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#1
第061回国会 運輸委員会公聴会 第1号
昭和四十四年四月十八日(金曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          岡本  悟君
   理 事
                江藤  智君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                瀬谷 英行君
   委 員
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                菅野 儀作君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                山崎 五郎君
                渡辺一太郎君
                上田  哲君
                加瀬  完君
                森中 守義君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                市川 房枝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   公述人
       専修大学教授   池田 博行君
       日本空港ビルデ
       ィング株式会社
       社長       秋山  龍君
       早稲田大学教授  根本  誠君
       流通経済大学教
       授        高橋 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会公聴会を開会いたします。
 本日は、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案並びに日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案につきまして、四名の公述人の方々から御意見を伺います。
 公述人の皆さま方に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多忙中のところ、本委員会のために御出席くださいまして、ありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
 それでは、これから公述人の方々に、順次御意見をお述べ願うわけでありますが、議事の進行上、お一人大体二十分程度でお述べ願い、公述人の方々の御意見開陳が全部終わりましたところで、委員の質疑を行なうことにいたしますので、御了承願います。
 それではまず池田公述人にお願いいたします。
#3
○公述人(池田博行君) 専修大学の池田でございます。
 今日の国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案と日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案について、不十分ながら多少の意見を申し上げたいと思うのでございます。
 御承知のように、この二つの法案ともメダルの裏と表の関係にあるように感じておるわけでございます。この両法案を御提出になるまでの国鉄当局の方々の御苦労のほどはかねがね敬意を払っておりますし、御苦労のほどをお察し申し上げておるわけでございますけれども、この運賃値上げが今度、特に旅客運賃についてだけ提案された理由については、これはかねがね問題になっておりますように、国鉄経営の危機ということがいわれております。で、この国鉄経営の危機についても、さまざまな議論がなされておることは、もうすでに御承知のとおりなんですが、簡単に申し上げておきますと、昭和三十年ないし三十五年のころから始まるところの成長政策の過熱という問題が、きわめて大きな外部的な要因として、この国鉄の経営の問題に大きな影響を与えているというふうに考えております。実は、いろいろ書かれておりますので、こまかいことは申し上げませんが、それによって、日本の国民経済全体の問題として、過密・過疎という問題がきわめて深刻な事態を生み出している、深刻な事態になっているということが問題になるわけです。したがいまして、過疎の地帯では御承知のように、国鉄だけをとって見ましても、収入減という形がきわめて深刻な問題になっていること、これは後に申し上げますように、赤字線の問題としても、これは再び登場してくるわけであります。
 もう一つの面は、過密の現象でありますが、これは今度のあとのほうの法案にうたわれておりますように、これはちょっと比喩がまずいと思いますが、穴のあいたバケツに水を入れるようなものでありまして、これはいつまでたっても水がたまらぬというような現象に似たような形の、通勤、通学をはじめとするような交通需要がきわめて激増してくるという状態が見られるわけです。したがいまして、年々投資需要が、輸送能力をつけるための投資需要というものがきわめて増大してくる。これは簡単に申し上げますと、これもきわめて腰だめの議論でありまして、申しわけないのですが、これはこのような過密現象を呈するというのは、特に日本だけの現象でないというふうに思われるわけです。この点については、これはちょっと余談ですが、たとえばソ連においても、そういうふうな現象が、きわめて深刻な事態が見られているように考えられます。したがいまして、この過密現象というものは、そのもとを、穴のあいたバケツをどういうふうにするかという手が打たれない限りは、これは一個別資本であるところの国鉄ないしは私鉄というような経営の方々の努力によっても、なかなか解決できる問題ではなかろうというふうに考えられるわけです。同時に、特に国鉄が外部からの影響によってマイナスの問題を出しているという面につきましては、これは特に日本の敗戦後の事態に関係するわけですが、エネルギー革命という問題があると思います。これはほかならぬ国際的な石油資本の日本市場の開拓という問題と、戦後の日本の鉄鋼資本の機械工業への新たな形での進出というものが、モータリゼーションというような耐久消費財の面においてもあらわれて、それがひいては国鉄経営に対する競争激化という形でもってあらわれてきておる、こういうふうに考えております。したがいまして、その過程において、国鉄という経営体においては、公共性と企業性をどういうふうに考えるか、どういうふうにその相克をまとめ上げていくか、あるいはびほうをするかというような問題が出ておるというふうに、この両法案が提出されるまでに至った背景については、そういうふうな理解を持っておるわけでございます。
 そこで、実はきょうお呼び出しをいただいたわけなんですが、残念ながら十分な準備ができませんでしたために、多少、設問というような形でもって問題を八つばかりまとめてまいったわけでございます。したがいまして、意見としてもきわめて心情的であり、あるいは陳情的という形にもなるわけなんですが、第一の問題は、これは衆議院のほうの議事録も拝見しましたが、かなり議論に議論をなさっておられるように見受けますが、国鉄の昭和二十四年度以来にとられているところの独立採算制という問題を、政府の方々、国鉄の方々がどういうふうな形でもって理解をなさっておるかという点ですね、簡単にいいますと、なぜこれを堅持しなければならないか、どういうふうな理由でそういうふうに考えておられるかという問題ですね。それからまた議事録を拝見しますと、財政援助を、国家投資並びに融資という形のものが、独立採算制という金科玉条というような体制を、直ちに瓦解させるようなふうにどうも考えておられるのじゃないかという点、合理化努力、企業の合理化努力というものがなくなるというふうに考えておられるようですが、この点はちょっと疑問があると思います。俗にいいます親方日の丸制というような考え方、政府から、そういうふうな赤字になれば金を出すというようなことをすると、経営を担当している人物はすぐだめになる。これはかなり人間べっ視的な考え方ではなかろうかというふうに感じるわけです。
 それから第二番目が、輸送革命ということばがよく最近使われておりますが、これは特に国鉄当局の方々や政府の当面担当されておられる方々が、どのように輸送革命という問題を理解されており、その輸送革命というものは、どういうふうに方向づけがなされなければならないかというふうにお考えになっておるか、その点についてもかなりの疑問を持つわけです。この点は、いわゆる輸送交通政策というもののビジョンが、かなりいままで不明確であるのじゃないかという疑問をわれわれは持っておるわけでございますが、その点で、この輸送革命というものを野放しにするということ、これはもちろん資本主義社会でありますから、当然そういうところに強く規制をするということには大きな問題がございましょうが、後に申し上げますように、いわゆる社会資本とかあるいはソシアル・オーバーヘッド・キャピタルあるいはインフラストラクチュアというようなことばで、社会資本という範疇で、戦後特に公共事業一般を範疇づける考え方が多いわけでありますが、そういう公共事業と、従来の日本語でいわれるものについての、利潤獲得のためのあるいは商業採算ベースでのその事業への参画、参入ということは、ある程度、これはチェックする必要があるのじゃないか、手綱をつけてほしいというのが、われわれの考えであります。もちろんこれにはいろいろ理論的な問題もあるわけでありますが、その点はちょっと省略しておきます。
 それから第三番目が、これはもちろん戦後の現象でありますが、受益者負担あるいは利用者負担というようなことばがよく使われますが、使う方々の考え方あるいはイメージ、ビジョンというものがかなりちぐはぐなように考えられるのですが、この受益者という場合には、これはたまたま私の友人の明治大学の清水さんが衆議院でそのことをやはり触れておられますが、これは外部経済の立場にあるもののことを特に取り上げて受益者として規定しなければならない。――ことばじりをつかまえるようでありますが、したがって、受益者と利用者というものは違うというふうに考えております。したがいまして、受益者については、変な例をあげるのでありますが、たとえば戦後の農地改革についての補償の手直しを現在の政府ではおやりになっておられるわけでありますが、この外部経済においてきわめて流通的な、何と申しますか、擬制価格と申しますか、たとえば土地価格の値上がりによって、きわめて法外なもうけを得るというような問題ですね。そういうふうな外部経済、特に受益者という立場の人に対して何らかの措置を、あるいは何らかの手を打つということを考える必要があるのじゃなかろうかという問題。
 それから第四番目が公共負担の問題ですが、この公共負担という事柄、これはなかなか歴史的ないきさつもあるわけでありますが、現在のようにきわめて競争の激しい経済社会においては、国鉄だとかあるいは私鉄だとかというような個別資本の経営が、社会政策的な意義を持つような事業の企業努力によって、それを負担しなければならないという現象、これはきわめてやはり疑問があるのじゃなかろうかというふうに考えます。特に今度のような場合、国鉄の地方自治体への納付金が問題になっておりますが、この納付金の問題は、これはもう先刻、先生方も御承知だと思いますが、地方自治体におけるところの財源の一つとして、世にいわれる二割自治と呼ばれるような問題においても、かなり大きな資金源、なけなしのさいふの実入りとなっておるのであります。したがって、納付金をやめるということによって、地方自治体へのしわ寄せがいかないような方向でもって、公共負担というものは当然国鉄からは取り去るべきであろうというふうにも考えます。したがいまして、その公共負担一般について、これは社会政策的な意味をきわめてたくさん持っておるわけですから、そういうものは、もう一ぺん政府当局者の方々がお考え直してしかるべきではなかろうかと、こういうふうに考えます。
 第五番目が、先ほどちょっと申し上げました社会資本の問題、これはやや訳語としては社会的間接資本その他いろいろな訳がついておりますのですが、これは御存じのように、社会資本というのは、いろいろな物的な施設、それを土台とするところの経済活動、したがって、その生産物と申しますれば、物的なものもあれば、無形のサービスもあるというふうに一般的に包括できると思いますが、その社会的な役割りとしましては、御承知のとおりに、いわゆる社会的一般的労働手段という役割りがその一つ。第二には、社会的共同消費手段という役割りが第二の役割りだというふうにわれわれは理解しております。前者のほうは御存じのとおり、これは主として経済活動のための物的ないしは無形のサービスという形でもって役立たされておるわけでございます。後者のほうの社会的共同消費手段というものは、御存じのとおり、これは国民大衆一般の日常生活に必要な施設ないしはサービスを供給するものという役割りが、このことばに包括されると考えております。したがいまして、この社会資本というものは御存じのとおりに、戦後きわめて大きく役割りが取り上げられ、社会資本の充実のために多くの資本を投下しろということが、いろいろな立場の方々からも話されるわけでありますが、いま申しましたように、社会資本というのは、理論的には二つの役割りに分けられるのでありますが、これは道路をとってお考えになってもわかるように、ようかんを二つに割るようにははっきりその機能が分離できないという点がございます。したがいまして、道路をつくっても、だれが一体それを最も利用し、先ほどの利用者と受益者というふうに分けた場合の受益者であるか、利用者であるかということを判別するメルクマールをつけにくいという特徴を持っております。したがって、社会資本の充実そのものが決して、現在交通事故の激発に見られるように、歩行者ないしは国民の日常生活に対する便宜供与ということになっていないのじゃなかろうかというふうに私どもは考えております。そういう意味からいえば、この五番目に取り上げました社会資本という物的及び無形のサービスを与えるところのものは、この企業あるいは経済活動においては、私的企業が無制限にそこで競争的活動をするということにはかなり疑問がある。これには何らかの対応策というものを考える必要があるのではなかろうかというふうに考えます。
 それから第六番目の問題ですが、第六番目は、利用者負担という非常によく使われる、これはどうもにしきの御旗のようにして使われておることばでございますが、この利用者負担というのは、ちょっと時間がないようでありますので少しはしょりますが、これは特にイギリスのいわゆる封建時代から生産資本の勃興期において登場してくるところの一つの考え方、それの制度でございまして、特に具体的に申しますれば、従来たとえば道路の普請というものを取り上げますと、これは従来賦役制でやっておったものを、資本主義的な経営に変えていくというために取り上げられたものが、利用者負担制度であるというふうに考えております。したがいまして、利用者負担という料金ないしは金額というものは、生産物なり商品なりあるいはサービスというものの、特定のサービスというものの特定の人物による独占ないしは占有あるいは他人の利益享受を排除するというその排他性に対するところの対価、報酬、補償というような意味合いを持つものだというふうに考えるわけです。したがいまして、これは近代経済社会において利用者負担制というのは、利用者負担制というものの個人的にしろあるいは生産的にしろ、あるいはことばを変えますけれども、生産的にしろ消費的にしろ、その特定の施設、サービスを利用するものは当然その対価を支払うべきであるという意味におきましては、当然きわめて合理的な正しいものだと考えるわけであります。しかし、これはやはり適用の場面というものと時代というものを考える必要があるのではなかろうかというふうに考えます。特に日本における歴史的に見た場合、国鉄のいわば生産力配置という問題を考えました場合に、国鉄の運賃において、特に利用者負担制という形のみを独走させる形で取り上げるというのには、かなり問題があるのじゃなかろうかというふうに思います。それは簡単にいいますれば、かなり大衆負担的な形になりやすい、しかも、おまけがつきまして、サービスの低下という現象がついてくるわけであります。このサービスの低下というのは、国鉄の方々のために申し上げておきますが、これは国鉄経営者当局の責任ではなくて、先ほど申しましたように、穴のあいたバケツに水を入れて水がきっぱりたまらぬというような人口、特に首都圏あるいは従来の先進的な開発地域に対するところの人口集中、流入という問題によって引き起こされておるわけであります。したがいまして、その経済生活圏というものが拡大するにつれて、サービスないしは生産物を受け取るという一般大衆の可能性とその現実というものにかなり断絶が出てくる可能性がある、断絶するのじゃなかろうかと思われるという点でございます。
 それから第七番目ですが、赤字線の問題ですが、今度も赤字線八十三線の改廃をめぐって問題が出ておりますが、これは当然、先ほど申し上げましたように、国鉄自体が、国鉄というような個別資本が、国民経済の経済政策の一環として取り上げられるべきところの、あるいはまた従来の政策の手直し、あるいはひずみとかいう表現もございますが、その過疎対策の一環というものを個別資本がになうということについてはかなり疑問があるということで、この赤字線というものの存在意義については、時間がありませんから申し上げませんが、きわめて日本の国民生活においては重要であるということだけ申し上げておきます。
 したがいまして、第八番目、これは結論ないしはお願いという形になるわけですが、八番目の第一番目のこととしまして、これはかねがね指摘もされておりますが、国鉄経営自体におけるところのいわゆる第三次中期計画のそごと申しますか、この中期計画そのものについての反省というものを、どういうふうに具体的に今度の計画でお取り上げになるつもりであるかということ。それから第二番目に、これは衆議院でも議論になっておったようですが、政府の運輸関係の方々、国鉄の経営の方々において、交通運輸政策というもののあるべき姿というものがもう少し具体的にならないと、どうもわれわれが納得のいかない面があるということ。それから第三番目が、今度の運賃引き上げの問題については、かねがね指摘されておりますように、非常に内的な矛盾があるというふうに感じるわけです。もちろん運賃というものは、私個人のこれは独断ですが、運賃というものは、かなり担当者の政策的な形でもってきめられるものだというふうに歴史的な理解を持っておりますが、今回はきわめて、たとえば旅客運賃だけの引き上げをとるという意味では、きわめて原価主義的なにおいを、あるいは原則的なものを振りかざし、貨物については、これは引き上げればたちまちトラックに取られてしまうというような、いわば競争的運賃の形でもって、運賃設定をお考えになっているというような運賃設定で、その苦しさ、御苦労のほどはわかるわけでありますが、どうも取りやすいところから取っていくという非常にイージーゴーイングな運賃設定のしかたが考えられておられるのじゃないかということを感じるわけです。第四番目の問題としましては、これは運輸省の方々や企画庁の方々もおっしゃっておられるようですが、国鉄運賃の旅客運賃の引き上げは必ずしも私鉄運賃の引き上げにつながらないということを再三言われておられるようですが、これはどうも歴史的経験についても、あるいは経済的に見ましても、これは当然私鉄運賃の引き上げを誘発すると見るべきではなかろうかと思います。
 もうそろそろ時間だと思いますが、これはたまたま町の中で聞いたうわさでございまして、はなはだ国会などというところで申し上げるような比喩ではないと考えるのですが、一応、きわめてうまいせりふだと考えましたので、ちょっと御披露申しておきますと、かせぎは悪いけれども、きわめて気の多いだんなを持って苦労するところの二号さんだということを、ある人が国鉄のことをさして言っておりました。決してこれは私が考え出したせりふではないのですが、きわめてなかなかうがった批評ではなかろうかというふうに考えておるわけです。
 したがいまして、最後に申し上げたいことは、財政投融資という形において、この一年間だけ運賃引き上げをお待ちになったらいかがであろうかという点が問題なんです。従来、政治学的に、一定の社会経済における危機という問題がよくいわれますが、その危機というものはどういうような現象をさすものかと考えますと、二つぐらいあげられるわけですが、国民大衆全般が――この全般というのが非常に問題がありますが、従来の生活を続けることのできないような、生活条件の悪化というふうなものが、次第に濃厚化、濃密化してきたような事態を第一の条件、第二には、それを受けて立つ政策あるいは政策担当者が、従来の政策を継続できないような、あるいは単一のと申しますか、理論的に筋のとおったような理論づけのない政策をとらざるを得ないということ、つまり従来の政策をそのまま継続できないような事態が、事情が発生するような段階を、かなり政治的な、社会的な危機だというふうな政治学の規定がございますが、まさに国鉄経営につきましては、そういう危機の反映というものを、個別資本であるところの国鉄が一手に引き受けて悩んでおられるという現状じゃないかというふうに考えます。
 以上、非常に大ざっぱでございますが、意見を申し上げました。 (拍手)
#4
○委員長(岡本悟君) ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(岡本悟君) ありがとうございました。にお願い申し上げます。
#6
○公述人(秋山龍君) 私、ただいま御紹介を受けました秋山龍でございます。
 私は、国鉄財政再建推進会議の末席を汚しました関係かと思いますが、今回内閣から提出せられまして当委員会で御審議になっておられます国有鉄道財政再建促進特別措置法案及び国有鉄道運賃法の一部改正法律案に対しまして、意見を述べるようにというお呼び出しを受けた次第であります。
 まず結論から申し上げますと、私はこの二法案に賛成でございます。その理由を一口で申し上げますと、国鉄の財政が、まあことばはどうかと思いますが、破産寸前という状態にあるようでございまして、これを立て直しまして、将来にわたって国民経済上及び国民生活上、国鉄に課せられております重要使命を果たさせるというには、これよりほかに方法がないのではないかと心配するからでございます。
 以下、国鉄財政再建推進会議の審議経過と、これは少し古いことになりまして、恐縮でございますが、私が多少関係しておりました当時の感触といったようなものをあわせまして、若干理由を申し述べてみたいと思います。
 国鉄財政再建推進会議につきましては、すでに御高承のとおりと思いますから、詳しくは申し上げませんが、昨年の五月に閣議了解によりまして、運輸省に設置いたしまして、委員は大学の先生方、言論機関の論説委員の方々、産業界の指導的立場におられる方々等三十七人をもって構成されまして、会議の座長は、その方面の権威であられる脇村先生でございます。会議は五月から十一月にかけまして三十数回にわたって開かれましたが、十一月に運輸大臣に意見書を提出した次第でございます。
 会議の冒頭に、国鉄財政の現状について報告されたのでございますが、それによりますと、国鉄の収支計算は、ここ数年赤字の連続でございまして、三十九年度に三百億円、四十年度に千二百三十億円、四十一年度に六百億円、四十二年度九百四十一億円という赤字を計上してまいりました。さらに四十三年度にも千四百億円ぐらいの赤字が見込まれるという状態でございます。さらに悪いことには、このまま推移いたしますると、四十四年度には償却前の赤字が出るのではないかというように見込まれることでございます。償却前の赤字が出ますと、これが処理上また借金をせざるを得ない状態になります。その借金の利払いにまた借金をしなければならんということになるのでございまして、いわゆる雪だるま式に赤字がふえていくということになるのでございます。民間企業ならば、確実に破産という状態になるのでございまして、償却前の赤字ということは、企業にとりまして実に重大な事態であると思うのでございます。
 それでは、なぜこんな状態になったのだろうか。いろいろ理由はございますが、私の感触では、根本的には、戦時から戦後にかけましてインフレ抑制のてことして国鉄運賃を使っていたという、国の政策の余波が今日に及んでいるのじゃないかということをどうも感ぜざるを得ないのでございます。昭和十一年を一〇〇といたしました指数で見ますと、国鉄旅客運賃は現在二一六・七という数字になっております。貨物運賃のほうは二四三・〇ということでございます。これに対しまして、卸売り物価は三六〇・三、都市消費者物価は四六四・四、郵便はがきは四〇〇、消費者米価は四八〇、入浴料金というようなものが対象になるかどうか知りませんけれども五六〇、というような数字を示しているのでございます。また、鉄道運賃は、主要諸外国に比べて見ますと、煩を省きまして旅客だけについて見ますと、日本を一〇〇といたしますと、イタリアは一六二、フランスは一八二、西独は一八一、イギリスは二一一、米国は二五〇、こういったようなぐあいになっているのであります。で、第二には、こういう環境から来ました投資不足でございまして、戦前、国鉄はかなり優秀な経営成績と輸送の余力を持っておったようでありますが、しかし、このインフレ克服期に課せられましたきびしい環境の中で蓄積も食いつぶしました。かつ時勢の進運に応ずる投資が不足してきたのではないかというふうに考えました。その間道路の改良、自動車の発達、航空機、海運等に対する技術的なあるいは経済的な進歩というふうなものが著しいためにシェアがだんだん減ってきておる、こういうことではないかというふうに考えたのでございます。推進会議は大体こういうような基本的な認識の上に立ちまして、三つの主題について検討されたのでございます。
 第一は、総合的な交通体系の上における国鉄の役割りは何であるか。そのためには、いかなる投資を必要とするのであるかということでありまして、この問題を討議するため第一小委員会が設けられまして、委員長としては一橋大学の都留教授が当たられました。第二は、現在の収支状況にかんがみ、国鉄の経営はいかにあるべきかということであります。国鉄当局もきびしい環境下ではありますが、ここ十数年来近代化、合理化の努力をされておりまして、その実績もまた相当に見るべきものがあると信ずるのでございますが、なお今日の段階に応じて国鉄の経営を近代化し、合理化し、能率化するにはどういうことが行なわれるべきであるかということでございまして、これが第二小委員会で取り扱われました。委員長は東芝の土光さんでございました。第三は、財政再建のためにとらるべき資金上、財政上の措置はどうかということでございまして、第三小委員会がこれに当たりまして、委員長は土屋清さんでございました。この各小委員会の結論を持ち寄りまして、総合調整せられましたものが国鉄財政再建推進会議の意見書であります。
 その大筋を申し述べますと、まず今日の交通輸送界において、国鉄の役割りはどういう点であるかといいますと、すなわち一つは、都市間旅客輸送、第二は、中長距離の大量貨物輸送、第三は、大都市周辺の通勤・通学輸送、こういうふうに規定されました。この三つの分野では、国鉄は他の輸送機関では果たせない重要な機能を持っているわけであります。しかし、国鉄の財政の現状では、その使命達成に重大なる支障を来たすことが明らかでありますので、すみやかにその収支の改善に着手する必要がある。そのためには、十年間を再建期といたしまして、逐次収支の均衡をはかる、再建期間の前半には、おおむね償却前の赤字発生を回避しつつ、その間の輸送力増血や合理化投資の効果等を合わせまして、後半には、ほぼ収支の均衡をはかり、十年目には何とか経営収支の均衡を得られまして若干の黒字を見るようにする、そういうことを考えてみたらどうかということで出発したわけであります。
 その投資規模は、幾ばくが妥当であるかということでありますが、これはいろいろな角度から検討されたのでございますが、国鉄の近代化、合理化及び安全対策を含めまして、現在の第三次計画をやや下回る三兆七千億円ぐらいが適当であろうという結論になったのでございます。この中には新幹線の工事経費は山陽新幹線の分しか含んでおりません。将来問題となってくるかもしれませんその他の新幹線につきましては、国鉄財政の現状ではどうにもなりませんので、国鉄財政の負担にならないような別途の方法を講ずるほかはないと考えられるので、今回は一応対象外として考えたわけでございます。
 さて、国鉄の使命とその投資規模をただいまのように考えまして、十年間で財政再建を考える場合には、これは一般の企業の場合と同様でございますが、まず、三つの点を考える必要があると考えます。
 第一は、国鉄自身の経営の合理化、すなわち能率化、経費の節減化と増収でございます。これに関しまして徹底的な真剣な当局の努力が要請せられるわけでございます。
 経費の面では、定員規模の問題もございましょうし、ローカル線区に対する自動車輸送への切りかえの問題あるいは小駅の無人化、進んでは整理というような問題もありましょう。また、職員の給与につきましても、物価の情勢と生産性の向上等に見合った適正なものにもっていくというような必要があろうかと考えるのでございまして、こういう面で当局のきびしい真剣な企業努力が国鉄当局にまず要請されると存じます。
 収入をふやす面では、特に近代化のおくれている感じのございます貨物輸送の抜本的な合理化、近代化の方策、たとえばフレートライナーでございますが、物資別適合輸送でございますとか、またはドアー・ツー・ドアーのサービスの確立といったような事柄などいろいろあると思うのでございます。また、国鉄の事業範囲につきましても、国鉄の事業本来の目的の範囲を逸脱しては困ります。民業の不当な圧迫も困るわけでございますけれども、まだまだ国鉄当局にくふうの余地があるのではないか、こういったことが国鉄の経営努力の問題として強く要請されたわけでございます。
 次は、政府に対しましての要望でありますが、その第一は、適正な総合交通政策の確立ということでございます。これはなかなかむずかしい問題でございまして、少なくとも各種の輸送機関の公正な競争が確保され、交通需要が望ましい輸送分野に流れるように各種分野の交通機関の経営上の基礎条件が適正であるかどうか、不適正なものはこれをすみやかに是正していただきたいということであります。たとえば鉄道と自動車の間と鉄道と航空機の間、鉄道と海運との間について、その経営上の基礎条件が適正であるよう合理化の配慮が望ましいのでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、国鉄ローカル線区のあるものの自動車輸送への切りかえ、あるいは新線建設の再検討といったことなども、政府にぜひ考えてもらいたい問題でございます。そのほかいわゆる通運体制の問題、鉄道敷設に伴う開発利益の鉄道への還元問題といったようなことが、いろいろ議論があったわけでございますけれども、これにつきましては、委員会といたしましては時間の関係もございまして、問題の指摘にとどめさしていただいたのでございます。
 こういう配慮を政府に要請いたしますと同時に、特に資金調達及び財政措置に関しましては、次のような提言を行なったのでございます。この提言が、今回の二法案に関係があるわけでございます。
 第一は、国鉄資金の長期性と低利回り性にかんがみまして、新規の投資分に対しましては、その利子負担を六分にとどめるよう、また、再建期間一ぱい利子差額を補給してほしいという提言でございます。現在、昭和五十年までは利子六分五厘との差額をそのまま国鉄財政再建補助金として出されておりますけれども、これを強化してほしいというのでございます。できれば六分五厘にしてほしいということでございました。
 次は、財政投融資としての借り入れ金でございます。つまり政府関係機関から出ております借り入れ金でございますが、債務総額二兆円のうち約六千億円の利子を十年間たな上げにしてほしいということでございます。このたな上げの方法につきましては、相手側のほうも、政府機関とは申しましても、金融制度でございますので、いろいろな方法があると思います。単なるたな上げはむずかしいと思いますが、その方法につきましては、別に具体的な提言はいたさなかったのでございます。
 次には、固定資産税にかわるべきものとして国鉄から地方自治体に納付している納付金を、地方財政の問題もただいま池田先生の御指摘のようにいろいろ問題あると思いますけれども、国鉄の危機にかんがみまして、若干でも、できれば大幅に軽減して国鉄の再建を援助していただきたい、こういう希望でございます。
 以上の諸点を政府に要望いたしたのでございます。
 最後に運賃を考えたのでございます。実は、以上の諸方策だけでは、どうしても破産直前と考えられております国鉄の財政が立ち直らないのでございます。そこで、その分だけはやむを得ず利用者に御負担願うほかないと考えるに至ったわけでございます。もちろん大衆の立場を考えれば、運賃値上げは避けることができればそれにこしたことはないのでございますから、何とかならぬものかということで十分いろいろ検討したのでございますが、ほかに方法がございません。まことにやむを得ず提言の決心をした次第でございます。それは取りあえず再建の初期において、公共負担の是正も含めまして実収一〇%程度の運賃改定を行なう必要があると提言したのでございますが、一回だけで済みますか、今後も物価や賃金の状況いかんによりましては、弾力的に措置をしていく必要があるのではないかと予想されておりますけれども、今回は第一回の運賃値上げだけを提言いたした次第でございます。もちろん、あまり頻繁では困るわけでございます。
 私は、もちろん国鉄運賃の引き上げが国民の家計や物価に対して与える影響を決して軽視するわけではありません。推進会議でも、この点特に慎重なる審議が行なわれたのでございますが、結論として、この程度の引き上げはまことにやむを得ないのではないかという結論に落ちついたわけであります。総理府の家計調査によりますと、全国都市家計支出における国鉄運賃支出の占める割り合いは、昭和四十一年度におきまして約〇・八九%、また全国勤労者世帯の家計支出におきまする割り合いも大体これと同じでございまして〇・九%、この数字を基礎として一〇%程度の値上げを考えますと、何とかごしんぼう願えるのではないかというふうに考えた次第でございます。また、一般物価に対する影響はもちろん心理的影響もございましょうし、また、便乗値上げといったようなことも出てくるおそれがありますから、上げないで済めばそれにこしたことはないのはもちろんでございますけれども、計算上は今度の場合は、消費者物価に与える影響は〇・二%程度であろうということでございます。といたしますと、国鉄財政の窮迫の現状、また、冒頭申し上げました運賃指数の水準等から考えまして、どうにか甘受していただけるのじゃないかというふうに考えた次第でございます。
 すなわち、国鉄財政を立て直しまして、この窮迫した現状を救うのには、国鉄みずからも、もうほんとうに血みどろになって努力をする必要がある。政府も思い切って行政あるいは財政上の援助もする。それと同時に、利用者も足らないところを負担していただく。結局、三者協力してこれに当たる、これよりほかに方法はあるまいというのが結論でございます。ただし、これはあくまでも三位一体であるべきでございまして、国鉄も政府も国民も、どれ一つでもその負担をのがれるようでは成り立たないと思うのでございます。いわゆるえり食いをされては困るというのが推進会議の立場でございます。すべて一体の関係で措置が行なわれまするように、確実に、そうしてすみやかに行なわれまするように、政府に対しまして勇断をもって当たられたい。そのためには、総合的に国鉄財政再建法とでもいうようなものを、臨時立法あるいは緊急立法とでもいうようなものとして、国会に提出せられたいということを特に強調いたしまして、政府に強く要望した次第でございます。
 その後、政府の御措置を見てまいりますと、行政上のことは今後に待つといたしまして、財政的措置といたしましては、国鉄再建補助金は六分の要求が六分五厘になったのはまことに遺憾でございますが、ともかくも再建期間一ぱいまで、これを認められるというような方向のように承っております。また、利子たな上げは、利払い必要額を財政投融資として貸し付けまして、その利子を国鉄再建補助金として見るという、いわゆる孫利子方式でございますが、ともかくも実現をいたしております。固定資産税にかわる納付金の減額もある程度容認されたようでございます。国鉄の経営努力は、これを国鉄が考えておりますところを基礎として、予算として計上されておるようでございます。そして、ここに国鉄運賃法の一部改正法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案が提出されておる次第でございます。
 国有鉄道運賃法の一部改正案の内容は、旅客のみ一五%、貨物は上げない。それで全体として、一〇%程度の増収を確保しようとするもののようでございます。また、旅客運賃につきましては、一等を廃止して、特別な車両利用料金制というようなものにしようというものでございますけれども、これは、他の交通輸送機関との競争が非常に激しくなっておりますおりから、国鉄の競争力を強め、収入を確保する目的から申しますというと、妥当な考え方ではないかと考えておりましたので、さきに述べました一般論とあわせてこれに賛成したいと思うのでございます。
 また、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案につきましては、国鉄財政再建推進会議の提言と多少の相違があるようでございますけれども、大綱としては、同じ目的をねらっておられるようでございますし、また、目的達成上は大した支障もないようでございますから、これも賛成でございます。
 国鉄財政窮迫の現状はまことに見るにしのびないものがございますので、どうか一日も早く再建の途につきますように御指導、御協力を与えられますようお願い申し上げまして、私の公述を終わらせていただきたいと存じます。 (拍手)
○委員長(岡本悟君)ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(岡本悟君) 次に根本公述人にお願い申し上げます。
#8
○公述人(根本誠君) 私は、早稲田大学の根本であります。
 今日公聴会に、二法案についての意見を述べよということで、公述人の一人として、私見を述べる機会を得ましたことを皆さまに厚く御礼申し上げます。
 ただ私は、本論に入ります前に、ちょっと一言皆さまにお願いをしておきたいと思うのであります。と申しますのは、先ほどありました衆議院のこの問題に対する会合であります。自民さんは単独決議でもよいからしようというようなかまえをお見せになりましたし、あるいは他の党を強引に自分の仲間に引き連れ、そうして要するに私の考えでは、審議を十分なさらないうちに問題を通過させてしまう。これは私としましては、たいへん遺憾であると、こういうふうに考えるのであります。良識ある参議院におきまして、同じ法案を取り上げられるにおきましては、どうぞそういうことの再びないように、私は皆さまにこのことを強くお願いしたいと思うのであります。
 本論に入りたいと思いますが、池田先生や秋山先生と違って、私はこういう問題につきましては、全くしろうとであります。こまかい経済理論あるいは数値をあげて皆さまに御説明する、こういうことはおそらくできないと思います。しかしながら、私はけさもラッシュアワーにゆられながらここにやってまいりましたので、国鉄を利用する一員であります。身をもって国鉄が何であるかというようなことを体験しておるものであります。私の教えている学生は、みな定期券というようなものを所持して、この問題が起こりましたときに、通過しましたときにこれは困った、これは困ったというようなことを異口同音に申されました。私も同感である。こういう機会があるならば、私もひとつ皆さまに自分の私見を申し上げたい、こういう考えで、今日参上をさしていただきました。
 国鉄運賃値上げにつきまして、政府は一五%とする、こういうことをおっしゃいました。その一五%、これは平均値でありましょう。私には数字のほんとうの意味がよくわかりません。しかしながら、平均値であろうが、何であろうが、よく表のようなものを調べてみますと、一五%じゃなしにいろいろなたぐいがあります。いろいろなケースがあります。あるものは二〇%、あるものは二四%、あるものは五〇%、短距離のいままでの二十円が三十円、これは五〇%、一五%ではないです。いろいろ類型があります。しかし、これは平均値である、こうおっしゃるが、その五〇%なら五〇%を払うところのその方々はやはりそれだけの負担を感ずるのです。もしここに学生にして一家の三人が、それぞれ定期を利用する、持つ。こういうことになりますというと、おそらくその一家には月千円以上の負担増、こういうことがある。したがって、定期の値上げというもの、一五%であろうが何であろうが、それだけの負担をかけてくる、これはもう事実間違いないと私は思います。先ほど池田先生が穴のあいたバケツのようなもの、こういうような比喩を申されましたが、運賃を値上げしても、国鉄は倒産寸前というような表現をもって言われている。それを救うということがはたしてできるのかどうか、これは経済学者のような綿密な研究をなさった方に譲らなければならぬと思うのでありますが、私としましてもなかなかそうはいかぬ。やはり比喩のとおり底の抜けたバケツのようなものである。むしろそれを国民あるいは定期券所持者に、通勤者に課するということは、一番取りやすいものだ。この話も先ほどありましたが、一番取りやすいものから取ると、こういうようなこと。私は国鉄さんを責めようと、こういうような考えで言うんではありません。ただ、ここがおかしいじゃないか、ここは何とかなるではないか、そういうことを国鉄さんにもう一度はっきりと考え直してもらいたい。おそらくそういう問題の起こってくる理由は、長い間の因習で赤字というものがだんだんたまってくる、それを何とかしょうというような、そういう考えから起こったものと思うのであります。赤字はどうして起こってきたのであるか、これもいろいろな数字、いろいろな問題、先ほど秋山先生がお話しになり、あるいは池田先生のお話しになったとおりでありまして、重複することを避けますが、国鉄の歴史で見ますというと、昭和二十四年に公共企業体に切りかわっております。そのときの資本が八十九億、これは政府が援助してくれたんだろうと思うのでありますが、あるいはそうでないかもしれません。とにかく八十九億という資本がありました。そうして、そのころは多少黒字のような状況が見えておったのでありますけれども、それから二十年の今日になりますというと、そうじゃない。第一次計画のようなものが行なわれ、第二次計画のようなものが行なわれ、その計画がやはり完全に成功しているとはいえない、むしろ失敗に近い、こういうようなことになっております。むろんその間、国鉄さんはいろいろなくふうをなさいました。そうして、その黒字を育てていこうというような考えをおやりになったに相違ないのであります。この輸送の発展のために、さらに電化をやるとか、あるいは会計制度のようなものを改良するとか、独立採算でいこうとか、いろいろな新機軸を出して自分の体質を改良しておるわけでありますけれども、日本全体の経済の進度というものとやっぱりマッチしない。おくれておった。われわれは一般に国鉄さんにはたいへんお気の毒なんですが、国鉄は国鉄一家と、こういうふうにいっておったけれども、それはもうすでに昔の状態である。いまは斜陽産業である、そういうふうにも評するのでありますが、いろいろなくふうをなさいましたけれども、時代にマッチしなかった。そのためにだんだんと赤字が増大していく、その赤字を何とか黒字に変えていこう、そうしてさらに新しい長期計画のようなものが行なわれ、それと同時に、新幹線のようなものによって黒字に変える方法をとろう、その努力はよく私にもわかるのであります。けれども、現在膨大な赤字を持ったということは今日に始まったことではなしに、長い間にやっぱり蓄積されていた、それが今日いよいよ大きくなった、自分があせって、発展しようともがけばもがくほどそいつが大きくなってくる、こういうふうにわれわれしろうとの目にも写るのであります。たとえば皆さまのおっしゃるところの赤字線というものがあります。要するに黒字にならない。赤字になって運営されている輸送、それが全体の八五%、これははなはだ大きい。そういうものを見のがしておる、あるいはその中から廃線しなければならぬだろうと、こういうような数を拾い上げていくと八十三線あると、こういうものを見のがしておる、あるいは切りかえをするというようなことになっております。切りかえてたいへんよかったというようなこともありますが、とにかく赤字線というようなものが、全体の率からいいまして非常に大きい、こういう点に、マイナスになるべきところの大きい原因がたくさんある。われわれはしろうとでありますから、数字のマジックに踊らされるおそれもあるのですが、どうもそうではなしに、しろうとなりにそこら辺に問題がある、こういうふうに考えるのであります。普通運賃についてはこれを上げる、しかし、貨物についてはこれを据え置く、こういうところにも、国鉄は国鉄なりの考えがあるんでありましょうが、そこにもやはり赤字になってくる一つの理由があると思います。その赤字になってくる理由もいろいろと考えてみますると、これは数えきれないほどあるのだろうと思います。そうしますというと、これは企業体になったといいながら、その企業的な努力、それを合理化していく合理性に欠けるところがあるんじゃないか、これが最も大きな問題ではないかと私は思います。先ほどこれも池田さんがおっしゃったのですが、たいへん卑俗な比喩かもしれないが、国鉄は二号さん、そういうことばを聞くと、なるほどそうかもしれん話だ、私はこういうふうにも考えられます。いや政府にとって低姿勢である、そうして国民にとって高姿勢である、サービスの話がありましたけれども、やはり国民にとっては高姿勢である。その証拠にはいま申しましたように、一番取りやすいところから運賃を上げていく、こういうような事実が起こっておるのであります。それは赤字を埋める一番直接的な方法である、こう言いながら、どうもいま申しましたように、二号ではないかもしれないけれども、国民にとっては高姿勢をとる、もうすでに斜陽的な経営になっている、企業になっている、こういう考えを御自分ではお持ちになっているかもしれないが、やはり昔からの独占企業の夢を追いながらあるいはそういうような伝統に乗りながらあぐらをかいている。そのために、そういう態度あるいはそういう観念がなかなか払拭できない。企業を整備するあるいは合理化する、そして自分自身が全く体質を改めて新しく出発する、こういうようなことになりましても、それがうまく効果をあげることができない、こういうことだろうと思います。先ほど、政府にとっては低姿勢である――私はここにやはり一つ政府にも、批判するというよりもお願いしなければならないと思うのであります。やはり国有でありますから、国鉄は国家のものである。したがって、政府の直接監督下にあるべきものである。にもかかわらず、まま子扱いをする。そのまま子扱いをするということで、国鉄さんにとっては政府に低姿勢でいかなければならぬ、こういうような関係になるのではないか。たとえば、国家あるいは政府がもっと積極的な援助を与えるべきである。日本政府の援助のしかたというものは実に微々たるものだ。先進国の国鉄に対しての援助のしかたというものとまるで違っております。それを言を左右にしながら、八十九億なら八十九億でやれ、独立採算でやってみろ、こういうようなかけ声で国鉄さんのしりをたたく。これはやはり政府がもっとはっきりした態度をとりながら、援助を惜しまないようにしていただきたい。そういうことは公共企業体に切りかわったと先ほど申しましたが、その公共企業体だけの独立採算、ことに赤字を持ったという点に非常に大きなアクセントを置いて、それに努力するために国民なら国民の、特に最も取りやすいものに向かって運賃を上げていく、こういうような非常に直接法的な方法をとって、国民を忘れておる。したがって、公共企業体の公共というものと企業体というものとをうまく両立させないで、むしろ公共企業体というものを軽く見ている。そういうことであっては、私は、政府の政治のしかた、あるいはそれに従うところの国鉄さんのしかたが、どうしてもこういう運賃の値上げというようなものにしぼられてくる、こういうふうに思うのであります。ですから私はどうしても、先ほど三位一体ということばがありましたが、国民と国鉄と政府とがもっとがっちり組んで、もっと腹を割って、そしてほんとうの政策を打ち出してもらいたいと思います。(拍手)
#9
○委員長(岡本悟君) どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(岡本悟君) どうもありがとうございました。人にお願い申し上げます。高橋公述人。
#11
○公述人(高橋秀雄君) 私は、流通経済大学におります高橋秀雄であります。したがって、国鉄の運賃問題につきまして、交通業の経営並びに交通経済論の立場から所見を申し上げます。
 本件につきましては、結論から言いますれば、国鉄財政再建のための長期計画の一部として、運賃改定に賛成でありますが、同時に付帯条件として以下順次申し上げますような希望事項を達成されんことを要望する次第であります。
 まず第一に、国有鉄道の経営と運賃の関係でありますが、この問題につきましては、政府の国鉄財政再建推進会議におきまして、先ほど御説明ありましたように、三十数回も慎重に御審議になり、その結果出た結論でありまして、その意見書につきましては、私もその大綱につきましては賛成であります。国有鉄道につきまして、施設やサービスを近代化するとか、あるいは合理化するための投資、また通勤輸送力を増強するための投資というようなことなどが、いままでどっちかといえばおくれておったのでありますから、高度成長を続けておる日本経済の現状のもとにおきましては、国有鉄道として、この際、投資を増額することは、これはやむを得ないのであります。したがって、借り入れ金は急速に増加しておりますし、利子の負担額もまた当然増加しております。また、鉄道は巨額の建設費を要する資本主義的な産業といわれるのでありますが、一面、またその経営は労働集約的でありまして、ちょっと矛盾するような両性格を持っております。したがって、人件費につきましては、毎年仲裁裁定によってベースアップがありますし、これも人件費がだんだん増加している一つの原因をなしておるのであります。経費はかようにだんだん増加してまいりますが、収入のほうは必ずしもこれに伴わず、伸び悩みの状態であります。そこで国鉄の経営者として極力経営の合理化、あるいは近代化、近代的な輸送方策ということを講じまして、能率向上によって経費を節約する、あるいは増収につとめるというような努力をなされると同時に、また、政府からも政府関係融資資金の利子相当額の援助とか、あるいはその援助に関連するところの補助金を出されるような法律案が準備されておりますが、これを負担するだけをもってしては、この際なお国鉄としてはまだ欠損が出るという状態でありまして、まさに推進会議のいわれる破産寸前といってもよい状態に追い込まれておるのであります。でありますから、国民からあずかっている国有鉄道の経営を維持し、国民経済に貢献きせるためには、運賃の値上げということは避け得られないということであります。私も、この点は承認しなければならないと思うのであります。その対策として、成果の期待できますのは旅客運賃であり、貨物運賃は見合わせることになったとのことであります。
 交通革命が進みまして、自動車は、乗用車、バス、トラックともに著しく増加しております。航空機もまたどんどん発達しております。東海道など、国鉄の輸送と民間のトラック輸送の数量の関係から見た国鉄輸送は、全数量のわずか一割しか占めておらぬというくらいに競争関係は非常に激しくなっておりますので、貨物ばかりでなく、旅客関係においても、またこれらの関係は楽観を許せない現在の状態でありますから、経営当局者は十分な覚悟と施策を誤まらないようにしていただきたいと思うのであります。
 そこで、運賃の決定基準について考えますのに、現在は、各交通機関とも発達しておりますので、当然独占時代のような安易な方法によることができないのであります。国鉄における運送の原価は、個々の運送ごとに直接費として発生するものでなく、ほとんど全部が間接費でありますから、営業政策上、他の運輸機関の運賃のあり方や鉄道輸送の特色、スピードアップによる時間的価値などをも広く考えまして、間接費を割り掛けるということによって、それがきまっていくことは当然であります。しかも、企業全体としては、常に収支の均衡を考えて経営されなければならないのであります。公共料金だからといって、これを押えておくということは、一時的には可能でありましても、長期的には不可能であります。また、国営だから抑制するということは許されないのであります。ことに、競争機関がある現状におきまして、国営だけについて低賃率のままとし、国の一般会計の援助のもとに民間の交通機関と競争することは、適切な措置ということは言えないのであります。ただし、国有鉄道なるがゆえに部分的に営業関係を離れて国の政策による低賃率を要請されるときや、運輸量の少ない赤字線区の経営による欠損が出ます場合に、独占時代ならば黒字線区と総合して企業内の調整ができ、収支の均衡をはかることができたのでありますが、現在のように黒字線区が少なくなり、その線区でも競争があるのでありますから、もう企業内調整の余地はほとんどなくなっております。したがって、いわゆる公共負担分は一般会計の援助を求めることはやむを得ないと思うのであります。
 この際、公共性と企業性の調和の問題について一言したいと思うのでありますが、競争関係のある現状におきまして、企業経営者は、企業性の立場から計画を立て、健全経営を考えるべきであります。公共性により企業に負担をかけるような政策を国が企業に要求するときは、その犠牲部分を補給することにするのは、これはまた当然でありまして、フランスや西独の国鉄でも行なわれておるのであります。そこで、国有鉄道も一つの企業でありますから、健全経営を行なうためには、根本的に企業としての経営理念を確立することが重要ではないかと思うのであります。技術革新が進み、高度成長を続けている日本経済のもとで、今日は多数の新しい商品や新しいサービスが開発されております。ことしの商品は来年はもうそれが古くなって、新しい機能を持った新しい商品が市場に出回るというように、その転換が激しいのでありますから、かつての紡績会社は化粧品のようなほかの業種のものをも開発しておりますし、肥料会社が化学繊維を開発するというようにして、現在の職員を増加させながら企業経営を維持し、発展させているのが民間企業の現状であります。国鉄の場合にも、斜陽化した国鉄でなく、近代的な国鉄企業とするために、合理化して能率も上げる。そうしてその結果、余力ができますれば、他の商品やサービスを開発して、これを付帯事業または兼業として経営し、職員に対し国鉄企業の職場に魅力を感じさせるようなものとなりますように、四十六万の職員を持つ企業が包括的に存続し、発展していけるような積極的な経営理念、働く目標というか、考え方を明らかにして、安心して働ける職場にすることが必要ではないでしょうか。新規採用中止とか、不補充による減員というようなことでなく、伸びゆく国鉄企業にすることを目標にしていくことが大切であります。このためには、新しい商品やサービスの開発が必要であります。国鉄財政再建推進会議の意見書にもありますように、パイプラインを経営するということもよいでありましょう。そのほかにもいろいろな方法があると思うのであります。国鉄企業だけが一般企業の例外だということでは、それだけ退歩を意味するものでありまして、職員も合理化に反対することにもなるのではないでしょうか。そこで、付帯事業を行なうためには、国有鉄道法の改正が必要になります。それは当然改めてほしいのであります。新しい商品やサービスであれば、民業圧迫にはなりません。法律はしょせん静態的なものであります。社会が動態的に変化して、交通革命も進行しておるのでありますから、英国の運輸法改正のように、必要により改正していくべきでありましょう。
 次に、交通革命の進行に伴って鉄道営業法なども改正してほしいと思うのです。弾力ある鉄道営業が行なわれるようにすることが必要でありましょう。
 次は、物価問題と運賃の関係でございますが、運賃の値上げが行なわれますれば、その結果として、長期的に見れば影響は少ないかもしれませんが、短期的には何といっても影響することと思います。しかし、これに対しては別の見方を持っております。日本の現状を見ましても、卸売り物価は過去数年間横ばいかあるいは多少の値上がりがあるわけでありますが、消費者価格が比較的高率に上がっております。国民の関心が高まっているのもこういうことからくるのであります。この消費者価格の高騰の原因は流通費の増加によることが多いのであります。流通サービスは分散的であり、工場の生産のように資本集約的でなく、機械化の余地も少なく、労働生産性の上げにくいものであります。現在のように労働力が足らなくなり、労働集約的な作業において、労働賃金が高くなれば流通コストが高くなり、それが消費者価格の高騰を招きやすいということになっておるのであります。そこで物価抑制をしようとすれば、消費抑制あるいは購買力の抑制――節約ということが必要でありましょう。消費者が購買力を多少でも抑制するようになれば、運賃の値上がりがあっても、それを消費者に達するまでの中間において吸収されるように努力する可能性も多いと思うのであります。生産者も品質や見かけのよい高い商品が売れなくなれば、安くてしかも必要条件を備えた商品を提供するようになるのではないでしょうか。このごろは、米国などでもメーカーの生産原価の高騰率よりも流通コストの高騰率が高いので流通革命という旗じるしのもとに流通の合理化、近代化に乗り出しております。わが国でももう少し物価抑制のために国民の協力を求めて、消費抑制その他いろいろな方策を講じてほしいと思うのであります。
 次は、交通政策の問題として、都市政策と投資関係について述べたいと思います。
 まず第一は、都市通勤運輸に対する輸送力増強施設費の負担の問題であります。現在の国鉄は、まだ古い時代に建設された線路が相当利用されております。山手線などその典型的なものでありますが、これからの大都市内の鉄道は高架鉄道または地下鉄道とする必要があります。モータリゼーションが進んでも、通勤は高速大量交通機関によるのほかはありません。したがって、その建設費は巨額を要するのであります。ことに地下鉄など一キロの建設費が五十億円にもなります。その結果、運送原価中の資本利子は著しく多くの割合いを占め、とうてい運賃では負担できなくなります。そこで、米国など一九六四年に都市大量運輸法を制定しまして、建築費の三分の二は連邦政府が無利子の融資をなし得ることになりました。このごろの道路は全く自動車の利用を主にしておりますが、その道路に政府が出資すると同様に、都市活動のために鉄道にも出資することは決して無理な要求ではありません。ことに、通勤輸送機関は朝夕のラッシュのための十分な能力を持っていなければなりません。それにもかかわらず、昼の間はその交通量が十分の一にすぎない程度に減少いたしまして、利用率が著しく低くなるのでありますから、経営能率は悪くなり、原価も相対的に高くなるのでありますが、これもやむを得ない現象であります。昔は通勤定期客は輸送力に余力があってサービスをしていたのでふえることは歓迎されたのでありますが、今日は通勤客のために輸送力を増強しなければならないのでありますから、通勤者はその費用を負担すべきであります。しかし、鉄道の輸送力は徐々に交通量の増加に合わせて増加できるものでなく、複線化、三線化というような大きな単位で増強しなければならない性格を持っておりますので、先行投資を余儀なくされる関係もあって、その利子の全部を直ちに通勤者に負担させることには事実上無理がございます。したがって、国鉄、私鉄を通じて少なくとも建設費については、政府の強力な援助が必要なのであります。これに対して一部の都市関係地域開発の問題を扱っている学者の間には、通勤定期運賃の低減は過大都市を一そう促進させることになりまして、都市政策としては好ましくないという意見もあります。
 それから次は、ローカル赤字線に対する問題でございますが、赤字線のうちで特に必要なもののほかは廃止して自動車運送に切りかえるべきであるという推進会議その他の意見がありますが、これに対しては私も賛成であり、自動車のほうが運転回数も増加させられるし、発着地点も比較的よく調節できて好ましいのではないでしょうか、諸外国でもこの方針で推進されております。
 なお、もう一つ付け加えておきますが、政府はいろいろな援助を国鉄企業になさるのでありますが、それは国鉄が一本として総額幾らというように包括的にきめるのではなく、それぞれ援助の対象と理由を明らかにしてきめこまかに定め、それぞれの経営部門について、経済性の計算ができるようにすることが要件ではないかと思います。
 以上、簡単でありますが、終わる次第であります。(拍手)
#12
○委員長(岡本悟君) どうもありがとうございました。
 以上で公述人各位の御意見の開陳を終わりました。
    ―――――――――――――
た。人に対する質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#13
○森中守義君 たいへん貴重な御意見を拝聴いたしましてありがとうございました。二、三おのおのの公述人にお尋ねしたいと思います。
 まず最初に秋山さんにお伺いしますが、確かに推進会議の一員として、たいへんな御活躍だと承っておりますが、率直に申し上げて、今回の再建計画で推進会議が指摘をされておるようなその成果が期待できるという確信をお持ちでございましょうか。
#14
○公述人(秋山龍君) 私は、審議の過程を通じまして、何しろ十年間ということでございますから、人知の及びがたいいろいろな条件があると思いますけれども、現在の専門家、学者その他の方々が寄ってまずこの程度であろうという想像をされたものでございますから、私としては、まずこのとおりに近いものになるだろうというふうに考えております。
#15
○森中守義君 それからちょっと技術的なことでございますが、報告書の中で、四十八年及び五十二年の二回にわたる一〇%程度の運賃値上げ、それとは別に、もし諸般の情勢等の推移によって必要があるとするならば改定もやむを得ないであろう、予定される二回の以外に。その際には運賃法によらない特段の配慮を加える必要がある。つまり、運輸大臣の認可によってですね、立法措置にゆだねなくてもいい、こういう御趣旨も触れられておるようですが、これは間違いなくそのとおりでございましょうか。
#16
○公述人(秋山龍君) 国鉄を、池田先生の御指摘になりましたように、一つの個別資本による企業というふうに考えまして、そして、それを独立採算、これは能率の問題がございますが、による一つの経営体として把握していく。それを破産寸前という状態から再建するという立場をとりました場合には、やはり運賃その他についての弾力性というものが必要であろうということで、推進会議といたしましては、十年間に限り国鉄運賃を運輸大臣の認可にかかわらしてはどうかということを提言したことは事実でございます。
#17
○森中守義君 そこで、先般来この委員会における一つの議論の中心は、国鉄の企業努力による合理化節減及び増収による資金の確保ですね、それからいま一つは、政府措置、なおかつそれに足りない場合に利用者負担の財政と、こういう三段がまえの資金需要の対応策が指摘されているのですね。で、私は、ここで議論というわけでもございませんが、しからば、非常に可能性がない。少なくとも増収関係においては対策次第ではやや可能性があるであろう。しかし、合理化節減等によればきわめてこれは不確定要素が強すぎる。したがって、約一兆近いそれらのものによって生じ得ると予定さている金額、資金確保では無理ではないか、こういう主張を繰り返している。
 そこで、四十八年及び五十二年の平均一〇%値上げの指摘というのは、要すれば、単年ごとに流動している資金確保の状態から不足を生ずる場合、やや調整的な意味合いで、この二回の運賃改定というものを設定されているような印象が非常に強い。したがって、先般政府を代表して総理からも、やむを得ないだろう、こういうお答えをここでいただいたわけですが、推進会議それ自体も、そういう趣旨のもとにあれをお出しになったのかどうか。それと、最終的にあの数字というものが、固められるという確信をお持ちになってお出しになったのかどうか。そのことをもう一回秋山公述人から承っておきたい。
#18
○公述人(秋山龍君) 推進会議といたしましての公的立場を申し上げるほかにしょうがないと思いますが、推進会議といたしましては、十年間の見通しの数字はあくまでも試算である。したがって、現在の想像される情勢では、こういう数字を入れればまず再建のめどが立つ。しかし、そこにはいろいろと流動する状態もございますから、かりに国鉄合理化の努力が非常に進む、あるいはまた合理化投資が効果を発揮する、あるいはまた収入増進対策に関する投資が非常に効果を発揮する、あるいはまた道路交通が何らかの事情によって、というのはわれわれは非常に可能性を考えるわけですが、行き詰まる――そういうことがないことが国家全体としては望ましいのですが、少なくともそういう予見し得ない事情によって収入がよくなることがあるかもしれない、そういう気持ちは推進会議といたしては持っておりましたので、あれはあくまで試算である。したがって、十年間にあと二回の運賃改定を予定するというところまでは決意いたしておらなかったというのが事実でございます。
#19
○森中守義君 池田公述人、それから根本公述人のお二人からお答えをいただきたいと思います。
 いまの国鉄の経営体制に対してどういうお考えをお持ちでございましょうか。具体的に申しますと、今回の特別措置法は、これは見方を変えると、国鉄への再建管理、こういうかなり強烈な規制が措置法によってとられようとしている気がしてしかたがないのです。で、そうでなくても、現状においては、国鉄の独自性というものは一体経営体制の中で非常に希薄な状態に置かれているという、私はこういう見解を持つのです。そこで、十カ年間の再建計画をやる、まあついては措置法という時限立法によってかなり窮屈なワクがはめられている。したがって、現状ではむしろ国鉄の独自性をより拡充あるいは拡大するための努力が必要ではないかというような固有の意見を私は持っておるのです。しかるに、今回の措置法は、推進会議の報告を受けて政府が出してまいっておるわけですが、結果的には、現状の独自性をもっと狭隘なものにする。これではたして企業採算がとれていくのか、しかも、その主要な目的である公共性が果たし得るかということになると非常に疑問がある。この点についてどういうふうにお考えでございましょうか。で、運輸省対国鉄というそういう関係でなくて、むしろ国鉄自体にトップマネージメントとも言うべき何か経営体制を確立する委員会、端的な言い方をすれば、よくこういうものにつくられている経営委員会、こういうものの設置によって国鉄の独自性を高めていくということが考慮されてもいいのじゃないかというように思うのですが、この点についてのお考えを承りたいと思うのであります。
 それと、国鉄の今日の事業の内容ですが、これも一つの将来の研究課題というように私も考えておりますけれども、旅客及び貨物の運賃収入というのは必ずしもバランスがとれておりません。大体今回の再建計画の方向づけとしては、やや新幹線等を中心として旅客収入にその根元を求めているようなきらいが非常に濃厚であります。ところがはたして、そのとおりにいくかどうかということもかなり問題ですから、まあ私は今日の通運事業法によってチェックされている通運事業というものをむしろ国鉄にも適用すべきではないか、こういう意見を持つのですが、これもひとつ合わせてお答えいただきたいと思います。
#20
○公述人(池田博行君) いま先生からの御質問ですが、はなはだこれは申しわけないことで、私、国鉄経営そのものについてはかなり不勉強でございまして、十分なお答えを申し上げることが残念ながらできないのでございますけれども、いま先生がおっしゃった第一問のほうの最後におっしゃられました経営あるいは管理委員会ということをおっしゃいましたけれども、これはその組織のあり方はいろいろ技術的にも問題があると思うのですが、これはいわゆる先ほど申しました利用者の、受益者と分けた利用者の意見というものが率直に反映され、それが合理的に実施されるような形の組織であり、機能を持つものならば、はなはだけっこうであるというふうに思います。もろ手を上げて賛成だ、こういうふうに申し上げたいと思います。それから第一問の初めのほうの、経営問題で、いわゆる国鉄経営自体の独自性の問題と申しますが、これは結局はどうも、私の受け取り方が、先生のおっしゃったことと違うかもしれませんが、私はいわゆる言われておりますところの公共性と企業性の矛盾というものは現在の社会における相克がある程度あらわれている。これは国鉄の方もきわめて御苦労なさっているところであり、私自身も、国鉄自身の独自性というものは従来のような形でいくならばもっと大幅に与えられてしかるべきだというふうにも考えるわけであります。しかしながら、このようにまあ経済が高度の成長をしまして競争が激しくなった段階で、先ほどの議論と同じようなことを申し上げるわけですが、公共事業、一般の大きな仕事というものは、どうしてもやはり、どうも国営だとか、官営だというとどうも悪い印象を、われわれは戦前の印象がありまして、持ちがちでありますが、これはやはり何らかの措置というものが講ぜられてしかるべきじゃなかろうか、これは私個人の判断でございますが、したがいまして、これはいまおっしゃったような独自性の問題をどういうふうにやっていくかというのは、そういうような考え方からしか私自身は考えておりません。ですから、第一問については、どうも十分なお答えができないわけなんですが、落としました、第一問の中で再建管理的な体制が押しつけられるようになってくるとおっしゃいましたが、その問題もいま申しましたようにもう一度次元の高い政策的な観点から、国鉄経営をどうするか、と同時に、国鉄をそういうふうな財政危機というような状況に追い込んでいる外部的な諸条件というものに対して、やはり次元の高い観点からの御検討をひとつ政府の方々にお願いしたいと、そういうふうに私自身思っております。
 第二問についてですが、これはおっしゃるとおりに、これはそばにおいでになる審議会の方の目の前で申し上げるのははなはだ申しわけないのですが、審議会の御検討で先ほども試算段階であるということを、ちょっとことばじりをつかまえるようですが、おっしゃっておられたようですが、十年間のものは試算段階である、これはもうこの現在の世の中をあげて情報社会というようなことばがよく使われるわけですが、この情報社会というのは非常に高度の、機能の高い、コンピューターその他を使ってすべての情報を集めて、その上で合理的なある程度の期間の諸条件の変化を合わせて加味しながら当然その計画というものは立案さるべきだというふうに考えるわけです。もちろんそれはまあかなり机上の空論だと。別にちょっと例を変えますと、ソ連の国民経済の運営のしかたが計画経済であるということは御承知であると思います。また、計画経済ということばの理解も皆さん方でいろいろだというふうに思いますが、その場合の国民経済の組み立てというものは、いま申し上げましたような特定の期間を置いた中におけるところの諸条件の独自の変化並びに派生的な変化あるいは相互の変化というものを加味した上で計画を立てないと、被害者がかなり広範に及ぶのじゃないかという点、それからまた一つの国家的な国民経済の資金というものにはワクがあるのであって、打ち出の小づちがあれば何ぼでも資金を出して手当てをする、ばんそうこうをはるということもできる。ところがそういうことが許されない。そういうことをかなり甘く考えるところに、親方日の丸が出てくるというふうに思うのですが、したがって、いまおっしゃった第二の問題で、新幹線を中心とするような旅客重点の収入対策というものは、うまくいかないのじゃないか、この点はちょっと腰だめなんですが、それほど国鉄の経営者の方々が考えられるほどうまくいかないところが出てくる。これは技術革新の段階でありまして、現在のような競争が行なわれているところでは、特に鉄道とそれ以外の特に自動車ですが、これは競争は予断を許さないような競争の状態が航空機をまじえて出てくると思います。したがいまして、おっしゃるとおり旅客重点策が効果をあげてくるかどうか、かなり問題があると言わざるを得ないと思います。
 それから通運管理委員会ですか、どうもいろいろ知らないことばかりで申しわけないのですが、私、中通運関係のことは非常に不案内でございまして、この点ちょっとお答え申し上げることができないので、これでお許しを願いたいと思います。
#21
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#22
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
 根本公述人。
#23
○公述人(根本誠君) 簡単にその二つについて共通点を申し上げたいと思います。国鉄さんが新しい計画を持ってそうしてそれを邁進したい、そのときに経営独立ということがいかに大事なことであるか、これはよくわかります。しかし、運輸省であるとか、大蔵省であるとか、それがまま非常に冷たい態度で国鉄さんをあしらうように私には見える。その冷たい態度でというのは、あるいは国鉄さんにも何かそういうところがあるか……、けれどもむしろ政府のほうに多い。やはり政府のほうがもっと古い体制を持っておる。もっと新しい体制に持っていく。ことに私はそういう重大な問題をスムーズに話し合うために共通の場があると思う。やっぱりこれはその国民大衆の利益を考える。国民の利益というものを考えて、お互いに腹を割って自分の要求を申し込み、それを納得することができるような広い気持ちで政府が向かう。こういうことになれば、国鉄さんの運営独立というようなものがそう乱れないで済むと思う。やはり一番大事なものは国民の利益というものが両方に考えられて、お互いにひざを突き合わせて、腹を割って、話し合うべきであるとこう思います。
#24
○加瀬完君 時間もございませんから端的に伺います。秋山さんに伺います。過密・過疎現象は政策の問題で、国鉄の責任だけで解決をさせる問題ではないではないか、こういう点は議論されなかったか。第二点は、過密のための交通対策を運賃負担に重点をおいて解決するということは問題ではないか、こういう点はどうか。第三点は、そういう観点から今度の計画の政府の財政負担というものは少し少な過ぎるんじゃないか、もっと政府が負担すべきじゃないか、こういうことが議論されなかったか。第四点は、原価計算制をとっておるために、私鉄等との競争線との間に格差が生じておりますね。たとえば一カ月定期で名古屋――豊橋間は大体国鉄が私鉄の倍、こういうことになれば、これが合理的だということになれば、逆に私鉄の運賃の値上げというものを最初から容認せざるを得ないんじゃないか。この点、今度のこういう原価計算一本でやって、競争線よりもはるかに高い運賃というものを国鉄が出せば、私鉄の運賃値上げを誘うということが議論にならなかったか。第五は、最初に秋山先生からお話のございましたように、いままで運賃と公共料金を押えて物価あるいはインフレというものを押えてまいりましたね。それが野放しにしたときに、これはインフレの刺激剤ということにならないか、こういう物価対策というものから、ただ原価計算というもの一本で数字を出すということについて議論はなかったのか。
 以上の五点について、ひとつ審議会の内容をもう一度御説明をいただきます。
#25
○公述人(秋山龍君) お答えいたします。
 たくさんありましたので、あるいは途中で忘れるかもしれませんので、ちょっと御注意を賜わりたいと思います。
 まず、過密・過疎現象の点でございますが、過密というほうは通勤輸送の問題でございます。過疎のほうはおそらく赤字線の問題だと思うわけでございますが、確かに委員の中には、加瀬先生のおっしゃったような議論がずいぶんあったことは事実でございます。特に、通勤輸送につきましては、高橋公述人からもお話がございましたように、何しろ一番、ごく短時間の間に十分に輸送力をつけなきゃならない。ところが、そのあとの時間は非常に利用率が低い。そういうふうな投資が通勤者だけの負担でやれるというものではないわけでございますから、しかも、その現象というのは、単に鉄道の責任に帰すべきものではないわけでございますので、そういうふうにするのが妥当ではないかというふうな議論はずいぶん強く主張されたのでございますが、結局総合されました最後のときには、まあもう一度ひとつ、国鉄の企業努力で総合原価でひとつやってみようじゃないかというふうに落ちついたように理解しております。
 それから何がございましたか。
#26
○加瀬完君 政府の金の出し方が少ないじゃないか。
#27
○公述人(秋山龍君) 政府の金の出し方が少ないじゃないかということは、実は、予算がきまりましてからは、もう委員会は開いておりませんので、少ないではないか、今回の処置が適当であるかどうかについての委員会の議論はいまだにいたしておらないわけでございますけれども、感じといたしましては、公共負担というふうなものの性質、それの総合原価主義に対する影響等から見て、もう少しそのものは、高橋先生から御指摘がありましたように、フランス、西独等の例にもかんがみて、やはり一般財政で負担したほうがいいんじゃないかということはずいぶん強く主張されておるようでございます。
#28
○加瀬完君 原価計算制をとっておりますから、競争線の倍などというような運賃が生じておりますので、ここに問題があるんじゃないかという点ですね。
#29
○公述人(秋山龍君) 私鉄との関係の問題、これはもうどうも非常にむずかしい問題でございますが、確かに政府のとっておられるように、今回の国鉄運賃の値上げを機会に、まあ便乗値上げと申しますか、いろいろ物価問題に波及することは非常にお互いに困るということは事実でございまして、その根本方針につきまして、推進会議の意見としては、まともに同調いたしておるのでございます。しかしながら、具体的問題として、同一地点に発着いたします場合のその利用価値――変化があれば、これはいいと思いますが、たとえば一方は非常におそいとか、あるいは遠回りをしているとか、たまたま同一地点に発着するけれども、輸送利用上の価値が違っているというときにはやむを得ないと思いますが、全く価値が等しい場合に著しく運賃が違うという場合には、おそらく偏流と申しますか、一方に片寄って流れるという現象が起こる、そのために適正な利用が行なわれないことになって、公衆も迷惑するというふうな事態が起こるだろうということは、これは想像できるわけであります。したがいまして、推進会議といたしましても、やはり詳しくそこまで突っ込んだわけじゃございませんけれども、何らか一般物価に影響を及ぼさない、あるいは特に私鉄会社といったようなものに便乗的な値上げとか、あるいは不当な反射的利益というふうなことが起こらないような方法でなるたけ技術的な調整をしたらいいのじゃないか、するべきではないかという議論があったことは事実でございますが、答申書にはそこまであらわれておりません。
#30
○加瀬完君 競争線で大体条件の変わらない所で、国鉄が私鉄の二倍の一カ月定期の運賃ということになれば、それが原価計算で正しいということになれば、二倍でないにしても、現在の私鉄の運賃というものを上げることは肯定せざるを得ない。そういう原価計算という一方的な方法をとって物価を押えるといっても、あるいは物価のもとである私鉄の運賃を押えるといっても、押える根拠をすでに失っているのじゃないか、そういうことは議論されなかったかどうかということでございます。
 それからいま御説明がございましたように、一般会計からの出資金が少ないということであれば、推進会議はさらに一般会計からのもっと持ち出し分というものを、あるいは国鉄に対する繰り入れ金というものをふやすべきだという答申といいますか、勧告をなさるお考えがございますか。
#31
○公述人(秋山龍君) ちょっと先ほど申し上げましたように、原価主義だけが運賃の基本原理でもないのではなかろうか、多少価値論もあるというふうに申し上げた次第であります。したがって、推進会議といたしましては、そういう私鉄のことは問題として施設、経営、内容に至るまで論議したわけでもございません。そこまでは議論をしなかったというのが事実でございます。
#32
○加瀬完君 私がお伺いしているのはそういうことじゃなく、同じ競争線で国鉄のほうが一カ月定期で二倍、こういう運賃をきめた場合に、私鉄から値上げするという要請があったときに、しかも国鉄に伺いますと原価計算でこうなると、それならば私鉄のほうは二分の一の運賃で据え置かなければならないという要求を、あるいは言い分を政府のほうでは押し通すわけにはいかなくなってくるのじゃないか。同じ距離で二倍に上がっているのですから、私鉄のほうも上げたいと言えばこれは押えられないのじゃないか。そういう運賃体系をつくるようになっているのに、私鉄の運賃は上げないと、物価になるべく響きを与えないということであれば、こういう問題はどう議論されたかということを伺っているのです。
#33
○公述人(秋山龍君) お答えいたします。
 どうもそこまでは突っ込んで、私鉄の問題はかかっておりませんので、議論をしなかったというのが実態でございまして、あとは政府の御措置にお願いして善処を御期待するということになったわけでございます。どうも申しわけございません。
#34
○加瀬完君 ですから、もっと金を出せという御勧告はなさいますか。
#35
○公述人(秋山龍君) そういったような事柄のことについての委員会としてアクションをとるかどうかということでございますが、あの推進会議はもう解散になっているのじゃないか、私ども任期終了しているのじゃないかと思っておりますから、ちょっとその点は私からお答え申し上げかねるわけでございます。
#36
○三木忠雄君 根本先生にお伺いしたいと思います。
 国鉄が公共企業体として発足した当時においては、独立採算制が限界を越えた場合の吟味が十分行なわれなかったのではないかと、こう考えるわけでありますが、今日、国鉄がこのような危機に至って独立採算制には限界があるのではないか、こう考えるわけでありますけれども、この点についてどうお考えになるでしょうか。これが第一点であります。
 それからもう一つは、国鉄の財政危機を救う方法を具体的にどういうふうにお考えになっているでしょうか、この二点だけお願いします。
#37
○公述人(根本誠君) 仰せのとおり限界があると思います。それは何回も、賃金を上げ、運賃も上げているということに最も端的に出ている。ことに今度の問題において、はっきりと一つの限界が出ていると思います。しかし、私は先ほど公述するときにあまりはっきり言いましたので、利益者あるいは利用者は絶対に賃金を、運賃を払ってはならぬというふうに誤解してお受け取りになった方もあるかと思います。そうではなく、あれほどの赤字になっているのですし、自分が利用する限りにおいて、減価を償却していくというようなやっぱり責任を利用者は持たなければなりませんから、幾ぶんはそれを負担する、これはやむを得ないと思います。ただし現在のような状況において、賃金を、運賃を上げるということは適当な時期ではない。なぜなれば、先ほども皆さんからお話がありましたように、国鉄の運賃が上がれば、必ずそれは競争者を刺激して、自分たちの運賃も上げろ、こういう要求が起こってくるだろうし、やがてはは一般物価の上昇にもかかわってくる。ことに現在すでに一般物価というものは上昇しておる最中であります。そういう際に国鉄運賃を上げるということは、これは時期的にはなはだよろしくない。どういうときがいいかと申しますと、やはり国民の生活が安定するというようなとき、あるいは国民が生活を安定して、そして余裕が出てきたという、多少上げられてもそれに何ら痛痒を感じない、要するに、国民の生活を脅かさないような時期になったときに、当然上げるべきだ。いまちょっと時期尚早だと思う、これが第一点であります。
 第二点は、さらにもっと簡単に申し上げます。赤字を解消する方法、あります。先ほども国鉄の営業独立制というようなお話がありましたが、要するに政府と国鉄と国民とが一体となる。そして政府が親心を出しながら、国鉄のこの苦しい立場を救う。そのためには、どうしてもここでほんとうの必要な経費というものを、分配の方法はいろいろありましょうけれども、必要とされるところの経費、少なくとも現在までおやりになってきたようなそんなけちな問題ではなく、もっと大きな補助、助成をなさるべきであろう。これは一番手っとり早い解決法であろうと思います。
#38
○金丸冨夫君 高橋公述人にちょっとお伺いいたしますが、先ほど過密地方における輸送ということについてお話があり、特に通勤通学というものについて、投下資本においても最近は高くなっておる。また輸送効率の点からいきましても、いわゆるピークの十分の一が平素の輸送力というような実情から考えて、その輸送経費の面において、投下資本の面においても非常に大きい負担になっておるということをお話になりましたが、これに対する現在の鉄道運賃、いわゆる定期運賃というものについては非常に割引率がわが国においては、いま学生なんかは九割近くも割り引きしておる。こういうことを、また一部は法律においてもこれを定めておるというような状況になっておることは、諸外国の例から考えて、今後あるべき国鉄の定期運賃の方向というものはどういうぐあいにお考えになっておられるか、そこをひとつ詳しく伺いたい。いかがでしょう。
#39
○公述人(高橋秀雄君) 定期運賃の問題、都市交通の問題に限定してお答えしたいと思いますが、これは先ほど申しましたように、これからあとの都市交通につきましては、輸送力の増強がこれは避けられないのでありまして、現在も定員の三倍くらい乗っているというくらいに通勤のラッシュアワー時のときは非常な混雑でありますから、輸送力をどうしても増強しなければならない。輸送力を増血するとすれば、現在の山手線のような場合でも、もしあすこに新しい複々線をつくるということになれば非常な金がかかるのでありまして、その金の利息を少なくも企業ベースで考えれば運賃で回収しなければならぬのでありますが、それは非常に高いものになりますので、やはり定期運賃でカバーするということはおそらくできないことになると思うのであります。でありますから、都市交通につきましては、ラッシュアワーはうんと能率よくなりますが、ラッシュアワー以外は、逆に非常に能率が悪い、それを平均すると何といっても能率が悪い。そうして、コストをカバーしないということになるのでありますから、それに対しては国が援助する。だから先ほど公述いたしましたときも申しました米国のように、三分の二は連邦政府が無償で融資をする、そうしてそれに対して利子は払わなくてもよい、もし将来相当運輸量が多くなって運賃で回収できるようになれば、そのときは返したらよかろうというような条件をつけて融資することに踏み切っております。またほかのサンフランシスコの例もありますが、いろいろほかの国でも、都市交通についてやはり特別な措置を政府として講じておられるのでありますから、都市交通については、少なくとも何らかの対策が十分に講じられなければならないと思うのであります。そこでやはり計算上どの程度は通勤者が負担し、どの程度は国が負担するかという限界をはっきりさしていただいて、やはり補助する方針を確立していただきたいと思うのであります。あまりまた定期運賃が安過ぎますと、かえって過密を促進するという逆の現象もありまするので、その辺もあわせ考えて適切な限界を考えていただきたいと、こう思うのであります。ヨーロッパの諸国におきましても、都市交通につきましては、ドイツのような場合は基礎構造について援助するが、経常費については援助しないというような方針をきめておるところもあります。いずれにしましても、どの程度に援助することが道路交通の負担との関係から考えて公平であるかということを考えながら、限界をきめていくことが必要ではないかと思うのであります。
#40
○瀬谷英行君 最初に高橋公述人にお伺いしたいのでありますが、ただいまのお話ですと、都市交通に対してアメリカでも連邦政府が無利子で融資をする、こういうお話がいま述べられました。ところが国鉄の場合は、その赤字の大きな原因になっているのが借り入れ金である、この借り入れ金の利子も雪だるま式に増加をしている。これが赤字の大きな原因であるということは否定できない事実だろう、こう思うのであります。そうしますと、国鉄の負担になっているのは、赤字路線と、公共負担、それをカバーするための借り入れ金、そういうことだろうというふうにだれが考えても判断されるところなんでありますが、そういうことがこのまま続けられてまいりますと、ちょくちょく運賃の値上げをしたところで、それが追いつかないという問題が出てくるのではないかと思います。その問題を根本的に解決するためには、ときどき今回のような運賃値上げでもって赤字の根本原因をそのままにしておくということでは、これはどうにもならないのじゃないかという気がするのであります。この赤字の根本原因をそのままにして推移していいものかどうか。これは諸外国で行なわれているようないろいろな例があるだろうと思うのでありますが、日本の国鉄の場合いかにすべきであるか、どのようにお考えになるか。これは赤字の根本原因をなくするために、現行のまま国鉄運賃の値上げをやるということでやむを得ないというふうにお考えになるかどうか。その点をひとつお伺いをしておきたいと思います。
#41
○公述人(高橋秀雄君) 国鉄の赤字の原因は三つあると思うのであります。
 一つは、一審簡単なのは赤字線でありますが、この赤字線の考え方につきましては、はっきりやはり国の政策として、赤字線を将来やめるのかやめないのかという態度をはっきりきめていただく。これは国会でどうしでもきめていただかなければならないと思うのであります。それでもし赤字線をやめるという方針がきまりますれば、赤字線に対する将来の政策としては、赤字線の現在の財産というものは、これはいわゆる破産した企業の財産と同じでありまして、その財産について減価償却するということも必要なくなってくるでありましょうし、それは切り捨てておくということは破産企業の場合と同じにやむを得ないと思います。ですからそれについて、もし企業を継続するとすれば、経常費としてアウトポケットコスト、現実に出す金を基準に運賃を考えていくということも考えるべきでありましょう。しかし、それにしましても、現在は自動車と競争するのでありますから、自動車の運賃が安い場合に、鉄道だけいかに現金支出が多いからといって運賃を高くきめるのは、これは架空の問題でありまして、独占の場合なら別として、現在のような競争状態では、対抗運輸の運賃とか、自分の国鉄の輸送の価値、サービスの価値というものを考えながら、運賃はきめていかなければならない。そうしてきめた場合の運賃が、現実のコストと比較して赤字が出る場合に、赤字が出ても、経営を続けなければならぬということを、国から要求された場合には、その差額はやはり国が負担するという政策をとらなければ、この問題は解決しないと思います。
 それからもう一つの原因は、都市交通であります。都市交通につきましては、先ほどもちょっと申しましたように、そのコストのうちの少なくも建設費の利子分は一般会計で負担し、それ以外は、その交通機関を利用する通勤者が負担することを原則として考える。この通勤者の運賃の安いということは外国でもその例があるのでありまして、ドイツの国鉄のごときは、通勤者の運賃に対して相当大きな割引をしておりましたが、それは独占時代のことでありまして、終戦後はだんだん競争関係が多くなりましたので、運賃について定期運賃は五割の値上げをして、普通運賃については一割しか値上げをしないということに、やはり割引の是正をいたしております。できるだけそういう是正をいたしましたとしても、その運賃が急激に上がるということについては、やはり通勤者は困るのでありますから、企業ベースで考えて、上げるべき限界、その限界というのは、利子関係は別にしまして、経営を維持するための費用を基準にしてマージナルな長期限界原価と申しますか、アウトポケットコストまたは現金支出というふうな費用を中心として考えて、これを基礎としてきめた運賃と、それから現実に負担できる運賃との差額はやはり国が負担する、あるいは地方自治体が負担するか、何らかの方策を。パブリックな形で考えていかなければ問題は解決しないと思うのであります。
 もう一つの問題は、給与改定あるいは物価騰貴の関係からコストが一般的に上がるというこの問題は、物価がおさまればこの問題は解決するのでありますが、物価がおさまらない限りはやはり赤字は続き、ある程度の是正ということはこれはやむを得ないと思うのであります。
 簡単でございますが、お答えになりませんかもしれませんが。
#42
○瀬谷英行君 そうしますと、赤字の原因である諸問題についての見解は、現在国鉄が行なおうとしていることは是認をされておるわけです。つまり国鉄は、その建設費の利子負担を負担する――国鉄はというより政府はですね、いまおっしゃっておられる負担ということは考慮に入れてないわけでありますね、今回、いまこれからやろうとしていることについて。そうしますと、結論的に言えることは、どうもこのままでいったのでは、問題は根本的に解決しないのではないかということになるのじゃないかと思うのであります。つまり、いまのようなやり方でいったのでは、問題はいつまでたってもあとに尾を引いて問題は根本的に解決しないのじゃないかという気がするのでありますが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#43
○公述人(高橋秀雄君) 私の申しましたような意味が、推進会議の意見書の中にも十分とは申せませんが、大体あらわれておりまして、やはり赤字線に対しては廃止するという方針が筋道として一応申し述べられておりますし、それからまた都市交通の問題なんかにつきましても、そういう意味をくんである程度一般会計から補給をし、そうして物価騰貴その他の関係を考慮してコストの増加する分に見合うある程度の運賃の是正を漸次行なっていく、とりあえずは一割の実収値上げによって現状を救い、なおそれからあとの推移によって、一回なり二回なり是正をすれば十年間維持できるという見通しでありますから、一応は私はそういう考え方でいくのはよいと思いますが、しかし、なおもう少し国の援助と、それから国鉄経営の負担すべき限界というものをはっきりさしていただくようにしたほうが、よりよいと私は考えるのであります。
#44
○瀬谷英行君 それでは最後に池田公述人にお伺いいたしますが、ただいま高橋公述人からもお話がございましたが、推進会議の意見書の中でも、たとえば赤字線をやめるべきではないかという点について触れておられますが、赤字線をやめるという問題、都市交通、要するに通勤輸送に対する政府援助という問題、こういう問題がないと、鉄道の赤字というものはどうにもならないということは、今回の運賃法に賛成の立場に立たれている高橋公述人からも言われたわけであります。そうしますと、一体今後どういうふうにしていったらいいのかという問題があるのでありますが、赤字線をやめるにいたしましても、全然人気のない所に鉄道が走っているなら別なんですが、今日赤字線といえども無人地帯に敷設されている鉄道というものはないわけであります。何がしかの人が住んでいるわけです。それが過疎地帯になったということで採算が合わなくなっただけの話。そうしますと、そういう人たちを見殺しにする、うば捨て山のように見捨ててしまうというわけにはいかないだろう。その場合に、自動車でもって間に合うということがあれば別なんでありますが、鉄道を持っていってしまった場合にかわりの輸送機関がない。特に東北地方では、雪の期間になると、鉄道が持っていかれてしまうと、自動車も通れないということから、雪の中に孤立するというふうな事情もあることを聞きました。そういうような地域においてすら、国鉄の企業性ということを重点的に考えて、赤字線を廃止するということが妥当なのかどうか。もしそれができないとするならば、そういう場合には、一体どうすべきであるというふうに考えられるのか。これは都市交通の問題でも同様のことが言えると思うのであります。今日のように公共性と企業性と両方調和をさせろというようなことを、きれいごとを言っておっても現実にはこのように公共企業体としての国鉄は、大きな借金でもって動きがとれなくなっている。いまのような機構とかシステム、こういうもので今後も続けていって、はたして輸送機関としての使命を果たし得るのかどうか。根本的に改めなければならないという必要があるとすれば、どういうふうにしたらよろしいのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#45
○公述人(池田博行君) いまの先生の御質問、一応二つぐらいに問題が分かれるのじゃないかと思いますが、もう一点だけあとでつけ加えますが、まず第一に赤字線の問題ですが、どうもいままでいろんな諸先生方の御意見を伺っていますと――名前を出して悪いですが、高橋先生もどうやら、それほど私どもと意見が食い違っているようには思えない印象を受けるわけですが、この赤字線の廃止の問題につきましては、よく私ども研究を、勉強しておりますものは、政府や財界なんかのやることの批判ばかりしているじゃないかということを言われます。政策はさっぱり言わぬじゃないかということを言われるんです、余談ですが。この現状の批判というか、問題点の取り上げ方の中に政策のあるべき姿というのが当然出てきているというふうに、われわれは自分たちで理解しておるわけです。したがいまして、これは逃げ口上ではありませんが、私ども赤字線をどうするかという政策を担当する立場にはないわけでして、赤字線のすべてですね、たとえば答申書に上がっております八十三本についても、私どもはほとんど一つも見ておらないという状況にあるわけです。ただその印刷物その他には目を通しておりますが。しかしながら、歴史的に考えてみた場合、日本の国鉄というのは、もう諸先生方御承知のとおりに、きわめて国民経済上、政治的にも社会的にも経済的にも大きな意味を持っている。また、その役割りをになわされてきたというような宿命にあるわけです。先ほどおっしゃったように、これはもう技術的な問題でしょうが、列車を――客車、貨車を自動車にかえてはたしてそれで従来どおりの役割りがになえるかどうか、これは技術的というよりは、かなり疑問が持たれるところでもあります。特に最悪の例として先生のおっしゃったような積雪寒冷地帯の道路というものは、この間の飛騨川の事件をごらんになってもわかりますように、あれはたしか、私の中途はんぱの記憶によりますと、主要地方道を国道に格上げして、拡幅ないしは舗装をしたというふうに記憶しておるわけですが、その際に、従来あったところの川を、専門語は忘れましたが、山からおりてくる河川を舗装して、そこに土管を通しただけというような道路建設の状況です。これが特に飛騨川事件の惨事を激しくしたというふうな印象花持っているわけでございますが、そういう意味におきまして、赤字線を撤廃する、これはやはり非常に具体的な状況を見てからでないとわかりません。赤字線撤廃云々は言えないと思います。先ほどおっしゃったように、確かに算術的にいいますとここ五年、十年たつと人口はゼロになるのじゃないか、と申しますのは、若い年齢層の人々は男女ともに外に出ていく。残ったのは年寄りばかりで、これでは再生産ができるわけがない。これは自然的に消滅するというような形になるわけですが、死んでしまうとそこの地帯はゼロになる。ゼロになる地帯が、かなり、裏日本という表現は悪いと思いますが、過疎地帯には見られておるわけです。したがいまして、もし人口がゼロになったところに鉄道が日に一回ないしは二回運行するとナンセンスだ、いまの学生諸君のいうことばで言うと、ナンセンスに当たると思います。したがいまして、その赤字線のあり方と、赤字線が現在になわされているところの、これまたある程度の歴史的な期間をとって、自然条件や何かも加味しなければなりませんが、はたしてそれが鉄道に代替し得るものとしての自動車による運行とか、そういう問題はもっとやはり綿密に、あるいは具体的な、あるいはむしろ文学的にいいますと、民主的な精密な調査に基づいて答申を出していかないと、地元の人というのは、都会に住んでいる者の想像する以上に、生活に対する影響が、マイナスの影響が大きいのじゃないかと思っております。赤字線全体について廃止すべきか否かということを簡単に言うのは、これはやはりどうもあまりにも腰だめ的な議論にすぎるのじゃないかというふうに考えております。そういう意味で、赤字線の問題は考えております。
 で、途中でちょっと申し上げますと、どうも委員会の答申の値上げの問題を確かに三回というふうにあの中にうたってありますが、あと二回はやるかやらぬかわからぬ。これは先ほどおっしゃったように試算であるということで、これはどうもいままでのわれわれの歴史的な生活の経験でいいますと、これはまた上がるなという予感しか持てないわけです。これはもっともっと数学的に計算していけば、必ず上げるだろうという予測も、現在のようなコンピューターによるユートピア――ユートピアでなくして逆の形が出そうですが、コンピューターの答えもそういう答えが出るのじゃないかというような皮肉な印象を持つのじゃないか。どうもお茶を濁しているのじゃないかという印象がやはり今回の運賃値上げについては申し上げられると思います。ですからこの際、抜本的ということばは、政治的な用語らしくてよく使われますが、基本的な改正というものを、先ほどから申し上げておるように考えていただく必要がある時期にきているというふうに考えます。
 それからもう一つの都市輸送について、これはすでに高橋先生が反対という立場でおっしゃったことの内容は、そのまま私どものほうでも大体利用できるのじゃないか、反対の立場に持ってこれるのじゃないかという印象しか持っておりません。結局、印象ばかり申し上げて恐縮ですが、どうも生きて、うるさいネコに鈴をつけるのはむずかしいから、死にそうでよたよたになっているほうのネコに鈴をつけようというような政策的な動きの印象が強いわけです。これも余談ですが、フランスの学生運動の中においての学生のいたずら書きに、壁に耳あり、耳の中に壁がある、というようないたずら書きがあったようですが、 その点、私どもこのほかいろいろと発表されていることに耳をかしていただきたいものだというふうに考えております。
#46
○委員長(岡本悟君) これにて質疑を終了いたします。
 公述人の皆さまに申し上げます。本日は、長時間にわたり貴重な御意見の御開陳を賜わり、ありがとうございました。本委員会といたしましては、皆さま方の御意見を今後の審議に十分役立たせたいと存じます。
 本日は、どうもありがとうございました。(拍手)
 これをもって公聴会を散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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