くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第11号
昭和四十四年七月四日(金曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                平島 敏夫君
                竹田 現照君
                矢追 秀彦君
    委 員
                岩動 道行君
                永野 鎮雄君
                船田  譲君
                矢野  登君
                森 元治郎君
                大和 与一君
                向井 長年君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        平泉  渉君
       科学技術庁長官
       官房長      馬場 一也君
   参考人
       東京大学地震研
       究所所長     森本 良平君
       東京大学教授   佐藤 泰夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (地震研究の現状と地下核実験の探知に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから、科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 本調査の一環として、わが国における地震研究の現状と地下核実験の探査について意見を聴取するため、東京大学地震研究所所長森本良平君及び東京大学教授佐藤泰夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(宮崎正義君) 速記を開始してください。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(宮崎正義君) 参考人の方々には御多用中にもかかわりませず、本委員会に御出席くださり、まことに感謝にたえません。ありがとうございます。
 地震研究あるいは地下核実験の探査について御質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○森元治郎君 本日の委員会は、私が委員長にお願いをして、参考人の方においでを願ったわけであります。
 私が伺いたいと思う根本の趣旨は、かねがね日本は、地震の研究では世界の一流、AクラスのAである、したがって、地下核実験のようなものの探知も十分にやれる国だというふうに聞いておりました。また、きのうのジュネーブの軍縮委員会で朝海代表もそういう趣旨の発言をして、地下実験などの識別のデータを分析して、地下核実験の探知に大いに貢献し得る地理的にたいへんいい位置にある日本であるというような発言もありました。ところが、実際に新聞などを見ておりますと、ときどき、ストックホルム、イギリス、アメリカなどから、中国の奥のほうであるとかシベリアあたりで大きな核実験が行なわれたらしい、そうして中には、何メガトンくらいの大きいものであるとか、小さいとか、そういうことまでも新聞に発表をされております。私は、日本も当然、それほど力があるならば、何かそういう地震を観測所で感知した場合には発表でもするんではないかと思うが、一向に発表がない。あるいは、そういうデータを持っていても、政府のほうからの何かによって、発表はしないでおいてくれと言われておるのか、いずれにせよ、日本はさっぱり黙っておるというので、これでは一体ほんとうに日本は力があるのかないのか、あるとすれば、どのくらいあるのだろうというような疑問がわいたので、権威ある方々のおいでを願って質問をするわけであります。
 こういう背景で伺うのですが、まず、日本は、かかる大きな地震あるいは人工地震の核実験などを探知できるような実力があるのでしょうか、あるいは頭の中ではあるが、設備がない、ある条件が整って体制ができればそれは負けないのか、その辺のところから伺ってみたいと思います。
#7
○参考人(森本良平君) ただいまの御質問にございます日本の地震学者と申しますか、あるいは日本の地震研究機関の相当数の者と申しますかが、そういうただいまの御質問のような地下核爆発、そういうようなものを探知する能力があるかないかという御質問でございますが、私は、その能力は十分持っておると思います。その一つの例といたしましては、特にこの核爆発探知とか、そういうようないろいろの問題があります国におきましては非常に地震学者の養成に力を入れておることでありまして、そういうところから、しばしば日本の私どものところの研究者も要請をされて、つまりひっこ抜かれるというようなことがございます。そういうことからも、実際に日本人に十分能力があることは間違いございません。
 それから、ただ、先ほどございました、日本でなぜそれではそういうことを言わないのかと申されますけれども、私ども地震学をいたします者は、自然の地震の研究が主たる目的でありまして、人工的な地震を使う場合にも、地殻の構造、地球の内部の構造を知ろうとする目的のために人工の地震を使うということはございますけれども、それ以外のことを直接の研究のテーマとしておりませんので、したがって、そういうことに関してあまり発表をしない、そういうことではなかろうかと思います。
 では、どういう機械を持ちましてどういう施設を持ちましたならばできますかということにつきましては、私は直接の地震波動の専門ではございませんので、その点につきましては、同席いたしました佐藤教授からお答えをしていただきたいと思いますが、もう一つ、そういう非常に遠隔地でもそうでございますが、非常に感度の高い地震計をもってその地震を非常にこまかくはかっていくということは、地震学の研究そのものの必要からも着々と整備しなければならないところでございまして、そういう方面も努力いたしておりますので、そういうものが何度かあればひっかかってくるということは当然でございます。そういうのが現在のところでございます。
#8
○森元治郎君 自然の地震の研究をしておられるのでありまして、いわゆる地下核実験のほうなどに気をとられない。しかし、地震の波動というものは、備えつけの地震計にも、もしりっぱなものであるならば、ひっかかってくるんだろうとしろうとで思うのですが、そのデータは捨ててしまうのですか、どうするのですか。
#9
○参考人(佐藤泰夫君) お答えいたします。現在の地震学の観測技術からしまして、世界のどこで起こった地震でも、また、世界のどこで観測することも、ある程度以上大きいものであるならば、きわめて容易であります。したがって、アメリカといわず、スウェーデンといわず、また日本といわず、世界のどこでもそれは可能でありますし、現在行なわれております。
 それで、資料は捨ててしまうかとの御質問に対しては、もちろん、資料はとってございます。参考資料として差し上げました大きい封筒のほうに入っております3と4を見ていただきたいと思いますが、3のほうは中心に「TSUKUBA」と書いてございますが、これは東京大学地震研究所所属の観測所のある茨城県筑波山であります。そこに設置されました地震計によって観測された地震計の記録を、たいへん小さくてごらんになりにくいかもしれませんが、複製しまして、それぞれの場所から線を引いて四角い箱の中に書いてございますのが、それぞれのところで観測された地震計の記録でございます。
 それからついでに資料の4を見ていただきますと、いずれもカザックでございますが、左は東カザック、右は中央カザックで起こりました地震の記録でありまして、左側は、これは核爆発によるものでありまして、右側は自然地震によるものであります。それは私どもにはっきりわかっているわけであります。
 また3に戻りますというと、上の二つの四角で太い線で囲みました二つの地震が核爆発によるものであるということが推定され、おそらくその推定に間違いはございません。で、その二つの四角のうち右側のほうは、それはノバヤゼムリヤで行なわれた核実験でございます。ノバヤゼムリヤと申しますのは、資料1の地図で右上の端でございます。右のほうから三センチくらい、上のほうから四センチくらいのところにあります細長い半月形をした島がノバヤゼムリヤでございますが、ここで行なわれた核実験であることにほとんど間違いございませんし、また、3の資料の二つの四角のうち左側のものは東カザックで行なわれた核実験によるものと思うのでありますが、これらはいずれも、地震研究所に設置されました地震計によって検知され、それによって、自然地震と区別して間違いなく核爆発によるものであろうと推定されたものであります。
 推定の根拠は二つございまして、一つは、その場所によるものであります。この資料1をごらんになりますと、黒い点が地震の起こったところでございますが、それでおわかりになりますように、地震の起こる場所というのはきわめて極限された帯状の地域にかたまっております。ノバヤゼムリヤのごときところは、十年観測しても地震はまず一つも起こりません。ということは従来の経験からわかっております。そのようなところに一カ月に一回あるいは一年に何回かの相当大きな振動を発生する事柄が起こったといたしますと、それが人工の爆発によるものであることはほとんど疑いをいれないところでございまして、私どもが発表しているかいないかにかかわらず、十分検知されて、資料はとってございます。
 で、カザックの地震についても同様でありまして、資料4をごらんになりますと、カザックは自然地震も多少あるところでございますので、人工のものと自然のものとを区別することは、ただ場所によってきめるということは多少困難でございますけれども、やや専門的になりますのでいまは省略させていただきますが、左右二つの図のうちの上のほうの図は、一番上はこれは時間のマークでありますから別でありますが、二つ目のぎざぎざしたカーブのうち、右側では非常に大きな振動があるにもかかわらず、左側では振動はあまり見えておりません。それに反して、その次のCH2と書いた図では、左側のものでもかなりはっきりとした何ものかがあらわれております。もちろん、右のほうでも、P及びpPと書きましたところにはっきりした振動があらわれておりますけれども、上下二つを比べてみますと、左の記録については二番目のCH2というほうが非常に明らかになっております。それに反して、右側のほうではCH2のほうがはっきりとしておりまして、CH2よりもはるかに明瞭度においてすぐれております。こういう違いは、現在、自然地震と核爆発による地震の違いであると考えられておりまして、こういったような波の記録を見た場合に、その性質のいかんによって、また、その振動がどこに発生しているかということを組み合わせるならば、現在の知識でもって相当確実に核爆発を検知することが可能であると考えられております。ただし、非常にたくさん自然地震が発生するそのまっただ中でわざと核爆発が行なわれたような場合には、発生場所による検知ということは多少困難になりますから、したがって、技術的な面に依存する点がかなり強くなるかもしれませんけれども、それにしましても、資料4に見られる波の特徴のような点に着目するならば、十分にそれが行なわれ得るものであると考えます。
 以上です。
#10
○森元治郎君 これだけのものがちゃんと出ているのだから、しかるべき機関で、何ら手を加えないで、あるがままに公表されてもしかるべきだと思うのですが、先生方の直接の関係ではないからこれはさておきますが、いわゆる地震の大きさをどういうふうな表現ではかりますか。自然地震にあらざる「Explosion?」と書いてありますが、爆発だと思うのは、どのくらいの大きさのものなんでしょうか。ここに 「Fig 7」 としてあげているのは、どのくらいの大きさのものを言っているのでしょうか。
#11
○参考人(佐藤泰夫君) 7とおっしゃいましたのは、資料4の東カザック……。ここのカザックという字の下に「m=5.3」と書いてございますね。それから右のほうの図について言うならば「m=5.4」と書いてありますが、 このmというのが地震の規模、大きさをあらわす指数でございまして、したがって、ここに書かれました二つの地震は、一方が自然地震、一方が人工の核爆発でございますが、ほぼ同じ大きさと見てくださってけっこうであります。
#12
○森元治郎君 このmはいわゆるマグニチュードのmですか。これがいわゆる何メガトンとかなんとかいう、見たごとも聞いたこともないから、すっとんきょうかもしれませんが、広島のような程度のものなのか、これは大きいものなのか、どんなふうに先生方は感じられますか。
#13
○参考人(佐藤泰夫君) 最初の広島の原爆はきわめて小さいものでございまして、とうていこれに匹敵するものではございません。それからmの五・三とか五・四というのはどの程度になるかと申しますと、二、三年前に世の中を大いに騒がせました松代地震の最も大きいのは五とか五・一とかいう程度のものでございます。それから、何メガトンとか何十メガトンとなりますと、これよりもっと大きい規模になりますけれども、現在、放射能が空中に漏れるような種類の爆発は禁止されて、行なわれていないはずであります。で、そのような何十メガトンともなりますと、よほどの穴を掘りましても、爆発力のために上に抜けますので、穴があいて放射能が空中に漏れますので、したがって、そのようなことのない範囲と申しますと、メガトンにはちょっと達しないくらいだろうと思います。したがって、ここに書かれましたm五・幾つという程度のものは、広島程度の原爆よりは相当大きい、しかしメガトンには達しない程度、そうして深く穴を掘るならば上には突き抜けない程度の地震、しかし松代地震の最も大きなものには匹敵するものとお考えください。
#14
○森元治郎君 こういう記録は機械が自動的に記録するのでしょうから、東大の地震研究所で記録したものと、海外の、ときどき新聞紙上に発表されるもの、あるいは学会雑誌の交換もされているでしょうから、対比して見ますと、合っておりますか、いかがですか。
#15
○参考人(佐藤泰夫君) 地震計の記録というのは、記録される場所にかなり左右されまして、細部にわたって比較するならば合わない点がございますが、それは合わないほうが普通なのでありまして、そういう点を除きますならば、違いはない、合っているという表現がよろしいかと思います。
#16
○森元治郎君 きのう朝海代表は、国連で、日本が地理的位置にかんがみ有益なデータを提供することができるのでデータ識別に貢献ができると発言していますが、「地理的位置にかんがみ」というのは、南北に長いということですか、地質構造というか、地殻構造というか、どういうことを言うのですか。
#17
○参考人(森本良平君) 場所的に、つまり、現在核爆発を行なっておりますところにほかの国よりは近いということもございますが、地質学的には、こういう精密な観測をするためには、地質の一様な、しかもかたい岩盤のところがほしいということになりますと、日本の場合でございますというと、非常に構造が複雑でございまして、また、いろいろな人工的なノイズでありますとか、そういうものも入るところがございますので、場所の選定の上では、そういう広いところ、安定した広いところを期待するということでは、必ずしも有利ではございません。一つの例を申し上げますと、地震研究所の観測所が広島県の白木というところにございますが、そこに観測所を設けました一つの理由は、まわりが花こう岩でできておりまして、そしてわりあいに、五キロ四方とか、そういう程度のところが一様な岩石でできておるということを確かめました上で置いております。そういうところは、むしろ、大陸とか、一様な岩石が広大に発達しておるところ、いわゆる安定大陸というところのほうが都合がいいわけでございます。しかし、いわゆる地理学的な位置というものが、そういう観測点を置ける国の中では特異なところでございますので、そういう意味で申しておると思います。
#18
○森元治郎君 世界で地震の波動の研究などをやっている一流国は、地震の多い国、あるいは地震がなくても高度の科学的な水準の国だろうと思うんですが、隣の朝鮮半島、シナ大陸、シベリアというものなどは、地震の研究に適する地理的な条件、地殻、地質の好条件にあるのかどうかをお伺いいたします。
#19
○参考人(森本良平君) ただいま申し上げましたような観測の地点の場所が、まわりの騒音とか、いろいろな雑音――ノイズと申しますけれども、そういうものに影響されないようなところという意味であるならば、朝鮮でもあるいは沿海州でも、そういう観測点を置くことにちっとも支障はないと思います。
#20
○森元治郎君 ノイズと地震とどういう関係ですか。
#21
○参考人(森本良平君) 地震計を置きましたときに、識別はできるんでございますけれども、できるだけ静かな場所が望ましいわけでございます。それは、音もありますし、あるいは電気的な、たとえばまわりに電車が通るとか、電気的なものでも困りますけれども、つまり人里離れた静かなところであることが望ましいという場合がございます。そういう場合には、そういうことから隔絶された地中に深く埋めまして、そして一様な地震計を――地震計の記録と申しますのは、その置きました場所によっていろいろ左右されますので、一様な岩石が分布しておって、しかも、いろいろな雑音の入らないというところが期待されるわけでございます。そういう意味で、安定した、地盤のいいところということになりますと、何も日本でなくても、りっぱなところはたくさんあると思います。
#22
○森元治郎君 国際協力ということがうたわれておりますね、こういう面の探知に。国際協力とは、データの交換というのか、あるいは、あそこへ無人の観測機械を置いたっていいじゃないか、イギリスから見れば北海道のほうに置いてくれないかっか、そういう資料の交換とか……。どういうことを含むんですか、国際協力というのは。
#23
○参考人(佐藤泰夫君) いま言われたすべてのことを含むと思います。ただし、現実に行なわれておりますのは、資料の交換という程度です。それから、無人の地震計を設置するといったような種類のことは、考えとしては話されましたし、議論も行なわれたかもしれませんけれども、まだ実験という段階までにはいっておりません。それからまた、装置がありましても、やはり有能な人が操作しなくては間違いがあるという点では、人間の交流ということもまた国際交流の一つのあらわれとも言えるかと思います。
#24
○森元治郎君 いまから十年くらい前に、「黒い箱」と言いましたか、査察問題がうるさくなったときに、アメリカは現地に乗り込まなければ信用できないと、これに対して、黒い箱を置けばわかるんだというのが一時はやったことがあります。最近は声がなくなったが、いまお話を聞くと、たとえりっぱな機械を置いても、それは自動的記録だけでは不十分で、やはり、人がいて見るんだか、直すのだか、修正するか知りませんが、やらざるを得ないのかどうか、そういうようなブラックボックスというもの、あれから十年くらいたっておりますが、相当な力を発揮し得る機械ができておるか、つくることは容易なのであるか、この点、お伺いします。
#25
○参考人(佐藤泰夫君) たいへん容易であって何の苦労もなしにできるということはないかと思いますけれども、現在の技術と能力をもってすれば可能であると思います。
 それからまた、私が人間のことを申しましたのは、何もその装置につきっきりにしていなくてはならないという意味ではございません。やられた記録を解釈して、それがどのような意義を持つかということを判定するのには、やはり熟練した人の能力を必要とするという意味であります。
#26
○森元治郎君 お話を聞くと、たいへん相当な探知能力があるように思うのです。これは世間に出てないものだから、日本は何をやっているんだろうと、よけいな心配をして恥ずかしいような気もしますが、森本所長さんは、現在、この地震の研究に対する国の施策といいますか、あるいは研究所、あるいは関係学者の皆さんがこうしたいということは一体どういうところにあるのか、その大きな将来の夢、あるいはこういう点は直したいとか、政策上の。
 そんな点をお気づきがあったらおっしゃってください。
#27
○参考人(森本良平君) たいへん、こう、いろいろな含みが入っている御質問と申しますか、いろいろな意味のことが考えられるのでございますが、地震研究所ができました直接の原因と申しますのは、濃尾地震のときに震災予防調査会ができまして、それが関東大震災のあとで発展的に解消して地震研究所となったわけでありますが、一つには、日本という非常にこれは地震が多い場所でありまして、そこに研究所を設けまして、地震そのものの研究ということと同時に、災害の予防というような問題にも重要な目的を持って設立されておるわけでございます。しかし、最近になりまして、特に世界とのいろいろな資料の交換で、地震学の研究が全地球的に非常に行なわれるようになってまいりました。そういう意味におきまして、地震の観測機械をもって地震をはかるということは日本においてスタートしたものでございますけれども、特に戦後には、いま申しました核爆発の探知とか、そういうまた別の意味をもちまして、諸外国においては特に地震を観測するということに非常な力を入れ出してきておるわけでございます。その意味で、日本は、身のまわりと申しますか、まわりに非常に地震が多い、そのために、そのほうのいろいろな研究に時間をとるというようなこともございまして、一々外の問題に、たとえば、よそで核爆発をしたということに対しまして、それをむしろ目的としたことはいたしておりません。これは、先ほどスウェーデンあたりが非常に、小さな国であるけれども、そういうことをやっているというお話がございましたが、イギリスであるとか、あるいは北欧というところは非常に安定したところでございまして、そういうようなところでは、自分のところの地震というのは非常に少ないわけでございますので、外の外国の遠くの地震をはかるということがもう仕事の大部分になってしまうわけです。ところが、日本の場合には、国内にたくさん地震が起こって、そういうことの研究の分野は非常にたくさんあるわけでございます。
 そういうことで、最初の御質問がありましたような御不審と申しますか、なぜ日本でこういうことを発表しないのかというようなことが、一般からは不審に思われるかとも思われますけれども、そういうことは、いま申したように、やることが非常にたくさんあるがために、こういう遠くの地震だけをやるということが特に目立ってあらわれないということでございます。遠くの地震をも全部やっておるわけではございます。
 ただ、私がただいまどういう希望があるかと申しますならば、私は、その頭脳において、あるいは研究者のこれからのポテンシャルにおいて、決して諸外国に劣らないと思いますし、現にここにおられます佐藤教授もIBMのプロフェッサーとしてアメリカの大学へ招かれておられた方でありまして、そういう意味で、その頭脳流出は現にも行なわれております。私ども研究所に、教授、助教授合わせまして約二十四、五人おりますけれども、たいてい一、二名は外国へいま引っぱられて行っているというような状態でございます。
 そういうふうに外との交流が非常に激しくなりますと、われわれが非常にひけ目を感じますことは、やはり研究者の研究条件と、それから一番問題になりますのは、やはりその研究者の待遇の問題が一番問題になります。私が所長になりまして――率直にこういうところでこういうことを言わせていただくのはたいへん恐縮でございますけれども、自分の仕事だけをやっておる立場を離れまして、管理職になりまして、俸給表であるとか、そういうものに目を通しまして一番びっくりいたしますのは、非常に給与の低いことでございまして、たとえば、私どものほうの一番若い助教授の方が約三、四万円ぐらいしか、この間までもらっていなかったわけでございますが、そういう方がアメリカへ参りますというと、非常にもう、年間に一万ドルとか二万ドルとかいうものはすぐもらえて、そして十分な、安心をして、そういう意味で研究ができるということがございます。たいへんみみっちいことを申し上げましたけれども、われわれ地震研究所は、戦前からの非常な遺産と申しますか、ポテンシャルといいますか、慣性と申しますか、ある水準までぐっと上がっておりますので、そういう意味で非常に有利でございまして、世界各国を見ましても、地震研究所のように大勢の、しかもいろいろな専門家が集まった総合的な地震研究機関というものは世界でも少ないのでございますが、もし、しいてただいま森先生からの御質問がありましたことを申し上げますというと、もっと何と申しますか、ある目的を持ったということでなくて、自由に使えるという、そういう研究費をいただきたいということが一つの私の願いでございます。と申しますのは、あるテクニカルにその解決をいたしましたような問題は、これは国立の研究機関なりそういうところに移しまして、そしてその量をふやしていただく、データの量をふやしていただくということで解決してまいりますのでございますが、地震と申しますものは、まだ未知のことがたくさんございます。で、一つのたいへんおこがましい例でございますが、たとえば、こういうことをやったらいいだろうということで一つのことを進めるということも学問の一つの行き方と思いますけれども、たとえば、われわれがまだ電気を知らなかったときに、非常に明るい光源がほしいというときに、もし、その当時ありました、ろうそくをうんと拡大いたしまして、百匁ろうそくを一貫目にしていくという、そういうような会社をつくって、そして大きくいたしますということも一つの方法であろう赤とも思いますけれども、ファラデーが、何ら実用の目的とは関係のないような電気火花の実験をいたしておりましたことが、つまりエジソンの電灯の発明になりましたというような事実からも明らかでございますように、この地球内部で起こりますような、こういう原因のまだいろいろわからないような研究を発展させるためには、何か、そういうような、ある、こういうことをやれというようなことでなくて、ある意味では、研究者の生活水準を上げるなりいたしまして、ゆっくりとものを考えているうちに、たとえば霊感のように一つのいい考えが浮かんで、そうして新しい地震に対するアプローチといいますか、地震研究に対して近づいていくことが開けてくるというような可能性を残すような、そういう意味で、施設とか、そういうことのほかに、そういう研究者にある意味の余裕を与えるような、そういうことを、国なり、そういうところで考えていただきたいということを、この機会に申し上げさせていただきたいと思います。
#28
○森元治郎君 よくわかりました。
 そこで、これは佐藤さんの分野ですか、ここのページには、たまたま爆発かどうかというやっと、自然地震という表が出ておるわけですが、地震計の機械というのは、黙っていても二つが入ってくるのか、機械に別なもので入ってくるのですか。
#29
○参考人(佐藤泰夫君) 全く区別はございません。すべて一様に入ってまいります。
#30
○森元治郎君 その取り扱いですが、まず、プライオリティは自然地震のほうに与えて、あとは記録として置いておく、これをどうこう言って深く考えたり、何メガトンだろうというようなものさしではかったりするよけいなことはしないと……。
#31
○参考人(佐藤泰夫君) 別に特別にそのような選択はいたしません。私どもは研究者でございますから、研究所の必要なものでありますならば、自然地震をも扱いますし、また、人工爆発も扱います。
#32
○森元治郎君 いままでは、こんなよけいな、どこでやったかわからないような爆発のことをやられるようなことはなかったから、すべて自然地震であったわけですね。それだけ一つの仕事がふえたと思うのですよ。これをしっかりお前気をつけておいてくれよと言われれば、人員の増加も、また機械も新たに設置して、これを専門でやってもらわなければ、本来の地震学の研究は、これはディスターブされるということもあり得ると思うのですが、その間の事情はどうでしょう。
#33
○参考人(森本良平君) 現在、私どものところの宮村摂三教授が、この一日に軍縮会議の日本代表の顧問として参っておりますが、たまたま宮村教授の専門は地震の観測でございます。地震研究所に現在備えております装置は、全世界のどこでも、つまり松代地震程度の大きさのものが起こりますと、自動的に記録するようになっております。そういう機械はございますけれども、現在どういうことに使っておりますかと申しますというと、自然地震がどういう地域でどういう起こり方をするかというような方面に使っておるわけでございまして、それも、これはのべつまくなしに地震が起これば、みな書いてしまうわけでございますが、そういうものを全部とっておくということだけでもたいへんなことでございまして、そういう地震の観測をするということだけでも、維持をしていくだけでも、実はたいへんな費用がかかるような状態でございます。で、いま私どものほうといたしましては、地震予知、これは別に人工のものでございません、実際に起こる地震を予知できやしないであろうかという、その予知研究計画のための地震予知観測センターというものもそばにつくりまして、そしてここで地震の観測を行なっております。これは非常に感度のいい地震計を設けまして、非常に小さい地震をはかっておきまして、その起こり方がどう変わるかということによって、大きな地震が起こりはしないかということを推定できるのではないかなということでやっておるわけでございます。そういうことだけでもたいへん仕事の量もふえますので、地震研究所に業務として核爆発探知をいたせと言われましても、ただいまのところ、私どもがそれをやりますというお答えはとうていできることではございません。そういうことは、技術的なアドバイスは学識経験者としていたすことができますので、そういう方たちが、私どものスタッフが、学識経験者として、その核爆発探知のためにはどういうような設備をして、またどういうふうにやったらいいかということに対するアドバイスをすることは可能でございますけれども、業務としてそれをやるということは、現在の人員あるいは私どものいろいろな目的から見まして、いますぐここで、できるということは申し上げかねます。しかし、適当な国家機関においてそういうことをおやりになるということでありますならば、従来のわれわれの知識、私どもの研究所の持っております知識を全部差し上げるということにやぶさかでございません。現に、日本の軍縮代表のための地震学的な知識は宮村摂三君が供給していることでございます。
#34
○森元治郎君 東大の地震計というものは各所にあるのでしょうが、こういうものの一つのセットといいますか、そういうような費用はどのくらいであるかということと、今度は、無人観測所のようなもの、核爆発専門、人工地震、そういうもの専門に探知するようなものはどのくらい金がかかったらできるのか、あるいは、いまのような地震計ではだめで、本気にやるならば、もっともっと大きくて高いものが要るのか。
#35
○参考人(森本良平君) こまかい数字のことなどは私もよく記憶しておりませんのですが、現在の地震研究所にあります、自動的に、たとえば筑波と秩父とそれから千葉県の清澄、そういうところにこの地震計を置きまして、そしてこれは三点とか四点とか置きませんと――これは三点がありますと初めて円の中心がわかるというのと同じでございまして、どちらのほうから地震が来たかということを探るには点数が多いのがよろしいわけでございます。そういう衛星点を置きまして、それの記録装置をやります場合に、私の記憶では、数年間にわたりまして、最初に一億円ぐらいで、あと何千万円という程度のお金を年々いただいて、もう四、五年かかりておると思います。でありますから、一度にそういうことをいたすとなりますと、やはり何億というお金がかかるということは当然考えられます。それから、機械のメインテナンスというか、維持その他の費用に大体五千万円ぐらいがほんとうはほしいと思います。二、三千万円でやっておりますけれども、それは人件費とかそういうものは一切抜きでございまして、それから建物の費用その他ということは別でございます。これは国産の機械で可能でございますので、私帰りまして聞けば、正確な数字は出てまいると思います。その程度でございます。ですから、三億とか四億とか、そのぐらい機械設備にかければできるのではないかと思います。これは数点衛星点を置きまして、それからマイクロビームで一カ所に集めます。そうして、それを自動的に記録して、一方でたとえばこういうものに書いて、途中でチェックして、こういうものに直してモニタリングをする装置でございます。こういうものがありますれば、先ほどここの記録に書きましたこの程度のものが世界に起こりましたときは、一応はわかるということでございます。
#36
○森元治郎君 現在の機械でもこれだけわかるのですから、本気になって日本が金をかけて、あっちこっちに観測所を置き、遠くのほうの、イギリスやスウェーデンと組んでやるならば、少なくもユーラシア大陸のどこに起ころうとも、ごく微細なものは別として、ある程度キャッチができるという自信があるように思うのですが、どうでしょうか。
#37
○参考人(森本良平君) 日本の科学技術の水準をもってすれば、不可能なことではないと思います。しかし、それに派生するいろいろな政治的な問題とか、特に核爆発の探知というものは、大国の間においては国防上の問題でございますので、そういうことからの影響その他につきましては、私どもは何らそういうことは考えたこともありませんので、ただ技術的な意味で申し上げたことでございます。
#38
○森元治郎君 森本さんあたり学者だからと思うけれども、アフガニスタンなどか、軍縮委員会に核探知の一つの決議案みたいなものを出したり、大いにこれでいけるのだということをやっているわけですね。ああいうことについて、これはやれるものだというたてまえから、反対はしない、非常にけっこうなことだとお思いになりますか。
#39
○参考人(森本良平君) 東京大学の地震研究所長としてでなく、森本良平としては、そういうことによって核爆発を、たとえば未然に防ぐ、そういうことに協力ができることはけっこうだと思いますけれども、それは相手のあることでありまして、相手がどういう感情を持ってそれに対してくるかということは、私ではしまのところ判断がつきません。
 それから、あらゆる学問研究というのはそうでございますが、学者というものは、やはり非常に好奇心の強いものでございますから、だれもが、どういうことか起こったというときに、ある意味のやじ馬根性で、非常に知ることに興味を持ちます。私個人といたしましては、地震であるとか、噴火がありますと、一等先にかけつける、非常に個人的にも興味を持っております。やはりそれと同じことでありまして、何か異変が起こったということに対しては非常に興味は持ちます。だけれども、それの社会的影響とか、また、国際政治上の影響ということになりますと、私どもはいろいろな判断がまた加わってこなければなりません。それで、学問の発達というものは、そういう意味で、どこまでも知ろうとすることから、いろいろな方向へ進んでしまうと思います。それをどういうふうに方向づけるかということは、これは、宗教であるとか、あるいは道徳であるとか そういう考え方の問題でありまして、そういうものとのかね合いがやはり大切なことではないかと思います。そういう意味で、自然科学の発達とともに、人文科学の発達が並行しなければならない、そういうふうに私は考えております。
#40
○森元治郎君 佐藤さんにお尋ねしますが、現在備えつけられている地震計をもとにして、一番低いマグニチュードは、どのくらいのものまで感知できるのでしょうか。たとえば、この地図にあるカシミール、カザック、アフガニスタンなどなどの距離あたりで、どのくらいのものまで感じるのでしょうか。
#41
○参考人(佐藤泰夫君) ちょっと資料6を見ていただきたいと思いますが、タイプの下に日本の文字が書いてありますところをちょっと読みます。「一九六八、一九六九年度においてUSCGS」――と申しますのは合衆国沿岸測地局であります。アメリカの沿岸測地局「で震源の深さ0(爆発?)」、したがって、これは核爆発ではないかという疑問を持って報告された地震の表であります。つまり、これはアメリカ合衆国の政府機関が核爆発ではないかというふうに一応疑問を含めて公表したものでございます。それが、上半分が一九六八年のもの、下半分が一九六九年のものであります。それに対して地震研究所はどういうふうな判定をしたかというと、Aというのは、地震研究所もまた核爆発ではないか、そういうふうに考えたものであります。Aというものが相当に多いということはごらんのとおりであります。Bというのは自然地震であると地震研究所では思ったものでありますから、アメリカの判定とは多少違っておりますけれども、たとえば、一九六九年度の最初の行を見ていただきますと、「Southern Nev−ada」と書いてありますのは、ネバダ州南部の、これはアメリカ核実験の装置のある場所であります。アメリカ合衆国の沿岸測地局は、自国内でありますから、これを十分によく検知できたでありましょうし、それからまた、日本にとりましても、このネバダ州の実験場は、この資料1にありましたノバヤゼムリヤ、カザックを含むこの地域よりはかなり遠く離れておりまして、検知には困難なものであります。これがm四・八です。
 その次に、Cというのは、「検知出来なかったもの」と下に書いてございますが、たとえば、一九六八年度のまん中よりちょっと下にCと右側に書いたものがありますが、とれまたm四・八くらいでございます。いま申しました一九六八年の中ごろにありましたCのマークのつきましたのは、カザックの地震であります。そういう点から見まして、五より小さい四・幾つといったところが、おそらく現在の装置をもってするとき、検知できる、できないの境になるのではないかと思います。
#42
○森元治郎君 そうすると、米ソという国々はなかなか力があって、ずるいから、だんだんつかまえられちゃたいへんだと思って小さいものでやるようになって、五より小さい四・幾ら、それ以下に逃げられたならば、残念ながら今日の機械では引っかかってこないということですね。
 核爆弾のことは先生方はあまり専門家じゃないだろうから、そっちの質問をしても足しにならないだろうと思います。たいへんよく話はわかりました。ただ、もう一回念のため伺いますが、たいへんな金はかからないのだ、地震研究所の本来の設立の目的をこわさないでやっていくためにはよけいなことはしたくない、現在の二、三十名の教授、助教授のこの陣容でいきたいのだ、それでなくても頭脳が抜かれるおそれもあるし、そこでよけいなことまで探知するのは、調べるのはたいへんだ、新たにやるにしても、過去の経験からすれば、初めの数年間にわたっては一年間一億ぐらい平均はかかるが、それから三、四年は数千万円で済むのじゃないか、合計五、六億円もあればできそうだ、メインテナンスは技術関係だけに限定して五千万円もあればこれをやっていけるのだ――そうすると、かりに核爆発専門の探知を国家機関でやるとすれば、大したお金はかからない。ただ、人の養成がたいへんでしょう。しかしこれも、先ほど所長が全力をふるって応援してやる、頭も貸してやるし知識も貸してやる。しかし、こういうものは起こるまでは用がないのですから、ちょうどレントゲンの技師はある程度の知識があればレントゲン撮影ができるように、あまり高い程度の学力がなくてもこれを操作することはできるのですね。そう思ってよろしいですか。
#43
○参考人(森本良平君) メカニシャンと申しますか、テクニックの方は、エレクトロニクスの専門家がおられれば……。
#44
○森元治郎君 上にね。
#45
○参考人(森本良平君) 働く人でも、そういう技術を持っておる人がおればよろしいのですが、しかし、識別する能力ですね、こういうものを識別する能力、地震気象と申しますか、この気象を識別する能力は相当な研究者でないとできないと思います。で、アメリカあたりが、やはりそういういろいろな判断をする頭脳を要求してまいるということは、結局そういうことにあるのだと思います。
#46
○森元治郎君 いま、大学で地震関係の、地震の教室は何人くらいの生徒を……。理学部の地震の生徒。将来の計画。将来この仕事も大きくなっていくのでしょうから、地震気象も。どんな計画なんですか。
#47
○参考人(佐藤泰夫君) 東京大学理学部地球物理学科は、一学年十数人でございます。ただし、それは地震ばかりでなく、気象学、海洋学その他をも含んでおります。地球物理学科の置かれております大学は、現在日本で数大学ございます。
#48
○委員長(宮崎正義君) ほかに御発言ございませんか。
#49
○岩動道行君 私は全くのしろうとなんですが、地震研究所と、それからその他の横の研究機関との連絡がどのように行なわれているかということを伺いたいのですが、世界的な連係――横の問題と、それから国内で申しますると、研究所のそれぞれの出先があるわけですけれども、そのほかに緯度観測所がございますが、ああいったようなものとは、特にどういう連絡をとって研究を進められておられるか、その辺をちょっと……。
#50
○参考人(森本良平君) お手元にパンフレットがございますのですが、地震研究所は、地震及びそれに関連する現象の研究のために、いろいろな専門の者がおります。各専門の者がそれぞれの学会に所属しておりますので、いま申し上げました意味で、学術的には、国内学会、それから国際学会と、学会を通じてつながりがございます。特に国際的な問題は、この地球物理学関係では国際地球物理学測地学連合というものがございまして、その窓口が各国にございます。それに地震研究所の者も参加しております。そういうことから、国際的な交流は非常によくとれております。それから各国の客員の者が、大体平均して年間に一、二名は必ず出たり入ったり、しょっちゅうしておりますし、それから留学生その他の者も参っておりまして、世界のいわゆる地震学者の養成にも貢献しております。それから国内では、気象庁に地震課というのがございます。気象研究所というのがございます。それらの方々とは人事の交流も多少ございますし、行なわれております。緯度観測所は、測地学でございますので、その関係のほうでしょっちゅう委員長も来ておられるというぐあいで、非常に密接に行なわれております。最近は地震予知連絡委員会ができまして、そういう方面で特に関係の機関庁との間の交流が非常に密接に行なわれております。
#51
○岩動道行君 そういう、国際的にもまた国内的にもいろいろな連絡をしてやっておられるのはよくわかりますが、国際的なそういう学会は、いままで日本で行なわれたことがありますか。またあるいは、そういう予定があるのかどうか。
#52
○参考人(森本良平君) IUGGと申しますんですが、ただいまの国際測地学地球物理学連合の会合を日本で開けということは言われておりますけれども、なかなか、これを開きますことには、いろんな経費その他が伴いますので、シンポジウム、その中の一つの討論会は、一九六二年にも、国際火山学会議と申しまして、やりました。それから、今年はたしか陸水の方面だと思うんですが、それから去年は、こちらにおります佐藤教授の関係のものというふうに、分割したものはしょっちゅうございます。それから、国際地球内部開発計画――アッパー・マントル・プロジェクトと申しますが、これのいろんな会合、そういうものも私どもの研究所で三年ほど前に行なっておりますので、そういう意味で、小規模のものでございましたら、日本でも引き受けるのでございます。それは先ほど私が申し上げたことにつながるのでございますが、本来そういう会合は、中央の連合の費用で役員だけは旅費を支給してくるのですが、あとは各国の学者の生活水準が高いので、そのときだけ何も寄付を集めたり、げたをはいたりして無理をして背伸びをしてお招きしなくてもできるというのが普通でありますが、日本の場合は、非常にほかのほうが発達しているのにかかわらず、経済的には非常に発達しておりますけれども、学者の、特に国際的なクラスの学者が非常に低い水準にあるために、私どもその点で非常に困るわけでございます。
#53
○岩動道行君 あまり総合的な大規模な国際会議が日本で開かれないということは、私ははなはだ残念だと思うので、これはひとつ、日本の高い水準を国際的にも示す機会をつくっていただきたいし、また、そういう意味で、日本からも、頭脳流出ということでなしに大いに出ていって交流もはかっていただかなきゃならぬ。ひとつ科学技術庁あるいは文部省あたりで、積極的にこの国際会議を、総合的な大きな規模のやつをまずやってみる。これは日本人の学者が出ていくほうがあるいは安くつくのかもしれませんけれども、やっぱり地震国であり、最も進んでいる国でやるということを大いに検討していただきたいと思います。私ども応援は大いにしたいと思いますので、この点についてはひとつ、平泉さんもおいでのようですから、積極的な姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
#54
○森元治郎君 ちょっと失礼ですが、聞き漏らしたからお聞かせください。
 小さいやつ、五から四・幾ら幾らあたりが境だと。探知できる。それ以下はどうしたら探知できるのか。いまの機械をある程度研究開発すれば、どこらまで探知できるのか。そういうことは可能なんだろうか。その点だけひとつ。
#55
○参考人(佐藤泰夫君) アメリカにはたいへん大きな探知センターがございますが、これは世界じゅうの四までのものをキャッチすると言われております。それ以上さらに小さくなりますというと、これは、先ほどノイズということばを使われましたが、これは要するに、実際の有用な振動をじゃまする雑振動でございますが、この雑振動が、もしも有用な振動よりも大きくなりますならば、どれほど努力してももう不可能であります。そのために、地震計の倍率を上げるということよりも、むしろ雑振動の少ない場所をさがすといったようなことが、より一そう重要なことになっておりまして、そういう場合には、特別に静かな山の中とか、あるいは地下深くとかというようなところを選ばなくてはならないと思いますが、それでも、四をさらに大きく下回るというようなことは、世界全体を相手にする場合には困難であると思います。
#56
○委員長(宮崎正義君) ほかに御発言もなければ、本日はこの程度にいたします。
 参考人の方々に一言お礼申し上げます。本日は貴重な御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。委員一同にかわりまして厚くお礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト