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#1
第061回国会 決算委員会 第11号
昭和四十四年六月二十五日(水曜日)
   午前十時十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松本 賢一君
    理 事
                温水 三郎君
                和田 鶴一君
                岡  三郎君
                高山 恒雄君
    委 員
                長田 裕二君
                亀井 善彰君
                黒木 利克君
                今  春聴君
                佐藤  隆君
                田口長治郎君
                高橋雄之助君
                矢野  登君
                若林 正武君
                渡辺一太郎君
                大橋 和孝君
                林  虎雄君
                和田 静夫君
                峯山 昭範君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       自治大臣官房長  宮澤  弘君
       自治大臣官房会
       計課長      胡子 英幸君
       自治省財政局長  細郷 道一君
       自治省税務局長  降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局水道課長    国川 建二君
       厚生省医務局指
       導課長      正田 泰央君
       自治省大臣官房
       参事官      立田 清士君
       自治省財政局公
       営企業第一課長  小田 恵堆君
       自治省財政局公
       営企業第二課長  福島 直喜君
       会計検査院事務
       総局第一局参事
       官        高橋 保司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十二
 年度政府関係機関決算書(内閣提出)
○昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(内閣提出)
○昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和四十二年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、自治省の決算につきまして審査を行ないます。まず自治省の決算の概要説明を聴取いたします。野田自治大臣。
#3
○国務大臣(野田武夫君) 昭和四十二年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額九千二百八十二億二千六百万円、予算補正追加額七百四十九億四千六百万円、予算補正修正減少額四億六千二百万円、総理府所管から移しかえを受けた額一千二百万円、予備費使用額四億一千八百万円、合計一兆三十一億四千万円でありまして、これに対し、支出済み歳出額は一兆二十七億八千万円で、差額三億六千万円、を生じますが、この差額のうち、翌年度繰り越し額は一億一千六百万円、不用額は二億四千四百万円であります。
 以下、支出済み歳出額のおもなものにつきまして御説明を申し上げます。
 まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は九千七百三十億一千八百万円、支出済み歳出額は九千七百三十億一千八百万円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、昭和四十二年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。
 次に、臨時地方財政交付金でありますが、歳出予算現額は百二十億円、支出済み歳出額は百二十億円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、地方財政の一そう健全な運営をはかるため、昭和四十一年度における地方財政問題の処理等に関連し、昭和四十二年度限りの特別措置として、第一種交付金九十五億円及び第二種交付金二十五億円の合算額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。
 次に、奄美群島振興事業費でありますが、歳出予算現額は十五億一千万円、支出済み歳出額は十四億五百万円、翌年度繰越額は一億六百万円となっております。この経費は、奄美群島の急速な復興及び民生の安定をはかるため、同島における主要産業の振興、公共土木施設の整備等の振興事業の実施に要する経費について補助するために要したものであります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は十七億円、支出済み歳出額は十七億円で、全額支出済みであります。この経費は、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対して交付したものであります。
 次に、小災害地方債元利補給でありますが、歳出予算現額は十八億八千六百万円、支出済み歳出額は十八億一千百万円、不用額は七千五百万円でありまして、この経費は、公共土木施設、農地等の小災害にかかる地方債の昭和四十二年度分の元利償還金の全部または一部に相当する額の元利補給金を関係地方公共団体に交付したものであります。
 不用額を生じましたのは、元利償還金が予定より少なかったため、これに対応する元利補給金を要することが少なかったことによるものであります。
 次に、市町村民税臨時減税補てん債元利補給でありますが、歳出予算税額は七十七億四百万円、支出済み歳出額は七十七億二百万円、不用額は二百万円でありまして、この経費は、市町村民税の課税方式の統一等に伴う市町村民税の減収を補てんするために起こした地方債の昭和四十二年度分の元利償還金の三分の二に相当する額の元利補給金を関係市町村に交付したものであります。
 不用額を生じましたのは、元利償還金が予定より少なかったため、これに対応する元利補給金を要することが少なかったことによるものであります。
 次に、地方公営企業再建債利子補給でありますが、歳出予算現額は十三億一千五百万円、支出済み歳出額は十二億一千三百万円、不用額は一億二百万円でありまして、この経費は、地方公営企業の財政再建を促進するために起こした地方債の利子の一部に相当する額の利子補給金を関係地方公共団体に交付したものであります。
 不用額を生じましたのは、利子の支払い額が予定より少なかったため、これに対応する利子補給金を要することが少なかったことによるものであります。
 次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は十二億二千五百万円、支出済み歳出額は十二億一千四百万円、翌年度繰り越し額は一千万円、不用額は百万円となっておりまして、この経費は、消防施設等の整備に要する経費の一部を関係地方公共団体に対し補助するために要したものであります。
 不用額を生じましたのは、補助事業費の精算の結果、消防施設等整備費補助金等を要することが少なかったためであります。
 以上が一般会計歳出決算の概要であります。
 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計の決算につきましては、歳入予算額は当初予算額一兆八十四億六千七百万円、予算補正追加額七百五十九億九千四百万円、予算補正修正減少額二百億円、合計一兆六百四十四億六千百万円でありまして、これに対し、収納済み歳入額は一兆六百五十三億七千六百万円となっております。
 また、歳出予算現額は、当初予算額一兆八十四億六千七百万円、予算補正追加額五百五十九億九千四百万円、合計一兆六百四十四億六千百万円でありまして、これに対し、支出済み歳出額は一兆六百四十二億五千四百万円で、この差額二億七百万円は不用額であります。
 支出済み歳出額のおもなものは、第一に、地方交付税交付金の財源として一般会計から受け入れた金額から、この会計の借り入れ金の一部の償還に要した金額を差し引いた金額を地方交付税交付金として地方団体に交付したもの九千四百七十億一千九百万円。
 第二に、直接この会計の歳入として受け入れた地方道路税、石油ガス税及び特別とん税の収入額に相当する金額を、それぞれ地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金及び特別とん譲与税譲与金として関係地方公共団体に譲与したもの六百九十一億五千八百万円。
 第三に、昭和四十二年度の特別措置としての臨時地方財政交付金の財源として、一般会計から受け入れた金額を臨時地方財政交付金として地方公共団体に交付したもの百二十億円であります。
 以上、昭和四十二年度自治省所管決算の概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#4
○委員長(松本賢一君) 次に、自治省の決算検査の概要説明を聴取いたします。高橋参事官。
#5
○説明員(高橋保司君) 昭和四十二年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認める事項はございませんでした。
#6
○委員長(松本賢一君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○和田静夫君 私は、昭和四十二年度の地方公営企業の決算について、水道事業、交通事業、病院事業に分けて、いろいろお聞きしてみようと思います。
 その前に、地方公営企業というものを全般的に考える上で前提になると思われる一つのことについてお聞きをしておきたいと思います。
 近来、地方公営企業ということばを耳にしますときに、同時に赤子ということばを想起するほど地方公営企業の経由悪化は慢性化をしています。ところで、地方公営企業の赤字を考える場合、一つの論点が整理されていなければならないのではないかと思います。公営企業が公共事業と違いまして初めから経済性を前提にしたものであるとするならば、そういうワクに当てはまる地方公共団体の事業として、具体的にどういうものを考えたらいいか、何をもって公営企業として、どのような規制や助成を考えるべきかという根本問題についてであります。
 昭和三十九年当時、大阪府の地方課内の地方自治研究会が、自治省の公営企業課長や大学教授を集めて「地方公営企業の現状と問題点」と題する座談会を主宰しております。それは「地方公営企業論」という地方自治研究会が発行しているこの本に収録されておりますが、その中で、当時東北大学の教授、現在上知日大学にいる柳瀬教授が次のように疑問を投げかけているわけであります。
 「ちょっと伺いたいのですが、地方公営企業法で公営企業としてある事業が取り上げられていますが、それは何が基準になっているのですか。これだけは公営企業で独立採算制をとるべきだという基準ですね。私は学校を連想するのですが、学校は全然独立採算制を要求されておりません。われわれの常識では、やはり崇高な事業だから、道徳的にいって公営企業にするのはおかしいという気はするのですが、経済的に考えますと、学校よりも水道のほうがわれわれの最低の生存には欠くべからざるもので、大都市のまん中では、水道なしでは生きていけません。そうすると学校事業のほうが独立採算制をとってもいいのじゃないかという気もしますので、これはどういう標準で選ばれたのでしょうか。」この質問に対して、この本を読んでいただけばわかるわけでありますが、自治省の公営企業課長は、地方公営企業法ができた当時の経緯と、三十六年の改正によって、いわゆる準公営企業ができてきた経緯を述べただけで、実は何も答えていないのであります。
 そこで、私は柳瀬教授と同じ質問を野田自治大臣にしてみたいと思います。地方公共団体で行なう事業のうち、地方公営企業法で地方公営企業として取り上げたのはどういうことが基準になっているのですか。
#8
○政府委員(細郷道一君) 地方公営企業は地方公共団体が経営する事業でありまして、それが公共の利益の増進に役立つ事業、こういうふうに考えております。したがいまして、どの事業はそれに合致し、どの事業は合致しないと、こういう事業の種類によって区別さるべきものではないと考えております。したがいまして、公営企業自身は長い歴史を持って経験的に発展をしてまいりました。中には地方団体がその大部分をやっている水道のような事業もございますし、また民間において行なっているものと競合している交通事業でありますとか、あるいは病院事業でありますとか、そういったものもあるわけでありまして、そういう意味から申しますと、どの範囲までを公営企業として取り上げるかは、それぞれの団体で、先ほど申し上げたような基本的な考えに合わせてこれを取捨していく、こういうことであろうと、こう考えております。
#9
○和田静夫君 この中で公営企業課長等も述べているのでありますが、いま覆われたように、この歴史的な経緯を一つ踏まえながら、通常常識的に、たとえば独立採算が可能であるというようなこと、あるいは独立採算の可能性があるというようなこと、そういうものがこの基準に一つはなっておりませんか。
#10
○政府委員(細郷道一君) 企業でございますから、当然ある仕事によってサービスを給付する、それに対して反対給付として使用料とか料金とかいうものを納める、こういうものを企業として考えるのだろうと思うのでございます。したがいまして、そういった場合にその企業自身は当然に経営ということが頭になければいけませんし、そういうことから採算がとれるかどうかということも考えてこなければいけない、およそ企業でございますから、やはり採算がとれるかどうかということは、やはり経営の基本として頭に置かなければいけない、こういうふうに思います。ただ、公営企業としてやりますものは、必ずしもその企業の収入、いわゆる料金等によってのみまかなうことが適当でない事業分野、たとえば水道事業におきます消火せんのようなもの、そういったようなものにつきましては、別途それは一般会計で負担すべきものということで、負担区分という考え方をそこに導入をいたしておるのでございます。
#11
○和田静夫君 先ほど読みました、柳瀬教授が触れておりますように、教育も独立採算が可能だという論理というものは、私はやはり一面では成り立つと思うのです。その辺がやはりはずされているのには何か理由がありますか。
#12
○政府委員(細郷道一君) まあ公営企業という定義と、その歴史的な動きということの二点から見てみないといけないと思っておりますが、御承知のように、かつての地方団体の――国も含めてかもしれませんが――いわゆる一般行政は、主として権力的関係にある行政ということでものを考えておったと思うのでございます。したがいまして、非権力的な行政の部分には、最初にそれが企業である、公企業であるというようなことばが使われたりしたわけでございます。私もあまりそう学問的に詳しいわけではございませんが、沿革的に見てまいるとそういう面がある。したがって非権力的関係の行政の部分、そして半面サービスを提供するようなもの、これが公企業という概念としてとらえられた、こういうふうに承知をいたしております。それがだんだん行政主体の行ないます行政の範囲というものが広まってまいりまして、そうしてまた権力的行政と非権力的行政との触れ合いというものも、また社会経済の進歩によって起こってまいりました。そういうことから、先ほど最初にお答えしたように、現在の公営企業の考え方というものが生まれてきたんではないか、かように考えておるわけでございます。
#13
○和田静夫君 たとえばずっとこの討論を読んでみますと、教育事業が初めから企業活動になじまないのであって、損をしないように学校を経営するのでは教育の目的というものは達せられないというような考え方というものは、随所に、自治省関係をはじめとして討論に参加されている考え方の中にあるわけです。私は、いまの答弁はいまの答弁として、答弁そのことを理解をしないわけではありませんが、いま申し上げたような形の考え方というものが担当者等を中心として具体的に存在をするとすると、そういう意味では、水道事業にしてみてもあるいは病院事業にしてみても、人間の生存にかかわる事業でありますから、企業活動にはなじまない、こういう論理に私はなると、こう思うわけです。そういう意味でたとえば教育事業を考えてみると、教育事業だって私立学校が存在をするように、全く企業活動が不可能というわけではないわけですね。その辺は一体どのように理解をしたらよろしいですか。
#14
○政府委員(細郷道一君) なかなかむずかしい問題でございますが、やはり教育については、義務教育について無償と、これはひとしく国民と生まれたものは一定の義務教育を受けなければいけない。むしろ権力関係に基づく行政であったと私は見ていいのではないかと思います。それに反しまして水道のようなものは、確かに都市的な場面においては水道なくして生きられないという問題がございますが、これはむしろ行政以前に考えてみますれば、およそ人が生きるのに、空気や水はなければならない。そのためには生きる本能から自分から求めていくようなもの、それであろうと思うのでございます。したがいまして、その水道等にしましても、御承知のようにみずから水を求めて川の近くに住むことをしたり、あるいは井戸を掘って水を獲得したり、そういったようなことを経てまいったわけでございますが、都市的な集団の場面におきましては、それが御承知のように、各人がそうすることの弊を避けるために、水道事業というものが生まれてきた、こういうふうに考えてまいることができるんではないか。しかも水道事業につきましては、水を使用する分量というものは各人によって違っておりまして、義務教育におきますようなものとは、そこにおのずから分量的な差があるということから、こちらは企業になずんできたのではないか、こういうふうに考えております。
#15
○和田静夫君 私がここで言いたかったことは、今日私たちが目の前に見ています地方公営企業の赤字の問題を考える、その解決方法をわれわれも一緒に見出していこうとする場合に、その理論的な整理がたいへん私は必要になってきていると実は思うからであります。つまり地方公営企業を考える場合に、よく公共性と企業性と、そのどちらの面に重点を甘くかという形で問題が立てられがちでありますが、私は、このような問題の立て方というのは必ずしも満足をしないのであります。いままでの議論によっても明らかなように、本来企業活動になじまないものに企業性を付与していく。地方公営企業という以上、その企業性そのものがもともとモデファイされた意味しか実は持っていない。したがって、このモディフィケーションには、そのことばの意味からして、はみ出る部分が当然私は前提されているという形で問題を立てるべきではないだろうかと実は思うのであります。そのような考え方を前提にするものである限り、私は独立採算制とは、企業会計と一般会計の負担区分を明らかにした上で、企業の負担とされた部分についての独立採算制である。その前提に立つ限り、公共性の原則と、独立採算制の原則は両立し得る、そういう昭和四十年十月の地方公営企業調査会の答申にも賛成であります。国のほうも情勢に応じて水道事業の独立採算を可能とする環境づくりを推進する必要があるでしょうけれども、雑誌「地方財政」十二月号の座談会において、いま答弁をされておる細郷財政局長のことばにも、私はその限りで賛成であります。そういうような立場に立って、まさに基本的な立場に立って、以下考え、質問したいと思うのですが、まず、水道事業の決算から入ってみます。自治省編の「地方公営企業年鑑」の二ページ、「第二表水道事業の建設投資額、企業債の増加状況」の表によりますと、給水人口及び給水量の急速な伸長に対応して、水道施設の建設拡張もここ数年来急テンポで進められています。昭和四十二年度の建設投資額は千六百四十八億四千九百万円、前年度に対して八十億一千二百万円の増となっていることがわかります。ここでお尋ねをしたいことは、三十九年度以降対前年度増加率が鈍化をしています。四十二年度の場合は五・一%とがたんと実は落ちておるその理由なんです、人口、産業の都市集中に伴う水道事業に対する需要の急増にかんがみまして、この水源確保の必要性はつのるばかりでありましょう。しかも、この水源確保それ自体にしても、それに伴うアロケーションの負担にしても、非常に金がかかります。そのように考えてみますと、水道事業における建設投資額は、対前年度増加率においても超累進的に増加していってもふしぎではないと思うのですが、いかがですか。
#16
○政府委員(細郷道一君) やはり需要と、それを供給する施設とのスピードの問題があるんではないかと考えます。と申しますことは、同じそのお開きになっておりますページの上のほうに水道の使用量の推移も載っおりますが、それらでごらんをいただきましてもおわかりのように、水道使用量が非常に早く上がってきまして、それに追いつくために建設投資をやった時代がある。それが企業債の急増の時期にあらわれてきておる。そういう意味におきましては、あるところまでいまはいったんではないか、建設投資事業の分量があるところまでいったんではないかというふうに私どもは見ております。したがいまして、必ずしも企業債が年々同じようなテンポでふえるべきであるかどうか、これはまあ実態等の判断もございますから、よく検討を要する問題でございますが、どうも私ども実務をやっている者から見ますと、そういうふうな感じがして、水道事業の起債ワクなどにつきましても、そろそろ天井に近いところに来たんではなかろうか、こういう感じがいたしております。
#17
○和田静夫君 私は、雑誌「地方財政」の昨年十二月号で、あなたと佐々木参事官、福島公営企業第二課長が幾つかの県や市の代表とともにやられておる「水道事業の現状と問題点」と題する座談会を読んでみたのです。そしていまの建設投資が額としては伸びているが、対前年度増加率が鈍化している状況を私なりに考えてみました。それは神奈川県ではやれることはやりましたという神奈川県の副知事のことばに象徴をされていますように、産業、人口の都市集中に伴う水道需要の急増に追いつくという意味での建設投資は、いまや水資源開発と、それに伴うアロケーションの問題に直面している。そういう意味で、一地方公共団体の投資能力の限界に達しているということではないでしょうか。それを福岡市の水道局長が電源開発促進法に匹敵をする水資源開発促進法の要請、つまり国会にたよるという形で私はこの座談会は表現をされているのだと思うのです。また、東京都の水道局長が、根本は一体水源開発というものはどこが責任を持ってやってくれるものかということがいまの法制と運営においてははっきりしていないような気がするんですという形で、つまり現行行財政制度の問題として私は提起をしたのだと思います。それはこの座談会では建設資金の質の改善をはかれという形に流されていますけれども、現状はそういう受けとめ力でよいのだろうかということを実は考えるのであります。現行制度を前提とした上での建設資金量では限界に達したということが今日的な状況ではないだろうか、その点いかがでしょうか。
#18
○政府委員(細郷道一君) ちょっと御質問の趣旨がはっきりわかりませんが、やはり水道事業の建設投資をするということは、お金だけの問題ではないのではないか、それ以外のいろいろな要素があるんではないか、以前のように、素朴に自分の町の中を流れておる川から水を取る、あるいは地下水を掘って取るといったようなことから、最近の大都市のような現象でありますと、自分の地域外に水源を求めなければいけないというような状況になってまいりますと、お金があれば何でもできるというふうになかなかいかない。そういう意味では、確かに一つの問題を提起している時期であろうと私どもも考えております。
#19
○和田静夫君 四十二年度の決算にあらわれた経営状況の総合的な判断に入ってみたいと思うのですが、五ページの第五表、「水道事業の経営状況」ですね、そこから逆に考えてみますが、昭和四十一年度の純利益は前年度より二十一億二千四百万円ふえて九十一億七千七百万円になっているが、純損失額のほうは三十九億六千四百万円もふえている。純利益の伸びを大幅にこれによると上回っています、しかるに累積欠損金が減っているのは固定資産売却益等によるものであると説明されていますが、この固定資産売却益は今後どの程度一体期待できるんですか。
#20
○政府委員(細郷道一君) その表の上のほうに書いてございますように、この四十二年度は東京都の淀橋浄水場のあと地の売却という非常に大きな固定資産の売却がございましたので、それが大きくあらわれておるものと考えております。したがいまして、一般的趨勢として見る場合には、その点を念頭に置いて見るべきではなかろうかと、こう思います。
#21
○和田静夫君 同じ表の赤字事業数の割合をこう見てみますと、単年度欠損金のある事業数においても累積欠損金のある事業数においても、不良債務のある事業数においても低下していますが、比率ではなくて事業数では一体どうなんですか。
#22
○政府委員(細郷道一君) 純損失を生じました事業数は四十二年度で百二十五事業、前年は百六でございますから、二十ほどふえております。それから累積欠損金のあります事業は二百十三、前年度は百八十五でございます。これも多少ふえております。不良債務額につきましては百七十六で、ほぼとんとんということでございます。
#23
○和田静夫君 比率では低下をしているけれども事業数では結局増加をしている、こういうことになっていますね。その次のページの「第七表規模別経営状況」の表によって経営状況を規模別に見させてもらうと、七大都市における総収益対総費用比率が九三・七%と一番低い、経営状態の悪いことを示唆しています。これは前年度よりはよくなっているのですか悪くなっているんですか。
#24
○政府委員(細郷道一君) ちょっと手元に前年度の数字がございませんが、多少悪くなっていると記憶をいたしています。
#25
○和田静夫君 悪くなっているんですよね。で、七大都市以外は大体一〇〇%をこえていますが、これらの最近における状況はよいほうに向かっているのですか、あるいは悪いほうに向かっているのですか。
#26
○政府委員(細郷道一君) 概して言えば横ばいであろうと思います。
#27
○和田静夫君 まあ私の調べたところは横ばい、若干良好を保っているんです。ではその理由はどこにありますか。
#28
○政府委員(細郷道一君) やはり料金の現状あるいは改定の時期のおくれといったような問題が、こういう単年度の決算でございますから影響しているんだろうと思うのです。
#29
○和田静夫君 さっきの五表に戻ってみますけれども、累積欠損金は若干減ったけれども、その原因は固定資産売却益等によるものであるが、なお百九十五億七千四百万円と高額を保っている。不良債務額は三十七億七千三百万円もふえて、二百九十億二千三百万円となっている。また、いまの質疑応答の中で明らかになったように、若干のよい傾向は料金引き上げによっている、こういうこと。そうすると、ページ六のこの六表を見てみるとわかるのですが、昭和四十二年度から料金改定を行なった団体は百五十三団体、四十二年度に議決をして四十三年度から実施した団体は二百八団体にのぼります。以上によっても明らかなように、水道事業の経営は悪化している、その原因は何か。それは用意をされたこのページ八の第九表によって明らかなとおりに、給与費でも何でもない、資本費の増高によるものです。昭和三十八年を一〇〇とした四十二年度の給与費の指数は一〇五・四でしかないのに、資本費の指数は一七五・八であります。一立方メートル当たり給水原価に占める資本費は四十一年度から四十二年度にかけて十一円三十六銭から十二円三十六銭、八・八%の増なのに給与費のほうは何と九円四十四銭から八円六十銭へと、八・九%の減なんですね。この決算を見てみますと。そして給水原価における資本費の地位が高まれば高まるほど適正な原価とは一体何なのかという問題が問われなければならなくなると私は思います。このことは、私は冒頭にそのために論じたのでありますが、地方公営企業の本質論につながることなのですが、それとの関連でひとつ次のことをお聞きをしたいと思います。
 五月十三日の朝日新聞に次のような記事が載っておりました。「新しく水道をひく家庭、事業所などから、加入金の名目で、給水権利金をとる自治体がふえている。水道事業の赤字に悩む自治体が、料金値上げも思うようにいかないので、窮余の策として考え出したものだが、自治省は「法律上の根拠はある」としており、この制度は他の自治体にも広がる傾向をみせている。」という、「広がる給水権利金」という記事が載っております。このいわゆる給水権利金について自治省は「法律上の根拠はある」としているそうですが、それはどのような法律上の根拠ですか。
#30
○政府委員(細郷道一君) 水道法に定めます供給条件の一つとして認められるものだ、こう考えております。
#31
○和田静夫君 何条ですか。
#32
○政府委員(細郷道一君) 十四条でございます。
#33
○和田静夫君 そう答弁をされるわけですよ。しかしこの次の、水道法の十五条を私見てみたのですが、十五条の第一項には次のように、これは読むまでもありませんがなっています。「水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需用者から給水契約の申込を受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない。」水道事業法の十五条第一項にはそうなっていますね、地方公共団体たる水道事業者は給水申し込み者らに対して、このような水道法上の給水義務を負っているわけですから、この給水申し込み者らにとっては給水を受けるということは、いわば当然の権利であるわけです。この給水申し込み者らの需用をまかなうために行なわれる施設の建設、拡張事業は地方自治法二百二十四条に規定をする「一部に対し利益のある事件」とは私は言えない、この給水申し込み者らが特に利益を受けるものにも該当しないのではないかと思うのですが、いかがですか。
#34
○説明員(国川建二君) 水道法のことに関連しましたので私から御説明いたしたいと思います。
 十五条の給水義務と申しますのは、先生おっしゃるとおり、無差別に、住民からの給水の要望がございました場合には、これにこたえるという原則でございますが、ただいまお話がありました給水権利金というようなことは、実は権利金というようなものではなくて、いわゆる工事費の分担金といったようなものではないか、さように考えておりまして、それに関しましては、この十五条の給水義務とは直接つながりは出てこないものというふうに考えております。
#35
○和田静夫君 ちょっともう一ぺん言ってください。
#36
○説明員(国川建二君) いわゆる権利金を払わなければ給水しないというようなことではなくて、配水施設の工事費の一部を負担させるという形のことだと思います。
#37
○和田静夫君 配管がなくて水をあなたどうしてやるのですか。バケツで運んでいくのですか。
#38
○説明員(国川建二君) もちろん水道工事が必要でございまして、そのために配水管を敷設する工事を行なうわけでございます。その配水管の敷設工事の経費の一部を負担させるという形のものでございまして、必ずしも、いわゆる権利金といったものではないと、したがって、この十五条の給水義務とは別個の問題であろう、供給規定上の問題であろうというように考えております。
#39
○和田静夫君 大臣、大臣も私も水道はしろうとですが、言っちゃ悪いけれども、いまの議論のやり取りを聞いておって、全く直感的にどう思われます。
#40
○国務大臣(野田武夫君) 実は、法律上の解釈の問題で私はあまり断定的なことはわからないのですが、常識的に、いま水道課長が言っております十五条の給水の義務と、いまのお示しになりました新しい給水申し込み者に対する費用の分担と、これは、先ほど私は和田さんの御意見を非常に傾聴しておりましたが、率直に言って、水道事業を単に独立採算というたてまえで割り切っていくのもどうかということは、これは根本問題でございまして、いまここで私もいろいろ解明しようとは思っておりません。ただ、いまの問題ですが、これは御納得いくかどうかわかりませんが、たとえば給水義務ということは、私は当然負わされた義務だと思っております。その場合に、旧来の、古くから料金を払っておる既設の利用者、こういう方は長い間料金をうんと払っておられまして、一応の、何と申しますか、施設費もその中に入りましょうし、また漸次このためには料金の改定その他でもって相当の負担もしておられる。新しい方が利用したいと――いまの義務の問題でございますが、これは、これに応じてこの水道を提供するということは当然のことでございます。その際に、同じやはり新しい方には、施設費として相当な費用が要るが、料金としては新しい方も古い方も同じでなければならない。新しく金がかかったらよけい金を出せと、こうは言えない、また言うべきではない。そういう意味において、新しく水道をお引きになる方に当然こちらはもうそれを提供する義務がありますので、全部の経費を負担していただくなんということは、これは確かに十五条の法の精神から申しましても私は適当でない、しかしまあ幾らかのひとつ負担を願えないか、もちろん公営企業としても負担するし、それから料金は前も新しいのも同じですからということで、いま課長が申しましたとおり、権利金としての概念でなくて、何といいますか、やはり施設その他についての幾分の負担を願いたい、こういう意味のものでありまして、実は根本的にいいますと、水道を引くということは、これはできればそういうことのないようにしたほうがいい、これは一番理想で、私もわかります。しかし、現状まさに御存じのとおり、これはいい悪いということは基本の問題で、現行法におきましては、やはり公営企業法に照らして、これを踏まえてこの経営を地方公共団体がやっておりまするから、やはりここにおのずからこういう費用問題につきましてはお互いにひとつ助け合っていこう、こういう考え方でございまして、これを頭から、引く人にはやはりいわゆる権利金出さなければ引かない、こういうことは、これとは少し解釈が違うのじゃないか、やむを得ない措置で、決して好ましいことではないけれども、現在の実情に照らしてひとつ御負担願いたい、こういう姿勢で御了解願えればいいんじゃないか、こう私自身はずっと御意見を拝聴しておって解釈いたしております。
#41
○和田静夫君 大臣の答弁はたいへんうまいから、いつも何かその気にさせられてしまうのですがね。今度の場合ちょっと法律の解釈でそうはいかぬような気がするのですよ。いま課長そう答弁されましたが、私ここに持っているのは後にいらっしゃる林敏夫さんの「自治研究」の論文です。「分担金の法的根拠として一応、考えられるものには地方自治法第二二四条」云々、そしてずっといきますと、「しかし、上水道事業が給水申込者に対し水道法に基づく給水義務を負っている場合においては、その者にとっては、給水を受けることは、いわば、当然の権利であり、その者は、「特に利益を受ける者」には該当しないと考えられる。」こういうふうになっているわけです。そうすると、課長補佐はこう言われておる、課長は先ほどのような答弁をされておる、どっちがほんとうですか。
#42
○政府委員(細郷道一君) 先ほど申し上げましたように、また大臣からお答えしたように、実情を見てそれぞれの団体で供給条件の一つとして考えていかれているのだと、こう思うわけでございまして、したがいまして、その法的根拠ということでございますと、先ほど申し上げましたように水道法第十四条の供給規定、これによるものであって、自治法によります分担金とは考えておりません。
#43
○和田静夫君 ちょっと議論進めていきますが、私はきわめてすなおにこう考えるのです。このいわゆる給水権利金というのは、さっき言った朝日新聞の記事にもありましたが、水道事業の赤字に悩む自治体が、料金値上げが思うようにいかないので窮余の策として考え出したものだ、こういうことになっているのです。それは本来なら料金に含まれるはずのものです。どう考えてみても私そう思うのです。しかるに地方公営企業法の第二十一条第一項には「地方公共団体は、地方公営企業の給付について料金を徴収することができる。」と明確にうたっているわけでしょう。したがって、この問題に地方自治法を適用する余地はないと私は考えるのですが、それはそれでいいですか。
#44
○政府委員(細郷道一君) いまの件につきましては、地方自治法による分担金ではないと、こういうことでございます。
#45
○和田静夫君 そうしますと、水道事業への投下資本のうちに、どの範囲までを料金に含めるかという問題、水道法の十四条の「供給規程」によることになっていますね、このいわゆる給水権利金は、水道法の第十四条第一項に規定される「供給規程」の中の「供給条件」の中で処理をされていく、これでいいわけですか。
#46
○政府委員(細郷道一君) そういうふうに考えております。
#47
○和田静夫君 確かに、たとえば電気事業法の場合は第十九条の第二項第三号、ガス事業法の場合は第十七条の第二項第三号には料金以外の利用者負担を認める条項があるのですよ。そうすると、水道法のどこにそういうような条項がありますか。
#48
○説明員(国川建二君) 水道法制定当時と申しますか、まあ公営企業法施行時と申しますか、ずっと水道事業が建設され普及していった過程におきましては、このような問題はおよそ考えていなかったという実態がございまして、十四条の「供給規程」にも電気事業法のような明確な規定はございませんけれども、例示といたしまして、この「供給規程」の中にも、「料金、給水装置工事の費用の負担区分その他の供給条件」といったような表現になっておりますので、この中で大部分は読めるのじゃないかというように考えております。
#49
○和田静夫君 大部分は読めるということですけれども、問題は、私いろいろ繰って見てわからないのですよ、率直な話。わからないから聞いているのですけれども、端的にいえば、いま答弁にあたっように、いわゆる法規定が不整備である、そうじゃありませんか。電気事業法、ガス事業法と比べてみると、まさに法規定は不整備である、そういうふうにいまの答弁とれますね。そうでしょう。いつもは厳格に法解釈をされるあなた方官僚の方々が、この法律のこの部分はこう読めるんだという形でしか答弁されないということは、逆にいえば、いま私が申し上げたようなことです。
#50
○説明員(国川建二君) 「その他の供給条件」として、まあ実態に合ったように、もう少しわかりやすいようにしたほうが好ましいというふうに考えております。
#51
○和田静夫君 やっぱりわかりやすいようにしてもらう必要があると、私もずっとたくさん調べて見て思うのです。
 もう一つは、百歩譲って、そのことをいまこの現行法の中で認めたとしても――これは仮定ですよ――少なくとも給水条例ではそのことを書く必要が私はあるのじゃないか、書かれていなきゃならぬのじゃないか。いわゆる給水権利金を取っている自治体のうち、条例をつくっているそうした自治体はどのくらいありますか。
#52
○説明員(国川建二君) 四十二年におきまして、これは全部ではございませんが、大部分の上水道でございますが、大きな上水道ですが、百八十六都市のうち、負担金条例並びに給水条例で定めておりますのが六十一カ所で、内規を定めておりますのが四十一カ所、それからそのつど協議して定めておりますのが七十二カ所、それから給水工事の申し込み者と水道局との協議で定めております都市が五十七カ所、このような形でなっております。
#53
○和田静夫君 この問題は、きょうこの問題で質問するということを言ってあるわけですからあれですが、いま言われるように、分担金のお話が出ましたよね、そうすると、先ほどに戻るんですが、自治法二百二十四条ではないのだと言われる論理がありますか。
#54
○政府委員(細郷道一君) ちょっと課長からお願いします。
#55
○説明員(福島直喜君) いま御質問になっておりますような、一般の新規加入者から負担金をいただいておりますものにつきましては、これはいま水道課長のほうから答弁ございましたように、水道法の十四条の「供給条件」ということでございます。ただ、いわゆる給水区域外でございまして、そこに新しい団地等がつくられる、こういうときに、それを新たにその団体の給水区域にしてくれと、そうして水道を引いてくれというような場合でございますと、これは少し条件が違うわけでございまして、この場合には、地方自治法に規定いたしております特別の利益を与える――新たに給水区域にするわけでございますので、特別な利益を与えるということに該当するのであろう、かように思っております。
#56
○和田静夫君 その場合、二百二十四条に該当するということですね。
#57
○説明員(福島直喜君) 該当すると考えられます。
#58
○和田静夫君 あなたは論文の中でそう書かれているのだから、あなたの答弁はそうでしょうが、いまのことを局長確認しておいていいですか。
#59
○政府委員(細郷道一君) 課長が申し上げたとおりでございます。
#60
○和田静夫君 私は、なぜこのような問題が起こるのかを実は考えてみたのです。まあその前にあの新聞記事を読んで、たいへん奇異に感じたのであります。結局のところ、冒頭に述べましたように、地方公営企業における独立採算制というものが理論的に整備をされ、その上に立って企業会計と一般会計の負担区分が明確化されていないために、理論的な意味での適正な原価、それに基礎を置いた公正妥当な料金というものが確定していないからだと実は思われてしかたがないのです。
 そこで厚生省にお尋ねをしたいのですが、水道法の第七条第一項は「水道事業経営の認可申請をするには、申請書に、事業計画書、工事設計書その他厚生省令で定める書類を添えてこれを厚生大臣に提出しなければならない。」となっております。そして同条の第二項では、その事業計画書に記載する事項として、料金、給水工事の費用の負担区分、その他の給水条件が掲げられている。その料金の算出根拠、給水装置、工事の費用の負担区分を定めた根拠及びその額の算出方法についても、水道法の施行規則第四条によって記載しなければならないことになっています。また、水道法の十四条二項、三項をつなげてみると、料金変更の場合も、水道事業者が地方公共団体であるかそれ以外かによって届け出だけか認可が必要かの違いはあるにしても、料金の算出根拠というものは厚生省の検討の対象になっているわけですね。まあ水道事業者が地方公共団体の場合には施行規則の十二条によっているし、それ以外の者のときは水道法十四条の第四項によっている。ということは、企業会計と一般会計との負担区分のあるべき姿を前提としたあるべき料金というものを厚生省がちゃんと持っていなければならないということなんですね。少なくとも理論的には整理されていなきゃならないと思うんです。そういう理論的整理に基づいて、厚生省がいま話の給水権利金が料金に含まれるべきものではないということを証明してもらいたいんです。もしそれが明確にならなければ、この給水権利金の法的根拠を、自治法の二百二十四条、水道法の十四条に書くという考え方は、私は全面的に崩壊すると思うんですけれども、いかがですか。
#61
○説明員(国川建二君) 水道料金につきましては、水道事業を、新たに工事を行ないます場合には認可申請という手続がございますし、さらに料金を変更いたしました場合には届け出の義務があるわけでございます。なお、この水道料金の計算の方法と申しますか、原価計算のやり方につきましては、次官通牒をもちましてその積算の根拠を、方法を示しておるわけでございますが、最近の、まあ先ほどお話がありました分担金等の問題はきわめて最近の問題でございまして、先ほど来話がありましたように、急激な給水申し込みにこたえるために、あるいはその新旧利用者の負担の公平をはからなければならないという現実的な事情等がございまして、いまとられている方法でございますので、これらの問題につきましては、私どもといたしましても十分検討してまいりたいというように考えております。
#62
○和田静夫君 もちろん、もう少しこの給水権利金なるものの実態を調べてみなきゃわかりませんし、私も調べ続けるつもりですけれども、このようなあいまいなものが続発する状況というものを、単に自治省が法的根拠があると言って助長ないし放置をするということは、私はやっぱり大臣、さっきからのやり取りで、もう許しておけないと思うのですよ。この辺はやっぱりもっと明確にする必要があると思います。特に他の面では厳密過ぎるぐらい厳密に指導をされて、もう平然と憲法違反ぐらいのことまで指導されるぐらいの法解釈をしておりながら、たいへんなことではないかと思うので、これは注意を喚起しておきたいと思うのですが、大臣いかがですか。
#63
○国務大臣(野田武夫君) 御指摘の問題ですが、分担金というものが法規上どうなるか、これは基本的に考えますれば料金に含まれているという解釈も考えられるし、できれば、これは実際論ですからいまの法規上の問題と離れますけれども、まあ地方公共団体もやはり地域住民にそう料金をどんどん引き上げていくわけにいかぬし、いかに独立採算制でございましても、これだけの公共性のあるものはできるだけ負担の軽いことを考える。こういうところに非常に苦労があると思っております。
 またお示しになりましたたとえば電気事業法とかガス事業法、確かに、私はまあ法律知りませんけれども、お話承りますとそのとおりでございまして、それはそういうふうに明記してございますから。これはいままで聞いておりますと、明快な回答はなかなか困難のようでございますが、これは地方自治団体の財政の実情、地域住民の方々の、まあ負担金を出すことはそれは地域住民としてもやはり負担されないほうがいいのですが、まあ全体の水道料ということにしますと、料金をその企業採算からして上げる、どんどん上げていくということ、その他実情複雑でございます。和田さんも御承知のとおりでございます。これらの問題もわれわれもひとつ勘案しまして、これらについてはさらに検討を加える、こういうお答えする以外にないし、また、せっかくいい問題を御提起いただきましたから検討してみたいと、こう考えております。
#64
○和田静夫君 次に、交通事業の決算に触れて若干質問をいたします。
 「地方公営企業年鑑」の十五集のいわゆる交通、電気、ガスの五十二ページの表で、実はこの公営交通事業特に大都市交通事業の経営悪化いうものが問題とされてからたいへん久しいのでありますけれども、その収支状況の基調は依然として改善が見られないどころか、昭和四十二年度もまた前年度より赤字額は増加をし、収支が悪化をしておりますことは、いま指摘した表で一目瞭然であります。そしてこのような経営の悪化傾向が、とりわけ六大都市において著しいという近年の状況も、助長されこそすれ、一向に変わっておりません。この都市交通事業の経営悪化とそれに伴う諸問題については、今国会においても衆参の地方行政委員会において社会党委員からさまざまな指摘がされておるところでありますので重複は避けますが、一点だけ基本的なことをまず聞いておきたいのです。たとえば雑誌「地方財政」の昨年十一月号で自治省の公営企業第一課の阿部さんという方が、「企業の収支悪化と再建の苦悩は今我々の眼前で進行しつつある都市交通の現状の最も端的な表現に他ならない。各企業にとって、目前の給与改定をどうするか、またひいては、財政再建をどう進めて行くかは極めて重要な課題であるが、同時に、事態は公営交通さらには都市交通全体の在り方それ自体の検討を要求していると言える。」と述べておられますが、そんなことば前々からわかっていたことで、むしろ見通しを誤り、独立採算制をたてにとって目前の給与改定をどうするかなどといったことにのみこだわったのは自治省であったわけであります。いかがですか。
#65
○政府委員(細郷道一君) 都市交通、特に大都市交通の収支は御指摘のとおり悪化をいたしております。その原因はいろいろあろうと思います。そこで再建計画というものをつくりまして、再建計画によって年次を定めて赤字の解消をはかっておるわけでございます。その際の柱となりましたものは、一つは企業内の努力、一つは交通体系の変更と申しますか、市電をやめてバスにかえるとか、あるいは地下鉄のほうに依存していくというようなことが大きな柱であったわけでございます。しかし、その後も社会経済情勢が非常に動いてまいりまして、せっかくかえたバスもなかなかお客が見込みどおりに利用しないといったような外部的な条件が出てまいっています。そこで私どもとしましては、再建計画の遂行にはなお努力を重ねていただくとして、別途そういった外部条件というものの整備について大いにわれわれとしても検討し、対策を練らなきゃいけないと、こういう考えでいまおるわけでございます。で、本年度におきましても、すでに御承知のように負担区分というものを合理化することによりまして、一部そういうものに対する対策を考えておりますが、やはり私は、基本的には大都市交通をどう持っていくかという意味において、地下鉄の建設がもっと促進されるような方途を講ずべきであろうと、こういうふうに考えております。
#66
○和田静夫君 私は、昭和四十四年二月二十八日付で都知事に対してなされた東京問題に関する専門委員の第三次助言の中の「交通体系にかんしては、なしくずしの順応調整や手直しが必ずしも好ましい結果を生むとはかぎらないという点にある。とりあえずの弥縫策が一応の改善をもたらすかにみえても、その弥縫策それ自体が次の対策を必要とし、それが更に次の対策をもとめるという形で、こうしたことが重ねられていくうちに、最終の帰結は最初の事態よりも悪くなるということがありうるのである。」ということばは、そのまま自治省をはじめ、政府に向けられるべきだと実は思うのであります。ともあれ地方公営交通事業の経営の実態は、独立採算制の理論的整備などといったゆうちょうなものではないようでありますから、四月十七日の衆議院地方行政委員会における自治大臣の細谷委員の質問に対する答えの中にあった、公営企業、特に都市交通の再建は法律の根拠によってだけやっておってもなかなか困難であるという判断を支持し、大臣に私は期待をいたします。どうですか大臣。
#67
○国務大臣(野田武夫君) いま御提議になりました都市交通、特に大都市の交通問題ですが、私は内容を聞き、調べますれば調べますほど非常に困難な、実にこれはただ一時のこう薬ばりでやれる、弥縫策で事が解決するとは考えておりません。いまそれをこれだけ――まあ内容は私申しませんでも十分御存じですが、この都市交通の運営といいますか、企業のいままでの再建計画その他を見まして、これがひとり自治省や政府の責任だと、こう断定されることも私は全面的には受け取れません。これはやはり地方公共団体も責任を一緒に持っていくべきことだと、私、最近しみじみそれを感じております。それからまた、私の話をいたしますと、地方公共団体の理事者側も決してこれに反論をいたしません。といいますのは、だれがけしからぬとかけしかるとかということはあります。これは実態でありますが、いわゆる現段階で、現在いまお話のありました独立採算制だからという看板でもってこの問題が解決するなんということは、これはもう不可能と言っていいと、私はそれだけは判断いたしております。したがって、これはもちろん自治省といたしましても、新たな決意をもってこれに当たるし、地方公共団体の責任者も同様な気持ちで立ち上がる。同時にこれはまあ交通関係の労働者の方々にも一緒になって考えていただく。この間私は、それをはっきり言いました。三者一緒になって自分たちの――ただ個人の仕事じゃない、これだけ大きな公営企業であるということは、これはもう、みんな腹がまえはわかっておりますが、こういう難関にぶつかったときは、だれが悪い、かれが悪いじゃなくて、ひとつ一体となってこの打開策に当たるべきじゃないかというのが、私の考え方でございます。したがってそれには、いま御指摘になりました、いままでの再建計画が間違っているとか、間違ってないと言うよりも、それよりもっと進んだ現実を踏まえてどうするか。それだから私は、お話の独立採算制だという看板でこの問題を割り切るということは、この段階じゃむずかしいから、一歩踏み出していくべきだと、こういうような考えを深くいたしております。
#68
○和田静夫君 五十八ページの第二十七図によりますと、料金収入に対する職員の給与費の割合は、四十一年度八七・二%から八四・九%に下がっていますが、この八四・九%という数字は、四十二年八月に勧告された給与改定未実施分を実施したとすると幾らになりますか。
#69
○政府委員(細郷道一君) ここの表には入っておりませんが、入れた数字は、ちょっといま手元に持っておりません。
#70
○和田静夫君 あとからちょっと教えてください。二十七図と二十八図によって、確かに料金収入に対する職員給与費の割合は非常に高いことがわかります。しかし、このことが、同時に公営交通労働者の賃金が高過ぎるということにはならないことも、きわめて当然のことです。賃金は、いうまでもなく労働市場の状況によって、地域的に、あるいは産業別にきまるものであるからであります。自治省は、いままでいろいろのところで公営交通労働者の賃金が高過ぎるということを言ってこられた向きがありますが、いまでもそうお考えですか。もし、そう考えるとしたら、その根拠は何ですか。
#71
○政府委員(細郷道一君) 確かに、かつての公営企業の給与は高かったと考えております。たとえば東京都におきます交通職員の手当の種類が六十何種類もあったというような状況でございまして、運転手自身が電車に乗れば乗車手当がつく。給与のほかに手当がうくというような状態であったわけであります。最近、当局並びに組合の方々の協力によりまして、だいぶんに整理をされてまいりました。したがって、私は、かっての状態よりはよくなってきたと、こういうふうに考えております。で、だいぶんに他と接近をしてまいりましたので、なかなかこれを、どういうふうにじゃあ比較をしたらいいかということになりますと、いろんな角度の資料がないと、その数字をお示しすることはできないわけでありまして、私どもは、そういう意味合いにおきまして、いままでの再建計画によります給与についての合理化というものは、相当進んだという認識を持っております。
#72
○和田静夫君 他との比較をどうするか、いろいろファクターがある。私もそう思うんです。したがって、その単純比較という形のことは、特に今後は避けられなければならない。いろいろの自治省の関係者が言っていらっしゃることを読んでみますと、運輸省の関係の鉄軌道がどうとか、あるいは民間がどうとか、特に大手の私鉄がどうとか、中小私鉄がどうだとか、いろいろの言い方がありますけれども、やはり考えると、第一に一社当たりで見て、職員数では管理部門の職員は、公営のほうが民営より多いと言われている。あるいは年齢構成なんかでは、公営では中高年齢層の比重がかなり多い。平均勤続年数も、これに照応して民営よりも多いというような事情、言ってみれば制度及び労働事情の状況の歴史的な経過の中できまってきたいろいろなことを無視して、単純比較というものが、今日的な年功序列的なもので算定する限りではできない。そういうふうにまあ考えます。そしてそういう意味では、私は単純比較が無意味であるとさえ実は思う。もしいまの局長の答弁ではありませんが、多くのところで――多くのところというか、たとえば第十五回総会における監督官庁係官の自治省財政局小田公営企業第一課長という人の速記録がありますが、こういう中で述べられているような思想を、もし持ち続けるとすれば、私は別の政治的な効果をねらっておるというふうに考えざるを得ない。したがってその辺のことは、十分に今後の判断の基準としては、いま財政局長が述べたような形で考慮をして見ていただかなければたいへん困る、そういうふうに考えます。ところで大胆、去る六月九日に覚え書きができているのですね。組合側は笹川公務員共闘議長、そして鈴木書記長、鈴木副委員長、これはおそらく都市交通関係の役員、自治省側は細郷財政局長、佐々木参事官、小田公営企業第一課長。そこに小田公営企業第一課長がおいでかどうか知りませんけれども、ずっと読んでみたらたいへんなことを言っていらっしゃるのですね。これはもちろん四月十五日、麹町会館でのお話ですから、この覚え書きはそれ以降ですから、この覚え書きに従うんだと言われてしまえば、それでいいんですけれども――それで前のことは取り消すというならいいですけれども、一つは行政(二)表の問題について、この間の参議院の地方行政委員会で大臣もお聞きになり、財政局長は当然知っておられる。佐々木参事官はその利用は考えていないと答弁された。ところが、この中では二年計画でも三年計画でも、最終的にはそういう方向にもっていく、こう言っている。で、この覚え書きの中ではそういうことは否定をされている。当然覚え書きが正しいのだと思うのです、時日的な経過がありますから。大臣、そういうふうに理解してよろしいですか。
#73
○政府委員(細郷道一君) まあ交通職員の給与の問題については、先ほども私は非常な改善があるということは申し上げ、また私自身もそう思っておるのでございますが、なお実はやはりいろいろな指標を見ておりますと、問題になる点がないわけではないのでございまして、御承知のように平均の給与額というものを比べてみましても、あるいは車キロ当たりを比べてみましても、いろいろ出てまいります。そこで常識的によく比較に使われます資料、それを見てまいりますと、やはりまだ改善の余地があるのじゃないかというふうに私は考えておるわけであります。ただおっしゃるように実態をよく見ながら、そういうものをそしゃくせにゃいかないという態度は、私は持っておるつもりでございます。したがいまして改善されたのだから、もういまのままでいいんだというようなことには私はならないだろう。まあこう思うわけでございます。そこで私どもは、再建計画をつくるに当たりまして、交通職員の給与体系、これはいままでの現在ございます行政(一)職、それに色をつけたものが使われておるわけでございますが、この体系でまいりますと、どうも交通事業の将来を考えると、うまくいかないのではないだろうか。たとえば先ほど申し上げましたように、平均の俸給ではかなりやはり高い数字が出ておる。先ほど和田委員も平均ではだめだ。私もそうだと思うのです。平均だけで高いと断じてはいけないが、なぜ高いかといいますと、やはりわりに働く年令の者が安くて、もう相当年配になった人が年功序列型の給与体系によって高くなっている。そういうようなものが平均に反映している。私どもは、そういう見方をしているわけでございます。そういうことから考えてまいりますと、将来の交通事業のためには、いまの給与体系表で見ますならば、行(一)よりはやはり行(二)の考え方にいくべきではなかろうか。こういう意味で従来から行政(二)職を考えなさい。こういう言い方をずっとしてきているわけでございます。いまおあげになりましたうちの、公営企業第一課長の交通協会におきます話にも、従来からの、そういう考え方が出たものと、こういうふうに思います。
#74
○和田静夫君 大臣は、うなずかれたんだけれども、局長の答弁になったらかなり違ってきて困っているんですけれども、この覚え書きについて口頭で説明することの第一は、昭和四十三年度の給与改定に当たって賃金体系の変更は条件にしないこと。なお、当面する労使間の問題については、その処理が困難となった場合は、その解決に協力すること。これは、このまま実施をされますか、端的に言って。
#75
○説明員(小田恵堆君) この覚え書きを結ぶに当たりまして常町組合の代表の方と接触したといいますか、話し合いの相手になった立場から申し上げます。いま御指摘の口頭で説明する事項について二項ばかり書いてございます。これにつきましては、われわれはお互いに議論の結果を尊重しながら、この覚え書きに沿って進んでいくという約束をいたしております。
#76
○和田静夫君 この論議はやめておこうと思ったんですが、局長が若干答弁で述べられたんで、少し問題にしたいと思うのですが、昭和三十八年に大阪の交通局で給与上の試算を検討されておりました。一時間当たり給与は民営の百六十三円四十銭に対して、市営バスでは百六十二円五十五銭と、若干低くなるという結果さえ得られたことを考えあわせてみますと、賃金の形式的な単純比較がいかに誤りに導きやすいかということを知ることができると思うのです。自治省が昨年の十二月の十二日に「地方公営企業の実態と問題点」と題して明記されておりますように、地方公営企業の赤字は大都市の経営する公営企業において巨額にのぼる、その対策は大都市対策の一環として改善する必要があるという立場に立つならば、自治省関係者がときどき言うように、赤字の原因として表定速度の低下、あるいは運輸効率の低下の問題や建設投資の増大に伴う資本費急増の問題と職員給与費の増高の問題を並列において問題の所在を不明確にするというようなことはやるべきではない。こう私は思うのですが、それについてはいかがですか。
#77
○政府委員(細郷道一君) 交通事業も一つの企業体でございますし、ある意味では生きものだろうと思いますから、なかなか一つの要素を解決すれば、すべてが解決するというわけにもいかないと思います。そういう意味において私は、やはり先ほど来申し上げておりますような内部条件というものの整備にわれわれも懸命の努力をしなければいけない。しかし、半面企業としての経営努力もなお続けていただきたい。そういうものの一つに給与問題もあろう、まあこういうような考え方に立っておるわけでございます。
#78
○和田静夫君 覚え書きにちょっと戻らしてもらいますがね、大臣。自治省関係者の問題をいろいろ問題にして恐縮なんですが、発言や論文を何べんも私は決算委員会や地方行政委員会でやってきているのですが、いま小田さんお見えですがね、私は人間関係に弱いものだから、一ぺん人を覚えるとなかなか言いにくいのですが、たいへんなことを述べられておるのですよ、この同じ中で。最近、裁判所等においていろいろと皆さまの御苦労を多くするような判決が出ておりまして、というような形でストライキの問題について触れられている。昨日も、公務員の政治活動等の問題で、北海道における札幌の例の判決も、御存じのとおりあります。司法権の問題について、どうも最近、官僚が行政優位論というような、ある意味ではたいへんうぬぼれた考え方の上に立って、ものを書かれたり、言われたりする。けしからぬと思うのですよ。で、そういう点について一体大臣、特定の人には注意をされたでしゃうが、自治省全体の方に対して、大臣、約束されたとおり注意されているのですか。
#79
○国務大臣(野田武夫君) 十分注意いたしております、機会あるごとに。
#80
○和田静夫君 もうあまり深く言いませんがね。もう一つは、自治体の管理者に対するいろいろ余分なことを言っているのですよ。たとえば労働者との関係の間でいろいろと紛争が起きると、それに対する行政処分が非常におそい。こういうようなこと。たとえばこれは、交通の関係で言われているのですが、いわゆる基本的な権利が、一般の行政職の方と違って、なお付与されている。それらの方については当然当事者能力がそれぞれあるのですから、それらの交渉の中でまとまっていくものを、何で公営企業第一課長がいら立って余分なことを言って紛争を助長するようなことをしなきゃならぬかというようなことを多く考えます。いま大臣の答弁がありましたので、これは十分にそれらの行き過ぎがないよう注意をしていかなきゃ困ると思うのです。よろしいですね。
#81
○国務大臣(野田武夫君) もう、今国会におきましても、しばしば地方行政委員会その他でもって、自治省のいろんなポストの者の発言やあるいは記録その他につきまして御注意を得ております。私は、その御注意は――御注意の何といいますか、御解釈については誤解のある点もあると思っております。しかし、いずれにいたしましても、そういう御批判のあるということは、これは私ども役所の者といたしましては十分反省しなくちゃいかん。たとえば、いまお示しのことでも、処分の問題云々というようなことがあったそうですが、まあやはり事態をなるべく早く解決したいという熱意のあらわれから当然出ておると思います。しかし、その表現がそこに誤解を生む――私は、これは避けなくちゃならんと思います。それを言っているのです。諸君の指向するいろんな行政の取り扱いについて、諸君の誠意を疑うのじゃないが、やはりこの言論報道というものは誤解を伴わないようにしてもらいたい。そうして広く住民の方々また一般の国民の方々からも、自治省のやっている仕事に対して正しい御理解を願う態度が必要だ。こういうことで私自身もしばしばその点は注意を促しております。今後もまた、私、その方針でもってみんなに注意を喚起したい、こう思っております。
#82
○和田静夫君 最後に、病院事業の決算に触れて若干お尋ねをいたします。
 病院事業の経営状況が全体としてさらに悪化したということは、この十ページの第六表によって明らかであります。十一ページの第七表によって病院の規模別経営状況を見ますと、そこにも書いてありますように、大規模病院は比較的よく、規模が小さくなるに従って悪くなっている。そういうことでありますが、この理由について自治省はどのようにお考えですか。
#83
○政府委員(細郷道一君) 病院は、事業としては私は率直に言って特殊な事業であると、こういうふうに考えております。そういう意味合いにおいて、病院事業については、病院事業自体がまあ人命に関することであるし、それからその収入の大半をなします社会保険診療報酬というものが個々の病院としてはきめられない問題であるというようなところから、病院の経営の状況というものについては、なかなかその傾向というものを見出すことがむずかしいと思うのでございます。しかし、概していうならば、やはり相当程度の規模を持っていないと、病院経営としてはむずかしい。もちろん立地の問題もございますし、設備の問題もございます。しかし概して、病床の規模というものがある程度のものがないと、むずかしいのではなかろうか。こういうふうに見ておるわけでございます。
#84
○和田静夫君 病院事業の経営収支の赤の原因として、自治省は、まあ、これの十一ページから十二ページにかけて、「ア 四十二年十二月一日から社会保険診療報酬の改訂が行なわれたが、同じく十月一日から薬価基準の引下げが行なわれており、四十二年度の収益に対してはほとんどプラスとならなかったこと。」「イ 給与改訂による職員給与費の増こうや物件費の高騰が続いたこと、等が考えられる。」と述べていらっしゃいます。私は、このアとイと並列的に並べる、このようなやり方は、もうそろそろおやめになったほうがよいのではないかと、こう思うのです。というのは、あの社会保険診療報酬基準が適正でないということは、今日の医療制度にかかわる問題であるだけに、大いに指摘する意味があると思います。また地方の小規模病院というものは、たとえば医者も集まらないし、したがって需要も減るという問題も、医療制度の問題として大いに指摘すべきでしょう。しかし、物価が上がる。したがって、ある程度の給与改定もある。これは、ある意味では政府の責任、国の全体として――どうしようもないことなんです。しかも、十五ページを見ていただきたいと思います。「職種別にみて増加率の最も高いのは、医師の一六・五%であり、ついで准看護婦の一一・一%、看護婦の一〇・八%、その他職員の一〇・七%、事務職員の九・七%となっている。」となっているのです。つまり医者が不足している、看護婦が不足している。お医者さんにもつともっと山間僻地に行ってもらわなければならないとすれば、給料だってもっともっと上げなければならないわけでしょう。しかも一六ページの表によってもわかりますように、職員給与費の増加率と職員一人当たりの診療収益の増加率とは大体バランスしているではありませんか。むしる、こうした自治省の財政的バランス主義こそが病院事業の経営悪化を招いている面さえあると指摘せざるを得ないと、私はこの決算をいろいろ調べながら、そう考えたのです。最近出された自治体病院経営研究会報告書がずばりこう言っています。「病院事業は、その住民に提供するサービスが、人命に直接かかわるものであるため、診療の質的向上をはかるための人的、物的両面にわたる充実、医学、医術の進歩に則応した高度の医療器械の整備等がたえず求められる反面、その料金は社会保険診療報酬という国の統一的な基準によっており、しかも、この基準は、現状においては適時適正な原価を反映するものとはいえないので、いわゆる企業内合理化につとめても、病院機能の低下を来たすことなく採算を維持していくことは困難となっている。」、このように書けば、経営悪化の原因が基本的には何であるかが明白です。赤字の原因なら原因については数字の上で平面的にはいろいろあるでしょう。しかし、その数字が出てくる裏には、その現象をまさに現象せしめる基本的なものがあるはずであります。それを立体的にとらえて指摘するのでない限り、決算にさっき述べたような形でのコメントをつける必要はないのであります。その点はいかがですか。
#85
○政府委員(細郷道一君) 自治体病院経営研究会の報告は、非常に関係の方で熱心に御議論いただきまして、われわれも示唆を受けるところが非常に多いわけでございます。特に、その中でも触れておられますが、独立採算の問題につきましても、病院事業の特殊性から負担区分の合理化というようなものを、もっと考えるべきであるというようなことも出されております。また単に金の面だけでなく、要するに病院の配置と申しますか、ネットワークというものが適当かどうかわかりませんが、そういったようなものについての配慮も、もっと要るのじゃないか。それから医師その他石越婦確保の問題、非常にいろいろな問題について多方面にわたってやられておるのでございまして、私どもも、まことに示唆の多い答申というふうに実は受け取って、これからその一つ一つを実は検討しておるわけでございます。さしあたって、私どもができます範囲のことば負担区分の是正といったようなことでございますので、それにつきましてもいま鋭意実は考えておるわけでございまして、本年度の地方財政計画におきましても、病院事業の負担、繰り出し金と申しますか、そういうものは昨年よりはさらにふやしてまいろう。なお今後も、年度途中でも検討してまいりたい、かように思っております。
#86
○和田静夫君 十四ページの第10表、一般会計からの繰り入れの状況ですが、この表についているコメントは、この表を見ればだれでもわかる事実をただ述べただけなんですね。この表にあらわれている状況を、自治省はどういうふうに判断をされているかというところが、実は書かれていないと、さっぱりわからぬのですが、それはどういうふうに判断をされておるわけですか。
#87
○政府委員(細郷道一君) 病院は、最初に申し上げましたように、いま地方団体が公営企業としてやっている事業の中では、非常に特殊な地位にあるというところから、病院についての分析検討が私は必要があろう、こう考えております。いままで病院につきましては、どちらかといいますと、公営企業法の適用の関係におきましても、公営企業法のできたころは病院というものは法定からはずし、あるいは企業経理をしないでもいいといったようなことでまいったわけでありますが、私ども考えますに、公営企業の病院事業だけが非常に特殊なものではなくて、やはり病院事業というものは他の団体によってもたくさん経営されておりますし、民間においても経営されておる。そういうような事態を考えてみますと、やはり企業経理を病院事業に導入して、そうしてみずからいろいろの問題点を見つけ、改善すべきところは改善していくということが必要であろう。こういう考え方で、最近はある規模以上のものを法定適用にするというような行き方をとっておるのでございまして、病院事業の、この十四ページの表に全国の集計が出ておりますが、私ども個々に見てまいりますと、りっぱに経営をやっている病院もある。必ずしも全国の経営が――こういう姿で繰り出し金が非常に多いから全部の企業体がそうなのかというと、そうではなくて、りっぱにやっている企業体もあるわけであります。で、その原因というのはいろいろあろうかと思いますが、やはり第一には立地の問題があろうと思います。お医者さんや、その他看護婦さんを確保できるという立地の問題、それから経営者の異常な熱意ということが非常に大きなウエートを占めている。それから最初に申し上げましたような規模の問題、そういったようなことで、やはり私は、全然この表だけから病院事業は、はしにも棒にもかからぬのだというふうには実は理解をしていないのでございまして、私どもも、なお研究すべきものが多々ございますので、いましばらく、こういった状態を横目でにらみながら合理化の努力を進めていくべきであろう、こういうふうに思っております。
#88
○和田静夫君 先ほど負担区分等の問題について触れられましたから、さらに深くは追及をいたしませんが、この自治体病院経営研究会報告書で病院会計と一般会計との経費の負担区分、六ページから七ページにかけての、この一項は、私の言いたかったようなことを言ってくれております。あえて読み上げませんけれども、つまり負担区分のルールをきめて、もっと一般会計で見るべきだ、こういっているわけです。で、いま財政局長も、その辺も十分考慮しつつあるのだという答弁ですが、それに期待をしておきたいと思いますが、雑誌「地方財政」の一月号の百三ページで、自治省の公営企業第二課の平野俊治さんという方が、「看護婦養成所に要する経費等、政令において一般会計等が当然負担すべきであると定められているような経費についてさえ、一般会計が一切負担せずに相当な赤字がでている病院」であることを指摘されているんですよ。地方公営企業法施行令第八条の五の第一項第三号、第二項第二号にかかわる経費で、病院会計で見られてしまったものの金額はどのくらいになりますか。
#89
○政府委員(細郷道一君) 四十三年度の繰り入れ実績で見ますと、看護婦養成所の負担として七億でございます。
#90
○和田静夫君 そのようなことが起こらないように自治省はどのような指導をされましたか。
#91
○政府委員(細郷道一君) 私どもは、病院事業について、御承知の一般会計負担区分を政令できめておりますので、それによってそれぞれの団体で処理をしてもらうことを、実は期待をいたしておるわけでございます。中にはいろいろな形態のものがあるようでございます。看護婦養成につきましては一般会計がもともとまる持ちでやっている、必ずしも病院に付置してやっていないのもあるようでございまして、経過的に移行しようとしているのもあるようでございます。そういうようなこともございますので、数字に出ただけではちょっと私、その実態を全部判断しかねる面があろうと、こういうふうに思っております。
#92
○和田静夫君 いま看護婦だけの答弁でありましたけれども、第八条の五の三は看護婦だけじゃなくて、その他あるわけですから、それら総額で幾らになっているんです。
   〔委員長退席、理事岡三郎君着席〕
#93
○政府委員(細郷道一君) 四十三年度実積で百七十億でございます。
#94
○和田静夫君 それはあれですか、第一項第三号に関するものですか。
#95
○政府委員(細郷道一君) 内容は企業債の元利金の負担、建設改良費の負担、僻地医療センターの経費負担、僻地中核病院の経費負担、不採算地区病院経費負担、看護婦養成所経費負担、こういうものでございます。
#96
○和田静夫君 私はここに、昭和四十一年に自治省財政局公営企業第二課の出した「自治体病院における経営分析の見方」という資料を持っております。何か経営分析の手引きみいたな書き方になっていますけれども、内容を見ますと、自治省の病院財政運営の指導書という性格をとっているのですね。その中で負担区分の限度をこえて一般会計等から多額の繰り入れが行なわれていることはないかという警告を発していますが、その逆のことは言っていらっしゃらない点に、この問題に対する自治省の姿勢をうかがうことができる。ところで、この自治体病院における経営分析の見方ですが、厚生省、これはごらんになりましたか。
#97
○説明員(正田泰央君) いまおっしゃった手引き書については、私どもの役所の関係者は発行されてから見ていると思います。
#98
○和田静夫君 厚生省が各病院に対して具体的に行なっている指導と、この「自治体病院における経営分析の見方」を通じて自治省が行なっている指導と一ここにはちゃんと専門家がいるんですが、私はしろうとですからあれですが、たいへん食い違っていると思うんですが、いかがですか。
#99
○説明員(正田泰央君) 私自身、申しわけございませんが、その指導書ですか、拝見しておりませんが、私どものほうの繰り入れ問題につきましては、いま御案内のございました看護婦の養成事業、さらに救急、医療、あるいは集団検診、そういったような保健衛生行政を活発にやってほしいという願いがございまして、それについては経費負担区分で一般会計で繰り入れるということになっておるわけでございます。さらに地域住民の医療の確保という点から、自治体の病院がここで言う特殊医療あるいは不採算の医療を率先してやってほしいという考え方がございますが、そういったものについて一般会計から繰り入れていただけば経済基盤を確立するのに非常にけっこうだというふうに考えております。もちろんいま申し上げたことは、病院の能率的な運営というものを前提とするものではございますが、繰り入れるべきものは繰り入れてくれるようにという指導はいたしております。
   〔理事岡三郎君退席、委員長着席〕
#100
○和田静夫君 一つだけ具体例を出しますと、昭和四十三年一月に厚生省の病院管理研究所が富山県立中央病院の経営分析を行なっておりますね。経営管理調査報告書を出している。これとこの自治省の出している資料とはずいぶん指導方針が違うようです。具体的に言えば――その前に、たいへん不愉快な話なんですが、この資料を求めたところが、厚生省の側では部外秘だと言うのです。私に直接富山県立中央病院に許可を受けてくれと言った。私と自治体病院と何の関係があるかと反問しているのです。厚生省の一機関が調査されたものを、この国会の中で研究、そして討議をするために資料を求めたものを、じかに私に自治体病院に請求をしろ、こういった言い方というものは根本的に誤っていると思うのですが、これはそのことからやらなければいかぬと思って、そのことだけを一日じゅうやりたいと思ったのですが、後ほど改めて持ってこられたのであれですけれども、どうですか。
#101
○説明員(正田泰央君) いまお話の点につきましては、私どものほうでたいへん申しわけないと思っているのですが、この報告書は、私どものほうの病院管理研究所が富山県立中央病院を診断をいたしまして、それを部外秘と申しますか、これはいわゆる内簡、言ってみれば手紙という形で行なっております関係上、研究所長と県の関係で一応了解を得ておきたいということがございまして、若干御連絡のそごがございまして申しわけないと思っているのですが、その点御了解いただきたいというふうに思っております。
#102
○和田静夫君 そこで、後者のことはあらためて――前段の私の質問に答えてください。
#103
○説明員(正田泰央君) この報告書の中身についてでございますが、先ほど申し上げましたような観点で、あくまで医療をどうやったら確保できるか、経営管理状況が悪くなってきた場合に、これは放置していけば医療がいろんな面で支障を来たす、これは地域住民の医療を確保するという公的な病院のあり方としては困るのではないかというような角度から、病院管理に関して医薬、経済、そういった面の専門家が分析したものでございますが、この中にいま先生のおっしゃった一般会計の負担という問題につきましては、地方公営企業法の考え方とそごするというようなことはないと、私は思っております。
#104
○和田静夫君 たとえば自治省の先ほど言った資料ですね、七六四一ページ費用分析という項目の中に、職員数という項があって、そして職員数は適正か。職員数が多いか少ないかは「一00床当り職員数、等価規模当り職員数でみる。昭和四0年度の全国平均は次のとおりである」、こういうことにして、それぞれの職種ごとに黒字団体の平均と赤字団体の平均数を書いてあるのですよ。これは明らかに黒字団体に見ならいなさいという指導なんです。
 しかるに 厚生省の富山県立中央病院に対して行なった指導は、全国平均より富山県立中央病院のほうが少し多いが、まだまだ少ない、こう言っている。たとえば七ページです。全体として看護職員数はあまりにも少な過ぎる、こう指摘されているんですよ。現在世間で叫ばれている看護婦不足問題と、本院のように定員を異常に低く押えることによって起こる看護婦不足は、異質のものであって混同すべきでない、と、ちゃんとあなたのほうは、指摘をされているのですよ。看護職員は正看百三十二、准看八十六であり、現在多くの病院でこの比率が逆転していることを思えば質的には恵まれている。特に正看の半数以上の七十一が新制度による高等看護学院の卒業生であることは、地方の病院にはめずらしいほどの好条件といえよう。質的にきわめて恵まれた状態にありながら著しい量的不足のために看護婦の能力が十分に活用されていないとしたら、まことに残念である、と指摘されております。あるいは十五ページ。職員数は患者百人当たり五〇・五人で平均の四十八人よりは多いが、この程度のレベルの病院としては少な過ぎるように思われる、こう指摘をされているのです。医療の実情を知るものは、こうならざるを得ないと思うのです。この違いを一体自治省、厚生省、どういうふうに調整をされますか。
#105
○政府委員(細郷道一君) 私どものほうは、どうしても財政的立場が強く出がちだろうと思います。まあ、公営企業全体の問題をまず地方団体の一般の行政から切り離して、これをとらえていこうということからスタートをいたしまして、そうして最近におきます公営企業の経営難というようなところにいま非常に力点が置かれておりますので、同じ病院の経営指導をするのには、やはりそういう面がかかるということは、率直に言ってやむを得ないことだろうと思っております。まあ、厚生省さんのほうは、もう御承知のような広いお立場でおやりになるわけでございます。そこで私のほうでいろいろな病院を指導いたしますのに、個々の病院を見れば、先ほど申し上げましたように、赤字のひどい病院もあるし、あるいは繰り入れ金ばかりに頼っている病院もあるし、そうでないところもあるし、また反面、ちゃんとした経営をやっているところもあるというようなことでございますので、指導いたしますには、やはりある程度具体のめどをもってその対象を考えながら指導するということも、これまたやむを得ないことだろうと思っております。病院事業が最初に申し上げましたように、いろいろ複雑な要素を持っておりますだけに、これについては一律的にどの病院もこういう方向でというような指導方針が非常にむずかしい。これはまあ十分御理解をいただけると思うのでございますが、そういったようなことでやっておりますので、その辺のところはひとつ御理解をいただいて、厚生省との間でも病院経営本来のことについては十分連絡をとるようにいたしたいと、こう思っております。
#106
○和田静夫君 大臣、自治体病院経営研究会の報告書はさっきも読みましたように、新しい問題を提供しております。自治省は厚生省とも十分間整をして、いま言われたように、病院の本来的な問題についてはこたえていきたいと、こう言われているのですね。私は、そうなってくると、自治体病院に対する従来の指導のたてまえというものをやっぱり改めるということが、どうしても必要になるように思うんですが、具体的には自治体病院における経営分析の見方、これ自身をもっと改定すべきだ、そう思うのですが、いかがですか、大臣。
#107
○国務大臣(野田武夫君) いま財政局長もお答えいたしましたが、まあ病院というものは、自治体病院であっても、国のつくった病院でも、民間の病院でも、病院の使命というものはきまっているのです。これは別に、ことさらに分けることは実はおかしいと思うのです。ただ自治体病院は公営企業というような一つの別な法律でやっておりますから、自治省としては、これは私は財政局長が申しますように、やはり財政面からいろいろなことを考えるのも、これは必ずしも私は間違っているとは言えないと思うのです。特に、やはり厚生省のほうで、内容については十分病院の経営とか病院の内容、看護婦とか医者がどうだということは、厚生省でなければわからぬことですから、そこはやはり厚生省からもひとつ相当自治省とお話し合いをして――私はよく言うのですが、とこの役所がどうということは実はおかしいのだ。何か分担して両方でやっているそうですから――私に言わせると両方でやったらいい。別々にやって、かってな意見でなくて――正当な意見だと思うのです、厚生省もりっぱな意見を出しておられるし、財政当局としても、やはりこれは赤字の問題もあるし、それも一般会計とのこの配分をどうするか、いろいろひねっているのです。だからその点において、厚生省はこの水準でなければならぬぞ、じゃ一般会計でどうするか、予算編成において全体を政府の考え方でやるというような、私は、もう少しこういう問題も、御指摘のとおり、その立場、立場がございますが、その立場、立場というものは、おのおのの職務をりっぱに遂行しようという立場でございますから、私は、これを否定いたしませんが、もう少しこういうものは、やはり厚生省とほんとうに話し合って、どうするかというように持っていきたい。私は、決して一般論の概念を申すわけではありません。私は、現実にそうすべきだ、いまお聞きしておってそうだと思いますので、今後十分厚生省のほうとも御連絡いたしまして、私のほうもそういう点については、あらためて検討すると、こう考えております。
#108
○大橋和孝君 ちょっと関連で一つ。
 きょうは自治省の細郷財政局長もおいでですので、私、いままで厚生省のほうにはいろいろそういうことはお願いしておったわけでありますけれども、先ほどからいろいろお話を伺っておりまして、非常に大臣の御答弁からいっても、前向きで自治体の病院を考えていただけるということでございますので、非常に嬉しく思うわけでありますが、ここでひとつ御意見を聞いておきたいと思いますのは、いま自治体としては、先ほども議論されておりますように、医者も看護婦も非常に不足しております。同時に看護婦の教育も自治体でおやりになっております。これは非常に自治体としては大きな負担になっておると思いますので、こういうものはできるだけひとつ国のほうでやるようにということをお願いしておるわけですけれども――自治体病院は、先ほどのお話の中にもありましたように、官立のいわゆる国立病院なんかと同じように営んでおられる病院でありますために、私は、いまのような財政区分の問題、あるいはまた財政上の処置といったものでいろいろな点はあると思いますけれども、私はここで、ほんとうに医療のあり方、現在のいわゆる医師、看護婦の不足の現実をとらえますと、やはり自治体あたりが――国と同じでありますけれども、自治体で特にそういうものに取り組んでもらって、そうしていかにあるべきかということで、高い姿勢でこの問題に取り組んでいただく。そのためには、やはり財政的な裏づけというものが必要である、こう思うのでありますが、先ほどから伺っておりますと、一方では黒字経営になっているところもあるし、赤字経営のところもある。こういうようにおっしゃって、なかなかケース・バイ・ケースであるから、一様な全体としての指導ということも経済の側から見ればむずかしいということも、ごもっともだと思うのですが、私は、ここで自治体病院のあり方というものを、ひとついわゆる自治省の経済ベースで考えていただいて、そうしてもう少し根本的なところにいわゆる潜在投資と申しますか、そういうものをしていただくことによって、そうして自治体病院のあり方というものがもっとハイレベルにならないものか。少なくとも日本の医療機関の中で自治体のやっておる病院というものは、なるほどこれはりっぱなものだというふうなものを、ここで一ぺん自治省及び厚生省の中でぴちっとつくっていただけないか。と申しますのは、私はこれは健康保険あるいは医療制度の抜本改正の中で考えてもらうべきことだとは思いますけれども、やはりその前段階としてはこういう自治体病院あたりがそういうことに取り組んでもらうことは、一つのいい方法ではないか。それはどういうことかと申しますと、やはり先ほどから御議論の中にあったように思いますが、やはり各自治体にまんべんなくある程度の適正な配置をして、そういう病院に対しては特に自治省から力を入れていただく。そういうところは、少なくともいまの大学の付属病院ほど研究もでき、ある程度いろんな調査もできる、あるいはまた健康管理のためのいろいろな研究施設も持てる。こういうものを持って、自治体病院がほんとうにその研究の場であり、同時にまた治療の場であるという形になるならば――私はそれが、たとえていうならば、多少郡部のほうにいっているところの自治体には、そういうようなものが力を入れてつくられるならば、そこが中心になって、その他のいわゆる国民皆保険となっておる国民健康保険のいろいろな小さい町村で持っておる診療所に至るまでの看護婦及び医者の配給源になる。そういうことを言っちゃぐあいが悪いかもしれませんが、結局そこで研究ができるからして、何カ月の間はそういう僻地にいってこいということであれば、私は、非常に喜んでいく人がまんべんなく適正に配置されるようになるだろうと思う。こういうようなところまで着目してもらう。そうなれば独立採算制とは何かということに対して問題が起こるでしょうから、そういうことを自治省で何か財政的な裏づけをしてもらって、ほんとうに医療のあり方を、自治体の中でひとつりっぱなものをつくってもらう。これを全国でどういうふうな配布図といいますか、分布をしてやらせるかというようなことなんかをよく考えてもらって、そしてそういうことに取り組んでもらえば、私は僻地の医者の不足あるいは看護婦不足というものも相当大きく解消されるのではないか。ただ単に島流しにいくようにいなかに持っていく。ただそれを、お給料をたくさんあげますからいらっしゃいということでは、なかなかいまの状態では相ならぬことだと思うのです。少々金をもらうよりも、交通の便利なところで勉強しやすいところにおりたいということが若い医者の念願であり、そういうことがあり得ると思いますからして、そういうところにいきましても研究できるという場を与える。これはやはり官立ないし公立の病院でなければならない。そういうことからいけば、自治体病院の将来のあり方というものを、この辺で一ぺん踏み切っていただいて、そして少しお金の裏づけをしながら、そうした別な考え方で自治体の病院というものを考えてもらえないだろうか。こういうことを私は、いつも念願してまいっているわけですが、幸いいま、自治体の病院を公営企業体の中からいろいろ御議論になっておりますからして、この際ひとつ自治省におかれましても、この自治体病院のあり方をもう一つ重点的な基幹病院として指定するなら指定するということで、自治体病院の中でりっぱなものをつくっていただいたらどうか、こういう考え方を持っているわけでございますから、ひとつその辺の御所見を伺えたらと思います。
#109
○国務大臣(野田武夫君) 私は、非常に示唆に富んだ御意見を拝聴して、そういうあり方の自治体の病院ができ上がることは非常にけっこうだと思います。また、そうあるべきだと思っております。いまの医師、看護婦の不足、これらのことがありますし、まあ経営全体の問題は別として、つまり患者さんといいますか、病人の方にも、いろいろ病院のほんとうの使命がどこまで達せられているかという面も出てまいります。それから御指摘になりましたとおり、非常に公共団体の地域によりましては、診療所なんかも非常にいろいろなところで困難をしていることも事実でございます。これらはやはり総合的に考える、それについてやはり財政的処置というもの、これは一番大事だと思う。一面、これのこういう公的な使命を達成することでございますから、これらをわれわれは十分勘案する一方、いま問題になっております病院経営のほうですが、どうもこれは、私は全然しろうとでございますからわかりませんが、各方面から問題になっております診療報酬の問題も出ておりますし、これらが厚生省のほうの符帳で、私のほうが診療報酬はどうあるべきなどとはいえませんが、これもやっぱりこういう問題が出てまいりますと、財政上におきましてもやはり計画性が出てくるのじゃないか。こういうものを――ひとつどうなるかわかりませんが、いま問題になっておりますから、やっぼり解決できるものなら早く解決していくということと、いまのような御意見は、私十分尊重してまいりたいと、こう考えております。
    ―――――――――――――
#110
○峯山昭範君 私は、きょうは時間もあとわずかでございますから、端的に申し上げますが、初めに二つだけ質問したいことがございます。
 まず初めに、一つ目の問題でありますが、固定資産税の非課税の範囲について、きょうはお伺いしたいと思います。
 地方税法の三百四十八条に(固定資産税の非課税の範囲)というのがございます。これによりますと、「固定資産税は、左の各号に掲げる固定資産に対しては課することができない。」と、こうありまして、この中の、これもたくさんありますのでしぼりまして、これの第五号に、「公共の用に供する道路、運河用地及び水道用地」、この五号にしぼって話をしたいと思います。こうありますが、この「公共の用に供する道路」について、これはどういうふうな範囲をいうのか、この点について明確にお伺いしたいのです。自治省当局のこの項に関する見解といいますか、考え方でございますか、それについて明らかにしてもらいたいと思います。
#111
○政府委員(降矢敬義君) ただいまの御指摘の「公共の用に供する道路」でありますが、これは一般的にいいますと、何らの制約を設けずに広く不特定多数の人の利用に供する道路ということでございます。これは地租、地代からもそういう考え方でございまして、したがってこの道路は、必ずしも道路法にいう道路だけではございませんで、たとえば林道とか、あるいは農道とか、作業道とかいったものでありましても、いま申し上げたような条件に当てはまるものであれば「公共の用に供する道路」ということで、その分に対する固定資産税は課税をしない、こういうことでございます。
#112
○峯山昭範君 いまので大体わかりましたけれども、いまの三百四十八条の第一項に、「市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区及び地方開発事業団に対しては、固定資産税を課することができない。」と、こう明確にあるわけでありますので、これ以外にいまの五号があるということ自体、これは地方自治体、国の資産に対する非課税の範囲は初めにあるわけですから、あとでわざわざこういうようにうたってあるということは、その後に自然発生的に私道が公共の用に供されている、住宅等ができたために。そういうふうなものに対しても非課税ではないか。そういうふうな意味でこの第五号があるのじゃないかと、私たちはこういうぐあいに思っているわけですが、この点いかがでしょう。
#113
○政府委員(降矢敬義君) 三百四十八条の一項は、御指摘のとおり納税義務者としての範囲から都道府県や国を除外するということでございます。そこだけをごらんになりますと、いま御指摘のようなことになりますが、実はこの三百四十八条の二項に「固定資産税は、左の各号に掲げる固定資産に対しては課することができない。」、二項はいわゆる用途免税になっておるわけですが、一号に「国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合及び財産区が公用又は公共の用に供する固定資産」というような表現もございます。したがって必ずしも、ここは一項の納税義務者から除外するということと、二項の用途免税の一号及びただいま御指摘になりました五号の「公共の用に供する道路」というものの範囲が多少オーバーラップしているところがあるように私たち理解しております。しかし、いずにいたしましても、国道や市町村道、府県道というふうに認定されたものでは、一号であれ、あるはその敷地が場合によっては二号に該当するものもありましょう。あるいは五号の中で読める。いずれにしてもそういうものは除外される。非課税でありますし、そのほかにプラスいたしまして、ただいま御指摘のような私道のものについて、五号によってその道路が公共の用に供せられているならば固定資産税は課税をしない、こういうふうに読んでいるわけでございます。
#114
○峯山昭範君 いまので大体わかりましたけれども、結局第一項また第二項の一号、それにもわざわざうたってあるわけでありますので、当然一号と五号とは違うのじゃないかと思うのです。五号の問題で、公共の用に供するということについて、先ほど何らの制約を設けないで、いわゆる一般の人が通る道または道路法にいう道路以外のものも含むということが先ほどございましたけれども、この点について説明を具体的に――たとえば、こういうふうな道も含むのだということを、具体的にわかりましたら教えていただきたいと思います。
#115
○政府委員(降矢敬義君) 一番典型的な例では、プライベートの意味の私道につきましては、いわゆる公道――市町村道あるいは府県道といったいわゆる公道と公道の間を結んでおるような私道であって、そして先ほど申し上げましたように何らの制約を設けない。たとえば時間的に何町から何時までは制限するとか、あるいは通行禁止の表示をしているとかいうようなことなしに、要するにだれでも、いつでも制約を受けずに通れる、しかも広く不特定多数人が通れるようなものであれば、ここにいう公共の用に供する道路というものの一番典型的な例だろうと思っております。
#116
○峯山昭範君 非常に明確に教えていただいてありがとうございました。それじゃちょっとお伺いしたいのですが、こういうふうな問題が最近特にたくさんあるわけでありますが、自治省当局としまして、この第五号の非課税ですね、要するに、これに該当する道路というものが、最近住宅等の建設あるいはいろいろな問題で相当入ってきておる。現実にはずいぶん前からいわゆる公共の用に供せられておる、いわゆる公道から公道を結ぶ道路ですね。これは当然でありますが、いま話があった以外にも、たとえば袋小路になっているというような場合もあると思うのですね。袋小路になって私道であっても公共の用に供せられておる。現実にそういうところはどういうようになるか。その点はちょっと、いまの例になかったわけですが、袋小路の場合はどうなっておるか、その点もちょっとお伺いしたいと思いますし、それからもう一つは、こういうふうな場合、現実の問題として非課税が実施されているかどうか。全国の都道府県においてこの点は非常に大きな問題だと思うのですが、どういうふうな実態になっているか、この点についてお伺いしたいと思います。
#117
○政府委員(降矢敬義君) 先ほど公共の用に供する道路の典型的な例を申し上げたわけでありますが、ただいま御指摘になったような袋小路のようなことになりますと、いわゆる住宅建設その他の周囲の状況等もありまして、もっぱら袋小路に沿って、あるいはその奥にある人の利用にのみ供されるというようなことがあれば、これはやはりその具体の事実の認定になりますが、やはり一般的にはこの公共の用に供する道路というわけにはまいらない場合もあろうと思います。ただ、これは事実の認定の問題でありまして、相当袋小路も奥まで深まって、まあ相当多数の人ということになれば、あるいはそういうケースがあり得ると思いますけれども、これは事実の認定として考えざるを得まいと、こう思っております。
 それから第二の問題でありますが、これは長い規定でありますので、これ全部がどういうふうになっているのかということは、私たちも個々具体的に、公共の用に供する道路、特に私道の取り扱いについて具体的にはいま承知しておりませんけれども、しかし従来かなり、私たちのほうにも質疑応答の形で出ておりますので、この点については市町村課税当局において発見する、あるいは自分で知る、あるいは知らしてもらうというようなことを通じて、この規定に当てはまるものは非課税の措置をとっておるものと、こう思っております。
#118
○峯山昭範君 すると、袋小路の場合でも、場合によっては非課税になることもあると、こういうことですね。
 それから、いろいろと地方自治体ではこの問題については、当然非課税になっている場合もあるとおっしゃっておりますけれども、私の調べた範囲では、大部分が非課税になっていないというのが実情じゃないか。現実に私たちの住宅の土地ですね、土地がどの範囲であるかということは、なかなか認識していない人が多い。私自身もそうでありますが、現実に自分の家で道路に提供した部分にも税金がちゃんとかかっている、そういうのがずいぶんあるのじゃないかと、私はこう思います。そこで、都市化の急激な変化に伴って、こういうふうな問題はずいぶんあります。しかも新しい住宅ができるたびに、そういうようなものがずいぶんあるわけですね。しかもそういうようなところには、すぐに交通麻痺等の問題もあって、そういうような小さな私道にどんどん自動車が通ったり、または学童が通ったり、そういうような問題もずいぶんあります。こういうような問題については、地元の市町村では当然固定資産台帳ですか、その台帳に基づいて私道分を分けて表示する、そういうふうな事務も私は開始していかなくてはならないのじゃないか。にもかかわらず、こういう点については全然まだ開始されていないというのが実情じゃないかと、私はこう思うのです。この問題については非常に影響するところが大でありますし、大きな問題でございますので、大臣の所信をここで明らかにしていただきたいと思います。
#119
○国務大臣(野田武夫君) 公共の用に供する道路という前提がありますが、いま峯山さんのおっしゃるとおり、この解釈の範囲は――いろいろな社会情勢が変わってまいります。基本的な考え方は別に変わりませんが、利用度か――はたしてこれがいわゆる広く不特定多数人の利用に供する道路かどうかという解釈に入るわけです。そこで、それはいま税務局長が申しましたとおり、実情に照らしませんとわかりませんが、袋小路――一軒か二軒のところにあるようなものであれば、これははたして不特定多数の人が行くかどうか。しかしそれが袋小路と申しましても、相当家が立ち入っております場合、これはやはり利用者も不特定の人が利用するというような事実もあるかもしれませんが、まあいまの、おそらく峯山さんのおっしゃるとおり、なかなか各地方公共団体でこういう整理ができてないと、私も推測ですが、これは急変しておりますから、なかなかこれはなるほどお話のとおり、まだはっきりした素案もできていないと思います。しかし、これは御注意を得ましたから、よくひとつ税務局長とも打ち合わせまして、こういうものにつきまして積極的な措置――何と言いますか、いろいろ検討、指導してみたいと、こう思っております。
#120
○峯山昭範君 もう一つだけ税務局長にお伺いしておきたいんですが、いま大臣からもこの点について相談してさっそく手を打つということでございますが、実際問題としてどういうぐあいにしたら免税になるかということですね。これは要するに申請すればいいんですかね。市町村からは絶対これは免税にするぞとは言ってくれないと思うんですよ。ですから申請すれば免税になるのか、申請する場合はどういう書類が要るのか、この点ちょっとお伺いしたいと思います。
#121
○政府委員(降矢敬義君) これは法律上免税でありますので――固定資産税は賦課決定して課税をするわけでございます、したがって市町村の課税当局におきまして、個々の事実を発見して、その分の評価を課税対象からはずしていくというのが一つの面でございます。と同時に、またこういう非課税規定、いまの三百四十八条第二項用途免税というのはものすごくたくさんございますので、こういうものについて発見漏れ、調査漏れというのも必ずあるわけでございますので、こういうものにつきましては、いわゆる申告の指導あるいは税務のPRというようなことをやっておりますので、そういうときにこういう事実を明らかにして、あるいは積極的に申し出ていただいて、そしてそれを実地に調査するというような両方のやり方で、この課税客体の把握をやっているわけでございます。したがっていま御指摘のように、両方の方法でこの非課税部分と課税部分の区分を課税方法としてやっていると、こういうことで実際はやっております。
#122
○峯山昭範君 どうもまだはっきりわからないんですけれどもね。要するに当局に申し出れば当然免税されるということですね。
 それからもう一つは、いままで税金が相当長い間かかっているわけですけれども、これは要するにさかのぼって返してくれるということは、これはないんですね。当然そうだと思うんですけれども、そこのところはどうですか。
#123
○政府委員(降矢敬義君) ただいまの前段のは、申請をすれば当然そうなるというんじゃない。本人がそう考えているのでありまして、そこで調査をした結果、この要件に該当すれば課税客体からはずします。こうなります。
 それから、つまり課税客体にならないものに課税しておったもので、すでに納付した税金がございますと、これは御案内のとおり還付請求権というものが納税者の側に生じまして、これは消滅時効は五年でございます。その間にこういう事実があれば還付加算金をつけて当然その分にかかる固定資産税の税額を還付することになっております。
#124
○峯山昭範君 よくわかりました。それじゃさっそく、その点についてはやりたいと思います。
 それから次の問題に移りますが、先月、政府は佐藤総理を会長とする公害対策会議というのを開きまして、その基本計画を決定して、それで三重県とそれから千葉県と岡山県にそれを示しまして、その各県に対して計画の作成の指示をしたと、こういうぐあいに私は聞いているのですが、その内容並びに経過ですね、これについてお伺いしたいと思います。
#125
○説明員(立田清士君) 御質問の点でございますが、公害対策基本法の十九条によりまして公害防止計画というのがつくられたことは、御承知のとおりでございます。その公害防止計画をつくるにつきまして、国のほうで基本方針というのを策定の前提といたしまして、指示することになっております。ただいま御質問のお話のとおり、先月のたしか二十七日、五月の二十七日ではないかと思いますが、千葉県とそれから岡山県、それから三重県。千葉県につきましては市原地区、それから岡山県については水島地区、それから三重県については四日市地区というものにつきまして、公害防止計画を県のほうでつくる前提としての国の基本方針、策定の基本方針というものを示しております。
 その内容でございますが、これは三県若干の違いは内容にございますけれども、手元に三重県に対する公害防止計画策定の基本方針を持っておりますので、その内容を簡単に申し上げますと、一つは、国から示しております基本方針では、公害防止計画をつくる地区を一応きめております。それから防止計画の役割りについて触れておりまして、それから目標について、国として策定の前提としての目標を示しております。これはまあ昭和五十年までの目標ということになっております。それから、あと防止のための施策の基本的な考え方、つまり計画を県でつくる際の考え方について示しております。その内容については、たとえば公害発生源に対する規制等に対する施策をどのように考えるか。あるいは土地利用など環境整備に関する施策についてどういうことを考えているか。それから公害の監視測定の体制の確立についてどう考えるかといったようなこと等を内容とした基本方針を示しております。
#126
○峯山昭範君 いまのお話の中にもちょっとございましたけれども、大気、水質それから騒音ですね、それから環境ですか、こういうふうなものの目標を結局五年以内に達成というようないろいろ注文をつけて、注文を出しているわけですけれども、現実には、その肝心の予算措置ですね、これは全然ゼロだ。こういうぐあいに私は伝え聞いているわけですけれども、この点いかがですか。
#127
○説明員(立田清士君) いまの財政措置の問題でございますが、基本方針を内閣総理大臣名で示しております際には、県がこれに基づいて現在公害防止計画を策定中でございますが、その計画ができますと内閣総理大臣に提出されるわけでありますが、その際に、あわせてこれらの計画達成のために――実施をするために必要とする経費に関する資料も提出を求めております。これは基本方針そのものには入ってございませんが、一緒に方針を示しております通達にそういうことを示しておりますので、県のほうで防止計画を策定しまして、それに伴ってその内容――幾ら要るかという経費の額に関する、あるいはその財源等の問題についての要望等を含めましたものが提出されることになる、そういうふうになろうかと思います。
#128
○峯山昭範君 いまのことはよくわかりますけれども、現実にはいわゆる指示を受けた三人の知事は、新聞報道によりましてもいろんなことを言っております。たとえば千葉県の知事は、政府のこういうような姿勢は、きたない表現ではあるけれども、たれ流しのようなものと批判しているし、またそのほかの岡山県の知事も机上プランだとか、または三重県の知事も一方的な指示だとおこっていると、こういうぐあいに伝え聞いておりますけれども、当然自治大臣は、こういうふうな不満について、当然公害基本法作成上の協議大国としてどういうふうに思っておられるのか。また、地方自治体側の意見を尊重するように政府を動かすような働きをすべきではないか。なぜそれができなかったのか。こういうぐあいに私たちは不審に思うんですけれども、この点についてどうですか。
#129
○国務大臣(野田武夫君) 新聞その他で何か書いているようですが、これは各三県の知事がいろいろ言っておりますが、政府としては、一歩進んだ公害基本法に基づいた処置であって、特に、この公害のはなはだしい――まあ各所にありますから、この三県だけが特にはなはだしいというのではございませんが、いま指摘されました三県、三重の四日市でも、また水島地区、その他ずっと出ておりますが、これは私は、まあ三県知事がどういう意味で不平を言っておるか知りませんが、これはいま参事官が申しましたとおり、やはり公害防止の計画というものは地域地域で相当内容が異なっております。その対策というものはやはりその県が一応立ててみる。同町にまた、政府も当然、これに関与するということよりも、政府独自にやはり計画というものを検討しなくちゃならぬ。これはそうなっております。たとえば、公害問題でございますと、主としてこれは厚生省がやっております。また、自治省も、地方自治団体の公害問題に関連がございます。そこで、何といたしましても、やっぱりその地方公共団体の考え方というものを主としなければ、いわゆるこの公害防止の目的は達成できない。そういうことからして、進んでこの三県を一応指名したんですが、これに対応して各地方団体から具体案が出てまいりますと、これには当然財政措置が伴う。で、財政措置が、最初から全然金はないじゃないかというのはおかしいんであって、計画を見て、どのくらいの金が要るかということを出してもらわぬと、千葉県には幾ら出すからやれという、これは私はそういうばかなことをやっちゃ、それこそまことに本末転倒であって、そういう姿勢を政府はとるべきでない。私は三県知事が何といっておるか知りません。私は、そういうことを言ってくれば、そう言ってやろうと思う。自分たちの必要なものは出しなさい。必要に対してはもちろん国も負担しなくちゃならぬ。また自治団体が負担することがあるならば、自治省としては当然その財政措置は考えてあげなければならぬ。というのは、いまの地方公共団体の財政内容で、こういうほんとうに大きな問題を抱えては、まことに気の毒な地方の地域住民の方々に御迷惑であるから、それだから地方公共団体に、あなた方かってにやれと、こういう姿勢を出しますれば、これはどうするんだ、財政措置はどうすると、これは言えますけれども、計画を出しなさいと、それに対しては、出しなさいという以上は、国も総理大臣のなにで、会長としてやった仕事ですから、かってにあなた方がやりなさいという無責任なことは、これは申すべきことじゃないし、またとるべき態度ではない。私は、この三県知事は少し誤解してやせぬかと思う。だから計画によって出てきた財政措置に対しては、国が負担すべきものはどうだ、また地方公共団体が負担すべき財政措置もあるかもしれません。ただわかりませんが、三県がこれからやることですから、その場合には、しかし、いまの現状では、自治省が「さあかってにせい」ということは絶対に言いません。私は一応、自治省としても公共団体の負担については当然財政措置を考えたい。こういう考え方を持っております。
#130
○峯山昭範君 それではもう、これで終わりますけれども、いまの大臣の所見を伺いまして大体わかりましたけれども、しかしその現実の問題としては、この三県に対する公害対策の計画を出せというからには、当然当局では、それに伴う経費がどのくらいかかるかということについては、積算もしているだろうし、また具体的な考え方を持っての上で指示をしたのだろうと私は思うんです。そうでないと、現実の問題として、これは岡山県の知事等が言っていることでありますけれども、実際には相当のお金がかかる。六百億円とか、相当かかると、こう言っているわけですね。そういう点について、当然いまの大臣の答弁のとおり、うんと力を入れて、あくまで応援をしてあげるべきであり、その具体的な話し合いがなされるべきである。こういうぐあいに私は思っております。どうかそのいう点にも……。また第十九条のいわゆるこれに基づく指示をするに当たっても、当然都道府県知事の意見を聞かねばならないというようなのがありましたけれども、これは聞いてもらったのですかね。この点についても事前に通知も何もなかった、突然に言われたと。そんなことはないだろうと私は思いますけれども、そういうようなことも現実に言っているようでありますが、そういう点にも十分留意して、こういうような面にも全力をあげて推進していただきたいと、こう思っております。以上です。
#131
○委員長(松本賢一君) それでは、他に御発言もないようでございますので、自治省につきましてはこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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