くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第3号
昭和四十四年二月二十一日(金曜日)
   午後零時十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤シヅエ君
    理 事
                大谷 贇雄君
                松澤 兼人君
                内田 善利君
   委 員
                木島 義夫君
                菅野 儀作君
                渡辺一太郎君
                杉原 一雄君
                田渕 哲也君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  原田  憲君
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
       国 務 大 臣  床次 徳二君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房陸上交通安全
       調査室長     宮崎 清文君
       警察庁交通局長  鈴木 光一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業公害及び交通対策樹立に関する調査
 (交通対策に関する件)
 (最近における交通事故の概況及び昭和四十四
 年度交通対策関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(加藤シヅエ君) ただいまより産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。
 産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、交通対策に関する件について調査を行ないます。
 まず、関係各大臣より所信を聴取いたします。最初に床次総理府総務長官。
#3
○国務大臣(床次徳二君) 私は総理府総務長官の床次でございます。
 このたび、今国会における産業公害及び交通対策特別委員会の審議が開始されるにあたり、交通安全対策に関する政府の方針を申し述べたいと存じます。
 御承知のとおり、わが国経済の成長に伴う輸送需要の増加は、ここ数年来、自動車保有台数の急激な増加をもたらし、これが交通事故発生の一つの大きな要因となって、交通事故による死傷者は逐年増加する傾向を示しております。昨年におきましても、政府と国民が一体となって交通事故の防止に努力いたしたにもかかわらず、交通事故による死傷者は、死者数一万四千二百五十六人、負傷者数約八十二万八千人を数え、死者数及び負傷者数のいずれもが、史上最高を記録するというきわめて憂慮すべき状況にあるのであります。
 このような趨勢に対処いたしまして、政府は、ここ数年来、人命尊重、特に歩行者保護の見地から交通安全対策を政府の最重点施策の一つに取り上げ、
 一 道路及び交通環境の整備拡充
 二 交通安全活動の推進
 三 交通秩序の確立
 四 被害者救済対策の強化の四本の柱を中心とする総合的な交通安全対策を強力に推進してまいりました。今後も、これらの施策をさらに強力に推進し、交通事故防止の徹底をはかる所存であります。また、これらの施策の推進に必要な経費につきましては、政府は、昭和四十四年度の予算編成にあたり、交通安全施策の推進に必要な予算の確保に特に配慮をいたし、交通安全対策関係予算として、前年度の予算額に比し約四十一億円増の総額約六百三十三億円を計上いたしているのであります。
 以下、当面の交通安全対策の重点事項につきまして申し述べます。
 まず第一に、交通安全施設につきましては、「交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法」及び「通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法」に基づく交通安全施設等整備事業三カ年計画が本年三月完了いたし、これにより既存の道路における交通安全施設は、相当程度整備されることになるわけでありますが、最近の交通事故の発出状況にかんがみ、昭和四十四年度以降におきましてもこれを三カ年程度延長して、引き続き横断歩道橋、防護さく、信号機等の交通安全施設の整備をはかる方針であります。以上のほか、道路交通環境の整備といたしましては、踏切道の立体交差化、児童公園等の整備等につきましても、その一そうの推進につとめる所存であります。
 第二に、交通安全思想の普及徹底につきましては、昭和四十四年度におきましても、引き続き全国主要都市に交通安全教育センターを整備する等、学校における交通安全教育の一そうの充実強化をはかるほか、春秋二回の全国交通安全運動の実施、交通安全国民会議の開催、都道府県及び市町村における交通安全に関する地域総ぐるみ運動の推進等あらゆる手段及び機会を通じて、広く国民一人一人に交通安全思想を普及徹底するよう努力いたす所存であります。
 また、安全な運転の確保につきましては、自動車の運行管理、安全運転管理及び運転者に対する労務管理の改善対策の推進、車両検査の充実、車両の構造装置の安全性の向上等につきまして、さらに一段と努力いたす所存であります。
 第三に、交通秩序の確立につきましては、酒酔い運転、無免許運転等のいわゆる交通暴力を排除するため、従来に引き続き強力な指導取り締まりを行なうとともに、警察官による交通監視を強化する所存であります。
 第四に、被害者救済対策の強化につきましては、救急業務体制の強化及び救急医療センターの整備を中心とする救急医療体制の整備をさらに推進するほか、自動車損害賠償責任保険の保険金の支払い限度額を引き上げ、損害賠償の確保をはかる所存であります。
 また、損害賠償問題、更生問題等交通事故の被害者にかかわる諸般の問題に関する相談活動につきましても、各都道府県の交通事故相談所を充実強化する等、その一そうの積極化をはかる考えであります。
 なお、以上申し述べました交通安全施策につきましては、これを総合的かつ計画的に推進することが何よりも必要と考えられるのであります。このため、総理府におきましては、今国会に提出いたすことを目途として、いわゆる交通安全対策基本法を立案中であります。現在のところ、いまだ関係省庁間において意見が調整されていない点が二、三残っておりますが、これらの点につきましては、早急に結論を得るよう努力いたす所存であります。
 最後に、交通事故により親等を失った児童・生徒の進学援護に関する事業を行なら財団法人につきましては、その後民間有志の方々による設立の準備が次第に進捗し、近く発起人総会が開かれる予定であります。政府といたしましては、今後、当該財団法人の設立及び設立後における事業の円滑な遂行につきまして、できる限りの援助をいたす考えであります。
 以上、政府の交通安全対策の方針について申し述べまして、ごあいさつにかえる次第であります。
#4
○委員長(加藤シヅエ君) ありがとうございました。次に、荒木国家公安委員長。
#5
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は、国家公安委員会委員長として、警察行政における交通施策につきまして、所懐の一端を申し述べ、各位の御理解と御協力を賜わりたいと存ずるものであります。
 御承知のように、近年、わが国におきましては、自動車保有台数と運転免許取得者数の著しい増加等に伴いまして、交通事情が逐年、複雑かつ悪化の傾向を示し、昭和四十三年における交通事故による被害者は、死傷者数八十四万二千三百二十七人、このうち死者一万四千二百五十六人、負傷者八十二万八千七十一人を数え、いずれもわが国史上最高を記録するに至り、また、大都市における交通渋滞は激化の傾向にあり、昭和四十四年における交通情勢は、さらにきびしくなるものと予想されるところであります。
 このような憂慮すべき状況に対処するため、警察といたしましては、交通事故の処理を直接担当しているものとして、交通事故防止の施策を推進するため、常に関係省庁に問題の提起を行ないながら、前年に引き続き、交通事故による死傷者数の増加を抑制するための交通事故防止対策を重点的に推進するとともに、都市における交通渋滞の緩和をはかる対策を効果的、積極的に推進してまいる所存であります。
 第一に、交通事故防止対策の重点的な推進につきましては、まず、最近における交通事故の発生状況等にかんがみまして、昭和四十四年度を初年度とする第二次の交通安全施設整備三カ年計画を策定し約四十六億円の補助事業のほか、交通安全対策特別交付金等を財源とする府県単独事業により交通信号機、横断歩道等の施設を整備いたしたい所存であります。
 また、指導取り締まりの面においては酒酔い運転、無免許運転等の悪質な違反をきびしく取り締まるとともに、他方、軽微な違反者に対しては、適切な指導取り締まりを行ない、運転者の自発的な交通法令の順守を促すことにより、交通秩序の保持につとめてまいりたいと考えております。
 さらに、私どもといたしましては、都道府県、市町村あるいは交通安全に携わる各種団体等と協力し、地域ぐるみ、職域ぐるみの自発的な交通安全活動が積極的に展開されるよう、あらゆる機会と組織を通じて安全教育の強化、徹底等につとめる所存であります。
 第二に、交通渋滞緩和対策の積極的な推進につきましては、大都市の都心部またはその周辺等における交通の円滑化をはかるため交通規制の強化、交通信号機の高度化及び交通情報体制の整備等を積極的に推進する考えでありますが、都市交通の渋滞緩和をはかるための根本的な方策としては、都市計画行政、道路行政あるいは運輸行政等の総合的施策の推進に待たなければならないところでありますので、今後、関係省庁と十分密接な連絡を保ち、都市交通問題の総合的解決の促進につとめてまいりたいと存じております。
 以上当面の施策の概要につきまして申し上げたのでありますが、委員各位の格段の御協力によりまして、その実をあげることができますよう、一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。
#6
○委員長(加藤シヅエ君) ありがとうございました。次に原田運輸大臣。
#7
○国務大臣(原田憲君) 陸上交通安全対策につきまして運輸大臣として所信の一端を申し述べたいと存じます。
 今日、運輸省が所管しております行政は、自動車、鉄道、船舶、航空機等の陸、海、空の各分野にわたっておりますが、いずれの分野におきましても国民生活に密接な関係を持っているのであります。
 特に、交通における安全の確保は、国民生活遂行のため最も重要なことであると信じております。ところが、最近における交通事故の発生状況を見ますと、残念ながら事故は必ずしも少なくなっておりません。
 昭和四十三年中に発生した交通事故により、一日平均四十八人もの尊い人命が奪われ、二千二百余人にのぼる負傷者を出している状況にあります。
 特に、交通事故のうち最も大きな比重を占めている道路交通事故につきましては、自動車保有台数の増加、自動車交通量の増大に比べれば、保有台数当たりの事故率は相対的には減少しておりますものの絶対数におきましては、年々依然として増加の一途をたどっております。
 鉄道事故につきましては、国鉄、私鉄とも保安施設の整備の進捗に伴ない、輸送量の増加にもかかわらず漸次減少の傾向にありますが、昨年は、一部の鉄道従業員の過失に基づく事故等が続発しましたことはまことに遺憾にたえません。
 このような情勢にかんがみ運輸省としましては、ここ数年来、陸上交通安全対策を最も重要な施策の一つに取り上げ、一、線路増設等による交通容量の拡大二、踏切道、自動列車停止装置等の交通安全施設
 の整備三、車両の安全性の向上四、安全運転の確保のための従業員の服務規律の
 厳正化及び教育訓練等の人的対策の充実五、自動車損害賠償保険制度等の被害者救済制度
 の充実等の施策を実施しておりますほか、当面の鉄道事故防止に関しましては、省内に臨時に「鉄道事故防止対策委員会」を設け、総合的、抜本的な対策につきまして検討をお願いしておりましたが、二月六日にその意見書が提出されましたので、その趣旨を十分尊重いたし、関係方面の協力を得て、その実現に万全の努力をいたす所存であります。
 私といたしましては、人命尊重の基本理念に立脚しまして安全を確保することは運輸行政における最も基本的な使命の一つであると考え、今後さらに交通事故の防止のため、なお一そう徹底した総合的な安全施策を推進するとともに、万一事故が発生したときの被害者の救済にさらに万全を期する所存であります。
 何とぞよろしく御指導御鞭撻をお願いする次第であります。
 これをもって所信表明を終わります。
#8
○委員長(加藤シヅエ君) ありがとうございました。
 以上をもちまして関係各大臣の所信聴取を終わります。各所信に対する質疑は、これを後日に譲ることといたします。
#9
○委員長(加藤シヅエ君) 次に、最近における交通事故の概況及び昭和四十四年度交通対策関係予算について、政府から説明を聴取いたします。宮崎陸上交通安全調査室長。
#10
○政府委員(宮崎清文君) それでは、ただいまから最近におきます交通事故の概況と昭和四十四年度におきます陸上交通安全対策関係の予算の概要について御説明申し上げます。
 お手元にいろいろの資料をお配りしてございますが、私がこれから申し上げます点につきましては、「交通事故の概況」という表と、それから総理府でまとめた「昭和四十四年度陸上交通安全対策関係予算調査」と、二つございますが、これにつきまして御説明申し上げます。
 最初に、「交通事故の概況」でございますが、先ほど関係大臣から御説明がありましたように、昨年一年間――暦年でごさいますが、昭和四十三年一年間におきましては、死者が一万四千二百五十六名、傷者が八十二万八千七十一名という数字でございまして、これらはいずれも史上最高という悲しむべき数字でございます。なお第一表にございますように、ここ十年間の交通事故の年別推移でございますが、ただいま申し上げた死者につきましては、昭和三十三年を一〇〇といたしますと一七三――一・七三倍でございます。したがいまして、死者は十年間でそれほどはふえていないわけでございますが、傷者は昭和三十三年を一〇〇といたしますと四四七という数字でございまして、約四・五倍という相当なふえ方をしているわけでございます。なお、その次の欄に自動車台数が掲げてございます。これは四十三年末の正確な数字が出ておりません。四十三年の十月末でございますが、千三百八万一千台となっております。私たちの推計では、これは確定数ではございませんが、十二月末には大体千三百三十五万台くらいに達していたのではないかと推定いたしております。この自動車台数の伸びも、昭和三十三年を一〇〇といたしますと五六一、この十年間で自動車は五・六倍になっているわけでございます。したがいまして、自動車千台当たりの死者数をとってみますと、これは一番下の欄にございますように、むしろ年々減っておりまして、昭和三十三年には自動車千台につき三・五人の死者を出しておりましたが、昨年は、これはまだ推計になると思われますが、一・一人というぐあいに減っているわけでございます。
 それから、二枚目が「死亡事故の分析」でございますが、この死亡事故の概要につきましては、ここ数年来あまりたいした変化はございません。たとえば状態別で申しますと、いろいろこまかく出ておりますが、状態別の下の欄に「歩行者」という欄がございます。これは交通事故による死者のうち、歩行者が何人死んでいるか、そのパーセントを示した数字でございます。昨年は三五・七という数字が出ております。大体御承知かと思いますが、ここ数年来わが国におきましては、交通事故による死者の約三分の一は歩行者である、そういうことから、政府といたしましては当面、歩行者保護ということを交通安全対策の一つの大きな柱にしておるわけでございます。
 それから、その次の次でございますが、「類型別」という数字がございます。これは、死亡事故がどういう類型で発生したか、つまり人と車がぶっかった場合はどのくらいか、車と車がぶっかった場合はどのくらいか、車と原付がぶっかった場合はどのくらいか、あるいは踏切ではどのくらいかという、その構成を示したものでございます。これによりますと、車対人が三六・九%という、わりに高い率を示しております。これが歩行者の死亡事故が三分の一を占めているということと対応いたすわけでございます。
 それから一番最後に、「原因別」というのがございます。死亡事故がどういう原因で生じたかということでございますが、これも大体、例年同じでございまして、高い順に申しますと、酔っぱらい運転、わき見運転、最高速度違反、追い越し違反、こういうような違反が死亡事故の大きな原因になっております。この状態も、ここ数年間大体同じようでございます。
 それから、最後の第三表でございますが、これは各国の自動車事故による死者数の比較でございます。
 御承知のように、交通環境は国によってたいへん異なりますので、これを簡単に比較することはなかなか困難でございますが、一応国連統計等を参考にいたしました表が、これでございます。ただ、残念ながら最新のデータはなかなか入手できませんので、一番新しいデータといたしましては、一九六六年――昭和四十一年のデータになっております。これを見ますと、自動車事故による死者数の絶対数、これはアメリカが一番多くなっておりますが、日本は残念ながら第二位ということになっております。日本の死者数は一万七千九百七十九名となっておりますが、これに対して第一表の統計によりますと、昭和四十一年では一万三千九百四名となっております。この差がどうして出てきているかということを簡単に御説明申し上げますと、ここの注にも書いてございますが、現在わが国の国内で一般的に使っております統計は警察庁におきます事故統計でございまして、交通事故による死者は事故発生後二十四時間以内に死亡した者のみを集計いたしております。これに対しまして、最後の表は国連統計によっておりますが、この国連統計では二十四時間に限定しないで、およそ交通事故が直接原因になりまして死亡した人の数を出しております。わが国では、それに相当する統計は厚生省で出しております。大体いままでの例を見ますと、この警察庁で出しました死者の統計と厚生省で出しております死者の統計とでは、厚生省統計のほうが約二五%ふえておる――大体その程度ふえております。したがいまして、昨年は警察庁統計によりますと一万四千二百五十六名の死者を出したわけでございますが、これが厚生省統計によりますと、おそらく一万八千名くらいになるのではないか。これはまだ集計されておりませんが、そういう推定もできるわけでございます。したがいまして、この最後の表の一番右の欄にございます「自動車千台当たり死者数」も、そういうふうに死者数の統計が違っておりますので、日本はかなり高い数字になっております。ここにもございますように、アメリカが〇・六人、イギリスが〇・八人、西ドイツが一・六人、日本が二・二人ということでございまして、最初にお断わりいたしましたように諸外国と日本の交通事故を簡単に比較するわけにまいらないわけでございますが、この表によりましても、日本の交通事故はまだまだ改善の余地があるということが言えるのではないか、かように感ずるわけでございます。
 以上、交通事故の概要を終わります。
 次に、昭和四十四年度予算の概要でございますが、お手元にお配りいたしました「昭和四十四年度陸上交通安全対策関係予算調書」によりまして御説明申し上げます。
 例年のごとく柱を立てまして、その柱ごとにまとめてございます。
 第一が、道路交通環境の整備でございまして、四十三年度五百二十六億九千七百万円に対しまして、四十四年度は五百五十九億七千七百万円でございます。三十二億ほど増加いたしております。
 まず、小さな内訳といたしまして、交通安全施設等の整備でございますが、これは四十三年度の二百十億に対しまして若干減りまして、百九十四億を計上いたしております。そのうち警察庁分、これは主として信号機でございますが、信号機が五億五千六百万円、それから建設省分、これは歩道でございますとか、横断歩道橋でございますとか、それからガードレールでございますが、これが百八十八億八千八百万円、かようになっております。このここに計上いたしました予算は、先ほども大臣から御説明ございましたように、また、けさの新聞にも出ておりましたように、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正いたしまして、昭和四十四年度からさらに三カ年をもちまして、既存の道路におきます交通安全施設の整備を続行いたすことに大体政府としては方針を決定したわけでございますが、その新しい交通安全施設等整備事業の三カ年計画の初年度分に該当いたすわけでございます。なお、まだ確定はいたしておりませんが、新しい三カ年計画で大体どの程度の事業を行なうかということでございますが、大体のワクといたしましては、三カ年間におきまして道路管理者分約七百三億円、それから公安委員会分約四十六億円で、合計いたしまして七百四十九億円を、新しい三カ年計画で実施いたす予定でございます。なおそれ以外に、この交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部改正法案は、いずれ当委員会等におきましても御審議を賜ることになると思いますが、従来の三カ年計画と若干異なりまして、都道府県市町村が単独で行ないます分の計画も全部積み上げまして、国と地方公共団体が一体となって交通安全施設の整備を行なう、こういうたてまえをとっておりますが、いま申し上げました七百四十九億円は、国が公共事業として、つまり直轄または補助事業として行なう分の事業費でございまして、それ以外に地方が単独で行ないます分といたしまして、これはまだ確定いたしておりませんが、五百二十数億の事業費を予定いたしておるわけでございます。したがいまして、両方合わせますと千二百数十億という数字になるわけでございます。これらの点は、いずれまた、この法案の御審議のときにいろいろと御説明申し上げます。
 それから、次の(2)は踏切道の立体交差化でございまして、これは踏切保安設備の整備と踏切道の立体交差化等の二つに分かれております。で、まず踏切保安設備の整備でございますが、これは四十三年度が一億三百万円でございますが、これに対しまして四十四年度は六千四百万円で、三千九百万の減となっております。理由を簡単に申し上げますと、この踏切の保安設備と申しますのは、御承知のように踏切道に遮断機でございますとか、警報機というような保安設備を整備することでございます。この整備につきましては昭和四十二年に議員立法で成立いたしました通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法に基づきまして、緊急に危険である踏切の整備をいたしたわけでございまして、特にここに掲げております予算案は、この備考にもございますように、民有鉄道のうち赤字または準赤字の地方鉄道事業者または軌道経営者が行なう踏切保安設備に要する費用の補助でございます。逆に申しますと、いわゆる大手私鉄は自前で整備する、こういうことになっております。この計画は昭和四十二年、昭和四十三年の両年度で実施いたすことになっておりまして、ほぼその計画が順調に進んでいるわけでございます。したがいまして四十四年度におきましては、その残りの分ということで、この予算額が減っているわけでございます。なお、この通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法のうち、通学路の安全施設の整備に関します部分は、先ほど申し上げました今回の交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部改正に際しまして、その中に取り込んでございます。また踏切道のほうは、いまも申し上げましたように、大体計画どおり事業が進捗いたしましたので、これはこの際廃止いたそうということで、この通学路のほうは一応今回の一部改正法案で廃止をする予定になっております。したがいまして、この踏切道保安設備整備は、四十四年度におきましては、一応予算補助になるわけでございますが、その補助率につきましては、いわゆる通学路法で特例を設けまして、一般的には国が三分の一の補助でございましたのを、二分の一に引き上げたわけでございます。その補助率は、四十四年度におきましてそのまま踏襲いたしまして、二分の一の補助をいたすわけでございます。こまかく申し上げますと、国が二分の一、それから地方公共団体が三分の一、事業者が六分の一を負担する、こういうことでございます。
 次の踏切道の立体交差化につきましては、これは従来から毎年、年次的に大体同じ程度の額をもってやっておるわけでございまして、四十三年度におきましては二百三億、四十四年度におきましては二百三十億を投入いたしまして、踏切道の立体交差の促進につとめるわけでございます。なお、この踏切道立体交差化等の予算額といたしまして、この総理府の調書におきましては、二百三十億を計上いたしておりますが、建設省のほうではこれより二億五千万少ない数字を、あるいは出しているかとも思われます。これは、実は内容的には全く変わっておりませんが、私のほうでは、費目のいかんにかかわらず、およそ交通安全に直接関係ありという予算は、これを全部実体的に見まして、各省の予算から引っ張り出しまして、この表をつくっておりますが、建設省では費目ごとに整理いたしておりますので、二億五千万少ない数字があるいは出ているかとも思われますが、実体は全然変わっておりません。
 それから次のページへまいります。(3)が、交通安全対策特別交付金でございます。これは御承知のように、昨年の七月以降、道路交通法違反のうちの軽微なものにつきましては、交通反則金制度というものを設けておりまして、これによって国に納付された金額のすべてを交通安全対策特別交付金という形で地方公共団体に交付いたしております。その使途は交通安全施設等の整備と一応限定されているわけでございます。昨年度は初年度でございまして、四十四年度から平年度になるわけでございますが、これに大体百十七億を見込んでおるわけでございます。この交通安全対策特別交付金は、先ほど申し上げました交通安全施設等の整備の単独事業の一部にこれが充当されることになるかと思われます。なおそれ以外にも、一部救急自動車に充当されるようになっております。
 それから(4)は、児童公園等の整備でございます。これは四十三年度が九億七千万に対しまして、四十四年度は十六億を計上いたしております。御承知のように、子供が遊び場がないために道路で遊ぶことによって、不測の事故にあうということがまだまだございますので、子供の遊び場をつくろうということでございます。注にもございますように、これは年次計画で一応設置いたしておりますが、四十四年度におきましては、全国で児童公園を九百三十五カ所、運動公園を七十二カ所、それから河川敷緑地を二十五カ所、整備いたす予定でございます。
 それから、第二の大きな柱が「交通安全思想の普及」でございまして、これはあまり大した額ではございません。大体例年どおりでございます。
 (1)は、交通安全広報事業の委託費でございまして、これは警察庁が全日本交通安全協会に委託いたしまして、交通安全思想のPRをやる、それに要する費用でございます。四十四年度も本年どおり千四百万でございます。
 それから(2)が、交通安全教育センターの設置でございまして、これは昨年から年次計画をもって始まりました事業でございます。交通安全教育、特に学校における交通安全教育の必要性は言うまでもないことでございますが、もともと交通安全教育と申しますものは、頭の中で教えるよりも実態に即して教えるほうがより効果的であるというところから、昨年以降、全国の主要都市の小学校等に小規模な交通公園を設けまして、信号機でございますとか、あるいは道路標識その他を備えつけまして、児童に即物的に交通安全の教育をする、こういうことでございます。毎年四十六カ所ずつこれをつくってまいりたいということで、それに要する補助金といたしまして、毎年二千八百万円計上いたしております。
 (3)は、交通安全指導の研究推進。文部省でございますが、これは二百万円余りでございますが、注にもございますように、主として学校の先生に交通安全教育の指導をしたり、研究をするというための費用でございます。
 第三番目が「安全運転の確保」という柱でございまして、四十三年度が総額五十二億でございますが、これに対して四十四年度は六十億を計上いたしており、ます。
 (1)は、運転者管理センターの運営でございます。これは御承知と思いますが、昭和四十一年以来、三カ年計画で警察庁に電子計算機を備えつけまして、全国の運転免許台帳をここに集中管理する。また今後は、それぞれの運転者の違反事故等を全部記入いたしまして、今後の適正な行政処分の資料にいたすということを考えておりまして、これが三カ年計画で完成いたしました。来年度四十四年の十月からこれが動き出すわけでございます。したがいまして、四十三年度の二億一千七百万円が、四十四年度は五億になっておりますが、この五億の中の大部分は電子計算機の借料でございます。いままでは電子計算機をまだ備えつけておりませんでしたが、四十四年度から電子計算機を備えつけまして、これを動かす仕事を始めるわけでございまして、その借料が大部分でございます。
 (2)の「交通取締用車両等の整備」、これも警察庁の所管でございまして、四十三年度の一億七千三百万円に対しまして四十四年度が二億四百万円でございます。これは注にもございますように、交通取締り用の車両パトカー八十一台、それから白バイ二百四十八台、交通事故処理車九十三台を整備するわけでございます。このうち新しくふやします分は交通取締り用四輪車、つまりパトカーと交通事故処理車でございまして、交通取締り用二輪車、つまり白バイでございますが、これは減耗補助費でございます。
 (3)の交通取締り等の強化、これも警察庁でございますが、これは四十三年度の七億二千七百万円に対しまして四十四年度が七億五千九百万円でございます。注にもございますように取締り用、鑑識用等の諸機械の整備が中心でございますが、それとともに交通警察官の待機宿舎の新設分も含まれております。
 それから、次の(4)は交通事件裁判処理体制の整備でございまして、(5)が交通事犯処理体制の整備でございます。(4)は裁判所関係、(5)は法務省関係でございまして、それぞれ定員増が主たる内容になっておりますので、一括御説明申し上げます。まず裁判所のほうでございますが、四十四年度は八千四百万円で、ここにございますように百十二名の定員増をはかることにいたしております。内訳を申し上げますと、簡易裁判所判事が二十八名、これに書記官が二十八名、事務官が五十六名で、計百十二名でございます。中心は簡裁の判事二十八名の増でございます。それから法務省のほうは検察庁のほうでございまして、定員増二十名となっておりますが、これは検事五名、副検事十名、事務官五名、こういう内訳でございます。計二十名の増員をはかろうとするわけでございます。
 それから、(6)が自動車事故防止対策等といたしまして、運輸省所管でございますが、これは昭和四十三年度におきましては一億一千三百万円でございましたが、四十四年度は九千万円になっております。これは、ここにもございますように、主としてダンプ対策、ダンプの取締りに必要な経費等が大部分でございます。御承知のように、これも四十二年に国会で議員立法で成立いたしましたいわゆるダンプ規制法と申す法律がございますが、そのダンプ規制法の取締り実施に必要な経費がその中心でございます。
 それから、(7)が自動車検査登録業務の処理体制の整備でございます。これも同じく運輸省でございまして、四十三年度が三十七億でございますが、四十四年度は三十八億となっております。これは、この注にもございますように、主として自動車の検査登録業務に必要な経費でございます。なお四十四年度におきましては、注にもございますように、百名の定員増の経費が組まれております。もっとも百名と申しましても、定員増が六十五名でございまして、あとの三十五名は賃金職員分でございます。
 それから(8)は、自動車運転者労務管理改善対策、労働省の所管でございまして、四十三年度が千万円で、四十四年度が一千百万円でございます。これは注にもございますように、労務管理の改善の促進という見地からいろいろと事業場に対する指導監督の強化をはかるための経費でございます。
 以上は、安全運転の確保に関する経費でございます。
 それから(4)が、被害者救済対策関係の経費でございまして、総額といたしましては四十三年度が七億九千九百万円でございます。四十四年度が九億一千万円を計上いたしております。
 まず(1)は、救急医療施設の整備でございまして、これは十分御承知と思いますが、現在厚生省におきましては年次計画をもちまして、全国に約百十カ所の、国立または公的医療機関に救急医療センターを整備することを現在実施中でございます。この経費の大部分がその救急医療センターの設置に要する経費でありまして、四十三年度の三億七千万に対しまして、四十四年度が四億二千九百万円を計上いたしております。
 それからなお、四十四年度におきまして計画いたしております救急医療センターは、国立病院が七カ所、それから公的医療施設として十五カ所を大体予定いたしております。なお、この救急医療センターの従来までの整備状況でございますが、ごく最近のデータを持ち合わせておりませんが、本年の一月で大体全国に六十カ所程度の救急医療センターが整備されておりますので、残りは四十四年度分を含めまして、あと五十カ所程度を整備すればよろしいということでございます。
 次のページにまいりまして、(2)は、むち打ち症対策でございますが、むち打ち症が最近非常に大きな問題となっておりまして、このむち打ち症対策につきましては、労災補償の面からなおいろいろと研究をする必要があるわけでございます。そこで労働省におきましては、四十三年度に引き続きまして四十四年度におきましても同額の四千百万円を計上いたしまして、ここにもございますように、むち打ち症災害につきましての治療方法でございますとか、治療範囲、治ゆ、障害の認定等に関するいろいろの研究をいたす、あるいは機器の整備をいたす、それに要する経費でございます。
 それから(3)が、救急業務施設の整備でございまして、これは消防関係でございます。四十三年度が一千万円でございますが、四十四年度が千四百万でございまして、これは主として、ここにもございますように、救急指令装置の整備に要する補助金でございます。この救急指令装置の整備と申しますのは、ごく簡単に申しますと、救急車と事故現場と救急病院を無線で結びまして、ある地点で事故が起こりましたときに、それに一番近いところにいる救急車が無線で現場に行きまして、それをさらに所要のベッドが確保されている一番近い救急病院に運ばせる、これを全部無線でやる。非常に簡単に申しますと、そういう装置でございます。それは現在東京、大阪にすでにできておりますが、これを順次地方都市に及ぼしてまいりたい、こういうことでございます。
 それから(4)が、交通事故相談活動の強化でございます。これは御存じのように、全国の各都道府県に交通事故相談所を設けまして、交通事故による被害者の方々に対していろいろの相談に応じております、これに対しまして総理府が補助をいたしております。総理府におきまして補助金を出すとともに、指導をやっておるわけでありますが、その補助金でございます。四十三年度が七千万円でございまして、これが四十四年度は四千二百万、約二千八百万円減っておるわけでございますが、この点につきましては、財政当局等のいろいろの意向もありまして、この注にもございますように、四十四年度におきましては一般会計から四千二百万円補助するとともに、自動車損害賠償責任再保険特別会計から三千五百万円を出しまして、計七千七百万円の補助をいたそうということでございます。したがいまして補助金の総額といたしましては四十三年度に比べて七百万円ふえておるわけでございますが、一般会計におきましては、ここにもございますように、二千八百万円減少ということでございます。決して実態をおろそかにしているということじゃございません。
 それから(5)が、法律扶助事業補助でありまして、これは四十三年に引き続きまして四十四年も六千五百万の補助をいたそうということでございます。御承知でございましょうが、現在、法律扶助協会というのがございまして、訴訟を起こしたいと思うけれども、貧困のために訴訟を起こせない人々のために訴訟費用の立てかえをやっている団体でございます。もちろん、この訴訟は単に交通事件だけじゃございません。交通事件が最近非常に多くなっておりますので、一応交通安全対策の一環としてここに掲げているわけでございます。
 (6)が、自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助でございまして、これはいまもちょっと触れましたように、現在、自動車の損害賠償責任保険のうち保障勘定、これは保障勘定と申しますのは、あるいは御承知かと存じますが、現在ひき逃げ事故につきましては、さしあたって責任者がわかりませんものですから、国があらかじめ取っております賦課金を積み立てまして、一般の責任者のある場合と同程度の損害補償をいたしているわけでございます。被害者に対して補償をいたしております。これを保障事業と申しております。幸い、最近ひき逃げの検挙率が非常によくなっておりますから、保障勘定の累積黒字が出ております。この累積黒字の利息分を使いまして、ここにございますように交通事故相談業務でございますとか、救急医療機器等の整備の補助をいたしているわけでございます。これを四十三年度は二億四千三百万円を計上いたしたわけでございますが、四十四年度におきましては三億一千九百万円を計上いたしたわけでございます。なお、先ほど申し上げました都道府県の交通事故相談所に対する補助金のうち三千五百万は三億一千九百万のうちから支出される、かようになるわけであります。
 それから、五番目の柱がございます。「交通事故の防止に関する科学的研究の推進」でございます。四十三年度は三億一千八百万でございますが、四十四年度は二億五千六百万で六千二百万ほど減っております。
 (1)は、警察庁の科学警察研究所で行なっております交通制御の調査研究でございます。これは四十三年度に引き続きまして二百万でございます。
 それから、次のページにまいりまして、(2)に自動車の安全研究の強化で、これは通産省の工業技術院機械研究所で行なっている研究でございます。四十三年度が二億三千四百万でございますが、四十四年度は一億九千万になっております。
 (3)が、自動車安全整備研究等の強化。運輸省の船舶技術研究所で行なっている研究でございます。四十三年度の三千三百万に対しまして四十四年度は五千万でございます。なお通産省の工業技術院機械研究所における研究と、運輸省の船舶技術研究所における研究とが、どういう関係にあるかといいますと、ここに注でいろいろ書いてございますが、非常に簡単に申しますと、通産省におきます自動車の安全の研究所は、将来の自動車の安全の研究ということでございまして、これに対しまして運輸省のほうは現在使用されている自動車の安全の研究。非常に簡単に申しますと、そういうことになろうかと存じます。なお、それらの研究がお互いに重複しないよう、かつ有機的にその結果が使われるよう、総理府におきましても、その連絡調整を十分密にしてまいりたいと思っております。
 (4)は、むち打ち症研究の推進でございまして、四十三年度におきましては厚生省におきまして一千万円を計上いたしまして、この研究をいたしたわけでございますが、四十四年度におきましては、まだこれはきまっておりません。つまり、ここにございますように、特別研究費六千万のうちの一部を当然充当することになろうと思われますが、その額がまだ決定してないということでございます。
 それから(5)は、脳神経外科の充実でございまして、これは文部省所管でございます。四十三年度三千三百万に対しまして、四十四年度が一千三百万に減っておりますが、これはここにもございますように、脳神経外科の専門医の養成のために大学に脳神経外科の講座を増設すること及び大学の付属病院に脳神経外科の診療科を増設することが内容でございまして、これは新増する場合の経費しか計上いたしておりません。つまり、一回新設されました後の経常費はここに掲げておりませんので、たまたま四十三年度は三カ所にこれを整備いたしたのが、四十四年度では二カ所になったために、この額が下がっているわけでございます。四十四年度におきましては、脳神経外科の講座といたしましては、神戸大学、それから脳神経の研究施設といたしましては、岡山大学に、それぞれ講座ないし施設を整備する予定でございます。
 それから(6)が、警察庁の科学警察研究所で従来やっておりました研究が四十三年度で終了いたしましたので、この六百万円が四十四年度にはゼロになっているわけでございます。
 それから、最後に「その他」となっておりまして、これは総理府の――私のところの直接の経費でございます。私どもでは、都道府県及び学識経験者にそれぞれ交通事故の実態でございますとか、あるいは交通事故防止のいろいろの科学的な問題につきまして調査研究を委託しております、その費用でございまして、四十三年度の千三百万円に対しまして四十四年度は千四百万円でございます。
 以上、総計いたしますと、昭和四十四年度におきます直接交通安全に関係のある予算といたしましては、ここにございますように六百三十二億七千二百万円ということでございまして、四十三年度に対しまして四十一億円の増ということでございます。
 なお、先ほど申し上げました建設省のごく一部の予算――二億五千万円程度の予算を、これから引きますと、この額は約六百三十億という額になるわけでございまして、あるいは予算委員会等におきまして財政当局のほうからは六百三十億という数字があるいは出るかと思われますが、その相違は先ほど御説明したとおりでございます。
 なお、最後の表に、これ以外の間接的に交通安全に関係する費用、これはほかにもいろいろございますが、大きなものを拾い上げますと、ここに書いてございます第一が、自動車損害賠償責任再保険特別会計でございまして、これは千九百八十二億でございます。
 それから、国鉄が毎年国鉄の予算でやっております事故防止対策事業でございまして、これは四十三年度二百八十一億に対しまして四十四年度が二百三十一億でございます。
 その他、私鉄に対します開銀の融資でございますが、これは四十三年度におきましては九十八億の実績がございますが、四十四年度はまだ計画中で決定いたしておりません。いずれ決定いたしましたら、また別の機会に御報告を申し上げます。
 以上が、四十四年度の交通安全対策関係予算の概要でございます。
 最後に、先ほど長官からも御説明がありましたが、いわゆる交通安全対策基本法の進捗状況につきまして簡単に御説明申し上げます。
 交通安全対策基本法につきましては、昨年当委員会におきましても交通安全対策基本法を制定するというような御趣旨の御決議がございましたし、また衆議院の交通安全対策特別委員会におきましては、はっきりと交通安全対策基本法を次の国会に政府提案をせよという御決議もいただいております。したがいまして、政府といたしましては、その御決議も含めまして、自来その準備をいたしているわけでございまして、先ほど長官が御説明申し上げましたように、現在総理府としては最終案をすでにつくりまして、関係省庁と最終的な折衝をやっている段階でございます。
 内容は、簡単に申し上げますと、従来交通安全対策基本法と申しました場合には、陸上の交通安全対策のみの法案を考えておりましたが、現在立案中の交通安全対策基本法は、単に陸上交通のみならず、海上交通、航空交通のすべての安全を含めました交通安全対策基本法を考えておる次第でございます。骨子は、これもしばしば当委員会でも御説明申し上げたと思いますが、大体四つの柱を立てております。
 第一の柱は、およそ交通安全に関します国、地方公共団体、事業者、あるいは車両その他交通機関の使用者、運転者等の責務を法律で明記するというのが一つの柱でございます。
 それから第二は、何よりも交通事故の防止の徹底をはかるためには、総合的な交通安全の計画を立てて、これを推進することと、その計画を策定する機関を設けることが必要でございますので、まず中央には、内閣総理大臣を長といたします関係閣僚よりなる交通安全対策会議、これはまだ仮称でございますが、交通安全対策会議というものを設けまして、そこで総合的な交通安全に関する計画を立てるということでございます。
 また、都道府県には同じように都道府県知事を会長といたしまして、関係地方行政機関の長でございますとか、その他都道府県の関係機関の長を含めました都道府県の交通安全対策会議を設けまして、ここでやはりいろいろ交通安全に関する基本的な計画を立てさせるということにいたしております。なお市町村はいろいろございますので、必ずしも会議を設けなくてもいい、しかし大きな市等は当然会議を設けることになろうと思われますが、そういうたてまえをとっております。これが第二の柱でございます。それからこの会議とあわせまして、交通安全に関しまするいろいろの対策を立てます場合には、やはり学識経験者の方々の御意見を聞くことが必要でございますので、中央には交通安全対策審議会を設けまして、総合的な交通安全施策の基本的な事項について、いろいろ御審議を願うということにいたしております。この審議会は地方段階では必ずしも設けなくてもいいわけでございまして、しかし設けることも可能である、そういうたてまえをとっております。
 それから三番目の柱は、いまもちょっと触れましたように、今後の交通安全対策を効果的に進めるためには、交通安全に関します総合的な基本計画をすみやかに作成する必要があるわけでございまして、これは中央におきましては、先ほど申し上げました交通安全対策会議におきまして、基本計画を作成する、こういうたてまえになっております。それから地方におきましても、都道府県交通安全対策会議、市町村交通安全対策会議。市町村におきましては、会議をつくらない場合は市町村長が、地方におきまして主として陸上交通の安全に関します基本計画を作成する、こういうたてまえをとっております。これが第三の柱であります。
 それから、第四の柱といたしましては、交通安全に関します基本的な施策、これを国はどういうことを今後やるのか、地方公共団体はどういうことをやるかという、この施策の基本的な事項を列挙いたしまして、それに基づいて国、地方公共団体が一体となって施策を推進していくということでございます。なお今後これと関連いたしまして、国の地方公共団体に対します財政上の措置等につきましても規定を設ける予定でございます。
 以上、たいへん簡単でございますが、いわゆる交通安全対策基本法案の現在の作業の進捗状況と、その内容の概要を御説明申し上げた次第であります。
#11
○松澤兼人君 きょうの新聞に出ておりましたから見ればわかりますけれども、先ほども説明のありました三カ年計画の概要の費用ですね。道路管理者分が七百三億ですか、それから公安委員会分が四十六億、それからその他地方負担分、これが幾らとおっしゃったのですか。
#12
○政府委員(宮崎清文君) 地方単独分につきましては、まだこれは地方で計画を立てるわけでございますので、その確定数ということではございませんが、非常に大ざっぱにいま国のほうで見込んでおります額といたしましては、道路管理者分が約三百億、それから公安委員会分が約二百二十億と大体見込んでおります。
 それから先ほど説明のとき、申し上げるのをあるいは忘れたかと思いますが、この予算調書に出ております交通安全施設の整備に要します経費は、これは予算として国が計上いたしております経費でございまして、いま三百億とか何百億とか申しましたのは、これは全体の事業費でございます。したがいまして、その間に若干の差がございます。地方単独分は、国の予算に関係ございませんからそのままになりますが、いわゆる特定交通安全施設整備事業三カ年計画におきます事業費を、先ほど道路管理者分七百三億、公安委員会分四十六億と申し上げましたのは、これは事業費でございますから、予算とは多少違っております。
#13
○松澤兼人君 いまおっしゃった七百四十九億と、それから先ほど言われました建設省分が二億五千万円ですか、全体の予算調書からみると少なくなるかもしれないという、その関係は――ありませんのですか。
#14
○政府委員(宮崎清文君) 先ほど二億五千万と御説明申し上げましたのは、踏切道の立体交差化等の中の問題でございまして、交通安全施設等の整備の予算には関係ございません。
#15
○委員長(加藤シヅエ君) それでは本日の説明に対する、そのほかの質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト