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#1
第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第7号
昭和四十四年五月十五日(木曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
五月十二日
    辞任         補欠選任
     藤田  進君     森中 守義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                平島 敏夫君
                横山 フク君
                森 元治郎君
                矢追 秀彦君
    委 員
                岩動 道行君
                石原慎太郎君
                金丸 冨夫君
                鍋島 直紹君
                船田  譲君
                鈴木  力君
                竹田 現照君
                森中 守義君
                大和 与一君
                向井 長年君
   衆議院議員
       修正案提出者   石川 次夫君
   国務大臣
       国 務 大 臣  木内 四郎君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        平泉  渉君
       科学技術庁長官
       官房長      馬場 一也君
       科学技術庁研究
       調整局長     石川 晃夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宇宙開発事業団法案(内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
  〔理事矢追秀彦君委員長席に着く〕
#2
○理事(矢追秀彦君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 五月十二日、藤田進君が委員を辞任され、その補欠として森中守義君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(矢追秀彦君) 宇宙開発事業団法案を議題といたします。
 まず、衆議院の修正部分について、修正案提出者である石川次夫君から説明を聴取いたします。石川衆議院議員。
#4
○衆議院議員(石川次夫君) 衆議院におきまして、宇宙開発事業団法案に対しまして、第一条、目的に対する修正を行ないました。私は四党を代表しまして修正案の趣旨説明を行ないました関係で、きょう皆さんのところで御説明を申し上げるわけでありますけれども、四党の代表意見というより、若干私見がまじるかもしれませんが、その点はあらかじめ御了承を願いたいと存じます。
 宇宙開発は、御承知のとおり、最近宇宙時代といわれておりまして、アメリカにおける宇宙開発の成果としての波及効果というものは相当高く評価をされ、関心を持たれて今日に至っているわけであります。たとえば、ロケット関係、材料関係、加工関係、動力関係、あるいはメカニズム、コンピューター、試験機、測定機、あるいは医学への応用、こういう各方面への波及効果というものも広く知られておりまして、日本においてもどうしても宇宙開発というものをやらなければならぬという機運が盛り上がって、先般の国会におきましては宇宙開発委員会というものが持たれたわけでありますけれども、今回、どうしてもそれをさらに発展させるための宇宙開発事業団構想となって法案提出をされたわけであります。
 ただ、この波及効果についてだけ申し上げますというと、御承知のように、アメリカでは、宇宙関係の予算がいままでに大体十五兆円、アポロ計画だけで大体八兆六千億円というような膨大な予算を費やしておりまするし、それから月着陸船のごときは、大体グラマン社でつくっているわけでありますけれども、トン当たり二千万ドル、大体金の十五倍というような非常に膨大な予算を使いまして、このような波及効果というものが期待できたわけでありまして、日本がいまから行なうことを通じてこのような波及効果は直ちには期待できないと思いますけれども、しかし、日本は日本なりに、やはり全体の技術水準というものを上げるための宇宙開発の効果というものは相当評価をしてよろしいのではなかろうかという点と、同時に、宇宙衛星、最近考えておりますのは、四十八年度に静止通信衛星が考えられておりますけれども、航行衛星あるいは気象衛星、測地衛星、それからさらに、後進国開発のためのいろいろな衛星やあるいは地下資源探査のための衛星というものが直接的の効果として期待をされておるわけであります。
 そういうことで、この前の宇宙開発委員会が制定をされますときに、われわれとしては、この宇宙開発がもろ刃の剣であって、軍事転用になるのではないかという点に非常な危惧を持ったわけであります。そういうことで、この前の国会の最終にあたりまして、佐藤総理大臣の出席を仰ぎまして、まず、宇宙開発委員会をつくるに先立って開発基本法というものを先行させるべきではないか、それから二番目としては、これはあくまで平和目的に限るということで、その理念というものを徹底させるべきではなかろうか、それから、軍事機密というものをこれによって導入するような危険はないのか、こういう点を質問をいたしたわけでありますけれども、佐藤総理は、いずれ宇宙開発基本法は必ずつくる、それからさらに、平和の目的、それから自主、民主、公開の原則によるということを宇宙開発基本法の中に取り入れる、それからさらに、軍事機密は絶対に日本には持ち込まない、こういう確約をいたしました。実は、宇宙開発基本法をつくろうと努力をしたわけでありますけれども、この宇宙開発基本法というものは世界のどこにも前例がないわけでありまして、社会党におきましては要綱をつくり法制化を急いでおるわけでありますけれども、まだ、法制局でもなかなかいろいろな難点がありまして、法制化される段階に至っておりません。
 そういうことで、宇宙開発基本法ができなければ、それにかわるべき何か「平和目的に限る」という歯どめを設けるべきではないか、こういうことで、宇宙開発事業団法案の第一条に、「宇宙開発事業団は、人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケットの開発、打上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行ない、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるものとする。」というところに、一等最初に、宇宙開発事業団は平和の目的に限るということをはっきり明確にすべきではないか。参考までに申し上げますというと、先般、動力炉・核燃料開発事業団法をつくられましたときにも、第一条の目的の中には「平和の目的に限り、」ということが明記をされておるわけであります。しかも、動力炉の場合には、御承知のように、原子力基本法に基づいて平和目的に限るということを確認しておるにもかかわらず、念を押して第一条に書かれておる。ところが、今度の宇宙開発事業団法には、平和の目的に限るということが書いてないということが一応問題になりまして、これを入れるということを四党から提案をし、これが認められたわけであります。
 ついでに申し上げておきますというと、ただ、この宇宙開発事業団の行なう事業というのは、衛星及び打ち上げ用ロケットということになるわけでありますけれども、それ以上に、宇宙における非核原則みたいなものを確立をする必要があるのではないかということで、やはり四党提案でできました。「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」というものをわが院においてはっきりと決議をするということで、これは決議をされまして、それが二つの柱になって、平和利用ということを確認をするという運びになっております。この決議は、別に参議院のほうの審議を拘束するつもりは毛頭ございませんが、われわれのほうの経過として御報告する義務があろうかと思っております。それから各党とも、衆参両院を通じて、この決議案については御了解を得たように伺っておりますので、念のために申し上げておきたいと思います。
 決議の本文を申し上げますというと、
  わが国における地球上の大気圏の主要部分を
 超える宇宙に打ち上げられる物体及びその打上
 げ用ロケットの開発及び利用は、平和の目的に
 限り、学術の進歩、国民生活の向上及び人類社
 会の福祉をはかり、あわせて産業技術の発展に
 寄与するとともに、進んで国際協力に資するた
 めこれを行なうものとする。ということが本院で満場一致決議になっておることを御報告を申し上げておきます。
 ただ、ここに書いてあります趣旨は、宇宙というものの定義は、まだ国際的学問的にも確立されておりませんで、われわれとしてはいわば若干の無理はあったのでありますけれども、「地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙」というところは大体百キロぐらいをめどとして考えております。百キロ以下は大体飛行機も飛んでおる。あるいはまた、百キロ以内では宇宙の衛星というものは飛ぶことができない。大体学者の国際的な通念としては、「地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙」というものが百キロ程度以上、こういう宇宙に対して打ち上げられる衛星のみならず、あらゆる物体及びその打ち上げ用ロケットの開発及び利用は平和目的の利用に限るということを明確にしたわけであります。
 さらにつけ加えて申しますというと、平和の概念は、国際的に、非侵略という考えと非軍事という考え方がございますけれども、これははっきりと、非軍事である、非核である、こういうことを明確にしておりますことをつけ加えて御報告にかえる次第でございます。
#5
○理事(矢追秀彦君) これより、本法案に対する質疑に入ります。
 御質疑のある方は順次御発言願います。森君。
#6
○森元治郎君 例によって、一とおりこの事業団の設立の目途とするところを五、六点伺います。
 私は「宇宙開発事業団」という名前がきらいなんですね。あまりでかいから、宇宙とは何だというのがわからないのだ。しかし、アメリカでもどこでも、だんだんこれを使っているから、内容を見ると、単に目的がたいへん小さくて、三万五千八百キロですか、三万六千キロくらいのところに静止衛星を打ち上げるのが事業団のいまの目的だとするならば、「宇宙開発」と言わず、核燃料よりももっと具体的にはっきりすれば、「委員会」でも、「衛星事業団」でも、もっとはっきりするのじゃないか、内容を限定すれば。特に「宇宙開発」と言うのは、将来どういうことを含もうとするのか。将来、こういうことも含めて、その一歩として人工衛星を考えていくということなのか。その間の設立の目標はどこにあるのか、伺いたい。
#7
○国務大臣(木内四郎君) 御案内のように、宇宙開発は非常に急速に発展をしてきました今日の段階において、明日を予測し得ないような急速な発展を示しておりますので、今回の事業団も、少し名前は大きいようでありますけれども、「宇宙開発事業団」、こういうことにしたわけです。いまお話のように、こまかに規定するということも、これは一つの考え方ですけれども、無限に発展していく宇宙開発を、法律によって発展を閉ざすということは適当でないのではないか。そこで「宇宙開発事業団」ということにして、わが国はやや外国に対して立ちおくれている感がありますけれども、外国に対して追いついて、さらに追い越していく、こういう心がまえをここに示しているのであります。
 なお、法文その他の詳細なことは、局長のほうから答弁いたさせます。
#8
○政府委員(石川晃夫君) ただいま大臣からお話がございましたように、この宇宙開発におきましては相当規模が大きくなるわけでございます。私たちとしましては、やはり将来の動向というのを見まして宇宙開発というものを進めていきたいということでございますが、当面、わが国の国力等を勘案いたしますと、やはり現時点においては、人工衛星並びに人工衛星打ち上げ用のロケットというようなものの開発を始めまして、逐次宇宙開発ということに進んでいきたいと存ずる次第でございます。宇宙開発は相当範囲が広いわけでございますので、今後どのようにして宇宙開発を進めていくかという問題につきましては、総理府の中に宇宙開発委員会を設けまして、そこにおいて逐次検討を進めていくと、いうことになっております。この宇宙開発委員会におきまして、今後の日本における宇宙開発計画というのが今後逐次策定されていくものと存じておる次第でございます。
#9
○森元治郎君 道路事業団のように「衛星事業団」のほうがぴしっとするのだと思うのですがね。もう一回聞きたい。ただ、将来発展するものとして大きな網をかけたようだけれども、事業団ということの性質から見れば、そのほうがもっと端的に、しかも活発に動きそうな形式になるんじゃないかと思うがどうでしょう。
#10
○政府委員(石川晃夫君) ただいま申し上げましたように、宇宙開発は相当いろいろなものがあると思いますが、当面、やはり基礎になりますものは、この人工衛星と、それを打ち上げます人工衛星用のロケットでございます。これが基礎になりますが、その後におきまして、その衛星を利用いたしまして、通信衛星とか、あるいは気象衛星、こういうようなものを使って、それぞれ宇宙そのものの利用を進めていくということもできるわけでございますが、そのほか、宇宙におきます学術研究的なものがあるわけでございます。そのような趣旨からいたしまして、やはり現段階におきますこの内容としては、衛星及びロケットということでございますが、将来、宇宙の探査とか、そういうものもそう遠い将来ではないというように考えまして、やはりこの事業団におきましても「宇宙開発」ということで進んでいいのではないかというように考えている次第でございます。
#11
○森元治郎君 私は、やはりこの人工衛星の打ち上げも当面の目的だが、宇宙の学術的な開発ということも併記したって、大臣がおっしゃるような趣旨ならば、それを大眼目に掲げて、それからあとに、当面人工衛星だというふうに書いてあれば、開発事業団の名にふさわしいと思うのですが、内容はたいへん小さい。宇宙も、三万六千キロ衛星の話になるとたいへん小さいので、気宇広大にもっとやったほうが名前に恥じないのじゃないかというふうに申し上げた。しかし、もう法案として出てきたのだからしかたがないが、私はそういうほうが至当ではなかったかと思うのです。
 宇宙の定義がわからぬというが、現在わかっている宇宙の定義、どんな定義がありますか。
#12
○政府委員(石川晃夫君) この宇宙の定義につきましては、現在、国連の宇宙平和利用委員会において検討しているわけでございまして、その説につきましては九つほどあるわけでございます。それは、いろいろな分類のしかた、考え方によって、このような多くの説が出てきたわけでございますが、順次これを申し上げますと、まず、大気の組成というものからこの宇宙というものを考えるという考え方がございます。これは、大体高さにいたしますと約百キロ程度、いわゆる私たちが平素地上において吸っておりますこの大気というものが大体百キロまでは大気とみなし得るのじゃないかというような考え方でございます。それから次に、これも物理的な考え方でございますが、流星が地球大気圏に突入した場合に発光したり消滅したりする高さがございます。これは大体百キロ以上百四十キロ前後の高さになるのじゃなかろうかということでございます。それからまた、夜光現象、夜オーロラのような現象でございますが、こういうようなものになりますと三百キロぐらいの高さになるわけでございます。それから今度は現実的な問題でございますが、気球の上がる限度はどのくらいかということから考える方法もございまして、これは非常に低くて、約四十キロでございますから、四万メートル程度の高さでございます。さらに、航空機、いわゆる現在飛んでおります飛行機といたしましての最高限度どのあたりまで飛行できるかということになりますと、さらに低くなりまして、三十キロでございますので、約三万メートル程度の高さでございます。次に、人工衛星が継続的に飛しょうできる可能な限度はどのくらいかということでございますが、この高さからまいりますと、大体百十キロが最低であるというふうに考えられます。それ以下になりますと、大気の摩擦その他によりまして継続的に飛しょうすることができないという高さでございます。さらに、考え方といたしましては、静止衛星、現在三万六千キロでございますが、三万六千キロメートルの高さにあるわけでございます。これから以遠を宇宙と考えるという考え方もございます。それからまた、外圏大気あるいは磁気圏の最高高度というものがどのくらいかというところから定義いたしますと、これは地球の半径の約十倍ほどのことになりますので、大体六万キロ程度ということになるかと思います。また、月からさらに以遠のところという考え方からいきますと、これは地球の半径の約六十倍、三十万キロ程度のところになるわけでございます。
 そのようにいたしまして、約九つほどの説がございまして、これはそれぞれ学者の見方もございまして、国連の平和利用委員会におきましても、数回これについて討議を行なっておりますが、いまだ宇宙というものについての定義というものは確定した定義がないわけでございます。
#13
○森元治郎君 日本は、国連でどの立場をとっていますか。
#14
○政府委員(石川晃夫君) 先般の国連の会議におきまして、わが国のほうとしての意見といたしましては、やはり常識的に見ますと、衛星ということを主眼におきまして、この衛星が飛しょうできるということが常識的ではないかというふうにも考えられるわけでございますが、この点につきましても、まだいろいろな、先ほど申しましたような説がございますので、わが国としても、これが絶対正しいというような意見はまだ発表しないわけでございます。
#15
○森元治郎君 国連で九つある中に、有力な、国民総生産世界第一位にならんとする日本、学者が山ほどたくさんいる日本で、会議をリードするくらいの案が当然できているべきだと思うのだが、開発委員会もできたことだし、そこらの検討をしている段階で、宇宙はどの辺、どういう宇宙のとり方をするという、およその方向くらいは出ているのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#16
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙につきまして、国連の委員会におきますわが国の意見というものを、学界の意見というものできめるとか、ある程度目安というものをきめておくのが当然だとは思いますが、先ほど申しましたように、いろいろな説がございますし、また、それぞれその説も理由がございますので、私どもとしましても、まだ現在では決定していない段階でございますが、この問題につきましても、やはり宇宙開発委員会においても問題として、検討事項として取り扱っているわけでございます。ただし、結論は出ていないわけでございます。
#17
○森元治郎君 大臣、やっぱり私は、最終決定まではたいへんだろうが、積極的に開発しようとする、宇宙はどういうものだという研究作業は、すみやかに促進させるべきだと思うのだが、やっていますか。
#18
○国務大臣(木内四郎君) 先ほど申しましたように、宇宙開発は非常に急速に進展をいたしておるわけでございます。そこで、私どものほうでは、宇宙開発委員会、これは宇宙開発審議会に次いでのものですけれども、宇宙開発委員会においてやってもらっておりますることは、今後十年間の先を展望しまして――もっと先まで見ればいいんですけれども、そう先のことは、これはちょっとわかりかねるので、十年間を展望して、今後五カ年間にどういうことをやったらいいか、こういうことを目安にして宇宙開発委員会において研究してもらっております。これは昨年の末に予算を要求する際にも、そういう立場から基本方針を示してもらったのですが、それによりまして、当面は、四十六年の電離層の観測衛星、それから四十八年の実験用静止通信衛星、こういうものを打ち上げることを当面の目途にしてやっていく、それを基本にしまして、さっき申しましたように、十年間を展望して、今後五カ年間にどういうことをやったらいいかという開発計画を立てております。それに基づいて今度総理大臣の認可を得て、基本の計画を定めていく、こういう方針になっているわけでございます。
#19
○森元治郎君 どうも、大臣も議員さんから役人の親玉になるというと話が低くなるのだが、三万六千キロぐらいまで星を上げることばっかり考えているのだが、名前は宇宙開発なんで、でかいことをぬかして、内容は何もない。宇宙をきめようともしない。そもそも宇宙というのは、先ほど大臣おっしゃたとおり、非常な発達ですから、問題は次々に起きてくるのですよ。予想される軍事的な問題もあれば、科学的な問題もある。宇宙のおよその考え方、そういうものを煮詰めてリードしていかなければ、将来大きな問題が残ると思うのですね。なんぼ言っても堅くて入れぬから、これ以上は言いませんが、準備はすみやかに作業を進められるべきだと思います。
 そこで、衆議院のほうの論議を見ていると、各党超党派的に――主務大臣は郵政大臣じゃないか、第三十九条では。一生懸命、科学技術省をつくれと言わんばかりの鞭撻の質問があった、超党派で。これにうまく便乗して大臣もそうだと言うかと思ったら、もっぱら調整局長の援護のもとに、国家行政組織法上云々という突っ張り一方。あのとき各党に便乗して一騒ぎすれば、これはおもしろい問題だったんですがね。総理府どうするか、設置法をどうするかと、全般に引っからめて、おれの大臣のもとでしっかりやれというふうに一発やればたいしたものだったんだが、あなた突っ張るだけなんだね。何も、主務大臣は科学技術庁大臣だと書けとは言わなくてもいいとしても、せっかく出てきたのに、四十条には科学技術庁長官が出てくるが、三十九条では、総理大臣、郵政大臣、こうあって、科学技術対策特別委員会としてはメンツがないような気持ちがしたのだろう、みんな。これはやはり将来大きく発展していくというのだったら、この辺で、各省にまたがっているものをどうしてやったらいいだろうか、機構的に資金的に人間的に、考えるいいチャンスなんですね。これをあなた残しておけば、総理大臣になるチャンスもありますよ。大きな方向を見つめていって。ところが、もっぱら、法律ではこうでございますで、内閣総理大臣と科学技術庁長官を置きかえているようでございます、みたいなことを言って通っちゃうと……。これはほんとうに残念だったと思う。どうです、あなた、おやりになって、短い経験ながら、科学技術省、科学省、こんなものをやっていく自信はありませんか。関係各省にまたがっているものを、それこそ一元的に、これはまあ与野党一致だから、私はこれを重ねて伺うわけです。
#20
○国務大臣(木内四郎君) 森委員のおっしゃること、確かに一面の真理はあると思うのですが、御案内のように、わが国の宇宙開発関係の仕事は各省庁にまたがっております。これを何とかして一元化して行なっていかなければならぬだろう、こういうことはみな考えたのです。そこで、私どもといたしましては、この際これが一元化の方向に歩んでいき得るような形にこの法律ができているわけです。きょう一どきにこれをやるわけにはいかぬけれども、そういう入れものをつくって、そうして郵政大臣も入ってくる。今度は測地の関係なら建設大臣も入ってくる。気象関係のものがあれば、これは所管の大臣、航行関係も入ってくる。こういうような入れものをつくってやる。そして、三十九条ですか、その条文の書き方はと申しますと、これはわが国の行政組織法上のたてまえからいって、どうしてもそういうふうに書かざるを得ないですよ。内閣総理大臣は科学技術庁のことを所管している。だから内閣総理大臣という名前を出している。郵政大臣は郵政省関係の仕事をやっている。これが入ってくるから郵政大臣を入れる。このほかの大臣は、今度仕事が入ってきたらだんだん入れるような入れものをつくっているわけなんです。それはまさしく、森委員のそういう考え方に私は一致をしていると思うんです。ことばはどうあろうとも、内閣総理大臣と書いてあっても、それは私に委任されるのでありまして、やはり私が所管大臣として内閣総理大臣に仕事を委任されて事業を行なう。ことばの問題ではなく、実質の問題で私は言ったわけであります。その点を御了解いただきたいと思います。
#21
○森元治郎君 その点は飽きるほど聞いているから、言わなくてもいいんだが、要するに、科学技術者というものをおつくりになったほうがいいんだということを、短い大臣の御経験からお考えにならないかということです。
#22
○国務大臣(木内四郎君) それは、私は、いずれの時期にか、そういう日が来ることを期待しております。
#23
○森元治郎君 忠良なる佐藤内閣の大臣、だめだ。
 そこで、波及効果ということをよく言うのですね。これをつくることに伴う効果が大きいのだ……。ところが、これに対して批判する側から見れば――何でも事をやるときには反対のものの考え方を頭に入れてやっていかなければならぬわけです。星をつくるのには五百億だ、ロケットは千億もあればできるのだ、千五百億ぐらいで上げられるのだ、しかし、これをたとえばアメリカに頼めば、一発上げてもらうのに十億円とか二十億円とか、安い金でやってくれるのだ、何もそんなイロハのイから始まって、しかも四十八年でやる必要もないのじゃないか、また、波及効果といわれるものもいろいろあげておられますが、そんなものは、千五百億もかけて、四年も五年もかけてやらなくたって、すでに、聞けば、技術情報ですね、ノーハウでいけば簡単にわかるのじゃないかという批判もなかなか強い。これにどうお答えになりますか。
#24
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。
 ただいまの、まず波及効果の点でございますが、波及効果と申しますのは、ただいま先生おっしゃいましたように、宇宙開発が進むに従って、その宇宙開発に使われた、あるいはいろいろ宇宙開発の中に導入されてまいりました技術によりましてつくられた品物、あるいは技術、そういうものが一般国民の間に何らかの利益を与えるという考え方でございます。で、この波及効果につきまして、なるほどアメリカでは、この宇宙開発につきましての波及効果というものが相当進んでおりまして、すでに相当な影響を及ぼしておるわけでございます。わが国におきましても、アメリカですでにできたものを持ってきて、いわゆるアメリカでの波及効果をそのまま持ってきたらいいではないかという説も実はあったわけでございますが、わが国が宇宙開発をやりまして、宇宙開発のみならず、その波及効果までねらっておりますのは、やはり、ただ向こうでできたものを持ってくるというだけになりますと、これは日本の技術としては一向に進歩がないわけでございます。やはり、われわれが、アメリカで開発されました、あるいはソビエトで開発されましたような波及効果そのものを受けて、それを十分にそしゃくいたしまして、さらに、諸外国においては考えられなかったような内容のものをわれわれの頭でまたつくり出しまして、それをわが国の国民に利益として与える、これが非常に大きな利益になるのではなかろうかというふうに存じておる次第でございます。したがいまして、その波及効果と同時に、アメリカに頼んでロケットを打ち上げるとか、あるいはそういりようなものも同じような考え方でございまして、やはり日本にそれを受け入れるだけの技術をつくり上げるということ自体がわが国の技術の進歩にもなりますし、また、日本がアメリカから買ってきて、かりに日本の手で打ち上げるといたしますと、それだけの技術がなければ、向こうから持ってきたもの自体を打ち上げるだけの実力がないという点におきまして、波及効果なり、あるいは技術導入というものをあわせましてて、私たちの宇宙開発に対する技術なり、あるいは内容の充実をはかりたいというふうに存じておる次第でございます。
#25
○森元治郎君 ただいまの局長の御説明は、関係学者、技術者などの大多数の意見なのか、私が聞いたような批判的な意見を持っているものと、いま局長の言われたような意味との比率というか、どちらのほうが多いのですか。圧倒的に、いまの局長の言うような、みずからやっていったほうがいいんだというほうが強いか。
#26
○政府委員(石川晃夫君) その詳細な比率というものは私たちわかりませんが、私たち技術に関係しております者の一般的な考え方というのは大体そういうようなものでございまして、まあ波及効果というのは、そういう意味において初めて効果があるというふうに私たち考えている次第でございます。
#27
○森元治郎君 もう一ぺん。その私がいま伺ったような強い批判的な意見を持っておる人の数もあるわけですよね。日本の学者の中に。差しつかえなければ、名前、あるいはかなりの数があるのか、ごく少ないのか……。
#28
○政府委員(石川晃夫君) その点につきましては、申しわけございませんが、あまり私たち、そういう強い反対というものは聞いていないわけでございます。
#29
○森元治郎君 それでは、この事業団をやる場合、人集めをやるわけですね。学者も集めるだろうし、企業からも引っぱってくるだろうし、人数とか役員とか顧問とか、その人数を言ってください。
#30
○政府委員(石川晃夫君) この事業団法が通りますと、本年の十月一日に発足する予定になっております。で、その発足する時点におきましては、役員といたしましては、理事長、副理事長おのおの一名でございます。それから理事といたしましては五名以内、それから監事といたしまして二名以内、それから非常勤理事といたしまして二名以内、大体このような構成をもって役員をスタートさせたいと思っております。それからそのほかに、顧問といたしましては、これは各界の有識者を集めるわけでございますが、大体予定しておりますのは、十名程度の方を予定いたしているわけでございます。
 それから職員でございますが、この職員は、役員は除くわけでございまして、職員といたしましては百五十一名と考えております。この百五十一名の内訳を申しますと、現在の科学技術庁の宇宙開発推進本部、これが八十五名でございまして、これがそっくりそのまま事業団に入ってまいります。それから、現在郵政省の電波研究所において衛星の開発に従事している研究者がございますが、これから二十三名、それから科学技術庁の航空宇宙技術研究所の、やはりこれも宇宙開発に従事している研究者を二名、それを合わせますと計百十名になるわけでございますが、そのあとの四十一名につきまして、民間、学界、そういうところからこの事業団に参加していただろうという計画で進んでおります。
#31
○森元治郎君 人集めは、想像するほど簡単にいくんですか。むずかしいですか。
#32
○政府委員(石川晃夫君) この宇宙開発に関係しております、宇宙開発の技術をマスターしております方は、わが国においてもやはり層が薄いので、集めるという点になりますとなかなかむずかしい点もあるとは存じますが、しかし、また仕事そのものが特殊化されておりますので、そのような意味合いにおきましては、協力的にこの事業団に参加していただけるものと思っております。
#33
○森元治郎君 この東大なら東大の教授というような方は、どんな形で参加するんですか。
#34
○政府委員(石川晃夫君) 従来、このような事業団に大学のほうから参加されます場合は、大学の教授は教育公務員でございますので、公務員の資格としてはこのような事業団には参加できなかったわけでございます。しかし、このたびのこの事業団法におきましては、特に条項を設けまして、教育公務員は役員としては非常勤理事というかっこうで参加できるような条文にいたしまして、大学の教授の方もこの宇宙開発の枢機に参画していただけるというかっこうをとったわけでございます。そのほか、一般の宇宙開発という面におきましては、ほとんどやはり若手の研究者になると思いますが、そういう方は職員として入っていただくこともできますし、また、客員研究員というかっこうでこの宇宙開発に参加していただくということも可能でございます。
#35
○森元治郎君 一般的に言って、事業団というようなものには、りっぱな大学のりっぱな肩書きを持った先生方は積極的に飛び込んでくるということはないのですね。ところが、外国のいろいろなリサーチとかコーポレーションなんか見ると、どんどん入ってくる。その点はたいへん違うのですね。どういうふうなためだと御理解になっていますか。私は、やはり、いま大学問題が騒がれているように大学の先生方の頭が固いということ、東京から離れたくないということ、東大名誉教授というほうが事業団の役員よりは世間ていがいいとか、いろいろな封建的な昔式なものによってスティックされているというような感じを受けるのですが、大臣の御理解のしかたはどうですか。
#36
○政府委員(石川晃夫君) 実は、私たちも、大学の先生の知識なり能力というものを、この宇宙開発に関しましても、ぜひ御協力をお願いしたいというふうに存じているわけでございますが、これは宇宙開発だけではございませんでして、最近のこのような事業というものは非常に専門化され、また関係するところが非常に広いものでございますから、このような一業団が出てまいりますれば、それに対して大学の教授は、従来とも、ある一つのテーマ、あるいは非常にそういうような専門化された内容についての研究を深くされている方が多いわけでございまして、やはりそのような意味で、こういうような事業団あるいは開発事業というようなものに入るということに対して、なじめないのではなかろうかというふうに存じている次第でございます。
#37
○森元治郎君 なぜなじめないのですか。
#38
○政府委員(石川晃夫君) やはり、従来の研究といいますのは、一つの仕事を長い年月をかけまして、そうして一つの成果を生み出すというかっこうをで進んでいるわけでございまして、やはりこれは従来からの学校制度そのものにも関連あるとは思いますが、この事業団の、ことに開発につきましては、ある一定の時間的な限度あるいは範囲というものがございますので、そういう点において、従来から行なっております研究とは幾らか趣を異にするために、なかなかなじみにくいというふうに考えております。
#39
○森元治郎君 これは私案だが、ランド・コーポレーションなんかありますね。あるいはよく外国人が好きな何とかアカデミーというものがある。ああいうものを別につくって、そこに大学教授やなにか、しかるべき人をプールしておいて、ランド・コーポレーションの主任研究員とか、あるいは何とかアカデミーの教授だという、そういう肩書きがつくことによって、従来の東大教授にまさるとも劣らない社会的尊敬、待遇を受けるのだという、プールするようなものを考えることも一法だと思うのですが、どうでしょうか。
#40
○政府委員(石川晃夫君) 組織的にすぐそのようなものというのは困難かと存じますが、今回のこの事業団におきましては、新しく大学の教授を役員に迎えて、そうしてそういう資格のもとに、大学教授の知識を、私たちの考えておりますこの宇宙開発事業団で吸収するということも考えており幸すし、また、向こうもそのようなルートを通じて知識を出していただくというようなこと、それから先ほど申しました客員研究員というかっこうで私たちの宇宙開発事業というものに協力していただく、こういうことが、いま先生のおっしゃいましたそのような組織の序の口ではございますが、幾らかそれに対する一つの方向づけということになるのではなかろうかというふうに存じております。
#41
○森元治郎君 理事長にはどんな人――理事長は互選なんですか、理事の。それから理事と目されている方々は学者みたいな方なんですか。各企業から入ってこられるんですか。その企業は電波関係なり、あるいはそれぞれの各省にわたる、測地研究関係とか気象関係とか、あるいは郵政省の関係を持った人が理事で入ってくるんですか。全然関係なしの学者が入るのか、あるいは官吏が入るのか。予定される理事、役員の中枢、これはどういうような人選になりますか。
#42
○政府委員(石川晃夫君) この役員につきましては、十二条に任命の方法が書いてあるわけでございますが、理事長としましては、これは内閣総理大臣が宇宙開発委員会の同意を得て任命するということで、これは内閣総理大臣あるいは科学技術庁長官、こういうようなところでいろいろ御相談いただきまして、そしてそれがまた宇宙開発委員会の同意を得て任命するという段階になると存ずる次第でございます。副理事長、理事は、これは理事長が内閣総理大臣の認可を受けて任命するわけでございます。で、この理事につきましては、宇宙開発事業団の業務内容というものを現在考えておりまして、将来この設立委員会が発足しました時点におきましては、その業務内容というのがはっきりしてくるものと思われます。その時点におきまして、それを担当する理事が決定されるわけでございますが、この内容につきましては、たぶん、総務、経理、こういう関係の仕事、それから全体の安全管理あるいは企画管理、こういうものの仕事、それからロケット開発、衛星開発、さらにこれを打ち上げる打ち上げ関係の実験と申しますか、こういうような関係の仕事、それからさらに、打ち上げた衛星を追跡する追跡業務の仕事、こういうものを引っくるめまして、そのような仕事を一番担当するにふさわしい方ということで理事が選ばれるものと考えております。
#43
○森元治郎君 担当するにふさわしいというのは、企業にかつて関係のあった人ですか。全然関係のない、広い宇宙科学を推進できるような学識もあり、大きな識見を持ったような、企業関係じゃないような人も入るんですか、理事は。これで見ると、どうも企業関係の人が入る。たとえば、東芝電気から入るとか、あるいは何とか造船から入るというような事業屋ばかり集めるんじゃないでしょうな。
#44
○政府委員(石川晃夫君) 現在、この理事の人選につきましては、まだ進んでない段階でございますし、また、この法案が通らなければ進められないというわけでございますが、いま先生おっしゃいましたように、企業からとかあるいは特殊なところがらに限るということは考えていないわけでございまして、広く有能な方をお願いするということでございます。したがいまして、その仕事の内容によりましては、専門的な知識を必要とする場合はそのような専門家も入るかとも思いますが、しかし、一般的な考え方としましては、さらに次元の高い考え方で考えているわけでございます。
#45
○森元治郎君 大臣、その次元の高い見地からというのは非常にけっこうなんでね。これがみんな、うっちゃっておけば、おそらく局長、次官をつとめ上げた法律屋の官吏か、あるいは波及効果をねらってそれぞれ電気屋の代表みたいのが入ってくる。てまえどもの品物をこうやって使えば売れる。これは実に金もうけの場になっちまうんだな。公の場の国会で法律をもってできたものが、現実は、てまえどもの品物の製品売り込みの出張員みたいな理事ができたんじゃ困るんですな。厳重にこれは大臣、目を光らせてもらいたい。
#46
○国務大臣(木内四郎君) お話のとおり、今度のものは国家的の大きな事業でもありまするので、理事長には、財界その他各方面の信用の厚い人、しかも経営の経験のある人、今度の仕事の管理能力のある人、りっぱな人を選びたい、かように考えております。それから、理事長が副理事長あるいは理事を任命するにあたっては、やはり官学民の各方面から有能な、いま申しました理事長と一緒にりっぱな、トップマネージメントを構成し得るようなりっぱな人を選ぶようにしてもらいたい、かように考えております。私は、直接間接にそれにタッチして、いま申しましたような趣旨のりっぱなトップマネージメントを構成するようにしたい、かように考えております。
#47
○森元治郎君 あと一つは、いよいよ本論に入って、四十八年に打ち上げる、実用実験衛星を打ち上げるというが、四十八年には必ず打ち上げられる自信がありますか。
#48
○政府委員(石川晃夫君) これは、昨年の暮れに宇宙開発委員会におきまして四十四年度の見積もり方針を出しましたときに、四十六年には電離層観測衛星、それから四十八年度には実験用の静止通信衛星を上げたいということで計画されたわけでございます。したがいまして、私たちといたしましても、この目標に向かって現在鋭意努力中でございます。しかし、いま宇宙開発委員会におきましては、将来の十年のビジョンというものに基づきまして最近五カ年の計画を策定中でございます。これができますと、相当詳細にそのスケジュールが出てくるものと存じておりますが、私たちといたしましては、この四十六年、四十八年というものについてはこれが完成するように鋭意努力中でございます。
#49
○森元治郎君 四十八年以後はどうするかということは、その十年計画の中に入っているんですか。
#50
○政府委員(石川晃夫君) 四十八年以降の計画につきましては、ビジョンとして計画の中へ入ってくるわけでございます。
#51
○森元治郎君 ビジョン。ただだから言ってくださいよ、どんなビジョンがあるのか。銭がかかるわけじゃない。
#52
○政府委員(石川晃夫君) 当面、現在の五カ年間の計画では、先ほど申しましたように、電離層観測衛星というものを上げまして、さらにその二年後に実験用の静止通信衛星を上げるわけでございます。そのあとの五年におきましては、この実験用の静止通信衛星というものを、実験ではなく実用ができる段階にまで持ち込みたいということを考えております。さらに、そのほか、その時点におきましては、気象関係の衛星、これにつきましても、気象衛星と申しましてもいろいろなタイプがあるわけでございますが、地球のまわりを回転する、いわゆる軌道を持って回る衛星、さらにあるいは静止衛星を使っての気象観測、こういうものもございますので、そのようなものも考えておるわけでございます。さらに、航空機あるいは船舶というものの航行の安全性を確保するための航行衛星、それから測量のために使います測地衛星、そのようなものも、そのあとの五年間には逐次打ち上げてまいりまして、それを実用化いたしまして、いろいろ宇宙開発に役立たせたいというふうに考えておる次第でございます。
#53
○森元治郎君 そうすると、五年後に実用実験衛星を、静止衛星を打ち上げて、気象だ、航行だ、測地だというものはあとの五年で打ち上げていきたい、それがビジョンですか。
#54
○政府委員(石川晃夫君) 最終的には、まだ宇宙開発委員会の答申ができておりませんが、現時点におきましては大体そのような方向で検討が進められているということでございます。
#55
○森元治郎君 いずれ逓信委員会と合同審査もあるから、インテルサットに関連する問題は十分御質疑があるだろうと思うが、われわれ専門家じゃないので、この当面する問題について、二月に国際会議をやりましたが、秋の十一月ごろまたあるのか、何を政府は主張して貫こうとしているのか、その間の事情を概括的に要点だけでいいですから、御説明を伺っておきたいと思う。
#56
○政府委員(石川晃夫君) 先般二月にインテルサットの暫定協定を恒久協定に変えるというための会議が行なわれたわけでございます。これは会期が一カ月に及んだわけでございますが、ついに結論が出なくて、十一月に持ち越したわけでございます、が現在、持ち越した段階におきましては、現在の暫定協定がまだ生きているわけでございます。しかし、わが国の従来からの主張しておりますのは、インテルサットの当初のあれで出てまいりましたのは、インテルサットの新しい組織によりますグローバル・システムというものを考えまして、これによって世界の国際通信衛星をまかなおうというような考え方でございまして、その中の地域的な衛星というものをどう取り扱うかという点についていろいろ議論があったわけでございます。これにつきましては、各国それぞれ意見を異にいたしまして、ついに会期中には最終的な意見をまとめるという段階にまで至らなかったわけでございます。しかし、これは日本をはじめ欧州各国並びにその他の国におきましても非常に関心を持っておりまして、わが国といたしましては、この地域衛星というものにつきましてインテルサットと競合しない範囲内においては認めるべきではないかという線を打ち出したわけでございますが、今後、この十一月に行なわれます会議におきましても同様な趣旨におきましての発言が行なわれるものと期待しているわけでございます。
 それから、やはりこれは、よその国からも相当強く出ましたし、わが国におきましても主張しているわけでございますが、インテルサットの運営につきましては、従来、インテルサットの中にあります理事会が相当な権限を持ちまして、そしてその運営を行なっていたわけでございますが、やはり総会というものを設けまして、その席上においてインテルサットの意思をきめるべきではないかというようなことで、その点につきましてはわが国も主張しているわけでございます。さらに、インテルサットの運営につきまして、現在は理事会、アメリカのコムサットがマネージャーといたしまして、その運営を行なう中心となっておるわけでございますが、これにつきましても、はたして現在の体制がいいのかというようなことにつきましても議論が行なわれまして、この点につきましても、また各国の意見がまちまちでございまして、やはりそれぞれ各国にももっと運営に対する権限というものを持たせるべきではないか、特にこれは欧州各国が相当強い意見でございますが、そのような意見も、結局、結論を得ずに今回は終了となったわけでございます。
#57
○森元治郎君 地域的な、リージョナルな星という場合に、そのリージョンというのはどういう面をカバーするくらいのものを言うのですか。
#58
○政府委員(石川晃夫君) これはしかし、主張する国々の立場によって異なるかとは存じますが、欧州におきましては、やはり欧州並びにアフリカと、こういうようなところをカバーできるような衛星を地域的なものというふうに考えているようでございます。
#59
○森元治郎君 日本の場合は。
#60
○政府委員(石川晃夫君) 日本の場合におきましては、やはり地形の関係上、日本及び東南アジアというものを含んだ地域になると考えられます。場合によりましてはオーストラリアを含んでの地域ということも考えられるわけでございます。
#61
○森元治郎君 そうすると、この東南アジア、日本を中心とするあたりでは、打ち上げ予定国は日本だけですか。オーストラリアあるいはニュージーランド、インドあたりもやるつもりなんですか。
#62
○政府委員(石川晃夫君) 現在、このアジアにおきまして宇宙開発について力を入れておりますのは、日本をはじめといたしまして、インドも相当に力を入れておりますし、オーストラリアも相当力を入れているわけでございます。
#63
○森元治郎君 しろうとにはわからぬが、通信衛星打ち上げた場合、何回線とかいら回線があるわけですね。一回線といえば二人という計算になるのかな。星を通してこういうふうになりますから、二人は聞こえるわけだな、電話をやれば。こっちを通って向こうへ、どういう計算になるのか、人間の計算。いずれにしても何回線というのがありますよね。あれは千回線とか千何百とかいいますがね。日本だけが使うつもりなんですか。われわれが将来打ち上げた場合、関係国はこれを利用させないのですか。
#64
○政府委員(石川晃夫君) 日本だけが使う場合は、いわゆる国内衛星というふうに考えられるわけでございまして、この地域衛星になりますと、やはり日本、先ほどあげました東南アジアの各国が使えるということになるわけでございます。
#65
○森元治郎君 ありがとうございました。
#66
○理事(矢追秀彦君) 森中君。
#67
○森中守義君 大尉は何時までよろしいのですか。ずっとおられるのですか。
#68
○理事(矢追秀彦君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#69
○理事(矢追秀彦君) 速記を起こして。
#70
○森中守義君 これは、せんだっての予算の分科会以来の問題ですが、宇宙開発基本法というものはつくりますか。
#71
○国務大臣(木内四郎君) 私どもも、かねてこの宇宙開発をやる以上は宇宙開発基本法というものは当然あるべきものである、かように考えておりまして、宇宙開発委員会設置法案を御審議の際、昨年ですね、そういう御意見も衆参両院であったようであります。それがなくても、いま申しましたように、私どもはこれはやはりつくったほうがいいと考えております。ところが、この宇宙の問題につきましては、これはたびたび申し上げているのですけれども、宇宙自体というものに対する定義もまだ国際的にきまっておらないような状態で、国連において現在宇宙というものの定義をどうすべきかということを研究しているような段階でありまして、その他いろいろな問題がありまするので、なかなかそう簡単にはいきません。今後解決すべきいろいろの問題がございます。と同時に、一方におきましては、この宇宙開発基本法は各党御相談になりまして超党派でひとつ案をつくって出そうというふうな機運もありますので、寄り寄り御相談のようであります。そこで、私どものほうとしては、宇宙開発基本法をつくる場合には、目標、おもなる施策、企画、いろいろな問題についてどういうふうにすべきだということをいろいろ研究しております。そこで、各党において御相談の場合には、そういう研究を持ちまして積極的に御協力申し上げ、そうして、なるべく早くこの宇宙開発基本法ができますように御協力をいたしたい、かように考えておるわけであります。
#72
○森中守義君 ですからね、結局、その定義がはっきりしていないということが、やっぱりいろいろな形で影響してくる、そう言われるけれども、国際法上の日程にのぼっていないだけであって、国連ではもう宇宙空間の平和利用ということで決議が行なわれているのだから、私はそう心配したことじゃないと思うのです。ただし、なぜ基本法を急がねばならぬのかということは、宇宙開発について特殊なイメージを私ども持っていますよ。それは、たいへん理想に燃えるとか、あるいは二十一世紀の夢にあこがれるという、そういう物語的なものでなくて、現実的なもの。というのは、先般来、ロケットの開発等に対して、アメリカからすぐ機密保護法をつくったらどうか――何とはなしに、そういうものがまつわりついているんですね。それで、予算委員会等、あるいは関係の場所等で、いやそうじゃないんだということで一応整理がついたように受け取っているんですがね。それだからといって、無条件に、ああそうかということに、やっぱりなり切れないものがある。それならば、原子力開発と同じように、自主、民主、公開の三原則というものがやはりこの際にも採用されていないと安心できない。ただ、いきなり具体的に、さあ事業団だ、これで開発の体制はできたんだということでどんどん突っ走っていくと、さてその背景に一体何があったのかという、そういういままでの割り切れないイメージがあるだけに、私はむしろ開発基本法の制定が先ではなかろうかというように、ことさらに危惧の念を持ちます。これは総理が、いつでしたか、将来の課題としては検討をすべきだろうけれども、いますぐ基本法は考えていない、こういうことを言われたように記憶しているんですが、これはどうなんですか。もう少し科学技術庁長官あたりが推進役になってやらなければまずいと思いますよ。学術会議もそういうことをきめているんだから。
#73
○国務大臣(木内四郎君) お話の点、ごもっともな点がありますが、宇宙開発基本法、これはなるべく早くできたほうがいいことは、さっきから申し上げているとおりであります。ところが、これにはいろいろ問題がありまして、各党間で御協議になっておりまするけれども、また私どもも御協力申し上げているけれども、今日までまだ成案を得るに至っておりません。さればといって、この宇宙開発のほうは企画調整の委員会だけあればいいというわけにいきません。やはり実施機関をなるべく早くつくって実施に着手しなければならない、こういうことで、宇宙基本法はまとまらないけれども、ここで宇宙開発事業団という実施機関の設置をお願いしている、このようなわけであります。
 ところで、自主、民主、公開、このことは、宇宙開発――いま委員会ですが、その前の審議会の第一回の答申の際にも、根本方針としてこれをうたっております。それに関連して、また、今回の事業団法に関連して、総理大臣も衆議院の本会議、あるいは機会あるごとに、これは平和の目的に限って自主、民主、公開でやっていこう、国際協力でやっていこう、こういうことを繰り返して言っております。私もそれを言っております。法律がなくても、政府はもうその方針をはっきり明言いたしておる、政治姿勢を示しておるのですから、私はそれは御心配は御無用である、かように考えておる次第であります。
 それから、なおちょっと落としましたが、総理が宇宙基本法はまだ考える段階でないと言ったというふうなおことばでございましたけれども、私はさようには了解しておりません。総理もなるべく早くこれはできたほうがいいと言っていたと私は承知しております。
#74
○森中守義君 ちょっと速記録を正確に確かめてきませんでしたので、総理のその答弁があまり正確でない。これはまた次の機会にもあらためたいと思っております。
 それから、いまの基本法に――多少邪推深く考え過ぎるのかもわかりませんが、確かに今日は、公海が分割の方式をたどる、宇宙といえどもやはり分割の方式をたどるんじゃないか、こういうふうに思うんですね。特にそういうことがわが国の開発計画にどういう作用を与えるのか、ことに基本法をちゅうちょするゆえんは、むしろその辺にあるんじゃないか、こういうことも考えられるんですよ。それで、特にその問題は基本的な問題としてさらに吟味していかなくちゃならぬと思うんですが、五月の十一日に読売新聞がキャンペーンを出していますね、ごらんになりましたか。「目的不在の国産衛星」、長官、こんなの見られましたか。何のために事業団をつくるのだということを言っておるわけです。私は半ばこれに賛成します。なかなかいいことが書いてあります。
#75
○国務大臣(木内四郎君) まあ、どっかの新聞で「目的不在の国産衛星」と書かれてあったことは、これは一つの意見として私は見ております。しかし、私は目的不在でないと思っております。さっきから私も局長からも申し上げておるようなわけでありまして、今日世界の各国で、宇宙開発に携わらないものは、もう技術面においても、もう一歩どころじゃない、数歩おくれておる、してもおくれておる、というのが今日の常識でありまして、わが国におきましても、宇宙開発で人工衛星を打ち上げて、通信関係はもちろん、あるいは科学的な観測をする、あるいはまた航行の関係、気象の関係、あるいはさらに測地、個々のいろいろな目的あるいはねらいがあってやっております。それのみならず、波及効果というものは、さっきから森委員からいろいろ御質問がありました。さっきまた法案の修正の説明に立たれた石川衆議院議員からも、るる波及効果の点を述べられていました。この波及効果、いわゆるスピンオフとかフォローアップとかいう、これは絶大なものでありまして、それによってその国の科学技術の水準というものが著しく上がっていく、その効果だけでも偉大なものがある。それを、外国から技術を持ってきて、ただ打ち上げてもらいさえすればいいということじゃ、その国の科学技術の水準の向上をはかることはできないというのでありまして、目的は直接の目的だけじゃない、そういう波及効果も偉大なものがありますので、私は決して字で書いてないからといって目的不在でなくて、目的があり余るほどあると、かように思っております。
#76
○森中守義君 それはまた目的がなくちゃ多額の国費を使おうというのだから、たまったものじゃありません。しかし、そういうように報道機関等はことさらに注目をする。内容はやっぱり一読に値しますよ。逆な意味から言えば、しっかりやれ、こういうような意味もありましょうから現状には満足しない。やり方がうまくないのだ、そういう意味ですよ。
 そこで四十六年の実験衛星あるいは四十八年の静止衛星というのはどういうことですか。要するに学術研究の限界にとどめるということですか。それ以上に何を求めようというのですか。
#77
○国務大臣(木内四郎君) お答えする前に、新聞報道関係その他が非常な関心を持って見ておると、これは私は非常に喜ばしいことだと思うのです。今日科学技術が非常に進歩してきておる。その科学技術の進歩の恩恵には、国民がいやというほど十二分にこの恩恵に浴していながら、科学技術の重要性というものに対する関心と認識が、ややもすれば足らぬ際でありまして、そういう意味から言いましても、報道関係がいろいろな方面から批判をする、また要求をされる、これは非常にけっこうなことでありまして、これによって国民の科学技術に対する関心が高まり、そうして科学技術の水準もだんだん上がっていくように各人努力することになるだろうと思います。
 それはそれといたしまして、いま御指摘の四十六年の電離層の観測あるいは四十八年の実験用静止衛星の打ち上げ、これは科学衛星ではないのであります。科学衛星は、東大などでもって打ち上げている科学研究のためにやることでありまして、これはあくまで郵政省が研究しております目的にある打ち上げでありまして、だから詳細なことは局長のほうから御説明させていただきます。
#78
○政府委員(石川晃夫君) ただいま森中先生からのお話の、四十六年なり四十八年なりの衛星はどういう目的を持っているかというふうな御質問だったと思いますが、四十六年につきましては、予定といたしましては、電離層観測衛星、四十八年におきましては実験用の静止通信衛星というものを目標にしているわけでございます。いずれにいたしましても、まず当初私たち当面の最終目的といいますものは、この四十八年の家験用の静止通信衛星というものを考えたわけでございまして、この四十六年に上げます電離層観測衛星というものによりまして四十八年につなごう、この技術を四十八年に生かしていこうというのが当初のねらいであったわけでございます。しかし、この当面の最終目標と申しましても、四十八年におきましてこれで宇宙開発はおしまいというわけではございませんでして、これは、これからが初まりでございまして、四十八年におきまして実験用の静止通信衛星を用いましたいろいろな実験データなり、あるいはそういうものによりましてなるべく早くこれが実用できる体制に持ち込みたいということでございます。したがいまして、この四十六年の電離層観測衛星も、目的といたしましては、電離層の観測というような内容のものも含んでおりますが、やはりある面におきましては、実験用の静止通信衛星の足がかりというふうになるわけでございます。さらに、四十八年に上げます実験用の静止通信衛星は、その後の実用衛星、すなわち通信衛星あるいは気象衛星、測地衛星、航行衛星、こういうものにつながるわけでございます。
#79
○森中守義君 もう少し具体的に、実用段階に入っての態様ですね、実際どういうような状態を予想するのか、いまの御説明だけではあまりばく然とし過ぎて、どういうようになっていくのかよくわかりませんよ。もう少し具体的に言ってみてください。
#80
○政府委員(石川晃夫君) 今後これをどういうふうに利用の段階まで持っていくかというような点につきましては、現在宇宙開発委員会においてその計画を策定中でございます。しかし、現在の当面計画しております四十六年の電離層観測衛星というのは、これは電離層のいろいろな電波伝播についてのデータを得よう。あわせて、将来の通信衛星の足がかりとして地上との通信装置の開発、そのようなものを考えているわけでございます。
 それから次の実験用の静止通信衛星でございますが、これはいわゆる実用の通信衛星としてのその前段階の実験でございまして、この中にはUHF、SHFあるいは準ミリ波、ミリ波、こういうような周波数を使いましてどのような通信を行なうか、あるいはどのような通信回線を設定できるか、このようなことを実験いたしますと同時に、将来考えられます放送衛星の足がかりにもなるというふうに現在考えられるわけでございます。
#81
○森中守義君 非常にはっきりしてきました。それで、通信衛星あるいは放送衛星ということは、明らかに一種の企業あるいは商業的に利用する、いまのインテルサットみたいにですね、その段階まで発展をするということですか。
#82
○政府委員(石川晃夫君) この利用の形態につきましては、今後まだまだ宇宙開発の段階において検討しなければいけない問題だと思います。しかし、やはり放送なりあるいは通信というものは、現時点におきましても、地上においてすでにそのような通信網なり放送網というものはできておりますので、それとのからみ合わせにおきまして、それの政策内容につきまして、あるいは利用を含めましての政策につきましては、所管の官庁において検討されるものだと存じております。
#83
○森中守義君 いや、しかし、そういうことであれば、これはもう非常に作業が分離されたようなことで、事業団それ自体にずいぶん疑問を持つのですよ。究極の目的は、結局、社会において利用する、公共に資するということでしょう。そういうことでしょう。そうではなくちゃならぬと思う。だから、さっき言うように、単に学術研究の段階にとどまるのか、それがそうじゃなくて、広く社会や国家のために、じかに利用できるところまで発展をさせるかという、こういうことをお尋ねしたわけですが、いま放送衛星あるいは通信衛星ということで、ほぼはっきりしてきました。そこで、そうなると、さっき森さんの言われる問題にぶつかってくる。つまり、この前の国際会議において、一体インテルサットのワク内にあるものは、各国における打ち上げは、これは現状においてはできない。全部そのワク内においてやれと、こうなっておるのですね。その辺のことが吹き抜けていなければ、もうこれはあくまでも学術研究の域にとどまっていて、それが通信衛星であろうと、あるいは放送衛星であろうと、いわゆる利用段階、実用段階には発展しかねる。それで、ロケットもできた、星もできた、しかしそれはあくまでもできたということであって、宝の持ちぐされになるという可能性が生まれてくるのじゃないか。それと、さっきちょっと聞いておりますと、東南アジア一帯にこれを及ぼすのだと、こういうことのようですけれども、そういう話ができているのですか。
#84
○政府委員(石川晃夫君) 初めに、あとの御質問についてのお答えでございますが、東南アジアについては、別にそのような話し合いはできていないわけでございますが、先ほども森先生の御質問で、大体地域というのはどの程度カバーするのかといりことで、大体日本の場合の地域衛星というものは大体そのあたりをカバーするものを地域衛星というふうに考えるというふうにお返事したわけでございます。
 それから初めの、学術研究にとどまるのか、あるいは利用の問題かという点につきましては、森中先生から御指示ございましたように、確かに私たちは、学術研究のみではなくて、これは一般社会にも、両方にこの宇宙開発というものが波及されるということは当然でございまして、宇宙開発のいわゆるメリットといたしましては、学術研究にも使うということ、さらに一般利用にも使う、こういうような点が十分考えられているわけでございまして、さらに波及効果あるいは国の権益の増加という点もあわせ考えておるわけでございます。
 インテルサットとの関連性でございますが、このインテルサットは、御承知のように、いわゆるグローバルシステムとして国際間の通信を行なおうということでございまして、先ほどの、各国はワク内で行なうべきであるという御説明を申し上げましたが、それは、インテルサットに参加している国が、その国のインテルサットと競合しないという範囲で行なうわけでございますが、しかし、参加している以上はインテルサットの利用というものが十分できるわけでございます。したがいまして、各国といたしましても、インテルサットに加盟している以上は、当然これらの利用もいたしますし、そのインテルサットでカバーできないか、あるいはインテルサットを使うよりもより利益のあるもの、こういうものに対しては当然それぞれの国々においてこの衛星通信というものが行なわれるものと存じております。
#85
○森中守義君 そうしますと、こういうように理解していいのですね。インテルサットに入っておる、しかし、日本が打ち上げた場合、自国にのみ利用する場合には、それとは無関係に利用できる、こういうことですか。
#86
○政府委員(石川晃夫君) このインテルサットの問題につきましては、所管が郵政省でございますので、詳細につきましては郵政省のほうからお答えがあるかとも存じますが、考え方といたしましては、また、現在インテルサットの会議において議題にのぼっておりますのは、国が自分の国のために使うというものについてはそれほど反対もないし、また支障もないというふうな話でございます。
#87
○森中守義君 そこですよ。私は、日本が日本一国のために宇宙開発をやる、あるいは衛星を打ち上げるということになると、ちょっとこれはコストが高過ぎるというか、何も計算勘定で言うわけじゃありませんが、少しもったいない。そうなると、これはただ科学技術庁がその立場からのみ見ていたのでは、私はほんとうの宇宙開発にならない、人工衛星の打ち上げにならぬと思いますよ。で、いま、いやインテルサットは郵政の所管だから、そちらのほうからということなんですけれども、しかし、事業団というのは関係各省庁等が一緒になってつくろうというのでしょう。そういうことであれば、技術庁は技術庁の立場から開発するのだ、そういう一つの希望、目的を持っておるんだでは、これはやはり総合的な判断にはならない。私は、どちらかというならば、日本が一国のために衛星を打ち上げる、そのためにものすごい税金を使うというならば、これは考えものだ、そういうふうに、極端な言い方をすれば思うのですよ。やるならばやるように、どこの国もわが国の打ち上げた衛星というものが共用できるような、利用できるような、そういう開発体制をとらなければ、ただもう、よそがやったからおれのほうもやる、よそができるのだから日本のほうもできないことはない、そう肩をいからしてみても、ほんとうの成果、あるいは効果というものは、結果においてどうだろうかというように思うのですね。なるほどインテルサットは郵政の所管であるかもわからぬけれども、しかし、ここでいわれておる宇宙開発というものは、さしずめ通信衛星であり放送衛星というものが現状においては究極の目的でしょう。それを一国のためのみに使う場合にはインテルサットも許容されるであろうということでは、何回も申し上げるように、少しぜいたく過ぎやしないか。それならば、まず、上げても国際協力ができるように、そういう体制をとるには、むしろインテルサットとの関係をもう一度整理してみる必要があるのじゃないか、こう思うのですが、間違っておりますか。
#88
○政府委員(石川晃夫君) このインテルサットの問題につきましては、先ほど申しましたように、所管は郵政省でございますが、先般行なわれましたインテルサットの会議におきます代表団の意見というものにつきまして、私たちも将来の事業団発足後のいろいろな関係もございますので、インテルサット会議に臨む点につきましては郵政省と十分協議いたしまして、国の態度というものを決定したわけでございまして、決して郵政省だけ、科学技術庁だけというものではないわけでございまして、それはもう先生のおっしゃるとおり、非常に連絡をよく密にしながらやったわけでございます。
 それから、今後の宇宙開発につきましては、衛星の開発というものは、やはり日本のみならず、国際的あるいは地域的にも相当技術的にも使えるものでございます。したがいまして、私たち決して国内の利用ということだけにしぼっているわけではございませんのでして、その趣旨につきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように、すべてわれわれの考え方というものを広く考えているわけでございまして、その点につきましては、今後の事業団の運営につきましても、十分それを考えながら進めていくべきであろうと感じておる次第でございます。
#89
○森中守義君 いまの究極の成果と利用については、これはまだもう少しこの委員会で掘り下げをいたしましょう。
 そこで、大学あるいは国立試験研究機関ですね、こういう、かなりの数の現在の研究体制がありますね。これは、あれですか、どこでもここでも事業団に全部集中するということですか。
#90
○政府委員(石川晃夫君) この宇宙開発におきます考え方といたしまして、このたび事業団というものの構想を出したわけでございますが、これは、研究開発、利用という面の技術の開発におきましては、そういうような段階を踏んでいくわけでございますが、その開発部門を受け持つのがこの事業団でございます。したがいまして、大学におきます基礎的な研究あるいは先行的な研究というものは、この開発という段階にそれまでも取り込みますと、かえって内容的に複雑になってくるというような考えがございます。これは、開発と申しますのは、やはりある一つの目的をつくりまして、ある機関の中にいままでの研究とかあるいは実験の成果というものをまとめてそこに集中いたしまして、実用の段階まで持っていく、こういうのが開発の仕事でございます。したがいまして、この研究というものは、中には、直接その開発に役立たないもの、将来の長い目で見た研究としては学術の進歩という面につきましては非常に役には立ちますが、当面開発という段階においては、すぐにそのまま移せないものというものもございますし、また、その研究をさらに実験なり何なりを繰り返しながら、この開発というスケジュールの中に盛り込まないといけないというものもあるわけでございます。したがいまして、大学並びに国立試験研究機関におきます研究というものは、一応今度の事業団のワクからははずしておりますが、この開発いたします段階におきましては、その成果を十分に生かして行なうという意味におきましては、大学なり国立研究機関とは密接な連絡をとりながらやっていくということを考えております。
#91
○森中守義君 なかなか、密接という表現があまり微妙だから、何とも言えませんが、「実用衛星の実現を目指して」という、技術庁の四十三年十二月の、これは現在でも生きているのですね。
#92
○政府委員(石川晃夫君) 内容におきましては、たとえば予算とか、こういうものにつきましては変更のあったものもございますが、基本的な考え方については、このとおりでございます。
#93
○森中守義君 これの十一ページの「プロジェクトチームの編成」、私はいまそれをさしたわけですが、これからいけば、システム、設計、開発、試験、打ち上げ、全部事業団に集中しているわけですが、あと、さっきお尋ねした、大学あるいは各研究機関等というものは、必要なデータ、そういうものを体系的に吸収するという意味ですか。
#94
○政府委員(石川晃夫君) おっしゃいましたように、体系的に吸収ということもございますし、また、開発事業団の中に、いわゆる役員あるいは職員というようなかっこうで、その研究の成果を持ち込むというようなこともされるわけでございます。
#95
○森中守義君 そうなると、しょっちゅう人間の出入り等は必要においてするということになるのですか。さっきのお答えだと、たとえば郵政は二十三名とりっきりになって――郵政に基礎研究部門が残るものは知りませんよ。それはあとで郵政に来てもらってからの話ではないとわかりませんが、方々から人をとるのでしょう。それで、大学なり各研究機関にはそれぞれ研究部門というものは残っているわけです。そこで、新しく研究された成果というものをとる場合もあるし、人を入れる場合もあるということになると、事業団の人事というものは、絶えず新しい段階にエスカレートするたびごとに入かわるという可能性がある。そういうことですか。
#96
○政府委員(石川晃夫君) 本質的な考え方といたしましては、この宇宙開発事業団というものが、当初、先ほど申しましたように、百五十一名ということでスタートするわけでございますが、これは将来、計画としてはさらに大きなものになると考えておるわけでございます。人数も相当ふやさなければ、今後のNロケット、さらにそのあとに続く新しいロケット、あるいはさらに新しい通信衛星、放送衛星の開発ということが不可能かと存じておる次第でございます。したがいまして、こういう大学あるいは国立試験研究機関からら来てくださる方々が、できますればそのままその開発の仕事ということを続けていただくことがきわめて望ましいわけでございます。しかし、中には、やはりある時点におきまして、この開発に伴います、いわゆる開発をやっております途中において種々研究を必要とする内容のものがあるわけでございます。そのような場合におきましては、これは大学あるいは国立試験研究機関にその研究をお願いする場合もございますし、また、それに直接タッチしている方にそういう研究機関なりに帰っていただいて、そこで十分その成果をあげていただくということも考えられるわけでございます。
#97
○森中守義君 もちろん、すべてが学術的な研究というものを上台にしているわけですから、何もきちんときまったものどおりにいかぬということは、それはわかるのですが、しかし、一口に言うならば、大学にしろ、国立の試験研究機関にしろ、やはり研究体制としては、そういうところはそういうところへ残っておる。したがって、研究の成果というものを事業団のほうで吸収するとか、場合によっては人をふやす、入れかえをする、そういう流動性を持っているというように理解しておけばいいんですか。
#98
○政府委員(石川晃夫君) そのように考えていただいてけっこうでございます。
#99
○森中守義君 それから、ロケットメーカー、誘導制御装置メーカー、これがそれぞれのチームをつくっていますね。総合組み立てメーカーが四段階に分かれております。ロケットの場合、第一段ロケットメーカー以下四段階に分かれているのは、具体的にどういう商社を言うのですか。
#100
○政府委員(石川晃夫君) 現在私たちが考えておりますQロケット並びにNロケット、これは大体四段の組み立てになっておりますので、ここに書いてございますように、第一段から第四段までと分けたわけでございます。しかし、このロケットメーカーの発注につきましては、時期的には事業団が発足したあとになると思われるわけでございまして、この決定は事業団において行なうということになるかと存じます。
#101
○森中守義君 あとの制御メーカーも同じですね。
#102
○政府委員(石川晃夫君) 同様でございます。
#103
○理事(矢追秀彦君) 速記をとめて
  〔速記中止〕
#104
○理事(矢追秀彦君) 速記を起こして。
#105
○森中守義君 そのメーカー関係というのは、何か民間で開発委員会かなにかできていますね。いつだったか私はちょっと新聞で見たことがあるのですけれども、たとえば東芝とか日立とか、そういう弱電メーカーが集まったのがあるでしょう。そういうものが大体メーカーの主体になるのですか。
#106
○政府委員(石川晃夫君) ロケットメーカーの集まりといたしましては、経団連の中で宇宙開発推進会議というのがつくってございまして、それに参加している会社のことをおっしゃっているんではなかろうかというふうに存ずる次第でございます。これには、ロケットメーカー、電気メーカー、いろいろ宇宙開発に関係あるメーカーが入っての会議でございます。
#107
○森中守義君 そうしますと、実際問題として発注等は事業団発足後ということはわかりますが、いまの構想としては、こういうメーカーも事業団の出資者の一員になるのですか。
#108
○政府委員(石川晃夫君) 事業団法の中におきましては、そのような民間からの出資ができるという条項は入っているわけでございます。したがいまして、出資する道が開いてあるわけでございますが、現在のところ、それぞれのそういう宇宙開発に関係あるメーカーから多額の出資ということは考えていないわけでございます。
#109
○森中守義君 いやいや、いま考えていなくても、たとえばNHKとか、あるいは電電公社とか、こういうところは出資者のうちに予定しておりますね。しかし、実は公式な見解じゃないけれども、すでに私はさっきから言っている、一体通信衛星か放送衛星を上げた際に何ほどの恩典にあずかるのか、こういう意見が多少その部門にはあるようですね。出資金を出しても、これははたして恩典にあずかることはないのじゃないですか。つまり、インテルサットの関係ですね。その辺のことが、正確にインテルサットに成功しておらなければ、ただ、開発をした、打ち上げはやった、しかしそれまでじゃないか。あるいは打ち上げができないかもわからない、インテルサットの関係で。それは郵政のことだというので、意外に技術庁は人ごとのように言われますけれども、結局、究極の問題は、それに私は行きついていくと思うのですよ。それで、インテルサットが暫定協定から本協定に移る際に、各国がおのおの打ち上げられたのではぐあいが悪いから、もし打ち上げたならば全部インテルサットのワクの中に組み込むという、こういうことになった際に、つまり自主開発、自主打ち上げ、自主利用ということは否認をされる立場に立ってくると思う。これは私は、技術庁はあずかり知らぬ、インテルサットは郵政のことだというので済まされぬ問題だと思う。おそらく郵政がインテルサットに関係していても、これからさらに、へたしていると事業団に移るのじゃないですか。そういうことから、おれのほうは、法律上拘束を受けるならばしかたがないのだけれども、いまにわかに出資しても、どうなるのか見当がつかぬのだということで、出し渋っているという話もあるのですね。こういう速記をつけた公用の席上でこういう非公式の話をしていいかどうかわかりませんが、そういう声はちらちらありますよ。そうなると、おそらく、ロケットメーカーあるいは制御メーカーでも、何がしかの発言権を持ちたい、ことに受注をする場合、何か多少とも歩どまりのいいものにしたいというならば、進んで出資をさしてほしいということになるのじゃないですか。そういう意味で、法案の中で道が開かれておる、ただ、いま予定していないというだけのことであって、ある程度腹案を持っているのじゃないですか。
#110
○政府委員(石川晃夫君) ただいまお尋ねの件でございますが、この宇宙開発は国の一つの大きなプロジェクトとしてやったゆえんのものの理由の中に、なかなか一般の企業のように採算がとれないというようなこともございます。したがいまして、民間の出資を求めましても、毛頭民間のほうで進んでこれに出資をしようというようなところはないと存ずる次第でございます。したがいまして、私たちとして、民間からかりに出資していただくといたしますと、それは将来、この宇宙開発というものに関係するメーカーとして、協賛的な、協力的な意味合いにおきましての出資ということにとどまるものと存じておる次第でございまして、また、NHKあるいは電電公社、こういうところの出資でございますが、これは将来、通信衛星あるいはこれが国内的あるいは地域的な通信衛星、あるいは国内的あるいは地域的な放送衛星というものを上げて利用の段階に移る時点においては、当然、NHK、電電公社というものもこれに関与することになるわけでございますので、その意味合いにおきまして、今回、この事業団法の中におきまして公社法並びに放送法というものの改正を合わせまして出資しやすくしたわけでございます。
#111
○森中守義君 要するに、現在は、メーカーに分担をしてもらうという計画、めどを持っていないということだけであって、法案上はその道が開かれているのだから、必要があれば出してもらう、しかし、進んで出すものはいないだろうと、こういうふうに、整理すればなるということですね。
#112
○政府委員(石川晃夫君) まあ、考え方としてはそういうことでございまして、私たちも、将来の宇宙開発というものから考えまして、できるだけ協賛出資ということをお願いしたい、額もあまり大きな額になるとは思いませんし、たぶん一億以下という額にとどまるのではなかろうかというふうに存じております。
#113
○森中守義君 私は専門家でないからよくわからぬけれども、大体どのくらいの時限で一定の開発を軌道に乗せるのですか。それに必要な予算はどのくらい見込んでいるのですか。たいした金じゃないと言われるけれども、相当な金じゃないのかな。
#114
○政府委員(石川晃夫君) 現在、その経費等につきましては宇宙開発委員会において検討を進めているわけでございますが、当面の私たちの試算といたしましては、Qロケットにつきましては、これは当面は電離層観測衛星になるわけでございますが、大体それまでに五百億というふうに考えております。それからNロケット、これを上げる時点におきましては千五百億程度必要となるというふうに考えております。
#115
○理事(矢追秀彦君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#116
○理事(矢追秀彦君) 速記を起こして。
 では三時半まで休憩をいたします。
  午後三時四分休憩
     ―――――・―――――
  午後三時三十分開会
  〔理事矢追秀彦君委員長席に着く〕
#117
○理事(矢追秀彦君) ただいまから委員会を再開いたします。
 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
#118
○理事(矢追秀彦君) この際、連合審査会に関する件についておはかりいたします。
 宇宙開発事業団法案について逓信委員会から連合審査会開会の申し入れがございました。これを受諾することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○理事(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会の開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○理事(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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