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#1
第061回国会 建設委員会 第13号
昭和四十四年四月二十四日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡  三郎君
    理 事
                大森 久司君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                上田  稔君
                小山邦太郎君
                高橋文五郎君
                塚田十一郎君
                中津井 真君
                林田悠紀夫君
                米田 正文君
                田中  一君
                松永 忠二君
                松本 英一君
                宮崎 正義君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  坪川 信三君
   政府委員
       建設政務次官   渡辺 栄一君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設省計画局長  川島  博君
       建設省住宅局長  大津留 温君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   参考人
       住宅金融公庫理
       事        鮎川 幸雄君
       日本住宅公団理
       事        宮地 直邦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡三郎君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 公営住宅法の一部を改正する法律案の審査のため、必要な場合、住宅金融公庫及び日本住宅公団の役職員を参考人として随次出席を求めることとし、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(岡三郎君) 前回に引き続き、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#5
○松永忠二君 この前、松本委員が質問いたしましたときに、私が質問をしたことで、ちょっと勘違した点がありますので、まずその点をお聞きします。現在の住宅五カ年計画の実施の見通しですけれども、公的資金による住宅を四十五年に七十六万二正月余り実施しなければならぬ、従来、四十四年の戸数に比べると十八万八千戸ふやさなきゃいけない。これは現実問題としてできないんじゃないかと思うのですね。公営住宅については十万戸ふえれば目的を達成できるわけでありますが、この点についてはどういうふうな見通しを持っておられるのか、まずこの点をお尋ねいたしたいと思います。
#6
○政府委員(大津留温君) 五カ年計画の最終年度に公的資金で建設すべく残された数は、御指摘のとおり七十六万二千ございます。本年度に比べまして御指摘のように十八万余を増加して建設する必要がございますので、従来に増してこの予算上の措置等について努力をする必要があるというふうに覚悟はしておりますが、大事な住宅の問題でございますから、財政当局とも十分連絡いたしましてこれを完全に遂行するようにぜひともいたしたい、という強い決意でおるわけでございます。
#7
○松永忠二君 そうすると、具体的に言うと、調整戸数というものと改良住宅が非常に成績が悪いわけですね。その他は、大体公営住宅その他例の厚生年金とかいろいろな住宅関係のものは九九・二%で、これは非常にいいわけです。具体的にあなたは七十六万二千戸の公的資金の住宅を完成するというならば、どこを一体ふやすか。具体的に来年はどのところを努力してその目的を達成するのか。率直に言って達成できないものなら達成できないと、達成できないけれども民間自力建設のほうがパーセントが進んでおるので、それで大体五カ年計画の目的を達成するというのなら正直に言ってもらったほうがいいと思うのです、できないのをできるというよりは。しかし、いまお話しのように、公的資金の問題の点でどこへ特に重点を置いて来年はできるだけ目的達成したいのか、この点をひとつ伺いたい。
#8
○政府委員(大津留温君) 現在の段階でどれに幾らということを、細部について申し上げるまで固めておりませんが、御承知のように公営住宅、改良住宅は国の補助金と裏負担に対する起債、それから住宅金融公庫、住宅公団は財政投融資、公団は一部民間資金の導入でございます。そういうことでまあ資金の手当ての容易な部門となかなかむずかしい部門もございます。また、たとえば改良住宅のように、現にある不良住宅を撤去して建てかえるという、まあ事業としてなかなかそう大量に消化しにくい事業もございます。公庫の融資は、これは資金の貸し付けだけで、建設は融資を受けた方々がおやりになりますから、これは比較的事業の消化ということからいえば容易でございます。そういう事業の比較的容易、むずかしいというものと、またいまの資金の手当てのむずかしいという難易がございますので、まあそういういろいろな事情がございますが、大臣がかねて申し上げておるように、公宅住宅は低所得者のための施策ということで、これはできるだけ重点を置いて予算措置をいたしたい。また、公庫住宅は、そういうようなことで財政投融資の資金がふやすことができるならば、この消化は比較的容易でございますから、財投の資金を十分手当てをいたしたい。また、その他住宅というのは、いろいろな種類がございますが、その中で一番大どころの厚生年金住宅は、御承知のように厚生年金の掛け金が年々非常にふえてまいっておりますので、この分はおそらく計画以上にふえるんじゃなかろうかという期待もいたしております。まあそういうようなことで、残された七十六万戸というのは、ただいま申し上げたような状況を踏まえまして、できるだけ予算措置をいたしてまいりたい、こういう考えでおります。
#9
○松永忠二君 いまのお話しのような点をひとつ十分御努力をいただいて、五カ年計画を達成をしてもらいたいわけです。
 そこで、新しい五カ年計画について、この前もいろいろお話がありましたが、これについては公的資金の比率と民間自力の比率を変更するというような考え方はあるのかどうか、これはまあひとつ大臣中心の問題であります。
 それから、持ち家と借家、この問題の関係について検討をしていく用意があるのか。どんな考え方を持っておられるのか。まあいろいろ新聞等に報道されると、五つの柱があるというようなことを言われる。そのための事前の措置として四つの重点的なものを考えているというようなことをいろいろ発表されているわけでありますが、まあ直接的に、いま言うようにいわゆる民間六割、公的資金四割というこの比率を変更していくのかどうか。中でも五カ年計画の公営住宅の比率が七・八%であったわけですが、これを大幅に変える用意があるのかどうか。
 それからまたもう一つは、いろいろこれからあとの問題にも関連いたしますけれども、もう少しやはり借家というか貸し家についての努力をする必要があるのじゃないかと。持ち家というものについてもう少しウエートを考え直していく必要があるのではないかというような意見もいろいろあるわけでありますが、この二つの点について、特にどういうふうに考えているのか。これをひとつお聞かせ願いたい。
#10
○国務大臣(坪川信三君) 松永先生御指摘になりました二点の問題に対する私としての考え方でございますが、第一の公的資金と民間自力による依存度というこの問題でございますが、民間の自力による依存というものを大きく踏まえていくということでなくして、私はそれに先んずる仕事といたしましては、いわゆる政府の責任において、公的資金によるところの低所得者に対する公営住宅を中心に置いて、住宅建設を急ぐということが私は優先する第一の問題ではなかろうか、こういうような考えを思っておりますので、新たなる五カ年計画に対するところの基本的な私の方針といたしましては、住宅統計調査等の世論の動向も十分踏まえ、また国会においてそれぞれの委員会、本会議等で与野党あげて御指摘になっております焦点等も、十分貴重な資料としてそんたく申し上げますとともに、目下住宅宅地審議会に諮問をいたして、いま協議をいただいておりますが、これの答申あるいはその答申の過程における論議を、私はこの会議には欠かさず出てまいって、皆さんの意見なども傾聴いたしておるのですが、それらの中間的な雰囲気といいますか感触といいますか、やはり私は公的資金に対するところの希望といいますか、依存の要求が多く占めていることを私は感ずるのでございます。そうしたことを考えますと、私といたしましては新たな五カ年計画の中心には、やはり公的資金に力を入れてまいることが正しい姿であり、妥当な計画であろうかと考えますので、これらの諸点を十分基礎に置きまして、新たなる五カ年計画の構想と基本計画に真剣に取り組んでいきたいというのが第一。
 第二番目の持ち家と借家の問題でございますが、いまの現行五カ年計画の立案といいますか、立案当時の世論の調査等の統計を踏まえて立案いたしたということを思いますときに、そこには大体持ち家が五五%借家が四五%という基礎においての計画であったということを私は思うのでございますが、しかし、さてこれらの計画のもとにおいて実施いたしてまいりますと、実績の上においては、いわゆる借家のほうが逆になりまして五五%、持ち家が四五%というような実際の計画遂行を思うときに、これがやはり妥当な一つの線に沿った計画の一つの目標達成の姿であるなということを私は思いますときに、やはり新たなる五カ年計画の立案遂行にあたりましては、借家に力を入れていくことが正しい姿だな、こういうようなことを痛感いたしておりますので、いよいよ明年度をもって終了いたしますが、私は八月ごろからいわゆる住宅世論の結論、調査の方向、また住宅宅地審議会の方向等も出てまいり、そうして国会で与野党、ことに皆さんから強く指摘されましたこれらの問題を、十分優先そんたくいたしまして、言いかえますならば、結論を申し上げますならば、いま申しましたように公的資金に一つの力を、また借家に力を入れた新たなる五カ年計画の構想をひとつ打ち立てながらいきたい、こういうような気持ちでいることを御了承願いたいと思います。
#11
○松永忠二君 もう一つの点は、何かその計画戸数というものを七百五十万戸に考えていきたい、これは国土建設なりあるいは総合開発等に出てくる建設戸数の、昭和六十年度までの計画戸数、その中から前回の六百七十万戸を除いてあと四十六年から五十年までに七百五十万戸となっておりますが、これを新聞で見ますと、一千五月というようなことも書かれているように思うわけですね。もちろん、答申を得てということでありますので、これはその後検討されると思うのですけれども、戸数それから質的な面で見れば、居住面積を広げて八十五平方メートルにしたいというふうなことを、すでに数字は具体的に出ているわけなんですが、これは局長でけっこうですが、この検討の戸数というのとその面積について、一応こういう見通しというか、希望を持っているという点がありましたら、その点を一つ。
#12
○国務大臣(坪川信三君) 基本的な問題についての私の考え方を申し上げまして、あとは大津留政府委員をして答弁させますが、私の考えといたしましては、御承知のとおりに、最初に住宅計画を立案いたしましたあの当時からの国民の住宅の需要度といいますか、供給戸数というものを想定いたしますときに、建設省は建設省という立場から昭和四十年度から六十年度の二十年間、いわゆる六十年度末におけるところの建築戸数の目標というものを二千七百万を基礎に置いて立てたということを承知いたしておるのでございますが、しかしいつも申し上げますごとく、非常にこの都市への人口の集中あるいは結婚適齢期の増加あるいは家族の細分化等、土地の状況等も考え、いろいろ考えてみますと、これもまた私は二千七百万戸を上回ることも、私たちは決意せなければならぬのじゃなかろうかというような気持ちを持ちますと、新たなる五カ年計画の構想の決定に際しましては、それらの客観的な状況も真剣に調査というか、検討を加えまして、量というものに対するところの進捗度というものに対する結論を下さなければなりませんが、これにつきましては、また国会の御意向等も十分踏まえ、また今後の審議会等の結論、また住宅調査、世論の動向等も踏まえてまいりたいと思いますが、いまもうすでにいろいろの雑誌などあるいは世論などの住宅に対する一つの資料といいますか、いろいろの研究材料を読んでみておりますと、一千万戸が妥当ではなかろうかというような想定、予想記事も出ておりましたり、あるいは七百五十万戸というようなこと、いま松永先生がおっしゃったような数字が何らかの基礎に置いて書かれている記事などを読むにつけましても、私はこの戸数の量の問題につきましては、やはり十分科学的なといいますか、あらゆる総合的な立場に立って、しかもそれができ得ざる――単なる絵にかいたもちの戸数でなくして、的確に五カ年計画でこれが完全に実施し得るというような財政的な面なども考慮に入れて、正確な数字を出してまいりたいな、という決意でおるようなわけでございます。したがいまして、これらに対する量の問題とともに、私も過般新聞に発表いたしましたごとく、大きな構想といたしましては量の絶対確保をはかるとともに、質の改善、質の充実という問題にも取り組んでいくと、取り組まなければならぬことは当然であったと、こう思います。やはり政府といたしましては、それに対するところの裏づけるべき財政的措置というものが、かくあるべきだという一つの政府の確固たる方針、またやがて出てまいりましょういわゆる国家の総合開発の第五次試案というものが出てまいったときの一応のそうした人口あるいは住宅、こういうような土地問題等を含めまして、やはり私は大きく考えながらいきたい、こう思いますので、いまのところ的確なる量はこれだけ、あるいは質はこうという、最終的な私の考えは申し上げることのでき得ないことを、ひとつ御賢察賜わりたいと思います。私の夢――夢というよりも構想といたしましては、そういうような点を正確に、客観的にとらえながら立案を急ぎたい、こう考えております。
#13
○松永忠二君 それではもう少しこの法案についてお聞きいたしますが、まず、明け渡し請求のできる基準というものについて、ここに五年入居して、二年高額の収入があって、六カ月の期限で明け渡しを請求できる。それから現に入居している者で二年間はできないけれども、いろんな条件で六カ月の期限を切ってやるというようなことについて、ここに明け渡し条件の資料をいただいたわけであります。この点については、居住者本人だけでなくて同居親族の収入も含めて計算の基準になるということからして、やはりわれわれも検討してみて、そういう点を十分に配慮しなければできぬということを考えたわけです。衆議院でもやはりこれが問題になって、すでに建設省の考え方として一応のものが述べられたというふうに私聞いているわけなんです。この点について特に同居親族の収入というような面について明け渡し基準の中で、どういうふうにしていきたいかということを、考え方がまとまっているようでありますので、その点について数字的にひとつ明らかにしていただきたい。
#14
○政府委員(大津留温君) 同居親族の収入の合算のしかたでございますが、配偶者以外の同居親族の収入につきましては一定額を控除することにいたしたいと考えております。その一定額と申しますのは、第一種公営住宅の入居資格を得る程度の収入を一応のめどといたしまして、現在の基準で申しますと、年収約五十万円でございます。これまでは全額控除する、これをこえる部分について合算するということでいきたい、こういうふうに考えております。
#15
○松永忠二君 五十万円は全額控除して、それをこしたものについて世帯主と合わせて収入基準と考える、こう言っているのです。そこで、ここに建設省が出された説明等によると、明け渡し基準の収入の世帯というのは非常に数が少ないのだというようなことが出ておるわけですね。全国勤労世帯の九・四%程度だ、百五十万円以上は。二百万以上の収入のあるものは全国勤労者の二・九%になるということで、非常にこれは少数の人なんだということを意識できるような説明がされているわけですけれども、この基準は、すでに御承知のとおり四十二年度の調査をもとにしているわけですね。したがって、大体勤労者の一年の給与所得の水準というのは一〇・数%ずつ上昇していくというのが、出ている数字であるので、現に百五十万以上の収入のある世帯というのは、一体どのくらいあるのか、特に全勤労者の世帯の何%になるのか、この最も新しい数字をひとつ聞かしていただきたいと思うのですが。
#16
○政府委員(大津留温君) 総理府統計局の家計調査でございますが、四十三年におきましてこれが一番新しい調査でございます。全国勤労者世帯の収入分布のうち百五十万以上年収のある世帯数というのは、全体の一二・三%になります。なおちょっとつけ加えさしていただきますが、明け渡し基準、従来新規に入る方は大体年収百五十万程度と申し上げておりましたが、これはそういう粗収入から勤労所得控除相当額を差し引いたという計算のしかたをいたします。所得の計算のしかたにおきましては、税制改正の関係もございまして、新規入居者の標準世帯の明け渡し基準というのは現在ただいまの段階では百六十二万四千円ばかりになるわけでございます。そこでただいまの四十三年の全国勤労者世帯の収入分布のうち百六十万円以上の年収の方をとって見ますとこれが九・五%ということになります。
#17
○松永忠二君 二百万は。
#18
○政府委員(大津留温君) 二百万以上の世帯数は四十三年におきまして三・七%になります。
#19
○松永忠二君 これは私はこういうふうな公営住宅改正案の内容を説明した役所のものについては、もっとやっぱり新しい数字を基準にして出すべきものであって、まあ公式な統計が四十二年だからといって、四十二年ということもちゃんと明記をして出してあるならまだしも、明記もしないでこういうことをするということは、やはり何か非常に関係者が少ないんだという印象を与えるということで、あまり妥当な資料ではないと私は思うのです。この点は、今後資料出す上に特に留意をしていただきたいと思うわけです。でこれは一応考え方もまとまってきているところでありますのであれですが、これは要するに手当も全部含んでいるわけですね。したがって何かここにカッコして月十三万五千三百五十円であるとかいうのは、あなたのおっしゃった百五十万にしてもこれは実は全部を十二で割ったわけなんであって、現実に勤労者は十二カ月の俸給の中であと手当は大体赤字に使うかあるいは幾ぶん貯蓄をするという程度であって、やはり実収入はその月にもらったのがつまり収入であるということはこれは事実だと思うのですね。こういうふうな点について、はたしてこれが妥当であるかどうかという点については、そう私たちも簡単に申し上げることはできないけれども、同時にまあ相当な科学的な根拠がないということにならないと、やはり数字が妥当であるかどうかということにはならぬ。したがって、どう考えてみても高等学校や大学を卒業した者が就職をしていて、現にその金はほとんどうちに入らない状態の中でこれが計算のもとになっていた数字であるということ、その後衆議院等で問題になってそれを一部控除するというようなことは、やはり当初の考え方として私は少し問題があるのではないかというふうに考えるわけであります。問題があるからこそまた控除額をきめたと思うのですが、いま直ちにこれが妥当な数字であるかどうかということは、私いま申し上げるだけの科学的な根拠はありません。ただ感じとしては、これは総額の、全部の収入を含めたものであるので、そう簡単にこの数字だけでは納得がしがたいものがあるというふうなことを考えるわけであります。したがって、同居親族の控除などは当然なことだと私は考えております。これはまあ的確に行なっていくべき筋合いだと思うのです。
 そこでもう一つ、やはりあなたのほうの出した資料の中で、また同時に調査室でも出した資料でありますが、現に公営住宅に入居している人の収入実態調べというのが出ているわけでありまして、これによると三五・七%の人が要するに収入基準を超過している、したがって当然割り増し家賃というものが徴収をされる対象になっている、この三五・七%がちょうど超過戸数になっているということについて、どういうふうに考えられるのでしょうか。その意味は、私は端的にいってこれはやはり超過基準というような基準が低過ぎるのではないか、超過基準というものが。超過基準、とにかく入っているものの三割以上が超過をしているということは、やはり超過基準というものが低過ぎるのではないかということが一つ。またほかに問題ありますが、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。入居基準については、一応そこに出ている四万――二万四千という数字が出ているわけです。これについてもいろいろ意見ありますけれども、とにかく超過基準がこういうふうな状況であるということにつきまして、しかも三五・七%も超過した人が入っているということを考えてみると、私は超過基準というのは低過ぎるのだ、もうちょっとこれは検討を要すべき数字をあげるべき性質のものだと考えるのでありますが、これはどういうふうにお考えですか。
#20
○政府委員(大津留温君) この収入超過者として割り増し家賃をいただくという方は、入居後三年以上を経過した方で収入が基準をこえた方ということになっております。公営住宅が建設されましてからもう相当な年月がたっておりますので、早くお入りになった方は年々収入が上昇されまして、したがいまして収入基準をオーバーするという方が相当ふえておられる、これは先生御指摘の三五・七%というそのもとになりました五十二万戸というのは三年以上入居しておられる方々でありますから、したがって、そういう方々の中に相当収入が上昇された方が出てくる、これはまあ今日の所得の状況から見てある程度当然なことではなかろうか、というふうに考えるわけでございます。この超過基準のきめ方でございますが、この入居基準の上限からさらにある程度高いところ、具体的に申しますと、一種につきましては入居基準が、いろんなものを控除いたしましたものが月収四万円となっておりますが、収入超過の基準は同じような計算方法によりまして月収五万円ということにいたしておりますので、その入居資格の最高限をさらに二五%上回ると、まずこういうところに基準を置いておるわけでございます。特にこれが低過ぎるというふうには、私どもは考えていないわけでございます。
#21
○松永忠二君 大臣ちょっとひとつ聞いておいてもらいたいんですが、いまあなたおっしゃったが、古く入っているから超過の戸数が多いんだという話だけれども、これ内訳を調べてみると、百万円までのもので基準をこえるものが一八・九%ある。収入が低いんですよ。百万円までのものでこの基準をこえるものが一八・九%――二割は百万円までの収入になるわけなんですね。それで私は、これ大臣どう考えるか知りませんが、割り増し賃金というのは、考え方によるとおかしいと思うのですね。借家をしているものが、自分の収入が多くなったからといって収入によって割り増し賃金を取られるというような、そんなばかな話はないと思う。公営住宅だからという特別な条件を強く考えて、幾ぶんその理由があるといえばあるといえるようなものの、自分のうちの収入が高くなったからといって、どんどん割り増し賃金をとられる。何も自分の家族が働いて、あるいは自分のむすこが働くようになって自分の収入が多くなったって、極端なことをいえばあたりまえじゃないかと思う。それを収入が高くなったからといって、それでパーセントをくっつけては、割り増し賃金を出させるというのは、よっぽど権力がなければこんなことができる筋合いのものじゃないと思う。普通の住宅や貸し家ならそんなばかなことを言って、うちの収入が多くなったからといって、家賃を上げるというようなばかな話はない。しかも家がよくなったなら別ですよ。住宅の面積が広くなって改造してくれたなら別だけれども、何も改造しないでおいてそのままにして、しかも、あなたのうちの収入が多くなったからといって、どんどん割り増し賃金を取るというのは筋からいっても――公営住宅というものがうんと安くて非常にありがたいものであって、非常ないい条件がざらにあるということであれば、まあそれでも少しは理屈がつくようなものの、もう公営住宅といえども高いやつは九千円も取られておるんですね。そういうような考え方は私はおかしい。むしろこれはそうじゃなくて、こういう明け渡しの基準ができた以上、明け渡しの基準になったらそれは出にゃいかぬけれども、それまでの間は結果的にその中にいて、何も内部の構造が変わったわけでもありもしないのに、どんどん収入に応じて割り増しをやっていくというのは、そう私は合理的な理由じゃないと思う。しかもその超過基準というのが非常に低くて、現に公営住宅に入っているものの収入の低い人でも二割も納めなきゃいけないというような、そんな超過基準のきめ方というものは私は妥当だとは言われない、おかしいと思う。幾ら国の持っている、市町村の持っている住宅だといっても、内容が何も変わらないのに、どんどんそのうちの人の努力で収入がふえておる、どんどん超過の料金を取っている、それでいいんだと、しかももう四万円が五万円をこえればすぐ倍率をかけてとるというのは、私は不当だと思う。いわゆる明け渡し基準ができた現段階において、超過基準のやはり水準を検討し直す必要がある。超過基準のその倍率のかけ方等についても従来のような考え方だけでやっていくということは、これはやはり間違いだと私は思うのです。この点もひとつ大臣に考え方を聞きたいんですよ。率直にただしろうと的に考えたって私はおかしい、どう考えてみても。しかもさっき言ったとおり、百万円以下の収入のあるものが二割も超過料金を取られている。それで入ったときの建物と何にも変わりがなくて、それでいてどんどんそういうものが取られている。そして収入が多くなればすぐまたパーセントを多くしていくという、こんなばかな話はないと思う。明け渡し基準ができたら、その基準まではいいにするとか、あるいはその中のランクを小さくして倍率等も検討し直してやるという必要があると思うのですが、大臣はどうですか。役人でなしに、しろうと感じとしては、私はこれはおかしいと思うのですね。
#22
○国務大臣(坪川信三君) 松永先生御指摘になりましたこの問題でございますが、御指摘になったいわゆる反対のお気持ちも私はよく理解いたします。また否定もいたすわけでもございませんけれども、ある程度やはり収入がふえてまいるに従って割り増しの家賃をふやしていただくということも、一つのスライド的な方式によって御協力をいただくということも、最初から高くとか低くとか、そのまま据え置くいうことがいいかどうか。御承知のとおりに三十四年だったと思いますが、これの法的な改正をされるときに、いろいろと論議もされたことを私は記憶いたしておりますが、そうしたことを考えると、一つの流れとしてかくあることも万やむを得ないのではないかとも私は考えるのでございますが、これは党派を越えて自民党のほうにおきましても、そうした考えを持たれる方もあり、社会党さんの住宅政策の中にもそうした考え方を持たれるような方針のことも、私は一応一つの方向として出ておられることも承知いたしておるのでございますが、端的に申し上げますならば、まあそうでないほうが一番いいのでございますけれども、万やむを得ない立場から少しずつ所得の環境が違うことによって、割り増し家賃をお願いいたして御協力をいただくという姿でひとついきたい。
 公営住宅その他についていま私といたしましても、少し考えてみたいなと思っておりますことは、別な角度でございますが、いわゆる傾斜家賃というような問題も一つの問題として提起されておる。それに対してどうあるべきかということも私は一つの方法としてやっぱり検討に値する価値はあると、こう思っておるのですが、感じといたしましては、まことに恐縮でございますけれども、万やむを得ない私は措置ではなかろうかと。松永委員のお気持ちはよくわかりますが、そこにいさか矛盾といいますか撞着があることは認めたい、こう思っておりますが、しかし、気持ちを率直に申し上げますならば、万やむを得ない措置としてこれをお願いしておるということでございます。
#23
○松永忠二君 私は超過料金を取っちゃ悪いということを言っているのじゃないのですよ。私はむしろ数字的に現在入っている者は、百万円以下の収入のある者で二割も納めているのではないか。百万円以下というのは、そんなたくさんの収入じゃないわけですよ。そういうふうな点から考えてみて、それから今度は明け渡しの基準ができて、これ以上になれば明け渡さなければいけないということができてきている現段階において、二種の場合は三万円をこえるものというこれが妥当なランクなものだとは、そう言い得ないのではないか。だから検討する必要がある。明け渡し基準が出た際に、それならもっと素朴な意味でいうと、自分の努力で収入がふえたのに、そうどんどん倍率をしていくということもおかしい。もちろんそれは公営住宅だから工事費の補助を受けたり、あるいは地代等についてもいろいろな特典があるので、それを控除して、要するに償却をしていることも事実だ。だからそれに見合うものとして、それ以外のものよりも少し責任を負ってもらいたいということ、これはわかるのですよ。だから全然悪いと私は、いわゆる不当だとばかり言ってるのじゃないが、現実に入っている者の三割以上もそれに該当するし、しかも収入の低い者でも二割も該当してるんじゃないか。そうなってくると、一体入ってる者の三割以上も該当するような超過の収入を持ってる者を入れてあるということもおかしい。しかし現実にそれだけ入っているということは、やはりそこの標準が少し低いのではないかということも考える。本質的に自分の努力で収入を得て、しかもうちがちっともよくならないのに、入った料金はどんどん上がっちまうというのも、これはほんとの意味からいうと少しおかしい話なんであって、借家で自分の収入が変わったからといって、家賃がどんどん上がるということ自体おかしな話で、そういうようなことを考え合わしたときに、超過基準の基準というのは適切であるかどうかということを考えてみる必要があるというふうなこと、それから割り増しの家賃というものの実態というものも、もう一回やはり検討してみる必要があるじゃないか。明け渡し基準の出たこの機会に、そういうものをやはり検討して、もっとひとつ早くから検討して、入れた人が三年もたってしまったらもう三割以上もそれに、超過基準に当たるという超過基準自体は建設省がきめてるわけなんだ。そこのところを検討する必要があるということを言ってるのであって、基本的に全然間違いをおかしているということを言ってるのじゃないので、この点についてはもう少しやはりもっと別な数字を発見できないのか、ひとつあなたのほうで科学的に検討した結果こうです、というお話ならわかりますけれども、いまのお話で、私のほうがむしろ数字的なことを言ってるんであって、もうちょっとその点を検討してほしいと、こういうことですがね。
#24
○国務大臣(坪川信三君) 御意見十分ただいま承っております。直ちに私といたしまして、その方向づけた断定はいたしかねますけれども、松永先生御指摘になりました点は、やはり貴重な御意見、資料といたしまして、まじめにひとつ検討を加えたいというように指示してまいりたいと、こう思っております。
#25
○松永忠二君 これ公団も一緒に……、ちょっと明け渡しについて、二十一条の四で、「公営住宅以外の公的資金による住宅への入居等について、特別の配慮をしなければならない。」ということが、まあ法律にうたわれてるわけですけれども、これはほかの、公団のほうで一体どういうふうにして反映をしていくのか、公団のほうでは公団法をいじる必要はないのか。それからまた公団の中のほうの政令を改正をする必要はないのか、そんなものはちっとも改正しないで、ただこっち側だけに、公営住宅法だけにそういうことを言ってみても保証はないような気持ちがするわけなんですが、この保証は一体確かに得られているのかどうか。この点について、いずれでもけっこうですが、御答弁いただきたい。
#26
○政府委員(大津留温君) 明け渡し請求をいたしました方の行き先をお世話する必要があるということで、事業主体といたしましては、他の適当な住宅に入居できるようにあっせんいたしまして、その明け渡しを容易にするようにつとめなければならない、こういう法律上の規定になっておるわけでございます。この具体的な扱いといたしましては、公営住宅以外の公的な施策住宅、つまり住宅公団、あるいは住宅供給公社の賃貸、あるいは公庫融資の個人貸し付け、こういったものにおきまして、募集の際に一般の応募の方と別ワクに、こういう公営住宅から立ちのかれる方のために、別ワクを設けまして、それに優先的にお入りいただく、こういう措置をとることにいたしておるわけであります。その具体的な対象といたしましては……。
#27
○松永忠二君 内容はわかっておる、手続、片方の手続はどうするかということです。
#28
○政府委員(大津留温君) ただいま申しました住宅公団の賃貸住宅、あるいは分譲住宅、あるいは公社の賃貸住宅、分譲住宅ございます。あるいは公庫の貸し付けがございます。住宅公団の扱いにつきましては、公団宮地理事から説明していただきます。
#29
○参考人(宮地直邦君) 住宅公団の賃貸住宅につきましては、原則として公募をしなければならぬと書いてあります。これは住宅公団法の施行規則であります。原則でございまして、ただいまでも土地収用法によって土地を奪われた者、あるいは住宅がなくなった者につきましては、優先的に公募によらずして入居せしめております。また現在におきましても、公団のほうは公営住宅のほうから受け入れておりますけれども、この数字は四十三年度におきましては、約公募の一%ぐらいで、非常にわずかなものであります。こういう法的な原則としてということで、例外的にこれを従来とも扱っておりますし、今後ともさように扱っていくわけでございます。
#30
○松永忠二君 そうすると、ここに法律規制してあれば、公団側としては別に原則としてあるのだから、これをそのまま実行に移すことはできるし、それで可能なんだ、別に特に改める必要はないということの御説明だったと思うのですがね、公社についてもそうですか、地方の供給公社。
#31
○政府委員(大津留温君) 公社につきましても同様でございます。そこで、いまの募集の際に公団や公庫関係といま具体的に打ち合わせておりますが、募集の際に二割の範囲内で、公営住宅からこの法律に基づいて立ちのきをされる方に優先的に入れるということに打ち合わせております。二割という、先ほどお話しのように、従来一%程度の実績でございますから、二割程度のワクを用意しておけば、これでおそらく十分、あるいは余りがある程度じゃなかろうかと思っております。これは公団につきましても、公社につきましても同様でございます。
#32
○松永忠二君 これは手ぬかりのないような、必要があれば何も施行規則なんだから、それは明らかにして、明記をしておくという、原則としてという中にこれを包括して入れてしまうということではなくて、明け渡しについて、他のものに移ることを配慮しなければできないという法律が、公社なり公団のほうに明確に規則づけができているということが、やはり必要だと思うんですよ。公社についてあまりはっきりしたことを言われませんけれども、公社、公団いずれも二十一条の四の反対側の受け入れの規則なり、それがあるべきなんで、やはりそれはただ原則だから、あるからよろしいというのではなくて、これは明確にしておく筋合いだと私は思うんですね。それじゃあその場合、明け渡しの場合には、家賃を三カ月敷金を取るということはどうなんですか、これもやはりこれはほかのと一緒にやらなければいかぬのか、それともこのほうはいいのか。この特典はどうなるんですか。
#33
○参考人(宮地直邦君) 優先入居を認めるということでございまして、その他の入居資格につきましては、一般と全く同様でございます。
#34
○松永忠二君 その点も少し問題があるのですよ、実はね。これはあとから少し出しますがね。とにかく明け渡して行った場合に、非常にいろいろな条件が変わってしまってくるわけだな、一度に。敷金もまた出さなければならぬ、毎月の共益費というものも相当納めていることは事実なんです、これはね。それから、入居条件の条件の内容が違ってくるわけです。これはまあ少し検討して――お話を聞くと家賃の四倍以上の月収入があるというのは、大体二百万、百五十万というものより低いという判断をされているのだから、これはもう問題はないとしても、このほかのところに問題が出てくるわけなんですよ。そうあっさり簡単に、あなたのほうはそういうことなのかもしれぬけれども、問題になる点は明らかにしておかなければいけないと思うのですね。少なくともその内容については、もう少しあとでただすとしても、法律的にきめられたらば、それを受けて立つ規則の改正は当然のことだと私は思うのですが、この点について住宅局長、公社、公団についてそういう指導をすべきだと思うのですが、どうですか。
#35
○政府委員(大津留温君) 先ほども申しましたように、一定の割合で優先的に受け入れをするようにそれぞれ扱いをきめる考えでおります。その際に、政令なり省令の改正を必要とする点がございますならば、改めるにもちろんやぶさかではございませんが、現在の制度のもとにおきましては、それらの必要はなく、募集の方針、募集の要領をそういうことで主務大臣の承認を得てきめれば大体十分ではなかろうか、こういうふうに考えております。
#36
○松永忠二君 そこでもう少し、その三年以上入居して明け渡し基準を上回っているというものの数はどのくらいか。それから、二十一条の三で、五年以上で、つまり百五十万という数字の出てきているものの数は、明け渡しをしなければいけないものが幾つあるか。それから、附則の5の中で、現に居住している者について二百万という数字をこしている、以上というものの収入、この者の人数は一体どのくらいあるのか。そして、それは全体の何%に当たっているのか、その数字をちょっとお聞かせをいただきたい。
#37
○政府委員(大津留温君) 三年以上入居いたしておりまして、二百万をこえる収入を得ておる者の数は四千六百でございまして、パーセンテージからいいますと約一%でございます。百五十万円をこえる収入を得ております世帯の数は、一万八千五百でございまして、三・七%でございます。
#38
○松永忠二君 それからもう一つ、附則の、現に二百万以上こしている……。
#39
○政府委員(大津留温君) ただいま申し上げました二百万をこえる数というのは、現に入居しておる方々の中で三年以上経過して、所得が年二百万をこえるという数でございます。
#40
○松永忠二君 これはどうなっておるんですか、附則の5に、この法律の施行の際、現に公営住宅に入居している者について、賃貸の期間が定めがないとき、それから貸借の期間が二年以内であるとき、それから貸借の期間が二年をこえるときと、こういうふうに三つ出ておりますが、これの一体実態はどうなっているのですか。貸借期間の定めがない、あるいは貸借期間を二年以内、あるいは貸借期間が二年をこえるとき、とこういうような実態は、現実にどういうふうになっているのですか。
#41
○政府委員(大津留温君) 公営住宅の賃貸関係でございますが、通常賃貸の期限を定めない契約が普通でございます。事業主体によりましては、一応賃貸借の期限を一年間とかあるいは二年間とか、あるいはたまに五年というようなきめ方をしたのもございます。そういうようなきめ方をした例がございますが、この附則におきましては、そういう契約をしたものにつきましては、期間の定めがない、あるいは二年以内のものは、この法律のたてまえ上、二年を経過してから明け渡しの請求が発動されるということでございますから問題ないとして、それをこえる三年とか五年の契約期間を定めたものがありました場合には、その契約期間が過ぎてからこの制度が発動する、この契約におきます期間の定めを尊重というたてまえで、きわめて実際の例は、実際上は少のうございますけれども、二年をこえる期限で契約したものについての扱いを定めたものでございます。
#42
○松永忠二君 こまかいことですが、実態はどうなっているのですか。たとえば貸借期間というのは、大体一年で更新をしていくというのが普通だと聞いているわけですけれども、たとえば貸借期間が二年をこえるときというようなものに該当する一体戸数は幾つあるのか……。
#43
○政府委員(大津留温君) ちょっとお待ちください。
#44
○松永忠二君 それじゃあとからそれの数字を。こういうことが言われておるのですが、この点はどうなんですか。現に入っている人が、もう退職の時期に――何かあれは上田さんが御質問なさったようですが、現にもう来年は首になる、退職しにゃいかん、もうすでにわかっている。収入基準がばたっと落ちてしまうことがわかっているという、こういう者については、二十一条の三の5にこういうことが出ておりますね、「事業主体の長は、第一項の規定による請求を受けた者が病気にかかっていることその他条例で定める特別の事情がある場合において、」ということに該当するのかどうか。明らかにもう来年はそういう時期に来ているというような人で入っている人が、そういう基準にかかってきた、該当する人必ずしも多いとは言えないにしても、やはり一つ一つをきちっとしていくことは必要だと思うのですが、これはやはりそこのところも含めて、条例でこの問題は検討していくという、解決していくつもりなのかどうか。
#45
○政府委員(大津留温君) この改正案の趣旨が、所得がふえまして相当負担力もふえた、そういう方々に、低所得者で待ち望んでいる方のためにひとつお譲り願うという趣旨でございますから、単に所得が多い場合でありましても病人をかかえているとか、あるいは災害を受けたとかいうようないろいろな事情で負担力が必ずしもないという場合もございます。また御指摘のように、もう近い将来収入が激減するようなことが明らかなケースもあり得ると思います。そういう場合には、その方々から申し出をいただきまして、事業主体のほうで事情を調べまして、これは無理からぬという認定をいたしましたならば、この明け渡しを猶予するというたてまえにしておるわけでございます。ただ、来年定年がくるということだけでは必ずしも収入が激減するかどうか、これは大体明け渡し請求に該当するような方は勤労世帯のうちの数%というような方でございますから、かりに定年がきましてもまた次のところに就職するというようなケースも現実に相当あろうと思いますから、定年だからといって一律に猶予するというわけにはまいらないと思います。やはりその方の状況によりまして、定年等によって近い将来収入が激減するということが明らかに認定されるような場合は、この条項によりまして明け渡しを猶予する、こういう扱いをしたいと思っております。
#46
○松永忠二君 ひとつそういうふうな配意をこまかくやっていただきたいと思うのですが、もしまた明け渡しに応じない場合にはこの措置はどうなるんですか。
#47
○政府委員(大津留温君) この公営住宅の賃貸借の関係が、民事上の貸借の範疇に法的には入ると解釈しておりますので、そういう明け渡しを請求いたしまして、期限がきましても明け渡さないという場合には明け渡しの訴訟を起こしまして、明け渡すべしという判決を得まして執行吏に強制執行を依頼する、こういう手続になろうかと思います。
#48
○松永忠二君 それではもう少し進めて建てかえについて、建てかえの二十三条の四の一のところに「政令で定める規模以上の一団の土地に集団的に存していること。」ということが出ているわけですが、これは大体どの程度のことを考えておられるか。
#49
○政府委員(大津留温君) 最低〇・一五ヘクタール以上ということにするつもりでおります。
#50
○松永忠二君 二十三条の九ですか、説明会のことが出ているわけですね。これはもうすでに皆さんもお聞きのことと思うのですが、そう簡単に出ないぞというような方もなかなか実際あるわけですね。それで、中にはこういうふうなことを言う人もありますね。同意を全然必要としないのはおかしいじゃないか、要するに、建てかえということについて何にも同意を得ないで建てかえがきまれば建てかえの通知を出して、明け渡しの請求を出して、三カ月以内に仮住居に移らなければならない、相当強権を伴うもであるということは事実ですね。そういうものであるならば何でもう少し――同意というようなものはちっとも必要としないのか、というような意見を言う人もあります。そういうこともあるだけに第二十三条の九の説明会の開催ということは、非常に重要な問題だというふうに私は思うのですね。それからまたそのほか少し問題がありますけれども、これは相当やはり強権を発動することは事実です。説明会をして、きめればきめたものをただ通知をして、そうしてその請求をすることができて、もう仮住宅に移らなければならぬということになっているわけですね。だから現にできたものが非常にやはりいいものだ、確かにいいというような、いわゆる建てかえ計画の必要な要件ということは、厳密であるということが非常に必要だと思うのです。二十三条の四というところにそのことについて、建てかえの施行要件というものを出しているわけですね。これとも関連をするわけであって、これが高層の住宅を建てて収容者を非常に多くするということは非常にいいことだ。ただ、それだけのことだけを主張することにはなかなかできにくい問題がそこにあると思うのですね。特に、入っている者の同意もなしに建てかえが決定をされればもう強制的にとにかくやれる。建てかえたものは、後ほどお話をしますが、公団の家賃という相当な巨額なもの、敷金も出すわけです。そういうところへ移っていくわけです。新たにできたものは公営住宅であるから幾ぶん家賃というものは公団とは違っているとしても、そういうふうな面が出てくると思う。そこで、この建てかえの要件の中に、その二のところに、「その他の理由により相当程度低下していること。」というばく然たることばが出ているわけですね。三と四のところについてもいろいろ問題点が出てきているのですが、こうした点についてどんなふうな意見を建設省としては持っておられるのか、この点をひとつ説明を聞かしてください。
#51
○国務大臣(坪川信三君) その前に、非常に大事な問題でございますので、建設省といたしましての基本的な考え方といいますか、これに対するところの態度について申し上げて、詳しいことは大津留局長より答弁させますが、いまの、同意を得るということに対して政府といたしまして、建設省といたしまして、やはり最大の努力を払うということを十分私は努力すべきである。こういうようなことでありますので、これに十分努力をいたしまして、そうしていま御指摘になりました矛盾といいますか、それらの人々に対する不幸といいますか、それらの弊害がなるべく除去されるような態度で臨みたい、これが基本方針であります。詳しいことは大津留局長より答弁させます。
#52
○政府委員(大津留温君) この建てかえ事業の要件におきます公営住宅としての機能が低下している、相当程度低下しているというのが、具体的にどういうことかというお尋ねのようでございましたが、災害それからシロアリあるいは積雪地におきます凍上あるいは積雪による住宅のいたみ、こういうようなことで、耐用年限の半分を経過していない場合におきましても相当いたみが激しいという場合もございますので、そういう場合も事業の対象に取り上げることができるということにしたわけでございます。もちろん、この事業主体といたしましても、それぞれ団地の大部分の住宅がなお有効に使えるという状態におきまして、自分の貴重な財産でもございますので、そう住宅の質が、相当いたんでいるということでないのに、建てかえ事業を始めるということもなかろうかと思いますけれども、実際問題は耐用年限をほとんどが過ぎたところで始まるというのが実際かと思いますけれども、しかし、場合によりましては、先ほど申しましたように、シロアリとか、凍上というようなことでいたみが激しいというケースもございますので、そういう場合も建てかえ事業をなすことができるということに取り上げたような次第でございます。
 なお、先ほどお尋ねのこの入居期限の定めた契約をしている事業主体の数でございますが、全体の事業主体二千七百のうち、六百二十八の事業主体で年限を切っております。そのうち一番多いのが三年というのが一番多うございまして、これが五百二十四事業主体、それから五年というのが五十七ございます。
#53
○松永忠二君 大臣が言われたように、同意を求めるということが中心であるということで、この点について、法律には「協力が得られるように努めなければならない。」というようなことが出ておりますが、これは大臣が言われたような基本線に基づいて相当やはり努力を重ねる必要がある。それから、また現に建てかえされたものが確かにいいものであるというようなことがない限りはやはり賛成を得られないし、同意もなかなか得られない。この点は非常に大事なことではないかというふうに私たちは思うので、法律も非常に念を入れて要件にあげてはあるわけですけれども、この点が非常に実施をする上に重要なことであると思うのです。そこで、私はここでやっぱり二十三条の移転料の問題がやはり相当問題になると思うのです。つまり、自分はこの建てかえをされる立場の者から言うと、建てかえていいようになったからいいじゃないかという外部から言う理屈はあるわけだけれども、建てかえを自分自身別にいまのうちで不満足はない。しかも、建てかえたことによって、今度の住宅は非常に家賃も高くなることがはっきりしている。自分自身も少し建て増しなどもやっている。そこをとにかく同意が得られないとしても通知をして、とにかく明け渡しの請求をすれば、それで仮住宅に押し込んでやれるわけですね、この法律としては。そうである以上、この二十三条の十の移転料の支払いの問題は、満足なものでなければできぬと思うのですよ。相当のものでなければ。この二十三条には「通常必要な移転料を支払わなければならない。」という、「通常必要な」ということがことばとして出てくる。これまたばく然たる内容のものだと思います。この点は、やはり大所高所に立って必要だということと、個々一人一人のものにとってどうかというものとはまた区別もあるわけだし、仕事をする者からいえば、個々の人の満足も得ていかなければ円満にできない。事実、相当この法律自身について反対意思を表明している人の中には、こういうものをつくるならばつくってみなさい。私たちは出やしませんよという言い方をする人もないことはありませんよ。こういうふうなことになってくると、特にこの移転料の支払いの問題については、相当重要な要件があると思うのですね。そこで具体的にお聞きいたしますが、仮の住宅へ移転をして、また建てかえの住宅へ移転をするということになるので、両方の移転料を一体含めているのかどうかな、ということがまず一つお聞きをしたい。
#54
○政府委員(大津留温君) 両方含んでおります。
#55
○松永忠二君 そこで、この移転をする場合にはつとめをやめて、休んで荷物を運ばなければいかんわけですね。そういう移転のための日当というようなものをどういうふうに考えているのかどうか。それから手狭なところへ居住をするということ、私も実は街路事業で一部地所を、自分のうちを引き去ったときに、自分自身のうちを建てかえるために狭い、手狭なうちにいたことがありますが、これは思いのほか、とにかく不自由であった。非常に一カ月なり二カ月の間非常に困難であった。こういうところに、補償せよという意見が出てくるということがある。現に補償をすべきだという意見を言っている人もあります。それが全面的に全部正しいというわけにはいかんと思うのですが、その問題ですね。それから、自分は建て増ししたものがあるわけですね。これは建て増したものを、増すには事業主体の許可を得なければできぬということになっているけれども、現実にとにかく建て増しをしている。そこには樹木もある、花も植えている。これらをみんな取ってしまわなければできぬわけです、丹精したものを。こういったものがどういうふうにこの中で処理されるのですか。この点はどうなっているのでしょうか。
#56
○政府委員(大津留温君) この建てかえ事業の態様は、実際問題いろんな形があるかと思います。普通、たとえば相当な大きな団地におきましては、片方のほうから逐次建てかえていくということのために、あき家に一応こちらの方が移っていただいて、それで新しいやつを建てまして、ここに入っていただくということで、仮の住まいに、仮の住居を特に建設して、そこにお移りいただくということの必要のないようなケースも、実際は相当あろうと思います。しかし、場合によってはお話のように、プレハブで仮の住まいを建ててお入りいただくということもございます。そういう場合に、通常仮の住まいですから、手狭な住まいということが、実際そうなろうかと思います。従来実際の扱いとしましては、その仮の住居にお住まいの場合に、その間の使用料といいますか、家賃はいただかないというような扱いで便宜をはかっておるようなのが実際でございます。
 それから、増築をなさった分をどうするか、あるいはいわゆる造作がある場合あるいは植木、こういうのは、いろいろ、たとえば増築とか造作等の許可を得たかどうかあるいは許可を得た場合に、どういう条件のもとに得たかというようなことで、いろいろその間、具体的な条件によって扱いが違ってこようかと思います。この法案におきましては、それらの扱いは、特に統一的な扱いを規定はしておりませんけれども、これは別途民法その他の法律に基づきましてその買い取り等をすべき性質のものがあれば、それによって買い取り等をやらなければならないと思いますし、またそうでないケースの場合は、特に補償というようなことは起こり得ないんじゃなかろうかと思います。また植栽等の扱いは新しいアパートにおきましても、その前庭に花壇等をつくるというようなことで、入居者の方に利用していただくということが多いわけですが、そういうところに移植されるというような費用は、これは通常移転に要する費用ということでそれに盛り込んで支払うということになろうかと思います。
#57
○松永忠二君 ちょっとその点はばく然たる点があるから私はだめだと思うのですね。仮住まいに移ったって、建てかえたところへ、いままで五十坪なりを持っているところへしっかりした木もあるわけですからね。その木も取ってしまわなければいけない、これは木を植えるのに何も事業主体の許可を受けることはないわけです。木を植える、自分の前に木を植えたりなんかして、これは現実に公共事業等でその居住に移転をするときの補償というものは、ちゃんと樹木一本について幾らということがきちっとなっているわけです。だからもっとそこをはっきり、とにかく移転日当はどうするのですか、ここには通常必要な移転料ということは書いてあるんですよ、それ以外にはないんですよ、ここには。さっき私大臣申し上げているのは建てかえて、高能率に使うということを、われわれ何も反対するわけでもないのですけれども、一人一人個人にとっては相当負担がかかってくるのに、それをしかも説明会を開いて同意を得ても得なくても、とにかく通告をしてやってしまうことができるわけです。そうなってくれば通常必要な移転料というようなばく然たることじゃなくて、そういうたとえば日当はどうするんだという話が出るんじゃないか。それからまた建て増したものについて事業主体の許可を求めたらどうか、確認はしなきゃできぬとしても、これも現実にわれわれが公営住宅を回って見て、そんな一々建て増しするのに許可を得てやっていないことは事実なんです。相当りっぱなものを建てているわけですよ。ところが現実には前に建てた古い建物のただ移転料なんだということになれば、この人たちは説明会のときに、どうしてくれますということを質問されるのはわかりきっている。どうするのですかと、私たちはその間日当はどうするのだ、手狭なところに居住する補償については、あなたは、移ったときには家賃は取らないのだということで何とか補償したいということも、具体的には一つのあれですね。だから現に建て増した造作物あるいは樹木についてどうやって補償を考えているか、また日当はどうなのか、それをどういうふうに一体規制をするのか、どこでどういうふうに規制をするのか、これを具体的に示してもらわないと、二十三条の十だけでは私はだめだと思います。
#58
○政府委員(大津留温君) 通常必要な移転料ということになっておりますので、御指摘のように普通引っ越す場合にはトラックを借りるとか、あるいは近いところですとリヤカーで間に合う場合もございましょう。あるいは人夫を雇うなり、あるいは自分で、おっしゃるように、休暇をとって自分でやるというようないろんなケースがございますが、そういった必要な荷づくり費運搬費あるいは人夫賃、あるいはその他のもろもろの移転雑費、通常必要な雑費、こういうものは当然含まれてまいります。それから植木のお話がありましたが、先ほどもお答えしましたように、これの移転に要する費用、アパートの前庭に移すとか、そういう移植の費用、こういうものは入ってくると思います。それから建て増しにつきましては、これは先ほど申しましたように、いろんなケースがございますから、ちょっとここで一律には申しかねるわけですが、その状況に応じまして事業主体とお話し合いをいただくということになろうと思います。
#59
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#60
○委員長(岡三郎君) 速記を始めて。
 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十六分開会
#61
○委員長(岡三郎君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#62
○松永忠二君 この移転料の支払いの問題について、いま話の出てきている補償的な面の問題について、やはり基準をはっきりさせて、そしてそうした問題について明確な補償を合理的に行なわれるように特に明らかにする、そういうことを強く要望いたします。その点について一言局長のほうからひとつ。
#63
○政府委員(大津留温君) 移転料として支払うべき内容、それから算定の方法等につきまして統一的な方針を定めまして、全国指導したいと思います。
#64
○松永忠二君 その移転料だけでなしに、いま言ったような、前から論議されている日当とかあるいは補償の問題等についても明確にしておくように要望いたします。
 その次に、新しい公営住宅への入居の問題ですが、二十三条の八の4に「正当な理由がないのに」三十日以内に入居の希望を申し出ないときは入居させないことができると、こういうようなことが出ております。それからこうしたことについて係争中のものであっても、あるいは反対のものであっても、取りこわして建てかえられ三十日以内に申し出がなければ資格をとってしまうというそういうようなことになると、やはりこれまた問題だと思うのですね。したがってこのそういうふうなものに対する具体的な範囲というものは一体どういうふうなことが行なわれるのか、この点をちょっと。
#65
○政府委員(大津留温君) 建てかえによりましてもとの住宅に住まっておった方は、必ず新しい住宅にお入りいただくというたてまえで考えております。ただ御本人の御都合で入らないという方はいつまでもそういうその方のためにあけて用意しておくというわけにもまいらない事情もあろうかと思いますので、そういう場合に備えての規定でございますが、この運用といたしましては古い住宅にお住まいの方は、全員御希望ならば入っていただくということで扱いをしたいと考えておりますので、この運用につきましてはそういう方々の御都合に十分沿うように運用したい、こういうふうに考えております。
#66
○松永忠二君 まあ、その点についても少しやはり問題がまだありますが、要するに、合意が成り立たないで反対をしているのに結局建てかえが行なわれる、しかもそれについて申し出をしないままに三十日になってしまえばそれで終わり、こういうようなことは一方的じゃないかという意見があるんですね。だから、こうした問題についてはいずれも係争されている、あるいはいろいろな点で争いが起こっている事態だと思うので、争いの行なわれているものについては、結果によって三十日以後であっても入居資格を与えてやる、こういうふうな措置が必要だというふうに私たちは思うのです。この点についてのことであります。
 少し話を進めまして、家賃の決定の問題です。第十三条で建設大臣の承認を得てきめるという、その承認をとったけれども、このことについては公営住宅法の施行令の第四条の五というところに、家賃を値上げする場合の地代計算とかいろいろ出ておりますね。これについてやはりこれまたある人の資料の一つにありますが、こういうことを言うのですね。承認事項をとった場合に、家賃値上げの場合の地代の計算は近傍類似の土地の固定資産税評価額に相当する額に、百分の六を乗じた額から宅地造成費の補助額に百分の六を乗じた額を差し引く、こういうことがあるのですね。そうすると、東京の近郊で公営住宅建設当時坪三百円、現在十万円以上する。固定資産の評価額が四万円だ。一戸五十坪だとすると地代一カ月分相当額というのは九千九百六十二円になる、こういうわけですね。そうすると、現在幾らで入っているかというと、これは二千円ちょっとで入っているという話です。そうすると、この承認事項をとったことによってこの地代を、九千九百六十二円地代相当分として上げることができるということになるんじゃないか。こういう資料を出して非常に不安だということを言うわけですが、現実的には建設大臣の承認が必要なので、なかなか家賃についてもそう簡単に上げられないというような状況が出ているけれども、承認を削ることによってそれが非常に簡単に上げることができるような状態に入るという反駁の意見については、どういうふうな見解を持っておられるか、この点を。
#67
○政府委員(大津留温君) 公営住宅の家賃の算定につきましては、この本来の趣旨からいって、低家賃になるように法律でその算定のしかたをきめております。これを変更する場合におきましても、公営住宅の趣旨に反しないように算定せられるように限度を定めておるわけでございます。この限度をこえて特別の必要があって変更するという場合には、建設大臣の承認を要するものと考えますが、この法律で定めました限度のワク内で変更する場合に、一々建設大臣の承認というのは煩に過ぎるではないか、行政簡素化という意味でこの承認の手続を省略したというのがこの改正の趣旨でございまして、その引き上げを容易にするとかいうようなことを特に考えたわけではございませんが、この法律に定めました限度は、そう不当に高くならないように定めております。
 固定資産税評価額の扱いにつきましても、三十八年の評価額に当分の間よるようにという指導もしておりますし、そういうことでこれは行政簡素化という、もっぱらそういう趣旨で行なった改正でございます。
#68
○松永忠二君 そうすると、これが承認をとったということによって、急激にそういうことのないように指導もしなければならないし、そういうふうな考えなんだということに間違いありませんね。
#69
○政府委員(大津留温君) そのとおりに考えております。
#70
○松永忠二君 そこで、一体公営住宅に現在二百万円以上の所得のあるもので入居している者、それから百五十万円以上で入居している者、これの平均家賃というのはどういうふうになっておりますか。
#71
○政府委員(大津留温君) いまの二百万円以上の収入の方、これはいろいろな事業主体のいろいろな年度の建設にかかる住宅にお入りでございますので、二百万以上の方が現に幾らの家賃にお入りか、そこまで実は調べておりません。一般の公営住宅のまあ平均的な家賃にお入りになっているものと想定いたしております。
#72
○松永忠二君 それは少し、私はやはり調べる必要があると思う。現に明け渡さなければいけないというようなものが、百五十万以上のものがさつき数字も明らかにしましたね、一体幾らの家賃に入っているのか。それから二百万以上はすぐ出る、明け渡しをしなければいけない、この人たちが一体幾らの平均家賃を払っているのかということを把握しなければ、それじゃその人たちは公団の住宅に入るためにはどうなるだろう、公社の住宅に入るためにはどうなるだろうということになるわけですから、やはりこれと比較をするということが出てくるわけです。比較をすることによってやはりその一人々々の個人についてどういうふうな打撃があるだろうかということを考えていくべきものだと思う。やっていることが筋が通っておれば、そこに起ってくる現象というものはどうでもいいのだということじゃないと思うのですよ。だから、やはりこれははっきり把握をしておく必要があるのじゃないかと思う。
 それはまあ、いま話が出てきていますが、私の一つの事例で言えば、東京都で二千円というのが古く入ってそんなに家賃を改めるということをそう簡単にできないわけだから、その点安いのに入っているという実態、いい悪いは別として現実に入っているということだと思うのです。そういうものの平均の家賃はどうなっているかという問題があるわけです。
 そこで今度は公団のほうですがね、公団のまず入居条件については、やはりこれはあれですか、同居者の収入も入れてあるのですか、それとも入居者と、本人収入と、同居の親族の収入を入れるのか、本人だけの収入をもとにしてやっておるのか、この点はどうですか。
#73
○参考人(宮地直邦君) 公団の場合には、家族の収入を合算します。ただし契約者の収入が合算した場合の七割までなければならないという規定になっております。
#74
○松永忠二君 そうすると、まあこれも計算の基準が、税込みでやって、それで全部の収入が十二分の一をとっている。それでまた同居の親族の者がその中に入り込んでおるということですね。これはまた私も数字をきちっとつかんでおるわけではありませんが、そうなるとそう簡単に、今度出るものは、必ずしも公団の収入よりも、入居基準の収入よりも高いのだということを大前提として、そう簡単に言えるのですかね。それはこの点はひとつ問題あるとして、いまの公団の平均の家賃というのは、四十四年で一万五千二百四十六円、最高の東京都の亀戸二丁目の面開発、市街地住宅の三DK二万九千八百円、二DKの中に二万三千七百円というのが最高としてある、平均は一万五千二百四十六円である、こういうことについては間違いありませんね。
#75
○参考人(宮地直邦君) いま申された数字間違いございません。四十四年の数字は、これはまだ予算執行しておりませんけれども、四十三年の数字で申し上げますと一万四千百五十一円、いま申されました亀戸二丁目のは、公団としての最高家賃二万九千八百円は、全管理戸数のうちで十戸ある数字でございます。
#76
○松永忠二君 公社の住宅の入居条件は五万円以上の入居資格、平均の家賃というのは四十四年の全国平均が九千五百円から一万五千二百円というふうなことが出ておるのですね。この公社の住宅の最高は、一体、どのくらいな家賃を取っておりますか。
#77
○政府委員(大津留温君) 公社の賃貸住宅は平均四十四年度の予算でいきますと、一万二百九十四円でございますが、高いのは公団と同じように市街地住宅といって高層を建てておりますので、その高いほうになりますと、一万八千五百円程度のものがございます。
#78
○松永忠二君 大臣にお聞きいたしますが、いま、私が言ったのは、明け渡しをされておる人たちが、現にどのくらいな家賃のところに入っておるのか。それからまたこれが公団なり公社に移れば、そういうふうな家賃を払わなければできないのか。それからさっき申しましたように、公団については、敷金が三カ月分あるわけなんです。敷金を出さなければできない。家賃の三カ月分、そのほかに毎月の共益費というのが杉並区の一つの例をとると、千円から千四百五十円毎月払っている、共益費として。やはりそのところの差がどのくらいあるかというようなことをきちっとつかまえて、そうして、どういう負担になるかということを考えてやる必要があると思うので、そういう点でいうと、現実に入っている人たちの家賃を明確に把握していないことには比較にならぬと思うのですが、相当低いのに入っているのは事実だと思うのです、古くから入っているのですからね。そこで一体それをどういうふうにして解決をしていくのか。新しいところへ入って高くなるのはあたりまえじゃないかというような考え方なのか。この点についての対策としていろいろあるわけなんですね。たとえばその人たちの言っている中には、この際頭金を不要にして長期低利の融資をしてもらえぬだろうかという意見も出てきておることも事実ですね。それからまた、さっき大臣が言った傾斜家賃というのが、特に面開発の団地の家賃が非常に高くなってきた。で、住宅の家賃が高いということは、家賃の四倍の収入がなければ入れないということに通ずるわけですからね。そこで低い収入の者は入れないということになってしまうので、そこでこれについてやはりちょっとした一つの例で言うと、最低の収入が九万五千七百二十円なければ入れないというようなものもできてきている。そこで、こうしたことについて、対策として考えられるたとえば傾斜家賃あるいは住宅金融公庫の特別な融資のしかたというようなものが考えられるのですがね。それから事実地方公共団体でこういうことをやっているところがあるわけですね。東京都で公社準都営住宅制度というものをつくって、一定の保証家賃をこしらえて、その保証家賃よりもコスト家賃が上回っている場合にはそれだけの差額を補てんをする。大体一万二千円から一万三千円程度の家賃で入れるようにしてやるということをやっているわけですね。これは普通のものについてもやっているわけです。今度のようなことで、まあとにかく建てかえをいろいろして、必ずしも自分から、みずから望むわけではないけれども、公共的な福祉の意味でそれに協力をしてくれということになると、こういう点について、やっぱりもう少し対策の面を充実をさせる必要があるのじゃないかと思うのですが、まずいま申しましたような中で、傾斜家賃もことしからやるという話のように聞いていたわけですね。たとえば二DKの二万三千九百三十円を、入居当初は五千百六十円にして、毎年千二百円ずつ引き上げて六年目に二万四千七百七十円にしていこう、こういう傾斜家賃をつくってこれに伴うものについては大体五千戸の戸数を考えて、当初初年度に三千万円、ピークの場合でも数億円だから、公団の金で何とかこれをやっていきたいというような話も考え、いま大蔵省との間に話も進められているとか、何かそういうことを聞いているわけなんですが、一つは傾斜家賃という問題、あるいは融資制度に特別なものをつくってやるというようなことはできないものだろうかどうか、地方公共団体でも特別そういう措置もしていることなので、この点について公営住宅のこの問題と関連してあるいはまた分離してもそうですが、この考え方をひとつ大臣から聞かしてください。
#79
○国務大臣(坪川信三君) 先ほど保留いたしておりましたいわゆる明け渡しを要求された場合の家賃また移った場合の家賃というもののめど、リミットというような点につきましての、一応数字が明らかにされましたので、局長から答弁させたいと思います。それと別個にいまこれらのものを、関連いたしまして、御承知のとおりの問題点、いわゆる傾斜家賃の問題あるいは融資の問題、その他の三点にわたるお話でございますが、私といたしましては、これらに対しまして、積極的にひとつ取り組んでいきたいという考えを持っておるのでございますが、私が正式な場で傾斜家賃を申し上げるのはきようが初めてでございまして、衆議院の委員会においても過日一回申し上げました程度でございますが、これは事務当局といたしましても、非常に検討すべき問題として、私も局長とも話し合いをしておるというようなことでございますが、新たに私はこれに対して意欲を燃やしながら、大蔵省当局と、財務当局ともひとつ話し合いを進めたいとこう考えておるような次第であります。融資その他の問題についても、昭和四十五年度の住宅政策の重要な問題の課題としてひとつ検討を加えたい。いま直ちにこれに対する具体的な煮詰まった方針は、いま言いましたような段階でございますので、申し上げられないことを御了承願いたいと思います。
#80
○政府委員(大津留温君) 先ほどお尋ねの高額所得者の家賃でございますが、東京都の場合、一番安いのは六百円からありまして、高いところで四千九百円という数字になっております。それから、融資につきましては、東京都をはじめ公共団体でそういう貸し付けをやっておるところもございますが、先ほどもお答えしたように、住宅金融分庫の個人融資におきましても、公営住宅を立ちのきを余儀なくされた方々に対しましては、土地費を含めまして、特別の貸し付けを行なうということにいたしております。
#81
○松永忠二君 いまの問題について、これはただ答弁をするということだけでなしに、たとえばこういう措置についてそんなたくさんの人でないので、該当した者についてだけ傾斜家賃の制度をとってしばらく軽減をはかるとか、何かこうはっきりわかる方法ができ、必ずしも傾斜家賃というのは全部それを国なり、公団なり、地方公共団体が負担をするということじゃなしに、入りやすいようにして徐々に高めていこうということにするわけです。これは収入の低い者を入れるという基本的な問題もあるけれども、こういうものとからめて傾斜家賃の実現をはかっていくということも一つの方法なので、これはひとつ現実的に考えてもらって実現のできるように公営住宅の明け渡しと関連してきちっとできるということになればこれもいいし、それとは区分けをしても、とにかく傾斜家賃という制度によって再開発等でも、面開発の住宅家賃というのは、高くなるというのははっきりしているので、こういう点についての具体的な対策として懸案であった問題が片づいていくというふうにひとつぜひ努力をしてもらいたい。ただ御答弁だけでなしにそういうことをぜひ努力をしてもらいたい。基本的には、ここでやはり大臣に特に努力をしてもらわなければできないことは、何と言っても住宅公団の建物に対する融資の条件というものが他のものより悪いということと、それから、輸出入銀行とかあるいは開発銀行とか、農林公庫などというのが、特にことしの輸出入銀行というのは政府出資が六百三十五億あるわけですよね。それで民間資金というのはほとんど入れなくて、全部政府資金の二千八百二十億入っているわけです。ところが住宅公団の場合には、これがそういう数字と違って、もう政府出資は御承知のとおり四十一年で打ち切られてしまって、利子補給という形で、他の一般財源のほうから金が入ると、あとは政府資金と民間資金、民間資金のほうが実は多いわけですがね。千四百六十億が民間資金、政府資金が八百八十八億。したがって、政府資金の借入金の六分五厘、民間資金の七分四厘から七分六厘という、民間資金の量が多くて政府資金の量が少ない。その上に政府出資は全然ないということで、この問題はもう少し前進をさせなければ、公団の建てる住宅というものはやはり安いものにはならないわけなんです。公団にしたところが、あるいはそのほか住宅の政策を進めるについてもそうだ。それで、この点はやはり住宅政策が重点であるというならば、よほどやはり努力をしなきゃできんのじゃないかということを考えるわけですが、こういう点について大臣の考え方、努力をひとつぜひ要望したいのです。それから、またいま利子補給の金が償却費と地代相当額の年四分一厘を五分に上げて、それで政府資金なり民間資金の差額を、つまり利子補給として出してもらっているわけです。ところが償却費と地代相当額の五分というのも必ずしもいつまでも五分じゃないのじゃないか。もう少し上げてくると、これを上げれば家賃がすぐ上がってくるわけですね。この前四分一厘を五分にしたために一割家賃が上がってきた。もし年五分のこれを四分にすれば、大体三千円の家賃を下げることができるという計算をされているわけです。農林漁業金融公庫あたりには三分とか三分五厘の金も入っているわけです。こういうことになると、どうしてもやはりもう少し政府出資なりあるいは政府借入金の利子の安い金をたくさんしなきゃできんということは、これはもう明白な問題だと思うので、こういうふうな問題について根本的にやはり努力をしていかないと、住宅はできてもなかなか家賃は高い、公営住宅家賃が高いということになってくるので、この点について特に大臣の努力を要望するわけです。その点についてちょっと。
#82
○国務大臣(坪川信三君) 正確な数字を基礎に置いて御指摘になりました二点につきましては、非常に貴重な大事な問題でもございますので、前進的にひとつ取り組んで、措置を講じてまいるように努力したいと思っております。
#83
○松永忠二君 少し進みますが、そこで、これはちょっと公営住宅そのものとは関係はありますけれども、いまこれは新聞等にも報道されていますが、学生の下宿、下宿といいますか、アパートのようなもので、近代的なもので百万の敷金を取って、十万の礼金を取って、家賃は四万二千円だという、そういうものができているのですね。それから、いま学生たちが、新しい学校へ入るために東京へ来て、家をさがしているわけですね。これまたいわゆる敷金と礼金というものはなかなか高いわけです。ちょっとしたところでも敷金は三カ月、礼金は一カ月と、こういうことになっているわけですね。それからまた、いま言うとおり、ばかばかしい敷金を取っているところもある。私は、この問題は、地代家賃統制令というものがあって、この中に昭和二十五年七月以後の新築に着手した建物及びその敷金については、適用除外をされているわけですね。そういうような点で、地代家賃統制令というものがなかなか有効に働いていないわけです。あるいは地代家賃統制令を適用する前に建ったものでも、平気でその統制令に違反をしている。統制令の中には、条文で読んでみると、こういうものがやることは違反だということを明確に規定しているものがあるわけですね。罰則も規定されている。しかし、これは現実的に何にも働いていないということが一つ。また、除外をされている二十五年以後のものについても、こんなばかばかしい敷金とか礼金というものを一体取っていいのかどうか。こういうものを野放しにしておくということは、私はないと思う。何かやはり建設省として、適切な手が打たれないものか。また、現に地代家賃統制令の中にありながら違反をしているものについて、一体、どう調査やその取り消しの措置をされているのか。私の率直な感じでは、全く野放しだ。かって気ままにやっている。そういう中で家がないために、あるいは上京して来ている学生もそうですけれども、ただそうじゃなしに、一般勤労青少年がずいぶんひどい間代、あるいはこういう権利金を取られているという事態があるわけです。こういう問題について、建設省としては、手は打てないものかどうか。何か措置をすべきではないかというふうに思うのですが、この点はどうでしょう。
#84
○国務大臣(坪川信三君) ただいま松永委員御指摘になりました問題でございますが、地代家賃統制令の問題は、やはり、そのときにおける相当の役割りを果たしてきたものとして、私は評価はいたしております。また、その後におけるところの、またそれ以外におけるところの問題点については、実は、きのうも某テレビ会社での討論に出まして、私自身、いま松永委員が御指摘になりましたようなひとつの気持ちをもって問題を提起をいたしまして、東大の教授などともディスカッションしたのでございますが、やはり、この問題なども、建設省といたしましては、なかなか法制的にどう措置を講ずるかという問題になりますと、なかなか複雑なものもあるやに私は予測もいたしておりますので、これらの点についても、局長とも何らかいい方法の解決点がないかというような話し合いをときたまいたすほど、私の頭にはこの問題については、やはり一つの問題点として考えておるようなことなのでございますので、率直に私は私の偽らない気持ちを申し上げまして、これらの点も十分ひとつ考慮しながら、何らかの解決点を見出して、この秩序ある住宅政策を打ち出してまいりたいというのが、私の偽らぬ気持ちなのでございます。
#85
○松永忠二君 そこで、私はやはりその実態を調ぶべきだと思うのですね。実態を調べないで、ただそういうことを言っていてもまずい。実態を調べることが一つ。それから現に統制令に違反している事実を摘発をする必要がある。統制令が適用されているのにかかわらず、それに違反しているところがある。これをやはりやらなければだめだと思うのですが、その二つについて、局長、どうですか。
#86
○政府委員(大津留温君) 民間の借家料の実態、これはぜひ実態をよく調査いたしたいと思います。
 それから統制令の違反でございますが、先ほど大臣も申されましたように、実はこの統制令、御承知のように戦時中の統制規則が戦後に残されたものでございまして、当時の逼迫した住宅事情に対処する方策としては、一応その使命を果たしたものであろうと、しかし、その後やはりこういう統制がございますと、民間の住宅を、貸し家をつくろうという民間の意欲を非常に阻害いたしますので、二十五年以降のものについてははずされたという状況にあると思います。ところで二十五年以前の小さい規模の借家につきましては、今日なお統制令が適用になっておるわけでございますが、この統制額が率直に申しましてあまりにも低過ぎるのじゃないかと実は思います。したがいまして、これを厳格に適用いたしますと、なかなか実情に沿わないような面も出てくるのじゃなかろうか。先般国会におかれましては、この統制令は今日の時勢に照らして廃止すべきだというような、そういう御提案もなされたように伺っております。もしこれを存続いたしますならば、やはり今日の時勢に沿うような統制額に改定をした上で十分取り締まるということにすべきだというふうに考えております。
#87
○松永忠二君 これはやはり現にあるものを直すなら直して、そうして適確にやっていくということは必要だと思うのですね。現にあるものは実情に沿わないということがわかり切っていながらそのままにしておくというのも、おかしな話だ。やはりこれは調査に基づいてきちっと措置をしていくべき筋合いのものだ。そこで、私はそういうこともあるから、たとえばこのよそのほう、民間のほうが、地方自治団体のほうが進んでいるわけですよ、これは。たとえば都心部で民間の木造アパートが非常に増加をしているし、大都市の四割は借家だというような実情の中で、あるいは大阪、東京、神奈川などでやはり民間の賃貸住宅の建設資金の融資をやっているわけですね。だから、こういう措置も並行しなければできぬことは事実なんで、一体こういうことについて国は何をやろうとしているのか。よくこれは大臣、新聞などで国は家賃を取る賃貸のいわゆる住宅を建てることを奨励したいというようなことを言っていますね。こういう発表もしているわけです。で、もう地方公共団体ですでにそういうこともやっているところもあるわけです。だから、こういう面から国が積極的な施策をすることによって、その家賃を下げることができる条件をつくっていくということも必要だと思うのです。この点については一体何を国はやろうとしているのか、具体的にこれをひとつお聞かせください。
#88
○国務大臣(坪川信三君) まあ何と申しましても、やはり基本をなしますのは需要供給のアンバランスからくる不幸と私は根本的に考えております。したがいましてこれらに対する施策をやはり万全を期さなければならない当面いたす問題といたしましては、やはり減税措置その他を通じながらこれらに対する措置を講じてまいりたいと、こういうような気持ちでおるわけでございます。
#89
○松永忠二君 そうすると、具体的には民間の賃貸住宅に対して積極的な施策というのはいまないのですか。住宅金融公庫とかそういう融資というような面なり、あるいは一定の融資をして、そうしてまあ融資額をきめてどうこうするという、これは具体的に大都市では木造の賃貸アパートが非常に多い。しかも地主の中で利用しないものをそのまま空地として存続しているものもあるので、このものを使って賃貸住宅を建てやすくしようじゃないか、いまある住宅金融公庫よりも融資条件をもっと別個にして積極的にこれをやろうじゃないか、こういう貸し家をふやすことが住宅対策の根幹だとか、あるいは地価対策の中にもこれが非常に重要だということを主張している学者もあるのです。何か政府のほうでもこういうことを積極的にやるんだというようなことを新聞等で発表されているので、ただ目じゃなくて具体的にこういうことをやりたいというそういう考え方があるのかないのか、それをまあ聞かしてください。
#90
○政府委員(大津留温君) 現在民間の賃貸住宅に対する融資といたしましては、住宅金融公庫で賃貸住宅の融資を行なっております。これは融資先は地方供給公社、それから民間のそういう賃貸住宅を経営する法人ということになっております。そのほかに先ほど大臣が申されましたように、貸し家経営に対しましては、特別償却の制度によりまして法人税並びに所得税の大幅な減税をやっております。固定資産税の減税もございます。それから次の五カ年計画の基本的な五本の柱として建設大臣が先般発表されました中に、民間の土地所有者をして住宅の賃貸あるいは分譲経営を積極的に行なわせるための施策を講ずるという項目がございます。まさに先生御指摘のように融資等を通じまして、そういう土地所有者がその土地を活用して、賃貸住宅なり分譲住宅を積極的に建てる方策を進めようと、こういう趣旨でございますので、そういう方向で検討を進めておるわけでございます。
#91
○松永忠二君 まあ検討を進めているということで具体的なものがないので、その点がまことに残念ですが、まあさっき申しましたような家賃問題について積極的なひとつ施策、それと一緒に特に民間の木造アパートなりあるいは空閑地の利用のための賃貸住宅の施策について積極的なひとつ対策をしてもらいたい。
 あと二点ほどですが、国の援助についてであります。特に国の援助についても公共施設の工事費というふうに内訳をしたわけであって、従来の共同施設についても、共同施設の工事費というふうに分けて、二分の一補助できるという規定法律に書かれているわけです。従来共同施設については補助できるということは書いてあるけれども補助したことはないという状態だと思う。わざわざ今度の法律でも共同施設について工事費というふうに内訳を制限をして、それで従来と同じような規定をしたので、これについては積極的に実施をしてもらいたいと思う。
 それから公営住宅の中で相当数の戸数を待ったところで共同施設が要らないということはない。むしろ集会所であるとか、そういうもの、子供の遊園地とかいうものは必要なことなんです。いまやそういうものを持つための再開発なども考えられているときなのであって、この積極的な予算措置というものについて、今後具体的にどういうふうに進めていくというようなつもりなのか、その点が一つ。それから都道府県の補助について従来どおり建設ということばを入れておいて、国のほうだけ工事費というふうに制限をした。これはいかにも国のほうは工事費にしておいて、都道府県のほうの補助だけは建設費として残したということは、何かやはりバランスのとれないという感じがするわけですけれども、これはどういうふうな考え方でそのままにしておいたのか。それから国の援助のもう一つの点は、国の貸し付け金というのを第十一条に従来どおり置いて、なお十一条の二に「(地方債についての配慮)」ということが書いてある。従来十一条の二がなかったのを十一条の二を設けたわけだけれども、地方債以外に国が特に第十一条を適用して積極的に施策をするものがあるのかないのか。この三つの点をこの国の援助というものについてお聞かせください。
 もう一つ、時間もあれなようですからいま一点。その予算の問題についてもう一つ。標準価額について上田さんが質問をされたのだが、十段階に分けるというお話しがあったが、各市町村、事業主の市町村を十段階の中に配置をするという形をとるのか。この標準価額というのを一体どこを基準にしてきめるのか。たとえばこの前話したとおり、地価公示制度に基づく公示をされたというものはそれを使うとしても、そうでない地域については、一体どこを基準にしてきめていくのか。何かこのきめ方について考え方をまとめているものがあるのか、この点を一つ。だいぶ重なっていますけれども、四つの点についてお返事をいただきたいと思います。
#92
○政府委員(大津留温君) 共同施設につきましては、従来住宅の建設に追われて、そこまで手が回りかねたというのが偽らざる実情でございます。ただ各事業主体がとっております敷金の運用といたしまして、大きな団地には集会所とかあるいは遊園地、こういうものを整備しております。今日まで、四十一年から四十三年までの間におきまして、整備いたしましたものが、全国で集会所が二百十一カ所、児童遊園が十一カ所、こういうような実績になっております。今後は大臣の方針にもありますように、居住環境の整備、質の向上というような観点から、余力のでき次第、こういった共同施設の整備につとめてまいりたいと考えます。
 それから第二のお尋ねの公営住宅の建設に対する都道府県の、市町村が行ないます建設に対する都道府県の補助を、工事費だけでなく用地費も含めて残したという御指摘の点でございますが、これは都道府県の補助は国の補助の、国の援助のいわば補完的なものとして一部行なわれておるわけでございます。これは都道府県の財政事情の余力のあるかどうかによって、その程度がきまるわけで、余力が相当あるところのものがございまして、市町村に対して用地費についても補助をしようという場合もあろうかと思いまして、その道を残しておいたというわけでございます。
 それから十一条の二の規定と十一条との関連でございますが、この十一条の規定は国の貸し付け金について規定しております。政府資金を地方に融資する場合に、事業主体の財政事情、それから公営住宅の工事費の償却の条件等をしんしゃくいたしまして、たとえば金利とか償還方法等の条件を他に比べてできるだけ有利にするようにつとめなければならないと、こういうような趣旨でございます。十一条の二のほうは、国からの貸し付け金も含めまして地方が起こす地方債についての規定でございまして、十一条の規定とダブる点はもちろん十一条によりますが、十一条に規定するもののほかできるだけ資金事情の許す限り適切な配慮を加えるべきことを規定したものでございます。今回の用地費に対する補助を地方債に切りかえるにあたりまして、その点を特段の配慮を怠らないようにという規定でございます。
 それから用地費の標準価格のきめ方でございますが、先般お答えいたしましたように、全国の地域を十段階に分けまして、事業主体である各市町村を十段階のどれかに当てはめます。その場合の標準価格のきめ方は、従来の実績等から見まして、通常市なら市、町なら町において公営住宅を建てるにふさわしい立地、そこにおきます通常必要な用地費というものを標準にして価格を定めておるわけでございます。地価公示が行なわれますならば、もちろんその公示価格に準拠すべきは当然でございますが、先般もお答えいたしましたように、そういうある市町村の平均といいますか、通常建てられる場所の価格でございますから、公示価格の具体的な地点における価格とは必ずしも一致はいたしませんけれども、それに準拠して定められると、こういう関係にございます。
#93
○松永忠二君 それじゃあ最後に二点ほどお聞きしますが、住宅金融公庫の問題です。四十四年度に全面的に住宅金融公庫の住宅貸し付けを実施をするということ、従来のような抽せんの方法はやめると、同時に宅地については融資の対象にしないというようなことが新聞にも出ておる、個人の住宅貸し付けについてですよ。これは私はたいへんに実情に沿わない点があるんじゃないかということを指摘をして、この点をもっと検討し直してほしいということで、これはたとえば大きな都市について、大都市の中では小さな住宅を小部分買うことによってスプロール化が行なわれるから、むしろそんな小さなものを買うよりか、事業団体等で賃貸住宅を建てていくというようなこと、あるいはそういうふうな意味で細分化を防ぐという意味からいっても、必ずしも都市に積極的に貸し付けをしなくてもいいじゃないかという理屈もあるかもしれない。しかし中小のただいまわれわれの住んでいるような都市では土地を買って、そうしてそこに家を建てるという一緒のことをやる者が非常にあるわけです。また、もし土地を待っている者だけしか、土地がある者しか結局その住宅を建てる金が借りれないということになるなら、いま土地を買うために相当金をためにゃいかぬ、土地を買って宅地に転用して、農地を宅地に転用していけば少なくも二年以内に建てなければいけない。また二年たったところで、すぐまた住宅の金を借りるといったって、なかなかできない。むしろわれわれが希望している宅地の購入、用地の購入について補助率が非常に低いので、もっとこの用地の購入費の補助率を高めてもらいたい。そうして同時に住宅の建設の貸し付けの融資率も高めたいということであって、もし土地がある者だけしか、土地に建てるところのない者は、住宅の融資を受けないということになれば、一体勤労者なんというのは、土地を待っている人が家を待っている人です。土地を持っている人は、みんな家を持っている人であって、ほんとうに自分の家に困っているというのは、土地だってないし家だってない。それを何とかして土地を買って家を建てて、頭金だけを何とか、これも事実各方面から資金を集めているというデータもあるわけです。そういう中でようやく無理して家を建てているという現実であるのに、今度そういうことをやめてしまうということになれば、土地のない者は家を建てるめどというものは、ますます少なくなってしまう。これはどういうわけでこういうことをするのか。何かわれわれからいうと、保利さんが住宅貸し付けについては抽せんをやめて申し込んだら、みんな全部借りられるようにしたらどうだ、こう大臣が言ったら、とたんに宅地貸し付けをやめちゃって、全部抽せんなしに貸すのだ、そんなことではおかしい。やはり実情からいうと、私はそうじゃないと思う。そういう面もあるけれども、同時にまた宅地貸し付けもしてもらって、そうして住宅貸し付けも一緒にして、地価がますます高くなっているときに、やはり融資率を高めてもらうということを大いに実行してもらいたいと思うが、この点についてはどういうわけでこういうことになったのか。これは検討する用意を待っておるのか、あるいは大都市と中小都市とは、別個の取り扱いを考えておるのか、この点についてまず建設省のほうの考え方を聞きたい。そうしてまたあわせて住宅金融公庫の考え方もひとつ聞かしてもらいたい、これが一点です。
 それからもう一つの点は、これは前の問題についてあとまとめて大臣に聞くわけですけれども、きのうの新聞あたりでも民間の金融機関の住宅貸し付けを容易にするために、金融機関の長期の信用銀行が割り増し金つきの住宅債券を発行して、あるいはまた地方公共団体が住宅たからくじというものをやることによって資金を得て、初めのほうは約百億だ、あとのほうは利子補給使えば一千五百億から二千億かの金が使える、そういうことを考えているように新聞に伝えられている。私は民間の自力建設というのは非常に重要であるので、民間の金融機関の貸し付けについて積極的な施策を国がする必要があると私たちは思うのです。これは非常に重要なことであって、すでに私が申さなくてもわかるように、民間のいま住宅金融の貸し付け残高というのは、貸し付け残高の〇・六%にすぎないわけです。非常に住宅貸し付けについて資金が不足をしている状況で、積極的にこれをやってもらわないと、結果的には建てる人は親戚、知人から金を集め、いろいろなところから無理算段をして、実は自力建設をやっているわけです。自力建設が計画をオーバーすることはそれだけの意欲があるということでなくて、これだけ困っているのに無理をしてやっているわけなんであって、そういう面で住宅部分の貸し付け期間を長くし、利子を下げるということについても、積極的な施策が必要だと思うのです。ただしかし、この方法については従来住宅金融公庫が宅地債券というのをやっているわけですね。これはずいぶん宣伝をして昭和三十八年ごろから資金調達として住宅債券やったけれども、これは予定した金額が払い込み実額よりもずっと高いんです。成績はうんと悪いのです。住宅公団が特別住宅債券と宅地債券やっているけれども、これまた非常に成績が悪い。始めたときはこれをやれば何もかも住宅や宅地が買えるという宣伝のしかたをして淡い期待を持っていたけれども、結果的にはやってみたところではうまくいかない。いま成功していると思うのは住宅融資保険制度が充実した。これは非常に金額もふえてきているし、申し込みも多くなって非常に成功している一つだと思うのです。制度を始めるとすると、こういう点についてよほどやっぱり慎重な配慮等がなければいけないと思うので、従来これをやればいいといって宣伝してきたものが、やってみたところがそれほど効果がないというのが実情であるのであって、このものを軌道に乗せていく決意があるのかどうか、その点についてのどういう一体留意をしながら、この実現をどのくらいのめどをもってはかっていこうとしているのか、この二つの点についてお聞かせをいただいて、そうして私の質問を終わります。
#94
○国務大臣(坪川信三君) 後段に御指摘、また御質疑になりました私に関する問題につきまして申し上げたいと思うのでございます。すなわち宝くじあるいは割り増し金制度等による住宅建設の民間の促進をはかるということについては、私は新聞等においても散見されますとともに、私も先ほど申しましたように新たなる四十五年度あるいは第二次五カ年計画等の計画の中に、こうした問題をひとつ実行に移すような気持ちを持って検討を加えて指示いたしておるゆえんもここにございますので、ひとつ前向きの方向に取り組んで、その実現をぜひとも促進させたい、こういう方針であることを御了承願いたいと思います。
#95
○政府委員(大津留温君) 第一の公庫の個人融資における土地費の貸し付けでございますが、これは公庫の理事もおみえになっておりますから、公庫のほうからお答えいただくといたしまして、私のほうの基本的な考え方は、実は本年度におきましても、前年度よりも土地費の融資のワクは二千戸分ふやしております。これをやめるというような考えは毛頭ございません、拡充していくつもりでございます。
#96
○松永忠二君 個人住宅貸し付けで。
#97
○政府委員(大津留温君) 土地費付きです。そこで、今回やり方を変えましたのは、この抽せんによって無差別に貸し付けるということは、いろいろな意味でまあ問題があろうかと思いまして、計画的に造成された土地を買う人、それから先ほど御質問にありました公営住宅から立ちのくとか、あるいは災害を受けた方とか、それから公共事業の施行に伴って家を立ちのかざるを得ない、こういうふうな人、そのほか産炭地から出てくる方とか、そういうようないろいろな政策的な目的に沿って家を立ちのかざるを得ない、こういう方々には優先的に土地代もつけてお貸ししましようということでございます。そこで全体のワクが一万六千九百戸分あるわけでございます。ただいま申しましたようなやり方で大体当初の予定の戸数が満ぱいになるのじゃなかろうかと実は思っているのですが、もしこれに余裕ができますならば、その他の一般の住宅をお建てになる方にこれは回したい、こういうつもりでおります。
#98
○参考人(鮎川幸雄君) 住宅金融公庫の土地付き資金の問題でございますが、大筋につきましてはただいま住宅局長がお話しになったとおりでございますが、若干私から補足して御説明申し上げたいと存じます。
 昭和四十四年度の個人住宅の貸し付けにつきましては、従来、長い間公庫では抽せん制によって実施をしておったわけでございますが、四十三年度からはその一部を受け付け制、一部を抽せん制に切りかえてきたわけでございます。そこで土地付き資金でないほうの一般個人の住宅の貸し付けにつきましては、昭和四十四年度におきましてはすでに四月二十一日から七月三十日まで長期にわたって常時受け付けにすることにいたしたわけでございます。ところが、その中に土地つき資金の個人住宅があるわけでございますが、昨年度はどうしたかと申しますと、一般の住宅につきましては二回にわたって受け付け順と抽せん制により、土地つき資金のみにつきましてはC組といたしまして抽せん制を実施したわけでございます。そこで今後抽せん制度をもってお貸しするかどうかという点が一つの問題でございますが、一般的に土地つき資金の住宅につきましてもこの際抽せんをやめたらどうかということもございまして、抽せんをやめることにいたしたわけでございますが、そういたしますと、わずかな戸数につきましてこれを貸し付けをいたすというためには、どうやったら一番公正な方法かということがむずかしくなってくるわけでございますが、私どもといたしましては先ほど大津留局長からお話がございましたように、従来、公営住宅の立ちのき者その他いろいろな事情で公庫が特別に貸し付けているものにつきまして土地つき資金はお貸ししておりますが、それは従来どおりもちろん貸し付けをいたしますし、さらに今年度から新たに公庫融資の宅地造成地あるいは公団の宅地造成地その他新住宅、市街地造成法に基づく宅地等に建設される方方には、特にこれは抽せんなしで選考によってお貸しするようにしたらどうか、こういうふうに考えているわけでございます。
#99
○松永忠二君 そうすると、いまの御答弁では地方公共団体が宅地を造成する、そうしてそこに集団的に宅地を分譲して建てる住宅等については、そういうような計画的にやるものについては宅地を融資の対象にしてやる。個人が個々にやるものについては予算の出方いかんによってまた考えていきたい、こういうことですね。まあ、一つのやり方ですけれども、これは。しかし、われわれはそれが非常にいいとばかりは言えませんね。まあ、私は時間ありませんから数字を出してもらいませんけれどもね。数字を見、私たちが現実に地方で住宅の貸し付けをしてもらいたいと思っている人たちの中には、やはりみんなほとんどが宅地を買ってうちを建てているのは勤労者、ほとんど勤労者はみんなそうですよ。だからそれを計画的に市町村がやる、宅地分譲やるようなところにだけはそれを認めるけれども、そうでないところには認めないということになると、個々に建てる者に非常に不自由が出てくる。せめてこうしたものについては、全部は貸せないにしても、抽せんででもいいから、できるだけ努力をしていくというようなことで、この問題について、現実にそういう措置をしてもらいたい。それから、何か新聞なんかで、宅地貸せませんよということを宣伝をしているようですね。ちょっとその宣伝は間違いですね、そうすると。
#100
○政府委員(大津留温君) 先ほど御説明申し上げましたように、一般的な抽せんとしてはやめましたものですから、それが、まあ新聞ではああいう書き方をいたしましたけれども、新聞の中身をよく読んでみましても、先ほど言いましたような計画的な宅造とか、災害その他のものには貸すということは、一応書いてはありますけれども、見出しで、土地の貸し付けやめたというようなことを書くものですから、非常に影響が大きかったと思います。なお、先生御指摘の地方で家をお建てになる場合の土地の問題もございますので、予算に余裕がありますれば、もちろんですが、今後におきましてもその点も十分考慮してまいりたいと思います。
#101
○委員長(岡三郎君) いまの、言われた点ね、大都市と中小都市はずいぶん違うからね。大都市は非常に単価が高くなってるけれども、中小都市はまだ手ごろで、やっぱり自分の土地を買ってうちをつくりたい、それはそれほどぜいたくでもないし、いなかの一般的な傾向から言えば、それがごく自然だというような面については、やはり土地買ってうちをつくらせるということを、やっぱり検討していってもらわないと困ると思うのですがね。その点十分ひとつその余地をつくってやってもらいたいと思います。
#102
○国務大臣(坪川信三君) 松永委員また委員長が、それぞれのお気持ちで御指摘になりました点、まことに同感でございまして、私もそれらの関連する新聞を読みましたときに、われわれとしての真意がよく理解されずに伝わって、国民に一つの不安といいますか、期待に反した点のみが強く打ち出されましたことは、ほんとに私も残念だったと思いますが、まあ御指摘になりました委員長、松永委員の点などは、十分これからも配慮してまいりたいと、こう考えております。
#103
○宮崎正義君 私は、なるべく重複を避けて質問を申し上げたいと思うんでありますが、大事な点につきましては、もう一度再確認の意味でお伺いする点があると思いますけれども、御了承を願いたいと思います。
 政府の住宅政策の基本方針を、まず私は伺っておきたいと思います。戦後二十四年のわが国の、他に例を見ないような経済成長をとげてまいりました。国民の生活の中の住生活というものが、これは大臣がしばしばおっしゃっているように、依然として高水準じゃない、低水準に置かれているままであるという、これは大臣認められていると私は思うのですけれども、なお十世帯に一戸の割合で住宅が不足しております。特に人口集中の激しい大都市においては深刻で、たとえば東京を例にとりますと、十世帯に二戸以上の住宅が不足していると見られております。しかも今後都市化が進んでまいりますと、世帯の細分化が行なわれると、住宅に対する需要はだんだん増加してくる、これは私が申し上げるまでもないことだと思います。ちなみに現在策定の作業を進めておられます新全国総合開発計画は、昭和六十年までに、先ほど大臣は二千二百万戸と言われましたか、二千七百万戸と言われましたか、私のほうでは二千九百万戸の住宅建設が必要だと試算されておるんであります。このような情勢を見ますときに、これまでのようななまぬるい私は住宅政策では、政府の言う四十五年までに一世帯一住宅という、そういうものどころか、永遠に住宅難の解消はあり得ない、このようにも心配するわけであります。昭和六十年までに、どのような構想を持っての住宅政策を進めていかれようとするのか、この点の、まず基本方向をお伺いいたしたいと思います。
#104
○国務大臣(坪川信三君) 先ほど松永委員が御指摘になりましたごとく、ただいま宮崎委員も、非常に現在の住宅行政の満ち足らない点に憂慮されまして、御要望の点私もよく理解をいたしておる次第であります。国民の期待に沿わない点も、またいろいろの御批判もあることも、私は自分で深く反省もいたしておる次第でございますが、政府といたしましては、いろいろの御批判、御議論はございましょうけれども、鋭意これに真剣に取り組んでいるということだけは事実でございます。したがいまして、私もその責任担当の大臣といたしまして、就任以来この問題については、あらゆる柱の、重要な柱それぞれございますが、それと並行いたしながら、住宅問題には真剣に取り組んでおるわけでございます。したがいまして、今後の都市人口への集中からくる、ことに大都会での住宅問題これはほんとうに重要なことでございます。したがいまして、総合的なる施策を講じながら、計画的な一貫性を持った量と質の住宅政策をとることが基礎に立っているようなわけでございます。さき申しましたごとく、私はあの当時の第一次五カ年計画の立案当時の住宅世論調査等を踏まえまして、一応政府といたしましては、二千七百万戸ということを基準に置いて――二千二百万戸ではございません、御了承願いたいと思いますが、二千七百万戸という数字を踏まえまして、立案いたしてまいったのでございますが、しかし先ほども松永委員に申しましたごとく、この数字はかなり客観的情勢の激変によって、それらの需要戸数というものは、私としましては、やはり三千万戸近く相なるんではないかということを想定をいたしておりますから、これらの点を的確に踏まえまして、第二次五カ年計画に対しまして、積極的にひとつ推進をしてまいりたい、こういうような強い決意と計画性を持ちながら、御期待の線に最善の努力をいたしてまいりたいと、こう思いますので、よろしく御理解と、また御指導を賜わりたいと、こう思います。
#105
○宮崎正義君 保利前建設大臣の時代には、質より量だというふうに思っていたわけです。今度はその質のほうを向上さしたい、こういったようなお考えに思えるのですが、お話にありましたように、六十年までに二千七百万戸を計画している。この行き方に対して、質と量というものは、私はその一本化したその中の計画性であるんじゃないかと、こう思うわけです。何も量とか質とかいうふうなように分けないで、当然それは含有されていくべきじゃないか。この中の二千七百万戸でなければならぬ、このように思うわけでありますが、その点どうですか。
#106
○国務大臣(坪川信三君) 先ほども松永委員にお答えいたしましたごとく、私といたしましては量と質とを両全にかまえながら進むべきことは、宮崎委員御指摘のとおりでございますが、私といたしましては、やはりそのウエートをどうするかということになりますと、何といっても量をウエートに置きたい、そして並行とまでいきたいと思いますけれども、質に、規模に重点を置きたいと、こういうふうな方針でございます。
#107
○宮崎正義君 先ほど松永委員のときもやはり質と量に対する段階的な発表というのは、まだとてもいまではできないというお話でございますが、この点につきましては別にいたしまして、大事な問題でございますので、いま重ねて伺ったわけであります。
 ところで、一般会計の歳出予算総額に対する住宅予算の占める割合を見てまいりますと、四十二年度が一・二四、四十三年度が一・二〇、四十四年度が一・一八といったぐあいに毎年低下しているのです。この点についてのお考えはどんなふうでしょうか。
#108
○政府委員(大津留温君) 先般大蔵省の主計官も御説明いたしましたように、四十二、四十三、四十四年度と三年だけを見ますと御指摘のような数字になっております。しかし、それ以前のたとえば昭和四十年を見ますと実は〇・九九%という程度です。それから四十一年度に至りまして一・一三%、まあ上がってきておりますが、もちろん私どもといたしましても、この程度で満足するものではございません。特に四十四年度は、この法改正を御審議いただいておりますように、用地費に対します補助、前年度百九億ございました分を起債に切りかえましたので、その分が落ちましてもなお一・一八%ということで、実質的には前年度に比べまして三四%の伸びになっておるという状況で、財政当局といたしましても、他の部門に比べまして相当の重点を公営住宅に置いてくれたものと理解しております。
#109
○宮崎正義君 四十四年度の公共事業全体の伸びが前年度に比べまして一五・三%であるのに対しまして住宅予算の伸び率は一三%に当たっておるわけです。これは佐藤総理も社会開発の最重点としてまず住宅対策を推進するのだ、このことは再三にわたって言明されておられるわけです。こうした数字が示していきますということは、最重点政策として本気になって取り組んでおられるのかどうかというふうにもこれは疑問を持つわけであります。いまお話がありまして、実質上は伸びておると言われましたけれども、そうは私は見ないわけであります。この点から見てどういうふうに考えておられるか伺っておきたいと思います。
#110
○国務大臣(坪川信三君) 先ほども申しましたように、御不満あるいは御叱正の点も十分われわれといたしましてはきびしく反省しながらお聞きしなければならぬと思っておるわけでございますが、いま局長も申しましたごとく、内容においては三三%をこえる上昇をいたしておるということでございます。したがいまして、われわれといたしましては四十五年度を最終年度とする五カ年計画の目標達成には全力をあげて御期待に沿うよう最善の努力を払う決意でおりますので御了承をいただきたいと、こう思います。
#111
○政府委員(大津留温君) ただいま大臣がお答え申し上げたとおりでございますが、一般会計におきましては住宅予算は前年度に比べまして一三・三%の伸びでございますけれども、先ほども申しましたように、公営住宅の用地に対する補助を起債に切りかえた関係で、この分を織り込んでみますと、三三・九%の伸びになっておる。それから、財政投融資におきましては総額の伸びが一三・八%でございますが、住宅関係は一六・三%の伸びとなっております。それから地方債計画におきましても、前年に比べまして、これはいまの用地費に対する起債を地方債に振りかえたという関係もございまして、前年に比べまして九一・八%の増、約倍近い増になっております。大臣も申しましたように、私どもとしてはこれでもちろん満足するものではなく、さらに増強をいたしたいと考えておるわけでございます。
#112
○宮崎正義君 この問題はもっと掘り下げていかなければなりませんけれども、次の課題に入っていく前に、財投がふえればそれだけ苦しい財政経済になってくるわけです。
 いずれにいたしましても、そこでお伺いしたいことは、住宅建設五カ年計画で四年目を迎えてきておるわけであります。これは先ほども松永委員のほうからもこの問題についてちょっと触れておいでになりましたけれども、私ども単純に計算いたしまして、年間二〇%の進捗率を示していくというように考えてまいりますと、公的資金について見ますと、最終年度は二八%も建設しなければならぬということになるようにも思うわけです。このような状態では非常に計画達成が私は無理じゃないか。最終年度には二八・二%も残さなければならなかったということは、計画自体で無理があったのじゃないか。それとも進捗率を低下させたここに何か阻害の要因でもあったのか。最終年度に二八・二%も建てなければならないというその計画を策定したときから、最初からそれを予想しておられたのか。結果から見てこれはやり得るのであるかどうか。この点について伺っておきたい。
#113
○国務大臣(坪川信三君) ここ二、三年の公共事業の進捗率をあらゆる角度から検討いたします場合に、やはり政府といたしましては景気調整その他の立場から幾らか立ちおくれたということは、私は事実認めたいと思っております。これを思うときに、この不幸ということからくる、日本の社会資本の立ちおくれからくるあらゆる社会開発の問題の阻害を大きく来たしておるという見地に立ちまして、私は新たなる思いをいたしまして、四十四年度に対する住宅政策に対する公的資金による建設計画も急ぎましたゆえんは、ここにあるような次第でございますので、新たなる立場で私は決意を深くいたしまして、この進捗率をぜひとも達成すべく最善の配意と努力をいたすことが、政府として当然の私は責任であると、こういうような気待ちで今後私は取り組みたいと、こう考えておりますので御了承願いたいと思います。
#114
○宮崎正義君 大臣、かねてから四十五年に一世帯一住宅を実現するため何としても公的資金の住宅を四十四年度に六十万戸の大台を確保しなければならない、そのようにおっしゃられたと私は記憶しているのですが、六十万七千台を要求されておった、それで四十四年度計画達成率を七二・五%までそれを引き上げられようとなさった。結局は五十七万三千戸にとどまってしまったのじゃなかったかと思うのですが、この点についての大臣のいまの御答弁から考えまして、ちょっと遺憾な点があるように思えるわけなんですが、この点どうですか。
#115
○国務大臣(坪川信三君) 目標は、宮崎委員御指摘になりました点に置いておりましたが、私といたしましては、残り二八%――二七・五といいますか二八%は絶対に四十五年度の最終年度に達成する責任があるという強い責任感のもとにおいて取り組みたいと、こういう気待ちでおりますので、この点の御期待にはぜひともひとつ沿いたいと、こういう気持ちでおるので、御了承願いたいと思います。
#116
○宮崎正義君 これは、大臣の公約でございますので、公約違反をなさらないようによろしくお願いします。
#117
○国務大臣(坪川信三君) はい。
#118
○宮崎正義君 それから次には、先ほども質問がありましたのですが、四十四年度の末の住宅区分ごとの達成率を見てまいりますと、公営住宅は五カ年間の計画戸数四十四万戸に対して、四十四年度末が累計三十四万二千五百戸建設されることになるので、進捗率は七七・八%で、松永委員もおっしゃっておられました、改良住宅の点について質問をされておったようでありますが、この改良住宅も八万戸に対して二万三千戸で、二八・八%、これは先ほどパーセントだけは局長が答えられて、内容のことをおっしゃっておられませんでした。公庫住宅は、百八万戸に対して八十三万五千戸で七七・三%、公団住宅は、三十五万戸に対して二十六万一千戸で、七四・六%。ここにまた問題になるのは、その他の住宅は、四十八万戸に対して四十七万六千五百戸で、九九・三%と、こういうふうになっている。
 そこでお伺いしたいことは、その改良住宅に対する考え方、これももう少し私は明確にしていただきたいと思うわけなんです。いずれにいたしましても、公営住宅は一〇〇%達成をこの状態でできるかどうかということも私は疑問の一つだと思うのです。それからさらに、その問題について例をあげてみますと、住宅区分ごとの進捗率で特に目についてきますのは、広島の原爆スラムとか、大阪の愛隣地区とか東京の山谷の地区では、いわゆるスラム・クリアランスに充てる改良住宅の進捗率がきわめて低いということであるのです。確かにスラム・クリアランスは、地元の熱意がこれまで欠けていたからというようなこともありますが、事業がスムーズにいかなかったという私は支障があるのじゃないか。また、進捗率を上げるということができなかったことは、これは認めなければならないんではないか。そこで、大阪の愛隣地区では、大阪府、市、それに関係各省が協力して大規模なスラム・クリアランスがこの一月から手がつけられておるようであります。広島でも、ことしじゅうに基町を中心にしたスラム街の解消が実施されるようになっております。こうした機運のあるときだけに、もっと私は要求をふやしておけば、八千戸というようなみじめな結果に私は終わらなかったのじゃないか。初めからこの点についてもう少し真剣に考えていったならば、取り組んでいったならば、こういうことにならないんじゃないかと思います。また一方においては都市再開発を唱えながら、調整戸数の配分においては改良住宅を三万戸減らして要求しているような地域は、これはどうなってもいいかという考え方を持たざるを得ないのですが、こういう点についても私は心配しておるわけです。この点についてお伺いしておきたいと思います。
#119
○国務大臣(坪川信三君) それぞれの適切な数字を基礎におかれましての憂慮されました問題点、これは非常に重要なことだと思います。ただ言いのがれといいますか、単なる弁明ではございませんけれども、改良住宅には私も広島の原爆のあの問題、あるいはその他大都市のスラム街の環境整備、住宅の改善、この改良問題は私は非常に重要な問題でございますとともに、非常に困難性とは申しませんけれども、かすに時間がかなり必要であるということは、やはりいまお住まいになっている方々との話し合いというものの問題が、非常に時間的に一つのタイムのおくれがあるということは、決して弁明じゃございませんが、そうした条件、実情のあることも宮崎委員よく御承知でございますので、この点もひとつ御理解いただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、私は改良住宅には非常に力を入れてまいりたい。幸いに公共企業体の方も、またそれらに関連される住民の方々も、非常にこの問題について真剣に取り組み、また協力をいただく態勢が、それぞれの報告などを見ますときに出てまいって来ましたので、建設省は改良住宅に今後最善の力を入れてまいりたいと、こう考えておる次第であります。
 もう一つ私はやはり宮崎委員もお考えになっておられると信じており、またお考えのとおりでございますが、やはり特定住宅の建設ということは、私はこれらの公営住宅の推進とともに、非常に力を入れなければならぬ庶民への、気の毒な方方に対するところの大きな手でなければならない。こういうようなことから、ことしは身体障害者あるいは老人、あるいは母子世帯、あるいは同和対策住宅等に力を注ぎました気持ち、また炭労の離職者対策の住宅というような問題に取り組んでおる私どもの気持ちも、ひとつ御理解いただきたい。そういうような問題を含めまして、いわゆる激変しつつある日本の住宅問題に、私は大乗的な大所高所に立って建設省は今後も取り組む方針であることを御了察願いたいと、こう思うわけでございます。
#120
○宮崎正義君 局長から……。申し上げたように、一方においては都市再開発とかという調整戸数の配分によって、改良住宅を三万戸減らして要求しているのじゃないか。
#121
○政府委員(大津留温君) 調整戸数二十七万戸をどういうふうに消化するか、これはまあ残されました四十五年度におきまして、五カ年計画の残り七十六万二千戸を達成する際に、どの種類の住宅を、どういうふうな形で処理するかをきめてまいりたいと思うのですが、これのきめ方といたしましては、大臣がかねがね申しておりますように、公営住宅に重点をおきたいということはもちろんでございますが、改良住宅につきましても、その重要性は全くただいま建設大臣が申したとおりでございますけれども、この実施の消化の状況を見ますと、なかなか当初計画の八万戸が、残り五万何千戸というのを、四十五年度一年で達成するということは、事実上困難がございます。したがいまして、その分はたとえば公庫住宅とか、あるいは公団住宅等におきまして引き受けて、とにかく全体では一〇〇%達成したい、こういうことで進めているようなわけでございます。改良住宅につきましても、先生御指摘のとおり幸いにして地方公共団体でだんだん機運が出てまいっておりますので、できるだけこれをまあ達成を進めたいと、こういうふうに考えております。
#122
○宮崎正義君 いま大臣、局長からお話がありましたように、非常にこのアンバランスですね、バランスがとれてない、こういう点をよく私は見ていただきたい。そこに今日の住宅政策の欠陥があるというふうに私は思うわけです。それで特にこの点を取り上げて私は申し上げているわけであります。したがいまして、スラム街の点につきましては、もう一番早く納得のいくようにお互いの話し合いをして、そしてみんな同じ人が人としての豊かな生活ができるような行き方を考えなきゃいけない。いつまでたっても、年度からずっと計算して考えてみましても、この実態は変わらないわけです。これでは私はならぬとこう思うわけです。重ねて局長からの答弁に対して、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
#123
○国務大臣(坪川信三君) 不幸な住宅環境におられますこれらの方々に対する住宅環境の整備ということは、社会正義観の立場からも政治の最もとるべき重大な問題点であろうと思いますので、私は先ほど申し上げました方針でこれらの不幸をなくすべく、改良住宅の施策に今後大いに力を入れたいとこう思っております。
#124
○宮崎正義君 先ほど申し上げました調整戸数の件でございますが、過去五カ年計画を立てまして四年間過ぎてまいりましたけれども、この調整戸数に対する配分といいますか調整といいますか、これが一回もなされていない。この点どういうわけでしょうか。
#125
○政府委員(大津留温君) 調整戸数は五カ年計画の進捗状況を見て、あるいは需要の動向を見て、建設大臣が配分するということになっておりますが、今日まで実はそれぞれの区分において定められました計画を、まあ先ほど御指摘のような状況でそれぞれの進捗、まだ残りがございますので、またその配分ということころまでいっておりませんけれども、最終年度におきましては、いずれにしましてもこれを含めて一〇〇%達成しなければならないというふうに考えておりますので、四十五年度の計画の際に、二十七万戸をそれぞれの区分に分けて計画を立てるという考えでおります。その場合におきます考え方といたしましては、先ほど申し上げたとおりに、公営住宅に重点を置きたいという考えはもちろんでございますが、その他の区分につきましては、実施の能力といいますか消化能力も考慮し、またそれぞれの財源である資金の調達の難易の状況も勘案いたしましてきめたいと、こういうつもりでおります。
#126
○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#127
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。
#128
○宮崎正義君 いま局長のお話でございますが、大体二十七万戸だと私は記憶しておるわけです。四十四年度の予算編成にあたりまして、この調整戸数をどのように考えられていたのかということを伺っておきたいと思います。
#129
○政府委員(大津留温君) 四十四年度の要求にあたりましては、この調整戸数をかりにそれぞれの区分に配分いたしまして、それを四十四、四十五年度で一〇〇%に持っていこうという計画を立ててみたわけでございます。その際におきます五カ年計画の戸数というのは、公営住宅が四十八万戸、四万戸プラスしております。それから改良住宅は進捗のこの状況から見まして三万戸減らしておる。それから公庫住宅は百二十一万五千戸というので、十三万五千戸プラスしております。それから公団は三十七万戸で二万戸プラス。それからその他住宅が五十八万五千戸で十万五玉戸プラスであります。
#130
○宮崎正義君 この四十四年度予算編成にあたっての調整戸数、いまお話がありました公営住宅につきましては四万戸でございましたね。それから内容は数字は伺いましてわかりましたけれども、その他の住宅について十万五千戸増加させた、こうありますが、このその他の住宅にはどういうものが入っておりますか。
#131
○政府委員(大津留温君) 厚生年金住宅が本年度の計画で言いますと六万五千三百戸でございまして、全体の十四万一千戸の中では半分近いものがこれで占めております。それから雇用促進住宅、これは労働省所管のものでございますが二万六千二百二十戸、それから大蔵省所管の国家公務員住宅、これは各省所管のものも含めまして一万七千七百八十五一尺これらがおもなものでございまして、そのほかに災害復興住宅あるいは地方公務員の住宅その他を合わせまして全体で十四万一千戸でございます。
#132
○宮崎正義君 私はここにも一つ問題があるのです。改良住宅を三万戸減少させてその配分を考えようと、それからいま申し上げますその他の住宅につきましては、これは早く言うならば公務員の宿舎と全部言い切ってしまうことはいけませんと思いますけれども、そういう関係の人たちが入るところの住宅を計画されておるという、こう私は見るわけです。そうしますとこの問題から取り上げてみましても、先ほど申し上げました改良住宅に対する調整戸数というものが軽視されている。まことにもってのほかだと思うのであります。と同時に、先ほどお話がありましたように、四十五年度で一切を計画達成なさるということでありますので、私は考えを改めていただきたい。ここで改良住宅等を多く考えていくべきじゃないか。このように思うわけですが。
#133
○政府委員(大津留温君) 改良住宅を私どもはいささかも軽視する考えはございません。各事業主体におきまして事業が進め得るならば、これにもっともっと力を入れたいというふうに考えておるわけでございますが、先ほども大臣から申し上げましたように、なかなかこれは事業を進めるのに時間を要する事業でございますので、当初に予定いたしました八万戸をなかなかいまのような進捗状況では消化できないんじゃなかろうかというふうに心配しておるわけでございます。幸いこれが進みますならば、ほかのところからさらに回わしてふやしていきたいという考えは変わっておりません。
#134
○宮崎正義君 しつこいようでありますけれども、改良住宅を三万戸減少させたという、またその反面には国民の税金や郵便貯金などを使って建設する住宅、お金をためていって建設していく不特定多数の人、つまり庶民のための住宅がなければならないと私は思うわけですが、いずれにいたしましても四年目に特定の人のためのその他の住宅が一〇〇%近いところへさらに調整戸数の大幅配分するということを、四十五年度は私は考え方を改めていかなければいけないというように思うわけです。したがいまして、この点十分配慮をしていただいてやっていくようにしていただきたいと思います。
 問題は別にいたしまして、現在の住宅問題は、これは最大のネックといいますか、この法案によります用地費の問題等も中に入っておりますけれども、地価の高騰じゃないか。地価対策が全く無為無策であったということは、これは政府は認めなければならないじゃないかと思います。地価対策閣僚協議会ができてから、この問題についてどのように手を打たれておりますのか、またその効果をどのように判断してよろしいのか、今後またどのような対策を進めていかれようとなさっておられるのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
#135
○国務大臣(坪川信三君) 地価対策、土地問題というこの問題は、都市の計画を推進をいたす場合においても、また住宅建設をいたす場合においても、最も優先する重大な課題でございますが、不幸にいたしまして地価の高騰を見続けておることからくるこれらの問題が、なお一そう至難になってきておるという現状を踏まえまして、政府は昨年地価対策閣僚協議会を設置いたしまして、これらに対するところの一応の対策のまとめをいたしましたような次第であります。したがいまして、その結論を基礎に置きまして、建設省といたしましてはこれらに対する具体的な施策を具現化いたしました一つの問題といたしまして、やがて御審議をわずらわさなければならないところの地価公示制度の法的措置をお願いいたしましたゆえんもここにありまして、これは御承知のとおりに、昭和三十九年に与野党一致して地価公示制度の制定に対する決議案、御要望がなされましたので、これを基礎に置きまして法の制度をいたし、幸いにいたしまして昨日衆議院の建設委員会において与野党満場一致しての議決をいただきましたことに対して深く私は感謝また感銘もいたしておるのでございます。しかしこの議決、また参議院において御審議をいただき御議決を願わなければならないこの地価公示制度によって、地価の現問題がすべて解決される万能薬とか、即効薬とは考えておりませんけれども、地価抑制に対する一つの大きな一助にもなり、また地価不正取引に対する抑制策に相なることを固く期待いたしておりますとともに、一般の国民の方々あるいは公共体がこれによるところの一つの指標といいますか目標、目安になって安定の一助に大きく役割りを果たしてくれることを期待いたしておるような次第でありますが、これとともに、やはり何といっても総合的な計画的な対策を打ち立てなければならない。言いかえますならば都市計画の六月よりの制定による運営、あるいは御審議をいただき議決を賜わりました都市再開発法の推進、あるいは国、公有地の活用、あるいは土地税制等の思いきった抜本的な改正等の措置も、やはりそれに並行いたしながら講じてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましてもほんとうに外国などの例を見ますときに、フランスの大蔵省に土地局を設けております実情を見ましたり、あるいはイギリスにおけるところの土地政策に対するきびしい態度を見ますときに、日本におきましてはあまりにもこれに対する一つの寛大といいますか楽観点な、少しの施策もなかったことは率直に私は認め、また反省もいたしてまいりたいとこう思いますが、政府といたしましては地価対策に対しましても、今後強く推し進める方途を講じたい決意でおりますので御了承願いたいと思います。
#136
○宮崎正義君 地価対策閣僚協議会というのは、ただその地価公示法の法律案をつくったという程度のことだけであったのですか。
#137
○国務大臣(坪川信三君) 地価対策閣僚協議会の結論の一環として、地価公示制度の問題が第四の事項として取り上げられておりまして、先ほど申し上げました土地の高度利用の促進とかあるいは国、公有地の活用とか土地税制の適正化とかいうような数々の問題が、ある一つの大きな柱として私はこれに取り組んだわけでございます。
#138
○宮崎正義君 この地価公示法案についてはこれからまた私ども審議するのでありますし、また各省間、関係が広範囲にわたる地価問題でありますので、したがいましてこの地価問題については後日ゆっくりまた勉強させてもらいたいと思いますが、住宅建設に可能な国、公有地はどれくらいありますでしょうか、現在。
#139
○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#140
○委員長(岡三郎君) 速記を始めて。
#141
○政府委員(川島博君) ただいま調べておりますので、いましばらく御猶予をお願いいたします。
#142
○宮崎正義君 用地不足の深刻化というものはこれはたいへんだと思うのです。東京都で四十四年度の都営住宅の建設が行き詰まりまして、五玉月分の建設のめどが立たないと聞いております。また最近公害保証つき住宅がふえているようにも報道されております。こんなような実情を見ますともっと未利用の、まだ利用されておらない国、公有地の低利用の問題が出てくるのじゃないか、そういう意味で、私はいまこの国及び公有地の建設の可能な土地がどのくらいあるのかということをお伺いするために聞いているわけですから、したがいまして、過去五年くらいの間に、どのくらいの公営住宅が住宅用として払い下げられておりましたか。これも年度別に実績を伺いたいと思います。これもまたあとならばあとでもけっこうですが、おわかりでしたら……。
#143
○政府委員(大津留温君) ちょっとあとで調べてお答えいたします。
#144
○政府委員(川島博君) 国公有地の活用の件でございますが、国有地につきましては、各省が所管しております行政財産と、大蔵省が所管しております普通財産と二つの種類がございます。行政財産は大体、公用または共用の用に供されておる財産でございまして、この際、住宅政策に活用できる国有財産は、いわゆる普通財産といわれているものでございます。この普通財産は全国で約十二万ヘクタール相当の数量があるわけでございますが、このうち相当部分、半分以上は北海道の原野でございまして、ほとんど住宅政策に活用できるようなものではございません。最近大蔵省がことしの一月現在で、特に国有、利用可能な、利用価値の高い東京都及び大阪府所在の一般会計所属普通財産で、未利用のものがどれくらいあるであろうかといって調べた資料もございますが、これによりますと、東京都内には普通財産のうち、未利用と称せられるものが百三万三千平米、同じく大阪府内に三十四万二千平米、合計百三十七万五千平米あることになっております。ただ、これは一応帳面の上では未利用ということになっておりますが、すでに利用計画策定済みのものが、たとえば東京都内では三十七万八千平方メートル、単独利用困難なものが二十万九千平方メートル、未利用のもの四十四万六千平方メートル。大阪府につきましては利用計画策定済みのものが十五万六千平方メートル、単独利用困難なものが三千平方メートル、したがって未利用のものが十八万二千平方メートル。したがいまして、東京都内に四十四・六ヘクタール、大阪府内で十八・二ヘクタール、これらが今後利用可能な普通財産である、こういう調査結果が出ております。
#145
○宮崎正義君 その十二万ヘクタールの中には、北海道の原野がほとんどを占められておるといいますが、どのくらいあるのですか。
#146
○政府委員(川島博君) ここに詳しい資料は持ってまいりませんが、たしか、五万ヘクタールくらいであったかと思います。
#147
○宮崎正義君 北海道の原野についても、この未利用の問題、五万ヘクタールと言われておりましたけれども、これも私は北海道も百年たっておりますし、百一年を迎えて今日進んでおります。そういう現況にありまして、大いに開発をしなければならない二十一世紀、二百年を迎えるためにも、約半分ですか、約半分を占めておる北海道に私は大きく活用の面をしていくような考え方をしていかなければならないのではないか。この原野の状態がわかりますか。どの範囲が石狩支庁とかあるいは後志支庁とか、あるいは釧路支庁とか、そういったような、どこにどのようなということがおわかりでしょうか。
#148
○政府委員(川島博君) 詳しいことは大蔵省の理財局国有財産課の所管でございますので、必要でしたらそちらから資料を御提出願いたいと思いますが、私の聞いているところでは、根釧原野とかそういうところにありまして、ほとんど少なくとも住宅対策に利用できるようなものはないと、こういうふうに記憶いたしております。
#149
○宮崎正義君 これは資料を、委員長お願いいたしたいと思います。で、根釧原野といいましても、いまだいぶん変わってまいりましたし、昔の考え方からだいぶん変わっておりますので、この点もあわせてお考えの中に、頭の中に入れておっていただきたいと思うのです。それが私の希望であります。
 いま伺いましたとおり、東京のほうが四十四万六千利用可能だと言われましたですね。この分についてのどの地域はどうだというようなことはおわかりになるでしょうか。
#150
○政府委員(川島博君) 私どもにはわかりません。これは大蔵省のほうに御照会願いたいと思います。
#151
○宮崎正義君 これもひとつ資料をお願いいたしたいと思います。そのことによりまして、国あるいは公有地の活用がどのようになるかということが、建設途上にある住宅政策等に対することも非常に重大な問題を含んでおりますので、この点を明らかにしていかなければならぬ、こう思うわけであります。したがいまして、資料をどうか早くお願いいたしたいと思います。
#152
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#153
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。この点ちょっと答えてください。
#154
○政府委員(川島博君) ただいま御要請のこういう資料につきましては、私どものほうから大蔵省に連絡の上、提出いたしたいと思います。
#155
○宮崎正義君 私は質問いたしましたけれども、過去五カ年の間にどのくらいの公営住宅として払い下げられたのか。それから今後、将来において払い下げられるものがどの程度、早急に可能なのか、この点もあわせて聞いていただきたいと思います。
#156
○委員長(岡三郎君) ただいまの点よろしゅうございますか。
#157
○政府委員(川島博君) 承知いたしました。
#158
○宮崎正義君 先ほど用地費に対する補助のことを松永委員も心配されて伺っておられました。昭和二十六年に法律が設定されて以来とられてきた公営住宅の用地費に対する補助を今回は廃止する地方債に切りかえるという考え方でありますが、公営住宅は低額所得者のための低廉な家賃の住宅を供給するという、もうこれは大臣もおっしゃっておるとおりの本来の性質に基づくものであります。そのために国の補助率をもっとふやすのが私は本筋であって、用地費を地方債のほうに切りかえていくということは、むしろこれは逆行するのじゃないか、このように私は考えるわけですが、この点についてどうでしょうか。
#159
○政府委員(大津留温君) この用地費に対する補助を地方債に切りかえましたために家賃が高くなるというような結果を生じますとすれば、低家賃政策という公営住宅の目的に沿えませんので、その点につきましては、家賃収入補助ということで手当てをいたしまして、家賃に変動を来たさないということに措置いたしております。したがいまして、この補助によるのと、地方債によるのと、事業主体である地方公共団体がどちらが公営住宅の建設にやりやすいかという問題になろうかと思いますが、御指摘のように、補助単価を十分上げまして補助を継続するならば、これが一番いい方法でございます。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
ところが、現実はなかなか補助単価が実際の価格と離れまして、それを補おうとすれば――公営住宅の戸数も伸ばせなければいかぬし、質の向上もはからなければならぬ。いろいろあれこれやりたいことができがたいというのが現実面でございます。そこで、次善の策といたしまして、用地費に対する補助はこれを低利の融資にいたしまして、その切りかえる際に単価を十分是正いたしまして、地方の持ち出しを解消し、そして一般会計は戸数の伸長や質の改善に振り向けるということのほうが、全体として公営住宅の建設を伸ばすゆえんではなかろうかというふうに実は考えた次第でございます。
#160
○宮崎正義君 これは実際問題、大きな問題が出てくるのじゃないかと思います。まずこれで工事費の、どっちみち超過負担ということになってくることになりますというと、同時にこれは工事費の超過負担ということも起きてくる、こういう点についての考え方。
#161
○政府委員(大津留温君) 地方の超過負担は、実は工事費に関するものと、用地費に関するものとございます。四十二年度のこの建設の決算を見ますと、工事費につきましては、七%の超過負担がございます、七%です。
#162
○宮崎正義君 金額はわかりませんか。
#163
○政府委員(大津留温君) 金額にして五十億でございます。それから用地費につきまして四九・三%、七十五億の超過負担がございました。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
この工事費につきましては、四十三年度から三カ年にわたってこの超過負担を解消するという方針のもとに財政当局とそういう約束をいたしまして、四十三年度、四十四年度におきましては、それぞれの年度におきます工事費の値上がりのほかに七%の三分の一、つまり二・三%づつ、それに加えて解消しております。四十四年度も同じような措置をいたしましたので、四十五年度で残りの二・三%を措置いたしますならば、超過負担は一応これで解消するという計画になっております。それから、用地費につきましては四九・三%という超過負担でございますので、この補助という制度のままでこれの負担解消というのはなかなか実際問題として困難がございますので、今年度におきましては、これを地方債に切りかえると同時に、単価を六九・九%引き上げまして、過去一年間の値上がりに合わせて従来の超過負担をこれで解消しようということで、地方債二百八十六億を計上しておるような次第であります。
#164
○宮崎正義君 これは相当問題が私は残ると思うのです。いずれにしましても補助から地方債に切りかえることによって、地方公共団体では借金が増大するということには、私は変わらないのじゃないかと思うのですが、これがはたしていまおっしゃっておられますように工事費の点について二・三%を四十五年までに解消できるとおっしゃっておられますけれども、そう簡単にはいかないのじゃないか、なかなか。物価の上昇、労賃にしても、何にしましても諸物価が全部上がってくるという点から考えましても、これはこのままの率ではとうていできないのじゃないかと思います。また、用地費の面におきましても、六九・三%ですか、これを値上げした分を補給するような形でいっているとおっしゃいますけれども、すでに四九・三%の七十五億という面からいきますと、相当私はこれは困難じゃないかと思うのです。そこで五年先あるいは十年先に地方公共団体における積み重ねていった負担というものが相当大きくなるのじゃないかと思います、と同時に、起債のワクが年々増大してくるのじゃないかと思うわけです。
#165
○政府委員(大津留温君) この超過負担は従来とも事業主体の悩みの種でございまして、そこでこの工事費につきましては七%の超過負担の解消でございますが、四十四年度におきましては、過去一年間の建築物価の値上がり分として五・四%見込んでおります。それにいまの三カ年解消の二・三%を加えまして、七・七%を前年度に比べまして四十四年度の工事費単価は上げてあるような次第でございます。それから用地費でございますが、四十二年度で五〇%近い持ち出しがあったわけでございます。これを何とか解消したいというので、四十四年度は過去一年間による値上がりと合わせまして、その分を解消すべく四十三年度の単価に比べまして六九・九%という思い切った引き上げをはかったわけでございます。したがいまして、前年度の建設費の単価として見ました用地費が、補助単価として百七十九億であったわけですが、これを本年度は戸数もふえておりますから、その部分を是正いたしますと百九十八億になります。これを、いま申しました六九・九%アップで計算いたしまして三百三十六億というのを標準価額、基準価額にして、それの八五%を地方債として融資するということにしたわけでございます。
#166
○宮崎正義君 金額は幾らですか。
#167
○政府委員(大津留温君) 二百八十六億円です。したがいまして、先生御指摘のように、これは起債でございますから、将来償還が残ります。そういう点はまさに御指摘のとおりでございますが、事業主体の悩みは、この事業を実施するその当年度に補助もない、起債も受けられないというので、自己財源でやりくりをして間に合わせなければならないという、この財源の捻出が非常に悩みの種でございました。それが起債という形で二百八十六億融資いたしますので、これは当面の建設には非常に楽になるということは、これは間違いないと私ども思っております。ただ、問題は、将来におけるこの返済でございますが、これは家賃収入がふえるということもございますけれども、当面建設が楽になりますが、十年、十一年目からだんだんその返済のほうが大きくなって苦しくなるということでございますが、まあ地方財政も年々強化されてきておりますが、十年後のあるいは十五年後の返済ということが、今日ただいまの超過負担の分の要因に比べまして、そのほうがむしろ楽じゃなかろうかというふうに実は思っておるわけでございます。
#168
○高山恒雄君 まず、大臣にお聞きしたいのですが、まあ政府としては、先ほどもお二人の方から御質問がございましたように、全くこの住宅については非常に手おくれしておる。この五カ年計画も四十四年度で約二八%ですか、ふやそうとしておられますけれども、これも困難じゃないかというような見方をせざるを得ないんです。そこで苦肉の策として、現在居住しておられる公営住宅からひとつ出ていただこうと、こういう考えの法律案をここに提案をされておるわけです。私は、これの提案をされる前に、やっぱり政府としてもっと姿勢を正す必要がある。こういう居住権を、せっかく入って何年かたてば、それは収益も多くなるのはそれはあたりまえの話しであって、そこで高額所得になったからひとつ出てもらおう、一定の収入の限界をそこに定めていこう、まあこういう法案で、ひとつ何ぽかの住宅難の緩和をはかっていこうという策ですね。これくらい政府の考え方というものが後退した考え方はないと思うんですが、大臣は、政府のこの失敗をどうお考えになっているか、ひとつ、姿勢をお聞きしたい。
#169
○国務大臣(坪川信三君) 問題は、高山委員御指摘になったような絶対量の問題からくるそうした御批判、私といたしましても、やはり全面的にお受けいたしますべきではありますけれども、政府といたしましては、冒頭に申し上げましたごとく、最善の努力をいたしておりますが、あらゆる面から言って、非常に困難な問題も出てまいっておりますので、ほんとうに苦しんでおるということなんでございます。まあ率直に申し上げますと、この間もここで申し上げたかどうか知りませんが、フランスの大使などと日本とフランスが共同しながら住宅行政等についてひとつ大いに語ろうじゃないか、またこれらをやるのには、コストをどう下げていくか、工業化をどうはかって、住宅の促進をやろうかという、最初の会議を開きまして、きょうかあす終わる予定でございますが、そのときにもフランスの大使が言われましたが、一九八〇年にはフランス人口の五分の四が。パリに集中するような予想である。そうすると、もうフランスの問題は住宅問題で、人間のしあわせというものは、社会生活のしあわせも国家生活のしあわせも、すべて住宅につながっておるほど重大な悩みになってきておる。日本もいろいろと検討するのにそうした共通の悩みがあるように感ぜられるというようなことを話されましたことを、私は他山の石として話を聞いたわけでございますが、そうしたことを考えますと、私はやはり何といっても住宅政策を強く打ち出してまいりたい。しかし、今度のこれに対する措置といたしまして高額所得者に明け渡しをお願いするということは、いわゆるやむにやまれない気待ちからしかたない犠牲をここに寄せたのだというような気待ちは私はございません。言いかえますならば、やはり正義感に立った、社会公平に立った立場から、一戸でも気の毒な低所得者に、公営住宅の目標である低所得者に住んでいただくという社会正義、均衡の公平に立った私は考えでこの措置を講じまして、苦肉の策としてこれを、立法をお願いいたしたということの、それほどまで御心配になる気持ちから言われる気持ちもわからぬではございませんが、政府はそうした他意的な気持で、絶対量からくる悩みの立場からやったということでなくして、私はあくまでも低所得者に一戸でも早く、一つでも多く住んでいただきたい。しかも、ある程度御承知のとおりに社会的地位、中堅以上の会社においてはもう幹部クラスになっておられる方々でございますから、いわばこれらに対する苦しみは――やはり下の者に及ぼして分かち合っていただきたい、こういう私は気持ちでこの法律の立法措置を講じたことを御理解いただきたい、こう思います。
#170
○高山恒雄君 まあ大臣ならそういう答弁しかできないと思いますけれども、私は、そんなら、先ほど大臣もお触れになりましたが、これは労働者管轄でしょうけれども、一体労働省で何戸の家ができたのですか。御承知ですか。いまの炭鉱離職者の住宅ですね、現在どのくらいあいているとお思いになりますか。こういう調整は私は法律を変えてやるべきだと思うのです、まずこういうものを出す前に。それは調査したのがありませんか。一ぺん知らせてください、あれば。
#171
○政府委員(大津留温君) 九州、北海道産炭地域の炭住の調査は、実はことしやっておるのでございまして、ただいまはそういう調査は持ち合わせておりません。
#172
○高山恒雄君 そうじゃないですよ。各都道府県に炭鉱離職者の家族ぐるみ来る場合には、各県に相当の戸数を持っているわけです。その戸数が私が知っておる範囲内では約一万二千戸ぐらいあいているのじゃないかと思うのですがね、こういう問題を調査されたことはあるのかですね。こういう点から見て、私は、総合的な建築行政というものがいわゆる庶民のための増築をしなくちゃいかぬというその精神はわかりますけれども、総合的なものがないために、やはり苦肉の策の、わずかでも庶民を入れたいということから、大臣がおっしゃるように私は欠陥が出ているのじゃないかと思うのです。したがって、これこそ苦肉の策じゃないか。その苦肉の策をもっと政府として総合的な見方をして、こういう現在居住しておる者に対して――まあ特定の者を私も反対しませんよ。反対はしませんが、今日の百五十万円の収入というのはたいした収入じゃない、私はこういう見方をするわけです。こういう面に対して、したがって政府は調査されたことがあるのかないのかですね、この点ひとつお聞きしたいのです。
#173
○政府委員(大津留温君) 全国の勤労の世帯の中で百五十万の年収の世帯の数、これは先ほども申し上げましたが、四十三年の総理府の統計によりますと一二・三%でございます、現在ですね。それから先ほどお尋ねの炭鉱離職者の受け入れのための雇用促進事業団が建てます――これは府県の分でだいぶあいているということは聞いておりますが、その数字等は私のほうはまだ調べておりません。
#174
○高山恒雄君 私はこの問題は法律を変えなければ入れるわけにいかないと思うんですね。だからもっとそういうものを大衆化された方向に法律を変えて入りやすくする。これからそういう離職者が来るならば別途そういうものをふやしていけばいいのであって、現在あいておるというこの事実は見逃すべきじゃないと思うんですよ。しかし各都道府県では現行の法律では入れるわけにはいかないわけですね。これは他県から移住してきた者に対する住居、居住者を求めるということでありますから、そういう点をもっと総合的に考える必要があるんじゃないかということを申し上げたいのです。
#175
○国務大臣(坪川信三君) 非常にやっぱり一戸一戸が国民生活、ことに低所得者に対する重大な問題でございます。そういう話のあることも私としては聞いておりますけれども、やはり正確な実態の上に立っていかなければなりませんので、労働省と建設省とやっぱり連絡をとりまして、いま御指摘になりました大事な問題については、どういうように今後措置すべきか、またどういうような立場でこれを法的な裏づけにおいて気の毒な低所得者に提供するかというような問題を真剣に取り組んでみたいと、こう思っております。
#176
○高山恒雄君 もう一つ、具体的な問題ですがね、政府は五カ年計画の中で持ち家の三百三十五万戸ですか、という計画をお立てになっておるんです。持ち家制度というのは、これはいろいろございますけれども、大体今日やっております勤労者住宅協会、これはもう御承知でしょうが、それから金融公庫の融資による持ち家制度ですね、これでも調査してみますと、四十二年度にわずか四千四百九十四戸ですよ。それから三年度でも四千七百七十五戸ですね。非常に少ない。で、こういう持ち家制度というものをもっと促進するような方向を政府は力をうんと入れて、私は公営住宅に多額の収入を得る人が、幾ら家賃が安いからといって、やっぱり持ち家の家がほしいと思うんですな。で、一方では持ち家制度というものを政府は指導と促進をしないで、現在それだけの収入があるからここで法律で規制してひとつ締め出しをしていこう――締め出すということは語弊があるかもしれませんが、居住者にとっては私はそう思うと考える。したがってもっと個人住宅の促進を進める方向を政府としては考えるべきじゃないか。それには先ほどの御質問、お二人からあったように、非常に土地の価格が暴騰しておる、ここ数年の間に。したがって土地の、いろいろ国有地の問題もございましょう。東京で例をとれば私はもっと手に入りやすい、法人が持っておるような土地がかなりあると思うのですね、この周囲には。各法人が持っておる。これは個人と違って、法人に対して話をすれば、かなり私はこの点は譲っていただけるのではないか。そういう手を一つも打たないで、一つの収入による制限転宅をするということは、私は政府として怠慢であると言わざるを得ないのですがね。大臣、どうお考えになりますか。
#177
○国務大臣(坪川信三君) 先ほど松永先生にお答えいたしましたごとく、第一次住宅政策を立案いたしました当時は、持ち家五〇%、借家五〇%という基礎の上に立ってあの計画を立てましたが、先ほど私はちょっと数字の上で誤りましたが、四五%と申しましたが、現実の面から見ますと、四三%がいわゆる持ち家でございまして、借家がいわゆる五七%という状態を見ますときに、われわれといたしましてはそこにまあ、ほんとうに打ちあけた気持ちでございますが、人生の何といってもしあわせは、自分の土地で、自分の家の中に家族がなごやかに住むというこのしあわせは、私は人生の最大の喜びだろうと思います。この生活環境をつくることが最大な政治の目標でなければならぬとは思いますけれども、現実はかなりのかけ離れた距離にあることを思うときに、やはり一個の室もなくして、一つの安住の地も家もなくておられる大衆が、やはり現実にはかなり多くあるといいますと、やはり借家に力を入れて雨露をしのいでいただく、しあわせな貸し家でひとつ住んでいただくということをせなければならぬという仕事が片方に一つ大きくある。しかも人生の最高の目標である、これに達成するにはいま申した、こうした現実が冷厳としてある。このことを考えますと、私はそこに非常に苦しみを感ずるのでございますが、私といたしましては、いまの方針といたしましては、やはり何らかの形で家に住んでいただく、これが私は大事だと思いまして、貸し家政策、公営住宅に力を入れたいという方針を打ち出しておる気持ちはここにございます。しかしある程度の、場合においては政府は別な政策の上において、たとえば勤労者住宅協会とかあるいは住宅協同組合等を通じましてそうして金などを貸してあげて、そして土地も、これから建物を建ててもらって、持ち家のしあわせを味わってもらうということも、やはり徐々に積み重ねていく政策も私は欠くことのできない愛情のある住宅政策だとこう思っておりますので、私はいわゆる勤労者住宅協会に対する住宅金融公庫その他からくる融資の施策を、なるべく年々上げている方針もこういうようなところにございますので、そこに高山先生と気持ちの上においては私は一致するものがありますけれども、いまの段階においては残念ではございますが、万全な対策でこれらの期待をすべて果たすことのできない不幸でございますけれども、しかし日本民族のしあわせを考えるときに、政府は、私はこうした真剣な気持ちで持ち家対策また借家対策をとってまいりたいと、こう考えております。
#178
○高山恒雄君 四十四年度の計画ではこの持ち家制度の五千五百戸の予定を組んでおることは私も承知いたしておるのです。しかしこれではやはり少ないと思うのですね。私はこのほうに力を入れて、そうしてそのいわゆる百五十万以上の収入の方を、つまり法律で縛るのじゃなくて、あなたは出なさい、一カ月前に予告すればいやが応でも法律で出ていかなくちゃならぬという酷な法律じゃなくてこういう持ち家制度の促進をはかると同時に、こういう家があるが、皆さんこちらに移らないか、もう多額収入者でもあるしというようなことで移住をさせることが多分にできるんじゃないか。それが反対に進んでおるために、ここに一つの収入の制限を加えて、そうして期限を切って立ちのきを請求するというような行き方そのものが非常に酷ではないかというような感じがするわけです。これはヒューマニズム的に考えますれば、入った当時は御承知のように収入も少なかったでしょう。今日のような物価の騰貴しておる、しかも給料も毎年上げなくちゃならぬというような時代に、収入がふえたからといって直ちに百五十万以上の収入の者が出ていかなくちゃいかぬというのは、それは人生の悲劇だと私は思うんです。そこに何ぼかの余裕ができて、その余裕をつくるために何年かの期間があってもいいんじゃないか。たとえば五十五の定年であれば五百万なら五百万の退職金をもらいます、そのときに何とかして持ち家を持ちたいというのが人間の情です。ところが今日は日本の退職金はそこまでいってないかもしれません、現在で大体三百四、五十万でしょう。そういう面から考えますと、やはり退職金ももらい、持ち家制度も政府がどんどんもっと力を入れていって、皆さんここに移住してはどうですかと、こういう行き方で、この問題は法律で縛らなくても、私は自然のうちで多額収入者は移動することができる社会を建設省みずからがやるべきじゃないかと、こういう考えを持つわけですよ。それをやらないで逆に法律でその居住者を縛るということについては、政府の今日までの庶民住宅というもの、公営住宅というものの促進の手おくれをこういうところで縛っていくという行き方が、私は政府として誤まりじゃないかと、こう思うんですが、大臣どうですか。
#179
○国務大臣(坪川信三君) 先ほど申しましたごとく、そのしわ寄せの犠牲をこれらの方に求めるというような気持ちではなくして、私はやはりこれらの方々にはまことに申しわけない。しかし、先ほども局長、私から申し上げましたごとく、その立ちのきに対するところの措置というものに対しては、きめこまやかな措置を講じていきたいと、こういうような配慮もいたしておるのでございまして、私も公営住宅などの様子を見ておりますと、ほんとうに何か打たれるような気持ちがいたしましたのは、決してゴルフがぜいたくないわゆる立場におる者だけのスポーツではないと思います。大衆化されたスポーツとして私は非常に期待いたしておりますが、片方ではほんとうにもう住宅がなくしてくじを待ちわびられておられる方があると思えば、公営住宅にりっぱなゴルフの道具を置きながら、そうしておられる姿を見ましたときに、何か私は実際に大臣になりましてから視察に参ったときに打たれるものを感じたのでございます。これらの方々には申しわけないけれども、ある程度の所得を得られた方々にはやはり苦しみを国民同士が分かち合っていただく。これはやはり政治の貧困からくる手であるとおっしゃれば、それまでのことでございますけれども、私はそういう気持ちでやはり気の毒な方々に一つでも多くあげたいという気持ちでございます。したがって高山先生が夢みられ、また希望されておる、御指摘になっておるそういうような社会をわれわれ政治の手によって早くつくり上げるということが最も優先する仕事でございますので、私はこうした法的措置を講じながら、国民の住生活に対しましては、高山先生の御批判、御指摘になりました点を解消する住宅政策をぜひ打ち出してまいりたいと、こう考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
#180
○高山恒雄君 局長にお聞きしたんですが、昭和二十六年以降の法律制定の当時の考え方もこれに含んでいくわけですね。――そこで私は大臣にもう一ぺん申し上げたいんです。私は人情論で申し上げているんじゃないのです。政府がいかに怠慢であったかという点を指摘をしているわけです。居住者がそれはこういうことを言っております。公営住宅法の立法の精神は、昭和二十六年議員立法として提案された。その際田中角栄委員の提案説明とこれを受けた法の第二十四条の規定によって明らかであるとおり、田中提案説明の一部の公営住宅が建設後、一定の年数を経過し、入居者も安定した場合は、無理に地方公共団体の管理下に置くことをしないで、住宅そのものの保全上から見ても、これを入居者の希望によってこの譲渡の道を開くことは適切だと思う。こういうことを政府から言っておられるのですよ。それが三十四年に改正されたわけですね、法律が。それでそのときのこれに対する担当官吏もこういうことを言っているのですね。以上の裏づけにより地方公共団体は、実際の払下げを実施し、また担当官吏が移住者の入居に際して次の言明をしている。公営住宅の入居者に当選しておめでとう、いずれは払い下げになりますので、あなたの持ち家になるのだから、大切に住んでくださいな、こういう奨励をしておるのです。だからこれはどこかで払い下げてもらうという感じもあると思うのですね。だから政府はよしんば三十四年に法律を変えても、最初のスタートの精神からいけば、私は一定の収入が増額したからといって、出てもらうという原則のものではないのではないか、大臣、どうですか。私はそこを申し上げたい。そこで、持ち家制度というものに、もっと力を入れるべきじゃないか。持ち家制度をやらずして、そうしてそこに誘導して入っていただくという処置も十分とらないで、収入で制限を加えるということは、最初の二十六年の法律がいかにあろうとも、私はその精神は、やっぱり政府として精神を生かしていくべきだ。今度の法律を制定することによって二十四年に制定された考え方、その精神も、三十四の精神もここで相殺されてしまう。これでは私は建設の一貫した日本の政府としての行き方には、一つの疑念を感ぜざるを得ない。それはむろん大臣は、何回かおかわりになっております。けれども一貫した精神だけは、庶民に対して、国民に対して私はごまかしをやるべきではない。その精神を生かして、それには先ほど私が申し上げますように、少なくとももっと持ち家制度というものの宅地造成をして、そうして土地を早く長期資金で買わすなら買わす、そうして建設資金もいま銀行がいろいろなことをやっております。そういうもので私は買って、そこに自分の住みやすい住居をかまえるということは、これは人間の情として当然じゃないか。したがって、法律で縛るよりも、それを促進する政府として肝心ではないかということを大臣に申し上げたい。どうですか、大臣。人情論じゃない。
#181
○国務大臣(坪川信三君) 私も決して人情論とか感情論でこの問題に取り組んでおる気持ちでないことは、賢明な高山委員、御理解いただけるのではないかと思います。私は感情論でこんな問題を処理すべきじゃないと思います。正しい政治理念のもとにおいてやはりやるべきである。これは私をひとつ御信頼いただきたいと思います。
 それは別個といたしまして、ただ高山先生のおっしゃる持ち家に重点を置けと言われることについては、住宅政策すべてに対して持ち家に重点を置けというこういうような御要望でございますか、ちょっと私その点お聞きしたいのですが、私は持ち家に対する問題についてはさきに申し上げましたあれで御理解いただいて、そうしていわゆる勤労者住宅協会とか、あるいは住宅協同組合を通じてでき得るものをなるたけはいたしたいという考えで、私は持ち家対策には持ち家対策の方針を立てておりますが、おことば返えす意味ではございませんが、先生の持ち家にもっと重点を政府は置けとおっしゃるところをもうちょっと御解明いただきたいと思います。
#182
○高山恒雄君 私が持ち家制度のことを主張しますのは、政府が先ほど申しましたように五千五百戸ですか、東京等ではそれがなかなかで、いなかで進んでいるんですよ。いま持ち家制の進行しているのは兵庫県、広島県、愛知県です。東京等ではできないんですよ、宅地がない。先ほども宮崎委員から御質問がございましたように、なかなかそれはむずかしいのです。だがしかし、いろいろな先ほど申しますように法人が持っておりますあき地だとか、あるいは国有地だとか、こういうものを政府みずからが選択をして、そうして宅地助成をやって、そうして現在わずか三・五%ですか、その調査された結果の百五十万以上の、二百万以上の収入の方は。そういう人たちが優先に入る方向を進めてやればいけるんじゃないか。わずか三・五%の現在の高額収入者であるならば、そういうものを先に進めて、こういうのをやりましたが、皆さんこっちに移ってくれませんか、こういう行き方をすればできるんじゃないか。その人数もわずかに三・五%ならたいした問題ではないじゃないか。それを法律で拘束する必要はないではないかというのが私の考え方なんです。
#183
○国務大臣(坪川信三君) よくわかりました。私といたしましては先ほど申しましたごとく、いわゆる宅地の造成資金とか、あるいは分譲住宅の建設資金等を、いわゆる住宅金融公庫を通じて年年ひとつ上げながら、これらの資金を融通いたしまして、持ち家建築にひとつ力を入れてまいりたい、こういう方針でございます。
#184
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#185
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。
#186
○高山恒雄君 私はこの資料に基づいて公営住宅の収入規準表というのがありますが、これのとり方ですが、一種、二種という考え方ですね、この経過報告を見ますとそのなにはわかりますよ、こんなことは改めるべきじゃないかと考えるのですがどう考えますか、局長。
#187
○政府委員(大津留温君) この一種二種の区分を廃止したらどうかという御意見、ほかからもいろいろ承っております。私どもといたしましても公営住宅のあり方を基本的に検討する際に、そういうことも含めて検討さしていただきたいと思います。
#188
○国務大臣(坪川信三君) ちょっとお答えいたします。非常に大事ないい問題、いいというと失礼ですが、いまの当面する問題として私はいま検討を加えているのでございますので、これについては私はほんとうに第一種、第二種に分けた公営住宅というものをもう統一すべき段階に来つつある、こういうような気持ちで住宅審議会などに対しましても、私たちはそうした意見もまじえながら討議もいたしておるということで、国会においてもそうした問題の要請等も承っておりますので、これなどは少し真剣に取り組んでみたい、こういう考えでおることを御了承願いたいと思います。
#189
○高山恒雄君 そういう前向きのお考えならば、私もあまりこだわりませんけれども、そこで二種に入っている人でも百万円をこえる、百五十万円をこえる人がいるのですが、この点はどうですか。
#190
○政府委員(大津留温君) 二種にお入りになっている方でも百五十万円あるいは二百万円をこえる方も幾らかおられます。
#191
○高山恒雄君 この粗収入の、そうするとこの入居基準の四万九千五百八十三円、これは四十三年度の資料でとられたのですか、基準はどこで。
#192
○政府委員(大津留温君) この入居基準といいますのは、公営宅住に応募される場合の資格でございまして現在の四十四年度、ただいまの公営住宅の入居資格二万四千円以下の方、これを粗収入に直しますと年収五十九万五千円以下の方、こういうことになります。
#193
○高山恒雄君 そこでこの家賃も〇・四、〇・八、〇・三というふうに区別してありますが、私はこの百万円の場合ですね。年収百六十二万にならない線で、この場合、これは私は二百万円ということになれば、全く大臣がおっしゃるように特別の収入を持っている家庭でも非常に苦労しておられるということもわからぬではいごまざせんけれども、いま政府が、とり方が違いますけれども、五人標準家族の年収九十三万円まで無税にしようということですよ。これは何かということですね、これはやはり生活が苦しいからですね。大臣、この点政府でも今度九十三万円までは無税にすると言われるのですよ。だが各党が百二十万か百五十万にしようと言っているのですね。これはそうしますと、新規入居者の収入の基準百万円というのは、そう楽なものじゃないと私は見ているのですが、大臣、どうお考えになりますか。税金の免除というのは、生活が苦しいから免除しなさいというので、政府みずからが、これは標準のとり方は違いますよ、皆さんは四人でとっておられますし、税金の問題は標準家族五人にしておられます。その面を見ますと、標準収入が基準の年額が百万円で、それ以上はあなたは出ていけという法律の規制をやっていいかどうかということですね。
#194
○政府委員(大津留温君) 公営住宅を明け渡していただくその基準の収入は、やはり勤労者の世帯収入全体で見て、やはり相当な高額で、この程度の高額の所得のある方には、やはり譲っていただいてしかるべきだと、こういうふうに一般が御納得いただけるような線を引きたいと、こういうふうに考えております。こういうことで実はこれはこれからお入りになる方は現在の基準で年収百六十二万四千円、これはまあ標準家族ですね。そういうことでございまして、今後物価の変動とかあるいは一般の所得の水準が上がるというようなことがありますと、これは当然やはり改定すべきだと思います。この百六十二万と申しますのは全国の勤労者、世帯の中で九%そこそこのやはり相当高い部分に属するわけでございます。一割にも満たないという高い所得の方はやはり譲っていただきたいというその辺にめどを置いておるわけであります。
#195
○高山恒雄君 そこらがめどという基準というものの置き方ですが、私に言わせますと、ことしは五人標準家族の九十三万円で自民党は税金を免除していこうという。それから来年は百二十万円にしなきゃならぬかもしれませんわね。百二十万円なんか公明党が言っておられますわね。社会党さんかて百五十万と言っておられる。わが党だけですよ、百万円と言っているのは。これはしかし前にきめたのだから今日やはり百五十万と言っておりますよ。こういう税金を免除しなきゃならぬクラスの生活というものを考えたときに、私はこの基準のとらえ方が収入基準月額の十万円というものを、高給者で、九%しかいないからその人は生活が安定している。だから出てもらって、もっと庶民の方に入っていただくのが当然だというそのお考えの基準の置き方ですね、そこらがあまりに漠としているじゃないですか。もっと基準のとらえ方というのは生活の安定、物価の水準、そういうものを加味して、具体的な説明があるなら聞かせてくださいよ。それなら私も納得いきますけれども、もうわれわれが日ごろから考えておる問題からいえば、やはり税金の免除制度をとろうということは、生活が苦しいからとろうというのにもかかわらず、ここになっては、それは庶民住宅が足らないからひとつ規制をして出てもらう、こういう矛盾した点を感ずるものですから、私はこの点、ひとつこの基準のとり方ですね、これを一ぺん聞かせてもらうと同時に、十分なる、皆さんのほうで基準のとり方というものをしないで、大体九%ぐらいしかいないからということで基準をきめたとおっしゃるなら、もう一ぺん微に入り細に入りこれは検討する必要がある。このままではあまりにもばく然としておる。九%であろうが一〇%であろうが、御承知のように税金までやはり免除しようという人は生活が苦しい。そういう年配者の方は少なくとも大学に二人やっておる人もありましょう。あるいは場合によっては働いておる人もありましょうけれども、今日の進学率から見てもやはり大学に一人は行っておる、こういう見方をしても過言じゃないじゃありませんか。その基準のとり方の説明をまずしてください。いけなければ変更すべきだと私はこう思うのですよ。
#196
○政府委員(大津留温君) 御指摘のように、税金の免除額程度の収入では高額所得の基準としてはやはり不適当だと思うのです。そこで私どもといたしましては、新規入居者につきましては年収百六十二万四千円、これは標準の家族の場合。それからすでにお入りになっておられる方については二百十二万円程度を基準に考えておるような次第でございます。これを月収で表現いたしますといろいろ給与所得控除とか家族控除をいたしまして月収として表現いたしますと十万円になる、こういうことでございます。
#197
○高山恒雄君 いやそれはこの表に出ておりますから私も見ておるわけですから間違いないですよ。私は、この十万円という方は公営住宅に入っている人ではそれはいい人には間違いないでしょうね、そういう収入を取っておられる方は。けれども、直ちにそういう人は出ていかなくてはならぬというその法律の規制をするについては、月収十万円という基準というのが妥当であるか妥当でないかということをお聞きしている。その基礎になる見方は何にとっておるのかということを聞きたい。
#198
○政府委員(大津留温君) 全国の勤労者世帯の中で一〇%以内の、高額所得者の上のほうから一〇%程度の範囲内に入られる方は、高額所得者としてそういう扱いをしても無理はないのじゃなかろうかというふうに考えて、そこに基準を置いたわけでございます。全国の勤労者で申しますと九・何%になります。それから現に入っておられる方方、これはやはり一般の勤労者の世帯に比べますと平均が幾らか低くなりますから、そういう入っておる方々からいいますと百六十万以上というのは、もっと下回って四%程度になるわけでございます。
#199
○高山恒雄君 それですと、粗収入の百六十二万四千円というのは、時間外その他いろいろなものが入っているわけですね。
#200
○政府委員(大津留温君) そうです。
#201
○高山恒雄君 それで十万円ということになるのですね。そうすると、これは松永先生からも御質問があったのは、そこだったと私も思うのですが、そうすると、八時間労働の基準賃金というものではないわけですな。
#202
○政府委員(大津留温君) ここで申します収入基準月額の出し方でございますが、公営住宅でいう所得の算出というのは、ちょっとほかと違いまして、所得税法にいいます勤労所得控除というのがございます。年の収入から十万円を控除して残りの二割を控除したと、そういう計算をして粗収入から控除いたしまして、残りを十二で割りまして、それから扶養家族一人につき三千円ずつ控除したもの、こういうのがこの基準月収になるのであります。
#203
○高山恒雄君 そこらにも私は大臣問題があると思うのですよ。松永先生も指摘されたように、基準法でいう八時間労働という基準がきまっておるわけですよ。それを時間外手当も、最近いろいろな会社によっては休日出勤という場合もあります、人手が足りぬからね。いろいろなものがあると思うのです。それから職務手当というものが別途出ているものもあります。そういうものを含めての基準をここに置くということ、そのことが正しいかというと私は正しくないと思うのです。これはもっと詳細に私はやる必要があるのじゃないかとこう思います。きょうはもう時間もなくなりましたからこれで終わりたいと思いますが、検討していただきたいと思います。
#204
○委員長(岡三郎君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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