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#1
第061回国会 建設委員会 第4号
昭和四十四年三月十八日(火曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡  三郎君
    理 事
                大森 久司君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                上田  稔君
                小山邦太郎君
                高橋文五郎君
                中津井 真君
                林田悠紀夫君
                柳田桃太郎君
                米田 正文君
                松永 忠二君
                松本 英一君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  坪川 信三君
   政府委員
       建設政務次官   渡辺 栄一君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設省計画局長  川島  博君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       労働省労働基準
       局監督課長    細野  正君
       労働省職業安定
       局失業保険課長  増田 一郎君
       労働省職業安定
       局業務指導課長  保科 真一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○都市再開発法案(内閣提出)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (昭和四十四年度の建設省関係、北海道開発庁、
 首都圏整備委員会、近畿圏整備本部及び中部圏
 開発整備本部の施策並びに予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡三郎君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 都市再開発法案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。坪川建設大臣。
#3
○国務大臣(坪川信三君) ただいま議題となりました都市再開発法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 最近における都市への人口の集中による過密化と不合理な土地利用とによりまして、都市機能は低下し、都市環境は悪化しつつありますが、これに対処いたしますためには、工場等の分散、副都心の整備、流通業務地の再配置、都市施設の整備、新市街地の開発等の諸施策を講ずる必要があることはもとよりでありますが、これらの諸施策とともに、この際新たに都市における再開発を強力かつ円滑に推進するための制度を確立することがぜひとも必要であります。
 現在、都市の再開発に関する法制としては、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律、防災建築街区造成法等があり、それぞれ効果を発揮してまいったのでありますが、いずれも都市の総合的な再開発のための手法としては、不十分であり、これらを統合整備して、都市の再開発のための新たな体制と手法とを盛り込んだ法律の制定が望まれていたのであります。
 都市の再開発は、建築物と公共施設とを一体的に整備することにより、必要な道路、公園、駐車場等を備え、土地が合理的かつ高度に利用された健全な市街地の形成をはかろうとするものであります。
 今回、この法律案によりまして、市街地の再開発に関する都市計画及びその施行者、市街地再開発事業における権利処理の方式等、市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定め、時代の要請にこたえることとした次第であります。
 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、以下この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、市街地再開発事業は、建築物の容積の最低限度及び建築面積の最低限度が定められた高度利用地区内にあることその他の一定の要件に該当する地区において施行することができることにいたしております。
 第二に、市街地再開発事業に関する都市計画におきましては、市街地再開発事業の名称及び施行区域のほか、公共施設の配置及び規模並びに建築物及び建築敷地の整備に関する計画を定めるとともに、住宅不足の著しい地域における市街地再開発事業に関する都市計画においては、住宅建設の目標を定めなければならないことにいたしております。
 第三に、市街地再開発事業は、都市計画事業として施行することとし、その施行者は、市街地再開発組合並びに地方公共団体及び日本住宅公団といたしております。
 そのうち市街地再開発組合につきましては、事業施行地区内の土地所有者及び借地権者の三分の二以上の同意を得た上、都道府県知事の認可を受けて設立されることといたしておりますが、なお、その事業の継続が困難となる場合の措置として都道府県知事または市町村長において事業を代行することができることにいたしております。
 第四に、市街地再開発事業の手法は、従前の土地及び建物についての権利を新しい建築物とその土地に関する権利に円滑に変換せしめつつ建築物の共同・立体化と公共施設の整備をはかるものでありまして、事業施行地区内の関係権利者の権利は、原則として、権利変換計画の定めるところに従い、本事業によって整備される土地の共有持ち分または施設建築物の一部とその施設建築物のための地上権の共有持ち分に変換されることにいたしております。
 第五に、関係権利者の権利を保護するため、施行者が権利変換計画を定めるにあたっては、審査委員または市街地再開発審査会の議を経なければならないこととするほか、公衆の縦覧に供して、関係権利者に意見書を提出する機会を与えなければならないこととし、さらに建設大臣または都道府県知事の認可を要することにいたしております。
 第六に、市街地再開発事業を促進する措置として、事業に必要な資金について国または地方公共団体は、補助金の交付、資金の融通等の配慮をすることとし、施行者は、事業によって整備される重要な公共施設の管理者に対して費用の負担を求めることができることとするほか、地方税法、租税特別措置法等の一部を改正し、本事業に対する課税上の特例を定めることにいたしております。
 第七に、この法律の制定に伴って、都市計画法等の一部を改め、用途地域内の市街地において高度利用地区を設けることができることとするとともに、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律及び防災建築街区造成法を廃止することとし、これに必要な経過措置を定めることにいたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#4
○委員長(岡三郎君) この際引き続き、補足説明を聴取いたします。竹内都市局長。
#5
○政府委員(竹内藤男君) ただいま議題となりました都市再開発法案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。
 第一条は、この法律の目的を定めたものであります。この法律は、市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定めることにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とをはかり、もって公共の福祉に寄与することを目的といたしております。
 第二条は、この法律において使用されております特別の用語の定義を定めたものであります。
 第一号では、「市街地再開発事業」について定めておりまして、その内容は、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とをはかるため、この法律で定めるところに従って行なわれる建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する事業並びにこれに付帯する事業をいうものといたしております。
 第二号から第十三号までは、施行者、公共施設、施設建築物等この法律で用いるその他の特別な用語の定義を定めております。
 第三条は、市街地再開発事業に関する都市計画を決定する場合における土地の区域の要件を定めたものであります。
 第一号では、この法律の附則第二十条により改正いたします都市計画法第八条の規定による建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合、すなわちいわゆる容積率の最低限度及び建築物の建築面積の最低限度が定められた高度利用地区内にあることを要件としております。
 第二号では、区域内の建築物の建築面積の三分の二以上が非耐火建築物で平家建てまたは二階建てのものであることを要件といたしております。
 第三号では、区域内に十分な公共施設がないこと、土地の利用が細分されていること等によって土地の利用状況が著しく不健全であることを要件といたしております。
 第四号では、その区域内の土地の高度利用をはかることが、その都市の機能回復に著しく貢献することを要件といたしております。
 以上四つの要件をすべて満たす区域において、市街地再開発事業を施行することにいたしております。
 第四条は、市街地再開発事業に関する都市計画において決定すべき事項及び基準を定めたものであります。
 その基準として第二項第一号では、道路、公園等の施設に関してすでに都市計画が決定されている場合には、その都市計画に適合するように定めることを、第二号では、必要な公共施設を備えた良好な都市環境となるように定めることを、第三号では、建築物が健全な高度利用形態となるように定めることを、第四号では、高度利用形態に適合した適正な街区が形成されるように定めることを、それぞれ規定いたしております。
 第五条は、住宅不足の著しい地域における市街地再開発事業に関する都市計画においては、その事業により確保されるべき住宅の戸数その他住宅建設の目標を設定すべきことといたしております。
 第六条は、市街地再開発事業は、都市計画事業として施行することを定めたものであります。
 第七条は、市街地再開発事業の施行者について定めたものでありまして、市街地再開発組合または地方公共団体のほか、住宅の建設とあわせて市街地再開発事業を施行する必要がある場合には日本住宅公団が施行することができることにいたしております。
 第八条から第十条までは、組合を法人とすること、定款で定めるべき事項、組合の名称等について定めたものであります。
 第十一条は組合の設立には都道府県知事の認可を要することを、第十二条は事業計画の内容を、第十三条は事業計画について公共施設の管理者の同意等を要することを、それぞれ定めたものであります。
 第十四条は、組合の設立について、施行地区となるべき区域内の宅地の所有権者及び借地権者のそれぞれの三分の二以上の同意を必要とし、かつ、その同意をした者の宅地と借地の地積の合計が宅地と借地の総地積の合計の三分の二以上でなければならない旨を定めたものであります。
 第十五条から第十九条は、借地権の申告、事業計画の縦覧、認可の基準、認可の公告等について定めたものであります。
 第二十条は、施行地区内の宅地について所有権または借地権を有する者はすべて組合員となる旨を、第二十一条は、公的資金による住宅を建設する者等で定款で定められた者は参加組合員として組合員となる旨を、第二十二条は、組合員の変更に伴う権利義務の移転をそれぞれ定めたものであります。
 第二十三条から第二十八条までは、役員、役員の資格、役員の任期、役員の職務等について定めたものであります。
 第二十九条から第三十七条までは、総会の決議事項、総会の招集、総会の議事、総代会、総代、議決権及び選挙権等について定めたものであります。
 第三十八条は、定款または事業計画の変更の手続を定めたものであります。
 第三十九条から第四十四条までは、賦課金の賦課徴収、参加組合員の負担金の納付、審査委員等について定めたものであります。
 第四十五条から第五十条までの規定は、解散、清算人、決算報告等について定めたものであります。
 第五十一条から第五十七条までは、地方公共団体が市街地再開発事業を施行しようとする場合の手続、その他の事項について定めたものであります。
 第五十八条及び第五十九条は、日本住宅公団が市街地再開発事業を施行しようとする場合の手続その他の事項について定めたものであります。
 第六十条から第六十五条までは、測量及び調査のための土地の立ち入り、障害物の伐除及び土地の試掘、土地の立ち入り等に伴う損失の補償等について定めたものであります。
 第六十六条は、組合の設立認可の公告、事業計画の認可の公告等があった後における施行地区内における建築行為の制限について定めたものであります。
 第六十七条は、施行地区内の関係権利者に事業の概要を周知させ、協力が得られるようにすべきことを定めたものであります。
 第六十八条及び第六十九条は、土地物件調書の作成義務及び仮住居等のために必要な土地を施行地区外において使用できることを定めたものであります。
 第七十条は、権利変換手続を開始する場合におけるその旨の登記について、第七十一条は組合の設立認可の公告等があった日から一定の申し出期間における権利の変換を希望せず金銭の給付等を希望する旨の申し出等について、それぞれ定めたものであります。
 第七十二条は、前条の申し出期間経過後遅滞なく権利変換計画を定めるべきこと及びその際建設大臣または都道府県知事の認可を要することを定めたものであります。
 第七十三条は、権利変換計画の内容を定めたものであります。
 第一項では、権利変換計画の記載事項を定めておりまして、配置設計、施行地区内に宅地等を有する者の氏名とその価額、これらの者の宅地等に対応して与えられることとなる施設建築敷地の共有持ち分または施設建築物の一部等の明細及びその価額等の事項を定めることにいたします。
 第二項では、宅地等に担保権等の登記がある場合における権利変換計画の定め方を、第三項では、登記のある借地権に関する請求権を保全するための仮登記がある場合における権利変換計画の定め方を、第四項では宅地等に関する権利について争いがある場合における権利変換計画の定め方を、それぞれ規定いたしております。
 第七十四条から第八十二条までは、権利変換計画の決定の基準を規定いたしておりますが、第七十四条は一般的な基準として、災害を防止し、衛生を向上し、その他居住条件を改善するとともに建築物及び土地の合理的利用をはかり、かつ、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払って定めることにいたしております。
 第七十五条及び第七十六条は、施設建築敷地の決定の基準を規定したものでありまして、まず第七十五条では、一個の施設建築物の敷地は一筆の土地となるものとして定め、かつ施設建築敷地には施設建築物のための地上権が設定されるものとして定めることにいたしております。
 次に第七十六条では、施行地区内に宅地を有する者に対しては施設建築敷地の所有権が与えられるように定めることとし、その者が二人以上あるときは、共有に属することにいたしております。
 第七十七条及び第七十八条は、施設建築物の一部等の決定の基準を規定したものであります。ここで施設建築物の一部等とは、第二条第九号に規定いたしておりますように、施設建築物の一部とその施設建築物のための地上権の共有持ち分をいうものであります。
 まず第七十七条では、原則として、施行地区内に借地権または建築物を有する者に対しては、施設建築物の一部等が与えられるように定めることとし、その際、従前の面積、環境利用状況と新たに与えられる施設建築物の一部の面積、環境等とを勘案して、権利者相互間に不均衡が生じないように、かつ、従前の価額と新たに与えられるものの価額との間に著しい差額が生じないように定めることにいたしております。また、宅地の所有者に対しては、地上権が設定されることによる損失の補償として施設建築物の一部等が与えられるように定めることにいたしております。なお、以上によって与えられる施設建築物の一部等以外の部分は、施行者に帰属するように定めることにいたしております。
 また、借家権者に対しては、その家主に与えられる施設建築物の一部について借家権が与えられるように定めることにいたしておりますが、家主が権利の変換を希望しない場合には、前条の規定により施行者に帰属することとなる施設建築物の一部について借家権が与えられるように定めることにいたしております。
 次に、第七十八条では、宅地等に担保権等の登記がある場合に、施設建築物の一部等に関する権利の上にその担保権等の登記にかかる権利が移行するように定めることにいたしております。
 第七十九条は、床面積が過小となる施設建築物の一部の処理方法について定めたものであります。
 第八十条及び第八十一条は、従前の資産の価額と新たに取得する資産の価額の算定基準を定めたものでありまして、従前の価額については近傍類似の土地等の取引価格等を考慮して、また新たに取得するものの価額については事業に要する費用と近傍類似の土地等の取引価格等とを考慮してそれぞれ相当の価額を定めることといたしておりますが、評価の時点は、いずれも第七十一条の申し出期間を経過した日といたしております。
 第八十二条は、公共施設用地の帰属について定めたものであります。
 第八十三条は、権利変換計画の縦覧手続を、第八十四条は、審査委員または市街地再開発審査会の議決を経て権利変換計画を定めるべきことを、それぞれ定めて関係権利者の権利保護をはかるほか、第八十五条では、縦覧の際、権利変換計画に定められた従前の価額について意見書を提出し、その意見書を採択しない旨の通知を受けた者は、収用委員会にその価額の裁決を申請することができることにいたしております。
 第八十六条は権利変換計画の認可を受けた旨を関係権利者に通知すべきことを、第八十七条から八十九条までは権利変換期日において権利変換計画の定めるところに従い権利変換が行なわれることを、第九十条は権利変換に伴って必要となる登記について、それぞれ定めたものであります。
 第九十一条から第九十四条までは、従前の関係権利者で権利変換期日において権利を失う者に対する補償金等の支払い、補償金等の供託、差し押えがある場合における補償金の払い渡し等について定めたものであります。
 第九十五条から第九十七条までは、市街地再開発事業に関する工事のため従前の関係権利者に土地明け渡しを求める手続を定めたものでありまして、権利変換期日から明け渡しの期限までの間における占有の継続、土地の明け渡し及びこれに伴う通常損失の補償について規定いたしております。
 第九十八条及び第九十九条は、明け渡しの期限までに明け渡しの義務を履行しない場合における明け渡し等の代行及び代執行並びにその費用の徴収について定めたものであります。
 第百条から第百九条までは、建築工事完了の公告、施設建築物の登記、施設建築物の一部等を取得するように定められた者とそこに借家権を取得するように定められた者との間における借家条件の協議及び裁定、施設建築物の一部等の価額等の確定、清算、市街地再開発事業により施行者が取得した施設建築物の一部等の管理処分等について定めたものであります。
 第百十条は、組合が権利の変動について関係権利者の全員の同意を得た場合における権利変換手続の特則を定めたものであります。
 第百十一条は、施行者が地方公共団体または公団である場合において特別の事情があるときは、施設建築敷地に地上権が設定されないものとして権利変換計画を定めることができることを定めたものであります。
 第百十二条から第百十八条までは、組合の事業の現況等により、組合の事業の継続が困難となるおそれがある場合で、監督処分によっては組合の事業の遂行の確保をはかることができないときにおける地方公共団体による事業代行の制度を定めたものでありまして、事業代行開始の手続、事業代行者、事業代行の効果等を規定いたしております。
 第百十九条は、市街地再開発事業に要する費用は施行者が負担することを定めたものであります。
 第百二十条は、日本住宅公団が施行する市街地再開発事業により利益を受ける地方公共団体に対し、同公団が費用の一部の負担を求めることができるものとするとともに、その手続について定めたものであります。
 第百二十一条は、施行者が市街地再開発事業によって整備される重要な公共施設の管理者に対し、その整備に要する費用の負担を求めることができるものとし、その手続について定めたものであります。
 第百二十二条は、地方公共団体が市街地再開発組合に対して費用の一部を補助することができる旨、及び国がその地方公共団体または事業施行者である地方公共団体に対して費用の一部を補助することができる旨を定めたものであります。
 第百二十三条は、国及び地方公共団体は施行者に対して資金の融通等の援助につとめるべきことを定めたものであります。
 第百二十四条から第百二十九条までは、市街地再開発組合及び市街地再開発事業の施行者である地方公共団体に対する監督措置及び施行者がした処分に対する不服申立て等について定めたものであります。
 第百三十条から第百三十七条までは、事業施行中に関係権利者の変更があった場合における従前の関係権利者がした手続等、あるいは従前の関係権利者に対してなされた処分、手続等の効力その他の事項について定めたものであります。
 第百三十八条は、高度利用地区内において、その都市計画に適合する建築物に対しては、固定資産税について公益上の理由により不均一の課税をすること等の措置がある旨を定めたものであります。
 第百三十九条は、この法律の実施のため必要な事項を政令に委任したものであります。
 第百四十条から第百四十八条までは、所要の罰則について規定したものであります。
 附則第一条は、この法律の施行期日を都市計画法の施行の日からとすることを定めたものであります。
 附則第二条から附則第二十三条までは、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律及び防災建築街区造成法の廃止、都市計画法の一部改正、租税特別措置法の一部改正等、この法律の制定に伴い必要となる措置を定めたものであります。
#6
○委員長(岡三郎君) 本案については本日はこの程度とし、質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(岡三郎君) 次に、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。
 前回に引き続き、昭和四十四年度の建設省関係、北海道開発庁、首都圏整備委員会、近畿圏整備本部及び中部圏開発整備本部の施策並びに予算に関する件について質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#8
○沢田政治君 最近、建設業も非常に技術革新やら機械化によって、かつてほど労働集約型の産業ではなくなったわけでありますが、化学産業等に比較しますと、まだまだ労働集約型の産業だと、こういうように言えるのではないかと思うわけです。しかも最近においては、あらゆる産業にわたって若年労働者なり、あるいはまた中高年労務者でも不足しておる。場合によっては労務倒産をする、こういうような世相に現在なっておるわけであります。ましてや、建設業においては職場環境なり、あるいは福祉環境というものが他の産業から比較するならば非常に劣悪である。こういう観点から考えたならば、建設省が国の予算でいろいろな事業なり将来の計画を持ったとしても、雇用の安定需給面、こういう面から思わざる破綻をするということも、あながちこれは夢想でもない、あり得ることである、こういうように考えておるわけでありまして、最近の建設業における雇用の需給計画、あるいはまた見通しというものは一体どのようになっておるのか、この点をお聞きしたいと思うんです。
#9
○政府委員(川島博君) お答え申し上げます。
 建設労働力の現状でございますが、昭和四十二年、これは総理府の行ないました労働力調査の結果によりますと、建設業の就業者は、ホワイトカラー、ブルーカラー含ませまして全体で三百四十二万人という数字が出ております。これは全労働力人口四千九百七十八万人に対して約六・九%という現状になっております。これに対しまして、昭和五十年、これはまあ推計になるわけでございますが、五十年における全労働力人口は、労働省の推計によりますと五千三百六十万人程度に達するであろうと推定されておりますが、この全労働力人口に対しまして、建設業といたしまして必要な労働力は四百二十万人程度と推定をいたしております。したがいまして、全労働力人口に対しましては約七・八%でございますので、四十二年当時からシェアが若干高まる、これは全体として設備投資あるいは社会資本投資等の比重が高まり、この中における建設投資需要が高まるということを前提に推計をいたしたわけでございます。
 このような背景で、将来ともに建設労働力はますます重要性を増してまいるわけでございますが、近時の労働情勢から見ますると、農村からの労働力の供給がだんだんと減ってまいっておりますことは、事実でございます。この傾向に対しまして建設労働需要はだんだんと高まってまいるわけでございますので、建設労働力の需給はますます逼迫をするであろうと、一般的に思われます。これは単に建設労働力だけではございませんで、わが国のあらゆる産業におきましてこの労働力、特に若い労働力をいかにしてこの供給を確保するかということは、各産業界ともに非常に大きな問題になりつつあるわけでございます。
 これに対しまして建設省といたしましても、各種の対策をとる必要がございますが、そのまず第一は、何と申しましても労働力に依存する度合いを軽減する。すなわちあらゆる設計あるいは施工の面におきまして、労働力に依存する程度を軽減する。すなわち省力的な経営方式をますます進めるということがまず第一に必要であると思います。
 それから第二といたしましては、労働力の中でも中核をなします技能労働力、これの充実をはかることが必要でございます。これにつきましては、建設省におきましては、ささやかではありますが、現在、産業開発青年隊という形で若い技能労働者の養成訓練をいたしておりますが、まあ、これの充実をはかることもさることながら、一般的にはやはり労働省が実施をいたしております公共職業訓練、あるいは事業内職業訓練等の制度によるこの技能労働者の教育訓練を、ますます充実をしていくということが必要であろうと思います。
 第三番目といたしまして、この建設業に働く労働者が安心して気持ちよく働けるようにすることが必要でありまして、そのためには、たとえば退職金共済制度等の社会保険制度の活用をはからなければなりませんし、また労働者に対する待遇改善につとめますとともに、労働災害を防止する対策を十分講ずる。こうして建設労働者が安心して快適な環境のもとに労働生産性を上げ得るような施策を、総合的に講ずる必要がある、かように考える次第でございます。
#10
○沢田政治君 昭和四十二年でも建設業務に従事する作業員は三百四十二万、これが昭和五十年になりますと四百二十万、全体の就業人口の割合は七・一%というふうに、非常に需要というものが高くなってまいるわけであります。特に昭和五十年の場合には、これは推定でございますからここでとやかく言うわけでありませんが、昭和四十二年の実績として就業しておる三百四十二万の就業状態、これも安定したものではないと思うのです。一部の管理職であるホワイトカラーあるいは特殊技能者を除いては、ほとんどとは言えないにしても、大部分は農業から出ておる人、省力農業による余剰労働力が出てきて、季節的に出ておる、こういう要素が非常に強いのではないかと、割合を占めておるのではないか、こういうように考えるわけです。でありますから、将来とも農村からの出かせぎ者、季節労働者、これに依存するということは不可能になる場合も、大いに想定されると思うのです。特にこれは他産業と農業の所得格差、あるいは農業政策、たとえば作付転換とか、米の政府買い入れを制限するとか廃止するとかいうことになると、建設業にとって、労働力の確保という面から大きな問題が出てくる可能性があると思うのです。そういうことでありますから、やはり何といっても労働力を十分に確保するということは、やはり作業環境なり労働契約というものが明朗でなくちゃならぬ。最近の新制中学を卒業した方々も、ほとんど何といいますか、学校で集団就職しても、居つくのはそうないそうですね。結局他の職場環境、労働条件を見て移動していくという可能性が多いというのですよ。建設業だけこういう傾向をのがれることはできないと思うのですね。そういう観点から考えて、現在の建設業における雇用条件というものは一体どうなっているのか。職場環境は、他の化学産業とか、他の一次産業でもけっこうですから、そういう一次、二次の産業、こういうものと比較して、そういう環境というものは好ましい状態になっておるのかどうか、計画局長いかに考えますか。
#11
○政府委員(川島博君) 建設業と申します業態自体が、大部分が屋外作業であります。また、天候に左右される。それから、職場の環境としては、どうしても危険作業を伴う分野が大きい。こういった業態自体に由来して、他の一般の産業に比べまして申しますれば、過酷な条件を背負っているというのが、建設業自体の宿命であろうと思いますが、そうであるがゆえに、なおさら労働者の労働福祉環境というものについては、他の産業以上に経営者というものは意を用いなければならないわけでございます。従来、この建設業につきましては、その前近代的な経営形態とともに、就業状況については暗い話がつきまとっておったことは事実でございますが、最近のように労働力が極端に不足してまいりますと、そのような劣悪な環境、あるいは暗い環境では、労務者自体を確保することができないわけでございます。したがいまして、企業といたしましては好むと好まざるとにかかわらず、労働者の労働福祉環境を改善しなければ、仕事自体ができないというような状況に追い込まれております。したがいまして、最近におきましては、他の産業に比べましても建設業におきます労働者に対する労働福祉の改善状況は目立ってよくなっているのではないかというふうに考えます。しかしながら、すべての企業がそういう望ましい改善を遂げているということはもちろん言えないわけでありまして、地方によりましては、あるいは業者によりましては、まだ昔ながらの前近代的な労働管理を続けている現場も絶無とは申せないと思いますが、全体としては、私は戦前あるいは昭和三十年以前と比べますと、今日の建設業の現場における労働環境は、全く一変をしているのではないかというふうに考えております。しかしながら、もちろん十分満足すべき状態ではございません。さらに改善くふうを重ねなければ、今後の労働力の需給安定をはかり、建設業の健全な発展を遂げるためには、まだまだ十分でない点もあろうと思います。これらの点につきましては、今後ともに、労働省御当局とも連携をとって改善につとめていきたい、かように考える次第であります。
#12
○沢田政治君 労働環境が以前から比較したならば非常に快適になっているというかよろしくなっている、こういうことは戦前から比較して私も知っています。これは非常に合理化、機械化され、苦汗労働というものは相当少なくなっているとは思うけれども、これは何も建設業だけ技術革新、機械化によって苦汗労働がなくなったのじゃなく、他の職場環境もやはりそれに比例してよくなっていっているわけです。ところが建設業の場合には、屋外作業が中心になるわけですね。風雨にさらされる、寒暖にさらされる、こういう条件があるので、特に留意していかなければ、これはたいへんなことになると思うのです。これは何も大都市周辺においてのみ建設業の労働が逼迫しているのではなく、地方においても、農村の村落地帯においても、もうすでに――遠い将来じゃない、近い現在において労働力をいかに確保するかというのが、非常に急務になっております。かつて十四、五年前であったならば、労務者のほうから、何とかおれを使ってもらえないか、こういうように頼んで使ってもらうのが多かったわけですけれども、いまは戸別にほとんどの建設業者が、マイクロバスでもってうちまで迎えに行かなければ出る人がなくなった、こういうように非常に変わってきておるわけですね。その点に少し留意してもらわなければ、もう労働力が逼迫してから何というか、幾らさがしても、よそと比較して、今度はそういう面から作業の進捗率が悪化するということが考えられると思うのです。
 そこで、労働省も来ていただいておるので、お伺いしたいわけですが、一体季節労務者あるいはまた出かせぎ労働者、特に農村のですね、これらの不安定な建設業に就業している方々が、一体どういう経路で建設業に就業しているのか。正確に言えば、窓口を通して行っているのか、かつてのような手配師あるいは正確に言うと労務提供業者的な地方の親方の連中が、何がしかの頭をはねるか口銭を取るか、中間搾取をして行っているのが多いのか、こういう点はどういうことになっていますか。私の選挙区である秋田県でも、出かせぎ労働者、特に農村の方々ですね、七万人あるといわれているわけですよ。一体その七万人のうちどれだけが職安を通して行っているかどうかですね。その実態が把握できるならばお知らせ願いたいと思うのです。これは業務指導課長さんが来ておられるようですから、その点いかがですか。
#13
○説明員(保科真一君) 出かせぎされる方の全国的な数でございますが、私は諸種の統計によりまして、六十万ぐらいという推定をしております。そのうち農閑期に出かせぎされる方、これは農林省の調査によりまして二十二万ぐらいじゃないかと思います。この方々の就労経路でございますが、約三割くらいが安定所を通じまして就労されておられます。私どもの考え方といたしましては、就労経路、就労条件の正常化というような問題につきましては、できるだけ公共職業安定所を通して就労していただくということを基本方針にいたしまして、公共職業安定所を通じて就労するようにというような呼びかけ、並びに施策を行なっておるところでございます。まあ市町村と連携を保ちまして、そういうような安定所のルートをたどるような施策を講じますとともに、出かせぎされる方につきましては労働者手帳を交付いたしまして、安定所を通られた方につきましては労働者手帳を交付して、安定所を通れば問題がないのだというようなふうにしておるわけでございます。三割くらいでございますが、ここに出かせぎの問題がございますので、これからも種々対策を講じまして、安定所を通る率を高めようということが、出かせぎ問題の基本と考えまして施策を講じておるところであります。
#14
○沢田政治君 季節労務者、出かせぎ労務者のうち三割、三〇%が職安を正確に通して行っている、あとの七〇%が個人で知り合いをたよって行くとか、知人の紹介か、また別の不明朗な雇用経路か別としても、なぜ三割しか正式の窓口を通さないのか。むしろ安全ですね、職安を通したほうが。安全であるにもかかわらず七割が通さぬというのは、やはり職安としても何というか、職安の存在を知らぬといえばそうですけれども、何かきらわれる面、やはりみんなが喜ばない面もあるんじゃないかと思うのだけれども、そういう要因がないものでしょうか。
#15
○説明員(保科真一君) 安定所を通じまして毎年紹介しております割合は三割ぐらいでございますが、まあ残りの方につきましては、もう知人の紹介で行かれる方が多いようでございます。それから出かせぎされる方は、毎年出かせぎされる方がございますので、去年行ったところをまた約束いたしまして翌年行くというような方も非常に多いわけでございまして、こういうような方は、その前年あるいは前々年に安定所を通して行っておられる方もございますので、そういう方には安定所を通っているというふうに見てもいいような方もございます。私どもは出かせぎ労働者台帳というのを供給地の安定所でつくりまして、出かせぎされる方の実態を把握することにもつとめておるのでございますが、この出かせぎ労働者台帳をつくっております数が三十七万ぐらいございます。全体の約三分の二ぐらいは安定所が把握しておるというような状況でございます。
#16
○沢田政治君 労働省でも単に就職を世話するということじゃなく、ぼくは正確には言いませんけれども、職安を通して行っても作業環境なり福祉状況なり、厳密な意味で言うと労働条件が非常に差異がある、これは全部じゃないけれどもね。そういうことも何というか随所にあるように聞いておるわけです。したがって個人個人を就職させるということじゃなく――これは私の私見ですよ、比較的大量にまとめていって、ある程度のやはり雇用契約を、大体雇用契約というのは職安がきめるとか何とかいうのじゃなくて、本来的に言うならば労働組合法によって労使が対等の立場で、これだけであなたの労働力を買います、これだけで売りますと、こういうふうに明確にするのが後日のトラブルが起きない、何というか大前提なわけですね。そういうことも、出かせぎ代表というのもけっこうだけれども、これは労働者全体に言えるわけですが、そういう組織化をさせろと、これは労政局が来ておらぬようですがね、そういう方向に対してもぼくは努力をすべきだと思うのですね。でなければ、これは監督官なんというのはどんどんふえていっているわけじゃないですからね、そういう調査しろといったって、監督しろといったって限度があると思うのですよ。皆さんも繁雑だと思うのですよ。ところが一つの労働組合なら労働組合があると、明確にその代表と団体交渉してきめるのだから、その種のトラブルというものは起こらなくなるわけですね。少なくとも絶無とは言えないにしても起こる要素が少なくなるわけですね。それだけやはり労働省全体、監督局でも仕事がかかっていると思うのですね。そういうような努力をしておるのかどうかですね。労働組合法が発足した当時は、労働組合の結成に対しては非常に助成したり指導したりしておるわけですが、むしろ最近においては組合ができるということを、これは労働省全体としてはむしろ消極的に、妨害はしないけれども少なくとも積極的な姿勢で指導しておるような気配が私としては感じられないわけですけれども、いかがですか。まあ、きょう局長等も来ておらぬので、これ以上この点を皆さんに無理に答弁を求めません、もっと別の問題もあるので。というのは、私こう言っておるのは、観念的に言っておるのではなく、あらゆるところに労働条件の不履行、こういう問題が起こってきておるわけです。私のところには何通ともなく基準局に行けばいいのだけれども、やはりお百姓であって、にわかに何というか労働者になったのか、権利意識が低いのかどうか、どうもお役所の窓は、こう何というか敷居はまたぎにくいということで、電話、手紙でたくさん困っているのだ、こういうことがあるのだという数々の例がきておるわけです。そういう意味から労働基準局何をやっておるかと、あなた方を激励叱咤する方法もありますよ。だけれども、それと同時にやはり正式に労使が労働条件を相互に確認し合うということは、トラブルを未然に防止する方法じゃないかと、こういう数々の事例に立って私は言っておるわけですね。
 そこで、ある程度労働省側のほうにも、私、事前に意思を通じておきましたが、最近、岐阜県ですね、岐阜県の岐阜市加納鉄砲町一丁目四十五番地永井建設株式会社、この建設会社がどの程度の規模の建設会社であるか私は知りません。ところが、ここに秋田県の新谷松五郎、こういう方が約束としては千七百円、労働基準法にいうところのつまり拘束九時間、実働八時間千七百円、こういう約束で就業したわけですね。ところが実際に支払われた額は、ある期間は千四百円、ある期間は千五百円、これしか払っておらぬわけです。そこで約束違反じゃないかということで永井建設にどうしてくれるのだと、こう言ってもナシのつぶてである、全然取り合ってくれない、一体どうすればいいのだ、こういうことで私のところに参ったわけです。私も実はどういう条件で行ったのかわからぬものだから、一方に加担しておかしいじゃないか証拠がないのだから、一体ほんとうにそうであったのかどうかという証拠をちょっと持ってきてくれないかと、こういうことで証拠を持ってきていただいたわけです。ところが実際には千四百円、千五百円しか支払われておらないものが、失業保険被保険者離職票、これを持ってきてもらって見たわけですね。ところが、千七百円支払いましたよという。全部ここに書いてあるわけですよ。これが一番正確だと思うのですよ。ところが千四百円ないし千五百円しか払っておらぬわけです。そこで、私この永井建設におかしいじゃないかと、こういう申し入れがあるが、あなたのほうの建設会社はよもや中間搾取をしたり、またこの失業保険を高くとらしめるために水増しの何というか賃金格づけをしたのじゃないと思うけれども念のためにいかがですかと、こういう照会を私したわけです。これは二月の八日ですか、三月の五日に回答がきました。ここの労務をやっておる方のようでありますが、いや、失業保険の離職票にもあるように千七百円払ったことは間違いない、千四百円払ったこともないし千五百円で値切ったこともないし、千七百円払ったことは間違いない、ただし、淀川建設ですか、こういうところに飯場の管理運営をまかしておるんだと、だから、飯場の管理費とか食費とか、そういうものを差し引いて千五百円、千四百円じゃないか、こういう返事なわけですね。そこで、私、実際支払われた会計明細書、これを取り寄せて見ました。形式的には永井建設が払ったことになっておるけれども、実質的には淀川という、これは労務提供に近いね、実体がないんだから。企画をしたり機械を持って作業に参加するんじゃないのだから。地方から何人という人間を集めて提供しておるだけだから。職安法にいうところのどの条項を見てもこれはやはり労務提供業であることは間違いないと思うのです。そこで、支払われた額を、昭和四十二年十二月、これを見ますと千四百円しか支払われておらぬですよ。しかも食費、こういうものは引いています、三千円。十日働いたようですから一日三百円ですね、三千円払っています。それで、これはいろいろな呼び方があると思うんだけれども、諸式として二千百六十円、諸式というのは何だか、私も土方をやったことがあるのでいろいろなことばを知っているはずだが、わからないのでこれは何やといって聞いたわけです。そしたら、諸式というのは、たとえばお酒を飲んだとかお好みの料理をとったとかテレビ、テレビなんというのはほんとうはつけてやってもいいと思うが、そういう経費を取ったとか光熱費を取ったとか、こういうかかりだそうです。それを含めて千四百円しか十二月払っておらぬですよ。昭和三十四年の四月、これもまた同じです。はっきり書いてあるわけですね。ここに私持ってきていますが、一工当たり千五百円と書いてあるわけです。一工当たり千四百円と書いて、これだけかかったんだから、あなたに支払う金は実際は千五百円ならわかりますよ。千五百円ですよ、それから引いているわけですね。ここに証拠があるからのがれるすべないと思うのですよ。これは基準監督局の問題でもあるし、失業保険の不正受給の問題も出てくると思うのです。これはどう考えますか。
#17
○説明員(細野正君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘でございまして、私どものほうで調査をいたしたわけでございます。まだ調査中でございまして、現在までにわかったところで申し上げますと、御指摘のように会社とそれから新谷さんとの間の契約関係は口頭で千七百円というふうに行なわれたというふうに聞いております。千七百円のうちで、私どもの調査した段階では食費が一食大体九十円から百円程度ということで、この点につきましては飯場のまかない婦の方、これは就労者の方の奥さんでございますけれども、その方との間に、まかない婦の方と個々の労務者との間の契約関係で、いま申し上げました一食九十円、それを賃金の中から控除するのじゃなくて労務者から直接いただいたというふうに聞いておりますが、しかしながら、現在その当時の労務者の方もそれからまかない婦の方も現場の責任者も御指摘の現場におりませんので、その辺についての正確な調査をいたしておりませんけれども、いま申しましたように、千七百円の中で食費が三千円くらいになるかと思いますが、それを差し引きますと大体千四百円くらいで合う勘定には一応なるわけでございます。ただし問題は、このいま申し上げたようなことが賃金から控除して渡されたものか、渡した賃金から個個の労務者からまかない婦の方が集めておったものか、その辺のところがちょっとはっきりいたしませんので、控除しているとなると賃金の一部控除の問題が残るわけでありますが、その辺のところは現在のところ調査がまだはっきりしていないという段階でございます。
#18
○説明員(増田一郎君) 御指摘の点でございますが、私どもも基準局のほうと一緒にあわせて調査をいたしておりますが、調査をいたしました結果では、離職票の金額とそれから賃金台帳の金額、これは合っているわけでございます。したがいまして形式上は、まあ不正受給でございますとか、そういった問題は形式上はいまのところないわけでございますが、結局形式上は賃金台帳で幾らと、こうしておりますから、実際に払ってもらった賃金がそれより少ない、こういうことの問題があるようでございますが、それが正当に控除されているのか、あるいは正当に支払われていないか、いずれかによりまして私どものほうの失業保険の不正受給といいますか、賃金の水増しという問題にもあるいは関係もございますので、基準局のほうと十分打ち合わせました上で適当な措置をとりたいというふうに考えております。
#19
○沢田政治君 ぼくはある人から聞いたからこう言っておるのではなく、全部明細書を持っておるものだから、証拠をもって言っておるわけですよ。そうでなくちゃこの種の問題は役所の皆さんにも迷惑をかけるわけだ。一々かけ込み訴えられて、それはふらちだなんて言ったら、あなたのほうも迷惑しごくだと思うのです。だから、数々ある中に私、証拠を持ってきて言っておるわけです。先ほど言いましたように、四十三年の二月、出勤工数です。三〇・四工数ですね。そうして千五百円として残業は二百五十四分ですか、本給は四万五千六百円、残業が一万一千六百九十三円、これをずっと、何というか労働基準法にいうような割り増し賃金支払っておるかと思ってぼくはちょっと調べてみたのです。二割五分ですね。まあこれくらいの組なんだから、もう労働基準法くらい知っているだろうと思って。これはうそついていないようです。割り増し賃金はきちんと所定のように支払っているようです。そうして合計五万七千二百九十三円ですか、そうして食費が九千三百円、先ほど言いました諸式ですね、これが三千七百二十円、失業保険費四百円、こうなっているわけですね。それと離職票と比較してみたわけです。そうすると、離職票は若干違いもありますよ。二月は三十一日働いたことにしていますね、離職票の分では。そして、支払われた合計額が六万三千八百七十三円、こういうことになっているわけですよ。先ほど皆さんが言ったように、食費をどう取ろうが、こう取ろうが、一日千円の食費を取ろうが、これはいいじゃありませんか。働く人とその人方の相談だから、役所でとやかく文句言ったり、われわれがとやかく文句言う筋合いはないのです。問題は賃金計算ですよ。千五百円で計算しているわけですね。明らかにこれは何というか、中間搾取がどこかで行なわれておると思うのですね。
 それで私は、淀川建設だか何か、淀川正己という方ですか、岩手県の和賀郡の湯田町というところですか、この人の別に悪口言うつもりはないし、本人は別に悪いことをしていると思わぬのです。個人的には私は何も思いませんけれども、おそらくときどき人夫ですね、労務者を連れて来て、紹介して、飯場を経営しておるそうですから、この存在はどう考えても、これはトラクター持っていったり、道具を持っていったり、自分で企画して大部分を請負いするのじゃないのですから、労務提供でしょう。何ものでもないのです。実態がこまかくわからぬから、あなた方のほうでも即断はでもないにしても、これは労務提供じゃないですか。たとえば人だけ募集してくる、そして人を提供する。そうして何がしかの経費をもらう。これは本来ならば経費は労務者に払えばいいものですね。それをもらうというのは、これはやはり労務提供業でしょう、職安法に言うね、そうじゃありませんか。
#20
○説明員(保科真一君) 淀川組がどういうような仕事をしておりまして、どういうような実態であるかということにつきましては、まだ詳細に調査をしておりませんので、はっきりしたことが申し上げられないのでございますが、先生御指摘のように、労働者供給事業の禁止というのが職安法にございます。解釈といたしまして、施行規則の中でいろいろの要件をきめておるわけでございますが、労供であるかどうかにつきましては、調査を至急いたしたいと思います。
#21
○沢田政治君 それが職安法違反であるかないかというのは、実態を調査しなくちゃ、これはなかなかわからぬと思うのですけれども、私も民間におって、労働基準法とか組合法ばかり二十年もにらみ渡してきているので、これはやはりぼくの感じではおかしいのです。これは不明朗なんですね。その人がほんとうに善意にやって、慣行としてそういうことが行なわれておるから、悪い意識じゃなくてやっておると思うのですけれども、こういう問題から非常にいろいろな問題が派生するし、将来は労働力の逼迫によって、こういうような作業なり業種にはなかなか人が集まらなくなるという可能性もあるから、ひとつ皆さんにも特段の注意を払っていただきたいと思うのです。特に私この際、建設省の大臣がおらぬので、次官がおりますけれども、次官でも、計画局長でもけっこうですから、建設省は国の予算を取って、河川なり道路なりの計画を立てれば、あとは業者が適当に人を集めてきて、適当に事業をやってくれるんだという、こういうような、建設業そのものが近代的じゃないと同時に、やはり建設省の頭が、土方の親分といって軽べつするわけじゃないけれども、そういう面については、前世紀的なものがあると思うのですね。炭鉱で爆発が起こった、それは労働省とか基準局でやったらいいじゃないか、鉄道で事故が起こった、それはもう労働省で調べればいいのだとか、そういう頭じゃないですよ、よその官庁は。やはり大臣も本会議等に来て、陳謝相つとめているわけです。その点は、建設省のほうは組のほうにまかしておったら、よきに取りはからってくれ、こういう頭でやっちゃいかんと思うのです。こういう問題は、氷山の一角です。非常に不明朗ですよ。ちょうど二月に、東日本の出かせぎ者大会というのがありました。私もそこに参加いたしました。分科会にも入っております。宮城県、岩手県、山形県、新潟県というように出かせぎの多いところから苦情の続発です。非常に労働条件、労働契約というのは不明朗ですね。たとえば比較的技能のある石工ですね、石屋、石工、こういう者を、東京の練馬だとか田無だとかの団地造成、宅地造成に来ているのですが、一日三千円支払いましょう、こういう条件で連れてきたそうですが、実際にはこの三千円は支払われておらんわけです。どうしたこうしたということで聞くと、トータルにして三千円は払っているのだ――ところが、二十名なら二十名のうち、Aのほうが非常に技能度も高い、労働意欲も旺盛だ。Bのほうはどうも六十をこえているので、労働能力が低い。だから一様に支払うと気の毒だから、若干の差をつけたのだ。だけれども約束どおりにトータルとしては一日三千円払っているのだ、こういう言い方なわけです。じゃあ、だれにどれだけ払って、トータルがどうなったかということを見せてくれ、聞かしてくれ、こういう交渉をしているわけだ。ところが、それは本人の所得の秘密に関する事項だから、これはちょっと言えない、こういう言いのがれをしているわけですね。だから、一人一人に三千円で約束をしてきたのだから、労働基準法にいうように、賃金はやはり直接本人に支払わなくちゃならんでしょう。それをボスか何かに払って、適当に配分するなんていう、こういう不明朗なことはないと思うのです。
 話はよそ道に流れましたが、建設省のほうでは、こういう数々の実態があるということは、その責任というものをどう考えているのか。建設省自体としても業者に対して、行政指導として、そういう不明朗なことをしたならば、建設業全体が将来労働者の確保が困難になるぞというような指導を、一体前向きでしているのか。したならば、どういうことをしたのか、この点お答え願いたいと思います。
#22
○政府委員(川島博君) 私ども建設省といたしまして、建設業の健全な発展を願っているわけでございますが、そういう意味から申しましても、建設業で雇用せられている建設労働者が、適正なる条件のもとにフルに労働力を発揮できる状態にあるということが必要なわけでございます。そういう意味におきましても、われわれとしてはそういった不明朗な契約条件なりあるいは賃金の不払い事件等に関しまして、無関心であり得るはずがないのでございます。ただいま御指摘を受けました事案につきましては、直接存じ上げておらないのでございますけれども、一般的に賃金の不払い問題については、ほかの産業の中でも建設業が非常に多い、約二割程度に達しております。これにつきましては、現実に私どものほうに対してもかけ込み訴えがございます。直訴がございます、こういったものにつきましては、単に労働省に連絡をするだけでなく、建設省でも建設業者とかけ合って、解決に力をいたしているのが現実でございます。しかしながら、数ある業者でございます。全国にいま十四万以上も登録業者がございますから、もちろんこれを直接一々というわけにもまいりませんけれども、都道府県におきましても、登録業者を監督する部局もあるわけでございますから、こういった部局と力を合わせまして、そういった不正な労働条件を排除するように、これはもちろん私ども責任の一端と考えております。そういう点におきまして、今後とも労働省とも緊密な連絡をとりまして、そういった不当な労働条件を排除するようにできるだけのことをいたしたい、かように考えております。
#23
○沢田政治君 もちろん、全然指導しなかったとか努力しなかったということを前提に申し上げておるわけじゃありませんが、やはり他の役所等から見たら、事、労働問題に関する指導というのは、努力がまだ足りないのじゃないかと思うのですよ。それで、しからばどういう努力をしたかということをひとつお聞きしてみたいと思いますが、昔は土工の方々は飯場でほとんど立ってものを食べるわけですね、すわるところがないものだから。土方の立ち食いというのは有名なもので、いまはそういうのはないですね。しかし、他の近代産業から見たならば、非常にそういう職場環境というのはおくれています。そこでいろいろな要請があって、たしか去年だったと思いますが、建設業における建設作業員の宿舎規程ですか、正確な名前はちょっと忘れましたが、それができたはずですね。自来、今日まであの宿舎の規定をどこまで実施しておるのか。努力したならば、ここまで努力してもらったのだけれども、まだこの程度しかこれは実行しておりませんということを、努力しつつあるというならば、おそらくそれを把握しておると思うのですが、いかがですか。
#24
○政府委員(川島博君) 御指摘の寄宿舎の問題でございますが、正式には建設業附属寄宿舎規程――労働省令でございますが、これを改正いたしまして実施をいたしております。これを改正する契機となりましたのは、昭和四十二年に、建設省として、建設労務者に対する宿舎条件が他の産業に比べて非常に劣っておるということから、管下の宿舎の状況について実際に実態調査をいたしまして調べてみたわけでございます。その結果、確かにこの建設現場における宿舎の状況がよくないということで、労働省にお願いいたしまして、この寄宿舎規程の改正を見たわけでございます。で、この改正は昭和四十三年度から実施されておりますが、との改正に伴いまして、建設省といたしましても、この積算に新しい規定に基づく基準の施設費を計上いたしておりますし、また、建設業者に対しましても、この新しい基準に基づきまして寄宿舎を整備するように指導いたしておるわけでございます。しかしながら、必ずしもこの新しい改正された寄宿舎の規定どおりに飯場の現状が行なわれておらないことも、また事実でございます。その指導については十分徹底をすべきであろうと思います。この間、出かせぎの方々の代表とも私一カ月ばかり前にお会いいたしまして、いろいろお話を聞いたわけでございますが、そのときのお話でも、まだこの労働省令が期待しているような水準にまでいっていない寄宿舎も相当あるようでございますので、そこら辺については、今後とも業界の指導には力を注がなければならない、かように考えております。
#25
○沢田政治君 まあ実際に努力しておるなら、やはりどれだけいまこれを実施しているのか、どれだけまだ実施しておらぬのか、これはやはり明確に把握しておかなければ、一片の通達とか一片の役所の何かを出したって、これはもう百年河清を待つようなものですわね。もう少しこれは前向きに努力していただきたいと思うのです。ぼくはここでは別に追及しません。
 そこで、次に失業保険のことについてお伺いしたいわけですが、失業保険というのはこれはどういう場合支払われるのか。まあおもに中心になるのは十五条と十六条ですか。片一方では資格要件ですか、片一方は受給資格ですね。この二つの条項が中心になると思うのですね、しかも資格があって労働の意思と能力がある者、これに何というか政治性とか手心でなく、厳格にこれを実施していくということに失業保険の場合は尽きると思うのです。ところが、最近においては一般労務者の場合はそうじゃないようですが、それもちょっと問題があるようですが、強制就労させるようなこととか、窓口規制が非常に行なわれておるようですが、特に私正確に実態を調査したわけではありませんから確言はできませんが、仄聞するところによると、秋田の能代市の職安で受給資格があるけれども、窓口で規制して、実際に支給しない者の率が日本一だ、しかもこれは何というか、出かせぎ労働者の多発地帯です、ここは。どういう結果から偶然にそうなったのか、作為的にそういうようにだれかが努力しているのか、窓口でばんとけ飛ばしているのか、これは一体どういうことですか。実態というものを知っているなら、皆さん所管でありますから知っていると思いますけれども、お聞かせ願いたいと思うのです。私はこういう質問に感情要素を入れようとはいささかも思いませんが、これはまた仄聞するところによると、そこの職安の所長が、普通だったらみんな地方の出身ですね、職安の所長は。ところが本庁から派遣された方で、非常に点数を上げるというか、役人の方は数字は好きなようでありますから、おれの腕によってこれだけ押えたとかいうことになるのかどうか、その辺の内部事情を知りませんが、そういうことが言われておりますよ。実際問題として、どうしてこうなっているのか、その点お伺いしたいと思うのです。
#26
○説明員(増田一郎君) 先生御承知のように、季節的受給者でございましても、就職の意思のある方でなければ失業保険金は支給しないということで、休職者でございます。したがって、なるべく職についていただくということで就職のあっせんをする、こういうたてまえになっているわけでございます。そこで就職のあっせんをいたします場合、特に現在冬季でございますので、地元ではいい職があればけっこうでありますが、なかなか地元で就職ができないという事情にあるわけでございます。一方東京でございますとか・愛知でございますとか、大阪でございますとか、こういったところからは短期でもいいから、三カ月ないし四カ月でもいいから、非常に労働力が不足なんで来てもらいたいということで、求人の申し込みは非常にたくさんあるわけでございます。その中でも、建設業等は非常にあるわけでございます。そういった求人側の要望にも応じなければならぬということで、地元紹介ができません場合には、広域職業紹介をやる、こういうふうになっておるわけでございます。特に最近労働力不足になりまして、そういった求人が多いものですから、職業紹介を活発に勢いやっていく、こういうことになるわけでございまして、その点十年前のように、あまり人手が足りないということはなくて、失業保険だけ支給していればいい、こういうような状態とは現在違っておりますがために、職業紹介をやる。その場合に御本人はいろいろな事情がございまして、なかなか行きたくないけれども、そういった求人もあるので紹介をする。そういった過程におきまして、この方は就職の意思がないと認められます場合には、給付の制限をやるということになるわけでございますが、そういった広域職業紹介そのものは、ただいま申し上げましたように、求人難の時代でもございますし、活動もやらなければならぬというふうに考えておりますが、ただ、その紹介なりあるいは認定の過程におきましては、私ども強制紹介とか、不当な求人条件のところに無理に押しつけるというようなことはしないように、十分注意をしておるつもりでございますが、なお今後とも御指摘の御趣旨もございますので、その点につきましては十分注意をしてまいりたいと思います。ちなみに調査の結果によりますると、給付制限の件数は、正確なところはわかりませんが、一月が約十五件程度、二月が約八件程度でございまして、全国的に比べて日本で一番多いとかいうお話もございましたけれども、正確に比較はしておりませんが、冬季は何ぶん受給者も非常に多い。平生の五倍ないし十倍というふうにたくさんまいります中でこの程度あるということは、他の安定所に比較して特に多いということは言えないのではないかというふうに思いますが、なお実態その他につきましては、十分注意さしていただきまして、今後ともそういった問題は起こりませんように、十分注意をしてまいりたいと思います。
#27
○沢田政治君 私ね、正確ではないという前提を言ったのは、私の想定で言っているわけではないのです。ただこれこれしかじかのことがあるようだが、おかしいじゃないかと、実際にあったのかどうか、窓口の役所へ行って確めておらないから、私は正確じゃないという前提で言っておるわけですよ。ところが、はねられた方々から聞いておるわけですよ。私、昭和三十九年来、いつか、衆議院におったときも党の調査で行ったことがあります。いまもそういう話を聞いています。たとえば一例をあげると、女の方が結婚するのは、これ当然でありますから、結婚してちょっと職を離れなくちゃならぬと、こういうことで、大体最近はそういうことはなくなったかもわかりませんが、看護婦さんとか、何か人が多い当時は、結婚したら何かおってもらっちゃ困るというような風潮も一時あったわけです、いまどうかわかりませんが。そういうことで、周囲がそういうことだから、一時職を離れると、そこで、何といいますか、失業保険の給付のために手続で窓口へ行くと、何だ、結婚のためにやめたのだな、離職票を持っていくわけですよ、その場合。あんたはいま結婚するのだから、当分は働かれませんでしょうねと、誘導訊問するわけですね。ちょっとすぐというわけには、これは就職ということはむずかしいでしょうと言うと、労働の意思なし、というふうにばんとやって、窓口でおまえはもう帰ってよろしいと、こういうことになるわけだ。さらにはまた最近万博で人が足りないわけだ。万博、あれはくせものですよ。これでみな被害をこうむっているわけです。たとえば、私なら私が東京に出かせぎに行った。六カ月働いて、受給要件と受給資格があると、要件と資格があるわけです。
 で、一時帰ってきたと、家庭の都合で。ところが自分の妻がどうもからだのぐあいが悪いと、どっと寝込むほうじゃないが、いつ悪くなるかわからんと、不安定な状態にあるわけですな。そういう条件で失業保険の受給を手続に行った、そうした場合、いや、万博というところは、こういう、何というか高い条件であるのだと、あんた行ってくれんか、こう盛んに勧誘をするわけですね。ぼくは何も職安で勧誘することは悪いことだとは思いません。それは任務の一つですから。ところが、いや私は行きたいのだけれども、家内がちょうど病弱なもので、ずっと三カ月とか四カ月やはり別居するということは非常に家庭的に不安だから、万博のほうにはとても行かれませんと、ああそうか、万博は行かぬのか、「行きませんね」、「行きませんね」、「行きませんね」と三回くらい聞いて、今度は労働の意思なしというほうに判定するわけだ、すごいことをやっているわけです。憲法にだって職業選択の自由というものは認められているでしょう。あらゆる諸法規は憲法に従ってやっているわけでしょう。それで一方的に労働の意思なしと、こういう認定をするならば、一体失業保険をもらうためには強制労働までしなければならない。これでは受給者がないということになると思うのです。こういう実態があるんです。ないと言うでしょう、証拠がないものだから、二人でかけ合いすればいいけれども、なかなか私はそういうひまもないから。そういうものはやはり適切な指導をすべきだと思うのですが、これはたいへんな問題ですよ。農村の場合は忙しい夏季は農業に従事して、冬季出て夏季帰ってくるというのが多いようですけれども、秋田県の場合は逆な現象もあるわけです。夏働きに行って冬帰ってくる集団もあるわけです。しかも、これは男鹿市なんというところは戦前からです。これは漁村なわけです。何というか、日本海が荒くなったら北海道のほうに遠洋漁業なんか行って冬帰ってくるわけです。そういうところなんかが、そういう理由でばちばちやられたんでは、これは一つの自治体の重大問題になるわけです。それはもうずっと戦前からそういう生活をしているわけです。法律がどうできようと、大体子供ができて、生年月日も同じです。父親が一緒に帰ってくるから、そういう特殊なところもあるのです。能代職安にもあるのです。戦前からそういう生活形態をとっているのです。それが万博がどうとかこうとか、ちょっとくらいで労働の意思なしと一方的に認定されたならば、これは私はそういう個々の人を守るとかじゃなく、地域社会の生活を一変させなくちゃならぬです。何かの政治手段がなければ、地域においては重大な問題になっているわけです。だから、秋田県の知事等も、失業保険改悪の場合――保守が圧倒的に強いけれども、地域社会はそういうものだから反対決議をせざるを得ないわけです。地域社会がどうだから法を曲げてくれと言っているのではないです。最も厳格にやってほしいと思うのです、客観的に。それを三回くらい誰何しただけで、「行きませんね」、「行きませんね」、「行きませんね」と、じゃ労働の意思なしのほうにスタンプを押して窓口で帰っていただきますと言うのは、残酷きわまりないと思うのです。そういうことがもしあったならば、どういう指導をしますか。
#28
○説明員(増田一郎君) 先ほども申し上げましたように、いろいろ求人がたくさんございますので、安定所としては紹介はしなければならぬ。その場合に、たとえば万博のお話が例で出たわけでございますが、単に万博を断わったというだけでは、私ども給付制限はしないというふうにしておるわけでございまして、その断わったことについていろんな特殊な事情があって、正当な理由と申しますか、そういうことがあるかどうかということを個別に判断いたしまして、失業の認定をやるやらぬをきめる、こういうふうにいたしておるわけでございます。なおまた職業の紹介につきましては、親切にやるようにと、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、ただいま先生御指摘のような点につきまして、一体そのような場合に万博の紹介を断わったことについて正当な理由というものがあったのかどうかと、こういった認定が、いま先生がおっしゃられましたような例がそれに当てはまるかどうか、ということが問題になるだろうと思うのでございますが、いずれにいたしましても、御指摘のようなことがございませんように、個々具体的な事例につきまして、十分今後指導してまいりたいというふうに考えます。
#29
○沢田政治君 いまのことに関連してお聞きするわけですが、職安のほうで就職を世話するということは、これは任務でありますから、やはり全体的に労働力の需給ということは任務の大前提になっておりますから、必ずしもこの失業保険を給付するところが職安じゃありませんから、それもありますけれどもね、それはいいんですね。その場合、これはちょっと私はわかりませんけれども、もちろん、この労働条件、賃金ね賃金、これは明確ですよね、拘束九時間ですか、基準法のこの最大許容は実働八時間ね、それで何がしかの何というか賃金であると。その場合ですね、食費は幾らかかるんだと、どういう施設があるんだと、環境はどうなんだと、こういうところまで実態調査なんかをして確信を持って職業をお世話しておるのか、あっせんしておるのかですね。ただ、何というか、求人側の職安への一片の、この何というか手続なり書類、あるいは求人者の一方的な条件提示だけで紹介しておるのか、その点はどうなっておるんでしょうか。
#30
○説明員(増田一郎君) その点につきましては、特に遠くに離れましたところにおきまして職業を御紹介申し上げるという場合には、私ども相当注意をしておるつもりでございまして、賃金幾らといいます場合にも、それが定期の給与なのか、あるいは時間外手当までも入れたものかどうか、あるいは食費は現物支給になるのかどうなのか、宿舎の設備はどうなのかといった点は、十分調査の上連絡をしておるところでございます。また特に冬期の需要地からの連絡につきましては、単に紙だけで連絡をするということでは、そういった行き違いもあり得るということで、私どもといたしましては、そういった求人につきましては、できるだけ東京なり大阪なり名古屋なりの職安の職員を実際に現地に出向かせまして、単に書類で連絡するということじゃなくて、現地の事情を十分知っている職安の職員に出向かせまして、いろいろそういった点の連絡も申し上げているというようなことでございまして、今後ともそういった点について、現地へ赴任してからトラブルが起こるということにならないように十分注意をしてまいりたい、というふうに考える次第でございます。
#31
○沢田政治君 計画局長にお聞きするわけですが、数が多いのでいろいろなケースがあってですね、これもおそらく職安を通してきたのじゃないかと思うのです、これは。職安を通してきたらこういうことは起こらぬと思うのですが、賃金の不払いがあるわけですね。その場合、十日払う、二十日払うと言って一カ月も延びるわけですね。おかしいじゃないかということで追及するわけですね、雇用主に対してですね。基準法上の個々の使用者というのは、なかなかややこしいから一番上が使用者ということには限りませんが、基準法上の使用者に抗議するわけだ。その場合に、サングラスをかけたあんちゃんが出てきて、何を言うかおまえらと。そういうことも非常に苦情が多いわけですね。建設業法の改正とか何とかいうこともあるのだけれども、そういう以前に、そういうものの存在をどうして許しておるのかですね。そういうものに下請をさせるような建設業者に対して、どういう指導をしておるのかですね。案外多いのですよ、これは。下になればなるほど多いのですよ。それで、こわいもんだから黙ってお金をもらわずにうちへ帰って、おまえそんなことを言ったらばらしてしまうと言われたら、ほんとうにばらされるのだと思って、遠くまで追いかけてきてばらされると思って泣き寝入りするケースが多いのです。確証――あえて確証ないだろうと思いますけれども、およそあると思いますか、あるらしいと思いますか。あったとしたらどういう指導をしているのですか、これは。
#32
○政府委員(川島博君) 先ほど労働省御当局から、正規の職安を経由するのが三割程度、そのあとは縁故だということでございますが、事実私どもが聞いておる範囲でも、必ずしも職安法上的確なルートで供給をされていない事例があることは、これはまあ事実であろうと思います。また、実際に現場における雇用形態におきましても、そういった中間的な、手配師といいますか、労働ボスが介在するということもこれは事実であろうと思います。もちろん、これらの就労条件が完全に労働法規に違反しているということが明らかな場合には、当然そういった雇用形態をとっておる建設業者に対しましては、私どもは、それが悪質な場合には、これは当然建設業法上の監督処分ができるわけでございますが、そのほかにも、たとえば指名によりまして、そういう悪質な業者については指名条件についての考慮をするとか、あるいはまあ最も悪いものについては指名を停止するとか、こういう手段もあるわけでございます。ただ問題は、そういったすれすれの雇用が完全に法律違反という形で行なわれているという確証がつかめませんと、これは監督処分もなかなかできない。その辺が事実関係を明らかに法律違反であるというふうに追及をしてきめ手をつかみませんと、なかなか監督処分ができない。当然それが法律違反であることがはっきりしております場合には、手だてがあるわけでございますが、その辺がなかなかはっきりつかめないというところに問題があるのじゃなかろうかというふうに考えます。
#33
○沢田政治君 これは通達を出しておるのかどうか私そこまでわかりませんが、賃金不払いとかそういう問題を起こした業者には、どういう方法でやっているのかわからぬけれども、入札をさせない、応札をさせない、こういうことは行なわれておるやに、まあそういう取りきめをしたやに聞いています。これは実際はどうなっているのかわかりませんがね。今度建設業法改正を提案するやに聞いておるわけですが、そういう通達なんかでは、建設業の場合は相当いろいろな異質な分子が入っておるものだから、その一部によって、私は善良な建設業者に迷惑をかけることはいかぬと思うのですね。むしろ、何というか、どんどんどんどん労働力が逼迫しているから、建設業というのはこわいものだという考えをみんなに抱かせたなら、これはほんとうに正直なまじめな建設業者にとっては迷惑千万だと思うのですね。そういう意味で、今度建設業法を改正する場合に、そういう暴力的な団体とか諸法規に違反するというような業者は、やはり認可を取り消すか――これは認可になっていますからね、登録じゃありませんからね、そういう欠格条項を設ける意思はないですか。ぼくはむしろ、建設業の健全な発達のためには、そういう欠格条項を、何も建設業法ばかりじゃなく、いろいろな、鉱業法とかなんかでもみんな欠格条項がありますからね、そのくらいな欠格条項はもうこれはつけ加えてもいいのじゃないかと思うけれども、要綱を見る限りはそういうものはない。行政指導しますとか指導しますとか言っていますけれども、そういう意思はないですか。
#34
○政府委員(川島博君) 建設業法で監督処分を行ないます場合には、発注者と元請の関係あるいは元請と下請の関係、これについては現行法でもかなり詳細な規定がございますし、また改正案におきましては、特に元請と下請の関係については詳細な規定を置きまして、下請を保護する規定を整備する予定でございます。しかしながら、業者とその業者に雇われる労働者との関係、これにつきましては、建設業法が直接これを規制の対象とするのじゃございませんで、労働関係の法規その他によりまして、違法性があるということで処置をされると、その場合にこの明らかに犯罪を犯したとして禁錮以上の刑に処せられるという事実がございました場合には、もちろん建設業法で処分できるわけでございますけれども、そういうことがございませんと、そういう事実行為を私どもがみずから判断をして、これに基づいて業法上の処分をするということは、そういう体系にはなっていないわけでございますけれども、他の法令に違反して明らかに処断をされる、司法処分が行なわれるということが前提になって、初めて業法上の処分ができることになっております。
#35
○沢田政治君 十二時になったので最後にしますが、特に私さきに指摘したように、努力を全然しないというわけじゃないけれども、特に建設省の場合は、雇用条件のトラブルとか、そういうものを労働省が何とか――監督官庁がやるだろうとか、そういう消極的な態度ではなく、みずからもやはり所管の業者に対してある程度行政上の責任があるんだから、指導上もう少し前向きになってほしいと思うんです。と同時に、建設業における何というか、雇用形態というのは非常に千差万別なわけです。たとえばこれは、まあ建設業法の改正の際に申し上げるつもりですが、もう何というか、親請負から孫請負、ひ請負、ずっところがしてくるわけですね。しかも、その中には労務提供業的な可能性も非常に強いし、国の予算でやる事業だったならば、これは非常にナンセンスだと思うんですね。四つとか五つとか、なんというふうな請負をころがしてこれをやるのは予算がむだですよ、どっかでもうかっているのだから。一つでやったならば、もっと安い単価でできるはずなんです。むしろ認可とか許可とか、登録というよりも、そういう点については規制すべきだと思うんですね。一人親方を締め出すとか、ああいうことじゃなく――まあしかし、きょうは建設業法の審議の場じゃありませんのでそれを言いません。まあ労働省のほうで先ほど申し上げましたことを、私はある程度証拠を持っておるつもりですからお調べ願いたいと思うと同時に、建設省のほうでも、ともかく雇用問題は一切もう何というか、労働の需給問題、あるいは雇用問題のトラブルは一切別の監督官庁にあるんだという責任のがれではなく、前向きにやはり宿舎の問題、労働条件の問題を含めて努力をしていただきたいことを、最後に要望して質疑を終わります。
#36
○委員長(岡三郎君) これに対して渡辺建設政務次官、総括的にお答え願います。
#37
○政府委員(渡辺栄一君) ただいま沢田理事から適切なる御発言がございましたが、われわれも全く同じような気持ちを持っておるわけでありますし、特に今後の建設業界が労務の確保、あるいはその近代化というようなものにつきまして十分考慮しなければならぬという段階におきまして、ただいまお話しのようなことが十分にまだ実行されていないということは、まことに遺憾なことであります。われわれといたしましては、いま局長の申しましたように、あらゆる面からそういう問題には対処をしてきておるのでございますが、今後さらに十分ひとつ注意をしてまいりたいと思っております。
 なお、今回の建設業法の新しい制定等につきましては、ただいまいろいろ検討をいたしておるところでございまして、現在の段階におきましては、ただいま局長が御説明いたしましたような状態であることは事実でありますが、お話しのような労務の中間搾取的な問題等につきましても、十分ひとつ注意をいたしまして検討を続けてまいりたいと、かように考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#38
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#39
○委員長(岡三郎君) 速記を始めてください。それでは、本日はこれにて散会いたします。
  午後零時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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