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#1
第061回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号
昭和四十四年四月二十三日(水曜日)
   午後一時十二分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり
    委員長         中津井 真君
    理 事
                高橋文五郎君
                松本 賢一君
                三木 忠雄君
    委 員
                井川 伊平君
                大谷藤之助君
                後藤 義隆君
                中山 太郎君
                平島 敏夫君
                宮崎 正雄君
                山本敬三郎君
                安永 英雄君
                上林繁次郎君
                中村 正雄君
                岩間 正男君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       自治省行政局選
       挙部長      皆川 迪夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中津井真君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○松本賢一君 質問いたします。
 この機会にいろいろお聞きしたいことがあるのですけれども、まず法案に直接関係のあることについてお尋ねしたいのですけれども、われわれ議員になってから相当選挙法の改正等の機会もあったしというようなことで、いろいろと経験も積んでいるわけなんですけれども、わかりの悪いところがたくさんありまして、なかなかのみ込めないようなところがあるので、それを一々説明していただいておったのでは時間もたいへんでございますから、この点だけひとつよくしろうとにわかるように一ぺん説明していただきたいと思うのですが、いままでの法律で、ある人が選挙人名簿に名前が載るまでにどういう手続が必要で、どういうふうにやってそれが選挙人名簿に載ったのか、あるいはそれが選挙人名簿から消されたのか、今度の法律ではそれがどういうふうに違ってきたのかというようなことを、しろうとにわかりやすく大まかでいいですから説明していただきたいと思います。
#4
○政府委員(皆川迪夫君) 現在の制度では、九月一日現在で選挙管理委員会が所属市町村の住民について調査をしまして有権者を登録をする。この場合には、必ずしも本人の申し出がなくても職権で登録することになる。そのほかに、十二月、三月、六月、この三回は本人の申請に基づいて有権者を登録する。その登録の申し出が、よその市町村から新しく移ってきた方々については、住民登録をする際に、住民基本台帳に登録の申請をする際に、あわせて選挙人の登録の申請をする、こういう実際上の取り扱いにいたしておる。これは政令に根拠を与えておる。そのほかに、ずっとその市町村に住んで、年齢が二十才になって新しく有権者になった、そういう人については、自分でその機会に登録の申請をする、こういうことになっております。
 今度改めようという制度は、住民基本台帳に記録をされている方々について、九月一日に全有権者を選挙管理委員会が調査をしまして、そして職権で登録する。そのほかに選挙が行なわれる場合には、また別に住民基本台帳に基づいて全有権者を同じように職権で登録する。したがって、従来のように、長くその市町村に住んでおった人があらためて自分で申請しなければ選挙人名簿に登録されないということがなくなるわけであります。その点が一番大きな違いであろうと思います、実際上の取り扱いとしましては。法律的には、住民基本台帳に記録されておりませんと選挙人名簿のほうに載らなくなる、これは法律的な違いとしてはその点が出てくるわけでございます。大体こういうふうになるわけでございます。
#5
○松本賢一君 そうすると、いままでのやり方では、九月の一日に選挙人名簿に載る分は、住民台帳によって、本人の申し出があろうとなかろうと、これは資格のある人だということになればそれを載せたということですか。
#6
○政府委員(皆川迪夫君) 九月一日の際は、大きな都市等においては実際上住民台帳にかわる調査の方法がなかなかないものですから、それに基づくことが実際上は多いわけでございますけれども、必ずしもそれによらないで調査をしてもいい。また、それに載ってない人が登録の申請をしてきた場合に、実際にそこに住んでおるならば登録をする、こういうことになっております。
#7
○松本賢一君 だから、九月の一日の分はその選挙管理委員会が住民台帳によるか、あるいはその他の方法というのは、何か戸別訪問なんかやって調査する場合も一あるのですか。
#8
○政府委員(皆川迪夫君) それは個々の市町村でそういうことをやるところもあるわけでございます。なかなか実際上はそこまでいくことは困難であろうと思いますが、そういうことも可能なたてまえになっております。
#9
○松本賢一君 そうすると、九月の一日はそういうふうにやって、あとの十二月、三月、六月ですか、何かあと三回くらいに載せていくそれは、もう本人の申し出があって初めて載せる、こういうことになったわけですね。
#10
○政府委員(皆川迪夫君) そうでございます。
#11
○松本賢一君 それを今度は本人の申し出ということはもう条件にしないで、全部九月一日に住民基本台帳に載っている人だけをやるということですね。そうすると、載っていない人は申し出があってもやらないということですか。
#12
○政府委員(皆川迪夫君) そういうことになるわけでございます。現在も住民基本台帳の申し出の際に申し出をしてもらっておりますから、その点についてはあまり大きな違いはないだろうと思います。ただ一番違いますのは、その市町村において年齢要件を満たして新しく二十になった人、そういう人たちが従来は申請しないと登録されなかったわけですが、それが選挙の際に選挙管理委員会のほうで職権で拾っていく、そういうことになるわけです。
#13
○松本賢一君 そうすると、まだどうもよくわからないのですけれども、いままでのやり方でこんな人があったのじゃないかと思うのですがね。基本台帳には載らないけれども、たまたまその町へ来て何カ月か住んでおる、まあ出かせぎの人だとか学生だとかといったような人たちで、そういうような人で基本台帳に載ってなくて選挙人名簿にだけ載っているといったような人が相当数あったわけじゃないんですか。
#14
○政府委員(皆川迪夫君) この点は、住民基本台帳と選挙人名簿の登録のリンクをする際に、永久選挙人名簿を採用する際に、実態調査を、まあこれは相当の予算をつけてやったわけでございます。そのときには、住民台帳に載ってない方が相当載っているようでございます。その後は、大体そういうリンク制度を実際とっておりますから、そう大きな食い違いはないだろうと思いますが、ただたてまえ上は住民台帳に載ってなくてもいいことになっておりますから、そういうことも若干はおありになるだろうと思います。
#15
○松本賢一君 そこでちょっと心配になるのは、せっかくいままで選挙権のあった人が、何か自分の生活の都合で住民基本台帳には載っていないけれども選挙人名簿にだけは載っているといったような人が、今度住民基本台帳に載ってなければもう選挙権を失なうということになりますと、いままで持っていた選挙権を失ってしまうというような人が相当数いるんじゃないかという、これは私の杞憂かもしれませんけれども、そういう点は心配ありませんか。
#16
○政府委員(皆川迪夫君) まあ、その点については、そういう制度に移り変わるわけでございますから、住民基本台帳に登録の申請をしてない人がそれをしてもらう、これが住民基本台帳をつくった趣旨でもありますので、またいろんな行政の目的上、そういうことが必要なわけでございますから、そういうことを実際上してもらおうと思っております。したがって、まあどうしてもなさらないということになりますと、あるいはそういう問題も起こるかと思いますが、ただもう一点、現在の選挙人名簿には、場合によりますと住民台帳に記録されておった、いなかから東京に出かせぎに出てくる、そうすると、いなかの名簿に載っている――永久名簿ですから、昔登録されたまま住民台帳に抜けていませんので。そうしますと、そのいなかのほうに登録をされておって、都会で選挙人名簿の申請をする、住民台帳はないけれども登録をする。そうしますと、二重登録という心配があるわけであります。選挙人名簿の場合には、住民基本台帳のように常に市町村選挙管理委員会相互の連絡が――現在は新しく載せる場合に、昔の従前の市町村において選挙人名簿に載っておったかどうかということを調べますから、現在はあまり変わりないと思いますが、昔はそういうことがなかったわけでありますから、二重登録という心配もあるわけであります。そういう方はこの機会にどちらかはっきり一つのほうに登録をしてもらうということになろうかと思いますけれども。
#17
○松本賢一君 いや、どちらか一つといっても、その人が選択するわけにはいかないでしょう。
#18
○政府委員(皆川迪夫君) まあ住所は、従来の考え方からすると、客観的に本人がどこか一カ所に認定をされる、こういうたてまえで住所というものを考えておったわけでございますが、根本的にそれが変わるわけじゃございませんけれども、住民基本台帳法によって本人の届け出ということが基本になってまいりますから、今度はどうしてもそういう場合に本人がどちらの住所を自分の住所と考えるかということになってくるだろうと思います。したがって、本人が東京に暫時の間おるにしても、ここを自分の生活の根拠と考えれば、当然そこに住民台帳の登録をする。そこで年金も受ければ、あるいは健康保険の恩恵も受ける、選挙権も行使する、こういうことになってくるわけでございます。
#19
○松本賢一君 これね、案外知らない人が一般には非常に多いんですね。その点は、こういう制度に変わって、それはいままでの制度より今度変わる制度のほうがいいんだろうと思うのですけれども、それがなかなかその一般の人に徹底しないので、そのためにかえって、いままで持っていた選挙権がいつの間にかなくなっているとか、あるいはそのほかいろいろな不便不都合が生ずるといったようなことがありはしないかという心配があるわけなんで、そういう点、どういうふうにして徹底させることをおやりになるわけですか。
#20
○政府委員(皆川迪夫君) これは、住民基本台帳法をつくりました際に、ことしの三月までに住民票を整理をする、ことしの三月を一つの期限にしてやってきたわけなんであります。それから選挙人名簿とのつながりは、この法案では七月の二十日から施行するということにいたしておりますので、大体住民票の整理も終わりましたので、この七月までの間に十分住民に対してそういう点も周知をさせて、登録のない人は登録をしてもらう、こういうことを実際にやらなければならない。これは非常に大事なことであって、私たちも、法案が通りましたら、すみやかにひとつ全国民にそういう趣旨の徹底をさせて、そして間違いのないようにやってまいりたいと、こう思っております。
#21
○松本賢一君 徹底をさせる具体的な方法というものは、どういうことをお考えなんですか。
#22
○政府委員(皆川迪夫君) これは全国的には、たとえばテレビのスポットを利用するとか、新聞を利用するとか、あるいは個々の市町村になりますと、いろいろな広報を利用したり、あるいはそのほかの周知方法をそれぞれとっておりますので、そういう方面で徹底的にやりたいと、こう思っております。
#23
○松本賢一君 いろいろお考えになっておることと思いますけれども、こういうことというのは案外徹底しないものなんで、ひとつ手をかえ品をかえやっていただきたいと思うのです。私自身がきょうこんな質問をしなければならないぐらいやっぱり知らないのですから、一般の人もやっぱり知らないと思うんですよ。こういう点で、ひとつよほど周知徹底させるのには骨を折って、それに予算も必要じゃないかと思うので、そういう点も十分各地方自治体に対して予算を考えるということも考えてもらわなければならぬと思いますけれども、その点ひとつ大臣から。
#24
○国務大臣(野田武夫君) いま松本さんの御指摘になりました一般の徹底の問題、これは非常に御忠告ありがたいと思っております。これはそのとおりでございまして、どうも、住民基本台帳、それから選挙人名簿というのをリンクしてやることになるのですが、なかなかそこのところ、従来からもそうですが、非常に手落ちが多いし、それからだいぶ脱漏があるし、なかなか完全を期することがむずかしいのは、この法案がむずかしいというのじゃなくて、従来から御指摘のとおりだと思っております。せっかくここまでいろいろ政府といたしましても考えて、そして今度この法案を出したのでございまして、一番大事なことは、いま御指摘の、一般の方がこれを理解して、いわゆる認識を深くして、そしてやはりそういうふうに実行していただくということでございますが、いまお話しのとおり、これはテレビとか新聞使うのはもとよりですが、市町村にも非常に御協力を願う。まず選挙管理委員会のこれは責任でやりますけれども、それで、私はこれはお答えになるかどうかは別ですけれども、非常に松本さんは自治体の御経験もあるし、そこのところは、選挙問題は一党一派のことじゃございませんものですから、ひとついろいろな、こうしたらいいんじゃないかと御注意をいただきますれば、私どもはそれを参考にしてやりたい。私どもそれを一番懸念しております。それから、従来政府のこういうことをやります場合に、予算がどうとかこうとか、これも御指摘のとおりであります。そんなことを言っておったら、せっかく法案を改正しても、なかなか予算でもって制約を受けて中途はんぱになってしまいますから、十分その点も私は考慮いたしておりまして、これを御審議願って、幸いにこの法案が通過いたしますれば、私はその問題を特にひとつ、いまの一般に普及する、徹底する問題について特別な配慮を加えたい。そしていろんな方々の御意見を拝聴しまして、そしてひとつ周知の方法をやらねば効果がないと、これはもう非常に私はいまのお話を傾聴しておりまして、私も全く同感であります。いまこちらで考えることがこれで十分だということじゃございませんから、もう次々とこの問題は、何も政府ひとりの知恵だけでも足りない点が相当あると思いますから、皆さんのいろんなお知恵を拝借しまして、御指導願って、これはもう徹底的にやりたいと、いま私はそういう考え方を持っております。
#25
○松本賢一君 非常に大臣が熱心におっしゃるので心強く思いますけれども、これはやっぱり先立つものが要るわけなんで、各自治体とも。それに対する具体的な予算の手当てのことはどういうふうに考えられておるか。
#26
○政府委員(皆川迪夫君) 住民基本台帳、それから選挙人名簿の調製というのは現在地方団体の仕事である、こういうたてまえにいたしておるのでありますから、これは財源措置としては交付税で措置をする、財政需要を見る、こういうたてまえになっております。それで、住民基本台帳については、特に昨年までは、先ほども申し上げましたように、住民票の整理とかあるいはいろんな初度の調弁費というものに重点が置かれておったものでございますから、ことしの四十四年度からはこういった実態の調査をよくやれるように、職員の数にいたしましても、予算の組み方にいたしましても、そういうふうに重点を置いて交付税の財政需要を計算しております。その結果、大体四十四年度で、去年に比べますと三十億ほどふやしまして措置をするというたてまえでおります。ただ、これはあくまでも交付税上の計算のものでございますから、実際に市町村がそれをやってくれなければ困るわけでございまして、私たちとしましては、その点につきまして、先ほど申し上げましたような抽象的、一般的なPRのほかに、さらに個々具体の人について、住民基本台帳に登録されておらないために選挙人名簿から落とされる、こういう懸念のある人については、個々具体の人について知らせまして、そしてその人が申請をしてもらうように措置をしたい、こう思っております。
#27
○松本賢一君 役所で直接普通に考えられる事務のために要る費用、これは当然交付税で見てあるのだろうと思いますけれども、その中に、こういう法律が変わるときの周知徹底のための啓蒙宣伝費といいますか、そういうものが今度の場合この法律に関してどれくらい余分に見られておるのか、ちょっとこまかい質問かもしれませんけれども、どうでございますか。そういう点。
#28
○政府委員(皆川迪夫君) この点は、住民基本台帳をつくりました際にいろんなそういうことをしたわけですが、今度の切りかえについては、特にそういう名目で予算は計上いたしておりません。いろんな重点をそちらのほうに置いて、PRをやっていく。たとえば、私のほうでやっております常時啓発の一つの大きなテーマになっていくだろうと思います。本年度については、特にそういった点もその方面からPRをしていきたいと思っております。
#29
○松本賢一君 しかし、やっぱり地方自治体となりますと、まあ何をやるにも、宣伝カー一つ走らせるのだって金が要るんだし、テレビで広告しようと思えば、地方のテレビを使うというようなことになると、やっぱりそれに対して金が要ると、いろいろまあ金が要るわけなんですが、しかも必ずしも地方自治体はその宣伝について意欲的でない面もあるわけなので、まあまあたいていわかるだろうというくらいのことで、意欲的でない場合もあるわけなんで、そういうことに対してやっぱり自治省なら自治省が地方自治体に対して積極的に啓蒙宣伝をやるべきだという指導をしていただいて、それについては予算もこれだけ見てあるんだぞということにならないと、やっぱりものごとよく動かないと思うのですがね、その点いかがですか。
#30
○政府委員(皆川迪夫君) この点につきましては、まあ率直に申し上げますと、従来の住民基本台帳だけの時代ですね、この時代については関心も比較的足りなかったんじゃないだろうかという気持ちを私たちも感ずるわけであります。ただ、去年以来選挙人名簿とのつながりをつけるということがだんだんと周知されてまいりまして、最近では各地方団体――選挙管理委員会だけでなくて、市町村の当局もこれが非常に大事な仕事になってきた。住民台帳もしっかりしなければたいへんなことになると、こういう気持ちを痛切に持っておるようでございます。私たちも、もちろん、予算を通じて全国的な規模でPRもいたしますけれども、その点は従来の住民基本台帳と選挙人名簿の結びつきのなかった時代よりもはるかに市町村長の責任感というものは私変わってきていると思いますので、そういうことを前提にして、さらに効果的なPRなり、あるいは個人個人に対する連絡ということを十分にやっていくように指導してまいりたいと思います。
#31
○松本賢一君 まあ私が聞いていることとお答えになっていることとちょっとこうそれているような気がするんですけれども、私が聞いているのは、役所の帳簿の整理とか、役所の内部で結びつきを緊密にするとか、そういう問題じゃないので、そうじゃなしに、一般市町村の住民の人たちに対するこういう法律の変わったことの徹底、あるいは、法律の変わったことというよりも、むしろいままでどういう法律があったかということも知らないわけなんだから、そういったようなことに対する啓蒙宣伝をやっぱりこういうチャンスにまあ非常に積極的にやっていただけば、それがまた選挙というものに対する住民の認識の非常に大きな助けにもなるわけなんで、そういう点、ひとつ単なる通り一ぺんの指導でなく、活発にやってもらえるように指導してもらいたいと思うわけなんです。まあそれはそういうことを申し上げておいて、その辺でとどめたいと思いますけれども……。
 で、まあ法案読んでみても、私どもわからぬこともあるけれども、一々聞いておったら時間もたいへんですから、もうこの辺で法案に対するあれはやめますけれども、この機会に大臣に少し、いままでたびたびこの委員会でいろんな方から出てきた問題にもなりますけれども、一応またお伺いしてみたいと思うのですけど、先週のこの委員会で、たしか横川さんからだったと思いますが、質問があって、それに対して大臣お答えになったんですが、第六次選挙制度審議会ですか、これその後どうですか、あれから一週間たちましたけれども、あのとき大臣は数日のうちにというようにお話があったのでありますけれども。
#32
○国務大臣(野田武夫君) あのときお答えいたしましたとおりで、実はほとんど大体メンバーがそろいましてお願いいたしておりますが、二、三やっぱりどうしても返事を――お断わりになるのじゃなくて、待ってくれという方がありまして、これはまあ人事として三十人ですから、私のほうは非常に積極的にやっております。決して私がお答えしたことに間違いない、自分の方針はやっておりまして、あと二、三の方がどうもそこのところで、まあきちんとお答えがあればいいんですが、何かもうちょっと、もうちょっとという方がありまして、実は率直に申しますと、あと数人の方でひっかかっております。それで、それもちょうど、私が先週で一応仕上げをしたいと思っておりましたが、もうここまで参りまして、お約束したこともありますし、それで、お約束したことはもちろんですが、審議会の本質から考えますと、そう時間延ばしちゃいけない、こう考えておりますから、まあ少なくともこの二、三日うちに大体の締めくくりをやろうという腹を実はきめておりますが、どうもなかなか人事というのは、こっちは非常に急いでおりましても、旅行されていていないとか、帰ってからどうだという、これは内輪の話で恐縮ですが、大ぜいの方なもんですから、そこでひっかかっておるんですが、方針としてはもうそのとおりやっておりますが、しかし、まあ少なくとも今週には、これこそもうあと数人ですから、一応めどをつけてひとつ皆さんにお願いしておりますことを完了したいと、そしてひとつ委員の方々に全部お願いしたい、こういう腹でいまやっております。たいへんおくれまして申しわけないのですが、事実は、私いいかげんに取り扱っていないし、それから自分のめどだけはつけてやっておりますが、その間の事情がちょっとございまして、予定がちょっとおくれております。そういう人事状態でございます。
#33
○松本賢一君 そうすると、大臣も非常に責任を感じておられるようですが、連休明けぐらいには発足できるというお見通しですか。
#34
○国務大臣(野田武夫君) いま私申し上げました、連休明けには発足できるめどでやっております。
#35
○松本賢一君 それでは、まあそういう点できるだけやっていただきたいと思いますが、それはそれとして、今度の審議会は、聞くところによると、参議院制度の改革というか、改正というか、それが主たる仕事になるだろうということなんですけれども、審議会に全然白紙で諮問なさるんですか、どうですか、それは。
#36
○国務大臣(野田武夫君) これもさきにお答えいたしておきましたが、やはりまあ問題は、さきの国会でこの参議院の地方区の定員の問題が問題になっておったわけでございますが、もちろんこれも大きな問題として取り上げますが、しかし、これを取り上げる以上は、少なくとも参議院制度全体を一応審議の対象にしたいと、こう考えております。
#37
○松本賢一君 問題は、地方区の定数の問題と、それから全国区というものが相当論議の対象になっているようなんで、全国区をどうするといったような問題があると思うんですけれども、これまあ、いままで自治大臣何代かおかわりになって、そのつど話は出るんですが、まあ現在の野田大臣なり、あるいはまた自治省の内部なり、そういうところに大体やっぱりもう考え方というものがあるんじゃないかと思うんですけれども、そういう点どうですか。もちろん、これから審議会にかかることなんだから、こう考えておりますとはっきりは言えないのかもしれないけれども、一応こう、参考資料の程度ぐらいの考え方というものはあるんじゃないかと思うんですが、どうですか、お聞かせ願えませんか。
#38
○政府委員(皆川迪夫君) 参議院の制度につきましては、発足当時から、その後も常にいろいろ議論がありまして、選挙制度審議会になりましてからも、ずいぶんといろいろな御議論が出ておるわけでございます。役所のほうとしても検討してないわけではございませんけれども、何ぶんにも論点、角度、いろいろな場が広うございまして、現在の段階で政府あるいは自治省の考え方をお話しできるような段階にはちょっと参っておらないのでございます。
#39
○松本賢一君 まああんまり突っ込んで聞いても時間もたちますので、言いにくいことでもありましょうから、ひとつこれはやっぱり、審議会にかけられるにしても、大体まあ自治当局の考え方というものを一応持っておられてやられないと、ものごとがまとまらないという気がするのですね。ですから、そういう点、ひとつ自治省としても、それは議員の定数をどうするこうするというようなことはなかなか言いにくいことかもしれませんけれども、ある程度やっぱり考えをまとめておっていただいたほうが、われわれが考えるにもやっぱりひとつのよりどころもできるし、そのほうがいいと思うので、ひとつできるだけそういうふうな方針で自治省もそれに対して積極性を持ってやっていただくと、ただ審議会で御随意に議論をしていただいて御随意にまとめていただきたいというような態度よりも、もう少し積極的にやっていかれるほうがいいのじゃないかという気がするのです。それでもうこの次の、あと二年後に参議院選挙があるわけですけれども、それにはぜひ間に合うようにしなきゃならぬと思いますし、そのためには、この次の通常国会ではどうしてもやっぱり法案ができあがらないと間に合わないということにもなると思いますので、そういう点、これひとつ大臣にあれしたいのですが、ひとつ積極的に推進するということで臨んでいただきたいと思うのですが、どうでございましょうか。
#40
○国務大臣(野田武夫君) 御承知のとおり、参議院の選挙制度全体のあり方を見合いまして第五次の審議会で審議されたのでございますが、答申を得なかったものですから、それで今回第六次の審議会にもう最初から参議院制度の問題について諮問をいたすという腹はしばしば申しております。最初から参議院選挙制度の問題を諮問事項として提案するという意味は、やはりいまお話のありましたとおり、次の参議院の選挙というものを、時間的な制約もよく存じておりまするから、当然今度の審議会に提案いたします以上は、次の通常参議院選挙に間に合うようにというのが目標でございますから、これは私ども諮問します場合にも、委員の皆さんにはその点はよく御了解願いたい、そしてぜひそうしたいというので、ほかのものを合わせないで、とりあえず今度第六次の選挙制度審議会には参議院制度というものを最初からお願いしたい、こういう考え方を持っております。
#41
○松本賢一君 ひとつぜひそういうふうにお願いしたいと思います。われわれもまあ議員として、自分の問題でもあるし、いろいろ私は私なりに、また自分の党内でいろいろと相談するといったようなことも、やっぱりそれぞれしていかなければならぬと思っておりますけれども、ひとつ審議会のほうも積極的に促進をしていただきたいと思います。
 次に、参議院の問題はそうなんですが、衆議院のほうの問題がもうそのままの行きどまりのようなかっこうになってしまっているのですが、これをどういうふうに打開するかという点について大臣のお考えを伺ってみたいと思います。
#42
○国務大臣(野田武夫君) 衆議院の選挙制度の問題でございますが、これは御存じのとおり前にも、特に問題になる区制の問題、結局さきの選挙制度審議会ではまとまった答申は得なかったのですが、しかし、重要な意見として並記されて、一応、審議会の意向というものは出されております。正式なこれは答申じゃございませんから、これを受けて私どもといたしましてはその取り扱いをどう今後するか。しかし、結論においては、今日まだ衆議院の選挙制度、特に問題になる区制についての問題は、意見としての答えは得ておりますが、審議会全体のまとまった答申じゃございませんから、これはあらためて出すか、また意見に従うて検討するかということが非常に政府といたしましてもむずかしい点でございます。しかし、いろいろこれはひとり政府とか、与党とかというだけの問題じゃございませんで、選挙のことでございますから、できるだけ政党の御意向も聞きたい。ことに各政党、これはしかし一つの政党の言われたことをそのまま用いてやるわけじゃございませんが、参考として十分聞く必要がある、こう考えております。そこで、いまのところ実は今度の第六次の選挙制度審議会は、先ほど申し上げましたとおり、とりあえず、参議院の選挙制度問題を出すものですから、その間に審議の進行と見合わして、そしてひとつ衆議院の選挙制度につきましてもどういう形で諮問するかというようなこと、またその時期をどうするかということは考えてみたい。したがって、いまのこの時点ではまだまとまった、こういうことを諮問するということのいわゆる決定した考え方はいまのところ持ち合わしてはおりません。
#43
○松本賢一君 これは今度の六次の審議会で参議院の問題が主になる。その間、また衆議院の問題も出してみたいというような大臣のいまのあれですけれども、ただ、なかなかそういかないと思うんですよ。それをやればまたアブハチとらずみたいなことになってしまうと思うんですが、これは衆議院のほうで何回かやって練りに練って、そしていろいろな議論が出てきて、結局まとまらないで、ただこういう、あのような形の答申がなされたわけですけれども、これはやっぱり国民に対して政府も国会も責任があると思うんですよ。何とかまとめていかないと、一体何しておるんだということになると思うんで、その点、政府もまた審議会にかけてどうこうというようなことよりも、むしろ政府自体が本腰を入れてやるべき問題じゃないかと思うんです。それはまあ答弁いただかなくてもいいですけれども、そういうふうにやっぱり考えていっていただきたいと思います。それにつけて、国民がどうしてもやってもらわなきゃならぬと思っていることは、そういうふうにしてできていないわけなんですが、そのもう一歩手前の問題として政治資金規正の問題があったわけですが、一昨年以来ですね。審議会としては衆議院の選挙制度全体の問題はともかくとして、政治資金規正だけはさしあたってやれと、こういう答申、これははっきり出しておるわけです。それに対してああいう推移をたどっていったんですがね。聞くところによると、ことしの国会はまた去年と同じようなものを一応出してみるかといったような空気があるように、これはうわさを聞くんですが、そういう点いかがですか、大臣。
#44
○国務大臣(野田武夫君) 選挙資金の規正法でございますが、これは前の経過もよく御存じのとおりでありまして、非常に国民もこれを注目しておるのは私もよく存じております。したがって、今国会はやはり政治資金規正法を出したいという考え方は変わっておりません。また提案するつもりでおりますが、その内容につきまして、この前に政府が提案しましたそのままを出すか、また少し手直しをするか、その手直しと申しますのは、前よりも一歩でも前進したいという気持ちもございますし、この前の案もいろいろ批判もございましたけれども、現行法よりも一歩前進していると考えております。もちろんこれは各方面からの御意見、御批判も私も十分存じております。そこで前国会に提案した案をそのままお出しするか、多少の内容についてどうするかということを私ども政府のほうでもいろいろ考えておりますが、これはやはり選挙関係でございますし、先ほど私、衆議院の選挙制度の問題についても各方面、特にこれはただ政府が独断的な考えでやるべきじゃなくて、やはり一応の各政党その他の意見を相当お聞きするというのは当然でありますし、与党の自民党におきましても選挙制度の調査会があります。そこでもいろいろ意見があるようでありまして、やはりこういうものと歩調を合わせませんと、事選挙に関する問題ですから、独断的なやり方は差しつかえると思います。そういうことからいたしまして、ただ、今度、かりに内容は別といたしまして、提案いたしたものにただかつこうだけつけて出しましたということだけでは、まあこの国会に出す以上は、やはり相当の審議をしていただいて結論を得たほうがいいんじゃないか、これは率直な政府の考え方でございます。だから、ただ、いま松本さんの御指摘のありましたように、前のように審議未了になるというようないろいろな思惑のもとに出すということでございましたら、いまでもすぐ出せるわけでございますが、やはりその調整の必要がございますから、腹をきめてやりたいと思いますものですから、その時期を見ておるわけでございます。今度は出したら、ひとつやはりどうしても――いつまで延ばしても同じことでございますから、まあ俗論を申しますと、それはいつまで諮問したってしょうがないことですから、やはりやるべきことは、国民にも公約しておりますから、やらなければならぬと思っておりますから、今度はぜひひとつ審議をしていただいて結論を得たい、こういうことで、前と同じような姿勢じゃないかということでございますけれども、私の考え方は前とは少し違った、やはり結論を得る姿勢でいきたい、こう思っております。
#45
○松本賢一君 これは野田自治大臣は非常に迷惑しておられるだろうと思うんです、この問題に、実際は。過去二人の大臣ももてあまして結局今日に及んでいるわけなんで、その責任はどこにあるかというと、私はやはりこれは総理大臣の責任だと思うんです。あれだけ大みえを切って、やるんだ、やるんだと言いながら、結局ここまで、竜頭蛇尾ということばがありますけれども、蛇尾にもならないようなことになりつつあるわけでありますので、これはいまこの席で自治大臣に言ってもほんとうは始まらぬと思うので、機会があったらもう一ぺん総理に聞いてみたいと思っているわけなんですけれども、ひとつ自治大臣とされても、立場は困った、困ったという気持ちだろうと思うけれども、ひとつ何とかこれは打開することをやっぱり当面の大臣として考えていただきませんと、政治全体に対する国民の信用というものがますます失墜するということになるわけなんで、われわれは総理の責任だ、総理の責任だと言っておっても、国民は、われわれもやっぱりだらしがないのだというふうに思うわけなんですから、そういう点われわれ政治に携わっている者全体の責任になるわけなんで、そういう点とくとお考えをいただいて、決してさじを投げてしまわれないようにひとつよろしくお願いをしたいと思うわけでございます。
 時間もだいぶ経過いたしましたので、最後に、この国会に選挙運動に関する公職選挙法の改正、それをお出しになるおつもりでしょうか。
#46
○国務大臣(野田武夫君) いわゆる選挙の運動の自由化と申しますか、これに対する法案は提案したいと思っております。
#47
○松本賢一君 大体どういう内容を持ったものをお考えでございますか。
#48
○政府委員(皆川迪夫君) 内容のおもな点を申し上げますと、新しい時代の移り変わりといいますか、大きく言えばそういうことになろうかと思います。テレビ時代になっておりますので、かねてからテレビを選挙運動に使うことができないだろうかという懸案があったわけでございますが、放送当局のほうでもどうやらやれるめどがついた、と申しますのは、昨年の参議院の通常選挙の際にテレビの立ち会い演説会の実況中継をやったのです。そういう経験からして、この際踏み切って踏み切れないことはあるまいということになりましたので、これを何らかの形で取り入れていきたい。それからまたそれに関連して立ち会い演説会というのが多少効果が鈍ってきて、むしろ候補者の体を束縛される面が多くなってきたということから、これの比重を下げていく、そのかわり個人演説会の回数制限というものは撤廃していったらどうか。あるいは政党の政談演説会の制限をもう少し緩和したらどらだろうかというようなことを中心にいたしまして、いま衆議院のほうでいろいろと御検討をいただいているわけでございます。そのほか立候補の届け出期間が現在四日間あるわけでございますけれども、むしろこれを短縮して、早く選挙運動に入れるようにしたらどうかというような点についていろいろと検討中でございます。
#49
○松本賢一君 テレビの利用についていまちょっと話があったのですが、もっと具体的に言いますと、ラジオで政見放送をやっておりますね。ああいったようなものをテレビでやるようにする、そういう一つの方法をお考えなんですか。
#50
○政府委員(皆川迪夫君) そういう考えでございます。
#51
○松本賢一君 それと、去年NHKその他放送局がやったような中継放送というものは、これはいまの制度でもやれるわけですね。だから、そうすると、法の改正によって新しくやるということは、いまのあの方法だけですか。
#52
○政府委員(皆川迪夫君) 大体いまのことを、公営でラジオ放送をやっているわけですが、それにテレビでやる方法を加えるということが中心になっております。そのほか放送会社のほうでおやりになる自主的な放送といいますか、立ち会い演説会の中継的なもの、そういうものについては、そのやり方によっていろいろ考える余地があるのじゃないかということでいろいろ検討中でございます。大体の方向としては、公営でラジオ放送と同じような形の政見放送をテレビを通じて行なうということは大体きまりつつあるわけでございますが、自主的な放送の中身については案が固まっておらないわけでございます。
#53
○松本賢一君 そうすると、ラジオでやっているような一人ずつ出て、そうして政見を述べる時間はどのくらい考えておられるんですか。
#54
○政府委員(皆川迪夫君) この点は実質的なことになりますと、各放送会社のほうとよく話をしなければならないと思うんですが、多少地区によって状況が違うわけでございます。東京、関東地方ですと、候補者の数が非常に多いために、なかなか十分な時間がとれない。いなかのほうへいきますと候補者も少ないし、また番組の編成の余地もあるということで、同じ選挙区の中では各人平等にしなければなりませんが、違うところにおいては、その状況によって時間とか回数についても若干の違いが出てくるのじゃないか。これは現在ラジオでそういう状況になっておりますので、その辺、回数、時間等についてはまだ実施当局の意見を聞いてみなければわからないわけです。
#55
○松本賢一君 そういう幅をもった法律になさるわけですね。
#56
○政府委員(皆川迪夫君) そういう考え方でございます。
#57
○松本賢一君 それともう一つ。いまのテレビの立ち会い演説会の中継というのは、去年やったような形のものは法の改正必要なしにやれるんでしょう。
#58
○政府委員(皆川迪夫君) それは実際上やれるわけでございます。ただ、参議院の地方区の場合、候補者の数がわりあい少ないんですが、衆議院ですとかなり多いわけです。そこで、ずっと初めから終わりまで一回の立ち会い演説会の中継をやるということは非常に長い時間をとるものですから、これも分割してやれぬだろうかというような意見が出ておるわけでございます。
#59
○松本賢一君 そういうことを法の改正をしてやるということになるとどういうことになるんですか。
#60
○政府委員(皆川迪夫君) その点はまだきめてはおりませんけれども、要するに、立ち会い演説会の状況をいわゆる報道として流すということであれば、法の改正は要らないんじゃないかという気もいたしますが、その場合にいろいろな条件をつけるということになれば、その法律の規定も必要になろうかと思います。
#61
○松本賢一君 放送局の主催なんかで、あるいは新聞社の主催とかいうようなことで、候補者の座談会を開くとかいったようなことは、あれはいまの法律でもできるんですか、それとも法の改正が要るんですか。
#62
○政府委員(皆川迪夫君) 現在は選挙運動のための放送はできない、こういうたてまえになっておりまして、その企画のしかたによって非常にニュアンスが違ってくると思います。一がいにできるともできないとも断定しかねるわけでございますが、その点についても現在各政党間でいろいろ話し合いをしているわけでございますが、もしそれを行なうんだったら、公正な、あるいは公平な、あるいは各人平等な発言の機会があるような方法ができればこれを制度化してもいいんじゃないか。しかし、どうもそれはむずかしいんじゃないかというような感じの段階でございます。
#63
○松本賢一君 時間もだいぶたちましたので、この辺で遠慮したいと思いますが、要するに、できるだけ自由にということはよく選挙民に選挙運動が徹底するような方法をなるだけ法の中で制限を加えないようにしていただくことと、それから金が選挙にはかかりますから、できるだけ公営というものを範囲を広げてやっていただきたいと思うんですけれども、今度の考えておられる改正では、公営の範囲を広げるという点はあるんですか。
#64
○政府委員(皆川迪夫君) いまのテレビが最も大きな問題であろうと思います。
#65
○松本賢一君 じゃ、また今度別の機会にお尋ねさしていただくとして、次の方もあるようですから、これで私の質問は打ち切ります。
#66
○上林繁次郎君 いまいろいろと質問がありましたので、多少ダブる点があるかと思いますが、いま質問されたことがこの改正案に対してのポイントじゃないかと、こういうふうに思うわけです。それを中心にしていろいろな問題が派生してくると、こういうように感ぜられるわけです。したがって、ダブる点が出てくると、こう思いますけれども、あまりよくわからないもんですから、ひとつその点はダブっても懇切に答弁願いたいと、こう思います。最初にお願いをして問題に入ります。
 現行法とそれから改正法案とこれを比較をして、どういう改正をした場合にはどういういわゆる利点、すぐれた面、利点があるか、それを例を引いて対照して説明してもらいたいと思うんです。
#67
○政府委員(皆川迪夫君) まず第一は、選挙人の把握が確実に行なわれることを目標にしておる。御承知のように、最近の住民の社会移動と申しますか、非常に激しいものがございまして、特に大都市等においては各個の行政がばらばらで、住民を把握しようとしても実際上は非常に困難を伴っております。そこで選挙人の把握にしましても、あるいは国民年金とか、あるいは国保といったような問題にしましても、それぞれの行政分野で逐次住民の把握をしたんでは労多くて正確なものができない。そこで、それを住民基本台帳というものにまとめて相互に連絡をし、住民にもよく理解をしてもらって確実なものをつくっていく、もちろん現在までの住民基本台帳が必ずしも十分でない点は、これはあったであろうと思いますが、選挙人名簿につきましても、必ずしも十分でない点が率直に申してあるわけでございます。これを相互に相協力することによってよりよいものにつくっていく、ただ単に事務の簡素化ということでなくて、中身もいいものにしていくためにもこういうことがいいんじゃないか。まずこの点が第一の主眼であるわけであります。
 それから第二は、現在、先ほども申し上げましたように、九月は職権登録でございますが、あと十二月、三月、六月という登録にあたっては本人の申請がなければ登録されない。ところが、現在の社会状況からしますと、なかなか申請をされない。十年も二十年もそこに住んでおって、二十になったからすぐ申請をしてもらうといいましても、なかなか申請されないというのが実態のようでございます。そういう点は今度の改正によって、役所のほうで帳簿の上から機械的に拾い出せますので、住民台帳を正確にとれば、新有権者の把握が的確に行なわれるということが大きな長所であろうかと思います。
 それから第三点は、現在、年四回定期に登録をしておるわけでございますが、これですと、選挙の際に一番新しい状態において有権者を拾うことができないわけでございます。それを今度は選挙の際に臨時登録をするということにいたしますので、最も選挙時に近い状態において有権者を把握する。これは住民基本台帳というものをリンクすることによって初めて可能なわけでございまして、こういう点が第三の長所として大きく指摘できるかと思っております。
#68
○上林繁次郎君 いまのお話で議論は幾らでもあるわけですけれども、したがって、いまのお答えに対しての問題点についてはあとで聞くことにいたしまして、順を追って先へ進めたいと思います。
 この基本台帳法が施行されたのは四十二年度でございますが、この四十二年度に台帳制度ができて、それで現在までどの程度のいわゆる調査が行なわれてきたのか、そういう点についてお答え願いたいと思います。
#69
○政府委員(皆川迪夫君) どの程度の調査ということの御質問の意味でございますが、これは個々の市町村の状況によりまして、非常に大きな区域あるいは人口をかかえておるところでは、一挙に全部の調査ができないというところは地区を限って調査をする、あるいは抽出的な調査をする、こういう方法をとっているわけであります。それから中都市以下のようなところにつきましては全面的な調査をする、こういう方法をとっておりまして、その回数等についても個々の市町村の状況によってそれぞれ違ってこようかと思います。
#70
○上林繁次郎君 私はそういうことではないので、どの程度の調査が進んでおるかという、これは全面的に言って、あるいは一部の都市を対象にしてもいいでしょう。この辺まできておる、有権者はこれだけ、それに対してこの程度まで、たとえば六大都市なら六大都市を中心にしてこの辺まで進んできておるということですね。たとえば町田市の場合なんか例にとってみると、あすこは非常にそういった点が進んでおるわけでして、台帳とそれから選挙人名簿とがほとんど一致しておるというようなことで進んでおるところもあるのです。いま私が例をあげたように、全国的に言ってどの程度まで進んでおるのかということです。少なくとも四十二年に台帳制度というものができたのです。その間にやはり進んでおらなければならない。少なくともこの三月なら三月までには相当のところまで進んできておらなければならぬということが言えると思います。そういう面でお聞かせを願いたい、こういうわけです。
#71
○政府委員(皆川迪夫君) 住民基本台帳と選挙人名簿の照合と申しますか、こういう点につきましては、先ほども申し上げましたように、住民票がことしの三月末までに完備をする、こういうたてまえになっておりまして、また、ことしの四月から新しい制度に移行するということになっておりますので、いま私たちもこの三月をめどに、本年三月一ぱいに住民台帳と選挙人名簿の照合を完了しなさい、こういう指導をしておるわけであります。これは大体においてでき上がっておると見ております。そういう報告を受けておるところもありますが、まだ報告のきていないところもありますけれども、おおむね、そういった住民基本台帳と選挙人名簿の照合というものが進んでおるのじゃないか。先ほど申し上げましたのは、住民基本台帳の記録が正確かどうかということの調査のことを申し上げたわけでありまして、その点になりますと、全部一斉にこの時点を区切ってやるということは事務的に困難で、個々の市町村の実情に合わせて行なわれていくように指導しているわけでございます。
#72
○上林繁次郎君 ですから、いまの話を聞いていますと、ちょっとあいまいなんですよ、私の感ずるものは。ですから、四十二年度にその台帳制度ができた、だからその間にどの程度まで進んでおるのだか、大体まあできていると思うというような答弁であるわけです。そうでなくて、これだけの法律をつくったわけですから、やはり国のほうももう少し関心を持って、どの程度まで進んでおるのか、少なくとも、六大都市なら六大都市を対象にして、その実態というものを把握してみる、そういう姿勢が大事じゃないかということ、こう申し上げたいわけです。で、それはいいですよ。なぜそういうふうに言うかといいますと、まあ私の受ける感じは、これはいままでこの二年間何も調査をやっておらぬと、極端に言えば。ここであわててやるだけの動きを見せておる、こういう感じなんです。なぜかというと、これはいわゆる義務制でないということが言えるでしょう。義務制でないから、したがって、これをこういうふうにやらなければならないという、いわゆる責任がないわけです。受けるほうとしてはそこに問題があるんじゃないか、こういう感じがするのです。せっかくこの法律をつくって、市町村がそれを理解して、完全に自主的に実施してくれればいいけれども、やはりそこには、やってもやらなくてもいいような、あいまいないわゆる法律では、これは進むわけはない。やはりその辺のところが私は一つの問題点じゃないか、ですから、その辺を今後、もう一歩徹底をしていくためにはどういうような方法でこれを徹底さしていくか、まあ義務制にすれば一番いいんですが、そういう点についての考え方を聞かしてもらいたいと思います。
#73
○政府委員(皆川迪夫君) この点については、おそくともことしの七月までにこういう制度に乗り移るということはわかっておったわけでございます。実は昨年の夏以来、そういう制度に移行するために、選挙人名簿と住民台帳の照らし合わせを十分にやりなさいということを機会あるごとに指示してきております。個々の市町村によってはもう完全に完了したという報告をもらっておるところもありますが、まだ全国的な点についてはもらっておりませんけれども、確かに四十二年からあったんじゃないかという点もおっしゃるとおりであろうと思いますが、発足当時は住民基本台帳そのものを整備するためにかなりの労力を使ったわけでございます。それの整備がこの三月に完了するということになっておりますので、それと、大体ほかの大部分の市町村ではもっと早く終わっておりますが、そういう選挙人名簿との照合を早くやりなさい。そしてこの法律を出しました当時に、私たちとしては、七月からこういう制度にかわるので、それまでの間に完全に、先ほどお話のありましたような、名簿から落ちてくるというような者がないように、これまた非常に重大な問題でありますので、一人一人について十分照合をして調査をしなさい、こういう指導をしておるわけでございます。でありますから、まだ全国から完了したという報告をもらってはおりませんけれども、私たちは決して市町村もないがしろにしていることではなくして真剣にやっておるものと、こういうふうに見ております。
#74
○上林繁次郎君 それはわかります、これだけの法律をつくったんですから、当然やっていかなければならぬのですから。ですから、いまその答えの中でやっていると思うということばがたびたび出てくるわけですが、思うではまずい。やはり確信を持って答えられるだけの資料を私は持っていなきゃいけないんじゃないかと、こういうことです。義務制という問題ですね、義務制じゃないからこれじゃ弱い。そこにいわゆる義務制でないからどうしても金もかかることだし、労力も要る。これはもう国勢調査みたいなものですよ。国勢調査にどのくらい金がかかるのか知らぬけれども、これはもうたいへんな、やっぱりそれなりにやろうとすれば金がかかるのです。それで、国のほうでいわゆるどのくらいの予算がかけられたのか。いままで、この二年間にその調査をやっていくためにどのくらいの金を――ここで台帳と選挙人名簿と照合し、つくっていく上において、どのくらいの調査費、人件費もあるでしょうが、そういったものはどのくらいかけられてきたのか。これは先ほど質問がありましたけれども、金なしで市町村にやれやれと言っても、国勢調査並みのことをやらなきゃならないので、金が要る。ただやれと言ったのじゃ、これは動くものじゃないということが言えるわけですが、その辺のところはどうですか。
#75
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほどもお答えを申し上げたのでありますが、これは市町村の仕事であるというたてまえでございますので、財政面の見方としては、財政需要のほうで計算をするということになっておりますが、四十二年度で約百億、四十三年度で百二十億余り、四十四年度では百五十億の金がこのために要るという計算をして、交付税で措置をしているわけであります。
#76
○上林繁次郎君 これはちょっと問題が違いますが、国勢調査だとどのくらいかかるんですか、これはちょっと申しわけないんですが。
#77
○政府委員(皆川迪夫君) さあ、ちょっと……。
#78
○上林繁次郎君 これはわからなくてもやむを得ないと思いますけれども、私はそういう比較をする必要があると思うんですよ。四十二年度に百億だ、それから百五十億だと、こう言うけれども、なるほど予算というものがついたということはわかる。わかるけれども、いわゆる国勢調査並みの仕事をやるというからには、それだけの予算がかかるわけだから、当然なるほど私は分野が違うから国勢調査の予算がわからぬ、それはやむを得ないとしても、ほんとうならばその辺のところもやはり加味してかかるのが私は当然だと思う。それでなければ完ぺきなことはできない、こう言いたいわけです。その点が少し甘いと言えば言える、こういうふうに申し上げたいわけです。この点のところはそれで。それじゃまた先へ進みます。
 先ほども問題になったわけですけれども、台帳と選挙人名簿と一致しなきゃならぬという、こうなりますと、脱落する人たちが相当出てくることだけは間違いない。これは諸般の事情でどうしても住民登録ができぬ、こういう人がおるわけです。したがって、これを強化しても脱落者が出てくる、こういうことが言えると思うのです、いままでがすでにそうですから。それで、局長は全国的にどのくらいの脱落者か出るというふうに――どうしてもいわゆる登録ができぬ、そうして選挙権の行使のできぬ、こういう立場の人たちがおそらくこのくらいは出てくるであろうと、どのくらい見込んでいるのですか。
#79
○政府委員(皆川迪夫君) 私たちは、先ほども言いましたように、現在不一致な点が確かにあります。しかし、そういうものは永久名簿をつくります際に、昔載った人がそのままになっておるという事態が非常に多いわけであります。それから、そのほか不一致の原因としては、転出をしたけれども抹消されたりされなかったり、両方にあるとかいうものがございまして、住民登録がどうしてもここでできない、そのために選挙人名簿に載らないというものはそう多くないと、こういうふうに見ております。
#80
○上林繁次郎君 その辺のところが私は気に入らないです、さっきから。そう多くないなんというような答弁を受けようと私は思っているのじゃないのです。どのくらい見込んでおるのか。多くないというのは数字じゃないんです。
#81
○政府委員(皆川迪夫君) 私のほうは、そういうものがないように、現実に住んでおられて住民登録をしてない方はこれはそこで登録をしてもらう、そうして選挙人名簿に載せる、こういう指導をしておるものですから、その数を幾らぐらい見込でいるかと言われましても、ちょっと困るわけでございますが。
#82
○上林繁次郎君 いや、その辺のところが問題なんですよ、実際は。だから甘いというふうに言われるわけです。いままですでにそういう人たち、相当おったわけなんですから、そういう段階でもってやはりある程度の見通しはつけておかなければならないだろうと思う。私はこの問題に焦点をしぼってこれからどんどん聞いていくわけですから、ですからその辺のところが国のほうでは、わからぬというと、ちょっと質問がずれてくるわけです。どのくらいあるのか。先ほどちょっと話をしましたが、これはまあ例ですけれども、町田市というのはもう早くから、改正案はこういうふうになってくるということをもとにして、台帳と選挙人名簿と照らし合わしながら作製をされてきた。そして選挙人名簿から落ちる人は一人しかいないそうですよ。町田市は調べましたか。一人しかいないそうですよ。だけれども、不在投票をする人は町田市が一番多い。こういう実態なんです。ということはどういうわけですか、ということが言えるわけなんですがね。まあ、そういう例。あるいは大阪を例にとってみますと、名簿にあって台帳にない、そういう人が四十万一千三十四人いるのです。それは調べましたか。そのパーセンテージが一七・八%にあたるのですね。八王子市を調べますと、六千百三十八人そういう人がいるのです。ですから全国的にいいますと、これはやはり相当な数になってくる。もちろんその中で、あなたがおっしゃるように、どんどんこの制度のあれを啓蒙していって、台帳に載ってくる人たちもおることは間違いないでしょう。だけれども、最終的に、私たちはそれのないように努力しておるのですと言うが、努力すれば、それじゃ脱落者ももう絶対出てこないかというと、そういうわけにはいかぬ。だから、その諸情勢からいって、これぐらいの者が脱落するんではないかというものをやはり私はしっかり、しっかりといっても、確実なものをつかむということはできないかもしれないけれども、大体の目安を私はつけなければ次の手が打てぬ、こういうことが言いたいわけですね。そこでいまそういった点を聞いておるわけですよ。どのくらい見込んでおるのかということですね。結局は、大体これくらいという見当もつかぬということですね。その問題についてはどうでしょうか。
#83
○政府委員(皆川迪夫君) 選挙人名簿と住民台帳の照合をした結果、不一致であるという者が場所によっては相当ございます、おっしゃいましたように。ただ、その中身を見てみますと、たとえば選挙人名簿は、そこに登録をされますと、そこからよその市町村に行っても、六カ月間は載っておるわけです。住民台帳は即日その市町村から消えていく、こういう制度の食い違いによって違っている分が実は非常に多いわけです。それからもう一つは、永久選挙人名簿をつくりました際に、個々に悉皆調査をいたしまして、その際に登録した。その後、それを整理をしてないというところが非常に多く食い違っております。その後、住民台帳と常に、制度はまだ出ていませんけれども、実際上突き合わせまして、いない人は職権で抹消していく、こういう措置をとっているところは非常に一致をしているのです。一致、不一致はかなり個々の市町村によって違っている。違っておるのは、いまお話ありましたように、現実にそこに住んでおって、住民台帳には載っていないが、選挙人名簿には載っておるという人ももちろんあろうかと思いますが、大部分はそういう過去のリンクしてない時代の職権登録による選挙人名簿の登録、これがそのままあまり整理されてないところに非常に大きな食い違いがある。それからもう一つは、先ほど申しましたように、制度的に、住民台帳は転出をしていけば即日抹消される。ところが選挙人名簿のほうは六カ月間は、よその市町村から登録されたという連絡があれば別ですけれども、連絡がない限りは六カ月間載っている。こういう食い違いによって非常に大きな数字が出てくるわけであります。私は、ほんとに住んでおって住民台帳に載っていない、そのためにこの制度が実施されるとやむを得ず不在投票をしなければならぬという数は、そう多い数字じゃない、こういうふうに見ているわけです。
#84
○上林繁次郎君 ですから、私は何回も同じようなことになるので、これ以上申し上げませんけれども、やはり脱落者が出てくるということは、選挙です、この問題は。この問題は選挙の問題だ。だから選挙というものは、基本的な選挙権というのは二十歳になければみな得られるわけですよ。そうですね。その選挙のためのいわゆる法律であるとすれば、これはどういう立場の人であっても、その選挙権が行使できる態勢というものをつくっていくという考え方が私は正しいのじゃないかと思うのです。そうすればいままでの、現行法からいえばそれができるわけです。そうですね。それができる。なおかつ、めんどうくさがってやらない人もいる。あるいはいろいろな事情のもとになかなか登録できないという人もいるわけです。現行法ならば、いま言ったようにどういう立場にあっても選挙だけはできる、こういう行き方であった。今度の場合は、これが改正されてしまえばそれができなくなるわけです。そうすると、必ずあなたは、少ない、幾らでもないというがそれは私は信用できない。あなたの感じでものを言っておる話ですから、それは信用できない。こういう根拠のもとにこの程度であるということならば私は信用するのです。私は少なくともあなたに信用してもらうために、これだけの調査をして、大阪はこうである、町田はこうである、こういうものを責任を持って、こういう姿勢でもってあなたに臨んでおるわけです。あなたの話はそうじゃない。あなたの感じでものを言っておるわけです。それでは信用できぬわけです。その問題は、台帳をつくることがいわゆる問題なのか、その台帳を整備するという形の上で、その整備をすることが主眼なのか。あるいは選挙権という、おのおのが持っているその選挙権を行使させるということが目的なのか、日本人全体にわたって。どちらがその基本になっておるのか。これはあなたの答えようでは私は突っ込みようがいろいろあるのですが、その点どうですか。
#85
○政府委員(皆川迪夫君) 住民基本台帳というのは、それ自体に目的があるわけじゃないので、いろいろな行政目的に統一的に住民を把握するということであって、登録をすること自体が目的ではないので、それはいいものを、正しい登録をしていろいろな行政に使っていこうというのが目的でございますから、選挙人が的確に登録をされるということが大事な要件であろうと思います。ただその場合に、住民登録基本台帳というものをつくらなければ、それならば現在の制度で非常にいい選挙人名簿の登録ができるかと申しますと、先ほど申しましたように、非常に社会移動の激しい時代でございますから、なかなか選挙人名簿の登録の申請をしろといってもしてくれない。特に二十になったような方はしない。そのためにいざ投票を行使しようとしたらなかなか投票できない。さればといって、住民基本台帳というものがなければ職権で登録することも非常にむずかしいというようなことから、いろいろ考えまして、住民基本台帳というものをつくって、これにみな正しい申告をして選挙権を登録していこう。相対的に見ればこれが一番的確に選挙人名簿により多くの人を登録する方法じゃないかということで、現在、住民基本台帳というものが制定をされたわけでございますから、もちろんいまおっしゃいましたように、住民台帳に載っていなければ選挙権が行使できないという角度から見ると、ちょっとどうかと思われる点もこれはないわけじゃなかろうと思いますが、逆に住民基本台帳を使うことによって非常に多くの選挙人が完全に登録されるということになりますので、その点はひとつ、選挙人になるべく住民台帳に登録をしてもらうように理解をしてもらい、協力を要請していけば私はある程度所期の目的を達するんじゃないか、こういうふうに思っております。
#86
○上林繁次郎君 それはわかるんです。頭からこれが悪いということないんで、この委員会でこうやってお互いが話をしてるということは、よりよきものをつくっていくための話し合いをここでやってるんだ、その場である、こういう意味で私は申し上げておる。だから、あなたの話を聞いていると、前よりもよくなるという。だけれども、そういう分に対しては、じゃどういう手を打ってくのかという話は何にもなされない。ですから私は足りない点を取り上げていまあなたにお聞きしてるわけです。こういうのも出てくるではないか、その分に対してはどうするんだというと、前よりもよくなってるんだからそれでいいんだという、こういう私は論理は成り立たぬ、こう思うんですね。
 そこで、もう一歩突っ込んで聞いてみたいことは、それじゃ、なるほどそういうふうに職権でもって登録されるという場合に、いままでは登録しなけりゃ選挙人名簿には登録されなかった。今度は職権で登録するのでそれが全部上がってくると、確かにその点はいいでしょう。だけれども、結局はさっきから言ってるように、漏れる人も相当出てくる、こういうふうに私は考える。その漏れる人に対して、必ず出てくるんだから、そういう対象に対する措置、市町村長に対して、そういうのを対象にして国は市町村長に対してどういうじゃ措置をとっていいのかというような、具体的な指示を示してあるんですか、その点。
#87
○政府委員(皆川迪夫君) 住民基本台帳の考え方であろうと思いますが、なるべく実際に住所を持ってるところに登録をしてもらう、これが選挙人名簿だけでなくて、いろんな行政の基本になっておる、こういうことでこの制度がつくられたわけでありますが、それに登録をしないという者が非常に多いという事態が私はちょっと理解しかねるのでありますけれども、どういう理由によって現実に住んでるところに登録ができないのか、それがちょっと理解できないものですから、行政指導といいますか、あるいは立法措置といいましても、ちょっといま考えてないわけでございます。
#88
○上林繁次郎君 それは少し勉強しなさい、そこは一々こっちに言わさないで、あなたのほうも。そういう人がいるということを指摘してるんだから。だから、あなた方もこれからもう一歩この選挙制度それ自体、この登録制度それ自体をもう一歩前進さしていくために、いまそういう指摘を私がしておる。だから、当然そういう人がいなければ言うわけない。そういう実態というものをこちらも見ているから言っているわけで、それがどういうものであるかということをあなた自体がもっともっと勉強すべきである。そこに、そういった点が全然おかしいというあなたの考え方、そういう考え方では、もう一歩飛躍していくというこの制度、飛躍して完璧のものにしていくということができない、こういうことになると思う、そういう実態がわからなければ。私はそういう人たちに対する――漏れてくるのがおるわけです、必ず。そういう人に対してどう手を打っていくかという、そういう人をもいわゆる対象にして調査もし、そしてこれが登録されるようにしていくためにどういう手を打っていくのかということがほんとうは聞きたいのです。ところが、あなたはそういったことはちょっとわからぬというようなことで、話はこれ以上進展していきそうもないから、その話はこの辺で打ち切りますがね。
 それじゃまあ、いままでは公職選挙法の中で全部処理できたわけです。今度は市町村長というものが中心になって台帳というものが作製されるわけです、その責任のもとに。そうすると、この行き方が一本化されていないわけですね、二本立てになるのです。いままでは一本立てなんです。ところが今度は二本立てになるわけです。その辺のところに私は少しやはり問題点が出てくるのじゃないか、こういう感じがするわけです。たとえば二十歳になれば自動的に職権でこれが選挙人名簿に載ると、こういうこと、それはわかりますね。ところがいま、先ほどあなたも言ったように、人口の流動というのは非常に激しくなってきている、いまですね。そうすると、新有権者というものが相当――新有権者ということは、もちろん二十歳になった人、あるいはまた移動によってその地域に新しく選挙権々得るという、こういう言い方はちょっと違うかもしらぬけれども、そういう人が出てくるわけです。たとえば千葉県を例にして言えば、千葉県の一区関係というのは、これはすごい人口増です。これを今度は二本立てでもって、いわゆる選挙管理委員会が基本台帳と照合していく、ただその年齢だけでもってリンクしていくというならば、私はまあまあ手間もそうかからないかもしれない。しかし、何年何月に転入してきて何カ月たっているかという、そういったことを全部やらなければならぬのです。そんなことをやればこれは相当な手間がかかるということが感じられるわけですね。そうなりますと、実際問題として、そういったことがいろんな例が出てくるけれども、そういった行き方がいいのかどうか。言うならば、いままでの、この公職選挙法の中ですべて一本化してできるような体制のほうが私はいいのじゃないか。そういった点をもう一歩考えてみる必要があるのじゃないか、二本立てでなくて、事選挙に関してはですね。そういうふうに考えるのですがね。その辺についての考え方どうですか、どのくらい煮詰めてきているのですか。
#89
○政府委員(皆川迪夫君) この点については、住民基本台帳法のできる住民登録の時代から、昭和二十五年、六年でしたか、制定されたわけですけれども、その当時から、住民登録というものと選挙人を別々に調査するのでなくて、一本にしたほうがいいじゃないかという議論がずっとあったわけです。それぞれいまおっしゃいましたように、二本立てになることの長所と短所があろうかと思いますが、どうもその後人口の社会流動が激しくなったものですから、それぞれの行政機関で自分の目的だけのために調査をするということは非常に、よくできればそれでいいわけですけれども、完全を期しがたいということが出てきまして、そして選挙管理委員会でも、むしろ市町村長のところで大ぜいの陣容をかかえ、人的なあるいは予算的な措置もして、そこでまとめて選挙人あるいは住民を把握するほうがいいのじゃないかということで、選挙制度審議会あたりもその答申があって、そしていろいろ議論があったものを今日踏み切って、これからいよいよその時期に来た、こういうことでございまして、私はまあ理屈よりも、現在の社会移動からすると、選挙管理委員会の機構で人員を把握することが非常に無理になってきているという認識があってこういう制度にいったのであろうと思うのです。したがって、ばらばらにやることよりも、やはり一本化してそこにいろんな努力を集中すると、そのほうがいい住民の把握ができるのじゃないかというように考えているわけであります。
#90
○上林繁次郎君 それじゃ、局長はやっぱりそういういまの、これからの改正されたときの行き方よりも、やはり選挙管理委員会で選挙のことについては一本化してやったほうがいいと、こういうような考え方があると、こういうことですか。
#91
○政府委員(皆川迪夫君) そうではなくてですね、現在はそういうことが困難になってきた。従来は選挙管理委員会だけで責任を持って、自分の仕事であるということで責任を感じて一生懸命やろうと、こういう体制できたわけですけれども、それが社会移動が激しくなってできないものですから、これを一本化しようと、こういうことに変わってきたわけでありまして、これはやむを得ない一つの現象であろうと思います。
#92
○上林繁次郎君 そこで、先ほど申し上げたように、二本立てのような形になった場合に、非常に手間がかかるんじゃないかという点ですね、これをさっき指摘しているわけです。で、たとえば参議院選挙なら参議院選挙みたいな、来年は参議院選挙である、何月何日である、大体何月であるということがはっきりきまっておる場合には、それを目途としてその台帳の整備はできると思うんですね。それが衆議院のような場合、あるいはまた、市町村でもリコールみたいな場合、こういう突発的ないわゆる問題が生じたときに、そのときにほんとうにそういったことで間に合うかどうかということが私は心配なんです、一つは。そのために、間に合わないために、手落ちが一ぱい出てきたというようなことが考えられるんじゃないかということが私は心配なんですね、一つは。そういう心配は全然ないと、こういうふうに考えますか。
#93
○政府委員(皆川迪夫君) その点については、選挙時登録に踏み切る場合に、実は私たちもいろいろ検討したわけでございます。確かに突発的に起こりますと相当の事務量になろうかと思います。ただ選挙の事由が発生してから現実に選挙の公示が行なわれるまでには相当の期間があるわけでございますし、また選挙が行なわれるということは、いろんな状況からある程度そういう事態が、確実には予測されないにしても、そういう準備をしなきゃならぬということもあろうかと思います。したがって、今度の法律では、そういったことのために、選挙管理委員会が登録時でないときにおいても登録に備えて準備をする、 つまり有権者の調査をしておくと、こういうことをするように法律に書いてあるわけでございます。で、それを現実の行政指導としても十分に徹底させて、いざ選挙というときに間違いのないように私たちとしては責任を持ってやりたいと思っております。
#94
○三木忠雄君 ちょっと関連で私は一ついまの話で聞きたいんですが、選挙管理委員会の体制をある意味では、聞き方によっては骨抜きにして、地方自治体にまかしてしまうんだと、こういうふうな感じにも受け取れるのですが、選挙管理委員会を弱体化されるようなこういう感じを受けるわけです。それが第一点。
 それからもう一つは、たとえばある一つの例を言いますと、いま北九州の八幡製鉄が相当千葉のほうに移動しているわけです。こういう場合に、青年が、たとえば二十五歳のある青年が千葉へ移動すると、こうした場合に、住民台帳からいえば北九州に登録してあったわけですが、しかし、たまたまこちらに転勤になって、三カ月間住んでも、実際に住民登録をする機会を失ったと、本来ならばしなきゃいけないわけですが、勤務の関係上等においてできなかった場合に、現実にもう選挙権がないと、こうなってしまうわけですね、今度新しい体制になりますと。この点をお答えいただきたい。
#95
○政府委員(皆川迪夫君) この点は個人の住所がどこにあるかという問題は、法律的にいうとなかなかむずかしい問題であるわけです。学説的にもいろんな説がありますし、たとえば甲の地から乙の地に転勤した場合に、その事実でそこに住所が移るのが通常だと思いますが、本人がもしいろんな関係で向こうのほうにつながりがあるということのために、住民登録を移さないというような場合は、私は今度の新しい制度になってくると、本人の意思をかなり尊重しなきゃならぬじゃないか。居住の事実が全くないんなら別ですけれども、居住の事実が数カ所にわたってあると、あるいは短期間の移動であって、昔のところにまだ住所があるということも考えられると、こういうような場合には、本人の申請というものに、本人の意思というものに重きを置いた行政的な取り扱いをせざるを得ないんじゃないかというふうに考えますので、したがって、そういう場合には、選挙人名簿はもとのところに載っておると、もし国会の選挙があれば、不在者投票なり、あるいはそちらに行って投票するなり、こういうことになろうかと思います。ただそれがあまり乱に流れて、全く居住の事実がなくなったにもかかわらず、長期的にほうってあるということになれば、これはやはりそこにはおのずから意思と言っても、居住の事実が全然ないのに、意思を働かすわけにいかぬでしょう。これもやむを得ない場合も起こるかもわかりませんが、短期間の移動については、そういうような措置に行政上の取り扱いとしてはせざるを得ないのではないかというふうに考えるわけであります。
#96
○三木忠雄君 やむを得ないじゃなしに、どうなるかという具体的な問題を提起して聞いておるわけですが、はっきりしていただきたい。
#97
○政府委員(皆川迪夫君) その点は、したがって居住の事実があって、本人が向こうが住所だと考えている場合には、いまのお話で言いますと、八幡のほうで投票する。なお、いまの場合は、転出をしていっても、四カ月はそこに選挙人名簿は残っているわけです、抹消しませんから、八幡のほうで。地方議会の場合は、先ほど私が言いましたような居住の事実がなければ、ちょっと問題がありますけれども、衆議院の場合は、少なくとも従前のところで投票はできるわけであります。
#98
○上林繁次郎君 それじゃちょっとこまかくなりますけれども、詐偽登録の問題がうたってありますね。これは選挙人名簿は、これは台帳を基本にして今度はつくられてくるわけですが、これがきまれば。そうしますと、もし詐偽があった場合に、台帳が基本になるわけですね。それを選挙法で罰するということになるのでしょう。これは逆じゃないですか。その辺がちょっと矛盾しているところじゃないか、あくまでも台帳が基本になっているのですよ。それを選挙法で罰するということは、どういうわけですか。
#99
○政府委員(皆川迪夫君) この点は一般的に虚偽の登録をしたという場合に、台帳法なり、あるいは刑法で処罰されるということになります。ただここに書いてあるのは、いわゆる選挙の公正を乱すという意図のもとに、そういうことを目的として意図して行なった場合、こういうものは犯罪として選挙犯罪じゃないか、したがって選挙権を停止するとか、そういうものにかかりますということでございます。一般的な虚偽の登録は選挙法の適用を受けない。特にそういう意図を持って行なわれた場合だけになります。
#100
○上林繁次郎君 そこはわかりました。認定の基準といいますが、これはほんとうにわかりますか。
#101
○政府委員(皆川迪夫君) これは認定は、なかなかむずかしい場合もあろうかと思います。やっぱり客観的な状況から裁判所が認定することになろうかと思います。
#102
○上林繁次郎君 その辺のところはちょっとあれなんですよ。私は矛盾を感ずるわけなんですがね。そこでいずれにしても突っ込んでいけば、まだまだ十分考えていかなければならない問題が一ぱいあると思うのです。
 私は現行法は現行法として非常にいいところがあると思います。あなたは登録しなさいしなさいと言っても、なかなか登録しないので、今度の制度は、それが自動的にいわゆる職権でもって行なわれる、そこに一つの大きな利点がある、こう言う。それもわかります。だけども、もう一歩現行法のいわゆる行き方、それはそれとして、現行法の行き方は、いわゆる本人が申し出ればこれは登録されてくる、選挙だけは。こういう面も私は生かしておく必要があるじゃないか。そうすれば選挙に対して、さっきから言っているのですけれども、漏れる人をまたいま一歩、どれだけかは防ぐことができるのじゃないか、こういうことが言えると思うのです。生かして悪い制度ではないと私は思うのですね。それが悪い制度であるならば、それは取り除かなきゃならない。現行のこのあり方が悪いという、こういう弊害を生ずるんだという、そういういわゆる問題ならば、これはなくさなきゃならぬ。だけれども、もしそうでない、いわゆる現行の行き方が、その本人が申し出れば選挙だけはできるという行き方、台帳のことはわかりますよ、さっきから聞いているんですから、それはわかる。ところが現行の、いわゆる申し出れば、選挙だけは、登録されて、選挙人名簿に登録されて、そして選挙ができるというそういう行き方はどこが悪いんだ。それをなくさなければならない理由はどこにあるんだ。私はそれを残しておいたほうが、もう一歩これは充実するんじゃないかという考え方がされるわけなんですがね。その点どういう見解を持っているわけですか。
#103
○政府委員(皆川迪夫君) それの場合、まあ一番心配されるのは、住民基本台帳にどっかに載ってるわけでございますから、その方は住民台帳に載ってるところと、載ってないで、選挙人名簿の申請をしたところで、二重あるいは三重の重複登録になるということを心配しているわけです。
#104
○上林繁次郎君 あなたが先ほど徹底徹底と言ってるわけです。四カ月は載っております。それもわかります。四カ月たてば抹消されるんだ、そうでしょう。
#105
○政府委員(皆川迪夫君) それは住民登録が抹消されてからで、住民登録が残っておりますと抹消されないわけです。それでまあ非常につらいところが出てまいります。
#106
○上林繁次郎君 そうするとあれですか。たとえば新潟から出かせぎにきたという場合、半年なり一年なり出かせぎした。そういう場合には、これは新潟のほうでは抹消されないということになるわけですか。
#107
○政府委員(皆川迪夫君) 出かせぎでもって住民登録を新潟に残しておく場合には、抹消されないわけです。
#108
○上林繁次郎君 わかりました。そういう点が心配になったわけですがね。いずれにしましても、そういった点、脱落者のないように十分、もう一歩も二歩も検討した上で、それでやっていただきたいということをお願いをしておきます。
 で、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、これはこの法案ではありませんけれども、先ほど第六次の選挙制度審議会の発足、これがおくれておると、それで大体この連休明けには決定するであろう、こういうことなんですが、念を押すわけでございますがね、大体その見通しは、先ほどのお話聞いていますと、何となくちょっとあいまいなような感じがするのですが、連休明けには間違いなくこれは発足できるという、大臣、確信をお持ちなんですか。
#109
○国務大臣(野田武夫君) 私、上林さんに率直に申し上げますと、三月末をめどでやりたかったのです。事実新聞にも出ておりました、私がやりたかったこと。そこで、大体おそくとも四月の半ばあたりには絶対メンバーをお願いできると思ったんですけれども、私は少し甘かったかもしれませんが、ところが、人によってなかなか返事が、あれに相談するとか、従来の経過が御承知のとおりあるものですから、普通の審議会の委員と違いまして、いろんないきさつがあるもんですから、受けてもいいけど、あの人に相談してみるとかいうふうなケースも出ましたり、考えとくとかいうケースも出まして、実は従来のいろんな経過からして、多少時間的に私の思うとおりいかなかったのは、先ほど申しわけないと申しましたけれども、私は一生懸命やっております。そこで、一応もう今週中には最後の何をやりまして、もうひとつ連休明けにはスタートを切れるように、私自身も非常に急いでおります。
 実は、参議院の制度をかけるということは、当然この前もしばしばお答え申しましたとおり、私自身もそう思っておりますし、やる以上は、どうしても参議院の通常選挙に間に合わなければ意味をなしませんから、私がいろいろ松本委員にお答えいたしましたとおりの方針で、そのめどでやりたい、やるということにいたしております。
#110
○三木忠雄君 それから一、二聞きたいのですけれども、この間は自治大臣から私も第六次のことを伺いまして、いよいよ来月の七日に当委員会を開かれるときには、発足の見通しになっているのじゃないかと、こう期待するわけですけれども、ひとつ自治大臣せっかくおいでになっておるので聞いておきたいのですが、今国会で提案される法案は何と何と何ですか、これだけちょっと聞いておきたいのです。
#111
○国務大臣(野田武夫君) 大体いまのところ、この改正法案を提案しておりますが、次には、選挙の自由化というか、選挙運動の関係、それから政治資金規正法と、こう考えております。
#112
○三木忠雄君 それでいま松本委員からお話がありまして、大臣の答弁の中で、ちょっと私一、二お聞きしておきたいと思うのですが、確認の意味もありますけれども、特に第六次が参議院の選挙区の定数是正あるいは改正問題ですね、これが主体になってくると思うのですけれども、衆議院の定数是正の問題について、第五次で答申した案をあらためて検討し直すか、あるいはまた新しい審議会にかけて、この衆議院の定数是正の問題を考えるか、これはいま検討中であるというような話もされたのですけれども、この点についてもう一度お聞きしておきたいわけです。
#113
○国務大臣(野田武夫君) 衆議院の定数といいますか、是正といいますか、これは人口の非常な急速な流動がありますし、いろいろの問題があります。まあ第二次選挙制度委員会の答申を通じて、一応手直しをした場所もあります。次に、いろいろ地域によりましては、当然考えなければならないところもありますから、これは御承知のとおり、人口移動に関連してやりますと、しょっちゅう考えなくちゃならぬ問題で、これは一面からいうと、これは当然かもしれません、見方によっては。しかし、少なくとも衆議院、参議院の定数というのは、これはやはり重大なる選挙制度の基本になりますから、そう一々毎年のように変わっていくのに即応してやるということはどうかと。そこでいま御指摘の衆議院の定数是正は、私も必要な地区は十分あることは知っておりますが、いまのところすぐこれに、審議会に諮問して直すという、定数だけの問題、それからいま、先ほどここで御意見がありましたが、その場合において選挙制度全体、衆議院の区制を加えるということ、これも一緒にやるか、この衆議院の選挙制度問題も大きな課題として残されておるものですから、この間のことを勘案いたしまして、ひとつどういうふうにするかということを検討したいと思っております。いまのところ、第六次選挙制度審議会に衆議院の定数問題を直ちにかけるという考え方は持っておりません。
#114
○三木忠雄君 それから政党の意見を最も聞いて、具体的に取り組んでいきたいと、こういうふうに自治大臣の御答弁があったわけでありますけれども、具体的にこれはどういうふうな形で聞いていくかというのですね、この点。
#115
○国務大臣(野田武夫君) 私は、一々どういう方法でやるかということですが、事前にいろいろな委員会その他の御意向も、当然各政党からの御発言がありますし、参考にいたします。それから選挙制度審議会にも各党からお出になりますし、まあ特別必要があればまた聞くこともありますけれども、これはいろんな御意見を聞く機会は多いいんです。これこそ秘密にやるといっても、いろんな場合が出てくるものですから、特別取り上げてお聞きせぬでも、普通の御議論がわかっていると思うんです。いろんなこと参考にしまして、そしてやるのが正しいのじゃないか。しかし各党意見が出たから、一々それに従うとか、従わぬとか、これを用いるとか用いぬとか、これは私どもそれぞれ参酌して勘案したいと思います。やはりいろんな意見は一応お聞きするのがいいんだと、私自身、個人、特にそう思っております。
#116
○三木忠雄君 最後に、先ほどの答弁の中に、定数是正の問題については、ことに第六次は参議院のほうが主体になっている。しかし、審議の進行と見合わせて時期を考えてみたい、こういうふうに自治大臣のお答弁があったわけでありますけれども、これは具体的にどういうことですか。
#117
○国務大臣(野田武夫君) つまり参議院の選挙制度が早く片づいてしまうと、どうしてもこれは主要な諮問、重要事項でございます。特に参議院制度の問題は、これはやっぱり一種の時間的な制約を受けているわけです、これは。事実申しますと、これは間に合わなければ、また何年か先になってくると、こういうことになりますから、なるべくこの次の参議院選、通常選挙に間に合うようにというのが目標でございますから、一緒にいろんなことを入れまして、それがうやむやになったら、また三年も四年も先になるおそれがございますから、一応重点的に参議院の問題を諮問して、一応結論を得る見通しがついた場合、次に何をやるかということを考えたい、そういう意味で進行の度合いと、こう申したのです。
#118
○上林繁次郎君 それじゃ最後に、先ほどもちょっと触れられましたけれども、政治資金規正法の問題ですが、大臣は先ほど国会に出したいと、こういうお話がありました。それで、まあ何とかきめていきたいと、こういうお話でありました。けっこうだと思うんです。で、この問題につきましては、まあ私が言うまでもなく、あの当時、金という問題、政治と金という問題が非常に大きな問題になったわけです。そこで、特に現行の規正法ではこれはまずいと、これは改正しなければならぬ、こういうことでこの話が大きく持ち上がってきたわけです。当然国民も大きな期待を持ってこの政治資金規正法というものに対しては見守っておったわけです。で、これが成立すれば、きびしい一つの規正が行なわれるようになっていけば、政治の世界ももっともっと清潔になっていくであろう。まあこういう一つの国民の大きな期待があったわけです。それがいままでずるずると何年もたっているわけですが、その原因というのはどこにあるかといえば、出てくるものはつぶれる。それは国民も、議会の中にあっても、納得のできないいわゆる内容が盛られておるというところに、私はこれが成立しない一つの大きな原因があるのだと、こういうふうに考えるわけです。
 そこで、お出しになるという、また出していかなければならない一つの重要な問題点であるとするならば、いわゆるいままでのような内容ではなくして、やはり金と政治とのつながりによっていままで政治が乱されてきた、けがされてきた、そういった国民の感情というものを一掃するためにも、やはり相当きびしい内容が盛られたものでなければ、私はならぬと思うのですね。そういう意味で、まあ今後お出しになる場合に、再三再四検討にまた検討を加えて、そして国民が納得できるいわゆる規正法という案というものを提出されることを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#119
○委員長(中津井真君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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