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1968/06/25 第61回国会 参議院 参議院会議録情報 第061回国会 石炭対策特別委員会 第15号
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1968/06/25 第61回国会 参議院

参議院会議録情報 第061回国会 石炭対策特別委員会 第15号

#1
第061回国会 石炭対策特別委員会 第15号
昭和四十四年六月二十五日(水曜日)
   午前十時三十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松井  誠君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                川上 為治君
                小野  明君
                藤原 房雄君
    委 員
                石原幹市郎君
                剱木 亨弘君
                徳永 正利君
                西田 信一君
                吉武 恵市君
                米田 正文君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        植木 光教君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     中川理一郎君
       通商産業省鉱山
       石炭局石炭部長  長橋  尚君
       通商産業省鉱山
       保安局長     橋本 徳男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       警察庁警備局警
       備課長      丸山  昂君
       通商産業省鉱山
       石炭局計画課長  佐藤淳一郎君
       通商産業省鉱山
       石炭局産炭地域
       振興課長     真野  温君
       建設省住宅局市
       街地建築課長   高瀬 三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の石炭対策樹立に関する調査
 (当面の石炭対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松井誠君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○小野明君 先般三井三池に参りまして、六月の十八日に大量二十一名の労働者が逮捕をされたという事件を調べてまいったのでありますが、そういった中で若干の問題点がありますので、お尋ねをいたしておきたいと思います。
 まず、警備課長に伺いますが、二十一名の大量逮捕を十八日にやった。そしてこの事件の発端になりましたのが、四月の二十八日に繰り込みに関するトラブルがありまして、そうして労使間では大体この問題についてケリがついておった。それを解雇された二名を一カ月以上たちました時点で逮捕した。これが発端なんであります。そこで鉱長室すわり込みというような異常な事態を招いたのでありますが、その発端がこの二名の逮捕ということから出てまいった。これが原因でありますし、この点で問題があるように私は考えるのであります。この間のこの二名の逮捕というものをやらなければならなかったものであるかどうか、この間の事情を説明していただきたいと思います。
#4
○説明員(丸山昂君) ただいまの御指摘の事件でございますが、これは本年の四月二十八日に、ただいま先生御指摘のように繰り込みの作業に関連いたしまして、職員が繰り込みに入ります者から暴行を受けたという事案でございまして、やや詳しく申し上げますと、四月の二十八日の午前八時ごろ出勤の確認をやっておりました職員が点呼をいたしましたところが、点呼に返事をしなかったということで繰り込み就労を拒否をいたしたわけです。そこでその職員を二十数人で取り囲みまして、いわゆる洗たくデモにかけておるというかっこうで職員への暴行が行なわれた。それからこの職員を救出しようといたしました者に対しましても、さらに暴行が行なわれたというような事案でございます。
 警察といたしましては、所轄の署員がちょうどこの日の昼近くに鉱業所に参りました。その用事は、さきに三月十六日に正門付近で集団暴行事案が発生しておるわけでございまして、それについての調査のために訪れたわけでございます。このときに会社側からこの事案の発生について話がございました。また別途電話で鉱業所の総務第一課から連絡がございまして、この事案の発生について申告があったわけでございます。そういうことで関係者その他から事情を聴取いたしまして、その結果、被疑者二人が特定され、他の二人につきましては一応任意に調べておりますが、この特定されました二人について裁判官の令状の発行を得まして、六月の九日に強制捜査に踏み切ったというような事情でございます。
#5
○小野明君 これは労政になるか、あるいは保安局になるか、ちょっと私も見当がつきかねるのでありますが、三池の場合に入坑の際に点呼がある、その点呼に一々返事をしなければならない、こういうような慣行はなかったというように私は聞いておるのです。ただ繰り込み場に行って札を落としさえずれば、大体着到ということで入坑を従来許しておる。これが最近になりまして、必ず点呼の際に一々返事をしないと着到と認めず入坑を拒否する、こういうことがはたして妥当であるかどうか、この辺の事情がおわかりでしたら、ひとつ御説明をいただきたいと思うのです。
#6
○政府委員(橋本徳男君) 繰り込みの際のいろいろなしきたりは、会社によって必ずしも一律ではないというように聞いております。したがいまして、どういう方法でやるかというところまで、われわれのほうでは特に規制をしてございませんので、ただ、だれが入坑したかということが確認できるような方法でありさえすればよろしいというふうに現在指導をしております。したがいまして、特にどういう方法でしなければならないというあれは、きまった形はないというふうに承知しております。
#7
○小野明君 警備課長、いま保安局長が言われますように、従来も三池の場合は氏名札がありまして、これを八時半なら八時半前に入って氏名札を落としておけば着到と認められた。これを一々大ぜいの入坑者ですから点呼等をやって、返事をしない、そのことによって入坑拒否、この辺に会社側のきびしい何といいますか、処置のしかたというものがきびし過ぎるように私は思うわけです。こういうことで労働者も腹を立てるのは当然である。こういった慣行については、やはりこれは会社自身にもあり方については是正をしてもらうように、保安局長ひとつ御注意をいただきたい。同時に、この際に若干の入坑拒否をやられたもんですからトラブルがあった。まあ二十名程度が六メーターぐらいのところで多少もめ合った。ところが、会社側の職制の人たちもそれを見て三十名ぐらい押しかけてきて、そこで二十名対三十名でトラブルがあったわけです。その際のまあけがといいますのは、三池の組合側にも四名ほど出ているわけです。それであながち会社のほうの係員なり係長がただ単にけがをした、会社側だけのけがではなかったわけですね、事実は。それにこの問題についてはそういう事件、まあいわば軽いと言ってはなんですが、その程度の事件でありますから、その後の団体交渉の中では、労使の間で双方問題にすまいではないかというふうな紳士協定ができた。しかしそういう協定なんというのは、刑法から言えば問題ないのだと言えばそれまでの話ですけれども、労使間の話がそこまできておるわけですね。それに聞き込みかなんか知りませんが、現地の県警に言わせますと、通報があったと、こういうお話であるし、いま課長もそういうふうに言われたんですけれども、この調査に当たりまして調べておりますのが、三池労組側の被害者については全然調査をしておらぬわけですね。事情を聞いておらぬ。四人けががありますのに事情を聞いておりません。で、会社側の人たちだけにしぼっていろんな事情聴取をしておる。そして最終的に二名の逮捕に傍証を固めて踏み切った。こういう捜査のあり方をおやりになっておるんですが、私から見ますと、どうも一方的な取り調べになっておるんではないか、片手落ちではないかという点を指摘しなければなりませんし、労使間における話し合いというものがそこまでいっておるのに、寝た子を起こすといいますか、そういった警備警察のあり方という点にも問題がなきにしもあらずと思うのですが、この辺はいま少しひとつ御見解をいただきたいと思います。
#8
○説明員(丸山昂君) 私どもいま受けております報告によりますと、ただいまの現場のトラブルの際に、会社側の職員が全治一週間あるいは十日というけがをしておるということで捜査を継続しました結果、先ほど申し上げましたようなことで、そのうちの特定された二人について裁判所からの令状発行を得まして、強制捜査をしたわけでございますが、組合側のほうでけがをしておるというお話につきましては、実は私どもいま初めてお聞きしたような次第でございます。もちろんこれがはっきりいたしますれば、当然捜査が進められるべきものというふうに存じておるわけでございますが、申し上げるまでもなく警察といたしましては、特に労働運動については、労働争議に関係いたします問題については、暴力行為等明らかに一般の刑罰法令に該当するようなものについては取り締まってまいるという基本方針でやっておりますので、もしそのような実態がはっきりしておれば、当然福岡県警でも捜査に着手した、また進めておるというふうに考えるわけでございますが、ただいままでのところ、そのような報告に私ども接しておらない実情にあるわけでございます。
#9
○政府委員(橋本徳男君) 小野先生の先ほどの入坑者の確認の方法につきまして、私どものほうで画一的にこういう方法によれということはできないかと思いますが、この山におきましていかなる方法がとられておる、それがまた非常に問題があるかどうかという点につきましてはさらに調査し、こういった点につきましては、広い意味におきまする保安の一環とも考えられますので、それぞれの山の保安委員会等におきまして、労使ともに納得のいくような方法で定められるように指導してまいりたいと思っております。なお、行き過ぎる点がありますれば、さらにそういった保安委員会等において修正するように会社のほうにも話をしたい、かように考えております。
#10
○小野明君 保安局長のほうは至急に取り調べをいただいて、そのようにひとつ御処置をいただきたいと思います。
 それから警備課長ですね、その間の事情については十分お調べがあっておると思うのですが、四月二十八日に起こりました事件はいま申し上げたような事情である。しかも、これはどちらかといえば警察のほうの問題ではなくて、多分にこの労使間の問題、紛争という性格を持っておると思うのですね。そうした場合に、一カ月以上たちました六月九日になってこの二人を、聞けば十日間の診断書というのですが、逮捕をしなければならなかったものかどうかですね。これはもちろん住所が不定でもなければ、証拠隠滅というようなおそれも私はこの際はないのではないか。その際に、この二人を逮捕したがゆえにこれだけ大きな問題に発展をしたということになりますと、どうもやっぱり警察の行き過ぎではないか、逮捕する必要はないのではないか、こういう気がしてならぬわけです。なぜ逮捕をしなければならなかったかという事情をいま少し説明いただきたいと思うのです。
#11
○説明員(丸山昂君) 四月二十八日の事件は、先ほど概略申し上げましたように個人個人の間で発生いたしました事案ではございませんで、集団で行なわれた不法事案であったということでございまして、いわゆる現場共謀というようなことも当然考えられる事案でございますので、いわゆる共謀、通謀その他証拠隠滅のおそれがあるということで、通常この種の事案については強制捜査で処理するということが一般的なやり方ということになっておるわけでございます。
#12
○小野明君 非常に形式的な御答弁なんですけれども、そこで私が申し上げたいのは、この事件が警察が逮捕をしたということによってああいう遺憾なおもしろくない状態になった、いわばそのことによって、こういう事態になるんだということが警察のほうで十分予想されておったんではないか、その上でそういうことをやっていくんだというふうな憶測さえも起こりかねない。そうすると、この事案については何としてもいま少し事情を十分やはり勘案をした上で、しかも捜査のやり方というのが一方的で、三池労組の側は全然調査をしてない、その間の事情については説明を聞いていない。会社側の人ばかり事情を聞いているという捜査のやり方からもあわせてみて、私のほうに手落ちはございませんという御答弁では、私は問題があると思うのです。その点をもう少し明確なお答えをいただきたいと思うのです。
#13
○説明員(丸山昂君) 強制捜査の結果が労働争議にどういう影響を及ぼすかという点についての配慮を当然すべきであるという先生の御趣旨かと思いますが、当然犯罪捜査についてはその辺の二次的な影響という点についても十分考えながら進めるべきものであるというふうに私ども考えております。今回この結果が直接あとの問題に影響をいたしたといわれておるのでございますが、当初において捜査当局がその辺の見通しをはっきりつけられたかどうかという点については、なかなか現地の捜査着手の時点において十分でき得たかどうかという点につきましては、なかなか困難な問題だと思うのでございます。また、この被疑者の強制捜査に踏み切りました理由は、先ほど私申し上げましたように、通謀その他のおそれということも申し上げました。現実に取り調べの状況を見ますと、人定事項あるいは身上関係についてはおおむね供述をしておりますけれども、事実関係についてはほとんど黙否をしておるというような状況でございまして、結果的に見ましても、やはり強制捜査の必要性があったのではないかというふうに判断されるわけでございます。
#14
○小野明君 この二人はそれでいつ釈放されたわけですか。
#15
○説明員(丸山昂君) はっきりした日にちはわかっておりませんが、六月十一日ごろに釈放になっております。
#16
○小野明君 そういたしますと、警察勾留の時間だけぐらいですね。しかも内容は人定事項、事実関係は否認、こういうことになりますと、かっこうだけ警察がつけた、逮捕したことだけで目的は達したのだ、こういうふうに受け取られてもしかたがないのじゃないかと思うのです。この点はいかがですか。
#17
○説明員(丸山昂君) 結局釈放は、検察庁の段階になりましてから勾留請求を行ないまして、勾留が認められなかったということでございまして、これは裁判官の判断によるということになりますので、私どもといたしましては、やはりただいままで申し上げましたような事情で強制捜査の必要性はあったというふうに判断をしておるわけでございます。
#18
○小野明君 次の問題ですが、六月十八日の警察の実力行使ですが、これで二十一名というのは非常に従来の例から見ましても大量逮捕だ。別に意図があるのではないかということが私ども考えられるのですが、この逮捕の際も、一応会社側から入れておりました七名が首実検をやって、これだこれだというふうに警察に指示した。それによって警察が逮捕していった。こういう事実があるわけですが、それでなくてさえ会社側の味方をするという印象があるのに対しまして、この六月十八日の際も警察と会社側が協力してそういった首実検をやりながら逮捕していった。これも非常に疑惑を招いておる一つなんであります。そういったことが事実あったのかどうか。あるいはそのことについてどういうお考えをお持ちであるのか、その辺を伺っておきます。
#19
○説明員(丸山昂君) ただいま先生御指摘の会社側の職員が首実検をして、それで逮捕しておるという事情については、私どもそういう事実があったというふうに聞いておりません。結局今度逮捕になりました二十一名のうちの大部分は組合の役職づきの方々と、結果的にはそういうことになったわけでございますが、問題の事件は十七日にあったわけでございますが、十七日問題の鉱業所の所長室を含めました建物の中にバリケードその他を築きまして、所長室の中から廊下にかけてバリケードを築きまして、それで排除に参りました警察官に石とかあるいは牛乳びんを投げるというようなことで、警察官の負傷者も出ておるわけでございますが、この過程におきまして現場で指揮をしておりました者、あるいは自主的に実行行為を行なっておった者、これを逮捕いたしたわけでございます。その場合に、もちろん逮捕をする場合、警察官の現認によりまして逮捕しておるわけでございますが、その際第三者的な立場でこの事実を目撃しておる人々の意見もやはり事件を固める上においては証拠になるわけでございまして、そういった点では参考人供述ということでその意見を取り上げておるというような事実は若干あるかと存ずるわけでございます。
#20
○小野明君 この点も現地の県警に申し入れをした際にも、その事実は認めておるわけです。それは全員が不退去の事実があるんだから全員逮捕と、こういうこともできるんだが、そのうちからしぼってこれだけやったんですと、こういうふうなこともおっしゃっておるわけです。しかし、それはそれといたしましても、これは労使間の問題と私どもは考える。それに警察が介入をしてこられた。そういった見方も成り立つ上に、さらに会社側の七人の方がこれだこれだと、こういうふうに一々何といいますか、告げ口をして、そうして逮捕をさせている。警察もそれを無条件にまるのみにしてやっていくというようなやり方というのはいかがなものかと、こういうことを私は申し上げておるわけなんです。この点のひとつお考えをいただきたいと思います。
#21
○説明員(丸山昂君) まあ会社側の職員の目撃だけを証拠にということではないと私ども存ずるわけでございます。現に実力規制の部隊が入って、それに対する妨害が現認されておるわけでございますから、逮捕をいたします者は、逮捕いたします動機は、逮捕した警察官による不法行為の現認ということが主軸になっておると思うのでございます。その際先ほど申し上げましたように、目撃をしておる会社側の意見、証言というものも、当然これをささえるものになっているというふうに考えておるわけでございます。
#22
○小野明君 警察機動隊の方が入られて、あれがビンを投げた、あれがどうだと、こういうふうにいわば目星をつけると、だから会社側から言われることも一応参考にしながらと、こういうことなんですけれども、事実はそうでないんです。名前をはっきり言うわけですね、会社側の人が。名前をこれはだれだれか、これがだれかということで、あらかじめ警察のほうも逮捕者を予定しておったと、その幇助に会社側の七人を使ったと、こういうことなんです。これは一体どうなのかということをお尋ねしておるのです。
#23
○説明員(丸山昂君) これから公判にかかりますあれでございますので、ただいま詳しく御説明することは差し控えさしていただきたいと思いますが、個々の被疑者について見ますと、たとえばちょっと名前をあげることははばかりたいと思いますが、Aという被疑者につきましては、がんばろうということで労組員に対して指揮して、みずからも右手を上下にあげて指導しておるということでございますが、これは警察官の現認でございます。それから排除いたします警察官に対して笛を吹いてやじっておって、そうして石を投げるのを示唆しておるというようなことでございますが、これもやはり警察官の現認だということになっております。ただいま先生御指摘のような点については、補助的な証拠として使われているのじゃないかと思うのでありますが、一応制私服両方の警察官によります現認を主軸にして事件を固めておるというような実態でございます。
#24
○小野明君 その問題については、おっしゃることと事実と非常に相違があるということを申し上げて、時間もありませんから、次の問題にまいりますが、この逮捕された者の中に市会議員が一名おったわけですね。これは当日が大牟田の市議会の開会日であり、そうして代表質問を予定しておった議員なんです。蓮尾信治郎というのですが、われわれ国会議員の場合ですといろいろな、たとえば現行犯とかあるいはその他の場合を除いて不逮捕の特権がある。あるいは釈放については院の許諾が要るということは御承知のとおりなんです。それかといって刑事訴追をのがれられるかということは、これはいろいろ見解が分かれるところなんですが、それはそれといたしまして、市会議員ということ、したがってその労働組合の直接のリーダーではない、しかも当日大牟田市議会で質問が予定されておった男であります。そういたしますと、この逮捕にはやはり配慮というものがあってしかるべきではなかったか、こう考えるわけです。私どもなるほど不退去という現行犯であるならば、この点についての配慮が足りない。しかし逮捕したならば、早急にやはり釈放しまして、市議会に支障を来たさないようにするというのが私は当然ではなかろうかと、そうあるべきではなかろうかということで申し入れておるのですが、なかなか釈放にならない。聞きますと、昨日ぐらいですか、やっと釈放になりましたが、市議会はほとんど終わってしまったというようなことですが、この事件もやはり警察に一考を願わなければならぬ問題ではなかろうかと思うのですが、この点はいかがですか。
#25
○説明員(丸山昂君) 蓮尾市議の件であると思いますが、ただいま先生御指摘のように、逮捕の翌日市議会で代表質問が予定されておったということで、できるだけ早く釈放という御要求が現地のほうにまいっておったように承っております。現地といたしましても、できるだけ御要望の線に沿うよういろいろ努力をしておりますけれども、蓮尾市議が検挙されましたときの状況を簡単に申し上げますと、一番最後の逮捕現場になりました所長室の中の状況は、ロッカーで堅固にバリケードが築かれておりまして、そのバリケードのすき間から牛乳びんとか、いろいろ室内にありました電話機のバッテリーとか、そういうものを投げつけておったわけでございますが、蓮尾市議はヤッケ、ヘルメットを着用して、それから笛をやはり首にぶら下げておられました。それから地方政治局の赤腕章をつけてやっておられたということで、警察の現認によりましても明らかに指揮をするグループの中で活動をされておったということであったわけでございます。
 なお御参考までに申し上げますと、十九日に送致をいたしまして、二十日に地検からの勾留請求によりまして勾留がついておりますが、二十二日に準抗告して釈放になっておるわけでございます。警察の手のうちにありました際にはまだ十分事案の解明をするということができない段階でございましたので、結果的には地元からの御要望に応じられないということになったわけでございますが、趣旨といたしましては、ただいまお話もございましたように、地方議会の運営ということは重大な問題でございますので、十分その点については、たてまえとしては配慮をしていくという方針であるわけでございますが、本件につきましては、ただいま申し上げたような事情で結果的に御要望に応じられなかったということで、まことに遺憾なことであるというふうに存じているわけでございます。
#26
○小野明君 いまおっしゃられたのは、地方政治局の赤腕章を巻いておった、あるいはヘルメットをしておったというようなことで、いわば外形的なものでありまして、はたしてそういったリーダーをやっておられたのかどうかですね、その辺も明確でない。で、ここにおりましたのは蓮尾君だけではなくて、他に市会議員も何人かおられたわけですね。それがその場所で逮捕されたのは蓮尾君一人である。こういうことになりますと、おそらく他の者も同じようなかっこうをしておったのではないかと思うのですが、これも事前からのやはりねらいをつけて逮捕されたのではないか。同時にまた市議会の開会日である。そういった議員としての配慮というものが何らやはり考慮されておらなかったのではないか、こういう点を疑点として持たざるを得ないわけですね。その点について再度説明いただきたい。
#27
○説明員(丸山昂君) 蓮尾議員の被疑事実でございますが、警察から退去命令が出ましたときに、中で挑発に乗るな、がっちりすわり込んでくださいということで、現場で指揮されておる。これは警察官の現認でございますが、こういうのが出ておるわけでございます。それから会社側の職員からやはり具体的に現場で指導されたというような証言もあるわけでございます。あわせまして、外形的なことではございますが、先ほど申し上げましたような服装で、しかも笛を下げておられて、指導するグループの中におられたというようなことでございまして、ほかに逮捕をされておられません方々については、残念ながらそのはっきりした現認がなかったということでございまして、もし現認があれば、当然逮捕ということになっただろうというふうに考えるわけでございます。
#28
○阿具根登君 関連して。小野さんの質問に関連して一点だけ御質問申し上げたいと思うのですが、事件の発端になりました二人の逮捕の件について、通報によって逮捕されたのか、あるいは傷害罪という刑事事件によって逮捕されたのか、逮捕された理由は何なのか。それをまずお聞きしたいと思うのです。
#29
○説明員(丸山昂君) 最初の四月の二十八日の事案でございますが、この二人の方の罪名は暴力行為と傷害でございまして、ただいま先生からの御質問の通報があったからやったのか、あるいは具体的に事案があったから捜査をしたのかということでございますが、これはもちろん当方としてはそういう事案があったということを認知いたしまして捜査をした、こういうことでございます。
#30
○阿具根登君 そうだと思うのです。そうすれば、相手側の組合のほうも四人のけが人が出ておる、診断書もとっておる、これはなぜ逮捕されなかったのかですね。こういう傷害の場合、集団でもみ合った場合に、小野さんのほうからも質問があっておりましたが、いわゆる一方的の証言だけとって逮捕されたのが正しいのかどうか、なぜ相手側の証言もとらなかったのか、この点ですね。それからまた、その後相手側の傷害もわかっておるはずです。その後それはどういう調査をされたのか。そうなってまいりますと、通報も一つの原因であるかもしれないけれども、組合、会社双方でこれは刑事問題、警察問題としない、これはお互いもみ合ってわずかの擦過傷であって、警察の問題にしないということになった。しかし傷害ということを現認した以上逮捕せざるを得ないということが警察の態度だと思うのです。相手方もそういうけが人が出ておるならば、相手方も逮捕しなければならなかった、調査しなければならなかった、これは一体どうなのか、その点をお聞きした。
#31
○説明員(丸山昂君) 先ほども申し上げましたように、組合側の負傷につきましては、実は現在までのところ私どももその事実を承っておらないわけでございます。もちろん申告がありますれば、当然これは現地で捜査を開始しておったと思いますので、現在でもおそくはございませんので、直接被害者から申告をしていただければと思うわけでございます。私ども捜査については、もちろん片寄った捜査ということは絶対避けるということでやっておるわけでございますが、特に強制捜査の際には、私どもの捜査の疎明資料に基づいて第三者である裁判官が判断をして令状を発行されるわけでございまして、結果的には片手落ちのないものであるというふうに存じておるわけでございます。
#32
○阿具根登君 結果的に片手落ちのない裁判官の裁定だとおっしゃるけれども、裁判官に資料を提出し、その結論を要求されるのは警察です。一方はなぜ申告しなかったかといえば、会社とお互いにこの問題は申告しない、通報しない、警察問題としないという約束がされたわけだ。だから警察に申告されておらない。だから私は通報によって逮捕したかと聞いたわけです。ところが、通報によって逮捕したんじゃないんだ、傷害という現認のもとに逮捕したならば、片一方だけどうして傷害という現認をされたのか。だからこれを逮捕される場合に、相手がおって傷害が起きておるんですから、それも一対一でなくて多数ですから、だから反対側の意見もそのときに聴取されておったならば、反対側の傷害者もわかってきたでしょう。そこが片手落ちだと私言っておるわけなんです。それを裁判官の決定によるから片手落ちじゃないとおっしゃるのはおかしい。裁判官のほうに、組合側にも四人のけが人がありますが、これはいかがかということで、それは微々たるもので、これは逮捕の必要がないと、こうなってきたというならそれは別です。しかしそれは一切隠していて、申告がないから知らないとおっしゃるのは、調査しでないということです。調査しておればわかっておるはずです。一方は申告しないという約束があるから、いまでも申告しておらない。それが解雇の原因になっておりますから、今後の法廷闘争もありますので、これは申告しないんです。申告しないとするならば、そういう傷害の現認を警察がすべきなんです。そこに私は片手落ちがあったのではなかろうか。これが双方であったならば、今日二十一名の逮捕者が出るような事件にはならなかったろう、それが原因だからしつこく聞いたわけです。これだけで終わりますから、ひとつ回答願います。
#33
○説明員(丸山昂君) 先ほど私申し上げましたのは、会社側の通報が端緒になりまして、その後当方でいろいろ捜査を進めました結果、この不法事案がはっきりいたしました結果、強制捜査をしたということでございまして、この四月二十八日の事件につきましては、警察官が現場にいて現認をしているという事実はございませんので、念のために申し上げておきたいと思います。で、ただいまの先生の御質問の御趣旨でございますが、会社側の一方的な証言だけを根拠にして事件を立て、組合側の問題については全然配慮してないではないかという御指摘であるかと思うのでございますが、できるだけ私ども公平に事件については証拠を固めてまいる、できるだけじゃございません、絶対にそういう方針でやっておるわけでございますが、この種の事案につきましては、必ずしも双方から十分な御協力を得られないという実態もあるわけでございまして、事件が成立するかいなかにつきましては、必ずしも一方的な言い方だけで当方がそれを取り上げておるわけではないわけでございます。限られた証拠の中で、できるだけ犯罪の実態を把握していくということが私どものつとめでございますので、そのような心がけで進めておるわけであります。また、結果的にも裁判官がそれをごらんになって強制捜査の必要あり、あるいはなしという判断をされるわけでございます。本件の場合には、裁判官が強制捜査の必要性を認められたわけで、結果的には片手落ちの捜査にはなっておらないというふうに考えるわけでございます。
#34
○小野明君 最後に警備課長に要望いたしておきたいと思うのですが、これだけ三百五十名の人がすわり込んで所長室を占拠したというのは非常に大きな事件なんです。それはもとはといえば二人の逮捕、この事件の内容はどうかといえば、十日間の診断書であるわけですね。十日間のけがといえば、今日お医者に行けばだれでもすぐ書いてくれる、こう言っては語弊がありますけれども、いわば軽微なものなんですね。これを逮捕することによって今回のような事件の原因をつくったということに私は非常に大きな問題があるように思うんです。労使間の問題だけに、この程度の問題をやるなら、ほかに市中に幾らでも問題がある。そういう問題を放置しながら、ここだけに重点的に逮捕に踏み切った。この点でいま少しこの事件に関して、あるいはこの種事件に関しては慎重な配慮をされて今後いかれるように。また、地方議員といえどもそういった市民のための議会でありますから、そういった問題についても十分な配慮をしていただくように要請をいたしたいと思うんです。最後にお尋ねしておきます。
#35
○説明員(丸山昂君) ただいまの先生の御趣旨、十分私ども特に労働争議に伴います不法事案の処理については、労働争議それ自体の推移を十分勘案してということでやっておりますので、今後もその方針で臨みたいと思っております。
 それから地方議会の問題につきましては、先ほど私御答弁申し上げましたように、その運営については十分その重要性を尊重してまいるということで臨んでまいりたいと思っております。ただ、先ほども申し上げましたように、捜査の推進ということに関連をいたしまして、場合によっては結果的に今回のような場合になるということも避けられないのではないかというふうに考えるわけでございます。できるだけ当方の捜査に差しつかえない限度において、その趣旨を生かしてまいるというふうに存ずるわけでございます。
#36
○小野明君 次官に最後にお尋ねなり要望をしておきますが、この三井三池といいますのは、普通の最近の炭鉱ですと、大体四十トンから五十トンの能率、この三池だけは百二十トンから百三十トンの能率であると思うんです。ですから、いまありますような保安基準というものがほとんど該当しないようなきびしい職場条件にあるわけですね。こういったところから労働者に過大な労働を要求するために、勢い労使の紛争というのが絶えないわけです。今回の問題も、お聞きのようにささいな繰り込み場の事件からこれだけの問題に発展した。それが勢い生産にも労働意欲にも発展をしてくるということは当然考えられるわけであります。会社側に対しましても、ひとつ十分な御注意を喚起をしていただきたい、これを要望しておきたいと思うのです。御所見をいただきます。
#37
○政府委員(植木光教君) 今回のこの事件につきましては、概要報告を聞いておりますが、犯罪の捜査につきましては警察庁のほうでやっておられるわけでございますので、私どもとやかく申しませんが、新石炭政策の大きな柱の中に、労使関係を改善をして労使が一体となって再建に当たっていくということで立てられているわけでございます。通産省といたしましては、この観点から今後も各企業に対し指導もしてまいり、また労働者の方々の御認識と御自覚もいただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#38
○小野明君 労働者のほうに御注意をしてもらいたいということを私は申し上げたのじゃないのです。会社側が故意に警察を入れて、そしてこの紛争を起こして、そして前もってねらっておったような活動家という者を逮捕させたと、こういう印象を私は持っておるわけです。ですから、こういったことがないように、ひとつ労働者を大切にするように会社に十分な注意を喚起せよと、こういうことを言っておるので、あなた逆のことを言ってはいかぬです。
#39
○政府委員(植木光教君) 逆のことを申し上げたつもりはないのでございまして、先ほど申しましたように、労使関係がうまくいきまして、石炭政策の遂行のために労使一体となって努力をしていただきたいということでございます。いまの御趣旨のことにつきましては、今後企業に対しましても注意をし、また指導をしていく所存でございます。
#40
○小野明君 この件については終わりたいと思います。
 次の問題に移りますが、簡単にやりますが、産炭地振興のあれは名前は交付金ですか、新たに起こされた項目があります。十億円の問題です。この配分についてどのようになっておるのか、その方針と基本的な考え方をひとつ説明をいただきたいと思う。
#41
○政府委員(長橋尚君) 御指摘の産炭地域振興臨時交付金制度は、石炭鉱業の閉山や合理化によって多大の影響を受けました産炭地域六条市町村の地方財政そのものに対しまして、所要の直接的な援助を行ないまして、必要な事業を当該市町村が実施し得るよう措置いたしますために新たに設けた臨時の制度でございまして、この制度はまず第一に、財政疲弊の根源でございます石炭鉱業の終閉山という事態に対処いたしまして、六条市町村に対して閉山量に応じて交付金を交付することといたしております。その場合、一応基準単価といたしましては、閉山トン数、トン当たり六十五円というものを置いております。これはあとで申し上げますように、所要の減額調整を行なう道を開いております。
 それから第二に、交付いたします際、対象となります終閉山は、単に四十四年度以降生ずるもののみに限りませんで、過去五年間、昭和三十九年度から四十三年度におきます終閉山による影響をもある程度救済することにいたしております。この点につきましては、今後の閉山を百といたしました場合に、三十九年から四十一年までの閉山につきましては六割、それから四十二年、四十三年度の閉山につきましては八割というものを基準にいたしております。
 第三に、交付期間につきましては、終閉山後四年間といたしまして、逓減方式をとることにいたしております。この場合の逓減率といたしましては、初年度を一〇〇といたしますと、二年度が七五%、三年度五〇%、四年度二五%ということでございます。
 それからなお、交付金の交付にあたりましては、各市町村ごとの終閉山の影響等を考慮いたしまして、別途必要な調整を行なうことにいたしております。
 それからこの制度の予算措置といたしましては、四十四年度十億円を計上いたしましたが、この本措置によりまして六条市町村の財政は相当程度強化されまして、公共事業の実施につきましても、現行の補助率引き上げ措置と相まちまして、かなり進捗するものと期待をいたしております。
#42
○小野明君 この制度は来年度もやはり要求をされるし、拡大をしていく方針ですか。
#43
○政府委員(中川理一郎君) 石炭産業の情勢変化によります地域の自治体に対しての財政的な苦しさというものを軽減させようというねらいでございますので、自治体の財政状態が悪い限り、私どもはこれを継続したいという希望を持っております。で、額をふやすことになるかどうかは、初年度とにかくある苦しさに対しまして一定のいまの十億円というものを計上いたしたのでございまして、財政事情その他の推移に伴いまして勘考することにいたしますが、制度としては少なくとも横ばいは続けてまいりたいというのがいまの私の考えでございます。
#44
○小野明君 そこで今年が最初ということになりますから、三十九年で切られたというところに私は問題があると思うのです。というのは、筑豊のほうは三十九年というと、もう閉山もやや下り坂になりつつある、いわば三十五、六年が非常に閉山が多いわけであって、三十九年以前のものについては全然見ないというところに問題があると思うのです。今年は初年度ですから、できるならばその前の分も配慮はできないものであるかどうかですね。来年度もいま言われたようにこれを継続するという方針ですから、その前の分は見てもらえぬものであるかどうか、お尋ねいたします。
#45
○説明員(真野温君) ただいまの小野先生の御質問にお答えします。
 過去五年間という点でございますが、当初この制度は、新しい石炭対策の発足に伴う終閉山に対してその市町村に与える影響を緩和するという思想で始まったわけでありますが、先生御指摘のように、過去の閉山についても、現在筑豊地域を中心に影響が相当残っておるということから一定期間の過去の分について実はさかのぼらしたわけであります。その意味におきまして、過去をとりました場合に、やはり過去何年間の閉山の推移によりまして、ある程度終閉山の影響をカバーしている市町村もあり、この点を勘案いたしまして、過去五年程度のカバーをいたしたと思います。それ以前の終閉山につきましては、現実に相当影響が出ておるところもあり、もうすでにそういうような痛手のないような地域等も、御承知の常磐とか山口は相当広くございますので、その辺も勘案いたしまして、過去五年でほぼ筑豊地域の主要地帯はカバーできるという形で制度を仕組んでおるわけでございます。
 なお、過去五年の閉山ということでございますが、過去五年間に閉山交付金、いわゆる炭鉱に対する閉山交付金の交付の決定があったということでございますが、事実上三十八年度の閉山についても相当三十九年度に交付決定がございます。この面で相当百万トンはカバーされておると思います。それからそれ以前の分の閉山について、なおいま先生御指摘のような影響等も考えまして、一定額の最低の調整額と申しますか、そういうものを交付いたす予定にいたしております。ただ過去五年間あるいはそれ以前にわたって終閉山がない、あるいは鉱産税がふえておるという市町村がございますが、そのほかの分についてはある程度カバーいたすという仕組みになっております。
#46
○小野明君 ですから、それ以前の分については町村によって若干実情が違う点もあると思うのですね。ですからその辺の最低限を底上げするとか、あるいは特殊事情をカバーするとか、そういうふうな若干の幅のある方針でこの配分をやっていただきたい。そういう裁量ができないということになりますと、全部切り捨ててしまうということになりますから、非常にまだ鉱害とかそういうものを大量に残しておる町村もあるわけですから、非常に問題だと思いまして、その辺を配慮できるように要望いたしておきたいと思います。最後に御見解を伺いたいと思います。
#47
○政府委員(中川理一郎君) 御指摘の趣旨は私ども実はいろいろと考えたところでございますが、ただいま担当課長から御説明させましたように、もともとの発足が新政策によってやむを得ず出てくる閉山というものについて、前向きにひとつ配慮したいということから発想をしております。ただ実態を見ますと、御指摘のような新政策以前の閉山で財政事情が著しく苦しくなったままの状態が続いておるというものもあることにかんがみまして、ある程度先にさかのぼらしたわけでございます。しかも一番底積みのものとして、ある程度の額は一種の最低保障式のものを考えたいということで措置はいたしたわけでございますが、個々の状態にあまり深く引きづられますと、どうしても人間のやることでございますので、あまいとか辛いとかいうことで、公正を確保するという意味で問題が出てまいりますので、相なるべくは客観的基準に従って計算してぱちっと答えが出る、その計算そのものについては、いまお説のような実態を十分反映できるようなものにいたしたいということで考えまして、計算式を考えます以上は、この計算式でやって非常な不公平が出るかどうかということを具体的な市町村等につきましてチェックをいたしてみたわけでございます。いま真野課長が答えましたように、非常に古い時点であったけれども、その後閉山が起こっていないというところには実態として問題ございません。それから筑豊のごとき場合には、おおむね困っておる市町村は連続して閉山が起こっておるということで、この計算式によりましても相当の修正ができると、こういうふうに私どもは考えておりますので、先行き予算額が四十五年度以上のことはわかっておらないわけでございますけれども、実態を見ながらその点はまたもし改善すべきものがございますならば、四十五年度以降の問題として検討いたしたい。四十四年度はいまの計算式で私どもは一応百点とは申しませんけれども、ある程度のごとは全うし得ると考えておりますので、これでやらせて見させていただきたいと思っておる次第であります。
#48
○大矢正君 石炭局長にお尋ねいたしますが、四十四年度予算が成立をして、予算に基づいて石炭施策が現に実行されつつありますが、いまお話にありました地方交付金、あるいはまた安定補給金、あるいは増加引き取り交付金等々いろいろな施策がありますが、これらの問題はおおむね一つの方向が定まって実行されるものと思われますが、私は特に二度目の元利補給金、すなわち再建交付金のあり方について一、二お尋ねをいたしたいと思います。
 お尋ねをいたしまする第一は、法律の中には元利補給の限度額は一千億円ということになっていたと記憶いたしまするが、現在の状態で最終的な確定をすることは困難かとは思いますが、その総額はおおむねどの程度になるのか、それから四十四年度の予算では、私の記憶に間違いがなければ三十六億程度ですか、組んでおると思いますが、いま第一に質問をいたしましたことから想定をして、平年度――明年から平年度になりますが、どの程度の年度の予算になるのか、とりあえずこの二つをお尋ねいたしたいと思います。
#49
○政府委員(中川理一郎君) ただいま手元に数字を持っておらぬのでございますけれども、一千億円を最高限度と考えましたときには、前回の肩がわりのときの肩がわり対象企業が全部今度の再建交付金の対象になるという計算で一千億を限度といたしたわけでございますが、その後御案内のように企業ぐるみ閉山というもので再建交付金制度の問題にならないで整理をしなければいかぬものが出てまいりましたので、これは落としてございます。それらのことをやってみますと、ちょっと正確ではございませんが、大づかみにはいま八百五十億円程度のものに相なろうかと考えておるわけでございます。これを平年度化いたしました場合の額といたしましては、第一次の元利補給金の大体倍くらいのものに相なり、七十三億円程度になろうかと考えておる次第でございます。
#50
○大矢正君 次に、再建交付金を交付するにあたっての債務残高の認定、それに基づく契約書の取りかわしという手順があると思いますが、法律に明記されておりまする金融機関からの借り入れの期日の問題は別といたしまして、債務残高の内容というものは、われわれが一般的にこの場で議論をして承知し得る範囲においてはどういうものが除外をされ、どういうものが認められて交付の対象になるのかということの荒筋を御説明願いたい。
 それからもう一点は、そのような考え方に基づいて実施をされ、認定、そして契約書の取りかわしの時期ないしはそのことに基づく再建交付金の本年度予算の実施の時期はいつころになるのか、これもあわせてお答えを願いたい。
#51
○政府委員(長橋尚君) 第一点の再建交付金の対象になります金融債務残高でございますが、まず第一は、昨年の九月三十日現在におきます借り入れ期間一年以上の長期金融債務残高でございます。ただし、合理化事業団からの借り入れ金のうち近代化資金、あるいはまた昭和四十二年度以前の再建資金、そういった特定のものは除外されるわけでございます。それからなお、各社の昨年九月末の長期金融債務残高のうち、石炭関連以外の事業を営んでおります子会社等に対しまして投融資をする、あるいは他事業に設備投資をするために銀行借り入れを行なったことが明らかな分につきましては、これを計算基準から除外をすることにいたしております。それから対象になりますのは、昨年の十月以降本年の四月末までの間に、政策待ちの段階におきまして、金融機関が金融を非常に控えた段階におきまして、特に金融機関が貸し増し協力をしたという分につきまして、それが石炭鉱業のその間におきます運営に非常に緊要なものであったという認定が行なわれました分を対象といたすことといたしております。
 それから第二点の今後の再建交付金の審査並びに交付手続の問題でございますが、再建整備計画が各社からこの六月十五日に提出されまして、目下各社からのヒヤリングを行なっている段階でございます。そういった事務的な審査を終わりましたあと、法律に従いまして石炭鉱業審議会の意見を聞くことに相なっておりまして、これが八月に入ろうかと思います。その上で、できれば八月の末ということを努力目標にいたしておりますが、あるいは九月に入るかとも存じますが、再建整備計画の法律に基づきます認定が行なわれまして、そのあと九月中には認定されました再建整備計画に従いまして、当該企業が再建交付金予定額につきまして、各金融機関との契約更改を九月には行なう段取りに相なります。その上で再建交付金今年度分が交付されますのは十月の末でございます。そうしてそれ以降半年賦で、第二回は来年度四月末日以後半年ごとということで交付される次第でございます。
#52
○大矢正君 予算ですでに決定を見ているものですから、時期的にまあずれると、ずれるだけ金利がかさむということになりますし、それは別に企業が負担するわけでもありませんから、当然国が余分の金利を負担しなきゃいかぬということになるわけですね。ですから、いまの時点で支払いをしたのと、来年の三月三十一日の予算の限度ぎりぎりに支払いをしたのとでは、金利だけでもかなりの違いがあるわけです。ですから、そういう意味においては早いほうがいいということは考えられるのでありますが、しかし、この債務残高を確定をして、それを認定し、かつ向こう十年ないし十五年間にわたる契約書の締結ということは、この再建交付金というものを認定し直すということは困難だ、あるいは事実上できないということから見まして、まことにこれは重大な内容でもありますから、その意味では大事をとらなきゃならぬことは私どもも存じているところであります。
 そこで、私が特にこの際お尋ねをいたしたいことは、債務残高というものと、その債務にくっついている抵当権なり担保なりというものと必ずしも同一ではないという解釈が出てくると思いますね。十億金を借りるのに担保を実質的な価値を十五億のものを出しているという場合もあるだろうし、五億しか出していない場合もあるだろうし、したがって、出てくるこの債務残高というものは必ずしもその会社の資産と見合わないということは、私が申すまでもないところであると思います。といたしますると、いまさら法律の本質にさかのぼって質問するようで、たいへん恐縮でありますけれども、通過をしたのでありますから。国が肩がわりをするにあたって、その企業が持つ資産というものを考慮に入れずして債務残高だけで肩がわりをすることが法律に触れる触れないは別としても、社会的にはたして問題として残らないだろうかという点があると思います。そこでまあ九月から十月にかけてというお話しでありますが、どうも悪く解釈すると、政府がそうだというのじゃありませんが、国会は八月の五日で終わり、それ以上の延長はないのだから、国会が終わってからやったほうが、うるさいやつらがいないから、うまくいくのじゃないかというような考え方も多分にその中にあって、国会が終わってから本格的な確定なり認定なりですか、契約書の取りかわしというものに持っていくというような考え方が経営者の中なりあるいは政府の一部にもしあったとすれば、まことにこれは残念な話で、なぜ私がこういうことを言うかというと、あなたのほうはまだ確定も認定もできないのだから答弁ができないと、こう言われると、それ以上私も申しようがないわけで、したがって、まことに残念なものだから、いまのような発言をしているわけです。まあ言わんとする趣旨はおわかりいただけると思うので、この際局長から考え方をひとつ披瀝願いたいと思う。
#53
○政府委員(中川理一郎君) まず今回の再建交付金につきまして、前回の肩がわりと性格的にたいへんな違いを持ったものとして私どもが構想をした――これは石炭鉱業審議会の審議の途中でもその点が大いに問題になった次第でございますが、前回のものが形は債務残高だけでやっておりますけれども、議論といたしましては、累積赤字の桎梏を先に向かって解消しよう、こういう形でございましたので、大矢先生も御承知のように、当該時期におきまして赤字でなかった企業、個別会社名を例示いたしますと、たとえば松島炭鉱、太平洋炭砿といったようなものにつきましては、これを肩がわりの対象にいたさなかったわけでございます。これは実質的に赤字があるということを一つの考え方の基本に求めてそれを解消してやれば、先行き石炭鉱業の再建が可能になるという考え方だったわけです。今回は前々からお答えいたしておりますように、さきの五カ年というものを見てものごとを考えますと、現在時点においてかりに黒字である会社であるといたしましても、五年間の経緯の中においては人件費の上昇も覚悟しなければいけない、能率もそれほど高いものとして期待すると、また破綻を来たすということになりはしないか。したがって、前回のようなその時点までにおける累積赤字の解消という考え方ではなくて、先に向かって石炭鉱業が安定的な経営をできるように一種の助成手段として、思い切って先の予測でものを考えたらどうか。したがって、当該期において黒字であるということをもって再建交付金の対象にしないということになりますと、本来再建の担い手として大きく期待すべき企業が計画期間中に赤字になった場合に、おそらく今度の再建交付金のようなものを再度持ち出すことはあり得ないことであるから、そのときには手おくれになっておるということで、累積赤字の存在そのものという考えを捨てまして、一種の助成手段といたしまして考えてみよう。そのときにやはり一つの指標といたしましては、当該期における借り入れ残高というものを手がかりにするよりしようがない。しかし、それはあまりに前回の基準と同じであって、考え方の変更というものが表に出てこないということから、出炭量というものを半分のウエートにとりまして、出炭量と債務残高というものを両方の手がかりにいたしまして再建交付金を交付したいと、こう定めたわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のように、当該借り入れ金に見合う資産がどのような状態にあるか、そのプラス、マイナスを見て、マイナスになっておるからするということではないという考え方できめたわけでございますので、資産、負債のバランスについての配慮はないわけでございます。再度交付金が一時的には出し過ぎの形がかりに出ましても、五カ年の長期的な見方からしますれば、それは平均化されるであろう。そこまでしないと、石炭鉱業の再建はできないという考え方できめたものでございます。さようなことでございますので、資産、負債のバランスというものについては、法律の上でもそうでございますけれども、私どもも抵当権がどうなっておるかというようなことはむしろ考えないで、もしこの再建交付金の交付によりまして、逆にその担保に入れたものが新しい受信の能力として再活用できるのであれば、その面も使って再建のために全力をあげさせたいということで、片方に再建交付金制度と相並びまして、担保抜きの制度も考えた、こういう次第でございます。以上のことをひとつお含み願いたいと思うわけでございますが、これを進めます上におきまして、厳正に制度の趣旨に反するものを中に入れさせないということは私どもも心がけるつもりでおりまして、具体的には先ほど石炭部長からお答えいたしましたような、肩がわり対象債務というものについての限定は厳格にやっていきたいと思っているわけでございます。
 それからこの仕事を進めますスケジュールの上で非常に内割ったお話があったのでございますけれども、私ども率直に申しまして、法律が国会でお認め願ってから一番近い時期に仕事を進めていくということで考えているわけでございます。また、石炭部長がお答えいたしましたように、石炭鉱業審議会にもこの問題はおはかりすることにいたしております。ただ、長橋部長からもお答えいたしましたように、四十四年度の全体の予算額繰り入れ措置等を講じましても、一年分をやるということがなかなかむずかしゅうございましたので、実質的には半期の繰り下げというようなことでやっておりますので、しりのほうが押えられ、そうしてスタートのほうは法律が通過いたしませんと、私どもも作業には入れないということで、決して他意はございませんので、一番近い時点で厳正にこれを実施していきたいと考えておる次第でございます。
#54
○大矢正君 この問題は、個々の企業に実際的に当てはめてみるといろいろの形が出てくると思います。私自身もまだ研究かつ勉強不足でありますから、国会も八月五日まであることでもあるので、いずれ機会を改めて具体的にお尋ねをいたしたいと、こう思っております。
 次に、仮定の上に立ってお尋ねをするようでたいへん申しわけないのでありますが、一点お尋ねをしておきたいと思います。それは、Aという石炭会社があり、B、C、Dというような山を持っていて、そのB、C、Dの山をそれぞれ独立した会社にしてしまった。Aという会社は、したがって本来的な石炭会社としての機能はない。こういう場合には、再建交付金というのは具体的にどういうようになるものなのか、これをお尋ねをしたいと思うのであります。私がかようなことを申す必要性もないかと思いますが、現状の石炭企業というものは、石炭会社それ自身が中心になって石炭以外の部門の関連会社を持っている石炭企業というものと、そうではなくて、将来を展望すると石炭それ自身が副業になって石炭と直接関連のないものが過去の石炭会社の専業になるようなこともあり得るわけでありますからして、そういう立場から考えてみて、このAならAという企業と再建交付金との関連は具体的にどうなるのだろうかということをお答え願いたいと思います。
#55
○政府委員(中川理一郎君) 再建交付金制度は繰り返して申しておりますが、石炭鉱業の再建に役立たせるという意味で考えたことでございますので、当該会社が石炭会社であるということが要件になるわけでございます。いまお尋ねのような企業の分割と申しますか、事業部分の分離というようなものが起こるといたしましても、再建交付金の交付決定の前に分離が行なわれるのと、その後に分離が行なわれるのとでは事態が変わってくるわけであります。
#56
○大矢正君 ですから、私はあくまでも仮定だと申し上げてお尋ねをしているわけでありまして、Aという会社があって、再建交付金の認定もしくは契約の取りかわしが行なわれる以前において、B、CあるいはDというような独立した別会社をつくった場合に、再建交付金というものは具体的にどうなるのか。その債務残高というものは一体どこでとらえるのか。それから逆に、一応Aという会社に再建交付金に見合う債務残高の確定をし、交付契約書がかりにかわされた以降にB、C、Dの山をそれぞれ独立さしてしまった場合に、はたして再建交付金の交付の対象になるのかどうか。この二つの場合があると思うので、お答えを具体的に願いたいと思います。
#57
○政府委員(中川理一郎君) 交付金の交付以前に、いまのような分割ないしは分離というものが行なわれましたならば、これは分割、分離された当該石炭会社に対して交付金を出すということに相なろうかと思います。
 それから御設定された、仮定されましたもう一つのケース、いま兼業部門も持っている状態で石炭経営をしている会社に再建交付金の交付契約を結びまして、その後においてこの会社の形態変更が行なわれるといった場合には、これは契約のやり直しということはいたさないつもりでございますが、再建交付金交付契約をいたしました趣旨にかんがみまして、その分離なり分割なりが適正なものであるかどうかということにおいて十分に審査をいたしまして、先にきめました契約の趣旨を逸脱するような分離はさせない。もしこの条件に合致しておれば、そのままかりに石炭を本業としない会社が相手でありましても、実体的には変わりはないということで趣旨を貫くべく契約を続けていく、このいずれかの道に相なろうかと思います。
#58
○大矢正君 石炭鉱業再建整備臨時措置法――旧法もそうでありますし、また新しく改正をいたしました新法においてもそうでありますが、「石炭鉱業を営む会社であって、」、こういうことが大前提ですね。「石炭鉱業を営む会社」とは何かということの定義が、第一号において「石炭の生産及び販売並びに財務に関する計画」、こういうものも入っているわけですね。といたしますると、再建交付金の認定をするそれ以前の段階で、直接石炭鉱業を営んでいないものに再建交付金を支給するということはおかしいではないか。たとえばAという会社が交付金を支給される以前にB、C、D、というものを独立させた場合に、本体は石炭企業でなくなるわけですから、それに再建交付金を交付するのはおかしいではないか、こういう議論が出てくると思います。それから、それでは認定したあとに分離させて独立をし、同じく石炭鉱業を現に営んでいないという場合において、営んでいないものに再建交付金をこれまた支給するのもおかしいではないか、前であろうと、あとであろうと、営んでいないものに再建交付金を交付するということはおかしいし、認定後であれば、契約解除というこの法律にある条項が適用されるという解釈が妥当ではないかと考えるのでありますが、私の勘違いでありましょうか。
#59
○政府委員(中川理一郎君) 御質問の第一、交付金の交付前に分割、分離が行なわれて、ある会社の本社機能が石炭事業を含まないものになってしまったというときに、そのAというものと再建交付金の契約を結ぶことができないというのは、先生のおっしゃるとおり明白だと思っております。
 それから第二の場合でございますが、この間におきまして、私先ほどお答えいたしましたように、実質的に再建交付金交付の目的が貫かれるということであれば、Aと結びました再建交付金の交付契約を、B、C、Dが継承するということは可能ではなかろうかと考える次第でございます。
#60
○大矢正君 中川局長簡単にそうおっしゃいますが、これはなるほど社会的一般的にはその株をかつての親会社が持っておるとか、あるいは系列会社であるとかいうことが言われても、商法上に基づく法人企業としては独立存在でありますから、おのずからそこに抵当権の設定の分与その他いろいろ区分等があると思いますけれども、そいつをあたかも同一の法人であるかのごとく認定をしてかかることは法律上非常に無理があるのではないかと私自身思います。しかしこれはここでいまあなたと論争してもいたし方ない話で、私自身具体的に研究をしてみたいと思いまするし、いずれ第一点に申し上げた問題と関連をして、最も近い時期に当委員会で重ねてお尋ねをいたしますが、ともあれ先ほども申し上げましたとおり、石炭企業と申しましても、資産と債務の残高の違いもさることながら、今後どう企業としてある場合に生き延びていこうかとする考え方の相違も非常にあると思います。したがって一つの固定した概念にとらわれて、それだけで律し切ろうとしても律していけない分野が出てまいると思います。よって私はこの実行にあたってはたいへん問題点があると思いまするし、私自身まだまだ実は申し上げたい点もありますが、まだ研究、勉強段階でありますので、きょうはこの程度にいたしますが、再建交付金の認定、支給、あるいはまた万一将来石炭企業であるべきものが、本来の機能を失うような場合における再建交付金の決定や支給その他についての方針は、やはり慎重を期すべきではないかということを最後に希望いたして、私の質問は終わりたいと思います。
#61
○政府委員(中川理一郎君) 御趣旨は私も非常によくわかります。先ほどお答えいたしましたように、契約の承継を認めるべきかどうかというのは、具体的、実体的判断を必要とすると思います。私のほうでも鋭意それらの問題につきまして今後慎重に検討いたしたいと思います。
#62
○委員長(松井誠君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#63
○委員長(松井誠君) 速記を始めて。
#64
○須藤五郎君 この前私は炭住の問題、特に杵島炭鉱の炭住の問題で質問いたしました。私のほうには、杵島炭鉱関係の江北町の町長さんたちの請願がきておりますし、また町議会のほうからも訴えがきておりますので、それをもとにして質問いたしたわけですが、いま非常に江北町では炭住の問題が深刻な状態になってきておるということをこの前申し上げましたから、私はきょうは重ねて同じことを繰り返す必要はないと思いますから繰り返しませんが、そのときに石炭部長さんは、まああんまり混乱の起こらないように善処をしてまいりたいと、よく考えてまいりたいというような意味の御答弁をなすっておると思うんですが、じゃ具体的にということになると、やはり建設省がいないと答えができないので、そのとき建設省の方を呼んであったんですが、御出席の方が、きょうは答弁する準備もないからこの次にということで、きょうまた再び来ていただいたわけですが、建設省の方はこの前私が質問した内容については議事録はもう出ておるわけですが、お読みくださいましたか。
#65
○説明員(高瀬三郎君) 議事録は拝見しておりませんが、報告を受けております。
#66
○須藤五郎君 それでは会社が抵当に、担保に入れておると、それで会社が閉山したので金融機関に担保として炭住が全部取られてしまった。そこで金融機関は一日も早くこれを処分したいというので、七月末を期限にして全部の方に立ちのきを要求しておるというのが現在起こっておる問題なんですが、ところが、そこに入っておる労働者諸君はすぐ立ちのく場所がないわけなんですね。七月末に立ちのくことができると、炭住を明け渡すことができるという回答をしていらっしゃる方が大体三三%、それから出れないという答えをしている人が三四・三%、それから出るか出られないかわからぬという答えをしている人が三二・七%、合計六七%の人は出れない、出るようにつとめても出られないかもわからぬという答えをしておるわけなんですが、この人たちに対して建設省としてはどう処置をなさるお考えか。
#67
○説明員(高瀬三郎君) 炭鉱住宅の閉山に伴います問題は、建設省といたしましても非常に憂慮しているわけでございますが、基本的な問題といたしまして、住宅政策というふうな立場から炭鉱住宅をどのように取り上げていくかという問題は基本にあるわけでございます。私どものほうとしましては、炭鉱住宅につきましても二種類ございまして、閉山を余儀なくされましたスクラップ鉱のほかに、生産の継続が続けられておりますビルド鉱におきましても、同様に保全が不十分だということで、建物の老腐朽、あるいは住宅環境の悪化ということにつきましては、スクラップ、ビルドともに非常に悪いという実情でございます。そこで私ども炭鉱住宅の対策といたしまして、できる限りは、本来は会社の住宅でございますので、そういうふうな立場でそれぞれよくしていただくということに一つのポイントはございますけれども、閉山を余儀なくされましたようなものにつきましては、これはその会社に住宅をよくしろという施策は不可能でございますので、何らか別な方法に頼らざるを得ないということでございます。これにつきましては、やはり政府施策の公営住宅、あるいは住宅地改良事業によります改良住宅というようなものでできるだけカバーをしてまいるというふうに私ども措置してまいってきておるわけでございますが、まことに残念ながら予算ワクのかげんもございますし、特に炭鉱住宅の場合には公営住宅と申しましても、現在ある住宅そのものをよくする方法はございません。別なところへ建てまして、そこに吸収するというふうな感覚でございまして、やはり不良住宅を取り除いて、そこへいい家に改めるということが住環境を整備する道でございますので、できる限り改良住宅で施策をしてまいりたいという方針でおるわけでございます。ただ、改良住宅そのものの予算が非常に縛られておりまして、特に従来の改良住宅の感覚といたしましては、大都市スラムの対策といいますか、都市スラム対策が中心でございます。それから近年また同和対策事業というものが非常に盛んになってまいりまして、いずれにいたしましてもなかなか炭鉱のほうにまいらないということで、実は石炭関係の事業のほうといたしましても、産炭地関係の通産省のほうの施策にできるだけ御協力を申し上げて、この対策を立ててまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#68
○須藤五郎君 非常にゆうちょうなもののお考え方だと私は思うんですが、私がいま御質問申し上げておるのはもっと切実な問題なんですよ。改良とか何とかいうことじゃないんですね。いま入っておる家を出て行けと言って追い立てを食っているわけですよ。ところが行く先がないんですよ。この行く先のない人たちをどうするかということなんですよ、私の聞いておるのは。破れた家を改良することももちろん必要ですよ。しかしそれは第二の問題ですね。そうじゃないんですよ、私の質問しておるのは。
#69
○説明員(高瀬三郎君) お答えが悪くてたいへん相済みません。ただいまの問題につきましては、これは本来から申しますと、一企業とそれからそこにお住まいの方々の問題でございまして、たとえば都市の中でもアパートを出て行けという問題は幾らもあるわけでございます。それがまとまってたいへんな量であるというところに問題があるかと思います。私どもといたしまして、住宅施策のほうの立場から現在やっております限りといたしましては、先ほど申しました公営住宅にしましても改良住宅にいたしましても、市町村の事業でございます。あるいは県の事業でございまして、その方面からの住宅建設につきましての申し出がございませんと、いかんせん、国そのものが直接事業をやるというような体制になっておりませんので、先ほどのようなお答えをした次第であります。
#70
○須藤五郎君 それじゃあらためて、ここに地方自治体から、「閉山に伴う離職者の住宅対策について」という要望書が来ておんるですよ、江北町から。私これを全部読むと長くなりますから要約しますがね、あなたが議事録を読んできてくれれば問題ないのですが、読んでこないというのはおかしいですよ、読んでくるべきですよ。江北町において炭鉱住宅千百三十五戸あるわけですよ。これが金融機関に担保として入れられて抵当に取られちまっておるわけです。そして金融機関から追い立てを食っているわけですよ。そういう状態です。それで炭鉱はこういう条件を一つ出しているらしいんですね。会社が指定する数少ない社宅といいますか、炭住ですね。それは指定する値段で買い取るならば、そこにおってもよいという条件をつけておるんですね。ところが、ここに二つの問題があると思うのですよ、炭鉱自体がつけておるのに。指定する場所というのがおかしいと思うんですね。いま労働者が住んでいる家は全部売り渡すというのじゃないのですね。ある一定の場所は売り渡してもよい、そういうことですね。それから指定する値段でと、こういう規定が入っている。この会社の指定しているこの二つの条件を労働者がのめるならばこれは問題ないんですよ、労働者に買い取る金があればこれは解決する問題ですから。労働者に金がないわけですから。そこで、私ちょっと尋ねたいのですが、この担保に入っておる金額は一体総額どれだけですか、この杵島炭鉱。
#71
○政府委員(中川理一郎君) それは建設省では無理だと思います。
#72
○須藤五郎君 そちらでわかったらひとつ。
#73
○政府委員(中川理一郎君) 私どものほうの具体的なケースでございますので、私のほうからお答えさしていただきますが、いまの会社側の希望というか、私自身はまだ正確に聞いておりませんけれども、ある程度想像できるのでございまして、一つは何と申しましても、当委員会でもいろいろ御議論が出ておりますように、炭鉱がすでになくなった、若干の方がいろんな事情でなかなか移りにくいという事態はこれはあらゆる閉山に不可避的な問題でございますが、当委員会でもしばしば議論が出ておりましたように、やはり炭鉱がなくなったあと、必要な産業と申しますか、そういうものによって当該地域の繁栄を再度確保していきたいというのがやはり地元の希望でございます。そういう意味におきましては、炭鉱あと地、なかんずくもう老朽化しておるでしょうから、社宅地を含めまして、きれいな土地にいたしまして、何がしかの仕事をしたいという気持ちは、これはどこにでも出てくる問題でございます。半面、抵当権者としてそういう土地の再活用をはかる意味合いにおいて処分を急ぎたいという気持ちの起こるのも無理のないところでございます。両方の問題の調節点は、数多い社宅の中で移転しにくい方というのは全体じゃないわけでございますから、その一部の方々に特定なところに集結をしてもらって、それは決してその一つの県を離れるとか、遠いところへ行ってくださいということじゃなくて、広い社宅地域の中の一部分にかたまってほしいということでございますから、これはいま住んでいる家でなければ困るんだという理由のほうが幾らか無理なのでありまして、どこかに集約していただいて、残りのところを早く活用するということはやはり御協力願いたいと私どもも考えるわけでございます。そのときに、まあ普通の状態での閉山、つまり会社が存続しておる状態での閉山でございますと、集結していただくところは会社の社宅として従来どおりやっていくということもできるのでございますが、いまの問題としておっしゃっておりますのは、会社自身がなくなる、解散をしておる状態でございますので、清算事務を早く行なうという意味合いからいいますと、できればその一部にかたまったところを買い取ってほしいということもまた無理のない話でございまして、その価格が非常に高いものを言っておれば、これは私どものほうもまた実態に応じましていろいろと指導いたすつもりでございますが、もし合理的な価格、むろし市価よりも安いことで言っておるのが一般でございますので、これにはなるべくがまんをしていただくと、まあ退職金も出ておることでございますし、金繰りその他で延べ払いか何かにしたいということであれば、そういう個別案件としてまた御相談もできるのじゃなかろうかと、全体がなくなるときに、いまのままのところにおらなければいかぬということですと、問題解決が非常にむずかしいわけでございますが、どこかに集結をしていただくということであれば、私は双方歩み寄りができるのではなかろうかと、その上に立って私どもも指導を加える余地が起こり得るのではないかとこう考えておる次第でございます。
#74
○須藤五郎君 局長さんね、おそらく労働者もそんな無理は言ってないだろうと私は思うのですがね。しかし、こういうことが従来もあったわけですよ。やっぱり労働者は働きに行かなきゃめしが食えないわけです。だから、働きに行くには、要するに交通の便利なところという問題が一つ労働者のほうの側の条件にあると思うのですね。それからもう一つ労働者側からの条件とすれば、もうぼろぼろになって住むにたえないような老朽した家ですね、それはあまり希望してないわけです、今後住んでいくのには。だからやはり多少住まえるようなかっちりとした家に住んでいたいというこの問題。それからもう一つ、家賃の安いということが私は労働者の側の条件だと思うのですよ。そうすると、会社側のほうからいいますと、交通便利なところはできるだけ早く出てほしいのですね、金融機関で抵当に取ったのは。そこに新しく何か家でも建てかえて高い家賃で貸せるという金融機関のほうの側の一つの条件がありますね。それからやはり金融機関からいえば、建てかえるのだったら、多少かっちりした家でもぼろ家でも全部こわしてしまえば大差ないのですから、これは便利なところ、それから今度建てたところが高い値で貸せる場所、そういうところが金融機関のほうの条件だと思うのですね。これはもうまっこうから対立する条件だと思うのです。そうすると、やっぱり労働者の側にすれば交通の便利なところ、通勤に便利なところというのが必要になるし、安いところ、それから家もいますぐ直さなくても住まっていける家ということになると思うのですがね。会社がどうしてそういう条件をつけてきたのかと言えば、私がいま申しましたような点から金融機関が条件をつけているのでしょうか。会社が条件をつけているのでしょうか。会社が金融機関に抵当に出す前に場所をきめているというわけですね、こうこうこういう場所なら売ってもいいと、それ以外は売らぬと、こういう条件を会社側がつけておるということを言われておるのですがね。そこはどうなんでしょう。
#75
○政府委員(中川理一郎君) これは会社はもう解散いたすわけでございますから、あとは清算事務に入るわけでございまして、清算人というのはいかなる意味でも債権者の納得を得た清算をしなければならぬわけでございますから、そこはどちらがというよりも双方で相談をして、先ほど申しましたようなあと地利用や何かのことも考えて処分価値も考えて言っておることだと思いますので、これはもう債権者であれ清算人であれ、そういう立場は変わらないはずだと思います。要は、若干不便になるとか、指定された家が取りこわす予定のものよりも老朽化しておるのかどうかという実態問題でございますので、この辺のところは、私はその通勤その他のことを言えば、まあバスに乗るのか電車に乗るのか存じませんけれども、十分の違いや十五分の違いで言っておるのであれば、これはやっぱり大きい広い意味で全体を有効に利用するという意味で、居住人のほうにも相当やはりそこは譲歩をしていただかなければいかぬ。自分の持ち家で自分ががんばっておるということであれば何ら問題はないわけでございますけれども、会社がなくなって債権者の手に渡るべきものにそう権利を主張するというわけにはいかぬことでございまして、実態的に御本人に非常に気の毒になるかどうかという問題での話し合いでございますから、双方が譲るところを譲って円満な解決をはからせたいという趣旨で前回も答弁しておるはずだと思います。実際問題でございますので、通産局その他を指導いたしまして、できるだけ双方の立場が立つような譲り合いを指導さしたいと思っております。
#76
○須藤五郎君 それじゃあなたのほうで、幾らの担保に入っておって、それをいまの炭住の戸数の千百三十五戸に割れば、一戸当たり幾らの価格になるかということはおわかりになりませんか。
#77
○政府委員(中川理一郎君) これは後刻お答えしてもよろしいわけで、ただいま数字は持っておりませんが、債務そのものは非常に膨大な債務を持って解散をいたすわけでございますから、その膨大な債務と比べますと、いま持っております換価価値のある資産というものはそう大きなものではないことは確かでございます。ただ、全体として大きな債務でございましても、当該社宅地を抵当権に持っておる債権者というものは特定しておるはずでございますが、特定しておる抵当権者が非常に大きな債務を持っておるのかどうかということはまたおのずと別な問題でございます。
#78
○須藤五郎君 それからほんとうに働ける人たちはこれからまた働いて生活も立ち行くと思うのですが、この訴えの中に出ているのは生活保護者ですね、それから準生活保護者、八十の生活保護者及び約五十家族の準生活保護者、そういう人たちがおるのですが、この人たちを追い出しにかかっておるわけなんですが、この人たちはいま入っている家賃でいま入っている家だから、生活保護をもらってやっと生活が立ち行くわけなんですね。ところが、ここからおっぽり出されてよその住宅へ行けば、そういう安い住宅というものは手に入らないわけですね、いまだと。その場合どうして生きていくかという問題がいま起きているわけですね、深刻に。これに対して建設省は何か打つ手はないんですか。
#79
○説明員(高瀬三郎君) 住宅地区改良事業につきましては、一般的にいってスラム地区を扱っておりまして、ただいまお話ございました準生活保護者あるいは生活保護者の方々が相当おられるところがあるわけでございます。この場合どういうふうにやっていくかということでございますが、私どもといたしまして、現在改良住宅につきましては三分の二の補助率をもちまして建設をさせる。これのいわば裏負担でございますが、これにつきましても八五%は起債対象になるというようなことで、実際問題として公共団体は五%くらいが当年度必要になるわけでございます。いわばその裏負担である三分の一の持ち分につきまして家賃に組み込まれておるわけでございます。簡単に申しますと、大体簡易耐火の二階建てでございますと、三千円から五、六千円までの家賃、ところが現実にはこのお金すらなかなか払えないという方々がおられるわけでございまして、この公共団体はいわば社会福祉的な立場から、ある程度持ち出しをいたしてまでそれらの方々を吸収する努力をしておる市町村もあるわけでございます。そのような方法でいまわれわれとしては改良事業を進めておる次第でございます。
#80
○須藤五郎君 これは石炭局長、それから建設省に私はほんとうに考えてほしいと思うのですが、なかなか簡単な問題じゃないと思うのですね。その場におる人たちにとっては、生活保護をもらっている人が金融機関から出ていけ出ていけ、七月末までに出ていけと言われても、これは出ていく先がないんですよ。引っ越す先もないんですよ。行く先がなければやはりそこにいつきますよ。その場合にどうやって出そうというのですか。まさか暴力団を連れて行って、荷物を片づけて人をかかえておっぽり出すようなこともできないでしょう。この人たちをどうしておっぽり出すか。おっぽり出すのじゃなしに、この人たちの生活をどうやって守っていってあげるかということが私は最も必要な問題だと思うのですよ。こういうことは考えられないですか、政府として。炭鉱が金融機関に担保に入れているこの担保を国が抜いてあげて、国で安い住宅というものを住んでいる人たちに現在のままで保障してあげる、こういうことができないか。それとも地方自治体に国が低利、長期の金融をして、地方自治体の江北町なら江北町に炭住を売って、江北町はいわゆる町の現在ある公共住宅というのですか、公営住宅というふうにして、その人たちの住居を保障してあげるというようなこういうことはできないものですか。
#81
○政府委員(中川理一郎君) 須藤先生のおっしゃいます問題の中で、いまの生活保護を受けているような実態の方々の処遇というものは、単純な抵当権者の主張というもので問題は解決しないことは御指摘のとおりでありまして、これはやはり公的な手段による公営的な住宅というようなところにめんどうを見させるというのが筋であろうと思います。しかし、これは全部が全部国でというわけにもまいりませんし、当該市町村としてどれくらいのことを考えるか、先ほど建設省からも御答弁がございましたように、地元住民の福祉確保という意味で当該市町村も相当の協力をしてもらわなければならない問題でございます。今後の問題として私どもも何らかの解決方法というものを見出すべく努力をいたしたいと思いますが、ただ冒頭須藤委員がおっしゃいましたような膨大な数字は、これは必ずしも生活困窮者とはイコールではないわけでございます。やはり問題は二つに分けて考えまして、前者のほうには私が申し上げましたように、譲るべきところはやはり譲ってもらわなければならぬ。後者のほうには私どものほうも県なり当該自治体とも相談をいたしまして、それから場合によってはすぐにそういう手が打てないのであれば、しばらく社宅かどこかに集結をしてもらって、そういう方々には買い取りを要求することが無理であれば、その実態に応じた措置を別途とるということは、私実際問題としてやらざるを得ないだろう、こう考えておりますので、どうかひとつ全体の大きな数字と小さい数字とを一緒にしていただかないで、分けて措置することをひとつお認め願いたいと思います。
#82
○須藤五郎君 それはぼくも分けて考えていますよ。それじゃ前段の買い取ることができる人は買い取ったらいいとおっしゃるのですが、買い取るについてはお金という問題が必要になってくるわけです。この杵島炭鉱の労働者は今度退職金をパーセンテージじゃなしに金額にしてどのくらい大体もらっておるのか。それからそうなると、今度は炭住の価格が大体一戸当たり幾らくらいになるのかということになるわけです。それで私聞いておるのです。
#83
○説明員(佐藤淳一郎君) いま数字は持っておりませんけれども、大体杵島炭鉱は今度の明治、杵島、麻生の特別の閉山の措置を受けて、ただいま閉山交付金の申請をやっておる段階で、最終的にはその交付決定を待って金額が確定するわけでございますけれども、一応われわれのほうでつかんでおります数字といたしましては、大体鉱員の方々の平均の退職金が、もちろんばらつきはございますけれども、一人当たり平均が約百三万円程度でございます。それから一般的にこういう場合の閉山炭鉱の社宅処分につきましては、産炭地でいつも起こる問題でございますけれども、一戸当たりの実際希望者に対する処分価格というのは非常に安い価格でやっておるのが通例でございまして、この百万程度の退職金をもらっておるのであれば、十分に買える価格というのが常識的な線でざごいますので、大多数の方の中で御希望があるとすれば、大体話はまとまり得るのじゃなかろうかという感じがいたしております。
#84
○須藤五郎君 百三万退職金をもらって、それでもうすぐ職業のある人は、百三万全部出して家を買っても生活はやっていけるけれども、やはり百三万円の退職金を全部家につぎ込むこともできないだろう。家の価格というものがどのくらいかはっきりわかりませんから議論にならないけれども、やはりそういう場合も政府としましても、できるだけ安い値段で労働者が買い取ることができるように考えていってほしいと思うのです。その人たちが生活に困らないということを原則として考えていってもらいたい。
 それから先ほど局長がおっしゃったように、第二段の要生活保護者の問題はやはり国においてめんどうを見てもらわなければならぬから、建設省のほうでこれは地方自治体に金融をして、地方自治体でそういう家を建ててもらうとか何とかいろいろなことを考えていかなければならぬのですが、建設省としてどうですか、積極的にこういう点約束してくれますか。
#85
○説明員(高瀬三郎君) 私のほうで実は県のほうからいろいろ杵島炭鉱につきまして聞いておるわけでございますが、払い下げの値段が大体二、三十万と聞いております。これは確かなことはよくわかりませんが、県のほうから伺った数字です。したがいまして、先ほどの百万程度の退職金の中で二、三十万の価格がお支払いになれる方がおられるとすれば、そういう方々は地区をまとめて払い下げたい。なお、その金も払えない方々がたくさんおられると思います、当然退職金のばらつきがございますから。そこでそういう方々に対して一体どうするんだということが残るわけでございますが、そこら辺はやはり公共団体が、どこまでこの問題に対して県市なんかが考えるかという基本的なまず立場があるかと思います。私どものほうの住宅地区改良事業といたしましては、できるだけそういった公共団体のほうがやる気があれば御協力申し上げるつもりでおりますが、問題は、住宅地区改良法そのものが地区の要件がございまして、ばらばらと飛び離れたところへ一軒一軒がばらついているようなことでは非常に困るわけでございます。ある程度まとまりました地区でその住宅地区改良事業ができるということになっております。その関係がございますので、先ほども御意見がございましたけれども、できるだけその地区の中で地域を分けて、まあ現在ある家で払い下げを受けてお住まいになれる方、この方に対しまして住宅の悪いものに対しましては改修資金その他の融資という制度もございます。それによりまして、できるだけいい家にしていただく。それからまた、それもできないというような者に対しましては、公共団体が改良事業をやろうという決心をなさるのであれば、先ほど申しましたようなことで、土地につきましても買い上げもできますし、建物も改めることができるわけでございます。家賃につきましても、先ほどお話がございましたように、できるだけ建設省としてはそれに御協力申し上げまして、そういった住宅対策を進めてまいりたいと考えております。
#86
○須藤五郎君 建設省も通産省のほうも誠意をもってこの問題に当たっていってほしいということを私お願いしたいと思うのです。
 それからもう一つ、ここですっと訴えてきているのは五つの項目としてきているのですが、ちょうど局長が来ていますから、それだけちょっと耳に入れておきたいと思うのです。飲料水の確保ですね。やはり閉山と同時に水の提供がとまっちまうと、町の人の飲む水がないと困る。だから、せめて応急工事の深井戸を掘るまではやはり支給してもらいたいということ。それからいまの離職者の炭住問題。それからこれは鉱害対策としても私は考えてもらわなければならぬことだと思うのですが、かんがい排水対策ですね。やはり鉱害のために佐賀のかんがい用水といいますか、それにひびが入って水がなくなってしまって困っている。それでいまは鉱内水を鉱内から約五十万トンの給水をたんぼにもらっておったが、これがもう閉山になるとすればもらえなくなる、どうするのだという問題が起こっているのですが、これは鉱害の問題と続く問題なんで、やはり私は政府に責任があると思うのですね。鉱害の問題としてこれ解決するように、やはり百姓さんたちの耕作に必要な水はやはり確保していっていただきたい。
 それからもう一つ市町村税等の滞納という問題があるのですが、ここに出ているのは固定資産税と鉱産税ですね、これで一千四百七十二万八千円去年あったというのですが、これなどもとにかく市町村としては困るという問題を訴えています。
 それから次は企業誘致の促進という、そういう五つの訴えがきているのですが、これを一々私は質問いたしませんから、政府のほうでもよく考えて善処していっていただきたいと思うのです。いまの住宅の問題は、これは私はいま杵島炭鉱の問題を例にとって申し上げましたが、やはり茂尻炭鉱でも同じような問題が起こってきているわけです。ですから、これは全般を通じての問題として、通産省または建設省で考えていっていただきたい、こういうことを申し添えまして、質問をやめます。
#87
○政府委員(中川理一郎君) 大体承知している問題でございまして、できるだけ善処いたしたいと思います。
#88
○委員長(松井誠君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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