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#1
第061回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
昭和四十四年三月十四日(金曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十四日
  委員北畠教真君は逝去された。
 二月十八日
    補欠選任        内田 芳郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本茂一郎君
    理 事
                伊藤 五郎君
    委 員
                内田 芳郎君
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                山本 利壽君
                川村 清一君
                達田 龍彦君
                西村 関一君
                吉田忠三郎君
                渋谷 邦彦君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        鯨岡 兵輔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瓜生 復男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖繩派遣議員団報告の件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本茂一郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 議事に入る前に、一言申し上げます。
 皆さますでに御承知のとおり、去る二月十四日、本特別委員会委員、北畠教真君が脳腫瘍のため逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。
 生前の同君の功績をしのび、各位とともに黙祷をして御冥福をお祈りいたしたいと存じます。
 御起立を願います。
  〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(山本茂一郎君) 黙祷を終わります。御着席を。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(山本茂一郎君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る二月十八日北畠教真君の補欠として内田芳郎君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(山本茂一郎君) 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 当委員会の申し入れにより、去る二月十八日から二十一日までの四日間にわたり、沖繩の現地事情視察のための議員派遣が行なわれました。その結果を、昨十三日、参議院沖繩派遣議員団報告書として議院運営委員会を通じて議長に提出いたしました。
 また、本日の理事会において協議の結果、報告書の写しを内閣総理大臣にも参考送付することといたしました。
 この際、本委員会においても報告を聴取することにいたします。
 中村喜四郎君。
#6
○中村喜四郎君 参議院沖繩調査団報告。
 沖繩派遣議員団は、本特別委員会の山本委員長、鶴園理事、松下理事、大松委員、川村委員、渋谷委員と私、中村の七名で編成され、去る二月十八日から二十一日までの四日間にわたり、沖繩の現地事情を視察して参りました。
 沖繩の施政権返還は、今日ようやくその時期のめどづけが行なわれようとする段階に差しかかっておりますが、B52爆撃機の駐留や原潜の寄港によって発生している各種の基地公害問題、総合労働布令問題、さらに国政参加や一体化政策の推進等、沖繩をめぐる問題は山積しております。
 調査団は、琉球政府行政府並びに立法院の首脳部、産業経済界代表をはじめ、宮古島の現地において各界代表と懇談し、また、ランパート高等弁務官、カーペンター民政官、日米琉諮問委員会の高瀬日本政府代表とも会談する機会を持ち、さらに基地公害、教育施設、社会福祉施設、地場産業等の視察を行ない、関係者の意見や要望等を幅広く聴取することにつとめました。以下、今回の視察結果の概要について申し上げます。
 沖繩住民の、施政権の返還、祖国復帰に結集された心情は、まことに峻厳なるものがあります。屋良首席からは、「国民主権人権尊重、平和の原理を享受できるよう、沖繩を日本国憲法下にだきとり、あらゆる問題を解決する積極的な姿勢を示し、即時無条件全面返還を実現されたい」どの要請があり、立法院山川議員からは、「今秋の佐藤総理の訪米を期して、施政権が三年以内に返還されるようはっきりしためどをつけてほしい」との強い要請がありました。また、基地のあり方については、一様に、核抜き本土並みを要求しております。
 B52爆撃機撤去の要求は、昨年十一月の墜落事故を契機に一そう高まっており、嘉手納村視察の際、古謝村長から強力な対米交渉を要請され、屋良首席からは、「もう一度墜落事故があればゼネストは回避できない。私は石をだいた気持ちでいる」という切々たる訴えがありました。
 原潜の那覇港寄港による海水汚染については、米側から人体無害の発表があるにもかかわらず、住民の不安感はつのり、漁民の生活に脅威を与えるまでに発展しております。琉球政府は、原潜寄港に反対するとともに、独自の調査準備を進めておりますが、日米琉の専門家による共同調査を希望しております。
 総合労働布令についても、住民の反発は激しいものがあり、その撤廃について、本土政府が対米折衝するよう要望する意見が琉球政府から述べられました。
 国政参加実現について、沖繩住民の期待は大きく、日本国民としての参政権行使の立場から、沖繩代表の資格、権限を本土並みとするよう異口同音に要請されました。また、本土での法案準備の進行状況を注視しており、今国会での法律制定を強く望んでおります。
 次に、終戦処理事案の処理について熱心な陳情を受けました、沖繩においては、広大な土地が軍用地として凍結され、また、従前の国県有財産が米国民政府の管理下にあり、終戦処理事務は進められておりません。特に、宮古島の旧軍飛行場跡地の処理が強く訴えられております。事実関係を明確にし、適切なる処理をはかる必要があると考えます。
 一体化政策については、単に制度、体制を同一化、連帯化するという意義のほかに、特に沖繩に対する諸格差の解消に重点を指向する必要のあることを痛感いたしました。琉球政府からは、財政窮状打開のための措置、国家事務機関の国費による充実強化、土地調査、産業開発基盤の整備拡充、産業公害対策の整備等について、数多くの問題が提起され、本土政府の援助の拡大が強く要請されております。
 宮古島の現況は想像外のものがあります。かつての漁業基地は衰退し、サトウキビ一本に活路を求めていると申しても過言ではなく台風と干ばつの繰り返しというきびしい自然条件の中で、経済状態は極度に悪化しております。豊富な地下水がありながら、かんがい施設がないため活用できない等、産業基盤の整備は著しく立ちおくれており、これらの整備をはじめ、糖業に対する育成措置、教育施設、厚生施設等の整備が渇望されており、離島開発の促進の必要性を痛感した次第であります。
 次に、琉球大学からの要請を申し上げます。同大学は本土復帰後の国立移行を強く望んでおり、そのための準備として、本土の大学設置基準を目標に整備すべく移転計画が進行中であります。同大学からは、移転に伴う施設設備費として、約百億円の援助を三カ年計画で実施されるよう要望が提出されました。
 次に、ランパート高等弁務官、カーぺンター民政官との会談で示された米側の意向を二、三申し上げますと、
 B52の駐留は常駐ではなく、住民に不安感のあることも承知しており、きびしい安全方式で運営するとともに、被害の補償は十分行なっている。
 原潜による海水汚染についての日米琉三者の専門家による共同調査については、目下検討中である。
 総合労働布令については、発効を延明し、各方面の意見を聞いて考慮することにしている。
 布令布告を民立法へ切りかえていく方針に変わりはないが、基地に直接影響するものは残す。
 米国民政府の公社である電気、水道事業は、現段階では琉球政府へ移管することはできない。等であります。
 施政権の返還に伴い、そのあり方が懸念されます最も重要な課題は経済問題であります。沖繩経済は基地依存経済、消費経済、保護経済という特異な体質を持っており、基地が整理されることに伴う不安のあることは否定できません。この不安を解消し、沖繩経済発展の方向を定めるため、そのビジョン、長期経済計画を早急に策定する必要のあることは、これまでにも指摘されてきたところでありますが、沖繩経済を日本経済の一環として位置づけ、その経済的な特性、すなわち、アジア地域との中継位置にあること、良港干拓の適地に富むこと、比較的豊富な労働力のあること、亜熱帯に属すること等の立地条件をフルに活用した産業開発を進める必要があります。
 また、著しい成長を続けている日本経済へ参加することに対して期待と不安が混在しております。その不安解消のためには、民間ベース、行政ベースを通じて、本土経済との密着化をさらに一そう進める必要のあることを痛感した次第であります。
 以上で報告を終わりますが、今回の視察結果は、別途、参議院沖繩派遣議員団報告書として取りまとめましたので、詳細はそれによってごらんいただきたいと存じます。
 報告書は、会議録に登載されるよう委員長においてお取り計らい願います。
 以上。
#7
○委員長(山本茂一郎君) それでは、ただいまの中村君の報告中にございました報告書の会議録掲載方につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(山本茂一郎君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
 これをもちまして報告の聴取を終わります。
 本調査に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(山本茂一郎君) 従来定例日を金曜日としておりましたが、理事会において協議いたしまして、次回から暫定的に水曜日に変更することにいたしました。御了承をお願いします。したがいまして、次回は三月十九日水曜日といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午前十時二十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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