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#1
第061回国会 建設委員会 第10号
昭和四十四年四月十五日(火曜日)
   午前十時二十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     占部 秀男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡  三郎君
    理 事
                大森 久司君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                上田  稔君
                小山邦太郎君
                高橋文五郎君
                塚田十一郎君
                中津井 真君
                林田悠紀夫君
                柳田桃太郎君
                米田 正文君
                田中  一君
                宮崎 正義君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  坪川 信三君
   政府委員
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
       建設省住宅局長  大津留 温君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       建設省都市局都
       市高速道路公団
       監理官      角田 正経君
   参考人
       首都高速道路公
       団理事      有田  毅君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○都市再開発法案(内閣提出)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (高速道路の通行料金等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡三郎君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 昨十四日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として占部秀男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岡三郎君) 前回に引き続き、都市再開発法案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○春日正一君 この前都市再開発あるいは都市計画の根幹になる総合開発計画の問題についてお聞きしたんですけれども、この際大臣にお聞きしたいんですが、まあ都市再開発あるいは都市計画というような町づくりですね。これは当然住民の福祉、そういうことを考えて、住民の発意といわゆる納得のもとに施行させるべきものだと、そこを主にしなきゃならぬというふうに考えますが、その点どうですか。
#5
○国務大臣(坪川信三君) 春日委員の御指摘になりましたとおりでございまして、この法の制定によって、地域住民の福祉という問題を十分与えるといいますか、当然福祉問題に、環境の整備、住宅の整備その他から通じて、地域住民の福祉に通ずる方針であることを期待いたし、当然の措置であると、こう考えます。
#6
○春日正一君 主観的に福祉に通ずるというのですけれども、それを受けるほうで、そういうものとして納得されなければぐあいが悪いし、そういう意味でやはり制度的にもそういう計画をつくる場合に、住民の意思が十分くみ上げられるという仕組みにならなきゃならぬことだと思うのですよ。ところがこの法案で見ますと、たとえば市街地でまあ相当多数を占めておる借家人あるいは間借人というようなものは、計画から完全に今度も除外されたまんまですね、計画ができている。あるいはまあ三分の一の人たちは同意しないままでも計画ができてしまっている。しかも、できれば、それに拘束されて、法的執行権が行使されるというようなことになると、これは大臣の言われる趣旨から見ても、一つの矛盾したことになるんじゃないかというふうに感じるのですがね。
#7
○政府委員(竹内藤男君) この事業は、都市計画としてまずきめるわけでございます。都市計画の手続は、先生御承知のように、きめます際に住民及び権利者の案の縦覧をいたしまして、住民及び権利者の意見書の提出を認めております。しかもこの提出された意見書につきまして、都市計画中央審議会におきまして十分審査をする、そうしてその採否を決定する、こういう仕組みになっておることは、先生御承知のとおりであります。さらに都市計画事業として行ないますので、組合結成の際にも行政庁の認可が要るわけでございます。その際におきましても、事業計画組合の定款というようなものを縦覧いたしまして、借家人、その土地及び建物に権利を持っております者は、すべてこれに対しまして意見書の提出が認められる、そうして認可権者の審査にかかる。認可権者は、不服申し立てと同じような手続によって、その採否を決定する、こういうような仕組みになっているわけでございます。それ以外にも、従来この席で申しておりますように、いろいろな点におきまして、関係権利者が意見を述べ、あるいは関係権利者の権利の保護について各種の規定を置いているわけでございます。したがいまして十分われわれといたしましては、先生申されましたような権利者の意思が反映できるような措置をとっていく、こういうふうに考えておる次第であります。
#8
○春日正一君 その点ですけれども、たとえば都市計画の決定をするという場合ですね、これはこの都道府県のといいますか、自治体の議会さえも計画審議には参画できない。都道府県の計画審議会というのがあって、知事が諮問されて認可決定する。そういうふうな形で、自治体ではそれがきめられたあとから非常に問題が起こる。私の党のところなんか、ときどき局長のところにも陳情紹介していくのですけれども、きまったあとからそれを知って、これはたいへんだということで反対運動が起こる、陳情が起こる、しかも、もうきまってしまっちゃどうにもならぬというようなケースが、非常に多いわけです。そうしてその都市計画がきめられて、そのワクの中で、再開発計画がつくられて、それでまあ事業計画を認可して、権利変換計画を認可するという形で、段階を追って狭められていって、そうしてその場合、たとえば事業計画の問題についても、これはこの前の国会でこの法律成立していないのだから、この事業じゃないけれども、たとえば大利根の場合非常にたくさんの人が、何千通という異議の申し立てをしたけれども、これはもう都市計画できまったことに対する異議の申し立てだから審議の対象にならぬというような形ではねられてしまうというように、ワクをはめられていくんですね。だからそこらの辺、計画を決定するときにもっと周知徹底させて意見を取り入れるというような措置が保障されていませんと、そこできめられてしまうと、それはもう動かすことのできないものになって、そのワクの中で今度は再開発計画だと、こういうことになるわけですから、そういう意味で言えばたとえば意見書を出すことができるというようになっている。縦覧させるということになっていますけれども、これがきわめて形式的なものに終わって、一般の関係者がそのことについて事情を知って騒ぎ出すというのは、かなりあとになってからの問題ですね。だからそういう意味で言えば、計画の決定もされて、民主的にやらなければならぬし、そういうものについての計画案というものは、個々の関係の住民に少なくとも官報で公表するというようなことじゃなくて、広報なり特別のそれに必要な文書でもって周知徹底させて、異議のある者は申し出なさいというようなふうに規定をしておきませんと、これは必ずあとで問題が起こる。そして何も知らぬうちにやられたという不満が出る。その辺の手当てはどうなんですか。
#9
○政府委員(竹内藤男君) 従来の都市計画は、先生おっしゃいましたように縦覧の制度もございませんし、それから意見書提出の機会も法律上認めなかったわけです。そこでまあ六月から施行になります新しい都市計画法で、十七条におきまして公衆の縦覧の規定と住民及び利害関係人が意見書を提出することを認めたわけです。今後六月以降に行なわれます都市計画は、すべてこの手続によって行なわれるわけでございます。必ずそういうことが法律上きめられる。同時に先生おっしゃいましたように、単に形式的に官報等で載せてですね、あとはまあわからぬようにしてやってしまうおそれがあるのじゃないかという点につきましては、私どもの指導方針といたしましても、十分まあ住民なりあるいは利害関係人にわかるような方途をとることを、私どもといたしましても指導してまいりたいと思います。ただ手続的に段階がございますので、都市計画そのものにつきましては、都市計画決定の段階においていろいろな方法をとって、住民の意見を聞きながら決着をつける。そして次の事業決定の段階では、また意見書の提出を求めて事業計画を決定する。さらに権利変換計画の場合も関係者の意見書を提出して決定させる。手続的にやはりそういう段階を追っていくものですから、そういう段階段階ごとにそういう機会を与えて処理していくという構成をやっぱりとらざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。先生おっしゃいました点は、十分気をつけてまいりたい、こういうふうに考えております。
#10
○春日正一君 まあそういう説明があっても、私非常にひっかかるのは、これが全国総合開発計画、首都圏その他の整備計画、上位計画からずっとおろされてしぼられてきて、そのワクの中ではめられていくという問題ですね、だからそこらの辺が、どうしても計画が上から押しつけられてくるという懸念はぬぐい得ないところです。
 そこでその次に今度の法案では、去年の改正してですね、第三条に新しくまあ高度利用地区という概念が出されてきているのですけれども、これと容積地区との関係ですね、これはどういうふうに位置づけされているのですか。
#11
○政府委員(竹内藤男君) 先生御承知の都市計画の地域地区、これはまあ用途地区と容積に関する地域地区がございますが、それの中に高度利用地区を新しく一項目起こしまして追加するわけでございます。それの要件といたしましては、用途地域に指定されている市街地において、高度利用地区が指定できるということでございますので、容積地区を施行しておりません、容積地区の指定をしてないところで、つまりまあ従来のように建蔽率と高さの形で建物の容積を規制するそういうような地区におきましても高度利用の指定が可能である。そしてまあ容積地区はいわば最高限を押える、それからいまの建蔽率、高さも最高限を押える。これはいわば最低限を押える。そういうワク組みの中で高度利用地区を指定して最低を押える、こういう関係になります。
#12
○春日正一君 そこで、この高度利用地区というのは、どういうところをどういうふうに指定していくという形になるわけですか。たとえば一つの行政が、たとえば東京の千代田区なら千代田区というものはこれは高度利用地区だと、だからそこではその条件がなければ建築はできないというような広い指定をするのかどうか、あるいはどこかで再開発事業をやると、その再開発事業に該当する区画だけを高度利用地区として指定していくという形になるのか。
#13
○政府委員(竹内藤男君) 高度利用地区の指定は、当然木造とかあるいは特別な公営企業の建物以外のものにつきましては、最低限が規制されるわけでございます。その規制に従って事業が行なわれない。事業といいますのは必ずしも再開発事業だけではなくて、民間が自力で建築物を建てる。耐火建築物を建てるというのも含まれる。そういうような広い意味の再開発の事業が行なわれる。したがいまして、私どもの考えといたしましてはそういうような計画、そういう不燃建築に建てかえるような相当ポテンシャルと申しますか、そういうような不燃建築に建てかえるような機運が熟成しているような地区について、この高度利用地区をかけないならば、いたずらに権利の規制に終わってしまうというふうに考えるわけです。必ずしもこの再開発事業には限りませんけれども、広い意味の再開発事業の実現の可能性と、それから都市計画の必要性というものと両方考えて指定をしてまいりたい。したがいまして端的に申し上げますと、そういうような民間の建築を含めました広い意味の再開発事業を行なう可能性のある地区を中心にいたしまして、高度利用地区の指定をしていく、こういうふうに考えているわけでございます。
#14
○春日正一君 そうすると、結局機の熟したという非常に抽象的な言い方ですけれども、機の熟したところをぽつんぽつんと指定をしていくという形になって、広い面積にわたって一律にこの区域、たとえばいま言った千代田区なら千代田区は高度利用地区というようなかけ方をするんじゃないということなんですね。
#15
○政府委員(竹内藤男君) この高度利用地区自体からは、そういう結論が必ずしも法律的に出てくるわけではございませんけれども、実際問題として、現在のところはたとえばよく言われますように環状六号線の内側を全部高度利用地区に指定してしまえというような議論がございますけれども、そこまでは踏み切れない。やはり事業があとでフォローできるような、それはある程度長期になったりすることはしようがないといたしましても、フォローできるような形でなければ、高度利用地区の指定はできないのじゃなかろうかと思っているんですが、そういう意味で、先ほど広い意味の再開発事業を中心とした地区について、段階的に指定をするというふうに現在考えておる。こういうふうに申し上げております。
#16
○春日正一君 そうするとやはりぽつりぽつりと必要な計画というか条件の点などを指定してやっていくということになると、やはりあっちにも高度利用地区ができる、ここにも一画できるという形で、非常にちぐはぐのものになって、都市計画自体がやはりそういうもののあとを追いかけていかなければならんような、そういう矛盾が出てくるのじゃないかという気がするのですけれども、そういう辺はどうですか。
#17
○政府委員(竹内藤男君) 確かに先生おっしゃいますように、都市計画の理想から言えば、地域、地区と都市施設とそれから事業とこういうものは一ぺんに都市計画を決定しまして、そしてそれに基づいて具体的に規制なり事業を進めていくというのが理想でございますけれども、まあ、非常に長い間規制だけに終わってしまうというようなところにつきましては、やはりいきなりきびしい制限を伴います地域規制をかけていくというのは、実際問題としてもできないことでございますし、また権利者に対する制限も強くなりますので、やはり要所要所と申しますか、ある程度まとまっていなければいけないと思いますけれども、全面的にかけるというようなことを、いまのところ私どもとしては期待しているわけではないわけでございます。
#18
○春日正一君 そうすると、結局まあ、この法律にあるこの立体換地方式の再開発というようなことになれば、どうしてもそれは地価の高いところ、上にうんと上乗せして、そこから資金のたくさん生み出されるところというようなところに経済的に限られてくるということになるわけですから、結局こういうものを民間資本にまかせるというやり方をとれば、都市づくりの観点から見ればここは必要だというところがやられないで、地価の高いところ、もうかるところ、そういう都合のいいところだけがやられていくようになるし、そういうところで再開発事業をやるのだから、組合つくるから高度利用地区にかけてくれというような形になってきますと、ほんとうの意味での都市問題の解決だということには役立たない、そういうおそれが出てくるのじゃないですか。
#19
○政府委員(竹内藤男君) 必ずしもその商業業務地域みたいな地価の高いところだけをやっていくという考え方を持っているわけではございません。私どもといたしましては、むしろほんとうのビジネスセンターというようなところは、これは民間の建築で十分このような再開発事業によらなくても開発が進むのではないか。したがいまして、私どもが考えておりますのは、いままで申し上げておりますように、主として小売り店舗がございますような商店街を改造しようというような、あるいは幹線街路あるいは駅前広場を整備するために再開発をやろう。と同時に、たとえば住宅地でございましても、低層木造の家屋があって、そうしてかなり再開発に適するようなところにつきましては、これはまあ、広い意味で申しますと、都心及び副都心の周辺地区になろうと思いますが、そういうようなところにつきましては、住宅地の再開発というのをやってまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。それ以外に前から申し上げておりますような、江東地区の防災拠点のようなところも再開発してやっていくというようなことでございまして、戦略的に地区の指定はやってまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#20
○春日正一君 そこで、問題なんですが、それは、局長が都市計画の担当という立場で考えれば、戦略的重点からそれはやっていきたいということは当然だと思うのですけれども、この間の参考人の意見を聞いたときにも、東京都の山田局長ですね、あの人は、自治体としてはまあ、予算その他の関係で公共施設のめんどうを見るので手一ぱいだと、だから、そういう開発は民間にやってもらうというような公述をしているのですね。これはいまの自治体の予算の関係、そういうものから見て当然だと思うのです。この東京都の予算で大規模な再開発をやろうといっても、財源的にそれは不可能ですからね。自民党の都市再開発政策ですか、あれを見ても民間デベロッパーを大いに導入する、民間資本の導入ということを主にするというふうに言われているのですね。そうすると、結局特殊なところですね。そういうところは公共団体がやるとしても、この再開発法によって再開発を進めていく主要な主体になるものは、やっぱり民間資本、民間の事業としてやられていくということになると思うのですわ。そうなれば、当然そこにやはり参加組合員として参加するデベロッパーにしても、これはもうかるということを当然前提としておる。それで何か新聞に出ておった竹内局長とそのほうの関係の人との座談会でも、もうけはどうしてくれるということを率直に言っているのですね。だから、そういうことを見れば、営利の対象として、この都市開発事業がやられる。それにまかせるということになれば、極端な言い方をすれば、都市の改造という、この大事業が民間の大資本の食いものにされるというようなことにもなりかねないし、それからまた、そういう結果、もうかるところだけやる。もうからんところは引き受けぬということに、商売ですから、なるわけですから、どうしてもつり合いのとれた都市の再開発とか、改造というようなことにはなっていかないということにならざるを得ないのじゃないか、この方式では。
#21
○政府委員(竹内藤男君) この間、参考人の御意見がございましたが、いま非常に民間の建てかえ事業が進んで、膨大な再開発需要と申しますか、そういうものがある。その中で、これをすべて公共事業の手でやっていくということは、実際の公共団体の実態からいって無理である。そこで、非常に大事な地点については、まあ公共団体がこれを進んでやっていかなきゃならぬけれども、都市計画のワク組みの中で、しかも、公共団体が十分監督をし、まあ代行規定というようなものも置きまして、組合というものにこれをやってもらう方式をひとつここで考えていくというのが私どもの考え方でございまして、参加組合員というのは、要するに処分床を売る相手をあらかじめきめておこうということでございますから、そういうような方式で進まなければ、なかなか、非常に現にどんどん進んでおります無秩序な再開発と申しますか、そういうものに追いついていかないじゃないか。そういう意味で、民間の組合を事業主体にして、それが仕事ができるようにしたいというのがこの法律でございまして、私ども決して非常に大事なところを公共団体なり公団なりがやらないということを申し上げておるわけではございませんし、また、民間がやります場合に、都市計画というワク組みの中で十分な監督をしてやらしていく。参加組合員につきましても、組合自体が規制できるような法制をとりたい、そういう点も、これによって再開発をはかっていきたい、こういうふうに考えておるのでございます。
#22
○春日正一君 この答弁では安心というわけにはいかんのですがね。やはり局長は独占資本のどん欲さというのを過小に評価しておられる。
 そこで、次に今度の法案の五条で、新たに住宅を上乗せするという手直しやりましたね。特に住宅不足の著しい地域について、住宅建設の目標を設定するということを義務づける。こうなっているのですけれども、特に住宅不足の著しい地域というのは、一体どういう地域を言うのかということですね。
#23
○政府委員(竹内藤男君) これはこの前大臣からお答えいたしましたように、通達で明らかにしたいと思っておりますが、私どもとしましては、まずその再開発をいたそうとする都市なりあるいは都市の中の市街地なりが影響を持ちます都市圏の中で人口増加が、自然増加を上回るようなところ、いま端的に申しますと、過去五年間の全国平均の自然増加五%でございます。五%を上回るようなところまたは非住宅の居住、老朽、狭隘、過密住宅居住というような世帯が相当多いものですから、多いというようなところをある基準をもちまして住宅不足の著しい地域というような認定をいたしたい、こういうふうに考えております。
#24
○春日正一君 そうすると、たとえば東京なんかでは、全体として住宅不足が著しい、これは大阪とかそういう大都市圏はほとんどそうですけれども、そういうふうに全体として住宅不足が著しいから、そこの不足を補うためにこうしなければならぬという意味の住宅建設目標ではなくて、ある特定の地域、非常に限られた特定の地域で再開発事業をやろうというときに、そこではその建築物に一定の住宅を上乗せしていかなければならぬというふうに非常に限定された意味でそれが使われる、というふうに理解していいのですか。
#25
○政府委員(竹内藤男君) ここで言っております住宅建設の目標というのはその再開発事業におきまして何戸建てるとかどのくらいの規模のものを乗せるかということをいっているわけでございますが、住宅不足の著しい地域のとらえ方といたしましては、当該地域だけが住宅不足が著しいというのじゃなくて、その影響の及ぼす生活圏の中で住宅不足が著しければ、そういう地域において再開発事業を行ないますときには、住宅建設の目標を都市計画としてきめていく、こういうふうに考えております。
#26
○春日正一君 それで去年の法案では附則十二条で再開発事業の施行できる容積地区は「枢要な業務地、商業地」というふうに規定しておったのですね。ところが今度の法案では附則二十条で再開発事業を施行できる「高度利用地区」というふうに規定しているけれども、そこには「枢要な業務地、商業地」ということばが落とされちゃっているのですね。しかしいまの答弁をみると、住宅部分を上乗せということがきめられて狭い地域にそれが限定されるというような、運用というようなことになると、やはり去年の附則にあった「枢要な業務地、商業地」というふうなものはこれは落としたのだけれども、なくなったのじゃなくて、むしろ再開発事業をやるのはことさらに書くまでもなく枢要な業務地、商業地に主としてやられるのだ。だからそんなことをことさら書くまでもないということで落としたということですか、それともこの落としたのは何か理由があるのですか。
#27
○政府委員(竹内藤男君) 去年の表現では「枢要な業務地、商業地その他の市街地」ということになっておりまして、私どもとしては住宅地も含めて考えていたわけでございますが、やはり条文上「枢要な」というのが上にくっついておりますので、繁華街しか再開発ができないのだというふうな解釈もあるいはされるおそれがあるということで、今回は用途地域を指定しております都市ならば、用途地域の指定してあります地域については、高度利用地区をかけることができる、法律上。そういうふうにいたしたわけでございまして、考え方としましては従来のように枢要な市街地しか高度利用地区と申しますか、再開発ができないというのを広げまして、用途地域の中では高度利用地区を指定して再開発ができる。したがいまして、かなり建物が建っているというようなところにつきましては、それが何も都市の中心部に限りませんで、周辺部においても再開発ができる、こういうふうに考え方を変えて法律を出したようなわけでございます。
#28
○春日正一君 そこで、住宅を上乗せるというふうにあれされておるのですけれども、再開発と住宅の関係で、たとえば、公営、公団住宅の割合ですね、これは高層住宅の計画は今度の予算では一万三千戸ですか、それから公庫の融資分、いわゆるマンションなんかに融資する分が一万四千戸というように今度の数字はなっておりますね、四十四年度の予算は。すると、この中でかりに再開発法が成立して、それが動き出すということになれば、一体どのくらいな部分が住宅地の再開発というようなものに向けられることが予定されているのですか。あるいは来年度以降かりに考えてみると、そういう公団なんかの再開発のための計画資金というようなものは、どのくらい見込んでおりますか。
#29
○政府委員(竹内藤男君) この法律ができておりませんので、まだ具体的な要求数字を持ち合わせていないわけでございますが、この前ちょっと申し上げました隅田川の白髪橋のところに防災拠点をつくりたいということで、四十四年度は具体的な調査にかかる。その向かい側に南千住というところがございますが、そこに公団住宅を、公団によります再開発事業を私どもとしてはやりたいと思っております。面積で約五十ヘクタール、住宅八千戸ぐらいの規模のものを考えておりますが、これはまあ四十五年度の予算要求になると思います。そういうことを具体的な計画として、いま計画を練っておる段階でございます。
#30
○春日正一君 そうすると、そのテンポでは、今度の計画で予想されている六十年度までの膨大な人口の都市集中というものには、とてもじゃないけれども、及びもつかぬ、それはほんの焼け石に水みたいなものにしかならぬ、というふうに考えていいですか。
#31
○政府委員(竹内藤男君) この法律が成立しまして再開発事業が行なわれましても、これによって東京、大阪のような非常に人口が急増いたしております地域の住宅対策をこれで当面まかなう、というような状況にはなってこないじゃないか。やはり周辺部の郊外の団地の開発なりあるいはニュータウンの建設なりが相当やはり必要でございます。ただ将来の布石といたしましても、あるいは現在におきましても、できる限り住宅をこちらに持ってくるという政策には役に立つと思いますけれども、これだけであるいはこれが相当大部分を占めて住宅不足の解決をするというようなわけには、当面なかなかいかない、そういうふうに私は感じております。
#32
○春日正一君 いま江東の防災開発の話、ちょっと局長言われたのですけれども、あれはやるとなれば東京都が施行者になるという形でやるわけですか、あるいは国が直接やるというような考え方をしておいでなんですか。政府委員(竹内藤男君) 六カ所を一応考えておりますけれども、それを、全部をどこでやるかというのは、まだ全部きまっておりませんけれども、大体東京都を施行主体というふうに考えておるわけです。場合によりましては、あるいはその一部につきまして、公団が乗り出すなりあるいは公社が乗り出すなりというようなことはあろうかと思います。まだはっきりきまってはおりませんけれども、大体東京都が施行主体になるというふうに考えております。
#33
○春日正一君 東京都がやるという場合、国としてどのくらいな援助をすることになるわけですか。
#34
○政府委員(竹内藤男君) やり方はいろいろあるかと思いますけれども、いまのやり方でいきますと、公共施設の負担金というものを公共団体である都が出しますときに国が補助をする、これは道路、広場あるいは公園といったものについて、そういうことが考えられる。それからもう一つは、防災街区並みの設計なりあるいはクリアランスの一部の費用の補助が考えられる。私どもとしましては現在はそういうことでございますが、将来はああいう地区をやります場合に、この事業がうまくいきますように補助なり融資なりの手当てをもっと強力にやってまいりたいと思いますが、現在のところは制度的に考えられておりますのは、そういう制度でございます。
#35
○春日正一君 江東の防災の問題は、地震がいつくるかわからないという未知数の非常に大きな危険を含んでいる。あの辺は改造しなければならない非常に乱雑な町の形になっておるわけですから、東京都としてももちろん積極的にやるだろうと思うのですけれども、国としても、この問題はやはり国のやるべき重要な仕事として強力に推進していくというようにしてほしいと思います。
 そこでその次に民間資本の導入の問題ですけれども、これは私は事実についてお聞きしますが、それで渋谷の道玄坂の恋文横町というところを含む三角地帯、あすこは四十二年七月に防災建築街区造成組合ができて区役所は総工費五十億円の再開発計画を立てているのですけれども、この地域の土地の所有者と借地人、借家人、これは百六名おるようです。そのうちこの組合に、計画に賛成している人は、私どもの調べたところでは三十二名だというのです。そうするとこの三十二名というような数で組合は設立することができるのかという問題です。
#36
○政府委員(大津留温君) 渋谷道玄坂の防災街区造成組合でございますが、この組合の設立を認可いたしましたときの組合員の数は三十二名、関係権利者の数はいま御指摘のように百六名でございますが、組合員でない方がしたがって七十四名でございます。まあこの七十四名の組合員におなりにならなかった方が、この事業に反対なのか賛成なのか、これは組合員でないから、反対というふうに必ずしもなるのかどうか。私どもが組合員にならなかった方の御意向をいろいろ伺ったところだと、その中にも事業には賛成だとおっしゃる方も実はおられるわけです。私どもが伺った範囲では、その中で四十二名の方は賛成、賛意を表しておられる。反対の御意向の方は二十二名、残りの十名の方は態度を保留しておられるというふうに伺っております。
#37
○春日正一君 問題は、私の聞いているのは百六名のうち三十二名で防災街区の組合をつくった。その三十二名の組合でこの百六名を拘束するような計画が立てられるのかどうかということです。
#38
○政府委員(大津留温君) 現行の防災街区造成事業では、この組合というのは必ずしも施行者になるわけではございませんので、渋谷の場合におきましても、組合員である個人が単独あるいは共同で個々の防災建築物をお建てになるということになっております。
#39
○春日正一君 それは話が違うのですね。渋谷の区役所から出した資料を見ますと、大体こういう計画になっているのです。あの一画ですね。あのまん中に十九階建ての事務所をつくる。下から四階までが商店街、それからこっちのほうには十六階ですか、その上に住宅八十戸ですか何戸か載せるというような形であの街区全体をこういうものにつくってしまう、そういう計画ができて、これに詳細な予算とかそういうものまで出されているはずですね。だから、結局それがこういう法律はできてもいないし、防災街区建築組合というような形で百六名と三十二名ですから、いまの法律からいったって定足数は不足なんですけれども、その人たちを土台にしてこういう計画をつくって押しつけていくというような、そういうことが実際やられることが可能かどうかということですね。
#40
○政府委員(大津留温君) 現行の防災街区造成法におきましては、この新たな今回御審議いただいております法案のようないまの強制力というものがございませんから、いまお示しの計画というのも一つの構想というべきじゃなかろうか、それを第三者に強制していく力は、権限はございません。そういう構想にのっとって仕事を進めていきたいということで、それぞれの所有者なり借地権者の権利者の方が防災建築物をお建てになる、こういうことになっているわけでございます。
#41
○春日正一君 こういうことになっているのですね。第一期として去年建てた緑屋ビルですか、九階建てのを私見てきましたが、それからこれには二階三階に計画どおり遊歩道がついておりますね。これが渋谷の駅のほうへずっとつながっている。だから渋谷へ降りる人はずっと入ってこられるような計画になっている。そういうものまでも緑屋ビルにはちゃんとつながれている。そうしてそれに区として四十三年度で二千七百万、四十四年度三千八百万補助金を出しているわけです。そうすると、この青写真、それからこの図面に基づいてやはりきちっとそれをはめていき、なんでもかんでもそういう形にしてしまうということが区の計画としてきめられて、そうしてそれができるところから進めていってしまう。そうしてこれが反対している人たち、この人たちの意見とかなんとかいうものは、取り入れようも何もしないという形で押しつけてくるというところ、ここに現実が出てくるわけですね。私の聞いたところでは、区役所ではこの法律が通れば、それに切りかえたいというような意向を持っているように聞いているのですけれども、そこでそういう形でやられる、それに対するいま言ったような補助金を一体国としてはどのくらい補助しているのですか。
#42
○政府委員(大津留温君) 四十三年度の国の補助金は、この事業に対しまして四百八十七万九千円でございます。四十四年度はいまのところ予定をしておりません。
#43
○春日正一君 そうすると、結局国で補助金を出してやはりそういうものをがむしゃらにとにかく押していくということを現に進めておるわけですね。これはたいへんな問題だと思うのですよ。さっき一番先に私が聞きましたように、大臣も言われたように、住民の望みあるいは住民の納得というものに基づいて町づくりをしなきゃならぬときに、ここでは、先ほど言ったように、三十二人が組合をつくっておる。百六人のうち四十六人が三角地帯権利者の会、これは会員名簿もここにありますけれども、それに入って、つまりこういう計画には反対しておる。その反対しているほうが三十二人より多いわけですわ。事実言えばこういうことなんです。この三角地帯の中でこの青いところはこれは緑屋ビルはもうできてしまっている。だから問題ない。ここは長谷川ビルというものができてしまって問題ない。残っているところで赤線の入ったところ全部反対ですね。こういう状態なんですよ。あすこに住んでおる人たちも、渋谷のあすこで、しかもあの現状でいいというふうには考えていない。しかしこの計画には非常に不安があった、不安があるということで反対しておるわけですわ。それを納得させる手続をとらないで強引に計画を進めてしまう。区も補助する、国も補助するということになれば、これは多数住民の意思を押しつぶしても計画どおりやってしまうという、そういう姿勢といいますか、そういうことになってしまうんじゃないか、その点どうですか。そういうことがいいと思っておいでになるのか、必要だと思っておいでになるのか。
#44
○政府委員(大津留温君) この計画に賛成なさる方は反対の権利者の意思を押しつぶして工事をやる、そういうようなことはどだいでき得ない性質のものでございます。こういうあの地区のように都市の非常に大事なといいますか、枢要な場所で、防災上も非常に重要な地点だと思いますので、あの地区に計画的に防災建築物ができることが非常に望ましい、好ましいことだと私どもは考えております。そこで、そういったできれば総合的な計画のもとに皆さんが協力して防災建築物をお建ていただければこれにこしたことはございませんが、反対の方々の意思を押しつぶしてまでやるということは、現行法ではそういうことは期待もしておりませんし、できもいたしませんわけでございます。
#45
○春日正一君 現行法ではそれが許されていないから、いま言ったように部分的にできるところはその計画に離れてもつくって、あとはその計画に乗せていくということで強引に何というか、計画を押しつけるという態度をとっているわけですね。そこで問題になるのは、この再開発法が成立すれば、この地域には防災建築街区造成法にかわって都市再開発法が適用されるということにたるのかどうか。
#46
○政府委員(大津留温君) 新法ができましても、防災建築街区造成法に基づいて事業を行ない、かつ組合をつくっておりますものは、その組合が解散するまでは現行法つまり防災建築街区造成法に基づいて存続することに相なります。
#47
○春日正一君 そうすると、組合があればそれはそれでやるけれども、法が通って、それじゃ組合は一応解散して、実際仕事ができない組合だから解散して、新しくこの法に基づいて組合をつくるということになれば、五人の発起人があり、そして三分の二が賛成すれば、あとの三分の一の意思はどうあれ、ともかくこの法律は適用されると、そういうことになるわけですね、どうですか、そこのところ。
#48
○政府委員(大津留温君) 法律的にはそういうことも不可能ではないというふうに読めますけれども、すでに防災建築街区造成法に基づいて補助金を出した事業につきましては、防災建築街区造成法で最後までいくというふうな扱いをしたいということで考えております。
#49
○春日正一君 そうすると、この法ができても、あそこの地区はとにかく街区造成法でやっていくということで、あそこでいまのような形で皆が納得しないという状態になっておれば、あのままの状態でずっと続いてしまうと、そういうことになるわけですか。
#50
○政府委員(大津留温君) なるたけ関係者の方に御賛同いただくようにいろいろ話し合いがせられておるように聞いておりますが、それが御賛同得られない場合におきましては、強制力がないという現行法で最後までいきますから、おっしゃるような結果にはなろうかと思います。
#51
○春日正一君 私なぜこの問題を取り上げたかと言いますと、非常に再開発法の問題点をはっきりさせる顕著なケースだと思うから、こういう例を出しているわけです。百六名のうち現在三十二名が組合をつくって賛成しておる。四十六人は反対しておる。余りの人たちは様子見ているのですね。表立って反対もしないけれども、どっちがいいもんだろうかと様子を見ている。そうしますと、百六名の三分の二というと何名になりますか、七十名くらいですね。そうすると、残りの人たちをぐっと引き入れてあと四十六名の中から若干そっちに動く人ができれば、もう組合はできてしまって強制的な執行力を持つ、というような形になってしまうのですね。大体大ざっぱに言って、三分の一、三分の一、三分の一と地元の人は説明しています。賛成が三分の一、反対が三分の一、あとの三分の一はどっちにしようかと考えておる。そういうときにその三分の一をこっちに動かしたら、反対の三分の一はどうにも主張のしようがなくなって強制されてしまう、というようなことになるわけです。だから、そういうような無理なところが非常にはっきり出ているわけじゃないですか。だから、ついでのことですけれども、去年のいまごろの国会ですね、あの国会で、私は三分の一の問題を、三分の一という数は非常に大事なんだと、わが国会の本会議でさえ三分の一が出席すれば成立するのだからということまで言って、特殊な、局長の言う、どうしても動かぬパチンコ屋が一軒あったというような特殊の場合はこれは別として、一般的に言って三分の一というような数の人が反対しておるのを強制するというようなことをやるべきじゃないだろうし、たいへんな問題だということを言ったら、保利建設大臣は何も三分の二という数にこだわるわけじゃない。それはもっと多くてもかまわないんだというふうに言っておられたのですけれども、今度いろいろ手直しされて出てきた法律でも依然として三分の二というものに固執されている。この点の根拠、どうして三分の二というものを固執しなければならないのか、そのくらい無理しなければできないものか、その点どうですか。
#52
○政府委員(竹内藤男君) この法律で三分の二の同意を要するものは、組合設立の認可のときの権利者、ほかに組合ができましてから、組合の存立に重大な影響があると思われますような定款の変更その他につきましては三分の二の特別議決を要しておる。普通の場合、いろいろな法律がございますけれども、大体は過半数で事を決する。ことに重大なのは三分の二の多数決で決するということが法律の、何と申しますか、普通の考え方になっております。ほかの法制でも、たとえば区画整理の場合におきましてもそういうような法制があるわけでございます。したがいまして、法律上はやはり特別議決なり特別多数決という意味で三分の二というものを使っております。実際にこれを行ないます場合に、三分の一が絶対反対ということであれば実際上はなかなか事業が行なえない。やはり少数者に対する、先ほど防災で例を引かれましたような説得というものが必要になってくるかと思います。法律上は特別議決が三分の二ということになっておりますので、そのまま三分の二を使ったということでございます。
#53
○春日正一君 この問題は、この前、沢田委員あるいは宮崎委員その他からも指摘されたのですけれども、やはり都市再開発ということによって、生活そのものが脅かされるというような深刻な利害関係を持っている問題ですね。そういう問題を三分の二が同意すれば組合ができて、そして全員に対してその組合の決定が拘束力を持つ、しかも法的な執行力さえ持つというようなことになれば、これは非常に重大な人権問題をつくり出すと思うのです。いま局長が言ったように三分の一が絶対反対と言ったらなかなかできるものじゃないというなら、初めからできそうもないことを法律できめておいて、法律できまっているからやってもいいんだというようなたてまえをつくるということは、これは立法するその立場としても無理があるんじゃないか。三分の一が反対してもできるんだけれども、しかし大事な問題だから五分の四の賛成でなければならぬとか、十分の九の賛成でなければならぬというようにしておくのが、みんなの権利を保護するためにいいんだというのが本来の考え方でなければならないのに実際は三分の一反対すればできないけれども、しかし法律においては三分の二ときめておこうというようなことは、初めから無理な相談ですよ。そこらをこの前、保利大臣はこだわらないと言われたから幾らか検討していただけると思っておったのですけれども、依然としてそれに固執されている。
#54
○政府委員(竹内藤男君) 法律上の力としては、やはり三分の二の同意があれば強制的に組合の結成ができるんだというようにしたい。実際問題としては、やはり相当説得しなければ事業の円滑な遂行はできないということを申し上げたわけでございます。
#55
○春日正一君 この問題は、私具体的にそういうケースが起こり得るということで渋谷の問題でお聞きしたのですけれども、この渋谷の問題ではもう一つ大きな問題が含まれているのですけれども、この計画ができるそのバックにあるものは、渋谷再開発促進協議会というものがあって、これにはNHKとが帝都高速度交通営団、京王帝都電鉄、小田急、東急、東急不動産、東急建設、東急百貨店それから西武百貨店というような一流のいわゆる大企業がずっと顔を並べておる。約五十九団体が参加してこの渋谷の再開発促進協議会というのをつくっておって、しかもこの会の役員を見ても理事長五島昇、これは東急社長、常任理事鵜沢七郎放送センター管理局長、あるいは京王帝都の専務、西武の社長というような人たちがこの理事になって、その人たちがバックになって渋谷区域全体を再開発しようというもっと大きな計画を進めておる。そういうものの一環として、いま言われたあそこの地域の三角地帯の再開発の計画が、こういう具体案になって出てきておるわけです。そこで問題になるのは、この約四十一億の予算でこれができて、それに対する資金計画というようなものができておりますけれども、借用権、保証金として三十二億五千万、賃貸しの敷金、これが二億八千五百万というような、そういうものと、あとは補助金、こういったようなもので一階から四階の半分を権利床として地主や借地権者や借家人に渡す、そうしてあとは処分床として十九階建の事務所のビルとそれからこっちの住宅を乗せたビルとの処分によってまかなうと、その権利金、保証金としていま言ったような予算を組んでおります。
 ところで、ここで反対している人たちの不安になっている点はどういうことかというと、一体、一階から四階までの二分の一入れといったって、自分の店がどこへ入れられるのだかわからぬ。だからあぶなくて困るというような心配が一つあるし、かりに入ったところで、そこではたして営業をうまくやっていけるかどうか。この計算でいきますと、安いほうの案で見ても保証金が十坪について千九百八十二万円、高いほうの案でいくと二千五百二十七万円というような保証金と敷金を出さなければならぬ。それに店舗の造作、これが二百五十万かかる、そうすると、どうしても入るのに千九百八十万あるいは二千五百万というような膨大な経費がかかる。それに一カ月の維持費といいますかそういう経費として三十六万五千円、あるいは四十万、このくらいかかる。そのほかに借り入れ金の返済として一カ月三十三万三千円、このくらい返さなければならぬということになると、十坪の店舗でそれだけの金があげられるかどうかという不安があるわけですよ。だから根拠なしに何でもかんでも反対だじゃなくて、渋谷のあそこの現場ではいま実際裏へ回って見ますとほんとうに木造の非常に古くなった建物で、渋谷周辺にこんな建物があるかと思うような状態になっておる。だからこれは住んでいる人たちも何とか改造しなければならないのだけれども、この計画では不安で乗っていけないということで反対しているんです。それを、こういう計画を三十二名の組合員でもうつくってしまってきめてしまってどんどんはじから施行していくという形で、絶対そういう不安とかそういうようなものに対しては配慮もしないというような形で進められている。そうしてその人たちの心配しているのは、こういう形でかりに入るにしても、あるいは処分床を売るにしても、そんな高いところを利用できるというものはよほどの資力のあるあるいは営業その他の面で力のあるものでなければ借りられないから、結局何年かの後には、このバックになっているような大きな会社にそっくり乗っ取られてしまうのじゃないか、というような不安を持っています。だから、この不安というのは、事ほどさようにこういう計画がやられる場合には、よそにいろいろ例のないことだし、当然あるべき不安だ。そういうものに対して十分な説得もし、あるいは納得できるような計画の修正をするというようなことをやらずに、がむしゃらに押してきてしまう。その最後には、さっき言った開発促進協議会というような大資本の団体があるということになると、この都市再開発という事業が、私ども前から心配して指摘してきているように、大資本の食いものにされてしまう。いいところをみんなとられてしまう。中小の土地所有者の土地をまとめてそこに権利床とかなんとかがあっても、上のほうの部分は大きな資本がごっそりとって好きなようにしてしまうというようなことになりゃせぬかという不安が、はっきり出てくるのですね。だから、そういう意味で、こういう問題についてももっとあなた方が実際に即して研究して、住民の不安をなくするというようなことをする必要があるし、少なくともこの再開発法というものは、そういうことに対するはっきりした保証がもっと明確に規定されなければ、いまのような大ざっぱな規定でやられれば、一度法がきまってしまえば、立案者の意図いかんにかかわらず、一人歩きするものですから、どうしてもそこら辺でもっと深くこれは練り直してみる、考え直してみるということが必要になってくるのではないかと思うのですが、この点どうですか。
#56
○政府委員(竹内藤男君) こういうような事業をやります場合に、先生おっしゃいましたような、不安というのが商店街あるいは中小企業の方に起こるということは、私どもも当然だと思います。したがいまして、この再開発法が成立しました後においてこの事業を行ないます場合には、各段階におきまして、行政庁の認可という項がございますので、私どもといたしましても、認可の際に再開発される市街地の形態なりあるいはそれは都市計画の問題、それから事業をやります場合に、その事業計画の内容なりあるいは権利変換を行ないます場合に、実際に商売ができるような場所にこの権利が与えられるかどうか、というような点を十分認可権者がチェックをして、そして認可をするように指導してまいる。なお先生御承知のように、この法案には、幾つかのところに審査委員会を設けて権利評価等につきましては、十分審査できるようにいたしております。また最終的には、従前の権利の価値については収用委員会の裁決申請もできるようにいたしておりますので、そういうような形で地元の権利者が十分納得のいく形、あるいは不安を解消できるような形でこの仕事を進めていくように、認可権者の指導をやってまいりたい、こういうふうに考えております。
#57
○春日正一君 だから、私はそういう指導をしていきたいとか、運用でどうとかいうことじゃなくて、現に防災建築街区造成法ではできないことを、すでにああいう計画を立てて造成法という形の中でもがむしゃらにやろうとしているし、再開発法ができたら、それに移そうというような考え方も持って、そして三分の二が賛成すればできるというような規定になっておるということになれば、そういうことができるのじゃないか。私はその目の前にある事実を示して、こういうことになるのだから、法律というものはもっとそういう面できめこまかくきめておかなければならないだろうということを言っている。局長の善意で運用するとか、指導するとかいう問題じゃないと思うのですよ、その点を言っているのです。
 そこで、私、最後にこの住民の権利の問題ですけれども、この法案を組合が執行する場合でも、都市計画事業の性格を持たせて、公共の事業ということで、土地収用その他家屋の取りこわし、明け渡しなど、いろいろと強制執行の権限を与えているということになっているのですけれども、この場合、この大きな資本が民間デベロッパーというものが入ってきて、高層ビルを建てるというような、そういうものには公共性があって、そこに従来あった木造の集団、こういうものには公共性がない。だから大きなビルを建てるのだから、木造の集団というのは強制的に立ちのかしてもいいというような考え方というものは、どういうものなんですか、特にそれが民間の事業の場合。
#58
○政府委員(竹内藤男君) その市街地の形が、やはり従前の木造の集団では、ここに条件が書いてありますような条件のところでは、都市機能上も困るし、また、建築の利用の面からも効率的でないわけでございます。そういう都市計画的な立場に立って、そこに再開発を行なって、共同建築をしていくということ、あるいは大きな建物を建てていくということは、公共性を加味しているわけでございまして、木造が公共性がないとか、あるいはそういう参加組合員が、入ってくるものについて公共性を認めるというようなことではございません。この市街地の形態をわれわれとしては、もっと能率的な快適なものに活用していきたい。そこに公共性がある、しかし、それだけではやはり問題がございますので、従前おられました権利者の方あるいは関係人の方には、私どもとしては法律上いろんな段階で、そういう人の権利が保護されるような措置をしていきたい、法律上の措置もしていきたいし、行政上も指導してまいりたい、このように考えております。
#59
○春日正一君 私が一番心配しているのは、いま局長の言われたようなその市街地を改造して、都市機能をよくするというような意味での公共性、これは確かにあると思うのです。そういう公共性のある事業を国なり公共機関がやるというならば、これが筋は通っておるわけですけれども、その公共性のある事業を、民間にやらせる。特にその場合、営利を目的とする資本が入ってくるということをも認める。つまり公共性のある仕事を営利の対象としてやらせることによって、その営利団体に対して、公共団体の持つような公権力を与えるということになれば、これは営利会社ですから、当然営利を目的にしているのですから、その営利の目的のために公権力を行使するというような、非常に重大な矛盾が出てくる、そこを私は言っているわけです。
#60
○政府委員(竹内藤男君) 先ほど申し上げましたように、そういう形で再開発することに公共性を認めているわけでございます。問題は事業主体の問題、この事業は、要するにそこに権利者がおられる。その権利者の権利を新しく変えまして再開発の床にするということでございますので、この関係権利者が寄り集まって組合をつくる、その組合も営利法人ということではございませんで、この法律に基づいて認められる、いわばこの法律に基づく法人、一種の公法人的な性格を持つ、そういう組合がお互いの権利の変換を民主的な手続に従って行なう。そういう機関に対して、権利変換という強制処分を認めるということは、私どもといたしましては、決してその事業主体が民間の権利者からなる組合であるからといって、強制権は否定されるべきじゃない。もちろん構成要件は厳重にしなければいけませんし、監督も十分させなければいけませんけれども、そこまでは認められるということで、私どもとしましては組合に対しまして権利変換処分ということを行なう権利を認めても決しておかしいものではない、こういうふうに判断したわけでございます。
#61
○春日正一君 それはそういう理屈も一応立つのですけれどもね、いまそういう公権力なしでもいわゆる独占資本といわれるような大企業の企業の力というものは非常に大きくて、そうしてそれを何とか価格の形成の問題にしても、公害の問題にしても、その他いろいろの問題にしても、大企業のそういう専横を押えなければならぬということが、やはり有力な世論にいまなってきておる。そういう時期にそういうものに公権力を与えたらどうなるか、そこらを私は非常に心配するんですわ。
 その問題はそれでおいて、百歩譲って局長の論で事を進めるとしても、やはりそこに住んでおった人たちが家屋を取り上げられて新しいそこに建築物ができるという場合、住宅にしても商店にしても、やはりそういう公共のためにやはりそうされるわけですから、当然そこに従来おった人たちは特別な新しい負担ですね、たとえば家賃なら家賃がいままでよりもうんと高くなるとか、あるいは店の営業のためにいろいろな権利金その他たくさん取られて、営業状態がいままでより悪くなるというような、そういう特別な負担もなしに、新しく建つ高層ビルに移転できるというような前提があれば、まだ一応筋は通ると思うのですよ、そういうことになっていないでしょう。
#62
○政府委員(竹内藤男君) 大企業が入るというふうに言われますけれども、これはまあ前からお話し申し上げておりますように、参加組合員として入るわけで、組合の構成メンバーは権利者でございます。それでそれは結局金融上の、財政上のある程度援助ができるような形で、参加組合員ということで認めたわけであります。したがいまして参加組合員として負担金というものを、行政上の公法上の滞納処分の例に準じて、負担金を強制的に取られるという仕組みにしておるわけであります。
 それから二番目の問題につきましては、従前借家人の方がおられて、この人が新しく借家権を与えられてその借家条件がどうなるのかという問題と関連するんですが、借家条件は裁定によってきめるわけで、それから施行になります場合のことでございますが、いずれの場合におきましても、従前の借家権価格というものは当然借家条件をきめます際に考慮する、つまり差っ引いて考えるべきでございます。つまり家賃の計算いろいろございますけれども、近傍類地の家賃から考えると、それから原価家賃という基準がございますけれども、原価のイニシャルコストの中から借家権の価格を差し引く。従前借家権を持っていたわけでございますからこれは当然と思っております。現に新橋等の市街地改造において、借家権の裁定におきましてもそういう方法をとりました。ただ従来おりました建物において、まあ近傍の家賃と申しますか、あるいは時価家賃と申しますか、そういうものよりも著しく低い家賃で入っていた方が新しく鉄筋の建物に入るわけでございますので、そういうような効用価値の上がった分につきましては、当然これは高くなるというふうに考えられるわけであります。借家条件の裁定についてはそういうふうにいたしまして、借家人が不当な負担をこうむることのないようなことをしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。その点は政令案要旨にもお配り申し上げておりますけれども、政令におきまして明らかになっている、こういうふうに考えております。
#63
○春日正一君 そうするとこの法律では、家賃の決定権は組合が持っておると、そうしてその際の基準として、賃貸し人が受けるべき正当な利潤を考慮して定めるというのは、利潤まで考慮してきめられておるというようになっているわけですね。だからこれで見ればやはり家賃は組合が原価計算なり何なりに基づいて利益まで乗せてきめてくると、それを受けなければならぬということになるわけですわ。そうすると一番問題になるのは、前からおる人ですね、そこに住んでおる人、その人たちが建てかえによって、それは新しい鉄筋に入ったからよくなったじゃないかと言われるけれども、鉄筋に入ったから商売が必ずしもよくなるというものではなし、鉄筋に入ったから必ずしも生活が快適になるとかというものでもないわけですから、やはりそこに住んでおった者は、そこでいままでのように暮らしていけるということが最低の条件として保証されなきゃならぬ。私らは、貧しい者を保証しろと言ったって、いままでよりうんとよくなるようにしろと、それを何でもただで入れろとかそういうことを言っているわけではないけれども、少なくともいままでより負担が多くなるとか、生活に圧迫感を感じるとか、そういう条件にならぬように入れると、そうしてあと処分床のほうはこれは新しく入ったり買ったりするのですから、それは新しい人たちの合意できめていけばいいんだけれども、いままでそこに住んでおる人たち、再開発のために生活環境なり居住を変えられなきゃならぬ人たちについて、やはり新しい負担のないように入れるということを保証するようにきちっとしておきませんと、そういういろいろの保証があっても――この前からもこの問題はみんな委員がお聞きしているんですけれども――権利保証はするのですね。権利の評価、借家権の評価、何の評価はするけれども、やはり新しいものに入ってくる場合にそれじゃ足りないというような問題も出てくる。それから増し床というような問題になってきて、とても借り切れない、よそに移るというようなことになれば、そういう者に対しては、いろいろ権利の保証はするけれども、しかしそれはあくまでも権利の保証であって、生活保証になっていない、大きな財産を持っている人ならまあうちの一軒、二軒なくなっても生活に影響する問題じゃないからいいけれども、そこを根拠にして生活しておった人たちは、そこを移ったらやはりいままでの条件では生活できなくなるわけですから、当然越していく場合には、いままでと劣らぬ生活のできる程度の生活に対する保証、これは保証は補う意味の補償でなくて、保つ証する意味の保証というものが、きちんとやはりこういう公共事業をやっていく場合の概念としていま確立されていく必要があるんじゃないか、生活保証という概念がこういう場合にはっきり確立されて、どんな小さなところへ住んでそこで小さな営業をして暮らしている人たちでも、そこが公共の事業のために立ちのかされてよそにいくという場合に、少なくともその程度の営業なり生活なりが保証されるようなことが、きちっと確保されるようなことが、こういう事業をやっていく場合に確立されていませんと、非常にたくさんの犠牲者が出てくる。この点どうなんですか、そういうつもりじゃないんですか。
#64
○政府委員(竹内藤男君) 私どもといたしましても、先生おっしゃるような気持ちで法案の立案に当たったわけでございます。従前の権利に相当するものは当然与えられるわけでございますけれども、たとえば従前の権利の価値が少ないためにどうしても増し床をもらわなければならぬというような人に対しましては、施行主体が割賦払いを認めますとか、そのための資金の融通を施行主体に対していたしますとか、あるいは住宅金融公庫の特別融資を考えるとかということは、前にも御答弁申し上げたとおりでございまして、それから借家人の方につきましては、新しい借家権を与えるだけじゃなくて借家条件の裁定なり何なりの際に、先ほども申し上げましたように、従前の借家権価格を差っ引くというような方法によりまして、あるいはその他の方法によりまして、家賃ができる限り安く入れるような措置を講じていく。さらにどうしても床に入れなくて立ちのきをしなきゃならないという人に対しましては、公営住宅の優先入居あるいは住宅金融公庫の特別貸し付けというようなものは私どもとしてやっていきたい、そのことは公営住宅法の解釈からも当然出てくるということも、前に御答弁申し上げたとおりです。
 さらに保証の問題でございますが、借家権に対する保証は当然でございますが、それ以外に不動産移転料その他のほかに家借差額の補償、あるいは営業補償、移転雑費というようなものは補償として見てまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#65
○春日正一君 そういう最大限のことをやっても、やはり実際問題としてはそういう補償ではどうにもならぬで非常に困難する人がたくさん出てくるということは避けられないと思うんです。だからこの点は大臣、これから建設省としても再開発事業を進めるに際し、高速道路その他いろいろな公共事業をやって、そのつど立ちのきの問題とかなんとかというようないろいろな問題が起こってくるわけですね。そういうときに、いつでも出てきてどうにもならぬ問題というのは、そういう小さな権利者ですね。私、南千住のとうふ屋さんの話をよくするんですが、十坪の店でとうふ屋をやっていたと、とうふ屋をやっていれば一家が食っていけるのですよ。それが道路で立ちのきだと、ところが土地を借りておったものだから、三百七十万の補償金のうちの七十万しかもらえなかったと。七十万円でいまの世の中で出て行けといったってどうするんだと、家も買えない、しかもそこを立ちのいたらとうふ屋は成り立たないというような形で、いわゆる権利の保証とかなんとかということは正当にやっているんだろうけれども、それだけでは、そこを動くということ、そのことによってどうにもならなくなるような零細な弱い人たちがたくさんいる。そういうものに対してはっきり、公共事業に伴うそういう移転とかなんとかというような条件の場合には、生活を保証するというような概念ですね、そういうものをはっきり法の中に導入して保証させるということが必要なんじゃないだろうか。
 それで、ついでですから言っておきますけれども、この渋谷の問題でも、この人たちはけっこう商売やっている人たちだし、こんな状態じゃ困るんだと、だからここは改造する必要があるんだけれども、こういう区役所から出された書類とかなんとか計算してみると、どうもこの計画では自分が入ってからもてるかどうかわからぬ、というような不安があって賛成しないということになっている。これだって再開発法で強行されていけば、結局そこで入り切れないから出ていくというような事態さえ起こるんですね。だからこういういまのようなトラブルが起こらぬためにも、いままでいる人たちの既得の権利というものは十分に保証するんだと、あるいは零細なもので入れなくて出て行く場合にも生活はきちんと保証するんだというようなものが確立されれば、まだこの仕事をやっていく上で住民の犠牲というものは少なくなるし、それだけトラブルも少なくなるんだろうと思うんです。ところが、そういう点をはっきり確立しないで、実際には局長がいろいろ言っているような措置をとってみたところで、そこから漏れてくるたくさんの犠牲者というものは当然予想されるのに、その措置がされていないというようなことで、これからこの大事業がほんとうに円滑に進められるかどうか。そういう点で大臣から生活保証という問題についてはっきりお考えをお聞きして、私これで質問終わります。
#66
○国務大臣(坪川信三君) こうした大きな仕事をいたさせていただく場合におけるところのとうとい犠牲といいますか、小さないろいろな犠牲でありますけれども、私は非常に多くのとうとい犠牲をお願いしなければならぬという事態に対するところの行政の配慮、政治の配慮ということは、非常に重要な問題だと私は考えております。したがいまして、それまでに至るまでの段階において十分理解と納得と、そうして小さい多くの犠牲を出していただく側の立場になって配慮もいたしたい。こういう基本方針のもとにおいて、先ほど局長からるる細部にわたっての考え方を申し上げましたとおりの配慮を私はいたしまして、そうして理解と納得と話し合いの場を持ち続けて、そうして十分その間に立って、いま申し上げました考えを踏まえながら指導と、また御協力をお願いしていく、そうしてその犠牲になられた場合におけるところの配慮といたしましては、いまの具体的に申し上げましたとおりの方針と、私が冒頭に申し上げました考え方によって十分これらのとうとい犠牲になられた方には、配慮をいたす決意でございます。
#67
○委員長(岡三郎君) ちょっと局長に聞きますが、その場合の生活保証的な面で、営業権というものはどこかに書いてありますか、商売上における営業補償。
#68
○政府委員(竹内藤男君) その一般的な補償基準というのは、公共事業につきましてございまして、それに基づいて営業補償、つまり営業休止の場合、営業廃止の場合、両方ございます。営業休止補償なり営業廃止補償はいたします。
#69
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をやめてください。
  〔速記中止〕
#70
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。
 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#71
○委員長(岡三郎君) 次に、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、高速道路通行の料金に関する件について調査を行ないます。
 まず、本件について首都高速道路公団から報告を求めます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#72
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。
 有田参考人。
#73
○参考人(有田毅君) 業務担当の有田理事でございます。当公団の運営につきましては、諸先生方から平素格別の御高配をいただき、厚く御礼を申し上げます。おかげをもちまして、ただいま営業キロ六十一キロ程度です。通行台数も最近におきましては、日々横浜分とも合わせまして二十四、五万台という非常に多量の利用台数でございます。
 ただいま委員長から御指摘の件でございますが、かような非常に多量な通行車両がございます、その料金徴収につきましては、私ども公団の者といたしましては、平素よりこれの非常な確実性につきまして心を砕いておる次第でございます。いやしくもかような通行料の収受につきまして、不確実なこと等々ございますれば、まことに申しわけないことでございますので、われわれといたしましては、万全の措置をとりたいと存じておる次第でございます。
 ただいまは、全線六十一キロと申しましたが、この徴収の仕組みを御参考までに申し上げますと、地区といたしましては、都内線がございまして、この地区におきましては、徴収の体系といたしましては、公団職員の直営部門の徴収所が八カ所ございます。それからあとの徴収につきましては二十カ所がございますが、これを三つの民間会社に、この徴収事務を委託しておる次第でございます。それから神奈川県の羽横線につきましては、同じく一つの民間会社にこの徴収を委託いたしておりまして、徴収所が神奈川県におきましては九カ所ございます。合計いたしまして三十七カ所におきまして、日々の料金の収受をいたしておる次第でございます。
 最初に、直営部門について申し上げますと、私どもの中央管理局と申す現業の事務所がございますが、この近傍の八カ所の徴収所におきまして、定められました勤務形態によりまして、それぞれ中央管理局に戻ってまいりましたものは、この金額を確認いたしまして、監督員のもとに的確にこれを、来ておりまする銀行に手渡すというこういう仕組みでございます。それから、あとの三つの委託会社につきましては、おおむね仕組みは同一でございますが、それぞれの会社の受け持ちの徴収所から統一的に集まってまいります計算所というのを持っておる次第でございます。そこにおきまして、それぞれの会社のまた監督要員が、われわれの直営とほぼ同じ仕組みによりまして、この収受を確実を期しておる次第でございます。公団といたしましては、直営部門につきましては、もちろんこの職員の指導監督を厳にいたしまして、そのような料金徴収の事務の円滑、的確を常に指導いたしております。と同時に、委託会社に対しましては、これを信頼関係と申しますか、かような的確なことをぜひお願いするという、ほぼ信頼関係を主といたしましてお願いしております。これの実績につきましても、ほとんど間然するところがないと思っておる次第でございます。
 以上が料金徴収の方法の概略及び仕組み、及びその心持ちでございますが、他方におきましてやはり御指摘のまあ不確実なこと等が、先般の新聞記事等にあらわれましたようなことがなきように、これを制度的にいたしたいというふうに考えまして、その一つの対策といたしましては、委託部門の徴収所につきましては、ある程度ある個数の、車両感知器と申しておりますが、車両の計算機を備え付けてございます。車両が通行いたしますごとに電気式に、自動的にこれが数量が出る仕組みでございます。この方法によりまして、ある程度客観的に通行車両の台数を担保いたしたい、こういう考えでございます。それと同時に、常に会社側に対しまして、この徴収員の指導監督につきまして、日々いろいろな面、公私の面で、つとめて十分な監督指導するように要請いたしております。以上のような仕組みでもってこの徴収の業務を日々実行いたしておる次第でございます。
#74
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#75
○委員長(岡三郎君) 速記を始めて。
#76
○参考人(有田毅君) 今月の上旬にかようなことがあったという新聞記事でございますので、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたような平素の観点からいたしまして、かようなことがあってはまことに困ることでもありますので、直ちに当該関係者、責任者を呼びまして、これの実際はどうであるかということを調査いたした次第でございます。その最高責任者の公団に対しまする報告といたしましては、当日当該徴収員は、まあ御理解いただけるかとも思いますが、あのような狭い徴収所におきまして、平素思わぬ激務に従事いたしておりまする関係で、多少疲労もいたしておりまして、感情も、少し感情的になって高ぶっておった様子だということでございます。そのときにある車両、車で乗りつけて来ました人が、あの記事にありましたとおりのようでありますが、百円でまあ通行しようとした、足りないわけでございますので、それで直ちに、もうあとの五十円足りませんと、これを請求いたしたわけでございます。それで何かそのあと多少余分なことを言ったそうでございまして、これはその最高責任者から聞きますと、これはまあ非常に軽い気持ちでそう申したのだ、こういうことでございました。これを総合いたしまして、かような事実は、平素はそういうことは全然ない、こういうことであります。私どもも、かような料金収受につきましての不正確な措置につきましては、ないものと信じておる次第でございます。
#77
○委員長(岡三郎君) これに対して、建設省のほうとして監督をしておる立場から、事実調査について述べてもらいたいと思います。
#78
○説明員(角田正経君) お答えいたします。
 ただいま公団の担当理事から御答弁申し上げたとおりでございまして、新聞の記事に出ました件につきましては、前日に公団に連絡があったようでございまして、その日に公団におきまして直ちに現場等につきましていろいろ調査をいたしたそうでございますが、いま御答弁申し上げましたように、事実関係につきましては、一応公団で調査いたしました範囲内においてはなかったということでございます。ただこのような事態が起こりますおそれもあるわけでございますので、現実に公団に対しましては一応のそれぞれの料金所にトラフィックカウンターという機械がございます。それを備えつけさしてあるわけでございます。その機械によりまして、そこを通過いたしました車の台数というのが明確になるようになっております。それと料金を委託業者から今度は公団の監督者が立ち会って受け取るわけでございますが、その受け取ります際に機械で記録いたしております台数、これは公団の監督者しかわからないように、かぎは公団の監督者が持っておりまして、それで調べるわけでございますが、それとその収入金の通行台数というものを現実にチェックさせまして、非常に誤差がありますような場合には、その誤差を一々確認をいたしまして理由を確認いたしまして、その理由がはっきりいたしますまでその追及をするというふうなことをさせているわけでございます。しかし、何ぶんにも機械でございますので、機械のほうにもときに誤差が出る場合がございます。そこでなおこのような誤差を詰めますために、さらに各料金所に、今度はいままで印刷いたしました切符を渡しまして、それで料金を、金を受け取ってそれを渡すということをさせておりますのを、印刷をいたしませんで、レジスターというものを置きまして、通行車が、車が参りますたびに一台一台それを打ちまして、それを渡すというようなことにいたしますと、だれが、どの人間が何台の車の配置に対してどのような料金収受を行なったかというところまで実はチェックできるようになっておるわけでございます。そういたしますと、どこのだれの場合にどれだけの誤差が出たということがはっきりいたしますので、そういうことを四十五年度から徐々に各料金所にだんだん普及をさせまして、両面からチェックをさせるというふうなことにさせていきたい、というふうに考えているわけでございます。なおあわせまして、これは本来それぞれ徴収員のモラルの問題でございますので、その点につきましても公団を通じまして各委託業者にそのモラルの向上をはかるように研修その他を徹底させるようにさせていきたい、というふうに考えているわけでございます。
#79
○委員長(岡三郎君) 本件に質疑のある方は、順次御発言を願います。
#80
○沢田政治君 四月九日の朝日新聞だったと思いますが、私もこの記事を見てですね、やはりうわさがほんとうであったのだなあと、こういう印象を深めたわけです。めったに新聞記事を切り抜かないほうですが、思っておったことがついに表面に出たかと、こういう印象を受けたわけです。私も松濤町におりますので、わずか五分の区間でありますがときどき利用するわけです。これは高いなという印象を受けます。五、六分で百五十円、往復で三百円取られるからそう思っておるわけです。高いと思って乗っておって、車の中でタクシーの運転手さんにぼやくと、やはり夜だったらうまい方法があるぞという運転手さんがおるわけですね。くやしい気持ちで。そういうことを私もうわさとしては聞いておりました。しかし、よもやそういうことはあるまいと半ば疑いつつ半ば信じつつあったわけですが、朝日新聞のこの記事に出たから、ああやはりこのうわさがほんとうであったなと、こういう印象を受けたわけです。そこで公団の有田理事さんとそれから建設省のほうで事実はなかったと言うけれども、どういう調査をして事実がなかったか、これは何といいますか水かけ論のようですが、どういう調査をしたのか、これははっきり出ておるのじゃありませんか。七日の夕刻官庁街の高速道路入り口ということになるとどこであるかということは、おおよそ想定がつく、その当時勤務をしておったのはだれとだれであるかということもこれは想定がつくわけです。私はこの種のみみっちい汚職が行なわれておりますけれども、これは窃盗だと思うのですね。こういうのは一人ないし三人くらい勤務しておりますわね。一人だけではこういう犯罪はできないです。やはり三人なら三人、その会社の特定の者、もう相当共謀しなければ、一人だけではこれはばれますわね。これはだから私は考えようによっては不心得な者が一人くらいでき心で間違ったことを犯したのではなくて、相当委託会社で慢性的にこういうことが行なわれておったという一つの裏づけになるんじゃないかと思うのです。その場合皆さんのほうで、公団なり建設省のほうは調査をして三人を呼んで、こういう事実があったようだがどうだと言ったら、三人で共謀しておる以上は三人ともこれはノーと言いますよね。その三人がノーと言ったから事実無根だという証拠にはならんと思うのです。やはり相当会社全体がそういうように慢性的に悪の意識がなくなっておる慣習がついておる可能性が、断言はしないけれども、可能性が多いんじゃないかと、こういうように考えられるわけです。これはどういう調査をしましたか、そして確信を持ちましたか。
#81
○参考人(有田毅君) 何ぶんにも非常に数の多い徴収員でございまするのと、この人々の平均年令はわりと若い人々でございますので、ついでき心といったようなことの起こりませんように、組織立ってそういたしたいというのが、公団の平素ずっと考えておる点でありますことは、先ほど申したとおりでございます。先生御指摘の本件につきましては、さように新聞記事として収受の不正なんか言われたわけでございますが、これがかりにもし事実でございますれば、その一つでも非常におもしろくないことでございますと同時に、それが御指摘のとおり、だれもがあまり知らない慣習の一つであるというようなことで、かりに万一ありますれば、これはもっと重大なことと私どもは考えました。翌日直ちに直営のこれは職員でございますから、これはもう一番のことでございますが、委託会社の責任者を呼びまして、かようなことをいやしくも疑われるというだけでも、非常に不名誉なことではないか。自今考えられるだけの措置を講じてもらいたい、厳重に申し渡した次第でございます。それから本件につきましてもただいま申しましたとおり、何しろ某月某日のあるときのことでございますので、私どもといたしましてはその責任者に、最高責任者にこの事実を十分に調査の上公団に報告と同時に、今後一般的に委託業務、公団の何万台という通行車両を今後も受けていただくわけでございますので、さような措置を十分にするよう要請いたしましたところ、先ほど冒頭に私が申しましたようにその方の調べた範囲では、本件はさようなふうにある事情がございまして、ちょっと気軽にものを申したのが誤解されたというのが真相であると、こういうことでございますので、私は本件につきましては一応さように了承いたすと同時に、今後の措置につきましていろいろ考えていただきたいと要請しておるわけでございます。措置といたしましては、大体あと引き続き研修を十分にいたすとか、監督を十分にいたしますとか、それから先ほど監理官からお話がございましたようなレジスターと打ち出します受領器とを整備いたしまして、制度的にもそういう不正がしようと思ってもできないというような状態にいたしたいと思います。さようなふうな措置が、責任者からの報告もございましたので、今後の様子を見守りたいと思っておった次第であります。
#82
○委員長(岡三郎君) ちょっと有田さんのいまのおことばの中で、気になるのは、気軽に言ったということで、気軽に言ったというのは平常的に、たいして気にしないで言ったというようにとるのが常識じゃないのかな。気軽に言ったからそれはたいしたことじゃないのだということでなくて、気軽に言ったいうことは、日常茶飯事的に言ったことだから、気軽に言ったというふうにもとれる、的確な報告をしてもらわなければ困る。
#83
○参考人(有田毅君) 私のただいまことばが足りませんでして、補足させていただきますが、やはり若い徴収員の個人の問題でもございますので、こういう席であまり申し上げてはと思ったのでございますが、その若い徴収員、実はこれは責任者からの報告でございますが、前日ちょっと家庭上のトラブルがありまして、非常にまあむしゃくしゃしておったという状態であったそうでございます。それで勤務いたしておりましたときに、先ほど申し上げましたように、乗りましたタクシーが、百円出してこれで通れるだろう云々ということがありましたので、なんだばかにしているということを言って、そのあとがいけなかったのでございますが、ちょっとさようなことを申したと、こういう事情でございます。
#84
○沢田政治君 お互いに人間であるからむしゃくしゃしたときとか何かで、はずみで何か言うとかいうことがあるのですけれども、私はどういうことを言っても人間である以上、たまに度を過ごすことがあると思いますけれども、ただ言い方が違うんです。ぼくはその内容を聞いているんです。つっけんどんに言ったとか、サービスが悪かったとか、そういうときは人間である以上は、虫の居どころが悪ければ、意識しないでそういうことばが出るものですけれども、新聞によるとサービスが悪いとか、そういう態度の問題じゃないのです。夜ならいいけれどもいまはちょっとまずいのだ。これはむしゃくしゃと関係ないのです。犯罪と関係あるのです。そしてあとから悪いねと、こういっているでしょう。これは新聞社の憶測記事じゃないのですよ。こういううわさがあったのじゃなくて、おそらく新聞記者が同行したと思うのです、この書きっぷりを見ると。だからそういう事実があったかどうか、どういうサービス態度であったかということを聞いているんじゃないんです。夜ならいいけれどもというのは、そういうことはいまはちょっとまずいのだ、やばいのだ、悪いことばでいうと。あとにしてくれ、こういうことを言っているということです。こういう事実があったかどうか、サービス態度とか、むしゃくしゃして思わざる別のことを、本件に関係ないことを言ったなら、この委員会で何も問題にする必要はないのです。この付近はどうも建設省のさっきの答弁も理事の答弁も核心に触れておりませんよ、そこを調査しなければおかしいのじゃないですか。決して、私は個人を憎むのじゃない。公団が損をするだけならいいんです。こういうのを、不正に窃盗のように横領されておったんじゃ、償却がおくれるでしょう、そのかわり国民が金を、いつまでも長く出さなければならぬでしょう。国民の被害ですからきびしく言っているわけです。その点の対策についても、またお聞きしますけれども、そこらの真相関係をもう少し明確にしてくれなくちゃ、何か奥歯にものがはさまったような、ある特定の勤務員がちょっと疲れておったとか、そういうことじゃちょっと答弁にならぬと思うのだな、局長、どうですか。
#85
○政府委員(竹内藤男君) 先ほど有田理事並びに監理官から調査の報告をいたしましたけれども、なおこのようなことが、先生おっしゃいますように、実際にあったのではないかというふうに思われていると問題でございますので、さらにいろいろな方法を使いまして、実際にこういうことがあったかどうかというような調査を公団にやってもらうように、私どものほうから指示いたしたい、こういうふうに考えております。
#86
○沢田政治君 それは、この予防方法ですが、予防方法も、いままでは領収券をもらいますね、百五十円出してね。その前に何かチェックする。何かぽんと押して券を持って、それを取りかえてまた百五十円。どんなことをしても、そこにおる人間がみんな共謀して道義感がなければとめようがないのですよ、人間がやるのですからね。それをもう目こぼししてしまえばいいのだ。第一の関門、第二の関門、目こぼししてしまえばいいのだから、ちょっと〇・何秒か手数がかかるだけで同じ結果なんです。どだい税金にひとしいようなこの金を委託会社にやらせるという、大体そのものが私は間違っていると思うのですね。やっぱりこれを根本的に直すということになると、公団が直営で、はっきり何というか、立場もはっきりした、責任もはっきりした公団が直接やるべきじゃないかと思うのですけれども、これはどうですか。なぜこれは委託会社にやらせなくちゃならぬのですか。委託会社だから人員が少なくて済む、公団だから多くかかるというわけじゃないでしょう。かかる経費は同じでしょう。もちろん委託会社の場合は、これはまあ低賃金で使えるとかということにもなるかもわからぬけれども、やはり公団としてやらなければ、いつまでたっても委託会社にやらせていたんじゃ……二十九カ所ですね、個所にしては。四つの委託団体ですね、これを廃止したらどうですか。
#87
○参考人(有田毅君) ただいま先生御指摘の点でございますが、これを沿革的に御参考に申し上げますと、当初公団発足いたしましたときに、この料金徴収という仕事が発生するという見込みが立ちました。考え方がやはり二つございまして、すべて委託のほうがいいのではないかという考え方と、直営でしたほうがいいのじゃないかという二つの考え方がございました。私当初から公団に在職いたしておったわけではございませんが、非常に議論をし合った結果、まず第一、直営で発足したと聞いております。その後公団といたしましては、実は単に料金徴収という仕事だけでございませんで、あとの維持管理に伴いまするいろいろな種類の業務が発生してまいりましたが、方針といたしましては、民間事業、民間の人々に適当な仕事は、できるだけそちらに渡すというのがいいんではないかという一つの方針を持ったわけでございます。この一つの流れに即応いたしまして、その料金徴収という仕事もたまたまこれをぜひ受託したいという民間業者にもまた相当数ございました関係もあり、公団という非常に大きな政府関係機関がまあこまごました仕事まで全部直営でなくてもいいのじゃないかというような観点もございまして、適当な規模で逐次委託に回してきた次第でございます。当初一、二カ所からだんだんと増したわけでございます。ただいまは先ほど申しましたように、四業者とそれから若干の直営部門ということになっておりまして、私どもとしましては、こういう民間会社に対しましては適切な契約関係に基づきまして、その的確な運営を要請いたしますれば、おおむね所期の目的は達せられるし、また現に達しておる、かように考えておる次第でございます。
#88
○沢田政治君 いまのことに対して局長……。
#89
○政府委員(竹内藤男君) 公団の業務委託につきましては、公団の行ないます業務のうち、経済性及び能率性の見地から適当であって、しかも行政目的達成上支障のないものについては、極力民間委託をはかるようにというような行政改革の基本方針がございます。そういうような方針にのっとりまして考えました場合に、ただいま有田理事が申されましたように、民間企業にまかせる事業につきましては公団みずからやらないで、これを民間事業にやらすことによって、公団の機構がいたずらに膨脹することが防げるという面もございますので、そういう意味におきまして、現在行なっておりますような道路の維持管理の一部、あるいは料金徴収事務の一部について、民間委託させていることを了承している次第でございます。
#90
○委員長(岡三郎君) ちょっと待ってください。
 ことばじりをとらえるわけじゃないけれども、こまごまと言うけれども、この有料道路というものの根本は、料金徴収ということがやっぱり一つの大きな柱じゃないですか。バスでも、私鉄でも、国鉄でも、料金を取るというところが、民間に委託しているということ自体が問題だと思うんです。こまごまじゃなくして、これは経営している場合の根幹じゃないですか。料金がどういうふうに的確に入るか、そこら辺が民間にやられて、そこら辺がいいかげんに、ルーズにされているということになっら、これは根本が間違っていると私は思うのですが、それをいま言ったように、民間民間と言うて、肝心なところがロスが出てしまっているということになるのじゃないですか。この点について、民間というのはどんな団体なんですか。民間、それを説明してください。
#91
○参考人(有田毅君) ただいま都内線におきましては、日本ハイウェイ株式会社、東京ハイウェイ株式会社、トッペイ産業株式会社、この三社でございます。羽横線につきましては、首都高速ハイウェイ株式会社、一社でございます。合計四社がただいま受託いたしております。
#92
○委員長(岡三郎君) ちょっと、その会社の名前だけじゃなくて内容的にその会社の全重役の名前とか、従業員の数とか、会社のいわゆる経理内容とか、そういったものを資料として出してください。
#93
○参考人(有田毅君) 承知いたしました。
#94
○沢田政治君 いま委員長が資料を求められましたが、そのとおりで、その際に、会社の幹部にどういう方がなっておるのか。まあ建設省が、どうしてもそういう会社をつくらなくちゃならぬ縁故があったのかどうかということも、間接的には関係がありますから、前職としては何をやっておったのか、やっぱりそこまではっきりしなくちゃ非常に不明朗なものがあると思うのですよ。その点もつけ加えておきたいと思うんです。
 それで、局長、まあこまごまという表現が適切かどうかわかりませんけれども、委員長が指摘したように、料金回収というのは、これは大事業、前提問題ですよね。こまごまじゃないですよね。工事を公団がだれに請け負わしたかということは、これはこまごまになるかどうかわかりませんけれども、まああり得るけれども、料金を取って償却しなくちゃならぬでしょう、これは。これはやっぱり一番大きい事業なんですよね。それをこまごました事業だから民間にやらすのが適切だと思うなどというのは、おかしいですよ。問題が起こらなければいいけれども、その結果、問題が起こっているでしょう。問題が起こっている。だから、いまこれを問題にしているでしょう。その場合に、こまごましたことは民間にやらせるのが適当だということは、この場で現実に起きている問題に対する答弁としては、私は無責任だと思うのですよね。これは考え直す必要がありませんか。
#95
○政府委員(竹内藤男君) こまごまとしたと申し上げたわけじゃありませんが、問題は、徴収を委託した場合に、徴収が完全に行なわれるかどうかというチェック・システムのほうに、むしろあるのではないか。徴収自体を、確かにおっしゃるように、公団はそれで回収するわけでございますけれども、それだからといって、徴収自体を委託に付しちゃいかぬということにはならないのじゃないか。私どもとしましては、事実を調査いたしまして、と同時に、その対応策を考えて、チェック・システムを確立させていきたい。したがいまして、徴収事務自体を委託にすることは、徴収事務自体はまあ単純労務と申しますか、単純な労務でございますので、それをいかにしてチェック・システムによって完全に回収するかということが問題だと思います。その点は確かにおっしゃるとおりでございます。そのために委託業務自体を、徴収することについて委託すること自体がおかしいのだということにはならないのじゃないかというふうに考えます。
#96
○沢田政治君 この電気使用料とか、たとえばNHKの受信料ね、ああいうようにメーターではっきり誤差がなくてわかる、どこそこでテレビを、こう何というか、視聴しておるというのがわかる、そういう場合なら、これは単純ですわね。ところが、この場合には車両感知機ですか、何かあっても誤差があるということを言っているでしょう。まだ自信を持てない。そうなると、勢い人間の目でその車を目認して料金を取らなくちゃならぬでしょう。しかも、そういうものはこれは税金なんですよね。それを民間に委託するというのはおかしいと思うのですよね。しかも、チェック・システムを確立するというのだけれども、機械そのものがまた自信持てない、誤差があると、こういうことを言われているでしょう、どういう方法でやりますか。かりに車両感知機が完全に正確だという自信がついた場合でも、無料の車両も通るでしょう。救急車、パトカー、消防車ね、そういうものも通る。したがって、これはもう何というか、誤差じゃないですね。正確だけれども、料金を取らない無料の車も通る。どういうことでこれは一〇〇%の完全を期せますか。特にこの際お聞きしておきたいのはその点と、たとえばパトカーならパトカーですね、まあかりに一〇〇%感知機が正しいとして、その場合パトカーでも救急車でも緊急ですからね、消防車でも、そのときはそのまま通過したとしても、あとで報告さしたらどうですか。何々ゲートを何時何分に通過しましたと、三日の後でも四日の後でもいいのだからね。そうなると、この無料車両を感知機が記録したものとの誤差というものは、ああこういう意味で誤差が出たのだなということもわかるでしょう。そういうことをいままでやっておらないのか、今後やる気があるのかどうかですね、それをお聞きしたいと思う。
#97
○説明員(角田正経君) 沢田先生のおことばでございますが、先ほど私が誤差がある申し上げましたのは、ごくわずかの誤差でございますが、特に御指摘ございましたように、無料車の通行台数がその誤差の中に大きく入ってくるわけでございます。で、大体日にいたしまして約二千台程度かといままでの経験からいって承知しておりますが、そのうち警視庁の一般のパトカー等につきましては、警視庁で発行いたします証明書を持って通過してもらうようになっておりますが、いま先生が御指摘ございましたような救急車あるいは消防車等につきましては、そのまま実は通ってしまっております。そこで警視庁から発行するものということになりますと、なかなかむずかしい点もございますようですので、所轄の消防署もしくは警察署、署長の発行するもので、できるだけその証明をはっきり――私どものほうとしては誤差をはっきりすればいいわけございますから、それを発行してもらう。それから場合によりましては、先生からいま御指摘ございましたように、あとで報告していただくというふうなことで、いま警視庁等とも話し合いを進めておるわけでございまして、そういう点からも誤差を詰めまして、いろいろな機械から出ました数字と実際の料金収入との誤差を詰めるというふうなことはいたすつもりでございます。なお公団のほうにはそういうふうに指示を与えてございます。
#98
○宮崎正義君 関連。さっき局長がチェック・システムの確立ということをおっしゃいましたけれども、欧米、特にアメリカあたりの――ケンタッキーあたりと思いましたけれども、有料道路あたりは自動式になっております。人間だれもおりません。自動式になっておりまして、その地点に来ると金さえはいればシャッタというか、遮断機が上がるようになっております。そういうふうなこと等を考えあわせながらやっていくような考えがあるのかどうか、チェック・システムを確立していくということについて、そういうふうな点と、もう一つは、さっき沢田委員が質問されておりましたけれども、私も夜おそく通りましたときには、検問のところに人がいなかったという事例がある。こういう点について二点伺っておきたいと思います。
#99
○参考人(有田毅君) ただいまの自動機械についてお答えをいたしたいと思います。
 その前に、先ほど私こまごまと申しました措辞、妥当でございませんので、取り消させていただきたいと思います。
 ただいま先生御指摘の自動徴収機の件でございますが、これもわれわれといたしましてはいつまでも人海戦術で、人間の手で領収券を取るということは、どうも時代おくれではないかという考えを持ちまして、数年来実は検討いたしてきております。この機械に二種類あるようでございます。一つは物理的にバーのおりる式でございまして、閉塞いたしておりまして、料金を投入いたしまするとそのバーが開くという式でございます。もう一つは単に赤いランプ、青いランプの式でございまして平素は赤ランプ、これに対しまして料金を投入いたしまして作動が十分でありますればこれが青になって通行できる。こういう二つの式があるようでございます。国産のもございますが、輸入したのもございます。それぞれ一台ずつぐらい実は数年来試験的に使用いたしたことがございます。ただ非常に残念ながら高速道路、日本の高速道路と申しますのは天候にかげんがありますのと、もう一つはじんあい、そういったもの、それから雨、そういったものの非常に障害がございましてまた硬貨を使いますがいろんな種類の硬貨を使用できるというためにはかなりの程度精巧な機具になっておりますが、これが現場におきまして試験いたしましても、震動でございますとか、雨つゆそれからごみ等でどうも実用に供るにはいま一歩十分でない、かようなことになりまして、ただいまの段階でははなはだ残念でございますが、まだ実用の域に達しておりません。しかしながら、いつまでもそのような人手にたよるということも非常に残念でございますので、国内のかようなメーカーございまして、いいのがございますれば試験いたしましたり、検査いたしました上で、なるべく早く実用に供せるようになるとありがたいと、こういうふうには思っておりますが、ただいまではいまだに人力でやらざるを得ないという状況でございます。
#100
○宮崎正義君 いま二とおりとおっしゃいましたけれども、二とおり併用したのを私は知っているわけです。赤ランプつくのを知っております。併用しておりまして、金が足りないとチンチャラチンチャラと鳴るのです。そのために一セントでも少なかったらチャランチャランとすごい音がするのです。そういう実験もやってきたことでありますし、こういう点も私は日本のこれからのハイウエイをつくっていく以上、当然初めから研究され、措置されていくのが自然じゃないかと思うんです。こういう点からも、もう一歩研究を深めていくべきだと、こま思うわけです。
 もう一点、さっきの質問しますが、徴収所に人がいなかったということがあることは……。
#101
○委員長(岡三郎君) 料金徴収の場合に夜、人がいなかったこと……。
#102
○参考人(有田毅君) 原則的には三十七カ所の徴収所すべて二十四時間勤務と申しますか、二十四時間必ずあけておりまして、先生御指摘のようなことはめったにないはずでございます。(笑声)三十七カ所のうち、先ほど申しましたように、出先の中央管理局近辺の八カ所が実は私どもの直営の職員で徴収いたしておりますので、まあ一般職員の、ほかの方面の問題から、ある場合には若干の時間、かような徴収業務が停止いたすことがございますが、これも実は公団といたしましては、非常に貴重な収入に関することでございますので、一部の者が代替いたしましてできるだけ徴収いたすようにしておりますが、さような交代時間等のズレとかあるいは代替すべき他の公団職員の数がちょっと足りませんような場合、そういう時間に限りまして、御指摘のようなことがあったかと思う次第でございます。
#103
○高山恒雄君 私はそこでお聞きしたいのですが、資料の問題委員長から請求がございましたが、先ほどあなたのこの報告の中にも非常に激務だと言っておられる。そうして激務の場合、その五十円足らなかったというような報告しておられるのですが、一体公団でやる場合は何人で監督しておられるのか。それから委託をした場合は、会社はずっと三人で二十四時間勤務なのか、公団がやる場合は三交代なのか二交代なのか、したがってそうなると三組の交代でいくということが必至になろうと思いますね、八時間勤務でいけば。一体、公団と委託したのとの労働条件というものは、どういうふうになっておるのか、それを一ぺん聞かせてほしいと思う。
#104
○参考人(有田毅君) 朝の八時から夜の八時までの配置人員をはりつける、夜八時から翌朝八時までの配置人員をそれぞれの徴収所につきまして、はりつける仕組みになっております。公団の勤務状態とほぼ同様でございます。
#105
○高山恒雄君 これは公団も委託したのも一緒ですね、勤務は、そうですね。勤務状態は同一でしょう。
#106
○参考人(有田毅君) はい。
#107
○高山恒雄君 そこで局長、聞きたいのですがね、一体委託にして何の得があるのか、得策ということを教えてください。委託はどういう利益があるのか、公団として委託にした場合どういう差が、賃金を安く使うということですか。それよりまだ何かほかにあるのか。
#108
○政府委員(竹内藤男君) 委託にした場合でも委託料を払うわけでございますし、直営の場合には人件費がかかるということでございますので、経済的にどちらが得ということはないと思いますが、ただ公団のどんどん管理業務がふえてまいりますと、その管理業務のふえたのに応じて人員をふやしていかなければならぬ、こういう問題がございます。私どもといたしましては、できる限り公団自体の人員の膨張は押えていくという気持ちはございます。経済的にはそう変わりはないと思います。
#109
○高山恒雄君 経済的には何にも変わるものはないということになれば、委託賃金を出すだけでは結局そこに働いている人は三人だということですが、委託会社がやる限りにおいては同じ勤務時間でしょう。そうするとこれは割り増し賃金が要りますね。公団でやっておれば、八時間でしょう、勤務は。八時間制といったら二十四時間でしょう。そういう点の何かに穴があるために悪いことをする機構になっておるんじゃないか、という感を深くするわけです、私らは。私は先ほど会社がどういう会社なのかということを聞きたいのがそれだった。あまり利得の関係がございません、経済的な問題ではないというなら、やはり公団で公団自体が特殊につくってやるという方法もありましょうと思うわけです。どういうところにそういう問題があるのか。
#110
○政府委員(竹内藤男君) 委託契約のあるいは委託料の積算の内訳については私ちょっといま、有田さんのほうからお答えいただきたいと思います。
#111
○参考人(有田毅君) 私どものほうが当該会社と契約をいたします際には、徴収人員の人件費といたしましては基本給が二万二千六百二十六円、その他超勤手当、深夜手当、徴収手当、通勤手当等合計いたしまして二万九千五百二十一円、こういう月額で積算して契約いたしております。ほかに約年間十万円の賞与を出しております。
#112
○柳田桃太郎君 念のためにお伺いいたしますが、この徴収委託の会計法上の根拠は、どういう根拠で現金を一般会社に扱わすことができるのかどうか、会計法上の根拠はどういうことなんですか。
#113
○参考人(有田毅君) 公団と委託会社との間の契約内容といたしまして自動車通行料金を収受するということが第一の項目になっております。それからあとそのほか若干の項目等合わせまして契約いたしております。会計法上の根拠とおっしゃいますが……
#114
○柳田桃太郎君 国庫金じゃないですか。
#115
○参考人(有田毅君) 会社と公団との民間契約、私契約であります。
#116
○沢田政治君 十二時間勤務でしかも二交代ということになると、労働基準法では実働八時間、拘束九時間、ただしかし抜け道としては監視断続作業、一時間に一回ぐらい通行する踏み切り番等がこういう特例が認められておるわけです。その場合でも労働者の意見を付さなければならないということになっておるわけです。この観点からいくとしかも一分間に五台も六台も、夜でもやはり一分間に一台ぐらい走りますね。こうなると労働基準法上これは許可になるのですか、こういう勤務状態。賃金が安いというのは、労働賃金は、これは契約ですから、安いとか高いとかという法律的にこれは問題になりません。これは政治的な意味でいろいろ問題がありますけれども、これはどうなりますか。十二時間、常態としてそれをやっているでしょう、二交代で。これは基準法違反ですね。
#117
○参考人(有田毅君) お答え申し上げます。先ほど先生の御指摘でお答え申し上げましたのは、多少不正確でございます。
 お答え申し上げましたのは、配置人員をかようなふうにしてもらいたいという人数でございます。これに基づく勤務はもちろん一人につきまして八時間でございます。それでこの範囲で八時間勤務である徴収人員を運用をしまして、先ほど私が申し上げました徴収所に何名置いてもらいたい、こういう公団側の要求をいたしましてこれに応じた人数を立てる、こういう仕組みでございました。もう一度申し上げますと、公団といたしましては徴収所に繁閑がございます。徴収所が一つしかない、ボックスが一つしかないところと、五つ六つございます集合徴収所とございます。そういったところは常時立っております人の数が多くなくてはございませんので、その要望を契約書に書きました。それに対しまして会社のほうでは一人八時間勤務するたてまえの徴収員は適当に、これは会社の労務管理のやり方でございますが、いろいろな交代時間及び休日あけその他いろいろ労働基準法に定められております、かつ許されおります労務配置をくふういたしましてこの公団の契約、要請に応ずる、こういうことでありまして、一人の勤務者はあくまでも八時間でございます。
#118
○高山恒雄君 そうすると組があるわけですね。私はそれを聞いたのですよ。三組一交代ずつかわっていくのか連続にやるのかどっちかということを聞いていまわかったのですが、一人の勤務時間というのは八時間ですね。そうですね。そうすると、あとの交代した人はそのまま帰ってしまうのですか、何か宿直室に寝ているのですか、それはどうなっておりますか。
#119
○参考人(有田毅君) 原則的に申しまして、金銭を取り扱う仕事でございますので、必ず二人以上の組にいたしております。複数にいたしております。それからただし実際夜間等は通行車両が非常に少ないわけでございますので、ボックスの中に入っていることはございますが、実際一人のにはなっておりません。一人で立っているように見えることはございます。要するに二人以上の組でやっております。それで勤務、二人とも同じ出入でございますと、その間継ぎ目ができますので、ダブらせております。それで次の組のものが来る間なにがしかダブる、そういう非常にこまかいくふうを、各会社なりに場所によってやっております。一貫いたしまして公団が要望しておりまする常時何人という徴収員の数は、そこで働いているわけでございます。
#120
○高山恒雄君 そんなことを聞いているのじゃないですよ、私は。三人で二人ずつ組んでやるでしょう。三人の人がおって二人ずつ組んでやる、そうすると一人余りますね。それはやはりそこに寝ているのかどうか。いわゆるそれは寝ておれば拘束時間なんですよ、基準法上でいう拘束時間なんです。自分のところへ帰らない限り拘束時間なんです。あなた、そこへ寝ておれということは拘束時間なんです。そういう勤務なのかどうかということを聞きたいことが一つ、それからもう一つは二万九千五百二十一円というのは公団がやられてもこういう賃金ですか。私はなぜこれをしつこく聞くか申し上げますと、あまりにも低賃金で、経済的な関係はあまりないとこうおっしゃるけれども、局長は。安くすれば悪いことをしますよ、これは。しやすいところですもの。したがって労働条件から改革をしなければこの問題は解決つかぬような問題ではないかというところに、私もいろいろ考えるものですから、それで聞いているだけであって、公団がこれで適切だというような考え方でおられることは、それはやむを得ないと私は思っております。しかし今日十五歳の初任給でも二万二千円ですよ。二万二千円は十五歳の初任給ですよ。しかも三十五、六歳の者、あるいは二十七、八歳の人もおられるかもしれません。平均年齢というのは少なくとも三十七、八歳です。こんな人が二万九千なんぼで下請に使われて、満足な仕事ができると思わないですね、いかにそれを信用しようと思っても。したがって、そういう面から悪いことが出てくる。したがって新聞に出たのは一角の悪事ではないか、もっと長くやっておったんじゃないかということを疑ってもしかたがたいんじゃないか、ということすら感ずるんですよ。こういうことどうですか。
#121
○参考人(有田毅君) 御指摘の拘束時間は、もちろん休憩時間を除いて勤務時間に算入いたします。料金所におりますのは三人組という、そういうルールでございませんで、二人ないしは四人ということになっております。
#122
○高山恒雄君 あなた、さっき三人ずつ配置しておると、こういうふうに言っておられた。ボックスの中には二人しかいないでしょう。それはどっちなんですか。ボックスの中に二人しかいないという勤務状態は、したがってもう一人の人は八時間の間拘束されてどっか休憩所におられるのですか、こう聞いておるのです。――わからなければあとで資料出してください。かまいません。そういうことが大きな問題じゃなくて、労働条件の問題です。
#123
○参考人(有田毅君) 先ほどの基本給の点でございますが、これは私どもの直営の職員といたしましては、大体四号俸から五号俸に該当いたしております。
#124
○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#125
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。
 本件についての調査は、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後一時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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