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#1
第061回国会 運輸委員会 第4号
昭和四十四年二月十八日(火曜日)
   午後一時十七分開議
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡本  悟君
    理 事
                菅野 儀作君
                谷口 慶吉君
                吉田忠三郎君
    委 員
                江藤  智君
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                重政 庸徳君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                木村美智男君
                瀬谷 英行君
                藤田  進君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                市川 房枝君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  原田  憲君
   政府委員
       運輸政務次官   村山 達雄君
       運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       日本国有鉄道常
       務理事      湯川 龍二君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団副総裁     篠原 武司君
       日本鉄道建設公
       団理事      田中 倫治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (航空行政に関する件)
 (日本国有鉄道並びに民営鉄道の運営に関する
  件)
 (自動車行政に関する件)
 (青函トンネル調査坑の出水事故に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として、日本鉄道建設公団副総裁篠原武司君及び同公団理事田中倫治君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡本悟君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(岡本悟君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○吉田忠三郎君 去る十三日の日に、運輸大臣が当委員会で運輸行政の基本方針についての説明と申しましょうか、所信のようなものを述べられましたが、それにつきまして若干の質疑をいたしたいと思います。
 各項目別に簡単に述べているわけでありますが、その第一の、国鉄の財政の再建、それから第二の海運の再建整備計画等々については、同僚のわが党の木村委員が、本院における予算委員会で質問いたすことになっておりますから、ダブリますから、私はこれを省略いたしまして、以下、航空関係等々の問題からお伺いいたしたいと思うのであります。
 この文章読んで見ますると、航空旅行の大衆化というものと輸送量、それから公共輸送機関等々に占める航空の地位等が述べられております。しこうして、施策としては具体的に空港等の整備が論ぜられておりまして、新東京国際空港の建設、さらには関連いたします整備等々が力説されております。その末のほうに、国内の幾つかのローカル空港の整備についても、地元住民をはじめとする各関係方面の理解と協力を得ることが必要であると考えますので、その点に十分努力をいたしたいと存じます、こういう抽象的なことを言われたと私は理解しております。
 そこで第一の新東京国際空港の整備であるが、もう公団ができてからかなりの日数が経過をしております。最近新聞紙上では、ちらほら何か建設に着手をして、かなり突貫工事でこれが完成するようなことが出ておりましたが、これに対して一体運輸大臣は、当初公団設立と同時に、新東京国際空港建設にあたって計画どおりに、土地の買収を含め、進められているのか、この点をまず一つ聞いてみたい。
 それから、この問題での第二は、地方のローカル空港の整備拡充について十分努力をいたしたいと存じますと、こうなっておりますが、具体性が何もない。四十四年度の予算をただいま衆議院で審議いたしておりますけれども、十分努力をいたしたいと存じますだけでは、これは地元住民をはじめとする関係各方面の理解と協力を得なければならない、必要だと、こう言っておりますけれども、その具体性がなければ、私は理解も協力も求めることができないと思うんであります。ですから、この点を少し具体的に当委員会で明らかにいたしていただきたい。これは運輸大臣が基本方針として申されたわけですから、そういうものはお持ちでありましょうから、いま申し上げたように明らかにしてもらいたい。これが航空関係についてとりあえずいま、基本方針について説明があったから、伺っておきたいと思うんです。
#6
○国務大臣(原田憲君) いま吉田先生のお尋ねの点は、具体的に成田空港を取り上げて、この成田空港の整備についてどういうふうに進んでおるかというお尋ねでございます。
 用地買収の進捗状況について申し上げますと、公団は昨年の四月、敷地内民有地所有者の大多数が加入しておる賛成派四団体と覚え書き調印を行ないまして、これによって民有地の約八八%が任意買収できる見込みとなっております。この調印に引き続いて土地売り渡し同意書の提出があったものについて、個別に四月から七月まで家屋、立木等の集中的調査を実施したことから、用地買収は大きく進展しております。契約したものは四十四年二月十五日現在で民有地の約五六%に当たる約三百八十ヘクタール、第一期工事区域については民有地の約七二%に当たる約二百ヘクタールでございますが、本年三月末までには第一期工事区域の大部分について取得できる見込みでございます。
 なお、地元の協力を得るためにどういうことをいたしておるかということでございますが、この問題につきましては、今度の予算の際に、これは地元の千葉県の協力を得るということが大切でございますので、自治大臣が中心になりまして、地元のための特別法をつくって地元のために協力する、こういうことをいたしておりますので、いずれ本国会におきまして、その問題について御審議を賜わることになってくると思うんでございますが、なおもう少し詳しくは航空局長からお答えを申し上げます。
#7
○吉田忠三郎君 航空局長からはあとから補足的な説明は求めるとして、大臣は何かはかに出るところがありますからね。――では航空局長から。
#8
○政府委員(手塚良成君) ただいま大臣から御説明申し上げましたように、新空港の用地買収状況につきましては、大体まあ当初のスタートが非常におくれましたことは事実でございますけれども、去年の四月六日に基本的な価格の決定を見まして、条件二団体と一応基本的な調印ができたということ以来急速に進んでまいりました。数字的に申し上げますと、買収を要します民有地全体で六百七十ヘクタールでございます。この全体の六百七十ヘクタールに対しまして、二月十五日現在買収済み並びに調印済みのものを含めまして三百七十七・四ヘクタール、パーセンテージでいきますと五六・三%の買収でございます。ただ、この新空港は、工事を二期にわたって行ないますので、第一期区域を急いでやるということで、昭和四十六年四月から飛行機を飛ばそうと考えておるわけでございます。その第一期区域だけについて見ますと、要買収面積が二百八十二ヘクタールでございます。それが現在のところ二百三・八ヘクタール、要面積の七二・三%という買収並びに契約調印済みという状態になっております。この姿は、三月末までに予定いたしておりますのは、全体で見まして五百ヘクタール、第一期工事につきましてはほとんど一〇〇%に近い二百七十八ヘクタールはいけるというふうな現在の見通しになっております。そのあとの反対派の皆さんがまだおられるわけでございますが、こういう方々に対しましての措置といたしまして、私どもの現在行なっておりますのは、一つは代替地の確保、これは従来の賛成派の皆さん方と同様の態度でわれわれは臨みたい、賛成派の皆さんに対しましてはおおむね約五百ヘクタールの代替地を用意いたしましたが、さらに反対派の皆さんに対してやはり約その一割の五十ヘクタール程度の用地を確保するということで、この面につきましては大体めどをつけております。
 それから騒音に対しましての反対が非常に多うございます。特にこの飛行場の南のほうに当たります芝山地区というほうが、飛行場の、言うならば裏側に当たります。残されるのは騒音だけであるというような意味において反対が非常に強うございます。この騒音に対します対策は、もちろん騒音防止法によって行なわれるものでございますけれども、さらにこの地区におきまして畑地のかんがいをやろう。これはもう位置の決定のときに同時にきまりました政府の方針の一つでございます。騒音の対策の一環といたしまして畑地かんがいということをやる。それに対する農林省における来年度の調査費等もきまっておる次第でございます。
 さらにこの騒音に対しまして、騒音対策委員会という地元の方々を含めました関係者での委員会をつくって、この騒音に対するいろいろな不安感、また理解を深めるというような趣旨のことを進めるという委員会を設置することに相なっておりますが、これは現在準備中でございます。
 そのほか職業転換という問題がございまして、これは総合職業訓練所を設置することにいたしておりますが、予算も労働省において一応現在内定を見ておるような状態で、そういう職業訓練所を設置をしていこう。そのほか、公団自体では、現地におきまして生活相談所というようなものを設けまして、そういった皆さんに対する個別の具体的な御相談に乗るというような対策を進めております。
 先ほど大臣の申されました関連事業に対する立法といいますのは、空港の周辺においていろいろ道路なり、あるいは河川の改修なり、あるいは住宅地なり、そういったものを新たにつくる、あるいは改造をするという問題がございます。そういった問題を含めまして、地元における負担をできるだけ少なくするというような意味で、関連事業に対する地元負担の軽減措置を考えたいということで、目下自治省を所管省にいたしまして、そういう法案の立法化につとめておるというふうな次第でございます。そういうような具体的な措置をとりながら、反対派の皆さんに対して極力この国家的な事業に対する御協力をお願い申し上げようということで、鋭意努力をいたしておるところでございます。
#9
○吉田忠三郎君 そうしますと、いまのその説明からいくと第一期−第二期はまだ先ですが、一期の計画は予定どおり進められて、しかも運用開始のときには所定の計画どおり実施できるという見方でよろしいわけですか。
#10
○政府委員(手塚良成君) 現在までの進行過程におきましては、ただいま先生のおっしゃいましたように、四十六年四月に飛行機が飛ばせるという姿、第一期工事の完了が可能であるという見通しで進められております。
#11
○吉田忠三郎君 そうしますと、この滑走路だけでは飛行機は飛ばすことにならないのですから、営業開始のときなんですが、そうするとターミナルビルの建設等の付帯した、関連した工事がたくさんありますね。そういうものを含めて四十六年の四月には営業開始ができる、こういうことですか。
#12
○政府委員(手塚良成君) 飛行機を飛ばしますのには、最小限、おっしゃいますように、旅客に必要なターミナルビル関係並びに飛行機の整備に必要な整備施設、あるいは貨物の取り扱いに必要な貨物取り扱い施設、そういったものが必要になってまいります。いまおっしゃいましたターミナルビルにつきましては、第一期といいますか、一番当初には五百四十万人を対象とするターミナルビルを建設する予定にいたしておりますが、当初飛び出しますときにはそれだけの人数を対象とする必要がございません。したがいまして工事工程といたしましては、そういうのを分割しながら設営をしていくという工程になっておりまして、第一期、四十六年四月には分割しながら進む。一部のものがつくられて、お客の乗降には支障がないという状態を考えております。
 なお、整備施設、貨物取り扱い施設については航空会社自体でやるものが大半でございますので、特に日本航空におきましては、そういった事態に対処すべく予算その他の面で目下計画をし、そのときに必要なる措置ができるように進めております。
#13
○吉田忠三郎君 これはきょう時間がかなりかかりますから、聞きおく程度にしておきますが、一応いままでの説明は了とします。
 そこで新東京国際空港の場合はそれでよしとしてですよ、ローカルの場合、大臣どうなんですか。
#14
○国務大臣(原田憲君) 地方の飛行場につきましても地元の方々とよく相談をいたしまして、御協力を得て整備できるように努力をいたしておりますが、たとえば松山空港等におきましても、だいぶおくれておりましたけれども、地元の皆さん方とよくお話をして整備を充実するようにつとめておる、こういうことでございます。
#15
○吉田忠三郎君 大臣、松山ばかりではないのだよ。あなたは十三日の日にちゃんと読み上げた、ここで。これを見ると、一回ここで読んでみますと、「これらの空港の整備にあたっては、特に地元住民をはじめとする関係各方面の理解と協力を得ることが必要であると考えますので、その点にも十分努力をいたしたいと存じております。」こうなっておる。ですからこれは全国、この三十七カ所の空港に対しまして、そういうことでなければならないと理解するのがわれわれの立場ですがね、松山を一つ例にとりましたけれども、松山だけではないでしょう。鹿児島にも問題はある。青森にもあるし北海道にもある。数えあげたら全国至るところにありますですよ、問題が。ですからこれをどうあなた具体的に、ただ、こう存じますと、「存じております。」ということではいけぬのですよ。行政面として具体的にどういうあなたは施策を施そうとしているのか、施策を持つようにしているのか、これを明らかにしてもらわなければならない。
#16
○国務大臣(原田憲君) ローカル空港の整備は、ローカル航空路線における輸送需要の急激な増大及び航空機の大型化に対処するとともに、空港における安全を確保する上において緊急を要しますので、空港整備五カ年計画に基づき強力に推進していきたいと考えております。すなわち第二種空港は原則として滑走路を二千メートル級、あるいはまた千五百メートル級に延長するとともに、エプロン等の施設及びILSレーダー、航空灯火等の航空保安施設を整備することといたしております。
 また第三種空港については航空輸送事情、地理的条件を勘案して、特に緊急を要するものにつきましては、滑走路を千五百メートルに延長するとともに、各空港について航空灯火を整備することといたしております。
#17
○吉田忠三郎君 ただそれだけでは、そういう書いてあることを読んでいるだけにすぎない。この間の域を脱しておりません。ですから、五カ年計画をお持ちですので……。ですから、きょうはこれ以上のことは聞きませんが、次回の委員会までに、五カ年計画と具体的なこの計画に基づいた諸般の要綱なり、そういうものがあると思うのですよ、これを資料として私は提示することを要求します。
 それからもう一つは、新東京国際航空公団ですね、先ほど航空局長は所定の計画が進められている、こういうことですから、そこでいままでどういうことをやっておったのかということもわれわれ知らなければなりませんから、この際は資料要求をいたしておきますが、一つは、新東京国際空港公団発足以来の当時からの予算と決算、それに会計検査院の報告書、これをくっつけて出してもらう。それから、それと各年次別の計画と事業の実績、これを出してもらう。それから四十四年度の予算要求として、政府原案がきまっているわけですから、これに基づいた計算の積算の方法とか何とか、そういうものは必要ありませんが、いまの説明では四十六年度までに、四月までに営業、運航開始ができるようにするのだということですから、今年から着工するというわけですから、具体的に、つまり昭和四十四年度の何月から始まって今年度予算ではどういうふうにやるのだという事業計画があると思いますから、そうしたものも次回の委員会までに私は資料としてこの関係は要求をしておきたいと思いますから、委員長からはからってください。
#18
○委員長(岡本悟君) 局長。
#19
○政府委員(手塚良成君) 資料として御提出申し上げます。
#20
○吉田忠三郎君 それから資料要求で次回に持ち越すわけですが、運輸大臣、かなり長年月かかっていろいろな要望、要求があった問題の一つとして、訓練飛行場の問題があるのですね。で、まあこの問題が起きてからもう大臣四人ぐらいかわっているのですが、依然としてまだそれが方向だにわからない。あなたのこの基本方針でいきますと、たいへん国際あるいは国内線についても重点を置いているわけですから、そうした施設ができたとしても、依然として訓練はアメリカまで行ってやっている。しかも経費は依然として日本航空持ちです。このことは私は前の委員会で指摘してあるのです。検査官がそこの会社のパイロットの資格を検定するためにその会社の経費でアメリカまで行ってやっている。こういうことでは適正な厳正なパイロットに対する各種の検定などというものは行なえるものじゃない。しかし依然としてそうなっておりますね。ですから、そういう面からもわが国の国内に訓練飛行場というものが必要であることがはっきりしている。これはどうなっているのか。新聞紙上ではちらっと沖繩のどこかに運輸省が調査中とか調査したとか出ていますが、大臣どうですか。
#21
○政府委員(手塚良成君) 大臣にお尋ねでございますけれども、話が具体的でございますので…。
#22
○吉田忠三郎君 具体的じゃない、沖繩の問題、方針の問題なのだから、大臣答えなさいよ。
#23
○国務大臣(原田憲君) 航空局長に答弁いたさせますから、どうぞひとつ。
#24
○政府委員(手塚良成君) 訓練飛行場につきましては、先生の御指摘のとおり、前々から問題になっております。特にジェットの飛行機の訓練につきましては、主として騒音の問題等から特別な訓練飛行場を必要とする。現在ある国内の飛行場等でこれをやりますことは周辺にいろいろ問題を起こしますので、そういった騒音関係に支障がないというところの飛行場、並びにここに施設等を集中いたしまして能率のあがるジェット機の訓練をやりたい。そういう意味の訓練飛行場を検討いたしておるわけでございます。いままで私どもといたしましては本土を中心にいたしましてその周辺の島も含めまして、いろいろ検討をいたしてまいりました。小笠原における硫黄島等もまあその一つかということで、実は先般来、検討もいたしております。しかしながら、いろいろ利点と難点等がございまして、まだ全般的に検討を終了して、ここだという結論に至っておりません。たまたま、いま、お話のございました沖繩における訓練飛行場という問題につきましては、実は現地におきます熱心な誘致運動等もございまして、日本航空等におきまして現地を一部視察をし、私どものほうでは実は那覇空港という現在沖繩で使っております空港の米軍による拡張計画がございますが、この拡張計画に関連をして、その計画内容の調査を私どもも共同してやりたいというようなことから、係官が現地に参りました節、そういった現地の要望等におきます一部の島等を実際に見まして、まあ、訓練飛行場に適当かどうかというようなことを検討してまいっておる。しかし、これはまだ正式な、内地の周辺において行ないましたような検討ではございません。ざっと現地を見たという程度のことでございます。
 現在、日航におきましては、御指摘もございましたように、こういった訓練に適当な候補地の調査中どうするかということから、昨年の十一月にアメリカのモーゼズレークという昔B52の飛行場として使っておりましたものが完全にあきましたので、これを三年間という期間を切りまして、訓練所というものをそこに一応設置いたしております。したがいまして三年間というものはここでおそらく訓練が平静に行なわれると思いますが、ただ、ここも非常に立地条件その他がよろしいために、他の航空会社が同時にここで訓練をやろうという傾向がございまして、三年後等においては相当混雑をしてくるということが予定されますので、やはり将来の確定した、安定したジェット用の訓練飛行場がほしいという、こういう考えがあるわけでございます。そこでいま申し上げました沖繩にはと、ただいま申しましたような程度の調査をやっておりますが、国内におきます調査等もさらに一そう念入りに調査をして、なるべく早い時期に訓練飛行場というものをきめたいというふうなかっこうできております。
#25
○吉田忠三郎君 大臣、いまの航空局長の答弁を聞いてあなたも認識を深くしたんじゃないかと思うのですがね。四十四年度の予算要求にも調査費を要求しております。していますね、どうですか。
#26
○政府委員(手塚良成君) はい……。
#27
○吉田忠三郎君 これは大臣に聞いておるんです。大臣、そのくらいわからぬでは……。予算要求をあなたしたわけでしょう。
#28
○国務大臣(原田憲君) 調査費三千万というものがございます。
#29
○吉田忠三郎君 していますね。調査費を要求しておることが確認されましたが、三千万という調査費でどういう調査をやるのか、それは存じあげておりませんが、かなりの額の調査費だと思います。したがって大臣、いまの航空局長の話だと、沖繩等多少調査をしたもようですね。ですけれどもこの際は本土の中に、本土内に飛行場が必要だということも航空局長みずから力説しておられる。本土内にそういう適地があるかどうかということもやらなければならぬと思うのですよ。同時に先ほど言った三十七の国内の飛行場の中には依然として遊休的な、遊んでおる飛行場がある。飛ばない飛行場がある。膨大なこれは国民の税金を投入した、公共投資をした、依然として飛ばない、遊んでおる、遊休の飛行場があります。こうしたものだってやはりせっかくの国民の大切な税負担ですから、活用する方向で検討する必要があるのじゃないですか。この点どうですか、大臣。
#30
○国務大臣(原田憲君) 検討をいたしております。
#31
○吉田忠三郎君 具体的にはどういうことですか。検討しているということですからね。
#32
○国務大臣(原田憲君) 局長から答弁させます。
#33
○政府委員(手塚良成君) 遊休空港といいますのは、先生も御承知のとおり、北海道におきましては中標津、紋別、女満別、それから本土におきまして松本、そういったようなところかと思います。先般、松本空港につきまして、いろいろ地元からの話もございまして、ビーコン等をもう一つつけたならば定期路線が運航できるのではないか、そういう方向で、ひとつ、定期が飛べるようにしたらどうかという地元の御要望並びに先生の御指摘もあったかと記憶いたしておりますが、そういう検討をやりまして、実はとりあえず移動用のビーコンを松本についてはもう一基つけてみようということで、実はただいまそういう機器を発注いたしております。これは試験を兼ねての機器でございますので、そういうものをつけましてむだになるようなことがないように、また他に転用を考え得るようなビーコン、移動用というので考えたわけでございまして、松本等におきましては、いま言うような措置をとりましたならば、おそらくある程度の定期運航が可能になるのではなかろうかというように考えております。北海道におきます中標津、紋別、女満別等につきましては、先生はすでに十分御承知のとおり、夏季に、夏場におきまして小型機でもって運航いたしております。こういったものにつきまして、さらに本来的な定期運航を行なうにはどうすればいいか、いろいろ季節的な制約等もございますので、本土のようなわけにもなかなかまいりかねるかとも思いますけれども、できるだけそういうようなことについて、施設その他でカバーできるものについてはカバーをして進めるというようなことを、これはまず松本等を一つの試験といたしましてそういう進め方でやっていきたいと考えておるわけでございます。
#34
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記をとめて。  〔速記中止〕
#35
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
#36
○吉田忠三郎君 航空局長ね、大臣に聞いてもあなたが答えるからあなたのほうが詳しいのかもしらぬけれども、あんたなら大臣なんて要らないな。ずうずうしくも、解散したら大臣のいすかなんか早くやめなければならぬようなことを言っていますがね、まさにずうずうしいですよ。さっぱりわからぬ大臣なんかやめてもらったっていい。
 それでですね、いまの国内の幾つかの遊んでおる飛行場、これは漸次整理するなり、あるいは開発するなりして、定期便を飛ばすというような意味のことですがね、私は、そのことも必要だけれども、この訓練飛行場がないわけですから、そうしたものをとりあえず、よく調査をしてですよ、指定をして、訓練専門の飛行場に活用したっていいのじゃないですかなあ。そういう検討していないのですが。
#37
○政府委員(手塚良成君) 先ほど申し上げましたように、訓練飛行場として永久的に考えていきたいと思います訓練飛行場は、ジェットの訓練も兼ねてできる飛行場と考えておるわけでございます。したがいまして、ただいまのジェット機、DC8なり、あるいは全日空、日航が国内線で使っております727なり、こういった飛行機に対しましては、少なくとも滑走路長がやはり最低三千メーターはほしいと考えております。したがいまして、ただいまおっしゃいます、いわゆる遊休飛行場等におきましては、そういった意味で、さらにこれをそのまま使うというわけにはまいらないわけでございますので、やれば、そういう意味の新しい整備をしなければならぬ。で、そういうことは、非常に適地であるということであればもちろんそういう金はかけるべきだと考えるわけでございます。ただ御承知のとおり、この訓練飛行場にはいろいろな要件をわれわれは考えますわけでして、先ほど申し上げました騒音問題等はジェットというようなことからは一番大きな問題になるわけでございますが、そのほか、たとえば気象条件あるいは周辺の地形の状態、これは初歩的にジェットに取りつきますパイロット等につきましては通常の場合よりもなおそういった地形についての要件を厳格なものを必要とする。それから空域の状態、そのほか関連施設等々いろいろございますが、そういう要件をいろいろ考えておるわけでございまして、おっしゃいますとおりに、私どももまず第一に、そういった遊休と言われる空港においていまのような要件が満たされれば第一にそれを使いたいということで検討はしたわけでございます。なかなか、そういういま申し上げるような項目から検討した結果では、必ずしも適当ではないというのがただいままでの検討結果でございます。
 で、そのほか、私どもとしては、やはり島あたりが適当ではなかろうかというようなことで、ずいぶんと島をいろいろ検討をしておるわけでございます。まあいまおっしゃいました遊休空港についての訓練飛行場としての適不適という問題については、当然検討結果もございます。いまのところ、これが適当であるというのには打ち当たっておりません。松本空港などは、私どもは、純技術的なものを別として、非常に適当ではないかということが一時言われたことがあり、検討いたしましたが、これは御承知とも思いますが、先ほど申し上げましたように、施設的に通常の場合一個で足りる無線施設が二個も要るという状態の、左右非常に山に囲まれておる状態でございまして、小型機等の訓練という意味ではよろしいかと思いますけれども、なかなかこれも大型機、ジェット用というのでは適当でないというような結果等も出ております。そういった意味で、現在までのところ、ただいま私のあげましたような遊休といわれる空港では必ずしも適当だという結論は出ておりません。
#38
○吉田忠三郎君 訓練飛行場のことで言い合っているのですけれども、時間がなくなりますので、それはそれとして、調査費をせっかく要求していますからね、これはその国内の各空港に対する諸般の設備が整っていたって、これはやっぱり訓練しなければ、これは航空安全ともつながりますたいへんな問題に将来なるわけですからね、並行して、より積極的にぼくは取り上げるべき問題だと思うのですね。そういう点をひとつ要望しておきたいと思うのです。
 それから、これは大臣いないでちょっと……、政策の問題になるのですがね。これはどうかと思うのですが、とりあえず航空局長に、日ソの航空協定のことをちょっと聞いておきたいと思うのですが、新聞紙上に出ている内容で大体間違いないのだと思うのですが、前運輸大臣中曾根さんは、去年ソビエトへ行ったときにある程度見通しをつけられてきて、本委員会においてもその内容が大臣から非公開で説明されたわけです。それが今度実を結んだ結果になるんでしょうけれども、新聞では来年の三月以降ですか、自主運航をやる。それからもう一つには、万博に臨時便を飛ばす。それからもう一つは、ハバロフスクから日本の一地点に対して貨物便を飛ばす等々のまあ内容であったように新聞では報道されております。ですから、私もそう理解しているわけですが、この理解でいいかどうか。
#39
○政府委員(手塚良成君) 大体項目的には先生のおっしゃる項目が今度の協定の内容に含まれておりますが、少しずつこのニュアンスの相違がございます。概略この席をおかりいたしまして御報告を兼ねましていまの御質問にお答えいたしたいと思います。
 今度きまりました内容の第一点は、自主運航をいつからやるかということの期限を明記するということでございました。その点につきましては、いま先生がおっしゃいました昭和四十五年、来年三月三十一日よりおそくない時期に開始する。それよりおくれることはない時期に開始をするということで、おそくとも来年の三月三十一日以降、四月一日からということになるように時期をはっきりと明記をいたしました。この点がわれわれの日ソ協定のまあ一番の主眼であったと思うわけです。先般中曾根大臣の御報告なり、あるいは訪ソが行なわれましたときもこの点はまだ概略のことであったと思いますが、これは今回、ただいま申し上げましたようにはっきりされました。なお、これに対応しての条件というものは全くついておりません。
 第二点は、この三月三十一日までの間現在の暫定運航が続けられるわけでございます。この暫定運航中について現状を拡大発展的に少しもっていきたいという双方の合意ができたわけでございます。すなわち、運航回数を現在週一便にいたしておりますのを週二便にする。飛行機が現在プロペラ機でございますツポレフ114という飛行機でございますのを、これもソ連製でございますが、ジェットのイリューシン62というものに取りかえる。それから日本あるいはソ連の発着時間、これは主としてソ連への着時間でございますが、この時間をもう少し調整をする。それから曜日等を少し変えるというような問題、これらについては詳しくはことしの三月にアエロフロートと日本航空の間で商務協定の改定を行なわなければなりませんので、その節に具体的にきめる。こういうことが暫定期間中における新しい問題として新たに取りきめをされました。
 それからさらにもう一つは、いま御指摘の万博中のチャーター便の問題でございます。これは要するに、この間は共同の運航でチャーター便を運航するということでございまして、これは現在の東京・モスクワ間という間はこれは従来の協定でできるわけでございますが、新たにハバロフスクと日本国内の一地点という間にもこの万博の間はできる限り多数のチャーター便を飛ばすことに双方合意をすると、こういうことになりました。これはやはり共同便として実施をするということにいたしております。それからなお博覧会が終わった後のチャーター便の問題もこの協定にうたわれております。つまり自主運航に当然時期的には入ってくるわけでございますが、その自主運航に入ってきた後のチャーター便の問題については、以後両方で話し合いをする、こういうことにしております。
 それからもう一点は、ハバロフスクと日本内地との間に貨物の専用便を飛ばそうではないか、これはソ連側からの一つの強い要請でございました。この問題につきましては今後自主運航が開始された後、一カ月以内に両国の航空当局の間でこの問題について交渉を行なうということにいたしました。先方としては今度の交渉で直ちにその権益を双方で認め合おうという意思が非常に強うございましたが、日本サイドといたしましてはいろいろ今後調査、準備の都合がございますので、なお今後交渉したいということで、これは自主運航の姿ができ上がった後の問題として交渉を行なうというふうにいたしました。なおそのほか旅客の問題がハバロフスクと日本内地との間の問題として向こうからやりたいという提案がされました。これは貨物といささかニュアンスを変えまして、やはり貨物の問題を交渉いたします時期に討議するということにいたしておりますが、この討議とか交渉ということばがそれぞれ別にしてございますのは、まず貨物の問題をひとつ積極的に解決をし、順番としてそのあとで旅客の問題を進めていこうというようなニュアンスから、ことばの上においてもそういう違いを取り上げているわけであります。
 項目でいきますとなお一項目ございまして、今回こういうことを取りきめました形式は一つの覚え書きということになって、運輸大臣と向こうの民間航空大臣がそれぞれ調印をいたしておりますが、これをできるだけ早い時期に正式な外交上の形式のものにしようということを確認するという一項目を中に入れまして、いずれ向こうの在ソ、日本大使館とロギノフ大臣との間に正式な調印が行なわれ正式な外交上の協定になると考えております。
 おおよそのことで恐縮でございますが、大体以上のようなことであります。
#40
○吉田忠三郎君 たいへん詳細に説明をされましたから、われわれも非常に認識を深めたわけでありますが、そうすると、自主運航については協定の形をとったわけですか、そのことも含めて、覚え書きにしたのですか。
#41
○政府委員(手塚良成君) 現在のところはその問題を含めまして覚え書きになっておりますが、いずれその問題を含めて、いま申し上げた問題全体が一つの外交上の正式公文になるというふうに考えております。
#42
○吉田忠三郎君 そうすると、その時期は来年の三月以降でなければ正式ないわゆる外交上の協定文書にならない、こういう理解でよろしいですか。
#43
○政府委員(手塚良成君) 自主運航前にこの問題はそういう正式なものになると考えております。というのは、この中に取りきめております内容は、ただいま申し上げましたように自主運航になる時期、あるいはなってから後のことのほかに、それまでの暫定的なこともきめているわけであります。先方にとりましては、そういったようなことも公式なものに早急にしたいという意思が向こう自体にもございますし、われわれも考えておりますので、できるだけすみやかにこれは今後外務省を通じて日時は決定されることになると思います。
#44
○吉田忠三郎君 そうしますと、この覚え書きもけっこうですが、普通の協定にはいろいろな覚え書きとか、あるいは備忘録とか形式でありますね。今度の場合はそうした備忘録のような形式はとらなかった、そういうものは全然なかったですか。
#45
○政府委員(手塚良成君) これは現在のは覚え書き、こういうようなことになっております。「日本国運輸大臣とソビエト社会主義共和国連邦民間航空大臣との間の航空交渉に関する覚え書き」、こういうことになっておりまして、この覚え書きの了解事項というのは、「外交上の経路を通じて、両国政府間でできるだけすみやかに確認されるものとする。」という条項を入れまして、ただいま申し上げましたように、外交上の正式の協定文の一部になる、こういうことにいたしておるわけでございます。
 つけ加えて失礼でございますが、この本文自体は双方の合意によって不公表ということにいたしておりますので、これをお目を通し願うとよくおわかりと思いますが、そういう事実になっておりますので、その点は御寛容いただきたいと思います。
#46
○吉田忠三郎君 わかりました。そこで、突拍子もないことを聞くんですが、今月十六日の日に自民党の古井さんが北京に行っていますね。北京で会ったときに、私の伝え聞くところによると、中国側と、民間MT貿易のことで行ったのでしょうけれども、何か話題になりまして、今度の日ソ航空協定の備忘録に中国を非難する文章がある、こういうことが相手方から指摘されたという報道が、現実の問題としてわが国の新聞の中にも報道されていますね。そういう事実があったのかどうか。つまり向こうで言っているのは、新聞を見ますと、「その証拠の一つとしてあげられているのは、最近東京で調印された日ソ航空協定備忘録に対する中国のきびしい論難ぶりで、例えば十五日の」――何か向こうに光明日報というのがあるんだそうですが、そこでそのことを盛んに指摘した論文が出ている、こんなのが日本の新聞に出ているんですね。これは御存じですか。
#47
○政府委員(手塚良成君) 新聞は私も見ております。今回の日ソの交渉におきましては、ただいま私が要点を概略御説明いたしました以外に、何らのほかの取りきめ、備忘録的なものもございません。で、日中の関係の問題等につきましても、全然交渉の過程において議題にのぼったことは一度もございません。したがいまして、そこに書いてございますのは、私は一方的な内容だと思います。真実のところはよくわかりません。
#48
○吉田忠三郎君 非常に明快なお答えをいただきまして、私も日中の関係で、その限りではしあわせなことなんですね。その国と別の国と協定を結ぶ場合に、第三国を非難するようなことは私はないと思うが、かなり大きな活字で新聞に出ておりましたから、心配して聞いたら、そういうことはないという明快な答弁ですから私も安心ですが、そこで政務次官にちょっとお伺いしますが、日中の航空の相互乗り入れについてかなり前から議論があって、民間ベースの中において、一時期においては中国側でもかなり積極的な時期があった。わが国のほうはこれを拒否したようなかっこうになって今日に至っているんですが、最近外交上の問題ですが、中国政府をイタリアが承認するとか、あるいはカナダがこれまた認めていくとか、あるいはアメリカにおいてもニクソンになってからジュネーブにそれぞれの代表者を送り、接触を保つというような、あるいは往来についてもかなり緩和した政策をとるようなことを伝えられていますね。そうしたことがどうかは別として、佐藤総理大臣もこの国会で、日中両国間の臨時便について民間航空界の相互乗り入れ、この実施についても考えておるという旨を明らかにしたでしょう。これは御存じですね。そうして追って愛知外務大臣も、この問題を衆議院予算委員会を通して、かなり明らかにしたものがありますね。これは非常に日中の航路を開いていくために関心を持っているという言い方、しかもこれは相手の出方次第だと言い切ったものが出てきたのですね。したがって、直接にはこれは運輸の問題ですから、本来、運輸を所管する大臣がいればいいのですが、大臣は本会議に行きましたから、政務次官は政治的に補佐するのですから、どう考えているかということと、それから局長に事務当局として、こうした政治的な一国の総理大臣の発言、それから外務大臣の発言、これをとらえて、どう扱っていくかということですね。そこで、日中の、臨時便にせよ航空相互乗り入れということを、わが国としても外交上もそうであるが、経済的にも積極的に前向きに考えることは、将来のいわゆる航空上の中国の市場というものを評価した場合に、私は、政策としてとるべきじゃないかと、こう思うのですが、そこらあたり一体どう考えておるかということを聞かしていただきたいと思います。
#49
○政府委員(村山達雄君) 御案内のとおり、いま日中間では正式の国交が回復していないわけでございます。しかし、貿易その他政経分離のもとに相互の利益になる範囲内におきまして双方がその合意範囲を広げていきたいということは当然でございます。航空問題につきましても、基本的にはこれと全く同じ考えであります。われわれいま伝えられているとおり、自民党の代表者が二人行かれたわけでございますが、これもいわば、そういう状態にあることを前提にしておりますので、とりあえずは民間ベースでの臨時便の開設について聞きに行ったのではないかと私も思っておるわけでございます。正式に総理のほうから運輸省のほうにその点についてどう思うか、どうすべきだというようなことは、私の知っておる限りでは聞いていないのでございます。私見でございますが、将来、日中間の航空を含む経済交流が行なわれるということは、これは好ましいことでありましょうし、また中国の現在占めております地理的関係から申しますれば、将来は非常に大事な航路になることはまず間違いないと思うのでございます。そういう意味で機会のある限り、またわが国の方針と矛盾しない限りにおきまして、これがやはり積極的にチャンスをとらえていくという姿勢は政府としても肝心のことと思うのでございます。
#50
○政府委員(手塚良成君) 純事務的に考えた場合の日中航空路の問題でございますが、やはり私どもはマーケットとしては世界じゅうで残された非常に有力ないいマーケットであると考えます。そこで基本的な、ただいま政務次官からの御説明の方向でわれわれは事務的には考えていきたいと思います。やはり航空につきましては協定というのが前提になるわけでございます。協定そのものを結ぶということは、これはいろいろな意味において早急な問題にはなりかねる。したがって、いわゆるチャーター便というようなもので具体的な事例が出てまいりましたならば、それなりの検討をして、できるだけ前向きで考えていってはどうかというふうに現在考えております。ただやはりいろいろ外交上でも言われますように、たとえば日本航空は台北に現在二十九便飛んでおります。これも非常に有望な日航としてのマーケットになっておるわけでございまして、こういった台北路線などとの関係が一体どういうふうになるもんであろうかというようなことなどはやはり今後の課題ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。したがって、基本的には私どもはやはり有望なマーケットとしてこういったところに航空路が開けることは望ましいというふうに考えます。
#51
○吉田忠三郎君 両方とも大切なことだけ申されて一緒なんですがね。これ具体的に、たとえば日中の交易関係で大体私どもの調査しておるのでは年間九百から一千人くらいの方々が往来していますね、日本人だけで。それから日工展の関係でも三百前後の方々が往復していますよね。ですから、そうした面だけ見ても、これは臨時便に値するものだと思うのですよ、わが国の経済の面から考えてみたってね。それから時間的には、いまこうした人々は香港経由か、あるいは船便で行っておるわけでしょう。そうすると、たいへんな日数の時間的なロスがあるわけです。おそらくや東京、首都間かりにそうした協定ができてジェット機で飛んだら三時間くらいで行くんじゃないですか。非常にそういう面でも私は利便があるし、それから大きくはいま局長言われたように、マーケットとしてどう判断するかということですね。それから政治的には国交回復してないのですから、民間ベース、民間ベースといったって、そうはいつまでも民間ベースといっていられないと思うのですよ。ですから、将来は日中間の国交回復のためにもなるであろうし、あるいは文化交流にもなるであろうし、いろんな意味で重要な問題だと私は思うのですよ。したがって、たしか四、五年前だと記憶していますが、中国側が積極的だったはずですよ。そのとき日本側は拒否している。ですから、いま私が申し上げたような根拠に基づいて、そうした理解が皆さんが答えられるような理解になってきているということは、国際的にも、あるいは国内的にも当然そういうものは動くわけですから、そういう状況変化に基づくものだと好意に理解して、あとの解決は――中国側が四、五年前に考えておった基本的な方向が変わらなければ、残る問題は日本サイドにあるという理解よりできがたいのじゃないかと、こう思うのです。しかもこれは飛行機のことですから、通信とか、あるいは管制塔等幾つかの技術的な問題はあろうと思うんですが、現にこれは航空局長存じ上げているように、パキスタン航空が中国と乗り入れやっていますね。それから英国でもそういう計画をいましているわけでしょう。それからフランスもいまそういう中国乗り入れの計画やっていますね。こういう動向等見ると、私は政経分離などと政府は言っていますけれども、かりに政治と経済と分離したって、どういう形でやるか別として、積極的にやらなきゃならぬ時期にきているのではないか、こう思うのですよ。
 それからもう一つは、政務次官、いま国交回復していないのですよ。しからばわが国で国交回復をしなければ、こうしたいわゆる経済行為の協定をずっと他国と結ばなかったのかというと、前に中国を除いて国父回復しない国とこうした協定結んでいる前例がありますね。だからさして私は政府間交渉に乗っけたって問題がないのではないか、こういう気が一つします。それから技術的な問題についても私は日航の某幹部に多少聞いてみますと、すでに日航はかなり調査していますよ。技術的には日航としては問題がない、こう言っているので、あとは残る問題とすれば、つまり中国側が四、五年前にわが国に申し入れしておったような状況が変わっているのかどうかということが一つ、あとはわが国の側でこれを積極的に取り上げるかどうかという問題が問題になるくらいの問題で、さしてあまり大きな問題は私はそれ以外にはなさそうに考えるのですがね。こういう点の理解のしかたをどうしていますか、政務次官。
#52
○政府委員(村山達雄君) 内容につきまして、これは双方の利益につながることで、積極的に推進すべきであるということは、運輸省としてはさように考えております。ただ、いま先生がおっしゃったようなところの、正式に国交が回復していないにもかかわらず政府間協定を結んだ事例があるというお話でございましたが、残念ながら私寡聞にしてそのことをよくわかりません。そういうことがありましたら、さらにその点をよく詰めまして、外務省ともよく相談してみたいと思っておるわけであります。何しろ、もうあれだけの大国でございますし、それから日本もこれだけ発達した国でございますから、お互いのマーケットとしては私は経済的に利害の一致するほうがはるかに多いと思っておるわけであります。せめて民間航空の糸口をつけることによってでも、両国の間の緊張が多少でも緩和できるということになれば、それはまたやがて中共とわが国の国交回復の一つの糸口にもなる、こういうふうに私自身は考えておるわけでございます。
#53
○吉田忠三郎君 局長どうですか。
#54
○政府委員(手塚良成君) いま政務次官のおっしゃいました国交回復前で結んでおるという内容でございますが、私もはっきりと記憶はいたしておりませんが、そういう例があると一応記憶しております。的確に、名前を間違えるといけないと思いますので申し上げませんが、あることだけはあると記憶いたしております。前に御承知のとおり、全日空におきまして、社長が日中貿易協会の会長でございました岡崎嘉平太さんのときには、岡崎さん御自身全日空との関係もございまして非常に御熱心でございました。むしろ向こうに積極的にアプローチをわがほうからされたと思います。同時にまた、向こうからそういう話もあったやに聞きました。しかしながら、これは私どものあれではございませんが、諸般の情勢から機熟さずして今日に至っておるというのが実情であると思います。基本的な考え方につきましては、先ほど来申し上げてあるとおりでございます。
#55
○吉田忠三郎君 そこで、そう私どもと考え方は変わっていないようですから、ぼくは意見として申し上げておきますが、政務次官それから局長、これは大臣に言うことですが、せっかくただいま古井さんがいらっしゃっておりますよね。このことが目的じゃないですよ、ないが、北京にいらっしゃっているわけですよ。ですから、そうした方々を通じまして、とりあえずは、初めから定期便というわけにはいかぬですから、佐藤総理が言っている臨時便の相互乗り入れということについて、やっぱり積極的に相手方を打診してみる。そのことが成功すれば、将来政治的にもわが国としては大きな意義あるものになるのじゃないかと思うので、こういう考え方を私は持っているのですがね。これは総理大臣が今国会で先ほど申し上げたように、かなり明確に言明していますよ、この問題について。言明して客わけですから、――それもつい最近ですよ。きのうかおとといですよ、外務大臣が言及したのは。そういう政治的な情勢の中ですから、成功するかしないかは別として、やはり積極的に政府の側としても取り組んでいい問題じゃないかと思うのですがね。ここらあたりどうですか。具体的な問題ですよ、いま現実に北京に古井さんがいらしているわけですから。
#56
○政府委員(村山達雄君) 考え方としては全く同感でございます。とりあえずの問題といたしましては、いずれ古井先生一行がお帰りになると思いますので、その辺のことを、事情をよく伺った上で、政府として何をなし得るか、前向きでそういうことを十分検討してみたい、かように考えておるわけでございます。
#57
○吉田忠三郎君 お帰りになってからということですが、いつお帰りになるか私は存じ上げませんが、せっかくいま行って、連絡とれるわけでしょう、国交回復していないといったって、電報もあれば――これは、われわれも向こうにおったときに、本国に幾らでも連絡とれましたからね。そうすると、帰る前にMT貿易のいろいろなことを協議するのでしょうけれども、その中に必ず向こうから――やはりこういう日ソ航空協定について関心を持っていますから、先ほど局長言ったように、何もないというのは誤解でしょう、誤解でありながら、こういう問題を向こうも論じているようだし、持ちかけているようですからね。ですから、わが国の、いまあなた方二人が答えられたようなことを総理大臣が言明したのです。外務大臣もこれは反対じゃないのです。そういう動きの中ですから、積極的にそういう問題を打診するように指示してもいいのじゃないですか。これは政府の代表じゃないのでしょうけれども、民間ベースで行っているのでしょうけれども、民間ベースの中で協力を求めるということが筋じゃないですか。帰ってきてから詳細に向こうの事情を伺いながら、その後における具体的な施策をどうするかというようなことを、これはやればいいのであって、どうなんですか。
#58
○政府委員(村山達雄君) 航空協定の問題は、私はなかなか一つ締結するにいたしましても、通常の国交回復している国でさえ、一つの協定を結ぶにはなかなかむずかしい相互の条件があると思うのでございます。いわんやいまのような国交状態にあります日本と中国でございますから、それは、普通の場合よりさらにいろんな条件なり希望なりあるのだろうと思うのですが、そういう意味で今度、いわば民間的な打診を古井先生一行がやっているのも、そこにあると思うのでございます。そういうことを考えますと、いま中国のそれに対する反応、あるいは受け入れ方、考え方、それから他の日中との関係についてどういうことを相互関連的に考えているか。そういうことなしに、いきなりに航空協定だけでこちらが指示する材料も持ちませんし、またお帰りになってから十分伺った上でやっても、私は協定の性質上おそくないと、自分自身はそう思っているのでございます。せっかくのおことばでございますが、それまではやはり十分研究しながら、そうしてお帰りになってから詳しい事情を聞いた上で、やはり何をなし得るかということを関係機関と十分に連絡しながら対処していきたいというふうに考えているわけでございます。
#59
○吉田忠三郎君 どうも政務次官、その辺になってくると歯切れが悪くなっちゃうのだな。ぼくは一挙に、日中がこんな状態になって、しかも日本の政府は中国を敵視してきている政策を今日までとってきたのですからね。ですから、向こうだっていろいろな感情ありますから直ちにというわけにはいかぬでしょう。前にそういうことを積極的に持ち出したとき、わが国が拒否したのですから。ですからその協定を一挙に私は望むのじゃなくして、せっかくいま古井さんが行っていることと前後して佐藤総理大臣が言明したのですよ。読んでみますが、ぼくは速記録ここに持ってきてありますよ。佐藤さん、こういうことを言ったのですよ。つまり日中両国のですね、臨時便について、「日中両国間で所要に応じ臨時に民間航空機の相互乗入れを実施してもよいむねの考えを明らかにした。」――いいというのですよ。その乗り入れをやってもよろしいと、こう言っているのです。国会でこれは明らかにしたことですよ。ですから、つまりこの協定とかあるいは協約とかは別として、あなたのいま答えられたような、こういう総理大臣の姿勢に変わってきているわけですから、ちょうどいま古井さんが行っているのはチャンスでしょうから、相手にどういう条件があるのか、希望があるのか、一体相互乗り入れ、臨時であろうと何であろうとやるためにはどういう問題点があるのかぐらいは向こうから出さしたって、非常に私は意義が多いと思うのですよ。それと同時に、わが国としてやる場合に、わが国としてどういう問題があるのか、あるいはどういう条件があるのか、これだってやはり積極的に検討する時期にきているのじゃないか。そういう意味で私はいま言っているのですよ。どうも初めと違って、あなたはこの点になってくると煮え切らないで消極的になっちゃうな。
#60
○政府委員(村山達雄君) 総理の意図をそんたくする余地はございませんが、私、想像するのに、やはり外交姿勢の大きな一環として打ち出しておられるのじゃなかろうか。そうしてまず打診いたしたいことは、相手方はその気持ちがあるかどうか、そこに最大のポイントが――私は今度行かれた古井先生一行は、航空に関する限り、そういう打診をしに行かれたのじゃなかろうかと思うのでございます。もし向こうにその気持ちがあるなら、それからほんとうの交渉に入るわけでございますから、どういう形で、そうしてまたどういう条件でということになりますれば、これはおのずからそれぞれ専門的に検討すべき段階になると思うのでございます。いまのところ、いわば日中、詰まっております。日中の国交関係と申しますとあれでございますが、民間ベースによる航空機の相互乗り入れ――かりに貸し切り、臨時便という形でも、そういう可能性の打診に行かれたものと思うのでございます。
 もしそういう意図が向こう側にもあって、いよいよ交渉するということになりますと、これはもうまさに専門の領域でございまして、非常に、かなり専門的分野から、お互い技術的な観点、経済的観点あるいは両国の現在の外交上の観点から、どういう企業主体を中心にしてやっていくかと、こういう問題になると思うのでございまして、そう簡単には私はまいるまいとは思わぬのでございます。
 そういう意味で私は別にうしろ向きとかなんとかいうことではなくて、事柄の性質上お帰りになるのを待って、その上でやってもおそくないと、こういうことを考えておるのでございます。
#61
○吉田忠三郎君 ぼくは簡単にできるとかなんとか言っているわけじゃないのだな。ただいまわが国は、国会開会されて、一国の総理大臣が――再三読むことはやめますが、先ほど申したようなことを明らかにしているのですよ。
 しかも、外務大臣が、こういうことを言ってるんですよ。外務大臣はね、十七日の日ですよ。きのうでしょう、十七日ということになれば。外務大臣に、この日中間の相互臨時航空便を飛ばす考えはないかということを質問していますよね、これは与党ですよ。与党の秋田大助という代議士が。これに対して、「中国側が積極的に提案してくるなら話にのってもいい」と言い切っていますよ。
 そこで私は四、五年前のことを思い出した。四、五年前、中国側は積極的だった。積極的だったのですよ。それをわが国は拒否したのです。ですから、これからの問題というのは、中国側に、外務大臣も言ってるように、四、五年前のような、民間ベースで話されたときに、積極的なそういう態度、姿勢があるのかどうかということが一つ問題になると思います。それからわが国は国交回復していませんから、民間ベースでやるよりほかないのですね、いま、とりあえず向こうを打診するには。そういうことですね。したがって、ただいま民間ベースの貿易の協定をどうするかということの代表が古井さんを代表として行っているわけでしょう。外交上この道を使う以外にない。国内では、きのうあるいはそれ以前に総理大臣が言明した問題だから、だからこういうチャンスをとらまえて、より積極的に所管省庁である運輸省はそうしたところに打診してもらうように依頼することはこれは当然じゃないですか。帰ってきてからなどということでは一つのチャンスを失うことになるでしょう、わが国が。おそらく古井さんは総理大臣がこういう言明をしたり、国会で外務大臣がこういう言明をしたりしていることは知らないでしょう、向こうへ行っているのですから。きのうこれを言明しているのですから、古井さんはその前に行っているのですから、知らないですよ。やはりこういう国内における政府の責任者の言明したことを伝えることだって、相手方を打診するには大きな役立ちをすると思います。ここらあたりを聞いているのです。
#62
○政府委員(村山達雄君) これもまことに私の想像でございますが、おそらく古井先生一行が行かれるにあたって、総理あるいは外務大臣に、いまの民間航空の臨時的な相互乗り入れ、こういうことの打診についてお互いに意思は疎通しているのじゃないか、こう私は想像しているものでございます。外務大臣が先日発言された内容は、あるいは御存じないかもしれないが、そういう基本的な政府の前向きの態度については、十分意思疎通した上で行っておると思います。もし航空の所管省であります運輸省に早く具体的条件まで提示してやる必要があると、もし政府の最高首脳部が判断すれば、それについて総理あるいは外務大臣のほうから当然われわれに何か連絡があったと思うのでございます、普通の行政の常識といたしまして。それが私の知る限りないということは、やはりこの段階では、相手方がどういうふうな意向を持っているかということが、この際はそれを打診するということが何よりも大事な問題であり、そしてそのことはなかなか私はむずかしい問題じゃなかろうかと実は想像しております。
 それからもう一つは、航空協定の専門的な協定になりますと、いままでの日米航空でも、あるいは日ソの交渉でもそうでございますが、一つのことを取りきめるのにずいぶん時間がかかるのでございますが、今度のソ連との交渉におきましても、先ほど航空局長が言いました貨物便の問題とか、旅客の問題とかということは、この段階ではこの次ひとつやろうじゃないかということになりまして、それに関する相互の利益をはかって、そして合意するまでにはそれぞれ関係の方面で十分なる検討を必要とするわけでございます。したがいまして、協定の具体的内容を取りきめるまでには、各方面の意見を聞き、各種の条件を考えていかなければならないわけでございますので、おそらくいますぐにこういう条件で申し出てはどうかと申しましても、急には出てこない問題だと私考えております。そういう意味で、航空協定というものは近く実際に取りきめるのは非常にむずかしい問題であるので、いま古井さんが行っておられるから、すぐにこちらのほうでこれこれの条件で打診しろということを言うほど急を要する問題ではないし、もし向こうにその気があれば、私はそのあとで検討してその後に交渉をしても決しておそくないということ、同じことを申すようでございますが、そのように考えておる次第でございます。
#63
○吉田忠三郎君 政務次官、あなたの言っていることは何を言っているか私はわかりませんよ。ぼくの言っていることを聞いていないのだよ。ぼくは何も、わが国からこれこれの条件を出して協定を結べ、こう言っているのじゃないですよ。あなたのいま申されたことは、あなた個人の推理、推測ですよ。つまり暗中模索なんだ。ところが総理大臣が国会でこれだけのことを国民に明らかにしたということは、これは確かに外交上中国の国際的ないろいろな動きの中で、それに対応するようにおそらくとりあえずこういうことを総理大臣、発言を私はしたのだと思うけれども、これは思いつきで総理大臣が言っているとは私は理解しないのですよ。思いつきで、外務大臣もですよ。そこで、いままでこれは幾つかの経過はあった、経過の中に問題があったわけですから、この問題をたとえば、つまり再三申し上げるようだけれども、四、五年前のような中国側にこの相互乗り入れの問題で積極的な姿勢があるかどうかということを打診することだけだって、意義があるわけですね。これはわがほうからどういう条件等を出す必要はないです。それからどういう条件があるのか、あるいは向こうの飛行場の設備がどうなっているのか、あるいは向こうがどういうことを最終的に求めてくるかもいまわが国は暗中模索なんだから、そういうことを打診することが、より積極的にやるのが所管運輸省じゃないのかと言うのですよ。その場合に、わが国は国交回復していないのですから、外務省というものもこれは折衝の糸口がないでしょう。ないから、せっかくいまMT問題で行っておられまする方々がいるわけですから、しかもそういうことにも関心があるから、わが国の新聞紙上、紙面をにぎわすように、誤解か何か知らぬがとにかく向こうも言い出している、そういうチャンスをとらえて相手を打診するということがとりあえずの仕事じゃないですか。そうなれば、帰ってきてからでもおそくないし、そんなに急を要しない。先ほどの答弁では、ぼくがその重要性を言ったら、あなたはすべてそれを認めている。それくらい重要なんですよ、この問題は。わが国の単に政治的な問題だけじゃなくて、経済的にだって重要ですよ。だから私は、具体的にわがほうでは今度日ソ協定が結ばれたような内容を示して協定を結ぶようにやりなさいと言っているのじゃないですよ。あなた以上に私はこの航空協定のむずかしさ、あるいは外交上の協定、協約、条約を結ぶことのむずかしさは知っているつもりですよ。もう少しちゃんと答えてもらわなければ困るな。
#64
○政府委員(村山達雄君) これはもう何よりもまず外交問題だと思うのですよ、率直に申しまして。しかし、外務省を通じないで、そうして民間ベースで国会議員が行かれるときを機会にして打診しようというわけでございますから、何も航空協定だけの可能性だけではございませんけれども、貿易についてもやろうというわけでございますから、何と申しますか、いわば国交回復していないから政府間のものではないとはいいながら、政府とやはり意思を通じた一つの外交上の打診が先行していると思うのでございます。いわばその背後にそういう外交関係の両者の歩み寄りと申しますか、そういうものがもしできれば、可能性が出てくれば、今度は主管省であります運輸省がその上に立って、航空の所管省としてそういうきまった外交路線の上に乗っかって、それからやはり運輸行政の立場から交渉するのが私は普通の筋じゃないか、普通の順序じゃないかと実は考えておるわけでございます。
 それからいま先生がおっしゃいました、そんなことを言わずにおまえのほうも積極的に何らかの手を使って打診したらどうか、こう言われましても、実は私、運輸省としましてどういう経路で打診ができるのか、それからまた、それがいま考えておりますそういう外交的な路線とどうなるのか、これは実は私には判断つきかねるものでございますから……。
 それからもう一つは、先ほど先生は四、五年前に――三、四年前でございましたか、同じような問題があって、向こうが申し入れてきたとき、日本側がそいつを拒否したために、今日まで遷延になっているという事実は、寡聞にして私は初めてでございますので、その辺のところは十分帰りまして調査いたしたいと思っております。そのときには、一体、どういう経路でやったのか、まあ、その辺のことも十分検討したいと思うのでございますが、とにかく、申し上げたいことは、やはり、外交問題がいま先行しているんだと、われわれは、これがうまくいくことを望んでおりますし、また、うまくいった場合には、われわれとして十分前向きの姿勢で交渉を持ちたいと、かように思っているわけでございます。
#65
○吉田忠三郎君 政務次官、第三国と、つまり商売をやる場合、貿易ですね、政治的にもありますね、あるいは軍事的なものもあるでしょう。それから文化の交流もあるだろうし、人事往来もありますね。すべて外交と、あなた、からまってこない問題はないでしょう。しかし、いまはあなた、外交を先行だといいますけれども、外交といったって、これは国交回復していませんから、どういうルートでやるんですか。ですから、外交がとだえているわけですから、つまり、このMT貿易であるとか、あるいは日航線とか等々のルートよりないんですよ。外交を打診するにしてみたって、そういう状態の中で、総理大臣なり、特にあなたの言われる外交問題が先行だとするなら、外務大臣がきのう答えているんですよ、きのう。だとすれば、ささやかだけれども、MT貿易の細い民間ベースによる、この外交打診できる道、それ以外にないんですから、そのチャンスをとらえて、相手方を打診するということは、当然あなた、所管運輸省としてやるべきことでしょう。やるべきことですな、これは。たとえば、今度協定結ばれた日ソの航空協定の問題をですね、あなたそのときにまだ政務次官じゃなかったと思いますが、運輸大臣。あれは外務大臣じゃないですよ。やっぱりソビエトに乗り込んで行って、その足がかり、その道をつくってきたわけです。そうしておそらくや、今度日本でやられて、協定じゃなくて、覚え書きだということは明らかになったけれども、最終的に協定を結んだり、あるいは先ほど局長が答えられたように――いいですか、ハバロフスク貨物便等々の扱いについても、今度はおそらくわが国がソビエトに行って、またそれを煮詰めなければならぬ、こういうことになるでしょう。なりますね。その場合、おそらくや運輸省の大臣が行くのか、あるいは局長が行くのか、あるいは政務次官が行くのか、ようわかりませんが、そういうことをやっているのですよ。ソビエトでさえ、ソビエトの問題でさえですよ、これは。ですから、日中関係においても、私は、その政府の最高責任者たる総理大臣の発言、この議事録からとってきたんですから、これ以上のものは何ものもないですよ。外務大臣もきのう発言しているんですよ。だから、細い線であるけれども、MT貿易問題を含めた、ささやかなこの外交ルートというものがあって、その責任者の古井さんがいま行っているわけですから、相手方に相手の条件なり、あるいはいろんな問題を打診するくらいのことは運輸省がやったからつて、これはおしかりをこうむるわけでもなかろうし、それを徹底的にやるということが、私はあなたが最初に言った政府として前向きに取り組んできた証左だと思うんですがね。
#66
○政府委員(村山達雄君) まあ、外交という意味、私は国交回復をしている、その間における外交という意味で使ったのじゃなくて、少なくとも、政府と意思を疎通しながら、いまのような民間段階での折衝、つまり広い意味で、俗のことばで言ったわけでございますが、政府の最高首脳部は、そういう形でアプローチしていった、こういうことでございますから、その回答をまとめた上でも、いわば経済的な問題のうちの航空協定でございますから、おそくはないと、こう申し上げたわけでございます。
 それからソ連との関係でございますけれども、ソ連は御存じのように国交を回復しておりますし、中曾根運輸大臣が参りましたのも、基本協定ができまして、相互乗り入れというものがやがては実現されるということをお互いに最初の協議協定のときにもう約束しているわけでございます。時期を明示していないものですから、前大臣が乗り込まれて、そうして時期の明示を迫り、それを受けまして、今度ロギノフ大臣が来て、いよいよここで、はっきり持ち出したわけでございますので、ソ連との関係はだいぶ違うと思います。そういう意味であれでございますが、なお、先生の考えもございますので、そういう点については十分外務省にも伝えて、さらに検討してまいりたいと思っております。
#67
○吉田忠三郎君 政務次官ね、そういう答弁というのは、へ理屈というのですよ。ソビエトとの関係で中曾根運輸大臣のことを言ったら、あなたがそういうへ理屈を言うのなら、ぼくも言います。中曾根運輸大臣はこの問題だけで行ったんじゃないのですよ、この問題だけで。安全操業の問題も言っているし、領土問題の、いわゆる北方領土の問題も提起していますよ。当時、あの人は外務大臣じゃないのです、運輸大臣です。ですから、そういうへ理屈じゃなくて、しかも、これは私の意見ではないのだ。これは佐藤総理大臣が言っているのですよ、あるいはこれは愛知外務大臣の答弁なんです。そういうものが出てきたから、ぼくはやっぱり、現実に北京に――わが国のそれは正規の外交のルートでないですよ。しかし、政経分離になっています、国交回復していないのだから。しかし、何もない。そういう細い道であるけれども、あるわけです。そういうものをより積極的に活用していって相手を打診するということは、いまあなた方もぼくが言ったように、この問題の重要性あるいは大事であるということを認めたならば、そういうことをやるという方向に行かなければならぬものじゃないですか。それが筋道じゃないですか。
#68
○政府委員(村山達雄君) どうもまことに恐縮で、同じことを答えるわけでございますが、いま総理、外務大臣が宣明されたのは、臨時的にも相互乗り入れを民間ベースでやる可能性について打診したら、こういうことだろうと思うのであります。で、運輸省のほうは、その可能性がわかりますれば、運輸省というのは一体何をやるのかということになりますと、その可能性があった場合に、相互の技術的観点、あるいは経済的観点で何をやるかということで、いまの場合はそういうことではなかろうかと思うのでございますが、そこのおそらく考え方が、おまえのほうも航空外交をやってみたらどうだというようなお話かとも思いますけれども、そこまではなかなかいまの段階で踏み切れないという事情にあることは御了察いただけると思うのでございます。いま運輸省が置かれている立場はそういうことだと私は思うのであります。
#69
○吉田忠三郎君 航空外交を運輸省でやれなんということは言っていないのですよ。総理大臣の発言では、何回も言うが、外務大臣の発言も出てきたから、そういうものをできるだけ、この真意を――あなただって政府から任命されている政務次官でしょう。総理大臣を補佐せにゃいかぬ、運輸大臣を補佐せにゃいかぬ。そういう意味でだよ、中国とは国交回復をしていないのですから、たこの糸が切れてしまったようなもので、何もないでしょう、外交というものが。あるとすれば、民間を通して相手を打診したり、貿易をやったり、その他文化交流をやったり、労働団体等もやっています。そういう道よりあまりないのだ。幸か不幸か、今回この発言と前後して、古井代議士が行っているわけですからね。そういうところを通じて、より相手方を打診するということは、総理大臣なり外務大臣にも、その発言にかなえることになるのじゃないのですか。とにかく、あなたと幾ら話しても、これはのれんに腕押しとかなんとか、のらりくらりでぼくは理解できぬから、次回の委員会までにこの速記録をあなた帰ったら読んでください。そして総理大臣のこの発言の真意、外務大臣の真意、これを聞いて、次回の委員会に明らかにしてください。これを要求します。
#70
○政府委員(村山達雄君) この次の委員会までに総理それから外務大臣のこの発言――今度の古井先生に行ってもらって打診するという、その意図を十分聞きまして、そして明らかにしたいと思います。
#71
○吉田忠三郎君 大臣もいないし、これ以上あまり確回たる答弁できない人ばかり置いて言ってもしようがないから、いま要求したことで航空問題は次回に譲りますよ。
 そこで、次の問題に移っていきますが、これも大臣の基本的な所信表明から私聞かねばならぬので困っているのですがね、これは。これも次回に回しますかね、どうですか委員長。ずっとこれは羅列して書いてある、都市交通の問題、交通安全の問題、それから海運の問題、海上警備、救難対策等々とあるんですがね。ですから、次回に譲りまして、自動車局長にちょっと聞くんですがね。直接はあなたとは関係ないかもしれませんが、いわゆる政府機関として行政を進めるわけですからね、あなたの考え方をちょっと聞いておきます。大臣に聞こうと思ったが、大臣に聞くようなことは次回にしますがね。
 この物価問題と料金問題の関係なんですね。あるいは運賃問題。私は国鉄の運賃は、最近、特別措置法というものは今国会に提案されてくるわけですから、その段階で質疑したいと思っていますから、ここで言いませんがね。私鉄の運賃の値上げの動向ですね。それから全国的にハイヤー、タクシーの運賃値上げの申請、それとバス業界の、きょうなども東京の業者の諸君、私にも陳情しています、値上げしてくれえというやつ、申請書はもうとっくに運輸省に出してあります、こういう問題ですね。運輸大臣が国会あたりで明らかにしているのは、私鉄運賃について、非常に何かニュアンスのある幅のあるように答えていますから、これは大臣いませんから、その真意はあらためて私伺いますけれども、どうも国民の側に立って見ると、いまの政府の物価対策等を含めて、公共料金の問題が釈然としない、こういうふうに私は感ずるのです。その一つのいい例は、この問題を扱っているわけですね、関係して扱っていますが、経済企画庁ですね。あの菅野さんとかいう長官が去年の十二月の早々に就任したときに、消費者の米価、それからすべての公共料金を据え置きしていかなければならぬ。それができてもう昭和四十四年度ですね。来年度の消費者物価の上昇率は五%だと、こう彼が言明したのです。五%の一体根拠は何かということは、これはわれわれあとで予算委員会等で聞こうと思っていますが、それはそれとして、間もなく十二月の中旬ごろになりまして、五%を守るためには、国鉄運賃というものを断じて阻止しなければならぬということを彼は言明したのです。そうして政府原案がまあ年内に編成になるとかならないとか、あるいは一月にも持ち越されるというような議論が出てきて、しかし、まあ実質的には一月に予算編成やりましたが、年内にかなり作業が進まれてきた、そういう段階になってきた。ところが、経済企画庁長官は国鉄は例外だと、例外ですから運賃値上げするということになってきて、いま値上げ案が出てきておるわけですね。したがって、それが私鉄に波及した場合に五%という線はくずれるのだ、こういうことを言いだしてきましたね、言いだしてきた。そうして一月になってきたら、彼は米価を上げたら今度は五%というものは守られない、こういうまあ国会答弁なんですよ、国会答弁。しかも私鉄については極力抑制したいなんと、あいまいになってきたのですな、あいまいになってきた。そこで私はここで国民の側に立って、どうも政府のこうしたいわゆる物価対策といいますか、それに非常にウエートの高い運賃料金等々の問題について不安でしょうがない。だから、自動車局と、これは鉄監局にも関係ありますから、鉄監局長来ていますか。
#72
○政府委員(町田直君) はい。
#73
○吉田忠三郎君 お尋ねしますがね、運輸省として、私鉄の運賃値上げ要請もされていますね、今日。ですからこれにどう対処するのか。それからタクシーあるいはハイヤー、それとバス等々の、これはもう通運料金も含めて値上げしてくれという要求があるわけですから、申請が出ていますからね。そういうものも含めて、運輸省の考え方をこの委員会で明らかにしていただきたい、こう思う。
#74
○政府委員(町田直君) 私鉄関係について申し上げます。私鉄につきましては、大手私鉄十四社が昨年の十一月から十二月にかけまして、増収率で二九・二%の値上げの申請をいたしております。それでことしに入りまして、営団地下鉄がやはり同程度の値上げの申請をいたしております。それがいわゆる都市交通の関係でございます。それから同じく中小私鉄につきましては、現在十一社が値上げの申請をいたしております。
 で、御指摘の今後の運輸省の態度ということでございますが、これはまず政府の方針といたしまして、国鉄運賃の値上げは、今回、国鉄財政再建のためにさしていただくことはやむを得ないというふうに考えておりますが、その他の料金、特に非常に関係の深い私鉄等につきましては極力抑制する、こういう方針で臨むということでございます。私どもといたしましては、現在の事業の内容、それから御承知のように、大手私鉄につきましては都市交通等の関係がございまして、非常に大きな投資をいたしております。そういう投資の状況、そういうものを十分検討いたしました上で極力抑制するという方針のもとに今後どうするかということを対処していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。それから中小私鉄につきましては、御承知のように、非常に中小私鉄はいわゆる過疎問題の一環、一つのあらわれといたしましては、経営が悪くなってきております。で、これにつきましては、いろいろ方策を考えておりますが、まず企業の合理化を十分いたしてもらった上で、どうしても値上げをしなければならないというものにつきましては、その規模とか、時期につきましては十分考慮の上、ケースバイケースで考えていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#75
○政府委員(黒住忠行君) 自動車運送事業関係の運賃改定につきましては、バス、ハイタク、トラック通運等、申請が提出されておりますことは、先生のおっしゃるとおりでございます。これに対する方針といたしましては、これを極力抑制するということは申すまでもないところでございますけれども、最近におきましてコストアップの要因が非常に多くなってまいりました。したがいまして、経営の内容も悪化しておりますので、これらを十分慎重に検討いたしまして、また運賃でございますから、利用者に及ぼす影響というものも当然考えなければならぬのでございまして、それらを勘案いたしまして、ケースバイケースに審議をしておる次第でございます。特に自動車運送事業は中小企業が非常に多いわけでございますので、緊急度に応じまして作業をやっておりますし、今後もさような方針のもとに審議をしていきたい、さように考えております。
#76
○吉田忠三郎君 これは鉄監局長と自動車局長、それぞれの答えありましたが、片や極力押えたい、片や慎重に扱ってケースバイケースと、どう解釈したらいいか私わかりませんが、非常にこれは解釈のしようによっては微妙なものだと思うのですよ。ですからケースバイケースというと、そのケースによって値上げするということにもなるわけだ。そういうことにもなるわけですよね。そこで政府の物価対策とあわせてみて、それから総理大臣の施政方針演説の中にも、経企庁長官の演説にも入っておりましたが、先ほど冒頭に申し上げたように、若干菅野経企長官の言動がしりすぼみになってきたんだけれども、やはり押えていくというのが基本方針ではないかと私は理解しているのですがね。そうすると、ちょっといまのお二方の事務当局の答えというものは歯車が合わないような気がするのですが、この点は政務次官どうあなた理解しておりますか。
#77
○政府委員(村山達雄君) 極力押えると言い、あるいは慎重に検討し、ケースバイケースと言ったのは、真意は全く同じだと思うのでございます。御案内のように、国鉄につきましては、ことしは公共料金、一般的抑制の例外として、今度は国会で御審議いただくわけでございます。私鉄につきましても、再々国会において質問があったわけでございますが、極力押えると、物価との関係において。便乗値上げは認めない、こう言っているわけでございますけれども、実際問題として、三年の長きにわたりまして値上げを一切押えている、他の消費者物価等に比べまして、もう先生よく御承知のとおり、私鉄の運賃は総体的に対戦前低位にとどまっている、その経営状況は鉄道部門だけをあげますれば、ほとんど全部赤字といってよろしい。そのためでもありましょうが、利用者が望んでいますいろいろな輸送改善が思うがままにならない、こういう実情にあるわけでございます。極力物価を抑制するという見地で、しかも同時にまた、国民経済的に他の使命も果たさなければならぬわけでございますから、その辺のことを十分検討した上で、便乗はもちろん認めません、どうしても上げないことはかえって国民経済あるいは利用者に御迷惑をかける結果になるということになりますれば、場合によりまして、やむを得ず例外的に認める場合もあり得るかもしれぬ、こういう意味でこの両局長も言っておりますし、またいままで政府が言っていることもそういうことにほかならぬと思うのでございます。
#78
○吉田忠三郎君 大体真意はわかりましたが、便乗は認めない、どうしてもやむを得ないものは例外として認めるのだと、まさにこれは菅野経企長官が国鉄は例外だと言って当初から一歩も二歩も後退した発言に変わったと同じような言い回し方をしたのですが、さて、それはそれで、例外としてやむを得ざるものは認めるのだと、これはいろんな調査をしたりなんかするのだと思いますが、そのものさしをどうするのですか。これが便乗であるのか、これがやむを得ざる例外のものだというものさしですな。これは一斉に出ているわけですから、ハイヤー、タクシーの場合には。バスにおいてもそうですね。この辺はどういうものさしで政務次官やるのですか。例外とあなたおっしゃいましたな。
#79
○政府委員(村山達雄君) なかなかむずかしい問題でございますが、一般的に申しますれば、やはり国民経済的な観点から決定さるべき問題ではないかと思うのでございます。もちろん個別企業の立場では、いま採算がとれないからといっても、長期投資でございますから、すぐそのものが、投資後すぐ黒字になるとは限らぬわけでございまして、償却期間全期間を通じて何とかやっていけるということであればよろしいのだろうと私は思うのでございます。しかし長期を考えてみましてもとうていこれは採算がとれない、そしてまた現時点における財務分析から見ましてもこれは無理である、これを無理に押えればかえって別途期待されております、免許事業であります私鉄なりあるいは自動車運送業者が利用者の十分なる期待にこたえ得ない、こういうことでありますれば、やはりリーズナブルの範囲では利用者にしんぼうしていただく場合もあるだろうと思うのでございます。どの線という画一的なことを申し上げる段階ではございませんけれども、考え方としてはやはりかなり長期にわたっての国民経済的な観点できめるべき問題だと思うのでございます。
#80
○吉田忠三郎君 政務次官ね、国鉄の場合は、もう先ほどから申し上げているように運賃の値上げを政府はきめたのですからね。財政再建促進特別措置法とえらい戒名の長いものが出てきていますがね。出てくるのだと思うのですよ。それはその段階でやりますから、それを言っているのではなくて、いま主として聞いているのは私鉄、バス、ハイヤー、タクシー、通運業に関係している通運料金、これを聞いている。いまあなたの話を聞いていると、長期的には何か国民経済を第一に考えねばならぬ、こう言っているので、それは全くそのとおりですよ。国民経済を抜きにした運輸交通業なんというものはあり得ないからね。ですけれども、値上げの具体的に申請が出ているわけですから、それと佐藤内閣の物価政策との――今後は運輸省として、これは値上げを申請してきていますから、それをするのかしないのかということの関係で私は聞いているのですがね。ましてやこれから国会内で国鉄の運賃値上げ、料金の改定、あるいは財政再建促進特別措置法とのかね合い等々で心配される向きは、私鉄とかバスなどなどの交通機関が私は非常に企業ですから競争が激化していくのじゃないか、このままでは。そうしたときに必ずやこの申請している料金問題が出てきます。どちらの側にも出ると思いますよ、私のこれは推測だけれども。そういう場合にどうするのか、そういう場合に。もとより基本は国民経済ですよ。ですけれども、その場合に私鉄といえども、あるいは民営のバスといえども、あるいはハイヤー、タクシーでも同じことですが、公共性それから私鉄、バス等々については、つまり地域の開発性、文化性等々、幾つかの条件を持っていますね、そういう条件を見ながら認可をしたわけですからね。こういう扱いを総合的に考えて、これからどうやろうとしているんですか。
#81
○政府委員(村山達雄君) やはりいま抽象的に申しましたが、具体的に申しまして、一つの基準ではなかなかきまらぬと思うのでございます。たとえばいま欠損が起きている、どれぐらいの欠損であるのか、それからそれは短期間の投資直後に起きた欠損であるのか、あるいはいまの状態でいけばそのまま長期にわたる欠損である、新投資さえできないということになるのかどうか、経営合理化の余地があるのかないのか、そしてまたリーズナブルな上げ方をした場合にどれぐらい物価に影響するのか、そういう点を総合的に考えてやはりきめざるを得ないと思うのでございます。それで国民経済的観点と申し上げましたのは、そういう要素を考えた上で、やはりなるほどいま赤字で配当も無理であると、しかし、二十年とか三十年の回収期間を入れれば、そのレンジでは、採算がとれるということであれば当然やる必要もないと思います。そうかといってこれはいま若干でも値上げを認めなければ、利用者に対してサービスも何もできない、かえって運賃を押えたために利用者に対する目先のことだけを考えて最終的には利用者に迷惑をかけるというようなことであれば、これはやはりリーズナブルな範囲で認めざるを得ないと、こう思うんでございます。ただ、なかなかむずかしい問題でございまして、一つの要素だけからではなかなかきめかねる問題でございますので、先ほどからケースバイケース極力押える方針で考えてまいりますと、こういうふうに申し上げたわけでございます。実際は非常にむずかしい問題だということは御指摘のとおりだろうと思います。
#82
○吉田忠三郎君 企業のそれぞれの特質がありまして、それは二十年後とかなんとかということを言われたが、いずれにしてもむずかしいことだ、むずかしいことだからぼくは国民にどこがむずかしいかということをやはり明らかにしてやらないと、あなたもおっしゃっているように国民生活の安定を第一に考えるという場合に、その限りではなるほどこれは政府も運輸大臣も政務次官も国民生活の安定を考えているんだと、それから、では具体的には何かというと、むずかしいんだと、そのむずかしいのを解明してやらないと大学の入学試験じゃあるまいし、国民の前にやはり政府は明らかにしてやらなければならぬ、そのむずかしさをぼくは明らかにしてくれと言っているんですよ。公共性、文化性、経済性、地域開発の面、幾つか問題ありますよ、こういう問題。そういう問題を総合的に判断して、どうその問題を解明したら国民の、あなたのおっしゃる生活の安定を基本としてはかられるのか、こういうことなんですね。しかも民鉄の場合は、これは国鉄の場合でもそういう傾向が続いてきて、三十九年ころから累積赤字が出てきて、破局的な状態に財政がなってきて、曲りなりにもどうやら政府のほうとすれば再建するために何とかかんとかという法律をつくろうとしているわけでしょう。民鉄にはあまりない。全然ないとは言わぬけれども、どうなんでしょうかね、公共政策の中で、つまり運輸交通構造というのは急激に変化してきますね、たとえば都市においては過密あるいは地方においては過疎の問題がある。そういってもやはり構造変化に伴う施策というものがそれぞれの企業内でしなければならぬことになっているでしょう、法律ではそうですね、なっていますね。そしていま言うように、そういう状況が出てきて、政務次官が言われる二十年たったら――極力避けるということばを先ほど使いましたが、たいへんけっこうですが、押えるということはけっこうですが、二十年たったらそれがつまり企業採算値で見た場合に経営が成り立つかどうかという問題ですね。私のやや調査したところによると、非常に急激にそうした面が下降カーブをたどってきている。それは何かというと、たとえば交通安全というものも大きな社会的な問題になってきていますから、踏切保安の問題で改善しなければならぬ面がある。これは御承知のように立体交差をするとかあるいは信号機の設備をするとか、そういう問題ですね。それからATSを装備しなければならぬ、こういうことも指導していますね。それから輸送量を増強しなければならぬという、たとえば都市においては特に過密ダイヤといいますか、国鉄ばかりではない、私鉄だってそうだから、そういう問題にどう対処するかということでやっていますね。こういうこと等については政策的に政府の経済政策の中で起こった現象ですよ、これは。ですから、たとえば今度の国鉄の場合、さいぜんからも申し上げているように、国会審議がどうなるか別として、かなり政策的に起きた現象に対して政府が一つの政策、施策として打ち出しているものがありますね。私はやはり私鉄等についてもそういう手だてをしなければ、いま政務次官が言ったようなことだけでは問題の解決にならないのじゃないかと、こう思うのですが、どうなんですか。
#83
○政府委員(村山達雄君) おっしゃるとおりだろうと思うのでございます。先生があげられました、いわば安全のための新しい社会的に要請される投資、あるいは都市集中のために要請される輸送力増強のための投資、これらはいずれも自後の資本費をうんと増高させる大きな要因であると思うのでございます。そしてまた長期に考える場合に、残念ながら物価はどんどん変動しているわけでございます。実質価値とは関係なしに名目的なものが変わっていくわけでございます。したがって、長期計画を立てる場合には、運賃のほうは名目でもって押えておるものでございますから、その辺のこともまた考えていかないとやはり赤字になるわけでございます。しかも御案内のとおり、私企業の責任においてやっているわけでございます。しかもその免許に対する、営業に対する監督は全く規制行政を中心にして行なわれている、新設から廃止に至るまでもう全部が運輸大臣の認可にかかっているわけでございます。他方におきまして、いまあげられましたように物価の高騰という問題がありまして、ちょうどまあ言ってみますと、板ばさみになっておるというのが私は私鉄あるいはバスの偽らざる姿でないかと思うのでございます。したがって、そういうものを解決するためには値上げだけではなかなかむずかしいことは御指摘のとおりでございまして、まあそういう意味で、金融でも税制でも可能な限り援助を与えていくということでございまして、この点も将来推し進めていく必要があると思うのでございます。 ただ、何ぶんにも考えてみますと、日本の経済はバイタリティがあり過ぎるといえばあり過ぎまして、どんどん伸びていく。財政にしてもまた民間金融にしても、これだけ成長経済を続け、貯蓄率は世界の最高といわれているにもかかわらず、民間資金も財政資金もほんとうに足りない、足りないというくらいバイタリティがあるわけでございまして、われわれは運輸行政を担当いたすものといたしまして、そういう意味で金融あるいは財政資金を大いに導入してぜひやってもらいたい、こういう板ばさみになっておる苦しい経営なんだからということを認識し、また強調しているわけでございます。何ぶんにもそういう各方面のバイタリティがそこへ押しやっているわけでございますので、なかなか思うようにまいらぬのでございます。今後は先生の御指摘のとおりに、なおそういう財政的な金融、税制その他歳出面における援助についてわれわれは極力努力してまいるつもりでございます。
#84
○吉田忠三郎君 政務次官、極力努力すると、あなたは努力すると言うんですから、それはいけないなんということは言えないわけです。しかしまことにこれは抽象的なんですね、努力ということばは。それからいま言った金融、税制運賃政策も入るでしょうね、その中には。そういうものも可能な限りと、こう言っているんですね。これまた国民の側からしたら、可能な限りというのはどこらの限度になるか、まことにあいまいなわけです。文章に書いたり何かすれば、可能な限りとはいい文章になりますが、可能な限りといえば、どうなんですか。たとえば国鉄の場合はまだまだ不十分ですけれども、今度具体的に出ていますよ。私鉄にはないわけです。私の知っている限りでは、今国会に出てきているものは法律的にもない。それから多少離島のパスとかあるいは私鉄等々についてたしか七千万ぐらいの虫めがねで見なければわからぬ程度の数字が助成あるいは援助の政策費用として予算要求されていますが、これではもうとうてい問題にならぬと思う。それで政務次官、政府の政策に伴って、これは廃線したり、あるいは倒産する場合もあるでしょう。いまあなたのおっしゃったようなのんびりしたことをやっておったんでは、倒産しますよ。どんどん私鉄とかバスとか、これはおどかしじゃないですから、そういう状態にあるわけですからね。ですから聞いているんですが、そういう場合に、一つの例は、この間この委員会でも問題になりました淡路交通の問題がありますよ。これはかなりそういう面を含めて建設省が補償していますよ。そこでこれからの問題ですよ。不幸にしてぼくはあると思うんです。残念なことだけれども、きれいごとだけ議論しておってもしようがないんです。そうして現実起きてくると思うんですが、わが国の政府のとっております石炭政策ですよ。この政策からつまり産炭地における私鉄、バス等々は軒並みその危険にさらされることは火を見るよりも明らかです。しかも、産炭地の私鉄といえば、九州と北海道ですけれども、北海道の私鉄の九割以上がいわゆる産炭地の私鉄です。つまり地方鉄道の性格を持たない石炭輸送を中心とした鉄道なんです。これは現実にもう石炭政策で、今年度中にかなりの山が閉山したり、あるいは操業を縮小したりしますね。直ちにそういう問題が起きてくるのです。こういうものについて、一体鉄監局が監督しておりますから、鉄監局は、これは政務次官は答えているように、抽象論では解決になりませんが、どういう扱いをするのか、それからこういう問題がいままでにかなり出ております。たとえば例を北海道だけにとりますが、天塩鉄道、寿都鉄道、美唄鉄道、すでにこれはもうみななくなりましたが、美唄鉄道はまだ残っておりますが、したがって、寿都鉄道の場合には、中央バスに買収されて、バスに転換して今日営業している。こういう状態ですが、これはやはり過疎地帯ですから、バスに転換してもお客さんあまりないようです。免許をとったときの目的が全然違いますから、お客さんはない。そういう問題。したがって、先ほど来言っているように、産炭地における、しかも炭鉱と全くうらはらになっている、密着して経営されているものが、国の政策上炭鉱が閉山したというと直ちにつぶれてしまうのです。倒産してしまいます。そういう場合の一体離職者の扱いをどうするのか、あるいは職業の転換をどうするのか、これはいままでの実績からいって、かなり国会でも議論されてきたのであるけれども、これに対する立法措置も何もないのです。目先、問題が起きてきますから、あなたの政務次官中に起きてくる問題ですが、こういう問題、鉄監局はどういうふうに考えておりますか。
#85
○政府委員(町田直君) 石炭山の鉄道の問題につきましては、御指摘のように、石炭山の閉山に伴いまして廃止しなければならないような鉄道が今後かなり出てくるということは予想されるわけでございます。この問題につきましては、何と申しましても石炭の輸送を中心にいたしている鉄道でございますので、いわゆる石炭対策の一環と申しますか、石炭対策と同じような趣旨で対策をする必要があるのじゃないか、こういう趣旨で、前々から実は通産省、労働省等といろいろ折衝をいたしてきております。現在も折衝いたしております。ただ、鉄道の経営の形によりまして、これがその石炭山が直接自分で経営している鉄道につきましては、これは石炭山と同じ経営でございますので、まだ確定しておりませんが、いろいろなある程度の措置はとれるということも考えられますけれども、石炭山と全く経営形態が別であるというものにつきましては、いままでの折衝の経過では、なかなか石炭の対策と同じ措置をとるということはむずかしいような状態でございます。いずれにいたしましても、そういうただいま御指摘の問題、離職者の対策あるいは退職金の対策、こういうものにつきまして運輸省といたしましてはできるだけ関係省庁と連絡を密にいたしまして、支障のないようにいたしたいというふうに考えている次第でございます。
#86
○吉田忠三郎君 そうしますと鉄監局長、あなたの努力に満ちた答弁は了としますけれども、あなたも御承知のとおり具体的な法律がないのだよ。そうすると、あなたが各省庁と連絡を密にして努力すると言っても限界があるのです。
 それで政務次官、今度はあなたに聞くのですが、石炭政策というものは国の政策でしょう。ですから、そこから起きてきた波及的な現象なんですよ。ちょうど淡路交通みたいなものです。淡路交通は道路をやるためにそうなったのです。ですから、やはりこういう問題は、目先もう起きてくる現象ですから、私はやはりいま言ったこまかなような問題ですけれども、あなたのぼうっと言ったこの種交通機関というものは、国民の生活の安定のためを基本とするということなんですから、これは不幸な、こんなものはうしろ向きな政策です。でけれども、現実に起きてくるのです。だからそれらのやはり始末をする法律というものは必要だと思うのですが、政務次官どうなんですか。いま何もないのです。この国会にも出てきていない、出す予定もないのか。
#87
○政府委員(村山達雄君) 石炭閉山に伴うあとの事後整理の問題は非常に大きな問題でございます。石炭と直接関係のある企業がたくさんあると思うんでございますが、それらについて実は法律措置がとられていないわけでございます。特に石炭の搬出の専用鉄道ということになりますと目に見えるだけに、ほんとうにそれがなくなっては困るということは当然予想されるわけでございますので、いま関係方面と話を進めているわけでございますが、まあ今後もこの基本線で各省と折衝を進めていくつもりでございますが、具体的の問題は、出てまいりますれば、さらにまた何らかの立法措置を必要とするということでございましたら、これはやはりとらざるを得ない問題じゃないかと、かように考えるわけでございまして、いま先生御指摘のように、一般論として当然予想される問題でございますので、とりあえず各省庁と連絡をとりて万遺漏なきを期して、またその企業内に配置転換ができるか、できないか、こういう問題も実際問題としてあるわけでございますので、その辺のことをにらみ合わせながら遺憾のないように進めてまいりたい、かように思っております。
#88
○吉田忠三郎君 この問題ね、もう不幸なことだけれども、目先出てきます。ですから、先手を打ってやっぱり善政がなきゃいかぬわけですよ、そのためには。私ひとつ要望しておきますが、あなた方の努力に対して期待をしておるのですが、関係省庁と、これは通産省も関係していますね、労働省も関係していますよね、関係省庁と早目に手を打って、いやしくもいろいろ鉄道で問題起きましたよね、しかしああした轍を踏まないように万全の私は対策を立てていただきたい、ひとつ要望しておきます。わかりましたね。あとは大きな問題になってきますから、大臣が来たときに尋ねておこうと思うんですが、いま申し上げたようなこと十分配慮をしていただきたい、こう思います。
 それから今度は、その次に国鉄にひとつ伺います。国鉄はこれは運賃とか再建方策を聞くわけじゃないんです。これなどは予算委員会で予算出ていますから、先ほども申し上げたように、予算委員会でやるというようになっている。したがって、この国鉄は財政再建推進会議なるものの答申を踏まえて、今度の予算の概括をこう見ますと、ほとんどそれが中心になっているんですね。したがって、そのことの内容はいま申し上げている時間がございません。国鉄はその中にいろんな輸送力増強とかあるいはこの合理化とか、近代化ということで、いま第三次長期計画の中途で新しい方向に変えようとしておりますね。輸送力の増強、スピードアップ、近代化等々の中で電化というものを全国的に進めていますね。電化は、これから重点的に電化をやろうとしているところは全国的にどことどこか、この席で明らかにしてもらいたい。
#89
○説明員(湯川龍二君) いま御指摘ありましたように、国鉄の近代化計画の骨格といたしまして動力の近代化計画を第一次五カ年計画で取り上げてきたわけです。で、今回去る十月一日をもちまして、第三次長期計画を四十年から続けておりましたものが完成をしたんでございますが、その中でかねて計画しておりました東北線であるとか等々で千五百キロばかり電化されたわけです。
 いま御質問のありました、これからの線区はどこどこであるかということでございますが、三長計画といたしましては、今後新たな再建計画の中に吸収されていくということでいま御審議を願う過程にあるわけですが、主要な線といたしましては、北海道で現在小樽−滝川間が十月に電化をされまして、続きまして旭川まで継続しております。その他房総線の木更津−千倉等につきましても工事を進めておりまして、これまた一部はすでに十月に開通したんでございますが、この夏までに、夏のお客さんの御利用に供するということで千倉まで延長する予定で目下鋭意工事を進めております。それから信越線の直江津−宮内間につきましても隧道の改築を一部やっております。御承知だと思いますが、それらとあわせまして本年の秋には開通さしたいということで鋭意工事を進めておるところでございます。糸魚川−直江津間も、これに関連して隧道の工事をやっておるわけでございます。それから赤穂線も目下工事をしておりまして、これまたいまやるということで進めております。さらに呉線の三原−海田市等についても工事をしておりますが、これは工事の過程から見まして四十五年度になると思いますが、都合六線区でございますが、継続しておるものがございます。そのうち五線区が今年度夏あるいは秋に開通するということでございます。さらに鹿児島線の熊本−鹿児島間はかねてから工事をしておりますが、これは四十五年度までに鹿児島へ行きたいということで目下盛んに工事を進めておるところでございます。
 その他、東京近郊で、貨物線の一部が機関車の運用等で蒸気で不便を来たしておるということで、高島線等の架線をやっておりますが、そのほかに中央線その他のことにつきまして、現在さらに中津川から辰野に向けて前進させようということで、中津川までは昨年できたんですが、区間的に切ってやっておるわけでございますので、こういったものもさらに続けていくべく計画中でございます。
 いままで着工しておらないところで、これから考えていかなければならないところが出てくるわけでございますが、この第三次長期計画におきましては、全体の動力近代化、ディーゼル化と電化と相あわせまして、これも計画の段取りその他で若干推移があると思いますけれども、いままでの計画では昭和四十九年ないし五十年にはディーゼル化あるいは電化によりまして無煙化をはかってサービスの改善、動力費の節減というようなことで、基幹的な国鉄の近代化に寄与したいと考えておるわけですが、主要な幹線としまして、御案内のように残っておるところは、御承知のように長崎線がございます。北海道では函館本線、室蘭本線というところもございます。それから奥羽線の秋田から青森にかけての北のほうと、それから羽越線、これが裏縦貫線を形成しておるのは御承知だと思いますが、こういった主要な線区が残っております。奥羽線は山形まで米沢からの電化をいたしまして、福島からの沿線、従来からやっておるのを方式を統一いたしまして開通したのは御承知のとおりでございますが、山形から秋田が残っておるわけでございますが、これらの主要な線区、それから日豊線の大分から先――一部大分から先に延びておりますが、宮崎方面にかけていくというのが主要な幹線としてあるわけです。山陰線もあるのでありますが、こういった主要な線区の中で最も輸送の効果のあがるところを順次やっていくということで考えるべきでありますし、同時に、従来から続けておりましたように、こういった幹線の周辺につきまして動力車の運用の便益をはかるという意味で、またその地帯の観光資源あるいはお客さんの便宜をはかるというようなことで、動力方式を統一するというようなことで地域的にも一部進められている。そういった面も含めまして、これからの計画になるわけでございますが、いま言ったような中でどれから着工するか、新しく着工するかということにつきましては、目下、各般の面から検討しておりまして、いずれ地域の皆さま方にいろいろ御協力願ったり、いろんなことを考えまして着工の段取りにしたいというふうに考えております。
#90
○吉田忠三郎君 将来のことも含めまして全国的な主要なところの電化計画を常務話されましたが、それはそれなりにわかりました。
 それからもう一つですね、この委員会で私が提起いたして国鉄側も実行すると、特に前大臣の中曾根さんが、それやらせますと、こう約束をしたわけですが、例の黄色い公害ですね、ふん尿の問題をどの程度国鉄が計画を樹立して四十四年度以降やろうとしているのか、これをひとつ明らかにしてもらいたい。
#91
○説明員(湯川龍二君) これは以前にこの場所におきましても私お答えをしたのでございますが、その後鋭意計画を進めまして、現在、東京、大阪、山陽等にわたりまして主要な線区から、また東北等につきましても逐次始めていく考えでおるわけですが、すでに御案内いたしましたように、基本はタンク式の貯留をして運搬するという方式にするのが根本であると。で、すでに御案内いたしましたように、ディーゼル特急その他新車には一部粉砕して消毒式のものでやっておるものもございますけれども、これは衛生上の問題はさることながら、やはり乳白した形で落とすということになりますので、人口の稠密な地帯等には衛生上のみならず、そういった形のものが落ちるということが今後の形として望ましくない。二段がまえでやることもさることながら、そういった点で、さしあたりついておるものはそういう形になっておりますから、これは生かしてまいりますけれども、逐次タンク式のものにそれも取りかえる。さしあたり、これから進めるものは少なくともタンク式のものにしていきたい。
 で、列車は、一方にいたしましても、それを遠方まで持って行きますと、それを処理する場所が要るものですから、地帯別に進めていくということが効果的であるということで東海、山陽というようなことでいま計画中でございます。で、それにはまず第一番に、列車につけることにつきましては、これは工場に入場するごとにタンクをつけていけばよろしいんですけれども、それを持ってまいりまして処理する場所ができてないとこれはまたたいへんなことになりますので、まず東海、山陽につきまして、まあ主として車両基地になるわけですが、すべての車両基地になるわけじゃございませんが、主要の車両基地に汚物を持ってまいりましたときに、それを引き抜き、処理する。処理する場合にも、下水道あるいはそういった汚水の処理場が近接している、あるいはまた下水道が完備しておりまして、それに放流できるというようなところならよろしいのですけれども、そうでないところでありますと、これを、汚物をやはり清浄化処理をして、そうして放流をするというようなことをしませんといけませんし、それからそういった現在の地域でないところから持って行くものをかなり多量に処理するということに相なりますので、そういった地域の自治体なりあるいはそういった関係の方と十分協議をして、われわれの持っている車両基地だからといっても、かってにそういうことはできませんので、そういった点について十分協議をととのえて進めていきたいということで、数カ所にわたって協議をいたしているところでございます。それらのメドをつけまして、車のほうは、それらの処理場ができるまでには、車は入場ごとにやっていきますので、これまた一応タンクをつけましてもそのタンクに貯留せずに、一時は放流しながら、全体の車がその時点でもってその線区においては処理場に持って行ける形に持っていきたいという形で計画を進めているところでございます。
 で、線区あるいは車両の名称等につきましては、それぞれ具体的にいま検討中でございますので、ここで申し上げる詳細はございませんけれども、そういった形で具体的に進行しております。
#92
○吉田忠三郎君 わかりました。
 そこでぼくは国鉄の常務に要望しておきますが、国鉄では何か国鉄のPRとかいうて、きれいなカラーでパンフを方々に配布していますね。あれ見ますと、もっぱら一等車をなくするとかあるいは運賃の話とか、それから財政再建の話、まことに国鉄の都合のいいことは――これはまあPR誌ですからやむを得ないが、書いていますがね。いまのような国民の強い要望であるふん尿の問題を、そのくらいまで進んでおるとすると、なぜ私はそういうPRをしないのですか。都合のいいやつはまことに早目にPRする。まだ国会で議論もしたこともないようなものをPRする。そうして国民から強い要求のあるものは、こうして国会で問題になって決議されたりなんかして、あるいは大臣が答弁したりなんかしてやろうということになっておるやつをさっぱり――いまのお話し聞くとかなり進んでいるのですが、その意味ではけっこうですがね、PRしていない。まことに私はふしぎだと思います。ですから、いま、ただいまそのどの車両の名前、どの線区というのはまだ公表できないと言いますが、検討中だというのですからね、検討でさましたら早目にひとつ、国会でそれはもう問題になって約束しておるのですからね、国会にやっぱり資料提出していただきたいと、こう私は思うのです。これをひとつ要望しておきます。
 それからもう一つの電化ですね。これはまあ四十五年度までの分は主要幹線について説明ありました。それ以降についても主要幹線について漸次行なう例として、長崎、それから函館本線、室蘭本線等々申されましたね。その構想は体質の改善、あるいは動力費の節減、そのほかに幾つかありますね。そういうことでやられることはけっこうですがね。私はこの工事が中断しないようにやってもらいたい。もとよりこれは予算上資金上問題があるわけですからね。そこらあたりは当然経営者であります当局のほうにおまかせいたしますけれども、中断しないでやっていただきたい、こういうことをひとつ言っておきたいと思います。
 その意味は何かというと、この本州の電化はまあ特殊な例があると思いますが、大体常識的には東京中心に南北に電化は延びていっていますね。したがって、それはまあ体質改善もさることながら、企業性を追求するという一面もあるわけですよ。ですから、私はそれでいいんだと思うのですよ。思うのですが、事、北海道の電化については、そういう従前やってきた例から見れば、函館から延びていかなきゃならぬ。ところが、北海道は北海道方式といって札幌中心に、つまり南北に延びていっている。これは明らかに北海道の特殊な経済事情を考えすべての企業性も考えてやったことだと思うので、これは私はけっこうだと思うのですが、いいんですが、具体的にいえば、小樽−旭川間、去年十月に滝川まで開業いたしましたね。四十四年度は滝川から旭川間になるのですよ、実際、具体的に着工していくのは。ところが、当初一年間おくれたのは、例の神居古潭の隧道が蛇紋岩の難工事でおくれたということになって、その後工事も順調に進んでいると思うのですよ。そうしますと、私は、先般、電気関係の諸君といろいろこの問題で話し合いをしたのですが、連中は異口同音、四十四年度はおおむね計画より一カ月ないし二カ月ぐらい早い時期に旭川まで開通することは可能だと、こう言っておる、現地の諸君は。それで四十四年度終わり。そうすると、四十五年度のつなぎがなくなっちゃうのですね。大体、私の記憶では、電気関係の技術屋あるいはその他の関係で電気工事局とかいうのがありますね。ありますが、三百人ないし四百人ぐらいいるのじゃないですか、そういう人々が。これは、つまり四十五年度までということになれば、少なくとも六カ月ないし八カ月ぐらい、場合によってはこれは工期が早まっていくということは、国鉄側もいいだろうしそれを利用する住民もいいことですから、工期が早まるということはけっこうなんですが、遊ぶという現象が起きてくるという気がしてならないのですね。ですから、先ほど言ったように、次は常識的には室蘭線になるでしょう。立地条件から見たってそうですね、経済性から見たって。ですから、そういうことを勘案しまして、予算上、資金上はいろいろおまかせすることにしますが、でき得れば、つまりこの室蘭本線の、特に北海道開発との関係、わが国の産業経済の計画から見て、札幌−苫小牧間ぐらいは繰り上げて着工しなければ、そうした人的な面でもロスを生ずる、こういうことを率直に現場の諸君とか、あるいはかなりの技術屋が言っているのですよ。この辺をどうお考えになっているか。これは金がついていますから多少の問題はありますよ。どのくらい金が必要かと聞いてみたら、これはかなりの管理者ですよ。うんとえらい人じゃないけれども、中間で指導したりなんかしている人の積算では、あと十億ぐらいあれば、つまり室蘭本線のつなぎには、人間が遊ばなくても、あるいは機械も稼働ロス、そういうものもせなくても済むのじゃないかということを聞かされているのですが、これは担当の常務としてどう把握していますか。
#93
○説明員(湯川龍二君) いま、たいへん具体的な問題についてお話しがございまして、私、右左答弁するということはちゅうちょするような具体的な問題でございますけれども、私、私見もまじえまして先生の御意見に対してお答えをしたいと思いますが、先生おっしゃいますように、一たび工事を始めた場合に、できるだけそれが有効適切に継続的に一線がまとまるということが望ましいということでございます。したがいまして、そういう観点から全体の電化の効果を考えまして、できるだけ線区を集中的に着工していきたいというふうに考えます。そういたしますと、おのずから地域的に限られた線区になってくるということに相なりまして、限られた予算でございますので、それを十分に効果的に短期間に着工したところを片づけるといたしますと多数の線区は着工できないということに相なります。それから一方におきまして、ただいまのお話しのようにいろいろな地域の情勢に応じまして着工するというような問題も考えますと、極端な場合に多数の線区になるわけでございます。この調和の中で最も効果的にやろうということでわれわれ苦慮するわけでございますけれども、ただいまのお話しの中で、工事――あすこは工事所と申しておりますが、工事所等を設置いたします場合にも、これは鉄道局が工事せずに工事所がやっている、あるいは工事局がやっているのは、工事を流動的に行なっていく。工事というのはどういたしましても地域の、先ほど言ったような理由から地域的に非常にピークが出る場所が出てまいるわけです。したがいまして、工事期間の人員はできるだけ地域的に定着しない、流動性を持たせる。と申しましても、できるだけその地域の人を使うことになるわけですが、北海道の例の場合などは東北、奥羽等の大量工事も控えておりましたし、北海道の方を東北方面の仕事につけまして、技術を備えて北海道の電化に備えるというようなことをいたしました。かつまた北海道の工事をいたしますのに、北海道の人だけではなくて、東北方面からも将来の奥羽線の工事に携わることも考えまして、そこに流動して一時的に工事に着手している人もいるわけです。したがいまして、そういった新しい設備ができますと、工事とともに流動する人もありますし、工事が終わってそのメインティナンスといいますか、その維持に当たる人もあるのです。それからその工事のためにその地区にいる人もございます。これらの流動的な扱いのために工事所、工事局というものを適切な地域に配置しているわけですが、そういった点も考えまして、総合勘案いたしまして、いま工事の着手化について検討しているわけです。
 ただいまのお話しのように、十億ということはよくわかりませんが、千歳線等におきましても、千歳線、苫小牧――札幌間というようなものがさしあたり問題として地域的にお話しが出ておりますが、私は例題として引くわけでございますけれども、大体二十数億かかるということに相なりますが、それにいたしましても、これがその区間だけで終着するということで考えるのか、さらに室蘭線、函館線へ長万部を経由していくのか、その辺のめどをつけて着工いたしませんと、ちょうど先生の御指摘のように、部分的に仕事をして、しかもそのローカルの列車はそこへはいきますけれども、直通の列車はあまり有効に電化の線として機関車の取りかえのできるような区間ではないということになりますと、そういった面からも考えていかなければならない。彼此勘案をいたしまして、いま目下各線区の状況を検討しているところでございますので、御了察を願いたいと思います。
#94
○吉田忠三郎君 いろいろ各方面総合して検討しているということですから、それはそれでけっこうですがね。国鉄の当局のやることですからね、人間遊ばしておくということはやらぬと思いますがね。思いますが、これは局部的なことなんですがね。一応札幌を中心として電化をやった場合に、大体室蘭線をやる場合でも経済圏は一つですよ。同経済圏です。特に国がいまの港湾整備計画を含めまして、苫小牧の港湾というのは目下重要港湾として日本の港湾の中でかなり予算を投入して着々建設されていますね。荷物の取り扱いもものすごい勢いで伸びていますよ。もうはるかに石炭などは室蘭をオーバーして追い越しています。それに最近日軽金が進出してきますね。それとあわせて建設公団で建設いたしております追分線ですね。これは間もなく部分開業になるでしょう。そうしますとどうしてもやはりこの室蘭線の一部であるけれども札幌――苫小牧間はわが国産業経済の面から見ても、あるいは通勤、通学の面から見ても絶対必要であるということは、あなたのつくったこの資料でもいえると思うのです。しかも幸いにして前年度はたまたま難工事で一年間おくれましたけれども、今年の場合はそういった苦労の結果が実りまして、工期が予定より二カ月くらい早まるということになれば、なおさら、いま人の面で私は申し上げましたが、いま常務の申されたように、諸般の総合的な条件を検討、賢察されてみる必要があるのじゃないか。ですから、その場合室蘭線全部ということじゃなくて、追分線の部分開業というものも含めながら、やはり継続的に事業を、工事を進めていくという立場に立って、やはり苫小牧までは繰り上げて、工事を中断しないようにして、そうして電化をやっていくことが適当ではないのか。これはしろうとですが、考えるのですが、十分この辺を末端の関係者等の意見を聴取しながら検討していただきたい、こう思います。どうですか。
#95
○説明員(湯川龍二君) ひとつ承りまして検討さしていただきます。
#96
○吉田忠三郎君 そこで最後に、建設公団にちょっと尋ねておきますが、その一番最初に聞くものは、例の青函トンネル、つまり調査坑ですね、これが何か竜飛側のほうからたいへん異常な出水があった。そのために工事が一カ月ないし二カ月くらいおくれるであろう。場合によっては、つまり本坑を掘さくしていく場合の事柄についても支障を来たすのではないか、こういう心配の向きもあるやに私どもは聞いているのですよ。したがって、副総裁きょうおいで願った意味もそこにあるのですが、この関係を、ごく最近起きた問題ですから、詳細にこの辺から報告してもらいたいと思います。
#97
○参考人(篠原武司君) ただいま青函トンネルの湧水事故につきまして御質問がありましたが、いろいろ御心配をおかけしましてまことに恐縮でございます。実は二月の十四日の四時半ごろ、竜飛の斜坑がすでに千二百二十三メートルのところまでいっておりますが、千三百三十五メートルで坑底に着きますので、百メートルちょっとで坑底に着くというような状況でございましたが、そこに破砕帯がございまして、そこから約一分間に〇・四トンの湧水がございました。ここで斜坑におきまして一番湧水の大きかったときが約一分間に四トンでございますから、十分の一ぐらいということだったんでございますが、十五日の朝の九時半ごろになりまして湧水が一トン半に増加いたしまして多少土砂崩壊がございました。それで坑口から千七百七十五メートルのところまで浸水したのでございます。その後十五日の同じ日の十一時ごろに湧水が約十トンにふえまして、十トンちょっとになったかと思いますが、だんだんに水が増加してまいりまして、十五日の十五時ごろには千七十五メートルのところまで浸水したわけでございます。それで、そこには大きなポンプが三台ございまして、坑口までの排水はそこしかできないのでございます。そこで三台ございますので、一台が四トンくらいの揚水量でございますし、三台かけますと十分排水できます。しかし二台だとちょっと足りないというような状態が少し続いたのでございますが、そこで小康を保ったわけでございます。そこまでに水中ポンプというのがございまして、そのポンプ座までの水は小さなポンプで揚げまして、それから坑口まで排出するのでございますが、水中ポンプの能力が足りないということで、結局そのポンプ座のところまで水が来たということになっておりますが、そこまで参りますと、小さなポンプを少しよけい並べても十分排水できるという形になりますし、小康状態を十五日の午後には得られたわけでございまして、十七日の九時ごろになりますと、湧水も約四トンに減りまして、ポンプも増設いたしまして、万が一のときにも十分やれるという態勢をとりまして、千九十メートルのところまで排水いたしました。
 こういうようなことで、どういう対策をとっているかということでございますが、対策としては千八十メートルのところにコンクリートの隔壁を完了いたしまして、これでまず少しぐらい出てもだいじょうぶだという態勢をとりました。その後、ポンプを増強しまして、徐々に排水いたしまして、切羽にコンクリートの壁を打ちまして、崩壊を防止しまして、破砕帯にコンクリートを注入いたしまして、慎重に掘さくを開始するということになっております。この間約一カ月を要するのじゃないかという見込みでございますので、しかも実はもう百十数メートルで坑底に着きますと、坑底にりっぱなポンプ室をつくりまして、排水には万全を期するという態勢をとる予定でございますので、そこまでいけばもうこういう御心配をかけないでも済むのじゃないかというふうに考えるわけでありますが、何とかこういうようなことで一部の新聞に非常に大げさに報道されまして、それはこの斜坑そのものを本隧道のような印象で書かれたのじゃないかというふうに思いますので、記者の方々にもこういう模様をよく説明しておきましたので、その後皆さんもそういうニュースはお聞きにならぬだろうと思うのであります。竜飛の湧水事故につきましてはこのようなことでございます。
#98
○吉田忠三郎君 概略御報告を受けまして理解いたしましたが、回復は一カ月ぐらいの見込みだということなんですね。幸いに人身事故はなかったのですけれども、建設公団は千メートルもの難事業をやっているわけですから、御苦労な仕事ですから――とにかく事故については私が言うまでもなく、公団側でも非常に慎重に扱っていると思うのですが、より慎重に扱っていただきたいということが一つと、もう一つは、したがっていま、まだ調査坑ですね、この一キロ、一キロといったらかなりのものですけれども、それにしても全体の工事計画から見るとまだごく一部ですね。ですから、なかなかこれは予断を、何年までかかるということはできないと思うのですが、それはともかくとして、今後、この出水の件について本工事にかかることについていささかも支障ないということが言えますか。
#99
○参考人(篠原武司君) この種の問題は、実は非常に過大に報告されまして、いままででも四トンくらいが出ておりまして、現在は四トンになっているというふうなこともありますし、今後本坑道にいくまでにはまだ断層地帯がございまして、そこを突破するということが必要なのでございます。それは水平坑に参りましてから間もなくそういう問題にぶつかると思います。北海道側はその断層地帯をすでに突破しておりまして、第一の断層地帯を北海道側は支障なくいまのところ進んでおります。私どもは本工事着工にいささかも支障がないというふうにいまのところは確信しております。
#100
○吉田忠三郎君 そうしますと、副総裁、つまり調査坑のための調査というとボーリングなんかやりますね、その場合に、それぞれの断層に直面した場合、どこの断層でどの程度出水があるということは前もって察知するわけでしょうが、今度の場合、そういうものがあったわけですか。
#101
○参考人(篠原武司君) これはあらかじめこういう海の中で仕事をやる場合には必ず先進ボーリングというものをやりまして、長い距離ボーリングを水平にやりまして、この場合には水平より少し下がりますから、下がったかっこうでボーリングをやって、その断層破砕帯をあらかじめ発見しておくわけです。これは十分にその地点を確認しております。それでその調査坑の、本坑のほうからこれに向かって穴をあけまして注入を始めたわけなんです。注入を始めたときに、多少破砕帯の位置が非常にはすっかいになっていたものですから、かどのところに、破砕帯が近くにあったということで水が多少出てきたということが最初の原因でございます。
#102
○吉田忠三郎君 わかりました。
 それからもう一つは、ウォールマイヤーはもう始動しているのですか、稼働しているのですか。
#103
○参考人(篠原武司君) ウォールマイヤーは北海道側に使いまして、稼働しております。それから竜飛方は水平坑になりましてからウォールマイヤーを使うことにしておりまして、このテストもいまほかの場所でやっております。
#104
○吉田忠三郎君 わかりました。
 調査坑の問題その程度にして、もう一つ伺っておきますが、これは副総裁お出の前で、ほんとうは大臣に聞くのがほんとうですが、大臣いないですから、これは政務次官もよく聞いてもらいたいですが、ただいまこの鉄道建設公団の予算要求もされて審議していますね。そこで、予算のつけ方等なんかについては、これはまあ予算委員会でやることですね、そういうことは別にして、鉄道建設公団の事業の進め方ですよね、私はここに問題が一つある。
 それからもう一つは財政ですね、資金調達等々に問題があって、非常にせっかく建設公団が発足をして関係者が努力をされていますが、当初この建設公団が公団法をつくり上げて発足したときから見ると、どうも計画どおりに財政面においても、資金調達の面においてもなされていない面がありますね。ですから、ここでまあ政務次官にその問題点をどうこう言えということじゃないんですが、私も大臣来たときにこまかな点をあげて、私は意見交換をやろうと思っていますから、それはいいんです。
 もう一つの、進め方の問題で一つ聞いておきますが、進める場合に、鉄道の審議会というのがありますね。この審議会というものは、建設審議会ですよ、一体いつ開いたのかということなんですよね。公団法のときには公団法をつくれという、つまり鉄道建設公団、鉄道にやらしたのじゃさっぱり工事は進まぬから、鉄道建設公団というものをつくってやりなさいという建議をしたのですよ、そのときはやられましたね。その後、私の記憶では、つまりこの鉄道建設審議会というものが開かれたためしがないと政務次官、ぼくは理解しているんですがね、そういう心要のないものがあったらこんな審議会なんてよしたらいいと思うんですよ。ですから行管あたりからも各省庁審議会なんてやめろということになるんですからね、これは行革の一環として。開かれていない。ところがこの審議会は他の審議会と違いまして、現実にこの建設公団というのが生まれちゃったのですから、しかもいまトンネルの話で質疑したように着々建設が進められている。やり方の問題として、いつもつまり壁にぶち当たるのは、公団側としては審議会の答申がきまらなければなかなか、わずかの金でより効果的にやるなんということはできない。ですから公団に聞くと、――これはまたその一つの例ですけれども、企業ですから、でき上がったものを引き受ける場合には、国鉄は赤字が累積していますから、そういうものはいやだとこう言う、そういう何かしら相も変わらずそれぞれの省庁の縄張り争いのようなものがあって、依然として公団をつくり上げたほんとうの意義が果たされていないような気がするんですよ。それで私は幸い――この十六日ですから、おとついの交通新聞というやつを見たのです。これを見ますと、「新線建設を重点に」ということで、「篠原鉄道公団副総裁明年度事業計画で語る」ということで大きく出ていますわ。そこで、この事業計画のほうは私は言いませんがね、篠原さんの談話を読みますと、「三月末ごろ鉄道建設審議会を開いて来年度の新線建設についての方針を協議して決定し、その了解を得て実施することが一番望ましいことだ」と、こう言われているんですよ。これは新聞記者さんが書いていますがね。私もこれは必要だと思うんですが、政務次官、どうなんでしょうか、これは開く意思があるのですか、ないのですかね。
#105
○政府委員(村山達雄君) 率直に申しまして私もまだ政務次官になったばかりでございますが、最近鉄道建設審議会を早目に開けということを方々から聞いているわけでございまして、その間の、従来のいきさつを私聞きまして理解した範囲では、四十一年にこの審議会を開いて、当時審議会の建議が行なわれた。まあ三年間は、いわばその建議に基づいてずっと実施をやってきたが、ことしは予算がたくさんついたことでもあり、そしてまたいろんな建設の関係もあって、国鉄のいろんな問題、輸送の問題が特にやかましい年でもあるし、ことしはぜひ早く開きたいということで、運輸省におきましても、また鉄道公団においてもいま準備を進めているということでございますので、準備のでき次第、できるだけ早く開きたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
#106
○吉田忠三郎君 政務次官、まあできるだけ早い時期に開きたい、こういうことですからね、まあ早く開かれるのだと思いますが、これは日ソ航空協定の時期をみてするという話とやや似たような話になりますな。いまぼくが聞いているのは、交通新聞に三月中と書いてあるんですよ、これは。ここは国会ですよ、こういう問題を扱う運輸委員会ですよ、これは政務次官。しかもこれを具体的に扱っている鉄道建設公団の副総裁がこのことを望んでいるんですよ。また、われわれもいま予算審議していますから、予算審議終わったあとにこういうものをやっても、さらに時期的におくれていくのですよ。ですから、この程度の審議会は、私は予算審議と並行してやっぱりここに書かれているように三月中にですよ、せめてやっぱりそういうものを開いて、明確にいわゆる建設公団の方針というものをきめてやるのがやっぱり運輸省の私は責任だと思うし、仕事だと思うんですがね、どうですか。
#107
○政府委員(村山達雄君) 御意見は全く同じでございまして、もう準備のでき次第できるだけ早くやりたいと思っているわけでございます。
#108
○吉田忠三郎君 いまの私の意見でいいですね。
#109
○政府委員(村山達雄君) はい、できるだけ早く。
#110
○吉田忠三郎君 全く同じということは全く同じですか。
#111
○政府委員(村山達雄君) 早くやりたいという気持ちにおいては全然変わりはない、いま準備をどんどん進めている段階でございます。
#112
○吉田忠三郎君 あまり多く議論してもどうも時間も――なかなか政治家でありますな、ソビエトよりもまだひどい。なかなか真実を明示しないけれども、とにかく大体そこらあたりということでいいんだね、理解は。
#113
○政府委員(村山達雄君) 鉄建公団の副総裁が三月中にやりたいということでございますから、その辺のことも十分考慮に入れながら、運輸省としても、できるだけその時期に合わせて準備を進めてまいりたいと思っております。
#114
○吉田忠三郎君 わかりました。
 あともう基本方針は、これは大臣が来なければだめですから、次回に質問を譲ることにいたしまして、本日はこの程度で私の質問を終わりたいと思います。
#115
○委員長(岡本悟君) 本件に対する質疑は、本日は、この程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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