くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 建設委員会 第21号
昭和四十四年六月十九日(木曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     村田 秀三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大和 与一君
    理 事
                大森 久司君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                上田  稔君
                小山邦太郎君
                高橋文五郎君
                塚田十一郎君
                中津井 真君
                林田悠紀夫君
                柳田桃太郎君
                米田 正文君
                田中  一君
                村田 秀三君
                二宮 文造君
                宮崎 正義君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  坪川 信三君
   政府委員
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設省計画局長  川島  博君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省河川局長  坂野 重信君
       自治政務次官   砂田 重民君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    安井  誠君
       国税庁直税部資
       産税課長     好川 栄一君
       運輸省大臣官房
       政策計画官    人見 敏正君
       建設省計画局宅
       地部宅地政策課
       長        大河内正久君
       自治省税務局市
       町村税課長    高橋 睦男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地価公示法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大和与一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として村田秀三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大和与一君) 地価公示法案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次発言を願います。
#4
○二宮文造君 前回も若干の質問をさせていただいたわけでありますけれども、落ち穂拾いのようなかっこうになりますが、なお具体的な問題について当局の御説明をいただきたい。こういうわけで質疑に入りたいと思いますが、まず最初に、現在やっぱり問題になるのは、土地利用の問題が何かと議論の的になっております。そこで、現在の土地利用に関する立法が各省ばらばらに行なわれている。たとえば建設省の都市計画法、通産省の工業立地適正化法あるいは農林省の農業振興地域の整備に関する法律等々、各省のいわゆる土地利用の施策があります。しかし残念なことに、総合的な土地利用計画に対する法律がないわけであります。聞くところによりますと、自治省の宮澤氏を中心とした土地利用研究会が土地利用計画基本法案要綱、こういう考え方を発表しておるようでありますけれども、こういう各省ばらばらの土地利用に関する計画立法を早急に整理統合する、まあ言ってみますならば、その基本的なあり方を示す土地利用基本法、こういう考え方が必要ではないかと思うのですが、政府の考え方はどうでしょうか。
#5
○国務大臣(坪川信三君) 二宮委員のまことに適切といいますか、非常に大事な問題についての御質疑でございますが、私といたしましては、御指摘になりましたごとく、大蔵、自治あるいは農林、経企、通産というような各省庁にまたがっての法律的な背景あるいは行政的現実というようなものを考えますときに、何かやはりそこに総合的な一貫性を持つということの御意見には、私も全く同感でございます。いまの時点におきましては、各省庁連絡を密にいたしながら、それぞれの立場で行政上の連絡所掌を統一的につかさどっておるわけでありますが、大事な問題点として、十分ひとつ検討もいたしてまいりたいと、御案内のごとく、地価対策閣僚協議会というものが内閣の中に設置されておることは御承知のとおりでございます。したがいまして、当面これらの協議会を通じて、各省との連絡調整を十分密着いたしてまいりたいと思いますとともに、いまのごもっともな御意見に対しましては、十分ひとつ検討を加えたいと、こう考えておる次第であります。
#6
○二宮文造君 大臣から、今後留意していきたいと、検討していきたいというお話なんですが、従来からこういうことは意見としてはあるわけですね。でまたそのそれぞれの省におきましても、これじゃまずいという考え方もあるわけです。したがって将来に向かって検討するという、その大臣の姿勢、まことにけっこうなんですが、いままでに話し合ってみたところこういうネックがあって、まだ一貫したものになり切れないのだと、従来のネックになったところは、どういうところがネックになったのかどうか。ただもう各省のいわゆるセクト主義といいますか、そういうことがネックになったのか、あるいは具体的なこういう問題があるので、各省別にやっぱり計画的に立法するよりほかにないのだと、この辺の事情を、いままでの事情をちょっと聞かせていただきたい。
#7
○政府委員(川島博君) わが国の土地利用立法につきましては、大もとをなすのは、御承知のとおり全国総合開発計画でございます。で、この法律を大きな幹といたしまして、これに首都圏、近畿圏、中部圏等の地域計画が中位計画として位しております。さらに四国、九州、東北各地方には、それぞれの地域立法がございますが、これらはいずれも国土総合開発計画を受けた中位計画であります。全国総合開発計画を上位計画といたしますと、これらの地域計画は中位計画として位をしておる。これを受けて各地域の具体的な土地利用にきめたのが土地計画でございます。これはわが国の土地利用計画の基本をなしておるわけでございますが、今回、ただいま国会に提案されております農業振興地域の整備に関する法律がございます。これが通過成立いたしますと、体系化として、あるいは具体的な即地的な計画としての土地利用計画は、都市計画による都市計画区域内の市街化区域、市街化調整区域という地域制度、それから市街化調整区域、それと都市計画区域に含まれないわが国土の利用は、そのほとんどが農業振興地域の施策対象区域となるわけでございます。したがいまして、この農業振興地域整備法が通過成立いたしますと、わが国の土地利用は、基本は全国総合開発計画を頂にしながら、末端におきましては、都市計画法並びに農業振興地域整備法によりまして、全国土の土地利用が一応大まかではございますが、明確な姿で利用区分が確立される、こういう体系になっておるわけでございます。なお、その他、特別な政策的観点、たとえば公害規制でございますとか、あるいは工業地という観点から特殊な土地利用規制法法案がございますけれども、これはそれぞれ特殊な政策目的に資するために、特別な立法ができているのでございまして、これがかりに他の土地利用規制と調整を要するということになりますれば、私どもは、やはり基本法でございます都市計画法なりあるいは農業振興地域整備法なり、そういう基本的な土地利用立法に基づく利用計画を中心に調整がはかられてしかるべきではないか、かように考えております。
#8
○二宮文造君 ぜひそういう一貫した行政、法律というものを早急に検討していただきたい。
 法案の中身に入りますけれども、前回、大臣が退席されましたあとで、同じ国が制定をした法律の中で、いわゆる土地の価格を評価する場合に文言もいろいろな文言がある。たとえば、時価とか「適正な地価」とか、あるいは今回の公示法案における「正常な価格」、同じ国が評価するのにそれはまあ税の上での手続的な問題もあるんでしょうけれども、文言も違うし、同時にまた評価した内容も違ってしまう。それではかえってばらばらになるんではないかというんで、この公示法案を策定する段階で、各省とのそういう話し合いはあったわけですか、という質問をいたしました。それで各省から答弁もまたいただいたわけであります。現状としてはやむを得ない、こういうふうな答弁で将来にわたって、このいわゆる公示法案にさや寄せをしていくと、そういう努力をすると、こういう各省からの答弁をいただいたわけでありますけれども、ただそれがことばの上だけのそういう姿勢ではなくて、たとえばこの法案によりますと、土地収用法に基づく将来の買収については「公示価格を規準としなければならない。」、いわゆる努力目標をここに入れてあります。第九条です。それからまた、補償金の算定の問題についても第十条として「公示価格を規準として算定した当該土地の価格を考慮しなければならない。」、こういうふうに努力目標を明文で規定しているわけですね。ところが、相続税あるいは固定資産税については、全然努力目標も示されてない。私ども考えますのは、そういうことも将来どうせ検討しなきゃならない問題だから、この際この法案が成立するにあたって、そういうことも考慮するような考え方はどうだろうか。たとえば附則に国税通則法の改正をうたい、あるいは地方税の改正をうたって、この基準価格が公示された場合にはそれを参考としなければならぬ、あるいは考慮しなければならぬ、こういうふうな努力目標を加えたらどうかという考え方を私ども持っているわけでございますが、当局の考えはどうでしょうか。
#9
○政府委員(川島博君) 課税評価額と公示価格との調整につきましては、当委員会におきましても累次にわたって御質問があったわけでありますが、地価公示制度は予算あるいは調査能力等の関係から、当面一部の大都市――三大都市地域を対象として実施するものでありまして、このような一部都市地域について算定されました公示価格と課税上の評価額を関連づけるためには、この公示価格が公示されない他の地域との負担の公平をはかるための調整措置等、技術的にも検討すべき困難な問題が残されておりますので、本法案では、この際は税制との関連つけを制度化いたしておりませんけれども、基本的には公示的な評価額というものが法律的に行なわれることが最も望ましいと考えますので、今後はそういうことが可能になるように各種の法制との調整について関係当局と協議を進めてまいりたい、かように考える次第でございます。
#10
○二宮文造君 どうでしょう、自治、大蔵の関係で、そういう将来の目標として端的に大蔵省と自治省の姿勢をここで明らかにしてほしいと思います。
#11
○説明員(好川栄一君) 前にも御答弁申し上げたと思いますけれども、現在の制度による公示価格につきましてては、公示される地点が比較的少ないというようなこと、それからある一地点につきまして価格を定めましても、さらにそれに隣接するその他の地域についてどのように公示価格から比準をしていくか、その比準の方法、あるいはまた納税者から価格について異議が出たような場合に、その紛争をどのように処理するかという処理の責任の所在といったような点につきまして十分に条件がととのっておりませんので、そういう条件がととのった段階においては、相続税の評価額も公示価格によるということが考えられるわけですが、現時点におきましては、直ちには公示価格に準拠をするというわけにはまいらないというふうに考えております。
#12
○説明員(高橋睦男君) 自治省におきましても大体同じような考え方でございまして、現在の制度では評価として乗りがたいのじゃなかろうか、こういうことでございます。
#13
○二宮文造君 なるほどおっしゃるとおりだと思うのです。で、計画局長にお伺いしたいのですが、そういうふうな将来のプランが建設省にあるかどうか。いわゆる大蔵、自治両省から現在のこの公示制度のあり方では、点数も少ないし、またその近傍の土地と比較する基準もないし、早急には無理であると、こういう法のいわゆる盲点といいますか、弱さというものを端的に指摘をされているわけです。したがって、一たん公示制度をこのように標榜するからには、やっぱり将来の発展というものも当然頭の中に置かなければならぬわけですが、何年ぐらいを目途としてそういう両省の期待にこたえられるようないわゆる公示制度の拡充というものを考えておられるか、この点をお伺いしたいんです。
#14
○政府委員(川島博君) その点につきましては、将来の予算確保の問題ともからみますので、確定的なことは申し上げられませんけれども、この法律の第二条でもございますように、地価公示は建設省令で定める市街化区域内の標準について行なうということになっておりますが、私どもがこういう表現をとりましたゆえんのものは、当面はまあ予算関係あるいは動員すべき不動産鑑定士の数から申しまして、三大都市地域から始めざるを得ないと考えておりますが、将来はだんだんとこの適用すべき市街化区域を拡大いたしまして、私どもの心づもりでは、昭和四十八年度には全市街化区域、これはおおむね人口十万以上の都市はすべて市街化区域に指定される予定でございますので、四十八年度には全市街化区域について実施いたしたい。そうなりますと、来年度発足当初千地点程度を予定しております標準地は、約八千地点に増大し、対象区域は約八千平方キロに及ぶことになるわけでございます。わが国は三十七万平方キロございますけれども、いわゆる地価の非常に変動が激しい、高騰が激しいという地域は、何と申しましても、人口十万以上の都市地域でございます。したがいまして、この地価の高騰の激しい八千平方キロの地域を押えて、これに八千地点程度の標準地をつかみ、その価格を公示するということになりますれば、十分とは申しませんが、国税、地方税等の課税評価額の算定にあたって利用し得る指標となり得るんじゃなかろうか。そういう時点がまいりますれば、私どもは当然この大蔵省、自治省等の課税当局の御協力を得まして、区間比準の方法その他にはくふうがいるかとは思いますけれども、何とかこの基準の公示価格を法的にも実際的にも均衡させたいというふうに考えている次第でございます。
#15
○二宮文造君 もう一点確認しておきたいんですが、いま確かに八千点になる、その点で利用してもらえるんじゃないかという期待、これはけっこうだと思うんです。しかし、先ほどの各省からの答弁を伺いますと、点はそれでよろしいと、しかしそれに類したところにどういうふうな修正をかけていいのか、いわゆる第三者に対して確固たる立場で臨む、そういうものがない。したがって、その土地鑑定委員会は、そういう修正の修正率といいますか、一点ある、それに近傍するこの地点に対する修正率で大体、その公示はしないけれども、こういうふうなズレになるのではないかと、こういうところまで鑑定委員会はタッチしていくのかどうか。あるいは、あくまでもこの標準地の点だけで今後やっていくのか。この点がはっきりしませんと、八千点と言われてみても、やっぱりその点以外のところにはどういう価格が適当とするのか、そういう基準が出てきませんから、相変わらずずれたままで終わってしまうと思うんですが、この点はどうでしょう。
#16
○政府委員(川島博君) その点につきましては、現行法におきまして一般の民間の取引の指標とする場合、あるいは公共用地の取得価格の算定をする場合、いずれもこの標準地の公示価格だけしか妥当しないということでは、この制度の目的は達しないわけでございます。したがいまして、そういった取得価格あるいは取引価格につきましても、当然に標準地の公示価格から問題となっております土地価格を算定いたします場合に、たとえば路線価方式あるいは画地計算法等によりまして比準をいたすわけであります。現行法で言う比準方法は、当然不動産鑑定評価基準によりまして比準をいたして計算をいたしておるわけでございますが、今後この課税価格を算定いたします場合に、いわゆるこの不動産鑑定士の使います不動産鑑定基準による比準方式をそのままと申しますか、あるいはもう少し変わった方法を使うかということは、これは課税当局のほうでお考えを願いたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、現状であっても、そういう比準の方法は一応方法論としては確立されたものがあるわけでございますから、当然にこの公示価格地点数が全国に相当密にばらまかれた時点におきましては、そういう作業は必ずしも困難ではない、かように考える次第でございます。
#17
○二宮文造君 現在の段階では各省の考え方が一つの固定した観念の中にありますから、なかなか調整がむずかしいと思うのですが、将来に向かって、少なくともばらばらな評価が行なわれないように、それは国の行政ですし、努力をしていただきたいと思うのです。
 ここで、この公示法によりまして新たに土地鑑定委員会、こういうものが設置される。そして不動産鑑定士試験なんかを所掌するような委員会が設置されるわけでありますが、不動産鑑定士について若干お伺いしたいのですが、現在不動産鑑定士の鑑定評価の客観性あるいは信用性というものをどのように把握されているのか。と言いますのは、鑑定士の大部分は、一覧表をいただいて明らかになったわけですけれども、金融機関あるいは不動産業等々の、いわばわれわれの言う大資本に所属する鑑定士が非常に多いわけであります。もちろん鑑定士は良心に従い誠実に鑑定評価をする責務があるわけでありますけれども、そういう自分の身分が、そういう系列に置かれているという立場からいたしますと、いわゆるその鑑定評価の中立性というものを保持することがちょっと困難ではないか。この中立性、鑑定評価をより真実ならしめるそういうための条件がととのってないじゃないかという心配がまず出てくるのですが、この点はどうですか。
#18
○政府委員(川島博君) これも累次にわたって御説明申し上げておりますが、不動産鑑定士につきましては、公認会計士あるいは弁護士試験と同等程度の非常に高い水準の国家試験が課せられております。で、この試験を通りまして、しかも相当の経験を積んだという前提のもとに資格を与え、鑑定に従事しているわけであります。したがいまして、私どもはこの鑑定士の行ないます鑑定評価、これは世界的に見ても相当高い水準の作業が行なわれるわけでございます。したがいまして、その結果としての評価額については、十分世間の信頼をかち得るに足る価値を持っておる、かように考える次第でございます。もちろん、中にはそういういろいろな勤め先の関係その他から間違いを犯さないことがないとは申しませんけれども、そういった場合には、当然法律で罰則も課せられるわけでございます。しかしながら全体としての不動産鑑定士、士補の水準はわが国の各種の職業、独占的地位を与えられているその種の職業、専門家の中でも、相当上の地位を占めているんじゃなかろうか。したがいまして、私どもはこの鑑定士の活動が、日本の地価形成の合理化に相当高い大きな役割りを占めていることを信じて疑わない次第でございます。
#19
○二宮文造君 おっしゃるとおり、非常に高度な国家試験を突破されての不動産鑑定士ですから、社会的な客観的な信用というものは多大であろうと思うんです。しかし、不動産鑑定士のいわゆる鑑定書というものは、公的にはどれだけの――何といいますか、影響力、拘束力を持つんでしょうか。たとえば、前回はちょっと私、繰りごとのように申し上げたわけでありますけれども、土地の売買について鑑定士がAあるいはBの持ち分をこうあるべきであると鑑定をした。それに基づいて、依頼人は税務交渉をその鑑定書に基づいてやった。しかし、税務署ではその鑑定書を全然権威あるものと見ないのが現状ではないかと私は思うんです、自分の経験に照らして。そうしますと、せっかく土地鑑定士に鑑定をしてもらった。で、税法上の観点から見ても、あるいは土地の性質から見ても、これが妥当な持ち分の区分であると、こう鑑定をしても、それが公の機関で用いられないということになりますと、せっかくの土地鑑定がどういうことになるんだろうか、こういう疑問を持つわけでありますけれども、この点はどのように計画局長のほうでは考えておられますか。鑑定士のいわゆる対社会的な――いわば国家機関ですね、行政部門に対する発言権の有無、この点はどのように評価されていますか。
#20
○政府委員(川島博君) 鑑定士の行ないました結果につきましては、私どもは客観的には非常に高い信頼性を持っておるということを申し上げましたが、制度的に見ますと、公示価格と違いまして、鑑定士の成果そのものは依頼者個人との間での利用関係にとどまるわけでございまして、これが公示価格のように法律的な拘束力なりあるいは規範性を、社会全般に対して持っているわけではございません。したがいまして、現状におきましては、この鑑定士の鑑定評価、結果をそのまま課税当局が信頼するかどうかは、これは課税当局の判断にまかせざるを得ないということでございまして、それであるがゆえに、私は、近い将来におきまして、それを客観化し、規範性を持たせるためにも、やっぱり地価公示制度というものを早急に実施し、これを何らかの形で将来課税評価額にリンクさせるということを制度化し、また実施する必要がある、かように考える次第でございます。
#21
○二宮文造君 ちょっと局長の答弁に矛盾があるわけです。当初は、高度な国家試験を突破された非常に力のある人たちであると鑑定士を賛嘆され、今度は行政部門に対してどれだけの発言権があるんですかと、こう質問をいたしますと、どうしても依頼人の依頼に応じて動くんで、それは課税当局の判断にまかすし、またそういう心配もあるので、今度は公示価格という考え方に踏み切ったということは、裏を返してみますと、高度な試験を突破されたと、こう宣揚はしながらも、まだ土地鑑定士による土地鑑定というものに十分な信頼性を当局が置いてない。こういう結論になると思うんです。これは土地鑑定士の方々に対する当局の考え方が少し酷に過ぎるんではないか。こう私思います。なるほどおっしゃるとおり依頼人の依頼に基づいて鑑定をするわけですから、依頼人の要望というものが強く反映する、これは当然うなずけます。たとえば私もいままで国有財産の払い下げについていろいろな観点から調査をいたしてまいりました。その場合に民間精通者の意見をとる。こういうやり方で国有財産の払い下げ処分について民間精通者の意見が出されておりますけれども、驚くなかれ、ある報告は、ある意見は坪が二十六万円だ、ある意見は坪が三十八万円だ、ある意見は坪が三十二万円だ、そうすると、大蔵省はその三者の意見を足して三で割る。こういうふうなやり方で民間精通者の意見として有力な価格決定の条件にしているわけです。そういうふうに権威のあると言われる鑑定士といえども、土地鑑定が非常にむずかしいわけです。それをあえて今度は正常な価格としての価格を公示しよう、そういう鑑定士の一まつの不安を鑑定委員会によってチェックをしていこう、こういう考え方のようですが、それにしては土地鑑定委員会の構成メンバーがあまりにも貧弱じゃないでしょうか。七名を委員とし、そのうちの六名が非常勤なんです。しかもそれが今回は東京、大阪、名古屋と、この三つの標準地というんですが、この非常勤の六名の方を含んだ土地鑑定委員が、計画局長のおっしゃるような理想的な公示価格というものをほんとうに公示できるか、決定できるかというスタッフの問題で非常に難点が出てまいりますけれども、この点はどう打開されていきますか。
#22
○政府委員(川島博君) 御指摘のとおり、今回この法案で設立されようとしております土地鑑定委員会は、常勤委員一名を含めましてわずか七名の組織でございます。したがいまして、これで十二分に役目を果たせるかという点については、まあ若干問題がないわけではないと考えます。しかしながら、不十分ではございますけれども、この土地鑑定委員会の事務を補佐するものといたしまして、私どもの計画局に地価公示室というのが設けられることになっております。ここも実は総員わずか十数名でございまして、必ずしも十分ではございませんが、その中にはこの不動産鑑定の専門家であります鑑定官というものが四名配置されることになっております。これらの鑑定官が土地鑑定委員会の補佐部門といたしましてお手伝いをいたすわけでございます。したがいまして、これらの委員会並びに地価公示室の全力をあげまして、せっかくこの法律が制定されました暁には、法律が期待する要請にこたえるべく十全の努力をいたしたい。不十分ではございますが、できるだけのことはいたしたい。なお、将来におきましてもしこれらの機能で不十分でありますれば、所要の機構の整備についても考えてまいりたい。かように考えております。
#23
○二宮文造君 やっぱり私先ほどの局長が答弁された鑑定士の個人の能力、これに一まつの不安を残すような答弁がございましたけれども、それにひっかかってしようがないわけです。今度の土地鑑定にあたりましても、まず依頼をされた土地鑑定士が一地点について三名ですか、これが一人一人別々に鑑定するわけですね。そうしますとやはりそこにその鑑定士の主観というものが非常に強くなってくる。それをおっしゃるとおりの委員会であるいは鑑定官でどう調整をしていくかということは非常にむずかしい問題であり、結論として社会に対し説得力のある客観性というものが失なわれてくるのではないか。あああれは公示価格だ、お上のやったことだ、売買の実例には参考になる程度だと、こういう公示価格になったんじゃ法の精神が死んでしまいますが、もっと鑑定についての事務的な運営というものに確固たる方針を示していただきたいのですがね。「いまは不十分ではありますけれども」、「いまは不十分ではありますけれども、」ということが必ず答弁の中につくわけです。いまは不十分なら十分なようにしてこの法案を成立させるべきではないか、こういう反論を私どもはしたい。ですから、もっとこう社会的に客観性のある公示価格を断固貫いてまいりますという、そういう明解な答弁を局長からお願いしたいのですがね。
#24
○国務大臣(坪川信三君) 二宮委員の先ほどからの最も憂慮され、また適切な御意見を加えられましての御質問を先ほどから拝聴いたしておりますが、まことにごもっともな御意見であり、御要望だと思います。何と申しましても、いわゆる中立性を持ちながらも、そこに一般の国民が信頼度を高めていくという客観的な立場また素質、あるいはその環境というものを持ってこそ、信頼いたしまして、安心してそれに対する地価の信頼、指標を持つということを考えますときに、今後のこれらに対するところの処遇といいますか、待遇といいますか、こういうような問題及び位置づけ、格づけというような問題についてはごもっともな御意見といたしまして、私といたしましては行政指導をいたし、そしてこれらに対する今後の配慮を、それぞれの仕事の進捗状況を見ながら考えてまいりたいと、こう思っておりますので、どうかこの点御理解をいただきたいと思います。
#25
○二宮文造君 その一案として、こういうように聞いているのですが、宅地審議会から答申のありました不動産鑑定評価基準を改定のためにいまさらに諮問中であると、こういうように聞いておりますけれども、この不動産鑑定評価基準を単に建設省の中の内部規程と、こういう位置にとどめておくばかりでなく、閣議了解などの手続を経て、すべての不動産鑑定評価基準に位置づける、こういうような考え方をすべきではないかと、こう思うのですが、この点についてはどうでしょう。そうすると、それだけ建設省の考え方が国民にPRもできますし、その評価基準に基づいての公示価格、公示制度というふうになって、もう一つこう根がつくような気がするわけですが、そうしますと、またそれが大蔵省なりあるいは自治省なりのほうにも影響が波及していくと、こう私どもは思うのですが、この点はどうですか。
#26
○政府委員(川島博君) 現在定められております不動産鑑定評価基準は、不動産鑑定士が商売といたしまして依頼に応じて鑑定をいたす場合のよるべき基準になっておるわけでございます。しかしながら、この地価公示制度が確立されますと、そのうちの重要な部分がこの第四条によります政令で法制化されるわけでございますが、これは単に建設省令というばかりでなく、政府全体の各機関が共通に利用し得る手段として確立されることは、先生がただいま御指摘になりましたように最も望ましいことだと思います。しかし、政府各省全体がこの基準を用いるということは、つまり各種の公的な評価がすべて公示価格によるということと並行的に行なわれるべきではないか、したがいまして、現在直ちにこの評価基準を各省に使っていただくということはできませんけれども、将来は当然に各種の評価額の統一、また評価の方法も統一するということは最も望ましいことであって、そういう方向に向かって政府は検討すべきではないか、かように考える次第でございます。
#27
○二宮文造君 いや、私そういうことを伺っていないですよ。その公示制度による基準価格、正常な価格というものはこういう評価基準によりましたぞとPRされていく、また先ほどから将来の問題としては、点も広がっていくのだし、当然そういうふうな努力がされるだろうと、こういうふうな答弁にのっとってこういうふうにやっていったらいいのじゃなかろうかと、こう私は提案するのであって、それをまたいまでは無理ですと、こう引っくり返されますと、一体建設省は公示価格というものにどれだけの権威を持たせようとするのか、みずからの姿勢をみずからくずしているような感じがするわけです。ですから、もっと強気でこういうわけで公示価格を表示してまいります、したがって、なるほど不備な点もあるから、それはこういうふうに手直ししていくから追い追い各省とも、あるいは国民もそういう公示価格について権威あらしめる地位に置くように努力をしよう、そういう姿勢をとったらどうですかと申し上げているので、とりますと言えばそれでいいのであって、現状はだめだという説明は要らないと思うのです。念のために……。
#28
○政府委員(川島博君) ただいま二宮先生がおっしゃいましたとおりでございます。私どもは、そういう方向で努力をいたしたいと思います。
#29
○二宮文造君 それから具体的に鑑定士のその選任の問題ですがね、さっきもお話がありましたように、依頼人の意向あるいは今度は所有者の意向というものが非常に影響をしてくる場面も想定されます。そこで客観性を保つために地元の鑑定士は避けるべきではないか、こういうふうな意見があるわけですけれども、運営にあたって委嘱をする鑑定士は予算の関係もありましょうが、大体地元から委嘱をしていくのか、あるいはいま私が申し上げた心配を考慮して客観性を保つために地元の者は避けるべく努力をされようとするのか、この点はどうですか。
#30
○政府委員(川島博君) 先ほど来私が申し上げた点で、少し不十分な点がございます。それはあたかも鑑定士が依頼人の依頼に応じてさじかげんをするという趣旨のことでございますが、私はそういう意味は全然申し上げているわけではございませんで、鑑定士の鑑定評価結果は、あくまで客観的であり合理的である。しかし、これは依頼者がたとえば何月何日の時点で評価してほしい、自分はこういう目的に使いたいのだが、そのためには何ぼ程度が適当であろうか、こういった要望はもちろん判定の要素になるわけでございますが、鑑定評価そのものは、あくまで鑑定評価基準に従って客観的に行なわれるというわけでございます。ただ結果については、何と申しましても鑑定評価活動そのものが、高度の精神作用を伴うものでございますから、したがいまして、そこに個人差が一銭一厘も入る余地がないということはない。そういう意味で若干個人的誤差というものはありますけれども、しかしあくまで評価そのものはそういった依頼者からの強要による要素というものは入ることはあり得ないわけでございます。したがいまして、またそういうことがあれば、当然これは鑑定士としての監督処分なり、あるいは罰則の適用の対象になるわけでございます。したがいまして、今回、土地鑑定委員会が鑑定士を使って現地調査いたします場合にも、必ずしも現地に居住する鑑定士だから忌避するというようなことはいたすべきではないというふうに考えます。
#31
○二宮文造君 説明のほうが長くて、私の質問に対する答弁が非常にあいまいなんですが、じゃ、地元の人を選ぶのですか。私は忌避するとは申し上げてない。忌避するというのは特定の人を忌避するわけです。そうではなくして、全般的にこの運用にあたって地元の人はのけて、そして鑑定士を依頼していくんだと、こういう方針なのか、それとも予算の関係もあるので地元の人を選ぶのか、この点はどうですかと申し上げておる。
#32
○政府委員(川島博君) 地元たると地元でないものたるとを問いませず、適切な鑑定人に御依頼をいたすつもりでございます。
#33
○二宮文造君 もう少しはっきりしてください。予算の関係もあるので……、どうも、答弁を聞いておりますと、私は、この前伺った一人六千円というのがひっかかってしようがないのです。それ以上のワクがないのですから、当然、水は低きに流れるのとおりで、ふところ勘定から地元の人を依頼せざるを得ないと、こういう立場だろうと思うのですが、そこで、そうなった場合に、こういう心配が出てくるがと、こう申し上げたわけです。ですから、その私が申し上げた心配の点は全然考慮しないで、いわゆる予算の関係で選定、委嘱をしていくんだと、これならこれでそう答弁をいただきたい。
#34
○政府委員(川島博君) 確かに、今回の予算単価六千円というのははなはだ低額でございまして、鑑定士の方々には非常に申しわけないと思っておりますが、国家的な事業でございますので協力してやろうという、せっかくの不動産鑑定協会のお申し出でございますので、今回はそれに甘えてお願いをする予定でございますが、今回実施いたします地域は、幸いに東京、大阪、名古屋という大都市地域であり、しかも優秀な鑑定士がたくさん商売をしておられる地域でございますので、それらの方々に御委嘱をするということでございますから、地域的には手近かなところの鑑定士をお願いすることでございますが、能力的には十分鑑定士の中でも高い識見と能力のある方々であろうと思いますので、その点の御心配はないんじゃないか、というふうに考えております。
#35
○二宮文造君 どうかひとつ、私の心配する点を考慮されて運営に当たっていただきたい。
 それから大臣にお伺いしたいのですが、前回、大臣に質問をしておりました途中で中座をされましてそのままペンディングになってしまったのですが、土地問題懇談会の提言の中で、土地の値上がり利益を土地の所有者のみに帰属させず、これを社会に還元する、これが必要ではないかという提言が出ております。そこで、土地の譲渡差益を他の所得から分離して、相当高率な比例税率による税制措置を講ずる、あるいは公共事業については受益者負担金の制度に積極的な活用をはかる措置を必要とするんじゃないかと、こういうふうな提言がなされておりますけれども、要するに、現在の地価高騰というのは、思惑買いあるいは譲渡差益を主体とする考え方が地価騰貴に非常に影響してくるわけでありますから、これからの問題としては、その差益を吸い上げていくと、そして思惑買いを押えていくという、こういう考え方も必要ではないかと、こう思うわけでありますけれども、大臣のお考えはどうでしょうか。この土地問題懇談会の提言をとらえて、将来の姿勢として大臣にお伺いしたい。
#36
○国務大臣(坪川信三君) 土地値上がりに伴うところのその利益の帰属の適正化、いわゆる社会への還元ということは最も重要なことでございますので、この間の税制重課税をいたしました配慮もここにあるような次第でございます。ごもっともな御意見でございますので、値上がりによる社会への還元適正化という措置を、税制、ことに所得税その他に関連する税制改革においてもこれらの目標を達成でき得るような税制措置を今後もとってまいりたいと、こう考えております。
#37
○二宮文造君 同じく譲渡差益あるいはまたここで考えられますのは、これは運輸省にお伺いしたいのですが、開発利益の還元について四十年十二月の物価問題懇談会の提案とか、あるいは四十一年十一月の国民生活審議会の答申の将来の国民生活像という問題、あるいは四十一年十月の都市交通審議会の建議、すなわち、都市交通緊急整備対策について、あるいは四十二年三月の経済社会発展計画等々におきまして、開発利益の還元については、その方法について検討すべき答申あるいは提言がなされておりますけれども、運輸省としてはこうした鉄道建設にあたっての開発利益の還元、こういう問題について具体的な方法を検討されたことがありますか、これをお願いしたい。
#38
○説明員(人見敏正君) ただいまの鉄道建設の問題でございますが、確かに最近地価がどんどん高騰しておる、したがってそのために鉄道の建設の場合には用地買収に非常に困難が生じている。これはまことに非常に大きな問題でございまして、確かに御指摘されましたとおりに、いままでにいろいろ会議を通じまして開発利益の還元という問題について検討してまいっておるわけでございますが、非常に大きな非常にむずかしい問題でございまして、まだなかなか具体的な検討がなされていない。ただいろいろございますが、たとえば本年二月に、これは運輸大臣の私的な諮問機関でございますが、運輸経済懇談会というものがございまして、そこでやはり鉄道の問題についていろいろと検討がなされた。そこでもたとえばその場合に、開発利益が開発をするもの、すなわち鉄道を建設する場合には鉄道の建設の主体に還元される方法とかあるいは法的な機関を通じて還元される方法、いろいろな方法があるわけでございまして、一応そのようなきわめて抽象的な点につきましてはそのときに議論がなされましたのですが、この懇談会が三月で解消いたしまして、今年度から新しく運輸政策審議会というものが設けられる、これはまだ運輸省の設置法の改正が通っておりませんので設けられておりませんが、引き続いてこの会議等を通じまして、また関係の機関と密接な連絡をとりまして、一日も早く作業に入りたいと思っておる次第でございます。
#39
○二宮文造君 これは非常に大きな問題でありますし、従来鉄道建設についてこれがまた汚職の根源になったり、いわゆる土地買収で従来物議をかもしてきたこともあります。したがって、もはや検討の段階ではありませんで、鉄道を建設されますと、必ずそれが事前に計画線が漏れまして土地の買い占めが起こる、当然不労所得のようなものが従来も問題になってきたわけであります。もはや検討の段階ではありませんで、確固たる方針を立て、そして新線建設なりあるいは用地買収なりにスムーズにそれが行なわれますように努力をすべきじゃないか、こういうことを私のほうから注文をつけておきます。
 時間の関係もありますので、最後に二つまとめてお伺いをしたいわけでありますが、その一つは、やはり土地問題懇談会の提言に、大臣、これ、いわゆる大都市の人口集中あるいは産業集中抑制のために、大都市の一定地域に工場あるいは事務所を設ける、そういう場合には賦課金を徴したらどうか。それがまた例の地域開発にもつながってくるのではないか、もう現在のような野放しの状況では、とてもじゃないが土地問題というのは解決しないんではないか、こういう提言がなされておりますが、これに対して建設省としては将来どういう考え方を持っていくのかというのが一つ。
 それから全然問題が別になりますが、不十分とはいいながら、地価の公示制というものがこれから採用されようとするわけでありますけれども、庶民がもう一つ土地に並んで困っております問題は家賃、地代であります。これなんかも、都市なんかについては家賃あるいは地代について公示制度というものも考慮すべきではないかという意見がありますが、将来の努力目標として、あるいは建設省の方針としてどう考えていくか、大臣の考えを承っておきたいと思うわけであります。その二つを答弁していただきたいことと、あわせてこの公示制度に対しての全体的な私どもの感覚でありますけれども、各方面の御意見を伺ってみても、いままで何にもなかったんだから、地価抑制にはならぬかもしれぬけれども、これが手がかりで公示制度というものが地価の抑制のというものに間接的にも効果があれは――効果を期待するというのが一般の評価であります。したがって、基準価格の評価の問題とか、あるいは他の評価との関連の問題とか、ますます手直ししなければならぬ問題がありますので、このままでよしとしないで、これをより拡充充実していくための当局の考え方、これを最後にまとめてお願いをしたい。
#40
○国務大臣(坪川信三君) 二点にわたるところの、御意見をまじえられましての御要望あるいは御質疑でございますが、第一の問題につきましては、ただいま首都圏等において検討をいたしておりますが、それは賦課金の問題あるいは許可制といいますか、許可制度を設けるかというような問題非常に微妙な点もございますので、ただいま検討を加えておるということで御理解をいただきたいと、こう考えております。第二点の問題につきましては、地代あるいは家賃の適正な公示制の適用、これはやはり現時点においてはこれを考えてはおりませんが、これらの点も十分推移を注視いたしながら、その実行段階においての推移を見まして、検討を加えてまいりたい。いまの時点においては考えていない、ということだけ申し上げておきたいと思います。
#41
○二宮文造君 ちょっと最後に。これは資料でございますが、先般大蔵省に、国有財産審議会に付議された事案で未処理の問題について資料を御提出いただきたいということで、快諾されて、いまいただいたわけですけれども、これでは非常に不備なわけです。それで、処理の件数についてはけっこうでございますし、また処理未済件数の中に、地方公共団体と民間と分けてございます。この内訳を、項目別でけっこうですが、相手先の名前、それから物件の表示、それだけのものと、あわせて地方審議会での提案の写し、これなんかをさらに添えていただきませんと、ちょっと私の資料としては不十分なんですが、この点ひとつ提出を願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#42
○委員長(大和与一君) 安井税制第一課長、よろしいですか。
#43
○説明員(安井誠君) 私、主税局のほうでございまして、非常に恐縮でございますが、理財局の担当でございますので、そちらのほうへ伝えて、先生のほうに御連絡をとるようにさせていただきたいと思います。
#44
○二宮文造君 委員長から、よろしいですかというのですから、私のほうじゃないです。
#45
○委員長(大和与一君) だから、あなたは承知しましたといえばいいのです。
#46
○説明員(安井誠君) 理財局のほうに伝えて御連絡いたします。
#47
○田中一君 他の委員から質問があったならば、これはそういうように答弁していただきたいのですが、この施行規則の要旨を私はちょうだいしておりますので、これだけの事務的な仕事をする鑑定委員会としては、機構は全部でどうなっているか、設置法による機構は。
#48
○政府委員(川島博君) この地価公示制度は、全般的に土地鑑定委員会とそれから建設省計画局に置かれます地価公示室が所管をするわけでございますが、土地鑑定委員会は、法律にございますように常勤一名を含めて七名の構成になっております。それから地価公示室は定員が十三名でございまして、室長はじめ鑑定官四名、その他の職員を配置いたす予定でございます。
#49
○田中一君 この委員会に地価公示室があるわけですね。これは行政上の事務を扱うところは公示室ですね。
#50
○政府委員(川島博君) この土地鑑定委員会は国家行政組織法八条に基づく付属機関でございますので、専任の事務局は独立して持っておりません。したがって、建設省計画局に置かれます地価公示室が実質上委員会の仕事の手伝いをする、そこが三条機関と違うところでございます。そうなっております。
#51
○田中一君 一体、鑑定官が四名で数千にのぼるという鑑定をチェックする力がありますか。これはむろんこの鑑定官四名は、鑑定士の資格を持っている人だと思うけれども、これだけの大きな仕事、地域からいっても。これを鑑定士の調査報告を、鑑定を参考としながらきめるのでしょうけれども、少なくとも数千件というこれらの地点の評価を正しく求めることができると自信があるのですか。
#52
○政府委員(川島博君) 百パーセント自信があると申し上げたらうそになると思いますが、昭和三十九年から、今日あるを予期しまして、建設省では予備的に地価調査をやってまいりました。この結果、これもやはり鑑定士を二人以上御委嘱いたしまして現地調査をやっていただいて、その結果を私ども計画局で調整をいたしております。これは私どもの宅地部の総力をあげて当たっておりますが、たいへん忙しい思いをしておりますけれども、これらの過去四年間の経験に徴しますと、まあこの際地価公示制度が発足いたしましても、全力をあげてかかれば、十分世間の御信頼にこたえ得るのじゃないかという確信は、十分に持っている次第でございます。
#53
○田中一君 ひとつ早急に、いままで三十九年から経験してやっているという、各鑑定士の鑑定報告書ですね、これは国会から要求するんだから一向秘密でも何でもないと思うのだ、それを出していただくことと、それを現在の鑑定官がどのように判断をして、現在ある公示的な結論というものを生み出したか、それをひとつ資料――おそらくありますから、それによって説明していただきたいと思う。
#54
○委員長(大和与一君) 川島局長、いまの田中委員の資料要求はよろしいですか。
#55
○政府委員(川島博君) 不可能ではございませんが、これくらいの資料になりますので、複写だけでも相当の日数と費用がかかります。一部は沢田委員の御指摘によりまして、杉並区の資料を委員会に提出してございます。できますれば、それは一つのサンプルでございますけれども、ごかんべん願えたらと思っております。
#56
○田中一君 昨年の八月十九日に出している調査の総計は出ています。また五、六件のこまかい表示が出ています。出ていますが、私の言うのは、依頼した不動産鑑定士が計画局のほうに調査報告をした、それをこの四名の鑑定官でどのように判断したかという資料があるはずなんです。三を足して三で割るなんていうことをしたんじゃないと思うのです。だからどういう形でそれを判断しているか、どういう事務的な、あるいは事務的と言っていいか、判断をして現在の公示価格を求めたか、その経緯を説明してほしいのだよ。だからこんなにたくさんあるのじゃない、一枚でいいんです。全部じゃない、一件でいいんですから、一件を示していただきたい。
#57
○政府委員(川島博君) 確かに御指摘のように、相当膨大な資料でございますから、限られた職員で完全に決行することはなかなかむずかしいわけでございます。もう少し突っ込んで申し上げますと、従来の地価調査におきましては、事実上日本不動産鑑定協会のお力もかりたわけでございまして、これらの力もかりて処理してまいっておりますことは、事実でございます。
#58
○委員長(大和与一君) 局長ね、一つでいいからきちんとしたものを出してくださいというお尋ねですから、それに対してお答えがないと困りますよ。
#59
○政府委員(川島博君) 整えて、それでは御提出をいたします。
#60
○田中一君 あなたのほうで持とうという構成ですね、公示室の。これで調査をしなきゃならぬという問題はたくさんあるわけですね。これは当然不動産鑑定士が行なったものに対する同等の正しさを求めるための作業が要るわけなんです。だから率直にいって、この資料に出ているところの各地点の、まあまだ公示をしておらぬけれども、公示価格というものはどういう判断でやったか、ことばでとりあえず説明していただきたいと思うのです。たとえば地価公示の手続としては、たいへんな膨大な分析をしなければならないわけですね。いままでどうしてやったかということ、いまの一つの事例は拝見しますけれども、いまの日本不動産鑑定協会ですか、これにやってもらったのを全部そのままうのみにして、それを二で割るとか三で割るとかして、平均を出してきめているものなのかどうなのかですね。
#61
○政府委員(川島博君) 話が相当専門具体的になりますので、政策課長にお答えさしていただきます。
#62
○説明員(大河内正久君) 不動産鑑定評価基準の手順でございますけれども、まず第一に、対象の的確な確認、認識を行ないますが、これは特に依頼がありました場合には、依頼の目的、依頼の対象の確定等のために行なわれる作業でございます。そういう対象が明確になりますと、この対象の確定のために必要な資料の収集に入るわけでございますが、このための資料は鑑定評価の三方式に必要な、たとえば市場の資料その他一般的な地価の趨勢に関する資料、あるいは地域要因のために必要な、たとえば土地利用上の譲渡地域等に関する資料等いろいろの資料がございますが、大きく分けまして一般要因を調査するに必要な資料及び個別要因を調査するに必要な資料を収集する、これを整理いたしまして、さらにこの資料に基づきまして、当該不動産の価格に採用いたします諸要因、これは鑑定評価基準の中に価格に採用する諸要因としていろいろな事項があげられておりますが、二十数項目にわたる要因が例示的にあげてありますが、そういうものの要因につきまして、これを整理いたしまして、さらにこの価格原則を具体的にその対象物件につきまして十分な把握をいたしまして、第四の手順といたしまして、さらにこれらの資料をもとにいたしまして、鑑定評価の三原則を使う。この三原則はこの前から御説明があっておりますように、市場資料比較法、復成原価法、収益還元法でございますが、それを駆使いたします。さらにその三原則を駆使いたします過程におきまして、フィードバックといいますか、すでに収集しております資料の欠除等が判明いたしますと、これをさらに補充するというような作業を繰り返しながら、具体的に分析に入るわけでございます。それでそういう分析が済みますと、その対象に及ぼします諸要因の価値、いわゆる水準等が明確になってきますので、それを総合的に比較検討しまして、さらに資料その他の客観的な材料では補充し切れない部分を、高度の精神的発動と申しますか、経験と学殖によりまして補充いたしまして、最終的判断に達するわけでございます。以上簡単でございますが、手順を御説明申し上げました。
#63
○田中一君 いまことばで説明されたことだけを実行するのに、一日に何件くらいの処理ができますか。
#64
○説明員(大河内正久君) 現地調査まで含めまして、最小限三日間以上の日数を要します。
#65
○田中一君 四人の鑑定官が一年かかって幾らできますか、三日となると。
#66
○説明員(大河内正久君) 四人の鑑定官の作業は一〇〇%鑑定士がやりました仕事をオーバーラップするわけじゃございませんで、鑑定士を一地点につきまして三名程度動員いたしまして、その結果に基づきます調整作業でありますので、千地点程度のものは三カ月くらいの期間で十分調整作業は行なわれるものと考えております。
#67
○田中一君 私が非常に疑問に思ったのは登記簿ですよ。不動産登記法では土地家屋調査士が調査をして、その書類がそのまま公文書になる。公文書になって、家屋台帳なり土地台帳なり、そのまま写されていくという法律改正がなされて、現在行なわれておるわけなんです。これですら非常に国民の財産というものは危険になるのじゃないかという心配を持った。なぜならば、本来ならば登記所の公務員が出張っていって、隣地との関係がどうなっているか――一番問題が起きるのは隣地の問題です。それから、土地があまり動かない。おそらく一ぺんも売買がなかったという土地になると、これはもうみんななわ伸びがあるのです。そのなわ伸びが行くえ不明になるのが往々あるのですね。そうすると隣にとられてしまう、土地台帳と違うんだから。そういうような危険をだれかがしなければならぬじゃないか。本来ならば、登記所の役人が出張っていって、隣地の関係は立ち会って測量すべきものだけれども、それがされていないのです。このいまの調査にしても、不動産鑑定士が行なったところの鑑定調査という報告書がはたして万全のものかどうかわからぬです。これに示されている、資料の収集から始まって、たいへんな項目の、作文だけは完璧になっておるけれども、はたしてこれだけのものを――事務的にも行なって結論を出したものだということでしょうが、しかし、これはやはり国が行なう事業なんだから、国が当然疑問があれば――あるいはおそらく疑問ばかりだと思う。相手の不動産鑑定士を信用するかしないかだけの問題だと思う。こういう場合、一体どこでチェックして間違いないようにするかということになると、いまのような機構じゃ、とてもじゃない、できるものじゃないですよ。だから、いままで三十九年から今日まで調査しているものがどういう形で行なわれてきているかということが知りたいのですね。もしもはっきりと不動産鑑定士というものに対して一切を委任するという形ならば、これはこれで一つの行き方になるわけですよ、責任は向こうにあるのですから。そのかわり強い罰則なり、あるいは罰則でもいいし、あるいは報いるところがなくちゃならない。ただ、不動産鑑定士が出す資料は参考にすぎない、こう法律になっていますね、参考だと。そうすると、自主的にきめるのは鑑定委員会なんです。その下請作業をする公示室なら公示室の要員なんというものが、その程度の要員じゃ完璧を期すことはできないわけなんです。そうしてこれが公示された暁には土地収用という、あなた方にすれば伝家の宝刀ということを言っているわけです、土地収用という、この行為にまで及んでいくのです。そうしてそれではその地点の所有者は何ら発言権も何にもない。ここに根本的な不安感があるわけですね。むろん民間の一般取引にはしいてこれを使う必要も何にもない。ただ公共事業の場合にはこれを基準にしてやれということを言っているのです。これは土地収用という問題に、この法律の一番の重要な点が土地収用、公共用地の取得というところに眼目が置かれているということになると、危険きわまりないものなんです。たとえばここにあるように、まるで聞き込み調査のようなことをしなければならないわけだな。現在の取引の実例とか、賃貸借の事例とか、そうしたものを全部資料の収集という項目では集めなければならない。登記謄本から図面、あらゆる必要なものを、まあまず土地があるのだという、二百三十坪の土地があるということだけを調べる資料収集だけでもたいへんな仕事なんです。それが正しいか正しくないかということはわからない、チェックすることができないという力では、これは信頼することができないのですよ。そこで、その点をもう少しはっきりすればいいんです。不動産登記法では、これは土地家屋調査士が調製した図面、作業図、建物の確認図ですね、これはそのまま土地台帳、家屋台帳に登録される一種の公文書なんです。そのかわり強い罰則と法律的な制約を受けています。これでは参考にする資料だけを手に入れて、簡単に建設大臣は推薦し、国会の承認を得た委員にはたしてどういう人が選ばれるか、これは国会でもって不適格なものは国会が承認しなければできないのでありますけれども、非常に不安感があるわけですね。だからいままで調査しているのは、どういう資料に基づいて、だれがどこでどういう会議の上、事務的な手続の上それを決定したかということを、ひとつ事例でもって出してほしいのです。どうしても出してほしいのです。いいかげんなことでは困るのです。
 それから委員長、ここに出席されている自治省と大蔵省の人に、ちょっとせんだっての資料の問題について伺っておきたいのですが、いま調査室長から聞くと、これは文書では出せないということを言っているのですが、どういうわけですか。
#68
○説明員(好川栄一君) 先般来、あるいは本日もすでに申し上げたと思いますが、公示制度による公示価格については、現状では相続税、あるいは贈与税の評価といたしまして、直ちにその基準により得ない、よることの条件がととのっていないということを申し上げました。何回もすでにこの委員会で申し上げておりまして、御了解いただけていると思いますので、文書によることは差し控えたいというように考えておるわけでございます。
#69
○田中一君 私が資料を要求したのですが、どこでどういう答弁をしたか知らぬけれども、少なくともせんだって、前の前の委員会でしたか、答弁しているそのままのことを大蔵大臣の名において文書を出すのは当然のことなんです。あなた政府委員になっているわけですか。
#70
○説明員(好川栄一君) 先日は国税庁の元木審理課長が答弁いたしましたが、所管は私は資産税課でございますので、私本日出席いたしております。
#71
○田中一君 ぜひ出していただきたいんです。出すことにおいて何の困ることはないでしょう。いままでどおりの課税の方法で評価をするんだ、こういうことなんですよ。それを出してくれればいいんです。議事録では載ってるんです。委員長、これは委員長からもぜひ請求していただきたい。それから自治省のほう、自治省のほうは出してくれましたか。
#72
○説明員(高橋睦男君) 自治省といたしましても、先ほど国税庁のほうからお話がありましたように、すでに何べんも御答弁申し上げておりますことでありますので、文書で提出することにつきましては、ごかんぺんをお願いしたい、こういうことでございます。
#73
○田中一君 それでは、大蔵大臣と自治大臣が来て、ここではっきりと答弁していただきたいんです。それを要求します。文書で出せないならば、その本人が来て、ここでいまの部分の答弁でいいんですよ、その答弁をしていただきたい。
#74
○委員長(大和与一君) どうですか、先ほど田中委員の言っていることは、いままであなた方が委員会で答弁をしたそのままを文書に書くということだから、別に違うことを言ってくれとかということじゃないですからね。それでもいけないというなら、あなた方は帰られて、相談をして返事をするという答えでした、この前のときには。その後返事がいけないというのはちょっと理由がはっきりしないんですが、言ったそのままのことを言うんだから、それじゃなければ大臣が出て同じことをおっしゃるということでもしないと解決しないわけですね。その点は課長としては、これ以上の返事ができぬわけですか。
#75
○説明員(好川栄一君) 現時点では、先ほど申し上げたようなことでございまして、十分御子解いただけていると思いますが、文書としてするかどうかという点につきましては、申し上げたとおりでございますが、もう一度相談をしてやらしていただきたいと思います。
#76
○委員長(大和与一君) それじゃ、この委員会が一時ごろに終わるかもしれませんが、それまでにもう一度相談してください、本省と。そういうふうにして返事してください、いいですね。
#77
○田中一君 いま退席していいですから、私は質問しませんから、帰って相談してもらってください。
#78
○委員長(大和与一君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#79
○委員長(大和与一君) 速記をつけて。
#80
○田中一君 川島君ね、西ドイツの地価公示法、相当引っぱり出してやっているけれども、根本的に西ドイツの施行したところの地価公示法とは異なっているわけなんですよ。なるほど形式、手続等は似通っておりますけれども、精神としては全然違っているわけですね。西ドイツじゃ市町村にやらしている。国がやっているわけじゃないんですよ。自主的にやらしているんですね。ただ今度のこの公示法の目的というものが効果、効力というものをうたっておるけれども、なぜ国がやらなきゃならぬのか、国が。そうして市町村の協力は何もないわけてす。もし国がやるならば、いわゆる建設大臣の行政権内の一委員会できめるべきものではないと思うのです。内閣でもって、内閣で国の土地利用という見地から、地価の高騰を抑制するとかなんとかという飾り文句はあるけれども、全体の都市政策の面からするならば、そのような立場からの地価公示法ということならいいが、なぜ建設大臣の行政権内にそれを置かなければならないかということになると、非常に疑問を持つのです。国十の問題は大きな問題です。政治的に一番大きな問題残された一番大きな問題です、これは。これはひとつ建設大臣から伺いたいのですが、いままでにこの法律の提出をするというまでにはいろいろ閣内でも話があったと思うのです。ただ、いまのように、これだけの仕事をするのに、建設大臣の行政権の中においてこの仕事をするというだけじゃ済まない問題です。そうして他の行政官庁ことで特にこれをしいているわけなんですね。この点建設省はどうも上手で、常に既成事実を積み上げちゃ、何というか、行政権の独占をしようということが、いままでたくさんあるわけです。せんだっても言っていたように、技術院が持っているところの技術士なんという資格、これなんか建築士ではないのですが、建築士というのは同じ技術でありながら建設大臣が握っているということは、同じ閣内でも抵抗があったと思う、これは外局に持つべきだ、内閣の所管として。どういう経緯があったか、これは大臣からひとつ説明してください、今後ともこのままでいくのかどうか。
#81
○国務大臣(坪川信三君) 田中委員がいろいろの角度から御研さんいただいて、その立場から西ドイツのとっている制度等から関連する、新たにわが国として制定をお願いしようとする問題点についての御質疑でございます。貴重な御意見として拝聴いたしておりますが、西ドイツにおいての公示価格を決定する場合には、私から申し上げるまでもなく田中委員御了承のとおりで、自由市または郡の区域ごとに置かれております鑑定委員会――州の機関のようでありますが、その点がわが国の場合と異なっている。公示価格は一般の土地取引における価格の指標となる、また公共用地の取得価格の算定の規準となると、高度の客観性が要求されているものであるから、その決定にあたりましては統一的な観点からこれを行なう必要がありますので、国の機関である土地鑑定委員会が地価公示を行なう制度を採用したような次第でございますが、これからの方向あるいはこれからの問題点として、いま御指摘になりました点は、よく今後の運用あるいは今後の効果等を十分検討いたしまして、いま御指摘になりましたような御意見の問題点も十分配慮いたしまして考えてまいりたいと、こう申し上げて、現時点においていま直ちに私が御指摘になりました点に対する問題の私の方針をはっきりと申し上げ得ないことを、ひとつ御了察いただきたいと思いますが、しかし非常な貴重な御高見として、これ今後の運用上の点において考慮をいたし、それを踏まえまして今後の方向、方針をきめてまいりたい、こう考えております。
#82
○田中一君 この公示価格がきまった場合には、その当該所有者に対してこれを通知しますか。
#83
○政府委員(川島博君) 通知はいたしません。
#84
○田中一君 官報に掲載したことによって見てくれというわけですね。
#85
○政府委員(川島博君) 官報に公示いたしますとともに、市町村に通知をいたしまして、市町村で一般の閲覧に供することになっておりますので。
#86
○田中一君 それね、官報なんだって一般国民には直接触れられないものなんですよ。それから公示したところが、これだけは市町村に義務づけているけれども、これだって一々役場の掲示板に行って見なければならぬという性質のものでもないですね。どうして本人に通知しないの。立ち入り検査もするんでしょう、それから聞き込み検査もしなければならぬ、もう実に当該土地の所有者は、何のためかは知らないで非常に不安を持つんです。せんだっても篠塚先生が言っていたけれども、非常な不安を持つ、これだけの調査をしなければならぬとなると。これらの点を当該所有者に理解させるような手段を全然講じておらないんですが、その点はどうなんです。
#87
○政府委員(川島博君) この地価公示制度は、地価の安定のために行なわれるものでありますが、なるほどこの法律では、立ち入りを正当な理由がなくて拒むときには強制立ち入り権が認められておりますが、しかしながら、およそ人の土地に立ち入って調査をする以上は、その職員なりあるいは鑑定士なりが十分に事情説明をして入るのが当然でございます。したがいまして、私どもは現地に立ち入る場合には、こうこういう理由で調査をさせていただきたいということを丁寧に説明をして入っていただくように指導してまいるつもりでございます。
 それから、この公示されます地価は、別にこの所有者が土地を売ろうとする場合にこの価格で凍結をしたり、あるいは公定価格をきめるということがありますれば、所有者の利害に重大な関係がございますから、当然通知する必要が出てくるかと思いますが、この制度は一般的に取引の目安として天下に公表するということをたてまえといたしていますので、しかもこの価格で取引することを法律が強制をしているわけではございませんので、必ずしも標準地の地主の方々に一々通知する必要はないというふうに考えて、本人には通知をしないということにいたしておるわけであります。
#88
○田中一君 他の行政官庁にはこれはなんですか、官報に出るからそれで承知してくれということでいいわけですね。
#89
○政府委員(川島博君) 法律ではそうなっておりますが、これは他の官庁たると一般たるとを問わず、十分に周知徹底をはかる必要があると思いますので、新聞、ラジオ、テレビ等の報道機関を通じて、十分国民各層に浸透するように、PRにつとめたいと考えております。
#90
○田中一君 非常にあなた方が簡単に考えているけれども、現在でも不動産鑑定士がこれやっているのかどうかわかりませんけれども、たとえばこの資料の中にも、「標準地の位置、地積、環境等の当該標準地の客観的価値に作用する諸要因に照応する資料」、「現実の取引実例、賃貸借事例、宅地造成事例等に関する資料」、「標準地に係る登記簿謄本、図面等当該標準地の調査及び確認に必要な資料」、それから、「前項第二号に掲げる資料は、標準地の近隣地域(自然的及び社会的条件からみて当該土地と類似の利用価値を有すると認められる地域で当該土地を包含し、かつ、これと連続する地域をいう。)及びこれの類似地域(近隣地域に類似する地域で当該土地と代替関係が成立する圏内にあるものをいう。)において収集しなければならないものとする。」、「事例資料の収集にあたっては、次の各号に留意するものとする。一、当該事例が特殊なものでなく、正常な価格を求める鑑定評価にとって適格性を有するものであること。二、事例資料に係る土地の客観的価値に作用する諸要因が標準地のそれと類似し、相互の比較が可能」であるとかたいへんな広範な資料の収集をしなければならぬ。これは全部主観的なものです。客観的に見ろったって主観的なものなんです、不動産鑑定士の調べるのはね。これからまだまだ個別分析とか一件の評価鑑定をするためにはたいへんな仕事をしなければならないのですね。ほんとにこれはやっているのですか、これだけのことを。もう一ぺん聞いておきますがね。それで、これらを資料としてなぜ委員会に出さないかをお伺いしたい。
#91
○政府委員(川島博君) 確かに鑑定士の作業はいろいろ複雑な要素を持った作業でございます。しかし、ちょうどお医者さんが病人を診察する場合に、いろいろな器具を使ったり、知識を使ったりして診察しますが、おなかが痛いのに頭のほうの器械は要らないわけでございますから、すべての道具はすべての地点ですべて要るというわけでもございません。とにかく真実を発見するためにはそういったいろいろの手段、武器を使って漏れのないように調査していただきたいという趣旨で、鑑定評価基準はできているわけでございます。したがいまして、過去に相当収集したデータも職業専門家としての鑑定士は持っております。また具体の例で当たって、ここでは何を使うべきであるかということは、長年の知識経験でわかるわけでございますから、その辺は熟達した鑑定士であれば、そう困難なく短時間に実態を承知するということは十分可能なものであるというぐあいに考えます。
#92
○田中一君 それじゃあとで資料でもってもう一ぺん質問しますが、これは、この資料はどうして各委員に配付しないのですか。
#93
○政府委員(川島博君) その資料はたしか個人でお求めになったもので、委員会として要求したものではございません。
#94
○田中一君 委員長、これは委員会請求でもってひとつ出してもらわなければならぬですね。
#95
○委員長(大和与一君) 地価公示法施行規則案要旨と施行令の二つ、これは資料として出すことができますか。
#96
○政府委員(川島博君) ちょっと印刷いたしますので時間がかかりますが、なるべくすみやかに提出いたします。
#97
○沢田政治君 また今回も謙譲の美徳を発揮して一番最後の質問になるわけでありますが、なるべく重複しないようにやりたいと思っております。
 それで、過般参考人から公示法案に対するそれぞれの参考人の意見を聴取したわけですが、異口同音に積極的に賛成ということがなかったわけですね。まあ、ないよりはいいだろうと、ある参考人は、二、三%ぐらいの抑制効果があるいはあるかもわからぬ、こういうことであったと思うのです。非常に長い審議を通じまして、そういう疑問を私どもも非常に感ぜざるを得ないわけです。しかしながら、計画局長は客観的科学的ということばを盛んに評価の基準といいますか評価の基礎に置いておられるようですし、さらにはまた神のみが納得できないかもわからぬけれども、人間が考える限りにおいては客観的科学的なものが出てくるのだというような自画自讃をしておったのですが、それがいい悪いは別として、一般の取引に際しては抑制力にはならぬことは、これははっきりしているわけです。そこで、公共用地の取得の場合にも、やはり、はたしてこの法律が成立したあとに抑制効果が出てくるかどうかということは、一にかかって行政態度にかかっているような気がしてなりません。そこで、たとえば公共用地の取得の場合にはこれを規準とするということが出ていますね、算定の規準にすると。したがって、この場合、この規準という法律用語をどういうふうに読み取るか、この点は非常に大きい問題になると思うわけです。私、漢和辞典を見てきたわけじゃありませんが、この場合の規準というのを法律を起草した計画局がどうとりますか。たとえば規準といっても最高規準もあるし最低規準もありますね、常識的には。どういうようにこれをとるか。特に公共用地取得の場合、収用の場合の規準、これをどういうふうにとるかということですね。まあ指標とか標準とか、まん中であれば標準、見当とか見合い、度合い、いろいろなそういうことばがあるわけですが、この場合の規準というものを厳格な意味においてどうとるか、これがはたして各省庁が、この法律を地価抑制のための一つの歯どめとして実効があがるかどうかという重要なポイントになると思うのです。そういうことだから、この規準というものをどういうふうに理解し読み取るか、この点をお聞きしたいと思うのです。
#98
○政府委員(川島博君) ここで規準というのは、普通使います基礎の基ではなくて規則の規という字を使っております。こういう規準という字は比較的珍しい例だろうと思います。なぜこういう字を使ったかと申しますと、この規というのは日本語の本来の意味はぶん回しという意味でございます。準というのは水ばかりのことでございます。したがいまして、この公示価格をぶん回しや水ばかりのようにお使いなさい、こういう意味合いになるわけでございます。それだけではわかりませんでしょうから、補足をして申し上げますと、たとえば来年の一月一日に、公示価格は最初調べますけれども、ですからかりに来年の一月一日にちょうど標準地に当たった地点を公共地として買収するといたします。その場合には、まさに公示価格ずばりが適正正常価格になるわけでございます。ところが、実際に行ないます公共用地の取得は、かりに標準地が当たった場合でもおそらく一月一日という時点ではない時点で買収が行なわれるでありましょう。また現実問題としては、たまたま当たった標準地が公共用地に取得された場合は少なくて、むしろそこからある程度距離の離れた地点が取得されることになると思います。その場合には当該――たとえは一月一日における標準地点の公示価格がまさに一物一価の法則による適正な標準価格であるといたしましても、これより近在の近隣の他の地点の他の時点における価格を評価いたします場合には、まさに公示価格から引っぱってくるという作用が伴うわけでございます。その引っぱってくる作用がこのぶん回しや水ばかりを使って引っぱりなさい。しからばぶん回しと水ばかりのみかと申しますと、これはまさに法律の四条に言う不動産の土地の鑑定評価基準でございます。こういった不動産の鑑定評価基準という何人が用いてもその結果は同一の結果が出るという、これこそがいわゆる科学的、客観的な尺度でございますが、そういった尺度、何人が使っても間違いない尺度、しかしこれは高度の精神作用を伴うのでございますから、一銭一厘の差もないということはあり得ないということはしばしば申し上げたわけでございますけれども、そういった正確なぶん回し、水ばかりを使って価格を規準しなさい。その結果がまさにこの公示価格に準拠した正常な価格という、そういった価格で公共用地は取得しなさい。これはこの九条あるいは十条によって法律的に義務づけておりますので、この価格で買うことが、まさに適正な価格、憲法で言う正当な補償を行なうということに合致するわけでございますから、これは各省が当然に守らなければいかぬことになると、こういう趣旨でございます。
#99
○沢田政治君 どうも局長あなた答弁が長過ぎますよ。ここは国語審議会ではないのですから、文字の解釈とか読み方じゃなくて、行政に対する態度、たとえば規準とは一般基準であって、必ずしもこれにしなくてもいいと、工事の進捗状況なんかによって早くしたいならば、一応これは見当であって、また実際に買収する場合はこれをちょっとゆるめてみるだろうけれども、必ずしもこれにとらわれなくてもいいという軽いものであっては、なぜ一体こういう法律をつくるかという疑問が出てくるわけですね。そういうことからやはり土地の地価の抑制、特に公共用地の取得についてはやはり相当権威あるものにすべきだ、それが行政態度にかかっておるから、私はあえてこれを言っておるわけですね。そういうことだから大臣にお伺いするわけですが、一応これを規準にすると、これはいままでの例を見ましても、たとえば土地収用委員会によって収用してどんどん作業を進めた例は少ないと思うのです。やはり待ちくたびれて適当にやっぱり買っておるわけですね。そういうことだから地価を先行的に政府が上げているというような批判も出てくるわけです。だから、今度やはり地価公示法が出た暁には、何といってもこれに権威を持たせること、そのためには各省庁が完全に見解を統一してやるという強い行政態度が必要じゃないかと思うのですね。そういうことだから、ただこの法律ができたから各省庁が守ってくれるだろうとか、あるいはまたこの前に局長がそれに対する歯どめには各省庁にそれぞれの鑑査機構もあるし、あるいはまた検査院もあるからおそらくこの解釈はそうまちまちにならぬだろう、というような予測もしておったわけですが、それでも私は各省庁の早く事業をやりたいと、こういう意欲からどこかの役所でこれが破れたならば、解釈、規準というものが破れたならば、それが例になってこの法律というものは公共用地取得の際にも非常に権威が失墜するわけですね。そういうことだから国民に対するPRも必要だけれども、第一に法律を守らなくちゃならぬ役所が、やはりこの解釈なり態度なりというものを一様にしてもらいたいと思うのですね。そういうことだからどこまで効果があるのかどうか私わかりませんが、一応建設大臣はこの法律の担当者であり、所管者であるから閣議ででもこの解釈とか運用についてやはり意見を吐露して、閣議申し合わせというような権威あるものに――閣議申し合わせがどこまで権威あるかわかりませんけれども、かすかな権威をそこに求めて、やはり明確に各省庁ともこれを何というか権威あらしめるものにすると、こういう努力をする御意思があるかどうか、その点お聞きしたいと思います。
#100
○国務大臣(坪川信三君) 沢田委員のまことにごもっともな建設的な御意見、御質問、全く私も同感でございます。したがいまして何と申しましても公共用地の取得はもちろんでございますが、一般国民の評価に対するところの指標点におきましても、やはりそこに信頼性、真実性、信憑性を持ってこそ、初めて安心し信頼して価格に対する取引も行ない得るということに相なりますので、これらにつきましてはやはり政府が統一的な、各省庁が見解をともにいたしながら行政指導をいたすことは当然でございます。したがいまして、私は国務大臣という立場から、また建設大臣という立場から閣内にありますところの地価対策閣僚協議会においても、そうした方針と信念でリードといいますか、指導をいたしてまいりたいと、こう考えておる次第で全く同感でございます。
#101
○沢田政治君 先ほど田中委員からもその他の委員からも審議の過程で数々の資料要求が出されておるわけですが、非常に遺憾なんです。やはりそういう資料は明確に出して、そうして何というか審議をするというのが正常だと思うのです。そういう意味では非常に遺憾です。特に地価の抑制というものをねらっておる法律である以上は、なぜ土地の調査、土地の実態把握、これがなくして口で幾ら地価の抑制を唱えても、実態把握ができない。また実態調査がなくて地価の抑制というものはあり得ないのです。これはナンセンスなんです。そういう意味で私はここで出してくれとは要求しません、ちょっと過酷なようだから。しませんが、いずれかの機会にこれを出してほしいと思うのがあるわけです。たとえば日本全国と言ったらちょっと無理かもわかりませんから、都市計画区域ですね、こういうところの土地所有の実態調査ですね、たとえは法人あるいは個人――私人あるいは公、国有、こういうものの土地が一体どういう分布になっているのか、少なくとも最低、地価抑制をねらっている法案であるならば、ここに出す必要があるわけです。土地の実態がわからないで地価抑制なんて言ったって、まあ需要供給の問題も出てくるし、また流通の問題も出てくるだろうから、少なくともこれだけの実態調査というものは、この法律を起案するにあたって、ぼくは基礎にならなくちゃならぬと思うのですね。そういうものがあるかどうか。地目別のたとえば住宅、商業用地、工業用地、こういう調査した綿密な資料持っていますか。これがないというのはおかしいのですよ。そうコンピューターを使って推定しなくても、たとえば固定資産税をかける場合には、こういうものがはっきり基礎になっておるわけですから、これは調査の方法があるわけですよ、ただやらんとするならば。そういう意思がないということだけで……。そういう実態調査した資料がありますかどうですか。ここに出してくれと言うのはちょっと無理でしょう、きょうのうちに。ありますか。
#102
○政府委員(川島博君) 建設省では、残念ながらそういう全国的な調査をいたしておりませんが、固定資産税を所管しております自治省におきましては毎年固定資産の価格等の概要調書というものを集計しておるようでございます。これはどの程度こまかいものかはわかりませんが、法人、個人別、あるいはその地積、評価額の総計については集計しておるようでございます。
#103
○沢田政治君 集計しておるようですなんと言って、全く傍観的な態度をとっておるのですが、恥ずかしくないですか。地価を抑制するための法律だと言って法案を出しておる元締めの省庁が、土地使用の実態調査を全然集計しておらぬで、よその省で集計しておるようですということで、よくこれ出せるものだと思うのですね。これおかしいと思うのですよ。そういうことだから、ここであなたを論難しても始まりません。したがって、やはり将来の土地政策の問題もこの委員会で議論しなくちゃならぬと思うのです。そういうことだから、すみやかにこういう資料を貯えておいて――そうでなければこれは土地鑑定なんてどうやるのか、実態把握、利用区分なんかはっきりしないで。おかしいと思うのですよ。そういうことだからそういう点は要望しておきます。私非難しても始まりませんから……。
 そこで都市局長にお伺いしたいわけですが、今度七月一日から、去年この委員会で通過した都市に関する法律が今度発効するわけですが、その当時、私どもも若干懸念をしたわけですが、都市化する、市街化する場合一つの線を引く市街区域ですね、そういう場合非常に政治的な動き、自分の財産というものを相当の値段で買ってもらいたいし、また財産としての価値を高からしめたい、こういうことで政治的な動きが出てきて、そうしてかえって何というかスプロール化を防止する、また地価を抑制するという作用が、逆に地価を高騰させるというような反作用出てきやしないか、こういう心配も若干したわけです。そういう憂慮せる事態が今日惹起しておるかどうかわかりませんが、新聞で見る限りにおいては、いよいよ七月一日から今度は発効する、それを前にして各自治体の首長に対してぼくのところも、私のところも市街化区域に入れてくれというような運動が起こっておるということを、新聞等で若干見ておるわけです。そういう動きが事実あるということも知っておるわけです。そういう点に対してどういう態度をとるかということですね。私は拙速的によかろうよかろうということで、そういうラインを引かれちゃ困ると思うのですよ。都市計画法そのものの存在にも大きく影響すると思うのですね。したがって、慎重には慎重を期して最初のモデルケースだけはほんとうに権威あるものにしてもらいたいと思うのだ。またそういう行政指導をしてもらいたいと思うのですよ。そうでなければ、ちょっとこれは政治問題になる可能性があるし、地価抑制どころか地価高騰促進法案になる可能性があるので、そういう面に対する御対策なり、そういうものをどうお考えですか。
#104
○政府委員(竹内藤男君) いよいよ新しい都市計画法が六月十四日から施行になりまして、一番新法の重要事項でございまする市街化区域、調整区域の線引き作業がこれから始まるわけでございます。実は新法がまだ施行になります以前から、各県の担当者等を通じまして新法の趣旨を説明し、さらに市街化区域、調整区域の線引きの原案というようなものをいま県において作成中のところ、あるいはもう作成して市町村と相談中のところというような、各いろいろ違いますけれども、そういう段階にきているわけでございます。そこで各市町村におきまして、先生いまおっしゃいましたような、自分の土地はひとつ市街化区域に入れてくれというような強い地元の声が市町村長のところにきているとか、あるいは県のほうにきているとか、場合によりましてはそれ以外の方々にお願いするというような動きが出ていることは、事実でございます。それからまた一方におきましては、農業をまじめにやりたいということで市街化区域に入りたくない、市街化調整区域に入れてくれというところも、これは数としてはあんまり多くはきておりませんけれどもあるわけでございます。私どもといたしましては、やはり今後十年間に必要となる市街化面積というものをある程度客観的なものさしをもちまして面積は考える。さらにそれを落とします場合に、農業との調整を十分はかりながら市街化区域の設定をするという作業の基準というようなものを持っておりまして、それによりまして県を指導しておるわけでございますけれども、県はまたそれをもちまして市町村と話をしているわけでございますが、いよいよ今後市町村にこの原案がおろされてくるという段階になりました場合にいろいろ動きが出てまいりまして、先生おっしゃいますように、地方の大きな政治問題になってくるというような可能性もあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、新法の趣旨をよく市町村を通じまして地元の方々に説明をし、さらに市町村の段階におきまして、国会でも御答弁申し上げましたように、学識経験者やあるいは農業関係の方、それ以外の方を含めました審議会等を設けていただきまして、そういうところにかけることによって、地元の各種の利害あるいは地域的な各種の立場の方々を調整をやっていただきまして、要は公共団体におきましてどこを市街地にし、どこを農林業の土地として残していくかという問題がございますので、そういう形で地元の方々の意見を十分聞きながら趣旨を貫いてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございますが、国会であれだけ問題になった法案でございますだけに、非常にこれ大作業でございます。私どもとしましては全力を尽くしてこの市街化区域、調整区域の指定を法の趣旨にのっとるようにやってまいりたい、こういうように考えております。
#105
○沢田政治君 まあ都市計画法が私どもの党の反対法案であったわけですが、反対法案だからどうでもいいということにはまいらぬわけです。少なくともやはり都市を秩序化させる、地価を抑制させる、正常なものにすると、こういうような責任が私どもにもあると思うんです。そういうことだから、一連の政治的な動きが出てきておりますから、そういうようなある特定の者に利益を得さしめる、特定の者の利益を侵害しようという立場ではなく、地価のあるべき姿、あるいは都市のあるべき姿、こういうような基準から、特に最初のテストケースとなる場所においては十分配慮していただきたい、このように考えるわけです。
 それで、これ大臣にお聞きしたいわけですが、まあ地価公示法案が地価抑制の万能薬じゃないということは皆さんも認めておるようであるし、第三者である参考人も認めておるわけです。私もこれ万能薬だと思っていません。しかし、何といっても皆さんがおっしゃるように需給のアンバランスというのが、非常に最大の何というか地価形成の大きな要因になっておることは、これは否定できないわけですね。そういうことで、それに関連するわけですが、しからばこの需給関係のアンバランスということは一言では言えるけれども、その内容というのは千差万別だと思うんですね。内容に立ち入って見るならば、いろいろな複雑な様相があると思うんです。たとえば不動産業ですね、利潤のために買い込むとか、あるいはまた金融業者が銀行とか保険会社、こういうところも買い込む。あるいはまた法人、企業ですね、こういうところも将来を何というか予期して、使うかもわからぬと、使わぬかもしらぬが一応押えておけやと、こういうことで、銀行から金を借りて押えておく、こういうところの金融業あるいは不動産業、大法人、こういうものの土地の何というか入手を制限をしなけりゃならぬと思うのですね。そういうことに対してどういう考えをもってどういう措置をとろうとしておるのかですね。その点についてはこの委員会でも一言も出ておらぬわけですね。それがなければ、何というか需給のアンバランスということに責任を転嫁されたんじゃ困るのです。需給のやはりアンバランスというものの内容を明らかにして、そのものについてのどういう態度をとるかというきめこまかい態度がなければ地価の抑制にならぬと思うのですね、その点はいかがですか。
#106
○国務大臣(坪川信三君) 沢田委員が現在の都市におけるところ、国土におけるところの、需要供給関係からくるところの土地問題の高騰地価の高騰、あるいは土地に対するところの非常に問題点の数多く出てまいっておることについての御配慮も、それらに対するところの税制上における配慮というようなことについての御意見、また御質問でございます。ごもっともな御意見でございます。すなわち、私といたしましては、地価公示制度によって、すべてが、即効薬あるいは万能薬として期待はいたしておりませんけれども、しかし、私は大きなこれによっての安定あるいは不正な取引抑制等については、非常に強くまた大きな期待もいたしておるような次第でございますが、最後にお述べになりましたこれらに対する税制上の問題については大蔵当局等も事務段階において、また私の段階においてそれぞれ協議なりあるいはこれらに対する改正点あるいは要望等も、提言等も行なわれていることも事実でございます。これらの点をやはり十分考慮いたしながら、ひとつそれぞれの適応をした措置を講じてまいりたいと、こういうふうな気持ちでさらに関係財務当局などとも話し合いを進めまして、税法上どうあるべきか、どう改正すべきかというような点について、さらに協議を重ねてまいりたい覚悟でございます。
#107
○沢田政治君 まあこのような不動産とか金融業者、大法人に対する、たとえばこの不当にもうけて、税金でそれを吸い上げるという方法も、一つの補完的な役割りを果たすだろうと思うのです。それだけでもまだ大法人あるいは金融業者、不動産業者の買いあさりというものはとどまらぬと思うのですね。そういうことからほんとうの正常な需給を何といっても少しでも緩和させるということになると、やはり何というか、買い入れ制限か利用制限かですね、そういうものを新たな立法のもとにやらなくちゃならぬと思うのですね。たとえば、まあ土地私有のやっぱり概念を変えなくちゃいかぬと思うのですね。そこまで踏み込まなければ、税制もけっこうです、私は、補完的な意味ではね、相当な作用をもたらすと思うのだけれども、それだけじゃとまらぬと思うのですね。そういうことからやっぱり立法的に、めちゃくちゃに買いあさるということを制限する。たとえば個人が家をつくる場合でも、必要以上に豪壮な邸宅をつくるということは、それだけほしい人に行き渡らなくなるから、そういうものを制限するとか、そういう別の意味の立法というものも、やはり地価対策として必要じゃないかと思うのですね。まあここで立ち入った議論を私するつもりはありません。そういうこともやっぱり考慮すべきじゃないかと思うのです。
 それともう一つですね、これは私の質問というより提案というようなかっこうになるわけですが、まあいかようにおとりになってもこれはけっこうなわけですが、たとえばですね、いま東京で土地をほしい、住宅をほしいというのが、何といいますか、五十万世帯おるといわれておるわけですが、そういう方々がなけなしの退職金をもって、ネコの額ほどの土地に、もう近隣近傍ではありません、郊外へ郊外へ何というか買いあさりが出ておるわけですね。まことに気の毒だと思うのですね。そういう場合に、ときどきテレビをにぎわすような悪徳不動産業者とか何とかによって退職金を全部吸い取られたというような事件を起こしておるわけです。まあ相当、中程度以上でもこの誇大広告を盛んにしておるわけですね。駅から五分ということで行ったらば、駅から五分は案内所であって、土地ははるかかなたにあるということがたくさん出ておるわけですね。そういうことだから地価公示法もけっこうですよ。ある程度の効果はあるかもわかりません、ないかもわかりません。あるほうに期待したいと思うのです。私は、ほんとうに政府なら政府が思いやりがあるならば、地価公示法もけっこうだけれども、この際幾多の、何百万という土地ほしさに被害にかかっておる者を守るために、国がですね、土地のあっせん所とかそういうものを国の手によってやってやる必要なんじゃないかと思うのですね。住宅困窮者が東京五十万世帯ですね。ほしい人はもっとたくさんあるかもわかりません。そういう人のために国が一つの行政機関としてそういうものをあっせんしてやると、こういう一つの思いやりも必要じゃないかと思うのですが、その必要はありませんか。必要あるとすればなぜやらぬかということですね。それは不動産会社とか、そういうものの利益を制限することになって困る、競合することになって困るという理由でもあるのでしょうか。私はそこまでは必要じゃないと思うのだけれども、どうですか。
#108
○国務大臣(坪川信三君) 非常に適切な御意であると思います。住宅金融公庫が、いまおっしゃったような目標のもとにおいて、テストではございませんけれども、そうした事業をやっておることは、沢田委員も御高承のとおりでございます。したがいまして、私といたしましては、これらの点を考えながら、いわゆる国民に、大衆に住宅その他安定した地価の提供をどういたすべきであるか確保すべきであるかということになりますと、やはり国公有地の活用あるいは未利用地の高度な有効利用の促進をはかるというような、そうした総合的な土地対策をやることが、いま問題点とされました点を解消する一つの大きい方法であると、こういう気持ちを持っておりますので、その方向に政府といたしましてはさらに意欲的に配慮いたしてまいりたいと、こう考えており、御意見は御意見として非常に大事な問題点を持つ御意見であると私はお聞きいたしたわけでございます。
#109
○沢田政治君 こうあるべきだという意見をいま新しく出しているわけじゃない。前々から言われていることですね。要は、それを踏み切ってやるかどうかということにぼくはかかっていると思うのですね。私の言っているのは新しい意見じゃないです。そういうことだから、坪川建設大臣が任期中に思い切ってやってもらいたいと思うのですね。坪川大臣は非常に建設大臣になるための名字のようですね。名前も坪と川だからふさわしいわけですよ。名は体をあらわすということだから……、やっぱり私ども野党が言っていることじゃなく、前々から考えられていることだと思うのですね。要は、広範な国民大衆の利益に立ってやるかどうかということにかかっていると思うので、これはぜひとも実行してもらいたいと思うのですね。
 それと同時に、土地の行政なり立法なり、総合対策がない。地価公示法案があったり、都市計画でも農業地域振興法案ですか、また市街化の都市計画とかあるいは公共に関する問題とか非常にばらばらである。こういうものが、やはり地価、土地政策を論ずる場合には一貫した立法、行政の一元化といいますか秩序化といいますか、そういうものを集約しなければ、部分的に部分だけいじってみても、なかなかこれは補完的役割りは果たすとしても万能薬にはならぬし、やはり一元化する必要があると思うので、その場合、大体、総合対策というのは、項目的にどういうものとどういうものを総合的に有機的に作用させなくちゃならぬと考えていますか。大体考えられる点は、総合対策というものの中身はどういうものかということですね。
#110
○国務大臣(坪川信三君) 先ほど二宮委員並びに田中委員からも御指摘になりました重要な今後の国土、土地対策といたしましての行政上の各省庁間の連絡統一をどういたすべきかと、それに、背景に立つ立法的な措置をどうすべきか、あるいはまたそれに伴うところの財政措置をどうすべきかという、非常に重要な問題であると私は考え、またお気持ちも十分私はそんたく申し上げたいと、こう考えておりますので、まずもって、私は、内閣にございますところの地価対策閣僚協議会というものの主導性を私がとりながらそれを活用いたして、そしていまの御指摘にございました点等を統合、連絡、調整をはかって推進してまいりたい。問題としては非常に十分検討を加えるべき問題の貴重な御意見として私は今後もそういう点を配慮いたしながら協議、検討を加えたいと、こう思っております。
#111
○沢田政治君 これはどなたが言ってもそういうことになると思うのですね、ことばとしては、態度としては。つまり土地所有に対する概念、やはり土地というものは財産である、財産保全である、あるいはまた利権の対象、投機の対象である。こういう概念を、そうじゃないように明確化することが、これが一つですね。それといま言われましたように、私も申し上げておりますように、立法行政の体系化ですね、それと土地利用計画の確立ですね、これはやっぱり利用制限を含めた明確化をしなくちゃならぬと思うし、土地税制の問題補完的な役割りを、それを活用をする、あるいは不動産取引の正常化ですね、これはたいへんなものですよ。まあ春日委員もめじろ台ですか、例をあげて言ったように、五、六カ月で六〇%くらい高くなっている、こんなめちゃくちゃな不当暴利はないですよ。不当利得ですよ、これは。こういうものをどうするかという問題。さらにはやはり国が土地を先行取得していく、こういう態度で必要だと思うのです。これは釈迦に説法で、ただやるかやらぬかということだから、やはりこのうちの全部とはいえないにしてもできるものからどんどんやっていく、こういう行政の基本的な態度はぜひとも私は必要じゃないかと思うのです。
 それともう一つ、こまかい話になるわけですが、測量とか評価のために鑑定士が入っていく、その場合、正当な理由がなければこれを拒否することができない、こういう一項がありますね。何も地価公示法案だけではなく、河川の場合あるいは土地収用法の場合、正当な理由というものが出ておるわけですが、そういう法律用語が出ておるわけですが、この場合の「正当な理由」とは何か、これは非常に大きな問題になると思うのです。法律学者等に言わせると、この正当な理由がなければ拒否できないという、この法律の場合は相当いろいろな法律的な問題も出てくる可能性あるんじゃないかというように指摘しておる学者もありますね。たとえば河川とか道路とか、そういうものはあくまでも全国民の公共のために河川があるし道路があるし、これは対象がはっきりしているのです、比重が。ところがこの場合は評価でしょう。他人の財産を評価するのだから、ほんとうに評価しなくちゃならぬという比重はどこにあるのか。非常に、比重論ですね、これと、拒否ができる正当な理由とか、私は法律問題としてはこれから議論を呼ぶのではないかと思うのです。まあ正確に言えば法務省から来て答弁を願ってもいいわけですが、特に私はそこまで及ぶまいと思うのです。というのは、まあ一応皆さんもこういう点は検討したと思うのですね。だから皆さんの態度をお聞きしたいわけですが、たとえばこの前参考人も指摘したように、評価されることによって担保能力が低下するということもこれはありますね、好むと好まざるとにかかわらず。その評価決定の価格いかんによっては担保能力が低下するわけです。たとえばある人が大体一千万円くらいの土地を持っておる、自分で主観的に考えて。ところが評価をされた、しかもその人はこ千万円くらいの金をぜひとも借りたいものである、こういうことでその土地を担保に置こうと、そうして金融機関から金を借りようとしておるやさき、大体二分の一くらいにしか見てくれませんから、担保能力として、金融機関は。その場合一千万が、評価されることによって五百万円くらいの担保能力しかなくなる、これは「正当な理由」ですね。非常に商売するためにはどうしてもお金を借りたい、大体常識的に考えて、これは何というか二千万円の価値はあるだろうと思っておるのを、ある場合においてはこれはもう一千万円くらいの評価にしかならないかもしれません。そうなると金融機関の金を借りるのはたいへん困難だ。その他事例はたくさんあります。そういう場合「正当な理由」の中に入るのかどうか、そういう問題がたくさん出てくると思うのですね。その点は、皆さんがこの法律起案の場合非常に御議論なさったと思うのですね。どう考えるかということですね。これは比較論になると思うのです、裁判の場合。
#112
○政府委員(川島博君) 結論から申し上げまして、さような場合は「正当な理由」に該当しないというふうに考えております。と申しますのは、この公示価格は客観的に見て公正な地価というものを正常価格として公示するわけでございます。したがって、その公示価格が公示されることによって当該不動産の担保価値がふえるとか減るとかということはあってはならないし、また現実にはあり得ないものと思っております。したがってて、そういう評価によって主観的に損害を受ける、あるいは得をしたということはあるかもしれませんが、そういったことは法律上は何ら関係のないことでございます。したがいまして、ここでいう「正当な理由」は、たとえばたまたま御不幸があって、その家の庭で葬式が行なわれておった。そこを押しのけて入っていって、これは公示のあれだから調べさせてくれ、そういう理不尽なことをいうことはいけませんよということでございまして、そういったものが正当な理由に該当する、そのほかのただいまおあげになりましたような担保価値がふえるとか減るということは、「正当な理由」にならないというふうに考えております。
#113
○沢田政治君 いずれにしてもこれは司法機関でそういう争いは裁かれることであって、ここで私は不当だとか正当だとかいう議論をしようとは思いませんけれども、ある程度影響を与える。たとえばいまのお話とこれは似ておりますが、一千万円の借金を背負っておる、これは一千万くらいの価値があるからとっておいてくれ、それで借金なしにしようじゃないか、こういう話がまとまっておるやさきにおいて、ともかくそれは五百万くらいしか価値がないという評価をされた場合に、その話というのは、この土地をもって一千万の借金を完済するというような話が逆にまた五百万円払わなければならないということにもなりかねないわけですね。だから、それはもう何というか、全然実害がないとか、関係がないとか――客観的というのははたしてそれがほんとうの客観的であるかどうかというと、ものさしがないものだから、地価成形については――そういう被害を及ぼすことにもなるわけです。で、やはり自分が損失を受けるというものに対して、それを回復しようという何というか権利があると思うんです、潜在的な。そういう点は全然理由に入らないというけれども、そういう問題が起こる可能性はあるでしょう、ないと考えておりますか。
#114
○政府委員(川島博君) あり得ると思います。
#115
○沢田政治君 それからもう一つ。こまかいことですけれども、不動産鑑定士が鑑定をする、最後にそれを「調整」ということばがありますね。最後に決着をつけるのは土地鑑定委員ですね。しかもこれは七人ですね。常勤が一名、六名が非常勤ですね、そうしてこの任命については国会が最終的にきめることになるわけだけれども、建設大臣が大体かりに任命して、最後には国会がこれを承認するということになるわけですが、その場合に常勤の委員の場合には、金銭報酬をもらって営利行為をしてはいけない、そういうものを兼職するわけにはいかない、こういう歯どめがありますことはけっこうです、土地鑑定委員の中立性ということから権威を高める上においてけっこうですが、あとの非常勤の六名についてはそういう制限がないわけです。この六人とも偶然に商売をやっておる、ある不動産の社長――社長までにはならないとしても副社長くらいにはなるかもしれない。そういった場合に不動産鑑定委員会の権威というものは非常に失墜すると思うんです。たとえば買う場合には安く、売る場合には高く、そういう地価の形成を鑑定委員会の権威の名のもとに誘導しようということもないとも限らない。そういうこともあるので、鑑定委員会の構成を一体どう考えておるかということですね。私の感覚によると、やはり学者とかあるいは非常に土地に権威のある人、しかもその人はある場合には土地をほしい人であるかもしれない。ですからやはり鑑定委員会の権威を高めるには、人選について特段の配慮を払わなければならないと思うんですが、いかがですか。どういうことを考えていますか、最終的には国会の承認事項ですから何ですけれども、国会の承認といっても、これは多数党の決定になるんだから、選任いかんによっては土地鑑定委員会というのは非常な利益誘導、こういう機関に流れていきゃしないか、こう心配する人もないとは限らぬと思うんです。そういうことはどう考えていますか。
#116
○国務大臣(坪川信三君) 委員の選任にあたりましては、いま御議論のありましたような点を十分考慮いたしながら、土地税制に対するところの経験あるいは不動産鑑定に関する事項等に対する検討、あるいは研究その他も十分そんたくいたしまして、研究所あるいは大学あるいはその他におけるところの残されました業績等も配慮いたし、ことに人間的な立場から、私はいま申しました多くの問題点を持つ重要な役割りを果たしてもらわなければなりませんので、こういう具体的な内容、立場を考慮しながら選考いたしまして国会において御審議をいただきたい、こういうような方向で選考いたしたい、こう目下考えておる最中でございます。
#117
○沢田政治君 鑑定士の報酬ですか、この点についても同僚委員から若干の質問が出されてやや答弁はいたされておりますが、あまり明確じゃないわけです。鑑定士の鑑定基準を見ただけでも非常に膨大ですね。一件につき幾らですか、調査を含めて、それは物件にもよると思うんですが、相当に密度の高い作業というものが必要とされるわけですね。そういうことから、予算の報酬単価はわかりますが、はたしてほんとうに、客観的に科学的に鑑定の効果をあげるためには、やはりこの点は検討に値するんじゃないかと思う、検討してみる必要があるんじゃないかと思うけれども、この点はいかがですか。
#118
○国務大臣(坪川信三君) 一応協力的な立場から御了解をいただいておる点でございますけれども、私も皆さまのたび重なる御質問を十分ちょうだいいたしておりますので、具体的な運営の時点において、これらの点は私はやはり公正を期する意味からも、またこれらの方々が鋭意積極的なるところの協力をいただく立場からも、この点についての処遇待遇につきましては、今後私は十分考慮いたしてまいりたい。言いかえますならば待遇、処遇につきましては、でき得る限りの待遇、処遇の方法を講じたい、こうした気持ちでおるような次第でございます。
#119
○沢田政治君 もう一つ、この点も明確になっておらぬと思うんですが、評価基準ですね、何か、さっきの規則、これは規則ですね、建設省の。こういうものをやはりもう少し権威をあらしめるためには、先ほども二宮委員から質問したようですが、単なる役所の省部の規則じゃなく、やはり閣議決定を経て権威あるものだと、こういうようにする必要があるんじゃないかと思うんですけれども、それに対して先ほど質問したようですが、そうするとかそうしないというような答弁をまだいただいておらぬわけですね。だから内規とか規則じゃなく、全国この基準でやるんだと、こうやっぱり権威を高めておかなければ、できてもあまり地価規制の効果がないんじゃないか、目安、見当に終わるんじゃないかという懸念が出されておるおりからですから、立法全体から見て。そういうことだから、もう少し権威をつけておく必要があると思いますが、大臣いかがでございますか。
#120
○国務大臣(坪川信三君) 先ほども私申し上げましたごとく、非常に信頼性、真実性、信憑性を持つ意味においても、これらの基準につきましては、やはり高めてまいりたいという方針ではおりますが、一応いまの段階においては、御制定をいただきましたその後の運営状況あるいはその運営によっての現実性というものをよく解明いたしました後において、いま御指摘になったような線に私は持ってまいりたい、こういうような指導方針で臨んでいきたい方針でございます。
#121
○委員長(大和与一君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#122
○委員長(大和与一君) 速記をつけて。
#123
○田中一君 前々回の委員会で、この評価鑑定後における地価公示法による地価がきまった場合、官報で公告した場合、固定資産税並びに相続税、譲与税等の評価もこの公示された地価によって行ないたいということを建設大臣は言明しております。そのときに、自治省並びに大蔵省は、とうてい現段階では困難である。だから、いままでどおりの評価の基準で行なうという答弁をしておるのですが、一応この答弁をそれぞれの主管大臣から文書で出すようにという要求をしたのでありますが、それが出ておりません。そこで、その点について、両政務次官から、自治省並びに大蔵省の方針としてどういう措置をするかという点についての答弁をお願いしたいと思います。
#124
○政府委員(沢田一精君) 相続税等の評価にあたりまして、今回の法案の地価公示制度によるいわゆる基準価格と申しますか、公示価格に準拠してきめるかどうかということについての基本的なお尋ねでございますが、かりに公示価格がなされましても、市街地区域外の土地につきましては標準地が設定されないところに問題があると思います。そのほか、市街地区域でございましても、限られた標準地以外の土地の評価を私どもとしましては広くしなければならない等の必要があるわけでございまして、相続税の評価を公示価格に準拠することは、実質的に不可能であろうと存じておるわけでございます。したがいまして、今後も相続税等の評価に際しましては、従来からとっております独自の方法によらざるを得ないであろう、かように考えるわけでございます。
#125
○政府委員(砂田重民君) 田中先生は大臣をお呼びでございましたが、ちょうど衆議院の地方行政委員会に出ておられますので、お許しをいただきまして、私から明確に御答弁をいたします。
 四十五年度がちょうど固定資産税の評価がえの時期になるわけでございますが、これの土地の評価にあたりましては、地価公示価格に比準ずることは全く考えておりません。
 理由は二点ばかりございまして、一つは、公示地点の点数が少ないということでございます。公示地点が四十五年度におきましては標準地点を千地点というふうに伺っておりますが、固定資産税におきましては、宅地の標準地だけでも三十万地点となっております。固定資産税の公平な評価をいたしますためには、この程度はもう最低限であろうと考えております。それが一つの理由でございます。
 もう一つは、固定資産税の土地の評価の時点と、今回の土地公示価格が公示される時点の相違でございます。固定資産税の土地の評価の時点、これは来年度においては四十五年一月一日でございます。それから地価の公示価格の公示される時点は四十五年七月一日と伺っております。このズレからいたしましても、私どもは固定資産税の評価を地価公示制度に比準して考えるということを、いま全く考えておりません。
#126
○政府委員(沢田一精君) ただいま当面の私どもの考え方と申しますか、態度につきましてお答えをいたしましたが、これはあくまでも、いま直ちに相続税の評価等を公示された価格に準拠することは不可能であるという判断をいたしておるわけでございます。相続税の評価、先ほど申し上げましたが、独自の方法によることにいたしたいという趣旨は、従来も市街地における場合のごときは、路線価格を設けまして評価する方式等をとっておりまして、この路線価格の決定等にあたりましては、精通者の意見を聞くとか、あるいは売買実例価格を参酌するというようなこともいたしておるわけでございます。地価公示制度が実施されました場合におきまして、その基準地及び近傍地の属する路線価格の決定等にあたりまして利用させていただきたい。そうしてできるだけ、将来、公示価格との均衡を失しないように、評価に際してつとめてまいりたいということを含みまして、いま直ちに公示価格によることはいたさないという趣旨でございますので、補足させて申し上げておきたいと思います。
#127
○沢田政治君 質問がちょっと戻るわけですが、土地鑑定委員会の中立性といいますか、権威を高める意味で、いまの法律の内容でいくと、建設大臣の付属機関、こういうかっこうに相なるわけですが、宅地審議会の答申にも見られるように、やはり中立性を保持し、土地鑑定委員会の権威を高める意味で、これを独立のやはり行政機関にしたほうが、より一そう権威と中立性が高まるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。で、私考えてみますに、たとえば総理府に公正取引委員会がありますね。あれが独立した機関でなければ、ああいうような八幡、富士製鉄に対するああいう結論が出たかどうか、私はやはり疑問に感ぜざるを得ないわけです。ある程度の独立した行政機関であるから、やはり国民なり世論なりの動向を察知して、科学的に判断してああいう結論を公正取引委員会が出したのじゃないかと、私なりにこう理解するわけです。そういう意味からいって、土地というものは、国民の生活に対しても、物価に対しても非常に多般多岐にわたり影響を与えるものであるから、中立性と権威を高める意味においては、やはり宅地審議会が答申したように独立した行政機関にする、こういうことが望ましいと思うのですが、どうしてこういうようなものにしたか、答申との関連においてですね。また将来、そういうようなお気持ちがあるのかどうか、その点を大臣からお聞きしたいと思います。
#128
○国務大臣(坪川信三君) 御承知のとおりに、地価公示制度は不動産鑑定評価制度に基礎を置くとともに、一般の土地取引価格に対して指標を与え、公共用地の適正な補償金の算定に資することにより、適正な地価の形成に寄与することを目的とするものでありますので、土地鑑定委員会は、不動産の鑑定評価に関する法律、土地収用法等を所管しておる建設省に置くことが正しいのではないかということでいたしたような次第でありますとともに、国家行政組織法第八条に基づきますところの付属機関であっても、土地鑑定委員会については複任制の合議機関とし、かつ、両議院の同意を得なければ委員を任命することができないこととして、その中立性を確保し、また一般の公務員より強い身分の保障を与えることとしていることで、現在はその方針で進めておる次第でございますが、今後の問題としてどうあるべきかということについては、もう少しいまの段階の実態というものを見ました上で考慮いたしたいと思いますが、現在はいまの方針で進めてまいりたいと、こう考えております。
#129
○沢田政治君 鑑定士の登録された数ですね、資格取得者、これは千八百名でございましたね。したがって、いまは都市計画されるというところだけですけれども、将来はやはり全般にわたってこれも領域が広がっていくと思うのですね。調整区域等もあるのですね。そうすると、数が制限されて、東京等にはたくさん鑑定士がいるだろうけれども、地方の都市にはそう適格者もおらぬし、資格者もおらぬと、こういうことに相なると思うのです。何も東京だけで公共事業が始まるわけじゃないので、これは地方全般にわたってそういう公共事業というものはどんどん進められていくので、そうなると現在の数からいって非常に少ないと思うのですね。それと同時に、何といいますか、土地鑑定委員会は中央に置くよりも地方に置いたほうがいいんじゃないか、実際の事業主体というものは地方になりますから。そういう点に対してお考えはどうですか。
#130
○政府委員(川島博君) 当面、この地価公示制度は、公共用地の取得価格の統一化、民間の直取引の目安を与えるというようなことをねらっているわけでございますが、御承知のように、適正な地価の形成要因を分析いたしまして正確な正常価格というものを算定する作業で、むずかしい作業でございます。したがいまして、現在、市町村にこういう仕事をやらせますと、これは非常に結果がまちまちになるであろう。当面、やはり、国家が統一的な意思をもって全国的に価格を統一的な方法で統一的に算定をして公表するということが、地価形成の合理化に必要ではないかということで、国家機関が一貫して行なうということにいたしております。
#131
○沢田政治君 最後に私お聞きしたいわけですが、お聞きというよりも、何というか、何か考えてほしいと思うのです。というのは、この法案を審議するにあたって、地価を抑制するという作用は、おそらく期待してもそう期待どおりにいかぬだろう。むしろある場合には地価を高騰とまでいかぬけれども、悪い意味の波及効果が出てくるんじゃないかという懸念が相当表明されているわけです。といいますのは、地代、家賃、こういうものにどうはね返るかという心配ですね。たいがい地主さんが地代、家賃を上げる場合には、最近は近傍近隣のことを言いますけれども、固定資産税が上がったからちょっと家賃なり地代をふやしてもらいたい、こういうことを言ってきているわけです。ところが、固定資産税に関係なく、国の権威ある機関がこれだけに評価をしたのだから、実はもっと安いと思ってあなた方に安く貸しておったのだと、ところが国の公の機関がこういう高い評価をしたのだから、いままではむしろ安く貸し過ぎておったのだと、だから国の地価公示法案によって評価が高くなったから、家賃なりあるいは地代をふやしてほしい、こういう何というか、地主の理由が出てくると思うのですね。そういう場合にどういう態度をとるかということですね、どういう措置があるのかということです。そうでなければ、これはしょうがないだろうと、経済原則だからしょうがないだろうということになると、せっかく目的の第一条に書いているような正常な土地の価格、あるいは国民生活の安定に資するということは、逆に地価の抑制には作用しないで、市民の地代なり家賃に逆な意味の悪い波及がくるということになると、これは目的と結果が相反することになると思うのですね。この点については、十分なやはり対策をとるべきじゃないかと思うのですね、どうですか。
#132
○政府委員(川島博君) 地代につきましては、地代家賃統制令の対象になっているものは除きまして、一般的には自由にきめることができるようになっております。したがいまして、実際問題としてきめられる地代は、やはり地価の実勢に即してそろばんをはじいたものが地代になっておるわけであります。そこで、いうところの地価の実勢というものは、われわれが公示しようとしている正常価格ではなくて、いわゆる近在の呼び値、つけ値というものが標準になって、これによって地代をつり上げるというのが実際の普通の状態であろうと思います。したがいまして、私どもはこの正常価格を公示することによってこの実勢の地代を押し上げるということは全くない、むしろそういった仮需要その他によって高くなっております呼び値、つけ値というものを基準にした地代は、むしろ下げることはあっても上げることはない、したがって、この公示制度の実施によって地代に悪影響を与えることは万々ないというふうに確信をいたします。
#133
○委員長(大和与一君) 他に御発言がなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(大和与一君) 御異議ないと認め、これにて質疑は終局いたしました。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#135
○春日正一君 日本共産党を代表して、地価公示法案に対する反対討論を行ないます。
 反対理由の第一は、この法案が、適正な地価の形成、すなわち、地価の抑制を目的としながら、何ら地価の抑制に役立たないのみか、逆に、大資本の農民からの土地取得に有利な口実を与え、より大きな利益を彼らに保障するものになりかねないからであります。
 政府は、正常な価格を公示し、不動産鑑定士の評価に公示価格を基準とすることを義務づけることにより、民間の土地取引きに指標を与え、ある程度の地価抑制を期待できるとしています。
 しかし、正常な価格そのものの評価が、今日の資本主義体制のもとでは、客観的。科学的根拠を持ち得ないのみならず、農民の所有する零細な農地を重点に、不当に低い価格を正常価格として公示する可能性の強いこと、不動産鑑定士の行なう鑑定評価も、その活用がほとんど法人企業に限定されている現状からして、開発業者が安く農地を買い取る口実を与えるものとならざるを得ないことは、本委員会の審議を通じても明らかなところであります。
 まして、本法案が、今日、農民から土地を安く買い取り、それを宅地造成して不当に高く分譲することにより、地価つり上げの原動力となっている大手私鉄、不動産会社、金融機関など大資本の土地投機に対し、何らの規制も加えるものでないことは明らかであります。
 反対理由の第二は、この法案が、政府、地方公共団体、政府関係機関及び私鉄、電力など大資本が行なう公共事業用地について、公示価格を規準として取得または収用することを義務づけ、公共の名による勤労人民からの土地収奪を補強するものだからであります。
 政府は、公共用地の取得価格の上昇が、地価高騰の原因であるかのように宣伝し、この法案においても、その取得価格の規制をただ一つの実効ある措置としています。
 しかし、公共用地の取得は、単に財産に対する価格補償ではなく、収用されるものの明日の生活が維持できる生活補償を重点として定めるものでなければなりません。にもかかわらず、この法案は、補償額を財産価格中心に不当に低く評価し、地価つり上げの真の原因を野放しにしながら、その責任を勤労人民に転嫁するものにほかなりません。
 今日、わが国における地価高騰の第一の原因は、佐藤内閣の高度成長政策そのものにあります。政府は、高度成長政策のもとで大都市に人口と産業を集中しながら、住居は各人にまかせる持ち家中心の住宅政策をとってきました。これが今日、宅地の需要を増大させ、地価を高騰させている原因であり、土地投機を再生産する基盤となっています。したがって、わが党は、地価を抑制する基本的な対策としては、まず、大都市への人口と産業の集中を計画的に抑制することであり、さらに、公共賃貸し住宅を思い切って大量に建設し、需給関係を緩和することが第一に必要であると考えます。
 さらに、地価高騰の第二の原因は、大資本の土地投機であります。いまや、大きな資本力を持った開発業者が、政府の持ち家政策のもとで住宅産業に進出し、そこからさらに大きな利潤を生み出そうとしていることは、周知の事実であります。これによって、ますます地価の高騰が激化することが憂慮されています。したがって、わが党は、第二に、大手私鉄、不動産、住宅産業進出の大資本その他の土地投機を規制し、投機によって不当に安く買い占めた土地を、適正な価格で国が安く買い上げる必要があると考えます。また、そのために、各市区町村単位に土地投機を監視し、その実態を調査し、必要な措置をとり得る権限を持った公選の機関を設置することを主張します。こうして安く買い上げた用地及び国・公有地、米軍、自衛隊基地を開放して住宅用地に充てることにより、公共賃貸し住宅の用地難を解消することができます。
 政府が、真に地価抑制対策をとろうとするのであれば、このような政策を実行してしかるべきであります。
 わが党は、以上の点を主張して、反対討論を終わります。
#136
○委員長(大和与一君) 他に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(大和与一君) 御異議なしと認めます。
 これより採決に入ります。
 地価公示法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(大和与一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#139
○山内一郎君 私は、ただいま可決されました地価公示法案に対し、自民、社会、公明及び民社の四党共同の附帯決議案を提出いたします。
 まず案文を朗読いたします。
   地価公示法案に対する附帯決議(案)
 地価の高騰は、国民生活の安定上極めて由々しい問題である。政府は、近時土地政策に関し、一連の検討を加え、法令の整備を図りつつあるも末だ十分な実効を挙げるに至っていない。よって、土地に関する利用、規制、課税等について法令の体系的整備を更に推しすすめるとともに、本法の施行に当っては、次の諸点に関し適切な措置を講じ、運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、公示価格を固定資産税、相続税等の評価の基準として活用するため、本制度の実施地域とその他の地域との調整等について技術的な検討を行なうこと。
 一、標準地の選定は、公共投資との関連において高密度な市街地及び市街化形成の著しい都市地域について、特に稲密に行なうこと。
 一、不動産鑑定士等の資質の向上を図ることはもとより、公正妥当な鑑定評価を行なうため、その職責に応じた報酬等について十分配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。何とぞ御賛成くださいますようお願いをいたします。
#140
○委員長(大和与一君) ただいま述べられました山内一郎君提出の附帯決議案を議題といたします。――別に質疑もないようでございますので、これより本案の採決をいたします。山内一郎君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#141
○委員長(大和与一君) 多数と認めます。よって、山内一郎君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坪川建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#142
○国務大臣(坪川信三君) 一言ごあいさつ申し上げさせていただきます。
 本案を当委員会に御提案申し上げまして以来、長時間にわたり、終始適切な、慎重な御審議を賜わり得まして議決をいただきましたことを、深く感謝いたしておる次第でございます。
 その間にお寄せいただきました御要望、あるいは貴重な御意見等十分そんたく申し上げ、ただいま共産党を除く各党一致で御決議を賜わりました附帯決議に対しましても、十分その活用の運営に配意をいたして御期待に沿いたいと考えておる次第でございます。
 ここにあらためて委員長並びに委員各位のありがたい御協力に対し深く感謝と敬意を申し上げまして、ごあいさつにかえます。ありがとうございました。(拍手)
#143
○委員長(大和与一君) なお、本院規則の第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(大和与一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト