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#1
第061回国会 決算委員会 第7号
昭和四十四年五月十四日(水曜日)
   午後一時十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         木村禧八郎君
    理 事
                温水 三郎君
                前田佳都男君
                松井  誠君
                高山 恒雄君
    委 員
                長田 裕二君
                黒木 利克君
                佐田 一郎君
                菅野 儀作君
                高橋雄之助君
                二木 謙吾君
                若林 正武君
                渡辺一太郎君
                大橋 和孝君
                林  虎雄君
                和田 静夫君
                峯山 昭範君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣  菅野和太郎君
   政府委員
       防衛庁参事官   江藤 淳雄君
       防衛施設庁施設
       部長       鶴崎  敏君
       通商産業省企業
       局長       大慈彌嘉久君
       通商産業省重工
       業局長      吉光  久君
       運輸省港湾局長  宮崎 茂一君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       外務省経済局外
       務参事官     田村  豊君
       通商産業省企業
       局参事官     井上  保君
       運輸省海運局参
       事官       須賀貞之助君
       労働省職業安定
       局雇用政策課長  吉本  実君
       自治省財政局指
       導課長      亀谷 礼次君
       日本国有鉄道常
       務理事      長浜 正雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十二
 年度政府関係機関決算書(内閣提出)
○昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(内閣提出)
○昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(木村禧八郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和四十二年度決算外二件を議題とし、総括質疑を続行いたします。御質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○大橋和孝君 私は、この委員会におきまして、いままで数回にわたって万国博覧会についての質疑をしたわけでありますが、きょうは非常に差し迫っておりますし、党といたしましてもこの間、現に現場を視察に参りまして、私もそれに参画いたしましたし、近畿圏内におるわけで、特に万博の開催地に近いわけでありますので、そういう観点からこの万博の問題についてひとつ、きょうは別な方向からお話を承りたいと思います。
 ちょうど万博の担当大臣がおいでになっておられるのでありますからして、各省にわたっていろいろ問題点を伺いますが。万博担当の大臣が非常にお忙しいそうでありますから、万博のことについて初めからひとつ、その方面にだけしぼってお尋ねしていきたい、こういうふうに思うわけであります。
 第一番目には、やはりこの万博について、いままでいろいろな問題がありますけれども、そういう問題に対して、どのような形でこの万博に対して政府は進めておられるのか。たとえて言うならば、その連絡会議なり推進計画、そういうものの委員会なり、あるいはまた、そういうものをもってお進めになっているだろうと思うわけですが、その内容についてよくわかりませんので、概略をひとつちょっと大臣のほうから、どういうふうにして進めているのかということについて、お話しを願いたい。
#4
○国務大臣(菅野和太郎君) 万博のことと申しては、大体協会に開催の準備をお願いしているのでありますが、政府といたしましては、万博の推進委員会というものを設けまして、各次官によって構成しまして、それからなおその上は、万博の閣僚協議会で最終的に決定をいたして、そうして事業を進行いたしているような次第であります。
#5
○大橋和孝君 そこの中でも、おそらくいろいろ討議がされておってスムーズに進んでいるだろうと思いますが、その現場において私が見せてもらって、非常にまだまだ進展の点が非常におくれているように思いまして、非常に危うく――危うくと言っちゃおかしいのですが、もっともっと十分なテンポで進めなければいかぬのじゃないかという感じを持ったのですが、いま大臣のほうではどう把握されて、いまの状態で十分うまくいくものとお考えになっているかどうか。
#6
○国務大臣(菅野和太郎君) 万博につきましては、万博の会場の問題と、それから関連事業の問題――関連事業というのは鉄道とか道路とかというような問題、大体関連事業は本年末までで完了するという予定であります。万博の会場の問題につきましては、いまのところでは大体スムーズにいっておると思うのでありまして、監督責任者からそういうふうな結果を聞いておりますが、スムーズにいっておりまするし、先般もカナダとベルギーの、万博にいままで関係した人が日本に来ております。その人の話を聞きましても、日本のほうは非常に進捗しているということを言ってくれておりますので、大体進捗しておるのじゃないかと思います。まあ、カナダあたりは御存じのとおり、冬はあそこは仕事のできぬところであります。日本は冬も仕事ができますからして、大体問に合うというつもりでおります。
#7
○大橋和孝君 特に今度日本で行なわれる万博は、アジアで初めての博覧会でありますので、大いにPRされておりますし、また参加国も非常に多い、こう言われておるのですが、参加国の程度は、最近では少し数が減っておるというふうなことも聞いておりますが、その点はそうではないのか、どうなのか。参加国は六十五ヵ国ですか。何か数えられておるようでありますが、そういう問題についてはどうなっているのか。
 それからまた、特に私がここでお伺いしたいのは、まあ六億もいるような中国が近くにあるわけです、あるいはまた北朝鮮とかアジアでの初めての万博でアジアを、ということであるならば、アジアの中にあるそういう大きな国々に対して――国交を回復されていないから意味はよくわかります。わかりますけれども、別な意味でこういうのは、たとえばそこの文化的なものとか、あるいはまたいろいろ何か演劇の方面とか、その他の産物、そういうものに対して特別な館をつくるということまではいかないにしても、そういうものの出品をある程度招請する方法はあるのかないのか。私は、この調査に行ったときに話を聞きますと、万博協会のほうでは、もしそういうことがあるならば、いまからでもそれ用の会館をこしらえることも不可能ではないということを言っておられました。ですから、そういうこともあわせて、一体どういうふうに考えておられるのか、この問題については。外務省の方も来ておられるようですから、外務省関係ではいままでも、たとえば中国あたりのいろんな演芸方面なんかも実際問題としては来ているわけでありますからして、何かそういうことに対してももう少し配慮すべきではないか。特にこの間じゅうは、自民党の使節団もおいでになって、いろいろお話し合いもあったということも新聞紙上でわれわれ承っておるわけでありますが、なかなかそういうことでもって、いまこの間の訪中使節団あたりの信頼度が非常に向こうでは高まったという話も聞いておるのでありますからして、そういうことから関連して、私は、少なくともアジアで行なわれるこういう万博では、もう少し何らかの形で――正常化されているのとは同じような形にいかないことは私どもわかるけれども、何らかの形でもう少しアジアというものがみな競合して来れるというような、アジアの特異な意義を盛り立てるために、何かやる必要があると思うが、そういうことに対しては、ひとつ菅野大臣のほうと外務省の考え方もちょっと伺っておきたい、こう思うわけであります。
#8
○国務大臣(菅野和太郎君) いまのところ参加国は六十九ヵ国です。それでまだ、いま交渉中ですが、四、五ヵ国ふえるということを考えておりますが、最終的な決定はしておりません。われわれの考え方としては、せめて七十にしたいというのがわれわれの希望であります。まあ大体七十になるのじゃないかという予想をいたしております。
 それからアジアで初めての万博でありますからして、もちろん中国という国には、われわれとしては当然入ってもらいたい。御存じのとおり中国は日本と比べて文化も古い国であります。でありますからして、中国が加わるか、加わらないかということは、アジアにおける博覧会の一つの価値にも影響するということをわれわれ前から考えておったのでありますが、しかし大体、万博条約によって万博というものは開催されることになっておりますので、やはり条約に基づいて招請し得るということになっておりますので、これは外務省のほうで、そういうふうに招請状を出していただいております。しかし、前にも三木通産大臣のときにこの話が出まして、三木通産大臣は第二段階として考えたいというようなことを国会で答弁されたので、先般も亀田委員からもその御質問がありましたので、そこで先日、万博の閣僚協議会を開きまして、この問題をどうするかということを相談したのでありますが、結局はやはり、条約に基づいて外交経路の存在しない国に対して公式の招請はできないということで、公式の招請はしないということになったわけですが、そこはしかし、公式の招請はできぬとしても、日中の関係については、今日展覧会をやっておりますし、向こうの演劇や何かも、いいのが来ております。日本からも演劇も行っております関係ですからして、そういうような関係で何かできないかということのわれわれは希望を持ったのでありますが、御存じのとおり日中のいまの関係、国交の状態のもとにおいては、おそらく中国は喜んで参加しないということは、一応われわれのほうも予想されるのでありまして、先般の古井君などの帰朝談を聞きましても、とても中国は参加しそうもないということを聞いておりますので、それはやむを得ないと思っております。しかし、せめて、中国の文化、文物は陳列したい。幸い日本には中国のそういう絵画その他の芸術品はたくさんきておりますから、これだけはひとつせめて陳列でもして、中国の文化というものはこんなものだ、アジアの文化はこんなものだということを世界に示すことが必要じゃないかということで、目下その点についていろいろ考究検討中であります。できるだけ、そういうふうにしたいと私たちは念願いたしております。
#9
○説明員(田村豊君) ただいま担当大臣から御説明がございましたが、外務省といたしましても同様に考えております。
 ただ、国際博覧会に関する条約上、これは条約に加盟していない国に対しても招請はできます。しかし、ただ日本と外交上の経路を通じて招請を行なう、という規定になっておりますので、現段階におきましては、中共は日本と外交関係を持っておりませんので、公式に招請することはできないと考えております。
 それから、ほかにいろいろ中国から催しものがくるというような話がもちろん、非公式にあることもあり得ると存じますが、私のほうではそういう要請は聞いておりません。
#10
○大橋和孝君 日中の貿易の協会とか、あるいはまた、そういうようないろいろな民間団体があるわけです。そういうものに対しては、働きかける意思はないのですか。
#11
○国務大臣(菅野和太郎君) 働きかけるというのは、展示させるという意味での働きかけでございますか。
#12
○大橋和孝君 そうです。
#13
○国務大臣(菅野和太郎君) それは、どうせその人たちはおそらく、芸術品などはやはり、日本にある芸術品を出してくれということを要求するだけのことだと思うのです。向こうに対してそういうことを要求しても、中国はおそらく応じないだろうと思います。御存じのとおり、私たち中国に行きましても、りっぱな芸術品がありますから、ああいうものを出してもらったらいいという考えを持っておりますが、しかし、日本に相当いいものが来ておりますから、それでひとつ中国の文化というものをやはり西洋にも示してやりたいというのが、私たちのせめてもの念願なのであります。
#14
○大橋和孝君 そこのところがちょっとあれなんですが、実はやはり、こちらにあるもので――それもよくわかるのですが、だからそれも一つの方法であろうかと思われるが、やはり、何かほかの交易の別のルート、そういうものがあるとすれば――たとえばいま演劇なりいろいろ入ってくる、そういうルートがあるわけですが、そういうものでもって、館はつくれなくても、何かやはり演劇をされる場所もありましょうし、陳列される場所もありましょうから、そういうようなことでやはり間接的にでも参加をしたということのほうが大きな意味があると思うわけですが、そういう意味でもうそういうところを閉ざしてしまって、こっちにあるものだけで済ましてしまうという考えじゃなくて、もし民間団体でもそういうことをやろうとするならば、それに門戸を開けてやるということは、どんなものですか。
#15
○国務大臣(菅野和太郎君) 民間団体でも向こうへ――中国のほうの政府へどうせ申し込まなければならぬのですから、ちょっといまの空気では私はだめじゃないかと、こう考えております。それができれば、それはそういう方法も考えてもいいと思いますが、いまの状況のもとでは私はもうそれは不可能ではないかと、こう考えております。
#16
○大橋和孝君 それから今度は、祭りの広場とか、いろいろ催しものを見せてもらって参りました。それから各館のいろいろの状況も見せてもらいましたが、私は第一番目にピンと受けたことは、あすこの博覧会では非常に大きな商社のもの、そういうふうなものが日本から出される部分に――それは、経済的ないろんな意味でウエートがあることはわからぬではありませんが、しかし私は、案外、たとえば日立だとか東芝だとか何とかいうことでずっと見てみますと、非常にそういうふうな大企業のオン・パレードというような感じを受けますが、やはりこうしたアジアで行なわれる、あのスローガンですね、ああいうところから考えましても、私はそれを否定したり、それに文句をつける気持ちはありません。それでやはり、そういうことはあり得てもいいと思いますが、私は、その中にもっとポピュラーな、そういう仕組みも生かすことが、なお一そう万博を価値づけるもんじゃないかと、こういうふうに思うわけです。そういう観点から申しますと、私はやはり、ここには何と申しますか、日本しかない原爆の被爆者、被爆国、こういう観点から言っても、やはりここで人類史上ほかに経験をした国がないわけですからして、こういう問題をもう少し大きく取り上げて、そうしていかに原爆がこわいものであるかという、こういうものの資料を――あるいはまた、ここへ来た人がひとしくそこに注目をして、そしてこの原爆のおそろしさというものを全世界の人が、そういう機会にもう一つ認識を高めると、こういうようなものをつくってもらいたい。そういうふうなことでいろいろいままで申されておりますから、もちろん担当大臣としては十分配慮をされていると思いますが、私は、特にそういう感じを持ちましたので、もう一言大臣のお考えを承りたい。
 それからもう一つ、私はここで、それと同じような観点で申し上げたいと思うのでありますが、いま日本では非常に公害問題が盛んに取り上げられておる、こういうような問題でありまして、何か明るい面の、気持ちのいい万博という考え方からすれば、こういう問題はちょっと暗い方面になるかもしれませんけれども、やはり一面ではこうした――りっぱな明るい面をすることも、もちろん必要でありますが、やはりこの公害の問題について日本にはこういうものがあるんだと、特に私は、最近の問題で外国の人が来てもある程度注目しなきゃならないような公害問題もあるわけです。たとえば四日市ぜんそくもそうでありましょう。日本にしかないようなイタイイタイ病とかスモン病とか、いろいろなものがあるわけであります。これは、外国にもないような例であります。そういうようなことから考えますと、やはり公害、そういうような問題は、ここらでひとつこれもやはりしておくほうが、私はいろんな階層に対して――ことに人類と結びつく問題であれば、これはどうしても必要な問題ではないか。こういう問題に対して、私はもう少し力を入れてもらいたい。ほんとうに入れるとおっしゃっているが、どの程度これに対して配慮をされるのかというようなことも、ひとつ私は特にお伺いしてみたいと思うわけです。特に、一九七二年ですか、公害防止の国際会議も開かれるといわれておるわけでありますからして、いまやることは非常に意義が深いことじゃないか、こういうふうに思います。水俣病にしても――やはり公害病だけを並べてみても相当なものがあるし、また現在起こりつつある公害というものに対して、こういうふうに取り組んでいくのだということを示すのも一つの方法であろう。こういうふうに考えますならば、この問題は非常に大きな意義を持つのではないか、そういうふうに思いまして、特に私は、この公害館とかいうものをここでひとつ考えてもらうべきではないか、こういうふうに思います。
 それから、ついでにまた、ここで同じような――ちょっと似通っていますから三点について質問さしていただきますが、今日の日本は非常に文化を誇って――先ほど私が全体の仕組みを見せてもらってきて、この産業の発展の状態を各業種分けてデモンストレーションをされるわけでありますから、これは非常にいいわけでありますが、私は、ひとつ片手落ちな点は、これだけの文化あるいはこれだけの産業を発展さしているのはやっぱり労働者である、こういう意味から考えますと、少なくとも労働館くらいをこしらえて、日本はこの労働者に対してどういうふうに取り組んでいくかというような問題、いままでの日本の労働省の行政をある程度考えられるようなもの、こういうふうなことも考えると同時に、私は、いままで非常に産業を発展さしてくるために労働者がやってきた、それに取り組んできたところの労働組合の活動、こういうようなものなんかも、私は、ここらで一ぺんやはり労働館というようなものをこしらえて、内容を充実させる必要があるのではないか。こういう三点についてやることによって、万博の意義というものが非常に深くなると思うわけですが、この点について、もう一つ菅野大臣から、非常な前向きの考え方をもってやっていただくという決意をひとつ聞きたいと、こう思っているわけですが、どうですか。
#17
○国務大臣(菅野和太郎君) 第一番の原爆の展示、これは御承知のとおり日本が今日まで史上における唯一の被害国でありますので、またこれが将来の人類の進歩の上において非常に影響を及ぼすものでありますからして、原爆の展示については、私は展示すべきだという意見で、展示する計画で準備しておるというように聞いております。これはもうぜひ展示しなければならぬ、日本が展示するのが意味があることだ、こう思っておりますので、御期待に沿うかどうか知りませんが、原爆の展示ということについては積極的な私は考えを持っております。
#18
○大橋和孝君 原爆館はどうですか、特別館は。
#19
○国務大臣(菅野和太郎君) 特別館、これは私、具体的なことは事務当局からひとり……。
 それから公害の問題も、これも御承知のとおり、公害ということは今後の産業の重要な問題だと思うのです。それでいままでは工業の生産性を高めるということで、工業というものがここまで発展してきた。科学技術の発展の結果、こうなってきたのですが、しかし同時に、公害という問題が起こってきて、生産性が高まって、安い品物が使用はできても、それによってお互いの健康を損ねるということであれば、これはまた考えなければならぬ問題です。この問題が、この間OECDの会合でもありまして、この工業化と公害という問題を再検討すべきだということで、いたずらに工業の大型化ばかりを奨励すること自体について検討する必要があるということを、この間OECDの会合でもこれは議題になったのでありまして、私自身も、そう思っておるのであって、何も生産性――物質的なことはかりの増大をもってわれわれ人類の幸福だとは考えてはいけない、やはり公害というものをあわせてなくして、そして同時にわれわれ豊かな生活を送るということを考えなければならぬのであって、そういう意味において私は、公害というものは今後の経済の発展、人類の発展については重要な研究課題になると思いますからして、したがいまして公害というものについての実際、また公害という問題の考え方を持ってきたのは、まだ日本も最近のことでありますからして、これは年を重ねるに従って、公害という問題がわれわれの重要な問題であるという認識をお互いが持つと思いますから、そういうように公害が重要な問題であるということを示すようなものをつくってほしいということを言ってはおるのでありまして、それらの具体的のことは事務当局から申します。
 それから、労働館ということですが、先ほどお話がありましたが、企業館ということについて、企業というものは、御承知のとおり、これは資本と労働力によってできたものでございますからして、日本の企業がそこまで発展してきたというのは、これは労働者の非常な貢献があって、それでほかの国と違って日本の労働者の方が非常に勤勉で努力されたということによって、日本の企業というものがここまで発展してきたのでありますからして、私はその企業館というものは、これは日本の経営能力ばかりではなくして、日本の労働者が世界に比べて優秀であるということを示す私はいいチャンスだと思うのです。だからしてその中に、ここに優秀な労務者が何人おるとか、またその労務者のくふうによって、こういうような技術ができたとかいうようなことは、できるだけひとつあらわしてもらいたいと、こう思っておるのでありますからして、そういうことで、その一つの企業については、これは労務者がどれだけ貢献したかということを示すことが、私はかえってぴんと皆にくるのじゃないかという考えをいたしておるのであります。そういうことで労務者がいかに日本の今日の産業の発展に貢献してきたのかということは、これは大いに示す必要があるという私考えをいたしております。
#20
○大橋和孝君 いまの労働館の問題については、菅野大臣のお考えも、それで私はいいと思いますが、もう一つ私が先ほど問題で触れたのは、労働館なら労働館として――名前はどうでもいいと思いますが、日本の労働者が労働者として、労働者が集まっておる組合として、こういうふうに取り組んできたからして、こうなったのだということを、労働者側の組合の側からやる別の意味の館が必要ではないか、こういうふうに思うわけでありますからして、企業の側から見られる労働者の考え方、また働く者のグループから見た労働館というものが相匹敵して、そこでほんとうの真価があらわれてくると思いますので、そうした意味のことをひとつお尋ねしたいと思っておりました。それについては、あまり時間が大臣ございませんでしょうから、まとめて申し上げます。そうして万博の内容の問題で、あとのこまかいことは、また事務当局に詳しくお尋ねいたしますが、大臣にお伺いしたいことでありますが、私よくわからないのです。しろうとで、関係方面の委員会にも所属しておりませんからわかりませんが、私は京都で、近県の側からあれを見まして、いろいろと危惧がありますので、質問させていただきますが、話に聞くと、一日に最高は四十万とか五十万とか観客を集めるというふうなことも聞いているわけです。その数はよく知りません。間違っておりましたら訂正していただいたらよいと思いますが、あそこにまいりましたら、いまのような関連事業としてどこに道路をつける、どこにどうするということはお話を承ってまいりましたが、それがほんとうにできるのかという私は非常な危惧を持って帰ってきたのであります。それで初めにお尋ねしたように、万博を推進するための委員会なりあるいは計画なりはどういうふうになっておりますかということをお尋ねして――時間がありませんから、もっとあれについても詳しく話を聞きたいと思っておりますけれども、それは事務当局にあとで聞きますが、そうした観点から申しまして非常に不安に思います。たとえば京都の場合を考えてみますならば、京都はいまでも実際から申しまして飽和状態です。通過する自動車がまいりまして非常に飽和状態。それで外環状線というのを万博用として京都市そのものも考えております。だからして、いまいろいろ京都のほうで調査をしてみると、結局これは公安委員会でもうシャットアウトするのだ、そうしてどこかのいなかの入り口のところへ自動車の駐車場をこしらえて、そこからバスで運転して、そうして京都見物にくる人には見てもらいましょうと言っている。そんなことにしかならないのだという話を聞きました。これは、私はたいへんな問題ではないか。バスで運ぶと言われても第一会場、第二会場、こういうところに運ぶだけでも、あそこにバスをとめるようにすると問題があるし、たとえば四十万の十分の一の人が京都を見ようと思ったとしても、一日四万人になる。その人がいま入ってきたら、京都を見物して回るのにバスに乗りますといって、バスに乗り込んで、一ヵ所見ようとしてもたいへんなものだ、全部見ようと思えばなおたいへんな問題になる。おそらく私は、こういうことであれば産業は大きな迷惑をこうむって、その来客者によって交通麻痺というものが非常に起こってくる。交通麻痺に対してはストップをかけて、右折もしないし、車も入れないのだ、そういうものについては全部外へ駐車場をつくって、そこからバスで運転するのだ、こういった回答を私は京都あたりで受けたわけでありますが、私はそういうところから考えてみると、関連事業としてまだ非常にやらなければならぬことが残されているのじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、大臣のほうはどうお考えになりますか。
#21
○国務大臣(菅野和太郎君) 大体入場者は日本人三千万、外国人が百万ということで計算しますと、大体一日平均すると十七、八万。しかし、日曜などは最高四十二万くらいになるんじゃないかということで、四十二万を大体目標にして駐車場も考えておるのであります。また関連事業も大体それでいたしておりますが、やはり私どもが心配するのは、お話のとおり京都と会場の間です。泊まる人は大体京都がおもだと思います。だからして京都と会場の間の輸送ということ、これが重要な問題だと、こう考えておるのでありまして、その点については交通関係その他でいろいろと研究してもらって、関連事業としての予算を計上いたしておるのであります。そういうことで実際のことを言うと、万博で一番恩恵に浴するといいますと語弊がありますが、泊まる人も京都だし、万博に来たついでに京都見物ということで、私は全国から、あるいは外国からも参観者、見学者がたくさんふえると思うんです。これがほかであったら――京都や奈良か近くなかったら、こんなにまで入場者はふえないと思いますが、そういう京都や奈良があるのでありますからして、これによって日本の昔の文化というものをお見せすることができるという意味がありますからして、京都と会場との間の関係、これは私どものほうでもいろいろと考えたのでありますが、現実に建設省のほうにもいろいろ考えてもらうし、運輸省のほうにも考えてもらって、いろいろそれに対して関連事業として予算を計上いたして、いま現に建設中であります。でありますからして、大体それだけの入場者があってもやっていけるのではないか、こう私は考えておる次第でございます。
#22
○大橋和孝君 私はまた、その観点とは反対に、現在の情勢から考えますと非常に危惧に思うわけです。そういう意味で、私は関連の各省庁は連絡をとりあってやってもらって、その計画がされるんですね。その計画の中では、かくかく計画をして、いまの四十万なら四十万、それが京都なら京都へどれくらい来る、奈良へどのくらい来るということがきちっと計画されて、それがきちっと進んでおるから、いま大臣がおっしゃるようにいけるだろう、こういう判断になっておる。こう私は推察するわけであります。いままでそういうつもりで聞いたわけでありますが、しかし、いままで私が数回ここで質問したのも、そういう関連をもっとやっておかなければいけないという観点から、私は鉄道の問題、道路の問題、あるいは港湾の問題に対しまして、ここでいままで質問をさしていただいた。それが質問をさしていただいた段階から、いままでの間に私が受けている報告では、まだ一つも進捗していないわけですよ。そうすると、私がそれ以前から不安を感じておったことが、もう全然杞憂だ、おまえの言っておることは、それは問題ではないんだ、計画をぴちっと進めているから、それでいいんだというお考えであるのかどうか。そういう意味では議事録を調べてもらってもわかるように、私はいろいろな問題を提起してあったと思います。いずれまた、あとで詳しく詰めてお話をしたいと思いますけれども、そういう観点からいって、調査に行って私の受けた感じ、また社会党の調査団の話を聞きましても、まだまだこれではだめじゃないかということがかなり心配されておる。だから、そういう意味におきまして、私は担当大臣に対して、やっぱり計画的に委員会なら委員会できちっと段階的に進められる、こういうような計画でもって、こういうような審議を受けてきておるから、これでだいじょうぶだと言っていただくと、私も安心して、よけいな質問をしなくても済むわけであります。だから私は、そういう意味におきまして大臣の所信のほどは、いまの段階で今年一ぱいでもって関連事業が完成する、それでもって十分だ、こうお考えになっているのかどうか、私はそこら辺、明確に聞いておきたいと思います。
#23
○国務大臣(菅野和太郎君) 実は、自民党にも万博の特別委員会がありますし、社会党にもあります。民社党にもあります。公明党にもあります。そういう特別委員の方には、これは二回ですか、お集まり願って、そしてこういうふうにやりますという御説明を申し上げております。それで一応そのときに皆さんの御意見を聞いて、そうして御意見によって計画を立てる、こういうことでやっております。いまのところ、近いうちにそれの今日までの事業の進渉状況を御報告して、そしてまた皆さん方の御意見を聞きたい、こう思っておりますので、そこでいろいろ皆さん方の考えておられることは、皆大体受け入れて、政府としてはよほど予算を万博についてはつけてくれたと思いますので、四十四年度の予算におきましても、万博の予算は大体一〇〇%近い予算をつけてもらった。ほかのものはいろいろ大蔵省のほうで削りましたけれども、万博だけは特別だということでやってくれておりますから――その予算はいま申し上げたとおり各省がこうせい、ああせいということで、いろいろ計画を立ててやっておりますから、私はいまのところでは万遺漏なきを期しておりますが、しかしお互いやることですから、これはやっぱり皆さん方から、こういう点においてはまだ不十分だというようなお気づきの点があったら、どしどし言ってもらったらいいと思うんです。私が万博の関係の特別委員会の方に寄っていただいているのも、皆さんからそういう率直な意見を聞かせてもらいたいということでやってもらっておりますから、せっかくきょう大橋先生からそういういろいろと御意見があれば、ひとつそれを聞かせていただいて、またいまのところ、なお足りないところは補っていくということにしていきたい、こう考えております。
#24
○大橋和孝君 大臣、お急ぎのようですから、大臣への話はこれで打ち切って、あと詳しいことは局長から聞かせていただきます。また防衛施設庁のほうも何か急いでおられますが――大臣、ひとつ恐れ入りますが、これからあとは担当の局の方にいろいろ詳しいことを、また各省にわたって詳しいことを聞きますから――あとから御報告になると思いますので、十分ひとつ考えていただきたいのは、近隣の京都が――特に私は、もっと京都からいろいろなものを万博に出したらいいじゃないかという意見を京都で言ったことがあるんです。ところが、京都のほうの意見は、あれは隣同士で、京都は第二会場のようなものだから、この万博に来た人はおそらく京都に来てくれるのだから、京都のほうは出さなくとも一つの会場のように受け入れ体制をしなければならぬという、えらい大きなことを聞きまして、それは非常にけっこうな話だと思いました。けれども私は、それほどいわゆる関連事業が進んでいるとは思えないので、非常に心配しておるものですから、特に私は申し上げておるわけでありまして、要旨は十分大臣にわかってもらったと思いますから、あとこまかい問題は、鉄道の問題にしても、あるいは道路の問題にしても、一ぺんよく担当の方々とお話を詰めておきたいと思います。ですから、そういうことはあとから大臣にお聞き及んでいただいて万遺漏なきを期していただきたい。少なくとも京都は、いま観光都市として外国に対しても恥をかかないように、十分な付帯設備をしてもらわなければいかぬ。もう一つ大臣に聞いてもらいたいのは、これは自治省のほうからも来られているので、自治省のほうにも聞いてもらいたいと思うんですが、万博を成功させるために、京都に対しても非常に大きなしわ寄せになって、ほんとうに京都のやらなければならぬ事業までが万博にかっさらわれるような形ではどうもいけないので、やはり国のほうから相当裏づけをやってもらわなければならないということも、考えなければいけないと思いますので、そういう点も大臣含んでおいてもらいたい。こう私は要望いたします。
#25
○国務大臣(菅野和太郎君) 私も大学は京都卒のものですから、京都と万博との関係というものを最も密接に考えておりまして、蜷川知事とは友人であるし、蜷川知事のほうにもひとつ大いに万博のために協力してほしいということを個人的にも私お願いしております。それで私の個人的な考えとしては、お寺などをみな見学に行きますが、第一自動車を賢く場所がない。これはもう少し京都市としても、府としても考えてほしい。せっかく来ても車をパークするところがないじゃないか。そういうことなどもひとつ特にお願いしたい。それから宿泊も実はもう学生なんかは京都のお寺に泊めたいと、こう考えております。そういう設備をしてもらいたいということを私個人的には蜷川知事にもお願いしておいたのであります。そこでいま京都で金が要るからというお話でありますが、私は一番もうけるのは京都だと思うんです。この博覧会でみやげものをたくさん買って帰りますし、それから泊まる人も一番多いし、実はこれはオリンピックのときに相当みやげものを買ってくれるというので、みな準備しておったがひとつも買ってくれない。ところが今度来るお客さんはみな金持ちばかりです。ホテルなども三室の部屋を一ぺんに五十ぐらい用意してくれという注文がある、都ホテルにそんなにたくさん部屋はありはしない。だから相当世界の金持ちの人が来ると思いますから、京都にもひとつ大いにみやげものを準備してもらって、売ってもらったらいいと思っておりますからして、京都に対して特別に御迷惑をかけることは私はないと思いますし、またやはり、これによって京都というものは世界に知られて、今後博覧会のあとで、また京都の日本文化を見たいということで来る人がよほどふえると思いますから、その点についてはひとつ目先のことではなしに将来を考えて、ひとつ京都をもっとお互いに育てたい、こう考えておる次第であります。
#26
○大橋和孝君 たいへん大臣からいい話を聞いたので、これは一ぺん担当の各省の方にこの問題が消化できるかできないかを、よく伺いたいと思います。
 施設庁のほうがお急ぎだそうですから、この方面について先にちょっとお伺いしておきたいと思うのでございますが、実は、これはちょっとなまかじりに聞いておることでありますから、ほんとうのことはよくわかりませんが、聞くところによりますと、小樽と舞鶴の間に何かカーフェリーというか、フェリーボートの大きいのをやって――六千トンとか七千トンとか聞いておりますが、そういうもので長距離のフェリーボートをやりたいという計画があるやに聞いております。私は、この問題に対しては別の観点から、非常に私自身として興味を持っておるわけです。これはこのごろのように自動車が非常にふえてまいりまして、あるいはまた商業の上からいいましても、通産省の方にも聞いておいていただきたいと思いますが、そういう側からいいましても、そういう大型のフェリーボートなんかがもし長距離に行けるようになるならば、私は必ずしも小樽ばかりとは考えておりませんけれども、そういうことができるならば、それは商業の上にも、あるいはまたいろいろな商売の上にも非常に大きな影響を及ぼしましょうし、また自動車ぐるみ大量の輸送ができるということになれば、これは私は非常におもしろいことだと思うんです。それは事実どうなっておるか、私はよく知りませんし、その問題について深くタッチしたいと思いませんけれども、私は、そういうような事業ができる一つのきっかけは、こういう万博あたりに引っかけて、何とかそれにゴールインさせてやれば、私は、それはそれなりにある意義があるんではないか、こういうふうに考えますが、過密、過疎の問題から考えてみますと、ことに日本海側はみな過疎地帯として、非常に人も太平洋ベルト地帯に集まってくる条件にありますので、この過疎といわれる側――日本海側で、たとえば舞鶴港なんかがもっとそういう意味で大きな発展をするならば、私は北側の玄関として将来国交が回復されて、ソビエトとの交易ができるようになれば、私はソビエトとの最も近い、裏側の港になる。私は、横浜、神戸に一ぺんになろうとは考えておりませんけれども、一つの大きな北側の玄関になるということになれば、北方との交通に対しても、あるいはまた貿易に対しても非常に大きな役割りを演ずるんではないか。あるいは韓国に対しても、あるいはまた、その他北側の諸国に対しても、そういうことになれば非常に大きな意味があると思う。そういう観点から、この問題に対してもいろいろ考えてもらいたいと思うんですが、今度舞鶴港を見てみますと、私は前にも、この舞鶴の問題に対しては防衛施設庁に対していろいろ伺いましたが、この西港が大体貿易に使われる、東舞鶴港のほうが何と申しますか、造船とそれから海上自衛隊というか、その方面に使われておるんだ、そういうふうに分けられているんだと、前にも説明があったわけでありますが、しかし私はあのときにも申し上げた。非常に雑然としているんではないか。自衛隊としてお使いになることは、もちろんそれは必要でありましょうし、前は軍港でありましたから海上自衛隊としても非常に価値もありましょうから、そのことに対して私は、あながちせんさくする気持ちはありません。けれども、いまのそういうような状態がいろいろあることを考えますと、舞鶴港というものをもう少し、一ぺん施設庁の側からも、防衛庁の側からも、これをよく見て、そうしてもう少し整理をすべきじゃないか。いま私は、実際に舞鶴港も見てまいりました。また西舞鶴港を見ますと、あのシベリアから来る原木が一ぱいほうっておかれて、なかなか狭くてうまく利用できないわけです。同町にまた、あそこで話を聞いてみますと、西港のものに対して一向運輸省は金も入れておりません。だからして非常に何と申しますか、喫水も浅くなって、大きな船は入ってこないような状態のままにされている。過疎地帯であるからして、これに対しては非常に冷淡な態度で進められておるということは、あれを見れば一目でわかるわけです。こういう観点から申しますと、私は、どうしてもいまの西港は西港として充実をしてもらわなければならぬ。これは運輸の局長のほうに対しても、これからいろいろお考えを聞きたいと思いますけれども、防衛庁としていまあの東港の中で使っておられるところを私が見た範囲では、私はしろうとでわかりませんが、いろいろ防衛庁は防衛庁としての深い計画もあるし、深慮もなされておるということはわからぬでもありませんけれども、ああいうふうな雑然とした使い方で、おもちゃのような――ちょっとこんなことを言って失礼かもしれませんが、取り消しますが、非常に小さい練習艦が二、三隻広いところにおかれておる。私は前の、何と申しますか、軍港時代にあそこをよく見せてもらいに行ったことがありましたから、おぼろげながら記憶はあるわけでありますけれども、大きな船というものは外側のほうにもつと非常にあれされるわけでありますから、将来防衛庁として考えられたら、もっと内海の側はもう少し民間の利用のほうにされて、外のほうの側はもう少し自衛隊側でうまく整理をしてやってもらったならば、あの東港といえども民間と共用してやってもらえることになるのではないかどうかということを――私は、ほんとうのしろうとの立場から、あれを見せてもらったわけでありますが、そういうことを率直に感じておるわけであります。前には、私も質問したときに、いろいろ地図もいただきまして、利用状況、利用されてない状況というものもいただいて、私はそれを持ちながら舞鶴へ行って見せてもらってまいりました。これをいただいたときには、みんな色刷りにして、未利用と利用ということで、これを見せてもらっていますと、なるほどというようなふうに出ておりますけれども、これを一ぺん再検討するならば、これはもっともっと考え方が変わってくるのじゃないか。少なくとも自衛隊でやっていることを、私は何もいろいろいびる気持ちはございませんが、もう少し整理をしてもらって、この方面に一ぺん固めてもらって、この方面にはもう少し民間利用というものを考えてもらえる余地は、ぼくは何かありそうな感じがするわけでありますが、こういうことに対して防衛庁としてはどういうふうにお考えになっておるのか。私が前に質問して以来、何らの進展を聞いてないわけでありますが、このことに対してどういうふうなお考えになっておるのか。それから以後に、何か防衛庁の中で、この舞鶴港に対して何か調査なり、あるいは意見交換なり、あるいはまた将来の展望についての審議がされたのか、どうなのか、一ぺんそのところを伺いたい。
#27
○政府委員(江藤淳雄君) 御指摘のように、確かに舞鶴の海上自衛隊の施設は現在二十ヵ所に点在しておりまして、自衛隊の施設の利用の面からみましても、あるいは自衛隊の運用利用の効率の面からみましても、好ましくない状況にあるわけであります。同時にまた、このように点在しておりますことは、また一面地元の方に対しましても、いろいろな産業開発の面なり都市計画の面からみても、不便をおかけしているというふうに考えられます。とにかくこの問題につきましては双方にとって決してプラスでないような施設の配備状況になっております。現在、防衛庁としましては、いろいろな現地に関する案も持っておりますが、これらのものにつきまして、地元の産業開発計画なり、あるいは都市計画につきましては、十分協力するという意味におきまして、話し合いをいたしております。現在、約百二十ヵ所ばかりその申し出が出ておりますが、すでに実施済みのもの、実施中のものがその半数以上を占めております。われわれも常に地元の開発計画等につきましては、十分な関心を持っておるのでございまして、舞鶴の自衛隊の施設の問題にしましても、地元の協力が得られ、自衛隊と地元が十分共存し得るというような意味におきまして、もし施設の整備計画ができますならば、これはわれわれとしましても十分協議して進めたいというふうに考えております。ただ遺憾ながら、現在は自衛隊がまだ造成過程にございますので、これを整理縮小してしまうというような方向での話し合いとなりますと、これはたいへん困るわけでございますが、とにかく基本的な態度としましては、先ほど申し上げたようなことで今後とも進めてまいりたい。他の市町村におきましても、十分それば実施いたしておるというふうに申し上げて差しつかえないと思います。
 それからなお、さしあたっての問題としまして、先般先生の御質問以降におきましては、現在市役所のすぐそばに水雷調整所というものがございます、これは確かに市街地のまん中にもなりますし、市役所の隣接地でございますので、これはなるべく早い機会に、もっといなかのほうの雁又地区に移転したいということで、これは国有地で空いておりますので、これを地元と話し合いをいたしておりまして、おおむねその線で進むのじゃないか。そうしますれば、市役所のすぐ隣接地でございますので、地元の方々の利用にも十分いけるのではないかというふうな考え方をもって、その問題を進めておりますが、その他の問題につきましては、これはもっと大きな角度から全般的な検討をしなければならんだろうというふうに考えております。
#28
○大橋和孝君 たいへん私、前から申して、いろいろ話を進めていただいているようでありますから、その点ではありがたいと思いますが、先ほど申したように、私がここで特に感じましたことは、舞鶴市というのは非常に小さいのですね。ですから市の力が小さいですから、舞鶴市と話しただけでは、あるいはもう少し利用したい、発展したいということに対して規模が小さいわけです。私が申しておるところは、もう少し国家レベルから見て、いわゆる過密過疎という問題、あるいは将来それをどうするか、貿易の港にするかどうかということまで考えあわせて、あの舞鶴港というものを見れば、私は、前のときにも話したと思いますけれども、あれは三万五千トンとか何万トンというりっぱな日本海軍があったじぶんの大きな軍艦が出入りした港なんです。ですから、あそこをうまく利用すれば、ほんとにいま言うような何万トンという大きな貨客船も出入りができるような形になり得るわけですから、あの港そのものを考えるならば、決して私は神戸港、横浜港にも劣らないようなものにもなり得ると思うのです、北側の。そういう観点から、あれを見ていく。そういう観点から見て、私は、あの舞鶴港に対しては防衛施設庁として、どういうふうな共存方法を考えるかというふうに考えてもらわないと、ただ単に舞鶴市と話をして、あなたのほうがここのところは舞鶴の横になるからここへ移しなさいといったら移す、そういう小さい観点からこの問題を私は論じたくないのです。ですから私は、京都府に行ったときも京都府のも小さいと思うのです。ほんとからいえば、むしろあそこを近畿圏の中から考えますと、すぐ裏側にそういったものがあるならば、それをつなぐと、わずかな距離の高速道路でもってどんどん物資やいろいろな物が動かせるわけですから、そういう観点でこれをひとつ考えてもらいたい。こういうことに対して、これは防衛施設庁が相当積極的な考え方で通産省なり、あるいはまた運輸省なり、そういうふうな関連各省との連携をとって、そうして防衛庁は防衛庁としての任務か果たされるように――私が言っているのは、必ずしもそれにたくさん金を入れて整備するようなことに賛成いたしませんけれども、いまの観点からは、逆にそれを縮小せいということを迫るわけじゃありません。この問題に対しては全体から、防衛庁にたくさん金を使うよりも、ほかにもっと使ってもらいたい気持ちは内心ありますけれども、そういう親点からするのではなくて、もっと大きな視野から舞鶴というものを利用していこう――私は一ぺん通産省なり運輸省なりの御意見を聞こうと思っておりまして、これは大臣あたりにも来てもらいたいと思うけれども、きょうは、ほかへ大臣が行って、おられませんから、最後の詰めまでは押されないかもしれませんが、そういう観点から、相当喫水もあって、いままでは三万トン、四万トンという大きな喫水の軍艦が出入りしておった港ですから、これはもうひとつ観点を見直して、北側の一つのあれにすれば、過密過疎の問題からいっても、非常に近畿整備圏というところには距離が近いわけです。ですからこれは公害問題もさっきありましたが――大阪港に面した、あるいは神戸港に面した側でこの問題が非常に起こっているときに、過疎地帯である舞鶴あたりをそういうふうにする。そういう観点から私は、防衛庁は防衛庁としてのもう少しきちっとした考え方を固めてもらわないと――私も見せてもらいましたが、実に点在しているわけです。そうしてそれがいままで唯一の軍港であるという形が非常に大きなウェートを占めている。また住民感情からいっても、昔は軍港であって、いい夢があったわけですから、そういうことに対してきびしく私は批判して考えませんが、そういう観点からいったら、私はやはり防衛庁そのものだけが重点ではなくて、防衛庁とやはり民間のそういう通商、あるいはまた、いろいろなことが共存共栄できるような形を――この地図でも示しているように、外側にそういう地域ができるわけです、もっといいところに。あんな入り海のところまでこなくていいんです。今度飯野海運が日立造船になりましたが、あの問題もあそこにあるわけです。それはそれといたしまして、もっときちっとあそこの東舞鶴港を整備してもらって――そして、そうするために、また防衛庁と通産省なり、あるいはまた運輸省なりといろいろ話をして、あそこのところの整理をすることによって、北側の、非常にいまいう過密過疎とか、そういう問題を解消する大きなとりでになるし、またそれは、この万国博覧会を一つの契機にして、そうした計画を練り直してもらうようなことに対して、私はどうしてもやってもらいたい。そういう意味で、防衛施設庁の方々は早く行かれるようでありますから、そういうことをひとつ強力に申し上げて、あなたのほうでは、きょう帰ったら庁議にかけて、もう少し前向きにこの問題と取り組んでもらう。私が前に質問して、やられたことがそのくらいのことだとすれば、私がこの前に質問さしてもらったことの意義があまりにも過小であるということを感じます。私の考え方は、決して舞鶴と話し合いをしてもらうことを考えていません。もっと国のレベルで、あそこをもっと大きく考えていただきたい、こういうことでありますからして、そこのところを間違いないように、よく防衛施設庁でも考えてもらって、関係各省との連絡をとられて、舞鶴の港をひとつ生まれかわったようにして利用していく、こういうことに考え直してもらいたいと思いますが、どうですか。
#29
○政府委員(江藤淳雄君) 防衛庁としましては、部隊の所在する地元の市町村の具体的な都市計画なりあるいは産業開発計画ができました場合には、それに十分協力しますし、あるいはまた別個の角度から、産炭地振興とかいう面も過疎地帯に対する対策の協力の意味におきまして、部隊をそういう地区に移動するというようなことも現に実施いたしております。舞鶴の場合におきましては、具体的に地元の、東港を将来どういうふうに長期的には使いたい、都市計画としてはどういうふうにしたいという現実的な案がまだできておりません。それが地元のほうでつくられます段階におきましては、私のほうは私のほうで施設をどういうふうに整備する、あるいは舞鶴港の海岸に沿っていなければならないものでないものは、なるべくもう少し他の地区に移転するというようなことにつきまして、全般的な調整計画をつくらなければならぬと思います。しかしながら、これにはやはりいろいろと予算もかかりますことでございますし、やはり地元の計画がもっと具体的に作成される段階におきまして、双方とも一緒に大局的な立場から詰めてまいりたい。これは他の地区でも相当実施いたしておりますので、もし双方の話し合いが進みますれば、十分成り立ち得る問題であろうと考えております。
#30
○大橋和孝君 最後に私、施設庁に特に頼んでおきたいんですが、その姿勢はたいへんけっこうだと思いますが、しかし私は、ほかの各省に対していろいろ連携をとってもらって――ほかの省に対しても、私は、それを要望し、そういうようにするつもりでありますが、少なくともあなたのほうとしても、積極的にいま言うているように、現地ばかりの案だけでなくて、国のレベルでひとつ考えてもらいたい。あなたのほうの長官が閣議の中でそういう話を出して、閣議の中でそういうようなところまでもっていかれるような形に、関係各省との話し合いを進めてもらう姿勢を要望しておきたいと思いますから、あなた帰られましたら、長官に対してそのことを特にお願いしておいてもらいたい。私は、きょうは長官に来てもらってその御意見を伺うつもりでおりましたけれども、いろんな御用があったようでありまして来てもらえないわけでありますが、そういうことであるから、特に私は、積極的にそういうことに対して協力するというお気持ちだけはよくわかったわけですから、地元の小さいレベルでなくて国のレベルで、そういうもっと大きな観点から、それをどうするかというふうなところまで話し合いを進めてもらう一つの力にもなってもらいたい、こういうことを要望しておきます。
 続きまして各省にわたってお伺いしたいと思いますが、先ほど私ちょっと申し上げました、こういう長距離のカーフェリーというふうな問題に対して、運輸省の考え方はどういうふうにお持ちになっているでしょうか。私は、先ほど申したように、こういうものは何かの機会をつかまえて大いに発展をさせてもらいたい、こういうふうに思っておりますので、前向きの姿勢でこういうものに取り組んでいただけるだろうとは思いますけれども、そういうことに対して、どういうふうにこの問題をつかんでいるか、ひとつお伺いしたい。また、これをやりますのには、いまのところ舞鶴港でそれに即応できるかどうか、私は心配しているわけですが、こういうことに対して一体、これは自治体がやるものか、国がやるものか、あるいはまた会社あたりが責任を持ってやるのがいいかという問題があるだろうと思いますが、将来いろいろな意味で御指導願いながら、こういうことはひとつできるだけ先ほどお話もありましたように、過密、過疎の問題でこういうところがこういうことになり、近畿圏からも非常に距離が短くて、最近では特に万博のために舞鶴の方向に対して、うまいこと道路もできるようであります。もっともっと私は道路の問題についても、これからも質問さしていただこうと思うんですが、そういう観点からいって、私は非常にいいことですから、前向きにやっていただきたいと思うんですが、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#31
○説明員(須賀貞之助君) お答えいたします。
 最近のモータリーゼーション、あるいは観光ブーム、あるいは経済の伸展に伴います一種の流通の拡大、こういった面からいたしまして、カーフェリーというものが最近特に盛んになっておる次第でございます。昭和三十年におきましてはわずかに五航路であったのでございますが、四十三年末におきましてはこれが百三十四航路、こういうことになっております。しかも、従来のカーフェリーというものは橋の一種であったということで、島と島を結ぶ、こういう観念であったわけですが、特にここ一年ぐらいの間に長距離フェリーというものが非常に脚光を浴びてきたわけでございまして、特に、陸上交通の混雑、あるいは運転手の不足といった労務対策もございまして、長距離フェリーの申請が相次いできております。最近、特に昨年でございますが、小倉から神戸という長距離フェリーを初めて免許したわけでございます。これが半年のうちに、見る見るうちに非常に成績がよくなってきておるということでございまして、それを見まして、特に最近申請がたくさん出ておるわけであります。先生から先ほどお話がありました小樽−舞鶴、こういう長距離のフェリー申請が二月末の書類をもちまして三月初めに小樽の海運局に申請が出ております。これが事務的な手続といたしまして、とりあえずひとまず進達というかっこうで本省にきておりますので、本省ではこういうものがあるということはもちろん承知しております、現在小樽並びに近畿の両海運局におきまして実情調査をいたしまして、あとから意見を付して提出するということになっております。
 この長距離フェリーの大ざっぱなことを申し上げますと、六千トン型の自動車航送船によりまして、小樽−舞鶴間千六十一キロのところを二十六時間で結ぶということでございます。三日に一往復という計画になっております。旅客定員は八百人、航送能力――どれだけ自動車が積めるか、こういうことでございますが、大型のトラックを一トン積み程度のものに換算いたしまして百三台、それから乗用車百五十台、こういう計画で、速力は二十二ノット、陸上で申しますと約四十キロ近くの時速でございます。この二十六時間というのは、国鉄の急行とほとんど同じであるということであります。この申請によりまして、現在海運局に対しましてできるだけ早く意見を上げて、できるならば万博のほうに間に合わしたいということで努力いたしておる次第でございます。
#32
○大橋和孝君 非常に前向きなお話で、私の考えていることと非常にマッチして、うれしく思います。私は、先ほどから申したように、こういうふうな過疎地帯といわれるところに、そうした、いま私よく知らなくって話を聞いてびっくりしたんですが、百何十台も乗るようなもので、しかも陸上を走るほど――四十キロといえば大体陸上を走る自動車の制限速度ですが、それほどの能力を持つものがもしできたとすれば、これは産業の方面からいっても、またいろんな面からいって、大きなあれになると思います。そして、これはほんとに愉快な、京都府としては過疎地帯を救う意味において、非常にいいことになるので、ぜひともこれはひとつやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。同時に、いま私ちょっとそこで触れましたが、運輸省のほうではこういうような意味で、私もそういうことをやってもらいたいために、先ほど防衛施設庁に対してもいろいろお話をしたんです。その点と同じことになってまいりますが、結局そういったりっぱな六千トンとか何ぼとかいう、そういうようなものが出入りするのには、非常にまた埠頭とか、そういうものを考えなきゃならぬだろうと思うのですが、そういうことは、一体、まあ先ほど申したように、自治体と申しましても、あそこであれば舞鶴市なんですが、これは実に人口からいっても小さなところである。あるいはまた府にいたしましても、なかなかそんなに大きな余力があるかどうかわからないというようなことから考えますと、地元のほうになかなかそれほどの力もなかろうと思うわけでありますから、どうしても国のほうで大きなあれをしていただくか、あるいはまた会社のほうでいろいろ考えられるかということも、私どもいろいろ想像いたしておるわけでありますが、いろんな意味におきまして、舞鶴の港の利用ということですね、これに対しまして、私は運輸省としても、かなり大きなウエートでもって考えてもらわなきゃならぬじゃないかと、先ほどお聞きになったように、防衛施設庁に対しても私は強く要望しておいたわけです。舞鶴港の状態を見ますと、特に私は西舞鶴港のほうが、いままで、前の質問のときにもお答えいただいた記憶を持っているわけですが、それは、このごろはまた変わってきておれば別でありますが、これは西港のほうを比較的貿易に使って、東港のほうは、あすこに日立造船があるし、海上自衛隊もおり、また板ガラスなんかもあるというので、比較的西港に重点を置いているんだという御説明を承っております。ところが西海は、御存知のように非常に雑然として、材木がたくさん来て処理しかねておる状態です。だから私は、この間も舞鶴へ参りまして、舞鶴の市長あたりと話をして、一体これはどういうことだ、もう少し整備したらどうかと。ところが道路の事情や何かでもって、あの材木を運んだりすることで精一ぱいで、なかなかそうはうまくいかぬのだという、逆に陳情を受けて帰ったわけでありますが、そういう点から考えますと、やはり私は、先ほど防衛庁に対してもお願いしましたように、東港をもう少し港として、民間と自衛隊とが共用できるような、あるいはまた、そういうことについて、ひとつ相当配慮してもらわんけりゃならぬのじゃないかと、こういうようなことを考えております。前に私が質問したときにも、その御説明の中で、防衛施設庁のほうからも、あるいはまた運輸省のほうからも、これについては十分ひとつ検討するという答弁をいただいておりますが、それに対して一体、いまの状態ではどういうふうに、そういう点については舞鶴港をお考えになっているのか、これについてひとつ。
#33
○政府委員(宮崎茂一君) お答えいたします。ただいま舞鶴港の将来の計画につきまして、積極的にやれというような御趣旨のようでございまして、私どもも港をつくる側から申しますと、非常に港が繁栄いたしますよう、大いにつくって、積極的にやるという方針でおります。御承知のように、舞鶴はただいま西舞鶴のほうに重点を置きましてやっております。四十二年で大体百三十八万トンぐらい扱っております。そのうち大部分は――八十万トンぐらいは木材でございますが、今後やはり四十三年から四十七年までの五ヵ年計画というものを国はつくっております。これは、四十七年度は二百六十万トン程度になる。そういうことで、いま第四埠頭の建設をほとんど完了していると思いますが、引き続きまして第三埠頭をつくるということにいたしております。それから東舞鶴のほうでは平地区に、御承知のように木材のベニヤ板の工場ができましたので、あれを積極的に推進いたしたい。また、ただいまお話のように、木材が非常に入っておるようですが、これにつきましても西舞鶴の沖のほうにいろいろ貯木場をつくって処理いたしたい、こういうふうに考えます。
 それから御承知のように、港湾管理者は京都府でございまして、港湾の開発発展の責任者というものは実は港湾管理者でございます。したがいまして、私ども、港湾管理者のほうから、そういった発展的な計画ができてまいりますれば、それを審査いたしまして、経済発展におくれないように、施設のほうは進めてまいりたい。今後いろいろと舞鶴が発展いたしますと、まだ、実は五ヵ年計画の中に調整項目というものがございまして、これは全国で千百五十億円でございます。したがいまして、発展の状況に応じまして、いろいろの計画が地元から出てまいりますれば、それを審査した上でその発展計画に間に合うといいますか、そのような施設を整備したい、かように基本的には考えておるわけでございます。
 それからフェリーボートのお話でございますが、私も、きょうここに出て参りますときに、初めて京都府に問い合わせまして、そういう資料が出ているかということで問い合わせて見たわけでございますが、実は管理者としてどこを貸すかという意見がまだまとまっていないようでございます。というのは、港全体の利用の問題、確かに第四埠頭はばら荷に使うというようなことでございまして、どこか第二埠頭の根元を使わせようと思うのだけれども、まだはっきりしていない。ですから、海運局に対する回答もまだ出していないというようなことで、私どもは基本的に、海上輸送の変革に対応した港湾施設の整備というものをやらなければならぬと考えております。管理者の意向がはっきりいたしましたならば、なるべくそれに寄与する方向で協力いたしたい、かように考えております。実は、これをどういう施設でやるかということが問題でございまして、港湾法にきめました公共施設を使うような理屈づけをするか――そういうような使い方をするか、あるいはまたいろいろフェリーが問題になっておりますが、専用的なものを使ったほうがいいのか。その点は府においても検討しておられることだろうと思います。私のほうも検討いたしたい。とにかく海の輸送に対しては、隘路にならないように努力したい、かように考えます。
#34
○大橋和孝君 港湾の問題は、私も府庁によく話に行って、いろいろしておりますけれども、なかなか問題が大きいし、またそれをやるにしても、非常に大きなお金がかかるので、なかなか地元としても困るようであります。私、どちらかといえば、話を大きくし過ぎるというような点もあるかもしれませんが、しかし一面から言えば、私はあまり小さい事柄にこだわり過ぎておると、できるものもできなくなるというようなことになる。そういうことも考えざるを得ないような時期ではないかというような観点から、私は申し上げておるわけであります。私も、お説ごもっともで、やはり管理者である京都府のほうがそういうふうにならないのに、国のほうからはどうしようもないということはあり得ると思います。が、しかし、十分地元のほうにもわれわれも働きかけるつもりでありますけれども、国の側からもよく話を進めてもらって、やはり私は専門的なあれがないわけですから、非常に考え方はシンプルだと思います。単純な考え方だと言われるかもしれないと思いますけれども、少なくともいままで何万トンという船が入っていた港を、いまのようなことでほうっておかないで、それを利用するということが必要で、このように過密、過疎が大問題になっているときに、現状にはどうしても納得できないあるものを感ずるわけです。ところが、府の側にそういうことを話しにいけば、非常に予算規模も小さいから、大きなことをやればその負担にたえられないので、法外のことは望めないという一つのワクにはまっているわけです。私は、そういうことについて府のほうに話しに行くのにも、何か大きなことを持っていって、できもしないことを話しにいくのは、何か食中毒みたいなことになるので、なかなかむずかしい問題になると思いますけれども、先ほど防衛庁のほうにも頼んでおいたのですが、もっと大きな観点からそういうものができるような一つの大きな見通し――国の全体の問題としてどう見るかというような観点から考えて、私は、ある程度話を詰めてもらわぬ限り、こういう問題は話をしておっても、そのままに消えてしまう問題だと思うので、私はそういう観点で、ことに運輸省においても港湾のそういう設備に対して、あるいはまた軍港都市としていろいろいままで陳情しておられる面から考えましても、平和利用というか、そういう問題をひとつクローズアップして考えなければならぬ立場にある。私は、この舞鶴港とか宮津――宮津にも、この間発電所かできるということで、私どもはむしろ反対意見じゃなくて条件づきに賛成をしていくべきだ――それも、そういう観点から過密過疎の問題であの辺に、たとえば朝鮮海峡を渡って来なければならぬにしても一ヵ所――四日市だとか、また太平洋ベルト地帯にそういうものが集まって公害が多いわけですから、公害の少ない北側の港、しかも舞鶴もいい港です。そういうふうなところに一つの方法をつけること自身は、私は通産省としては考えるべきじゃないかという考え方を持って、いろいろ関電とも折衝を重ねたわけでありますが、そういう観点で私は、この舞鶴港に対してのこれからの取り組み方を、地元であげてこないやつはそうしておこうというふうな、穏健な考え方が普通の考え方かもしれませんけれども、もう少し大きい観点から私は、運輸大臣なら運輸大臣が閣議の中である程度の問題を提起して、そしてこういうような過密過疎の問題から過疎地区を発展さして、相当それが将来また、何と申しますか、企業の発展にもつながるし、住民の福祉にもつながるという観点で、私は大きくこれに取り組むべきではないかということを考えておりますので、この東舞鶴港、いま西のほうだけで十分で、何ヵ年計画と言われておりますが、現にあなたのほうも見ておられてよくわかっておると思いますけれども、ここに一つ二つの埠頭ができましたことは、私がいま言っておるような観点からすれば、あまりにもささい過ぎます。ですから私は、それをもっと拡大すると同時に、東港とともにそれを共同に発展さして使うべきではないか。こういう関連性を持っておりますからして、運輸省においてもこの私の質問をある程度消化してもらって、少なくともこれに対してはどうするかということくらいの討議をしていただきたい。私はそういうふうに思います。それから私は、前に質問してから、あなたもおそらくそういうような、いままで事務レベルにおいておかれるために発展性がないと思います。ですからもう少し変わった意味で、私がいま申し上げているような趣旨を十分に明らかにしてもらって、もっと国のレベルでこれを考えて、地元の負担を少なくしてやっていけるぐらいの考え方を、万博なら万博にもひっかけて、あるいはまた何かそういうことのスタートしやすい時期にスタートして、将来の大きな展望を持って、これに処せられるような方法をひとつ考えてもらいたい。こういうようなことを特に要望しておきたいと思います。で、そのほかまだ舞鶴の問題に対しましては、いま私ちょっと触れましたように、木材が来ましてもなかなか雑然としております。特に私、ここで問題があるのは、いま大体あそこの二十七号線ですか、あるいはまた国道九号線を見てみますと、いま普通のときですら相当の混雑をいたしております。しかもこれが夏の海水浴の時期になりますと、おそらく長蛇の列をなして全然動きがとれないような状態になってくる。ですから私の地元ではバイパスがもう一つ必要だと言われておる。そういうような形で、いろいろあそこで私は材木会社に入って調査してまいりました。「ああいうところでたくさんの材木を港に浮かべておるのは何ですか」と聞きますと、やはり輸送が十分でないわけです。ですから私は、運輸省においては道路網をいま少しここで考えなければいけない。過密過疎を一つの対象にするためには、やはりその道路網というものがもっと十分にならないといけない。こういうふうに思います。ですからいま計画されているのは、一本、大阪のほうですか、近畿圏に結ぶ最短距離の道路だと言われておりますけれども、あるいはまた最近請願が出ております京都の府道の鶴ヶ岡から舞鶴線というのが改修の申請をやって、請願を受けておるのですが、これはトンネルを二つほど掘れば非常に最短距離で京都に向かう道路ができるわけでありますし、これがまた福知山から大阪へ通ずる道路にもなり得るわけでありますからして、非常にこれが必要で、ここに洞ヶ峠菅坂峠といいますか、この二つの隧道をつくるだけで、あと非常に大きな整備ができるわけであります。その地元からの請願を受けているわけでありますが、そういうことからしてあの二十七号線並びに九号線のバイパスというものを、早くもうひとつつくらなければいけないのじゃないか。特に先ほど申しましたとおり、これは万博の車の移動を考えてみましても、私はここらに一つどうしても道路が必要になってくると、こう思いますので、こういうものについてやはり運輸省としてはどう考えておられるのか、ひとつ考え方を聞いておきたい。
#35
○政府委員(蓑輪健二郎君) 道路につきましては、これはもう先生御承知のように非常に最近の交通の需要の増大、自動車の保有台数が急激にふえてまいりまして、私たち道路整備を担当いたしておりますと、いかに道路を自動車の交通需要と一致させるのか、これに非常に苦慮しておるわけでございます。御承知のように二十九年から道路の五ヵ年計画をつくりまして、逐次道路の整備をやっておりますが、それもいずれも三年くらいで改定ということで、道路の投資額をふやすような改定に向かったわけでございます。いま先生のおっしゃいましたように、二十七号線につきましても、私最近行っておりませんが、あそこはかなり前にできた国道でございまして、いま考えてみますと一時改修が終わっているといいながら、やはりほかの新しい国道に比べますと、幅員も狭いような状況でございます。また、いまの舞鶴の将来を考えますと、当然ああいうようなものでは交通の需要をさばき切れないということで、二十七号線につきましては、これはおくればせというおしかりを受けるかもしれませんが、本年から舞鶴とあれは綾部でしたか、あの間の調査を――全面的に新しい国道をつけるというような調査を実施したいと思っております。また、やはり将来を考えますと、いまの幹線自動車道、これは御承知のように、四十一年に全国七千六百キロの日本の国土を張りめぐらします幹線自動車道の計画をつくったわけでございます。その中に入っております近畿自動車道の舞鶴線、これの調査も急いでいるわけでございまして、本年度は特に福知山から舞鶴間の図化を行ないたいというふうに考えております。やはり将来を考えますと、近畿自動車道の舞鶴線、これだけではなかなか交通需要にもたえられませんので、二十七号のバイパス、こういうものをあわせて考えていきたいというふうに考えております。ただ、これも先生御承知だと思いますが、幹線自動車道につきましては七千六百キロ、これも昭和六十年くらいまでに完成させたいという計画を持っておりますが、現在のところ、ようやく東名高速道路が五月の終わりに全線開通するような状況でございます。そのほかに名神高速道路につきましても、これもいずれさらにもう一本あれをやらないと、一ぱいになる時期が間近だと思います。また、そのほかに現在、名神高速、東名高速道路のほかに、道路公団に施行命令を出しておりますのが約千九百キロくらいございます。これにつきましても総事業費が約一兆一千億くらいかかるのでございます。それにつきましても、ことし一千億円にも満たないというような状況でございまして、車がふえるのに対応して道路の整備の資金をどう調達するか、こういうことに苦慮しておるわけでございますが、やはり先ほど言いましたように、近畿の、ことに裏日本と表日本をつなげるということが、将来の過疎地域の対策としてまず第一に必要になってくるというように考えておりますので、こういうものの調査をできるだけ急ぎまして、裏日本の開発がおくれない、国土が均衡して発展できるような施策を、できるだけ早く財源の調達とあわせて検討して、実現させたいというふうに考えております。
#36
○大橋和孝君 ことに、この道路問題に対しては、いまお話にありましたように、いま二十七号線というものが走っておりますが、あれほど紆余曲折、回り歩いて、あれほど危険な道路というものはないわけなんです。物を輸送するのには最悪の条件だと思います。といいますのは、みんな谷間をぬって歩くわけでありますからして、そういうことが言えると思いますが、私はいまちょっとお話しになったように、少なくとも幹線道路式に輸送道路も、もう少し短距離ですぱっといくように、設計によっては、あそこは非常にしやすいところだと思うのであります。都会地があるわけでなし、非常にやりやすい時期でありますから、計画の上にそういうものを一つつくる。私は、先ほどから万博の問題に関連して話しておりますが、いまのような状態において少なくとも、まあ一本近畿圏を結ぶ線をつくられることは、今度の万博計画の中に入っているようであります。それも話が進んでいるようでありますが、それぐらいのものではとても私は解決ができない。まあ先ほど話したように、たとえていえば、百五十台近くもの自動車を載せたフェリーボートがあそこにきて、そうしてそれが三日に一往復もやられるということになれば、非常に私は喜んでくる人もあるだろうと思うが、それを受け入れられるような道路というものができていなくて、御存じであるかどうか知りませんが、いまの、ああして回り歩くところのカーブを回って、ひとつ間違えばすぐ千丈のがけに飛び込むというような、重大なところをやっておるようなことでは、おそらくいまの感覚からいえば時代おくれもはなはだしい。ですから、これはやはり過密のほうに対しては相当いままで大きく資本が投入されておるけれども、過疎のほうに対しては弱いということ。――こういうこともできると、はっきりしているわけでありますから、少なくともそういうことのほうに――過密過疎を口で何ぼ言っても、将来の発展計画を口で言おうとも、これはできないわけでありますから、私はこの万博計画の中で、あるいは国ですぐできなければ有料道でもかまわんと思うのです。そうしたことで道路公団におろしたにしても、そういうものをどんどんつけて、そうしてもう少し早くそういう整備ができるような段取りをするということが、私は急務ではなかろうか、こういうふうに思います。ことに最近、いろいろな話を地元で聞けば、そういう要望も非常にあるわけです。ですから、おそらくもう新幹線で東京へ出るのに三時間、ところが京都駅の前から舞鶴へ出るのに同じくらいの時間がかかってしまう、しかも自動車を走らせながら。そのくらいかかってしまうということでは、あまりに差が大き過ぎるというようなことも感じますので、私は、ここで道路の問題については少なくとも、もっと積極的に考えて、まあ私は、この万博に何事も引っかけて申し上げるわけではありませんけれども、何かこういう機会にこういうものを積んでいかなければ、なかなかできないわけです、各地ともそういう要望がありましょうから。ですけれども、私、先ほどから――これからも、またあとでお話を承ろうと思いますが、外国人がこの万博のためにたくさん招聘されるわけです。いってみたらもう自動車でとても動けないということを見たら、何と日本というのはひどい国であるかということを天下に示すようなものです。京都がいろいろ言われておるけれども、京都へ行ったらひとつも動けなかったじゃないかというような、こういう印象を与えるようでは、私は万博をやった値打ちがもう半減どころじゃない、ゼロになってしまうじゃないかといった感じで、これはこうだったけれども、ここではこうだったという差がたくさんできることは、私は非常におもしろくないことだと思います。そういう観点から申しましても、私は、道路網については少なくとも京都と近畿圏を結ぶ、あるいはまた北の側と近畿圏を結ぶ道路網をもっとこの機会に積極的に進めてもらいたい。これはまだ申せば、話が事務的ないろんなレベルのことは存じております。ですから、それをやるためにはどうなって、地元負担をどうするかということがいろいろあるわけでありますけれども、そういうような小さいことにこだわっておるようでは、先ほどと同じような議論で進まないわけでありますからして、この問題は、私はひとつ積極的に考えてもらいたい。きょうは、私はそういう意味では建設大臣に十分聞いてもらいたいと思っておったわけでありますが、建設大臣にはその由を十分徹底してもらって、この道路網をもう少しひとつ考えてもらいたいと思います。
 それから、先ほどもちょっと触れましたが、最高ピークに四十万あるとするならば、十分の一の四万が行ったって、私は京都はどうにもならぬと思います。先ほど菅野通産大臣も京都へくれば、京都はもうかるぜと言われておりますけれども、もうかるほどまでの受け入れ態勢はできていない。おそらく私は、そういうことを言ったら、はなはだしいかもしれませんが、この間も京都選出の参議院議員が集まって、この万博の問題について話し合いをいたしました。自民党の方々ともお話し合いをしたわけでありますけれども、両方とも同じような意見であって、もしあれをするならば、先ほど私が話したように、ずっともう方法は、駐車場をつくり、自動車からおろして、バスで運ぼうかということぐらいしか考えられんと言っているのです。そんなことをしたら、おそらく外人はどういう感じを持って帰るでしょう。私はそう思います。いまでも私ども自動車に乗って歩いておると、京都の市内で四十キロの速度で走れるところはわずかしかありません。みんな一丁なり二丁なり自動車が列をなして、ゴー・ストップがあるたびごとに並んでいるのが現状です。おそらく外国へわれわれが行って、わずかな経験だから知りませんけれども、あんな自動車道路は外国では見られぬわけです。すいすいと走っているわけです。そういう人が京都へ行って、何と京都はひどいのだろうかという感じを持つのじゃないか。少なくとも京都は御存じのように戦災を受けておりませんからして、そのために小さな道路がそのままになっておる。これはもう京都は、いままでの自民党の高山市政の時代に私も市会議員をやっておりまして、いろいろ議論をしたことがございますけれども、なかなかそれができない。土地の使用がうまいこといかないし、発展していないわけです。だから、それに対して対応するだけのことを何とか考えなきゃならぬ。また、地下鉄もできていないという状態です。私は、ですから、こういうことを含めて地方自治体に、先ほどから言ったようにその辺の負担がみんなかかってきまして、なかなかそれは――いま地下鉄をやるのにも、京都でもってそれだけの能力ありやということの議論をしたら、たいへんな問題がありますけれども、そんなことを言っている時期じゃないので、もうそういうこともせなけりゃならぬということも、私は考えておるわけであります。そういう意味から言って、私は建設省で道路の問題、これは特に注意しなきゃならぬのじゃないか。特に私は、いま道路の問題で考えるならば、山陰線についての平面交差は、おそらくあれは法律でいけないことになっているはずです。立体交差にしなきやならんだろうということになるし、私は、これは道路方面で立体交差にすることも一つの方法であろうし、あと国鉄のほうも来てもらっておりますから、それについても一ぺん質そうと思いますので、そういうような点から言って、私は各省がもう共同してこういう問題と取り組まない限りは、なかなかできないわけです。まあ、いままでの事務レベルだけで話をしておってはなかなか進まないと思いますので、私は特に建設省のほうで道路の関係については、特に私はそういう点を十分に考えていただきたいと思います。
 ちょっと私、通産省のほうにも伺いたいと思いますが、先ほどのようなぐあいで、この北側の窓口をつくることに対して、私は通産行政からいっても非常に大事なことじゃないかと思うのです。それで、今後近畿圏そのものの整備を考えてみましても、いまのままでいけば公害もふえてくるばかりでありましょうし、いろんな問題で行き詰まりの状態になりつつあるのじゃないか。こういうような状態から考えまして、いま私の議論しておりますような、この舞鶴の問題を、通産省側からも、ひとつこれをとらえて商港にするとか、あるいはそういうような観点から通産行政の上からどういうような位置づけをして考えられるものか、ひとつ通産省側からこれを見たときの御意見を伺っておきたいと思います。
#37
○説明員(井上保君) ただいま担当の部局の人が参っておりませんので、後ほど先生のお話を伝えまして、先生のほうへ御説明させることにいたします。
#38
○大橋和孝君 ちょっとついでに伺いたいのは、通産省のほうにも、これはひとつ推進してもらって、そうして、先ほどのフェリーボートの話、あるいはまた、あの港をもう少し産業発展のための港に開発するということも、通産省としてはやってもらわなければいけないと私は思います。そういうことで、各関連の省にひとつ、一ぺん話し合いをしてもらうような機会をつくってもらうように、少なくともきょう御出席の各省及び庁のほうの方々に持ち帰っていただいて――私は、省の中でそういうことを話し合って、横の連絡をとって、こういう問題をひとつ真剣に考えてもらいたい。こういうことをひとつ通産省のほうにもお願いしておきたいと思います。
 それから、もう一つ、自治省に対して私はちょっとお伺いしたいと思います。だれかおいでになっていますか――この問題でいろいろ万博の問題を考えてみますときに、先ほど菅野大臣は京都あたりはもうかるよというふうなお話でありますけれども、実際問題としては、私は関連事業をやるには各自治体はその経済規模が小さいために、また浅いために、関連事業はもう思い切っては進まぬのじゃないかと、こういうふうに思います。ですから私は、自治省としては、こういうような万博というような大きな事業を成功させるために、これについての関連事業を思い切ってやれるように、私は何か特別な、地方自治体を圧迫しないような形で、うしろからこれを援助するような財政支出の方法ですね、こういうものをひとつ考えてもらわぬければいかぬのじゃないか。特別な交付税とか、あるいはまた、その配分に対してどう考えるとか、いろんな手はあると思うのでありますが、こういうことに対していままで前向きのことをやっておられないのです。私は、これがこうした関連事業をもうひとつ大きく飛躍させることのできなかった一つの理由ではないかと、こういうふうに思うわけでありますが、これについてはどんなふうにお考えでございますか。
#39
○説明員(亀谷礼次君) 万博の関連聖業を推進するために、財政支出に対する財政措置をどういうふうに考えるかという点でございますが、政府部内におきましても万博を推進するためのいわゆる地方団体の関連事業の負担をどうするかということは、これは相当大きな問題でもございますし、真剣に検討してきておるわけでございますけれども、御承知のように万博に関連して地方団体が財政支出を必要とする部面と申しますと、直接的には会場の建設費の負担、それから、いまお話のございました、金額としては非常に大きいわけでございますが、いわゆる関連の公共事業があるわけでございます。これにつきましていま先生御指摘のような関係の地方団体の財政負担の問題もございますので、前者すなわち万博会場の建設費の負担につきましては、所要年度の経費につきまして直接自治省におきまして、その団体の財政状況等を勘案しながら交付税――いわゆる特別交付税でございますが、その配分において考慮してきておるわけでございます。それから一般のいわゆる関連公共事業でございますが、これは政府直轄の事業あるいは関連の府県、市の事業があるわけでございますけれども、総体約六千五百億の事業の中で、いわゆる地方団体の事業負担と申しますか、この関連が二千億強あるように聞いております。ただ、この中には御承知のように、主として大阪市などの経営いたします高速鉄道、いわゆる地下鉄、それから京都あるいは大阪において相当大きなウエートを占めております下水道事業、こういったものに相当大きなウェートがあるわけでございますが、これらにつきましては、御案内のように、毎年度所要の経費を算定いたしまして、わが省の地方債計画におきまして特に関連の公共事業及び単独の事業、それからいま申しましたような公益事業等を含めまして優先的にこれを地方債で配慮しよう、そういうことで実は毎年措置をいたしてきております。なお、下水道事業等については、その裏負担の起債と同時に、投資的な経費につきましてはさらに交付税でこれを見るということで、所要の経費自身につきましては毎年度できる限りの手当てをしようということでやってきておるつもりでございます。
#40
○大橋和孝君 ある程度のいままでの一つのワクと申しますか、そういうようなことはやられる。特にいま今度の万博に対しても多少そういうようなことが考えられているということは、よくわかります。ですけれども、私がいま特に言いたいことは、先ほど来いろいろ話し合いの中で出てきておりますように、なかなかいまの状態では万博によって地方自治体に対して、いまのような交通の問題、いろんな問題が出てくるわけでありますからして、道路の問題にしても、あるいはまた地方自治体だけで、たとえば京都なら京都だけでやらなければならぬ道路整備であるとかなんとか、いろいろなものがあるわけですね。そういう問題に対して、やはりそれは、その都市においての取り組み方も私はいろいろまたあるから、それに対してもいろいろ陳情しなければならぬと思っておりますし、意見を申し上げたいと思っておりますけれども、が、しかしやはり自治省として、こうしたところに万博に関連をしてもう少しやはり見張って、むしろ指導的な役割りを持って、こういうような裏づけをしてやるから、こういうふうにしたらどうかというぐらいまで、私はやってもらわなかったら、事実問題としてうまくいかない場合、私はこれはたいへんな問題になると思うのです。先ほどから言っているが、「いらっしゃい、いらっしゃい」と言って外国からたくさんのお客さんを――百万人も集めてきて、そして「京都は昔からの京都でございますよ」と言って、京都へもし連れてきたとすれば、道路から何から実にお粗末である、こういうような不興をもしかったとしたら、私は、これは非常にあとに残す影響は、日本として非常に大きな影響を及ぼすわけです。そういう点から考えて、どこに問題があるかといいますと、やはり私は根っこには地方自治体の経済力の弱さ、こういうようなものが問題になってきますし、先ほどもおっしゃったように、いろいろな措置をされるということになっておりましても、なかなかそこのところがスムーズにいってないわけですね。ですから私は、特に万博をわずかな日にちに控えた現今では、打てる手は十分打ってもらいたいというのが、私のきょうの質問の趣旨ですからして、自治省としては、自治省へ府県から、あるいは市からいろいろなことを言うてきたときに、それを法規どおりに措置すればいいという配慮でなくて、万博というものはもう期間があるし、特にそういうことで重大な、大きな世界的にも意義を持つということならば、もっと国からも、逆に考えて、ぽやっとしているような都市があれば、それにハッパをかけてでも、やはりよくすることが日本の将来のためにもなり、あるいはまた、近畿そのものに対しても、また万博そのものに対しても、私は意義づけることになると思う。ですから私は、そういうようなことをいまここで私が話したいと思うことは、すぐ近くの京都におって、そういう心配があるからして、もう少し各省とも力を出して、よきものにしたらどうかという観点から言うておるのだから、ただおざなりの、こういうものに対してはこういうことになりましたということだけでなく、ぼくはそこに一段と飛躍した考え方をしてもらいたい、これが私の質問の要旨なんですから、そういう点は、きょう菅野大臣にいてもらって話をしたいという意欲に燃えておりました。その意のあるところを伝えてもらって、打てる手は打って――やはり金のないものに対してやれといったって、できないのですから、やはり国のほうの力で――国のほうとしても法律の規定以外のことはできないと思いますけれども、それをもっと積極的に話を進めて、そうしてこの問題についてひとつ十分な配慮をしてもらいたい。こういうことを私は自治省に対しても十分あれしてもらいたい。また、さっきから言っているように、各関連の省がもっと頑張って、よく話し合いをつけぬ限り、こういうこともできませんから、資金の裏づけ、これは大蔵省に対してもお願いしたいと思うのですが、そうしたことでいろいろやってもらわなければならぬと思います。ぜひひとつ、その点をお願いしたいと思いますので、これを強く要望いたしておきたいと思います。
 それから、その次に、私は、万博に関連して、もう少し通産省のほうからお伺いしたいわけでありますが、先ほど申したような形で、まだたくさん詰めたいことがありますけれども、時間がちょっとオーバーしまして、委員長にも申しわけないと思いますから、もう少しこまかく詰めたいことはよさせていただきますが、先ほど菅野大臣のほうでは、えらく見通しが明るいようにおっしゃっておるわけでありますが、私は非常に暗い点があるわけです。先ほど申したような公害館とか、あるいはまた労働館とか、そういうような館をつくるということに対してはいろいろ問題がありましょうけれども、私はひとつ具体的なことに対して取り組んでもらえるかどうかということを、もう少し事務局レベルで――こういう問題に対して大臣は大ざっぱなことは言われたけれども、具体的にこれは進めてもらえるかどうかということを、いま私が大臣にお話をしたことに逐次沿うて――時間がありませんから、これに対してはこう、あれに対しはこうという答弁をひとつしていただきたい。
#41
○説明員(井上保君) 御答弁申し上げます。
 最初に、原爆の展示でございますが、実は原爆展示と申しますのは、五八年のブラッセルの博覧会で日本の最も代表的な展示といたしまして展示いたしたわけでございます。それで今回は第二回目の展示でございまして、したがいまして特に原爆館を建設するということは考えておりません。いま一つは、広島に実は原爆記念館がございまして、ちょっと離れておりますけれども、内外人も相当従来もよく見ておりますし、今度来ます外人等につきましても、広島の原爆記念館を見てもらいたいということを何らかの方法で徹底をいたしたい、こういうふうに考えております。ちなみに、広島の記念館を見ました内外人の数は、始まってから約八百万人程度の人が見ております。そういうことでございまして、現在考えております第四号館の終わりのほうに、原子力の利用の明るい面と暗い面ということで考えております。相当積極的に取り組んでおるわけでございますが、それを展示いたしたいというふうに考えております。
 それから、労働の関係の問題でございますが、日本館の展示につきましては、担当大臣を中心にいたしまして、政府部内あるいは民間の有識者を集めましていろいろ検討いたしてまいったわけでございますが、その結論といたしまして、一号館は昔、二号館、三号館は現在、四号館、五号館は将来というかっこうの一つの流れとして、日本全体を展示していくというようなことに相なっております。そういう関係でございまして、労働部面の展示の場面はいろいろなところに出てまいります。たとえば歴史の部面でありますと、近世あるいは近代におけるいろいろな労働者の実態であるとか、あるいは第二号館でございますと、いまの産業の部面がございますが、産業の部面の中で働く人々ということでございまして、いろいろな働く人々の実際の姿が出てくるということでございます。また、それ以外にも二号館に生活部面がございます。そこの中でもいろいろなものが出てまいります。そういうようなことでございまして、要するに日本館の展示方法が縦に流れているという展示になっておりますので、横に切っておりませんので、いろいろなところでいろいろなかっこうで出てくるということでございます。
 それから公害の問題でございますが、これも先ほど申し上げました二号館の生活部面の中で「一億の日本人」というところがございます。そこで公害関係を相当詳細に展示いたしたいということでございます。たとえば車の問題であるとか、廃液の問題とか、その他公害問題を展示いたしたいというふうに考えております。
#42
○大橋和孝君 いまの説明を聞きますと、それがないことはない、やるのだけれども、そこへ行きまして、非常にこうクローズアップされて、印象に残るようにしなければ意味はないわけです。私は、この間も見せてもらってきまして、たとえば電機メーカーなら電機メーカーでこうだと、あるいはまた鉄鋼メーカーならこうだと、車のメーカーはこうだという、あれは一つ一つ印象に残ってくるものだと思いますが、いま言っているように、労働だとか公害だとか、そういうものはやりましょうといっていますけれども、一つも印象に残らないで消えてしまうわけです。ですから私は、そういうようなきらいもありますので、こういう問題に対してはもっと積極的に、そうであるということが印象として、よかったなというイメージが残るように、一つのものとしてまとめていかなければ、私はだめだと思います。展示をしますけれども、二号館の中でこうしますとか、三号館の中でこうしますとかだけでは、せっかく私は今度の意味からいって半減するので、これに対してはもっと、いま私が申し上げたいろいろなものが、相当一つの今度のアジアでやる、今度のシンボルとしてやられるところの中に位置づけられた意味があるわけなんですから、もっとそういうものに対してなぜ力を入れませんか。いわゆる大きな企業でやられるのはやりやすいかもしれませんけれども、こういうものは国でやればもっと大きな力でできるわけですから、私はもっと事務局段階でこういう問題に取り組み、もっと力強くもっていかなければ、せっかくのイメージがこわれてしまって、何か大きな産業のデモンストレーションであったということで終わってしまえば、あそこに掲げられている命題に対しても、非常にさびしいのじゃないかと思いますが、そういうことに対しては、もっとやってもらうようなことを大臣にもお話をし、いま私が言ったように、各省が連絡をとって、これをばっと打ち出していかなければだめじゃないかと思いますが、どうですか。
#43
○説明員(井上保君) 先ほどお答え申し上げましたように、日本館の構想の根本的な線が縦に切ってございまして、これは政府部内、民間の有識者の検討の結果、こういう展示をしようじゃないかということで、それぞれ進んでまいっております。そういう点もございまして、先生のおっしゃっておりますような、再構成のしかたは非常に困難かと思いますけれども、根本構想に反しない限りにおきまして、検討いたしたいと思います。
#44
○大橋和孝君 ぜひひとつ、それは考えてもらいたいと思います。
 それから国鉄の人が来ておられますから、ちょっと飛ばしていただいて、国鉄の関係で質問させていただきたいと思います。長い時間にわたっておりましてどうも済みません。国鉄へ聞きたいのは、これは万博と関連して私は考えているわけでありますが、特に私は京都の南のほうと大阪地区とを結ぶ線に、前々から請願が出ておりますから、当局は十分御案内だと思うのでありますが、片町線の複線化と電化の問題です。これもそのままに置かれておりまして、私もこれは気になりながらもそのままになっている。私は、この東のほうの京都側の方面と大阪をむすぶ線は、みな、何と申しますか、細い地帯で、あそこを無理して通っているわけですね。新京阪も通れば旧京阪も通れば、国電も通っている、高速道路も走っているということで、狭い地区に参りますと、あれは何というのですか、もう非常にベルトの狭い間へみなが集中しているわけです。私は片町線、あのように京都の南側から大阪に抜ける線路の大量輸送というものに片町線の持つウエートというものは非常に大きいと思うのです。ことに片町線の周辺地区では、今度はもう祝園とかあるいはまた新田辺あたりでは大きな土地造成が考えられて、ベッドタウンとして相当大きくなります。また申しますならば、万博を考えているならば、むしろ奈良方面へ行く人たちはあれを利用するとか、木津から奈良へ通じる非常にまたいい方向になろうと思いますし、いろいろな意味において私は、国鉄としては片町線の複線化とその電化、これにつきましては相当慎重に考えられるべきではないか。これはもう前にも私は、ここの決算委員会で質問をしたこともありますし、ほかの機会にもお願いをしたことがありますが、また京都の選出の議員団として与野党ともに国鉄から来てもらっていろいろな話をしたこともございます。これは山陰線の複線化の問題とあわせて申し上げたことがありますが、そういう観点から申しまして、まず片町線というものに対して、あなたのほうはどう考えられておるのか。踏み切ってあの線を複線化し電化したならば、あの周辺のより発展にもなろうし、それからまたいま言うたような工業あるいはまた商業、そういうような通産省関係の考え方でいっても、あの方面の発展のためにも非常に大きなウェートを持つものじゃないかと思うのですが、この片町線というものに対してどうお考えになっているのか、お答えをお願いしたい。
#45
○説明員(長浜正雄君) 片町線につきましては、おっしゃるとおりに、いままで片町線は非常に輸送設備がおくれておりました。やっとこの四月に、片町から四条畷まで線が完成したような程度でございまして、おっしゃるとおりおくれておりましたが、これは承御知のとおり片町線の沿線がほかのところに比べて、それほど発展しておらなかった。これはどちらが卵でどちらが鶏かわかりませんが、鉄道のほうもサービスがあまりよくありませんでしたので、発展しようがなかったということも言えるかと思うのですが、そういう事態でございまして、あまり鉄道としても整備ができておらなかったし、発展もしておらなかったのでありますが、さいぜん申し上げましたように、この四月に四条畷まで開業いたしました。これで国鉄がいままで計画しておりました第三次計画では一応四条畷までの線、こういうことになっております。ところが最近のこの片町線の沿線の状況は、いま先生御指摘のように、非常に工業団地だとかあるいは住宅団地が発展しつつあるようであります。ほかの場所よりも土地が広くあいているというような地域でございますので、そういうものは今後ともなお発展することが予想されるようであります。いまわれわれといたしましても、これを将来どういうふうにするかということは、実はせんだって御承認いただきました国鉄の再建計画の法案を成立させていただきましたが、その中で出ておりますように、基本方針を運輸省がつくられまして、その中で国鉄は基本計画をつくるつもりでおります。そのときにこういう地区につきましての投資の考え方、将来の輸送のあり方、こういう点を検討いたしまして、片町線についても今後の十年間の間のどの時点で、どういう輸送サービスを提供するかということをきめていきたい、こう思っております。大阪付近につきましては、東京に比べ若干通勤輸送関係の対策がおくれておるのじゃないかというふうに言われております。これは東京と大阪を比べ、通勤輸送を分担します国鉄、私鉄の割合あるいは道路との割合、その辺がいろいろ条件が違うわけでございます。それにしましても大阪付近の都市交通ということをどうするかということを、いま運輸省のほうでもお考えいただいておるようでございます。運輸省とも相談して、国鉄としてもそういう案を考えて、運輸省の案の中で大阪付近の交通体系というものの整備を考えていかなきゃならぬ、こういうふうに考えておる次第でございまして、片町線につきましても、そういうことで四条畷以遠の複線化の問題については、そういう全般の計画の中できめていきたい。前向きに考えておる次第であります。
#46
○大橋和孝君 特に私がここで申し上げたいことは、四条畷まで複線化されました。あの沿線の発展ぶりは御存じのとおりだと思うんであります。やはり卵か鶏かの話がいま出されましたけれども、私は事実そうだと思うんですよね。やっぱり足が確保されないというところに発展をさせようったって、田んぼの中にそんなものができるわけじゃありません。ですから、私は国鉄というものが、今度の運賃値上げの中でいろいろ議論されたと思いますけれども、もうやはりある程度の展望を持ってそれをしない限り、国民のほんとの足を確保することはできないわけでありますからして、私はあの片町線の意義というものは非常に大きなものがある。ことに、まだ別に関西線の複線化もいま言われております。これも私は木津からあの笠置のあたり、京都の南を走っておる関西線を見ましても、関西線全線にわたっての将来の発展も考えるならば、これは非常に大事な問題だと思います。私は前にも運輸省にも申し上げたと思うんでありますが、運輸省のほうでは湖西鉄道をいま考えておられるわけで、かなりどんどん話が進んでおる。その起点はやっぱり京都の山科駅になるわけでありますが、私はいま先ほども触れましたように、大山崎あたりの非常に狭い地帯、全部の道路があそこへ集中しているところに問題があるわけでありまして、そういうことを解消する意味から言いましても、いま私が言ったように、南側へ、南の大阪に対する大きな道路網あるいはまた鉄道網をつける必要がある。そういうことから考えて、先ほどいみじくもあなたのほうでお認めになったように、大阪付近、近畿圏においてはそうしたことが非常に立ちおくれているわけであります。いま、言うならば、琵琶湖の西側の状態も、いまはベッドタウンとして考えられているということの話も聞いております。あそこにベッドタウンが多くなれば、もしあそこへ住宅がふえたとしたならば、あそこらの人はいま省線しかないわけですね、使用するのは。省線の状態はいま、あなたのほうも御存じのように、山科あたりでは積み残しで全然問題にならない状態です。そうするならば、南へ行く人は、南のほうへ線をつなぐならば、たとえば山科を通って片町線にどっかでジョイントするということで、南のほうを回ってどんどん鉄道輸送できるという計画を立てたならば、滋賀県を含めた京都側からの近畿を結ぶ線というものは非常に南を通ってよくなるんではないか。国道でも水口――枚方バイパスとか言って計画されているようでありますね。これはもうひとつ、水口ではいけないから、何と申しますか、彦根のほうまで延ばしてやるという話を聞いておりますが、そういうことで、国鉄のほうでもやはり問題は考えてもらわんければならぬし、同時に私は鉄道でいま湖西線を考えるならば、湖西線をその省線に結びつけるばかりじゃなしに、むしろ私はここであれば奈良線とか、あるいはまた片町線と、どういうふうにやられるかは技術的な問題だから私ども関知するところではございませんが、こういうところに結んで、もっと南に対する大量輸送のできる鉄道網というものは、いまの段階で考えなければ私はおそいではないか。ことに京都のほうも南のほうへどんどんと発展をしまして、宇治だとか、あるいはまた小倉だとか、あるいはまた新田辺だとか、あるいはもっと南に下がれば祝園に至るまで大きな団地形成がいま行なわれようとしているわけであります。こうなると南側の発展は相当大きいものになりますから、いまの省線よりずっとずっと南に省線にかわる幹線を一つ敷くことは重大な問題だと私は考えておるわけです。この問題もひとつ考えておこうという考えだけでありましたけれども、私は架空的なことで話をしているわけではなしに、実際問題として真剣に考えてもらもべき時期ではないかと思いますので、この際私は、もっとお訴えをして根本的な考え方をしていただきたい。ことに、この次の計画の中で、そういう問題をひっくるめて考えようとするならば、ぜひとも入れて考えていただきたいと思うのですが、どうですか。
#47
○説明員(長浜正雄君) 湖西線の問題は、確かに線路は山科から先に結んでおりますけれども、別途京都から草津のほうは、いま複々線工事をいたしております。これで大阪、京都を通って湖西線のほうは電車を運転できる。それとは別に、先生おっしゃっておられましたが、山科から南に行くルートはどうか、これも腹案の中には、頭の中には入れておるのでございますが、東海道線が、何といいましても稠密なところを通っておりますので、あれをあらためて複々々線化するということもなかなかむずかしい問題でございます。そういう将来のあの付近をどう輸送力をつけるかということの中で、これを別ルートで通すというようなこともいろいろわれわれ技術の面では考えております。これは、いずれにいたしましても、相当金がかかることでございますので、簡単にいかないと思いますが、そういう全体の近畿地方の交通圏どうするかということの中で将来を展望して計画をきめていきたい。そういうことも実は考慮の中に入れておることを申し上げたいと思います。
#48
○大橋和孝君 特に京都そのものが南向けに発展をしている現況から考えて、大量輸送はやはり国鉄でありますから、特にそういう点を考えてもらいたい。要望しておきます。
 もう一点だけ、国鉄のほうにお伺いしたいのは、前々からいわゆる山陰線の複線高架の問題です。これは園部までやるという計画を聞いておりますが、最近聞きますと、単線高架ということも聞いておるわけでありますが、これは非常にもう何と中途はんぱな考えではないかと思いますが、ここでひとつここの意見を十分お聞きしておきたいと思うのです。特に、御存じのように、あの京都市内におきましては七条通、五条通、四条通、こういうようなところは、いまもう――三十七年だったと思いますが、もう自動車の毎日の通行の状態からして平面交差はまかりならぬということは法律で規制されておるのです。これは法律違反を長年やっておるのです。三十七年からいまのように、おわかりのとおり相当年月を経ているのです。こういうことをやっているのは、もう実に法律違反をし、法律違反ばかりでなしに、毎日多くの人命、多くの傷害者を出して、交通事故の最も起こりやすい地点になっているのです。こういうことを考えてみるならば、私はもっとここで苦言を呈したいと思うのです。一体国鉄というものは何をしておるか、こういうような状態で市民あるいは国民が危険にさらされて命を失っておるにもかかわらず、これに対して着手ができないということは一体何なのか、こういうことを考えるのです。いろいろ私は京都市側にも話を進めておりまして、考えてみるならば、今度単線高架にすれば三十二億であって、その率がどうなるとか云々と言われておるのです。私は先ほどからの議論でも申し上げているように、分担金とかなんとかいうことで法律があったらば、法律でやむを得ないとしても、何かできるような話をすればできる。特に私は、そういうような大きな公害があるのに、特にそういう支障があるのに、わずかなそういう事柄で話し合いが進まないということは、どうしても納得できないのです。こういう問題は、けちな単線高架とか、単線にしてみても、いまでは非常に困っておるし、園部にしても亀岡にしてもベッドタウンとしてかなり住宅がふえつつあるし、またいろんな状態で、先ほど申し上げたような過密、過疎対策としてやはり北側の交通の要線になっている山陰線というものは、京都から分かれて山陰方面に行く主要な鉄道でありますから、私は、ここらにいまのところわずかな単線高架をしようということを考えられること自身、嘆かわしいと思うのです。一体国鉄は何を考えておるか、値上げをするばかりが能じゃないのではないか、こういうことを考えるのでありまして、そういう点から考えるならば、もう少し前向きの線で複線高架をやって、それをやってのけるくらいのことは――多少問題があれば園部まではせいとは言いませんけれども、少なくとも二条通りまでくらいの間、あるいはまた、それからもう少し延ばして太秦あたりくらいまでの間は市街地でありますので、どうせまた平面交差にしてみれば問題が起こってまいります。ですからして市街地を抜けるまでぐらいは複線化するのは当然じゃないかと、こういうふうに思うわけです。どこに難点があり、何でそれがおくれているか、これについて解明願いたいと思います。
#49
○説明員(長浜正雄君) 山陰線の複線高架の問題は、先生おっしゃるとおり、いまの現状はそういうことになっております。これはおっしゃとおりに七条踏み切りなどは、これは法指定になっておりまして、当然これを早く工事するために立体交差をしようということで、道路管理者側と国鉄と協議しておったんでございますが、先生御案内のように、山陰線はあのルートのまま高架にするとか、立体交差にするという案を最初われわれ持っており、違う案も持っておったんでありますが、一部の御意見が出まして現在のルートをやめまして、別のルートでもっと西のほうを遠回りしてやろうじゃないかというような案が出まして、それでないと地元の京都はいやだというふうな案が出ました。とても、それがそういうことでは計画を新しくつくらなければならない、勾配をどうするというようなことでなかなか話がつきません。しかも分担割合は地元が非常に負担になるということで、それでは地元はできないということで、現在線の場所で複線高架にしようじゃないかということへまた戻ったのであります。その間相当な道くさがあったわけです。当然いま時分は工事のまっ最中か、あるいは完成しておったころじゃないか、こう思うんでございますが、この点がございますので、これはひとつ先生たぶん御承知だとは思いますが、御了承願いたいと思います。そういう点があったのでございます。で、その後これを複線高架にするということで、現在線のままやろうということに話がきまりました。きまりましたところ、これをやります方法といたしまして、全国の立体交差を連続高架化という問題で相当各所で問題が起こりました。これのやり方について、いま先生がお話しになりましたように、分担割合その他でいろいろ問題がございまして、全国で約四千数百億というような金額になるわけでございまして、これはとても半分持つわけにはいかないし、持つとしてもいろいろ問題点があるということで、その後建設省サイドと、いわゆる道路管理者側と国鉄と、あるいは運輸省に入っていただきまして話をいたしました結果、分担方式について大体の線が決定いたしました。それについて仕事を進めよう、こういうことになりました。で、その進める方法といたしましては、これを在来線を――現在あります線を高架にするということは都市計画事業としてやろうじゃないかというようなことできめていただきました。また、そのほうが鉄道側も道路管理者側もいろんな点でつごうがいいわけでございます。そういうことにきまりましたので、そういう方法で進めることをいま国鉄と道路管理者と話を進めております。これで話がきまりましたならば、都市計画事業としての決定を府がなさいまして、そしてそれに鉄道も事業をそれにつけ加えまして一緒に仕事をする、こういうことになる。このときに単線と複線の問題でございますが、これは技術的に現在単線であるものをすぐそのそばに複線で高架にしてしまうという方法は、非常に金ばかりかかって効果があまりありませんので、とりあえず現在の単線のそばにもう一つの単線をつくりまして、そして、現在の単線の線路を廃止いたしまして、それをもう一本また上げる。そして複線として使用するというのが技術的の方法でございます。これは至るところの複線高架の場合にはそういう方法をとっております。そういうことを考えて進めておるわけでございまして、とりあえず単線で高架にする、これによって法指定の立体交差その他もまず解消できるということでございます。それに引き続いて園部までの複線の一部として着工したい、こういうふうに考えておる次第であります。そういう点で御了承願いたいと思います。
#50
○大橋和孝君 これで終わりますから。特に複線の問題はやはり間隔が――いま言っているのだと、続いて行なわれるようでありますけれども、続いて行なわれればけっこうですが、離されてやられてはだめですから、それを注意をしてもらいたい。通産省のほうに対しては跡地利用の問題もございます。いろいろそういうことに対しましては特に配慮をしてもらって、そうして地元のいろいろな意見も反映しながらひとつ万遺憾なきを期してやってもらいたい。先ほどからいろいろ申し上げたことは、もう日にちもありませんことでありますからして、万博を成功させるためには非常に大きな決意でもってやってもらわぬ限り、その付近に対しては非常なしわ寄せがくるわけでありますから、そういうことのないようにひとつやってもらいたいということを、ひとつ十分また反映してもらいたい。まだたくさんありますが、これで終わりたいと思います。えらくおくれまして申しわけございません。
#51
○委員長(木村禧八郎君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#52
○委員長(木村禧八郎君) 速記をつけてください。
    ―――――――――――――
#53
○須藤五郎君 きょうは通産省と労働省に対する質問なんですが、まず、通産省に対して質問をいたしたいと思います。
 五月七日、八幡、富士、両製鉄合併に対し、公取から反対の勧告がなされまして以来、政府自民党並びに財界から、独禁法を改正せよという意見が強く出されておるようでありますが、通産省はこれに対してどういう意見を持っていらっしゃるか、まず、聞いておきたいと思います。
#54
○政府委員(大慈彌嘉久君) ただいま仰せのごとく、経団連が独禁法の改正について検討しているということは聞いてはおりますが、まだ経済界全体、ただいまお話しのような財界全体として考えているかどうかということはつまびらかにしておりません。私のほうといたしましては、現在のところ独禁法の改正は考えておりません。
#55
○須藤五郎君 この新聞によりますると、大平通産大臣は、「両社が(1)対応策を出して勧告で指摘された問題点を解消させる(2)いったん引き下がって再度出直す (3)勧告を拒否して審判に持込む――の三つの道を選択しようとしており「いずれの道を選ぶか、当面見守る」としながらも「勧告で指摘された問題点には両社で処理できる限界を越えたものもあるので、両社の決断を待って、政府も問題点解消のため競争促進的な鉄鋼行政を推進し、合併実現に協力したい」と報告、閣議の了承を得た。」と、こういう新聞記事が一つ出ております。また、通産省としては、これも新聞記事でありますが、五月十一日、日経によるわけですが、「通産省としては、両社側の対応策でその力量を越える部分については、競争促進的条件を整備し、側面から援助するつもりだが、現在までのところ両社側に対応策の具体的な問題について相談を求められてはいない。相談があれば応ずるつもり」だと、こういう記事も出ておりますし、また「八幡・富士合併問題に対する公正取引委員会の措置について、自民党内には公取が独禁法を現状に見合うよう弾力的運用ができない以上は、同法のあり方を再検討すべきだとの意見が強まっておる」、こういう新聞記事が出ております。なお、植村さんも独禁法を改正する必要はあるんだと、こういう強い意見を漏らしておるように私たちは新聞紙上を通じて聞いておるわけなんですが、こういうふうに政府部内、自民党部内に今度のような、ああいう結論を出すようでは、独禁法を改正しなきゃならぬという意見が強いということを私たちは聞いておるわけですが、その間の事情を――どういうふうな意見か出、こういうふうな状態になっておるのか、ちょっと政府当局から聞いておきたいと思うんです。
#56
○政府委員(吉光久君) 五月七日に公正取引委員会の勧告処分が出たことは、ただいま御指摘のとおりでございます。この勧告処分につきましては、これを応諾するかどうかというふうなこと、これは両当事会社が決定すべき問題であり、両当事会社がどのような態度をとるかということにつきまして、その態度を通産省としては当時見守っていくというふうな基本方向がきめられたわけでございます。その後、いま出ております――いまお読みいただきましたようないろいろな新聞記事が出ておるわけでございますが、通産省といたしましては、ただいまもお答え申し上げましたとおり、両当事者がどう決断するかということを一番重要に考えておるわけでございます。同時に、この勧告処分の中で指摘されました理由につきまして、この理由の解消策につとめるのは、これは両当事会社、全力をあげてつとめるのではないであろうかと想像いたしておるわけでございますけれども、両当事会社が積極的にこれら指摘された理由の解消につとめてまいる、こういう態度が必要ではないであろうかと、こう考えておるわけでございます。先ほど大臣の何か閣議後の記者会見での発表でございますか、引用されましたけれども、大臣がお話になりましたのも、いま私が申し上げたような角度からお話になったものと私どもは承っております。したがいまして、いま政府の中でこの合併問題に関連して政府として独禁法を改正すべきであるとかどうだとかいう意見は、私どもは全然承知いたしていないわけでございます。何と申しましても、産業対策の一つの中に競争促進的な条件を成熟さしていくというふうなことも、これは必要な事項でございます。これは、合併問題があるなしの問題いかんにかかわらず、そういう点についての検討は前々から通産省でもいたしておるわけでございます。これがすぐに合併に対する対応策であるとかどうとかいう気持ちは全然持っていないわけでございます。そのように御了承いただきたいと思うわけでございます。
#57
○須藤五郎君 じゃあ通産省は、今度の公取のあの結論に対して、通産省としてはどういう意見を持っていらっしゃるんですか。
#58
○政府委員(吉光久君) ちょっと一般的にお答えさしていただきたいと思うわけでございますが、一般論といたしまして、通産省の基本的な態度として合併問題に積極的に取り組んでいきたい、こういう気持ちは前々から持っておるわけでございます。ただ、今回の勧告処分につきまして、これを応諾するかどうかということは、先ほどもお答え申し上げましたとおり、両当事者の決意の問題でございます。通産省としてこれに積極的にどちらにしろということを介入する意図は持っていなかったわけでございます。それが先ほどお読みいただきました記事になっておりますように、両当事者の態度の決断を見守っていくということが、当時、通産省として大臣が記者会見の場でお答えになったことばであったというふうに思っております。
#59
○須藤五郎君 この前も質問したのですが、昨年の四月に佐藤総理は、両社の合併は国際的競争力を強めるという立場に立って好ましいことだということを、まだ公取が何ら言っていないときに、もう公取を拘束するような発言をなされております。また大平通産大臣も合併は好ましいというような発言をしていらっしゃるわけです。ここに私は資料がありますが、一々読んでいると時間がかかりますから読みませんが、国の責任者である総理大臣が合併は好ましいことだという意見を出し、総理大臣がそういう意見を出しているときに、公取がそれは相ならぬという結論を出されたのでありますから、政府当局としても公取の結論に対しては何らか意見を持っておるはずだと思うんですよ、そこを私は聞きたい、それが一点。
 それから今後、公取の結論に対して、政府当局は財界と一緒になって、また八幡・富士両製鉄会社と一緒になって公取を拘束するような発言は、今後政府当局は絶対しないのか、そういう政府の決意のほどを私は伺っておきたいと思うのです。
#60
○政府委員(吉光久君) ただいま二点について御指摘があったわけでありますが、まず公取の結論でございますが、公正取引委員会のほうで出されました勧告処分について、通産省としてこれをそのままとやかく言うつもりはないわけでございます。ただその勧告処分は理由を示しまして、こういう理由があるという前提においては合併をしてはならないというふうな勧告でございます。したがいまして、その理由が消滅すれば合併してはならないという事態もまた解消をしてまいる、こういうふうな手続になるのじゃないかというふうに考えているわけであります。したがいまして、その理由の積極的な解消につとめますのは、これは両当事会社であるというふうに考えるわけであります。
 それから第二の、結論に対して公正取引委員会を拘束するような発言をしないかどうか、こういう御発言だと思います。私ども実は、公正取引委員会におきまして審査が係属しております間、特に先ほど大平大臣のことばを引用されましたけれども、大平大臣も無用の発言は厳禁するというふうなことで、私どもも実はずっとこの問題につきましては沈黙を守ってまいったわけでありますが、いま最終的な結論が出されました。そうしてこれが審判の場で争われるというふうなことに進展していくのではないかというふうに考えるわけでございますけれども、その審判手続の過程におきまして、これはもちろん両当事会社が中心でございますが、独禁法にも認められております関係官公署の証言的な規定もあるわけでございます。そういうふうな意味で独禁法で認められました範囲でのいろいろの連絡は委員会ととることがあるかと思いますが、これはあくまでも独禁法体系における発言でございまして、これによって公正取引委員会がどのように判断されるかというようなことは、これは私ども公正取引委員会におまかせする、そういうふうな立場にあるのではないかと思っております。
#61
○須藤五郎君 それは、今日の新聞に掲載されているように、大平通産大臣が云々というようなことは、私たちが読むと、これは明らかに八幡・富士の合併の立場に立っている発言と、そういうふうに私たちには受け取れるわけであります。総理大臣が合併は好ましいことだと言ったことも、これは合併の立場に立った発言だと思うのです。そういう合併の立場に立った発言というものはやはり公取を拘束することになるんですから、そういう不謹慎な発言は今後通産省としては一切いたしませんということが言い切れますか、どうですか。
#62
○政府委員(吉光久君) いろいろの考え方があるかと思うわけでございます。いままで審査手続に入っておりまして結論が出る前の段階でございました。したがいまして、発言はきわめて慎重にいたしておったわけでございます。おそらく次の段階は、審判手続の段階に入るわけでございます。したがいまして、その審判手続の過程におきまして、先ほどお答え申し上げましたように、独禁法上許された範囲内で、主務官庁が発言をするということは、これはあり得ることだと思うわけでございます。と同時にもう一つ、先ほどもお答え申し上げましたけれども、通産省で対応策をつくるわけではございません。対応策をつくりますのは――あるいはこれを最近では積み増しというようなことを言っておりますけれども、これをやりますのは両当事会社でございます。ただ与えられた経済環境の中に、競争促進的な状況というふうなものをどう醸成してまいるかというふうなことは、これもまた産業政策の一つの目標ではないかと思うわけでございまして、そういう観点から、現に置かれた鉄鋼業界全体にありますところの環境について、これを整備してまいるというふうなことも、通産省として検討してまいらなきゃならない一つの課題ではないであろうか、このように考えておるわけでございます。
#63
○須藤五郎君 それじゃ両社が、こういう方針でやっていきたいというような案を、もしも通産省に持ってきて説明した場合は、その案に対して通産省はこうしたらいい、ああしたらいいという案を要するにアドバイスする。そういうことはやっていくお考えなんですか、どうなんですか。
#64
○政府委員(吉光久君) 製鉄会社を監督いたしております通産省という立場と、それから鉄鋼行政を所管いたしております通産省、こういう立場と、二つの面があるかと思うわけでございます。私ども、この両会社の合併問題がどのように進展してまいるかということにつきましては、非常に重大な関心を持っておるわけでございます。したがいまして、両当事会社のほうから何らかの相談ごとがございますれば、これは行政官庁として相談に応じられる限度におきまして御相談に応じてまいるということもあろうかと思います。
#65
○須藤五郎君 その限度というのは、どういうところが限度なんですか、具体的に言ってください。
#66
○政府委員(吉光久君) これは、要するに監督官庁といいましても、実は指揮命令権的な意味で、法律的な権限事項としていろいろなことをやってまいるという立場にはないわけでございまして、そういう意味でこうしろ、ああしろということを権限的に申す力はないわけでございます。したがいまして、いわゆる普通の御相談に応ずるということでございまして、それが選択されるか、されないかということは、これは最終的には両当事者の意志にかかってまいる、こういうことでございます。それが第一点。
 それから、もう一つは、この問題につきましてのいまの鉄鋼行政的な立場から見ました動きというのは、あくまで役所の動きは補完的な作用しかないであろう。通産省がイニシアチブをとって、あるいは主体的な立場をとってこれをどうこうしてまいるという立場にはないわけでございまして、あくまでも受け身の立場でございますし、したがいまして、先ほど申し上げましたようなことも、あくまでも補完的な作用としての活動しかできないのではないだろうか。それ以上進むことは、通産省の持っております立場からいきまして行き過ぎではないだろうか、こういうことでございます。
#67
○須藤五郎君 それじゃ、ひとつ両社が対応策を持って通産省へ相談にやってきますね。そうすると、通産省はこの対応策でもけっこうだという意見を述べるのか、この対応策ではまだ不備ではないのかという意見を出されるのか、この対応策のここをこういうふうに直したらよくはないかという意見を出されるのか、どういう意見を出されるのですか。黙って聞いて、そのままでどうぞお帰りくださいというのですか。やはり何かそこに積極的な通産省としての考えを述べなければならないんでしょう、どういうことになるのですか、その点は。
#68
○政府委員(吉光久君) まだ会社のほうからどういうふうな対応策を出すというふうな点についての、会社の態度自身もまだきまっておらないようでございまして、私どもまだ御相談にあずかっていないわけでございます。したがいまして非常に一般的、抽象的なお答えしかできないわけでございますけれども、内容につきまして、要するに何といいますか、私どもの考えておりますようなそういう形で、要するに鉄鋼政策に矛盾しない形での対応策というものが準備されることが必要であろうかと思うわけでございまして、したがいまして、そういう意味で鉄鋼業界全体の中でこの問題がどう扱われるかということについて、対応策自身が鉄鋼業全体の位置づけの問題になります関係上、そういう点が中心になった御相談を受ける立場にはあるのではないであろうかと思うわけでございます。同時に、現実の問題といたしまして、何ぶんにも非常に広範な角度から理由書が示されておるわけでございまして、その理由書の読み方等についても、この文章の読み方につきましても、いろいろの読み方があるようにも受け取れるわけでございまして、そういう点について、これはこういうことを意味しておるではないであろうかとか、どうとかというふうに、いわば行政事務になれた人が読む読み方と、それには全然無縁の方の読み方と、いろいろあろうかと思うわけでございます。そういう意味で解釈上の問題、あるいは公正取引委員会が求めております新しい措置と申しますか、どういうところに力点があるであろうかというようなことにつきまして、私どもが考えておることについてお話を申し上げるというふうなこともあろうかと思います。これは私、抽象的な段階でございますので、具体的にお答え申し上げられない段階でございますので、こういう答弁でお答え申し上げたわけでございます。
#69
○須藤五郎君 それじゃ結局、私がさっき言った三点について、やはり行政指導をするということは、これはもう明らかなことだと思うのですよ。いまのあなたの話ししているのでも、行政になれていない人たちに、行政官としての立場でそれに助言をしていくというんだったら、これはやはり行政官としての指導をしていくということは、幾らことばで両社の自主的判断にまかすといっても、その両社の自主的判断をつくっていくのは、あなたたち行政官の立場であるのですから、だからやはり通産省がこの合併について、対応策が出てきた場合については、やはりその対応策についても意見を述べるということは、指導をしていくということになるね。やはり私は、今度の公取の裁定に対して、通産省は腹の底で、口では言うことはできないけれども、腹の底では、これははなはだ遺憾だという気持ちがあり、あくまでも両社の合併を実現さしたいという希望があるということは、大平さんの発言並びに佐藤総理の発言を見てもわかるし、通産官僚のいろいろのことばじりからも、そういうことはよく判断ができますので、やはりその方向にこれを持っていこう、今回はとにかく、合併がとめられたけれども、何かここらでひとついろいろなことをみな相談して、ひとつ合併に持っていこうという腹が通産省にあるということは、これはいなむことができない点だと思うけれども、もしもそうでないというならば、もう両社にまかしておいて、通産省はこれにノータッチ、何らタッチしない、行政官としての指導も何もしないという態度こそが、私は正しいので、やはり行政官としての指導をしていくというならば、私たちがいま指摘しておるようなことになる、こういうふうに言わなければならないと思うのです。これが具体化してくれば、政府当局の行動も自然と具体化してくるもんだと思うのです。そのときに、ひとつまた大いに論争しますがね。しかし私は、必ずそういう態度に通産省は出てくる。だからここではっきり、もしもそうでないというならば、今後一切ノータッチだ、意見も述べないし、新聞発表もしないという、そういう態度を堅持するのが、ぼくは通産省としての当然の態度であるべきだと、こういうふうに私は思って、今日までとってこられた通産省の態度は、私ははなはだ遺憾だと思うのです。その点大いに今後注意をしていっていただきたい。注意をすべきだということを、私はこの際、通産省に申しておきたいと思うのです。
 次に、鉄鋼業界は、八幡・富士の合併がおくれるために、以前のような鋼材の乱売合戦が起こりはしないかと心配しているそうだが、これこそ鉄鋼独占が独禁法第一条のいわゆる「公正且つ自由な競争」をおそれ、八幡・富士合併によって新日本製鉄という世界第二位の巨大独占が生まれ、これによって独占価格が安定するのを布望し、期待している証拠だと思いますが、どうですか。
#70
○政府委員(吉光久君) 私もそういう記事を読んだわけでございますけれども、その記事の基調になります「鋼材の乱売合戦」が云々と、合併ができるできないで乱売合戦というふうな問題をどういう角度から判断されたのであるかということについて、私は理解に苦しんでおったわけでございます。現状におきます鉄鋼の鋼材の需給状況でございますけれども、世界的にいささか不足ぎみのような、そういう現象が出ておるわけでございまして、これは特に昨年の暮れから今年に入ってから、世界的な問題として大きくクローズアップされているわけでございます。こういう現状から判断いたしましたときに、この合併問題ができるできないというふうなことで、乱売合戦が起こる起こらないというふうなことをいますぐ即断するには材料不足ではないだろうか、こういう感じが実はいたしたわけでございます。もちろん、この合併で、鉄鋼業界がいわゆるいまお話のございました独占価格と申しますか、あるいは管理価格と申しますか、いろいろの御意見、御批判があるわけでございますけれども、少なくとも両当事者の意図いたしておりますところは、そういう意味での問題のとらえ方と申し上げますよりか、むしろ鋼材価格に不当に大きな乱高下が出てまいるということこそ、鋼材の基礎資材としての性格から考えました場合に、かえって不都合なんではないか。むしろ長期的に鋼材価格が安定し、低下してまいるという方向で考えられるべき筋の品物ではないだろうかという、こういうふうな意識はあるわけでございまして、したがいましてそういうふうな関係にうまく持っていける方策は、どういうふうにしたらとれるだろうかというふうな点から、この問題についても批判さるべきではないだろうか、このように考えるわけでございます。
#71
○須藤五郎君 これは、五月十一日の朝日新聞の記事で、あなたもお読みになったと思うのですが「長い間低迷していた鉄鋼の市況は、息の長い好況からくる需給事情の好転もあって、今年にはいってから急騰、鉄鋼各社の三月期決算は久しぶりに明るいものになっている。この裏には、兄弟会社でありながらシノギをけずって市場を争った八幡と富士の間が、一年前の合併構想以後”友好的”になってきたこと、さらに他社の間でも「新日鉄」がリーダーシップをとれば乱売戦がなくなるだろうから……、という期待感が協調ムードを盛上げていたことは否定できない。」と、こういう点を指摘しているわけですね。この点はこの前の委員会でも、私は、八幡・富士の合併に対して、よその住友にしろ、日本鋼管にしろ、この合併に反対していない、むしろ賛成していると。賛成しているという理由は、八幡・富士の合併で新日鉄という大きな巨大会社ができて、そうしてその力によっていわゆる独占価格というものが安定するんだと。だからわれわれにとってもこれは非常に好都合なことだというので、他社が反対をしてないのだということを、私はそのとき申し上げたはずですが、そういう点にこれは触れておると思うのです。
 これは、政府から提出された、私がこの前要求した資料でありますが、この国内鋳物銑鉄の値段が、私たちが最初持っておった資料によりますと、三十七年ごろから二万六千五百円という値段がずっと今日に至るまで続いておるという資料を私は手に入れて、それでこれこそ独占価格じゃないかと、いま日本の製鉄技術というものは世界で一級になって、日本の高炉というものはたいした力を持っておる。だから製品はもっと安くできるはずにもかかわらず、値段は二万六千五百円という値段をずっと続けているということは、これこそ独占価格じゃないかということを私は申し上げたはずなんです。ところが政府から出してきた資料を見ますると、三十七年が二万六千五百円、これは高値だけですね。最初に申し上げますと、三十八年八月が二万六千五百円、九月が二万四千五百円、十一月は二万五千五百円。四十一年になりますと、二月が二万三千円、三月が二万二千円、五月が二万二千五百円、六月も二万二千五百円、七月が二万三千円、十月が二万四千円。こう上がってまいりまして、四十二年四月が二万六千五百円、それから六月が二万七千円。今年の四月になると二万七千五百円、こういうふうに高くなってきているのです。
 これはちょうど、この朝日の記事が指摘しているごとく、両者の合併が問題になってくると、こういうふうにとたんに価格がずっと上がってきておるということですね。私はこの点、政府の資料でもはっきり説明がつくのではないかと思うのですね。そういうふうにこの合併が、やはり私は価格の引き上げを来たすもとになる。そうしてこういう独占価格の安定ということですね、高い価格安定という問題が起こってくるのではないか。これこそ私は、独禁法の言うところの「公正且つ自由な競争」という第一条の精神に反するところの行為ではないか、こういうふうに私は思うのですが、どうですか。
#72
○政府委員(吉光久君) 確かに最近の鉄鋼の市況につきましては、一部の品種につきまして価格がどんどん上昇いたしているわけでございます。これはお示しのとおりでございます。ただ、この原因でございますけれども、先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、現在世界的に鉄の不足が表面化いたしておるわけでございまして、特に欧州方面が好景気でございます。そのためにヨーロッパあるいは東南アジア、南米等の各地域から相当高い輸出価格での引き合いが殺倒いたしているわけでございます。こういうふうに世界的に鉄鋼の鋼材の一部の品種につきまして、品物が不足している。その結果が、先ほどお話ございましたような価格現象にあらわれているわけでございまして、いまの鋳物銑等につきましても、これは銑鉄全体――鋳物銑なり製鋼用銑を含めた統計でございますけれども、最近の輸入価格もどんどん値上がりしつつある、こういう状況でございまして、決して私どもは両社の合併問題が現実の鉄鋼市況の値段を高めている原因になっているとは考えていないわけでございます。
#73
○須藤五郎君 私たちは、売乱かどうかという問題を判断するについては、この価格が正しい価格であるかどうかという問題を判断するには、その生産コストがどうなるという点を明らかにしないと、この値段がはたして妥当な値段であるかどうかという検討ができないのですよ。この前私は、国鉄が買っているレールの値段は、妥当な値段なのか、正しい値段なのかということを質問しました。それを判定する上には、八幡の国鉄に納めるところのレールのコストですね、これが幾らになるのかということを知らない限り、国鉄が――国鉄は知っているかもわかりませんけれども、私たちは知らないから、国鉄が赤字で困る困るといっているが、はたして国鉄が買っておるレールの値段が正しい値段なのか、無法な高い値段で八幡から買わされているのと違うか、いわゆる八幡・富士しかできないレールですから、そこから法外な値段で買わされておるのかどうか、こういう疑惑が起こり、その疑惑を解明することができないのです。だから私は、コストを発表すべきものだ。いまあなたが、これはこういうふうに上がってきておるということが、はたして生産コストが上がったのかどうかという点も説明を受けないと、私たちはこれは納得することができないのです。こういうふうに値段が上がってくるのは生産コストが上がったのですか。私たちは、生産コストは日本の優秀な技術で世界一の高炉の技術を持っている日本ならば、生産コストはだんだん下がっていくべきものだ、こういうふうに私たちは理解している。それが逆に上がってくるということは、やはり独占価格のつり上げと、こういうことになるのじゃないですか。国鉄のレールを一体どのくらいで買って、そしてどのくらいの生産コストがかかっているというふうに皆さんは理解していらっしゃるのですか。
#74
○政府委員(吉光久君) さっき国鉄の問題のほかに、その前に御質問ございましたので、その点を含めましてお答え申し上げたいと思います。いまの鋳物銑につきましての価格は、現実の取引価格でございます。したがいまして、これはコストの推移と関係なしに現実の鋳物銑につきましての価格の推移、要するに取引されている価格の推移ということで出ておるわけでございまして、これには需給状況が非常に大きく作用しておるのではないのであろうかと考えるわけでございます。たとえば四十一年に二万三千円、二万三千円等のいろいろの数字が出ておるわけでございますけれども、当時は機械工業がまだ不振でございまして、したがいまして大口の需要者でございます機械工業の伸びが弱かったということが、鋳物に対する需要を弱めていたということでございまして、そういう関係から現実の価格が安く出ておったというふうに判断されるわけでございまして、コストとの関連においてこの価格推移が起こっておるというふうには判断していないわけでございます。
 それから、鋼材トン当たりの原価構成の推移でございますけれども、これは品種別ではなくて、全体トン当たりの原価構成の推移につきまして正式に有価証券報告書の中に出ております。鉄鋼の専業四メーカー、八幡、富士、川鉄、住友、この四社につきまして昭和三十五年度の総原価、それから四十三年の上期の総原価をこの有価証券報告書から拾い上げまして、これは公表された数字でございますので、それで累計いたしたわけでございます。そういたしますと、三十五年度におきましては総原価が、これは鋼材トン当たりでございますと四万五千三百六十九円になっております。それが四十三年上期におきましては四万四百六円、この比率が八九・一%、こういう比率になっておるわけでございまして、したがいまして全体として、そして同時にまたこれが今度は、平均販売価格をながめてまいりますと――いまは総原価でございますが、平均販売価格でながめました場合に、三十五年度が五万一千七百五十七円、それから四十三年上期におきましては四万一千三百二十七円ということで、これは比率的には七九・八というふうな現実の販売価格――これは全体を平均しての話でございます。現実の販売価額のほうがより多く下がっている、こういう現象になっておるわけでございます。そういうふうに全体として見ました場合に、コストの下がりぐあい以上に平均販売価格が、この間の過程におきましては下がっておるという現象が出ておるわけでございます。
 それから第二の国鉄の関係でございますが、国鉄の関係につきまして、実はこれはむしろ、需要者である、購買していらっしゃる国鉄さんは詳しい数字をお持ちじゃないかと思うわけでございますけれども――と申しますのは、これは非常に特別の――普通の売買契約と申しますよりか、特別の請負契約というふうな形でレールの取引がなされておるわけでございます。したがいまして、購入者たる国鉄は相当その内容について詰めた上で購入されておるのじゃないかと思うわけでございます。
 それからもう一つ、政府の立場、通産省の立場でございますけれども、通産省は実は両会社からコストにつきまして強権をもって資料を提出させるという根拠はないわけでございます。だから、もらおうとすれば、あくまでも行政指導を前提にいたしまして、その上で資料をいただくということになるわけでございます。したがいまして、通産省がコストをどのように見ているか、あるいはどれだけの値段で取引されておるかというふうなことにつきまして、実はこの内容を公にする立場にないわけでございます。先般聞きますところによりますれば、公正取引委員会の審査のために必要な資料としていろいろのコストについての内容の調査が命ぜられたようでございます。これは独禁法に基づきます強制的な調査権に基づきまして、両会社に対してそういう資料の提出を求め、また、両会社もそれに対して公正取引委員会のほうに資料を提出しておるというふうに伺っております。
#75
○須藤五郎君 いまちょっとあなたの話の中に、コストが下がってきているということがありましたが、そのコストが――一般的に生産コストが下がってきているのに、鋳物用銑鉄の面では一昨年あたりから値段が上がってきているという点も、私は矛盾があるのじゃないかというふうに考えます。
 それから、委員長にこれはお願いしたいと思うのですが、国鉄がレールをどのくらいの値段で買っておるかということは、やはり、国鉄の赤字追求の中で必要な資料になってくると思いますので、決算関係の資料として国鉄当局にその資料を出すように、ひとつ要求していただきたいと思うのですが。
#76
○委員長(木村禧八郎君) 出すかどうかわかりませんが、とにかく出すように手続をいたします。
#77
○須藤五郎君 そういうふうにお願いいたします。
 では、次のほうにまいります。
 通産省は、国際化時代には競争の制限、独占の支配ということはあり得ない、こういうふうに言っていらっしゃるのですが、そうすると、日本の鉄鋼製品やヨーロッパの鉄鋼製品はアメリカ市場に輸出されており、そこでは――そこではということはアメリカですが、アメリカでは鉄鋼製品価格は傾向的に下がっておるのか上がっておるのかという点を伺いたい。
#78
○政府委員(吉光久君) いますぐ資料をさがしまして、具体的数字は資料に基づいてお答えを申し上げますけれども、一般的な傾向といたしましては、アメリカ市場の鉄鋼価格はおおむね平衡的であるか、あるいは上がりぎみであるというのが現状でございます。
#79
○須藤五郎君 私は、これは通産省からいただいた資料ですが、一九五五年を大体一〇〇か九八くらいにしますと、一九六九年、そうなりますと、これが一六〇余りというふうにずっと上がっておるということ、これは通産省から出された数字でわかるんですね。それから鋼板類は、一九五五年を九五ぐらいの線に置きますと、一九六九年は鋼板が一五三ぐらい、それから冷延薄板ですね、これが一九〇を少し上がったところまで上がっているんですね、ずいぶん上がっているんですよ。これが今日のアメリカの状態だと思うんです。傾向的にはこういうふうにいま指摘しましたように上がっておるわけなんですね。傾向的に上がっているなら、まだまだ私は競争が自由かつ公正に行なわれていない証拠ではないか、こういうふうに思うんですが、それなのに、なんで日本はアメリカの要請に従って自主規制をやったか、これが一つの問題です。これは国際化時代には競争の制限はあり得ないということと逆の行為ではないかと、こういうふうに思うんですが、どうですか。
#80
○政府委員(吉光久君) まず最初に、アメリカの鋼材価格の問題でございますけれども、いまお示しございましたように、だんだんとしり上がりに上がっておるというのが現状でございます。これは日本の場合とアメリカの場合と非常に大きく違っておりますのは、需要の伸びでございまして、日本の場合には過去十年間に五倍の生産量の伸び――即需要の伸びでございますけれども――があったわけでございます。ところがアメリカにおきましては、過去十年間にわずか二割の需要の伸びしか見られていないわけでございます。そのためにアメリカ鉄鋼業界におきますところの設備の改善と申しますか、そういう新鋭の技術を取り入れて設備を改善していく実際の誘引力が非常に劣っておりまして、日本の場合には五倍という生産の伸びを示しておるわけでございますので、したがいまして最新鋭のものを非常に効率的に採用して、これを稼働させることができる、こういう好条件にあったわけでございます。そういう意味から、アメリカは全体に需要が停滞ぎみであるというところが一応の前提になりまして、そして供給力サイドにおいていま日本でやりましたような措置がとられなかったというふうなことから、おそらく労働費、その他の原材料費の値上がり分がそのまま価格ベースの中に入らざるを得なかったんではないだろうか。そういうふうな観察をいたしておるわけでございます。ところで、いま御指摘の、日本がなぜアメリカに輸出の自主規制をしたか、こういう点でございます。これは、実はアメリカの国内の需要が少しばかり伸びておりましたけれども、価格が少し高いというふうなことのために、輸入の鋼材に相当需要業界が動いたわけでございます。これは、ここ数年来、引き続き起こっておった事態でございました。それを背景にいたしまして国内に輸入につきましての割当法案をつくれという声が非常に強く出ておったわけでございます。特に、昨年七月に見込まれました鉄鋼のストライキを前提にいたしまして需要業界の、ストのための備蓄買いと申しますか、備蓄するために鋼材を購入するという動きが非常に活発になりまして、昨年一年だけで――実は一九六八年は六七年に比べまして輸入量にいたしまして五六・七%、六割弱近くの輸入量の急増を見たわけでございます。こういうふうな非常に大幅な輸入が入ってまいりまして、アメリカの企業も何万人かの労務者を一時雇用を解雇するというふうな措置までとらざるを得なくなってしまった。それがますます輸入制限法案を盛り上げる力になりまして、そういうふうなところから、実は、日本はヨーロッパ諸国が対米輸出についてどのような態度をとるかという点につきまして、その情勢を検討いたしておったわけでございます。と同時に、輸入制限法案ができるよりか、まだ自主規制のほうがより円滑に実施できるのではないであろうかというふうな関係もございまして、ことしの一月にそういう最悪の事態を避けるために、やむを得ず自主規制に踏み切ったわけでございます。もちろんEEC諸国も日本と同じように、この自主規制に踏み切って現在に至っておるわけでございます。
#81
○須藤五郎君 そうすると、通産省がかつて、国際化時代には競争の制限や独占の支配ということはあり得ないのだと言ったことは、今日やっていらっしゃることには当てはまらぬという結論が出るわけなんですが、通産省は国際化時代には競争の制限や独占の支配はないと言ったことを取り消されますかどうですか。そういうことは間違いだということを認められますか。
#82
○政府委員(吉光久君) 国際化時代におきまして、競争の場というものが国際的な舞台にまで広がってまいるということは、一般的にはそういうふうに理解せざるを得ないのではないかと思うわけでございますけれども、それはもちろん、その商品の特質あるいは需要構成その他によって、それぞれ違った特質もあろうかと思うわけでございます。いまアメリカにおきまして、こういう経済外規制というふうなことが行なわれたということをもちまして、直ちに――国際化時代におきましては要するに、市場の場は国際的な場として判断しなければならぬ、これは一般論でございますが、そういうプリンシプルをアメリカがこういう制度をとったから、だからそれは間違っておるというふうには言い切れないのではないだろうかと思うわけでございまして、アメリカはそういう措置をとりましたが、日本の場合いまそういう措置をすぐにとろうというふうなことでもございませんし、あくまでも日本の場合におきましては競争を促進させることによって正常な価格を生み出す、公正な価格を生み出すというふうなものの考え方が、基本を貫いておるのではないだろうか、こう思うわけでございます。
#83
○須藤五郎君 いや、その考えを貫いていくという態度は、私は貫いたらいいと思うのですよ。ところが、ことしの四月九日の日経によりますと、ゴット・アメリカのUSスチール会社の社長談として、「日本、欧州鉄鋼業界の対米輸出自主規制の実施で米鉄鋼業界の環境は昨年よりかなり明るくなった」と、こういうことを言っているわけですね。これはもう確かな、出所が明らかな点でありますが、それでは従来、日本はアメリカとの間に不公正な競争をやっておったのでしょうか、どうなんですか。公正な競争じゃなかったのですか、不公正な競争なんですか、どうですか。
#84
○政府委員(吉光久君) 不公正な競争をやっておったとは思わないわけでございまして、日本の鋼材の品質あるいは価格等がアメリカ鋼材に比べましてより有利な条件にあったということが、アメリカに対して日本の鋼材か逐年――これか年を追いまして増加してまいった基本的な原因ではないかと思うわけでございます。
#85
○須藤五郎君 それじゃ、なぜ自主規制をやらなければならなかったのですか。不公正な競争じゃないし、公正な競争をしているなら、自主規制をアメリカに押しつけられて、はいそうですかと言って、のむ必要はないじゃないですか。そういうことをのめば、先ほども言いましたように、国際化時代の競争の制限とか独占の支配ということはあり得ないのだと言っている通産省のことばと違った結果が出てきておるじゃないですか。
#86
○政府委員(吉光久君) これは、日本鉄鋼業界が好んで自主規制をした問題ではないわけでございまして、むしろアメリカ国内におきますところの輸入制限法案への動きが非常に高まりまして、これは先ほど申し上げました前提のいろいろの事情があるわけでございますけれども、何もやらないで向こうのほうで現実に輸入制限をされるという道を選ぶのがいいのか、それとも自主規制できる限度におきまして自主規制をやってまいる、もちろんこの自主規制をするということが国内経済環境に大きな影響を与える問題であれば、これもまた上目主規制には踏み切れないわけでございます。幸いにいたしまして、先ほどお答え申し上げましたように、ヨーロッパ方面での鋼材類の不足というふうなことも出てまいっておりますし、むしろ生産全体としてはこれを伸ばしながら、しかも輸出もアメリカ市場を除きました他の市場でこれがカバーできるというふうな、そういう前提のもとで、アメリカにおける輸入制限法案、向こうでかってにクォータがきめられる制度を選ぶか、それとも日本側である程度弾力的に考え得るそういう措置をとるかというふうなことで、実は後者の道を選んだわけでございます。
#87
○須藤五郎君 そのとおりなんでしょう。それ自主規制しなければアメリカに輸入制限食らうということなんでしょう。だから私は、通産省が言っていることは間違いじゃないかと言っている。国際化時代には競争の制限や独占の支配ということはないんだと、こう言っているやさきに、アメリカから、要するに輸入制限をすると、おれの言うことを聞かなきゃ制限するぞとおどかされて、それならむしろ自主規制したほうがいいといって自主規制に踏み切ったと、あなたはこうおっしゃるでしょう。それこそ国際化時代にあなたの言っている競争の制限や独占の支配はないという通産省のことばと全く違うじゃないですか。だから通産省はこのことを取り消すかどうかということを私は先ほどから言っているんですよ。矛盾ですよ、これは。
#88
○政府委員(吉光久君) 同じことをお答え申し上げるようでございます。結局、経済外的な規制が加えられるということは、これはよくないことであるということは私どもも全く同じ考えでございます。ただ現実的に、アメリカにおきましてこういうふうな措置をとらざるを得なくなっておるという事態があるわけでございますけれども、やはり日本における立場といたしましては、この国際化時代におきましてやはり市場というものを国際的な面で常に考える、こういう基本原則のもとに、常にそういう基礎的なもの――これ一般論です――基礎的な資材につきまして自由な国際的な場における交流が行なわれるということが堅持さるべき望ましい態度ではないかと思うわけでございます。たまたまいま鋼材につきましてアメリカ市場で一定の制限が加えられておる、こういうことでございます。ただ、それは決して好ましい手段としてとられたものとは思わないわけでございまして、したがいまして、そういうふうなことはできるだけないほうがいいわけでございまして、これはしたがいまして、そのときの事態に応じましていろいろの解決への努力をいたさなければならないのではないだろうかと思うわけでございます。
#89
○須藤五郎君 まああなたの言っていることに私が議論しても時間を食うだけで、それ以上発展しないように思うんですけれどもね、だから好ましいことではないけれども、アメリカからそういう自主規制をしなければ輸入制限をするぞと、食わされると。自主規制をしなきゃならぬ。だから通産省が国際化時代には競争制限そんなものはないんだと言って大みえを切ったが、事アメリカに対すると、がたがたとその態度がくずれて、そうして輸入制限されるよりも自主規制したほうがいいんだということばで自主規制をしなきゃならぬ。そうするとね、通産省の言った国際化時代に競争の制限がないんだと言ったことばが、もうくずれちゃうんですよ。そこを私は言っているんです。通産省の言ったことはくずれているんじゃないかという点を私は指摘をしておるんです。昨年日本の鉄鋼業界とアメリカの国務省との間に、いわゆる自主規制について誓約書が取りかわされた。これはアメリカ鉄鋼業界と日本の鉄鋼業界との間で、国際カルテルの関係で独禁法に触れるということで、日本の鉄鋼業界の代表稲山さんだと思うのですが、それで、国務省との間にいわゆる誓約書が取りかわされたということを聞いております。そのときに、バンク・オブ・アメリカの会長さんですね、昨年十月の二十日にロサンゼルスで国際鉄鋼協会の総会が開かれましたときに、この問題を取り上げてこういうふうに言っていらっしゃるのです。日本は東南アジアの鉄鋼市場を開拓すべきだ。アメリカへ日本が鉄鋼を売りつけるのじゃなしに、アメリカは自主規制したかわりに、日本ははけ口を東南アジアの鉄鋼市場を開拓したらよかろうと、こういうことをバンク・オブ・アメリカの会長さんが言ったというわけですね。これは、こういうことば自体が私はアメリカ市場を制限してアジア市場を開拓しろということ自体、販売協定だと、一種の販売協定ではないかと、こういうように私は理解します。この点を取り上げて、八幡の平井副社長が、このあと八系連の代表を集めてあいさつをして、こういうことを、私がいま読みましたように、日本は東南アジアの鉄鋼市場を開拓すべきだということをアメリカは言っておるということを平井副社長が八系連代表に話しておるのですね。これはちゃんと鉄鋼界という雑誌の十月号、昨年十月号にはっきり出ておるから、私の言うことがうそだと思うならそれを読んでみてください。鉄鋼界の十月号です。これは販売協定だというふうに言われてもしかたがないと思うのですがどうですか。
#90
○政府委員(吉光久君) 私、実はバンク・オブ・アメリカのどなたかがいまのようなお話をされたということは承知いたしていないわけでございますけれども、ただ私どもの鉄鋼業に対する輸出市場対策というふうな、そういうふうな性格から考えてみました場合に、ある特定の商品の輸出市場が特定の市場に集中的にあるということはあまり好ましいことではないというふうに考えておりまして、実はかねてから日本の鉄鋼業界との、輸出の関係についての打ち合わせの場におきまして、やはり輸出市場は多角的であるべきであるということ、そのためにはやはり何と申しましても東南アジアは一番近い距離でございます。したがいまして、東南アジアヘの輸出につとめると、あるいはまたヨーロッパ市場と競合いたしております他の市場につきましても積極的に輸出努力をすべきであるというふうなことで、輸出市場についての多角化の方向につきましては実はかねがね打ち合わせをいたしておるわけでございまして、これはかねてからの一つの構想でございまして、いまお話ございましたようなそういう記事に基づいて、あるいはそういう談話に基づいてそういう政策をとっておるというわけでは決してないわけでございまして、したがいまして、そういうふうな話があるからということがすぐに販路協定というふうなことにはつながっていかない問題である、こう考えておるわけでございます。
#91
○須藤五郎君 委員長にちょっとおわびしたいのですがね。時間が少し越過するようですけれどもお許し願いたいと思うのです。
 だってね、ここに日本は東南アジアの方向に行けということをアメリカのバンク・オブ・アメリカの会長さんが言っておるということは、はっきりとした一種のあなた販路協定じゃないですか。こういうことは非常な違法だと思いますよ。販路協定、日本の鉄鋼業界とアメリカの鉄鋼業界がこういう販路協定をするというふうに見られてもしかたがない、ことばがはっきりしているのですから。それを裏づけるように、ことしの二月十二日から開かれたエカフェの第四回アジア工業開発理事会に日本政府も参加しておりますね。そこで、昨年日本の鉄鋼業界が行なった第二次鉄鋼調査団の調査結果が報告されております。これ質問しますがね、政府は今後のアジアの鉄鋼需要及び供給についてどういう見通しを持っていらっしゃるか、詳しく各国別に台湾、シンガポール、タイ、インドネシアなどの国別に需要と供給の見通しをひとつ述べていただきたいと思うんです。
#92
○政府委員(吉光久君) 東南アジアの国別の輸出市場の現在の姿等につきまして、手元に資料を持っておりませんので、数字的にお答えすることは非常にむずかしいわけでございますけれども、一般的にお答えさしていただきますれば、先ほどアメリカとの関連でお答え申し上げましたけれども、やはり何といっても東南アジア地域が一番近い地域でございますので、この地域に対する輸出の努力をしなければならないということが基本的な方針でございます。ただ、その中におきましても、実は東南アジア諸国それぞれ鋼材の需要という観点から考えました場合に、それぞれの国のそれぞれの産業の発展度合いが異なっております。したがいまして、販路開拓と申します場合に、どういうふうなものについてという地道な調査が必要になってまいるわけでございますけれども、同時にまたエカフェ等で会合いたします席におきましては、それぞれの国の将来の産業のあり方というふうなことも論ぜられておるわけでございまして、それぞれの国がたとえば造船業をやりたい、あるいはまたその他電子工業関係の産業を育成したいというふうな、それぞれの国がそれぞれの立場で考えた産業計画というものがあるわけでございまして、そういうふうなものをエカフェの場で検討され――これは長期的な意味での経済の計画でございますが、エカフェの場で検討されておるわけでございまして、そういうふうなものをも私ども勉強いたしながら、それぞれの国にどういうふうにして鋼材を供給したらいいか、また、どの時期にどの程度のものというふうな勉強をいたしておるわけでございます。それからもう一点は、エカフェ地域の会合の場におきましては、それぞれの国が共同してどこかに大きな製鉄プラントが設けられないかというふうな点をも実は検討も加えておるわけでございまして、その場合に、たとえばアメリカの製鉄業が出かけていくか、日本の製鉄業が出かけていくか、そういうふうな意味の選択の場も与えられておるわけでございまして、むしろ積極的にそういう、あるまとまった需要があります場合に、日本に立地してそこに輸出するのがより安い商品になれるか、あるいは、これは需要の大きさによると思いますが、現地に立地するのがいいのか、そういうことにつきましても現在鉄鋼業界で検討が進められておるわけでございます。
#93
○須藤五郎君 あなたたちはこういう資料を持っていないのですか。「鉄鋼、調査週報」というふうな資料をお持ちじゃないんですか。
#94
○政府委員(吉光久君) はい。
#95
○須藤五郎君 それは少しなにじゃないですか。これにちゃんと出ていますよ、私がいま質問したことは。政府当局がこれ見てないというのは少し不勉強じゃないですか。これには台湾、フィリッピン、インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシヤと、一々年度にわたって六六年、七〇年、七五年、八〇年、八五年と、五年ごとに数字が出ていますよ。そうしますと、一九六六年で六つの国を合計すると二百二十八万三千トンなんですね、それがずっと伸びまして、七十年には三百六十二万六千トン、それから七十五年になると五百四十万八千トン、八十年になりますと九百六十万七千トン、それから八十五年になると千三百二十六万三千トン、こういうふうになっておりますが、条鋼とか鋼板とか、それから冷延薄板の需要が全部これに出てますよ。私が言ったのでは詰まらないと思って、あなたにこの点を言ってもらいたかったのですが、あなたに資料がないと言えばこちらで簡単ながら言わざるを得ないのですが、こういうふうに数字が出ている。こういうことはちゃんと日本で調査しているのですよ。これは日本の調査ですよ。調査の結果がこういうふうに出ているのです。それでいわゆる今後日本が東南アジアの方向に出て行って、それを全部日本の支配下におさめていこうというこういう考え方を持っていま日本がやっていると、こういうことが私は言えると思うのですね。そのために東南アジア鉄鋼協会設立案というの――御存じでしょう、こういうものが出されたということはこれは御存じでしょう。その内容をひとつ、どういう目的で、どういうふうになっているかということをここでおっしゃってください。
#96
○政府委員(吉光久君) エカフェの場でいろいろと検討されている問題の一つでございまして、東南アジア諸国がそれぞれ集まりまして、東南アジアにおける鉄鋼、鋼材の供給と申しますか、あるいはまた場合によりましては鉄鋼業自身を設立する、それをどこにどういう規模で、どういう年次計画でやったらいいかというふうなことにつきまして、お互いが協力してやっていこうではないか、こういう構想で現在準備が進められておるというふうに伺っております。
#97
○須藤五郎君 これは日本の技術が一番進歩しておるというところから、人員の訓練をやったり、アドバイザーの選択をしたり、たとえば大阪にある鉄鋼技術大学を利用させてそこでこういう人をつくっていこう。技術面と情報について開発プログラムの作成をやっていこう、協議及び諸国の諮問団体としてこういうことをやっていこうということがあげられている。最初の案は本部を東京に持ってこようという案が立てられておったのですよ。しかし最後のところで、いささかちょっと遠慮したのだろうと思いますが、最後の案では東京に本部を持ってくるということははずされております。その面は削除はされておりますけれども、やはりそういう計画が着々となされておるということは、先ほど申しましたアメリカが、日本は東南アジアのほうに市場の開拓をしたらどうだという、こういう話とちゃんと符牒が合って、そういうことを日本が考えている、これが日本のいわゆる国際競争力をつけるとかなんとかいうことばで私は表現されている内容の一つだ、こういうふうに思うのです。それで福田大蔵大臣がこの間シドニーで発言をしておりますが、一九七〇年代のアジア援助額は従来の二倍にすると、こういうふうに大蔵大臣が発言をしておりますが、この中にはアジアの鉄鋼生産のための援助費、原料資源開発のための援助費など、アジアの鉄鋼に関するものは含まれておるのか含まれていないのかという点を聞いておきたいと思います。
#98
○政府委員(吉光久君) ただいまの福田大蔵大臣のシドニー発言の内容でございますけれども、私どもいまそういう問題につきましてどういうふうに品目別に積み上げるのかどうかということにつきましては、全然打ち合わせをいたしておりません。
#99
○須藤五郎君 いま日本がアジアに対するところの資本並びに設備の進出状況は九〇%を日本が占めておるわけですね。設備資金の進出が。こういう面から見ましたら、いわゆる総理大臣や大平さんがおっしゃる、日本の財界が言う国際競争力の強化ということは、事実上アジアの市場、原料資源を日本の鉄鋼資本が支配する、こういうことをねらった上のことばではなかろうかと私たちは考えております。これこそいわゆる日本の独占の国際進出であり、やはり国際支配、アジア支配ということに私は通ずると思う。そういう面からも、私たちはこの問題を大きく取り上げて反対をしていかなきゃならぬと、こういうふうに考えております。これに対してあなたたちはどういうふうに考えておるかという点、またあとでお答えを願ったらいいと思いますが……。
 次には、この間、私は、資本の自由化によって今後日本には外国の資本がどんどんと入ってくる、こういうふうに考えるが、そういう場合に、もしも八幡、富士の合併を認めるならば、外国独占が入ってきて、大きくふくれて、日本の国内においていわゆるアメリカ独占が日本の産業を圧迫する、そして日本の国民の生活を圧迫するような状態が起こったとき、八幡、富士の合併を認めるならば、そのときに独禁法がこれを処置できるかという質問をいたしました。そうしたら、公取の委員長は、まあ厳正に考えて、そのときそのときで厳正に考えて独禁法で処置していきたいと、こういうふうに考えておりますという答えをなさいましたが、今日日本のおもな産業に入っておるところの外国資本は一体どれくらい入っておるのか、産業別に外資の額及びその企業に占めるパーセントをひとつ述べていただきたいと思います。
#100
○政府委員(大慈彌嘉久君) 日本の産業別に外資がどれくらいのシェアで入っているかということでございますが、ただいま手元に資料がございませんので、後ほど調べましてお答えをさせていただきたいと思います。ただし、一般的に申し上げますと、ほとんどパーセントに上がるほどの外資は入ってないという状況であろうかと思います。
#101
○須藤五郎君 それじゃ、いま手元に資料がないからとおっしゃるならば、これも資料として提出していただきたい。
 委員長よろしゅうございますか。
#102
○委員長(木村禧八郎君) はい。
#103
○須藤五郎君 それじゃそういうふうにお願いいたします。
 それから最後に、通産省に対する質問の最後になりますが、この間、私新聞を見ていますと、コングロマリットという問題が新聞に出ているのですね。USスチールもほかの産業を合併して、そして非常に大きなものに、より一そう大きなものになろうということらしいんですが、このコングロマリットというのは複合企業というふうにこの新聞では翻訳されておりますが、いわゆる一つの会社が多角経営をするというのとまたちょっと意味が違うように思うのですが、こういうことが今後日本で起こるかどうか、起こった場合に日本は一体どうするかという点、通産省の意見を聞いておきたいわけです。というのは、「米コングロマリット初上陸」という見出しで、「躍進中のキデイ社」これが「山本機械の株取得申請」四〇%の、四万株の取得をいま申し出ていると、こういう記事が出ておるわけです。そうすると、重役の数でいきますと、アメリカが三人、三井が三人、山本機械が二人と、計八人の重役でこれを経営していこうという計画があるということ。これは五月七日の朝日の記事でございますが、こういうことが出ておる。アメリカでも、これをアメリカの独禁法で押えることができないと、こういうふうにアメリカのほうでは言っているらしい。そのためにアメリカの政府は独禁法を改正しなきゃならぬと、改正を迫まられておるという記事が出ておるわけですが、これがはたして正しいかどうかということは、私は判断ができないのですが、皆さんにはそれが、もっと私たちよりも情報をつかんでいらっしゃるはずですから、よくおわかりだろうと思うのですが、こういうことが起こった場合、日本の独禁法でこれが処置できるのか、できないとするならば、こういう問題が起こってきたらそれに対して通産省はどういうふうに対処をしていこうというふうにお考えになっていらっしゃるのか、その点伺って通産省に対する質問は終わりたいと思います。
#104
○政府委員(大慈彌嘉久君) コングロマリットでございますが、ただいま仰せのごとく、新聞では複合企業とかあるいは多品種企業というようなことがいわれております。お話のように、アメリカで現在たいへん問題になっておりまして、といいますのは、同じ取引分野といいますか、同業種間の合併が独禁法の関係でむずかしいので、異業種といいますか、関係のないほかの業種に進出をして企業の拡大をはかっていく、こういうふうにいわれております。アメリカでもこれが取り締まれるのかどうかということ、これまたただいまお話のとおりでございますが、ところで、わが国にこういう企業が入ってきた場合にどうするかということでございます。二つ問題――対策といいますか、一つは、外資の法律によりまして入ってくるときにどうするかという問題、それからもう一つは、国内の日本のマーケットにおいて国内法でどうするか、こういう二つの問題があろうかと思います。
 ただいまお尋ねいただきましたのは、主としてあとのほうと思いますし、それが一番大事な分野であろうかと思いますが、これは公正取引委員会の分野といいますか、独禁政策の分野でございまして、コングロマリットであろうと、日本の国内に入った以上は日本の国内企業と同様に扱われることは当然でございますが、今後どうするかということは公正取引委員会の検討に待ちたい、こういうことだと思います。
 それから前のほうの外資に関する法律でございますが、現在資本の自由化を進めまして、自由化業種も逐次範囲を広げていっております。で、そういうことでございますが、まだ自由化されてない業種のほうが多いわけでございまして、自由化されてない業種は個別に認可が要るわけであります。その場合に、提携の相手方がコングロマリットかどうか、これもどの範囲をコングロマリットというのかという、いろいろむずかしい問題もあろうかと思いますが、審査をいたします場合に、提携の相手方の企業の大きさということで、一つの要素として検討はしたいと思います。
 先ほどお話のございました具体的な企業でございますが、先週の末に申請が出ております。つけ加えさしていただきました。
#105
○委員長(木村禧八郎君) 委員長からちょっと。
 先ほどの須藤君の資料について、いま資料を出されると言いましたが、そうしてまた外資についてはそう問題にすべきパーセントじゃないと思うと言われましたが、しかし石油なんかについては六〇%ぐらいあるんですよ。五〇%以上、五〇%こえたのもあると思う。さっきの御答弁では私は正確を欠いていると思う。そこで、ほんとうに産業別、企業別に、そうして、それは債券と株式と、それから技術に分けてですよ、資料を出していただけるかどうか。これはかなり広範な資料になると思うんですよ。しかし、それは非常に重要な参考資料となりますので、この際、これは大蔵省とも――大蔵省にあるわけですよ、かなり膨大な資料があるわけです、きちんと。それをほんとうに出せるのですか、ほんとうに出せますか。出せるなら出してください。
#106
○政府委員(大慈彌嘉久君) ちょっと答えさしていただきます。
 先ほどの外資が日本にどの程度入っているかという資料でございますが、シェアからいいまして、それほどの数字ではないだろう、こういうことを申し上げましたが、これは一般論でございます。ただいま御指摘いただきましたような石油あたりは確かに非常に高いシェアを持っております。しかし西欧諸国と比べますと、一般的にいいますと、日本のシェアは、まだ自由化をしておりませんので、これははるかに低い、こういうつもりでございましたので、ちょっと補足をさせいただきます。
 それから資料でございますが、十分御納得いくだけの業種別のこまかい資料があるかどうか、ちょっと私もいまはっきりいたしませんが、できるだけ整えまして、手がつきます範囲でそろえたい、こう思います。
#107
○委員長(木村禧八郎君) それは実はあるのです。大蔵省とよく相談して、それは大蔵省にそれぐらいのものはあるはずですよ。そうでしょう。いままで外資等を認めるのに、大蔵省に詳細にわかっていなければならないし、ですから債券と株式とそれから技術導入について、それで産業別、企業別に、この際、非常にいい機会ですから出していただきたい、これをお願いしておきます。いいですね。
#108
○政府委員(大慈彌嘉久君) お話のようにできるだけやらせていただきます。
#109
○須藤五郎君 委員長の補足質問で私ははっきりしたと思うのですが、それはぜひとも出していただきたい、いま非常に問題になってきている点ですから、私たちも非常に関心を持っているので。
 それじゃ質問を続けさせていただきます。
 労働省に質問しますが、今度の合併というのは、まだ合併をしていませんから、これは仮定の話になるのですが、かりに合併するときがきたとき、その場合に、そこで働く労働者に、合併という問題がどのような影響を与えるかという点について、労働省の意見を聞いておきたい。
#110
○説明員(吉本実君) ただいまの御質問でございますが、労働省で過去、ちょっと資料として古いのでございますが、四十一年の四月から四十二年の三月末まで、四十三年度において調査いたしたわけでございますが、それは、企業合併に基づきまして、どういう労働面の影響が出るだろうか、こういう調査を八百四十七企業を対象といたしまして調査をいたしました。それにあらわれたところによりますと、いわゆる大型合併等で人員整理を行なったという企業はほとんど見られなかったわけでございます。それからまた、余剰労働力が若干は発生いたしますが、それは企業内の配置転換であるとか、あるいは新規の採用手控え、こういうことで処理をしておる、こういうような調査結果でございました。今回の問題が、まあ将来の問題になるわけでございますが、私どもの聞いております範囲におきましては、両社の合併後におきましても、現在の要員とかあるいは作業体制で移行するのではないか、こういうふうに考えておりますし、かりに管理部門等で若干の人員が出た場合でも、その処理は配置転換なり等でまかなうようにして、失業者が発生しないような措置がとられていくのではないか、こういうふうに考えております。
#111
○須藤五郎君 もちろん私は、あとで関連企業ですね、合併から受ける関連企業の打撃といいますか、それについても質問する予定はしておるのですが、私がいま伺ったのは、八幡、富士が合併した場合、八幡、富士で働いている労働者にどのような影響があらわれるか。いま八幡、富士で、八幡のほうでは六八年の九月現在で四万五千四百六十一人の労働者が働いておる。これが合併をすればどういうふうなことになるのか、こういうことをお尋ねしたのですが、その見通しは立っておりますか。立っておったら言ってください。
#112
○説明員(吉本実君) ただいま申しましたとおり、合併自体に伴いまして、先ほどのような人員の問題等ではそう変化はないのではないか。特に賃金制度等につきましての従来の経過からいいましても、そう著しい変化はないのではないか、このように考えております。
#113
○須藤五郎君 八幡の労働者は、六三年の年に四万八千百五人、こういうふうになったのです。ここが八幡の、六〇年から今日までずっとの中で、六三年のその数が一番最高の数だったわけです。これをピークとしまして、六八年九月現在は四万五千四百六十一名、約三千名も減少しておるわけです。一方、この間に粗鋼の生産高を見ますと、六百八万トンから千百六十万トンというふうに、一躍二倍に生産が伸びておるわけです。労働者の数が三千人減って生産が二倍にふえるということは、八幡の労働強化がいかに激しいものかという一つの証拠であると同時に、八幡の生産設備といいますか、それがすぐれたものだということにもなるかと思うのですが、やはり労働者は大きなこういうしわ寄せを受けておる、こういうことが言えると思うのです。それで、この合併によりまして大体労働者はどのくらい減るという見通しを立てていらっしゃるのですか。
#114
○説明員(吉本実君) 私どもとしましては、今回のこういったことが行なわれた場合でも、合併自体に伴いましていわゆる失業者が発生するというふうには考えてございません。現在までの要員なり作業体制ということで移行するのではないかというふうに聞いております。
#115
○須藤五郎君 一般について申しますならば、合併の場合には条件の低いほうに合わせていくということが、これがもう私は原則であり通則である、こういうふうに思います。それで、八幡の労働協約というのは、一九五〇年のレッドパージ以後、非常に悪くなってきておるのです。その一つの例としまして、職場集会や支部委員会に非番の組合員が入門して出席することができないという、全く人権を無視したようなことがされております。組合専従者の職場出入りには会社の許可を要し、出入り時間も朝の八時から夕方の四時、こういうふうに制限されておる。また機密保持を理由としまして特定工場への組合専従者が出入りすることが禁止されておる。職場における政治活動を一切禁止しておる。組合以外のビラ、機関紙活動の禁止等々もやられておる。それで、八幡、富士の合併が成立するとなるならば、新日鉄の労働協約は、私はこのような反動的な労働協約が押しつけられることになるというふうに考えるのですが、労働省はどういうふうにお考えになりますか。
#116
○説明員(吉本実君) ただいまの御質問でございますが、いわゆる労働条件の問題につきましては、労使で自主的に解決をはかっていく、こういうようなたてまえでございますので、合併に伴いますいろいろな諸問題につきましては、労使が自主的に円満に解決することを労働省としては期待いたしておる次第であります。
#117
○須藤五郎君 私がいま言ったことを裏づけるようなことが現に起こってきておるんですね。従来八幡の本社では、朝の九時出勤夕方の四時には退社と、こういうことになっておったんです。ところが富士との合併を前にしまして、富士と同じように九時出勤の五時退社と、こういうふうに一時間拘束時間を延ばしてしまったわけです。これは合併する場合には、条件の悪いほうに右へならえするという一つの例だと思うんです。スクラップ工場の富士の釜石工場ですね、これは人員整理、首切りが予想され、八幡ではすでにもう約八千から一万人の人員の削減が予想されて、私はこの間八幡へ行ってまいったんですが、八幡の労働者の間では、もっぱら一万人削減といううわさが飛んで、労働者は非常に不安な状態になっております。また、御存じのように釜石の労働者は労働条件の低下に対しまして反対をして戦っておるということも、これも労働省の皆さんでしたら御存じのところだろう。またビルド工場の君津や名古屋、大分に対しまして、スクラップ工場から大量に配転がなされることとなっておる。労働者にとっては、こういうことは精神的な苦痛を与えることとなり、中高年層に対しましては希望退職という問題で中高年層が整理をされようとしておる。きのう、きょうの新聞によりますと、私たちと関係のないことですが、重役がだいぶ減らされた、重役が減らされたのを見て、部課長が自分たちも合併によって格下げされるんじゃないだろうか、追い出されるんじゃないだろうかという不安を持っているという記事も出ておりました。系統の労働者は、人数もだぶついてきて、ポストの格下げや出向命令、転職等が行なわれて、また従来よりも昇進がおくれるというような結果があらわれてくる。こういうように私は八幡、富士の合併から労働者の上にはいろいろな問題が起こってくると思うんですが、こういう労働者に対する諸問題に対しまして、通産省並びに労働省はどうこれに対処していこうというようにお考えになっておるのか、その点を伺っておきたいと思います。
#118
○説明員(吉本実君) 先ほども御答弁いたしましたように、労働条件の問題につきましては、労働組合と使用者との間で取りきめが行なわれるというたてまえでございますので、そういったことについての労使の自主的な解決が円満に行なわれることを労働省としても期待していると、こういうことでございます。
#119
○政府委員(吉光久君) 基本的にはただいま労働省のほうからお答えございましたように、労使双方間で解決されるべき問題だというふうに思うわけでございますが、私ども会社のほうの側から聞いておるところによりますと、すでにこの合併の問題を中心にいたしまして、労使双方の協議が一般的な問題としてなされ、会社側としては、労働条件について、これを変更するという考えはないという意味のことを答えておるように聞いておるわけでございます。したがいまして、この合併にまぎれて不当な労働条件の悪化というふうなことは考えていないのではないかと思うわけでございます。ただ一般的に、いまの全体の労働需給の逼迫という問題もあるその背景のもとでございますけれども、両会社とも、実は自分の会社に従事しておる労働者につきましては、むしろすべてみないわば貴重品的な考えで対処いたしておるようでございまして、いま求人が非常にむずかしい、こういう状況でございますので、おそらく労使双方の態度も、それを前提とした形で自主的な解決がはかられてまいるのではないであろうかと思っているわけでございます。
#120
○須藤五郎君 そうすると、この合併によって労働者は待遇の上においても勤務条件の上においても従来より悪いことにはならない、こういうふうに労働省や通産省はお考えになっていらっしゃるわけですか。
#121
○政府委員(吉光久君) そのとおりでございまして、そういう状況でこの合併問題は進められておるというふうに私どもは推察いたしております。
#122
○説明員(吉本実君) 労働省といたしましても、ただいま通産当局で御答弁されたとおりでございます。
#123
○須藤五郎君 私たちが労働者から受けている話は、皆さんの考えとは違って、合併によってわれわれは首を切られ、配置転換をされ、そして労働協約並びに労働条件はずっと低下されていく、だから、会社は合併でもうけるか知らぬけれども、われわれは合併によって犠牲をしいられるんだ、こういうことを労働者は言っております。そうならなければそれはけっこうな話だと言わなければなりませんけれども、おそらくそういうふうになるんじゃなかろうか。これまでの合併した会社なんかの状態から判断しましても、大体そうなるんじゃないか、こういうように私たちは想像をしておるわけですが、八幡、富士の合併によりまして痛手を受けるのは、いま申しました労働者のみでなく、その下請業者並びにそこに働く労働者も大きな打撃を受けることになると思うんです。八幡の下請業者は一体どうなるかという点ですね。どういうふうに八幡の下請業者はなっていくんでしょうか。
#124
○説明員(吉本実君) ただいまの関連の下請企業並びにその労働者の問題でございますが、大企業に関連しております下請中小企業は、いずれも当該企業の特定の工場単位でいろいろ関係を持っている、こういうふうに思っております。したがいまして、企業合併によりまして工場が縮小したり閉鎖されるというような事態というものは現在考えられませんので、したがいまして、合併自体からその関連の中小企業がなくなっていく、あるいはそこの従業員がしわ寄せを生ずる、こういうことにならないのではないかというふうに思っております。
#125
○須藤五郎君 時間があればもっと詳しく聞いてまいりたいんですが、八幡の下請業者の数は幾つか、そこに働いておる労働者の数はどれだけか、この点を伺っておきたいし、今度合併をした場合に、関連企業を徹底的に合理化するということがいわれておるわけです。その場合に、下請企業がどのくらい残されるのか、そういう点、もしもつかんでいらっしゃるならば、ここで明らかにしておいていただきたい。
#126
○政府委員(吉光久君) 現在八幡の持っております下請企業の数でございますが、三百五十四社でございまして、ただ延べにいたしまして四百四十六社、これは八幡、光、君津、堺、それらで延べで入っているところもございます。延べで四百四十六社、絶対数にいたしまして三百五十四社でございまして、そのうち個人または資本金が一千万円以下のものが百八十九社でございます。
 それから富士製鉄でございますが、これは富士の全体で延べにいたしまして二百五十一社、絶対数にいたしまして二百十九社となっております。そのうち個人または資本金一千万円以下のもの、これが百八社でございます。この両下請企業の、これは鉄鋼業に特有な下請でございますけれども、まず第一は工場内で原材料を処理し、あるいは製品の梱包を行なう、こういうふうな作業請負の形と、それから設備の修理などを行ないますいわゆる整備請負と申しますか、こういう請負、それから輸送、荷役請負というふうなもの、これらが中心になっておるわけでございまして、こういう下請の特徴といたしまして、これらの事業自身が現場の工場と密着した労務提供的なそういうものが主体になっておるわけでございます。したがいまして、下請管理も工場別に行なわれておるというのが現状でございまして、したがいまして、これを合併される、されないということと関係なしに、工場別のそういう下請管理の体制というものはこのまま続いていくのではないであろうかと考えるわけでございます。したがいまして、これは合併即これによって下請の合理化体制が行なわれるふうな、そういう形での下請形態でないものでございますので、あくまで工場と非常に密接している、こういう形態でございますので、したがいまして下請企業への影響というものはこの合併を原因としてすぐに起きてまいるというふうなことにはならないのではないだろうかというふうに私どもは判断をいたしております。
#127
○須藤五郎君 私たちが持っている資料によりますと、いまおっしゃいましたように下請業、協力会社と申しますか、それが三百五十四とおっしゃいましたが、三百五十七というふうに私たちは数字を持っている。そこで働く労働者が三万四千二百三十というふうな数字を私たちは持っておるわけですが、これに対しましても非常な大きな、やはり先ほど申しましたような影響があらわれてくるだろうと思いますし、この徹底的な合理化によりまして関連企業を合理化するという点で、下請企業三百五十幾つというものを半分ぐらいにしてしまって、おそらく一業務一社というような形に切りかえて二百社程度にしてしまう、こういうことが八幡ではいわれておるわけなんですが、通産省、こういうことはあり得ないことですか、あり得ることですか。
#128
○政府委員(吉光久君) 先ほどもお答え申し上げましたように、下請管理が工場別に行なわれているという、そういう特徴があるわけでございまして、合併によりまして、また他面、工場を閉鎖するとかあるいは大幅な生産の縮小を行なうとかということは、おそらく考えていないと思うわけでございます。したがいまして、そういうふうな合併の形態がとられるということを前提にいたしますると、下請企業への影響はほとんどないのではないかと思うわけでございます。いまお話ございました一業務一社、二百程度にどうというふうな話、私ども実は全然聞いておらないし、また、会社側といたしましても対下請に対するいろいろな措置につきまして不安を起こさせるようなことはおそらく考えていないのではないであろうかと思うわけでございます。
#129
○須藤五郎君 最後に私はことしの一月十四日に発表されました八幡製鉄のマスタープランについて質問をしたいと思っておりましたが、一々質問すると時間がかかりますので、むしろ私のほうから意見として出して時間を短縮したい、こういうふうに考えますが、このマスタープランは、いかにもこれによって労働者が非常によくなるのだというふうにバラ色ムードで、労働者を巧みに搾取していくものだと、こういうふうにこれを読んだときに私はそういうふうに理解をしたわけなんです。ここに四組三交代制という問題が出てきておるのです。この四組三交代ということは、実質的には一体どういうことなのか、労働省の意見を聞いておきたいのです。
#130
○説明員(吉本実君) 八幡等で従来の三直三交代制に変えまして、四百三交代にしていこう、こういうふうなことで現在組合と指導者の間でいろいろ協議がされておる、こういうふうに聞いておりますが、いわゆる三直三交代を四直三交代制に変えるということにつきましては、むしろ従来よりも労働福祉の向上につながるということではないかというふうに思っております。ただ、その切りかえに際しまして、鉄鋼業界から基準法の休憩時間の短縮を認めてほしいといったような要望がございますが、御案内のとおり休憩時間はまさに労働条件の中でも重要な事柄でありますので、これをそう一様に変更するということは、影響するところがきわめて大きい、こういうふうに思います。したがいまして、現行法規の中でいろいろ御検討をするように期待をしている、このように考えております。
#131
○須藤五郎君 そうすると労働省の方に……。いまABCDと四組ありますね、いまは三組三交代、ABCの三組ですね。これを一組百人、そうするとABC三百人、そうするとそれにもう一組加われば四組になれば四百人という労働者が必要になるわけですね。現在の労働者よりも三〇%労働者をふやして四組三交代にするのですか、どうなんですか。現在の労働者を四組に割って四組三交代にするのですか。どうなんですか。
#132
○説明員(吉本実君) ただいまの御質問はまさに後者のことで、人員はそれによって変動するということではございません。したがいまして、また、これはいろいろな組み方があろうかと思いますが、ただいまお話しのように四班でやるとしますと、たとえば一週間の間で一組、三組はまる二日休めるようなかっこうになります。それから一つの班だけが一週間のうち一日だけ休みになる、こういうような結果でございまして、これを順ぐりにやっていくわけでございますが、したがって、そういう意味では、いわゆる労働時間の強化ということじゃなくて、むしろ軽減だろう、こう思っております。
#133
○須藤五郎君 いまABCの三組三交代でやっている。三百人三交代でやっているのを四組に割るわけです。そうすると八十人弱です。七十五人ぐらい、ABCDの一組は七十五人にして。そうすると四組三交代でしょう。それならば当然労働強化じゃないですか。これだけの仕事を、これまで百人でやっていた仕事を七十五人でしなければならぬ。休みがどれだけふえようと、結局働く、労働強化という問題は必ずくるのじゃないですか。百人で働くところを七十五人で働けば労働強化じゃないですか。
#134
○説明員(吉本実君) ちょっとなんでございますが、要するに、いままで時間数が非常に長かったものを、たとえば八時間なら八時間で回していこう、こういうことになるわけですから、いわゆる時間の幅で考えていきますれば、ただいま申したように四組になった場合に休みがまるまる二日になるというような結果になるわけでございます。これはいろいろな組み方がございますので、先生のおっしゃる……
#135
○須藤五郎君 それは、ぼくは知っているのですよ。
#136
○説明員(吉本実君) そういうことだと私どもは考えているわけでございますので、それが直ちにむしろ労働強化になるというふうには考えていないのでございますけれども……。
#137
○須藤五郎君 そうじゃないんです。これだけのものをつくるのに百人かかっておった、三組三交代で。四組三交代ならこれだけのものをつくるのに七十五人でつくらなきゃならぬ。いわば、当然労働強化という問題が出てくるじゃないですか。それは休みの数は多くなるでしょう。従来、大体私が計算してみますと、日曜日を引いて三組三交代でやれば二十六日働くことになる。それが四組三交代になれば二十二・五日、これだけ働いてあとは休むということになるのです。休む日はふえますよ。しかし一日の労働量は多くなるのです。だから、そういう点で、私は労働者に労働強化を来たすということが一つなんです。会社はどうかといえば、休ませておいて新鮮な労働者を使うのですから能率があがるのです。これは会社は利益になりますよ。労働者は労働強化、それから残業がなくなりますね。そうすると、残業手当がもらえなくなるということで減収という問題が起こってくるのですよね。これが私今度の八幡の実にうまいねらいじゃないかと思うのですよ。休みは多いけれども労働強化であって、そして仕事の能率をあげるといって会社はもうかる。だから非常にバラ色のムードで、四組三交代になれば一月のうちに二十二日働けばいいんだぞ、あとは休める、一週間に二日休めるぞ、こういうことを看板に掲げて、うまいこと労働者に能率をあげさせて労働強化をさせて、そして会社は利益をあげていこうと、これが私は今度の八幡のマスタープランの根幹だ。こういうことをやりながら十年間で二千億の金をつぎ込んで一千万トンの粗鋼をつくる。八幡は古くなったから戸畑に鉄部門を集中する。八幡は、付加価値の高いもの、宇宙開発、原子力開発、これに必要な高級品種を八幡でつくることにする。これはここにちゃんと出ておりますから、私読んで見ていますから、答弁はけっこうです。ということは、今度第四次防で五兆から六兆の金を政府は使おうと、予算を組もうと計画を立てていらっしゃるが、この第四次防と結びつけてそうして八幡はまたごっそりと、軍需産業でうんとこさと金をもうけよう、こういう計画を立ている。そのためにも八幡と富士の合併という問題が必要になってきておる。こういうことだと私は思うのですよ。だから、こういう立場に立ちましても、私たちは労働者の立場に立ちましても、日本の国民の生活の立場に立ちましても、また日本の平和を守っていくという立場に立ちましても、この軍需産業がどんどん大きくなっていくという点には私たちは反対をしなければならないのです。これは法案にはならないのですからね、国会で賛否をどうのという問題ではありませんけれども、私たちはそういう立場に立って八幡と富士の合併は認めることはできない、反対だ、こういう立場に立って先日から数回にわたって私は質問をやってきたわけですが、今度の公取の結論が出ましたから、私はあの公取の結論がどういうふうに今後なっていくかということに深く注意を払いながら、またその段階において質問をしてまいりたいと、こういうように考えまして、きょうは、委員長、これで質問は終わります。
#138
○委員長(木村禧八郎君) 本日はこの程度とし、散会いたします。
   午後五時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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