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#1
第061回国会 予算委員会 第2号
昭和四十四年二月一日(土曜日)
   午前十一時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     内藤誉三郎君     米田 正文君
     三木 忠雄君     多田 省吾君
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     堀本 宜実君     内藤誉三郎君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     柴田  栄君     中村喜四郎君
     西田 信一君     西村 尚治君
     前田佳都男君     鬼丸 勝之君
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     岡本  悟君     柴田  栄君
     鹿島 俊雄君     西田 信一君
     山本茂一郎君     小枝 一雄君
 二月一日
    辞任         補欠選任
     大谷藤之助君     岡本  悟君
     田村 賢作君     岩動 道行君
     中村喜四郎君     山内 一郎君
     田中寿美子君     木村美智男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         塩見 俊二君
    理 事
                江藤  智君
                栗原 祐幸君
                小林  章君
                米田 正文君
                秋山 長造君
                山本伊三郎君
                二宮 文造君
                片山 武夫君
    委 員
                岩動 道行君
                岡木  悟君
                鬼丸 勝之君
                梶原 茂嘉君
                川上 為治君
                小枝 一雄君
                小山邦太郎君
                郡  祐一君
                佐藤 一郎君
                柴田  栄君
                白井  勇君
                杉原 荒太君
                内藤誉三郎君
                西村 尚治君
                増原 恵吉君
                山内 一郎君
                川村 清一君
                木村美智男君
                竹田 現照君
                中村 波男君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                森中 守義君
                鈴木 一弘君
                多田 省吾君
                矢追 秀彦君
                萩原幽香子君
                岩間 正男君
                市川 房枝君
   国務大臣
       内閣総理大臣   佐藤 榮作君
       法 務 大 臣  西郷吉之助君
       外 務 大 臣  愛知 揆一君
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
       文 部 大 臣  坂田 道太君
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
       農 林 大 臣  長谷川四郎君
       通商産業大臣   大平 正芳君
       運 輸 大 臣  原田  憲君
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
       労 働 大 臣  原 健三郎君
       建 設 大 臣  坪川 信三君
       自 治 大 臣  野田 武夫君
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
       国 務 大 臣  有田 喜一君
       国 務 大 臣  菅野和太郎君
       国 務 大 臣  木内 四郎君
       国 務 大 臣  床次 徳二君
       国 務 大 臣  保利  茂君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局長       赤澤 璋一君
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       大蔵省主計局長  鳩山威一郎君
       大蔵省主税局長  吉國 二郎君
       大蔵省理財局長  青山  俊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○昭和四十四年度一般会計予算(内閣送付、予備
 審査)
○昭和四十四年度特別会計予算(内閣送付、予備
 審査)
○昭和四十四年度政府関係機関予算(内閣送付、
 予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(塩見俊二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についておはかりをいたします。
 理事三名が欠員になっておりますので、その補欠選任を行ないます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に内田芳郎君、小林章君、米田正文君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(塩見俊二君) 次に、昭和四十四年度一般会計予算、昭和四十四年度特別会計予算、昭和四十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、福田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取いたします。福田大蔵大臣。
#5
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度予算の基本方針及びその大綱につきましては、先日、本会議において申し述べたところでありまするが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、あらためてその概要を御説明いたします。
 昭和四十四年度の予算の編成に当たりましては、先日の財政演説において申し述べましたとおり、わが国経済の持続的成長を達成すること、物価の安定につとめること並びに経済の国際化に応ずる体制を確立することを眼目といたしました。
 その特色とするところは、次の諸点であります。
 第一に、公債を伴う財政の景気調整機能を発揮させるとともに、財政体質の改善をはかるため、公債発行額を縮減して一般会計の公債依存度を引き下げました。
 第二に、国民負担の軽減をはかるため、所得税及び住民税等の減税を行ないました。
 第三に、物価の安定につきまして、格段の配慮を加え、公共料金の引き上げは、国鉄運賃を除き、極力抑制することといたしております。
 第四に、四十三年度に引き続き総合予算主義の原則を堅持するとともに、歳出内容について、限りある財源の適正かつ効率的な配分につとめ、国民福祉向上のための諸施策を推進いたしました。
 以上により編成されました昭和四十四年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも六兆七千三百九十五億円でありまして、四十三年度予算に対し九千一百十億円、伸び率にして一五・八%の増加となっております。
 また、財政投融資計画の総額は、三兆七百七十億円でありまして、四十三年度当初計画に対し、三千七百八十億円、伸び率にして一四%の増加となっております。
 まず、一般会計を中心にその概要について御説明申し上げます。
 歳入予算の総額六兆七千三百九十工億円の内訳は、租税及び印紙収入五兆七千三百八十一億円、税外収入四千八百四十億円、公債金四千九百億円及び前年度剰余金を入れて二百七十四億円となっております。
 歳入予算のうち租税及び印紙収入について申し上げます。
 昭和四十四年度税制正改におきましては、最近における国民負担の状況に顧み、所得税の負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げ、給与所得控除の適用範囲の拡大、税率の緩和等により平年度千人百二十五億円程度の減税を行なうことといたしますとともに、当面の経済・社会情勢に即応して、住宅及び土地対策の拡充合理化、公害対策の促進、原子力発電の推進、中小企業の構造改善等に資するため所要の措置を講ずるほか、交際費課税を強化することといたしております。
 これによる昭和四十四年度の減収額は、千五百三億円となる見込みでありまして、これを税制改正前における収入見込み額五兆八千八百八十四億円から差し引いた五兆七千三百八十一億円を昭和四十四年度の租税及び印紙収入予算額とした次第であります。これは、昭和四十三年度予算に対し一兆四百三億円の増加となっております。
 税外収入四千八百四十億円は、昭和四十三年度予算に対し、五百五十億円の増加となっております。
 次に、公債金四千九百億円は、財政法第四条第一項ただし書きの規定により公共事業費、出資金及び貸し付け金の財源に充てるため発行する公債による収入でありまして、四十四年度におきましては、財政体質の改善をはかる見地から、四十三年度予算に比べ千五百億円を減額したものであります。
 前年度剰余金受け入れ二百七十四億円は、四十二年度に新たに生じた剰余金を受け入れるものであります。
 次に、歳出の主な経費につきまして、順次、御説明申し上げます。
 社会保障関係費といたしましては、総額九千四百七十億円を計上し、施策の充実をはかっております。
 すなわち、生活扶助基準を一三%引き上げるほか、児童保護、老人福祉、母子対策、身体障害者対策等を推進することといたしております。
 また、年金制度につきましては、二万円年金の実現を期することとして、所要の改善をはかることといたしますとともに、福祉年令につきましては、年金額の引き上げ、夫婦受給制限の撤廃、本人及び扶養義務者の所得制限緩和を行なうこととしております。
 このほか、保健衛生対策、失業対策にも十分な配慮を加えております。
 文教及び科学振興費といたしましては、総額八千五十八億円を計上いたしております。
 初等中等教育につきましては、義務教育諸学校教職員の定数を改善して教育の充実をはかるほか、教材費の計画的拡充、公立文教施設の整備等を進めることといたしております。また、特殊教育につきましては、特殊学級の増設を行なうほか、養護学校の新設等のための経費を計上いたしまして、心身障害児教育の充実に配慮しております。そのほか、私立学校教育の助成等教育の振興にも配意いたしております。
 科学技術の振興につきましては、時代の要請にこたえて、新しい動力炉の開発をはじめとして、大型工業技術の開発、宇宙開発、原子力船の開発、海洋開発等を推進することといたしております。
 国債費につきましては、国債の償還及び利子の支払い等に要する財源を国債整理基金特別会計に繰り入れるため、二千七百八十八億円を計上しております。
 恩給関係費につきましては、恩給金額の改定等の措置を講ずることとし、二千六百七十七億円を計上いたしております。
 次に、地方財政について申し述べます。
 まず、地方交付税交付金といたしましては、四十三年度予算に対し、二千四百十億円増の一兆三千三百三十三億円を計上いたしておりますが、この算定に当たりましては、国、地方を通ずる財政運営の円滑化をはかるとともに、地方交付税の年度間調整をも考慮しつつ、法定額から六百九十億円を減額いたしております。
 このほか、地方財政におきましては、地方税等の歳入の大幅な増加が見込まれるのでありますが、現下の経済情勢に対応する財政運営のあり方にかんがみ、国と同一の基調により重点主義に徹し、節度ある運営を行ない、将来に備えて、その一そうの健全化をはかることを期待するものであります。
 防衛関係費につきましては、四十四年度予算において、四千八百三十八億円を計上し、国力に応じた防衛力の充実につとめるとともに、基地対策の充実をはかっております。
 公共事業関係費につきましては、国民生活の環境を整備し、国力発展の基盤を培養して、わが国経済の均衡ある発展を確保するため、特段の配慮を加えて一兆二千六十四億円を計上いたしております。
 治山、治水事業につきましては、河川事業に重点を置いて国土保全の強化をはかっております。
 道路整備事業につきましては、明年に迫った万国博覧会関連事業、交通安全対策事業等に配慮するほか、国道の整備、都道府県道の舗装につき、特に重点的に予算の配分を行なっております。
 また、日本道路公団等道路三公団の有料道路事業の拡充をはかっております。
 港湾、漁港、空港の整備につきましても、その推進を期しておりますが、このうち漁港整備につきましては、新たに四十四年度を初年度とする第四次漁港整備計画を策定することといたしております。
 住宅対策につきましては、住宅建設五カ年計画の線に沿って政府施策住宅の建設の拡充をはかることといたしまして、四十四年度におきましては、政府施策住宅五十七万三千戸を建設することといたしております。
 生活環境施設の整備につきましては、下水道、公園、緑地、清掃施設などの拡充をはかることといたしております。
 なお、日本国有鉄道におきましては、通勤輸送の混雑緩和と過密ダイヤの解消、新幹線の建設等につとめることといたしております。また、日本電信電話公社におきましても、引き続き施設の整備を推進することといたしております。
 貿易の振興と経済協力の推進の面におきましても、重点的に施策の拡充をはかることといたしております。
 まず、貿易の振興につきましては、日本輸出入銀行に三千四百五十五億円の財政資金を投入することにより、貸し付け規模の拡大をはかっております。
 また、明年に迫った万国博覧会につきましては、所要の財源を計上して、会場の建設及び政府出展施設の整備並びに運営を行なうことといたしております。
 次に、対外経済協力につきましては、海外経済協力基金に多額の財政資金を投入して、その事業規模を拡大するとともに、各種の技術協力、南ベトナム難民住宅の建設等につき配慮を加えております。
 海運対策費といたしましては、外航海運について、四十四年度から四十九年度までの新たな海運振興施策のための助成措置を講ずること等により、四十四年度においては、一般会計において百五十二億円を計上するほか、日本開発銀行からの融資を予定しております。
 中小企業対策につきましては、その高度化、近代化等を引き続き積極的に推進することとし、各般の施策を総合的に推進することとしております。すなわち、中小企業振興事業団の事業規模を大幅に拡大いたしますほか、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の貸し付け規模を前年度に対して一八%増といたしております。
 四十四年度の農林漁業関係予算におきましては、農林漁業の生産性の向上と農林漁業従事者の所得の安定向上をはかるため、各般の施策を推進することといたしております。
 特に、農業につきましては、総合農政の推進をはかることとし、需要の動向に即応した農産物の安定的供給を確保するため、米管理の改善をはかる一方、農業の生産性向上と選択的拡大及び農家所得の安定向上をはかるために、各般の施策を総合的に展開することといたしております。
 なお、漁業者に対する資金融通を円滑化するため、新たに漁業近代化資金融通制度を創設することといたしました。
 米価につきましては、最近の米の需給事情を勘案し、生産者米価及び消費者米価を据え置く方針をとることとする等により、一般会計から食糧管理特別会計へ繰り入れる額を前年度に比べて五百三十七億円増加し、三千一億円といたしております。
 産業投資特別会計におきましては、日本輸出入銀行に対する出資をはじめとして、総額八百八十五億円の出資を行なうこととし、これに要する財源の一部に充てるため、七百八十一億円を一般会計から同特別会計へ繰り入れることといたしております。
 沖縄住民の安寧と福祉及び沖縄における経済開発の増進に資するため、沖縄に対する援助を大幅に増強することといたしております。
 四十四年度予算におきましては、公務員給与の改善に備えて、公務員給与を七月から五%引き上げるための所要額を当該各項の給与費に計上いたしております。
 予備費につきましては、災害復旧等予見しがたい予算の不足に充てるため、九百億円を計上いたしております。
 以上、主として一般会計予算について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、資金の重点的配分と経費の効率的使用につとめ、事業の円滑な遂行を期することといたしております。
 なお、糸価安定特別会計を廃止するとともに、国有財産特殊整理資金特別会計を改組し、特定国有財産整備特別会計(仮称)とすることといたしました。
 財政投融資につきましては、以上それぞれの項目において御説明いたしましたところでありますが、その原資といたしましては、出資原資として産業投資特別会計出資八百八十五億円、融資原資として資金運用部資金二兆九百三十九億円及び簡保資金三千二百億円を見込むほか、公募債借り入れ金等五千七百四十六億円を予定いたしております。
 その運用の内容につきましては、住宅の建設、中小企業金融の充実及び輸出の振興に重点を置くとともに、鉄道、道路等の社会資本の強化及び公害防止等、生活環境施設の整備に特に配意いたしております。
 以上、昭和四十四年度予算につきまして、その概要を御説明いたしましたが、このほか、予算に対する国民の理解をより得やすくするとともに、機械化の時代に対応し得るよう、予算書の様式に改善を加えました。
 なお、詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同いただきたいと存じます。
#6
○委員長(塩見俊二君) ただいまの福田大蔵大臣の説明に関し、政府委員から順次補足説明を聴取いたします。鳩山主計局長。
#7
○政府委員(鳩山威一郎君) 昭和四十四年度予算の概要につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしましたとおりでございますが、なお、細部にわたる点につきまして、補足して御説明申し上げます。
 お手元に「昭和四十四年度予算の説明」がお配りしてございますので、それを参照をお願いいたします。
 一般会計予算の国民総生産に対しまする比率は、四十四年度予算では一一・六%でございます。
 これは、今回の経済見通しによる四十三年度の国民総生産実績見込みに対する四十三年度当初予算の比率、一一・五%とほぼ同水準でございますが、さらに、四十三年度予算編成時におきます国民総生産の見込みに対する比率が一二・二%であったことに比べますと、低下いたしております。
 また、一般会計のほか、特別会計、政府関係機関、財政投融資及び地方財政をも含めた国民所得計算上の政府財貨サービス購入の増加率は、四十三年度に対し、一二・三%でございまして、経済成長率一四・四%を下回るものとなっております。
 昭和四十四年度の予算規模に占めます公債収入の割合は、七・二%となっておりますが、これは、四十三年度予算の一〇・九%を大きく下回るものであり、財政体質の健全化に資するものでございます。
 歳入につきまして申し上げます。
 税外収入の四千八百四十億円の内訳は、専売納付金二千四百五十九億円、官業益金及び官業収入二十八億円、政府資産整理収入百八十八億円、雑収入二千百六十五億円となっております。
 政府資産整理収入が、四十三年度予算に対し、三十一億円の減少となっておりますが、減少のおもな理由は、国有財産特殊整理資金特別会計が、特定国有財産整備特別会計(仮称)に改組ざれることに伴うものでございます。
 なお、雑収入のうちおもなものは、日本銀行納付金千二十五億円、懲罰及び没収金三百十五億円などであります。
 財政法第四条第一項ただし書き及び同条第三項の規定によります公債発行の対象となる経費の全額は、一兆三百八十八億円であります。これと公債発行額四千九百億円との差は、五千四百八十八億円でありまして、四十三年度予算の二千五百七十五億円に比べますと大きく増加しておりますが、これは、公債発行対象経費にできるだけ多くの一般財源を充当し、経済情勢に即応して公債政策の健全な運用をはかろうとする趣旨によるものであります。
 前年度剰余金受け入れ二百七十四億円は、四十二年度決算の結果新たに生じた剰余金でございます。このうち三十一億円は、地方交付税財源に、十四億円は道路整備費の財源にそれぞれ充てられ、これを差し引いた残額の二分の一相当額百十四億円は、財政法第六条の規定により、国債償還の財源として国債整理基金特別会計に繰り入れることとしております。
 次に歳出について申し上げます。
 社会保障関係費の九千四百七十億円は、四十三年度予算に対し千三百十三億円、一六・一%の増加となっております。
 生活保護のうち、生活扶助基準の改定は一三%でありますが、東京都の標準四人世帯を例にとりますと、生活扶助のための支給額は、月額二万六千五百円から二万九千九百四十五円に増額されることになります。
 厚生年金につきましては、四十四年十一月から、定額部分を六〇%引き上げる等の改善を行なうことによりまして、二万円年金の実現を期しております。
 また、拠出制国民年金につきましても、四十五年七月以降所要の改善を行なうことといたしております。
 福祉年金につきましては、老齢福祉年金を月額千七百円から千八百円に、障害福祉年金を月額二千七百円から二千九百円に、母子福祉年金を月額二千二百円から二千四百円に、それぞれ引き上げることといたしております。
 文教及び科学振興費八千五十八億円は、四十三年度予算に対し千三十三億円、一四・七%の増加となっております。
 公立文教施設につきましては、人口の社会増地域における学校施設を確保するため、事業量の大幅な増加をはかることといたしますほか、単価の引き上げ、構造比率の改善等により、校舎、屋内運動場等、教育施設の一そうの充実をはかることといたしております。
 科学技術の振興につきましては、特に重点を置くことといたしており、動力炉の開発については四十三年度の五十八億円から百三十八億円に、大型工業技術の開発については三十九億円から四十七億円に、それぞれ増計上しております。また、宇宙開発につきましては、新たにその中核的機関として、宇宙開発事業団(仮称)を設立して、効率的開発を推進することとし、四十三年度宇宙関係予算の四十二億円を六十一億円に増額計上しております。
 国債費二千七百八十八億円の内訳は、国債償還費千二百十九億円、国債利子等千五百三十二億円、国債事務取扱費三十七億円でありまして、前年度予算に対し七百七十六億円の増加となっております。
 公共事業関係費といたしましては、四十一億円の特別失業対策事業費を含めて一兆二千六十四億円を計上しておりますが、これは、四十三年度予算に対し千三百六十二億円、一二・七%の増加となります。また、災害関係を除いた一般公共事業関係費の四十三年度予算に対する伸びは、一五・三%であります。
 なお、公営住宅の用地費につきましては、四十四年度から、補助の対象からはずし、地方債によって所要の財源措置を講ずることとしておりますが、同時に、これに伴って家賃が変動することを避けるため、地方公共団体に対し、一般会計から家賃収入補助を行なうこととしております。
 四十四年度予算における一般会計の住宅対策費の伸び率は、一三・三%でありますが、四十三年度予算から公営住宅用地費補助額を控除して、住宅対策費の実質増減で見ますと、三三・九%の増加になります。
 日本国有鉄道につきましては、工事規模を三千八百十九億円とし、財政投融資を二千六百四十億円から二千九百億円に増額しております。
 また、日本国有鉄道の財政の再建に資するため、所要の運賃改定を行なうほか、新たに日本国有鉄道財政再建債として、資金運用部から優遇貸し付けを行なうこととし、その利子の全額を一般会計から日本国有鉄道に補給することといたしております。
 一般会計の貿易振興及び経済協力費としては、九百五十五億円を計上しております。これは、前年度に対して百三十一億円、一五・九%の増加であります。
 日本輸出入銀行につきましては、産業投資特別会計からの出資を前年度の四百八十億円から六百三十五億円に、資金運用部からの融資を二千百五十億円から二千八百二十億円に、それぞれ大幅に増額することにより、その貸し付け規模を三千三百五十億円から三千七百四十億円に拡大しております。
 万国博覧会関係としては、百二十億円を計上しておりますが、その内訳は、万国博覧会事業費二百九億円に対する補助金七十一億円、政府出展施設整備費四十一億円、政府出展施設運営費六億円等々となっております。
 海外経済協力基金につきましては、事業規模を、前年度予算の四百四十億円から五百七十億円へ大幅に拡大することといたしまして、これに必要な財源として、一般会計出資二百二十四億円、資金運用部資金融資二百七十六億円を計上しております。
 中小企業振興事業団につきましては、一般会計からの出資額を四十三年度の百五十八億円から二百六億円へ増額する等によりまして、融資規模を大幅に拡充しております。中でも、工場、店舗の集団化等のための一般高度化資金を飛躍的に拡充しております。そのほか、繊維工業の構造改善についても、新たにメリヤス製造業、染色整理業を融資対象に加えることとしております。
 国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の政府関係中小金融三機関に対する財政投融資計画額は三千九百七十億円でありますが、その内訳は、国民金融公庫千人百八十億円、中小企業金融公庫千九百九十億円、商工組合中央金庫百億円となっております。
 中小企業信用保険公庫への出資金は百五億円を計上しておりますが、その内訳は、保険準備基金四十億円、融資基金六十五億円であります。
 農林漁業関係につきましては、特に総合農政の推進をはかるため、各般の施策を総合的に展開していることを、ただいま大臣が申し上げましたが、なお補足いたしますと次のとおりでございます。
 農業基盤整備については、新規の開田を抑制するとともに、畑作振興事業、草地改良、圃場整備、農場整備等を拡充することとして、千六百二十三億円を計上しております。
 次に、各種農産物の生産対策として、畜産対策、園芸、特産農産物及び養蚕対策等を重点的に推進するほか、稲作転換対策等米作の合理化のための施策を推進することとしております。
 また、農業構造の改善を推進するため、四十四年度において、現在の農業構造改善事業の残地区を全部採択するほか、新たに第二次農業構造改善事業に着手することとしております。
 さらに、農林漁業金融におきましては、農林漁業金融公庫の融資ワクを千八百億円から二千二十億円に拡大するとともに、農業近代化資金の融資ワクの限度を一千億円から三千億円へと飛躍的に拡充することとしております。
 このほか、農産物の流通改善及び消費者対策の充実並びに農山村対策の充実等についても、特段の配慮を行なっております。
 特別会計及び政府関係機関につきましては、一般会計の関連する項目において、それぞれ御説明いたしましたので、説明を省略させていただきます。
 以上によりまして御説明を終わります。
#8
○委員長(塩見俊二君) 次に、吉國主税局長より説明を聴取いたします。主税局長。
#9
○政府委員(吉國二郎君) 昭和四十四年度予算の概要につきまして、大蔵大臣の提案理由説明を補足して、細部にわたる点につき御説明申し上げます。
 昭和四十四年度の一般会計歳入予算額六兆七千三百九十五億七千四百万円のうち、租税及び印紙収入予算額は、五兆七千三百八十一億二千四百万円となっております。これは、昭和四十三年度一般会計租税及び印紙収入予算額四兆六千九百七十八億五千二百万円に対しまして、一兆四百二億七千二百万円、二二・一%の増加となっております。また、一般会計歳入予算額の全体に占める租税及び印紙収入予算額の割合は、昭和四十三年度予算における八〇・七%に対しまして、昭和四十四年度予算におきましては八五・一%へと上昇しており、それだけ一般会計予算における公債依存度の引き下げに寄与するところとなっているわけでございます。
 この租税及び印紙収入予算額は、昭和四十三年度予算額に昭和四十四年度の自然増収見込み額一兆一千九百五億七千八百万円を加算した収入見込み額五兆八千八百八十四億三千万円を基礎といたしております。この収入見込み額から、昭和四十四年度の税制改正におきまして所得税減税、租税特別措置の拡充等が行なわれることによる減収額千五百三十八億四千二百万円を差し引き、これに既存の租税特別措置の整理合理化による増収見込み額三十五億三千六百万円を加えたものを、昭和四十四年度の一般会計租税及び印紙収入予算額としておるわけでございます。
 なお、この一般会計における予算額に、交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となる地方道路税、石油ガス税(譲与分)及び特別とん税の予算額九百十二億三千万円と、石炭対策特別会計の歳入となる原重油関税の予算額七百四十四億一千百万円とを合わせますと、昭和四十四年度の国の租税及び印紙収入予算額の総額は五兆九千三十七億六千五百万円となっております。
 以上、昭和四十四年度の租税及び印紙収入予算額について申し上げましたが、次に、その内容につきまして若干の御説明を申し上げたいと思います。
 まず、昭和四十四年度の収入見込み額の基礎となっておりますところの自然増収額の見積もりについて申し上げます。この見積もり額は、昭和四十四年度の政府経済見通しを基礎とし、最近までの課税及び収入状況等を考慮して見込んだものでございます。
 わが国の経済は、昭和四十三年度当初以来、予想を上回る拡大基調をもって推移してきております。昭和四十四年度におきましては、国際経済の先行き等は必ずしも楽観を許さないものが見られるのではありますが、国内経済といたしましては、四十三年度に引き続きかなりの拡大基調を続けるものと予想されております。すなわち、個人消費支出、民間企業設備投資、民間住宅建設等の根強い増勢にささえられて、国民総生産の成長率は名目一四・四%程度、鉱工業生産は一五・五%程度の伸びが見込まれているところであります。
 このような経済の拡大基調のもとにおきましては、租税収入も、所得税、法人税、物品税などを中心として相応の増収が見込まれるのでありまして、これを各税日ごとに積算し、合計一兆一千九百五億七千八百万円の自然増収額を見込んでいる次第であります。このように自然増収見込額が一兆円をこえるのは初めてのことであり、また、これの昭和四十三年度予算額に対する伸びも二五・三%と、かなりの増加率を示しております。
 なお、この自然増収額の中では、所得税が五千八百五十工億二千百万円で四九・二%と、ほぼ全体の半分を占め、また、法人税が三千八百七億二千百万円で三二・〇%となっており、この両者で、全体の自然増収額の八一・二%を占めることとなると見込んでおります。
 昭和四十三年度予算額に対して以上の増収見込額を加算いたしました五兆八千八百八十四億三千万円が、一応、昭和四十四年度税収見込額となるのでございますが、これを前提として昭和四十四年度の税制改正が行なわれるわけであります。
 今回の税制改正におきましては、最近における国民の税負担の状況にかんがみ、中小所得者の負担軽減を主眼として、平年度一千八百二十五億円にのぼる大幅な所得税減税を行なうとともに、当面の経済、社会情勢に即応して、租税特別措置の整備合理化、土地対策の推進、納税者の権利救済制度の改善をはかることといたしております。
 なお、昭和四十四年度におきましては、地方税につきましても、住民税を中心に負担の軽減が行なわれることとなっておりまして、昭和四十四年度の税制改正による減税額は、国税、地方税を通じて平年度二千六百億円を上回る見込みであります。
 以下、国税について税制改正の大要を述べれば、次のとおりであります。
 第一は、所得税の減税であります。
 所得税につきましては、まず、中小所得者の所得税負担の軽減をはかるため、基礎控除及び配偶者控除をそれぞれ一万円、扶養控除を二万円引き上げることといたしております。これにより、夫婦子三人の給与所得者の課税最低限は、約十万円程度引き上げられることとなります。
 次に、中堅所得者層における所得税負担の累増を緩和するため、給与所得控除の定率控除の適用範囲を、従来の百十万円から三百十万円にまで大幅に引き上げることといたしております。
 さらに、今回の改正におきましては、以上のような課税最低限の引き上げ及び給与所得控除の適用範囲の拡大と関連し、十数年来、基本的な見直しの行なわれてきていない税率構造につき、主として中堅以下の所得者層の負担軽減をはかるため、かなりの緩和措置を講じることといたしております。
 このほか、障害者控除、寡婦控除等の引き上げにも配慮いたしております。
 これらの措置によりまして、所得税の減税は平年度一千八百二十五億四百万円、初年度一千五百三億六百万円となる見込みでございます。
 次は、租税特別措置等の拡充と合理化であります。
 まず、租税特別措置等の新設、拡充でありますが、これにつきましては、住宅貯蓄控除制度の改善等により、住宅対策の拡充につとめ、公害防止施設の特別償却制度の適用範囲の拡大等により公害対策の促進をはかり、原子力発電の推進のために原子力発電工事償却準備金制度の創設等の措置を講じ、中小企業構造改善計画を作成実施する中小企業者について、五年間二分の一割り増し償却制度等の課税の特例を認めるなど、中小企業の構造改善のために配慮を加えることといたしておりまして、これらによる減税額は、四十四年度において三十五億三千六百万円と見込まれております。これに対しまして、既存の租税特別措置につきましては、その整理合理化につとめることとし、交際費の損金不算入割合の引き上げによる課税の強化をはかるなどの措置を講じることといたしておりまして、これらの措置の全体を通じて、租税特別措置等の整備合理化による増減収額は生じないこととなる見込みでございます。
 なお、以上のほか、昭和四十四年度の税制改正におきましては、土地税制につきまして、土地の供給の促進と投機的取得の抑制をはかるため、土地の譲渡益に対する課税につき、分離課税方式を導入する等画期的な改善措置を講じ、土地問題の解決に資することといたしております。また、そのほか、納税者の権利を救済するための制度の改善をはかるべく、納税者の不服申し立て制度を中心として、国税通則法につき所要の改正を行なうことといたしております。
 以上のような税制改正の結果、先ほど申し上げましたとおり、昭和四十四年度におきましては、所得税を中心に一千五百三十八億四千二百万円の減税が行なわれる一方、租税特別措置の整理合理化により三十五億三千六百万円の増収が生じることになり、差し引きいたしまして、一般会計租税及び印紙収入では一千五百三億六百万円の減税となるものと見込まれるわけであります。これを、さきに申し上げました昭和四十四年度についての税制改正前の収人見込額五兆八千八百八十四億三千万円から控除いたしました五兆七千三百八十一積二千四百万円が、昭和四十四年度租税及び印紙収入予算額となっているわけであります。
 昭和四十四年度の租税及び印紙収入予算額の中では、所得税が一兆九千五億七千二百万円となっており、法人税の一兆八千五百八十億三千百万円を上回って、最大の税目となっております。昭和四十三年度予算におきましては、所得税は法人税をわずかながら下回っていたのでありますが、四十四年度におきましては、一千五百三億円余の減税後におきましても二九・七%と、三割近い増加を示して、法人税をこえることとなっているのでございます。法人税は、昭和四十四年度においでは所得税を下回ることとなってはおりますが、昭和四十三年度予算額に対しては二五・八%と、全体の平均をかなり上回る伸びを示しております。
 このような結果といたしまして、昭和四十四年度におきましては、国税収入の直接税と間接税等との割合では、直接税の割合が若干上昇するところとなっております。すなわち、国税収入全体に占める直接税の割合は、昭和四十三年度予算における五九・七%から六二・七%へと上昇するものと見込まれます。
 以上に述べました租税及び印紙収入予算額を基礎として国民所得に対する租税負担率を見てまいりますと、国税につきましては、一三・四%程度となるものと見込まれます。地方税につきましては、収入見込額は必ずしもなお確定していないのでありますが、一応の推算をいたしますと、六・三%程度と見込まれ、国税、地方税合計では一九・七%の負担率となり、四十三年度の見込みでの負担率一九・三%を〇四%程度上回ることになるものと考えられます。
 わが国の租税負担率は、昭和三十年代において逐次上昇を続けて、ほぼ二〇%に達していたのでありますが、昭和四十年の不況に際して税収の伸び悩みの中で景気振興のため大幅な減税が行なわれたため、昭和四十一年度には、一時一八%台に低下するところとなり、その後、経済の順調な回復と拡大とともに租税収入も逐次増大し、負担率も再びなだらかな上昇に転じているというのがわが国の租税負担水準の現状であると考えられます。
 なお、先ほど申し上げました昭和四十四年度の租税負担率一九・七%は、来年度におきまして国税、地方税合わせて二千三百億円余の減税を行なうこととして算出される負担率でありましで、このような負担の軽減が行なわれない場合には、二〇・二形程度の負担率となるものと見込まれる次第でございます。
 以上をもちまして昭和四十四年度の租税及び印紙収入予算の補足説明といたします。
#10
○委員長(塩見俊二君) 次に、青山理財局長から説明を聴取いたします。青山理財局長。
#11
○政府委員(青山俊君) 昭和四十四年度財政投融資計画及び財政資金の対民間収支見込みについて補足説明を申し上げます。
 昭和四十四年度の財政投融資計画は総額三兆七百七十億円でありまして、これを四十三年度当初計画額二兆六千九百九十億円と比較いたしますと、三千七百八十億円の増加となっており、その伸び率は一四%でございます。この計画の策定にあたりましては、現在のわが国経済の状況に照らし、その規模を適度のものにとどめるとともに、限られた資金の効率的配分に留意いたした次第でございます。
 最初に、原資について御説明申し上げます。
 まず、産業投資特別会計出資は、八百八十五億円を計上し、四十三年度当初計画額六百八十九億円に対し、百九十六億円の増加となっております。
 次に、資金運用部資金は、四十三年度当初計画額に対し、三千二十一億円増の二兆九百三十九億円を見込んでおります。
 このうち、郵便貯金につきましては、四十三年度当初計画額に対し、一千八百億円増の九千八百億円、厚生年金につきましては一千四十七億円増の六千百六十四億円、国民年金につきましては二百十三億円増の一千百三十七億円をそれぞれ見込んでおります。
 次に、簡保資金につきましては、四十三年度当初計画額に対し、五百四十億円増の三千二百億円を予定いたしております。
 また、公募債借り入れ金等につきましては、四十三年度当初計画額に対し二十三億円増の五千七百四十六億円となっております。
 このうち政府保証債及び公募地方債につきましては、前年度と同額の三千六百億円及び六百二十億円をそれぞれ計上しており、また、借り入れ金につきましては一千四百六十八億円、外貨債等につきましては五十八億円を見込んでおります。
 以上の原資を合計いたしますと、三兆七百七十億円となるわけでございます。
 この原資をもちまして、四十四年度の財政投融資の運用を行なうのでありますが、先ほど大蔵大臣からも御説明申し上げましたように、四十四年度におきましては、特に、住宅の建設、中小企業金融の充実及び輸出の振興に重点を置くとともに、鉄道、道路等の社会資本の強化及び公害防止等生活環境施設の整備に配意いたした次第でございます。
 なお、これら各機関に対する運用につきましては、資金計画に掲げてございますが、ここでは、使途別分類によって御説明申し上げます。
 使途別分類のうち、住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業につきましては、国民生活に最も密接な関係を有する部門でございまして、これらに対する財政投融資は、総額一兆六千七百七十三億円でありまして、これは財政投融資総額の五四・五%を占めており、また、その対前年度伸び率は一六・三%にのぼっておりまして、これを財政投融資総額の伸び率一四%に比べますと、ここに重点を置いたことを示しているものでございます。
 次に、社会資本の形成に関連する部門の国土保全・災害復旧、道路、運輸通信及び地域開発に対する財政投融資は、総額八千四百五十三億円であります。
 また、基幹産業につきましては一千八百十三億円、輸出振興につきましては海外経済協力も含めて総額三千七百三十一億円をそれぞれ計上しており、特に輸出振興につきましては、その対前年度伸び率三・八%と大幅に増加いたしております。
 以上で昭和四十四年度の財政投融資計画の補足説明を終わります。
 次に、財政資金の対民間収支見込みについて御説明申し上げます。
 四十四年度の財政資金対民間収支の見込みでありますが、予算及び政府の経済見通しを前提として推計いたしますと、一千百三十億円の散布超過と見込まれます。
 まず、一般会計におきましては、前年度剰余金を使用することにより、過去の蓄積資金の散布が行なわれますので、二百七十億円の散布超過が見込まれます。また、食管会計におきましては、食糧証券の発行増加によりまして、一千三百八十億円の散布超過が見込まれ、資金運用部におきましても、繰り越し資金による国債の引き受けにより、三百億円の散布超過が見込まれます。以上合計して散布超過要因が一千九百五十億円になります。
 他方、国庫と日銀との間の納付金、法人税、利子、割引料等の受け払い、その他特別会計等の収支との関係で、一千三百八十億円の引き揚げ超過要因が見込まれますので、これらの要因を差し引きいたしますと、外為資金以外の財政資金対民間収支では、五百七十億円の散布超過が見込まれる次第でございます。
 最後に、外為資金につきましては、外為証券の発行増加によりまして五百六十億円の散布超過が見込まれますので、これを加えまして、四十四年度の財政資金対民間収支全体といたしましては一千百三十億円の散布超過を見込んだ次第でございます。
 以上で財政資金対民間収支の見込みにつきましての補足説明を終わります。
#12
○委員長(塩見俊二君) 最後に、赤澤調整局長から説明を聴取いたします。赤澤調整局長。
#13
○政府委員(赤澤璋一君) 昭和四十四年度予算案の参考として、「昭和四十四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」につきまして、その概要を御説明申し上げます。お手元にお配りいたしております資料をごらんいただきたいと思います。
 初めに、四十四年度の出発点となります四十三年度の経済情勢について申し上げますと、御承知のとおり、四十三年度のわが国経済は、年度当初来、個人消費支出、民間設備投資などの根強い増勢を中心に堅調な拡大を示す一方、国際収支は、海外景気の上昇もあって大幅な黒字を続けてきました。この間にあって、日本銀行は、昨年八月には公定歩合を一厘引き下げ、十月から窓口規制を撤廃いたしました。その後も経済の基調は全体として堅調な増勢が続いております。
 このような拡大基調を反映いたしまして、四十三年度の経済は、前年度の実質二二・三%の成長に引き続き実質一二・六%、名目一七・三%程度の拡大を示すものと見込まれます。この結果、国民総生産は、五十兆五千七百億円程度の規模になるものと見込まれ、自由世界第二位の規模に達するものと思われます。また、国際収支は、国内経済の拡大にもかかわらず、総合収支で年度間十二億ドル程度の黒字となるものと見込まれます。
 こうした中にあって、消費者物価は、年度間で五・四%程度の上昇が見込まれ、その上昇基調には根強いものがあります、
 次に、昭和四十四年度の経済運営の基本的態度及び経済見通しについて御説明申し上げます。
 四十四年度のわが国経済は、引き続き堅調な需要の動きに支えられ、かなりの拡大基調を続けるものと予想されます。他方、国際経済の先行きは、米国等海外諸国の景気鈍化などにより、世界貿易の伸びの低下が見込まれるほか、流動的な国際通貨情勢など不安定な要因もあり、必ずしも楽観できません。
 このような経済情勢のもとにおいて、消費者物価の上昇基調には依然として根強いものがあり、その動向いかんは、国民生活はもとより、経済運営の全般に重大な影響を及ぼすおそれがあるものと考えられます。
 以上のような海外情勢と国内物価の動向にかんがみ、四十四年度の経済運営にあたりましては、物価の安定に重点を置きつつ、内外情勢の変化に対応する経済政策の機動性に留意することによりまして、均衡のとれた経済の発展をはかるとともに、経済の効率化と国民生活の質的向上を目ざし、一そうの前進をはかることといたしております。
 次に、このような経済運営のもとにおいて、四十四年度におけるわが国経済の姿を想定いたしますると、国民総生産はおおむね五十七兆八千六百億円程度の規模になり、その成長率は実質で九・八%、名目一四・四%程度となる見込みであります。この場合における経済の主要項目につきまして、四十三年度と比較しながら、簡単に御説明申し上げます。
 まず、国内需要についてみますと、個人消費支出は引き続き堅調に推移し、前年度比一四%程度の伸びが見込まれます。民間企業設備投資については、一六・三%程度の増加が見込まれ、十兆七千億円程度になるものと思われます。また、在庫投資も、ゆるやかな上昇基調をたどり、民間住宅建設も、二二・九%程度の伸びが予想されます。他方、政府の財貨サービス購入は、財政面から景気を刺激することのないよう配意することとして、前年度比一二・三%増の十兆九千五百億円程度となるものと思われます。
 このような堅調な需要を反映して、鉱工業生産も、前年度比一五・五%程度の上昇を示すものと予想されます。
 次に、国際収支でありますが、輸出は、前述のような楽観を許さない国際経済情勢を背景として、その伸びはかなりの鈍化が見込まれ、年度間で百四十九億ドル、前年度比一二・五%増程度になるものと思われる一方、輸入は、前年度より伸びが高まり、百二十二億ドル、前年度比一五・六%増程度に達するものと思われます。また、貿易外収支、移転収支の赤字幅が拡大し、長期資本収支についても、海外金利の上昇などによる外資取り入れ環境の悪化もあって、前年度を大幅に上回る赤字が見込まれることから、四十四年度の総合収支は、一億ドル程度の黒字にとどまるものと見込まれます。
 最後に、四十四年度の経済運営におきまして最も大きな問題となっております物価でありますが、卸売り物価は、比較的安定した推移をたどるものと思われ、年度間で一%程度の上昇になるものと思われます。また、浪費者物価につきましては、その上昇基調が依然根強いのでありますが、公共料金の抑制をはじめとする各般の物価対策を強力に推進いたしまして、五%程度の上昇におさめるようつとめるものといたしております。
 以上、四十四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして、御説明申し上げた次第でございます。
#14
○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして昭和四十四年度予算三案の説明は終了いたしました。
 次回の委員会は公報をもってお知らせすることにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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