは何をやる、各省のをきめまして、そうして私どものほうは予算の見積もりなどについて調整の役割りをしておりまして、また共用の施設というものは、私どものほうで予算をとってできるだけやる、こういうことで、調整力は貧弱ながらまああるわけですが、今後大いにその機能を発揮させたい、かように思っているわけです。
#133
○船田譲君 大臣に対する質問はこの程度にとどめまして、あと、塩出さんのあとにまた政府委員に質問したいと思います。
#134
○委員長(宮崎正義君) 塩出君。
#135
○塩出啓典君 それからもう一つ、大臣にお聞きするのをうっかり忘れておったわけでございますが、それは、先般から、濃縮ウランの製造技術、こういう問題につきまして、公開の原則と機密保持と、そういうことが問題になったわけでございますが、話を聞きますと、アメリカはわが国に対して、そういう濃縮ウラン製造の技術というものを公開してくれるなと、そういう申し出がすでにあったと、そのように聞いておりますが、こういう研究は、たくさんの予算も要るわけであります。そういう点で、各国がお互いに平和利用のための技術を交流していくということが非常に大事ではないか。そういう点で、現在のアメリカの、そういう秘密にしていこうというような考え方にはわれわれは賛成はできない。そのように思うわけなんですが、それに対する科学技術庁としての考えをお聞きしたいと思います。
#136
○国務大臣(木内四郎君) まことにごもっともな御意見だと思うのです。そこで、この各国における現状は、いま、御案内のように、アメリカにおいては、やっぱり濃縮の方法その他については一切軍事機密で、発表しておりません。ソ連はもちろん発表しておりません。ところが、この両国がおもなるものでありまして、それによって、アメリカがほとんど独占しているようなわけなんですね、いまのところ。そこで、それに対して、イギリス、ドイツ、あるいはオランダ等が、今度は例の遠心分離法、これによってやろうとしています。この方法もまだ別に公開しておりませんし、私はまだ完成しておらないのじゃないかと思うのです。ところで、わが国におきましては、燃料政策の上から言って、全部アメリカに依存していくというわけにはいかない。やはり自主技術を開発しなければならぬというので、いまもっぱら心を砕いておるわけですが、そこで、御案内のように、遠心分離の方法については動燃事業団においていま三号機が近くでき上がりますが、ことしは四号機もつくろうというので研究をしているわけです。ところで、一方、理化学研究所のほうにおきましては、ガス拡散法によるところの研究をしておりまして、それに対して、これはまあ大事な問題でありまするので、私のほうから原子力平和利用委託費を千百五十七万円ですか、住友電工に割り当てまして、そうして住友電工と理化学研究所とが共同の調査をする、研究をするということになって、まあこれまでいわゆる隔膜の研究をしてきたわけなんです。そこで、この隔膜の研究の結果、今度はアルミナの膜で一応のある程度の成果を得たというのが今日の段階であります。しかし、これはまだごく基礎的の研究でありまして、今後完成さしたいと思うのですが、このガス拡散法というのは、ばく大なお金がかかるといわれております。アメリカでは、七千億ドルですか、何か使ったといわれておりますし、わが国においてもこれをつくるには、ばく大な金がかかるであろうし、あるいはまた電力もたいへんな電力を食う。採算上の問題その他も考えなければなりませんので、この二つの方法を私どものほうで研究しておりますが、私どもは、一応のめどがつくだろうという四十七年度をめどにいたしまして、それを一応の目標として、その当時になって、いずれの方法がいいか、経済性を考えて、あるいはわが国の予算の面を考えたりして、いずれがいいかということをそのときにできればきめて、できれば一本にしたい。両方やったりするとたいへんお金を使うので、一本にしたいというのが今日の考えです。
 そこで、いまの段階はごく基礎的の研究でありますが、これが完成するようになれば、当然特許がの問題出てくる。これは開発者のあれもありますけれども、国も金を出していますし、研究の結果はすぐに特許の申請が、完成すれば出てくる。そうすると、特許が設定されれば公開される。しかし、それまでは、やはり商業機密というものは保護してやらなければならぬ。それが、それまでの商業機密の保護というものがいかぬということになれば研究者の意欲をそぎますし、適当でないと思います。この商業機密は保護していく。しかし、これは決して公開の原則に反するものではないと思う。原子力基本法によりまして、その成果は公開すると書いてあります。公開はするんです。まとまった結果は公表しますけれども、公表にはおのずから時期と方法、あるいは公表する人の主体というものがあって、いろいろありますけれども、いずれにしても、公表することは基本法の精神に従って実行したい。ただ、それまでの商業機密の保護は、これはやはり行なっていかなければならぬ、私どもさように考えております。
#137
○塩出啓典君 それでは、将来においては、ヨーロッパにおいて遠心分離装置も非常に研究されているようでございますが、そういうヨーロッパの技術と特許を交換する、そういうような気持ちも持っておる、そう考えていいわけですね。
#138
○国務大臣(木内四郎君) この特許の問題はたいへんむずかしい問題だと思うのですが、米英のほうなどから、相互に特許を交換しようという申し出があるのですが、これがどの程度いきますか、今後検討していかなければならない、かように思っているわけです。
#139
○塩出啓典君 それでは、大臣時間がないようですから、大臣に対する質問をこれで終わりたいと思います。
 そこで、先ほどの続きの問題を原子力局長にお聞きしたいと思うのでございますが、この放射性物質の運搬について、先ほど、放射性物質車両運搬規則、そういうものがある、そういうお話でございますが、これはいま、ある一定まではその規則に従って自由にやっていい、それ以上のものについては運輸大臣の許可が必要だ、そういうお話だったのですが、そこのところをもう少し詳しく説明していただきたいと思うんです。
#140
○政府委員(梅澤邦臣君) 放射性物質車両運搬規則の第二条に、たとえば「固形セシウム一三七、コバルト六〇又はイリジウム一九二にあつては、各三〇〇キューリー」という量が規定されて、それ以下のものについてはこれで輸送してよろしい、それ以上のものについては特別な許可を運輸大臣からもらって運ばなければならない、そういうふうになっております。
#141
○塩出啓典君 現在、そうすると、この基準の中の放射性物質の運搬に対しては、これはもうそれぞれのところがこの法律を守れば自由に運搬してもいい、それはどこにも届ける必要はない、そういうことになっておるわけですか。
#142
○政府委員(梅澤邦臣君) この規則上はよくなっております。しかし、あと道路の輸送とか、そういう環境の別のところでございますと、その規制がまた引っかかってまいります。
#143
○塩出啓典君 道路の規制というのは、それはどういう法律がございますか。
#144
○政府委員(梅澤邦臣君) 大きさがございますので、道路の幅、それから道路に橋がございますが、橋の重さに対する強度、そういうことで、ものによっては知事の許可等をとらなければならない点がほかに出てまいります。
#145
○塩出啓典君 知事の許可、この放射性物質車両運搬規則にはそういうことは書いてないわけですが、それはまた別にこまかい規定をきめた法律があるわけですか。
#146
○政府委員(梅澤邦臣君) 道路法と、それから道路運送法でございます。
#147
○塩出啓典君 この問題は、私も前の委員会においても一度質問したことがあるわけでございますが、最近は交通事故も非常に多いし、今後ますます放射性物質の運搬というものがひんぱんになってくるのじゃないか。そういうわけで、放射性物質がどんどん国道を運搬されておっても、その地方自治体においては何もわからない。また、実際にこの法律どおりやっておるかどうかということもチェックするところも何らないわけであります。そういう点で、今回こういう、きょうの新聞にありますように、日本原子力産業会議が意見を述べておるように、現在の放射性物質車両運搬規則というものは、そういう点で不十分じゃないか。やはり放射性物質がどんどん運搬されるときには、地方自治体もやはり、こういうものがきょうは通るのだ、そういうことを知っておれば、また事故のあったときにもそれに対する手も打てるのじゃないか。そういう点で、この法律も少し抜け穴があるのじゃないか、かように私どもは考えるわけなんでけれども、そういう点はどうなんですか。
#148
○政府委員(梅澤邦臣君) その懇談会で意見書をつくります場合に、われわれのほうも運輸省も、ある程度関係して、資料を出しました。しかし、塩出先生もおっしゃいましたとおり、これから先、輸送が相当多くなります。したがいまして、現在、運輸省と私たち、ほかの関係省と打ち合わせ中でございまして、できるだけ早急にりっぱな改善策をつくっていきたいと思っております。
#149
○塩出啓典君 それで、今後再処理場等が建設されれば、運搬されるものも大きくなってくるわけでありますが、そういう問題に対して、この容器等の規定が非常に不備である。確かに、現在のこの規則を見ましても、容器等についての規定も非常に抽象的な表現で、そういう点をやはり今回この原子力産業会議が申したのじゃないかと思うわけでありますが、この問題については、科学技術庁といたしましても、そういう関係法規の整備というものに対して、これをやる考えがあるのかどうか。また、やるとすれば、それは非常に急ぐ問題じゃないかと思うんですが、大体いつごろをめどにやるつもりなのか一その辺のところをお聞きしたいと思います。
#150
○政府委員(梅澤邦臣君) 現在のところ、こういう大きな、たとえば東海原電の、量にしますと、一本が入りますのは約二トン足らずでございますが、容器に入れますと五十三トンぐらいの大きさになります。その容器につきましては、IAEAの国から国へ参りますから、海を通りますので向こうで国際的な基準がございます。その基準にのっとってやるわけでございますが、現在は原子力委員会でそれを見まして、わが国でも原子力委員会で容器の基準がつくってございます。それで現在進めてまいりますが、なにぶん初めてでございます。したがいまして、いま先生がいつごろできるかとおっしゃられましたが、十分検討はさせていただきますが、ある程度の経験を持って法律改正にいかなきゃならないのじゃないかという感じも私は持っております。その点で、早急にやらしていただきますが、一部具体的にやってみていくという考え方も必要ではないか、そう考えております。
#151
○塩出啓典君 国内法が国際法規と食い違う点がある、非常に多い、そのように書いているわけですが、その点はどうなんですか。
#152
○政府委員(梅澤邦臣君) これは、国内の輸送で、先ほど申し上げました道路法だとか、道路運送法、放射性物質車両運搬規則等、これは区別がされておりまして、その間で組み合わされておりますが、そういうふうなつながり、その他のあれで、私たちは現在のところ法律を改正してまでやるような穴があるとは思っておりません。ただ、今後省令改正する分野が一部出てくるのではないか、その点をいま検討中でございます。
#153
○塩出啓典君 それじゃ、次に濃縮ウランのガス拡散法というのを、先般理研において基礎研究の一つとして発表したそうでございますが、このガス拡散法に対する将来の経済性、実用性という問題については、科学技術庁としてはどういう考えを持っておるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#154
○政府委員(梅澤邦臣君) 濃縮ウランにつきましては、原子力委員会で非常に慎重に検討いたしまして、現在は、御承知のとおり、理研でガス拡散法、それから動燃におきまして遠心分離法と、二つを対象としてやっております。四十七年ごろまでこの基礎研究を進めていただきまして、四十七年にどちらが経済性がある見込みかということを原子力委員会で練っていただくことになっております。四十七年度のときに、できればその一方をとって進めて、それから実用化の研究をやりまして、早急に実用化に持っていきたい。したがいまして、現在のところは、四十七年ごろにその経済性の検討ができる状態になるのではないか。この間報告されました点におきましては、まだ基礎研究で、膜ができましたら、膜の穴詰まりだとか、あるいは装置の問題、あるいは耐食性の問題こういう問題で相当まだ問題が残っております。ことしは、それに対して、もう少し大きなもので、設備を強化しまして研究を進めていただきますが、まだ経済性の問題にまで入り得るデータはございません。したがいまして、経済性の答えが早く出ても四十七年ごろではないか、そういうように考えられます。
#155
○塩出啓典君 そうすると、現在までは、ガス拡散法と遠心分離法、この二つを並行してやってきた、そう考えていいわけですね。また、今回のこの新しい研究発表によって、いままでの研究方針というものに変更がないかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
#156
○政府委員(梅澤邦臣君) 原子力委員会でこの二つを両立して基礎研究をやることにしております。そのほか、ノズル法とかいうのがございますが、これにつきましては、いまわが国ではまだとっておりません。一応、現在この二つを並行していきまして、それで両方のどちらが経済性でとれるか、その辺を見て四十七年にきめていきたい。したがいまして、四十七年まではこれは並行でいくという考え方でございます。
#157
○塩出啓典君 この拡散法と遠心分離法に対する科学技術庁の予算というものはどうなっておるのか、その点、四十三年度、四年度についてお聞きしたいと思います。
#158
○政府委員(梅澤邦臣君) ウラン濃縮にかけました金額を、総トータル、いままで計算いたしますと、約二億三千七百万になります。これにつきましては、六弗化ウランを使いますので、これは六弗化ウランの製造まで含めた金額でございます。今年でございますが、四十四年度の分につきましては、ガス拡散法につきましては約二千万理研に出す予定でございます。これにつきましてはいままで千二百万が使われております。その中の一千万が四十三年度分とお考えいただいてけっこうだと思います。それから遠心分離法は、今年一億三千万とだいぶふえましたが、一億三千万を使って遠心分離法の第四号機を作製して試験するという形になっております。
#159
○塩出啓典君 そうすると、予算の面からいいますと、遠心分離というのには六倍以上の予算が使われておる。まあそういう点考えて、科学技術庁としての将来の考えは遠心分離法のほうがより経済性があるのではないか、そういう方針できておる、そう考えていいわけですか。
#160
○政府委員(梅澤邦臣君) いいえ。金額で見ますと、こうなりますが、実は、ガス拡散のほうは、基礎研究のレベルといたしましてはこの金額で遠心分離と同等に進んでおると思います。と申しますのは、設備そのものが、遠心分離機等相当大きな金のかかるものを使いません。こっちは小さなカスケードを組んでいくというような形になりますので、その点は金額的にはそうではございません。全く平等でやっていると考えております。ただ、先生おっしゃいましたアメリカあるいはヨーロッパという考え方でいきますと、ヨーロッパのほうは比較的遠心分離法に傾いております。その点、ヨーロッパとしては遠心分離を重点にしていくような考え方が出ているということでございます。
#161
○塩出啓典君 新型転換炉、それから高速増殖炉に対する研究ですね。これとの関連はどうなっておるのか。この新型転換炉、高速増殖炉というものが実用化されるようになってくれば、濃縮ウランという方法も必要がなくなってくるのではないか、そういうことが言われておるわけでございますが、この新型転換炉、高速増殖炉に対する研究と濃縮ウランの製造の研究、そのかね合いはどういう考えでやっているのか、その点もお聞きしたいと思います。
#162
○政府委員(梅澤邦臣君) 現在、濃縮ウランは、軽水炉と申しますか、在来炉のほうに使われて、これからふえてまいります。それで、動燃でやっております新型転換炉あるいは高速増殖炉、これは、高速増殖炉は六十年代ぐらいには間に合ってくるのではないかと思います。その関係から、そちらがプルトニウムを使う関係で出てまいりますが、もともとウランから出てまいります。したがいまして、燃料のサイクルという意味では、やはり濃縮ウランというものは相当必要になってくると、こう思っております。したがいまして、濃縮ウランそのものをいまは米国に依存しておりますが、それの燃料対策としては十分これから考えていかなきゃならない。したがいまして、四十七年にこのどちらかをとるという場合にも、燃料対策としての問題もそこに考慮に入れて濃縮ウラン技術を実際にやるかやらないか、その点も考えなきゃいけない、こう思っております。
#163
○塩出啓典君 この新型転換炉、高速増殖炉に対する研究予算は大体どの程度組んでおりますか。
#164
○政府委員(梅澤邦臣君) 長期計画で考えますと、新型転換炉と高速増殖炉全部で約二千億円、最後は、原型炉が終わるまで二千億円かかるとしております。そのうちの政府として考えます金が、それから七百二十億円抜いた金で千三百億円くらいでございます。その考え方に基づきまして本年度の予算を組んでおりまして、本年度は新型転換炉は設計研究しております。それから高速増殖炉につきましては、いよいよ本年度の終わりに実験炉に着手できる。その計画は大体いままでの考え方におくれをとらず進んでいるという考え方でございます。
#165
○塩出啓典君 この新型転換炉は昭和六十年代に実用化する、そういう方針でやっているわけですね。
#166
○政府委員(梅澤邦臣君) 高速増殖炉のほうが六十年代と思っていただきまして、新型転換炉は五十年代に実用化されるということでございます。
#167
○塩出啓典君 そうすると、当面の問題としては、やはり一番身近な問題は濃縮ウランの製造ということが一番問題になるのじゃないかと思いますが、予算の面から見まして、そういう濃縮ウランの研究に対する当面の最も大事な問題に対する予算が非常に少ない。先般も、研究している人が新聞等に発表いたしまして、非常にそういう予算が少ない、そういうようなことを書いているわけでございますが、そういう点、やはり目前の濃縮ウランのほうにもつと力を入れて急がなければならないのじゃないか、そういう点をわれわれは感ずるわけですが、その点いかがですか。
#168
○政府委員(梅澤邦臣君) 濃縮ウランの問題につきましては、私たちの考え方は、金ばかりではなくて、やはり研究の進み方にあると思います。と申しますのは、ほかのものと違いまして、ほとんどデータは極秘でございます。したがいまして、これはどうしても日本でやるとすれば、日本国内で全部やっていかなければならないという状態でございます。しかし、現在の動燃では二十五名ばかり、理研さんでは約十名ばかりかかって研究を進めておりまして、片一方の理研のほうのガス拡散は、ことしは一つの小さなタイプでやっておりますが、来年はそれを三つつなげてまいりまして、その次には十段階でやる。したがいまして、四十五年ころからは相当金額ははずんでくるのじゃないか。遠心分離機のほうは、四十七年まで六号機までやらなければならないことになっております。いま三号機も試作中で、ことし四号機ができまして、まだ二号機残っております。その関係から、これから先相当予算的にはふえてまいると思いますが、その点、独力で技術を進めていくということを勘案しながら、できるだけ予算を拡大してまいりたい、かように思っております。
#169
○塩出啓典君 ウランの鉱石が、日本には資源が少ないわけでございますが、そういう長期の発電所もいまどんどん設置されておるわけでありますが、現在、日、英、アメリカとの協定が結ばれているようでございますが、それも、ずっと将来先の先までではないわけでありますが、そういう点、今後の鉱石の確保、そういう点はどういうような方針でいま進んでいるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#170
○政府委員(梅澤邦臣君) 現在、日本のウランは、御承知のとおり、われわれが目算いたしましても五千三百トンということで、あまり待望できないわけでございます。したがいまして、現在、海外にウランを求めるということで、四十一年来動燃で予算をとりまして、海外のウラン調査を始めておりますが、ことしはカナダ等の調査をいたしております。また、基礎調査といいますか、そういう地帯調査を、地域別の概査と申しますか、そういう点を動燃が受け持ちまして、そこで、よさそうなのがございましたら、それを民間で鉱山会社と電力会社等が一緒で開発をしていくというたてまえをとっております。また、民間におきましては、カナダと日本等で、共同探鉱というような形の契約も二、三結ばれております。まずそうやって、大体海外のウランの確保という方向を進めていかなければなりません。また、炉がだんだんふえてまいりまして、現在までのところで、アメリカから供給されるというところは、四十六年までに炉に着手するというのが約十三基ございます。この点についてのウランの確保、これは一応米国との協定で十分間に合う形になっております。それ以後につきましては問題がございますので、できるだけウランの確保について今後海外に対しての促進を進めていきたい、こう思っております。
#171
○塩出啓典君 最後に、原子力関係の技術者が将来非常に不足するのではないか、そういうことが言われておりますが、原子力開発利用長期計画に伴う原子力関係技術者の必要数をどの程度に見込んでおるのか、その点、お聞きしたいと思います。
#172
○政府委員(梅澤邦臣君) 原子力開発の長期計画によりまして、昭和四十年における原子力関係科学技術者の総数は約一万人でございます。それから四十五年を予測いたしますと一万六千人、それから昭和五十年に至りますと約二万八千人が必要になるという見込みをしております。それで、そのうちの前半においては、年間一千人ぐらいずつふやさなければなりません。それから後半になりますと、二千五百人ぐらいずつ年間ふやしていくことになります。したがいまして、いまわれわれのほうでは、技術者の養成計画といたしまして、たとえば昭和四十四年度は、原子力研究所と放射線医学研究所、ここで約七百名の養成を予定しております。それからそのほかに、大学で養成している分野がございます。また、民間のほうで、部内研修で原子力関係に向けるための計画をしております。それを概算して加えますと、一応この分で原子力関係の技術者は確保できてくるのではないか。なお、そういうふうにして確保したいという考え方で進んでおります。
#173
○塩出啓典君 局長のお話では、現在人員の養成は着々と進んでおる、将来はそういう人材が不足する心配はない、そのように考えていいわけですか。
#174
○政府委員(梅澤邦臣君) 心配ないと言われますと非常にあれですが、長期計画としてこの程度の人はどうしても必要だから、それに対して少なくともこういう養成をしていって間に合わせたいということで、間に合わせる分野としては何とかできていくというふうにお考えいただきたいと思います。
#175
○塩出啓典君 これは、原子力発電関係を見ますと、昭和六十年には一万五千人のそういう要員が必要ではないか。ところが、いま原子力発電をかき集めても六百人しかいない、そういう点で、数年後にはピンチがくるのじゃないか、そういうことを心配している記事もあるわけでございますが、そういう点はどうなんですか。こちらの記事を見ますと非常に心配ですが、局長の答弁を聞きますと心配ないと、そういうふうに受け取れるのですが、そういう点はどうですか。
#176
○政府委員(梅澤邦臣君) たとえば、大学で申すと、原子力の専門という数でいきますと、わずかでございますが、やはり原子力関係というのは、機械、電気、化学、みなが総合的にいくわけでございます。そういう関係のかね合いで考えていかなければなりません。そういう関係からいきますと、いまの計画で何とかまいりますが、やはり就職先その他、そういうような関係からいって、いまのお話で、なかなかうまい適切な配分になっていない点があるとも思われます。そういう点については十分これから考えていかなければならない点があると思いますが、まあ、できるだけ養成は十分して、いまの安全その他のこともございますので、十分な配員ができるようにさしていただきたい、こう思っております。
#177
○塩出啓典君 先ほど、いま養成している大学と何とか言われたのですが、その点、もう一回お願いしたいと思います。
#178
○政府委員(梅澤邦臣君) 日本原子力研究所が、一般課程、それから高級課程、それから運転の問題でございますが、これはJRR−1の炉でございます、それの短期課程、それからJPDRがございますが、それの運転訓練課程、それから放射線管理技術者課程というのができておりまして、これで現在まで約七百名の養成をしております。それから日本原子力発電株式会社では東海研修コースというのがございまして、運転要員の研修、基礎研修、建設要員の研修、本店業務研修というのがございます。それから放射線医学総合研究所、これは私たちのほうの所管でございますが、そこでは放射線の防護、放射線の利用医学、放射性薬剤、RI生物学基礎医学の課程を持っております。それから茨城県の総合職業訓練所で原子力工業科を持って、年に三十名程度ずつの養成をいたしております。そのほか、日本原子力研究所では、ほかにアイソトープの研修所というものを設けて研修いたしております。
 以上が大学以外でのおもな研修所でございます。
#179
○塩出啓典君 それでは、原子力関係の質問を終わりまして、最後に、海洋開発の先ほどの問題につきまして、通産省の成田審議官にお伺いしたいと思うのでございますが……。
#180
○政府委員(梅澤邦臣君) 先ほど放射性廃液の問題で、ちょっと私が言うのが短かったので、訂正さしていただくといいますか、加えさせていただくところがございます。
 放射性廃液の海域放出の際の安全基準については、海水は飲料水として使用することはないので、海産食品の摂取を通じての内部被爆と、海浜における外部被爆を考慮してICRPの基準の十分の一と定められたのであります。すなわち、たとえば全身被爆として考えた場合、一般人としてICRPでは〇・五レムですが、これを〇・〇五レムとしている。先ほど飲料水のICRPと申し上げましたが、海水はそういう飲料水になりませんので、こういう形できめているところであると御了承願いたいと思います。
 それからもう一つ、先ほど森先生からの、延ばしておきました調査が出ましたので、御報告さしていただきたいと思います。
 森先生の御質問にありましたハンド・フット・モニタリングの際、警報の鳴りますレベルは、調査の結果、一〇マイナス五乗マイクロキュリー・パー・平方センチメートルとなっております。その点御了承願いたいと思います。
#181
○塩出啓典君 それでは、現在、シェル石油の外国資本が日本の会社と合弁会社をつくりまして、日本近海の石油資源の調査を開始しておる、かように聞いておりますが、現在、日本近海にわたって、そういう外国資本の合弁会社で石油資源の調査をやっている、通産省のほうに鉱区の申請があったのは、どことどこであったのか、その辺のところをお聞きかせ願いたいと思います。
#182
○説明員(成田寿治君) 現在まで日本の大陸だなで石油資源の開発を目的として鉱業権の出願を行なっておりますのが七企業でございます。七企業の名前を申し上げますと、石油開発公団――これは事業本部というのがありまして、石油開発公団の事業本部でございますが、石油開発公団、それから三井鉱山、それから三菱鉱業、それから出光興産、それから帝国石油、それから西日本石油開発株式会社、それから日本石油開発株式会社、日石の子会社です。この七つでありまして、この中で外資系と見られる外国の資本が入っておりますのは、山陰沖をやっておりますところの西日本石油開発株式会社一社でございます。この西日本石油開発株式会社の内容を見ますと、資本金が現在一億円でありまして、そのうち半分の五千万円は三菱商事あるいは三菱鉱業等の三菱グループが持っております。あとの半分の五千万円がシェル・グループで持っておりまして、はっきり外国資本の株が入っておりますのが、七企業のうちの西日本石油開発株式会社一社でございます。ただ、長崎の沖をやっておりますところの、出願しております日本石油開発株式会社、これは初めから原油一本で、アメリカのカルテックスと結んでおりますところの日本石油の子会社になっておりますが、これは、現在のところ、まだ外資が入っていないという状態でございます。
#183
○塩出啓典君 石油開発公団が、米国のスタンダード・オイル・オブ・インデアナ社と共同で油田を調べておる、そういうふうに調査してあるのでございますが、これは外国資本じゃないわけですか。
#184
○説明員(成田寿治君) インデアナはアメリカのスタンダード系の石油会社でありますが、開発公団の事業本部と一緒になってやるという話はわれわれはまだ聞いておらないのでございます。ただ、出光興産と何か共同でやったらどうかという話があるやに聞いておりますが、これもまだ具体的になっておらない情勢でございます。
#185
○塩出啓典君 わかりました。そうすると、この問題はまだ正式に申し出はないと見るところですね。
 それで、そういう企業が日本近海の油田を調査する場合に、これは法律的にはどうなっているのですか。これは鉱区の申請をしたというように報道されておりますが、通産省の許可というものはやっぱり必要じゃないかと思うのですが、その点はどうなっておりますか、律法的には。
#186
○説明員(成田寿治君) さっき申し上げました七つの企業は、これは全部鉱業法によりまして、日本政府に対して鉱業権の出願を行なっているのであります。これにつきまして、日本政府が許可といいますか、鉱業権を付与するということになりますが、七件全部へまだ鉱業権は与えておらないのであります。目下検討中でございます。ただ、単なる物理探鉱の海洋の調査は鉱業権がなくてもやれますので、さっきの七つの中で、若干の地域、海域におきましては、もうすでに物理探鉱が開始されておるところもございます。
#187
○塩出啓典君 そうすると、まだ鉱業権はどこにも与えていないと。シェルあたりが調査しているものは、物理的なそれをやっているだけであって、これは鉱業権は与えてないと、そう判断していいわけですね。
#188
○説明員(成田寿治君) そのとおりでございます。
#189
○塩出啓典君 そうすると、今後シェルあたりは、新聞報道によりますと、五十億ぐらいの調査費を使って飛行機に乗って調査をしている。そうして、それが終われば今度はさらに船で音波で調査する、その次の段階には試掘をすると、そういう計画で進んでおるようでございますが、これは、だんだん向こうの調査が進んで、石油資源も発見された、そしていろいろ試掘すると、そういうふうに進んでくるんじゃないかと思いますが、そこのところと鉱業権との関係はどうなるんですか。
#190
○説明員(成田寿治君) シェルが主体になりまして、西日本石油開発株式会社が今月から相当海洋の調査に乗り出しておることは確かでございます。これはしかし、単なる物理探鉱等の調査でありまして、試掘をやるためには、鉱業権が与えられないとやれませんので、まだ与えてない段階ではそこまでやれない。それから、日本の鉱業法におきましては、日本法人であれば外資系であっても一定の形式上の要件が具備されておりますと、先願主義によりまして、鉱業権の許可がなり得るというかっこうになっております。ただ、外資法その他におきまして、外資が入ったり、あるいは技術の導入を行なう場合には、別途、外資法上の規制をやっております。われわれは、西日本開発の場合にシェルが参加するのも事前に相談を受けたんでありますが、さっき科学技術庁長官が言いましたように、日本では従来水の深さ三十メートルより深いところは経験がないんでありまして、山陰沖の深い大陸だなにおきましては、やはり日本の企業よりも資本的にもあるいは技術的にも進んでいるシェルの力をある程度活用したほうがいいんじゃないか。それから、油がもしも出ましたときには、日本のほうに石油を持ってくるというようなことも条件にしておりまして、これなら西日本石油開発株式会社がそのところへ鉱業権の申請をするのもいいんじゃないかと、これは例外的な場合としてわれわれは考えて、いわゆる申請を受けたわけでございます。
#191
○塩出啓典君 すると、この西日本石油から鉱業権の申請があった場合には、将来においては許可をすると、そういう考えなんですね。その点はまだきまってないんですか、どっちなんですか。
#192
○説明員(成田寿治君) さっき言いましたように、鉱業法によりますと、日本法人か、日本人に限って、申請があったら先願主義で認めるということになっておりますので、ほかのいろんな不許可の条項がありますが、たとえば、他の鉱区の鉱業権との調整とか、あるいは自然公園法との調整とか、あるいは公害のおそれがあるとか、あるいは書類の不備とか、そういう欠格条項がない限り、この形で申請があった場合には、まあ国際的な問題は別でありますが、鉱業法上は認めてもいいんじゃないかという感じでおりますが、これはさらに検討しないと、はっきりした結論は出しがたいと思います。
#193
○塩出啓典君 私ども一番心配するのは、先ほど申しましたように、日本の国は非常に石油資源がない。ほとんど九九%以上は外国の輸入にたより、しかもそれも外国資本に押えられておるわけですね。そして、そういう観点から言うならば、何としても日本の近海に石油が多量に埋蔵されていると海洋学者たちが言うわけでございますが、もしそのことが事実であるとするならば、実際にいまの西日本石油にしても、石油を日本に送るという条件にしたところで、半分はやはりシェルで、外国資本であります。しかも、今回の調査費はほとんどもうシェルが出しておる。そういう点を考えると、わが国の資源のないのに、ますますほんとうに身も皮も押えられていくんじゃないか。そういう点を非常に心配するわけでございますが、そういう点についてはどうですか。日本国通産省という立場に立って、どういう方針で臨んでいるのか。いまのお話では、いまの日本の鉱業法では、シェルは日本の法人だから、外国資本であろうとも先願権を認めざるを得ない、まあそういうようなお話で、ちょっと心細いんですけれども、その点はどうなんですかね。
#194
○説明員(成田寿治君) 山陰沖をやっておりますのは、ジャパン・シェルじゃなくて、シェル・グループが五〇%株を持っておりますところの西日本石油開発株式会社と、そういうことになっております。おそらく、法律上はジャパン・シェルであっても、日本法人でありますから、先願主義によって認められることは形式的には整うわけでありますが、これは通産省と事前に相談もありましたので、五〇は日本資本系で、五〇・五〇でやってもらえないかということになって、こういう会社をつくったのでございます。それから油が出た場合には、確かに株の持ち分が五〇・五〇でございますので、油の持ち分も五〇・五〇でございますが、全量日本へ持ってくる、そういう日本の石油の安定供給に大いに寄与すると、そういうかっこうの条件も取りつけておりますから、まああまり御心配の点はないんじゃないかというふうに考えております。
#195
○塩出啓典君 それで、私は科学技術庁にお伺いしたいと思うのでございますが、そういう日本近海の資源の調査に対して、非常に外国の資本がどんどん来ておるのに比べて、わが国の科学技術庁は、自分の庭先の海洋資源の調査に対しても非常にゆっくりしているんじゃないかと思う。まあ、日本海の調査を、昨年ですか、三カ年計画で何千万かの予算でやると、そういうこともお聞きしたわけでございますが、われわれとしては、非常にテンポがおそい、何かそういうような気がするわけなんですが、そういう点、現在どういう計画で進んでおるのかですね、その点のところをお聞きしたいと思う。
#196
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。
 日本近海におきます海洋開発でございますが、これにつきまして現在基礎的な調査の段階でございまして、確かに先生おっしゃるとおり、日本の場合は海洋開発についておくれぎみでございます。ことにアメリカ、フランスというようなところは、従来からの歴史もございまして、相当進んでおりますが、日本は、その点、どちらかといいますと、後進的な傾向を持っておるわけでございますが、しかし、最近は海洋開発というものが非常に必要だということが叫ばれましてから、私たちもこれについていろいろ計画を立てて進めておるわけでございます。
 で、この海洋開発に関します基礎的調査といたしましては、四十二年から海上保安庁の水路部が日本周辺の大陸だなの地形基本図というものの調査に着手しております。それから四十三年度からは、科学技術庁のほうで特別研究促進調整費によりまして、特に日本海に重点を置きまして総合研究を実施しておるわけでございますが、その一環といたしまして、海上保安庁と地質調査所におきまして、日本海の中部におきます地形、地質というものについての調査に着手しておる次第でございます。さらに、四十四年度からは、やはり地質調査所におきましてわが国の大陸だなの地質概査というものに着手する計画になっております。これらの調査を促進いたしますために、いろいろ計画を立てないといけないわけでございますが、これにつきましては、先ほど長官からもお話がございましたように、現在、海洋科学技術審議会というものを総理府の中に設けまして、ここに開発計画について諮問をしておるわけでございまして、この答申が近々出るはずでございます。これが出ました上は、私たち関係各省庁とも十分協議いたしまして、これを強力に推進したいというふうに考えておる次第でございます。
#197
○塩出啓典君 それからもう一つ通産省にお聞きしたいと思うんですが、先ほど、非常に日本の国は海洋開発がおくれておる、そういう点でシェルの技術を使うと、こういうお話でございましたが、この西日本石油開発会社は三菱グループとシェルとの合弁でやる。私の調査した範囲では、三菱重工のそういう海底の石油を掘る機械というものは、この技術を利用してやっておる。すでに先般この三菱重工は世界で最も大きな石油を掘る機械をつくって、すでに七台も海外に輸出しておるわけなんですよ。そういう点で、日本の技術がおくれておる、おくれておると言うけれども、そうじゃなくて、技術はあるけれども、やはりそれをほんとうに活用していく資本が足りないんじゃないか、そのように私どもは思っているんですけれども、その点どうなんですか。
#198
○説明員(成田寿治君) 西日本石油の場合でございますが、三菱重工も株主として入っておって、いろんな機械の提供もやっております。しかし、肝心の海洋掘さくの機械としまして、現在日本では「第一白竜号」というのがございますが、これは三十メートルぐらいの水深のところまでしか使えないということであります。したがって、これから「第二白竜号」をつくるかどうかという検討は鋭意別途やっておりますが、これをつくるとしても、二年ぐらいかかる、先の話になりますので、山陰沖の大陸だなの試掘をやるという段階になると、一番大事である海洋で掘さくする機械は向こうのを使わざるを得ないという状態でございます。しかし、今後さらに深い水深のところで使うような機械を石油開発公団なり何なりが持つようになりますと、そのときは日本のつくった機械でやれるという状態が早く来るようにわれわれも今後進めていきたいと思っておりますが、現状においては、残念ながらいたしかたないという状態でございます。
#199
○塩出啓典君 それでは、平泉政務次官がおいででございますので、最後にお聞きしたいと思うわけでございますが、先ほどもいろいろ質問いたしましたように、アメリカやなにかは、地元に石油資源がたくさんあるけれども、一説によりますと、そういう地元の開発はあと回しにして、そうして日本の近海へ来ておる。しかも、一社で五十億もの調査費をかけてやっておる。そういう点を考えると、やはり将来の石油の需要と供給の関係というものを考えた一つのやり方じゃないかと思うのです。ところが、わが国においては、日本近海のそういう調査も、これから答申を待って、それから考えるというんじゃ、何となくそういう点が手ぬるいんじゃないか。やはり国家百年の大計の上に立って、もっともっと、少なくとも日本の近海ぐらいの資源は早急に調査すべきである。その調査の方法もいろいろな方法があるわけですから、あるいはまた最も安いんでは、潮干帯というんですか、潮が引いたあとの海岸を調べれば、ある程度海底のこともわかると、そのように言われて、予算がなければないなりに、もっともっとやはり推進する方法もあんじゃないか。また、海洋開発に使う予算は、もう何年かたてば何倍にもなって返ってくる、そのように言われているわけなんですが、そういう資源の乏しいわが国として、特にまず日本近海の資源の調査、そういうものに対しては国民的立場において、もっと強力に推進していかなきゃならぬのじゃないか。そういう点で、科学技術庁の態度というものに、われわれ非常になまぬるいものを感ずるわけなんですけれども、そういう点についての今後のお考えを聞きまして、私の質問を終わりたいと思います。
#200
○政府委員(平泉渉君) ただいま非常におしかりと、また御鞭撻をいただきまして、ありがたく思う次第でございます。御趣旨は長官にもさっそく伝えまして、できる限り御趣旨に沿った海洋開発をさらに強力に推し進めたいと、かように思っております。ありがとうございました。
#201
○委員長(宮崎正義君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#202
○委員長(宮崎正義君) 速記を起こしてください。船田君。
#203
○船田譲君 先ほどの塩出委員の質問にもございました海洋開発、特に大陸だな資源の問題がだいぶ問題になっておりますが、これに関して、せっかくお見えですから、外務省関係の政府委員の方、あるいは説明員の方に聞きたいと思うのですが、日本は一九五八年の大陸だなに関する条約に当分の間これは署名しない、加盟しないという方針のようでありまして、去る二月二十六日の衆議院の予算委員会の分科会の答弁におきましても、そのような方針を外務省当局が答えられておるようであります。で、しないとするならば、その理由はどういうところにあるのかということを簡単に御説明願います。
#204
○説明員(高島益郎君) 大陸だな条約は、一九五八年ジュネーブで採択されたわけでございます。自来、日本政府といたしましては、採択された四条約につきまして、いろいろな角度から検討した結果、昨年の国会におきまして、領海及び公海条約を御承認いただきました。残りますのは、大陸だな条約と公海漁業に関する条約の二つでございます。この大陸だな条約が採択された当時におきましては、非常に一方的な性格の強い条約でございまして、その後だんだん各国の慣行が積み重なりまして、現在におきましては、いまや確立した慣習国際法となっておるというふうにわれわれ確信しております。その証拠といたしまして、この二月二十日に、実は国際司法裁判所の判決があったわけでございますけれども、北海の天然資源に関しまして、ドイツとオランダ、ドイツとデンマークとの間に大陸だなの境界についての争いがこの二年来ございまして、国際司法裁判所でこれについて審理したわけでございましたけれども、二月二十日に判決がございました。ドイツはこの大陸だな条約には入っておりません。デンマーク、オランダは初めから入っておりまして、加盟国でございます。そういう関係であるにもかかわらず、慣習国際法に基づいて、ドイツも大陸だなに対する主権を持っているという前提で判決が下されまして、ドイツが勝訴いたしました。これによりましてきわめて明白なように、大陸だなに関する一つの慣習国際法が確立しておるということははっきり言えるかと思います。ただ、その内容は、われわれ、現在できております大陸だな条約にあるこの条項を全部そのまま慣習国際法であるという立場ではございません。特に大陸だなの範囲についてでございますが、範囲につきましては、大体水深二百メートルのところまでの範囲ということに、この条約もそうなっておりますし、条約は、ただしかし、それに加えまして、さらに開発可能な限度までというように非常にあいまいな規定がございまして、大陸だなは一体どこまでであるのかという範囲もわかりません。したがって、われわれとしましては、慣習法上は水深二百メートルまでの範囲に限るという前提に立っております。もう一点は、主権的権利を持つ資源の対象でございますけれども、この条約におきましては、鉱物資源のみならず、生物資源まで含めております。これは、われわれとしましては、早くから生物資源につきまして反対を申しております。たまたまオーストラリアとの間に、アラフラ海の真珠貝の争いがございまして、それを契機としまして、日本政府としまして態度を固めたわけでございますけれども、自来強硬に生物資源は大陸だな条約の対象にならないという態度を一貫してとっております。自来、アメリカ、ソ連までが、大陸だなにおきますカニの資源につきましても主権を持っておるという非常に極端な立場に立っておりまして、特にわれわれカニ漁業に対しますたいへんな権益と申しますか、利益を持っている海洋国家といたしまして、この立場を放棄する、あるいはこの立場を非常に危殆ならしめるようなかっこうでこの条約に入るということは、現在のところではできない。しかし、他方で、いま申しましたように、慣習法として確立しているものであるから、あらためて入る必要はないという立場でございます。
#205
○船田譲君 そうしますと、大陸だなに関する条約に加盟をしなくても、慣習国際法で、大陸だなの地下資源、鉱物資源の沿岸国の主権については侵害される心配がないと。それから、大陸だなの定着生物については、これは結局あれですか、やはり国際司法裁判所の判例や慣習国際法をよりどころにするのか、あるいは二国間の従来の協定でやればよろしいというお考えなんですか。
#206
○説明員(高島益郎君) 御質問は二点あったかと思いますが、一つの、最初の鉱業資源につきまして沿岸国が主権的権利を行使するのに支障がないかという御質問だろうと思いますが、これは、先ほど通産省のほうから御説明ありましたとおり、鉱業法に基づいてそのような鉱業権を設定し得るということ自体が、慣習国際法に基づく国際法上の権利が日本になければ実はできないことでありまして、これの根拠といたしましては、慣習法に基づく日本国の権利であるということが前提にあって、鉱業法によって大陸だなにおける日本の主権を行使しているわけでございます。
 第二点の、ソ連、アメリカ等の大陸だなにおけるカニ資源についての主張でございますけれども、これは実は、大陸だな条約に入りましても、そのような主張をすることは現在の規定上非常に無理があるというふうにわれわれ考えておりますけれども、しかし、とにかくそれにかかわらず米ソ両国ともそのような権利を主張しておりますので、われわれとしましては、そういう立場からも、この条約に入るということは現在の段階ではできない。しかし、そういう日本の主張を背景といたしまして交渉の結果、ソ連との間に、あるいはアメリカとの間に、実は、彼らの言う大陸だなにおけるカニの資源につきまして、それぞれの協定ができているわけでございますが、これは、裏から申しますと、この条約に入らないで、日本は、カニは公海の資源であるということを主張することによって、かろうじて米ソとの間に協定ができているというのが現状でございます。
#207
○船田譲君 少し変な話になりますけれども、一ころ、タラバガニで泳ぐか泳がないかということがだいぶ議論になりまして、それがいまのお答えの一つだと思うんでありますけれども、いまの御答弁で、大陸だなの定着生物については、要するに従来からの二国間協定で当分はやっていっていいんだということで理解してよろしゅうございますね。
 じゃその次。それから、これは外務省の範囲ではないかと思いますけれども、大陸だなに関しまして国内法のほうの整備をしなきゃならぬのじゃないかという声を最近聞くわけでございまするけれども、これは科学技術庁にお聞きすることでしょうか。科学技術庁おられましたら、どのような見解を持っていらっしゃるか、ちょっと簡単でいいですから。
#208
○政府委員(石川晃夫君) ただいまお尋ねの国内法の整備の問題でございますが、わが国におきまして、将来この周辺の大陸だなというものの開発が進展してまいりますと、いろいろ問題が発生してくると思います。必要がございました場合には、この大陸だなの鉱物資源とか、あるいは生物資源等を所管する関係の省庁というものにおきまして、この国内法の整備が行なわれるものと存じておる次第でございます。私たちの科学技術庁といたしましては、科学技術の研究開発に関する総合調整というような任務を持っておりますので、その立場からは、海洋科学技術の積極的な増進をはかるということでこの問題に対処してまいりたいと思っておる次第でございます。
#209
○船田譲君 それでは外務省の方、けっこうでございます。
 振興局長さんにちょっとお伺いしたいのでありますが、科学技術情報の問題でございますが、聞くところによりますと、日本科学技術情報センター、いわゆるJICSTが、文献の検索の処理にコンピューターを前年度から入れられたという話を聞いておりますが、実際の情報の検索にあたって、そのコンピュターによる検索システムが円滑に運営されているかどうかということ、それから見通し等をお聞かせ願いたいと思います。
#210
○政府委員(佐々木学君) 日本科学技術情報センターは、従来科学技術情報に関しますところの二次加工作業、それからその流通をやってきたわけでございます。たとえば、文献の抄録を作成してこれを販売する、あるいはその複写を依頼によってする、そういったことでございまして、いまだ情報検索というのはやっていなかったわけでございます。ただ、昨年の十月ごろから、一部につきましては、そういう将来の情報検索の準備のために、電気工学等については一部インプットの開始をして準備を整えつつあるわけでございます。四十四年度におきましては、一応六月に全技術部門につきましてインプットが完了する予定でございます。ただ、情報検索を行なうのは、御承知と思いますけれども、たとえば、まず、いろいろな技術文献がありました場合に、その主題を解明いたしまして、その分類をつける、それからキーワードというのをつくりまして、インプットをいたします。今度はこういうふうな文献がほしい、たとえば、アメリカにおける自動車の排気ガスに関してそのキャブレターに関する研究の論文がほしいといったような要求がありました場合に、今度はその要求内容をさらに解析し分類をきめ、それから今度はキーワードと組み合わせまして、たとえばアメリカであるとか、あるいは排気ガスであるとか、キャブター、そういうキーワードを組み合わせまして、そうして電子計算機から呼び出すわけであります。このために、まずキーワードを整理する必要がありますので、四十四年度から三年計画をもちまして、シソーラスと申します情報検索用語辞書と申しますか、そのシソーラスの整備をはかっていきたい。それから同時に、情報検索技術を検討いたしますために、やはり四十四年度から二年計画あるいは三年計画でもって、メドラスと申しまして、アメリカの国立医学図書館で発行しております医学情報の検索システムで、磁気テープに入っておるわけでありますけれども、これを借り受けまして情報検索をいろいろ実験し、そうして情報検索をする、そういう準備をしていたわけでございます。
 いつごろから情報検索事業によるサービスを行ない得るかというめどでございますけれども、情報検索でございますから、当然ある程度の年限の情報が入っていなければ意味がないわけでございます。したがって、これから数年先、つまり数年間のデータを蓄積しておかなければならないわけでありますから、いつごろということは、はっきり申し上げられないのでありますけれども、まず、数年あるいは三、四年先になっていくというふうに考えております。
#211
○船田譲君 JICSTのほうでシソーラスをおつくりになるというお話を伺いました。実は、私の乏しい経験ですけれども、二十数年前に大学の研究室におりましたときに、研究生の仕事のかなりの部分が先駆者の論文検索に時間を充てなければならなかった。そのときから見ますと、いまの情報の量というのはきわめて膨大化しておりますから、したがって、この情報検索のサービスシステムを確立するということは非常に重要なことだと思います。しかし、その一方、それをせっかくサーキューレートしても、利用するほうが乗ってこなければ意味がないわけでありますけれども、現実に、大学とか公共の研究所とか、あるいは企業等で科学技術情報センターのそのサービスの利用の度合いはどの程度なものであろうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#212
○政府委員(佐々木学君) この情報センターにおきましては、大体予約制度をとっておりまして、年度の初めに現在のいわゆるアブストラクトを購入する予約をとっております。大体二千くらいでございます。そのほか、複写等を入れますというと、約三千数百になっておるような状況でございます。件数といたしましては、四十二年度に行ないました複写件数が約三十万件ぐらいございます。そのほか、各種の調査の委託を受けております。これが、機械検索ではございませんけれども、一種の検索的な業務でございますけれども、これが約二千ぐらいのものでございます。それから、これとはまた別でございますけれども、私のほうで情報サービスを将来充実したいということで、物理系及び化学系の研究者についてアンケートの調査をしたのでございますけれども、そのアンケートの調査のうち、約六八%から六九%の研究者の方から、知りたいと思っている事実に関する文献をサービスしてほしい、いわゆる情報検索でございます、そういう強い要求が出ておるわけであります。でございますから、これは、情報検索のサービスのやり方が、今後は問題になってくるだろう、つまり、要求した場合に、できるだけ早い時間に検索ができるように、そうして一件当たりの金額もできるだけ安い金額でやっていく、そうすれば、需要というのはかなりのものが見込まれる。現在は、そういうこともあわせて四十四年度から検討していきたい、そういうふうに思っております。
#213
○船田譲君 最後に、特許法の改正案がいま両院に提出せられております。そのもの自体につきましては、これは商工委員会のことでありますから、私は内容に立ち入ることは差し控えますが、要するに、いわゆる公開審議ということでいくわけでありますけれども、その場合に、私ども考えられますのは、公開に対する不服の審査の請求が出る、出たときに、ある年数の期間は審査そのものに時間がかかるということで、特許内容をどんどん使って、実際に業として実施をしていくというものに対して賠償を請求するような事件についても、なかなか解決しないのじゃないかという心配があります。もう一つは、最近だんだん特許のほうにノーハウを載っけないように、大事なところだけノーハウで残しておいて、特許にごく差しつかえないようなところを載っけるというような形になってまいりますと、ますます、公開された特許に対して、これが別の研究をしておる人が、侵害をしておるという訴えを起こしにくくなってくるのじゃないかという感じもするわけでございます。そういったような特許法の今度の改正案、つまり公開審議というものに対して、科学技術庁の振興局長さんのお立場から、また前職にもおありになったわけでありますから、お考えをちょっとおっしゃっていただきたい。
#214
○政府委員(佐々木学君) 先生御承知のように特許制度の目的は、すぐれた発明に対しまして一定期間独占権を与える、それによって、危険な研究投資に対するインセンティブを与え、かつ研究投資を回収させるというのが制度の趣旨でございます。したがって、技術振興あるいは自主技術開発の上から非常に重要な制度であると思っております。一方、最近におきます技術革新のテンポが非常に早くて、最近では、一つの技術を着想してから、それを発明し実施化するまでに、わずか三年から五年といわれておるわけであります。しかも、それによってつくり出された製品のライフサイクルは、最近においては八年から九年であり、それ以上たちますとそれを改良した商品が出てまいる、そういうような状況でありますから、特許権の設定を迅速に行なうということが、やはり研究を推進する上で非常に重要なことであると思います。ところが、現在におきましては、特許の審査は、御承知のように、平均、出願してから四年七カ月もかかっているような状況でございますので、こういうことではいけないということから、特許制度の改正が行なわれた、そうして早期公開という制度が取り入れられたのでありますけれども、この早期公開の趣旨は、いま申しましたように、現在では特許の処理が四年もかかっており、しかも出願公告されるまでは内容が極秘でありますから、他人がどういう出願をしておるが、知らないままに二重の研究投資を行なっている。二重研究投資というのはかなり行なわれておるようであります。二重で研究している、あるいは、すでに特許ができるのを待ち切れないで生産設備をやる、二重投資もやっている。それを解消して、できるだけ早く出願された技術内容を一般に知らせようということから、早期公開制度をとる、これはやはり技術革新のテンポの早い時代には、どうしてもこういう制度は必要ではないかと思うわけであります。そこで、もちろん、その発明者の意に反して一年六カ月で早期に公開するわけでございますから、その代償として、発明者には何らかの権利を国が与えてやらなければいけないわけであります。そこで、この特許法の改正案によりますと、損失補償請求権――賠償請求権でありませんで、損失補償請求権こういうことになっているわけでございます。
 で、まあ、早期公開をすると他人にまねをされるので、特許の明細書の中に、ロイアルティーに属するようなことはだんだん書かなくなっていくのじゃないかという御質問もあったと思うのでございますけれども、これは、現在の特許の審査のやり方をある程度誤解された人がよくそういう議論をされるのでありますけれども、たとえば、何らかのことを早期公開で書いたが、それが実際の審査にあたって拒絶された場合に、それからヒントを得て第三者がすぐ別のやつを出願する、だから非常にこわいということなんですけれども、この第三者がヒントを得て別の特許で出願したという場合に、拒絶された早期公開に基づく前のものが特許に値しないようなものであるならば、あとからそれからヒントを得たものでありましても、これは当然拒絶されるわけですが、それが拒絶されないで特許になるようなものは、最初に拒絶されたものよりはかなり進んだ進歩性のあるものだけが拒絶されないわけです。したがって、この早期公開によって自分のものがまねされて、自分のものが拒絶されちゃって、まねしたやつが特許になるというようなことは私はないのではないかというふうに考えておるわけであります。それは、現在の制度におきましても、御承知のように、出願公告制度がございます。ですから、まねしようと思えば、現在でもその出願公告を見まして、それからそれをちょっともじって出願する、そういうことだってできるわけでありますし、また、そういうことは実際しばしば行なわれておるのでありますけれども、ほとんどのものがそういう場合には拒絶される、そういうことでございます。
#215
○船田譲君 どうもありがとうございました。これで終わります。
#216
○委員長(宮崎正義君) ほかに御発言もなければ、本日はこれをもって散会することとしまして、次回は公報をもってお知らせいたしたいと思います。
   午後五時十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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