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#1
第061回国会 逓信委員会 第21号
昭和四十四年六月十九日(木曜日)
   午後一時十九分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
六月十九日
    辞任       補欠選任
     浅井  亨君     二宮 文造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永岡 光治君
    理 事
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
    委 員
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                寺尾  豊君
                久保  等君
                森  勝治君
                二宮 文造君
                北條  浩君
                村尾 重雄君
                青島 幸男君
   委員以外の議員
       議     員  達田 龍彦君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
       国 務 大 臣  床次 徳二君
   政府委員
       総理府特別地域
       連絡局参事官   加藤 泰守君
       郵政政務次官   木村 睦男君
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
       郵政省郵務局長  曽山 克巳君
       郵政省貯金局長  鶴岡  寛君
       郵政省簡易保険
       局長       竹下 一記君
       郵政省人事局長  山本  博君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険
 思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無
 償貸付けに関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 この際、おはかりいたします。委員外議員達田龍彦君から、沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案について発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(永岡光治君) 沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案を議題といたします。
 本法律案に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○森勝治君 まず、大臣に御質問を申し上げたいのでありますが、いま特に、問題になっております沖繩返還のめどですね、郵政大臣として、これをどう考えておられるのか。その点からひとつお伺いをして自後の質問に入りたいと思います。
#6
○国務大臣(河本敏夫君) 沖繩返還問題は、御承知のように、この十一月に佐藤総理がニクソン大統領とお会いになりまして最終の取りきめをされるわけでございますが、そう遠くない将来当然日本に返ってくると、かように考えております。
#7
○森勝治君 それでは、いま見通しについて、御答弁になったわけでありますが、そういう展望に立って今回の措置も提案された、やはり相対的な関係がある、こういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。
#8
○国務大臣(河本敏夫君) 沖繩返還の見通しもさることながら、この法律は、むしろ戦前の郵便貯金問題及び簡易保険問題、これを解決するための一環として御審議をしていただいておる、かように御了解をいただきたいと思います。
#9
○森勝治君 それでは、くどいようでありますが、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。このたび提案されたこの法案というものは、沖繩返還を前提として提案されたものだというふうに理解をしてよろしいかということであります。
#10
○国務大臣(河本敏夫君) 沖繩返還問題は、先ほども申し上げましたように、近く解決するであろう、こういう見通しでございますので、当然そういうふうになります。
#11
○森勝治君 大臣が、そういう見通しを持って、その相対的な関連において、今回のこの法案を出されたという御確認をいただいたわけでありますが、この提案理由の説明にもありますように、本土と沖繩の格差が指摘されておりますが、それでは、沖繩における郵政事業の全般にわたる資料が当然これは整えられて初めて本土と沖繩の郵政事業の格差という説明がなされるのだと思いますから、ひとつその関係の資料があるならば御提示願いたいと思います。
#12
○政府委員(溝呂木繁君) ありますので、後刻提出させていただきます。
#13
○森勝治君 それでは、資料がおありだそうでありますから、それをあとでひとつ出していただきます。
 そうなりますと、郵政事業における本土と沖繩の一体化という問題に、当然これはもうすでに取り組んでおられると思うのでありますが、さてそれでは、本土と沖繩の郵政事業の一体化についての基本的な考え方が当然もうまとまっておられるはずだと思うのでありますが、その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#14
○政府委員(溝呂木繁君) すでに、本土と沖繩の一体化ということで、過般閣議決定によりまして、四十四年以降おおむね三カ年でその効果をあげるようにということでございますので、郵政省におきましても、その線に沿って逐次、各事業――郵便貯金、保険、放送関係、電気通信関係というそれぞれの分野において、逐一一体的な問題をその方針に沿って進めているわけでございます。
 なお、それぞれの具体的な問題については、もし必要があれば、私から総括的に御説明申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#15
○森勝治君 詳しく言ってください。
#16
○政府委員(溝呂木繁君) それでは、その一体化の方針に従いまして、いままで郵政省としてとってまいりました処置を概略申し上げます。
 まず全般的に、各事業として、沖繩の職員を郵政省のほうに受け入れて、それを研修したり、あるいは日本の講師を沖繩に派遣して、早く日本でやっている仕事と沖繩でやっている仕事との一体化を進めるという方針でやっておりますが、その人数にいたしましても、四十一年度以降三年間で受け入れ人員は約三百四十一名、派遣人員は二百二十四名であります。なお、その中には、逓信記念日におきまして、早く日本に復帰していただいたときの喜びを一緒にしてもらいたいということで、沖繩の人を熊本の逓信記念日の式場にお招きする等もこの中でやっております。
 それから郵便関係でございますが、御承知のように、沖繩と本土との郵便物の取り扱いにつきましては、万国郵便条約あるいは小包に関する約定を適用して、外国の郵便物として取り扱われているわけでありますが、特に本土と沖繩との特殊な関係にかんがみまして、通常郵便物の種類、料金、あるいは各種の利用制度等については、従来から実質的には内国郵便と同様な扱いを大幅に取り入れましたし、また、小包郵便料金とか航空郵便料金等につきましても、一般の外国あてのものとは違った特例料金を設ける等いたしておるわけであります。
 それから沖繩における郵便局舎の改善問題でございますが、だいぶ現地において困っているということを聞いておりましたので、一九七〇年度の沖繩産業振興融資特別措置法による日本政府の財政投融資、これで一億一千万円がこの局舎改善に充てられるように予定されております。
 それから、ややこまかくなりますが、災害救助小包無料扱いも、船便扱いとするものについては無料でもって本土から差し出せるというような処置もとっております。
 なお、御承知と思いますが、例のお年玉つき年賀はがき寄付金でございますが、これも沖繩の社会福祉施設に配分するということで、南方同胞援護会を通じてではありますが、四十三年度までに三億二千万円の配分をいたしております。
 それから貯金関係でございますが、これも御承知のように、沖繩あてで振り出す郵便為替につきましては、一応外国扱いになるのでありますが、特に利用でき得るものは内国為替と同様な処置をとっております。たとえば主要な料金というようなものは、内国為替と同額で沖繩にも届くというような措置をとっております。
 保険関係につきましては、先ほど申し上げました財投計画の一環になるわけでありますが、保険の積立金運用計画の中で本年度五億円を予定しております。それから放送関係につきましては、これもいろいろ本委員会において審議していただいたものでありますが、四十三年の四月に制定されました法律によりまして、NHKが沖繩放送協会に対しましてテレビジョン放送に必要な送信設備を設置して、これを無償で貸し付けております。約三億五千万円の経費をもってつくったわけでございます。それからそれより前でありますが、沖繩の例の宮古群島とか八重山群島におけるテレビジョン放送の設備を早くつくってくれということでございまして、これにつきましては、四十一年度予算と四十二年度予算、これは政府予算のほうでございますが、合計七億一千万円をもって放送局を設置して、これを琉球政府に譲渡しております。
 それから放送に関連しまして電波関係になりますが、例の無線従事者の国家試験免許に関し、沖繩との間に同等な扱いをしてくれというようなことが要望されまして、現在参議院で審議されていると思いますが、沖繩の、正式の名前いまちょっとど忘れいたしましたが、その法律の中に、沖繩の無線従事者の資格を有するものは本土の無線従事者の免許をそのまま取得できるというような処置が講ぜられることになります。
 それから電気通信関係でございますが、昭和三十六年から三十七年にかけまして、一般会計予算で一億八千万円、それに電電公社の機材提供約一億三千万円、計三億一千万円でもって日琉間のマイクロ回線、これは電話の六十回線とテレビの一回線、これを建設いたしまして、これは過般琉球電電に譲渡いたしました。それからなお四十二年度から四十三年度にかけまして、一般会計予算六億七千万円をもって、沖繩本島と先島間のマイクロウェーブ回線、これは電話の三十六回線でありますが、これの建設を行ない、球琉電電に譲渡する予定になっております。大体郵政事業関係におきまして、いままで本土沖繩一体化に対してとってまいりました処置を概略御説明申し上げた次第であります。
#17
○森勝治君 それでは当面、当面ですから昭和四十四年度に、これからとろうとする郵政の具体策は何でしょう。いまのは過去でしょう。いまのはプロセスですから、ひとつこれからの当面の問題をお聞かせ願いたい。
#18
○政府委員(溝呂木繁君) ただいま御説明申し上げました中には過去のものもございますし、現在進行中のものもございます。したがいまして、少しダブるかもしれませんが、御説明申し上げますと、郵便関係につきましてはなお向こうの、沖繩の郵便物の種類、体系については日本の制度と違っておりますので、早くこれを日本並みの体制にしてもらうような指導をするとか、あるいは局舎改善につきましては、先ほど申しましたように一九七〇年度ということでございますので、これは四十四年度に当たるわけでございまして、先ほど申し上げました一億一千万円で局舎改善を進めていくというようなことがございます。それからお年玉年賀はがきの寄付金の配分も今後、四十四年度においてももし必要があれば考えられる、それ相当のものは考えるというふうに考えております。
 それから貯金関係につきましては、大体いままでとってきました処置によって一体化の実はかなり進んでおるかと思いますが、なお現地の要望等主として――失礼しました。今後の処置というものは、この現在御審議いただいているものに関連するもの以外は、特に現在では考えておりません。
 それから保険関係につきましては、先ほどの五億円の簡保資金が分担する分でありますが、これは当然四十四年度財投計画ということになりますので、今後の計画ということにも関連してくるわけであります。
 それから電気通信関係につきましては、現在琉球電電のほうで、さらに本島といろいろの諸島間の通信回線等について、いろいろ要望が出ております。したがいまして、それらについては、どの程度まで日本政府側が援助し、また現地の琉球電電側が自分でやるかというような計画をつくりつつあるようでございますので、それらの計画を見ながら、これは一般会計の援助ということであれば、総理府のほうにお願いするわけでありますが、いずれにしろ、そういうものが出てくれば、その場において検討したいというぐあいに考えております。
 それから放送関係につきましても、先島との間は現在ビデオをもって航空等で送っているわけでありますが、この間も直放送ができるようにという要望がきておりますが、これらについては過般調査団を派遣いたしまして、その技術的な問題を調査いたしております。いまのところ非常に技術的には困難であるという状態でございますので、さっそくそれを沖繩に対して援助できるかどうかということは、現在まだ検討中でございます。
 大体こういったようなことが、現在及び今後における考え方でございます。
#19
○森勝治君 大体わかりました。
 そこで、先ほどの説明の中で、沖繩から三百四十一名受け入れ、こちらから二百二十四名ということでありましたね。その中で、いま沖繩は貯金だけで、簡易保険はないわけでしょう、そうですね。ですからそれらの三百四十一名と二百二十四名の相互派遣をしたわけでありますが、その中には保険関係の者は一人も含まれてないのですか。
#20
○政府委員(溝呂木繁君) 三年間にわたっての三百四十一名の受け入れと、二百二十四名の派遣につきましては、これを事業別に大ざっぱに申しますと、まず三百四十一名の内訳としましては、郵便関係で三十二名、貯金関係で十四名、それから電気通信関係、これはKDD、NDD、いわゆる国際電信電話会社と、それから日本電信電話公社も入っておりますが、百七十三名、それから電波関係、これはNHKも含めまして五十六名、その他共通という言い方で六十六名ということで、三百四十一名ということになっております。
 派遣関係につきましては、郵便関係が五名、貯金関係が三名、同じく電気通信関係で百十八名、電波関係で四十四名、共通で五十四名、こういうふうな内訳になっております。
#21
○政府委員(竹下一記君) 沖繩では簡易保険事業やっておりませんので、したがいまして、技術援助等のために相互の人員が交流をするということはほとんどやっておりません。しかし皆無であるかと申しますと、そうではございませんので、四十二年度と四十三年度にかけまして、沖繩における簡易保険関係の講習会の講師といたしまして、一年に一名ずつ出張をいたしております。
#22
○森勝治君 そのことは将来沖繩にも簡易保険という制度を設けるという前提に立っているわけですか。そういう面で指導、助言を与えておるわけですか、その点、それから郵政省として、本土と同じように簡易保険を普及させる、そういう意図というか、希望というか、そういう考えはどの程度まで進んでおられるのか、それをお聞かせ願いたい。
#23
○政府委員(竹下一記君) 沖繩におきましては、戦前ありましたような本土並みの簡易保険事業の再開を希望しておるようでございまして、そのためにいろいろと勉強をしておられるように思います。その方向で、私どももできるだけのことを御援助申し上げておると、こういうわけでございます。一方、それでは簡易保険事業を再開させる意思であるかどうか、日本側にあるかどうかというお尋ねのようでございますけれども、これは施政権を異にしておりますので、こちらの意思どおりにはもちろんならないわけでございますけれども、沖繩のほうで事業再開の意思はございますけれども、本土並みの簡易保険事業再開は、法律的にも、また実際問題といたしましても、その開始をいたしますにつきましては、いろいろな隘路がございまして、非常にむずかしい問題ではなかろうかと思います。したがいまして事業再開は、やはり沖繩が本土に復帰いたしました暁を待ちませんと、事業の再開は事実上むずかしかろうと、かように考えております。
#24
○森勝治君 なるほど法律的には、そうかもしれませんが、私が冒頭に、大臣に返還の展望等をお伺いしたのは、そういう点にもあるわけですね。いまの話を聞いていると、本土並みになってから考えるというような気がしてならぬわけです。ところがほかの部門については、いま官房長がるると積極的な施策、指導、助言をされておるように説明をされて、簡保については何ら言及をされてないわけです。やっぱり本土並みというなら、そういう点にもあまねく本土の人と同じように、彼らがそういうよい制度を受け入れることができるような、そういう施策を持ってしかるべきだと私は思うのです。それは国が違うとか、何とかいうそういう意味のことをおっしゃったが、返還の展望に立って、大臣が説明されているわけですから、もっと積極的にこれは指導、助言をしてよろしいのではないでしょうか、どうですか、担当局長。
#25
○政府委員(竹下一記君) 将来の事業再開に備えまして、いろいろと準備を沖繩のほうではやっておられるわけでございまして、それに対応いたしまして、私のほうではできるだけの御援助を差し上げているわけでございます。ところが、沖繩政府の実情をいろいろと当たってみますると、いろいろ事情がございまして、事業再開に踏み切れないでおるわけでございます。
 その事情を一、二申し上げますると、保険事業は、やはり郵便貯金と若干性格を異にしております関係で、相当の加入者がございませんと、保険の効果が薄いわけでございまして、また保険事業という経営の立場から見ましても、いろいろと問題が起きてくるわけでございます。沖繩全住民九十五万を考えますると、その中で幾らの人が加入してくれるかということを考えてみますると、きわめて少数の加入者しか期待できないではなかろうかと、これは簡易保険事業として非常な痛手でございます。それともう一つは、資金運用の場が狭いということがございまして、保険料を積み立てまして、これを活発に運用しまして、この積み立て金を利殖をして、それを加入者に還元をするというのが保険の目的でございますけれども、そのための運用という面をながめてみますると、きわめて運用の幅が狭いわけでございまして、資金運用の効果を期待できないわけでございます。そういういわば非常に厚い壁がございまして、琉球政府としては、みずからこの保険事業を開始するという点について、意欲はあるのでございますけれども、事実問題として踏み込めないというのが実情でございます。日本政府あるいは日本の簡易保険局といたしましては、そういう実情に対しましていかんともしがたい立場にあるわけでございまして、いましばらく時間がかかるのではなかろうかと思っておる次第でございます。
#26
○森勝治君 今度のこの法案の内容は、沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案、こういうふうになっておりますが、片やこの提案理由の説明によりますと、沖繩住民が終戦時、当時持っていた郵便貯金、簡易保険等の支払い問題についての説明がなされているわけです。なるほどこれは形の上では非常にけっこうなのでありますが、さてこれを法律的な見地から見ると一体どういうことなのか。その見解を承りたい。
#27
○政府委員(鶴岡寛君) 提案理由の説明にも書いてございますが、琉球の郵貯は非常に本土と比べて格差があると、これを引き上げて、レベルアップをして本土復帰に備えようということをまず第一の眼目として提案理由の説明の二ページ目の終わりごろから書いてあるわけでございます。これが一点と、そしてこれがまた法律の名称にもなっておるわけでございます。それでその次に、一方、沖繩住民が云々といたしまして書いておりますのが、まあ表現といたしましては、支払い問題自体が、これは郵便貯金事業の振興等のために必要欠くべからざるものであるということであったが、その支払い問題の解決に当たって、琉球政府側からこういう要請があったので、これに応ずることにしたのだという、二つの理由を掲げておると、さようなことに相なっております。
#28
○森勝治君 その点は、たとえばいまも官房長から説明ありましたような、琉球政府に施設を、NHKが、この前貸与ですか、譲渡かされて、ここでわれわれも委員会で審議したことを覚えていますね。あのときはちゃんとここへ提案をして、それをきめておるわけですね。ところがいまあなたが後段に言われたのは、提案理由の説明の中にはあるけれども、法律案の中には、そのことが言及されてないんです。ですから、法的見地からいって、どういう立場をお持ちかと、こう聞いているわけです。もろもろの要素はたくさんありますよ、説明されているんですから。ただ出された法律案の中に入ってないから、入れてなければ入れてないという理論的根拠をお持ちだろうから、その点を承りたい、こういう質問なんです。
#29
○政府委員(鶴岡寛君) まことにさような御懸念もあろうかと存じますが、これを、表題をこのようにあくまで琉球において琉球政府が行なう琉球政府の郵便貯金の振興云々というふうにしておりますのは、これはこういうことを、施設を向こうにしてやることが、私どもの旧日本郵便貯金の支払い問題の解決に結果として非常に役に立つ、場合によっては、一つの条件みたいに非常に強い力を持つものでございますが、ただ、この施設によって直接に効果を受けますのは、これはあくまでも琉球政府、そして琉球政府の現在の郵便貯金である。いわゆる旧日本郵便貯金の預入者あるいは保険の加入者というものは、これによっていわゆる直接の利益は受けないと、そういうことがございますので、法律の正式のたてまえといたしましては、前者である沖繩の郵貯等のレベルアップというようなことにしぼったわけでございます。
#30
○森勝治君 それは、しぼったという説明をされたことはわかりますがね、法律的な見解は説明されてないでしょう。たとえばこういう提案で法律上差しつかえないとかいう。――しぼった、しぼったとおっしゃる、それだけじゃ合点がいかないからその見解を聞かせてくれ、その点は、何ら触れておらない。しぼった、しぼった、そうでしょう、私が先ほど表題を読み上げました、それしか出されてない。ところが提案理由の説明では、そういうことは触れておられるが、法律上それでよろしいかどうか、その見解を聞いているんです。だからそれをひとつ言ってください。
#31
○政府委員(鶴岡寛君) ただいま申し上げたとおりでございますが、ここで私どもが現在非常に本土と格差がある。いわばレベルが低い沖繩郵便貯金をレベルアップをするということは、本土復帰の際に、われわれが非常に弱い弟分をしょい込まずに済むというわけでございます。したがって、先ほど来、話が出ておりますように、本法案というものが、本土復帰というものを、そして沖繩の郵政事業、また当面の問題としましては、郵便貯金事業の一体化ということを前提にしております以上、このように弱い、そういうものをしょい込まずに済むようにいまのうちにレベルアップをしておくことがすなわち復帰後のわれわれの現在の日本の郵便貯金の利益になる。そういうことを考えまして、そのようないわば理論的な裏づけによりまして、現在の日本の郵便貯金から、そしてまた簡易保険から金を出してこのような措置をいたすことができる、さように考えておるわけでございます。
#32
○森勝治君 私は、何もこれがだめだと言ってんじゃないですよ。それは思いやりでけっこうでありましょう。私が聞きたいのは、先般来の質問の中で、他の委員がそのことについて質問したら、予算委員会で決定したからという表現を用いて答えられておるわけですよ、いいですか。だから、理論的な裏付けは何ぞと、こう聞いているわけです、おわかりですか。確かに速記録はそうなっているわけですよ。そうじゃないでしょうか、私の聞き間違いでしょうか、たぶん久保委員だと思いましたがね。そういう質疑が繰り返されているはずであります。予算委員会で予算が通ってしまったんだからという、そういうお答えでしたよ。それではちょっと合点がいかないから、あるいはこれは私の勘違いかもしれません。勘違いなら訂正いたしますが、その辺のところを明らかにしていただかないと、確かにレベルアップして内地と同じようにするのはいいですよ。貯金事業を振興するのはそれはよろしい、沖繩の皆さんの期待にこたえることはけっこう。しかし、それにはよってきたる理論的根拠がなければならない。ところが、この前の予算委員会で通ってしまったということで、簡単に片づけられてしまった。だからこれが杞憂ならいいが、それが事実とすれば、ポイントが違ってくるのじゃないか。だから私は理論的根拠は何ぞやという質問を申し上げたのです。そういうことでもう一度お答えいただきたい。
#33
○政府委員(鶴岡寛君) いままで私が衆議院逓信委員会、また参議院の本委員会で申し上げておりましたのは、これはこういうことでございまして、いわゆるこの施設はあくまでも先ほど申し上げましたように、沖繩の郵貯をレベルアップすることによって、これが復帰後日本の郵貯の利益になる、これが理論的な根拠でございます。そうして、ただいままた予算委員会というおことばがございましたが、これはおそらく見舞い金の問題につきまして、私が従来見舞い金を支出する根拠は何かと問われました際に、それは予算で成立を見ているから、これで御審議を願って支出を認めていただきたい、さようなことでお答え申し上げております。さようなことではなかろうかと思っております。
#34
○森勝治君 その点はわかりました。
 そこで私は、次の問題に移りたいのでありますが、この問題は、なるほど法案は簡単で内容そのものはそう複雑ではないのでありますが、私どもは、この点についての資料を十分もらっておらぬわけです、正直言って。
 それから私は具体的な問題についてお伺いしたいのですが、この前お話が出ました六人委員会ですね、いわゆる郵便貯金等払い戻し期成会というのですか、これは人呼んで六人委員会と申しておりますが、これらの方々が沖繩における郵便貯金の債権者の代表であるというこの理論的根拠ですね。これはどういうところから出ているのか、琉球政府の表現というか、主張をそのまま認められたのか、その辺のところが、質疑応答の中では若干合点がいかない点があるのでお伺いしたい。法律的権限と申しますか、根拠と申しましょうか、それがはたしてどうなっているのか、この点を聞きたい。
#35
○政府委員(鶴岡寛君) お答えを申し上げます。
 ただいま御質問の中にありましたいわゆる郵便貯金と簡易保険の債権者団体というものが全島にあるわけでありますが、これが全島を分かちまして五十九の市町村に、その市町村単位に支部を結成しているわけでございます。そこで、そこの支部におきまして総会を開きまして、そこでそこの地区の代表者を一人ずつきめて、その方にいわゆる交渉権限と申しますか、全面委任をいたしております。そして、それらの人は当時ほとんど全部が、その支部単位の市町村長であったわけでございます。そして、その委任を受けました五十九名、これに、那覇地区だけが市長と合わせて四名でございますので、結局六十二名になるわけでございますが、その六十二名のいわゆる代理者が、今度は全島を六地区に分かちます。六名の代表者、その人がまた文書をもちまして代理権の委任をいたしております。したがいまして、私どもといたしましては、そのような次第でございますから、債権者の総体は、この六名に対しまして代理権のいわゆる全面委任を行なっておる。民法上そのような措置は、民法上の代理権の授与の手続を踏んでおるということに考えておるわけでございます。
#36
○森勝治君 民法上、代理権の付与をされたものと考えていると、こういうことですね。
#37
○政府委員(鶴岡寛君) はい、さようでございます。
#38
○森勝治君 そうしますと、その処理は、こまかいことを言って恐縮でありますが、たとえば山田三郎という方が十万円貯金ということであると、その貯金に対する債権を委任するわけでありますから、局に届けを出した印鑑と同じものを使用して初めて、法的効果が生ずるわけですね。
#39
○政府委員(鶴岡寛君) その点について、ちょっと説明を要すると存じますが、実は私の申し上げ方が不十分であったと存じますが、これは先ほども申しますように、交渉権限の委任にとどまるわけでございます。したがいまして、森委員御指摘のとおり、今度これらの人がいよいよ法定の支払い金を受けるという段階におきましては、いまお話のような、われわれが郵便貯金の債務を履行する際には届け出の印鑑、あるいはその届け出の印鑑が長い時間が経過しておりますので紛失等しておりましたら、今度はそれにかわる本人の印鑑、そういうものがなくてはならないわけでございます。しかし、そのいわゆる貯金の受領についての代理権限、支払い受領についての代理権の問題は、今回はそこまでいっておらずに、単なる交渉権限の委任にとどまっておるわけでございます。さような意味のこの六名が代理者であると、こういうことでございます。
#40
○森勝治君 それでは、法的権限を有しないということじゃないでしょうか。法的権限が与えられるとあなたは説明されるから、そこまで手順を踏まれたかという私は具体的な質問をしたわけであります。ところが、そこまでいっておらぬということになると、若干法的に疑問が生まれるのじゃないですか。
#41
○政府委員(鶴岡寛君) 問題は交渉権限の委任の問題と、もう一つは、いよいよ支払いを受けます場合の元利金の受領の手続の委任の問題と二種類あるわけでございますが、今回の場合はあくまでも交渉権限の委任にとどまっておるわけでございます。したがいまして、交渉権限の委任という点におきましては現段階のいままでにとられております手続で十分に法律的に有効だと、そのように存じます。しかし御指摘のように、いよいよ法定支払い金を払う、受けようというときには、さらに今度は先ほど御指示のような手続をもってもう一回やり直すことに相なったわけでございます。
#42
○森勝治君 それでは法律的には、不完全委任ではないですか。あなたは完全に法律的に権限を有する委任を受けたとおっしゃっておるが、それでは不完全委任ではないですか、そうじゃないですか。
#43
○政府委員(鶴岡寛君) 交渉権限の委任という点につきましては完全に有効な委任でございます。しかし、それをもっては現段階の手続におきましては、法定支払い金の受領という点にまでは有効でございません。そのようなことでございます。
#44
○森勝治君 ですから法律的に完全な代理権を持っておらぬのでしょう。
#45
○政府委員(鶴岡寛君) 私の申し上げ方が少し不十分だったと存じますが、この交渉権限についての委任について私は問題をしぼってお答えをしておったわけでございます。その範囲におきましては完全な委任であると、さように心得ております。
#46
○森勝治君 あなたのおっしゃる最初の説明の完全な委任というのは、山田三郎という人が――もう一ぺんそういう表現をいたしますが、十万の貯金を持っていた、それに対する一切の権限を委任したような、そういう説明をされる。全く完全だとおっしゃるから、あなたの説明の中で、完全ということはどうしても私は看取されない。うかがい知るよしもないから、確かに委任されたかしらぬが、それは不完全委任だ。完全無欠なものじゃないと、私はいま反駁をしておるわけです。そうしたらあなたは、交渉のものについてのみとおっしゃる。そこでやはり法律的に完全無欠なものではないということじゃないですか。なぜそのことを率直におっしゃれないのですか。
#47
○政府委員(鶴岡寛君) 私のお答えの申し上げ方が不十分であったかもしれませんが、私が最初お答え申し上げましたときに申し上げましたのは、私といたしましては、これは預金者の総意が六名に、まあいわば委任をした、交渉権限を委任したということを申し上げたつもりでございます。あくまでも現金受領の問題について委任しておるわけではございません。
#48
○森勝治君 そうすると、それはあれですか、簡単にだれそれさんに委任をいたしましたと言うだけで、委任を受けたものが権限があるわけですね。ただ委任したと言うだけでいいのですね。
#49
○政府委員(鶴岡寛君) 御説のとおり、委任行為と申しますものは、それはいわゆる要式行為ではございませんので、単なる口頭の委任ででももちろん足るわけでございます。
#50
○森勝治君 そうだとすると、またくどいようでございますが、山田三郎が有する貯金における債権の一切を委任されたのではなくて、その一部についてのみ委任された、こういうことですね。
#51
○政府委員(鶴岡寛君) 貯金の債権の委任、つまり貯金の債権を行使するについて、まあ二様にこれを考えてよろしいかと存じます。一つは、この元利金のほかに何がしかのものをとるとか、とらないとか、そういういわば交渉権限の委任と、そうして現実に現金の受領の分野と二種類あると考えてみますと、この場合は前者のみの委任を行なっておると……。
#52
○森勝治君 ややわかりました。時間がありませんから次へまいりますが、払い戻し期成会というものが、何か財団法人組織の申請をされている、こういうことでありますが、もし、これが支払い問題の決着が済んだあと、この法人はどういう形になるわけですか。
#53
○政府委員(鶴岡寛君) これは先般の当委員会におきまして総理府から御説明があったわけでございますが、御案内のように、今回の措置といたしましては、このような法定支払い金と見舞い金、そして会館等の施設、そのほかに三十億円の融資の問題があるわけでございます。この三十億円の融資を受け、そして、そこで住宅資金等としてこれを活用する。そのためには財団法人が必要でございますので、そのために財団法人をつくっておるように聞いておるわけでございます。したがいまして、その三十億の融資を運用いたします財団と、この期成会同盟とは全く同人格であるわけでございますので、そのような形で、支払い問題が解決したあと、そのような、何と申しますか、三十億の運用と申しますか、運用の運営体として残るのではなかろうかと、さように承知をしております。
#54
○森勝治君 それでは、次に移りましょう。
 この法定支払い金というものが、現行法の中で支払われるという、処理できるということはわかりますけれども、見舞い金についての法的根拠はどこにあるのですか。
#55
○政府委員(鶴岡寛君) 見舞い金は、これは沖繩の預金者が長期間その預金の凍結を受けまして、非常にその間経済事情の変動等もございまして、また、要る金も出せずにおったというようなことが非常に気の毒だということから、まあいわば政策的な配慮によって出すものでございます。これがいわば見舞い金の性格とでもいうものかと存じます。そうしますと、お尋ねの、それじゃどういう根拠でこれを出すかという点でございますが、私どもは、これは先ほどちょっと触れましたように、四十四年度の予算におきましても御審議をお願いいたしまして、幸い成立を見ておるわけでございます。したがって、予算で成立をして、いわば私どもの側からすると、予算措置を講じておる、それによって私どもはこれを支出することを許されておると、かように考えておるわけでございます。
#56
○森勝治君 見舞い金を算出した根拠というのはどこから出ましたか。
#57
○政府委員(鶴岡寛君) これは見舞い金の算出に当たりまして、私どもは、いわば二つの面から、これを操作というとことばが当たらないかもしれませんが、考えてみたわけでございます。すなわち、一つは、この元金が、われわれの郵貯四千万ばかり、保険の払い込み金が七百万ばかり、ざっと五千万近くの金があったわけでございます。これが元金でございますが、これが長い間凍結を見て全然動かなかったということは、これはわれわれの側から見ますと、これは貯金の面だけでございますが、貯金の面から見ますと、まあいわば定額貯金に預けかえられておったという、その意味に考えるべきではなかろうかということで、定額貯金に預けかえられたと擬制をして、一方、その利子を計算してみたわけでございます。そして同時に、もう一つの沖繩における特殊な事情といたしまして、琉球では終戦後二回にわたりまして通貨が変わっておる。即ち二十一年の四月には日本円の一円が一B号円になっておったわけでございます。私どもはその場合にこの貯金が預金者が引き出せたのであったならば、当然これはB号円に変わっておったはずだという一つの擬制をしたわけでございます。そして、またそれが三十三年の九月にその百二十B号円が今度はドルになった。もう円もB号円もなくなって、沖繩では三十三年の九月以来ドルしか通貨として認められなくなった。その場合、B号円がドルに変わった。われわれの側からしますと、ドル債務に変わり、向こう側からすると、ドル債権に変わったというような擬制を試みたわけでございます。それによりまして、当初の元金をその二つの面から操作いたしまして、その結果出ました金額から元利金を一これは当然法律上支払うべき元利金でございますが、それをさっ引いた、これが見舞い金でございます。
#58
○森勝治君 この見舞い金はなぜ個人に支払うことができないのですか。
#59
○政府委員(鶴岡寛君) これは個人に支払っていけないというものではもちろんございません。しかし、従来私どもが琉球政府または預金者の代表と折衝を重ねておりましたわけでございますが、その過程におきまして、預金者代表といたしましては、これを一括して琉球政府に交付してもらいたいというような要望をしてまいったわけでございます。私どもといたしましては、法定支払い金であれば、これは預金者個々にぜひとも受け取ってもらい、それによりましてわれわれの貯金債務のまあ消滅をしなければいけませんが、見舞い金はそうする必要もございませんので、そのような先方の要望を入れまして、このような一括支払いという形をとった。さようなことでございます。
#60
○森勝治君 先ほどあなたは見舞い金という見解については、このように述べているわけですね。施政権分離時から定額貯金に預けかえされ――あなた方が説明されたわけですね。かつ沖繩における通貨交換のつど新通貨によって預けかえされたものと擬制して計算した金額から本来の元利合計高を差し引いた金額を見舞い金として出すということであれば、当然これはそれぞれの預金者に個々に還元されてしかるべきものだという解釈を私は持つわけです。
 そこで、だから私は、先ほど六人委員会なるものの交渉権の法律的根拠をお伺いいたしましたら、あなたは交渉権のみあるんだとおっしゃった。ところが、見舞い金という形にせよ、いまあなたが説明されたとおり、私がことばを変えて申し上げたとおりだとすれば、当然これは個人に帰すべきものである。ですからあなたの言う交渉権についてのみ出すならば、それらの代表の方々が見舞い金を個人に還元しないで、どういう形か知りませんが、それを他の目的に使うということは、それは委任外の事項ではないか、いわば権限外の事項ではないか、私はこんな気がしてならぬのでありますが、これは私の考え違いでしょうか。その点ひとつ明快にお答えいただきたい。
#61
○政府委員(鶴岡寛君) 六人の代表者が預金者の総意をもって委任を受けておりますのは、これは先ほど来申しますように交渉権限の委任でございます。したがって、その交渉権限の中には、どういう条件で日本政府と妥結をするかということでございますが、その中には一括してこれをもらうとか、あるいはもらわないとか、あるいは見舞い金の額がこれじゃ足りないとか、足るとか、これで十分であるとか、そういうようなことが一切含まれておるわけでございます。しかし、先ほど来申しますように受領するという権限はこれには含まれておらないわけでございます。
#62
○森勝治君 受領するという権限は含まれていないと言いながら、見舞い金は個々人の預金者に渡さないとおっしゃるんでしょう、そうでしょう。そういう権限、あなたの話を聞いていると、見舞い金なるものであっても、預金高、その時期等に応じて案分されて還元されてしかるべきものだし、そういう説明だし、私もそういう理解を持ったのであるから、当然それは預金者個々についての交渉で総額のワクがきまってくるわけです。それを六人委員会なるものが、あなたの説明を聞けば、交渉権のみあるという方々が、全権を委任されたというならまた別ですよ、いいですか。支払いについて一切の権限を委任された法的根拠を有するというなら別だが、あなたがそうでないとおっしゃる、交渉権だけだとおっしゃる。ところが、あなたの説明の中では、見舞い金の案分まで出されている、見舞い金まで。しかもこれは個人に還元をしない、個人に戻さない、こういう制約をしている。ということになれば、これはあなたの説明の、交渉権のみ預金者から委任を受けたという説明から、あなたが、それがすべてが正しいとするならば、それは権限外事項ではないかと私は思うのだが、どうだということを先ほど質問申し上げたら、その点についてのお答えがないから、私は重ねてもう一度質問をします。
#63
○政府委員(鶴岡寛君) 私の申し上げ方が少し悪かったかもしれませんが、私が見舞い金は一括交付だというように申し上げたわけでございます。しかし、これは一括交付という意味は、次のようなことでございます。と申しますのは、すなわち預金者代表としましても、これを一括いたしまして、四億ばかりの金でございますから、これを一まとめにして何か有利な投資あるいは事業をして、その利益をさらに断続的に、かつ長期に預金者に還元するのが有利ではなかろうかという意見と、そしてまたもう個人にそれよりも分けてしまったほうがよかろうという意見、いろいろございまして、決定をしかねておった現状であるわけです。したがいまして、一たんこれを一括して交付を受けまして、そしてそのあとにおきまして、これを預金者側と琉球政府が十分に協議をしまして、預金者側の総意を生かして、すべての意向を生かしてやろうと、したがいましてこれは、その結果これが個人に渡っても、個人に分けるということになれば、これは個人にいく金でございます。その点、私の申し上げ方が悪かったかもしれませんが、そのようなことになっているわけでございます。
#64
○森勝治君 その点は明らかになりましたね。私は、前の鈴木さんや久保さんの質問の中では、個人にこの金を渡さないんだと説明をされているような気がしたわけであります。ですから、私は先ほど六人委員会の方々の委任権の問題について聞いたわけです。時間がないから、そのいきさつは皆さんいまお聞き及びですから申し上げませんが、いま局長がはしなくも明快に答えられたのは、見舞い金については個人に払わないということではないと、とりあえず一括四億何がしかの金をもらってから、そのあとで、その使い道をみんなと相談してきめよう、こういうお答えになったわけでありますが、くどいようでありますが、これは疑問を整理する見地からも、そういう理解でよろしいですね。
#65
○政府委員(鶴岡寛君) そのとおりでございます。
#66
○森勝治君 それで、あなたの言われました、私が指摘いたしました、あなたは完全代理と申しましたが、一部だけですから、あなたの言う広義でなくして、狭義の委任を受けたというふうに私も理解をするわけであります。
 そこで、まあそこは明快になりましたから、あとはひとつ沖繩の皆さんがそれぞれおきめになるだろうが、この見舞い金は予算のどの項目から出されるわけですか。
#67
○政府委員(鶴岡寛君) 郵政特別会計の諸払い戻し補てん金の項目でございます。
#68
○森勝治君 この見舞い金を現在の預金者の積立金の中から出すというのは、どういうわけですか。
#69
○政府委員(鶴岡寛君) それは、大体二つほどの理由があると存じておりますが、一つは、その支払い問題というものが、ここで解決をするということは、われわれの貯金事業にとりまして、何と申しますか、従来の長い間の懸案をここで一掃して、いわば貯金事業というものが、琉球の預金者に対しましてまあ一つの借りを返すということでございます。これはわれわれの郵貯事業にとって、非常に大事な気がかりであった問題がここで解決されるという点が一点でございます。
 そしてさらには、また先ほど来質疑に出ております一体化の問題に関連してでございますが、現在琉球におきましては郵貯が不振である、盛んでない。と申しますのは、この支払い問題がいままでずっとくすぶり続けておったということも一つの原因だとわれわれは承知をしております。ここで支払い問題が会館の施設とか、あるいはまた見舞い金とか、そのような形で解決をいたしますと、ここで日本の郵便貯金に対する信頼が非常にリカバーするであろう。ということは、復帰後におきまして、日本の郵便貯金、また現在の沖繩の郵便貯金も同じ、似たような利益を、メリットを受けるわけでございますが、復帰後において、われわれは優勢な沖繩の貯金を受け入れると、それはすなわち現在の狭い意味の日本郵便貯金の預金者にとっても、これはプラスになることであると、大体さような考えで、この問題を考えておったわけでございます。
#70
○森勝治君 なるほど、あなたの御説明わかりました。沖繩の皆さんに借りを返すという御意見わかりました。なるほど、戦後二十有数年でやっと戦前における郵便貯金、保険関係についての終戦処理のめどがついたわけでありますから。そうなりますと、これは当然預金者のそういう運用利回りから出すのでなくして、これはあなたの説明をお借りしますと、なお私は一般会計から出す性格のものであるような気がしてならぬわけでありますが、なぜその預金者の預金利回りから出すのですか。あなたの説明からすれば、当然これは終戦処理に該当するわけでありますね。当然これは一般会計から出すのが妥当ではないですか。
#71
○政府委員(鶴岡寛君) これは、ただいま申し上げましたことではございますが、われわれの郵貯問題という、また簡保の支払い問題というものをここで解決するためにこの金を出すわけでございます。したがいまして、そういうことを解決することを必要とし、また解決することを義務として受けとめておりますのは、これは一般会計というのではなしに、やはり郵便事業また保険事業であるわけでございます。それが一点と、もう一点は、やはりこれが本土復帰ということを前提に置きます以上、ここでそのようにしてこの問題を解決して、そして健全な経営形態を持った沖繩郵貯をわれわれの日本郵便貯金が受け入れるということは、弱体者としての琉球貯金を受け入れるよりもはるかにこれは有利なことでございます。したがいまして、結局間接的にではございますが、日本の郵便貯金の利用者の受益になると、そのようなことで一般会計からではなしに、郵貯また簡保の特別会計からこれを支出すると、そのようなことでございます。
#72
○森勝治君 法定払い戻し金についてでありますが、貯金については元利合計がわかりますから、それはすぐわかるのでありますが、簡易保険年金等についての法定払い戻し金というものの計算はどうされるわけですか。
#73
○政府委員(竹下一記君) 簡易保険の場合は、郵便貯金とだいぶ趣が違うのでございまして、戦後から今日までに発生しましたる保険事項、つまり死亡あるいは満期のこの事実を確認いたしまして、それに対応する保険金を支払うということに相なります。その金額でございますけれども、これは終戦時に郵便局で預かりました金額、つまり七百五十万円余でございますけれども、これは責任準備金と申すものでございますが、これは保険数理の上からいきますると、これは大体今日お支払いする法定払いの金額に見合う金額になるわけでございます。
#74
○森勝治君 御説明わかりましたが、さて内地におる沖繩の債権者の皆さんに対する扱い方、支払いというものはどうなるわけですか。
#75
○政府委員(竹下一記君) 内地に来られた方はすでに内地に来られたときに持っておられる契約について郵便局にお申し出があり、その契約を復活するという措置を講じておられる人につきましては、今日その契約は生きておるわけでございますから問題はございません。そういう措置をとられなかった人につきましては、今度の措置とあわせて同時に措置をすると、こういうことになろうかと思います。
#76
○森勝治君 そうしますと、債権を、内地居住の者でこちら側へその債、権を持ってきた場合ですね、その扱い方は沖繩に行かなければ支払いできないのですか、内地で便宜支払いをするのですか。あなたの御意見だと、沖繩に居住の者も内地に居住する者も同じ既得権益というものは同様な支払いをする、こういうわけでありますから、それなら一体内地で債権を持っている者は、どういう措置をされるのです。
#77
○政府委員(鶴岡寛君) お尋ねのケースは、保険にというよりも貯金に関係が深うございますから、私からお答えいたさねばならないと存じます。確かにお説のようなケース、沖繩の住民の方が現在向こうに住んでおらずに、こちらへ移住をされたという場合、これを想定いたしますと、移住後に、たとえば貯金の場合であれば、これを内地で引き出しておったとすれば、これはもういわゆる郵政省との間の債権債務の関係は、その時点において消滅しておるわけでございます。したがいまして、今回の措置とは何ら関係はなくなっておるということに相なるわけでございます。しかし、まだこちらに移住はしたものの、この問題の解決をいわばあてにしてと申しますか、あれはあのようにしてもっとよけいに何か元利金のほかにプラスアルファが取れそうであるから、こちらに支払いを受けずにおこうというような方も想定しなくてはいけないと存じます。したがいまして、この問題については、まあいろいろな考え方があるわけでございますが、私ども本問題について琉球政府あるいは預金者代表と打ち合わせをしておるわけでございますが、結局これは本問題を最終的に解決しますときに、その見舞い金というものをどのように処理するか、それを覚え書きの締結等の際に、あわせて琉球政府と預金者代表と合議をするわけでございます。その際、両者の合議に待ってみようじゃないかと、そのような考えでただいまおるわけでございます。
#78
○森勝治君 その場合に、特に私の選挙区であります埼玉等には沖繩の青年男女が集団就職等をしておるわけです。東京もだいぶ就職していますが、ことしもだいぶ来たわけですが、それらの諸君の中にそういう該当者がおった場合に、いま沖繩の六人委員会と債権者の方と相談の結果を待つとおっしゃるが、その委任をしなかった者が当然出てくるわけですね。そうすると元利――その法定の分については支払うが、見舞い金等については本人に帰すべきものでないということになった場合に、もし内地居住の者がその見舞い金についての主張をし、裁判に提起等の――これは仮定のことでありますが、そういうことも予想しなきゃなりませんですね、自分の権利でありますから。そういうときにどう対処されるのですか。
#79
○政府委員(鶴岡寛君) たいへんに何といいますか、大事な御質問であるように存じます。その点につきましては、私どもこのように考えております。と申しますのは、それらの、そのような方がいわゆる委任という行為を――委任という行為は、これは昨年じゅうに半年ばかりかかって行なわれたものでございますが、その際におられなかった、そういう人はどうなるかという点でございますが、これはその時点におらずに委任ということをされていなくても、私どもの見舞い金というものは、これは二十六年にいわゆる権利者の申し出を行なって得た数が十七万ばかりございますが、権利の確認の行なわれた数が十七万ばかりございますが、それを対象としてやりましたわけでございます。したがいまして、そのときにその時点において、総会の決議等に参加という時点においては、すでに内地に移住しておったために総会の決議に入っておられなくても、私どもといたしましては、いわば財源的にもそのような措置は、見舞い金を給付できるような措置は持っておりますし、またこれは理論上申しましても、ただ単に総会の決議に入っていた人にだけしかやらないということじゃございませんで、あくまでも長期間の凍結という事態をまことにお気の毒であるということから出すものでございますから、それらの方にも、総会の決議に入っていなかった方にも、今度のわれわれの四つの妥結条件で御満足いただけるならば、元利金等も取っていただき、また見舞い金も、これが直接本人であるか、団体としての利益を享受するか、これはまた今後の問題としても、見舞い金のいわゆる利益は受けていただこうと、そのように考えております。
 次に委任の、第二の質問かと存じますが、これらの方が、これは自分たち、おれたちは総会の決議にも参加していないし、そんなことではいやだと、もっとよけいくれというようなことであれば、これは何と申しますか、最終的には、裁判というようなことに相なるのもまたやむを得ないかと存じます。
#80
○森勝治君 あなたの説明で、私はこのように了解をしたんですけれども、私の了解が間違いでしょうか、お聞かせ願いたいんであります。それは六人委員会の方々に交渉権を委任しなかった場合における見舞い金の措置については、算出根拠というものは、預金者のすべてにわたって算出をしてそれが四億幾らになったわけでありますから、当然見舞い金は預金者個々に帰すべきもの、支払わるべきもの、ただ払い戻し団体の六人委員会等のもろもろの会議において自分の受くべき見舞い金について、団体にその人が委任する、こういう場合のときは別でありますけれども、原則として預金者個々人にこの見舞い金が帰属するものだという、そういう説明と私は理解したのですが、それでよろしいですね。
#81
○政府委員(鶴岡寛君) 実は端的に申しますと、さようなことではないわけでございます。もちろん見舞い金の算出をします場合には、対象者というものをこれはきめざるを得ないわけでございます。しかし、これは対象者の数というものは、あくまでも算出の基準としましてこれを使用したにすぎませんので、だからこれを十七万人で割るんだということには必ずしもならないと、さように存じているわけでございます。
#82
○森勝治君 そうなりますと、あなたの先ほどの御説明は違ってくるんですよ。いいですか。山田三郎なる者――山田三郎これで四回出しますけれども、仮称ですからいいでしょう、出しますけれども、山田三郎なる者が、預金した者ですね、それがその当時の社会的背景があるわけですから、沖繩は特に戦争の犠牲があるわけですから、だから元利合計というものと社会的背景とを、相殺するというのはちょっと語弊ありますが、勘案をして見舞い金というものを出したということになれば、当然それはその犠牲がなければ、その預金者が当然受くべき一つの権利であるはずであります。したがって、そういうことをかりにさておいても、あなたの説明の中で、六人委員会に委任状を渡さなかった、権限を移譲をしない者個々人については、何らかの形でそれぞれに支払うべきものであるというあなたが説明されたわけでありますから、そうなれば、当然これは個人に帰すべきものという根拠が成り立つわけであります。あなたそういう説明をされておる。内地に住んでおる者は、内地に権限を有する者はどうだというと、委任しない者が出た場合には、それぞれ支払うべきものでしょう。そういうお答えをいただいているわけです。それならば、原則論としては、個々人に払ってしかるべきものであって、それが一番正しいあり方ではないでしょうか。いまになって個々人に払わないと言って、なぜ前言をひるがえすのですか。だから私は言うのですよ。原則としては、あなたの説明のように、内地において、本土におる方々で、加入をしなくても、個々の、六人委員会に加入をしなくても個々人に支払うということであれば、沖繩におられるお方の権利も当然それぞれの個々人に帰すであろう。ただ、それらの方々は交渉を委任されておるのだから、それはその団体において賛意を表された方々については、その団体が団体行動として、その金をいかなる方向に使っても団体の意思で賛成をされたのですからおきめになるだろうが、賛成されない方には、当然個々人に支払われるわけでしょう。それならば、個々人対象になるのじゃないでしょうか、そうでしょう。あなたの説明によると、それを個々人に渡さないと言われている。前書をひるがえされてはまことに困る。もう少しはっきり言ってください。もう一回答えてください。
#83
○政府委員(鶴岡寛君) これは、この問題は、結局再度繰り返すようになりますが、預金者の代表と琉球政府が相談をして、これが個々人にいくなりあるいはまた事業を営むなりあるいは投資をするなり、そういうことを今後きめられるべき問題で、その決定に従ってその金の処理はきまっていくということでございます。で、まあいま現在いまお尋ねのそれでは、その当時債権者の債権者総会等に出席しなかった人は、どうかという問題でございます。そういう人は、これを二つに分けて考えられると思います。その場合、そのときは出席してなくて、交渉のいきさつ等は知らなかった、あとで聞いて、それじゃ自分もそのまあ妥結条件で満足であるから一枚加えてくれという申し出のありました向きは、これはいわゆる債権者、その時点、当時の時点におきます債権者総会に参加した一人とまあいわばみなして、これを処理する、それに処遇するわけでございます。したがいまして、結局は債権者総会と琉球政府の話し合いの結果に従って個々人が受け取るなりあるいは別に一括して事業をすることに参加するなり、そういうことに相なるわけでございます。これはもう一つの類型であります。すなわち、金を何といいますか、おれはそういう条件では納得できないという方々がありますならば、これはしかたがございませんので、われわれは元利金は御要求があればいつでも支払うという義務は保留したままになるわけでございますが、現在まあわれわれのいままでの交渉、折衝の過程におきましては、大体そのような考え方に相なっておるわけでございます。
#84
○森勝治君 どうもおかしいな、あなたの御答弁は。そうでしょう。私が申し上げてですよ、委任をして、その金の使途に賛成した人は意味がないでしょう。いやだという人には、個々人に見舞い金も払わなきゃならぬでしょう。あなたそういう説明されているわけです。首かしげたって、あなたはっきり言っているじゃないですか。内地におろうと沖繩におろうと、支払いは対等だとおっしゃっているじゃないですか。いまさら首かしげて何ですか、速記録を取り寄せてごらんなさい。そう言っておりながら、私が重ねて聞くと、個人には支払わないという意味のことを言っているから、だから、私は明快に答えろといって、こうして執拗にあなたに追っているのでしょう。あなた答えているでしょう。
#85
○政府委員(鶴岡寛君) 私が、内地におって、当時総会の決議等の際におらなかった人に見舞い金を支払うと申しましたのは、これはそういう人に個人に支払うという意味ではございません。もちろんこれは現段階の話でございますが、そういうような意味ではございませんで、あくまでそういう人たちはいわば当時債権者総会に参加した人と同じ扱いをすると、債権者総会に参加したとみなすという意味でございます。御賛成の向きは、みなすということでございます。したがいまして、今後債権者の代表と琉球政府と話し合いをされて、個人に払うなり、あるいはまた別途一丸として事業をするなり、そのいずれかの利益を亨受されると、さような意味でございます。
#86
○森勝治君 ですから、御賛成の向きは問題全くございません。いいですか。賛成をされない方々、本土に居住の方々、これに対する扱い方は個々人に支払うとあなたはおっしゃったじゃないですか。いまだって、賛成の向きには払いませんと言っているのですよ。あなたの説明の中で、御賛成の向きには払いませんと言っているんだよ。いいですか。おかしいじゃないですか、それは。もっと明快に言ってくださいよ。
#87
○政府委員(鶴岡寛君) この妥結条件に賛成されてない方は、これは先ほども申し上げましたように、これはいわば手の打ちようがございません。したがいまして、先ほど森委員御質疑のありましたように、最終的には裁判にいくかということであれば、これはまたやむを得ないと、さように考えております。しかし、これはもう申すまでもないことでございますが、現在われわれが承知しております限りにおきましては、これで債権者総会に入った人につきましては、全員この条件で話もついております。そうしておそらくは内地に来ておる方につきましても、とにかく、まあ、貯金の場合であれば、十七万人の総意がそうであれば、自分もけっこうであるというようなことに相なるであろうという十分な見通しは立っておるわけでございます。したがって、これで賛成をしないから、自分はいわば一匹狼となって最後まで郵政省にもっとくれといってがんばるのだという方は、例外的には出るかもしれませんが、非常なレアケースではなかろうか。その場合は、最終的には裁判を受けると、そういうことでございます。
#88
○森勝治君 私の質問に答えないで、自分の都合のいいような先回りした御答弁はまことに迷惑千万。はっきり答えてください。
#89
○政府委員(鶴岡寛君) 本解決の妥結の条件につきまして、不賛成の向きには見舞い金をやるかと申しますと、これは向こうが受け取らないということでございます。ということは、承知すれば、見舞い金を受け取り、そうして元利金を支払うわけでございますが、元利金を受領して一切の債権債務が消滅するわけでございますが、そうでなしに、そういう方は一切この交渉がいやなんだから、この妥結条件が納得できないんだという考えでございます。したがいまして、そういう人はそのような見舞い金を取るということはないわけでございます。また私どもといたしましても、そのような方に見舞い金を差し上げるわけにはいかないと、あくまでも見舞い金を受領されるということは、同時に、いわゆる元利金を受け取っていただくということは、別のことばで言いますと、郵政省という貯金事業との間の債権債務をそれで消滅していただくという意味でございます。
#90
○森勝治君 そのことであなたをこれ以上追い打ちをかけようと思わないのです。だからことばをかえて質問いたします。なるほど条件は四条件ですか、ありますね、四億何がしの金を支給するということですね、見舞い金を出す、その見舞い金の使途については、あなたのお話だと、これから加入者の方がきめるということでありますから、四条件はよろしいと、見舞い金の使途についてはきめると言うから、このほかの三点はよろしいが、見舞い金については政府と妥結することはいいが、見舞い金については、おれによこせ、私にくださいと主張する人が必ず出てくると思う。いいですか、そのときには、どうするのですか。
#91
○政府委員(鶴岡寛君) ただいまの質問は四つの条件があって、四つの条件を承諾するということでございましょうか、ちょっとわかりかねましたが。
#92
○森勝治君 四条件を承諾いたします。ただし四条件の中の見舞い金については個人に配分するか、事業として使うか、これはもらってから相談しようということでありますから、使途については。ですから沖繩政府に郵政から送られる時点で論議をかもすでしょう、個々人にもらうか、それを積み立てて事業にしようか、あるいは寄付しようか、いろいろな意見が出るでしょう。そのときに四条件についてはオーケーだが、見舞い金の使途については反対だと、おれに返してくれ、おれが十万円なら十万円積んだ中の、これに対して先ほど説明されたような案分比例をしてその額に応じて支給されるわけだから、個々人にくれと言って主張されたときにどうされるかという質問です。
#93
○政府委員(鶴岡寛君) それは結局は琉球政府と預金者団体がきめる問題でございます。もちろんいまお説のように、かりに預金者団体の大半が、ほとんど大部分が、仮定でございますが、これをかりに一括して何か事業に投資しようと、琉球政府もそれで非常にけっこうじゃないかというときに、何名かの人がおれはそれでは不承知だと、とにかく個人に見舞い金を何がしか現金でくれと言った場合には、これは預金者団体といたしましては、多数決の原則によってその人に従ってもらうか、あるいは説得するか、あるいは説得がきかなければ、その人はまたそのいわゆる妥結条件を容認しないということで別行動をとるか、さようなことに相なろうかと思います。
#94
○森勝治君 個人の財産に帰すべきものを多数決で決定できますか。
#95
○政府委員(鶴岡寛君) 多数決と申しましたのは、法律的ないわゆる強制権のある決議ということはできないと存じます。それで多数決と申しましたわけは、多数がこんなに賛成しておるのだから、おまえも従えという、そういう説得の意味でございます。あくまでもいやだと言うなら、これは別行動をとると、さように相なろうと思います。
#96
○森勝治君 そういたしますと、先ほどあなたが、たとえば本土に居住する人で債権を有する個々人には見舞い金をそれぞれ支払うということの答弁は誤りであったということでありますね。間違った答弁をしたということでありますね。
#97
○政府委員(鶴岡寛君) 私は、本土におる方で、そしてこの妥結条件に賛成だという方、その方に対しましては見舞い金を個々に払うと申し上げたつもりではございませんで、そういう人はあくまでも琉球における総会できめる総会の一員とこれをみなして扱うと、そういう意味でございます。
#98
○森勝治君 そういう意味なら男らしくそういう意味だと、もう率直に説明されたらどうです。私に質問されてから、そういう意味で言ったと――あなたそれでもまだ取り消していないのです。はっきりしなさい。
#99
○政府委員(鶴岡寛君) 私の表現が不適切であったか存じませんが、私は、最初からそのようなことを申しておりましたつもりでございます。
#100
○森勝治君 それじゃ困るのですよ、それじゃ消極的ですから。あなたは確かに誤りなんですから、私が指摘しているのですから、その点は、あなたは完全に支払うと言ったのですから、それじゃ直してください、それは。
#101
○政府委員(鶴岡寛君) 見舞い金を払うという意味は、そのような見舞い金の給付の例にならってその人の参加を認める、そのような意味でございまして、決して現金で個々人にお支払いをする、そういう回答ではございませんでした。
#102
○森勝治君 どうですか。もっと男らしくそのものずばりで、自分が違うというなら、その点はっきり認めたらどうです。皆さん聞いておるのですから、私のこの質問について官房長はうなづいておったのですから、さっきは、男らしくどうです間違いなら間違いと言ってください。そうすれば私は次の問題に移ります。もうこんなことやりたくない。しかし、はっきり自分が修正しなければならぬのに、そういう私の質問を受けて立って、ごまかす答弁はだめですよ。率直に間違いなら間違いと言いなさい。
#103
○政府委員(鶴岡寛君) 私のお答え申し上げようとしたことは、先ほど来申し上げましたような内容でございましたが、もしそれが私の表現がつたなくて、森委員が先ほどおっしゃっておりますような意味におとりになったとすれば、私の表現を修正いたしたいと思います。
#104
○森勝治君  次に移りましょう。押し問答しても始まりません。
 そこでもう一つ聞きたいのは、沖繩から内地に来られた方々の貯金の扱い方ですね。それはいまどうなっておりますか。
#105
○政府委員(鶴岡寛君) 沖繩から内地に来た方、これは内地で現行の貯金法に従いまして幾らでもお支払いができたわけでございますから、御請求のあった向きには従来どんどん支払っております。
#106
○森勝治君 この案によりますと、貯金会館に準ずる施設設備等ということになっておりますが、その規模、内容はどういうものですか。
#107
○政府委員(鶴岡寛君) 規模は予算の額で申しますと、五億円でございます。そうしてその内容は結局内地の貯金会館に準ずるということで表現いたしましたとおり、その目的といたしまして、貯金あるいは保険のPRのセンターにこれをするとか、あるいはまた預金者のサービスのためにこれを使うとか、あるいはまた貯金の従業員の資質の向上のために使うとか、そのようなやり方をいたしますために、第一の目的のためにホールをつくったりあるいは音楽会やあるいは演劇会その他の催しもの等をして、貯金、保険のPRのためにするホールをつくる、そうして預金者のサービスという面から考えまして、これに対しましては、食堂とか会議室、またホールも同様でございますが、そういうものをつくる、あるいは場合によりましては、結婚式場等のものも考えてよろしいかと思います。そうして、また宿泊設備も考えておるわけでございます。そのようなことで、そういうことが現在考えております貯金会館等に準ずる施設の内容の要点でございます。
#108
○森勝治君 その五億円という額をきめたのは、やはり一つのめどがあるでしょうが、そのめどと、それから、それはどこから出されるのですか。
#109
○政府委員(鶴岡寛君) まず五億円という額をきめた、いわば考え方でございますが、これは内地の郵便貯金会館あるいは簡易保険の施設というものが、一府県当たりにしますと、ちょうど五億円ばかりになるわけでございます。それで沖繩も一府県ということに観念いたしますと、内地並みの貯金保険の施設合計の五億円程度の規模がちょうど妥当するのではなかろうかということで、五億円という規模を決定いたしました。そうして、またさらにどこからこれの金を出すかという点でございますが、これは郵政特別会計から支出をいたします。
#110
○森勝治君 次に移ります。
 総理府からおいでになっておりますから、若干お待たせいたしましたが、お伺いしておきたいと思います。
 住宅の建設資金の問題でありまするが、財投から三十億の金額を三年にわたって琉球政府に五十年償還でこれを貸し出す、どういう名称かしりませんが、おそらく本土における住宅公団と同じような呼称をもってするのでありましょうが、それらの団体にまかせる形でありますが、これは先般のお話ですと、大体千三百戸程度をつくるというお話ですが、そのとおりですか。
#111
○政府委員(鶴岡寛君) 琉球政府のまだ試案程度でございますが、約千三百戸を予定しております。
#112
○森勝治君 千三百戸程度の住宅で、五十年間、財団法人の維持ができると思いますか。
#113
○政府委員(鶴岡寛君) その点につきましては、琉球政府のほうで十分検討した上できめられたことでございますので、私は、だいじょうぶだと思っております。
#114
○森勝治君 先ほど郵政大臣も、近き将来に沖繩返還が実現するであろうという私の冒頭の質問に答えられたわけでありますが、そうなりますと、少なくともここ数年間には沖繩が本土と同列になる、そうなった場合に、これは法人格を持つのでありましょうが、日本の本土における住宅公団と同様な、団体の扱い方はどうなってきますか。
#115
○政府委員(加藤泰守君) 復帰した時点におきまして、沖繩における各種の団体をどういうふうに扱うかという問題は、これから復帰の時点においての立法措置におきまして考えなければならぬ問題でございますが、この点につきましては、いま申請されております団体は、民法法人として申請されておるように聞いております。で、向こうの民法はわが本土における民法とほぼ同じようなものとして規定されておりますので、その意味におきまして、もし復帰の時点において考えるといたしますれば、向こうの民法で設立された法人は、わが本土における民法によって設立された法人とみなすというような措置をとることも可能ではないかというふうに考えております。
#116
○森勝治君 この三十億という額は、戦前における郵政関係の支払い問題の一環として実現をしたというわけでありますが、一体その趣旨が生かされるという根拠はどうも私は乏しいような気がしてならぬのでありますが、その点御意見を承りたい。
#117
○政府委員(加藤泰守君) 沖繩におきまする住宅事情は非常に本土と比べましても悪うございまして、沖繩において住宅建設を進めたいという希望は従来から琉球政府の強い要望であったわけであります。したがいまして本土といたしましても、琉球政府に対して財投資金を融通することによりまして、住宅の建設を促進するようにはかってきておるわけでございますが、たまたまこの債権者の方々がそういう希望、貸し付け住宅というような構想を持っておられるということでございますので、琉球政府に対して、こちらから資金を貸し付けいたしますれば、琉球政府のほうで、この債権者団体との間でその住宅資金の貸し付けが行なわれるというふうに予定されておりますし、琉球政府自体も、そういう構想で計画を練っておられるわけでございますので、その意味におきまして、この郵便貯金の支払い問題につきまして、債権者側もそういう計画を活用することによって、この問題を解決しようという意図で御計画を立てておるわけでございますので、われわれといたしましては、十分支払い問題の解決に資するというふうに考えて、この線に沿うて計画を立てたわけでございます。
#118
○森勝治君 この三十億、千三百戸の住宅の建設については、もう内容については、本土政府の希望その他注文等というのはないんですか。三十億を出します、千三百戸御自由におつくりなさい、その施設を利用する人々はという中身の、もちろんこれは住宅困窮者というのが主でありましょうけれども、そういう何か沖繩政府と基本的な問題についての話し合いはどうなっておりますか。
#119
○政府委員(加藤泰守君) いわゆる公営住宅の建設につきましては、琉球政府に対して従来から援助をいたしているわけでございますが、その公営住宅と、それから一般の住宅、いわゆる貸し付け住宅と申しますか、そういうものとの関係におきまして、今回の貸し付け住宅は公営住宅よりもやや程度の高いものというふうに希望いたしているわけでございます。そういうような形で、規模は一応向こうに申し出てありますが、それ以外に、たとえば入居者をどういうふうにするかという問題につきましては、やはり公募という方法で原則として選びたいというふうに考えておりますけれども、しかしこの関係につきましては、先ほど申し上げましたように、郵便貯金の支払い問題の解決という問題とのからみでございますので、者の優元入居ということを認めてもらいたいというふうに考えております。
 先ほど、公営住宅と一般の貸し付け住宅との関係を申し上げましたが、そのことから、家賃等につきましても、民間のものよりも大体二割くらいの安い家賃で入居できるようにこちらとしては希望しておるわけでございます。
#120
○森勝治君 私が聞き間違いかもしれませんけれども、公営住宅よりやや程度の高いものとおっしゃったように思うんですが、そのとおりですか。
#121
○政府委員(加藤泰守君) もともと、琉球政府に対して本土政府から住宅事情の緩和のために郵便資金を出しているわけでございますが、そういうような関係から、琉球政府が建設をいたしております公営住宅、その公営住宅は低家賃を一応前提にした住宅を主として建設するという考え方で融資しているわけでございます。そういう意味におきまして、今回のものは債権者団体との関係がございますので、低家賃としてつくられております公営住宅よりもやや高い家賃、しかし民間の貸し付け住宅に比べますればずっと安い家賃、こういうところをわれわれとしては希望しているわけでございます。
#122
○森勝治君 あなたの御説明の中で、貯金、保険等の債権者の優先入居というのを沖繩政府に主張されたと、そういう説明のように私は承ったのでありますが、そのことについて沖繩政府はどう言っておられましょうか。
#123
○政府委員(加藤泰守君) 公募抽せんが原則でございますが、債権者が応募した場合には、債権者に対しては優先入居を認めよ、こういうことでございますが、この点につきましては、琉球政府のほうも、そのような方法にしたいというふうに考えておるようでございます。
#124
○森勝治君 くどいようでありますが、じゃ、こういうことでありますね。千三百戸全部まさか郵便貯金のあるいはまた保険の債権者のみというわけにはまいらぬでしょうが、少なくともその何%かはかっての保険、現在の貯金の債権者を優先的に入れる約束は成り立っておる、こういうことでありますね。
#125
○政府委員(加藤泰守君) ちょっと説明があれでございますが、債権者の側で入居の希望がなければ、もちろん全体として公募にならざるを得ないわけで、したがって、何%は債権者に優先入居をさせるという条件ではございません。そうではなくて、債権者に入居したいという希望があれば優先させよう、こういうことでございます。
#126
○森勝治君 優先させて非常にけっこうでありますが、全部独占させてくれるのですか。まさかそうじゃないでしょう。優先というのはそのうちの何人かということでしょう。いまのお話だと、千三百戸が、全部債権者が希望したら入れてしまう――入れてしまうというと失礼ですが、入れてくれるように、そういうふうに受け取ってよろしいですか。
#127
○政府委員(加藤泰守君) 債権者にその希望がございますれば、優先させたい、こういうことでございます。
#128
○森勝治君 くどいようでありますが、非常にこれは大事なことでありますから、たとえば千三百戸全部でもですか、そういう場合があっても。その辺はどうですか。
#129
○政府委員(加藤泰守君) その点の見通しとして、いまはっきり申し上げられませんけれども、公募が原則で、その公募したときに、債権者が応募した場合には優先入居を認めるという方針、そういう方針につきまして、琉球政府も一応考えているようでございますので、結果としてどうなるかちょっとそこのところは予想できませんけれども、そういうことで御了解願いたいと思います。
#130
○森勝治君 人事局長が来ておりますから、若干人事問題で聞きたいのでありますが、沖繩における郵政事業に携わっております職員の労働条件というものはどうなっておるのでしょうか。その点できれば本土と比較をしてお答えをいただきたい。
#131
○政府委員(山本博君) 琉球政府におきまして郵政事業に働いております職員の労働条件は、現在本土におきまして適用になっております法律並びに制度、こういうものはほとんどそのまま踏襲されております。たてまえはそうでございますが、実際上どうなっておるかと申しますと、給与の面におきましては、本土よりも約三千円ぐらい基準内の給与において高くなっております。その他勤務時間、そういうものについても本土と同じでございます。その他いろいろ――たとえば共済組合、こういうものはございません。共済組合を除きまして、大体先ほど申し上げましたようにほとんど同じであると考えてよろしいと思います。
#132
○森勝治君 近い将来に本土に復帰された場合に、たとえばいま本土の職員と違い共済組合の適用等が沖繩は除外されておるわけでありますが、たとえば、共済組合の反対給付等の問題については、やはり掛金をかけておらぬからということのみで扱いを本土と別にするのでしょうか。それとも戦争の犠牲という立場から、祖国復帰の実現の暁には、そういう点については従来とも共済組合の組合員――かつてはそうでありますから、そうみなして優遇――優遇ということばはこの際あまり使いたくないのですが、ただ表現上使いますが、そういう措置をやるようなそういうことの考えはないのですか。
#133
○政府委員(山本博君) 共済関係の問題につきましては、これは郵政省だけできめるわけにもまいりません。一般国家公務員その他、電電公社、そういう仕事に従事しておる職員もございますので、これは総合的に政府全体として考えるべき問題だと思います。その際にいま御指摘になりましたような問題は当然取り上げなければならない問題だと思いますが、これはいずれ、この問題が取り上げられるときに、郵政省としてのいろいろな希望を求められるということはございます。そのときにどういう意見を申し述べるかということにつきまして、省としてまだ最終的な案というものをつくっておりません。しかし、いずれにいたしましても、早急にそういう考え方をまとめたいと思っております。
#134
○委員以外の議員(達田龍彦君) 私は、実はこの沖繩問題の特別委員会に所属をいたしておるわけでありまして、本法案の審議にあたりまして、沖繩問題の特別委員会で、とりわけ一体化の問題として実は審議をする機会を得たい、こう思っておりましたけれども、両委員会での話し合いが最終的に逓信委員会において審議をする、こういうことになりましたので、私は、本日はこちらのほうに出向いて、特に郵政事業における沖繩問題の一体化について、中心をそこに置いて若干質問をしてみたい、こう考えておるわけであります。したがいまして、過去の逓信委員会における本法案に対する論議の過程を実はこまかに承知をいたしておりませんから、私の質問の中には、すでに重複する点があろうかと思いますけれども、ひとつその点は御容赦を賜わって、親切にしかも要領よく御説明をいただきたいと考えているわけであります。
 それで、私はまず一番問題に感じておりますことは、今回のこの法律を見まして、一体これは郵政省の設置法から考えて、郵政省の設置法の目的と、それから郵政省が行なうだろう政策目的から考えて、今回のこの措置というのは、一体妥当だろうかどうだろうかということが第一点として、非常に問題を感じております。それは、もう本質的な問題はここで論議をいたしませんけれども、郵便貯金の支払いに関する問題であります。この問題に対して元利金の支払いということは当然だと思う。しかし、それと同時に見舞い金を支払う、あるいは貯金・保険会館を建設してそれを提供する、さらにもう一つ重要なことは、いま論議がありました住宅資金を貸し付ける。こういうあり方が郵政省の設置目的、あるいは郵政省の政策目的からいって、一体妥当かどうかという点がひとつ大きい問題にならなければならぬと思う。しかも、今回の郵便貯金、あるいは保険の支払いに関して見舞い金だとか会館を建設するとか、あるいは住宅を建設するとかいうことは、一体どういう性質のものであるのか、郵政事業の本質的なあり方からして、私はきわめて一貫性のない措置であると思う。もちろん琉球政府との関係、あるいは施政権が今日返還をされておらない状態における問題の解決でありますから、一気に日本の法律に従って筋の通ったことができない関係があることは私は十分承知をいたしておりますけれども、それにいたしましても、政府としても、郵政省としても、一つの郵政省としての筋を通した解決の方法がなければならぬ、そういう意味で、私は非常にこの取り扱いについて疑問を持っているし、非常にやり方としてざっぱくなやり方ではないか、こういう考えでありますけれども、まず、郵政大臣のこの点についてのお考えをただしておきたいと思うのであります。
#135
○国務大臣(河本敏夫君) 御承知と思いますが、戦前、沖繩で郵便貯金をしておった者が十七万六千人おります。それから保険をかけておったものが十七万二千おるわけでございまして、合計三十五万おるわけでございますが、これの解決をほぼ過去十年間ずいぶん時間をかけて交渉しておったわけでございます。ようやくただいまお話のような形で妥結をみたわけでございますが、この際郵政省としてまず考えましたことは、いろいろ解決方法としては、御指摘のような問題はあるかもしらぬが、沖繩側の希望も入れて、この際できるだけ早くこの問題を解決することが、郵政事業におきまして大きくプラスになるのではないか。特に、復帰ももう数年先に迫っておると、こういうことを考えたときに将来の郵政事業のために大局的見地に立って解決していこうと、これが大きく将来の郵政事業にいい影響を及ぼすであろう、こういう判断のもとに取りきめをしたわけでございます。
#136
○委員以外の議員(達田龍彦君) 大臣、私が聞いておるのはその経過ではない。それからそういう具体的な内容は、一応私は承知をいたしております。ただ問題は、今回の解決の方法が、郵便貯金ないしは保険の契約にからむ支払いの問題において出てきておるので、その限りにおいては、私は郵政省が取り扱うのは当然だと思います。しかし、今回の措置の中には、見舞い金の制度が一つ入っております。さらには郵政省で取り扱うことが、今日設置法の関係からできるのかどうかと思われるような住宅の建設資金の融資の問題が入っておるわけであります。これは総理府が一体化政策として、一体化政策を進める観点からものをとらえて言うならば、今回の妥結の内容に入ることは筋として間違っておる。しかし、今回の妥結の一環として住宅政策の問題を内容として取り上げて問題を決着するということは、郵政省の設置法として、一体どういう関係に立つのかということを、また郵政省の将来の政策目的の中に、住宅資金を貸し付けて職員住宅ではなしに、利便を供する利用者に対して与えるということが、設置目的からいって、妥当かどうかということを私は聞いておる。その点について明確な御答弁を賜わりたい。
#137
○国務大臣(河本敏夫君) 結局、お話をお伺いしますと、法定の支払い金一億、これはよろしいが、そのほかに見舞い金も四億ばかり出しておる。同時にあわせて、いま御審議をいただいております法律が通れば、やはり約五億ばかりの金を出さなければいかぬ。さらに別に総理府から三十億の金を出すが、これは少し筋としておかしいのじゃないかと、こういう御質問のように見受けますが、いろいろ問題はあろうと思いますが、大局的見地に立ちまして、こういうことをしても、この際解決するほうがよろしいと、こういう判断に基づきまして、先ほど申し上げましたような四つの案を考えながら、この戦前からのかねての懸案の問題を解決しようということに踏み切ったわけでございます。
#138
○委員以外の議員(達田龍彦君) 大臣、それは政治判断として理解はできますよ。それから日本政府の沖繩問題に対する解決の方法論としては、私は理解できます。しかし、郵政省が行なうならば、郵政省の設置法の目的に従って実行するのがあたりまえであります。また、郵政省独自でやるとするならば、郵政省の政策目的が達成されるような方向でなされなければならぬわけであります。今回のそういう措置から考えたときに、そういう点の筋違いがあるなら筋違いがある、しかし、高度の政治判断でやむを得ずというなら、そういう答弁が出てきてしかるべきじゃないですか。郵政省設置法のあり方からいっても、あるいは政策目的からいっても、それが正しいというような判断に基づく回答であるとするならば、私は容認できません、その回答は。そこら辺の明確な回答をいただきたいのです。
#139
○国務大臣(河本敏夫君) 問題の第一の法定支払い金については問題はないと思います。それから見舞い金につきましても、これは御承知のように予算審議の際に御審議をしていただきまして、予算でお認めいただいた項目でございます。それからもう一つ、第三の問題といたしまして、この案件を御審議していただいているわけです。住宅のほうは総理府からお出しになるわけです。私は、こういう一連の解決方策が、またこの一連の解決方策によりまして三十五万件のかねての懸案の問題がうまく解決するということであるならば、郵政事業の将来のために大きくプラスになることでもあるし、別に郵政省設置法に反してはいない、こう思います。
#140
○委員以外の議員(達田龍彦君) ではお尋ねをいたしますけれども、今回の住宅に対する三十億の融資ですね、これは一体どういう関係から出てきたのですか、御説明いただきたいと思います。
#141
○政府委員(鶴岡寛君) 本件につきましては、ただいま大臣から御答弁のように、これは郵政省、そうしてまた郵政業務と切り離して総理府の主管でございます。したがって、総理府から答弁をするわけでございます。
#142
○委員以外の議員(達田龍彦君) 何か総理府に関係があるような回答でありますけれども、衆議院の論議を見てまいりますと、貯金局長の御回答によりますと、五十四億が総額として第三次の沖繩、いわゆる琉球政府の要求として出てまいっている、最終的に今回の融資のワクまで含めると四十億で妥結をした、こういうことが説明の中に出ておるのであります。でありますから、この三十億の融資というものは、やはり妥結の条件として出てきていることは間違いないのであります。どうですか、その点、確認しておきたいと思います。
#143
○政府委員(鶴岡寛君) 確かにお説のように、去年の八月の琉球側の申し出は金額にして五十四億でございまして、私どもが現在考えておりますのはお説のとおりに締めて四十億ということでございます。ただし、この場合、私どもといたしましては、郵政事業で直接にこれに、いわば郵政事業会計で負担をして、そうしてまたその負担するに十分な理由があると考えておりますのは、あくまでも法定支払い金と見舞い金と、この施設だけでございます。そうしてあとの三十億は、これは総理府の所管でございますから、郵政省とは切り離された一般会計からの支出でございます。しかし、結果としてこの五十四億に対して四十億ということばは使ったことはございます。
#144
○委員以外の議員(達田龍彦君) どうももう少しはっきりしなければならないのは、そういう説明をされても、経理上の問題じゃないのです。本質的には、そういう妥結の方法として三十億の住宅資金の融資を行なう、しかも、それは今回の支払いの対象になる保険契約者やあるいは貯金の加入者を対象として優先的に入居を認めるという、こういう措置ではありませんか。そうなってまいりますと、これは明らかに住宅の問題をやはり妥結の条件として郵政省は今回含めて問題を解決したということになるわけです。その点それでいいですね、どうですか。
#145
○政府委員(鶴岡寛君) 住宅融資の問題を含めますと、郵政省は先ほど申しますように、法定支払い金、見舞い金、施設だけでございます。住宅問題を含めてと申しますと、それはいわゆる政府という形になろうかと存じます。
#146
○委員以外の議員(達田龍彦君) これは大臣にお尋ねしますが、そうであるならば、何で琉球政府には、これは大臣も後承知だと思うのですけれども、琉球政府の中に琉球土地住宅公社というのがあるのですが、これが一手に公共的な住宅の処置をしているのです。一体化政策の中で、これを通じて日本政府は琉球政府に融資を行なって住宅の解決をするはずです。琉球全体の住宅の緩和という問題は琉球政府が住宅公社を通じて解決していくはずであります。そうなってまいりますと、琉球政府に所属するいわゆる沖繩県民に対しては一般公募によって全部入れるんであります。しかし、今回の処置は、利用者と加入者にのみ限定して今回の千三百戸の住宅については優先入居させるということが前提になっているじゃありませんか。これは政府が一貫してとる沖繩一体化の援助政策じゃないです。明らかに、今回の妥結の一環として、利用者と契約者に対して行なう措置じゃありませんか。中心はあくまでも郵政省の保険、貯金の支払いに関する処置として出てきた問題じゃありませんか。そこの本質を私は明確にしてもらいたいと思うのです。
#147
○国務大臣(河本敏夫君) ごもっともな御質問でございますが、郵政事業というものは郵政省の事業であります。同時にまた日本政府の事業でもあります。そういう意味で、郵政省として出し得る三条件及び日本政府として考えましたこの住宅問題、この四つを条件といたしまして、貯金と保険の問題を解決しよう、こういうことになったわけでございます。
#148
○委員以外の議員(達田龍彦君) だから私はおかしい。どこに、郵政省の設置規定の中に、住宅をつくって利用者に貸すという設置目的があるかと言ってんですよ。職員に対しての住宅を福利厚生施設の一環として出すことについては、今日各官庁でやられております。しかし、住宅をつくるための融資措置を今日郵政省が郵政省のいわゆる利用者、契約者に対して優先入居させるという目的でもってやることが、郵政省の設置法と政策目的の中に合致するかどうかということを聞いておるのであります。
#149
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどの答弁が不十分であったがために、まだ御理解をいただかぬようでありますが、私は郵政事業というのは郵政省の事業である、同時に、日本政府の事業でもある、こういうことを申し上げたわけです。そこで、この問題を解決するために郵政省としてなし得る法定支払い金の支払い、見舞い金の支払い及びいま御審議をしていただいておりまする法律に基づく支払い、この三つを郵政省としてやっていこうと。しかし、郵政省としてやれないこともあるわけです。そのことは日本政府全体として取り上げていただこうということで、第四の条件である住宅問題、こういうことになったわけでございます。
#150
○委員以外の議員(達田龍彦君) そういう答弁はきわめて詭弁だ。じゃ、総理府にお尋ねします。そうすると、今回千三百戸の住宅に対して融資をされる。これはいま、郵政省その他の説明によると、利用者、加入者を優先して入居させると、こういうのであります。じゃ、総理府としては、一体化政策の一環としてこれを取り上げているんですか。それとも、いま申し上げたように、妥結をするための条件としてこれが取り上げられたので、たまたま一体化政策として琉球政府が、住宅が今日非常に不足している状態緩和の問題もあるから、それに便乗して、一体化政策の住宅政策を持ち込もうとしたのか。一体本質はどちらかということについてまずお尋ねをしておきたいと思います。
#151
○政府委員(加藤泰守君) 沖繩におきましての住宅難というのは本土と比較しまして非常に高いわけでございます。全琉で、本土の約三倍くらいの住宅難率といいますか、そういう状態でございます。したがいまして、総理府といたしましても、早くから沖繩における住宅事情を緩和することによって、住宅事情の格差是正と申しますか、そういうものをぜひやりたいという気持ちで、すでに資金も供給しているわけでございます。そういう事情でございますので、たまたまこのいわゆる債権者の方々、これは先ほど大臣がおっしゃられたように、十何万という債権者がございますので、そういうことを考えますと、沖繩におきます――沖繩は九十五万という人口でございますが、これを考えますと、相当数の方々が実は関係しているということが言えるのではなかろうかというふうに思うのです、郵便貯金の関係につきまして。したがって、われわれが住宅難率の緩和をはかると、格差是正の措置をとることも実は一面この債権者の方々の住宅難を緩和することにもなるというふうに考えているわけです。そういう事情にございますので、たまたま債権者団体の方々がひとつ賃貸住宅をつくってみたいというこういう希望を持っておる、計画を持っておるというようなこともありましたので、琉球政府を通じてそういう融資をしていこうと、こういうふうにしたわけでございます。先ほども森先生に対するお答えで申し上げましたように、公募が原則でございますが、たまたまそのうちについて、応募者が債権者でございますときは、債権者優先というようなことで、この関係は処理したい、そういうふうに思っております。
#152
○委員以外の議員(達田龍彦君) だから、総理府の関係としては、一体化政策の一環として住宅の建設というものを融資方法でやると、これが主であって、たまたまその公募の方法として優先的に、郵政事業、いわゆる加入者、契約者に対してやるというのが本質なのか。それとも今回の妥結を中心にして、最終的に五十四億に見合うものとして四十億といういわゆるつかみ算的なものの考え方に立って、その一環としてたまたま一体化政策の中における琉球政府の住宅不足に関する日本政府の援助という問題もあるわけですから、そういうものをつけてものを考えているのか。どちらを中心に置いたか、その点明確にしてもらえばいいのです。
#153
○政府委員(加藤泰守君) 一体化施策を実施しておりまするまた中心になっていろいろ計画しております私のところは、戦前のような沖繩についてのいろんな関係が現在残っているものもございまして、そういう問題の処理につきましてもぜひ解決したい、解決していかなければならないというのが、実は総理府の仕事でもあると思うのです。一面、戦前からいろいろ問題が残っております。そういう問題を解決していくのも総理府自体の仕事でもあるというふうに思うわけです。たまたま郵便貯金の関係というものは、そういう意味で、過去からずっと続けております。そういう問題を解決するということについて総理府も一役買って郵政省といろいろお話をしたわけでございまして、総理府がやっております一体化施策の関係とのからみでたまたま解決が促進されたというふうに私は考えております。
#154
○委員以外の議員(達田龍彦君) くだくだ言ってもだめです。わかっているのです。それならば、何で財団法人をつくって、そこでもって住宅をつくってみんなから公募するのですか。いま公的な機関として沖繩には琉球政府が住宅公社というものをつくっているのです。そこに融資をして、そして一般公募すればいいじゃないですか、それを利用者を中心とする財団法人をつくって、琉球政府がそれを貸し与えて、そして住宅をつくるというのは、一体どういうところに目的があるのですか、しかも、財団法人の設置に関しては、いろいろのうわさがあるのです。黒い問題も発生するのではないかという危険があるのです。約三十億の金を融資するのでありますから、私はより健全な、より公共的な性格を持つものに融資していくことが、当然これは国の運用収益による金ではありませんか。当然、私は日本政府の措置でなければならぬと思う。今日どちらが安全度が高いかというと、琉球政府が中心となっている公社のほうが安全度が高いはずです。それに融資していって、住宅難の緩和をはかることが、当然日本政府の考え方の措置ではありませんか。それを財団法人をつくって、利用者団体が中心となって運営するようなものに貸すということは、この三十億という金はやはりその見合いとして出されたということが、中心になっているからじゃないですか、それをこじつけて――一体化政策の一環だというのは、こじつけだと思いますが、その点、大臣どうですか。
#155
○国務大臣(河本敏夫君) これは私は両方だと思います。戦前の保険と郵便のトラブルを解決するための一つの施策でもあると同時に、一体化のための施策になる。両方の目的を兼ね備えておると思います。
#156
○委員以外の議員(達田龍彦君) だから、そういうことになりますと、郵政省の設置法と、それから政策目的からいって妥当かというのです。じゃ、将来金が余ってまいったときに、郵政省の利用する貯金、保険その他の人々に対して、郵政省がそういう利用者団体をつくって、そうして財団法人をつくって、そこに金を出して、そしてそういう住宅の緩和をはかるような、しかも利用者が優先するようなことをやるのですか、それは設置法で許されるのですか。
#157
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、郵政事業というのは郵政省の仕事でもあり、同時に日本政府の仕事でもあるということを申し上げました。したがって、この郵政事業のトラブルを解決するために、郵政省だけでできない場合には、政府全体として、たとえば郵政省と総理府が力を合わせて解決するということもあり得るわけでございます。
#158
○委員以外の議員(達田龍彦君) それは先ほどから私が言うように、高度の政治判断として、日本政府がきめる一つの措置である、これは政策としてきめるのである。しかし、設置法というのは厳然として国会を通って法律があるわけです。この法律に基づいて郵政省が措置すべき内容ではないと、私は住宅の問題については考えておるのであります。ですから、設置法の目的からいえば、この住宅の融資についてはどうである、しかし日本政府としてはこういう特殊な事情もあり、琉球政府の関係もあり、解決の方法として、こういう政策目的をもって政策的に判断をして処置をしたと言うなら、回答としては百点であります。そういう回答がなされないままに、郵政省設置法のことは別にして、日本政府が郵政省の所管の問題については日本政府がやっているんだというような、そういう解釈では私はこれは理解できません。どうですか、大臣。
#159
○国務大臣(河本敏夫君) まあ、説明が不十分なために御理解いただけませんで申しわけありませんが、先ほど四つの仕事をやるということを申し上げましたが、頭初の三つは郵政省がやるわけでございます。四番目の住宅問題は、この保険と貯金のトラブルを解決するために日本政府が政策的にやろう、こういうことでございます。
#160
○委員以外の議員(達田龍彦君) だから、四十分もかけてやっと正回答が出たのです。
 そこで総理府に、これは長官がおいでになると、私は沖繩問題でもう一つやらなければいかぬと思っておる。それはいまも申し上げたように、これは日本政府が、私は少なくともこの問題に対しては財団法人をつくって、そこに融資をするなどということはやっちゃいかぬですよ。やるならば、琉球政府が今日持っておるところの公的な住宅供給公社に融資をして、そこでもってきちんとした住宅政策の一環として行ない、その運営の中で、これらの関連があるから、いうならば加入者、契約者に対してどういう措置をすべきだということをやるべきであって、それをしないで、そういう財団法人とかいう、何だかわけのわからないものに融資をするということは、国のやるべきことじゃないですよ。これはあなたでは問題の解決にはならぬと思いますけれども、沖繩の特別委員会等の中で、私は十分、大臣も出席いただいて解明をしたいと思いますが、そういう性質のものではないかと思います。どうですか。
#161
○政府委員(加藤泰守君) 債権者団体に直接政府から貸し付けるつもりはございません。琉球政府に対して貸し付けるわけでございます。それで琉球政府が、琉球政府の判断でそういう形を、少なくともいまの問題の所在を十分検討された上で判断されて、こういう考え方になっているわけでございます。
#162
○委員以外の議員(達田龍彦君) であるならば、郵政大臣、これは参事官では問題を何するについては、あまりにも重要でありますから、これは総務長官とひとつお話をしていただいて、日本政府がこれだけの金を貸すわけでありますから、当然これに対しては、財団法人等のこういうものでなくて、公的な琉球政府の、いわゆる住宅政策の一環として、公的にやる機関があるんです。たとえばこの沖繩の報告書にも出ておりますように、住宅公社というのがあるのであります。こういうものに、きちんとこの融資をしてやるようなことを日本政府が琉球政府に私は申し添えるべきだと思うのです。貸したあとは知りませんというのは、あまりにも無責任過ぎますよ。でありますから、私はそういう性格のものであれば、特に一体化政策の一環としてやることであり、しかも郵政事業としては、今回の妥結の一つの方法としてやろうとするならば、やはりこれが生かされる方法でなければなりません。将来もんちゃくが起こるような、そういう団体では私はいけないと思うのであります。いま琉球政府が最終的にはこれは貸し与えるわけでありますから、自主的なものだと、こうおっしゃいますけれども、これは逃げ口上ですよ。国会で、そういう説明をしているではありませんか。でありますから、ひとつ総務長官と十分話し合いをしていただいて、ぜひその問題については、いま言ったようないわゆる公社というものがあるわけでありますから、それに貸し与えるような、いわゆる日本政府の意向を十分伝えて、そうして、そういう確認の上に立って貸すようにしてもらいたいと思いますが、どうですか。
#163
○鈴木強君 関連して。これは非常に重要な発言の食い違いが出ておりますですよ。おとといわれわれは三十億の融資について質問したときは、加藤参事官も言っておりますように――ここに書いてあるから間違いない――要するに財団法人、これは特殊法人、こういった債権者団体、名前はまだはっきりしないのだが、その債権者団体に融資すると言った。管理、運営もそこにさせると言った。われわれは、財団法人といっても特殊法人であるという話でしたから、だから私は、琉球政府の国内法に基づく特殊法人として相当琉球政府が手の入る、立ち入り検査もできるし、資料の提出もできる、内容の監督もできる、そういう筋のものであれば、ある程度内容もしっかりするだろうから、そこでやるというならと、そう理解しておった。ところが、いま債権者団体に直接融資はしない。琉球政府にするのだということは、これは明らかに一昨日の答弁と食い違っておりますですよ。これはあなたが確かに言ったと思うのだ。郵政省のほうの答弁だったか、その議事録を見ないとわからないけれども、私の記録にはちゃんと書いてある。そこで、こういうように答えたことに対して、さらにその点は念を押して聞いているわけだ。それを一日たって、そういうように政府に融資するのだということでは、これはおかしいですよ。だから私は達田議員が言っているように、この債権者団体というのは、一つの目的を持って何かやるような意図があるなと、私は黒い霧ということは言わなかったが、そういうように非常に疑惑の目をもって見られるような団体じゃないかということも念を押して聞いているのですよ。その食い違いはどうしてくれますか。
#164
○政府委員(加藤泰守君) 私、先生のいまのお話、ちょっと弁解みたいになって恐縮ですが、あとで調べてみますけれども、私は特殊法人というように申し上げたつもりはございませんで、あるいは特別な法人と、こう言ったかもしれませんが、いわゆる特殊法人というふうには考えておりません。
 それから、おととい、もし琉球政府に対して融資をするのだということを申し上げなかったとすれば、あるいはことばが足りなかったかと思います。先ほど申し上げましたのが正しいやり方でございますので、もしおととい間違ったことを申し上げておりますれば訂正さしていただきます。
#165
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#166
○委員長(永岡光治君) 速記を起こしてください。
#167
○政府委員(加藤泰守君) もし間違っておりますれば、これから申し上げるように訂正をしていただきたいと思いますが、琉球政府に、本土政府が貸し付ける相手方は琉球政府でございます。そして琉球政府が債権者団体、これは民法の財団法人という形で申請されておるようでございますが、その債権者の団体に対して貸し付ける、こういうことになります。ただ、これは補足的に申し上げたいのでございますが、資金の貸し付けでございますので、先生御指摘のように非常にその処理につきましては、十分配慮していかなければならないと思います。その点、琉球政府におきましてもこの監督については万全の配慮をするという立場で貸し付けを行なう予定になっておりますので、その点を御了承願いたいと思います。
#168
○委員長(永岡光治君) それでは、もし前の質問されたような意味の速記録であれば、それを訂正していまのように改めることにいたします。
#169
○国務大臣(河本敏夫君) いま総理府のほうから正式にお話のございましたように、三十億という金は琉球政府に貸し付けるものである、こういう話でございます。それから当初に申し上げましたように、この三十億というものは郵便と保険の問題を解決するその一環として政策的にこれを実行するというわけでございますから、私は総理府が沖繩政府と打ち合わせされておるような方法でこの金が使われるということに対しては異議はございません。ただ、総理府も重ねて言われましたように、十分運用については配慮していきたい、こういうお話がございましたから、当然沖繩政府との間に十分な運営についての話し合いがなされるであろう、かように期待をいたします。
#170
○委員以外の議員(達田龍彦君) それでは、私はまだこれは納得いかないんです。というのは、総理府参事官で回答が実はいただけるんだろうと思うんでありますけれども、すでにこの特殊法人としての財団法人から申請が出て、それでもって住宅を建て、将来の運営をしていく。だから琉球政府は初めからここにお金を日本政府から琉球政府がお借りをすると、貸し与えて住宅をつくるということでやっておることは間違いないんですね。ですから私はそういうあり方ではなくって、一体化政策の一環として、政府がおやりになるのであるならば、それは明らかに私は公的な供給公社等も琉球政府に機関があるわけです。これは琉球政府の住宅政策を一貫してやる機関でありますから、これがお金を借りてやるようにすべきが、私は妥当であると言うんです。これをやっぱり再検討してもらわなければならぬと思います。そのことがきちんとなされないと、いまのような仕組みで貸すことについては非常に私は疑問を持ちます。したがって、法案に対して郵政大臣とひとつ総務長官が十分話し合ってもらって、一つの方針を明確に出して、琉球政府に、こういう形でこれは貸し付けるんであるから、こういうところにやらすべきであるということを明確にきめるべきじゃないんですか。それが明確にならない前に、私はこの問題を処理することは非常に不安です。ですからそういう問題がありますので、ここでできなければ、沖繩問題特別委員会に長官も出ていただきまして、そこで長官の意思を明確にした上で、最終的にその意思のつき次第、逓信委員会で再度問題の決着をする、こういう取り扱いをしてもらわないと、いまのままでは私は非常に問題があると思います。委員長、どうですか。
#171
○国務大臣(河本敏夫君) もう一回申し上げますが、この問題を解決するためには、三十五万の債権者の方々が最終的には六人の代表の方々に解決のための全権を委任したわけです。交渉の全権を委任したわけですね。そうしてその六人の方々が三十五万人の人を代表して、たびたびおいでになって、日本政府とお話し合いをされたわけです。その結果、一つの条件として、こういう方法でやっていただきたい、よろしいということで妥結したわけでございます。したがいまして、そういうルートをちゃんと経まして解決した問題でございますから、私はいまさらまたそのやり方を変えるということは、これは交渉をまたもとへ戻すということになろうかと思いますので、これまでの行き方で御承認をいただきたいと思います。
#172
○委員以外の議員(達田龍彦君) 大臣ね、自分で説明をされ、答弁されて、矛盾を感じませんか。あなたは、これは郵政省の設置法でもってやっているんじゃない、政府の政策目的を遂行するための政策的な立場でやっていると、こうおっしゃられています。いいですね。ところが、いま財団法人でもってやろうとする住宅は、御承知のとおり利用者、加入者が中心になってやっている一つの団体、任意団体です。それに貸し付けることがはっきりした貸し付けのしかたを郵政省がやっていくということになれば、これは明らかに私は設置法違反じゃありませんか。そういうことができますか。もしするとするならば、国内の利用者にも住宅を貸し付けるくらいのことをしたらどうですか。それは皆さんのほうでは、貯金会館だとか保養所だとかいろいろとつくっておられますよ。しかし、住宅の問題を政策の一環として郵政省がやるということは、今日郵政事業の中でこれはできませんよ。私は、そういう点についてはっきりこれはいわゆる沖繩の一体化政策として総理府が責任を持ってやるというならば、総理府に全部まかすべきじゃないですか。そうして、それに基づいて琉球政府は琉球政府の一貫した住宅政策の一環として、自分のところでみずから持っておるところの供給公社なり住宅公社で、公的な機関で住宅政策の一環として処する。しかしその運営の中にあたってはそういう政策目的もあるので、郵政との問題については十分配慮する、こういう措置が妥当な措置で筋が通っておりませんか。どうですか。
#173
○国務大臣(河本敏夫君) さっきから繰り返し申し上げておりますように、四条件のうち三つは、これは郵政省がみずから解決するわけでございます。ところが住宅問題は、保険と貯金の問題を解決するために政策的配慮から政府全体として取り上げた問題でございます。郵政省が直接やるわけじゃございませんが、郵政省にも関係する問題でございますので、床次長官からは、こういう方法でやりたいという御相談を受けました。けっこうです、こういうことで話し合いがつきまして、そうして債権者の団体もよかろうということで、最終的に話し合いがついたわけでございます。そういう意味ですから、御了承をいただきたい、こういうことを言ってるわけです。
#174
○委員以外の議員(達田龍彦君) ですからそこまではいいんですよ。ですからね、この琉球政府が昭和四十一年において琉球土地住宅公社法に基づいて琉球土地住宅公社が設立されておるんです。住宅をつくるためを目的としてつくられているんです。法律がすでにもうあるんですよ。でありますから、そうであるならば、一体化政策の一環として行なわれる住宅政策であるならば、総理府はもちろん琉球政府に貸し付けるわけでありますから、琉球政府はそれに基づいて、この法律に基づいてやるとするならば、土地住宅公社でもって住宅をつくっていくのが妥当ですよ。そうしてそれの運用に当っては、いま申し上げたように、こういう経緯もあるから保険の契約者あるいは貯金の加入者に対して配意をしていくということが私は当然の措置ではないかと思うのです。でありますから、そういう財団法人等をつくって、加入者団体が任意団体をつくったものに貸し与えるなどということは、総理府としてこれは私はとるべき措置じゃないのじゃないか、やり方として。そういう問題点があるので、ひとつ総理府と郵政大臣のほうで十分話をして、そうして矛盾のない措置をとったらどうか。その措置がきちんとできるならば、私どもとしては不安がないのです。また、日本の国民としても、そういう措置のほうが一番安心できる措置ではないかと思うのであります。でありますから、ひとつ、そういう面の総理府との話をして、さらに問題があるならば、日米琉諮問委員会にかけたっていいじゃないですか。あるいは総理府から主席に話をしてもけっこうじゃありませんか。そういう話し合いを再度して問題の解決をはかったらどうかと言うのです。どうですか。
#175
○国務大臣(河本敏夫君) 結果的にはこの一体化政策のためにもなると思うのです。しかし、この郵便と貯金の問題を解決するために、この問題が起こってきたわけです。そしてこの三十五万の代表の方々が、こういう方法をとってもらいたいということを言っておられるわけなんですよ。そして、琉球政府も、それでけっこうだということで、先ほど総理府から御答弁がございましたように、まず琉球政府に金を貸し付けて、そして琉球政府から、先ほど総理府がお述べになりましたような方法で住宅の建設に充当せられると、こういうことになったわけですね。ですから、そういう一連のなにがありまして、この問題だけを切り離して考えますと、確かにお話のような点もあろうかと思うのですが、過去十年間の経過をたどりましてこの解決を見出したということを御考慮いただけまするならば――私はいまさら条件を変えるということはむずかしいと思います。また、この解決の最終段階で総務長官からどうだというふうな御質問がございました。先ほども申し上げましたとおり、けっこうですということで、全部の者が合意いたしまして、そして妥結したわけでございます。そういうことでございますので御了承を賜わりたいと思います。
#176
○委員以外の議員(達田龍彦君) こんな、みそもくそも一緒にしたような妥結のしかただったらだれでもやるのですよ。もう少し、政策目的と設置法の目的と、さらに一貫した筋を持ったやり方で妥結すべきじゃないですか。しかも、この任意団体のこの法人に対して、その貸し付けをするということが前提になって、この問題は融資されるのですよ。そんなことを先にきめちゃって、国会通してくださいというようなことは、国会をあまりにも軽視していますよ。少なくとも、これらの問題は琉球政府に判断があるとするならば、いまから私どもが審議をして、そうしてそういうことが妥当であるという判断が立つならば、少なくとも琉球政府に、こういう形で運用してもらいたいということを当然言うべきじゃないですか。すでにきまっておるからだめだということになれば、一体何のために国会はこういう問題に対して審議をするのですか。国民のそういう財産やあるいは財政投融資の問題でありますから、そんな、簡単にやるわけにはまいりませんよ、これは。国民の意思をきちんとくんで、日本政府は琉球政府にものを言い、安心できるような措置をするのが当然じゃありませんか。私は、いまのような立場では、それは政策目的の問題あるいは設置法の問題については、いまいろいろ論議をしてまいりまして、やっと大臣と私の意見が一致いたしましたけれども、問題は、それだから、それでいいということにはならないのであります。私は、そういう意味で、これをそのまま、いま言ったような形で通すわけにはまいりません、これは。沖繩の特別委員会でも、この問題については十分私は論議をしなければならぬと思っておるわけであります。それはどういう観点からかと言うと、一体化政策とこの関係というのは非常に重要だからであります。これはインドネシアやその他東南アジアに貸し付けるというようなものじゃないのですよ。将来は一体化されて日本の施政権下に入るわけであります。そういうところに、わけのわからないような団体ができて、そこでもって住宅をするというようなことになると、行政の一体化の問題から言ったって、非常に私は問題を残すと思うのです。そういう意味で、総理府それ自体がそういうきめ方をしたことに対して、きわめてこれまた総理府のこの問題に対する考え方に大きな疑問を私は持っておるのであります。でありますから、郵政大臣として、どうしてもということであるならば、これは私は、総理府長官を呼んで問題の解決をしなければならぬと思います。その上に立ってこの問題の最終的な処置をしていかなければならぬと思いますから。どうですか委員長、そういう形で問題の処理をしたいと思うのですが。
#177
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をやめてください。
  〔午後四時十五分速記中止〕
  〔午後五時五十六分速記開始〕
#178
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて。
 委員の異動について報告いたします。本日浅井亨君が委員を辞任され、その補欠として二宮文造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#179
○鈴木強君 この法律案の審議は、三日間続けてまいったのでございますが、森委員の発言が終わって、達田議員の発言の中で、われわれがいままでの審議の過程で政府当局から聞いておりました考え方との間に、非常に食い違いが出てきたような気がするわけです。その点が達田議員の質問によって明らかになったわけです。
 すなわち、一番問題になりましたのは、三十億の住宅建設の資金を債権者団体の皆さんを対象にして融資をする、そういうものだと思うのです。この点につきましては、直接債権者団体に融資をするのでなくして、一たん沖繩政府に融資をし、それから沖繩政府が責任を持ってある財団法人になろうとする債権者団体に融資をし、管理運営はその任意団体にやらせる、こういうことが明確になったわけです。
 そこで問題になりますのは、一体それではその任意団体である債権者団体というのは、何かということですね。この点が民法上の財団法人である公益法人の場合には、当然内地の場合ですと、当該の大臣の認可を得ることになっているわけです。そうしますと、監督権はその大臣にあり、しかも業務運営については、いつでもその実情を報告させることもできますし、中に入って立ち入り検査をすることもできる、こういう仕組みになると思うのであります。ですから、そこのところが非常にあいまいもことしております。ですから、まず私はこの際、今日まで郵政当局あるいは総理府が中心になりまして、沖繩の現地とよく御相談なすって、長い年月をかけてここにまとまった結論だと思います。ですから、郵政当局と総理府当局と現地の沖繩当局との間に、この点に対する私は考え方の相違はないと思うのであります。そこが、一体沖繩ではどういう措置をするのか、その団体が一体何なのか、この点をはっきりしていただきたいのです。遠田議員の言っているのは、本土と沖繩の一体化ということであるならば、当然向こうは住宅供給公社というものが存在しているわけですからそこに建設その他はやらして、そして入居は優先的に簡易保険、郵便年金の利用者の方々に入っていただく。そういうことをするのが筋ではないか。これこそ本来の一体化ではないか。大体設置法上から言っても、郵政省がそういうところに住宅を建てるなんということは筋違いじゃないか。こういう意見が遠田君の意見であります。問題は、それならば住宅供給公社でやることと、いま私が明確にしてほしいというその財団法人になろうとする債権者団体、これが一体どうなのかという比較もわれわれはできないわけですから、ですからこの際ひとつ総理府長官からでもけっこうですから、先に申し上げた三十億は沖繩の琉球政府に融資するわけですね。その先、財団法人を考えている――債権者団体、これは一体何なのか。それに対して沖繩政府はどういう責任を持って監督をし、指導をし、助言をし、やっていくのか、こういう点をひとつ明確にしてほしいと思うのです。
#180
○国務大臣(床次徳二君) 今後、琉球政府から融資を受けます財団法人のあり方に対しましての御疑念と思いますが、財団法人でございまするところの債権者団体に対しましては琉球政府から融資する場合、融資することに伴いましていやしくも不明朗なことを生ぜしめないように琉球政府におきましては、同財団に対しまして厳重な監督上の措置が講ぜられるようにいたす次第でございます。
#181
○鈴木強君 それは私はもう少し後ほどに伺いたい意見だったんです。いま私のお伺いしておりますのは、財団法人になろうとする債権者団体というのは、おそらくもうそんな抽象的なことではなくして、財団法人何とか何とかというところまでお話が進んでいるのじゃないでしょうか、この法律案を提案するに当たっては。そうしますと、琉球政府はその財団に対して一体どういうふうな監督権があるのでしょうか。その財団法人の性格も明らかにしてほしい。こういうことを言っているわけです。
#182
○政府委員(加藤泰守君) この点につきましては、琉球政府とも十分打ち合わせをしてきているところでございまして、ただいま債権者団体から民法上の財団法人の申請が出ております。したがいまして、本土におきます財団法人すなわち公益法人でございますが、それと同じような関係になるわけでございます。すなわち主席の監督のもとに公益法人としての仕事をやっていく。こういうことになるわけでございますが、しかし、それだけではもちろんわれわれとしても不十分であろうということであり、また琉球政府としても、その点もっと十分監督していきたいというようなことで、ただいま琉球政府のほうでこの財団法人に対しましてこの融資をするについての監督規定をさらに強いものにした新たな立法をするように立法院に勧告をする予定と聞いております。そういうことになりますと、単なる民法上の財団法人ということではなくて、それがやや特殊法人的な法人になろうかというふうに考えます。したがいまして、この特殊な法人につきましての監督権は主席が非常に強く行使できるような形になろうかと思います。
#183
○鈴木強君 その名前は、どういう名前になるんですか。
#184
○政府委員(加藤泰守君) 申請によりますと、郵便貯金等債権者住宅事業協会という名前でございます。これはまだ暫定的な案として、そういう名前として申請をしているようでございます。
#185
○鈴木強君 私どもは実はそういう財団の性格について三日間かなり聞いてきたわけですよ。特に一昨日ときょうは入れかわり立ちかわり、その点についての質問をしたのですけれども、どうも政府当局は不親切ですね。私はもうずっと積み重ねて、さっき申し上げたように過程を経ての交渉の結果ですから、かなり突っ込んだ話が琉球政府とも当然なされていると思うんです。ですから、琉球政府が特別の立法を立法院のほうに勧告する権限を持っているのですから、そういう勧告もなさって、そうして立法化の見通しがついておると。ですから、日本でいうならば国際電信電話株式会社法とか、いろいろ特殊法人的な性格を持った団体であって、名前は財団法人であってもかくのごとき性格のものであるし、さらにその上にこういう特別な法律をつくって監督を十分にし、融資がその目的に沿ってやれるようにちゃんと配慮しておりますということを申してくれれば、私はもう少しわれわれも理解を早くすることができたと思うんです。ところが、言っても言っても小出しにして、こういう大事なところをそらしたところに議事が遷延をした大きな原因があると思いますので、私は特連局長さんにぜひおいでをいただきたいと思いましたが、決算委員会等の関係でおいでになりませんし、総理府総務長官も私は要求しましたがおいでいただけなかった、他の委員会の関係で。こういうわけですから、加藤参事官においでいただいたのです。ですから、いいとか悪いとかいうことは申し上げませんけれども、もう少し国会の審議には、最初から正直にまる出しにしてやってほしいと思うのですよ。われわれは、まあ委員会の性格もあるでしょうけれども、できるだけ党派を乗り越えてりっぱなものにしたいという、そういう一筋の念願で審議をしているわけですから、ぜひひとつ御注意をいただきたいと思います。
 それで、先ほど達田議員はその問題を追及いたしました。で、結局そうなりますと、私もこの沖繩の一体化ということであれば、さっき申し上げたように住宅公団でやったほうがベターだと思います。ただ、いろいろといきさつがあって、ここに決着したようでありますから、今後の運営等について、いま御答弁をいただきましたような念には念を入れ、しかも厳重な配慮の中で二十数年間にわたったこの懸案事項を解決していただくわけですから、今後融資したから、金を出したから、それでいいのだというのでなくて、やがて祖国に復帰する沖繩でありますから、ぜひひとつそういう配慮を、復帰した場合のことも十分考えて行き違いのないようにしてほしいと思います。ぜひ先ほど総務長官からお答えがございましたけれども、もう一度ひとつこの質疑を通じまして長官の御意見を承り、同時にまた郵政大臣の御所見を承っておきたいと思います。
#186
○国務大臣(床次徳二君) ただいまお話ありましたように、非常な沿革の結果、ようやく解決したのであります。したがって、その形におきましては、多少異例のところがあると思いまするが、しかし、それによりましていやしくも疑惑を招くというようなことのないようにひとつ十分に監督をいたしまして、それぞれ貸し付け条件等もきめておりますので、その趣旨に沿って管理させるようにいたしたいと存じます。
#187
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど総務長官お述べになりましたように、総理府で管轄されるわけでございますから、われわれもいま長官がお述べになりましたように行なわれることを希望いたします。
#188
○鈴木強君 わかりました。大臣、少し歯切れが悪い。希望いたしますということは、少し積極性がないように思うんですよ。ですから、これは少なくとも二十四年間にわたった郵便貯金、簡易保険の、沖繩における戦前の皆さんに、これで長い間問題があったけれども、まあまあひとつ不満はあるだろうががまんしてくださいということで、まとまったわけですから、これは総理府の所管、なるほどそうかもしれませんけれども、この問題を解決する大きなウエートですよ。これがもし財団法人住宅協会に融資できないということになったらまとまらなかったかもしれませんよ、これは率直に言って。だからこれはもう不離一体だと私は思います。設置法上のいろいろの議論は先ほど言われましたけれどもね、今後簡易保険が祖国復帰と同時に再開される、それまでにはなかなかむずかしいようですね、もう入る人が少ないですから、そのときにはもう祖国復帰になったらすっと入ってもらえるような体制をつくると同時に、経済情勢の悪い中でも郵便貯金に協力してくださいという、そういう趣旨から、郵便貯金会館をつくる等の四つの問題が同時に私は同じウエートで並列的に並べておるものだと思うのです。ですから郵政大臣と総理府総務長官が一体になって、そうしてひとつ政府としての一体の中で沖繩の一体化というものをやっているわけですから、そういう意味でもっと積極的にひとつそういうことを相携えてやるというような少し前向きの御所信をたいへん申しわけないですけれどもほしいんです、私は。
#189
○国務大臣(河本敏夫君) 相携えまして、御趣旨のような方向で努力をいたします。
#190
○委員長(永岡光治君) 他に御発言がなければ、質疑は尽されたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#192
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案(閣法第九九号)(衆議院送付)を問題に供します。
 本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(永岡光治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 別に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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