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#1
第061回国会 石炭対策特別委員会 第12号
昭和四十四年五月十四日(水曜日)
   午前十一時六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿具根 登君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                川上 為治君
                小野  明君
                藤原 房雄君
    委 員
                石原幹市郎君
                剱木 亨弘君
                西田 信一君
                二木 謙吾君
                吉武 恵市君
                原田  立君
                片山 武夫君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        植木 光教君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     中川理一郎君
       通商産業省鉱山
       石炭局石炭部長  長橋  尚君
       通商産業省鉱山
       保安局長     橋本 徳男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       通商産業省鉱山
       石炭局鉱害課長  佐々木茂行君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の石炭対策樹立に関する調査
 (当面の石炭対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(阿具根登君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○原田立君 先週の当委員会で取り上げてお聞きしたいと思っておった問題点でありますが、実は九州のほうで、今回の処置により閉山する山があちらこちらに数多いわけでありますが、その後法施行を見越していろいろと閉山の動きがありますが、その状況について簡単に御説明願いたい。
#4
○政府委員(長橋尚君) 九州におきます最近の閉山の申し出の状況でございますが、かねがね法施行に備えましていろいろと準備をいたしておりました明治鉱業、麻生鉱業、それから杵島炭鉱、この三社はいずれも正式に閉山の申し入れを、五月十二日法律の公布施行の日にいたしたわけでございます。これは明治鉱業の場合には、九州の三山は縮少して残してまいるというふうな計画に相なっております。閉山量にいたしまして、合計三社で百五十万トン程度になろうかと考えられております。
 それからそれ以外に一般閉山交付金の申請を中小炭鉱でいたしておりますが、この点はいまちょっと手元に詳細な資料を持ち合わしておりませんので、後刻調べましてお答え申し上げたいと思います。
#5
○原田立君 明治鉱業の西杵鉱業所というのは従業員が合計約七百人くらいおるそうでありますが、これが第二会社になって再発足するというふうに聞いております。ところで、今後の石炭産業の将来とでもいいますか、あまり明るい希望を持たないで、たいへん転職していく者が多い。したがって、第二会社をつくったとしても、先々成り行きがなかなかむずかしいのじゃないかというふうなことを新聞報道等にもされております。また、従業員の人たちも、そういうようなことをたいへん心配しております。これらのことについてどんなふうに掌握なさっておられますか。
#6
○政府委員(中川理一郎君) 明治鉱業につきましては、会社全体として解散せざるを得ないという状況になったわけでございますが、ただいま御指摘の西杵炭鉱及び佐賀炭鉱は、佐賀県の地区に与える影響と佐賀地区における石炭鉱業全体の情勢から見ますと、これを一挙に閉山するということが事実上むずかしい。こういう判断からいたしまして、御承知のように明治鉱業は特別閉山交付金によって全社解散ということではあるわけでございますけれども、むしろそういった地域的事情に着目をいたしまして、特別の例外措置として、両鉱につきましては、相当の圧縮を加えた上で、しかるべき期間存続可能である限りにおいてこれを生かしていこう、こういうふうに取り扱ったのでございまして、しかも相当圧縮をしてと申しておりますゆえんのものは、新しい投資等を行ないますと、収入と支出とが見合わないという状況にございますので、すでに投資済みのものに維持的な経費を投じていけば、石炭採掘ができるという範囲内ではじめて採算が成り立つわけでございますので、そういう形で存続をさせようと、こう考えた次第でございます。したがって、事柄の本質からいたしますと、ほかの石炭鉱業の再建をになわしておる会社と比べまして、当然にこれは時間的にも限りのあることになろうかと思うわけでございます。これがもし非常にうまくいきまして、小規模における採掘というものがわりあい安定的であれば相当期間続くし、ある程度の投資をも可能にするような状況になってきますと、また状況は異なってくるわけでございますけれども、ごく自然に考えますと、まあ極端なことばを使いました場合、適当であるかどうかわかりませんが、いわば残炭掘りに近い形の企業継続ということになろうかと考えておるわけでございます。そういう意味で、この際まあ十年も二十年も続くというのであれば残ろうと、しかし、そう長くはないということであれば去りたいという気持ちを持たれる従業員の出てくることは、私どもも当初からそうあろうとこう考えておったわけでございます。反面地元の方々というような形で、これは縮小をしても存続をしてもらいたいという希望が強かったのでありまして、なかなか離れられない、あそこで働きたいという方々も相当いらっしゃるということから、この種の特別措置を講じたわけでございますので、いまお話のような、この際山を離れて他へ行きたいとおっしゃる方が相当あることはもとより承知しております。地つきの方で残らざるを得ないと考えておられる方々によって可能な程度の規模のものを会社自身も考えておるわけでございますので、会社の計画どおりの人員が確保できるかどうかということについては、まあ若干減るかもしれないという予想はございますけれども、非常に大きく存続そのものに支障があるような減り方はしないのじゃないか。ある程度のめどを経営側も持っておるようでございますので、まあその程度であれば、本来の趣旨から言いまして、残してほしいと、そこで働きたいという方々の気持ちを生かしてあげれば事が足りるという事柄でございますので、さほど心配はいたしておらないという状況でございます。
#7
○原田立君 いまの御説明によりますと、将来は残炭掘りみたいなような形として残るのであろうというようなことなんですが、そうすると、いままでのものから見ればたいへん質がぐっと落ちるというように考えられるわけです。それからまたそういうような経営状態であれば、すなわち収入、生活状態、これがたいへんまた逼迫して、従業員の人たちも非常に困るのじゃないか、こんなふうな見方、考え方をするのですけれども、そういう点はやはり心配な点があるのじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
#8
○政府委員(中川理一郎君) 少し俗なことばを使いまして、正確ではないのでございますけれども、ただいま残炭掘りと申しましたのは、御理解をいただきやすいように俗なことばを使ったので、もっと正確に言いますと、新しい鉱区に対して坑道を掘進していくというようなことによって採掘量を維持していくということには、この山はただいまの状況ではたえられない、経営的にはたえられない状況でございます。そこで、そういった投資額を必要としない状態、つまりいままでの坑道展開その他これまでの投資によって石炭採掘が可能であるという限界のところで仕事を続けていく。そういたしますと、いままで投資済みの施設によりまして採掘可能な鉱量というものがおのずときまりますので、この鉱量によって存続期間というものが理屈の上から限定されるわけであります。これを小さい規模で少ない人間でやっていけば一挙にその炭をとるということになりませんので、かなりの期間は存続できると、こう考えたわけでございまして、新しい投資が必要ではございませんので、むしろ経営的には、明治鉱業全体としては維持が無理であるけれども、そういう形の部分的な石炭採掘の存続ということは、むしろ経営的には楽であるという判断で考えております。この点は俗なことばをつかいまして申しわけございませんが、新たな大きな投資の要らない採掘であるからということで逆に経営を楽にしている、そういうことによって成り立たないものを可能にする、こういうふうに御理解いただければよろしいかと思います。
#9
○原田立君 きょうはどうもぼくだけの質問のようですから、簡単に終らせたいと思いますので、簡単に御答弁願ってけっこうですから……。
 話に聞きますと、大体七百人ぐらい従業員がいるそうですが、大体三百人ぐらい残らないと企業としてはどうも存置しがたいようなことも漏れ聞いております。ところで、その残留希望者がたいへん少ない。何か百人ぐらいじゃないかというようなことも聞きました。そうなると、必然的に労務倒産のような形になっていくのじゃないか、こういう心配もしているわけですけれども、そういう点の今後の見通しはどうですか。
#10
○政府委員(長橋尚君) ただいま会社のほうにおきましても、佐賀県の明治鉱業の炭鉱につきまして、公平な立場で他部門への再就職を希望するものはあっせんにつとめると同時に、また引き続き山に残りたいという者についての募集をやっているわけでございまして、いませっかくその両面について会社としても努力をしている状況でございますが、私ども報告を受けておりますところでは、若干当初の規模よりは縮小するということになるかもしれないにいたしましても、存続可能である、こういう判断を会社としては持っている現状でございます。今後、ただいま局長からも申し上げましたように、非常にこじんまりとした形ではございますが、安定した経営が期待できるわけでございますし、それからまた長年この山に愛着を持っていた人たちが残るというところで、労務倒産のおそれというものはさしあたってないのではないかと、かように判断をしている次第でございます。
#11
○原田立君 転職していく人たち、これは他に職を求めていく人、また第二会社に残る人、それはいずれにしても両方とも退職なんですけれども、そういう人たちの賃金の支払い等は差別はないのだろうと思いますけれども、その点はどうですか。
#12
○政府委員(中川理一郎君) これは全くございません。
#13
○原田立君 ところで、それが現実にはいろいろなニュアンスで、第二会社に残るものは一〇〇%払おう、そうでないものには少し金がないからというようなことで、だいぶ渋ったり何かして困る向きもあるというようなことも聞いているのですけれども、その点は心配要りませんか。
#14
○政府委員(中川理一郎君) 解雇者に対して国が交付する交付金につきましては、これは全く公平に差別なく取り扱うべきものでございまして、さようなことはないと私思っておりますが、お話がございましたので、調べまして、もし労務者確保のために幾らかでもそういう気持ちで運用するような感じを与えておるとすれば、是正をさせたいと思います。
#15
○原田立君 もしそういうふうな気持ちがあるのであれば、法のきめた方向と全然違うわけなんですから、これは当然是正させてもらいたいと思うのですが、実はこの退職していく人たちが、炭労のほうからの努力ということで聞いておりますが、四十万円を限度として銀行が代理弁済をする、その際銀行から金を借りるのだから利息は個人負担で支払えというようなことがいわれているというのですが、そういうようなふうになることを了としておられるのかどうか。
#16
○政府委員(中川理一郎君) いまの四十万円の代理弁済と申しますのは便法でございまして、国の側からの交付金が所要の手続を経て正式に交付されるのを待っておるということに対して、実際問題として早くもらいたいという気持ちが一般的に強い。これに対して実際措置としてとっておる事柄でございます。これには金融機関にも協力を求めておりますし、佐賀県の場合は県にも預託その他の形で協力をいただいておる状況でございます。これはそういうお気持ちに対してこたえるという実際上の措置でございますので、あえてこれを強制するものではございません。したがって、金利負担が本人負担になるから、正式に出るまで待って、早くもらうという必要はないとお考えになれば、あとでもよろしいわけでございます。実際問題としてこの便法に従っていただきました場合には、正式の交付金が出ますまでの間は融資を受けておるということでございますので、金利の支払いをしてもらわなければいかぬ。ただ退職者に対する問題でございますので、なるべくこの金利負担を少なくしたい、低金利のものにいたしたいということから、県の預託その他の御協力を願って、実質的な負担額が少なくなることに力を注いでおる状況でございます。
#17
○原田立君 この実際転職する人たちが、たとえば九州から兵庫のほうへ行きたい、あるいは大阪へ行きたい、名古屋へ行きたいという人たちも、あとはやっぱりきちっと整理して行きたい、あるいはまた行った先々においても自分の生活資金等ある程度まとめたものを持って行きたい、これはぼくは人情だと思うのです。いま局長の説明の中にあったように、国からちゃんと出るのを待ってやればいいのであって、今回のような処置は便法なんだから、個人で利息を払うのが当然じゃないかというようなニュアンスで私伺ったわけですが、この問題はこの法を設定する前々から実は問題だったわけですね。つなぎ融資をどうするかという点が一番問題だったんです。
 それではお伺いいたしますけれども、閉山になった山の従業員ですね、退職金は閉山決定後一体何カ月間ぐらいかかって本人の手もとに渡るのか、その期間は一体どのくらいになるのですか。
#18
○政府委員(長橋尚君) 国からの交付金の交付時期につきましては、鋭意それを短縮するように諸般の事務手続を検討している段階でございます。何ぶんにもこれの所定の公示期間は少なくとも三週間は見ておかなければいけない、あるいはその前提といたしまして、閉山交付金の申請自体が法律の要件を満たさなければいけない。たとえば鉱区の消滅等が前提になりますが、その前段階として抵当権が全部はずされなければいけない。いろいろな手続がございまして、現在の予測時点といたしまして、私どもは七月ないしおそくとも八月までには第一回の退職金の支払いが国から行なわれますように鋭意努力いたしている段階でございます。
#19
○原田立君 ですから、山によっていろいろ条件が違って、早いところもあればおそいところもあるだろうと思うのです。いまなるべく早くというような意味のお話だったのですけれども、実際明治鉱業西杵鉱の関係は早く出るような予測は立ちますか。
#20
○政府委員(長橋尚君) いまの段階といたしましては、ただいま申しましたように、七、八月という辺を一つの努力目標のめどにしてやっているような段階でございまして、そのころまでには支払えるものと考えております。
#21
○原田立君 九州の大辻炭鉱は実際六カ月かかっているのです。それから特殊なところではあったわけですが、ちょっと山の名前をど忘れしていますが、これは約一年かかっております。特別早くて約二カ月間くらいという過去の実際のデータだろうと思うのです。七、八月といいますと、四月末、四月中旬にたしか閉山だったはずですから、そうすると五月、六月、七月、八月と約四カ月半くらいかかるんですね。退職していく者の実際もらう退職金が、正規でやれば約四カ月半待たなければもらえないということになってくるのだろうと思うのです。そうすると個人負担になる金利ですね、最高四十万円を限度としてということですが、そのぐらいの金額で約四ヵ月半ですと、一体幾らくらい利息を本人が払うことになるのですか。
#22
○政府委員(中川理一郎君) 金利負担の問題は担当者からお答えさせますが、いま先生があげられました例は、いずれも一般閉山交付金の制度によってやめた実績でございまして、大体御指摘のようなことだと思いますが、この際は評価が伴っております。鉱量の把握、坑道の評価というようなこと、評価員が相当みっちりやりまして、会計検査上の問題を起こさないようにたんねんにやった上でかかった期間でございます。今度の特別交付金の場合はその手続が要りませんので、少なくともその点は相当短縮されるはずでございます。ただ、特別交付金による仕事は何ぶんにも今回が初めてでございますので、いま石炭部長が答えましたのは、努力目標として私ども考えておる点でございまして、率直なところはやってみぬとわからぬという感じがあるわけでございますけれども、できるだけ短かく早急に交付ができるようにいたしたいと思います。
#23
○原田立君 まあ三、四カ月くらいが努力目標であると、やってみないとわからないということですが、それは事務当局としてはなるほど初めてのことですから、そういうようになるんだろうということはわからないことはないわけですけれども、これは手元に入るのがおそければおそいほど、いわゆる個人負担、利息のところへくっついてくるわけです。話によりますと、約六千円から一万円くらいかかると聞いています、利息が。そうすると、ばかにならないと思うんですね。実際本人はお金がほしいと、それで便法を講じてもらったらば六千円も一万円もかかる。一部には、そういう便法を講じてもらったことはたいへんありがたいけれども、さてよく考えてみれば、自分のお金をもらうのに、いかに便法を講じてもらったからといって一万円も六千円も利息を払うというのはおかしいじゃないかという不満がある。またある一部では、もうあきらめちゃって、それでもしようがない、握ったほうがいいというようなそういう動きもある。こうなるとですね、何と言いましょうか、いま貧乏できゅうきゅうしていて、これから転職していかなければならない人たち、もちろん一般の企業で言えば、退職したあとのこういう手厚い手当てというものは普通はないんですから、ただ石炭なるがゆえにこういうふうにやってもらうということで、それは本人たちは喜んでいることだと思うんですけれども、ただ、だからといって四十万円を限度として借り入れると、六千円から一万円くらいの利息がかかるというんでは、これは為政者としてはもう少しあたたかい手心を加えてあげるということが必要なんではないだろうか、こういうふうに思うんですけれども、この点はほんとうは大臣にお伺いしたいところだった。局長、また次官もお見えですから、どんなふうに処置なさるのか。これはまた局長自身が仰ぜになっているように初めてのケースですから、初めてのケースなるがゆえにまあ手本みたいな形で、いま取り扱うことが今後多く閉山があるような場合に、全部それをそういうふうな考え方で適用されていくんだろうと、こう思うと、やっぱり最初なるがゆえにここのところはもっとはっきりしておかなければいけないんじゃないか。退職していく従業員の気持ちというものも十分に考えてもらって、何らかここにあたたかい処置というものが加えられないものであろうかどうか。この点はどうですか。
#24
○政府委員(中川理一郎君) 全くおっしゃるとおりでございまして、そういうふうな気持ちがございましたので、特別閉山交付金制度というものも、従来の実績から考えて今度新しくおきめを願ったわけでございます。その制度によって交付される金額につきましても、なるべく早く本人の手元にお金が渡るようにしてあげたいという気持ちから、いま先生おっしゃったような気持ちから、県金融機関に声をかけまして、いまのような仕組みをある程度めどをつけたというのが状況でございまして、国の側から正式に交付をいたします前に、国みずからの手で何らかの便法をとるというような事例等はほかにはこれはありようのないことでございまして、それだけに国の手でと申しますよりは、国のほうから協力要請をして、佐賀県の場合は金融機関に県のお金を預託してもらう、そうしてその預託に見合って金融機関から貸し付けをしてもらう。預託をしておるというところから、本人の金利負担もなるべく低水準のものにしてもらうというようなことをやっておるわけでございまして、おそらく佐賀県の場合には一銭四厘程度、年利でいいますと年五分強くらいのものに相なろうかといま予想をしておる状況でございますので、四十万円のかりに三カ月と考えますと、先ほどの御質問に対して五千円――まあ特別の措置で早目にお金を本人の手元のほうに入るようなしかけをつくったというぎりぎりのことでございますので、四十万円の金を早く手元に入れるための五千円の金利負担というのは、これはやむを得ないのではなかろうかと考えております。
#25
○政府委員(植木光教君) いま局長からお答え申し上げたとおりでございます。要は交付金の交付をできるだけ早くするようにということであろうと思います。この点につきましては、法律上の制約その他ございますけれども、できるだけ努力をいたします。お約束を申し上げます。
#26
○原田立君 いまの局長の言われるのもわからないことはないのだけれども、私はここで、国のエネルギー政策でこうやって閉山になったとか何とかそんなやかましいことは言いたくない。また実際問題としてそんなこと言ったってしょうがない話です。ただ人情論で法律は――政治はできないと言えばそのとおりですけれども、実際問題としてやめていく人たちがお金がほしいことはこれは事実なんです。だからそれに対して実際計算するとこうなんだけれども、じゃこれだけは負担しろよと、これだけは持ってやろうというようなことは、そこは何かできないのですか。それでいま次官も努力するというお話だけれども、これは早く出すほうに努力するという意味であって、私の質問している面に対して努力をするという意味ではないだろうと思う。そこはひとつ次官、いまこうやって質問しているんだけれども、木で鼻をくくったみたいにそんなことはできないとぽんとけるのではなくて、何かそこは本気になって考えられないものかどうか、そう思うのです。どうですか。
#27
○政府委員(中川理一郎君) これは法律、政省令に基づきまして国の金を支出するという以上、便法というものはあり得ないわけでございまして、所定の手続を了して初めて国庫の金が出ていく、こういうことでございます。この方向につきましては、せっかくのおことばではございますけれども手はない。そこで、私ども実は原田先生みたいな気持ちで、実際問題として何か早く金が渡る方法はないだろうかということで考えましたのがこの結論でございまして、これは当然に義務であるとか何であるとかいうことではございませんで、佐賀県当局のやはり地元住民に対する配慮ということで特別の配慮をしてもらった、またその配慮をできるだけの余地と準備が佐賀県にあったということでございまして、残念ながら特別閉山交付金制度によりましても、福岡県なり北海道なりでただいま預託するような金が当該自治団体にないといった場合には、佐賀県並みにいけるかどうか、まだ疑わしいところもあるという状況でございまして、国から正式に出るものをかわりに早目に出そうとすれば、これは日本だけではなくてどこでもそうだと思いますが、どこかから金を捻出してくるとすれば、金利のかからない金というのはあり得ないのでございまして、問題はそれをどれだけ低利にできる方法があるであろうかということしか私どもには残念ながら知恵がないのでございまして、何かこうしたらどうかというような示唆でもございましたら、また検討いたしたいと思います。
#28
○原田立君 次官どうです。局長がにべもなく全然そんなことはできないということのお話ですけれども、それは他面から言うと、金融機関から金を借りれば利息を払うのはあたりまえの話であって、じゃ全然利息を払わないで措置してあげるということだってやる気になればできないことはない。まあ実際働いていただく炭鉱夫の人たちの窮状は先ほど来るる申し上げた点なんです。その辺次官どうですか。
#29
○政府委員(植木光教君) 先ほど来お答えをいたしておりますように、原田委員の気持ちと私ども全く同様でございまして、何とか融資をしてつないでいけないかということで懸命にあらゆる立場から考え抜きまして、一般の金融の利子では考えられないような低利の融資を受ける措置を県の、あるいはまた金融機関の協力を得まして編み出したのでございまして、国としてこれを負担するということは、政治的に考えれば、もちろん気持ちの上では何とかしたいという気持ちでございますけれども、制度的に不可能なんでございまして、どうか同じ気持ちで考え出し、また協力を各機関に求めて出てきた結論がこういうことであるということで、ひとつ御了承いただきたいと思います。
#30
○原田立君 それは絶対了承しないですね、そんな話は。それは実際問題としてやめていく人たちの立場にも立ってもらいたいんです。現在の法律でそんな処置はできないといったって、それはそうかもしれない。だけれども、実際にやめていく人たちがこれから新天地を開拓していく、そういう人たちはお金がなきゃ動けないんです。そのお金をもらうのが四カ月半も五カ月もかかったんでは何にもならないんです。いいですね。だからそこで四十万を限度として金を借りる、そのときに約六千円か一万円の利息を払わなきゃならない、そういうようなことでなしに、そこは何らかの処置を講じられないものだろうか。くどいようですが、これは最後にお聞きしたいと思います。
#31
○政府委員(中川理一郎君) いまのような離職者につきましては、全体的な制度といたしましては、いま先生お話のありました他地区への移動等等につきましては、移住手当その他の制度は前々からあるわけでございます。その上に、なお本人が退職金というものをもらえると思っている以上、人情としては一刻も早くもらいたいだろうというお気持ちに対して差し上げる方法を検討した上での措置でございまして、制度全体ということになれば、その金がなければ一切動けないというようなことでは私はないと考えておりますので、そこは先生の御同情はよくわかるわけでございますけれども、それほどこの退職金なしには一切がっさい動けないというような状況に実態があるかないかということになりますと、それはだいぶ違うのじゃないかと私どもは考えております。
#32
○原田立君 それは局長、認識不足ですよ。まあここであなたと議論してもしようがないからもうしないけれども、要するにだめだというような御回答のようです。だけれども、これは私たまたま今回初めてのケースで明治鉱業西杵鉱の退職の人たちの話を聞いたわけです。今後閉山する山がこれからも続々というか、ある程度たくさんあるのじゃないかと思うのです。そのときにこれはいつも起きる問題だと思うのです。ひとつせっかく努力してもらいたいと思います。局長の答弁は私どうも基本的にこれは納得しがたい。
 それから別な問題でありますけれども、組夫の人たちも閉山ときまったあと何ら補償されることなく、約三十人くらいいたそうですけれども、他の山へ移って行った、こういう事実がありますけれども、こういう組夫の人たちに対しての処置はどうなっておりますか。
#33
○政府委員(長橋尚君) 組夫につきましては、炭鉱事業主が直接雇用している立場にないわけでございます。しかしやはり一斉解雇の際に直用労務者と同じように山を去っていくというような状況下で、それが採炭現場の平和を乱すことのないように配慮すべきである、かような考え方に立ちまして、炭鉱の事業主に対しまして、たとえば一般の直用労務者に出ます合理化事業団からの離職金相当のものを手当てするように、政府といたしましては金融面の裏づけも持ちまして措置いたしたわけでございます。
#34
○原田立君 実際問題どうなっているかということですね、いまお聞きしている点は。資料が手元にないということで、その程度の返事くらいしか返ってこないと思うのですが、実際問題として何ら補償されずに約三十人くらい去ったということを聞いております。こういうふうなことは、これまた何度もくどいようでありますけれども、どこの山でも組夫というものはたくさん雇っているわけですから、あるのではないかと心配するわけです。だから組夫の人たちに対してはどういうふうにはっきりするのか、それをいまここではっきり言っておいてもらいたい。それから実際問題として、こういうようなことが何ら補償されずに他へ移らなければならないというようなことがないように厳重に注意してもらいたい、こうぼくは思うのです。第一項のほうのお答えを願いたい。
#35
○政府委員(長橋尚君) ただいま御指摘の事態につきましては、十分調査をいたしたいと思いますが、組夫の取り扱いにつきましては、これは石炭鉱業合理化臨時措置法におきまして規制が加えられているわけでございまして、臨時的な業務に一定期間人数を限って使用することをケースバイケースでチェックして認める規定が設けられているわけでございます。そうして先ほど申しましたように、事業主の直用労務者でないわけでございまして、閉山に際しての取り扱いも従来から異なってまいっているわけでございます。そういったたてまえに立ちまして、今回閉山を決意いたしました企業が、従来のそういうたてまえのもとで組夫の整理については計画を立て善処いたしたわけでございまして、ただいま御指摘の点につきましては、今回の一斉解雇に際して、山元の平和を乱すことのないような事実上の措置を講じた次第でございます。今後につきましても、組夫制度の取り扱いにつきましては十分検討をいたしたいと思っておりますけれども、たてまえといたしまして、直轄労務者と同じ扱いということは非常にむずかしい問題でございます。
#36
○原田立君 さっぱりよくわからないのですな、お答えが。たてまえとしては直轄労務者と同じものにはならない、それじゃどうなさるのですか。
#37
○政府委員(中川理一郎君) 組夫と申しますものは、ある雇用主との契約に基づいて、そしてその雇用主が今度石炭会社との契約で石炭鉱業内の特定分野の仕事を請け負っておる、こういうことでございます。したがって、その石炭会社がなくなりましても、通常の場合はこの雇用主はほかに仕事がないわけではない。したがって組夫の仕事はないわけではない。これは一般の土建業の下請関係その他と全く同じでございます。したがってこれらのものについては、会社がなくなれば直ちに職を失うことになるという石炭鉱業の従業員というものとはやはり法律的にも実態的にも相当違っておる。したがって扱いとしても異なっておるわけでございます。ただ、特別の技術、立て坑の掘進でございますとか特殊な技術を持っておって、それがために組を使わざるを得ない、何々建設といわれているものを使わざるを得ないという実態は、いま私が申しましたような事柄にぴったりなんでございますけれども、中には、一部そういう特別のものではなくて、労働力不足の状況をただ変則的に組を使っておるという実態が、ある面におきましては残念ながらあるわけでございます。したがって、実際問題として何か配慮をせざるを得まいという感じが今回の明治鉱業、杵島炭鉱の場合に私どももいたしたわけでございまして、組の仕事がすぐ見つかるのか見つからぬのかという判定は、なかなか事実問題として困難ではございますけれども、一定期間当該山で働いた組夫の方にも何らかの実際上の措置がとれるようにということで金融措置を当該会社に講じまして、実態的には一カ月分の賃金に相当するものを会社側から支給させるような手だてを講じたのでございまして、そのことは実際行なわれておるはずでございます。いま私どもとしてやれるのはそれが限界でございまして、今後の問題といたしましては、組夫制度、組の制度というものそのものを石炭鉱業の場合にどう考えるか、うんと規制をいたしまして、これを使わせないということであれば、いまのような問題は出てこないわけでございます。実態上事柄によりましてはやはり組の存在理由、この組夫の使用の理由というものもありますので、これらのことを考えあわせまして、今後の問題としては、私どもも組夫制度全体につきまして再検討いたしたいという気持ちは持っておりますが、当面の問題としましては、ただいま申しましたように、二社の関係につきましては、経過金融措置によりまして一カ月分の賃金相当額を離職金と申しますか、お見舞金と申しますか、そういう形で会社側から交付をさせておるはずでございます。
#38
○原田立君 別問題でありますけれども、学校問題ですが、過日の当委員会でも藤原委員から高校生の転入学のことについて、実際に転入学ができないのでたいへん困っているという実情を御質問したことがあります。私も同じような問題でお聞きしたいと思うのですが、重複を避けてお聞きしたいと思うのは、当委員会で提起したその高校生の転入学のことについて、当局のほうから文部省のほうに何らかの努力はなされたのだろうと思うが、どういうような努力をなされたか、またどうしても転入学等はむずかしくてできないのか、あるいはできるような便法は講じられたのか、講じられつつあるのか、その見通し、これらを全部まとめてお教え願いたいと思います。
#39
○政府委員(長橋尚君) 文部省に対しましては、産炭地の教育問題につきまして、通産省といたしましても協力を随時要請しているわけでございます。ただいま御指摘の問題につきましては、恐縮ですが、ちょっと私いま経過をつまびらかにいたしておりませんので、あらためまして至急その経緯を明らかにいたしまして、御報告申し上げたいと思います。
#40
○原田立君 次官どうですか。この高校問題ですが、小中学校の転入学は簡単にできるわけです。高校生の場合はできないわけです。年ごろの子供を学校を卒業させたいと思うと、そこに置いていかなければならない。現在不良化がたいへん問題になるときなんですけれども、これは当委員会で前回指摘したはずなんです。次官も御承知のはずだと思うのですけれども、こういう炭鉱閉山によってどうしても転職しなければならないそういう人たちの子弟、高校生ですね、特に高校生、これが転入学できるように御努力なさったのだろうと思うけれども、結論はどういうようになっているか、お伺いしたい。
#41
○政府委員(植木光教君) 藤原委員の御質問の際に、私おりあしく当委員会には出席いたしておりませんでした。したがいまして、実は率直に申しまして、ただいま初めてこの問題を知ったわけでございますが、仰せのとおり青少年問題が大切なときでありますし、特に閉山その他によって職場を離れていくというまことに家族にとってもお気の毒な中で、高校生の感じやすい年ごろの人々がその巻き添えを受けるというのは、まことに気の毒なことでありますし、そうあってはならないと思います。さっそくいままでの経緯をよく調査いたしまして、文部省その他関係機関と強い折衝をいたしたいと思います。先ほど申し上げましたように率直に申しまして、ただいま初めて知りましたような状況でありますので、直ちに早急な対策をとりたいと思います。
#42
○原田立君 まあ転入学ができるように努力するというお話で、それ以上お聞きしても無理だと思いますから、ひとつ十分努力願いたいと思う。この問題をほんとうに当委員会でやったのですよ。次官はいなかったので初めてということなんだけれども、関係者から報告があってしかるべきだと思う。まあそこら辺どうのこうの言ってもしょうがないですけれども、ほんとうに重要な問題ですから、ひとつ何らか転入学できるように早急にひとつ手だてをしてもらいたいと思う。というのは、閉山はもう始まっているんですから、これから一、ニカ月のうちにおいてどんどん動かさなければいけないんです。当面実際にこの問題はすぐぶち当たる問題なんですから、よろしくお願いしたいと思います。
 それではこのぐらいで閉山によるその後の処置、経過はどんなふうになっているかということについての質問は終わって、次に移りたいと思いますが、委員長よろしいですか。
#43
○委員長(阿具根登君) どうぞ。
#44
○原田立君 次に、福岡県の田川郡金田町において例の水道代の未払い問題というのがあって、当時の新聞でたいへんにぎにぎしく報道されているわけでありますが、私はここでこの問題を取り上げるに際して、三菱鉱業がどうで吉田鉱業がどうである、そういうふうなことを私は申し上げるんじゃない。かつて当委員会でこれまた小野委員のほうからこの問題の質問があり、答弁があったわけでありますが、あの金田町地域の人たちが水道を、水を欲する。そのときに、当然水道で水を取れば代金払うのは、水道代払うのはぼくは当然のことだと思う。ところが、実際問題として不払い問題がある、これは現地の人たちの意見を言えば、石炭をとったので水がなくなっちゃったんだ、だから国民の被害者に対して加害者である国は何らかの処置を講じてもらわなければならないんじゃないかということを強く言っておりました。それでこの水の問題、水道の問題と、この次に鉱害問題のことを取り上げたいと思うのでありますが、まず水の問題について、この金田町のその後の経過、それから今後の見通し等はどういうふうに進んでいるか、御説明願いたいと思います。
#45
○説明員(佐々木茂行君) 金田町の水道の問題につきましては、過去いろいろと御説明申し上げたのでございますが、水道の問題につきましては、一昨年通産局のほうであっせんを考えましたときに、三菱鉱業が鉱害を認めるということではなくて、三菱鉱業がいわば協力費的なものといたしまして、金田町に対して約二千五百万円程度のものを出すというような線であっせんが進められておったわけでございます。しかしながら残念なことに、その後被害者の一部の方々から三菱鉱業の鉱害を認めろというようなお話があったりいたしまして、そういうこともございまして、三菱鉱業としては町が一本になって、そこで全体の結末をつけるという意味合いであっせんに乗ってきておったんですが、そうした事情がかなり違ってきたということから、現在は従来行なわれました話し合いが行き詰まっているというのが実情でございます。したがいまして、私どもといたしましては、その話し合いの場になるべく早く戻したいというふうに考えておりますので、でき得べくんば今後町が一本化していただくということになれば、われわれのほうでも再びあっせんをやるということが可能ではないかと思います。残念ながらいまのところそういう実情でございますので、一本化のほうの努力もまちまして、しばらく静観をしているというような実情でございます。
#46
○原田立君 静観というけど、もうたいへん長いことかかっているんですよ、この問題。あまり静観――二年先になっても五年先になっても十年先になっても静観は静観なんですから。そんなことをしていたんじゃ行政はつとまらないと思うんです。それで現地の声を聞いてみますと、一本化の方向にいま向きつつある、そういうふうなことを言っておりました。で一本化の方向に向けば、一本化すれば取り上げるということのように課長の答弁はなっておりますけれども、不幸にして一本化できないで、たとえば大部分のものがこれによってまとまるようにしよう、こんなふうな方向に向いたときに、早くこの問題を解決のために処置なさるお気持ちはおありになるのか。
#47
○説明員(佐々木茂行君) 先生御指摘のとおり、この問題はいつまでも放置しておいてよいと思っておるわけでは毛頭ございません。したがいまして、われわれといたしましてもあっせんの努力は絶えず続けなきゃいかぬと思っておるものでございますが、先生御承知のとおり、この金田地区につきましては、三つほどの被害者の方々の系統と申しますか何と申しますか、グループと申しますかのようなものがございますので、その一つだけで個別に解決をするということは、現在の時点では非常に困難ではなかろうかというふうにも感じておる次第でございます。
#48
○原田立君 現状をどういうふうに掌握なさっておられるのですか、あなたのほうで。
#49
○説明員(佐々木茂行君) 金田の町につきましては、一区、二区、三区、四区、五区とあるわけでございますが、特にその三菱との関係で、先ほど申し上げました三菱鉱業の鉱害責任の問題を強く主張されたのは三区の方々であるわけでありますが、三区の被害者組合というのがあったんでございますが、聞くところによりますと、最近金田町の鉱害被害者組合というものができたそうでございます。ただし、その組合にいたしましても、金田町の三区の方々と、それから西金田の一部の方々が入っておられるというふうに聞いておりますので、金田町全体の問題としては、また別に二区あるいは一区の大部分、四区、五区の問題もあるわけでございますから、金田町鉱害被害者組合だけで金田町全体の問題ということにするには非常にむずかしいのではなかろうかというふうに感じております。
#50
○原田立君 この隣の町の小竹町とかあるいはまた方城町でもこの水の問題は現在解決したというようなことを聞きましたけれども、どんなふうに解決したか、もし御承知であれば御説明願いたい。
#51
○説明員(佐々木茂行君) 御指摘のございました金田町近辺の小竹町及び方城町でございますが、方城町の問題につきましては、これはやはり三菱鉱業でございますが、弁城上水道というのが災害復旧でつくられておりまして、その打ち切りにつきましては、水道の基本料金の三年間の相当分というものを各戸に打ち切り賠償していくというふうに聞いております。その場合、井戸のあった者には一戸三万五千円、井戸のない者には一戸一万五千円を基準としたようでございます。それで賠償の総額は約一千万円と聞いております。それから小竹町のほうでございますが、小竹町の古河の田川炭鉱の関係でございますが、これにつきましては、まだ最終的に終わったわけではないのですが、実質的にほぼ片がついている、話し合いがついているそうでございまして、水道の基本料金の五年間相当分として一戸当たり二万三千円、それから小竹町に別途二百十万円を支払うという内容であると聞いております。総額は約千四百万程度というふうに聞いております。
#52
○原田立君 いまの件をあとで、できましたら資料でもらいたいと思うのですけれども、いまの説明の分ですね。
 この金田町の人たちも隣の小竹町あるいは方城町で解決したようなそんなような方向で解決してくれればいいんだというような意向もちらっと漏らしておりました。だから、そういう面でいけば、何らか解決の曙光は見えたのではないだろうか、こう思うのですよ。まあ、そこで先ほどの課長の答弁なんだけれども、目下のところ現在静観中だなんて言わないで、そこら辺の事情等をもう少し勘案して、早く早期に解決するような方向に十分努力してもらいたい、こう思うのですけれども、どうですか。
#53
○説明員(佐々木茂行君) 静観と申し上げましたが、ちょっとことばが悪かったと思うのでございますので訂正をさせていただきたいと思いますが、もちろんわれわれとしても努力を続けてまいりますし、なるべく早く解決できるように努力していきたいと思っております。
 なお、先ほど参考までに申し上げました方城町と小竹町の補償の問題でございますが、この場合には、三菱にいたしましても古河にいたしましても、自分の鉱害であるということを認めておりまして、鉱害を認めたという前提で話を進めましたので、かなり円滑にいったわけであります。この場合も基本料金に見合うものを各戸別に打ち切り賠償をいたしているわけですが、総額といたしましては千万円あるいは千四、五百万円という数字でございますので、先ほど私が申し上げました、かつてあっせんの線によります、まあ名前は賠償ではございませんけれども、三菱が協力費として出してもいいんではないかという意味で二千五百万円という数字がかつてあったわけでありますが、この数字の二千五百万円と千万円、千五百万円というもののバランスがどうかということをまだはっきり調べておりませんが、まあ大体の見合いとしてはそうおかしくない数字ではないかという気持ちがしております。
#54
○原田立君 水の問題、鉱害問題、まあみんな同じことですけれども、あそこの現地に行ってきましたけれども、土地が陥没していて、たいへん気の毒に思いました。またすでに鉱害と認定になって、家の持ち上げですね、これをやっているのも見てきました。それからまたあそこの線路わきのところの道路の改造、コンクリート打ちで改造しているのも見てきました。ところが、コンクリートを打って道路を盛り上げることはやっているのだけれども、肝心の家のほうが上がっていない。だから、あれはしろうと目で見ても、もし大雨がちょっと降ればもう家の中は水浸し、一番ひどいところで約一・二〇メートル下がっておりました。こんなところなんかはどうしたんだ、早く鉱害認定にならないのかと言ったら、まだそこまでは話はいっていないということで、やはりたいへん心配いたしておりました。私も現実に現場を見て、これでは大雨が降ったときにはたいへんだなということを直観的に思ってきた。道路は下がれば土盛りを重ねていってちゃんと普通どおりのものにしようと、ところが家のほうだけは上がっていないところがまだたくさんありまして、そこがたいへん苦慮しておる。そこで町当局がその道路の改造、道路を改修するにあたって、何といいますか、もし陥没しなければこのような線だとすると、家のほうは陥没した時点の低いところに置いて、それで道路だけを舗装しようとしておる。そういうことでたいへん現地の人は強い不満を持っておりました。これらは現実に家を引き上げるなり、そういう処置が講じられなければいけないのじゃないかと思うのですけれども、これもやはり鉱害認定のほうが先になるんじゃないかと思うのです。あの金田町のほうの状況等を含めて、こういうことについてどういうふうになっているか、御説明を願いたいと思います。
#55
○説明員(佐々木茂行君) 私ども復旧いたします場合、特に道路を復旧いたします場合には、その道路沿いの家というものはなるべく一緒にかさ上げをするように指導をしておるわけでございますが、まあ場合によってはそれだけ道路も上げ、家も上げるだけ道幅が狭かったりして、トラックが入らないというそういういろいろな事情がありまして、家が取り残されるようなケースもままあるわけでございますが、御指摘の場所がどこであるかわかりませんが、金田町全体として申し上げますと、金田町におきます家屋の復旧につきましては、今日まで毎年復旧を実施してきておりますが、昭和四十二年度の実績で申しますと、六十八戸を復旧いたしまして、約七千八百万の復旧費で復旧いたしております。それから昭和四十三年度におきましては六十七戸を復旧いたしまして、約九千九百万の復旧をいたしておりますので、今年度におきましても前年度と同程度の復旧はしなければいけないと、このように考えております。
#56
○原田立君 どうもちょっとわからないのですけれどもね、お答えが。この私が見た家は中島さんという家なんです。線路わきのところにある家ですが、その道路の改修をやはりやっております。道路が低いものだからコンクリートを両わきにぐっと盛り上げて、そしてそのあとへ土を入れようというわけなんです。中島さんの家の、これはきたない話ですけれども、裏のほうに便所のくみ取り口があるのですが、ここのところを約半分ぐらいコンクリートがふさいでしまっておるんですね。結局そこのところはほんのわずかの約三十センチくらいの陥没にように見受けてきたわけです。現地の人たちは、そういう家の落っこっている、沈んでいるのを上げるほうがまず先じゃないか、それを先にやらないで道路のほうの改修を先にやっておる。したがって雨の降った場合に水がはんらんして困ると、単純な考え方です。ぼくはなるほどと思って聞いてきたんですが、だから一日も早く鉱害認定をし、その総合行政といいますか、そういう計画案をはっきりさして、現地の人たちが不満を持たないように、どうせ同じ金をかけるのですから、だからもっと処置しなければいけないのじゃないか。こういうふうに思っていま質問しているわけなんですけれども、この問題の解決について、現在先ほどの水の問題と同じように一木化工作が進んでいるということでありました。まあどのくらいの速度で解決されていくのか、それは私もよくわからないけれども、あなたのほうで、この金田町の鉱害問題解決の方途としてどういうことをやれば、どういう条件がそろえばもっと早く復旧するように努力するという、それがあったらば端的におっしゃっていただきたいと思います。
#57
○説明員(佐々木茂行君) 金田町の鉱害の全体の問題と、御指摘の三菱の問題とあるわけでございますが、全体の問題といたしましては、私が先ほど申し上げましたように、家屋につきましても一億円近い復旧がされておりますので、そういったすでにもう鉱害の認定が済んでいる問題につきましては、まあ被害者の方々から見れば十分な予算とは言い切れないかもしれませんが、まあ従来どおりの復旧規模で復旧を促進していくということに相なろうかと思います。それで三菱関係のほうの問題につきましては、私申し上げましたように、三区あるいは三区近辺だけの問題として片をつけるということが非常にむずかしい状態にございますので、でき得べくんば、金田町のほかの地区、三区のみならず一区、二区、四区、五区といったような方々と全体で接触をするというような場ができ上がりましたならば、相当話し合いも進んでいくのではないかと思っておる次第でございます。
#58
○委員長(阿具根登君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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