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1968/07/02 第61回国会 参議院 参議院会議録情報 第061回国会 決算委員会 第13号
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1968/07/02 第61回国会 参議院

参議院会議録情報 第061回国会 決算委員会 第13号

#1
第061回国会 決算委員会 第13号
昭和四十四年七月二日(水曜日)
   午後二時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月一日
    辞任         補欠選任
     二宮 文造君     峯山 昭範君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松本 賢一君
    理 事
                温水 三郎君
                前田佳都男君
                和田 鶴一君
                岡  三郎君
                黒柳  明君
                高山 恒雄君
    委 員
                亀井 善彰君
                佐田 一郎君
                菅野 儀作君
                田口長治郎君
                高橋雄之助君
                二木 謙吾君
                矢野  登君
                若林 正武君
                渡辺一太郎君
                林  虎雄君
                矢山 有作君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                峯山 昭範君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       行政管理庁行政
       監察局長     岡内  豊君
       文部大臣官房会
       計課長      安養寺重夫君
       文部省大学学術
       局長       村山 松雄君
     ――――――――
       会計検査院長   山崎  高君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       厚生省薬務局製
       薬課長      渡辺  康君
       会計検査院事務
       総局次長     佐藤 三郎君
       会計検査院事務
       総局第一局参事
       官        高橋 保司君
       会計検査院事務
       総局第二局長   石川 達郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十二
 年度政府関係機関決算書(内閣提出)
○昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(内閣提出)
○昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 七月一日、二宮文造君が辞任され、その補欠として峯山昭範君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松本賢一君) 昭和四十二年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、まず会計検査院及び行政管理庁の決算につきまして審査を行ないます。
 それぞれの関係当局から順次決算の概要説明を聴取いたします。山崎会計検査院長。
#4
○会計検査院長(山崎高君) 昭和四十二年度会計検査院所管一般会計歳入歳出決算の大要を説明申し上げます。
 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二百九十一万六千円に対しまして、収納済み歳入額は五百八万四千九百七十八円であり、差し引き二百十六万八千九百七十八円の増加となっております。
 収納済み歳入額の増加のおもなものは、建物売り払い代二百八万円であります。
 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額十四億六千七百三十六万九千円に、予備費使用額九百八十四万二千円、給与改善に伴う予算補正追加額七千三百七万七千円を加え、これから節約による既定経費の減少五百九十八万六千円を差し引いた予算現額十五億四千四百三十万二千円に対しまして、支出済み歳出額は十五億四千三百九十一万六百三十五円であり、その差額は三十九万一千三百六十五円となっており、これは全額不用額であります。
 支出済み歳出額のうちおもなものは、人件費十三億二千四百十四万八千円、検査旅費一億九百二万二千円、物件費八千四百八万一千円、庁舎等施設費一千六百四十三万四千円となっております。
 不用額となったおもな経費は、人件費であります。
 以上、はなはだ簡単でございますが、会計検査院所管の昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算について説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#5
○委員長(松本賢一君) 荒木行政管理庁長官。
#6
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 昭和四十二年度における行政管理庁関係の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 行政管理庁の歳出予算額は四十億五千五百四十四万五千円でありまして、支出済み歳出額は四十億三千八百三十万円、不用額は一千七百十四万五千円であります。
 歳出予算現額の内訳は、歳出予算額四十億六千八百十四万一千円、公正取引委員会へ移用した額四百六十七万九千円、土地調整委員会へ移用した額一百一万七千円、北海道開発庁へ移用した額七百万円であります。
 支出済み歳出額のおもなものは、人件費十九億一千三百八十二万三千円、事務費二億七千四百七十七万一千円、統計調査事務地方公共団体委託費十八億四千九百七十万六千円であります。
 不用額を生じましたおもな理由は、職員に欠員があったので職員俸給を要することが少なかった等のためであります。
 以上昭和四十二年度の行政管理庁関係の決算につきまして、その概要を御説明申し上げました。
#7
○委員長(松本賢一君) 次に、決算検査の概要説明を聴取いたします。高橋会計検査院第一局参事官。
#8
○説明員(高橋保司君) 昭和四十二年度会計検査院及び行政管理庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
#9
○委員長(松本賢一君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○岡三郎君 本日は、会計検査院について質問することになっておりますが、これとの関連で、行政管理庁のほうに少しお尋ねしたいことがあるわけです。
 最近におけるいろいろな不当事項について、会計支出上の問題点が指摘されている部分が比較的減少してきている。しかし、一面において行政上において、いわゆる会計上における予算の執行という問題ではなくして、権限の問題の中から、いろいろと問題が惹起されてきておる点がかなり多いと思います。その中においては、一応ここにも「行政監察の概況」として行政管理庁のほうから印刷物が出ておりますが、この中に「許認可事項の整理」とかいうふうな点について、許認可の監察とか、こういう問題がかなり重要視せられ、取り上げられておるようですが、まあかりに――かりにというと変ですが、先般の通産省の堀田事件といいますか、外国から工作機を買い入れる場合について、たとえば行政上通産省のほうがこれについて調査をして、そして一応免税にするということについて通産省のほうである程度きまったならば、これを大蔵省に報告する。そうすると大蔵省のほうは大体通産省のほうのそういう面についての行政指導といいますか、そういう点を尊重してこれに判を押して、相当膨大な免税ということが行なわれてきた。その裏面に、かなり業者と通産省の監督官ですか、そういう間にいろいろ不正な取引とか、あるいは供応とか、そういう問題が起こってきた。それから、そのほかたとえば運輸行政の中においても許認可事項という問題をめぐって、いろいろとそういうふうなかかわり合いというものがときどき散見されるわけです。われわれがこの決算で国の予算の支出というものを検討していく場合において、会計検査院というものがやる分野というものが限定されてきている。だから、いま一番やはり大きい問題は、行政上における権限の中に起こる諸問題ということがかなり重要なのではないかというふうに考えるわけです。だからこういう面について行政管理庁として、まあ個々の具体的な問題は別にして、一般的に、行政上におけるそういう権限をめぐるさまざまな問題等について、どういうふうに考えておられるか、この点をちょっとお尋ねしたいと思います。
#11
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっとお尋ねの趣旨が正確に受け取れないせいかとも思いますが、行政管理庁自体として、お話のような点を監察するということは主目的ではないかと思います。許認可に関連して、とかく不詳事件として伝えられる事柄がありますことは新聞等で承知いたしております。行管としまして、行政監察ないしは行政改革の一こまとして受けとめます場合は、その許認可制度なるものがすでに使命を終わっているのではないか。あるいは許可などといわないでも届け出くらいで済むのじゃないかというふうなことを中心としまして、行政の、国民側から見ましての簡素化ないしは能率をあげる意味において合理化という角度で監察もし、行政改革の課題として取り組んでおるわけでございまして、私見を申し上げれば、御指摘のようなことはむろん許さるべきことではない、望ましくないことでありますが、そのことは公務員それ自体の許認可をめぐりましての扱い方に関して、心がまえが十分でない結果であろうかと思うのですが、綱紀粛正の課題としては総務長官からお答え申し上げるべき筋合いかと存じます。
#12
○岡三郎君 だから私が言ったのは、個々の問題ではなくして、行政上の問題点は、そういういろいろと役所をめぐる行政上の権限とか、そういう問題について、まあこういう許認可事項というものは、たとえば都道府県に移すとか、あるいは廃止するとか、そういうふうな行政全般についての改革というものを行政管理庁がやるべきは当然だと思います。それを具体的ないろいろな内容を持った問題として処理していく場合は、総務長官のいろいろの取り扱いの問題になると思いますが、私は、全体的にいって、行政監察する場合においては、かなりやはりそれを簡素化するとか機構を変えるとか、そういうことについては、やはり内容的にかなり監察が行なわれていかなければならないと思うし、行なわれておると思うのです。だからそういう面について、たとえばタクシー行政ならタクシー行政をめぐる問題にしても、いろいろと許認可事項という問題について、一体これが陸運局なり、あるいはまた運輸省の本省というものとの関連ですね、一体こういうものについてどういうふうに簡素化したらいいのか。たとえば運輸省のほうが方針をきめて、その取り扱いについて、たとえば陸運局がこれを処理していく場合について、まあ個人タクシーなりあるいは一般の営業タクシーというものを勘案していく場合について、陸運局自体というものが一体これに対して、いまの現状からいうと、権限が非常に強過ぎるのではないかというふうな面が指摘されておるわけです。こういうふうな面についての行政上の場合について、これをもっと端的に、基準なら基準というものがもういまきまっておると思うのです。これを取り扱う場合に機械的ということになると、ちょっと問題でしょうけれども、たとえばそのつどつど行政の方針というものが変更されていくような過程の中において、かなり混乱が起こっておるのじゃないか。そういう点で、個人タクシーなら個人タクシーというものを一体どういうふうにこれを今後発展さしていくのか。あるいは現在のような乗車拒否というような問題をめぐって、かなり強い指導というものが行なわれているけれども、こういう点について、端的に許認可というふうな問題をめぐって、もう少し取り扱いというものを明朗化するということが必要じゃないのかというふうな気がするわけです。これは一つの例ですから、後刻この問題については当該の委員会においてやるべきことはやりますが、私はやはり行政監察をする場合において、実態というものが問題になってくると思うのです。たとえばいろいろと、道路なら道路というものを監査していく場合についても、いろいろといわれておるように、たとえば林道なら林道をやっていく場合に、この林道は予算が正しく行なわれておるかということの前に、これは必要なのかどうなのかという問題が出てくる。そうするというと、この必要なのかどうなのかということについては、予算がつけられておるからこれは必要なんだろうというふうに、一言で言ってしまえば、それで終わりですが、たとえばそういう問題について、じゃ会計検査院がこの問題まで立ち入るということになると、これはできない。一体必要なのかどうかというところまでいくというと、結局国全体の行政上の問題として、一体これはだれがやるべきか、少なくとも予算を効率的に使うということと同時に、政策的に国のほうがいろいろと仕事を予算化していく場合において、実質的にこの仕事というものは、これは緊急にして必要な問題ではないというふうな場合において、会計検査院はこれに対して立ち入れない、政策的な問題だから。そういうふうな問題について行政的にこれをチェックするということができないのかどうかというような気がしておるわけです。こういう点について、これは参考までなんですが、行政管理庁としては、そういうことには立ち入るべき問題ではないと言われてしまえば、それまでなんだけれども、こういう点について国家的ないわゆる行政面においての、政策面についての妥当性というか、必要性というか、そういうものについてチェックするような問題を、行政監察としては行なうことができないものでしょうか。
#13
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと明確にお答えすることが困難かとは思いますが、お許しをいただきますが、行政政策それ自体は各省庁が分担しまして国民に責任を持つ、内閣全体が責任を持ちますけれども、その前段階においては各省庁の責任者が国民に責任を持つ。したがいまして、行政管理庁自体の監察機能から直接法で例示されました林道なら林道が必要であるかいなか、必要であったかどうかということそれ自体を主目的としての監察ということはいたさない立場かと存じます。また、会計上の不正というものがたまたま関知された、あるいは公務員の不正行為がたまたまわかったというときといえども、それを行管みずからの権限としてその処置をするという立場ではむろんございませんけれども、知り得ましたものは極秘に関係省庁に連絡をするという事実上の取り扱いの限度を出ない、そういう行動半径かと存じております。
 なお、実地につきまして経験も持っておると思いますから、監察局長、政府委員から補足的に、要すれば申し上げさしていただきます。
#14
○岡三郎君 大臣のほうは時間が衆議院のほうへ取られておるようですから、けっこうです。
 結局、決算でいろいろと問題点を取り上げていく場合において、会計検査院としてはその権限外の問題で、しかし行政全般の中において、機構上の問題とか、そういう問題からいろいろと国費の乱費とか不当支出といわれるような問題とか、あるいは権限をめぐるさまざまな問題とか、こういう問題を具体的にチェックするということが非常に必要なんではないかというふうな気がするわけです。だから、そういうふうな点についてますます機構が複雑化してくればくるほど機構の簡素化とかそういうふうな問題点について取り組むことは当然としても、その内容的なものについての監察の限界というのですかね、たとえば問題が起こってきてから司法当局が手をつけていくということは、これはもう当然のことなんです。そうでなくして、日常的に権限をめぐっての、いわゆるこれはチェックシステムですか、そういうふうな問題について具体的にこういう問題についてはこういう心配があるので、具体的にはこういう事例がある、こういうものを部内なら部内、省なら省全体として、国全体として行政機構上においてどういうふうにチェックしていったらいいんだろうかというふうな点について、これを指摘して具体化していくという方法というものがぜひほしいと思うのです。この点、局長さんどうですか。
#15
○政府委員(岡内豊君) お答えいたします。ただいまの御質問は一般的な問題として、たとえば許認可制度そのものを運用するにあたって汚職が発生しないようにするのにはどうしたらいいかというふうな趣旨の御質問だと思いますので、お答えいたしますが、そういう許認可等の運用にあたりまして、私どものそういった汚職防止の観点からの考え方といたしましては、まず第一に、審査の基準をなるべく明確にして担当官の裁量の余地を少なくするということが必要ではないかと思います。それからもう一つは、ある特定の人にまかせきりにしないということで、内部牽制組織をはっきりさせるということが大事なのではないかと思います。
 それからこれもよくいわれることでございますけれども、同一のポストにある特定の人を長く置いておくというと、とかくいろいろそういったことが起こりがちであるということで、まあ二年なら二年、一年なら一年というふうに期限をきめまして、ときどき交代をさせる。そういった配慮が必要ではないかというふうに考えております。
#16
○岡三郎君 それでは、会計検査院のほうへお尋ねいたします。
 私も長期にわたって決算委員会に籍を置いているわけですが、最近において、これはごく概括ですが、不当事項の数が非常に例年減少してきておる。これについては衆議院のほうの決算委員会等においてもいろいろと山崎院長のほうから説明をし、答弁をせられておるわけですが、実際に公務員の不正が少なくなっているのか、検査院の検査が十分複雑な機構の中において行き届いていないのではないか、いろいろととれるわけであります。こういう点について、どういうふうな検査院は見解を持っているか、そのことをまず先に伺いたいと思います。
#17
○会計検査院長(山崎高君) 不当事項の数を見ますと、戦後まあ二十八、九年度ごろが一番多うございまして、それから漸減いたしております。四十二年度は四十一年度に比べまして、四十一年度が三百三十七件、四十二年度が二百六十件、このように減少いたしております。この減少の原因は、大体主として補助工事関係の不当事項の数が減ったということになっております。これは府県の補助工事、町村等の補助工事でございますので、公務員の不正というようなものよりは、むしろ工事のふなれのためセメントのぐあいが悪いとか、出来高が足らぬとか、あるいは請負側が悪くて府県や市町村の監督職員の数が少なくて不十分な監督しかできなかったというような場合が多いのでございますが、これに対しては何年もの間検査院がやかましく指摘いたした結果、そのような請負業者はあるいは指名停止になるとか、それから県のほうも年々同じような指摘を繰り返されるようなことがあってはいかぬというので職員の資質の向上をはかるとか、いろんなことが原因になっておりましてだんだん減ってきているというのが実情ではないかと思うのでございます。ですから大体一般的に見まして、同種の工事につきましてだんだん指摘件数が減っておりますのは、やはり関係職員の素質も年々よくなっている。概してそのように世の中が落ちつくにつれまして順次よくなっている傾向にあるのではないかというふうに見られるのでございまして、まあ来年になりましたら今度はふえるかもしれませんけれども、一応はそういうふうに見ていいのではないかと、かように考えておるわけでございます。
#18
○岡三郎君 いろいろと答弁あったわけですけれども、報告書の作成にしても非常にだんだん最近は簡略になっているといいますかね、簡単にプリントするという方向に傾向がなっているように思うのですが、もう少し詳細にわかりやすく実態を解説する必要があるのではないか。これはまあかなり前のあれですが、最近の報告書とずっと比較して見ますると、かなり昔は、実態を読めばわかるように丁寧に解説してある。最近は非常に簡略になり過ぎているのではないかというふうな感じがするわけであります。たとえば不当事項の対象会社名、たとえば徴税漏れの会社の名前等は、昔は報告書に記載されてあった。最近ではこれは省略されている。前には図面等も入れて、かなり詳細に記述している。そういう事例が最近見られないわけですが、この辺の記載の簡略化というものについて、問題がありはしないかと私は思うのですが、この点はどういうお考えによってなっているのですか。
#19
○会計検査院長(山崎高君) 報告書をもう少し――これはもう見るのは国民でございますので、だれが見てもやさしく、わかりやすいものを考えたらどうかということは、私ども検査院に参りましてからも、事務当局のほうに検討してほしいということを話しているわけでございます。ただいまの報告書の文体は文語的に、できるだけ簡略にというように、はしょっておりますので、要は得ておりますけれども、法律の条文みたいな感じがいたすわけでございます。結局指摘された当該の者だけがわかるのではなくして、やはり同種の仕事に従事しているほかの者にも参考になるように、こういうことがあってはいかぬではないかということがわかるようにしたらどうかと、検査報告をよりよくする意味で検討してほしいと言っておるわけでございまして、事務当局でも今後検討してみようということになっております。そういうことになりましたら、ひとつ何ぶんの御了承を得たいと思うのでございます。
 なお、ただいま御指摘がございました税の関係で、個人の名前ということがありますが、あれは批難の対象というのは、これは個人ではなくて税務署でございますのに、個人の名前をあげますと、まるで個人が脱税したようにとられる、これは国民の誤解を避ける必要があるのではないか、基本的な人権を考えますと、税務署でも五百万円以上の収入のある人しか発表していないのに、税額の計算にあたり、たまたま電子計算機の間違いによる十万や二十万の租税の徴収不足までも、いままで個人名を載せていたということであって、これは新しい憲法のもとでは避けなければならないということで、私が参りまして実は主張いたしまして、税務署単位で報告をしたらいいのじゃないか。しかし、国会のほうでそういう点で内々御要求があったら、それは出すべきじゃないか、こういうことで、税務署の名前で出したわけでございます。なお、今後検査報告をいま言ったようにわかりやすくする、そのためには少しぐらいページ数がふえてもいいのではないか、そういう御指摘ごもっともでございますので、私も意を強うしてさらに検討いたしたい、かように思っております。
#20
○岡三郎君 これと関連して人数が限られておりまするし、日時も制約があるので、すべてを検査しろとは言えないと思いますが、対象選択というものを一体どういうふうに基準をつくってやられるのか。これは特に新聞等にいろいろとあらわれている国民的な関心の問題等もあるわけですから、そういうふうな問題を検査するというような配慮が取り行なわれてきているのか。たとえばいろいろと数多くの検査対象があるわけです。これをまんべんなく全部やれと言っても不可能だと思うのです。したがって、その対象選択の基準というものはどうされているのか。それと関連して、新聞等においていろいろと記事にあらわれているような問題、国民が非常に関心を持っているような問題、こういうふうな問題について、特に検査するというような配慮があるのか、この点について伺いたいと思います。
#21
○会計検査院長(山崎高君) 検査対象の選択の問題でございますが、一般的に申し上げますと、よく検査の浸透度ということばでいままで御説明しておったのですが、やはり主要な検査対象個所は毎年約三割について実地検査を実施しております。その三割を実地検査する場合に、やはりおのずから基準がございまして、本省と主要な地方部局については毎年一回やる、その他の個所につきましては隔年または三年に一回はやるというように、一覧表がございまして、これこれの個所はいま言ったような基準で大体やるということでございまして、それによって各局課におきまして実地検査の日程をつくっているようでございます。
 なお、そのほかにわれわれといたしましても、たとえば国会で御指摘があったり御質問があった事項とか、あるいは新聞等に載りましたこと等につきましては、注意いたしておりまして、そういうことがあった場合に検査院が知らぬということではいけませんから――もちろんこれは年度の関係もございますが――それを注意して、実際の決算の検査のときに見るというようなことは心がけてまいっているつもりでございます。
#22
○岡三郎君 ある点、とにかく国民は会計検査院にまかした、というのはおかしいかもわかりませんけれども、気持ちとしては、予算の執行というものに対して、会計検査院がかなりよくやっているというふうに信頼を持っている点が多いと思うのですが、ただ問題は、本決算委員会においてもいろいろと指摘されているわけですけれども、先ほど言ったように、行政上におけるいろいろな問題が非常に問題として取り上げられているし、言われているわけです。ただ、それがそのつど言われているけれども、はたしてそれが普遍的に行政の改善という面にどれだけ反映してきているかというと、なかなかこれは問題があると思います。たとえば食品衛生に関する問題が最近非常に強くいわれている。これは厚生省所管の問題だから厚生省がやればいいじゃないか、薬事法に関係するところの薬品のいろいろな許可の問題等についてもいろいろと指摘されている。まあそういうふうなことで、その当該官庁というものは、それぞれの権限とそれぞれの責任においてやっておられるけれども、実質的に国民が改善をしてくれというふうな強い意向があっても、騒がれることは騒がれるけれども、それを具体的にどういうふうにチェックしていくのかというふうな面については、のど元過ぎて熱さ忘れるではないけれども、騒ぎがおさまるとまたそれが消えていってしまって、またしばらくたつというとそれが繰り返されて指摘される。こういうふうな問題について「食品衛生に関する行政監察」というので、「勧告の概要」というものがここに出ているわけですが、こういう問題等については、たとえば厚生省と行政監察のほうで具体的に話し合うということはないのですか。
#23
○政府委員(岡内豊君) ただいまの公衆衛生上の問題その他消費者保護に関する一般的な問題といたしまして、私のほうとしては、計量関係の問題、それから品質の表示の問題、そういったことも過去において監察をしたことがございます。その結果、いろいろあるいは機構、行政上の欠陥につきましては当該省庁と十分話し合いをいたしまして、改善についてとった措置については回答を求めているというようなことで、具体的に欠陥についてどういうふうにするか、今後どういうふうにやっていくかということにつきましては、それぞれの省庁から改善に関する意見をいただいておる次第でございます。
#24
○岡三郎君 そういう問題についての改善をこういうふうにしたというものについては、行政管理庁のほうへ来ておるわけですね。
#25
○政府委員(岡内豊君) 私のほうで回答をいただいておりまして、これは「行政監察月報」というのがございまして、それに登載しております。
#26
○岡三郎君 これは会計検査院にお尋ねするわけですが、たとえば防衛庁の兵器検査ですね、非常に高度化してきていると思うんですが、こういうふうな検査における場合等の科学的知識を持った検査官の必要性はいよいよ高まってきていると思うんですが、その充足見込みというものはどうなっているか。これは一例をあげるというと、最近土木事業が非常に盛んである。で、監督官庁としても、これを監督して適正な工事をさせなきゃならぬと言ってみても、技術者が実際は不足しているんですね。これは市なり、あるいは建設省自体としても、技術者の充足という問題についてはかなり苦労していると、こういうことを聞いております。会計検査院として、顧問制度とか、あるいは委託調査制度というものが院法にあると思うんですが、こういう問題もあわせてどういうふうにこれからしていくのか、その点についてちょっとお尋ねしたいと思います。
#27
○会計検査院長(山崎高君) この技術系職員の採用または技術系職員の研修といいますか、これはほんとうに世界の各会計検査院で悩んでいる問題でございます。日本の会計検査院におきましても、大体土木、機械等の一般技術分野につきましては、これは一般職員が長年の経験で相当の技術的レベルまで達しておりまして、その工事の当、不当の判定というものは、まあ大体、十分とはいかなくても、相当の程度までできているというふうに考えておりますが、ただいまお話しの新しい関係の科学的分野、宇宙開発とか、また日進月歩の兵器関係等の分野におきましては、私たちもこれは十分に充足の方法を考えなければいけないと思っております。しかし、兵器なら兵器製造分野と同じような検査職員が必要かというと、やはり会計検査でございますので、そこまではやる必要もないし、また事実不可能でございます。しかし、とにかく高度の技術がわかるような人を採らなければならない。それの一つの方法といたしまして、今年度は技術専門官というのを一人置きまして、電子関係の技術者にやっと来てもらいました。しかし、もちろんこれでもって十分というわけでございませんので、先ほどお話がございましたように、何らか外部の力を利用するということを考えなければならない、院法には顧問委嘱の規定もございますが、ただいまのように非常に技術の分野が広範にわたりまして専門的になってまいりますと昔のように建築なら建築に一人建築界の元老が顧問でいれば済むというようなわけにもまいらぬと思います。これはやはり置くとすれば相当な数の専門的な人を置かなければいけないということになりますので、顧問制をどの程度活用するかということについては目下検討中でございます。しかし、そのかわりと申しますか、技術的な専門機関に、事あるたびに鑑定等を依頼しまして、これはどうなっているかとか、こういう場合には技術的にはどういうふうなのが最良であるかというようなことを、各分野それぞれ相当お願いして活用しているというのが現状でございます。この技術的な職員の充足と、それから技術的職員の研修という問題につきましては、現在約百名程度の技術職員がおりますけれども、これをもって足れりとせずに、なお今後十分に努力したい、かように考えております。
#28
○岡三郎君 現行の給与体系で、いわゆる技術的なそういう調査官、専門官というようなものを採用できますか。どうなんですか。なかなか技術職員が入りにくいんじゃないか。いまのように民間が好況だというと、相当優秀な技術者というものはどんどん民間に取られてしまう。まあエキスパートでなくてもいいというわけにはいかぬ。そういう点で、やはり会計検査員としてはある程度顧問制度とか、そういうふうな技術的な問題についての処理をどうするかという点について、かなり積極的な施策をする必要があるんじゃないか。つまり会計検査院が高度経済成長下における技術革新に追いつかないで、従来の形の中で何とかやりくりしている。そういう苦労はわかるんですが、そういう問題について、やはり積極的に何らか制度というものを検討してみる必要があるのじゃないかという気がするのです。顧問制度というものが幸いあるわけですから、ひとつ積極的な御検討というものをわずらわしたいというふうに考えるわけです。
 時間がありませんので少しはしょりますが、それから公社公団等について、これは毎年一回検査するということになっておらぬようですが、この点はどういうふうにしているのですか。
#29
○会計検査院長(山崎高君) 公社は三公社でございますが、これは毎年やっております。それから公団も、やはりいま事務次長に聞いてみましたら、実情は毎年やっているそうであります。
#30
○岡三郎君 そうですか。それでは私のほうの調査と違っているので、それはけっこうです。
 これは前の亀田委員長のときにも指摘されておったわけですが、会計検査院の報告書のタイミングをもっと早めてほしいと。これはなぜかというと、次の予算編成にかなり影響を持たせるようにしなければ意味がないんじゃないか、そういう意味で、コンピューター等を採用して、積極的にひとつ報告書を早目に出してもらいたい。こういう要望があったと思うんです。これについてどういうふうにその後なっているか、お伺いします。
#31
○会計検査院長(山崎高君) お話がございましたように、亀田委員長のときでございますが、ちょうど委員長のほうからもやはり報告書をひとつ早めることができないかというお話と、われわれのほうでやはり少しでも国会の審議にお役に立つように報告書を早めようというのが、時期的にちょうど一致いたしました。しかし報告書を早めるということは、単にはしょって早めるというわけにまいりません、実地検査自体を早めなければいけませんので、年内から検査しまして、年があけたらまた早速検査を始めて、そして本省の検査を八月なら八月に早目に終わって、照会し、回答をまってまとめるという仕事の手順がございますので、それがちょうどうまく合いまして、それまで十二月になっておりましたのが、十一月に内閣のほうに報告書を送付することができたわけでございます。少しでもわれわれの努力がお役に立ちまして、非常に私たちもうれしく思っているのでございますが、なおこれをもって足れりとせずに、できるだけ早くするよう、さらに努力をいたしたいと、かように考えております。しかしなかなかむずかしい問題でございますので、思うとおりまいらぬかもしれませんけれども、なお努力をいたしたいということをひとつ申し上げまして御了承を得たいと思います。
#32
○岡三郎君 これは結局予算編成はもう夏から始めて、もういま下準備をしているわけです。結局おくれてしまうというと、具体的に、まあ私が言うまでもなく、決算を通じて予算の編成にやはりいろいろと注文をつけていくということになると、結局時期的に非常にうまくないんですね。だから、この問題については人員の関係もあるし、検査院の予算関係等も関連してくると思うので、この点についてはいま委員長が言うように十分配慮をして早めるようにしているということでございまするが、この点については一そうひとつ検討をわずらわしたいと思うんです。やはり決算を通じて予算編成に影響をさせるということが本来の目的だというふうに考えるわけです。そういうふうな点で、できるならばこれはやはり九月ごろから十月ごろまでには出してもらいたいという希望が強くこの前も出されておったわけですが、この点はさらにひとつ前進する措置というものを御検討願いたいというふうに思います。
 それから、不当事項の原因が業者にある場合、その不始末に対する措置をどのようにしているのかという問題がある。少なくとも入札関係より削除する等の厳格な措置が必要と思われるが、この指導をどういうふうにしているか。たとえば会計検査院が検査しますね、そうするというと業者が悪いというたときに、自動的に各省各省がその業者に対して入札関係からこれをはずすなら、はずすという措置をするという指導を検査院がなされているか、この点どうなっているんですか。
#33
○会計検査院長(山崎高君) 不当事項として批難いたした場合に、その救済方法といいますか、是正方法といいますか、あるいは工事で申しますと、手直しさせるとか、あるいは補助金を返させるとか、いろいろのことがございます。それから国の工事の場合は、もちろん手直しとかいうような場合もございますし、あるいは返し得る金がありましたら、できるだけ国損を少なくするという意味で、可能な限り、そういうような措置もとりましょうし、また、ある時期をおきましてから、私たちは、これは一体予算を執行した職員の故意とか過失があるのではないかどうか、つまり懲戒処分に当たるかどうかというようなことも、やはり必要があれば実地に調査しまして、その判定をするというところまで、あと始末をできるだけきちんとするようにやっております。ただいまお話のような業者の問題でございますが、これは実情は府県等につきましては、数が多くて目が届かないということがあるのでしょうが、そういうような指摘を受けました場合には、何カ月かの指名停止というような事例が多いことを私たちも聞いております。直轄工事につきましては、やはりそれなりに検査院から批難されたということは、相当業者にとっては不成績なことであるということになっておりまして、それ相当の措置はやはり各省それぞれとっていると思いますし、検査院としても直轄工事についてはこうである、ああであるということはかなり目を光らせておりますが、補助工事については、話は聞いているが、一々そういう指導まではしていないという実情でございます。
#34
○岡三郎君 直轄工事と補助事業という問題について、かなり補助金を効率的にということばが非常に最近強く出て、またこれを整理しろということばも出てきていると思うんですが、結局不当事項を起こして、会計検査院が指摘したということになってくれば、当然自動的にやはり不当事項というものは再三再四洗って、何べんか十分に検討した結果としてこれが不当事項として指摘されているということになれば、やはりこれに対して厳格な措置というものがとられてしかるべきだというふうに考えるわけです。だから、その点については直轄工事にしても、補助事業にしても、これは国の予算というものがやはりかかっておるわけですから、この点はひとつさらに検討して、工事そのものが厳格に行なわれるように、しかも間違いを起こした場合については、その処置を厳格にしていくというような方法を、検査院としても各省に対して督励する責任があるんじゃないかというふうに考えるわけです。その点は、この辺にしておきます。
 最後に、時間もありませんし、文部大臣もきておりますので、最近における――これはこの前、本決算委員会においても指摘したわけですが、調査官等が各地方に出張した場合の姿勢の問題ですね。これは最近非常によくなっているというふうに聞いているので、まことにけっこうだと思うのですが、しかし、これに対して検査院において、なお平素いろいろと訓示とか、そういうものがなされておると思うんですが、こういうふうな点について特段の改善といいますか、そういう面についてどのようにされておるのか、一ぺんそれをお聞かせ願いたいと思います。
#35
○会計検査院長(山崎高君) 出張する職員の心がまえの問題――確かにこれは二年前にこの席で御質問があったことで、私もまだよく覚えております。これはいつもわれわれとしてはたえず心を配っておりまして、ことあるたびに、事務総局で実地検査のために出張する場合にはよく注意するように、幹部職員に十分注意いたしております。百人のうち一人でもこういう職員がおりますと、ほかの多数の職員の名誉にもかかわることでございますし、検査の効果も落ちるし、国民の信頼も裏切るわけでございますので、今後ともなお十分に気をつけてまいりたいと、かように考えております。
#36
○岡三郎君 これは老婆心ですがね、結局調査にいくというと、下の――下というと変ですが、各補助事業の関係であろうと直轄工事であろうと、かなり車を連ねて大騒ぎをするという事例がまだ続いているようです。こういう問題については、やはり厳格に、必要な人は当然調査に立ち会っていかなければならぬと思うんですが、こういう面についてもやはり積極的に会計検査院のほうとして車を十台も連ねて実地調査に行くというようなことになってくれば非常に繁雑でしょうがないといふうに考える。こういう面について直接的にやはり検査官の行動として、これはまあ上のほうでいくら言っても、下のほうはくっついてくるんだからしかたがないということではなくて、やはりそういう面についてもむだを省くように、ひとつ厳重に調査官等にも指示して、そういうことが行なわれないように指導してもらいたいというふうに思います。これは直接調査官が悪いという問題じゃないわけですけれどもね。
#37
○会計検査院長(山崎高君) いまのお話の点はまことに御同感でございまして、実は私たちも局長以上幹部と話しする場合がありますが、その若いときの経験でも汗が出たというんですね。何様か知らぬが、宿屋を出たら車が実に多くならんでいるので実に困る。われわれが行こうと思うと、多くの人が一諸にくっついてくるので、うちのほうで困るくらいだということで、何とかならぬものかといってお互いに話しているような実情でございます。おそらく検査に行く調査官は、かえってわずらわしくこそあれ、何ら実効がないといいますか、御指摘の点もございますので、ひとつ各調査官が実地検査に行く場合に、効率的な人数に限ってほしいということをさらに徹底するようにいたしたい。これもやはり一つの効率化の問題でございますので、帰りましたらさっそくひとつ御趣旨を話しまして、一歩前進するようにいたしたいと思っております。
#38
○岡三郎君 これで終わりますが、調査官の出張等についていっても、最近指摘されていることですが、かなり出張旅費等が実情に沿わないのではないか、いわゆる十分なる調査をする場合に、やはり出張旅費とか、いろいろな経費というものがかなりかかると思うのですね。そういう問題について仕事がふえてくれば、ふえてくるほど、かなり費用を要する。そういう面についてわれわれ自体のほうとしても、これは検査官に応援をして、そういう面の予算を十分とはいわなくても、業務に間に合うような支出ができるようにしていきたいというふうに考えるわけです。この前、衆議院においても山崎院長が答えているように、こういう面について大蔵省とかけ合う場合に、特に最近における大学問題等についてのいろいろな国有財産の調査とか、新しいものがどんどん入ってきますね。そうするというと、それにスタッフがとられる、そして旅費もかかる、いままでの国家予算全体についての検査以外に、新しい一つの調査事項というものが重点的に取り上げられる、そういうふうな問題についてやはり追加なら追加で、追加予算をもらうとか、そういう面についてはどう考えていますか。
#39
○会計検査院長(山崎高君) 検査院の場合には、検査旅費というのは各省でいったら事業費みたいなものであると思っております。検査には書面検査と実地検査がございますが、近時やはり実際の効率的、経済的な効果の関係というものは実地検査にほとんどたよらざるを得ないという状況でございますので、どうしても検査院の検査旅費というものは、これは予算折衝のときに最後まで残る問題でございます。私たちもこれは毎年毎年会計課長あるいは事務総長が努力いたしまして漸次ふえておりますが、もちろんこれをもって十分としているわけではございません。年度末等において必要な場合には余った費目から流用等をいたしまして実地検査旅費を補充するという場合もございますが、なお本質的には不十分でございますので、今後ともこの問題につきましては、やはり毎年毎年少しでも増すように努力したいと思っております。
#40
○岡三郎君 いいです。
#41
○委員長(松本賢一君) それでは、他に御発言もないようですから、会計検査院及び行政管理庁につきましてはこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#42
○委員長(松本賢一君) 次に、文部省の決算につきまして審査を行ないます。
 まず、決算の概要説明を聴取いたします。坂田文部大臣。
#43
○国務大臣(坂田道太君) 昭和四十二年度文部省所管一般会計及び国立学校特別会計の決算の概要を御説明申し上げます。
 まず、文部省主管一般会計の歳入につきましては、歳入予算額二億二千六百二十七万円余に対しまして、収納済み歳入額は一億八千七百三十三万円余であり、差し引き三千八百九十三万円余の減少となっております。
 次に、文部省所管一般会計の歳出につきましては、歳出予算額六千四十六億六千六百五十四万円余、前年度からの繰り越し額十一億九千三百五万円余、予備費使用額五億六千百十六万円余を加えた歳出予算現額六千六十四億二千七十六万円余に対しまして、支出済み歳出額は六千十六億五百二十万円余であり、その差額は四十八億一千五百五十五万円余となっております。
 このうち、翌年度へ繰り越した額は三十九億四千六百五十三万円余で、不用額は八億六千九百一万円余であります。
 支出済み歳出額のうち、おもな事項は、義務教育費国庫負担金三千百十八億四千二百九十五万円余、国立学校特別会計へ繰り入れ千九百十二億八千二百七十一万円余、科学技術振興費五十九億三千百三十六万円余、文教施設費二百七十六億七千八百七万円余、教育振興助成費三百七十九億八千三百四十万円余、育英事業費百三十億四千百九十二万円余、青少年対策費三十四億六千六十八万円余となっております。
 次に、翌年度繰り越し額三十九億四千六百五十三万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、文教施設費で、財政の執行の繰り延べ措置として歳出予算の執行の調整をしたこと及び用地の選定、気象条件、設計の変更等により、工事の施工に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。
 次に、不用額八億六千九百一万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、教育振興助成費のうち要保護及準要保護児童生徒就学援助費を要することが少なかったこと等の理由によって、不用となったものであります。
 次に、文部省におきまして、一般会計の予備費として使用いたしました五億六千百十六万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、公立文教施設災害復旧費に要した経費であります。
 次に、文部省所管国立学校特別会計の決算について御説明申し上げます。国立学校特別会計の収納済み歳入額は二千三百二十億九千五百十四万円余、支出済み歳出額は二千二百六十七億七千七十九万円余であり、差し引き五十三億二千四百三十四万円余の剰余を生じました。これは国立学校特別会計法第十二条第一項の規定により、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了しました。
 その内容について御説明申し上げますと、まず、歳入につきましては、歳入予算額二千二百九十六億五千七百三十五万円余に対しまして、収納済み歳入額は二千三百二十億九千五百十四万円余であり、差し引き二十四億三千七百七十九万円余の増加となっております。
 次に、国立学校特別会計の歳出につきましては、歳出予算額二千二百九十六億五千七百三十五万円余、前年度からの繰り越し額四億四千二百三十一万円余、昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条第一項の規定による使用額二十三億七千五百十九万円余を加えた歳出予算現額二千三百二十四億七千四百八十五万円余に対しまして、支出済み歳出額は二千二百六十七億七千七十九万円余であり、その差額は五十七億四百六万円余となっております。このうち、翌年度へ繰り越した額は三十四億二千百六十六万円余で、不用額は二十二億八千二百二十九万円余であります。
 支出済み歳出額のうち、おもな事項は、国立学校千二百六十三億六千五百三十八万円余、大学付属病院三百六十億百四十六万円余、大学付置研究所百七十一億三千百六十九万円余、施設整備費四百五十七億四千八百九十五万円余、となっております。
 次に、翌年度繰り越し額三十四億二千百六十六万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、施設整備費で、財政の執行の繰り延べ措置として歳出予算の執行の調整をしたこと及び設計変更、用地の関係、資材の入手難等により、工事の施工に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。
 次に、不用額二十二億八千二百三十九万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、施設整備費のうち学校施設費で、学校財産処分収入が予定より少なかったので、これに伴う施設費を要しなかったこと等の理由により、不用となったものであります。
 次に、国立学校特別会計におきまして予備費として使用いたしました金額は四千六百二万円でありまして、これは、国立学校施設災害復旧費等に要した経費であります。
 なお、昭和四十二年度予算の執行にあたりましては、予算の効率的な使用と経理事務の厳正な処理に努力したのでありますが、会計検査院から不当事項五件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところと存じます。今後、このようなことのないよう適切な措置を講ずるとともに、予算の執行等にあたり留意を要すると認められた事項についても慎重に検討の上執行の適正を期するよう、より一層の努力をいたす所存であります。
 以上、昭和四十二年度の文部省所管一般会計及び国立学校特別会計の決算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
#44
○委員長(松本賢一君) 次に、決算検査の概要説明を聴取いたします。石川会計検査院第二局長。
#45
○説明員(石川達郎君) 昭和四十二年度文部省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしたものは、不当事項が五件、今後の予算の執行等にあたりまして留意を要すると認めましたものが一件でございます。
 不当事項として掲げましたものについて説明いたします。検査番号百三十六号から百四十号までの五件は、文部省所管の国庫補助金のうち、初等中等教育助成費、産業教育振興費、学校給食費、私立学校助成費及び公立文教施設整備費関係の国庫補助金の経理におきまして、補助対象設備の購入額等を過大にして事業費を精算しているものについて指摘したものでございます。
 次に、今後の予算の執行等にあたり留意を要すると認めましたものについて説明いたします。
 その内容は、補助事業により取得した施設の管理につきまして、その管理状況を調査しましたところ、当該施設が他用途に転用されていたり、あるいは十分活用されていなかったりしているものがありましたので、学校関係者に対し補助事業の趣旨の周知徹底をはかるなどして、施設と設備の整備を計画的に行ない、補助の効果をあげるよう配慮の要があると認められるものでございます。
 以上、簡単ではございますが説明を終わります。
#46
○委員長(松本賢一君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#47
○黒柳明君 大臣、大学法案審議でお忙しいさなかに御出席いただきまして恐縮でございます。問題は、簡単に、明瞭に質問いたしたいと思います。
 私きょう取り上げる問題は、過日産学協同の中での大きな欠点であるやみ受託研究費についての問題、しかも理工科系に限って質疑いたしました。その点、文部省のほうからもその不備を認め、また、今後について調査し、さらに善処すると、このような前向きな御答弁をいただき、私も大いに今後の方針について期待しておるわけでございます。まあ大学法案――紛争についての問題を解決する、これも当然私は重要だと思います。と同時に、今日の大学の紛争を惹起した原因というものも除去しなければならない、これは当然なことだと思います。私は、ただいま申しましたように、この大学紛争惹起の原因の一つ、あるいは大きな問題点というものが、この先日の、あるいはきょう指摘しますやみ受託研究費、さらにきょうの問題点は医科関係の問題を取り上げたいと思います。この医学関係、医科関係のやみ受託研究費、さらにこの医学関係は新薬の認可にあたって、人命の安全の問題までもこれに伴ってくるわけです。ですからただ単に、やみ受託研究費、それに対して不備だというのみならず、大きくやはり社会的な問題として善処していただかなければならないのじゃないかと、こういうことを私きょうのテーマに取り上げた次第でございます。その点ひとつまた文部省、文部大臣の御所信のほどを徐々に承りたいと思います。
 初めに、厚生省のほうにお尋ねしたいと思うのですが、大体医薬品の製造の年間承認件数はどのくらいあるか。そのうち特に新薬の承認件数というものは年間何件ぐらいあるか、この点承りたいと思います。大ざっぱな数字でけっこうです。
#48
○説明員(渡辺康君) いま御質問の年間の件数は、申請件数が四十二年度におきまして約六千件ございました。そのうち約四千件の承認をいたしました。そのうち新薬はどのくらいかと言われますと、新薬の範囲というのが非常にむずかしゅうございますけれども、一応私どもの厚生大臣の諮問機関でございます薬事審議会にかけました件数を申し上げますと、四十三年度は百八十八件でございます。しかし、これは製剤でございますので、その有効成分に直しますと、さらに少ない数になります。
#49
○黒柳明君 その薬事審議会にかかった分ですね。その新薬認可のときに権威ある学者の臨床実験なりレポートなりを提供しなければならない。こういうことになっているわけですが、その点についてはどのようになっておりますか。
#50
○説明員(渡辺康君) いま黒柳先生がおっしゃいましたように、私どもとしまして新薬の製造承認をいたします場合に、その必要資料といたしまして、原則として次のようなものを求めております。第一のものとしましては、その医薬品の発見の経緯等に関する資料でございます。第二には、その医薬品の物理的、科学的試験に関する資料でございます。第三には、その医薬品の毒性に関する資料でございます。第四番目には、その医薬品の薬理試験に関する資料でございます。第五番目には、その医薬品の臨床試験に関する資料でございます。大別いたしますと、その五つの資料を要求しております。
#51
○黒柳明君 当然、この厚生省の医薬品の製造承認等に関する基本方針について、昭和四十二年九月十三日知事あて薬務局長の通達、この第四ですか、これにそのような趣旨のことが――これは従来慣例になっていたことを、この時点において文案化した、こういうふうに私承っておりますが、いまの話、これは世間で一般に知られていることですが、要するにメーカー側が、その権威ある大学教授のレポートを求めるために当然、あるいは臨床実験等を委託する。それに対して教授側は、メーカーからの委託に基づいて実験し、その結果をレポートとして提出する、このようなことが通例じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
#52
○説明員(渡辺康君) いま黒柳先生のおっしゃいましたようなことでございます。
#53
○黒柳明君 文部省の会計課長さんがいらっしゃいますか――そうすると、これは冒頭に指摘しました、あるいは先回言いましたいわゆるやみ受託研究費、こういうことなんですが、メーカーから出た研究受託費、あるいは一部には物品できている例も見受けられますが、それについてはどのように処置されているか。いかがでしょう。
#54
○政府委員(安養寺重夫君) いまお話しの薬品関係の受け入れの問題でございますが、実態はさまざまでございますが、受託の意図を明確にされまして現物等を受け取ります場合には成規の手続をするわけでございます。まことに残念なことでございますが、往々にして現品をそのまま受領いたしまして、そのまま使うという例がわりと多く、あちこちにそういうものがございますので、先ほど来お話しになっておりますように、受託研究の受け入れの適正化という一連の問題の一つでございますので、前回からいろいろ申し上げたような趣旨で、目下その適正化のための方法を検討中でございます。
#55
○黒柳明君 当然これは、金銭及び物品ともに国庫に納入して、その歳入歳出を明確にしなければならない。けれども、この場合においても明らかに、一私企業と直接に各教授ないしは研究所が物品ないし金額を受領して、その使金も不明確であると、こういうことです。これは私、ここに昨年四十三年三月から十二月までに、先ほど申しました薬事審議会を通りまして、新薬の認可を得た百八十六種類――その中で審議会の審議というのは三段階に分かれておりますが、一番厳密な部門である、すなわち世界で初めての新薬品及び結核、ガン、らいの薬、こういうものに対しての新薬、それが十六件昨年あったわけですが、その十六件に対して、先ほど申しました権威ある教授がレポートなどを書きましたり、臨床実験ないしは種々の研究発表というものをしたわけですが、その十六件の新薬に対して、各国立大学の教授、その教授がどの会社からどういう新薬の研究のために、どれだけの金銭あるいは物品を取得したか。これは、文部省当局に調べていただいたものがここにあります。このリストを一応読み上げさしていただきますと、東京大学は吉利内科の鈴木秀郎――まあ敬称は略させていただきますけれども――これは第一製薬の新薬のミオトロン、これで二十万円。同じく吉利内科の清水喜八郎、塩野義製薬のゲンタシン、これで五万円。脳神経外科の明石勝興ほか数名、日研化学のイソバイドの研究で十万円。また吉利内科の内海吟ほか数名、藤沢薬品のバドリン、七万二百二十円、ちょっとこまかいです。千葉大学第一外科の綿貫重雄、第一製薬のミオトロンの研究で八万。それから群馬大学の産婦人科の松本清一、塩野義のクロミッドの研究で四万。同じく群馬大学の産婦人科の五十嵐正雄、塩野義のクロミッド、五万円。それから九州大学癌研の教授の遠藤英也、三共製薬のプロレジド、百七十万円。それから同じく九州大学の小児科・永山徳郎、塩野義製薬のゲンタシン、三万円。名古屋大学の佐々木時三郎ほか数名、第一製薬のミオトロン研究で五万円。これは金銭です。
 さらに現品としては、東京大学の古川利温、高津忠夫各教官、日本レダリー株式会社からメソトレキセート、白血病の新薬ですが、現品百本。一本四千八百円ですからまあ四十八万円相当の現品。以下現品を受け取っているのが相当ございます。こういう文部省当局でお調べいただいたリストがございます。これがすべて国庫に納入されてないのです。
 で、私は、ここでまあ便宜上、問題点を項目的に指摘いたしますと、まず第一には、要するにこれらの金銭、物品というものが、先ほどから、また、さきにも指摘しましたように、成規の手続がとられてない。国庫に納入されてない。要するに各薬品メーカーから教授個人に行きまして、その使途というものは不明確である。これが第一点です。
 第二点は、確かに一教授の――遠藤教授ですか――百七十万を除いて、二十万、五万、五万、十万、七万、非常に金額は少ないように見えます。ただし、この六国立大学、また教授の数にすると二十数名、これはもう、ほんの氷山の一角でございます。これはお調べいただいた文部省当局が十二分に知っていただいていることだと思います。また、この金銭にしましてもですね、必ずしもこの新薬研究のための受託研究費とは限りません。非常にこの金銭も、もう氷山の一角のうちの一角である。大学の数にしても、教授の数にしても、この金銭にしてもですね、まだまだこれを調べていただければ、もうこういうことが通例、日常茶飯事として行なわれておることであって、金額が少ないとか、あるいは教授の数はこれだけである、こういうふうなことではなくして、ごく一部の金額が教授の口から出ただけのものであって、むしろこの百七十万円をちょうだいしたという遠藤教授は、これは一番まじめな人であって、あとの教授はまあ何とか言っておけば、というようなことから五万、二十万もらったと、こういうことではないか。要するに、これは調べようがないわけです。そういうわけで、結論的にはごく氷山の一角の数であり、金銭の授受である、これを指摘したいと思います。
 さらに第三点は、研究をしてですね、当然そのレポートを提出しなければなりません。ところが、この金銭授受にあたっていわゆる名義料――研究はおろか、製薬会社のメーカーからすでにレポートをつけ、現金をつけて、そうして教授の手元にくる。要するに、名義料としてこれらの現金をもらう、こういうケースも相当あります。ですから、新薬認可にあたって指摘されました五項目、さらにはその効果、そのようなものがメーカーである製薬会社のほうから、すでにしかるべき書類として添付されている。それについて教授がサインをするだけである。このような実態までもこれに伴っております。これが第三点。
 それから、第四点は、私は昨年の予算委員会におきまして、この新薬認可にあたっての不備な点を厚生省に聞きました。そのときに、厚生省の答弁は、新薬の認可にあたっては、公正を期し、また多くの委員がこれに当たり、何段階にもそのチェックの場所がありまして、決して一教授あるいは一個人の自由にはならないと、このようなことを聞いたことがありますが、残念ながら氷山の一角である、このいまのリストの中だけ見ても、ここには薬事審議会の大ものの教授が――その教授の関係の教授が入っていますし、また新医薬品調査会のメンバーもこの中に入っておるわけです。有能だからこそ当然、各メーカーから受託研究をされると、こういうようなことも一応常識的には考えられると思うのですが、その衣装はそうであって、作用はあくまでもメーカーと、こういう研究所、教授とストレートで直接お互いに持ちつ持たれつの仲で、そういう研究というものをやる。あるいは中にはやらずして、それで薬事審議会のほう、あるいは新医薬品調査会のほうにいく。当然、担当教授がその委員のメンバーに入っているわけです。こういうことは非常に大きな世間の疑惑を招く一つの要素であるのじゃないか、こういうことも私はここで指摘したい、こう思うわけです。
 その他こまかい問題は種々あると思うのですが、大きくあげましても、いまのような四点を私はここで指摘したいと思います。先ほども申しましたように、ただ単に、これはやみ受託研究費という問題だけでなく、新薬を許可すると、こういう問題にからむだけに、先ほどの五点――レポートを書き、権威ある学者が臨床実験ないし研究の結果、間違いないと、こういう研究結果を添付しての新薬の許可になるわけですが、その点について、私は不明朗な点があるのじゃないか。また、そういう疑惑をいだかせるような点がここにあるのじゃないかと、こういうことも含めて、この受託研究費というものに対して大きな、ずさんな問題がここにある、こう思うのですが、文部大臣の所感をお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(坂田道太君) 受託研究につきましては、すでに本委員会におきましても担当の政府委員からお答えをいたしましたとおりでございまして、遺憾ながら、当然、国庫に入れて会計を明らかにすべきにかかわらず、それが行なわれておらないという事実を私は承知をいたしておるわけでございます。したがいまして、私といたしましては、こういうようなことが大学当局に対する学生の不信、あるいはまた世間の疑惑というものを招くわけであって、大学の研究と研究の成果というものを、やはりこれからは社会のために還元すべき使命を持っておりまするけれども、ともいたしますると、そのような結果として一企業の私益のために、ある一定の教官が利用されるというようなことは、これはあってはならないことだと思うのでございます。この点につきまして、従来、文部省といたしましても指導助言の任にありながら十分国民に対する責任を果たし得なかったことは、まことに私は遺憾でありますし、この点は改めていかなければならないと思っておるわけでございます。将来、ビッグ・サイエンスの時代に移りまして、社会の発展を促すもとになるところの基礎研究というものが大学の研究室で行なわれるということがあって、初めて大学の機能が十分果たされるわけではございまするけれども、しかしこのようなことがあってはいけないので、やはり企業と大学との間にガラス張りのルールと申しますか、だれが見てもなるほどと思えるような一つのルールの確立を急がなければならないというふうに思います。また、ただいま御指摘になりました新薬の許可等につきましても、そのようなことが行なわれておるということを聞きまして、実は驚いておるようなわけでございますが、従来ともいろいろの大学当局に対する指導助言を通じまして警告を発し、そして、このようなことが二度とないようにということを機会あるごとにつとめてまいっておりますけれども、まだ十分にそのことが改められておらない点につきましては、なお一そう今後とも十分調査をいたしますと同時に、そういうことがこれからはないように、そしてまた何か、こういうようなことに対して大学と企業とのルールの確立というものを、むしろ文部省が間に立ちまして、きめるべきことではだいだろうかというふうに思うわけでございます。まことに遺憾なことでございます。
#57
○黒柳明君 先回も私、冒頭に申しましたように、遺憾であるという御発言、さらに前向きの姿勢を示されたわけですが、今回の場合にはこれがあくまでも人命に関する医薬品の問題にからむわけです。で、先ほど文部大臣がおっしゃいましたように、こういう新薬の審議に関して、こういう不明朗なことがあると聞かれて驚いた、こういう御発言がありましたが、今回の場合には、ただ前向きな姿勢あるいは善処するだけの問題ですと、私がいま申しましたように、従来からこういう薬事審議会あるいは新医薬品調査会の、こういう教授の人たちに、当然私は善意に解して、そういう不備な認可のしかたは決してない。こういうふうに思いたいのですが、こういう私企業との密接なる関係、こういうものがありますと、非常にこの薬事審議会あるいは新医薬品調査会、そういうものの認可に対しても、何か大きな疑惑を持たざるを得ないんじゃないか。文部省で調べていただいたこの各教授の発言から、いまのリストになったのですが、中には、要するに金額を受け取っているが、もう記憶していないというような、そういうような発言をしている教授もいらっしゃるわけです。ですから、いまの金額というものは、先ほども指摘しましたように、決してこれはくどいようですけれども、すべてじゃない、あるいは氷山の一角であることは、これはあたりまえ。また、これはいまの新薬のための受託研究費ではないわけです。常時こういう研究費というものをもらっているということも、文部省のこの調査では出てきています。ですから、こういう問題は、これはもう遺憾であるとかなんとかいう問題よりも先に、くどいようですけれども、人命の安全に関係する新薬許可の問題ですから、そういうものに多少でも疑惑がある、こういうことについては、これはもうすぐにでも、この点を改善していただく必要があるのじゃないか。こう私は、先回の理工科系統のやみ受託研究費と、別の大きな問題が今回の医科系統のやみ受託研究費、それが新薬の許可にまでもからんでいる。時間があれば私は、この研究をした教授と新医薬品調査会のメンバー、あるいは薬事審議会のメンバー、この人脈というものを調べると非常におもしろい、失礼ですが、そういう結果が出るのじゃないか。これは間違いなく、そういう結果が出ると思います。時間がないものですから、そういうこともやりませんし、また何もそんなことをやったからといって、人をあばき立てるような結果だけが私の目的じゃございません、あくまでも。そういうことは間違いなくある、こういう私の判断は間違いないと思うのですけれども、ひとつ、文部大臣が今回の場合に限っては、ただこの遺憾であるという所信表明、あるいはいま善処している、こういうようなことだけじゃなくて、もっと抜本的な改善策というものを――要するに、こういう私企業とタイアップして、そして新薬認可にまでも私企業の力というものがあずかっているんじゃないかと、こういう疑惑を起こさすような問題点というものは、これは早急に改善する要があると、こういうことを私、従来発言しましたし、いまその全貌というものが、その氷山の一角ですけれども、ここに出てきたわけですから、この具体的な事実をもって、ひとつ大臣のほうも、大学法案のみならず、その紛争を起こしている大きな原因を除去するための努力もひとつお願いしたい。こう思うわけですが、最後にいまの私の希望あるいは話を踏まえて、大臣の御決意のほどをお伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(坂田道太君) 黒柳委員のお話はまことにもっともなことだと私は思います。具体的にこのようなことがないように最善の努力をいたす覚悟でございます。
#59
○委員長(松本賢一君) それでは、他に御発言もないようですから、文部省につきましてはこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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