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#1
第061回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第4号
昭和四十四年四月十六日(水曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中津井 真君
    理 事
                高橋文五郎君
                柳田桃太郎君
                松本 賢一君
                三木 忠雄君
    委 員
                井川 伊平君
                大竹平八郎君
                大谷藤之助君
                平島 敏夫君
                山本敬三郎君
                安永 英雄君
                横川 正市君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       自治省行政局長  長野 士郎君
       自治省行政局選
       挙部長      皆川 迪夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中津井真君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を聴取いたします。野田自治大臣。
#3
○国務大臣(野田武夫君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、その提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、さきの第五十五回国会において成立を見ました住民基本台帳法は、一昨年七月二十五日に公布されたのでありますが、これによりますと、選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するものについて行なうこととされ、そのための制度を本年七月二十四日までに実施しなければならないこととされております。
 政府といたしましては、選挙人名簿と住民基本台帳とを結びつけることにより適格者の把握を一そう正確に行なうことができるよう所要の改正を公職選挙法に加えるため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容について、御説明申し上げます。
 第一に、選挙人名簿の登録は、市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民で、その者の住民票が作成された日から三カ月以上、また、転入者については、住民基本台帳法に基づく転入届けをした日から三カ月以上、その市町村の住民基本台帳に記録されている者について行なうものといたしました。
 第二に、選挙人名簿の登録の時期につきましては、現行の公職選挙法では年に四回、すなわち、三月、六月、九月及び十二月に定時の登録を行なうことになっておりますが、できるだけ多くの有権者を登録するため、選挙が行なわれる際に登録を行なうこととするとともに、年一回、九月に定時の登録を行なうことといたしました。
 第三に、選挙人名簿の登録は、市町村の選挙管理委員会が職権で行なうものとし、選挙人の責めに帰し得ない理由で登録の脱漏が生じた場合には救済できる旨の規定を設けることといたしました。
 このほか、転出者等の選挙人名簿の登録の抹消手続の改正、船員選挙人名簿の廃止、詐偽登録に関する罰則の明確化等について規定の整備をはかることといたしたのであります。
 以上がこの法律案の要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(中津井真君) 次に、補足説明を聴取いたします。皆川選挙部長。
#5
○政府委員(皆川迪夫君) 私から若干補足的に御説明申し上げます。公職選挙法の一部を改正する法律案要綱によりまして御説明申し上げます。
 第一は、選挙人名簿の登録の資格、方法等でございますが、ただいま提案理由にも申し上げましたように、新たに、住民基本台帳に登録をされておることを登録資格の要件として加えております。
 それから登録の方法については、従来の修正主義を職権主義に改める、こういうことにいたしたのであります。
 それから登録の時期でございますが、登録の時期は、年、九月一日一回の定時登録と、選挙の際に臨時登録を行なう、こういう二本立てにいたしております。ただ、これだけでは臨時登録の際の事務量が非常に増加して、正確な名簿がつくれないということになっては困りますので、その各市町村の実情に応じまして、政令の定めるところによって、市町村の選挙管理委員会が随時名簿の登録の整理をいたす、こういうことにいたしたいと思っておるわけでございます。
 それからそのうちの定時登録でございますが、九月一日現在で、同月の十日に選挙人名簿に登録をすることをたてまえといたしております。ただ、その際にちょうどほかの選挙が行なわれるというようなことによりまして、この九月十日の登録が非常に困難だという場合には、政令でその時期を変更することができるようにいたすことにしております。
 それから臨時登録は、選挙の際に、選挙管理委員会のほうできめまして登録をするわけでございますが、ただこれにも、一度臨時登録をしたあとで、一カ月以内にまた選挙が行なわれるというような場合には、事務のふくそうもあります、まあ比較的新しい面がございますので、あらためて臨時登録はいたさない、こういうふうにいたしております。ただその場合に、選挙の行なわれる区域が、たとえば衆議院の選挙が行なわれて、そのあとで、その区域の中で市町村の選挙が行なわれるという場合には、あらためて臨時登録をいたしませんけれども、先に市町村の選挙が行なわれて、もっと広い区域で衆議院の選挙が行なわれるという場合には、選挙権の名簿登録の資格を全選挙区統一にする必要がございますので、この特例は働かない、かようにいたしております。
 その次に、第三、補正登録でございますが、これは住民基本台帳というものがございますので、役所の事務の単純な間違いによって登録漏れが起きたというような場合には、これを救済する方法を新たに設けたわけでございます。
 それから四番目、登録の抹消でございます。登録の抹消としましては、登録されている人が死亡した場合、あるいは日本の国籍を失なった場合、抹消するのは当然でございます。
 それから、他の市町村の区域内に転出をした場合、現行法では、六カ月たてば抹消、六カ月以内に他の市町村からその市町村に、転出先の市町村において新たに選挙人名簿に登録されたという通知があった場合には抹消することになっております。それを今回は、四カ月たてば抹消するということに改めております。その趣旨は、少なくとも四カ月たてば他の市町村において登録をされるはずである。選挙が行なわれる前には必ず登録をされるはずでございますので、旧市町村の登録をそのままにしておく必要がないと、こういうふうに考えて、この期間を短縮したわけであります。それよって、二重登録という期間が短縮をされることになります。また一面、転出先の市町村で名簿に載った場合に連絡をするということは、事務簡素化、あるいはその効果が非常に少ないということからいたしまして、今回四カ月で抹消することとあわせまして、その連絡の制度を廃止したわけであります。
 それからその次は、登録の際に、単純な誤りで、登録をされるべきでないにもかかわらず登録されておる、こういうことがわかった場合には直ちに抹消する、こういうことにいたしております。
 それから第五番目でございますが、船員の選挙人名簿の廃止でございます。これは船員の生活状況がだんだんに落ち着いてまいりまして、陸上に住居の認定が可能になってきている。大多数のものについてはそういうふうになっております。まだ一、二のものについては若干の例外的な事情もあるようでございますけれども、この際できるだけそういう方々も住民基本台帳に登録することによって、普通の名簿に登録をする、こういうふうに取り扱うことといたしまして、船員の名簿という特殊な制度を廃止したわけでございます。
 それからその次は、罰則について若干の改正をいたしております。
 一つは、虚偽の転入届けをすることによって選挙人名簿に登録をした、こういうものは直接詐偽登録ということにはならないわけでございますけれども、実質的にはそれと同じでございますので、そういう同等の刑を科そうということにいたしております。
 それから第二番目は、住民基本台帳法の関係でございますが、住民基本台帳には、現在市町村の選挙管理委員会がいろんなことを知った場合に、市町村に通知をする規定を設けておりますけれども、市町村長が住民基本台帳に載っている人について、転出、転入、転居、死亡、あるいは婚姻等による氏名、姓の変更とか、そういうような場合に、これを選挙管理委員会に通知することになっておりませんので、それを法律上はっきりいたしたい、こういう規定をいたしております。
 それからそのほかは、この法律の施行に関する規定でございますが、昭和四十四年の七月二十日から施行することにいたしております。ただその前に、その際すでに選挙が告示されております場合には、選挙人名簿の臨時登録の規定は適用しない、こういうふうにいたしております。
 以上が大体この法律案の内容でございます。
#6
○委員長(中津井真君) 本案に対し質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○横川正市君 ちょっと、この提案された法律案と直接な関係はありませんけれども、公職選挙に関係しての質問を二、三、伺いたいと思います。
 一つは、考え方としてお聞きをいたしたいと思うんですが、投票用紙に投票人の意思表示のない投票は、一体これは取り扱いとしてどういうふうに取り扱うことが正しいかどうかという問題、これはあたりまえのことなんですけれども、お聞きをいたしておきたいと思います。
#8
○政府委員(皆川迪夫君) 意思表示のないということは、白紙ということであろうかと思いますが、この票はどなたにも有効の票と算定されないということで、無効の取り扱いとなります。
#9
○横川正市君 最高裁判所裁判官の投票、いわゆる信任か不信任かの投票が行なわれる場合ですね、渡された用紙に投票人が何らの意思表示もしないで投函されたものを信任とみなす理由はどこにあるのですか。
#10
○政府委員(皆川迪夫君) 最高裁判所裁判官の国民審査の方法については、この法律を制定します際にその点が非常に議論されたわけであります。白紙の状態から、積極的に信任をするか、あるいは不信任するか、こういうことにきめることがいいのか、一応任命されたという事実があるわけですから、それを否定する、こういう意思表示だけを特に求めたらいいじゃないかということがいろいろ議論されまして、結局、任命された人に対して特に不適当だと思われる者について自分の意思表示をする、こういうふうにまあ制度が立てられたわけでございます。現在はその制度のもとにおいて執行され、われわれとしてはそういう取り扱いをいたしておるわけでございます。
#11
○横川正市君 いまは、まあ日本の国は民主主義で、主権在民のもとで政治も行なわれ、行政も行なわれているわけですね。行なう側がこうだからという判断をしたら、個人の意思表示が信任になったり不信任になったりするようなものの考え方が一体どうなのかという点は、これは私は非常に問題があると思うのですよ。それがすでにもう総理大臣、あるいは国会が一つの議決をし、あるいはこの職務に携わっているという既定事実があるから、その既定事実に基づいてのその信任投票なんです、あるいは不信任投票なんですと。で、信任ということはないですよね、不信任であればバツをしなさいということだけなんです。そうすると、全然意思表示をするだけのいわば資料、判断、そういったものが全然ない場合に、そのときの政府の行なったことが全部正しいと自動的になるような判断のしかたというものは、はたしてこれは個人の意思を尊重していることかどうかということに問題が私はあるのじゃないかと思うのです。これは経過というものは知っておるわけですね。そしてそういう形式をとられているのだということをことを知っているのであれば、これは書かなければ信任でいいのです、いや不信任、それをするためにはバツをしなければいけないのですということを、これが国民――投票する側が全部意識しているならばこれは私は別に問題はないと思うのです。そういうその意識が全然ない人に紙を渡して、そして投票させて、わからないから投票したというその投票が信任だと判定をされる判断に私はいささかひっかかるわけですが、ことに、この最高裁判所の長官の信任、不信任の選挙も公職選挙法によってやられるわけですよね、投票そのものは。あくまでも特異な例でやられるわけじゃないわけです。その場合に、白紙で投票したと同じ取り扱いをするのが私は正当な取り扱いじゃないかと、意思表示がないものとして。これはどんな場合でも、たとえば連記制で三人の名前を書いたものを渡して、この中でひとつどなたに投票いたしますかという投票をかりにやりますね。何にもない、意思表示されていないものは、通例としてはこれは白紙投票ということになるわけですよ。最高裁判所の長官だけが白紙のものが有効になるというその考え方ですね、これはいささか、やっぱり上からの押しつけじゃないかと、こういうふうに私どもは思うのですがね。現行やられていることは、いま答えられたことでやられているのですが、はたしてこれはそのままやっていいものかどうか。裁判官が非常にたくさんの人たちから不信任を受けたら、これはやめなければならないという事例が明確にあるわけですよ。いや、それは不信任を受けてもやめなくともいいということならいいのですけれども、不信任を受けた場合にはやめなければならないという事実があるのに、意思表示を何にも行なわないのに信任とみなすということが投票として有効なのかどうかということですよ。投票する限りは、その本人が意思表示をしなければならない。その意思表示をしていないのに、それを有効と認めるのは、これは任命されてすでに仕事をしている、その衝についているという事実があるからだというのは、いかにも私はこじつけのような気がするのですが、あくまでも主権者であるその人の意思表示があって初めて信任か不信任かをきめるべきであって、上からかってに解釈をして、これは書いてないから信任にするのだという言い方というのは、私は非常にふしぎだと思うのですよ。
#12
○政府委員(皆川迪夫君) これは立法論でございまして、当時この法律をつくります際にも確かにそういう議論が非常にあったように私存じております。積極的に信任を求めるのだという、こういう意味で賛成、反対双方をとって、白紙は無効にしたらいいじゃないか、こういう意見が相当あったように思っております。ただ最終的には、これは個人の立候補のように、自由に立候補して、これから自分を支持してくれるかどうかを問いかけるものでなくして、いろいろな角度から、責任者が任命した者が特に不適当だと、そういう国民の意向があった場合、いわゆる審査するなら、これは積極的に不適当だという意思だけをとることがいいんじゃないか、こういういろいろな論議の結果、そういう法律になっているわけでございまして、その法律に基づいて執行しているわけでございますから、たまたま選挙と同時に行なっているので、これは国民が、そのことのために特に投票所に足を運ばせるということの不便も避けて、選挙でたまたま一緒にやっておるということのために、非常に白紙というものがそういう感じを与えることになるのだろうと思いますけれども、立法論としてはいろいろあるだろうと思います。しかし私たちとしては、そういういろいろな議論の過程によって、今日こういう制度ができておるわけでございまして、もちろんそういう趣旨をできるだけ国民に理解してもらう、そういうことは必要だろう、またそういう努力もしているわけですが、なかなか十分に徹底されていない点もあろうかと思いますけれども、そういう点については今後も努力していきたいと思います。
#13
○横川正市君 この選挙について、不信任をしなさい、こういう事例があるから不信任をしなさいということを行なう場合ですね。たとえば公務員が自分で、こういう事実、事例があった、この人間の思想性はきわめて古い、だから現代に合っておらぬから不信任をしなさいというような運動をした場合には、これは公職選挙法によって罰せられるわけですね。信任か不信任かの意思表示をする場合、私は相手方に、何をやったから信任か、何をやったから不信任かという素材を全然与えないでおいて信任、不信任を問うという制度というものは、私は一体それが立法論かどうかということは非常に疑わしいわけですよ。だから法律というのは、私はこれは全体が共同して生活をするために、一〇〇%でなくとも、有効過半数を占める場合、必要として立法されるという趣旨が私は法律だと思う。それが生きた法律だと思うのです。またそれの裏づけが立法論だと思う。そうではないですか。ところが、いま最高裁判所裁判官のこの投票は、すでに無効化されてきて、何のためにしているかわからぬというものを存続させているという事実、これは、いわば相撲でいえば死に体ですよね、実際は。それを存続されている理由というのは一体何なんだろう。これがはっきりしないじゃないか。立法論というのは一体何なのか。生きていて四つに組めるのが、これは立法論じゃないか。死に体の、死んだ体の説明をするのが立法論だというばかげた立法論は、私はあるわけないと思う。それは、主権者の意識がそこまでいってないんだからしかたがないんだということなら、これはゆゆしき問題ですよ。これはもう同時に行なうとはいってみても、担当者としては、一体政府がかりに任命したものであっても、よしあしの判断をするものを、これを主権者によく知ってもらう、この努力が全くなされないということはどういうことか。形式的に何かやって――最もひどい民主主義の形式ですよ。これをそのままにしておいていいかどうかという点を、私はどうも納得しかねるわけですね。これはひとつ大臣、どうですか、考え方としては。
#14
○国務大臣(野田武夫君) 最高裁判所裁判官の国民審査ですが、これは、いま選挙部長が申しましたとおり法的根拠ではやっておりますが、実際いまお示しのとおり、非常に素材の提供といいますか、主権者に対する判断の基礎というものが、これは私も全く希薄だと思っております。そこで、これは法律上の理屈から申しますれば、私はいま法律上の理屈を言うつもりはありませんが、たてまえとしますれば、一般の投票されるいわゆる主権者に向かって、裁判官の何か履歴なんか書いたものを送る。それから投票用紙には、信任しないときはバツ点をつけなさい、信任の場合はそのままでいいと書いてあります。これはそこまでは、私は法律上のことを言うんじゃないんですが、確かにいまお示しのとおり非常に徹底を欠いていることは間違いないんですね、常識的に。そこで、じゃこの問題をどうするか。これは国民審査法に基づいてやっておるわけですが、もう少し丁寧に、親切に、もう少し周知できるような、もうちょっとやはり手を入れる必要があると、私も実は感じます。いま法律を変えろ、こういうことを言えぬ立場ですから何ですが、法律上の立場からすれば、そういうことは出ているじゃないか、裁判官の履歴も書いて渡しますし、投票用紙にも書いてある。これはいわば常識的に、私は横川さんの御議論に大丈夫ですと言う元気がないわけですが、よく御趣旨もわかりますし、しかしこれは実際上今後やはり検討しなければならない問題だと私も思います。いまここで、じゃ法律をどうするということを私は立場上明言はできませんが、そういう私の感想を申し上げておきます。
#15
○松本賢一君 ちょっと関連して。
 いまの問題ですが、私もいつもそれを感じるので、こういうことを私一ぺんやったことがあるのです。一昨年ですか、衆議院の選挙のあったのは。衆議院の選挙の投票に行ったときに、あの裁判官の信任の紙を渡そうとしますから、私は、実はだれも知らないんだ、この人たちを。それで判断がつかぬから、このまま入れたら信任したということになるから、信任するということは、私良心に恥じる気持ちがあるから棄権さしてもらいたい、それは困りますなあと言うんですね、投票所の人が。それで、しかしぼくはどうしても投票できない、だから棄権さしてくれ、そのとおり棄権したのです、私は。そうすると、そのときに、そのあとで投票所の責任者の人たちと雑談の中で、これはどうしてもああいう棄権のできるような制度をつくるように考えるべきじゃなかろうかというような話をしたんですがね。御参考までに私がそういうことをやった実例をお話し申し上げて、判断のつかない人は、衆議院の選挙のやつは投票しても、裁判官の選挙のやつは投票しないでいくというような制度をひとつ参考までに研究しておいてください。
#16
○国務大臣(野田武夫君) わかりました。
#17
○横川正市君 私はもっと積極的な意見を実は持っているのですが、一般的に日本の中での法治国家に住んでいる国民としての法律に対する認識というのが非常に低いからいろいろな問題を起こすんじゃないかという、そういう事例があるわけですね、一つ。これ一般の層の中に。ことに、この最高裁判所の裁判官の問題などということは、いわば法治国民としての意識を高めるための何らかの形の場所にするならば、これは非常に有効なものになるんじゃないか。そういう積極的な意思があれば、実は私はたいへんどうも申しわけないんだけれども、選挙管理委員会、あるいは自治省の中の公職選挙関係を担当している部局、そういったものを少し軽く見ているんじゃないか、もっと人も予算もとる必要があるところなんじゃないだろうか。しかしそれを軽視をしておる。軽視をしているから、形式だけを取って実体が伴わないというので、本来はもっと重視すべきところなんじゃないか、こういうふうに私どもは思うのですよ。それをやらないから、基本台帳の問題でも、私は自治省その他でどれだけ地方自治団体に対しての人とか金という問題を考えてやろうとされているのか。人の命にも匹敵する一票のとうとさというものをどれだけくみ取って対策を立てようとしておるのか、それがどうも私たちから見ると不十分なんじゃないかと、そう思うのです。だから選挙が形式的になっているのですよ。これは自治大臣のところでも、私は聞くところによりますと、たとえば村の中に、選挙が間近になると、たき火をして、こん棒を持った青年団が、他市町村の者は入れない、こういう態勢が出ているんだという話をよく聞かされるわけですよ。それからある地方へ行きますと、もう両方の選挙事務所が飲めや食えやで、そうしてその飲めや食えやを多くやったほうがわずかであっても当選するなんというところもあるわけです。一体これはどういうことなのか、私たちは全然理解ができない。しかしそれがそのまま残されてきている、別に警察ざたにもならない、ひどいですわ、これは。私どもは、だからこういうことは本来警察の力でやるのではなくて、選管がある程度の力をもって、日常、それから選挙時にやれるだけの態勢をとるべきだと思うのですよ、それがほんとうだと思うけれども、いつでも警察ざたになってしまって、自殺をしたとか何とかいう人間まで出してしまう。そのことを考えると、日常のことをどうやるかということ、私はたまたま最高裁判所の判事の信任、不信任で問題を提起したわけですが、事ほどさように一体選挙というものの重要さというのの取り上げ方が少し緩慢なんじゃないかと思うのですが、これはまた感想だけでなしに、ほんとうの腹をひとつお聞かせいただきたい。
#18
○国務大臣(野田武夫君) いま御意見拝聴しておりましたが、まあ選挙というものに対する何ですか、一般の考え方というもの、これは基本的には、自分の権利を公正に行なう、自分の持っている権利というものは、少なくとも国家の運命、地域社会の動向に直接関係する。私は権利というものを――いろいろな権利を持っておりますけれども、投票権は、国、地方、また自分個人、社会一般で、これくらい重要で、影響を持つものはない、そういうところの一つの基本的な考え方。
 それから第二は、いまお示しになりました法に対する観念、どう考えましてもまだまだ日本全体から考えて足りないところが多い。したがって選挙運動にそれが反映してくる。これはもう各地に行なわれているいろいろな事態を取り上げてみましても、やはり従来からそういうような惰性と申しますか慣習と申しますか、そういうものが続いている。これが、お話のとおりいまさら起こった問題でございませんが、長い間選挙の正しいやり方、基本的な人権を公正に実施すること、この問題を行なっておりますが、いま残念ながらまだ不徹底であります。これはどういうような方法をやるか、いま自治省としましても、御指摘のありました実は選挙局というものがございましたのを、行政整理の関係で部にいたしております。しかし、内容は全然局の時代と変わりませんし、さらに一そう充実したいと思っておりますが、まだどう考えましてもやはり役所の機構、それからこれらに関連するいろいろの人員、予算、そういうものがやはりなかなか思うようにいっておらぬ、まだ不足であるということは痛感しております。それがやはり各地方の市町村に参りましても、何かしらん選挙は選挙管理委員会にまかせっぱなしみたいな感じがどうもございますし、今度の住民基本台帳と選挙人名簿の関係、登録の問題で、いままでの選挙管理委員会だけにまかせないで、市町村も直接これに携って、そして選挙人名簿の改正をしたいというこの法律の改正案の趣旨も相当前進してまいりましたが、これは選挙人名簿ということでなくて、やはり選挙管理委員会と市町村が一体となって、責任とってやるのだ、こういうことにこの改正案は出ております。
 私もやはりいまの御指摘のとおり、これは私も長い間自分で選挙をやってみましても、非常に選挙のあり方、それから選挙民の皆さんの考え方――まず候補者はもちろんでございます、一体となって、やはりお互い考えなければならぬことが多いと思います。このやり方につきまして、いまある選挙管理委員会というものと、それから市町村、それから中央で、自治省でやっております選挙関係の仕事、これにやはり警察というものがいろいろな場合に出てまいりますが、こういうことだけでなくて、やはりもっとひとつ国民全体が、私、やはり選挙というものの認識を深くして、もう少し何かこう、それだけにたよらないで、いろいろなことをひとつ考えていかなければ、私は日本の選挙制度というものはなかなか成長しない、批判される点が残っていくと、私はただそれは感想とか意見じゃなくて、この改正案なんか相当、ただその選挙人名簿だけじゃなくて、選挙に対する考え方としては私は一歩前進してきていると思っておりますが、こういう意味において、やはりこの選挙人名簿だけじゃなくて、全体の選挙制度からくるもの、また選挙のやり方、それから啓蒙運動とかその他につきましても、私はやはりここでひとつ積極的な何かの構想を考えなければ、御指摘のようなことはなかなかこれはなくならない。私も憂慮している一人でございまして、これらにつきましては、ひとつ自治省といたしましても、もう少し深い検討を加えまして、一歩でも前進するような方向にひとつ何か案を考えてみたいと、こう考えております。
#19
○横川正市君 これは松本提案をひとつ入れて、最高裁の判事の投票については検討していただきたいと思います。
 それから自治大臣に、やはり大勢に何か順応している間に少しずつは変わるだろうという消極的な意見ではなしに、私はやはり担当大臣だから、選挙というものはいかに民主主義が大切な、と同時にそれが選挙の最も大きな要素になるわけですから、もっと積極的な意味で、自治省の活動が望ましいという積極性をやはり答弁の中でちょっとほしいのですね。
 それと同時に、もう一点は、補欠選挙というのは、これは一体、まず任期の面でどうなのか。補欠選挙の場合、たとえば参議院とか衆議院の補欠選挙の場合には、任期というのは残存期間だけですね。あるいはその次の改選のときはもちろんでありますが、一緒に改選になるので、衆議院の場合は問題にならない。しかし定例でいえば残存期間。ところが地方自治団体の首長の場合は、これは残存期間じゃなくて、当初にきめられたときに、四月の何日かに一様に全国が選挙をやりました。そのうち市町村合併であるとか、あるいはリコールであるとか、あるいは病気で死んだとか、いろいろな事件が起こってきて、いま百家争鳴、まるで選挙のないところはないくらいどこかで選挙をやっているわけです。私はこの残存期間ということを一体どう理解したらいいか。一部では適用しているが一部では適用しない。いわゆる補欠選挙というのは、これはどう取り扱えば、いろいろな面で不都合なく行なわれるのか。また意識的にこれは納得できるものなのか。その点非常に不審に思っているわけなんです。市長であって病気で死んだ、あるいはリコールでやめたにしても、当然残存期間ということで処置ができるのじゃないか。そうすると、四年目とか、あるいは参議院の行なわれる六年目とかいうように、一様に選挙というものを全国が行なえると、非常にいろいろな面でむだが排除できるのではないか。その点、一つ残されている問題だと思うのですが、これはたとえばリコール運動があって、当選された者はその日から、市議会議員なら四年とか、市長なら四年というふうに任期を切っていくとか、あるいは残存期間として一様に全国行なうのかということの、何かそれに不都合なものがあるとすれば、一体何が不都合なのか、この際教えていただきたいと思う。
#20
○政府委員(皆川迪夫君) いまの制度のたてまえでは、合議体の機関の場合には、一人が欠けても全体の人たちの任期がまだ残っておるという場合には、合議体の任期の期間を全く一せいにさせるという意味において、その人については残存期間だけ任期を与える、こういうことになっておりまして、知事、市町村長のように独任の機関についてはその人だけの任期の問題でございますから、欠員が起こって――欠員という観念もちょっと議員の場合と違うと思いますが、欠けた場合に新しく市町村長が選挙されるという場合には、その人だけの任期を考えればいいわけでございますので、現在のところはそこから四年間を起算する、こういうことになっております。そのために、御指摘のように、選挙がばらばらになってかえって国民の選挙の意識が低くなっていくのじゃないかということになるのだろうかと思いますが、制度的にはそういうたてまえで出発をしてまいったわけであります。もちろん、制度を変えれば、これは不可能な問題ではないと思います。アメリカのように、日本でいえば助役とかあるいは副知事というようなものに残存期間を代行させて、一定の時期に選挙を統一をすると、実はそういうことも相当研究したことはございますけれども、非常にまあ混乱を起こすものですから、一つの案としてはまとまらなかったわけでございますが、そういう経過をたどっているのでございます。
#21
○横川正市君 これは、このままでいけば、おそらく何年かするうちに、どこの市町村の場合であっても、いつとはなしにどこかで選挙をやる、日本じゅうで選挙がばらばらにやられていくというかっこうになるのじゃないですか、このままでいけば、遠からずですね。だから、こう一つか二つの選挙のない日というのはないくらいでしょう、いま全国どこかの市町村で。これをそのままにしておいていいかどうかということを私はやっぱり考えてしかるべきだと思うんですがね。絶対にこれは何かに、たとえば憲法に抵触するとか何かで絶対的なものであれば、これはまあ私どもは理論抜きにいたしますけれども、そうでないならば、私は残存期間というものをもっと明確にし、補欠選挙ということを行なえるような制度にしたほうがいいのじゃないか。それで、四月なら四月に日本じゅうが全部選挙をやっているというその状態のほうが、いろいろな意味で私は選挙の啓蒙とかなんとかで非常に大きな力を発揮するのじゃないかというふうに思うのですがね。いろいろな意見もあるでしょう。これはもう言ってみれば、国民としての権利を行使するにその時期を選んだり何かする必要がないのだから、一度でいいじゃないか。まあいろいろあると思いますが、しかし、何か全体としてばらばらになっていてとらまえどころがなくなって、そのほうが不都合なように私ども思うんですが、まあいまの答弁では現状の説明だけですけれども、このままおいていいと考えるかどうかですね、担当省としては。
#22
○政府委員(皆川迪夫君) この問題を考える場合に、確かに、あまりばらばらになりますと、欠陥といいますか、むしろ統一をしたほうが国民の政治意識を高めるということになっていい点があるだろうと思います。ただ、それをそうするためには二つ問題がある。一つは、そういう体制ができた後に欠員が生じた場合に、独任制の機関の場合ですね、あるいは将来リコールの解散というような場合もあるかもしらぬが、そういう場合に残存期間だけ、たとえ五十日でもあるいは六カ月でも選挙をやることがいいのか、あるいは代行的なことを考えておくのがいいのか、そういうたてまえの問題が一つあるわけでございます。
 それからもう一つは、経過的に任期をそろえるというのが現在においては非常に困難になってきている。もちろん憲法上に抵触する問題はないと思います。これは選挙される議員なり市長の任期をある時点を目標にして特例を設けて延ばすとか短縮するとかというような問題が起こるわけですけれども、ただそれも現実的には非常に大きな問題を起こすことになりますので、研究はいたしましたけれども、案としては実らなかった、こういうことでございます。将来のことを考えますと、その程度のことで投げておっていいのかどうかということについては、確かに御指摘のとおりだろうと思いますので、十分に事務的にもその点についての検討をいたしたいと思っております。
#23
○国務大臣(野田武夫君) 私もいまの横川さんの御意見非常に傾聴したのです。これは、先ほど最高裁判所の裁判官の問題のときに、松本さんの質問で私もちょっと感じたのですが、しかし、衆議院とか参議院とかほかの大きな選挙と一緒に最高裁判所をやるものだから、国民はますますわからなくなると私は実は思うのです。これは、最高裁の裁判官の国民審査法というものがあってやるならば、やっぱり別個に切り離せば、もう少し、横川さんのおっしゃっているように、多少刷りものでも読みますけれども、ほとんど常識的に没です。見ないですね。だからますます、バッテンにするのか白紙かといっても、関心がないですね。棄権なんというものが出てくるというのはわかると思うのです。こういう少し、横川さんの御意見私も痛感しているのですが、選挙とか、投票とか、こういうものに対してやはり取り扱い方が軽いのじゃないかという感じがいたします。そういうほかの大きな選挙に巻き込まれて、何かわけがわからずにやるようなことになっては困るので、選挙とか投票という問題に対する意識というものは、このやり方では上がりませんね。私はわかります、これは。こういうこともやはり今後の一つの問題になりはしないかと思っております。
 それから、いまのお話の残存期間――補欠選挙の場合、これが全くいま御指摘どおりのことで、やむを得ないとしてやっているようですが、全くお話のとおり、毎日毎日日本じゅう選挙をやっているのですが、これは、こんなことをやっているということが一つの国民の選挙意識を低下させるという大きな原因だと思う。また選挙かと、こういうことになりますから、もう少し選挙に対する考え方を厳粛にする、もっと国民の大きな関心を呼ぶようにするとか、これは理屈を抜きにして大切なことだと思います。やはり、こういうことにおいて何か関心を向かせるような、ふだんの啓発以上に、こういうときにとにかく国民が注目をする、大事なもんだということで。選挙が何年かに一ぺんだとそれが出てくるが、これはしょっちゅうやっていては、やはりお話のとおりだと思います。これは、いま事務当局から、こういうこともありますと言っておりますけれども、私も非常に痛感しましたから、これらについてひとつ検討を加えてみます。
 どういうやり方をいま申し上げていいか、そういうことは、やはり大事なことだと思いますから、これはよけいな答弁かもしれませんが、私は、いま横川さん、さっき松本さんの実際のお話を承って、横川さんのいま補欠の問題の御指摘があったりして、こういうことはやはり、いままでみんな気がついておったでしょうが、選挙そのものに対してもう少し重要視する立場からすると、十分私は検討していくべき問題だと、こう感じております。
#24
○横川正市君 その実際上の問題として非常にたくさんあるのですが、ひとつこれは検討してみてください。憲法上の問題があればこれは別問題です。全然取り扱いとしては別問題です。
 それから、第六次選挙制度審議会の発足を近く見る、しかも委員長になられる方の承諾を得たというような、時宜に適したかどうか、少しおくれているんじゃないかと思うんですが、それでも一つの前進を見たようなんですが、まず最初に、制度審議会が出されたもののいままでの処理ですね、それと、それまでに処理ができないで第六次に必要とされる案件と、こう分けて、先のものの処理はどうするのか、それから六次に何をするのかということをちょっと筋道を立てて説明してくれませんか。
#25
○国務大臣(野田武夫君) 事務的にそれじゃ御説明いたさせましょう。
#26
○政府委員(皆川迪夫君) いままで第五次の審議会で答申を得ました問題は、一つは政治資金規正法の改正、それから選挙運動の自由化の問題、それからもう一つは、衆議院の選挙区制については、明確な答申はいただいておりませんが、まあ大体こういう意向が多かったという趣旨の答申をいただいております。それから残された問題は、参議院の制度をどういうふうにするかという点については、審議半ばでついに答申が出ていなかったわけでございます。したがって、この取り扱いについては、今度の国会においてもたびたび総理大臣あるいは大臣から申し上げましたように、規正法あるいは選挙運動の自由化については提案をいたして御審議をお願いいたしたい、こういう準備をいたしておるわけでございます。
 それから、第六次の審議会に対しては、残されております参議院の制度、この選挙制度をどういうふうに持っていったらいいかということを諮問することになるであろうかというふうに考えております。
#27
○横川正市君 大臣、これでこの五次のあと始末ですが、今度何かやはり会期末を迎えて、たとえば政治資金規正法のような場合は出されるような様子ですが、自由化の問題とあわせて、どういうかっこうで、いつ提案されるわけですか。
#28
○国務大臣(野田武夫君) 政治資金規正法は、もうこの前も出して、ああいう審議未了になっております。これは現行法よりも少なくとも前進したものだと思っております。この前出しました案も私検討いたしておりますが、これは何と申しますか、党のほうでもたいへんこれは論議がありますし、選挙調査会でやっております。選挙関係でございますから、役所だけでやるかどうか、それからまた一面、決してこれは与党だけでなくて、野党の御意見もお聞きするということ、そういうことを参考にしてひとつやらなくちゃならぬ、こう考えております。政治資金規正法は、もう大体いろんな意見の調整も終わりかかっておりますので、いつごろということまではまだちょっと申し上げられませんが、やはり今度の御審議を願う相当期間を考えまして提出したいと、こう考えております。
 選挙の自由化につきましては、大体案がまとまったと言ってよい段階に入ってまいりました。もう少しいろいろ手直しをいたす段階、これはこの前出しました案に少し新たに加えるのもございますので、そういう意味におきまして、これはそう時間をとらない、自由化のほうが先に案ができるんじゃないかと思っております。近く提出したいと、こう考えております。
#29
○横川正市君 衆議院の区制の問題はどういう取り扱いをするわけですか。すでにまあ、いま説明されたように、五次までの中にそれぞれの意見がありますが、おおよそ区制改正についての一つの考え方というものが出ておって、それを自治省として受けておるわけですが、内閣としても受けておるわけですが、取り扱いとしてはどういう取り扱いをしますか。
#30
○国務大臣(野田武夫君) 区制につきましては、一応意見は出ておりますが、結局最後の答申というものにならなかったのですから、したがって、解釈が二つございまして、あの意見を基礎として区制の問題は案をつくってもいいのじゃないかという意見と、やはり審議会のはっきりした答申を得てやるのが妥当だ、こういう意見があります。したがって、私どもとしましては、その間意見が大体三つ――御承知のとおり五つか六つ出ておるのですが、大体おもなものは三つというわけでございます。そういうことでございますから、なかなかこの問題の取り扱いに実は難渋しておるのでございます。しかし、どうしても、第五次でもあれだけの審議の経過がありますし、またこの問題は選挙制度全般から考えましてやはり何らかの成案を得なければならぬ、また、得べき問題だと、こう考えておりますから、ただ、いまのところ、その取り扱いを、あの審議会の意見のままでいくか、あるいは新たに諮問して答申を得るかということが、実はまだ私どものほうできめかねておりまして、これは第六次審議会ができますと、それは別に正式の諮問ではございませんが、いろいろ審議会の方々にもひとつ意見を聞きたい、こう思っております。
#31
○横川正市君 六次の審議会へかける案件については、きょうは別に質問をする考えはないのですが、相当、長期の検討の期間というものがあって、きょうは四月十六日、五月二十五日が会期末なんです。そういう時期で、なおかつまだ提出時期も明確になっていないということ、それからもう一つは、そうすると衆議院の区制の問題については、おおよそこの国会には出す意思はないと判断していいわけですね、まず六次に持ち込むと、それはどうですか。
#32
○国務大臣(野田武夫君) いま仰せになりましたとおり、区制の問題は、第五次審議会の経過を見ましたし、どういう結論をつけて対処するかという方針も実はまだはっきりいたしておりませんので、おそらく今国会に衆議院の区制を提案するところまで運んでいかないのじゃないかと、こう思っております。
#33
○横川正市君 時間がないようですから、次回にまた移して、一応私ここでやめます。
#34
○三木忠雄君 私も、時間が限られておりますので、二、三お聞きして終わりたいと思いますが、特に今回提出されました選挙法の一部改正に関しては、二十三日の当委員会で詳しくいろいろお聞きしたいと思いますが、特に一点だけお聞きしておきたい問題は、四十四年の七月二十日からこの法案が施行される、こうなっておるわけでありますけれども、実際事務手続、そういう問題等については、十分やっていかれる自信はあおりでしょうか。
#35
○政府委員(皆川迪夫君) 切りかえにあたりましては、なかなかたいへんな事務があるわけでございまして、まず住民基本台帳を正確なものにしていかなければならないということと、名簿と住民基本台帳との不一致の場合、たとえば住民基本台帳のほうの登録の申請をしてないが選挙人名簿には載っていると、こういう事態があれば困りますので、住民台帳の登録を正規にするように、こういう住民の協力を求めなければならぬということがございまして、実は私たちとしては、できるだけ早い機会にこの法律案を通していただいて、国民に十分理解をしてもらうと同時に、第一線の管理委員会に十分周知させて、これを施行していくつもりでございます。ただ、御承知のように、これが一昨年の七月二十五日に、それから二年、ことしの七月二十四日ということになるわけでございまして、七月二十日がぎりぎりの期間でございます。したがって、どうしてもそれまでの間に十分な措置を講じなければならない。まだ御審議をいただいておりますので、正式な準備には着手できないわけでございますけれども、なるべくこの趣旨でその準備をするように指導いたしております。できるだけ粗漏のないように移行したいと思っております。
#36
○三木忠雄君 それでは、第六次選挙制度の問題について、いま横川委員からもお話があったわけでありますが、特に第六次選挙制度審議会について、四十二年度に第五次選挙制度審議会が終わってからいまだにまだ第六次の審議会が発足してないわけなんですね。特に、選挙制度審議会の設置法から考えてみましても、常に審議会が設置されてなければならない。それなのに、四十三年中はいまだに審議会が発足されてない。これは重大な問題じゃないかと思うのです。この問題について自治大臣としてどういう見解を持っておるか、これをお聞きしたいわけであります。
#37
○国務大臣(野田武夫君) 長い間選挙制度審議会が空白になっておるということ、これはまことに申しわけないことだと思っております。私は、自治大臣に就任以来、このことに深い関心を持ちまして、どうしてもできるだけ早く審議会を構成して、そして重要な案件についての審議をお願いしたいということで、就任早々から私この問題を、いろいろな機会に、国会でも申し上げていたのであります。同時に、三月末をめどに委員の方をひとつお願いをしたいという――これは、御承知のとおり、内容を申しますと、予算編成とかいろいろなことがございましたからすぐかかれなかった。就任以来私も、一日もなおざりにしちゃいかぬというので、お約束したとおり三月末めどでやりましたけれども、やはり人事でございますので、一週間、十日はどうしても、しかも三十人でございますから、予定どおり――向こうの御快諾も三日間延び五日間延びたりしますから、これは私はお約束したとおり三月末めどにということで、もうそのところからかかっております。大体、一応の審議会の委員の方々に御了承を得ております。まだ少し残っておりますので、近く発足したいと、こう思っております。
#38
○三木忠雄君 近くとか三月末とかいろいろ言われるのですけれども、実際にいつこの審議会が発足するか。話ついたですか。あるいは審議会の委員のメンバー構成についての段取りをして発足がつできるか、その点をお聞きしたいのです。
#39
○国務大臣(野田武夫君) いま申しましたように、数人の方がまだ御返事を得てないのです。これは人のことですからなかなかむずかしくて、何月何日までにとはお願いしてありますけれども、やはりもう少し考えさしてくれと言うものですから、私のほうは発足は急いでいるわけですから、新聞にもちょっと出ておりますとおり、これはもう三木さんがおっしゃるとおり、私はむしろ非常に急いで、何月何日と申しますとちょっと人のことですから、しかしこれは近くということばはちょっと掛け値のないことばでして、数日中にメンバーをきめ得る、なかなかそこまで詰められますと、相当、三十人の方の御返事ですから、私一人でやれぬことですから、大体御了解願えると思いますが、私自身も早くやりたい、そうしてやるべきだ、こう思っております。
#40
○三木忠雄君 いつも数人の人がひっかかる、その人に固執する必要は私はないのじゃないかと思うのです。何か自治大臣の諮問機関みたいに、この人をどうしても交渉して入れなければならないということで私はひっかかっているのじゃないかと思うのです。もっと第六次の選挙制度審議会の人選について国民の各層からの広い委員を選ぶという考え方を持ってもいいんじゃないかと思うのです。ある意味では主婦からも、非常に若い学者からもどんどん大いに入れていくべきではないか、こういうような考え方も持つのですけれども、自治大臣、どうでしょうか。
#41
○国務大臣(野田武夫君) 御趣旨のとおり、メンバーができましたら、ひとつ御検討願えればいいのですが、これは各層から入っております。学者の人、言論界、また学識経験者とか、学識経験者の中にはいろいろな方々が入っておりまして、これは別にどの方、おのずからやっぱり選挙という問題がありますから、ただ人を集めてもなかなか審議会の目的を達しませんから、それは常識的にやっております。それから、御承知のとおり、この前の、いま問題になった政治資金規制法でも、何も政府の言うとおりな人はほとんどいないのです、あの経過から見ても。それは、いまの日本のやはり学識経験者というものは一つの見識を持っておりますから、何も自治大臣の諮問機関になろうなんて思っておりません。それだけに人選がやはりなかなかむずかしいのです。だれでもよかったら、二、三日あったらできることですから。そこは逆でありまして、そういうやはり見識を持っている人、だれが見てもりっぱな御意見が出てくるという、こういう基本的なことですから、なかなか全部おそろい願うのには多少の時間がかかる、こういうことです。
#42
○三木忠雄君 第六次選挙制度審議会の――いまも答弁があったわけでありますけれども、諮問委員会の趣旨は、特に参議院の地方区の定数是正の問題、これが非常に大きな問題になっているわけですね。この問題については、特に参議院の定数是正の問題である以上、やはり参議院側から特別委員を数多く出してふやして、そうして審議会を発足させたらいいじゃないか、特別委員等も参議院からふやしたほうがいいじゃないか、こうも考えるわけですが、この点はいかがでしょうか。
#43
○国務大臣(野田武夫君) これはまあ、地方区の定数のバランスの問題があります。大体私どものほうでは、やはり参議院制度全体をひとつ審議したい、こう思っております。いろいろな、定数の問題だけじゃなくて、参議院制度全体の根本問題、せっかくのことでございますから御審議願いたい。何は参議院からというお話で、これは各党いままでのいろいろないきさつがございまして、大体御推薦願うのは党の関係で御推薦願いますから、私のほうはやはり各政党を尊重しておりますから、自分かってに参議院何名ということじゃなくて、これは党の関係で御推薦を願うということになるのじゃないかと思っております。よく御意思はわかりましたけれども、いままでのやはりいきさつ、それから党との関係が――これは自民党というのじゃありません、各政党との関係もございますから、その点はひとつ御理解願えるかと思っております。
#44
○三木忠雄君 政治資金の規制法の問題が特に二年越しの懸案事項としての公約になっておるわけですね。この政治資金規制法をいつ提出する計画であるか、その時期を私は明確にしてもらいたいと思います。どうでしょうか。
#45
○国務大臣(野田武夫君) 先ほども横川さんにお答えしたのですが、まだ審議期間は相当ございますから、審議期間が相当とれる、これはもう会期末の最後に、あすかあさって会期がなくなるというような、そんな非常識のやつはできませんから、それは相当期間をとって審議していただく、そういうことはやはり適当な時期を考えております。
#46
○三木忠雄君 選挙の問題として、選挙や、あるいはまた政治の腐敗是正等については、やはり資金の規制と、あるいは公開の原則の徹底、こういうまあ二本の柱を確立していかなければならないじゃないか、こういうふうに考えているわけでありますけれども、この問題についてはどうお考えでしょうか、自治大臣――大臣でなくてもいいですよ。
#47
○政府委員(皆川迪夫君) そういう趣旨で、現在政治資金規正法、これは実体は公開法に近いわけでございますから、一部の資金規制と、それからその金の内容を公開するたてまえをとっておるわけでございます。
#48
○三木忠雄君 四十三年の四月一日だったと思うけれども、朝日新聞に、「”粉飾報告”締出し」「「政治資金」規則を改正」ということで、自治省から方針が出されているわけですね。特にこういう問題について自治省はさっそく取り組むと、たとえば内部機関がどこに支出したのか最終支出先を報告するように様式を改める問題であるとか、あるいはまた支出の項目を統一するとか、こういうふうな問題について、政治資金の規正法は通らなくても、来年の一月ごろから施行法として実施をしたい、こういうことを自治省で見解を述べているのでありますけれども、この具体的な問題どうなっていますか。
#49
○政府委員(皆川迪夫君) 当時、規正法が通りました場合に、それを実施するためのいろんな施行法の手続を検討したわけでございますが、その際に、もう少し現在の公開の中身がわかりやすいようにまとめられないものであろうかという角度からいろいろ検討した事実はあるわけでございます。しかし、現在、各政党の経理といいますか、支出区分、あるいは予算執行の区分、やり方というものは実に区々でございまして、これを一つのものの型にはめる、体系立てるということは、これは相当の負担をしいることになるおそれもあるわけでございます。そういうことも懸念されるわけでございまして、まだ方針をはっきりきめたというわけではございませんけれども、できるだけ実情をも考えながら、もう少しわかりやすいものにしていきたいという角度で検討をいたしております。
#50
○三木忠雄君 自治大臣、どうですか、この問題は。
#51
○国務大臣(野田武夫君) いま事務当局から御説明しましたとおり、なかなか政党おのおの複雑なことがありますが、しかし、できるだけその趣旨に沿うた、一歩でもそういうものに近いことを考えなければいかぬ、こう考えております。
#52
○三木忠雄君 じゃあ最後に一つお聞きしたいことは、政治資金の報告書ですね、これは官報に公表するまで閲覧できないと、こういうふうになっているそうでありますけれども、これはどういう理由ですか。
#53
○政府委員(皆川迪夫君) 政治資金の届け出を受理いたしますと、私のほうでその中をしさいに検討いたします。検討いたしますというのは、かなり、実はちょいちょい間違い等があるわけで、計算が合わないとかという点が出てまいりますので、それを私のほうで確かめまして、もし過失的に計算が違っておったというようなものが公表されるということになってもいかがかと思いますので、そういう点があれば直す。それから、公表をする際に、なまのまま公表したのでは非常にわかりにくい。そのために、報道関係からの要求もありまして、なるべくわかりいいように整理をし、たとえば会社等の献金にいたしましても、数十の政治団体にばらばらに出しているわけですから、それをある程度整理をして、どういう団体へどの会社はどのくらいしておるのだということを新聞に発表できるようにしてもらいたい、こういう報道機関側からのお話もございまして、もっとものことであろうと思います。そういう意味で、実は報告を受けましたものを逐一検討をいたしているわけでございます。その過程で早く知りたいという希望の向きもあるようでございます。しかし、それは急ぐよりも、なるべく斉一に、多くの人に同じ機会にわかりやすいものをお見せすることがいいんじゃないか、こういうことで、私たちが公表するまで待っていただいている、こういうことでございます。
#54
○三木忠雄君 規正法の第二十一条では、受理した日から閲覧できると、こう解釈していいんじゃないか、こう思うんですけれども、どうでしょうか。
#55
○政府委員(皆川迪夫君) もちろん閲覧できるわけでございますが、しかし、これは事務を全部、何といいますか、停止をさせることになっても困りますので、そういう事務に支障のない限りにおいて見ていただく。ただ、その見る時期が、どうしてもその時期に見なきゃならぬというような事情があれば、またいろいろあろうかと思いますが、一部の新聞に報道するために見るというようなことであれば、これは避けていただくという取り扱いになっているわけであります。
#56
○三木忠雄君 あと詳細については、また別の機会にいたします。
#57
○委員長(中津井真君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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