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#1
第061回国会 物価等対策特別委員会 第8号
昭和四十四年六月二十五日(水曜日)
   午前十時五十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本  杉君
    理 事
                小枝 一雄君
                林田悠紀夫君
                阿部 憲一君
                中沢伊登子君
    委 員
                大森 久司君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                塚田十一郎君
                西村 尚治君
                鈴木  強君
                竹田 四郎君
                藤原 道子君
                渡辺  武君
   政府委員
       経済企画政務次
       官        登坂重次郎君
       厚生省環境衛生
       局長       金光 克己君
       農林省畜産局長  太田 康二君
       食糧庁次長    馬場 二葉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部景
       品表示課長    中村 雄一君
       厚生省環境衛生
       局乳肉衛生課長  神林 三男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本杉君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
 鈴木君。
#3
○鈴木強君 最初に、自主流通米についてお尋ねしたいと思いますが、政府は、先般、食管法の政省令を改正して自主流通米制度を発足させたわけですが、これを発足させた理由と、それから、この自主流通米を販売するルートですね、こういうものを中心にして、制度の内容について最初に説明をしていただきたいと思います。
#4
○政府委員(馬場二葉君) 自主流通米の制度は、いまお話しのとおりに、すでに必要な政省令の改正をいたしまして、制度要綱、実施要綱、それから実施要領も先般通達いたしまして、準備をようやく終わったところでございますが、そのねらいとするところは、現在米の需給が非常に緩和いたしまして、あるいは緩和というよりは、余剰の傾向を示してまいっておりまして、消費者のほうでは、米の需要の面で量的には十分充足して余りあるという現状になっておるわけでございます。しかしながら、米の質の問題、あるいは食味の問題につきましては、消費者のほうで、最近、食生活の高度化なり、あるいは嗜好の変化等で、嗜好がいい米、良質米に対する需要が非常に高まっているわけです。現在の食糧管理の、全面的な、直接、しかも画一的な統制のやり方、仕組みでは、そういった消費者の需要に必ずしも応じ切れないということがあるわけでございまして、総理府の調査等でも、家庭への配給実情は、非常に遺憾なことでございますけれども、約三割は非配給米を受配しているという調査もあるわけでございまして、そういう消費者の嗜好に応じるということと、それからやはり、生産者としては、良質米を生産して、できれば少し高い値段で売りたいという、一方に意欲もございまするので、こういうことを勘案しながら、いわば直接管理の長所を生かすと同時に、米の品質問題の前進をはかるなどの自由の長所を実現しようということで、この制度を考え出したわけでございます。
 したがいまして、その仕組みは、これは全く自由の流通を認めるということではございませんで、あくまで、そこに食糧管理制度の立場から必要な規制のもとに流通を認める、政府を通さない米の流通を認める、こういうことに相なっておるわけでございます。したがいまして、生産者農家とすれば、政府に売るより少しでも有利に売れる銘柄、いい米の生産をいたしまして、それを売る場合には、やはり、現在政府に売る場合のルート、すなわち、自分が登録しております指定集荷人に委託をいたしまして、指定集荷人としてはまた県単の集荷団体に委託し、県単の集荷団体は中央の集荷団体、いわゆる現在の系統農協と、それから消費系統の両方のルートを通じて、まず農家の販売の委託がなされる。それから、たとえば、そうなりますと、中央の団体は全販連と全集連でございます。これから買い受ける資格者というのは、米の登録販売業者、あるいは酒造、酒のメーカーとか、あるいは、せんべい、あられ等のいわゆる米の実需者、加工業者でございます。こういったものの一定の資格を有する者が買い受けをできる。したがって、家庭配給の場合をとりますと、全販連等から卸販売業者が買い受けまして、それを小売りを通じて家庭消費者に渡す。まあその問は、食管法によって、例の購入通帳による売買ということに相なるわけでございます。
 以上が、そのねらいと仕組みでございます。
#5
○鈴木強君 まあ、昭和十七年に食管制度が制定されて以来、今度のように政府の手を通さないで米が流通するということは初めてだと思いますね。それで、なるほど米の需給の関係等は私たちもよくわかっておりますが、この自主流通米制度は、今日食管制度が厳として存在する限りにおいて、一つの問題のある制度だと思います。したがって、見方によると、将来農林省としては食管制度というものをなしくずしにしていくのじゃないかという心配も国民にあるわけです。これはまあ、農家全体から見ると、総合農政の中で支持価格というものがほかにないわけですからして、米にたよらざるを得ない。それによって生産がふえてきた。しかし、つい三、四年前のことを考えてみますと、米がなくてたいへん大騒ぎをしたこともあるわけですから、何か、火がついたら、さあたいへんだということでもって、右往左往するのもどうかと思いますね。
 それはとにかくとしても、やはり私の聞きたいのは、基本的に食管制度そのものに影響を与えるのではないだろうか。そうして、消費者から見ると、何と言おうと実質的には高い米を買わされる、買わされるというか、買うことになるわけですから、消費者米価が実質的には値上がりになる、こういうふうになるわけですね。ですから、この制度そのものに対してそういったたいへんな矛盾があると思うのですけれども、国民に向かって、農林省はこれらの心配に対して、どういうふうにお答えをいたしますか。
#6
○政府委員(馬場二葉君) この米の一部自主流通の考え方は、これは、先ほど申し上げましたように、全く自由な流通を認めようとするものではございません。あくまで米穀の、米の需給事情に応じまして、食糧管理制度の根幹を堅持しながら直接統制の長所を生かして、同時にまた、自由な長所をあわせて実現する、これがそのねらいでございまして、したがって、自主流通米を認めましても、米の価格や需給の調整という――必要な米は、これは食管法第三条の規定によりまして政府がやはり無制限買い入れの道を開いておるわけでございます。いま、いろいろ生産者団体なりあるいは消費者団体等の意見を徴し、また食糧庁自体でいろいろ研究いたしまして、一応自主流通米に回ると予想される数量はウルチ米で大体百万トンと見ておりますが、これはちょうど家庭配給米ないしは業務用、いわゆる主食の配給米のおおよそ七分の一程度が自主流通米に回るということが一応予想されておりますので、したがって、大部分はやはり政府が買い入れまして価格の調整ないしは需給の調整をやる、こういうことの姿になろうかと思うわけでございます。その場合、政府が買い入れます価格は、もちろんこれは食管法の規定に基づきまして、再生産の確保をはかることを旨として定めるということも当然であるわけでございます。消費者に対しましても、必要な一定量の米は、これは今後も政府の売り渡しの配給米は物統令の価格の規制を残すわけでございます。これはもう、消費者の希望に応じて、一応一人一月十五キロという制限はございますが、事実上ほとんど無制限に政府の売り渡しによる、いわゆるマル公による配給は続けるということでございますので、食管制度自体がこのためになしくずし的に間接統制に移行するとか、あるいは制度がくずれるということは毛頭ない、これはもう大臣もしばしば申し上げておりますように、食管制度の根幹は維持しながら自主流通米の適正な運営をはかるということであるわけでございます。
 それから、この自主流通米の末端の価格は、御指摘のように、これは政府の財政負担を伴わないわけでございますから、当然政府の売り渡し米よりも高くなることは避けられない、こういうふうに考えるわけでございます。しかし、その中間経費、保管料とか運賃その他は、いわゆる市場環境に恵まれた米が自主流通米に回るということを考えますと、中間経費は、いまの政府の管理米よりは相当幅が少なくて済むだろうということと、それから先ほど申し上げましたように、現在家庭の消費実態なり、あるいは受配状況を見ますと、相当非配給米を現在とっておるわけです。これは配給米よりは相当高い価格でございますが、今度は、消費者が嗜好に応じて自由に選べる、自主流通米ということで選択が可能になるわけでございますから、いわばそういう従来の、不都合な話でございますけれども、高い非配給米に自主流通米がとってかわるということであれば、しかも、これは消費者がみずから品質なり銘柄を好んで買うわけでございますから、私どもは、消費者価格上の、いわゆる物価対策上の問題はさして起こらないのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#7
○鈴木強君 どう説明をしましょうと、基本にある食管制度というものが変革されていくということは間違いないことでしょう。食管制度の基本というものがやはりひとつくずれてきたということは一そういうことは、あなたが幾ら弁明してみても、否定することはできないんですね。
 それからもう一つは、こういう制度ができ上がったために、良質米というのは勢い自主流通米に回りますね。そうなると、配給米を食べるのは、言うならばボーダーライン層、低所得者層といいますか、そういう諸君は質の悪い米を食べさせられることになると思うんです。そういう点は、国民の立場から見ると、いかに農林省、食糧庁が声を大にして説明いたしましても、納得はしませんよ。その納得をしないことをあらかじめ計算に置いてこの制度をつくられたものだと私は思うんです。これはたいへん政治的、基本的な問題ですから、次長にこれ以上伺ってもしかたがないと思うので、また私は機会を改めて伺いますが、そういう印象を率直に国民は持っておると思う。
 そこで、あなたが言われるように、自主流通米というものは全く手放しでやられるものではないんだ、必要な規制をそこに加えてやる、こういうお話でございますね。それで、まず第一番に、この需給の面から見て、一体自主流通米はいつから実施するかということが一つの問題になりますね。それで、たとえば四十四年度産の米穀年度からかりに実施するとするならば、一体何万トンの――いまウルチ米百万トンというお話がありましたが、何百万トンの米を自主流通に回そうとするのか、それが一つですね。それから、今後この百万トンというものは、四十五、四十六、四十七と、各年度を追ってさらに拡大をしていくという計画を持っているのかどうなのか。これが一つ問題になると思います。
 それから、価格の問題でございますが、これはどうなんでございますか。おそらく、やみ米と同じ程度の価格におさめたい、こういうことを食糧庁は言っておられるようですが、現在、やみ価格というものは各地方地方によって違いますね。米の銘柄によっても違うわけです。ですからして、そういうやみ米と大体同じ程度の自主流通米に対する価格は業者に自由にやらせるのか、それとも、農林省がその価格についてコントロールするのか、最終的な決定権というのは一体業者まかせになるのか、あるいは農林省がそこに価格決定に対して意見を差し挾むことができるのかどうか、こういう点もひとつ明らかにしてもらいたいと思うわけです。
 それからもう一つは、配給のルートですけれども、自主流通米の販売ルートは現行の配給米ルートによってやるというお話でございますね。しかし、現行の配給米ルートにしても、すでにやみ米というものが平気でやられているわけですね。ですからして、いかに価格をあなたが調整しようとしても、あるいは数量を百万トン、百五十万トンにするかどうかは別としても、そういう数量をきめましても、現にやみ米というものがどんどん流れているんですから、そういう意味から言うと、必ずしも米の集荷業者あるいはその販売業者、政府登録のものと、こう言いましても、そこだけを通らないで、どこかまた流れていく道が出でくるだろう。これは、やみ米の場合は厳重な処罰規定があるわけです。しかし、現在私どもがここで質問いたしましても、やみ米に対しては積極的な調査もしておらぬ、それから、それに対して戦後のようにきびしい罰則も加えておらない。一体これから自主流通米がそういうふうな形で制度上認められてしまえば、百万トンのものが百五十万トンになったとか、数量についてもごまかしが出てくることでありましょうし、それを取り締まるといいましても、なかなかむずかしいと思うのであります。ですからして、いわゆる自主流通米は、自由流通米、こういう形にこれがなっていく危険性があると思うんです。ですからして、農林省としては、あなたがおっしゃるように規制を加えるというならば、その必要な規制というものについて明らかにして、これは国民とともにひとつ協力してもらう、そうしてきめられた自主流通米というものが、われわれは賛成できないんですが、あなた方でおやりになるとすれば、そういう方法で、行政的な監督というものもきびしくしていただいてやらなくてはいけないんじゃないですか。結局損をみるのは、質の悪い米を買わされる配給米を受ける一般消費者でございますし、ですから、いま私が質問した点は明確に答えてもらいたいんです。
#8
○政府委員(馬場二葉君) 最初の、実施の時期は、先生がおっしゃられるとおり、四十四年産米からこれを適用いたしたい。したがいまして、一番早く出ますのは、宮崎、高知の早期米がございますので、七月の終わりから、本格的にはやはり九月から、こういうふうに考えておるわけであります。
 それから数量でございますが、これは、いわゆる主食に回りますウルチ米でございます。これは、先ほども申し上げましたとおり、四十四年産米については、一応生産者団体あるいは消費者団体の意見を徴し、また、食糧庁なりに、どういう銘柄のものがどういう取引市場条件にあるから、どのくらい出回るであろうということを勘案いたしまして、一応予算編成当時、百万トンを予定したわけでございます。それから酒米、酒造米につきましては、酒造米のおおむね九割程度は自主流通米に回るであろう、といいますのは、従来酒造米については政府が財政負担をいたしませんで、生産者からの買い入れ価格にいわゆる中間経費、政府の諸掛かりを加算してコスト価格でまいっておりますので、これは非常に自主流通米になじみやすいということで、九割、約五十万トンを見ておるわけであります。もう一つはモチ米でございますが、モチ米もやはり政府はコスト価格で一応配給しておりますので、これも七五%程度は自主流通米に回るのではないか。そうしますと、これが約二十万トン。総計で百七十万トンを初年度は予定しておるわけでございます。この酒米とモチ米は、需要もほとんど安定的であります。自主流通米に回る見通しもそう変わらないと思いますが、問題は主食でございます。これは、はっきり申し上げまして、初めての試みで、実は実施してやってみなければわからないという性格も多分にあるわけであります。私どもは、一応できるだけ百万トンの見込み程度が自主流通に回るように今後指導をやり、また、政府管理米の配給操作をやっていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。したがいまして、二年度以降年次的にどうなるかということでございますが、これはただいま的確に見通しを申し上げることは非常にむずかしいわけでありますが、初年度の実績なり経過を見た上で、また四十五年産米以降は、政府がどのくらい買って、あるいは自主流通米にどれだけ回るかという見通しを立てたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから価格の問題でございますが、これは私ども、自主流通米を実施に移したあと、末端の配給の乱れなり、あるいは価格の問題が非常に重要な問題になることを当然予想しておるわけでございまして、基本的にはやはり七分の六程度は政府が物を握っておるわけでありますから、政府米の操作によって価格の変動、異常な高騰がないように配慮をしたい、これが私どもの第一の考え方であるわけであります。
 もちろん、いまの流通しております自由米、これとの関係は非常にむずかしいわけでございますけれども、従来自由米が相当あることは、これは否定できない事実でございまして、先ほど申し上げましたように、政府の直接的な全面統制、しかも画一的な統制ではどうしても需要者の要望に応じられない、消費者は、いい米、白い米、少々高くてもおいしい米を食べたいという強い需要がございます。必要悪としてそういう事態があったと思うわけであります。そういうことの実情にかんがみてこの制度を編み出したという一面もあるわけでございますから、私ども、従来のそういった自由米は自主流通米の制度の導入によってむしろ減ることを期待いたしておるわけでございます。しかし、価格は、政府の財政負担を全然伴わない自主流通米でございますから、やはりいろいろこれは銘柄なりで価格が違いますので、一概に、一体自主流通米がどういう消費者価格を形成するかということは非常にむずかしいわけでございますけれども、一つの試算では、やはり、従来の配給米、これは東京で言えば、いま十キロ千五百二十円が内地米の配給価格になっておりますが、それより二百六、七十円程度高くなるのではないかという一つの試算があるわけでございます。そうしますと、現在の自由米価格にわりあい近い価格になるのだと思うわけです。いずれにいたしましても、こういう初めての制度の運用でございますから、末端配給が乱れるということにならないように、私ども十分に配慮をしながら、しかも消費者保護のために特に重点を置きながら運営をしてまいりたいと思うわけです。したがいまして、大半は千五百二十円の政府の売り渡し米による配給になりますので、どの小売店に行っても消費者が希望すれば政府の配給米が、千五百二十円の配給米が必ず常時用意してある、これはぜひ実現いたしたい、こういうふうに思うわけでございます。そのために、あらかじめの準備として、四月一日からは、配給改善の一環といたしまして、消費者はどの小売店からも自由に選んで買える、同じ市町村、営業区域であれば、従来小売店別に登録制度で結びつけておりましたが、今回は結びつけをなくいたしまして、どの小売店からも自由に買える、こういうこともあらかじめ地ならしをいたして、この制度の発足に備えておったような実情でございます。
#9
○鈴木強君 まだよくわからないところがあるのですが、まず価格の調整をする、こういうことでしたね。いま全国平均の配給米の価格は、十キロ千五百十円だと思うのですが、東京の場合は千五百二十円。これが二百六十円ないし二百七十円高くなる、こういう話でございますね。そこで一体、これは東京を例にとった場合ですが、二百六十円ないし二百七十円というものは、だれがこれはもうけることになるのですか。消費者はそれだけ完全に損をするわけですね、あなたのほうからいえば、自主流通米は御本人が希望して買われるわけだから、自由意思に基づいてやるのだからとおっしゃるでしょうけれども、もし食管制度がそのままやられているならば、それは多少まずい、うまいのことはあるかもしれませんけれども、千五百二十円で買えるわけですね、十キロ。ところが、二百六十円ないし二百七十円ということになると、千七百九十円ないし千七百八十円と、こういう高い金でこれを買わなければならぬということになる。そのもうけは、この二百六十円ないし二百七十円というのは、一体だれのふところに入るのですか。どういう勘定になるのですか。
#10
○政府委員(馬場二葉君) この制度を考え出します場合は、これは、生産者も、あるいは消費者も、ともにこれによって利益を受けるという考え方で出てきたわけでございますが、まず、生産者は少なくとも政府に売るよりは少しでも高く売れる場合にはじめて――これは経済外的な要因もあるかと思いますが、通常であれば、政府に売るよりは高く売れる場合にはじめて自主流通米になる、こういうことでありますから、生産者の利益にも若干なるかと思います。それから消費者のほうでは、これは高いといいますか、そういう高いのを、従来ともやみ米として、非配給米として購入しておった数量が、全国調査では三割程度、七大都市だけ見ますと四割近い非配給米を受配しているという調査があるわけでございますが、これにこの正規の流通の自主流通米が置きかわって消費者が選択されるということになりますと、特に消費者が従来より不当な負担を受けるということはないのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。もちろん、政府がこれを扱いませんので、これは概算でございますが、かりに百七十万トンの自主流通米が初年度実現いたしますと、政府の財政負担の減はおおむね百六十億、これは一つの試算でございますけれども、こういう関係に相なっております。
#11
○鈴木強君 あなたのほうでは、やみ米というのを自由米、自由米と、こういつの間にか置きかえて言っているわけです。自由米というのは通例言うやみ米のことでしょう。それをやみ米と言わないで自由と米いうようなことばの置きかえをしているのだが、こういうこともわれわれは納得できない。
 それから、大体自由、やみ米の価格と同じ程度になるだろうというお話なんです。そうしますと、おたくのほうでは、全国の各地域の現在のやみ米の相場は幾らということを調べてありますね。これがありましたら、これは大きなところだけでいいのです。六大都市だけで、どんなふうになるのですか。
#12
○政府委員(馬場二葉君) ただいま非配給米、いわゆる自由米が流通していることは、これは認めざるを得ないわけでございまして、食糧庁もただいま各食糧事務所から自由米価格の調査をいたしております。きょうこの調査の結果を持参いたしておりませんけれども、これはあとで資料として提出してもいいと思いますが、地域によって、特に生産県と消費県によって非常に違いますが、傾向として、生産県では、政府の配給米、千七百円よりはむしろ安い地域も消費者側の自由米価格としてある。大消費都市は、おおむね千七百七、八十円から千八百五十円程度ではなかったかと思います。
#13
○鈴木強君 それは資料をいま持っておらないようですから、後ほどできたらその資料を全部いただきたいと思います。自主流通米の全国平均というのは、いまのやみ値をもし基本にするならば、どうなんですか。千八百円ないし二千円近い、こういうふうに大ざっぱには言えますか。
#14
○政府委員(馬場二葉君) 自主流通米の末端価格がどの程度の水準になるか、これは銘柄によりまして非常に想定がむずかしいと思いますので、一概には言えませんが、また繰り返すようですが、一つの試算としては、現在の配給米価格よりも十キロ当たり二百六、七十円高くなるであろう。これはあくまで試算でございまして、特に銘柄によって、たとえばすし米などという特殊な銘柄は非常に高いものもございます。私どもとして、一体どういう価格が形成されるか、重大関心事でありますけれども、ただいまのところ、的確な水準を見出すことは非常に困難である、かような実態でございます。
#15
○鈴木強君 そうしますと、いまここで各地方別のやみ値がわかりませんから、ちょっと質問にも困るのですが、言うならば、自主流通米と称するのは、産地別、品種別に分けて、それを各地域のやみ相場によってしわ寄せしてくる、しわ寄せというか、そろえていく、こういうことになるわけですね。そこで、たとえば種類別に見ると、北陸のコシヒカリ、新潟の千秋楽、宮城のササシグレ、岡山の朝日、愛知県のハツシモとか、非常に優秀な銘柄ですね。こういったものをやそらく選んで百万トンというウルチ米を自主流通米に回そうとしているのだと思います。
 ここで聞きたいと思うのは、最終的に、その地域地域の自主流通米の価格というものは、要するに、集荷業者、おたくのほうに登録している集荷業者やあるいは配給業者、そういうものたちが自主的にきめていくのか、あるいは、いまあなたが申されたような全国的なケース、ケースによって、農林省というものが最終的にそれに値段を決定されていくのだろうと思うのですが、極端に言うならば、農林省の最終的な許可が要るのかどうか、許可というとあれですが、農林省はその定に立ち入ることができないのか、相談に立ち入ることができるのかどうかということが一つ。
 それから、非配給米とか、自由米だとか言って、あなたはやみ米と言わないのですが、それはいいが、ウルチ米百万トンというのは、大体やみ米で百万トンくらいいままであったからということですか。大体やみ米を自主流通米にかえる、さっきの言い振りはそういうことです。その二つを教えてもらいたい。
#16
○政府委員(馬場二葉君) 自主流通米の価格の形成でございますが、これは、一般的に言いますと、やはり売買当事者、集荷団体と販売業者の取引できまると思うのであります。しかし、そこには、八五%程度の政府が需給操作をやるわけでございますから、政府の売り方、米の出回り期、売り方によって価格は相当規制をされる性質のものだ、かりに極端に言えば、政府が新米を売り控えるということになりますと値段が上がるということに相なりますので、そこは政府の需給操作によって適正な価格が形成されるように私どもは操作を配慮してまいりたい、こう思うわけであります。また、末端から考えましても、この政府の配給米が厳としてどの小売店にもあるわけでございますから、おのずからそこには消費者の自主流通米を買う価格の限度というものはあり得る、こういうふうに思います。消費者側からのチェックと政府米の操作によって適正な価格が形成されるような需給操作をやると同時に、かりに何かの事情で――たとえばモチ米とか酒米は需要に弾力性、あるいは需給に弾力性がございません。時期的にも非常に限られている需要でございますので、かりに不当な値段が生まれるということになれば、これは当然規制からはずしてありますけれども、行政指導として私どもは不当な価格が生まれないように指導をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#17
○鈴木強君 百万トンのやみ米の量を調べたのか。
#18
○政府委員(馬場二葉君) 失礼しました。百万トンと一応初年度想定しているわけでありますが、これは決して私どもは自由米を念頭に置いて、これにそっくり取ってかわるということ自体を念頭にじかに置いているわけではございませんで、自主流通米制度を先ほど申し上げましたような趣旨から実施に移せば、その結果として、当然、消費者のほうは自主流通米を堂々と正規の流通米として自主流通米を選べるわけですから、結果的に自由米は減るというふうに考えております。
#19
○鈴木強君 私は価格の点を非常に心配するものですから、できるならばこれをできるだけ安く押えたい、こう思うのです。そこで、あなたのほうでは、政府が放出をする自主流通米の量によって、八五%程度の調整をやることによってその価格をできるだけ安くしたい、こういうことだと思うのです。ところが、それは百万トンとうらはらでありまして、あなたが言うように、ことしは百万トンございますよ。百万トンのうちで業者はそれぞれ手配をし販売工作をしていくのでしょうね。まあ、かりに東京が十キロ二千円、こうなったとしますね。あなたの理屈で言うと、その値段を安くさせるためには、自主流通米の量というものをふやさなければならぬのですね。ふやせば下がる。そうなると、この百万トンというものは全国プールのものでしょう。したがって、東京にそういう措置をすれば、どこかのものを持ってこなければならぬ。名古屋にそういう現象が起きたら名古屋にもそういうことをやらなければならぬ。百万トンというのは非常に流動性のあるものであって、その百万トンというものをかなり幅を持たせて価格調整のために役立たせるというならわかるけれども、百万トンというのを押えて置いてあなたがそうおっしゃっても、それは理屈に合わない。
 それからもう一つお答え残っているが、東京で二百六十円ないし二百七十円高く売るわけですが、これはだれがもうかるかといったら、生産者のほうがもうけるかもしれぬ。これは一体どこがどういうふうに二百六十円というのはもうけるのですか。それは調べてないのですか。いままで、やみ米はどうですか。
#20
○政府委員(馬場二葉君) この自主流通米に回るということで予想しておりますウルチ米が百万トンでございます。これは、自主流通米の制度の仕組みは、御承知のように、農林大臣において自主流通計画ということで認可することになっているわけです。これは、全販連ないし全集連の自主流通計画を認可します。その際、数量が当然認可の一つに相なるわけでございますが、これはまた、どういう自主流通計画が上がってきますかわかりませんけれども、何もこの百万トンに必ずしも固定するわけでございませんで、これ以下の場合もあるでしょうし、あるいは若干減ることもあるかと思いますが、これは必ずしも百万トンでなければならないということでなくて、一応予算を立てる際に、政府を通らない米が百万トンあるだろうということで予算を措置したと、こういうことでございます。しかし、私どもとしては、やはり一応計画した百万トン程度が実現することが一番好ましいという気持ちは現在持っておるわけでございます。
 それから、二百六、七十円高くなるということ、これはあくまで試算でございまして、決して私ども、やみの値段にじかにくっつくということではなくて、ある生産地で農協等で検査を受けて自主流通米に回るわけでありますが、それからずっと保管料、金利、あるいは運賃、あるいは中間業者の――これは正規の業者でございますが、集荷ないし販売のマージン等をずっと積算いたしてまいりまして、あるいはそれに搗精賃等を加えまして、政府の配給米と比較するとその程度高くなるんではないかという一応の、中間経費ないし運賃等を加算して比較した額でございまして、これはもちろん役所の机上で計算した額でございますから、実際の取引の価格は一体どうなるか、これは全く今後の問題かと思います。
#21
○鈴木強君 それは、馬場さんね。適当な試算であったんでは、これは話になりませんね。少なくともこれは将来どうなるかわからないというような、そんなことでは私は困ると思うのです。
 そこで、食糧庁の予想価格というものを新聞で私はちょっと拝見しましたけれどもね。たとえば、きょうは、東京で配給米十キロ当たり千五百二十円、これが二百六十円ないし二百七十円高くなるだろうという試算をしたというが、数日前の新聞に出た食糧庁の予想価格というのを私は拝見しました。そうしますと、東京では千八百四十一円で、三百二十一円高。それから神奈川が千七百九十八円になって、これは二百七十八円高になる。自主流通米が高くなる。東京の場合は、千八百四十一円になる。だから、これでいくと二百六十円高の千七百八十円。新聞に出ている予想価格は千八百四十一円。これだけでももう違っている。愛知県が千七百二十六円、大体二百十六円高くなる。京都が千七百三十円で、二百十円高くなる。大阪が千八百一円で、二百八十一円高。兵庫は千七百七十四円の三百五十四円高。千葉は千七百六十八円で、二百五十八円高。埼玉が千六百八十八円で百七十八円高。こういう予想価格というものが新聞に出ている。配給価格よりも二割ないし三割高。それが、きょう私が質問してみますと、もう少し、千五百二十円から二百六十円か二百七十円の試算ということをしている。一体これはどういうことですか。われわれは、できるだけ安く押えてもらいたい、そして価格の調整をやるとおっしゃるから、それならどういう調整をするかといえば、その流通米の放出量によって調整するとおっしゃる。それならば、二百六十円という試算は一体何を根拠にしてやったのか。いろいろ聞いてみると、生産者がどのくらいの利益があり、中間におけるマージンがどのくらいになっているのか、こういうことを聞いても、よくそれはわからぬ、あげくのはてには、事務的に計算したのであって、実際にはどうなるかわからぬ、そんな答弁じゃ困る。一体いまのやみ相場というのはどうなっているか、できるだけあなたの組織を動員して調査しなければいかぬでしょう。そうして、やみ相場と大体今度の自主流通米というものを肩をそろえたいということならば、一体やみ相場がどうなっているか、それの実態をつかまずしてそういうことができますか。こんな責任のないような答弁をされては困る。これは科学的とは言えないでしょうけれども、いまコンピューターの時代で、幾らでも精密な計算をしようとすればできるわけです。もう少し調査の基礎になるものをはっきりつかんで、二百六十円というのは一体――上がるというのですから、上がるなら、その上がるのはどういう根拠によって上がるのかということを、われわれは聞きたいわけです。
#22
○政府委員(馬場二葉君) ただいま鈴木先生おっしゃいました食糧庁の試算の各都市の価格でございますが、実は私どものほうでそういうことを試算してはいないかと思うのでございます。
#23
○鈴木強君 新聞に出ている。
#24
○政府委員(馬場二葉君) これは、銘柄なり、あるいは産地銘柄、品種銘柄によりまして、非常に区区の価格が出ると思うので、なかなか的確な予想ないしは計算がむずかしいので、実はまだ何もそういうものを正式に食糧庁としては発表していないのでございますけれども、御質問がありましたから、二百六、七十円の一つの試算があるということを申し上げたわけでございまして、私どもは、基本的に、米が非常に需給が緩和して、基調としては構造的に余剰であるという程度にまで緩和しておりますので、こういう背景のもとで、米が高くなることはまずないだろうという一つの前提のもとで、しかも、先ほど私申し上げましたのは、政府が八割五分程度の米を今後も管理をいたしまして、需給の操作をいたすわけでありますから、その政府米の適正な需給操作によって、自主流通米の価格が高騰しないように配慮してまいりたい、こういうことを申し上げたのでございます。したがって、いよいよ自主流通米の取引が、まあ九月ごろになると本格的になると思いますが、一体そのころどういう価格が生まれるか、実は私どもの非常に重大関心事であり、同時にまた、それに対応した政府米の需給操作を一体どうやるか、非常に私ども御指摘のように大事な問題でございますから、ただいま慎重に検討し、状況の推移を見ているという状況でございます。
#25
○鈴木強君 それでは私の強い希望として申し上げておきますから、やみ値の実態というものをできるだけ的確につかんでおいていただきたい。また、九月ごろから本格的に実施されるようですが、早いところは七月終わりごろから始まるそうですから、それまでにもう一回伺いたいと思います。
 そこで、もう一つこの点で伺いたい。いろいろ伺いたいのですが、時間がありませんから……。いま、つゆをこして、いわゆる古々米ですね、これが百万トン近く残るのではないだろうか、こういう話を聞いているわけですが、食糧庁に、この百万トンについてはこの際思い切って家畜用のえさに払い下げようじゃないか、こういう意見があるように聞いておりますがね。それは、具体的にその方針はきまっているものでございましょうか。どうですか。
#26
○政府委員(馬場二葉君) ただいま御指摘の百万トンは、本米穀年度、といいますと十月末でございますが、約百十万トン程度の四十二年産米の手持ちが予想されているわけであります。本米穀年度の終わりに。そのほか、四十三年産米、これもおおむね四百四十万トンぐらい、合わせて五百五、六十万トンの四十二年産米及び四十三年産米の手持ちになるわけでございまして、これが非常な大量の持ち越しで、これだけ配給いたしましても主食の十カ月に相当するという手持ちでございます。したがいまして、この処理でございますが、これは、ただいま現在までは、古米――古米といいますと四十二年産米でございますけれども、それと新米、四十三年産米を一定の比率で売却をいたしてきたわけです。しかし、どうしても古米の売れ行きはなかなか進捗いたしません。百万トン以上の手持ちが年度末残る、こういうことでございますから、一体これをどういうふうに今後処理をするかということが当面非常に大きい問題でありますが、ただ、四十四会計年度におきましては、予算上、実はこれほど多量の古米が残るということを予算編成当時想定しておりませんでしたので、これを特に安い値段で売却処理をするという予算措置がないわけであります。したがいまして、抜本的には四十五会計年度から、夏、もう間もなく四十五会計年度の予算編成作業が始まります。そのときに、古米処理、余剰米処理ということが予算編成上の一つの大きな項目と相なるかと思います。四十五会計年度からはいろいろな処理対策を抜本的に進める必要があるだろう、こういうふうに考えております。その際、家畜なり動物の飼料とする前に、たとえばアルコール原料とか、でん粉代替原料とか、いろいろな用途があろうかと思います。もう少し視野を広げて、海外への輸出なり、あるいは援助なりというようなこともあわせて、これもやはり――それにいたしましても、日本の現在の価格より国際価格は半値以下でございますので、相当財政負担を覚悟しなければそういう処理ができない。こういうことでございますから、やはり本格的には四十五年度から抜本的な対策を講ずべきだ、こういうふうに考えております。
#27
○鈴木強君 四十二年度、四十三年度、四十四年度外米の輸入の量はどうなっておりますか、ちょっと数字だけ教えてくれませんか。
#28
○政府委員(馬場二葉君) これは、食糧庁は米穀年度で実際の作業をやっておりますが、最も新しい年度の四十三米穀年度、昨年の十月で終わった年度でございますが、全体で約二十五万四千トンの輸入をいたしております。それから本米穀年度、昨年の十一月以降本年の十月までは、これは一切、こういう米の需給事情でございますから、ウルチ米は輸入をやめました。ただし、モチ米だけにつきましては、ウルチ米の余る中で、モチ米だけは需給操作上非常に足りないということになっておりますので、これは三万トンを本米穀年度輸入いたしております。それから、さかのぼりまして、四十二米穀年度は約四十八万八千トン程度の輸入をいたしております。
#29
○鈴木強君 わかりました。いろいろまだありますけれども、時間がないようですから、次に移ります。
 次は、厚生省のほうにお尋ねいたしますが、私は、けさ起きまして新聞の投書欄を見ました。そうしますと、きのうときょうの投書欄を見ただけでも、まあ題目だけ言いますと、こういうふうな記事が載っておるんです。「すべての商品の総点検を」、それから「かぶれる木綿の肌着」、「なつかしい昔のおいしい野菜」、「有害食品にきびしい対策を望む」、「『定価』とはなんぞや……納得がいかない『売値』との差」、「粗悪品がまかり通る特売場」、「改めたい不親切な表示」、「業者は新製品の弱点、対策も示せ」、――私は二つだけの新聞の投書欄を見たんですが、こういうふうな記事が載っておるのであります。これは私は、まさに今日の物価に対する国民の率直な不満、ごまかしや、いいかげんなインチキな食品やなんかが出回っている、中身と表示が違う、こういう不満、不安というものがある時期に率直に表現された、私は国民の考え方を表現された投書だと思って拝見しました。いまここでその内容を全部披露するわけにいきません、時間の関係で。おそらく関係のお役所では、これらの記事の内容についてはよく読んでいただいていると思うのですが、まあ、佐藤さんは「人間尊重」、こういうことを大きな政治の柱としていまの政治をやられているわけですけれども、私たちは、政府には消費者行政というものが一体あるのかないのか、消費者を守るという、その姿勢があるのかないのか、非常に疑問を持つわけです。
 そこで、私は、きょうはこういった問題について少しく厚生省の御所見を承りたいのでありますが、ときあたかも暑さに向かいます。食品の衛生管理等については格段の御配意をいただいておると思いますが、われわれも何回か、予算委員会や各種の委員会を通じて、食品衛生法というものがありましても、なかなかその運用について、たとえば検査員の数が少ない、少ない検査員ですから、たいへん苦労されていることはよくわかる。ならば、その検査員をふやしたらどうかといいましても、人はなかなかふやさない。ですからして、極端に言ったら、ポッカレモンの例でもわかるように、一体業者の肩を持っておるのではないだろうか、消費者はその次だというような、非常に国民をばかにした、国民に背を向けた消費者行政というものが行なわれているのではないだろうか、こういう点がきびしく私は批判されていると思うのでございます。特にこの投書の中にもありますように、「なつかしい昔のおいしい野菜」、いまは添加物があり、中性洗剤というような、ああいったもの一つとりましても、これが害であるか害でないのか、長い論争の中に多少の不安を残しつつも、厚生省は、扱い方を注意すればだいじょうぶだ、こういうふうに指導してきたと思うのですが、私は、残念ながら、二、三日前の新聞を拝見しました。そうしますと、またこれが問題があるということであります。
 これは、先般京都会館で開かれた第九回の日本先天異常学会の総会で、三重大学医学部の解剖学教室の三上教授の発表したものでありますが、中性洗剤を妊娠中のネズミに与えたらその四割近くから奇形が生まれた、それから、このネズミの実験からして、食器や野菜を中性洗剤で洗ったら十分に水洗いする必要がある、こういう警告をしているわけであります。この具体的な実験の内容は新聞紙上に発表されておりますが、十分厚生省でもお読みになっておると思いますので、ここでは省略をいたしますが、ここに西村秀雄京都大学医学部教授の話として、「この実験でネズミに与えられた有毒物質の量は、日常生活で人体にはいり得るものの数百倍から数千倍と見られる。しかし中性洗剤の問題は、残留農薬や食器添加物と同じように大事をとるべきだ。こんご、サルでの実験や中性洗剤が使われ出した後と、それ以前について疫学調査をするといったことがおこなわれることが望ましい。」、こういうふうに所見を述べておられるわけであります。私もこの中性洗剤についてはいろいろ勉強してみましたが、長い歴史がございまして、いまここで私が全部それを申し上げるわけにはまいりません。時間の関係でできませんが、最終的に、厚生省の公衆衛生局で、まずだいじょうぶだということで、三十七年の四月十九日に食品衛生調査会に諮問をして、同年十一月十四日に答申が出、これに基づいてその趣旨を明らかにしておるわけですね。その後こういう事態が起きてきたわけですから、もう一回この中性洗剤に対して、有害であるかないか、その使用の方法、扱い方、それらについて科学的な調査研究をやり直すというような考えはないのでございましょうか。この医学会の発表によって厚生省としてはどうなさろうとされるのか、それを最初に伺いたい。
#30
○政府委員(金光克己君) 中性洗剤につきましては、ただいま御指摘がございましたように、六月二十日京都におきます日本先天異常学会におきまして、三重大学の三上教授から、中性洗剤を妊娠中のネズミに対しまして与えましたところ、その胎児に奇形を生じたという御発表があったわけでございます。中性洗剤につきましては、先ほど御説明ございましたように、昭和三十七年に衆議院の科学技術特別委員会で問題になりまして、その後食品衛生調査会に諮問をいたしました。その結果といたしましては、無害であるという結論が出ておるわけでございます。さらに念のために、昭和四十年には、これも参議院の社会労働委員会で問題が提起されたのでございますが、それを機会に「中性洗剤の適正な使用について」ということを全国通達を出したということで、普通の使い方においては問題はないという結論でまいっておるわけであります。なお、奇形を生ずるという、そういったような実験につきましては、WHOと申しますか、国際的にもいろいろ研究は行なわれまして、その結果は、奇形児等を生ずるというような実験結果はないわけでございます。また、日本におきましてもそういうことの実験は行なっておりますが、現在までのところ、そういったような実験結果はないわけでございます。したがいまして、さような心配はないと考えておったわけでございますが、今回かような発表があったわけでございます。これにつきましては、この学会におきまして非常に詳細な学会の発表があったわけではないわけでございまして、総括的な発表があったということでございます。そういうことで、現在、三上教授から資料をいただきまして、これにつきまして十分検討したいと、かように考えておるわけでございますが、実は、昨日も食品衛生調査会の毒性部会を開催いたしまして、その席でもこの問題を提起いたしまして、やはりこの問題については三上教授から詳細な資料をいただき、それを検討していく必要があるであろう、こういうことでございます。そういうことでございますので、資料をいただきました上で、そういった専門家でいろいろ検討していただきまして、必要に応じましてもちろん前向きで必要な研究はしてまいりたい、かように考えております。
 なお、先ほど御説明ございましたこの実験に使われました中性洗剤の量でございますが、大体一般的に人間が摂取しております量の二千倍という量を動物実験としては使用された、こういうようなことでございます。これは新聞に出ておりましたような実情でございます。そういう意味で、まずは心配ないと考えますが、必要の面につきましては十分今後検討してまいりたい、かように考えております。
#31
○鈴木強君 私も、日本食品衛生協会で発行されております「中性洗剤と食品衛生」という内容を拝見して勉強させていただいているのですが、この中でも、かなりこう念を入れた研究が科学的にやられておりますけれども、私は特にこの「果物への残留」というところを少し見てみたのです。そうしますと、リンゴの場合、あるいはイチゴの場合というように、ここにいろいろくだもの別に研究した成果が出ておりますけれども、それらの内容を見ましても、まだわれわれが安心感を持つようなものでないように思う。たまたま科学技術庁の調査会から、先般「食品添加物の将来のあり方」という一つの御報告が出ております。こういうものの内容をもあわせて、ひとつ食品添加物全体に対するもう一回厚生省としての思い切った調査研究というものをしてほしいように思うのですけれども、その点はいかがですか。
#32
○政府委員(金光克己君) ただいま御説明ございました残留の中性洗剤の検査につきましては、三十七年の研究の際に十分研究はいたしておるわけでございます。
 それから添加物全般に対します問題でございますが、これにつきましては、厚生省といたしましても常に留意いたしておる点でございまして、添加物というものはやはり食生活におきまして必要最小限度に扱っていくべきだと、かように考えておるわけでありまして、そういう方向で検討してまいっております。したがいまして、この毒性試験、特に最近におきましては、慢性毒性試験――慢性毒というものが重要な問題でございますので、こういった面につきましても、今後必要なものにつきましては当然やっていかなければならないということでございまして、前向きの考え方で整備をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、添加物の問題につきましては、政省令と申しますか、現行法におきまして必要な規制はさらに強化していこうということで現在検討を進めておるような状況でございます。
#33
○鈴木強君 現在、食品添加物として厚生省が許可しておるのは何種類ございますか。
#34
○政府委員(金光克己君) 三百五十八種類でございます。
#35
○鈴木強君 これらの添加物については、使用基準というものがちゃんと設けられておるはずですね、三百五十八種類全体に対して。
#36
○政府委員(金光克己君) ビタミンとかアミノ酸などを除きましては、使用基準をきめております。
#37
○鈴木強君 そこで、私が伺いたいのは、この科学技術庁の報告書にもありますように、ここに重要課題を最初に二つ指摘をしておる。その中に、食品及び食品添加物の生産と販売業者に対する指導監督の徹底、もう一つは、食品添加物の安全性に関する試験研究を総合的に実施すること、この二つが当面の重要な問題として取り上げられておりますね。私はさっきちょっと触れましたが、いまお話しのように、三百五十八の添加物の中で、厚生省が許可をしておるわけでありますから、当然この許可基準というものははっきりしておるわけであります。食品衛生法においてもそのことが明示されておると思います。そこで、皆さんがいままで食品衛生法違反として食品添加物を何件摘発したのか、これをひとつ教えてもらいたいと思います。
#38
○政府委員(金光克己君) ただいま添加物の違反件数というものにつきまして資料を持っておりませんので、あとでお届けいたしたいと思います。
#39
○鈴木強君 まあ、持ってこないなら、これはしようがありませんから、あとで届けてください。
 ただ、科学技術庁の調査会が少なくとも指摘をしておりますように、問題は、あなたのほうで食品添加物を許可するわけですが、許可したその基準に合っているか合っていないかということを常時立ち入り検査、抜き取り検査をして調べなきゃならないわけですね。これがやられるかやられないかがキーポイントなんです。かつて、ポッカレモンが、ビタミン三倍強化、厚生省認可特殊栄養食品、こういう標示のもとに売り出しておった。中身を調べてみると、クエン酸を入れてごまかしておった。これは、厚生省に行ったときには、ちゃんとビタミンC三倍強化されたレモンが入っておったと思うんですね。あなたのほうでは、よろしいと判こを押したわけだ。そのあとの管理がなっていない。だからして、そういう不正なものが標示と中身と違って堂々と売り出されている。悪いことをすればどこかでつかまる。最近またポッカレモンがテレビで宣伝しておる。これは内容を改めてやっておると思いますがね。それはまあいいんですけれども、そういうふうに、指導監督の徹底ということが非常に不十分である、業者に対して。と同時に、食品衛生法によってあなた方のほうで徹底的にその立ち入り検査や抜き取り検査をして許可基準に合っているかどうかということを十分に調査するということが、検査するということが抜けてはいないんですか。そこの一番大事なところを、これは私は調査報告書で出していると思うんですね、科学技術庁の調査会は。こういう点についてはどう考えていますか。
#40
○政府委員(金光克己君) 一般的に食品の収去検査でございますが、これは、全国の保健所あるいは県の本庁、政令市の本庁に配置されております食品衛生監視員が収去いたしまして検査をいたしておるわけでございます。さようなことでございまして、業種は非常に多く、また食品の種類も非常に多くなってまいっておりますので、必ずしも十分な人員とはいえないわけでございますが、まあ一応のことはやって、精一ぱいやっておるような次第でございます。さようなことでございまして、ただいまお断わり申し上げましたように、ここに収去検査した結果の違反件数というものを手持ちで資料を持っておりませんのはまことに申しわけないわけでございますが、この点につきましては今後ともさらに努力してまいりたいということでいま努力いたしておるわけでございます。
 なお、食品添加物につきましての製造業等につきましては、食品衛生管理者を食品衛生法で設置することになっておるわけでございまして、こういった面につきましても、さらに食品衛生管理者の業務内容と申しますか、また資質の向上と申しますか、そういった点につきましても現在検討いたしまして、そういった面の強化をはかってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
 それから、やはり何と申しましても、行政庁が収去検査をするだけでは、これは決して絶対的に安全だということにはなかなかならないと思うのでございますが、そういう意味で、業者自体で自主的に十分安全な食品を確保するという体制も強化する必要があるという考えで、食品衛生管理者の設置等につきましても幅を広げてまいりたいということで、これも現在検討を進めておるというような段階でございます。
#41
○鈴木強君 これは、私はいつも厚生省に対して不満を申し上げ、それの改善について積極的に対策を立てていただくように十三年間言ってきているんです。ところが、きっぱり検査員がふえない。そうして一生懸命やっているんだけれども、一般から見るとそういう抜け穴ができておって、そこをまた業者はうまく利用して、一回検査をしてもらえばあとは何年間か大体検査はないと読んでいますよ、これは。その間にまた悪いことをする。そういう抜け穴までつくってやっている。だから、ただ単に局長がここでそういう答弁をして、私がここで意見を述べて、それで問題が解決するとはちっとも思っていない。あなたの先代あるいは先々代、歴代厚生省というものがそういう基本的な姿勢というものをちゃんと持って、また政府全体としても必要なところには予算も出し、要員をふやして、国民の消費生活を守る、そういう基本的な姿勢がなければだめです。だから、消費者基本法というものができて、不十分ではあるがそういう方向に進んでいることもわれわれは知っております。だが、中身はお粗末。依然としてこういう論争がいつでも出る。まことに私どもいやな気がするわけです。だからひとつ、ここではこれ以上私は申し上げませんけれども、積極的にひとつ、各地方自治体等の協力も得つつ、保健所等を動員してやってほしいと思うんです。特に私が最初に質問を申し上げましたように、夏季を控えて、一体食品衛生管理については厚生省はどういう手を打っているのか、そこをひとつぜひ聞かしていただきたい。
#42
○政府委員(金光克己君) 食品に起因いたします食中毒とか、あるいは消化器系の伝染病の発生というのは、申し上げるまでもなく、夏を中心として多発するわけでございます。そういう意味で、行政活動といたしましても強化していく手順をいま進めておるわけでございます。その一つといたしまして、夏季の食品の一斉取り締まりというのを七月一ぱい全国的な運動として展開いたしたいということで、六月十七日付で全国に通知を発しておるということでございます。これは、先ほど来お話のございましたような食品につきましての収去検査等を行なうと、こういうことでございます。それからなお、八月五日から八月十一日まで食中毒予防週間ということにいたしまして、先般六月四日に全国に通知を出したということでございまして、八月におきましては食中毒予防週間を全国的に行なうと、かような形でございまして、こういった通知を出したからといって、決してそれによって非常な効果があがるというわけではございませんが、食品の問題が大きく社会的にも問題になってきている現在でございますので、関係地方庁とも相協力しまして、この運動を効果あるように展開してまいりたい、かように考えております。
#43
○鈴木強君 その食中毒予防週間にはどういう行事をおやりになるのか、いま時間がありませんから、たいへん恐縮ですが、お忙しいところを済みませんが、後ほどどういうものを重点的にやろうとされるのか、そういう点、ひとつ資料としていただきたいと思います。これは委員長から確認してください。
#44
○委員長(山本杉君) その資料、出せますか。いま要望のあった資料。
#45
○政府委員(金光克己君) 資料は提出いたします。
#46
○鈴木強君 それで、私は一つだけ、ここでこういう面をはっきりしてもらいたいと思うんです。
 いま申し上げた趣旨からいっても、後ほど中沢先生から牛乳のことについてはさらに質問があるようですから、そこに譲りますが、私は、これは新聞にも載っておりますし、実際にも聞いたのですが、牛乳の品質についての問題ですね。先般、東京都の衛生局が五月以来牛乳工場に立ち入り検査をいたしました。そうして、ショーケースに入れて売られている牛乳を抜き取り検査をし、品質のテストをずっと続けてきたのですが、先般十八日にその結果を発表いたしました。そうしますと、ショーケース入りの牛乳は四百八十三軒から六百六十九本を検査したところ、そのうち二十一本から大腸菌が出てきた。別の十九本からは他種の細菌が検出された。そうして、飲用不適、こういう結論が出たわけです。これは、調べてみますと、いずれも牛乳工場でびん詰めされる工程の中で汚染している、こういうふうになっておりますね。それから、またほかに九社、十二工場の品質検査をしてみると、加工乳に厚生省が混入を禁止しておるところの乳糖がまざっておった。燐酸塩や重曹など安定剤も含まれている疑いのある粉乳をまぜて栄養を強化した牛乳とするなど、大部分のメーカーが食品衛生法違反すれすれの牛乳をつくっていることがわかった。それから設備の面でも、乳飲料フルーツ牛乳等加工乳、あるいは加工乳と天然牛乳の製造設備が区分されていない、そういうものもあるというのであります。したがって、食品衛生法上の問題として東京都の衛生局では重大問題化しているのであります。この事実を皆さまのほうで知っておりますか。
 そこで、私は、この際、こういう食品衛生法に違反をするようなメーカーについては、もちろんさらに徹底的な検査をやることは必要ですが、その会社名を、どういう会社かということをここで発表してもらいたい。いかがですか。
#47
○政府委員(金光克己君) 東京都の牛乳の検査で大腸菌を発見したということは承知いたしておりまして、まだ詳細な資料は取り寄せておりませんが、一応東京都から事情を聴取しておるわけでございます。
 牛乳の中には大腸菌は含んではならないことに、これは乳等省令で規定されておるわけでございまして、細菌数におきましては五万以下ということになっておるわけでございます。それで、御承知のように、大腸菌というものにつきましては、これは人間やあるいは動物の排せつ物の中に出てくるものでございます。したがいまして、あるいは土壌の中にも含まれておりますというようなことでございまして、従来、乳製品等におきましても、あるいは一般の食品におきましても、大腸菌による汚染というのは、病原菌等の汚染があるかもしれないという汚染の一つの指標に使っておるわけでございます。そういう意味で、大腸菌が混入しておるということは望ましくないわけでございます。そういう意味で、牛乳等におきましては、大腸菌というものは検査の結果全然ゼロでなければならない、かようになっておるわけでございます。そういうことでございまして、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、大腸菌というものが人間以外のいろいろのものから排せつされる。たとえば人間の手にも、人間の大腸菌以外のいろいろの動物の大腸菌、あるいは土壌の中にある大腸菌といったようなものが付着しておるというようなことでございまして、非常にこれは扱いに困るものでございます。しかしながら、いやしくも牛乳等には入ってはならぬという、きつい――きついと言いますか、そういう考え方で規制しておりますので、苦労は従来非常にしてまいっておるわけでございまして、そういう意味で、今後とも、牛乳の中に大腸菌が混入しないようにというような衛生措置につきましては、さらに強化していかなければならぬということは私どもとしても重々痛感しておるわけでございまして、こういう点はさらにこの問題を機会に強化してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 それから、そうした場合に、大腸菌を含んだものは当然廃棄処分になるわけでございますから、そういった製造業者の名前を発表するというような問題につきましては、そういったことによりまして一般に早く知らせるというような問題もあろうかと思いますが、そういった問題につきましては、現実の問題としましては東京都とも十分協議をいたしたい、かように考えております。
#48
○鈴木強君 協議をするでしょうが、この際、そういう大腸菌が入っておって、飲んではいけないもの、飲用不適なものをつくったわけですから、ただ単に警告をするなどというような、そういう微温的なものでなくて、これはやはり国民に明らかにすべきである。こういう会社はこういうものをつくったのだということを明らかにしてください。これは厚生省として指導して、はっきりさせてください。そうしなければだめですよ、これは。そういうきつい態度がないから、いつもいいかげんになるのですよ。
#49
○政府委員(金光克己君) 処分に関する権限といたしましては、これは東京都知事にあるわけでございますので、そういう意味で私どもも協議をいたしたい、かように考えております。
#50
○鈴木強君 結局、警告を一回二回されてもそれで済むという、何というか、ずるい考え方がやっぱり業者にあるんです。だから、最初一回でもやったものは、警告でなくて、名前を発表して国民に知らせる、消費者に知らせる、そうなると注意しますよ。ところが、警告で済んだということになると、一ぺんや二へんはやってもだいじょうぶだという考え方が出てくるのですよ。そういう微温的なことをやっているから、消費行政というものはどっちを向いているのだという疑問を投げかけられる結果にもなるのです。これは幸い局長が来ておりますから、これはひとつ、厚生省としては、国会からも強くそういう意見が出たので、この際その名前を発表してもらいたい、そういう姿勢で東京都との協議に臨んでもらいたい、そういうことで了解しておきますが、どうですか。
#51
○政府委員(金光克己君) 御趣旨につきましては十分都にも伝えまして協議をいたしたいと思います。
#52
○鈴木強君 議事進行のことでちょっと……。
#53
○委員長(山本杉君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#54
○委員長(山本杉君) 速記をつけて。
#55
○鈴木強君 ちょっと順序が入り組んじゃって、たいへんすみませんでしたが、次に豚肉の値上がりの問題について農林省の畜産関係の皆さんにお伺いいたしたいと思います。
 御承知のように、今月に入ってからえらく豚の肉が高くなりました。私はきのうも近くの肉屋さんを回って見てみましたが、豚肉の場合、こま切れみたいな、並み肉といいますか、これが大体百グラム九十円、それから中肉程度のものが百円から百十円、それから上になると百二十円。ある百貨店をちょっとのぞいてみましたら、上肉は百四十円しておりました。おそらく、大衆の豚肉でもって牛肉と同じような値段まで上がったということは十年以来だと思うのですね。これは驚いた限りですよ。国民の側から見ると、農林省は肉の価格の安定については国民に保障するというので、法律によって畜産事業団をつくった。それから一面、豚肉の需要供給がどうなっているのか、それに適合するところの計画というのを立てて、そうして国民に安い豚肉を食っていただく、こういうことをやるのが農林省の畜産局の仕事ではないか。にもかかわらず、どうしてこういうように急騰させたのだという不満が出ておると思います。まず私は、なぜこういうふうに豚肉が上がってきたのか、その理由を伺いたいと思います。
#56
○政府委員(太田康二君) 鈴木先生も御承知のとおり、豚肉生産にはビッグ・サイクルという、いわゆる循環変動を繰り返す性質があるのでございまして、昭和四十一年から四十二年にかけまして、実は非常に供給過剰になりました。その反動で現在は供給不足期に入っておるのでございます。昭和四十三年度の数字を申し上げますと、肉豚の枝肉の生産が全体で五十二万一千トン、前年度に比べますと約六%減少いたしたのでございまして、これに対しまして、事業団の手持ちの放出、あるいは輸入等でこれの供給をふやしまして供給いたしました全体の数量が五十四万トンでございまして、これも前年に比べますと約三%供給が下回っておるということに相なっております。このために、価格は前年に比べますと全般的に非常に高水準に推移いたしまして、いまおっしゃいますように、非常に高くなっておることについてまことに申しわけないと思っておるのでございます。御承知のとおり、大体豚肉の需要は一三%くらい年々伸びておりまして、今年度も実は供給が、上半期におきましては、一月が九二%、二月が八九%、三月が九三%、四月が九三%、五月が八九%というようなことで、供給が需要に比べますと非常に不足をしておるのでございまして、そういった意味で、需給のアンバランスに基づく価格の上昇ということに相なっております。
 そこで、そういった形に相なっておるのでございますが、私のほうといたしましては、この際、やはり基本的には、肉豚の国内生産を計画的に進めるということに基本はあるわけでございますが、従来でございますと、これだけ価格が堅調に推移いたしますれば、当然生産がこれに対応してふえるという傾向にあったわけでございますが、いまわれわれが各県を通じて肉豚の生産出荷の動向を調査をいたしておりますが、これによりますと、上半期はあまり大きな数量の出荷を期待できない、下半期におきましては、平均、九月以降来年の三月までは、これもあくまで動向の調査でございますので的確にこれが当たるかどうかという問題はあるわけでございますが、約一〇%くらいはふえるであろうというふうに見ております。しかし、需要がなお先ほど申し上げましたように一三%くらいの程度で伸びますれば、供給不足による値上がりという問題はあるわけでございますので、御承知のとおり、四月には一万五千トン、六月には一万トンという緊急輸入割り当てをいたしたのでございまして、まあこれらによりましても、実はまだ入荷があまり進んでいないというようなことで、必ずしも値下がり効果を期待できないわけなんでございますが、今後は、先ほど申し上げましたように、基本的には国内の生産の増強をはかってまいるということを基本にいたしまして、なお先ほど申し上げましたような見通しを持っておりますので、さらに緊急輸入等を適時適切に発動いたしまして消費者物価の安定に資したいと、かように考えております。
#57
○鈴木強君 それでは具体的に少しく伺いますが、四十四年度の需要は幾らに予測しましたか。それに対して供給は、輸入を含めて、どういうふうな計画で対応しておったわけですか。
#58
○政府委員(太田康二君) われわれが今回価格等を決定いたす際に一応見通しました需要の数量としては六十万トンというふうに見通しております。その際の国内の供給は一応その段階では五十六万トンというふうに見通しておったのでございます。
#59
○鈴木強君 そうすると、現在六月に入っているわけですね。上半期まではいかないのですが、大体この六十万トンを、月別にもちろん需要の計画はでき上がっておると思いますが、六十万トンの需要では少し計算が違っておったと、もう少しふえるという可能性はあるわけですか。
  〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕
#60
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、夏場の需要が非常に旺盛でございまして、いま六十万トンが過小であるから直ちにこれを修正するというふうには、現段階においてはまだ考えていないのでございます。
#61
○鈴木強君 それはわかりました。
 そうすると、この六十万トンというのは大体現状においては動かさなくてもよろしいと。そうすると、問題は供給ですね。供給面は、一体あなた方の立てた計画はどうなっておりますか。ここが狂ったわけですね。
#62
○政府委員(太田康二君) 実は、当初見込みましたのは、上半期、つまり四−九月は大体一〇三%くらいの供給の増があるだろう、下半期には一一三%くらいに伸びるのじゃないかというふうに見ておったのでございますが、この四月、五月、六月の足どりを見てまいりますと、四月が九三、五月が先ほど申し上げた八九、六月はいま進行中でございまして一〇〇と見ていいのでございますが、いままでの傾向で、上半期の見通し、計画いたしました数量よりも若干減っております。下半期につきましても、先ほど申し上げましたように、当初は一〇%をこえるだろうと見ておったのでございますが、おおむね一〇%台というようなことでございますので、国内の供給につきましては、われわれの見方がやや過大であるというふうに現在反省をいたしております。
#63
○鈴木強君 五十六万トンの供給は、国内における肉豚生産高と輸入とはどういうふうに考えておりますか。
#64
○政府委員(太田康二君) 先ほど申し上げた五十六万トンというのは、全部国内供給分としての数量の推定でございます
#65
○鈴木強君 そうすると、国内だけであなた方は間に合うと、そういう計画を立てておったわけですね。その計画が狂ってきたわけですね。 つまり、四月には一万五千トン、六月には一万トンを、これは割り当てしただけであって、入ってきてはいないのですね。見せかけですね。要するに、入ってきていないが、それだけのものを外国から輸入しなければ五十六万トンの供給量に満たぬというわけですね。どうして一体、五十六万トンと……。五十六万トンという供給は国内産だけというならば、その五十六万トンを月別にどういうふうに畜産農家から出荷していただくと、こういう計画を立てたものはあるわけでしょう。その計画が狂ったのは、どういうわけですか。
#66
○政府委員(太田康二君) 実は、当初から、先ほど申し上げましたように、需要が六十万トン、国内供給が五十六万トンと見ておりましたので、そういった意味においては不足をするというふうに考えておったのでございますが、その後の足どりを見てまいりますと、当初予想いたしましたよりも国内供給の数量が落ちておるというようなこともございますので、その点につきましてさらに緊急輸入等の措置を講じなければならないだろうと現段階では考えております。そこで、これだけ価格が、何といいますか、堅調であるにもかかわらず、国内生産がなぜ伸びないのかという点が一番大きな問題になるのでございまして、従来でございますと、これだけ価格が戻りますれば、必ず生産がふえるというのがビッグ・サイクルの特徴であるわけでございますが、最近におきまして、一つは、四十一年、四十二年に非常に価格が低落いたしましたので、先行き不安から飼養をやめる者が非常にふえてきた。それから労働力の逼迫の問題、あるいは公害の問題、こういったところが大きく左右いたしまして、従来でございますれば零細な規模が脱落して多頭化が行なわれる。これによってこの問題をカバーするというのが従来の傾向であったわけであります。そういった面での対応のしかたが非常に鈍くなっておると申しますか、そういった面での生産の回復というのがおくれておるというのが現段階における実態になっておるのでございます。
#67
○鈴木強君 まあ、畜産事業団をつくりましたね。四十年、四十一年と非常に過剰生産になった。それはそうでしょう。農林省が豚を飼ってくれ、豚は高く売れると、こう言うのでたくさん生産したわけです。豚をやっと一人前にして売り出すときになると値段が落ちてしまって、農民をばかにしておるじゃないですか。豚をつくれ、つくれと言うのでつくったら、安くなってしまった。従来、こういう豚だけじゃないんです。農産物一般についでもそういう傾向があるわけですよ。そこで、畜産事業団をつくって、需要供給のバランス上、多いものは畜産事業団が買い入れるということで、一つのいい働きをもたらすために畜産事業団をつくったわけです。ところが、今度は畜産事業団というのは、いま全部放出をしてしまって、まさに開店休業、何らこの時点において豚肉の価格安定についての役をしてないじゃないか。だから、そこに畜産行政というものに対する問題点が私はあると思うんですよ。ですからして、国内生産が予想よりも伸びておらない。その原因はいろいろあるでしょう。あるでしょうけれども、少なくとも五十六万トンというものを国内において生産してもらうという方針を出したからには、農家に対して、従来のような方針を絶対こわさない、したがって、値段もこういうふうになってきているんだからぜひ協力してもらいたいという、そういう説得力のある政策を農民に訴えて、声涙ともに下る懇請をして、そして生産を奨励していくというような努力をいたしましたのかどうか。一体私は、畜産事業団をつくった価値はもうないと思うんですよ。そんなことじゃ、これは国民に対して相済まないじゃないかと思う。
#68
○政府委員(太田康二君) 先生のおっしゃいますように、まさに豚肉価格の安定をはかりますためには、基本的には需要に見合いました生産を行なうということが基本であろうかと思いまして、実は四十四年度から、従来とも実施いたしておるのでございますが、よりその精度を高めるために、需要予測を的確にするということで、まず供給の予測等を的確に行なう、さらにこれを末端にPRをし、特に末端の段階で生産者によくそのことを伝えまして、県内の生産指導にあたっていただくということを実は実施いたしておるのでございます。まあ、そうは申しましても、先ほど申し上げたような生産者サイドの事情もございまして、なかなか簡単に回復しないというのはまことに残念でございますが、現段階におきましては、先ほど申し上げたような需給の事情でございますので、さらに生産を伸ばしていただいても、急に価格が暴落するというようなことはないというふうに考えておるのでございまして、今後とも、こういった形での生産の予測、需要の的確なる予測、これらをまた末端の農家に十分知らしめて計画的な生産を進めるというところに基本を置かなければならないだろうというふうに考えております。
#69
○鈴木強君 そこはひとつ十分に御高配をいただいて、需給のバランスをとるようにしてほしいと思います。おそらく、あなたは言いませんでしたが、いま農繁期で、せっかく生産しておりますものも多少手をとられて、出荷がおくれているのではないかと思われますので、いろいろ畜産食肉行政として、あなたのおっしゃられたような基本的な態度をあくまでも前向きに推し進めて需給のバランスをとれるようにしてほしいと思います。
 そこで、もう少し伺いたいと思うんですが、四月に一万五千トン、六月に一万トンの輸入の割り当てをしたわけですね。実際には何トンが今日入荷をしておるのでございましょうか。そこで、私がここで伺いたいのは、新聞その他の情報によりますと、これはアメリカその他から輸入をするということのようでありますが、海外市場では、日本がどうも豚肉が足りなくなったというような状況は、もうぴんと、商売ですから、把握しておる。したがって、値段を少し高くせぬとおまえのところには輸出をせぬぞというような動きがあるように聞いているわけですね。これを一体どういうふうに、国際情勢、アメリカの国内情勢、これを農林省としては把握をされて、これをどう克服してこの二万五千トンというものを早期に輸入しようとするのか。
 それからもう一つは、五十六万トンという供給ですから、明らかに足りません。したがって、その足りない四万トンについては、さらに七月以降においても輸入を考えなければならぬのだと思いますけれども、それは大体いつごろに、そのあと二万トンか一万五千トンかを輸入しようとするのか、そういう計画はお持ちですか。
#70
○政府委員(太田康二君) 先ほども申し上げましたが、四月に一万五千トン、六月に一万トンの緊急輸入割り当て公表を行なったのでございますが、実は当初、港湾のストがアメリカにおきましてありましたから、輸入が確かに順調にいかなかったという問題があったのでございますが、最近におきまして輸入も順調になってまいりまして、当初割り当てました一万五千トンの分のうち、三千トンくらいが六月に入荷をいたしておるのでございまして、今後は順調に、先ほど申し上げたような割り当ての数量が消化されてくるであろうというふうに考えております。
 それから、アメリカにおきます豚肉の価格の問題でございますが、やはり向こうにおきましても、大体夏場は需要が高まるということで、もちろん、先生おっしゃいますように、国内で輸入公表をいたしました結果、向こうの価格が上がったということもございますが、やはりアメリカにおきます需要も夏場には上がるということも従来とも見られるのでございまして、そういった意味で向こうからの輸入価格が値上がりいたしておることも事実でございます。
 それから、基本的には、先ほど申し上げたように、国内生産の回復が十分ではございませんので、今後さらに時期を見まして、いま何月というふうに申し上げることはできないのでございますが、引き続き緊急輸入割り当てにつきましては検討せざるを得ないだろうというふうに考えております。
#71
○鈴木強君 そうなると、一体いつになったらば豚肉らしい値段になるのでしょうか。その見通しというのは、いまのお話ですと、よくわからぬのですが、一面、これはまあ局長も、何回もわれわれが口がすっぱくなるほど言っていることで、またかというふうにお考えになるかもしれませんが、たとえば中国からの豚肉輸入の問題についてもいろいろと折衝されて、一時は洋上屠殺といいますか、航行中の輸送船の上でやるということでどうだろうかという話もあったのですが、これは相手方から拒否したということで、お隣の中国からの豚肉輸入ということはうまくいっていないわけでありますが、そのほか、世界的に豚肉がどういうふうに生産されているのか、私は事情をつまびらかに知りませんが、いずれもアメリカを中心にした自由圏、あるいは中国等は共産圏ではございますが、何か口蹄疫の問題なんかにこだわっておられるようですけれども、これは口蹄疫が明らかにわれわれの食肉管理上いけないということであれば別ですが、かなり研究をした結果、たいした問題もないだろうというところまでいっているようでありますから、そういう点も配慮しつつ、一体どの程度をどういうふうに入れるのか。これがきまりませんと、なかなか国内における五十六万トン自体もかなりむずかしいように思うわけであります。そういう一連の輸入対策といいますか、そういうものも畜産局長としてたいへん配慮されていると思いますが、もう少し国民に、いつごろになったら、何月ごろになったらだいじょうぶだという安心感を与える自信のある答弁をしていただきたい。
#72
○政府委員(太田康二君) 豚肉の世界の貿易数量というのは非常にわずかでありまして、大体六十万トンくらいというふうに言われております。そこで、やはり基本は、国内の供給でまずまかなうということが基本であろうかと思います。実は、豚肉の生産の回復というのは、始まり出しますと非常に急速なテンポで回復するということもあるわけでありまして、そういうところもにらみ合わしませんと、ちょうど昭和四十一年、四十二年の上半期におきましては出荷が前年度の三〇%をこえるというようなことで、ああいった価格の低落を招いたということもあるわけでございますけれども、やはり基本は、先生のおっしゃるように、需給に見合った計画的生産を進めるということにあろうかと思います。そのために、国が的確なる需要予測、供給予測を見通して、これらについての指導をしていかなければならない。何せ対象農家が五十万戸をこえているわけでありまして、実は生産の基礎は子豚価格の安定にあるということで、子豚価格の安定基金というものを設けて、生産者が安心して生産できるようにしているわけでございますが、なお、先ほど申し上げましたような事情がございまして、生産が急速に回復しない。したがって、今年はある程度輸入に仰がざるを得ないと考えておりますが、その輸入の弾力的運用によりまして、価格をできる限り低く安定した価格におさめたいというふうに考えておりますが、何といいましても、基本は国内生産にあるわけでございますので、国内生産の隘路になっておりますところの子豚の供給の段階につきましての施策というものを、ひとつ思い切った対策を講ずる必要があるであろうというふうに現段階において考えておるのでございます。
#73
○鈴木強君 これ一問ですがね。そうすると、まだ国民は当分高値に苦しまなきゃならぬということですね。どうも、いまの畜産局長のお話ですと、そうしかとれない。そこで、いま私ちょっと触れましたけれども、この中国からの問題はもう全然考慮する余地は、太田さん、ないんですか。口蹄疫の問題は、これはどうしても政治的にあなたの段階でむずかしい問題かもしれませんけれども、そうして輸入の面における配慮というものを一面やりませんと、なかなかこれは需要供給のバランスはとれないと思うんですよ。その辺は、もう少し前向きに、輸入問題の一環として考えてほしいと私は強く思うんですよ。そして、大体いつごろには豚肉が平常に戻るという御答弁はできないものですか。見通しは、いまのところお先まつ暗というふうに、こういうふうに国民は考えなければならないんでしょうか。その点だけお伺いをして、私は終わります。
#74
○政府委員(太田康二君) 先ほど申し上げましたように、下半期におきましてはかなり国内生産も回復するというふうに見ております。現に、統計調査部が調査いたしました最近の月別総頭数におきましても、子取用雌豚の頭数が前年に比較しまして、五月一日現在でございますが、六十九万頭ということで、前年よりも五%伸びておるというようなことでございまして、なお、私のほうの出荷動向調査によりましても、九月以降はかなりのテンポで出荷がふえるというふうに見ております。さらに、先ほど申し上げましたように、不足分につきましては、輸入の弾力的な運用によりまして供給をふやすことによりまして、少なくとも年度当初四百三十円台くらいで推移していった時期があるわけでございますが、これに近づけるように努力をしたい、かように考えております。
#75
○鈴木強君 中国は。
#76
○政府委員(太田康二君) 中国の問題につきましては、先般もたしか先生にお答え申し上げたかと思いますが、私のほうも、外国がどういう形で中国から輸入しているかというようなことの調査もいたしております。これらによりまして、わが国がはたしてそういう形でできるかどうかというような問題も検討しなければならないわけでございますが、御承知のとおり、過去三回の調査によりまして、中国が戦前に比べますと非常に正常化しておるという実態は十分承知いたしたのでございますが、なお口蹄疫ビールスの問題から考えまして、これが完全になくなったという保証を現在得ておりませんから、なおこれをぜひ確認したいということで、われわれのほうといたしましては、できますれば、もう一度学者同士の集まった合同委員会を開いて、さらに現地等の調査をさしていただきまして確認の上、十分なる防疫態勢をとり得るならば、そこで会議の結果、口蹄疫ビールスの存在というものがもうほとんどないというようなことが確認できますれば、防疫上の態勢を講じまして輸入に踏み切れる。しかし、現段階におきましては、不幸にしてそういった形での交渉が持たれないということになっておりますので、まだ最終的に中国を輸入禁止地域から解除するということになっていないというのが今日までの実態でございます。
#77
○理事(林田悠紀夫君) 中沢君。
#78
○中沢伊登子君 きょうは、ここに持ってきましたように、乳飲料あるいは乳酸菌飲料及び牛乳の問題について、二、三質問をしたいと思います。ここにこんなに並べましたように、最近は非常に乳飲料とか乳酸菌飲料が数多く売られておりまして、そのために消費者はずいぶん迷うわけでございますけれども、その中で、きょうここに集めました二、三の種類について質問をしてみたいと思います。
 まず、雪じるしのピュアオレンジ、これですね。これは、中に毛糸で人工着色を調べてもらった、その結果もここに出ておるわけですけれども、「雪印ピュアオレンジ」と、こう書いてある。これは、ピュアというのは、御承知のとおり、新鮮、真実、ほんとう、純粋、フレッシュというのは、いましぼりたて、新しいということになるわけですね。こういうものが、消費者にとっては、ほんとうにいましぼりたてのオレンジジュースかと、こう間違うような、いわゆる不当表示の問題が相当この中にもたくさんあるわけです。これをよく見ますと、ふたには「VB、0.7mg VC70mg強化」、こういうようなことが書かれております。それから栄養特殊食品のマークである人形のマークもついているわけです。しかし、消費者がこれを飲むときは、何もここまで見ずに、おそらく店頭でグッと飲んでしまうと思うのです。そうして、ピュア、フレッシュと書いてあると、ほんとうに消費者がごまかされるのではないか、こういうふうに思いますが、まず、その点からひとつ質問をしてみたいと思います。公取のほうも来ていますね。
#79
○説明員(中村雄一君) いま、ジュースの問題についての御質問かと思いますが、現在、ジュースにつきましては、業界で公正競争規約を立案中でございまして、私どものほうにもその案がまいっております。これにつきまして近く認定の申請が出てくるということになっておりますので、公聴会を開きまして、これを認定するという運びに持っていく予定でございます。
#80
○中沢伊登子君 厚生省のほうでは、この着色ですね、これをお調べになったことありますか。どれくらいの程度着色料を入れているのか、それは人体に影響があるのかないのか、その辺は厚生省で調べておられますか。
#81
○政府委員(金光克己君) 厚生省自体としては調べておりません。
#82
○中沢伊登子君 これ、ほとんど着色がされているのです、この毛糸で調べてみますと。中へつけるでしょう、ぎゅっとしぼると、着色料でなかったら、これはまっ白です。だから、着色料がついているかついていないか、これだけではわかりませんけれども、大体手でしぼるととれるんです、天然の色は。ところが、着色料が入れてありますと、あとまだ残るわけです。洗ってみてもちゃんとわかる。毛糸でこれをやってもらったわけですけれども。
 これはソフトラックという、これも雪じるしのものですけれども、これは色がとれたから、これは必ずしも人工着色がしてなかったかというと、もしもこれに界面活性剤でも入っていると、これは完全にとれてしまうのです。そういうことで、こういうふうにみんな着色してあるわけですから、厚生省自体としても、こんなにたくさんいろいろな種類があるのですから、一ぺんこれを調査してほしいと思います。やっていただけますか。
#83
○政府委員(金光克己君) 厚生省自体としては系統的に調べておりませんが、地方自治体としては抜き取り検査等で調べていると思います。それから、かりに添加物が入っている場合に、それは認められた添加物が入っているかどうか、地方庁では調査しておるわけでございますが、厚生省としても、その点につきましては十分調査してみたいと思います。
#84
○中沢伊登子君 いま言いましたピュアオレンジ、これはオレンジですけれども、同じように雪じるしでリンゴジュースも出ているのです。とにかく種類はものすごく多いのですけれども、ここにもピュアと書いてある。ここにはオレンジの絵がかいてあるのです。じょうずに図案化してあるのですけれども、こういうの、私どもは不当表示ではないか、こういうふうに思います。これ、雪じるしでは二つあるのです。
 それからその次に、いまの「ソフトラック」、これも雪じるしですけれども、同じようにこれは乳酸菌飲料。もう一つは、「ラックトフルーツ」、同じような名前ですけれども、これは乳飲料、これ、いずれもびんは雪じるしのマークが書いてあります。ところが、このふたをよく見ますと、これは「昭和牛乳KK」と書いてある。ですから、このびんは雪じるしでありながら、これをつくったところは昭和牛乳株式会社、こういうものは一体どうなんですか。ぴんとマークと、つくったところが違う。
#85
○説明員(神林三男君) 食品衛生法に基づきまして、牛乳、乳製品等に関する省令からいえば、製造者の住所氏名が書いてあれば一応適法ということになっておりまして、ぴんと名前が違うということは、これは確かに非常に不合理な点であると思いますが、一応私たちはキャップをもってこれは標示をする対象としておりますということでやっておりますので、一応適法と思っております。
#86
○中沢伊登子君 それは、さっきから言っているように、消費者はグッと飲むだけで、しかも、これは私などの目には見えないような字ですね、「昭和牛乳KK」というのは。このびんを見て、やはりこれが書いてあれば、それは雪じるし牛乳というのは信用がありますからね。雪じるしとか森永とか明治とかは、そのつもりで飲むんですよ。そうすると、これはやはり不当表示なんじゃないか。これは公取のほうはどう考えますか。
#87
○説明員(中村雄一君) その点は、いままでそういうケースが出てきておりませんので、もう少し検討さしていただきたいと思います。
#88
○中沢伊登子君 それは、これだけ出ていますから、公取としては少し怠慢のような感じがしますね。もう少しこれを公取としても早く全部調べて――これだけじゃないんです、もっとあるのですけれども、きょうはこれだけしかいま手に入らなかったわけです。それから厚生省も、さっき鈴木委員からもいろいろ追及されておられたように、もう少しちゃんとしてくださいよ。厚生省は国民の衛生を預かっているはずであるのに、私どもとしては、そういう答弁のしかたを見ると、やっぱり業者の味方をやっている、こうとしか思えないのですね。そこら辺を、私は局長からもう一ぺんしっかりした御答弁をいただきたいと思います。
#89
○政府委員(金光克己君) 先ほど乳肉衛生課長からお答えいたしましたように、食品衛生法上は違反ではないという形でございますが、これは一般大衆から見ましても適当でないように考えますので、十分検討いたしたいと思います。
#90
○中沢伊登子君 それで、しかも、こういうものが普通の牛乳と同じようなケースで売られているわけですね、あの中に。それですから、これは言うならば非常に悪どい商法だ、こういうふうに言っても差しつかえないじゃないかと思います。このぴんと製造者が違うとか、いかにも、さもさもしぼりたての牛乳のような、そんな表示がしてある。私は、最近、コーヒー牛乳とか、フルーツ牛乳がだんだん規制をされて、こういうものに変わってきているのじゃないか、こういうふうに思います。特に、これらを全部見ますと、大方のが曜日が書いてあります。木曜日とか月曜日とか土曜日とか、まあいろいろな標示がここに書いてあります。牛乳はこの四月一日から消毒日に変えたはずですね。それなのに、これが曜日になっている。これはどういうことですか。
#91
○政府委員(金光克己君) 牛乳の販売曜日を製造日にいたしましたのは、四月一日からでございます。乳酸菌飲料関係につきましては七月一日から、こういうことになっております。
#92
○中沢伊登子君 では、これは七月一日から消毒日に変わるわけですね。その牛乳の消毒日に変わった、その問題について、一つ神戸のほうで、兵庫県の中で、ちょっと労働問題が起こっている。それはなぜかといいますと、消毒日に変えて、曜日制から日付制に変わった。それを、厚生省も、公取のほうも、あるいは農林省も、あまりこれをPRしなかったと思いますね。いつのまにか日付制に変わっていく、まあこういうことで、消費者は気がつかなかった人は何かちっともそれをふしぎに思っていないし、ちっとも知らないという人もあるわけです。しかし、最近これをよく見ますと、いままでのように、木曜日とか月曜日というのでなくて、数字が書いてあって、日付制に変わったということを知りました。そうしますと、今度は、日曜日がありますね。月曜日から日曜日まで。そうすると、日曜日の日付がなくて、土曜日の日付で配達されますと、消費者は、あなたのところの牛乳は一日古いのを持って来たのじゃないか、こういうことで、乳業会社の配達の人を相当いじめるわけですね。こんな古い牛乳を持ってくるなら、もうあなたのところからとらないよ、こういうことで、しかたがなくて、中小メーカーは、いままで日曜日を休ましていたのに日曜日も出勤させて消毒をさせる、こういうようなケースがいま出てきているわけです。それではとても、やはり労働基準法にも違反するし、たまらないということで、いま二交代、三交代で休ましているわけです。そのために労働組合も非常に困っているわけですね。それですから、それならば一体この消毒日から何日ぐらい牛乳というものはもつものか、そういうようなPRを一度どうしてもやってもらわなくては困る、このように思います。その辺はいかがですか。
#93
○政府委員(金光克己君) 四月一日からの牛乳の製造日の表示についての改正につきましては、これは、私どもとしましては、三月一ぱいはPR期間としまして大いにPRしたつもりでおるわけでございます。
 それから、製造いたしましてから何日これが保存できるかということでございますが、これは摂氏十度以下に保存するという規定になっておるわけでございます。それで、細菌数におきましても、牛乳の中に含まれる細菌数は約五万以下という規定になっておるわけでございまして、十度以下に保存いたしますと、約五日間はそのとおりの規定の基準に合致する保存ができるということでございます。それから、これを一週間かりに置きますと、五万というのが、細菌数が若干ふえてまいります。そういうことで、一週間置きますと、風味が少し変わってくるということになります。しかし、その段階におきましても、決してこれはまだ人体に障害が起きるということではございませんが、大体一週間くらいたちますと風味が変わってくるということでございますので、五日間以内に飲むということが一番望ましい、かように考えております。しかしながら、これはやはり保存のしかたの問題がございますので、製造販売のルートにおきましては、これは十度以下、実際上は五度以下くらいに保存するというようなやり方もやっておりますので、できるだけ長くこれがもつようにするというようなことでございます。したがって、家庭におきましても、十度以下に保存するようにするということが必要なわけでございまして、これはやはりその日にすぐ飲めばよろしゅうございますが、一日二日たつということもあるわけでございます。そういう意味では、家庭に対するそういったような知識をPRすることは、これはもう御指摘のように必要でございまして、この点につきましては、さらに十分PRをいたしたい、かように考えております。
#94
○中沢伊登子君 そうすると、十度から五度以下ならば風味も落ちないし細菌数も五万ということですね。私、この間、自分で実験をしてみたんです。四週間もっている。そうして、その牛乳は、なべに入れて火にかけますと、腐っていると沸騰しません。すぐに分解してしまう。それが、ここに穴をあけて入れておきますと、それは完全に四週間では腐っております。見ただけでわかります。ところが、何にも手をつけないでこのまま入れておいたのは四週間もちまして、それからどうかと思って、まずふたをあけて、においをかいでみますと、たいして変わりはない。それで、なべに入れて沸騰さしたら沸騰しました。それを私は一応飲んでみました。翌日下痢をするかと思いましたら、下痢もしませんでした。そういうことですから、配達をされた日から四週間ももつなんというのは、少しもち過ぎるのじゃないか。そうすると、そこで当然考えられるのは、防腐剤が入っているのではないかというふうに考えられるが、その点はどうでしょうか。
#95
○政府委員(金光克己君) 防腐剤は、これはもう入れてはいけないことでございますし、いままでの地方庁におきます検査等におきましても、そういった事例はまだ私どもとしては聞いておりませんので、まずそういうようなことはないと考えております。
#96
○中沢伊登子君 一ぺんそれをぜひ検査をしていただきたいのです。私は麹町の宿舎におりますが、麹町の宿舎のところに売っている牛乳屋さんで買った雪じるしの普通のまるびんの牛乳、これは一ぺんだけでなく、二へん実験をやってみました。穴をあけたものと穴をあけないもの、あけないほうは確かに四週間くらいは持つのですね。そこは一ぺん厚生省のほうで実験をしてみてください、防腐剤が入っているかいないか。私、それをきょうまでほんとうは実験してくるつもりでございましたけれども、あっち飛びこっち飛びして、そうそうその牛乳を持っていく機会がなかったものですから、きょうこれを厚生省にお願いしたい、こう思います。ひとつ、それが防腐剤が入っているかどうか、それを調査していただきたい、こう思います。
 それから、先ほど鈴木委員からいろいろの質問がございましたように、私ども五月の十五日の読売新聞で、牛乳のびん、あるいは清涼飲料水のびんが非常によごれているという、この記事を見たわけです。そこで、これをいま皆さんにもう一ぺん読もうとは思いませんけれども、皆さんもきっとごらんになったと思います。五月十五日付の読売新聞に相当大きく書かれておりますから、これはごらんになったかと思いますけれども、そこで、PRのついでですから、牛乳が来たら、このびんをそのまま洗おうということも一ぺんPRしてほしいと思います。牛乳を配達するときの、あの箱がありますね。木でつくった箱。あの箱なんか、おそらく洗わないんじゃないでしょうか。あるいは、ズックの入れものがございますね。びんをいっぱい入れる。そういうものもあまり洗っていないのじゃないかと思います。そうすると、消毒を確かにしてきても、あの中へ詰めて運ぶとたんに、みんな細菌がつくわけです。それですから、ほんとうは向こうでちゃんと消毒をしてくれればいいですけれども、そこまでいかないとすれば、まず、消費者がこれを受け取ったときに、びんごとまず洗おう、こういうことを一ぺんPRしたほうがいいと思います。それと同時に、今度これを飲んだ人たちが、これを灰ざらがわりにすることも、私たちしばしば見ているわけです。それですから、まず、消費者が、これを灰ざらがわりになんかにするのではなく、消費者自身も、これを飲んだら、とにかく簡単でいいから、その場でこれを洗ってくれ、こういうことも、私は、厚生省が責任を持ってもう少しPRすべきではないかと思いますが、その辺はいかがですか。
#97
○政府委員(金光克己君) 御指摘の、牛乳びんを配達する容器の清潔の問題、あるいは牛乳びんそのものを清潔に保持するという問題につきましては、牛乳協会等で従来広報活動は行なっておるわけでございますが、御指摘の点につきましては、私どもの立場でも十分今後努力してまいりたいと思います。
#98
○中沢伊登子君 それから次に、また入れものに移りますけれども、これは東京のハミルト本社というところが出している「ミルシャン」というジュースですね。これは、「りんごと蜂蜜バーモント」ということが書いてある。それで、確かにこのびんの、ここにはミツバチの絵が書いてあります。ところが、この裏にマル生と書いてあるわけです。その下に「果汁」と書いてあるのですね。この標示を見ますと、上を見ますと、「果汁入清涼飲料」と書いてあるのに、このびんにはマル生と書いて、「果汁」と書いてある。これは私は不当表示になるのじゃないかと思います。さもさもほんとうの生まの果汁みたいに思うわけですね。ところが、きょう、これは下で買ってきました、さっき。参議院の……。ここには同じようにハチのしるしはついているのですが、これにはマル生も何も書いてない。こういういろいろなびんがあるわけです。そうすると、こんなのは、むちゃくちゃに、手当たり次第、何かそこら辺の会社のびんを使っているということで、同じ品物でありながら、片一方はマル生、片一方はその標示がしてない。ここら辺に私はずいぶん問題があると思います。そこら辺でもやっぱりこれも不当表示だ、こういうのを取り締まる方法はないのですか。
#99
○説明員(中村雄一君) 先ほど申しましたジュースの規約の中に、純粋でありますとか天然でありますというような名称は、ほんとうに天然のものがなければ使ってはならないという規定がございまして、それによって、それが基準になりまして、そういうことばをやたらに使ってはいかぬという規制ができるというふうに考えております。
 それから乳酸菌飲料のほうにつきましては、現在業界のほうでも規約の設定を検討中のようでございますが、これもできるだけ早く設定の方向に持っていきたいというふうに考えております。それから、規約ができませんでも、内容と標示に相違がある、そうして消費者のほうに不信感を招くというようなものがあれば、むろん取り締まっていく所存でございます。
#100
○中沢伊登子君 私は、ほんとうに公取のほうに、こんなに私らの目につくのですから、もう少し早く公正規約をつくるなり、もう少しこういうものの不当表示を調べていただきたい。そのためには、私も何べんも言っておりますけれども、結局、公取の人数が足りません。その点でも、予算委員会なんかで、いつも、公取のメンバーをもう少しふやして、国民が安心していろいろなものが食べらしれるように不当表示をなくしてほしい、そういうことを言っているわけですが、その点で、人数が足りないからたいへんお気の毒だと思いますけれども、毎日毎日みんなが飲むものですから、これをもう少し早くやってほしい、こういうふうに思います。特にいまの「ミルシャン」というのは、「りんごと蜂蜜バーモント」と、さもさも天然の果汁みたいですが、このふたを見ると、「サイクラミン酸ナトリウム含有」と書いてあるサイクラミン酸ナトリウムというのは、騒がれたチクロ、そうですね。それがこれには入っている。全然ぴんと内容が違うわけです。ここら辺も厚生省は一ぺん分析をしてほしいと思う。公取のほうも御存じなかったですか、チクロが入っているのは。それは調べてみたことがございませんか。
#101
○説明員(中村雄一君) ございません。
#102
○中沢伊登子君 これも、例をあげていけば、まだいろいろあるわけですね。小岩井農場の小岩井リンゴジュースは、これもキャップには「果汁飲料」と標示しながら、サイクラミン酸ナトリウムが入っている。こういうことがちゃんとキャップに書いてあります。そうして、いつでも入れものはこうした牛乳びんで売られている。一般消費者はとにかくごまかされっぱなしだ、こういうふうな感じを受けるわけでございます。公取はこういうものをちっともさわっていなかったということですから、いま質問しても十分な答弁はいただけませんが、きょうたまたまこういうふうな実物を持ってまいりましたから、これから早急に、特に暑くなりますと、みんながこういうものを飲むチャンスが多くなると思いますから、ひとつその辺をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから牛乳問題について、私がいま麹町で買っている牛乳は、まるびんの市乳が二十五円と二十六円になっておる。あそこの麹町の宿舎を出て右のほうで買うと二十五円、左のほうで買うと二十六円なんです。牛乳のいま市価はどのくらいなんですか。私どもいろいろ見ると、やっと二十円になったとか、二十一円とか二十三円とか聞いていますけれども、私どもの麹町は少し高いのですか。
#103
○政府委員(太田康二君) この牛乳の家庭配達は今回三円の値上がりがありましたので、従来二十円でございましたから、二十三円というふうに理解しております。
#104
○中沢伊登子君 それは家庭への配給でございますね。私どもは、配給ではなくて、いないことがあるから、取りに行くのです。それも同じですか。
#105
○政府委員(太田康二君) 月ぎめ店頭売りの場合には、むしろ、配達の労力を消費者の方が肩がわりするわけでございますから、安いのが通常でございますが、月ぎめでなしに、そのつど、必要なつどお買いになる場合には高いということが実態だろうかと思います。
#106
○中沢伊登子君 そのつど買うほうが高いわけですね、月ぎめでなくて。そうすると、今度角びんのほうは幾らですか。店頭で買うと三十円、三十一円という数字です。
#107
○政府委員(太田康二君) 先ほど申し上げました戸配の場合には二十五円というふうになっておるはずでございます。
#108
○中沢伊登子君 そうすると、これは不当利益ということで、もう少し値段を下げさせられる方法はありませんか。
#109
○政府委員(太田康二君) たとえば、月ぎめであらかじめチケット等を買って実施いたしております場合には、むしろ戸配よりも安いというのが実態でございます。ただ、月ぎめでなしに、不時に買うというような場合には、やはり店頭売りの場合、ロス等もございますので、値上がりと申しますか、通常の場合よりも高いというのはやむを得ないんじゃないかというふうに考えます。
#110
○中沢伊登子君 そうしますと、こういうものは大体三十円なんですね、これ、買いますと。一ころ会社につとめに行かれる方が駅の弘済会でよく牛乳を飲みました。当時は十七円牛乳と言われておったわけですが、最近は、その十七円牛乳というのがほとんど影を消してしまった。しかし、たとえ十八円になっても、まるびんの牛乳を飲ましてほしい。それでございますとね、鉄道弘済会なんかは、とにかく早朝一時間ぐらいで売り切れてしまう、こういうことで、あとはまあこういうものを並べるわけですね。そうすると、せっかくつとめ人が牛乳を飲んでいこうと思っても牛乳が飲めなくて、いつでも売り切れということで、こういうふうな何かごまかし表示みたいなこういう乳飲料を飲まなくちゃいけない。確かに通勤ラッシュでサラリーマンはいつも、のどはからからしでいるでしょうから、朝晩にこういうもの飲みたいと思いますけれども、それだけ牛乳が売り切れる。朝一時間ぐらいで売り切れるということは、それだけまた牛乳がみんなから要望されているわけですね。その牛乳がすぐに売り切れてしまう。こういうものしか飲ましてもらえない。しかも、それが三十円でなければ飲めない。私、こういうとろに大きな問題があるんじゃないかと思いますが、その辺はどういうお考えでございますか。
#111
○政府委員(太田康二君) 実は、牛乳の消費は、まだ先生御承知のとおり、非常にわずかな数量でございまして、われわれ率直に申し上げまして、消費が定着していないというふうに考えております。したがいまして、天候等にもよりまして非常に消費にアンパラが出るのでございます。私、鉄道弘済会の例を知らないわけでございますが、一般の場合には、戸配でございますと、先ほど申し上げたような値段で飲めるわけでございまして、しかも、通常の場合には早朝に配達ということも実施いたしておりますので、そういった形で十分対応できるのではないかというふうに考えております。
#112
○中沢伊登子君 それでは、最後に要望を申し上げておきます。
 きょういろいろ持ってまいりましたが、このような悪質な不当表示ですね、この乳酸菌飲料や果汁入りの清涼飲料、こういうものの成分の内容を至急分析をして本委員会にその結果を一度報告をしていただきたい。これが一つ。
 それからもう一つは、先ほど申しました牛乳というものは、その日付から大体何日ぐらいもつのか、このことのPRをもう一ぺん大々的にやってほしい。それでなければ、これは労働問題になってまいりますからね。
 それと、申し上げましたように、牛乳びんを洗って冷蔵庫に入れなさい、肉や魚と一緒にがっと入れっちまうのではなくて、牛乳びんは外のまま洗いなさいということや、からびんにいろいろな異物を入れないように、こういうようなことも厚生省としては私は宣伝をしてほしい、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、先ほどから申し上げておりますように、びんが雪じるしであるのに製造者が違うところである、こういうふうなことなんですね。消費者をあまりにもなめ過ぎていやしないか、この辺で厚生省はもう少し職務に忠実であってほしい、こういうことを私要望して、きょうの質問を終わります。
#113
○政府委員(金光克己君) 御指摘の点、不当表示の問題は公取の関係もございますので、私どもの立場でも関係はございますが、そういった面につきましては十分注意いたしたいと思います。
 それから、その他の問題につきましては、御趣旨に沿いまして十分検討いたしたいと思います。
#114
○理事(林田悠紀夫君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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