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#1
第061回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第8号
昭和四十四年六月十三日(金曜日)
   午後一時四十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     加藤シヅエ君     千葉千代世君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中津井 真君
    理 事
                高橋文五郎君
                横川 正市君
                三木 忠雄君
    委 員
                井川 伊平君
                大竹平八郎君
                大谷藤之助君
                後藤 義隆君
                平島 敏夫君
                占部 秀男君
                千葉千代世君
                安永 英雄君
                上林繁次郎君
                中村 正雄君
                岩間 正男君
   国務大臣
       国 務 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       自治省行政局長  長野 士郎君
       自治省行政局選
       挙部長      皆川 迪夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一
 〇九号)(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中津井真君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 六月十二日、加藤シヅエ君が委員を辞任され、その補欠として千葉千代世君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(中津井真君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は前回提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより補足説明を聴取いたします。
 なお、本案は衆議院から修正議決の上送付されておりますので、修正部分について、便宜、政府委員からあわせて説明を聴取いたします。
#4
○政府委員(皆川迪夫君) 私から補足説明を申し上げます。なお、ただいま委員長からお話しのありました衆議院の修正点につきましては、共託金の額とテレビジョンによるテレビ放送、それから立ち合い演説会の開催回数、改正法の施行期日、この四点について修正がございましたので、便宜、私からその際にあわせて御説明申し上げます。
 まず第一に、立候補に関する事項でございますが、立候補の届け出期間を現行法よりも二日間短縮いたしまして、選挙期日の公示または告示の日及びその翌日の二日間といたしております。また共託金の額につきましては、公営の拡充等の事情も考慮いたしまして、現行の二倍または三倍程度に引き上げることといたしております。ただ、この点につきましては、衆議院におきまして修正が行なわれまして、衆議院及び参議院の地方区、それから知事の選挙については三十万円、参議院の全国区については六十万円というように修正をいたされております。
 それから第二に、選挙運動に関する事項でございますが、選挙事務所の設置または異動に関する届け出は、当該選挙事務所が設置される市町村の選管にも届け出をすることとして、違法な選挙事務所等に対する閉鎖の命令は所在の市町村の選挙管理委員会がこれを行なうことができるというようにいたしております。
 それから不在者投票における公正を確保するために、不在者投票管理者の地位利用による選挙運動を禁止するとともに、不在者投票の投票記載場所には選挙運動のポスターを掲示することができないと、かようにいたしております。
 次に連呼及び街頭演説に関する事項でございますが、車上の連呼行為をすべての選挙を通じて同一条件で認めることといたしました。また街頭演説の時間と車上の連呼行為の時間を一致させることにいたしまして、街頭演説であるか、あるいは連呼であるかということの判断をめぐりまするトラブルがなくなるようにいたしております。
 それから文書図画による選挙運動につきましては、選挙事務所の看板等の規格を大きくいたしましたほか、いわゆる置き去り文書の撤去義務を明記するとともに、無断で他人の工作物に掲示されたポスターの撤去に関する規定を明文化する等、規定の整備をはかっております。
 次に選挙放送でございますが、衆議院、参議院及び知事の選挙につきましては、新たにテレビジョンによる公営の政見放送を認めることといたしておりますが、放送の回数、具体的な手続き等につきましては政令で定めることといたしております。ただ、テレビによる政見放送を利用して他人の名誉を傷つけるとか、あるいは他の候補者について虚偽の事項を宣伝する、あるいは営業の広告をするといったような不法または不当な行為を制限するとともに、必要な罰則を法定いたしております。なお、テレビにつきましては経歴放送というのがございますが、この点につきましては政府案では触れておらなかったのでございますが、衆議院の修正で、NHKのみでなく民放についてもこれを行なうようにいたしております。
 次に個人演説会につきましては、衆議院、参議院、知事の選挙における回数制限を撤廃する、したがってこれに伴って行なっておりました看板の掲示等を公営で行なうことをやめまして、そうして新たに五個の看板等に限って選挙管理委員会が表示したものを演説会場に掲示する、ただこの個数を五個に限りましたので、これは演説会開催場以外の場所においても使ってもいい、かような内容になっております。
 それから選挙公営でございますが、テレビジョンの放送を認めたこと、あるいは個人演説会の開催回数の制限を撤廃したこと、あるいは最近の立ち会い演説会の状況等からいたしまして、この回数を縮小するということに政府案ではいたしております。ただこの点については、衆議院で、その開催回数がおおむね十回となっておりましたのを、これを削除する修正がなされております。そのほか公営につきましてはポスターの掲示場、それから選挙公報の締め切り日を法定するとか、その他若干の規定の整備をいたしております。
 それから選挙運動費用の点でございますが、実費弁償を現在の状況にかんがみましておおむね三割程度上げるという改正をいたしております。
 それから政党その他の政治団体の政治活動でございますが、これにつきましては、確認団体の政談演説会の開催回数を現行のおおむね二倍にする、それから確認団体のビラ頒布を自由にするというようなことをおもな内容といたしまして、そのほか街頭政談演説会を行なうことの時間、あるいは違法なポスターの撤去命令、公共の建物に対する頒布の禁止といったようなことを他の法令と合わせるよう規定の整備をいたしております。
 なお、最後に罰則でございますが、罰則につきましては、特に最近行なわれております多衆で選挙演説を妨害するというようなものにつきまして重い規定を設け、あるいは他人の当選をいたさせない目的で虚偽の事項を公表するというようなことに対する加重規定等を設けております。
 なおこの改正法の施行期日でございますが、政府案では、テレビジョンによる公営等を考慮いたしまして、公布の日から三カ月をこえない範囲内において政令で定めることにいたしております。衆議院の修正によりまして、ある規定につきましては公布の日から一週間以内に、政令で定める日から施行する、こういうような衆議院で修正をされております。
 以上が補足説明でございます。
#5
○委員長(中津井真君) これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#6
○占部秀男君 大臣の時間が制約をされておりますから、簡単に一つだけお伺いをして、あとは後日に譲りたいと思うのです。
 実は立ち会い演説会等開催の問題であります。自治省の出された原案によりますと、二項として「一の選挙区において開催すべき立会演説会の回数は、おおむね十回とする。」と、こういう原案が出ていたわけでありますが、これはわれわれとして相当問題のあったところであります。ところが、今度の衆議院の修正によりましてこれが取れたわけでありますから、消されたわけでありますから、したがって、この法が施行されてから後の立ち会い演説会の開催回数その他は従来どおりと、かように考えていいんではないかと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#7
○国務大臣(野田武夫君) お答えいたしますが、原案で立ち会い演説の回数の問題が入っておりますのを今度抜いております。しかし、衆議院でやはり附帯決議が立ち会い演説で出ておりますことは御承知かと思っております。その意味を含んでお答えいたします。
 立ち会い演説会は、実は最近の衆議院の総選挙では、御承知のとおり一選挙区の平均がおおむね三十回程度に開催してまいりました。しかし、その聴衆率は非常に低いので、全有権者に占める割合が大体二%から三%というきわめて低い聴衆率でございまして、したがって、今度の改正によりまして、どうしてもやはり一般の有権者にできるだけ政見を聞いてその上で判断してもらいたいという趣旨で、テレビによる政見放送を実施することにいたしました。その結果、やはり相当効果的に候補者の政見を選挙民の間に浸透させることができる、こういう考え方で、公営のテレビの政見放送を今回の法案に盛り込んだのであります。その結果、やはり同じ目的でございますから、もう従来の立ち会い演説会の聴衆率の低いのにかんがみまして、できるならテレビの政見放送が実施されれば立ち会い演説会の回数は少し少なくてもいいんじゃないか、この意味で、おおむね十回程度に減少することにいたしたのであります。しかし、このおおむね十回という附帯決議にもあらわれておりますが、これはあくまでも一応の基準でございまして、実際の取り扱い上は、これは取り扱いは、都道府県の選挙管理委員会が政党その他の関係者の意見を聞きまして、当該選挙区の地勢、交通等の地域の実情に応じて必要な回数をきめることができると、こう考えております。したがって、地域の実情に応じて開催の回数をかなり増加することがありましても別段何ら差しつかえを感ずるものじゃございません。これらは都道府県の選挙管理委員会に対してもその意味のことを、またその趣旨で指導いたしてまいる所存でございます。
#8
○占部秀男君 それじゃ端的に言いますが、いま言ったように、われわれは民主的な明朗な選挙を目標としていく以上、公営を強化していかなくちゃならぬ、こういう立場に立っておる。したがって、立ち会い演説会はこれはもうむしろ現状よりはふやすべきじゃないか、こういう考え方を持っておるわけであります。
 ところで、テレビによる政見放送がございますが、これは技術的にはいろいろ問題点がある問題です。そこで、いま大臣の御答弁の中では、この立ち会い演説会の開催の百五十三条には、衆議院の決議の内容も含まれておるというのでありますが、もちろん決議の内容を含まれておるということになると、それを行政指導するという形になっていくと思うのですけれども、参議院としては、これはもう、今後この問題を討議していかなければなりませんが、必ずしも衆議院と同じ考えではないわけであります。そこで、これは参議院のほうでこれと同じような決議のような内容のものを、決議なり何なりできめればいいのですけれども、そういうものがきまらない場合に、衆議院の決議だけでこの立ち会い演説会の問題を行政指導されると、非常に迷惑なんです。そういう点は、これは時間がありませんからまたあとで詳しくひとつ御回答いただきたいと思うのですけれども、弾力のあるひとつ取り扱いをして、無理にならないようにしていただきたい、こういうことをひとつ。
#9
○国務大臣(野田武夫君) いや、非常に重大ですから、あとというよりも、いま……。もう結論は大体そうめんどうなことでございませんから、いまの御趣旨のように、回数はあまり制限しちゃいけない。やはり立ち合い演説会は必要だと、こういう御趣旨だと思っております。よくわかりました。そこで最後に私申し上げましたように、衆議院の附帯決議を含んで答弁しますと、私の立場としては、これが決議されたので尊重しますということをお答えしておるのです、衆議院に。これを全然無視して違ったことを申し上げるのは、これは何と申しますか、政府と国会の間でございますから、これはやはり私の気持ちをおわかりいただけると思っております。決して御趣旨に反対とか、こういうことじゃございませんのを御理解願いたい。そこでいま申しますとおり、私のほうは、地域の実情に応じまして開催回数を増加することは別段差しつかえないと、こういうことをお答えするので、そこでこれらは都道府県の選挙管理委員会に対しても、その意味の趣旨を徹底するのだ、決して別に御意見と違ったことを、参議院ではこうあったけれども違うのだと、そんなことはもう絶対ありませんから、御趣旨は、私の申し上げるのはその実情に応じて選挙管理委員会がおやりになればけっこうだ、つまり弾力的な趣旨を指導いたしますから、それは十分御理解願いたいと、こう思っております。
#10
○委員長(中津井真君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(中津井真君) 速記を起こして。
#12
○横川正市君 今度の改正点で、いままでに問題になった幾つかの項目で事務当局にその考え方をただしておきたいと思うのですが、一つは、政党の選挙とそれから個人候補者の選挙ですね、法定費用というものを設定する場合、法定費用というのは、政党と候補者とに分けて、政党のものは法定費用に加味されない、候補者の場合には法定費用のワク内である、こういう取りきめがある。もう一つは、支出するものによっては、候補者の場合であっても法定費用と法定費用外というふうにきめられている。で、法定費用というものの概念は、これは一体どういう趣旨のものなのか。選挙全体を通じて使われる金についての何らかの制限とか規制とか、こういうものがあることが公平だというので、法定費用というのが算定をされている。ところが、そういう趣旨とはもとって、政党の場合あるいは個人の場合に、その支出する項目によって法定費用に該当しない、この取りきめはどういう理由できめられたかという問題ですが、これをひとつお答えいただきたいと思います。
#13
○政府委員(皆川迪夫君) まず政党の政治活動に要する問題と候補者の選挙運動の費用との区分でございますが、法律のたてまえは、政党の選挙の際に行なう政治活動というものは個々の候補者の運動ではない、したがって、これは選挙運動費用に本来入らない性質のものである、こういう考えをとっているわけでございます。したがって、政党の活動であっても、それが特定の候補者の当選を得るための選挙運動になれば、それはその候補者の選挙運動費用に加算しなければならない。ただ、一般的には政党の政治活動というものは特定の候補者のものではないというふうに考えられますので算入しないということにいたしております。
 それから、ある費目については選挙運動費用に入れないという規定がございます。これは技術的に選挙運動の費用に算入をしてトータルの中に含めることができないもの、たとえば立候補の準備のためにやった行為であって、しかも候補者または政党の責任者に将来なった、こういう人と何にも無関係でやったもの、こういう費用は候補者なり出納責任者の関知しない費用でございますから、これはこの費用に算入しようがないわけであります。そういった理論的に候補者の費用に算入することができないものと、それからもう一つは、たとえば選挙運動に使う自動車に要するように、全部の候補者がある程度同じような条件で平等に使うというようなものについてはこれは除外する、こういう二つの性質のものを除外しているわけでございます。
#14
○横川正市君 いまの説明は私どもが承知している説明なのですが、選挙をやるという側に立って、法定費用の制限をしなければならない理由はこれは何であったか。その理由から推してみて、一体選挙というものを一貫して見た場合のその中に占める政党活動の分野と、それから個人の候補者の選挙活動の分野とでどういう区分のしかたをするのか。たとえば自動車に乗っている場合、これは政党活動の自動車だから法定費用外である、候補者の自動車であるから法定費用内であるというが、両方ともが一緒に選挙を行なっているという実態をこれは区分するわけにもいかないのじゃないか。その人間を当選させるために行なっていることは全部これは運動と見なければいけない。だから私は、この法定費用の設定のしかたが小ワクにワクをきめるために、必要なものであっても法定費用から除外するという結果になっておらないか。もっとはっきり言えば、法定費用をもう少し広げて、そうして大半のものを法定費用の中に縛るという、そういうことをやるそのコンスタントは何かといったら、どの候補者もやらなければならないもの、たとえば自動車であるとか、あるいは日当であるとか、いろいろなかっこうのものがあるわけですが、そういうものを法定費用の中に入れて全体のワクを締めることのほうがより公平な選挙が行なわれるのじゃないかというふうに思うわけですがね。ただ、政党活動はこれです、政治活動はこれです、選挙活動はこれですというように分けることによって、選挙活動そのものの同質のものが資金からはみ出してしまう、こういうことにならないかと思うのですが、で、私はなぜこれに触れるかというと、たとえば文書活動をやるときに、文書活動は、金を持った者は幾らでも出して、金のない者は文書活動ができないから困るなどという話がありますけれども、そうでなしに、文書活動そのものを法定費用の中に入れれば、これは決して選挙活動の自由を行なうことがそれほど障害にならないのじゃないかというふうに思うわけなんですよ。だからその点を締めているためにかえって不公平になっておる。だから、少し広げて全部の候補者の公平をはかるべきものではないか、そういう意味での法定費用というものを考えたらどうかと、こう思うわけですが、いままでのきめられたことは、非常に制限があることによってかえって逆な意味を期待しておるような気がするわけです。
#15
○政府委員(皆川迪夫君) ただいまお話しのありましたもののうち、たとえば候補者が使う自動車が要する費用、あるいは選挙運動のために使う自動車の費用、あるいは地方団体に支払う手数料、税金と、こういったものは理論的に法定の選挙運動費用に入らないという性質のものではないと思います。おっしゃいますように、一応算入して法定の費用のワクをさらにその分だけ広げておくということも考えられると思いますが、まあ従来からこういう仕組みになっておるわけでございます。ただ、一番問題なのは政治活動との関係だと思いますが、これは実際上は政治活動が選挙運動の効果を持っておるということはあろうかと思いますが、法律的にはこれは選挙運動じゃなくて政治活動である、したがって、これを行なうこと自体が選挙運動と別になっておると、したがって、この費用の分だけを選挙運動の中に算入するということは理論的にも非常に無理がございますし、実際上政党なりあるいはいろいろなそのほかの団体もあろうと思いますが、そういうものの選挙の際における活動費というものを個々の候補者に分けていく、どこまで分けていくかということも実際上としても非常に無理があるのじゃないかというふうに考えます。
#16
○横川正市君 私は この法定費用を算定したという、このワクをきめたということは、これは言ってみれば個人差のある費用によって選挙の公正を害されると、こういう意味で法定費用というものは算定されているんだと思うのですよ。ところが、いまは逆な意味で、法定費用のワクが小さいためにかえって個人差の弊害というものを大きくしているというふうに思われるので、この点は問題点としてひとつ検討していただくように指摘をいたしておきたいと思うのです。
 それからもう一つは、今度の改正の中にもはっきりしているのですが、ビラの配布という問題ですね。これは改正案でもって一応自由になったようであります。これは政党活動ですから、そのビラの内容はいままでの制限からはおそらく出ていないのだろうと思うのですが、一体文章上ビラの配布を認めたということは、どういう内容かということの通知を行なうのかどうかという問題ですね。ビラの配布を認めたということは、これはいわゆる取り締まり当局の判断にまかせた内容ということになるのか、細部にわたってのビラの配布ということを認めた指示をするのかという問題であります。同時に戸別訪問の問題ともこれは関連をするわけなんです。ビラの配布というのは、制限配布なのか、そうではなしに自由な配布ということなのか。関連事項があって、それに制約をされるから、文章上はビラの配布ということで別に支障がないということなのか。また内容について、機関紙は、たとえば何人かの候補者の選挙情勢その他をこれは自分に有利な記事の書き方であろうとなかろうと、第三者が入った記事である場合には、大体いまのところ文書違反にはなっておらないようですけれども、いわゆる政党活動としてのビラの中に個人の候補者の記事というものがあった場合、これは配布することについての違法性というものはどういうふうになるのか、こういった点の具体的な内容というものが知らされるのかどうか、戸別訪問の問題も合わせながら、ひとつお答えいただきたいと思うんです。
#17
○政府委員(皆川迪夫君) いまお話のありました、政党の政治活動用として配るビラの中に候補者の名前が載っておることはかまわないかというお話でありますが、これはこの要綱にもございますし、法律案にも上がっておりますが、二百一条の十二の第一項の規定の適用を受けます。候補者の名前が載っておる、あるいはそれを類推されるようなことを書いたものは配布ができない、こういうことになっております。
 お話のありました政党等の機関紙、これにつきましては、掲載することは自由でございますけれども、それを頒布する場合には通常の方法で頒布しなければならない、こういうふうになっておりますので、現在の新聞等の自由からしましてもできませんし、新しく設けられました政治活動用のビラの頒布の規則からいたしましても、候補者の名前が入っておる機関紙を戸々に配るということはできないわけでございます。
 なお、戸別訪問との関係でございますが、戸別にこのビラを持って家に訪問して配って歩くということは、一般に戸別訪問になる、かように考えております。
#18
○横川正市君 非常に大きな矛盾を幾つか持たしておいて、その矛盾のうちの一つだけを何かワクを広げたことによって、さらに大きく矛盾を呼ぶような法律のつくり方というのは非常にまずいと思うんですよ、実際は。弊害があるかないかというもののコンスタントをたとえば買収供応に置いて、それ以外ならば自由化の思想というものが一つあるわけですから、それならば買収供応というものの伴わないものについては、ある程度自由化するという思想が実は法律改正の中になければならぬというふうに私ども思うわけですよ。いま皆川さんの説明によれば、現在でも政党の機関紙に候補者の記事が載っておるものが、たとえば各戸に不特定に、読んでいる人でなくても配られることについては、たとえば運動の期間とかなんとかについて制限をしていないんですね。今度はかえって逆な意味で制限を受けるような内容になるわけですよ。いわゆる文書その他による自由化ということよりか一歩後退する結果になるんじゃないか。この点の解釈をもう少し、自由化ということは一般の思想になっているわけなんですから、それでもなおかつ、たとえば取り締まり当局の取り締まりに対して、あまりオープンにすることによって支障を来たすという面の一つの線がある。あるいはまあ候補者の選挙と政党の選挙ということに分けて考えてみても、何月何日、だれだれの個人演説会がありますから来てくださいというビラが配られる。ところが何々のと入っただけでこれは違法文書ですというようなことで制限されては、これは私は運動の自由化から見れば制限になってくるだろう。そういうふうに名前が入っているからということだけで全部違法文書だと規定されることは、配布ということをうたったその趣旨からは逆になるんじゃないか、結果的には。この点はそういう意味で私は問題点じゃないかと思うので、これもひとつお聞きをいたしておきたいと思うのです。これは大臣といろいろ論議しないと、やはり事務当局では、きめられたものについてだけですから、突っ込んで話ができませんので、一応これは検討していただくようにして、次回また時間があれば説明をしていただきたいと思います。
 それからもう一つ、前回の選挙法の改正のときに、投票所周辺におけるポスターの掲示、これはたとえば百メートルとか三百メートルとかというのは違法だということになっておったんですが、その後の改正で違法ではないということになり、最近では投票所の前にたいへんりっぱなアーチが立ってしまうという傾向が生まれてきている。もちろん全国区なんかの場合、掲示されている名前が多いから、文字が小さい、さがすのにたいへんだという不便なことがあるんですが、これをもう少し見やすいようにし、さがしやすいようにし、投票当日、投票所周辺のいわゆるポスターの集中といいますか、ああいうかっこうはほんとうはやめたほうが公平なんじゃないかという気がするわけですが、この点については検討をされたんでしょうか。
#19
○政府委員(皆川迪夫君) お話のございましたように、昔は禁止しておった、ところが実際の状況を見て、なかなかそれが励行されない、あるいはむしろそういう制限は取ったほうがいいじゃないかということで、投票当日投票所周辺にポスターを張っておいちゃいかぬという規定を削除いたしたのであります。その結果、お話のような状況もあるようでございますけれども、昔制限があって、それを撤廃したのをまたもとに戻すということも朝令暮改でいかがなものであろうかというふうにも思われまして、今回はその点には触れてございません。ただ、いまお話のありました投票所内における氏名掲示等については、かなり各選管でくふうをしまして、機械的な小さな活字のほかにも、大きなビラを出しておるようでございまして、さらにそういう点については注意をしていきたいと思います。
#20
○横川正市君 私は全然制限してしまえというんじゃなくて、たとえば一候補者について一枚とか二枚はいいとかなんとかいうような、言ってみればそういう意味での一つの秩序というのはあっていいんじゃないかというふうには思いますね。もうあそこに行くときにはだれに入れるかわかっておるのであって、ただ非常にはなやかなアーチをつくってある。実は私がびっくりして、私のやつがあまりりっぱに張られているので、こういうあれをしなければいけないかというふうに私自身が疑問に思ったので、ほかの人はどうかわかりませんが。一枚とか二枚というようなものならばいいんですが、いまは争って何十枚も張られる傾向が出てきている。あれは実際は少しオーバーじゃないかというふうに思うわけであります。これもひとつ検討材料でお願いしておきたいと思います。
 それから、前回のときにも私から申し上げたんですが、衆議院は掲示でやられる、ところが参議院の場合の全国区、これは掲示が行なわれない。そのためにポスターを掲示をすることのむずかしさといいますか、これはもうたいへんな困難を来たしているわけですよ。ですから、言ってみれば、たとえば電柱にポスターが張られるのではなくて、ポスターをかけるということならば、これは自治省の選管と九電――九つの電力会社と話し合って、撤去することを条件として、かけることだけはいいのです。料金さえ払えば大きな看板をかけることを、あれは民間会社だからやっているわけですよね。ところが選挙ということについて、やらせるとかやらせないとかいまたいへんなトラブルを起こすということはあまりかっこうのいいことじゃないので、もちろんこれは撤去をすることが条件ですが、しかも、張るのではなくて、あれはベニヤ板ですか、ベニヤ板でかけるという程度のものは選挙期間中許可されるというようなことで、だれしもが一様にポスターのはれる公平さというものをつくっていく必要があるのじゃないかと思うのですが、この点はどうでしょう。これは実際折衝してみて可能だと私は思うのですがね。
#21
○政府委員(皆川迪夫君) いままで主としてポスターをのりで張るということが行なわれておりまして、そういうことを前提にして、電力会社のほうでは困るということで一般的に承認をしないということの扱いになっておったと思うのです。最近はポスターをかけるというような方法がかなり一般化してきましたので、そういう点については今日まで折衝をしたととがございませんのでちょっと判断はできかねますけれども、従来とは若干事情が違ってきたのじゃないかと思います。
#22
○横川正市君 従来と違っているといってみても、やはり個人差がとれは非常にあるわけですよ。まあ言ってみれば張らしてやろうということも張らすなということも、会社の意見ですから、一様じゃないわけですね。それからもう一つは、何か幾らか料金を払えば張らせてやるというようなあれもあるので、それならば公営の資金の中から幾らか金を出してでも、言ってみれば張ったほうがいいのじゃないかというような手段も私はなきにしもあらずだと、これも一つ検討材料で、私のほうからお願いをいたしておきたいと思います。あとはまあ大臣が出席いたしましてから、私のほうからあわせて質問をいたしたいと思いますので、きょうはほんの入り口だけで質問を終わっておきます。
#23
○岩間正男君 簡単にお聞きしたいのですが、今度の改正の公選法によると二百一条の五、六、八によると、「ビラの頒布(散布を除く。)」こういうようになっているのだが、この頒布と散布、この定義をやはり明確にしておく、実際にこれの運用について明らかにしておくことが必要じゃないか。ともするとこれは先にいって混乱を起こしてまいると思うので、まず最初にことばの意味、これをはっきりしておいてもらいたい。
#24
○政府委員(皆川迪夫君) ここで頒布と申し上げておりますのは、具体的に個々人にその文書が到達する方法であります。したがって、街頭で一人一人に手渡す、あるいは新聞の折り込みで家庭に配る、郵便で送る、要するに個々の人に、不特定の者であっても個々の人に交付される配布のしかたを頒布といっております。それに対して散布というのは、たとえば高いところからビラをまく、あるいは飛行機の上から、あるいは走っている自動車の上からまくというように、受け取る人がだれだかわからないという状態の配布の方法を散布、こういうふうにいっております。
#25
○岩間正男君 それじゃまあ先ほどの答弁にもありましたが、念のためにはっきりさしておきますが、町かどに立って通行人に無差別にビラを手渡しする、この行為はむろん頒布、こういうふうに考えていいわけですね。これはいいですね。
 その次に、これはさっきの戸別の問題とも関連するのですが、戸別に回ってビラを配るというのは、これは一体頒布になるのですかどうですか。
#26
○政府委員(皆川迪夫君) 戸別にビラを配布することは頒布でございます。ただ、それを一軒一軒家の中に入って配って歩くということになると、頒布は頒布であっても戸別訪問になる、こういうことでございます。
#27
○岩間正男君 この辺の見解が先にいってちょっとまぎらわしくなりませんか、どうですかね。これは戸別訪問を禁止していることからの矛盾だと思うので、これはあとで詳しく質問したいと思うのです。まぎらわしいのだな、ちょっと入っていく、玄関に行った、よろしく、こう申し上げた。それからまあポストに入れていくことはこれはかまわないですね、この差は、限界というのは、先にいってまぎらわしくて、この辺でひっかけるつもりだったらひっかけるということになる、そうなんです。だから頒布という点から見れば、これを戸別に頒布することはあり得る、しかし個別訪問が禁止されている、こういう点からいうとこれは違反である。この二つの行為というものは矛盾して、さっき横川委員の言われたように、ここのところは非常に……、一部だけ制限を緩和して一部分残っているために、そこから関連して矛盾が起こってくる。こういう点については検討してみたのですか。
#28
○政府委員(皆川迪夫君) これは選挙運動の全面的な自由化でないものですから、戸別訪問を残す以上は、戸別訪問と同時に行なわれる頒布は、頒布の違反じゃない、戸別訪問の違反だ、これはやむを得ないと思います。いろいろ検討はしたわけでございますが、先ほどおっしゃいましたように、郵便受けに置いてきたというのは戸別訪問にはなりませんから支障ないわけでございます。
#29
○岩間正男君 内容についてはどうですか、たとえば候補者の名前の入ったものを戸別に配っていく、そういう場合にはどうなりますか。
#30
○政府委員(皆川迪夫君) これは政治的活動として特に自由を認められておりますビラ、ポスターも同じでございますけれども、候補者の名前を書いてはいけないということになっております。
#31
○岩間正男君 政党の機関紙のようなそういうようなものでないものは、それを持って行くことは戸別訪問ということになりますか。
#32
○政府委員(皆川迪夫君) 戸別訪問は文書とは関係ないわけでございますから、人間が一人一人戸別に訪問をしていく行為でございますから、文書と関係なしに起こり得ることだろうと思います。
#33
○岩間正男君 最後にお聞きしたいのは、街頭でビラまきをやる場合の道交法との関係、これはどうなるか。実際これはいままで道交法でひっかけられる――ここでやってはいかぬ、それを聞かなくてぱくられた、そういう事態があったわけです。このときどっちが優先するのですか、道交法との関連で。
#34
○政府委員(皆川迪夫君) このビラの頒布につきましては、このことによって特別に新しい権利を設定したわけではない、したがって、他の法秩序によって規制される分野があれば、道交法でこういうところに立ってはいかぬということがあれば、もちろんそちらのほうの制約を受けるわけです。あるいは公共の建物の中で配っちゃいかぬという規定があれば、その制約を受けるということになります。
#35
○岩間正男君 公共の建物の場合には一応制限がこれにもあるのだが、しかしどうですか、この辺の検討はむずかしいのじゃないかな、これは警官の判断で、ある場合には非常に過重になる、ある場合には非常に寛大にされるということが起こりかねない。われわれが実際見てそういうことがありますよ、そうすると、道交法に対して、これは選挙については相当優先の、そういう点を明らかにする必要があるのじゃないか、この点について今度のこの法改正によって当然これは道交法が、いままで非常にきびしく厳格にいって、とにかく何か必要以上に適用されていることがある、こういうものについては、やはり選挙法との関連でここのところを緩和すべきであるという自治省の見解だと思うのですが……、当然交渉されるべきだと思います。そうでないと、せっかく頒布というものを認めているんだけれども、しかし実際頒布をやれば相当町の中でそういう空気が起こってきます。そうすると、それを今度ひっかけてくるということになれば、警官の判断でいままでの道交法の適用で何ぼでもやれるということになって、伸縮自在にやられる、そうすると当然この法律を生かすのだということになれば、私はこれに対してやはり選挙期間中の道交法そのものが、むろんこれはこれで、交通が非常に妨害されるということがあったらいかぬかもしらんけれども、そうでない、何と言うかな、頒布行為というものについてこれを認める、こういう点について事前の折衝何もないわけですか。ただこっちでやってしまった、そういうことですか。この運用の面で相当私は国家公安委員会と交渉すべきじゃないかと思う。どうですか。この辺について、そういうことをやられる気がありますか。
#36
○政府委員(皆川迪夫君) 道交法は選挙法とは別の法律でございますけれども、その規定と選挙運動あるいは政治活動との触れ合いをどのように持っていくかということは、いろいろ出てまいるだろうと思います。私のほうでも、この点については警察当局のほうとよく協議をいたしたいと思っております。
#37
○岩間正男君 それはやってくださいね。できたらこの次あたりに知らしてもらうといいですな。道交法に、ものすごい交通上はなはだしい妨害をしない限りにおいて、こういうような頒布の、選挙法によって認められたこういう権利を保障するようにしてほしいとかなんとか、その辺の話し合いをしてもらって、その結果はこの次の十八日にお聞きしたい。
 以上で終わります。
#38
○委員長(中津井真君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#39
○委員長(中津井真君) 速記を起こして。
 本日の審査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#40
○委員長(中津井真君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その日時及び人選等につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(中津井真君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。
 これにて散会いたします。
   午後二時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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