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#1
第061回国会 逓信委員会 第27号
昭和四十四年七月十五日(火曜日)
   午前十一時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十一日
    辞任       補欠選任
     浅井  亨君     鈴木 一弘君
 七月十五日
    辞任        補欠選任
     鈴木 一弘君     浅井   亨
     北條  浩君     山田 徹一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永岡 光治君
    理 事
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
    委 員
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                寺尾  豊君
                久保  等君
                野上  元君
                森  勝治君
                山田 徹一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
   政府委員
       郵政政務次官   木村 睦男君
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
       電気通信監理官  浦川 親直君
       郵政省電波監理
       局長       石川 忠夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   参考人
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○委員派遣承認要求に関する件
○有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、北條浩君が委員を辞任され、その補欠として山田徹一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(永岡光治君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一〇六号)(衆議院送付)の審査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により議長に提出する派遣承認要求書の作成等も便宜委員長に御
 一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#7
○委員長(永岡光治君) 有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第
 一〇六号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本法律案に対し質疑のある方は、順次御発言願います。
#8
○森勝治君 この法律案は、御承知のように、先般衆議院において一部修正されておりますが、政府原案の骨子は、いわゆる高層ビルなどによるテレビの受信障害が大都市において著しく増加をしておるものですから、これを解決するために有線方式によらざるを得ない。そこに、有線テレビ業者の乱立を防止をしながら 視聴者の利益の保護をすることをもって目的とする、こういうことを言われておるわけでありますが、私は、衆議院の質疑、討論等を見てもわかりますように、この改正案がはたして視聴者の利益の保護に大いなる寄与をし得るかどうかという点については、少しく疑問を持たざるを得ないのであります。当然これは従来の形態からいたしましても、たとえば、NHKならばNHKの電波のおもむくところNHKの力で、いわゆる放送業者がその力で国民の皆さんの聴視を完全にするというたてまえであり、これを政府が今日まで指導し、NHKも今日においては、多額の予算を投入してこの難視聴等については解消に努力している、こういう段階であります。これは御承知のとおりであります。
 そこで、私はお伺いしたいんでありますが、大都市といわれます大体東京、大阪、最近は七大都市というふうになっておりますが、当面する何と申しましても、東京と大阪のビルの谷間における問題の解消だろうと思うんでありますが、それではいま東京、大阪をはじめ大都市における電波受信の障害というものの現況についてお伺いしたいんであります。さらに、いままでとられてこられました、本法案の実施までにおける、まあそちら側から見れば救済措置ということばをあるいは使うのかもしれませんが、適切な措置、電波障害の解消のために、それぞれ御努力をいただいたはずでありますが、そういう点についてのお答えもいただきたい。
#9
○政府委員(石川忠夫君) まず、大都市における電波障害の実情でございますけれども、これは一つは、電波障害の程度というものはいろいろな態様がございますし、それからもう一つは建物だとか、その他の構築物が次から次へできていくということだと思いますので、受信障害の被害世帯というものを正確に把握するということは非常に困難でございますが、最近におきまして、NHKが受信相談に応じました件数、あるいはそれによる被害世帯数というものを申し上げますと、四十三年度でございますが、東京都におきましては、二百二十件で約九千世帯が被害世帯になっております。それからまた、大阪におきましては、件数にいたしまして二百九十件で、大体三千世帯というものが対象になっているわけでございます。これは先ほど申し上げましたとおり、NHKが相談に応じまして処理いたしました件数並びに被害世帯数でございますので、実際には、これを相当上回っておる、数倍になっておるのではないか、こういうふうに考えられます。
 それから、これに対する従来やってきた対策といたしましては、御承知のとおり郵政省あるいはNHKあるいは建設省その他関係者、関係団体が電波障害防止協議会というものを結成いたしまして、その防止協議会の各団体に、いろいろな受信障害がある、こういうふうに申し出た場合に、その相談に応じまして、それぞれこの解決策を講ずべく技術的な指導をやってまいるというのが従来の対策でございます。
#10
○森勝治君 いま後段でお答えいただいた、その技術的な指導というものを具体的に表現しますと、どういうことですか。
#11
○政府委員(石川忠夫君) いままでやってまいった一番大きな技術的な指導は、アンテナの位置を移すということが一番大きなことでございまして、どういうところにアンテナを移したらいいか、あるいはただ単にアンテナを移すだけではなくて、数世帯が一緒になって共同アンテナを高いところに上げるという措置をするための技術的な指導を行なってまいっております。
#12
○森勝治君 この難視聴というのは、ほとんど最近におけるビルの乱立か、まあ乱立ということばはどうかと思うのでありますが、ビルを建設したその結果が、その大都会における難視聴の原因のすべてですか。
#13
○政府委員(石川忠夫君) もちろん、御承知のとおり都会における受信障害の原因といたしましては、お話しのとおりビルによるものが一番多うございます。それからそのほかにも、ビルではございませんで、高速道路その他の構築物もございます。それから自動車の点火せんによるもの、要するに自動車が非常に多くなってまいりまして、道路に面したようなところでは、そういった自動車の点火せんから発します雑音というようなものによります受信障害があるわけでございますが、お話のとおり、非常に大きいものはビルによる障害でございまして、この比重はいよいよ大きくなってくる、こういうふうになっております。
#14
○森勝治君 NHKにお伺いしますが、いまお答えいただいた二百九十件、三千世帯ですか、何かそういうことで完全な具体的なお答えにはならぬわけでありますが、断片的なお答えの中で、大都市の電波障害の問題のお答えをいただいたわけでありますが、NHKとしては、一体、受信料の問題については、これらの問題は、いまことあげされた問題についてどう対処されておるのですか。
#15
○参考人(佐野弘吉君) ただいま電波監理局長からお答えがありましたように、これまで建造物の障害によりまして電波の障害が起きたというものは、NHKをはじめ関係機関、これは郵政省の御指導等もありまして、電波障害の防止協議会ができておりまして、各都道府県ごとにできております。これが出動いたしまして、たとえば建造物ができて、そのビル陰で十軒なり二十軒なりの被害が生じた場合には、いまの防止協議会が出動いたしまして、NHKの職員等も、その中心になっておりますが、技術指導をして、たとえばアンテナの、先ほどお答えがありましたように、建物の屋上にアンテナをつくる、そして各戸に有線でつなぐとかというような意味をも含めました技術指導を、これまでやってまいってきたというのが実情でございます。
#16
○森勝治君 受信料の問題についてお答えください。
#17
○参考人(佐野弘吉君) 受信料関係で、たとえば東京都内等を見まして、いま言ったような関係で受信料のお支払いを受けることについて、これまで何ら実際上の障害といいますか、受信料を払わないというようなことは別段に起きてまいっておりません。
#18
○森勝治君 いまNHKのお答えで、大都市における難視聴のゆえをもって受信料を拒否した例はない、こういうお答えであります。ところが、現実に、当委員会で先般新宿地帯を見て回った場合でも、難視聴の具体的な事例が例証されております。そこで減免要求や申請、そういうものがないからといって、現在は放置されておるわけだが、もしそうだとすると、かねてから郵政大臣が主張されております、完全に聞こえないもの、完全に見ることのできないものから聴視料は取るべきでないという説から、現在の大都市の様相というのは著しい隔たりがあるのでありますが、大臣は、これをどうお考えですか。
#19
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、原則的にいいまして、全国いかなる所を問わず、テレビの完全に見えないもの、聞こえないもの、そういうものから料金を取るべきでない、この基本原則はくずすべきではない、かように考えております。
#20
○森勝治君 そこで、電波監理局長に聞くのでありますが、大都市の電波障害は具体的な事例として現存することは局長も御存じのとおり、だから、いまお答えの中で、協議会等をつくって、難視聴の解消に努力をされているということで、大臣のお答えの、完全でないものから取るべきでないという説からいたしますならば、救済という表現はどうかと思うのでありますが、難視聴の解消全きを期すことができないとするならば、郵政省みずからが、そういう減免措置という立場を考えてやることもまた一つの行政のあり方ではないかと思うのですが、大臣は、ああおっしゃっておりますけれども、あなた方は、そういう問題についてはどうされようとするのですか。過去のことは問いません。大臣がしばしば言明されている考え方は、まさにそのとおりだと思うのでありますが、この大臣の言明どおり、電波行政の上において明らかにこれを反映する、完全でないものを国民に提供しておるのは不完全ですから、いつか私がこの場で指摘しましたように、むしろ不完全な映像をもってするならば、視聴者の方々は精神の不安定を覚えて、いらいらしてくる、そういう面からいたしましても これは国民生活の向上に何ら寄与しない。国民生活の上で障害物になる電波障害というのは、そういう個人的な衛生上からいっても、これはもう視神経の障害になる、こういう面からいっても、これは非常にゆゆしき問題だと思うのでありますが、ならば大臣のいまおっしゃったようなことばを、電波行政の上に完全に生かすためには、一体どうされようとしておるのか、このことをお答え願いたい。
#21
○政府委員(石川忠夫君) お話がありましたように、大都市におきましては、ことに、最近、高層建築物が多くなってまいりましたために、ゴースト等が生じて、完全な映像と申しますか、映像が――ほんとうにきれいな絵が見にくい、こういうような状況になっておりますが、この解決策といたしましては、従来、先ほど申し上げましたように、アンテナの位置を動かすあるいは共同アンテナを立てることによって救済するということをやってまいったわけでございますが、最近におきましては、ことに、ビル陰の障害というものが多くなってまいりましたことと、もう一つは、こういったものの障害の救済というものが、有線テレビによる以外には方法はないのではないかということになっておりますので、こういった有線テレビによって救済をしていこうというのが、今後の趨勢と申しますか、そう考えておりますが、この有線テレビを業としてやろうという機運が大都市において出てきているというところから、有線テレビを業として行なう者を、そのまま放置するということをいたしますれば、乱立するおそれがございますし、その乱立に伴ういろいろな弊害が受信者に及ぶ、こういうことで、今度の改正案をお願いして、これによって、受信障害を解消してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#22
○森勝治君 大都市の難視聴については、有線テレビをもってその解消につとめるということについては、私も、時代の趨勢として、そう変わるべきものであろうとは理解をいたします。しかし、視聴者の側からいえば、有線テレビというものとの受信契約を結ぶか結ばぬかというのは個々人の自由意思でありますからね。NHKのものと違って自由でしょう。それをお答えいただきたい。
#23
○政府委員(石川忠夫君) 加入するか、しないかは自由でございます。
#24
○森勝治君 ですから、有線テレビの恩恵――恩恵ということばはちょっと語弊がありますが、契約をして、その供給を受けることのできる方々はよいか知らぬが、それらの契約をしない方がたくさん当然生まれてくると思う。いいですか、生まれてくると思う。金のあるもの、それらの方々は有線テレビと契約してできるが、金のないものは契約ができない。できないものは依然としてビルの谷間の陰のじめじめしたところで、鮮明な画面を見ることができない。救済ができない。そこで、私は先ほどの質問を設定いたしましたのは、そういう方々を、一体どう救済するのかということです。有線テレビと契約しない方々が残るはずだから、どうするのか。有線テレビと契約をしてもだめな場合があるでしょう、ものによっては。必ずしも、これが完全無欠だとは言い得ないわけですから、そうすると、依然として難視聴は――難視聴の比率の変動はあるでありましょうが、残るわけです。難視聴という問題がついて回る。テレビが放映を続けている限り、こういう問題は出てくる。大臣は、不完全なものは受信料をとらないと言っているわけだから、有線テレビと契約して電波の供給を受けている家庭はよろしいが、受けない家庭については、どうされるのかということが私は聞きたかったのであります。ですから、大臣は、くどいようでありますが、完全な映像のものでないものは取らないとおっしゃるのだから、有線テレビと契約しない方々で、不鮮明な画面で甘んじなければならぬ方々に、当然これは受信料の免除という公的措置がとられてしかるべきだと、私は思うのです。そういうところまで心を配らなければ、今回提案された法案の趣旨が完全に生かされてこないのではないかと、私は思うのであります。ですから、その点どう対処されようとしているかお伺いしたい。
#25
○国務大臣(河本敏夫君) ちょっと、その前にもう一回補足さしていただきますが、先ほどの御質問では、完全に見えないものに対してはどうするかと、こういうお話でございまして、完全に見えないという意味は、私は全然見えないと、こういう意味に理解しておったわけでございます。いまの質問では、完全に見えないという意味、一〇〇%見えないと、そういうふうに理解しておられるのじゃないかというふうに思いますので、もし、それでなければけっこうなんでございますが、なお、いまお尋ねの問題につきましては、詳細、電波監理局長からお答えすると思いますが、これは当然CAテレビに加入できないものは、個人でアンテナを立てて見えるようにするとか、あるいはまた何軒かよって共聴のアンテナをつくって見えるように設備をするとか、そういう方法をとるしかないのではないかと、こういうふうに考えます。
#26
○森勝治君 大臣、せっかく御親切にお答えをいただいたのでありますが、それは、私がお答えをいただこうとする趣旨と若干違うのであります。業者からの有線テレビの放映を受ける、業者と申しましょうか、一つの例として業者という表現を用いますが、業者から有線テレビの放映を受けることのできる人はよいでしょうけれども、受けることのできない方々についての受信料の免除の点は、どうかというのが私の質問の要旨であります。ところが、いま大臣のお答えは、そういう方々、放映を受ける以外の方々は何人か集まって、そういう施設をみずからつくるか、個々人ならば、アンテナを高くする等にしたらよろしかろうという御意見であります。そういうこともあるでしょう。個人個人はやはり不完全な放映を受けることはいさぎよしといたしませんから、快適な生活を営むために、やはり画面も鮮明でなければならぬ。しかも、それは明るいものを期待する。これはだれでも同じであります。このことについては人種、性別、国境を越えても同じであります。万国共通であります。多少しゃれめいた表現を用いましたが、同じであります。しかし、それをやっても、まだ鮮明な画像の受信を得ることのできなかった方々――私の完全というのは標準です。標準の映像を受けることができなかった、こういうことを言っているわけであります。完全めくらという意味ではありません。ですから、そういう方々には、当然これは減免措置という方法をもってしなければならぬのではないか。そうでなければ、片手落ちではないか。高い金を出してCAテレビと契約する者はよいけれども、それ以外の者は自業自得だ、あとは知らないということであるならば、大臣が、しばしば言明されたこの考え方と電波行政というのは隔たりがある。瞬間に千里を走る電波であります。したがって、その辺の行政というものも、打てば響く電波行政でなければならぬわけであります。それで初めて私は生きた行政であろうと思うのであります。
 〔委員長退席、理事鈴木強君着席〕
努力してもだめなもの、これについてもやはり行政的な措置があってしかるべきものだ。ですから、そのことについてどう考えておられるかということです。ごく簡単に、私の質問を、このことについては再質問いたしておりますから、それを要約いたしますと、大臣のお答えになったような努力はしたけれども、なおかつ完全に標準のいわゆる鮮明な画像の提供を受けることのできなかったビルの谷間の陰に泣くそれぞれの家庭の方々の減免措置という方法は、一体とられるのか、とられないのか。自業自得だということで放任しておくのか。その辺のことをひとつ明快にお答えいただきたい。
  〔理事鈴木強君退席、委員長着席〕
#27
○政府委員(石川忠夫君) 私どもといたしましては、NHKの使命というのは、やはり全国あまねく波が行くようにするというのが使命でございまして、結局、言いかえますならば、放送区域の中に日本全国がおおい尽される、こういうことがNHKの使命だ、こういうふうに考えているわけでございますが、都市におけるこういった受信障害というものは、もちろん、東京を例にとっても大阪を例にとっても、これは放送区域の中にあるわけでございまして、もし高層建築物が最近のように建たなかったならば、当然見得る場所でございます。きれいに見える場所でございますが、こういった高層建築物が建ってきたために、あるいは自動車が非常にふえたために、その他の理由によりまして見にくい画像になったわけでございまして、こういったものまでも、全部をNHKの責任としてこれを受信料免除するということは、受信料の、何と申しますか、全国民的な基盤に立つ受信料の性格からいいましても、財政面、また、今後こういった難視聴がふえていくということから考えましても、受信料を免除するということは困難のように私どもは考えているわけでございます。
#28
○森勝治君 それならば、大臣がしばしば答弁されたこととの違いをどう解明されようとするんですか、監理局長。
#29
○政府委員(石川忠夫君) 私は放送区域の中に入って、当然とにかく見えるところで見えなくなっているというのは、これは分析的に言うならば、加害者があって、その加害者のために見えなくなる、かように考えるわけでございますが、したがって、これは放送事業者としては、電波は送って届いているんだけれども、それがほかの人為的な加害者によりまして見えなくなる、こういうことでございますので、それに対しては、放送事業者の責めに帰するということで受信料を減免するということは適当でないのではないかと、かように考えるわけでございます。
#30
○森勝治君 ただいまのお答えの説は、従来の説と若干異なるような気がするんですが、よろしいかな。
#31
○政府委員(石川忠夫君) これは先ほど大臣がお話しになりました実際に見えない、薄ぼんやり、ほんとにぼんやり見えるというようなものは、これは見えるという範疇には入りませんで、これは実用に供するというものではありませんので、そういった面においては、契約の対象外になるのではないかと思いますが、普通に見える、いろいろな雑音が入ってくるにもせよ、とにかく見えるというものについては受信料を徴取するのがこれは当然だと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#32
○森勝治君 どうも私がお答えいただこうという線とは非常に隔りがあるんであります。むしろ、電波が、おたくのほうの電波と私のほうのアンテナがこわれているのか、そちらの送信機が変なのか知りませんけれども、どうもかみ合いませんね。不完全な包囲を受けている。もっと平べったいことばで申し上げますならば、画面が鮮明でないもの、だれが見ても鮮明でないもの、こういうものについては受信料を取るべきでないという理解はある。これは代表的お答えでありましょうが、そういうお答えをしばしばされている大臣であります。これはあたりまえです。そうだと思う。かくあるべきだと思う、私は。したがって、そういう方々に対する減免措置ということは、どうこれから対処されようとしているのか。CAテレビで救済できるものはよいでありましょうが、救済できない方々もあるのじゃないか。そういう方々についての措置はどうだ、このことが私聞きたいのでありますから、そのことを具体的に教えてください。
#33
○政府委員(石川忠夫君) CATVに加入されない方で、ほんとにきれいな絵を、理想的な映像を見るためには、アンテナの位置を移して高いところに上げる等の措置をみずからしなければならないことになろうかと、こういうふうに考えます。
#34
○森勝治君 アンテナの位置を高くみずからしなければならないという法制化ができますか。そういうことはできないでしょう。あるいは百歩譲ってあなたのおっしゃったように、そのことは大臣もおっしゃった。みずからの力で鮮明な画面を見たいと努力はするけれども、だめな場合にどうするかということなんですよ。だめな場合、放送法のたてまえからいっても完全な音声、完全な映像を送るということでしょう、完全な。それはあれですよ、受信者の責めに帰すべきことを言っているんじゃありませんよ。いいですか、たとえばテレビがもう古くなってしまった、当然これは老朽化ですから、鮮明度を欠きます。こういう場合は、これはもう論外でありますけれども、正常なテレビをわが家に備えつけて、あなたのおっしゃるある程度努力いたします。しかし、それでもCAテレビに加盟しない方々は、加盟する方は問題でなく、当面の問題はCAテレビに加入することによって解消するでありましょうが、加入できない方、しなかった方、それを自業自得だとして、ほうっておくということはあまりにも冷たい仕打ちではないかと私は思うわけであります。したがって、当然これはその辺にも法の考え方というのは及んでしかるべきもの、このCAテレビ法案なるものを提案されるときには、そういうところにも手の届く考え方を明確にして法案というのは提案されてしかるべきもの、私はこのように理解するわけであります。あとは自業自得だ、アンテナ上げろ上げろ、それでは行政という点から若干それるんじゃないでしょうか。国民のためのテレビ、国民のためのラジオ、国民のための電波行政という考え方からいたしますならば、自業自得、あとは野となれということはいかにも思いやりのない仕打ちだと私は思う。したがって、今後どう対処されるのかお答えいただきたい。検討する余地が十分あるものとの理解のもとに私は質問をしているわけであります。
#35
○政府委員(石川忠夫君) 放送には、御承知のとおり放送区域がございまして、放送区域の中でも、発信点から遠ざかるに従って電波の強さが弱まってまいります。したがいまして、放送区域の中においても、場所によってはアンテナを高くするところがあり、屋内アンテナで済むところがあるというふうに、場所によって違ってくるわけでございますが、都会におきましても、先ほどお話のございましたように、いろいろな原因によりましてそういった電波の届き方がぐあいが悪いというような地区と申しますか、場所ができて、受信者に迷惑をかけているわけでございますので、今後、こういった問題につきまして慎重に検討してまいりたいと考えております。
#36
○森勝治君 いま局長が言った慎重に検討というのは、私が執拗に再三質問を繰り返しておりますところのCAテレビ等をもってしても、加入しなかったものをここではかりに救済という表現を用いますよ、救済し得ることのできなかった視聴者については減免等の問題を含めて検討する、こういうお答えと承ったんでありますが、よろしいですか、そういう理解で。
#37
○政府委員(石川忠夫君) そのような意味で検討をしてまいりたいと思います。
#38
○森勝治君 それでは同じ問題でありますが、違う角度から申し上げましょう。しばしばの会議では、建設省等と相談をして建築基準法の面において措置をしたい、難視聴を解消したい、こういうことをお答えをされているわけでありますが、今度改正になりました建築基準法のどこを見ましても、そういう条文は一言も載っかっておらぬわけであります。このいきさつをお聞かせ願いたい。
#39
○政府委員(石川忠夫君) 建築基準法の改正の際にも、郵政省から建設省に対しまして、建築主に対しまして被害者と協議をして、そうして障害を除去するための必要な措置を講ずべき義務を挿入してもらいたいということを申し入れたわけでございますが、現実にはこれが取り入れられておりません。
#40
○森勝治君 それは郵政省の切なる願いをもってしても、建設省をゆり動かすことができなかったということですか。折衝の面で何ら欠くるところがなかったけれどもということですか。
#41
○政府委員(石川忠夫君) 建設省といたしましては、そういった必要があることは認めてくれているようでございますが、建築基準法に入れるということについては、こういった規定と、率直に申し上げますとなじまないと、こういう点もありまして、検討するということで、今回の改正案に間に合わなかった次第であります。
#42
○森勝治君 従来、郵政省は、この大都会における難視聴の問題を公害の一種という理解の表現を用いておられましたね。局長、そうでしたね。
#43
○政府委員(石川忠夫君) 公害の一種と申しますか、公害のようなものというような表現を用いていると思います。
#44
○森勝治君 そこで、この種の公害から救済する意味を持ちましても、公害基本法の中にこれを盛り込んで解決をはかりたい、こういうことも会議でしばしば言明されておられますね。
#45
○政府委員(石川忠夫君) さようなことを申し上げた記憶はございませんが……。
#46
○森勝治君 一種の公害とみなすならば、公害を解消する、そういう努力をすることは当然でありましょう、そうでしょう。あなたのことばの中でも、公害の一環として、その対策を検討していきたい、こういうお答えをしているわけでしょう。いまだってはっきりと、一種の公害だと言明されているでしょう。大都会における難視聴の問題が、ビルの続出に伴う難視聴の問題が、広義における公害という理解を持つならば、公害を解消するために郵政省は努力することは当然であります。ならば、公害基本法の中にこれを盛り込んで、あなた方がしばしば言明する国民の生活を快適たらしめるための努力をするのが正しいあり方ではないでしょうか、そうでしょう。
#47
○政府委員(石川忠夫君) 公害のごときものであるという考え方に立ちますと――立つか、立たないかは別として、こういうものをなくすように努力すべきであると、私どもは考えております。
#48
○森勝治君 努力すべきであるということはしばしば言明されているわけでありますから、一昨年、公害基本法が制定され、その実施法の中にも郵政省としては当然主張されてしかるべきじゃないですか。私が前の問題で建築基準法との関連について御質問申し上げたときには、建設省に具体的に提言をなさっておられるわけであります。そこまで努力をされている郵政省が、一種の広義における公害という理解のもとに立っておられるあなた方が、それをやらぬということもおかしいし、現におやりになってきたのではないですか。具体的な成果が得られないからといってやっていないとおっしゃることは、ぼくなんかどうにも合点のいかない答えと思うのであります。なぜ郵政省がそういうことをどんどんどんどん意見を出していかないんですか。やらないことはむしろいかぬが、やってきたことをなぜやらないというのです。正直言ってくださいよ、あなた方努力しておるわけだから。そのこと多少の力関係があるでありましょう、法案の成文化についてのいろいろ各省の意見が出ますから、いまはだめでもこの次は、ということはあるでしょう。当然努力すべきだし、いままでもやってきたんじゃないですか。現に、建設省と折衝してきたとあなたは言明されているじゃないですか。前の答えそうでしょう。だから私は、広義における公害の一環という表現を用いてきている。現に努力してきていることをやらないというのはどうなんですか。なるほど、私は公害基本法というような表現を用いましたから、その中に盛り込む努力はしなかったというお答えかもしれない。しかし、あなた方の言う公害を除去する努力をしてこなかったというようなことはおかしいので、よく考えてお答え願いたい。自分たちが努力してきたことをやらないと言うのは、非常に謙虚な態度だと理解するわけだが、しかし、それではどうも公害から国民を守る熱意に欠けているように受け取らざるを得ない。しかし、現実にあなた方折衝してきておるのだよ。折衝してきておる段階でやらないというのは、折衝したにもかかわらず、成果がなかったと言われては困るというので、そういうお答えかもしれないけれども、もう少しものごとを正直に、大臣が申される、いつも言われる前向きの答えをいただきたいのですが、そのことについて。
#49
○政府委員(石川忠夫君) 先ほども申し上げましたとおり、建築基準法の改正の際、建設省とはその前から折衝いたしておりますが、基準法の改正の際にも、こういったことについて条文を入れてくれということを建設省のほうへ申し入れたわけでございますが、これについては、残念ながら取り入れられておらぬのでございます。そういったことは従来からやっておりますが、この公害対策基本法につきましては、ただいまお話もありましたとおり、この基本法に定義してございます公害というものには、一定の定義がございますので、この定義と、私どもは受信障害とはいささか違うのではないか、こういう考え方で、いままでのところは、公害対策基本法には受信障害というのは入っておらないという経過になっておるわけでございます。
#50
○森勝治君 それでは方向を変えて質問いたします。
 あなた方の言われるこの種の問題は、一種の公害という表現を用いられ、いま私が質問いたしましたときも、お答えいただいた。それならば公害を解消する、公害をなくする努力をする必要があるでありましょう。口でばかり公害だ公害だといえば、いまのはやりことばで逃げられると思っては困ります。あなた方が公害だと言明されるならば、公害を解消する努力をされなければならぬでしょう。その努力をされましたか。
#51
○政府委員(石川忠夫君) 具体的には先ほど申し上げましたように、テレビにおける受信障害の解消のために建設省と折衝するための努力をしてまいっておるところでございます。
#52
○森勝治君 この種の問題が公害だということだとするならば、当然、公害対策基本法あるいはまた実施法の中に盛り込んで、問題の解明と同時に、その解消をはかるのが本来のあり方ではないですか、私は、そう思うのであります。せっかく建築基準法の中にも、この考え方を浸透させようと努力されているあなた方でありますから、公害という説をとられる限り、公害基本対策法の中にも、皆さん方の考え方を及ぼすのが正しいあり方ではないでしょうか。今後、そういう面についても、当然御努力あってしかるべきものだと、私は理解を持ちますが、大臣どうですか。
#53
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどから質疑応答がございましたように、公害対策基本法にいうところの公害は、これは水あるいは空気の汚濁、汚染、あるいは騒音、振動、あるいは悪臭と、こういうふうな生活できにくいような環境が生ずる、それを除去していくというのが、公害対策基本法にいうところの公害対策という考え方でなかろうかと思います。そこで、大都市におきまして、ビルであるとか、自動車の増加、電気施設、こういうことからテレビが見えにくくなる、これは、公害対策基本法にいうところの公害とは少しやっぱり範疇が違うんではないかと、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
#54
○森勝治君 大臣、私がなぜ公害という表現を用いて質問しておるかと申しますと、それは出所は、そちら側にあるんですよ、そのことばの出所は。よろしいですか。あなた方は、公害対策の一環として救済を検討してまいりたい、こういう御説明をかつてされておるから、私がこういう質問を申し上げているんですよ。このことと、大臣のいまのお答えはまるっきり違うんじゃないですか。ちょっとお考え違いされているんじゃないですか。思い出してくれませんか、局長、どうですか。
#55
○国務大臣(河本敏夫君) これは広い意味から言えば、あるいは公害的なものに当然入るとは思います。しかし、いま申し上げたのは、公害対策基本法にいうところの公害という範疇からは相当隔たりがあり、また別の意味であろう、こういうことを申し上げたわけでございます。
#56
○森勝治君 しかし、公害対策の一環ということの理論的な解明、説明を私どもに与えておるわけでありますから、それがよしんば広義であろうと、狭義であろうと、その両者のいずれであるとにかかわらず、大臣もいまいみじくもおっしゃった広い意味の公害であるということであるならば、成文する過程の中で、もろもろの議論がそれはおありでしょうけれども、やがては公害対策基本法の中にこれを盛り込んでいくというのが、水は低きに流るるという自然の姿ではないですか。それは違うんだとおっしゃるならば、公害という表現は用いないほうがいいでしょう。大臣がおっしゃるように、なるほど公害防止はたくさんありますよ。河川の汚濁の問題についても、あれはざる法的なものだと、あってなきにひとしいとかつて言われた。そのために、それじゃだめだということで、今回不完全ながらも公害対策基本法というものが一昨年成立したわけですから、あの時点では、なるほどこれをあの中に包括することは、作業その他から言ってできなかったかもしれぬが、法の考え方からは、そういう中にそれを収容し、国民の生活を守るということになってくるのじゃないですか。何もごみが具体的に天から落ちてこない、ほこりが立たない、だから公害ではない、基本法には盛られないということではないでしょう。公害という広い視野に立つならば、電波障害も公害という一種の公害説をとられるならば、いま直ちにでないとしても、いくいくはそういう努力があってしかるべきではないのですか。全然違うのですか、局長、この点は。
#57
○政府委員(石川忠夫君) 公害対策基本法の公害というのは、ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、いままで受信障害を公害の一種あるいは公害的と申し上げておるその公害は、非常に広い意味で申し上げたと存じます。で、これを公害対策基本法に入れるかどうかということにつきましては、現在の公害対策基本法の公害とは、解釈といいますか、範疇が違っておりますが、今後これをどういうふうに入れていくか、入れていかないかということにつきましては、関係の向きともさらに折衝してまいりたいと思っております。
#58
○森勝治君 せっかく御努力をくださるということですから、私は次の問題に移ります。
 私が当委員会でもしばしば申し上げているように、テレビとかラジオ等は何と申しましても、国民生活の中にとけ込んでおります。したがって、もうわれわれの生活に欠かすことのできないものでありますことは皆さん御承知のとおりであります。しかも、最近とみに顕著になりましたこの大都市の難視聴の解消の問題については、わが党も全面的にこれに賛成するものであります。ただ、従来は山陰等の自然発生的な難視聴の解消等については放送事業者にそれを課しておるわけですね。あなた方の力で山陰等の難視聴を解消しなさいと、こう言っておりながら、片や都市の難視の解決をはかる場合には、これら放送業者と別個の、再送信ということばを用いていますが、再送信事業者というもの、いわば仕入れテレビ業者とでも申すべきなんでありましょうが、こういう方々に行なわせようとする意図は一体どういうことなのか。郵政省は従来の考え方をお取りかえになったのか。先ほど局長は、加害者などという表現を用いておられましたが、そういう意味合いからとりますと、どうも最近この郵政省の考え方が違ってきたような気がしてならぬわけでありますが、この点についてお答えをいただきたい。
#59
○政府委員(石川忠夫君) 山陰等によりましてテレビが見えない場所というのは、やはりそこに放送電波が届いていない地域、言いかえれば、放送区域の外にある地域でございますので、こういった地域は中継局を設けるか、あるいは補助的な手段として有線放送によりまして解決していかなければならぬわけでございますが、一方、都市における難視聴地区は放送局からの電波は現実に届いておりながら人為的な原因によりまして受信障害が生じているわけでございますので、こういった受信障害の解消につきまして、NHKあるいは民放といった事業者がそれぞれ単独にその解消をはからねばならないという義務があるとは言い切れないというふうに私ども考えているわけでございます。とはいうものの、放送事業者が、これを放置しておくということは適当でございませんので、再送信事業というもの、また再送信事業というものは、地元の放送事業者と密接な関係にあるのでございますので、NHK、民放事業者、その他関係者が相協力をいたしまして受信障害のために再送信事業の運営に当たると、こういうことが最も望ましいと、かように考えているわけでございます。
#60
○森勝治君 どうも、お答えが都市の難視聴などは、山陰等の難視聴と違うんだという御説明ですね、そういう解釈をお持ちであります。したがって、ことばをかえますならば、放送事業者が良好な電波を送っておるが、これがビルという、まあビルが加害者だなんて言うのはおかしいのでありますが、第三者の加害者とでも申しましょうかね、第三者の加害行為によって発生するものであるから、放送事業者には責任がない、こういう説をおとりになっているのですか。
#61
○政府委員(石川忠夫君) 放送区域内における難視聴、人為的な原因による難視聴につきまして、NHK、民放事業者が全面的にこれを解消する義務があるというふうには考えておりません。
#62
○森勝治君 全面的に放送電波の届く放送区域と申しましょうか、放送区域の中における難視聴は放送業者がその解明と解消をはかる義務がある、こういうお答えですね、違うのですか。
#63
○政府委員(石川忠夫君) 放送区域内における人為的な原因による難視聴、受信障害につきましては、その人為的な、何と申しますか、原因者と申しますか、加害者と申しますか。そういったものの責任にあると、こういうふうに考えております。
#64
○森勝治君 せっかく具体的な質問に入ってきたのでありますが、御承知のように当委員会は定足数に欠くるところがあります。残念でありますが、これではわれわれが国民のためのテレビ、国民のための放送事業のために参画する当委員会の意義がそこなわれることになります。したがって、私は、きょうは時間をいただいたわけでありますが、これでは質問ができませんから、とりあえず休憩をしていただきまして、会議が成立する運びになりましたならば、再び私の発言をお許しいただくようにお取り計らいをいただきたいと思います。
#65
○委員長(永岡光治君) 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十六分開会
#66
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前引き続き、有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一〇六号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
#67
○森勝治君 先ほど、私が午前の部の最後に質問申し上げた問題は、従来、政府の方針が、大都市における聴視難というものは山陰等に起こった難視の問題と違んだという、こういう解釈に立っておるのではないかということを質問したわけでありますが、一般の国民の立場からいいますと、ビル陰であろうとも、山陰であろうとも、テレビが完全に見えない、あるいは聞こえないということは同じであります。それは草深きいなかといえども、大都会といえども変わりないわけです。いわゆる不便ということについては共通しております。ところが、郵政省は今度の法案の提出された趣旨の中でも、午前の部における担当局長のお答えからもうかがい知ることのできるのは、従来のテレビ受信障害の問題については原因者負担主義というものから、すなわち、加害者に責任をとらすべきであるという、こういう従来の考え方を表明しておったものが、今度はCAテレビというようなもので聴視者がみずから多額の……、まあ免許制にするそうでありますから、その辺のことについての、料金についての言及、監督指導もおありでしょうけれども、従来の聴視という観念からいいますならば、CAテレビは多額の負担金を国民の側でしょわされる、ことばをかえますならば、聴視者にしわ寄せがされるような気がしてならぬわけであります。したがって、そういう点については、郵政の考え方の方針が、従来とだいぶ隔たりのある方向に向かっているような気がしてならぬのでありますが、その点はどうですか。
#68
○政府委員(石川忠夫君) ただいまお話がございましたように、従来から人為的な原因による難視聴につきましては、原因者と申しますか、加害者と申しますか、そういったものが負担すべきであるという考え方のもとに、加害者である主として建築主と、それから被害者であります受信者との問にNHKあるいは郵政省が入りまして、そうして、そこのところの調整をしていくということで、解決をしてまいってきたわけでございますが、高層建築物が非常に多くなってまいりますと、この加害者というものは非常に複雑な様相を呈してまいりまして、そういったものが、だれが加害者であるかということがはっきりしない場合が出てくる。こういうことと、もう一つには、こういった受信障害に対する救済措置としての有線テレビというものを業としてやろうというものがあらわれてきた。こういうことで、これはその組合に加入するかどうかということは、これはお話しのありましたとおり自由でございますが、その組合に入っておれば非常に理想的な映像が見られる、こういうこと。それからそういった有線テレビとしても相当な施設をつくらねばならぬ、こういったことがらして、一部の施設費あるいは維持費を負担していただかなければならない。こういった考え方で有線テレビに臨んでいるわけでございます。
#69
○森勝治君 いまCAテレビ業者の提供する放映をもらうことができれば理想的な映像が見られるという発言がありましたが、一体、それはどういう意図をもってそんな発言をされるのですか。本来テレビというものは、私はしばしば指摘しておりますように、われわれの生活の向上に寄与するもので、しかも、それは快的なものであるはずでしょう。おのずから放送基準があり、映像について鮮度幾らならば、これは標準だとか、いわゆる適切なものが、放送法に明らかに定められているのに、民間業者の施設を利用しなければ理想的な映像が見られない、そんなばかなことがありますか。それはあたりまえの映像じゃないですか。どこが理想的なのですか。そういうことを言われちゃ困る。
#70
○政府委員(石川忠夫君) 理想的と言ったのは、ちょっとことばが言い過ぎと申しますか、適切な表現でございませんで、これは何と申しますか、非常に良質な品位の画像が見られる、こういうことでございます。自分のうちあるいは近所の建物に自分でアンテナを上げまして、引っぱってきても同じような画像が見れるはずのものでございます。
#71
○森勝治君 それならばけっこう。放送基準というか、明るさ、鮮度、そういうものについては放送基準に合致した映像を受けることができる、見ることができる。こういうことでしょう。そういうことですね。しかし、そのためには加入料もしくは月々の聴視料というのでしょうか、CAテレビ業者に支払う。分担金、負担金、料金、どういう名称をもってするか知りませんが、いずれにしても、負担過重になるわけですね。そうでしょう。先ほどの御答弁にもありましたように、それがいやだからといってつけなければ、じめじめした暗いさみだれの降るような映像、あるいはブルってどうにもならない、そういうことになりますね。どうもお答え聞きますと、理想的ということばは一応修正されましたから、私は、あまり何だかんだ言いませんけれども、CAテレビを郵政があたかも礼賛するがごとく受け取れてならないんです。本来ならば、手放しで喜んだり、推奨したりするしろものじゃないでしょう。本来あるべき自然の姿というものは、ビルの谷間では現在の受信機をもってしてはいかんともしがたいから、人工を加えて、すなわち、CAテレビということで補うわけでしょう。補うわけだから、理想的な設備じゃないでしょう。理想的なんというのは、そういうことをしないで、いわゆるそこへほかのものを補助したり、何かしないのが理想的なんでしょう。理想的でないから、そういう形が生まれるわけです。ところが、現に負担過重になるわけですね。そうしますと従来言ってきた原因者負担主義というものから中身がすり変わってきたのではないですか、その点を明快にお答えいただきたい。
#72
○政府委員(石川忠夫君) 本来は、そういった人為的な原因によります受信障害につきましては、そういった原因をつくったものが責任を負うべきである、こういう基本的なたてまえに立っているわけでございますが、最近のように、だんだん高層建築にいたしましても、あるいは自動車にいたしましても、あるいは構築物にいたしましても多くなってまいりまして、したがって、そういった施設あるいは自動車等による雑音あるいは反射波等が多くなってまいりますと、これをどれとどれということを明確にし得ない場合が出てくるわけでございまして、こういったものに対する対策としては、やはり受信者と申しますか、受像側におきまして、テレビアンテナを高く上げる、あるいは共同のアンテナを高いところに上げてそこから有線で引っぱってくる、こういった施設を使うのがほとんど唯一の救済策になるわけでございます。
#73
○森勝治君 私は、午前の部でも申し上げましたように、大都市における難視聴を解消するためには、有線テレビを持ってこなければならぬだろうということは理解をします。そこまでは理解をいたしますけれども、本来、放送事業者が電波のおもむくところ、いわゆる区域内においては、当然放送業者において聴視者が完全な鮮明な画面を見ることができるように、適正な音声を聞くことができるように、こういうふうにしておったものを、今度はそれらの業者とは別個にCAテレビ業者というものに送らせなければならぬというそのところが、どうにも、私はわからないんですよ。その点がどうも先ほど申し上げましたように、原因者負担というものから受益者負担的な姿に著しく変わってきたような気がしてならぬわけですね。いまのお答えでも、その点変わったかと聞いたけれども、それは明確に答えられていない。その点は明快なお答えができないのかもしらぬ。しかし、これはできないのかもしらぬと言っても、私の一方的な推測でありますけれども。CAテレビに多額の加入料、設備料等の負担をもってしなければ、鮮明な、いわゆる障害のない地域における正常な姿の映像を目で見ることができないということであるならば、それらの地域の方々はそれだけ負担過重をしいられる、いわゆる受益者負担が増大してくる。そうなれば、これはいままで言われたのと郵政の考え方が変わってきた――これで三度目でしょう、大体指摘をするわけであります。この点をもう一度明快にお答えをいただくことと同時に、いま言ったように、従来の放送業者、たとえばNHK等が行なおうとする難視聴の解消の努力があるわけでありますが、そういうテレビ業者、放送業者に本来は行なわせるとしておきながら、今度は、全然別個な方々にこれをさせるという、この突然異変的な――私はあえてそういう表現を用いますけれども、急に変わってきたこと、そのことは、どうも合点がいかないのでありますが、その点をひとつ明快にお答えいただきたい。
#74
○政府委員(石川忠夫君) 従来の処理方針といたしましては、原因者負担と申しますか、加害者負担という考え方で処理をしてまいったことは先ほど申し上げたとおりでございますが、最近におきましては、ただいま申し上げましたように、この原因者が何であるかということが明確にし得ないような場合が生じてきておる。今後建物が、高層建築物がふえるに従いまして、こういった事案が多くなってまいりますので、こういった事態における難視聴の解消ということは、自分たちでまあ共同聴視施設をつくって解決をするか、あるいはこういったまあNHKあるいは民放、その他関係者を主体にいたしました公益法人が提供する有線テレビのサービスによりまして良質な画像を見ると、こういうふうなことにならざるを得なくなってきているわけでございます。
 それから、NHKあるいは民間放送がそれぞれ独自でこういった有線テレビをやったらどうかという御質問だと存じますけれども、私どもの考えでは、これは放送の再送信が主体になるわけでございますので、NHK、民放が主体的な役割りを持つでしょうけれども、そのほかにも関係者が入った公益法人というものをつくって、これによって運営させていきたいという考え方でおります。
#75
○森勝治君 ちょっと、そこまで先行されてはまことに困るのです。いいですか。CAテレビ業者の必要性を――私はそうしなさいと言ってるんじゃないのです。そういうことをしなくても、従来の放送法の心にのっとって従来の放送業者ができるのではないかと。そういうことを何も新たにCAテレビ業者――何かあなたの言うことによると、衆議院でもおっしゃったように公益法人ということを言っておられますが、そういうことはせずともできるのではないか。あなたの話を聞きますと、共同聴視施設をつくるか、あるいはCAテレビ業者のサービスを受けるか、あたかも大都市における難視聴の解消はこの二つしかないようなことを強く指摘しているのですよ。その以前になすベきことがあるのでしょう、そうでしょう。現に、NHKは都市の難視聴改善のために多額の金を出して積極的に難視聴の解消につとめようと四十四年の予算案でも提案をしているわけでしょう。だから、当然これは放送事業者に自己のサービスの一環としてさせるのが本来あるべき姿ではないですか。あなたの話を聞くと、もうそんなのやらぬでよろしい、ちょっとでも難視聴、難聴、難視の場合にはCAテレビをつくればいいのだ、団体をつくってやればいいのだと、そちらのほうばかり先行しているのじゃないですか、そうでしょう。そうじゃないですか。どうしてそういうふうに先行される話ばかりされているのか。私は、まだそこまで質問していないのですよ。これはいずれ、また後刻じっくりとあなたのおっしゃった、公益法人ということをおっしゃいましたから、そのことに関連して後ほどまたお伺いしたいと思うのですが、団体の必要性を認めるとまで私は言っていないのですよ。CAテレビというものの必要性は、大都会のビルの谷間に隠れてテレビの十分な、快適なテレビの提供を受けることのできない市民の皆さん方を救済するためには、焦眉の急としてはCAテレビというそういう形をもってしなければならぬだろうということは理解はするけれども、何でもかんでもそこへ押しつけてしまうということになると、放送法その他の関連からいたしまして、次から次へと問題が派生してくるおそれはないかと、私は考えているわけです。なぜそう先行されるのですか。これだとNHKのほうはもう何もやらぬでよろしいと、しかも、それは人為的なものであるから受益者負担的なものにもう変わってきたのだ、本来放送事業者がやるべきこともやらないでよろしいと、そのCAテレビを許可した管内は、ということになるおそれがあるのじゃないですか。そういうふうに持っていこうとしておられるのですか。よもやそうではないでしょう。
#76
○政府委員(石川忠夫君) 私の理解が至らなかった点がございまして、先ほどのような答弁になりましたが、まあ難視聴の問題につきましては、地方における問題と同じような解決方法がやはり都会におきましてもあり得ることでございまして、やはりNHKあるいは民放の何と申しますか、助成によりまして、共同聴視施設として、こういった難視聴の解消をしていくという方法もございます。そのほかに、CAテレビによる解決方法があるということでございます。
#77
○森勝治君 そういう御説明いただいたのでややわかってきたわけであります。
 とにかく、難視聴は何でもかんでもCAテレビで片づけるのだというそういうことを、あまりかけ離れた――前向きもけっこうでありますが、そのことばかりを前進させた考え方はできるだけひとつ慎んでもらいたい。なぜならば、放送事業者はみずからの負担において、自局の放送の区域内の視聴者には良好に聴視のできる番組を提供しなければならぬ責務があるわけでありますから、郵政当局もぜひともそういう面を中心として御指導いただきたい。それでなおかつ手の届かないところは、いまそちらからおっしゃったように、私も事実認識として、CAテレビの必要性については、それはもう認識をしておると申し上げているのですから、足らざるところはそれで補うという面でやっていただかないと、CAテレビのほうが先行してしまって、あとは何もやらんでよろしいと言われたのでは困るわけでありますから、この点はひとつお約束をいただきたい。
#78
○政府委員(石川忠夫君) 先ほど申し上げたとおりでございます。
#79
○森勝治君 先ほど東京、大阪等の大都市における難視聴の実態を当初お伺いをしたわけでありますが、さて東京、大阪、名古屋等大都市における民間放送業者各社の経営の実態というものはどうなっておるのでありましょうか。たとえば利益金の問題法人でありますから、株式ならば配当の率等、利潤の問題、そういう問題についてひとつつまびらかに教えていただきたい。
#80
○政府委員(石川忠夫君) 東京のキーステーションについて申し上げますと、東京放送は資本金五十億でございますが、最近の一年間におきまする収支差額が十億八千二百万円で、配当率は一割二分でございます。それから日本テレビ放送網は資本金が十二億でございまして、一年間の収支差額は七億八千七百万円でございます。それで配当率は一割五分というのが通常配当でございます。ほかに記念配当――短期の記念配当が三分でございますが、通常は一割五分でございます。それからフジテレビは資本金十五億でございまして、これに対しまして収支差額が八億七千八百万円でございまして、配当率は一割二分でございます。それから日本教育テレビは資本金十二億でございまして、収支差額が五億六百万円で、配当率は一割でございます。
#81
○森勝治君 最近、新聞などで見ますと、民放業者は本来の放送業務のほかに、たとえばこの新聞ですと、ホテル経営からバー、クラブまで副業に精を出す民放テレビ局というような見出しで載っかったりしてまいりますが、このように本来の放送事業とかけ離れた事業に、いわば放送事業以外のものに多額の投資をしているような報道をしばしば見受けるわけであります。この民間放送業者は、御承知のように、いわば国民の電波を専有して事業を営んでいるわけでありますから、当然これは大局的な見地に立ちますならば、それらの事業によって得た利潤というものは、やはり国民のほうへ還元すべきがこの種の事業のあり方ではなかろうかと、私は素朴に考えてるわけでありますが、郵政当局としては、郵政の御指導は、この辺はやはり弱肉強食でいこうとされておるわけですか。その辺のことは一切われ関せずということですか、お伺いをしたい。
#82
○政府委員(石川忠夫君) 確かにおっしゃるとおり、出た利益はできるだけ国民に還元すべきもの、こういうふうに考えております。
#83
○森勝治君 たとえば埼玉県等のある地域では、テレビ関係業者とおぼしき方々が盛んに土地を買いあさっている。現に何カ所かそれらの会社の所属に帰している。いわば不動産投資をしているわけですね。それは法に基づいておそらくおやりでしょうから申し上げませんが、私が申し上げた国民の電波という観点を、特に、私は郵政の指導の面で発揮してもらいたい。ただそれ、あまりそういうことをやるのは望ましくないというお答えだが、それだけだったら、ただ郵政が黙って見ておって、好ましくないと言ったところで、意思表示をしなければならぬわけであります。したがって、そういう問題について、ただ好ましくないと言われるのではなくして、従来そのことについて、郵政はどうお考えになっておったのか。いままで考えずに指摘されたから、これから若干検討するとおっしゃるのか、もう少し明快に答えていただきたい。
#84
○政府委員(石川忠夫君) この経営問題につきまして、どういうふうに行政指導していくべきかということは非常にむずかしい問題でございますが、従来は、特に民放に希望しているところは、経費の余剰があったら、りっぱな番組をつくるように特に配慮せよということを大臣その他から申し入れてございますが、必ずしも、それが十二分に効果をあげているかということにつきましては、私どもまだ確信を持っておらないところであります。
#85
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#86
○委員長(永岡光治君) 速記つけて。
#87
○政府委員(石川忠夫君) いままで具体的にこういった余剰がある場合には、できるだけ番組の向上に使うようにということで、大臣はじめ行政指導をしてまいっておりますが、十分にその効果があがっているかどうかということについては、いままでのところは、十分であるとまでは言い切れないと思います。
#88
○森勝治君 大臣のほうから、そういう御指摘があったということなのでわかりました。十分とまでいかないと言うが、これからじゃどう御指導なさるおつもりですか、その点お聞かせいただきたい。
#89
○国務大臣(河本敏夫君) 民間放送事業といえども、公共的な仕事でございますので、内容が充実いたしまして、そしてその余力ができた場合に、これを放送事業とあまり関係のない不動産に無制限に投資をしたり、あるいはホテルをつくる、ビルをつくったり、はなはだしきに至ってはレストラン、あるいはそれに類似するような仕事まで兼営しておるという、こういう状態は、私どもまことに遺憾であると、こういうふうに考えております。それでわれわれといたしましては、まず余力ができました場合には、第一に番組の内容の充実向上にもっと金を使っていくべきである。資金を投入すべきである。同時に第二には、民放業者は、法律では見えないところを見えるように設備をしなければならぬという義務はNHKのようにございませんけれども、しかし、先ほど申し上げましたように公共事業でございますので、やはり社会的な責任というものを自覚していただきまして、見えないところを見えるように、そういう投資をやはりどんどんしていかなければならぬ、こりいうことだと思います。
 さらにまた、第三には、最近は新しい技術が日進月歩の勢いで進んでおりますので、新しい技術の開発、こういう面にも惜しみなく投資すベきである、こういうふうに考えるのでございますが、現状はそういうことではなしに、先ほど申し上げましたような傾向がなお続いておるということは、私どももまことに遺憾に存じておる次第でございます。そこで、放送事業者の大会あるいはまた放送事業者の理事会、幹部会、こういうふうなできるだけのチャンスをつかまえまして、いま申し上げましたようなことを繰り返し述べまして、そして先ほど申し上げましたような方向に余裕のある資金が使われるようになお一そう強力な指導をしていきたいと、かように存じております。
#90
○森勝治君 先ほど東京、大阪等の難視聴の状態を説明をいただいたわけでありますが、その程度の難視聴の世帯の数だとするならば、それら難視聴の世帯を救済するためには、NHKと民放各社が協力をして、共同で一局にかわるべきものとして共同施設等を設置して聴視者に提供すれば、現状の難聴難視というものは、将来はいざ知らず、当面は解決可能ではないでしょうか、どうですか、その点。
#91
○政府委員(石川忠夫君) ただいまの数字は、先ほども申し上げましたように、NHKが相談に応じまして、そうして難聴の解消の措置を講じた世帯数でございまして、この程度の数字でありますれば、おっしゃるとおり解決できるのではなかろうかと、こういうふうに思いますが、このほかにも、実際にはこういった相談にまいらない、何と申しますか、それよりも品位はいいのだけれども、さらに品質のよい画像を見たい世帯というものはさらにたくさんあるのではなかろうかということと、それから、今後高層建築物がますますふえてくるというようなことから考えましても、こういった受信が、まあ良質の画像が見られない世帯というものはいよいよふえてくるのではなかろうか、かように想像されます。
#92
○森勝治君 NHKにお伺いするわけでありますが、大都会における難聴の数は午前中御説明がありました。ですから、その程度の――その程度と言うと、難聴の皆さん方には失礼でありますけれども、総体的な数でいたしますと、NHKがいま努力しようとして計上している予算、それに民放各社の御協力を得ることができますならば、いま私が言いましたように、共同施設の設置等で当面事足りるのではないかと思うのであります。この点、いまいみじくも電波監理局長は、当面は、それでよいが将来に備えていくんだということを言われたわけであります。ですから、何と申しましても、当面――将来はいざ知らず当面は、それでできるならば、いま問題になっている難聴も解消できるわけであります。それなら、応急策として、そういう方法をもってするならば、東京、大阪のこの難聴視地域というものは、当面ですから、ことし、来年は解消できるのではないですか、将来はいざ知らず。NHKの立場ではどうでしょうか。
#93
○参考人(佐野弘吉君) 四十四年度の予算でお認め願いました中で、私どもこの都市難聴の改善世帯を一万と見て、その予算額二億八千万円を計上いたしたわけでございまして、これは御承知の数字でございます。で、けさほど郵政省の御当局から、東京におきまして大かた九千の改善を必要とするという数字がございまして、私どももその数字を承知をいたしております。またこれは、やはり相当数の電波障害の起きております中で障害のはなはだしいものだと、はなはだしい障害に該当する件数かと理解をいたしております。私どもの調査によりましても、東京で、とりあえずもしNHKの事業計画によります都市の共同受信施設を本年度実行に移すということになりますれば、その候補地区として東京で大かた九千四百の改善世帯というふうに見込んでおりますので、郵政省の数字とほぼ一致するかと思います。で、これを、説明を簡単にする意味で大かた一万というふうなところで申し上げますれば、一世帯二万八千円と、私どもは計算をいたしております。それで、先ほど言う二億八千万円でございます。ただ、私どもの立場から、民間放送局の経営内容までに立ち至っていろいろ云々することは差し控えなければならないかと思いますが、私どもは、この一万というものは、一応大阪、名古屋までも含めてこの事業の初年度の四十四年に手がけたいという数字を一万といたしておりますので、もし大阪、東京のほうまで並行して行なうといたしますれば、東京の九千四百はある程度目減りさせなければなりません。しかしいずれにいたしましても、一万を手がけるのに二億八千万円という数字でできるわけでございまして、もしNHK独力なり、あるいはこの法案とはアウトサイドにNHKと民間放送が話し合って提携して都市難視を片づけようじゃないかという、呼吸が合いまして、それぞれ分に応じて出資をして改善の着手をするとしますれば、私は現在のNHK並びに民間放送の力をもってして、これを解決し得る範囲の件数でありあるいは財政的な負担であろうかと思っております。ただ、これ私個人の理解でございまして、大体そのような件数並びに経費と、それからまた同時に、NHKと民間放送がやればやれる範囲のように思います。また同時に、この法律ができまして、この法律によります指定区域の中で許可団体として公益法人が設立されて、NHKと民間放送がこれに加入して仲よくやれという御指導があれば、そういう形でこの衝に当たることもけっこうかと、こう考えております。
#94
○森勝治君 このCAテレビというものも、制度化して、電気あるいはガス事業と同様に事業免許制ということにするならば、地域独占の形を形成すると思うのですが、そういう理解でよろしいですか。
#95
○政府委員(石川忠夫君) 一般の放送と違いまして、有線施設、有線でケーブルをずっと引っぱって各家庭までテレビを供給すると、こういうことになりますので、事実上独占になる可能性が非常に強うございます。
#96
○森勝治君 いま明快に、地域独占の形を形成する、こういう御答弁がありました。そうなりますと、このCAテレビ業者の業務区域内に関する限り、放送事業者による難視聴救済の努力義務ということはなくなるもの、解決されるもの、こういう理解が成り立ちますか、それでよろしいですか。
#97
○政府委員(石川忠夫君) それはむずかしい御質問でございますが、私どもは、そういった団体に、独占的な有線テレビの団体にやはりNHK、民放といった放送事業者が入り込んでやるのがたてまえであると、こういうことで、そういった意味において、NHK、民放も、そこの難視聴の解消に大きな役割りを果たすんだ、こういうふうに考えております。
#98
○森勝治君 それは一方的な希望でしょう。いまむずかしい問題だとおっしゃるが、本論をすりかえないでもらいたいのですよ。いいですか。あなたは明快に言ったでしょう。CAテレビを電気、ガス事業と同様に事業免許制にするならば、地域独占の形をとるようになります。CAテレビ業者が地域独占の形をとるならば、従来NHKがやっておったそういう義務というものは解除になってしまうじゃないですか。そこで、あなたはむずかしいというのは、そういうことを何とか避けるためにNHKもその中に、あなたの言うのは法人だそうだが、法人か株式会社か何か知らぬが入れようとされているでしょう。何も入れなくたってできるでしょう。正規な手続を踏んで事業免許もらえばできるでしょう。そしたら、NHKあるいは民放と違ったテレビ業者が出現するのは火を見るより明らかでしょう。そうでしょう。そうなった場合には、だから私はくどいようですが、午前中繰り返し繰り返し聞いているCAテレビに加盟しない方々の免除の問題も、こういうことと、そういう返事を聞くから、おそらくそんな話が出るからと思って心配して、私は先回りして午前の部で質問しているのですよ。おわかりでしょう、局長、その点は専門家ですから。
#99
○政府委員(石川忠夫君) 先ほども申し上げましたが、やはりその有線テレビの組合に加入している世帯につきましては、他の組合と申しますか、他のもう一つの有線テレビができて、そこんところへまた線をつなぐということはあり得ないと思いますが、同じ業務区域の中でも、その組合に入らずにNHKあるいは民放が中心となった共同聴視施設はあり得ると、こういうふうに私ども考えております。
#100
○森勝治君 あり得るといっても、先ほど有線テレビでなければ、あるいはまたアンテナを高くしなければだめですと言っているでしょう。地域独占というのは、加入者はもちろん加入するから、そのCAテレビに拘束されるでしょう。しかし地域独占ですから、そのCAテレビ業者が気に食わないと言っても、他に依存することはできないでしょう。そうでしょう。できますか。地域独占ですから、自由に同一区域で三つも四つもCAテレビ業者を免許しないでしょう、独占という形があるんだから。だから私は聞いている、ガスとか電気という表現を用いて。私は、こういうことになるから聞いているのですが、その点もう一度明快にお答えいただきたい。
#101
○政府委員(石川忠夫君) このCAテレビにつきましては、法律的にどうしても独占だ、こういうことはないわけでございますけれども、事実上経営問題とか、いろいろな問題から見まして、同じ地区につきましてCATVの企業が幾つもできて、同じうちに同じようなケーブルがつながれる、こういうことはなかろうというふうに私ども考えておりますが、さればといって、その地域内におきまして、CATVに入らない人たちが共同聴視の組合をつくってやることについてはこれを排除しようという、そういう独占ではないということを申し上げておるわけであります。
#102
○森勝治君 本論をすりかえられては困るんです。組合をつくるとおっしゃっている、そのことを私は聞いているんじゃないんです。いいですか。電気かガス事業のように免許制にして、地域独占という形をとっていくとするならば、CAテレビ業者の区域内においては、従来責務を郵政省が課しておった放送事業者に対する難視聴解消の責務は、従来の放送業者は、そのCATVの地域独占という形を許可しているのですから、その区域内においては、そういう責務が免除されるでしょう、解除されてしまうでしょう。ならばCAテレビに入らぬ限り、あなたいま組合でやればいいと言ったが、組合もつくらないで単独でささやかなおのれの力でアンテナを高く上げてもなおかつ難視聴のものは絶対聴視が困難になってしまうんじゃないか。こんなになってしまうんじゃないか。やる必要ないんだから、地域独占の形をとれば。NHKならNHKは免除されちゃうんだから、その区域は、そうでしょう。あなたの説明はそうなっている。独占というのはそうでしょう。そうすれば、テレビの何とかという業者に入らなければだめだ。幸い組合等で共同施設をつくる人は、いいでしょう。自力でつくるぐらいならば、そこの有線テレビに入るでしょうが、入れない人はNHKもやってくれない。やれば、そこは地域独占の形だからCAテレビの業者がやりますからそっちに入ってください。それはいろんな関係でいやだ――そうすれば鮮明なテレビを見ることができないでしょう。だから、私は午前の部で申し上げた。大臣が、はっきり見えないテレビからは金を取りませんと、しばしば言明されているんですから、救済のできないものをやっぱり減免するという措置を考えなさいということを申し上げたらば、考えるということであるけれども、救済できないじゃないですか。どこで救済するんです。地域独占の形をとらせれば、免責事項が出てくるんじゃないですか、ほかの会社は。そうでしょう。そうじゃないんですか。その点どうなんです一体。
#103
○政府委員(石川忠夫君) これは法律上ある企業に独占させるということではございませんで、お話のありましたようなガス、電気と同じような、要するにケーブルを引っぱっていくということで、同じ家庭に同種のサービスをするために何本もケーブルを引っぱる。こういうことは不合理であるということから、事実上独占という、こういうことを申し上げたわけでございますが、その区域におきましても、このCATVに加入しないものの救済につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、個人で解決するか、あるいは共同聴視の小規模のものをつくって解決する、こういうことになろうかと存じます。
#104
○森勝治君 もう一つ、明快に答えていただきたいのです。
 それは、私はこれで三度質問をしますが、地域独占の形をとらせるのですから、従来の放送事業者はそのCAテレビ業者の区域に関する限り鮮明な画像を家庭に送るという義務は、鮮明な画像を家庭に送る代行はCAテレビ会社がやるわけですから、たとえばNHK等はただ放映をする、従来の態度で放映をしておけばよろしいということになるわけでしょう。だからその独占、あなたは法律的には何とかといっているけれども、この地域では、この地域の独占、だからこの地域で、たとえばある会社が、このCAテレビの免許をとって、この地域について独占をした場合には、この地域における難視聴解消の責務というのは従来の放送業者は解除されるんですね、それでなければ、独占という意味が成り立たないわけですから、そのことを聞いている、そのことをひとつお答えをいただきたい。
#105
○国務大臣(河本敏夫君) これは、私は先ほどから聞いておったんですが、電波監理局長はNHKあるいは民間放送事業者が大都市における難視地域を解消する義務があるということは言っていないんです。原因が不明であるから、その点はいなかのように明確に言い切れないと、こういうことを言っておるわけでございまして、そういう意味からいうと、御質問の、義務が解放されるかどうかということは、少し局長の答弁とはかみ合わないような感じがするのでございますが。
#106
○森勝治君 ですから、私は先ほどの質問で、原因者負担主義というのは、すりかえたのですかと聞いているのですよ。そんなのやめちゃって、受益者負担主義に変わってしまったのかと聞いているんです。そのことについては、明確なお答えがなくして、大臣からそういうお話を承るということはまことに私は迷惑だ。せっかく大臣がそうおっしゃったのですから、もう一ぺん、私はこの前に戻って局長に質問いたしますが、失礼でありますが、原因者負担主義というのをやめて、受益者負担に変わったのですか。なぜならば、CAテレビというのは受益者が負担金を出さなければ、先ほど恩恵ということばがどうかということで、私はしゃべりましたが、そのCAテレビの放映を受けることはできない、恩恵なんということは適切じゃございませんけれども、恩恵を受けることはできないわけでしょう、金を納めなければ。そうでしょう、おわかりですね。ですから原因者負担主義という従来のこの説を曲げて、受益者負担という形にしたのですかということです。この点明確に答えてください、そうでないと、また堂々めぐりをしますから。これを答えてくれないから、くるくる歯車が合わないんですから、から回りをしているわけですから。
#107
○政府委員(石川忠夫君) これはけさほどお答え申し上げたと存じますけれども、加害者が明確な場合、これは現在の受信障害が、全部が全部加害者がだれなのかということが全然わからないというものばかりではございませんで、加害者と申しますか、原因者が明らかな場合には、やはり加害者に負担させるという考え方は依然として持っておるわけでございます。ただ、最近の高層建築物の多くなった、増加したこと、あるいは自動車等の増加したこと等によりまして、非常にこの加害者というのが、だれであるかということがわからないということになりまして、この加害者負担、加害者負担といっても実質的に加害者に負担させるわけにはいかなくなってまいりましたので、それでこれの解決策としては、まあ地方におきましては、受信者が相寄りまして組合をつくって、そうして共同受信施設をつくって受けるようにする、こういったものが都市にしても、小規模でございますけれども、いままでもありますし、今後もあると考えているわけでございます。そうした難視聴の解消につきましては、NHK、民放の世話によりましてやはり共同聴視施設というものは残る、こういうふうに考えております。それならば第三番目がCAテレビの施設である、こういうふうにけさほど申し上げた次第でございます。
#108
○森勝治君 やや明快になりました。あなたのお答えを今度は私が失礼でありますが、まとめてみますと、こういうことですか、従来から主張してまいりました公害対策の一環としてというのはこの際やめにした、そうして加害者の責任に帰せしめるという従来の考え方も投げ捨てた、こういうことですね、あなたの御答弁を要約いたしますと。
#109
○政府委員(石川忠夫君) 加害者負担的な考え方で処理しなければならない事例は従来はほとんどそれで処理してきたわけでございますが、今後とも、それで処理しなければならないような事例があります。それからそのほかにも、一種の公害と申しますか、公害的なそういった受信障害がある。これにつきましては、小規模の共同聴視施設で処理するか、あるいはCAテレビで処理するか、こういう二種類によりまして救済されていく、こういうふうに考えられているわけでございます。
#110
○森勝治君 それでは、こういうことですね。公害とはいうものの、電波障害というのは一般、いわゆる世俗の公害ということから区別をして、公害から国民の電波を守るということは国の施策でなくして、国民がみずからの努力で金を払わなければ公害から免れることができない、こういうお答えですね、失礼でありますが。そういうような理解にとれますが、そういう理解にしかどうにもならないんですが、よろしいですね、そういう理解で。
#111
○政府委員(石川忠夫君) 端的に申しますと、そういうことになると思います。
#112
○森勝治君 それなら公害と名をつけてよろしいのですか。公害というものを除くのは、国が率先してその解消につとめるというのが第一じゃないですか。公害だ、公害だと言いながら、電波公害については、国民がかってにやりなさい、そんな行政ありますか、もう少し明快に答えてください。
#113
○政府委員(石川忠夫君) 私どもが公害的と申し上げているのは、非常に広い意味の公害ということばを使っているんでありまして、先ほど来お話の出ました公害対策基本法に言ういわゆる公害というふうには考えておらないわけでございまして、広い意味においては公害の一種、公害的なものというふうに考えられますが、その処理につきましては、公害対策基本法における公害とは範疇を異にしておる。したがって、処理を異にしてもいいんじゃないか、こういうふうに考えておる次第であります。
#114
○森勝治君 ですから、電波によって起こる国民の受ける公害というものは郵政省は知りませんよと。さらに具体的に申し上げましょう、難聴難視等の場合には、公害だと思うけれども、郵政省は手が出ない。したがって、きれいな画像を見、きれいな音声を聞きたいという国民はみずから働いた金を払って改善をしなさい、これが電波行政でございます、こういうことですね。
#115
○政府委員(石川忠夫君) 都市における難視聴につきましては、やはり何と申しますか、共同聴視あるいはCATVというような施設によりまして良質な絵を見れるようになるわけでございまして、こういった共同聴視施設あるいはCATVにいたしましても、そのりっぱな絵を見るためには、相当の施設がかかるわけでございますので、そういった施設費の一部を受信者も負担していただく、こういうことは私どもはやむを得ないのではなかろうか。決して望ましい姿であるとは思いませんけれども、やむを得ない、こういうふうに考えているわけでございます。
#116
○森勝治君 ですから、従来の考え方を改めたのかと聞いているのですよ。改めたということばは全然ないじゃありませんか。やむを得ない、しかたがない、しょうがないのだ、そういうことばで表現されているじゃないですか。そうでしょう。原因者負担の問題だって、いま受益者負担というふうに聞いたけれども、あなたのは完全に受益者負担じゃないですか。それは国民の電波行政という大局的見地からは隔世の感があるのですよ。一歩後退、二歩後退どころじゃないですよ。率先して、電波行政の中で、いま問題になっている難視聴――あなた方のことばをかりましても、広義な意味における公害だと言われている。この公害を排除し、解消するためには郵政当局が率直してやらなければならぬのじゃないでしょうか。それを国民が金を出さなければ、みずからの力で施設を改善しなければどうにもなりませんよ、そんな投げやりな電波行政がありますか。もっと積極的に国民の快的な生活に寄与するような電波行政にならぬのですか。金のない人はどうするのですか、それでは。受益者負担はやむを得ないと言っている。そんなら方針を取りかえたとなぜ言わない。そうでしょう。あなた方はもう方針をまるきり変えておられて、やむを得ないということばで逃げておる。なぜ、方針を変えたということを率直に言わないのですか。そうでしょう、局長。方針を変えたら方針を変えたとなぜ言わない。やむを得ないなんて言わないで、原因者負担、加害者負担、受益者負担の問題、しばしば私はことあげして申し上げている。やむを得ないとか何とか、そんなことありますか。もっと積極的に前向きに国民の期待にこたえるような電波行政であるべきでしょう。宇宙に向かって飛躍しようとするときに、電波行政はいま国民の期待をになって大きく伸びようとしているのでしょう。そのときにこんな公害の――それはもちろん公害を排除するのはなかなかたいへんでしょうけれども、それは国民みずからが努力しなければ難視聴は解消しませんよと、そう言われたのじゃ困るのですよ。それはもう少し言いようがあるのじゃないでしょうか。
#117
○国務大臣(河本敏夫君) 電波行政の一番の基本は、全国、都市といわず農村といわず、山村といわず、全国あまねく良質のテレビ・ラジオの放送ができると、こういうところにあるわけでございまして、その基本方針を実現するためにいま全力をあげていろいろ指導しているわけでございます。その基本方針が変わったわけではございません。そういう考え方は、初めからいまもなお続いておるわけでございます。ただ、さればといって、最近の全国の模様を見た場合に、農村あるいはまたいなかにおきましては、着々としてNHKを中心といたしまして、難視地域の解消に努力しておることは御承知のとおりでございますが、都会におきましては、これまでは比較的原因のはっきりした難視問題が多かったわけです。そういう場合には、NHKその他関連業者が寄りまして、相手方と話し合いをいたしまして、相手方にも負担をさせて、そうして解決をしていく、こういうケースが相当各方面にあったわけです。ところが最近のように自動車等が非常な勢いで激増していく、電気の施設がこれまた非常な勢いで年々歳々ふえていくあるいはまたビルもたいへんな勢いでふえていくということになってまいりますと、これまでのように原因のはっきりしない難視問題が大都会の一部では起こってきたわけでございます。それをNHKの全部責任であると言い切るのは、いささか根拠薄弱であるという、こういうことをけさほど来、局長が繰り返し申し上げておって、それは義務ではない、一方的にNHKの義務であるというふうに断定するのはいささか即断である、こういうふうに申し上げておったわけでございますが、さればといいまして、これを放置するわけにもまいりません。そこでNHKにも言いまして、先ほど答弁がございましたように、ことしは約一万戸を対象といたしまして対策を立てていく、こういうことをしておるわけです。これは義務だからやれというわけではないのでございまして、放置しておくわけにはいかぬから、とりあえずNHKがやったらどうだ、こういうことで指導しておるわけでございます。しかし、東京では九千ないし一万という話もございましたが、それは昨年、どうにもこうにもならぬから何とかできないかと、こういう相談があったのが、九千ないし一万でございまして、実際は、それよりもはるかに多いというふうにわれわれは考えております。しかも、それは非常な勢いで激増しつつあるわけです。したがいまして、従前のような方向だけでは、これはもうたいへんなことになる。しかも、最近CATVという問題が起こってきたので、このCATV問題に一つの基準を設けて、そうして視聴者が被害をこうむったり、迷惑をしないようにひとつ指導していこう、規制をしていこう、こういうのが今回の法案のねらいでございまして、CATVによりまして、こういう問題を解決していこうという動きは、わが国だけではなしに、アメリカはもちろんのこと、世界各国で共通の事柄だと思うのでございます。そういうことでございますので、決して郵政省が、従前の基本方針である全国あまねく見えるように指導するという基本方針を放棄したわけではございませんので、それを実現するために、今度の法案の改正御審議、こういうことをお願いしておるわけでございますので、その点御理解を賜わりたいと思います。
#118
○森勝治君 大臣がせっかくそうおっしゃるのですから、大臣の賢明な良識に訴えて、私は次の問題に移りましょう。
 いままで種々やりとりがありましたが、いまのような加入者負担、いわば受益者負担的な要素が強くなったという主張、御指摘がしばしば担当局長から繰り返されておるわけであります。そうなりますと、従来、問題になっておりました基地や国際空港等における電波障害、こういうものについては放送業者は何ら関知しないのだ、責任はないのだ。なぜならば、人為的な障害等は、視聴者の犠牲において措置することがよいという制度がここにできたという放送業者の反論と申しましょうか、そういう考え方を招来するような担当局長の御意見というふうに、私は承れてならぬわけですが、どうですか。
#119
○政府委員(石川忠夫君) 先ほども申し上げましたように、私どもは、原因者と申しますか、加害者と申しますか、原因者というものが明確にわかる場合には、やはり加害者と申しますか、原因者にも、その受信障害の一端を負っていただく、こういう考え方でございます。
#120
○森勝治君 ですから責任がないということでしょう。放送業者にも責任がない、国も責任がない。快的な画面を欲する者は、みずから金を出して、金のある者はアンテナを高く設置するようにかえなさい、あるいはCATVに加入して加入料金、維持料金等を払って見なさい、それ以外は郵政としては手が出ません、そういうことでしょう。そうですね。そうしておって、NHKの聴視料はちゃんと取るんです。そうなりますと、大臣が今朝来、先般の委員会でも私の質問に答えられて、テレビがよく見えない、聞こえないという者から受信料を取るべきではないと明快に答えられておるけれども、NHKは放映することをもって目的としますから、国民の快適な電波の受像に対する責任はNHKの義務じゃないと、大臣がいみじくもおっしゃっているわけですから、こういう点では事足りるわけです。それが障害であろうと、ブルっていようと、不鮮明であろうと、さみだれのような画面であろうとかまわない、料金は取る、国民は困る、ここに国民と電波行政の離反した姿が出てくるんじゃないですか。そうでしょう、局長。
#121
○政府委員(石川忠夫君) 先ほどから申し上げましたように、都市におきましても共同聴視施設というものがございますし、また今後もあるわけでございますが、これに対しては、これは受信者だけが経費を出してということではございませんで、いままでのやり方ですと、NHKが三割を出しておる、それから今後は何割になりますか、まあ組合と共同経営、共同管理という形で、この共同聴視施設を運営していくわけでございますし、また、CATVにつきましてもNHKも有力な一員として出資していくということでございまして、NHKはといいますか、放送事業者は、こういった難視聴の解消について何ら責任がないんだということではございませんで、その全部ではございませんけれども、大きな部分を背負っていく、こういうことになっているわけでございます。
#122
○森勝治君 しかし、CATVというものは別個な事業体――局長のことばを借りれば法人、衆議院では株式会社等の表現を用いましたが、そういう団体、事業会社に経営させるわけでしょう。NHKが三〇%見返りなくして投資するならまた別ですが、それは団体は何といっても企業でありますから、厳たる企業でありますから、いずれ、また具体的にもう少し先でそのことを質問したいと思うのでありますが、利潤を多少計上しなければならぬでしょう。それは三〇%、投資でしょう。事業に要する投資でしょう。事業をもくろむわけですから、事業をもくろむと、それが法人ならば別だが、衆議院で答えられた株式会社等をもってするならば、株式会社はよってくだんのごとしで、御承知のように利潤の追求を旨とするのが株式会社、そうでしょう。
  〔委員長退席、理事鈴木強君着席〕
事業を営むに事業に投資するのはあたりまえでしょう。それが三〇%負担金出すから、それが国民のためになるということは考えられない。NHKと民放が従来のような形で共同施設をするというなら別だが、見返りを目的とする事業に投資するわけですから。そうでしょう。別個な株式会社をつくるという話だから、事業資金として投資するのでしょう。従来のNHKのあり方は、先ほど二億八千万を出されて、この程度なら東京の難視聴はNHKの力でできると言っている。そうでしょう。これは見返りないですよ。NHKが国民からいただいた受信料をもって国民に返すためのひとつの施策として、難視聴解消のためにNHKが資金をそこへ使うわけですから、これは国民の利益のために戻すわけでしょう。そうでしょう。ところが、いまのは三〇%出すと言っても、株式会社か何か団体をつくる資金に投資するのだ、利潤をもって目的とする会社に投資するわけだから、それは国民の期待にこたえるための投資ではないでしょう。なぜならば国民が加入料、設備料、維持料というものは払わなければならぬでしょう。そうでしょう。そうなってくるならば、NHKが金を出したといっても、いずれこのことについては、あとでまた金が出せるかどうかの問題について質問いたしますが、出したとして、別個の事業として行なうのだから、おのずから考え方が違ってくるでしょう。それとこれと一緒にされて、何でもかんでも株式会社をつくるのも国民のためだ、国民のためだと言われたのでは迷惑しごくです。
#123
○政府委員(石川忠夫君) ちょっと私の説明が非常にまずかったがために先生に御理解をいただけない点もあったようにも思いますのですが、三〇%と申しましたのは、いままで全国ずいぶんだくさんの施設がございます。共同聴視施設に対するNHKの助成が、大体その施設費の三〇%を助成してまいった、これがことしはほぼ全額に近い金額をNHKで助成しようという方針に変わって、予算に計上されているわけでございまして、都会におきましても、共同聴視施設というものがあり得ることですし、その共同聴視施設をつくる場合にはやはりNHKが大半を助成する、こういうことになるわけでございます。それからCATVに対する出資につきましては、いまお話がありましたような点もございますけれども、こういった出資することによりまして、できるだけ維持費その他を安くするということにもなりますし、また、政府としても、維持費その他につきまして、適正な料金になるように、今後こういった点に十分留意をしていかなければならない、かように考えているところでございます。
#124
○森勝治君 けさの八時三十分、NHKのテレビニュースでありますが、それによりますとアメリカの宇宙飛行士三人が有線テレビを通じて記者会見をした、こういうのを報道していましたが、私もけさそのテレビを見てまいりました。衆議院ではこの自主放送について何か規制をされたということでありますが、かりにこの法案が通過した場合、日本でもいま申し上げたように、宇宙飛行士が有線テレビを通じて記者会見をするような、いわゆる自主放送の点については、どの程度許容し、どの程度規制されるのか、そのことについて聞きたい。
#125
○政府委員(石川忠夫君) 衆議院におきます修正案によりまして、――この政府原案におきましては、再送信業務を行なう施設を使っての自主放送につきましては許可制になっていたわけでございますが、この条項を削りまして、自主放送につきましても全面的に許可制にする、こういうことに相なったわけでございます。
#126
○森勝治君 ですから、自主放送を全面的に許可するといってどの程度まで許可制なのか。この辺までやるが、これからはだめだとか、何かあるのでしょう。ただ規制する、規制するといいましても、そんなばくたるものじゃ、いかに電波の、形のないものを話しておるからといって、そんな雲をつかむようなお答えでは困るんですよ。
#127
○政府委員(石川忠夫君) 許可の申請が出された場合に、こちらで審査いたします審査の基準についても述べられておりまして、これを申し上げますと、「自主放送の業務を適確に遂行するに足りる経理的基礎を有するものであること。」、それから「有線テレビジョン再送信の業務の用に供する有線電気通信設備を用いてする有線テレビジョン自主放送にあっては、その有線テレビジョン自主放送を行なうことによって有線テレビジョン再送信の業務に支障を与えるものでないこと。」、それから三番目といたしまして、「自主放送の業務の計画が確実かつ合理的なものであること。」、それから「その他郵政省令で定める有線テレビジョン自主放送の業務に関する基準に合致すること。」。こういう四つの審査基準が修正案に規定されておるわけでございます。
#128
○森勝治君 それではもっと具体的にお伺いします。
 私は、いま申し上げたように、アメリカの飛行士三人が有線テレビを通じ記者会見をしたという具体的な事例をあげて申し上げたんですが、この法案が通過した後には、いま私が申し上げたように有線テレビを通じて記者会見等をできるのですか。そういう具体的な事例を出しますからひとつお答えいただきたい。
#129
○政府委員(石川忠夫君) 許可を受けました施設によりましてはできると、こういうふうに考えられます。
#130
○森勝治君 それでは有線テレビを通じて記者会見等ができる具体的な、許可をもらうためには、そのCAテレビ業者はどういう資格、どういう内容がなければならぬのですか。
#131
○政府委員(石川忠夫君) 現行法の第四条で、第四十四条の三項の規定が準用されておりますので、この四十四条の三項の規定を順守する業者であることを要する、かように考えます。
#132
○森勝治君 再放送を妨げないというのが原則でしょう。いわば現放送をNHKならNHKの放送を妨げない程度というわけでしょう。そうじゃないですか、法の規制のたてまえが。
#133
○政府委員(石川忠夫君) もちろん再送信業務と一緒にやる自主放送におきましては、再送信業務に変更を加えてはならないと、こういうことになっておりますので、それのじゃまをしないような番組の組み方をしなければならない、こういうふうに考えます。
#134
○森勝治君 そういたしますと、これから続々と申請がなされるでありましょうが、郵政省が考えているCAテレビ業者としての放送の内容というのは、従来NHKをはじめ民放を含む放送時間にダブったような自主放送はだめだ、それはそれでストレートで流しなさい、放送の合い間を縫って自主放送をしなさい、こういうことですね。
#135
○政府委員(石川忠夫君) これは自主放送、再送信業務と合わせて同じ施設が自主放送を行なう場合には、東京で申しますと、いま東京に七チャンネルございますので、七チャンネル以上の増幅器のある、あるいはケーブルも十何チャンネル通るようなケーブルでありませんと、自主放送はできない、こういうことになるわけであります。
#136
○森勝治君 免許制でありますから、これは法案実施後の話ですよ。でありますから、当然申請をしますそのときには、許可の内容として自主放送のできる会社と自主放送のできない会社というふうに分かれて、あるいは両々相まつことができるというように、それぞれ申請の内容を見て許可条件というのに手心を加えるのですか。CAテレビ業者というのはいずこも同じ内容ですか、許可の条件ですよ。
#137
○政府委員(石川忠夫君) 再送信業務と自主放送はそれぞれ審査の基準が違っておりまして、それぞれ許可を受けなければならないと、こういうことになっておりますので、再送信業務と、それから自主放送、両者を行なう施設にありましては二本の許可が要る、こういうことでございます。
#138
○森勝治君 それでは自主放送のできるCAテレビ会社と、できない会社と二種類あるということですね。
#139
○政府委員(石川忠夫君) 形から申し上げますと、再送信業務だけをやる業者と、それから再送信業務と自主放送をやる業者と、それからもう一つは自主放送のみを行なう業者と、こういう三種類の状態が考えられます。
#140
○森勝治君 それは間違いありませんね。
#141
○政府委員(石川忠夫君) そういうふうに考えております。
#142
○森勝治君 アメリカでは、同一人が同一の地域ではCAテレビと一般テレビ局を所有してはならない、こういう定めがあります。すなわち放送事業者がCAテレビ事業を経営することは明確に禁止しておるわけであります。これは放送事業者が本来の難視聴を救済するためサテライト局を設置すべきであるのに、有料となるCAテレビで行なってはならないとする趣旨だそうであります。ところが今回出されておるのは、この例とは、いま私がことあげいたしました例とは相当の隔たりがあるわけであります。
 そこで私が聞きたいのは、この法案を提出されるまで種々御検討をわずらしたことと思うのであります。外国の例等を当然御検討なさったろうと思うんでありますので、どの程度御検討なされたか、さらに外国の例等について、ひとつお聞かせ願いたい。
 それから、私がいま冒頭に申し上げた点については、そういう私が申し上げたようなアメリカの制度にはなっているが、日本はこれと違った制度を外国のそれぞれの事例に照らし合わせて一番よいところを採用されたのでありましょうけれども、一例としてアメリカの例と違った採用のしかた、そういう規制のしかたをした根拠についてもあわせて伺いたい。
#143
○政府委員(石川忠夫君) お話しのございました同一人が同一の地域におきまして、放送局――放送局のうちテレビ局です、テレビ局ともう一つCATVと両方を所有してはならないと、こういうお話がございましたが、これは十分に調べてございませんが、私どもは聞いておるところでは、FCC、アメリカ連邦通信委員会でございますが、このFCCにおきましては、同一のものは同一の地域において放送局とCATVを所有することを禁止したらどうか、こういう提案を発表いたしまして、本年の八月ごろまで広くいろいろな関係者からの意見を聴取することにしていると、こういうことが報ぜられております。この提案の趣旨につきましては、同一地域におきまするマス・メディアの集中を排除することにあるようでございますけれども、全国至るところにおいて、一律にこういったことをやるべきであるか、あるいは特定の地域について限定すべきであるか、あるいは難視聴の救済という観点からみますと、これをどういうふうに取り扱ったらいいかというような問題あるいは放送会社だけではなくして、新聞社との関係をどういうふうに取り扱うかというような問題があるわけでございますが、この点につきましては、アメリカにおける今後の帰趨も十分注視いたしてまいり、私どもの行政上の参考にするようにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
 申し落としましたので……、アメリカにおけるCATVの状況を簡単に申し上げますと、アメリカでは一九六九年現在におきまして、大体施設数といたしましては、二千三百、加入世帯数で三百六十万余でございます。この施設と日本の施設――共同聴視施設との比較でございますが、比較いたしますと、アメリカのほうはずっと大きいようでございまして、一施設の加入世帯数を申し上げますと、アメリカでは大体千六百程度でございます。一番大きいものについては、三万世帯に及ぶものもあるように聞いております。日本におきましては、いままでの平均は百五世帯でございます。それからイギリスにつきましては、これは、ちょっと古いのでございますが、一九六七年――昭和四十二年末現在施設が八百四十九でございまして、加入世帯数は百四十三万世帯でございます。CATV事業の運営につきましては、イギリスだとか、フランスその他多くの国が許可制をとっております。アメリカにおきましては、これと異なりまして、地方自治体が営業権を付与しておりますので、その営業権を獲得することによってCATVの事業の運営ができる、こういうことになっておるわけでございます。
#144
○森勝治君 答えられていない、質問に。私はいまのような質問はしていない。
#145
○理事(鈴木強君) よく聞いておいて、的確にひとつお答えを。
#146
○森勝治君 私が申し上げたのは、同一人が同一の地域でCATVと一般テレビ局を所有してはならない、こういうようなアメリカの定めがあるが、日本ではそうじゃないでしょう。NHKや何かにさせるでしょう。アメリカとは違うでしょう。だから外国の事例をたくさん照らし合わしたのだろうと思ったが、日本はアメリカと違うシステムを採用したのには、それぞれの根拠があるだろうから、そういうことについて、アメリカと違う法案を提案したのはどういう根拠に基づくものですかというのが、私の質問の要旨の二点。
#147
○政府委員(石川忠夫君) 先ほど申し上げましたように、FCCで目下ただいまお話しのございました趣旨について関係方面の意見を聞いておるところでございます。
#148
○理事(鈴木強君) FCCで検討しているけれども、現在どうなっておるかということです。
#149
○政府委員(石川忠夫君) 現在は、そういう規定はございません。それでアメリカにおいて検討中でございます。
#150
○森勝治君 ですから、アメリカと若干違うでしょう、やり方が。違っていることを採用したのは、どういうことですかと聞いているのです。日本はこれがよいから採用した、イギリスの例、西ドイツの例、フランスの例があるでしょう。たとえば自主規制にしても、イギリスや西ドイツ等は自主規制は認めないでしょう。自主放送を認めないでしょう。アメリカは自由におやりだそうだが、そういうふうにいろいろ各国の例でCATVは各国まちまちでしょう。だから外国の事例をたくさん参照されたであろうけれども、おわかりですか、わかればこれ以上言いませんよ。
#151
○政府委員(石川忠夫君) 同一のものが同一地域において放送局とCATVを持ってはならないということは、先ほど申し上げましたように、アメリカでは規定されておりませんで、目下検討中でございます。今度の改正案におきまして、私どもそういったことを規定しておらぬのは、放送の再送信ということを主として考えておりますから、再送信ということになりますと、やはりNHKあるいは民間放送事業者というものは一番の密着した関係者であると、こういうふうに考えますので、放送事業者を排除するという理由はない、かように考えまして、そういった規定が入っていないわけでございます。
#152
○森勝治君 それではもっと具体的に申し上げましょう。ここに衆議院の速記録を持ってきておりますが、この速記録を見てみますと、政府はCATV業者としてNHK、民放、電電公社その他関連事業者に行なわせる旨を述べておりますね、そうですね。
  〔理事鈴木強君退席、委員長着席〕
#153
○政府委員(石川忠夫君) そのとおりでございます。
#154
○森勝治君 ところが、NHKにおきましては、先ほどの私の質問に答えて佐野さんが東京の一万程度――一万くらいならば単独でできるという答弁をしておるわけですね。ですからNHKが、それだけに都市の難視を解消しようと積極的に計画をしているやさきに、今度はNHKからも三〇%資本を出させ、電電公社、民放等の皆さんにも出させて、また別個のCAテレビ業者というものを仕立て上げるということは、一体どういうことかと私はけさから繰り返し繰り返し聞いているわけです。ですから先ほども申し上げたように、NHKが三〇%施設にかけるといってもそれは事業としての投資であるから、国民はNHKが投資したものを金を出して買うのですから、これは企業でしょう。企業として受けるわけですから、いわゆる電波監理局が指導してCAテレビという業界の質を低下させないために法制化したという趣旨はわからぬでもないわけでありますが、繰り返し申し上げているように、本来この放送業者みずからが設置しなきゃならぬことを、NHKはことしは東京でできるといっているのだから、できるといっているにもかかわらず、別に金を出して新しい団体をつくらしてやるということであるならば、それは国民の利益などということばは吐いておるけれども、先ほどの答弁でわかるように、金のない者はCAテレビ放送を受けることができない、こういう姿が出てくるのではないか。したがって、テレビ業者はいわゆる片手に放送事業、片手にCAテレビ事業という両々相まつ形が出てくる。これでは国民の利益などというものとほど遠いものになってしまうのではないかと私は思うのであります。電波管理局長はしかたがないと言っている。まあこの点については、先ほど大臣がるる郵政省の立場をお述べになりましたから、ややわかったわけでありますけれども、いま申し上げたように、何を好んでNHKができるというものを、当面できるわけですから、それをやらせないで別の団体をつくる、別の事業体を仕立て上げる、こういうことはやらなくてもよいのではないですか、できるというものを。
#155
○政府委員(石川忠夫君) 先ほども申し上げましたように、難視聴の解消の方法といたしましては、受信者個人で救済する方法、それから共同聴視施設で救済する方法――この共同聴視施設と申しますのは、NHKが先ほど御説明ありましたような、金を出して、そうして受信者の組合と一緒になって建設運営する施設でございます。それからもう一つはCATVでございますが、このCATVにつきましても、放置すればいいじゃないかという御意見のようでございますが、現実には日本ケーブルビジョンというような会社が出てまいりますし、また、今後そういった動きもある。これをそのまま放置いたしますと、やはり群小業者が乱立することになって、受信者のほうにいろいろな点で遺憾な点が出てくると、こういうことで許可制にしていただきたいということでお願いしているわけでございまして、これをこの三つの方法によりまして、都市における受信障害というものを今後救済していくと、こういう方針でございますので、御理解いただきたいと思います。
#156
○森勝治君 私は何も放置しなさいと言ってないんですよ。先ほどの質疑応答の中でもわかりますように、東京都一万程度の難視聴については、NHKの力でできるという御答弁がなされているんですよ、佐野さんからね。それならば、何もあわてて別の事業体をつくらないでもいいじゃないか、当面。それを言っているんですよ。放置しろと言っているのじゃないですよ。そうでしょう。そうしたらあなたは新宿の例とか、よその例を持ち出してすりかえられておるのだけれども、できると現に言っておられるんだから、遠い将来はいざ知らず、ここ東京の難視聴を解消したらけっこうじゃないか、やればできるということを言っておる。そういうのをやらせないでおって、新しい団体をつくって、電電公社を入れたり、民放を入れたり、その他の皆さん入れたりして新しい会社をつくろうということは、それでしかも、その範囲の中で高い設備料だの加入料を払わされる国民はたまったものじゃないでしょう、そのことを聞いているんですよ。有線テレビの必要性は、私冒頭から認めていると言っている。郵政大臣がまた新しい事業体をつくるということを盛んに言っておるから、新しい事業体があとから新しくできてくるから、それら団体を規制するためにつくったという趣旨はわかりますよ。しかし、その中にNHKや何か資本を三〇%も投下してつくるといっているから、そういうのを何もあわててつくらぬでもいいじゃないか。当面NHKの力でできるとおっしゃるから、そうすればNHKの力でやってもらえば、定められた聴視料で済むでしょう。そうじゃないですか。それを私はお聞きしたいのですよ。なぜ、だからそういうふうに名義的に――放送事業その他で収益が成り立つのに、また難視聴解消のゆえをもって別会社を立てる。両手に花のようなそういう形はとらなくても、もっとすなおな形でいけるのではないかということを私は申し上げているわけです。
#157
○国務大臣(河本敏夫君) 御質問の要旨は、NHKが、ことしは大都市において約一万の難視聴を解消するための仕事をやろうとしておる。そしてNHKは、それでさしあたりは解消できると、こう言っておるじゃないか。それにもかかわらず、一方においてCATVをやらなくてもいいじゃないか。NHKがやれるというならNHKにやらしてみたらどうだと、ダブるじゃないか。こういう御質問のようにお聞きしたのでございますが、これは九千ないし一万というのは、昭和四十三年度におきまして、どうにもならぬから何とかしてくれと、方法はないか、こういって相談を受けたところが九千ないし一万東京にあったわけでございます。したがいまして、ほんとうに難視の対象になる家庭というものは、それよりもはるかにいま多いというふうにわれわれは考えておりますし、さらに、また先ほど来申し上げましたように、最近における自動車の激増とビルラッシュと申しますか、ビルが非常な勢いで続々と建っておるということのために難視家庭が激増しつつあるということから考えまして、NHKのそういう対策だけでは、これはもうとてもできない。そういう量的な面もございますし、さらにまたほんとうに良質の画像とするために、NHKのやろうとしておる共聴アンテナ方式による救済対策だけでは、質の面からいっても不十分である。やはり質の面からほんとうに良質のものを確保するためには、CAテレビ方式によるのが一番よろしい。こういう質の面もございますし、そういうことをいろいろ考え合わせましたときに、私はCATVの対策をいまここで早急に取り上げるということは時期尚早ではない、こういうふうに思います。アメリカでは、先ほど局長が答弁いたしましたように、現在は約三百六十万でございますが、英国のようなところですら百四十数万になっておりますし――それは昭和四十二年度のことでございます。しかも、アメリカはたいへんな勢いでCATVが激増しつつあります。わずかの間に十倍、二十倍に激増するのではないか、こういうふうに言われておるのでございます。そういうことでございますので、決してわれわれは現在CATVを取り上げることは時期として早いと、こういうふうには考えておりません。どうしても早急に対策を立てておかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
#158
○森勝治君 指定地域外の地域の民放が難視聴対策としてサテライト局にかわる優良CAテレビを設置するように、このことによってならないですか。
#159
○政府委員(石川忠夫君) 現実の問題といたしましては、東京のキー局とそれから地方における局との問で、量的に多い、少ないの差はありますけれども、番組を通じて結びついておりますので、したがいまして、こういった番組の供給とは別に、テレビの何と申しますか、有線テレビをキーステーションがやるということはないのではなかろうか、かように考えております。
#160
○森勝治君 先般も久保委員が指摘したと思うんでありますが、下田、富士吉田、長野等では東京の民放テレビを見るための区域外通信のCAテレビが行なわれておるわけでありますが、今度はこれを東京の民放会社が再放送の同意を拒否して、民放各社自体の資本、先ほど最高の会社は五十億ということ、それぞれの東京の民放会社の資本金、資本比率等をお聞きいたしましたが、その大資本を投入して関東周辺の各県に、それらの民放みずからのCAテレビを設置して運用することにもなりかねないような気がするのですが、その辺の見通しはどうですか。
#161
○政府委員(石川忠夫君) 見通しでございますが、ただいま申し上げましたように東京のキーステーションはそれぞれの土地における放送会社に番組を供給いたしております。そういう結びつきにひびの入るような、何と申しますか、地方における自営のCATV施設をつくることはまずないのではないか、かように考えております。
#162
○森勝治君 全然ないということですね。全然そういうことは考えられないわけですね。論外の論ですか。
#163
○政府委員(石川忠夫君) まず考えられないと存じます。
#164
○森勝治君 そういたしますと、郵政省がかねてから堅持しておりますところの多数局所有ないしは支配の排除という大原則というものは依然として郵政当局は堅持をしていく、こういうことですね。
#165
○政府委員(石川忠夫君) 従来のとおりでございます。
#166
○森勝治君 先ほどの質疑応答の中でも、大都市における難視聴の加害者がさだかでない、こういうお話がありましたが、これはおおよそ推測するところはビルの林立、ビルラッシュのかもし出す一つの特有的な現象と申すことができるだろうと思うんでありますが、このように大都市が三十六階とか四十階とか、あるいはNHKが考えております六百メートルのタワーというように、この大都会が非常に高層化してまいります。したがって大都会の高層化、立体化に伴いまして大都市の難聴の地域はさらにふえていくということが予測されるわけであります。さらにまた、テレビの使用電波がVHFからUHFに、はたまたテレビは白黒からカラーというふうに移行されるのでありますが、そういたしますと、いま申し上げたように、難視聴の地域、難視聴の家庭がさらに増大することは、これはもう火を見るより明らかであります。そうなりますと、真に視聴者の利益を保護するならば、当然種々論議されておりますように、難視聴の拡大を防止していく施策を講じていかなければならぬ。そのために、郵政当局はCATV法案なるものを用意したと、大臣はじめ言っておられるわけでありますが、もしそうであるならば、この法案でいうCAテレビ業者というものは、放送業者が自己の放送区域をカバーするために行なうものは含まないものとする。別途、放送法で放送事業者が行なう業務は単に無線で行なうものばかりとせず、有線で行なうものを含め、総合的な規正をすることとしていくよう放送法の根本的な改正をすべきではないか、私はこう考えるのでありますが、この放送法の改正の是非論についてお伺いをしておきたい。
#167
○政府委員(石川忠夫君) 御承知のとおり、放送と有線放送では物理的にも違いがございますし、また対象の範囲についても、現在の段階では違っておりますし、それぞれ仔細に見ますと、いろいろの違いがございます。したがいまして、それを規正する法律にいたしましても、放送局については、放送法によりまして免許制度がとられておりますし、片や有線放送につきましては、この規正法によりまして届け出制、このたび改正案におきましては許可制をとっていただこうとお願いしておるわけでございますが、お話のございましたように、大きく見るならば、放送とこの有線放送とは非常に関係の深いものでございますし、いろいろ相似点あるいは社会的使命というような点から考えますと、両者相助け合うというような作用もございますので、放送法で規正するということにつきましても、今後の問題として検討すべきではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#168
○森勝治君 私は、この法案が放送事業者の番組によって、いわゆるCAテレビ業者の番組によって営利行為をもくろんで視聴者を泣かせる、いわば他人の何とかで相撲をとるというようなことがないように、これを抑制するために暫定措置としてこの法案を用意したのであって、抜本的な対策は別途放送法の改正で措置する、こういうことならば、理解ができないわけでもないんでありますが、これを公共的なものとするということでありますと、聴視者の利益を保護するというものは一体どうなるのか。多額の料金を徴収するわけでありますから、その点がどうも理解に苦しむところでありますが、この点についての御所見を承りたい。
#169
○政府委員(石川忠夫君) このたびの改正案によりまして私どもが考えております点は、まあ経営的に非常にうま味のあるところだけやるというような、いわば弱小業者の気ままなやり方、あるいは料金にいたしましても、原価に照らして適正な料金でなければならない。技術的にも相当な精度と申しますか、能力を持っている施設でなければならない。そういったことを通じまして、受信者を保護するためにはやはりいろいろな角度から見て有能、優秀な業者を選択するための許可制にすることによりまして受信者の保護に遺憾なきを期したい、かような考えでお願いをしているわけでございます。
#170
○森勝治君 郵政省は、この法案の作成にあたってNHKや民放等に対して意見の開陳を求めたというふうに聞いておりますが、それぞれの関係機関からはどういう意見が具申されたか、そのことをひとつ明らかにしていただきたい。
#171
○政府委員(石川忠夫君) まずNHKの意見の要旨を申し上げますと、テレビ放送の再送信を行ないます有線テレビにかかるものにつきましては、その有線テレビのうち、辺地の難視聴地域の解消並びに都市の原因者不明の難視及び地形的難視の改善のためのものにおきましては、NHKがその施設の幹線部分を設置して貸与することとする考えでありまして、これらのものは従来のまま届け出制としまして、その他の有線テレビは許可制を採用することとしたい。一方、自主放送のみを行なう有線テレビ及び音声のみの有線放送につきましては、伝送内容等について適正な基準を設ける等の措置を考えるべきである。以上がNHKの意見でございます。
 それから民放連の意見の要旨は、有線テレビは許可性をとられたいといたしまして、業務の範囲だとか、あるいは経営主体、放送事業者の同意等についての許可基準を設ける必要がある、かように述べております。
 以上でございます。
#172
○森勝治君 そういう意見が具申されたということでありますが、NHK、民放連、両者いずれもCAテレビを届け出から許可制にすべしという意見の具申、開陳があったわけでありますが、NHKや民放がみずからCAテレビ業者となることについては予定をしていない、意見にはこれは出ていないと思うのですが、どうでしょうか。
#173
○政府委員(石川忠夫君) おっしゃるとおり意見には出ておりません。
#174
○森勝治君 ということは、放送事業者が自己の責任においてこれらの難視聴を改善していくという考え方が内在をしているからだと私は思うのです。政府は、そういう面からいたしましても、先ほどいろいろの法人、会社等というようなことを出されておりますが、一体運営の主体というもの、運営の形態というもの、あり方というものはどういうものを期待されておるのでしょうか。
#175
○政府委員(石川忠夫君) 経営的にもあるいは技術的に見て、相当な能力があって、そういった面で受信者にいろいろな迷惑をかけないような企業であることを要しますし、また、利潤追求ということに終始するようなものであってはならない、こういうふうな考え方から、けさほど申し上げましたように公益法人が望ましいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#176
○森勝治君 ちょうどNHKが来ておりますから、佐野さんにお伺いしたいのですが、いま申し上げたように、郵政省があなたのところ、すなわちNHKや民放連にCAテレビのあり方について諮問したところが、届け出から許可制になることが望ましいという具申はあったが、みずからの力でOAテレビ業者となるということは、民放連もNHKも出されてないわけであります。ですから、私が先ほど申し上げたように、みずからCAテレビ業者となることは予定をしていないという、NHK及び民放連の考え方というものは、放送事業者が自己の責任において難視聴を改善していくという考え方であろうと私は思うのでありますが、NHKはどういうお考えをお持ちでしょうか。
#177
○参考人(佐野弘吉君) ただいまお話になりましたこの法案作成に際してNHKの側の意見はどうかということがございました。その際私どもが郵政当局にお答えいたしました基本的考え方の中の、ごく概略申しますと、「放送法上もこの種業務は」と、「この種業務」とはただいままで御議論になったこの関係のことでありますが、「NHKの業務に当然包含されていると解釈されるが、もし必要があれば、この点についてより明確にすることも妥当であろう。」というふうに、当時基本的考え方の中に間接的表現でございますがこのような文案を提出をいたしておることでお察しを願いたいと思います。
#178
○森勝治君 先ほど監理局長は二度ばかりCAテレビの運行にあたっては法人組織をもってしたい、これが一番望ましい、こういう発言も先ほどされました。そうでしたね。と同時に、先般の衆議院の委員会におきましても、ここに速記録を持ってきておりますが、そういうお答えをされているわけであります。法人等を組織して――私はいま申し上げたように大臣の補足説明がありましたから、これ以上あまり深く言いたくないのでありますが、話の過程として申し上げてみたいと思うのでありますが、NHKが当面、ことし来年は東京都等の難視聴については、NHKの力量で解消したい、こういう発言をしておりますから、この法案が通ったから直ちに法人として別個な団体をつくってというそこまでいかなくてもよかろう、こういう意味合いを込めて質問をずっと続けてきたわけでありますが、二度ばかり、新しい団体をつくって法人組織をしたい、この考え方が那辺にあるかお聞かせ願いたいのであります。なぜ、私がこのようなことを聞くかと申しますと、先般の民放連についても放送連合の問題にいたしましても、あんなのは必要ないのだ。番組向上対策だけ残しておけばいいのだといって解散をして、看板を塗りかえてまた別なものを今度はつくりかえた。だが私はそんな手数をかけることなくそんなの解散しないでやっていけばいいじゃないかということを申し上げた。ところが、いまあけてみれば、当時多くの期待を持って誕生しましたあの団体も、いま見ればあるいは有名無実、あまり干渉されるのはいやだ、団体は名ばかりという形があるわけです。あのときだって郵政では、もう解散するのだからしようがないと電波局長は投げやりなことを言った。投げやりなことを言っちゃいかぬということで、先般私は質問したのでありますが、何でもかんでも新しいもの必ずやって次から次へと――なるほど適確な情勢判断のもとに慎重な用意のもとに行なわれるならばよろしいでしょうが、つくってばたり、つくってばたりは話にならぬのであります。したがって、今度は法人化したい、そしてそこで運営したいというならば、やはりそこに遠大な計画がおありでしょうが、なぜ、法人がよいのか、なぜ、それがだめなら株式会社のほうがよいのか。法人が一番よいと思うけれども、それができなければ株式という形態にもっていきたい、これが逓信委員会の先般の担当の局長の答弁の要旨でありますが、なぜ、そういう団体をつくらなければならぬのか。先ほどの話だと、続出するCAテレビ業者の質を向上させるために、乱立を抑制するためにと言っておる。乱立を抑制するためと言いながら、もし、テレビを国民の利益に資すためにという美名のもとに利潤を追求しようとする、これは失礼な発言でありますが、営利会社を誕生させようとするならば、それは国民の利益などというものと懸隔のあるものではないか、隔たりのあるものではないか、そんな気がしてならぬわけであります。したがいまして、なぜ法人がいいのか、なぜ株式会社がいいのか、なぜそういうものをつくられようとするのか、先ほどもお話しした、大臣が修正されましたからこれを言うのもどうかと思うのでありますが、難視聴は放送業者の解消の範疇じゃない、責務でない。したがって、放送局は電波を流せばいいのだ。電波だけ送っていればよろしい。あとはビルの陰に隠れて、谷間に隠れても、金のある者はアンテナを高く掲げなさい、立てなさい、あるいはまたCAテレビ業者のそういう施設に加盟しなさい、それ以外に手はありません、こう言っている。そう言っておりながら、株式会社等をつくってやろうとされる。その辺の呼吸がどうも私の乏しい頭脳をもってしてはいかんともはかり知ることができないのであります。したがって、その辺をひとつ親切に教えてください。
#179
○国務大臣(河本敏夫君) この法律を通していただきましたならば、施行期日はこの法律の公布後六カ月を経過した日といたしたいと存じておりますが、その後どういう事業主体に許可をしていくかという問題が直ちに起こるわけでございます。そこで、この仕事が非常に公共的な公益的な仕事であるという、そういう観点に立ちました場合に、先ほど局長が答弁いたしましたように、NHK、民間放送事業者等の関係者はもちろんでございますが、さらにそのほか電力会社、あるいはまた線の関係等もございますので電電公社、あるいはまた電器メーカー、こういうふうな人たち、あるいはまたそのほかに地方の公共団体、こういうものを加えました公益法人でもって、利潤追求ということではなしに運営をさせるということが一番望ましい、かように考えておる次第でございます。しかし、法律には公益法人とするということは明記してございません、行政指導でそういった方向に持っていきたいと存じておるわけでございます。しからば、営利法人である株式会社ならばこれを禁止するのかということになりますと、禁止をするという規定はございません。しかし現実問題といたしましては、大体政府がそういう行政指導をいたしました場合にはおおむね間違いなく公益法人が出現するだろう、また、そういうふうに指導していきたい、かように考えておる次第でございます。
#180
○森勝治君 公益法人はわかりましたが、衆議院でも答弁されたように、公益法人が望ましいけれども、株式会社でもやむを得ないと局長は答弁されておるわけです。だからその辺のかね合いをもう少し、大臣の答弁わかりましたから、直接の衝に当たった局長からお伺いしたい。
#181
○政府委員(石川忠夫君) この法律の明文で公益法人にする、あるいは株式会社にするというような企業主体を明示してないということを申し上げたのでありまして、私どもは希望するのはあくまで公益法人が望ましい、そういう方向で行政指導をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#182
○森勝治君 その公益法人もしくは〇〇株式会社に包括する、参加を求める団体として、いま大臣から電電公社、電器メーカー等の御説明があったわけでありまするが、これをもう少し担当局長から、具体的にどういう団体に参加を招聘をするのか、構想をお聞かせ願いたい。
#183
○政府委員(石川忠夫君) どういう団体に参加を招聘するかにつきましての大綱につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、これは結局、法案を通していただいた後十分慎重に検討して招聘団体をきめ、そして間違いなくやっていけるりっぱな公益法人をつくりたいという考えでございます。
#184
○森勝治君 その中に当然NHKも入るでしょうね。
#185
○政府委員(石川忠夫君) 当然入ります。
#186
○森勝治君 そうしますと、いま大臣からは公益法人、やむを得なければ株式会社、こういう意味を込めたお答えがあったと思うのです。この点については、担当局長が先般の衆議院の逓信委員会で答弁された点と食い違いありませんね。
#187
○政府委員(石川忠夫君) 大臣からも公益法人が望ましいし、そういう方向で行政指導をしていきたいということを申し上げておりますし、私も過日の衆議院の逓信委員会でも、公益法人が望ましいということをお答え申し上げたように記憶をいたしております。
#188
○森勝治君 局長、それだけじゃ困るのですよ。私がお伺いしたのは、あなたの後半の発言について、以後あなたの真意をただしたいのですから、前半ばかり言われて、あとをやめられては困るのです。あとのほうもひとつお答えをいただきたい。
#189
○政府委員(石川忠夫君) 私が記憶いたしておるところでは、利潤の問題について衆議院で聞かれたのでございまして、株式会社にする場合には、利潤はどういうことになるのか、こういう御質問だったと思います。それで株式会社にする場合には適正な利潤は認める、こういうふうに答えたように記憶をいたしております。
#190
○森勝治君 そのお答えをぜひいただきたいのですが、あなたがいやだと言っても速記録を持ってきて、しるしをつけているからわかりますが、あなた、株式会社でも、こう言われているのですね。最初の質問には答えられて、法人が望ましいと言っておるけれども、さらにまた再質問が重ねられた結果、公益法人が望ましいけれども株式会社でもやむを得ない、こういうように速記録ではしるされている。これは、ありますから、これを見ていただくとわかりますから。よろしいですね。株式会社でよろしいと発言されたこと、お認めいただけますね。
#191
○政府委員(石川忠夫君) 株式会社も法文上は禁止せられておらないという趣旨で申し上げた記憶はございます。
#192
○森勝治君 ですから――じゃ、読み上げましょうか。――まあ、いいでしょう、時間がありませんからね。法文上は禁止されないけれども、株式会社でやる場合には、公益法人では利潤を見られないけれども、株式会社ならある程度の利潤を計上しなければならぬと、株式会社をつくる場合にそういうようにお答えになっています。
 そこで私はお伺いしたいのでありますが、利潤を追求するということであるならば、すなわちこれは営利事業でありますから、そうなりますと、この営利企業に対するNHKの参加が認められるかどうかという問題です。たとえば放送法第九条、三十条、三十二条等を見ますと、たとえばいま局長が言われたように、株式会社をつくる場合に、NHKのこの放送法のどこを見ても、参加してよろしいというのは出てこないんじゃないか。出てこないのに、NHKが株式会社に参加する、利潤を追求する法人に総体の三〇%程度の資本を投下する、投資する、こういうことをしばしば言われているとなると、放送法との関係は一体どうなるのか。だから私は先ほどからも、これから放送法の抜本的な改正についてはどうか、こういう質問をしておるところであります。その点については一体どうお考えになっておるのか。ただ構想として、空々漠々たる一環として思いつきで言われたのか。テレビ塔があるから、NHKを疎外してはならぬ、したがってNHKも入れておこうという軽い気持ちで言われたのか。法律に規定がないから株式会社でもよろしいんだと、あなたおっしゃる。放送法という規定に基づきますと、営利事業には投資はできない、法律的見地から言って。そうすると、衆議院における発言と、ただいまお答えになったそのことと、この衆議院と参議院の場における発言というのは放送法に抵触する、私はそんな気がしてならぬのでありますが、この点をお答えをいただきたい。
#193
○政府委員(石川忠夫君) NHKにはお話しのとおり、放送法の規定に基づきまして株式会社に出資することはできない、かように解しております。したがいまして、私どもといたしましては、行政指導をいたしまして、NHKの参加できる公益法人でやっていきたい、こういう考え方を終始堅持しているところでございます。
#194
○森勝治君 あげ足をとって失礼でありますが、終始NHKの参加できる団体とおっしゃって、終始その説を説いたと言っているが、終始説いていないでしょう。私がいま放送法の問題について、あなたのほうが、株式会社でも法に抵触しませんよと言うから、それならNHKの株式会社はどうだ、営利事業参加はどうだと言ったら、終始法人、法人と言っている。終始ではないじゃないですか。ついせんだっての衆議院の本法案の審議の過程において、株式会社でもよろしい、公益法人なら利潤追求ということはいけないが、株式会社なら多少の利潤追求はしなければだめだと、明快に述べられている。終始公益法人ということばはどこをたたいても出てこない。そういう答弁では困る。
#195
○政府委員(石川忠夫君) 株式会社の場合には利潤をどうするのか、こういう御質問でございますので、適正利潤、これはガス、電気事業においてもそういう考え方がとられておりますので、それを申し上げたのでございまして、私どもの行政指導としては、やはりNHK、民放ともに参加してやっていける公益法人が望ましい、こういうことで今後もそういった方針でやっていく、こういうことでございます。
#196
○森勝治君 どうも詭弁を弄されてありがた迷惑ですね。終始一貫して公益法人を主張されるならば、かりそめにも株式会社、そして株式会社ならば利潤もやむを得ない。ただあまりもうけられては困るというような発言は、全くこれはないはずであります。終始、公益法人、NHKも参加のできる法人と考えられれば、もう株式会社なんというのは、頭脳のどこの隅をさがしても出てこないことばです。それが堂々言っておられるわけですよ。それではいけないのではないですか。放送法の改正がない限りできないなら、なぜ株式会社なんという問題を持ち出すのです。だから私はあまりきゅうきゅうやってはいかぬから、あなたの先ほどの衆議院における答弁は、空々漠々たる中に、ことばを返しますと、思いつきでひょこっと言ったのかと私はやわらかく申し上げたら、法に抵触しないから、よろしいのだとあなた言っておるじゃないか、そうでしょう。終始一貫、公益法人を設立するのだということで、説を曲げてこなかったとは言い切れないでしょう。かりそめにも株式会社ならば、利潤だというならば、あなたの答弁の中には、株式会社でもよろしいのだと、法に抵触しなければよろしいのだという、頭脳のどっかにささやきがあって、あなたの口を借りて、そのことばが出てきたわけです。そうでしょう。そうなれば、あなた方、首脳部の考え方の中には、株式会社という構想がすでに浮かんでおる。たとえばNHKからどの程度の規模か知りませんけれども、その資本の三〇%程度は出させるというお話が出されているわけです。相当具体的な構想がひそんでいるわけです。で、今度は私のほうから、放送法に抵触せぬかと言ったら、放送法に抵触するから株式会社ではだめだと、法人だけで終始一貫この説を曲げないといっても、厳たる速記録が出ているじゃないですか。それなら衆議院におけるこの答弁は誤りなら誤りで、初めからあの中には株式会社なんてありません、そういう答弁で、この衆議院の答弁を修正されたり、否定もできないだろう。心境の変化で、それじゃ、それは間違っておったら間違っておったでいいでしょう。訂正されるなら、私は何も間違いをとがめません。私は、終始一貫、公益法人の説を堅持して譲らずなんと麗々しく言っておるけれども、参議院へ来たらまたこう、あっち行ったらそうじゃない。アンテナがどっかで狂っていますよと言われますよ、アンテナが。いいですか、失礼でありますが、どうですか、その点明快に言ってください。
#197
○政府委員(石川忠夫君) 私どもの考え方としては、公益法人によってやるという考え方でございます。ただ、法文上これは公益法人とかあるいは株式会社とか明定してございませんので、株式会社の場合には利潤はどうかといった場合に、それは考えられませんとも御答弁できませんので、あのように答えた次第でございます。
#198
○森勝治君 お逃げになってけっこうです。お逃げになることは、それは自由でありますから、お逃げになるのはけっこうですよ。しかしそれならば、NHKは参加できないですね、株式会社だから。私は前に聞いておるのですよ。大臣、この団体にNHKを参加させるか、大臣がNHKも入れると言っているのを承知しながら、あなたに聞いているのですよ。NHKは参加させるか、さようでございますと御答弁あったでしょう。あなたはおそらく私は逃げるだろうと思って用意し、慎重な質問をしているのですよ。率直に言われたらどうです。仮説ではないでしょう。現実の問題でしょう。大臣も言われておる。この法案が通ったら、近い将来にそのつくり方を明快に言明されるわけでしょう。そうならば、ある程度の構想が浮かんでいるわけでしょう。法人にするか、株式会社にするか、あなたが説明にあたって言わぬというのはいけません。間違いならば間違いでよろしい。弘法も筆の誤り、われわれ凡人は当然のことであります、私をはじめとして。間違いなら間違いでよろしい。株式会社は全然考えてないなら考えてない。この答弁は間違いであったら間違いだ。当時はそうであったがいまは違います。考えてみたら放送法に抵触しますからやめますと、率直に言われたらいいじゃありませんか。のらりくらりするのはいけませんよ。
#199
○国務大臣(河本敏夫君) これは法律上は、先ほど来議論しておられますように、株式会社であれば許可しない、営利法人であれば許可しないということは明記してないのです。ですから、一応株式会社の場合は利潤はどうするかと言われたときには、そのときには利潤は一切考慮しませんと、株式会社には利潤は許可しないのです、こういうことではなしに、そういう場合には、一応利潤は考慮するということを言っただけのことでありまして、決して株式会社でやらせるという意味ではありません。先ほど来繰り返し申し上げておりますように、公益法人という方向で行政指導していきたいと。また、一地区に何カ所も何社もできるような性質のものでもありません。一地区には大体一社でおさまるという性質のものでございますから、郵政省のほうで、そういう形で行政指導をして、公益法人が生まれるように、公益法人を優先するように行政指導をしていく、こういうことを言っておるわけでありますから、御心配のような点は、現実の問題としては起こってこないというふうにわれわれは確信しております。そういった方向で、この点はひとつ御了解をいただきたいと思います。
#200
○森勝治君 まあ、あれやこれやありますけれども、私は大臣の部下を思う切なる発言で、私はこれ以上このことについては言いません。しかし、ただお願いをしておきたいことは、だれでも間違いがあるのですから、そういうときには率直に言っていただかなければなりません。先般のNHKの決算のときなどもそうでした。なかなか言ってくれない。しまいには速記をとめてまでわれわれはその解明につとめたことは、皆さん耳に新たなことでありましょう。お互いに国を思い、国民のしあわせを思って当委員会へ参加をしているわけですから、あなた方の答弁が真心があってしかるべきだという期待を込めて私は質問しているわけですから、どうか私ども素朴な質問を失望させないように、あちらへ行ってはこうだ、こちらへ行ってはこうだということであっては、これはならぬと思うのです。したがって、いずこへ行っても同じ考え方、方針が変わったならばやむを得ません、しかし、方針が変わらぬうちは、同じ説をやっぱり堅持していただかなければ、方針が変わるならば、株式会社ということが全然大臣の話で考えられないということならば、それなら株式会社で利潤を少しあげなければなりませんなんということばはないはずです。少なくともいま郵政が考えておるこのCAテレビの何とか団体というものは、NHKに三〇%の資本負担をかけるということになれば、NHKを除外しては考えられない事業でありましょう。団体でありましょう。となれば、NHKの参加できないものならば、参加させることにするためには、株式会社は全然考慮の外のはずであります。したがって、株式会社などということばは出てこないはずでありますけれども、それは行きがかり上であるいは出たんでありましょう。その点は、まあ了解はしませんけれども、そういう詭弁を使われているから了解はしませんけれども、大臣のことばに免じて、それはこれ以上追いません。
 私、委員長に済みません、ちょっとお伺いしたいのです。速記をとめていただいてもかまいませんが、私の質問は、何かきょう五時までというふうに聞きましたが、実は開会がおくれたものですから、御承知のようにまだたくさん残っております。ですから、申しわけありませんが、これは私は議事進行で委員長にお願いするわけですが、このままでやりますとあと二十五分程度でありますから、それでは私の質問は完了しませんから、曲げてお願いできるならば、きょうはもう二十分程度昼休みはいたしましたが、途中休憩しないでやってまいりましたから、質問者といたしましては、できればきょうは、委員長の御発言をまねするわけじゃありませんが、きょうはこの程度にしていただいて、後刻、後日引き続き質問をさせていただければありがたいと私は考えます。その点お願いいたします。
#201
○委員長(永岡光治君) 森委員の要望は十分尊重いたします。
 他に御発言がなければ、本法律案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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