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#1
第061回国会 逓信委員会 第22号
昭和四十四年六月二十四日(火曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十三日
    辞任         補欠選任
     二宮 文造君     浅井  亨君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永岡 光治君
    理 事
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
    委 員
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                寺尾  豊君
                久保  等君
                野上  元君
                森  勝治君
                浅井  亨君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
   政府委員
       郵政政務次官   木村 睦男君
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
       郵政省電波監理
       局長       石川 忠夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       自治省行政局選
       挙部管理課長   植弘 親民君
       会計検査院事務
       総局第五局参事
       官        中込 良吉君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会技
       師長・専務理事  野村 達治君
       日本放送協会専
       務理事      竹中 重敏君
       日本放送協会専
       務理事      川上 行蔵君
       日本放送協会専
       務理事      志賀 正信君
       日本放送協会専
       務理事      長沢 泰治君
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
       日本放送協会理
       事        荘   宏君
       日本放送協会経
       営企画室経営主
       幹        野村 忠夫君
       日本放送協会経
       理局長      池田 直和君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 (第五十八回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨二十三日、二宮文造君が委員を辞任されその補欠として浅井亨君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(永岡光治君) 日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、本件に関し郵政大臣から説明を聴取いたします。
#4
○国務大臣(河本敏夫君) ただいま議題となりました日本放送協会の昭和四十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出につきまして概略御説明申し上げます。
 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出いたすものであります。
 日本放送協会から提出された昭和四十一年度の貸借対照表等によりますと、昭和四十二年三月三十一日現在における資産総額は九百八十四億四千四百万円で、前年度に比し、八十一億三千九百万円の増加となっており、これに対応する負債総額は、三百四十三億三千二百万円で、前年度に比し、六億二千九百万円の減少、資本総額は、六百四十一億一千二百万円で、前年度に比し、八十七億六千八百万円の増加となっております。
 資産の内容を見ますと、流動資産は、九十八億二千六百万円、固定資産は、八百億五千万円、特定資産は、八十四億一千八百万円、繰り延べ勘定は、一億五千万円となっております。
 また、負債の内容は、流動負債は、三十四億四千万円、固定負債は、三百八億九千二百万円であり、固定負債の内容は、放送債券二百三十四億八千九百万円、長期借り入れ金五十三億三百万円、退職手当引き当て金二十一億円となっております。
 資本の内容につきましては、資本五百億円、積立金五十億九千六百万円、当期資産充当金七十二億三千万円、当期剰余金十七億八千六百万円となっております。次に損益につきましては、事業収入は、七百五十二億三千万円で、前年度に比し、三十九億二千九百万円の増加であり、事業支出は、六百六十二億一千四百万円で、前年度に比し、五十五億二千万円の増加、資本支出充当は、七十二億三千万円で、前年度に比し、十五億五千七百万円の減少となっております。
 したがいまして、当期剰余金は、十七億八千六百万円となっております。
 以上のとおりでございますが、なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#5
○委員長(永岡光治君) 次に日本放送協会会長から説明を聴取いたします。
#6
○参考人(前田義徳君) ただいま郵政大臣から日本放送協会の昭和四十一年度財産目録・貸借対照表及び損益計算書の概要につきまして御説明がございましたが、委員長の御指名によりまして、補足説明を申し上げることといたします。
 まず、当年度末現在の資産総額は、九百八十四億四千四百万円で、この内訳は、流動資産九十八億二千六百万円、固定資産八百億五千万円、特定資産八十四億一千八百万円、繰り延べ勘定一億五千万円でございます。
 この資産総額を、前年度末に比較いたしますと、八十一億三千九百万円の増加となっております。
 これは主として、当年度の建設計画に基づき足尾ほか百三十三局の総合テレビジョン局、足尾ほか百三十局の教育テレビジョン局、鶴岡ほかの放送会館の建設、その他放送設備関係機器の整備、局舎・宿舎の増改築等を行なったことによる固定資産六十七億二千四百万円の増加によるものでございます。
 一方、これに対します負債総額は、三百四十三億三千二百万円で、この内訳は、流動負債三十四億四千万円、固定負債三百八億九千二百万円でございまして、固定負債の内容は放送債券二百三十四億八千九百万円、長期借り入れ金五十三億三百万円、退職手当引き当て金二十一億円となっております。
 この負債総額を前年度末に比較いたしますと、六億二千九百万円の減少となっておりますが、これは受信料前受金等の増加により流動負債が九億二千五百万円増加しました一方、固定負債が、十五億五千四百万円減少したためでございます。
 また、資本総額は、六百四十一億一千二百万円で、この内訳は、資本五百億円、積立金五十億九千六百万円、当期資産充当金七十二億三千万円及び当期剰余金十七億八千六百万円となっております。
 この資本総額を前年度末に比較いたしますと八十七億六千八百万円の増加となっております。このうち資本につきましては、前年度末に比較して百億円の増加となっておりますが、これは、積立金から四十年度末までに固定資産化したものに相当する額百億円を資本に組み入れたためでございます。
 次に、損益計算書により事業収支についてみますと、まず受信料等の事業収入は、七百五十二億三千万円で、前年度に比較しまして、三十九億二千九百万円の増加となりましたが、これは主として、総合・教育両テレビジョン放送網の建設によりサービスエリアの拡大をはかりますとともに、放送番組の拡充・刷新及び事業の周知につとめました結果、受信契約者数が契約甲におきまして、当年度内に九十九万の増加を示し、当年度末千九百十一万となったためでございます。一方、契約乙の受信契約者数につきましては、当年度内八万の増加を示し、当年度末百五十六万となりました。
 次に、事業支出は、六百六十二億一千四百万円で、前年度に比較しまして、五十五億二千万円の増加となりましたが、このおもな内訳としまして、事業費は五百三十二億一千二百万円となり、前年度に比較しまして三十七億四千八百万円増加、減価償却費は百二億三千百万円で、前年度に比較しまして十八億六千四百万円増加しております。
 事業費の増加は、テレビジョン・ラジオ放送番組の充実刷新、教育テレビジョン放送時間の延長、カラーテレビジョン放送時間の増加、報道取材体制の強化、受信者の維持・増加対策の推進、放送技術・放送文化の両分野にわたる研究活動の強化及びこれらの事業規模拡大に伴う維持運用費等の増加によるものであります。
 減価償却費の増加は、建設工事の急速な進展に伴う償却資産の増加によるものであります。
 また、資本支出充当として、七十二億三千万円計上いたしました。
 これは、放送債券償還積立金の繰り入れ、固定資産充当及び長期借入金の返還等資本支出として計理した金額を表示したもので、貸借対照表に記載されている当期資産充当金に対応するものでございます。
 以上の結果、当期剰余金は、十七億八千六百万円となりました。
 これをもちまして、協会の昭和四十一年度末における財政状態及び当年度の事業成績につきましての補足説明を終了させていただきますが、今後の事業運営にあたりましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一そう放送事業の発展に努力してまいりたい所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
#7
○委員長(永岡光治君) 次に、会計検査院当局から検査結果について説明を聴取いたします。
#8
○説明員(中込良吉君) 日本放送協会の昭和四十一年度決算につきましては、その決算の概要を昭和四十一年度決算検査報告に提示してございますが、検査の結果、違法または不当と認めた事項はございません。
#9
○委員長(永岡光治君) 本件に関し質疑のある方は順次、御発言を願います。
#10
○鈴木強君 最初に、放送法の改正の問題について、もう一度大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
 郵政大臣が昭和三十七年の十月十一日に臨時放送関係法制調査会に対し電波・放送両法の改正について諮問をし、その答申が昭和三十九年九月八日に出されておりますことは御承知のとおりでございます。政府は、この答申を尊重するというかたい決意を持って今日までおられると思いますが、残念ながら法律改正は宙に浮いておるわけでありまして、本国会におきましても、遂に提案をすることができないという状態にございます。そこで、一体この先どうなるか、これを国民は知りたいのでございます。
 おそらく臨時放送関係法制調査会が、約二年間の歳月を費やして慎重に検討した結果出された答申でございますから、おおよそは、私は問題がないと思いますが、その後三十九年以来すでに五年近くを経過しておりますから、この間、法改正ができない間に客観的にもいろいろな情勢の変化もあろうかと思います。宇宙通信の開発、その他いろいろ問題があろうと存じますが、一体大臣としては、この放送法・電波法の改正について、どうなさろうとしておるのかあとで伺います。
 宇宙開発事業団法等がこの国会に提案されまして、その審議の過程で、一部はNHKがこの事業団に出資ができるような放送法の改正が事業団法とうらはらの中で、変わっていっているわけであります。どうも焦点がぼけてきてしまっておるわけですが、一体、大臣としては、その後どうなさるおつもりですか。
#11
○国務大臣(河本敏夫君) 放送法改正の経緯につきましては、昭和三十七年以降ただいまお述べになったとおりでございます。政府は昭和四十一年に改正法案を出しましたが、不幸にして成立を見なかったわけでございます。しかし、いつまでもほっておくわけにはまいりません。今度の国会にも、ぜひ出したいということで、いろいろ作業をやらしておったのでございますが、残念ながら間に合うことができなかったのございます。次の国会にはぜひ出すという体制のもとに、引き続いて準備をいたしておるわけでございます。
#12
○鈴木強君 次の国会といいますと、臨時国会が召集されるか、あるいは通常国会が召集されるか、政府の御判断ですが、通常国会は法律に基づく召集がきめられておりますから、いいのでありますが、臨時国会は、次の通常国会までの間、開かれるかどうか、これは政府の御判断だと思います。したがって、次の国会ということは臨時国会を含めてのことでございましょうか。
 それからいろいろ問題がありましてというお話を私たちもよく伺っておりますが、その問題を克服し、国会へ提案できるような条件をつくるために何か具体的な対策を立てておやりになっているのでございましょうか。問題点は一体どこなんでございましょうね、出し得ないという非常に大きな問題点はどこにあるのでございましょうか。
#13
○国務大臣(河本敏夫君) 次の国会という意味は、次の通常国会という意味でございます。
 問題点は、すでに昭和四十一年の放送法改正のときにおおむね論議を尽くされたと思いますが、その後、ただいま御指摘のように新しい技術開発がどんどん進んでおるわけでございます。そういう問題につきまして実はなおもう一回、一番当初に調査会に諮問いたしましたのはもう七年前のことでございますから、その後のいろいろな技術開発等を考慮いたしまして、もう一回調査会などに諮問する必要があるのではないか、そういうことなども含めまして、いろいろ問題点を整理しておるところでございます。
#14
○鈴木強君 そうすると、次の通常国会とおっしゃるが、なかなかそうはまいらないのではないでしょうか。臨時放送関係法制調査会を復活して、またおやりになるのか、何らかの別途の調査会をおつくりになっておやりになるのか、この点はいずれになるといたしましても、そういう諮問をするということになりますれば、かなりのやはり年月とまではいわなくとも期間をお与えして、委員各位にある程度長期にわたる見通しの上に立った法制の整備ということをやっていただく必要があるのじゃございませんでしょうか。そうなりますと、たいへん先になるような気がいたします。私が、一番恐れますのは、放送行政委員会の問題にいたしましても、もうすでに大臣手元で着々とUをはじめ新しいチャンネルプランの修正が行なわれているわけであります。一番この答申の中で問題にいたしましたのは、免許権をめぐる問題でありまして、そのことが放置されてその間にUの第一次基本方針、さらに第二次、第三次と申請がされていってしまう、やがて法制が国会に提案されるころにはおよその免許は終わってしまうということにならないでございましょうか。私たちはFMをはじめUの免許についても大臣にも何回か申し上げているように、いろいろ不明朗な話も聞きます。また、かなり強引な免許もいたしております。その結果、免許をいたしましても、なかなか地元の一本化ができないために、せっかくの割り当てられた周波数が生きていないという、宙に迷っているという事態もございます。これはすなわち歴代郵政省の電波行政でありまして、このことに大きな不満と不安を持っているのが国民だと思います。
 そういう意味におきまして、われわれは放送行政委員会というものをすみやかにこれを確立し、設置するというそういうことを期待しておったわけであります。特にUの新しい免許をする場合に、そのことを期待しておったと思います。それがもう終わってしまって、重要な案件が片づいたときに、法律案が出てくるようなことでは、何にもならないと私は思うのです。ですから、せめてそういう問題だけでも、できるだけ早く意識統一をして、全体的な法律改正ができないとしても、当面必要な問題については御提案をなさるような、そういう考え方も持たれてしかるべきではないでしょうか。いま、ここまで延びてまいりまして、そのためにさらに新しい技術開発や今後の放送電波の限りなく続く発展性に向けての法体系というものも、どうしても一緒にやらなければならぬということも、私にはやりたいということもわかりますけれども、経過がありますからね。そういうものをまた一緒にするために、大事なところが、また延びてしまうというようなことであってはいけないと思いますので、その辺もう少し検討されて、適切な電波行政を実施するために、ひとつ、決断を大臣にお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
#15
○国務大臣(河本敏夫君) 新しい調査会に、ここ数年間におけるいろんな変化を考慮して、諮問をしたらどうかという意味はございますが、これは郵政省としてまだ正式に取り上げたわけじゃございません。かりに取り上げるといたしますと、御指摘のように、もう次の通常国会に出すとすれば、六カ月ないし八カ月しかありませんから、よほど急がないと間に合わないわけでございます。
 なお、全面的な改正でなしに、部分的にやったらどうかという御提案でございますが、実は、そういうこともあわせて検討しておるわけでございます。
#16
○鈴木強君 わかりました。
 まあ大臣も御苦心をなさっていることも、私、よく知っておりますから、できるだけ、ひとつ実情に即して、電波行政が正しい方向に進みますように、さらに御努力をお願いしたいと思います。
 それからきょうは自治省からもおいでいただきましたが、先般、公選法の一部を改正する法案が両院を通過しまして、成立を見ておるわけでございます。で、これは、この委員会でも何回か取り上げた問題でございます。要は、公職選挙法を変えて、新しくテレビによる政見放送、あるいは立ち会い演説会の実況放送等をやる場合に、これを実際にやっていただくNHKなり、あるいは民放側に、その体制があるかどうか、こういうことが一番問題になると思います。で、今回、法律改正がなされまして、従来のラジオの政見放送に加えて、テレビによる政見放送が取り入れられました。ところが、この回数、時間等、そういうものはすべて政令にゆだねられることになっておるのでございますので、私は、この際、特にNHKに対しても、あるいは自治省に対しても、伺っておかなければならないと、こう考えまして自治省からもおいでいただいておるわけであります。
 まず、従来、経歴放送については、ラジオにおいては、衆議院がおおむね十回、その他の選挙すなわち参議院と都道府県知事の場合でありますが、これはおおむね五回。しかし、NHKの場合は、「事情の許す限り、その回数を多くするように努めなければならない。」、こういうふうに規定されておりますが、それは従来どおりだと思います。
 そこで、今度、百五十一条の三に新たにテレビについてが挿入になりました。これをちょっと見ますと、「衆議院議員、参議院議員及び都道府県知事の選挙においては、日本放送協会又は一般放送事業者は、政令で定めるところにより、テレビジョン放送による政見放送を行なう際にテレビジョン放送による経歴放送をするものとする。」と、こうなっておりますから、政見放送、経歴放送というものは同時にやるように考えられます。そこで、従来のラジオによってやられました、たとえば一人一回五分間、こういうふうな時間というものの中に、テレビの場合は経歴放送が入ってくるのではないかと思うのでございます。そこで、この政見放送演説の場合も、当然今度の改正でテレビジョンによる政見放送、これはやらなければならないようになったのでございます。そこで一体自治省としては、政見放送の場合と、それから経歴放送の場合と、いまの条文との関係で一回一人何分ぐらいの時間をお考えになっておるのか、ここのところをひとつ最初にお伺いしたい。
#17
○説明員(植弘親民君) テレビの場合は、特に東京周辺だとか、大阪周辺みたいに大電力圏と称するエリアがございますために、まだ具体の数字はきまっておりません。目下NHKなり、民放連を通しまして折衝中でございますが、おおむねの考え方といたしましては、NHK、民放ともに二回やりたい、ただ東京、大阪の大電力圏につきましては、物理的に一回しかできないであろう、こういうふうな感じでございます。時間につきましては、いままでいろいろの御議論の中では、できるだけ多くという御意見もございましたが、実情をいろいろ考えてまいりますと、大体五分程度ということになるのではないであろうか、こういうようなことで、いま折衝中でございます。
#18
○鈴木強君 そうすると、まあ関東、近畿、東海の十六都道府県の場合には、NHK、民放とも各一回ですね。そうすると合計二回やれるわけですね。そうしてその時間は大体五分、その他のところについてはNHK、民放とも二回、合計四回、こうなるのですが、たとえば民放でUとVの放送局がある場合――NHKには、これは一つでいいと思います。しかし、民放の場合、関東エリアのような場合に一回しかできないというような場合には、これは将来の問題ですが、どうなるのですか。しかし、東海なんかはすでにU局が許可になっておりますからね。そういう点を考えると、この辺は、そうすると、VでやったらUの人は見えませんね、民放の。それからUでやったらVの受信者には見えないという現象が出てきますね。そういう矛盾はどうするのでございますか。
#19
○説明員(植弘親民君) もともと、この政見放送にテレビを利用するという場合に、私ども事務的には、大電力圏もございまして、県域放送というのがございませんので、なかなか困難ではないであろうかということで、いろいろ各関係方面とも検討を続けてまいったわけでございますが、結局、このように国会の御意思もございまして、踏み切ったわけでございます。したがいまして、そういういきさつから申しますと、Uが全国的に普及いたしまして、全国にUができるとなりますと、最も選挙放送では利用しやすいわけでございます。そういうような気持ちを持っておりますために、今回におきましても、UHFを持っている県につきましては民放の一回のほうで利用いたしたい、このように考えております。
#20
○鈴木強君 いや、だから、Uを持っているところは一回だということになると、――やはりまだU・V混在ですよ、正直に言って。そうするとVのほうは見れなくなりますね、一回だというと。そういうところは、民放のほうはU一局、V一局というふうなぐあいにしないと、聴視者が民放を通しては見れなくなるわけでしょう。そういう配慮をなさいますかということを伺っているわけですよ。
#21
○説明員(植弘親民君) 御指摘のようにUとVと両方持っているところは、それぞれ一回というふうに考えておるわけでございます。
#22
○鈴木強君 そうすると、それはあなたの先ほどの説明の中で、いま私が指摘した点は、少なくとも関東、近畿、東海の十六都道府県そのほかにおいてもそういうところがありますから、UとVのあるところが、そういうところは民放は二回になると、U局、V局それぞれ一回と、こう理解していいわけですね。私はそうしてもらいたいんです。
#23
○説明員(植弘親民君) その点で若干問題になりますのは、近畿地区で兵庫県ですか――にUができております。関東の関係ではUがございませんけれども、近畿の場合ございますので、その点もどう組み合わしていくかということでございますけれども、これは民放のほうで御協力いただけるならばUを利用してもらいたいと、こういうふうなつもりで折衝中でございます。
#24
○鈴木強君 それからこの五分間程度ということですが、経歴放送と一緒にやるようになるわけですね。そうすると、実際の政見発表というのは四分なり三分五十秒ということになるわけですね。その辺は経歴放送は別に五分の上につけるというような方法はとれないわけですか。
#25
○説明員(植弘親民君) 従来ともラジオの政見放送におきましても、やはりそれぞれNHKなり民放で候補者の紹介をやっていただいております。これは三十秒という長いものじゃございませんが、経歴放送は従来大体三十秒でございました。したがって、この候補者の紹介の時間を少し延長いたして三十秒程度まで経歴放送をやりたいと、そういたしますと、五分ということになりますと政見放送が若干食われることになります。しかし、実際はいままでもラジオの場合考えてみましても、民放の場合は四分十秒から四分三十秒といったようなことでやっていただいておりますし、できるだけ五分を確保して、経歴放送をやることによって政見放送が食われないようにという気持ちでおりますが、やはり時間帯なり、番組編成の組み方等もあるようでございますので、そこらのところは今後とももっと詰めたいと、こういうふうに思っております。
#26
○鈴木強君 これは改悪ですよ。政見放送をする場合の経歴放送というのは、これからの放送は日本社会党全国区だれだれでございますと、こう言うだけのことで、経歴放送じゃないのです。そうでしょう。だからして、その某候補はこういう経歴ですということは、たとえば三十秒なら三十秒にわたって経歴放送をやったらいいじゃないですか。ラジオはそれでやるわけですね。ところがテレビだけは五分以内でやるということになったら不公平じゃないですか。三十秒は五分の上にプラスしてもらわなければしようがないです。いままではアナウンサーが前とうしろに、これからの放送はだれですと、ただいまの放送はだれでしたと、こういうふうに紹介をするだけであって、その人の経歴放送をやっておりません。ですから、経歴放送と政見放送が一緒になっているわけですから、同時にやるということになると、その上に三十秒なら三十秒乗っけてもらわなければ既得権侵害じゃないですか。
#27
○説明員(植弘親民君) そこらは技術的な問題もあるようでございますので、いま検討中でございますが、経歴放送につきましても、従来テレビはNHKだけがおおむね三回やっておったわけでございます。それを電力事情によって東京、近畿の関係はできませんが、地方ではそれぞれ二回ということで四回になるわけでございますし、そこらの関係も考えまして、ラジオは従来どおり残しておきますので、まあ両々合わして、それからNHKなり民放の放送の技術的な問題もあるわけでございますので、今後御趣旨も十分考えながら検討を続けたいと思います。
#28
○鈴木強君 これは事前に皆さんはNHKなり民放側とよく打ち合わせをされたと思いますね。NHKのほうにも、この際念のために伺っておきたいんですが、ただいま自治省で考えておりますような広域圏放送と県域放送との関係についてはおおよそこの線でいけると、こういうふうに判断をされておりますか。
 それからただいま経歴放送と政見放送を同時にやることになりますから、三十秒間でもこれは重大な時間ですよね。こういう点はひとつ法律改正の趣旨に沿ってやっていただく、ただもちろん全体の放送時間というものの中に食い込むわけですから、非常に御無理だと思いますけれども、この際、民放はきょうは来ていただいておりませんが、NHKが公共放送であるというたてまえに立ちましても、従来からも民放以上に御協力をいただいたわけですから、そういう意味においては、ひとつ既得権を侵害しないようなことでやってほしいと思うんですが、協会側の御意見を伺いたいと思います。
#29
○参考人(川上行蔵君) いまお尋ねございました大電力圏と、それから各県域圏の放送局がある、これは大体いま自治省からお話しのありましたような線でやれるというような考え方で、いま準備を進めております。ただ問題は、犬電力圏につきましては、放送局が東京にしかございませんので、中継車を各県庁所在地に持ってもらうというような技術的な問題、ラジオと違いまして照明とかいろいろな施設を完備しなければなりませんので、かなり時間がかかるというので、まず第一回の試験でスタートしたい、このように話をしているわけであります。次の第二点の御質問の五分あるいは五分三十秒にするかどうかという問題につきましては、いろいろ考え方がございましょうが、いまのところは、民放にもある程度NHKでとったものを提供しようという考え方、と申しますことは、民放のほうで必ずしも各県に大電力圏がない所は回っていけないので、NHKでとったものを分けてほしい、そういう御要請もございますので、その時間帯を合わせなければいけない所がございますので、そういう点でいま話し合いをいたしておるところでございます。
#30
○鈴木強君 これは郵政省にもこの際伺っておきたいのですが、四十二年十月十三日「テレビジョン放送用周波数の割当計画基本方針等の修正理由および修正要領」これを私は資料として前にいただいておるのですが、その中に「一般放送事業者の放送について、必要と認められる場合は、広域放送圏内に県域を単位とする地区を設定することができるものとする。」こういうふうになっておりますね。それでさっきのU、Vの問題になりまして、これは自治省も聞いてもらいたいのですが、テレビジョンの周波数の割り当て計画の中ですでに札幌、新潟、長野、富山、金沢、名古屋、静岡、福岡、熊本、鹿児島、長崎その他第二次、第三次で相当数が許可になっておりまして、もうそろそろ放送を始めておるということですから、これはたいへんさっきのU、Vの混在している所は問題ですよ。これは政見放送をするためによく考えてもらいたい。これは郵政省と御相談なさるべきことですが、そこで、この際NHKに対して広域圏内に県域を単位とする地区を設定するということが漏れているところがある、ここにやはり問題があったと思うのですね。いま民放は千葉と群馬ですか、今回広域圏の割り当てをいたしましたね。で私は二、三日前郵政省が主催をいたしました三局長会議がありまして、その局長会議の大臣の訓辞というか、あいさつというか、何かその中でこういうふうに述べられておりますね。このたび公職選挙法が改正され、テレビによる選挙放送が実施されることになったが、関東、中部、近畿の三ブロックでの立候補者が多く、希望する放送時間が十分にとれないおそれがある。そこでこれら三地方にNHKの県域テレビの放送を大幅に認める方針で周波数の割り当てなどの具体策をこれから検討していきたい、まことに適切な御発言だと、私は考えまして、前回の委員会で私は民放の県域放送についても、千葉と群馬だけをなぜ先にやるのか、その青写真を全部お示しになったらどうですか、こういう質問をいたしましたところが、大臣はそれはやることはきまっているのです。ただ、地元の熱意の有無、強弱、状況の判断、こういうものからして、とりあえず千葉と群馬にやったわけでございますと、こういうことですから、基本的には青写真を示していると同じだと、こういうふうに私は理解をしておったわけです。当然、公職選挙法が改正になりますと、前からの懸案になっておりましたNHKの県域放送、広域圏内における県域放送というものは、当然民放と同じように周波数の割り当てをすべきではないか。この周波数が一体幾つあって、どうなっているのか。私は、その点もはっきりしてほしいと思うのです。あとからUに移行した場合のVが余るわけですけれども、そのVの波をどういうふうに使おうとするのか、そういう基本的な計画も、先般抽象的に御発表になっておるようですから、このことも私は伺いたいんですけれども、それはそれとして、この大臣の御発言がきわめて適切だと私思うので、この際具体的に、いつごろどういうふうに割り当てをしていこうとするのか、これをひとつ明らかにしてもらいたい、こう思います。
#31
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど自治省からお話がございましたように、関東、中部、近畿の三地区の広域圏では、十分選挙放送ができないわけです。他の地区と非常に不公平になる。しかも人口からいいますと、この三地区の人口は五千万をこえておる。かつ選挙というものは、私は民主主義社会、民主主義国家におきましては最大の行事でなかろうかと思うんです。それがまあ非常に不公平に行なわれる。しかも、広域圏では不公平であるばかりでなしに、関東に例をとりますと、衆議院の場合ですと二百五十人とか三百人とか、非常に多数の立候補者が出まして、そういうことも考えますと、一応関東の人は全部候補者の政見放送を聞かなきゃならぬ、こういう事態も発生します。物理的には、それはやろうと思ったら幾らでもやれると思うのです、全部放送ストップすることも可能ですから。しかし、そういうことをすれば非常に多くの人が迷惑をするわけですし、そういうやり方に対しては当然疑問を持つと思います。そういうことをいろいろ考え合わせますならば、技術的に問題点さえ解決するならば、ぜひこの三地区にNHKの県域放送をやらせるべきである。そして、選挙放送が不公平に行なわれることを何とか避けなければならぬ。こういう観点に立ちまして、いまお話しのようなあいさつをしたわけでございますが、つきましては、早急にこれを具体化しなければなりませんので、郵政とNHK両方から、それぞれ専門の技術者を出しまして、専門連絡会議と申しますか、専門の協議会と申しますか、そういう機関をつくりまして、早急にこれを具体化するためにはどうすればよいか、また可能であるか、すべての問題を早急に検討して結論を出してみたいと、こういうふうに考えております。
#32
○鈴木強君 まあ積極的に対策考えられておられるようです。しかも、NHK、郵政から専門的な人たちを出して、連絡会議か協議会か、検討したいというのですから、非常に私も敬意を表します。そこで、どうなんでしょうかね。特に関東、近畿、東海、この十六都府県、いま申し上げましたような相当数の人口を擁している地域において、少なくともNHKが一回の政見放送しかできないということは、たいへん問題のように私は思のです。現にラジオはやっておりますね、これ。関東地域の全候補者に対してやってるわけですね。ですから、それ、あと五分ふやすことによって、NHKの全体の放送にどういう支障があるのでしょう。ラジオはとにかくいままで関東地区候補者二百二十八人ですか、前回の衆議院選挙、関東地区一都六県候補者は二百二十八人だと思いますが、これをとにかく経歴放送を含め、政見放送を含めてこなしているわけですね。ですからそのためにラジオのほうの一般向けの放送が時間を切られることははよくわかります。しかし、全体をストップするという大臣の言うようなことはない、その分だけ何とか県域放送をいま積極的に割り当てをしてもらいたいということで、郵政省も前向きになっているわけですから、今回の選挙がおそらく年内にあるか、あるいは年を越すか、これはわれわれはわかりませんが、常識として広域圏の場合、周波数の割り当てがかりにあっても、今回はまあむずかしいと思います、実際には。したがって、その次からになると思いますけれども、何とか過渡的な措置ですから、勇断を持って、NHK側が、それに今回に限って協力をするというようなことはできないものでございましょうか。
#33
○参考人(川上行蔵君) 実は部内的には今回の大電力圏で実施することにつきましては、かなり問題があったわけでございますけれども、それはNHKが積極的に御協力をしようということでいたしました。それで前回の衆議院議員の場合の候補者の数を基礎にいたしまして、およそ現在のところ、もしか二百三十名、あるいは二百五十名程度の立候補者がいらっしゃるとするならば、選挙期間中の告示期間以後、およそ放送ができる期間を十二日間とみまして、それで一日に約一人、五分で二時間半程度やはり必要とするということになってこようかと思います。それで、それが全部御自分に関係のある候補者のお話であるとするならば、それはまた別の利益もあるかと思いますけれども、大部分が御自分の選挙区に関係のない候補者だということになりますと、やはりテレビの政見放送ということ、そのことに対しての嫌悪感と申しますか、そういう逆作用もわれわれとしては計算しておかなくちゃいけないということになります。そうしますと、たとえば東京の第一区の選挙の放送時間は何月何日の何時であるということをはっきりわかるようにしておかなければいけないんじゃないかと思います。そうしますと、その時間をある程度、ある程度と申しますと、あれですが、相当いい時間をとりまして、しかも、あらかじめきめて置くということになりますと、ある程度の幅を見て、その時間を指定しておかなくちゃいけない、そうでないと、立候補者にも御迷惑をかけるという形になりまして、そういうことを考えますと、二時間半というものをとって、それを機械的に初めから終わりまで瞬間をただ詰め込めばいいということではなくて、十分に余裕をとって、いい時間に御指定をし、順序、その他もなるべく公平であるように、こういうようなことを考えますと、二時間半を一日の中にどうとるかということは、かなり技術的に問題があろうかと、このように考えますので、もしそのことを十分間にいたしますと、その倍になってまいります。そうしますと、これは相当影響が出てくるんじゃないかということで、まず第一として、五分間で始めていくということで、それでやらしていただきたいということで、御提案をいたしたわけであります。
#34
○鈴木強君 理論的に私は納得できないんですよ。だからそれは川上さんのおっしゃるような広域圏内における、いわゆる県域放送みたいなものですからね。しかも県域の中でも、選挙区が違うということになると、確かに聴視者の感情というものはあるんですよ。しかし、それは先にラジオの場合にはやっているわけです。ラジオとテレビと、それはマスメディアの効果としてのあれはよくわかりますよ。わかりますけれども、ラジオだって現に経歴放送でも、衆議院の場合には十回、参議院の場合には五回やっておりますね。それから政見放送も三回の二回ですね。それだけやっておられるわけですからね。ラジオのほうでは憎悪感を感じないで、テレビのほうが憎悪感を感ずるということは、おかしな話ですよ。ですから二時間半とることが、絶対的に十二日間の間にNHKの基本的な放送体系を乱すということなら別ですけれども、現実にラジオだっておやりになっておってテレビだけができぬ、そういう理屈は通らぬと思うですよ。ですからもう少しそういう点は検討する余地はないでしょうか、一時間だけラジオのほうが早いですからね、五時から。
#35
○参考人(川上行蔵君) ラジオとテレビの機能の相違と申しますか、ラジオに期待される聴視者の心理と、テレビに期待される聴視者の心理と、それから、大電力圏内におけるテレビの数、それからそのテレビの時間に、ある一定の時刻にどういう番組がお互いに流されているかというようないろいろな問題をやはり勘案いたしますと、ただ放送していればいいという、われわれそういう考えではなく、やはりこれを聞かれるという立場において、番組を編成しなければいけないという考え方をとっておるわけでございます。
 そういう意味におきまして、先ほど来申し上げましたように、まずいい時間にそれで五分間一回という形を出しておるわけでございます。
#36
○鈴木強君 これは、どっちも無理を言っているわけですよ。これはあなたのほうだって、できればやりたいわけでしょう。しかし、まあいま言ったような広域圏放送で、波が一つしかないということですから、まあここらでひとつやってほしい。極端に言ったら、一回だって理論的には同じですよ。なにもほかの関係のないところをやられたんでは迷惑だという考え方は、一回であろうと二回であろうと、多少たび重なれば、またかという気持ちがあることはわかりますけれども、理屈的には同じですよ。そういう理屈も多少まあわかりますが、これはお互いに過渡的段階を乗り切るための一つの方途ですから、お互いに歩み寄っていかなければならないし、特に選挙というのは、大臣もおっしゃるように民主国家においては一番大事なのが選挙であろうと思うのですよ。ですから、そういう点からいって、候補者の政見放送というものをテレビ、ラジオ九〇数%のアベレージのあるそのマスメディアというものをうまく使って聞いてもらおうという、そういうことからして、テレビが取り入れられたわけですから、そこは、私もかなり無理を承知で言っているわけでございます。したがって、これはいまにわかにここで私も結論をお尋ねしようとは思いません。もう少し全体の放送時間帯の中でなんとかやりくりできるかどうか、そういうふうなことを十分御検討いただいて、その上で、ひとつ自治省とも郵政省とも十分にお考えをいただく。
 それから、この県域放送の周波数の割り当ても、大臣、積極的に御発言のようですから、そういう一つの問題が、いままで出ていなかった新しい県域への割り当てということも積極的にやってみようということで専門委員まで出そうというファイトを持っておられるようですから、そういう中でもひとついろいろと御検討なすって、もう少しこの政令を出すまで三者の中でひとつ考えてほしい、こう思うのです。これはまあひとつ、会長いらっしゃっていただいていますので、かなりこれは高度な政治的な判断も取り入れてもらわなければできないことですから、ただ技術的なことだけで言われたのでは、これはもう話にならぬわけですから、少しそういう大局的見地に立ってのひとつ会長の御判断を伺いたい。
#37
○参考人(前田義徳君) お説のとおりでございまして、先ほど来、大臣からもお話がございましたが、放送による選挙等の義務を果たすという意味で、私どもとしてはテレビジョンとラジオとを問わず、選挙区に問題を集中できるネットをNHKとしては当然持ちたいという考え方を持っております。これについては、関係当局とも、特に河本郵政大臣からも御意思の御表示があり、私どもも全面的にこれに御協力を申し上げて、技術的検討を基礎にその実現を期したいというのが、私どもの目標でございますし、ただ当面、経過的な問題については、あらゆる犠牲を払って、選挙放送の目的を達成するということに全力をあげる所信でおるということでございます。
#38
○鈴木強君 ただいま会長のまあ力強い御決意があるようですから、ぜひひとつ自治省、郵政省、NHK、もう少し突っ込んだお話をして、できるだけ他の県にわたらないような、ハンディキャップのないような形ができますことを強くお願いをいたしておきます。それで、一回、二回は別として、とにかく広域圏内においてNHKが御苦心をされることはよくわかります。
 そこで、この放送のやり方ですが、当然まあ常識的に考えても、これは録画によって放送されるということになると思うのですが、そのビデオ録画をとることについても、これはまあたいへんな御苦労が要ると思うのですが、そのことに対して、自治省とNHKのほうでいろいろ御相談はあると思うのですが、この点をNHK側としては、どういうふうにしたら一番うまくいくか、具体的な案をお持ちでしたら、ひとつ発表してもらいたい。
#39
○参考人(川上行蔵君) 政見放送におきまして、それぞれの方が自分の存在を強調しようとされるために、いろいろと御苦心をなさると思いますけれども、まあ公共的なこういう政見放送におきましては、あくまでも政見の中身において十分に聴視者に訴えていただきたいということをわれわれは主眼として願っておるわけであります。そういう意味におきまして、たとえばどういうような形でスタジオの設計をするか、あるいは服装を大体基準的にこういうぐあいにきめていただきたい、あるいは放送する場合においては、やはりお一人が直接に聴視者に呼びかける形で当たっていただきたい、たとえばタレントを連れてきて、そのタレントと対談するというような形じゃなしに、まあいろいろな形ですべての候補者の方が、同じような条件で聴視者の目の前に出てきて、そうして御自分の政見を、落ちついてゆっくりしゃべっていただく、それでそれを要領よく聴視者に訴えていただくということを主眼にしまして、幾つかの観点からいま申しましたような、いわゆるテレビでは制作の基本的な技術でありまするセットであるとか、あるいは化粧とか服装とか、それから使われます机とか、あるいは机の上に候補者のお名前をどういうふうな形で表示するか、そういうようなことを具体的にいま検討しております。それで数日のうちに試作版をつくりまして部内で検討し、あるいは関係の方にも見ていただきまして、そうしてその御意見を聞きまして、できたらそれにのっとってひとつ候補者の方に政見を述べていただくというようにすれば公平が保てるのじゃないか、このように考えて、いま準備を進めているところであります。
#40
○鈴木強君 これは自治省のほうでは、いまNHKから一応の考え方が述べられましたが、まさか政令の中でネクタイをしろとか、洋服を着ろとかいうようなことまでは規定できないでしょうね、ですからこれはNHK側の、一つの放映する立場に立って、国民に失礼にならないように、見苦しくないようにという、そういう配慮だと思うのですね、だから私が上着を脱いでひとつ私はやりたいのだ、こういうときにいまいったNHKのほうでは、上着を着てくださいよ、そうですか、私は元気のいいところを、ひとつ上着をとって皆さんに熱弁をふるいたいのだというようなのが出てくるかもしれません。それが、法律でなかったら強制はできません、本人がいやだと言ったら。それでもNHKが録画をとらないわけにいかぬでしょう、そこにかね合いがあると思うのですが、そういうこまかいことはどうなんですか。
#41
○説明員(植弘親民君) 法律では品位の保持ということ、それから政見放送なんだから、政見にふさわしいものという一つの命題を、法律では書いてございます。政令におきましても、できることならそういうふうに品位を保持するということを強調しておきたい。まあ訓示規程みたいになると思いますけれども、具体的に小道具をどう持つとかということになってまいりますと、やはりこれはNHKなり民放の通常の倫理規程といいますか、そういう放送する場合における局側の基準というものに準拠していただくことしかないだろうと思います。そういうふうにお願いしたいと思います。まあよく衆議院の地方行政委員会なり逓信委員会なりで御議論がございましたけれども、裸になって政見放送を録画する人があるとか、いろいろあるという、そういうことを一体認めるのか、それからいろいろな旗さしものみたいなものを持ってきても、かぶとをかぶってもいいのかといったような御議論がございましたけれども、やはり先ほど川上理事のおっしゃるような通常の形で、選挙に出ておられる方でございますから、そういう良識のある通常の態度でやっていただきたいということは訓示的には規程いたしますし、実際には放送局の倫理規程みたいなものに譲りたいと思います。
#42
○鈴木強君 その点たとえば急にかりに一月選挙があったということになったときに、スタジオをまさかにわかにつくるということもできませんね。いま各県に放送局があると思うのですけれども、そこにはスタジオはないんじゃないですか。そうすると二百何十人と予想される候補者に対して東京まで来てくれということもなかなか選挙に入りますと無理でしょうね。したがって、何か各県を皆さんのほうから回わってやるようなことでも考えないと、実際に録画するといっても無理じゃないですか。ですからそういうために、その放送車なり録画車なりあるいは要員なりそういったような面についてはかなりの負担がかかると思います。そこらはもう確保できておるのですが、対策はあるでしょうか。
#43
○参考人(川上行蔵君) 先ほど大電力圏は政見放送はむずかしいと申しました。それだけの条件でなく、NHKの内部の条件も非常にむずかしいということを先生が非常に理解あるおことばでいまお述べいただいたと思います。私たちのほうは、十分できるだけサービスするという意味におきまして、その大電力圏内におきましても、各県の県庁所在地までは中継車を持ってまいりまして、そこで県庁の一室をお借りするとかあるいは公民館の一室をお借りするという、照明施設も十分につくるという配慮をいたしました上で、その県の方はそこに全部お集まりいただく、そのかわりそこでその一定の三日間なら三日間のうちに録画をするというように多少の協力をお願いしてそういうふうな便宜をはかりたい、このように考えて準備をいたしております。同時に、いまお話がありました中継車を持って回る、そういう技術の要員とか、そういう関係、そういうことも現在着々と準備を進めております。
#44
○鈴木強君 これは自治省は、民放のほうはこれに対してはどういうふうな考え方を持っておられるのでしょうか、聞くところによると、NHKのほうで録画したやつを貸してもらって同じものをやろうというようなことも言っているようですけれども東京の場合は二回、広域圏の場合は一回ですね。NHKと民放の一回、同じものが二回ということになりますけれども、他の県にいくと二回二回ですから四回同じものを聞かせるというのも芸のない話だと思うのですけれども、たとえば候補者が、私は忙しいけれども、そのつど録画して自分の放送をやりたい、政見を二度に分けてやりたい、前段と後半にというようなことで、二回内容を変えるということもあり得るでしょうね。それを法律的に同じものでなければならないというようなことは規制できないでしょうか、どうなりますか。
#45
○説明員(植弘親民君) 大電力圏につきましては、いま質疑応答がございましたように、特に中継車の問題、こういったものもございまして、民放各社に現地に行って録画をとっていただくということは非常に困難なようでございます。したがいまして、NHKの録画したものをそのまま使っていただくという方法を考えております。
 それから地方におきましては二回、二回でございますが、原則といたしましては一回録画したものをビデオでそのまま使うという、したがって、NHKが一回なら民放も一回、こういうかっこうで進むことがこの際第一歩のテレビによる政見放送としては適当ではないか。と申しますのは、いろいろとラジオの経験等から考えましても、一人の候補者の方の録画どりも相当な時間もかかるようでございますし、いろいろと時間的に制約された選挙運動期間に選挙を行なうといったようなことも考えてみますと、この際はビデオでやっていただくことのほうがより適当ではないだろうかというつもりで検討中でございます。
#46
○鈴木強君 ビデオではいいんですよ、いいんだが、二回やる場合に、選挙の場合二回一緒にとってもらうわけでしょうね、だからいま言ったように、一回やればそれは何分かで済むから二回やればその倍かもしれませんが、二回やらなければ、同じものを二回放送しなきゃあならぬということは法律にはないでしょう、あるのですか。
#47
○説明員(植弘親民君) これは百五十条をお読みいただきますと、そういうやり方につきまして回数その他はすべて政令で定めることになっておりますから、政令ないしはこれを受けた実施規則これで定めれば十分と考えております。
#48
○鈴木強君 そうでしょう、だから政令できめる場合にも問題が出てきますよね。私は二回とも内容を違ったものをやりたい、こういうことを言うわけですね。それを一回にしてくださいというのは、放送局側のいろいろな理由もありますからということでやっていこうということだろうと思いますけれども、ここのところはどうなんでしょうかね、四回とも、かりに民放がNHKの録画したものを借りるということになったら同じことを四回放送するわけですね、効果の点からいってどうなんだろうかという疑問を持つわけですが。
#49
○説明員(植弘親民君) 大電力圏につきましては、いま申し上げましたようにNHKのを借りるということが原則でいいのじゃないかと思います。それから県域放送のございます地方につきましては、NHKと民放とそれぞれ録画して、またこれは候補者の数も少のうございますし、技術的にもそう困難でないようでございますから、そうしてまた候補者のそれぞれの好みによりまして、おれはもう四回とも別のものをやりたいと言われましても、やはりこれは選挙放送の公正確保のたてまえからはっきりと政令でもうビデオを使うならビデオを使うとはっきりしておかなければいけないだろうと、このように思います。
#50
○鈴木強君 こういうことは考えていなかったのですか。県域のときはわかりました、県域の場合は。広域圏の場合、東京でいうなら四チャンネル、六、八、十、十二ですね、五社があるわけですからね、ですから何かNHKにやってもらってそれを放送さしてもらうのだということもきわめて選挙放送という立場からいってもうしろ向きですね、ですから一社でやるということになったらたいへんでしょうね、しかし、この五社が共同して中継車もかりにNHKのものを使わしてもらう、同じ日に録画するなら、協会のほうの意見を聞かなければちょっとむずかしいかもしらぬが、そういうふうな全体の民放を通してのNHKとの協力体制、そういう中で何か関東エリアにおいてもあるいは中部、近畿エリアにおいても民放とせめてNHKとの放送内容が違うということくらいのことは配慮してほしいのですよ、私は。検討する余地ないですか。いままでもし相談してだめだったらその理由を言ってもらいたい。
#51
○説明員(植弘親民君) いまのところ特に東京を例にとって申し上げますと、先ほどもお話ございましたように、一昨年の三十一回総選挙におきまして二百二十八名の候補者がございました。今度は、テレビを利用することによって相当候補者もふえるのではないだろうかと一般に言われておりますが、かりに二百五十名といたしましても民放が五社ございます。したがって、一社平均五十名といったところで、それからもう一つは選挙区単位にはまとめたい、こま切れにはしたくないというようなことをいろいろ考えますと、やはり東京の十区と近県の各県とどういうように組み合わせるか、その組み合わせ方は別途またいろいろの方法はあると思いますが、少なくともそういう組み合わせによって、東京五社のそれぞれの民放各局に担当していただかざるを得ないだろうと思います。そういうことになりますと、やはり非常に技術的には問題でございますので、大電力圏についてはNHKのを利用さしていただいたほうがよりこの際は適切であろうというようないま判断になっております。
#52
○鈴木強君 それは民放側と相談をしてみたのですか、NHKと皆さん、協力体制を。
#53
○説明員(植弘親民君) いま相談中でございます。
#54
○鈴木強君 じゃ、相談中だからちょうどいいから私のそういう希望があるから、もう少し民放側にも積極的に協力してもらうような、これはしかしあとで聞くのだが、実費もちゃんと出すわけでしょう、必要な経費は。だからしてそういう意味では、この際一番大事な選挙なんだからということで実のある、せっかく始めるのだから、どこを聞いても四つ同じようなことを聞いているんじゃ、さっきのNHKじゃないけれども、いやになっちゃう。そんなもの聞かなくてもさっきあれを聞いたからということになる。そういう点で、せめてNHKの内容くらいは五社と違うような内容のものを放送させるくらいの配慮はしてくださいよ、どうしても話をしてみたけれども、技術的にも物理的にも不可能だということになれば、これはもうやむを得ませんから、将来の場合、さっきのお話の県域放送はNHKもやってもらう、民放もやってもらうということでないと、いけませんが、ひとつ努力してみてくれませんか。
 その次に、放送時間帯のことですけれども、一体これは全体の放送時間の中で、どこをつかまえてやろうとするのか。これはNHK側でもいいですが、構想ありますか。
#55
○参考人(川上行蔵君) NHKといたしましては、準ゴールデンアワーと申しますか、なるべくいい時間帯を提供したい。このように考えております。現在、検討いたしておりますのは、朝の六時とか、午後の一時とかあるいは午後の十時とかというように聴視者が一番娯楽放送を望んでおられる時間、これはやはりその時間に放送しても効果があまりないと思いますけれども、それに準ずる時間帯というところを考えまして、先ほど申し上げました二時間半というものをその時間帯に配慮するように検討いたしております。
#56
○鈴木強君 朝の六時、それから午後の一時、午後の十時、その大体時間帯ですか。
#57
○参考人(川上行蔵君) いまその辺をめどに検討いたさしております。
#58
○鈴木強君 これは民放のほうは、自治省どうですか、大体時間は。
#59
○説明員(植弘親民君) 民放それぞれ各社ございますので、その調整がむずかしゅうございまして、衆議院の段階におきましても、裏番組との関係もあるので、全部が統一をはかるようにしてはどうかということでございますけれども、これはなかなか民放は御承知のようにそれぞれ年間契約でもずっとやっている番組ございますし、なかなか途中から変えるというようなことも容易ではございません。各社それぞれ合わせるということもなかなか困難な問題のようでございます。したがって、できるだけあまりこのゴールデンアワーといいますか、そういうところにぶつからないようにできるだけ政見放送を聞かれるような時間帯ということで、いま民放ともいろいろ御相談いたしております。
#60
○鈴木強君 まあそうですね。いろいろNHKの時間帯とダブることがいいのかどうなのか。そういう点もあるでしょうから、ひとつ十分検討してもらいたいと思います。
 それから、立ち合い演説会の放送のことですが、百五十一条の四が新しくつくられまして、「立会演説会についてその実況を放送するときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会と協議しなければならない。」この趣旨は、「協議しなければならない」ということはそこの選管の認可がないとできないと、そういう意味ですか。
#61
○説明員(植弘親民君) 昨年の参議院の通常選挙の場合におきまして、全国的にテレビというマスメディアを使いたいということから、全国三十二県でNHK、民放で立ち会い演説会の中継をやっていただきましたが、やはりこの当該県の選管なり、立ち会い演説会を実施いたします市町村の選管と十分な打ち合わせをしていただかないことには、NHKなり、民放のほうとしてもやりにくい面もございます。たとえば、全候補者が参加されないとやりにくいとか、時間をどういうふうにするとか、写真のとり方をどうするとか、また聴衆が騒いだ場合にはどうするとか、いろいろな秩序保持、その他の問題がございますために、あらかじめ大体どの辺の地点が最も、また全候補者に比較的公平であるか。こういうふうないろいろ配慮が必要なわけでございます。そういう点から県の選管なり、立ち会い演説会をやる市町村の選管と十分打ち合わせをしてやっていただくということを昨年お願いいたしました。おかげさまで昨年参議院の、三十二県やりましたが、大きく問題になるようなものもございませんで、非常に好評裏に行なわれました。今回の改正を入れましたのは、NHKにいたしましても、民放にいたしましても、この立ち会い演説会を報道として放送される場合のその取材、その他についてごたごたの起きないようにあらかじめ十分の御相談をいただきたいということで、決してチェックという意味じゃございません。
#62
○鈴木強君 法律のたてまえはそうすると、一般の取材と同じで放送をできると、こういう趣旨ですね。そういう場合、問題があってはいけないから、よく協議をしておいてもらいたいと、こういう趣旨ですね。
#63
○説明員(植弘親民君) そのとおりでございます。
#64
○鈴木強君 わかりました。
 そこで、NHKとしてはどうでしょうか、昨年の参議院選挙で三十二県の立ち会い演説会をやられたそうなんですが、この法律改正によって、さらに、全県的な――まあ広域圏放送なんかの場合は無理でしょうが、そうでない、県域放送のあるところは、ほとんどこういうような方法をおとりになる考え方でしょうか。
#65
○参考人(川上行蔵君) できましたら、そういう中継もやりたいと思いますが、いま何と申しましても、テレビの政見放送が公営で行なわれるということに当面の焦点を合わせて、いま準備をいたさせまして、これには絶対に間違いないようにということで、万全の配慮をいたさせておりますので、その計画ができました上で、また考えるというようにしたいと、このように考えております。
#66
○鈴木強君 わかりました。まあできるだけくふうしていただきたいと思います。
 それから、最後に、この問題でひとつ伺いたいのですが、政見放送に対する、先ほども出ましたが、品位の保持というものが新しく百五十条の二に入りましたね。ここには、「公職の候補者は、その責任を自覚し、前条第一項に規定する放送をするに当たっては、他人の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくも政見放送としての品位をそこなう言動をしてはならない。」こうなっております。一面、現行の百五十条の中に、最後のほうに、「日本放送協会及び一般放送事業者は、その政見を録音し、」今度は、そこに「又は録画し」が挿入されたのですが、「その政見を録音し又は録画し、」改正案による改正で、「又は録画し、」「これをそのまま放送しなければならない。」とこうなっておるわけですね。そこで問題になりますのは、Aという候補者が、この政見放送をやりました、これは録画ですからそうすると、それが百五十条の二に合っているのか合っていないのか、まあこの百五十条の二というものがあるということを、候補者に十分理解をしてもらうわけですね。法律があるわけですから、一応。ですから、これに違反した場合には罰則がある。したがって、この扱い方は、非常に私はむずかしいと思うのですがね。NHK側は、録画をし、録音したものは、そのまま放送しなきゃならぬという百五十条があるわけですね。これを、あれですか、何か、どこかでチェックしようという考え方が自治省にあるわけですか。チェックというとなにだが、事前検閲というか、その内容が、はたして第百五十条の二に合っているのかどうなのか、そういうふうなこと。それから、一方、協会側にも伺っておきたいのですけれども、一般放送法上、放送番組に対する制約というものがあるわけですね。それと、この公職選挙法上との関係というのは一体どうなるのか、録音したものをそのまま放送しなきゃならぬということになっているわけですね。これは、どういうふうに理解しておいたらいいのでしょうか。
#67
○説明員(植弘親民君) 先ほどもちょっとお話の中に申し上げましたように、本来政見放送でございますから、いやしくも公職の候補者となるような方が、そんなものはあり得ないというふうに考えるのが本来だと思います。しかしながら、従来、ラジオの政見放送におきましても、非常に個人的な中傷をやってみたり、いろいろと好ましくないものが多うございました。そのときには、実例はどうかといいますと、放送局の側で、こういうようなことをおっしゃる方がおりますと、私どもどうもいかんと思うがどうであろうかという場合におきましては、私どもも相談に乗りまして、それはやっぱり適当でない。したがって、候補者の方に御相談して、ここは適当でないから削除していただいたらどうでしょうかという御注意は申し上げて、いままでは大体それで、候補者の方はそうかということで、それを直しております。問題は百五十条のほうで、後段に「そのまま」というのがございますが、この「そのまま」というのは、原則的にはNHKなり、民放のこの放送局側の責任を免除するようなつもりでございます。免責の規定でございます。しかしながら、また一方では、「そのまま」という規定があるからといって、それではもう明白に他の法令、刑罰法規等に触れるようなことでも、そのまま放送しなければならないのかということになってきますと、これは明文はございませんけれども、条理上そういうものまでも、そのままと読むのは適当でないだろうといったような解釈を持っております。したがって、そのまま放送いたしましても、これは刑法三十五条によるところの法令による行為といたしまして違法性の阻却はございますし、また、かりにもう客観的に著しく他の法規、刑罰法規等に触れる場合において拒否いたしましても、これもできるであろうと思います。そこらのところは、しかしながら、非常にボーダーラインが問題になってくると思います。ボーダーラインの問題につきましてはどうかといいますと、従来ともよく管理機関、選挙管理執行機関の私どもの立場のほうと十分御相談いただいておりますから、御相談しながら候補者に注意を与え直していく。どうしても直さない場合にどうするかというのが、まあそのまま放送するか、そこを、その人の放送はやめてしまうといった二者択一が出てくるわけですが、これはケース・バイ・ケースで相談して考えざるを得ないであろうと思っております。いずれにいたしましても、放送局側には違法性の阻却をするようには明文でなっております。
 それからもう一つ、答えが前後いたしましたが、百五十一条の二の規定です。これはやはり他の選挙法に基づくいろいろな犯罪と同じように、結局最終的には警察当局、司法当局の判断に持つしかないと思いますが、私どもといたしまして、事前にそれをチェックするような機関といいますか、方法を講ずるつもりはございません。
#68
○鈴木強君 けさ朝日新聞を私ちょっと拝見しまして、きょう私が質問をしたかった点について述べておりますが、その中で「テレビ放送の中で相手候補を中傷したら、どうなるか。テレビの影響力が大きいだけに中傷された候補者が決定的な打撃を受けることが考えられるが。」こういう問に対して、その中で皆川選挙部長は「その対策として、他の候補を中傷した場合、五年以下の懲役、という重い罰則を設けた。しかし実際には、放送されたあとでは手遅れだ。できればこれは未然に防がねばならない。そこで放送の前に選管でビデオをみてみるなどくふうするつもりだ。」こう言っているわけです。そうすると、これは明らかに放送前において事前検閲するというふうにとれるわけです。いまあなたのお話ですと録画をする放送局側でまあこの内容についてはどうかなというふうに思った場合には、選管と相談をする、選管は独自の判断をするかあるいは自治省にさらに問合わせするか、そういう手続をふんで、もしそれがこの第百五十条の二に該当する、あるいはもっと言うならば刑法上何か問題が起きるような内容であった場合には、中止するかどうかというようなことは、そのとき考えるということですけれども、これを中止するという法律的な根拠はないわけでしょう、ないわけですね。そうなりますと、あくまでも本人候補者との理解納得の上で内容を修正していただくということのほかにはないと思うわけですね。で、もしどうしてもこれはそのままやれと、こういった場合には、これは放送しなければならんでしょう。だからといって、それを中断して警察の取り調べということになるのですか、要するにあなたの言われるそういうチェックするようなことは考えないということなんだが、部長はどういうかげんか新聞に事前にそのビデオを選管で見るということも考えられるということを言っているが、食い違いがある。これは直接の発言でないですから、しかし、これは大事なところですから明確にしてほしいのです。
#69
○説明員(植弘親民君) その点はもう非常に議論になった点でございます。衆議院の段階におきましても、参議院の公選委員会の段階におきましても。ところが昔は選挙公報なんかにもございましたのですが、公序良俗に反するものについては、これはもう地方長官がこれを削除するような規定もございまして、いわゆる事前検閲的なものがあったわけです。しかし現憲法下におきまして言論表現の自由が確保されておりますから、保証されております限りこれを事前検閲することは適当じゃありません。しかしそうかといって、事前検閲できないからといって、いま申し上げましたように、もう明らかに刑罰法規その他のものにも抵触し、先ほどもちょっと鈴木委員のお話にございました放送法自体にもそういった規定がございますが、こういう規定にも明らかに違反しているようなものまでやらざるを得ないのかということになってまいりますと、これは条理として納得できないところがあるわけでございます。したがって、その場合にどうするかというようなことで、その新聞の記事は、表現はきつくなっておると思いますけれども、人の、うちの部長の気持ちをそんたくして申し上げるのは失礼でございますけれども、従来私どもが検討してまいりました経緯から申し上げますと、その場合の、さっき申し上げましたように、放送局側も私どももそれを知りました場合におきましては十分注意を申し上げて、そこで何らかの手を打ちたい、こういう趣旨でございます。
#70
○鈴木強君 わかりました。あなたがきょう正式な委員会に来てお答えになっているわけですから、部長と課長との間ですけれども、あなたのことを信用しておきましょう。したがって、部長に注意をしてください。非常に誤解を受けるような、憲法上からいっても非常に問題があるようなチェック機関を選管がやるがごとき表現と言い回しはまずいですから御注意をいただきたいと思います。それはわかりました。放送法上の番組規制もあるわけですから、そういったものを総合的に判断をして百五十条というものが運用されるということですから、その点はよくわかりました。
 そこで最後に、費用のことですけれども、国ではそれぞれ実費弁償していただけると思うのですが、それはそれでやっていただきたいと思うのですが、これらの放送については、従来国では交付金としてそのつど出されておりますね。民放、NHKともどの程度のものが実費になるのか、これは検討して見なければわからぬと思いますが、大よそ出ておりますか、額は、一回何ぼ。
#71
○説明員(植弘親民君) 大体NHKさんのほうで何か試算されたものを、実を言いますと、話がおかしゅうございますけれども、参議院の公選委員会でNHKと民放の代表の方に参考人として出ていただきました、漏れ承るところによりますと、大体七万円程度の制作費ということでございますけれども、どうも七万円というものについては具体的にまだこまかく私ども突き合わせいたしておりません。したがって、どの程度かかるものか、これは十分今後NHKなり民放の側と検討しなきゃならないと思っております。もちろん財政上の問題がございますから大蔵当局ともよく打ち合わせをしなければならぬと思っております。ただ民放の場合は、当然NHKの制作費と違いまして電波料がございますので、そこらのところをどういうふうに見ていくか今後の折衝課題でございます。
#72
○鈴木強君 原則的なことだけ聞いておきますが、大蔵省と相談とか何とか言われておりますけれども、そういう言い回しはやめて、自治省としては初めてテレビによる放送を実現するわけですから、しかもこれはもちろん一般の放送番組というものを割愛をしていただいて協力をしていただくわけでして、民放といえども、たとえば参議院のように何年何月何日から選挙が始まるというふうにあらかじめ選挙の期日がわかっているというなら組みやすいのですけれども、衆議院のようにいつ解散するかわからないような場合には、なかなかこれはむずかしいと思いますよ。すでに周知をした番組をがらっと変えなければならぬわけですから、そういう意味からいうと、放送利用者側から見ると痛手だけれども、国の一大重大な選挙ですから、それに協力しようという前田会長の先ほどのような積極的な御協力の意見もあるようですから、それだけに私はやはり必要な金は実費弁償してやると、これは筋でなくちゃならぬですよ。大蔵省が文句言ったらみんなで説き伏せなければいけないし、特にぐずぐずというようなことはないと思うし、かりに認めるとすれば、予備費から支出するようなことになると思います。そういう点はあなたはっきりしてください。一課長で言えぬかもしれないけれども。
#73
○説明員(植弘親民君) 選挙になりますと、単に公営の選挙運動としての選挙放送のみならず、一般の報道活動等におきましても、国民の選挙参加というものを相当呼びかけて御協力いただいておるわけであります。その点から言いましても、選挙公営による選挙放送が満足にできますように私どもとしますならば、十分に実費の補償をいたしたいと思います。
 ただ、その場合事務屋でございますので、財政的な制約もございますので、ちょっと大蔵を出したのでございますけれども、まあ委員のお気持ちもよくわかりますし、私どもとしても、非常に御期待申し上げ、御協力を強く期待いたしておるところでございますから、十分なる努力をいたしたい、かように考えております。
#74
○鈴木強君 これは、NHKから七万円程度作成費がかかるというのですが、大体試算をして見た結果、その程度でいいのですか。特に広域圏放送なんかの場合には録画要員、そういうふうな点もあると思いますから平均してみてそのくらいでいいのですか。
#75
○参考人(川上行蔵君) 大体全国平均いたしましていまお話がございましたような金額を公式じゃございませんけれども、非公式に検討していただいておる次第でございます。
#76
○鈴木強君 まだ内容、内訳については発表する段階ではないのですか。
#77
○参考人(川上行蔵君) 別にまだ秘密というわけじゃございませんけれども、こまかく私もまだ聞いておりませんけれども、この金額がラジオの場合と比較いたしまして非常に高くなっております。ラジオの場合は一回たしか三千円だった。高くなっておりますのはVTRを全部切ってしまうという形で、VTRを切ってしまいますとあと使えなくなります。そういう関係で非常に高くなっておるということを聞いております。放送局の取材施設、その他から考えましてどうしても全国的にそうせざるを得ないようなそういう金額が出てくると思います。
#78
○鈴木強君 民放が貸してくれといった場合には、これは賃貸料というか、そういうものを取るのですか。
#79
○参考人(川上行蔵君) 民放との関係につきましてはまだ十分にお話し合いをいたしておりません。ただ私さきほどちょっと申し上げましたお話しの大電力の周辺の県につきましては候補者の方の御便宜のためにもあるいはたった一回のために民放への徒労を払われる、あるいは東京までいらっしゃるということになっては御迷惑なので周辺県については御協力しましょう。しかし、それにつきましてNHKから録画を提供するということは相当危険が多いわけですし、いろいろ仕事の量もふえるわけですから、少なくとも東京都の候補者につきましては民放も東京都にそれぞれ局を持っていらっしゃるし、取材施設を持っていらっしゃいますので、それについてやっていただきたい、あるいは大阪、名古屋についても愛知県についても同じであると思います。
#80
○鈴木強君 わかりました。またこの試算の内容について大体かたまったら私たちのところへ資料として出してほしいと思います。
 大臣、お聞き取りのようでして、いろいろ関係の皆さんが御協力をしていただくわけですが、これが非常に効果的に有意義にやれますようにするためには、さらにいろいろな方面においての問題点があると思いますので、それらの問題を克服していただきますと同時に、最後に問題になりました実費弁償の問題ですが、これはひとつ国務大臣として当然閣議の場でもお話しになると思うのですが、自治大臣、大蔵大臣等とも十分協力をいただきまして、最初の試みでもありますし、多少の金のかかる件は一つ了とされて最初の出発を成功せしめるようにぜひとも格段の大臣の御協力をお願いしたいと思いますが、ひとつそれをお伺いしたいのです。
#81
○国務大臣(河本敏夫君) 当初に申し上げましたように選挙放送ということは民主主義社会の一つの大きな行事でもございますから、これには私は金を惜しんではいけない、必要な金はどんどん出していく、そういう方向で処理すべきだと思います。私もまたそのつもりでやっていきたいと考えております。
#82
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#83
○永岡光治君 速記を始めてください。
 午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十七分開会
#84
○委員長(永岡光治君) ただいまから、逓信委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き、日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 本件に関し、質疑のある方は順次御発言を願います。
#85
○鈴木強君 この委員会で、国際テレビ伝送料金の改定の件について私、質問をいたしたことがあるのでありますが、その後、正式に郵政大臣が伝送料金改定に対して許可を与えたようでありますが、その内容をぜひ私たちも明らかにしていただきたいのですが、非常に時間がございませんので、この点は後日資料としてお出しいただきたいと思いますが、その点よろしゅうございますか。
#86
○政府委員(石川忠夫君) 承知いたしました。
#87
○鈴木強君 それから、もう一つ、午前中、質疑の中に、十年計画でVにUを切りかえるという郵政省の方針がございますが、その際何かVの利用ですね、これについての御計画は、大綱きまっておられるのでございますか。もしきまっておりましたら、これも時間の関係で、ひとつ資料として後日出していただきたいと思いますが、これはいかがでしょうか。
#88
○政府委員(石川忠夫君) 将来の問題でございますので、具体的にということになりますと、むずかしゅうございますけれども、大体、重要無線の、しかも移動体に対する無線局に使うという計画をしております。
 承知いたしました。
#89
○鈴木強君 それでは、先般、ABUの会議がございまして、前田会長が、たしかこの会長として御出席になっておられると思いますが、この会議で、短期間の会議ですから、どういうことが議題になりましたか、よく私わかりませんが、インテルサットの地域放送衛星ですね、こういうようなものについて、何か集まった関係各国の中でお話しが、もし出たとすれば、それを伺いたかったのですが、いかがなものだったんでしょうか。
#90
○参考人(前田義徳君) 御指摘のように、この去る二十日から二十二日まで、アフガニスタンのカブールで、アジア放送連合の第七回の理事会が開かれました。その理事会の議題は、約五十項目ございますが、そのうちの一つの最初の議題として、これまで五回の総会、六回の理事会等できまった問題のこの経過報告という中で、宇宙通信の問題が最初に取り上げられたということは事実でございます。これについては、放送連合としては、かなり第一回総会以来、非常な関心を持っておりまして、この特別調査委員会というものも活動したわけでありますが、この問題でアフガニスタンで審議された、あるいは討議された問題は、二点でございます。
 一点は、ただいま御指摘のインテルサット利用についての料金の問題、これはことに後進地域においては特別の減額があってしかるべきであるという問題でございます。これらについては、さらに世界放送機構、これはこの五月に東京でも開かれたわけですが、この機構も、この問題について特別の意思表示をするという予定になっておりますが、いずれにしましても、インテルサット利用については、放送事業というものを放送と大衆の結びつきという点、特に後進地域におけるインテルサットの利用と関連して、その料金はミニマムの線まで引き下げるべきであるという要望が第一点でございます。
 第二点は、このインテルサットのみならず、いわゆる宇宙衛星の利用によって後進地域の教育を向上させる、そういう点からやはりこの地域衛星を打ち上げるべきであるという要望が、これは第一回総会以来、かなり強いのでございます。これについても、カブールの会議ではかなりの議論が出たわけでありますが、概して申し上げますと、イギリス系のコモンウェールス――アメリカは入っておりませんが、アメリカはアソシエーテッド・メンバーになっておりますので、理事会には出席しておりませんが、旧英国系と申しますか、これらの国々は、必ずしも積極的ではございません。たとえばオーストラリア、ニュージーランド等は、独自の地域衛星ということについては関心は、必ずしもそのほかの国の程度のものではないということは申し上げられると思います。しかし、そのほかのアジア諸国の要望は、やはり、第一回総会以来、不変でございまして、地域衛星の利用によってアジア地域の教育の急速なレベル・アップと申しますか、向上をはかるべきであるという点が強調されたことも事実でございます。これらについては、私は議長であると同時に、日本放送協会の代表でもありますので、これらの問題については、最近日本では宇宙開発財団というようなものができたわけで、この財団が政府の方針との関連でいかなる方向で宇宙通信というものを基本方針としてどういう衛星の製作と打ち上げを決定されるかは、いまのところ私としてはその情報は持っておらない。しかし、日本の放送事業者として言えば、私ももしそのようなことができるならば、これは当然アジア諸国放送機関との協力という点でも、日本は一応考えるべきものだというように思っているという意見を述べたわけであります。まあ概して申しますと、コモンウェールス系統は必ずしも積極的でない。しかし、その以外の参加各機関はここ六年来その強い要望はちっとも変わっておらないということが申し上げられると思います。
#91
○鈴木強君 ありがとうございました。私がこの御質問を会長にいたしましたのは、実は二月の二十四日から三月二十一日までワシントンでインテルサットの政府間会議が開かれまして、その際に特に私はこの委員会で地域衛星通信の権利を日本は留保して、少なくとも強い態度で臨んでいただきたいという特にお願いをして代表の方に出ていただいたわけです。こういった御報告を聞きますと、どうも日本のこの考え方に対してあまり積極的に出席された国からの協力体制がなかったというようなお話しもあるわけでして、いま会長のお話しですと、イギリス系ですね、そこらはあまり関心がないのだが、その他は非常に従来と変わらないと、こういうふうな御判断だったのですが、これは非常に大事な私は資料だと思うのですよ。
 そこで、この今度のABUの会議に出席された国は何カ国であったのでございましょうか。それでいまわれわれが知り得る地球局、まあ要するにインテルサットに加盟している国というのは、オーストラリア、セイロン、中国、それから香港、インド、インドネシア、マレーシア、まあ幾つかありますけれども、まだいずれも地上局の開設に至っていない国ですね。ですから、インテルサットに出席された国々というものが、いまのリストで言いますと、会長の言われたような色分けにしますと、両方がかなり入っているような気もするわけですけれども、そういう中で、現実にこのワシントン会議というものがなかなかこの地域衛星の問題については、例のジョンソン・メモ等もありまして、なかなかむずかしい状態にあったのでしょう。しかし、また一面、アメリカの独占に対する反発もかなりあると思いますね。そういうことからして、微妙な国際間の感情というものがあったと思うのですけれども、現実に出席されたABUへの加盟国ですね、加盟国で出席されたのは何カ国でそのうちコモンウェールスのほうは御指摘のようなオーストラリア、ニュージーランドとか、その他幾つくらいあるんでしょうか、色分けを見ますと。
#92
○参考人(前田義徳君) 総会の場合は約二十二の国、したがって二十二の放送機関が正式メンバー、それから二十七の放送機関が準メンバーとして総会に出席するわけですが、この理事会は、そのうち議長としてのNHK、副議長としてのニュージーランド、並びにマレーシア。それから理事国としては、理事機関としてはそのほかにトルコ、韓国、セイロン、アフガニスタン、それから中国、タイ等でございますが、今回の会議にはマレーシアの代表が国内事情で出席が不可能であり、それからまたタイは、そのほかの理由で欠席いたしました。したがって、率直に申し上げればコモンウェールスのうち消極的なものは――それからもう一つオーストラリアが理事国ですが、オーストラリアとニュージーランドは先ほど申し上げたように消極的でございます。しかし、同じコモンウェールスであっても、たとえばセイロン、今回出席しておりますが、セイロンを含めてその他の理事国はきわめて積極的であります。
#93
○鈴木強君 わかりました、ありがとうございました。
 それでいま会長お話にありました宇宙開発事業団というものが国会を通過して成立するわけですが、これについて実は私ども科学技術特別委員会のほうと連合審査をいたしまして、大体法案の内容、事業団の使命、これからのやる仕事、陣容等については知り得るわけですが、その際、協会からも野村技師長おいでいただきまして、時間もありませんでしたので簡単に御意見を承っておきましたが、もう少し会長からこの点について承っておきたいのです。と申しますのは、この事業団法が提案された場合に、放送法が改正になっております。そうして「協会は、その業務を遂行するために必要がある場合には、郵政大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画、及び資金計画で定めるところにより、宇宙開発事業団に出資することができる。」いわゆる出資条項というものがついたわけです。これは日本電電公社も同じなんです。そこでスタートするのは郵政省のまあ電波研究所の一部、それから科学技術庁の一部、それに若干の陣容が加わると思うのですけれども、言うなればNHKと電電公社というのはおつき合い程度のようなかっこうになっているわけですね、最初のスタートの段階見ると。ですからこれからどの程度のNHKはこれに対する協力をするのか、これらは予算できめられた範囲において出資をするということですから、いずれまたこの委員会にかかってくると思いますが、どうもこのスタートから足並みが乱れているような気がするんです。せっかくの一元化ということが、どうもそういう気がしてならない。私はそういう点も問題にしたいんですが、会長はこの事業団法ごらんになりまして、放送法が変わって投資をする、しかし四十四年度予算ではそれはできませんね。となりますと来年からということになりますけれども、一体これからこれは大臣の意見も聞かなくちゃいけないと思うのですけれども、NHKにどういう協力を、この法案は提案するに対して政府のほうから話があったものでございましょうか。現実にいまNHKが技術研究所で進められている研究開発ということとの関係において、一体この事業団に対する協力体制というのはどうなっているものなんでしょうか。
#94
○参考人(前田義徳君) 大もとの問題は御指摘のとおり政府並びに事業団の決定を待たなければわれわれ自身が積極的に働きかけるものではないという考え方を私は持っており、ただ、この結成等に関連してNHKも出資することができるという問題との関連でございますが、これは私の理解するところによりますと、従来も郵政省、NHK、電電公社、国際電電等、四つの機関から代表を出してこの問題についての協議会を継続して開いております。したがいまして、こういう意味では今度の事業団もこういう基礎に立ってかなりの要請をNHKにも期待しておられるという予想はつくわけであります。ただしこの趣旨そのものと関連して、それではNHKがどのような態度をとるべきかという点については、ただいまも申し上げましたように、政府及び事業団の基本方針の決定と関連して求められた場合において、郵政大臣の認可を経て私どもとしては相当の御協力を申し上げるというたてまえに立つわけであります。ただいままでのところ具体的なお話をいただいておりませんし、今年度予算はすでに国会の御承認をいただいて、この四月から予算の実施を行なっておりますので、こういう事実とも関連して、私どもの想像としては、必要あれば明年度の予算からということになるのではないかというのが私どもの立場でございます。
#95
○鈴木強君 これは大臣ね、いまの会長のお話ですと、あまりNHK側あるいはまあこれは電電公社はおいでいただいておりませんが、あるいは国際電電ですね、その他事業団に協力をしていただこうとする方々、そういう人たちに対して事業団の設立の趣旨、将来の展望等についてよく理解と納得を得るような事前における連絡といいますか、こういうものはやらなかったのでございましょうか。これは直接的には科学技術庁の所管だと思いますけれども、しかし、これは郵政大臣と科学技術庁の共管になるように聞いておりますのですが、そういうような配慮は一体どうなっていたのでしょうか。それからそれが全然やられていないとすれば、一体NHKには、こういう法律を改正するのだが一体いつの時期からどの程度の資金的な協力を仰ぎ、いまNHKが進めつつある、これはいろいろ研究開発の題目というのはロケットの開発、人工衛星の開発、打ち上げ、こういった問題に集中すると思うのですけれども、そういった技術的な協力というものについてはどういうふうにしようとするのか、大綱をひとつ教えていただきたいと思います。
#96
○国務大臣(河本敏夫君) 御承知のように電離層衛星の開発と、それから実験用通信衛星の開発につきましては従来は郵政省の電波研究所が中心になりまして、電電、NHK及びKDD三者の参加を求めまして、四者間の緊密な連絡のもとに進めてきたわけでございます。今回宇宙開発事業団が発足するにあたりましてある程度開発の進んでおります電離層衛星部分に関しましては、これは直ちに事業団のほうに引き継いでもらいますが、まだ基礎研究の段階を出ない実験用の通信衛星につきましてはまだ引き継いでおりません。近く引き継ぐことになろうかと思うのでございます。そういう段階でございます。いずれにいたしましても、これらの衛星が開発されましたならばNHKも大いに利用してもらわなきゃいかぬわけですし、そういう意味からも、当初からNHKの参加を求めておったわけでございます。しかし、今度の事業団法にも明記してありますように、NHKはこれに対して出資することができるという道が開かれたわけでございますが、ことしは御承知のように出資の必要がありませんので、出資していただいておりませんが、来年度になりますか、再来年度になりますか、そこらのところはまだはっきりしておりません。いずれ近く出資をしていただくと、こういうことになろうかと思うのでございますが、いまそこらのところを研究しておるところでございます。
#97
○鈴木強君 そうしますと、ちょっと私は事業団設立の趣旨からいいまして問題があるように思うんですよ。従来この問題については、科学技術庁が主管庁でありますからもちろんでありますが、特にその技術については、郵政省なりあるいはNHKの技術研究所、電電公社の技術研究所、それからKDDの技術研究所、こういうところが中心になりましてそれぞれ研究開発を進めておったわけですね。それがばらばらではいけないので、そこには連絡会議をつくってできるだけ意識を統一し、正しく効果的に資金を使うという考え方で御配慮をいただいてきたわけです。それが一歩進んで事業団というものができたわけでありますから、私はいま大臣のお話を聞いておりますと、NHKはやがて開発された衛星を使うんだから、利用面においてのいうならば利用者である、したがって、そのために幾らかの金を出してもらうようになるんだというふうに受け取れるわけですね。そうなりますと、今日までNHKなり国際電電なりあるいは電電公社なりが長い間年月をかけて精魂を傾けてやってきた技術の開発というものを事業団が吸収し、より事業団を強化するという意味で一元化を考えたのではないでしょうか。あまりにも何か――郵政省と科学技術庁が主体になってやるのはもちろんいいですけれども、あとのほうは利用さしてやるんだから利用料として出しなさいというふうにとれるような私は印象を受けるのですが、それでは少し事業団発足の趣旨からしておかしいんではないですか。
#98
○国務大臣(河本敏夫君) もちろんお話のように、宇宙開発事業団ができましたゆえんのものは、とにかく一元化して一刻も早く国全体としての力をまとめてやらなければならぬということでスタートしたわけでございます。ただ、先ほどもちょっとお話しいたしましたように、実験用の通信衛星のごときはまだまだ開発段階に入っておらぬわけです。まだ研究段階なんです。こういうものは依然として引き継いでおりません。やはり郵政省が中心になりまして四者間で緊密な連絡会議をつくりまして、そうして協同で基本的な開発計画、研究を進めておるわけでございます。それがいよいよ開発段階に入りましたときに、宇宙開発事業団に引き継ぐと、こういうことになっておるんです。ですから、若干複雑なように見えますが、従前のいきさつ等を考慮し、いろいろの点を配慮いたしましていまの行き方が一番いいのではないかということで、いま申し上げたような結論に達したわけでございます。決してNHKや電電を軽視して、利用さしてやるからついてきなさいと、そういう意味でやっておるわけではございません。
#99
○鈴木強君 わかりました。しかし、やはり宇宙基本法の制定がおくれ、われわれは非常に不満を表明しておったことは、大臣もお聞きのとおりなんです。ですからして、できるだけ二十年近くおくれている科学技術の開発の距離を縮めていくためには、積極的に金を投入したり、それから技術陣営の動員と惜しみなき国としての協力というものがなければいけなかったのです。科学技術については、科学技術基本法というものができていない。そのように国民自体が科学技術に対する認識が薄い、われわれもまたそうであるかもわかりません。ですからそういう国民の一大啓蒙運動を大いに一方ではやりながら、所期の目的を達成するという体制を強力に推進していく、こういうことでなければいけないと思います。ですから私は大臣のそういう御所信があるならば、やはり関係の皆さんにも長期展望に対する皆さんの御所信というものを十分に理解していただいて、国民に向かうことも大事でありますが、まず第一番に関係当事者の皆さんとの意識の統一がなお必要ではないでしょうか。会長の言われたのは、そういうふうなお話は聞いておるのだが、具体的にどうもいつになったらどうするのだということを聞いていないというふうに御発言になったかどうか、短い時間の発言ですからよくわかりませんけれども、そういうような大臣の御所信は、関係者には伝えているわけでしょうか。
#100
○国務大臣(河本敏夫君) 私自身もいまお話しのように、こういう仕事には金を惜しんではいけないと思いますので、国をあげての一致した協力体制ということが必要であることは、御意見と全く同じであります。御説のような不十分な点をよく確めまして、もし不十分な点があれば、機会をつくって徹底をさせます。
#101
○鈴木強君 それでは少し具体的に四十一年度の決算についてお尋ねをいたしますが、まず会計検査院にお忙しいところをお出でをいただいております。しかも時間がたいへん質疑の関係で延びまして恐縮ですが、お尋ねをいたします。
 先ほど会計検査院から日本放送協会昭和四十一事業年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の検査を了したのでこれを回付する。なお検査の結果記述すべきところはない、こういう趣旨の御報告がございまして、まことに検査の結果、特別の事項がないということはけっこうでございますが、念のために私は以下若干検査院の意見を伺っておきたいのでありますが、この検査の結果、記述すべき意見がないということは、口頭におきましても、あるいは文書等におきましても、何らNHKの決算については問題がなかった、こういうふうに理解をしてよろしゅうございましょうか。
#102
○説明員(中込良吉君) さようでございます。
#103
○鈴木強君 しからばお尋ねをいたしますが、会計検査院はNHKの検査については、一つの検査方針をおきめになっていると思いますが、その検査方針をひとつここで明らかにしていただきたい。その方針を決定したのはいつか。
#104
○説明員(中込良吉君) NHKにつきましては、御承知のように公共放送を使命としておる法人でございまして、しかも、その経営の基盤といたしますところは、一般国民の受信料に依存しているわけであります。したがいまして、検査にあたりましても、当然この貴重な受信料が効果的に効率的に適正に使用されているかどうかという観点に立ちまして検査を実施したわけでございますが、具体的に申し上げますと、四十一年度の決算につきましては、放送センター等の建設工事、それから放送用機器の調達及び管理、こういった点につきまして重点を置きまして検査を実施したわけでございます。
#105
○鈴木強君 いや私がお聞きしたいのは、NHKに対する会計検査院としての検査方針、すなわちNHKの決算についてはどういう点を検査するか。いつそういう方針をきめられましたかということを聞いているのです。
#106
○説明員(中込良吉君) これはいつという日にちははっきり覚えておりませんが、事業年度の検査の実施に当たりまして、局においていろいろ会議をいたしましてこういう点はことしは見なくちゃいけないというようなことを検討して決定しております。
#107
○鈴木強君 四十一年度はどういうところを検査されたか。
#108
○説明員(中込良吉君) 四十一年度につきましては、先ほど申し上げましたように……。
#109
○鈴木強君 基準です。
#110
○説明員(中込良吉君) 基準でございますか、基準と申し上げますと、書面検査におきましては、一千万円以上の工事につきまして契約書あるいは設計書、それからその他積算の内訳等につきまして、放送協会のほうから提出していただきまして、これを検査しておりますし、また、物品の調達等につきましては五百万以上、これにつきまして、そういうような関係書類を提出していただきまして検査しております。
#111
○鈴木強君 そうすると、四十一年度は一千万円以上の工事、それから五百万以上の物品ですね。その書面検査の証拠書類はいつ会計検査院に出てきましたか。
#112
○説明員(中込良吉君) これにつきましては三百六十七件、枚数にいたしまして二万九百三枚ということでございます。
#113
○鈴木強君 その書面検査の結果、実地に検査をしたのが幾つあるか。
#114
○説明員(中込良吉君) 実地に検査いたしましたのは本部、大阪、松山、札幌、各中央放送局、それから浜松、浦和、函館、福山各放送局になっております。
#115
○鈴木強君 それは何件になりますか。
#116
○説明員(中込良吉君) これは件数にいたしまして十九件、金額にいたしまして六十億三千二百万、検査延べ日数にいたしまして百二十一日。
#117
○鈴木強君 そうしますと大体五%だと思いますね。書面検査に対して実地検査をやりましたのは。それで結局そうなりますと、NHKの大体一件一千万円をこえる工事と、一件五百万をこえる財産の購入、それだけで二万九百三枚の証拠書類があるわけですね。そうしますと、国の会計検査の場合には、全部の書類を出しておりますね、その証拠書類を。NHKの場合は、全部でなくて三百六十七件の書類だけ出すのは、これはどういうことなんですか。何か理由があるのですか。
#118
○説明員(中込良吉君) これはこういうような法律によって検査をしている団体あるいは出資法人等につきましては検査院法によりまして計算証明規則、これに基づいて、そういうような証拠書類の提出限度あるいは提出の方法等をきめることになっております。これによりまして、昭和二十七年七月一日に検査院長から日本放送協会あてに日本放送協会の計算証明について指定しております。
#119
○鈴木強君 そうすると、昭和二十七年七月一日以降一件一千万円以上の工事と一件五百万円以上の財産の購入だけについて検査をしている、こういうことですか。
#120
○説明員(中込良吉君) これは途中におきまして、若干金額の限度を引き上げた事態があったかと思います。
#121
○鈴木強君 限度は引き上げたかもしらぬが、要するに工事の大きな工事と、それから大体五百万あるいは四百万であったかもしらぬが、その程度の財産の購入のみについて、書面検査をして証拠書類を出さしておった、こういうわけですか。できれば二十七年以降のやつを知りたいのだが、資料はないか。二十七年以降検査の基本方針としてどういう項目を検査するという検査院としての協会に対する方針の決定だね。なかったら、これはあとで資料でもいいから出してもらいたい。
#122
○説明員(中込良吉君) いまここに三十五年度以降の分がございますが、二十七年度以降の分がございませんので後ほど資料として……。
#123
○鈴木強君 そこで、一件一千万円の工事と五百万円以上の物品というのは、これはいつきめたのですか。
#124
○説明員(中込良吉君) 三十四年かだったと記憶しておりますが、ちょっとはっきりしたあれはいま手元に資料がございません。
#125
○鈴木強君 そうすると、これは三十四年というと、十年間続いているわけですね。その間において、たとえばあなた予算決算全部ごらんになっていると思うのですけれども、まあ協会の款項目節の仕分けというのは一般会計、官庁会計と違いまして、国家予算と違ってだいぶ違うのですけれども、たとえば放送費なら放送費、管理費なら管理費こういうものについて一体年度どういうふうな金の使い方をされておった、それが適切であったかどうか、そういう検査の対象について、ときには変更するというそういう方針はなぜとらないわけですか。いつも一件何千万円以上、何百万以上の工事と購入だけだというのはちょっと私はおかしいと思うのです。どうしてそういう二つのものだけに限ってやるのでしょうか。しかも、その方針というのは三十四年にきまって毎年毎年同じところだけしか見てないということになるのですか、そういう検査の方法はおかしくないのですかね。
#126
○説明員(中込良吉君) 物品あるいは工事につきましては、以上のような、ただいま説明いたしましたような状態でございます。そのほかの放送費あるいは管理費等につきましては、実地検査の際にいろいろ提出調書として出していただきまして、ただいま放送費につきましては、大体百万円程度だったと思いますが、それ以上のものにつきましては、いろいろ資料を出していただきまして検討しているということになっております。
#127
○鈴木強君 それならばそれはそれで早く言うべきじゃないですか。そういうことをやっているならやっていると。それでなかったら会計検査は意味がない。一件一千万以上、五百万以上のものしか見ませんよというのだから、そうでしょう、あなたは。書類も何も出さないわけでしょう。しかしあなた報告するのは、会計には一切ございませんでしたというけれども、見ているのはわずか十九件、実地検査やって六十億だなあ、これは協会約八百億円ぐらいの中で、そういうことでしょう。だからそういう点があるならば、その年度年度によってことしは実地検査の際に管理費を見ました、ことしは実地検査の際に、放送費を見ました、ことしは給与費を見ました、そういうふうに年度によってやられているのですか。やられているならばそれをちょっと知らしてください。
#128
○説明員(中込良吉君) 実地検査の際には、そういうことによってやっておりますが、件数、金額ということになりますと、一応記録がございませんのではっきり申し上げることができない次第でございます。
#129
○鈴木強君 そんな検査がありますか。あなた、実地検査やるんでしょう。それは、やったならば、こういう実地検査は放送番組についてはやりましたと、書かなきゃうそじゃないですか。あなた方のほうは、一千万円以上の工事と、五百万円以上の財産について、これを対象にして十九件やりました。そのほかのものやったということ、何も言ってないじゃないですか。きょうは局長が御不幸があって来れないそうですからあなたに来ていただいているのですけれどもね。むしろ局長よりもあなたは詳しいと思うのですよ。ですから、そういう点は正直に見たままを言ってほしいんですね。見れば、あなた、何件についてどれだけのものを見たということはわかるわけでしょう。いまここになかったら、ちゃんと証拠書類としてはあるわけでしょう、会計検査院に行ったら。あるならそれを出してくださいよ。
#130
○説明員(中込良吉君) そういうものにつきましても、証拠書類は実地検査の際見るということでございまして、検査院のほうに提出されてはおりません。先ほど御説明申し上げましたのは、書面検査の関連において、実地検査という点について説明申し上げた次第でございます。
#131
○鈴木強君 わかりました。まあ、私の質問のしかたが悪かったかもしれませんからね、その点はおわびします。
 そうすると、今度は実地検査の面で伺いますがね。実地検査の面では、あらかじめ書面検査で出していただいた証拠書類三百六十七件の中から十九件をやりました。そのほかに何をやりました、四十一年度は。
#132
○説明員(中込良吉君) そのほかにつきましては、経理一般の検査、これはまあ一番大事なことでございますので、財務諸表につきまして、いろいろ勘定科目あるいはその内訳等につきまして内容を検討する。それから一般関連経費、管理費、その内容につきまして検討した次第でございます。
#133
○鈴木強君 一般経理の面はわかりました。それから、その関連経費と管理費は、証拠書類は幾つ見たんですか、何枚。金額にして幾ら。
#134
○説明員(中込良吉君) 手元にございませんが……。
#135
○鈴木強君 あなたは会計検査院から来たんでしょう。きょう四十一年度の会計検査の実地検査について、私は質問をしているわけですよ。二年も三年も前のことを聞くならいざ知らず、四十一年度の検査について聞いて、資料がないとか、これはちょっとあなたは不勉強だな。そんなことで会計検査院がつとまるのですか。
#136
○説明員(中込良吉君) 実地検査の際の検査の方法を申し上げますと、放送協会に臨場いたしまして、いろいろ伝票――原始記録がございますが、原始記録をずっと見ていくわけでございます。それから、その内容につきまして、まあおかしい、あるいは高いとか、いろいろございますけれども、そういうものにつきまして、いろいろ相手方のほうと、これは高いんじゃないか、あるいはこれはちょっとおかしいんじゃないかというようなことを議論して、それで、まあ一応固めていくわけでございまして、それを一件どう数えるかというような点につきまして、非常に取りにくいというのが実情でございまして、これを何件と見るかと言われると、ちょっといまのところ資料がないと申さざるを得ないと思うんですが、その辺の御理解をいただきたいと思います。伝票あるいは帳簿を、こう見ます。そうすると、その中におかしいなというのをチェックしていくわけです。それで、相手方の人と、これはどうかとか、あれはどうか、検討していくわけです、その際に、これは一件ということを数えてちゃんと整理してあれば、これはちゃんと先生の御要求に対して、こういうようなのはお答えできるわけでありますが、まあその際に、記録してないというと、これを見たかどうかというふうな記録がないというと、そういうような統計ができないわけなんです。
#137
○鈴木強君 正直にあなたが言っていることはわかるけれども、それじゃちょっと権威ないな。NHKも迷惑だと思うんですよ。やっぱりちゃんと関連経費なり管理費なりというものをごらんになっておるならば、実地検査のときに幾つの証拠書類について見ました。そのうちおかしいなと思って、チェックしたのが幾つ、それはいろいろ話をしてみると問題はなかったという記録が私はとっておかなくちゃいかんと思うのですよ。そういうものを全然とっておかなければ、あなた方は何を検査したのだか、国会で聞かれたって答弁できないでしょう、そういう検査の仕方は私はないと思いますね。みんなそういうことをやっているのですか、国家予算の場合には。
#138
○説明員(中込良吉君) 記録を、こういう検査をしたという記録、これは非常に手数がかかるわけでございまして、大体全部見るというのがたてまえでございまして、ずっとこう見ていくわけでございますから。
#139
○鈴木強君 あなたは実際に検査に行った方ですか。
#140
○説明員(中込良吉君) 行っております。
#141
○鈴木強君 それじゃわからなかったらかわってもらおうと思ったけれども、行ったならばかわってもらおうと思ってもほかに人がいないでしょうからね。これは少し検査のしかたについて一考をしてほしいと私は思いますね。せっかくあなたがおやりになるわけですからね。
#142
○説明員(中込良吉君) これは検査には精密検査、あるいは簡易検査、いろいろございまして、先ほど書面検査で検査いたしましたもの、これは精密検査に該当するのじゃないかと思いますが、そのほか簡易検査と申しまして、大体どういう方面にどういう金が使われているか、あるいはどういう内容の契約をやっているかということは、簡易検査でやっていくわけです。それで簡易検査をやっておりまして、その中で内容がちょっと変だということがあると、精密検査に移る、検査の方法としては大体そういうような方法があると思うのですが、したがいまして、先ほど申し上げました十九件、これは精密検査に該当するのだと思います。それからあとで申し上げますが、簡易検査あるいは計数検査と申しますか、そういうような検査に該当する、かように存じます。計数検査あるいは簡易検査というものにつきましては、必ずしも資料が整理されていないというのが、資料と申しますか、どれだけ検査したという点が整備されていないというのが現状だと思います。
#143
○鈴木強君 簡易検査か計数検査か、それはわかりませんが、実地検査と精密検査があるということはわかりました。しかし、精密検査だけを記録して、あとの簡易検査は記録しておかなくてもいいというのはどこに、会計検査院の規則にあるのですか。
#144
○説明員(中込良吉君) そういう規則はございません。
#145
○鈴木強君 問題は、検査というのは後日どこから聞かれても、これは当然国会で承認を得なければならないわけですね。したがって、国会において質問があった場合に、何件をやり、幾らの金額をやったかも答えられないような検査では能がないのじゃないか、皆さんのやった苦労というものも実績の中に生きてない。だからそういうところに何かおかしいじゃないかというようなことも出てくるかもしれない、皆さんがちゃんと調べて問題がなかったら、ちゃんと答えられるように、そういう資料も整備しておくべきじゃないか、一々証拠書類の内容までここで報告をしてもらおうとは思いません。しかし、実地検査をやったというからには、簡易検査であろうと、精密検査であろうと、私はそんなことは知りません。どっちでもいいから実地検査をやった中に、関連経費と管理費が、四十一年度はやりましたというから、それならばひとつ証拠書類で幾らの金をやりましたか知らしてくださいと言っているのだが、それを聞くと答えられない、そんなばかな話はありませんよ。
#146
○説明員(中込良吉君) 確かに先生のおっしゃるとおりそういう記録をとらないということは、あとで説明する場合に非常に、できませんし、私どもとしてもちょっと、この際、説明できないことにつきまして反省しておる次第でございますが、今後につきましては、大体私どもとしては地方放送局につきましては十万以上、あるいは本部につきましては百万以上、これは大体全部見ているということになっておりますので、そういう点から、先生の御要求があれば資料を提出したいと思います。
#147
○鈴木強君 わかりました。人間ですから一生懸命やっておっても落ち度があるかもしれないし、人から聞かれてそうだというふうに感ずることもあるでしょう。ですから、あなたが反省されておるということばを聞けば、私はこれ以上申し上げません。どうかひとつこの協会の予算は、皆さんの貴重な受信料によってまかなわれるわけですから、特に法律によって皆さんに検査をしていただく、こういう仕組みになっておるのでありますから、その国民の期待に沿ってあなた方のほうで検査をしていただいておるわけですから、少なくとも国会において質問をした場合に、答弁のできないようなことではこれは困るわけですから、その点ひとつぜひ足りない点は是正していただくようにお願いをしておきます。
 それから、一般経理の面でやはりやられておるようでありますが、協会の予算の費目の立て方ですね、こういうもので何かお気づきになったような点はなかったでしょうか。特別に文書か口頭で協会側に言わないとしても、何かこういうふうにしたらいいんじゃないかというような点がなかったでしょうか。われわれも実は旅費という項目がないわけですね、ですから、一体幾らの旅費が協会として一人年間使われているのか、さっぱりわからぬです。これは番組費の中から出るのか、管理費の中から出るのか、そういう点もよくわからない。したがって、何か私はまあ費目は旅費なら旅費として何億ときめられて、その中においておやりになることについてはわれわれはつべこべ言いません。もう協会の皆さんを信頼してやるわけですから、ただ、そういう費目がないわけですから、われわれの知るよしもないわけですね、率直に言って。国家の予算と違いまして、支出を見ますと給与、国内放送費、国際放送費、業務費、管理費、調査研究費、減価償却費、関連経費、資本収支への繰り入れ、予備費と、これだけですね。項の点でも非常にわからぬわけですね、よく内容が。ですから、何かそういう点で、監査をしておってどうもわかりにくいというか、こういうふうにしたほうがいいじゃないかと、そういうふうな、あなたの感じたような意見はなかったでしょうかね。
#148
○説明員(中込良吉君) そういう点につきまして、いろいろ日本放送協会との間に検討した事項は――検討したと申しますか、いろいろお話し申し上げた事項はございましたと存じますが、正式にこれはこうしたらいいんじゃないか、あるいはこういう立て方をしたらいいんじゃないかというような点について申し上げたことはございません。
#149
○鈴木強君 正式に言わなくても、何かそういう点があったら話してくれませんか。
#150
○説明員(中込良吉君) そういう点につきましては、事業収支から資本収支への繰り入れ等が従来明確でなかった。これらにつきましては、従来からいろいろ注意しておりましたが、四十三年五月十八日の郵政省令の十五号で放送法施行規則の一部改正がございまして改善されたというような事態がございます。
#151
○鈴木強君 それは正式に取り上げなかったのだが、いろいろ話し合いをしている間にもっともだもっともだということになって放送法施行規則が四十三年に変わったわけですね。そのほかに何かもうなかったですか。
#152
○説明員(中込良吉君) そのほかにはただいまのところ資料ございませんし、ちょっとはっきりいたしません。
#153
○鈴木強君 それでは、もう一つあなたに伺いたいのですが、NHKの場合には、交付金というのが出ておりますね、関連会社に。この交付金に対して現行会計検査院法によるとこれを検査することができないのですね。国家予算の場合には、国の予算が民間会社の契約高の半分以上になっているところは検査ができますね。ところがNHKの場合には数億の交付金があるわけですけれども、これに対して会計検査院として正式な検査はできないわけです。しかし、これはやはり検査の対象であるというか、交付金そのものは、交付金が幾らいっているということは見ますね。いったものが一体適切に使われるのかどうなのか。この判定というのはこれはなかなか会計検査院としてできないと思うのです、いまのところ。これは会計検査院法上の問題ですから、私はそれはちょっと一般国家予算と同じようにすべきだという考え方を持っているのですよ。これはいま法律が変わっておりませんから、これは一応おくとしても、この点はNHK側としても、おそらく大枚のお金を助成金なり、交付金としてそれぞれ出しているわけですから、その金は有効適切に使われておりますかどうか。これはどういうかっこうか。会社のほうと十分連絡をとられておると思うのですが、もしNHK側でそれがわかりましたら、ちょっと教えてもらいたいのです。
#154
○参考人(荘宏君) NHKといたしまして、外部団体に対しまして交付金でありますとか、あるいは助成金というような名前で金が出ております。それらにつきましてはNHKといたしまして監査を行なっております。
#155
○鈴木強君 それは内部監査としての監査をやられるのか、あるいは監事としての監査をやられるのか。それはどうなのでしょうか。
#156
○参考人(荘宏君) 会長のもとにございます執行部内の監査機構でもって監査をいたしております。
#157
○鈴木強君 その点わかりました。
 それで会計検査院のほうは何かあれですか、法律上はなかなかできないわけなんだけれども、やはり皆さんが検査に行ってみて、何億なら何億という金が、ちょっと、四十一年度幾らございましたか、その交付金の額。そのNHKから出した交付金、助成金の総額は。
#158
○参考人(志賀正信君) 四十一年度におきましては日本放送協会学園に対しましては二億九千四百万円の助成金を出しております。それからNHK交響楽団に対しましては二億一千万円の交付金を出しております。それからNHK厚生文化事業団に対しましては二千二百万円、もう一つ日本放送協会共済会に対しましては五億三千六百万円の助成金を出しております。以上でございます。
#159
○鈴木強君 そうすると十億六千二百万円、こういう助成交付金が出されているわけですから、これが適切に使われているかどうかということについて、検査をしたいなということは感じたことはないですか、できないんだけれどもね、何かそういう技術的な事務的なことでその十億近いお金の適正使用についての検査というものがやられておるですか。これはまあ便宜的というか、事務的というか、法的にはできないとしても、何かそういう方法はやっておられないですか。
#160
○説明員(中込良吉君) NHKの外郭団体の検査につきましては、本部の実地検査の際に、その外郭団体の財務諸表、あるいは事業実績報告書とか、それからその他の参考書類をとりまして、その実態の把握をしておりますし、また、いろいろ御説明も、外郭団体のほうからもいろいろ御説明を承って、検査を実施している次第でございます。
#161
○鈴木強君 外郭団体から説明を受けているというのは、それは会計検査院法上差しつかえないわけですか、そういうことは。
#162
○説明員(中込良吉君) これはまあ御協力をいただいていると申し上げたほうがいいと思います。
#163
○鈴木強君 それでは、そういう実際に御協力をいただいて、法律上はとにかくとして、実際の面としておやりになっているならば、それらの具体的な例をひとつ資料で後ほどまた出してみてくれませんか、どういうふうなことをやられたかね。
#164
○説明員(中込良吉君) その資料は、外郭団体につきましての資料でございますか。
#165
○鈴木強君 そうです。
#166
○説明員(中込良吉君) 承知いたしました。
#167
○鈴木強君 それでは、もう一つ会計検査院に、検査対象について、さっき二十七年以来のやつをお願いしましたが、今後、いまあなたがお述べになっておりましたような、一般経費、関連経費、あるいは管理費というふうに費目別に一つか二つずつ毎年毎年変えて、一件何千万というその基準と合わせて、そういうものも逐次おやりになると、こういうことで了承していいのですか。
#168
○説明員(中込良吉君) 実地検査におきましては、当然そういう検査を実施している、こういうことでございます。
#169
○鈴木強君 わかりました。四十二年度はまたこの次に、どういうことをやられたか、お伺いします。それでは、会計検査院のほうは以上で終わります。
 今度は、郵政大臣に伺いたいんですが、私はこの「日本放送協会昭和四十一年度業務報告書および郵政大臣の意見書」というのを拝見しました。ここにまあ四十一年度の協会の業務の内容をずっとお述べになっておりまして、いろいろ御苦心があったと思います。それで最後に意見書として大臣がお述べになっているのですが、これは何といいますか、抽象的な点もあるし、経営の近代化といってもなかなか――EDPSを入れたということもございますし、放送局の建設については1の(2)の、大阪大電力局の建設が進捗しなかった、これは遺憾だというふうに言われておるのですが、大体大臣として点数をつけたら、何十点くらいになるのですか、百点満点で。
#170
○国務大臣(河本敏夫君) 昭和四十一年度は御承知のようにNHKにとって第二次六カ年計画の最終年度でございます。いろいろ書類を拝見いたしましたが、おおむねこの六カ年計画は予定どおり順調に進行しておるようでございますし、さらにまた放送番組の充実と向上についても相当な努力をしておられるようでございます。あるいはまた見えにくいところに対するいろいろ設備なども、十分配慮しておられるように見受けられます。具体的な決算の数字につきましては、償却も私は相当やっておられると思うのです。同時に自己資金と借り入れ金の比率も、バランスを保っておるように見受けられます。そういういろいろな点を考えますると、事業内容も順調に進んでおりますし、経理内容も相当改善のあとがうかがわれる、そういう点を考慮いたしますと、ほぼ満足をすべき状態で進んでいるというふうに考えております。
#171
○鈴木強君 その意見書の(2)の「当年度、大阪大電力局の建設は、年度当初における計画どおり進捗せず、継続工事となっているが、大電力局の建設は、標準放送の外国混信による難聴の救済を図るため、きわめて重要な施策であるので、今後さらに積極的な姿勢で取り組む必要があると考える。」とこうなっております。
 それで私は、いただきました協会の資料を拝見しましたが、これを見ますと建設費は当初予算でたしか百八十億円になっております。それで予算総則五条の二項によって、四十年度から繰り越されたものが三十三億、これは四十四年度の予算のときも問題になりました。それから総則八条によって、収支の余剰金ができた場合、これに引き充てたというものが十一億二千百二十四万円、結局当初予算から四十四億三千二百二十九万三千円というものがふえているわけですね。そうして合計しますと、二百二十四億三千二百二十九万三千円、ところが決算してみますと、決算額は百七十二億八千百六十万で、四十四億八千二百十六万というのは四十二年度にまた繰り越しになっている、四十年度から四十一年度に三十三億繰り越しになったんだが、また四十四億の繰り越しになっている、そうして予算残額が六億六千八百五十一万こういうふうになっておりまして、これを私は大臣が意見書として御指摘になったと思うのでございますがね、われわれは予算の審議権を国会で持っているわけでありまして、提案される予算がその年度において十分消化され、所期の目的を達成するということで承認を与えているわけですが、このように毎年予算が大幅に変わるということは、国会の議決に対してきわめて遺憾な結果が出ている、こういうことが言えるのではないでしょうか。私は、その理由を聞きませんから、いまここで最終的な判定をするわけにいきませんが、一体これはどういう理由でなされたのか、郵政大臣がここに書いておりますから、ひとつ郵政省のほうから説明してください。
#172
○政府委員(石川忠夫君) 予算当時考えました計画と実際とだいぶ違っております。大きな内容といたしましては、放送センターの建設工事が延びたということ、それから高松ほかのテレビ局の建設工事においておくれたというものがございます。それからFM放送局の建設工事でやはりおくれているものがございます。それから意見書に書いてありますとおり、大阪大電力局の建設工事これが繰り越されております。そのほか地方局の演奏所の建設工事、それから総合放送文化研究所建設工事、名古屋ほか放送所放設の整備など、こういうものが繰り越されておくれたわけでございます。予算残額、こういうものが、こういった工事がおくれたために、当初の予算で組んだときと金額が変わってきたわけでございます。
#173
○鈴木強君 これは協会のほうからお伺いしますが、まあいま石川局長から御説明がありましたそれぞれの建設工事がおくれましたのは、おもにどういうふうな理由があってでございましょうか。
#174
○参考人(志賀正信君) 四十一年度におきまして、ただいま御指摘のように建設費に非常に大きな年間の移動がございまして、まず四十年度から四十一年度のこの年に相当の繰り越しがございました。総額で三十三億の繰り越しがございました。ただいま電波監理局長から御説明がございましたが、その中の大きなものといたしましては、放送センターの建設工事の分でございます。これに
 つきましては、四十一年度から二年度へわたりましての繰り越し額につきましてもあらわれておりますが、ここに放送センターの第一期工事を終わりまして第二期工事にかかります際に、相当大幅に内容の方針の変更をいたしておりますので、それらの検討に約半年を要しました結果、それが順次予算の面でずれてまいりましたものでございます。そのほか四十年度から四十一年度へ繰り越しましたものの中には、放送科学研究所の建設工事その他テレビジョンの建設工事、FMの建設工事に若干のずれがございました。総体といたしましては三十三億円を四十一年度に繰り越しましたものでございます。また四十一年度から四十二年度へただいま御指摘のように四十四億八千万円を繰り越しをいたしてございます。これも相当多額の繰り越し額でございまして、内容といたしましては一番大きなものは放送センターのただいま申し上げましたような理由によりまして順次ずれました関係から、このうちで約二十三億円が四十二年度へ繰り越しをいたしてございます。それからなおそのほかに大きなものといたしましては、テレビジョンの建設工事といたしまして、高松その他二十四局にわたりまして若干ずつ工事の繰り越しがございまして、四十二年度に入りましてそれぞれ完了をいたしましたものでございますが、これが七億ございます。そのほか、大阪の大電力の工事が六億九千四百万円四十二年度へ繰り越しをいたしてございます。これは大阪の旧堺放送所からラジオの第一、第二放送につきまして、新しい地点に移転をする工事でございまして、同時に第二放送につきましては百キロから三百キロワットヘの増力工事を行なったものでございますが、新しい移転の場所につきましての土地の入手に相当日数を要しまして、この関係から六億九千万円、約七億円を四十二年度に繰り越しをいたしてございます。なお申し落としましたが放送センターにつきましては、四十三年度に予定どおり第二期工事を完了いたしております。また大阪の大電力につきましても、その後、土地の入手等急ぎました関係から、四十三年度にすべて完了いたしております。以上が繰り越しの概要でございます。
#175
○鈴木強君 繰り越しの概要だということですがね、われわれからしてみると、こんなにたくさんの繰り延べをされるのには、よほどこれは見当違いをしたのでしょうね。われわれ四十年度の際に三十三億円を繰り延べなければならなかったその理由についてはよくわかりましたので、まあこの四十一年度においてはこんなに工事の繰り延べが出てくるとは考えておらなかったわけです、予算を審議する段階において。ですからわれわれ国会の議決をしたことが、こういうふうに多額の金が繰り越しされてしまうということになると、事業計画そのものについてもわれわれが承認をし議決をしたことと食い違いが出てくるわけでしょう。だからそういう点は、ただ事務的に理由を述べるだけで私は済まぬと思うのですがね。これは会長か副会長か責任者としてこういうことはやはり考えていただかないと、国会の議決権との関係がありますからね。そんな毎年三十億円も四十億円も繰り越し工事が、百八十億円か何かの予算の中でこれはたいへんなものじゃないでしょうかね。しかも、それがどうしても理由を聞いてみてやむを得なかったというものであるかどうか、その判定はいまの報告ではどうもはっきりしない。もう少し詳細にどうしておくれたかということを聞いてみなければなりませんが、どうしても事業計画との関連から見るとおかしいじゃないですか。そういう繰り越しが出るということは、正常なる運営ではないですね。計画の進捗ではない。そこを郵政大臣も報告書の中で、意見書の中でお述べになっておると思うのですがね。
#176
○参考人(小野吉郎君) 御質問の御趣旨ごもっともでございます。事業計画、それに伴う収支予算を御承認を受けました以上は、一〇〇%これを完成いたしますことが、私どもの責務であろうと思います。ただ、ただいまお述べのような繰り越しをせざるを得なかった理由の大きなものといたしましては、志賀専務からお答え申し上げましたような放送センター第二期工事の遅延分がございます。この関係につきましては、ただ漫然と遅延をいたしたのではないのでございまして、あそこにはいわゆる現業部門、ニュース・センター並びに国際放送関係を除いては、教育、芸能関係の制作現場はすべてあそこに完成をしようという計画は当初から持ちまして、予算を御承認をいただいたわけでございますけれども、さて実行段階では、いろいろ客観情勢から経営委員会の責務といたしましては、非常にやはり慎重に審議をしなければならない面がございまして、当初の計画の面につきましては、相当細部にわたりまして、しかも回数を多く経営委員会を重ねられて審議をせられました結果、着工が非常に延びたということが押せ押せになりまして、四十年度から四十一年度、さらに四十一年度から四十二年度、二十三億円繰り越さなければならなかった。こういうような事態を引き起こすもとになったわけでございます。これをやはりNHKの経営の非常なむだのない経済的な効率的な運営を期する上から、慎重審議をいたしました結果起きたことでございまして、まあこれは理由にならぬかもわかりませんが、そういう事柄でございますので御了承を得たいと思いますし、また、いま一つの大きな原因になっております大阪の大電力の問題につきましては、これは敷地の問題に水利権その他の問題がまつわりまして、この融資に非常な手間をとってまいりました。私どものほうも、目算のとおりに事実買収が進まなかったようなことが非常に大きな理由でございます。そういう理由でございますので、この点は重々おわびを申し上げたいと思うのです。
#177
○鈴木強君 まあ副会長のお答えですからよく私も了承できますが、ただ何といいましても、われわれが長年国家予算を使い国家予算を扱っている場合に、ややもするとある程度可能性というものについての見込みというものが協会の場合には含まれているように思うのですね。私は国家予算の場合に一つの款項目節、きちっと国家予算出てまいりますので、それが計画上できなかったということになると重大責任問題になると思うのですよ。少なくとも私どもが国会で議決をし承認を与えた以上は、その承認を与えたものは必ずやられる。しかも国会に出される以上は、特別な理由のある場合は別として、国会に提案される場合はいかにしたら合理的に経済的に効果的にやれるかということを十分検討した上で、計画をお立てになるわけですから、計画を出してからさらに翌年に回したほうがなお効果的だということは、そういうことは私はとらないと思うのです。ですからそういうことではないと思う。いずれにしても、二年続いておりますから私は特にこれは取り上げたのでございまして、やはり工事能力がなくて、そのためにできないとするならば、その指名業者なり、それに対して強化していくなり、それからまた途中においてどうしても変更しなければならないようなそういう重大なことがあるならば、中途においても、われわれ委員会のほうにも、実はこういうふうな予算の審議をいただいておるけれども、これはひとつこういうわけで工事が来年に回りそうだとか、そういうくらいのことは機会は幾らでもあるわけですから、会長の事業報告等もこうやっていただいておるわけですから、そういうときに、われわれの理解を深めていくような手はずはしてほしいと思うのです。決して故意にやったとは思いませんが、いまお述べになったようないろいろな理由があってのことですから、了承いたしますけれども、あまり二年も続いて三十三億が逆に四十四億も繰り越すということは自然ではないということを私は申し上げたいわけでございます。
 ちっと私はこまかく言うのですけれども、予算、決算の場合だけですから、平常私はつべこべ言いませんからお許しをいただきたいと思います。
 もう一つ、私どもが情報で知り得た範囲ですから確認をしておきたいのですが、六月十六日、十七日に定例の経営委員会が開かれたようでございます。その際にNHK放送センターの増設と例の鉄塔の建設の問題が議題になったように聞いております。一部の業界紙等にはすでにかなり内容について報道されておりますが、この委員会で一部の具体的な問題を除いて承認されたというふうに聞いておりますが、その全貌についてひとつここで明らかにしてほしい。
#178
○参考人(前田義徳君) 経営委員会は十七日に開かれておりますが、ただいまの十六日、十七日というのはおそらく私が十七日に、先ほど御質問をいただいたアジア放送連合の理事会に出席するために日程上十六日に経営委員会に出席して私が説明した。その日取りと十七日と二回の日取りがきっとお手元に入ったのだろうと思います。経営委員会は正式には十七日でございます。一部を保留してということはないと思います。計画自体を検討していただいたわけで、その計画は一応原則的に承認されております。もしそういう意味の情報をお持ちだとすれば、これを今度年次計画として財政上どう処置するかという問題はこれからの問題でございまして、ただ建設の基本方針の議決をいただいているということでございます。したがいまして、その意味においては、お手持ちの情報の内容はきわめてはっきりしていないというように私は印象を受けました。
#179
○鈴木強君 その建設の基本方針というのはこの前の委員会でも質問をし御答弁をいただいている点もあるので、およその考え方はわかっておるわけですけれど、いまここに経営委員会に了承を得たその基本方針というものはどういうものであるか発表はしていただけますか。
#180
○参考人(前田義徳君) 基本的な方針は当委員会でもあるいは折りに触れて私どもの考え方として申し述べさしていただいたこともあるかと記憶いたしますが、要するに、代々木の放送センターに全本部をも移すという基本方針のもとに、さらに今後の技術の発展、それから周波数の変化、あるいは波の利用開発の進歩という点を考えまして、すべて代々木に集中するという考え方でございます。
 それを二、三の点で具体的に申し上げますならば、事務室部門をさらに二十二階にする、あるいはまた将来の必要を考えながら鉄塔をも建設する、そういう考え方で、基本方針としてはその予算が約百五十八億、それをできれば明年度から四十七年度末まで三カ年計画で実行するという基本方針でございます。さらにその最終財源としては、現在の田村町の本館及びこれと関連する部分を売却することによってこれに充当するという基本方針でございます。
#181
○鈴木強君 そうすると、ある情報が、業界紙が伝えている持ち越されたという問題点は、ホールのスペース、ビルの階数、タワーの高さ、こういうような点にあったようですが、事務室は二十二階、鉄塔は建設するということですけれども、その鉄塔の高さというのは前にも言われたように大体五百メートルから六百メートルくらいと、こういうふうに考えておいていいものでしょうか。
#182
○参考人(前田義徳君) ただいま先生がお読みになりました情報はすべて間違っております。そういう建設の内容について留保されたのではございません。スペースも高さもすべて決定いたしております。
 先ほど申し上げましたように、これは明年度からの財政計画との関係において、これを年度別にどう分割していくか、またその財政措置をどう処理するかという問題だけでありまして、その情報はきわめて不正確であるという私は印象を受けました。
#183
○鈴木強君 そうすると、鉄塔の高さは。
#184
○参考人(小野吉郎君) 高さはただいま申されましたとおり六百メートルを考えております。
#185
○鈴木強君 そうしますと、この予算は百五十八億というのですが、これは内幸町にありますいまの建物、これを売却する、その他どこを売るかよくわかりませんが、そういういまある固定資産というもの、不動産を売却することによって、百五十八億というものは全部調達できるということですね。それでは、そういう基本構想をきめられたわけですから、これから具体的な設計段階に入っていくわけですね。その設計はいつごろまでにつくろうとするのか、そうしてそれを三カ年計画で、来年度四十五年度の予算の中には幾ら組んでいくかということは経営委員会のほうにかかると思うのですけれども、大体の設計が完了をしていく時期というのは、予算の編成の時期からいえば、国家予算ですと、もう八月ごろにはきめなければならぬのですが、NHKの場合は、もう少しおくれてもいいようですけれども、大体いつごろ設計計画というものはでき上がるような見通しに立っておられるのでしょうか。
#186
○参考人(小野吉郎君) 内部における設計は内部のその部門によりまして予算編成までにはおよそつくり上げるつもりでございます。それがほんとうの実施設計、本設計となりますと、予算の御承認を得た上でないと、できませんので、これは業者によるいわゆる専門の実施設計、精密なる設計は明年度予算の編成とも関連がございますけれども、この予算の御承認を得た上で着手をいたしたい。そして工期をどのくらいにするかという問題は、予算編成との関連におきまして、決定をしてまいりたいと思っております。
#187
○鈴木強君 もう一つ、このタワーの利用についてですが、かねて、われわれは民放にも働きかけて、正力構想もあるようですが、その点との調和も十分にとっていただいて、ひとつNHKがせっかくおつくりになるわけですから、これを民放にも分かち与えて、共存共栄の姿を出してほしいという、強い要望を出しておきましたが、この辺の折衝はどうなったでございましょうか。いよいよ塔を建てるときになりましたから。
#188
○参考人(小野吉郎君) 具体的にまだそのような折衝はいたしておりませんけれども、特に正力タワーの関係につきましては、まだ精密なことは、私どもは正式には何ら聞いておりません。ただ、そのような塔が建つということは漏れ承っておりますけれども、必ずしもそれが放送専用の塔でもないようでございますし、私どものほうで、それは将来のUの開発等にも関連をいたしまして、NHKばかりでなしに、御希望があれば全民放の関係をも収容し得るような余地を持ってのタワーでございます。そのようなことで進んでおりますが、いずれ、これは実際の計画に着手するに当たりましては、郵政御当局の御協力も得なければなりませんし、御承認も得、また民放各社との関係におきましても、できるだけ各社合同して、個々に利用できるような形であることが好ましいと思いますので、そのような調整努力はいたしてまいらなければならないと思います。
#189
○鈴木強君 わかりました。その点は大臣にも強くお願いしておったのですが、何かちょっとある情報によりますと、民放側も何かNHKのほうと協力しようというような空気が強いというような話も聞いているのですが、大臣は民放の諸君ともいろいろ接触されておるようですけれども、ほかのことで。そんな関係で、このNHKのタワーについては、どんなふうな考え方でございましょうか、おわかりになっておったら教えていただきたい。
#190
○国務大臣(河本敏夫君) 私も、大体の計画の進みぐあいにつきましては、承知いたしております。報告も受けておりますが、こまかい具体的内容につきましては、まだNHKのほうでもできておらないのだと思いますが、まだ正式の報告は受けていないのです。アウトラインは承知しておりますが。そこで構想としては、前から申しておりますように、大体私はけっこうだと思うのです。まあ、しかし、何ぶんにも相当な仕事でございますから、各方面と円満な話し合いを続けながら処理されることが望ましい、こう思いますので、私も時期がきましたならば、そういう方向で、関係方面とももちろん接触をする労をいとうものではございません。しかし、また、現在はいま申し述べましたような段階でございますので、積極的に出ていくという段階ではないと思いまして、差し控えておるような状況でございます。
#191
○鈴木強君 まあ、NHKのほうでも、いまある固定資産ですね。これを利用されてやるというわけですから、これからその資産がどの程度に評価されるものであるか、買い手がつくかつかないか、どちらが高く売れるか、そういういろいろなかけ引きもあるでしょうから、大体、私はここで、何坪あって幾らに踏んでおるということは伺いませんが、まあひとつなかなか頭のいい人たちがそろっているのですから、できるだけうまく売ってもらって、直接受信者のほうにあまり迷惑がかからないようなかっこうでやってもらえるようですから、なおひとつ御研究をしておいていただきたいと思います。
 それから次に、来年に迫りました万国博の対策でちょっと伺っておきたいのですが、NHKはいろいろこれに対して積極的な施策をされておると思うのですが、来年の万国博の開会に当然間に合うようにやっておられると思うのですが、いまやられている施設の大ざっぱなところと、計画と、それから予算の点でどんなになっておりましたでしょうか。概要だけちょっと伺っておきたい。
#192
○参考人(川上行蔵君) 万国博につきましては、NHKはいま三、四の問題点を抜き出しまして、協力しようというように考えております。
 一つは、海外の各放送機関に対しまして、その取材の全面的にNHKが窓口になり、あるいは協力を全面的にいたすという形においての、海外放送機関に対する取材協力という面でございます。
 それから第二番目に、万国博の中で、これはやはり人類の進歩と調和という大きなスローガンのもとに、しかも、日本の国の中でそういう国際的ないろいろな交流が行なわれ、日本人に対しても国際的な目が開けるという意味において、各国がナショナルデーというのを、それぞれの国が開催いたします。たとえばソ連が何月何日にナショナルデーを開くとか、あるいは五月十八日は韓国がナショナルデーをやる、そういうようにそれぞれの国が大きな催しものを持ってきたり、あるいはその国の元首が直接来朝されるというような形におけるナショナルデーをやはり日本国内にも放送する、そういう仕事、あるいは万国博のいろいろな陳列あるいは展示の施設を国内に放送するという形、万国博そのものを中継するという形、これが第二の点でございます。
 それから第三の点につきましては、万国博の中で幾つかのパビリオンが出てまいります。その中の中心でありますテーマ館につきまして、NHKがテーマ館の中の中心のいろいろな写真取材を一緒に協力しましょう。同時にそれはNHKの放送にも使いますという形においての取材協力、あるいは国連館、国際連合館ができます。あるいは郵政省、電電公社、それから国際電電、NHK、この四社協力いたしまして、電気通信館ができます。ここでいろいろな番組を見ていただくという形、それから各館のそういう催しものにNHKが協力し、同時にそれを放送して、全国民に提供しようという形。
 それから第四番目といたしましては、いろいろな催しものがございます。たとえば、開会式とか閉会式とか、あるいは会期中にいろいろな大きなオペラを呼ぶとか、あるいは音楽団を呼ぶというのが、いろいろな各面の協力で行なわれますが、その中でNHKは現在イタリアの歌劇団というようなものを提供いたします。そういうような形での催しものに対する協力という形、この四点でいま考えております。それにつきまして大阪局が中心になりますので、大阪の放送体制というものを十分にできますように、大阪で現在いたしております全国放送向けの番組を、幾つかは早く制作しておくとか、あるいはその幾つかのものを東京あるいはそのほかの地方で引き受けてやっていく、大阪はそういう万国博に全面的に協力するというような体制をいまとらすようにということで、人員あるいは機材、あるいは経費という面において準備をいたしております。
#193
○鈴木強君 わかりました。
 少しこまかくなりますが、四十一年度という年は、NHKの第二次六カ年計画の五年目にあたっていると思います。それで最初に、少しこまかいのですが、お答えいただきたいと思いますのは、決算書を見ますと、銀行預金ですね、三十億八千百九十六万六千円、こうございますが、これの銀行預金先の銀行名と預金高、これはおわかりでしょうね。これは時間がありませんから、後ほど資料でいただいたらけっこうですが、わかりますか。わかったらひとつ。
#194
○参考人(志賀正信君) ただいま手元に資料がございますが、こまかくなりますので、後ほどお届けいたします。
#195
○鈴木強君 次は、受信料の未収金ですが、八億八千百十一万一千円。それで未収受信料の欠損引き当て金額が五億二千六百二十万あったのですが、この欠損引き当て金はおもにどういう理由が主になっているのでしょうか。どういう理由ですか。引き当て金にしなければならなかったというのは、NHKとしてどれだけの努力をしたが、これはどうしても未収金である。したがって欠損金として落とす。こういうことだと思うのですが、これはどういうことか。その内容を少し説明してほしいのですが。
#196
○参考人(佐野弘吉君) 四十一年度で申しますと、年度末八億八千万円ほどの未収金が残っております。数字にございますように、当年度引き当て金を五億二千万円ほど計上いたしております。それで大体、翌年度に未収金として残りましたものを回収する努力を継続いたしまして、この当該年度四十一年度の未収金に対しましては、四十二年度に四億円強を回収いたしておりますので、結果といたしましては、差し引き三億五千五百万円ほどの実未収金を残したことになります。欠損引き当て金よりはるかに少額で済んだわけでございます。それで、これらのことがどういった関係で発生するかというお尋ねも一部ございましたが、いま申し上げたような数字の中で、当該年度に不払いあるいは経済上の理由なり、常時不在というような形でお支払いを願えないもの、停滞したものそれぞれ二十万件のうち半分づつくらいでございます。そういう形で四十一年の三月末を越すわけでございますが、次年度に経済上の理由なり、不在でとれなかったものの大かたは回収をし、かつ若干いろいろの理由をもって支払いたくないという方々にも説得をいたしまして、翌年度一部回収をするというようなことを繰り返しておる現状でございます。
#197
○鈴木強君 結局、受信料未収金の三億五千四百九十一万一千円というのは、四十一年度決算においてNHKが欠損金として処理する、こういう額ですか。
#198
○参考人(志賀正信君) 決算書に載せてございます未収金は四十一年度末の決算時におきまして、総体未収金が八億八千万円でございまして、両方合わせましたものでございますが、それに対しまして、従来の経緯から翌年度にさらに回収の努力をしましても、いろいろ事故ものでとれなくなるだろうという見込みを当年度の損費に落とすのを引き当て金と称しておりますが、これを五億二千万ほど予定をいたしまして、いわゆる純未収につきましては、その差額の三億六千万円でございますが、これに対しましては、先ほど佐野専務から説明をいたしましたように、おおよそ翌年に回収をいたすのでございます。この五億二千六百万円の引き当て金につきましては、これだけこの決算期におきまして用意をいたしましたが、実際には、最終的には四億七千百万円で済んでおります。約五千四百万円ばかりは次年度の決算時におきまして、またカムバックいたしたのでございます。
#199
○鈴木強君 わかりました。四十二年度の予算との関連でないとわからないわけですね。
#200
○参考人(志賀正信君) さようでございます。
#201
○鈴木強君 そこで、四億七千百万円が結果的に四十一年度の欠損金として処理しなければならない、こういうことですね。
#202
○参考人(志賀正信君) おっしゃるとおりでございます。
#203
○鈴木強君 そうしますと、四億七千百万円というのは、まあ佐野理事から御説明がありましたが、この内容、内訳ですね。この四億七千百万円のうち、行き先がわからなくなった、取れなかった人とかあるいは意識的に不払いを、何年も何年も払わない人だとか、まあいろいろ理由があると思うのですけれども、そういう、何といいますか、内訳というのは、簡易にそこでわかりませんか。わかったら大まかなところでも教えてもらいたいのです。
#204
○参考人(佐野弘吉君) 四十一年の事例で申しますれば、先ほど私も触れました用語ですが、未払い、まあ支払い遅延とも言うかと思いますが、このうちで、経済上あとへ支払いがずれるというものは六万七千ほどございます。それから、また、最近の社会的な生活の関係で、非常に不在が多くて、当該日に収納できない、これが四万九千ほどございます。合わせて十一万ほど、この未払いというのがございます。それで、これに対しまして、NHKの番組が偏向しておるとか、あるいはNHKに対する無理解というような態度で、支払い意思の欠ける者、これが四万ほどございます。それで、あるいは地方におきます共聴なりあるいは難視聴という、この関係で、支払う意思を欠く者が六千ほどございます。また、御承知のように、厚木その他で航空騒音の関係で不払いという事態になりました者が一万二千、合わせて六万ぐらいでございます。双方合わせまして、先ほど十五万ぐらいに申しましたが、双方合わせまして十六万ほどでございます。この中から、当初に申しました未払聴視者というもののほとんどは、回収いたす、さらに不払い聴視者に対しても説得行為をいたすという関係で、四十一年三月三十一日に八億八千万円という形でたまりましたものを次年度に四億円、四割、四〇%ぐらい、強でございましょうか、回収をいたして、残額の四億七千万ほど、結局四十二年度最後に欠損引き当て金に該当する金額として残った。大体こういうような状況でございます。
#205
○鈴木強君 ちょっと未払いが十一万件、不払い四万、共聴、難聴地域による六千、厚木等が一万二千、これが六万ですね、そうしますと、合計十七万ですが、この十七万というのは、受信料未収金八億八千百十二万一千円の件数なんですか。それとも、私が聞きたかったのは、実際に欠損金として落とさなければならない四億七千百万円の、いまのような内訳は、件数と金額にして、まあ件数がわかれば、大体金額はわかりますから、それを知りたかったのですけれども、それとは違うね、あなたのお答えとは。
#206
○参考人(佐野弘吉君) いや、四十一年度で発生いたしましたこれらの事実上支払う、この一年度中に支払っていただけなかった、収納できなかった十六万見当の収納不能の金額が先ほど申し上げた八億八千万円になる。それから、あと翌年度回収をしているということになります。
#207
○鈴木強君 もっと言うならば、四十一年度で欠損金として、その四億七千百万円ですね。これの内訳はどうですかということを聞いたのです。これから少なくなるわけでしょう、もっと、件数は。
#208
○参考人(佐野弘吉君) 非常に残念でございますが、四十二年度の最後の締めくくりに残りました四億七千万円の詳細なる内訳は、いま手持ちをいたしておりませんが、先ほど申しましたような、四十一年度の未払い、不払いの十六万件ほどとしてたまりました八億円のうち、主として未払い金は回収でき、そうして不払いの一部は回収できても、大部分は残るという形で、八億八千万円のうちの四〇%強の四億円が回収できた。したがいまして、四億七千万円に該当するかなりの部分は収納不能の、不払いの意思のものに多く起因いたしている。ただし、残念ながら、ちょっとその辺の該当数字はいま持ち合わせておりません。
#209
○鈴木強君 それを知りたいわけですから、ひとつ正確な数字は、後ほど出してもらいたい。
#210
○参考人(佐野弘吉君) かしこまりました。
#211
○鈴木強君 そこで、いまNHKは、全国に集金人さんというのは、何人おられるわけですか。
#212
○参考人(佐野弘吉君) 職員の直接集金をいたしておるもの並びに外務監査と申しまして、これに指導をいたしておるもの、これらを全部合わせまして九百三十人ほど、外務職員と称するものがそのくらいの数字でございます。それから委託というような形で、全国で集金をお願いいたしておりますものが二千六百名ほどございます。その他、郵政委託三千七百局ということで、大体そのような数字でございますが、あと口座関係で都市銀行、地方銀行、信用金庫に至るまで、全国一万ほどの店舗によりまして、今日二百万強の口座支払い振替というような形で収納をいたしておるというのが現状でございます。
#213
○鈴木強君 これも、ひとつ、資料で出してもらえますか。集金さん九百三十人が年間に何件、何億の聴視料を集めておられるか、これを一つ。
 それから、そのほかに二千六百人というのが、地域の特定の方にお願いをしてやっているものだと思いますね、郵便局とは別に。地域の、ある部落の特定の方にお願いをしてやっている人だと思うのですけれども、その二千六百人の方が年間に集めていただいておる件数と金額。
 それから口座振替の場合、一万の銀行が扱いをしているそうですからその銀行を通して口座振替で入ってくる件数と金額。
 それから郵政委託の三千七百の局から集まってくるのは、一体、何件で何億か。――わかりますね、これを資料で出してほしいですが。
#214
○参考人(佐野弘吉君) 承知をいたしました。
#215
○鈴木強君 それから、米軍の基地周辺の聴視者の問題は、この前の委員会でもだいぶ論争があったのですが、さっきお話しのように、厚木基地周辺だけですか、いま、不払いをしているのは。あとはないですか。
#216
○参考人(佐野弘吉君) 先ほど四十一年度の時点で、一万二千という数字を御報告いたしましたが、もちろん厚木だけではございません。立川は、実は免除適用地域ではございませんが、立川周辺にもありますとか、あるいは民間空港としての大阪伊丹の空港の周辺とか、その他若干小牧の基地、あるいは普通の射爆場の一部等も合わせまして、全部で一万二千という数字でございます。
#217
○鈴木強君 こういう未収金がかなりあるのですけれども、これに対していろいろと御苦労されていると思うのですが、どうしてもさじを投げなければならぬという判断は、最終的にたれがなすっているのですか。
#218
○参考人(佐野弘吉君) 実は、東京以下全国の営業局におきまして、内勤、外勤一体になって収納あるいは契約業務に当たっておるわけでございますが、ただいまの御質問のポイントにつきましては、職員でありましても、委託でありましても、収納不能の分につきましては、いわゆる実査回しと部内的には呼んでおる制度によりまして、当該集金取り扱い者が集金できないものは引き続き実査専門の担当者、あるいは説得専門の要員というふうな形で繰り出して収納に努力をいたしております。したがいまして、先ほど四十一年度の残額につきまして、四十二年度四億円強の回収をいたしますとお答えしたほかに、さらに四十三年度に入りましても四十一年度分を引き続き回収をして、少なくとも数百万円の回収も次の次の年度にもいたしておるというような努力を重ねておりますが、結局は、最終的にはそれらの行為を通じまして不能という形では決算上落としましても、収納の努力としては、引き続きあとあともやっておるというようなところが実情でございます。
#219
○鈴木強君 そうすると、民法上時効とか何とかいうことは別としまして、一応欠損金として落とす四億何ぼと、さらに追跡をして、翌年度、翌々年度、その翌年度、一体何年までやっていくわけですか、無限にやるわけですか、それは。
#220
○参考人(佐野弘吉君) 実質的にはただいま御説明いたしましたように、四十一年度の分を四十三年度にも回収努力をいたして、数百万円の収納を見るというあたりで、各営業局長が判断を下しております。
#221
○鈴木強君 そうしますと、この欠損金の処理についてちょっと問題があるのじゃないですか。一応予定されているところの未収金という処理にするか、その年度の欠損金として処理するとかいうことでは、だいぶ違いますよ、これは。欠損金として処理するということは、もうこの四億というものは、何ぼやってみても徴収不可能である。したがって、決算上未収金処理にして国会の承認を得ると、こういうのが筋だと思うのですね。だから、あなたが言われるようであれば、まだ欠損金として処理するのは早いわけだな、この四億というものについて。その辺はどうなんですか。決算上ちょっと疑義があるのですね。
#222
○参考人(佐野弘吉君) 経理措置上の筋道につきましては、あるいは志賀専務理事からお答えいたすかと思いますが、率直に申しまして、次々年度――翌々年度に三百万円見当の、それは平均の数字かと思いますが、回収をいたしまして、これは雑収入という形で四十三年度の処理をいたすというしきたりでございます。
#223
○参考人(志賀正信君) ただいま鈴木先生からお話しのとおりに、当年度末までに取れない受信料について、いきなりその年のうちに欠損処理をすることは適当でないかと思います。NHKの場合には、欠損引き当て金を立てまして、一応引き当て金制度をとりまして、引き当て金を予定をして、そうして翌年度へ持ち越すと、こういう両建てで持ち越すという形をとっておりまして、翌年度一年間で営業部門でいろいろ回収の努力をいたしまして、どうしても取れなければ、おおよそのめどがついたものとして翌年度、一年後に欠損に処分をする、こういう方式でございます。翌年の一年後に処分をしましてから、さらにそこで手を休めるということではございませんで、事務的にはいろいろ取れなかったものにつきまして追求をいたしまして、翌々年度におきましても回収の努力をして、そこで回収がございましたときには、これは雑収入に計上する、こういう方式をとっております。
#224
○鈴木強君 まあ、そういうしきたりをとっておられる。ちょっとこれは変だけれども、会計上はちょっと問題があると思うのですね。ですから、欠損金としておる場合に、その判断ですよね、まだ取り得るものがその中に入っているわけだ、可能性としてね。それを欠損金として一回会計上処理して、それで取れるかもしれぬから一生懸命追求して、取れたら雑収入に入れますということは、これは努力することだから、けっこうだと思うのだけれども、会計上のたてまえとしては、私はおかしいと思うのですよ。もし、それだったら欠損引き当て金として処理しておくか、純粋な未収金として処理しておくか、三年なら三年間そうする。さらに四年後なり五年後もやるのか、それは知りませんよ。もしそうであれば、二年なら二年間は未収金として処理をしていけばいいわけですね。そうしていよいよだめなときに、これだけはひとつ欠損として処理してください、こういうことにするのが筋じゃないですか。私は一般の会計では、そうしているのだと思うのですがね。そうすると、欠損金にはしたのだけれども、まだ一生懸命やれば取れるぞという、そういう努力半ばのものまで欠損金にするということになると、ちょっと理屈上これはおかしいと思う、これは検討しておいてください。
#225
○参考人(前田義徳君) 御説のとおりでありまして、財政上の措置、これに伴う決算としてはただいま申し上げたように欠損処理によって終結いたします。ただ、私どもは、モラル的な責任をそこでは打ち切っていない。いわゆる決算処理とモラル的な説明とがきわめて混同しておるという点で説明がかなりそのもつれた点ではまことに申しわけないと思います。
#226
○鈴木強君 わかりました。会長はモラルの点で大いにNHK魂で取るというんだからこれはいいんだけれども、しかし、どうしても取れないから欠損金にしようということでしょうから、それはやむを得ないんでしょう、どこでもあるんですから。それはそれとして処理するとして、よけいな手数を払うなら、もっとほかのほうに力を注いだほうがいいと思いますよ。しかし取る金が多いということになると、ちょっとおかしいですね。欠損金にするやり方が。これは検討してもらわなければ。どうもあぶないぞ、欠損にしておくか、しかし取れるかもしれぬといって欠損金にされたんでは迷惑ですから、その点は欠損金に落とす判定というのは、いろいろな人が行っていろいろやるらしいですね、それからそれへと専門の人が行って努力しているらしい、しつこいくらい来るらしい。NHKはまだかまだかと言って取るそうだから、その辺は根性あると思うのです、いいことだ、取るということは。払わないのが悪いんだけれども、そういう意味でひとつ検討してもらいたい。
 それから貯蔵品の中で、フィルム購入が一億七千九百六十二万三千円あるんですが、この購入会社別、品目別購入高、金高これをひとつ時間がないからあとで資料として出してほしいのです。それから放送謝品というのがあります、千七百八十三万円、これはどんなものを一ぺんに何個買うんですか。のど自慢のときにメダルみたいなものをくれますね、賞品に。ああいうふうなものですか、どんな種類のものですか。
#227
○参考人(志賀正信君) 放送謝品につきましては、全国の放送局で使用いたしておるのですが、児童の放送出演に対しまして差し上げるノート類、あるいは男性の出演の方にはライターとか、あるいは女性の方の場合にはハンカチとか、あるいは花びんとか、そういうようなものが放送の謝品の内容でございます。それを一括して購入いたしましたものが、年度をまたがりました場合に、貯蔵品という処理をしております。
#228
○鈴木強君 一括協会本部でお買いになるわけですか。
#229
○参考人(志賀正信君) それぞれの品目に応じて、これはそれぞれ入札をいたしまして購入をいたします。東京で一括して購入するものもございます。また地方の場所でそれぞれその場所で購入するものもございます。
#230
○鈴木強君 これは買い方のことですからあまり私どもしろうとですからわかりませんけれども、千七百八十三万円、たいした金ではないんですけれども、せっかくの賞品というか、お礼のしるしなんでしょうから、まああまり貯蔵品ができちゃって翌年回しなんというのもよくないんじゃないですか。時代にマッチしたものでなければ喜びませんよ、型の古い三年前のライターだったら、もらうほうだっておもしろくない、ハンカチだっていろいろなものがあります、このごろは。そういう時代の移り変わりが激しいから、貯蔵品にならぬようにうまく見通しを立てて買ってほしいのですが、いま大体そういうふうになっている貯蔵品、蔵の中にだいぶ残っているんですか。
#231
○参考人(志賀正信君) 年度末までに使い切れなかったものにつきましては、貯蔵品にまた戻すというやり方をいたしております。多少は三月に入りまして予定いたしました出演謝品が年度末に残るということは全国的にございます。そういうものにつきましては、やはり勘定上は新しい年の出演には新しい年の経費ということにいたしますので貯蔵品になりますが、なるべくお説のように少なくはいたしたいというふうに考えております。
#232
○鈴木強君 そこでひとつ番組費というものについて伺いたいのですが、昭和四十年度は百二十億、四十一年度は約百二十七億、四十年度に比べて六億九千七百十四万六千円ふえておるわけですね。これは出演者に対する謝礼金ですね。こういうものがある程度物価値上がり等によって上がったからふえたのでございましょうか。そういう謝礼の基準は全然変わらないのだが、一般の番組作制のための諸経費ですね。大道具、小道具その他いろいろあるでしょうが、そういう面が、番組が多くなって、そのためにこの六億七千万円というものがふえたというわけでしょうかね。それをひとつ聞きましょう。
#233
○参考人(川上行蔵君) この年度は、それほど謝金額を上げておりませんので、新しい事業計画そのほかがまあふえたと、たとえば教育テレビをこの年に一時間ふやして十八時間体制に持っていったと、そういうような関係で上がったものと思います。
#234
○鈴木強君 それで、この番組費百二十七億の内訳で、たとえばラジオの場合ですと、第一、第二ですね、それから国際放送。テレビの場合ですと、白黒、それからカラー、これは総合テレビ、教育テレビがありますが、それをひっくるめて、こういうラジオ、テレビの、いま申し上げているような放送別の番組費というものは、幾らかかったかということが内訳として出てこないものでしょうか、われわれ知りたいのですけれども。
#235
○参考人(川上行蔵君) 大体のところの金額になるかと思いますけれども、テレビ、ラジオ、FM、この三つに分けまして、それをさらに総合、教育、ラジオ第一、第二ということに分けまして、大よその金額で御了承いただきたいと思いますけれども、この金額を番組制作費という観点からいって申し上げたいと思います。テレビは総計がおよそ約八十八億、四十一年度でございます。その中で総合が七十一億、教育が十七億、それからラジオのほうは合わせまして十五億、そのうちで第一放送のほうが十億、第二放送のほうが五億、FMが一億八千ということでございます。端数を切り捨てたりなんかしておりますのでその点多少内訳が違いますけれども、およそそのようなものです。
#236
○鈴木強君 ラジオ第二は幾らですか。
#237
○参考人(川上行蔵君) ラジオの第二は四億八千万。
#238
○鈴木強君 大体わかりました。
 それでこういう点はどうなんですか。このテレビ八十八億の中での番組の制作費なんですけれども、たとえば出演者に対する謝金ですね。それからロケや何かやる場合には、そこへ行くところの旅費ですね。そのほか日当、エキストラの方々を雇うような場合には、その人たちの日当ですね。そのほか一切の交通費、食費、旅費、日当、こういうものが全部入っておるのでしょうか。
#239
○参考人(川上行蔵君) 番組関係に関しましての出演謝金、あるいはテレビの場合におきましては大きな部分を占めますのが美術制作費、それから出演者の旅費、日当、それから資料費関係、こういうように番組に直接かかる費用というものがここに入っておるわけでございます。
#240
○鈴木強君 そうすると、NHKはあれですね。御自分の自家用車としての車を持っておられますね。これは全国で何台あるでしょうか、いま。
#241
○参考人(志賀正信君) 自動車の総数につきましては、四十一年度末で六百九十七台でございましたが、ただいま乗用車につきましてのお話でございますが、そのうち百三十九台が乗用車でございます。
#242
○鈴木強君 そうすると、中継車とかいろいろあると思うんですけれども、そういう車がたとえばロケに一緒に行きますね、そうするとそのガソリン代だとか、そこの運転手さんが、協会の人でしたら協会の予算から出ていくわけですけれども、たとえば臨時の人がそれに乗っていったような場合、これはみんな番組費から出るものでしょうか。
#243
○参考人(川上行蔵君) そのとおりでございます。
#244
○鈴木強君 それから、そのほかNHKは自動車の雇い上げをされていると思うんですけれども、いま協会の本部のほうに入っている民間の自動車会社はどういう自動車会社で、一年間にその自動車会社にはどのぐらい借り上げ料として金を払っているものでしょうか。
#245
○参考人(志賀正信君) ハイヤーの関係につきましては、年間約二億九千八百万の金を払っておりますが、四十一年度におきましては、国際自動車株式会社及び小田急バス、南部自動車等でございます。そのほかにタクシーの利用がございまして、これは全国にわたっておりますが、そのうちで東京につきましてはタクシーは四社を利用するようにいたして、タクシー券をもって利用いたしております。これは国際自動車及び日本交通、大和交通、帝都自動車の四社でございます。東京におきましては約三億二千五百万ばかりの経費になっております。
#246
○鈴木強君 それで、このハイヤーの場合は常時NHKのほうに派遣されている車があるわけですね、そうでなくて、必要のつど雇うようになっているんでしょうか。何台の車がNHKのほうに四六時中おると、そういうような仕組みになっておりますか。
#247
○参考人(志賀正信君) 契約によりまして常時主としてNHKに待機をするということにいたしておりまして、NHKが注文を出しまして走りましたときに、そのキロ数に応じて経費を払うという方式にいたしております。
#248
○鈴木強君 それは何台ぐらいおりますか。国際、小田急、南部自動車等で。
#249
○参考人(志賀正信君) センターと内幸町との両方で約六十台が出動いたしております。
#250
○鈴木強君 それからNHKは大体一年間に電電公社のマイクロ専用使用料としてどの程度の金を払っているんでしょうか、それから電話の使用料ですね、それから電報、これは加入電信、テレックスに入っているかどうかわかりませんが、もし入っておるとしたら電信として一括教えてもらいたい、それから郵便料、この通信費というのは大体どれぐらい使っているものでしょうか、数字がわかりましたら教えてもらいたい。
#251
○参考人(志賀正信君) マイクロ回線料及び普通の有線のほうの専用料につきましては四十一億二千二百万円を支払っております。それからなおそのほかに国際放送関係だけの専用料が約三億四千八百万円ございます。なお、いまお尋ねの電報、電話料につきましては、日本電信電話公社に払っておりますのが年間五億七千四百万円でございます。それから主として外国電報及び外国との電話の経費でございますが、国際電信電話株式会社に払っておりますのが二億一千万円でございます。それから郵便料につきましては、年間全国で一億九千万円でございます。いずれも四十一年度の決算の数字でございます。
#252
○鈴木強君 この前私は管理費という費目について、役員手当その他がここに入っていることについては一考を要してもらいたいという意見を出しておきましたが、これは四十一年度ですから、当然この中に入っていると思います。そこでその後このことについて検討をしていただけましたでしょうか。これは給与費のほうにちゃんと計上をすべきではないでしょうかということを私はこの前申し上げたわけですが、御検討していただけましたでしょうか、どうでしょうか、してなかったらさらに検討してもらいたいですが。
#253
○参考人(小野吉郎君) 引き続いて検討はいたしておりますけれども、給与の計上につきましては、NHKにはいまの問題のほかに、根本的な問題がございます。たいていの職場では、いわゆる一般組合員に関する給与と管理者の給与を分けております。NHKの場合には、給与としては一本になっているわけでございます。これの分割がまず先決であろうかと思います。その面につきましては、いろいろ検討はいたしておりますけれども、組合の事情もあることでございますし、そう安々と長いしきたりもございますので、組合のほうも、即刻それでOKというわけにもいかないかと思います。この方面を早く切り離して、管理職と一般職を分割したいと思います。それとの関連で出てくる問題じゃないかと思いますので、検討はいたしておりますけれども、現在まだはっきりした結論は出ておりません。
#254
○鈴木強君 それはなお御検討をいただきたいと思います。
 それからいまNHKにはアナウンサーの方は何人おられますか。男女別にわかりましたら、その内訳を教えてもらいたい。
#255
○参考人(川上行蔵君) およそ全国では五百名ほどでございます。その中で女性は十六、七名であろうかと思います。
#256
○鈴木強君 大体五百名、十六、七名というのではなくて、何名のうち何名という答えはできないのですか。
#257
○参考人(川上行蔵君) あとで詳しく正確な数字を文書でお知らせいたします。
#258
○鈴木強君 それで一体アナウンサーさんを採用される場合、これは声がよくないとだめですね。そうして採用されたあと、かなりの高度な技術教育といいますか、訓練というものをされているようですが、一人のアナウンサーさんを採用されて、いよいよ本物としてスタジオに立つまでには、どういう訓練をされて、そうして一人当たりどのくらいの費用がかかりますか。
#259
○参考人(川上行蔵君) NHKは職員を採用をいたしましたときに、新しい職員を全部いろいろな角度から研修をいたしますが、アナウンサーにつきましては、いまおっしゃったような発声法なり、あるいはテレビに出た場合の姿勢のとり方、そういう専門的な研修を約二カ月実施をいたします。そうして現場に配属するということであります。それで現場へ配属をいたしまして、同時に研修の際にも訓練をいたしますけれども、地方へ参りますので、アナウンサーであると同時に、番組づくりにも参加して将来の基礎をその場合に養成しようということでございます。地方へ参りまして、その地方へ参りました期間においても、絶えず研修会というようなもの、あるいは中央局から幹部のアナウンサーがその局に参りまして、いわゆる臨局指導――局に臨んで指導というような形で、その訓練をいたしまして、絶えずレベルが下がらないようにそういう訓練をいたします。
#260
○鈴木強君 大体費用はどのくらいかわからんですか。
#261
○参考人(川上行蔵君) 臨局訓練は絶えずいたしております。毎年二十局ほど選びまして、全国五十局ほどございますから、二年に一度は全局に行くようにいたします。同時にいま申し上げましたように、再訓練の意味において、毎年東京に六、七十名を集めまして、採用になって数年たった者をもう一度訓練をする、そういう機会もあわせつくっております。
 費用につきましては、昭和四十一年度はおよそ四百二十万円ほどその研修費のためにかけております。
#262
○鈴木強君 一人当たりですね。
#263
○参考人(川上行蔵君) 一人当たりじゃございません。
#264
○鈴木強君 総額一人当たり幾らかかりますかと聞いているのですよ。
#265
○参考人(志賀正信君) 一人当たりの研修費につきましては新規採用の場合にはおおよそ五万円でございます。それから新規採用以外の再訓練につきましてはいろいろございますが、二万四千円ないし三千円というような経費が組まれております。
#266
○鈴木強君 その程度で、アナウンサーの教育は済むものでしょうか。私はもう少し実はアナウンサーを養成するのには、相当のお金がかかると思っておった。いままでNHKに採用されて民放のほうにくらがえをしたのがおりますね。くらがえというか、スカウトされたといいますか、そういう方は何人いままでいますか。
#267
○参考人(川上行蔵君) 民放が発足をいたしまして、その開局準備が始まりましたのは昭和二十五年でございますので、現在までにおよそ四十六名そちらへ移られたということになります。
#268
○鈴木強君 せっかくNHKに採用されて五万円ぐらいの金を使って養成をするのですけれども、四十六名の人が民放のほうに転職をされたのです。これは職業の選択は自由です。どこに勤めようとこれはかってなことですけれども、せっかくNHKを希望されて就職をされ、その方々が何年勤めて民放のほうに行かれたか、これは資料を見ませんとわかりませんけれども、いずれにしても、これは喜ばしいことなんですか、残念なことなんですか、これは。
#269
○参考人(前田義徳君) ただいま川上専務から申し上げましたように、昭和二十五年時代には民放に対する御協力という意味で本人の承諾を得てこれは民放さんに譲っているという意味で、最近の二、三の例とは全く異なる例でございます。最近の例といたしましては、私としてはむしろ喜ぶべきことではないか、このように考えております。と申しますのは放送事業の一般的な向上のためにNHKの人がそのように高く評価されるということは、必ずしも私どもにとっても本人にとっても悪いことではない。同時に、NHKというような公共性を持った機関においてやはりこの機関そのものをNHKの職員だけによって逆にまた独占すべきではないという考え方も私自信は持っております。したがいまして、私は本人が希望し、そうして関係業者が私にどうかという御相談を受ける場合には、本人がこれをよしとするならば、私はあえてこれを引きとめるべきではないという考え方を持っております。
#270
○鈴木強君 これはケースがいろいろあると思いますから、会長のように純粋なお立場に立っての御発言であれば私もわかりますけれども、そうでなくて、いろいろ人それぞれ考え方があるわけですから、臨時放送関係法制調査会のほうでも指摘をしているように、NHKが民放に協力するということは何も放送料のうちから金をなんぼやれということではないのだ。むしろ放送協会全体に対するたとえば番組の提供とか、いろいろなNHKが経験した資料の提供とか、そういうことによってのみやるべきであって、受信料のうちから、金を幾らよこせというようなことはとるべきでない、こういう方針もありますから、会長の考え方わかりますけれども、結局民放に行くということは、NHKに比べて民放のほうが待遇がいいからだと私は思うのです。経済というものはかなり多くのウエートを持っているんじゃないかと私は思う。もちろんNHKのアナウンサーの中にもいろいろとわれわれが見ておりまして、この人はという人と、あるいはこの人はもう少し勉強したほうがいいのじゃないかという人があります。みながあの人がほしいという目のつけ方をすれば、その人の技術がすぐれたと評価されたことですから、会長の言うようにその人が民放のほうに転出されて、そこでりっぱに活躍されるということで、私もいいと思います。しかし、一面経済的な面をも十分考えながらいきませんと、やはり人間ですから、まあスカウト料幾ら出すか、そんなことは秘中の秘ですから私が知る由ありませんが、少なくともNHKよりも民放のほうが待遇がいいのでありますか、その辺の比較は行かれた四十六名の方の全部をいまここでつまびらかにしませんが、これはいま会長の言われたような経過もございまして、むしろある程度委託を受けるようなかっこうで教育やったこともあるのでありましょう。それはわかりました。ごく最近行った方々で、NHKよりも少なくとも給料悪いという中で行った方ありますか。
#271
○参考人(前田義徳君) 給与という意味をたとえば月間の報酬と受け取るかどうかは別としまして、少なくとも民間に行く場合には、われわれの職員的考え方とは全く根本的に違います。一種のタレントとして、民間局がこれを買い入れる、簡単に申しますと、そういう形になりますので、契約金というものが非常な魅力のようでございます。NHKとしては、全部職員でございますので、職員の給与体系によって、そうして社会生活の変化に応じてその給与は常識的な線をたどって必要な措置をとるというのが私どもの考え方でございますので、したがいまして、NHKの給与が悪いからそちらに行くという意味とはかなり違った内容を持っていると思います。もちろん二、三の少数の事例ですが、この中にはよりよい給与を求めるという方もおられるかと思いますけれども、しかし、これは全体的に見てNHKの給与が悪いからという意味よりも、いわゆるタレントとして契約金がもらえるとか、あるいはその局のスターになれるというような心理的な動向のほうがより強いのじゃないかというように私は見ております。
#272
○鈴木強君 それはわかりましたが、五百人もいらっしゃるアナウンサーの方で、テレビのほうに直接出られる方はどの程度かわかりませんが、しかし、一面うまくやったなあというような反感的な一つの感情というものが心理的に他のアナウンサーさんの中に起きるような心配はないのかどうか。それよりも、私もひとつ一生懸命やって機会があったら行こうかなあという勇気を振い立たせるような、その辺の……。
#273
○参考人(前田義徳君) まあ現在の放送分野を中心にして見ますると、御指摘のような場合もあり得ると思います。それから放送の初期のように、アナウンサーというものが単なる何と申しますか声の機械という時代は過ぎたと思います。そういう意味では、アナウンサーの仕事というものが私どもにとっては、やはり番組製作者の一部であるという考え方をここ数年明かにしてきておるわけでありまして、そういう古い考え方と、新しい動向との間で動揺する二、三の例が契約金、その他との関連で移動するということになるかと思いますが、しかし、これらは社会情勢の変化に応じてわれわれ自身もそういう二、三の例を除いて職員としてのアナウンサーに対しては新しい方向を打ち出していくべきである、このように考えております。
#274
○鈴木強君 それから、いろいろ伺いたいことがあるのですけれども、時間も過ぎていますから、もう結論に入りたいと思いますが、この際、私は会長にぜひ伺っておきたいことがあるのですが、それは先ほども事業報告を拝見しました。大臣からは、大体百点万点の百点に近いという成績である、かような御発言もございました。これは協会の皆さんの御努力のたまものだと思いますし、また国民全体として、公共放送であるNHKに対して、限りない支援を送っている結果だと思います。そこで、さらにこれから放送衛星、世界的な場面に立ってのNHKの役割りというものが、ますます表に出てくるような気が、私はするのです。そこで、EDPSを導入し、番組面におけるコンピューター化は一応完丁いたしましたが、しかし、これもまだ放送センターの引っ越しということが、また出てくるようであります。いずれにしても、大体の、全国的な会館の建設も大体めどがついたと思います。したがって、残された問題は、広域圏内における県域放送、さらに大電力化の問題、あるいはUによる教育放送の問題、まあたくさんあると思いますが、そういったたくさんの問題を控えながらも、一応一つのステップを切って、次の段階へ私はきていると思うのですね。ここで、こういう段階で、会長がさらにNHKとして、今後どういう点に重点を置いて経営の方針を持っていこうとするのか、基本的に。と同時に、それを実現、円満に実施するための職員の奮起、人事管理、こういう問題について、会長はどんな考え方を持っておられるのか。これはうらはらのことだと思いますから、ひとつ伺いたいと思います。
#275
○参考人(前田義徳君) 非常に大きな御質問でございますが、非常に簡単に、私がいま考えてる考え方を申し述べますと、御指摘のように、われわれが従来引き継いできた形のNHKを近代化するという点においては、この第二次六カ年計画の終末をもって、一応軌道に乗ったものと考えております。この六カ年計画の目標は、大まかにいえばNHKの経営を近代化するということと、同時に、第二には世界の放送界の実情を把握し、その上に立って新しい技術の進展をする基礎的準備を行なうということであり、第三には、このような考え方の中で、人事管理及び職員の訓練と今後の職員の待遇をいかにすべきかと、この三つの問題をとらえながら、私としては数次の長期計画を実行してまいってきております。今後の問題は、したがって、このような基礎工事が終わったあとで、これを具体的にどの方向に持っていくかということだと思います。第一に、施設から見ますと、現在のNHKの負わされている責任という点から見ますと、国内的にも国際的にも、まだまだわれわれが考えなければならない問題があると思います。国内的には、一体現在の放送法上与えられているNHKの責任が、商業放送との関係でこのままでいいのかどうかという根本問題があると思います。単に放送という面にとらわれながら、公共放送と商業放送が共存するという簡単な理論の割り切り方だけで、今後のNHK、したがって国の政策との関連で、現在の時点の構造、性格でとどまってよろしいかどうかという問題と、国際的にみますと、たとえば海外放送等を考えましても、たかだか二百キロ程度の送信機数台で、あとは百キロ以下というような、海外放送のあり方がはたして年間七億をこえる金を使うに足る放送たり得るかどうかという問題があると思います。また、宇宙衛星の常時利用の密度が濃くなるにつれて、ただいま申し上げたような二点との関連で、NHKの負うべき責任、果たすべき役割が非常に簡単に考えられていいものかどうかというこの三点でございます。この見地から申し上げますと、私は経営管理の面からも、人事管理の面からもこういう将来を把握して、少なくとも、職員全体がこのような動向に着目できる、少なくとも関心を持ち得る組織と訓練を行なわなければならない、このように考えております。さらに、これとの関連では、社会の進化発展に応じて、私は労働の基準と、労働の質、量というものが、新たに計画的に形成されていかなければならない時代にきておる、このように考えるわけであります。したがって、これからの少なくともNHKを中心とする放送事業の前途、またNHKだけを中心とする人事管理、訓練、経営の根本方針の再編成と申しますか、これが今後数年にわたり、重大な目標の一つとなるという私は見通しを実は私自身は持っておるわけでありまして、この点については、私はNHKの経営は一そう公開すべきである。あらゆる人材を自由に集め得る段階が最終的にNHKのために、また聴視者全体のためにプラスになる時期ではないか、このように考えております。
#276
○鈴木強君 概括的な御意見としてはわかりました。
 そこでもう少し具体的に伺いたいのですが、会長のような構想で、これから重点的に経営管理、人事管理をしていくわけですが、そういう観点に立つと、現在の組織機構の面ではさらに近く何がしかの改革をする必要があるかどうか、その点はどうでしょうか。
#277
○参考人(前田義徳君) 当然あると考えております。
#278
○鈴木強君 それから人事管理の面ですけれども、非常に近代的な労務管理について、会長は御所信を持っていると私は思うのですけれども、そこで前回の決算のときだったと思いますが、私は今福さんの定年に伴う理事待遇の再採用、それからいま宮田輝さんも同様の扱いをされておるわけですね。私は、これは非常に一つの人事管理の行き方として評価されていいと思うんですよ。大体アナウンサーとか、あるいはアナウンサーだけではなくて、たとえば政経部あたりの報道記者の諸君ですね。こういった諸君、その他のいろいろ専門的な分野にいる人たちでも、管理的な段階に到達するということは大へん至難ですね。たとえばNHKの場合でも、理事になるということは大体位人臣をきわめるということですね。会長になるということは、何年かに一人しかないのですから、会長、副会長は。だから理事長になるということは最高の昇進と考えられているわけです。そんなことを言ってみたって、局長なり、部長なり、課長なんというものはポストが少ない。私はアメリカのある通信会社で、かりに長年勤続をし、成績優秀な者は課長になれなくても、給与は課長と同じように上がってくる。むしろ課長よりも給与が上だというのがいるんですね。私は、そういうふうなことをもっと真剣に考えてみる必要があるのではなかろうかと思うのです。特にNHKの場合には、そうしませんと、一生かかってもアナウンサーで、局長になるというのは何百人に一人、記者の諸君でもそうだと思います。ですから、そういった特殊な技能を持ち、しかもポストの少ないところについては、そういった思い切った、管理職にならなければ給与を上げない、そういうようなことではなくて、もう少し仕事の評価をして、その面から待遇改善をしていくという、こういう考え方をもっと強く導入したらどうかと思うのですが、会長としては、この点どうお考えになりますか。
#279
○参考人(前田義徳君) 御趣旨としては全く賛成でございます。私どもは約七年前から、そういう方針を明らかにしております。ただ日本の社会の土壌と申しますか、日本人の百年間の心理と申しますか、これを考えますと、それが理想的に行なわれることは困難であると、私は、実はこの二、三年非常に痛感しております。と申しますのは、第一に社会的に見ますと、日本の雇用は慣習的に終身雇用であります。市場が公開されていない、能力の市場が公開されていない。したがって、歴史が古くなれば古くなるほど、そういう人間と経営の関係が非常に困難さを増してくるというように実は私自身は感じているわけであります。したがいまして、ただいまお説のようなことは私どもは七年前に踏み切っておりますが、それだけでは職員心理を充足させ得ないというところに、私のかなり大きな悩みがございます。さらに、日本の社会的環境の中では、単なるエキスパートとして社会的共感と尊敬を得るという場合はきわめて少ないわけでありまして、地位の名称によって人間の価値がさらに計算の基礎となるという現代社会、日本の社会においては、理想的な形だけでは何ともならないという一つの、私の経験を通じて率直に申し上げると、そういう難点がございます。この二つの難点と取り組みながら、先ほどお説のような理想に向かってどのように対処していくかということが、私としては、おそらくNHKばかりでなく、今後数年間にわたる日本社会の根本的問題ではないか。そういう意味でも、私はお説のような方式をすでにとっておりますが、同時にむしろ人事管理の最終目標をやはり公開的に私は進めていくことも必要であろう。外部に非常にりっぱな人がおり、それがNHKのために働き得るという人を発見していくことも同時に必要であろう。NHKという環境の中で、終身雇用的な慣習の上にあぐらをかいて地位と名称を欲する人だけでは、どうもNHKの完全運営は困難であるという印象を持っていることは、私は率直に申し上げたいと思います。
#280
○鈴木強君 むずかしさのあることは私も同感です。同感ですが、私がなぜこういうことを申し上げるかというと、やはりNHKのような特殊な職種の場合には、特にその必要性があるからと思ったからです。それで会長が勇断を持って、そういう前例を開いておりますからね。ですから、社会環境とかいろいろな慣習はなかなかそれをまだまだ前進させるためにうしろから応援してくれるという体制ではないと思うのですが、それをやらなければやはり近代的な経営というものは成り立たないでしょうし、また、従業員の全体の奮起というものは成り立たないと思うのです。ですから、たとい中学校を卒業しただけであっても、実力がある者はやはり部長にでもなんでもどんどん昇進させてやるという、そういうやはり私は思い切った魅力のある人事管理というものをしてこそ、初めて一体感というものが生まれると思うのです。そういう意味で申し上げたわけですから、ぜひひとつ前向きで困難はあっても進んでほしい、こう思います。
 それから最後に、小さいことで恐縮ですけれども、「紅白歌合戦」というのはまた暮れにやるのですか。何かいろいろ評判がよかったり、悪かったり私たちも聞くのだけれども、依然としてまたやるのですか。
 それからもう一つは、「夏の紅白歌合戦」というのを始めようとしているようですけれども、聞くところによると、八月二日夜七時半から九時半まで二時間、明治・大正・昭和の三代にわたる代表的流行歌を集めて思い出のメロデーを送ってくれるようでありますが、われわれ時代感覚のある者は、昔に郷愁を持つ者は、多少なつかしのメロデーということになると、これはいいなというような気もするわけですね。一体これは本腰でやるのですか。この二つだけ。
#281
○参考人(川上行蔵君) 「紅白歌合戦」はいま毎年いたしておりますが、現在本年も実施いたしたいと、このように考えております。
 それから、「夏の紅白歌合戦」というのは、別にわれわれ「夏の紅白歌合戦」という意味じゃなくて、昨年も実施いたしました。なつかしのメロデーといいますか、明治・大正・昭和のそういう古い歌がやはりお年寄りには受けておりますから、暮れの紅白が若い人向けとすれば、お年寄り向けというような意味において、それをやったほうがいいのじゃないかという意味において、これをいま考えている、実施をいたしたいわけでございます。
#282
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、本件に関する本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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