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#1
第061回国会 予算委員会第三分科会 第2号
昭和四十四年三月三十一日(月曜日)
   午前十時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     佐藤  隆君     中村喜四郎君
     塚田十一郎君     増原 恵吉君
     阿具根 登君     前川  旦君
     市川 房枝君     山田  勇君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主 査         秋山 長造君
    副主査         西村 尚治君
    委 員
                大森 久司君
                白井  勇君
                中村喜四郎君
                林田悠紀夫君
                中村 波男君
                二宮 文造君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  原田  憲君
   政府委員
       運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君
       運輸大臣官房会
       計課長      山上 孝史君
       運輸省海運局長  澤  雄次君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  山口 真弘君
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
       気象庁次長    坂本 勁介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        石田 禮助君
       日本国有鉄道理
       事        長瀬 恒雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十四年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十四年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(秋山長造君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。本日、予算委員異動に伴う欠員の補欠として山田勇君が本分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(秋山長造君) 昭和四十四年度総予算中、運輸省所管を議題といたします。
 まず、政府に対し説明を求めるべきところ、時間等の都合もあり、これを省略し、お手元に配付してあります資料をごらん願うこととし、その説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○主査(秋山長造君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#5
○大森久司君 時間がないようですから端的に質問さしていただきます。
 国鉄が経営の合理化、財政の立て直しのために御腐心願っておることは、われわれもよくわかるわけであります。国鉄は長期借り入れとして二兆円をしておられる。そうすると、一日に約二億五、六千万円の利息を払っていかなければならない。こういうような追い詰められた財政になっております。こういうような点から考えまして、私は国鉄のローカル線でマイナス線で払い下げを希望する場合、あるいはまたそういうような場合に、国鉄は分割譲渡され、あるいはまた経営委任をされる御意思があるかどうか、お尋ねしたいと思います。総裁に。
#6
○説明員(石田禮助君) 赤字線の問題につきまして、民間からこれを買い受けの要求があった場合にどうするかというお尋ねですが、これはまだいまのところでどうするかという方針はきめておりません。いずれにいたしましても、これは運輸大臣と相談して善処するというふうになると思います。
#7
○国務大臣(原田憲君) 現在の法律では一般民間へ国鉄を払い下げるということはできない、こういうたてまえになっております。
#8
○大森久司君 私は国鉄が、いまの話を聞きますと、どうしても払い下げができないということらしいですが、私の考えでは、最近における国鉄の経営それ自体は非常に膨大過ぎる、私は人間の支配力というものには限界があると、こう考えております。いままでと違いまして国鉄はバスもやっておられる、あるいは自動車もやっておられる、あるいは近代化もしておられる、そのほか労働問題であるとか、あるいは事故の問題であるとか、国鉄の労務が非常に私はふくそうしておるし、繁雑で、ことにこの予算を取るだけでもなかなかたいていなことではないと、私はこう思います。そういうような場合に、総裁がやろうとしてもやり得ない、あるいは現実において非常に多くの希望がある、方々からいろいろなことを言ってくる、何とかしてやってやりたいと思いながらも、赤字の累積であるとか、あるいはその他繁雑な事業のために、私はこれをやりおおせないのが現実である、かように思っております。そういうような意味からいたしますと、この際思い切ってそういうような路線を切り離して、そうして国鉄の正常化をはかられるということが最も大切なことである。私は、国鉄はつぶれないという安心感の上に立脚して行動しておられるように思う。だから今度のようないろんなことに対する国鉄の合理化案、あるいはまた財政立て直しというものがほんとうに真剣であるかどうかということに私は疑いを持つ。これは一時を糊塗したものにすぎない、こういうような感じを国民に与えておると思うのです。民間であったなれば、事業が危機になったならばマイナスである面を全部切り離す、あるいは不要なものを整理するというのがたてまえになっております。そういうような意味からいたしましても、国鉄はこの際思い切った処分をされるということのほうがいいのではなかろうか。国鉄の名誉のためにとか、あるいは権威のためにとかいうようなことにこだわって、そうしてこういうようなことをやっておられないということなら、私はむしろ国鉄の将来に対して非常に不安を感ずるものであります。だから、いまそういうようなことをやっておらない、やったことがないということでございますが、これは大臣とも相談していただいて、すみやかにそういうような断固たる処置をとって、そうして国鉄全体が明るく、そうして将来希望の持てる改正をやってもらうということを私は希望いたしまして次の問題に移ります、質疑時間がないものですから。議論をする余地がないと思います。
 で、国鉄は独立採算制を非常にやかましく言っておられます。私は当然なことであると思います。ところが、大阪とか、東京周辺におけるローカル線は最近電化複線されております。ことに私は関西ですから、大阪を中心にした片町線にいたしましても四条畷まで電化複線をやっておる。あるいは福知山線にいたしましても宝塚まで電化複線をおやりになる。ところが湊町−木津間というのは早くから複線であるにもかかわりませず、あるいはまた地元から非常に強い要望があるのにもかかわりませず、いまだにこの全線電化ということに対して国鉄は協力してもらえない。これはなぜそういうようなことであるのかということに対しまして御質疑申し上げたいと思います。
#9
○説明員(石田禮助君) お答えいたします。
 東京、大阪の近辺における国鉄の工事でありますが、これは大部分は通勤、通学の輸送需要に応ずるためにやるのでありまして、御承知のとおり、国鉄は二十四年に公共企業体になりましてから、その後運賃というものの賃率が安かった、ゆえに自己資金というものの収入が非常に少なかった、このために投資というものが十分にやってない、その結果がいろいろなところで輸送力の貧弱なり、ことに通勤、通学の問題につきましては、全く東京、大阪の通勤、通学の状態なりというものは、これは交通地獄だというまでにたいへんな状態になっておるということで、四十年から始めまして思い切ったこの投資をやったのでありまするが、これはすべて先行投資でなくて輸送需要に追われてやったことで、これは今後とも大いにやらにゃならぬということで、たとえば通勤の輸送につきましては、三十七年から三十九年ぐらいまでは三百億だったやつが、四十年から合計で八千億以上もやらなければならぬ、こういうことは国鉄としては非常な犠牲的のものであります。ということは、工事に非常に金がかかる、しかも収入というものは大きな割引をされているためにとても引き合ったものではないのだ、しかし、これは国鉄の公共性にかんがみて絶対やらなければならぬということでやっておるのでありまして、いまやっている工事というものは、さっきも申しましたとおり、全く輸送需要に追われてやっていることで、先行投資ではないのでありますが、この点につきましては、さっきもお話ありましたが、あまりに国鉄の活動というものは広いために、締めくくりがついているかと、こういうふうなことなんでありますが、これは私は十分に締めくくりのつけるところはつけているつもりでございます。ただ問題が、赤字線の問題であるとか、通勤輸送の問題であるとか、非常な犠牲が多いために、今日においては決算において赤字を出すということになっておるのでございますが、これも今度運賃というものが是正され、そしてまた財政投資の問題、さらに国鉄がこの合理化に徹するということにおいては、私はりっぱな国鉄になるということに確信いたしておるのであります。
#10
○大森久司君 運輸大臣の原田先生もおられますが、関西のことは非常によく知っておられます。実は大阪の近鉄ですが、上六から難波までわずか四キロほどの距離であります。それを地下で乗り入れするのに万博までにこれを間に合わそうというので、百三十億をかけてこの路線をやっておる。これはいかに私は将来を計画し、そしてまたそういうふうな私鉄あるいは私鉄との相互乗り入れということに対しまして将来性を持っておるか。これは難波でそれを直結した場合に、あるいは京阪神にこれがうまく連絡できるということをめどにして百三十億の金がかかるんですが、ところが国鉄の場合は湊町は即難波であります。難波ともうほとんど変わりない。その最も有利な場所にあって、そして奈良までの複線ができておって、いわゆる電化架線をしたならば、これが十分利用できるというのにもかかわらず、これに対して犠牲を払わないというような点に対しまして、私は国鉄が独立採算制の立つような場所があっても、これをやらずに、そうして赤字路線のみをいつまでも続けておられるということは、経営に対する考え方に私は非常に疑問を持っておる。で、関西線全体を私は電化してもらうということは、いまの国鉄には無理であると思う。ところが奈良−大阪間、少なくとも一年に千五百万の観光客がある。そしてまたその付近におきましては、最近、王寺の付近に西大和団地が八十万坪のものが建つ、あるいはまた香芝町に八十万坪の公団の団地が建つ、あるいは橿原に四十万坪の県営団地が建つ、あるいはまた平城に二百万坪の公団団地が建つ、こういうぐあいに考えていきますると、この路線に少なくとも十五万から二十万の人口が増加する。で、最近における日本には、千葉県であるとか、あるいは埼玉県であるとか、あるいは神奈川県であるとか、あるいは西では奈良県であるとかいうのは最も人口の増加率の多い場所である。そういうような意味からいたしましても、国鉄はこの路線をぜひ複線電化してもらわなければならない。複線はできておりますから、電化してもらう。そうして地方開発に協力してもらうということ、これ自体が必要であるし、またその付近における住民の交通に対しましても、ほとんどこれが大阪のベッドタウンであります。だから、大阪に通う人が非常に多い、こういう点からいたしましても、私はぜひこれを実現してもらいたい。できるならば奈良−大阪間を電化、奈良−木津間を電化すると同時に、片町線の四条畷から木津までを複線電化してもらって、そうして東大阪環状線とでもいいますか、そういうようなものをつくっていただく、これが大阪の過密化から疎開された多くの今日における住宅をめぐって最も便利な路線であると、私はこういうぐあいに考えております。だから、国鉄が今後十カ年計画をされる場合には、大阪の東環状線というものをつくっていただいて、そうしてこれをりっぱに完成してもらうことが、大阪のためにも、あるいは広域行政をやる上から見ましても必要な路線であると、私はこう考えておりますので、このような点につきましては、運輸大臣は非常に理解も持っておられるし、よく知っておられますから御答弁を願いたいと思います。
#11
○国務大臣(原田憲君) 現在の関西線の電化並びに片町線の複線電化問題につきましては、すでに大森さんはいわゆる万博関連事業という推進の面からも強く主張されてまいってきておることは私もよく存じ上げておるところでございます。正直に申しまして、関西における私鉄と国鉄との通勤通学輸送対策を見ておりますと、国鉄がうんとおくれております。まあ東京中心、あるいは都市に住んでいる国会議員の方が少ないので、こういうことについてのほんとうに具体的なことの了解がこれからついてくるのではないかと私は思っておるのでございますが、関西においては、いま大森さんも指摘されましたように、私鉄みずからが相当な犠牲をしても投資をして乗客サービスにつとめるという従来からの経営意気込みというものが感ぜられるわけでございます。それに比しまして、国鉄が現在持っております福知山線あるいは片町線、あるいは御指摘の関西線等のこれらに対するところの考え方というものは、御指摘のような点が私はあろうと思うのでございます。したがいまして、今後この国鉄の再建策の中では、これらを十分取り入れて今後の対策を具体化すべきじゃないかということを考えております。これに対しても国鉄総裁も御同感であります。したがいまして、私どもは今後、まああなたも御承知のように、現在の七カ年計画、この七カ年計画のうちにあなたのおっしゃっておることを具体的にするということはないわけでございます。これらのことをほんとうに実現しようとするならば、当該府県あるいは市町村が一体となって、ただ陳情だけでなしに、金のない国鉄にやれと言ったってこれはできない仕事であります。仕事はやれという、金はない、どうしたら金が出てくるか、どうしたらこれが実現できるかということを具体化しなければならぬと思うのであります。すなわち国鉄の利用債をそれではおれたちはこう持とうじゃないか、そのためにこうしようじゃないかということをよく話し合いをいたし、国鉄の計画の中にも取り入れて対処していくべき性格の重大な線ではないかというように考えておるのでございまして、今後とも、現在お話のありましたような問題につきましては検討を進めてまいりたいと、このように考える次第でございます。
#12
○大森久司君 時間がありませんから簡単にいたしますが、いま申し上げましたこの地区は土地が安い、そうして空気が清浄である、そして大阪に近いという非常に大きな魅力と利点を持っております。だから、この付近の将来の発展、あるいはまた大阪の疎開地としても最も重大性を帯びておるということを、これを御認識賜わりまして、いま大臣が言われましたように、関係市町村がこれに協力をする、いわゆる利用債を持てという意味のように思いますが、そういうようなものをわれわれも進めていきたい、かように思いますので、国鉄並びに運輸省におかれましても、この点につきまして十分考慮していただきまして、今後の発展に対しまして御協力を賜わらんことをお願いいたしまして、私の時間がこれできましたから終わります。
#13
○説明員(石田禮助君) この間も私は実は運輸大臣にお話したのですが、国鉄のこの東京、大阪近辺における輸送力の増強ということにつきましては、東京のほうについてはずいぶん思い切ったことをやっておるが、どうも大阪のほうに対してははなはだ熱が上がっておらぬ。これははなはだおもしろくない。ぜひひとつ今後大阪付近にも通勤輸送の問題につきましてはやらなければならぬということを大臣にもお話しておいた次第であります。国鉄としては、大森さんの御希望のようにどの程度までできるかわかりませんが、できる限りのことはやりたいというように考えております。それに対しましてあらかじめお願いしておきたいことは、この東京、大阪の近所の通勤輸送力の増強ということについて、一番やりたいのはまず土地の買い付け問題、いよいよ着工することにきまった時分には、ひとつ大森さんその他の関係の方の十分の御努力、御協力を願いたいということをあらかじめお願いしておきたいと思います。
    ―――――――――――――
#14
○主査(秋山長造君) この際、分科担当委員の異動について報告いたします。
 本日、予算委員異動に伴う欠員の補欠として、増原恵吉君、中村喜四郎君、前川旦君が本分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#15
○山田勇君 時間がないようですから、一つ一つ御答弁いただかなくてもけっこうでございます。
 国鉄財政再建措置法並びに国鉄運賃の一部改正について若干お尋ねいたします。政府は、昭和四十三年十一月一日に国鉄財政再建推進会議から提出された意見書、すなわち国鉄自身による徹底的な経営の能率化、合理化を第一点、国及び地方公共団体の財政援助を第二点、それに運賃値上げを第三点とする三つの柱を基本として国鉄再建をはかろうとしているわけですが、国鉄を今日の状態に追い込んだ最大の原因は何であるのか、またその責任はどこにあるのか、お伺いいたしたいと思います。
 先ほど申し上げました三つの柱のうちの第一点である経営の能率化、合理化ということは企業であれば当然のことでありまして、国鉄と名のつく限り、いわゆる公共性を重要視しなければならないことは言うまでもありません。一方、企業として採算ということもまた無視できないものであります。国鉄としても公共性と経済性をうまくミックスした再建計画を立て、十年後には黒字に戻すとしておりますが、運賃値上げが国民から非常な反発をもって迎えられるとすれば、日本国有鉄道という名称からしても、もっと国が援助すれば、国民的賛同を得られるのではないかと思いますが、その点いかがでございますか。
 受益者負担という面から言えば、もちろん利用しない者にとっては国の援助は歓迎されないかもしれません。しかしながら、公共料金の値上げということがいかに諸物価に影響するかということは、国民が一番よく知っているわけでございます。今回の一五%の改正がなされても消費者物価の影響は〇・一八%と言われておりますが、私鉄、バス、タクシー等の値上げ申請がメジロ押しに控えておる現状では、消費者物価への影響は決して少ないものとは私は思われません。物価抑制が国民の大きな関心事になっておる昨今、政府としても国鉄再建について、運賃改正によらないで、国の財政援助を大幅にふやすということを基本にした方策は考えておられませんでしょうか。
 それに企業努力として能率化、合理化を推進するのはよいとしても、赤字解消に走るあまり、人員を減らすとか、赤字路線を廃止するというような消極策ばかりを考えずに、現在のあらゆる機能をフルに生かして、積極的に運賃収入の増大をはかるということが大切だと思います。そういった面で何か目新しいプランは考えておられないでしょうか。たとえばパイプラインなんかによる石油輸送といった計画は、安全性が確立されれば非常によいプランだと私は思っておりますが、ほかにもそういった点は考えておられるでしょうか。
 国鉄は赤字路線を整理して、かわりにバスを走らすと言っておりますが、御存じのように、アメリカのように道路が整備されておりません。アメリカの場合なんかは長距離バスで旅行しても快適だと私は思うのですが、日本の場合は、こういう大型バスの旅客運送という点についてどういうような方策を持っておられるのでしょうか。
 最近はレジャーブームとかいわれまして、旅行を楽しむ人口がだいぶふえてきましたが、いわゆる庶民階層にとって一泊旅行とか二泊旅行とかの長距離の旅はまだまだ高ねの花であるわけでございます。一度泊まりがけでと思っていた人たちにとっては、今度の運賃値上げ案はまたまたそういったレジャーから締め出されてしまうわけでございます。私は、かねがね政治というものは一番弱くて一番数の多い庶民へのサービスが最も大切だと思っております。それが民主政治だとも思っております。国鉄にしても、レジャーブームから庶民を取り残さないよう、運賃値上げには関係なく、一般大衆にも安く楽しい旅行ができるような画期的な妙案をお考えになっておられますか。エックなんかはそういったところから出ておられるのでしょうか。
 以上の点について、固めて、簡単でけっこうでございますから、答弁をお願いいたします。
#16
○説明員(石田禮助君) まず第一に、国鉄が四十年から非常に大きな計画をやっているが、どうしてそういうようなことをやらなければならぬのか、こういうことでありますが、これは詳しく申しますとだいぶ長くなりますが、要するに、国鉄が二十四年に公共企業体として発足した。譲られたものはぶちこわされた鉄道線路、輸送機関。ところが、たまたま終戦後における日本の経済状態が非常なインフレーション、そのために物価が上がる、人件費も上がる。そこで独立採算のたてまえ上、この支出増に対して収入増をはからなければならぬ。どういうことかと言えば、要するに運賃の引き上げをやる以外に方法がないということで、運賃の値上げをそのつど国会及び政府に出したのでありますが、私ども、非常なインフレーションで、政府にしても国会にしても、いかにして物価を押えるかということにきゅうきゅうとしておるときでありますので、国鉄の運賃のごとき公共料金を上げるということについては非常にちゅうちょする。その結果はどういうことになったかというと、国鉄運賃値上げの要求というものは却下される。却下されない場合に、幸いにして受け入れられた場合においても、始終大きなカットダウンをされるというようなことで、かくのごとくにして国鉄の自己資金というものの留保が非常に少なくなった。借金すればいいのですが、借金であればやはり金利を払わなければならぬ。独立採算というものが維持できぬ。こういうようなことがつまり非常に国鉄の投資というものを制限して工事ができない。たとえば、これはいかに運賃というものが押えられてきたかということを数字的に申しますと、昭和二十九年度における電電公社の電話料というものは、昭和十一年に比べて二百三十三倍だ。国鉄の旅客運賃というのは百十六倍だ。しかも、電電公社においては即時通話というものがあって、九割のエキストラを取れると聞いている。こういうことなんで、昭和十一年に比べると電話料というものは実際において四百倍以上だ。国鉄はさっき申したような百十六倍。その後、三十二年、三十六年、それから四十一年というように、数回にわたりまして国鉄運賃の引き上げが行なわれたのでありまするが、それでも二百三、四十倍にしかなってないということで、この国鉄の収入というものは、はなはだ貧弱だということで、結局、国鉄としてやるべき工事もやることができなかった。ところが、その後における日本の経済の発展、それから輸送需要の増加ということで、ついに勇気をふるって踏み切ったのが東海道新幹線。ところが東海道新幹線はそれでいいんですが、ほかの一体通勤輸送の交通地獄的様相はどうするか。そのほかに貨物輸送にいたしましても、輸送力が少ないために輸送需要に応ずることはできぬということで、四十年から思い切った第三次計画というものを立てまして、二兆九千七百億円でスタートしたのでありますが、これを四十一年、四十二年、四十三年、四年はちゃんと計画どおりやっておったのでございますが、その後、収支の状態というものは予想に比べて非常に違ってきたのでありまするからして、これはだめだということで、さらに四十四年から向こう七カ年、五十三年まで思い切ってひとつやろう。それで四十年から四十三年までは一兆四千三百億ですか、投資したのでありまするが、それに加えて今度三兆七千億の投資でもってひとつこの輸送力をつけて国鉄の使命を果たしたい。こういうようなことでありまして、この問題、なぜ一体こんな大きな計画をやらなければならぬかということは、大体それで御了解を得たことと存じます。さらに今度の四十四年から向こう七カ年のこの計画につきましては、政府にひとつ財政援助をしてもらわなければならぬ。国鉄というものは公共企業体になりましてから、運賃でそういうように押えられたほかに、つまり政府の政策を国鉄の犠牲においてやられたものがある、それが公共負担。その一番大きな問題は通勤通学の問題でありまするが、とにかくこの通勤や通学なんかにいたしましても五〇%というものの割引き、これは法定できめられているのでありますが、その五〇%というものを度外視してその上の――つまり割引きだけでも非常に大きな金額である。四十二年におきましては、それは七百十億ぐらいに私は達しておったと思う。それからこの農産物に対する特別割引き、いわく何、いわく何、そういう公企体の公共負担というものが二十四年から四十二年まで一兆二百億も荷物をしょわされておる。収入ははなはだ貧弱なところへ持ってきて、政府のためにそういう荷物を負わせられたということが、今日国鉄が非常に苦しんでおるところでありまして、今後われわれがこの第三次計画、その後の計画をやるにつきましても、何とかこれは政府でもって援助してくれなければ困る。国鉄はこれまでに相当に奉公しておるのだから、ことに通勤輸送については八千億もかけなければならぬということなんで、それで、私は総裁になりましてから五カ年間、この問題について悪戦苦闘した結果、ついに大蔵省というものも大体国鉄の立場というものについて御了解くださいまして、ずいぶん思い切った今度援助をしてくれるということになったのでありますけれども、しかし、それだけでもこれはいかぬ。とにかく国鉄の今後のことに対しては、国鉄がまずもってうんと努力して合理化に徹しなければいかぬ。つまり経費というものをできるだけ減らし、同時に収入をうんとふやすという消極、積極の合理化によって国鉄というものを大いにやらにゃならぬ。そのあとは、これはやはりひとつ利用者に負担していただきたいということは、やはりコストが上がれば値段が上がるということはこれは当然の経済原則じゃないか。国鉄の運賃なんていうものは世界一安いというようなことで、運賃の値上げというものに踏み切った次第でありまして、これについては、あるいはさらに政府にひとつその分だけつけ加えて補助してもらったらどうかというような議論もあるのでありまするが、政府が今度やってくれた財政措置は相当大きなものです。私、国鉄総裁といたしましては、それ以上にさらにやれということは、どうもいかに勇気をふるうといえどもこれはできぬ。これがやはり原価が上がるがゆえに利用者の方も負担してくださいということで、運賃値上げということに踏み切った次第でありまして、この点につきましては、物価の上に影響があるということでありまするが、私から言わせれば、それは物価に対しては〇・九%の影響はあると、こういうのですが、国鉄はこれによって輸送力がふえるということになれば、物資の流通というものは非常に迅速に円滑にいくというふうになり、これは私は物資の需要、供給の上において相当プラスになるのじゃないか、いわんや、いまのような交通地獄というものを是正するにはやっぱりこれ以外に方法がない。通勤輸送力を増強するということはこれは非常に大きなプラスだ。だからして、マイナス〇・九%から幾つを引いた場合、ある場合には幾つというものは、〇・九%より大きいかもしれないということで、これはやはり社会党あたりもやかましくいわれたのでありまするが、この際やはりどうしても御負担願わねばならぬ。こういうようなことで、勇気をふるって踏み切った次第であります。どうぞ御了承願いたい。
#17
○山田勇君 次を急ぎます。
 次の質問は、私の体験から国鉄のほうにお尋ねをいたします。新幹線についてでありますが、第一点は、食堂車の問題であります。食堂車は一応いま三業者の指定だと思うのですが、それはどういう基準で三業者の指定をとっておられるのですか、お願いいたします。
#18
○説明員(長瀬恒雄君) 食堂の問題につきましては、かつては一業者でございましたが、サービスの問題、あるいは競争というような点から現在は七社でございます、全国で。特に新幹線につきましては、車両を中心といたしまして、車両単位に、現在、帝国ホテル、ビュフェとうきょう、日本食堂、この三社が行なっておりますが、それぞれの競争、あるいはサービス競争というような点につきまして、現在の三社が信用があるという点から指定いたしております。
#19
○山田勇君 まあ私も議員になりましてから国鉄パスをいただきますので、どうしても新幹線を多く利用いたします。そういう点で食堂車も利用いたしますが、その三業者の中の一業者というのは非常にサービスが悪い。目に余るものがあるわけでございます。先日も私が乗りまして、新大阪を出発いたしまして京都駅を過ぎるまで、朝食、朝定というのですか、朝食の注文を聞きにこないでコップ水一ぱい持ってきただけ、約三十分、新幹線ですから、新大阪から京都を通過いたしますのに約三十分です。その間何にも持ってこず、注文も聞きにこず、じいっとわれわれを待たして、お客を待たして、さて三十分過ぎた時点で、電子レンジが故障ですからほかのものに切りかえてくれ、これはもう機械の故障ですからしかたないと思います。そういうことがたびたび重なるわけでございます。大体、私は朝の六時から八時ぐらいまでの新幹線をよく利用いたしますが、一度ならず二度、三度、そんなに電子レンジというものは故障しやすいものであるかというふうに私は思うのです。そうして帝国ホテル、ビュフェとうきょうの場合は、一つの品物を出されても非常にサービスが行き届き、私はこれはりっぱだと思います。あの値段であの業者がこれだけのものを提供するということは、私はサービスだと思っておりますが、同じ業者でありながら、一業者においてはもう全然なっておりません。エビフライというものは、やっぱりからっと衣のあがったものを持ってくるのがほんまです。もうそれがべたべたの……(笑声)いや皆さんお笑いになりますが、実際皆さんがエビフライを注文なさって、そうしてべたべたのものを持ってこられたら、ほかのお客さん返しております、これはエビフライじゃないというふうにして。その場合は、どうしてもその一業者にしぼられているわけです。そういう点について、まあ食堂車のサービス――今度の国鉄運賃の改正にも、サービスということを国鉄は非常に大きく打ち出しております。そういう点について、何でもない小さなことですが、そういうサービスも私はたいへん必要じゃないかと、そういうふうに考えます。
 二点は、私は御承知のとおりパスで乗りますので、一等車を利用さしていただいておりますが、二等車に乗りますとどうしてもシートのバランスが悪いように思うんです。そういう点も、今後山陽新幹線などができますが、人間力学上あの角度が一番いいというふうに国鉄のほうでは研究なされてつくられたシート、またスペースの問題もあったと思うんですが、どうもあのシートというのは、私は、二等車の場合ですが、どうもしっくりいかないんですが、外人からの苦情も多いのではないかと私は思います。改造するようなことは考えておられませんか。また、山陽新幹線のシートも、いまの新幹線と同じシートを使用なされるか、その点。
 それと、次に伊丹国際空港のタクシーについてちょっとお尋ねいたします。私は、飛行機に乗るときに、料金の関係上安い飛行機に乗りますので、東京発十時半の夜間飛行に乗ります。そうしますと、それは国際線と接続しておりますので、必ず十時半には五人ないし十人の外人観光客やまたビジネスマンというような人が乗ってまいります。それで、これはジェット機と違いますので、所要時間が一時間二十分ですから、約十二時近くに伊丹国際空港に到着するわけですが、そのときのタクシーの業者が、おりてきた外人の客のかばんをひったくって自分のトランクにぱっと入れまして、そして大阪市内までを二千円、三千円と先に料金の交渉をしてお金を取っている。これも、一度ならず二度私も目撃しましたので、これではいけないと思いまして、私の回らない舌で、片言の英語を使いまして、外人を二度ほど大阪市内にあるホテルまで私連れていったことがあります。そういうようなことで、万博を控えてたくさんの外国人の人が来日を予定されている今日、こういったことに対する行政指導を徹底しておかなければ、悔いを千載に残すと私は思います。まあいろいろ警備の問題とか、そういう点は警察の管轄になると思いますが、国際空港の警備、管理という点から、ひとつ御答弁願いたいと思います。
 それを、最後にもう一つお尋ねいたしますが、やはりこれもタクシーのことですが・大きな問題になっているあの乗車拒否の問題であります。東京、大阪はじめ、大都市では、もう夜間にはそれはもうたいへん利用者が困っているような状態でございます。まあ業者側は、自主的に取り締まりする、監視すると言う。監督官庁では行政指導を徹底すると言っておりますが、まあ警察の取り締まりもあるようですが、とにかく行なわれている行為は悪いことだと烙印を押されていても、乗車拒否はあとを絶たないのが現状でございます。乗車拒否ということは、お客を乗せなくてもこれは経営が成り立っていくのかと私は思いますが、一方では一万六千六百六十九のタクシー業者が値上げの申請をしているということですが、それでは単なる便乗値上げとしか断じて私は受け取れません。経営者は乗車拒否を取り締まると言いながら、運転手諸君には現実に乗車拒否をさしている。悪いのはタクシー労働者だということになりますが、はたしてそう簡単に片づけてよい問題であるかどうか、疑問であります。とにかく問題の多いタクシー業界のことで、私も深いことまではわかりませんが、行政指導をする立場の当局側としては、料金値上げを含めて、乗車拒否に対する指導をどうされるのか、最後にお尋ねをして、私の質問を終わらしていただきます。
#20
○国務大臣(原田憲君) 私からお答えいたしまして、あとはそれぞれ当局から答弁させたいと思います。
 新幹線内の食堂問題につきましては、御指摘の中で、一つの会社は非常に行き届いたサービスがなされておるのに、一社に限ってはなっておらないという御指摘は、さようなことこそ競争があるのに、一方がうまくやっているのに一方がやっていないということでは、一方のほうが不当である証拠であろうと思います。さようなことに関しましては、サービス改善方を国鉄が断じて行なうように、私はここで申し上げておきたいと思うのであります。
 次に、空港のタクシー・サービス問題につきまして、この点につきましても、山田さんみずから外客を大阪のホテルまで案内してやったというお話でございますが、これらにつきましても、大阪空港における最終便だけの問題ではないと私は心得まして、この点についても十分サービスが行き届くように指導いたしたいと思います。
 それに関連いたしまして、タクシーの乗車拒否のお話が出ましたが、もっとも遺憾なことはこの乗車拒否でございまして、サービスを売るものがサービスをしないで値上げをしろというようなこと、そして値上げをしないからサービスが悪いのだというようなことは、私は逆に居直りであろうと考えております。これらにつきましては、夜おそく自分がかってに遊んで、それで帰れないでタクシーの乗車拒否にあうた、これまでサービスすることはできませんが、少なくとも女子供が安心してタクシーに乗れるようなタクシーというものにしたいと考えまして、私は事務当局にも指図をいたしておるような次第でございます。今後も、これらにつきましては十分私は注意を払ってまいりたいと思う次第でございます。
#21
○政府委員(手塚良成君) 大阪国際空港におきましてのタクシーに関しましては、特に深夜便、その深夜便も、いま先生御指摘の、東京発二十二時三十分、大阪着二十四時という深夜便も、また最終便の大阪着自体においてよくないという御指摘で、私どももその事実があることを了知しております。大阪国際空港では、このタクシーの運営に関しまして、警察、陸運局、空港事務所、こういうものからなる交通対策協議会というものをつくりまして、タクシーの運営の適正化をはかるような努力をいたしておるわけであります。で、具体的なお話になりますが、タクシーの乗り場につきましては、あの新しくできましたビルの前に、それからあのビルの向かって右側のタクシー乗り場のところに、それぞれ整理員というのを配置をしております。これは業界から出しておる整理員でございます。そのほかに指導員――まあ一般的な指導員でございますが、指導員等が昼間は相当数が出ておって指導をしておるわけでございます。なおそのほかに、ビル会社自体からガードマンというのが出まして、常時そういった面も含めてパトロールを行なっておるわけです。ただ、これらの連中が、時間が十時ないし十一時ごろになるとみな帰るというのが現状でございまして、そのあとが非常によくない。まあタクシーの数も急減してくるというような事態になっておるわけであります。私どもとしましては、今後この協議会を通じまして、そういった方面の検討をやると同時に、さしあたりましては、いま言った整理員あるいは指導員というものは、十時ないし十一時を過ぎてもなお昼間どおりの強化をはかっていくというようなことをしますとともに、航空会社自体といたしましては、現在この大阪行きだけは一本バスが出ておるわけでございます。そういった面の強化等もあわせて検討をさせる必要があるのではないかというふうに思っておりまして、万博も控えておることでございますので、一そうそういったサービスについては十分な配慮をはかりたい、かように考えております。
#22
○説明員(長瀬恒雄君) 先ほどの新幹線の食堂ビュッフェにつきましての御指摘につきましては、まことに遺憾に存じます。私どもといたしましては、現在のビュッフェにつきましての指導といたしましては、車内における車掌に十分指導監督させる。また、食堂業者自体に対しましては、各鉄道管理局あるいは支社におきまして、それぞれ、食品の品質、あるいは味覚、あるいは従業員のことばづかい、その他サービス全般にわたりまして指導いたしておるわけでございますが、御指摘のような点につきましては、今後十分指導を強化していくことに努力いたしたいと思います。ただ、先ほどのエビフライというお話でございましたが、電子レンジはそうこわれるものではないのでありますが、たまたまそうした事態が起こったと思うのであります。今後につきましては、さらにこれにつきまして検討いたして、味覚の点につきましても、地上で調理をして、電子レンジを使うという点で、若干品質、味覚という点には遺憾な点があると思いますが、何ぶんにも狭い車内にそうした設備しかできないという点につきましては、現状でございますので、この点につきましては御了解いただきたいと思います。
 それから、新幹線の現在の二等車の設備につきましては、確かにまん中にすわっています設備というものにつきましては問題があろうかと思います。今後につきましては、シートについての問題、そのほかいろいろと問題がございますが、まん中の設備につきましては、ひじかけその他につきましても今後研究いたしたいと思います。
#23
○二宮文造君 大臣に最初にお伺いしておきたいと思います。去る二十五日に、閣議決定として、空港整備五カ年計画、この閣議決定を見たようでありますが、
  〔主査退席、副主査着席〕
御承知のように、航空交通の安全の確保、あるいはもう目先に見えております航空機の大型化、高速化、あるいはそれらを含む航空需要の増大、こういうことを踏まえての五カ年計画であろうかと思うのでありますが、この基本的な考え方について大臣からお伺いをしたいと思います。
#24
○国務大臣(原田憲君) 空港整備についての基本的な考え方は、いま二宮さんが前段に申されたことを踏まえて整備をやっていこうということを考えておるのでございます。まず、航空輸送の基盤というものは、何といっても安全性の確保であると考えております。また、これからますます時間というものの中でわれわれが住んでいくということになりますので、定時性の確保ということも根本的な問題であろうと思っております。これらのことを中心としまして、政府は、いまお話しのように、空港整備の五カ年計画――事業費は一千百五十億円でございます――を閣議決定したわけでございます。これをもちまして、この計画の遂行を強力に推進してまいりたいと考えております。
 ついでに申し上げておきますが、いま空港の中で国際空港、これはいまの羽田というものをより充実すると同時に、大阪国際空港、これは万博の関連事業で、大体いまの事業計画を――一〇〇%とまで言いませんが、大体いまの計画を充実さすことができる。なお、新しくいまお話しのような超音速時代に際しましては、新しい成田空港の建設をやる。地方空港につきましては、緊急を要するものにつきましては、滑走路を二千メートル級または千五百メートル級に整備するとともに、エプロン、航空保安施設整備をやっていこう、こういうことを考えておるのでございます。
#25
○二宮文造君 私は主として地方空港についてお伺いをしたいわけですが、私の住んでおります高松空港に例をとりますと、雨とか、あるいは霧とか、雲とか、風とか、そういうものの影響を受けまして、ちょっと調べたところによりますと、一月は予定機数が八百六機の中で就航しましたのが六百六十一機、就航率が八二%、それからまた二月で調べてみますと、予定機数が七百二十八機で就航しましたのが五百九十三機、同じく八一・五%、非常にいわゆる航行不能という機会が多いわけであります。最近は地方のほうも、非常に航空機の利用というのが時間の関係で多くなってまいりまして、四国へ渡る、あるいは四国から本土へ帰る、こういう人たちも非常に不便を感ずるようになってきたわけでありますが、この高松空港の現状というものをどういうふうに改善し、また現状をどう理解されているか、このことについてちょっとお伺いしたい。
#26
○国務大臣(原田憲君) 高松空港という具体的な問題でございますので、事務当局から、政府委員から答弁いたします。
#27
○政府委員(手塚良成君) 高松空港の運航状況につきましては、ただいま先生御指摘のようなデータが現実の姿でございます。昨年一年、四十三年度のいわゆる欠航率というものをとってみますと、私どもの手元のデータでは九・四%という数字になっております。月々によりまして多いときと少ないときがあるようでございますが、平均しますとそういった状態になっております。この欠航率は、お隣の松山空港などが六・三であり、あるいは高知が五%であるというようなものに比較いたしますと、非常に高いようになっております。この高い理由の一つは、高松空港の立地条件によるのでありまして、周辺が御承知のとおりずっと山に囲まれており、現在の千二百メートルの高松空港に離着陸いたしますのに、海のほうから入ってまいって海のほうに出て行くという、狭い航空路を出入りしておるわけでございます。空港には一般的に出入りの可能な最低気象条件というものが設けられておりますが、高松空港については、雲高は千五百フィート、視程が二千四百メートル、こういうことになっております。このいわゆるミニマムという数字は、ほかの空港に比べて非常に高いと言われております。これに類似するといいますか、それと同じようにとっておるのは現状の広島空港でございます。この空港に比べまして、欠航率は依然として高い。この最低気象条件が同じでも、なおかつ高松はいまのように高いといいますのは、さらに気象状態によると思います。この気象状態が、非常に雨その他の条件が多うございまして、この最低気象条件に触れる時期が非常に高いということになっておるわけでございます。現状はそういった姿でございまして、これに対する改善策はどうかというお話でございますが、現状をとりあえず改善するということになりますと、やはり航空保安施設を増設するということが一つ考えられると思います。しかし、今後ふえていきます需要に対応し、先ほども大臣から御答弁のとおりの安全性の確保あるいは定期性の確保をより一そうはかるということを総合的に考えますと、機種等が大型化してきます関係上、滑走路の長さを現状の千二百メートルよりは千五百ないし二千という姿に延長をする必要があるのではないかというふうに考えるわけでございます。この延長いたしますについては、やはり現状の場所のみでは十分ではないのじゃないか、現状の場所で延ばすのがいいのか、あるいは新しい場所を考える必要があるのかという問題になるかと思います。そういう問題につきまして今後検討を十分に重ねて、いまの欠航率を低下させ、並びに今後のそういった需要に対応していくような空港にしなければならぬ、かように考える次第でございます。
#28
○二宮文造君 御承知のとおりでありますけれども、高松空港の利用者をちょっと調べてみますと、四十年におきまして一月から十二月の間に約十五万人、四十一年は十六万三千人、四十二年は十八万七千人、四十三年は二十四万七千人弱と、このように、特に四十二年から四十三年の伸びは三一%になっているわけでございます。おそらく四十四年もとの傾向をたどるのではないか、こう私どもは推測されるわけです。先ほど、四十三年度のいわゆる欠航率といいますか、就航不能の率が九・何%というようなお話でありましたけれども、この一月、二月に関する限りは約二〇%近いわけです。これはやはり、その予定機数がふえてきた、需要者がふえてきた。したがって、このままに放置をしておりますと、利用者が非常に不便を感ずる。おそらく一〇%をこえるようなそういう就航不能のパーセンテージを示すんではないかと、これはもうたいへんなことだと私どもは思うわけです。ですから、将来の問題として、滑走路を千五百メートルから二千メートルに伸ばす、あるいは滑走路の方向を振るというような計画をお持ちのようでありますけれども、さしあたり、目先四十四年ないしはそういう施設が整備されます四十五年の前半、こういうものについては政府としてはどういうふうな手を考えておられるのか、それを確認しておきたいんですけれども。
#29
○政府委員(手塚良成君) この高松空港の調査につきましては、実は四十二年から始めておりまして、昨年も引き続いてやったわけでございますが、本来的な、基本的な考え方といたしまして、現在の場所で滑走路を延長すること、そうしていまの欠航率を少なくする意味の航空保安施設を増置していくというような方向を基本で調査をしておったというのが実情でございますが、地元のいろいろな事情で相当な御反対がありまして、この調査も実は十分に完了をいたしておらないわけでございます。しかしながら、その後、地元、県、市等におかれても、先ほどの先生御指摘の旅客数の増加の傾向等をも十分勘案されまして、今後の大型機、あるいはそれの安全性を確保するという意味で、やはり滑走路の延長が必要であるということをわれわれともども十分理解をされまして、最近におきまして新しい方向に滑走路を振るというようなことの御提案なども私どものほうに参っております。そこで、そういうものを勘案いたしまして、実は四十四年ももう一段と詳細な調査をしたい。その調査結果に基づきまして、ひとつ新しい基本的な方向でこの空港の整備をはかってまいりたい。とりあえずこの保安施設を、たとえばNDBというような無線標識施設を早急につけるという案もございますけれども、いまのように滑走路を振るというような問題が出てまいりますと、その位置が相当にやはり問題になってまいりますので、やはりその振るをどうするかということを前提とした調査を終わった後において、当面またどういう措置をとるべきかという順序になるかと思いますので、早急にそういった調査の完了を待ちたいと、こういう考えでございます。
#30
○二宮文造君 そうしますと、先ほど局長が申された、その気象ミニマムですね、雲高千五百フィート、あるいは見通しが二千四百メートルですか、この条件については、やはり当面はこのまま継続される、こういうことになるんでしょうか。
#31
○政府委員(手塚良成君) 新しい保安施設でいまちょっと触れましたNDB等を現状のままでつけるかどうかということをいたしません限り、当面この最低気象条件は変えられないというふうに考えます。
#32
○二宮文造君 この四十四年度の予算書の中に、航空保安施設の整備の項目に、VOR整備(高松)約一億二千七百万程度予算が組まれておりますが、これは直接高松空港のそういう欠航率を下げるということには影響しないんでしょうか。
#33
○政府委員(手塚良成君) このVORは、高松周辺の上空が非常に航空路といたしてふくそういたしておりますので、このふくそうしておる航空路を飛行いたします航空機の安全性を確保するために設けるVORでございます。したがいまして、高松空港への離発着をより機能的にするという目的のものではございませんので、これがついたからといいまして、いまのミニマムを下げ、欠航率がより少なくなるというような事態にはならない種類のものでございます。
#34
○二宮文造君 では最後に一間。先ほどから申されたいわゆる高松空港の整備の見通し、今年度から本格的に調査をされる、そうして滑走路の延長の問題とか方向の問題を検討される、あわせて保安施設をどこに据えるかという問題も検討される、こういうことで、目途としてはどの辺に置かれてそういう検討を進められるんですか。この目途をお伺いして、質問を終わりにしたいと思います。
#35
○政府委員(手塚良成君) ただいまのところでは、先ほど申し上げましたように、四十二年並びに四十三年にも一部調査をやっておりますので、相当調査は進んでおります。しかし、最近におきまして、その一方に振ったらどうだという話で、その方向なども地元から提示されたものもございますので、それらを加えた調査ということになるわけです。大体四十四年前半ぐらいには私どもの目途としては高松に関する調査を終わりたい。しかし、この調査に続きまして、いろいろまた障害物件その他で派生的な問題が出てくるかと思いますので、一応の目途はそういうふうに置いておりますが、その辺のところはさらに実情に即した調査をやっていかなければならぬかと思っております。で、その調査の終了次第、次の予算の問題、こういうことになるかと思います。前々から懸案の空港でございまして、それであるがゆえに四十二年度からも調査をしておりましたので、できるだけ早いうちにそれは終わりたい、かように考えます。
#36
○二宮文造君 大臣のほうもひとつ行くえを十分に見ていただいて、相当に地元の人あるいは利用者が不便を感じておりますので、よろしく御配慮をお願いしたい、このように思います。
#37
○国務大臣(原田憲君) 御意見に沿いまして、十分検討を進めていきたいと思います。
#38
○秋山長造君 いわゆる過疎地帯におけるバス路線確保の対策という問題でごく簡単にお尋ねをします。もう申すまでもありませんけれども、鉄道からかけ離れたいわゆる僻地、農山村の僻地では、これはもうバスが唯一の交通機関になっておるわけです。御承知のような最近の過疎現象で、人口がどんどん減りますために、やはり利用者も減る。そこで、赤字路線になってしまうことを理由に、バス会社が一方的に休止したり、あるいは間引き運行をやる事例が非常にふえている。で、これに対して運輸省としてどういう対策をお考えになっておるかということについてお尋ねをしたいと思うのです。これはまあバスでなくても、国有鉄道そのものについてもやはり同じような現象で、いわゆる赤字線の対策で苦労をしておられると思いますが、またこのバスの問題は一そう深刻な影響を地域の住民に与えておる。それに対する対策がありましたら、ひとつお答えになってください。
#39
○国務大臣(原田憲君) 秋山委員の御指摘のように、近ごろ非常に過疎問題につきまして問題が大きくなってきております。その中で、過疎地域における輸送機関は、国鉄の赤字路線問題でも問題になっておりますが、それ以上にもう一つ深いところに、バスしかないというところで問題が起きておるわけでございます。これを解決して、乗り合いバス路線を確保して、いわゆる過疎地域における輸送体制というものを確保していくために、政府は新しく、いままでの制度からもう一つ進めまして、特に助成を強化することといたしまして、従来はバスの車両購入費に対する助成をやっておったのでございますが、これに加えまして、公共性の高い赤字路線を運行する事業者に対しまして、その運行費の一部を補助する制度を新設することといたしたのでございまして、予算額といたしましては、車両の購入費補助が二千二百九十万二千円、路線維持費補助四千七百八十万一千円、合計七千七十万三千円を政府原案にいたしております。今後この補助制度の充実につとめますとともに、企業の合理化を推進し、過疎地域におけるバス運行を確保していく方針でございますが、極度に利用者の少ない路線については、その運行が他の路線の利用者に過重の負担をかけていることも考慮して、地元住民の意見を十分聴取し、地方陸上交通審議会の場でその存廃についても慎重に検討する考えでございますが、まずいまの対策といたしましては、今度私は予算折衝をいたします際に、福田大蔵大臣に、特に重要問題としてこの問題を――金額はまことに少ないので、対策として大きく言うのにはどうだろうと御指摘があるかもわかりませんが、特に新しい政策としてこの問題を提起し、大蔵省にこれを承認せしめる、こういうことでございます。
#40
○秋山長造君 いま大臣のおっしゃるとおり、私はこの予算額では、これは運輸省の善意はよくわかりますけれども、なかなか行き渡らぬだろうと思います。今後の努力をお願いしたいと思いますが、この補助金をもらうためにバス会社のほうからいずれ申請が出るだろうと思いますが、そういう場合に、何か審査基準のようなものがあるのかどうかということと、それから、地方陸上交通審議会の議を経た上で、地元住民の意見等も十分聞いて、一方的に打ち切ったり間引いたりということはやらせないというお話ですけれども、これはそのとおり実際現地で行なわれておるのかどうか、そういう点の指導が行き届いておるのかどうか、その点も伺いたい。
 それから、時間もありませんから、もう一つお尋ねしておきますが、これは国のほうはそういうことでわずかながらもこれに対する対策を進めておるということですが、これは国以外に、地方公共団体等でも似たような対策を講じておる例があれば、そういうこともあわせてお答え願いたいと思います。
#41
○国務大臣(原田憲君) 事務的な問題も含んでおりますので、政府委員から詳しく答弁いたさせます。
#42
○政府委員(黒住忠行君) まず、第一点の補助の要件でございますけれども、もちろん補助には要件がございまして、路線維持費補助につきましては、そのおのおのの路線につきまして、唯一のそれが公共交通機関である、それから利用者が少なくて赤字路線になっている、それから一定以上の路線距離がある、そういうことでございまして、具体的には詳しく補助基準をつくって実施をいたしたいと思っております。
 それから、当然これは四十四年度から、事業者のほうから申請を待って決定するわけでございますけれども、それから決定をいたしますが、全国では約二十社前後のものが該当するのではないかというふうに考えております。
 それから、地方の路線につきまして、先ほど大臣からお話がございましたが、地方陸上交通の審議会におきまして、地方のバスについて今後どうしていくかということを具体的に検討をして御審議を願うわけでございまして、それにはどういうふうなものを存続していくか、あるいは廃止する場合におきましても、地方公共団体等と十分話し合いをいたしまして決定をいたしていきたい。さような意味で、地方の審議会でもって御審議願うというふうに考えております。
 それから、先ほどの補助でございますが、同額のものを地方公共団体からも出していただくことになっておりまして、具体的なやり方につきましては、現在自治省と話し合いを進めております。
 それから、さらに、今回の対象にならない路線につきましても、先ほど申し上げましたように、地方の交通の審議会等で話し合いが出まして、また県あるいは市町村におきましても、どうしても存続したいというふうなものにつきましては、補助の方法等も検討していただきたいというふうに思っております。
#43
○秋山長造君 ちょっと重ねてもう一点だけお伺いします。
 いまの、運輸省のほうから補助が出る、それと同額を地方の地方公共団体のほうでも負担させる、この方法について御検討中と、こういうことですね。これは地方というのは、県ですか、市町村ですか、その点。
 それから、地方陸上交通審議会というのは、どういう構成になっておるのか私は知りませんが、これにかけなければ、一方的に路線を休止したり間引いたりすることはできないという規則になっておるのかどうか。そういうものにかけずに、ただ一方的にやめてしまう――やめるというても、権利だけは確保しておくのですね、ただバスの実際の運行をとめるわけですね、そういう点はどうなのか。それから、やはりこれがもう唯一の輸送機関ですからね、会社のほうは非常にやっぱり農山村へ行くと権威を持っているわけですね。だから、地元民がぐずぐず言うても、もう文句があれば採算のとれるようにしてくれ、こう言われると、もう何にも言えぬわけなんですね。そこらを、さっき運輸大臣が言われるように、休んだり間引いたりするときには、地元民の利用者の意見をも十分聞く、要望も十分聞く、それで納得づくでということを口では言われるけれども、実際にはなかなかできにくいんじゃないかと思いますので、それらの点をもう一度聞かしておいてください。
#44
○政府委員(黒住忠行君) 先ほど申し上げました補助の場合におきましては、原則として県でございます。それから、地方陸上交通審議会では、その地域におきまして、過疎地域のバス問題をどうしようかという、全体的な方針について話をしていただく、協議をしていただくというふうに考えております。その構成は、関係の官庁、それから利用者の代表、それから業界の代表というような構成でもって審議をしていただくというふうに考えております。
#45
○秋山長造君 これは県単位でやるのですか。
#46
○政府委員(黒住忠行君) これは各陸運局単位で、ブロック単位に置くものでございます。
 それから、いまの御質問の中で、具体的な問題になりますというと、これは廃止、休止の場合には当然許可を要するわけでございまして、陸運局で許可いたします場合におきましても、地方の住民、公共団体等の意見を十分聞きまして、唯一の交通機関として存続する必要があるかどうかというふうな点につきましては、慎重に検討いたしまして処理いたす考え方でございます。
#47
○副主査(西村尚治君) 他に御発言もなければ、運輸省所管に関する質疑は終了したものと認めます。
  〔副主査退席、主査着席〕
#48
○主査(秋山長造君) 以上をもちまして本分科会担当事項であります昭和四十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係予算中農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管に対する質疑は終了いたしました。
 これをもって本分科会の審査を終了いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○主査(秋山長造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて散会いたします。
   午前十一時三十二分散会〔参照〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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