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#1
第061回国会 逓信委員会 第13号
昭和四十四年四月二十四日(木曜日)
   午後一時二十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永岡 光治君
    理 事
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
    委 員
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                久保  等君
                松本 賢一君
                森  勝治君
                北條  浩君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
   政府委員
       郵政政務次官   木村 睦男君
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
       電気通信監理官  柏木 輝彦君
       電気通信監理官  浦川 親直君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       日本電信電話公
       社総裁      米沢  滋君
       日本電信電話公
       社副総裁     秋草 篤二君
       日本電信電話公
       社総務理事    井田 勝造君
       日本電信電話公
       社職員局長    山本 正司君
       日本電信電話公
       社厚生局長    大守  坦君
       日本電信電話公
       社営業局長    武田 輝雄君
       日本電信電話公
       社計画局長    井上 俊雄君
       日本電信電話公
       社経理局長    中山 公平君
    ―――――――――――――
○参考人の出席要求に関する件
○公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人として、日本電信電話公社経営委員会委員長萩原吉太郎君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(永岡光治君) 公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
#6
○久保等君 公衆電気通信法の一部を改正する法律案の審議に入るにあたりまして、この四月の二十一日に米沢総裁並びに秋草副総裁が再選をせられました。この機会に一言、今日の直面する電信電話事業のきわめて重要な段階にあたって、われわれも電信電話事業の問題に重大な関係を持ちますこの公衆電気通信法の一部を改正する法律案の審議にあたりまして、さらに思いを新たにいたしたいと思うのですが、この前の委員会で、正副総裁から再選のごあいさつがございました。私は、今日の日本の電信電話事業が、たいへんな総裁はじめ全従業員の方々の御努力で非常な発展と充実を示しておりますことに心から敬意を表するのですが、しかし、それでもなおかつ非常な、熾烈な国民の強い要望に対しましては、十分に即応できないという現状にあるわけでして、そういう点から考えてみますると、何といいますか、新しく再選せられました正副総裁はもちろんのこと、こういった事態に対しまして非常な決意で今後事業発展のために御努力せられるものと期待をいたします。
 ところで、よく電信電話事業をあずかる電電公社を議論する場合に、国鉄の公共事業というものが比較されるのですが、やはり電電公社の総裁あるいは国鉄の総裁、いずれも公共企業体の総裁であるということには変わりがないわけなんですが、しかし、日本電信電話公社法のできた経緯等を考えてみますと、若干歴史的な沿革が違うわけですし、したがって、また電電公社の場合の正副総裁の権限なり任務というものも法律上も若干のところは、ニュアンスの相違があろうと思うんです。私の見るところ、電電公社の総裁なり副総裁の責任なり権限というものは、国鉄の総裁、副総裁以上に非常に重いのではないか、大きいのではないかという気がいたしております。まあそこへ先ほど来申し上げておりますように、正副総裁たまたま再任をせられまして、非常に困難な、しかも、重要な段階を迎えた電信電話事業にさらに取り組まれるということでまことに御苦労さまに存じます。したがって、この再選せられました機会に、私、当面する非常に重大な段階を迎えておりまする電信電話事業を今後さらに一そうの決意で推進をせられると確信いたしまするが、この際、国鉄における総裁あるいは副総裁というものとの相違というものについても、一応考えてみる必要があるんじゃないかというように考えます。総裁の御所見、さらには副総裁の御所見をできれば伺いたいと思うんです。
#7
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 前回のこの参議院の逓信委員会におきまして、内閣から再任されましたときにもごあいさつをした次第でございますが、電電公社といたしましては、私はこの公社の中で、まず国民のためにこの電信電話事業というものを運営する、国益と国民の要望に沿ってこの電信電話事業の運営発展をはかりたいということを先般再任のときに幹部の役職員を集めまして言ったのであります。公社としましては、機構上経営委員会というものが議決機関としてありますし、また総裁も副総裁も特別委員として経営委員会に入っております。また、公社法によりまして、公社の業務を執行する責任は一切総裁が持っておるわけでありまして、私はいま申し上げましたように、国益と国民の要望に一そう沿うように電信電話事業の運営と発展をはかっていきたいと、このように考えます。
#8
○説明員(秋草篤二君) このたび再任の大役を仰せつけられたわけでございますが、私の責任は、まずもって総裁を補佐する、全力をあげて補佐するということが身近かな任務でございますが、やはり大きくはこの電電公社の長い間築かれた業績を持続して、より一そうまた発展の、激しい変化に順応して、この事業の完ぺきを期していくということに尽きるわけでございます。国鉄との関係とかいろいろございますが、任命形式、責任の度合いとか法律的には多少の相違は専門的にはあるやに存じますが、いずれにいたしましてもきわめて大きな事業でございまして、たくさんの従業員をまたかかえてやっていかなきゃならぬということを考えますれば、まことに責任は大きいというか、まことにきびしいというふうに自覚しておるわけでございます。一そう今後とも勉強してやっていくつもりでございます。
#9
○久保等君 私も、この際念のために、蛇足であるかもしれませんが、国鉄の国有鉄道法に基づく公共企業体の場合のことを一言触れてみたいと思います。
 国鉄の場合は、御承知のように国有鉄道法の定めるところによっていわば国鉄の中央の最高の機関として理事会というものがあり、理事会というものの下に総裁が位置づけられる。もちろん理事会の長は総裁でありまするが、しかし、そういう理事会という合議体というものが最高の責任を持った形で、その理事会の決定に基づいて原則的には総裁が業務を管理運営をするというようなたてまえになっておるようです。電電公社の場合はもちろん違っております。同時にまた副総裁の場合も、国鉄の場合は総裁が運輸大臣の認可を受けて発令をする、こういう仕組みになっております。そういう点から考えてみましても、いま副総裁のお話もございましたが、若干相違というよりも、私は電電公社の正副総裁の権限なり立場というものは国鉄の正副総裁より以上に強い、あるいは大きい責任を持った立場ではないかと考えるわけです。
  〔委員長退席、理事鈴木強君着席〕
もちろん国鉄の場合には、理事諸君の任命にあたりましても運輸大臣の認可を得て理事を発令する、こういうことになっておりますが、電電公社の場合には、もちろん総裁限りで発令できるというようなことにもなっております。そういう点を考えてみますると、正副総裁の責任たるやまことに重いわけでして、国鉄の場合に、最近よく石田禮助氏が引き合いに出されるわけですが、しかし機構、組織上の面から見ますならば、電電公社の場合がより重要な責任を負っておられるのではないかと私推測をいたします。いずれにいたしましても、先ほど私ちょっと触れましたように、非常に困難な、電電公社もいわばひとつの曲がりかどに立っておるのではないかと思います。そういう立場からまいりますならば、総裁、副総裁を頂点として全従業員の方々の一そうの何といいますか、一丸になった姿で事業に取り組んでいただかなければならないと思います。今日までそういう方向で御努力せられたと思うのですが、しかし再選にあたりまして、一そうひとつその点について御配慮をお願いを申し上げたい、かように考えます。電電公社の場合には、なお経営委員会というものが設置をせられております点は、国鉄の場合と非常に大きな相違だと思うのですが、このまた経営委員のメンバーに正副総裁が加わって特別委員という立場におられます。この経営委員会の性格を私考えてみるのに、やはり国鉄にはこういったものがない、電電公社には、こういった経営委員会というものが決議機関として法律上明定せられております。このことはいわば電電公社の場合は昭和二十七年、国会においてもいろいろ議論をせられて法が制定せられますときには国会の場で修正が加えられ、そういったような点もございますだけに、非常にいろいろ経験に基づく議論等も出て、現在の公共企業体としては最も新しいというか、最もいろいろの考慮を払った上でできあがった電電公社法だと、私は思うのですが、その中に、経営委員会というものが新しくとり入れられたこのこと自体も、したがって新しいアイデアであり、また非常に大きな責任を持った経営委員会だと思うのです。はたしてその経営委員会がこの法律制定の精神にのっとってうまく運営されておるかどうか、このこともこの際私考えてみる必要があるのじゃないかというように考えます。いわば裏方さん的存在であまり目に立たないですけれども、しかしきわめて重要な最高方針を決定するいわば電電公社の意思機関ということになっております。その運営等についても、したがって、この際一応伺っておきたいと思うのですが、電電公社の経営委員会の運営状況を少しお知らせ願いたいと思います。
#10
○説明員(井田勝造君) 毎月定例日の会議を二回行なっております。
#11
○久保等君 一カ月に二回ということですが、メンバーは五名ですが、正副総裁を入れればもちろん七名ということになるんですが、いつも全員そろっておやりになる場合が多いのか。そういったはなはだ立ち入った話しでありますが、先ほども申し上げますように、あまり平生経営委員会等の運営状況を私どももよく存じませんし、同時にしかし重要な委員会でありまするから、その運営状況について、もう少しひとつ御報告を願いたいと思うんです。もちろん月二回という程度では、どうも経営委員会として十分に機能を果たしておるかどうか、疑問に思うわけなんですが、しかし経営委員会には正副総裁が当然出席しておられますから、経営委員会の運営等についてはよく直接タッチして御存じだと思います。先ほど理事会のほうで、来月の六日できれば萩原委員長におでましを願うように手配をするようになっていますが、したがって経営委員会全体の問題も、ここでやろうとは思いませんけれども、若干ひとつこの際お尋ねをしておきたいと思うんです。
#12
○説明員(秋草篤二君) ただいまの御質問に私が御答弁することが妥当かどうか――私も特別委員の一人でございますが、この経営委員の機能を十分果たしているかというような問題は、過去におきまして、国会でも数回御質問があったように記憶しております。私どもこの経営委員の任務というものは、三公社の中でも非常に特異な、明快に規定されておりまして、かなり重要な役割りを果たしているというふうに理解しておるんでございます。法定された事項も非常に公社の基本的な予算、決算、事業計画、長期借り入れ金、その他ございますが、総裁の方針としましては、できるだけここに掲げているような以外の重要な問題は積極的に経営委員会にはかれというようなことで、議題はかなりひんぱんに出してございます。もちろんまた報告も非常に重要なことでございまして、法律で規定されていないところの業務上の重要な報告事項、現況、そういうものも積極的に御報告して、できるだけ公社の事業の現状を経営委員にお知らせして、またいろいろな示唆を仰ぐというふうにつとめているわけでございます。もちろんこの経営委員の方々は、天下のりっぱな方々ばかりでございますが、議案がひんぱんに否決されたり、修正されるというケースは非常に少のうございます。かつて私の記憶でも一、二回はございましたけれども、
  〔理事鈴木強君退席、委員長着席〕
しかしそうかといって、経営委員会にやはりはかるということ、その姿勢が非常にわれわれの業務を執行する責任の立場から申しますると、非常に大きな一つの刺激と申しますか、牽制になるわけでございまして、こうした委員会を通ってすべての重要事項が決定されていくということは、これがなかったことを考えれば、どうしても私どもは多少独善にもなるでしょうし、また議案の内容、計画の内容等も一応部内限りのものでございますので、あるいは自由になりがちになるという点から顧みますれば、やはりこの経営委員会にはかって、そこで説明をしてからすべて実行に移すという組織は、見えない大きな一つの意義があると、私は存ずるのであります。そういう意味で、現在は私の口から申し上げるのはいささか妥当かどうか存じませんけれども、また審議の模様等も監事が年間を通じて逐一細部にわたって経営委員会に御報告するというような仕組みをしております。私が特別委員として列席している範囲におきましての感想でございますが、お答えする次第であります。
#13
○久保等君 もう少し実態のわかるような御説明を願いたいと思いますが、私たとえば出席状況なんかもお尋ねしておるわけですから。私はむしろ経営委員会が十全の機能を発揮しているとは思わないんです。また、発揮できるような今日の現状じゃないと思うんです、これはざっくばらんな話をすれば。月二回ぐらい出席をしてそんな万全な経営委員として電電公社の事業に対して認識も持ち、そうして最高決議機関としての判断を求めること自体、私は無理だと思っておるんです。だからむしろざっくばらんに状況を御報告願いたいと思います。たとえば五名の経営委員の皆さんに出席要求をしたところで、怠慢とか何とかいう意味じゃなくて、出席しようと思っても、出られないと思うんですよ。非常に各界に多忙をきわめておりまする著名人を経営委員に任命してやってもらっておるんですから、毎回必ず出ろというほうが無理だと思います。しかし無理だからしかたがないんだということでは、これは困るんで、一体どうするかということをやはり真剣に考えてもらいたいと思うんです。まあ萩原吉太郎さんといえば天下の著名人ですしね、同時に目に見えない方面にまで手を伸ばして活躍をしておられるたいへんな私は人だと思うんです。その他、芦原さんにいたしましても、あるいは高田さんにいたしましても、きわめて著名人でありまするが、しかし著名人であるから、経営委員として適任かどうかということになると、話はまた別です。したがって、何も私は怠慢であるとか何とかいうことを前提にして質問をしておるわけじゃなくて、むしろほんとうに経営委員というものが、公社法に定められた責任を果たしていかれるようにしていく必要があると思う。これは私は立法上の問題もあるんじゃないかと思います。後ほど触れますけれども、そういったことも最後のほうでお尋ねしたいと思うんですが、したがって、経営委員でもあられる正副総裁も委員に単に遠慮するとか何とかいうことじゃなくて、機能を果たしておられるとお考えになっておるのかどうか。いま言ったような出席状況等も含めてざっくばらんにひとつお尋ねをしたいと思います。
#14
○説明員(井田勝造君) 出席状況についてお答えを申し上げます。たいへんお忙しい方ばかりでございますが、おおむね四人以上はおいでになっておりまして、関西にお住まいの方もおるんでございますが、非常に御出席をいただいております。いままでのところ御病気でありますとか、海外出張とか、そういう場合を除きまして、もう最優先でこの経営委員会の会議に出るように皆さんつとめておられるように考えております。
#15
○久保等君 数は五名で、これで間に合っておると、お考えになりますか。少しできればふやしたほうがいいとお考えになっていますか、これは正副総裁どちらでもいいです。
#16
○説明員(米沢滋君) 私は、学識経験者を中心にしてこの経営委員になっていただいておるわけでありまして、数は五名ぐらいでいいんじゃないかというふうに思っております。
#17
○久保等君 現行の制度からまいりますると、決定はもちろん過半数で決するというようなことになっております。その場合に委員長代理がおられるわけですから、委員長が御出席にならなければ、委員長代理が委員長の責任をとって会議を司会されるという場合が考えられるわけですが、委員長を除いて三名以上出席をすれば決定できるというようなことになっております。そうすると、最も少ない場合を予想すれば、経営委員一名、委員長あるいは委員長代理が一名、したがって、経営委員が二名出席、特別委員を入れて四名、そうして多数決ですから正副総裁二人が賛成をされれば、経営委員一名が反対ということがかりにあったとしても、正副総裁の意向として、経営委員会の決議として決定ができる、こういうふうになっていると思うのですが、その点は理屈を少し言うわけではございませんが、法律的には、そういうこともあり得るわけですね。
#18
○説明員(米沢滋君) 法律的には出席者の過半数、七名でございますが、そのうちの出席者が半分で、その中の過半数ということでありますけれども、実際最近の、ことに国会があるときあたりは、私と副総裁と二人そろって出るということが実際問題としてなかなかむずかしいときもあります。しかし、部外の委員の方は五名おられますが、大体三名の方は必ず私出ておられるように思います。ですから、総裁、副総裁だけの考えで経営委員会がどんどん動くということよりも、経営委員会としては、法律的にきめられました重要事項がいろいろあるわけであります。それらのものは部外の経営委員の方の意見が十分に反映しているというふうに思っております。
#19
○久保等君 そういう運営の状況についてのお話なんですが、私のお尋ねしているのは、法律上、制度上の問題としてお尋ねしているのですから、私の申し上げていることは、これは法律に書いてあるとおりですから、そういうこともあり得ると思うのですが、ただ、したがってうまくいっている、うまくいっていると御答弁願うのはけっこうなんですが、少しでもさらに充実したものに経営委員会もしていく必要があるのじゃないだろうか、こういうことを私考えるわけですから、建設的な面では、やはり率直な御意見等もお伺いできれば幸いだと思うのです。きれいごとだけで問題が解決する性格のものではございませんで、法律上も問題があると、私は思っています。経営委員はいま言ったように総裁、副総裁を入れて七名という数は必ずしも私は多いとは思わないし、むしろ七名ぐらい部外の経営委員というものがおられて、しかも、仕事は非常に中身が大きいわけですから、単に国鉄の監査委員なら監査という立場だけでものを見ればいいのだけれども、意思決定機関として決定しようという立場の場合には、ある程度数もいなければ、電信電話事業の重要問題の各般にわたって責任を持って決議をするというようなことはできかねると思うのです。そういう意味から五名では若干少な過ぎるという気がいたしますものですから、立法上の問題として、参考のためにお尋ねしているわけです。うまくいっているのだという御答弁なら、それ以上お聞きする余地もないようでありますが、ただ問題はいま申したように、意思決定機関としてほんとうに十分に機能を果たさせているかどうかということを制度上の問題として考えた場合に、現状のままが好ましい姿だと一がいに言いかねると思うのです。そういう点でお尋ねしているわけですから、さっき申し上げたように、ざっくばらんに御意見もお聞かせ願いたいと思うのです。同時に先ほども名前をあげました委員長あるいは委員長代理の方、さらにはそのほか昨年任命をせられました土井さん、そのほかおられるわけですが、いずれも著名人でありますだけに、他のお仕事を持って経営委員を兼務しておられるということになりますると、私がいま申し上げたように頭数も少ないが、同時にまず時間的の面から、非常に無理だということが何より強く指摘できると思うのです。だれかれの能力云々とか、だれかれの勤勉であるとか、怠慢であるとかいう問題ではなくて、私はしたがって、もう少し違った角度から経営委員を任命せられる必要があるのじゃないかと思うのですが、これは郵政大臣の所管問題ですから、郵政大臣から、その点お答えを願いたいと思うのです。これはやはり重要な、公共企業体にとってはいわば頭脳的存在である意思決定機関でありますだけけに、置くならばやはり十分にその任にたえ得る勤務体制というものを考えていかなければならぬのです。すなわち、常勤といったようなことも考えていくべきだと思うのです。ほんとうに極端なことを言えば、お飾り程度ではあまりにも責任が大きいし、また権限も非常に重大なものを持っていると思うのです。それだけにひとつ前向きでこの問題をどう今後考えていくかという問題は大いに検討に値すると思うのですが、ただいま私お尋ねいたしております点は、常勤を問題にする必要があるかないか、それから人数の問題についてはたして五名程度でいいかどうかという問題について私は疑問を持つのですが、郵政大臣はいかがお考えですか。
#20
○国務大臣(河本敏夫君) 公社の経営委員の数をどうするか、五名でいいのか、NHKの経営委員は十二名おるが、それは参考にしなかったか、こういう意見もあることは承知しておりますし、それから待遇におきましても、公社の経営委員とNHKの経営委員の待遇と若干異なっている、この点はどうか、あるいはまた先ほどのお話のように一部常勤にしたらどうかというお話でございますが、やはり数が多いのも少ないのも一利一害があろうかと思うんです。それからまた待遇の面でも、NHKのようにしたほうがいいのか、公社のようにしたほうがいいのか、これもやはり議論の分かれるところだと思います。あるいはまた常勤にするということになりますと、屋上屋を架するという問題も当然起こってくるわけでございまして、それよりも現在のほうがいいのではないか、こういう議論などもいろいろ分かれておると思うんです。しかし、総合的に考えまして、私はいま公社のほうから答弁をいたしましたように、大体うまくいっておるのではないかと思います。そこで現状をいまこれを変える、こういう必要はないのではないかと、かように考えております。
#21
○久保等君 大臣あまり経験がないから、そういうきわめて現状維持的な答弁を常識的に考えられると思うんです。まず大臣が、船舶会社の社長をやっておる、経営委員で二回くらい月に東京へやって来て、電電公社の事業について責任をもって、一体意思決定機関の任務を果たせるかどうか、これは私は無理だと思うんです。同時に一銭も手当は差し上げませんということになれば、これはこういう制度自体について検討に値するどころじゃなくして、私は相当積極的にこの問題と取り組む必要があるんじゃないかと思うんです。手当といいますか報酬の問題が出ましたが、常勤ということになれば、これは当然報酬を考えなければならぬ。NHKの場合の手当も、これは本来の報酬というほどの報酬ではないたてまえになっているけれども、出た人だけに何か二万円、日額二万円ですから金額はちょっと大きいように考えられますが、月に四回だとすれば八万円といったようなあまり固定的な報酬じゃないところにも問題があるわけです。何もNHKに右へならえしろということを私は言っておるのじゃなくて、あくまでも経営委員としてのここに書いてありますような責任を果たされるような、あるいはまた果たすに十分な、もちろんこれは当然のことですからやってもらわなければならぬと思うが、そういう責任と、それからまた勤務の状態を考えていった場合に、いまのような状態で機能を果たせるとはむしろ考えられないと思うんです。総裁、副総裁の立場からいえば、理事者の立場ですから、したがって、理事者の立場のほうがあくまでも責任という点からいけば十中人、九で、経営委員という立場は一割か二割の、私は大ざっぱなことを申して恐縮ですが、大体そういった関係にあると思うんです。しかし、経営委員会というものを考えた場合に、大臣の言われるようなそういう程度の軽いものではないと私は思う。NHKの経営委員の場合は、これは大臣も御承知のように、先般も例の予算案審議のときにいろいろ御出席を願ってお聞きを願っておりますからおわかりだと思うんですが、これはまたNHKの規模と電電公社の規模というものは問題になりません。従業員の数からいっても、御承知のように約二十倍、しかも電信電話事業そのものが、大臣が苦労せられておるように、一体今後の建設資金をどうして確保していこうか、物価対策上料金値上げを押えなければならぬが、資金の確保はどうするかといったような問題等をかかえて非常にたいへんなんです。まず量が違う。そういう点を考えると、NHKの経営委員の考え方そのままで電電公社の経営委員を考えればいいんだという考えではさらさら私はないんです。ですから、私は現状でいいんだということで単純に割り切ることはできないと思う。私の意見に直ちに全面的に賛成するかしないかは別にしても、少なくとも積極的に検討しなければならぬということが答弁として当然出てくると思うんですが、大臣いかがですか。
#22
○国務大臣(河本敏夫君) 日本電信電話公社法には経営委員会の構成、任務及び役員の構成及び任務につきましても、詳細規定がありますが、私は現在のような機構であるならばいまのままでいい。ただし、公社の機構はいまのままでいけない、根本的に改正しなければならぬ、経営委員会を中心にして運営するのだ、こういうことにでもなるならば話は別ですが、いまのような構成でやるというのであるならば、大体いまのままでいいのではないかと思います。
#23
○久保等君 大体、大臣、公共企業体というもの自体が、私は、まだ日本の場合にはしっかりした固定観念ができていないと思うのです。パブリックコーポレーションそのものが、これはやはりある程度の経験を積み重ねながら、役所仕事でもなし、といって純然たる民間事業体でもない、両方の長所を取り入れたいわゆる公共企業体というものをつくろうということで、電電公社法そのものが制定せられたのです。したがって、国鉄の場合の公共企業体と立法的な観念も違いますし、非常に論争のあったところです。とにかくしかしスタートして経験を積み重ねていこうという考え方のもとに決議機関としての経営委員会もできておるし、現在の電電公社の機構というものもでき上がっておると思う。したがって、積極的な改正を要する面があれば、どんどん改正をしていくべきだと思うのですが、何か経営委員会というものは全体の電電公社の組織の中からそれだけを取り上げて議論をすることが若干どうかという自信のないような大臣の答弁ですけれども、私は、経営委員会は、この法律にも書かれてありますように、最高の決議機関であり、最高の意思機関でありますから、このこと自体をどう一体強化するか、拡充していくかということは、考えて考え過ぎることは私はちっともないと思う。しかも、さっき井田総務理事から御報告なり御説明がありましたが、もちろんその日常業務についての報告というものがなければ、電電公社の事業についての判断はつきっこないのですから、と同時に、御本人も少し勉強してもらわないと、単に月に二回くらい出て来て報告を聞いたそれで電電公社の右せんか左せんかというような重大な問題についての判断はつかぬと思うのです。郵政大臣は特に事業方面については明るいのですから、――しかも、日本全国たいへんな今日通信の拡充がなされておりますから、現状からいたしますると、おおよその見当をつけた判断を下すだけでも、これは自主的に判断をするというのであれば、相当勉強しなければならぬだろうと思う。したがって、制度上、よほどその点については、やりやすいような体制にしなければならぬ。手当は一銭も出す必要はない、給料は一銭も出さなくてもいいんだ、月に二へんも来てくれれば電電公社の経営についての意思決定は十分にやってもらえるのだということは、大臣、期待できると思いますか。
#24
○国務大臣(河本敏夫君) 重ねてのお話でございますので検討さしていただきます。
#25
○久保等君 私、別にこの問題を唐突に、それから何か特別な問題があったから申し上げておるわけではありません。制度上、今日までの運営そのものがやはり経営委員会は経営委員会として十分に機能しておるかどうかということを考えたときに、現行のような制度では機能が発揮できない。しかも、電電公社そのものに自主性というものをやはり与えようという考え方で公共企業体というものが生まれ、電電公社法がつくられたのです。したがって、これが機能のいわば最高機関でありますから、それがやはり十分に機能を発揮しなければ、これはやはり公共企業体という形にした意義がおのずから薄れてくると思うのです。そういう意味で私は経営委員会というものをきわめてこの法文どおり重要視し、したがって、それがために、先ほど来申し上げるように、個個の経営委員の方々にも十分な報酬をやはり支給するという形で、全員常勤にしなければならぬと私もちろん考えておりませんが、ある程度の必要な人数については、常勤にする、あるいは五名そのものもちょっと私の感じでは少ないのではないかという感じがしますから、いずれにしましても、そういう点について、ひとついつまでとか、何とかいうことを申し上げておるわけじゃありませんが、適当な機会をとらえてそういったことについて前向きにやはり今後は検討し、したがって、改正の要ありとすればひとつ改正をすることにも積極的に取り組んでもらうこと、こういうことを、大臣もいま再検討したいということでありますから、それ以上申し上げませんが、重ねてひとつ私のほうから要望をしておきたいと思います。
 なお、経営委員会の問題については、委員長にも御出席願う手配をいたしておりますから、またその際に、十分に状況等については直接責任者の委員長のほうからお尋ねをして、その際また重ねて申し上げることにいたしますが、きょうのところはこの程度にとどめたいと思います。
 ところで、今回出ております法律案の基礎といいますか、それの根拠の一つにもなっておるのは、電電公社が昭和三十九年に電信電話調査会というものに諮問をせられて、その答申が昭和四十年の九月に出た。その答申を中心にして、昨年は公衆電気通信法の一部改正案ということで設備料の値上げの提案をせられ、この委員会でいろいろ議論がありましたが、最終的にこれが成立を見た、こういう形になっておると思うのです。引き続いて、また今回、公衆電気通信法の一部改正法案を提出せられた。このことについて私は若干どうも、ふに落ちない点があります。その中身に入るにあたって、とにかく佐藤調査会というもの、電信電話調査会――一名佐藤調査会と申しておりますが、その佐藤調査会というものがどういう経緯でつくられて、なお、つくられたあと、その後どういう経過をたどっておるのか、この点について、佐藤調査会そのものの創設と、その後の経過、こういったことについて御説明願いたいと思います。
#26
○説明員(秋草篤二君) いわゆる佐藤調査会は、今日になるまで、元総裁でございます大橋総裁の末期に考えられた、総裁独自の御判断で考えられた委員会でありまして、その動機は、昭和三十九年当時、私どもの業績というものは、今日ほど落ち込んでおりませんけれども、近き将来を展望をした場合に、業績が刻々に下降を来たしてくる。一般の経済関係の情勢も、昭和三十九年、四十年というものは、顧みまして、かなり不況の段階に入ろうとしておったときでございます。四十年が、御案内のように、なべ底景気といった時代でございます。そのときに総裁の発意で、民間の学識経験者を約三十名ほどお願いいたしまして、一カ年半ほどにわたりまして審議を重ねて出ましたのが、佐藤調査会の答申でございます。答申された額は、ちょっと失念しましたが、あとまた御質問があればお答えしますが、これに盛られた要旨というものは、だいぶんデータもそれから背景となる数字等も古くなっておりますので、今日から見ますると、いささか御説明しにくい点も多々ございますが、一口に申しまして、二二・五%の総額的な業務収益を底上げしていただくというのが大きな方針でございます。
 それから申しおくれましたが、答申が出たのは昭和四十年九月二日でございます。一応概略だけでございますが、そういう経過だけ報告いたしておきます。
#27
○久保等君 現在は、この調査会はどうなっているのですか。
#28
○説明員(秋草篤二君) もちろん答申をいただきましてから正式に調査会というものは継続されるものではないわけでございます。ただ、現総裁の御趣旨に沿って、その後の経過を、やはりお世話になった方々でもありますし、将来またこの問題の解決に臨むにあたってのいろいろのサゼスチョンもございますので、この答申が出てからも、私の記憶では、年間二回ぐらい縁故のあった先生方に全部通知を出しまして、大体三分の二ぐらい御出席していただきましたそういう会を五、六回本答申以後も開きまして、これは調査会ではございませんけれども、諸先生方にその後の経過報告という形で総裁から御説明をしておるような次第でございます。
#29
○久保等君 若干あいまいな形になっておるんじゃないかと思うんですが、私もだから、今回の改正法案を出され、昨年の改正法案を出されるにあたって、佐藤調査会で答申がその事前になされたものだと思っておった。ところがこの関係の書類を見てみますると、昭和三十五年にこの調査会というものはつくられている。昭和三十七年に例の料金体系の改正のための法案を国会に出された。実はその根拠になっておるのがやっぱりこの佐藤調査会、あるいは佐藤さんだったかどうか知りませんが、電信電話調査会、そういうような経緯になっているようです。そうしてみると、どうもだいぶその前につくられて、昭和四十年に比較的まとまった大きな答申を出された、それでその後法案が国会に、去年とことしと二回にわたって同じ改正法案が出されたのですが、どうもことしは、承るところ、増収も減収もない、プラス・マイナス・ゼロという形で法案が出された。どうも歯切れが悪いから、したがって佐藤調査会というものは一体どうなっておるのか。何か電信電話調査会規程というものをつくって、条文も九条くらいあるようですが、そういったようなことになっておるんですから、何となく消えていくという性格のものでもないだろうし、調査会の扱い方をもう少しはっきりしてもらったほうがいいんじゃないかという感じがするんですが、これは総裁の諮問機関ですから、あまりそう私むずかしいことを言っておるわけじゃないので、ただ佐藤調査会が、その後なくなってしまったのか、それとも現存しておるのか、そこのことはお尋ねしておく必要があるかと思ってお尋ねしておるんです。
#30
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 昭和三十六年ごろに一ぺん開かれた佐藤調査会と、それからこの料金の問題と電報事業の合理化の二つの問題を諮問した佐藤調査会とは、たまたま委員長は佐藤さんであったのでございますが、中身は全然違うものでございます。最初のは、例の全国的なああいう自動即時をやるためのいろいろな市外の体系の問題とか、あるいは課金の問題とか、そういうことをやりまして、これはたしか三十六年ごろ法案が国会に出されて、そのときにあった佐藤調査会と、たまたま委員長が同じなのですが、委員会としてはこれは全く別なものでございます。それから四十年の九月に、これは私が第一期目の総裁のときでございますが、このときいただきました答申というのは、大橋前総裁がその前の年につくられたものでありまして、したがって同じ委員長でありましたけれども、委員会は全然違います。そして答申をいただいたあと、この委員会は解散されております。ですから、現在佐藤調査会というものはございません。ただ、先ほど副総裁が答えましたが、学識経験者、いろいろの言論界とかあるいは学界それから実業界あるいはそのほか電話の利用関係の方とか、いろいろな各方面の学識経験者を網羅しておりますので、いろいろ公社の内容を知っていただくということがその後も望ましいというふうな考え方で、ときどき集まっていただきまして、その後の経過を報告しております。ですけれども、委員会そのものは答申が出た直後になくなっております。
#31
○久保等君 それじゃ、佐藤調査会そのものはこの答申が出された直後に正式に解散をしてなくなっておるというお話ですから、それ以上お尋ねする必要ないと思います。
 そこで、今度の法案のことについて、中身を別にして若干その経緯についてお尋ねしたいと思うのですが、昨年もああいう形で公衆電気通信法の改正がなされて、今回またこういった法案が出されたんですが、電電公社自体の考え方は、もちろん、第四次五カ年計画そのものを完遂するために資金的な非常な熾烈な需要にどうしてこたえていくかというようなことで、料金の値上げを中心にしていろいろ御苦労されたわけですが、今回このプラス・マイナス・ゼロ、増収もない、減収もない形で、こういう改正法案を出さなければならなかった一体理由、これはもうすでに衆議院、参議院等で総裁から御答弁があって、私もおおよそ理解はしておるんです。おおよそ理解をしておるんですけれども、突き詰めたところの理由がどうもわからない。なぜこういう増収にもならぬ、減収にもならぬところにめどを置いた料金体系の合理化というものをやらなければならないのか。しかも、合理化全体を含めたものの改正案が出されておるなら、これまたそれなりに一つの意味があると思うんです。しかし、それも実はそうでもない一部合理化改正をなぜこの際やらなければならないのか。そのあたりのところを少し御説明願いたいんですが。
#32
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 電電公社は昨年の八月に経営委員会を開きまして、第四次五カ年計画というものを議決いたしました。その中身は、御質問がありますれば詳しくお答えいたしますけれども、代表工程として九百三十万の加入電話を四十三年から四十七年までの五カ年間につくるということであります。これはいわゆる佐藤調査会で答申をもらい、さらにその後政府の経済社会発展計画ができまして、この二つを受けておるわけであります。数字はその後の状況によりまして違っておりますが、経済社会発展計画の中で、特に電電事業に関する基本的な問題といたしましては、まず第一が、電話の需給を改善するということ、第二は、料金体系の合理化をはかるということ、第三は、独立採算をもってやる政府関係企業においては、受益者負担の原則を貫く、この三つが経済社会発展計画の中で、特に電電の事業に関係するものでございます。この三つを受けてできております。ところで、同時に、四十四年度の概算要求を八月末に郵政大臣のところに提出いたしました。これは、加入電話並びに集団電話を合わせまして百九十五万の電話をつけるということでありましたが、その後、先般国会で議決されました予算におきましては、百九十二万の電話をつけるように認めていただきました。ですから、少なくとも四十四年度に関しましては、大体工程がほとんど認められたというふうに私たちは考えております。ところで、この四次五カ年計画の中では、独立採算を維持するために、郵政大臣のところに一二・五%の料金体系の合理化並びに料金水準の引き上げということをもってお願いしたのであります。これは経済社会発展計画の中にもありますその思想を受けておるのでありますが、資金の面を考えた場合には、三兆三千七百億円の投資額を五カ年間に予想しております。その中で四千六百億円に該当する分を、料金修正、すなわち料金の水準引き上げによって期待いたした次第であります。ところで、政府の物価抑制という強い方針に従いまして、今回は体系合理化の一部をこの法案の形で政府にお願いし、また政府から提出していただいたんでありまして、一二・五%のときには、大きく分けますと三つに分かれます。一つは基本料を引き上げるということ、それから第二は、電話の度数料を引き上げるということ、それから第三は、電報の料金の問題と、この三つがあったんであります。ところで、その後の約七、八カ月の過程を振り返ってみますと、電報につきましては、さらに根本的な実は問題を解決する必要があるということで、これは今回見送ることにいたしました。それから体系合理化といたしましては、現在の基本料というものは加入者にいろいろ債券を持っていただいておりますが、その利子だけにもほとんど満たない額である。しかも、現在のいわゆる固定費分といいますか、いわゆる利子並びに減価償却に該当する資本費用だけで月二千六百円金がかかっている。ところが、基本料というものはそれに比べてきわめて少ない。しかも、その段階も十三段階に分かれておりまして、現在の自動化が非常に普及した状態というものに対してきわめて不合理であるということで、基本料の引き上げも大体年間三百億円の範囲、すなわち三・三%の範囲においてこれをやる。しかし、同時に公社が郵政大臣に出しました一二・五%の料金体系合理化の案では近距離の一部を下げる、それから遠距離も同時に下げるということになっておったんであります。ところで、この物価抑制という政策に従いました場合に、遠距離を下げるか、近距離を下げるかという問題があったんでありますが、近距離に対しましては、最近の都市の構造が非常に変わってまいりまして、大都市なりあるいは中小都市の都市化されている部分で、いわゆる電話の加入区域をどんどん広げてほしいという要望が非常に出ておるんであります。また、実際加入区域が非常に大きい東京のようなところもあれば、あるいはもっと小さいところもあるということで、そういう均衡の不合理というものを考えた場合に、そちらのむしろ引き下げのほうを選んだほうがいいんじゃないか。遠距離については、これは大体遠距離の電話を使うのは企業が多くて、個人負担よりも企業負担が多いのと、この場合はむしろ将来電話の度数料を引き上げるときにあわせて考えたほうがいいんではなかろうか。一般の住宅電話その他を考えた場合には、むしろ近距離の電話を引き下げて合理化したほうがいいんではないか、こういうことで結局基本料を引き上げ、近距離電話を下げるということでこの法案の要旨ができ上がっているわけでございます。
#33
○久保等君 今回の法案の、総裁の言われたように、近距離電話を下げ、基本料を引き上げる、こういうような形での体系合理化といいますか、こういったことを行なわれたと言うんですが、そうだとすると、この面については一応問題が片づく。したがって、さらにいろいろ問題が今後に残っておるわけですけれども、その際は、この問題については手を当然つけなくても、このことによって問題は一応片づいた。
 それから昨年の公衆法の改正に伴う例の設備料の引き上げの問題、これも去年ですね、物価問題は去年といい、ことしといい、なかなかやかましい状態なんですが、そういう中で設備料の値上げも非常にいろいろ反対もあったが、とにかく一万円から三万円、それに準じた形で他のものも引き上げた。したがって、設備料の値上げのほうも、単独法の改正まで行なってやったんですから、問題は片づいた。少なくとも昨年の公衆法の改正といい、今年のこの法案の改正による面だけは一応片づいてしまうのだ。したがって、将来は少なくともこの設備料の問題、それから近距離基本料の問題、これについては手を入れる必要がない。したがって、今後とにかくずっと改正に基づいてやっていく方針で、さらにこれに手をつけるということはないというふうに理解してよろしいですか。
#34
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 公社といたしましては、現在この出しておる法案の国会成立を待ちまして、まず第一にやりたいのは、いろいろ認可料金がございます。たとえば、専用料等において認可料金があります。これらがやはり時代の技術革新状況等にマッチしてないものがあります。そういう認可料金につきましてまず合理化をはかっていきたい。その次に、四十五年以降、四十五年も含めましてどうするかということは、今後の収入の状態等をことしの七月、八日の時点におきましてよく見きわめまして、いろいろ検討したいと、実は考えておるのであります。ただきわめて明瞭なことは、電報の赤字というものが非常に累積しておりまして、第四次五カ年計画中における大体累積赤字は三千億円になっているということ、したがって、この電報についてどうするかということをやはり根本的に考えなければならない。それからあと残っている問題につきましては、これは佐藤調査会以来の問題であります電話の度数料の問題、それから設備料につきましては、これは郵政大臣からも、さらにもう一度検討してはどうかというお話がございますので、これはまた検討事項の一つに入ると思います。したがって、電報の赤字対策、それから電話度数料の問題、それから設備料をさらにもう一回引き上げるかどうかという問題を含めて、今後慎重に検討していきたいと思います。四十五年にどうするかということは、まだ何も今後の検討を待ってきめていきたいと思います。
#35
○久保等君 ちょっと参考までにお尋ねしますが、四十三年度末の増収ですね、予算に対しての増収。まだ正確には数字が出ないかもしれませんが、しかし、この年度も越したのですから、ほぼ正確に近い数字はおわかりになると思いますが、どういうことになっておりますか。
#36
○説明員(中山公平君) ただいま二月末までの決算が出ておりまして、それによりますと、百六億円の増収ということに相なっておりまして、パーセンテージにいたしますと、二月末までの予定額に対して一・五%の増収、このように相なっております。
#37
○久保等君 三月末のはいつごろに正確にわかりますか。
#38
○説明員(中山公平君) 正確にわかりますのは、もう半月くらいを要すると思いますが、速報的な数字は間もなく判明すると思います。
#39
○久保等君 総裁の先ほどの御答弁の中に、設備料の値上げを含めて検討したいということを言われたんですが、これは非常にわれわれとしては不可解なものです。昨年のあの国会で公衆法を改正してまだ幾ばくもたたない国会の場で、再び設備料の問題について再検討して、場合によっては値上げをするかもしらぬということを私は答弁されることは非常に残念だと思います。もちろん私どもかねがね郵政大臣が就任早々、設備料の値上げ問題を考えたらどうかという話を聞いております。しかし、これは非常に私は無責任というか、無定見だと思います。この間国会で、反対意見がもちろん強いわけですが、しかし、とにかく設備料をこの際何とか少しでも引き上げることによって公社の実際かかっております負担に近づけていこうということで提案をせられて、国会で通って間もないいまの時期に、設備料をまた上げるかもしれないなどと言われるということは、私ははなはだ残念だと思うし、あまりにも無定見ではないかという批判が私は当然出ると思います。郵政大臣は大臣に就任されたばかりですから、過去の経緯、そういったことを抜きにして、今日設備費が約三十六万円前後もかかるという話を聞けば、それと現在の三万円ということを考えれば、もう少し上げたらどうだということは、私はこれは常識論としてはわかると思う、常識論としてはわかるけれども、たったこの間国会で法案を審議して通した、しかも、一般国民からは強い反対がある。そういう中で、いまとにもかくにも一万円が三万円になるということになると、上げられる立場からいえば従来の三倍になるのだ、一万円が三万円になるんだということで、非常に私は脅威を感じただろうし、また、非常に強い不満があったのは当然だと思います。ところが、またさらに引き続いて設備料の値上げを考えられるとすると、それは私はそれが妥当であるなしは別にして、今後は政治論として考えてみても、国会でしょっちゅう法案をいじっちゃ、同じものを一ぺんないしまた二度、五万円に上げた。五万円でも三十万円に比べれば安い。十万円でもまだ三分の一じゃないか、これは程度の問題で、どこまでいっても三十六万円にならない限り理論としては成り立つと思う。ただ、今日の物価高の政治情勢の中で、しかも国会でもって公衆電気通信法の一部を改正して設備料等の問題を取り上げて、改正をして、その直後にその問題について触れられるということは、あまりにもちょっと見通しが悪過ぎるし、大臣がかわるとすぐ、そういうことで電電公社が簡単にお考えになられるということは、これは私ちょっと考えもんだと思うんです。そのあたりのところはやっぱり一つ片づけたなら片づけたで当分やってもらわぬと困るんです。これはぜひ私の個人というよりも、これはもうどなたが考えられても、常識論として、そういう形で国会で法律をいじくり回すようなことはわれわれ国会の場でやはり慎まなければならぬと思うんです。まだほかにありますが、一つ一つ片づけたいと思うんで、これはこの設備料をそういう形で、いとも簡単な形で再検討するんだというようなことについては、ひとつあくまでも慎重に扱っていただかないと困ると思うんです。
#40
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 私もまだ設備料を上げるときめておるわけではございません。ただ、国会の一部でいろいろ質疑がありましたときに、設備料をもう一回やったらどうだという意見も現に出ておるわけでございまして、いずれにいたしましても、この問題も含めて検討いたしたい、まだ何もきめておりません。
#41
○久保等君 もちろんおきめになっているわけじゃないでしょうが、総裁が少なくとも、私はかりにそういう意見があっても、そのこと事態については、少なくとも当分は設備料をさらに引き続いて値上げする、法律の改正を要する問題をそう軽々に扱われては、これは私は非常に困ると思うんです。そういう意見はさっきも申し上げたように、大臣、あなたも、新任の大臣はそういうことを考えられるが、しかし常識論としてわからないではないわけです。しかし、いままでの経緯がありますし、やはり国会で法律まで改正するならば、少なくとも改正せられるときには、当分改正はしないんだということを前提にして改正しない限り、改正しておいて通ったら、あとでまたすぐ法律をひとつ改正するんだ、それもお互いに人間ですから、あやまちがあって改めるもけっこうです。しかし、私は物価問題に直接関係するような問題を、そう年々再々いじられるようなことになりますと、これは私はそれこそ国民の不信を買うことになろうし、電電公社そのものに対しても不信を呼ぶことになると思うんです。したがって、その点は、私は反対とか賛成という以前の問題として、そういう形で問題を軽々に扱わないでいただきたい。このことを強く申し上げておきたいと思います。
 それから、今国会に出されている法律案についてですが、増収も減収もないようにというところに、今日の物価問題と関連して配意をせられたということは、要するに苦心のあるところですから、その御苦労の点は私は多とするんですけれども、しかし増収もない、減収もない、とんとんだといっても、これは大ざっぱな話なんで、突き詰めていえばマイナスになるのか、プラスになるのかということが当然出てくると思うんです。大ざっぱな考え方としては、とにかく増収にもならぬ、減収にもならぬというところで改正をしようというんですが、しかし電電公社の立場からするならば、どっちに重点を置いているのか、全く五分五分だということじゃなくて、減収にならぬけれども、せめて、たとえば体系合理化というところに重点を置いているんだというのか、いや、ことしの四十四年度を見ればとんとんだが、四十五年度以降は若干の増収があるであろう、したがって、体系というよりは、むしろ将来の展望を考えれば、多少でもひとつ増収をはかっていきたいのだ、そういうあたりに重点を置いているのだと言われるのか、どちらに重点を置いておられるのか、そこらのところを少し掘り下げて御説明願いたいと思いますが。
#42
○説明員(米沢滋君) 局長から答えさせます。
#43
○説明員(井上俊雄君) お答えを申し上げます。
 今回の料金体系の合理化案は合理化が目的で、したがいまして、さらにその新しい料金体系化における四次期間中の増収並びに減収分を相当詳細に分析検討いたしました結果、若干期間では減収になる、このように見積もっております。
#44
○久保等君 そうだとすれば、減収をもあえていとわずに、こういったことをおやりになるということになると、料金体系の合理化ということをせめてひとつ少しずつでも解決していきたいというように理解してよろしいですか。
#45
○説明員(井上俊雄君) そのとおりでございます。
#46
○久保等君 そうだとすれば、この体系是正の問題に関する限りは、さっきの設備料の問題じゃないけれども、やはりとにかく一つ片づけた。したがって、次の根本的にいろいろ検討せられる際には、このいま改正案として出されている料金体系の合理化、これについてはやはり再度いじるというような必要はないんだ、これだけ切り離してとにかく合理化しておけば、このことだけでもまた片づくんだ、こういう理解の上に、その合理化ということを考えておられるのかどうか。
#47
○説明員(武田輝雄君) ただいま御提案いたしております近距離の度数料の格差の問題、すなわち準市内通話を八十秒にするとか、近郊通話を六十秒にする、こういった点につきましては、将来ともといいますか、当分の間そのままでけっこうだと思うわけでございます。なお、基本度数料を五段階にいたしました点でございますが、これは当分の間この体系でいこうではないかというふうに考えております。しかしながら、基本料水準の問題、あるいは事務、住宅の格差の問題等につきましては、今後の収入動向あるいは事業の経営の状況などによりますけれども、今回上げましても、一加入者当たり平均収入が約基本料で九百円にしかすぎません。したがいまして、資本費用二千六百円に対してなお低い額でございますので、将来どういうことになるかわかりませんけれども、私個人としては、もう少し高い水準にすべきではないかというふうに考えております。それからまた度数料金でございますから、基本料について事務、住宅の格差を今回三割も取っておりますが、この三割の格差をそのまま維持するのがいいかどうか、むしろ理論としては、廃止すべき方向に向かうべきものではないか、こういうふうに考えております。
 いま申し上げました点を除いては、今回改正を、合理化をお願いいたしました点につきましては、当分の間このままでいきたいというふうに考えた次第でございます。
#48
○久保等君 大体営業局長の答弁でもわかるんですけど、しかし、やっぱり何かちょっと歯切れが悪いんですね。何というか、先ほど来申し上げるように、法律を改正して合理化是正だけでもやろう、あんまり増収にはならぬけれども、と言われるなら、せめて合理化という面で取り上げなければ、法律改正に私は値しないと思うんです。これもまた根本的な改正の際には、営業局長の言われるようなことも含めて再検討したいということなれば、この改正法案に基づく内容も、若干またこの手直しをする可能性も考えられるような答弁なんですけれどもね。総裁のほうからひとつ、あまりこまかい問題じゃないと思うんです。今回出された法案の最も大きな私は柱だと思うんですよ。何にウエートを置き、何を期待してこういう法案をせっかく出されたのか。国民世論も、非常に物価問題のやかましい時代ですから、金の問題になると神経過敏になっているわけですから、そういう中で、とにかく増収、減収のない形で、そういった面からはあんまり心配してもらわなくてもけっこうだ、ただし、この際はひとつ合理化ということで協力を願いたいのだ。こまかく言えばもちろんそのプラス・マイナス・ゼロとはいってみても、基本料が上がるんですから、やはり問題があるんです。したがって、その問題だけをとらえれば、電話を持っておられる方全員に若干のものは上がる。それから近距離は、もちろん全部の加入者じゃない、一部の方には値下げの恩典があるわけです。ですから、そういった点をしろうとくさい計算をすれば、影響するところは、値上げのほうは大きいが、値下げの恩典を受ける方はきわめて限られておるということになりますから、こまかく議論をすれば問題はあります。問題はありますが、しかし、全体プラス・マイナスということを総収入だけで見るならば、プラス・マイナス・ゼロというところに配慮をしておるわけなんですが、しかしとにかくそういう若干の批判なり反対はあっても、この際合理化をぜひ進めたいんだということで提案せられておると思うんですが、それをしも、またときと場合によると根本的に検討する際にいじるんだ。たとえば、住宅用と事務用は一本にするんだ、こういうようなことを考えておるとすれば、この機になぜこういったことをやらなければならないのか。どうもあんまりすっきり理解しにくいんですけれども、総裁のほうから、ひとつ簡潔でけっこうですが、これで片づくんだと、当分の間は、これをやればということならばけっこうですけれども、お答え願いたいと思います。
#49
○説明員(米沢滋君) この法案のねらいといいますか、目的とするところは、増収をはかるのではなく、体系の合理化の一部を実施する、こういうことでございます。したがって、この法案を通していただけば、当分はこの中身をいじることは考えておりません。
#50
○久保等君 総裁のそういう御答弁なれば非常によくわかるんですが、まずぜひそういう形で扱っていただかないと、せっかくこういう法案を改正しようというんですから、おのずから理由が非常に薄弱になってまいると思うんです。その総裁の御答弁で私了承します。
 その第四次五カ年計画、この問題について若干お尋ねしたいんですが、第四次五カ年計画といっても、すでにもう本年度で二年度目に入っております。したがって残るところは、明年度から三年度しかない。そういう中で料金値上げの問題の中心になる問題がいずれもこの、未解決といいますか、総裁のお気持ちからすれば、片づかないであとへ残っておるということだろうと思います。そうすると、第四次五カ年計画がはたして計画どおりいけるかどうか。これは、非常に資金的な面からこの問題があると思うんです。総裁は前の委員会でも何回かお話になっておりますように、また私の先ほどの質問に対するお答えでも、九百三十万個の加入電話はぜひつけたいし、したがって、必要な三兆三千七百七十億の資金確保もぜひはかってまいりたい。そういうお話なんですが、一体どういう形でこの問題を片づけようとされるのか。先ほど電報料の値上げの問題、あるいは度数料の問題、あるいは認可料の問題等についていろいろ根本的に検討をしたいというお話ですが、もうすでに第四次五カ年計画は、いま申し上げたように、始まって半ばに達しようとしておるわけですから、第四次五カ年計画そのものがはたしてうまくいくかどうか、これは非常にわれわれも心配をいたしておるところです。同時に、その九百三十万個の加入電話の具体的な一つの問題ですが、これも私少し甘いんじゃないか、この数字のはじき方が。そういうふうに考えます。私どもは、特に党のほうでも前々からこの五カ年計画の問題について検討して大づかみですけれども、最低一千七十五万個程度の加入者の増設を必要とするんではないかというふうな数字を出しておるんですが、しかし、それがはたしてまた十分であるかどうか。これもその後の推移等考えますると、必ずしも安心できないと思っているんですが、公社は九百三十万個というものを第四次五カ年計画に計上しておるんですが、ここらの数字も少し甘いんじゃないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
#51
○説明員(米沢滋君) 第四次五カ年計画の中では、現在のところ九百三十万個の加入電話をつけたいというふうに考えております。この資金につきましては、昭和四十三年度も大体百二十億円くらい、予算に対しまして増収になる見込みであります。もっともたとえば年度末に〇・二カ月の業績手当を出さなければなりませんし、それからまた、ベースアップも仲裁裁定で昨年ありましたので、そういう経費に充てなければならないので、ある程度の増収がないと、非常に困るわけなんでありまして、公社といたしましても、極力増収と節約に努力いたしまして、なお今後の収入状況をこの七月、八月まで見まして、四十五年度の概算要求を出す時点におきまして、いろいろな問題を検討し、方針をまとめていきたいと思っております。四十五年度というのは、確かに債務償還等が一挙に千三百億くらいにふくれ上がる年でありまして、この四十五年度というものをやはりはっきりつかんでいかないと、四十六年度、四十七年度というものがやはり見通しがつかないのでありまして、七月なりあるいは八月の時点におきまして、第四次五カ年計画の資金計画をさらに明確にしていきたいと、このように考えております。
#52
○久保等君 いまの総裁のお答えの、七月ころぐらいにめどをつけたいと言われることは、同時に五カ年計画もさることながら、根本的には資金的な問題、したがって値上げ等の問題を含めて結論を出したいということでしょうか。
#53
○説明員(米沢滋君) 値上げ等につきましても検討をいたしたいと思います。
#54
○久保等君 総裁、私やはりこの際こういった長期計画の問題についても、それこそ根本的に再検討する必要があるんじゃないかと思うんです。といいますのは、七月ごろ、あるいは八月でもいいんですけれども、七、八月ごろに一応のめどをつけたいと言われることは、なるほど明年度の、四十五年度の予算案に対しての、おおよその骨格というものは当然つくらなければならぬと思うのです。そういう意味では当然だと思うのです。しかし、第四次五カ年計画という長期計画の問題、それとさらにその資金的な計画の問題、それ全体を七月なり、八月ころまでに結論を出すということは、事実上むずかしいんじゃないですか。これはもういま四月ですが、あと一、二ヵ月で、もう四月も終わらんとしておるのですけれども、それじゃ七月といってもあと二カ月あるかないかというときに、はたして根本的な問題を全体を検討して一つの結論を出すということは事実上困難じゃないですか。私はしたがってむしろこの際は、じっくりひとつデータ等も集めて、従来のような佐藤調査会で出たものを中心にして、それをだんだんその後の推移を見て手直ししながらつくり直していくという程度ではとても、その現在の状況に立った上につくり上げる一つの構想というものは、そういったもので一体国民全体に対して納得をしてもらう、そういう自信が持てるかどうか、非常に私は疑問だと思うのです。特に七月ごろになって何が明らかになるかといえば、先ほど経理局長の言われた、四十三年度における収支状況がそれこそはっきりするだろうと思います。しかし、これもおおよそいま総裁が言われたように百二十億程度の増収だろうという見当、これも私はそう大きく変わらないと思います。そうすると問題は、ここ一、二カ月の間に――もうデータは持っているのだけれども、一、二カ月の間に作業だけをして、そうして一つの結論というものを出したいということでなければ、とても七月ごろに結論を出すということにはならぬと思うのです。しかし、現在総裁の手元にそういう自信のあるデータというものが私そろっているならば、骨子だけでもいいからお伺いしたいのですが、しかし総裁、先ほども佐藤調査会でいわれた加入電話九百三十万個というようなものを一つの目標にして今日までやってこられたのですが、四十七年度までやられる目標を変えられるお気持ちはないんじゃないかと思うのです。そうだとすると、一体長期計画なんかの中身というものがここ一、二カ月で簡単に出てくるとは考えられないんですけれども、そこらのところはどんなふうにお考えでしょう。
#55
○説明員(米沢滋君) 第四次五カ年計画の工程というものははっきりしておりまして、九百三十万個は代表工程でございますが、これに対して、改式局がどうなる、加入区域合併はどうする、あるいは分局開始はどうする、こういうことははっきりしております。ところで、問題はその資金計画をどうするかということでありまして、先ほどお話ししましたように、四十五年度は、債務償還が千三百億円ぐらいに達する。これがやはり四十五年の年の非常な特徴でありまして、私は、四十五年を考えるといったときには、四十六年、四十七年と、もう残り三年しかございませんから、やはり当然四十六年、七年の問題というものを一緒に検討することになると思います。ところで、先ほどお話ししましたが、一二・五%に該当する資金というものは四千六百億円でありまして、その中で電報の累積赤字が約三千億円占めておりますから、まずこの電報問題をどうやってやるかというめどをつける必要があると思います。佐藤調査会につきましては、これは答申が出たのが四十年の九月でありまして、もうそろそろ三年九カ月前になります。ですから、その資料もさらに前なんでありまして、その後の電話も、佐藤調査会で予定いたしました電話の架設よりも実際はよけいつけておる関係もありまして、昭和四十四年度の成立いたしました予算に比べてみますと、これはいきなり算術的に比較するのはどうかと思いますが、収入だけを比較いたしますと、九千億に対しまして約七百億円の狂いが出ておると、こういうことでありまして、私は、佐藤調査会の考え方というものは十分尊重をする価値がありますけれども、数字は何といいましても古い数字でありますから、これは昨年の五ヵ年計画をすでにきめる時点以降におきまして、その数字にはこだわらないで、いまの七月、八月の時点というのは現在の数字をもとにして、あるいはまた経済社会発展計画も、従来の八・二%という経済成長率よりも、またそれを修正するような話も別途伺っておりますから、そういうこともあわせ考えて検討したいと、こういうことであります。私はいろいろ考えてはおりますけれども、まだここで御説明するだけの腹案は現在固めておらない次第であります。
#56
○久保等君 総裁のそういうお話ですが、七月ごろまでに、一つの結論といいますか、見通しをつけたいということ自体も、事実上は私は非常に困難だと思うんですが、九百三十万個、この四次五カ年計画でつけるとして、残るのは四十七年度末に百二十万個だろう、積滞が。という御説明が従来からなされておるようですから、私もそういうふうに理解しております。ところが、これも一例ですけれども、加入電話の積滞百二十万個という数字、これも私は非常にあやしい数字じゃないかと思うんです。あやしいというのは、要するに甘いんじゃないだろうかと。二百万個を下らない積滞が四十七年度末にもう出るんじゃないだろうかというふうに考えます。というのは、今日までずっと、五カ年計画も十七年度目に入っておると思うんですが、その間、新規加入の申し込みに対して架設数は常に下回っている。わずかに昭和二十九年度と三十年度だけですか、若干架設数が積滞よりも上回った年度もございますが、それ以外はすべて新規申し込みよりも架設数が下回ったという、ずっと押せ押せになってきているわけです。そういう点から考えると、百二十万個程度の積滞という形で、昭和四十七年度末を迎えるとはちょっと考えられないわけです。まあ四十五年、六年、七年とこれは思い切ってふやせば別ですが、しかし、これはなかなかそう、一年度変わったから、従来に増して約四割も五割もふやすというようなことは、とてもこれはいろんな意味で不可能だろうと思うんですが、一例をあげれば、積滞百二十万個ということ自体が甘いとするならば、さっきも申し上げたように、九百三十万個を第四次五カ年計画で架設するということではとても追っつかないんじゃないだろうかと、そんなふうに考えます。総裁、その九百三十万個という数字にえらいこだわっておられるように、衆参両院の逓信委員会で説明をせられておる御答弁など伺っていますと、そういうふうに感ずるのですけれども、その数字そのものがもう少し再修正をしなければならないような現状に置かれていると私は思うのですけれども、総裁はその点について自信がありますか。
#57
○説明員(米沢滋君) 五カ年計画につきましては、現在のところ九百三十万個ということで進めたいと思います。しかし、これを今後永久に変えないかと言われますと、これはまたこの法案を現在提出しておりますこの関係で、五カ年計画というものを固めているわけでありまして、この五カ年計画におきましては九百三十万をやる。しかし、なおさらに需要がどんどん出てくるようなことがあれば、先般ここの席でも電信電話事業を何か根本的に検討する意思はないかというたしか御質問があったと思いますが、それは根本的に検討する意思がございますので、その際は、また先の問題で、現在のところは五カ年計画を達成することがまず当面の目標でありまして、ただ計画を大きくするばかりがいまの時点においては適切ではないというふうに考えているわけでございます。
#58
○久保等君 私の申し上げているのは、ただ単に計画を大きくしろと言っているのではなくて、現状を一体どう打開し、対処していくかという立場からあくまで申し上げているのですから、何もできるだけひとつ計画は現実離れのしたような形で大きくしなさいというようなことを言っているのではなくて、できるだけ積滞を解消していこうという立場から考えて、特に九百三十万個という捕捉のしかたでは甘いのではないか。こういうことを申し上げているわけでありますし、それからまた永久に改正するとかしないとかという問題ではなくて、これは四十七年度までの話ですから五カ年計画といってみたって、さきも申し上げたように、もう約半ばに達しようとしているときですから、あと三年の問題です。しかし私は長期計画という問題を考えるときには、第四次五カ年計画でザエンドということにはこれはならぬのです。もうすでに四十七年度末で当初の予定よりも下回った計画にしかならぬ。まあ当初の計画というか、思ったよりも需要のほうが多いということなんでしょうが、とにかく四十七年度末では、かねがね言われておった、申し込めばすぐつく電話ということにはならないということがはっきりしてきているわけですから、そうすれば、昨年あたりも私個人的にも申し上げておったことですが、ここまでくれば第四次五カ年計画から第五次五カ年計画というものも当然構想として描かなければならないのではないか。したがって、第四次五カ年計画だけの問題ではなくて、第五次五カ年計画のことを含めて七年になりますか、八年になりますか、そこらの年度をひとつ総合的にお考えになる必要があるのではないかということを、私はかねがね考えているわけで、それで四十七年度から先の五カ年計画、すなわち第五次といいますか、その五カ年計画というものの構想は何かお持ちでしょうか。
#59
○説明員(米沢滋君) 第四次五カ年計画が四十七年度に終わりますが、四十八年度以降におきましては、負担法が時限立法としてできておりますのが、今度は切れてくる。そこでひとつ新しく考えなければならないという問題が起こってまいります。したがって今後、これは七月、八月ということで期間があまりないじゃないかと言われますが、しかし実際問題といたしまして、この法案を通していただきました時点以降におきまして馬力をかけて、そしてこの三ヵ年だけで、たとえばいろいろな料金の問題だけを検討するという意味では期間が短い、それは確かにそのとおりだと私は思います。ただその際に七カ年計画をつくるか、あるいは四十五年度から先の五カ年計画にするか、その辺は実はまだきめていないのでございますが、しかしいずれにいたしましても、四十八年以降の大体見通しと申しますか、ビジョンというもの、こういうものはいろいろ関係の向で検討さしておるのは事実でございます。おそらく二百万程度の架設なりは必要じゃないかというふうに考えておるわけでありますが、その辺はまだ計画化するところまで現在いっておりません。いずれにいたしましてもこの四十五年以降、たとえば八カ年計画をつくるとか、あるいは五カ年計画を新しくその時点において発足させるか。その辺はあまりこだわらないでいこうかと思っておりますが、しかし現在のところは、この九百三十万を達成するということが当面の最大の目標である、こういうふうにお答えしておる次第であります。
#60
○久保等君 私は、その資金的な計画を考えなくてもいいのならば、総裁のようなお考えでもどうやらやっていけると思うのです。したがって、ぼつぼつ第五次五カ年計画を一体どうするかというようなことで御検討願えれば、それでもまあまあ間に合うかもしれない。ただしかしここ一、二年来一体資金計画をどうするか、資金の裏づけをどうするかということで非常に努力をしてこられておる立場で、その本来の問題はそっくりそのまま現在やっぱりかかえておるとすれば、当然今後の長期計画というものとの見合いにおいて、その問題を考えていかなければならぬと思うんです。第四次、第四次といってみたって、第四次が現実に初年度が終わってしまって、第二年度に入っているから四次、四次と言うけれども、もうすでに五カ年計画ではなくなっているんですから、好むと、それこそ好まざるとにかかわらず、したがって、そうすると、その次の段階を少なくとも含めた程度の長期の中での一体資金計画をどうするかということでなければ、特に料金問題というような問題にまで再検討を加えようということであるならば、単年度の帳面じりだけ見て資金幾ら、来年度は、というそんなわけにはまいらないと思うんです。しかも、四十七年度の九百三十万個だけをながめておったのでは私は先ほど申し上げたように積滞は百二十万個以上突破するだろうということを申し上げておりますし、総裁もまんざら正面から否定はされないと思うんです。そうだとすれば、第五次五カ年計画、そんな遠い将来の計画じゃありませんよ、しかも、法案をまた国会で議論するということになれば、それこそ四十五年度に議論をして四十五年度から実施するというようなことをまさか総裁考えておられないと思うんですが、先ほど来申し上げておりますような、あまりこま切れみたいな形で問題を片づけないで、全体をまとめての、しかも長期計画はこうなんだということで、自信のある形で私はあの案をつくってもらいたいと思うんです。それに基づいて、こういった裏づけなんだということを考えられることが必要なんであって、年々歳々、毎年同じように公衆電気通信法の改正案を出され、それぞれそれが完全なものじゃなくて、次の段階で、時と場合によれば再検討しなければならぬというような法案を国会に出されるならば、国会のわれわれ逓信委員会としても、そういう法案ならひとつしばらくそういったもの全体の全貌が明らかになるまでたな上げしておいてもいいんじゃないか、電電公社全体の収入から見るならば、プラス・マイナス・ゼロということで資金的には穴があくのではないという議論が出ても、これはどうもぼくらもあまり反発できないようなことになるんですが、総裁、そこらの長期計画の問題について、五カ年計画の問題については、去年あたりも私は申し上げておったと思うんですが、四次に入ったからには、次の問題を考えなければこれはおそきに失するんじゃないか、もちろん四十七年度で計画どおりにうまく完遂できるという見通しがあるならばそれはそれでけっこうですが、あとはとにかくもう申し込んだものをつけていけばいいのだ、積滞がうんと残ってやはりなお五カ年計画を遂行していかなければならぬのだということがあるならば、早急に私は作業されて具体的に数字を、ぼくらのところへ直ちにこの目の前で御説明願えなくてもけっこうです、それは総裁のお手元に持っておられるのならばけっこうですが、しかし、それとの関連において、料金問題なんかを検討されるならば、当然考えられないと四十八年度以降は、四十八年度以降で別なんだと、四十七年度九百三十万個だけだというような、非常に失礼な言い方ですけれども、近視眼的に考えられることは私は狂ってまいることは必定だと思うんです。どうも私が申し上げることはあまり話が先へ突っ走っとって、総裁の言われることと歯車かみ合いませんか。
#61
○説明員(米沢滋君) 御質問の趣旨は十分理解しておるつもりでありまして、いろいろ準備はさしてはおりますが、ただこの席で明快にお答えする段階には至っておりません。御趣旨は十分尊重していきたいと思います。
#62
○鈴木強君 これは非常にむつかしい問題だと思いますが、ただこういう点だけは明らかにしておいてもらいたいと思うのですね。御指摘のように四十七年会計年度末に拡充法が切れるわけですね、ですからその辺に対する資金計画をどうするかということを前提におかなければならぬと思いますが、私は池田内閣がとってまいりました高度成長政策というものは、佐藤内閣はとらないということで中期経済計画を社会発展計画に変えましたね、最終四十七年には消費者物価の値上がりは三%と、で、平均実質八・二%という計画をつくったわけですよ、それに基づいて電電公社は第四次五カ年計画をつくったわけでしょう、しかし安定経済成長政策というものが御承知のように最近やや実際の経済に合わない、それよりもやっぱり上回った発達をしておる、こういうことが明らかになってまいりまして、まあ佐藤総理も実質一〇%程度にやっぱり変えなければならぬと、これは他の委員会でも何回かわれわれも政府の所信を聞いておりますけれども、いまの社会経済発展計画は修正することにきまっているのですよ、ただ実質を一〇%にするかあるいは現在のような一四%以上の高度な伸びを示しているときにどうするかというそこが問題なので、経済企画庁でいま時期ははっきり言いませんけれども、近い機会に修正することになっておりますからね、そうなりますと、社会経済発展計画の修正前の現在の考え方に立ってきめられた公社案ですから、当然修正されれば、それに基づいて設備投資の費用を含めまして規模に修正が加えられていくという判断が出てくるわけですね、ちょっと総裁が触れましたように、たとえば四十五年までに一応第四次はやって、そして第五次については七カ年計画にするということもこれはあり得ると思うのですね、ですからそういう展望について、一体どうするかということがわれわれの聞きたいところなんですよ。しかし、ただ一〇%になるのか一四%になるのかその辺の修正が出ておりませんから、われわれとしてもここでどうするということを具体的にお伺いをしようと思わないのですよ、ただ思想的にそういう経済情勢の変転の中で、公社の計画には好むと好まざるとにかかわらず修正を加えざるを得ない時期に来ているということは事実だと思いますね。そういう判断を踏まえて、それならば四十七年、四十八年以降の、拡充法が切れる段階において、一体その措置をどうしていくかということも含めて、それから収入は従来より以上に伸びる、伸びるでしょう、たとえば八%が一〇%になってもこれは伸びていくと思いますからね、そうすれば収入の面から見て増収ということは当然期待されてくる。これとの見合いで、一体拡充をどうするかということは大きな問題になると思うのですよ。ですから私はそういう経済の動きと公社の計画というものをマッチしていくというそういう考え方で今後ものをとらえやってほしいと思うのですよ。だから九百三十万というものがどうなってくるかということはいま言えませんけれども、総裁の考え方を聞いていると、とにかく第四次についてはもう既定方針どおりやっていくのだ、そしてその後需要の伸び等を考えてどうするかということは考えると、こうおっしゃっているわけですね、それだけじゃちょっともの足りないわけですよ、もっと鋭い変化が出てくるだろうから、それに対応する第五次七カ年計画とか、そういうことも十分やっぱり頭の中に置いてひとつ思想的には整理をして計画を修正するものはしていく、こういうことだけははっきりしておいてもらいたい。
#63
○説明員(米沢滋君) いま非常に明快な御質問がございまして、そういうふうに弾力的に実はいきたいと思っておりますが、ただ何といいましても、まだ数字が固まっていないので、ただこの席で明快に、たとえば何万にすると、これは申し上げられませんが、考え方としては過去にこだわらないで、経済の変化その他に十分順応していきたい、こういうふうに考えております。
#64
○久保等君 総裁のいま御答弁になられたように、第五次の問題についてここで御説明願うまでの形態を整えられておらないとすれば、それはそれで私はいいのです。ただしかし問題は、料金値上げ云々の問題を決定するにあたっては、料金値上げをしろと言っているわけでは私はもちろんありませんし、料金体系その他の問題を根本的に検討したいというその問題を解決するのには、そういった長期計画とのにらみ合いにおいて決定をしていかなければならぬ問題じゃないだろうか。したがって、その計画も当然しっかりしたものを盛られて、しかもその計画がしっかりしておらないと実は今日までのようないろんなジグザクコースを歩んだ私どもは苦い経験をしておるわけですから、したがって、その中身というものはきわめて重要ですよ。それが一体説得力を持つかどうかという問題、したがって、そのことをこれは十分にひとつ、過去の轍を踏むことのないようなしっかりしたものでなければならぬと思うのです。
 それからひとつ、こまかいことのようですけれども、社会経済発展計画云々の問題になってきますと、これはきわめて大きな話で、大きな舞台での議論ですから、それを実際電電公社が具体的にどう実行するかというような問題になれば、これまた電電公社の特殊性というものがあろうと思うのです。総裁が何かかって宮澤経企長官に会われて一、二回いろいろ折衝した際に、全体の国土開発の問題、総合開発の問題等が議論に出て、その席上で宮澤長官が、道路の開発の問題、あるいはその他交通の開発問題、そういったものとのバランスを考えながら、やっぱり電電公社の計画も立ててもらいたいといったような、何かそれに似たような発言があったようですが、私はそこらも、やはり電信電話事業というものの特殊性をもうちょっと――そういった経企長官等、もちろん電信電話事業に対してはしろうとですから、そういった諸君にはよくわかるように説明してもらいたいと思うのです。ということは、電信電話事業というものは道路だとか、交通だとかいうもの以上に、私は先んじて開発されるところに電信電話事業の特殊性があるし、また必要性があると思うのです。道路がついたから電話もついたというようなテンポで電信電話事業を考えておるところに――これはしろうとの考えですから当然かもしれないけれども、電信電話事業というものは、先駆的な使命が電信電話事業の特性だと私は思うのです。そういう点を考えるならば、社会経済発展計画と相並行してというのじゃなくて、社会経済発展計画の中で、さらに前進的な任務を電信電話事業が果たすんだという積極性をやはり持たした計画でなければならぬと思うのです。ほかがこの程度ならば、ひとつ電信電話事業もおつき合い程度というような月並みの計画であっては、私はならぬと思うのです。これは少しはったりめいたような話とお受け取りになるかもしれぬが、私はそういうものだと思うのです。ところが、えてして今日まで新しい――今度の新国土開発計画というようなものも草案としてでき上がりつつありますけれども、こういった中で、やはり電信電話事業、特にこれから、いろんな電信電話事業といっても、旧態依然たる電信電話事業じゃなくて、例のデータ通信等も新しく入ってまいりますし、とにかく新しい技術開発による通信体系も生まれてくるわけです。とにかく一歩、二歩先んじた形で拡充計画も実行していくものでなければ私はならぬと思うのです。総裁それに対して御異存があろうとは私は思いませんけれども、経企長官との話の中で、そういう何か一幕があったことを私ちょっと速記録で拝見したんですけれども、したがって、それに多少押されたけれども、やむを得ないのだという結果になったようにも見受けられますけれども、それこそ釈迦に説法ですけれども、この際、私は総裁にそういった面についての格別の御配慮を願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#65
○説明員(米沢滋君) 非常に激励をしていただきまして、大いに積極的に計画の推進に当たりたい、こういうふうに考えます。
#66
○久保等君 それから私資料を要求しておいたんですが、経理局長の手元から出てないんじゃないかと思うのですが、例の債務償還計画ですね、昭和四十七年度末までの債務償還計画、これは後ほどでもけっこうですから、ひとつお出し願いたいと思うのです。
 まあ総裁の先ほど御説明があったように、年々歳々債務償還の金額が飛躍的にのぼってまいるようですし、四十七年度末には二千億をはるかに突破する債務償還をしなければならないようなことになると思っておりますが、いずれにしても、その点はひとつ資料で年々の償還計画をお出し願いたいと思いますし、それから、すでに支払った利子等がある分については、ひとつこれまた同じようにお出し願いたいと思うのです。委員長資料要求を……。
#67
○委員長(永岡光治君) 資料はよろしゅうございますか、提出できますか、井上計画局長。
#68
○説明員(井上俊雄君) よろしゅうございます。
#69
○久保等君 それから九百七十万個の目標と同じようにというか、それより以上の大きな一つの柱として力説をしておられる問題に、住宅電話をぜひひとつ従来と違った形でつけていこう、こういう御説明があるようですが、住宅電話は、四十二年度末でもけっこうですし、四十三年度末でもけっこうですが、最近の現在数、並びに四十七年度末における住宅電話の数、ちょっとお知らせ願いたいと思うのです。
#70
○説明員(武田輝雄君) 四十二年度末におきます住宅電話の数は、三百二十四万五千ほどでございます。なお、四十三年度末におきましては四百十万ほどになりまして、全加入数に占めます割合は三六・一%程度と考えております。
#71
○説明員(井上俊雄君) 四十七年度末には約八百九十万になるものと予想いたします。
#72
○久保等君 申し込めばすぐつく電話というキャッチフレーズで、かねがね四次五カ年計画を進めておられたのが、なかなかそこまでいかないということで、先ほど来言われておりますような数字になってまいっておるようですが、今度、申し込めばすぐつく電話にかわって、三世帯に対して一世帯少なくとも加入電話を設置したいという目標を立てておられるようですが、このこと自体も、やはり私は非常な計画であり、たいへんな努力をしておられると思うのですが、なおかつ国民の要望なり需要からすると、これまた規模小さきに失するのではないかというように考えます。というのは、なるほどいまお話しがありましたように、四十七年度末には、いまお話しのあったように八百九十万、約九百万の住宅電話を設置するというのですが、確かにいままでの過去を振り返って見ると、これは驚くべき計画なんですけれども、しかし、一般の世間の情勢等をあれこれ比較して見ると、これではどうも計画としては小さいのじゃないかというふうに考えます。というのは、よく、最近非常に爆発的に普及してまいっておりますテレビなんかとの比較を考えてみましても、テレビは、これはもちろん電話と違って官庁、会社などにはほとんど数としてはないと思うんですが、電話の場合には全体の数字で非常に大きなウエートを従来占めておったのは、何といっても営業用といいますか、官庁、会社等はもちろんのこと、それからまあだんだんに住宅の方面に移ってまいっているという傾向だろうと思うのですが、しかし住宅電話が八百九十万程度四十七年度末についたといたしましても、考えてみれば三分の一ちょっと、大体三分の一ですが、なるほど三世帯に対して一世帯という目標に対しては一応達成したことになろうと思うんですけれども、しかし三軒に一軒という程度では、これまたやはり時代の伸展に沿いかねるのじゃないかと私は思います。
 これはちょっとよけいな話なんですが、最近電話というものの利用について、ちょっと教えられるところがあって、ここで御披露したいと思っているんですが、実は新川和江さんという、これは詩人ですけれども、「PHP」という小さな雑誌が出ておりますが、それの昨年の七月号に「熱い声たち」、ホットですね、「熱い声たち」という題名で小さな論文が――論文というか、小文が載っておるのですが、これをちょっと読んでみたいと思うんですけれども「――今日は、電話が鳴らなかった。――今日も、だれからも電話かかからなかった。――今日は、間違い電話がふたつ。――今日は、電話なし。――今日も、人の声が聞けない。−まちがいでんわさえ、かかってこなかった。」これがちょっと詩らしいんですが、「立原えりかさんの『風の中のめんどり』という小説を読んでいたら、こんな数行があった。どこかの国の、ひとり暮らしの老婆が挿話ふうに語られていて、小説の本筋とはかかわりがないのだが、私は読みながら血の気のひく思いがした。話し相手もなく、電話をかけてくれる友だちもみんな死んでしまって、一日、猫としゃべっていたという年とった女。コンクリートの壁に仕切られたアパートの一室で、だれも知らぬ間につめたくなっていたという老婆のかたわらにあった日記帳のさいごに記されていたことばが、それなのだった。「おばあさんになって足腰が立たなくなっても、枕許に電話器をそなえつけといて、日に一度、あなたからチリチリンとくればね」「だいじょうぶ、だいじょうぶ、まかしといて。朝から晩までチリチリンやってあげるから」気のおけない同性の友だちと、そんなことを言ってはよく笑い合うが、老後のイメージを、そこまで追いつめて思い描いたことはなかった。ないというよりも、避けよう避けようとしていたイメージを、その数行にいきなりつきつけられた、と言ったほうがあるいはほんとうかもしれない。いまでも、親しい友だちからの電話のない日が一週間も続けば、たちまち、さきの老婆が書きのこしたような日記を、つけかねない心境に陥ってしまう私なのだ。家族がいるのにと、ひと様はおっしゃるけれど、家族はタテの関係である。私のように、ヨコとのつながりがなければ、ひろびろと生きた心地になれない人間は、友人は時として夫や子供よりも大事に思える存在だ。」中略をしまして、最後のほうですが、「時おり電話口で、小一時間もギターを弾いて聞かせてくれる友がいる。優しい雨のように、それは私の乾いた心をしめらせてくれる。できたてのホットな詩を、即刻とどけてくれる友。ベトナム問題について、大熱弁をふるう友がいるかと思えば、「星占いによるとね、あなたの持ち花は、薔薇とすみれですって。今日はブルーの着物を着てらっしゃい。いいことがあるそうよ」朝早く、女友だちの、はなやいだ声がひびいてきたりする。いずれにせよ、それらの声たちが、私の一日を、いきいきと息づかせてくれる。この声たちの、訪れがなかったら、タテの関係だけの中で、私はとうの昔に窒息し、ひからびていたにちがいない。」という小文なんですが、私の言いたいのは、要するに電話の効用がこういう面にもあるかということで、実は思いを新たにしたような意味でちょっと読み上げたのですが、こういうところにまでいきますと、電話も何か肉体の一部である、それからまた人と人とのほんとうのかすかな命のつながりという形で電話がもう離れられない存在になってしまって、いまにも死にそうなおばあさんが電話を枕元に置いて、その電話一つがこの世との連絡電話みたいなことになっておる。それに対してこの新川和江さんが非常に感激をし、自分も電話のお陰でその日その日が非常に張り合いを感じて生きておる、こういうようなことを言っておられると思うのですが、電話の長話も必ずしもあまりやかましく言えないような気がするのですが、もちろん公衆電話については、こういうことがないだろうから問題ないと思うのですが、いずれにしろ、とにかく、ギターを聞かしてもらったり、あるいは朝起きたらちょっとあいさつを遠く離れておっても電話で聞けば、何か面と向かって話をしている気持ちになる。電話の利用は、こういう面があるかということを再認識したのですが、そういう点からいうと、言いたいことは、住宅電話というものも度数の多い少ないにかかわらず、われわれの考える以上にたいへんな一つの役割りを持っている。われわれの考えるのは、そば屋に電話をかけるというようなドライなものの考え方で電話の利用価値を考えるのですが、何分詩人でありますから、こういうことに敏感なのかもしれないけれども、こういう形で、電話も一面お役に立っておるようです。したがって、住宅電話の問題も、テレビが今日すでに二千万を突破いたしておりますし、四十七年度末にはどのくらいになりますか、おそらく二千四、五百万ぐらいになるのじゃないかと思うのですが、そうだとするとやっと九百万足らずの加入電話ということでは、これまた時代の要請にこたえられないのじゃないかという感じがいたします。したがって、三分の一世帯電話設置が非常に一つの大きな目標のようになっておるわけですし、もちろんきめた計画はやらなければなりませんけれども、やはりこの面でもさっき申し上げたようになかなか積滞が予想以上に四十七年度末には私に出てくるのじゃないかと思うのです。したがって、その点は先ほど来御答弁がありましたから、押し問答みたいな形で繰り返して申し上げませんけれども、九百四十万個という問題も、弾力的に、積極的に私は考えるべきだと思うのです。それと切っても切れない関係は資金の計画、したがって、九百四十万個を前提とした資金計画ということでは当然そこが出ると思いますし、それから四十八年以降どうするという問題もありますから、そういう長期計画を一体のものとして、ぜひ、私はとらえて 検討願いたいと思うのです。そのために若干の時間がかかっても私はやむを得ないと思いますが、先ほど佐藤調査会の経緯を伺いますと、とにかく三十九年に総裁のほうから諮問をして、答申が出されたのは翌年の九月ですから、まるまる一年かかっております。まるまる一年かかっているんだから、いまから考えてみると、若干計数の面で甘かったり辛かったり、とにかく相当の誤差が出ているようです。したがって一年かかって検討しても、そういう結果が出ることを考えると、総裁の言われるように、ここ一カ月、二カ月で、いまのところは、われわれにここで説明できない状態の中で、七月前後に出すといわれても、私は別に総裁を疑うわけではありませんが、物理的に不可能ですよ。だから、この際は、率直に、とにかくじっくり時間をかけて最低一年くらいはかかるでしょうが、その間にひとつしっかりした資料を集めて検討して四十七年度末に限らず、第五次五カ年計画を含めて、せめてそこのところをコンクリートしたものを検討したい、こう言ったほうが現実的だし、なるほどそうなれば、今度こそ説得力ある資料でもって、私どもも計画を伺えるという期待を持つが、七月ごろに早々とおつくりになって結論を出されるということは、物理的に不可能だと私は思うのですが、そこらのところをもう少しひとつ虚心たんかいに御所見を伺いたいのですがね。それこそ総裁、副総裁再選をされた直後ですから、少し思いを新たにして、決意を新たにされると同時に思いをひとつあらたにして私は取り組まれることのほうが賢明だと思うのですが、いかがなものでしょう、ひとつゆっくり御答弁ください。
#73
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 今後の残っております四次五カ年計画のいろいろな見通しなり、見当、あるいは予算編成概算要求を出す過程におきましては、ただいま久保委員、あるいは鈴木委員から御質問が先ほどありましたように、要するに四十八年以降の問題に対してある程度の見通しを立てないと意味がないと思います。したがって、その意味におきまして、十分将来の見通しを立てて慎重に検討したい、こういうふうに思っておりますが、ただどこまでできるかという点につきましては、事務当局もいろいろ作業をしているようでありますが、しかし、それが完全なものになるかどうかわかりません。ですから、私も四十五年の問題と、場合によっては四十六年以降の七カ年計画にするか、あるいは四十五年から五カ年計画にするか、その辺は実はまだきめてないのでございまして、今後検討する重要な問題として考えてみたいと思います。必ずしも四次の三年だけでいろいろな将来のものをまとめ上げるというふうに考えていないということを先ほど申し上げたのでありまして、その点は過去のいろんな経緯にこだわらないで、何といいますか、弾力的にといいますか、長期を見通していきたい、こういうふうに思っております。
#74
○久保等君 そういう御答弁を伺えばだいぶ話がわかって、私の申し上げておることとかみ合ってくるわけですし、そういうことにならざるを得ないと私は思う、しかもここ二、三年いろいろ総裁みずから苦い経験をなめておられるのですから、ぜひひとつしっかりした、できるだけ新しいデータで、さらに先ほどちょっと私が念のために申し上げたように、例の経済企画庁でつくった社会経済発展計画、それのまた焼き直しのようなもの、そういったようなものも、これもきわめて大ざっぱな一つの見通しですから、それにあまりしぼられた形で考える必要は私はない。そういうことを言うと、経済企画庁はあまりいい顔をしないと思うが、やはりもちはもち屋ですから、要するに最大公約数として、一つの経済企画庁としては、計画を立てられるのであって、何かつくられたものを、金科玉条のような形でそれを引き直して、電電公社版という形で計画を立てられることに私は問題あると思う。ここらになると経済企画庁の諸君と若干意見が違ってくると思うのですが、私はやはりもちはもち屋という立場で、さっきも申し上げたように、電信電話事業の特性を考えながら、一つの基準として考えながら、一つの応用問題としてやはり自主性を持っておつくり願いたいと思いますし、急がば回れということばが私は今日電電公社にとって非常に適切なことばじゃないかと思います。最後に一つそのことも申し添えておきます。
 それで次の問題に移ります。次に、例の今度の計画の中で農集を本実施に移していこうということも計画の中に一つあるようですが、これも農村方面における電話の設置に対するいろいろ技術開発の面で努力をせられた結果が、農集という形で、今日積極的に取り上げられておると思うのですが、非常にけっこうだと思うのです。しかし、これもなかなか十分に要望に沿うてないと思うのですけれども、その電話を農村のほうに特によけいつけていかなければならない問題がある反面、これもちょっと電電公社に忘れられておるのじゃないかと思うものに、例の国有資産等所在市町村における交付金並びに納付金に関する法律というものがあります。これは金額はそうたいへんな金額というわけでもございませんが、この納付金の資料がなければ、後日御説明願ってもけっこうですけれども、ここ二、三年の納付金の金額を念のためにちょっとお知らせ願いたいと思います。
#75
○説明員(中山公平君) 納付金につきましては、昭和四十四年度の予算におきましては、百二十七億円ということに相なっておりまして、昭和四十三年度は、納付金だけの資料はございませんけれども、これを含めました諸税公課の額が百十六億円でございますから、これの大部分が納付金と見ていただいて、けっこうかと思いますが、かなり四十三年度よりはふえております。こういう状況でございます。
#76
○久保等君 私、この電気通信関係法令集をきのうちょうだいしたのですけれども、この冊子の中には、そういう法律は載っていないのですよ。それで、電気通信関係法令集だから、電気通信という名のついてないのは載せないのかもしれませんけれどもね。しかし、こういう法律は、直接電電公社自体から税金を取られている根拠法ですから、載せてもらうと便利ですけれども、けさ見ようと思ったら、この中に載ってない。電電公社は金持ちだから、そういうことについてはあまり税金の百億や二百億はたいして気にしないということかもしれませんが、私は前々から、この納付金制度というものは、筋の通らない悪法だと思っておったし、この法律が出たときにも、やかましくそのことに対しては私は反対した。しかし、それほどどうも当局のほうではあまり反対でもなさそうな御意向だったのですが、私は今日といえども非常にこの法律そのものは悪法だと思っております。ここに政務次官の木村さんおられますが、国鉄はいろいろ財政的に苦しいというようなことで、今度特別措置で多少減免をしてもらうような措置をとったようです。私は何も便乗してどうこうというのじゃないのですが、この制度そのものは一体どういう趣旨なのか。市町村に鉄道を敷く、市町村に電話をよけいつける、農集等もよけいつける、つければつけるほど逆に税金がよけい取られる。固定資産税のような形で取られるというのは非常に大きな矛盾です。と同時に、制度として筋の通らない問題です。ですから、私はやはり機会あるごとに強くこの撤廃を主張すべきだと思う。最近、全国の自治体というものも昔に比べればだいぶ財政状態がよくなってきた。特に背に腹はかえられないということで、筋が通ろうが通るまいが、できるだけあるところから金を取りたいということも、私はある程度わからないわけでもないのですが、しかし、やはり財政の好転ともにらみ合わせて、だんだんこういうものは軽減していくなり、やはり廃止するなりする方向に努力をすべきだと思う力一億でも二億でも金があれば、むしろそういうものを農業に回していくというふうにしていきたいと思う。農集をつければつけるほど、地方の電話をつければつけるほど、それに見合って、金額の多寡は別としても、とにかく税金がふえていく。それで市町村に逆に交付金を出してやる。これはどう考えても理屈に合わない話です。税金がふえたとかなんとかということを考えなければならぬような事態に直面し、直面すればするほど、ひとつこの問題についても、公社は積極的に私は取り組んでいくべきだと思うのです。従来から機会あるごとに私はそのことを主張し、またお願いもしてまいっているつもりなんですけれども、ここ一、二年国鉄当局のほうでは非常に熱心におやりになって、最近本年度たしか若干のものが軽減せられることになったはずですから、これも一つの公社の取り組む姿勢として、やっぱり納得できないものは納得できないとして強く改正を迫っていく、あるいは廃止を迫っていくべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#77
○説明員(中山公平君) 法律そのものの存廃の問題につきましては、非常に大きい問題でございますので、私どもこれに対して、とやかく申し上げる立場にないと考えておりますけれども、この納付金の額につきましては、予算の概計要求の形式はともかくといたしまして、実質的には、予算の折衝に当たりましては、他の同種企業において軽減措置が講ぜられる場合においては、電電公社においても当然軽減措置が講ぜられるべきものであるということを、私ども四十三年度におきましても、四十四年度におきましても、強く主張してまいった次第でございますが、先ほど御指摘のごとく、国有鉄道におきましては、四十四年度百三十一億円程度の納付金の額を約二十五億円軽減措置が講ぜられて百六億円と、こういうことに相なった次第もございまして、私どもこの件につきましても、いろいろと折衝をいたしておったのでございますが、政府のほうの関係の向きとされましては、今回国鉄に対してこの措置をとったのは、地方税法において、私鉄の関係で採算性の低い新設営業路線の線路設備というようなものについて軽減措置が講ぜられておる、それとの権衡が従来はかられていなかったということにかんがみて、この措置をとったのであって、電電公社については、そういった事情がないのであるからこれは認めにくい。こういうことがおっしゃる趣旨でございまして、その面だけをとらえて申しますならば、そのとおりと言わざるを得ないのでございますけれども、電電公社の場合も、先ほどからもお話がございますように、だんだん電話が普及してまいりますし、住宅あるいはいなかのほうにも電話が普及してまいるということになりますと、これは一つの開発効果というような広い意味においての意味もあるわけでございますので、この点われわれもなお軽減方をお願いをしておるわけでございますけれども、まあ最後のところは、減免が市町村財政に与える影響もかなり多いということのほかに、いまの電話の普及の段階においては、加入者というものがまだ特定をしておって鉄道等とはその面において差異があるということで、そういう意見もございまして、これの軽減方の実現には難渋をいたしておる次第でございます。
#78
○久保等君 まあ大臣おられなくて政務次官おられるのですがね。政務次官、いまの私の質問ですが、これは電電公社というよりも、むしろ電気通信監理官なり郵政大臣の直接の問題だと思うのですが、まあここで確たる御答弁をお伺いすることも無理かと思うのですけれども、考え方として政務次官、私が先ほど申し上げたようにやはり市町村の開発発展のために、国鉄にしろあるいは電電にしろむしろ重点を置いて今日やらなければならぬような状況に置かれておるわけですし、今度の公衆法の一部改正法にしても、御承知のように農村集団自動電話というものをよほどこれから力を入れてやらなければならぬ。そうなると、またこれから私ちょっと触れようと思っておりますが、いままでは試行的にやっておったのであって、これからは本実施でやろう、こういうことになるわけであります。そうなれば当然試行的にやっておるときには、多少まずい点があっても試行的にやらしているのだからということで済まされるかもしれないけれども、これから本実施ということになれば、要員の面においても、保守、運用両面における要員の確保、あるいはサービスの実質的な面でももう少しいいものにしていかなければならないということになれば、従来より以上に金をかけてやらなければらぬということもあるのですが、そのことが同時に、市町村に対する納付金の金額でもふえていくのだ。もう無条件でこれは出していくことになっておるのですが、それはどう考えてもこの法律制度そのものが私は適当な法律でないと思ってかねがね言うのですが、国鉄の場合には、いま経理局長のお話があったようなことで、若干の軽減があったのですが、私は軽減という問題じゃなくて、制度そのものの廃止に向かって、これは郵政大臣なり、運輸大臣等が、あるいはまた専売の場合には大蔵大臣になるわけですが、ここらになるとちょっと私は別問題として、とにかく所管大臣が積極的に時期をとらえては折衝をせられて、この問題の解決に当たられるのが至当だと思うのですが、運輸省御出身の政務次官ですから、そういったことについては御理解願えるのじゃないかと思うのですが、政務次官、大臣おりませんので、かわってちょっと御所見を伺いたいと思うのです。
#79
○政府委員(木村睦男君) この納付金の問題は、私も多少経験をいたしておりますが、実は納付金というものの性格がどうも私自身あまりはっきりしていないと思うのです。と申しますのは、納付金を受け取るほうの地方公共団体からいいますと、国鉄といえどもあるいは電電公社といえども、国に準ずる機関ではあるけれども、一つの企業体である。したがって民間の企業体から取る固定資産税というものがあるので、これに匹敵するものとして、これにかわるものとしてこの納付金というものを納めてもらっているのだという言い分がございますし、それから納めるほうの側からいいますと、いまお話しになったように、鉄道といいあるいは電電公社といい、その地方の開発あるいは経済発展に大いに貢献しているのだ、したがって、十分それだけのいわば国鉄の固定資産税を納めるのに匹敵するだけのプラスの効果を公共団体にいたしておるので、いまさら民間の企業体と同じように固定資産税に匹敵するものを納める必要はないのであるが、地方公共団体が非常に苦しいので、まあまあそれに比べると、こういった公共企業体はまだ経済情勢がよろしいというときに、協力して地方公共団体の財政をお助けするのだという言い分もあるわけでございまして、なかなかその辺が理屈と実際と十分にかみ合っていないような面もあるように私思うわけでございます。したがいまして、今回国鉄のほうがこの納付金を、何といいますか、少しまけてもらったといういきさつも、先ほど経理局長が説明いたしましたような理由もあると思いますし、また国鉄がいま非常に財政上、地方公共団体とは比較にならぬほど苦しいということで、何とかいままで助けてあげたほうが今度は助けてもらうのだという考え方もあったようでございます。したがいまして、将来の問題としましては、この電電の納付金の問題等につきましては、いま久保先生からお話しのございましたような点も十分考えなくちゃいけない、かように思っております。大臣、どういう御意見かわかりませんが、私はそういうふうな考えをもちまして、今後の電電公社の経営のあり方あるいは電電公社の地方公共団体への、何といいますか貢献度、そういうものとやはり関係をして考えていくべき問題であろう、かように考えております。
#80
○久保等君 政務次官からそれだけ賛意を表した御答弁を願えればけっこうですが、あくまでも、先ほど申し上げたように、そこに敷設せられる鉄道、そこに建設せられる電話あるいはそれに関連する設備、それはその地域、その人たちのための施設なんですから、一般の企業体といったって、ただ企業だから税金を取るのだというのじゃなくて、企業そのものが一体何を目的にそこにそういったものができたかということを考えたときに、こういった納付金を巻き上げるという理由は、私は理論的にいって全然成り立たぬと思っておるのです。したがって、企業だからという、企業が何のためにあるか、そこらから考えたときに、全く取りやすいところから取るのだ、目の前にあるから取るのだという程度のことにしかなっておらないのでして、ぜひ機会をとらえて関係者の方々の御努力を今後お願いしたいのです。
 それから、先ほど来建設計画の問題で、五年計画等の問題を中心にしていろいろお尋ねしたのですが、はなばなしいというか、建設計画は毎年毎年百何十万個といったようなことで建設計画が進められていく半面、それが完成すれば、申し上げるまでもなく現用の通信回線として、通信設備として国民にサービスを提供してまいるわけですが、そういう点からまいれば、建設は建設のための建設にあらずして、保守運用を行なって国民に現実にサービスを提供してまいるための建設計画であるわけですから、当然したがって、現用設備に対する保守と運用、このことに重点を置かなければならぬのは当然だと思うのです。私もそのことをかねがね痛感をして、何かとそういったことを申し上げておったのですが、たまたま昨年、具体的には十勝沖地震等が出て、保守という問題に対して非常な関心が内外に高まった。そういう点で、ひとつの禍福――禍を転じて福となすという契機にもなったと思うのですが、従来からやはり建設計画を強力に進めていけばいくほど、半面において、保守運用がとかく軽視せられるという傾向が私はあったと思うのですが、そこで、その保守、特にたとえば、今度のこの本実施になる農村集団自動電話、この問題なんかにしても、この前回委員会でもいろいろ御答弁がありました。したがって、重複する面は避けますが、この前の職員局長の御答弁によりますると、一般の加入電話と同じように、一対一という比率で従来は保守要員等のはじき方をやっておったというお話でしたが、これももう少しこまかく現状に合ったような要員のはじき方をすべきだし、またその要員の確保をはかるべきだと、私は思うのです。特に地理的にいっても不便である、またその設備の中身からしても、一個の回線に八つ――五つから十ということになっておりますが、大体七つ、八つということになろうと思うのですが、そういったようなたくさんの電話がぶら下がっておる。そういったことになれば、保守の面でも若干やりにくい面もあるようですし、しますから、この保守の面全般について、私はやっぱりこの際思い切って、必要な経費はもちろん当然確保しなければならぬと思いますし、また必要な要員は最低限度やっぱり確保しなければならぬと思います。といって、なかなか大蔵折衝なんかやるとそうは簡単にいかぬという問題はあると思います。しかし、何かの一つの機会をとらえて新しいものをやる。すなわちいままで試行的であった問題が今度は本実施をするのだ、そういう時期をとらえて、やっぱり十分に説得をして協力を願うという方向にやっていく必要があるのだろうと思いますが、政府の例の要員削減の方針等があって、ここ一、二年前あたりから増員の問題にいたしましてもちょっとダウンいたしております。それは政府の一般的な基本方針から来た施策だから、これを拒否するわけにはまいらぬということで、事情はわかるのですけれども、この要員確保の問題について、若干現状の御説明なりお考えをひとつ承りたいと思います。
#81
○説明員(山本正司君) ただいま御指摘の農集関係の要員確保の問題につきましては、現在やっておりますのは一般加入電話と同じ一対一という比率で考えて予算もとっておりますし、通信局以下の配分も大体そういう考え方でやっておりますが、地域的にいろいろ事情も異なる面もありますし、本実施になるということもございますので、そういった実情に即応した適切な措置を今後ともやってまいりたいと、そういうことによって要員確保をはかり、ますます円滑を期したいと考えております。
 全体的な総体の要員の問題でございますが、おっしゃいますとおり予算概計におきます要求人員と現実の予算成立との間にはある程度の差が生じておることは事実でありまして、その原因は大きなところから申しますと、予算要求の事業量と申しますか、工程が、実際に成立しました予算に比べてある程度差が出てきておるということ。それから、当初考慮に入れておらなかったいろいろな事業面の合理化施策、たとえば各種機械化の問題だとかあるいは工事用車両の増備その他による作業の機動化の問題とかあるいは設計積算等の諸業務の簡素化、標準化といったような合理化要素というものを相当程度織り込みまして、それが要員面の能率向上というものに反映をし、結果的にある程度要求との間には差を生じておりますが、現実に成立いたしております定員の範囲内でいろいろな努力をいたしまして、業務運行上の問題におきましては支障のないようにやってまいれるというふうに考えております。
#82
○久保等君 要員確保の問題については、これはもちろん積極的に御努力を願いたいと思うのですが、私がいま具体的に指摘しておりますのは、農集の要員のはじき方の問題について、従来のままでやはり考えていこうというのか、それともやはりこの際現状に合ったようなはじき方で人員をはじこうとするのか、そこらのことをひとつはっきりお答え願いたいと思うのですが、単に全部ひっくるめてしかるべくやれというような形で、通信局にただ人員を流すのじゃなくて――もちろんそれには根拠があるのでしょうから、たとえばいま言う農集なんかの問題については、従来は一対一で計算をしておったとするならば、一・五になるのかあるいは一・幾らになるのか知らぬけれども、そういったことを現状に合ったようにはじいて、保守要員をひとつ要求していこう、確保していこうということなのかどうか、そのあたりのことをちょっとお聞きしたい。
#83
○説明員(山本正司君) 農集の保守運用業務につきましては、御指摘のような一般加入電話と比較いたしまして要員の手数をよけい必要とする面もありますし、また、一般加入電話よりも手数が省けるという面もあるわけでございまして、そういったものを総合勘案してはじかなければいけないと思いますが、おっしゃるようにまだ施行いたしましてから間もないサービス業務でございます。そういった実態をさらによく調査いたしまして、今後の要員確定の基礎にいたしたいと考えております。
#84
○久保等君 大体方向は私の言っているような方向で考えようということのようでありますから、もう私、そのことについてはやめたいと思います。ただ、本来ならば山本さん、こういう法案を出して本実施にするときには、私がいま申し上げたようなことで、もうすでに四十四年度の要員の問題については、考えているのですよということにならないと、実際は少しテンポがのろ過ぎることになるのですが、しかし方向として従来の一対一でよろしいとは思っておらない、実情を十分把握して、それに即応したような形で、ぜひひとつ要員もはじき出して確保したい、また確保するように努力をしたいということだろうと思うのです。ひとつその点は、そういうことで理解いたしたいと思います。
 それから特に保守運用の問題とも関係をするのですが、今度は人間――人の問題です。やはり人間の健康管理の問題、この問題についても、私、この際若干触れてお尋ねをしてみたいと思うのですが、非常に電信電話事業という神経を使う事業で、私もかねがねやはり電通の従業員労働者の方には、他の事業と違ったやはり負担が、そういう面では非常に大きいのじゃないかというように思っているところです。たまたま最近公社で出しております「電信電話」という雑誌を拝見しましたら、私の予想しておったことが――あまりいい予想じゃないのですけれども、精神疾患が第一位にのし上がってきたという記事を拝見したのです。さもありなんと、かねがね思っておったのですが、こういったことに対して、やはり新しい一つの傾向として対応する対策を立てなければならぬと思うのですが、ここで精神疾患の問題だけを取り上げようとは思わないのですが、病院あるいは診療所、そういったようなものの医療施設について、若干お尋ねをしたいと思います。それはさしあたって精神疾患の問題ですが、これはどんなふうな最近状況になっているか、また、対策等一応まとめてお尋ねしたいと思います。
#85
○説明員(大守坦君) お答えいたします。
 昨年の十二月末の現在におきます精神疾患で療養いたしております公社の職員につきましては、四百二十八人でございまして、総体といたしまして、疾患のうちで第一位を占めております。それで従来の推移を申し上げますと、昭和四十一年までは結核が第一位であったわけでありますが、昭和四十二年度から結核と順位が逆転をいたしまして、四十二年度、四十三年度と引き続き第一位を占めているわけでございます。これを年代別に見ますと、二十歳代につきましては、精神疾患が第一位でございまして、その他従来、三十代等につきましては、ほかの循環器等が首位を占めているわけでございます。で、四十二年度から精神疾患が増加傾向に転じているわけでございます。これは御承知のとおり、社会一般でも漸増しているわけでございますが、公社におきまして精神疾患が増加いたしました原因として考えられますことは、実は私ども精神衛生の相談室というものを従来設置をしてまいったわけであります。四十一年度まではほぼ各通信局に一カ所程度、こういった相談室を設けまして、異常のあるような職員が気軽に相談に行き、そこで専門医の指示を受ける、こういうようなルームをつくっているわけでありますが、この相談室の数を四十二年度から一挙に十九カ所にふやしまして、さらに四十三年度から三十三ヵ所にふやしたわけでございます。したがいまして、それだけここに相談に参ります職員もふえまして、従来潜在的な病気を持っておりましたものが顕在化してきた、こういうふうなことが大きな原因ではなかろうかと考えております。したがいまして、専門医の意見を聞きましても、かなりその病気の初期の患者が増加をしている、こういうふうなことになっているわけでございます。
 次にこの対策でございますが、まずこういった疾患を予防いたすためには、職場におきまして職員が孤立をしないということが大切でございますので、職場における職員相互間の融和を十分配慮しているわけでございまして、このほかに適正な配置につけるということも必要でございまして、そういった点につきまして日常管理を強化いたしまして、その課におきまして健康管理あるいはこの職場の衛生管理者等が巡回をいたしましたり、そういった過程におきまして、異常のある職員はこの相談室のほうに来ていただくというふうなことで、早期発見、早期治療ということに重点を置いておるわけでございます。なお、このほかに主要な病院につきましては、精神疾患患者の治療体制を確立いたしておりまして、また特に専門の医師が不足しておりますので、逓信診療所でございますとか、医務室の医師の研修あるいは精神疾患の専門の保健婦の育成、こういった点を推進しておるわけでございます。なお、このほか精神疾患の方々が安んじて療養できますように休職期間中の給与につきましても、一般の疾病による休職者と異なりまして、結核の場合に準じたような措置をとっているような次第でございます。
#86
○久保等君 特に、こういう精神疾患の病を含めた療養施設、先ほど申し上げたように病院なり、診療所、そういったようなものも全国的にあるわけですが、ところによっては老朽化して改修を要するところ、いろいろあろうと思うのですが、そういった病院、診療所等の何といいますか、施設の整備拡充といいますか、整備計画といったようなものがありますかどうですか。
 それからもう一つは、医者が最近どこでも不足をして、なかなか公共機関の医療施設には医者を集めにくいということで苦労をしておるようですが、電電公社の場合にも、ところによっては非常に大ぜいの医者が欠員になっていて、病院そのものが十分の機能を果たすことができない。パートタイムみたいな形で臨時に大学なりあるいは町医者等に来てもらって診療をしてもらっておるというような問題もあるようですが、そういった医者あるいは看護婦等を含めての欠員状況、ちょっと概略御説明願いたいと思うのですが。
#87
○説明員(大守坦君) 精神疾患患者の治療体制の問題でございますが、現在専門の精神医を配置しております病院は、関東、大阪、札幌、熊本と数カ所の逓信病院でございます。こういったところにおきまして、かなりの治療体制が整えられておるわけでございます。
 なお、このほかに、先ほど申し上げましたような精神衛生の相談室につきましては、今後とも拡充をする方向で検討を進めておるわけでございます。
 次に、医師の欠員の問題でございますが、現在全国的に見まして、医師が約五十名程度欠員になっております。これは公社全体として五十名でございまして、大まかに申し上げますと、病院関係におきまして約三十名、診療所、医務室関係において約二十名でございます。しかしながら、内容的には相当格差がございまして、東京、大阪等の大都市につきましては、医師の充足率は相当高くなっております。一方、地方都市につきましては、かなり医師の充足率が低いものもございまして、極端な例を申し上げますと、松山病院等につきましては、十二名の定員に対してわずか五名しかおらない、こういったようなまことに申しわけない状況になっておるわけでございます。この対策の問題でございますが、現在の欠員をどうするかという問題でございますが、当面の措置といたしましては、公社の近隣の医療機関の医師が当該地方に出向きまして健康管理に当たるとかあるいは職場巡回とかいったようなそういうふうなことをやっております。また病院、医務室等につきましては、大部分医師の手配、そういったことで当面をしのいでおるわけでございます。
 なお、根本的な対策といたしましては、どうして公社に定着化をしてもらうかということがあるわけでございます。これにつきましては、公社の医療設備、あるいは診療設備、そういったものを医療水準の向上に対応いたしまして近代化をして、整備をいたしていくということをまず考えております。
 次に、医師の方々が技能を向上されるためには、相当研究活動をされる必要があるわけでございます。そういった機会というものをできるだけ与えていくというふうなことも配慮いたしております。
 また、次に宿舎の提供でございます。あるいは給与の改善等につきまして、今後とも十分配慮していきたいと、かように考えておるわけでございます。
#88
○久保等君 医師の定員は全国で全部で幾らになるんですか。
#89
○説明員(大守坦君) 五百名弱でございます。
#90
○久保等君 そうすると、約一割欠員になっておるというところですし、同時に、それがまんべんなく一割というのじゃなく、ところによっては五割も欠員だというところもあるようですが、まあいずれにしても医者の確保という問題はどことも悩みの種になっておると思います。いま厚生局長の言われるように、抽象的ですけれども、そういった万般のやっぱり施策を講じてまいることが医師の確保にもなるだろうし、同時に、何といっても医療機関の充実になることだと思います。ただ、問題はもう少し具体的に、病院その他の医療施設の整備計画というものが従来からあまりどうもなかったのじゃないかという私は気がするんです。まあとにかく一にも二にも電信電話の建設だということで、医療設備関係が軽視せられた傾向なしとしないと、私は見ておるんです。何かそういった整備計画的なものが従来からありましたか、また、これからそういったことについてどういうようにお考えになっておりますか。
#91
○説明員(大守坦君) お答えいたします。
 医療機関の整備計画につきましては、昭和四十三年度から四十七年度までの五カ年間における整備計画の大綱を公社として策定をいたしております。しかしながら、ただ医療機関の整備につきましては、通信施設の場合と若干様子を異にいたしておりまして、まず今後五カ年間における患者数の推移というものがどういうふうになっていくか、あるいは疾病構造がどういうふうな変化をたどっていくのか、そういった点をなかなか的確に予測をすることができないという問題がございます。また、特に病院のベッドをふやすとか、診療科をふやすというふうな問題につきましては、医師を相当数増員する必要があるわけでございます。医師の現在需給状況にかんがみまして、かなり多数の医師というものの確保を前提として計画を組むということには若干の問題があるわけでございます。あるいはまた、最近の医療水準の向上に対応いたしまして、医療機械が急速な進歩をとげておるわけでございますが、まあそういった点につきましても、今後の予測が困難でございます。そういった他動的な要因が非常に大きいわけでございますので、そういった長期にわたる整備の構想というふうなものはつくっておるわけでございますが、年度別あるいは病院別、そういった具体的な計画につきましては、年度ごとに策定をするということで進んでおるわけでございます。
 で、内容の問題でございますが、まず最近の疾病構造が変化をいたしまして、ただいまお話ございましたような精神疾患が増加をいたしております。あるいは精神病が増加をいたしております。また、リハビリテーションの実施をする必要もございます。こういうふうな長期の慢性的な疾患を重点管理をするというのが一つの柱でございます。
 二番目には、医療水準の向上に対応いたしまして、やはり医療設備、医療機械等を整備いたしませんと、やはり患者の早期発見、早期治療ということが困難でございますので、そういった点についての整備を推進する考えでございます。
 第三といたしましては、現在の各病院あるいは医務室、診療所それぞれで診療等を常時やっておるわけでございますが、公社の医療機関全体として有機的な連携をはかりまして、患者というものの病気の早期発見、早期治療、あるいはその予防、そういったものを全公社的に有機的な連携のもとに進めていくというふうなことで考えておりまして、そのためにはやはり逓信診療所、医務室等につきましては、健康管理を重点にする。で、逓信病院につきましては、たとえば関東病院につきましては、日本でも最高という程度の診療設備、医療器械等を整備いたしまして、相当高度の診療を行なっていくというふうな構想で進めておるわけでございます。したがいまして、ただいま申し上げましたようなことで四十三年度から計画的に医療設備の整備拡充をはかってまいりました結果、予算的に申し上げますと、四十二年度におきますところの医療関係の投資額、病院の局舎あるいは医療器械等に対する投資額は一億六千六百万であったのでありますが、四十三年度におきましては五億四千四百万、四十四年度におきましては、六億四千四百万ということで大幅に増加をいたしておるわけでございます。
#92
○久保等君 若干計画性を持っておやりになっておるようには承ったわけでありますが、従来どうもこういった計画もあまりないままに過ごしておったようなきらいがないでもないようですし、そのことがついやっぱり職場環境といいますか、医者にとっては病院、診療所等の設備そのものも職場環境になるわけですが、そういった非常に悪い病院なんかにいる医者は、したがって欠員がよけい出るというようなことがこれは事実で、出てまいっておると思うんですが、そういったような点から、いろいろ総合的な面で拡充強化をしてまいりませんと、医者確保の一つの問題にしてもなかなかうまくいかないのは、これは当然だと思うんですが、ぜひひとつ積極的にその点お進め願いたいと思うんですが、同時に医者の報酬といいますか、医者に対する給与、これも公共企業体という立場でなかなかむずかしい、まあこれは郵政にしてもどこにしても同じですが、しかし、やはりある程度医者を確保していこうとするならば、またいい医者をこれ集めないと、医者というとただ単に免許を持っておればこたでいいんだというわけにもいかないと思うんですよ。したがって、できるだけ専門専門のいい医者を集めようとすれば、何らかそこにやはりくふうをこらさなければ、公定価格ではなかなかいい医者が来ない。これは今日の趨勢だと思うんです。特に医者の場合には、これはもう何ですね、大学へ入るときから、まずたいへんな投資をしなければならぬという問題等もあるわけですから、よけい医者が大学を卒業していざ就職するとなるとより好みをするのも無理はないと思うんですが、その場合に、官庁等が最も敬遠せられる、あるいは公社等が敬遠せられるということになっていると思うんですが、こういったことについても何かいろいろくふうをして、実質的に、とにかくまあまあそんならば公社でも行ってみようかというような給与も私は考えていく必要があるんじゃないかと思うんです。それから先ほど来言われるように設備をよくする、あるいはまた診療の機器をいいものをつけるとか、まあいろいろ方法はあると思うんですが、給与問題等についても何らかの方法で十分にひとつ考えていただくと、これは答弁要りませんけれども、ひとつぜひ積極的に考えていただくようにお願いしたいと思うんですが、まあ現に五十名の医者の欠員があるというようなこともこれはゆゆしい問題です。まあところによってはさっきも話がありましたが、松山の病院のごときは半分以上も医者がいない、これはもう私もよく事情知っておりますけれども、ああいう建物では医者にがまんしておれと言うほうが無理なような木造の建物で長く放置されておった。まあ最近やっと着工の運びになったようですが、とにかくこれも非常に大きな一つの要因だと私は思うんです。したがって、四十三年から四十七年度にかけての長期計画的なものをやつとつくられて、一つのめどを持ちながらやっておられるようですから非常にけっこうなんですけれども、金額の点からいくと、これ何ですよ、いまの物価から考えると、四億、五億、年間五、六億という金は、私はあまり、総額だとすると、これ大した金額じゃないと思うのです。かつて関東逓信病院の建設をやっている過程においては、あそこだけで約五億円程度の金を投資した。年はもう何年前か知りませんけれども、私ちょっと記憶しております。そういう点からいうと、これは全国で五億円前後の金を投資しているとすると、この金額そのものは、しろうとの私から見てもそうあまり自慢になるほどの金額じゃないと思うのです。まあいろいろその資金問題についても苦労しておられると思うのですよ。いろいろな種類の金があるから、まあたとえば共済組合あたりの金を使ってやっておることもありますから、これ以外にもあると思うのですけれども、しかし、やっぱりこういう問題は電電公社自体の直接の仕事でもあるのですから、何もよけいというか、余な仕事じゃないのでして、従業員の健康管理をしていくという立場からすれば、積極的に私はこういった方面にも必要な金はまあどんどん使っていくというと語弊がありますけれども、必要な金はとにかく計上、確保していくという態度であってしかるべきだと思う。まあどこからかとにかく都合つけて何とかひとつ、まあ余ったからというのじゃなくて、堂々と私はこういう金も確保していくべきだと思うのです。そのことがひとつ医者に限らず、従業員にしても、一般の民間の電気産業の労働者と比べると給与が低いのです。なるほど給与はこれまた国家公務員あり、その他がありますから、バランスがあってなかなかうまくいかないということであれば、医療の方面で何とかできるだけやっていくというようなことで、まあいろいろなものを総合して、まあまあとにかく世間並みの、実質的には何といいますか、対価が確保せられるということになろうと思うのです。そういう点、ひとり医者のみならず従業員の立場から考えても、ひとつぜひそういう方向で御努力を積極的にお願いしたいと思いますが、これはまあ従業員の大事な健康の問題でありまするから、ひとつ堂々と直接的な経費として計上するように、確保するように、ぜひお願いしたいと思うのです。総裁から一言そのことについて結論的に御答弁願いたいと思うのですが。
#93
○説明員(米沢滋君) 御趣旨を十分尊重いたしまして努力したいと思います。
#94
○久保等君 それから、この間もちょっとこの委員会で問題になっておりましたが、交通災害、交通事故の問題、まあ労働災害全体の数も必ずしもそう少なくない、相当な数にのぼるようですが、事故を起こさないようにいろいろと努力をしておられるのだろうと思うのですが、何といっても、戸外で働く線路関係の皆さん方のまあいろいろな注意にかかわらず事故が出る、これが相当な部分を占めておるようですが、まあそういうことについて、労働災害をできるだけ防止するようなことも御苦心はされておるのだろうと思うのですけれども、相当な事故件数があります。また、さらには交通事故、これはまあ世間一般非常にたいへんな年々歳々新記録をつくっておる、これは日本自体の直面する非常に大きな悲劇というか、たいへんな問題になっておるわけですが、そのことについてもいろいろ手当てをしておられると思うのですけれども、一面私はやはり外へ出て働くということは、相当な危険に今日さらされておるわけですから、そういった人、特にまあ自動車を運転してなおかつ宅内工事等に出かけられる方々、こういった人に対しては、何というか手当というものが、まあ現に一応支給せられておるようですけれども、まあ一日七十円や八十円という金額、これではあまりにも少額に失するのじゃないか。もう少し何とか考える余地があるのじゃないかというふうに考えますが、そこらについて、御説明なり同時にまあ今後の取り扱いについてお考えを聞きたいと思うのです。
#95
○説明員(山本正司君) 現在公社におきまして自動車運転をいたします際に、自動車運転手当という手当制度をつくって支給いたしております。その概要は、自動車運転を常時の職務とする者以外で、一日四時間以上運転した場合に七十円が支給される。それから時間がもっと少ない場合に、二段階に分けて、四十五円、二十五円という二段階の差別がございますが、これは他の公共企業体等の手当額に比較いたしまして大体妥当なところではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#96
○久保等君 まあ、妥当といえばそれきりなんですが、しかし、普通常識的に考えて、一日七十円程度が、何の手当、どういう名目でつける手当か知りませんけれども、今日の物価高で七十円で一体何が買えるか、しかもそれが四時間以上車に乗らなきゃならぬという時間で七十円。物価高の今日、七十円ではそば一ぱい食べられないと思うのですが、もちろん交通違反でもやろうものならば、罰金何千円か何万円か取られる。それはもちろん自己負担というたてまえからすれば、もう少しこういったものについては、金額を私はふやすべきだと思うのです。何十円という金は、今日それこそそこらへ落ちておっても、子供も十円玉が落ちておるからといってあまり拾おうとしないような価値しかないので、せめてやはり一日百円とか、百五十円とかいうならいいけれども、七十円、さらに一番少ないのは一日二十五円という金額は、どうも今日の貨幣価値からいって、少し少な過ぎるのじゃないかというように考えます。まあくれないよりくれたほうがいいじゃないかといえば、出ないよりいいかもしれませんけれども、しかし、やはり何らかの名目で出す手当というなら、せめて一日まあ最低がかりに倍になってみたところで、五十円程度ですが、とにかく最低五十円か、最高といっても、それもできなければ、せめていまの金額の倍ぐらいの金額に何とかしないと、金を出しているということにあまりならぬじゃないですか。そういったことを一面やりながら、片方において、事故等を起こすことのないように、念には念を入れて十分にひとつ御本人の注意を喚起する、これはいろいろやられておると思うのです。私もたまたま地方へ行って、朝八時半ごろ出かけていって、線路、宅内の諸君の出かけていくときあたりに、現場によく出くわすことがあります。そういうときに、たまたまあいさつをするときがある。まずイの一番に交通事故を起こさないようにということで、それこそ声を大にしてお願いしたりするんですが、お互いの幸福のために。ぜひ交通規則はもちろんのこと、念には念を入れて、交通事故は、ただ規則を守っておったら事故が起きないという世の中じゃないのでして、交通事故が起きないように注意をしておっても、わざわざぶつけてくる人もおるわけですから、そういう点では非常に何といいますか、そういった交通安全のためのいろんなひとつくふうを、各職場においてくふうをしていただいて、事故が絶滅をするようにということで、御努力を願うように。これは申し上げるまでもなく、いろいろ配慮せられておると思うんですが、やっぱり毎日毎日のことになりますと、マンネリになって、きのう言ったのに、またきょう言うのもなんというようなことで、せっかく朝集まって、ちょっとした話し合いをしておるようですけれども、ついやっぱりもう適当になんということになっておるようです。しかし、くどくても、とにかく毎日毎日、こういったことには十分にお互いに注意をするように、ひとつ配慮をしてもらいたいと思うんですが、そういう反面において、やっぱり手当も少しは、二十五円などと言わんで、まあ五十円か百円ぐらいは一日の手当として出すべきじゃないでしょうかね。そういう点で、世間並みだという程度の消極的な答弁じゃなくて、ひとつこれも改正をするように、ぜひお願いをしておきたいと思います。まあ労働災害の問題については、私が申し上げなくても、それぞれの関係のほうで、いろいろと御努力をせられておると思いますが、ぜひひとつ事故の起きないように、またくふうをぜひお願いいたしたいと思います。
 大臣も帰ってきませんが、それじゃあ私はあまり――大臣に質問したいこともあるんですが、大臣でなければ、どうもちょっとどうかと思いますので、保留をしておきましょう。定刻四時半近くなっても、まだ帰ってこないから、きょうはひとつ、少し早いんですけれども、私はこのあたりで一応打ち切っておきます。
#97
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#98
○委員長(永岡光治君) 速記をつけて。
 他に御発言がなければ、本法律案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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